JP2022010625A - シリンダスリーブ集合体の製造方法及び鋳造装置 - Google Patents

シリンダスリーブ集合体の製造方法及び鋳造装置 Download PDF

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Abstract

【課題】ブロック本体との密着性を向上させることが可能であり、しかも、シリンダスリーブ同士の間の耐熱性に優れたシリンダスリーブ集合体を容易且つ効率的に得る。【解決手段】シリンダスリーブ集合体10の製造方法のスリーブ形成工程では、互いに異なる方向に突出する複数の突起30が外周面に設けられた複数のシリンダスリーブ20をそれぞれ形成する。一体化工程では、鋳型36に対して複数のシリンダスリーブ20を径方向に間隔を置いて並列させ、シリンダスリーブ20同士の間にキャビティ38を形成する。キャビティ38にブロック本体18よりも耐熱温度が高い金属材料の溶湯Mを鋳込み凝固させることでスリーブ間連結部26を形成する。スリーブ間連結部26を介して複数のシリンダスリーブ20同士を一体化してシリンダスリーブ集合体10を得る。【選択図】図10

Description

本発明は、シリンダブロックを形成するためにブロック本体に鋳包まれるように構成されたシリンダスリーブ集合体の製造方法及び鋳造装置に関する。
シリンダボアの内周面をそれぞれ形成する複数のシリンダスリーブと、これらのシリンダスリーブを鋳包むブロック本体とを有する多気筒内燃機関用のシリンダブロックが知られている。この種のシリンダブロックでは、その軽量化を図るべく、ブロック本体がシリンダスリーブよりも軽量な材料(例えば、アルミニウム合金)から構成される。また、シリンダスリーブは、該シリンダスリーブ内に形成される燃焼室で発生する熱や、ピストンとの摺動に耐え得るように、ブロック本体の材料よりも耐熱温度が高い材料(高温下で変形等が生じ難い材料、例えば、鋳鉄)から構成される。
上記のシリンダブロックでは、シリンダスリーブの外周面(鋳包み面)に、突出方向が異なる複数の突起を設けることで、これらの複数の突起に対してブロック本体からの抱き力等を効果的に生じさせることができる。これにより、シリンダスリーブとブロック本体との密着性を向上させることができるため、ブロック本体を介したシリンダスリーブの熱引き性を向上させることや、シリンダブロックの耐久性を向上させること等が可能になる。
ところで、複数のシリンダスリーブは、その径方向に互いに連続するように一体化されたシリンダスリーブ集合体(所謂、サイアミーズシリンダ)を構成してもよい。このようなシリンダスリーブ集合体を一体に製造する場合、比較的複雑な構成からなる砂型を用いた重力鋳造を行うことが一般的である。この場合、上記のような複数の突起はアンダーカットとなる。このため、先ず、突起を有さないシリンダブロック集合体を一体に鋳造し、このシリンダブロック集合体に複数の突起を設ける追加の加工工程を行う必要がある。従って、シリンダブロック集合体の製造工程が複雑になったり、製造効率が低下したりする懸念がある。
例えば、特許文献1には、上記の突起が外周面に設けられた略円筒状のシリンダスリーブを遠心鋳造によって容易且つ効率的に製造することが提案されている。つまり、この製造方法によれば、単体のシリンダスリーブが、その外周面に複数の突起が設けられた状態で製造される。この場合、上記のようにシリンダスリーブ集合体を一体に得る場合とは異なり、複雑な砂型や、突起を形成するための追加の加工工程等を不要とすることができる。
特許第4210469号公報
上記のように、互いに別体に製造された複数のシリンダスリーブからシリンダブロックを形成する場合、これらのシリンダスリーブを、その径方向に間隔を置いて並列させた状態でブロック本体により鋳包む。このため、シリンダスリーブ同士の間にはブロック本体が介在することになる。
シリンダスリーブ同士の間は、隣接するシリンダスリーブの両方の燃焼室から熱が伝わる分、特に高温になり易い。しかしながら、上記の通り、ブロック本体は、シリンダスリーブに比して耐熱温度が低い材料から構成される。このため、シリンダスリーブ同士の間にブロック本体が介在する分、シリンダスリーブ同士の間の耐熱性(高温強度)が不足し易く、シリンダスリーブの変形等が生じる懸念がある。
そこで、本発明は、シリンダスリーブの外周面に設けられた複数の突起によりブロック本体との密着性を向上させることが可能であり、しかも、シリンダスリーブ同士の間の耐熱性に優れたシリンダスリーブ集合体を容易且つ効率的に得ることが可能なシリンダスリーブ集合体の製造方法及び鋳造装置を提供することを目的とする。
本発明の一態様は、シリンダブロックを形成するためにブロック本体に鋳包まれるように構成されたシリンダスリーブ集合体の製造方法であって、互いに異なる方向に突出する複数の突起が外周面にそれぞれ設けられた複数のシリンダスリーブを形成するスリーブ形成工程と、複数の前記シリンダスリーブ同士を一体化して前記シリンダスリーブ集合体を得る一体化工程と、を有し、前記一体化工程では、鋳型に対して複数の前記シリンダスリーブを径方向に間隔を置いて並列させ、前記シリンダスリーブ同士の間にキャビティを形成し、該キャビティに前記ブロック本体よりも耐熱温度が高い金属材料の溶湯を鋳込み凝固させることでスリーブ間連結部を形成し、該スリーブ間連結部を介して複数の前記シリンダスリーブ同士を一体化する。
