JP2022008003A - 油井管連結構造及び油井管 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡易な構造によって、大型化させず、油井管の内外径内に納め且つ従来技術の限界を著しく上回る強度を有するように油井管同士を接続する手段を提供する。【解決手段】第一の油井管1に接続し得る第二の油井管1Aと、を具え、雄ねじ部は、径が所定の大きさの第一雄ねじ部12と、第一雄ねじ部よりも一端部側に配されて一端側に向って徐々に縮径する略テーパ状の第二雄ねじ部14と、第二雄ねじ部よりも一端側に配され、径が所定の大きさの第三雄ねじ部16とを有し、雌ねじ部は、開口端側に配されて所定の大きさの径を有する第一雌ねじ部22と、第一雌ねじ部側から奥側に向けて徐々に縮径する略テーパ状の第二雌ねじ部24と、第二雌ねじ部よりも奥側に配され、所定の大きさの径を有する第三雌ねじ部26とを有する。【選択図】図7

Description

本発明は、油井管連結構造及び油井管に関するものである。
一般的に油井管等の中空の管状部材を軸方向に複数連結して利用することが知られており、その連結するための手段として、溶接等によって両部材を接合して連結すること、別部材(スリーブや管ねじ継手等)によって両部材を連結することが知られている。
別部材としては、例えば、ねじ付管状部材としての管同士の連結において、ピン(雄ねじ側)とボックス(雌ねじ側)とで管同士を直接接続するインテグラル式の管ねじ継手が知られている(例えば、特許文献1参照)。このような管ねじ継手では、テーパねじのねじ列の中途に中間ショルダを設け、中間ショルダを挟む軸方向の奥側のねじ列が開口側のねじ列に比べてねじギャップが広く設定されている。
また、ねじ継手を介し、端部にテーパ状の雄ねじを有する油井管同士を接続する場合(例えば、特許文献2参照)、ねじ継手の両端の雌ねじ部にそれぞれ油井管を螺合させることで、油井管の薄くなった肉厚部分をねじ継手が囲繞して油井管の耐伸縮性能、耐曲げ性能、耐外圧内圧性能等の向上を図っている。
また、外周にねじ山を有した雄型の接合端部を備える一方の鋼管と、内周にねじ山を有して雄型の接合端部と螺合する雌型の接合端部を備えた他方の鋼管とを、互いの接合端部を螺合させて接合した構造が知られている(特許文献3参照)。
また、鋼管の端部にフランジを設け、フランジ同士を突き合わせてフランジ孔にボルトを通すことでナットを締結し、鋼管同士を接合するものが知られている(特許文献4参照)。このようなフランジ付き鋼管は、通常、鋼管の設計圧力を基準に、フランジの形状、ボルトの本数等が決められる。即ち、常時作用する内圧に対して強度を確保し、漏れが生じないようにフランジ接合面に十分な面圧が働くように設計されている。
特許第6037091号公報 特開2017-072187号公報 特開2019-163781号公報 特開2017-040074号公報
しかしながら、溶接によって部材同士を連結する場合、時間が掛かって作業性が悪化してしまうという問題がある。
また、特許文献3のような管に形成した雄ねじ又は雌ねじがストレートねじであるとき、管の軸方向の強度は全断面強度の最大でも五割未満程度しか得ることができないという問題がある。ストレートねじをテーパねじにすれば管の軸方向の強度を向上させることができるが、それでも管の軸方向の強度は管の全断面強度の約七割程度しか得られないという実状がある。
そこで、特許文献2のねじ継手を介して管同士を接続すれば、全断面強度に相当する強度を得ることができるが、ねじ継手は管よりも大径であってねじ継手を配した箇所が大型化する。そのため、ねじ継手を介して接続させた管を地中に配するときに穴の大型化等の作業に手間がかかってしまう。また原油や天然ガスの井戸は深井戸化が進んでおり垂直井から水平井や傾斜井等が増え、海洋や極地など劣悪な環境下での井戸の開発が増え、このような井戸の開発環境において、穴を大型化させると作業コストが増大するという問題がある。
なお、管内に流体が通過する場合において、特許文献1、2のねじ継手を用いたときや、特許文献3のように管同士を直接螺合して接続したときは、管同士の面接触や、ねじ継手が両管に対して面接触していることで管に流体漏洩を防ぐシール性を確保し、また溶接で管同士を接合した場合においても、接合によってシール性を確保している。しかしながら、管や継手が高温下で膨張したり、高負荷を受けて曲げや伸び等の変形が生じたり、接合箇所にクラックが発生したりしたときに、管と管との間、或いは管とねじ継手との間に間隙が生じてシール性を失ってしまうという問題がある。
また、特許文献4のフランジ付き鋼管同士を接合する場合、内圧以外に軸力や曲げといった外力が作用することも珍しくはない。内圧に対して十分な強度を有するフランジでも、外力が作用する環境ではフランジにモーメントが作用して変形し、フランジ接合面に面圧が働くなり漏れが生じるという問題がある。また、このようなフランジの変形を防止するためにフランジを大型化させなくてはならないという問題がある。また、フランジを有する鋼管同士を配列して保管するに当たってはより大きな保管場所を必要とするという問題がある。
本発明は、上記問題点に鑑みて本発明者の鋭意研究により成されたものであり、簡易な構造によって、油井管を大型化させず、油井管の内外径内に納め且つ従来技術の限界を著しく上回る強度を有するように油井管同士を接続する手段を提供することを目的とする。
また、高温下や高負荷等を受ける環境下でも高いシール性を維持することが出来る油井管のシール構造を成すための手段を提供することを目的とする。
本発明の油井管連結構造は、外周面に雄ねじ部を有する第一の油井管と、内周面に雄ねじ部に螺合する雌ねじ部を有し、第一の油井管に接続し得る第二の油井管と、を具え、雄ねじ部は、径が所定の大きさの第一雄ねじ部と、第一雄ねじ部よりも一端部側に配されて一端側に向って徐々に縮径する略テーパ状の第二雄ねじ部とからなり、雌ねじ部は、開口端側に配されて所定の大きさの径を有する第一雌ねじ部と、該第一雌ねじ部側から奥側に向けて徐々に縮径する略テーパ状の第二雌ねじ部とからなり、第一雄ねじ部が第一雌ねじ部に、第二雄ねじ部が第二雌ねじ部に互いに螺合し、第一の油井管と第二の油井管とが連結することを特徴とする。
また、本発明の油井管連結構造は、前記第二雄ねじ部の径が、前記第一雄ねじ部の径以下であり、前記第二雌ねじ部の径は、前記第一雌ねじ部の径以上であることを特徴とする。
また、本発明の油井管連結構造は、前記第一雄ねじ部及び/又は前記第二雄ねじ部のねじ山形状が、略鋸刃形状を成し、前記第一雌ねじ部及び/又は前記第二雌ねじ部のねじ山形状が、略鋸刃形状を成すことを特徴とする。
また、本発明の油井管連結構造は、前記第一雄ねじ部及び/又は前記第二雄ねじ部のねじ山形状が、前記第一の油井管と前記第二の油井管とを連結状態から軸方向に沿って引き離す向きに引張したときに圧力を受けるフランク面のフランク角が前記第一の油井管の軸心に対して直角以下であることを特徴とする。
また、本発明の油井管連結構造は、前記第一雌ねじ部及び/又は前記第二雌ねじ部のねじ山形状が、前記第一の油井管と前記第二の油井管とを連結状態から軸方向に沿って引き離す向きに引張したときに圧力を受けるフランク面のフランク角が前記第二の油井管の軸心に対して直角以下であることを特徴とする。
また、本発明の油井管連結構造は、前記第一雄ねじ部と前記第二雄ねじ部が、互いにねじ山のピッチが等しいことを特徴とする。
また、本発明の油井管連結構造は、前記第一雌ねじ部と前記第二雌ねじ部が、互いにねじ山のピッチが等しいことを特徴とする。
また、本発明の油井管連結構造は、前記雄ねじ部のねじ山のピッチと前記雌ねじ部のねじ山のピッチとが等しいことを特徴とする。
また、本発明の油井管連結構造は、前記雄ねじ部が、前記第一雄ねじ部側から前記第二雄ねじ部側に向けて徐々にねじ山のピッチが小さく、前記雌ねじ部は、前記第一雌ねじ部側から前記第二雌ねじ部側に向けて徐々にねじ山のピッチが小さくなることを特徴とする。
また、本発明の油井管連結構造は、前記第一の油井管の前記第二の油井管に対して非係合な領域の外径が、前記第二の油井管の外径と略等しいことを特徴とする。
また、本発明の油井管連結構造は、前記第一の油井管の中空の内径が、前記第二の油井管の前記第一の油井管に対して非係合な領域の内径と略等しいことを特徴とする。
また、本発明の油井管連結構造は、前記第二雄ねじ部が前記第一雄ねじ部よりも軸方向に沿う領域が長いことを特徴とする。
また、本発明の油井管連結構造は、前記第二雌ねじ部が前記第一雌ねじ部よりも軸方向に沿う領域が長いことを特徴とする。
また、本発明の油井管連結構造は、前記雄ねじ部が、前記第二雄ねじ部よりも前記一端側に配され、径が所定の大きさの第三雄ねじ部を有し、前記雌ねじ部は、前記第二雌ねじ部よりも前記奥側に配され、所定の大きさの径を有する第三雌ねじ部を有し、前記第三雄ねじ部が前記第三雌ねじ部に螺合し得ることを特徴とする。
また、本発明の油井管連結構造は、前記第三雄ねじ部が有効径が前記第二雄ねじ部以上で且つストレートねじ形状を有し、前記第三雌ねじ部は、有効径が前記第二雌ねじ部以上で且つストレートねじ形状を有することを特徴とする。
また、本発明の油井管連結構造は、前記第二雄ねじ部が、前記第一雄ねじ部及び/又は前記第三雄ねじ部よりも軸方向に沿う領域が長いことを特徴とする。
また、本発明の油井管連結構造は、前記第二雄ねじ部が、前記第一雄ねじ部及び/又は前記第三雄ねじ部よりも軸方向に沿う領域が短いことを特徴とする。
また、本発明の油井管連結構造は、前記第二雌ねじ部が、前記第一雌ねじ部及び/又は前記第三雌ねじ部よりも軸方向に沿う領域が長いことを特徴とする。
また、本発明の油井管連結構造は、前記第二雌ねじ部が、前記第一雌ねじ部及び/又は前記第三雌ねじ部よりも軸方向に沿う領域が短いことを特徴とする。
また、本発明の油井管連結構造は、前記雄ねじ部が、径方向に仮想的に分割された、前記第一雄ねじ部を含んだ第一の円環領域と、前記第二雄ねじ部を含んだ第二の円環領域と、前記第三雄ねじ部を含んだ第三の円環領域とを有し、上記第一の円環領域の面積は、前記第一の油井管の横断面における全断面積の三分の一以下であり、上記第二の円環領域の面積は、前記第一の油井管の横断面における全断面積の三分の一以上であり、上記第三の円環領域の面積は、前記第一の油井管の横断面における全断面積の三分の一以下であり、前記雌ねじ部は、径方向に仮想的に分割された、前記第一雌ねじ部を含んだ第四の円環領域と、前記第二雌ねじ部を含んだ第五の円環領域と、前記第三雌ねじ部を含んだ第六の円環領域とを有し、上記第四の円環領域の面積は、前記第二の油井管の横断面における全断面積の三分の一以下であり、上記第五の円環領域の面積は、前記第二の油井管の横断面における全断面積の三分の一以上であり、上記第六の円環領域の面積は、前記第二の油井管の横断面における全断面積の三分の一以下であることを特徴とする。
また、本発明の油井管連結構造は、前記第一雄ねじ部及び/又は前記第三雄ねじ部が、対称形状のねじ山を有し、前記第一雌ねじ部が前記第一雄ねじ部のねじ山に対応したねじ山形状を有し、前記第三雌ねじ部が前記第三雄ねじ部のねじ山に対応したねじ山形状を有することを特徴とする。
