この問題は、独立特許請求項の特徴を備えた本発明によって解決される。個別に又は組み合わせて実現することができる本発明の有利な展開は、従属請求項及び/又は以下の明細書及び詳細な実施形態に示されている。
以下で使用される場合、「有する」、「備える」、又は「含む」という用語、又はそれらの任意の文法上の変形は、非排他的な方法で使用される。したがって、これらの用語は、これらの用語によって導入された特徴の他に、この文脈で説明されているものにさらなる特徴が存在しない状況と、1つ以上のさらなる特徴が存在する状況の両方を指し得る。一例として、「AはBを有する」、「AはBを備える」、及び「AはBを含む」という表現は、B以外にAに他の要素が存在しない状況(つまり、Aは専らかつ排他的にBからなる状況)と、Bに加えて、1つ以上の要素、例えば要素C、要素CとD、又はさらに要素などさえも実体Aに存在する状況の双方を指し得る。
さらに、「少なくとも1つ」、「1つ以上」という用語、又は、特徴もしくは要素が1回以上存在し得ることを示す同様の表現は、典型的には、それぞれの特徴又は要素を導入するときに1回だけ使用されることに留意されたい。以下では、ほとんどの場合、それぞれの特徴又は要素を参照するときに、それらの特徴又は要素が1回以上現れるという事実にもかかわらず、「少なくとも1つ」又は「1つ以上」という表現は繰り返されない。
さらに、以下で使用される場合、「好ましくは」、「より好ましくは」、「特に」、「さらに特に」、「具体的に」、「より具体的に」という用語、又は、同様の用語は、代替の可能性を制限することなく、任意の特徴とともに使用される。したがって、これらの用語によって導入される特徴は任意の特徴であり、如何なる意味でも請求の範囲を限定することを意図するものではない。本発明は、当業者が認識するように、代替的特徴を用いて実施することができる。同様に、「本発明の一実施形態では」又は同様の表現によって導入される特徴は、本発明の代替実施形態に関する制限なしに、本発明の範囲に関する制限なしに、及びそのように導入された特徴を、本発明の他の任意の又は非任意の特徴と組み合わせる可能性に関する制限なしに、任意の特徴であることが意図されている。
本発明の第1態様には、少なくとも1つの領域を光学的に監視するための装置が開示されている。前記領域は、危険領域及び/又は監視領域であってよい。本明細書で使用される場合、「監視領域」又は「監視のための領域」という用語は、例えば安全上の理由のために、監視される及び/又は監視される必要がある任意の関心領域を指す。具体的には、装置は、少なくとも1つの監視領域を監視するための少なくとも1つの光カーテンなどの少なくとも1つの光バリアであってもよいし、又はそれらを含んでもよい。本明細書で使用される場合、「光バリア」という用語は、その通常の意味を有し、具体的には、送信器ユニットと受信器ユニットを使用して、物体の距離、不存在、存在のうちの1つ以上を決定するように構成された装置を指す。「光バリア」という用語はまた、受信器ユニット、送信器ユニット、又は反射ターゲットの存在又は不存在を決定することにも関連する。光バリアは、反射型装置であってもよいし、一方向装置であってもよい。例えば、一方向装置では、光バリアは、送信器ユニットの視線内に配置された受信器ユニットを含むことができる。したがって、光ビームが受信器ユニットに到達することが妨げられると、人や人の一部などの物体が検出され得る。例えば、反射型光バリアでは、送信器ユニットと受信器ユニットが同じ位置に配置されることができ、光バリアは、送信器ユニットによって生成された光ビームを反射して受信器ユニットに戻す反射ターゲットをさらに含む。このように、物体は、光ビームが受信器ユニットに到達しない場合に、検出され得る。光バリアは、少なくとも1つの光ビームを用いてもよいし、又は光カーテンの光ビームのアレイのような複数の光ビームを用いてもよい。光バリアは、近接センサとして設計されていてもよい。監視領域の境界は、一方向装置については、送信器ユニットと受信器ユニットの位置によって定義されてもよいし、反射型装置については、反射ターゲットと送信器と受信器のユニットの位置によって定義されてもよい。例えば、領域は、機械であってもよいし、機械の危険領域などの機械の領域であってもよい。領域は、アクセス領域、例えば、機械へのアクセス領域であってもよい。本明細書で使用される場合、「光学的に監視」という用語は、少なくとも1つの光ビームを使用して領域を監視及び/又は観察及び/又は制御することを指す。
装置は、送信器ユニットと受信器ユニットを含む。送信器ユニットは、少なくとも1つの照射源を有する。照射源は、ビームプロファイルを有する少なくとも1つの光ビームを生成するように設計される。各光ビームは、受信器ユニットに向かって伝播するように、したがって、監視のための少なくとも1つの領域を横断するように設計される。受信器ユニットは、
− 少なくとも1つの転送装置であって、前記転送装置は、照射源から少なくとも2つの光センサに伝播する少なくとも1つの入射光ビームに対応する少なくとも1つの焦点距離を有し、前記転送装置は光軸を有し、前記転送装置は縦方向座標lが光軸に沿った座標でありdが光軸からの空間的オフセットである座標系を構成する、転送装置;
− 少なくとも2つの光センサであって、各光センサは少なくとも1つの感光エリアを有し、各光センサは、前記光ビームによる前記各感光エリアの照射に応答して少なくとも1つのセンサ信号を生成するように設計され、前記2つの光センサは、該2つの光センサの感光エリアが、それらの縦方向座標、それらの空間的オフセット、又はそれらの表面積のうちの少なくとも1つにおいて異なるように構成されている、光センサ;及び、
− 少なくとも1つの評価装置であって、前記評価装置は、まず、前記センサ信号を評価することにより、少なくとも1つの監視領域を横断する際の前記少なくとも1つの光ビームのビームプロファイルの変化、及び、さらに、前記センサ信号由来の結合信号Qを評価することにより、前記送信器ユニットの位置の少なくとも1つの構成要素の変化であって、前記転送装置の座標系に関して決定される構成要素の変化、の少なくとも1つを監視することによって出力を生成するように構成されている、評価装置、を有する。
本明細書で使用される場合、「送信器ユニット」という用語は、少なくとも1つの信号、具体的には少なくとも1つの光ビームを送信及び/又は伝達するように構成された少なくとも1つの装置を指す。本明細書で使用される場合、「照射源」という用語は、少なくとも1つの光ビームを生成するように構成された少なくとも1つの装置を指す。照射源は、少なくとも1つの光源であってもよいし、又はそれを含んでもよい。照射源は、少なくとも1つのマルチビーム光源であってもよいし、又はそれを含んでもよい。例えば、光源は、少なくともLED又は少なくとも1つのレーザ源と、少なくとも1つの転送装置又は1つ以上の回折光学素子(DOE)を含んでよい。本明細書で使用される場合、「光線」という用語は、一般に、エネルギーの流れの方向を指す光の波面に垂直な線を指す。本明細書で使用される場合、「ビーム」という用語は一般に光線の集まりを指す。以下では、「光線」及び「ビーム」という用語は同義語として使用される。本明細書でさらに使用される場合、「光ビーム」という用語は、一般に光量を指し、具体的には、実質的に同じ方向に進む光量であって、光ビームが拡張角又は広がり角を有する可能性を含む。光ビームは空間的広がりを有することができる。具体的には、光ビームは、非ガウスビームプロファイルを有することができる。ビームプロファイルは台形ビームプロファイル;三角形ビームプロファイル;円錐形ビームプロファイル、からなる群から選択されてもよい。台形ビームプロファイルは、プラトー領域と少なくとも1つのエッジ領域とを有することができる。本明細書で使用される場合、「ビームプロファイル」という用語は、一般に、光ビームの横方向強度プロファイルを指す。ビームプロファイルは、特に光ビームの伝播に垂直な少なくとも1つの平面における、光ビームの強度の空間分布であり得る。光ビームは、具体的には、以下でさらに詳細に概説するように、ガウス光ビーム又はガウス光ビームの線形結合であり得る。しかしながら、他の実施形態も可能である。光学的監視のための装置は、ビームプロファイル、特にビームプロファイルの形状を調整、定義、及び決定することの1つ以上のために構成された少なくとも1つの転送装置を含んでいてよい。
本明細書で使用される場合、「光」という用語は、一般に、可視スペクトル範囲、紫外スペクトル範囲、及び赤外スペクトル範囲のうちの1つ以上における電磁放射を指す。そこでは、「可視スペクトル範囲」という用語は、一般に、380nm〜780nmのスペクトル範囲を指す。赤外スペクトル範囲という用語は、一般に、780nm〜1mmの範囲、好ましくは780nm〜3.0マイクロメートルの範囲における電磁放射を指す。紫外スペクトル範囲という用語は、一般に、1nm〜380nmの範囲、好ましくは100nm〜380nmの範囲における電磁放射を指す。好ましくは、本発明で使用される光は、可視光、すなわち、可視スペクトル範囲内の光、又は赤外光である。「光ビーム」という用語は、一般に、特定の方向に放出及び/又は反射される光の量を指す。したがって、光ビームは、光線の伝播方向に垂直な方向に所定の広がりを有する光線の束であってもよい。好ましくは、光ビームは、例えばビームウェスト、レイリー長、又は、ビーム径及び/又は空間を伝播するビームの展開を特徴付けるのに適した他の如何なるビームパラメータ又はビームパラメータの組み合わせのうちの1つ以上など、1つ以上のガウスビームパラメータによって特徴づけられ得る、ガウス光ビームの線形結合などの1つ以上のガウス光ビームであり得るかそれを含み得る。
光学監視用装置は、光ビームが、光学監視用装置の光軸に沿って送信器ユニットから受信器ユニットに向かって伝播するように構成されてよい。この目的のために、光学監視用装置は、照射光ビームを光軸上に偏向させるための、少なくとも1つの反射要素又は反射ターゲット、好ましくは少なくとも1つのプリズム、ミラー、反射箔、再帰反射板などを含んでもよい。具体的には、光学監視用装置は、さらに、少なくとも1つの照射源から少なくとも2つの光センサに伝播する少なくとも1つの光ビームによって衝突されるように設計された少なくとも1つの反射ターゲットを含んでもよい。送信器ユニットは、光ビームの生成及び/又は送信を制御するための少なくとも1つの制御装置を含んでもよい。代替的には、反射型光バリアについては、送信器ユニットと受信器ユニットは、光ビームが送信器ユニットから、光ビームを受信器ユニットに反射する反射ターゲットに向けて伝播するように配置されてよい。この目的のために、光学監視用装置は、少なくとも1つの反射要素又は再帰反射板などの少なくとも1つの反射ターゲットを含んでよい。
光学監視用装置は、さらに、送信器ユニットと受信器ユニットの間の接続を含んでもよく、該接続は、送信器ユニットと受信器ユニットの間の同期を提供するように設計されている。送信器ユニットと受信器ユニットの間の同期は、有線であってもよく、及び/又は少なくとも1つの光同期経路を使用して実装されてもよい。好ましくは、接続は、有線接続を必要としない無線接続とすることができる。送信器ユニットと受信器ユニットの間の接続は、照射源又は送信器ユニットの安全な動作モードを監視する監視信号を伝達するために使用されてよい。
具体的には、照射源は、少なくとも1つのレーザ及び/又はレーザ源を含み得る。半導体レーザなどの様々なタイプのレーザを採用することができる。追加的又は代替的に、LED及び/又は電球などの非レーザ光源を使用することができる。照射源は、点群を生成及び/又は投影するように適合されてもよく、例えば、照射源は、少なくとも1つのデジタル光処理プロジェクタ、少なくとも1つのLCoSプロジェクタ、少なくとも1つの空間光変調器のうちの1つ以上;少なくとも1つの回折光学素子;少なくとも1つの発光ダイオードのアレイ;少なくとも1つのレーザ光源のアレイのうちの1つ以上を含んでよい。照射源は、人工照射源、特に、少なくとも1つのレーザ源及び/又は少なくとも1つの白熱灯及び/又は少なくとも1つの半導体光源、例えば、少なくとも1つの発光ダイオード、特に、有機及び/又は無機発光ダイオードを含み得る。一例として、照射源が放出する光は、300〜1000nm、特に500〜1000nmの波長を有し得る。追加的又は代替的に、赤外スペクトル領域の光、例えば780nm〜3.0μmの範囲の光を使用することができる。具体的には、シリコンフォトダイオードが適用可能な、具体的には700nm〜1000nmの範囲の近赤外領域部分の光を使用することができる。それらの一般的に定義されたビームプロファイル及び取り扱い性の他の特性のために、照射源としての少なくとも1つのレーザ源の使用が特に好ましい。照射源は、光学監視用装置のハウジングに一体化されてよい。
監視領域を横断する光ビームは、平行化がより少なくてよく、例えば、光ビームは、照射源からの距離に応じてわずかに拡大してもよく、これは、光バリアのセットアップを容易にすることができる。
送信器ユニットはさらに、少なくとも1つの変調源を含むことができる。本明細書で使用される場合、「変調源」という用語は、少なくとも1つの変調パターンを生成するように構成された少なくとも1つの装置を指す。変調源は、変調源が照射源に影響して変調パターンを搬送する少なくとも1つの光ビームを生成する方式で、変調パターンを生成するように構成され得る。変調パターンは、擬似ランダム変調パターン、エイケンコード、BCDコード、ギルハムコード、スティビッツコード、ワンホットコード、及びグレーコードからなる群から選択されることができる。変調パターンは、矩形パルスパターン、50:50矩形パターン、正弦波パターン、周期的パルスパターンからなる群から選択されることができる。DE102016122364A1に記載されている光電子センサと比較して、送信器ユニットは、光源をエンコードするために、より複雑な変調パターンを使用することができる。これにより、受信器ユニットが、送信器ユニットによって送信された光ビームを検出することを可能にし得る。
送信器ユニットは、少なくとも2つの照射源を含むことができる。各照射源は、個別の変調パターンによって変調されるように設計されてよく、該2つの照射源の個別の変調パターンは互いに異なる。送信器ユニットは、各照射源のための1つの個別の変調源を有してよく、又は、該送信器ユニットは、1つの変調源による該少なくとも2つの照射源への個々の影響を切り替えるように指定されたマルチプレクサをさらに有する。評価装置は、個別の照射源に個別の変調パターンを割り当てるように指定される。
照射源は、1.5×10−7mm2・srから314mm2・srまで、好ましくは1×10−5mm2・srから22mm2・srまで、より好ましくは3×10−4mm2・srから3.3mm2・srまで幾何学的範囲を有することができる。照射源の幾何学的な範囲GはG=A・Ω・n2、特に半開き角度θの回転対称光学系の場合はG=π・A・sin2(θ)・n2で定義することができ、ここで、Aはアクティブ発光面、光バルブ、光開口部、又はAOF=π・r2 OFのファイバーコア(OF)のエリアであり得る表面のエリア、Ωは光によって定められた投影立体角、nは媒体の屈折率である。光ファイバの場合、発散角はθmax=arcsin(NA/n)で得られ、ここで、NAは光ファイバの最大開口数である。例えば、照射源は、10mmのエッジ長を有してよく、投影立体角が90°であってよい。例えば、照射源は、3mmのエッジ長と60°の投影立体角を有してもよい。他の実施形態は、例えば、1mmのエッジ長と35°の投影立体角が可能である。
本明細書で使用される場合、「受信器ユニット」という用語は、送信器ユニットから受信器ユニットに伝播する少なくとも1つの光ビームを受信するように構成された少なくとも1つの装置を指す。上述したように、光ビームを受信するために、受信器ユニットは、少なくとも2つの光センサを備える。本明細書で使用される場合、「光センサ」は、一般に、光ビームの検知、例えば少なくとも1つの光ビームによって生成される照射及び/又は光スポットの検知のための感光装置を指す。本明細書でさらに使用される場合、「感光エリア」は、一般に、少なくとも1つの光ビームによって外部から照射され、該照射に応答して少なくとも1つのセンサ信号を生成する、光センサのエリアを指す。感光エリアは、具体的には、それぞれの光センサの表面に位置し得る。しかしながら、他の実施形態も可能である。本明細書で使用される場合、「少なくとも2つの光センサがそれぞれ少なくとも1つの感光エリアを有する」という用語は、それぞれが1つの感光エリアを有する2つの単一の光センサを備える構成と、少なくとも2つの感光エリアを有する1つの結合光センサを備える構成とを指す。したがって、「光センサ」という用語は、さらに、1つの出力信号を生成するように構成された感光装置を指し、本明細書では、2つ以上の出力信号を生成するように構成された感光装置、例えば少なくとも1つのCCD及び/又はCMOS装置を、2つ以上の光センサと呼ぶ。以下でさらに詳細に概説されるように、各光センサは、正確に1つの感光エリアがそれぞれの光センサ内に存在するように、例えば、照射され得る正確に1つの感光エリアを提供することによって、該感光エリアの照射に応答して光センサ全体について正確に1つの均一なセンサ信号が生成されるように、具現化されてもよい。したがって、各光センサは、単一エリア光センサであってよい。しかしながら、単一エリア光センサの使用は、受信器ユニットの構成を特に簡単かつ効率的にする。したがって、一例として、それぞれが正確に1つの感応エリアを有する市販の光センサ、例えば、市販のシリコンフォトダイオードなどが、構成において使用されてもよい。しかしながら、他の実施形態も可能である。したがって、一例として、本発明の文脈において2つ、3つ、4つ、又は4つ以上の光センサとみなされる、2つ、3つ、4つ、又は4つ以上の感光エリアを含む光学装置が使用されてもよい。一例として、光学要素は、感光エリアのマトリックスを含むことができる。したがって、一例として、光センサは、ピクセル化光学装置の一部であってもよく、又はそれを構成していてもよい。一例として、光センサは、ピクセルのマトリックスを有する少なくとも1つのCCD及び/又はCMOS装置の一部であってもよく、又はそれを構成してもよく、各ピクセルは、感光エリアを形成する。
