JP2022010758A - 研磨剤及び研磨方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】シリコン面の研磨速度が抑制される研磨剤を提供すること。【解決手段】砥粒と、下式(1)で表される化合物とを含有する、研磨剤である。R-O-(AO)n-H 式(1)ただし、Rは共役系を含む有機基であって、炭素骨格中にヘテロ原子を有してもよく、当該炭素骨格を構成する原子のうち、共役系を構成する原子の数をC1、共役系を構成しない原子の数をC2としたときに、C1/(C1+C2)≧0.4であり、AOは、オキシアルキレン基を表し、複数あるAOは互いに同一であっても異なっていてもよく、nは、2~200の整数である。【選択図】図1

Description

本発明は、研磨剤及び研磨方法に関し、特に、半導体集積回路の製造における化学的機械的研磨のための研磨剤及び研磨方法に関する。
近年、半導体集積回路の高集積化や高機能化に伴い、半導体素子の微細化および高密度化のための微細加工技術の開発が進められている。従来から、半導体集積回路装置(以下、半導体デバイスともいう。)の製造においては、層表面の凹凸(段差)がリソグラフィの焦点深度を越えて十分な解像度が得られなくなるなどの問題を防ぐため、化学的機械的平坦化法(Chemical Mechanical Polishing:以下、CMPという。)を用いて、層間絶縁膜や埋め込み配線等を平坦化することが行われている。素子の高精細化や微細化の要求が厳しくなるにしたがって、CMPによる高平坦化の重要性はますます増大している。
また近年、半導体デバイスの製造において、半導体素子のより高度な微細化を進めるために、素子分離幅の小さいシャロートレンチによる分離法(Shallow Trench Isolation:以下、STIという。)が導入されている。
STIは、シリコン基板にトレンチ(溝)を形成し、トレンチ内に絶縁膜を埋め込むことで、電気的に絶縁された素子領域を形成する手法である。図1を参照して、STIの一例を説明する。図1の例ではまず、図1(a)に示すように、シリコン基板1の素子領域を窒化ケイ素膜2等でマスクした後、シリコン基板1にトレンチ3を形成し、トレンチ3を埋めるように二酸化ケイ素膜4等の絶縁膜を堆積する。次いで、CMPによって、凹部であるトレンチ3内の二酸化ケイ素膜4を残しながら、凸部である窒化ケイ素膜2上の二酸化ケイ素膜4を研磨し除去することで、図1(b)に示すように、トレンチ3内に二酸化ケイ素膜4が埋め込まれた素子分離構造が得られる。
このようなSTIにおけるCMPでは、二酸化ケイ素膜と窒化ケイ素膜との選択比(二酸化ケイ素膜の研磨速度と窒化ケイ素膜の研磨速度との比を意味する。)を高くすることで、窒化ケイ素膜が露出した時点で研磨の進行を停止させることができる。このように窒化ケイ素膜をストッパ膜として用いる研磨方法では、通常の研磨方法と比べて、より平滑な面を得ることができる。
また、近年のCMP技術では、ストッパ膜の代わりにシリコン基板面で研磨の進行を抑制することも検討されている。また、二酸化ケイ素膜だけでなく窒化ケイ素膜が除去対象の膜となる場合も検討されている。
ストッパ膜としてシリコン(ポリシリコン及びアモルファスシリコンを含む)面が使用される場合、除去対処膜に対するシリコンの研磨速度を減少させる必要がある。
例えば特許文献1では、親水性部分及び親油性部分を有し、前記親水性部分が500g/mol以上の数平均分子量を有する非イオン性界面活性剤を含むCMPスラリーが開示されている。特許文献1によれば、前記非イオン性界面活性剤が、シリコン含有基材表面の研磨速度を抑制するとされている。
特許文献2では、酸化ケイ素と、ストッパ膜としての窒化ケイ素又はポリシリコンとを有する基板の、前記酸化ケイ素を研磨するためのCMP研磨液であって、(1)HLB≧17.5の界面活性剤、(2)無機研磨剤、及び(3)前記(1)界面活性剤以外の水溶性有機高分子を含有するCMP研磨液が開示されている。特許文献2によれば、前記界面活性剤により、酸化ケイ素膜とポリシリコンとの研磨速度の高選択比を保ちつつ、酸化ケイ素膜の高速研磨が達成できるとされている。
特許第5628802号公報 特許第5444625号公報
本発明者は、シリコン基板上に形成されたパターン状のトレンチを有し、当該トレンチ内に絶縁膜を有するパターンウェハの研磨を行う場合、上記特許文献1又は特許文献2に記載の界面活性剤を用いた場合であっても、シリコン面が研磨されることがあり、シリコン面と絶縁膜との選択性が不十分な場合があるとの知見を得た。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、パターンウェハにおいてもシリコン面の研磨速度が抑制される研磨剤及び研磨方法の提供を目的とする。
