JP2021533356A - 少なくとも1つの物体の位置を決定するための検出器 - Google Patents

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Abstract

少なくとも1つの物体(112)の位置を決定するための検出器(110)が開示されている。該検出器(110)は、— 少なくとも1つのダイクロイックフィルタと;— 少なくとも1つの光センサ(114)であって、前記光センサ(114)は少なくとも1つの感光エリア(116)を有し、前記光センサ(114)は、前記ダイクロイックフィルタ(130)を通過した光ビーム(120)によるその感光エリア(116)の照射に応答して、少なくとも1つのセンサ信号を生成するように設計されている、少なくとも1つの光センサ(114)と;— 少なくとも1つの第1波長を有する前記光ビーム(120)による照射に応答して生成された第1のセンサ信号と、少なくとも1つの第2波長を有する前記光ビーム(120)による照射に応答して生成された第2のセンサ信号とを決定するように構成された少なくとも1つの評価装置(134)であって、前記第1及び第2のセンサ信号からの結合信号Λを評価することによって前記物体の少なくとも1つの縦方向座標zを決定するように構成された評価装置(134)と、を有する。【選択図】図1

Description

本発明は、少なくとも1つの物体の位置を決定するための検出器及び方法に関する。本発明はさらに、ユーザとマシーンの間で少なくとも1つの情報項目を交換するためのヒューマンマシーンインターフェイス、娯楽装置、追跡システム、カメラ、走査システム及び検出器装置の様々な使用に関する。本発明による装置、システム、方法及び使用は、具体的には、たとえば、日常生活、ゲーミング、交通技術、生産技術、セキュリティ技術、アートのためのデジタル写真やビデオ写真などの写真撮影、文書又は技術目的、医療技術、又は科学の様々な分野において採用され得る。さらに、本発明は、特に、例えば建築、計測学、考古学、芸術、医学、工学又は製造の分野で物体又は情景の深度プロファイルを生成するためなど、1つ以上の物体及び/又は情景を走査するために使用することができる。ただし、他の適用も可能である。
少なくとも1つの物体の位置を検出するための多数の検出器が知られており、例えば、フォーカス技術からの深さを利用する検出器などがあり、該検出器は三角測量法を利用する。光子比による距離測定距離の新しい概念が、WO2018/091649A1、WO2018/091638A1及びWO2018/091640A1に記載されており、その内容は参照により包含される。
GB2077421Aは、基準面からターゲット表面の変位を感知するセンサシステムを記載している。これは、ランプからの白色光を表面に投射し、それから反射された光をその出力が変位の関数である光検出手段に導くための、レンズと共に使用される発光ファイバと受光ファイバを含む分岐光ファイバを含む。異なるターゲット反射率が使用され、変位の感知を決定するために2つのセンサチャンネルが使用され、各センサチャンネルは異なる波長又は実質的なスペクトル分離を伴う波長帯の光を感知する。レンズは、表面上のファイバの端面を画像化し、ターゲットから反射された光を用いてこの端面上に二次画像を形成し、該基準面は2つの波長の平均一次画像平面となる。フォトダイオードが赤色光を感知し、フォトダイオードが青色光を感知し、ビームスプリッタとフィルタが、光の赤色光成分と青色光成分をファイバから分離するために使用される。出力は、差動増幅器又は比例増幅器のいずれかで組み合わされて、システム出力信号を生成し、その大きさは2つのチャンネルの光束の相対的大きさに依存し、したがって、その大きさは、基準面Iからの関数ターゲット変位でもある。
EP2720013A2は、平面状の被測定物の測定領域に対して斜め方向に異なる複数の波長の光を照射するように構成された光源ユニット、測定領域で反射された光のスペクトル分布を測定するように構成された分光器、スペクトル分布の特徴量を抽出するように構成された特徴量抽出モジュール、抽出された特徴量、及び変位と以前に取得された特徴量との関係に基づいて測定領域の変位を計算するように構成された変位計算モジュールとを含む変位センサを記載している。
上述した装置及び検出器によって暗示される利点にもかかわらず、いくつかの技術的課題が残っている。一般に、低コストで製造することができ、空間内の物体の位置を検出するように構成されたコンパクトな検出器に対する必要性が存在する。特に、スマートフォン又は他のモバイル装置の使用などのモバイルアプリケーションの場合、最小限の計算能力で位置を迅速、正確、かつ信頼性の高い検出が必要であり、技術的課題である。WO2018/091649A1、WO2018/091638A1及びWO2018/091640A1に開示されているような、例えば象限ダイオードを使用することによる、光子比技術からの深度を用いて距離を決定することは、迅速な距離決定を可能にするが、例えば軸上照射(on-axis illumination)及び光源の固定位置などの光源の照射及び位置に関して制約がある可能性があり、その結果、モバイルアプリケーションへの実装は困難となり得る。CMOSセンサを使用すると、軸外照射(off-axis illumination)が可能になり得るが、センサ信号の生成と評価は著しく遅く、より多くの計算能力を必要とする場合がある。
WO2018/091649A1 WO2018/091638A1 WO2018/091640A1 GB2077421A EP2720013A2
したがって、本発明の目的は、既知の装置及び方法の上述の技術的課題に対する装置及び方法を提供することである。具体的には、本発明の目的は、好ましくは低い技術的労力、及び技術的資源及びコストの観点から低い要件で、空間における物体の位置を確実に決定することができる装置及び方法を提供することである。
この問題は、独立特許請求項の特徴を備えた本発明によって解決される。個別に又は組み合わせて実現することができる本発明の有利な展開は、従属請求項及び/又は以下の明細書及び詳細な実施形態に示されている。
以下で使用される場合、「有する」、「備える」、又は「含む」という用語、又はそれらの任意の文法上の変形は、非排他的な方法で使用される。したがって、これらの用語は、これらの用語によって導入された特徴の他に、この文脈で説明されているものにさらなる特徴が存在しない状況と、1つ以上のさらなる特徴が存在する状況の両方を指し得る。一例として、「AはBを有する」、「AはBを備える」、及び「AはBを含む」という表現は、B以外にAに他の要素が存在しない状況(つまり、Aは専らかつ排他的にBからなる状況)と、Bに加えて、1つ以上の要素、例えば要素C、要素CとD、又はさらに要素などが実体Aに存在する状況の双方を指し得る。
さらに、「少なくとも1つ」、「1つ以上」という用語、又は、特徴もしくは要素が1回以上存在し得ることを示す同様の表現は、典型的には、それぞれの特徴又は要素を導入するときに1回だけ使用されることに留意されたい。以下では、ほとんどの場合、それぞれの特徴又は要素を参照するときに、それらの特徴又は要素が1回以上現れるという事実にもかかわらず、「少なくとも1つ」又は「1つ以上」という表現は繰り返されない。
さらに、以下で使用される場合、「好ましくは」、「より好ましくは」、「特に」、「さらに特に」、「具体的に」、「より具体的に」という用語、又は、同様の用語は、代替の可能性を制限することなく、任意の特徴とともに使用される。したがって、これらの用語によって導入される特徴は任意の特徴であり、如何なる意味でも請求の範囲を限定することを意図するものではない。本発明は、当業者が認識するように、代替的特徴を用いて実施することができる。同様に、「本発明の一実施形態では」又は同様の表現によって導入される特徴は、本発明の代替実施形態に関する制限なしに、本発明の範囲に関する制限なしに、及びそのように導入された特徴を、本発明の他の任意の又は非任意の特徴と組み合わせる可能性に関する制限なしに、任意の特徴であることが意図されている。
本発明の第1の態様では、少なくとも1つの物体の位置を決定するための検出器が開示されている。本明細書で使用される場合、「物体」という用語は、少なくとも1つの光ビームを放出する点又は領域を指す。光ビームは、例えば、物体及び/又は光ビームを放出する物体に一体化又は取り付けられた少なくとも1つの照射源によってなどのように物体から、あるいは、例えば、物体を直接又は間接的に照射し、光ビームが物体によって反射又は散乱されるなどのように、異なる照射源から生じてもよい。本明細書で使用される場合、「位置」という用語は、空間内の物体及び/又は物体の少なくとも一部の位置及び/又は方向に関する少なくとも1つの情報項目を指す。したがって、該少なくとも1つの情報項目は、物体の少なくとも1つの点と少なくとも1つの検出器との間の少なくとも1つの距離を示すことができる。以下でさらに詳細に説明するように、距離は、縦方向座標であってもよく、又は物体の点の縦方向座標を決定するのに寄与するものでもよい。追加的に又は代替的に、物体及び/又は物体の少なくとも一部の位置及び/又は方向に関する1つ以上の他の情報項目を決定することができる。一例として、さらに、物体及び/又は物体の少なくとも1つの一部の少なくとも1つの横方向座標を決定することができる。したがって、物体の位置は、物体及び/又は物体の少なくとも一部の縦方向座標を意味し得る。追加的に又は代替的に、物体の位置は、物体及び/又は物体の少なくとも一部の少なくとも1つの横方向座標を意味し得る。追加的に又は代替的に、物体の位置は、空間における物体の方向を示す、物体の少なくとも1つの方向情報を意味し得る。
本検出器は:
− 少なくとも1つのダイクロイックフィルタ;
− 少なくとも1つの光センサであって、前記光センサは少なくとも1つの感光エリアを有し、前記光センサは、前記ダイクロイックフィルタを通過した光ビームによるその感光エリアの照射に応答して、少なくとも1つのセンサ信号を生成するように設計されている、光センサ;
− 少なくとも1つの第1波長を有する光ビームによる照射に応答して生成された第1のセンサ信号と、少なくとも1つの第2波長を有する光ビームによる照射に応答して生成された第2のセンサ信号を決定するように構成された少なくとも1つの評価装置であって、前記第1のセンサ信号と前記第2のセンサ信号からの結合信号Λを評価することにより、前記物体の少なくとも1つの縦方向座標zを決定するように構成された評価装置、
を含む。
本明細書で使用される場合、光という用語は、一般に、可視スペクトル範囲、紫外スペクトル範囲、及び赤外スペクトル範囲のうちの1つ以上における電磁放射を指す。そこでは、可視スペクトル範囲という用語は、一般に、380nm〜780nmのスペクトル範囲を指す。赤外スペクトル範囲という用語は、一般に、780nm〜1mmの範囲、好ましくは780nm〜3.0マイクロメートルの範囲における電磁放射を指す。紫外スペクトル範囲という用語は、一般に、1nm〜380nmの範囲、好ましくは100nm〜380nmの範囲における電磁放射を指す。好ましくは、本発明で使用される光は、可視光、すなわち、可視スペクトル範囲内、又は近赤外範囲内、例えば、780nm〜1000nmの範囲内の光である。
光ビームという用語は、一般に、特定の方向に放出及び/又は反射される光の量を指す。したがって、光ビームは、光線の伝播方向に垂直な方向に所定の広がりを有する光線の束であってもよい。好ましくは、光ビームは、例えばビームウェスト、レイリー長、又は、ビーム径及び/又は空間を伝播するビームの展開を特徴付けるのに適した他の如何なるビームパラメータ又はビームパラメータの組み合わせのうちの1つ以上など、1つ以上のガウスビームパラメータによって特徴づけられ得る、ガウス光ビームの線形結合などの1つ以上のガウス光ビームであり得るかそれを含み得る。
本明細書で使用される場合、「光線(ray)」という用語は、一般に、エネルギーの流れの方向を指す光の波面に対して垂直である線を指す。本明細書で使用される場合、「ビーム」という用語は一般に光線の集まりを指す。以下では、「光線」及び「ビーム」という用語は同義語として使用される。本明細書でさらに使用される場合、「光ビーム」という用語は、一般に光量を指し、具体的には、実質的に同じ方向に進む光量であって、光ビームが拡張角又は広がり角を有する可能性を含む。光ビームは空間的広がりを有することができる。具体的には、光ビームは、非ガウスビームプロファイルを有することができる。ビームプロファイルは台形ビームプロファイル;三角形ビームプロファイル;円錐形ビームプロファイル、からなる群から選択されてもよい。台形ビームプロファイルは、プラトー領域と少なくとも1つのエッジ領域とを有することができる。本明細書で使用される場合、「ビームプロファイル」という用語は、一般に、光ビームの横方向強度プロファイルを指す。ビームプロファイルは、特に光ビームの伝播に垂直な少なくとも1つの平面における、光ビームの強度の空間分布であり得る。光ビームは、具体的には、以下でさらに詳細に概説するように、ガウス光ビーム又はガウス光ビームの線形結合であり得る。しかしながら、他の実施形態も可能である。転送装置は、ビームプロファイル、特にビームプロファイルの形状を調整、定義及び決定することのうちの1つ以上のために構成されてもよい。本明細書でさらに使用される場合、光スポットは、一般に、光ビームによる物品、領域、又は物体の可視又は検出可能な円形又は非円形の照射を指す。
入射光ビームは、物体から検出器に向かって伝播してもよい。入射光ビームは、物体、及び/又は光ビームを放出する物体に一体化された、又は取り付けられた少なくとも1つの照射源などによって物体から発生してもよく、又は別の照射源、例えば物体を直接又は間接的に照射する照射源から発生してもよく、その場合、光ビームは、物体によって反射又は散乱され、それによって、少なくとも部分的に検出器に向けられている。照射源は、一例として、外部照射源、検出器に一体化された照射源、又は、物体に取り付けられた、物体に一体化された、又は物体によって保持されたうちの1つ以上であるビーコン装置に一体化された照射源、のうちの1つ以上であってもよいし、又はそれらを含んでもよい。したがって、検出器は、能動的及び/又は受動的な照射シナリオで使用されてよい。例えば、照射源は、例えば光ビームを向けることによって物体を照射し、該物体が光ビームを反射するように適合されてもよい。追加的又は代替的に、物体は、少なくとも1つの光ビームを生成及び/又は放出するように適合されてもよい。光源は、少なくとも1つのマルチビーム光源であってもよいし、又はそれを含んでよい。例えば、光源は、少なくとも1つのレーザ源と、1つ以上の回折光学要素(DOE)を含んでよい。照射源は、ダイクロイックフィルタを介して物体を照射するように適合されていてもよい。
検出器は、物体を照射するための少なくとも1つの照射源を含み得る。一例として、照射源は、物体を照射するための照射光ビームを生成するように構成されてよい。検出器は、照射光ビームが検出器から物体に向かって検出器の光軸に沿って伝播するように構成されてよい。この目的のために、検出器は、照射光ビームを光軸上に偏向させるために、少なくとも1つの反射要素、好ましくは少なくとも1つのプリズムを含み得る。
具体的には、照射源は、少なくとも1つのレーザ及び/又はレーザ源を含み得る。半導体レーザなどの様々なタイプのレーザを採用することができる。追加的又は代替的に、LED及び/又は電球などの非レーザ光源を使用することができる。照射源は、点群を生成及び/又は投影するように適合されてもよく、例えば、照射源は、少なくとも1つのデジタル光処理プロジェクタ、少なくとも1つのLCoSプロジェクタ、少なくとも1つの空間光変調器うちの1つ以上;少なくとも1つの回折光学要素;少なくとも1つの発光ダイオードのアレイ;少なくとも1つのレーザ光源のアレイのうちの1つ以上を含んでよい。照射源は、人工照射源、特に、少なくとも1つのレーザ源及び/又は少なくとも1つの白熱灯及び/又は少なくとも1つの半導体光源、例えば、少なくとも1つの発光ダイオード、特に、有機及び/又は無機発光ダイオードを含み得る。一例として、照射源が放出する光は、300〜1000nm、特に500〜1000nmの波長を有し得る。追加的又は代替的に、赤外スペクト領域の光、例えば780nm〜3.0μmの範囲の光を使用することができる。具体的には、シリコンフォトダイオードが適用可能な、具体的には700nm〜1000nmの範囲の近赤外領域部分の光を使用することができる。それらの一般的に定義されたビームプロファイル及び取り扱い性の他の特性のために、照射源としての少なくとも1つのレーザ源の使用が特に好ましい。照射源は、検出器のハウジングに一体化されてよい。
照射光ビームは、一般に、光軸に平行であってもよいし、例えば光軸との角度を含み光軸に対して傾斜していてもよい。一例として、レーザ光ビームなどの照射光ビームと光軸は、10°未満、好ましくは5°未満、さらに好ましくは2°未満の角度を含んでよい。しかしながら、他の実施形態も可能である。さらに、照射光ビームは、光軸上にあってもよいし、光軸から外れていてもよい。一例として、照射光ビームは、光軸から10mm未満、好ましくは光軸から5mm未満、さらには光軸から1mm未満の距離を有して光軸と平行であってもよく、又は光軸と一致さえしてもよい。
本明細書で使用される場合、「光ビームが少なくとも1つの波長を有する」という表現は、それぞれの波長を有する単色光ビーム、及び/又は複数の波長を含み、少なくとも1つの部分が対応する波長を有する光ビームを指す。検出器は、少なくとも2つの異なる波長を有する少なくとも1つの光ビームで物体を照射するように構成された少なくとも1つの照射源を含み得る。例えば、照射源は、少なくとも2つの光源を含み、第1光源は、第1波長を有する少なくとも1つの光ビームを生成するように構成され、第2光源は、第1波長とは異なる第2波長を有する少なくとも1つの光ビームを生成するように構成され得る。例えば、照射源は、少なくとも1つのマルチ波長光源を含み得る。照射源は、異なる波長を有する光ビームを選択的に生成するように構成された少なくとも1つのフィルタ要素を含み得る。照射源は、第1波長を有する光ビームと、異なる周波数を有する第2波長を有する光ビームをパルスするように構成され得る。
光ビームの第1波長と第2波長は異なっていてもよい。具体的に波長間の差、特にピーク間の差は、少なくとも1nm、好ましくは少なくとも10nm、より好ましくは少なくとも50nmであり得る。
さらに、照射源は、変調された光又は変調されていない光を放出するように構成され得る。複数の照射源が使用される場合、異なる照射源は、光ビームを区別するために使用され得る異なる変調周波数を有してよい。照射源は、色及び/又は変調周波数などの異なる特性を有する光を生成するように構成されてもよい。例えば、検出器は、少なくとも1つの変調装置を含み得る。変調装置は、照射源によって生成された少なくとも1つの光ビームを2つの異なる周波数で変調するように構成され得る。変調装置は、少なくとも1つの光源に一体化されていてもよく、及び/又は光源から独立していてもよい。したがって、少なくとも1つの光源が、それ自体、光ビームの上述の変調を生成するように適合されていてもよく、及び/又は、例えば少なくとも1つのチョッパ、及び/又は例えば少なくとも1つの電気光学装置及び/又は少なくとも1つの音響光学装置などの変調された伝達性を有する少なくとも1つの装置などの少なくとも1つの独立した変調装置が存在してもよい。変調装置は、LEDの駆動回路になど、照射源に一体化されていてもよい。
照射源は、可動光源、特に、自由に移動可能な光源であってよい。例えば、照射源は、可動レーザを含んでよく、そこでは、レーザは、具体的には、光センサ又は検出器のさらなる光学要素に固定的に接続されておらず、特に機械的に接続されていない。検出されたレーザスポットは、レーザを移動させることにより、手動で又は自動的に制御されてよい。例えば、照射源は、ビーコン装置であってよい。ビーコン装置は手動で移動させることができ、光センサは光源の位置を検出するように構成されてよい。移動範囲は、検出器光学系の視野によって横方向で制限されよい。縦方向では、移動範囲は、検出器の測定範囲に依存してよい。
検出器は、少なくとも1つの転送装置を含んでよい。「転送システム」とも呼ばれる「転送装置」という用語は、一般に、光ビームの1つ以上のビームパラメータ、光ビームの幅、又は光ビームの方向のうちの1つ以上を変更することよってなど、光ビームを変更するように適合された1つ以上の光学要素を指し得る。転送装置は、光ビームを光センサ上に案内するように適合され得る。転送装置は、具体的には:少なくとも1つのレンズ、例えば、少なくとも1つの焦点調節可能レンズ、少なくとも1つの非球面レンズ、少なくとも1つの球面レンズ、少なくとも1つのフレネルレンズからなる群から選択される少なくとも1つのレンズ;少なくとも1つの回折光学要素;少なくとも1つの凹面鏡;少なくとも1つのビーム偏向要素、好ましくは少なくとも1つのミラー;少なくとも1つのビーム分割要素、好ましくはビーム分割キューブ又はビーム分割ミラーのうちの少なくとも1つ;少なくとも1つのマルチレンズシステム、のうちの1つ以上を含み得る。転送装置は、Grintech GmbH,Schillerstrasse 1,07745 イエナ、ドイツから入手可能なGRINレンズのような少なくとも1つの勾配指数(GRIN)レンズを含むことができる。GRINレンズは、連続的な屈折勾配、例えば、軸方向及び/又は半径方向及び/又は球状の屈折勾配を有していてもよい。GRINレンズのf値は、レンズ長に依存し得る。GRINレンズを使用することにより、光学系を小型化、特に非常に薄い光学系を使用することを可能にすることができる。例えば、0.2mmの厚さ又は直径の非常に薄い光学系が可能となり得る。転送装置は、例えばトーラス形状を有する少なくとも1つの環状軸方向レンズを含むことができる。環状軸方向レンズは、平面−凸形状、例えば、軸方向及び/又は半径方向及び/又は球状の曲率を有してよい。
転送装置は、物体から検出器に伝播する少なくとも1つの入射光ビームに応答して、少なくとも1つの焦点距離を有する。本明細書で使用する場合、転送装置の「焦点距離」という用語は、転送装置に衝突する可能性がある入射平行光線が「フォーカルポイント」とも呼ばれる「焦点」に集束される距離を指す。したがって、焦点距離は、衝突する光ビームを集束させる転送装置の能力の尺度を構成する。したがって、転送装置は、集束レンズの効果を有し得る1つ以上の画像化要素を含むことができる。例として、転送装置は、1つ以上のレンズ、特に1つ以上の屈折レンズ、及び/又は1つ以上の凸面ミラーを有することができる。この例では、焦点距離は、薄い屈折レンズの中心から薄いレンズの主焦点までの距離として定義することができる。凸型又は両凸型の薄レンズなどの、集束する薄い屈折レンズの場合、焦点距離は、正であると考えられ、転送装置としての薄レンズに衝突する平行光が単一のスポットに集束され得る距離を与えることができる。さらに、転送装置は、少なくとも1つの波長選択要素、例えば少なくとも1つの光フィルタを含むことができる。さらに、転送装置は、例えばセンサ領域、特にセンサエリアの位置の電磁放射に所定のビームプロファイルを印加するように設計され得る。転送装置の上記の任意の実施形態は、原則として、個別に、又は任意の所望の組み合わせで実現することができる。
転送装置、特に焦点距離及び開口数NAは、測定用途に応じて選択することができる。これは、より小さい測定間隔でより高いダイナミックレンジを実現し、又は、より大きい測定間隔でより低いダイナミックレンジを実現することを可能にする。転送装置は、0.1から1.0の間、好ましくは0.2から0.9の間、より好ましくは0.3から0.8の間の開口数を有することができる。
転送装置は、光ビームの伝播方向を調整及び/又は変更するように適合され得る。転送装置は、少なくとも1つの光軸を含み得る。転送装置は、物体から検出器に伝播する光ビームに影響を与えるように、例えば、転向させるように適合され得る。特に、転送装置は、光ビームの伝播方向を調整するように適合され得る。転送装置は、転送装置の光軸に関して伝播の角度を調整及び/又は生成するように適合され得る。伝播角度は、転送装置の光軸と、物体から検出器へ伝播する光ビームの伝播方向との間の角度であってよい。転送装置を使用しない場合、光ビームの伝播角度は、主に、光ビームが生成される物体の特性、例えば物体の表面特性及び/又は材料特性に依存し得る。転送装置は、物体の表面特性に依存しないような伝播角度を調整及び/又は生成するように適合され得る。転送装置は、光ビームの伝播方向の角度依存性を増強及び/又は増幅するように適合され得る。理論に拘束されることを望まないが、物体によって生成された光ビームは、物体から検知器まで伝播し、0°すなわち光軸から、物体上の散乱源から転送装置の端部までで定義される任意の角度Xまでの角度範囲で転送装置に衝突し得る。転送装置が集光特性を含むことができるため、転送装置を通過した後の角度範囲は、元の角度範囲とは著しく異なる可能性がある。例えば、光軸に平行に衝突する光ビームは、フォーカルポイント又は焦点に集束され得る。転送装置の集光特性に応じて、転送装置に衝突する前と、転送装置を通過した後の角度依存性は反転する場合がある。転送装置は、遠方場、すなわち、物体が光ビームが光軸に実質的に平行に伝播する遠い距離に配置されている場合の角度依存性を増幅するように適合され得る。一般的に、転送装置を使用しない場合、角度依存性は、近場領域で最大になり得る。近場では、信号は一般に遠方場信号に比べて強くなり得る。したがって、遠方場での角度依存性を増幅する転送装置による近場でのより小さい角度依存性は、近場における一般的に良好な信号対ノイズ比により、及び/又は非ゼロベースラインによる距離依存性スポット移動などの追加の近場特性を使用することにより、少なくとも部分的に補償され得る。
転送装置は、光軸を有することができる。特に、検出器及び転送装置は、共通の光軸を有する。本明細書で使用される場合、「転送装置の光軸」という用語は、一般に、レンズ又はレンズシステムの鏡面対称又は回転対称の軸を指す。検出器の光軸は、検出器の光学構成の対称線であり得る。検出器は、少なくとも1つの転送装置、好ましくは少なくとも1つのレンズを有する少なくとも1つの転送システムを含む。転送システムは、一例として、少なくとも1つのビーム経路を含むことができ、該ビーム経路内の該転送システムの要素は、光軸に対して回転的に又は対称的にさえ配置され得る。さらに、以下でさらに詳細に説明するように、ビーム経路内に配置された1つ以上の光学要素は、光軸に対してオフセンターしているか、又は傾けられていてもよい。しかし、この場合、光軸は、例えば、ビーム経路内の光学要素の中心を相互に接続することなどにより、例えばレンズの中心を、この文脈では光センサは光学要素としては数えられないが、相互接続することなどにより、順次定義することができる。光軸は一般に、ビーム経路を示し得る。そこでは、検出器は、光ビームがそれに沿って物体から光センサまで進むことができる単一のビーム経路を有することができ、又は複数のビーム経路を有することができる。一例として、単一のビーム経路が与えられてもよく、又はビーム経路が2つ以上の部分ビーム経路に分割されてもよい。後者の場合、各部分ビーム経路は、それ自体の光軸を有することができる。転送装置は、C、Si、又はCaのかなりの質量、好ましくはC、Si、又はCaの少なくとも20質量%、より好ましくはC、Si、又はCaの少なくとも27質量%を含むことができる。
転送装置は座標系を構成することができ、ここでは、縦方向座標lは光軸に沿った座標であり、dは光軸からの空間的オフセットである。座標系は、転送装置の光軸がz軸を形成し、z軸からの距離及び極角度を追加の座標として使用することができる極座標系であってもよい。z軸に平行又は逆平行の方向は縦方向と考えることができ、z軸に沿った座標は縦方向座標lと考えることができる。z軸に垂直な任意の方向は、横方向と考えることができ、極座標及び/又は極角座は、横方向座標と考えることができる。
