JP2021531310A - ボロン酸誘導体 - Google Patents

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Abstract

本発明は、α−アミノボロン酸誘導体に関する。これらの化合物は、免疫プロテアソーム(LPM7)の活性を阻害するのに、ならびに、炎症性および自己免疫疾患、神経変性疾患、増殖性疾患およびがんなどの免疫プロテアソーム活性に影響を受ける病状の処置および/または予防に、有用である。

Description

本発明の分野
本発明は、α−アミノボロン酸誘導体に関する。これらの化合物は、免疫プロテアソーム(LPM7)の活性を阻害するのに、ならびに、炎症性および自己免疫疾患、神経変性疾患、増殖性疾患およびがんなどの免疫プロテアソーム活性に影響を受ける病状の処置および/または予防に、有用である。とりわけ、本発明の化合物は、選択性免疫プロテアソーム阻害剤である。
本発明の背景
プロテアソームは、高分子量の多サブユニットのプロテアーゼであり、それは、古細菌からヒトに至るまですべての試験した種において同定された。当該酵素は、およそ650,000Daの生来の(native)分子量および、電子顕微鏡法によって明らかになったように特殊な円筒形状の形態を有する(Rivett, (1989) Arch. Biochem. Biophys. 268:1-8;およびOrlowski, (1990) Biochemistry 29:10289-10297)。プロテアソームのサブユニットは、20,000〜35,000の分子量の範囲内であり、互いに相同ではあるが、知られている他のいかなるプロテアーゼに対しても相同ではない。
20Sプロテアソームは、28のサブユニットから構成される700kDaの円筒形状の多触媒性プロテアーゼ複合体であり、αおよびβタイプとして分類され、4つの積み重ねられた七量体環中に配置される。酵母および他の真核生物において、7つの異なるαサブユニットは外部環を形成し、7つの異なるβサブユニットは内部環を含む。αサブユニットは、19S(PA700)および1 IS(PR68)調節性複合体のための結合部位としての役割、ならびに、2つのβサブユニット環によって形成された内部タンパク分解室のための物理的障壁としての役割を果たす。よって、in vivoで、プロテアソームは、26S粒子として存在すると考えられる(「26Sプロテアソーム」)。in vivo実験によって、プロテアソームの20S形態の阻害を26Sプロテアソームの阻害に容易に相関させることができることが示されている。
粒子形成の間のβサブユニットのアミノ末端プロ配列の切断によって、アミノ末端トレオニン残基が露出し、それは、触媒求核分子としての役割を果たす。よって、プロテアソームにおける触媒活性の原因となるサブユニットは、アミノ末端求核性残基を保有し、これらのサブユニットは、N末端求核分子(Ntn)ATTY REF:26500−0023WO1加水分解酵素のファミリーに属する(ここで求核性N末端残基は、例えばCys、Ser、Thrおよび他の求核性部分である)。このファミリーは、例えばペニシリンGアシラーゼ(PGA)、ペニシリンVアシラーゼ(PVA)、グルタミンPRPPアミドトランスフェラーゼ(GAT)および細菌性グリコシルアスパラギナーゼを含む。遍在的に発現されたβサブユニットに加えて、高等脊椎動物はまた、3つのインターフェロン−γ誘発性βサブユニット(LMP7、LMP2およびMECLl)も保有し、それらは夫々、それらの通常の対応物、β5、β1およびβ2と置き換えられる。3つすべてのIFN−γ誘発性サブユニットが存在するとき、プロテアソームは、「免疫プロテアソーム」と称される。よって、真核細胞は、プロテアソームの2つの形態を、変動する比率で保有することができる。
異なるペプチド基質の使用を通じて、3つの主なタンパク分解活性が、真核生物20Sプロテアソームについて定義されている:大きな疎水性残基の後ろで切断する、キモトリプシン様活性(CT−L);塩基性残基の後ろで切断する、トリプシン様活性(T−L);および、酸性残基の後ろで切断する、ペプチジルグルタミルペプチド加水分解活性(PGPH)。2つの追加的なより特徴付けられていない活性もまた、プロテアソームに帰せられる:分岐状鎖アミノ酸の後ろで切断する、BrAAP活性;および、小さな中性アミノ酸の後ろで切断する、SNAAP活性。プロテアソームの両方の形態は5つすべての酵素活性を保有するが、形態間の活性の程度の差異は、特定の基質に基づいて記載された。プロテアソームの両方の形態について、主なプロテアソームタンパク質分解活性は、20S核内の種々の触媒部位によって寄与されると思われる。
真核生物において、タンパク質分解は、破壊のために標的にされたタンパク質が76のアミノ酸ポリペプチドユビキチンに連結されるユビキチン経路を通じて優位に媒介される。いったん標的にされると、ユビキチン化されたタンパク質は次いで、26Sプロテアソームのための基質としての役割を果たし、それは、タンパク質を短いペプチドへ、その3つの主なタンパク分解活性の作用を通じて切断する。細胞内タンパク質代謝回転において一般的な機能を有する一方、プロテアソームで媒介された分解はまた、例えば主要組織適合複合体(MHC)クラスIの提示、アポトーシスおよび細胞の生存、抗原プロセシング、NF−κΒ活性化ならびに炎症促進性シグナルの伝達などの多数のプロセスにおいてもキーとなる役割を果たす。
プロテアソーム活性は、例えば筋ジストロフィー、がんおよびAIDSなどのタンパク質ブレークダウン(protein breakdown)を伴う筋肉消耗疾患において高い。証拠はまた、クラスIのMHC分子についての抗原のプロセシングにおけるプロテアソームについての可能な役割を示唆する(Goldberg, et al. (1992) Nature 357:375-379)。
プロテアソームは、神経変性疾患および障害、例えば、筋萎縮性側索硬化症(ALS)(J Biol Chem 2003, Allen S et al., Exp Neurol 2005, Puttaparthi k et al.)、シェーグレン症候群(Arthritis & Rheumatism, 2006, Egerer T et al.)、全身性エリテマトーデスおよびループス腎炎(SLE/LN)(Arthritis & rheuma 2011, Ichikawa et al., J Immunol, 2010, Lang VR et al., Nat Med, 2008, Neubert K et al)、糸球体腎炎(J Am Soc nephrol 2011, Bontscho et al.)、関節リウマチ(Clin Exp Rheumatol, 2009, Van der Heiden JW et al.)、炎症性腸疾患(IBD)、潰瘍性大腸炎、クローン病(Gut 2010, Schmidt N et al., J Immunol, 2010, Basler M et al., Clin Exp Immunol, 2009, Inoue S et al.)、多発性硬化症(Eur J Immunol 2008, Fissolo N et al., J Mol Med 2003, Elliott PJ et al., J Neuroimmunol 2001, Hosseini et al., J Autoimmun 2000, Vanderlugt CL et al.)、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、(Exp Neurol 2005, Puttaparthi k et al., J Biol Chem 2003, Allen S et al.)、骨関節炎(Pain 2011, Ahmed s et al., Biomed Mater Eng 2008, Etienne S et al.)、アテローム性動脈硬化症(J Cardiovasc Pharmacol 2010, Feng B et al.)、乾癬(Genes & Immunity, 2007, Kramer U et al.)、重症筋無力症(J Immunol, 2011, Gomez AM et al.)、皮膚の線維症(Thorax 2011, Mutlu GM et al., Inflammation 2011, Koca SS et al., Faseb J 2006, Fineschi S et al.)、腎線維症(Nephrology 2011 Sakairi T et al.)、心臓の線維症(Biochem Pharmacol 2011, Ma y et al.,)、肝線維症(Am J Physiol gastrointest Liver Physiol 2006, Anan A et al.)、肺線維症(Faseb J 2006, Fineschi S et al et al.)、免疫グロブリンA腎症(IGa腎症)、(Kidney Int, 2009, Coppo R et al.)、血管炎(J Am Soc nephrol 2011, Bontscho et al.)、移植片拒絶(Nephrol Dial transplant 2011, Waiser J et al.)、血液悪性腫瘍(Br J Haematol 2011, singh AV et al., Curr Cancer Drug Target 2011, Chen D et al.)および喘息に関与する。
しかし、市販のプロテアソームインヒビターが、構成型および免疫形態のプロテアソームの両方を阻害することは、注記されるべきである。再発した多発性骨髄腫患者の処置のためのFDAで承認されたプロテアソームインヒビターであるボルテゾミブさえ、2つの形態を識別しない(Altun et al, Cancer Res 65:7896, 2005)。そのうえ、ボルテゾミブの使用は、処置中に発生した有痛性の末梢神経障害(PN)と関連し、in vitroでのこのボルテゾミブによって誘発された神経変性は、プロテアソームとは独立した機構を介して生じ、ボルテゾミブは、in vitroおよびin vivoでいくつかの非プロテアソーム(nonproteasomal)標的を阻害する(Clin. Cancer Res, 17(9)、2011年5月1日)。
慣用のプロテアソームインヒビターに加えて、新規なアプローチは、血液学的に特異的な(hematological-specific)免疫プロテアソームを特異的に標的にし、それによって全体的な有効性を増加させ、陰性のオフターゲット効果を低減することであり得る。免疫プロテアソーム特異的インヒビターが血液学的起源からの細胞に対する高められた有効性を示すことができることが、示された(Curr Cancer Drug Targets, 11(3)、2011年3月)。
よって、プロテアソームの1つの特定の形態に選択的である新たなプロテアソームインヒビターを提供する必要がある。特には、例として関節リウマチとの関係におけるSLEまたは他の免疫もしくは自己免疫障害などの処置のための治療剤として使用され得た選択的免疫プロテアソームインヒビターを提供する必要がある。選択的免疫プロテアソームインヒビターは、構成型プロテアソームまたは他の非プロテアソーム標的の阻害によって媒介される望ましくない副作用を最小化するために役立つ。
WO 2013/092979 A1には、LMP7活性の阻害に対する選択性を示すボロン酸誘導体が記載されている。しかしながら、記載されたタイプの化合物により達成可能な選択性の程度としては、とりわけ、構成型プロテアソームの阻害活性に対するスプリット(split)に関して、限定的である。
ボルテゾミブおよびカーフィルゾミブなどの、プロテアソームおよび免疫プロテアソームの非特異的インヒビターは、多発性骨髄腫の兆候においては、それらの臨床的価値を実証した。免疫プロテアソームならびに構成型プロテアソームにおけるほとんどの構成要素を攻撃するというこの非特異的プロファイルは、標的阻害および臨床効果の点で有益であると見なされるとはいえ、この非特異的プロファイルは、血小板減少症、好中球減少症ならびに末梢性ニューロパシーなどの顕著な副作用を誘導することにより、これらの剤の臨床的利用可能性を限定する。ある程度までは、この副作用プロファイルは、触媒活性の幅広い阻害、とくに構成型および免疫プロテアソームのβ5サブユニットの組み合わされた阻害、に起因することができた。ほとんどの副作用を低減するための、免疫プロテアソーム(およびとくに免疫プロテアソームのβ5iサブユニット)のより多くの選択的インヒビターを考え出すアプローチは、免疫プロテアソームのLMP7サブユニットの100倍選択的なインヒビターであるPR-924について、例としてSinghらによる2011(Br. J. Hematology 152(2): 155-163)に記載されている。その著者らは、多発性骨髄腫において高発現レベルの免疫プロテアソームの存在を実証した。
その著者らはまた、健常ボランティアの対照PBMC’sの生存率を低下させずに、MM細胞株ならびにCD138+ MM初代患者細胞における細胞死を誘導することに対する、LMP7サブユニットの選択的インヒビターの効果も記載した。これは概念上の証明として見なされ得る。選択的β5iインヒビターについての低減された副作用プロファイルの概念からは外れるが、他の群は、選択的β5i阻害の、ボルテゾミブ抵抗性細胞株の生存率に対する有効性を実証することで、選択的LMP7インヒビターの血液悪性腫瘍への適用についての価値および将来的な展望を強調した(D. Niewerth et al./Biochemical Pharmacology 89 (2014) 43-51)。
WO 2016/050356、WO 2016/050355、WO 2016/050359、およびWO 2016/050358は、免疫プロテアソーム(LMP7)の活性を阻害し、構成型プロテアソームの阻害活性に対する有意なスプリットを提供する化合物を記載する。
驚くべきことに、本発明のアミノボロン酸誘導体が、構成型プロテアソームの阻害活性に対する特に高いスプリットを提供することが見いだされた。加えて、それらは血漿タンパク質結合、CYP阻害、PKプロファイルおよび経口バイオアベイラビリティの観点において良好な結果を示す。
本発明の説明
本発明は、式(I)
Figure 2021531310

