JP2021535084A - 歯科用組成物 - Google Patents

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Abstract

10〜50重量%のメタクリレート系第1のマトリックス成分、重合系、および第2のマトリックス成分として1〜50重量%の一般式(I)を有する化合物を含む歯科用組成物。【化1】【選択図】図1

Description

本発明は、10〜50重量%のメタクリレート系第1のマトリックス成分および重合系を含む歯科用組成物に関する。
発明の背景および目的
歯科用組成物は、歯の充填材料として(すなわち、修復材料として)、歯科用セメント、ライナーまたは歯科用接着剤として使用される。それらは、使用目的にもよるが、充填材料および/または強化繊維を含んでいてもよい。典型的な歯科用組成物は、少なくとも1つのマトリックスモノマーを含み、その場で、すなわち患者の歯の所定の位置で重合される。重合は、硬化とも呼ばれ、化学開始剤、光、超音波などによって引き起こされてもよい。多くの歯科用組成物は、さまざまなメタクリレート系であり、それらは周知であり、容認されている。
歯科用組成物は、典型的には、天然歯、すなわち象牙質およびエナメル質に囲まれている。修復材料の機械的特性がエナメル質および象牙質の機械的特性と類似またはそれらよりも優れていることが好ましいであろう。
現在の歯科用組成物に関する1つの既知の問題は、組成物が硬化する、すなわち重合する場合に生じる収縮である。収縮は目に見えない場合があり、典型的に2〜5体積%になり得る。収縮は、充填材料と歯の界面において応力を引き起こす。収縮応力は、歯科用充填材などの歯科用材料に問題を引き起こす。重合収縮が発生すると、充填材料が(部分的に)歯から剥がれる可能性がある。したがって、結合が劣化し、わずかな漏れが形成され、したがって充填材料が緩み、知覚過敏を引き起こし、材料と歯との間に細菌が集まる可能性があり、これはさらなる問題をもたらすであろう。
以上より、本発明の目的は、従来技術の問題を少なくとも部分的に克服する歯科用組成物を提供することである。確実に、硬化時の収縮応力が低く、同時に良好な機械的特性を維持する歯科材料を提供することである。
実施例4によって調製されたサンプルの収縮応力曲線を示す。 実施例5によって調製されたサンプルの収縮応力曲線を示す。 実施例6によって調製されたサンプルの収縮応力曲線を示す。
本発明は、10〜50重量%のメタクリレート系第1のマトリックス成分、重合系、および第2のマトリックス成分として1〜50重量%の一般式(I)を有する化合物を含む歯科用組成物に関する。
Figure 2021535084

(I)式中、n=1、R=NHの場合、R’は(Ia)または(Ib)であり、
Figure 2021535084
(Ia)式中、kは2または3であり、
Figure 2021535084

(Ib)


および、n=2、R=Oの場合、R’は(Ic)または(Id)であり、
Figure 2021535084
(Ic)
Figure 2021535084

(Id)式中、x=1〜12であり、


n=2、R=NHまたはOの場合、R’は(Ie)であり、
Figure 2021535084

(Ie)、式中、m=0〜16、

および、n=2、R=Oの場合、R’は(If)。
Figure 2021535084
(If)

したがって、本歯科用組成物は、第2のマトリックス成分を含み、それは一般式(I)を有する。この第2のマトリックス成分は、以下の実施例の箇所に示すように、組成物の機械的特性に悪影響を与えることなく、重合収縮応力を減少させることが分かった。したがって、本組成物は、歯科用組成物の重合収縮応力の問題を少なくとも部分的に解決する。
マトリックス材料は、好ましくは、その適用前には歯科用組成物中で未硬化の形態であり、組成物がその最終位置(修復される歯腔内など)に配置されると硬化する。硬化は、光、熱、または開始剤/活性剤と光の組み合わせ、またはUVまたは超音波活性化などの他の波エネルギーによって引き起こされてもよい。硬化とは、重合または架橋または同様のものを意味する。この明細書におけるパーセンテージは、特に明記しない限り、成分(未硬化の形態)の総量の重量パーセンテージ(重量%/wt%)である。マトリックス材料は未硬化の形態であるため、組成物はプリプレグと呼ばれてもよい。すなわち、プリプレグは未硬化の複合材料であり、つまり、それは、完成した複合材料のすべての成分を含むが、マトリックス材料は、まだモノマーの形態であるか、または架橋可能なマトリックス材料を使用する場合、それは非架橋の形態である。
本明細書では、「マトリックス成分」、「マトリックス」、および「モノマー」という用語は、交換可能に使用され、同じ意味、すなわち、歯科用組成物、および完成した(硬化した)生成物の第1または第2のマトリックス成分を有する。「マトリックス成分」とは、組成物内に均一に分布している成分を意味する。
第2のマトリックス材料は、次の化合物から選択される。
Figure 2021535084