本明細書で使用される場合、「ダイクロイックフィルタ」という用語は、光学カラーフィルタ、具体的には干渉カラーフィルタを指す。ダイクロイックフィルタは、波長依存性及び角度依存性の透過スペクトルを有してよい。第1側面、例えばダイクロイックフィルタの表面に衝突する電磁波は、ダイクロイックフィルタの特性に応じて、部分的に、吸収及び/又は反射及び/又は透過され得る。ダイクロイックフィルタに衝突する電磁波の総出力は、ダイクロイックフィルタによって、少なくとも3つの成分、すなわち、吸収成分、反射成分及び透過成分に分配され得る。透過率は、ダイクロイックフィルタに衝突する電磁波の総出力で正規化された透過成分の出力として定義することができる。吸収率は、ダイクロイックフィルタに衝突する電磁波の総出力で正規化された吸収成分の出力として定義することができる。反射率は、ダイクロイックフィルタに衝突する電磁波の総出力で正規化された反射成分の出力として定義することができる。「吸収」という用語は、ダイクロイックフィルタによる入射光ビームの出力及び/又は強度の減少を指す。本明細書で使用される場合、「透過」という用語は、ダイクロイックフィルタの外側で光軸に対して90°以上の角度を有する半空間で測定可能な電磁波の一部を指す。例えば、透過は、ダイクロイックフィルタの第1側面に衝突し、ダイクロイックフィルタを貫通し、ダイクロイックフィルタを第2側面、例えば反対側の側面から離れる電磁波の残りの部分であってよい。「反射」という用語は、ダイクロイックフィルタの外側で光軸に対して90°未満の角度を有する半空間において測定可能な電磁波の一部分を指す。例えば、反射は、ダイクロイックフィルタとの相互作用による入射光ビームの波面の方向の変化であってよい。本明細書で使用される場合、「透過」という用語は、さらに、放射エネルギーの透過におけるダイクロイックフィルタの効率、特にダイクロイックフィルタを透過する入射光ビームの入射電磁力の一部を指す。本明細書で使用される場合、「透過スペクトル」という用語は、波長の関数としての透過を指す。本明細書で使用される場合、「波長依存透過スペクトル」という用語は、異なる波長の光を選択的にフィルタリングするダイクロイックフィルタの特性を指す。ダイクロイックフィルタは、第1波長を有する光がダイクロイックフィルタを通過し、第2波長を有する光がフィルタリングされるように構成され得る。非透過波長は、大部分がフィルタリングされ得る。
ダイクロイックフィルタは、高い角度依存性を有する干渉フィルタであってよい。角度依存性は、カットオン/カットオフ波長、具体的には、フィルタの透過が透明から不透明に切り替わるカットオン又はカットオフ波長に関して定義することができる。カットオン/カットオフ波長は、透過率曲線が平均不透明透過係数と平均透明透過係数の平均値にある波長として定義することができる。角度依存性は、光軸に直交する軸を中心に30°だけ光軸に直交する平面からフィルタを回転させた場合の、カットオン/又はカットオフ波長のシフトとして定義することができる。ダイクロイックフィルタは、5nm/30°から100nm/30°まで、好ましくは7nm/30°から80nm/30°まで、より好ましくは9nm/30°から50nm/30°までの角度依存性を有することができる。対照的に、光学用途では、典型的には、角度依存性が低い、好ましくは角度依存性を持たない干渉フィルタが使用され、必要とされる。
ダイクロイックフィルタは、直交する入射角のために特に設計された平面基板、例えばガラス上の干渉フィルタであり得る。変化する入射角は、変化する透過特性をもたらす。角度依存性は、光軸周りで放射状に対称であってよい。対照的に、ダイクロイックミラーを含むビームスプリッタは、非直交入射角、ほとんどの場合45°の入射角用に設計されている。設計角度以外の入射角は、スペクトル特性が変化するだけでなく、反射角や透過角も変化することとなる。さらに、角度依存透過率が、光軸に対して半径方向に対称ではない。一般的にダイクロイックミラーは、異なる波長に対してはビームスプリッタである。それらは特定の波長領域を反射し、他の領域を透過させる。対照的に、本発明は、測定のために少なくとも2つの波長を使用し、単一の検出器で機能することができる。ビームの分割は、両方の波長を捕捉するために複数の検出器を必要とし、特に、複数の検出器などに関連するかさばる構造及び追加コストを考慮すると不利である。さらに、本発明は、選択された波長のために入射角の変化にともなう干渉フィルタの変化する透過特徴を利用する。変化する入射角に伴ってダイクロイックミラーで変化する反射角と透過角は、非対称効果が生じる。したがって、ダイクロイックミラーは、半径方向の対称性が不可欠である測定、例えば3次元座標系における活動的ターゲットの追跡には採用できない。
ダイクロイックフィルタは、ロングパス、ショートパス、バンドパス、ノッチフィルタのいずれかを採用することができる。有利なことに、製造技術により、高い角度依存性を有する干渉フィルタは高い温度安定性を有することができる。ダイクロイックフィルタは、カットオン及び/又はカットオフ勾配の傾斜、及び角度依存性を変化させることにより、追跡用途のために最適化することができる。ダイクロイックフィルタは、例えば、バンドパスフィルタ又はノッチフィルタのカットオン及びカットオフ波長を適切に選択することにより、フィルタの透過特性が入射角度の関数として両方の波長に対して変化するように設計されてよい。ダイクロイックフィルタは、例えば、エッジフィルタのカット波長を適切に選択することにより、一方の波長の透過特性が入射角の変化に伴って変化し、他方の波長の透過特性は同じままであるように設計することができる。ダイクロイックフィルタは、第1波長に対するフィルタの透過率が、距離の増加に対応して入射角が増加するのとともに増加し、一方、第2波長に対する透過率が高く同じままであるように設計することができる。したがって、光強度が小さいより長い距離では、両方の波長に対して最大の透過率が達成され得る。ダイクロイックフィルタは、光軸に直交して、あるいは実質的に直交して配置されてよい。ダイクロイックフィルタは、転送装置に対して平行に、又は実質的に平行に配置されてよい。
ダイクロイックフィルタは、角度依存の透過スペクトルを有してよい。本明細書で使用される場合、「角度依存透過スペクトル」という用語は、ダイクロイックフィルタの透過率が、入射光ビームがダイクロイックフィルタに衝突する入射角に依存するという事実を指す。例えば、透過率は、物体から検出器に向かって伝播する入射光ビームがダイクロイックフィルタに衝突する入射角に依存し得る。入射角は、ダイクロイックフィルタの光軸に対して測定されてよい。ダイクロイックフィルタは、転送装置の後方の伝播方向に配置されてよい。ダイクロイックフィルタ及び転送装置は、物体から検出器に伝播する光ビームがダイクロイックフィルタに衝突する前に転送装置を通過するように配置されてよい。ダイクロイックフィルタは、物体から検出器に伝播する光ビームが、転送装置と転送装置のフォーカルポイントの間でダイクロイックフィルタに衝突するように配置されてよい。少なくとも1つの転送装置を使用することにより、縦方向座標の測定の堅牢性をさらに高めることができる。転送装置は、例えば、少なくとも1つのコリメートレンズを含んでよい。ダイクロイックフィルタは、より小さな角度で入射する光線に比べて、より大きな角度で入射する光線を弱めるように設計され得る。例えば、透過率は、光軸に平行な光線、すなわち0°で最も高く、より高い角度では減少してもよい。特に、少なくとも1つのカットオフ角度で、透過率は急にゼロに低下し得る。したがって、大きい入射角を有する光線は、カットオフされ得る。
例えば、ダイクロイックフィルタは、光ビームがダイクロイックフィルタに透過角又は透過波長範囲の下で衝突する場合には光ビームが通過し、光ビームが逸脱した入射角又は波長範囲の下で衝突する場合は光ビームがフィルタリングされるような、透過スペクトルを有することができる。例えば、光ビームがダイクロイックフィルタの光軸に対して実質的に平行に衝突する場合は、光ビームはダイクロイックフィルタを通過することができ、光ビームが逸脱した入射角の下で衝突する場合は、光ビームはフィルタリングされ得る。本明細書で使用される場合、「ダイクロイックフィルタの光軸に対して実質的に平行」という用語は、例えば±5°以下の許容誤差、好ましくは±3°以下の許容誤差、より好ましくは±1°以下の許容誤差を有する平行な方向付の状態を指す。「0°の入射角」は、光軸に平行であることを指す。
上で概説したように、ダイクロイックフィルタの透過スペクトルは、波長依存及び角度依存であってよい。例えば、透過スペクトルは、第1波長を有する光ビームが、光ビームがダイクロイックフィルタの光軸に実質的に平行に衝突する場合は通過でき、第2波長を有する光ビームが、光ビームが例えば30°などのより大きな角度で衝突する場合は、ダイクロイックフィルタを通過できるように選択されてよい。転送装置及びダイクロイックフィルタは、物体から検出器に伝播する光ビームがダイクロイックフィルタに衝突する前に転送装置を通って伝播するように配置され得る。例えば、近場とも呼ばれる転送装置のフォーカルポイントに近い物体については、転送装置の後方の光ビームは、大部分が光軸に平行であり、第1透過スペクトルがダイクロイックフィルタで光ビームに適用されてよく、例えば、第1波長は通過できるが、第2波長はほとんどフィルタリングされ得る。例えば、遠方場とも呼ばれる遠方の物体については、光ビームは、転送装置の光軸に実質的に平行に転送装置に到達し、転送装置の後方でフォーカルポイントに向かって集束される。したがって、これらの光ビームは、ダイクロイックフィルタの光軸に対してより大きな角度を有することがあり、異なる透過スペクトルがダイクロイックフィルタで光ビームに適用されてよく、例えば、第2波長は通過できるが、第1波長はほとんどフィルタリングされ得る。
ダイクロイックフィルタは、物体から検出器に伝播する入射光ビームの伝播方向に、転送装置の後方に配置されてよい。ダイクロイックフィルタと転送装置は、物体から検出器に伝播する入射光ビームがダイクロイックフィルタに衝突する前に転送装置を通過するように配置されてよい。転送装置とダイクロイックフィルタは、空間的に分離して、例えば光軸に垂直な方向にずれて配置されてよい。ダイクロイックフィルタは、物体から検出器に伝播する光ビームが、転送装置と転送装置のフォーカルポイントの間でダイクロイックフィルタに衝突するように配置されてもよい。例えば、転送装置と、物体から検出器に伝播する光ビームがダイクロイックフィルタに衝突する位置の間の距離は、焦点距離の少なくとも20%、より好ましくは焦点距離の少なくとも50%、最も好ましくは焦点距離の少なくとも80%であってよい。
本明細書で使用される場合、「光センサ」という用語は、一般に、光ビームの検知、例えば少なくとも1つの光ビームによって生成される照射及び/又は光スポットの検知のための感光装置を指す。本明細書でさらに使用される場合、「感光エリア」は、一般に、少なくとも1つの光ビームによって外部から照射され、該照射に応答して少なくとも1つのセンサ信号を生成する、光センサのエリアを指す。感光エリアは、具体的には、光センサの表面に位置し得る。しかしながら、他の実施形態も可能である。したがって、「光センサ」という用語は、さらに、1つの出力信号を生成するように構成された感光装置を指し、ここで、2つ以上の出力信号を生成するように構成された感光装置、たとえば少なくとも1つのCCD及び/又はCMOS装置は、2つ以上の光センサとして参照される。
本明細書でさらに使用される場合、「センサ信号」は、一般に、光ビームによる照射に応答して光センサによって生成される信号を指す。具体的には、センサ信号は、少なくとも1つのアナログ電気信号及び/又は少なくとも1つのデジタル電気信号などの少なくとも1つの電気信号であり得るか、又はそれらを含み得る。より具体的には、センサ信号は、少なくとも1つの電圧信号及び/又は少なくとも1つの電流信号であり得るか、又はそれらを含み得る。より具体的には、センサ信号は、少なくとも1つの光電流を含み得る。さらに、未処理のセンサ信号を使用してもよく、又は検出器、光センサ、又はその他の要素が、フィルタリングなどによる前処理など、センサ信号を処理又は前処理するように適合され得、それによってセンサ信号としても使用できる二次センサ信号を生成することができる。
感光エリアは、物体に向かって方向付けされてよい。本明細書で使用する場合、「物体に向けられる」という用語は、一般に、感光エリアのそれぞれの表面が物体から完全に又は部分的に見える状態を指す。具体的には、物体の少なくとも1つの点と感光エリアの少なくとも1つの点との間の少なくとも1つの相互接続線は、感光エリアの表面要素と0°と異なる角度、例えば、20°から90°の範囲の角度、好ましくは80°から90°の範囲の角度、例えば90°を形成することができる。したがって、物体が光軸上又は光軸の近くにある場合、物体から検出器に向かって伝播する光ビームは、実質的に光軸に平行であり得る。本明細書で使用する場合、「実質的に垂直」という用語は、例えば±20°以下、好ましくは±10°以下、より好ましくは±5°以下の許容誤差を有する垂直な向きの状態を指す。同様に、「実質的に平行」という用語は、例えば±20°以下、好ましくは±10°以下、より好ましくは±5°以下の許容誤差を有する平行な向きの状態を指す。追加的又は代替的に、感光エリアの少なくとも1つは、物体に向かっての方向付けとは異なる方向付けをされてよい。例えば、光センサは、光軸に対して垂直又は任意の角度で、物体に対して方向付けされてよい。ダイクロイックフィルタは、光ビームが感光エリアに衝突するように光ビームを生成するように構成されてよい。例えば、感光エリアが光軸に対して任意の角度で方向付けられている場合、検出器は、光ビームを感光エリアに導くように構成された少なくとも1つの光学要素を含んでよい。ダイクロイックフィルタは、感光エリアに対して実質的に平行に配置されてよい。
光センサは、紫外、可視、又は赤外スペクトル範囲の1つ以上で感度を有してよい。具体的には、光センサは、500nm〜780nm、最も好ましくは650nm〜750nm、又は690nm〜700nmの可視スペクトル範囲で感度を有してよい。具体的には、光センサは近赤外領域で感度を有してよい。具体的には、光センサは、シリコンフォトダイオードが適用可能な特に700nm〜1000nmの範囲の近赤外領域の部分で感度を有してよい。光センサは、具体的には、赤外スペクトル範囲、具体的には780nm〜3.0μmの範囲で感度を有してよい。例えば、光センサは、フォトダイオード、フォトセル、光伝導体、フォトトランジスタ又はそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される少なくとも1つの要素であってもよく、又はそれらを含んでもよい。他の任意のタイプの感光性要素を使用してもよい。以下でさらに詳細に概説されるように、感光性要素は、一般に、完全に又は部分的に無機材料で作製されることができ、及び/又は、完全に又は部分的に有機材料で作製されることができる。最も一般的には、以下でさらに詳細に概説するように、市販のフォトダイオード、例えば、無機半導体フォトダイオードなどの1つ以上のフォトダイオードが使用され得る。
光センサは、具体的には、半導体センサであり得、好ましくは無機半導体センサ、より好ましくはフォトダイオードであり、最も好ましくはシリコンフォトダイオードであり得る。したがって、本発明は、単に、市販の無機フォトダイオード、すなわち、1つの小さなフォトダイオード及び1つの大面積フォトダイオードを使用することによって実現することができる。このように、本発明の構成は、安価で高価でない方式で実現することができる。具体的には、光センサは、赤外スペクトル範囲、好ましくは780nm〜3.0μmの範囲で感度を有し、及び/又は、可視スペクトル範囲、好ましくは380nm〜780nmの範囲で感度を有する無機フォトダイオードであり得るか、又はそれらを含み得る。具体的には、光センサは、シリコンフォトダイオードが適用可能な特に700nm〜1000nmの範囲で近赤外領域の部分で感度を有し得る。光学系に使用できる赤外光センサは、市販の赤外光センサであってよく、例えば、ドイツのtrinamiX GmbH,D−67056 Ludwigshafen am RheinからHertzstueck(登録商標)というブランド名で市販されている赤外光センサであってよい。したがって、一例として、光センサは、固有の光起電型の少なくとも1つの光センサ、より好ましくはGeフォトダイオード、InGaAsフォトダイオード、拡張InGaAsフォトダイオード、InAsフォトダイオード、InSbフォトダイオード、HgCdTeフォトダイオード、からなる群から選択される少なくとも1つの半導体フォトダイオードを含み得る。追加的に又は代替的に、光センサは、外因性光起電型の少なくとも1つの光センサ、より好ましくはGe:Auフォトダイオード、Ge:Hgフォトダイオード、Ge:Cuフォトダイオード、Ge:Znフォトダイオード、Si:Gaフォトダイオード、Si:Asフォトダイオードなる群から選択される少なくとも1つの半導体フォトダイオードを含み得る。追加的又は代替的に、光センサは、少なくとも1つの光導電性センサ、例えばPbSセンサ又はPbSeセンサ、ボロメータ、好ましくはVOボロメータ及びアモルファスSiボロメータからなる群から選択されるボロメータなどを含み得る。光センサは、不透明、透明又は半透明であってよい。しかし、簡単のために、これらの不透明センサが一般に広く市販されているため、光ビームに対して透明ではない不透明センサを使用することができる。光センサは、具体的には、単一の感光エリアを有する均一なセンサであり得る。したがって、光センサは、具体的には、非ピクセル化光センサであり得る。
本明細書でさらに使用される場合、「評価装置」という用語は、一般に、好ましくは少なくとも1つのデータ処理装置を使用することにより、より好ましくは、少なくとも1つのプロセッサ及び/又は少なくとも1つの特定用途向け集積回路を使用することにより、指定された操作を実行するように構成された任意の装置を指す。したがって、一例として、少なくとも1つの評価装置は、多数のコンピュータコマンドを含むそこに保存されたソフトウェアコードを有する少なくとも1つのデータ処理装置を備えることができる。評価装置は、1つ以上の指定された操作を実行するために、1つ以上のハードウェア要素を提供してもよいし、及び/又は、1つ以上の指定された操作を実行するために、そこで実行されるソフトウェアを1つ以上のプロセッサに提供してもよい。
評価装置は、少なくとも1つの第1波長を有する光ビームによる照射に応答して生成される第1のセンサ信号と、少なくとも1つの第2波長を有する光ビームによる照射に応答して生成される第2のセンサ信号とを決定するように構成されている。上述したように、第1波長及び第2波長を有する光ビームは、異なる周波数で生成されても、又はパルス化されてもよく、及び/又は、その後に生成されてもよく、及び/又は、異なる変調周波数で変調されてもよい。評価装置は、第1及び第2のセンサ信号からの結合信号Λを評価することにより、物体の少なくとも1つの縦方向座標zを決定するように構成されている。本明細書で使用される場合、「結合信号Λ」という用語は、第1及び第2のセンサ信号を結合することによって、特に、第1及び第2のセンサ信号を除算すること、第1及び第2のセンサ信号の倍数を除算すること、又は第1及び第2のセンサ信号の線形結合を除算することのうちの1つ以上によって生成される信号を指す。特に、結合信号Λは、商信号であってもよい。結合信号Λは、様々な手段を用いて決定することができる。一例として、結合信号を導出するためのソフトウェア手段、結合信号を導出するためのハードウェア手段、又はその両方を用いてもよく、評価装置に実装されてもよい。したがって、評価装置は、一例として、少なくとも1つのデバイダを含むことができ、デバイダは商信号を導出するように構成される。デバイダは、ソフトウェアデバイダ又はハードウェアデバイダの一方又は両方として完全に又は部分的に具現化されてよい。評価装置は、第1及び第2のセンサ信号を除算すること、第1及び第2のセンサ信号の倍数を除算すること、第1及び第のセンサ信号の線形結合を除算することのうちの1つ以上によって、結合信号Λを導出するように構成されてよい。評価装置は、第1のセンサ信号の第1放射強度及び第2のセンサ信号の第2放射強度を決定するように構成されてもよい。評価装置は、結合信号Λを導出するための第1放射強度と第2放射強度の比を決定するように構成されてもよい。正規化された放射強度の比など、他の結合信号又は商信号が可能である。このように、ダイクロイックフィルタを通過した少なくとも2つの波長間の関係は、物体と光センサの間の距離に依存する。単一の光センサのみが必要である。検出器は、バイセルの部分ダイオード、分割電極PSD又は象限ダイオード、及び/又はCMOSセンサなどの複数の光センサを含むことができる。この場合、結合信号Λを決定するために、評価装置は、光センサの信号の和信号など、光センサ上の完全な光スポットを決定することができる。代替的に、結合信号Λを決定するために、評価装置は、第1及び第2のセンサ信号について同一のセンサエリアによって生成された信号を使用することができる。
物体の少なくとも1つの縦方向座標を決定することを含む上述の操作は、少なくとも1つの評価装置によって実行される。したがって、一例として、上述の関係の1つ以上は、例えば1つ以上のルックアップテーブルを実装するなど、ソフトウェア及び/又はハードウェアに実装されてよい。このように、一例として、評価装置は、物体の少なくとも1つの縦方向座標を決定するために、上述の評価を実行するように構成された1つ以上のコンピュータ、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)又はデジタル信号プロセッサ(DSP)、などの1つ以上のプログラム可能な装置を備えることができる。しかしながら追加的に又は代替的に、評価装置はまた、完全に又は部分的にハードウェアによって具体化されてよい。
検出器は、さらに、1つ以上の追加の光学要素などの、1つ以上の追加の要素を含み得る。さらに、検出器は、完全に又は部分的に、少なくとも1つのハウジングに一体化されてよい。
結合信号Λを用いた縦方向座標zの決定は、光子比からの深度、飛行時間、三角測量、及びデフォーカスからの深度に基づく1つ以上の技術など、さらなる距離測定技術と組み合わせることができる。具体的には、結合信号Λを用いた縦方向座標zの決定は、非波長依存の距離測定技術と組み合わせることができる。
例えば、結合信号Λを用いた縦方向座標zの決定は、例えば、WO2018/091649A1、WO2018/091638A1及びWO2018/091640A1に記載されているように、光子比からの深度(depth from photon ratio:DPR)技術を用いた距離測定と組み合わせることができ、その内容は参照により含まれる。検出器は、少なくとも2つの光センサを含んでよい。光センサの各々は、少なくとも1つの感光エリアを有してよい。光センサの各々は、ダイクロイックフィルタを通過した光ビームによるそれぞれの感光エリアの照射に応答して、少なくとも1つのセンサ信号を生成するように設計されてよい。光センサの少なくとも1つは、第1のDPRセンサ信号を生成するように構成されてよく、光センサの少なくとも1つは、第2のDPRセンサ信号を生成するように構成されてよい。「DPRセンサ信号」という用語は、光子比からの深度技術を用いて距離を決定するために使用されるセンサ信号を指す。具体的には、第1のDPRセンサ信号及び第2のDPRセンサ信号は、ビームプロファイルの部分又はカットに対応する信号であってよい。評価装置は、第1及び第2のDPRセンサ信号からの結合DPR信号Qを評価することにより、物体の縦方向座標zDPRを決定するように構成されてよい。
本明細書で使用される場合、「結合DPR信号Q」という用語は、第1及び第2のDPRセンサ信号を結合することにより、具体的には、第1及び第2のDPRセンサ信号を除算すること、第1及び第2のDPRセンサ信号の倍数を除算すること、又は第1及び第2のDPRセンサ信号の線形線形を除算することのうちの1つ以上によって、生成される信号を指す。具体的には、結合DPR信号は商信号であってよい。結合DPR信号Qは、様々な手段を用いて決定されてよい。一例として、結合DPR信号を導出するためのソフトウェア手段、結合DPR信号を導出するためのハードウェア手段、又はその両方を用いてもよく、評価装置に実装してよい。したがって、評価装置は、一例として、少なくとも1つのデバイダを含むことができ、デバイダは結合DPR信号を導出するように構成される。デバイダは、ソフトウェアデバイダ又はハードウェアデバイダの一方又は両方として完全に又は部分的に具現化されてよい。
評価装置は、第1及び第2のDPRセンサ信号を除算すること、第1及び第2のDPRセンサ信号の倍数を除算すること、第1及び第2のDPRセンサ信号の線形結合を除算することのうちの1つ以上によって、結合DPR信号Qを導出するように構成されてよい。第1及び第2のセンサ信号の各々は、ダイクロイックフィルタを通過した光ビームのビームプロファイルの少なくとも1つのエリアの少なくとも1つの情報を含んでよい。ビームプロファイルは、台形ビームプロファイル;三角形ビームプロファイル;円錐ビームプロファイル及びガウスビームプロファイルの線形結合からなる群から選択されてよい。例えば、評価装置は、結合DPR信号Qを以下の数式1により導出するように構成されている。
Figure 2021533356
ここで、x及びyは横方向座標であり、A1は、ダイクロイックフィルタを通過した光ビームの光センサのセンサ位置におけるビームプロファイルの第1エリアであり、A2は、ダイクロイックフィルタを通過した光ビームの光センサのセンサ位置におけるビームプロファイルの第2エリアであり、E(x,y,z)は、物体距離zで与えられるビームプロファイルを表す。第1のDPRセンサ信号及び第2のDPRセンサ信号の少なくとも一方は、ビームプロファイルの第1エリアの情報を含むことができ、他方はビームプロファイルの第2エリアの情報を含むことができる。例えば、第1のDPRセンサ信号は、ビームプロファイルの第1エリアの情報を含むことができ、第2のDPRセンサ信号は、ビームプロファイルの第2エリアの情報を含むことができる。ビームプロファイルの第1エリアとビームプロファイルの第2エリアとは、隣接している領域か、又は重なり合っている領域かの一方又は両方であってよい。エリアA1とエリアA2は異なっていてよい。特に、A1とA2は、一致していない。したがって、A1及びA2は、形状又は内容のうちの1つ以上が異なっていてよい。ビームプロファイルは、光ビームの断面であってよい。一般に、ビームプロファイルは、輝度L(z)及びビーム形状S(x,y;z)に依存し、E(x,y;z)=L・Sである。このように、結合DPR信号を導出することで、輝度から独立した縦方向の座標を決定することができる。さらに、結合信号を使用することにより、物体の大きさとは無関係に距離zを決定することができる。このように、結合信号は、物体の材料特性及び/又は反射特性及び/又は散乱特性とは無関係に、及び、例えば製造精度、熱、水分、汚れ、レンズの損傷などによる光源の変化とは無関係に、距離zを決定することを可能にする。本明細書で使用される場合、「ビームプロファイルのエリア」という用語は、一般に、結合DPR信号Qを決定するために使用されるセンサ位置におけるビームプロファイルの任意の領域を指す。
ビームプロファイルの第1エリア及び第2エリアの一方は、ビームプロファイルの実質的にエッジ情報を含んでよく、ビームプロファイルの第1エリア及び第2エリアの他方は、ビームプロファイルの実質的に中心情報を含んでよい。例えば、ビームプロファイルの第1エリアは、ビームプロファイルの実質的にエッジ情報を含んでよく、ビームプロファイルの第2エリアは、ビームプロファイルの実質的に中心情報を含んでよい。ビームプロファイルは、中心、すなわちビームプロファイルの最大値及び/又はビームプロファイルのプラトーの中心点及び/又は光スポットの幾何学的中心と、中心から延びる立下りエッジとを有してよい。第2領域は、断面の内側領域を含んでよく、第1領域は、断面の外側領域を含んでよい。本明細書で使用される場合、「実質的に中心情報」という用語は、一般に、中心情報の割合、すなわち中心に対応する強度分布の割合と比較して、エッジ情報の割合が低いこと、すなわちエッジに対応する強度分布の割合が低いことを指す。好ましくは、中心情報は、10%未満、より好ましくは5%未満、のエッジ情報の割合を有し、最も好ましくは、中心情報はエッジ内容を含まない。本明細書で使用される場合、「実質的にエッジ情報」という用語は、一般に、エッジ情報の割合と比較して、中心情報の割合が低いことを指す。エッジ情報は、ビームプロファイル全体の情報、特に中心領域及びエッジ領域からの情報を含み得る。エッジ情報は、10%未満、好ましくは5%未満の中心情報の割合を有し、より好ましくは、エッジ情報は中心情報を含まない。ビームプロファイルが中心に近いか又はその周囲にあり、実質的に中心情報を含む場合は、ビームプロファイルの少なくとも1つのエリアは、ビームプロファイルビームプロファイルの第2エリアとして決定及び/又は選択されてよい。ビームプロファイルが断面の立下りエッジの少なくとも部分を含む場合は、ビームプロファイルの少なくとも1つのエリアは、ビームプロファイルの第1エリアとして決定及び/又は選択されてよい。例えば、断面の全エリアが第1エリアとして決定されてよい。ビームプロファイルの第1エリアをエリアA2、ビームプロファイルの第2エリアをエリアA1としてよい。