式中
LYは、(CHを示し、ここで、1〜5個のH原子は、Hal、R3b、OHおよび/またはOR3bで置き換わっていてもよく、および/またはここで、1または2個の非隣接するCH基は、O、S、SOおよび/またはSOで置き換わっていてもよく;
Yは、OR3cまたはCycを示し;
Xは、X、XまたはXを示し;
は、(CH−O−Aを示し、ここで、(CHにおける1または2個のH原子は、Hal、R3aおよび/またはOR3aで置き換わっていてもよく;
または
(CH−OHを示し、ここで、(CHにおける1または2個のH原子は、Hal、R3aおよび/またはOR3aで置き換わっていてもよく;
は、(CH−S−Aを示し、ここで、(CHにおける1または2個のH原子は、Hal、R3a、OR3a、Arおよび/またはHetで置き換わっていてもよく;
または
(CH−SHを示し、ここで、(CHにおける1または2個のH原子は、Hal、R3a、OR3a、Arおよび/またはHetで置き換わっていてもよく;
は、それぞれ非置換であるか、またはHal、CN、R3a、OR3a、COR3a、NHCOAlkおよび/またはNR3aCOAlkで一、二または三置換されている式x2a)、x2b)、x2c)またはx2d)の飽和の炭素環またはヘテロ環を示し、ここで、飽和の炭素環またはヘテロ環のT1、T2またはT3に直接結合していない1個のCH基は、C=O、O、S、SO、NCOAlkまたはSOで置き換わっていてもよく;
Figure 2021531310

(x2a)、x2b)、x2c)およびx2d)の任意の置換基は示されていない)
、Rは、それぞれ互いに独立して、HまたはC−C−アルキルを示し、またはRおよびRは一緒に式(CE)の残基を形成し;
Figure 2021531310

3a、R3b、R3cは、それぞれ互いに独立して、直鎖状または分枝状のC−C−アルキルを示し、ここで、1〜5個のH原子は、Hal、OHおよび/またはOAlkで置き換わっていてもよく;
Aは、それぞれ非置換であるかまたは、Hal、CN、R3a、SR3a、SH、OR3a、OH、Ar、Het,および/または(CH−Rで一、二、三または四置換された直鎖状または分枝状のC−C−アルキルまたはC−C−シクロアルキルを示し;
Alkは、直鎖状または分枝状のC−C−アルキルを示し;
Cycは、
2,4−、3,4−、または2,3,4−置換フェニルを示し、ここで、置換基は、Hal、CN、R3a、OR3a、CONHR3a、CONR3b3a、CONH、NR3aCOR3b、SO3a、SOR3a、NHR3a、N(R3a、(CH−SR3a、(CH−N(R3aおよび/または(CH−Rからなる群から選択され;
または
式(ya)、(yb)、(yc)、(yd)、(ye)、(yf)、(yg)、(yh)、(yi)、(yj)、(yk)、(yl)、(ym)、(yn)、(yo)または(yp)の二環式残基を示し、これらは、それぞれ互いに独立して、非置換であるか、またはHal、CN、R3a、OR3a、CONHR3a、CONR3b3a、CONH、NR3aCOR3b、SO3a、SOR3a、NHR3a、N(R3a、(CH−SR3a、(CH−N(R3aおよび/または(CH−Rで一、二または三置換され;
Figure 2021531310