また、本発明の油井管連結構造は、前記第一の油井管の先端部の外周面と前記第二の油井管の前記雌ねじ部の基端側の内周面との間、及び/又は前記第一の油井管の前記雄ねじ部の基端側の外周面と前記第二の油井管の前記先端部の内周面との間に、密封構造を設けることを特徴とする。
また、本発明の油井管連結構造は、前記第一の油井管の先端部の外周面と前記第二の油井管の前記雌ねじ部の奥側の内周面との間、及び/又は前記第一の油井管の前記雄ねじ部の基端側の外周面と前記第二の油井管の前記開口部の内周面との間に、密封構造を設け、上記密封構造の内、前記第一の油井管の先端部の外周面は、軸方向長さが前記第二の油井管の第三雌ねじ部の軸方向長さ未満に設定、及び/又は前記第一の油井管の前記雄ねじ部の基端側の外周面は、軸方向長さが前記第二の油井管の前記開口側の内周面の軸方向長さ未満に設定することを特徴とする。
また、本発明の油井管は、中空構造で且つ外周面に雄ねじ部を有し、該雄ねじ部は、径が所定の大きさの第一雄ねじ部と、上記第一雄ねじ部よりも一端部側に配されて該一端側に向って徐々に縮径する略テーパ状の第二雄ねじ部とからなり、上記雄ねじ部が、内周面に雌ねじ部を有する他部材に螺合することを特徴とする。
また、本発明の油井管は、前記第二雄ねじ部の径が、前記第一雄ねじ部の径以下であることを特徴とする。
また、本発明の油井管は、前記第一雄ねじ部及び/又は前記第二雄ねじ部のねじ山形状が、略鋸刃形状を成すことを特徴とする。
また、本発明の油井管は、前記第一雄ねじ部及び/又は前記第二雄ねじ部のねじ山形状が、前記油井管を前記他部材に螺合させた状態から軸方向に引き離す向きに引張したときに圧力を受けるフランク面のフランク角が前記油井管の軸心に対して直角以上であることを特徴とする。
また、本発明の油井管は、前記第二雄ねじ部が、前記第一雄ねじ部よりも軸方向に沿う領域が長いことを特徴とする。
また、本発明の油井管は、前記雄ねじ部が前記第二雄ねじ部よりも前記一端側に配され、径が所定の大きさの第三雄ねじ部を有することを特徴とする。
また、本発明の油井管は、前記第三雄ねじ部が、有効径が前記第二雄ねじ部以上で且つストレートねじ形状を有することを特徴とする。
また、本発明の油井管は、前記第二雄ねじ部が、前記第一雄ねじ部及び/又は前記第三雄ねじ部よりも軸方向に沿う領域が長いことを特徴とする。
また、本発明の油井管は、前記第二雄ねじ部が、前記第一雄ねじ部及び/又は前記第三雄ねじ部よりも軸方向に沿う領域が短いことを特徴とする。
また、本発明の油井管は、前記雄ねじ部が、径方向に仮想的に分割された、前記第一雄ねじ部を含んだ第一の円環領域と、前記第二雄ねじ部を含んだ第二の円環領域と、前記第三雄ねじ部を含んだ第三の円環領域とを有し、上記第一の円環領域の面積は、前記油井管の横断面における全断面積の三分の一以下であり、上記第二の円環領域の面積は、前記油井管の横断面における全断面積の三分の一以上であり、上記第三の円環領域の面積は、前記油井管の横断面における全断面積の三分の一以下であることを特徴とする。
また、本発明の油井管は、前記第一雄ねじ部と前記第三雄ねじ部は、対称形状のねじ山を有することを特徴とする。
また、本発明の油井管は、前記雄ねじ部の先端側及び/又は基端側に、前記雄ねじ部を他部材の雌ねじ部に嵌め合わせたときに前記他部材の内周面に略全周で密着し得る外周面を設けることを特徴とする。
また、本発明の油井管は、前記雄ねじ部の先端側及び/又は基端側に、前記雄ねじ部を他部材の雌ねじ部に嵌め合わせたときに前記他部材の内周面に略全周で密着し得る外周面を設け、前記雄ねじ部の先端側の上記外周面は、軸方向長さが前記第三雄ねじ部の軸方向長さ未満に設定、及び/又は前記雄ねじ部の基端側の外周面は、軸方向長さが前記第一雄ねじ部の軸方向長さ未満に設定することを特徴とする。
また、本発明の油井管は、中空構造で且つ内周面に雌ねじ部を有し、該雌ねじ部は、開口端側に所定の大きさの径を有する第一雌ねじ部と、該第一雌ねじ部から離間する向きに沿って徐々に拡径する略テーパ状の第二雌ねじ部とからなり、上記雌ねじ部が外周面に雄ねじ部を有する他部材に螺合することを特徴とする。
また、本発明の油井管は、前記第二雌ねじ部の径が、前記第一雌ねじ部の径以上であることを特徴とする。
また、本発明の油井管は、前記第一雌ねじ部及び/又は前記第二雌ねじ部のねじ山形状が、略鋸刃形状を成すことを特徴とする。
また、本発明の油井管は、前記第一雌ねじ部及び/又は前記第二雌ねじ部のねじ山形状が、前記油井管を前記他部材に螺合させた状態から軸方向に沿って引き離す向きに引張したときに圧力を受けるフランク面のフランク角が前記油井管の軸心に対して直角以上であることを特徴とする。
また、本発明の油井管は、前記第二雌ねじ部が、前記第一雌ねじ部よりも軸方向に沿った領域が長いことを特徴とする。
また、本発明の油井管は、前記雌ねじ部が、前記第二雌ねじ部よりも前記開口端側に配され、所定の大きさの径を有する第三雌ねじ部を有することを特徴とする。
また、本発明の油井管は、前記第三雌ねじ部が、有効径が前記第二雌ねじ部以上で且つストレートねじ形状を有することを特徴とする。
また、本発明の油井管は、前記第二雌ねじ部が、前記第一雌ねじ部及び/又は前記第三雌ねじ部よりも軸方向に沿う領域が長いことを特徴とする。
また、本発明の油井管は、前記第二雌ねじ部が、前記第一雌ねじ部及び/又は前記第三雌ねじ部よりも軸方向に沿う領域が短いことを特徴とする。
また、本発明の油井管は、前記雌ねじ部が、径方向に仮想的に分割された、前記第一雌ねじ部を含んだ第四の円環領域と、前記第二雌ねじ部を含んだ第五の円環領域と、前記第三雌ねじ部を含んだ第六の円環領域とを有し、上記第四の円環領域の面積は、前記油井管の横断面における全断面積の三分の一以下であり、上記第五の円環領域の面積は、前記油井管の横断面における全断面積の三分の一以上であり、上記第六の円環領域の面積は、前記油井管の横断面における全断面積の三分の一以下であることを特徴とする。
また、本発明の油井管は、前記第一雌ねじ部と前記第三雌ねじ部が、対称形状のねじ山を有することを特徴とする。
また、本発明の油井管は、前記雌ねじ部の開口側及び/又は奥側に、前記雌ねじ部を前記他部材の雄ねじ部に嵌め合わせたときに、前記他部材の外周面に略全周で密着し得る内周面を設けることを特徴とする。
また、本発明の油井管は、前記雌ねじ部の開口側及び/又は奥側に、前記雌ねじ部を前記他部材の雄ねじ部に嵌め合わせたときに、前記他部材の外周面に略全周で密着し得る内周面を設け、前記雌ねじ部の開口側の上記内周面の軸方向長さは、前記第三雌ねじ部の軸方向長さ未満に設定、及び/又は前記雌ねじ部の奥側の上記内周面の軸方向長さは、前記第一雌ねじ部の軸方向長さ未満に設定されることを特徴とする。
また、本発明の油井管連結構造は、前記第二雄ねじ部及び前記第二雌ねじ部が半径方向に干渉し、前記第二雄ねじ部及び前記第二雌ねじ部の内、一方が半径方向に弾性変形及び/又は塑性変形可能に構成され、前記雄ねじ部は、前記第一雄ねじ部と前記第二雄ねじ部との境界領域に、干渉緩和部を有することを特徴とする。
また、本発明の油井管連結構造は、前記第二雄ねじ部及び前記第二雌ねじ部が半径方向に干渉し、前記第二雄ねじ部及び前記第二雌ねじ部の内、一方が半径方向に弾性変形及び/又は塑性変形可能に構成され、前記雌ねじ部は、前記第二雌ねじ部と前記第三雌ねじ部との境界領域に、干渉緩和部を有することを特徴とする。
また、本発明の油井管は、前記雄ねじ部が前記第一雄ねじ部と前記第二雄ねじ部との境界領域に干渉緩和部を有することを特徴とする。
また、本発明の油井管は、前記雌ねじ部が前記第二雌ねじ部と前記第三雌ねじ部との境界領域に、干渉緩和部を有することを特徴とする。
本発明によれば、簡易な構造によって、大型化させず、油井管の内外径内に納め且つ従来技術の限界を著しく上回る強度を有するように油井管同士を接続することができる。
また、高温下や高負荷等を受ける環境下でも高いシール性を維持するシール構造を成すことができる。
第一の実施形態の連結構造を有し、互いに連結し得る二本の油井管を示す斜視図である。 第一の実施形態の油井管を示す断面図である。 連結させた油井管を示す断面図である。 雄ねじのねじ山を示す図である。 ねじ山の他の形状例を示す図である。 油井管を示す断面図である。 油井管の他の形状例を示す断面図である。 第二雄ねじ部のテーパ形状の例を示す図である。 油井管の他の形状例を示す断面図である。 ねじ山形状の例を示す図である。 ねじ山形状の例を示す図である。 雄ねじ部と雌ねじ部間の密封構造を示す図である。 雄ねじ部を有する油井管の他の形状例を示し、(a)は断面図、(b)は円環領域A~Cを示す図である。 雄ねじ部を有する油井管の外周面を示す図である。 雌ねじ部を有する油井管の他の形状例を示し、(a)は断面図、(b)は円環領域D~Fを示す図である。 シール部の位置例を示す図である。 先端部の例を示す図である。 各油井管の各部の軸方向長さを示す図である。 油井管の他の形状例を示す断面図である。 油井管の引張試験及び圧縮試験の結果を示すグラフである。 雄ねじ部に設けている干渉緩和部を示す図である。 油井管の他の形状例を示す断面図である。 雌ねじ部に設けている干渉緩和部を示す図である。 油井管における干渉緩和部の位置を示す図である。
以下に本発明の油井管連結構造の実施形態を、図面を参照して説明する。図1は第一の実施形態の油井管連結構造を有して互いに連結し得る二本の油井管1、1Aを示す斜視図、図2は第一の実施形態の油井管1、1Aを示す断面図である。なお、図1、2においては、油井管1、1A同士を連結するための要部を示し、全体を示すものではない。即ち、図1、2は、油井管1の雄ねじ部が形成された一端部と、油井管1Aの雌ねじ部が形成された一端部を示している。また油井管1、1Aは、接続したときにおいても、外径の大きさが略一様となるように、後述する雄ねじ部の外径及び雌ねじ部の内径が設定される。
油井管1、1Aは、例えば、外径の大きさが略一様で且つ流体を移送可能に軸方向に貫通孔2を有した、中空構造を有する所謂鋼管等である。従って、油井管1、1Aは、採掘現場において原油の油井、天然ガスのガス井等の、採掘資源性流体の井戸に使用される。
油井管1は、外径が縮径した一端部を有し、該一端部の外周面に雄ねじ部10を有する。雄ねじ部10は、雄ねじの外径が略一定のストレートねじを有する第一雄ねじ部12と、第一雄ねじ部12よりも一端部側に配されて雄ねじの外径が徐々に縮径する、所謂テーパねじを有する第二雄ねじ部14とを有する。また、第一雄ねじ部12に比して第二雄ねじ部14は、軸方向に沿う領域を長く設定する。
第二雄ねじ部14には、一端部に向けて、雄ねじの外径が徐々に小さくなるようにねじ山が形成される。具体的に、第二雄ねじ部14のねじ山は、第一雄ねじ部12のねじ山と同一ピッチで且つ一端側に向けて徐々に外径及び山高さが小さくなるように形成される。なお、第一雄ねじ部12のねじ山と第二雄ねじ部14のねじ山とは、同一ピッチで連続的に形成されるが、これに限定されず、どちらか一方に比して他方のピッチを大きく又は小さく設定してもよく、徐々にピッチを変更するように構成してもよい。