(Ia)、式中、kは2または3であり、
Figure 2021535084

(Ib)
Figure 2021535084


(Ic)
Figure 2021535084

(Id)
Figure 2021535084

(Ie)式中、m=0〜16であり
Figure 2021535084

(Ie)式中、m=0〜16であり、
Figure 2021535084
(If)
これらの化合物についての合成経路のいくつかの例を以下に示す。
化合物(Ia)の合成:
Figure 2021535084
化合物(Ib)の合成:
Figure 2021535084
化合物(Ic)の合成:
Figure 2021535084
化合物(Id)の合成:
Figure 2021535084
化合物(Ie)の合成:
Figure 2021535084
化合物(If)の合成:
Figure 2021535084
第1のマトリックス成分の量は、例えば、30〜50重量%であってもよい。実際、第1のマトリックス成分の量は、10、15、20、25、30、35、40または45重量%から、15、20、25、30、35、40、45または50重量%以下であってもよい。
第2のマトリックス成分の量は、3〜35重量%であってもよい。実際、第2のマトリックス成分の量は、1、2、3、5、7、10、15、20、25、30、35、40または45重量%から、2、3、5、7、10、15、20、25、30、35、40、45または50重量%以下であってもよい。
歯科用組成物は、第1のマトリックス成分とは異なる10〜45重量%のメタクリレート系の第3のマトリックス成分をさらに含んでいてもよい。言い換えれば、組成物は、2つ以上の異なるメタクリレート系マトリックス成分を含んでいてもよい。
典型的には、第2のマトリックス成分の量は、第1のマトリックス成分の量以下である。3つのマトリックス成分を使用する場合、第2のマトリックス成分の量は、典型的には、第1および第3のマトリックス成分の合計量以下である。
歯科用組成物のメタクリレート系マトリックス成分は、医療用途に適したそのような任意のモノマーまたはポリマーであってもよい。例えば、メタクリレート系成分は、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、イソボルニルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、モルホリノエチルメタクリレート、アクリル酸、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート(TEGDMA)、ジウレタンジメタクリレート、10−メタクリロイルオキシデシル二水素ホスフェート、2,2−ビス(4−(2−ヒドロキシ−3−メタクリロキシ)フェニル)プロパン(BisGMA)、メタクリレート官能化デンドリマー、他のメタクリレート化超分岐オリゴマーからなる群から選択されるモノマーからなっていてもよい。
1つの有利な第1のマトリックス成分は、トリエチレングリコールジメタクリレート(TEGDMA)であり、有利な第3のマトリックス成分は、2,2−ビス(4−(2−ヒドロキシ−3−メタクリロキシ)フェニル)プロパン(BisGMA)である。
マトリックス材料は、架橋性モノマー、またはε−カプロラクトン、ポリカプロラクトン、ポリラクチド、ポリヒドロキシプロリンから誘導される架橋性ポリマーなどのポリマー、および他の生体高分子、その他にポリアミド、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリプロピレンおよび他のポリオレフィンをさらに含んでいてもよい。マトリックス材料は、当然、モノマーとポリマーとの混合物からなっていてもよい。
歯科用組成物中のマトリックス材料の量は、複合材料の総重量の40〜99.5重量%であり得る。一実施形態によれば、組成物中のマトリックス材料の量は、組成物の総重量の50〜90重量%であり得る。マトリックス材料の量は、例えば、組成物の40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、または90重量%から45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、または99.5重量%以下であり得る。未硬化のマトリックス材料は、例えば、溶媒を含むモノマー混合物、または溶媒を含まないモノマーの混合物であり得る。未硬化の形態のマトリックス材料が溶媒(例えば、エタノール、アセトン、水)を含む場合、溶媒は、典型的には、例えば、通気または蒸発を使用して、硬化する前に複合材料から除去される。
重合系は、医療用途に適した公知の任意の開始剤および/または活性剤であってもよい。例えば、それは、開始剤のカンファーキノン(CQ)および活性化剤の2−(ジメチルアミノ)エチルメタクリレート(DMAEMA)であってもよい。それは、典型的には、組成物の総重量の0.5〜2重量%の量で使用される。
歯科用組成物は、充填材料をさらに含んでいてもよい。典型的には粒子状充填材料の形態である充填材料は、典型的には、完成した複合材料にその所望の耐摩耗性、色および放射線不透過性を与えるように選択される。それは、また、典型的には、充填剤を含まない複合材料と比較して複合材料の収縮に影響を与え、耐摩耗性を高める。充填材料は、好ましくは無機充填材料である。
充填材料は、グラスアイオノマー充填剤、着色顔料、不活性セラミック、ヒドロキシアパタイト、Al、ZrO、銀(Ag)、ゼロゲル、YbF3、リン酸カルシウム、炭酸カルシウム、生物活性ガラス、放射線不透過性材料、予備硬化ポリマー粒子、およびそれらの混合物からなる群から選択されてもよい。
別の実施形態によれば、特定の充填材料は、シリコン(Si)、カルシウム(Ca)、リン(P)、バリウム(Ba)、マグネシウム(Mg)、カリウム(K)、ナトリウム(Na)、チタン(Ti)、ビスマス(Bi)、ストロンチウム(Sr)、または亜鉛(Zn)などの元素、または前記元素の酸化物または他の化合物、またはフッ素(F)を含む不活性または生物活性または部分反応性グラスアイオノマー充填剤からなる群から選択される。
組成物は、また、機能性生物活性または治療的に活性な分子、抗原、抗生物質、成長因子、骨形成タンパク質(BMP)、インターフェロン、ドーパミン、コルチコステロイド、ビスホスホネート、細胞増殖抑制剤、同化ホルモン、ビタミン、抗炎症剤、抗菌剤、消毒剤、マレイン酸、ポリアクリル酸などの有機酸等、およびそれらの組み合わせおよび混合物を含む充填剤粒子をさらに含んでいてもよい。
粒子とは、例えば、球体や非常に短い繊維(ここで、繊維の長さがその直径の最大2倍)、同様のウイスカー、すなわち長さが50μm未満であるものなどを意味する。充填材料中の粒子の直径(これは不規則な粒子の場合の最大直径である)は、例えば、10nm〜50μmまでのさまざまであってもよい。直径は、例えば、10nm、50nm、100nm、500nm、1μm、5μm、10μm、25μm、または40μmから50nm、100nm、500nm、1μm、5μm、10μm、25μm、40μm、または50μm以下であり得る。いくつかの好ましい範囲は100nm〜40μmである
特定の充填材料は、また、部分または完全グラスアイオノマー粉末を含んでいてもよい。グラスアイオノマー粉末の1つの種類は、酸可溶性カルシウムフルオロアルミノシリケートガラス粒子であり、反応性溶媒と反応してグラスアイオノマーを形成する。反応性溶媒は、典型的には、ポリ(アクリル酸)(濃度:40〜50%)、またはアクリル酸とイタコン酸、マレイン酸、またはトリカルボン酸との共重合体である。グラスアイオノマー粉末は、5から50μmの範囲の粒子を含んでいてもよい。グラスアイオノマー粉末についての原材料の典型的なパーセンテージは次のとおりである:

シリカ:41.9重量%
アルミナ:28.6重量%
フッ化アルミニウム:1.6重量%
フッ化カルシウム:15.7重量%
フッ化ナトリウム:9.3重量%
リン酸アルミニウム:3.8重量%
歯科用組成物は、繊維強化材料をさらに含んでいてもよい。実際、繊維強化は、典型的には、良好な機械的特性を有する複合材料をもたらす。一実施形態によれば、繊維強化材料は、不活性ガラス繊維、生物活性ガラス繊維、ゾルゲル処理シリカ繊維、酸化アルミニウム系繊維、ジルコニア繊維、アパタイト繊維、石英繊維、およびそれらの混合物、またはアラミド、ポリエチレン、ポリプロピレン、マイクロ/ナノフィブリル化セルロース、キチンまたはポリフェノールからなるポリマー系繊維からなる群から選択される。好ましくは、繊維は不活性ガラス繊維である。
使用する繊維の直径は、4μmから12μm以下で変わりうる。したがって、直径は、例えば、4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、9.5、10、10.5、11または11.5μmから4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、9.5、10、10.5、11、11.5または12μm以下であり得る。
繊維の平均長さは、繊維の直径に応じて、50、75、100、200、300、400、500、520、550、600、650、700、800、900、1000、1050または1200μmから75、100、200、300、400、550、600、750、800、900、1000、1100、1200または1300μm以下などの50μm〜1300μmであり得る。
特定の充填材料および繊維の総量は、組成物の総重量の10〜60重量%であってもよい。一実施形態によれば、特定の充填材料の量は、5〜50重量%であってもよく、繊維の量は、5〜50重量%であり得る。組成物の特定の充填材料および繊維の総量は、例えば、複合材料の10、15、20、25、30、35、40、45、50または55重量%から15、20、25、30、35、40、45、50、55または60重量%以下であり得る。
本歯科用組成物は、特に歯科用接着剤として使用される場合、溶媒を含んでいてもよい。このような溶媒は、当然、医療用途に適しており、揮発しやすい必要がある。
本明細書は、本組成物の、歯科用修復材料、歯科用接着剤、歯科用セメント、ポストおよびコア材料、エンドクラウン材料として、または固定部分義歯におけるポンティックとしての使用にも関する。本明細書は、さらに、医療用途における組成物の使用に関する。上記のさまざまな実施形態および変形例は、一般的な歯科または医療用途のいずれにおいても、組成物の使用に準用する。
リン酸塩を含む式(I)の化合物(すなわち、式(Ia)、(Ib)、および(If)の化合物)は、接着剤での使用に特に適している。それらが歯科用接着剤に使用される場合、充填剤は典型的には使用されない。
歯科用充填材料として、または複合材料においての使用のためには、式(I)の非リン酸塩含有化合物、すなわち、式(Ic)、(Id)および(Ie)の化合物が好ましい。
例えば、充填剤および/または繊維を含む複合材料の一部としての組成物は、骨セメントとしての整形外科、頭蓋骨手術、または整形外科用途などの他の医療用途にも使用することができる。
本実施例では、次の略語が使用される。
DBTDL:ジブチルスズジラウレート、Sigma−Aldrich Co.(St Louis、MO、USA)
FTIR:フーリエ変換赤外
BisGMA:2,2−ビス(4−(2−ヒドロキシ−3−メタクリロキシ)フェニル)プロパン、Esstech Inc.(Essington、PA、USA)
TEGDMA:トリエチレングリコールジメタクリレート、Sigma−Aldrich Co.(St Louis、MO、USA)
CQ:カンファーキノン、Sigma−Aldrich Co.(St Louis、MO、USA)
DMAEMA:2−(ジメチルアミノ)エチルメタクリレート、Sigma−Aldrich Co.(St Louis、MO、USA)
シラン処理BaAlSiO充填剤粒子、直径0.7mm、Schott製、Landshut、Germany
(実施例1)
化合物(Ic)の合成
3−イソプロペニル−α、α−ジメチルベンジルイソシアナート(20.13g、0.1mol)、N−メチルジエタノールアミン(5.96g、0.05mol)、50mLの超乾燥テトラヒドロフラン、および2滴のDBTDLの混合物を40℃で撹拌した。反応媒体から採取したサンプルのFTIRスペクトルにおいて、−NCO基(2270cm−1)の赤外吸収ピークが消えるまで反応を続けた。真空蒸留によりテトラヒドロフランを除去した後、粗生成物をn−ヘキサンで洗浄してDBTDLを除去した。次に、無色の粘稠な液体を真空下、45℃で乾燥させて、95%の収率で化合物(Ic)を得た。
(実施例2)