本明細書でさらに使用される場合、「センサ信号」は、一般に、光ビームによる照射に応答して光センサによって生成される信号を指す。具体的には、センサ信号は、少なくとも1つのアナログ電気信号及び/又は少なくとも1つのデジタル電気信号などの少なくとも1つの電気信号であり得るか、又はそれらを含み得る。より具体的には、センサ信号は、少なくとも1つの電圧信号及び/又は少なくとも1つの電流信号であり得るか、又はそれらを含み得る。より具体的には、センサ信号は、少なくとも1つの光電流を含み得る。さらに、未処理のセンサ信号を使用してもよく、又は受信器ユニット、光センサ、又はその他の要素が、フィルタリングなどによる前処理など、センサ信号を処理又は前処理するように適合され得、それによってセンサ信号としても使用できる二次センサ信号を生成することができる。
感光エリアは、特に一方向光バリアの場合は、送信器ユニットに向かって方向付けされることができる。本明細書で使用される場合、「送信器ユニットに向かって方向付けされる」という用語は、一般に、感光エリアのそれぞれの表面が送信器ユニットから完全に又は部分的に見える状態を指す。具体的には、送信器ユニットの少なくとも1つの点と感光エリアの少なくとも1つの点との間の少なくとも1つの相互接続線は、感光エリアの表面要素と0°と異なる角度、例えば、20°から90°の範囲の角度、好ましくは80°から90°の範囲の角度、例えば90°を形成することができる。したがって、送信器ユニットが光軸上又は光軸の近くにある場合、送信器ユニットから受信器ユニットに向かって伝播する光ビームは、実質的に光軸に平行であり得る。本明細書で使用される場合、「実質的に垂直」という用語は、例えば±20°以下、好ましくは±10°以下、より好ましくは±5°以下の許容誤差を有する垂直な向きの状態を指す。同様に、「実質的に平行」という用語は、例えば±20°以下、好ましくは±10°以下、より好ましくは±5°以下の許容誤差を有する平行な向きの状態を指す。追加的又は代替的に、感光エリアの少なくとも1つは、送信器ユニットに向かっての方向付けとは異なる方向付けをされてよく、受信器ユニットは、光ビームを感光エリアに導くように構成された少なくとも1つの反射要素及び/又は少なくとも1つの光ファイバを含み得る。
送信器ユニットと受信器ユニットは、互いに関して、光センサのうちの少なくとも1つのセンサ信号が最高のセンサ信号となるように、配置されてよい。本明細書で使用される場合、「最高」という用語は、センサ信号の大きさ又は強度のいずれか一方又は両方を指す。具体的には、光バリアのゼロ位置の最適配置は、センサ信号の変化に関する結合信号Qの感度が最高となるようなものであってよい。
光センサは、紫外、可視、又は赤外スペクトル範囲の1つ以上で感度を有してよい。具体的には、光センサは、500nm〜780nm、最も好ましくは650nm〜750nm、又は690nm〜700nmの可視スペクトル範囲で感度を有してよい。具体的には、光センサは近赤外領域で感度を有してよい。具体的には、光センサは、シリコンフォトダイオードが適用可能な特に700nm〜1000nmの範囲の近赤外領域の部分で感度を有してよい。光センサは、具体的には、赤外スペクトル範囲、具体的には780nm〜3.0μmの範囲で感度を有してよい。例えば、光センサは、フォトダイオード、フォトセル、光伝導体、フォトトランジスタ又はそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される少なくとも1つの要素であってもよく、又はそれらを含んでもよい。例えば、光センサは、CCDセンサ要素、CMOSセンサ要素、フォトダイオード、フォトセル、光伝導体、フォトトランジスタ又はそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される少なくとも1つの要素であってもよく、又はそれを含んでもよい。他の任意のタイプの感光性要素を使用してもよい。以下でさらに詳細に概説されるように、感光性要素は、一般に、完全に又は部分的に無機材料で作製されることができ、及び/又は、完全に又は部分的に有機材料で作製されることができる。最も一般的には、以下でさらに詳細に概説するように、市販のフォトダイオード、例えば、無機半導体フォトダイオードなどの1つ以上のフォトダイオードが使用され得る。本明細書でさらに使用される場合、「感光性要素」という用語は、一般に、紫外、可視、又は赤外のスペクトル範囲のうちの1つ以上の照射に対して感度を有する要素を指す。具体的には、感光性要素は、フォトダイオード、フォトセル、光伝導体、フォトトランジスタ又はそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される少なくとも1つの要素であってもよいし、又はそれを含んでもよい。他の種類の感光性要素を用いてもよい。
光センサは、具体的には、半導体センサであり得、好ましくは無機半導体センサ、より好ましくはフォトダイオードであり、最も好ましくはシリコンフォトダイオードであり得る。したがって、本発明は、単に、市販の無機フォトダイオード、すなわち、1つの小さなフォトダイオード及び1つの大面積フォトダイオードを使用することによって実現することができる。このように、本発明の構成は、安価で高価でない方式で実現することができる。具体的には、光センサは、赤外スペクトル範囲、好ましくは780nm〜3.0μmの範囲で感度を有し、及び/又は、可視スペクトル範囲、好ましくは380nm〜780nmの範囲で感度を有する無機フォトダイオードであり得るか、又はそれらを含み得る。具体的には、光センサは、シリコンフォトダイオードが適用可能な特に700nm〜1000nmの範囲で近赤外領域の部分で感度を有し得る。光学系に使用できる赤外光センサは、市販の赤外光センサであってよく、例えば、ドイツのtrinamiX GmbH,D−67056 Ludwigshafen am RheinからHertzstueck(登録商標)というブランド名で市販されている赤外光センサであってよい。したがって、一例として、光センサは、固有の光起電型の少なくとも1つの光センサ、より好ましくはGeフォトダイオード、InGaAsフォトダイオード、拡張InGaAsフォトダイオード、InAsフォトダイオード、InSbフォトダイオード、HgCdTeフォトダイオード、からなる群から選択される少なくとも1つの半導体フォトダイオードを含み得る。追加的又は代替的に、光センサは、外因性光起電型の少なくとも1つの光センサ、より好ましくはGe:Auフォトダイオード、Ge:Hgフォトダイオード、Ge:Cuフォトダイオード、Ge:Znフォトダイオード、Si:Gaフォトダイオード、Si:Asフォトダイオードなる群から選択される少なくとも1つの半導体フォトダイオードを含み得る。追加的又は代替的に、光センサは、少なくとも1つの光導電性センサ、例えばPbSセンサ又はPbSeセンサ、ボロメータ、好ましくはVOボロメータ及びアモルファスSiボロメータからなる群から選択されるボロメータなどを含み得る。光センサは、不透明、透明又は半透明であってよい。しかし、簡単のために、これらの不透明センサが一般に広く市販されているため、光ビームに対して透明ではない不透明センサを使用することができる。光センサは、具体的には、単一の感光エリアを有する均一なセンサであり得る。したがって、光センサは、具体的には、非ピクセル化光センサであり得る。
上述のように先行技術文献DE102016122364A1に含まれる技術的課題、特にWO2015/024871に記載されているようないわゆるFiP効果を発生させるために必要とされる技術的努力を考慮すると、本発明は、特に非FiP光センサを使用することによって実現され得ることに留意されなければならない。実際には、FiP特性を有する光センサは、典型的には、焦点でそれぞれのセンサ信号に強いピークを示すため、光センサとしてFiPセンサを用いる受信器ユニットの測定範囲は、2つの位置の間であって、第1及び第2光センサが光ビームの焦点に合っている範囲に限定され得る。しかし、線形光センサを使用する場合、すなわちFiP効果を示さない光センサを使用する場合、本発明の構成によれば、この問題は一般的に回避され得る。したがって、第1及び第2光センサは、それぞれ、少なくとも測定範囲内で、それぞれの第1及び第2センサ信号が、それぞれの光センサの照射の総出力に依存し、照射の光スポットの直径から独立し得るような線形信号特性を有することができる。しかしながら、他の実施形態も可能であることに留意されたい。
第1及び第2光センサは、それぞれ具体的には、半導体センサ、好ましくは無機半導体センサ、より好ましくはフォトダイオード、最も好ましくはシリコンフォトダイオードであってもよい。したがって、複雑で高価なFiPセンサとは対照的に、本発明は、市販の無機フォトダイオード、すなわち、1つの小さなフォトダイオード及び1つの大面積フォトダイオードを使用することによって簡単に実現することができる。このように、本発明の構成は、安価で高価でない方式で実現することができる。しかしながら、受信器ユニットが、WO2015/024871に記載されているような、いわゆるFiP効果を発生させるために適合された少なくとも1つのFiPセンサを備え得る実施形態が可能である。
照射源と光センサは、共通の平面に配置されていてもよいし、異なる平面に配置されてもよい。照射源と光センサは、異なる空間的方向付けを有してもよい。特に、照射源と光センサは、ねじれ配置に配置されてもよい。照射光ビームは、一般に、光軸に平行であってもよいし、光軸に対して傾斜し、例えば、光軸と角度を有してもよい。一例として、レーザ光ビームなどの照射光ビームと光軸は、10°未満、好ましくは5°未満、さらには2°未満の角度を有してもよい。しかしながら、他の実施形態が可能である。さらに、照射光ビームは、光軸上にあってもよいし、光軸から外れていてもよい。一例として、照射光ビームは、光軸に対して平行で、光軸から10mm未満の距離、好ましくは、光軸から5mm未満、又は光軸から1mm未満さえの距離を有してよく、又は光軸と一致さえしてよい。
受信器ユニットは、少なくとも1つの転送装置を含んでよい。「転送システム」とも呼ばれる「転送装置」という用語は、一般に、光ビームの1つ以上のビームパラメータ、光ビームの幅、又は光ビームの方向のうちの1つ以上を変更することによってなど、光ビームを変更するように適合された1つ以上の光学要素を指し得る。転送装置は、光ビームを光センサ上に案内するように適合され得る。転送装置は、具体的には:少なくとも1つのレンズ、例えば、少なくとも1つの焦点調節可能レンズ、少なくとも1つの非球面レンズ、少なくとも1つの球面レンズ、少なくとも1つのフレネルレンズからなる群から選択される少なくとも1つのレンズ;少なくとも1つの回折光学素子;少なくとも1つの凹面鏡;少なくとも1つのビーム偏向要素、好ましくは少なくとも1つのミラー;少なくとも1つのビーム分割要素、好ましくはビーム分割キューブ又はビーム分割ミラーのうちの少なくとも1つ;少なくとも1つのマルチレンズシステム、のうちの1つ以上を含み得る。転送装置は、Grintech GmbH,Schillerstrasse 1,07745 イエナ、ドイツから入手可能なGRINレンズのような少なくとも1つの勾配指数(GRIN)レンズを含むことができる。GRINレンズは、連続的な屈折勾配、例えば、軸方向及び/又は半径方向及び/又は球状の屈折勾配を有していてもよい。GRINレンズのf値は、レンズ長に依存し得る。GRINレンズを使用することにより、光学系を小型化、特に非常に薄い光学系を使用することを可能にすることができる。例えば、0.2mmの厚さ又は直径の非常に薄い光学系が可能となり得る。転送装置は、例えばトーラス形状を有する少なくとも1つの環状軸方向レンズを含むことができる。環状軸方向レンズは、平面−凸形状、例えば、軸方向及び/又は半径方向及び/又は球状の曲率を有してよい。
転送装置は、照射源から少なくとも2つの光センサに伝播する少なくとも1つの入射光ビームに応答して、少なくとも1つの焦点距離を有する。本明細書で使用される場合、転送装置の「焦点距離」という用語は、転送装置に衝突する可能性がある入射平行光線が「フォーカルポイント」とも呼ばれる「焦点」に集束される距離を指す。したがって、焦点距離は、衝突する光ビームを集束させる転送装置の能力の尺度を構成する。したがって、転送装置は、集束レンズの効果を有し得る1つ以上の画像化要素を含むことができる。例として、転送装置は、1つ以上のレンズ、特に1つ以上の屈折レンズ、及び/又は1つ以上の凸面ミラーを有することができる。この例では、焦点距離は、薄い屈折レンズの中心から薄いレンズの主焦点までの距離として定義することができる。凸型又は両凸型の薄レンズなどの、集束する薄い屈折レンズの場合、焦点距離は、正であると考えられ、転送装置としての薄レンズに衝突する平行光が単一のスポットに集束され得る距離を与えることができる。さらに、転送装置は、少なくとも1つの波長選択要素、例えば少なくとも1つの光フィルタを含むことができる。さらに、転送装置は、例えばセンサ領域、特にセンサエリアの位置の電磁放射に所定のビームプロファイルを印加するように設計され得る。転送装置の上記の任意の実施形態は、原則として、個別に、又は任意の所望の組み合わせで実現することができる。
転送装置は、光軸を有する。特に、受信器ユニットと転送器ユニットは、共通の光軸を有する。本明細書で使用される場合、「転送装置の光軸」という用語は、一般に、レンズ又はレンズシステムの鏡面対称又は回転対称の軸を指す。受信器ユニットの光軸は、受信器ユニットの光学的構成の対称の線であってよい。転送装置は、一例として、少なくとも1つのビーム経路を含んでもよく、ビーム経路内の転送装置の要素が、光軸に関して回転対称に配置されている。それでもなお、ビーム経路内に配置された1つ以上の光学要素は、光軸に対して中心ズレされているか、又は傾斜していてもよい。この場合、しかし、光軸は、ビーム経路内の光学要素の中心を相互接続することによって、例えば、レンズの中心を相互接続することによって、順次定義されてもよく、この文脈では、光センサは光学要素として考慮されない。光軸は、一般にビーム経路を示してよい。そこでは、受信器ユニットは、光ビームが送信器ユニットから光センサに進む単一のビーム経路を有していてもよいし、複数のビーム経路を有していてもよい。一例として、単一のビーム経路が与えられてもよいし、又はビーム経路が2つ以上の部分ビーム経路に分割されてもよい。後者の場合、各部分ビーム経路は、それ自身の光軸を有することができ、上述した条件は、一般に、各ビーム経路に独立に参照され得る。光センサは、1つかつ同一のビーム経路又は部分ビーム経路に配置されてよい。代替的に、しかし、光センサはまた、異なる部分ビーム経路に配置されてもよい。光センサが異なる部分ビーム経路に分散されている場合、少なくとも1つの第1光センサは、第1空間的オフセットによって第1部分ビーム経路の光軸からオフセットされて、少なくとも1つの第1部分ビーム経路に配置され、少なくとも1つの第2光センサは、少なくとも1つの第2空間的オフセットによって第2部分ビーム経路の光軸からオフセットされて、少なくとも1つの第2部分ビーム経路に配置され、ここで、第1空間的オフセットと第2空間的オフセットは異なる。
転送装置は座標系を構成することができ、ここでは、縦方向座標lは光軸に沿った座標であり、dは光軸からの空間的オフセットである。座標系は、転送装置の光軸がz軸を形成し、z軸からの距離及び極角度を追加の座標として使用することができる極座標系であってもよい。z軸に平行又は逆平行の方向は縦方向と考えることができ、z軸に沿った座標は縦方向座標lと考えることができる。z軸に垂直な任意の方向は、横方向と考えることができ、極座標及び/又は極角座は、横方向座標と考えることができる。
光センサは焦点から外れて配置されてもよい。本明細書で使用される場合、「焦点」という用語は、一般に、転送装置又は転送装置の焦点距離によって引き起こされる光ビームの錯乱円の最小範囲の一方又は両方を指す。本明細書で使用される場合、「錯乱円」という用語は、転送装置によって集束される光ビームの円錐状の光線によって引き起こされる光スポットを指す。錯乱円は、転送装置の焦点距離f、送信器ユニットから転送装置までの縦方向距離、転送装置の射出瞳の直径、転送装置から感光エリアまでの縦方向距離、転送装置から送信器ユニットの画像までの距離に依存し得る。例えば、ガウスビームの場合、錯乱円の直径はガウスビームの幅とすることができる。特に、受信器ユニットから無限の距離に位置又は配置された点状の物体の場合、転送装置は、物体からの光ビームを転送装置の焦点距離で焦点に集束させるように適合され得る。受信器ユニットから無限の距離に位置又は配置された非点状の物体の場合、転送装置は、物体の少なくとも1つの点からの光ビームを転送装置の焦点距離で焦点面に集束させるように適合され得る。受信器ユニットから無限の距離に位置しないか又は配置されていない点状の物体については、錯乱円は少なくとも1つの縦方向座標において最小の広がりを有することができる。受信器ユニットから無限の距離に位置しないか又は配置されていない非点状の物体については、物体の少なくとも1つの点からの光ビームの錯乱円は、少なくとも1つの縦方向座標において最小の広がりを有することができる。本明細書で使用される場合、「オフフォーカスで配置される」という用語は、一般に、転送装置又は転送装置の焦点距離によって引き起こされる光ビームの錯乱円の最小広がり以外の位置を指す。特に、焦点又は錯乱円の最小の広がりは、縦方向座標lfocusの位置にあってよく、各光センサの位置は、lfocusとは異なる縦方向座標lsensorを有してよい。例えば、縦方向座標lsensorは、縦方向において、縦方向座標lfocusよりも転送装置に近い位置に配置されてもよいし、縦方向座標lfocuseよりも転送装置の位置から離れた位置に配置されてもよい。このように、縦方向座標lsensor及び縦方向座標lfocusは、転送装置から異なる距離に配置されてよい。例えば、光センサは、焦点距離の±2%、好ましくは焦点距離の±10%、最も好ましくは焦点距離の±20%で、縦方向で錯乱円の最小広がりから離れていてよい。例えば、転送装置の焦点距離は20mmであってもよく、縦方向座標lsensorは19.5mmであってもよく、すなわち、lsensorが焦点から焦点距離の2.5%だけ離れているように、センサは、97.5%焦点距離で配置されてよい。
光センサは、光センサの感光エリアが、それらの縦方向座標、それらの空間的オフセット、又はそれらの表面エリアのうちの少なくとも1つが異なるように配置されている。各感光エリアは、幾何学的中心を有してよい。本明細書で使用される場合、エリアの「幾何学的中心」という用語は一般に、エリアの重心を指し得る。例として、エリアの内側又は外側の任意の点が選択された場合、及びこの任意の点とエリアのすべての点と相互接続するベクトルに関して積分が形成される場合、積分は任意の点の位置の関数となる。任意の点がエリアの幾何学的中心に位置する場合、積分の絶対値は最小化される。したがって、言い換えれば、幾何学的中心は、エリアのすべての点からの全体又は合計の距離が最小になるエリアの内側又は外側の点であり得る。
