JP2022010632A - 遊技機 - Google Patents

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Toshio Ogura
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Abstract

【課題】好適な制御を行う遊技機を提供すること。【解決手段】第1特別図柄および第2特別図柄の変動が実行される場合、数値情報を更新し、数値情報が変動回数としての800回に対応する「0」となる特別条件が成立したときに高ベース状態に制御可能であり、特別条件が成立する前の低確率状態において、該特別条件が成立するまでの残余変動回数を示唆する示唆演出を実行可能であり、小当り遊技状態に制御されたときと潜確大当りに制御されたときとで共通する共通演出を実行可能であり、共通演出の実行中における示唆演出の実行を制限する。これにより、興趣の低下を抑制することができる。【選択図】図8-33

Description

本発明は、始動条件が成立したことにもとづいて識別情報の可変表示を実行し、可変表示結果として特定表示結果が導出表示されたことにもとづいて遊技者にとって有利な有利状態に制御可能なパチンコ機等の遊技機に関する。
遊技機として、遊技媒体である遊技球を発射装置によって遊技領域に発射し、遊技領域に設けられている入賞口などの入賞領域に遊技球が入賞すると、所定個の賞球が遊技者に払い出されるものがある。さらに、識別情報を可変表示(「変動」ともいう。)可能な可変表示装置が設けられ、可変表示装置において識別情報の可変表示の表示結果が特定表示結果となった場合に、遊技状態(遊技機の状態。よって、具体的には、遊技機が制御されている状態。)を変更して、所定の遊技価値を遊技者に与えるように構成されたものがある(いわゆるパチンコ機)。
なお、遊技価値とは、遊技機の遊技領域に設けられた可変入賞球装置の状態が、打球が入賞しやすい遊技者にとって有利な状態になることや、遊技者にとって有利な状態になるための権利を発生させたりすることや、賞球払出の条件が成立しやすくなる状態になることである。
パチンコ遊技機では、始動入賞口に遊技球が入賞したことにもとづいて可変表示装置において開始される特別図柄(識別情報)の可変表示の表示結果として、あらかじめ定められた特定の表示態様が導出表示された場合に、「大当り」が発生する。なお、導出表示とは、図柄(最終停止図柄)を最終的に停止表示させることである。大当りが発生すると、例えば、大入賞口が所定回数開放して打球が入賞しやすい大当り遊技状態に移行する。そして、各開放期間において、所定個(例えば、10個)の大入賞口への入賞があると大入賞口は閉成する。そして、大入賞口の開放回数は、所定回数(例えば、15ラウンド)に固定されている。なお、各開放について開放時間(例えば、29秒)が決められ、入賞数が所定個に達しなくても開放時間が経過すると大入賞口は閉成する。以下、各々の大入賞口の開放期間をラウンドということがある。また、ラウンドにおける遊技をラウンド遊技ということがある。
また、可変表示装置において、最終停止図柄(例えば、左中右図柄のうち中図柄)となる図柄以外の図柄が、所定時間継続して、特定の表示結果と一致している状態で停止、揺動、拡大縮小もしくは変形している状態、または、複数の図柄が同一図柄で同期して変動したり、表示図柄の位置が入れ替わっていたりして、最終結果が表示される前で大当り発生の可能性が継続している状態(以下、これらの状態をリーチ状態という。)において行われる演出をリーチ演出という。また、リーチ状態やその様子をリーチ態様という。さらに、リーチ演出を含む可変表示をリーチ可変表示という。そして、可変表示装置に変動表示される図柄の表示結果が特定の表示結果でない場合には「はずれ」となり、変動表示状態は終了する。遊技者は、大当りをいかにして発生させるかを楽しみつつ遊技を行う。
そのような遊技機において、可変表示が実行されやすい特別状態に制御可能な遊技機が知られている。例えば、特許文献1には、通常の遊技状態で実行された特図ゲームの回数(可変表示の実行回数)が1000回(特別回数)に達しても大当り(有利状態)が発生しないときには(特別条件の成立)、遊技状態が確変状態に制御され、特図ゲームの結果として大当りとすることが決定される確率が1/100程度に高められ、以降の特図ゲームでは大当りが発生しやすくなることが記載されている。また、特許文献1には、通常の遊技状態で特図ゲームの回数(可変表示の実行回数)が1000回に達しても大当りが生じなかったときに、確変状態の代わりに時短状態を発生させるものとしてもよいことが記載されている。
特開2005-95449号公報(0058、0133)
しかし、特許文献1に記載された遊技機では、制御に改善の余地があった。
そこで、本発明は、好適な制御を行う遊技機を提供することを目的とする。
本発明による遊技機は、始動条件が成立したことにもとづいて識別情報の可変表示を実行し、可変表示結果として特定表示結果(例えば、大当り図柄)が導出表示されたことにもとづいて遊技者にとって有利な有利状態(例えば、大当り遊技状態)に制御可能な遊技機であって、
識別情報の可変表示として、第1始動条件(例えば、第1始動入賞口への遊技球の入賞)が成立することにもとづく第1識別情報(例えば、第1特別図柄)の可変表示と、第2始動条件(例えば、第2始動入賞口への遊技球の入賞)が成立することにもとづく第2識別情報(例えば、第2特別図柄)の可変表示と、を実行可能な可変表示実行手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ100におけるステップS110~S113を実行する部分)と、
第1識別情報の可変表示が実行される場合と、第2識別情報の可変表示が実行される場合と、で数値情報(例えば、救済時短回数カウンタ)を更新可能な更新手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ100における、ステップ022IWS71を行う部分)と、
非特別状態(例えば、低ベース状態)よりも始動条件が成立しやすい特別状態(例えば、高ベース状態)と、非特定状態(例えば、低確率状態)よりも有利状態に制御されやすい特定状態(例えば、高確率状態)と、に制御可能な状態制御手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ100がステップ022IWS171B,S538,S541Aの処理を実行する部分)と、
可変表示結果として所定表示結果(例えば、小当り図柄)が導出表示されたことにもとづいて遊技者にとって有利であって有利状態と異なる特殊状態(例えば、小当り遊技状態)に制御可能な特殊状態制御手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ100がステップ022IWS114~S116の処理を実行する部分)と、を備え、
有利状態として、特定有利状態(例えば、潜確大当り)に制御可能であって(図8-4参照)、
状態制御手段は、
更新手段が更新した数値情報が可変表示の実行回数としての特別回数(例えば、800回)に対応する特定値(例えば、救済時短回数カウンタの値が「0」)となることによって特別条件が成立したときに特別状態に制御可能であり(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、ステップ022IWS74,S75,S171Bを実行する)、
特定有利状態の後に特定状態および非特別状態に制御可能であり(例えば、潜確大当りの後に潜確状態に制御可能である。図8-27参照)、
特殊状態に制御される前と前記特殊状態に制御された後とで遊技状態が変化せず(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、小当り遊技状態に制御することにもとづいては遊技状態を変化させない。例えば、高ベース状態において小当り遊技状態に制御した場後には引き続き高ベース状態に制御し、高確率状態において小当り遊技状態に制御した場後には引き続き高確率状態に制御する)、
特殊状態に制御されたときと特定有利状態に制御されたときとで共通する共通演出(例えば、小当り遊技状態または潜確大当りにもとづく大当り遊技状態の後の50回目以内の変動における潜伏モードの背景表示)を実行可能な共通演出実行手段(例えば、演出制御用CPU120における、ステップ022IWS640Bの処理を実行する部分)と、
特別条件が成立する場合に特別状態に制御されることを示す特殊演出(例えば、時短突入演出)を実行可能な特殊演出実行手段(例えば、演出制御用CPU120における、ステップ022IWS809の処理を実行することにより、変動パターンに応じて時短突入演出を実行する部分)と、をさらに備え、
特別条件が成立する可変表示に基づいて特殊状態に制御されるときに、共通演出が実行されずに特殊演出が実行され(例えば、演出制御用CPU120は、小当り変動にて救済条件が成立した場合、時短突入演出を行うとともに潜伏モードに制御しない)、
特別条件が成立する可変表示に基づいて特定有利状態に制御されるときに、特殊演出が実行されずに共通演出が実行される(例えば、演出制御用CPU120は、潜確大当り変動にて救済条件が成立した場合、時短突入演出を行わずに潜伏モードに制御する)
ことを特徴とする。
そのような構成によれば、特別条件が成立するときに特殊状態または特定状態に制御される場合に、内部状態に応じた適切な演出を実行でき、演出上の矛盾の発生を回避でき、興趣の低下を抑制することができる。
この実施の形態におけるパチンコ遊技機の正面図である。 パチンコ遊技機に搭載された各種の制御基板などを示す構成図である。 遊技制御メイン処理の一例を示すフローチャートである。 遊技制御用タイマ割込み処理の一例を示すフローチャートである。 特別図柄プロセス処理の一例を示すフローチャートである。 演出制御メイン処理の一例を示すフローチャートである。 演出制御プロセス処理の一例を示すフローチャートである。 特徴部022IWにおけるパチンコ遊技機の正面図である。 設定値ごとの大当り確率および小当り確率を説明するための説明図である。 設定値ごとの大当り確率および小当り確率を説明するための説明図である。 大当り種別判定テーブルを示す説明図である。 移行契機毎の時短回数と、設定値毎の救済時短到達率とを説明するための説明図である。 特徴部022IWにおける変動パターンテーブルの具体例を示す説明図である。 特徴部022IWにおける変動パターンテーブルの具体例を示す説明図である。 変動パターンテーブルの選択条件を示す説明図 演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。 演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。 特徴部022IWにおける遊技制御メイン処理を示すフローチャートである。 遊技制御用タイマ割込み処理の一例を示すフローチャートである。 外部出力される外部出力信号の一例を示す説明図である。 外部出力される試験信号の例を示す説明図である。 外部出力される試験信号の例を示す説明図である。 試験端子処理における各試験信号の出力に関わる処理例を示すフローチャートである。 試験端子処理における各試験信号の出力に関わる処理例を示すフローチャートである。 、特徴部022IWにおける特別図柄プロセス処理の一例を示すフローチャートである。 特別図柄通常処理を示すフローチャートである。 特別図柄通常処理を示すフローチャートである。 変動パターン設定処理を示すフローチャートである。 変動パターン設定処理を示すフローチャートである。 特別図柄変動処理を示すフローチャートである。 特別図柄停止処理を示すフローチャートである。 特別図柄停止処理を示すフローチャートである。 大当り終了処理を示すフローチャートである。 特徴部022IWにおける状態遷移を説明するための状態遷移図である。 外部出力信号の出力タイミングを説明するためのタイミングチャートである。 外部出力信号の出力タイミングを説明するためのタイミングチャートである。 コマンド解析処理の具体例を示すフローチャートである。 コマンド解析処理の具体例を示すフローチャートである。 コマンド解析処理の具体例を示すフローチャートである。 演出制御プロセス処理における可変表示開始設定処理(ステップS171)を示すフローチャートである。 潜伏示唆演出実行抽選テーブルを示す説明図である。 潜伏モードに制御する場合における画像表示装置5の表示例を示す説明図である。 変形例における、外部出力される外部出力信号の一例を示す説明図である。
(基本説明)
まず、パチンコ遊技機1の基本的な構成及び制御(一般的なパチンコ遊技機の構成及び制御でもある。)について説明する。
(パチンコ遊技機1の構成等)
図1は、パチンコ遊技機1の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(遊技機)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2には、遊技領域が形成され、この遊技領域には、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の右側方)には、複数種類の特別識別情報としての特別図柄(特図ともいう)の可変表示(特図ゲームともいう)を行う第1特別図柄表示装置4A及び第2特別図柄表示装置4Bが設けられている。これらは、それぞれ、7セグメントのLEDなどからなる。特別図柄は、「0」~「9」を示す数字や「-」などの点灯パターンなどにより表される。特別図柄には、LEDを全て消灯したパターンが含まれてもよい。
なお、特別図柄の「可変表示」とは、例えば、複数種類の特別図柄を変動可能に表示することである(後述の他の図柄についても同じ)。変動としては、複数の図柄の更新表示、複数の図柄のスクロール表示、1以上の図柄の変形、1以上の図柄の拡大/縮小などがある。特別図柄や後述の普通図柄の変動では、複数種類の特別図柄又は普通図柄が更新表示される。後述の飾り図柄の変動では、複数種類の飾り図柄がスクロール表示又は更新表示されたり、1以上の飾り図柄が変形や拡大/縮小されたりする。なお、変動には、ある図柄を点滅表示する態様も含まれる。可変表示の最後には、表示結果として所定の特別図柄が停止表示(導出又は導出表示などともいう)される(後述の他の図柄の可変表示についても同じ)。なお、可変表示を変動表示、変動と表現する場合がある。
なお、第1特別図柄表示装置4Aにおいて可変表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示装置4Bにおいて可変表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。また、第1特図を用いた特図ゲームを「第1特図ゲーム」といい、第2特図を用いた特図ゲームを「第2特図ゲーム」ともいう。なお、特別図柄の可変表示を行う特別図柄表示装置は1種類であってもよい。
遊技盤2における遊技領域の中央付近には画像表示装置5が設けられている。画像表示装置5は、例えばLCD(液晶表示装置)や有機EL(Electro Luminescence)等から構成され、各種の演出画像を表示する。画像表示装置5は、プロジェクタ及びスクリーンから構成されていてもよい。画像表示装置5には、各種の演出画像が表示される。
例えば、画像表示装置5の画面上では、第1特図ゲームや第2特図ゲームと同期して、特別図柄とは異なる複数種類の装飾識別情報としての飾り図柄(数字などを示す図柄など)の可変表示が行われる。ここでは、第1特図ゲーム又は第2特図ゲームに同期して、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて飾り図柄が可変表示(例えば上下方向のスクロール表示や更新表示)される。なお、同期して実行される特図ゲーム及び飾り図柄の可変表示を総称して単に可変表示ともいう。
画像表示装置5の画面上には、実行が保留されている可変表示に対応する保留表示や、実行中の可変表示に対応するアクティブ表示を表示するための表示エリアが設けられていてもよい。保留表示及びアクティブ表示を総称して可変表示に対応する可変表示対応表示ともいう。
保留されている可変表示の数は保留記憶数ともいう。第1特図ゲームに対応する保留記憶数を第1保留記憶数、第2特図ゲームに対応する保留記憶数を第2保留記憶数ともいう。また、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計を合計保留記憶数ともいう。
また、遊技盤2の所定位置には、複数のLEDを含んで構成された第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとが設けられ、第1保留表示器25Aは、LEDの点灯個数によって、第1保留記憶数を表示し、第2保留表示器25Bは、LEDの点灯個数によって、第2保留記憶数を表示する。
画像表示装置5の下方には、入賞球装置6Aと、可変入賞球装置6Bとが設けられている。
入賞球装置6Aは、例えば所定の玉受部材によって常に遊技球が進入可能な一定の開放状態に保たれる第1始動入賞口を形成する。第1始動入賞口に遊技球が進入したときには、所定個(例えば3個)の賞球が払い出されるとともに、第1特図ゲームが開始され得る。
可変入賞球装置6B(普通電動役物)は、ソレノイド81(図2参照)によって閉鎖状態と開放状態とに変化する第2始動入賞口を形成する。可変入賞球装置6Bは、例えば、一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物を備え、ソレノイド81がオフ状態であるときに可動翼片が垂直位置となることにより、当該可動翼片の先端が入賞球装置6Aに近接し、第2始動入賞口に遊技球が進入しない閉鎖状態になる(第2始動入賞口が閉鎖状態になるともいう。)。その一方で、可変入賞球装置6Bは、ソレノイド81がオン状態であるときに可動翼片が傾動位置となることにより、第2始動入賞口に遊技球が進入できる開放状態になる(第2始動入賞口が開放状態になるともいう。)。第2始動入賞口に遊技球が進入したときには、所定個(例えば3個)の賞球が払い出されるとともに、第2特図ゲームが開始され得る。なお、可変入賞球装置6Bは、閉鎖状態と開放状態とに変化するものであればよく、電動チューリップ型役物を備えるものに限定されない。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の左右下方4箇所)には、所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる一般入賞口10が設けられる。この場合には、一般入賞口10のいずれかに進入したときには、所定個数(例えば10個)の遊技球が賞球として払い出される。
入賞球装置6Aと可変入賞球装置6Bの下方には、大入賞口を有する特別可変入賞球装置7が設けられている。特別可変入賞球装置7は、ソレノイド82(図2参照)によって開閉駆動される大入賞口扉を備え、その大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する特定領域としての大入賞口を形成する。
一例として、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用(特別電動役物用)のソレノイド82がオフ状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を閉鎖状態として、遊技球が大入賞口に進入(通過)できなくなる。その一方で、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオン状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を開放状態として、遊技球が大入賞口に進入しやすくなる。
大入賞口に遊技球が進入したときには、所定個数(例えば14個)の遊技球が賞球として払い出される。大入賞口に遊技球が進入したときには、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口及び一般入賞口10に遊技球が進入したときよりも多くの賞球が払い出される。
一般入賞口10を含む各入賞口に遊技球が進入することを「入賞」ともいう。特に、始動口(第1始動入賞口、第2始動入賞口始動口)への入賞を始動入賞ともいう。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の左側方)には、普通図柄表示器20が設けられている。一例として、普通図柄表示器20は、7セグメントのLEDなどからなり、特別図柄とは異なる複数種類の普通識別情報としての普通図柄の可変表示を行う。普通図柄は、「0」~「9」を示す数字や「-」などの点灯パターンなどにより表される。普通図柄には、LEDを全て消灯したパターンが含まれてもよい。このような普通図柄の可変表示は、普図ゲームともいう。
画像表示装置5の左方には、遊技球が通過可能な通過ゲート41が設けられている。遊技球が通過ゲート41を通過したことに基づき、普図ゲームが実行される。
普通図柄表示器20の上方には、普図保留表示器25Cが設けられている。普図保留表示器25Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、実行が保留されている普図ゲームの数である普図保留記憶数をLEDの点灯個数により表示する。
遊技盤2の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘が設けられている。遊技領域の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。
遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ8L、8Rが設けられており、さらに遊技領域周辺部には、遊技効果用の遊技効果ランプ9が設けられている。遊技効果ランプ9は、LEDを含んで構成されている。
遊技盤2の所定位置(図1では図示略)には、演出に応じて動作する可動体32が設けられている。
遊技機用枠3の右下部位置には、遊技球を打球発射装置により遊技領域に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)30が設けられている。
遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、打球発射装置へと供給可能に保持(貯留)する打球供給皿(上皿)が設けられている。上皿の下方には、上皿満タン時に賞球が払い出される打球供給皿(下皿)が設けられている。
遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、遊技者が把持して傾倒操作が可能なスティックコントローラ31Aが取り付けられている。スティックコントローラ31Aには、遊技者が押下操作可能なトリガボタンが設けられている。スティックコントローラ31Aに対する操作は、コントローラセンサユニット35A(図2参照)により検出される。
遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、遊技者が押下操作などにより所定の指示操作を可能なプッシュボタン31Bが設けられている。プッシュボタン31Bに対する操作は、プッシュセンサ35B(図2参照)により検出される。
パチンコ遊技機1では、遊技者の動作(操作等)を検出する検出手段として、スティックコントローラ31Aやプッシュボタン31Bが設けられるが、これら以外の検出手段が設けられていてもよい。
(遊技の進行の概略)
パチンコ遊技機1が備える打球操作ハンドル30への遊技者による回転操作により、遊技球が遊技領域に向けて発射される。遊技球が通過ゲート41を通過すると、普通図柄表示器20による普図ゲームが開始される。なお、前回の普図ゲームの実行中の期間等に遊技球が通過ゲート41を通過した場合(遊技球が通過ゲート41を通過したが当該通過に基づく普図ゲームを直ちに実行できない場合)には、当該通過に基づく普図ゲームは所定の上限数(例えば4)まで保留される。
この普図ゲームでは、特定の普通図柄(普図当り図柄)が停止表示されれば、普通図柄の表示結果が「普図当り」となる。その一方、確定普通図柄として、普図当り図柄以外の普通図柄(普図ハズレ図柄)が停止表示されれば、普通図柄の表示結果が「普図ハズレ」となる。「普図当り」となると、可変入賞球装置6Bを所定期間開放状態とする開放制御が行われる(第2始動入賞口が開放状態になる)。
入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口に遊技球が進入すると、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図ゲームが開始される。
可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口に遊技球が進入すると、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図ゲームが開始される。
なお、特図ゲームの実行中の期間や、後述する大当り遊技状態や小当り遊技状態に制御されている期間に、遊技球が始動入賞口へ進入(入賞)した場合(始動入賞が発生したが当該始動入賞に基づく特図ゲームを直ちに実行できない場合)には、当該進入に基づく特図ゲームは所定の上限数(例えば4)までその実行が保留される。
特図ゲームにおいて、確定特別図柄として特定の特別図柄(大当り図柄、例えば「7」、後述の大当り種別に応じて実際の図柄は異なる。)が停止表示されれば、「大当り」となり、大当り図柄とは異なる所定の特別図柄(小当り図柄、例えば「2」)が停止表示されれば、「小当り」となる。また、大当り図柄や小当り図柄とは異なる特別図柄(ハズレ図柄、例えば「-」)が停止表示されれば「ハズレ」となる。
特図ゲームでの表示結果が「大当り」になった後には、遊技者にとって有利な有利状態として大当り遊技状態に制御される。特図ゲームでの表示結果が「小当り」になった後には、小当り遊技状態に制御される。
大当り遊技状態では、特別可変入賞球装置7により形成される大入賞口が所定の態様で開放状態となる。当該開放状態は、所定期間(例えば29秒間や1.8秒間)の経過タイミングと、大入賞口に進入した遊技球の数が所定個数(例えば9個)に達するまでのタイミングと、のうちのいずれか早いタイミングまで継続される。所定期間は、1ラウンドにおいて大入賞口を開放することができる上限期間であり、以下、開放上限期間ともいう。このように大入賞口が開放状態となる1のサイクルをラウンド(ラウンド遊技)という。大当り遊技状態では、当該ラウンドが所定の上限回数(15回や2回)に達するまで繰り返し実行可能となっている。
大当り遊技状態においては、遊技者は、遊技球を大入賞口に進入させることで、賞球を得ることができる。従って、大当り遊技状態は、遊技者にとって有利な状態である。大当り遊技状態におけるラウンド数が多い程、また、開放上限期間が長い程遊技者にとって有利となる。
なお、「大当り」には、大当り種別が設定されている。例えば、大入賞口の開放態様(ラウンド数や開放上限期間)や、大当り遊技状態後の遊技状態(後述の、通常状態、時短状態、確変状態など)を複数種類用意し、これらに応じて大当り種別が設定されている。大当り種別として、多くの賞球を得ることができる大当り種別や、賞球の少ない又はほとんど賞球を得ることができない大当り種別が設けられていてもよい。
小当り遊技状態では、特別可変入賞球装置7により形成される大入賞口が所定の開放態様で開放状態となる。例えば、小当り遊技状態では、一部の大当り種別のときの大当り遊技状態と同様の開放態様(大入賞口の開放回数が上記ラウンド数と同じであり、かつ、大入賞口の閉鎖タイミングも同じ等)で大入賞口が開放状態となる。なお、大当り種別と同様に、「小当り」にも小当り種別を設けてもよい。
大当り遊技状態が終了した後は、上記大当り種別に応じて、時短状態や確変状態に制御されることがある。
時短状態では、平均的な特図変動時間(特図を変動させる期間)を通常状態よりも短縮させる制御(時短制御)が実行される。時短状態では、平均的な普図変動時間(普図を変動させる期間)を通常状態よりも短縮させたり、普図ゲームで「普図当り」となる確率を通常状態よりも向上させる等により、第2始動入賞口に遊技球が進入しやすくなる制御(高開放制御、高ベース制御)も実行される。時短状態は、特別図柄(特に第2特別図柄)の変動効率が向上する状態であるので、遊技者にとって有利な状態である。
確変状態(確率変動状態)では、時短制御に加えて、表示結果が「大当り」となる確率が通常状態よりも高くなる確変制御が実行される。確変状態は、特別図柄の変動効率が向上することに加えて「大当り」となりやすい状態であるので、遊技者にとってさらに有利な状態である。
時短状態や確変状態は、所定回数の特図ゲームが実行されたことと、次回の大当り遊技状態が開始されたこと等といった、いずれか1つの終了条件が先に成立するまで継続する。所定回数の特図ゲームが実行されたことが終了条件となるものを、回数切り(回数切り時短、回数切り確変等)ともいう。
通常状態とは、遊技者にとって有利な大当り遊技状態等の有利状態、時短状態、確変状態等の特別状態以外の遊技状態のことであり、普図ゲームにおける表示結果が「普図当り」となる確率及び特図ゲームにおける表示結果が「大当り」となる確率などのパチンコ遊技機1が、パチンコ遊技機1の初期設定状態(例えばシステムリセットが行われた場合のように、電源投入後に所定の復帰処理を実行しなかったとき)と同一に制御される状態である。
確変制御が実行されている状態を高確状態、確変制御が実行されていない状態を低確状態ともいう。時短制御が実行されている状態を高ベース状態、時短制御が実行されていない状態を低ベース状態ともいう。これらを組み合わせて、時短状態は低確高ベース状態、確変状態は高確高ベース状態、通常状態は低確低ベース状態などともいわれる。高確状態かつ低ベース状態は高確低ベース状態ともいう。
小当り遊技状態が終了した後は、遊技状態の変更が行われず、特図ゲームの表示結果が「小当り」となる以前の遊技状態に継続して制御される(但し、「小当り」発生時の特図ゲームが、上記回数切りにおける上記所定回数目の特図ゲームである場合には、当然遊技状態が変更される)。なお、特図ゲームの表示結果として「小当り」がなくてもよい。
なお、遊技状態は、大当り遊技状態中に遊技球が特定領域(例えば、大入賞口内の特定領域)を通過したことに基づいて、変化してもよい。例えば、遊技球が特定領域を通過したとき、その大当り遊技状態後に確変状態に制御してもよい。
(演出の進行)
パチンコ遊技機1では、遊技の進行に応じて種々の演出(遊技の進行状況を報知したり、遊技を盛り上げたりする演出)が実行される。当該演出について以下説明する。なお、当該演出は、画像表示装置5に各種の演出画像を表示することによって行われるが、当該表示に加えて又は代えて、スピーカ8L、8Rからの音声出力、及び/又は、遊技効果ランプ9の点等/消灯、可動体32の動作等により行われてもよい。
遊技の進行に応じて実行される演出として、画像表示装置5に設けられた「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rでは、第1特図ゲーム又は第2特図ゲームが開始されることに対応して、飾り図柄の可変表示が開始される。第1特図ゲームや第2特図ゲームにおいて表示結果(確定特別図柄ともいう。)が停止表示されるタイミングでは、飾り図柄の可変表示の表示結果となる確定飾り図柄(3つの飾り図柄の組合せ)も停止表示(導出)される。
飾り図柄の可変表示が開始されてから終了するまでの期間では、飾り図柄の可変表示の態様が所定のリーチ態様となる(リーチが成立する)ことがある。ここで、リーチ態様とは、画像表示装置5の画面上にて停止表示された飾り図柄が後述の大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない飾り図柄については可変表示が継続している態様などのことである。
また、飾り図柄の可変表示中に上記リーチ態様となったことに対応してリーチ演出が実行される。パチンコ遊技機1では、演出態様に応じて表示結果(特図ゲームの表示結果や飾り図柄の可変表示の表示結果)が「大当り」となる割合(大当り信頼度、大当り期待度とも呼ばれる。)が異なる複数種類のリーチ演出が実行される。リーチ演出には、例えば、ノーマルリーチと、ノーマルリーチよりも大当り信頼度の高いスーパーリーチと、がある。
特図ゲームの表示結果が「大当り」となるときには、画像表示装置5の画面上において、飾り図柄の可変表示の表示結果として、予め定められた大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出される(飾り図柄の可変表示の表示結果が「大当り」となる)。一例として、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける所定の有効ライン上に同一の飾り図柄(例えば、「7」等)が揃って停止表示される。
大当り遊技状態の終了後に確変状態に制御される「確変大当り」である場合には、奇数の飾り図柄(例えば、「7」等)が揃って停止表示され、大当り遊技状態の終了後に確変状態に制御されない「非確変大当り(通常大当り)」である場合には、偶数の飾り図柄(例えば、「6」等)が揃って停止表示されるようにしてもよい。この場合、奇数の飾り図柄を確変図柄、偶数の飾り図柄を非確変図柄(通常図柄)ともいう。非確変図柄でリーチ態様となった後に、最終的に「確変大当り」となる昇格演出を実行するようにしてもよい。
特図ゲームの表示結果が「小当り」となるときには、画像表示装置5の画面上において、飾り図柄の可変表示の表示結果として、予め定められた小当り組合せとなる確定飾り図柄(例えば、「1 3 5」等)が導出される(飾り図柄の可変表示の表示結果が「小当り」となる)。一例として、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける所定の有効ライン上にチャンス目を構成する飾り図柄が停止表示される。なお、特図ゲームの表示結果が、一部の大当り種別(小当り遊技状態と同様の態様の大当り遊技状態の大当り種別)の「大当り」となるときと、「小当り」となるときとで、共通の確定飾り図柄が導出表示されてもよい。
特図ゲームの表示結果が「ハズレ」となる場合には、飾り図柄の可変表示の態様がリーチ態様とならずに、飾り図柄の可変表示の表示結果として、非リーチ組合せの確定飾り図柄(「非リーチハズレ」ともいう。)が停止表示される(飾り図柄の可変表示の表示結果が「非リーチハズレ」となる)ことがある。また、表示結果が「ハズレ」となる場合には、飾り図柄の可変表示の態様がリーチ態様となった後に、飾り図柄の可変表示の表示結果として、大当り組合せでない所定のリーチ組合せ(「リーチハズレ」ともいう)の確定飾り図柄が停止表示される(飾り図柄の可変表示の表示結果が「リーチハズレ」となる)こともある。
パチンコ遊技機1が実行可能な演出には、上記の可変表示対応表示(保留表示やアクティブ表示)を表示することも含まれる。また、他の演出として、例えば、大当り信頼度を予告する予告演出等が飾り図柄の可変表示中に実行される。予告演出には、実行中の可変表示における大当り信頼度を予告する予告演出や、実行前の可変表示(実行が保留されている可変表示)における大当り信頼度を予告する先読み予告演出がある。先読み予告演出として、可変表示対応表示(保留表示やアクティブ表示)の表示態様を通常とは異なる態様に変化させる演出が実行されるようにしてもよい。
また、画像表示装置5において、飾り図柄の可変表示中に飾り図柄を一旦仮停止させた後に可変表示を再開させることで、1回の可変表示を擬似的に複数回の可変表示のように見せる擬似連演出を実行するようにしてもよい。