化合物(Id)2の合成(ここで、x=2)
3−イソプロペニル−α,α−ジメチルベンジルイソシアナート(20.13g、0.1mol)、トリエチレングリコール(7.51g、0.05mol)、50mLの超乾燥テトラヒドロフラン、および2滴のDBTDLの混合物を45℃で撹拌した。反応媒体から採取したサンプルのFTIRスペクトルにおいて、−NCO基(2270cm−1)の赤外吸収ピークが消失するまで反応を続けた。真空蒸留によりテトラヒドロフランを除去した後、粗生成物をn−ヘキサンで洗浄してDBTDLを除去した。次に、無色の粘稠な液体を真空下、45℃で乾燥させて、化合物(Id)(ここで、x=2)を93%の収率で得た。
(実施例3)
化合物(Id)5の合成(ここで、x=5)
3−イソプロペニル−α,α−ジメチルベンジルイソシアナート(20.13g、0.1mol)、ヘキサエチレングリコール(14.11g、0.05mol)、50mLの超乾燥テトラヒドロフラン、および2滴のDBTDLの混合物を50℃で撹拌した。反応媒体から採取したサンプルのFTIRスペクトルにおいて、−NCO基(2270cm−1)の赤外吸収ピークが消えるまで反応を続けた。真空蒸留によりテトラヒドロフランを除去した後、粗生成物をn−ヘキサンで洗浄してDBTDLを除去した。次に、無色の粘稠な液体を真空下、45℃で乾燥させて、化合物(Id)(ここで、x=5)を97%の収率で得た。
(実施例4)
実施例1で調製した化合物(Ic)を含む歯科用複合材料の4つの異なる樹脂マトリックスを、表1に示す処方で調製した。対照サンプルには化合物(Ic)は含まれていなかった。すべての化合物を秤量し、磁気撹拌下3時間混合した。その後、各樹脂マトリックスを、高速混合機(SpeedMixer、DAC150 FVZ−K;Hauschild、Hamm、Germany)で1900rpmのスピードでシラン処理BaAlSiO充填剤粒子(直径0.7mm、上記で説明)と混合した。
樹脂マトリックスと充填剤との質量比は2:5(wt/wt)であった。
Figure 2021535084
さまざまな複合材料を以下に説明するように試験した。
(二重結合転化率:Double bond conversion)
重合の光開始中および開始後の二重結合転化率(DC%)は、減衰全反射(ATR)付属品でフーリエ変換赤外分光法(FTIR)(Spectrum One、Perkin−Elmer、Beaconsfield Bucks、UK)によって観察した。複合材料は、厚さ1.5mm、直径4.5mmのモールド内で分析した。まず、未重合サンプルをモールドに入れてスペクトルを測定した。次に、サンプルに、上部スライドガラスを通して、可視光硬化ユニット(Elipar TMS10、3M ESPE、Germany)で平均放射照度1800mW/cm(Marc Resin Calibrator、BlueLight Analytics Inc.、Canada)を生成した状態で40秒間照射した。サンプルを、照射開始後40秒および5分間照射した後、走査してFTIRスペクトルを求めた。DCは、1636cm−1での脂肪族C=Cピークから計算し、下記式(数1)により1608cm−1でのフェニル環ピークに対して正規化した。
Figure 2021535084
ここで、AC=CおよびAphは、それぞれ1636cm−1でのメタクリレートC=Cおよび1608cm−1でのフェニル環の吸光度ピーク面積であり、(AC=C/Aphおよび(AC=C/Aphは、それぞれ、0およびt放射時間での官能基の正規化吸収率を表し;DCは、照射時間の関数としてのメタクリレートC=Cの転化率である。各複合材料について、5回の試行を行い、平均を計算した。
(曲げ強度および弾性率:Flexural strength and modulus)
3点曲げ試験片(2×2×25mm)を、各試験複合材料から作製した。棒形状の試験片を、透明マイラーシートの間に半分に分割されたステンレス鋼のモールド中で作製した。材料の重合は、手動光硬化ユニット(Elipar S10、3M ESPE、St.Paul、MN、USA)を使用して、金属モールドの両側から5つの別々の重なり合う部分で20秒間行った。光の波長は430〜480nmの間であり、光強度は1600mW/cmであった。各材料(n=8)の試験片を、試験前に37℃の乾燥雰囲気で1日間貯蔵した。3点曲げ試験を、ISO4049:2009によって行った(試験スパン:20mm、クロスヘッドスピード:1mm/分、圧子:直径2mm)。すべての試験片を材料試験機(型式LRX、Lloyd Instrument Ltd.、Fareham、England)に装填し、負荷−たわみ曲線をPC−コンピューターソフトウェア(Nexygen 4.0、Lloyd Instrument Ltd.、Fareham、England)で記録した。
曲げ強度(of)および曲げ弾性率(Ef)は、以下の式から計算した。(ISO 4049:2009)