例えば、各感光エリアの各幾何学中心は、縦方向座標Icenter,iに配置することができ、iはそれぞれの光センサの番号を表す。受信器ユニットが正確に2つの光センサを含む場合、及び光学監視用装置が2つ以上の光センサを含む場合、光センサは少なくとも1つの第1光センサを含むことができ、第1光センサ、特に幾何学的中心は第1縦方向座標Icenter,1に配置され、及び光センサは少なくとも1つの第2光センサを含むことができ、第2光センサ、特に幾何学的中心は、第2縦方向座標Icenter,2にあり、第1縦方向座標及び第2縦方向座標は異なる。例えば、第1光センサ及び第2光センサは、光軸の方向にオフセットされた異なる平面に配置されてよい。第1光センサは、第2光センサの前に配置されてよい。したがって、一例として、第1光センサは、単に第2光センサの表面に配置されてよい。追加的又は代替的に、第1光センサは、第2光センサから間隔を置いて配置されてもよく、例えば、第1感光エリアの表面エリアの平方根の5倍以下だけ、第2光センサから間隔を置いて配置されてよい。追加的又は代替的に、第1光センサは、第2光センサの前に配置されてもよく、第2光センサから50mm以下、好ましくは15mm以下の間隔を空けて配置されてよい。第1光センサと第2光センサの相対距離は、例えば、焦点距離又は物体距離に依存し得る。
上述した条件のいずれかを満たす限り、光センサの縦方向座標は同一であってもよい。例えば、光センサの縦方向座標は同一であってもよいが、感光エリアが光軸から離れていてもよく、及び/又は表面エリアが異なっていてもよい。
各感光エリアの各幾何学的中心は、ビーム経路の光軸又は各光センサが配置されている各ビーム経路など、転送装置の光軸から間隔を空けて配置されてよい。幾何学的中心と光軸の間の距離、特に横方向の距離は、「空間的オフセット」という用語で表される。正確に2つの光センサの場合、及び2つ以上の光センサの場合、光センサは、第1空間的オフセットだけ光軸から離間された少なくとも1つの第1光センサ、及び第2空間的オフセットだけ光軸から離間された少なくとも1つの第2光センサを含むことができ、ここで、第1空間的オフセットと第2空間的オフセットは異なる。一例として、第1及び第2空間的オフセットは、少なくとも1.2倍、より好ましくは少なくとも1.5倍、より好ましくは少なくとも2倍異なっていてもよい。空間的オフセットは、上述した条件のうちの1つが満たされる限り、ゼロであってもよいし、負の値を想定してもよい。
本明細書で使用される場合、「表面エリア」という用語は、一般に、少なくとも1つの感光エリアの形状及び面積の両方を指す。正確に2つの光センサの場合、及び2つ以上の光センサの場合、光センサは、第1表面エリアを有する少なくとも1つの第1光センサ及び第2表面エリアを有する少なくとも1つの第2光センサを含む。2つ以上の光センサを含む受信器ユニットの場合、例えば、光センサのマトリックスを含むセンサ要素の場合、光センサの第1群、又はマトリックスの光センサの少なくとも1つは、第1表面エリアを形成することができ、光センサの第2群、又はマトリックスの他の光センサの少なくとも1つは、第2表面エリアを形成することができる。第1表面エリアと第2表面エリアは異なっていてよい。特に、第1表面エリアと第2表面エリアは一致していない。したがって、第1光センサと第2光センサの表面エリアは、形状又は面積のうちの1つ以上で異なっていてもよい。例えば、第1表面エリアは、第2表面エリアよりも小さくてもよい。一例として、第1表面エリアと第2表面エリアの両方が正方形又は長方形の形状を有することができ、第1表面エリアの正方形又は長方形の辺の長さは第2表面エリアの正方形又は長方形の対応する辺の長さよりも小さくてよい。代替的に、一例として、第1表面エリアと第2表面エリアの両方が円形形状を有することができ、第1表面エリアの直径は第2表面エリアの直径よりも小さくてよい。また、代替的に、一例として、第1表面エリアは第1等価直径を有してもよく、第2表面エリアは第2等価直径を有してもよく、ここで、第1等価直径は第2等価直径よりも小さい。表面エリアは、上述した条件のうちの1つが満たされる限り、一致していてもよい。
光センサ、特に感光エリアは、重なっていてもよく、又は光センサ間に重なりが生じないように配置されていてもよい。
本明細書でさらに使用される場合、「評価装置」という用語は、一般に、好ましくは少なくとも1つのデータ処理装置を使用することにより、より好ましくは、少なくとも1つのプロセッサ及び/又は少なくとも1つの特定用途向け集積回路を使用することにより、指定された操作を実行するように構成された任意の装置を指す。したがって、一例として、少なくとも1つの評価装置は、多数のコンピュータコマンドを含むそこに保存されたソフトウェアコードを有する少なくとも1つのデータ処理装置を備えることができる。評価装置は、1つ以上の指定された操作を実行するために、1つ以上のハードウェア要素を提供してもよいし、及び/又は、1つ以上の指定された操作を実行するために、そこで実行されるソフトウェアを1つ以上のプロセッサに提供してもよい。
評価装置は、例えば、WO2018/091649A1、WO2018/091638A1及びWO2018/091640A1に記載された光子比(DPR)技術による距離に基づいて出力を生成するように構成されてもよく、その内容は参照により含まれる。DPR技法は、送信器ユニットの縦方向座標を決定するような距離測定を可能にする。さらに、DPR技術はまた、監視領域を横断する際の光ビーム幾何学的変化、例えば光ビームの部分的なカバーを認識することを可能にする。
評価装置は、まず、センサ信号を評価することにより、少なくとも1つの監視領域を横断する際の少なくとも1つの光ビームのビームプロファイルの変化、及び、さらに、センサ信号由来の結合信号Qを評価することにより、送信器ユニットの位置の少なくとも1つの構成要素の変化であって、該転送装置の座標系に関して決定される構成要素の変化、の少なくとも1つを監視することによって出力を生成するように構成される。本明細書で使用される場合、「結合信号Q」という用語は、特に、センサ信号を除算すること、センサ信号の倍数を除算すること、又はセンサ信号の線形結合を除算することのうちの1つ以上によって、センサ信号を結合することによって生成される信号を指す。特に、結合信号は、商信号であってよい。結合信号Qは、様々な手段を用いて決定されてよい。一例として、結合信号を導出するためのソフトウェア手段、結合信号を導出するためのハードウェア手段、又はその両方を用いてもよく、評価装置に実装してもよい。したがって、評価装置は、一例として、少なくとも1つのデバイダを含んでもよく、ここで、デバイダは、商信号を導出するように構成される。デバイダは、完全に又は部分的に、ソフトウェアデバイダ又はハードウェアデバイダの一方又は両方として具現化されてよい。
結合信号Qは、意図的及び/又は非意図的操作などの操作を決定するために使用することができる。「操作」という用語は、ビーム経路の長さ及び/又は方向の変化など、光ビームの1つの特性の変化をもたらす、光学監視用装置への任意の意図的及び/又は非意図的な介入を指す。送信器ユニットから受信器ユニットへのビーム経路は、水、引っかき傷、追加の反射要素の導入、汚れ、又は光バリアの構成要素の誤った配置の1つ以上に起因するなどの光学系の変化に起因して変化し得る。光バリアは、また受信器ユニット、送信器ユニット、又は反射ターゲットの存在又は非存在を決定することができる。具体的には、そのような変化は、送信器ユニットのx位置、y位置、又はz位置、ビームプロファイル、結合信号Q、及び光センサのセンサ信号のうちの1つ以上の変化をもたらし得る。ビーム経路の長さの変化は、結合信号Q、具体的には結合信号Qの変化を監視することによって検出し得る。結合信号Qは、送信器ユニットのz位置を決定するために使用することができる。結合信号Qは、光ビームのビームプロファイルに依存するため、結合信号Qは、ビームプロファイルの変化を決定するために使用することができる。評価装置は、例えばWO2018/091649A1、WO2018/091638A1及びWO2018/091640A1に記載されているように、結合信号Qを決定して評価することにより、ビーム経路の長さの変化を決定するように構成されてよい。評価装置は、結合信号Qを監視するように、及び、結合信号Qの変化を決定するように構成されてよい。評価装置は、決定された変化に基づいて操作を決定するように構成されてよい。例えば、評価装置は、結合信号Qを評価することによって送信器ユニットの縦方向座標を決定するように適合されてよい。例えば、追加の反射要素を導入することによって、送信器ユニットのz位置が変更された場合、結合信号Qの評価は、基準縦方向座標とは異なる縦方向座標をもたらす。評価装置は、基準縦方向座標と測定された縦方向座標とを比較するように構成されてよい。評価装置は、基準縦方向座標と測定された縦方向座標とが異なる場合に、操作を示すように構成され得、ここで、許容範囲内の相違は許容され得る。操作は、さらに、それぞれの光センサに衝突する光ビームのx位置及び/又はy位置の変化をもたらすことがあり、したがって、それぞれの光センサの感光エリアの部分的カバーなどのカバーの変化をもたらし得る。結合信号Qは、光ビームのこれらの幾何学的変化を検出するために使用されることができる。具体的には、評価装置は、光ビームの幾何学的変化を検出することによって、例えば、光スポットの重心位置と光スポットの全強度を同時に監視することにより、送信器ユニットの少なくとも1つの横方向座標x及び/又はyの変化を決定するように構成されてよく、一方で光スポットの総強度は変化しないが、重心位置が変化する場合には、少なくとも1つの横方向座標x及び/又はyの変化が発生しやすい。複数のパラメータの監視の組合せ、例えばz位置の監視とx及び/又はy位置の監視の組合せは、光バリアの信頼性を高めることができる。
本明細書で使用される場合、「出力」という用語は、少なくとも1つの領域を横断する際の光ビームのビームプロファイルなどの監視パラメータの変化、及び/又は送信器ユニットの位置の少なくとも1つの構成要素の変化に関する任意の表示を指す。出力は、少なくとも1つの出力信号であってもよく、及び/又は、それを含んでもよい。出力は、変化の有無を示す少なくとも1つのバイナリ信号を含んでよい。出力は、差分量、どのパラメータが変更されたか、どのパラメータが監視されたかなどの変化に関する少なくとも1つの情報を含んでよい。
評価装置は、さらに、光センサのセンサ信号の変化を監視することにより、少なくとも1つの出力を生成するように設計されてもよい。本明細書で使用される場合、「送信器ユニットの位置の少なくとも1つの構成要素」という用語は、送信器ユニットのx位置、y位置、及びz位置のうちの1つ以上を指す。具体的には、「送信器ユニットの位置」という用語は、送信器ユニットの少なくとも1つの開口部の位置を指す。評価装置は、照射源によって生成された少なくとも1つの光ビームのための少なくとも1つの基準ビームプロファイル、及び、送信器ユニットの位置の少なくとも1つの構成要素のための少なくとも1つの基準構成要素を用いて出力を生成するように設計されてよい。本明細書で使用される場合、「変化」という用語は、例えば少なくとも1つの基準ビームプロファイルからの、及び/又は送信器ユニットの少なくとも1つの基準位置からの、及び/又は基準センサ信号からの、及び/又は基準結合信号からの偏差を指す。さらに、「変化」という用語は、光ビームの遮断などによる低下、又はさらには欠如をも指す。基準ビームプロファイル、位置の基準構成要素、基準センサ信号、基準結合信号Qからなる群から選択される1つ以上の基準パラメータは、予め決定及び/又は予め定義されていてよい。少なくとも1つの基準ビームプロファイル、及び/又は送信器ユニットの位置の少なくとも1つの基準構成要素、及び/又は基準センサ信号、及び/又は基準結合信号Qは、ティーチング段階の間に保存されてよい。評価装置は、基準ビームプロファイル、位置の基準構成要素、基準センサ信号、基準結合信号Qのうちの1つ以上がテーブル又はルックアップテーブルなどで保存され得る少なくとも1つの保存装置を含んでよい。
評価装置は、監視パラメータをそれぞれの基準パラメータと比較するように構成されてよい。変化は、決定された値又はプロファイルからそれぞれの基準値又は基準プロファイルを減算すること、又はそれぞれその逆のことなどの少なくとも1つの数学演算を使用して決定されてよい。評価装置は、基準パラメータと監視パラメータとの間の差が少なくとも1つの閾値を超えているかを決定し、その差が閾値を超えている場合には変化を示すように構成されてよい。操作は、特に他のセンサ信号が変化しないのに、変化が一つの光センサに関する場合に、x位置、y位置、又はz位置の1つ以上、結合信号Q、及び光センサのセンサ信号の変化として定義されてよい。
ビームプロファイル、結合信号Q、センサ信号、位置の少なくとも1つの構成要素などのいくつかの監視パラメータの組合せは、操作に対する向上した信頼性を光バリアに提供することを可能にすることができる。具体的には、光バリアは、金属のシート又は表面のような高反射性環境からの反射に対してより信頼性を高くすることができる。ビームプロファイル又はx−y位置からの情報は、安全監視機能のために使用されてよい。例えば、ビームプロファイルの変化は、安全機能の故障を引き起こす可能性のある光学系の汚れを示すこともできる。さらに、システムの故障を引き起こす可能性のある排気ガス、蒸気、又は粒子の放出を、ビームプロファイルの監視によって検出することができる。送信器ユニットの縦方向座標などのz位置の監視は、光が移動すると想定される距離の短縮を認識することを可能にすることもできる。これは、水、引っかき傷、操作、又は汚れなどによる光学系の変化を示すこともあるし、又は光バリアの誤った再構築を示すこともある。
評価装置は、出力に基づいて少なくとも1つの動作を開始するように構成されていてもよく、ここで、該少なくとも1つの動作は、安全機能などの少なくとも1つの情報を提供すること、少なくとも1つの警告を生成すること、少なくとも1つの指示を誘導すること、出力信号を変更することのうちの少なくとも1つから選択される。警告を生成することは、少なくとも1つの電子信号を生成及び/又は変更することを含み得る。具体的には、評価装置は、出力に基づいて少なくとも1つの安全機能を作動させる。情報は、警告、安全シャットダウン、緊急警告、違反情報などであり得る。評価装置は、情報をイベントの時間に割り当て、及び、前記情報と前記イベントの時間の組合せを情報ログに保存するように構成され得る。警告は、視覚的、聴覚的、又は触覚的な警告信号を含み得る。指示は、機械などの少なくとも1つの装置のシャットダウンを開始することを含み得る。評価装置は、監視されているパラメータの1つのすべての変化がシャットダウン又は警告をもたらすのではなく、それぞれの場合で、変更されたパラメータのような変化の原因に関する情報をもたらすように構成されてよい。
光学監視用装置は、複数の送信器ユニット及び/又は受信器ユニットを含んでよい。受信器ユニットは、複数の送信器ユニットの監視領域を横断した光ビームを同時に又は非同時に検出するように構成されてよい。安全な運転を確保するために、受信器ユニットは、光ビームの存在、及び/又はビームプロファイル、及び/又は各送信器ユニットのx位置、y位置、z位置の少なくとも1つを監視し、変化があった場合には情報を送信するように構成されてよい。複数の受信器ユニットの場合、評価装置は、例えば多重化スキームを使用して各受信器ユニットのセンサ信号を評価するように構成されてよい。追加的又は代替的に、各受信器ユニットは、少なくとも1つの評価装置を含むことができる。
評価装置は、少なくとも1つの電気感知保護設備(ESPE)を備える少なくとも1つの安全装置を含んでいてもよい。ESPEは、保護トリップ、及び/又は感知機能及び/又は制御又は監視機能などの存在感知目的のために構成された複数の要素を含み得る。具体的には、ESPEは、少なくとも1つの出力信号スイッチング装置(OSSD)を含み得る。OSSDは、装置の機械制御システムに接続されてよい。評価装置が安全機能を作動させた場合、具体的には、上述したような動作を開始した場合、機械制御システムは、オフ状態などの安全状態になることで応答する。装置は、装置の正常動作を制御するように構成された少なくとも1つの電動式機械一次制御要素(MPCE)、危険部品の原動機から電源を除去するように構成されたさらなる機械制御要素である、少なくとも1つの機械二次制御要素(MSCE)、少なくとも1つの最終スイッチング装置(FSD)、少なくとも1つの二次スイッチング装置(SSD)、常閉(NC)接点及び常開(NO)接点のうちの1つ以上を含んでよい。FSDは、OSSDからの表示に応答して、機械制御システムと機械一次制御システムを接続する回路を遮断するように構成されてよい。この状況では、SSDは、オフ状態に移行し、MSCEを非通電にするなどの更なる機械制御動作を開始することにより、バックアップ機能を実行するように構成されてよい。
評価装置は、例えばIO−Link(登録商標)ベースの診断チャネルなどの、少なくとも1つの安全デジタル入力チャネル、及び/又は少なくとも1つの安全デジタル出力チャネル、及び/又は少なくとも1つの診断チャネルを含んでよい。評価装置は、ティーチング、パラメータ設定、セットアップ、又は診断などのために、コンピュータ、ラップトップ、コンソール装置、又はモバイル装置などのさらなる装置に接続されてよい。評価装置は、直ちに、又は後に、上述したさらなる装置に伝達すべき診断情報などの情報を保存するためのメモリを備えてもよい。評価装置は、さらなる装置と接続するため、又は送信器及び受信器ユニットを接続するためのM12コネクタを有してよい。評価装置は、光センサ又は更なる光センサを用いて周囲入射光を検出してよい。周囲入射光レベルは、診断のためなど、さらなる装置に伝送されてよい。評価装置は、エラー及びそのエラーに関連する可能な対策を出力してよい。
送信器及び/又は受信器ユニットは、照射の色を変更することによって、及び/又は異なる点滅又は変調パターンを使用することによって、送信器及び/又は受信器ユニットの状態又はインシデントのタイプを示すインジケータLEDなどの、少なくとも1つのインジケータ照射源を備えてよい。一例として、異なるエラーレベルは、連続又は点滅する赤色LED光によって示されてもよく、点滅は、1〜10Hzの周波数で発生してもよい。オレンジ色又は緑色の照射は、安定した量の光が受信器ユニットによって受信されているかどうかを示すために使用されてもよい。