油井管1Aは、一端部の内周面が拡径し、該内周面に雌ねじ部20を有する。雌ねじ部20は、第一雌ねじ部22と第二雌ねじ部24とを有し、第一雌ねじ部22が第二雌ねじ部24よりも一端側に位置している。また、第一雌ねじ部22に比して第二雌ねじ部24は、軸方向に沿う領域を長く設定する。
第一雌ねじ部22は、雌ねじの径が略一定のストレートねじを有する。第二雌ねじ部24は、雌ねじの径が徐々に変化するテーパねじを有する。具体的に、第二雌ねじ部24には、一端側(即ち、第一雌ねじ部22側)に向けて、雌ねじの内径が徐々に大きくなるようにねじ山が形成される。また、第二雌ねじ部24のねじ山は、第一雌ねじ部22のねじ山と同一ピッチに設定される。結果、雌ねじ部20のねじ山は、第一雌ねじ部22においてストレートねじを成すように形成され、第二雌ねじ部24において第一雌ねじ部22(一端)側から内径が漸次縮径していくテーパねじを成すように形成される。
なお、第一雌ねじ部22のねじ山と第二雌ねじ部24のねじ山とは、同一ピッチで連続的に形成されるが、これに限定されず、どちらか一方に比して他方のピッチを大きく又は小さく設定してもよく、徐々にピッチを変更するように構成してもよい。
また、雄ねじ部10、雌ねじ部20のねじ山形状は、特に限定されるものではないが、例えば鋸刃形状としてもよい。ここで図4は雄ねじ部10のねじ山形状を示す図であり、図4に示すようにねじ山形状は、油井管1、1A同士を螺合させ、接続した状態から両油井管1、1Aを軸方向に引き離す向きに引張したときに圧力を受けるねじ山のフランク面4のフランク角θが油井管1の軸心に対して略直角とする。なお、ここでフランク角θは、三角形様のねじ山断面における外角を示すものとする。
なお、雌ねじ部20のねじ山形状は、雄ねじ部10と同様に設定する。即ち、雌ねじ部20において、雄ねじ部10のフランク面4に当接するフランク面のフランク角を、雄ねじ部10と同様のフランク角θに設定する。勿論、雄ねじ部10、雌ねじ部20は、互いのフランク面が略全面で当接するようにすれば、フランク角を直角以外の角度にしてもよく、例えば、雄ねじ部10におけるフランク角θを直角を超える角度に設定してもよく、逆にフランク角θを図5に示すような直角を下回る、所謂反し状に設定してもよい。
油井管1、1A同士の接続は、雄ねじ部10と雌ねじ部20との螺合により行う。具体的には、油井管1の一端部を油井管1Aの一端部側の内周面内に挿入する。このとき、先ず油井管1の先端側に存する第二雄ねじ部14を油井管1Aの開口側の第一雌ねじ部22によって囲まれる内周面を通過させ、図3(a)に示す第一雄ねじ部12を第一雌ねじ部22に螺合可能な位置に油井管1を配置する。次に第一雄ねじ部12を第一雌ねじ部22に螺合するように、油井管1を油井管1Aに対しねじの締め付け方向に回転させる。
これにより、油井管1は、第二雄ねじ部14が第二雌ねじ部24に螺合可能な位置まで徐々に変位し、更に回転することによって図3(b)に示すように第二雄ねじ部14の雄ねじと第二雌ねじ部24の雌ねじとが螺合した状態となる。
従って、油井管1、1Aは、雄ねじ部10と雌ねじ部20とが螺合した状態で接続される。即ち、第一雄ねじ部12が第一雌ねじ部22に螺合し、第二雄ねじ部14が第二雌ねじ部24に螺合した状態で接続される。また、雄ねじ部10と雌ねじ部20とを嵌め合わせたときにおいて、軸方向に並ぶ雄ねじ部10のねじ山の頂部を結んだ仮想線と、軸方向に並ぶ雌ねじ部20のねじ山の頂部を結んだ仮想線とが平行となる。即ち、第一雄ねじ部12における仮想線と第一雌ねじ部22における仮想線とが平行で、且つ第二雄ねじ部14における仮想線と第二雌ねじ部24における仮想線とが平行となる。
ここで、接続された油井管1、1Aの軸方向の強度は、第一雄ねじ部12と第一雌ねじ部22が螺合する箇所、第二雄ねじ部14と第二雌ねじ部24が螺合する箇所で異なる。
先ず、油井管1の第一雄ねじ部12においては、ねじ山の始点近傍の管の肉厚が最も薄い箇所、即ち、図6の位置P1辺りに荷重が集中する。従って、第一雄ねじ部12における強度は、位置P1の強度に依存し、全断面強度に対する位置P1での強度の割合が、全断面積に対する位置P1での断面積の割合に略相当する。例えば、位置P0での全断面積に対し、位置P1での断面積の割合が約九割であれば、強度は全断面強度の約九割となる。
油井管1の第二雄ねじ部14は、先端に向けて外径が変化するテーパねじを有するため、油井管1Aの第二雌ねじ部24のねじ山に対し、ねじが有効に掛かっている区間において略隙間無く螺合する。即ち、ねじ掛り有効長さに応じた、ねじ山の剪断断面積に係る剪断強度に相当し、第二雄ねじ部14においては、ねじ掛り有効長さにおいてねじ山に負荷が分散され、結果、ねじ掛り有効長さが最大となるように第二雄ねじ部14を設定した場合に全断面強度の約七割の強度が得られる。
なお、油井管1Aの第一雌ねじ部22、第二雌ねじ部24においても、油井管1の第一雄ねじ部12、第二雄ねじ部14と略同様に強度が決まる。即ち、第一雌ねじ部22は、ねじ山の始点近傍の肉厚が最も薄い箇所(図6における位置P3)に荷重が集中する。従って、第一雌ねじ部22における強度は、肉厚が最も薄い位置P3での断面積の全断面積(図6における位置P4での断面積)に対する割合と、全断面強度とによって決まる。また、第二雌ねじ部24は、テーパねじを有することから最大で全断面強度の約七割の強度が得られる。
雄ねじ部10、雌ねじ部20は、上記のようにストレートねじを配した領域、テーパねじを配した領域とで強度が異なることから、その全体の引張強度が各領域での引張強度の総和で決まる。具体的に、雄ねじ部10の引張強度は、第一雄ねじ部12の引張強度と第二雄ねじ部14の引張強度の和で決まり、上記の例のように第一雄ねじ部12領域の引張強度が全断面の引張強度の約一割で、第二雄ねじ部14領域の引張強度が全断面の引張強度の約七割であれば、全体の引張強度は全断面の引張強度の約八割となる。なお、雌ねじ部20においても、第一雌ねじ部22領域の引張強度と第二雌ねじ部24領域の引張強度との和が全体の引張強度となる。
以上、説明したように、油井管1、1Aにそれぞれ雄ねじ部と雌ねじ部とを設け、第一雄ねじ部及び第一雌ねじ部のストレートねじ同士が螺合し、また第二雄ねじ部及び第二雌ねじ部のテーパねじ同士が螺合することで、単にストレートねじで雄ねじと雌ねじとを螺合した場合、或いはテーパねじ同士で雄ねじと雌ねじとを螺合した場合よりも軸方向の強度を向上させることができる。
なお、上述した実施形態において、雄ねじ部10を、油井管1の中途部から一端部に向って第一雄ねじ部12、第二雄ねじ部14の順に配して成るように形成したが、図7に示すように中途部から一端部に向けて順に第一雄ねじ部12、第二雄ねじ部14、ストレートねじを有する第三雄ねじ部16を配して成るように形成してもよい。
また、雌ねじ部20は、油井管1Aの一端から順に第一雌ねじ部22、第二雌ねじ部24を配したが、図7に示すように一端から順に第一雌ねじ部22、第二雌ねじ部24、ストレートねじを有する第三雌ねじ部26を配して成るように形成してもよい。
また、一般的に油井管同士を接続する際に強度を向上させるために、別体の継手を介して管の接続を行っているが、継手の外径が油井管よりも大径であるため、このような油井管を設置するためには、継手に合わせて大径の井戸、穴等を設けていた。しかしながら、本発明の油井管によれば、軸方向に非常に高い強度を有しながら、管の外径の大型化を抑えることができるので、井戸、穴等の掘削にかかる作業手間を低減させると共に、掘削の低コスト化を図ることができる。
また、接続された油井管1、1Aは、第一雄ねじ部及び第一雌ねじ部のストレートねじ同士が螺合し、また第二雄ねじ部及び第二雌ねじ部のテーパねじ同士が螺合するので、フランジ付き鋼管同士の接続と比較して径方向に張り出したフランジを設けることなく、軸方向の強度を向上することができる。また、フランジを省くことにより、油井管1、1Aの大型化を抑え、配設に必要なスペースを小さくすることができ、省スペース化を図ることができる。また、油井管1、1Aを配列して保管する場合においても、保管場所の省スペース化を図ることができる。
また、フランジ接合面に隙間が生じることによる流体の漏れが発生し得ないことから、より安定した流体の移送を行うことができる。
なお、上述した実施形態において、第二雄ねじ部14及び第二雌ねじ部24のテーパねじのテーパ形状は、適宜設定し得る。例えば、図8(a)に示す雄ねじ部10の断面形状において、第二雄ねじ部14の各ねじ山の先端を繋いだ仮想線が直線状で且つ所定の勾配で傾斜したテーパ形状に設定し得、また、図8(b)に示す第二雄ねじ部14の各ねじ山の先端を繋いだ仮想線が曲線状に傾斜したテーパ形状に設定し得る。また、図8(c)に示す第二雌ねじ部14の各ねじ山の先端及び/又は谷部を軸方向に沿って繋いだ仮想線がタンジェント曲線様の曲線形状に設定することも可能である。勿論、雌ねじ部20の第二雌ねじ部24においてもテーパねじは、上記と同様に所定の勾配で傾斜したテーパ形状に設定し得、また曲線状に傾斜したテーパ形状に設定し得る。
また、上述した実施形態において、第一雄ねじ部12及び第二雄ねじ部14に亘って連続するねじ山を設けたが、これに限定されるものではなく、第一雄ねじ部12のねじ山と、第二雄ねじ部14のねじ山とを別々に形成してもよい。また、図9に示すように第一雄ねじ部12と第二雄ねじ部14との間に非ねじ部18を設けてもよい。非ねじ部18は、少なくとも第一雄ねじ部12のねじ山の谷径以下となるように外径が設定される。即ち、非ねじ部18は、雄ねじ部10と雌ねじ部20とを螺合する際に、雌ねじ部20のねじ山に干渉せず螺合を妨げない外径に設定される。また、非ねじ部18は、軸方向に沿って外径が一定であることが望ましい。
また、雄ねじ部10に非ねじ部18を配した場合、同様に雌ねじ部20にも非ねじ部を配してもよい。また非ねじ部18にメタルシール構造を設けたり、Oリング、Dリング、ガスケット等のシール材を装着してもよい。雄ねじ部10と雌ねじ部20との間にシール材を介在させれば、より密封性が向上して管内に流れる流体の漏洩防止等を図ることができる。
また、雄ねじ部10、雌ねじ部20のねじ山形状は、鋸刃形状に限定するものではなく、適宜設定し得、例えば、図10(a)に示す三角ねじ状、図10(b)に示す丸ねじ状、図10(c)に示す角ねじ状、図10(d)に示す台形ねじ状等があり得る。また、図11(a)に示すようにねじ山の先端面を広く形成した鋸刃形状や、図11(b)に示すようにねじ山の先端面を広く形成した反し状等があり得る。また、図11(c)に示すように、ねじ山の先端面やねじの谷部が曲面状の鋸刃形状や、図11(d)に示すようにねじ山の先端面やねじの谷部が曲面状の反し状であってもよい。
なお、雄ねじ部10において、第一雄ねじ部と第二雄ねじ部とでねじ山形状を異ならせてもよく、例えば、ストレートねじである第一雄ねじ部のねじ山を三角ねじ状、テーパねじである第二雄ねじ部のねじ山を鋸刃形状等のように設定することもできる。また、図7に示すような第一雄ねじ部乃至第三雄ねじ部を有する雄ねじ部においても同様であって、第一雄ねじ部のねじ山を三角ねじ状、第二雄ねじ部のねじ山を鋸刃形状、第三雄ねじ部のねじ山を丸ねじ形状等のように設定することもできる。