本発明に係る研磨剤は、砥粒と、下式(1)で表される化合物とを含有する。
R-O-(AO)-H 式(1)
ただし、Rは共役系を含む有機基であって、炭素骨格中にヘテロ原子を有してもよく、当該炭素骨格を構成する原子のうち、共役系を構成する原子の数をC1、共役系を構成しない原子の数をC2としたときに、C1/(C1+C2)≧0.4であり、
AOは、オキシアルキレン基を表し、複数あるAOは互いに同一であっても異なっていてもよく、
nは、2~200の整数である。
上記研磨剤は、前記Rが、アリール基を有していてもよい。
上記研磨剤は、前記式(1)のR-O結合において、R側の原子が、前記アリール基を構成する炭素原子であってもよい。
上記研磨剤は、前記Rが炭化水素基であってもよい。
上記研磨剤は、前記式(1)で表される化合物のHLB値が12~20であってもよい。
上記研磨剤は、前記砥粒が金属酸化物粒子であってもよい。
上記研磨剤は、更に、ポリマーを含有してもよい。
上記研磨剤は、前記ポリマーがアニオン性ポリマーを含んでいてもよい。
上記研磨剤は、前記アニオン性ポリマーがアリール基を有していてもよい。
上記研磨剤は、pHが2~7であってもよい。
上記研磨剤は、表面にシリコン面を含むパターン面を露出するために用いることができる。
本発明に係る研磨方法は、研磨剤を供給しながら被研磨面と研磨パッドを接触させ、両者の相対運動により研磨を行う研磨方法であって、前記研磨剤として前記研磨剤を使用し、半導体基板の酸化ケイ素からなる面を含む被研磨面を研磨することを特徴とする。
上記研磨方法は、前記半導体基板の表面にシリコン面を含むパターン面を露出するものであってもよい。
本発明により、シリコン面の研磨速度が抑制される研磨剤及び研磨方法が提供される。
STIにおいて、CMPにより研磨する半導体基板の一例を示す断面図である。 本研磨剤の作用を説明するための模式的な断面図である。 研磨装置の一例を示す模式図である。 実施例における、パターン研磨速度評価に用いた基板及びその研磨過程を示す模式的な断面図である。
以下、本発明の実施形態について説明する。本発明は以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に合致する限り、他の実施の形態も本発明の範疇に属し得る。
なお、本発明において「被研磨面」とは、研磨対象物の研磨される面であり、例えば表面を意味する。本明細書においては、半導体デバイスを製造する過程で半導体基板に現れる中間段階の表面も、「被研磨面」に含まれる。
本発明において「酸化ケイ素」は具体的には二酸化ケイ素であるが、それに限定されず、二酸化ケイ素以外のケイ素酸化物も含むものとする。
本発明において「選択比」とは、膜A(例えばストッパ膜)の研磨速度(R)の膜(例えば研磨対象膜)の研磨速度(R)に対する比(R/R)を意味する。
また、数値範囲を示す「~」は、その前後に記載された数値を下限値及び上限値として含む。
説明を明確にするため、以下の記載及び図面は、適宜、簡略化されている。また、説明のため図面中の各部材は縮尺が大きく異なることがある。特に研磨面の凹凸形状は極端に誇張している。
[研磨剤]
本発明に係る研磨剤(以下、本研磨剤とも記す。)は、砥粒と、下式(1)で表される化合物(以下、化合物(1)とも記す。)と、を含有することを特徴とする。
R-O-(AO)-H 式(1)
ただし、Rは共役系を含む有機基であって、炭素骨格中にヘテロ原子を有してもよく、当該炭素骨格を構成する原子のうち、共役系を構成する原子の数をC1、共役系を構成しない原子の数をC2としたときに、C1/(C1+C2)≧0.4であり、
AOは、オキシアルキレン基を表し、複数あるAOは互いに同一であっても異なっていてもよく、
nは、2~200の整数である。
本発明によれば、パターンウェハにおいても研磨対象膜の研磨速度を維持しながら、シリコン面の研磨速度が抑制された研磨剤が得られる。その作用については未解明の部分もあるが以下のように推測される。
図2は、本研磨剤の作用を説明するための模式的な断面図である。図2(B)を目標に、図2(A)の状態から研磨を開始した場合、通常の製造工程では、図2(B)の状態となった瞬間に研磨を止めることはできず、更に研磨を進めてしまう場合が多い。この時、シリコン面が削れてしまうことがある。