評価装置は、監視領域を少なくとも2つのサブエリアに分割することによるなど、監視領域に応じて異なる信号又は情報を生成するように適合されてもよく、生成される情報のタイプはサブエリアに依存する。例えば、第1サブエリアで光ビームが遮断されると警告信号が生成され、一方、第2サブエリアで光ビームが遮断されるとシャットダウン信号が生成される。これにより、異なる安全地帯を定義することができる。
DPR技術を使用することは、例えばFiPセンサよりもはるかに高速で広い帯域幅を有するバイセルや象限ダイオードのような一般的で安価なSiセンサを使用することができるため、有利であり得る。更に、Siセンサは、より均質で完全に強度独立であり得、それに対してFiP装置では、均質の要求は製造コストを高くし、FiP商の強度独立性は追加の技術的努力を必要とする。DPR技術を使用するセンサの可能な実施形態については、WO2018/091649A1、WO2018/091638A1及びWO2018/091640A1が参照され、その内容は参照により包含される。以下では、例示的なセンサ構成のためのDPR技術が記載され、具体的には、結合信号Qの決定、及び結合信号Qからの送信器ユニットの縦方向座標zの決定が記載されている。評価装置は、センサ信号を除算すること、センサ信号の倍数を除算すること、センサ信号の線形結合を除算することのうちの1つ以上によって、結合信号Qを導出するように構成されてよい。評価装置は、縦方向座標を決定するために、結合信号Qと縦方向座標の間の少なくとも1つの所定の関係を使用するように構成されてよい。送信器ユニットの少なくとも1つの縦方向座標を決定することは、少なくとも1つの評価装置によって実行されてもよい。したがって、一例として、関係の1つ以上は、例えば1つ以上のルックアップテーブルを実装するなど、ソフトウェア及び/又はハードウェアに実装されてよい。このように、一例として、評価装置は、送信器ユニットの少なくとも1つの縦方向座標を決定するために、上述の評価を実行するように構成された1つ以上のコンピュータ、特定用途向け集積回路(ASIC)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、又はフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)などの1つ以上のプログラム可能な装置を備えることができる。しかしながら追加的に又は代替的に、評価装置はまた、完全に又は部分的にハードウェアによって具体化されてよい。
例えば、評価装置は、結合信号Qを以下により導出するように構成されており、
ここで、x及びyは横方向座標、A1及びA2は光センサの位置における光ビームのビームプロファイルの面積、E(x、y、z
o)は送信器ユニットの距離z
oに対するビームプロファイルを表す。エリアA1とエリアA2は異なっていてよい。具体的に、A1とA2は、一致していない。したがって、A1及びA2は、形状又は面積のうちの1つ以上が異なっていてよい。ビームプロファイルは、光ビームの断面であってよい。ビームプロファイルは、台形ビームプロファイル;三角形ビームプロファイル;円錐ビームプロファイル及びガウスビームプロファイルの線形結合からなる群から選択されてよい。一般に、ビームプロファイルは、輝度L(z
o)及びビーム形状S(x,y;z
o)に依存し、
である。このように、結合信号を導出することで、輝度から独立した縦方向の座標を決定することができる。
センサ信号の各々は、光ビームのビームプロファイルの少なくとも1つのエリアの少なくとも1つの情報を含んでよい。本明細書で使用される場合、「ビームプロファイルのエリア」という用語は、一般に、結合信号Qを決定するために使用されるセンサ位置におけるビームプロファイルの任意の領域を指す。感光エリアは、第1センサ信号がビームプロファイルの第1エリアの情報を含み、第2センサ信号がビームプロファイルの第2エリアの情報を含むように構成されてよい。ビームプロファイルの第1エリアとビームプロファイルの第2エリアは、隣接する領域又は重複する領域のいずれか一方又は両方であってよい。ビームプロファイルの第1エリアとビームプロファイルの第2エリアは、エリアが一致していなくてよい。
評価装置は、ビームプロファイルの第1エリア及びビームプロファイルの第2エリアを決定及び/又は選択するように構成されてよい。ビームプロファイルの第1エリアは、ビームプロファイルの実質的にエッジ情報を含んでよく、ビームプロファイルの第2エリアは、ビームプロファイルの実質的に中心情報を含んでよい。ビームプロファイルは、中心、すなわちビームプロファイルの最大値及び/又はビームプロファイルのプラトーの中心点及び/又は光スポットの幾何学的中心と、中心から延びる立下りエッジとを有してよい。第2領域は、断面の内側領域を含んでよく、第1領域は、断面の外側領域を含んでよい。本明細書で使用される場合、「実質的に中心情報」という用語は、一般に、中心情報の割合、すなわち中心に対応する強度分布の割合と比較して、エッジ情報の割合が低いこと、すなわちエッジに対応する強度分布の割合が低いことを指す。好ましくは、中心情報は、10%未満、より好ましくは5%未満、のエッジ情報の割合を有し、最も好ましくは、中心情報はエッジ内容を含まない。本明細書で使用される場合、「実質的にエッジ情報」という用語は、一般に、エッジ情報の割合と比較して、中心情報の割合が低いことを指す。エッジ情報は、ビームプロファイル全体の情報、特に中心領域及びエッジ領域からの情報を含み得る。エッジ情報は、10%未満、好ましくは5%未満の中心情報の割合を有し、より好ましくは、エッジ情報は中心情報を含まない。ビームプロファイルが中心に近いか又はその周囲にあり、実質的に中心情報を含む場合は、ビームプロファイルの少なくとも1つのエリアは、ビームプロファイルの第2エリアとして決定及び/又は選択されてよい。ビームプロファイルが断面の立下りエッジの少なくとも部分を含む場合は、ビームプロファイルの少なくとも1つのエリアは、ビームプロファイルの第1エリアとして決定及び/又は選択されてよい。例えば、断面の全エリアが第1エリアとして決定されてよい。ビームプロファイルの第1エリアをエリアA2、ビームプロファイルの第2エリアをエリアA1としてよい。
エッジ情報は、ビームプロファイルの第1エリアの光子数に関する情報を含むことができ、中心情報は、ビームプロファイルの第2エリアの光子数に関する情報を含むことができる。評価装置は、ビームプロファイルの面積積分を決定するように適合されてよい。評価装置は、第1エリアの積分及び/又は加算によってエッジ情報を決定するように適合されてよい。評価装置は、第2エリアの積分及び/又は加算によって中心情報を決定するように適合されてよい。例えば、ビームプロファイルは台形ビームプロファイルであってよく、評価装置は、台形の積分値を決定するように適合されてよい。さらに、台形ビームプロファイルが想定される場合、エッジと中心信号の決定は、エッジの勾配と位置、ならびに中心プラトーの高さの決定などの台形ビームプロファイルの特性を利用し、幾何学的考察によってエッジと中心信号を導出する等価評価によって置き換えることができる。
追加的又は代替的に、評価装置は、光スポットの少なくとも1つのスライス又はカットから中心情報又はエッジ情報の一方又は両方を決定するように適合されてよい。これは、例えば、結合信号Qの面積積分をスライス又はカットに沿った線積分に置き換えることによって実現できる。精度を向上させるために、光スポットを通る複数のスライス又はカットを使用して平均化してもよい。楕円スポットプロファイルの場合には、複数のスライス又はカットにわたって平均化することにより、改善された距離情報が得られる場合がある。
評価装置は、エッジ情報と中心情報を除算すること、エッジ情報と中心情報の倍数を除算すること、エッジ情報と中心情報の線形結合を除算することのうちの1つ以上によって、結合信号Qを導出するように構成されてよい。したがって、実質的には、本方法の物理的な基礎として、光子比が使用されてよい。
2つの光センサは、以下のように設計及び配置されてよい。
− 第1感光エリアを有する少なくとも1つの第1光センサであって、前記第1光センサは、前記送信器ユニットから前記受信器ユニットに伝播する光ビームによる前記第1感光エリアの照射に応答して、少なくとも1つの第1センサ信号を生成するように構成され、及び
− 第2感光エリアを有する少なくとも1つの第2光センサであって、前記第2光センサは、前記光ビームによる前記第2感光エリアの照射に応答して、少なくとも1つの第2センサ信号を生成するように構成され、
ここで前記第1感光エリアは、前記第2感光エリアよりも小さい。
評価装置は、第1及び第2センサ信号を評価することによって出力を生成するように構成されてよい。評価装置は、第1センサ信号又は第2センサ信号の変化を監視することによって少なくとも1つの出力を生成するようにさらに構成されてよい。
この実施形態では、光センサは、光センサの感光エリアがその縦方向座標及び/又は表面エリアにおいて異なるように配置されてよい。評価装置は、第1センサ信号又は第2センサ信号の変化を監視して、少なくとも1つの出力を生成するようにさらに設計されている。一方向光バリアの場合、第1及び第2感光エリアは、具体的には、送信器ユニットに向かって方向付けされてよい。代替的に、反射型光バリアの場合、送信器ユニットと第1及び第2感光エリアは、反射ターゲットに向かって方向付けされてよい。
送信器ユニットから受信器ユニットへ伝播する光ビームは、具体的には、第1光センサの感光エリアが光ビーム内に完全に位置し、光ビームの幅が第1光センサの感光エリアよりも大きくなるように、第1光センサの感光エリアを完全に照射することができる。反対に、好ましくは、送信器ユニットから受信器ユニットへ伝播する光ビームは、具体的には、光スポットが第2感光エリア内に完全に位置するように、第2感光エリア上に第2光センサの感光エリアよりも小さい光スポットを形成してもよい。第2感光エリア上の光スポット内には、第1光センサによって生成された影が配置されてもよい。したがって、一般的に、より小さい第1感光エリアを有する第1光センサは、第1感光エリアが光ビーム内に完全に配置され、光ビームが第2感光エリアより小さい光スポットを第2感光エリア上に生成し、さらに第1光センサによって生成された影が光スポット内にあるように、送信器ユニットから見て、第2光センサの前に配置されてよい。この状況は、光学の当業者によって、以下にさらに詳細に概説するように、例えば適切な転送装置を使用することによるなど、光ビームに集光又はデフォーカス効果を有する1つ以上の適切なレンズ又は要素を選択することによって容易に調整され得る。本明細書でさらに使用される場合、光スポットは、一般に、光ビームによる物品、エリア又は物体上の目に見える又は検出可能な円形又は非円形の照射を指す。
上述したように、第1感光エリアは、第2感光エリアよりも小さい。本明細書で使用される場合、「より小さい」という用語は、第1感光エリアの表面積が、例えば少なくとも0.9倍、例えば少なくとも0.7倍、又はさらに少なくとも0.5倍で、第2感光エリアの表面積よりも小さいという事実を指す。一例として、第1感光エリア及び第2感光エリアの両方は、正方形又は長方形の形状を有することができ、第1感光エリアの正方形又は長方形の辺の長さは、対応する第2感光エリアの正方形又は長方形の辺よりも小さい。あるいは、一例として、第1感光エリア及び第2感光エリアの両方は、円の形状を有してもよく、第1感光エリアの直径が第2感光エリアの直径よりも小さい。また、代替的に、例として、第1感光エリアは第1等価直径を有してもよく、第2感光エリアは第2等価直径を有してよく、第1等価直径は第2等価直径よりも小さい。
第1感光エリアは、具体的には、光ビームの伝播方向において、第2感光エリアと重なっていてもよい。光ビームは、第1感光エリアと、第2感光エリアとの両方を、完全に又は部分的に照射してもよい。したがって、一例として、受信器ユニットの光軸上に位置する一点から見て、第1感光エリアは、送信器ユニットから見た場合、第1感光エリアが第2感光エリア内に完全に位置するように、第2感光エリアの前方に位置してよい。光ビームが、上述したように、第1及び第2感光エリアに向かって伝播するとき、光ビームは、第1感光エリアを完全に照射してもよく、第2感光エリア上に光スポットを形成してもよく、ここで、第1光センサによって形成された影が光スポット内に位置している。しかしながら、他の実施形態が可能であることに留意されたい。
具体的には、評価装置は、第1及び第2センサ信号から導出される結合信号と縦方向座標との間の既知の、決定可能な、又は予め決定された関係の少なくとも1つを用いて、送信器ユニットの少なくとも1つの座標zを決定するように構成されてよい。したがって、評価装置は、具体的には、第1及び第2センサ信号を除算することによって、第1及び第2センサ信号の倍数を除算することによって、又は第1及び第2センサ信号の線形結合を除算することによって、結合信号Qを導出するように構成されてよい。例として、Qは、Q=s1/s2又はQ=s2/s1として簡単に決定されてよく、ここでs1は第1センサ信号を示し、s2は第2センサ信号を示す。追加的又は代替的に、Qは、Q=a・s1/b・s2又はQ=b・s2/a・s1として決定されてよく、ここでa及びbは、一例として、予め定められているか、又は決定可能な実数である。追加的又は代替的に、Qは、Q=(a・s1+b・s2)/(c・s1+d・s2)として決定されてよく、ここでa、b、c及びdは、一例として、予め定められているか又は決定可能な実数である。後者の簡単な例として、Qは、Q=s1/(s1+s2)として決定されてよい。他の結合信号が可能である。
典型的には、上述の構成において、Qは、送信器ユニットの縦方向座標及び/又は光スポットの直径又は等価直径などの光スポットのサイズの単調関数である。したがって、一例として、特に線形光センサが使用される場合、商Q=s1/s2は、光スポットのサイズの単調減少関数である。この理論に拘束されることを望まないが、これは、上述の好ましい構成において、第1信号s1及び第2信号s2の両方が、受信器ユニットに到達する光量が減少するため、光源までの距離が増すにつれて二乗関数として減少する、という事実によると考えられる。しかしながら、そこでは、第1信号s1は、第2信号s2よりも急速に減少し、実験で使用されたような光学構成では、像平面内の光スポットは成長し、したがって、より広いエリアにわたって拡大する。したがって、第1及び第2センサ信号の商は、光ビームの直径又は光スポットの直径が増加するにつれて連続的に減少する。さらに、商は、光ビームの総出力が第1センサ信号及び第2センサ信号の両方において1つの係数を形成するため、ほとんど光ビームの総出力から独立し得る。結果として、結合信号Qは、第1及び第2センサ信号と光ビームのサイズ又は直径との間の一意的かつ明確な関係を提供する二次信号を形成することができる。他方では、光ビームのサイズ又は直径は、光ビームが受信器ユニットに向かって伝播する送信器ユニットと受信器ユニット自体の間の距離に依存するため、すなわち、送信器ユニットの縦方向座標に依存するため、第1及び第2センサ信号と縦方向座標の間に一意的かつ明確な関係が存在し得る。後者については、例えばWO2014/097181A1などを参照することができる。所定の関係は、例えばガウス光ビームの線形結合を仮定するなどの分析的考察により、例えば第1及び第2センサ信号を計測する測定、又は送信器ユニットの縦方向座標の関数としてそこから導出される二次信号などの経験的測定により、又はその両方により決定され得る。評価装置は、結合信号Qを評価することによって縦方向座標を決定するように構成されてよい。評価装置は、結合信号Qと縦方向座標との間の少なくとも1つの所定の関係を使用するように構成され得る。所定の関係は、経験的関係、半経験的関係、及び分析的に導出された関係のうちの1つ以上であってよい。評価装置は、所定の関係を保存するための少なくとも1つのデータ保存装置、例えばルックアップリスト又はルックアップテーブルを備えてよい。
第1及び第2光センサは、具体的には、受信器ユニットの同一のビーム経路に直線的に配置されてよい。本明細書で使用される場合「直線的に」という用語は、一般に、センサが1つの軸に沿って配置されることを指す。したがって、一例として、第1及び第2光センサは両方とも受信器ユニットの光軸上に配置されてよい。具体的には、第1及び第2光センサは、光軸に対して同心円状に配置されてよい。第1光センサは、第2光センサの前に配置されてもよい。したがって、一例として、第1光センサは、第2光センサの表面上に単に配置されてよい。追加的又は代替的に、第1光センサは、第2光センサから第1感光エリアの表面エリアの平方根の5倍以下の間隔を空けてよい。追加的又は代替的に、第1光センサは、第2光センサの前に配置されてもよく、第2光センサから50mm以下、好ましくは15mm以下の間隔を空けてよい。
上述したように、第2感光エリアは第1感光エリアよりも大きくてもよい。したがって、一例として、第2感光エリアは、少なくとも2倍、より好ましくは少なくとも3倍、最も好ましくは少なくとも5倍、第1感光エリアより大きくてよい。第1感光エリアは、具体的には、小さい感光エリアであってよく、好ましくは、光ビームがこの感光エリアを完全に照射するようであってよい。したがって、典型的な光学構成に適用できる例として、第1感光エリアは、0.01mm2〜150mm2、より好ましくは0.1mm2〜100mm2の表面積を有することができる。第2感光エリアは、具体的には大面積であり得る。したがって、好ましくは、受信器ユニットの測定範囲内で、送信器ユニットから伝播する光ビームによって生成された受信器の光スポットは、光スポットが第2感光エリアの境界内に完全に配置されるように、第2感光エリア内に完全に配置されてよい。例として、典型的な光学構成では、例えば第2感光エリアは、1mm2〜1000mm2、より好ましくは2mm2〜600mm2の表面エリアが適用可能である。
第1及び第2光センサは、それぞれ独立して、不透明、透明又は半透明であってよい。しかし、簡単のために、これらの不透明センサが一般に広く市販されているため、光ビームに対して透明ではない不透明センサを使用することができる。
第1及び第2光センサのそれぞれは、具体的には、それぞれ単一の感光エリアを有する均一なセンサであってよい。したがって、具体的には、第1及び第2光センサは、非ピクセル化光センサであってよい。