of=3FL/(2bh
Ef=SL/(4bh

式中、Fは負荷−たわみ曲線の最高点における適用負荷(N)であり、Lはスパンの長さ(20mm)であり、bは試験片の幅であり、hは試験片の厚みである。Sは剛性(N/m)である。S=F/dおよびdは、トレースの直線部分における地点の負荷Fに対応するたわみである。
(破壊靭性:Flexural strength and modulus)
適合ISO 20795−2標準法(ASTM 2005)に準拠した単端ノッチ付きビーム試験片(2.5×5×25mm)を調製して破壊靭性を決定した。カスタムメイドのステンレススプリットモールドを使用し、力を掛けずに試験片を取り出すことを可能とした。正確に設計されたスロットを、モールドの中央に中央の高さまで延在するように製造し、これにより、ノッチの中央の位置および亀裂の長さ(x)の最適化を試験片の高さの半分にすることができた。修復材料は、マイラーストリップで覆われたスライドガラス上に配置されたモールドに徐々に挿入した。重合の前に、鋭く中央に位置する亀裂は、既製スロットにストレートエッジの鋼ブレードを挿入することによって生じた。複合材料の重合を、5つの別々の重なり合う部分で20秒間実行した。モールドの上側を、重合光にさらされる前に、ブレードの両側からマイラーストリップおよびスライドガラスで覆った。モールドから取り出す際、各試験片を反対側でも重合した。各群(n=8)の試験片を、試験前に37℃で24時間乾燥状態で貯蔵した。試験片を、万能材料試験機でクロスヘッドスピード1.0mm/minで3点曲げモードで試験した。
破壊靭性を、次の式を使用して計算した:

Kmax=[PL/BW3/2]f(x)

式中、f(x)=3/2×1/2[1.99−x(1−x)(2.15−3.93x+2.7×2)]/2(1+2x)(1−x)3/2および0<x<1、x=a/Wである。
ここで、Pは、キロニュートン単位の最大荷重(kN)、Lは、スパン長(20cm)、Bは、センチメートル単位の試験片の厚さ(cm)、Wは、cm単位の試験片の幅(深さ)、xは、a/Wによって決まる幾何学的関数、aは、cm単位の亀裂の長さである。
(体積収縮:Volumetric shrinkage)
化学てんびんの市販の密度測定キット(XS105、Mettler Toledo、Greifensee、Switzerland)を使用してアルキメデスの原理によって、試験片の密度(n=3)を測定して、体積収縮を測定した。試験片の質量を空気中および水中で秤量し、密度を次の式によって計算した。
Figure 2021535084
式中、Dはサンプルの密度、M1は空気中のサンプルの質量、M2は水中のサンプルの質量、Dwは測定温度での水の密度である。各複合材料について、それぞれ6回の試行を行って重合サンプルと未重合サンプルの密度を計算した。体積収縮率(VS)を%で表し、下次の式によって密度から計算した。
Figure 2021535084
式中、Duは未重合サンプルの密度、Dcは重合サンプルの密度である。
(収縮応力:Shrinkage stress)
直径4mm、長さ4cmのガラス繊維強化複合体(FRC)ロッドの平面の1つは、180グリットの炭化ケイ素サンドペーパーで研磨した。2本のFRCロッドを万能試験機(型式LRX、Lloyd Instrument Ltd.、Fareham、England)にしっかりと取り付け、試験する材料をFRCロッドの表面間に適用した。試験片の高さは2mmに設定した。2つのライトユニット(Elipar S10、3M ESPE、St.Paul、MN、USA)を、先端を両側から材料試験片に密着させて、同時に20秒間使用した。収縮力を室温(22℃)で5分間観察した。収縮応力は、収縮力をFRCロッドの断面積で割ることによって計算した。最大収縮応力値は、収縮応力/時間曲線の終端での平坦域から取得した。各実験材料について5つの試験片を試験した。
二重結合転化率(表2)、曲げ強度(表3)、曲げ弾性率(表4)、破壊靭性(表5)、体積収縮(表6)、および収縮応力(表6および図1)に関する表1による歯科用複合体の試験結果を以下に示す。表では、SDは標準偏差を表す。
Figure 2021535084
二重結合転化率は、40秒間および5分間照射した後に測定した。結果は、かなりの量の二重結合が40秒後にすでに転化されており(少なくとも60%)、転化率は5分間の照射で著しく増加しなかったことを示す。
Figure 2021535084
表3に、さまざまな組成物の曲げ強度(MPa)を示す。本開示によるいくつかの組成物についての結果は、対照サンプルについての結果よりも良好であったが、他の組成物について、結果は類似しているか、またはわずかに低かったことが分かる。
Figure 2021535084
表4は、さまざまな組成の曲げ弾性率(MPa)を示す。結果は、表3に示す曲げ強度の結果と一致していることが分かる。
Figure 2021535084
表5は、各サンプルの破壊靭性(MPa.m1/2)を示す。この場合もやはり、ほとんどすべてのサンプルは、対照サンプルと同等または良好な破壊靭性を有していた。
Figure 2021535084
表6に、複合材料の体積収縮率(%)を示す。本明細書によるすべての複合材料は、対照サンプルよりも体積収縮が小さかった。
Figure 2021535084
表7は、複合材料の収縮応力(MPa)を示し、これは、対照サンプルと比較した場合、本明細書によれば、各複合材料についても低くなっている。
収縮応力曲線を図1に示し、ここで、時間は分単位で横軸に、応力はMPa単位で縦軸に示されている。図の上部から見ると、さまざまなサンプルの結果は、次の順序になっている:一番上の曲線はサンプルEC−4について、次にEC−3、EC−1、EC−2であり、一番下の曲線は対照サンプルについてである。
(実施例5)
化合物(Id)(ここで、x=2)を含む歯科用複合体の樹脂マトリックスを、表8に示す処方で調製した。すべての化合物を秤量し、磁気撹拌下混合した。実験用歯科用複合体を、上記の実施例4のように、高速混合機で各樹脂マトリックスをシラン処理BaAlSiO充填剤粒子(直径0.7mm)と混合することによって調製した。樹脂マトリックスと充填剤との質量比は2:5(wt/wt)であった。材料を、二重結合転化率を除いて、上記実施例4でのように試験し、その試験方法は以下のとおりである。
Figure 2021535084
(二重結合転化率:Double bond conversion)
重合の光開始中および開始後の二重結合転化率(DC%)は、減衰全反射(ATR)付属品でフーリエ変換赤外分光法(FTIR)(Spectrum One、Perkin−Elmer、Beaconsfield Bucks、UK)によって観察した。複合材料は、厚さ1.5mm、直径4.5mmのモールド内で分析した。まず、未重合サンプルをモールドに入れてスペクトルを測定した。次に、サンプルに、上部スライドガラスを通して、可視光硬化ユニット(Elipar TMS10、3M ESPE、Germany)で平均放射照度1800mW/cm(Marc Resin Calibrator、BlueLight Analytics Inc.、Canada)を生成した状態で60秒間照射した。サンプルを、照射開始後60秒まで10秒ごとに走査してFTIRスペクトルを求めた。DCは、1636cm−1での脂肪族C=Cピークから計算し、次の式によって1608cm−1でのフェニル環ピークに対して正規化し、ここで、AC=CおよびAphは、それぞれ1636cm−1でのメタクリレートC=Cおよび1608cm−1でのフェニル環の吸光度ピーク面積であり、(AC=C/Aph)0および(AC=C/Aph)tは、それぞれ、0およびtの放射時間での官能基の正規化吸収率を表し、DCは、放射時間の関数としてのメタクリレートC=Cの転化率である。各複合材料について、5回の試行を行った。