((ya)−(yp)の任意の置換基は示されていない)
式中
は、O、S、N(Alk)またはCH=CHを示し;および
は、O、S、N(Alk)、CH、CH2−CH、O−CH、S−CHまたはN(Alk)CHを示し;
Cyc、Cycは、それぞれ互いに独立して、飽和、不飽和または芳香族5員または6員の炭化水素またはヘテロ環を示し、これらは互いに各々独立して、非置換であるか、またはHal、CN、R3a、OR3a、COR3a、NHCOR3aおよび/またはNR3aCOR3bで一、二、三置換され;
Arは、非置換であるか、またはHal、CN、R3a、OR3a、CONHR3a、NR3aCOR3b、SO3a、SOR3a、NH、NHR3a、N(R3aおよび/または(CH−Rで一または二置換されたフェニルを示し;
Hetは、非置換であるか、またはHal、CN、R3a、OR3a、CONHR3a、NR3aCOR3b、SO3a、SOR3a、NH、NHR3a、N(R3aおよび/または(CH−Rで一または二置換された、飽和、不飽和または芳香族5員または6員の、1〜4個のN、Oおよび/またはS原子を有するヘテロ環を示し;
、T、Tは、それぞれ互いに独立して、S、Oを示し;
は、OHまたはOR3aを示し;
m、lは、それぞれ互いに独立して、1、2または3を示し;
k、n、o、pは、それぞれ互いに独立して、0、1または2を示し;
qは、1、2、3、4、5または6を示し;
rは、0、1、2、3、または4を示し;
Halは、F、Cl、BrまたはIを示す;
の化合物、およびそのプロドラッグ、溶媒和物、互変異性体、オリゴマー、付加物および立体異性体ならびに上記のそれぞれの生理学的に許容し得る塩(あらゆる比率のそれらの混合物を含む)を提供する。
本発明の化合物は、免疫プロテアソームサブユニットLMP7のインヒビターである。それらは、β5(cP)よりもLMP7に特に高い選択性、ならびに可溶性、血漿タンパク質結合、CYP阻害、PKプロファイルおよび経口バイオアベイラビリティの観点において良好な特性を示す。
およびRがHを示す、式(I)の化合物などのボロン酸誘導体がオリゴマーを形成することが知られている(Boronic Acids. Edited by Dennis G. Hall, Copyright (C) 2005 WILEY-VCH Verlag, GmbH & Co. KGaA, Weinheim, ISBN 3-527-30991-8)。式(I)の化合物のかかるオリゴマー(とりわけ、これらに限定されないが、ダイマーまたはトリマー)は、本発明に含まれる。既知のボロン酸の環状トリマーは、例えば以下の構造を有する:
Figure 2021531310
式中RおよびRがHを示す、式(I)の化合物などのボロン酸誘導体は、脂肪族または芳香族アルコール、ジオール、糖、糖アルコール、α−ヒドロキシ酸または、1、2または3個のN−/O−含有官能基(例として−NH、−CONHまたはC=NH、−OH、−COOH)を含有し、ここで3個の官能基が存在する場合、3個のヘテロ原子のうち1個は配位結合を形成し得る求核試薬、との反応により付加物を形成することも知られている(“Boronic Acids” Edited by Dennis G. Hall, 2nd Edition, Copyright (C) 2011 WILEY-VCH Verlag, GmbH & Co. KGaA, Weinheim, ISBN 978-3-527-32598-6; WO2013128419; WO2009154737)。付加物形成は、事前組織化されたジオールで特に早い。本発明は、式(I)のボロン酸化合物のかかる付加物(とりわけエステルまたはヘテロ環誘導体)を含む。
本発明の化合物が、ボロン酸残基に隣接する炭素原子にて立体中心を担持することに留意すべきである;これは、下の式(I)においてアスタリスク()で示されている:
Figure 2021531310
よって、式(I)に従う化合物は、この立体中心にて2つの異なる立体配置、すなわち(R)立体配置および(S)立体配置、を提示する。それ故に、本発明の化合物は、エナンチオピュアであるか、または、式(R)−(I)および(S)−(I)の2つの鏡像異性体のラセミ(1:1)混合物として、のいずれかで存在していてもよい。
Figure 2021531310
式(I)の化合物はまた、鏡像異性体のどちらか一方、(R)−(I)または(S)−(I)が、他方より過剰に(例として60:40、70:30、80:20、90:10、95:5または同種のもの)存在している混合物においても、存在していてもよい。本発明の特に態様において、式(I)の化合物の式(R)−(I)の立体異性体および式(I)の化合物の式(S)−(I)の立体異性体は、少なくとも90部の(R)−(I)対10部以下の(S)−(I)の、好ましくは少なくとも95の(R)−(I)対5以下の(S)−(I)の、より好ましくは少なくとも99の(R)−(I)対1以下の(S)−(I)の、さらにより好ましくは少なくとも99.5の(R)−(I)対0.5以下の(S)−(I)の、(R)−(I)対(S)−(I)の比率で存在する。本発明の特に別の態様において、式(I)の化合物の式(S)−(I)の立体異性体および式(I)の化合物の式(R)−(I)の立体異性体は、少なくとも90部の(S)−(I)対10部以下の(R)−(I)の、好ましくは少なくとも95の(S)−(I)対5以下の(R)−(I)の、より好ましくは少なくとも99の(S)−(I)対1以下の(R)−(I)の、さらにより好ましくは少なくとも99.5の(S)−(I)対0.5以下の(R)−(I)の、(S)−(I)対(R)−(I)の比率で存在する。
式(R)−(I)および(S)−(I)の、豊富なまたは純粋な立体異性体は、当該技術分野において知られている通常の方法、および本明細書中これ以降に記載される特別な方法によって得られ得る。これらを得るための特に方法は、キラルカラム材料(chiral column material)を使用する、HPLCまたはSFCなどの分取カラムクロマトグラフィーである。
本発明の特に好ましい態様は、ボロン酸残基に隣接する炭素原子における立体中心が(R)−立体配置を有する式(R)−(I)の化合物を含む:
Figure 2021531310
式(I)に従う化合物はまた、ボロン酸残基に隣接する炭素原子以外の炭素原子に位置する立体中心も持つことがある。これらのすべての立体中心は、(R)−または(S)−立体配置において現れていてもよい。
上記および下記で、立体中心を有する化学構造が示され、特定の立体化学は示されない、これらの場合において、構造はすべての可能な立体異性体ならびにこれらの混合物を含む。
与えられた化合物の異なる立体異性体は、(例として品質管理目的のための)NMR、HPLC、SFCまたはあらゆる他の好適な分析方法による特定の試料の分析特徴づけのために有用である。よって、本発明の別の側面は、分析特徴付け方法における式(I)に従う化合物の立体異性体の使用に関する
一般に、本明細書に記載の化合物の、1度より多く現れるすべての残基は、同一であっても異なっていてもよく、すなわち互いに独立している。以上以下、残基およびパラメータは、はっきりと別途示されない限り、式(I)について示された意味を有する。結果的に、本発明は具体的には、該残基の少なくとも1つが、下に示される好ましい意味の1つを有する、式(I)の化合物に関する。そのうえ、下に記載のすべての特定の態様は、その誘導体、プロドラッグ、溶媒和物、互変異性体または立体異性体、ならびに、前述した各々の生理学的に許容し得る塩、あらゆる比率でのそれらの混合物等を、当然含むであろう。
上に記載のとおり、式x2a)、x2c)およびx2d)の飽和の炭素環またはヘテロ環のT1、T2またはT3に直接結合していない1個のCH基は、C=O、O、S、SO、NCOAlkまたはSOで置き換わっていてもよい。言い換えれば、式x2a)、x2c)およびx2d)の飽和の炭素環またはヘテロ環のCH基が、C=O、O、S、SO、NCOAlkまたはSOによって置き換えられている場合、T1、T2またはT3および置き換えた基(=O、O、S、SO、NCOAlkまたはSO)は非隣接する基を表す。さらにまた、式x2a)、x2b)、x2c)またはx2d)の飽和の炭素環またはヘテロ環は、非置換であるか、またはHal、CN、R3a、OR3a、COR3a、NHCOAlkおよび/またはNR3aCOAlkによって一置換、二置換、もしくは三置換されることができる。
式x2c)またはx2d)の飽和の炭素環またはヘテロ環が、置換されている場合、当該1以上の置換基は、飽和環または縮環CycおよびCycに結合することができる。これは、例えば、1個の置換基が飽和環に結合し、1個の置換基が縮環CycまたはCycに結合している化合物を包含する。縮環CycまたはCycの1つが、1以上のCH基を含有する場合、これらの基は、C=O、O、S、SO、NCOAlkまたはSOで置き換わっていてもよい式x2c)またはx2d)の飽和の炭素環またはヘテロ環の一部であると理解される。よって、式x2c)またはx2d)の飽和の炭素環またはヘテロ環の環状CH基の1つが、C=O、O、S、SO、NCOAlkまたはSOによって置き換えられている場合、これらの環状CHは、飽和環または縮環CycまたはCycの一部であり得る(しかしながら、上に記載のとおり、C=O、O、S、SO、NCOAlkまたはSOによって置き換えられていてもよい、飽和の炭素環またはヘテロ環のCH基はT1、T2またはT3に直接結合していないものとする)。
rが、0を示す態様において、LYは存在しない。
本発明の文脈において、「C〜C−アルキル」は、1、2、3、4、5または6個の炭素原子を有し、および直鎖または分岐状のアルキル部分を意味する。用語「C〜C−シクロアルキル」は、3、4、5または6個の炭素原子を有する飽和環状炭化水素基を指す。
用語「非置換」は、対応するラジカル、基または部分が、H以外の置換基を有さないことを意味する;構造から明示的または暗示的である1以上の水素に適用される、用語「置換された」は、対応するラジカル、基または部分が、H以外の置換基を1以上有することを意味する。ラジカルが複数の、すなわち少なくとも2つの置換基を有し、様々な置換基の選択が特定されている場合、置換基は、互いに独立して選択され、同一である必要はない。
用語「炭素環」は、すべての環員が炭素原子である環系を意味する。
用語「ヘテロ環」は、環員のいくつかが、N、O、またはSなどのヘテロ原子である環系を意味する。
基「NRR’」は、RおよびR’が、例えばそれぞれ互いに独立して、Hまたは直鎖状または分岐状のC〜C−アルキル残基(特にメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチルまたはtert−ブチル、ペンチル、ヘキシル)である、アミノ基である。
例としてSOR3aに含まれている、基「SO」は、SおよびOが二重結合(S=O)を介して結合している基である。
例としてCOR3aに含まれている、基「CO」は、CおよびOが二重結合(S=O)を介して結合している基である。
用語「アルキレン」は、二価のアルキル基を指す。「アルキレン基」は、(ポリ)メチレン基(−(CH−)である。
本明細書に使用されるとき、用語「不飽和の」は、部分が、不飽和の単位を1以上有することを意味する。環状系、環状部分、等を参照して本明細書に使用されるとき、用語「部分的に不飽和の」は、少なくとも1つの二重または三重結合を含む環状部分を指す。用語「部分的に不飽和の」は、1よりも多い二重または三重結合を有する環状部分を包含することを意図する。
本発明の文脈において、「O−CH」および「OCH」または「CHCH」および「−CH−CH−」のような表記は、同じ意味を有し、互換的に使用される。
本明細書に使用されるとき、構造式において、垂直の点線を有する矢印または結合は、隣接する基への付着点を示すために使用される。例えば、(x2a)における矢印は、隣接するC=O基への付着点を示す。
本発明の特に重要な態様は、式中
LYは、CHまたは(CHであり、ここで、1または2個のH原子は、F、ClまたはCHで置き換わっていてもよく;
Yは、Cycを示し;
、Rは、それぞれ互いに独立して、HまたはC−C−アルキルを示すか、またはRおよびRは一緒に式(CE)の残基を形成し;
r、m、lは、それぞれ互いに独立して、1または2を示し;および
Aは、非置換であるか、またはF、Cl、CN、CH、C、SCH、SC、SH、OCH、OC,および/またはOHで一、二または三置換された直鎖状または分枝状のC−C−アルキルを示す、
式(I)の化合物を包含する。
特定の態様は、式中
LYは、CHまたは(CHであり、ここで、1または2個のH原子は、F、ClまたはCHで置き換わっていてもよく;
は、(CH−O−Aを示し、ここで、(CHにおける1または2個のH原子は、F、Cl、CH、C、CF、OCHおよび/またはOCで置き換わっていてもよく;
または
(CH−OHを示し、ここで、(CHにおける1または2個のH原子は、F、Cl、CH、C、CF、OCHおよび/またはOCで置き換わっていてもよく;
は、(CH−S−Aを示し、ここで、(CHにおける1または2個のH原子は、F、Cl、CH、C、CF、OCH、OC、Arおよび/またはHetで置き換わっていてもよく;
または
(CH−SHを示し、ここで、(CHにおける1または2個のH原子は、F、Cl、CH、C、CF、OCH、OC、Arおよび/またはHetで置き換わっていてもよく;
は、それぞれ非置換であるか、またはF、Cl、CH、C、CF、OCH、OC、OCF、N(CH、CHN(CH、N(C、COCH、COC、NHCOCHおよび/またはNHCOCで一、二または三置換されている、式x2a)、x2b)、x2c)またはx2d)の飽和の炭素環またはヘテロ環を示し;
Aは、CH、C、(CHOH、(CHOHを示し;
Arは、非置換であるか、または、F、Cl、CH、C、CF、OCH、OC、COCF、SCH、SC、CHOCH3、N(CH、CHN(CHまたはN(Cで一または二置換されたフェニルを示し;
Hetは、非置換であるか、またはF、Cl、CH、C、CF、OCH、OC、COCF、SCH、SC、CHOCH3、N(CH、CHN(CHおよび/またはN(Cで一または二置換された、飽和、不飽和または芳香族5員または6員の1〜4個のN、Oおよび/またはS原子を有するヘテロ環を示し;および
、T、Tは、それぞれ互いに独立して、SまたはOを示す、
式(I)の化合物を包含する。
さらなる特定の態様は、式中:
は、(CH−S−Aを示し、ここで、(CHにおける1または2個のH原子は、F、Cl、CH、C、CF、OCHおよび/またはOCで置き換わっていてもよく;
または
(CH−SHを示し、ここで、(CHにおける1または2個のH原子は、F、Cl、CH、C、CF、OCHおよび/またはOCで置き換わっていてもよい、
式(I)の化合物を包含する。
他の重要な態様において、Xは、以下の基から選択される:
Figure 2021531310
他の特定の態様は、式中
Cycは、2,4−、3,4−、または2,3,4−置換フェニルを示し、ここで、置換基は、Hal、CN、R3a、OR3a、CONHR3a、CONR3b3a、CONH、NR3aCOR3b、SO3a、SOR3a、NHR3a、N(R3a、(CH−SR3a、(CH−N(R3aおよび/または(CH−Rからなる群から選択され;
または
1−または2−ナフチル、2−または3−チエニル、3−ベンゾフリルまたは2,3−ジヒドロベンゾフラン−3−イルを示し、これらは互いに各々独立して、非置換であるか、またはHal、CN、R3a、OR3a、CONHR3a、CONR3b3a、CONH、NR3aCOR3b、SO3a、SOR3a、NHR3a、N(R3a、(CH−SR3a、(CH−N(R3aおよび/または(CH−Rによって一、二または三置換されている;
qは、1または2を示し;および
3a、R3bは、それぞれ互いに独立して、直鎖状または分枝状のC−C−アルキルを示し、ここで、1〜5個のH原子は、F、Cl、OH、OCHおよび/またはOCで置き換わっていてもよい、
式(I)に従う化合物を含む。
極めて特定の態様は、式中
Cycは、2,4−、3,4−、または2,3,4−置換フェニル、または非置換であるか、または一または二置換された1−または2−ナフチルを示し、ここで、置換基は、それぞれ互いに独立して、Hal、CN、R3a、OR3a、CONHR3a、CONR3b3a、CONH、NR3aCOR3b、SO3a、SOR3a、NHR3a、N(R3a、(CH−SR3a、(CH−N(R3aおよび/または(CH−Rからなる群から選択される;
または
Cycは、式(Fa7)または(Fb7)に従う残基である:
Figure 2021531310