上述したように、第1及び第2センサ信号を評価することによって、評価装置は、送信器ユニットの少なくとも1つの縦方向座標を決定することを可能になり得る。しかし、それに加えて、1つ以上の横方向座標及び/又は回転座標を含む送信器ユニットの他の座標は、評価装置によって決定されてよい。したがって、一例として、1つ以上の追加の横方向センサが少なくとも1つの横方向座標を決定するために使用されてよい。様々な横方向センサは、例えば、WO2014/097181A1に開示されている横方向センサ、及び/又は他の位置検出デバイス(PSD)、例えば、象限ダイオード、CCD又はCMOSチップなどのように、当技術分野で一般的に知られている。これらの装置は、一般に、受信器ユニットにも実装することができる。一例として、光ビームの一部は、少なくとも1つのビーム分割要素によって受信器ユニット内で分割されてよい。分割部分は、一例として、CCD又はCMOSチップ又はカメラセンサなどの横方向センサに向かって案内されてよく、そして横方向センサ上の分割部分によって生成された光スポットの横方向位置が決定され、それによって物体の少なくとも1つの横方向座標が決定され得る。
しかしながら、第1光センサ及び第2光センサの他の実施形態は可能である。例えば、第1光センサ及び第2光センサは、同一の大きさを有する感光エリアを有してよい。この場合、例えば、第1感光エリアと第2感光エリアとは、感光エリアの縦方向座標が異なるように配置されてよい。
本発明のさらなる実施形態では、受信器ユニットは、光センサのマトリックスを有する少なくとも1つのセンサ要素を含むことができ、該光センサは、それぞれ感光エリアを有する。各光センサは、送信器ユニットから受信器ユニットに伝播する光ビームによる感光エリアの照射に応答して、少なくとも1つのセンサ信号を生成するように構成されてよい。この実施形態では、光センサは、光センサの感光エリアが空間的オフセット及び/又は表面エリアが異なるように配置されてよい。評価装置は、
a) 最高センサ信号を有する少なくとも1つの光センサを決定し、少なくとも1つの中心信号を形成すること;
b) マトリックスの光センサのセンサ信号を評価し、少なくとも1つの和信号を形成すること;
c) 中心信号と和信号とを結合することにより、少なくとも1つの結合信号を決定すること;及び
d) 結合信号を評価することにより、送信器ユニットの少なくとも1つの縦方向座標zを決定すること、
によってセンサ信号を評価するように構成されてよい。
本明細書で使用される場合、「センサ要素」という用語は、一般に、少なくとも1つのパラメータを感知するように構成された装置又は複数の装置の組み合わせを指す。この場合、パラメータは、具体的には光パラメータであってよく、センサ要素は、具体的には光センサ要素であってよい。センサ要素は、一体の単一装置として、又はいくつかの装置の組み合わせとして形成され得る。本明細書でさらに使用される場合、「マトリックス」という用語は、一般に、複数要素の所定の幾何学的順序における配置を指す。マトリックスは、以下でさらに詳細に概説するように、具体的には、1つ以上の行及び1つ以上の列を有する長方形のマトリックスであってもよく、又はそれを含んでもよい。行と列は、具体的には長方形方式に配置され得る。しかしながら、非長方形の配置などの他の配置も可能であることを説明する必要がある。一例として、円形の配置も可能であり、ここで要素は中心点を中心に同心の円又は楕円に配置される。例えば、マトリックスは、ピクセルの単一の行であってよい。他の配置も可能である。
マトリックスの光センサは、具体的には、大きさ、感度、及び他の光学的、電気的、機械的特性のうちの1つ以上で等しくてよい。マトリックスのすべての光センサの感光エリアは、具体的には、共通の平面内に配置されてよく、該共通平面は、好ましくは、送信器ユニットから受信器ユニットに伝播する光ビームが該共通平面上に光スポットを生成するように、送信器ユニットに面している。
前述の先行技術文献、例えばWO2012/110924A1又はWO2014/097181A1のうちの1つ以上でより詳細に説明されているように、典型的には、光スポットの直径、ビームウェスト又は同等の直径などの光スポットのサイズと、光ビームが受信器ユニットに向かって伝播する送信器ユニットの縦方向座標の間には、予め決定された、又は決定可能な関係が存在する。理論に拘束されることを望まないが、光スポットは2つの測定変数:中心信号とも呼ばれる、光スポットの中心又は中心に近い小さな測定パッチで測定される測定信号と、中心信号の有無にかかわらず、光スポット上で積分された積分信号又は和信号によって特徴付けられる。ビームが拡大又は集束しても変化しない特定の総出力を有する光ビームの場合、和信号は光スポットのスポットサイズから独立しているべきであり、したがって、少なくとも線形光センサがそれぞれの測定範囲内で使用される場合、和信号は送信器ユニットと受信器ユニットの間の距離から独立しているべきである。ただし、中心信号はスポットサイズに依存する。したがって、中心信号は、通常、光ビームが集束されると増加し、光ビームがデフォーカスすると減少する。したがって、中心信号と和信号を比較することにより、光ビームによって生成される光スポットのサイズに関する情報項目、したがって、送信器ユニットの縦方向座標関する情報項目を生成することができる。中心信号と和信号の比較は、一例として、中心信号と和信号から結合信号Qを形成し、縦方向座標と結合信号の間の予め決定された、又は決定可能な関係を、縦方向座標を導出するために使用することによって、行うことができる。
光センサのマトリックスの使用は、複数の優位及び利益を提供する。このように、センサ要素上の、例えばセンサ要素のマトリックスの光センサの感光エリアの共通平面上の、光ビームによって生成される光スポットの中心は、送信器ユニットの横方向の位置によって変化し得る。光センサのマトリックスを使用することにより、受信器ユニットは、これらの条件の変化に適応することができ、したがって、センサ信号を比較するだけで光スポットの中心を決定することができる。その結果、受信器ユニットは、それ自体で中心信号を選択し、和信号を決定し、及びこれらの2つの信号から、送信器ユニットの縦方向座標に関する情報を含む結合信号を導出することができる。結合信号を評価することにより、送信器ユニットの縦方向座標がこのように決定され得る。光センサのマトリックスの使用は、したがって、送信器ユニットの位置、特に送信器ユニットの横方向の位置に関して著しい柔軟性を提供する。
光センサのマトリックス上の光スポットの横方向位置、例えばセンサ信号を生成する少なくとも1つの光センサの横方向位置は、例えばWO2014/198629A1に開示されているように、それから送信器ユニットの横方向位置に関する少なくとも1つの情報項目が導出される、追加的な情報項目として使用されてもよい。追加的又は代替的に、受信器ユニットは、少なくとも1つの縦方向座標に加えて、送信器ユニットの少なくとも1つの横方向座標を検出するための少なくとも1つの追加の横方向検出器を含んでもよい。
したがって、本発明によれば、「中心信号」という用語は、一般に、ビームプロファイルの実質的に中心の情報を含む少なくとも1つのセンサ信号を指す。本明細書で使用される場合、「最高のセンサ信号」という用語は、関心領域の局所最大値又は最大値の一方又は両方を指す。例えば、中心信号は、マトリックス全体又はマトリックス内の関心領域の光センサによって生成される複数のセンサ信号のうち、最も高いセンサ信号を有する少なくとも1つの光センサの信号であり得、該関心領域は、マトリックスの光センサによって生成される画像内で予め決定され得るか、又は決定可能であり得る。中心信号は、単一の光センサから、又は以下でさらに詳細に概説されるように、一群の光センサから生じてもよく、後者の場合、一例として、一群の光センサのセンサ信号は、中心信号を決定するために、加算、積分、又は平均化され得る。中心信号が生じる光センサの一群は、最高のセンサ信号を有する実際の光センサから所定距離より短く離れた光センサなどの隣接する光センサの一群であり得、又は、最高のセンサ信号から所定範囲内にあるセンサ信号を生成する光センサの一群であり得る。中心信号が生じる光センサの一群は、最大のダイナミックレンジを可能にするように、できるだけ大きく選択され得る。評価装置は、複数のセンサ信号、例えば最高のセンサ信号を有する光センサの周りの複数の光センサのセンサ信号を積分することによって中心信号を決定するように適合されてもよい。例えば、ビームプロファイルは台形ビームプロファイルであり得、評価装置は、台形、特に台形のプラトーの積分を決定するように適合されてもよい。
同様に、「和信号」という用語は、一般に、ビームプロファイルの実質的にエッジ情報を含む信号を指す。例えば、和信号は、センサ信号を加算すること、センサ信号を積分すること、又はマトリックス全体又はマトリックス内の関心領域のセンサ信号を平均することによって導出することができ、該関心領域は、マトリックスの光センサによって生成される画像内で予め決定され得るか、又は決定可能であり得る。センサ信号を合計、積分、又は平均化する場合、センサ信号が生成される実際の光センサは、加算、積分、又は平均化から除外されてもよく、あるいは、加算、積分、又は平均化に含まれてもよい。評価装置は、マトリックス全体の、又はマトリックス内の関心領域の信号を積分することにより、和信号を決定するように適合され得る。例えば、ビームプロファイルは台形ビームプロファイルであり得、評価装置は、台形全体の積分を決定するように適合され得る。さらに、台形ビームプロファイルが想定される場合、エッジ信号と中心信号の決定は、エッジの勾配と位置の決定、及び中央プラトーの高さの決定など、台形ビームプロファイルの特性を利用し、そして幾何学的考察によってエッジ信号と中心信号を導出する等価評価に置き換えることができる。
追加的に又は代替的に、評価装置は、光スポットの少なくとも1つのスライス又はカットから中心情報又はエッジ情報の一方又は両方を決定するように適合され得る。これは、例えば、結合信号Qの面積積分を、スライス又はカットに沿った線積分で置き換えることによって実現することができる。精度を向上させるために、光スポットを通るいくつかのスライス又はカットを使用して平均化することができる。楕円形のスポットプロファイルの場合、いくつかのスライス又はカットを平均することによって距離情報が向上することがある。
同様に、本明細書で使用される「結合信号」という用語は、一般に、中心信号と和信号を結合して生成される信号を指す。具体的には、結合は、中心信号と和信号の商を形成すること、又はその逆の商を形成すること;中心信号の倍数と和信号の倍数の商を形成すること、又はその逆の商を形成すること;中心信号の線形結合と和信号の線形結合の商を形成すること、又はその逆の商を形成すること、の1つ以上によって決定されてもよい。追加的又は代替的に、結合信号は、中心信号と和信号の間の比較に関する情報の少なくとも1つの項目を含む任意の信号又は信号の結合を含み得る。
光ビームは、具体的には、中心信号が生成される少なくとも1つの光センサが光ビーム内に完全に位置するように、センサ信号が生じる少なくとも1つの光センサの感光エリアより大きい光ビーム幅で、中心信号が生成される少なくとも1つの光センサを完全に照射してよい。反対に、好ましくは、光ビームは、光スポットがマトリックス内に完全に位置するように、マトリックスよりも小さい光スポットをマトリックス全体の上に生成してもよい。このような状況は、光学の当業者であれば、適切な転送装置を使用するなど、光ビームに集光又はデフォーカス効果を有する1つ以上の適切なレンズ又は要素を選択することによって、容易に調整することができる。
上述したように、中心信号は、一般に、光スポットの中心にある光センサからのセンサ信号などの単一のセンサ信号であってもよいし、又は、光スポットの中心にある光センサから生じるセンサ信号の組合せなど、複数のセンサ信号の組合せであってもよいし、又は、前述の可能性の1つ以上から導出されるセンサ信号を処理することによって導出される二次センサ信号であってもよい。中心信号の決定は、センサ信号の比較が従来の電子機器によってかなり簡単に実施されるため、電子的に実行されてもよく、又は、ソフトウェアによって完全に又は部分的に実行されてもよい。具体的には、中心信号は、最高センサ信号;最高センサ信号からの所定の許容範囲内にあるセンサ信号の一群の平均;最高センサ信号を有する光センサを含む光センサの一群及び隣接する光センサの所定の一群からのセンサ信号の平均;最高センサ信号を有する光センサの一群と隣接する光センサの所定の一群からのセンサ信号の合計;最高センサ信号から所定の許容範囲内にあるセンサ信号の一群の合計;所定の閾値を超えるセンサ信号の一群の合計;最高センサ信号を有する光センサの一群及び隣接する光センサの所定の一群からのセンサ信号の積分;最高センサ信号から所定の許容範囲内にあるセンサ信号の一群の積分;所定の閾値を超えるセンサ信号の一群の積分、からなる群から選択され得る。
上で概説したように、光センサの未処理のセンサ信号は、評価、又はそれから導出される二次センサ信号に使用されてもよい。本明細書で使用される場合、「二次センサ信号」という用語は、一般に、フィルタリング、平均化、又は復調など、1つ以上の未処理信号を処理することによって得られる、電子信号、より好ましくはアナログ及び/又はデジタル信号などの信号を指す。したがって、画像処理アルゴリズムが、マトリックスのセンサ信号の全体から、又はマトリックス内の関心領域から、二次センサ信号の生成に使用され得る。具体的には、評価装置は、光センサのセンサ信号を変換し、それによって二次光センサ信号を生成するように構成され得、該評価装置は、二次光センサ信号を使用してステップa)〜d)を実行するように構成される。センサ信号の変換は、具体的には、以下:フィルタリング;少なくとも1つの関心領域の選択;センサ信号によって作成された画像と少なくとも1つのオフセットとの間の差分画像の形成;センサ信号によって生成された画像を反転することによるセンサ信号の反転;異なる時間にセンサ信号によって生成された画像間の差分画像の形成;背景補正;カラーチャンネルへの分解;色相への分解;飽和;そして輝度チャネル;周波数分解;特異値分解;キャニーエッジ検出器の適用;ガウスフィルタのラプラシアンの適用;ガウスフィルタの差分の適用;ソーベル演算子の適用;ラプラス演算子の適用;Scharr演算子の適用;プレウィット演算子の適用;ロバーツ演算子の適用;Kirsch演算子の適用;ハイパスフィルタの適用;ローパスフィルタの適用;フーリエ変換の適用;ラドン変換の適用;ハフ変換の適用;ウェーブレット変換の適用;閾値処理;バイナリイメージの作成、からなる群から選択される少なくとも1つの変換を含み得る。関心領域は、ユーザにより手動によって決定されるか、あるいは、光センサによって生成された画像内で物体を認識することによってなど、自動で決定され得る。一例として、車両、人、又は別のタイプの所定の物体は、画像内で、すなわち、光センサによって生成されたセンサ信号全体内で自動画像認識によって決定され得、関心領域は、物体が該関心領域内に位置するように選択され得る。この場合、縦方向座標の決定などの評価は、関心領域に対してのみ実行されるようにすることができる。ただし、他の実施も可能である。
上記で概説したように、光スポットの中心の検出、すなわち、中心信号及び/又は中心信号が生じる少なくとも1つの光センサの検出は、完全に又は部分的に電子的に実行され得、又は1つ以上のソフトウェアアルゴリズムを使用して完全に又は部分的に実行され得る。具体的には、評価装置は、少なくとも1つの最高のセンサ信号を検出するため、及び/又は中心信号を形成するための少なくとも1つの中心検出器を備えることができる。中心検出器は、具体的には、完全に又は部分的にソフトウェアで具体化されてもよく、及び/又は完全又は部分的にハードウェアで具体化されてもよい。中心検出器は、少なくとも1つのセンサ要素に完全に又は部分的に一体化されてもよく、及び/又はセンサ要素から独立して完全に又は部分的に具体化されてもよい。
上記で概説したように、和信号は、マトリックスのすべてのセンサ信号から、関心領域内のセンサ信号から、又は中心信号に寄与する光センサから生じるセンサ信号を除いたこれらの可能性の1つから導出できる。すべての場合において、縦方向座標を決定するために、中心信号と確実に比較することができる信頼できる和信号が生成され得る。一般に、和信号は、マトリックスのすべてのセンサ信号の平均;マトリックスのすべてのセンサ信号の合計;マトリックスのすべてのセンサ信号の積分;中心信号に寄与する光センサからのセンサ信号を除く、マトリックスのすべてのセンサ信号の平均;中心信号に寄与する光センサからのセンサ信号を除く、マトリックスのすべてのセンサ信号の合計;中心信号に寄与する光センサからのセンサ信号を除く、マトリックスのすべてのセンサ信号の積分;最高のセンサ信号を有する光センサから所定の範囲内の光センサのセンサ信号の合計;最高のセンサ信号を有する光センサから所定の範囲内の光センサのセンサ信号の積分;最高のセンサ信号を有する光センサから所定の範囲内に位置する光センサの所定の閾値を超えるセンサ信号の合計;最高のセンサ信号を有する光センサから所定の範囲内にある光センサの所定の閾値を超えるセンサ信号の積分、からなる群から選択され得る。しかしながら、他の選択肢がある。
加算は、完全に又は部分的にソフトウェアで実行されてもよく、及び/又は完全に又は部分的にハードウェアで実行されてもよい。加算は一般に、典型的には受信器ユニットに容易に実装され得る純粋に電子的手段によって可能である。したがって、電子工学の分野では、加算装置は一般に、アナログ信号とデジタル信号の両方の2つ以上の電気信号を加算することが知られている。したがって、評価装置は、和信号を形成するための少なくとも1つの加算装置を備えることができる。加算装置は、完全に又は部分的にセンサ要素に一体化されてもよく、又は完全に又は部分的にセンサ要素とは独立して具体化されてもよい。加算装置は、完全に又は部分的に、ハードウェア又はソフトウェアの一方又は両方で具体化されてもよい。
上で概説したように、中心信号と和信号との間の比較は、具体的には、1つ以上の商信号を形成することによって実行されてもよい。したがって、一般的に、結合信号は、中心信号と和信号の商を形成すること、又はその逆の商を形成すること;中心信号の倍数と和信号の倍数の商を形成すること、又はその逆の商を形成すること;中心信号の線形結合と和信号の線形結合の商を形成すること、又はその逆の商を形成すること;中心信号の商と和信号と中心信号の線形結合の商を形成すること、又はその逆の商を形成すること;和信号の商と和信号と中心信号の線形結合の商、又はその逆を形成すること;中心信号のべき乗と和信号のべき乗の商を形成すること、又はその逆の商を形成すること、のうちの1つ以上によって導出される商信号であってもよい。しかし、他の選択肢も存在する。評価装置は、1つ以上の商信号を形成するように構成されていてもよい。評価装置は、少なくとも1つの商信号を評価することにより、少なくとも1つの縦方向座標を決定するようにさらに構成されてもよい。
