JP2022002361A - 信号処理装置、信号処理プログラム及び信号処理方法 - Google Patents

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【課題】 周波数が時間変化に応じて連続的に変化する調波複合音を抑圧する信号処理装置、信号処理プログラム及び信号処理方法を提供する。【解決手段】 本発明は、信号処理装置に関する。そして、本発明の信号処理装置は、入力信号に分数遅延フィルタを用いた遅延処理を行って遅延信号を取得する遅延信号取得手段と、入力信号と遅延信号との差分に基づいて出力信号を取得する出力信号取得手段と、遅延信号取得手段の分数遅延フィルタに適用する遅延信号の遅延長を決定するものであって、出力信号取得手段で入力信号から抑圧される音の周波数である除去周波数と抑圧対象となる目的音の周波数との差がより小さくなる遅延長を決定する遅延長決定手段とを有することを特徴とする。【選択図】 図1

Description

この発明は、信号処理装置、信号処理プログラム及び信号処理方法に関し、例えば、収音した音から所定の成分(例えば、雑音の成分等)を抑圧する装置に適用し得る。
音には純音と複合音があり、純音は1つの周波数で構成されている音で、複合音は複数の純音が重なった音である。複合音の中でも、特に、整数倍の周波数成分を持つ純音が重なった音を調波複合音と呼ぶ。
このような調波複合音の一例として、音声の母音やハウリング、サイレン音などがある。サイレン音は基本周波数成分のみの純音として発振されるが、発振装置等の非線形性の影響により、基本周波数成分の整数倍の高調波成分を生じる。
このような調波複合音が問題となる一例として、受話器での音声通話が挙げられる。音声通話(電話通話)では、音声のみだけでなく周囲の音も収音するので、サイレン音といった雑音や、ハウリング現象のように受音信号などが混在する場合に通話の妨げとなる。そのため、このような調波複合音を抑圧するためには、基本周波数成分を抑圧するだけでなく高調波成分も抑圧する必要がある。
特許文献1には、一つの狭い周波数帯域を除去するノッチフィルタのフィルタ係数を適応的に更新することで、ハウリングを抑圧する技術(いわゆる「適応型ノッチフィルタ」)について記載されている。また、複数の周波数帯域を除去するには、ノッチフィルタを多段にすることで対応できる。
また、調波複合音を抑圧/抽出できる従来技術としてコムフィルタが存在する。このコムフィルタは、入力信号から、ある遅延長だけ時間遅延させた入力信号を差し引くことで抑圧信号を出力するため、設定した周波数帯域とその整数倍の周波数帯域を抑圧もしくは抽出できる。コムフィルタを用いて特定の成分を抑圧/抽出する従来技術としては、非特許文献1の記載技術が存在する。非特許文献1の記載技術では、自動採譜において、コムフィルタを用いて複数楽器による混合音和音から調波複合音を抽出することによって、入力音階ならびに演奏楽器の同定を行う音源分離を行うことを実現している。
特開2013−183357号公報
三輪多恵子、田所嘉昭、斎藤努著、"くし形フィルタを用いた採譜のための音源分離"、電子情報通信学会技術研究報告.DSP、ディジタル信号処理97(167)、61−66、1997−07−18、一般社団法人電子情報通信学会
しかしながら、従来のノッチフィルタを用いた抑圧処理では、基本周波数を抑圧することはできるが、その高調波成分を抑圧できないという課題が存在する。また、従来の多段ノッチフィルタでは、複数の周波数帯域に対応できるが、段数の設計が容易でないという課題が存在する。
一方、従来のコムフィルタでは、調波複合音を抑圧することはできるが、遅延長として設定可能な値が整数であるため、任意の除去周波数に応じた遅延長を設定できない。つまり、従来のコムフィルタでは、抑圧する周波数を離散的にしか設定できないため、周波数が時間変化に応じて連続的に変化するような調波複合音を抑圧できないという課題が存在する。
以上の問題を鑑みて、周波数が時間変化に応じて連続的に変化する調波複合音を抑圧できる信号処理装置、信号処理プログラム及び信号処理方法が望まれている。