式中
は、H、F、Cl、Br、CN、R3a、OR3a、CONHR3a、CONR3b3a、CONH、NR3aCOR3b、SO3a、SOR3a、NHR3a、N(R3a、(CH−SR3a、(CH−N(R3aおよび/または(CH−Rを示し;
は、H、F、Cl、Br、CN、R3a、OR3a、CONHR3a、CONR3b3a、CONH、NR3aCOR3b、SO3a、SOR3a、NHR3a、N(R3a、(CH−SR3a、(CH−N(R3aおよび/または(CH−Rを示し;
、Kは、それぞれ互いに独立して、H、F、Cl、Br、CN、R3a、OR3a、CONHR3a、CONR3b3a、CONH、NR3aCOR3b、SO3a、SOR3a、NHR3a、N(R3a、(CH−SR3a、(CH−N(R3aおよび/または(CH−Rを示し;
3a、R3bは、それぞれ互いに独立して、直鎖状または分枝状のC−C−アルキルを示し、ここで、1〜5個のH原子は、F、Cl、OH、OCH,および/またはOCHCHで置き換わっていてもよく;および
qは、1または2を示す、
式(I)の化合物を含む。
特定の態様は、式中:
Cycが、2,4−、3,4−、または2,3,4−置換フェニル、または非置換であるか、または一または二置換された1−または2−ナフチルを示す場合、任意の置換基は、それぞれ互いに独立して、F、Cl、CH、C、CF、OCH、OC、COCF、SCH、SC、CHOCH3、N(CH、CHN(CHまたはN(Cからなる群から選択され;
は、H、F、Cl、CH、C、CF、OCH、OC、COCF、SCH、SC、CHOCH3、N(CH、CHN(CHまたはN(Cを示し;
は、H、F、Cl、CH、C、CF、OCH、OC、COCF、SCH、SC、CHOCH3、N(CH、CHN(CHまたはN(Cを示し;および
、Kは、それぞれ互いに独立して、H、F、Cl、CH、C、CF、OCH、OC、COCF、SCH、SC、CHOCH3、N(CH、CHN(CHまたはN(Cを示す、
式(I)に従う化合物を含む。
式(Fb7)に従う残基は、LYの隣の炭素原子に立体中心を担持する;これは、以下の式(Fb7)において、アスタリスク()で示されている:
Figure 2021531310
よって、式(Fb7)に従う残基は、この立体中心にて2つの異なる立体配置、すなわち(R)立体配置および(S)立体配置、を提示する。それ故に、本発明の化合物は、エナンチオピュアであるか、または式(R)−(Fb7)および(S)−(Fb7)の2つの鏡像異性体のラセミ(1:1)混合物として、のいずれかで存在していてもよい。
Figure 2021531310
式(Fb7)に従う残基を含む式(I)の化合物はまた、鏡像異性体(R)−(Fb7)または(S)−(Fb7)のどちらか一方が、他方より過剰に(例として60:40、70:30、80:20、90:10、95:5または同種のもの)存在している混合物においても、存在していてもよい。本発明の具体的な態様において、式(I)の化合物の式(R)−(Fb7)の立体異性体および式(I)の化合物の式(S)−(Fb7)の立体異性体は、少なくとも90部の(R)−(Fb7)対10部以下の(S)−(Fb7)の、好ましくは少なくとも95の(R)−(Fb7)対5以下の(S)−(Fb7)の、より好ましくは少なくとも99の(R)−(Fb7)対1以下の(S)−(Fb7)の、さらにより好ましくは少なくとも99.5の(R)−(Fb7)対0.5以下の(S)−(Fb7)の、(R)−(Fb7)対(S)−(Fb7)の比率で存在する。本発明の具体的な別の態様において、式(Fb7)の化合物の式(S)−(Fb7)の立体異性体および式(I)の化合物の式(R)−(Fb7)の立体異性体は、少なくとも90部の(S)−(Fb7)対10部以下の(R)−(Fb7)の、好ましくは少なくとも95の(S)−(Fb7)対5以下の(R)−(Fb7)の、より好ましくは少なくとも99の(S)−(Fb7)対1以下の(R)−(Fb7)の、さらにより好ましくは少なくとも99.5の(S)−(Fb7)対0.5以下の(R)−(Fb7)の、(S)−(Fb7)対(R)−(Fb7)の比率で存在する。
本発明の特に好ましい態様は、Cycが式(S)−(Fb7)の残基(これは、LYに付く炭素に(S)−立体配置を有する)である式(I)の化合物を含む。
かかる態様において、ジヒドロフラニル残基(Fb7)の位置3における炭素原子における立体中心は、好ましくは(S)−立体配置を示し、すなわち当該残基は、(任意に置換された)(3S)−2,3−ジヒドロベンゾフラン−3−イル残基(S)−(Fb7)である:
Figure 2021531310
他の特別な態様は、式中:
LYは、CHまたはCH−CHを示し、ここで、1〜4個のH原子は、FまたはClで置き換わっていてもよく、および/または1または2個のH原子は、OH、メチル、エチル、イソプロピル、CF、CFCF、OCH、OCHCH、OCHCHOHおよび/またはOCHCHOCHで置き換わっていてもよく;
Yは、Cycを示し;
、Rは、それぞれ互いに独立して、HまたはC−C−アルキルを示し、またはRおよびRは一緒に、上に記載のとおりの式(CE)の残基を形成し;および
3a、R3bは、それぞれ互いに独立して、直鎖状または分枝状のC−C−アルキルを示し、ここで、1〜5個のH原子は、F、Cl、OHおよび/またはOCH、OCHCHで置き換わっていてもよく;および
Cycは、2,4−、3,4−、または2,3,4−置換フェニル、または非置換であるか、または一または二置換された1−または2−ナフチルを示し、ここで、置換基は、それぞれ互いに独立して、Hal、CN、R3a、OR3a、CONHR3a、CONR3b3a、CONH、NR3aCOR3b、SO3a、SOR3a、NHR3a、N(R3a、CH−R、CH−SR3a、CH−N(R3aからなる群から選択される、
または
式(Fa7)または(S)−(Fb7)に従う残基を示す
Figure 2021531310