本発明の別の一態様は、シリンダブロックを形成するためにブロック本体に鋳包まれるように構成されたシリンダスリーブ集合体の鋳造装置であって、互いに異なる方向に突出する複数の突起が外周面にそれぞれ設けられた複数のシリンダスリーブを径方向に間隔を置いて並列させた状態で保持するボアピン部と、前記ボアピン部が固定される鋳型と、並列する前記シリンダスリーブ同士の間にキャビティを形成する入子と、を備え、前記鋳型は、前記ブロック本体よりも耐熱温度が高い金属材料の溶湯が供給される湯口と、前記湯口に供給された前記溶湯を前記キャビティに導く溶湯供給部とを有する。
本発明によれば、それぞれ個別に形成された複数のシリンダスリーブを、スリーブ間連結部を介して一体化することでシリンダスリーブ集合体を得ることができる。このため、例えば、シリンダスリーブ集合体を一体に得る場合に用いられる複雑な砂型や、複数の突起を形成するための追加の加工工程等を不要とすることができる。その結果、シリンダスリーブの外周面に複数の突起を有するシリンダスリーブ集合体を容易且つ効率的に得ることができる。
また、このシリンダスリーブ集合体では、隣接するシリンダスリーブ同士の間に、ブロック本体よりも耐熱温度が高い金属材料からスリーブ間連結部が形成される。このため、例えば、シリンダスリーブ同士の間の全体にブロック本体が介在する場合に比して、シリンダスリーブ同士の間の耐熱性(高温強度)を高めることができる。
以上から、シリンダスリーブの外周面に設けられた複数の突起によりブロック本体との密着性を向上させることが可能であり、しかも、シリンダスリーブ同士の間の耐熱性に優れたシリンダスリーブ集合体を容易且つ効率的に得ることができる。
本発明の実施形態に係るシリンダスリーブ集合体の製造方法により得られるシリンダスリーブ集合体を備えるシリンダブロックの概略分解斜視図である。 シリンダブロックのシリンダスリーブの軸方向に沿った概略断面図である。 スリーブ形成工程で形成されるシリンダスリーブの概略斜視図である。 本発明の実施形態に係るシリンダスリーブ集合体の鋳造装置のシリンダスリーブの径方向に沿った概略断面図である。 図4のV-V線矢視断面図である。 図4のVI-VI線矢視断面図である。 図4のVII-VII線矢視断面図である。 図6の要部拡大断面図である。 図5の湯口に溶湯を供給した状態を説明する説明図である。 図8のキャビティに溶湯を充填した状態を説明する説明図である。 変形例に係る鋳造装置を説明する説明図である。 変形例に係る自己燃焼部を説明する説明図である。 他の変形例に係る自己燃焼部を説明する説明図である。
本発明に係るシリンダスリーブ集合体の製造方法及び鋳造装置について好適な実施形態を挙げ、添付の図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下の図において、同一又は同様の機能及び効果を奏する構成要素に対しては同一の参照符号を付し、繰り返しの説明を省略する場合がある。
図1及び図2に示すように、本実施形態に係るシリンダスリーブ集合体10の製造方法を適用して製造されるシリンダスリーブ集合体10は、シリンダブロック12を構成する。そこで、先ず、シリンダブロック12について簡単に説明する。
図1に示すように、シリンダブロック12は、例えば、4個のシリンダボア14が一列に形成された直列4気筒内燃機関用である。また、シリンダブロック12は、不図示ながら別体のシリンダヘッドが、図2のガスケット16を介して上面に結合されている。なお、図1及び図2には、シリンダブロック12がクローズドデッキ型である場合を例示するが、シリンダブロック12は、オープンデッキ型であってもよい。
図2に示すように、シリンダブロック12は、ブロック本体18によってシリンダスリーブ集合体10を鋳包むことで形成されている。ブロック本体18の材料としては、シリンダブロック12の軽量化等の観点から、アルミニウム合金等を用いることが好ましい。
図1に示すように、シリンダスリーブ集合体10は、径方向に並列した4個のシリンダスリーブ20を有する。各シリンダスリーブ20の内部に、上方に開口するシリンダボア14が設けられる。つまり、各シリンダスリーブ20の内周面には、不図示のピストンが摺動する。また、各シリンダスリーブ20の軸方向の一端部側(図1及び図2においては上端部側)は、シリンダヘッド及びピストンとともに燃焼室22を形成する燃焼室形成部24となる。
図1に示すように、本実施形態では、シリンダスリーブ20の燃焼室形成部24同士の間に、スリーブ間連結部26がそれぞれ設けられている。このスリーブ間連結部26を介して4個のシリンダスリーブ20が一体化されることでシリンダスリーブ集合体10が構成される。シリンダスリーブ集合体10の内部に形成される4個のシリンダボア14を囲むウォータージャケット28(図2)が環状溝としてブロック本体18に設けられている。なお、シリンダブロック12のシリンダボア14の個数、換言すると、シリンダスリーブ集合体10を構成するシリンダスリーブ20の個数は4個以外の複数であってもよい。
シリンダスリーブ20の材料としては、ピストンとの摺動に耐え得る機械的強度、耐摩耗性、耐熱性等を確保するべく、鋳鉄等を用いることが好ましい。つまり、シリンダスリーブ20は、ブロック本体18よりも耐熱温度が高い材料から構成される。なお、耐熱温度とは、熱による変形や物性変化等によらずに、目的の使用が可能な状態を維持できる最高温度をいう。