評価装置は、具体的には、少なくとも1つの縦方向座標を決定するために、結合信号Qと縦方向座標の間の少なくとも1つの所定の関係を使用するように構成されていてもよい。このように、上記に開示された理由により、及び光スポットの特性の縦方向座標への依存性により、結合信号Qは、典型的には、縦方向座標の単調関数であり、及び/又は、光スポットの直径又は等価直径のような光スポットのサイズの単調関数である。したがって、一例として、具体的に線形光センサが使用される場合、センサ信号scenterと和信号ssumの簡単な商Q=scenter/ssumは、距離の単調減少関数であり得る。理論に拘束されることを望まないが、これは、上記の好ましい構成では、受信器ユニットに到達する光の量が減少するため、光源までの距離の増加に伴って、中心信号scenterと和信号ssumの両方が、二乗関数として減少するという事実が原因であると考えられる。しかしながら、そこでは、中心信号scenterは、実験で使用される光学構成では、画像平面内の光スポットが増大し、したがってより広いエリアに広がるため、和信号ssumよりも急速に減少する。中心信号と和信号の商は、したがって、マトリックスの光センサの感光エリア上の光ビーム又は光スポットの直径の増加に伴って連続的に減少する。さらに、光ビームの総出力が中心信号と和センサ信号の両方の係数を形成するため、商は通常、光ビームの総出力から独立している。その結果、商Qは、中心信号と和信号との間、及び光ビームのサイズ又は直径との間の一意的かつ明確な関係を提供する二次信号を形成し得る。一方、光のサイズ又は直径は、光ビームがそこから受信器ユニットに向かって伝播する送信器ユニットと受信器ユニット自体の間の距離に依存するため、つまり、送信器ユニットの縦方向座標に依存するため、一方では中心信号と和信号の間で、他方では中心信号と縦方向座標の間に、一意的かつ明確な関係が存在し得る。後者については、例えばWO2014/097181A1などの上記の先行技術文献の1つ以上を参照することができる。所定の関係は、例えばガウス光ビームの線形結合を仮定することによる分析的考察により、また例えば結合信号及び/又は中心信号及び和信号又はそこから導出される二次信号を、送信器ユニットの縦方向座標の関数として計測する測定などの経験的測定により、又はその両方により、決定することができる。
このように、一般的に評価装置は、商信号などの結合信号Qを評価することによって、縦方向座標を決定するように構成され得る。この決定は、例えば中心信号と和信号を直接結合してその縦方向座標を導出することによってなど、1ステップの過程であってもよいし、例えば第1に中心信号と和信号から結合信号を導出し、第2に結合信号から縦方向座標を導出するような複数ステップの過程であってもよい。両方の選択肢、すなわちステップc)とd)が別個の独立したステップである選択肢と、ステップc)とd)が完全に又は部分的に組み合わされる選択肢である、両方の選択肢が本発明に含まれるものとする。
評価装置は、結合信号と縦方向座標との間の少なくとも1つの所定の関係を使用するように構成されてよい。所定の関係は、経験的関係、半経験的関係、及び分析的に導出された関係のうちの1つ以上であってよい。評価装置は、所定の関係を保存するための少なくとも1つのデータ記憶装置、例えばルックアップリスト又はルックアップテーブルを備えることができる。
上記で概説したように、光センサは、具体的には、光検出器、好ましくは無機光検出器、より好ましくは無機半導体光検出器、最も好ましくはシリコン光検出器であってもよいし、又はそれらを含んでよい。具体的には、光センサは、赤外スペクトル範囲において感度を有していてもよい。マトリックスの光センサのすべて、又はマトリックスの光センサの少なくとも1つの群は、具体的には同一であってもよい。マトリックスの同一の光センサの群は、具体的には、異なるスペクトル範囲に提供されてもよく、又はすべての光センサは、スペクトル感度に関して同一であってもよい。さらに、光センサは、サイズ及び/又はそれらの電子的又は光電子的特性に関して同一であってもよい。
マトリックスは、独立した光センサで構成されていてもよい。したがって、無機フォトダイオードのマトリックスを構成することができる。しかしながら、代替的に、CCD検出器チップなどの1つ以上のCCD検出器、及び/又はCMOS検出器チップなどCMOS検出器などの市販のマトリックスが使用されてもよい。
したがって、一般に、光センサは、センサアレイを形成してもよく、又は上述のマトリックスなどのセンサアレイの一部であってもよい。したがって、一例として、受信器ユニットは、m行及びn列を有し、ここでm、nは独立して正の整数である、長方形アレイなどの光センサアレイを備えることができる。好ましくは、1つ超の列及び1つ超の行が与えられ、すなわち、n>1、m>1である。したがって、一例として、nは2〜16以上であり得、mは2〜16以上であり得る。好ましくは、行数と列数の比は1に近い。一例として、n及びmは、m/n=1:1、4:3、16:9又は同様のものを選択することなどにより、0.3≦m/n≦3となるように選択され得る。一例として、アレイは、m=2、n=2又はm=3、n=3などを選択することなどにより、等しい数の行及び列を有する正方形アレイであってもよい。
上記でさらに概説したように、マトリックスは、具体的には、少なくとも1行、好ましくは複数行及び複数列を有する長方形のマトリックスであってよい。一例として、行及び列は、実質的に垂直な方向に方向付けられてよく、「実質的に垂直」という用語に関しては、上記の定義を参照することができる。したがって、一例として、20°より小さい、具体的には10°より小さい、又は5°より小さい許容誤差でさえ許容され得る。広い視野を提供するために、マトリックスは、具体的には、少なくとも10行、好ましくは少なくとも500行、より好ましくは少なくとも1000行を有することができる。同様に、マトリックスは、少なくとも5列、好ましくは少なくとも500列、より好ましくは少なくとも1000列を有することができる。マトリックスは、少なくとも50個の光センサ、好ましくは少なくとも10000個の光センサ、より好ましくは少なくとも500000個の光センサを有することができる。マトリックスは、数メガピクセルの範囲の数のピクセルを含み得る。しかしながら、他の実施形態も可能である。したがって、上述したように、軸回転対称性が期待される構成では、ピクセルとも呼ばれ得るマトリックスの光センサの円形配置又は同心配置が好ましいことがある。
上記でさらに概説したように、好ましくは、センサ要素は、受信器ユニットの光軸に対して実質的に垂直に方向付けられてもよい。「実質的に垂直」という用語に関して、上記の定義及び許容範囲を参照することができる。光軸は、直線の光軸であってもよいし、1つ以上の偏向要素を使用することによって、及び/又は1つ以上のビームスプリッタを使用することによってなど、屈折してもよく、分割さえされてよく、後者の場合、実質的に垂直な方向付けは、光学構成のそれぞれの分岐又はビーム経路の局所的な光軸に関して言及している。
上述したように、中心信号及び和信号を評価することによって、受信器ユニットは、評価装置によって決定され得る1つ以上の横方向座標及び/又は回転座標を含む送信器ユニットの少なくとも1つの縦方向座標を決定することを可能にされ得る。したがって、一例として、1つ以上の横方向センサが、少なくとも1つの横方向座標を決定するために使用されてよい。上述したように、中心信号が発生する少なくとも1つの光センサの位置は、送信器ユニットの少なくとも1つの横方向座標に関する情報を提供することができ、ここで、一例として、単純なレンズ方程式が、光学的変換、及び横方向座標の導出のために使用されてよい。追加的又は代替的に、1つ以上の追加の横方向センサが使用されてよく、受信器ユニットによって含まれてよい。種々の横方向センサ、例えばWO2014/097181A1に開示されている横方向センサ及び/又は例えば象限ダイオード、CCD又はCMOSチップなどの他の位置感知装置(PSD)が、当技術分野で一般に知られている。追加的又は代替的に、例として、受信器ユニットは、R.A.Street:Technology and Applications of Amorphous Silicon,Springer−Verlag Heidelberg、2010、346〜349頁に開示されている1つ以上のPSDを含むことができる。他の実施形態も可能である。これらの装置は、一般に、受信器ユニットに実装されてもよい。一例として、光ビームの一部は、少なくとも1つのビーム分割要素によって、受信器ユニット内で分割されてもよい。分割部分は、一例として、CCD又はCMOSチップ又はカメラセンサのような横方向センサに向かって案内されてもよく、横方向センサ上の分割部分によって生成される光スポットの横方向位置が決定され、それによって少なくとも1つの横方向座標が決定され得る。評価装置は、縦方向座標と横方向座標の情報を組み合わせて、空間内の送信器ユニットの位置を決定するように適合させることができる。
受信器ユニットは、単一の光ビーム、又は複数の光ビームを評価するように構成されてよい。複数の光ビームが送信器ユニットから受信器ユニットに伝播する場合、光ビームを区別するための手段が設けられ得る。したがって、光ビームが異なるスペクトル特性を有し、受信器ユニットが、異なる光ビームを区別するための1つ以上の波長選択要素を含んでよい。光ビームの各々は、したがって独立に評価されてよい。波長選択要素は、一例として、1つ以上のフィルタ、1つ以上のプリズム、1つ以上のグレーティング、1つ以上の二色性ミラー、又はそれらの任意の組み合わせであってもよいし、それらを含んでもよい。さらに、追加的に又は代替的に、2つ以上の光ビームを区別するために、光ビームは、特定の方法で変調されてもよい。したがって、一例として、光ビームは周波数変調されてもよく、センサ信号は、それらの復調周波数に従って、異なる光ビームから発生するセンサ信号を部分的に区別するために復調されてもよい。これらの技術は、一般に、高周波エレクトロニクスの分野の当業者に知られている。一般に、評価装置は、異なる変調を有する異なる光ビームを区別するように構成されてよい。
照射源は、複数の照射領域が、光センサのマトリックス、例えばCMOS検出器上に生成されるように、点群を生成及び/又は投影するように適合されてよい。さらに、外乱、例えば斑点及び/又は外来光及び/又は多重反射による外乱は、光センサのマトリックス上に存在してもよい。評価装置は、少なくとも1つの関心領域、例えば、縦方向座標の決定に使用される、光ビームによって照射される1つ以上のピクセルを決定するように適合されてよい。例えば、評価装置は、フィルタリング方法、例えば、ブロブ分析及び/又は物体認識方法を実行するように適合されてよい。
一実施形態では、2つの光センサが、光センサの幾何学的中心が転送装置の光軸から異なる空間的オフセットだけ離間されるように、配置されてよい。評価装置は、少なくとも2つのセンサ信号を組み合わせて少なくとも1つの縦方向座標zを決定するように構成され得る。この実施形態では、光センサは、光センサの感光エリアが、その空間的オフセット及び/又は表面積で異なるように配置されてよい。光センサの感光エリアは、送信器ユニットから見えるように、重なっていてもよいし、重なっていなくてもよく、すなわち、重ならずに隣接して配置されてもよい。感光エリアは、互いに間隔をあけてもよいし、直接隣接してもよい。
受信器ユニットは、2つ以上の光センサを備えていてもよい。いずれの場合でも、すなわち、受信器ユニットが正確には2つの光センサを備える場合、及び受信器ユニットが2つ以上の光センサを備える場合、光センサは、光軸から第1空間的オフセットだけ離間される少なくとも1つの第1光センサと、光軸から第2空間的オフセットだけ離間される少なくとも1つの第2光センサを備えることができ、ここで、第1空間的オフセットと第2空間的オフセットは異なる。第1及び第2光センサの他に、さらに光センサが設けられている場合、これらの追加の光センサもまた条件を満たすか、又は代替的に、光軸から第1空間的オフセット、又は第2空間的オフセット、又は異なる空間的オフセットだけ離間されてよい。第1空間的オフセット及び第2空間的オフセットは、一例として、少なくとも1.2倍、より好ましくは少なくとも1.5倍、より好ましくは少なくとも2倍、異なっていてもよい。空間的オフセットは、上述の条件が満たされる限り、ゼロであってもよいし、負の値を想定してもよい。
例えば、光センサは、セグメント化されたダイオードの部分ダイオードであってもよく、該セグメント化されたダイオードの中心は転送装置の光軸から中心ズレされている。光センサは、バイセルダイオード又は象限ダイオードの部分ダイオードであってもよく、及び/又は少なくとも1つのCMOSセンサを有してよい。本明細書で使用される場合、「部分ダイオード」という用語は、直列又は並列に接続されたいくつかのダイオードを含んでよい。この例は、かなり簡単であり、コスト効率的に実現可能である。したがって、一例として、バイセルダイオード又は象限ダイオードは、低コストで広く市販されており、これらのバイセルダイオード又は象限ダイオードの駆動スキームは一般に知られている。本明細書で使用される場合、「バイセルダイオード」という用語は、一般に、1つのパッケージ内に2つの部分ダイオードを有するダイオードを指す。バイセルダイオード及び象限ダイオードは、2つ又は4つの別々の感光エリア、特に2つ又は4つの活性エリアを有することができる。一例として、バイセルダイオードは、それぞれがダイオードの完全な機能を有する独立したダイオードを形成することができる。一例として、バイセルダイオードは各々、正方形又は長方形の形状を有してもよく、2つのダイオードは、2つの部分ダイオードが合計で長方形の形状を有する1×2又は2×1マトリックスを形成するように、1つの平面内に配置されてよい。しかしながら、本発明では、以下にさらに詳細に概説するように、バイセルダイオード及び象限ダイオードのセンサ信号を評価するための新しいスキームが提案される。しかし、一般的に、光センサは、具体的には、象限ダイオードの部分ダイオードであってもよく、象限ダイオードの中心は、転送装置の光軸から中心ズレされている。本明細書で使用される場合、「象限ダイオード」という用語は、一般的に、1つのパッケージ内に4つの部分ダイオードを有するダイオードを指す。一例として、4つの部分ダイオードは各々、ダイオードの全機能を有する独立したダイオードを形成することができる。一例として、4つの部分ダイオードは各々、正方形又は長方形の形状を有してもよく、4つの部分ダイオードは、4つの部分ダイオードが合計で長方形又は正方形の形状を有する2×2マトリックスを形成するように、1つの平面内に配置されてもよい。さらなる例では、4つの部分ダイオードは、合計で、円形又は楕円形の形状を有する2×2マトリックスを形成することができる。一例として、部分ダイオードは、互いに最小の間隔で隣接していてもよい。一例として、バイセルダイオードの光センサの幾何学的中心の交点であり得るバイセルダイオードの中心は、光軸から少なくとも0.01mm、より好ましくは少なくとも0.1mm、より好ましくは少なくとも1.0mm、又はさらには2.0mmだけ中心ズレされてよい。したがって、さらなる例として、バイセルダイオードの中心は、光軸から、光軸に直交する感光エリアの最大範囲の少なくとも0.0001倍、好ましくは少なくとも0.001倍、より好ましくは少なくとも0.005倍だけ、中心ズレされていてもよい。
部分ダイオードの2×2マトリックスを有する象限ダイオードが使用される場合、象限ダイオードの中心は、具体的には受信器ユニットの転送装置の光軸から中心ズレ又はオフセットされてよい。したがって、一例として、象限ダイオードの光センサの幾何学中心の交点であり得る象限ダイオードの中心は、少なくとも0.01mm、より好ましくは少なくとも0.1mm、より好ましくは少なくとも1.0mm、さらには2.0mmだけ光軸から中心ズレされてよい。このように、さらなる例として、象限ダイオードの中心は、光軸に対して直交する感光エリアの最大範囲の少なくとも0.0001倍、好ましくは少なくとも0.001倍、より好ましくは0.005倍だけ、光軸から中心ズレされてよい。同様に、複数の光センサを有する他のタイプの光センサ構成を使用する場合、光センサの全体的な中心は、光軸から同じ距離だけオフセットされてもよい。
一般に、光センサの感光エリアは、任意の表面エリア又はサイズを有してよい。好ましくはしかし、特にセンサ信号の簡単な評価の観点から、光センサの感光エリアは、実質的に等しいことが好ましく、例えば10%未満、好ましくは5%未満、又はさらに1%未満の許容範囲内が好ましい。これは、具体的には、典型的な市販の象限ダイオードの場合である。
具体的には、評価装置は、センサ信号及び/又はそれから導出された任意の二次信号と縦方向座標との間の少なくとも1つの既知の、決定可能な、又は予め定められた関係を用いて、送信器ユニットの少なくとも1つの縦方向座標zを決定するように構成されてよい。したがって、評価装置は、少なくとも2つのセンサ信号、すなわち、少なくとも1つの第1光センサの少なくとも1つのセンサ信号と、少なくとも1つの第2光センサの少なくとも1つのセンサ信号のうちの少なくとも1つの結合センサ信号を決定するように構成されてよい。本明細書で一般的に使用される場合、「結合」という用語は、一般的に、信号などの2つ以上の構成要素は、少なくとも1つの合わされた結合信号を形成するために数学的に合わされ、及び/又は、少なくとも1つの比較信号又は比較結果を形成するために比較される任意の操作を指し得る。一例として、Qは、簡単に、Q=s1/s2又はQ=s2/s1として決定されてもよく、ここでs1はセンサ信号の1つ目を表し、s2はセンサ信号の2つ目を表す。追加的又は代替的に、Qは、Q=j・s1/k・s2又はQ=k・s2/j・s1として決定されてもよく、ここでj及びkは、一例として、予め定められた又は決定可能な実数である。追加的又は代替的に、Qは、Q=(j・s1+k・s2)/(p・s1+q・s2)として決定されてもよく、ここでj、k、p及びqは、一例として、予め定められた又は決定可能な実数である。後者の簡単な例として、Qは、Q=s1/(s1+s2)として決定されてもよく、又は、さらなる例として、Qは、Q=(s1−s2)/(s1+s2)として決定されてもよい。他の商信号も可能である。このように、一例として、2つ以上の光センサが設けられている場合、上述した商の形成は、これらの光センサによって生成されたセンサ信号のうちの2つの間で行われてもよいし、2つ以上のセンサ信号の間で行われてもよい。このように、上述した式において、センサ信号の1つ目及びセンサ信号の2つ目を使用する代わりに、結合センサ信号を商の形成に使用してもよい。