は、H、F、Cl、CH、C、CF、OCH、OC、COCF、SCH、SC、CHOCH3、N(CH、CHN(CHまたはN(Cを示し;
は、H、F、Cl、CH、C、CF、OCH、OC、COCF、SCH、SC、CHOCH、N(CH、CHN(CHまたはN(Cを示し;
、Kは、それぞれ互いに独立して、H、F、Cl、CH、C、CF、OCH、OC、COCF、SCH、SC、CHOCH、N(CH、CHN(CHまたはN(Cを示し;および
qは、1または2を示す、
式(I)に従う化合物を含む。
一般に、上に記載の式(I)に従う化合物に示される残基は、以下の意味を有し得る:
LYは、好ましくは−CH−または−CH−CH−を示し、ここで1〜4個のH原子はHalで置き換わっていてもよく、および/または1個のH原子はHal、R3aおよび/またはOR4aで置き換わっていてもよく、および/またはここで1または2個の非隣接するCH基は、O、S、SOおよび/またはSOで置き換わっていてもよい。最も好ましくは、LYは、−CH−または−CH−CH−を示し、ここで1〜4個のH原子はFまたはClで置き換わっていてもよく、および/または1または2個のH原子は、OH、メチル、エチル、イソプロピル、CF、CFCF、OCH、OCHCH、OCHCHOHおよび/またはCHOCHで置き換わっていてもよく、および/またはここでLYの1個のCH基はOで置き換わっていてもよい。
、Rは、好ましくはそれぞれ互いに独立して、Hまたはメチル、エチル、n−プロピルまたはイソプロピルを示し、またはRおよびRは、上に記載の式(CE)の残基を一緒に形成する。最も好ましくはR、Rは、H、メチルまたはエチルを示し、および特に好ましくはRおよびRはHを示す。
3aまたはR3bは、直鎖状または分岐状のC〜Cアルキルを表す態様において、それらは好ましくはそれぞれ互いに独立して、直鎖状または分岐状のメチル、エチル、n−プロピルまたはイソプロピルを示し、ここで1〜5個のH原子はF、Cl、CN、OHおよびOalkで置き換わっていてもよく、ここでAlkは、好ましくはメチルまたはエチルである。最も好ましくはR3aおよびR3bは、それぞれ互いに独立して、メチル、エチル、n−プロピルまたはイソプロピルを示し、式中1、2または3個のH原子は、F、Cl、OH、OCH、OCまたはOCH(CHで置き換わる。
Yの特に好ましい置換基は、Cl、CN、CH、C、CF、OCH、OC、COCF、SCH、SC、CHOCH3、N(CH、CHN(CHまたはN(Cを含む基から選択される。
Arは好ましくは、非置換であるか、またはHal、CN、R3a、OR3a、CONHR3a、NH、NHR3aおよび/またはN(R3aで一または二置換されるフェニルを示す。よって、Arは好ましくは、例としてフェニル、o−、m−またはp−トリル、o−、m−またはp−エチルフェニル、o−、m−またはp−プロピルフェニル、o−、m−またはp−イソプロピルフェニル、o−、m−またはp−tert−ブチルフェニル、o−、m−またはp−ヒドロキシフェニル、o−、m−またはp−ニトロフェニル、o−、m−またはp−アミノフェニル、o−、m−またはp−(N−メチルアミノ)フェニル、o−、m−またはp−(N−メチルアミノカルボニル)フェニル、o−、m−またはp−アセトアミドフェニル、o−、m−またはp−メトキシフェニル、o−、m−またはp−エトキシフェニル、o−、m−またはp−(N,N−ジメチルアミノ)フェニル、o−、m−またはp−(N−エチルアミノ)フェニル、o−、m−またはp−(N,N−ジエチルアミノ)フェニル、o−、m−またはp−フルオロフェニル、o−、m−またはp−ブロモフェニル、o−、m−またはp−クロロフェニル、o−、m−またはp−シアノフェニルを示す。
Hetは、好ましくは、1〜4個のN、Oおよび/またはS原子を有する、飽和の、不飽和のまたは芳香族の5員または6員のヘテロ環を示し、これは、非置換であるか、またはHal、CN、R3a、OR3a、CONHR3a、NH、NHR3aおよび/またはN(R3aで一置換される。よって、Hetは、例として2−または3−フリル、2−または3−チエニル、1−、2−または3−ピロリル、1−、2−、4−または5−イミダゾリル、1−、3−、4−または5−ピラゾリル、2−、4−または5−オキサゾリル、3−、4−または5−イソオキサゾリル、2−、4−または5−チアゾリル、3−、4−または5−イソチアゾリル、2−、3−または4−ピリジル、2−、4−、5−または6−ピリミジル、イミダゾリル、モルホリニルまたはピペラジニルを示し得る。
Alkは、好ましくはメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチルまたはtert−ブチル、ペンチルまたはヘキシル、最も好ましくはmethy、エチル、プロピルまたはイソプロピル、最も好ましくはメチル、エチル、n−プロピルまたはイソプロピルを示す。
Halは、好ましくはF、ClまたはBr、最も好ましくはFまたはClを示す。
kは、好ましくは0または1を示す。
nは、好ましくは0または1を示す。
oは、好ましくは0または1を示す。
pは、好ましくは0または1を示す。
rは、好ましくは0、1または2、より好ましくは1または2および最も好ましくは1を示す。
qは、好ましくは1、2、3または4およびさらにより好ましくは1または2を示す。
本発明の特別な態様は、以下からなる群から選択される化合物を含む:
Figure 2021531310