大当り遊技状態中にも、大当り遊技状態を報知する大当り中演出が実行される。大当り中演出としては、ラウンド数を報知する演出や、大当り遊技状態の価値が向上することを示す昇格演出が実行されてもよい。また、小当り遊技状態中にも、小当り遊技状態を報知する小当り中演出が実行される。なお、小当り遊技状態中と、一部の大当り種別(小当り遊技状態と同様の態様の大当り遊技状態の大当り種別で、例えばその後の遊技状態を高確状態とする大当り種別)での大当り遊技状態とで、共通の演出を実行することで、現在が小当り遊技状態中であるか、大当り遊技状態中であるかを遊技者に分からないようにしてもよい。そのような場合であれば、小当り遊技状態の終了後と大当り遊技状態の終了後とで共通の演出を実行することで、高確状態であるか低確状態であるかを識別できないようにしてもよい。
また、例えば特図ゲーム等が実行されていないときには、画像表示装置5にデモ(デモンストレーション)画像が表示される(客待ちデモ演出が実行される)。
(基板構成)
パチンコ遊技機1には、例えば図2に示すような主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14、中継基板15などが搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機1の背面には、例えば払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、電源基板などといった、各種の基板が配置されている。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における上記遊技の進行(特図ゲームの実行(保留の管理を含む)、普図ゲームの実行(保留の管理を含む)、大当り遊技状態、小当り遊技状態、遊技状態など)を制御する機能を有する。主基板11は、遊技制御用マイクロコンピュータ100、スイッチ回路110、ソレノイド回路111などを有する。
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、ROM(Read Only Memory)101と、RAM(Random Access Memory)102と、CPU(Central Processing Unit)103と、乱数回路104と、I/O(Input/Output port)105とを備える。
CPU103は、ROM101に記憶されたプログラムを実行することにより、遊技の進行を制御する処理(主基板11の機能を実現する処理)を行う。このとき、ROM101が記憶する各種データ(後述の変動パターン、後述の演出制御コマンド、後述の各種決定を行う際に参照される各種テーブルなどのデータ)が用いられ、RAM102がメインメモリとして使用される。RAM102は、その一部または全部がパチンコ遊技機1に対する電力供給が停止しても、所定期間記憶内容が保存されるバックアップRAMとなっている。なお、ROM101に記憶されたプログラムの全部又は一部をRAM102に展開して、RAM102上で実行するようにしてもよい。
乱数回路104は、遊技の進行を制御するときに使用される各種の乱数値(遊技用乱数)を示す数値データを更新可能にカウントする。遊技用乱数は、CPU103が所定のコンピュータプログラムを実行することで更新されるもの(ソフトウェアで更新されるもの)であってもよい。
I/O105は、例えば各種信号(後述の検出信号)が入力される入力ポートと、各種信号(第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4B、普通図柄表示器20、第1保留表示器25A、第2保留表示器25B、普図保留表示器25Cなどを制御(駆動)する信号、ソレノイド駆動信号)を伝送するための出力ポートとを含んで構成される。
スイッチ回路110は、遊技球検出用の各種スイッチ(ゲートスイッチ21、始動口スイッチ(第1始動口スイッチ22Aおよび第2始動口スイッチ22B)、カウントスイッチ23)からの検出信号(遊技球が通過又は進入してスイッチがオンになったことを示す検出信号など)を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送する。検出信号の伝送により、遊技球の通過又は進入が検出されたことになる。
ソレノイド回路111は、遊技制御用マイクロコンピュータ100からのソレノイド駆動信号(例えば、ソレノイド81やソレノイド82をオンする信号など)を、普通電動役物用のソレノイド81や大入賞口扉用のソレノイド82に伝送する。
主基板11(遊技制御用マイクロコンピュータ100)は、遊技の進行の制御の一部として、遊技の進行に応じて演出制御コマンド(遊技の進行状況等を指定(通知)するコマンド)を演出制御基板12に供給する。主基板11から出力された演出制御コマンドは、中継基板15により中継され、演出制御基板12に供給される。当該演出制御コマンドには、例えば主基板11における各種の決定結果(例えば、特図ゲームの表示結果(大当り種別を含む。)、特図ゲームを実行する際に使用される変動パターン(詳しくは後述))、遊技の状況(例えば、可変表示の開始や終了、大入賞口の開放状況、入賞の発生、保留記憶数、遊技状態)、エラーの発生等を指定するコマンド等が含まれる。
演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、演出制御コマンドを受信し、受信した演出制御コマンドに基づいて演出(遊技の進行に応じた種々の演出であり、可動体32の駆動、エラー報知、電断復旧の報知等の各種報知を含む)を実行する機能を有する。
演出制御基板12には、演出制御用CPU120と、ROM121と、RAM122と、表示制御部123と、乱数回路124と、I/O125とが搭載されている。
演出制御用CPU120は、ROM121に記憶されたプログラムを実行することにより、表示制御部123とともに演出を実行するための処理(演出制御基板12の上記機能を実現するための処理であり、実行する演出の決定等を含む)を行う。このとき、ROM121が記憶する各種データ(各種テーブルなどのデータ)が用いられ、RAM122がメインメモリとして使用される。
演出制御用CPU120は、コントローラセンサユニット35Aやプッシュセンサ35Bからの検出信号(遊技者による操作を検出したときに出力される信号であり、操作内容を適宜示す信号)に基づいて演出の実行を表示制御部123に指示することもある。
表示制御部123は、VDP(Video Display Processor)、CGROM(Character Generator ROM)、VRAM(Video RAM)などを備え、演出制御用CPU120からの演出の実行指示に基づき、演出を実行する。
表示制御部123は、演出制御用CPU120からの演出の実行指示に基づき、実行する演出に応じた映像信号を画像表示装置5に供給することで、演出画像を画像表示装置5に表示させる。表示制御部123は、さらに、演出画像の表示に同期した音声出力や、遊技効果ランプ9の点灯/消灯を行うため、音指定信号(出力する音声を指定する信号)を音声制御基板13に供給したり、ランプ信号(ランプの点灯/消灯態様を指定する信号)をランプ制御基板14に供給したりする。また、表示制御部123は、可動体32を動作させる信号を当該可動体32又は当該可動体32を駆動する駆動回路に供給する。
音声制御基板13は、スピーカ8L、8Rを駆動する各種回路を搭載しており、当該音指定信号に基づきスピーカ8L、8Rを駆動し、当該音指定信号が指定する音声をスピーカ8L、8Rから出力させる。
ランプ制御基板14は、遊技効果ランプ9を駆動する各種回路を搭載しており、当該ランプ信号に基づき遊技効果ランプ9を駆動し、当該ランプ信号が指定する態様で遊技効果ランプ9を点灯/消灯する。このようにして、表示制御部123は、音声出力、ランプの点灯/消灯を制御する。
なお、音声出力、ランプの点灯/消灯の制御(音指定信号やランプ信号の供給等)、可動体32の制御(可動体32を動作させる信号の供給等)は、演出制御用CPU120が実行するようにしてもよい。
乱数回路124は、各種演出を実行するために使用される各種の乱数値(演出用乱数)を示す数値データを更新可能にカウントする。演出用乱数は、演出制御用CPU120が所定のコンピュータプログラムを実行することで更新されるもの(ソフトウェアで更新されるもの)であってもよい。
演出制御基板12に搭載されたI/O125は、例えば主基板11などから伝送された演出制御コマンドを取り込むための入力ポートと、各種信号(映像信号、音指定信号、ランプ信号)を伝送するための出力ポートとを含んで構成される。
演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14といった、主基板11以外の基板をサブ基板ともいう。パチンコ遊技機1のようにサブ基板が機能別に複数設けられていてもよいし、1のサブ基板が複数の機能を有するように構成してもよい。
(動作)
次に、パチンコ遊技機1の動作(作用)を説明する。
(主基板11の主要な動作)
まず、主基板11における主要な動作を説明する。パチンコ遊技機1に対して電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103によって遊技制御メイン処理が実行される。図3は、主基板11におけるCPU103が実行する遊技制御メイン処理を示すフローチャートである。
図3に示す遊技制御メイン処理では、CPU103は、まず、割込禁止に設定する(ステップS1)。続いて、必要な初期設定を行う(ステップS2)。初期設定には、スタックポインタの設定、内蔵デバイス(CTC(カウンタ/タイマ回路)、パラレル入出力ポート等)のレジスタ設定、RAM102をアクセス可能状態にする設定等が含まれる。
次いで、クリアスイッチからの出力信号がオンであるか否かを判定する(ステップS3)。クリアスイッチは、例えば電源基板に搭載されている。クリアスイッチがオンの状態で電源が投入されると、出力信号(クリア信号)が入力ポートを介して遊技制御用マイクロコンピュータ100に入力される。クリアスイッチからの出力信号がオンである場合(ステップS3;Yes)、初期化処理(ステップS8)を実行する。初期化処理では、CPU103は、RAM102に記憶されるフラグ、カウンタ、バッファをクリアするRAMクリア処理を行い、作業領域に初期値を設定する。
また、CPU103は、初期化を指示する演出制御コマンドを演出制御基板12に送信する(ステップS9)。演出制御用CPU120は、当該演出制御コマンドを受信すると、例えば画像表示装置5において、遊技機の制御の初期化がなされたことを報知するための画面表示を行う。
クリアスイッチからの出力信号がオンでない場合には(ステップS3;No)、RAM102(バックアップRAM)にバックアップデータが保存されているか否かを判定する(ステップS4)。不測の停電等(電断)によりパチンコ遊技機1への電力供給が停止したときには、CPU103は、当該電力供給の停止によって動作できなくなる直前に、電源供給停止時処理を実行する。この電源供給停止時処理では、RAM102にデータをバックアップすることを示すバックアップフラグをオンする処理、RAM102のデータ保護処理等が実行される。データ保護処理には、誤り検出符号(チェックサム、パリティビット等)の付加、各種データをバックアップする処理が含まれる。バックアップされるデータには、遊技を進行するための各種データ(各種フラグ、各種タイマの状態等を含む)の他、バックアップフラグの状態や誤り検出符号も含まれる。ステップS4では、バックアップフラグがオンであるか否かを判定する。バックアップフラグがオフでRAM102にバックアップデータが記憶されていない場合(ステップS4;No)、初期化処理(ステップS8)を実行する。
RAM102にバックアップデータが記憶されている場合(ステップS4;Yes)、CPU103は、バックアップしたデータのデータチェックを行い(誤り検出符号を用いて行われる)、データが正常か否かを判定する(ステップS5)。ステップS5では、例えば、パリティビットやチェックサムにより、RAM102のデータが、電力供給停止時のデータと一致するか否かを判定する。これらが一致すると判定された場合、RAM102のデータが正常であると判定する。
RAM102のデータが正常でないと判定された場合(ステップS5;No)、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、初期化処理(ステップS8)を実行する。
RAM102のデータが正常であると判定された場合(ステップS5;Yes)、CPU103は、主基板11の内部状態を電力供給停止時の状態に戻すための復旧処理(ステップS6)を行う。復旧処理では、CPU103は、RAM102の記憶内容(バックアップしたデータの内容)に基づいて作業領域の設定を行う。これにより、電力供給停止時の遊技状態に復旧し、特別図柄の変動中であった場合には、後述の遊技制御用タイマ割込み処理の実行によって、復旧前の状態から特別図柄の変動が再開されることになる。
そして、CPU103は、電断からの復旧を指示する演出制御コマンドを演出制御基板12に送信する(ステップS7)。これに合わせて、バックアップされている電断前の遊技状態を指定する演出制御コマンドや、特図ゲームの実行中であった場合には当該実行中の特図ゲームの表示結果を指定する演出制御コマンドを送信するようにしてもよい。これらコマンドは、後述の特別図柄プロセス処理で送信設定されるコマンドと同じコマンドを使用できる。演出制御用CPU120は、電断からの復旧時を特定する演出制御コマンドを受信すると、例えば画像表示装置5において、電断からの復旧がなされたこと又は電断からの復旧中であることを報知するための画面表示を行う。演出制御用CPU120は、演出制御コマンドに基づいて、適宜の画面表示を行うようにしてもよい。
復旧処理または初期化処理を終了して演出制御基板12に演出制御コマンドを送信した後には、CPU103は、乱数回路104を初期設定する乱数回路設定処理を実行する(ステップS10)。そして、所定時間(例えば2ms)毎に定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行い(ステップS11)、割込みを許可する(ステップS12)。その後、ループ処理に入る。以後、所定時間(例えば2ms)ごとにCTCから割込み要求信号がCPU103へ送出され、CPU103は定期的にタイマ割込み処理を実行することができる。
こうした遊技制御メイン処理を実行したCPU103は、CTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受け付けると、図4のフローチャートに示す遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。図4に示す遊技制御用タイマ割込み処理を開始すると、CPU103は、まず、所定のスイッチ処理を実行することにより、スイッチ回路110を介してゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23といった各種スイッチからの検出信号の受信の有無を判定する(ステップS21)。続いて、所定のメイン側エラー処理を実行することにより、パチンコ遊技機1の異常診断を行い、その診断結果に応じて必要ならば警告を発生可能とする(ステップS22)。この後、所定の情報出力処理を実行することにより、例えばパチンコ遊技機1の外部に設置されたホール管理用コンピュータに供給される大当り情報(大当りの発生回数等を示す情報)、始動情報(始動入賞の回数等を示す情報)、確率変動情報(確変状態となった回数等を示す情報)などのデータを出力する(ステップS23)。
情報出力処理に続いて、主基板11の側で用いられる遊技用乱数の少なくとも一部をソフトウェアにより更新するための遊技用乱数更新処理を実行する(ステップS24)。この後、CPU103は、特別図柄プロセス処理を実行する(ステップS25)。CPU103がタイマ割込み毎に特別図柄プロセス処理を実行することにより、特図ゲームの実行及び保留の管理や、大当り遊技状態や小当り遊技状態の制御、遊技状態の制御などが実現される(詳しくは後述)。
特別図柄プロセス処理に続いて、普通図柄プロセス処理が実行される(ステップS26)。CPU103がタイマ割込み毎に普通図柄プロセス処理を実行することにより、ゲートスイッチ21からの検出信号に基づく(通過ゲート41に遊技球が通過したことに基づく)普図ゲームの実行及び保留の管理や、「普図当り」に基づく可変入賞球装置6Bの開放制御などを可能にする。普図ゲームの実行は、普通図柄表示器20を駆動することにより行われ、普図保留表示器25Cを点灯させることにより普図保留数を表示する。
普通図柄プロセス処理を実行した後、遊技制御用タイマ割込み処理の一部として、電断が発生したときの処理、賞球を払い出すための処理等などが行われてもよい。その後、CPU103は、コマンド制御処理を実行する(ステップS27)。CPU103は、上記各処理にて演出制御コマンドを送信設定することがある。ステップS27のコマンド制御処理では、送信設定された演出制御コマンドを演出制御基板12などのサブ側の制御基板に対して伝送させる処理が行われる。コマンド制御処理を実行した後には、割込みを許可してから、遊技制御用タイマ割込み処理を終了する。
図5は、特別図柄プロセス処理として、図4に示すステップS25にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。この特別図柄プロセス処理において、CPU103は、まず、始動入賞判定処理を実行する(ステップS101)。
始動入賞判定処理では、始動入賞の発生を検出し、RAM102の所定領域に保留情報を格納し保留記憶数を更新する処理が実行される。始動入賞が発生すると、表示結果(大当り種別を含む)や変動パターンを決定するための乱数値が抽出され、保留情報として記憶される。また、抽出した乱数値に基づいて、表示結果や変動パターンを先読み判定する処理が実行されてもよい。保留情報や保留記憶数を記憶した後には、演出制御基板12に始動入賞の発生、保留記憶数、先読み判定等の判定結果を指定するための演出制御コマンドを送信するための送信設定が行われる。こうして送信設定された始動入賞時の演出制御コマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後、図4に示すステップS27のコマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。
S101にて始動入賞判定処理を実行した後、CPU103は、RAM102に設けられた特図プロセスフラグの値に応じて、ステップS110~S120の処理のいずれかを選択して実行する。なお、特別図柄プロセス処理の各処理(ステップS110~S120)では、各処理に対応した演出制御コマンドを演出制御基板12に送信するための送信設定が行われる。
ステップS110の特別図柄通常処理は、特図プロセスフラグの値が“0”(初期値)のときに実行される。この特別図柄通常処理では、保留情報の有無などに基づいて、第1特図ゲーム又は第2特図ゲームを開始するか否かの判定が行われる。また、特別図柄通常処理では、表示結果決定用の乱数値に基づき、特別図柄や飾り図柄の表示結果を「大当り」または「小当り」とするか否かや「大当り」とする場合の大当り種別を、その表示結果が導出表示される以前に決定(事前決定)する。さらに、特別図柄通常処理では、決定された表示結果に対応して、特図ゲームにおいて停止表示させる確定特別図柄(大当り図柄や小当り図柄、ハズレ図柄のいずれか)が設定される。その後、特図プロセスフラグの値が“1”に更新され、特別図柄通常処理は終了する。なお、第2特図を用いた特図ゲームが第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行されるようにしてもよい(特図2優先消化ともいう)。また、第1始動入賞口及び第2始動入賞口への遊技球の入賞順序を記憶し、入賞順に特図ゲームの開始条件を成立させるようにしてもよい(入賞順消化ともいう)。
乱数値に基づき各種の決定を行う場合には、ROM101に格納されている各種のテーブル(乱数値と比較される決定値が決定結果に割り当てられているテーブル)が参照される。主基板11における他の決定、演出制御基板12における各種の決定についても同じである。演出制御基板12においては、各種のテーブルがROM121に格納されている。
ステップS111の変動パターン設定処理は、特図プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この変動パターン設定処理には、表示結果を「大当り」または「小当り」とするか否かの事前決定結果等に基づき、変動パターン決定用の乱数値を用いて変動パターンを複数種類のいずれかに決定する処理などが含まれている。変動パターン設定処理では、変動パターンを決定したときに、特図プロセスフラグの値が“2”に更新され、変動パターン設定処理は終了する。
変動パターンは、特図ゲームの実行時間(特図変動時間)(飾り図柄の可変表示の実行時間でもある)や、飾り図柄の可変表示の態様(リーチの有無等)、飾り図柄の可変表示中の演出内容(リーチ演出の種類等)を指定するものであり、可変表示パターンとも呼ばれる。
ステップS112の特別図柄変動処理は、特図プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この特別図柄変動処理には、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて特別図柄を変動させるための設定を行う処理や、その特別図柄が変動を開始してからの経過時間を計測する処理などが含まれている。また、計測された経過時間が変動パターンに対応する特図変動時間に達したか否かの判定も行われる。そして、特別図柄の変動を開始してからの経過時間が特図変動時間に達したときには、特図プロセスフラグの値が“3”に更新され、特別図柄変動処理は終了する。
ステップS113の特別図柄停止処理は、特図プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。この特別図柄停止処理には、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにて特別図柄の変動を停止させ、特別図柄の表示結果となる確定特別図柄を停止表示(導出)させるための設定を行う処理が含まれている。そして、表示結果が「大当り」である場合には特図プロセスフラグの値が“4”に更新される。その一方で、大当りフラグがオフであり、表示結果が「小当り」である場合には、特図プロセスフラグの値が“8”に更新される。また、表示結果が「ハズレ」である場合には、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。表示結果が「小当り」又は「ハズレ」である場合、時短状態や確変状態に制御されているときであって、回数切りの終了成立する場合には、遊技状態も更新される。特図プロセスフラグの値が更新されると、特別図柄停止処理は終了する。
ステップS114の大当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。この大当り開放前処理には、表示結果が「大当り」となったことなどに基づき、大当り遊技状態においてラウンドの実行を開始して大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理などが含まれている。大入賞口を開放状態とするときには、大入賞口扉用のソレノイド82に対してソレノイド駆動信号を供給する処理が実行される。このときには、例えば大当り種別がいずれであるかに対応して、大入賞口を開放状態とする開放上限期間や、ラウンドの上限実行回数を設定する。これらの設定が終了すると、特図プロセスフラグの値が“5”に更新され、大当り開放前処理は終了する。
ステップS115の大当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“5”のときに実行される。この大当り開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間やカウントスイッチ23によって検出された遊技球の個数などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれている。そして、大入賞口を閉鎖状態に戻すときには、大入賞口扉用のソレノイド82に対するソレノイド駆動信号の供給を停止させる処理などを実行した後、特図プロセスフラグの値が“6”に更新し、大当り開放中処理を終了する。
ステップS116の大当り開放後処理は、特図プロセスフラグの値が“6”のときに実行される。この大当り開放後処理には、大入賞口を開放状態とするラウンドの実行回数が設定された上限実行回数に達したか否かを判定する処理や、上限実行回数に達した場合に大当り遊技状態を終了させるための設定を行う処理などが含まれている。そして、ラウンドの実行回数が上限実行回数に達していないときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される一方、ラウンドの実行回数が上限実行回数に達したときには、特図プロセスフラグの値が“7”に更新される。特図プロセスフラグの値が更新されると、大当り解放後処理は終了する。
ステップS117の大当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“7”のときに実行される。この大当り終了処理には、大当り遊技状態の終了を報知する演出動作としてのエンディング演出が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理や、大当り遊技状態の終了に対応して確変制御や時短制御を開始するための各種の設定を行う処理などが含まれている。こうした設定が行われたときには、特図プロセスフラグの値が“0”に更新され、大当り終了処理は終了する。
ステップS118の小当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“8”のときに実行される。この小当り開放前処理には、表示結果が「小当り」となったことに基づき、小当り遊技状態において大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理などが含まれている。このときには、特図プロセスフラグの値が“9”に更新され、小当り開放前処理は終了する。
ステップS119の小当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“9”のときに実行される。この小当り開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれている。大入賞口を閉鎖状態に戻して小当り遊技状態の終了タイミングとなったときには、特図プロセスフラグの値が“10”に更新され、小当り開放中処理は終了する。
ステップS120の小当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“10”のときに実行される。この小当り終了処理には、小当り遊技状態の終了を報知する演出動作が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理などが含まれている。ここで、小当り遊技状態が終了するときには、小当り遊技状態となる以前のパチンコ遊技機1における遊技状態を継続させる。小当り遊技状態の終了時における待ち時間が経過したときには、特図プロセスフラグの値が“0”に更新され、小当り終了処理は終了する。
(演出制御基板12の主要な動作)
次に、演出制御基板12における主要な動作を説明する。演出制御基板12では、電源基板等から電源電圧の供給を受けると、演出制御用CPU120が起動して、図6のフローチャートに示すような演出制御メイン処理を実行する。図6に示す演出制御メイン処理を開始すると、演出制御用CPU120は、まず、所定の初期化処理を実行して(ステップS71)、RAM122のクリアや各種初期値の設定、また演出制御基板12に搭載されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定等を行う。また、初期動作制御処理を実行する(ステップS72)。初期動作制御処理では、可動体32を駆動して初期位置に戻す制御、所定の動作確認を行う制御といった可動体32の初期動作を行う制御が実行される。
その後、タイマ割込みフラグがオンとなっているか否かの判定を行う(ステップS73)。タイマ割込みフラグは、例えばCTCのレジスタ設定に基づき、所定時間(例えば2ミリ秒)が経過するごとにオン状態にセットされる。このとき、タイマ割込みフラグがオフであれば(ステップS73;No)、ステップS73の処理を繰り返し実行して待機する。
また、演出制御基板12の側では、所定時間が経過するごとに発生するタイマ割込みとは別に、主基板11からの演出制御コマンドを受信するための割込みが発生する。この割込みは、例えば主基板11からの演出制御INT信号がオン状態となることにより発生する割込みである。演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みが発生すると、演出制御用CPU120は、自動的に割込み禁止に設定するが、自動的に割込み禁止状態にならないCPUを用いている場合には、割込み禁止命令(DI命令)を発行することが望ましい。演出制御用CPU120は、演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みに対応して、例えば所定のコマンド受信割込み処理を実行する。このコマンド受信割込み処理では、I/O125に含まれる入力ポートのうちで、中継基板15を介して主基板11から送信された制御信号を受信する所定の入力ポートより、演出制御コマンドを取り込む。このとき取り込まれた演出制御コマンドは、例えばRAM122に設けられた演出制御コマンド受信用バッファに格納する。その後、演出制御用CPU120は、割込み許可に設定してから、コマンド受信割込み処理を終了する。
ステップS73にてタイマ割込みフラグがオンである場合には(ステップS73;Yes)、タイマ割込みフラグをクリアしてオフ状態にするとともに(ステップS74)、コマンド解析処理を実行する(ステップS75)。コマンド解析処理では、例えば主基板11の遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信されて演出制御コマンド受信用バッファに格納されている各種の演出制御コマンドを読み出した後に、その読み出された演出制御コマンドに対応した設定や制御などが行われる。例えば、どの演出制御コマンドを受信したかや演出制御コマンドが特定する内容等を演出制御プロセス処理等で確認できるように、読み出された演出制御コマンドをRAM122の所定領域に格納したり、RAM122に設けられた受信フラグをオンしたりする。また、演出制御コマンドが遊技状態を特定する場合、遊技状態に応じた背景の表示を表示制御部123に指示してもよい。
ステップS75にてコマンド解析処理を実行した後には、演出制御プロセス処理を実行する(ステップS76)。演出制御プロセス処理では、例えば画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示動作、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作、遊技効果ランプ9及び装飾用LEDといった装飾発光体における点灯動作、可動体32の駆動動作といった、各種の演出装置を動作させる制御が行われる。また、各種の演出装置を用いた演出動作の制御内容について、主基板11から送信された演出制御コマンド等に応じた判定や決定、設定などが行われる。
ステップS76の演出制御プロセス処理に続いて、演出用乱数更新処理が実行され(ステップS77)、演出制御基板12の側で用いられる演出用乱数の少なくとも一部がソフトウェアにより更新される。その後、ステップS73の処理に戻る。ステップS73の処理に戻る前に、他の処理が実行されてもよい。
図7は、演出制御プロセス処理として、図6のステップS76にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図7に示す演出制御プロセス処理において、演出制御用CPU120は、まず、先読予告設定処理を実行する(ステップS161)。先読予告設定処理では、例えば、主基板11から送信された始動入賞時の演出制御コマンドに基づいて、先読み予告演出を実行するための判定や決定、設定などが行われる。また、当該演出制御コマンドから特定される保留記憶数に基づき保留表示を表示するための処理が実行される。
ステップS161の処理を実行した後、演出制御用CPU120は、例えばRAM122に設けられた演出プロセスフラグの値に応じて、以下のようなステップS170~S177の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS170の可変表示開始待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“0”(初期値)のときに実行される処理である。この可変表示開始待ち処理は、主基板11から可変表示の開始を指定するコマンドなどを受信したか否かに基づき、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示を開始するか否かを判定する処理などを含んでいる。画像表示装置5における飾り図柄の可変表示を開始すると判定された場合、演出プロセスフラグの値を“1”に更新し、可変表示開始待ち処理を終了する。
ステップS171の可変表示開始設定処理は、演出プロセスフラグの値が“1”のときに実行される処理である。この可変表示開始設定処理では、演出制御コマンドにより特定される表示結果や変動パターンに基づいて、飾り図柄の可変表示の表示結果(確定飾り図柄)、飾り図柄の可変表示の態様、リーチ演出や各種予告演出などの各種演出の実行の有無やその態様や実行開始タイミングなどを決定する。そして、その決定結果等を反映した演出制御パターン(表示制御部123に演出の実行を指示するための制御データの集まり)を設定する。その後、設定した演出制御パターンに基づいて、飾り図柄の可変表示の実行開始を表示制御部123に指示し、演出プロセスフラグの値を“2”に更新し、可変表示開始設定処理を終了する。表示制御部123は、飾り図柄の可変表示の実行開始の指示により、画像表示装置5において、飾り図柄の可変表示を開始させる。
ステップS172の可変表示中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“2”のときに実行される処理である。この可変表示中演出処理において、演出制御用CPU120は、表示制御部123を指示することで、ステップS171にて設定された演出制御パターンに基づく演出画像を画像表示装置5の表示画面に表示させることや、可動体32を駆動させること、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、飾り図柄の可変表示中における各種の演出制御を実行する。こうした演出制御を行った後、例えば演出制御パターンから飾り図柄の可変表示終了を示す終了コードが読み出されたこと、あるいは、主基板11から確定飾り図柄を停止表示させることを指定するコマンドを受信したことなどに対応して、飾り図柄の表示結果となる確定飾り図柄を停止表示させる。確定飾り図柄を停止表示したときには、演出プロセスフラグの値が“3”に更新され、可変表示中演出処理は終了する。