また、雄ねじ部10の外径と雌ねじ部20の内径は、適宜設定し得る。従って雄ねじ部10と雌ねじ部20との間で密封性を向上させるべく雄ねじ部10の外径及び/又は雌ねじ部20の内径を設定してもよい。即ち、第二雄ねじ部14が第二雌ねじ部24を内側から外側に向かって押圧し、第二雄ねじ部14及び第二雌ねじ部24の少なくとも一方を弾性変形及び/又は塑性変形させて密封性を向上させてもよい。
例えば、完全に螺合させた状態において、雌ねじ部20が径方向外側にやや拡がり得るように、第二雄ねじ部14の最大外径(若しくは最大有効径)を第二雌ねじ部24の最大内径(若しくは最大有効径)よりも大きく設定、及び/又は第二雄ねじ部14の最小外径(若しくは最小有効径)を第二雌ねじ部24の最小内径(若しくは最小有効径)よりも大きく設定する。これによれば、第二雄ねじ部14と第二雌ねじ部24とが少なくとも一部で径方向に干渉し得、雄ねじ部10と雌ねじ部20とを螺合させていく際に、雌ねじ部20が弾性変形及び/又は塑性変形しながら拡径して、その結果として雄ねじ部10と雌ねじ部20とが密着して密封性が向上する。
勿論、第二雄ねじ部14が径方向内側に弾性変形及び/又は塑性変形するように、第二雄ねじ部14の外径に対する第二雌ねじ部24の内径の大きさを設定してもよい。また、上記で第二雄ねじ部14の外径、第二雌ねじ部24の内径を設定するものとして説明したが、更に第二雄ねじ部14及び/又は第二雌ねじ部24における管の厚みを設定するようにしてもよい。
また、第二雄ねじ部14と第二雌ねじ部24とを干渉させる構成にした場合、正規の位置まで互いを螺合させる(最奥までねじ込む)とき、第一雄ねじ部12における第二雄ねじ部14近傍のねじ山の先端が、第二雌ねじ部24の第一雌ねじ部22側端部付近のねじ谷部よりも半径方向外側に位置し干渉する。この干渉した状態では、それ以上の螺合が不可となる。従って、第一雄ねじ部12における、第二雌ねじ部24に干渉する端部領域を縮径させ、干渉量を減少乃至皆無とするように構成する。
縮径させる長さは、第一雄ねじ部12の端部と第二雌ねじ部24との干渉長さ以上の長さとすることが好ましい。また、第一雄ねじ部12の端部領域に、段状、テーパ状、曲線状、無ねじ状等の種々の形状を設けて縮径させる。
具体的に第一雄ねじ部12が第二雌ねじ部24に軸方向に干渉し得るので、そのような干渉を避けるために第一雄ねじ部12と第二雄ねじ部14との外向きに凸(即ち、半径方向外向きに凸)状の境界領域に図21に示すような干渉緩和部13を設ける。
例えば、干渉緩和部13の各ねじ山の先端を結んだ仮想線13a(図21参照)は、第一雄ねじ部12の各ねじ山の先端を結んだ直線状の仮想線12a及び第二雄ねじ部14の各ねじ山の先端を結んだテーパ状の仮想線14aよりも、軸心側に寄った曲線状を成し、該曲線に沿うようにねじ山の高さや位置を定める。また、干渉緩和部13における最大となる半径r(図21参照)は、第二雌ねじ部24の最小内径以下である。
従って、干渉緩和部13を設けることで、第一雄ねじ部12と第二雌ねじ部24との干渉を緩和乃至避けることができる。また、干渉緩和部13は、第二雌ねじ部24への干渉を緩和乃至避けるような面形状を有してもよいが、第一雌ねじ部22及び/又は第二雌ねじ部24に螺合し得るようなねじ山を具える形状を有してもよい。
なお、雄ねじ部10が、油井管1の中途部から一端部に向かってストレートねじの第一雄ねじ部12、テーパねじの第二雄ねじ部14を有する形状として説明したが、勿論、図22に示すように中途部から一端部に向かって第二雄ねじ部14、第一雄ねじ部12を有する形状であってもよいことは言うまでもない。その場合、雄ねじ部10に螺合し得る雌ねじ部20は、図22に示す一端から奥に向かって第二雌ねじ部24、第一雌ねじ部22を有する形状となる。また、雄ねじ部10は、第二雄ねじ部14よりも中途部側に環状を成し、油井管1Aの内周面に全周に亘って密着し得るシール部19を設けてもよい。
また、図22の油井管1、1Aにおいて、第二雄ねじ部14と第二雌ねじ部24とを干渉させる構成とし、且つ正規の位置まで互いを螺合させる(最奥までねじ込む)とき、第一雌ねじ部22における第二雌ねじ部24側端部付近に、第二雄ねじ部14の第一雄ねじ部12側端部が干渉する。従って、第一雌ねじ部22における、第二雄ねじ部14に干渉する端部領域を拡径させ、干渉量を減少乃至皆無とするように構成する。
拡径させる長さは、第一雌ねじ部22の端部と第二雄ねじ部14との干渉長さ以上の長さとすることが好ましい。また、第一雌ねじ部22の端部領域に、段状、テーパ状、曲線状、無ねじ状等の種々の形状を設けて拡径させる。
具体的に第一雌ねじ部22と第二雌ねじ部24との外向きに凸(即ち、半径方向内向きに凸)状の境界領域に干渉緩和部23(図23参照)を設ける。例えば、干渉緩和部23の各ねじ山の先端を結んだ仮想線23a(図23参照)は、第一雌ねじ部22の各ねじ山の先端を結んだ仮想線22aと、第二雌ねじ部24の各ねじ山の先端を結んだテーパ状の仮想線24aよりも、外側に位置する曲線状を成し、該曲線に沿うようにねじ山の高さや位置を定める。また、干渉緩和部23における最大となる半径R(図23参照)は、第二雄ねじ部14の最小外径以上である。干渉緩和部23を設けることで、第一雌ねじ部22と第二雄ねじ部14との干渉を緩和乃至避けることができる。また、干渉緩和部23は、第二雄ねじ部14への干渉を緩和乃至避けるような面形状を有してもよいが、第一雄ねじ部12及び/又は第二雄ねじ部14に螺合し得るようなねじ山を具える形状を有してもよい。
また、雄ねじ部10と雌ねじ部20との間に密封構造を配するために、図12に示すように油井管1の雄ねじ部10の先端部の外周面30を、油井管1Aの雌ねじ部20の基端側の内周面40に密着させるようにしてもよい。即ち、油井管1Aと油井管1との挿入向きにおける、雄ねじ部10の挿入向き前方側に位置する外周面30を、油井管1Aの挿入向き後方側に位置する内周面40に密着させてもよい。
その場合、外周面30における外径が、内周面40における内径よりも僅かに大きくなるように設定する。従って、雄ねじ部10と雌ねじ部20とを嵌め合わせたときに、外周面30が内周面40を外側に押圧或いは内周面40が外周面30を内側に押圧するように弾性力が作用する。結果、外周面30と内周面40が全周で密着して密封性能を発揮する。
また、油井管1の雄ねじ部10の基端側の外周面32を、油井管1Aの雌ねじ部20の先端側の内周面42に密着させるようにしてもよい。その場合、外周面32における外径が、内周面42における内径よりも僅かに大きくなるように設定する。
このようにしても、雄ねじ部10と雌ねじ部20とを嵌め合わせたときに、外周面32が内周面42を外側に押圧或いは内周面42が外周面32を内側に押圧するように弾性力が作用し、外周面32と内周面42が全周で密着して密封性能を発揮する。なお、外周面30、32及び内周面40、42は、雄ねじ部10及び雌ねじ部20の軸心に対して傾斜させた傾斜面であってもよい。
次に、他の構成に係る油井管について説明する。図13は雄ねじ部を有する油井管の他の構成例を示すものであり、(a)は断面図、(b)は円環領域A~Cを示す図である。油井管300は、油井管400に接続される先端側から順に第一シール部310、雄ねじ部320、第二シール部330を配設する。また、油井管300は、油井管400に対する挿入深さを規制する先端部300aを有する。
第一シール部310は、図14に示すように、外周面の周方向全周に延在し且つ径方向外側に突出する環状凸部312を少なくとも一つ以上、好ましくは複数有する。また、第一シール部310は、環状凸部312を軸方向に並列させることで、環状凸部312間に環状凸部312に対し相対的に凹形状を成す環状凹部314を画成する。なお、環状凸部312の突出長さは、少なくとも後述する第一雄ねじ部322と第一雌ねじ部422(図15参照)との螺合を妨げず且つ第一無ねじ部410(図15参照)の内周面に密着(或いは僅かに干渉)可能な長さとする。
雄ねじ部320は、基端側から順にストレートねじの第一雄ねじ部322、テーパねじの第二雄ねじ部324、ストレートねじの第三雄ねじ部326を配して成り、第二雄ねじ部324は、有効径が第一雄ねじ部322の有効径以下であり、第三雄ねじ部326は、有効径が第二雄ねじ部324の有効径以下である。第二雄ねじ部324の有効径は、先端側よりも基端側の方が大きい。なお、ここでは第二雄ねじ部324の最大有効径が第一雄ねじ部322の有効径に略相当し、最小有効径が第三雄ねじ部326の有効径に略相当するように、第一雄ねじ部322乃至第三雄ねじ部326のねじ山が一連の螺旋状を成しているものとする。
油井管300は、第一雄ねじ部322乃至第三雄ねじ部326の何れかを含んだ、軸方向視で径方向において仮想的に三分割された同心の円環領域A(第一の円環領域)、円環領域B(第二の円環領域)、円環領域C(第三の円環領域)を有する。図13(b)に示すように、油井管300の外周面から第一雄ねじ部322の有効径部分までの径方向の領域を円環領域Aとする。また、第二雄ねじ部324の最大有効径部分(即ち、第一雄ねじ部322の有効径部分)から第二雄ねじ部324の最小有効径部分までの径方向の領域を円環領域Bとする。また、第三雄ねじ部326の有効径部分(即ち、第二雄ねじ部324の最小有効径部分)から油井管300の内周面までの径方向の領域を円環領域Cとする。
円環領域Aの面積は、油井管300の横断面における全断面積の三分の一以下に設定する。また横断面領域Bの面積は、油井管300の横断面における全断面積の三分の一以上に設定する。また横断面領域Cの面積は、油井管300の横断面における全断面積の三分の一以下に設定する。
第一雄ねじ部322は、第一雌ねじ部422と螺合して嵌め合わされるねじ山全域の剪断面積が、円環領域Aの面積に3の平方根を乗じた大きさ以上となるように、ねじ領域の形状等を設定する。従って、ねじ山の有効径部位で螺旋状に一連に剪断して成る第一雄ねじ部322のねじ山の総剪断面積が円環領域Aの面積の3の平方根倍以上となるように、ねじ掛り有効長さ、ねじ山の数、ピッチ等を設定する。
また、第二雄ねじ部324は、第二雌ねじ部424と螺合して嵌め合わされるねじ山全域の剪断面積が、円環領域Bの面積に3の平方根を乗じた大きさ以上となるように、ねじ領域の形状等を設定する。従って、ねじ山の有効径部位で螺旋状に一連に剪断して成る第二雄ねじ部324のねじ山の総剪断面積が円環領域Bの面積の3の平方根倍以上となるように、ねじ掛り有効長さ、ねじ山の数、ピッチ等を設定する。
また、第三雄ねじ部326は、第三雌ねじ部426と螺合して嵌め合わされるねじ山全域の剪断面積が、円環領域Cの面積に3の平方根を乗じた大きさ以上となるように、ねじ領域の形状等を設定する。従って、ねじ山の有効径部位で螺旋状に一連に剪断して成る第三雄ねじ部326のねじ山の総剪断面積が円環領域Cの面積の3の平方根倍以上となるように、ねじ掛り有効長さ、ねじ山の数、ピッチ等を設定する。
第二シール部330は、第一シール部310と同様に環状凸部332を一つ以上好ましくは複数有し、環状凸部332間に環状凹部334を画成している。また環状凸部332の突出長さは、第二無ねじ部430(図15参照)の内周面に密着(或いは僅かに干渉)可能な長さとする。