これに対し、例えば、特許文献1に記載の非イオン性界面活性剤を用いた場合、シリコン面上に当該非イオン界面活性剤が被覆することにより、シリコン面の研磨が抑制されるとされている。しかしながら、窒化ケイ素膜や酸化ケイ素膜と、シリコンとがパターン状に配置されたパターンウェハの場合、当該窒化ケイ素膜又は酸化ケイ素膜と、シリコンとの選択比が大きくなる結果、図2(C)に示されるように研磨対象面が削られすぎで表面に凹部(ディッシング)が形成されることがある。この状態から更に研磨処理が進められると、シリコン面の端部に大きな負荷がかかるものと推定される。その結果、図2(D)に示されるようにシリコン面の端部から削られて、シリコン面の研磨が進行してしまうものと推定される。
本研磨剤に含まれる化合物(1)は共役系を有している。当該、共役系のπ電子が研磨対象である窒化ケイ素や酸化ケイ素と相互作用することで、膜表面に化合物(1)の共役系が吸着するものと推定される。これにより研磨対象膜の研磨速度が低下してディッシングの形成が抑制されるものと推定される。更に、化合物(1)のポリオキシアルキレン基はシリコンとの親和性が高いことから、化合物(1)の一部は、共役系が窒化ケイ素又は酸化ケイ素吸着するとともにポリオキシアルキレン基がシリコン基板に吸着して、シリコン面の端部を保護するものと推定される。
このようなことから、パターンウェハにおいてもシリコン面の研磨速度が抑制されるという効果が得られる。
本発明に係る研磨剤は、少なくとも、砥粒と、化合物(1)とを含有するものであり、上記本発明の効果を奏する範囲で、更に他の成分を含有してもよいものである。以下、本研磨剤に含まれ得る各成分について順に詳細に説明する。
<化合物(1)>
本研磨剤は、前記式(1)で表される化合物を含有する。
Rは、Rは共役系を含む有機基である。共役系としては、炭素-炭素二重結合、炭素-炭素三重結合、アリール基及びこれらの組み合わせが挙げられ、当該組み合わせの具体例としては、アセチレン基、エチレン基、ポリアセチレン、フェニルエテニル基、ビフェニル基、テルフェニル基などが挙げられる。化合物(1)中に、共役系は1つであってもよく、2つ以上有していてもよい。共役系が2以上有する例としては、例えば、クミルフェニル基など2以上のアリール基がアルキル基により連結した構造などが挙げられる。
これらの共役系はいずれも窒化ケイ素膜及び酸化ケイ素膜に吸着する。被覆面が大きい点や、化合物(1)の安定性の点から、共役系としてはアリール基を含むことが好ましい。アリール基としては、フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基、ピレニル基などの芳香族炭化水素環基であってもよく、フリル基、チオフェニル基、ピリジル基などの芳香族複素環基であってもよい。アリール基は置換基として、炭化水素基を有していてもよい。当該アルキル基としては、炭素数が1~20の分岐を有していてもよく、置換基としてフェニル基を有していてもよく、ヘテロ原子を有していてもよいアルキル基などが挙げられる。
Rが有していてもよいヘテロ原子としては、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、ケイ素原子などが挙げられる。ヘテロ原子は、アリール基内に含まれていることが好ましい。Rは更に構造の安定性や、窒化ケイ素や酸化ケイ素に吸着しやすい点から、ヘテロ原子を有しない炭化水素基であることが好ましい。
Rがアリール基を有する場合、当該アリール基を構成する炭素原子が、-O-(AO)-Hの酸素原子に結合していることが、窒化ケイ素や酸化ケイ素への吸着、及び、シリコン面への吸着の点から好ましい。
Rは、炭素骨格を構成する原子(炭素原子+ヘテロ原子)のうち、共役系を構成する原子の数をC1、共役系を構成しない原子の数をC2としたときに、C1/(C1+C2)≧0.4である。共役系を構成する原子が40%以上あることにより、窒化ケイ素や酸化ケイ素への吸着性に優れている。C1/(C1+C2)の上限は1以下であればよく、0.9以下が好ましく、0.8以下が更に好ましい。
AOのオキシアルキレン基としては、炭素数1~6のオキシアルキレン基が挙げられ、親水性やシリコン面への吸着性の点から、オキシエチル基(-OCHCH-)又はオキシプロピル基(-OCHCHCH-、又は-OCHCH(CH)-)が好ましく、オキシエチル基がより好ましい。
AOの繰り返し単位数nは、2~200であればよい。親水性やシリコン面への吸着性の点から、5以上が好ましく、10以上がより好ましい。一方、nは200以下で十分であり、製造の容易性などの点から、180以下が好ましく、150以下がより好ましい。