ステップS173の特図当り待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“3”のときに実行される処理である。この特図当り待ち処理において、演出制御用CPU120は、主基板11から大当り遊技状態又は小当り遊技状態を開始することを指定する演出制御コマンドの受信があったか否かを判定する。そして、大当り遊技状態又は小当り遊技状態を開始することを指定する演出制御コマンドを受信したきに、そのコマンドが大当り遊技状態の開始を指定するものであれば、演出プロセスフラグの値を“6”に更新する。これに対して、そのコマンドが小当り遊技状態の開始を指定するものであれば、演出プロセスフラグの値を小当り中演出処理に対応した値である“4”に更新する。また、大当り遊技状態又は小当り遊技状態を開始することを指定するコマンドを受信せずに、当該コマンドの受信待ち時間が経過したときには、特図ゲームにおける表示結果が「ハズレ」であったと判定して、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。演出プロセスフラグの値を更新すると、特図当り待ち処理を終了する。
ステップS174の小当り中演出処理は、演出制御プロセスフラグの値が“4”のときに実行される処理である。この小当り中演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば小当り遊技状態における演出内容に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく小当り遊技状態における各種の演出制御を実行する。また、小当り中演出処理では、例えば主基板11から小当り遊技状態を終了することを指定するコマンドを受信したことに対応して、演出プロセスフラグの値を小当り終了演出に対応した値である“5”に更新し、小当り中演出処理を終了する。
ステップS175の小当り終了演出処理は、演出制御プロセスフラグの値が“5”のときに実行される処理である。この小当り終了演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば小当り遊技状態の終了などに対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく小当り遊技状態の終了時における各種の演出制御を実行する。その後、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新し、小当り終了演出処理を終了する。
ステップS176の大当り中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“6”のときに実行される処理である。この大当り中演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば大当り遊技状態における演出内容に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく大当り遊技状態における各種の演出制御を実行する。また、大当り中演出処理では、例えば主基板11から大当り遊技状態を終了することを指定するコマンドを受信したことに対応して、演出制御プロセスフラグの値をエンディング演出処理に対応した値である“7”に更新し、大当り中演出処理を終了する。
ステップS177のエンディング演出処理は、演出プロセスフラグの値が“7”のときに実行される処理である。このエンディング演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば大当り遊技状態の終了などに対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく大当り遊技状態の終了時におけるエンディング演出の各種の演出制御を実行する。その後、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新し、エンディング演出処理を終了する。
(基本説明の変形例)
この発明は、上記基本説明で説明したパチンコ遊技機1に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、様々な変形及び応用が可能である。
上記基本説明のパチンコ遊技機1は、入賞の発生に基づいて所定数の遊技媒体を景品として払い出す払出式遊技機であったが、遊技媒体を封入し入賞の発生に基づいて得点を付与する封入式遊技機であってもよい。
特別図柄の可変表示中に表示されるものは1種類の図柄(例えば、「-」を示す記号)だけで、当該図柄の表示と消灯とを繰り返すことによって可変表示を行うようにしてもよい。さらに可変表示中に当該図柄が表示されるものも、可変表示の停止時には、当該図柄が表示されなくてもよい(表示結果としては「-」を示す記号が表示されなくてもよい)。
上記基本説明では、遊技機としてパチンコ遊技機1を示したが、メダルが投入されて所定の賭け数が設定され、遊技者による操作レバーの操作に応じて複数種類の図柄を回転させ、遊技者によるストップボタンの操作に応じて図柄を停止させたときに停止図柄の組合せが特定の図柄の組み合わせになると、所定数のメダルが遊技者に払い出されるゲームを実行可能なスロット機(例えば、ビッグボーナス、レギュラーボーナス、RT、AT、ART、CZ(以下、ボーナス等)のうち1以上を搭載するスロット機)にも本発明を適用可能である。
本発明を実現するためのプログラム及びデータは、パチンコ遊技機1に含まれるコンピュータ装置などに対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置などの有する記憶装置にインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。
そして、ゲームの実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行うことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。
なお、本明細書において、演出の実行割合などの各種割合の比較の表現(「高い」、「低い」、「異ならせる」などの表現)は、一方が「0%」の割合であることを含んでもよい。例えば、一方が「0%」の割合で、他方が「100%」の割合又は「100%」未満の割合であることも含む。
(特徴部022IWに関する説明)
次に、この実施の形態の特徴部022IWについて説明する。本特徴部022IWでは、遊技状態として、通常状態(低確率低ベース状態)、時短状態(低確率高ベース状態)、確変状態(高確率高ベース状態)または潜確状態(高確率低ベース状態)のいずれかに制御される(図8-27参照)。本例では、高ベース状態では、低ベース状態と比較して平均的な特図変動時間が短縮されるとともに、低ベース状態と比較して平均的な普図変動時間が短縮され、低ベース状態と比較して普図ゲームで「普図当り」となる確率が高くなる。例えば、低ベース状態では普図当り確率が10%であるのに対して、高ベース状態では普図当り確率が90%に高められ、可変入賞球装置6B(第2始動入賞口)に遊技球が入賞しやすくなる。なお、そのような態様にかぎらず、例えば、高ベース状態では、低ベース状態と比較して、可変入賞球装置6Bの開放時間を長くすることによって、可変入賞球装置6B(第2始動入賞口)に遊技球が入賞しやすくなるように構成してもよい。
また、本例では、高確率状態では、低確率状態と比較して大当りとなる確率(大当り確率)が高められる。
また、本例では、遊技機への電源投入後(RAMクリア処理が実行された場合)や、大当り発生後に、低確率状態において所定回数(本例では、800回)の変動表示を終了しても次の大当りが発生しなかった場合にも、時短状態(救済時短)に制御される場合がある。この救済時短は、長期間に亘り遊技を行ったにもかかわらず大当りが発生しなかった遊技者を救済するため(例えば、遊技への投資金を抑制するため)に設けられているものであり、「遊タイム」とも呼ばれる遊技状態である。なお、本例では、救済時短発生後には、次の大当りが発生することなく所定回数(本例では、800回)の変動表示を終了しても、再び救済時短に制御されないように構成されているが、このような構成に限らず、救済時短発生後にも次の大当りが発生することなく所定回数(本例では、800回)の変動表示を終了した場合には、再び救済時短に制御される場合があるように構成してもよい。
以下、大当りが発生することにもとづいて制御される時短状態を「時短状態A」または「大当り経由の時短状態」、遊技機への電源投入後(RAMクリア処理が実行された場合)や、大当り発生後に、低確率状態において所定回数(本例では、800回)の変動表示を終了しても次の大当りが発生しなかった場合に制御される時短状態を「時短状態B」または「救済時短経由の時短状態」ということがある。
また、変動表示結果が大当りとなって大当り遊技終了後に確変状態や時短状態に制御される場合に加えて、変動表示結果がはずれとなる場合であっても時短はずれ図柄が導出表示されたことにもとづいて時短状態に制御される場合があることとしてもよい。
また、小当りも決定可能に構成する場合、小当りを契機として時短状態に制御する時短付き小当りがあるように構成してもよい。
なお、時短状態では、(1)普図当り確率を高める制御と、(2)普通図柄の変動時間を短縮する制御と、(3)可変入賞球装置6B(第2始動入賞口)の開放時間を長くする制御と、(4)特別図柄の変動時間を短縮する制御とが行われ得るのであるが、それら(1)~(4)の全ての制御を行ってもよいし、(1)~(4)のうちの一部の制御を行わなくてもよい。例えば、大当り経由の時短状態と、救済時短経由の時短状態とで、(1)~(4)のうちのいずれの制御を行うかが異なっていてもよいし、同じであってもよい。
また例えば、非時短状態(通常状態)における普図当り確率を100%(普図はずれ無し)とし、または普図はずれ確率を極端に低くすることにより実質的に普図当り確率を100%とし、時短状態では、(1)の制御は行わずに(つまり普図当り確率を非時短状態から変化させずに)、(2)~(4)のうち一部または全部の制御を行うこととしてもよい。
なお、救済時短に制御されるまでの変動回数nおよび救済時短での時短回数Nは、以下のように規定することが好ましい。
2.5P≦n≦3.0P
0.4P≦N≦3.8P
(P=大当り確率MLの分母、n=変動回数、N=時短回数)
具体的には、例えば、大当り確率が1/300である場合には、変動回数nは750~900となり、時短回数Nは120~1140となる。本例では、設定値s毎に大当り確率が異なるため、設定値毎の変動回数ns(設定値s:1~6)は以下のようになる。設定値「1」である場合の大当り確率が約1/319であるから、変動回数n1は797.5~957となる。設定値「2」である場合の大当り確率が約1/310であるから、変動回数n2は775~930となる。設定値「3」である場合の大当り確率が約1/300であるから、変動回数n3は750~900となる。設定値「4」である場合の大当り確率が約1/290であるから、変動回数n4は725~870となる。設定値「5」である場合の大当り確率が約1/280であるから、変動回数n5は700~840となる。設定値「6」である場合の大当り確率が約1/270であるから、変動回数n6は675~810となる。そして、いずれの設定値が設定されている場合にも該当し得る「800」を変動回数nとして設定するものとして、以下の説明をする。同様に、いずれの設定値が設定されている場合にも該当し得る「800」を時短回数Nとして設定するものである。
なお、変動回数nとして、いずれの設定値が設定されている場合にも該当し得る値を設定するものとしたが、大当り確率が最も低い設定値「1」が設定されている場合に該当し得る値(上記したように、変動回数n1は797.5~957)を設定するものであればよい。つまり、変動回数nとして「900」などの値を設定するものであってもよい。
同様に、時短回数Nとして、いずれの設定値が設定されている場合にも該当し得る値を設定するものとしたが、大当り確率が最も低い設定値「1」が設定されている場合に該当し得る値を設定するものであればよい。
なお、本例では変動回数nと時短回数Nが同値の800であることとするが、変動回数n>時短回数Nであってもよいし、逆に変動回数n<時短回数Nであってもよい。
(盤面構成)
図8-1は、特徴部022IWにおけるパチンコ遊技機の正面図である。特徴部022IWにおけるパチンコ遊技機1では、図1に示したパチンコ遊技機1の盤面構成に加えて、図8-1に示すように、普図保留表示器25Cの下方に右打ちLED113IW10が設けられている。また、図8-1に示すように、画像表示装置5の右方に右打ち報知LED113IW20が設けられている。
また、図8-1に示すように、画像表示装置5の左方および右方にそれぞれ第4図柄表示器113IW21a,21bが設けられている。このうち、画像表示装置5の左方に設けられた第4図柄表示器113IW21aは、第1特別図柄の変動表示に同期して第4図柄の変動表示を実行する表示器である。また、画像表示装置5の右方に設けられた第4図柄表示器113IW21bは、第2特別図柄の変動表示に同期して第4図柄の変動表示を実行する表示器である。本例では、第4図柄表示器113IW21a,21bは、それぞれ上下に配置された2つのLEDで構成され、それら2つのLEDが交互に点灯および消灯を繰り返すことによって第4図柄の変動表示が実行される。
また、図8-1に示すように、本特徴部022IWにおけるパチンコ遊技機1では、図1に示した通過ゲート41に代えて、画像表示装置5の右方に、遊技球が通過可能な通過ゲート113IW41が設けられている。本特徴部022IWでは、遊技球が通過ゲート113IW41を通過したことに基づき、普図ゲームが実行される。従って、本特徴部022IWでは、確変状態や時短状態においては、普図当り確率が高まるのであるから、遊技領域の右方(右側領域)を狙って発射操作(右打ち操作)を行った方が有利である。一方、本特徴部022IWでは、通常状態においては、遊技領域の左方(左側領域)を狙って発射操作(左打ち操作)を行った方が有利である。
また、図示は省略するが、主基板11には、後述する外部出力信号を出力するための外部出力信号端子を搭載するためのスペースと、外部出力信号端子をはんだ付けする際に必要なランドと、ランドとCPU103とを接続する配線パターンとが設けられている。外部出力信号端子は、必要に応じて取り付けおよび取り外しが行われる。
なお、図8-1に示す盤面構成は一例であり、例えば、第1始動入賞口が形成された入賞球装置6Aは、遊技領域の左方(左側領域)を通過した遊技球(または遊技領域の左方(左側領域)を通過した遊技球のみ)が通過可能となるように設けられ、通過ゲート113IW41と第2始動入賞口が形成された可変入賞球装置6Bとは、遊技領域の右方(右側領域)を通過した遊技球(または遊技領域の右方(右側領域)を通過した遊技球のみ)が通過可能となるように設けられていてもよい。例えば、入賞球装置6Aや可変入賞球装置6B、障害釘の配置や形状を変えることで実現することができる。
(大当り確率、小当り確率)
図8-2および図8-3は、設定値ごとの大当り確率および小当り確率を説明するための説明図である。このうち、図8-2は、第1特別図柄の変動表示が実行される場合の大当り確率および小当り確率を示している。また、図8-3は、第2特別図柄の変動表示が実行される場合の大当り確率および小当り確率を示している。本例では、遊技者にとって有利度が異なる(本例では、大当り確率が異なる)複数の設定値のうちいずれかの設定値に設定可能に構成されており、パチンコ遊技機1への電源投入時に設定確認処理や設定変更処理を実行し、現在の設定値を確認したり設定値を変更したりすることが可能である。また、図8-2および図8-3に示すように、本例では、設定値「1」~「6」の6段階に設定変更可能に構成する場合が示されている。なお、6段階に設定変更可能である場合にかぎらず、例えば、2~5段階に設定変更可能に構成したり、7段階以上に設定変更可能に構成したりしてもよい。
図8-2(A)および図8-3(A)に示すように、第1特別図柄の変動表示を実行する場合および第2特別図柄の変動表示を実行する場合ともに、低確率状態(通常状態や時短状態)では、設定値「1」の場合が大当り確率「205/65536」と最も低く(約1/319)、遊技者にとって最も不利な設定となっている。そして、設定値「2」、設定値「3」、設定値「4」、設定値「5」の順に大当り確率が高くなり、設定値「6」の場合が大当り確率「242/65536」と最も高く(約1/270)、遊技者にとって最も有利な設定となっている。
また、図8-2(B)および図8-3(B)に示すように、第1特別図柄の変動表示を実行する場合および第2特別図柄の変動表示を実行する場合ともに、高確率状態では、設定値「1」の場合が大当り確率「2050/65536」と最も低く(約1/32)、遊技者にとって最も不利な設定となっている。そして、設定値「2」、設定値「3」、設定値「4」、設定値「5」の順に大当り確率が高くなり、設定値「6」の場合が大当り確率「2420/65536」と最も高く(約1/27)、遊技者にとって最も有利な設定となっている。また、図8-2および図8-3に示すように、本例では、高確率状態では、低確率状態と比較して大当り確率が10倍に高められている。
また、図8-2に示すように、第1特別図柄の変動表示を実行する場合には、設定値「1」~「6」のいずれであるかに関係なく(さらに、高確率状態であるか低確率状態であるかに関係なく)、小当り確率が「655/65536」と一定である(約1/100)。また、図8-3に示すように、第2特別図柄の変動表示を実行する場合には、設定値「1」~「6」のいずれであるかに関係なく(さらに、高確率状態であるか低確率状態であるかに関係なく)、小当りが発生しない構成であるが、これに限るものではなく、第2特別図柄の変動表示を実行する場合にも小当りが発生し得る構成としてもよい。
上記のように設定値に応じて大当り確率を異ならせる一方で小当り確率は一定となるように構成する場合であっても、図8-2および図8-3に示すように、はずれ確率を設定値「1」~「6」で異ならせることによって、設定値ごとの判定値数が整合するように構成すればよい。
(大当り種別判定テーブル)
図8-4は、ROM101に記憶されている大当り種別判定テーブルを示す説明図である。このうち、図8-4(A)は、第1特別図柄用の大当り種別判定テーブルの具体例を示している。また、図8-4(B)は、第2特別図柄用の大当り種別判定テーブルの具体例を示している。
図8-4(A)に示すように、第1特別図柄用の大当り種別判定テーブルは、可変表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、種別判定用の乱数にもとづいて、大当りの種別を「通常大当り」、「確変大当り」または「潜確大当り」のいずれかに決定するために参照されるテーブルである。
図8-4(B)に示すように、第2特別図柄用の大当り種別判定テーブルは、可変表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、種別判定用の乱数にもとづいて、大当りの種別を「通常大当り」、「確変大当り」または「潜確大当り」のいずれかに決定するために参照されるテーブルである。
「通常大当り」とは、10ラウンドの大当り遊技状態に制御し、時短状態に移行させる大当りである。
「確変大当り」とは、10ラウンドの大当り遊技状態に制御し、確変状態に移行させる大当りである。
「潜確大当り」とは、2ラウンドの大当り遊技状態に制御し、潜確状態に移行させる大当りである。なお、潜確大当りにおける大当り遊技状態では大入賞口を1秒間に亘る開放制御を2回(2ラウンド分)行うものであるとともに、小当り遊技状態においても大入賞口を1秒間に亘る開放制御を2回行うものであるため、大入賞口の開放制御の挙動からは、潜確大当りにおける大当り遊技状態に制御されているのか小当り遊技状態に制御されているのかが認識困難となっている。また、詳細は後述するが、潜確大当りを経て潜確状態に制御された場合と、通常状態から小当り遊技状態に制御された場合とで、いずれの遊技状態に制御されているかを認識困難とする共通演出(後述する潜伏モードの背景表示)を実行可能に構成されている。
本例では、通常大当りにもとづく大当り遊技の終了後に時短状態(高ベース状態)に制御されると、100回の変動表示が終了するまで時短状態の制御が継続される。また、大当り遊技の終了後に確変状態に制御されると、次に大当りが発生するまで確変状態の制御が継続される。また、大当り遊技の終了後に潜確状態に制御されると、次に大当りが発生するまで潜確状態の制御が継続される。
本例では、3種類の大当り種別を設けられているが、2種類以下であってもよいし、4種類以上設けられていてもよい。また、大当り種別として、大当り遊技後に制御される時短状態(高ベース状態)が次の大当りが発生するまで維持されるものや、大当り遊技後に制御される確変状態が所定回数の変動が行われるまで維持されるもの(いわゆるST大当り)や、大当り遊技中に確変領域へ遊技球が入賞すれば、大当り遊技後に制御される確変状態(高確率状態)が次の大当りが発生するまで維持されるものが設けられていてもよい。
図8-4(A)に示すように、本例では、第1特別図柄の変動表示が実行されて大当りとなる場合には、40%の確率で「通常大当り」と決定され、40%の確率で「確変大当り」と決定され、20%の確率で「潜確大当り」と決定される。また、図8-4(B)に示すように、本例では、第2特別図柄の変動表示が実行されて大当りとなる場合には、40%の確率で「通常大当り」と決定され、60%の確率で「確変大当り」と決定され、「潜確大当り」と決定される場合はない。
すなわち、本例では、第1特別図柄の変動表示を契機として大当りとなるときと、第2特別図柄の変動表示を契機として大当りとなるときと、で複数種類のうちのいずれの大当りに制御されるかの決定割合が異なるように構成されている。具体的には、第1特別図柄の変動表示を契機として大当りとなるときよりも、第2特別図柄の変動表示を契機として大当りとなるときの方が、「通常大当り」よりも「確変大当り」に決定される割合が高くなるように構成されている。そして、本例では、「通常大当り」よりも「確変大当り」の方が、大当り遊技後に高確率状態に制御される点と、大当り遊技後に制御される高ベース状態の回数が多い点で、有利度が高い。このような構成により、第1特別図柄の変動表示が実行されるときと、第2特別図柄の変動表示が実行されるときとで、異なる遊技性を発揮することができる。
加えて、本例では、高ベース状態では、低ベース状態よりも第2始動入賞口への入賞が発生しやすい。そのため、高ベース状態では有利度が高い第2特別図柄の変動表示が実行されやすい点で、救済時短が成立したことにもとづいて制御される時短状態Bでの遊技意欲を遊技者に持たせることができる。
一方で、本例では、第1特別図柄の変動表示を契機として大当りとなるときと、第2特別図柄の変動表示を契機として大当りとなるときと、で救済時短が成立するための非確変状態における変動回数は800回で共通である。このような構成により、第1特別図柄の変動表示が実行されるときと第2特別図柄の変動表示が実行されるときとで、異なる遊技性を発揮することにより興趣を高めつつも、救済時短が成立するための非確変状態における変動回数は共通として射幸性が過度に高まることを抑え、適度な救済度合いとすることができる。
また、本例では、第1特別図柄の変動表示を契機として救済時短が成立するときと、第2特別図柄の変動表示を契機として救済時短が成立するときと、で救済時短が成立したことにもとづいて制御される時短状態の有利度は時短回数800回で共通である。このような構成により、第1特別図柄の変動表示が実行されるときと第2特別図柄の変動表示が実行されるときとで、異なる遊技性を発揮することにより興趣を高めつつも、救済時短が成立したことにもとづいて制御される時短状態の有利度は共通として射幸性が過度に高まることを抑え、適度な救済度合いとすることができる。
図8-5(A)は、移行契機毎の時短回数を説明するための説明図である。図8-5(A)に示すように、本例では、通常大当りが発生した場合、いずれの遊技状態で通常大当りが発生したかにかかわらず、時短回数100回の高ベース状態に制御され、確変大当りが発生した場合、いずれの遊技状態で通常大当りが発生したかにかかわらず、次回大当りとなるまで高ベース状態(かつ高確率状態)に制御される。また、潜確大当りが発生した場合、通常状態で通常大当りが発生したときには高ベース状態に制御されず、通常状態以外の遊技状態で通常大当りが発生したときには次回大当りとなるまで高ベース状態(かつ高確率状態)に制御される。
また、大当りに制御されることなく非確変状態(低確率状態)において800回の変動を行った場合に時短回数800回の時短状態(救済時短)に制御される。
本例では、大当り遊技状態の終了後に制御される高ベース状態の有利度が異なる複数種類の大当り種別があり(具体的には、時短回数100回の通常大当りと、次回大当りまで高ベース状態に制御される確変大当りとがある)、複数種類のうちの特定の大当り種別の大当り遊技後に制御される時短状態(例えば、通常大当りによる大当り遊技の終了後に制御される時短回数100回)よりも、救済時短が成立したことにもとづいて制御される時短状態(本例では、時短回数800回)の方が、有利度が高くなるように構成されている。このような構成により、特定の大当り種別の大当り遊技後に制御される時短状態(すなわち時短状態A)よりも、救済時短が成立したことにもとづいて制御される時短状態(すなわち時短状態B)の方が、有利度が高い点で、救済時短での遊技意欲を遊技者に持たせることができる。
また、本例では、大当り確率が異なる複数の設定値のうちからいずれかの設定値を設定可能に構成されている一方で、大当り遊技状態の終了後に時短状態に制御されるときの時短状態(すなわち時短状態A)の有利度の選択割合(例えば、大当り遊技後に時短回数50回と100回とのいずれが選択されるかの割合)は、いずれの設定値に設定されているときにも共通である。また、救済時短が成立したことにもとづいて時短状態に制御されるときの時短状態(すなわち時短状態B)の有利度は、いずれの設定値に設定されているときにも共通である(例えば、救済時短による時短回数は設定値に関わらず800回である)。このような構成により、設定変更による射幸性の上昇を抑えることができ、健全な遊技性を実現することができる。
図8-5(B)は、設定値毎の救済時短到達率を示す説明図である。救済時短到達率とは、救済時短を経由した時短状態に制御される割合である。救済時短を経由した時短状態は、大当り遊技状態に制御されることなくn回(本例では800回)の変動を行うことにより制御されるものであるから、救済時短到達率Kは、以下のようにして算出できる。
K=(1-ML)={(P-1)÷P}
(K=救済時短到達率、P=大当り確率MLの分母、n=変動回数)
具体的には、例えば、設定値「1」であれば大当り確率MLが約1/319であるから救済時短到達率Kは8.1%となり、設定値「2」であれば大当り確率MLが約1/310であるから救済時短到達率Kは7.5%となり、設定値「3」であれば大当り確率MLが約1/300であるから救済時短到達率Kは6.9%となり、設定値「4」であれば大当り確率MLが約1/290であるから救済時短到達率Kは6.3%となり、設定値「5」であれば大当り確率MLが約1/280であるから救済時短到達率Kは5.7%となり、設定値「6」であれば大当り確率MLが約1/270であるから救済時短到達率Kは5.1%となる。
このように、大当り確率が低い設定値である程、救済時短到達率が高くなっている。これにより、大当り確率が低い設定値であっても遊技者を救済することができる。
また、本例では、大当り確率が高い設定値である程、大当り遊技状態を経て時短状態(時短状態A)に制御される割合が高い一方で、大当り確率が低い設定値である程、救済時短が成立して時短状態(時短状態B)に制御されやすく、さらに救済時短が成立したことにもとづいて制御される時短状態(時短状態B)の方が、大当り遊技状態の終了後に制御される時短状態(時短状態A)よりも、時短回数が多い点で有利度が高い(図8-5(A)参照)。このような構成により、大当り確率が低い設定値に設定されている場合であっても、救済条件が成立したことにもとづいて制御される時短状態(時短状態B)の方が大当り遊技状態の終了後に制御される時短状態(時短状態A)よりも有利度が高い点で、より効果的に遊技者の救済を図ることができる。
(変動パターンテーブル)
図8-6および図8-7は、特徴部022IWにおける変動パターンテーブルの具体例を示す説明図である。また、図8-8は、変動パターンテーブルの選択条件を示す説明図である。
例えば、図8-6(A)は、通常大当り及び確変大当り用(救済時短突入変動を除く)の変動パターンテーブルAの具体例を示している。また、図8-6(B)は、通常状態の通常モードにおける潜確大当りおよび小当り用(救済時短突入変動を除く)の変動パターンテーブルBの具体例を示している。また、図8-6(C)は、通常状態の潜伏モードおよび通常状態以外の遊技状態における小当り用の変動パターンテーブルCの具体例を示している。また、図8-6(D)は、通常状態の潜伏モード、通常モードにおける救済時短突入変動、および通常状態以外の遊技状態における潜確大当り用の変動パターンテーブルDの具体例を示している。
また、図8-6(E)は、通常状態の通常モードにおけるはずれ用(救済時短直前変動および救済時短突入変動を除く)の変動パターンテーブルEの具体例を示している。また、図8-6(F)は、通常状態の潜伏モードおよび潜確状態におけるはずれ用の変動パターンテーブルFの具体例を示している。また、図8-6(G)は、大当り経由の時短状態におけるはずれ用の変動パターンテーブルFの具体例を示している。また、図8-6(H)は、救済時短経由の時短状態におけるはずれ用の変動パターンテーブルHの具体例を示している。
また、図8-7(I)は、確変状態時のはずれ用の変動パターンテーブルIの具体例を示している。ただし、本例では、確変状態や時短状態であっても、保留記憶数が1以上でない場合(保留記憶がない場合)には、変動パターンテーブルEを用いて変動パターンが決定される。
また、図8-7(J),(K)は、救済時短となる直前10変動以内のはずれ用の変動パターンテーブルJ,Kの具体例を示している。このうち、図8-7(J)に示す変動パターンテーブルJは、保留記憶数(例えば、合算保留記憶数)が3以下である場合に選択される救済時短直前用の変動パターンテーブルである。また、図8-7(K)に示す変動パターンテーブルKは、保留記憶数(例えば、合算保留記憶数)が4以上である場合に選択される救済時短直前用の変動パターンテーブルである。
なお、救済時短となる直前10変動以内にはずれとなる場合には、図8-7(J),(K)に示す変動パターンテーブルJ,Kを用いて変動パターンを選択するものであるが、RAMクリアが行われてから大当りとなるまでの期間においては、救済時短となる直前10変動以内であっても図8-6(E)に示す変動パターンテーブルEを用いて変動パターンを選択するものである。
また、図8-7(L)は、救済時短突入変動におけるはずれ用の変動パターンテーブルLの具体例を示しているなお、救済時短突入変動においてはずれとなる場合には、図8-7(L)に示す変動パターンテーブルLを用いて変動パターンを選択するものであるが、RAMクリアが行われてから大当りとなるまでの期間においては、救済時短突入変動においてはずれとなる場合であっても図8-6(E)に示す変動パターンテーブルEを用いて変動パターンを選択するものである。
また、図8-7(M)は、救済時短突入変動における大当り用の変動パターンテーブルMの具体例を示している。なお、救済時短突入変動において大当りとなる場合には、図8-7(M)に示す変動パターンテーブルMを用いて変動パターンを選択するものであるが、RAMクリアが行われてから大当りとなるまでの期間においては、救済時短突入変動において大当りとなる場合であっても図8-6(A)に示す変動パターンテーブルAを用いて変動パターンを選択するものである。
また、図8-7(N)は、救済時短突入変動における小当り用の変動パターンテーブルNの具体例を示している。なお、救済時短突入変動において小当りとなる場合には、図8-7(N)に示す変動パターンテーブルNを用いて変動パターンを選択するものであるが、RAMクリアが行われてから大当りとなるまでの期間においては、救済時短突入変動において大当りとなる場合であっても図8-6(B)に示す変動パターンテーブルBを用いて変動パターンを選択するものである。
図8-6(A)に示すように、本例では、大当り(通常大当りまたは確変大当り)となる場合には、変動パターンとして、変動パターンPB2-1(ノーマルリーチ)、変動パターンPB2-2(スーパーリーチα)、変動パターンPB2-3(スーパーリーチβ)のいずれかに決定される。なお、大当り用(通常大当りまたは確変大当り)の変動パターンは、同じリーチ演出を行うはずれ用の変動パターンと比較して10000ms長い特図変動時間が確保されている。これは、はずれ変動と同じ長さのリーチ演出を行った後に、大当りとなることを祝福する祝福演出や、再度抽選を行っているかのように見せる再抽選演出を行う(例えば、通常大当りを示す大当り図柄を一旦停止しておき、確変大当りを示す大当り図柄に変更する再抽選演出を行う)ためである。
図8-6(B)に示すように、本例では、通常状態の通常モードにおいて潜確大当りまたは小当りとなる場合(救済時短突入変動を除く)には、変動パターンとして、変動パターンPC1-1(特殊変動)に決定される。これにより、通常状態の通常モードにおいて潜確大当りまたは小当りとなる場合には、潜確大当りであるか小当りであるかを遊技者が認識困難となるよう構成されている。
図8-6(C)に示すように、本例では、通常状態の潜伏モードおよび通常状態以外の遊技状態において小当りとなる場合には、変動パターンとして、変動パターンPC1-2(小当り変動)に決定される。また、図8-6(D)に示すように、本例では、通常状態の潜伏モード、通常モードにおける救済時短突入変動、および通常状態以外の遊技状態において潜確大当りとなる場合には、変動パターンとして、変動パターンPC1-3(潜確大当り変動)に決定される。これにより、通常状態の潜伏モードおよび通常状態以外の遊技状態である場合には、潜確大当りであるか小当りであるかを遊技者が認識できるよう構成されている。
また、図8-6(E)に示すように、本例では、通常状態時にはずれとなる場合には、変動パターンとして、変動パターンPA1-1(通常変動)、変動パターンPA2-1(ノーマルリーチ)、変動パターンPA2-2(スーパーリーチα)、変動パターンPA2-3(スーパーリーチβ)のいずれかに決定される。
また、図8-6(F)に示すように、本例では、通常状態の潜伏モードおよび潜確状態にはずれとなる場合には、変動パターンとして、変動パターンPA4-1(潜伏変動)、変動パターンPA2-1(ノーマルリーチ)、変動パターンPA2-2(スーパーリーチα)、変動パターンPA2-3(スーパーリーチβ)のいずれかに決定される。これにより、通常状態であるか潜確状態であるかを遊技者が認識困難となるよう構成されている。
また、図8-6(G)に示すように、本例では、大当り経由で制御された時短状態時にはずれとなる場合には、変動パターンとして、変動パターンPA1-2(超短縮変動)、変動パターンPA1-3(短縮変動)、変動パターンPA2-1(ノーマルリーチ)、変動パターンPA2-2(スーパーリーチα)、変動パターンPA2-3(スーパーリーチβ)のいずれかに決定される。
また、図8-6(H)に示すように、本例では、救済時短経由で制御された時短状態時にはずれとなる場合には、変動パターンとして、変動パターンPA1-4(極超短縮変動)、変動パターンPA2-1(ノーマルリーチ)、変動パターンPA2-2(スーパーリーチα)、変動パターンPA2-3(スーパーリーチβ)のいずれかに決定される。
図8-6(G)、および図8-6(H)に示すように、本例では、時短状態時には、変動パターンPA1-2(超短縮変動)や、変動パターンPA1-3(短縮変動)、変動パターンPA1-4(極超短縮変動)が決定される割合が高く、通常状態時と比べて平均した変動時間が短くなっている。また、救済時短経由で制御された時短状態時には、変動パターンPA1-4(極超短縮変動)の選択割合が99%と高くなっており、大当り経由で制御された時短状態時と比べて、さらに平均した変動時間が短くなっている。