先端部300aは、油井管400に当接し深さ方向の位置を規制し得る形状、好ましくは更に挿入し易くする誘い込み可能な形状を有するものであれば尚よく、例えば、図14に示すように第一シール部310の先端を面取り加工することで形成することができる。また油井管400に当接し深さ方向の位置を規制し得る規制手段としての基端部300bを先端部300aに代えて或いは先端部300aと共に第二シール部330の基端側に形成してもよい。
また、図15は雌ねじ部を有する油井管の他の構成例を示し、(a)は断面図、(b)は円環領域D~Fを示す図である。油井管400は、第一無ねじ部410、雌ねじ部420、第二無ねじ部430を有する。油井管400は、油井管300に接続したとき、第一無ねじ部410が第一シール部310に対応し、第二無ねじ部430が第二シール部330に対応する。
また、油井管400は、油井管300の挿入を規制する受部400aを有し、受部400aは、先端部300a(或いは基端部300b)に対応する箇所に配設される。第一無ねじ部410は、軸方向にわたり内径が一定の円周形状の内周面を有し、当該内径が後述す第三雌ねじ部426の山径未満に設定されている。また第二無ねじ部430は、軸方向にわたり内径が一定の円周形状の内周面を有し、当該内径が後述する第一雌ねじ部422の谷径以上に設定されている。
雌ねじ部420は、被挿入端側から順にストレートねじの第一雌ねじ部422、テーパねじの第二雌ねじ部424、ストレートねじの第三雌ねじ部426を配して成る。第二雌ねじ部424は、少なくとも最小有効径が第一雌ねじ部422の有効径以上で、第三雌ねじ部426は、有効径が第二雌ねじ部424の最大有効径以上であり、第一雌ねじ部422は、第一雄ねじ部322と螺合し、第二雌ねじ部424は、第二雄ねじ部324と螺合し、第三雌ねじ部426は、第三雄ねじ部326と螺合する。
油井管400は、第一雌ねじ部422乃至第三雌ねじ部426の何れかを含んだ、軸方向視で径方向において仮想的に三分割された同心の円環領域D(第四の円環領域)、円環領域E(第五の円環領域)、円環領域F(第六の円環領域)を有する。図15(b)に示すように、油井管400の外周面から第一雌ねじ部422の有効径部分までの径方向の領域を円環領域Dとする。また、第二雌ねじ部424の最大有効径部分(即ち、第一雌ねじ部422の有効径部分)から第二雌ねじ部424の最小有効径部分までの径方向の領域を円環領域Eとする。また、第三雌ねじ部426の有効径部分(即ち、第二雌ねじ部424の最小有効径部分)から油井管400の素管部分の内周面までの径方向の領域を円環領域Fとする。
円環領域Dの面積は、油井管400の横断面における全断面積の三分の一以下に設定する。また横断面領域Eの面積は、油井管400の横断面における全断面積の三分の一以上に設定する。また横断面領域Fの面積は、油井管400の横断面における全断面積の三分の一以下に設定する。なお、ここでは、円環領域Dが円環領域Aに略相当する面積を有し、円環領域Eが円環領域Bに略相当する面積を有し、円環領域Fが円環領域Cに略相当する面積を有するものとする。
第一雌ねじ部422は、第一雄ねじ部322と螺合して嵌め合わされるねじ山全域の剪断面積が、円環領域Dの面積に3の平方根を乗じた大きさ以上となるように、ねじ領域の形状等を設定する。即ち、ねじ山の有効径部位で螺旋状に一連に剪断して成る第一雌ねじ部422のねじ山の総剪断面積が円環領域Dの面積の3の平方根倍以上となるように、ねじ掛り有効長さ、ねじ山の数、ピッチ等を設定する。ここでは第一雌ねじ部422のねじ領域の形状を、第一雄ねじ部322のねじ掛り有効長さ、ねじ山の数、ピッチに対応するように設定することで、上記条件を満たしている。
また、第二雌ねじ部424は、第二雄ねじ部324と螺合して嵌め合わされるねじ山全域の剪断面積が、円環領域Eの面積に3の平方根を乗じた大きさ以上となるように、ねじ領域の形状等を設定する。即ち、ねじ山の有効径部位で螺旋状に一連に剪断して成る第二雌ねじ部424のねじ山の総剪断面積が円環領域Eの面積の3の平方根倍以上となるように、ねじ掛り有効長さ、ねじ山の数、ピッチ等を設定する。ここでは第二雌ねじ部424のねじ領域の形状を、第二雄ねじ部324のねじ掛り有効長さ、ねじ山の数、ピッチに対応するように設定することで、上記条件を満たしている。
また、第三雌ねじ部426は、第三雄ねじ部326と螺合して嵌め合わされるねじ山全域の剪断面積が、円環領域Fの面積に3の平方根を乗じた大きさ以上となるように、ねじ領域の形状等を設定する。即ち、ねじ山の有効径部位で螺旋状に一連に剪断して成る第三雌ねじ部426のねじ山の総剪断面積が円環領域Fの面積の3の平方根倍以上となるように、ねじ掛り有効長さ、ねじ山の数、ピッチ等を設定する。ここでは第三雌ねじ部426のねじ領域の形状を、第三雄ねじ部326のねじ掛り有効長さ、ねじ山の数、ピッチに対応するように設定することで、上記条件を満たしている。
なお、第一無ねじ部410と第一シール部310とは、互いの軸方向長さが略等しいが、第一無ねじ部410の方が長くなるように設定される。雌ねじ部420と雄ねじ部320とは、互いの軸方向長さが略等しい。第二無ねじ部430と第二シール部330とは、互いの軸方向長さが略等しいが第二無ねじ部430の方が長くなるように設定される。
第一シール部310は、雄ねじ部320と雌ねじ部420とが螺合する前に第一無ねじ部410に係合しないように、軸方向長さを設定することが好ましい。具体的には、図18(a)に示す第一シール部310の軸方向長さをL1、第一シール部310と軸方向に隣接する第三雄ねじ部326の軸方向長さをL2としたとき、L1<L2を満たすように各軸方向長さを設定することが望ましい。同様に第二シール部330は、雄ねじ部320と雌ねじ部420とが螺合する前に第二無ねじ部430に係合しないように、軸方向長さを設定することが好ましい。具体的には、図18(a)に示す第二シール部330の軸方向長さをL3、第二シール部330と軸方向に隣接する第一雄ねじ部322の軸方向長さをL4としたとき、L3<L4を満たすように各軸方向長さを設定することが望ましい。
上記第一シール部310と第二シール部330の軸方向長さに対応するように、第一無ねじ部410と第二無ねじ部430の各軸方向長さについても同様に設定することが好ましい。具体的には、図18(b)に示す第一無ねじ部410の軸方向長さをL1´、第一無ねじ部410と軸方向に隣接する第三雌ねじ部426の軸方向長さをL2´としたとき、L1´<L2´を満たすように各軸方向長さを設定することが望ましい。第二無ねじ部430の軸方向長さをL3´、第二無ねじ部430と軸方向に隣接する第一雌ねじ部422の軸方向長さをL4´としたとき、L3´<L4´を満たすように各軸方向長さを設定することが望ましい。
上記のように各部の軸方向長さを設定すれば、雄ねじ部320と雌ねじ部420とが螺合し始めてから、締め込み完了までの間に、第一シール部310と第一無ねじ部410(及び第二シール部330と第二無ねじ部430)が係合してシーリング構造を成すことが出来る。
このような油井管300、400によれば、油井管300を油井管400に挿入して回転すると、各雄ねじ部322乃至326が各雌ねじ部422乃至426に螺合する。また、第一シール部310が第一無ねじ部410に圧入され、環状凸部312が第一無ねじ部410の内周面に密着する。また、第二シール部330が第二無ねじ部430に圧入され、環状凸部332が第二無ねじ部430の内周面に密着する。
また、油井管300の先端部300aが油井管400の受部400aに係合又は当接するように構成することも可能であり、こうすることで各雄ねじ部322乃至326と各雌ねじ部422乃至426との必要以上の締め込みを抑止する。
また、環状凸部312が第一無ねじ部410、環状凸部332が第二無ねじ部430にそれぞれ密着し、環状凸部312、332が第一無ねじ部410又は第二無ねじ部430に圧接するため、油井管300、400の引張、圧縮等の入力による油井管300及び油井管400との相対変位を伴う状況下においても対応可能なシール構造を成すと共に、油井管300、400の曲げ等の変形にも追従可能な、高い密封性能を有するシール構造を成すことができる。
更に、環状凹部314にシーリング構造を持たせるようにしてもよい。具体的には所定温度以上で軟化膨張する固脂(後で詳述する)を環状凹部314内に収容させ、ポリエチレンやポリプロピレン等の樹脂リングを環状凹部314に嵌着及び/又は埋設させシーリング構造を構成することができ、これによって更に密封性能を向上させることができる。
また、上述したように、第一雄ねじ部322は、ねじ山全域の総断面積が円環領域Aの面積に3の平方根を乗じた大きさ以上となるようにねじ領域の形状等を設定したので、円環領域Aの面積に相当する素管の引張強度よりも高い剪断強度を有する。同様に、第二雄ねじ部324は、円環領域Bの面積に相当する素管の引張強度よりも高い剪断強度を有し、また第三雄ねじ部326は、円環領域Cの面積に相当する素管の引張強度よりも高い剪断強度を有する。
従って、雄ねじ部320全体は、油井管300における雄ねじ部320が形成されていない領域での引張強度よりも高い剪断強度を有することとなり、雌ねじ部420と螺合した状態で両油井管300、400を軸方向に沿って互いを離間させる向きに引張ったときに、油井管300の軸破断が生じるよりも先に雄ねじ部320が剪断破壊することを防止することが出来る。
これと同様にして、第一雌ねじ部422は、ねじ山全域の総断面積が円環領域Dの面積に3の平方根を乗じた大きさ以上となるようにねじ領域の形状等を設定したので、円環領域Dの面積に相当する素管の引張強度よりも高い剪断強度を有する。同様に、第二雌ねじ部424は、円環領域Eの面積に相当する素管の引張強度よりも高い剪断強度を有し、また第三雌ねじ部426は、円環領域Fの面積に相当する素管の引張強度よりも高い剪断強度を有する。
従って、雌ねじ部420全体は、油井管400における雌ねじ部420が形成されていない領域での引張強度よりも高い剪断強度を有することとなり、雄ねじ部320と螺合した状態で両油井管300、400を軸方向に沿って互いに離間させる向きに引張ったときに、油井管400の軸破断が生じるよりも先に雌ねじ部420が剪断破壊することを防止することが出来る。
上記の通り、雄ねじ部320及び雌ねじ部420の剪断強度は、各油井管300、400のねじ部が形成されていない領域での引張強度よりも高く、油井管300、400同士を接続した状態で互いを離間させる向きに引張力を付加したとき、ねじ山の剪断よりも先に確実に油井管300、400の何れかを軸破断させることができる。
第一雄ねじ部322、第二雄ねじ部324、第三雄ねじ部326又は第一雌ねじ部422、第二雌ねじ部424、第三雌ねじ部426それぞれの引張強度は、対象とする雄ねじ部又は雌ねじ部の互いに螺合する嵌合い領域における略有効径部位をねじ山に沿って螺旋状に一連に剪断した際の総剪断面積aと、当該対象とする雄ねじ部の有効径部位における横断面の断面積bと、当該対象とする雌ねじ部の有効径部位における横断面の断面積cとの何れか最も引張強度が小さいものとなる。但し、a≧√3・b∧a≧√3・cの関係に設定することができ、この場合対象とする雄ねじ部又は雌ねじ部の引張強度は、b及び/又はcに材料の単位面積当たりの引張強度を乗じたものとして算出可能である。