第1の本発明は、(1)入力信号に分数遅延フィルタを用いた遅延処理を行って遅延信号を取得する遅延信号取得手段と、(2)前記入力信号と前記遅延信号との差分に基づいて出力信号を取得する出力信号取得手段と、(3)前記遅延信号取得手段の前記分数遅延フィルタに適用する前記遅延信号の遅延長を決定するものであって、前記出力信号取得手段で前記入力信号から抑圧される音の周波数である除去周波数と抑圧対象となる目的音の周波数との差がより小さくなる前記遅延長を決定する遅延長決定手段とを有することを特徴とする。
第2の本発明の信号処理プログラムは、コンピュータを、(1)入力信号に分数遅延フィルタを用いた遅延処理を行って遅延信号を取得する遅延信号取得手段と、(2)前記入力信号と前記遅延信号との差分に基づいて出力信号を取得する出力信号取得手段と、(3)前記遅延信号取得手段の前記分数遅延フィルタに適用する前記遅延信号の遅延長を決定するものであって、前記出力信号取得手段で前記入力信号から抑圧される音の周波数である除去周波数と抑圧対象となる目的音の周波数との差がより小さくなる前記遅延長を決定する遅延長決定手段として機能させることを特徴とする。
第3の本発明は、信号処理装置が行う信号処理方法において、(1)前記信号処理装置は、遅延信号取得手段、出力信号取得手段、及び遅延長決定手段を有し、(2)前記遅延信号取得手段は、入力信号に分数遅延フィルタを用いた遅延処理を行って遅延信号を取得し、(3)前記出力信号取得手段は、前記入力信号と前記遅延信号との差分に基づいて出力信号を取得し、(4)前記遅延長決定手段は、前記遅延信号取得手段の前記分数遅延フィルタに適用する前記遅延信号の遅延長を決定するものであって、前記出力信号取得手段で前記入力信号から抑圧される音の周波数である除去周波数と抑圧対象となる目的音の周波数との差がより小さくなる前記遅延長を決定することを特徴とする。
本発明によれば、周波数が時間変化に応じて連続的に変化する調波複合音を抑圧する信号処理装置、信号処理プログラム及び信号処理方法を提供することができる。
実施形態に係る信号処理装置の機能的構成を示すブロック図である。 実施形態に係る信号処理装置のハードウェア構成の例について示したブロック図である。 実施形態に係る信号処理装置のシミュレーション結果について示した図である。
(A)主たる実施形態
以下、本発明による信号処理装置、信号処理プログラム及び信号処理方法の一実施形態を、図面を参照しながら詳述する。
(A−1)実施形態の構成
図1は、実施形態に係る信号処理装置100の機能的構成を示すブロック図である。
信号処理装置100は、入力信号(音響信号)から所定の目的音の成分を抑圧する処理(以下、「抑圧処理」と呼ぶ)を含む信号処理を施した信号を生成し、出力信号として出力する装置である。また、この実施形態では、信号処理装置100自体には、マイクロホンは備えないものとして説明するが、入力信号は図示しないマイクロホンで収音された音響信号であるものとして説明する。
ここでは、信号処理装置100に供給される入力信号は、デジタル形式の音響信号(以下、単に「デジタル信号」とも呼ぶ)であるものとする。また、ここでは、信号処理装置100から出力される出力信号もデジタル信号であるものとする。以下では、入力信号をx(n)、出力信号をy(n)(nは時間(時系列)順のサンプル番号)とそれぞれ表すものとする。
なお、入力信号及び出力信号の形式は限定されないものであり、アナログ形式の音響信号としてもよい。その場合、信号処理装置100は、アナログ形式の入力信号をデジタル形式に変換する変換手段(A/D変換手段)や、抑圧処理等施したデジタル形式の信号をアナログ形式に変換する手段(D/A変換手段)を別途備えるようにしてもよい。
また、信号処理装置100に供給される入力信号のデータ形式(ソースの形式)は限定されないものである。例えば、信号処理装置100に供給される入力信号は、リアルタイムに図示しないマイクロホンで収音された音響信号(音声ストリームのデータ)であってもよいし、任意の形式の音響信号のデータファイルであってもよい。
次に、信号処理装置100の内部構成について説明する。
図1に示す通り、信号処理装置100は、出力信号算出部110、遅延信号算出部120、及び遅延長決定部130を有している。また、遅延信号算出部120は、遅延器121を有している。
信号処理装置100は、全てハードウェア(例えば、専用チップ等)により構成するようにしてもよいし一部又は全部についてソフトウェア(プログラム)として構成するようにしてもよい。信号処理装置100は、例えば、プロセッサ及びメモリを有するコンピュータにプログラム(実施形態の信号処理プログラムを含む)をインストールすることにより構成するようにしてもよい。