また、図8-6(I)に示すように、本例では、確変状態時にはずれとなる場合には、変動パターンとして、変動パターンPA1-2(超短縮変動)、変動パターンPA2-1(ノーマルリーチ)、変動パターンPA2-2(スーパーリーチα)、変動パターンPA2-3(スーパーリーチβ)のいずれかに決定される。
また、図8-7(J)に示すように、本例では、救済時短となる直前10変動以内にはずれとなる場合には、保留記憶数(例えば、合算保留記憶数)が3以下であれば、変動パターンとして、変動パターンPA1-1(通常変動)、変動パターンPA2-1(ノーマルリーチ)、変動パターンPA2-2(スーパーリーチα)、変動パターンPA2-3(スーパーリーチβ)のいずれかに決定され、変動パターンPA1-1(通常変動)に決定される確率が90%と高くなっている。また、図8-7(K)に示すように、本例では、救済時短となる直前10変動以内にはずれとなる場合には、保留記憶数(例えば、合算保留記憶数)が4以上であれば、変動パターンとして、変動パターンPA1-3(短縮変動)、変動パターンPA2-1(ノーマルリーチ)、変動パターンPA2-2(スーパーリーチα)、変動パターンPA2-3(スーパーリーチβ)のいずれかに決定され、変動パターンPA1-3(短縮変動)に決定される確率が90%と高くなっている。
また、図8-6(G),(H)に示すように、はずれ変動の変動パターンを決定する際、救済時短を経由した時短状態の方が、大当り遊技状態を経由した時短状態よりも短い変動時間を有する変動パターンの選択割合が高くなっている。これにより、長い期間に亘り遊技を行った末に救済時短に到達した場合における興趣の低下を抑制することができる。
また、図8-6(G),(H)に示すように、はずれ変動の変動パターンを決定する際、救済時短を経由した時短状態の方が、大当り遊技状態を経由した時短状態よりもリーチ演出を伴う変動パターンの選択割合が低くなっている。これにより、長い期間に亘り遊技を行った末に救済時短に到達した場合における興趣の低下を抑制することができる。
図8-6(I)に示すように、本例では、確変状態時には、90%の高い確率で変動パターンPA1-2(超短縮変動)が決定され、時短状態時よりもさらに平均した変動時間が短くなっている。
また、図8-7(L)に示すように、本例では、通常状態において救済時短突入変動ではずれとなる場合には、変動パターンとして、変動パターンPA3-1(時短突入はずれ)に決定される。変動パターンPA3-1に決定された場合には、救済時短経由の時短状態へ移行すること(突入すること)を報知する時短突入演出が行われる。
また、図8-7(M)に示すように、本例では、通常状態において救済時短突入変動で大当り(通常大当りまたは確変大当り)となる場合には、変動パターンとして、変動パターンPA3-3(時短突入見せかけ大当り)に決定される。変動パターンPA3-3に決定された場合には、救済時短経由の時短状態へ移行すること(突入すること)を報知する時短突入演出が行われた後、大当りであることが報知され、祝福演出や再抽選演出が行われる。なお、時短突入演出が行われた後に行われる演出については、他の変動パターンが選択されたときにも実行可能な演出であってもよいが、他の変動パターンが選択されたときには実行されない演出であってもよく、これにより遊技者に意外性や特別感を感じさせることができる。
また、図8-7(N)に示すように、本例では、非時短状態において救済時短突入変動で小当りとなる場合には、変動パターンとして、変動パターンPA3-4(時短突入小当り)に決定される。変動パターンPA3-4に決定された場合には、救済時短経由の時短状態へ移行すること(突入すること)を報知する時短突入演出が行われる。
なお、本例では、非時短状態において救済時短突入変動で潜確大当りとなる場合、救済時短突入変動専用の変動パターンテーブルではなく、図8-6(D)に示す変動パターンテーブルDを用いて変動パターンを選択するものである。これは、救済時短突入変動において潜確大当りとなる場合には、救済時短経由の時短状態に制御されるのではなく、潜確大当りにもとづく潜確状態に制御されるため、潜確大当りが発生することを報知するためである。
なお、救済時短突入変動ではずれとなる場合と救済時短突入変動で大当りとなる場合とで、変動時間の長さが異なることとしたが、同じ長さの変動時間を有する変動パターン、または共通の変動パターンが選択されることとしてもよい。これにより、記憶容量を節減することができる。
なお、図8-6および図8-7に示した変動パターンテーブルの設定の仕方は一例であり、様々な態様が考えられる
また、本例では、図8-6(H)に示すように、救済時短経由の時短状態中は1.5秒の極超短縮変動の変動パターンPA1-4の選択割合が高く、変動表示の消化速度が早いことから、実行可能な予告演出や先読み予告演出の種類が少ない。例えば、救済時短経由の時短状態中である場合には、画像表示装置5の表示画面の端部においてエフェクト画像を表示する演出や、ランプやLEDを点灯させる演出、所定の演出音や通常とは異なる変動停止音を出力する演出などが実行される。
また、本例では、救済時短経由の時短状態中専用の変動パターンテーブルHを設ける場合を示しているが、救済時短経由の時短状態中専用の変動パターンテーブルHを設けず、例えば、大当り経由の時短状態中の変動パターンテーブルG(図8-6(G)参照)を用いて変動パターンを決定するように構成してもよい。
また、本例では、救済時短となるまでの残りの変動回数が10回以下となると変動パターンテーブルJ,K(図8-7(J),(K)参照)に切り替える場合を示しているが、そのような態様にかぎられない。例えば、救済時短となるまでの残り変動回数が少なくなるに従って徐々にリーチ割合が少なくなるように変動パターンテーブルを切り替えるように構成してもよいし、残り変動回数100回や200回など区切りの回数の場合のみ変動パターンテーブルを切り替えて残り変動回数を示唆可能に構成してもよい。
(演出制御コマンド)
図8-9および図8-10は、演出制御用CPU120に送出される演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。図8-9および図8-10に示す例において、コマンド80XX(H)は、特別図柄の可変表示に対応して画像表示装置5において可変表示される飾り図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である。なお、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。従って、演出制御用CPU120は、コマンド80XX(H)のいずれかを受信すると、画像表示装置5において飾り図柄の可変表示を開始するように制御する。
コマンド9000(H)は、変動パターンコマンドで指定する飾り図柄の可変表示の表示結果をはずれとすることを指定する演出制御コマンド(表示結果1指定コマンド)(はずれ指定コマンド))である。
コマンド9001(H)は、変動パターンコマンドで指定する飾り図柄の可変表示の表示結果を小当りとすることを指定する演出制御コマンド(表示結果2指定コマンド)(小当り指定コマンド))である。
コマンド9002(H)は、変動パターンコマンドで指定する飾り図柄の可変表示の表示結果を通常大当りとすることを指定する演出制御コマンド(表示結果3指定コマンド(通常大当り指定コマンド))である。コマンド9003(H)は、変動パターンコマンドで指定する飾り図柄の可変表示の表示結果を確変大当りとすることを指定する演出制御コマンド(表示結果4指定コマンド(確変大当り指定コマンド))である。コマンド9004(H)は、変動パターンコマンドで指定する飾り図柄の可変表示の表示結果を潜確大当りとすることを指定する演出制御コマンド(表示結果5指定コマンド(潜確大当り指定コマンド))である。
コマンド95XX(H)は、救済時短となるまでの残りの変動回数(126回以下の回数)を指定する演出制御コマンド(救済時短回数1指定コマンド)である。本例では、救済時短回数1指定コマンドのEXTデータに救済時短となるまでの残りの変動回数(126回以下の回数)に応じた値がセットされる。例えば、救済時短となるまでの残りの変動回数が1回である場合には、救済時短回数1指定コマンドとしてコマンド9501(H)が送信され、残りの変動回数が126回である場合には、救済時短回数1指定コマンドとしてコマンド957E(H)が送信される。なお、本例では、救済時短となるまでの残りの変動回数が127回以上の回数である場合には、EXTデータに最大値の7F(H)がセットされ、救済時短回数1指定コマンドとして一律にコマンド957F(H)が送信される。
コマンド96XX(H)は、救済時短となるまでの残りの変動回数(100回単位の回数)を指定する演出制御コマンド(救済時短回数2指定コマンド)である。本例では、救済時短回数2指定コマンドのEXTデータに救済時短となるまでの残りの変動回数(100回単位の回数)に応じた値がセットされる。例えば、救済時短となるまでの残りの変動回数が100回である場合には、救済時短回数2指定コマンドとしてコマンド9601(H)が送信され、残りの変動回数が700回である場合には、救済時短回数1指定コマンドとしてコマンド9607(H)が送信される。
コマンド97XX(H)は、電源復旧時の救済時短となるまでの残りの変動回数(100回単位の回数)を指定する演出制御コマンド(復旧時救済時短回数指定コマンド)である。本例では、電源復旧時に復旧時救済時短回数指定コマンドのEXTデータに救済時短となるまでの残りの変動回数に応じた値がセットされて送信される。例えば、電源復旧時に救済時短となるまでの残りの変動回数が100回以下である場合には、復旧時救済時短回数指定コマンドとしてコマンド9701(H)が送信され、残りの変動回数が701回以上かつ800回以下である場合には、復旧時救済時短回数指定コマンドとしてコマンド9708(H)が送信される。
なお、本例では、救済時短となるまでの残りの変動回数を1回単位で特定可能に送信できるのは126回までで、127回以上の残り回数である場合には100回単位で特定可能に送信する場合を示しているが、そのような態様にかぎられない。例えば、2つのコマンドを組み合わせて送信して、127回以上の残り回数の場合であっても1回単位で特定可能に送信できるようにしてもよい。
コマンドA000(H)は、第1特別図柄の可変表示の停止を特定可能であるとともに図柄確定期間が20秒であることを特定可能な演出制御コマンド(第1図柄確定A指定コマンド)である。コマンドA001(H)は、第1特別図柄の可変表示の停止を特定可能であるとともに図柄確定期間が0.5秒であることを特定可能な演出制御コマンド(第1図柄確定B指定コマンド)である。
コマンドA100(H)は、第2特別図柄の可変表示の停止を特定可能であるとともに図柄確定期間が20秒であることを特定可能な演出制御コマンド(第2図柄確定A指定コマンド)である。コマンドA101(H)は、第2特別図柄の可変表示の停止を特定可能であるとともに図柄確定期間が0.5秒であることを特定可能な演出制御コマンド(第2図柄確定B指定コマンド)である。
コマンドB000(H)は、大当り遊技の開始を指定する演出制御コマンド(大当り開始指定コマンド:ファンファーレ指定コマンド)である。コマンドB001(H)は、大当り遊技の終了を指定する演出制御コマンド(大当り終了指定コマンド:エンディング指定コマンド)である。
コマンドB1XX(H)は、大当り遊技中のラウンド中の表示を指定する演出制御コマンド(大入賞口開放中表示コマンド)である。なお、「XX」に表示するラウンド数が設定される。コマンドB2XX(H)は、大当り遊技中のラウンド後の表示(ラウンド間のインターバルの表示)を指定する演出制御コマンド(大入賞口開放後表示コマンド)である。
コマンドB400(H)は、大入賞口に遊技球が入賞したことを指定する演出制御コマンド(大入賞口入賞指定コマンド)である。
コマンドC000(H)は、第1保留記憶数が1増加したことを指定する演出制御コマンド(第1保留記憶数加算指定コマンド)である。コマンドC001(H)は、第2保留記憶数が1増加したことを指定する演出制御コマンド(第2保留記憶数加算指定コマンド)である。コマンドC100(H)は、第1保留記憶数が1減少したことを指定する演出制御コマンド(第1保留記憶数減算指定コマンド)である。コマンドC101(H)は、第2保留記憶数が1減少したことを指定する演出制御コマンド(第2保留記憶数減算指定コマンド)である。
コマンドE000(H)は、遊技状態が通常状態であるときの背景表示を指定する演出制御コマンド(通常状態背景指定コマンド)である。コマンドE001(H)は、遊技状態が大当り経由の時短状態であるときの背景表示を指定する演出制御コマンド(時短状態A背景指定コマンド)である。コマンドE002(H)は、遊技状態が救済時短経由の時短状態であるときの背景表示を指定する演出制御コマンド(時短状態B背景指定コマンド)である。コマンドE003(H)は、遊技状態が確変状態であるときの背景表示を指定する演出制御コマンド(確変状態背景指定コマンド)である。コマンドE004(H)は、遊技状態が潜確状態であるときの背景表示を指定する演出制御コマンド(潜確状態背景指定コマンド)である。
コマンドE100(H)は、右打ち報知を開始することを指定する演出制御コマンド(右打ち報知開始指定コマンド)である。コマンドE101(H)は、右打ち報知を終了することを指定する演出制御コマンド(右打ち報知終了指定コマンド)である。
コマンドF000(H)は、客待ちデモンストレーションを指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)である。
コマンドF1XX(H)は、XXで示す設定値に設定されていることを示す演出制御コマンド(設定値コマンド)である。例えば、設定値「1」であるときには設定値「1」を指定する設定値コマンド(F101(H))が、設定値「2」であるときには設定値「2」を指定する設定値コマンド(F102(H))が、設定値「3」であるときには設定値「3」を指定する設定値コマンド(F103(H))が、設定値「4」であるときには設定値「4」を指定する設定値コマンド(F104(H))が、設定値「5」であるときには設定値「5」を指定する設定値コマンド(F105(H))が、設定値「6」であるときには設定値「6」を指定する設定値コマンド(F106(H))が、送信される。
演出制御基板12に搭載されている演出制御用CPU120(具体的には、演出制御用CPU120)は、主基板11に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータ100から上述した演出制御コマンドを受信すると図8-9および図8-10に示された内容に応じて画像表示装置5の表示状態を変更するとともに、ランプの表示状態を変更し、音声制御基板13に対して音番号データを出力する。なお、図8-9および図8-10に示された演出制御コマンド以外の演出制御コマンドも主基板11から演出制御基板12に送信される。例えば、大当り遊技に関するより詳細な演出制御コマンドや遊技状態を示す演出制御コマンド(例えば、初期化コマンドを示す演出制御コマンド)も主基板11から演出制御基板12に送信される。
(遊技制御メイン処理)
図8-11は、特徴部022IWにおける遊技制御メイン処理を示すフローチャートである。本例において、ステップS1~S7の処理、ステップS8~S9の処理、およびステップS10~S12の処理は、図3で示したそれらの処理と同様である。
本例では、ステップS7において電断からの復旧を指示する演出制御コマンドを送信すると、CPU103は、救済時短となるまでの残りの変動回数をカウントするための救済時短回数カウンタの値を確認し、現在の救済時短回数カウンタの値に応じた値をセットして復旧時救済時短回数指定コマンドを演出制御用CPU120に送信する制御を行う(ステップ022IWS11)。例えば、現在の救済時短回数カウンタの値が100以下である場合には、CPU10は、復旧時救済時短回数指定コマンドとしてコマンド9701(H)を送信する制御を行う。また、例えば、現在の救済時短回数カウンタの値が701以上かつ800以下である場合には、CPU10は、復旧時救済時短回数指定コマンドとしてコマンド9708(H)を送信する制御を行う。従って、本例では、遊技機への電源投入時にRAMクリア処理が実行されず復旧処理が実行された場合には、復旧時救済時短回数指定コマンドが送信されて、現在の救済時短までの残りの変動回数が通知される。
なお、本例では、電断復旧時に復旧時のコマンドとは別に復旧時救済時短回数指定コマンドを送信する場合を示しているが、そのような態様にかぎられない。例えば、ステップS7で送信される復旧時のコマンド(例えば、電源投入指定コマンド)のEXTデータに救済時短となるまでの残り回数に応じた値をセットして送信するように構成してもよい。
また、ステップS9において初期化を指示する演出制御コマンドを送信すると、CPU103は、救済時短回数カウンタに「800」をセットする(ステップ022IWS12)。従って、本例では、遊技機への電源投入時にRAMクリア処理が実行された場合には、救済時短回数カウンタに「800」がセットされる。すなわち、本例では、遊技機への電源投入時にRAMクリア処理が実行された後、800回の変動表示を実行しても大当りが発生しなかった場合には、救済時短となり時短状態に制御されることになる。なお、本例では、ステップS9において送信する初期化を指示する演出制御コマンドにもとづいて、救済時短回数カウンタにセットする初期値を特定可能である。
なお、本例では、遊技機への電源投入時にRAMクリア処理が実行されたときに救済時短回数カウンタに「800」をセットして初期設定する場合を示しているが、そのような態様にかぎらず、RAMクリア処理が実行されたときに救済時短回数カウンタの初期設定を行わないように構成してもよい。そのように構成すれば、前日の救済時短回数カウンタの値の続きの状態から遊技を開始できるので、救済時短となるまでの投資額を減らすことができ、遊技者にとって不利にならないように構成することができる。
また、上記のように構成する場合、クリアスイッチのオンを検出(ステップS3のY)してRAMクリア処理が実行されたときにのみ救済時短回数カウンタの初期設定を行わないように構成し、RAM異常を検出(ステップS4,S5のN)してRAMクリア処理が実行されたときには、救済時短回数カウンタの初期設定を行うように構成してもよい。
なお、電源投入時にクリアスイッチからの出力信号がオンである場合には、ステップS8において保留記憶情報および時短フラグ情報について初期化されるとともに、ステップ022IWS12において救済時短回数カウンタについても初期化される構成である一方、電断からの復旧時には保留記憶情報、時短フラグ情報および救済時短回数カウンタ情報について、電断が発生する前からバックアップされた状態となっている。これにより、例えば、救済時短に到達する直前のタイミングで電断が発生した場合にも、遊技者に不利益を与えることを防止している。
例えば、4個の保留記憶が記憶されている状態であり、前回大当りに制御してから799回目の変動(救済時短回数カウンタ=1)の実行中に電断が発生した場合、仮に該電断から復旧されたときに保留記憶情報、時短フラグ情報および救済時短回数カウンタ情報が初期化されたのでは、救済時短を経由する時短状態に制御することが決定されていた(800回目の変動に対応する保留記憶が記憶されていた)にもかかわらず、電断から復旧された後に時短状態に制御されないこととなってしまい、遊技者に不利益を与えてしまう。そこで、電断復旧時には保留記憶情報、時短フラグ情報および救済時短回数カウンタ情報を初期化しないことにより、遊技者に不利益を与えることを防止している。
なお、本例では、クリアスイッチからの出力信号がオンである場合には、救済時短回数カウンタ情報についても初期化する(ステップ022IWS12)構成であることとしたが、クリアスイッチからの出力信号がオンである場合に保留記憶情報および時短フラグ情報については初期化し、救済時短回数カウンタ情報を初期化しない構成としてもよい。具体的に、ステップS8の処理を行うことにより、保留記憶情報および時短フラグ情報の初期化については行うものの、ステップ022IWS12の処理を行わないこととしてもよい。これにより、遊技店による救済時短回数カウンタ情報の意図的な初期化を防止することができ、遊技者の救済度合いを担保することができる。
(遊技制御用タイマ割込み処理)
図8-12は、特徴部022IWにおける遊技制御用タイマ割込み処理の一例を示すフローチャートである。特徴部022IWにおける遊技制御用タイマ割込み処理では、ステップS27の後、CPU103は、遊技機の制御状態を遊技機外部の試験装置(遊技機の実射試験をするために用いられる装置)で確認できるようにするために試験信号を出力する試験端子処理を行う(ステップ022IWS28)。試験装置において遊技機の内部状態を特定可能とすることにより、円滑に遊技機の実射実試験を行うことができる。なお、主基板11には、試験信号を出力するための試験信号端子を搭載するためのスペースと、試験信号端子をはんだ付けする際に必要なランドと、ランドとCPU103とを電気的に接続する配線パターンとが設けられている。試験信号端子は、必要に応じて取り付けおよび取り外しが行われる。例えば、実射試験に用いるための遊技機(試験機)には試験信号端子を取り付けるが、遊技店に設置される遊技機(量産機)には試験信号端子を取り付けないようなものであってもよい。なお、試験信号端子が取り付けられているか否かにかかわらず、CPU103は試験端子処理(ステップ022IWS28)を行うものである。また、ステップS23において、CPU103は、図8-13に示す信号をホール管理用コンピュータ、遊技機毎の遊技履歴情報を表示する情報表示装置、遊技店員を呼び出すための呼び出しランプなどの外部装置へ出力する処理を行う。
(外部出力信号)
図8-13は、パチンコ遊技機1から外部出力される外部出力信号の一例を示す説明図である。図8-13に示すように、本例では、端子番号1~12の外部出力信号端子が取り付けられている。
端子番号1の外部出力信号端子には、賞球信号が割り当てられている。賞球信号とは、賞球を所定個数(本例では、10個)払い出すごとに0.1秒間にわたって外部出力され、その後0.1秒間にわたって外部出力が停止される信号である。
端子番号2の外部出力信号端子には、扉・枠開放信号が割り当てられている。扉・枠開放信号は、遊技機用枠3またはガラス扉枠3aが開放状態となっている期間中にわたって連続して外部出力される信号(すなわち、遊技機用枠3またはガラス扉枠3aが開放状態であることを示す信号)である。
端子番号3の外部出力信号端子には、全図柄確定回数信号が割り当てられている。全図柄確定回数信号は、第1特別図柄および第2特別図柄の停止毎に0.1秒間にわたって外部出力される信号(すなわち、特別図柄の変動表示が実行され、停止表示されたことを示す信号)である。
端子番号4の外部出力信号端子には、全始動口信号が割り当てられている。全始動口信号は、第1始動入賞口および第2始動入賞口への入賞毎に0.1秒間にわたって外部出力され、その後0.1秒間にわたって外部出力が停止される信号である。
端子番号5の外部出力信号端子には、大当り1信号が割り当てられている。大当り1信号は、全ての大当り遊技の期間中、小当り遊技の期間中、および救済時短が成立したとき外部出力される信号(すなわち、大当り遊技中、小当り遊技の期間中、または救済時短が成立したことを示す信号)である。
端子番号6の外部出力信号端子には、大当り2信号が割り当てられている。大当り2信号は、全ての大当り遊技の期間中および高ベース状態中にわたって連続して外部出力される信号(すなわち、連荘中であることを示す信号)である。
端子番号7の外部出力信号端子には、小当り信号が割り当てられている。小当り信号は、小当り遊技の期間中にわたって連続して外部出力される信号(すなわち、小当り中であることを示す信号)である。
端子番号8の外部出力信号端子には、高ベース信号が割り当てられている。高ベース信号は、時短状態中(大当り遊技の終了後に制御される時短状態(すなわち時短状態A)および救済時短が成立したことにもとづいて制御される時短状態(すなわち時短状態B)中)にわたって連続して外部出力される信号(すなわち、いずれかの時短状態であることを示す信号)である。
端子番号9の外部出力信号端子には、高確率信号が割り当てられている。高確率信号は、高確率状態中にわたって連続して外部出力される信号(すなわち、高確率状態(確変状態、潜確状態)であることを示す信号)である。
端子番号10の外部出力信号端子には、アウト信号が割り当てられている。アウト信号とは、パチンコ遊技機1内から遊技球を所定個数(本例では、10個)排出するごとに0.1秒間にわたって外部出力され、その後0.1秒間にわたって外部出力が停止される信号(すなわち、発射された遊技球の数を示す信号)である。
端子番号11の外部出力信号端子には、入賞信号が割り当てられている。入賞信号とは、全ての入賞口への入賞発生時に、賞球を所定個数(本例では、10個)払い出すごとに0.1秒間にわたって外部出力され、その後0.1秒間にわたって外部出力が停止される信号である。
端子番号12の外部出力信号端子には、セキュリティ信号が割り当てられている。セキュリティ信号とは、電源投入時に初期化処理が実行されると、30秒間にわたって外部出力される信号である。また、セキュリティ信号は、不正行為(例えば、異常入賞やスイッチ異常の検出など)が検出されたときに、4分間にわたって外部出力される。また、セキュリティ信号は、遊技停止の対象となるエラー(例えば、磁気検出)が検出されたときに、電源オフまでおよび電源再投入後(すなわちエラー解除後)4分間にわたって外部出力される。また、セキュリティ信号は、設定変更モードおよび設定確認モードのときに、外部出力される。
ホール管理用コンピュータ、遊技機毎の遊技履歴情報を表示する情報表示装置、遊技店員を呼び出すための呼び出しランプなどの外部装置では、大当り1信号により大当り回数、小当り回数、および救済条件成立回数を計測可能であり、大当り1信号および大当り2信号により連荘回数を計測可能であり、高ベース信号により高ベース状態制御回数を計測可能である。
また、本例では、大当りとなることに対応する大当り1信号と、救済時短経由の時短状態となることに対応する大当り1信号とを、小当りとなることに対応する大当り1信号とを、それぞれ共通の端子から遊技機の外部に出力可能に構成されている。このような構成により、最後に大当りが発生してから実行した実行変動回数を表示する情報表示装置(外部装置)においては、大当り1信号が入力された場合に実行変動回数を0にリセットするリセット処理を行うのであるが、大当りが発生したときと小当りが発生したときと救済時短経由の時短状態となったときとに共通してリセット処理を行うこととなるため、最後に大当りとなってからの変動回数であるのか、最後に小当りとなってからの変動回数であるのか、最後に救済時時短経由の時短状態に制御されてからの変動回数であるのか、が認識困難となり、遊技者による次に救済条件が成立するまでの残余変動回数の認識が困難となる。これにより、救済時短までの残余変動回数が少ないことを確認して遊技を開始すること(いわゆるハイエナ行為)を抑制することができる。
ホール管理用コンピュータ等の外部装置では、遊技機から出力される外部出力信号を受信することにより、各遊技機の大当り回数や連荘回数、各時短状態の制御回数などを計測可能である他、スタート値やベース値などの遊技に関する様々なデータを算出可能である。
スタート値とは、発射された遊技球100発に対して特図ゲームが何回実行されたかを示す値であり、全図柄確定回数信号およびアウト信号の受信状況にもとづいて算出可能である。例えば、アウト信号を10回受信する間に全図柄確定回数信号を5回受信すれば、スタート値は5となる。
本例の遊技機では、遊技球が遊技領域の右方(右側領域)および左方(左側領域)のいずれを通過するかと、低ベース状態および高ベース状態のいずれに制御されているかと、に応じて、特図ゲームの実行されやすさが異なるように構成されている。そこで、本例の遊技機では、通常状態(低ベース状態)と高ベース状態とのいずれに制御されているかを特定可能な外部出力を行うことにより、スタート値のうち、例えば、通常状態(低ベース状態)において発射された遊技球100発に対して特図ゲームが何回実行されたかを示す値を第1スタート値とし、高ベース状態において発射された遊技球100発に対して特図ゲームが何回実行されたかを示す値を第2スタート値として区別して外部装置で算出できるようにしている。具体的には、高ベース信号がオフ状態であれば、通常状態(低ベース状態)であると特定することができ、高ベース信号がオン状態であれば、高ベース状態であると特定することができる。
第1スタート値は、遊技しやすさの目安となる。例えば、同じ回数の特図ゲームを実行するとしても、第1スタート値が大きい遊技機であれば遊技者の投資額が少なくなり、第1スタート値が小さい遊技機であれば遊技者の投資額が多くなる。また、第2スタート値は、高ベース状態における変動効率の目安となる。例えば、高ベース状態における大当り確率が同じであっても、第2スタート値が大きい遊技機であるほど、次の大当りが発生するまでの期間が短くなる(つまり短期間で連荘が発生する)。そのため、第1スタート値および第2スタート値のいずれも、ホール側にとって遊技機の状態を特定するための重要な値の1つである。
また、本例の遊技機では、時短状態であっても、大当り経由の時短状態Aと、救済時短経由の時短状態Bとで、変動パターンの選択割合が異なるように構成されているため(図8-6~図8-8参照)、それぞれスタート値が異なることが想定される。加えて、大当り経由の時短状態Aと、救済時短経由の時短状態Bとで、可変入賞球装置6Bの開放パターン(すなわち第2始動入賞口への入賞しやすさ)を異ならせるように構成するとすれば、さらにスタート値が異なることが想定される。そこで、本例の遊技機では、上述したように、いずれの時短状態に制御されているかを特定可能な外部出力を行うことにより、時短状態Aおよび時短状態Bに対応する第2スタート値A、および第2スタート値Bを区別して外部装置で算出できるようにしている。
ベース値とは、発射された遊技球100発に対して払い出された(大当り遊技中を除く)遊技球の割合を示すものであり、大当り遊技中以外での出玉率を示す値である。ベース値は、賞球信号およびアウト信号の受信状況にもとづいて算出可能である。例えば、アウト信号を10回受信する間に賞球信号を2回受信すれば、ベース値は20となる。ベース値が大きいほど、持ち球で遊技できる期間が長くなるため、遊技者にとっては遊びやすい遊技機であるといえる。
本例の遊技機では、遊技球が遊技領域の右方(右側領域)および左方(左側領域)のいずれを通過するかと、低ベース状態および高ベース状態のいずれに制御されているかと、に応じて、賞球の得やすさが異なるように構成されている。そこで、本例の遊技機では、通常状態(低ベース状態)と高ベース状態とのいずれに制御されているかを特定可能な外部出力を行うことにより、ベース値のうち、例えば、通常状態(低ベース状態)において発射された遊技球100発に対して払い出された遊技球の割合を示す値を第1ベース値とし、高ベース状態において発射された遊技球100発に対して払い出された遊技球の割合を示す値を第2ベース値として区別して算出できるようにしている。
また、本例の遊技機では、時短状態であっても、大当り経由の時短状態Aと、救済時短経由の時短状態Bとで、変動パターンの選択割合が異なるように構成されているため(図8-6~図8-8参照)、それぞれベース値が異なることが想定される。加えて、大当り経由の時短状態Aと、救済時短経由の時短状態Bとで、可変入賞球装置6Bの開放パターン(すなわち第2始動入賞口への入賞しやすさ)を異ならせるように構成するとすれば、さらにベース値が異なることが想定される。そこで、本例の遊技機では、上述したように、いずれの時短状態に制御されているかを特定可能な外部出力を行うことにより、時短状態A、および時短状態Bに対応する第2ベース値A、および第2ベース値Bを区別して外部装置で算出できるようしている。
なお、本例の遊技機が出力する外部出力信号によってホール管理用コンピュータ等の外部装置で算出可能なデータは、スタート値やベース値に限られない。例えば、発射された遊技球を示すアウト数や、発射された遊技球の数と払い出された遊技球の数との差を示す差数、特賞(低ベース状態で大当りが発生した時点から再び低ベースに移行するまでの期間)1回あたりの平均アウト数、特賞(低ベース状態で大当りが発生した時点から再び低ベースに移行するまでの期間)1回あたりの平均差数、高ベース状態に制御された回数、高ベース状態中の平均アウト数、高ベース状態中の大当り確率、大当り回数(高ベース状態中の大当りを含む)、大当り1回あたりの平均アウト数、大当り1回あたりの平均差数、大当りが発生するまでに要する平均スタート数、初当り確率(初回大当りまでの平均スタート数)などについても、算出可能である。また、本例の遊技機では、時短状態に制御されているか否か、さらにいずれの時短状態に制御されているかを特定可能な外部出力を行うため、これらの値についても、通常状態と時短状態とで区別して算出可能とし、さらに大当り経由の時短状態Aと、救済時短経由の時短状態Bとで、区別して算出可能とすることができる。
このような構成により、本例では、通常状態と時短状態とを区別して、遊技に関する様々な値(例えば、スタート値やベース値など)を外部で正確に算出することができる。さらに、本例では、時短状態のうち、大当り経由の時短状態Aと、救済時短経由の時短状態Bとを区別して、遊技に関する様々な値(例えば、スタート値やベース値など)を外部で正確に算出することができる。
また、ホール管理用コンピュータなどの外部装置において、高ベース状態に制御された契機やタイミング、回数を特定可能となるため、例えば、カードユニットに投入されたカードのID情報や、顔認証機能(例えば、カードユニットに搭載されたカメラを用いたユーザ分析機能)の認証結果と組み合わせて、実際の運用上の救済時短到達率や救済回数に到達した際の遊技者がどのような客層なのか等の遊技店における遊技機の運用上の分析が可能となる。
(試験信号)
図8-14および図8-15は、パチンコ遊技機1から外部出力される試験信号の例を示す説明図である。主基板11には、図8-14(A)に示す遊技機試験信号端子1A、図8-14(B)に示す遊技機試験信号端子1B、図8-14(C)に示す遊技機試験信号端子2A、および図8-15(D)に示す図柄データ信号端子1Aが取り付けられる。
図8-14(A)に示す遊技機試験信号端子1Aにおいては、発射位置指定信号1~発射位置指定信号3が出力される(ピン番号6~8参照)。例えば、発射位置指定信号1は、遊技者が左打ち(遊技領域の左側の領域を狙って遊技球を発射する遊技方法)を行うと想定される遊技状態において出力される(オン状態になる)信号である。発射位置指定信号2は、遊技者が中打ち(遊技領域の中央領域を狙って遊技球を発射する遊技方法)を行うと想定される遊技状態において出力される(オン状態になる)信号である。発射位置指定信号3は、遊技者が右打ちを行うと想定される遊技状態において出力される(オン状態になる)信号である。このように、発射位置指定信号1,2,3は、遊技領域におけるいずれの領域に向けて打球発射装置から遊技球が発射されるのかを示す発射状態を示す信号である。
図8-14(B)に示す遊技機試験信号端子1Bにおいては、特別図柄1当り信号、特別図柄1高確率状態信号、特別図柄1変動時間短縮状態信号、特別図柄1小当り信号、および特別図柄1救済回数到達信号が出力される(ピン番号20~24参照)。例えば、特別図柄1当り信号は、第1特別図柄が大当り図柄で停止表示されるとき(確定期間中)において出力される(オン状態になる)信号である。特別図柄1高確率状態信号は、第1特別図柄の変動にもとづいて制御されている高確率状態(確変状態、潜確状態)において出力される(オン状態になる)信号である。特別図柄1変動時間短縮状態信号は、第1特別図柄の変動にもとづいて制御されている高ベース状態(確変状態、時短状態)において出力される(オン状態になる)信号である。特別図柄1小当り信号は、第1特別図柄が小当り図柄で停止表示されるとき(確定期間中)において出力される(オン状態になる)信号である。特別図柄1救済回数到達信号は、第1特別図柄の変動にもとづいて救済時短の変動に到達したときにおいて出力される(オン状態になる)信号である。