エッジ情報は、ビームプロファイルの第1エリアの光子数に関する情報を含むことができ、中心情報は、ビームプロファイルの第2エリアの光子数に関する情報を含むことができる。評価装置は、ビームプロファイルの面積積分を決定するように適合されてよい。評価装置は、第1エリアの積分及び/又は加算によってエッジ情報を決定するように適合されてよい。評価装置は、第2エリアの積分及び/又は加算によって中心情報を決定するように適合されてよい。例えば、ビームプロファイルは台形ビームプロファイルであってよく、評価装置は、台形の積分値を決定するように適合されてよい。さらに、台形ビームプロファイルが想定される場合、エッジの勾配と位置、ならびに中心プラトーの高さの決定などの台形ビームプロファイルの特性を利用して、エッジと中心信号の決定を等価評価によって置き換えることができ、幾何学的考察によってエッジと中心信号を導出することができる。
追加的又は代替的に、評価装置は、光スポットの少なくとも1つのスライス又はカットから中心情報又はエッジ情報の一方又は両方を決定するように適合されてよい。これは、例えば、結合DPR信号Qの面積積分をスライス又はカットに沿った線積分に置き換えることによって実現できる。精度を向上させるために、光スポットを通る複数のスライス又はカットを使用して平均化してもよい。楕円スポットプロファイルの場合には、複数のスライス又はカットにわたって平均化することにより、改善された距離情報が得られる場合がある。
評価装置は、エッジ情報と中心情報を除算すること、エッジ情報と中心情報の倍数を除算すること、エッジ情報と中心情報の線形結合を除算することのうちの1つ以上によって、結合DPR信号Qを導出するように構成されてよい。したがって、実質的には、光子比からの深度の物理的な基礎として、光子比が使用されてよい。
評価装置は、結合DPR信号Qを導出するために、第1のDPRセンサ信号Iと第2のDPRセンサ信号Iの比を決定するように構成され得る。一例として、Qは以下のように簡単に決定されてもよい。
Q=I/I
或いは
Q=I/I
追加的又は代替的に、Qは、以下のように決定されてもよい。
Q=aI/bI
或いは
Q=bI/aI
ここで、a及びbは、一例として、予め決定された、又は決定可能な実数である。追加的又は代替的に、Qは、以下のように決定されてもよい。
Q=(aI+bI)/(cI+dI
ここで、a、b、c、dは、一例として、予め決定された、又は決定可能な実数である。後者の簡単な一例として、Qは次のように決定されてもよい。
Q=I/(I+I
典型的には、上述の構成において、Qは、物体の縦方向座標、及び/又は光スポットの直径又は等価直径などの光スポットのサイズの単調関数である。したがって、一例として、特に線形光センサが使用される場合には、商Qは、光スポットのサイズの単調減少関数である。この理論に拘束されることを望まないが、これは、上述の構成では、検出器に到達する光の量が減少するため、光源までの距離が増加するにつれて、IとIの両方が二乗関数として減少するという事実によると考えられる。しかし、そこでは、実験で使用されたような光学的構成では、画像面内の光スポットが増大し、より大きなエリアに広がるため、第1のDPRセンサ信号Iは、第2のDPRセンサ信号Iよりも急速に減少する。商は、したがって、光ビームの直径又は感光エリア上の光スポットの直径の増加に伴って連続的に減少する。商は、さらに、光ビームの総出力が、第1のセンサ信号及び第2のセンサ信号の両方で要因を形成するため、光ビームの総出力からほとんど独立している。その結果、商Qは、第1及び第2のセンサ信号と、光ビームのサイズ又は直径の間の一意で明確な関係を提供する二次信号を形成することができる。一方、光ビームのサイズ又は直径は、入射光ビームがそこから出て検出器に向かって伝播する物体と検出器自体の間の距離、すなわち物体の縦方向座標に依存するため、第1及び第2のセンサ信号と、縦方向座標の間に一意で明確な関係が存在し得る。評価装置は、結合DPR信号Qと縦方向座標の間の少なくとも1つの所定の関係を、縦方向座標を決定するために使用するように構成されてよい。後者については、WO2014/097181A1などの上記の先行技術文献の1つ以上を参照することができる。所定の関係は、例えばガウス光ビームの線形結合を仮定するなどの分析的考察により、例えば第1及び第2のセンサ信号を計測する測定、又は物体の縦方向座標の関数としてそこから導出される二次信号などの経験的測定により、又はその両方により決定され得る。
上述のように、検出器が複数の光センサを含む場合、波長依存性結合信号Λに加えて、結合DPR信号を決定することができる。波長依存性結合信号Λを決定するために、上述のように、波長依存性の第1のセンサ信号と波長依存性の第2のセンサ信号の商を決定する。一例として、例えば赤色の波長に対する第1のセンサ信号と、例えば青色の波長に対する第2のセンサ信号は、商がredS1/blueS1となるように、同一のセンサエリアS1によって生成され得る。一例として、例えば赤色の波長に対する第1のセンサ信号と、例えば青色の波長に対する第2のセンサ信号は、商がΣred/Σblueとなるように、光センサの全てのセンサエリアの和によって決定される。さらに、結合DPR信号を決定するために、上述したように、2つの異なるセンサエリア、例えばS1及びS2によって生成された信号の商が決定されてもよい。結合DPR信号のためのセンサ信号の一方又は両方は、結合DPR信号が、redS1/redS2又はblueS1/blueS2又は(redS1+blueS1)/(redS2+blueS2)又はそれらの組み合わせによって決定され得るように、2つの波長依存性信号の和であってよい。
波長依存性結合信号Λに加えて、結合DPR信号の決定は、異なる測定技術を用いて2つの縦方向座標の独立した決定を可能にする。波長依存性結合信号Λの決定とDPR技術の組み合わせは、同じ検出器構成を両方の測定に使用することができるため、特に有利である。評価装置は、縦方向座標zとzDPRを比較するように構成されてよい。評価装置は、縦方向座標zとzDPRの差を決定するように構成されてよい。評価装置は、縦方向座標zとzDPRが所定の閾値を超えて異なる場合に、警告を生成して発し、及び/又は測定値を拒否するように適合されてよい。評価装置は、縦方向座標z及びzDPRの平均値を決定するように適合されてよい。検出器は、測定範囲に応じて、縦方向座標z及び/又は縦方向座標zDPRを決定するように構成されてよい。例えば、検出器は、第1測定範囲で縦方向座標zを決定し、第2測定範囲で縦方向座標zDPRを決定するように構成されてよい。これにより、距離決定の信頼性を高めることができ、測定範囲を広げることができる。さらに、縦方向座標zの決定には、例えば、2つの照射源を用いてもよく、第1照射源は第1波長の光ビームを生成するように構成され、第2照射源は第1波長とは異なる第2波長の光ビームを生成するように構成されてよい。縦方向座標zDPRの決定は、1つの照射源の欠陥又は故障を検出することを可能にし、同時に、1つの照射源に欠陥があっても距離を決定することを可能にする。
検出器は小さなベースラインを含んでよい。具体的に、ベースラインは、少なくとも1つの照射チャネルと検出器の少なくとも1つの受信器チャネルとの間の距離であり得る。具体的には、距離、例えばxy平面内の、少なくとも1つの照射チャネルと少なくとも1つの受信器チャネルの間の距離は、可能な限り小さくてよい。本明細書で使用される場合、「照射チャネル」という用語は、少なくとも1つの光照射ファイバが少なくとも1つの物体を照射するために少なくとも1つの照射光ビームを生成するように適合されるように、少なくとも1つの照射源及び/又は少なくとも1つの発光要素を含む少なくとも1つの光学チャネルを指す。照射チャネルは、少なくとも1つの照射源及び少なくとも1つのレンズ要素などの少なくとも1つの伝送光学系を備えてよい。本明細書で使用される場合、「受信器チャネル」という用語は、物体から検出器へ伝播する光ビームを受信するように適合された少なくとも1つの光学要素を含む少なくとも1つの光学チャネルを指す。受信器チャネルは、少なくとも1つの転送装置及び少なくとも1つのダイクロイックフィルタと光センサなどの少なくとも1つの受信光学系を備えてもよい。ベースライン、すなわち照射チャンネルと受信器チャンネル間の距離は、最小距離であってよい。最小距離は、伝送光学系と受信光学系の構成要素のサイズにのみ依存してよい。最小距離はゼロであってよい。特に、照射源と光センサの間の検出器の光軸に垂直な距離は小さくてよい。照射源と光センサの間の検出器の光軸に垂直な距離は、0.1m未満、好ましくは0.05m未満、より好ましくは0.025m未満であってよい。特に、照射源と光センサの間の検出器の光軸に垂直な距離は、0.01m未満、好ましくは0.005m未満、より好ましくは0.0025m未満であり得る。特に、検出器と照射源の間の距離は、転送装置の直径の150%未満、好ましくは転送装置の直径の110%未満、より好ましくは転送装置の直径の100%未満であってよい。ベースラインがゼロである実施形態が可能である。照射源と光軸は、小さなベースラインによって分離され得る。本明細書で使用される場合、基線とも呼ばれる用語「ベースライン」は、距離、例えばxy平面における、少なくとも1つの伝送光学系と少なくとも1つの受信光学系の間の距離をさらに指す。例えば、ベースラインは、光軸と照射源の間の距離、特に光軸と照射光ビームのz成分との間の距離であり得る。検出器は、照射源までの距離をさらに増大させることができる、たとえば少なくとも1つのミラーなど、追加の光学要素を含むことができる。
光センサ、又は複数の光センサの場合、複数の光センサは、オフフォーカスに配置され得る。本明細書で使用される場合、「焦点」という用語は、一般に、転送装置又は転送装置の焦点距離によって引き起こされる、光ビーム、特に物体の一点から放出される少なくとも1つの光ビームの錯乱円又は最小範囲の一方又は両方を指す。本明細書で使用される場合、「錯乱円」という用語は、転送装置によって集束される光ビームの円錐状の光線によって引き起こされる光スポットを指す。錯乱円は、転送装置の焦点距離f、物体から転送装置までの縦方向距離、転送装置の射出瞳の直径、転送装置から感光エリアまでの縦方向距離、転送装置から物体の画像までの距離に依存し得る。例えば、ガウスビームの場合、錯乱円の直径はガウスビームの幅とすることができる。特に、検出器から無限の距離に位置又は配置された点状の物体の場合、転送装置は、物体からの光ビームを転送装置の焦点距離で焦点に集束させるように適合され得る。検出器から無限の距離に位置又は配置された非点状の物体の場合、転送装置は、物体の少なくとも1つの点からの光ビームを転送装置の焦点距離で焦点面に集束させるように適合され得る。検出器から無限の距離に位置しないか又は配置されていない点状の物体については、錯乱円は少なくとも1つの縦方向座標において最小の広がりを有することができる。検出器から無限の距離に位置しないか又は配置されていない非点状の物体については、物体の少なくとも1つの点からの光ビームの錯乱円は、少なくとも1つの縦方向座標において最小の広がりを有し得る。本明細書で使用される場合、「オフフォーカスで配置される」という用語は、一般に、転送装置又は転送装置の焦点距離によって引き起こされる光ビームの錯乱円の最小広がり以外の位置を指す。特に、焦点又は錯乱円の最小の広がりは、縦方向座標lfocusの位置にあってよく、光センサの位置は、lfocusとは異なる縦方向座標lsensorを有してよい。例えば、縦方向座標lsensorは、縦方向において、縦方向座標lfocusよりも転送装置に近い位置に配置されてもよいし、縦方向座標lfocuseよりも転送装置の位置から離れた位置に配置されてもよい。このように、縦方向座標lsensor及び縦方向座lfocusは、転送装置から異なる距離に配置されてよい。例えば、光センサは、焦点距離の±2%、好ましくは焦点距離の±10%、最も好ましくは焦点距離の±20%だけ、縦方向で錯乱円の最小広がりから離れていてよい。例えば、転送装置の焦点距離は、20mmであって、縦方向座標lsensorは19.5mmであってもよく、すなわち、lsensorが焦点から焦点距離の2.5%だけ離れているように、センサは、97.5%焦点距離で配置されてよい。
上で概説したように、光センサはオフフォーカスで配置されてよい。光センサは、結合DPR信号の距離依存性の分散が最大になるように配置されてもよく、これは、結合DPR信号Qの最大ダイナミックレンジに相当する。理論に拘束されることを望まないが、ダイナミックレンジを最大化するための実用的な近似は、距離依存性に対する錯乱円の分散を最大化することである。小さい物体距離と大きい物体距離における錯乱円半径の商は、小さい物体距離と大きい物体距離における結合信号の商に対する実用的な近似である。特に、光センサは、大きな物体距離の結合DPR信号Qfarと小さな物体距離の結合DPR信号Qcloseが最大変動を有するように配置されてよい。
Figure 2021533356
ここで、以下の数式3は、小さな物体距離における錯乱円の半径であり、以下の数式4は、大きな物体距離における錯乱円の半径である。
Figure 2021533356
Figure 2021533356
上記数式2において、zは光センサと物体との間の検出可能な距離範囲であり、zは転送装置と光センサとの間の距離であり、zは転送装置の後方にある焦点化画像の位置であり、それは物体zの位置に依存する。光センサの最適位置及び/又はダイクロイックフィルタの最適位置は、以下のステップを用いて調整することができる:i)最も遠い物体距離の焦点に光センサを配置するステップ;ii)焦点からの距離Δが最良の錯乱円変動と最大範囲を与えるように、光センサを焦点から、特に光軸に沿って又は光軸に逆に移動させるステップ、ここで、以下の数式6中、Osizeは光センサ上のスポットサイズ、fは転送装置の焦点距離、Fは転送装置のF値、
Figure 2021533356
は最も遠い物体距離である。
Figure 2021533356
上述したように、第1及び第2のセンサ信号を評価することによって、検出器は、物体全体又はその1つ以上の部分の縦方向座標を決定する選択肢を含む、物体の少なくとも1つの縦方向座標を決定することを可能にすることができる。しかし、それに加えて、1つ以上の横方向座標及び/又は回転座標を含む物体の他の座標は、検出器によって、具体的には評価装置によって決定されてよい。したがって、一例として、1つ以上の横方向センサが物体の少なくとも1つの横方向座標を決定するために使用されてよい。単一の象限ダイオード又は単一の抵抗性横方向PSDなどの、単一の横方向センサは、物体の位置(X,Y,Z)の決定を可能にするのに十分であり得る。結合された信号又は縦方向座標zは、これらのセンサの信号の和を用いて決定され得、さらに、これらのセンサは、横方向座標(X,Y)を決定するように構成されている。様々な横方向センサは、例えば、WO2014/097181A1に開示されている横方向センサ、及び/又は他の位置検出デバイス(PSD)、例えば、象限ダイオード、CCD又はCMOSチップ、分割電極PSD、例えば、OSI Optoelectronicsから入手可能な横方向PSDなどのように、当技術分野で一般的に知られている。これらの装置は、一般に、本発明による検出器にも実装することができる。一例として、光ビームの一部は、少なくとも1つのビーム分割要素によって検出器内で分割されてよい。分割部分は、一例として、CCD又はCMOSチップ又はカメラセンサなどの横方向センサに向かって案内されてよく、そして分割部分によって生成された横方向センサ上の光スポットの横方向位置が決定され、それによって物体の少なくとも1つの横方向座標が決定され得る。その結果、本発明による検出器は、例えば、簡単な距離測定装置のような1次元検出器であってもよく、あるいは2次元検出器又はさらに3次元検出器として具体化されてもよい。さらに、上述したように、又は以下でさらに詳細に概説するように、情景又は環境を1次元様式で走査することによって、3次元画像も作成することができる。したがって、本発明による検出器は、具体的には、1次元検出器、2次元検出器又は3次元検出器のうちの1つであり得る。評価装置は、物体の少なくとも1つの横方向座標x,yを決定するようにさらに構成されてもよい。
検出器は、少なくとも2つの光センサ、好ましくは複数の光センサを含むことができる。本明細書で使用される場合、「少なくとも2つの光センサがそれぞれ少なくとも1つの感光エリアを有する」という用語は、それぞれが1つの感光エリアを有する2つの単一の光センサを備える構成と、少なくとも2つの感光エリアを有する1つの結合光センサを備える構成とを指す。したがって、「光センサ」という用語は、さらに、1つの出力信号を生成するように構成された感光装置を指し、本明細書では、2つ以上の出力信号を生成するように構成された感光装置、例えば少なくとも1つのCCD及び/又はCMOS装置を、2つ以上の光センサと呼ぶ。以下でさらに詳細に概説されるように、各光センサは、正確に1つの感光エリアがそれぞれの光センサ内に存在するように、例えば、照射され得る正確に1つの感光エリアを提供することによって、該感光エリアの照射に応答して光センサ全体について正確に1つの均一なセンサ信号が生成されるように、具現化されてもよい。したがって、各光センサは、単一エリア光センサであってよい。しかしながら、単一エリア光センサの使用は、検出器の構成を特に簡単かつ効率的にする。したがって、一例として、それぞれが正確に1つの感応エリアを有する市販の光センサ、例えば、市販のシリコンフォトダイオードなどが、構成において使用されてもよい。しかしながら、他の実施形態も可能である。したがって、一例として、本発明の文脈において2つ、3つ、4つ、又は4つ以上の光センサとみなされる、2つ、3つ、4つ、又は4つ以上の感光エリアを含む光学装置が使用されてもよい。一例として、光学要素は、感光エリアのマトリックスを含むことができる。したがって、一例として、光センサは、ピクセル化光学装置の一部であってもよく、又はそれを構成していてもよい。一例として、光センサは、ピクセルのマトリックスを有する少なくとも1つのCCD及び/又はCMOS装置の一部であってもよく、又はそれを構成してもよく、各ピクセルは、感光エリアを形成する。例えば、光センサは、バイセル、分割電極PSD(位置感知装置)、又は象限ダイオードの部分ダイオードであってもよい。例えば、光センサは、CCDセンサ要素、CMOSセンサ要素、フォトダイオード、フォトセル、光伝導体、フォトトランジスタ又はそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される少なくとも1つの要素であってもよく、又はそれを含んでもよい。
光センサは、バイセル、分割電極PSD、又は象限ダイオードの部分ダイオードであってもよく、及び/又は少なくとも1つのCMOSセンサを含んでもよい。例えば、光センサは、少なくとも1つのCMOSセンサを含むことができる。ダイクロイックフィルタを通過した光ビームは、波長及びダイクロイックフィルタへの入射角に依存して、CMOSセンサ上の異なる位置又は領域に衝突し得る。結合信号Λを決定するために、評価装置は、CMOSセンサのすべての信号の和、又は和信号を決定し、波長に依存して第1のセンサ信号及び第2のセンサ信号を生成するように適合されてよい。評価装置は、第1のセンサ信号と第2のセンサ信号を結合して結合信号Λを決定するように構成されてもよい。評価装置は、結合信号Λを評価することにより、物体の縦方向座標zを決定するように構成されてよい。
さらに、結合DPR信号Qを決定するために、評価装置は、CMOSセンサのセンサ領域を少なくとも2つのサブ領域に分割するように適合されてもよい。具体的には、評価装置は、CMOSセンサのセンサ領域を、少なくとも1つの左部分と少なくとも1つの右部分とに分割するように適合されてもよく、及び/又は、少なくとも1つの上部分と少なくとも1つの下部分とに分割するように適合されてもよく、及び/又は、少なくとも1つの内側と少なくとも1つの外側とに分割するように適合されてもよい。評価装置は、サブ領域のセンサ信号のうちの1つを第1のDPRセンサ信号として選択し、他のサブ領域のセンサ信号を第2のDPRセンサ信号として選択するように構成されてよい。評価装置は、少なくとも2つのサブ領域のセンサ信号からの結合DPR信号Qを評価することにより、物体の少なくとも1つの縦方向座標zDPRを決定するように構成されてよい。
例えば、光センサは、セグメント化されたダイオードの部分ダイオードであってもよく、該セグメント化されたダイオードの中心は検出器の光軸からオフセンターしている。ダイクロイックフィルタを通過した光ビームは、波長及びダイクロイックフィルタへの入射角に依存して、ダイオードのセグメント又は象限に衝突し得る。本明細書で使用される場合、「部分ダイオード」という用語は、直列又は並列に接続されたいくつかのダイオードを含んでよい。この例は、かなり簡単であり、コスト効率的に実現可能である。したがって、一例として、バイセルダイオード又は象限ダイオードは、低コストで広く市販されており、これらのバイセルダイオード又は象限ダイオードの駆動スキームは一般に知られている。本明細書で使用される場合、「バイセルダイオード」という用語は、一般に、1つのパッケージ内に2つの部分ダイオードを有するダイオードを指す。バイセルダイオード及び象限ダイオードは、2つ又は4つの別々の感光エリア、特に2つ又は4つの活性エリアを有することができる。一例として、バイセルダイオードは、それぞれがダイオードの完全な機能を有する独立したダイオードを形成することができる。一例として、バイセルダイオードは各々、正方形又は長方形の形状を有してもよく、2つのダイオードは、2つの部分ダイオードが全体で長方形の形状を有する1×2又は2×1マトリックスを形成するように、1つの平面内に配置されてよい。しかしながら、本発明では、以下にさらに詳細に概説するように、バイセルダイオード及び象限ダイオードのセンサ信号を評価するための新しいスキームが提案される。しかし、一般的に、光センサは、具体的には、象限ダイオードの部分ダイオードであってもよく、象限ダイオードの中心は、検出器の光軸からオフセンターされている。本明細書で使用される場合、「象限ダイオード」という用語は、一般的に、1つのパッケージ内に4つの部分ダイオードを有するダイオードを指す。例として、4つの部分ダイオードは各々、ダイオードの全機能を有する独立したダイオードを形成することができる。一例として、4つの部分ダイオードは各々、正方形又は長方形の形状を有してもよく、4つの部分ダイオードは、4つの部分ダイオードが全体で長方形又は正方形の形状を有する2×2マトリックスを形成するように、1つの平面内に配置されてもよい。さらなる例では、4つの部分ダイオードは、全体で、円形又は楕円形の形状を有する2×2マトリックスを形成することができる。一例として、部分ダイオードは、互いに最小の間隔で隣接していてもよい。
部分ダイオードの2×2マトリックスを有する象限ダイオードが使用される場合、象限ダイオードの中心は、具体的には光軸からオフセンター又はオフセットされてよい。したがって、一例として、象限ダイオードの光センサの幾何学中心の交点であり得る象限ダイオードの中心は、少なくとも0.2mm、より好ましくは少なくとも0.5mm、より好ましくは少なくとも1.0mm、さらには2.0mmだけ光軸からオフセンターされてよい。同様に、複数の光センサを有する他のタイプの光センサ構成を使用する場合、光センサの全体的な中心は、同じ距離だけ光軸からオフセットされてよい。
一般に、光センサの感光エリアは、任意の表面エリア又はサイズを有してよい。しかし、特に、センサ信号の簡単な評価を考慮すると、光センサの感光エリアは、10%未満、好ましくは5%未満、又はさら1%未満の許容範囲のように、実質的に等しいことが好ましい。これは、具体的には、典型的な市販の象限ダイオードの場合である。
典型的な構成においては、象限フォトダイオードのような市販の象限ダイオードが位置決めのために、すなわち象限フォトダイオードの平面内の光スポットの横方向座標を調整及び/又は測定するために使用される。したがって、一例として、象限フォトダイオードを用いたレーザビームの位置決めがよく知られている。しかしながら、典型的な先入観によれば、象限フォトダイオードは、xy位置決めにのみ使用される。この仮定によると、象限フォトダイオードは距離の測定には適していない。結合信号Λを決定するために、評価装置は、象限ダイオードのすべての信号の和、又は和信号を決定するように、及び、波長に応じて第1のセンサ信号及び第2のセンサ信号を生成するように、適合されてよい。評価装置は、第1のセンサ信号と第2のセンサ信号とを結合して結合信号Λを決定するように構成されてよい。評価装置は、結合信号Λを評価することにより、物体の縦方向座標zを決定するように構成されてよい。
さらに、結合DPR信号Qを決定するために、スポットの非対称性は、象限ダイオードを軸からわずかにずらすことによって、例えば上述したオフセットによって、測定され得る。それによって、単調なz依存関数が、例えば象限フォトダイオードの2つ以上の部分フォトダイオード、すなわち象限の2つ以上のセンサ信号の結合信号Qを形成することによって、生成され得る。そこでは、原則として、2つのフォトダイオードのみを、距離測定に用いてよい。他の2つのダイオードは、ノイズキャンセルのために、又はより正確な測定値を得るために使用されてよい。
象限ダイオード又は象限フォトダイオードを使用することに加えて、又はその代わりとして、他のタイプの光センサを使用することができる。したがって、例えば、スタガード光センサを使用することができる。
象限ダイオードの使用は、既知の光検出器に比べて多数の利点を提供する。このように、象限ダイオードは、LED又は活動的なターゲットと組み合わせて多数の用途に使用されており、スペクトル感度などの様々な光学特性と、様々なサイズで非常に低価格で、広く市販されている。市販の製品を本発明による検出器に実装することができるので、特別な製造方法を確立する必要はない。
上述したように、具体的には、象限フォトダイオードを使用することができる。一例として、4つの光センサを提供するために、紫外スペクトル範囲から近赤外スペクトル範囲において感度ある、タイプS4349の象限Si PINフォトダイオードなど、Hamamatsu Photonics Deutschland GmbH、D−82211 Herrsching am Ammersee, Germanyから入手可能な1つ以上の象限フォトダイオードなど、市販の象限フォトダイオードを組み込むことができる。光センサのアレイが使用される場合、アレイは裸チップであってもよく、又はTO−5金属パッケージ内に封入されたような封入アレイであってもよい。追加的に又は代替的に、例えばTT Electronics plc,Fourth Floor,St Andrews House,West Street Woking Surrey, GU21 6EB,Englandから入手可能なTT Electronics OPR5911などの表面実装装置を使用することができる。他の光センサも使用できることに留意されたい。
さらに、正確に1つの象限フォトダイオードを使用する選択肢に加えて、2つ以上の象限フォトダイオードを使用できることに留意されたい。したがって、一例として、1つ以上の光センサを提供して、第1象限フォトダイオードを上述のように距離測定に使用することができる。他の象限フォトダイオードを、例えば少なくとも1つの横方向座標x及び/又はyを使用するためなどの横方向位置測定のために、第1象限フォトダイオードのビーム経路から分割された第2部分ビーム経路内で使用することができる。一例として、第2象限フォトダイオードは、光軸に対して軸上に配置されてもよい。