化合物(1)は、HLB値が12~20であることが好ましい。HLB値が12以上であれば、水に安定して分散ないし溶解するため、研磨剤中での均一性に優れている。なお、本発明において、HLB値はグリフィン法により求められる値を用い、化合物(1)が2種以上の組み合わせの場合は、その平均値を用いるものとする。
化合物(1)の好適な具体例として、以下の化合物が挙げられる。下式中のAO及びnは、式(1)におけるものと同様である。なお、化合物(1-1)のC1/(C1+C2)は0.4、化合物(1-2)のC1/(C1+C2)は0.8、化合物(1-3)のC1/(C1+C2)は1である。
Figure 2022010758000002
化合物(1)は合成により入手してもよく、市販品を用いてもよい。一例として、下記化合物(2)に、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイドなどのアルキレンオキサイドを付加重合することで化合物(1)を得ることができる。なお式(2)中のRは式(1)におけるものと同様であり、好ましい態様も同様である。
R-OH 式(2)
本研磨剤中の化合物(1)の含有割合は、研磨剤全体に対して0.001質量%~1質量%が好ましく、0.005質量%~0.5質量%がより好ましい。0.001質量%以上とすることで、シリコンの研磨速度が十分に抑制される。一方、1質量%以下とすることで、砥粒の分散性及び分散安定性に優れた研磨剤となる。
<砥粒>
本研磨剤は、砥粒を含有する。砥粒としては、CMP用の砥粒として用いられるものの中から、適宜選択して用いることができる。窒化ケイ素や酸化ケイ素の研磨速度に優れる点からは、砥粒が金属酸化物粒子であることが好ましい。
金属酸化物としては、酸化セリウム、アルミナ、シリカ、チタニア、ジルコニアからなる群より選択される金属の酸化物が挙げられる。窒化ケイ素や酸化ケイ素の研磨速度に優れる点からは、中でも、酸化セリウムが好ましい。
砥粒用の酸化セリウム粒子は、公知のものから適宜選択して用いることができる。例えば、特開平11-12561号公報、特開2001-35818号公報、特表2010-505735号公報に記載された方法で製造された酸化セリウム粒子が挙げられる。具体的には、硝酸セリウム(IV)アンモニウム水溶液にアルカリを加えて水酸化セリウムゲルを作製し、これをろ過、洗浄、焼成して得られた酸化セリウム粒子;高純度の炭酸セリウムを粉砕後焼成し、さらに粉砕、分級して得られた酸化セリウム粒子;液中でセリウム(III)塩を化学的に酸化して得られた酸化セリウム粒子などが挙げられる。
金属酸化物粒子の平均粒子径は、0.01~0.5μmが好ましく、0.03~0.3以下がより好ましい。平均粒子径が0.5μm以下であれば、被研磨面に生じるスクラッチ等の研磨キズの発生が抑制される。また、平均粒子径が0.01μm以上であれば、粒子の粗大な凝集が抑制され研磨剤の保存安定性に優れるとともに、研磨速度にも優れている。
金属酸化物粒子は、液中において一次粒子が凝集した凝集粒子(二次粒子)として存在しているので、金属酸化物粒子の好ましい粒径を、平均二次粒子径で表すものとする。すなわち、上記数値範囲を示した平均粒子径は、通常、平均二次粒子径である。平均二次粒子径は、純水などの分散媒中に分散した分散液を用いて、レーザー回折・散乱式などの粒度分布計を使用して測定される。
砥粒の含有割合(濃度)は、研磨剤全体に対して0.05~2.0質量%が好ましく、0.10~0.5質量%がより好ましい。砥粒の含有割合が上記下限値以上であれば、優れた研磨速度が得られる。一方、砥粒の含有割合が上記上限値以下であれば、本研磨剤の粘度の上昇が抑制され、取扱い性に優れている。
<分散媒>
本研磨剤は、スラリー状で用いることが好ましく、この場合、通常、分散媒を含有する。分散媒としては、少なくとも常温(25℃)で液状であり、化合物(1)を分散又は溶解し、砥粒を良好に分散できるものの中から適宜選択することができる。本研磨剤においては、取り扱い性に優れる点から、分散媒として水を用いることが好ましい。
<他の成分>
本研磨剤は、上記本発明の効果を奏する範囲で、更に他の成分を含有してもよい。他の成分としては、pH調整剤、分散剤、潤滑剤、ポリマーなどが挙げられる。
上記分散剤は砥粒のコロイドの分散性及び分散安定性を向上するために必要に応じて用いられる。分散剤としては、陰イオン性、陽イオン性、ノニオン性、両性の界面活性剤や、陰イオン性、陽イオン性、ノニオン性、両性の高分子化合物が挙げられ、これらの1種または2種以上を含有させることができる。