図8-14(C)に示す遊技機試験信号端子2Aにおいては、特別図柄2当り信号、特別図柄2高確率状態信号、特別図柄2変動時間短縮状態信号、特別図柄2小当り信号、および特別図柄2救済回数到達信号が出力される(ピン番号12~16参照)。例えば、特別図柄2当り信号は、第2特別図柄が大当り図柄で停止表示されるとき(確定期間中)において出力される(オン状態になる)信号である。特別図柄2高確率状態信号は、第2特別図柄の変動にもとづいて制御されている高確率状態(確変状態、潜確状態)において出力される(オン状態になる)信号である。特別図柄2変動時間短縮状態信号は、第2特別図柄の変動にもとづいて制御されている高ベース状態(確変状態、時短状態)において出力される(オン状態になる)信号である。特別図柄2小当り信号は、第2特別図柄が小当り図柄で停止表示されるとき(確定期間中)において出力される(オン状態になる)信号である。特別図柄2救済回数到達信号は、第2特別図柄の変動にもとづいて救済時短の変動に到達したときにおいて出力される(オン状態になる)信号である。
また、図8-14(C)に示す遊技機試験信号端子2Aにおいては、入賞容易状態指定信号1、および入賞容易状態指定信号2が出力される(ピン番号25、26参照)。例えば、入賞容易状態指定信号1は、大当り経由の時短状態(時短状態A)に制御されているとき(時短フラグAがセットされているとき)において出力される(オン状態になる)信号である。入賞容易状態指定信号2は、救済時短経由の時短状態(時短状態B)に制御されているとき(時短フラグBがセットされているとき)において出力される(オン状態になる)信号である。
図8-15(D)に示す図柄データ信号端子1Aにおいては、図柄1データbit0~図柄1データbit2、および図柄2データbit0~図柄2データbit7が出力され得る(ピン番号1~16参照)。例えば、図柄1データbit0は、第1特別図柄がはずれ図柄で変動停止するときにおいて出力される(オン状態になる)信号である。図柄1データbit1は、第1特別図柄が小当り図柄で変動停止するときにおいて出力される(オン状態になる)信号である。図柄1データbit2は、第1特別図柄が大当り図柄で変動停止するときにおいて出力される(オン状態になる)信号である。本例では図柄1データbit3~図柄1データbit7については出力されない構成であるが、例えば、第1特別図柄が時短はずれ図柄で変動停止することや、大当り種別や小当り種別などを特定可能に出力することができるようになっている。
例えば、図柄2データbit0は、第2特別図柄がはずれ図柄で変動停止するときにおいて出力される(オン状態になる)信号である。図柄2データbit1は、第2特別図柄が小当り図柄で変動停止するときにおいて出力される(オン状態になる)信号である。図柄2データbit2は、第2特別図柄が大当り図柄で変動停止するときにおいて出力される(オン状態になる)信号である。本例では図柄2データbit3~図柄2データbit7については出力されない構成であるが、例えば、第2特別図柄が時短はずれ図柄で変動停止することや、大当り種別や小当り種別などを特定可能に出力することができるようになっている。
なお、図8-14(A)に示す遊技機試験信号端子1A、図8-14(B)に示す遊技機試験信号端子1B、図8-14(C)に示す遊技機試験信号端子2A、および図8-15(D)に示す図柄データ信号端子1Aからは、上述した試験信号の他、様々な信号を出力可能に構成されている。
(試験端子処理)
図8-16および図8-17は、試験端子処理における各試験信号の出力に関わる処理例を示すフローチャートである。なお、図8-16および図8-17では、図8-14および図8-15に示した信号以外の外部出力信号を出力する処理は省略されている。
試験端子処理において、CPU103は、まず、出力ポートバッファのうちの試験信号出力バッファにおける各信号のビットをクリアする(ステップ022IWS31)。そして、大当り図柄確定期間中である場合(ステップ022IWS32のY)、ファンファーレ期間およびエンディング期間を含む大当り期間中または小当り期間中である場合(ステップ022IWS33のY)、またはいずれかの時短フラグがセットされている場合(ステップ022IWS34のY)、試験信号出力バッファにおける発射位置指定信号3のビットをセットする(ステップ022IWS35)。なお、時短フラグとしては、時短状態Aであることを示す時短フラグAと、時短状態Bであることを示す時短フラグBと、が含まれる。
大当り図柄確定期間中ではなく、ファンファーレ期間およびエンディング期間を含む大当り期間中ではなく、いずれの時短フラグもセットされていない場合(ステップ022IWS34のN)、試験信号出力バッファにおける発射位置指定信号1のビットをセットする(ステップ022IWS36)。
また、ここでは、発射位置指定信号1,3の出力を切り替えることにより、遊技者がいずれの打ち方を行うと想定される遊技状態であるかを示す情報を外部装置(試験装置)へ報知可能な構成であるが、単一の発射位置指定信号のセット/リセット制御により、遊技者がいずれの打ち方を行うと想定される遊技状態であるかを示す情報を外部装置(試験装置)へ報知可能な構成としてもよい。例えば、ステップ022IWS34のNである場合にステップ022IWS36の処理を行わずにステップ022IWS37へ移行する構成とすることにより、または、ステップ022IWS31の処理を行わないとともに、ステップ022IWS36の処理に代えて発射位置指定信号3のビットをクリアする処理を行うことにより、発射位置指定信号3のビットがセットされているか否かによって遊技者がいずれの打ち方を行うと想定される遊技状態であるかを示す情報を外部装置(試験装置)へ報知可能な構成としてもよい。
また、CPU103は、第1特別図柄における大当り図柄確定期間中である場合(ステップ022IWS37AのY)、特別図柄1当り信号のビットをセットし(ステップ022IWS37B)、図柄1データbit2のビットをセットする(ステップ022IWS37C)。
また、CPU103は、第1特別図柄における小当り図柄確定期間中である場合(ステップ022IWS37DのY)、特別図柄1小当り号のビットをセットし(ステップ022IWS37E)、図柄1データbit1のビットをセットする(ステップ022IWS37F)。
また、CPU103は、第1特別図柄におけるはずれ図柄確定期間中である場合(ステップ022IWS37GのY)、図柄1データbit0のビットをセットする(ステップ022IWS37H)。
また、CPU103は、第2特別図柄における大当り図柄確定期間中である場合(ステップ022IWS38AのY)、特別図柄2当り信号のビットをセットし(ステップ022IWS38B)、図柄2データbit2のビットをセットする(ステップ022IWS38C)。
また、CPU103は、第2特別図柄における小当り図柄確定期間中である場合(ステップ022IWS38DのY)、特別図柄2小当り信号のビットをセットし(ステップ022IWS38E)、図柄2データbit1のビットをセットする(ステップ022IWS38F)。
また、CPU103は、第2特別図柄におけるはずれ図柄確定期間中である場合(ステップ022IWS38GのY)、図柄2データbit0のビットをセットする(ステップ022IWS38H)。
また、CPU103は、第1特別図柄の変動にもとづいて救済時短回数に到達した場合(ステップ022IWS39AのY)、特別図柄1救済回数到達信号のビットをセットする(ステップ022IWS39B)。また、CPU103は、第2特別図柄の変動にもとづいて救済時短回数に到達した場合(ステップ022IWS39CのY)、特別図柄2救済回数到達信号のビットをセットする(ステップ022IWS39D)。具体的に、時短フラグBをセットした際に特別図柄ポインタに「第1」および「第2」のいずれのデータが設定されているかに応じてフラグをセットし、該フラグにもとづいていずれの特別図柄の変動にもとづいて救済時短回数に到達したかを特定することができる。なお、本例では第1特別図柄の変動にもとづいて救済時短回数に到達したときに瞬間的に特別図柄1救済回数到達信号を出力するものとするが、第1特別図柄の変動にもとづいて救済時短経由の時短状態に制御されている期間中は継続して特別図柄1救済回数到達信号を出力するものであってもよい。同様に、本例では第2特別図柄の変動にもとづいて救済時短回数に到達したときに瞬間的に特別図柄1救済回数到達信号を出力するものとするが、第2特別図柄の変動にもとづいて救済時短経由の時短状態に制御されている期間中は継続して特別図柄2救済回数到達信号を出力するものであってもよい。
また、CPU103は、第1特別図柄の変動にもとづいて高確率状態(確変状態、潜確状態)の制御中である場合(ステップ022IWS40AのY)、特別図柄1高確率状態信号のビットをセットする(ステップ022IWS40B)。また、CPU103は、第2特別図柄の変動にもとづいて高確率状態(確変状態、潜確状態)の制御中である場合(ステップ022IWS40CのY)、特別図柄2高確率状態信号のビットをセットする(ステップ022IWS40D)。具体的に、高確率フラグをセットした際に特別図柄ポインタに「第1」および「第2」のいずれのデータが設定されているかに応じてフラグをセットし、該フラグにもとづいていずれの特別図柄の変動にもとづいて高確率状態(確変状態、潜確状態)に制御したかを特定することができる。
また、CPU103は、第1特別図柄の変動にもとづいて高確率状態(確変状態、潜確状態)の制御中である場合(ステップ022IWS41AのY)、特別図柄1変動時間短縮状態信号のビットをセットする(ステップ022IWS41B)。また、CPU103は、第2特別図柄の変動にもとづいて高ベース状態(確変状態、時短状態)の制御中である場合(ステップ022IWS41CのY)、特別図柄2変動時間短縮状態信号のビットをセットする(ステップ022IWS41D)。具体的に、時短フラグをセットした際に特別図柄ポインタに「第1」および「第2」のいずれのデータが設定されているかに応じてフラグをセットし、該フラグにもとづいていずれの特別図柄の変動にもとづいて確変状態に制御したかを特定することができる。
また、CPU103は、時短フラグAがセットされている場合(ステップ022IWS42AのY)、入賞容易状態指定信号1のビットをセットする(ステップ022IWS42B)。また、CPU103は、時短フラグBがセットされている場合(ステップ022IWS42CのY)、入賞容易状態指定信号2のビットをセットする(ステップ022IWS42D)。なお、後述するように、時短状態において大当りが発生する場合には、大当り変動の停止タイミングにおいて各時短フラグがリセットされ、大当り終了時に時短フラグAがセットされ得る構成であるため、時短状態Aにおいて通常大当りが発生する場合には、大当り変動の停止タイミングから大当り終了タイミングまでの期間は一時的に入賞容易状態指定信号1がオフにされるものである。
そして、CPU103は、試験信号出力バッファの内容を出力ポートに出力することによって(ステップ022IWS43)、試験信号としての各信号を試験信号端子に伝達する。このように試験信号が出力されることにより、試験装置側で遊技機の内部状態を特定可能となっている。
(特別図柄プロセス処理)
図8-18は、特徴部022IWにおける特別図柄プロセス処理の一例を示すフローチャートである。本例において、始動入賞判定処理(ステップ022IWS101)は、図5に示す始動入賞判定処理(ステップS101)と概ね同様である。また、特別図柄通常処理(ステップ022IWS110)~特別図柄停止処理(ステップ022IWS113)は、図5に示す特別図柄通常処理(ステップS110)~特別図柄停止処理(ステップS113)と概ね同様である。ただし、本例では、小当り図柄を導出表示した場合には、小当り開放前処理(ステップ022IWS114)に移行する。また、大当り図柄を導出表示した場合には、大当り開放前処理(ステップ022IWS117)に移行する。
小当り開放前処理(ステップ022IWS114):特別図柄プロセスフラグの値が4であるときに実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ100は、特別可変入賞球装置7を開放状態に制御する処理を実行して、内部状態(具体的には、特別図柄プロセスフラグの値)を、小当り開放中処理(ステップ022IWS115)に応じた値(この例では5)に更新する。
小当り開放中処理(ステップ022IWS115):特別図柄プロセスフラグの値が5であるときに実行される。特別可変入賞球装置7の開放中に開放時間が経過した場合には、特別可変入賞球装置7を閉状態に制御し、特別可変入賞球装置7の閉鎖中に閉鎖時間が経過し、まだ開放回数が残っている場合には、特別可変入賞球装置7を開状態に制御する。特別可変入賞球装置7の全ての開放を終了し、閉鎖時間(インターバル時間)も経過した場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)を小当り閉鎖後処理(ステップ022IWS116)に対応した値(この例では6)に更新する。
小当り閉鎖後処理(ステップ022IWS116):特別図柄プロセスフラグの値が6であるときに実行される。内部状態(特別図柄プロセスフラグ)を特別図柄通常処理(ステップ022IWS110)に対応した値(この例では0)に更新する。
大当り開放前処理(ステップ022IWS117)~大当り終了処理(ステップ022IWS120)は、図5に示す大当り開放前処理(ステップS114)~大当り終了処理(ステップS117)と概ね同様である。
(特別図柄通常処理)
図8-19および図8-20は、特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理(ステップS110)を示すフローチャートである。特別図柄通常処理において、CPU103は、合算保留記憶数の値を確認する(ステップ022IWS51)。具体的には、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計数をカウントするための合算保留記憶数カウンタのカウント値を確認する。合算保留記憶数が0でなければ、CPU103は、第2保留記憶数が0であるか否かを確認する(ステップ022IWS52)。具体的には、第2保留記憶数をカウントするための第2保留記憶数カウンタの値が0であるか否かを確認する。第2保留記憶数が0でなければ、CPU103は、特別図柄ポインタ(第1特別図柄について特別図柄プロセス処理を行っているのか第2特別図柄について特別図柄プロセス処理を行っているのかを示すフラグ)に「第2」を示すデータを設定する(ステップ022IWS53)。第2保留記憶数が0であれば(すなわち、第1保留記憶数のみが溜まっている場合)には、CPU103は、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータを設定する(ステップ022IWS54)。
この特徴部022IWでは、ステップ022IWS52~S54の処理が実行されることによって、第1特別図柄の変動表示に対して、第2特別図柄の変動表示が優先して実行される。言い換えれば、第2特別図柄の変動表示を開始させるための第2の開始条件が第1特別図柄の変動表示を開始させるための第1の開始条件に優先して成立するように制御される。
なお、本例で示した態様にかぎらず、例えば、第1始動入賞口および第2始動入賞口に遊技球が入賞した順に第1特別図柄の変動表示および第2特別図柄の変動表示を実行するように構成してもよい。
次いで、CPU103は、RAM102において、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM102の乱数バッファ領域に格納する(ステップ022IWS55)。具体的には、CPU103は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶数バッファにおける第1保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM102の乱数バッファ領域に格納する。また、CPU103は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、第2保留記憶数バッファにおける第2保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM102の乱数バッファ領域に格納する。
そして、CPU103は、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、各保存領域の内容をシフトする(ステップ022IWS56)。具体的には、CPU103は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、第1保留記憶数バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。また、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合に、第2保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、第2保留記憶数バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。
すなわち、CPU103は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合に、RAM102の第1保留記憶数バッファにおいて第1保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第1保留記憶数=n-1に対応する保存領域に格納する。また、特別図柄ポインタが「第2」を示す場合に、RAM102の第2保留記憶数バッファにおいて第2保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第2保留記憶数=n-1に対応する保存領域に格納する。
よって、各第1保留記憶数(または、各第2保留記憶数)に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、第1保留記憶数(または、第2保留記憶数)=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。
そして、CPU103は、合算保留記憶数の値を1減らす。すなわち、合算保留記憶数カウンタのカウント値を1減算する(ステップ022IWS57)。なお、CPU103は、カウント値が1減算される前の合算保留記憶数カウンタの値をRAM102の所定の領域に保存する。そして、CPU103は、現在の遊技状態に応じた背景指定コマンドを送信する(ステップ022IWS58)。例えば、通常状態において通常モードである場合には通常状態背景指定コマンドを送信し、時短状態Aである場合には時短状態A背景指定コマンドを送信し、時短状態Bである場合には時短状態B背景指定コマンドを送信し、確変状態である場合には確変状態背景指定コマンドを送信し、潜確状態または通常状態における潜伏モードである場合には潜伏状態背景指定コマンドを送信する。なお、通常状態における潜伏モードである変動とは、通常状態において小当りが発生してから50回以内の変動であり、潜伏モード制限フラグがセットされていない変動である。通常状態において小当りが発生してから50回以内の変動であるが、潜伏モード制限フラグがセットされている変動である場合には、通常モードであるものと判定して通常状態背景指定コマンドを送信する。
次いで、CPU103は、乱数バッファ領域から当り判定用乱数を読み出し(ステップ022IWS61)、大当り判定モジュールを実行する(ステップ022IWS62)。なお、この場合、CPU103は、始動入賞判定処理(ステップS101)で抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファにあらかじめ格納した当り判定用乱数を読み出し、大当り判定を行う。大当り判定モジュールは、あらかじめ決められている大当り判定値(図8-2および図8-3参照)と当り判定用乱数とを比較し、それらが一致したら大当りとすることに決定する処理を実行するプログラムである。すなわち、大当り判定の処理を実行するプログラムである。この場合、CPU103は、確変状態であることを示す高確率フラグがセットされていなければ(低確率状態であれば)、低確率用の大当り判定値(図8-2(A)および図8-3(A)参照)を用いて大当り判定を行う。また、CPU103は、高確率フラグがセットされていれば(高確率状態であれば)、高確率用の大当り判定値(図8-2(B)および図8-3(B)参照)を用いて大当り判定を行う。CPU103は、当り判定用乱数の値が図8-2および図8-3に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当りとすることに決定する。
大当りとすることに決定した場合には(ステップ022IWS63のY)、CPU103は、大当りであることを示す大当りフラグをセットする(ステップ022IWS64)。そして、CPU103は、乱数バッファ領域に格納された種別判定用乱数の値と一致する値に対応した種別(通常大当り、確変大当り、潜確大当り)を大当りの種別に決定する(ステップ022IWS65)。なお、この場合、CPU103は、始動入賞判定処理(ステップS101)で抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファにあらかじめ格納した種別判定用乱数を読み出し、大当り種別の決定を行う。そして、ステップ022IWS70に移行する。
一方、大当りとすることに決定しなかった場合には(ステップ022IWS63のN)、CPU103は、特別図柄ポインタが示す小当り判定テーブルを選択する。この場合、高確率フラグがセットされておらず、特別図柄ポインタの値が「第1」を示している場合には、図8-2(A)に示す第1特別図柄用の小当り判定テーブルを選択し、高確率フラグがセットされており、特別図柄ポインタの値が「第1」を示している場合には、図8-2(B)に示す第1特別図柄用の小当り判定テーブルを選択する。また、高確率フラグがセットされておらず、特別図柄ポインタの値が「第1」を示している場合には、図8-3(A)に示す第2特別図柄用の小当り判定テーブルを選択し、高確率フラグがセットされており、特別図柄ポインタの値が「第2」を示している場合には、図8-3(B)に示す第2特別図柄用の小当り判定テーブルを選択する。そして、CPU103は、選択した小当り判定テーブルを用いて、当り判定用乱数にもとづく抽選処理を行い、小当りとするか否かを決定する(ステップ022IWS65A)。
小当りとすることに決定した場合には(ステップ022IWS65BのY)、CPU103は、小当りであることを示す小当りフラグをセットする(ステップ022IWS65C)。
次いで、CPU103は、時短状態中の変動表示の実行回数をカウントするための時短回数カウンタの値が0であるか否かを確認する(ステップ022IWS66)。時短回数カウンタの値が0でなければ、CPU103は、時短回数カウンタの値を1減算し(ステップ022IWS67)、減算後の時短回数カウンタの値が0となっているか否かを確認する(ステップ022IWS68)。減算後の時短回数カウンタの値が0となっていれば、CPU103は、変動終了時に時短状態を終了することを示す時短終了フラグをセットする(ステップ022IWS69)。
なお、本例では、ステップ022IWS71以降の救済時短までの変動回数のカウント処理の前にステップ022IWS66~S69を実行して時短回数カウンタの減算処理を行う場合を示しているが、そのような処理態様にかぎられない。例えば、ステップ022IWS71以降の救済時短までの変動回数のカウント処理を実行した後に時短回数カウンタの減算処理を実行するように構成してもよい。この場合、例えば、救済時短となる変動表示である場合には、時短回数カウンタに「800」をセット(ステップ022IWS172参照)した後に減算処理を実行してしまうと時短回数カウンタの値が1余分に減算されてしまうことから、救済時短となる変動表示では減算処理の後に再び時短回数カウンタの値を1加算するように構成してもよい。また、あらかじめ時短回数カウンタに1多い「801」をセットするように構成してもよい。
ステップ022IWS69の後、CPU103は、高確率フラグがセットされているか否かを確認する(ステップ022IWS69a)。高確率フラグがセットされていれば(すなわち、高確率状態であれば)、ステップ022IWS84に移行する。本例では、ステップ022IWS69aの処理が実行されることによって、確変状態中である場合には、ステップ022IWS70以降の救済時短回数カウンタを減算する処理が実行されない。このような構成により、本例では、非確変状態での変動回数(すなわち確変状態での変動回数を含まない)が所定回数(本例では、800回)に達した場合に、救済時短経由の時短状態Bに制御されることになる。
高確率フラグがセットされていない場合(すなわち、低確率状態(通常状態、時短状態)である場合)には、CPU103は、救済時短回数カウンタの値が0であるか否かを判定する(ステップ022IWS70Y)。救済時短回数カウンタの値が0である場合には(ステップ022IWS70のY)、ステップ022IWS84へ移行する。この時点で救済時短回数カウンタの値が0である場合とは、既に救済時短経由の時短状態(時短状態B)に制御された後のタイミング(時短状態Bに制御されているか、または時短状態Bにおいて800回の変動を行った後に通常状態に制御されているタイミング)であり、救済時短回数カウンタに800がセットされる契機である大当りが発生していない状態である。また、救済時短回数カウンタの値が0でない場合には(ステップ022IWS70のN)、救済時短回数カウンタの値を1減算する(ステップ022IWS71)。また、本例では、ステップ022IWS71の処理が実行されることによって、第1特別図柄の変動表示が実行される場合であるか第2特別図柄の変動表示が実行される場合であるかに関係なく、一律に救済時短回数カウンタの値が更新される。
次いで、CPU103は、減算後の救済時短回数カウンタの値が127以上であるか否かを確認する(ステップ022IWS72)。減算後の救済時短回数カウンタの値が126以下であれば(ステップ022IWS72のN)、CPU103は、救済時短回数カウンタの値に応じた値をEXTデータにセットして、救済時短回数1指定コマンドを演出制御用CPU120に送信する制御を行う(ステップ022IWS73)。例えば、救済時短回数カウンタの値が1である場合には、CPU103は、救済時短回数1指定コマンドとしてコマンド9501(H)を送信する制御を行う。また、救済時短回数カウンタの値が126である場合には、CPU103は、救済時短回数1指定コマンドとしてコマンド957E(H)を送信する制御を行う。
次いで、CPU103は、減算後の救済時短回数カウンタの値が0となっているか否かを確認する(ステップ022IWS74)。減算後の救済時短回数カウンタの値が0となっていなければ、ステップ022IWS84に移行する。減算後の救済時短回数カウンタの値が0となっていれば、CPU103は、救済時短が発生したことにもとづき変動終了時に時短状態に制御することを示す救済時短決定フラグをセットする(ステップ022IWS75)。そして、ステップ022IWS84に移行する。
一方、減算後の救済時短回数カウンタの値が127以上であれば(ステップ022IWS72のY)、CPU103は、EXTデータとして一律に7F(H)をセットして、救済時短回数1指定コマンドとしてコマンド957F(H)を演出制御用CPU120に送信する制御を行う(ステップ022IWS76)。次いで、CPU103は、救済時短までの残りの変動回数が100回単位の回数(本例では、100回、200回、300回、400回、500回、600回、または700回)となっているか否かを確認する(ステップ022IWS77)。なお、救済時短までの残りの変動回数が100回単位の回数となっているか否かは、救済時短回数カウンタの値を確認することにより判定できる。救済時短までの残りの変動回数が100回単位の回数となっていれば、CPU103は、救済時短回数カウンタの値に応じた値をEXTデータにセットして、救済時短回数2指定コマンドを演出制御用CPU120に送信する制御を行う(ステップ022IWS78)。例えば、救済時短回数カウンタの値が100である場合には、CPU103は、救済時短回数2指定コマンドとしてコマンド9601(H)を送信する制御を行う。また、救済時短回数カウンタの値が700である場合には、CPU103は、救済時短回数2指定コマンドとしてコマンド9607(H)を送信する制御を行う。そして、ステップ022IWS84に移行する。
なお、本例では、遊技制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、CPU103)側で救済時短までの残り変動回数をカウントし、救済時短回数1指定コマンドや救済時短回数2指定コマンドを送信する場合を示しているが、そのような態様にかぎられない。例えば、演出制御用CPU120側で救済時短までの残り変動回数をカウントして後述する煽り演出やカウントダウン演出を実行するように構成してもよい。
また、例えば、後述するように救済時短となったタイミングで救済時短回数カウンタの設定(「800」をセット)も行い、救済時短を連続して発生可能に構成する場合、1回目に救済時短となったときのみ救済時短回数1指定コマンドや救済時短回数2指定コマンドを送信するように構成し、2回目以降に救済時短となったときには救済時短回数1指定コマンドや救済時短回数2指定コマンドを送信しないように構成してもよい。
次いで、CPU103は、大当り種別の決定結果に応じた特別図柄の停止図柄を決定する(ステップ022IWS84)。この場合、例えば、通常大当りとすることに決定した場合には特別図柄の停止図柄を「3」と決定し、確変大当りとすることに決定した場合には特別図柄の停止図柄を「7」と決定し、潜確大当りとすることに決定した場合には特別図柄の停止図柄を「1」と決定し、小当りとすることに決定した場合には特別図柄の停止図柄を「2」と決定し、はずれとすることに決定した場合には特別図柄の停止図柄を「-」と決定する。また、CPU103は、決定した特別図柄の停止図柄をRAM102に設けられた停止図柄記憶領域に記憶させる(ステップ022IWS85)。
そして、CPU103は、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理(ステップS111)に対応した値に更新する(ステップ022IWS86)。
(変動パターン設定処理)
図8-21および図8-22は、特別図柄プロセス処理における変動パターン設定処理(ステップS111)を示すフローチャートである。変動パターン設定処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、CPU103)は、まず、大当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップ022IWS1701)。大当りフラグがセットされていれば、通常大当りまたは確変大当りであるか否かを判定する(ステップ022IWS1702A)。通常大当りまたは確変大当りである場合、CPU103は、救済時短決定フラグがセットされているか否かを判定する(ステップ022IWS1702BA)。この時点で救済時短決定フラグがセットされている場合とは、救済時短となる変動である場合である。救済時短決定フラグがセットされている場合、CPU103は、変動パターンを決定するためのテーブルとして、図8-7(M)に示す通常大当り・確変大当り用の変動パターンテーブルMを選択する(ステップ022IWS1702D)。救済時短決定フラグがセットされていない場合、CPU103は、変動パターンを決定するためのテーブルとして、図8-6(A)に示す通常大当り・確変大当り用の変動パターンテーブルAを選択する(ステップ022IWS1702E)。
潜確通常大当りまたは確変大当りでない場合、つまり潜確大当りである場合、CPU103は、通常状態でない場合、通常状態において救済時短決定フラグがセットされている場合、通常状態において潜伏モード制限フラグ(通常状態において小当りが発生したものの、潜伏モードに制御することを制限(禁止)することを示すフラグであり、救済時短までの残り回数が10回未満である場合にセットされるフラグ)がセットされている場合、通常状態において小当りに制御してから50回目以内の変動(つまり、潜伏モードへ移行した変動)でない場合には、変動パターンを決定するためのテーブルとして、図8-6(D)に示す潜確大当り用の変動パターンテーブルDを選択する(ステップ022IWS1702I)。
また、通常状態であり、通常状態において救済時短決定フラグおよび潜伏モード制限フラグがセットされておらず、通常状態において小当りに制御してから50回目以内の変動(つまり、潜伏モードの変動)である場合には、変動パターンを決定するためのテーブルとして、図8-6(B)に示す潜確大当り・小当り用の変動パターンテーブルBを選択する(ステップ022IWS1702J)。
また、ステップ022IWS1701において大当りフラグがセットされていない場合、小当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップ022IWS1703A)。小当りフラグがセットされていれば、救済時短決定フラグがセットされている場合には、変動パターンを決定するためのテーブルとして、図8-7(N)に示す小当り用の変動パターンテーブルNを選択する(ステップ022IWS1703G)。
また、通常状態でない場合、通常状態において潜伏モード制限フラグ(通常状態において小当りが発生したものの、潜伏モードに制御することを制限(禁止)することを示すフラグであり、救済時短までの残り回数が10回未満である場合にセットされるフラグ)がセットされている場合、または通常状態において小当りに制御してから50回目以内の変動(つまり、潜伏モードにおける変動)でない場合には、変動パターンを決定するためのテーブルとして、図8-6(C)に示す小当り用の変動パターンテーブルCを選択する(ステップ022IWS1703E)。
また、通常状態において小当りに制御してから50回目以内の変動(つまり、潜伏モードにおける変動)である場合には、変動パターンを決定するためのテーブルとして、図8-6(B)に示す潜確大当り・小当り用の変動パターンテーブルBを選択する(ステップ022IWS1703H)。
大当りフラグおよび小当りフラグのいずれもセットされていなければ(すなわち、はずれであれば)、時短状態Aである場合、変動パターンを決定するためのテーブルとして、図8-6(G)に示すはずれ用の変動パターンテーブルGを選択する(ステップ022IWS1710)。時短状態Bである場合、変動パターンを決定するためのテーブルとして、図8-6(H)に示すはずれ用の変動パターンテーブルHを選択する(ステップ022IWS1711B)。確変状態である場合、変動パターンを決定するためのテーブルとして、図8-6(F)に示すはずれ用の変動パターンテーブルFを選択する(ステップ022IWS1711F)。
なお、本例では、各状態フラグ(高確率フラグ、時短フラグA、時短フラグB)の状態を確認することで、現在の遊技状態を特定することが可能である。例えば、高確率フラグおよび時短フラグAがセットされていれば確変状態であることが特定でき、時短フラグAのみがセットされていれば時短状態Aであることが特定でき、時短フラグBのみがセットされていれば時短状態Bであることが特定でき、高確率フラグのみがセットされていれば潜確状態であることが特定でき、いずれの状態フラグもセットされていなければ通常状態であることが特定できる。