次に、図2を用いて、信号処理装置100のハードウェア構成の一例について説明する。
図2は、信号処理装置100のハードウェア構成の例について示したブロック図である。
図2では、信号処理装置100を、ソフトウェア(コンピュータ)を用いて構成する際のハードウェア構成の例について示している。
図2に示す信号処理装置100は、ハードウェア的な構成要素として、プログラム(実施形態の信号処理プログラムを含む)がインストールされたコンピュータ200を有している。なお、コンピュータ200に、アナログ信号とデジタル信号を相互に変換する手段(A/D変換手段及びD/A変換手段)を別途搭載するようにしてもよい。また、コンピュータ200は、信号処理プログラム専用のコンピュータとしてもよいし、他の機能のプログラムと共用される構成としてもよい。
図2に示すコンピュータ200は、プロセッサ201、一次記憶部202、及び二次記憶部203を有している。一次記憶部202は、プロセッサ201の作業用メモリ(ワークメモリ)として機能する記憶手段であり、例えば、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等の高速動作するメモリを適用することができる。二次記憶部203は、OS(Operating System)やプログラムデータ(実施形態に係る信号処理プログラムのデータを含む)等の種々のデータを記録する記憶手段であり、例えば、FLASHメモリやHDD等の不揮発性メモリを適用することができる。この実施形態のコンピュータ200では、プロセッサ201が起動する際、二次記憶部203に記録されたOSやプログラム(実施形態に係る信号処理プログラムを含む)を読み込み、一次記憶部202上に展開して実行する。
なお、コンピュータ200の具体的な構成は図2の構成に限定されないものであり、種々の構成を適用することができる。例えば、一次記憶部202が不揮発メモリ(例えば、FLASHメモリ等)であれば、二次記憶部203については除外した構成としてもよい。
(A−2)実施形態の動作
次に、以上のような構成を有するこの実施形態の信号処理装置100の動作(実施形態に係る信号処理方法)を説明する。
信号処理装置100では、遅延信号算出部120が入力信号を遅延(遅延器121を用いて遅延)させた遅延信号(以下、「u(n)」と表す)を蓄積し、出力信号算出部110が入力信号と遅延信号から出力信号を算出して出力し、遅延長決定部130が出力信号に基づき遅延器121による遅延処理に設定する遅延長を決定する。
次に、遅延信号算出部120における処理の詳細について説明する。
遅延信号算出部120が備える遅延器121は、入力信号に分数遅延フィルタをかけて遅延信号を取得する。言い換えると、遅延器121は分数遅延フィルタとして機能する。なお、この実施形態の例では、分数遅延を表現するために、sinc関数を用いてフィルタ係数を決定(設計)するものとして説明する。
また、遅延器121は、現時点から過去L個分の入力信号x(n)(直近のL個分の入力信号x(n)のサンプル)を蓄積する。例えば、Lは、遅延信号算出部120(遅延器121)に設定されている目的音の最低周波数から算出された最低限必要な遅延長とするようにしてもよい。例えば、仮にサンプリング周波数を16000Hzとし、目的音成分(調波複合音)の基本周波数が200Hz〜800Hzで連続して変化する場合、必要な遅延長は20(=16000/800)〜80(=16000/200)なる。この場合、遅延信号算出部120において、最低周波数でも抑圧可能とするために、Lとして80を設定するようにしてもよい。
次に、遅延信号算出部120は、遅延器121に適用する分数遅延フィルタのフィルタ係数を決定する。分数遅延フィルタは、入力信号を遅延長d(実数遅延長)だけ遅延させるフィルタである。例えば、遅延器121に適用する分数遅延フィルタのフィルタ係数h(i;d)は以下の(1)式のようにsinc関数を用いて算出するようにしてもよい。
Figure 2022002361
遅延信号算出部120は、遅延器121で蓄積された入力信号と、フィルタ係数との畳み込み演算から遅延信号(以下では、「u(n)」と表す)を算出する。この場合、遅延信号算出部120では、時間nにおける遅延信号u(n)を、以下の(2)式に従って求めるようにしてもよい。
Figure 2022002361