Figure 2021531310

Figure 2021531310
用語、化合物の溶媒和物は、相互引力によって形成する、化合物への付加を意味する。溶媒和物は、例えば、一または二水和物またはアルコキシドである。
本発明は、塩の溶媒和物にも関することが理解される。
用語、薬学的に許容し得る誘導体は、例えば、本発明に従う化合物の塩を、およびいわゆるプロドラッグ化合物も意味する。
本明細書に使用されるとき、特に指定されない限り、用語「プロドラッグ」は、加水分解、酸化、または生物学的条件下(in vitroまたはin vivo)で反応して、活性化合物、特に式(I)の化合物を提供することができる、式(I)の化合物の誘導体を意味する。プロドラッグの例は、これらに限定されないが、式(I)の化合物の誘導体および代謝物を含み、これは、生加水分解性アミド、生加水分解性エステル、生加水分解性カルバマート、生加水分解性カルボナート、生加水分解性ウレイド、および生加水分解性ホスファート類似体などの生加水分解性部分を含む。ある態様において、カルボキシル官能基を有する化合物のプロドラッグは、カルボン酸の低級アルキルエステルである。カルボキシラートエステルは、分子に存在するカルボン酸部分のいずれかをエステル化することで便利に形成される。プロドラッグは、典型的には周知の方法、例えば、Burger 's Medicinal Chemistry and Drug Discovery 6th ed. (Donald J. Abraham ed., 2001, Wiley)およびDesign and Application of Prodrugs (H.Bundgaard ed., 1985, Harwood Academic Publishers Gmfh)によって説明される方法を使用して調製することができる。
表現「有効量」は、組織、系、動物またはヒトにおいて、例えば研究者または医師によって求められまたは望まれている生物学的または医学的応答を引き起こす医薬または医薬活性成分の量を表す。
加えて、表現「治療的に有効な量」は、この量を受け取っていない対応する対象と比較して、以下の結果をもたらす量を意味する:改善した処置、治癒、予防、または疾患、症候群、状態、不満、障害または副作用の排除、または疾患、不満または障害の進行の減少。
表現「治療的に有効な量」は、正常な生理学的な機能を増加するために有効な量も包含する。
本発明は、また、式(I)の化合物の混合物、例えば2つのジアステレオマーの例えば1:1、1:2、1:3、1:4、1:5、1:10、1:100または1:1000の比率での混合物の使用にも関する。
「互変異性体」は、互いに平衡状態にある化合物の異性体形態を指す。異性体の濃度は、化合物が見られる環境に依存し、例えば、化合物が固体であるか、有機溶液または水溶液であるかに応じて異なり得る。
本発明はさらに、上に記載のとおりの式(I)の化合物、およびその薬学的に許容し得る塩、互変異性体および立体異性体の調製のためのプロセスを含み、これは、式(III)
Figure 2021531310