また、救済時短決定フラグがセットされている場合、変動パターンを決定するためのテーブルとして、図8-7(L)に示すはずれ用の変動パターンテーブルLを選択する(ステップ022IWS1712B)。また、旋風モード制限フラグがセットされておらず、小当りに制御してから50回目以内の変動(つまり、潜伏モードにおける変動)である場合には、変動パターンを決定するためのテーブルとして、図8-6(F)に示すはずれ用の変動パターンテーブルFを選択する(ステップ022IWS1712E)。
また、CPU103は、救済時短回数カウンタの値が1以上10以下であれば(すなわち、救済時短となるまでの残りの変動回数が1以上10回以下となっていれば)、合算保留記憶数カウンタの値が3以下となっているか否かを確認する。なお、本例で示した態様にかぎらず、例えば、第1保留記憶数カウンタや第2保留記憶数カウンタの値が3以下となっているか否かを確認するように構成してもよい。
合算保留記憶数カウンタの値が3以下となっていれば(ステップ022IWS1704のY)、CPU103は、変動パターンを決定するためのテーブルとして、図8-7(J)に示す救済時短直前のはずれ用の変動パターンテーブルJを選択する(ステップ022IWS1713C)。合算保留記憶数カウンタの値が4以上となっていれば(ステップ022IWS1704のN)、CPU103は、変動パターンを決定するためのテーブルとして、図8-7(K)に示す救済時短直前のはずれ用の変動パターンテーブルKを選択する(ステップ022IWS1713D)。
救済時短回数カウンタの値が1以上10以下でなければ(ステップ022IWS1703のN)、CPU103は、変動パターンを決定するためのテーブルとして、図8-6(E)に示す通常状態時のはずれ用の変動パターンテーブルEを選択する(ステップ022IWS1713E)。
次に、CPU103は、使用することに決定した変動パターンテーブルと、第1特別図柄判定用バッファに格納されている変動パターン決定用乱数とにもとづいて、図8-6および図8-7に示した変動パターンのいずれとするのかを決定する(ステップ022IWS1716)。本例では、変動パターンを決定することによって、第1特別図柄や第2特別図柄の変動時間が決定される。なお、変動時間を決定したあと、決定した変動時間が設定されている変動パターンを複数の変動パターンの中から選択するようにしてもよい。
変動パターンを決定すると、CPU103は、決定した変動パターンを示す変動パターンコマンドを演出制御用CPU120に送信する制御を行う(ステップ022IWS1717)。
また、ステップ022IWS1716にて第1特別図柄や第2特別図柄の変動時間(変動パターン)を決定すると、CPU103は、決定した変動時間を示す変動時間データを変動時間タイマに設定して変動時間の計測を開始するとともに(ステップ022IWS1718)、第1特別図柄表示装置4Aでの第1特別図柄の変動表示または第2特別図柄表示装置4Bでの第2特別図柄の変動表示を開始する(ステップ022IWS1719)。そして、CPU103は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄変動処理に対応した値に更新する(ステップ022IWS1720)。
なお、図示は省略するが、RAMクリアが行われてから大当りとなるまでの期間においては、救済時短となる直前10変動以内であっても、救済時短突入変動においてはずれとなる場合であっても、図8-6(E)に示す変動パターンテーブルEを用いて変動パターンを選択するものである。また、RAMクリアが行われてから大当りとなるまでの期間においては、救済時短突入変動において小当りとなる場合であっても図8-6(D)に示す変動パターンテーブルDを用いて変動パターンを選択するものである。また、RAMクリアが行われてから大当りとなるまでの期間においては、救済時短突入変動において通常大当り・確変大当りとなる場合であっても図8-6(A)に示す変動パターンテーブルAを用いて変動パターンを選択するものである。
(特別図柄変動処理)
図8-23は、特別図柄プロセス処理における特別図柄変動処理(ステップS112)を示すフローチャートである。特別図柄変動処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、CPU103)は、まず、まだ送信していなければ、大当りとするか否かの決定結果、大当り種別の決定結果、および時短種別の決定結果にもとづいて、いずれかの表示結果指定コマンド(表示結果1指定コマンド~表示結果5指定コマンド)を演出制御用CPU120に対して送信する制御を行う(ステップ022IWS1121)。
次いで、CPU103は、変動時間タイマを1減算し(ステップ022IWS1122)、変動時間タイマがタイムアウトしたら(ステップ022IWS1123)、CPU103は、救済時短決定フラグがセットされているか否かを確認する(ステップ022IWS1132)。救済時短決定フラグがセットされていれば、CPU103は、大当り変動であるか否かを判定し(ステップ022IWS1132A)、大当り変動であった場合にはステップ022IWS1137へ移行する。このように、大当り変動において救済時短決定フラグがセットされた場合には、救済時短に関する制御よりも優先して大当りに関する制御を行うようになっている。はずれ変動であった場合、右打ちLED113IW10の点灯を開始する制御を行う(ステップ022IWS1133)。また、CPU103は、右打ち報知開始指定コマンドを演出制御用CPU120に送信する制御を行う(ステップ022IWS1134)。
ステップ022IWS1133の処理が実行されることによって、本例では、救済時短となる場合には、その図柄確定期間の開始時に右打ちLED113IW10の点灯が開始される。
次いで、CPU103は、第1特別図柄や第2特別図柄の停止図柄の確定表示期間を計測するための図柄確定期間タイマに「20秒」に応じた値をセットする(ステップ022IWS1135)。また、CPU103は、図柄確定期間が20秒であることを特定可能な第1図柄確定A指定コマンドまたは第2図柄確定A指定コマンドを演出制御用CPU120に送信する制御を行う(ステップ022IWS1136)。この場合、特別図柄ポインタの値が「第1」を示す値である場合には第1図柄確定A指定コマンドを送信する制御を行い、特別図柄ポインタの値が「第2」を示す値である場合には第2図柄確定A指定コマンドを送信する制御を行う。そして、ステップ022IWS1139に移行する。
ステップ022IWS1132において救済時短決定フラグがセットされていない場合、CPU103は、第1特別図柄や第2特別図柄の停止図柄の確定表示期間を計測するための図柄確定期間タイマに「0.5秒」に応じた値をセットする(ステップ022IWS1137)。また、CPU103は、図柄確定期間が0.5秒であることを特定可能な第1図柄確定B指定コマンドまたは第2図柄確定B指定コマンドを演出制御用CPU120に送信する制御を行う(ステップ022IWS1138)。この場合、特別図柄ポインタの値が「第1」を示す値である場合には第1図柄確定B指定コマンドを送信する制御を行い、特別図柄ポインタの値が「第2」を示す値である場合には第2図柄確定B指定コマンドを送信する制御を行う。
そして、CPU103は、全図柄確定回数信号の出力(全図柄確定回数信号の出力に対応するフラグをセットするとともに、出力期間0.1秒間に対応する値をタイマにセットする。そして、それらのフラグやタイマがセットされたことにもとづいて、情報出力処理(ステップS23)が実行されることによってホール管理用コンピュータなどの外部装置に全図柄確定回数信号が出力される。また、セットされたタイマがタイムアウトしたことにもとづいて、全図柄確定回数信号の外部出力が0.1秒後に停止される。)を開始し(ステップ022IWS1138A)、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄停止処理(ステップS113)に対応した値に更新する(ステップ022IWS1139)。
(特別図柄停止処理)
図8-24および図8-25は、特別図柄プロセス処理における特別図柄停止処理(ステップS113)を示すフローチャートである。特別図柄停止処理において、CPU103は、まず、図柄確定期間タイマの値を1減算し(ステップ022IWS131)、減算後の図柄確定期間タイマの値が0となっているか否かを確認する(ステップ022IWS132)。
減算後の図柄確定期間タイマの値が0となっていなければ(すなわち、まだ第1特別図柄や第2特別図柄の停止図柄の確定表示期間を終了していなければ)、特別図柄停止処理を終了する。減算後の図柄確定期間タイマの値が0となっていれば(すなわち、第1特別図柄や第2特別図柄の停止図柄の確定表示期間を終了していれば)、CPU103は、大当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップ022IWS133)。大当りフラグがセットされている場合には、CPU103は、セットされていれば、高確率フラグや、時短フラグA、時短フラグB、救済時短決定フラグ、潜伏モード制限フラグ、時短状態中の変動表示の実行回数をカウントするための時短回数カウンタをリセットする(ステップ022IWS134)。
次いで、CPU103は、救済時短回数カウンタに「800」をセットする(ステップ022IWS135)。従って、本例では、大当りを契機として救済時短回数カウンタに「800」がセットされ、大当り遊技終了後に800回の変動表示を実行しても次の大当りが発生しなかった場合には、救済時短となり時短状態に制御されることになる。
なお、本例では、ステップ022IWS135の処理を実行することによって、大当りとなった場合に、その大当りのファンファーレ期間の開始時に救済時短回数カウンタに「800」をセットして初期設定する場合を示しているが、そのような態様にかぎられない。例えば、大当り遊技のラウンド中に救済時短回数カウンタに「800」をセットしてもよく、大当り遊技のエンディング期間の開始時や終了時に救済時短回数カウンタに「800」をセットして初期設定するように構成してもよい。
次いで、CPU103は、右打ちLED113IW10の点灯を開始する制御を行う(ステップ022IWS136)。また、CPU103は、右打ち報知開始指定コマンドを演出制御用CPU120に送信する制御を行う(ステップ022IWS137)。
次いで、CPU103は、大当り開始指定コマンドを演出制御用CPU120に対して送信する制御を行う(ステップ022IWS138)。次いで、CPU103は、特別可変入賞球装置7を開状態に制御するまでの大入賞口開放前時間(ファンファーレ時間)を計測するための大入賞口開放前時間タイマをセットする(ステップ022IWS139)。
次いで、CPU103は、大当り1信号および大当り2信号の外部出力を開始する処理を実行する(ステップ022IWS139a)。本例では、ステップ022IWS139aや後述するステップ022IWS174a,S174b等において外部出力信号の出力に対応したフラグや、タイマ(例えば出力期間が0.1秒間などと予め定められている場合)がセットされ、それらのフラグやタイマがセットされたことにもとづいて、情報出力処理(ステップS23)が実行されることによってホール管理用コンピュータなどの外部装置に外部出力信号が出力される。また、後述する022IWS140dや、S153a,S153b等の処理において外部出力信号の出力に対応したフラグをリセットしたことや、外部出力信号の出力に対応付けてセットされたタイマがタイムアウトしたことにもとづいて、外部出力信号の出力が停止される。
そして、CPU103は、特別図柄プロセスフラグの値を大当り開放前処理(ステップS144)に対応した値に更新する(ステップ022IWS140)。
大当りフラグがセットされていなければ(ステップ022IWS133のN)、CPU103は、救済時短決定フラグがセットされているか否かを確認する(ステップ022IWS170)。救済時短決定フラグがセットされていれば、CPU103は、救済時短決定フラグをリセットし(ステップ022IWS171)、セットされている場合には時短フラグAをリセットし(ステップ022IWS171A)、時短フラグBをセットし、時短状態Bに制御する(ステップ022IWS171B)。そして、時短回数カウンタに「800」をセットする(ステップ022IWS172)。
次いで、CPU103は、大当り1信号および大当り2信号の外部出力を開始する処理を実行する(ステップ022IWS173,S174a)とともに、高ベース信号の外部出力を開始する処理を実行する(ステップ022IWS174b)。その後、セットされている場合には潜伏モード制限フラグをリセットし(ステップ022IWS174c)、ステップ022IWS175へ移行する。なお、ここで出力される大当り1信号は、100ms後に出力が終了する。
本例では、ステップ022IWS174bの処理が実行されることにより、外部装置において、いずれかの高ベース状態移行条件(通常大当りまたは確変大当りにもとづく大当り遊技状態の終了、救済条件)が成立したことや、これからいずれかの高ベース状態に制御されることが特定可能となる。
なお、本例では、救済時短となったタイミングでは時短状態に制御するだけで救済時短回数カウンタの設定は行わず、その後、800回の変動表示を終了して通常状態に制御するタイミングで救済時短回数カウンタを設定する(ステップ022IWS144参照)場合を示しているが、そのような態様にかぎられない。例えば、救済時短となったタイミングで時短状態に制御するとともに救済時短回数カウンタの設定(「800」をセット)も行うように構成してもよい。そのような構成によれば、救済時短を連続して発生させることが可能となり、救済時短が一度発生すれば大当りが発生するまで時短状態を継続するように構成することができる。
また、本例では、救済時短回数カウンタを設定する際に「800」をセットし、変動表示を実行するごとに救済時短回数カウンタの値を1ずつ減算して救済時短回数カウンタの値が「0」となったことにもとづいて救済時短を発生させる場合を示しているが、そのような態様にかぎられない。例えば、救済時短回数カウンタを設定する際に「0」をセットし、変動表示を実行するごとに救済時短回数カウンタの値を1ずつ加算して救済時短回数カウンタの値が「800」となったことにもとづいて救済時短を発生させるように構成してもよい。
また、本例では、救済時短となる場合に図柄確定期間として通常よりも長い20秒間をセットしてモード移行演出などの演出期間を確保する場合を示したが、図柄確定期間中は画像表示装置5において飾り図柄を表示せず、小図柄のみを表示して、その小図柄が演出役物などにより隠蔽されることがないように構成してもよい。
また、本例では、ステップ022IWS172の処理が実行されることによって、救済時短が発生するまでの変動回数と同じ800回を時短回数としてセットする場合を示しているが、そのような態様にかぎられない。例えば、ステップ022IWS172において時短回数カウンタに「800」よりも大きい値をセットしてもよいし、少ない値をセットしてもよい。
また、ステップ022IWS172において、複数種類の時短回数に応じた値を時短回数カウンタにセット可能に構成してもよい。例えば、1回目に救済時短となった場合には時短回数カウンタに「100」をセットし、2回目に救済時短となった場合には時短回数カウンタに「800」をセットするように構成してもよい。
また、例えば、乱数にもとづく抽選処理を行って時短回数を決定するように構成し、ステップ022IWS172において、抽選処理で決定した時短回数に応じた値を時短回数カウンタにセットするように構成してもよい。この場合、例えば、時短回数として、10%の確率で100回と決定し、90%の確率で800回と決定するように構成してもよい。また、時短回数を抽選処理により決定する場合、大当り種別や時短種別の決定に用いる種別判定用乱数を兼用で用いて時短回数を決定してもよいし、専用の乱数を用いて時短回数を決定してもよい。
また、ステップ022IWS170において救済時短決定フラグがセットされていなければ、CPU103は、小当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップ022IWS153)。
小当りとすることに決定した場合であれば、CPU103は、右打ちLED113IW10の点灯を開始する制御を行う(ステップ022IWS154)。また、CPU103は、右打ち報知開始指定コマンドを演出制御用CPU120に送信する制御を行う(ステップ022IWS155)。
次いで、CPU103は、小当り開始指定コマンドを演出制御用CPU120に対して送信する制御を行う(ステップ022IWS156)。次いで、CPU103は、特別可変入賞球装置7を開状態に制御するまでの大入賞口開放前時間を計測するための大入賞口開放前時間タイマをセットする(ステップ022IWS157)。
次いで、CPU103は、確変状態における小当りであるか否かを判定し(ステップ022IWS158)、確変状態における小当りである場合には、救済時短回数カウンタの値が10未満であるか否かを判定する(ステップ022IWS159)。そして、救済時短回数カウンタの値が10未満である場合、潜伏モード制御フラグをセットする(ステップ022IWS160)。つまり、通常状態において、救済時短までの残り回数が10回未満の変動において小当りとなった場合には、潜伏モードに制御しないよう構成されている。
また、高ベース状態における小当りではない場合、大当り1信号の外部出力を開始する処理を実行する(ステップ022IWS162)。その後、小当り信号の外部出力を開始する処理を実行する(ステップ022IWS163)。
そして、CPU103は、特別図柄プロセスフラグの値を小当り開放前処理(ステップ022IWS114)に対応した値に更新する(ステップ022IWS164)。
ステップ022IWS153において小当りとすることに決定した場合でなければ、CPU103は、時短終了フラグがセットされているか否かを確認する(ステップ022IWS181)。時短終了フラグがセットされていれば、CPU103は、時短終了フラグをリセットする(ステップ022IWS182)。
次いで、CPU103は、セットされているいずれかの時短フラグ(時短フラグA,Bのいずれか)をリセットし、時短状態を終了する(ステップ022IWS183)。そして、CPU103は、右打ちLED113IW10の点灯を終了する制御を行う(ステップ022IWS184)。また、CPU103は、右打ち報知終了指定コマンドを演出制御用CPU120に送信する制御を行う(ステップ022IWS185)。
次いで、CPU103は、大当り2信号の外部出力を停止する処理を実行する(ステップ022IWS186)とともに、外部出力されていれば高ベース信号を停止する処理を実行する(ステップ022IWS187)。そして、ステップ022IWS175に移行する。
なお、本例では、ステップ022IWS181~S187の処理が実行されることによって、時短最終変動において図柄確定期間の終了時に通常状態に移行するとともに右打ち報知を終了する場合を示しているが、そのような態様にかぎられない。例えば、時短最終変動において変動開始時や図柄確定期間の開始時に通常状態に移行して右打ち報知を終了するように構成してもよい。
また、ステップ022IWS181において、時短終了フラグがセットされていなければ(ステップ022IWS181のN)、ステップ022IWS175に移行する。
ステップ022IWS175では、CPU103は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS110)に対応した値に更新する(ステップ022IWS175)。
(大当り終了処理)
図8-26は、特別図柄プロセス処理における大当り終了処理(ステップS117)を示すフローチャートである。大当り終了処理において、CPU103は、大当り終了表示タイマが設定されているか否か確認し(ステップ022IWS531)、大当り終了表示タイマが設定されている場合には、ステップ022IWS535に移行する。大当り終了表示タイマが設定されていない場合には、CPU103は、大当りフラグをリセットし(ステップ022IWS532)、大当り終了指定コマンドを送信する制御を行う(ステップ022IWS533)。そして、CPU103は、大当り終了表示タイマに、画像表示装置5において大当り終了表示が行われている時間(大当り終了表示時間)に対応する表示時間に相当する値を設定し(ステップ022IWS534)、処理を終了する。
ステップ022IWS535では、CPU103は、大当り終了表示タイマの値を1減算する。そして、CPU103は、大当り終了表示タイマの値が0になっているか否か、すなわち大当り終了表示時間が経過したか否か確認する(ステップ022IWS536)。経過していなければ処理を終了する。
大当り終了表示時間が経過していれば(ステップ022IWS536のY)、CPU103は、大当り1信号の出力を停止する処理を実行する(ステップ022IWS536a)。
次いで、CPU103は、制御した大当り遊技状態が通常大当りにもとづく大当り遊技状態であるか否かを判定する(ステップ022IWS537)。制御した大当り遊技状態が通常大当りにもとづく大当り遊技状態である場合には時短フラグAをセットし(ステップ022IWS538)、高ベース信号の外部装置への出力制御を開始し(ステップ022IWS539)、時短回数カウンタに「100」をセットする(ステップ022IWS540)。そして、ステップ022IWS544へ移行する。
制御した大当り遊技状態が確変大当りにもとづく大当り遊技状態である場合、または通常状態における潜確大当りにもとづく大当り遊技状態である場合、CPU103は、時短フラグAをセットし(ステップ022IWS541C)、高ベース信号および高確率信号の外部装置への出力制御を開始し(ステップ022IWS541D,S541E)、高確率フラグをセットする(ステップ022IWS541F)。そして、ステップ022IWS544へ移行する。
制御した大当り遊技状態が通常状態以外の遊技状態(確変状態、時短状態、潜確状態)における潜確大当りにもとづく大当り遊技状態である場合、CPU103は、大当り2信号の外部装置への出力制御を停止し(ステップ022IWS541G)、高確率信号の外部装置への出力制御を開始し(ステップ022IWS541H)、高確率フラグをセットする(ステップ022IWS541I)。そして、ステップ022IWS544へ移行する。
そして、CPU103は、特別図柄プロセスフラグの値を、特別図柄通常処理(ステップS110)に応じた値に更新する(ステップ022IWS544)。
(状態遷移)
次に、本特徴部022IWにおける状態遷移について説明する。図8-27は、本特徴部022IWにおける状態遷移を説明するための状態遷移図である。図8-27に示すように、通常状態において、確変大当りが発生した場合には確変状態に制御され(ステップ022IWS541A~S541F参照)、潜確大当りが発生した場合には潜確状態に制御され(ステップ022IWS541B~S541F参照)、通常大当りが発生した場合には時短状態A(大当り経由の時短状態)に制御される(ステップ022IWS537~S540参照)。また、通常状態において、はずれとなる場合であっても、救済時短となった場合(RAMクリア処理後や、大当り後、次の大当りが発生することなく、非確変状態(低確率状態)において変動回数が800回に到達した場合)には時短状態B(救済時短経由の時短状態)に制御される(ステップ022IWS170~S174C参照)。
また、図8-27に示すように、確変状態において、確変大当りまたは確変大当りが発生した場合には再び確変状態に制御され(ステップ022IWS541A~S541F参照)、通常大当りが発生した場合には時短状態A(大当り経由の時短状態)に制御される(ステップ022IWS537~S540参照)。一方、確変状態においては救済時短となる場合はない。
また、図8-27に示すように、潜確状態において、確変大当りまたは確変大当りが発生した場合には確変状態に制御され(ステップ022IWS541A~S541F参照)、通常大当りが発生した場合には時短状態A(大当り経由の時短状態)に制御される(ステップ022IWS537~S540参照)。一方、確変状態においては救済時短となる場合はない。
また、図8-27に示すように、時短状態Aにおいて、確変大当りまたは確変大当りが発生した場合には確変状態に制御され(ステップ022IWS541A~S541F参照)、通常大当りが発生した場合には再び時短状態A(大当り経由の時短状態)に制御される(ステップ022IWS537~S540参照)。また、時短状態Aにおいて、大当りが発生することなく100回の変動表示を終了した場合には通常状態に制御される(ステップ022IWS181~S187参照)。一方、時短状態Aにおいては救済時短となる場合はない。
また、図8-27に示すように、時短状態Bにおいて、確変大当りまたは確変大当りが発生した場合には確変状態に制御され(ステップ022IWS541A~S541F参照)、通常大当りが発生した場合には時短状態A(大当り経由の時短状態)に制御される(ステップ022IWS537~S540参照)。また、時短状態Bにおいて、大当りが発生することなく800回の変動表示を終了した場合には通常状態に制御される(ステップ022IWS181~S187参照)。
また、本例では、時短状態Bにおいて大当りが発生することなく800回の変動表示を終了した場合には、再び時短状態Bに制御されるのではなく、通常状態に制御される。その後、RAMクリア処理の実行、または次の大当りの発生を経て、非確変状態(低確率状態)における変動回数が800回に到達した場合でなければ、救済時短が成立せず、時短状態Bに制御されない。このような構成により、遊技者の救済を図りつつも、射幸性を過度に高めない健全な遊技性を実現することができる。
また、本例では、図8-27に示すように、大当り遊技状態の終了後に制御される時短状態A,B(低確率/高ベース状態)は、変動表示に伴う終了条件が成立したときに終了するように構成されている。具体的には、大当り遊技後に制御される時短状態A(低確率/高ベース状態)は、大当りが発生することなく100回の変動表示が実行された場合に終了するように構成されている。また、時短状態B(低確率/高ベース状態)は、大当りが発生することなく800回の変動表示が実行された場合に終了するように構成されている。
なお、本例で示す構成に限らず、例えば、大当り遊技状態の終了後に制御される高確率状態は、変動表示に伴って(例えば、変動表示ごとに、または所定回数の変動表示ごとに)実行される転落抽選処理において高確率状態を終了すると決定された場合に終了条件が成立したとして終了し、大当り遊技状態の終了後に制御される高ベース状態は、大当りが発生することなく所定回数の変動表示が実行された場合に終了条件が成立したとして終了するように構成されていてもよい。また例えば、変動表示に伴って実行される転落抽選処理において確変回数100回(時短回数100回)を超えた後に高確率状態を終了すると決定された場合には、その時点で高確率状態とともに高ベース状態が終了し、転落抽選処理において確変回数100回(時短回数100回)に達する前に高確率状態を終了すると決定された場合には、その時点で高確率状態のみが終了し、その後に時短回数100回に達した時点で高ベース状態が終了するように構成されていてもよい。
また、例えば、大当り遊技状態の終了後に制御される高確率状態は、変動表示に伴う終了条件が成立したときに終了するように構成されていてもよい。具体的には、大当り遊技後に制御される高確率状態は、大当りが発生することなく100回の変動表示が実行された場合に終了するように構成されていてもよい。
(外部出力信号の出力タイミング)
次に、外部出力信号の出力タイミングについて説明する。図8-28および図8-29は、外部出力信号の出力タイミングを説明するためのタイミングチャートである。なお、図8-28には、外部出力信号のうち全図柄確定回数信号、大当り1信号、大当り2信号、高ベース信号および高確率信号の出力タイミングの一例が示されている。図8-29には、外部出力信号のうち全図柄確定回数信号、大当り1信号、大当り2信号、小当り信号、高ベース信号および高確率信号の出力タイミングの一例が示されている。
図8-28は、通常大当りが発生した場合の例である。図8-28に示すように、特別図柄の変動表示結果として大当り図柄が停止表示されると、全図柄確定回数信号が0.1秒間出力される。そして、大当り遊技が開始されるとき(図8-28のタイミングT0)に、大当り1信号および大当り2信号の出力が開始される(例えば、ステップ022IWS139aの処理に相当する)。
次いで、大当り遊技が終了するとき(図8-28のタイミングT1)に、大当り1信号の出力が停止される(例えば、ステップ022IWS536aの処理に相当する)。また、このとき大当り経由の時短状態A(低確率/高ベース状態)に制御されるため、高ベース信号の出力が開始される(例えば、ステップ022IWS539の処理に相当する)。
次いで、大当り遊技が終了した後、変動表示が100回実行されたとき(図8-28のタイミングT2)に、時短回数100回の高ベース状態が終了するため、大当り2信号および高ベース信号の出力が停止される(例えば、ステップ022IWS186,S187の処理に相当する)。
次いで、大当り遊技後の高ベース状態が終了した後、変動表示が700回実行されたとき(図8-28のタイミングT3)に救済時短が成立するため、大当り1信号を100msに亘って出力するとともに、大当り2信号と、高ベース信号との出力が開始される(例えば、ステップ022IWS173,174a,S174bの処理に相当する)。
そのため、大当り経由の時短状態に制御されるときと救済時短経由の時短状態に制御されるときとで、大当り1信号および高ベース信号を共通に出力するため、情報表示装置では、実行変動回数の表示をリセットすることができる。従って、遊技者による次に救済条件が成立するまでの残余変動回数の認識が困難となり、救済時短までの残余変動回数が少ないことを確認して遊技を開始すること(いわゆるハイエナ行為)を抑制することができる。
図8-29は、小当りが発生した場合の例と、潜確大当りが発生した場合の例である。図8-29(A)に示すように、特別図柄の変動表示結果として小当り図柄が停止表示されると、全図柄確定回数信号が0.1秒間出力される。そして、小当り遊技が開始されるとき(図8-29(A)のタイミングTA)に、大当り1信号および小当り信号の出力が開始される(例えば、ステップ022IWS162,S163の処理に相当する)。
次いで、小当り遊技が終了するとき(図8-29(A)のタイミングTB)に、大当り1信号および小当り信号の出力が停止される。
図8-29(B)に示すように、特別図柄の変動表示結果として潜確大当り図柄が停止表示されると、全図柄確定回数信号が0.1秒間出力される。そして、潜確大当りの大当り遊技が開始されるとき(図8-29(B)のタイミングTC)に、大当り1信号および大当り2信号の出力が開始される(例えば、ステップ022IWS139aの処理に相当する)。
次いで、潜確大当りの大当り遊技が終了するとき(図8-29(B)のタイミングTD)に、大当り1信号および大当り2信号の出力が停止されるとともに、高確率信号の出力が開始される(例えば、ステップ022IWS536a,S541G,S541Hの処理に相当する)。
このように、潜確大当りの大当り遊技状態に制御される場合と、小当り遊技状態に制御される場合とで、共通に大当り1信号が出力されるよう構成されている。これにより、情報表示装置では、潜確大当りおよび小当りのいずれとなった場合にも実行変動回数をリセットすることができることから、通常状態および潜確状態のいずれに制御されているかを、実行変動回数の表示によって遊技者が認識することが困難となっている。これにより、共通演出としての潜伏モードの演出効果の低減を抑制することができる。
また、潜確大当りの大当り遊技状態に制御される場合と、小当り遊技状態に制御される場合とで、小当り信号の出力の有無や、高確率状態の出力の有無が異なるよう構成されている。これにより、ホールコンピュータでは、潜確大当りの大当り遊技状態に制御されたのか、小当り遊技状態に制御されたのかを特定できるようになっている。
(コマンド解析処理)
次に、演出制御手段の動作について説明する。図8-30~図8-31は、コマンド解析処理(ステップS75)の具体例を示すフローチャートである。主基板11から受信された演出制御コマンドは受信コマンドバッファに格納されるが、コマンド解析処理では、演出制御用CPU120は、コマンド受信バッファに格納されているコマンドの内容を確認する。
コマンド解析処理において、演出制御用CPU120は、まず、コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されているか否か確認する(ステップ022IWS611)。格納されているか否かは、コマンド受信個数カウンタの値と読出ポインタとを比較することによって判定される。両者が一致している場合が、受信コマンドが格納されていない場合である。コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されている場合には、演出制御用CPU120は、コマンド受信バッファから受信コマンドを読み出す(ステップ022IWS612)。なお、読み出したら読出ポインタの値を+2しておく(ステップ022IWS613)。+2するのは2バイト(1コマンド)ずつ読み出すからである。
受信した演出制御コマンドが変動パターンコマンドであれば(ステップ022IWS614)、演出制御用CPU120は、受信した変動パターンコマンドを、RAM122に形成されている変動パターンコマンド格納領域に格納する(ステップ022IWS615)。そして、変動パターンコマンド受信フラグをセットする(ステップ022IWS616)。
受信した演出制御コマンドが表示結果指定コマンドであれば(ステップ022IWS617)、演出制御用CPU120は、受信した表示結果指定コマンドを、RAM122に形成されている表示結果指定コマンド格納領域に格納する(ステップ022IWS618)。
受信した演出制御コマンドがいずれかの図柄確定指定コマンド(第1図柄確定A指定コマンド、第1図柄確定B指定コマンド、第2図柄確定A指定コマンド、第2図柄確定B指定コマンド)であれば(ステップ022IWS619)、演出制御用CPU120は、受信した図柄確定指定コマンドに応じた確定コマンド受信フラグをセットする(ステップ022IWS620)。例えば、第1図柄確定A指定コマンドを受信した場合には、第1確定Aコマンド受信フラグをセットする。また、例えば、第1図柄確定B指定コマンドを受信した場合には、第1確定Bコマンド受信フラグをセットする。また、例えば、第2図柄確定A指定コマンドを受信した場合には、第2確定Aコマンド受信フラグをセットする。また、例えば、第2図柄確定B指定コマンドを受信した場合には、第2確定Bコマンド受信フラグをセットする。
受信した演出制御コマンドが大当り開始指定コマンドであれば(ステップ022IWS621)、演出制御用CPU120は、大当り開始指定コマンド受信フラグをセットする(ステップ022IWS622)。受信した演出制御コマンドが大当り終了指定コマンドであれば(ステップ022IWS623)、演出制御用CPU120は、大当り終了指定コマンド受信フラグをセットする(ステップ022IWS624)。
受信した演出制御コマンドが救済時短回数1指定コマンドであれば(ステップ022IWS625)、演出制御用CPU120は、受信した救済時短回数1指定コマンドを、RAM122に形成されている救済時短回数1指定コマンド格納領域に格納する(ステップ022IWS626)。
受信した演出制御コマンドが救済時短回数2指定コマンドであれば(ステップ022IWS627)、演出制御用CPU120は、受信した救済時短回数2指定コマンドを、RAM122に形成されている救済時短回数2指定コマンド格納領域に格納する(ステップ022IWS628)。