さらに、1つ以上の象限フォトダイオードを使用するという選択肢に加えて、1つ以上の象限フォトダイオード、又は追加のフォトダイオードアレイは、好ましくは2×2マトリックスのような長方形マトリックスなどの対称形状に、互いに近接して配置又は組み立てられた分離されたフォトダイオードによって置換又は模倣され得ることに留意されたい。しかしながら、さらなる配置も可能である。そのような配置又は組み立てにおいては、フォトダイオードは、すべてのフォトダイオードが単一のハウジング又はマウント内にある、又は、フォトダイオードのグループが単一のハウジング又はマウント内にあるというように、1つのハウジング又はマウント内に配置又は組み立てられ、又は、フォトダイオードのそれぞれが別のハウジング又はマウントに配置又は組み立てられてよい。。さらに、フォトダイオードを回路基板上に直接組み立ててよい。このような配置又は組み立てでは、フォトダイオードは、フォトダイオードの活性エリア間の間隔が1センチメートル未満、好ましくは1ミリメートル未満、より好ましくはできるだけ小さいような区別の値を有するように配置することができる。さらに、測定を悪化させる可能性がある光反射、歪みなどを回避するために、活性エリアの間の空間は、空であるか、又は好ましくは例えばブラックシリコン、ブラックポリオキシメチレンなどのブラックポリマーなどの光吸収材料、より好ましくは、ブラックセラミック、又はブラックシリコンなどの絶縁性ブラックポリマーなどの光吸収性及び電気絶縁性材料で満たすことができる。さらに、フォトダイオード間隔の区別の値は、プラスチックセパレータのようなフォトダイオード間に区別構成ブロックを追加することによっても実現することができる。さらなる実施形態が可能である。活性エリア間の最小距離を有する2×2の長方形マトリックスなどの、同様の構成に配置された単一ダイオードによる象限フォトダイオードの置換は、光検出器のコストをさらに最小限に抑えることができる。さらに、象限ダイオードからの2つ以上のダイオードを並列又は直列に接続して単一の感光エリアを形成することができる。
象限ダイオードが使用される場合、象限ダイオードは追加の目的にも使用され得る。したがって、象限ダイオードは、オプトエレクトロニクス及びレーザ物理学の分野で一般的に知られているように、光スポットの従来のx−y測定にも使用することができる。したがって、一例として、レンズ又は検出器の位置を、象限ダイオードの従来のxy位置情報を使用して、距離測定のためのスポットの位置を最適化するように、調整することができる。実際的な例として、光スポットは、最初に、象限ダイオードの真ん中に配置することができ、これは通常、DPR信号Qを用いた上述の距離測定では許されない。このように、第1に、従来の象限フォトダイオード技術は、例えば象限ダイオード上のスポット位置が測定に最適であるというように、象限フォトダイオード上の光スポットの位置をオフセンターするように使用され得る。したがって、一例として、検出器の光センサの異なるオフセンターは、光スポットが光軸に関して及び光センサのアレイの幾何学的中心に関してオフセンターされているように、単に光スポットの光軸に関しての動きの出発点であり得る。したがって、一般に、検出器の光センサは、上述の象限ダイオードのように、センサアレイを形成してもよく、又はセンサアレイの一部であってもよい。したがって、一例として、検出器は、例えば、m行及びn列を有し、m、nが独立して正の整数である、長方形アレイなどの光センサのアレイを備えてよい。好ましくは、複数の列及び複数の行が与えられる、すなわち、n>1、m>1である。したがって、一例として、nは2から16以上であり得、mは2から16以上であり得る。好ましくは、行数と列数との比は1に近い。一例として、例えばm/n=1:1、4:3、16:9、又は同様のものを選択することによって、例えば0.3≦m/n≦3となるように、n及びmを選択することができる。一例として、アレイは、m=2、n=2又はm=3、n=3などを選択することなどにより、等しい数の行及び列を有する正方形のアレイであってよい。m=2、n=2の場合は、象限ダイオード又は象限光センサの場合であり、それは、象限フォトダイオードが広く利用可能であるため、実用上の理由から、好ましい場合の1つである。出発点として、アレイ内の光センサの幾何学中心は、上述のオフセットなどによって、光軸からオフセンターされてもよい。センサアレイは、具体的には、例えば勾配に沿って、好ましくは自動的に、例えば光軸に垂直な平面内でセンサアレイを動かすことによって、及び/又は、例えば、光軸を平行にシフトさせたり、及び/又は光軸を傾けたりして光軸自体を動かすことによって、光軸に対して移動可能であり得る。したがって、センサアレイの平面内で光ビームによって生成される光スポットの位置を調整するために、センサアレイはシフトさせることができる。追加的に又は代替的に、光軸は、適切な要素を使用することによって、例えば1つ以上の偏向要素及び/又は1つ以上のレンズを使用することにより、シフト及び/又は傾斜させることができる。。一例として、移動は、光軸を平行シフト移動させること及び/又は光軸を傾けることなど、光軸を動かすために、例えばアレイを移動及び/又はシフトする、及び/又は、ビーム経路内の1つ以上の光学要素を移動及び/又はシフト及び/又は傾けるなど、1つ以上のピエゾアクチュエータ及び/又は1つ以上の電磁アクチュエータ及び/又は1つ以上の空気圧式又は機械式アクチュエータなどの1つ以上の適切なアクチュエータを使用することによって行われ得る。評価装置は、具体的には、光軸に対するセンサアレイの相対位置を、例えば光軸に垂直な平面内で制御するように調整することができる。調整手順は、評価装置が、第1に、センサ信号を使用することによって、センサアレイ上の光ビームによって生成された光スポットの少なくとも1つの横方向位置を決定するように、第2に、アレイ及び/又は光軸を動かすことによってなど、例えば光スポットがオフセンターするまで平面内のアレイを光軸に移動することによって、及び/又は、光スポットがオフセンターするまでレンズを傾けることによって、光軸に対してアレイを動かすように構成される場合に実行され得る。本明細書で使用される場合、横方向位置は、x−y平面とも呼ばれ得る光軸に垂直な平面内の位置とすることができる。横方向座標の測定のために、一例として、光センサのセンサ信号が比較されてもよい。一例として、センサ信号が等しいことが判明した場合、したがって、光スポットが象限ダイオードの中心など、光センサに関して対称的に配置されていると判断された場合、アレイ内の光スポットをオフセンターさせるために、アレイのシフト及び/又はレンズの傾斜が行われ得る。したがって、上述したように、光軸から象限フォトダイオードの中心をオフセンターさせることによってなど、光軸からのアレイのオフセンターは、光スポットが光軸上に位置し、したがって中心に位置する典型的な状況を回避するための単なる出発点であり得る。したがって、光軸に対してアレイをオフセンターさせることによって、光スポットをオフセンターさせる必要がある。光スポットが偶然にアレイの中心に位置し、全ての光センサを等しく照射するなどのように、光スポットのオフセンターが真でない場合は、アレイ上の光スポットをオフセンターさせるために、光軸に対するアレイの上述のシフトが行われ、好ましくは自動的に行われてもよい。それによって、信頼性のある距離測定が行われ得る。
さらに、可動光源を備えた走査システムでは、象限ダイオード上の光スポットの位置は固定されない可能性がある。これは依然として可能だが、ダイオード内のスポットのxy位置に応じて、異なるキャリブレーションを使用する必要があり得る。
さらに、上述した結合DPR信号Qの使用は、距離測定のための非常に信頼できる方法である。通常、Qは、物体の縦方向座標及び/又は光スポットの直径又は等価直径などの光スポットのサイズの単調関数である。したがって、一例として、特に線形光センサが使用される場合、商Qは、光スポットのサイズの単調減少関数である。この理論に拘束されることを望まないが、これは、上述の好ましい構成において、例えば上述の第1のセンサ信号及び上述の第2のセンサ信号などのセンサ信号は、検出器に到達する光量が減少するため、光源までの距離が増すにつれて二乗関数として減少する、という事実によると考えられる。しかしながら、そこでは、オフセンターのために、センサ信号の一方が他方よりも急速に減少し、実験で使用されたような光学構成では、像平面内の光スポットは成長し、したがって、より広いエリアにわたって拡大する。しかしながら、光スポットが拡大することによって、非常に小さい光スポットの状況と比較して、光スポットの中心の外側の1つ以上の光センサを照射する光の部分は増加する。したがって、センサ信号の商は、光ビームの直径又は光スポットの直径が増加するにつれて連続的に変化、すなわち増加又は減少する。さらに、商は、光ビームの総出力がすべてのセンサ信号において1つの要素を形成するため、ほとんど光ビームの総出力から独立し得る。結果として、商Qは、センサ信号と光ビームのサイズ又は直径との間の一意的かつ明確な関係を提供する二次信号を形成することができる。
一方、光ビームのサイズ又は直径は、光ビームがそこから検出器に向かって伝播する物体と検出器自体の間の距離に依存するため、すなわち、物体の縦方向座標に依存するため、第1と第2のセンサ信号と縦方向座標の間に一意かつ明確な関係が存在し得る。後者については、上記の先行技術文献の1つ以上、例えばWO2014/097181A1などを参照することができる。所定の関係は、例えばガウス光ビームの線形結合を仮定するなどの分析的考察により、例えば第1及び第2のセンサ信号を計測する測定、又は物体の縦方向座標の関数としてそこから導出される二次信号などの経験的測定により、又はその両方により決定され得る。
2つの光センサのそれぞれの感光エリアは、幾何学的中心を有してもよく、光センサの幾何学的中心は、異なる空間的オフセットによって検出器の光軸から離間される。本明細書で使用される場合、エリアの「幾何学的中心」という用語は一般に、面積重心を指し得る。例として、エリアの内側又は外側の任意の点が選択された場合、及びこの任意の点とエリアのすべての点と相互接続するベクトルにかかって積分が形成される場合、積分は任意の点の位置の関数となる。任意の点がエリアの幾何学的中心に位置する場合、積分の絶対値は最小化される。したがって、言い換えれば、幾何学的中心は、エリアのすべての点からの全体又は合計の距離が最小になるエリアの内側又は外側の点であり得る。例えば、各感光エリアの各幾何学中心は、縦方向座標Icenter,iに配置することができ、iはそれぞれの光センサの番号を表す。検出器が正確に2つの光センサを含む場合、及び検出器が2つ以上の光センサを含む場合、光センサは少なくとも1つの第1光センサを含むことができ、第1光センサ、特に幾何学的中心は第1縦方向座標Icenter,1に配置され、及び光センサは少なくとも1つの第2光センサを含むことができ、第2光センサ、特に幾何学的中心は、第2縦方向座標Icenter,2にあり、第1縦方向座標及び第2縦方向座標は異なる。例えば、第1光センサ及び第2光センサは、光軸の方向にオフセットされた異なる平面に配置されてよい。第1光センサは、第2光センサの前に配置されてよい。したがって、一例として、第1光センサは、単に第2光センサの表面に配置されてよい。追加的又は代替的に、第1光センサは、第2光センサから間隔を置いて配置されてもよく、例えば、第1感光エリア、すなわち第1光センサの感光エリアの表面エリアの平方根の5倍以下だけ、第2光センサから間隔を置いて配置されてよい。追加的又は代替的に、第1光センサは、第2光センサの前に配置されてもよく、第2光センサから50mm以下、好ましくは15mm以下の間隔を空けて配置されてよい。第1光センサと第2光センサの相対距離は、例えば、焦点距離又は物体距離に依存し得る。
各感光エリアの各幾何学的中心は、ビーム経路の光軸又は各光センサが配置されている各ビーム経路など、転送装置の光軸から間隔を空けて配置されてよい。幾何学的中心と光軸の間の距離、特に横方向の距離は、「空間的オフセット」という用語で表される。正確に2つの光センサを含む検出器の場合、及び2つ以上の光センサを含む検出器の場合、光センサは、第1空間的オフセットだけ光軸から離間された少なくとも1つの第1光センサ、及び第2空間的オフセットだけ光軸から離間された少なくとも1つの第2光センサを含むことができ、ここで、第1空間的オフセットと第2空間的オフセットは異なる。一例として、第1及び第2空間的オフセットは、少なくとも1.2倍、より好ましくは少なくとも1.5倍、より好ましくは少なくとも2倍異なっていてもよい。
正確に2つの光センサを含む検出器の場合、及び2つ以上の光センサを含む検出器の場合、光センサは、第1表面エリアを有する少なくとも1つの第1光センサと、第2表面エリアを有する少なくとも1つの第2光センサを含むことができる。2つ以上の光センサを含む検出器、例えば、光センサのマトリックスを含むセンサ要素の場合、光センサの第1グループ又はマトリックスの光センサのうちの少なくとも1つは、第1表面エリアを形成し、光センサの第2グループ又はマトリックスの光センサのうちの他の少なくとも1つは、第2表面エリアを形成してよい。第1表面エリアと第2表面エリアは異なっていてもよい。特に、第1表面エリアと第2表面エリアは一致しない。本明細書で使用される場合、「表面エリア」という用語は、一般に、少なくとも1つの感光エリアの形状及び内容の両方を指す。したがって、第1光センサと第2光センサの表面エリアは、形状又は内容のうちの1つ以上で異なっていてもよい。例えば、第1表面エリアは、第2表面エリアよりも小さくてもよい。一例として、第1表面エリアと第2表面エリアの両方が正方形又は長方形の形状を有することができ、第1表面エリアの正方形又は長方形の辺の長さは第2表面エリアの正方形又は長方形の対応する辺の長さよりも小さくてよい。あるいは、一例として、第1表面エリアと第2表面エリアの両方が円形形状を有することができ、第1表面エリアの直径は第2表面エリアの直径よりも小さくてよい。また代替的に、一例として、第1表面エリアは第1等価直径を有することができ、第2表面エリアは第2等価直径を有することができ、第1等価直径は第2等価直径よりも小さくてよい。光センサ、特に感光エリアは、重なっていてもよく、又は光センサ間に重なりが生じないように配置されていてもよい。
第1感光エリアは第2感光エリア、すなわち第2光センサの感光エリアよりも小さくてよい。本明細書で使用される「より小さい」という用語は、第1感光エリアの表面積が、第2感光エリアの表面積よりも小さいという事実、例えば少なくとも0.9倍、たとえば少なくとも0.7倍、又は少なくとも0.5倍という事実を指す。一例として、第1感光エリア及び第2感光エリアの両方は、正方形又は長方形の形状を有することができ、第1感光エリアの正方形又は長方形の辺の長さは、対応する第2感光エリアの正方形又は長方形の辺よりも小さい。あるいは、一例として、第1感光エリア及び第2感光エリアの両方は、円の形状を有してもよく、第1感光エリアの直径が第2感光エリアの直径よりも小さい。また、代替的に、例として、第1感光エリアは第1等価直径を有してもよく、第2感光エリアは第2等価直径を有してよく、第1等価直径は第2等価直径よりも小さい。
第2感光エリアは第1感光エリアよりも大きくてもよい。したがって、一例として、第2感光エリアは、少なくとも2倍、より好ましくは少なくとも3倍、最も好ましくは少なくとも5倍、第1感光エリアより大きくてよい。
第1感光エリアは、具体的には、小さい感光エリアであってよく、好ましくは、光ビームがこの感光エリアを完全に照射するような、小さな感光エリアであってよい。したがって、典型的な光学構成に適用できる例として、第1感光エリアは、1mmから150mmの表面エリア、より好ましくは10mmから100mmの表面エリアを有することができる。第2感光エリアは、具体的には大面積であり得る。したがって、好ましくは、検出器の測定範囲内で、ダイクロイックフィルタを通過した光ビームによって生成される光スポットは、例えば光スポットが完全に第2感光エリアの境界内に完全に配置されるように、第2感光エリア内に完全に配置され得る。例として、典型的な光学構成では、例えば第2感光エリアは160mmから1000mmの表面エリア、より好ましくは200mmから600mmの表面エリアが適用可能である。
光センサは、光センサの感光エリアが、その空間的オフセット及び/又はその表面エリアが異なるように配置されてもよい。光センサの感光エリアは、物体から見えるように、重なり合っていてもよく、又は重なり合っていなくてもよく、すなわち、重なり合わずに互いに隣接して配置されていてもよい。感光エリアは、互いに間隔をあけて配置されていてもよいし、直接隣接して配置されていてもよい。具体的には、第1感光エリアは、光ビームの伝播方向において、第2感光エリアと重なっていてもよい。ダイクロイックフィルタを通過した光ビームは、第1感光エリアと、第2感光エリアとの両方を、完全に又は部分的に照射してもよい。したがって、一例として、検出器の光軸上に位置する物体から見て、第1感光エリアは、物体から見た場合、第1感光エリアが第2感光エリア内に完全に位置するように、第2感光エリアの前方に位置していてもよい。この物体からの光ビームが、上述したように、第1及び第2感光エリアに向かって伝播するとき、ダイクロイックフィルタを通過した光ビームは、第1感光エリアを完全に照射してもよく、第2感光エリア上に光スポットを形成してもよく、ここで、第1光センサによって形成された影が光スポット内に位置している。しかしながら、他の実施形態が可能であることに留意されたい。
第1及び第2光センサは、具体的には、検出器の同一のビーム経路に直線的に配置されてよい。本明細書で使用される場合「直線的に」という用語は、一般に、センサが1つの軸に沿って配置されることを指す。したがって、一例として、第1及び第2光センサは両方とも検出器の光軸上に配置されてよい。具体的には、第1及び第2光センサは、検出器の光軸に対して同心円状に配置されてよい。
第1光センサは、第2光センサの前に配置されてもよい。したがって、一例として、第1光センサは、第2光センサの表面上に単に配置されてよい。追加的又は代替的に、第1光センサは、第2光センサから第1感光エリアの表面エリアの平方根の5倍以下の間隔を空けてよい。追加的又は代替的に、第1光センサは、第2光センサの前に配置されてもよく、第2光センサから50mm以下、好ましくは15mm以下の間隔を空けてよい。2つの光センサの直線的な配置に代えて、光センサは、検出器の異なるビーム経路に配置されてもよい。
光センサは、それぞれ具体的には、半導体センサ、好ましくは無機半導体センサ、より好ましくはフォトダイオード、最も好ましくはシリコンフォトダイオードであり得る。したがって、本発明は、市販の無機フォトダイオード、すなわち1つの小さなフォトダイオードと1つの大面積フォトダイオードを使用することによって簡単に実現することができる。したがって、本発明の構成は安価で費用をかけない方法で実現することができる。具体的には、光センサは、それぞれ独立して、赤外スペクトル範囲で、好ましくは780nmから3.0マイクロメートルの範囲で感度を有し、及び/又は可視スペクトル範囲で、好ましくは380nmから780nmの範囲で感度を有する無機フォトダイオードであるか、又はそれを含んでよい。具体的には、シリコンフォトダイオードが適用可能な近赤外領域のうち、特に700nm〜1000nmの範囲で感度を有し得る。光センサに使用することができる赤外線光センサは、市販の赤外光センサであってもよく、例えば、ドイツのtrinamiX GmbH, D−67056 Ludwigshafen am RheinからHertzstueckTMというブランド名で市販されている赤外光センサであってもよい。したがって、一例として、光センサのうち1つ又は両方の光センサは、固有の光起電力型の少なくとも1つの光センサ、より好ましくは、Geフォトダイオード、InGaAsフォトダイオード、拡張InGaAsフォトダイオード、InAsフォトダイオード、InSbフォトダイオード、HgCdTeフォトダイオードからなる群から選択される少なくとも1つの半導体フォトダイオードを含むことができる。追加的又は代替的に、光センサのうち1つ又は両方の光センサは、外因性光起電力型の少なくとも1つの光センサ、より好ましくは、Ge:Auフォトダイオード、Ge:Hgフォトダイオード、Ge:Cuフォトダイオード、Ge:Znフォトダイオード、Si:Gaフォトダイオード、Si:Asフォトダイオードからなる群から選択される少なくとも1つの半導体フォトダイオードを含むことができる。追加的に又は代替的に、光センサのうち1つ又は両方の光センサは、PbS又はPbSeセンサのような少なくとも1つの光導電性センサ、ボロメータ、好ましくは、VOボロメータ及びアモルファスSiボロメータからなる群から選択されるボロメータを含むことができる。
検出器は、光センサのマトリックスを有する少なくとも1つのセンサ要素を有してもよい。光センサは、それぞれ感光エリアを有していてもよい。各光センサは、ダイクロイックフィルタを通過した光ビームによる感光エリアの照射に応答して、少なくとも1つのセンサ信号を生成するように構成されていてもよい。
本明細書で使用される場合、「センサ要素」という用語は、一般に、少なくとも1つのパラメータを感知するように構成された装置又は複数の装置の組み合わせを指す。この場合、パラメータは、具体的には光パラメータであってよく、センサ要素は、具体的には光センサ要素であってよい。センサ要素は、一体の単一装置として、又はいくつかの装置の組み合わせとして形成され得る。本明細書でさらに使用される場合、「マトリックス」という用語は、一般に、複数要素の所定の幾何学的順序における配置を指す。マトリックスは、以下でさらに詳細に概説するように、具体的には、1つ以上の行及び1つ以上の列を有する長方形のマトリックスであってもよく、又はそれを含んでもよい。行と列は、具体的には長方形方式に配置され得る。しかしながら、非長方形の配置などの他の配置も可能であることを説明する必要がある。一例として、円形の配置も可能であり、ここで要素は中心点を中心に同心の円又は楕円に配置される。例えば、マトリックスは、ピクセルの単一の行であってよい。他の配置も可能である。
マトリックスの光センサは、具体的には、サイズ、感度、及び他の光学的、電気的及び機械的特性のうちの1つ以上が等しいものであってもよい。マトリックスのすべての光センサの感光エリアは、好ましくは、ダイクロイックフィルタを通過した光ビームが共通平面上に光スポットを生成するように、共通平面は好ましくは物体に面してよい。
結合信号Λを決定するために、評価装置は、マトリックスの光センサのすべての信号の和、又は和信号を決定し、波長に応じて第1及び第2のセンサ信号を生成するように適合されていてもよい。「和信号」という用語は、一般に、光センサのすべてのセンサ信号から構成される信号を指す。具体的には、和信号は、照射された光センサのすべてのセンサ信号を加算することによって決定されてもよい。評価装置は、第1のセンサ信号と第2のセンサ信号とを組み合わせて、結合信号Λを決定するように構成されていてもよい。評価装置は、結合信号Λを評価することにより、物体の縦方向座標zを決定するように構成されていてもよい。
また、結合DPR信号Qを決定するために、評価装置は、
a) 最高のセンサ信号を有する少なくとも1つの光センサを決定し、少なくとも1つの中心信号を形成すること;
b) マトリックスの光センサのセンサ信号を評価し、少なくとも1つの和信号を形成すること;
c) 中心信号と和信号を組み合わせることにより、結合DPR信号を決定すること;及び
d) 結合信号を評価することにより、物体の縦方向座標zDPRを決定すること、
によって、センサ信号を評価するように構成することができる。
前述の先行技術文献、例えばWO2012/110924A1又はWO2014/097181A1のうちの1つ以上でより詳細に説明されているように、典型的には、光スポットの直径、ビームウェスト又は同等の直径などの光スポットのサイズと、光ビームが検出器に向かって伝播する物体の縦方向座標の間には、予め決定された、又は決定可能な関係が存在する。理論に拘束されることを望まないが、光スポットは2つの測定変数:中心信号とも呼ばれる、光スポットの中心又は中心に近い小さな測定パッチで測定された測定信号と、中心信号の有無にかかわらず、光スポット上で積分された積分信号又は和信号によって特徴付けられる。ビームが拡大又は集束しても変化しない特定の総出力を持つ光ビームの場合、和信号は光スポットのスポットサイズから独立している必要があり、したがって、物体と検出器の間の距離から独立している必要がある。ただし、中心信号はスポットサイズに依存する。したがって、中心信号は、通常、光ビームが集束されると増加し、光ビームがデフォーカスすると減少する。したがって、中心信号と和信号を比較することにより、光ビームによって生成される光スポットのサイズに関する情報項目、したがって、物体の縦方向座標zDPRに関する情報項目を生成することができる。中心信号と和信号の比較は、一例として、中心信号と和信号から結合DPR信号Qを形成し、縦方向座標zDPRと結合DPR信号の間の予め決定された、又は決定可能な関係を、縦方向座標zDPRを導出するために使用することによって、行うことができる。
したがって、本発明によれば、「中心信号」という用語は、一般に、ビームプロファイルの実質的に中心の情報を含む少なくとも1つのセンサ信号を指す。本明細書で使用される場合、「最高のセンサ信号」という用語は、関心領域の局所最大値又は最大値の一方又は両方を指す。例えば、中心信号は、マトリックス全体又はマトリックス内の関心領域の光センサによって生成される複数のセンサ信号のうち、最も高いセンサ信号を有する少なくとも1つの光センサの信号であり得、該関心領域は、マトリックスの光センサによって生成される画像内で予め決定された、又は決定可能であり得る。中心信号は、単一の光センサから、又は以下でさらに詳細に概説されるように、一群の光センサから生じてもよく、後者の場合、一例として、一群の光センサのセンサ信号は、中心信号を決定するために、加算、積分、又は平均化され得る。中心信号が生じる光センサの一群は、最高のセンサ信号を有する実際の光センサから所定距離より短く離れた光センサなどの隣接する光センサの一群であり得、又は、最高のセンサ信号から所定範囲内にあるセンサ信号を生成する光センサの一群であり得る。中心信号が生じる光センサの一群は、最大のダイナミックレンジを可能にするように、できるだけ大きく選択され得る。評価装置は、複数のセンサ信号、例えば最高のセンサ信号を有する光センサの周りの複数の光センサのセンサ信号を積分することによって中心信号を決定するように適合されてもよい。例えば、ビームプロファイルは台形ビームプロファイルであり得、評価装置は、台形、特に台形のプラトーの積分を決定するように適合されてもよい。
同様に、「和信号」という用語は、一般に、ビームプロファイルの実質的にエッジ情報を含む信号を指す。例えば、和信号は、センサ信号を加算すること、センサ信号を積分すること、又はマトリックス全体又はマトリックス内の関心領域のセンサ信号を平均することによって導出することができ、該関心領域は、マトリックスの光センサによって生成される画像内で予め決定された、又は決定可能である。センサ信号を合計、積分、又は平均化する場合、センサ信号が生成される実際の光センサは、加算、積分、又は平均化から除外されてもよく、あるいは、加算、積分、又は平均化に含まれてもよい。評価装置は、マトリックス全体の、又はマトリックス内の関心領域の信号を積分することにより、和信号を決定するように適合され得る。例えば、ビームプロファイルは台形ビームプロファイルであり得、評価装置は、台形全体の積分を決定するように適合され得る。さらに、台形ビームプロファイルが想定される場合、エッジ信号と中心信号の決定は、エッジの勾配と位置の決定、及び中央プラトーの高さの決定など、台形ビームプロファイルの特性を利用し、そして幾何学的考察によってエッジ信号と中心信号を導出する等価評価に置き換えることができる。
追加的に又は代替的に、評価装置は、光スポットの少なくとも1つのスライス又はカットから中心情報又はエッジ情報の一方又は両方を決定するように適合され得る。これは、例えば、結合DPR信号Qの面積積分を、スライス又はカットに沿った線積分で置き換えることによって実現することができる。精度を向上させるために、光スポットを通るいくつかのスライス又はカットを使用して平均化することができる。楕円形のスポットプロファイルの場合、いくつかのスライス又はカットを平均することによって距離情報が向上することがある。
結合DPR信号Qは:中心信号と和信号の商を形成すること、又はその逆の商を形成すること;中心信号の倍数と和信号の倍数の商を形成すること、又はその逆の商を形成すること;中心信号の線形結合と和信号の線形結合の商を形成すること、又はその逆の商を形成すること、の1つ以上によって決定されてもよい。追加的又は代替的に、結合DPR信号は、中心信号と和信号との間の比較に関する情報の少なくとも1つの項目を含む任意の信号又は信号の組み合わせを含み得る。
ダイクロイックフィルタを通過した光ビームは、そこから中心信号が生成される少なくとも1つの光センサが光ビーム内に完全に位置するように、センサ信号が生じる少なくとも1つの光センサの感光エリアより大きい光ビーム幅で、中心信号が生成される少なくとも1つの光センサを完全に照射することができる。反対に、好ましくは、ダイクロイックフィルタを通過した光ビームは、光スポットがマトリックス内に完全に位置するように、マトリックスよりも小さい光スポットをマトリックス全体の上に生成してもよい。このような状況は、光学の当業者であれば、適切な転送装置を使用するなど、光ビームに集光又はデフォーカス効果を有する1つ以上の適切なレンズ又は要素を選択することによって、容易に調整することができる。