の化合物を、式(VI)
Figure 2021531310

の化合物と結合することを特徴し、
ここで、式(III)および式(IV)の全ての残基は上述に定義されたとおりであり、ここで、得られた式(Ib)の化合物を続いて、過剰量の低分子量のボロン酸
(これらに限定されないがi−BuB(OH)など):
Figure 2021531310

の存在下または不存在下で、HCl、HBr、HIおよび/またはTFAで処理することで、式(Ia)の化合物へと変換させてもよい。
上記のプロセスにおいて、式(III)の化合物および式(IV)の化合物の間の反応は、好ましくは、HATU、TBTU、ポリマー−支持1−アルキル−2−クロロピリジニウム塩(ポリマー−支持向山試薬)、1−メチル−2−クロロピリジニウムヨウ化物(向山試薬)、カルボジイミドから選択されるカップリング剤の存在下で行われる。
以下の略語は、下に使用される略語を指す:
AcOH(酢酸)、ACN(アセトニトリル)、BINAP(2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフタレン)、dba(ジベンジリデンアセトン)、tBu(tert−ブチル)、tBuOK(カリウムtert−ブトキシド)、CDI(1,1’−カルボニルジイミダゾール)、DBU(1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン)、DCC(ジシクロヘキシルカルボジイミド)、DCM(ジクロロメタン)、DIAD(ジイソブチルアゾジカルボキシレート)、DIC(ジイソプロピルカルボジイミド)、DIEA(ジ−イソプロピルエチルアミン)、DMA(ジメチルアセトアミド)、DMAP(4−ジメチルアミノピリジン)、DMSO(ジメチルスルホキシド)、DMF(N,N−ジメチルホルムアミド)、EDC.HCl(1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)−カルボジイミド塩酸塩)、EtOAcまたはEE(酢酸エチル)、EtOH(エタノール)、g(グラム)、cHex(シクロヘキサン)、HATU(ジメチルアミノ−([1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピリジン−3−イルオキシ)−メチレン]−ジメチル−アンモニウムヘキサフルオロホスフェート)、HOBt(N−ヒドロキシベンゾトリアゾール)、HPLC(高速液体クロマトグラフィー)、hr(時間)、MHz(メガヘルツ)、MeOH(メタノール)、min(分)、mL(ミリリットル)、mmol(ミリモル)、mM(millimolar)、mp(融点)、MS(質量分析)、MW(マイクロ波)、NMM(N−メチルモルホリン)、NMR(核磁気共鳴)、NBS(N−ブロモスクシンイミド)、PBS(リン酸緩衝生理食塩水)、PMB(パラ−メトキシベンジル)、PyBOP(ベンゾトリアゾール−1−イル−オキシトリピロリジノホスホニウムヘキサフルオロホスフェート)、rt(室温)、RT(保持時間)、TBAF(テトラーブチルアンモニウムフッ化物)、TBTU(N,N,N’,N’−テトラメチル−O−(ベンゾトリアゾール−1−イル)ウロニウムテトラフルオロボレート)、T3P(プロパンホスホン酸無水物)、TEA(トリエチルアミン)、TFA(トリフルオロ酢酸)、THF(テトラヒドロフラン)、PetEther(石油エーテル)、TBME(tert−ブチルメチルエーテル)、TLC(薄層クロマトグラフィー)、TMS(トリメチルシリル)、TMSI(ヨードトリメチルシラン)、UV(紫外線)。
一般に、式(I)、式中すべての残基は上に定義されるとおりである、の化合物は、以下のスキーム1に概説されるとおり式(III)の化合物から得ることができる:
Figure 2021531310
最初のステップは、Xは上記で定義される式(III)の化合物と、R、R、LYおよびYは上記で定義される式(IV)の化合物との反応からなる。反応は、HATU、TBTU、ポリマー支持1−アルキル−2−クロロピリジニウム塩(ポリマー支持向山試薬)、ヨウ化1−メチル−2−クロロピリジニウム(向山試薬)、カルボジイミド(DCC、DICなど)など、EDC)およびHOBt、PyBOP(R)などの標準的なカップリング剤、および当業者によく知られている他のかかる試薬、好ましくはTBTUを用いて、TEA、DIEA、NMM、ポリマー担持モルホリン、好ましくはDIEAなどの塩基の存在下または不存在下で、DCM、THF、DMFなどの適切な溶媒中、−10℃〜50℃の温度、好ましくは0℃、数時間、例えば1時間から24時間で、カルボン酸からアミドを調製するための当業者に周知の条件および方法を使用して行われる。遊離の酸(III)の代わりに、リチウム塩(III−Li)もまた、上に記載のカップリングのために使用することができる:
Figure 2021531310
代わりに、式(III)の化合物は、当業者に周知の方法、これらに限定されないが、たとえば、触媒量のDMFの存在下または不存在下、トルエン、DCM、THFなどの適切な溶媒の存在下または不存在下での、20℃から100℃へ上昇する温度、好ましくは50度で、数時間、たとえば1時間〜24時間、SOCl、POCl、PCl、(COCl)での処理により、アシルハロゲン化物または無水物などのカルボン酸誘導体に変換することができる。カルボン酸誘導体の式(I)の化合物への変換は、カルボン酸誘導体(例えば、塩化アシル)からアルキルアミンを用いてアミドを調製するための当業者に周知の条件および方法を使用して、TEA、DIEA、NMMなどの塩基の存在下、DCM、THF、DMFなどの適切な溶媒中、20℃から100℃までの温度で、好ましくは50℃で数時間、たとえば1時間から24時間で、達成することができる。
X、LYおよびYは上記で定義され、RおよびRはHである式(Ia)の化合物を、ボロン酸エステルの加水分解について当業者に周知の方法、これらに限定されないが、過剰量の低分子量のボロン酸、たとえばiBuB(OH)の存在下または不存在下での、HCl、HBr、HI、TFAでの処理を使用して、式(Ib)の化合物から出発して調製することができる(スキーム2)。
スキーム2:
Figure 2021531310
式(III)または(IV)の化合物は、市販されているか、または当業者に周知の方法によって調製することができる。
一般に、式(IV)の化合物は、例えば、以下のスキーム3aによって得ることができる:
Figure 2021531310
式(IV)の化合物の合成は、さらにWO2016/050356、WO2016/050355、WO2016/050359、およびWO2016/050358に記載されている。
式(III)または(III−Li)の化合物は、市販であるか、またはとりわけ対応するエーテルからの加水分解による方法などの既知の方法によって調製することができる:
Figure 2021531310