また、第二雄ねじ部の螺進向きの前後に第一雄ねじ部、第三雄ねじ部を配し、第二雌ねじ部の螺進向きの前後に第一雌ねじ部、第三雌ねじ部を配したことで、雄ねじ部及び雌ねじ部は、螺旋状のねじ領域全体で螺合する。これによって従来の所謂フラッシュジョイントと呼ばれる継手で存在していたテーパねじ部の先端側と基端側とにねじの無掛部が形成されてしまうことが無く、無掛部の存在による強度低下を防止し、結果、油井管同士を強固に接続することができる。
また、上述した構造による油井管300、400によれば、雄ねじ部320と雌ねじ部420とを螺合させ締め込んだときに接続部分を高強度化させることができる。ここで引張強度の評価において、油井管300、400の素管部分の降伏強度に対する接合部分の引張強度の割合である接合部分の降伏率という基準を考えることができる。接合部分の降伏率は、{接合部分の破壊強度}/{素管部分の全断面降伏強度}で示すことができる。
例えば、強度区分がボルトの強度区分でいうところの10.9相当の鋼材料を用い、接合部分の断面積がS(mm)、素管部分の断面積がS(mm)の場合には、降伏率を式(1)のように示すことができる。
[式1]
Figure 2022008003000002
ここで、強度区分の前の数字の10は引張り強さで最小1040(N/mm)の約1/100にした数を示す。後ろの9は降伏強度であって、且つ引張り強さ1040(N/mm)との比率が90パーセントであることを保証する。即ち、降伏強度は1040×0.9=936(N/mm)である。
断面積Sは、上記した雄ねじ部320の断面積或いは雌ねじ部420の断面積によって定まる。即ち、雄ねじ部320は、図13に示す油井管300の内径から第一雄ねじ部322の有効径までの範囲が断面積の大きさに影響する。雌ねじ部420は、図15に示す油井管400の外形から第三雌ねじ部426の有効径までの範囲が断面積の大きさに影響する。
従って、雄ねじ部320は、第一雄ねじ部322を拡径するように設定し、雌ねじ部420は、第三雌ねじ部426を縮径するように設定し、例えば、断面積Sが断面積Sの8割程度の大きさとなるように設定した場合、式1の断面積Sを断面積S×0.8と表すことができる。
式1に各値を代入した式2を示す。
[式2]
Figure 2022008003000003
式2に示すように、約89パーセントの降伏率を得ることができる。
また、降伏強度の引張強さに対する比率が低い材料を選択する程、より高い降伏率を得ることが出来る。例えば、降伏強度の引張強さに対する比率が70パーセントの材料を選定した場合であって、断面積Sを断面積Sの8割程度の大きさとした場合、約114パーセントの降伏率を得られる。
また、降伏強度の引張強度に対する比率が高い材料を選定した場合であっても、断面積Sを断面積Sに近づける程、降伏率の高い油井管300、400を得ることが可能となる。勿論、現実的には加工精度の問題や第一雌ねじ部422や第二無ねじ部430、或いは第三雄ねじ部326や第一シール部310の最薄肉部の強度の問題等があって一定厚以下にすることが好ましくないということがあることを考慮する必要がある。
また、例えば、引張強度が965(N/mm)で且つ降伏強度が862(N/mm)の材料(降伏強度の引張強さに対する比率が約89パーセントの材料)で製造した油井管において、素管部分が外径400mm、肉厚19mmであって且つ第一雌ねじ部422や第二無ねじ部430、或いは第三雄ねじ部326や第一シール部310の最薄肉部を1.4mmとなるよう設定した場合、式1によれば約103パーセントの降伏率を得ることが出来る。なお、従来は、同一材料によって製造される油井管の降伏率が凡そ七割である。このことから本発明による雄ねじ部320と雌ねじ部420との螺合、即ち、ストレートねじ同士を螺合させると共にテーパねじ同士を螺合させることで、より肉厚を薄く設定することが出来るようになり、従来の油井管と比較して非常に高い降伏率を得ることができる。
なお、雄ねじ部320のねじ山形状は、第一雄ねじ部322、第二雄ねじ部324、第三雄ねじ部326で各々変えるようにしてもよく、また全て同様の形状にしてもよい。例えば、各雄ねじ部322乃至326で鋸刃形状のねじ山を有してもよく、ストレートねじ形状の第一雄ねじ部322と第三雄ねじ部326とのねじ山が、三角ねじや台形ねじ等の対称形状の山形状を有するものとし、テーパねじ形状の第二雄ねじ部324のねじ山が、鋸刃形状を有するものとすることができる。なお、雌ねじ部420は、雄ねじ部320に螺合することから、各雌ねじ部422乃至426のねじ山形状は、各雄ねじ部322乃至326のねじ山形状に対応した形状とすると共に、基本的にピッチを同一とすることが好ましい。
ここで、図20は、二種類のねじ山形状に対応する油井管300と油井管400とを互いに螺合して連結させた油井管連結構造の試験体の引張強度、圧縮強度を示す図である。油井管連結構造は、雄ねじ部320のねじ山形状とこれに対応する雌ねじ部420のねじ山形によって破壊強度に影響を受ける。
具体的に油井管300は、上述の円環領域A、円環領域B、円環領域Cを有し、油井管400は、上述の円環領域D、円環領域E、円環領域Fを有し、これらが螺合、連結して試験体が成る。更に、円環領域Aの面積を油井管300の横断面における全断面積の三分の一以下とし、第一雄ねじ部322がねじ山の総剪断面積が円環領域Aの面積の3の平方根倍以上となるように、ねじ掛り有効長さ、ねじ山の数、ピッチ等を設定する。
また横断面領域Bの面積を油井管300の横断面における全断面積の三分の一以上とし、第二雄ねじ部324がねじ山の総剪断面積が円環領域Bの面積の3の平方根倍以上となるように、ねじ掛り有効長さ、ねじ山の数、ピッチ等を設定する。
また横断面領域Cの面積を油井管300の横断面における全断面積の三分の一以下とし、第三雄ねじ部326がねじ山の総剪断面積が円環領域Cの面積の3の平方根倍以上となるように、ねじ掛り有効長さ、ねじ山の数、ピッチ等を設定する。
また、円環領域Dの面積は、油井管400の横断面における全断面積の三分の一以下に設定する。また横断面領域Eの面積は、油井管400の横断面における全断面積の三分の一以上に設定する。また横断面領域Fの面積は、油井管400の横断面における全断面積の三分の一以下に設定する。円環領域Dが円環領域Aに略相当する面積を有し、円環領域Eが円環領域Bに略相当する面積を有し、円環領域Fが円環領域Cに略相当する面積を有するものとする。
上記構成の油井管300、400において、二種類の試験体を用意し、それぞれ異なるねじ山形状を設定し、引張試験及び圧縮試験を行った結果を図20に示す。なお、それぞれの試験体のねじ掛り有効長さ、ねじ山の数、ピッチ等は互いに等しく設定した。
ここでねじ山形状は、一方を鋸刃形状でねじ山角度を60°とし、他方を断面が対称形状な三角ねじ山でねじ山角度を70°とした。図20において、破線は、ねじ山角度70°の油井管300、400を互いに螺合し連結して成る油井管連結体(試験体)の引張試験の結果を示す。一点鎖線は、鋸刃形状でねじ山角度60°の油井管連結体(試験体)の引張試験の結果を示す。実線は、鋸刃形状でねじ山角度60°の油井管連結体(試験体)の圧縮試験の結果を示す。二点鎖線は、ねじ山角度70°の油井管連結体(試験体)の圧縮試験の結果を示す。
引張試験では、油井管連結体(試験体)を成す油井管300と油井管400とを治具を介してそれぞれ試験機に装着し、更に雄ねじ部320と雌ねじ部420を互いに螺合させた状態で油井管連結体が破断するまで引張させた。
また、圧縮試験では、油井管連結体(試験体)を成す油井管300と油井管400とを予め互いに螺合した状態で、治具を介して試験機に装着し、圧壊するまで圧縮させた。
図20の破線及び実線を比較、即ち圧縮試験結果を比較した場合は鋸刃形状でねじ山角度60°のねじ山を有する油井管連結体(試験体)よりも、ねじ山角度70°の断面視で対称形状のねじ山を有する油井管連結体(試験体)の方が、圧縮強度が高い結果となった。
他方、図20の一点鎖線及び二点鎖線を比較、即ち、引張試験結果を比較した場合はねじ山角度70°のねじ山を有する油井管連結体(試験体)よりも、鋸刃形状でねじ山角度60°のねじ山を有する油井管連結体(試験体)の方が、引張強度が高い結果となった。このような圧縮試験の結果と引張試験の結果から、圧縮に強いねじ山形状と引張に強いねじ山形状とが異なるといえる。
従って、油井管連結体(試験体)の使用箇所に応じてねじ山形状を適宜設定することが望ましく、例えば、引張応力を受け易い環境に配設される油井管連結体(試験体)は、鋸刃形状のねじ山を有するものであることが好ましい。また圧縮応力を受け易い環境に配設される油井管連結体(試験体)は、ねじ山角度70°の断面視で対称形状のねじ山を有するものであることが好ましい。或いは、引張応力と圧縮応力の両方を受け易い環境や、使途に配設される場合には断面が対称形状のねじ山よりもねじ山角度70°の断面視で対称形状のねじ山を有する油井管連結体を選択することが好ましい。
また、各シール部310、330の外周に環状凸部312、332と環状凹部314、334を設けたが、油井管400側に環状凸部と環状凹部を設けてもよい。即ち、各無ねじ部410、430の内周面に環状凸部と環状凹部とを形成し、各シール部310、330の外周面に環状凸部を密着させてもよい。この場合、各シール部はその外周を円周面状又は略円錐周面状とすることができる。
また、油井管300の先端側及び基端側に第一シール部310、第二シール部330を設けたが、先端側又は基端側の何れか一方のみにシール部を設けるようにしてもよい。即ち、図16(a)に示すように油井管300の先端側にのみシール部310を設けるようにしてもよく、図16(b)に示すように油井管300における雄ねじ部320の基端側にのみシール部330を設けるようにしてもよい。これらの場合においては、油井管400は、シール部に対応する箇所にだけ無ねじ部を形成しておけばよい。即ち、雌ねじ部の一端側又は他端側の何れか一方にのみ無ねじ部を形成すればよい。
また、油井管300の油井管400に対する挿入を規制する先端部300aの形状は、適宜設定し得る。例えば、先端部300aは、図17(a)に示すように、軸直交方向に対して例えば45°未満の浅い角度で傾斜したものであってもよく、また、図17(b)に示すように曲面状に形成されたもの、即ち油井管300の先端部を丸く面取りすることによって形成されたものであってもよい。また、図17(c)に示すように角部が直角形状である油井管300の端面を先端部300aとしてもよい。なお、先端部300aが傾斜面又は曲面形状であると、傾斜する先端部300aを介して受部400aに径方向外向きに荷重が集中し得、油井管400を拡径させる虞がある。そこで先端部300aを油井管300の端面を含む広範囲で受部400aに面接触するようにすれば、その分荷重が分散して受部400aに径方向外向きの荷重が作用することを抑止できる。