上記で概説したように、中心信号は、一般に、光スポットの中心にある光センサからのセンサ信号などの単一のセンサ信号であり得、又は、光スポットの中心にある光センサから生じるセンサ信号の組合せなど、複数のセンサ信号の組合せであり得、又は、上述した可能性の1つ以上から導出されるセンサ信号を処理することによって導出される二次センサ信号であり得る。センサ信号の比較は従来の電子機器によってかなり単純に実施されるため、中心信号の決定は電子的に実行されてもよく、又は、ソフトウェアによって完全に又は部分的に実行されてもよい。具体的には、中心信号は:最高のセンサ信号;最高のセンサ信号からの所定の許容範囲内にあるセンサ信号の一群の平均;最高のセンサ信号を有する光センサを含む光センサの一群及び隣接する光センサの所定の一群からのセンサ信号の平均;最高のセンサ信号を有する光センサの一群と隣接する光センサの所定の一群からのセンサ信号の合計;最高のセンサ信号から所定の許容範囲内にあるセンサ信号の一群の合計;所定の閾値を超えるセンサ信号の一群の合計;最高のセンサ信号を有する光センサの一群及び隣接する光センサの所定の一群からのセンサ信号の積分;最高のセンサ信号から所定の許容範囲内にあるセンサ信号の一群の積分;所定の閾値を超えるセンサ信号の一群の積分、からなる群から選択され得る。
上で概説したように、光センサの未処理のセンサ信号は、評価、又はそれから導出される二次センサ信号に使用されてもよい。本明細書で使用される場合、「二次センサ信号」という用語は、一般に、フィルタリング、平均化、又は復調など、1つ以上の未処理信号を処理することによって得られる、電子信号、より好ましくはアナログ及び/又はデジタル信号などの信号を指す。したがって、画像処理アルゴリズムが、マトリックスのセンサ信号の全体から、又はマトリックス内の関心領域から、二次センサ信号の生成に使用され得る。具体的には、評価装置などの検出器は、光センサのセンサ信号を変換し、それによって二次光センサ信号を生成するように構成され得、該評価装置は、二次光センサ信号を使用してステップa)〜d)を実行するように構成される。センサ信号の変換は、具体的には、以下:フィルタリング;少なくとも1つの関心領域の選択;センサ信号によって作成された画像と少なくとも1つのオフセットとの間の差分画像の形成;センサ信号によって生成された画像を反転することによるセンサ信号の反転;異なる時間にセンサ信号によって生成された画像間の差分画像の形成;背景補正;カラーチャンネルへの分解;色相への分解;飽和;そして明るさチャネル;周波数分解;特異値分解;キャニーエッジ検出器の適用;ガウスフィルタのラプラシアンの適用;ガウスフィルタの差分の適用;ソーベル演算子の適用;プラス演算子の適用;Scharr演算子の適用;プレウィット演算子の適用;ロバーツ演算子の適用;Kirsch演算子の適用;ハイパスフィルタの適用;ローパスフィルタの適用;フーリエ変換の適用;ラドン変換の適用;ハフ変換の適用;ウェーブレット変換の適用;閾値処理;バイナリイメージの作成、からなる群から選択される少なくとも1つの変換を含み得る。関心領域は、ユーザにより手動によって決定されるか、あるいは、光センサによって生成された画像内で物体を認識することによってなど、自動で決定され得る。一例として、車両、人、又は別のタイプの所定の物体は、画像内で、すなわち、光センサによって生成されたセンサ信号全体内で自動画像認識によって決定され得、関心領域は、物体が該関心領域内に位置するように選択され得る。この場合、縦方向座標の決定などの評価は、関心領域に対してのみ実行されるようにすることができる。ただし、他の実施も可能である。
上記で概説したように、光スポットの中心の検出、すなわち、中心信号及び/又は中心信号が生じる少なくとも1つの光センサの検出は、完全に又は部分的に電子的に実行され得、又は1つ以上のソフトウェアアルゴリズムを使用して完全に又は部分的に実行され得る。具体的には、評価装置は、少なくとも1つの最高のセンサ信号を検出するため、及び/又は中心信号を形成するための少なくとも1つの中心検出器を備えることができる。中心検出器は、具体的には、完全に又は部分的にソフトウェアで具体化されてもよく、及び/又は完全又は部分的にハードウェアで具体化されてもよい。中心検出器は、少なくとも1つのセンサ要素に完全に又は部分的に一体化されてもよく、及び/又はセンサ要素から独立して完全に又は部分的に具体化されてもよい。
上記で概説したように、和信号は、マトリックスのすべてのセンサ信号から、又は関心領域内のセンサ信号から、又は中心信号に寄与する光センサから生じるセンサ信号を除いてこれらの可能性の1つから導出できる。すべての場合において、縦方向座標を決定するために、中心信号と確実に比較することができる信頼できる和信号が生成され得る。一般に、和信号は、以下:マトリックスのすべてのセンサ信号の平均;マトリックスのすべてのセンサ信号の合計;マトリックスのすべてのセンサ信号の積分;中心信号に寄与する光センサからのセンサ信号を除く、マトリックスのすべてのセンサ信号の平均;中心信号に寄与する光センサからのセンサ信号を除く、マトリックスのすべてのセンサ信号の合計;中心信号に寄与する光センサからのセンサ信号を除く、マトリックスのすべてのセンサ信号の積分;最高のセンサ信号を有する光センサから所定の範囲内の光センサのセンサ信号の合計;最高のセンサ信号を有する光センサから所定の範囲内の光センサのセンサ信号の積分;最高のセンサ信号を有する光センサから所定の範囲内に位置する光センサの所定の閾値を超えるセンサ信号の合計;最高のセンサ信号を有する光センサから所定の範囲内にある光センサの所定の閾値を超えるセンサ信号の積分、からなる群から選択され得る。しかしながら、他の選択肢がある。
加算は、完全に又は部分的にソフトウェアで実行されてもよく、及び/又は完全に又は部分的にハードウェアで実行されてもよい。加算は一般に、典型的には検出器に容易に実装され得る純粋に電子的手段によって可能である。したがって、電子工学の分野では、加算装置は一般に、アナログ信号とデジタル信号の両方の2つ以上の電気信号を加算することが知られている。したがって、評価装置は、和信号を形成するための少なくとも1つの加算装置を備えることができる。加算装置は、完全に又は部分的にセンサ要素に一体化されてもよく、又は完全に又は部分的にセンサ要素とは独立して具体化されてもよい。加算装置は、完全に又は部分的に、ハードウェア又はソフトウェアの一方又は両方で具体化されてもよい。
上で概説したように、縦方向座標zDPRを決定するために、中心信号と和信号との間の比較は、具体的には、1つ以上の商信号を形成することによって実行されてもよい。したがって、一般的に、結合信号は、以下:中心信号と和信号の商を形成すること、又はその逆の商を形成すること;中心信号の倍数と和信号の倍数の商を形成すること、又はその逆の商を形成すること;中心信号の線形結合と和信号の線形結合の商を形成すること、又はその逆の商を形成すること;中心信号の商と和信号と中心信号の線形結合の商を形成すること、又はその逆の商を形成すること;和信号の商と和信号と中心信号の線形結合の商、又はその逆を形成すること;中心信号のべき乗と和信号のべき乗の商を形成すること、又はその逆の商を形成すること、のうちの1つ以上によって導出される商信号であってもよい。しかし、他の選択肢も存在する。評価装置は、1つ以上の商信号を形成するように構成されていてもよい。
評価装置は、具体的には、少なくとも1つの縦方向座標zDPRを決定するために、結合DPR信号Qと縦方向座標zDPRの間の少なくとも1つの所定の関係を使用するように構成されていてもよい。このように、上記に開示された理由により、及び光スポットの特性の縦方向座標への依存性により、結合DPR信号Qは、典型的には、物体の縦方向座標の単調関数であり、及び/又は、光スポットの直径又は等価直径のような光スポットのサイズの単調関数である。したがって、一例として、具体的に線形光センサが使用される場合、センサ信号scenterと和信号ssumの単純な商Q=scenter/ssumは、距離の単調減少関数であり得る。理論に拘束されることを望まないが、これは、上記の好ましい構成では、検出器に到達する光の量が減少するため、光源までの距離の増加に伴って、中心信号scenterと和信号ssumの両方が、二乗関数として減少するという事実が原因であると考えられる。しかしながら、そこでは、中心信号scenterは、実験で使用される光学構成では、画像平面内の光スポットが増大し、したがってより広いエリアに広がるため、和信号ssumよりも急速に減少する。中心信号と和信号の商は、したがって、マトリックスの光センサの感光エリア上の光ビーム又は光スポットの直径の増加に伴って連続的に減少する。さらに、光ビームの総出力が中心信号と和センサ信号の両方の要素を形成するため、商は通常、光ビームの総出力から独立している。その結果、商Qは、中心信号と和信号との間、及び光ビームのサイズ又は直径との間の一意かつ明白な関係を提供する二次信号を形成し得る。一方、光のサイズ又は直径は、光ビームがそこから検出器に向かって伝播する物体と検出器自体の間の距離に依存するため、つまり、物体の縦方向座標に依存するため、一方では中心信号と和信号の間で、他方では中心信号と縦方向座標の間に、一意的で明確な関係が存在し得る。後者については、例えばWO2014/097181A1などの上記の先行技術文献の1つ以上を参照することができる。所定の関係は、例えばガウス光ビームの線形結合を仮定することによる分析的考察により、また例えば結合信号及び/又は中心信号及び和信号又はそこから導出される二次信号を、物体の縦方向座標の関数として計測する測定などの経験的測定により、又はその両方により、決定することができる。
このように、一般的に評価装置は、商信号などの結合DPR信号Qを評価することによって、縦方向座標を決定するように構成され得る。この決定は、例えば中心信号と和信号を直接結合してその縦方向座標を導出することによってなど、1ステップの過程であってもよいし、例えば第1に中心信号と和信号から結合DPR信号を導出し、第2に結合DPR信号から縦方向座標を導出するような複数ステップの過程であってもよい。両方の選択肢、すなわちステップc)とd)が別個の独立したステップである選択肢と、ステップc)とd)が完全に又は部分的に結合されている選択肢である、両方の選択肢が本発明に含まれるものとする。
上記で概説したように、光センサは、具体的には、光検出器、好ましくは無機光検出器、より好ましくは無機半導体光検出器、最も好ましくはシリコン光検出器であってもよいし、又はそれらを含んでよい。具体的には、光センサは、赤外スペクトル範囲において感度を有していてもよい。マトリックスの光センサのすべて、又はマトリックスの光センサの少なくとも1つの群は、具体的には同一であってもよい。マトリックスの同一の光センサの群は、具体的には、異なるスペクトル範囲に提供されてもよく、又はすべての光センサは、スペクトル感度に関して同一であってもよい。さらに、光センサは、サイズ及び/又はそれらの電子的又は光電子的特性に関して同一であってもよい。
マトリックスは、独立した光センサで構成されていてもよい。したがって、無機フォトダイオードのマトリックスを構成することができる。しかしながら、代替的に、CCD検出器チップなどの1つ以上のCCD検出器、及び/又はCMOS検出器チップなどCMOS検出器などの市販のマトリックスが使用されてもよい。したがって、一般に、検出器の光センサは、センサアレイを形成してもよく、又は上述のマトリックスなどのセンサアレイの一部であってもよい。したがって、一例として、検出器は、m行及びn列を有し、ここでm、nは独立して正の整数である、長方形アレイなどの光センサアレイを備えることができる。好ましくは、複数の列及び複数の行が与えられ、すなわち、n>1、m>1である。したがって、一例として、nは2〜16以上であり得、mは2〜16以上であり得る。好ましくは、行数と列数の比は1に近い。一例として、n及びmは、m/n=1:1、4:3、16:9を選択することなどにより、0.3≦m/n≦3となるように選択され得る。一例として、アレイは、m=2、n=2又はm=3、n=3などを選択することなどにより、等しい数の行及び列を有する正方形アレイであってもよい。
上記でさらに概説したように、マトリックスは、具体的には、少なくとも1行、好ましくは複数行及び複数列を有する長方形のマトリックスであってよい。一例として、行及び列は、実質的に垂直な方向に方向付けられてよく、本明細書で使用される場合、「実質的に垂直」という用語に関しては、上記の定義を参照することができる。したがって、一例として、20°より小さい、具体的には10°より小さい、又は5°より小さい許容誤差でさえ許容され得る。広い視野を提供するために、マトリックスは、具体的には、少なくとも100行、好ましくは少なくとも500行、より好ましくは少なくとも1000行を有することができる。同様に、マトリックスは、少なくとも100列、好ましくは少なくとも500列、より好ましくは少なくとも1000列を有することができる。マトリックスは、少なくとも5000個の光センサ、好ましくは少なくとも100000個の光センサ、より好ましくは少なくとも5000000個の光センサを有することができる。マトリックスは、数メガピクセルの範囲のいくつかのピクセルを含み得る。しかしながら、他の実施形態も可能である。したがって、軸回転対称性が期待される構成では、ピクセルとも呼ばれ得るマトリックスの光センサの円形配置又は同心配置が好ましいことがある。
上記でさらに概説したように、好ましくは、センサ要素は、検出器の光軸に対して実質的に垂直に方向づけられてもよい。この場合も、「実質的に垂直」という用語に関して、上記の定義及び許容範囲を参照することができる。光軸は、直線の光軸であってもよいし、1つ以上の偏向要素を使用することによって及び/又は1つ以上のビームスプリッタを使用することによって、曲げられてもよく、分割されてもよい。後者の場合、基本的に垂直な方向付けは、光学構成のそれぞれの分岐又はビーム経路の局所的な光軸に関して言及している。追加的又は代替的に、センサ要素は、物体に向かう方向とは異なる方向を向いていてもよい。特に、検出器が2つのセンサ要素を含む場合には、センサ要素の少なくとも1つは、物体に向かう方向とは異なる方向に方向付けられていてもよい。例えば、センサ要素の少なくとも1つは、光軸に対して垂直又は任意の角度の下で物体に対して方向付けられてよい。
上記で概説したように、中心信号と和信号を評価することにより、検出器は、物体全体又はその1つ以上の部分の縦方向座標を決定する選択肢を含めて、物体の少なくとも1つの縦方向座標を決定することが可能になる。しかしながら、加えて、1つ以上の横方向座標及び/又は回転座標を含む物体の他の座標が、検出器によって、具体的には評価装置によって決定されてもよい。したがって、一例として、1つ以上の横方向センサが物体の少なくとも1つの横方向座標を決定するのに使用され得る。上記で概説したように、例えば、中心信号が生じる少なくとも1つの光センサの位置が、物体の少なくとも1つの横方向座標に関する情報を提供することができ、一例として、単純なレンズ方程式が、光学変換と横方向座標の導出に使用される。追加的に又は代替的に、1つ以上の追加の横方向センサが使用され得、検出器に含まれ得る。種々の横方向センサ、例えばWO2014/097181A1に開示されている横方向センサ及び/又は例えば象限ダイオード、CCD又はCMOSチップなどの他の位置感知装置(PSD)が、当技術分野で一般に知られている。追加的又は代替的に、一例として、本発明による検出器は、R.A.Street:Technology and Applications of Amorphous Silicon,Springer−Verlag Heidelberg、2010、346〜349頁に開示されている1つ以上のPSDを含むことができる。他の実施形態も可能である。これらの装置は、一般に、本発明による検出器に実装することもできる。一例として、光ビームの一部は、少なくとも1つのビーム分割要素によって、検出器内で分割され得る。分割部分は、一例として、CCD又はCMOSチップ又はカメラセンサなどの横方向センサに向けて案内され得、そして横方向センサ上の分割部分によって生成される光スポットの横方向位置が決定され、それにより物体の少なくとも1つの横方向座標が決定され得る。したがって、本発明による検出器は、単純な距離測定装置などの1次元検出器であるか、又は2次元検出器として、又は3次元検出器としてさえも具体化することができる。さらに、上記で概説したように、又は以下でさらに詳細に概説するように、場景又は環境を一次元的に走査することによって、三次元画像も作成することができる。したがって、本発明による検出器は、具体的には、一次元検出器、二次元検出器、又は三次元検出器のうちの1つであり得る。評価装置は、物体の少なくとも1つの横方向座標x、yを決定するようにさらに構成されてもよい。評価装置は、縦方向座標と横方向座標の情報を組み合わせて、空間内の物体の位置を決定するように適合され得る。
照射源は、複数の照射領域が、例えばCMOS検出器のような光センサのマトリックス上に生成されるように点群を生成及び/又は投影するように適合されてもよい。さらに、スペックル及び/又は外部光及び/又は多重反射による擾乱などの擾乱が光センサのマトリックス上に存在することがある。評価装置は、少なくとも1つの関心領域、例えば物体の縦方向座標の決定に使用される光ビームによって照射される1つ以上のピクセルを決定するように適合されてもよい。例えば、評価装置はフィルタ処理方法、例えばブロブ分析及び/又は物体認識方法を実行するように適合されてもよい。
上述したように、照射源は、少なくとも2つの異なる波長を有する少なくとも1つの光ビームで物体を照射するように構成されてよい。照射源は、第1波長を有する第1光ビームと、第2波長を有する第2光ビームとを生成するように適合されてよい。第1光ビーム及び第2光ビームは、2つの異なる変調周波数で生成されてよい。例えば、照射源は、LEDなどの光源を2つの異なる変調周波数でパルス化するように構成されている。検出器は、波長依存性結合信号Λに加えて、結合DPR信号を決定することができるように、少なくとも2つの光センサを含んでよい。具体的には、2つ以上の光センサが使用されている場合、1つの測定のみから複数の異なる距離依存の商を決定することができる。例えば、正確に2つの光センサが使用される場合には、以下のような商が可能である。結合信号Λは、例えば赤色用の第1波長を有する光ビームによって生成される光センサの全てのセンサ信号の和を、例えば青色用の第2波長を有する光ビームによって生成される光センサの全てのセンサ信号の和の合計で除算することによって決定されてもよい。追加的又は代替的に、結合信号Λは、第1波長を有する光ビームによって生成される第1光センサのセンサ信号を、第2波長を有する光ビームによって生成される第1光センサのセンサ信号で除算することによって決定されてよい。追加的又は代替的に、結合信号Λは、第1波長を有する光ビームにより生成された第2光センサのセンサ信号を、第2波長を有する光ビームにより生成された第2光センサのセンサ信号で除算することによって決定されてもよい。追加的又は代替的に、結合DPR信号は、例えば第1波長を有する光ビームによって生成された第1光センサ及び第2光センサのセンサ信号を除算することなどによって、第1の波長を有する光ビームについて決定されてよい。追加的又は代替的に、結合DPR信号は、例えば第2波長を有する光ビームによって生成された第1光センサ及び第2光センサのセンサ信号を除算することなどによって、第2の波長を有する光ビームについて決定されてよい。これらの各商は、距離情報を提供することができる。評価装置は、例えば信号対雑音比の観点から、距離情報の品質を検証又はチェックするように適合されてよい。評価装置は、例えば平均値を決定することなどによって、異なる距離情報からの結合された距離情報を決定するように適合されてもよい。例えば、検出器は、第1測定範囲において縦方向座標zを決定し、第2測定範囲において縦方向座標zDPRを決定するように構成されていてもよい。これにより、距離決定の信頼性を高めることができ、測定範囲を拡張することができ得る。結合信号Λと結合DPR信号は、互いに独立して決定されてよい。結合信号Λは、検出器の位置から実質的に独立していてもよいが、転送装置及びダイクロイックフィルタの特性にのみ依存していてもよい。したがって、異なる商が、互いに検証して測定の信頼性を高めることができるように、又は異なる測定範囲をカバーしてシステムの総測定範囲を増やすことができるように選択することができる。評価装置は、特に温度変化又は機械的応力による機械的ドリフトを認識するために、結合信号Λと結合DPR信号を比較するように構成されていてもよく、及び、システムを再キャリブレーションするために、又は結合信号Λと結合DPR信号Qに依存する結合縦方向信号を出力するために使用されてもよい。
本発明による検出器を使用することによる距離測定は、1つ以上の追加の距離測定手段を検出器に実装することによって、及び/又は検出器を他のタイプの距離測定手段と組み合わせることによって、強化することができる。
本発明のさらなる態様において、少なくとも1つの物体の位置を決定するための検出器システムが開示される。検出器システムは、上記で開示された実施形態の1つ以上、又は以下でさらに詳細に開示される実施形態の1つ以上によるなど、本発明による少なくとも1つの検出器を備える。検出器システムは、少なくとも1つの光ビームを検出器に向けるように適合された少なくとも1つのビーコン装置をさらに含み、ビーコン装置は、物体に取り付け可能であり、物体によって保持可能であり、及び物体に一体化可能であるうちの少なくとも1つである。ビーコン装置に関するさらなる詳細は、その潜在的に可能な実施形態を含め、以下に示される。したがって、少なくとも1つのビーコン装置は、レーザ、LED、電球など、1つ以上の光源など、1つ以上の照射源を含む、少なくとも1つの能動型ビーコン装置であり得るか、又はそれを含み得る。一例として、照射源によって放出される光は、300〜1000nm、特に500〜1000nmの波長を有し得る。あるいは、上記で概説したように、赤外スペクトル範囲、例えば780nm〜3.0μmの範囲が使用され得る。具体的には、シリコンフォトダイオードが特に700nm〜1000nmの範囲で適用可能な近赤外領域が使用され得る。2つ以上の光ビームを区別するために、1つ以上のビーコン装置によって放出される光は、上記で概説したように、非変調であっても、変調されてもよい。追加的に又は代替的に、少なくとも1つのビーコン装置は、1つ以上の反射要素を備えることなどによって、1つ以上の光ビームを検出器に向けて反射するように適合され得る。さらに、少なくとも1つのビーコン装置は、光ビームを散乱させるように適合された1つ以上の散乱要素であってもよく、又はそれを含んでもよい。そこでは、弾性又は非弾性散乱を使用することができる。少なくとも1つのビーコン装置が一次光ビームを検出器に向けて反射及び/又は散乱するように適合されている場合、ビーコン装置は、光ビームのスペクトル特性に影響を与与えないようにするように適合されてよく、あるいは、光ビームの波長を変更するなどして、光ビームのスペクトル特性を変更するように適合されてよい。
本発明のさらなる態様では、ユーザとマシーンとの間で少なくとも1つの情報項目を交換するためのヒューマンマシーンインターフェイスが開示されている。ヒューマンマシーンインターフェイスは、上記で開示された実施形態による、及び/又は以下でさらに詳細に開示される実施形態の1つ以上による、少なくとも1つの検出器システムを備える。そこでは、少なくとも1つのビーコン装置は、直接的又は間接的にユーザに取り付けられるか、又はユーザによって保持されるかの少なくとも1つであるように適合される。ヒューマンマシーンインターフェイスは、検出器システムによってユーザの少なくとも1つの位置を決定するように設計されており、ヒューマンマシーンインターフェイスは、少なくとも1つの情報項目をその位置に割り当てるように設計されている。
本発明のさらなる態様では、少なくとも1つの娯楽機能を実行するための娯楽装置が開示されている。娯楽装置は、上記で開示された実施形態及び/又は以下でさらに詳細に開示される実施形態の1つ以上による少なくとも1つのヒューマンマシーンインターフェイスを備えている。娯楽装置は、ヒューマンマシーンインターフェイスを介して、プレーヤが少なくとも1つの情報を入力できるように構成されている。娯楽機器は、情報に応じて娯楽機能を変えるようにさらに構成される。
本発明のさらなる態様では、少なくとも1つの可動物体の位置を追跡する追跡システムが開示されている。追跡システムは、上記で開示された及び/又は以下でさらに詳細に開示されるような検出器システムを参照する実施形態のうちの1つ以上による少なくとも1つの検出器システムを備えている。追跡システムは、少なくとも1つの追跡コントローラをさらに備える。追跡コントローラは、特定の時点での物体の一連の位置を追跡するように適合されている。
本発明のさらなる態様では、少なくとも1つの物体を撮像するためのカメラが開示されている。カメラは、上記で開示された又は以下でさらに詳細に開示される検出器を参照する実施形態のいずれか1つによる少なくとも1つの検出器を備えている。
本発明のさらなる態様では、少なくとも1つの物体の少なくとも1つの位置を決定することも含み得る、場景の深度プロファイルを決定するための走査システムが提供されている。走査システムは、本発明による少なくとも1つの検出器、例えば上記の実施形態の1つ以上に開示された及び/又は以下の実施形態の1つ以上に開示された少なくとも1つの検出器を備えている。走査システムはさらに、照射光ビーム又は走査光ビームと呼ばれることもある、少なくとも1つの光ビームで場景を走査するように適合された少なくとも1つの照射源を備えている。本明細書で使用される場合、「場景」という用語は、一般に、二次元又は三次元範囲を指し、これは検出器によって可視であるため、二次元又は三次元範囲を少なくとも1つの幾何学的特性又は空間的特性を検出器によって評価することができる。本明細書でさらに使用される場合、「走査」という用語は、一般に、異なる領域での連続的な測定を指す。したがって、走査は、具体的には、第1方式で向けられ又は方向付けられた照射光ビームによる少なくとも1つの第1測定と、第1方式と異なる第2方式で向けられ又は方向付けられた照射光ビームによる少なくとも1つの第2測定を含み得る。走査は、連続走査であっても、段階的走査であってもよい。したがって、連続的又は段階的方式で、照射光ビームを情景の異なる領域に向けることができ、検出器は、各領域の少なくとも1つの縦方向座標など、少なくとも1つの情報項目を生成するように検出することができる。一例として、物体を走査するために、1つ以上の照射光ビームが、連続的又は段階的方式で、物体の表面に光スポットを生成することができ、光スポットについて縦方向座標が生成される。しかしながら、代わりに、光パターンが走査に使用されてもよい。走査は、点走査又は線走査、あるいはより複雑な光パターンによる走査でさえあってもよい。走査システムの照射源は、検出器の照射源と異なり得る。しかしながら、代替として、走査システムの照射源はまた、検出器の少なくとも1つの照射源と完全に又は部分的に同一であるか、又はそれに一体化されてもよい。
したがって、走査システムは、少なくとも1つの物体の少なくとも1つの表面に位置する少なくとも1つのドットを照射するように構成された少なくとも1つの光ビームを放出するように適合された少なくとも1つの照射源を備え得る。本明細書で使用される場合、「ドット」という用語は、例えば走査システムのユーザによって照射源によって照射されるように選択され得る、物体の表面の一部のエリア、特に小さなエリアを指す。好ましくは、ドットは、一方では、走査システムに含まれる照射源とドットが可能な限り正確に配置され得る物体の表面部分との間の距離の値を決定できるようにするために可能な限り小さいサイズを示し、他方では、走査システムのユーザ、又は走査システム自体が特に自動手順により、物体表面の関係部分上のドットの存在を検出できるように、可能な限り大きいサイズを示すことができる。