本実施形態では、スリーブ間連結部26は、シリンダスリーブ20の燃焼室形成部24同士の間に、シリンダスリーブ20の材料と同じ金属材料の溶湯M(図9)を鋳込み凝固させることで形成される。なお、スリーブ間連結部26を形成するための金属材料(以下、単に「金属材料」ともいう)は、ブロック本体18よりも耐熱温度が高いものであればよく、シリンダスリーブ20と同じ材料であることには限定されない。
略円筒状の各シリンダスリーブ20の外周面には、突出方向が互いに異なる複数の突起30が設けられている。本実施形態では、複数の突起30は、各シリンダスリーブ20の径方向に突出するとともに、各シリンダスリーブ20の外周面に対して略均等のピッチで配置されている。また、図2に示すように、複数の突起30のそれぞれは、突出方向の先端部が基端部よりも拡径した形状となっている。
シリンダスリーブ集合体10の複数の突起30は、上記の通りブロック本体18で鋳包まれることで、該ブロック本体18にそれぞれ埋入されている。図2に示すように、ブロック本体18の内部において、複数の突起30は、ウォータージャケット28に干渉することが回避されている。すなわち、複数の突起30は、ウォータージャケット28への干渉を回避可能な範囲で、ブロック本体18とシリンダスリーブ20との密着性を向上させることが可能となるように、突出高さが設定されていることが好ましい。また、複数の突起30の突出高さは、互いに同じであってもよいし、異なっていてもよい。
次に、図4~図8を併せて参照しつつ、シリンダスリーブ集合体の鋳造装置32(以下、単に鋳造装置32ともいう)について説明する。鋳造装置32は、互いに別体からなる4個のシリンダスリーブ20を一体化して、シリンダスリーブ集合体10(図1)を製造する。具体的には、鋳造装置32は、複数のシリンダスリーブ20を径方向に間隔を置いて並列させた状態で保持するボアピン部34と、ボアピン部34が固定される鋳型36と、並列するシリンダスリーブ20同士の間にキャビティ38を形成する入子40と、超音波振動部42(図5~図8)と、加熱機構44(図4)とを主に備える。
図4及び図6に示すように、ボアピン部34は、各シリンダスリーブ20の内部に着脱自在に挿入される。このため、本実施形態の鋳造装置32は4個のボアピン部34を備える。各ボアピン部34は、その軸方向の一端側が、鋳型36の下型46に設けられた固定部48に着脱自在に固定される。つまり、シリンダスリーブ20の内部に挿入されたボアピン部34を下型46の固定部48に固定することで、鋳型36に対してシリンダスリーブ20をセットすることができる。
この際、図6に示すように、ボアピン部34は、鋳型36に対して、シリンダスリーブ20の軸方向が上下方向に沿い、且つ燃焼室形成部24が下側(固定部48側)を向くようにシリンダスリーブ20を保持する。つまり、図1及び図2のシリンダブロック12において上側に配置される各シリンダスリーブ20の軸方向の一端部側(燃焼室形成部24側)は、図4~図8の鋳造装置32において下側に配置される。
図4~図6に示すように、鋳型36は、下型46(図5、図6)と、第1上型50(図4、図5)と、第2上型52(図4、図6)とを有する。上記のようにして鋳型36にセットされた複数のシリンダスリーブ20は、ボアピン部34を介して下型46の上部に並列して配置される。これらのシリンダスリーブ20に対して、その並列方向(図4の矢印X方向)に直交する直交方向(図4の矢印Y方向)の両側から第1上型50と第2上型52とが接近可能になっている。また、上記の直交方向に沿って第1上型50と第2上型52とがシリンダスリーブ20から離間可能になっている。
互いに接近した第1上型50と第2上型52とによって複数のシリンダスリーブ20が挟持される。また、互いに接近した第1上型50及び第2上型52の下面は、下型46の上面に臨む。以下では、上記の直交方向を単に「直交方向」ともいい、シリンダスリーブ20の並列方向を単に「並列方向」ともいう。
第1上型50と第2上型52との間には、上記のシリンダスリーブ20とともに入子40が配設される。入子40は、隣接するシリンダスリーブ20同士の隙間に直交方向の両側から臨む2個を一組とする。各入子40は、例えば、鋳物砂等からシリンダスリーブ20の軸方向に沿って延在する形状に形成されている。本実施形態では、4個のシリンダスリーブ20によって形成される3個の隙間に対応するように、第1上型50と第2上型52との間に3組(合計6個)の入子40が配設される。
入子40は、隣接するシリンダスリーブ20の各々の外周面に当接しつつ、シリンダスリーブ20同士の隙間に臨むことで、隣接するシリンダスリーブ20の燃焼室形成部24同士の間にキャビティ38を形成する。つまり、並列方向に隣接する燃焼室形成部24の互いに対向する部分がキャビティ形成部24aとなる。鋳型36では3個のキャビティ38を形成可能である。各キャビティ38の下端側には、上記の金属材料の溶湯M(図9及び図10)を流入させることが可能な溶湯入口54(図7及び図8)が設けられている。また、各キャビティ38の上端側は、第1上型50及び第2上型52を上下方向に貫通して設けられるガス抜き孔56(図5~図7)に連通している。