上記潤滑剤は、研磨剤の潤滑性を向上し、研磨速度の面内均一性を向上させるために必要に応じて用いられる。潤滑剤の例として、ポリエチレングリコール、ポリグリセリンなどの水溶性高分子が挙げられる。
(ポリマー)
本研磨剤は、ポリマーを含有してもよい。当該ポリマーは砥粒又は被研磨面に吸着することで砥粒と被研磨面の間の化学的相互作用を抑制させ、窒化ケイ素や酸化ケイ素の研磨速度を制御することができる。この効果により研磨速度を適正に制御することができるほか、表面にシリコン面が露出した後に窒化ケイ素膜や酸化ケイ素膜に生じるディッシングが抑制される。
ポリマーは、上記の効果を奏するものの中から適宜選択することができ1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。中でも、シリコンの研磨レートをより低くすることが可能な点から、アニオン性ポリマーを含むことが好ましい。
アニオン性ポリマーとしては、酸性基を有するポリマーが好ましい。酸性基としては、スルホ基、ホスホ基、カルボキシ基、又はこれらの塩が挙げられる。研磨対象が酸化ケイ素膜である場合はカルボキシ基が望ましく、研磨対象が窒化ケイ素膜である場合は強酸性下でも電離状態が安定する点からスルホ基又はホスホ基が好ましい。
また、アニオン性ポリマーは、アリール基を有することが好ましい。アリール基を有するアニオン性ポリマーは、当該アリール基のπ電子が研磨対象である窒化ケイ素や酸化ケイ素と相互作用することで、膜表面に吸着するものと推定される。これにより窒化ケイ素膜や酸化ケイ素膜のディッシングが抑制される。更に、本研磨剤においては、アニオン性ポリマーが有するアリール基と、前記化合物(1)が有する共役系とπ-πスタッキングすることで、窒化ケイ素膜や酸化ケイ素膜のディッシングが更に抑制されるものと推定される。
アニオン性ポリマーが有するアリール基としては、フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基、ピレニル基などの芳香族炭化水素環基であってもよく、フリル基、チオフェニル基、ピリジル基などの芳香族複素環基であってもよい。化合物(1)と相互作用して窒化ケイ素膜や酸化ケイ素膜のディッシングを抑制する点からは、フェニル基又はナフチル基が好ましい。
アニオン性ポリマーの具体例としては、ポリアクリル酸;スチレンアクリル酸共重合物;スチレンマレイン酸共重合物;2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸とアクリル酸の共重合物;2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸とマレイン酸の共重合物;3-アリルオキシ-2-ヒドロキシ-1-プロパンスルホン酸とアクリル酸の共重合物;3-アリルオキシ-2-ヒドロキシ-1-プロパンスルホン酸とマレイン酸の共重合物;2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸と3-アリルオキシ-2-ヒドロキシ-1-プロパンスルホン酸とマレイン酸の共重合物とアクリル酸の共重合物;2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸と3-アリルオキシ-2-ヒドロキシ-1-プロパンスルホン酸とマレイン酸の共重合物とマレイン酸の共重合物;ポリビニルアルコールのスルホン酸変性物;スチレンスルホン酸とマレイン酸共重合物;スチレンスルホン酸とスチレン共重合物;ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物;ポリp-スチレンスルホン酸などが挙げられ、中でも、スルホ基を含むポリマーが好ましく、スチレンスルホン酸マレイン酸共重合物;ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物;又はポリp-スチレンスルホン酸がより好ましく、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物又はポリp-スチレンスルホン酸がさらに好ましい。
アニオン性ポリマーは1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
本研磨剤にポリマーを用いる場合、その含有割合は、研磨剤全体に対して、0.0001~1質量%が好ましい。ポリマーの種類により、酸化ケイ素膜または窒化ケイ素膜の研磨速度に与える影響は大きく異なるため、実際には所定の研磨速度となるようポリマーの量が調整される。
(pH調整剤)