次に、出力信号算出部110における処理の詳細について説明する。
出力信号算出部110では、入力信号x(n)から、遅延信号u(n)を差し引いた出力信号y(n)を算出する。具体的には、出力信号算出部110は、以下の(3)式のように、入力信号x(n)から、遅延信号u(n)を差し引いた出力信号y(n)を算出するようにしてもよい。この実施形態では、出力信号算出部110で抑圧される音(入力信号から除去される音)の周波数を「除去周波数」と呼ぶものとする。
Figure 2022002361
次に、遅延長決定部130における処理の詳細について説明する。
遅延長決定部130は、目的音の周波数と除去周波数との誤差が小さくなるような遅延長dを決定(更新)して、遅延信号算出部120(遅延器121)に設定する。例えば、遅延長決定部130は、出力信号y(n)のパワーが最小となるような除去周波数に対応する遅延長dを決定するようにしてもよい。入力信号x(n)に目的音としての調波複合音が含まれているとすれば、出力信号y(n)のパワーが最小となるような除去周波数に対応する遅延長dを決定することで、当該目的音(調波複合音)の周波数と除去周波数の誤差も少なくなる傾向とすることができる。
遅延長決定部130が、出力信号y(n)のパワーが最小となるような除去周波数に対応する遅延長を決定する具体的な手段(算出方法)は限定されないものである。この実施形態の例において、遅延長決定部130は、出力信号算出部110が算出した出力信号y(n)に基づいて勾配法を用いることで、除去周波数と目的音の周波数との誤差がより小さくなるように設定するものとする。これにより、遅延長決定部130では、上記のような除去周波数に応じた遅延長を設定できる。例えば、遅延長決定部130は、出力信号y(n)の二乗誤差が最小となるようにするために、現時点での遅延長dからこの微分結果を差し引くことで、次時点での遅延長dn+1を(4)式のように更新するようにしてもよい。
(5)式は、(4)式に(1)式〜(3)式を代入した結果を示している。ここで、μは、更新する速度を調整するために微分値に乗算するステップ幅である。μに設定する値は限定されないものである。例えば、実験(シミュレーション)や設計等により予め好適なμの値を求めておき、遅延長決定部130に設定するようにしてもよい。
Figure 2022002361
(A−3)実施形態の効果
この実施形態によれば、以下のような効果を奏することができる。
遅延信号算出部120では、遅延器121(分数遅延フィルタ)に任意の除去周波数に対応した遅延長を設定できるという性質を利用して、目的音の周波数に応じた遅延信号を出力することができる。従来技術のように、整数遅延フィルタ(遅延長に整数の値のみを設定可能なフィルタを用いた遅延処理)を用いた抑圧処理では、任意の除去周波数に対応した実数値の遅延長を表現することができないため、目的音の周波数が時間変化に応じて連続的に変化する場合には断続的にしか抑圧することができない。しかし、この実施形態の信号処理装置100では、分数遅延フィルタを用いることで、任意の除去周波数に対応した遅延長を設定できるため、目的音の周波数に応じて抑圧(目的音の周波数に応じた除去周波数で抑圧)できる。
また、遅延長決定部130では、時間変化(目的音の周波数の時間的変化)に応じて除去周波数の遅延長を適応的に決定可能であるため、遅延器121に対して目的音の周波数に応じた遅延長を決定できる。
さらに、この実施形態の遅延長決定部130では、出力信号を基にした勾配法を用いることによって、時間変化に応じて除去周波数の遅延長を適応的に決定できるため、正確に目的音の周波数に応じた除去周波数に対応した遅延長を決定できる。
以上から、この実施形態の信号処理装置100では、周波数が連続的に変化する調波複合音を抑圧できるような、信号処理方法を提供できる。
次に、この実施形態の信号処理装置100を用いて、調波複合音の成分を含む入力信号のサンプルから当該長は復号音の成分を抑圧する処理のシミュレーション(以下、「本シミュレーション」と呼ぶ)の結果について説明する。
図3は、本シミュレーションにおける入力信号と出力信号(シミュレーション結果)について示した図である。
図3(a)は、本シミュレーションにおいて用いられる入力信号のサンプルのスペクトログラムを示した図であり、図3(b)は図3(a)に示す入力信号をこの実施形態の信号処理装置100を用いて処理した出力信号のスペクトログラム(本シミュレーションの結果)を示した図である。