Figure 2021535084
表8によって調製した歯科用複合材料の二重結合転化率(表9)、曲げ強度および弾性率(表10)、ならびに収縮応力(表11および図2)の試験結果を以下に示す。表では、SDは標準偏差を表し、Contrは対照サンプルを表す。
Figure 2021535084
表9は、照射時間(秒単位)に対する二重結合転化率をパーセンテージで示す。対照サンプルの転化は最速であったが、60秒での最終結果は各複合材料が非常に似ていた。
Figure 2021535084
表10は、さまざまな組成物の曲げ強度(MPa)および曲げ弾性率(MPa)を示す。本開示によるいくつかの組成物についての結果は、対照サンプルについての結果よりも良好であったが、他の組成物について、結果は類似しているか、またはわずかに低かったことが分かる。
Figure 2021535084
表11は、複合材料の収縮応力(MPa)を示し、これも、対照サンプルと比較した場合、本明細書によれば、各複合材料について低くなっている。
収縮応力曲線を図2に示し、ここで、時間は分単位で横軸に、収縮応力はMPa単位で縦軸に示されている。図の上部から見ると、さまざまなサンプルの結果は、次の順序になっている:一番上の曲線はサンプルEC−8について、次にEC−7、EC−6、EC−5であり、一番下の曲線は対照サンプルについてである。
(実施例6)
化合物(Id)(ここで、x=2)、化合物(Id)(ここで、x=5)、または化合物(Ic)の40重量%を含む歯科用複合材料の樹脂マトリックスを、40重量%の対応するモノマーをBisGMA/TEGDMA(50/50wt/wt)樹脂マトリックスに添加することによって調製した。0.7重量%のCQおよび0.7重量%のDMAEMAを光開始剤系として添加した。すべての化合物を秤量し、磁気撹拌下混合した。実験用歯科用複合材料を、各樹脂マトリックスをシラン処理BaAlSiO充填剤粒子(直径0.7mm)と高速混合機で(上記の実施例4のように)混合することによって調製した。樹脂マトリックスと充填剤との質量比は2:5(wt/wt)であった。材料を、二重結合転化率を除いて、上記実施例4でのように試験し、その試験方法は以下のとおりである。
Figure 2021535084
(二重結合転化率)
重合の光開始中および開始後の二重結合転化率(DC%)は、減衰全反射(ATR)付属品でフーリエ変換赤外分光法(FTIR)(Spectrum One、Perkin−Elmer、Beaconsfield Bucks、UK)によって観察した。複合材料は、厚さ1.5mm、直径4.5mmのモールド内で分析した。まず、未重合サンプルをモールドに入れてスペクトルを測定した。次に、サンプルに、上部スライドガラスを通して、可視光硬化ユニット(Elipar TMS10、3M ESPE、Germany)で平均放射照度1800mW/cm(Marc Resin Calibrator、BlueLight Analytics Inc.、Canada)を生成した状態で60秒間(EC−11の場合は40秒間)照射した。サンプルを、照射開始後60秒(EC−11の場合は40秒)まで10秒ごとに走査してFTIRスペクトルを求めた。DCは、1636cm−1での脂肪族C=Cピークから計算し、次の式によって1608cm−1でのフェニル環ピークに対して正規化する。
Figure 2021535084
ここで、AC=CおよびAphは、それぞれ1636cm−1でのメタクリレートC=Cおよび1608cm−1でのフェニル環の吸光度ピーク面積であり、(AC=C/Aphおよび(AC=C/Aphは、それぞれ、0およびt放射時間での官能基の正規化吸収率を表し、DCは、照射時間の関数としてのメタクリレートC=Cの転化率である。各複合材料について、5回の試行を行った。
表12によって調製した歯科用複合材料の二重結合転化率(表13)、曲げ強度および弾性率(表14)、ならびに収縮応力(表15と図3)の結果を以下に示す。表では、SDは標準偏差を表す。
Figure 2021535084
表13は、照射時間(秒単位)に対する二重結合の転化率をパーセンテージで示す。対照サンプルの転化は最速であったが、60秒での最終結果は各複合材料で非常に類似する。
Figure 2021535084
表14は、さまざまな組成物の曲げ強度(MPa)および曲げ弾性率(MPa)を示す。本開示によるいくつかの組成物についての結果は、対照サンプルについての結果よりも良好であったが、他の組成物について、結果は類似しているか、またはわずかに低かったことが分かる。
Figure 2021535084
表15は、複合材料の収縮応力(MPa)を示し、これは、対照サンプルと比較した場合、本明細書によれば、各複合材料について大幅に低くなっている。
収縮応力曲線を図3に示し、ここで、時間は分単位で横軸に、収縮応力はMPa単位で縦軸に示されている。図の上部から見ると、さまざまなサンプルの結果は、次の順序になっている:一番上の曲線はサンプルEC−11について、次にEC−9、EC−10であり、一番下の曲線は対照サンプルについてである。