図4及び図5に示すように、鋳型36では、金属材料の溶湯M(図9)が供給される湯口58が第1上型50に設けられる。また、湯口58に供給された溶湯Mをキャビティ38に導く溶湯供給部60が下型46に設けられている。湯口58は、例えば第1上型50の並列方向の一端側を上下方向に沿って延在する。十分な圧力で溶湯Mをキャビティ38に供給可能となるように、図5に示す湯口58の上下方向の長さ(高さ)は、例えば、シリンダスリーブ20の軸方向の長さと同等か、それ以上であることが好ましい。
図7に示すように、溶湯供給部60は、下型46の上面の第1上型50に臨む部分に溝状に形成され、図4に示すように、1本の湯道62と、3本の堰64とを有している。湯道62は、並列方向に延在して設けられ、その一端側が湯口58と連通している。堰64は、湯道62から分岐してキャビティ38の溶湯入口54(図7及び図8)に連通する。図7に示すように、湯道62の深さは、堰64よりも深くなっている。
図6~図8に示すように、下型46のうち、溶湯入口54の下方で堰64を形成する部分は、下型46の本体部66とは別部材から構成された加振部68となっている。加振部68は、例えば、セラミックス製であることが好ましいが、特にこれには限定されない。下型46の本体部66、第1上型50及び第2上型52の材料としては、金属や鋳物砂等が挙げられるが、特にこれらには限定されない。
加振部68は、例えば、本体部66の溶湯入口54(図7、図8)の下方に設けられた切り欠き70に嵌合すること等によって本体部66と一体化されている。加振部68の下端には、超音波振動部42が接触して設けられている。このため、堰64を流れる溶湯Mには、超音波振動部42で発生した振動が加振部68を介して付与される。
図8に示すように、並列方向における各堰64の幅Wは、隣接するシリンダスリーブ20の外周面同士の距離L1よりも大きく、隣接するシリンダスリーブ20の内周面同士の距離L2以下となっている。このため、図10に示すように、堰64を流れる溶湯Mは、シリンダスリーブ20の一端部側(下端部側)の端面20aに接触する。つまり、堰64を流れる溶湯Mの熱を、シリンダスリーブ20の端面20aを介してキャビティ形成部24aに伝えることができる。このような溶湯供給部60の堰64は、シリンダスリーブ20のキャビティ形成部24aを加熱するための加熱機構44を構成する。
具体的には、加熱機構44は、キャビティ形成部24aを上記の金属材料の融点以上であり、シリンダスリーブ20の液相線温度よりも低い温度に加熱する。加熱機構44は、キャビティ形成部24aを固相線温度付近の半溶融状態になるように加熱することが好ましい。本実施形態では、加熱機構44は、上記の配置及び寸法に設定された溶湯供給部60(堰64)の他に、キャビティ38に配置される自己燃焼部72を有している。図8に示すように、自己燃焼部72は、溶湯Mの熱で発熱反応を生じる自己燃焼剤74と、溶湯Mの熱で消失する消失材76とを有する。
自己燃焼剤74は、溶湯Mにより加熱されることで、反応熱を伴う化学反応(例えば、燃焼合成 Self-propagating High temperature Synthesis:SHS)を生じる物質である。この自己燃焼剤74の反応熱を熱源として利用することで、シリンダスリーブ20のキャビティ形成部24aを局所加熱することが可能となっている。自己燃焼剤74の材料の一例としては、ニッケル(Ni)粉末及びアルミニウム(Al)粉末の混合物、チタン(Ti)粉末及びアルミニウム(Al)粉末の混合物等が挙げられる。これらの材料の種類、配合比率、粒度により燃焼速度や発熱量等を調整することができる。本実施形態では、自己燃焼剤74は、上記したような材料からペースト状に形成され、消失材76の表面に層状に付着している。
消失材76は、所望の形状に成形することができ、且つ溶湯Mの熱で気化して消失する材料(例えば、発泡スチロール等)から構成される。消失材76は、キャビティ38内において、自己燃焼剤74がその発熱反応によりキャビティ形成部24aを効果的に加熱可能な配置となるように自己燃焼剤74を保持する。
本実施形態では、消失材76は、隣接するシリンダスリーブ20のキャビティ形成部24a同士の間に、これらのキャビティ形成部24aのそれぞれに対向して配置される。この消失材76の表面に塗布された層状の自己燃焼剤74に、キャビティ形成部24aの複数の突起30がそれぞれ埋入されるとともに、キャビティ形成部24aの突起30が設けられていない外周面にも自己燃焼剤74が接触する。
本実施形態に係る鋳造装置32は基本的には上記のように構成される。以下、本実施形態に係るシリンダスリーブ集合体10の製造方法について、鋳造装置32を用いて実施する例を説明する。このシリンダスリーブ集合体10の製造方法では、先ず、スリーブ形成工程を行う。スリーブ形成工程では、上記の通り、互いに異なる方向に突出する複数の突起30が外周面にそれぞれ設けられた4個のシリンダスリーブ20(図3)を形成する。
シリンダスリーブ20の形成方法は特に限定されるものではないが、例えば、容易且つ効率的にシリンダスリーブ20を得られる点で遠心鋳造を採用することが好ましい。この場合、例えば、特許第4210469号公報、特許第5111903号公報、特許第6084118号公報等に記載の遠心鋳造法を適用してシリンダスリーブ20を形成することが可能である。
スリーブ形成工程の後に一体化工程を行う。一体化工程では、図4~図8に示すように、ボアピン部34を介して下型46にシリンダスリーブ20を固定する。これによって、鋳型36に対して4個のシリンダスリーブ20が径方向に間隔を置いて並列するように配置される。そして、隣接するシリンダスリーブ20同士の間に入子40が臨むように第1上型50及び第2上型52を型閉じする。これによって、シリンダスリーブ20の燃焼室形成部24同士の間にキャビティ38を形成する。この際、キャビティ形成部24a同士の間には、自己燃焼部72を介在させる。