勿論、油井管300の雄ねじ部320の基端側に位置する基端部300bの形状も同様に適宜設定し得るものである。また、受部400aの形状は、先端部300a又は基端部300bの形状に対応するように設定することができる。
また、先端部300a又は基端部300bを設ける以外の手段によって、油井管400に対する油井管300の挿入を規制してもよい。例えば、雄ねじ部320と雌ねじ部420の何れか一方、又は両方のねじ山の終端のピッチを短く設定する。即ち、雄ねじ部320の基端側の一部のねじ山と雌ねじ部420の挿入方向奥側の一部のねじ山との少なくとも一方の、ピッチを短くする。これによって雄ねじ部320と雌ねじ部420とを螺合させたときに、ピッチが短くなっている箇所で螺進を規制する制動構造をもたせることができる。勿論この場合には、先端部300aと受部400aとを互いに接触させる必要はないが、あえて接触させて荷重を制動構造との間で分散させてもよい。
また、雄ねじ部320と雌ねじ部420との間で密封性を向上させるべく雄ねじ部320の外径及び/又は雌ねじ部420の内径を設定してもよい。即ち、雄ねじ部320の内、テーパねじの第二雄ねじ部324がテーパねじの第二雌ねじ部424を内側から外側に向かって押圧し、第二雄ねじ部324及び第二雌ねじ部424の少なくとも一方を弾性変形及び/又は塑性変形させて密封性を向上させてもよい。
例えば、完全に螺合させた状態において、雌ねじ部420が径方向外側にやや拡がり得るように、第二雄ねじ部324の最大外径(若しくは最大有効径)を第二雌ねじ部424の最大内径(若しくは最大有効径)よりも大きく設定、及び/又は第二雄ねじ部324の最小外径(若しくは最小有効径)を第二雌ねじ部424の最小内径(若しくは最小有効径)よりも大きく設定する。これによれば、第二雄ねじ部324と第二雌ねじ部424とが少なくとも一部で径方向に干渉し得、雄ねじ部320と雌ねじ部420とを螺合させていく際に、雌ねじ部420が弾性変形及び/又は塑性変形しながら拡径して、その結果として雄ねじ部320と雌ねじ部420とが密着して密封性が向上する。
勿論、第二雄ねじ部324が径方向内側に弾性変形及び/又は塑性変形するように、第二雄ねじ部324の外径に対する第二雌ねじ部424の内径の大きさを設定してもよい。また、上記で第二雄ねじ部14の外径、第二雌ねじ部24の内径を設定するものとして説明したが、更に第二雄ねじ部324及び/又は第二雌ねじ部424における管の厚みを設定するようにしてもよい。
なお、第二雄ねじ部324と第二雌ねじ部424とを干渉させる構成にした場合、第一雄ねじ部322と第二雄ねじ部324との間に第一の干渉緩和部323(図26(a)参照)、第二雌ねじ部424と第三雌ねじ部426との間に第二の干渉緩和部425(図26(b)参照)を設けてもよい。
第一の干渉緩和部は、第一雄ねじ部322と第二雄ねじ部324との外向きに凸(半径方向外向きに凸)状の境界領域に配され、第二雌ねじ部424に対し、軸方向に干渉しないように、曲面状や傾斜面状等に形成すること、或いは無ねじ領域を形成することによって構成される。また、第二の干渉緩和部は、第二雌ねじ部424と第三雌ねじ部426との外向きに凸(半径方向内向きに凸)状の境界領域に配され、第三雄ねじ部324に対し、軸方向に干渉しないように、曲面状や傾斜面状等に形成すること、或いは無ねじ領域を形成することによって構成される。
両干渉緩和部を設けることで、第一雄ねじ部322と第二雌ねじ部424との干渉を避けると共に、第三雌ねじ部426と第二雄ねじ部324との干渉を避けることができる。
また、第一の干渉緩和部及び/又は第二の干渉緩和部は、第二雌ねじ部424(或いは第二雄ねじ部324)への干渉の緩和乃至避けるような面形状を有してもよいが、第一の干渉緩和部は、第二雌ねじ部424に螺合し得るようにねじ山を具えてもよく、また同様に第二の干渉緩和部は、第二雄ねじ部324に螺合し得るように、ねじ山を具えてもよい。
また、固脂としては、例えば、熱可塑性樹脂や、その熱可塑性樹脂を混合したガラス繊維強化樹脂や熱可塑性エラストマー等もあり得る。熱可塑性樹脂としては、例えば汎用プラスチック(ポリエチレン、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、ポリテトラフルオロエチレン、アクリロニトリルブタジエンスチレン樹脂、AS樹脂、アクリル樹脂等)、エンジニアリングプラスチック(ポリアミド、ナイロン、ポリアセタール、ポリカーボネート、変性ポリフェニレンエーテル、ポリエチレンテレフタレート、グラスファイバー強化ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、環状ポリオレフィン等)、スーパーエンジニアリングプラスチック(ポリフェニレンスルファイド、ポリテトラフロロエチレン、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、非晶ポリアリレート、液晶ポリマー、ポリエーテルエーテルケトン、熱可塑性ポリイミド、ポリアミドイミド等)等が適用し得て、適用温度や熱膨張率や所要の耐薬品性等によって選定する。
また、油井管300の雄ねじ部320は、ストレートねじの部分とテーパねじの部分との軸方向に沿う領域の長さを適宜設定してもよい。例えば、第一雄ねじ部322及び/又は第三雄ねじ部326に比して第二雄ねじ部324の軸方向に沿う領域を長く設定してもよい。即ち、図19(a)に示すようにストレートねじ部分よりもテーパねじ部分が軸方向に長く設定してもよい。また、図19(b)に示すように第二雄ねじ部324は、第一雄ねじ部322及び/又は第三雄ねじ部326よりも軸方向に沿う領域の長さを短く設定、即ち、第二雄ねじ部324に比して第一雄ねじ部322及び/又は第三雄ねじ部326の軸方向に沿う領域を長く設定してもよい。勿論、雄ねじ部320に螺合する雌ねじ部420を有する油井管400においても、油井管300と同様して、ストレートねじの部分とテーパねじの部分との軸方向に沿う領域の長さを適宜設定することができる。
なお、第一雄ねじ部322や第三雄ねじ部326の軸方向に沿う領域を長めに設定した場合には、第一雄ねじ部322や第三雄ねじ部326に螺合する第一雌ねじ部422や第三雌ねじ部426の残肉部(第一雌ねじ部422や第三雌ねじ部426において、ねじ部分を除いて残る管の厚み部分)の肉厚を厚めに設定したとしても、確実に引張破壊部位を雄ねじ部320の基部とすること、或いは雌ねじ部420の基部とすることができる。
1,1A…油井管 2…貫通孔 10…雄ねじ部 12…第一雄ねじ部 14…第二雄ねじ部 16…第三雄ねじ部 18…非ねじ部 20…雌ねじ部 22…第一雌ねじ部 24…第二雌ねじ部 26…第三雌ねじ部 300,400…油井管 310…第一シール部 312…環状凸部 314…環状凹部 320…雄ねじ部 322…第一雄ねじ部 324…第二雄ねじ部 326…第三雄ねじ部 330…第二シール部 410…第一無ねじ部 420…雌ねじ部 422…第一雌ねじ部 424…第二雌ねじ部 426…第三雌ねじ部 430…第二無ねじ部。

Claims (53)

  1. 外周面に雄ねじ部を有する第一の油井管と、
    内周面に上記雄ねじ部に螺合する雌ねじ部を有し、上記第一の油井管に接続し得る第二の油井管と、を具え、
    上記雄ねじ部は、径が所定の大きさの第一雄ねじ部と、該第一雄ねじ部よりも一端部側に配されて該一端側に向って徐々に縮径する略テーパ状の第二雄ねじ部とからなり、
    上記雌ねじ部は、開口端側に配されて所定の大きさの径を有する第一雌ねじ部と、該第一雌ねじ部側から奥側に向けて徐々に縮径する略テーパ状の第二雌ねじ部とからなり、
    上記第一雄ねじ部が上記第一雌ねじ部に、上記第二雄ねじ部が上記第二雌ねじ部に互いに螺合し、上記第一の油井管と上記第二の油井管とが連結することを特徴とする油井管連結構造。
  2. 前記第二雄ねじ部の径は、前記第一雄ねじ部の径以下であり、
    前記第二雌ねじ部の径は、前記第一雌ねじ部の径以上であることを特徴とする請求項1記載の油井管連結構造。
  3. 前記第一雄ねじ部及び/又は前記第二雄ねじ部のねじ山形状が、略鋸刃形状を成し、
    前記第一雌ねじ部及び/又は前記第二雌ねじ部のねじ山形状が、略鋸刃形状を成すことを特徴とする請求項1又は2記載の油井管連結構造。
  4. 前記第一雄ねじ部及び/又は前記第二雄ねじ部のねじ山形状は、前記第一の油井管と前記第二の油井管とを連結状態から軸方向に沿って引き離す向きに引張したときに圧力を受けるフランク面のフランク角が前記第一の油井管の軸心に対して直角以下であることを特徴とする請求項3記載の油井管連結構造。
  5. 前記第一雌ねじ部及び/又は前記第二雌ねじ部のねじ山形状は、前記第一の油井管と前記第二の油井管とを連結状態から軸方向に沿って引き離す向きに引張したときに圧力を受けるフランク面のフランク角が前記第二の油井管の軸心に対して直角以下であることを特徴とする請求項3記載の油井管連結構造。
  6. 前記第一雄ねじ部と前記第二雄ねじ部は、互いにねじ山のピッチが等しいことを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載の油井管連結構造。
  7. 前記第一雌ねじ部と前記第二雌ねじ部は、互いにねじ山のピッチが等しいことを特徴とする請求項1乃至6の何れかに記載の油井管連結構造。
  8. 前記雄ねじ部のねじ山のピッチと前記雌ねじ部のねじ山のピッチとが等しいことを特徴とする請求項1乃至7の何れかに記載の油井管連結構造。
  9. 前記雄ねじ部は、前記第一雄ねじ部側から前記第二雄ねじ部側に向けて徐々にねじ山のピッチが小さく、
    前記雌ねじ部は、前記第一雌ねじ部側から前記第二雌ねじ部側に向けて徐々にねじ山のピッチが小さくなることを特徴とする請求項1乃至6の何れかに記載の油井管連結構造。
  10. 前記第一の油井管の前記第二の油井管に対して非係合な領域の外径が、前記第二の油井管の外径と略等しいことを特徴とする請求項1乃至9の何れかに記載の油井管連結構造。
  11. 前記第一の油井管の中空の内径が、前記第二の油井管の前記第一の油井管に対して非係合な領域の内径と略等しいことを特徴とする請求項1乃至10の何れかに記載の油井管連結構造。
  12. 前記第二雄ねじ部は、前記第一雄ねじ部よりも軸方向に沿う領域が長いことを特徴とする請求項1乃至11の何れかに記載の油井管連結構造。
  13. 前記第二雌ねじ部は、前記第一雌ねじ部よりも軸方向に沿う領域が長いことを特徴とする請求項1乃至12の何れかに記載の油井管連結構造。
  14. 前記雄ねじ部は、前記第二雄ねじ部よりも前記一端側に配され、径が所定の大きさの第三雄ねじ部を有し、
    前記雌ねじ部は、前記第二雌ねじ部よりも前記奥側に配され、所定の大きさの径を有する第三雌ねじ部を有し、
    前記第三雄ねじ部が前記第三雌ねじ部に螺合し得ることを特徴とする請求項1乃至14の何れかに記載の油井管連結構造。
  15. 前記第三雄ねじ部は、有効径が前記第二雄ねじ部以上で且つストレートねじ形状を有し、