Claims (10)

  1. 10〜50重量%のメタクリレート系第1のマトリックス成分、重合系、および第2のマトリックス成分として1〜50重量%の一般式(I)
    Figure 2021535084
    (I)式中、n=1、R=NHの場合、R’は(Ia)または(Ib)であり、
    Figure 2021535084
    (Ia)式中、kは2または3であり、
    Figure 2021535084
    (Ib)


    n=2、R=Oの場合、R’は(Ic)または(Id)であり、
    Figure 2021535084
    (Ic)
    Figure 2021535084
    (Id)式中、x=1〜12であり、


    n=2、R=NHまたはOの場合、R’は(Ie)であり、
    Figure 2021535084
    (Ie)式中、m=0〜16であり、


    および、n=2、R=Oの場合、R’は(If)、
    Figure 2021535084
    (If)

    を有する化合物を含む歯科用組成物。
  2. 前記第1のマトリックス成分の量が30〜50重量%である、請求項1に記載の歯科用組成物。
  3. 前記第2のマトリックス成分の量が3〜35重量%である、請求項1または2に記載の歯科用組成物。
  4. 前記第1のマトリックス成分とは異なる10〜45重量%のメタクリレート系第3のマトリックス成分をさらに含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の歯科用組成物。
  5. 前記第1のマトリックス成分および前記任意の第3のマトリックス成分が、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、イソボルニルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、メタクリロイルオキシデシル二水素ホスフェート、モルホリノエチルメタクリレート、アクリル酸、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ジウレタンジメタクリレート、および2,2−ビス(4−(2−ヒドロキシ−3−メタクリロキシ)フェニル)−プロパン、ならびにそれらの混合物からなる群から独立して選択される、請求項1〜4のいずれか一項に記載の歯科用組成物。
  6. 充填材料をさらに含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の歯科用組成物。
  7. 前記充填材料が、グラスアイオノマー充填剤、着色顔料、不活性セラミック、ヒドロキシアパタイト、Al、ZrO、銀、ゼロゲル、生物活性ガラス、放射線不透過性材料、およびそれらの混合物からなる群から選択される、請求項6に記載の歯科用組成物。
  8. 繊維強化材料をさらに含む、請求項1〜7のいずれか一項に記載の歯科用組成物。
  9. 前記繊維強化材料が、不活性ガラス繊維、生物活性ガラス繊維、ゾルゲル処理シリカ繊維、酸化アルミニウム系繊維、ジルコニア繊維、アパタイト繊維、石英繊維、およびそれらの混合物またはポリマー系繊維からなる群から選択される、請求項8に記載の歯科用組成物。
  10. 歯科用修復材料、歯科用接着剤、歯科用セメント、ポストおよびコア材料、エンドクラウン材料として、または固定部分義歯のポンティック用の、請求項1〜9のいずれか一項に記載の歯科用組成物の使用。


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