次に、図9に示すように、鋳型36の湯口58に金属材料の溶湯Mを供給する。湯口58に供給された溶湯Mは、溶湯供給部60によりキャビティ38に導かれる。これによって、図10に示すように、各キャビティ38には、その下端側に設けられた溶湯入口54から溶湯Mが流入する。この際、溶湯入口54の下方で堰64を形成する加振部68を介して、超音波振動部42からの振動を溶湯Mに付与する。
また、溶湯供給部60の堰64を流れる溶湯Mは、シリンダスリーブ20の一端部側(図10の下端部側)の端面20aに接触する。これによって溶湯Mの熱がシリンダスリーブ20の端面20aを介してキャビティ形成部24aに伝えられる。さらに、キャビティ38に流入した溶湯Mが自己燃焼部72に接触することで、自己燃焼剤74の発熱反応が生じるとともに、消失材76が気化して消失する。これらによって、シリンダスリーブ20のキャビティ形成部24aが、金属材料の融点以上であり、且つシリンダスリーブ20の液相線温度より低い温度に加熱される。
上記のようにしてキャビティ38に鋳込んだ金属材料の溶湯Mを凝固させることで、スリーブ間連結部26を形成する。その後、鋳型36から取り出された鋳造品(不図示)に、必要に応じて方案部を除去する機械加工等を施す。これによって、図1に示すように、スリーブ間連結部26を介して4個のシリンダスリーブ20が互いに一体化されたシリンダスリーブ集合体10を得ることができる。
以上から、本実施形態に係るシリンダスリーブ集合体10の製造方法及び鋳造装置32では、それぞれ個別に形成された複数のシリンダスリーブ20を、スリーブ間連結部26を介して一体化することでシリンダスリーブ集合体10を得ることができる。このため、例えば、シリンダスリーブ集合体10を一体に得る場合に用いられる複雑な砂型や、複数の突起30を形成するための追加の加工工程等を不要とすることができる。その結果、シリンダスリーブ20の外周面に複数の突起30を有するシリンダスリーブ集合体10を容易且つ効率的に得ることができる。
また、このシリンダスリーブ集合体10では、隣接するシリンダスリーブ20同士の間に、ブロック本体18よりも耐熱温度が高い金属材料からスリーブ間連結部26が形成されている。このため、例えば、シリンダスリーブ20同士の間の全体にブロック本体18が介在する場合に比して、シリンダスリーブ20同士の間の耐熱性(高温強度)を高めることができる。
従って、本発明によれば、シリンダスリーブ20の外周面に設けられた複数の突起30によりブロック本体18との密着性を向上させることが可能であり、しかも、シリンダスリーブ20同士の間の耐熱性に優れたシリンダスリーブ集合体10を容易且つ効率的に得ることができる。
上記の実施形態に係るシリンダスリーブ集合体10の製造方法のスリーブ形成工程では、遠心鋳造によりシリンダスリーブ20を形成することとした。この場合、互いに異なる方向に突出する複数の突起30が外周面に設けられたシリンダスリーブ20を、簡素で安価な構成により容易且つ効率的に得ることが可能になる。
上記の実施形態に係るシリンダスリーブ集合体10の製造方法では、シリンダスリーブ集合体10の各シリンダスリーブ20は、燃焼室22(図2)を形成する燃焼室形成部24を有し、一体化工程では、複数のシリンダスリーブ20の少なくとも燃焼室形成部24同士の間にスリーブ間連結部26を形成することとした。
燃焼室22の内部では燃料の燃焼反応が生じる。このため、シリンダスリーブ集合体10は、燃焼室22を形成する燃焼室形成部24が特に高温になり易い。このように特に耐熱性を必要とする燃焼室形成部24同士の間にスリーブ間連結部26を形成することで、シリンダスリーブ20同士の間の高温強度を向上させて、シリンダスリーブ20の熱変形等を効果的に抑制することが可能になる。
また、燃焼室形成部24同士の間のみにスリーブ間連結部26を設けることで、シリンダスリーブ20同士の間の全体にスリーブ間連結部26を設けた場合よりもシリンダスリーブ集合体10の軽量化を図ることができる。この場合、スリーブ間連結部26を形成するために必要な金属材料の量も低減することができるため、シリンダスリーブ集合体10の歩留まりを向上させることも可能になる。
さらに、燃焼室形成部24同士の間のみにスリーブ間連結部26を設けることで、シリンダスリーブ20同士の間の全体にスリーブ間連結部26を設けた場合よりも、ブロック本体18とシリンダスリーブ集合体10との接触面積を増大させることができる。これによって、ブロック本体18とシリンダスリーブ集合体10との密着性を高めることが可能になる。
しかしながら、スリーブ間連結部26の配置は特に限定されるものではない。シリンダスリーブ20同士の間に設けるスリーブ間連結部26の体積を大きくするほど、シリンダスリーブ20同士の間の耐熱性を向上させることが可能になる。
また、鋳型36にセットされたシリンダスリーブ20のキャビティ形成部24aは、スリーブ間連結部26の配置に応じて設定されればよい。このため、例えば、燃焼室形成部24のみにスリーブ間連結部26を形成する場合には、隣接するシリンダスリーブ20における燃焼室形成部24の互いに対向する部分がキャビティ形成部24aとなる。例えば、隣接するシリンダスリーブ20同士の間の全体にスリーブ間連結部26を形成する場合には、隣接するシリンダスリーブ20において互いに対向する部分の全体がキャビティ形成部24aになる。