この目的のために、照射源は、人工照射源、特に少なくとも1つのレーザ源及び/又は少なくとも1つの白熱灯及び/又は少なくとも1つの半導体光源、例えば少なくとも1つの発光ダイオード、特に有機及び/又は無機発光ダイオードを含み得る。一例として、照射源によって放出される光は、300〜1000nm、特に500〜1000nmの波長を有し得る。追加的に又は代替的に、780nm〜3.0μmの範囲などの赤外スペクトル範囲の光が使用され得る。具体的には、シリコンフォトダイオードが特に適用可能な近赤外領域の部分では、特には700nm〜1000nmの範囲の近赤外領域部分の光を使用することができる。それらの一般的に定義されたビームプロファイル及び取り扱い性の他の特性のために、照射源としての少なくとも1つのレーザ源の使用が特に好ましい。本明細書では、特に、ユーザが容易に保存及び運搬できる小型の走査システムを提供することが重要である場合に、単一のレーザ源の使用が好ましい場合がある。照射源はしたがって、好ましくは、検出器の構成部分であってもよく、したがって特に検出器のハウジング内などの検出器内に一体化されてもよい。好ましい実施形態では、特に走査システムのハウジングは、例えば、読みやすい方法で距離関連情報をユーザに提供するように構成された少なくとも1つのディスプレイを備えることができる。さらに好ましい実施形態では、特に走査システムのハウジングはさらに、1つ以上の操作モードを設定するなど、走査システムに関連する少なくとも1つの機能を操作させるように構成された少なくとも1つのボタンを含むことができる。さらに好ましい実施形態では、特に走査システムのハウジングはさらに、走査システムをさらなる表面に固定するように構成され得る少なくとも1つの固定ユニット、例えば、ゴム足、磁性材料を含むベースプレート又は壁ホルダーなどのベースプレート又は壁ホルダーなどを、特に距離測定の精度及び/又はユーザによる走査システムの取り扱い性を向上させるために含み得る。
特に、走査システムの照射源は、したがって、物体の表面に位置する単一のドットを照射するように構成された単一のレーザビームを放出し得る。本発明による検出器の少なくとも1つを使用することにより、少なくとも1つのドットと走査システムとの間の距離に関する少なくとも1つの情報項目が、このように生成され得る。これにより、好ましくは、走査システムによって含まれる照射システムと、照射源によって生成される単一ドットとの間の距離は、例えば少なくとも1つの検出器によって含まれる評価装置を使用することなどにより、決定され得る。しかしながら、走査システムは、さらに、特にこの目的のために適合され得る追加の評価システムを含み得る。代替的に又は追加的に、走査システムのサイズ、特に走査システムのハウジングのサイズを考慮してもよく、したがって、走査システムのハウジング上の特定の点、例えばハウジングの前縁又は後縁と、単一ドットの間の距離を代替的に決定することもできる。照射源は、点群を生成及び/又は投影するように適合されてよく、例えば、照射源は、少なくとも1つのデジタル光処理プロジェクタ、少なくとも1つのLCoSプロジェクタ、少なくとも1つの空間光変調器;少なくとも1つの回折光学要素;発光ダイオードの少なくとも1つのアレイ;レーザ光源の少なくとも1つのアレイのうちの1つ以上を含み得る。
代替的に、走査システムの照射源は、ビームの放出方向の間に直角など、それぞれの角度を提供するように構成された2つの個別のレーザビームを放出することができ、それにより、同じ物体の表面又は2つの異なる物体の2つの異なる表面に位置する2つの個別のドットが照射され得る。しかしながら、2つの個別のレーザビームの間のそれぞれの角度に対する他の値も可能であり得る。この特徴は、特に、例えば走査システムとドットとの間に1つ以上の障害物が存在するため直接アクセスできない場合の、又は他の方法では到達することが困難な場合の、間接距離を導出するためなど、間接測定機能のために採用され得る。例として、したがって、2つの個別の距離を測定し、ピタゴラスの式を使用して高さを導出することにより、物体の高さの値を決定することが可能であり得る。特に、物体に対して所定の水準を維持できるようにするために、走査システムはさらに、少なくとも1つの水準ユニット、特に、ユーザによって所定の水準を維持するために使用され得る一体型気泡バイアルをさらに備えることができる。
さらなる代替案として、走査システムの照射源は、複数の個別のレーザビーム、例えばそれぞれのピッチ、特に互いに対して規則的なピッチを示すことができるレーザビームのアレイなど、及び、少なくとも1つの物体の少なくとも1つの表面上に位置するドットのアレイを生成するように配置された複数の個別のレーザビームをすることができる。この目的のために、ビームスプリッタ及びミラーなどの特別に適合された光学要素が提供されてもよく、これにより、記載されたレーザビームのアレイの生成が可能になり得る。具体的には、照射源は、1つ以上の可動ミラーを使用して、周期的又は非周期的な方式で光ビームをリダイレクトすることによって、エリア又は体積を走査するように向けることができる。
したがって、走査システムは、1つ以上の物体の1つ以上の表面に配置された1つ以上のドットの静的配置を提供し得る。あるいは、走査システムの照射源、特に上記のレーザビームのアレイなどの1つ以上のレーザビームは、時間の経過とともに変化する強度を示すことができ、及び/又は、特に既述のマイクロミラーアレイ内に含まれるマイクロミラーなど、1つ以上のミラーを動かくことによって時間の経過とともに交互に放出方向が変わり得る、1つ以上の光ビームを提供するように、構成され得る。結果として、照射源は、走査装置の少なくとも1つの照射源によって生成されるような、交互の特徴を有する1つ以上の光ビームを使用することにより、少なくとも1つの物体の少なくとも1つの表面の一部を画像として走査するように構成され得る。特に、走査システムは、したがって、例えば1つ以上の物体の1つ以上の表面を順次又は同時に走査するように、少なくとも1つの行走査及び/又は線走査を使用することができる。したがって、走査システムは、3つ以上のドットを測定することによって角度を測定するように適合され得、又は、走査システムは、従来の測定スティックを使用してアクセスすることが困難な、屋根の切妻などのコーナー又は狭い領域を測定するように適合され得る。非限定的な例として、走査システムは、例えば生産環境における安全レーザスキャナに、及び/又は例えば3Dプリンティング、ボディスキャンニング、品質管理などに関連して、物体の形状の決定に使用される三次元走査装置に、例えば距離計などの建設用途に、例えば荷物のサイズと体積を決定するための物流用途に、例えばロボット掃除機又は芝刈機などの家事用途に、又は走査ステップを含み得る他の種類の用途に使用され得る。非限定的な例として、走査システムは産業用安全カーテンの用途に使用され得る。非限定的な例として、走査システムは、拭き掃除、掃除機、モップがけ、又はワックスがけ機能、又は芝刈り又は掻き集めなどのヤード又は庭の手入れ機能を実行するために使用されてもよい。非限定的な例として、走査システムは、コリメートされた光学系を備えたLED照射源を使用することができ、より正確な結果を得るために照射源の周波数を異なる周波数にシフトするように、及び/又は、他の周波数を送信しながら特定の周波数を減衰させるためにフィルタを使用するように適合されてもよい。非限定的な例として、走査システム及び/又は照射源は、作動中に専用モータを使用して、全体として回転させるか、又は、ミラー、ビームスプリッタなどの特定の光学パッケージのみを回転させることができ、走査システムは、完全な360度の視野を有することができ、又はさらに走査範囲をさらに拡大するために、平面外に移動又は回転することができる。さらに、照射源は、能動的に所定の方向に向けられ得る。さらに、有線の電気システムの回転を可能にするために、スリップリング、光データ伝送、又は誘導結合を使用することができる。
非限定的な例として、走査システムは、三脚に取り付けられ、いくつかの角及び表面を有する物体又は領域に向けられてもよい。1つ以上の柔軟に可動なレーザ源が走査システムに取り付けられている。1つ以上のレーザ源は、それらが関心点を照射するように動くことができる。走査システムの指定されたボタンを押すと、走査システムに対する照射点の位置が測定され、位置情報は無線インターフェイスを介して携帯電話に送信される。位置情報は携帯電話のアプリケーションに保存される。レーザ源は、さらに関心点を照射するために移動され、その位置が測定され、携帯電話アプリケーションに送信される。携帯電話アプリケーションは、隣接する点を平面で接続することにより、点のセットを3Dモデルに変換することができる。3Dモデルは保存され、さらに処理されてもよい。測定された点又は表面間の距離及び/又は角度は、走査システムに取り付けられたディスプレイ上に、又は位置情報が送信される携帯電話上に直接表示されてもよい。
非限定的な例として、走査システムは、点を投影するための2つ以上の柔軟に可動なレーザ源と、線を投影するさらに1つの可動なレーザ源とを備えてもよい。線は、線に沿って2つ以上のレーザスポットを配置するために使用され得、走査装置のディスプレイは、線に沿って配置され得る2つ以上のレーザスポット間の距離、例えば等距離などを表示し得る。2つのレーザスポットの場合、単一のレーザ源が使用されてもよく、投影された点の距離は、1つ以上のビームスプリッタ又はプリズムを使用して変更され、該ビームスプリッタ又はプリズムは、投影されたスポットが離れたり、近づいたりするように動かすことができる。さらに、走査システムは、直角、円、正方形、三角形などのさらなるパターンを投影するように適合させることができ、それに沿ってレーザスポットを投影し、それらの位置を測定することによって測定を行うことができる。
非限定的な例として、走査システムは、鋸引き、穴あけ機などの木材又は金属の加工工具などのツールを使用する作業をサポートするように適合され得る。したがって、走査システムは、2つの反対方向の距離を測定し、2つの測定された距離又は距離の合計をディスプレイに表示するように適合させることができる。さらに、走査システムは、走査システムが表面上に配置されると、レーザ点が表面に沿って走査システムから自動的に離れ、距離測定が表面のコーナー又はエッジによる突然の変化を示すまで、動かされるように、表面のエッジまでの距離を測定するように適合させることができる。これにより、走査装置が板の上に置かれているが、その端から離れて置かれている状態で、板材の端部までの距離を測定することが可能になる。さらに、走査システムは、一方向の板の端部までの距離を測定し、及び、反対方向に指定された距離で線又は円又は点を投影することができる。走査システムは、例えば、所定の合計距離に依存するように、反対方向に測定した距離に依存した距離で線又は円又は点を投影するように適合されてもよい。これにより、ツールから安全な距離に走査システムを配置しながら、鋸引きや穴あけ機などのツールを投影位置で操作し、同時に、板の端部までの所定の距離でツールを使用して処理を実行すること可能にする。さらに、走査システムは、点又は線などを所定の距離で2つの反対方向に投影するように適合されてもよい。距離の合計が変更されると、投影された距離の1つだけが変更される。
非限定的な例として、走査システムは、表面の上に、例えば切断、鋸引き、穴あけ機などのタスクが実行される表面などの表面の上に配置されるように、及び、走査システム上のボタンなどで調節できる、所定の距離の表面上の線を投影するように適合されてもよい。
非限定的な例として、走査システムは、例えば生産環境における安全レーザスキャナに、及び/又は例えば3Dプリンティング、ボディスキャンニング、品質管理などに関連して、物体の形状の決定に使用される三次元走査装置に、例えば距離計などの建設用途に、例えば荷物のサイズと体積を決定するための物流用途に、例えばロボット掃除機又は芝刈機などの家事用途に、又は走査ステップを含み得る他の種類の用途に使用され得る。
転送装置は、上記で説明したように、物体から検出器へ伝播する光を、光センサに、好ましくは連続的に供給するように設計され得る。上記で説明したように、この供給は、画像化によって、又は転送装置の非画像化特性によって、任意で達成され得る。特に、転送装置は、電磁放射が光センサに供給される前に、電磁放射を収集するように設計されることもできる。転送装置は、例えば、定義された光学特性を有する光ビーム、例えば、定義された又は正確に既知のビームプロファイル、例えば、ガウスビームの少なくとも1つの線形結合、特に、既知のビームプロファイルを有する少なくとも1つのレーザビームを提供するように設計された照射源によって、全体的に又は部分的に少なくとも1つの任意の照射源の構成部分にもなり得る。
任意の照射源の潜在的に可能な実施形態については、WO2012/110924A1を参照することができる。さらに、他の実施形態が可能である。物体から出る光は、物体自体から発生することもできるが、任意で別の原点を有し、この原点から物体まで、続いて横方向及び/又は縦方向光センサに向かって伝播することができる。後者の場合は、例えば、使用されている少なくとも1つの照射源によって行われる。この照射源は、例えば、周囲照射源であるか、又はそれを含むことができ、及び/又は、人工照射源であるか、又はそれを含むことができる。例として、検出器自体は、少なくとも1つの照射源、例えば少なくとも1つのレーザ及び/又は少なくとも1つの白熱灯及び/又は少なくとも1つの半導体照射源、例えば少なくとも1つの発光ダイオード、特に有機及び/又は無機発光ダイオードを含むことができる。それらの一般的に定義されたビームプロファイル及び取り扱い性の他の特性のために、照射源又はその一部としての1つ以上のレーザの使用が特に好ましい。照射源自体は、検出器の構成部分であり得るか、又は検出器とは独立して形成することができる。照射源は、特に検出器、例えば検出器のハウジングに一体化され得る。代替的又は追加的に、少なくとも1つの照射源はまた、少なくとも1つのビーコン装置、又は1つ以上のビーコン装置、及び/又は物体に一体化され得るか、又は物体に接続又は空間的に結合され得る。
1つ以上の任意のビーコン装置から出る光は、したがって、前記光がそれぞれのビーコン装置自体から発生するという選択の代わりにまたはこれに加えて、照射源から出ることができ、及び/又は照射源によって励起されることができる。例として、ビーコン装置から出る電磁光は、ビーコン装置自体によって放出され得、及び/又はビーコン装置によって反射され得、及び/又はそれが検出器に供給される前にビーコン装置によって散乱され得る。この場合、電磁放射の放出及び/又は散乱は、電磁放射のスペクトルに影響を与えることなく、又はそのような影響を伴って行うことができる。したがって、例として、波長シフトが、例えばストークス又はラマンに従って、散乱中に起こり得る。さらに、光の発光は、例えば、一次照射源、例えば物体又は物体の部分領域が励起されることによって、ルミネセンス、特に、リン光及び/又は蛍光を生成することができる。原則として、他の放出過程も可能である。反射が発生する場合、物体は、例えば少なくとも1つの反射領域、特に少なくとも1つの反射面を有することができる。前記反射面は、物体自体の一部であり得るが、例えば、物体に接続され又は空間的に結合された反射器、例えば、物体に接続された反射板であってもよい。少なくとも1つの反射器が使用される場合、それはまた、例えば検出器の他の構成部品とは独立に、物体に接続された検出器の一部と見なすこともできる。
ビーコン装置及び/又は少なくとも1つの任意の照射源は、一般的に、以下のうちの少なくとも1つで光を放出してもよい:紫外スペクトル範囲、好ましくは200nm〜380nmの範囲;可視スペクトル範囲(380nm〜780nm);赤外スペクトル範囲、好ましくは780nm〜3.0マイクロメートルの範囲、より好ましくはシリコンフォトダイオードが具体的に700nm〜1000nmの範囲で適用可能な近赤外領域の部分である。熱画像用途では、ターゲットは、遠赤外スペクトル範囲、より好ましくは3.0マイクロメートル〜20マイクロメートルの範囲の光を放出することができる。例えば、少なくとも1つの照射源は、可視スペクトル範囲、好ましくは500nm〜780nmの範囲、最も好ましくは650nm〜750nmの範囲、又は690nm〜700nmの範囲を放出するように適合されている。例えば、少なくとも1つの照射源は、赤外スペクトル範囲の光を放出するように適合されている。しかしながら、他の選択肢が可能である。
光ビームの光センサへの供給は、特に、例えば円形、楕円形、又は異なる形状の断面を有する光スポットが光センサの任意のセンサエリア上に生成されるように行うことができる。例として、検出器は、物体を検出することができる視覚範囲、特に立体角範囲及び/又は空間範囲を有することができる。好ましくは、転送装置は、光スポットが例えば検出器の視覚範囲内に配置された物体である場合に、光スポットが完全に光センサのセンサ領域上及び/又はセンサエリア上に配置されるように設計され得る。例として、この状態を確実にするために、センサエリアは対応するサイズを有するように選択され得る。
さらなる態様において、本発明は、特に、例えば上記に開示されたような、又は以下にさらに詳細に開示されるような検出器を参照する1つ以上の実施形態によるなどの、本発明による検出器のような検出器を用いることによって、少なくとも1つの物体の位置を決定するための方法を開示している。それでも、他のタイプの検出器を使用することができる。本発明の方法は、以下の方法ステップを含み、方法ステップは、所定の順序で実行されてもよいし、異なる順序で実行されてもよい。さらに、列挙されていない1つ以上の追加の方法ステップが存在してもよい。さらに、方法ステップの1つ、1つより多く、又は、すべてさえも、繰り返し実行されてもよい。
方法は、以下の方法ステップ:
― 波長依存及び角度依存の透過スペクトルを有する少なくとも1つのダイクロイックフィルタを提供するステップ;
― 少なくとも1つの光センサを提供するステップ、ここで、前記光センサは、少なくとも1つの感光エリアを有し、前記光センサは、前記ダイクロイックフィルタを通過した光ビームによるその感光エリアの照射に応答して、少なくとも1つのセンサ信号を生成するように設計されている;
― 前記ダイクロイックフィルタを通過した光ビームによって前記光センサの感光エリアを照射するステップであって、それによって、前記感光エリアは少なくとも1つセンサ信号を生成する;及び
― 少なくとも1つの第1波長を有する光ビームによる照射に応答して生成された第1のセンサ信号と、少なくとも1つの第2波長を有する光ビームによる照射に応答して生成された第2のセンサ信号とを決定するステップ;
― 信号成分を評価し、それによって前記物体の少なくとも1つの縦方向座標zを決定するステップであって、前記評価は、前記第1信号と前記第2信号の結合信号Λを導出すること、を含む。
詳細、選択肢及び定義については、上記のように検出器を参照することができる。したがって、具体的には、上で概説したように、この方法は、例えば、上記で与えられた、又は以下でさらに詳細に与えられる1つ以上の実施形態によるなどの、本発明による検出器を使用することを含むことができる。
本発明のさらなる態様において、上記で与えられた、又は以下でさらに詳細に与えられる1つ以上の実施形態による、本発明による検出器の使用は、交通技術における位置測定;娯楽用途;光データ保存用途;セキュリティ用途;監視用途;安全用途;ヒューマンマシーンインターフェイス用途;追跡用途;写真用途;撮像又はカメラ用途;少なくとも1つの空間マップを生成させるためのマッピング用途;車両用のホーミング又は追跡ビーコン検出器;マシーンビジョン用途;ロボット用途;品質管理用途;製造用途、からなる群から選択される使用目的のために提案される。
物体は、一般的に、生物であってもよく、又は、非生物であってもよい。検出器又は検出器システムは、少なくとも1つの物体を含んでいてもよく、それによって、物体は、検出器システムの一部を形成する。しかし、好ましくは、物体は、少なくとも1つの空間次元において、検出器から独立して移動することが可能である。物体は一般的に任意の物体であってもよい。一実施形態では、物体は剛体物体であってもよい。他の実施形態も可能であり、例えば、物体が非剛体物体である実施形態、又はその形状を変化させ得る物体など、他の実施形態が可能である。
以下にさらに詳細に概説するように、本発明は、具体的には、人の位置及び/又は人の動きを追跡するために、例えば、マシーンの制御、ゲーミング、又は、スポーツのシミュレーションなどの目的のために使用され得る。この実施形態又は他の実施形態では、具体的には、物体は、スポーツ用品、好ましくは、ラケット、クラブ、バットからなる群から選択される物品;衣料品;帽子;靴からなる群から選択され得る。
したがって、一般的に、検出器のような本発明による装置は、様々な分野に適用され得る。具体的には、検出器は、交通技術における位置測定;娯楽用途;セキュリティ用途;ヒューマンマシーンインターフェイス用途;追跡用途;写真用途;撮像又はカメラ用途;部屋、建物、及び街路からなる群から選択される少なくとも1つの空間など、少なくとも1つの空間マップを生成させるためのマッピング用途;モバイル用途;ウェブカム;オーディオデバイス;ドルビーサラウンドオーディオシステム;コンピュータ周辺デバイス;ゲーミング用途;カメラ又はビデオの用途;セキュリティ用途;監視用途;自動車用途;輸送用途;医療用途;スポーツ用途;マシーンビジョン用途;車両用途;飛行機用途;船舶用途;宇宙船用途;建物用途;建築用途;地図製作用途;製造用途、からなる群から選択される使用目的が適用され得る。追加的に又は代替的に、ローカル及び/又はグローバル測位システムにおける用途も挙げることが可能であり、特に、ランドマークを基礎とする測位及び/又はナビゲーション、具体的には、車又は他の車両(例えば、列車、オートバイ、自転車、貨物輸送用トラックなど)、ロボットでの使用、又は、歩行者による使用を挙げることが可能である。さらに、屋内測位システムは、例えば、家庭内用途、及び/又は、製造、輸送、監視又はメンテナンス技術において使用されるロボットなどの潜在的な用途として挙げられ得る。
本発明による装置は、携帯電話、タブレットコンピュータ、ラップトップコンピュータ、スマートパネル、又は、他の据置型又はモバイル型又はウェアラブル型のコンピュータ、又は通信の用途において使用され得る。したがって、本発明による装置は、性能を向上させるために、例えば、可視範囲又は赤外スペクトル範囲の光を放出する光源など、少なくとも1つの活性光源と組み合わせられ得る。したがって、例として、本発明による装置は、例えば、環境、物体、及び生物を走査及び/又は検出するためのモバイルソフトウェアと組み合わせるなど、カメラ及び/又はセンサとして使用され得る。本発明による装置は、画像化効果を高めるために、2Dカメラ、例えば従来のカメラと組み合わせられ得る。本発明による装置は、さらに、監視のために、及び/又は、記録目的のために、又は、特に、音声及び/又は、ジェスチャ認識と組み合わせて、モバイル装置を制御するための入力装置として使用され得る。したがって、具体的には、入力装置とも呼ばれる、ヒューマンマシーンインターフェイスとして機能する本発明による装置は、モバイル用途、例えば、携帯電話などのモバイル装置を介して、他の電子装置又は構成要素を制御するためなどのために使用され得る。例として、本発明による少なくとも1つの装置を含むモバイル用途は、テレビジョンセット、ゲームコンソール、音楽プレーヤもしくは音楽装置、又は、他の娯楽装置を制御するために使用され得る。
本発明のさらなる用途及び用途については、WO2018/091649A1、WO2018/091638A1及びWO2018/091640A1を参照することができ、これらの内容は参照により包含される。
評価装置は、1つ以上の特定用途向け集積回路(ASIC)などの1つ以上の集積回路、及び/又は1つ以上コンピュータ、好ましくは1つ以上のマイクロコンピュータ、及び/又はマイクロコントローラ、フィールドコンパイラアレイ、又はデジタルシグナルプロセッサでなど、1つ以上のデータ処理装置であってもよいし、又はこれらを含んでいてもよい。付加的な構成要素、例えば1つ以上のAD変換器及び/又は1つ以上のフィルタなど、例えばセンサ信号を受信及び/又は前処理するための1つ以上装置など、例えば1つ以上の処理装置、及び/又はデータ収集装置が含まれてもよい。さらに、評価装置は、電流及び/又は電圧を測定するための1つ以上の測定装置など、1つ以上の測定装置を備えてもよい。さらに、評価装置は1つ以上のデータ保存装置を含んでもよい。さらに、評価装置は、1つ以上のインターフェイス、例えば1つ以上の無線インターフェイス及び/又は1つ以上の有線インターフェイスを含んでもよい。
少なくとも1つの評価装置は、少なくとも1つのコンピュータプログラムなど、例えば、本発明による方法の1つ以上又は全ての方法ステップを実行又は支持するように適合された少なくとも1つのコンピュータプログラムを実行するように適合されてもよい。一例として、センサ信号を入力変数として使用することによって、物体の位置を決定することができる1つ以上のアルゴリズムを実装することができる。
評価装置は、光センサによって及び/又は評価装置によって得られる情報など、情報を表示すること、視覚化すること、分析すること、配布すること、通信すること、又は、さらに処理することのうちの1つ以上のために使用され得る少なくとも1つのさらなるデータ処理装置に接続されてもよいか、又は、それを含んでよい。データ処理装置は、例として、ディスプレイ、プロジェクタ、モニタ、LCD、TFT、ラウドスピーカ、マルチチャネルサウンドシステム、LEDパターン、又は、さらなる視覚化装置うちの少なくとも1つに接続され、又は、それを一体化することができる。Eメール、テキストメッセージ、電話、Bluetooth(登録商標)、Wi−Fi、赤外線又はインターネットのインターフェイス、ポート又は接続部のうちの1つ以上を使用して、暗号化された情報又は暗号化されていない情報を送ることができる、通信装置又は通信インターフェイス、コネクタ又はポートのうちの少なくとも1つにさらに接続され、又は、それを一体化することができる。さらに、プロセッサ、グラフィックプロセッサ、CPU、Open Multimedia Applications Platform(OMAP(商標))、集積回路、Apple Aシリーズ又はSamsung S3C2シリーズの製品、マイクロコントローラ、又はマイクロプロセッサなどのようなシステム−オン−チップ、1つ以上のメモリブロック、例えば、ROM、RAM、EEPROM、又はフラッシュメモリなど、タイミングソース、例えば、発振器もしくは位相同期ループ、カウンタタイマ、リアルタイムタイマ、又はパワーオン−リセット−ジェネレーターなど、電圧調整器、電力管理回路、又はDMAコントローラのうちの少なくとも1つにさらに接続され、又は、それを一体化することができる。個々のユニットは、AMBAバスなどのバスによって、さらに接続されてもよいし、モノのインターネット又はインダストリー4.0タイプのネットワークに統合されてもよい。
評価装置及び/又はデータ処理装置は、例えば、1つ以上のシリアル又はパラレルのインターフェイス又はポート、USB、Centronics Port、FireWire(登録商標)、HDMI(登録商標)、イーサネット(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、RFID、Wi−Fi、USART、もしくはSPIなどの外部インターフェイス又はポート、あるいは、例えば、1つ以上の、ADC又は、DACなどのアナログインターフェイス又はポート、あるいは、例えばCameraLinkのようなRGBインターフェイスを使用する2Dカメラ装置のようなさらなる装置への標準化されたインターフェイスもしくはポートによって接続されるか、又はそれらを有することができる。さらに、評価装置及び/又はデータ処理装置は、プロセッサインターフェイスもしくはポート、FPGA−FPGA−インターフェイス、又は、シリアルもしくはパラレルインターフェイスポートのうちの1つ以上によって接続されてもよい。評価装置及びデータ処理装置は、さらに、光ディスクドライブ、CD−RWドライブ、DVD+RWドライブ、フラッシュドライブ、メモリカード、ディスクドライブ、ハードディスクドライブ、ソリッドステートディスク、又はソリッドステートハードディスクのうちの1つ以上に接続されてよい。
評価装置及び/又はデータ処理装置は、例えば、フォンコネクタ、RCAコネクタ、VGAコネクタ、雄雌同体コネクタ、USBコネクタ、HDMI(登録商標)コネクタ、8P8Cコネクタ、BCNコネクタ、IEC60320 C14コネクタ、光ファイバコネクタ、Dサブミニチュアコネクタ、RFコネクタ、同軸コネクタ、SCARTコネクタ、XLRコネクタのうちの1つ以上の外部コネクタによって接続されるか、又はそれらを有することができ、及び/又は、これらのコネクタのうちの1つ以上のための少なくとも1つの適切なソケットを一体化してもよい。