本研磨剤は、pHを調節するためにpH調整剤を含有してもよい。pH調整剤としては、公知の無機酸、有機酸、塩基性化合物や、アミノ酸などの両性化合物、及びこれらの塩の中から、適宜選択して用いることができる。
無機酸としては、例えば、硝酸、硫酸、塩酸、リン酸等が挙げられ、これらのアンモニウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩等を用いてもよい。
有機酸としては、例えば、カルボン酸類、有機スルホン酸類、有機リン酸類などが挙げられ、これらのアンモニウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩等を用いてもよい。
カルボン酸類としては、例えば、酢酸、プロピオン酸、乳酸、酒石酸、シュウ酸、マレイン酸などが挙げられる。有機スルホン酸類としては、例えば、ベンゼンスルホン酸、トシル酸などが挙げられる。また有機リン酸類としては、メチルホスホン酸、ジメチルホスフィン酸などが挙げられる。
塩基性化合物としては、アンモニア、水酸化カリウム、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、エチレンジアミンなどが挙げられる。
また、両性化合物としては、グリシン、アラニン、フェニルアラニンなどが挙げられる。
本研磨剤は後述するように酸性条件で使用されることが好ましいため、pH調整剤は酸性物質が好ましい。また、pH緩衝能を持たせるため研磨剤の使用pH域とpKaが近い酸を用いるのが好適であり、その意味においてカルボン酸、ホスホン酸、リン酸が好適である。中でもリン酸は、窒化ケイ素膜研磨速度を向上させるため好適である。
pH調整剤の含有割合は、所望のpHになるように適宜調整すればよい。一例として、本研磨剤全体に対して0.005~2.0質量%とすることができ、0.01~1.5質量%が好ましく、0.01~0.3質量%が好ましい。
なお、本研磨剤のpHは7以下が好ましく、2~7がより好ましい。pHを7以下とすることで、窒化ケイ素膜及び酸化ケイ素膜の研磨速度が向上し、砥粒である金属酸化物粒子の分散安定性も向上する。本研磨剤のpHは、中でも2~6が好ましく、2.0~5.5がより好ましい。特に窒化ケイ素膜を研磨対象とする場合、窒化ケイ素膜の加水分解を促すためにpHが2.0~3.5の強酸性が好ましい。
<本研磨剤の調製方法>
本研磨剤の調製方法は、本研磨剤に含まれ得る各成分が前記分散媒中に均一に分散ないし溶解する方法の中から適宜選択すればよい。
例えば、分散媒に、砥粒と、化合物(1)と、必要に応じて用いられる他の成分とを添加し、撹拌することで、本研磨剤を調整してもよく、砥粒の分散液と、化合物(1)の溶液とをそれぞれ準備した後、これらを混合してもよい。当該混合は、研磨装置内で行ってもよい。
<本研磨剤を用いた研磨方法>
本研磨剤を用いた研磨方法としては、例えば、本研磨剤を供給しながら研磨対象物の被研磨面と研磨パッドとを接触させ、両者の相対運動により研磨を行う方法が挙げられる。ここで、研磨が行われる被研磨面は、例えば、半導体基板の表面に二酸化ケイ素膜又は窒化ケイ素が前面に成膜されたブランケットウェハ、およびこれらの膜種がパターン状に配置されたパターンウェハなどが挙げられる。
本研磨剤を用いて窒化ケイ素膜又は酸化ケイ素膜を研磨する場合、半導体基板のシリコン面がストッパ膜として機能する。当該シリコン面は、シリコンの単結晶であってもよく、ポリシリコンやアモルファスシリコンであってもよい。本研磨剤を用いることで、従来比較的研磨されやすかったポリシリコンやアモルファスシリコンであっても研磨が抑制される。本研磨剤によれば、例えば、シリコン面がポリシリコンやアモルファスシリコンのパターンウェハであっても当該シリコン面の研磨量を10Å以下にまで抑制することができる。
STI用基板における二酸化ケイ素膜としては、テトラエトキシシラン(TEOS)を原料にしてプラズマCVD法で成膜された、いわゆるPE-TEOS膜が挙げられる。また、二酸化ケイ素膜として、高密度プラズマCVD法で成膜された、いわゆるHDP膜を挙げることができる。また、その他のCVD法で成膜されたHARP膜やFCVD膜、スピンコートで製膜されるSOD膜を使用することもできる。窒化ケイ素膜としては、シランまたはジクロロシランとアンモニアを原料として、低圧CVD法やプラズマCVD法で成膜したものやALD法で成膜したものが挙げられる。