受信した演出制御コマンドが復旧時救済時短回数指定コマンドであれば(ステップ022IWS629)、演出制御用CPU120は、受信した復旧時救済時短回数指定コマンドにもとづいて、画像表示装置5において、救済時短までの回数に応じた初期出目を表示する制御を行う(ステップ022IWS630)。例えば、受信した復旧時救済時短回数指定コマンドのEXTデータが「01(H)」である場合(救済時短となるまでの残り変動回数が100回以下である場合)、初期出目として「112」と表示し、救済時短となるまでの残り変動回数が100回以下であることを示唆する。また、例えば、受信した復旧時救済時短回数指定コマンドのEXTデータが「02(H)」である場合(救済時短となるまでの残り変動回数が101回以上かつ200回以下である場合)、初期出目として「223」と表示し、救済時短となるまでの残り変動回数が101回以上かつ200回以下であることを示唆する。また、例えば、受信した復旧時救済時短回数指定コマンドのEXTデータが「08(H)」である場合(救済時短となるまでの残り変動回数が701回以上かつ800回以下である場合)、初期出目として「889」と表示し、救済時短となるまでの残り変動回数が701回以上かつ800回以下であることを示唆する。
なお、電源復旧時に残り変動回数を示唆する初期出目を表示する場合にかぎらず、例えば、電源復旧後1回目の変動表示において、救済時短となるまでの残り変動回数を示唆する表示を行ったり、残り変動回数を示唆する図柄の組み合わせを表示したりしてもよい。また、例えば、電源復旧後1~100変動以内に、救済時短となるまでの残り変動回数を示唆する表示を行ったり、残り変動回数を示唆する図柄の組み合わせを表示したりするなど、電源復旧後比較的早い段階で示唆表示を行うように構成してもよい。
受信した演出制御コマンドが通常状態背景指定コマンドであれば(ステップ022IWS631)、演出制御用CPU120は、画像表示装置5において、通常状態に応じた背景画像(例えば、海モードに応じた背景画像)に切り替える制御を行う(ステップ022IWS632)。
受信した演出制御コマンドが時短状態A背景指定コマンドであれば(ステップ022IWS633)、演出制御用CPU120は、画像表示装置5において、時短状態A(大当り経由の時短状態)に応じた背景画像(例えば、森モードに応じた背景画像)に切り替える制御を行う(ステップ022IWS634)。
受信した演出制御コマンドが時短状態B背景指定コマンドであれば(ステップ022IWS635)、演出制御用CPU120は、画像表示装置5において、時短状態B(救済時短経由の時短状態)に応じた背景画像(例えば、川モードに応じた背景画像)に切り替える制御を行う(ステップ022IWS636)。
本例では、ステップ022IWS633~S636の処理が実行されることによって、同じ時短状態であっても、大当り経由の時短状態、または救済時短経由の時短状態のいずれであるかに応じて異なる背景画像を表示する。
なお、本例で示した態様にかぎらず、大当り経由の時短状態、または救済時短経由の時短状態のいずれであるかに関係なく、共通の背景画像を表示するように構成してもよい。例えば、ステップ022IWS634とステップ022IWS636とで共通の背景画像を表示して、大当り経由の時短状態と救済時短経由の時短状態とで共通の背景画像を表示するように構成してもよい。
受信した演出制御コマンドが確変状態背景指定コマンドであれば(ステップ022IWS639)、演出制御用CPU120は、画像表示装置5において、確変状態に応じた背景画像(例えば、宇宙モードに応じた背景画像)に切り替える制御を行う(ステップ022IWS640)。
受信した演出制御コマンドが潜伏状態背景指定コマンドであれば(ステップ022IWS639)、演出制御用CPU120は、画像表示装置5において、潜伏モードに応じた背景画像(例えば、山モードに応じた背景画像)に切り替える制御を行う(ステップ022IWS640)。なお、潜伏状態背景指定コマンドは、上述したように、通常状態における小当りに制御されてから50回以内の変動(潜伏モード制限フラグがセットされていない変動)、および潜確状態における変動を行う際に送信されるコマンドであるため、小当り遊技状態または潜確大当りによる大当り遊技状態が終了して潜伏モードに制御されてから50回目までの変動では、通常状態であるか潜確状態であるかが認識困難な構成となっている。なお、小当り遊技状態が終了して潜伏モードに制御されてから51回目以降の変動では潜伏モードが終了して通常状態であることが報知される一方で、潜確大当りによる大当り遊技状態が終了して潜伏モードに制御されてから51回目以降の変動では潜伏モードが継続することから潜確状態であることが報知されるよう構成されている。
受信した演出制御コマンドが右打ち報知開始指定コマンドであれば(ステップ022IWS641)、演出制御用CPU120は、右打ち報知LED113IW20の点灯を開始する制御を行う(ステップ022IWS642)。なお、本例では、右打ち報知開始指定コマンドは、救済時短となる場合には、その図柄確定期間の開始時に送信されるので(ステップ022IWS1126,S1134参照)、図柄確定期間の開始時に右打ち報知LED113IW20の点灯が開始される。
受信した演出制御コマンドが右打ち報知終了指定コマンドであれば(ステップ022IWS643)、演出制御用CPU120は、右打ち報知LED113IW20の点灯を終了する制御を行う(ステップ022IWS644)。
受信した演出制御コマンドが客待ちデモ指定コマンドであれば(ステップ022IWS644A)、演出制御用CPU120は、客待ちデモ演出の制御に用いるための客待ちタイマをスタートさせる(ステップ022IWS644B)。
なお、客待ちデモ指定コマンドは、図柄確定期間終了時、または大当り終了時に保留記憶がない場合に主基板11から出力されるコマンドである。
また、客待ちデモ指定コマンドは、電源投入時にも(ラムクリアが行われた場合と電断復旧した場合とのいずれの場合にも)から出力されるコマンドである。なお、電源投入時に設定値の変更または確認が行われる場合、例えば、遊技機管理者(例えば、遊技店員)による設定値の変更が可能な設定変更モードへの移行や、遊技機管理者(例えば、遊技店員)により設定値の確認が可能な設定確認モードへの移行が行われる場合、各モードの終了時に設定値コマンドが送信され、その後に客待ちデモ指定コマンドが送信されるものである。なお、電断復旧時および設定確認モード終了時における客待ちデモ指定コマンドの送信は、特別図柄の変動が行われておらず、保留記憶が記憶されておらず、大当り遊技状態および小当り遊技状態のいずれでもない場合に行われることとしてもよい。
本特徴部022IWでは、客待ちデモ演出としては、テロップ表示演出とデモムービー演出とを実行可能である。テロップ表示演出は、画像表示装置5の右下と左上の領域においてテロップ表示領域を表示し、該テロップ表示領域において「救済時短搭載」といった文字情報をスクロール表示する演出である。また、デモムービー演出とは、画像表示装置5の全面に所定の動画(デモムービー)を再生表示する演出である。なお、テロップ表示演出とデモムービー演出とが重複して行われる場合があり、その場合にはテロップ表示領域の表示の方がデモムービーよりも前面側に表示されるようになっている。
受信した演出制御コマンドがその他のコマンドであれば、演出制御用CPU120は、受信した演出制御コマンドを記憶したり、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットしたりする処理を実行する(ステップ022IWS645)。例えば、大入賞口入賞指定コマンドを受信した場合であれば、大入賞口に入賞したことを示す大入賞口入賞フラグをセットする。そして、ステップ022IWS611に移行する。
(可変表示開始設定処理)
図8-33は、図7に示された演出制御プロセス処理における可変表示開始設定処理(ステップS171)を示すフローチャートである。可変表示開始設定処理において、演出制御用CPU120は、まず、変動パターンコマンド格納領域から変動パターンコマンドを読み出す(ステップ022IWS801)。次いで、演出制御用CPU120は、ステップ022IWS801で読み出した変動パターンコマンド、および表示結果指定コマンド格納領域に格納されているデータ(すなわち、受信した表示結果指定コマンド)に応じて飾り図柄の表示結果(停止図柄)を決定する(ステップ022IWS802)。すなわち、演出制御用CPU120によってステップ022IWS802の処理が実行されることによって、可変表示パターン決定手段が決定した可変表示パターン(変動パターン)に応じて、識別情報の可変表示の表示結果(飾り図柄の停止図柄)を決定する表示結果決定手段が実現される。なお、変動パターンコマンドで擬似連が指定されている場合には、演出制御用CPU120は、ステップ022IWS802において、擬似連中の仮停止図柄としてチャンス目図柄(例えば、「223」や「445」のように、リーチとならないものの大当り図柄と1つ図柄がずれている図柄の組み合わせ)も決定する。なお、演出制御用CPU120は、決定した飾り図柄の停止図柄を示すデータを飾り図柄表示結果格納領域に格納する。なお、ステップ022IWS802において、演出制御用CPU120は、受信した変動パターンコマンドにもとづいて大当りであるか否かを判定し、変動パターンコマンドのみにもとづいて飾り図柄の停止図柄を決定するようにしてもよい。
ステップ022IWS802では、演出制御用CPU120は、受信した表示結果指定コマンドが「通常大当り」を示している場合には、演出制御用CPU120は、停止図柄として3図柄が同じ偶数図柄で揃った飾り図柄の組合せ(通常大当り図柄)を決定する。また、受信した表示結果指定コマンドが「確変大当り」を示している場合には、演出制御用CPU120は、停止図柄として3図柄が同じ奇数図柄で揃った飾り図柄の組合せ(確変大当り図柄)を決定する。また、受信した表示結果指定コマンドが「潜確大当り」または「小当り」を示している場合には、演出制御用CPU120は、停止図柄として「123」の飾り図柄の組合せ(潜伏図柄)を決定する。なお、飾り図柄は、演出内容によって縮小されて小図柄として表示されることがあるが、小図柄が停止表示する場合にも、潜確大当りである場合と小当りである場合とで、共通の「123」図柄を停止表示するものである。
そして、「はずれ」の場合には、上記以外の飾り図柄の組み合わせを決定する。ただし、リーチ演出を伴う場合には、左右の2図柄が揃った飾り図柄の組み合わせを決定する。なお、時短種別に応じて異なる特殊図柄(例えば、ハート型図柄や菱形図柄)を含むはずれ図柄の飾り図柄の組み合わせを決定するように構成してもよい。
演出制御用CPU120は、例えば、停止図柄を決定するための乱数を抽出し、飾り図柄の組合せを示すデータと数値とが対応付けられている停止図柄決定テーブルを用いて、飾り図柄の停止図柄を決定する。すなわち、抽出した乱数に一致する数値に対応する飾り図柄の組合せを示すデータを選択することによって停止図柄を決定する。
なお、飾り図柄についても、大当りを想起させるような停止図柄(左中右が全て同じ図柄で揃った図柄の組み合わせ)を大当り図柄という。また、はずれを想起させるような停止図柄をはずれ図柄という。
また、演出制御用CPU120は、大当り遊技状態に制御することに対する信頼度を示す予告演出を設定するための予告演出設定処理を行う(ステップ022IWS802A)。
次いで、演出制御用CPU120は、潜伏モード中であるか否か(ステップ022IWS631において潜伏状態背景指定コマンドを受信しているか否か)を判定し(ステップ022IWS802B)、潜伏モード中である場合には、潜伏状態であることを示唆する潜伏示唆演出の実行の有無を決定するための潜伏示唆演出実行抽選を行う(ステップ022IWS802C)。具体的に、図8-34に示す潜伏示唆演出実行抽選テーブルを用いて潜伏示唆演出の実行の有無を決定する。
図8-34は、潜伏示唆演出実行抽選テーブルを示す説明図である。潜伏示唆演出実行抽選テーブルには、潜伏モードにおける変動回数(1~30回、31回目以上)毎に潜伏示唆演出の実行の有無に対応する判定値が割り当てられているが、図8-34(A),(B)に示す例では、説明を簡略化するために、割り当てられた判定値の割合が示されている。演出制御用CPU120は、例えば、潜伏示唆演出実行抽選用の乱数を抽出し、抽出した乱数に一致する判定値が割り当てられている決定事項に決定する。
図8-34(A)は、潜伏状態である場合に用いられる潜伏示唆演出実行抽選テーブルを示す説明図である。図8-34(B)は、通常状態である場合に用いられる潜伏示唆演出実行抽選テーブルを示す説明図である。
図8-34(A)に示す潜伏示唆演出実行抽選テーブル(潜伏状態用)が用いられた場合、潜伏モードにおける変動回数が1~30回であれば、潜伏示唆演出を実行することが10%の割合で決定され、潜伏示唆演出を実行しないことが90%の割合で決定される。潜伏モードにおける変動回数が31回以上であれば、潜伏示唆演出を実行することが30%の割合で決定され、潜伏示唆演出を実行しないことが70%の割合で決定される。
図8-34(B)に示す潜伏示唆演出実行抽選テーブル(通常状態用)が用いられた場合、潜伏モードにおける変動回数が1~30回であれば、潜伏示唆演出を実行することが5%の割合で決定され、潜伏示唆演出を実行しないことが95%の割合で決定される。潜伏モードにおける変動回数が31回以上であれば、潜伏示唆演出を実行することが20%の割合で決定され、潜伏示唆演出を実行しないことが80%の割合で決定される。
このように、潜確状態である場合の方が通常状態である場合よりも潜伏示唆演出を実行しやすい構成となっている。これにより、潜伏示唆演出が実行されることによって潜確状態に制御されていることに対する期待感を与えることができる。
また、このように、潜伏モードにおける変動回数が1~30回である場合よりも31回以上である場合の方が、潜伏示唆演出を実行しやすい構成となっている。これにより、潜伏モードに制御されている期間に応じて潜伏示唆演出の実行割合を異ならせることで、興趣を向上させることができる。
潜伏示唆演出を実行することが決定された場合、演出制御用CPU120は、潜伏示唆演出を設定する(ステップ022IWS802D)。
そして、救済時短となるまでの残りの変動回数が100回、200回、300回、400回、500回、600回、または700回であるか否かを確認する(ステップ022IWS803)。なお、救済時短となるまでの残りの変動回数が100回、200回、300回、400回、500回、600回、または700回であるか否かは、例えば、救済時短回数2指定コマンドを受信しているか否かを確認することにより判定できる。
救済時短となるまでの残りの変動回数が100回、200回、300回、400回、500回、600回、または700回であれば、演出制御用CPU120は、救済時短となるまでの残りの変動回数に応じた煽り演出を含むプロセステーブルを選択する(ステップ022IWS804)。例えば、受信した救済時短回数2指定コマンドのEXTデータが「01(H)」である場合(救済時短となるまでの残り変動回数が100回である場合)、残りの変動回数「100回」に応じた煽り演出を含むプロセステーブルを選択する。また、例えば、受信した救済時短回数2指定コマンドのEXTデータが「07(H)」である場合(救済時短となるまでの残り変動回数が700回である場合)、残りの変動回数「800回」に応じた煽り演出を含むプロセステーブルを選択する。そして、ステップ022IWS808に移行する。
救済時短となるまでの残りの変動回数が100回、200回、300回、400回、500回、600回、または700回のいずれでもなければ、演出制御用CPU120は、救済時短となるまでの残りの変動回数が10回以下となっているか否かを確認する(ステップ022IWS805)。なお、救済時短となるまでの残りの変動回数が10回以下となっているか否かは、例えば、受信した救済時短回数1指定コマンドのEXTデータの値が10以下となっているか否かを確認することにより判定できる。
救済時短となるまでの残りの変動回数が10回以下となっていれば、演出制御用CPU120は、潜伏モード中であるか否かを判定する(ステップ022IWS805A)。潜伏モード中であるか否かは、潜伏状態背景指定コマンドを受信しているか否かにより判定できる。潜伏モード中であればステップ022IWS807へ移行する。潜伏モード中でなければ、救済時短となるまでの残りの変動回数に応じたカウントダウン演出およびエフェクト演出を含むプロセステーブルを選択する(ステップ022IWS806)。例えば、受信した救済時短回数1指定コマンドのEXTデータが「0A(H)」である場合(救済時短となるまでの残り変動回数が10回である場合)、救済時短となるまでのカウント数「10」に応じたカウントダウン演出を含むプロセステーブルを選択する。また、例えば、受信した救済時短回数1指定コマンドのEXTデータが「01(H)」である場合(救済時短となるまでの残り変動回数が1回である場合)、救済時短となるまでのカウント数「1」に応じたカウントダウン演出を含むプロセステーブルを選択する。そして、ステップ022IWS808に移行する。
なお、本例では、救済時短回数1指定コマンドや救済時短回数2指定コマンドのEXTデータにもとづいて救済時短となるまでの残りの変動回数を判定して、煽り演出やカウントダウン演出を実行する場合を示しているが、そのような態様にかぎられない。例えば、背景画像を指定する背景指定コマンドを送信するように構成する場合、背景指定コマンドのEXTデータに救済時短となるまでの残りの変動回数に応じた値をセットして送信するように構成してもよい。そして、演出制御用CPU120側では、受信した背景指定コマンドのEXTデータにもとづいて残りの変動回数を判定して、煽り演出やカウントダウン演出を実行するように構成してもよい。
また、本例では、救済時短の変動回数に到達した場合であっても大当り変動となる場合には通常と同様の大当り用の変動パターンを用いる場合を示しているが、そのような態様にかぎらず、変動時間が短いリーチ演出を指定する変動パターンを用いて変動表示を実行するように構成してもよい。
また、本例では、救済時短となるまでの残りの変動回数が10回以下となっていれば、画像表示装置5にエフェクト画像を表示するエフェクト演出を行うものである。例えば、救済時短となるまでの残りの変動回数が少ない程、画像表示装置5におけるエフェクト画像の表示範囲が広くなるようなエフェクト演出を行うものである。
救済時短となるまでの残りの変動回数が10回以下でもなければ(ステップ022IWS805のN)、演出制御用CPU120は、変動パターンに応じたプロセステーブルを選択する(ステップ022IWS807)。そして、ステップ022IWS808に移行する。
次いで、演出制御用CPU120は、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマをスタートさせる(ステップ022IWS808)。
プロセステーブルとは、演出制御用CPU120が演出装置の制御を実行する際に参照するプロセスデータが設定されたテーブルである。すなわち、演出制御用CPU120は、プロセステーブルに設定されているプロセスデータに従って画像表示装置5等の演出装置(演出用部品)の制御を行う。プロセステーブルは、プロセスタイマ設定値と表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データの組み合わせが複数集まったデータで構成されている。表示制御実行データには、飾り図柄の可変表示の可変表示時間(変動時間)中の変動態様を構成する各変動の態様を示すデータ等が記載されている。具体的には、画像表示装置5の表示画面の変更に関わるデータが記載されている。また、プロセスタイマ設定値には、その変動の態様での変動時間が設定されている。演出制御用CPU120は、プロセステーブルを参照し、プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけ表示制御実行データに設定されている変動の態様で飾り図柄を表示させる制御を行う。また、プロセステーブルは、演出制御基板80におけるROMに格納されている。また、プロセステーブルは、各変動パターンに応じて用意されている。
なお、リーチ演出を伴う変動パターンについて演出制御を実行する場合に用いられるプロセステーブルには、変動開始から所定時間が経過したときに左図柄を停止表示させ、さらに所定時間が経過すると右図柄を停止表示させることを示すプロセスデータが設定されている。なお、停止表示させる図柄をプロセステーブルに設定するのではなく、決定された停止図柄、擬似連や滑り演出における仮停止図柄に応じて、図柄を表示するための画像を合成して生成するようにしてもよい。
また、演出制御用CPU120は、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)に従って演出装置(演出用部品としての画像表示装置5、演出用部品としての各種ランプおよび演出用部品としてのスピーカ8L,8R)の制御を実行する(ステップ022IWS809)。例えば、画像表示装置5において変動パターンに応じた画像を表示させるために、表示制御部123に指令を出力する。また、各種ランプを点灯/消灯制御を行わせるために、ランプ制御基板14に対して制御信号(ランプ制御実行データ)を出力する。また、スピーカ8L,8Rからの音声出力を行わせるために、音声制御基板13に対して制御信号(音番号データ)を出力する。
なお、この特徴部022IWでは、演出制御用CPU120は、変動パターンコマンドに1対1に対応する変動パターンによる飾り図柄の可変表示が行われるように制御するが、演出制御用CPU120は、変動パターンコマンドに対応する複数種類の変動パターンから、使用する変動パターンを選択するようにしてもよい。
次いで、演出制御用CPU120は、変動時間タイマに、変動パターンコマンドで特定される変動時間に相当する値を設定する(ステップ022IWS810)。
そして、演出制御用CPU120は、演出制御プロセスフラグの値を可変表示中演出処理(ステップS172)に対応した値にする(ステップ022IWS811)。
図8-35は、潜伏モードに制御する場合における画像表示装置5の表示例を示す説明図である。例えば、通常状態の通常モードにおいては、図8-35(A)に示すように、海モードの背景表示がされており、潜確大当り変動または小当り変動である場合には、図8-35(B)に示すように、共通する特殊図柄(「123」)が停止表示されることで、小当り変動であったのか潜確大当り変動であったのかが認識困難となる。
そして、小当り遊技状態または潜確大当りによる大当り遊技状態においては、図8-35(C)に示すように、潜伏モードに移行することを示す表示がなされる。そして、潜伏モードにおいては、図8-35(D)に示すように、山モードの背景表示がされており、通常状態であるのか潜確状態であるのかが認識困難となる。そして、通常状態である場合、潜伏モードに制御されて51回目の変動において、図8-35(E)に示すように通常モード(海モード)の背景表示がなされることで、通常状態であることが報知される。一方、潜確状態である場合、潜伏モードに制御されて51回目以降の変動においても、山モードの背景表示が継続して表示されることにより、潜確状態であることが報知される。
なお、本例では、高確率状態に制御する大当りが発生した場合、次に大当りが発生するまで該高確率状態が継続することとしたが、これに限るものではない。例えば、所定回(例えば72回)の変動を行うことを契機に高確率状態を終了する種別の大当り(ST大当り)が設けられていることとしてもよい。
また、本例では、特定の種別の大当りとなることにもとづいて高確率状態に制御される構成としたが、これに限るものではない。例えば、大当り変動が停止し、大当り遊技状態中に所定領域(例えば、大入賞口内に設けられた確変領域)を遊技媒体が通過したことにもとづいて高確率状態に制御可能な遊技機であってもよい。
また、本例では、潜確大当りが発生した場合には51回目以降の変動においても潜伏モードに継続して制御することで、潜確状態に制御されていることが遊技者に報知される構成であるが、より積極的に潜確状態に制御されていることを報知するものであってもよい。例えば、潜確大当りが発生した場合には51回目以降の変動において、潜伏モードとは異なる確定モード(潜確状態に制御していることを確定的に示唆する演出モード)や確変モードに制御することにより、潜確状態に制御されていることを報知するものであってもよい。
なお、本例では、時短状態Aである場合と時短状態Bである場合とで、共通の高ベース状態を外部装置へ出力することとしたが、時短状態Aである場合と時短状態Bである場合とで、それぞれ異なる端子から高ベース状態を外部装置へ出力することとしてもよい。例えば、図8-36に示すように、救済時短経由の時短状態の制御中において外部装置へ高ベース信号1を出力し、大当り経由の時短状態の制御中において外部装置へ高ベース信号2を出力することとしてもよい。
また、変形例では、時短状態として、大当り経由の時短状態Aと、救済時短経由の時短状態Bと、があるが、救済時短経由の時短状態Bに対応する高ベース1信号と、大当り経由の時短状態Aに対応する高ベース2信号と、をそれぞれ異なる端子から遊技機の外部に出力可能に構成されている。このような構成により、外部装置において、高ベース1信号がオン状態であるときに、救済時短経由の時短状態Bであることが特定可能となり、高ベース2信号がオン状態であるときに、大当り経由の時短状態Aであることが特定可能となる。つまり、外部装置において、大当り経由の時短状態Aと、救済時短経由の時短状態Bと、に制御された回数を計測可能となる。
なお、本例では大当り図柄が停止表示されることにもとづいて大当り遊技状態に制御する構成としたが、これに加えて、小当り経由の大当り遊技状態が設けられていることとしてもよい。例えば、小当り図柄が停止表示されることにもとづいて小当り遊技状態に制御し、該小当り遊技状態において特定領域(大入賞口内に設けられた領域)に遊技球が入賞したことにもとづいて大当り遊技状態(小当り経由の大当り遊技状態)に制御可能なタイプの遊技機であってもよい。この場合、小当り遊技状態において特定領域に遊技球が入賞したことにもとづいて遊技状態が変化する(例えば、大当り遊技状態終了後に高ベース状態に制御される)ものであってもよい。また、小当り遊技状態において特定領域に遊技球が入賞しなかった場合には、該小当り遊技状態の前と後とで遊技状態が変化しないものであってもよい。または、高ベース状態の終了条件として、小当り遊技状態に制御することが定められている遊技機であれば、小当り遊技状態において特定領域に遊技球が入賞しなかった場合にも高ベース状態を終了するものであってもよい。
また、小当り経由の大当り遊技状態に制御可能なタイプの遊技機において、高ベース状態から小当り遊技状態に制御された場合、有利状態の制御に対応する特殊信号(例えば、図8-13に示す大当り1信号および大当り2信号)を出力可能な構成としてもよい。遊技者にとっては高ベース状態における小当り遊技状態と大当り遊技状態とは体感的に大差ない遊技状態であるため、外部装置においても高ベース状態における小当り遊技状態と大当り遊技状態とで同様の処理を行うことができる。
以上に説明したように、本特徴部022IWには、以下に示す発明が含まれている。
従来、特開2005-95449号公報に記載されているように、通常の遊技状態で実行された特図ゲームの回数(可変表示の実行回数)が1000回(特別回数)に達しても大当り(有利状態)が発生しないときには(特別条件の成立)、遊技状態が確変状態に制御され、特図ゲームの結果として大当りとすることが決定される確率が1/100程度に高められ、以降の特図ゲームでは大当りが発生しやすくなる遊技機や、通常の遊技状態で特図ゲームの回数(可変表示の実行回数)が1000回に達しても大当りが生じなかったときに、確変状態の代わりに時短状態を発生させる遊技機があった。しかしながら、特開2005-95449号公報に記載の遊技機にあっては、制御に改善の余地があった。そこで、本特徴部022IWには、以下(手段022-1)~(手段022-21)、および(手段023-1)、(手段024-1)の遊技機が記載されている。
(手段022-1)始動条件が成立したことにもとづいて識別情報の可変表示を実行し、可変表示結果として特定表示結果(例えば、大当り図柄)が導出表示されたことにもとづいて遊技者にとって有利な有利状態(例えば、大当り遊技状態)に制御可能な遊技機であって、
識別情報の可変表示として、第1始動条件(例えば、第1始動入賞口への遊技球の入賞)が成立することにもとづく第1識別情報(例えば、第1特別図柄)の可変表示と、第2始動条件(例えば、第2始動入賞口への遊技球の入賞)が成立することにもとづく第2識別情報(例えば、第2特別図柄)の可変表示と、を実行可能な可変表示実行手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ100におけるステップS110~S113を実行する部分)と、
第1識別情報の可変表示が実行される場合と、第2識別情報の可変表示が実行される場合と、で数値情報(例えば、救済時短回数カウンタ)を更新可能な更新手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ100における、ステップ022IWS71を行う部分)と、
非特別状態(例えば、低ベース状態)よりも始動条件が成立しやすい特別状態(例えば、高ベース状態)に制御可能な状態制御手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ100がステップ022IWS171B,S538,S541Aの処理を実行する部分)と、
可変表示結果として所定表示結果(例えば、小当り図柄)が導出表示されたことにもとづいて遊技者にとって有利であって有利状態と異なる特殊状態(例えば、小当り遊技状態)に制御可能な特殊状態制御手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ100がステップ022IWS114~S116の処理を実行する部分)と、
可変表示に対応する可変表示信号(例えば、図8-13に示す全図柄確定回数信号)と、特別状態の制御に対応する特別信号(例えば、図8-13に示す高ベース信号)と、有利状態の制御に対応する特殊信号(例えば、図8-13に示す大当り1信号および大当り2信号)と、をそれぞれ異なる端子から遊技機の外部に出力可能な外部出力手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ100がステップ022IWS1138Aの処理を実行することにより全図柄確定回数信号を出力し、ステップ022IWS174b,S539,S541Dの処理を実行することにより高ベース信号を出力し、ステップ022IWS139a,S173,S162の処理を実行することにより大当り1信号を出力し、ステップ022IWS139a,174aの処理を実行することにより大当り2信号を出力する部分)と、を備え、
状態制御手段は、更新手段が更新した数値情報が可変表示の実行回数としての特別回数(例えば、800回)に対応する特定値(例えば、救済時短回数カウンタの値が「0」)となることによって特別条件が成立したときに特別状態に制御可能であり(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、ステップ022IWS74,S75,S171Bを実行する)、
特殊状態に制御される前と前記特殊状態に制御された後とで遊技状態が変化せず(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、小当り遊技状態に制御することにもとづいては遊技状態を変化させない。例えば、高ベース状態において小当り遊技状態に制御した場後には引き続き高ベース状態に制御し、高確率状態において小当り遊技状態に制御した場後には引き続き高確率状態に制御する)、
外部出力手段は、
特別条件の成立にもとづいて特別状態に制御されるときに特殊信号を出力可能であり(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、救済時短となるときにステップ022IWS173の処理を実行することにより大当り1信号を出力し、ステップ022IWS174aの処理を実行することにより大当り2信号を出力する)、
有利状態に制御されるときに特殊信号を出力可能であり(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、大当り遊技状態に制御するときにステップ022IWS139aの処理を実行することにより大当り1信号および大当り2信号を出力する)、
特殊状態に制御されるときに特殊信号を出力可能であり(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、小当り遊技状態に制御するときにステップ022IWS162の処理を実行することにより大当り1信号を出力する)、
特別条件の成立にもとづいて特別状態に制御されるときと、有利状態の後に特別状態に制御されるときとで特別信号を出力する(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、ステップ022IWS174b,S539,S541Dの処理を実行することにより、救済時短に制御されるときと大当りにもとづいて時短状態に制御するときとで共通の高ベース信号を出力する)
ことを特徴とする。
そのような構成によれば、特殊条件が成立するまでの残余期間の予測困難性を高めることができる。
具体的に、遊技機が実行した変動回数の表示(変動回数表示)を行う外部装置に対し、特別条件の成立以外にも特殊信号や特別信号を出力することにより、変動回数表示をリセットする機会を与え、特殊条件が成立するまでの残余期間を遊技者にわかりにくくさせることができる。
(手段022-2)識別情報の可変表示に対応する演出用識別情報(例えば、飾り図柄、小図柄)の可変表示を実行可能な演出用可変表示手段(例えば、演出制御用CPU120における、ステップ113IWS10~“113を実行する部分)を備え、
有利状態として、特定有利状態(例えば、潜確大当り)に制御可能であって(図8-4参照)、
状態制御手段は、
非特定状態(例えば、低確率状態)よりも有利状態に制御されやすい特定状態(例えば、高確率状態)に制御可能であり(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、ステップ022IWS541F,S541Iの処理を実行する)、
特定有利状態の後に特定状態および非特別状態に制御可能であり(例えば、潜確大当りの後に潜確状態に制御可能である。図8-27参照)、
特定有利状態に制御されるときと、特殊状態に制御されるときとで、識別情報の可変表示結果として異なる表示結果を導出表示し(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、潜確大当り変動では潜確大当り図柄を停止表示し、小当り変動では小当り図柄を停止表示する)、
演出用可変表示手段は、特定有利状態に制御されるときと、特殊状態に制御されるときとで、演出用識別情報の可変表示結果として共通の表示結果を導出表示する(例えば、演出制御用CPU120は、潜確大当り変動と小当り変動とで共通の「123」図柄を停止表示する)
こととしてもよい。
そのような構成によれば、可変表示結果によって異なる状態に制御するものにおいて、演出面ではいずれの状態に制御するかを認識困難とすることにより、興趣の向上を図ることができる。
(手段022-3)外部出力手段は、特別状態において特殊状態に制御されるときは特殊信号を出力しない(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、ステップ022IWS161のYである場合にはステップ022IWS162を実行しない)
こととしてもよい。