本発明による1つ以上の検出器を一体化させた単一の装置の可能な実施形態、例えば光センサ、光学システム、評価装置、通信装置、データ処理装置、インターフェイス、システム−オン−チップ、ディスプレイ装置、又はさらなる電子装置のうちの1つ以上を一体化するなどの、評価装置又はデータ処理装置は、携帯電話、パーソナルコンピュータ、タブレットPC、テレビジョン、ゲームコンソール、又は、さらなる娯楽装置である。さらなる実施形態では、以下でさらに詳細に説明する3Dカメラ機能は、装置のハウジング又は外観に顕著な相違なしに、従来の2Dデジタルカメラで利用可能な装置の中に一体化することができ、ユーザにとっての顕著な相違は、3D情報を取得及び/又は処理する機能のみである。さらに本発明による装置は、360度デジタルカメラ又はサラウンドビューカメラに使用することができる。
具体的には、評価装置及び/又はデータ処理装置などの検出器及び/又はその一部を一体化した実施形態は、検出器、及び/又は評価装置などの検出器の一部、及び/又はデータ処理装置を組み込んだ実施形態は、3Dカメラの機能のための、ディスプレイ装置を一体化した携帯電話、データ処理装置、光センサ、任意にセンサ光学系、及び評価装置であり得る。本発明による検出器は、具体的には、娯楽装置及び/又は携帯電話のような通信装置の中に一体化するのに適切であり得る。
上述したように、ヒューマンマシーンインターフェイスは、ユーザに直接又は間接的に取り付けられ、ユーザによって保持される少なくとも1つであるように適合された複数のビーコン装置を含むことができる。したがって、ビーコン装置の各々は、適切な固定装置のような任意の適切な手段によってユーザに独立して取り付けることができる。追加的又は代替的に、ユーザは、少なくとも1つのビーコン装置又は1つ以上のビーコン装置を手に持って、及び/又は、少なくとも1つのビーコン装置及び/又はビーコン装置を含む衣服を身体部分に着用することによって、保持及び/又は携帯することができる。
ビーコン装置は一般に、少なくとも1つの検出器によって検出され得る任意の装置、及び/又は、少なくとも1つの検出器によって検出を容易にする任意の装置であり得る。したがって、上記で概説したように、又は以下でさらに概説するように、ビーコン装置は、例えば、少なくとも1つの光ビームを生成するための1つ以上の照射源を有することによって、検出器によって検出される少なくとも1つの光ビームを生成するように適合される能動型ビーコン装置であり得る。追加的に代替的に、ビーコン装置は、例えば、別個の照射源によって生成された光ビームを反射するように適合された1つ以上の反射要素を提供することによって、完全に又は部分的に受動型ビーコン装置として設計されてもよい。少なくとも1つのビーコン装置は、直接的又は間接的な方法で恒久的又は一時的にユーザに取り付けてもよく、及び/又はユーザによって携帯又は保持されてもよい。取り付けは、例えば、1つ以上の取り付け手段を使用することによって、及び/又はユーザ自身により、例えばユーザが少なくとも1つのビーコン装置を手で保持することにより、及び/又はユーザがビーコン装置を着用することによって行われてよい。
追加的に又は代替的に、ビーコン装置は、物体に取り付けられたもの、及びユーザによって保持されている物体に一体化されたもの少なくとも1つであり、これは、本発明の意味において、ビーコン装置を保持しているユーザの選択肢という意味に含まれるべきである。したがって、以下にさらに詳細に概説されるように、ビーコン装置は、ヒューマンマシーンインターフェイスの一部であってよく、及びユーザによって保持又は携帯されてよく、その方向付けは、検出器装置によって認識され得る制御要素に取り付けられても、又は一体化されてもよい。したがって、一般に、本発明は、また本発明による少なくとも1つの検出器装置を含み、さらに少なくとも1つの物体を含み得る検出器システムにも言及し、ビーコン装置は、物体に取り付けられ、物体によって保持され、物体に一体化されたものうち、少なくとも1つである。一例として、物体は好ましくは制御要素を形成してもよく、その方向付けはユーザによって認識され得る。したがって、検出器システムは、上で概説したように、又は以下でさらに詳細に概説するように、ヒューマンマシーンインターフェイスの一部であってよい。一例として、ユーザは、1つ以上の情報をマシーンに伝送するため、例えば、1つ以上のコマンドをマシーンに伝送するために特定の方法で制御要素を処理することができる。
代替的に、検出器システムは、他の方法で使用されてもよい。したがって、例として、検出器システムの物体は、ユーザ、又は、ユーザの身体の一部とは異なってもよく、また、例として、ユーザから独立して動く物体であってもよい。例えば、検出器システムは、製造工程及び/又はロボット工学工程など、装置を制御するために及び/又は工業工程を制御するために使用されてもよい。したがって、例えば、物体は、マシーン及び/又はロボットアームなどのマシーン部品であり、その方向付けは検出器システムを使用することによって検出され得る。
ヒューマンマシーンインターフェイスは、検出器装置が、ユーザの位置、又は、ユーザの少なくとも1つの身体部分の位置に関する少なくとも1つの情報項目を生成させるように適合されてもよい。具体的には、少なくとも1つのビーコン装置をユーザへ取り付ける態様が既知である場合、少なくとも1つのビーコン装置の位置を評価することによって、ユーザ又はユーザの身体部分の位置及び/又は方向付けに関する少なくとも1つの情報項目を取得することができる。
ビーコン装置は、好ましくは、ユーザの身体又はユーザの身体部分に取り付け可能なビーコン装置、及びユーザが保持し得るビーコン装置の1つである。上記に概説されているように、ビーコン装置は、完全に又は部分的に能動型ビーコン装置として設計されてもよい。したがって、ビーコン装置は、検出器へと伝送される少なくとも1つの光ビーム、好ましくはビーム特性が既知である少なくとも1つの光ビームを生成するように適合された少なくとも1つの照射源を含むことができる。追加的又は代替的に、ビーコン装置は、照射源により生成される光を反射するように適合された少なくとも1つの反射体を含むことにより、検出器へと伝送される反射光ビームが生成される。
検出器システムの一部を形成し得る物体は、一般的に任意の形状を有し得る。好ましくは、検出器システムの一部である物体は、例えば手動などでユーザによって取り扱われ得る制御要素であってもよい。一例として制御要素は、手袋、ジャケット、帽子、靴、ズボン及びスーツ、手で保持できる杖、バット、クラブ、ラケット、鞭、トイガンのような玩具からなる群から選択される少なくとも1つの要素であるか、又はそれを含んでもよい。したがって、一例として、検出器システムは、ヒューマンマシーンインターフェイス及び/又は娯楽装置の一部であってもよい。
本明細書で使用される場合、「娯楽装置」は、以下では1人以上のプレーヤともいう、1人以上のユーザのレジャー及び/又は娯楽の目的を果たすことができる装置である。一例として、娯楽装置はゲーミングの目的、好ましくはコンピュータゲーミングの目的に役立ち得る。したがって、娯楽装置は、コンピュータ、コンピュータネットワーク、又はコンピュータシステムの中へ実装され、又は、1つ以上のゲーミングソフトウェアプログラムを実行するコンピュータ、コンピュータネットワーク又はコンピュータシステムを含んでもよい。
娯楽装置は、例えば上記にて開示されている1つ以上の実施形態及び/又は以下にて開示される1つ以上の実施形態によるなど、本発明による少なくとも1つのヒューマンマシーンインターフェイスを含む。娯楽装置は、少なくとも1つの情報項目がヒューマンマシーンインターフェイスを用いてプレーヤによって入力されることを可能にするように設計されている。少なくとも1つの情報項目は、娯楽装置のコントローラ及び/もしくはコンピュータに伝送されてもよく、及び/又は、これらによって使用され得る。少なくとも1つの情報項目は、好ましくは、ゲームの進行に影響を与えるように適合された少なくとも1つのコマンドを含み得る。したがって、例として、少なくとも1つの情報項目は、プレーヤ及び/又はプレーヤの一部以上の身体部分の少なくとも一部の方向付けに関する少なくとも1項目の情報を含むことが可能であり、それによって、プレーヤがゲーミングのために必要とされる特定の位置及び/又は方向付け及び/又は行動をシミュレートすることを可能にする。例として、以下の動き、すなわち、ダンス;ランニング;ジャンプ;ラケットのスイング;バットのスイング;クラブのスイング;ある物体から別の物体へ向けること、例えば、トイガンを標的に向けることなどのうちの1つ以上が、シミュレートされ、また、娯楽装置のコントローラ及び/又はコンピュータに伝達され得る。
娯楽装置の一部として又は全体として、好ましくは、娯楽装置のコントローラ及び/又はコンピュータは、情報に応じて娯楽機能を変更させるように設計されている。したがって、上述したように、ゲームの進行は、少なくとも1つの情報項目に応じて影響を受ける可能性がある。したがって、娯楽装置は、少なくとも1つの検出器の評価装置とは別個のものであってもよく、及び/又は、少なくとも1つの評価装置と完全に又は部分的に同一であり得るか、又は少なくとも1つの評価装置を含むことさえあり得る、1つ以上のコントローラを含み得る。好ましくは、少なくとも1つのコントローラは、1つ以上のコンピュータ及び/又はマイクロコントローラなどの、1つ以上のデータ処理装置を含むことが可能である。
さらに本明細書で使用される場合、「追跡システム」は、少なくとも1つの物体及び/又は物体の少なくとも一部における、一連の過去の位置に関する情報を収集するように適合される装置である。付加的に、追跡システムは、少なくとも1つの物体又は物体の少なくとも一部について予測される少なくとも1つの将来の位置及び/又は方向付けに関する情報を提供するように適合されてよい。追跡システムは少なくとも1つの追跡コントローラを有し、該少なくとも1つの追跡コントローラは、電子装置として、好ましくは少なくとも1つのデータ処理装置として、より好ましくは少なくとも1つのコンピュータ又はマイクロコントローラとして完全に又は部分的に具現化することができる。繰り返しになるが、少なくとも1つの追跡コントローラは少なくとも1つの評価装置を完全に又は部分的に備えてもよく、及び/又は少なくとも1つの評価装置の一部であってもよく、及び/又は完全に又は部分的に少なくとも1つの評価装置と同一であってもよい。
追跡システムは、例えば上記に挙げた1つ以上の実施形態において開示されているような、及び/又は下記の1つ以上の実施形態において開示されているような、少なくとも1つの検出器など、本発明による少なくとも1つの検出器を含む。追跡システムはさらに、少なくとも1つの追跡コントローラを含む。追跡コントローラは、特定の時点での物体の一連の位置を、例えば、データ又はデータ対のグループ、少なくとも1つの位置情報及び少なくとも1つの時間情報を含んでいるデータ又はデータ対の各グループを記録することによって、追跡するように適合されている。
追跡システムはさらに、本発明による少なくとも1つの検出器システムを含んでもよい。したがって、少なくとも1つの検出器及び少なくとも1つの評価装置及び任意の少なくとも1つのビーコン装置に加えて、追跡システムは、物体自体又はその一部、例えば、ビーコン装置を含む少なくとも1つの制御要素、又はビーコン装置を含むことができ、該制御要素は、追跡される物体に直接又は間接的に取り付け可能又は一体化可能である。
追跡システムは、追跡システム自体、及び/又は1つ以上の別個の装置における1つ以上の動作を開始するように適合され得る。後者の目的に関して、追跡システム、好ましくは、追跡コントローラは、少なくとも1つの動作を開始するための1つ以上の無線及び/又は有線接続インターフェイス及び/又は他のタイプの制御接続を有していてもよい。好ましくは、少なくとも1つの追跡コントローラは、物体の少なくとも1つの実際の位置にしたがって少なくとも1つの動作を開始するように適合され得る。一例として、動作は、物体の将来の位置を予測すること;少なくとも1つの装置を物体に向けること;少なくとも1つの装置を検出器に向けること;物体を照射すること;検出器を照射すること、からなる群から選択され得る。
追跡システムの用途の一例として、追跡システムは、第1物体及び/又は第2物体が動いても、少なくとも1つの第1物体を少なくとも1つの第2物体に連続的に向けるために使用されてもよい。同じく潜在的な例は、ロボット工学など産業用途、および/または製造ラインもしくは組み立てラインにおける製造途中など、たとえ物品が移動中であっても物品に対する作業を継続する目的に見出すことができる。追加的に又は代替的に、追跡システムは、例えば物体が移動しているかもしれないにもかかわらず、物体に対して照射源を連続的に向けることによって、物体を連続的に照射するために使用され得る。さらなる用途は、通信システムにおいて、例えば、移動中の物体に対して送信機を向けることによって、移動中の物体に情報を連続的に伝送するための通信システムにおいて見出すことができる。
提案された装置及び方法は、この種の既知の検出器よりも多くの利点を提供する。したがって、検出器は一般に、上記で開示された既知の従来技術システムの欠点を回避することができる。具体的には、装置及び方法は、シリコンフォトダイオードのような簡単で安価な市販の半導体センサを使用することを可能にする。
全体として、本発明の文脈において、以下の実施形態が好ましいとみなされる。
実施形態1: 少なくとも1つの物体の位置を決定するための検出器であって、
― 少なくとも1つのダイクロイックフィルタと;
― 少なくとも1つの光センサであって、前記光センサは少なくとも1つの感光エリアを有し、前記光センサは、前記ダイクロイックフィルタを通過した光ビームによるその感光エリアの照射に応答して、少なくとも1つのセンサ信号を生成するように設計されている、少なくとも1つの光センサと;
― 少なくとも1つの第1波長を有する前記光ビームによる照射に応答して生成された第1のセンサ信号と、少なくとも1つの第2波長を有する前記光ビームによる照射に応答して生成された第2のセンサ信号とを決定するように構成された少なくとも1つの評価装置であって、前記第1及び第2のセンサ信号からの結合信号Λを評価することによって前記物体の少なくとも1つの縦方向座標zを決定するように構成された評価装置と、
を有する検出器。
実施形態2: 前記ダイクロイックフィルタが、波長依存性及び角度依存性の透過スペクトルを有し、前記ダイクロイックフィルタが、5nm/30°から100nm/30°まで、好ましくは7nm/30°から80nm/30°まで、より好ましくは9nm/30°から50nm/30°までの角度依存性を有する、先行する実施形態による検出器。
実施形態3: 前記検出器は、少なくとも2つの異なる波長を有する少なくとも1つの光ビームで前記物体を照射するように構成された照射源をさらに有する、先行する実施形態のいずれか1つによる検出器。
実施形態4: 前記検出器は、前記物体から前記検出器に伝播する少なくとも1つの入射光ビームに応答して、少なくとも1つの焦点距離を有する少なくとも1つの転送装置を含む、先行する実施形態のいずれか1つによる検出器。
実施形態5: 前記評価装置は、前記縦方向座標を決定するために、前記結合信号Λと前記縦方向座標との間の少なくとも1つの所定の関係を使用するように構成されている、先行する実施形態のいずれか1つによる検出器。
実施形態6: 前記評価装置は、前記第1及び第2のセンサ信号を除算すること、前記第1及び第2のセンサ信号の倍数を除算すること、前記第1及び第2のセンサ信号の線形結合を除算することのうちの1つ以上によって、前記結合信号Λを導出するように構成されている、先行する実施形態のいずれか1つによる検出器。
実施形態7: 前記評価装置は、前記第1のセンサ信号の第1放射強度及び前記第2のセンサ信号の第2放射強度を決定するように構成され、前記評価装置は、前記合成信号Λを導出するために前記第1放射強度及び前記第2放射強度の比を決定するように構成されている、先行する実施形態のいずれか1つによる検出器。
実施形態8: 前記検出器は、少なくとも2つの光センサを有し、前記光センサは、バイセル、分割電極PSD又は象限ダイオードの部分ダイオードである、先行する実施形態のいずれか1つによる検出器。
実施形態9: 前記検出器は少なくとも2つの光センサを有し、前記光センサは少なくとも1つのCMOSセンサを有する、先行する実施形態のいずれか1つによる検出器。
実施形態10: 前記検出器は、少なくとも2つの光センサを有し、前記光センサの各々は、少なくとも1つの感光エリアを有し、前記光センサの各々は、前記ダイクロイックフィルタを通過した光ビームによるそれぞれの感光エリアの照射に応答して、少なくとも1つのセンサ信号を生成するように設計され、前記光センサの少なくとも1つは第1のDPRセンサ信号を生成するように構成され、前記光センサの少なくとも1つは第2のDPRセンサ信号を生成するように構成され、前記評価装置は、前記第1及び第2のDPRセンサ信号からの結合DPR信号Qを評価することにより、前記物体の縦方向座標zDPRを決定するように構成されている、先行する実施形態のいずれか1つによる検出器。
実施形態11: 前記評価装置は、以下の数式6によって前記結合DPR信号Qを導出するように構成される。
ここで、x及びyは横方向座標であり、A1は前記ダイクロイックフィルタを通過した前記光ビームの前記光センサのセンサ位置におけるビームプロファイルの第1エリアであり、A2は前記ダイクロイックフィルタを通過した前記光ビームの前記光センサのセンサ位置におけるビームプロファイルの第2エリアであり、E(x,y,z)は物体距離zで与えられるビームプロファイルを示す、先行する3つの実施形態のいずれか1つによる検出器。
Figure 2021533356
実施形態12: 前記第1のDPRセンサ信号は前記ビームプロファイルの前記第1エリアの情報を含み、前記第2のDPRセンサ信号は前記ビームプロファイルの前記第2エリアの情報を含み、前記ビームプロファイルの前記第1エリア及び前記ビームプロファイルの前記第2エリアは、隣接する領域又は重なり合う領域のうちの一方又は両方である、先行する実施形態による検出器。
実施形態13: 前記第1エリアと前記第2エリアの一方が前記ビームプロファイルの実質的なエッジ情報を有し、前記第1エリアと前記第2エリアの他方が前記ビームプロファイルの実質的な中心情報を有し、前記評価装置は、前記エッジ情報と前記中心情報を除算すること、前記エッジ情報と前記中心情報の倍数を除算すること、前記エッジ情報と前記中心情報の線形結合を除算すること、のうちの1つ以上によって、前記結合DPR信号Qを導出するように構成されている、先行する2つの実施形態のいずれか1つによる検出器。
実施形態14: 前記光ビームの第1波長と第2波長は異なり、前記波長間の差、特にピーク間の差が、少なくとも1nm、好ましくは少なくとも10nm、より好ましくは少なくとも50nmである、先行する2つの実施形態のいずれか1つによる検出器。
実施形態15: 少なくとも1つの物体の位置を決定するための検出器システムであって、前記検出器システムは、前記先行する実施形態のいずれか1つによる少なくとも1つの検出器を有し、前記検出器システムはさらに、少なくとも1つの光ビームを前記検出器に向けるように適合された少なくとも1つのビーコン装置を含み、前記ビーコン装置は、前記物体に取り付け可能、前記物体によって保持可能、前記物体に一体化可能、のうちの少なくとも1つである、検出器システム。
実施形態16: ユーザとマシーンとの間で少なくとも1つの情報の項目を交換するためのヒューマンマシーンインターフェイスであって、前記ヒューマンマシーンインターフェイスは、先行する実施形態による少なくとも1つの検出器システムを含み、前記少なくとも1つのビーコン装置は、ユーザに直接又は間接的に取り付けられるもの、及びユーザによって保持されるもの、のうちの少なくとも1つに適合され、前記ヒューマンマシーンインターフェイスは、前記検出器システムによって前記ユーザの少なくとも1つの位置を決定するように設計され、前記ヒューマンマシーンインターフェイスは、少なくとも1つの情報項目を前記位置に割り当てるように設計されている、ヒューマンマシーンインターフェイス。
実施形態17: 少なくとも1つの娯楽機能を実行するための娯楽装置であって、前記娯楽装置は、先行する実施形態による少なくとも1つのヒューマンマシーンインターフェイスを有し、前記娯楽装置は、前記ヒューマンマシーンインターフェイスによってプレーヤによって少なくとも1つの情報項目が入力されることを可能にするように設計され、前記娯楽装置は、前記情報に応じて娯楽機能を変化させるように設計されている、娯楽装置。
実施形態18:少なくとも1つの可動物体の位置を追跡するための追跡システムであって、前記追跡システムは、検出器システムを参照する先行する実施形態のいずれか1つによる少なくとも1つの検出器システムを有し、前記追跡システムはさらに、少なくとも1つの追跡コントローラを有し、前記追跡コントローラは、特定の時点における前記物体の一連の位置を追跡するように適合されている、追跡システム。
実施形態19: 情景の深度プロファイルを決定するための走査システムであって、前記走査システムは、検出器を参照する先行する実施形態のいずれか1つによる少なくとも1つの検出器を含み、前記走査システムはさらに、少なくとも1つの光ビームによって前記情景を走査するように適合された少なくとも1つの照射源をさらに含む、走査システム。
実施形態20: 少なくとも1つの物体を撮像するためのカメラであって、前記カメラは、検出器を参照する先行する実施形態のいずれか1つによる少なくとも1つの検出器を有する、カメラ。
実施形態21: 光記憶媒体のための読み出し装置であって、検出器を参照する先行する実施形態のいずれか1つによる少なくとも1つの検出器を有する、読み出し装置。
実施形態22: 少なくとも1つの物体の位置を決定するための方法であって、以下のステップ:
― 少なくとも1つのダイクロイックフィルタを提供するステップ;
― 少なくとも1つの光センサを提供するステップであって、前記光センサは、少なくとも1つの感光エリアを有し、前記光センサは、前記ダイクロイックフィルタを通過した光ビームによるその感光エリアの照射に応答して、少なくとも1つのセンサ信号を生成するように設計されている;
― 前記ダイクロイックフィルタを通過した前記光ビームによって前記光センサの感光エリアを照射するステップであって、それによって、前記感光エリアは少なくとも1つセンサ信号を生成する;及び
― 少なくとも1つの第1波長を有する前記光ビームによる照射に応答して生成された第1のセンサ信号と、少なくとも1つの第2波長を有する前記光ビームによる照射に応答して生成された第2のセンサ信号とを決定するステップ;
― 前記第1のセンサ信号と前記第2のセンサ信号を評価し、それによって前記物体の少なくとも1つの縦方向座標zを決定するステップであって、前記評価は、前記第1信号と前記第2信号の結合信号Λを導出することを含むこと、
を有する方法。
実施形態23: 検出器を参照する先行する実施形態のいずれか1つによる前記検出器の使用であって、交通技術における位置測定;娯楽用途;光データ保存用途;セキュリティ用途;監視用途;安全用途;ヒューマンマシーンインターフェイス用途;物流用途;内視鏡用途;医療用途;追跡用途;写真用途;マシーンビジョン用途;ロボット用途;品質管理用途;3D印刷用途;拡張現実用途;製造用途;光学データ保存及び読み出しと組み合わせた使用;からなる群から選択される使用目的のための前記検出器の使用。
本発明のさらなる任意の詳細及び特徴は、従属請求項と関連して続く好ましい例示的な実施形態の説明から明らかである。この文脈では、特定の特徴は、単独方式で実施されてもよいし、他の特徴と組み合わせて実施されてもよい。本発明は、例示的な実施形態に限定されない。例示的な実施形態は、図に模式的に示されている。個々の図における同一の参照数字は、同一の要素又は同一の機能を有する要素、又はその機能に関して互いに対応する要素を指す。
具体的には、図の中では:
本発明による検出器の例示的な実施形態を示す図である。 本発明によるダイクロイックフィルタの透過スペクトルを示す図である。 異なる距離とLED電圧の正規化された信号比の実験結果を示す図である。 測定された距離対実際の距離の実験結果を示す図である。 本発明による検知器、検知器システム、ヒューマンマシーンインターフェイス、娯楽装置、追跡システム、走査システム、及びカメラの例示的な実施形態を示す図である。
実施形態の詳細な説明
図1において、少なくとも1つの物体112の位置を決定するための検出器110の例示的な実施形態の概略図が示されている。図1において、物体112は、2つの異なる物体距離について示されている。検出器110は、少なくとも1つの感光エリア116を有する少なくとも1つの光センサ114を有している。物体112は、少なくとも1つのビーコン装置118を有してよく、ビーコン装置118から、入射光ビームとも称される光ビーム120が検出器110に向かって伝播する。追加的又は代替的に、検出器は、ここでは図示しないが、物体112を照射するための少なくとも1つの照射源122を有してよい。一例として、照射源120は、物体112を照射するための照射光ビームを生成するように構成されてよい。具体的には、照射源120は、少なくとも1つのレーザ及び/又はレーザ源を有してよい。様々なタイプのレーザ、例えば半導体レーザが採用されてよい。追加的又は代替的に、LED及び/又は電球などの非レーザ光源が採用されてもよい。照射源120は、人工照射源、特に、少なくとも1つのレーザ源及び/又は少なくとも1つの白熱灯及び/又は少なくとも1つの半導体光源、例えば、少なくとも1つの発光ダイオード、特に、有機及び/又は無機発光ダイオードを含んでもよい。一例として、照射源120によって放出される光は、300〜1000nm、特に500〜1000nmの波長を有してよい。追加的又は代替的に、赤外スペクトル領域、例えば780nm〜3.0μmの範囲の光を用いてもよい。具体的には、シリコンフォトダイオードが適用可能な近赤外領域の部分、具体的には700nm〜1000nmの範囲の光を用いてよい。さらに、照射源120は、変調光を発光又は非変調光を発光するように構成されてよい。複数の照射源120が使用される場合、異なる照射源は、後に光ビームを区別するために使用され得る異なる変調周波数を有してよい。
照射源120は、少なくとも2つの異なる波長を有する少なくとも1つの光ビームで物体を照射するように構成されてよい。例えば、照射源120は、少なくとも2つの光源を有してよく、第1光源は、第1波長を有する少なくとも1つの光ビームを生成するように構成されてよく、第2光源は、第1波長と異なる第2波長を有する少なくとも1つの光ビームを生成するように構成されてよい。例えば、照射源120は、少なくとも1つの多波長光源を有してよい。照射源120は、異なる波長を有する光ビームを選択的に生成するように構成された少なくとも1つのフィルタ要素を含んでよい。照射源120は、第1の波長を有する光ビームと、異なる周波数を有する第2の波長を有する光ビームとをパルス生成するように構成されてよい。
光ビーム120は、一例として、検出器110の光軸124に沿って伝播してよい。しかしながら、他の実施形態が実現可能である。感光エリア116は、物体112に向けて配向されてよい。光検出器110は、特にビーム整形のための少なくとも1つのレンズ又はレンズシステムなどの少なくとも1つの転送装置126を含んでよい。転送装置126は、物体112から検出器110に伝播する入射光ビーム120に応じて少なくとも1つの焦点距離を有する。転送装置126は、光軸128を有してよく、転送装置126と光センサ114は、好ましくは共通の光軸を有してよい。転送装置126は、座標系を構成してよい。光軸124,128に平行又は逆平行な方向は、縦方向として定義されてよく、光軸124,128に垂直な方向は、横方向として定義されてよく、縦方向座標zは、光軸124,128に沿った座標であり、dは、光軸124,128からの空間的オフセットである。その結果、光ビーム120は、例えば1つ以上の焦点に集束され、光ビーム120のビーム幅は、物体112の縦方向座標z、例えば検出器110とビーコン装置118及び/又は物体112の間の距離に依存してよい。光センサ114は、オフフォーカスに配置されてもよい。
検出器110は、少なくとも1つのダイクロイックフィルタ130を有している。ダイクロイックフィルタ130は、高い角度依存性を有する干渉フィルタであってよい。ダイクロイックフィルタは、5nm/30°から100nm/30°まで、好ましくは7nm/30°から80nm/30°まで、より好ましくは9nm/30°から50nm/30°までの角度依存性を有してよい。ダイクロイックフィルタは、波長依存性及び角度依存性の透過スペクトルを有してよい。第1の面、例えばダイクロイックフィルタ130の表面に衝突する電磁波は、ダイクロイックフィルタの特性に応じて、部分的に、吸収及び/又は反射及び/又は透過してよい。ダイクロイックフィルタ130は、第1の波長を有する光、特に光ビーム120のうちの該光をダイクロイックフィルタ130を通過させ、第2の波長を有する光、特に光ビーム120のうちの該光がフィルタリングされるように、第2の波長を有する光を反射するように構成されてよい。非透過波長は、大部分がフィルタリングされてよい。