本発明の実施形態の研磨方法には、公知の研磨装置を使用できる。図3は、研磨装置の一例を示す模式図である。図3の例に示す研磨装置20は、STI基板のような半導体基板21を保持する研磨ヘッド22と、研磨定盤23と、研磨定盤23の表面に貼り付けられた研磨パッド24と、研磨パッド24に研磨剤25を供給する研磨剤供給配管26とを備えている。研磨剤供給配管26から研磨剤25を供給しながら、研磨ヘッド22に保持された半導体基板21の被研磨面を研磨パッド24に接触させ、研磨ヘッド22と研磨定盤23とを相対的に回転運動させて研磨を行うように構成されている。
研磨ヘッド22は、回転運動だけでなく直線運動をしてもよい。また、研磨定盤23および研磨パッド24は、半導体基板21と同程度またはそれ以下の大きさであってもよい。その場合は、研磨ヘッド22と研磨定盤23とを相対的に移動させることにより、半導体基板21の被研磨面の全面を研磨できるようにすることが好ましい。さらに、研磨定盤23および研磨パッド24は回転運動を行うものでなくてもよく、例えばベルト式で一方向に移動するものであってもよい。
このような研磨装置20の研磨条件には特に制限はないが、研磨ヘッド22に荷重をかけて研磨パッド24に押し付けることでより研磨圧力を高め、研磨速度を向上させることができる。研磨圧力は0.5~50kPa程度が好ましく、研磨速度における半導体基板21の被研磨面内の均一性、平坦性、スクラッチなどの研磨欠陥防止の観点から、3~40kPa程度がより好ましい。研磨定盤23および研磨ヘッド22の回転数は、50~500rpm程度が好ましい。また、研磨剤25の供給量については、研磨剤の組成や上記各研磨条件等により適宜調整される。
研磨パッド24としては、不織布、発泡ポリウレタン、多孔質樹脂、非多孔質樹脂などからなるものを使用することができる。研磨パッド24への研磨剤25の供給を促進し、あるいは研磨パッド24に研磨剤25が一定量溜まるようにするために、研磨パッド24の表面に格子状、同心円状、らせん状などの溝加工を施してもよい。また、必要に応じて、パッドコンディショナーを研磨パッド24の表面に接触させて、研磨パッド24表面のコンディショニングを行いながら研磨してもよい。
以下、本発明を実施例および比較例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。以下の例において、「%」は、特に断らない限り質量%を意味する。また、特性値は下記の方法により測定し評価した。なお、例1~5は実施例、例6は比較例である。
[pH]
pHは、東亜ディーケーケー社製のpHメータHM-30Rを使用して測定した。
[研磨特性]
研磨特性は、全自動CMP研磨装置(Applied Materials社製、装置名:Mirra)を用いて以下の研磨を行い評価した。研磨パッドは、2層ポリウレタンパッド(ShoreD値が65のもの)を使用し、研磨パッドのコンディショニングには、CVDダイヤモンドパッドコンディショナー(Kinik社製、商品名:Pyradia 179B)を使用した。研磨条件は、研磨圧力を21kPa、研磨定盤の回転数を77rpm、研磨ヘッドの回転数を73rpmとした。また、研磨剤の供給速度は200ミリリットル/分とした。
[ブランケット膜]
ポリシリコン膜および窒化ケイ素膜の研磨速度を測定するために、研磨対象物(被研磨物)として、8インチシリコンウェハ上に、ポリシリコン(poly-Si)を成膜したブランケット基板および窒化ケイ素(LP-SiN)を成膜したブランケット基板を準備した。
[Siパターン膜]
パターン膜におけるポリシリコン膜の研磨速度を測定するために、SEMATEC864、STIパターン構造で、ストップ層をpoly-Siとし、LP-SiN膜を製膜したパターンウェハを準備した。
[研磨速度測定装置]
ブランケット基板及びパターン基板の膜厚の測定には、KLA-Tencor社の膜厚計UV-1280SEを使用した。
[ブランケット研磨速度]
ブランケット基板では、研磨前の膜厚と1分間研磨後の膜厚との差を求めることで、ポリシリコン膜および窒化ケイ素膜の研磨速度を算出した。基板の面内49点の研磨速度より得られた研磨速度の平均値(Å/分)を、研磨速度の評価指標とした。
[パターン研磨速度]
パターン基板として、図4(A)に示されるような、ライン部(ポリシリコン)の幅(L)が10μm、スペース部(窒化ケイ素)の幅(S)が90μmのパターンを準備した。当該ライン/スペース比は本発明者が事前検討した結果、ポリシリコンが削れやすくなる比率である。上層の窒化ケイ素膜を除去してポリシリコン膜が露出するまで段階的に研磨を行い、ポリシリコン膜が露出したことを確認した(図4(B))。図4(B)の状態を初期状態として、追加で30秒の研磨を実施した(図4(C))。この30秒の研磨におけるポリシリコン膜の膜厚変化(d)から、1分あたりのポリシリコン研磨速度を計算した。