典型的な構成においては、象限フォトダイオードのような市販の象限ダイオードが位置決めのために、すなわち象限フォトダイオードの平面内の光スポットの横方向座標を調整及び/又は測定するために使用される。したがって、一例として、象限フォトダイオードを用いたレーザビームの位置決めがよく知られている。しかしながら、典型的な先入観によれば、象限フォトダイオードは、xy位置決めにのみ使用される。この仮定によると、象限フォトダイオードは距離の測定には適していない。しかしながら、受信器ユニットの光軸に関して中心ズレされた象限フォトダイオードを使用する上述の知見は、以下のさらなる測定で示されるように、そうでないことを示している。したがって、上述したように、象限フォトダイオードでは、スポットの非対称性は、上述したオフセットのように、象限ダイオードをわずかに軸からずらすことによって測定することができる。それによって、単調なz依存関数が、例えば象限フォトダイオードの2つ以上の部分フォトダイオード、すなわち象限の2つ以上のセンサ信号の結合信号Qを形成することによって、生成され得る。そこでは、原則として、2つのフォトダイオードのみを、距離測定に用いてよい。他の2つのダイオードは、ノイズキャンセルのために、又はより正確な測定値を得るために使用されてよい。象限ダイオード又は象限フォトダイオードを使用することに加えて、又はその代わりとして、他のタイプの光センサを使用することができる。したがって、例えば、スタガード光センサを使用することができる。
象限ダイオードの使用は、既知の光検出器に比べて多数の利点を提供する。このように、象限ダイオードは、LED又は活動的なターゲットと組み合わせて多数の用途に使用されており、スペクトル感度などの様々な光学特性と、様々なサイズで非常に低価格で、広く市販されている。市販の製品を受信器ユニットに実装することができるので、特別な製造方法を確立する必要はない。象限ダイオードが使用される場合、象限ダイオードは追加の目的にも使用され得る。したがって、象限ダイオードは、オプトエレクトロニクス及びレーザ物理学の分野で一般的に知られているように、光スポットの従来のx−y測定にも使用することができる。したがって、一例として、レンズ又は受信器ユニットの位置を、象限ダイオードの従来のxy位置情報を使用して、距離測定のためのスポットの位置を最適化するように、調整することができる。実際的な例として、光スポットは、最初に、象限ダイオードの真ん中に配置することができ、これは通常、結合信号Qを用いた上述の距離測定を可能にしない。このように、第1に、従来の象限フォトダイオード技術は、例えば象限ダイオード上のスポット位置が測定に最適であるというように、象限フォトダイオード上の光スポットの位置を中心ズレするように使用され得る。したがって、一例として、光センサの異なる中心ズレは、光スポットが光軸に関して及び光センサのアレイの幾何学的中心に関して中心ズレされているように、光軸に関して光センサの動きの単なる出発点であってよい。
したがって、一般に、光センサは、センサアレイを形成してもよく、又は上述の象限ダイオードのように、センサアレイの一部であってもよい。したがって、一例として、受信器ユニットは、例えば、m行及びn列を有し、m、nが独立して正の整数である、長方形アレイなどの光センサのアレイを備えてよい。好ましくは、1つ超の列及び1つ超の行が与えられる、すなわち、n>1、m>1である。したがって、一例として、nは2から16以上であり得、mは2〜16以上であり得る。好ましくは、行数と列数との比は1に近い。一例として、例えばm/n=1:1、4:3、16:9、又は同様のものを選択することによって、例えば0.3≦m/n≦3となるように、n及びmを選択することができる。一例として、アレイは、m=2、n=2又はm=3、n=3などを選択することなどにより、等しい数の行及び列を有する正方形のアレイであってよい。m=2、n=2の場合は、象限ダイオード又は象限光センサの場合であり、それは、象限フォトダイオードが広く利用可能であるため、実用上の理由から、好ましい場合の1つである。
出発点として、アレイ内の光センサの幾何学中心は、上述のオフセットなどによって、光軸から中心ズレされてもよい。センサアレイは、具体的には、例えば勾配に沿って、好ましくは自動的に、例えば光軸に垂直な平面内でセンサアレイを動かすことによって、及び/又は、例えば、光軸を平行にシフトさせたり、及び/又は光軸を傾けたりして光軸自体を動かすことによって、光軸に対して移動可能であり得る。したがって、センサアレイの平面内で光ビームによって生成される光スポットの位置を調整するために、センサアレイはシフトさせることができる。追加的に又は代替的に、光軸は、適切な要素を使用することによって、例えば1つ以上の偏向要素及び/又は1つ以上のレンズを使用することにより、シフト及び/又は傾斜させることができる。一例として、移動は、光軸を平行シフト移動させること及び/又は光軸を傾けることなどが、光軸を動かすために、例えばアレイを移動及び/又はシフトする、及び/又は、ビーム経路内の1つ以上の光学要素を移動及び/又はシフト及び/又は傾けるなど、1つ以上のピエゾアクチュエータ及び/又は1つ以上の電磁アクチュエータ及び/又は1つ以上の空気圧式又は機械式アクチュエータなどの1つ以上の適切なアクチュエータを使用することによって行われ得る。評価装置は、具体的には、光軸に対するセンサアレイの相対位置を、例えば光軸に垂直な平面内で制御するように調整することができる。調整手順は、評価装置が、第1に、センサ信号を使用することによって、センサアレイ上の光ビームによって生成された光スポットの少なくとも1つの横方向位置を決定するように、第2に、アレイ及び/又は光軸を動かすことによってなど、例えば光スポットが中心ズレするまで平面内のアレイを光軸に移動させることによって、及び/又は、光スポットが中心ズレするまでレンズを傾けることによって、光軸に対してアレイを動かすように構成される場合に実行され得る。本明細書で使用される場合、横方向位置は、x−y平面とも呼ばれ得る光軸に垂直な平面内の位置とすることができる。横方向座標の測定のために、一例として、光センサのセンサ信号が比較されてもよい。一例として、センサ信号が等しいことが判明した場合、したがって、光スポットが象限ダイオードの中心など、光センサに関して対称的に配置されていると判断された場合、アレイ内の光スポットを中心ズレさせるために、アレイのシフト及び/又はレンズの傾斜が行われ得る。したがって、上述したように、光軸から象限フォトダイオードの中心を中心ズレさせることによってなど、光軸からのアレイの中心ズレは、光スポットが光軸上に位置し、したがって中心に位置する典型的な状況を回避するための単なる出発点であり得る。したがって、光軸に対してアレイを中心ズレさせることによって、光スポットを中心ズレさせる必要がある。光スポットが偶然にアレイの中心に位置し、全ての光センサを等しく照射するなどのように、光スポットの中心ズレが真でない場合は、アレイ上の光スポットを中心ズレさせるために、光軸に対するアレイの上述のシフトが、好ましくは自動的に行われてもよい。それによって、信頼性のある距離測定が行われ得る。
さらに、上述した結合信号Qの使用は、距離測定のための非常に信頼性の高い方法である。一方、光ビームの大きさ又は直径は、光ビームが受信器ユニットに向かって伝播する送信器ユニットと受信器ユニット自体との間の距離、すなわち送信器ユニットの縦方向座標に依存するため、第1及び第2センサ信号と縦方向座標との間には、一意的かつ明確な関係が存在し得る。後者については、例えばWO2014/097181A1などの上述の先行技術文献のうちの1つ又は複数を参照することができる。所定の関係は、ガウス光ビームの線形結合を仮定することなど分析的考察により、第1及び第2センサ信号又は縦方向座標の関数としてそれらから導出される二次信号を測定する測定などの経験的測定により、又はその両方によって決定されてよい。
上述したように、具体的には、象限フォトダイオードを使用することができる。一例として、4つの光センサを提供するために、紫外スペクトル範囲から近赤外スペクトル範囲において感度がある、タイプS4349の象限Si PINフォトダイオードなど、Hamamatsu Photonics Deutschland GmbH、D−82211 Herrsching am Ammersee,Germanyから入手可能な1つ以上の象限フォトダイオードなど、市販の象限フォトダイオードを組み込むことができる。光センサのアレイが使用される場合、アレイは裸チップであってもよく、又はTO−5金属パッケージ内に封入されたような封入アレイであってもよい。追加的に又は代替的に、例えばTT Electronics plc,Fourth Floor,St Andrews House,West Street Woking Surrey, GU21 6EB,Englandから入手可能なTT Electronics OPR5911などの表面実装装置を使用することができる。他の光センサも使用できることに留意されたい。
さらに、正確に1つの象限フォトダイオードを使用する選択肢に加えて、2つ以上の象限フォトダイオードを使用できることに留意されたい。したがって、一例として、1つ以上の光センサを提供して、第1象限フォトダイオードを上述のように距離測定に使用することができる。他の象限フォトダイオードを、例えば少なくとも1つの横方向座標x及び/又はyを使用するためなどの横方向位置測定のために、第1象限フォトダイオードのビーム経路から分割された第2部分ビーム経路内で使用することができる。一例として、第2象限フォトダイオードは、光軸に対して軸上に配置されてもよい。
さらに、1つ以上の象限フォトダイオードを使用するという選択肢に加えて、1つ以上の象限フォトダイオード、又は追加のフォトダイオードアレイは、好ましくは2×2マトリックスのような長方形マトリックスなどの対称形状に、互いに近接して配置又は組み立てられた別個のフォトダイオードによって置換又は模倣され得ることに留意されたい。しかしながら、さらなる配置が可能である。そのような配置又は組み立てにおいては、フォトダイオードは、すべてのフォトダイオードが単一のハウジング又はマウント内にある、又は、フォトダイオードのグループが単一のハウジング又はマウント内にあるというように、1つのハウジング又はマウント内に配置又は組み立てられ、又は、フォトダイオードのそれぞれが別のハウジング又はマウントに配置又は組み立てられてよい。さらに、フォトダイオードは回路基板上に直接組み立てられてよい。このような配置又は組み立てでは、フォトダイオードは、フォトダイオードの活性エリア間の間隔が1センチメートル未満の、好ましくは1ミリメートル未満の、より好ましくはできるだけ小さいような明確な値を有するように配置されることができる。さらに、測定を悪化させる可能性がある光反射、歪みなどを回避するために、活性エリアの間の空間は、空であるか、又は材料、好ましくは例えばブラックシリコン、ブラックポリオキシメチレンなどのブラックポリマーなどの光吸収材料、より好ましくは、ブラックセラミック、又はブラックシリコンなどの絶縁性ブラックポリマーなどの光吸収性及び電気絶縁性材料で満たされ得る。さらに、フォトダイオード間隔の明確な価値は、プラスチックセパレータのようなフォトダイオード間に別個のビルディングブロックを追加することによっても実現することができる。さらなる実施形態が可能である。活性エリア間の最小距離を有する2×2の長方形マトリックスなどの、同様の構成に配置された単一ダイオードによる象限フォトダイオードの置換は、光検出器のコストをさらに最小限に抑えることができる。さらに、象限ダイオードからの2つ以上のダイオードを並列又は直列に接続して単一の感光エリアを形成することができる。
受信器ユニットはさらに、送信器ユニットから受信器ユニットに進む光ビームを、角度依存光学要素に衝突するときの光ビームの入射角に依存するビームプロファイルを有するように適合させるように構成された少なくとも1つの角度依存光学要素を含んでよい。角度依存光学要素は、少なくとも1つの光ファイバ、特に少なくとも1つの多分岐光ファイバ、特に少なくとも1つの分岐光ファイバ;受信器ユニットの光軸に垂直な少なくとも1つの平面に配置された少なくとも1つのレンズアレイ、特に少なくとも1つのマイクロレンズアレイ;少なくとも1つの光干渉フィルタ;少なくとも1つの非線形光学要素、特に1つの複屈折光学要素;少なくとも1つの液晶フィルタ;少なくとも1つの偏光フィルタ、からなる群から選択される少なくとも1つの光学要素を含んでよい。各光センサは、角度依存光学要素によって生成された光ビームによるそれぞれの感光エリアの照射に応答して、少なくとも1つのセンサ信号を生成するように設計されてよい。評価装置は、センサ信号由来の結合信号Qを評価することにより、送信器ユニットの少なくとも1つの縦方向座標zを決定するように構成されてよい。
本明細書で使用される場合、「角度依存光学要素」という用語は、角度依存光学要素に衝突するときの入射角に依存するビームプロファイルを有するように、送信器ユニットによって生成された光ビームを適応させる、ように適合された光学要素を指す。特に、角度依存光学要素は、入射光ビームのビームプロファイルに影響を与え、及び/又は変更し、及び/又は調整するように適合されてよい。例えば、角度依存光学要素は、角度依存透過特性、角度依存反射特性、又は角度依存吸収特性のうちの1つ以上を有してよい。入射角は、角度依存光学要素の光軸に対して測定することができる。
角度依存光学要素の第1側面、例えば表面及び/又は入口に衝突する電磁波は、角度依存光学要素の特性に応じて、部分的に、吸収及び/又は反射及び/又は透過され得る。「吸収」という用語は、角度依存光学要素による入射光ビームの出力及び/又は強度の減少を指す。例えば、入射光ビームの出力及び/又は強度は、角度依存光学要素によって熱又は別のタイプのエネルギーに変換され得る。本明細書で使用される場合、「透過」という用語は、角度依存光学要素の外側で光軸に対して90°以上の角度を有する半空間で測定可能な電磁波の一部を指す。例えば、透過は、角度依存光学要素の第1側面に衝突し、角度依存光学要素を貫通し、角度依存光学要素を第2側面、例えば反対側の側面及び/又は出口から離れる電磁波の残りの部分であってもよい。「反射」という用語は、角度依存光学要素の外側で光軸に対して90°未満の角度を有する半空間において測定可能な電磁波の一部分を指す。例えば、反射は、角度依存光学要素との相互作用による入射光ビームの波面の方向の変化であってもよい。
角度依存光学要素に衝突する電磁波の総出力は、角度依存光学要素によって、少なくとも3つの成分、すなわち、吸収成分、反射成分及び透過成分に分配され得る。透過率は、角度依存光学要素に衝突する電磁波の総出力で正規化された透過成分の出力として定義することができる。吸収率は、角度依存光学要素に衝突する電磁波の総出力で正規化された吸収成分の出力として定義することができる。反射率は、角度依存光学要素に衝突する電磁波の総出力で正規化された反射成分の出力として定義することができる。
本明細書で使用される場合、「角度依存透過」とは、透過率が、入射光ビームが角度依存光学要素に衝突する入射角に依存することを指す。角度依存光学要素は、伝播方向で少なくとも1つの転送装置の後ろに配置されてよい。角度依存光学要素と転送装置は、光ビームが角度依存光学要素に衝突する前に転送装置を通過するように配置されてよい。角度依存光学要素は、光ビームが転送装置と転送装置の焦点との間で角度依存光学要素に衝突するように配置されてよい。少なくとも1つの転送装置を使用することにより、縦方向座標の測定の堅牢性をさらに高めることができる。転送装置は、例えば、少なくとも1つのコリメートレンズを含んでよい。角度依存光学要素は、より小さな角度で入射する光線に比べて、より大きな角度で入射する光線を弱めるように設計され得る。例えば、透過率は、光軸に平行な光線、すなわち0°で最も高く、より高い角度では減少してもよい。特に、少なくとも1つのカットオフ角度で、透過率は急にゼロに低下し得る。したがって、大きい入射角を有する光線は、カットオフされ得る。
本明細書で使用される場合、「角度依存吸収」という用語は、吸収率が、入射光ビームが角度依存光学要素に衝突する入射角に依存することを指す。本明細書で使用される場合、「角度依存吸収」という用語は、吸収率が、入射光ビームが角度依存光学要素に衝突する入射角に依存することを指す。例えば、送信器ユニットから受信器ユニットに伝播する光ビームの光子エネルギー及び/又は強度は、入射角に依存して減少し得る。本明細書で使用される場合、「角度依存反射」という用語は、反射率が、入射光ビームが角度依存光学要素に衝突する入射角に依存することを指す。
例えば、角度依存光学要素は、少なくとも1つの光ファイバを含む。具体的には、角度依存光学要素は、少なくとも1つの光測定ファイバを含む。光ファイバは、反射効果を無視して、光ファイバに対して平行に、すなわち0°の角度で入射する光線に対して、透過率が最も高くなるように設計され得る。光ファイバは、より高い角度、例えば1°から10°までの角度で、透過率が、平行光線の透過率の約80%まで滑らかに減少し、光ファイバの受容角まで一定にこのレベルを維持できるように設計されてよい。本明細書で使用される場合、「受容角」という用語は、光線が光ファイバの外に反射されるなど、光ファイバ内での全反射が不可能な角度以上の角度を指し得る。光ファイバは、受容角で、透過率がゼロに急激に低下するように設計されてよい。大きい入射角を有する光線はカットされ得る。