上記の実施形態に係るシリンダスリーブ集合体10の製造方法の一体化工程では、キャビティ38に流入させる溶湯Mに超音波振動を付与することとした。また、上記の実施形態に係る鋳造装置32では、キャビティ38に流入させる溶湯Mに超音波振動を付与する超音波振動部42を備えることとした。
粘性流体である溶湯Mとシリンダスリーブ20の表面とが接触した際に溶湯Mの流速を低下させる境界層厚さを、溶湯Mに超音波振動を付与することにより低減させることができる。つまり、超音波振動部42により超音波を付与することで、キャビティ38内における溶湯Mの流動性を高めることができる。このため、複数の突起30によりシリンダスリーブ20の表面に、溶湯Mが充填され難い凹凸部が形成されても、該凹凸部の内部まで溶湯Mを良好に行き渡らせることが可能になる。
また、超音波振動により溶湯Mに生じるキャビテーションにより、つまり、溶湯Mに発生した気泡が破裂する際の衝撃により、シリンダスリーブ20の外周面から酸化皮膜を除去することができる。このため、酸化皮膜から露出したシリンダスリーブ20の表面に溶湯Mを良好に接触させることが可能になる。さらに、溶湯Mに含まれる酸化物をキャビテーションにより微細化できることからも溶湯Mの流動性を高めることができる。
これらによって、スリーブ間連結部26とシリンダスリーブ20とを互いの密着性が向上するように良好に一体化することができる。その結果、例えば、重力鋳造により一体成形されたシリンダスリーブ集合体(不図示)で得られるシリンダスリーブ20同士の間の抜熱特性と同様の抜熱特性を、スリーブ間連結部26が設けられたシリンダスリーブ20同士の間においても得ることが可能になる。
上記の実施形態に係るシリンダスリーブ集合体10の製造方法の一体化工程では、複数のシリンダスリーブ20を軸方向が上下方向に沿うように鋳型36に配置し、キャビティ38の下端側に設けられた溶湯入口54からキャビティ38に溶湯Mを流入させる際、鋳型36の溶湯入口54の下方の部分(加振部68)に接触させた超音波振動部42を介して溶湯Mに超音波振動を付与することとした。
また、上記の実施形態に係る鋳造装置32では、ボアピン部34は、鋳型36に対して、複数のシリンダスリーブ20を軸方向が上下方向に沿うように保持し、鋳型36には、キャビティ38の下端側に該キャビティ38への溶湯入口54が設けられ、超音波振動部42は、鋳型36の溶湯入口54の下方の部分(加振部68)に接触して設けられることとした。
これらの場合、溶湯Mに良好に超音波振動を付与することができる。これによって、スリーブ間連結部26とシリンダスリーブ20とを一層良好に一体化することが可能になる。なお、超音波振動部42は、加振部68に接触して設けられることに限定されない。
例えば、図11に示すように、超音波振動部42は、シリンダスリーブ20の内周面に接触して設けられてもよい。この場合、超音波振動部42は、シリンダスリーブ20のキャビティ形成部24aの内周面に接触することが好ましい。超音波振動部42は、例えば、ボアピン部34に設けられた不図示の切り欠きの内部等に配設することができる。
なお、シリンダスリーブ20の内周面に超音波振動部42を接触させる場合、鋳型36(下型46)には、加振部68が設けられていなくてもよい。下型46のうち、溶湯入口54の下方を形成する部分、換言すると、自己燃焼部72の下方に配置される部分が金属製である場合、自己燃焼部72の自己燃焼剤74と下型46の上記の部分とを離間させて配置することが好ましい。これによって、例えば、自己燃焼剤74の発熱反応により加熱された下型46が溶融してシリンダスリーブ20と一体化することを回避できる。
自己燃焼剤74と下型46とを離間させて配置する構成としては、自己燃焼部72(自己燃焼剤74及び消失材76)自体を下型46から離間させて配置してもよいし、図12に示すように消失材76の下端部を除く部分に自己燃焼剤74を付着させることとしてもよい。
上記の実施形態に係るシリンダスリーブ集合体10の製造方法の一体化工程では、シリンダスリーブ20のキャビティ38を形成するキャビティ形成部24aを、金属材料の融点以上であり、シリンダスリーブ20の液相線温度より低い温度に加熱することとした。
また、上記の実施形態に係る鋳造装置32では、シリンダスリーブ20には、入子40とともにキャビティ38を形成するキャビティ形成部24aが設けられ、キャビティ形成部24aを、金属材料の融点以上であり、シリンダスリーブ20の液相線温度よりも低い温度に加熱する加熱機構44を備えることとした。
これらの場合、加熱されたシリンダスリーブ20のキャビティ形成部24aに溶湯Mを良好に馴染ませることができる。また、シリンダスリーブ20のキャビティ形成部24aを上記の温度範囲に加熱することで、超音波振動で生じたキャビテーションによる酸化皮膜の除去を容易にすることができる。これらによって、シリンダスリーブ20とスリーブ間連結部26との密着性を一層効果的に高めることができる。
上記の実施形態に係るシリンダスリーブ集合体10の製造方法では、キャビティ形成部24aは、シリンダスリーブ20の軸方向の一端部側に設けられ、鋳型36には、溶湯Mが供給される湯口58と、該湯口58からキャビティ38に溶湯Mを導く溶湯供給部60とが設けられ、一体化工程では、溶湯Mが、シリンダスリーブ20の一端部側の端面20aに接触しつつ溶湯供給部60を流れることで、キャビティ形成部24aを加熱することとした。