そのような構成によれば、適切な制御を実現することができる。具体的に、既に特別状態に制御されている場合には変動回数表示をリセットする必要がないため、適切な制御を実現できる。
(手段022-4)有利状態として、特定有利状態(例えば、潜確大当り)に制御可能であって(図8-4参照)、
状態制御手段は、
非特定状態(例えば、低確率状態)よりも有利状態に制御されやすい特定状態(例えば、高確率状態)に制御可能であり(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、ステップ022IWS541F,S541Iの処理を実行する)、
特定有利状態の後に特定状態および非特別状態に制御可能であり(例えば、潜確大当りの後に潜確状態に制御可能である。図8-27参照)、
特別状態は、非特別状態よりも第2識別情報の可変表示の始動条件が成立しやすい状態であり(例えば、高ベース状態では、低ベース状態よりも第2始動入賞口への入賞が発生しやすい)、
第1識別情報の可変表示が実行される場合の方が、第2識別情報の可変表示が実行される場合よりも、特定有利状態に制御される割合が高く(図8-4参照)、
第1識別情報の可変表示が実行される場合の方が、第2識別情報の可変表示が実行される場合よりも、所定表示結果が導出表示される割合が高く(図8-2および図8-3参照)、
第1識別情報の可変表示にもとづいて有利状態に制御される場合と、第2識別情報の可変表示にもとづいて有利状態に制御される場合とで、特別回数の値が共通である(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、ステップ022IWS135の処理を実行することにより、第1特別図柄の変動および第2特別図柄の変動のいずれにもとづいて大当りに制御されるかにかかわらず共通の800回を救済時短回数カウンタセットする)
こととしてもよい。
そのような構成によれば、特別状態と非特別状態とで異なる遊技性を持たせることで興趣を向上できるとともに、適切に遊技者を救済することができる。
(手段022-5)状態制御手段は、非特定状態(例えば、低確率状態)よりも有利状態に制御されやすい特定状態(例えば、高確率状態)に制御可能であり(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、ステップ022IWS541F,S541Iの処理を実行する)、
外部出力手段は、特定状態に制御されているときに特別信号を出力可能であり、
更新手段は、特定状態に制御されているときは数値情報を更新しない(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、ステップ022IWS69aのYである場合、ステップ022IWS71の処理を行わない)
こととしてもよい。
そのような構成によれば、特別条件が成立するまでの残余可変表示回数を外部装置にて管理することができる。
(手段022-6)非特定状態(例えば、低確率状態)よりも有利状態に制御されやすい特定状態(例えば、高確率状態)に制御可能であり(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、ステップ022IWS541F,S541Iの処理を実行する)、
特別条件が成立する前の非特定状態において、該特別条件が成立するまでの可変表示の回数を示唆する示唆演出(例えば、煽り演出やカウントダウン演出)を実行可能な示唆演出実行手段(例えば、演出制御用CPU120における、ステップ022IWS804,S806の処理を実行する部分)を備えた
こととしてもよい。
そのような構成によれば、遊技意欲を高めて遊技機の稼働率を向上することができる。
(手段022-7)非特定状態(例えば、低確率状態)よりも有利状態に制御されやすい特定状態(例えば、高確率状態)に制御可能であり(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、ステップ022IWS541F,S541Iの処理を実行する)、
状態制御手段は、特定有利状態の後に特定状態および非特別状態に制御可能であり(例えば、潜確大当りの後に潜確状態に制御可能である。図8-27参照)、
特殊状態に制御されたときと特定有利状態に制御されたときとで共通する共通演出(例えば、小当り遊技状態または潜確大当りにもとづく大当り遊技状態の後の50回目以内の変動における潜伏モードの背景表示)を実行可能な共通演出実行手段(例えば、演出制御用CPU120における、ステップ022IWS640Bの処理を実行する部分)を備え、
示唆演出実行手段は、共通演出の実行中における示唆演出の実行を制限する(例えば、演出制御用CPU120は、ステップ022IWS805AのYである場合、ステップ022IWS806の処理を実行しない)
こととしてもよい。
そのような構成によれば、興趣の低下を抑制することができる。例えば、示唆演出は非特定状態において実行可能な演出であることから、該示唆演出が行われた場合には非特定状態であることが認識されるため、共通演出の実行中は示唆演出の実行を制限することにより、非特定状態であることが認識されることを防止し、興趣の低下を抑制することができる。
なお、共通演出としては、潜伏モードの背景表示を行うこととしたが、これに限るものではない。例えば、潜確状態に制御されている場合と、通常状態において小当り遊技状態が終了した後の所定期間である場合とでのみ実行可能な変動演出を共通演出として実行可能であることとしてもよい。
(手段022-8)有利状態として、特定有利状態(例えば、潜確大当り)に制御可能であって(図8-4参照)、
状態制御手段は、
非特定状態(例えば、低確率状態)よりも有利状態に制御されやすい特定状態(例えば、高確率状態)に制御可能であり(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、ステップ022IWS541F,S541Iの処理を実行する)、
特定有利状態の後に特定状態および非特別状態に制御可能であり(例えば、潜確大当りの後に潜確状態に制御可能である。図8-27参照)、
複数の可変表示パターンから可変表示パターンを決定する可変表示パターン決定手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ100における、ステップ022IWS1716の処理を実行する)を備え、
可変表示パターン決定手段は、特定有利状態に制御されたこと、または特殊状態に制御されたことにもとづいて、決定可能な可変表示パターンの種類の切り替えを行い(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、ステップ022IWS1701~S1713Eの処理を実行することにより、遊技状態毎に異なる変動パターンテーブルを用いて変動パターンを決定する)、
識別情報の可変表示中に特定状態に制御されていることを示唆する特定演出(例えば、潜伏示唆演出)を実行可能な特定演出実行手段(例えば、演出制御用CPU120における、ステップ022IWS802Dの処理を実行する部分)を備えた
こととしてもよい。
そのような構成によれば、特定有利状態または特殊状態に制御されたことにもとづいて変動傾向が変化するとともに、特定演出を実行することで、遊技者に特定状態に制御されていることを期待させ、興趣を向上することができる。
(手段022-9)特定有利状態または特殊状態に制御されてから経過した期間に応じて特定演出の実行割合が異なる(図8-34参照)
こととしてもよい。
そのような構成によれば、興趣を向上することができる。
(手段022-10)有利状態として、特定有利状態(例えば、潜確大当り)に制御可能であって(図8-4参照)、
状態制御手段は、
非特定状態(例えば、低確率状態)よりも有利状態に制御されやすい特定状態(例えば、高確率状態)に制御可能であり(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、ステップ022IWS541F,S541Iの処理を実行する)、
特定有利状態の後に特定状態および非特別状態に制御可能であり(例えば、潜確大当りの後に潜確状態に制御可能である。図8-27参照)、
特定有利状態の後に特定状態に制御されていることを報知する特別演出(例えば、潜確大当りに制御してから51回目以降の変動における潜伏モード)を実行可能な特別演出実行手段(例えば、演出制御用CPU120における、ステップ022IWS640Bの処理を実行する部分)を備え、
特別演出実行手段は、特殊状態に制御された後に特別演出を移行しない(例えば、演出制御用CPU120は、小当り遊技状態に制御して51回目以降の変動においては潜伏モードの背景表示を行わない)
こととしてもよい。
そのような構成によれば、特別演出の実行に期待させることにより、興趣を向上することができる。
(手段022-11)有利状態として、特定有利状態(例えば、潜確大当り)に制御可能であって(図8-4参照)、
状態制御手段は、
非特定状態(例えば、低確率状態)よりも有利状態に制御されやすい特定状態(例えば、高確率状態)に制御可能であり(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、ステップ022IWS541F,S541Iの処理を実行する)、
特定有利状態の後に特定状態および非特別状態に制御可能であり(例えば、潜確大当りの後に潜確状態に制御可能である。図8-27参照)、
特殊状態に制御されたときと特定有利状態に制御されたときとで共通する共通演出(例えば、小当り遊技状態または潜確大当りにもとづく大当り遊技状態の後の50回目以内の変動における潜伏モードの背景表示)を実行可能な共通演出実行手段(例えば、演出制御用CPU120における、ステップ022IWS640Bの処理を実行する部分)を備え、
特別条件が成立するまでの期間が所定期間(例えば、10変動)であるときに特殊状態に制御される場合、共通演出の実行を制限する(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、ステップ022IWS158~S160を行うことにより、救済時短までの残余回数が10回以内であるときに小当りが発生した場合には、潜伏モード制限フラグをセットし、ステップ022IWS58において、通常状態において小当りが発生してから50回以内の変動であるが、潜伏モード制限フラグがセットされている変動である場合には、通常モードであるものと判定して通常状態背景指定コマンドを送信し、演出制御用CPU120における、該通常状態背景指定コマンドを受信した場合には潜伏モードの背景表示は行わない)
こととしてもよい。
そのような構成によれば、共通演出が無駄に実行されることを抑制できるとともに、特別条件の成立に期待する遊技者の落胆を抑えて、興趣の低下を抑制することができる。
なお、共通演出を実行する場合には、小当り変動および潜確大当り変動において、いずれの変動であるかを認識困難とする共通の変動演出を行うことにより、より共通演出の演出効果を高めることができる。
なお、本例では、救済条件が成立するまでの残余変動回数が10回以内であるときに小当りが発生した場合には共通演出としての潜伏モードの移行制御を制限することとしたが、これに限るものではなく、例えば、大当り種別として、所定回数(例えば72回)の高確率状態に制御する大当り種別(ST大当り)が設けられている場合、救済条件が成立するまでの残余変動回数が該所定回数(72回)以内であるときに小当りが発生した場合には共通演出の実行を制限するものであってもよい。
(手段022-12)有利状態として、特定有利状態(例えば、潜確大当り)に制御可能であって(図8-4参照)、
状態制御手段は、
非特定状態(例えば、低確率状態)よりも有利状態に制御されやすい特定状態(例えば、高確率状態)に制御可能であり(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、ステップ022IWS541F,S541Iの処理を実行する)、
特定有利状態の後に特定状態および非特別状態に制御可能であり(例えば、潜確大当りの後に潜確状態に制御可能である。図8-27参照)、
特殊状態に制御されたときと特定有利状態に制御されたときとで共通する共通演出(例えば、小当り遊技状態または潜確大当りにもとづく大当り遊技状態の後の50回目以内の変動における潜伏モードの背景表示)を実行可能な共通演出実行手段(例えば、演出制御用CPU120における、ステップ022IWS640Bの処理を実行する部分)と、
特別条件が成立する場合に特別状態に制御されることを示す特殊演出(例えば、時短突入演出)を実行可能な特殊演出実行手段(例えば、演出制御用CPU120における、ステップ022IWS809の処理を実行することにより、変動パターンに応じて時短突入演出を実行する部分)と、を備え、
特別条件が成立するときに特殊状態に制御される場合、共通演出を実行せずに特殊演出を実行可能である一方(例えば、演出制御用CPU120は、小当り変動にて救済条件が成立した場合、時短突入演出を行うとともに潜伏モードに制御しない)、
特別条件が成立するときに特定有利状態に制御される場合、特殊演出を実行せずに共通演出を実行可能である(例えば、演出制御用CPU120は、潜確大当り変動にて救済条件が成立した場合、時短突入演出を行わずに潜伏モードに制御する)
こととしてもよい。
そのような構成によれば、特別条件が成立するときに特殊状態または特定状態に制御される場合に、内部状態に応じた適切な演出を実行でき、演出上の矛盾の発生を回避でき、興趣の低下を抑制することができる。
(手段022-13)特別条件の成立にもとづく特別状態において、可変表示回数が所定回数(例えば、800回)となったことにもとづいて該特別状態を終了し(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、ステップ022IWS66~S69,S181,S182の処理を実行する)、該特別状態の終了後において特別条件が成立しない(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、救済時短が終了する際には救済時短回数カウンタに値をセットしないことにより、救済時短が終了してから通常状態に制御し、該通常状態において800回の変動を行った場合にも救済時短には制御しない)
こととしてもよい。
そのような構成によれば、遊技者の救済を図りつつも、射幸性を過度に高めず、健全な遊技性を実現することができる。
(手段022-14)複数種類の有利状態に制御可能であり(図8-4参照)、
制御される有利状態の種類によって、該有利状態の後に制御される特別状態の有利度(例えば、高ベース状態に制御する回数)が異なり(図8-5(A)参照)、
複数種類の有利状態のうち所定の有利状態の後に制御される特別状態よりも、特別条件の成立にもとづいて制御される特別状態の方が、有利度が高い(例えば、通常大当りにもとづいて100回の高ベース状態に制御され、救済条件が成立することにもとづいて800回の高ベース状態に制御する。図8-5(A)参照)
こととしてもよい。
そのような構成によれば、特別条件の成立にもとづいて制御される特別状態における遊技意欲を遊技者に起こさせつつ、特別条件の成立までの残余期間を外部装置で認識可能となる点で稼働率を向上させることができる。
(手段022-15)第1識別情報の可変表示が実行される場合よりも、第2識別情報の可変表示が実行される方が、有利度が高く(図8-4参照)、
特別状態は、非特別状態よりも第2始動条件が成立しやすい状態である(例えば、高ベース状態では、低ベース状態よりも第2始動入賞口への入賞が発生しやすい)
こととしてもよい。
そのような構成によれば、特別条件の成立にもとづいて制御される特別状態における遊技意欲を遊技者に起こさせつつ、特別条件の成立までの残余期間を外部装置で認識可能となる点で稼働率を向上させることができる。
(手段022-16)複数の可変表示パターンから可変表示パターンを決定する可変表示パターン決定手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ100における、ステップ022IWS1716の処理を実行する)を備え、
可変表示パターン決定手段は、特別状態に制御されている場合と非特別状態に制御されている場合とで、異なる割合にもとづいて可変表示パターンを選択し(例えば、高ベース状態と低ベース状態とで、選択割合の異なる変動パターンテーブルを用いて変動パターンを選択する(図8-8参照))、
外部出力手段は、特別条件の成立にもとづく特別状態の制御に対応する第1特別信号と、有利状態の後の特別状態の制御に対応する第2特別信号と、をそれぞれ異なる端子から出力可能である(例えば、変形例における遊技制御用マイクロコンピュータ100は、救済時短に制御されることに対応する高ベース1信号を出力し、大当りにもとづいて時短状態に制御されるときに高ベース2信号を出力する(図8-36参照))
こととしてもよい。
そのような構成によれば、特別条件の成立にもとづいて制御される特別状態と、遊技状態の後に制御される特別状態とを区別した制御を、外部装置に行わせることができる。例えば、特別状態におけるスタート値(発射された遊技球100発に対して特図ゲームが何回実行されたかを示す値)を特別状態の種類毎に算出することができる。
(手段022-17)特定経路(例えば、左側領域における遊技球の流下経路)へ打ち出された遊技媒体が通過可能な位置に設けられた第1始動領域(例えば、第1始動入賞口)を遊技媒体が通過することにもとづいて第1始動条件が成立し、
特定経路とは異なる所定領域(例えば、右側領域における遊技球の流下経路)へ打ち出された遊技媒体が通過可能な位置に設けられた第2始動領域(例えば、第2始動入賞口)を遊技媒体が通過することにもとづいて第2始動条件が成立し、
遊技媒体が通過する経路と、特別状態および非特別状態のうち制御されている状態とで、遊技媒体の付与されやすさが異なる(例えば、低ベース状態において左打ちがされているときと、低ベース状態において右打ちがされているときと、高ベース状態において左打ちがされているときと、高ベース状態において右打ちがされているときとで、大当り遊技状態に制御されやすさが異なる)
こととしてもよい。
そのような構成によれば、特別条件の成立にもとづいて制御される特別状態と、遊技状態の後に制御される特別状態と、非特別状態とを区別した制御を、外部装置に行わせることができる。例えば、ベース値(発射された遊技球100発に対して払い出された(大当り遊技中を除く)遊技球の割合を示す値)を遊技状態毎に算出することができる。
なお、本例では、左打ちが行われた場合にも、右打ちが行われた場合にも、遊技球が入賞し得る位置に第1始動入賞口および第2始動入賞口が配置されているが、これに限るものではない。例えば、左打ちが行われた場合には第1始動入賞口へ遊技球が入賞可能であるが第2始動入賞口へ遊技球が入賞し得ず、右打ちが行われた場合には第2始動入賞口へ遊技球が入賞可能であるが第1始動入賞口へ遊技球が入賞し得ない位置に第1始動入賞口および第2始動入賞口が配置されていてもよい。
(手段022-18)第1識別情報の可変表示にもとづいて有利状態に制御される場合と、第2識別情報の可変表示にもとづいて有利状態に制御される場合とで、有利状態の後に制御される特別状態の有利度が特別有利度(例えば、次に大当りが発生するまで継続する高ベース状態)となる割合が異なり(図8-4参照)、
第1識別情報の可変表示にもとづいて有利状態に制御される場合と、第2識別情報の可変表示にもとづいて有利状態に制御される場合とで、特別回数の値が共通である(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、ステップ022IWS135の処理を実行することにより、第1特別図柄の変動および第2特別図柄の変動のいずれにもとづいて大当りに制御されるかにかかわらず共通の800回を救済時短回数カウンタセットする)
こととしてもよい。
そのような構成によれば、興趣を向上させつつ、射幸性が過度に高まることを抑制することができる。
(手段022-19)有利状態に制御される確率が第1確率(例えば、約1/319)である不利設定値(例えば、設定値「1」)と、第1確率よりも有利状態に制御される確率が高い第2確率(例えば、約1/270)である有利設定値(例えば、設定値「6」)とを含む複数の設定値のうちからいずれかの設定値を設定可能な設定手段(例えば、図8-2,図8-3参照)を備え、
有利設定値が設定されている場合の方が、不利設定値が設定されている場合よりも、有利状態を経由して特別状態に制御される割合が高く(例えば、設定値「6」である場合の方が、設定値「1」である場合よりも、大当り確率が高いことから、大当り経由の高ベース状態に移行する確率も高い)、
不利設定値が設定されている場合の方が、有利設定値が設定されている場合よりも、特別条件が成立しやすく、(例えば、設定値「1」である場合の方が、設定値「6」である場合よりも、大当り確率が低いことから救済条件が成立しやすい)
特別条件が成立することにもとづいて制御される特別状態の方が、有利状態の後に制御される特別状態よりも、有利度が高い(例えば、通常大当りにもとづいて100回の高ベース状態に制御する一方、救済条件の成立にもとづいて800回の高ベース状態に制御する。図8-5(A)参照)
こととしてもよい。
そのような構成によれば、より効果的に遊技者を救済することができる。
(手段022-20)有利状態に制御される確率が異なる複数の設定値のうちからいずれかの設定値を設定可能な設定手段(例えば、図8-2,図8-3参照)を備え、
いずれの設定値が設定されているかにかかわらず、有利状態の後に制御される特別状態の有利度の選択割合が共通であり、(例えば、設定値にかかわらず大当り種別の選択割合は共通である。図8-4参照)
いずれの設定値が設定されているかにかかわらず、特別条件が成立することにもとづいて制御される特別状態の有利度は共通である(例えば、設定値にかかわらず救済時短制御される期間は800回変動で共通である。図8-5参照)
こととしてもよい。
そのような構成によれば、設定変更による射幸性の上昇を抑えることができ、健全な遊技性を実現することができる。
(手段022-21)第1識別情報の可変表示にもとづいて有利状態に制御される場合と、第2識別情報の可変表示にもとづいて有利状態に制御される場合とで、有利状態の後に制御される特別状態の有利度の選択割合が異なり(図8-4参照)、
第1識別情報の可変表示にもとづいて特別条件が成立する場合と、第2識別情報の可変表示にもとづいて特別条件が成立する場合とで、特別条件の成立後に制御される特別状態の有利度は共通である(例えば、第1特別図柄の変動にもとづいて救済条件が成立する場合と、第2特別図柄の変動にもとづいて救済条件が成立する場合とで、救済時短制御される期間は800回変動で共通である。図8-5参照)
こととしてもよい。
そのような構成によれば、第1識別情報の可変表示を行う場合と、第2識別情報の可変表示を行う場合とで異なる遊技性を発揮するとともに、射幸性の上昇を抑えることができつつ、適切な救済度合とすることができる。
(手段023-1)始動条件が成立したことにもとづいて識別情報の可変表示を実行し、可変表示結果として特定表示結果(例えば、大当り図柄)が導出表示されたことにもとづいて遊技者にとって有利な有利状態(例えば、大当り遊技状態)に制御可能な遊技機であって、
識別情報の可変表示として、第1始動条件(例えば、第1始動入賞口への遊技球の入賞)が成立することにもとづく第1識別情報(例えば、第1特別図柄)の可変表示と、第2始動条件(例えば、第2始動入賞口への遊技球の入賞)が成立することにもとづく第2識別情報(例えば、第2特別図柄)の可変表示と、を実行可能な可変表示実行手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ100におけるステップS110~S113を実行する部分)と、
第1識別情報の可変表示が実行される場合と、第2識別情報の可変表示が実行される場合と、で数値情報(例えば、救済時短回数カウンタ)を更新可能な更新手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ100における、ステップ022IWS71を行う部分)と、
非特別状態(例えば、低ベース状態)よりも始動条件が成立しやすい特別状態(例えば、高ベース状態)と、非特定状態(例えば、低確率状態)よりも有利状態に制御されやすい特定状態(例えば、高確率状態)と、に制御可能な状態制御手段と、
可変表示結果として所定表示結果(例えば、小当り図柄)が導出表示されたことにもとづいて遊技者にとって有利であって有利状態と異なる特殊状態(例えば、小当り遊技状態)に制御可能な特殊状態制御手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ100がステップ022IWS114~S116の処理を実行する部分)と、
可変表示に対応する可変表示信号(例えば、図8-13に示す全図柄確定回数信号)と、特別状態の制御に対応する特別信号(例えば、図8-13に示す高ベース信号)と、有利状態の制御に対応する特殊信号(例えば、図8-13に示す大当り1信号および大当り2信号)と、特定状態の制御に対応する特定信号(例えば、図8-13に示す高確率信号)と、をそれぞれ異なる端子から遊技機の外部に出力可能な外部出力手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ100がステップ022IWS1138Aの処理を実行することにより全図柄確定回数信号を出力し、ステップ022IWS174b,S539,S541Dの処理を実行することにより高ベース信号を出力し、ステップ022IWS139a,S173,S162の処理を実行することにより大当り1信号を出力し、ステップ022IWS139a,174aの処理を実行することにより大当り2信号を出力し、ステップ022IWS541E,S541Hの処理を実行することにより高確率信号を出力する部分)と、を備え、
有利状態として、特定有利状態(例えば、潜確大当り)に制御可能であって、
状態制御手段は、
更新手段が更新した数値情報が可変表示の実行回数としての特別回数(例えば、800回)に対応する特定値(例えば、救済時短回数カウンタの値が「0」)となることによって特別条件が成立したときに特別状態に制御可能であり(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、ステップ022IWS74,S75,S171Bを実行する)、
特定有利状態の後に特定状態および非特別状態に制御可能であり(例えば、潜確大当りの後に潜確状態に制御可能である。図8-27参照)、
特殊状態に制御される前と前記特殊状態に制御された後とで遊技状態が変化せず(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、小当り遊技状態に制御することにもとづいては遊技状態を変化させない。例えば、高ベース状態において小当り遊技状態に制御した場後には引き続き高ベース状態に制御し、高確率状態において小当り遊技状態に制御した場後には引き続き高確率状態に制御する)、
外部出力手段は、
特別条件の成立にもとづいて特別状態に制御されるときに特殊信号を出力可能であり(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、救済時短となるときにステップ022IWS173の処理を実行することにより大当り1信号を出力し、ステップ022IWS174aの処理を実行することにより大当り2信号を出力する)、
有利状態の後に特別状態に制御されるときに特殊信号を出力可能であり(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、大当り遊技状態の後に高ベース状態に制御するときにステップ022IWS139aの処理を実行することにより大当り1信号および大当り2信号を出力する)、
特殊状態に制御されるときに特殊信号を出力可能である(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、小当り遊技状態に制御するときにステップ022IWS162の処理を実行することにより大当り1信号を出力する)
ことを特徴とする。
そのような構成によれば、外部装置において遊技機の内部状態を適切に管理できるとともに、特別条件が成立するまでの残余期間を外部装置において把握することができる。
(手段024-1)始動条件が成立したことにもとづいて識別情報の可変表示を実行し、可変表示結果として特定表示結果(例えば、大当り図柄)が導出表示されたことにもとづいて遊技者にとって有利な有利状態(例えば、大当り遊技状態)に制御可能な遊技機であって、
識別情報の可変表示として、第1始動条件(例えば、第1始動入賞口への遊技球の入賞)が成立することにもとづく第1識別情報(例えば、第1特別図柄)の可変表示と、第2始動条件(例えば、第2始動入賞口への遊技球の入賞)が成立することにもとづく第2識別情報(例えば、第2特別図柄)の可変表示と、を実行可能な可変表示実行手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ100におけるステップS110~S113を実行する部分)と、
第1識別情報の可変表示が実行される場合と、第2識別情報の可変表示が実行される場合と、で数値情報(例えば、救済時短回数カウンタ)を更新可能な更新手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ100における、ステップ022IWS71を行う部分)と、
非特別状態(例えば、低ベース状態)よりも始動条件が成立しやすい特別状態(例えば、高ベース状態)と、非特定状態(例えば、低確率状態)よりも有利状態に制御されやすい特定状態(例えば、高確率状態)と、に制御可能な状態制御手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ100がステップ022IWS171B,S538,S541Aの処理を実行する部分)と、
可変表示結果として所定表示結果(例えば、小当り図柄)が導出表示されたことにもとづいて遊技者にとって有利であって有利状態と異なる特殊状態(例えば、小当り遊技状態)に制御可能な特殊状態制御手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ100がステップ022IWS114~S116の処理を実行する部分)と、を備え、
有利状態として、特定有利状態(例えば、潜確大当り)に制御可能であって(図8-4参照)、
状態制御手段は、
更新手段が更新した数値情報が可変表示の実行回数としての特別回数(例えば、800回)に対応する特定値(例えば、救済時短回数カウンタの値が「0」)となることによって特別条件が成立したときに特別状態に制御可能であり(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、ステップ022IWS74,S75,S171Bを実行する)、
特定有利状態の後に特定状態および非特別状態に制御可能であり(例えば、潜確大当りの後に潜確状態に制御可能である。図8-27参照)、
特殊状態に制御される前と前記特殊状態に制御された後とで遊技状態が変化せず(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、小当り遊技状態に制御することにもとづいては遊技状態を変化させない。例えば、高ベース状態において小当り遊技状態に制御した場後には引き続き高ベース状態に制御し、高確率状態において小当り遊技状態に制御した場後には引き続き高確率状態に制御する)、
特別条件が成立する前の非特定状態において、該特別条件が成立するまでの可変表示の回数を示唆する示唆演出(例えば、煽り演出やカウントダウン演出)を実行可能な示唆演出実行手段(例えば、演出制御用CPU120における、ステップ022IWS804,S806の処理を実行する部分)と、
特殊状態に制御されたときと特定有利状態に制御されたときとで共通する共通演出(例えば、小当り遊技状態または潜確大当りにもとづく大当り遊技状態の後の50回目以内の変動における潜伏モードの背景表示)を実行可能な共通演出実行手段(例えば、演出制御用CPU120における、ステップ022IWS640Bの処理を実行する部分)と、さらにを備え、
示唆演出実行手段は、共通演出の実行中における示唆演出の実行を制限する(例えば、演出制御用CPU120は、ステップ022IWS805AのYである場合、ステップ022IWS806の処理を実行しない)
ことを特徴とする。
そのような構成によれば、興趣の低下を抑制することができる。例えば、示唆演出は非特定状態において実行可能な演出であることから、該示唆演出が行われた場合には非特定状態であることが認識されるため、共通演出の実行中は示唆演出の実行を制限することにより、非特定状態であることが認識されることを防止し、興趣の低下を抑制することができる。
1 … パチンコ遊技機
2 … 遊技盤
3 … 遊技機用枠
4A、4B … 特別図柄表示装置
5 … 画像表示装置
6A … 入賞球装置
6B … 可変入賞球装置
7 … 特別可変入賞球装置
8L、8R … スピーカ
9 … 遊技効果ランプ
10 … 一般入賞口
11 … 主基板
12 … 演出制御基板
13 … 音声制御基板
14 … ランプ制御基板
15 … 中継基板
20 … 普通図柄表示器
21 … ゲートスイッチ
22A、22B … 始動口スイッチ
23 … カウントスイッチ
30 … 打球操作ハンドル
31A … スティックコントローラ
31B … プッシュボタン
32 … 可動体
100 … 遊技制御用マイクロコンピュータ
101、121 … ROM
102、122 … RAM
103 … CPU
104、124 … 乱数回路
105、125 … I/O
120 … 演出制御用CPU
123 … 表示制御部

Claims (1)

  1. 始動条件が成立したことにもとづいて識別情報の可変表示を実行し、可変表示結果として特定表示結果が導出表示されたことにもとづいて遊技者にとって有利な有利状態に制御可能な遊技機であって、
    識別情報の可変表示として、第1始動条件が成立することにもとづく第1識別情報の可変表示と、第2始動条件が成立することにもとづく第2識別情報の可変表示と、を実行可能な可変表示実行手段と、
    前記第1識別情報の可変表示が実行される場合と、前記第2識別情報の可変表示が実行される場合と、で数値情報を更新可能な更新手段と、
    非特別状態よりも前記始動条件が成立しやすい特別状態と、非特定状態よりも前記有利状態に制御されやすい特定状態と、に制御可能な状態制御手段と、
    可変表示結果として所定表示結果が導出表示されたことにもとづいて遊技者にとって有利であって前記有利状態と異なる特殊状態に制御可能な特殊状態制御手段と、を備え、
    前記有利状態として、特定有利状態に制御可能であって、
    前記状態制御手段は、
    前記更新手段が更新した数値情報が可変表示の実行回数としての特別回数に対応する特定値となることによって特別条件が成立したときに前記特別状態に制御可能であり、
    前記特定有利状態の後に前記特定状態および前記非特別状態に制御可能であり、
    前記特殊状態に制御される前と前記特殊状態に制御された後とで遊技状態が変化せず、
    前記特殊状態に制御されたときと前記特定有利状態に制御されたときとで共通する共通演出を実行可能な共通演出実行手段と、
    前記特別条件が成立する場合に前記特別状態に制御されることを示す特殊演出を実行可能な特殊演出実行手段と、をさらに備え、
    前記特別条件が成立する可変表示に基づいて前記特殊状態に制御されるときに、前記共通演出が実行されずに前記特殊演出が実行され、
    前記特別条件が成立する可変表示に基づいて前記特定有利状態に制御されるときに、前記特殊演出が実行されずに前記共通演出が実行される
    ことを特徴とする遊技機。
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