光ファイバは、光ファイバの両端間で、吸収及び/又は反射されない入射光ビームの少なくとも一部を透過されるように、適合されてよい。光ファイバは、ある長さを有し、ある距離伝送を可能にするように適合されてよい。光ファイバは、シリカ、アルミノケイ酸塩ガラス、ゲルマンケイ酸塩ガラス、フルオロジルコン酸塩、希土類ドープガラス、フッ化物ガラス、カルコゲナイドガラス、サファイア、特にシリカガラスにドープされた変種、リン酸塩ガラス、PMMA、ポリスチレン、ポリ(パーフルオロブテニルビニルエーテル)等のフルオロポリマー、などからなる群から選択される少なくとも1つの材料を含んでよい。光ファイバは、シングルモードファイバであってもよいし、マルチモードファイバであってもよい。光ファイバは、ステップインデックスファイバ、偏光子ファイバ、分極保持ファイバ、プラスチック光ファイバなどであってもよい。光ファイバは、ファイバコアとして、低い屈折率を有する少なくとも1つのファイバクラッドに囲まれた少なくとも1つのファイバコアを含んでよい。ファイバクラッドは、二重又は複数のクラッドであってよい。ファイバクラッドは、いわゆるアウタージャケットを含んでよい。ファイバクラッドは、損傷や湿気から光ファイバを保護するように適合された、いわゆるバッファによって被覆されていてもよい。バッファは、少なくとも1つのUV硬化ウレタンアクリレート組成物及び/又は少なくとも1つのポリイミド材料を含み得る。一実施形態では、ファイバコアの屈折率は、ファイバクラッド材料の屈折率よりも高くてよく、光ファイバは、受容角以下で全内部反射によって入射光ビームを導くように適合されてよい。一実施形態では、光ファイバは、フォトニックバンドギャップファイバとも呼ばれる少なくとも1つの中空コアファイバを含むことができる。中空コアファイバは、入射光ビームを実質的にいわゆる中空領域内で導くように適合されてよく、そこでは、光ビームのわずかな部分は、ファイバクラッド材料内への伝播によって失われる。
光ファイバは、ファイバの端部に1つ以上のファイバコネクタを備えることができる。光ファイバは、コアレス端部キャップなどのエンドキャップを備えることができる。光ファイバは、ファイバカプラ、ファイバブラッググレーティング、ファイバ偏光子、ファイバアンプ、ファイバ結合ダイオードレーザ、ファイバコリメータ、ファイバジョイント、ファイバ接続、ファイバコネクタ、機械的接続、融着接続などのうちの1つ以上を含み得る。光ファイバは、ポリマーコーティングを含み得る。
光ファイバは、少なくとも2つ以上のファイバを含み得る。光ファイバは、少なくとも1つの多分岐光ファイバ、特に少なくとも1つの分岐光ファイバであってよい。例えば、分岐光ファイバは、2つのファイバ、具体的には、少なくとも1つの第1ファイバと少なくとも1つの第2ファイバを含み得る。第1ファイバと第2ファイバは、分岐光ファイバの入口端で互いに近接して配置されてよく、分岐光ファイバの出口端で距離を隔てて2つの脚部に分割されてよい。第1ファイバ及び第2ファイバは、同一の特性を有するファイバとして設計されていてもよいし、異なるタイプのファイバであってもよい。第1ファイバは、少なくとも1つの第1透過光ビームを生成するように適合されてよく、第2ファイバは、少なくとも1つの第2透過光ビームを生成するように適合されてよい。分岐光ファイバは、入射光ビームが、第1入射角で第1ファイバへ、及び、第1入射角とは異なる第2入射角で第2ファイバへ入射し、第1透過光ビームと第2透過光ビームとで透過率が異なるように配置されてよい。1つの光センサが、第1ファイバの出口端に配置され、他の光センサが、第2ファイバの出口端に配置されてよい。光ファイバは、2つ以上のファイバ、例えば3つ以上、4つ以上のファイバを有してよい。例えば、多分岐型は、多数のファイバを備えることができ、各ファイバは、コア、クラッド、バッファ、ジャケットのうちの少なくとも1つを備えてよく、1つ以上のファイバが、ファイバの一端などで、ファイバが互いに近接し留まることを確実にするために、ポリマーホースのようなさらなるジャケットによって部分的に又は全体的に束ねられていてよい。すべての光ファイバは、同じ開口数を有してよい。全ての光ファイバは、送信器ユニットから受信器ユニットに伝播する光ビームが、転送装置と転送装置の焦点との間で、全ての光ファイバに衝突するように配置されてよい。光ファイバは、送信器ユニットから受信器ユニットへ伝播する光ビームが光ファイバに衝突する光軸に沿った位置が、全ての光ファイバについて同一となるように配置されてよい。他の配置もあり得る。
受信器ユニットは、複数の光ファイバ、例えば、複数の単一光ファイバ又は複数の多分岐光ファイバを備えてよい。例えば、光ファイバは、光ファイバの束に構成されてよい。例えば、受信器ユニットは、複数の単一の光ファイバ、例えば、同一の特性を有する光ファイバを有してよい。光ファイバ、すなわち、単一光ファイバ又は多分岐光ファイバは、入射光ビームが、透過率が光ファイバごとに異なるように、異なる入射角で各光ファイバに衝突するように配置されてよい。各光ファイバの出口端には、少なくとも1つの光センサが配置されてよい。あるいは、少なくとも2つ以上の光ファイバが、同一の光センサを用いてよい。光ファイバの端部の光センサは、光センサに向かって光ファイバを出射する光ビームの輝度出力の少なくとも80%、好ましくは少なくとも90%、より好ましくは少なくとも99%が、少なくとも1つの光センサに衝突するように配置されてよい。角度依存光学要素が光ファイバである場合、結合信号Qを最適化するための転送装置に対する角度依存光学要素及び/又は光センサの関連位置は、送信器ユニットから受信器ユニットに向かって進む光ビームが角度依存光学要素に衝突する位置によって与えられてよい。特に、送信器ユニットから受信器ユニットへ進む光ビームが光ファイバに衝突する、転送装置に対する相対的な位置は、高いダイナミックレンジを有する結合信号Qを得るために最適化され得る。さらに、光学的構成の最適化に関して、角度依存光学要素が光ファイバである場合、光ビームが光ファイバに衝突する位置は、角度依存光学要素が干渉フィルタなどのファイバではない場合、光ビームが光センサに衝突する位置に対応する。
さらなる態様において、本発明は、送信器ユニットと受信器ユニットを含む少なくとも1つの装置を使用して、少なくとも1つの領域を光学的に監視する方法を開示する。装置は、例えば、上記に開示された、又は以下にさらに詳細に開示されているような光学的に監視するための装置を参照する1つ以上の実施形態による、本発明による装置であってよい。それでも、他のタイプの装置を使用してもよい。方法は、以下の方法ステップを含み、ここで、方法ステップは、与えられた順序で実行されてもよいし、異なる順序で実行されてもよい。さらに、挙げられていない1つ以上の追加の方法ステップが存在してもよい。さらに、1つ、1つ以上、又はすべての方法ステップが繰り返し実行されてもよい。
本方法は、以下のステップ:
− 少なくとも1つの照射源を有する送信器ユニットを提供するステップであって、前記照射源は、少なくとも1つの光ビームを生成するように設計され、各光ビームは、ビームプロファイルを有し、各光ビームは、受信器ユニットに伝播するように指定され、それにより、監視のための少なくとも1つの領域を横断する、ステップ;
− 少なくとも1つの転送装置と、少なくとも2つの光センサと、評価装置とを有する受信器ユニットを提供するステップであって、前記転送装置は、前記照射源から少なくとも2つの光センサに伝播する少なくとも1つの入射光ビームに対応する少なくとも1つの焦点距離を有し、前記転送装置は光軸を有し、前記転送装置は座標系を構成し、縦方向座標lは前記光軸に沿った座標であり、dは前記光軸からの空間的オフセットであり、各光センサは少なくとも1つの感光エリアを有し、各光センサは、前記光ビームによるそれぞれの感光エリアの照射に応答して少なくとも1つのセンサ信号を生成するように設計され、前記光センサの2つは、前記2つの光センサの感光エリアが、それらの縦方向座標、それらの空間的オフセット、又はそれらの表面積、のうちの少なくとも1つにおいて異なるように構成されている、ステップ;
− 前記送信器ユニットから前記受信器ユニットに伝播する光ビームを用いて、前記受信器ユニットの前記少なくとも2つの光センサの感光エリアのそれぞれを照射するための前記少なくとも1つの光ビームを生成し、それによって監視のために少なくとも1つの領域を横断し、それにより、前記感光エリアのそれぞれは少なくとも1つのセンサ信号を生成する、ステップ;及び
− 前記センサ信号を評価し、それにより、まず、前記センサ信号を評価することにより、前記少なくとも1つの監視領域を横断する際の前記少なくとも1つの光ビームのビームプロファイルの変化、及び、さらに、前記センサ信号由来の結合信号Qを評価することにより、送信器ユニットの位置の少なくとも1つの構成要素の変化であって、前記転送装置の座標系に関して決定される構成要素の変化、の少なくとも1つを監視することによって出力を生成する、ステップ、
を含む。
本方法は、出力に基づいて少なくとも1つの動作を開始することをさらに含んでもよく、ここで、少なくとも1つの動作は、少なくとも1つの情報を提供すること、少なくとも1つの警告を生成すること、少なくとも1つの指示を誘導すること、出力信号を変更することのうちの少なくとも1つから選択される。詳細、オプション及び定義については、上述した装置を参照することができる。
本発明のさらなる態様では、監視領域に位置する少なくとも1つの装置を監視すること;前記監視領域に位置する前記少なくとも1つの装置に関連する意図的な操作と非意図的な操作を区別すること;安全機能の故障を示すこと、からなる群から選択される使用目的のための、上記で与えられた又は以下でさらに詳細に説明する実施形態のうちの1つ以上によるような、本発明による装置の使用が提案されている。
本発明による装置のさらなる使用に関しては、WO2018/091649A1、WO2018/091638A1及びWO2018/091640を参照し、その内容は参照により含まれる。
全体的に、本発明の文脈では、以下の実施形態が好ましいと考えられる。
実施形態1:少なくとも1つの領域を光学的に監視するための装置であって、該装置は送信器ユニットと受信器ユニットを有し、
前記送信器ユニットは少なくとも1つの照射源を有し、前記照射源は、ビームプロファイルを有する少なくとも1つの光ビームを生成するように設計され、各光ビームは、前記受信器ユニットに伝播するように指定され、それにより、監視のための少なくとも1つの領域を横断し;
前記受信器ユニットは、
− 少なくとも1つの転送装置であって、前記転送装置は、前記照射源から少なくとも2つの光センサに伝播する少なくとも1つの入射光ビームに対応する少なくとも1つの焦点距離を有し、前記転送装置は光軸を有し、前記転送装置は座標系を構成し、縦方向の座標lは前記光軸に沿った座標であり、dは前記光軸からの空間的なオフセットである、転送装置;
− 少なくとも2つの光センサであって、各光センサは少なくとも1つの感光エリアを有し、各光センサは、前記光ビームによる前記各感光エリアの照射に応答して少なくとも1つのセンサ信号を生成するように設計され、前記2つの光センサは、前記2つの光センサの感光エリアが、それらの縦方向座標、それらの空間的オフセット、又はそれらの表面積のうちの少なくとも1つにおいて異なるように構成されている、光センサ;及び、
− 少なくとも1つの評価装置であって、前記評価装置は、まず、前記センサ信号を評価することにより、少なくとも1つの監視領域を横断する際の前記少なくとも1つの光ビームのビームプロファイルの変化、及び、さらに、前記センサ信号由来の結合信号Qを評価することにより、前記送信器ユニットの位置の少なくとも1つの構成要素の変化であって、前記転送装置の座標系に関して決定される構成要素の変化、の少なくとも1つを監視することによって出力を生成するように構成されている、評価装置;
を有する、少なくとも1つの領域を光学的に監視するための装置。
実施形態2:前記評価装置は、前記出力に基づいて少なくとも1つの動作を開始するようにさらに構成され、前記少なくとも1つの動作は、少なくとも1つの情報を提供すること、少なくとも1つの警告を生成すること、少なくとも1つの指示を誘導すること、出力信号を変更すること、のうちの少なくとも1つである、先行する実施形態による装置。
実施形態3:前記評価装置は、情報をイベントの時間に割り当て、及び、前記情報と前記イベントの時間の組合せを情報ログに保存するように構成されている、先行する実施形態による装置。
実施形態4:前記警告が視覚的、聴覚的、又は触覚的な警告信号を含む、先行する2つの実施形態のいずれか1つによる装置。
実施形態5:前記指示は少なくとも1つの装置のシャットダウンを開始することを含む、先行する3つの実施形態のいずれか1つによる装置。
実施形態6:前記送信器ユニットはさらに少なくとも1つの変調源を有し、前記変調源は、前記変調源が前記照射源に影響して変調パターンを搬送する少なくとも1つの光ビームを生成する方式で、変調パターンを生成するように構成されている、先行する実施形態のいずれか1つによる装置。
実施形態7:前記変調パターンが、擬似ランダム変調パターン、エイケンコード、BCDコード、ギルハムコード、スティビッツコード、ワンホットコード、及びグレーコードからなる群から選択される、先行する実施形態による装置。
実施形態:8前記変調パターンが、矩形パルスパターン、50:50矩形パターン、正弦波パターン、周期的パルスパターンからなる群から選択される、先行する2つの実施形態のいずれか1つによる装置。
実施形態9:前記送信器ユニットは少なくとも2つの照射源を有し、前記照射源の各々が個別の変調パターンによって変調されるように設計され、前記2つの照射源の前記個別の変調パターンは、互いに異なる、先行する2つの実施形態のいずれか1つによる装置。
実施形態10:前記送信器ユニットが各照射源のための個別の変調源を有し、又は、前記送信器ユニットが、1つの変調源による少なくとも2つの前記照射源への個別の影響を切り替えるように指定されるマルチプレクサをさらに有する、先行する3つの実施形態のいずれか1つによる装置。
実施形態11:前記評価装置が、個別の照射源に個別の変調パターンを割り当てるように指定されている、先行する2つの実施形態のいずれか1つによる装置。
実施形態12:前記送信器ユニットと前記受信器ユニットとの間に接続をさらに有し、前記接続は、前記送信器ユニットと前記受信器ユニットとの間の同期を提供するように設計されている、先行する実施形態のいずれか1つによる装置。
実施形態13:前記少なくとも1つの照射源から前記少なくとも2つの光センサに伝播する前記少なくとも1つの光ビームによって衝突されるように設計された少なくとも1つの反射ターゲットをさらに含む、先行する実施形態のいずれか1つによる装置。
実施形態14:前記光センサの2つが、
− 第1感光エリアを有する少なくとも1つの第1光センサであって、前記第1光センサは、前記送信器ユニットから前記受信器ユニットに伝播する前記光ビームによる前記第1感光エリアの照射に応答して、少なくとも1つの第1センサ信号を生成するように構成された、少なくとも1つの第1光センサ;及び、
− 第2感光エリアを有する少なくとも1つの第2光センサであって、前記第2光センサは、前記光ビームによる前記第2感光エリアの照射に応答して、少なくとも1つの第2センサ信号を生成するように構成された、少なくとも1つの第2光センサ、
として構成され、前記第1感光エリアは、前記第2感光エリアよりも小さく、
前記評価装置は、前記第1及び第2センサ信号を評価することにより前記出力を生成するように構成されている、先行する実施形態のいずれか1つによる装置。
実施形態15:前記評価装置は、前記第1センサ信号又は前記第2センサ信号の変化を監視することにより、少なくとも1つの出力を生成するようにさらに設計されている、先行する実施形態による装置。
実施形態16:前記送信器ユニット及び前記受信器ユニットは、互いに関して、前記光センサの少なくとも1つのセンサ信号が最高のセンサ信号となるように、配置されている、先行する実施形態のいずれか1つによる装置。
実施形態17:前記評価装置は、前記照射源によって生成された前記少なくとも1つの光ビームのための少なくとも1つの基準ビームプロファイル、及び、前記送信器ユニットの位置の少なくとも1つの構成要素のための少なくとも1つの基準構成要素を用いて前記出力を生成するようにさらに設計されている、先行する実施形態のいずれか1つによる装置。
実施形態18:前記少なくとも1つの基準ビームプロファイル及び前記少なくとも1つの基準構成要素は、ティーチング段階の間に保存される、先行する実施形態による装置。
実施形態19:送信器ユニットと受信器ユニットを有する少なくとも1つの装置を使用して、少なくとも1つの領域を光学的に監視する方法であって、以下のステップ:
− 少なくとも1つの照射源を有する送信器ユニットを提供するステップであって、前記照射源は、少なくとも1つの光ビームを生成するように設計され、各光ビームは、ビームプロファイルを有し、各光ビームは、前記受信器ユニットに伝播するように指定され、それにより、監視のための少なくとも1つの領域を横断する、ステップ;
− 少なくとも1つの転送装置と、少なくとも2つの光センサと、評価装置とを有する受信器ユニットを提供するステップであって、前記転送装置は、前記照射源から前記少なくとも2つの光センサに伝播する少なくとも1つの入射光ビームに対応する少なくとも1つの焦点距離を有し、前記転送装置は光軸を有し、前記転送装置は座標系を構成し、縦方向座標lは前記光軸に沿った座標であり、dは前記光軸からの空間的オフセットであり、各光センサは少なくとも1つの感光エリアを有し、各光センサは、前記光ビームによるそれぞれの感光エリアの照射に応答して少なくとも1つのセンサ信号を生成するように設計され、前記光センサのうちの2つは、前記2つの光センサの感光エリアが、それらの縦方向座標、それらの空間的オフセット、又はそれらの表面積のうちの少なくとも1つにおいて異なるように構成されている、ステップ;
− 前記送信器ユニットから前記受信器ユニットに伝播し、それによって少なくとも1つの監視領域を横断する光ビームを用いて、前記受信器ユニットの前記少なくとも2つの光センサの前記感光エリアのそれぞれを照射するための前記少なくとも1つの光ビームを生成し、それによって、前記感光エリアのそれぞれは少なくとも1つのセンサ信号を生成する、ステップ;及び、
− 前記センサ信号を評価し、それにより、まず、前記センサ信号を評価することにより、前記少なくとも1つの監視領域を横断する際の前記少なくとも1つの光ビームのビームプロファイルの変化、及び、さらに、前記センサ信号由来の結合信号Qを評価することにより、前記送信器ユニットの位置の少なくとも1つの構成要素の変化であって、前記転送装置の座標系に関して決定される構成要素の変化、の少なくとも1つを監視することによって出力を生成する、ステップ、
を含む方法。
実施形態20:前記出力に基づいて少なくとも1つの動作を開始することをさらに含み、前記少なくとも1つの動作は、少なくとも1つの情報を提供すること、少なくとも1つの警告を生成すること、少なくとも1つの指示を誘導すること、出力信号を変更することのうちの少なくとも1つから選択される、先行する実施形態による方法。
実施形態21:装置を参照する先行する実施形態のいずれか1つによる装置の使用であって、使用目的が、監視領域に位置する少なくとも1つの装置を監視すること;前記監視領域に位置する前記少なくとも1つの装置に関連する意図的な操作と非意図的な操作を区別すること;安全機能の故障を示すこと、からなる群から選択される、装置の使用。