ダイクロイックフィルタ130は、角度依存性の透過スペクトルを有してよい。ダイクロイックフィルタ130の透過率は、入射光ビーム120がダイクロイックフィルタ130に衝突する入射角に依存してよい。例えば、透過率は、物体112から検出器110に向かって伝播する入射光ビーム120がダイクロイックフィルタ130に衝突する入射角に依存してよい。入射角は、ダイクロイックフィルタ130の光軸132に関して測定されてよい。ダイクロイックフィルタ130は、少なくとも1つの転送装置126の後に伝播方向に配置されてよい。転送装置126は、距離依存性の角度依存性を増大させてよい。ダイクロイックフィルタ130及び転送装置126は、物体112から検出器110に伝播する光ビーム120が、ダイクロイックフィルタ130に衝突する前に転送装置126を通過するように配置されてよい。ダイクロイックフィルタ130は、物体112から検出器110に伝播する光ビーム120が、転送装置126と転送装置126の焦点との間で、ダイクロイックフィルタ130に衝突するように配置されてよい。ダイクロイックフィルタ130は、より小さな角度で衝突する光線に比べて、より大きな角度で衝突する光線を弱めるように設計されてよい。例えば、透過率は、光軸132に平行な光線、すなわち0°の光線については最も高くてよく、より高い角度については減少してよい。特に、少なくとも1つのカットオフ角度で、透過率は急峻にゼロに低下してよい。したがって、大きな入射角を有する光線は、カットオフされ得る。
例えば、ダイクロイックフィルタ130は、光ビーム120が透過角度又は透過範囲の下でダイクロイックフィルタ130に衝突する場合は光ビーム120が通過でき、光ビーム120が逸脱した入射角度の下で衝突する場合は光ビーム120がフィルタリングされるような、透過スペクトルを有してよい。例えば、光ビーム120がダイクロイックフィルタ130の光軸132に実質的に平行に衝突する場合は、光ビーム120はダイクロイックフィルタ130を通過でき、光ビーム230が逸脱した入射角の下で衝突する場合は、光ビーム120はフィルタリングされてよい。
ダイクロイックフィルタ130の透過スペクトルは、波長依存性であり、角度依存性である。例えば、透過スペクトルは、第1波長を有する光ビームがダイクロイックフィルタ130の光軸132に実質的に平行に衝突する場合は、第1波長を有する光ビームは通過してもよく、一方、第2波長を有する光ビームがより大きな角度、例えば30°で衝突する場合には、第2波長を有する光ビームがダイクロイックフィルタ130を通過してよいように、選択されてもよい。転送装置126及びダイクロイックフィルタ130は、物体112から検出器110に伝播する光ビーム120が、ダイクロイックフィルタ130に衝突する前に転送装置126を通過するように、配置されてよい。例えば、転送装置の焦点に近い物体112(近場とも呼ばれる)については、転送装置の後方の光ビームは、光軸にほとんど平行になり、第1透過スペクトルがダイクロイックフィルタ130で光ビームに適用されてよく、例えば、第1波長は通過してよく、一方、第2波長はほとんどフィルタリングされもよい。例えば、遠方の物体112(遠方場とも呼ばれる)については、光ビームは、光軸128に実質的に平行に転送装置126に到達し、転送装置126の後方で焦点に向かって集束される。このように、これらの光ビームは、ダイクロイックフィルタ130の光軸132に対してより大きな角度を有してよく、異なる透過スペクトルがダイクロイックフィルタで光ビームに適用されてよく、例えば、第2波長が通過できるが、第1波長がほとんどフィルタリングされ得る。図1では、上述したように、物体112は、2つの異なる距離で示されている。さらに、物体112の照射に応答して生じた、及び/又はビーコン装置118によって生じた2つの光ビーム120は、距離に応じて異なる角度の下で転送装置126及びダイクロイックフィルタ130に到達するように示されている。
図2は、例示的な透過スペクトル、特に、ダイクロイックフィルタ130の波長λ(単位nm)の関数として透過率T(単位%)を示している。透過スペクトルは、光ビームが光軸に平行なときに、第1波長、例えば赤色は通過し、一方、第2波長、例えば青色は30°のようなより大きな角度で通過するように選択されてよい。例えば、転送装置126の焦点に近い物体112(近場とも呼ばれる)については、転送装置126の後方の光ビームは、光軸128にほとんど平行になり、第1透過スペクトル、特に実線として図2に示される0°透過率が、ダイクロイックフィルタ130で光ビーム120に適用され、例えば第1波長は通過でき、一方、第2波長はほとんどフィルタリングされ得る。例えば、遠方の物体112(遠方場とも呼ばれる)については、光ビームは、転送装置126の光軸128に実質的に平行に転送装置126に到達し、転送装置126の後方で焦点に向かって集束される。したがって、これらの光ビーム120は、ダイクロイックフィルタ130の光軸132に対してより大きな角度を有してよく、異なる透過スペクトル、特に破線として図2に示される30°透過率が、ダイクロイックフィルタ130で光ビーム120に適用され、例えば第2波長は通過でき、一方、第1波長はほとんどフィルタリングされ得る。
図1に示すように、検出器110は、少なくとも1つの第1波長を有する光ビーム120による照射に応答して生成される第1のセンサ信号と、少なくとも1つの第2波長を有する光ビーム120による照射に応答して生成される第2のセンサ信号とを決定するように、構成された少なくとも1つの評価装置134を有している。評価装置134は、第1及び第2のセンサ信号からの結合信号Λを評価することにより、物体112の少なくとも1つの縦方向座標zを決定するように構成されている。第1波長及び第2波長を有する光ビーム120は、異なる周波数で生成され、又はパルス生成されてよく、及び/又は、その後に生成され、及び/又は、異なる変調周波数で変調されてよい。結合信号Λは、第1及び第2のセンサ信号を結合することにより、特に、第1及び第2のセンサ信号を除算すること、第1及び第2のセンサ信号の倍数を除算すること、又は第1及び第2のセンサ信号の線形結合を除算することのうちの1つ以上により生成されてよい。特に、結合信号Λは、商信号であってよい。結合信号Λは、様々な手段を用いて決定されてよい。一例として、結合信号を導出するためのソフトウェア手段、結合信号を導出するためのハードウェア手段、又はその両方を使用してよく、評価装置に実装してもよい。したがって、一例として、評価装置134は、少なくとも1つのデバイダを含んでもよく、該デバイダは、商信号を導出するように構成されている。デバイダは、ソフトウェアデバイダ又はハードウェアデバイダの一方又は両方として完全に又は部分的に具現化されてよい。評価装置134は、第1及び第2のセンサ信号を除算すること、第1及び第2のセンサ信号の倍数を除算すること、第1及び第2のセンサ信号の線形結合を除算することのうちの1つ又は複数によって、結合信号Λを導出するように構成されてよい。評価装置134は、第1のセンサ信号の第1放射強度と、第2のセンサ信号の第2放射強度を決定するように構成されてよい。評価装置134は、結合信号Λを導出するために第1放射強度と第2放射強度の比を決定するように構成されてよい。正規化された放射強度の比など、他の結合信号又は商信号が実現可能である。このように、ダイクロイックフィルタ132を通過した少なくとも2つの波長間の関係は、物体112と光センサ114の間の距離に依存する。単一の光センサ114のみが必要とされる。検出器110は、バイセルの部分ダイオード、分割電極PSD又は象限ダイオード、及び/又はCMOSセンサなどの複数の光センサを有してよい。この場合、結合信号Λを決定するために、評価装置134は、光センサ114の信号の和信号などの光センサ114上の完全な光スポットを決定してよい。代替的に、結合信号Λを決定するために、評価装置134は、同一のセンサ領域によって生成された第1及び第2のセンサ信号を使用してよい。
結合信号Λを用いた縦方向座標zの決定は、光子比からの深さ、飛行時間、三角測量、及びデフォーカスからの深度に基づく1つ以上の技術などのさらなる距離測定技術と組み合わせてよい。具体的には、結合信号Λを用いた縦方向座標zの決定は、非波長依存性の距離測定技術と組み合わせてよい。例えば、結合信号Λを用いた縦方向座標zの決定は、例えば、WO2018/091649A1、WO2018/091638A1及びWO2018/091640A1に記載されているように、光子比からの深度技術(DPR)を用いた距離測定と結合されてもよく、その内容は参照により包含される。
評価装置134は、第1のセンサ信号の第1放射強度と、第2のセンサ信号の第2放射強度を決定するように構成されてよい。評価装置134は、結合信号Λを導出するために第1放射強度と第2放射強度の比を決定するように構成されてもよい。評価装置134は、結合信号Λを導出するために第1放射強度Iredと第2放射強度Iblueの比を決定するように構成されてもよい。図3及び図4は、図1の検出器構成を用いて得られた実験結果を示している。照射源122として、Vishay Semiconductors社製VLMRGB343のもとで入手可能なLEDを使用し、光センサ114として、Thorlabs社製FDS1010のもとで入手可能なSiセルを使用した。使用したLEDは、625nm、525nm、470nmの波長を同時に放射することができる3つの半導体チップで構成されている。実験では、625nmと470nmの2つのチップのみを電子ドライバ回路で駆動した。電子ドライバ回路を、それぞれ3331Hz及び5557Hzのような異なる変調周波数で両チップを駆動するように適合させてよい。記録アナログフロントエンドを使用して、Siセルの2つの色信号強度を区別することができる。転送装置126として、図2に示すような透過スペクトルを有するダイクロイックフィルタ130の上に33°の最大入射角をもたらす0.543の開口数と20mmの焦点距離を有するThorlabs社製AL2520の下で入手可能な非球面レンズFD1Mを使用した。図3は、LEDの異なる作動電圧、すなわち4V(実線)、4.5V(点線)、及び5V(破線)についての、物体112の異なる距離の関数としての、青及び赤の放射についてのSiセルからの信号強度の正規化比率Ired/Iblueを示す。動作電圧の増加に伴い、駆動電流が増加し、その結果、LEDの放射強度が増加する。比率を決定することにより、電源の変化、汚れ、バッテリ電力の減少などの放射強度に対する依存性が排除される。このように、異なる電圧の比率曲線が非常によく一致している。図3に示す比率曲線を多項式関数でフィッティングすることで、測定システムを校正することができる。図4は、異なる駆動電圧4V(実線)、4.5V(点線)、及び5V(破線)の、実距離zrealの関数としての測定距離zmeasを示している。図4は、説明した検出器構成により、信頼性の高い距離測定が可能であることを示している。電圧が低く、したがって放射強度が低い場合は、測定範囲の最後でノイズが観測され得る。
図5は、非常に模式的な図示で、検出器110の例示的な実施形態、例えば図1に示された実施形態よる例を示す。検出器110は、具体的には、カメラ136として具現化されてもよく、及び/又はカメラ136の一部として具現化されてもよい。カメラ136は、撮像用、具体的には3D撮像用に作られていてもよく、静止画像及び/又はデジタルビデオクリップなどの画像シーケンスを取得するために作られていてもよい。他の実施形態が実現可能である。
図5はさらに、検出器システム138の実施形態を示しており、該検出器システム138は、少なくとも1つの検出器110の他に、1つ以上のビーコン装置118を有し、該ビーコン装置118は、この例では、物体112に取り付けられ、及び/又は一体化されてよく、その位置は検出器110を使用して検出される。図5はさらに、少なくとも1つの検出器システム138を有するヒューマンマシーンインターフェイス140の例示的な実施形態、さらに、ヒューマンマシーンインターフェイス140を有する娯楽装置142を示している。図は、さらに、物体112の位置を追跡するための追跡システム144の実施形態を示しており、該追跡システム144は検出器システム138を有している。以下、装置の構成要素及びシステムをさらに詳細に説明する。
図5はさらに、物体112を走査し、少なくとも1つの物体112の少なくとも1つの位置を決定するためなどの、物体112を含む情景を走査するための走査システム146の例示的な実施形態を示す。走査システム146は、少なくとも1つの検出器110と、さらに、任意に、少なくとも1つの照射源122と、同様に、任意に、少なくとも1つのさらなる照射源122とを含む。照射源122は、一般に、少なくとも1つのドット、例えば、ビーコン装置118の1つ以上の位置に位置するドット、及び/又は物体112の表面上に位置するドットを照射するなどのため、少なくとも1つの照射光ビームを放射するように構成されている。走査システム146は、少なくとも1つの検出器110を用いて、物体112を含む情景のプロファイル及び/又は物体112のプロファイルを生成するように設計されてよく、及び/又は、該少なくとも1つのドットと走査システム146、具体的には検出器110との間の距離に関する情報の少なくとも1つの項目を生成するように設計されてもよい。
上述したように、図5の構成で使用され得る検出器110の例示的な実施形態は、図1に示されている。このように、検出器110は、光センサ114の他に、図5に象徴的に示されているように、例えば少なくとも1つのデバイダ148及び/又は少なくとも1つの位置評価装置150を有する、少なくとも1つの評価装置134を含む。評価装置134の構成要素は、完全に又は部分的に別個の装置に一体化されてもよく、及び/又は完全に又は部分的に検出器110の他の構成要素に一体化されてもよい。1つ以上の構成要素を完全に又は部分的に結合する可能性に加えて、光センサ114と評価装置134の1つ以上の構成要素は、図5に象徴的に示されているように、1つ以上のコネクタ152及び/又は1つ以上のインターフェイスによって相互に接続されてもよい。さらに、1つ以上のコネクタ152は、1つ以上のドライバ及び/又はセンサ信号を修正又は前処理するための1つ以上の装置を有してよい。さらに、少なくとも1つの任意のコネクタ152を使用する代わりに、評価装置134は、光センサ114に、及び/又は検出器110のハウジング154に、完全に又は部分的に一体化されてよい。追加的又は代替的に、評価装置134は、完全に又は部分的に、別個のデバイスとして設計されてよい。
この例示的な実施形態では、位置が検出され得る物体112は、スポーツ器具の物品として設計されてもよく、及び/又は、位置がユーザ158によって操作され得る制御要素又は制御装置156を形成してもよい。一例として、物体112は、バット、ラケット、クラブ、又はスポーツ器具の任意の他の物品、及び/又は擬似スポーツ器具であってもよいし、それを含んでもよい。他のタイプの物体112も可能である。さらに、位置が検出されるユーザ158自身が物体112として考えられてよい。
光センサ114は、検出器110のハウジング154内に配置されてよい。さらに、少なくとも1つの転送装置126は、好ましくは1つ以上のレンズを有する1つ以上の光学系などで構成されている。ハウジング154内の開口部160は、好ましくは検出器110の光軸124に関して同心円状に配置されるが、好ましくは検出器110の視野方向162を規定する。座標系164が定義されてもよく、そこでは、光軸124に平行又は逆平行な方向は縦方向として定義され、光軸124に垂直な方向は横方向として定義されてよい。図5に象徴的に示されている座標系164では、縦方向はzで示され、横方向はx及びyでそれぞれ示されている。非カルテシア座標系などの他のタイプの座標系164が実現可能である。
検出器110は、光センサ114だけでなく、任意で、さらなる光センサを有してよい。光センサ114は、例えば前後に、同一のビーム経路に配置されてよい。しかし、代替的に、分岐したビーム経路が可能であり得る。分岐したビーム経路は、物体112及び/又はその部分の横方向座標を決定するために、少なくとも1つの横方向検出器又は横方向センサのために、ビーム経路を分岐させることなどによる1つ以上の追加のビーム経路に、追加の光センサを有してよい。しかし、代替的に、複数の光センサ114が同じ縦方向座標に配置されてよい。
1つ以上の光ビーム120が、物体112から及び/又は1つ以上のビーコン装置118から、検出器110に向かって伝播する。検出器110は、少なくとも1つの物体112の位置を決定するように構成されている。この目的のために、図に関連して上で説明したように、評価装置134は、光センサ114によって提供されるセンサ信号を評価するように構成されている。検出器110は、物体112の位置を決定するように適合され、光センサ114は、光ビーム120を検出するように一体化されている。照射源122が使用されない場合、ビーコン装置118及び/又はこれらのビーコン装置118の少なくとも1つは、発光ダイオードなどの一体化された照射源を有する能動的なビーコン装置であってもよく、又はそれを含んでいてもよい。照射源122が使用される場合、ビーコン装置118は必ずしも能動的なビーコン装置である必要はない。逆に、物体112の反射面、例えば、ミラー、レトロリフレクタ、反射フィルムなどの少なくとも1つの反射面を有する一体型反射ビーコン装置118を使用してよい。光ビーム120は、直接に、及び/又は例えば1つ以上のレンズによって集光されるなど、転送装置126によって修正された後に、ダイクロイックフィルタ130に衝突し、ダイクロイックフィルタ130を通過し、及び/又はダイクロイックフィルタ130によってフィルタリングされる。ダイクロイックフィルタ130を通過した光ビームは、光センサ114の感光エリア121を照射する。評価の詳細については、上記図1を参照することができる。
上で概説したように、検出器110を用いることによる物体112及び/又はその一部の位置の決定は、マシーン166に少なくとも1つの情報項目を提供するために、ヒューマンマシーンインターフェイス140を提供するために使用されてよい。図5に模式的に示された実施形態では、マシーン166は、コンピュータであってもよく、及び/又はコンピュータを有してもよい。他の実施形態が実現可能である。評価装置134は、コンピュータになど、マシーン166に完全に又は部分的に一体化されてよい。
上で概説したように、図5はまた、少なくとも1つの物体112及び/又はその部分の位置を追跡するように構成された追跡システム144の一例を示している。追跡システム144は、検出器110及び少なくとも1つの追跡コントローラ168を有する。追跡コントローラ168は、特定の時点での物体112の一連の位置を追跡するように適合されてよい。追跡コントローラ168は、独立した装置であってもよく、及び/又は図5に示されているように、マシーン166に、具体的にはコンピュータに、及び/又は評価装置134に、完全に又は部分的に一体化されてもよい。
同様に、上述したように、ヒューマンマシーンインターフェイス140は、娯楽装置142の一部を形成してもよい。マシーン166、具体的にはコンピュータもまた、娯楽装置142の一部を形成してよい。このように、物体112として機能するユーザ158、及び/又は物体112として機能する、制御装置156を操作するユーザ158によって、ユーザ158は、少なくとも1つの制御コマンドなどの少なくとも1つの情報項目をコンピュータに入力し、それによって、コンピュータゲームのコースを制御するなど、娯楽機能を変化させてよい。
110 検出器
112 物体
114 光センサ
116 感光エリア
118 ビーコン装置
120 光ビーム
122 照射源
124 光軸
126 転送装置
128 光軸
130 ダイクロイックフィルタ
132 光軸
134 評価装置
136 カメラ
138 検出器システム
140 ヒューマンマシーンインターフェイス
142 娯楽装置
144 追跡システム
146 走査システム
148 デバイダ
150 位置評価装置
152 コネクタ
154 ハウジング
156 制御装置
158 ユーザ
160 開口部
162 視野方向
164 座標系
166 マシーン
168 追跡コントローラ

Claims (15)

  1. 少なくとも1つの物体(112)の位置を決定するための検出器(110)であって、
    ― 少なくとも1つのダイクロイックフィルタと;
    ― 少なくとも1つの光センサ(114)であって、前記光センサ(114)は少なくとも1つの感光エリア(116)を有し、前記光センサ(114)は、前記ダイクロイックフィルタ(130)を通過した光ビーム(120)によるその感光エリア(116)の照射に応答して、少なくとも1つのセンサ信号を生成するように設計されている、少なくとも1つの光センサ(114)と;
    ― 少なくとも1つの第1波長を有する前記光ビーム(120)による照射に応答して生成された第1のセンサ信号と、少なくとも1つの第2波長を有する前記光ビーム(120)による照射に応答して生成された第2のセンサ信号とを決定するように構成された少なくとも1つの評価装置(134)であって、前記第1及び第2のセンサ信号からの結合信号Λを評価することによって前記物体の少なくとも1つの縦方向座標zを決定するように構成された評価装置(134)と、を有する検出器(110)。
  2. 前記ダイクロイックフィルタ(130)が、波長依存性及び角度依存性の透過スペクトルを有し、前記ダイクロイックフィルタ(130)が、5nm/30°から100nm/30°まで、好ましくは7nm/30°から80nm/30°まで、より好ましくは9nm/30°から50nm/30°までの角度依存性を有する、請求項1に記載の検出器(110)。
  3. 前記検出器(110)は、少なくとも2つの異なる波長を有する少なくとも1つの光ビームで前記物体(112)を照射するように構成された照射源(122)をさらに有する、請求項1又は2に記載の検出器(110)。
  4. 前記検出器(110)は、前記物体(112)から前記検出器(110)に伝播する少なくとも1つの入射光ビーム(120)に応答して、少なくとも1つの焦点距離を有する少なくとも1つの転送装置(126)を含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の検出器(110)。
  5. 前記評価装置(134)は、前記縦方向座標を決定するために、前記結合信号Λと前記縦方向座標との間の少なくとも1つの所定の関係を使用するように構成されている、請求項1〜4のいずれか1項に記載の検出器(110)。
  6. 前記評価装置(134)は、前記第1及び第2のセンサ信号を除算すること、前記第1及び第2のセンサ信号の倍数を除算すること、前記第1及び第2のセンサ信号の線形結合を除算することのうちの1つ以上によって、前記結合信号Λを導出するように構成されている、請求項1〜5のいずれか1項に記載の検出器(110)。
  7. 前記評価装置(134)は、前記第1のセンサ信号の第1放射強度及び前記第2のセンサ信号の第2放射強度を決定するように構成され、前記評価装置は、前記合成信号Λを導出するために前記第1放射強度及び前記第2放射強度の比を決定するように構成されている、請求項1〜6のいずれか1項に記載の検出器(110)。
  8. 前記検出器(110)は、少なくとも2つの光センサ(114)を有し、前記光センサ(114)は、バイセル、分割電極PSD又は象限ダイオードの部分ダイオードである、請求項1〜7のいずれか1項に記載の検出器(110)。
  9. 前記検出器(110)は、少なくとも2つの光センサ(114)を有し、前記光センサ(114)は少なくとも1つのCMOSセンサを有する、請求項1〜8のいずれか1項に記載の検出器(110)。
  10. 前記検出器(110)は、少なくとも2つの光センサ(114)を有し、前記光センサ(114)の各々は、少なくとも1つの感光エリア(116)を有し、前記光センサ(114)の各々は、前記ダイクロイックフィルタ(130)を通過した前記光ビーム(120)によるそれぞれの感光エリア(116)の照射に応答して、少なくとも1つのセンサ信号を生成するように設計され、前記光センサ(114)の少なくとも1つは第1の光子比からの深度(DPR)センサ信号を生成するように構成され、前記光センサ(114)の少なくとも1つは第2のDPRセンサ信号を生成するように構成され、前記評価装置(134)は、前記第1及び第2のDPRセンサ信号からの結合DPR信号Qを評価することにより、前記物体の縦方向座標zDPRを決定するように構成されている、請求項1〜9のいずれか1項に記載の検出器(110)。
  11. 前記評価装置(134)は、以下の数式1
    Figure 2021533356
    によって前記結合DPR信号Qを導出するように構成され、
    ここで、x及びyは横方向座標であり、A1は前記ダイクロイックフィルタ(130)を通過した前記光ビーム(120)の前記光センサ(114)のセンサ位置におけるビームプロファイルの第1エリアであり、A2は前記ダイクロイックフィルタ(130)を通過した前記光ビーム(120)の前記光センサ(114)のセンサ位置におけるビームプロファイルの第2エリアであり、E(x,y,z)は物体距離zで与えられるビームプロファイルを示す、請求項8〜10のいずれか1項に記載の検出器(110)。
  12. 前記第1のDPRセンサ信号は前記ビームプロファイルの前記第1エリアの情報を含み、前記第2のDPRセンサ信号は前記ビームプロファイルの前記第2エリアの情報を含み、前記ビームプロファイルの前記第1エリア及び前記ビームプロファイルの前記第2エリアは、隣接する領域又は重なり合う領域のうちの一方又は両方である、請求項11に記載の検出器(110)。
  13. 前記第1エリアと前記第2エリアの一方が前記ビームプロファイルの実質的なエッジ情報を有し、前記第1エリアと前記第2エリアの他方が前記ビームプロファイルの実質的な中心情報を有し、前記評価装置は、前記エッジ情報と前記中心情報を除算すること、前記エッジ情報と前記中心情報の倍数を除算すること、前記エッジ情報と前記中心情報の線形結合を除算すること、のうちの1つ以上によって、前記結合信号Qを導出するように構成されている、請求項11又は12に記載の検出器(110)。
  14. 少なくとも1つの物体(112)の位置を決定するための方法であって、以下のステップ:
    ― 少なくとも1つのダイクロイックフィルタ(130)を提供するステップ;
    ― 少なくとも1つの光センサ(114)を提供するステップ、ここで、前記光センサ(114)は、少なくとも1つの感光エリア(116)を有し、前記光センサ(114)は、前記ダイクロイックフィルタ(130)を通過した光ビーム(120)によるその感光エリア(116)の照射に応答して、少なくとも1つのセンサ信号を生成するように設計されている;
    ― 前記ダイクロイックフィルタ(130)を通過した前記光ビーム(120)によって前記光センサ(114)の感光エリア(116)を照射するステップであって、それによって、前記感光エリア(116)は少なくとも1つセンサ信号を生成する;及び
    ― 少なくとも1つの第1波長を有する前記光ビーム(120)による照射に応答して生成された第1のセンサ信号と、少なくとも1つの第2波長を有する前記光ビーム(120)による照射に応答して生成された第2のセンサ信号とを決定するステップ;
    ― 前記第1のセンサ信号と前記第2のセンサ信号を評価し、それによって前記物体の少なくとも1つの縦方向座標zを決定するステップ、ここで、前記評価は、前記第1のセンサ信号と前記第2のセンサ信号の結合信号Λを導出することを含む、
    を有する方法。
  15. 検出器を参照する請求項1〜13のいずれか1項による前記検出器(110)の使用であって、交通技術における位置測定;娯楽用途;光データ保存用途;セキュリティ用途;監視用途;安全用途;ヒューマンマシーンインターフェイス用途;物流用途;内視鏡用途;医療用途;追跡用途;写真用途;マシーンビジョン用途;ロボット用途;品質管理用途;3D印刷用途;拡張現実用途;製造用途;光学データ保存及び読み出しと組み合わせた使用;からなる群から選択される使用目的のための前記検出器(110)の使用。
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