[例1:研磨剤の調製]
平均二次粒子径60nmの酸化セリウム粒子を純水に分散させた酸化セリウム分散液(以下、酸化セリウム分散液aという。)を準備した。
次いで、酸化セリウム分散液aに純粋を加え、研磨剤全量に対して酸化セリウムが0.1質量%となるように調製した。次いで、ポリオキシエチレン(60)ジスチリルフェニルエーテルを0.030質量%となるように加え、アニオン性ポリマーとして、ポリp-スチレンスルホン酸を加えて撹拌し、さらにリン酸を加えてpH2.5に調整し、スラリー状の研磨剤(1)を得た。ここで、ポリp-スチレンスルホン酸は窒化珪素膜の研磨速度が600±50Å/minとなるように調整した。
[例2~6:研磨剤の調製]
前記例1において、化合物(1)及びアニオン性ポリマーを表1のように変更した以外は、例1と同様にして、例2~6の研磨剤(2)~(6)を得た。
上記各例で得られた研磨剤(1)~(6)の研磨特性を、それぞれ上記方法で測定した。測定結果を表1に示す。
Figure 2022010758000003
表1に示されるように、ポリシリコンのブラケット膜の研磨速度(Siブランケットレート:RSi)は、例1~例6のいずれも10Å/分未満となっている。しかしながら、上記パターン研磨速度評価において測定されたSiパターンレート(RSiP)はRSiより上昇する傾向がみられた。化合物(1)を含有する例1~例5の研磨剤を用いた場合には、他の界面活性剤を含有する例6の研磨剤と比較して、Siパターンレートの上昇が抑制されていることが示された。中でも、フェニル基を有するアニオン性ポリマーを組み合わせて用いた例1~例4の研磨剤は、パターンウェハにおけるポリシリコンの研磨速度の上昇が大幅に抑制されることが明らかとなった。
本発明の研磨剤は、シリコン面の研磨速度が抑制されるため、例えば、シリコン面と、酸化ケイ素膜又は窒化ケイ素膜パターン状に配置されたパターンウェハにおいて、表面にシリコン面を含むパターン面を露出するために好適に用いることができる。したがって、本発明の酸化セリウムは、半導体デバイス製造におけるSTI用絶縁膜の平坦化に好適している。
1…シリコン基板、2…窒化ケイ素膜、3…トレンチ、4…酸化ケイ素膜、5…窒化ケイ素膜または酸化ケイ素膜、20…研磨装置、21…半導体基板、22…研磨ヘッド、23…研磨定盤、24…研磨パッド、25…研磨剤、26…研磨剤供給配管。

Claims (13)

  1. 砥粒と、下式(1)で表される化合物とを含有する、研磨剤。
    R-O-(AO)-H 式(1)
    ただし、Rは共役系を含む有機基であって、炭素骨格中にヘテロ原子を有してもよく、当該炭素骨格を構成する原子のうち、共役系を構成する原子の数をC1、共役系を構成しない原子の数をC2としたときに、C1/(C1+C2)≧0.4であり、
    AOは、オキシアルキレン基を表し、複数あるAOは互いに同一であっても異なっていてもよく、
    nは、2~200の整数である。
  2. 前記Rが、アリール基を有する、請求項1に記載の研磨剤。
  3. 前記式(1)のR-O結合において、R側の原子が、前記アリール基を構成する炭素原子である、請求項2に記載の研磨剤。
  4. 前記Rが炭化水素基である、請求項1~3のいずれか一項に記載の研磨剤。
  5. 前記式(1)で表される化合物のHLB値が12~20である、請求項1~4のいずれか一項に記載の研磨剤。
  6. 前記砥粒が金属酸化物粒子である、請求項1~5のいずれか一項に記載の研磨剤。
  7. 更に、ポリマーを含有する、請求項1~6のいずれか一項に記載の研磨剤。
  8. 前記ポリマーがアニオン性ポリマーを含む、請求項7に記載の研磨剤。
  9. 前記アニオン性ポリマーが、アリール基を有する、請求項8に記載の研磨剤。
  10. pHが2~7である、請求項1~9のいずれか一項に記載の研磨剤。
  11. 表面にシリコン面を含むパターン面を露出するために用いる、請求項1~10のいずれか一項に記載の研磨剤。
  12. 研磨剤を供給しながら被研磨面と研磨パッドを接触させ、両者の相対運動により研磨を行う研磨方法であって、前記研磨剤として請求項1~11のいずれか一項に記載の研磨剤を使用し、半導体基板の酸化ケイ素からなる面を含む被研磨面を研磨することを特徴とする研磨方法。
  13. 前記半導体基板の表面にシリコン面を含むパターン面を露出する、請求項12に記載の研磨方法。
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