    前記第三雌ねじ部は、有効径が前記第二雌ねじ部以上で且つストレートねじ形状を有することを特徴とする請求項15記載の油井管連結構造。
  16. 前記第二雄ねじ部は、前記第一雄ねじ部及び/又は前記第三雄ねじ部よりも軸方向に沿う領域が長いことを特徴とする請求項15又は16記載の油井管連結構造。
  17. 前記第二雄ねじ部は、前記第一雄ねじ部及び/又は前記第三雄ねじ部よりも軸方向に沿う領域が短いことを特徴とする請求項15又は16記載の油井管連結構造。
  18. 前記第二雌ねじ部は、前記第一雌ねじ部及び/又は前記第三雌ねじ部よりも軸方向に沿う領域が長いことを特徴とする請求項15乃至18の何れかに記載の油井管連結構造。
  19. 前記第二雌ねじ部は、前記第一雌ねじ部及び/又は前記第三雌ねじ部よりも軸方向に沿う領域が短いことを特徴とする請求項15乃至18の何れかに記載の油井管連結構造。
  20. 前記雄ねじ部は、径方向に仮想的に分割された、前記第一雄ねじ部を含んだ第一の円環領域と、前記第二雄ねじ部を含んだ第二の円環領域と、前記第三雄ねじ部を含んだ第三の円環領域とを有し、
    上記第一の円環領域の面積は、前記第一の油井管の横断面における全断面積の三分の一以下であり、
    上記第二の円環領域の面積は、前記第一の油井管の横断面における全断面積の三分の一以上であり、
    上記第三の円環領域の面積は、前記第一の油井管の横断面における全断面積の三分の一以下であり、
    前記雌ねじ部は、径方向に仮想的に分割された、前記第一雌ねじ部を含んだ第四の円環領域と、前記第二雌ねじ部を含んだ第五の円環領域と、前記第三雌ねじ部を含んだ第六の円環領域とを有し、
    上記第四の円環領域の面積は、前記第二の油井管の横断面における全断面積の三分の一以下であり、
    上記第五の円環領域の面積は、前記第二の油井管の横断面における全断面積の三分の一以上であり、
    上記第六の円環領域の面積は、前記第二の油井管の横断面における全断面積の三分の一以下であることを特徴とする請求項15乃至20の何れかに記載の油井管連結構造。
  21. 前記第一雄ねじ部及び/又は前記第三雄ねじ部は、対称形状のねじ山を有し、
    前記第一雌ねじ部が前記第一雄ねじ部のねじ山に対応したねじ山形状を有し、前記第三雌ねじ部が前記第三雄ねじ部のねじ山に対応したねじ山形状を有することを特徴とする請求項15乃至21の何れかに記載の油井管連結構造。
  22. 前記第一の油井管の先端部の外周面と前記第二の油井管の前記雌ねじ部の基端側の内周面との間、及び/又は前記第一の油井管の前記雄ねじ部の基端側の外周面と前記第二の油井管の前記先端部の内周面との間に、密封構造を設けることを特徴とする請求項1乃至22の何れかに記載の油井管連結構造。
  23. 前記第一の油井管の先端部の外周面と前記第二の油井管の前記雌ねじ部の奥側の内周面との間、及び/又は前記第一の油井管の前記雄ねじ部の基端側の外周面と前記第二の油井管の前記開口部の内周面との間に、密封構造を設け、
    上記密封構造の内、前記第一の油井管の先端部の外周面は、軸方向長さが前記第二の油井管の第三雌ねじ部の軸方向長さ未満に設定、及び/又は前記第一の油井管の前記雄ねじ部の基端側の外周面は、軸方向長さが前記第二の油井管の前記開口側の内周面の軸方向長さ未満に設定することを特徴とする請求項15乃至22の何れかに記載の油井管連結構造。
  24. 中空構造で且つ外周面に雄ねじ部を有し、
    該雄ねじ部は、径が所定の大きさの第一雄ねじ部と、上記第一雄ねじ部よりも一端部側に配されて該一端側に向って徐々に縮径する略テーパ状の第二雄ねじ部とからなり、
    上記雄ねじ部が、内周面に雌ねじ部を有する他部材に螺合することを特徴とする油井管。
  25. 前記第二雄ねじ部の径は、前記第一雄ねじ部の径以下であることを特徴とする請求項25記載の油井管。
  26. 前記第一雄ねじ部及び/又は前記第二雄ねじ部のねじ山形状が、略鋸刃形状を成すことを特徴とする請求項25又は26記載の油井管。
  27. 前記第一雄ねじ部及び/又は前記第二雄ねじ部のねじ山形状は、前記油井管を前記他部材に螺合させた状態から軸方向に引き離す向きに引張したときに圧力を受けるフランク面のフランク角が前記油井管の軸心に対して直角以上であることを特徴とする請求項27記載の油井管。
  28. 前記第二雄ねじ部は、前記第一雄ねじ部よりも軸方向に沿う領域が長いことを特徴とする請求項25乃至28の何れかに記載の油井管。
  29. 前記雄ねじ部は、前記第二雄ねじ部よりも前記一端側に配され、径が所定の大きさの第三雄ねじ部を有することを特徴とする請求項25乃至30の何れかに記載の油井管。
  30. 前記第三雄ねじ部は、有効径が前記第二雄ねじ部以上で且つストレートねじ形状を有することを特徴とする請求項31記載の油井管。
  31. 前記第二雄ねじ部は、前記第一雄ねじ部及び/又は前記第三雄ねじ部よりも軸方向に沿う領域が長いことを特徴とする請求項31又は32記載の油井管。
  32. 前記第二雄ねじ部は、前記第一雄ねじ部及び/又は前記第三雄ねじ部よりも軸方向に沿う領域が短いことを特徴とする請求項31又は32記載の油井管。
  33. 前記雄ねじ部は、径方向に仮想的に分割された、前記第一雄ねじ部を含んだ第一の円環領域と、前記第二雄ねじ部を含んだ第二の円環領域と、前記第三雄ねじ部を含んだ第三の円環領域とを有し、
    上記第一の円環領域の面積は、前記油井管の横断面における全断面積の三分の一以下であり、
    上記第二の円環領域の面積は、前記油井管の横断面における全断面積の三分の一以上であり、
    上記第三の円環領域の面積は、前記油井管の横断面における全断面積の三分の一以下であることを特徴とする請求項31乃至34の何れかに記載の油井管。
  34. 前記第一雄ねじ部と前記第三雄ねじ部は、対称形状のねじ山を有することを特徴とする請求項31乃至35の何れかに記載の油井管。
  35. 前記雄ねじ部の先端側及び/又は基端側に、前記雄ねじ部を他部材の雌ねじ部に嵌め合わせたときに前記他部材の内周面に略全周で密着し得る外周面を設けることを特徴とする請求項25乃至36の何れかに記載の油井管。
  36. 前記雄ねじ部の先端側及び/又は基端側に、前記雄ねじ部を他部材の雌ねじ部に嵌め合わせたときに前記他部材の内周面に略全周で密着し得る外周面を設け、
    前記雄ねじ部の先端側の上記外周面は、軸方向長さが前記第三雄ねじ部の軸方向長さ未満に設定、及び/又は前記雄ねじ部の基端側の外周面は、軸方向長さが前記第一雄ねじ部の軸方向長さ未満に設定することを特徴とする請求項31乃至36の何れかに記載の油井管。
  37. 中空構造で且つ内周面に雌ねじ部を有し、
    該雌ねじ部は、開口端側に所定の大きさの径を有する第一雌ねじ部と、該第一雌ねじ部から離間する向きに沿って徐々に拡径する略テーパ状の第二雌ねじ部とからなり、
    上記雌ねじ部が外周面に雄ねじ部を有する他部材に螺合することを特徴とする油井管。
  38. 前記第二雌ねじ部の径は、前記第一雌ねじ部の径以上であることを特徴とする請求項39記載の油井管。
  39. 前記第一雌ねじ部及び/又は前記第二雌ねじ部のねじ山形状が、略鋸刃形状を成すことを特徴とする請求項39又は40記載の油井管。
  40. 前記第一雌ねじ部及び/又は前記第二雌ねじ部のねじ山形状は、前記油井管を前記他部材に螺合させた状態から軸方向に沿って引き離す向きに引張したときに圧力を受けるフランク面のフランク角が前記油井管の軸心に対して直角以上であることを特徴とする請求項41記載の油井管。
  41. 前記第二雌ねじ部は、前記第一雌ねじ部よりも軸方向に沿った領域が長いことを特徴とする請求項39乃至42の何れかに記載の油井管。
  42. 前記雌ねじ部は、前記第二雌ねじ部よりも前記開口端側に配され、所定の大きさの径を有する第三雌ねじ部を有することを特徴とする請求項39乃至44の何れかに記載の油井管。
  43. 前記第三雌ねじ部は、有効径が前記第二雌ねじ部以上で且つストレートねじ形状を有することを特徴とする請求項45記載の油井管。
  44. 前記第二雌ねじ部は、前記第一雌ねじ部及び/又は前記第三雌ねじ部よりも軸方向に沿う領域が長いことを特徴とする請求項45又は46記載の油井管。
  45. 前記第二雌ねじ部は、前記第一雌ねじ部及び/又は前記第三雌ねじ部よりも軸方向に沿う領域が短いことを特徴とする請求項45又は46記載の油井管。
  46. 前記雌ねじ部は、径方向に仮想的に分割された、前記第一雌ねじ部を含んだ第四の円環領域と、前記第二雌ねじ部を含んだ第五の円環領域と、前記第三雌ねじ部を含んだ第六の円環領域とを有し、
    上記第四の円環領域の面積は、前記油井管の横断面における全断面積の三分の一以下であり、
    上記第五の円環領域の面積は、前記油井管の横断面における全断面積の三分の一以上であり、
    上記第六の円環領域の面積は、前記油井管の横断面における全断面積の三分の一以下であることを特徴とする請求項45乃至48の何れかに記載の油井管。
  47. 前記第一雌ねじ部と前記第三雌ねじ部は、対称形状のねじ山を有することを特徴とする請求項45乃至49の何れかに記載の油井管。
  48. 前記雌ねじ部の開口側及び/又は奥側に、前記雌ねじ部を前記他部材の雄ねじ部に嵌め合わせたときに、前記他部材の外周面に略全周で密着し得る内周面を設けることを特徴とする請求項39乃至50の何れかに記載の油井管。
  49. 前記雌ねじ部の開口側及び/又は奥側に、前記雌ねじ部を前記他部材の雄ねじ部に嵌め合わせたときに、前記他部材の外周面に略全周で密着し得る内周面を設け、
    前記雌ねじ部の開口側の上記内周面の軸方向長さは、前記第三雌ねじ部の軸方向長さ未満に設定、及び/又は前記雌ねじ部の奥側の上記内周面の軸方向長さは、前記第一雌ねじ部の軸方向長さ未満に設定されることを特徴とする請求項45乃至50の何れかに記載の油井管。
  50. 前記第一の油井管と前記第二の油井管とが連結しているとき、前記第二雄ねじ部及び前記第二雌ねじ部が半径方向に干渉し、前記第二雄ねじ部及び前記第二雌ねじ部の内、一方が半径方向に弾性変形及び/又は塑性変形し、
    前記雄ねじ部は、前記第一雄ねじ部と前記第二雄ねじ部との境界領域に、干渉緩和部を有することを特徴とする請求項1乃至24の何れかに記載の油井管連結構造。
  51. 前記第一の油井管と前記第二の油井管とが連結しているとき、前記第二雄ねじ部及び前記第二雌ねじ部が半径方向に干渉し、前記第二雄ねじ部及び前記第二雌ねじ部の内、一方が半径方向に弾性変形及び/又は塑性変形し、
    前記雌ねじ部は、前記第二雌ねじ部と前記第三雌ねじ部との境界領域に、干渉緩和部を有することを特徴とする請求項15乃至22の何れかに記載の油井管連結構造。
  52. 前記雄ねじ部は、前記第一雄ねじ部と前記第二雄ねじ部との境界領域に干渉緩和部を有することを特徴とする請求項25乃至38の何れかに記載の油井管。
  53. 前記雌ねじ部は、前記第二雌ねじ部と前記第三雌ねじ部との境界領域に、干渉緩和部を有することを特徴とする請求項45乃至50の何れかに記載の油井管。
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