本シミュレーションで用いた入力信号には、調波複合音として消防車のサイレン音の成分が含まれるものとして説明する。
図3の各図では、横軸が時間を示しており、縦軸が周波数を示している。そして、図3の各図では、各領域(時間と周波数の組合せ)に対応するスペクトルの大きさ(パワー)を点描の疎密のパターン(画像)で図示している。つまり、図3の各図では、点描が密な領域ほどスペクトルの大きさ(パワー)が大きいことを示しており、点描が疎な領域ほどスペクトルの大きさ(パワー)が小さいことを示している。
図3(a)の入力信号では、ストライプ状(縞模様状)のパターンで調波複合音の成分が含まれていることが示されており、図3(b)の出力信号では全体的に当該ストライプ状のパターンが薄まっており調波複合音の成分が抑圧されていることが分かる。
以上のように、図3のシミュレーション結果からこの実施形態の信号処理装置100では、周波数が連続的に変化する調波複合音を抑圧することができることが証明された。
(B)他の実施形態
本発明は、上記の各実施形態に限定されるものではなく、以下に例示するような変形実施形態も挙げることができる。
(B−1)上記の実施形態では、本発明の信号処理装置を単独の装置として実現する例について説明したが、本発明の信号処理装置のハードウェア構成や処理対象の信号については限定されないものである。例えば、本発明の信号処理装置を、電話装置(例えば、スマートホンやタブレット等の電話通信ソフトを搭載可能な情報処理端末や、専用の電話装置等)や、電話通信の信号(音響信号)を中継する中継装置(例えば、電話通信の信号/パケットを中継するゲートウェイ等)に搭載するようにしてもよい。
100…信号処理装置、110…出力信号算出部、111…遅延器、120…遅延信号算出部、130…遅延長決定部。

Claims (5)

  1. 入力信号に分数遅延フィルタを用いた遅延処理を行って遅延信号を取得する遅延信号取得手段と、
    前記入力信号と前記遅延信号との差分に基づいて出力信号を取得する出力信号取得手段と、
    前記遅延信号取得手段の前記分数遅延フィルタに適用する前記遅延信号の遅延長を決定するものであって、前記出力信号取得手段で前記入力信号から抑圧される音の周波数である除去周波数と抑圧対象となる目的音の周波数との差がより小さくなる前記遅延長を決定する遅延長決定手段と
    を有することを特徴とする信号処理装置。
  2. 前記遅延長決定手段は、前記出力信号のパワーが最小となるような除去周波数に対応する前記遅延長を決定することを特徴とする請求項1に記載の信号処理装置。
  3. 前記遅延長決定手段は、前記出力信号に基づいて勾配法により前記出力信号のパワーが最小となるような除去周波数に対応する前記遅延長を決定することを特徴とする請求項2に記載の信号処理装置。
  4. コンピュータを、
    入力信号に分数遅延フィルタを用いた遅延処理を行って遅延信号を取得する遅延信号取得手段と、
    前記入力信号と前記遅延信号との差分に基づいて出力信号を取得する出力信号取得手段と、
    前記遅延信号取得手段の前記分数遅延フィルタに適用する前記遅延信号の遅延長を決定するものであって、前記出力信号取得手段で前記入力信号から抑圧される音の周波数である除去周波数と抑圧対象となる目的音の周波数との差がより小さくなる前記遅延長を決定する遅延長決定手段と
    して機能させることを特徴とする信号処理プログラム。
  5. 信号処理装置が行う信号処理方法において、
    前記信号処理装置は、遅延信号取得手段、出力信号取得手段、及び遅延長決定手段を有し、
    前記遅延信号取得手段は、入力信号に分数遅延フィルタを用いた遅延処理を行って遅延信号を取得し、
    前記出力信号取得手段は、前記入力信号と前記遅延信号との差分に基づいて出力信号を取得し、
    前記遅延長決定手段は、前記遅延信号取得手段の前記分数遅延フィルタに適用する前記遅延信号の遅延長を決定するものであって、前記出力信号取得手段で前記入力信号から抑圧される音の周波数である除去周波数と抑圧対象となる目的音の周波数との差がより小さくなる前記遅延長を決定する
    ことを特徴とする信号処理方法。
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