また、上記の実施形態に係る鋳造装置32では、キャビティ形成部24aは、シリンダスリーブ20の軸方向の一端部側に設けられ、溶湯供給部60は、溶湯Mをシリンダスリーブ20の一端部側の端面20aに接触させつつキャビティ38に導くことで、加熱機構44を構成することとした。
これらの場合、溶湯供給部60の配置を調整し、溶湯M自体の熱を利用することによって、大掛かりな加熱装置や別途の熱源を用いることなく、シリンダスリーブ20のキャビティ形成部24aに対して局所的に熱を加えることができる。このため、シリンダスリーブ20に加熱によるひずみ等が生じることを抑制しつつ、簡単な構成により低コストでキャビティ形成部24aを加熱することが可能になる。
上記の実施形態に係るシリンダスリーブ集合体10の製造方法の一体化工程では、溶湯Mの熱で発熱反応を生じる自己燃焼剤74をキャビティ38に配置し、キャビティ38に溶湯Mを供給して自己燃焼剤74に発熱反応を生じさせることでキャビティ形成部24aを加熱することとした。また、上記の実施形態に係る鋳造装置32では、加熱機構44は、キャビティ38に配置されて溶湯Mの熱で発熱反応を生じる自己燃焼剤74を有することとした。
これらの場合、キャビティ形成部24aの近傍に自己燃焼剤74を配置する簡単な構成により、外部の熱源等を必要とすることなく、キャビティ形成部24aを十分な熱量で効果的に加熱することが可能になる。すなわち、キャビティ形成部24aを上記の温度範囲まで良好に昇温させることが可能になる。
上記の実施形態に係るシリンダスリーブ集合体10の製造方法の一体化工程では、溶湯Mの熱で消失する消失材76に付着させた自己燃焼剤74をキャビティ38に配置することとした。また、上記の実施形態に係る鋳造装置32では、自己燃焼剤74は、溶湯Mの熱で消失する消失材76に付着させた状態でキャビティ38に配置されることとした。
これらの場合、消失材76に付着させることによって、自己燃焼剤74を所望の量、形状、配置となるようにキャビティ38内に容易に維持することができる。このため、シリンダスリーブ20の加熱することが必要な箇所を一層効果的に加熱することが可能になる。
自己燃焼剤74を付着させる消失材76の形状や寸法は、図8及び図12に示すものに限定されない。例えば、図13に示すように、消失材76は、複数の突起30が設けられたシリンダスリーブ20の外周面に沿うように凹凸形状が設けられていてもよい。この場合、キャビティ形成部24aの外周面に接触させる自己燃焼剤74の量を高精度に調整すること等が可能になる。ひいては、キャビティ形成部24aを加熱する温度を一層高精度に調整すること等が可能になる。
なお、自己燃焼部72は、消失材76を含まず、複数の突起30が形成されたシリンダスリーブ20の外周面にペースト化した自己燃焼剤74を直接塗布してもよい。
また、鋳造装置32は、加熱機構44を備えていなくてもよい。この場合、例えば、鋳造装置32とは別に設けられた、不図示のヒータ等を備える加熱装置によって加熱したシリンダスリーブ20を鋳型36にセットすることとしてもよい。
本発明は、上記した実施形態に特に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能である。
10…シリンダスリーブ集合体 12…シリンダブロック
18…ブロック本体 20…シリンダスリーブ
20a…端面 22…燃焼室
24…燃焼室形成部 24a…キャビティ形成部
26…スリーブ間連結部 30…突起
32…鋳造装置 34…ボアピン部
36…鋳型 38…キャビティ
40…入子 42…超音波振動部
44…加熱機構 54…溶湯入口
58…湯口 60…溶湯供給部
68…加振部 72…自己燃焼部
74…自己燃焼剤 76…消失材
M…溶湯

Claims (18)

  1. シリンダブロックを形成するためにブロック本体に鋳包まれるように構成されたシリンダスリーブ集合体の製造方法であって、
    互いに異なる方向に突出する複数の突起が外周面にそれぞれ設けられた複数のシリンダスリーブを形成するスリーブ形成工程と、
    複数の前記シリンダスリーブ同士を一体化して前記シリンダスリーブ集合体を得る一体化工程と、を有し、
    前記一体化工程では、鋳型に対して複数の前記シリンダスリーブを径方向に間隔を置いて並列させ、前記シリンダスリーブ同士の間にキャビティを形成し、該キャビティに前記ブロック本体よりも耐熱温度が高い金属材料の溶湯を鋳込み凝固させることでスリーブ間連結部を形成し、該スリーブ間連結部を介して複数の前記シリンダスリーブ同士を一体化する、シリンダスリーブ集合体の製造方法。
  2. 請求項1記載のシリンダスリーブ集合体の製造方法において、
    前記スリーブ形成工程では、遠心鋳造により前記シリンダスリーブを形成する、シリンダスリーブ集合体の製造方法。
  3. 請求項1又は2記載のシリンダスリーブ集合体の製造方法において、
    前記シリンダスリーブ集合体の各前記シリンダスリーブは、燃焼室を形成する燃焼室形成部を有し、
    前記一体化工程では、複数の前記シリンダスリーブの少なくとも前記燃焼室形成部同士の間に前記スリーブ間連結部を形成する、シリンダスリーブ集合体の製造方法。
  4. 請求項1~3の何れか1項に記載のシリンダスリーブ集合体の製造方法において、
    前記一体化工程では、前記キャビティに流入させる前記溶湯に超音波振動を付与する、シリンダスリーブ集合体の製造方法。
  5. 請求項4記載のシリンダスリーブ集合体の製造方法において、
    前記一体化工程では、複数の前記シリンダスリーブを軸方向が上下方向に沿うように前記鋳型に配置し、前記キャビティの下端側に設けられた溶湯入口から前記キャビティに前記溶湯を流入させる際、前記鋳型の前記溶湯入口の下方の部分に接触させた超音波振動部を介して前記溶湯に前記超音波振動を付与する、シリンダスリーブ集合体の製造方法。
  6. 請求項4記載のシリンダスリーブ集合体の製造方法において、
    前記一体化工程では、前記シリンダスリーブの内周面に接触させた超音波振動部を介して前記溶湯に前記超音波振動を付与する、シリンダスリーブ集合体の製造方法。
  7. 請求項1~6の何れか1項に記載のシリンダスリーブ集合体の製造方法において、
    前記一体化工程では、前記シリンダスリーブの前記キャビティを形成するキャビティ形成部を、前記金属材料の融点以上であり、前記シリンダスリーブの液相線温度より低い温度に加熱する、シリンダスリーブ集合体の製造方法。
  8. 請求項7記載のシリンダスリーブ集合体の製造方法において、
    前記キャビティ形成部は、前記シリンダスリーブの軸方向の一端部側に設けられ、
    前記鋳型には、前記溶湯が供給される湯口と、該湯口から前記キャビティに前記溶湯を導く溶湯供給部とが設けられ、
    前記一体化工程では、前記溶湯が、前記シリンダスリーブの前記一端部側の端面に接触しつつ前記溶湯供給部を流れることで、前記キャビティ形成部を加熱する、シリンダスリーブ集合体の製造方法。
  9. 請求項7又は8記載のシリンダスリーブ集合体の製造方法において、
    前記一体化工程では、前記溶湯の熱で発熱反応を生じる自己燃焼剤を前記キャビティに配置し、前記キャビティに前記溶湯を供給して前記自己燃焼剤に前記発熱反応を生じさせることで前記キャビティ形成部を加熱する、シリンダスリーブ集合体の製造方法。
  10. 請求項9記載のシリンダスリーブ集合体の製造方法において、
    前記一体化工程では、前記溶湯の熱で消失する消失材に付着させた前記自己燃焼剤を前記キャビティに配置する、シリンダスリーブ集合体の製造方法。
  11. シリンダブロックを形成するためにブロック本体に鋳包まれるように構成されたシリンダスリーブ集合体の鋳造装置であって、
    互いに異なる方向に突出する複数の突起が外周面にそれぞれ設けられた複数のシリンダスリーブを径方向に間隔を置いて並列させた状態で保持するボアピン部と、
    前記ボアピン部が固定される鋳型と、
    並列する前記シリンダスリーブ同士の間にキャビティを形成する入子と、
    を備え、
    前記鋳型は、前記ブロック本体よりも耐熱温度が高い金属材料の溶湯が供給される湯口と、前記湯口に供給された前記溶湯を前記キャビティに導く溶湯供給部とを有する、シリンダスリーブ集合体の鋳造装置。
  12. 請求項11記載のシリンダスリーブ集合体の鋳造装置において、
    前記キャビティに流入させる前記溶湯に超音波振動を付与する超音波振動部を備える、シリンダスリーブ集合体の鋳造装置。
  13. 請求項12記載のシリンダスリーブ集合体の鋳造装置において、
    前記ボアピン部は、前記鋳型に対して、複数の前記シリンダスリーブを軸方向が上下方向に沿うように保持し、
    前記鋳型には、前記キャビティの下端側に該キャビティへの溶湯入口が設けられ、
    前記超音波振動部は、前記鋳型の前記溶湯入口の下方の部分に接触して設けられる、シリンダスリーブ集合体の鋳造装置。
  14. 請求項12記載のシリンダスリーブ集合体の鋳造装置において、
    前記超音波振動部は、前記シリンダスリーブの内周面に接触して設けられる、シリンダスリーブ集合体の鋳造装置。
  15. 請求項11~14の何れか1項に記載のシリンダスリーブ集合体の鋳造装置において、
    前記シリンダスリーブには、前記入子とともに前記キャビティを形成するキャビティ形成部が設けられ、
    前記キャビティ形成部を、前記金属材料の融点以上であり、前記シリンダスリーブの液相線温度よりも低い温度に加熱する加熱機構を備える、シリンダスリーブ集合体の鋳造装置。
  16. 請求項15記載のシリンダスリーブ集合体の鋳造装置において、
    前記キャビティ形成部は、前記シリンダスリーブの軸方向の一端部側に設けられ、
    前記溶湯供給部は、前記溶湯を前記シリンダスリーブの前記一端部側の端面に接触させつつ前記キャビティに導くことで、前記加熱機構を構成する、シリンダスリーブ集合体の鋳造装置。
  17. 請求項15又は16記載のシリンダスリーブ集合体の鋳造装置において、
    前記加熱機構は、前記キャビティに配置されて前記溶湯の熱で発熱反応を生じる自己燃焼剤を有する、シリンダスリーブ集合体の鋳造装置。
  18. 請求項17記載のシリンダスリーブ集合体の鋳造装置において、
    前記自己燃焼剤は、前記溶湯の熱で消失する消失材に付着させた状態で前記キャビティに配置される、シリンダスリーブ集合体の鋳造装置。
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