Figure 2021531310
式(III)の化合物が立体中心を含む場合、両方の鏡像異性体は、キラル分離によってラセミ体から利用可能である。
Figure 2021531310
いくつかの特定の式(III)の化合物は、以下のルートで調製することができる:
a)
Figure 2021531310
b)
Figure 2021531310
c)
Figure 2021531310
一般的な合成方法の上記のセットが、式(I)に従う化合物および/または式(I)の化合物の合成に必要な中間体を得るために適用できない場合、当業者に既知の好適な調製方法を使用するべきである。
一般に、式(I)のあらゆる個々の化合物のための合成経路は、各分子の特定の置換基、および、必要な中間体の入手しやすさ(ready availability)に依存するであろう;あらためて、かかる因子は、当業者に十分に理解される。保護および脱保護のすべての方法については、Philip J. Kocienskiの「Protecting Groups」(Georg Thieme Verlag Stuttgart, New York, 1994)にて、ならびに、Theodora W. GreeneおよびPeter G. M. Wutsの「Protective Groups in Organic Synthesis」(Wiley Interscience, 3rd Edition 1999)にて、述べられている。
本発明の化合物を、溶媒分子と合同で、適切な溶媒の蒸発からの結晶によって単離することができる。塩基性中心を含む式(I)の化合物の薬学的に許容し得る酸付加塩を、慣用のやり方で調製してもよい。例えば遊離塩基の溶液を、好適な純粋の(neat)酸または好適な溶液中の好適な酸のいずれかが処置してもよく、得られた塩を、濾過または反応溶媒の真空下での蒸発のいずれかによって単離する。薬学的に許容し得る塩基付加塩は、類似のやり方において、酸性中心を含有する式(I)の化合物の溶液を好適な塩基で処置することにより、得られてもよい。両方のタイプの塩を、イオン交換樹脂手法を使用して形成するかまたは相互転換してもよい。
使用される条件に依存して、反応時間は一般に、数分間と14日間との間であり、反応温度は、約−30℃と140℃との間であり、通常−10℃と90℃との間、具体的には約0℃と約70℃との間である。
式(I)の化合物は、そのうえ、式(I)の化合物を、それらの官能性誘導体の1つから、加溶媒分解剤または水素化分解剤での処理によって遊離させることにより、得られ得る。
加溶媒分解または水素化分解に好ましい出発材料は、式(I)に適合するが対応する保護されたアミノおよび/またはヒドロキシル基を、1つ以上の遊離のアミノおよび/またはヒドロキシル基の代わりに含有するもの、好ましくはアミノ保護基をN原子に結合したH原子の代わりに持つもの、具体的にはR’がアミノ保護基を示すR’−N基をHN基の代わりに持つもの、および/または、ヒドロキシル保護基をヒドロキシル基のH原子の代わりに持つもの、例えば式(I)に適合するが、R’’がヒドロキシル保護基を示す−COOR’’基を−COOH基の代わりに持つものである。
複数の、−同一であるか、または異なる−、保護されたアミノおよび/またはヒドロキシル基が、出発材料の分子中に存在するのもまた可能である。存在する保護基が互いに異なる場合、それらは、多くの場合において、選択的に切断され得る。
用語「アミノ保護基」は、概括的な言葉として知られており、アミノ基を化学反応に対して保護する(遮断する)のに好適であるが、所望の化学反応が分子中の他の個所で行われた後に除去するのが容易である基に関する。典型的なかかる基は、具体的には、非置換または置換アシル、アリール、アラルコキシメチルまたはアラルキル基である。アミノ保護基が所望の反応(または反応順序)の後に除去されるので、それらのタイプおよびサイズはさらに重大ではない;しかしながら、好ましいのは、1〜20個、具体的には1〜8個のC原子を有するものである。用語「アシル基」は、本方法に関して最も広い意味において理解するべきである。それは、脂肪族、芳香脂肪族、芳香族またはヘテロ環式カルボン酸またはスルホン酸から誘導されるアシル基、および具体的にはアルコキシ−カルボニル、アリールオキシカルボニルおよび特にアラルコキシカルボニル基を含む。かかるアシル基の例は、アルカノイル、例えばアセチル、プロピオニルおよびブチリル;アラルカノイル、例えばフェニルアセチル;アロイル、例えばベンゾイルおよびトリル;アリールオキシアルカノイル、例えばPOA;アルコキシカルボニル、例えばメトキシ−カルボニル、エトキシカルボニル、2,2,2−トリクロロエトキシカルボニル、BOC(tert−ブトキシ−カルボニル)および2−ヨードエトキシカルボニル;アラルコキシカルボニル、例えばCBZ(「カルボベンゾキシ」)、4−メトキシベンジルオキシカルボニルおよびFMOC;ならびにアリール−スルホニル、例えばMtrである。好ましいアミノ保護基は、BOCおよびMtr、さらにCBZ、Fmoc、ベンジルおよびアセチルである。
用語「ヒドロキシル保護基」は、概括的な言葉として同様に知られており、ヒドロキシル基を化学反応に対して保護するのに好適であるが、所望の化学反応が分子中の他の個所で行われた後に除去するのが容易である基に関する。かかる基の典型的なものは、前述の非置換または置換アリール、アラルキルまたはアシル基、さらにまたアルキル基である。それらが再び所望の化学反応または反応順序の後に除去されるので、ヒドロキシル保護基の性質およびサイズは重大ではない;好ましいのは、1〜20個、具体的には1〜10個の炭素原子を有する基である。ヒドロキシル保護基の例は、中でもベンジル、4−メトキシベンジル、p−ニトロ−ベンゾイル、p−トルエンスルホニル、tert−ブチルおよびアセチルであり、ここでベンジルおよびtert−ブチルが具体的に好ましい。
用語「化合物の溶媒和物」は、それらの相互の引力のせいで形成される化合物上への不活性溶媒分子のアダクション(adduction)を意味するものと解釈される。溶媒和物は、例えば一もしくは二水和物またはアルコラートである。
式(I)の化合物を、−使用する保護基に依存して−、例えば強酸を使用して、有利にはTFAまたは過塩素酸を使用して、しかしまた他の強無機酸、例えば塩酸または硫酸、強有機カルボン酸、例えばトリクロロ酢酸、またはスルホン酸、例えばベンゼンもしくはp−トルエンスルホン酸をも使用して、それらの官能性誘導体から遊離させる。追加の不活性溶媒の存在は可能であるが、常に必要であるわけではない。好適な不活性溶媒は、好ましくは有機、例えばカルボン酸、例えば酢酸、エーテル、例えばTHFまたはジオキサン、アミド、例えばDMF、ハロゲン化炭化水素、例えばDCM、さらにまたアルコール、例えばメタノール、エタノールまたはイソプロパノール、および水である。前述の溶媒の混合物は、さらに好適である。TFAを、好ましくは、さらなる溶媒を加えずに過剰において使用し、過塩素酸を、好ましくは酢酸および70%過塩素酸の比率9:1における混合物の形態において使用する。切断のための反応温度は、有利には約0と約50℃との間、好ましくは15と〜30℃(rt)との間である。
BOC、OButおよびMtr基を、例えば、好ましくは、DCM中のTFAを使用して、またはジオキサン中の約3〜5NのHClを使用して、15〜30℃で切断することができ、FMOC基を、ジメチルアミン、ジエチルアミンまたはピペリジンをDMFに溶解した約5〜50%の溶液を使用して、15〜30℃で切断することができる。
水素化分解的に除去することができる保護基(例えばCBZ、ベンジルまたはそのオキサジアゾール誘導体からのアミジノ基の遊離)を、例えば触媒(例えば、有利には担体、例えば炭素上の貴金属触媒、例えばパラジウム)の存在下での水素での処置によって切断することができる。ここでの好適な溶媒は、上に示したもの、具体的には例えばアルコール、例えばメタノールもしくはエタノール、またはアミド、例えばDMFである。水素化分解を、一般に、約0と100℃との間の温度および約1と200barとの間の圧力で、好ましくは20〜30℃および1〜10barで行う。CBZ基の水素化分解は、例えばメタノール中の5〜10%Pd/C上で、またはPd/C上でギ酸アンモニウム(水素の代わりに)を使用して、メタノール/DMF中で20〜30℃で良好に成功する。
好適な不活性溶媒の例は、炭化水素、例えばヘキサン、石油エーテル、ベンゼン、トルエンもしくはキシレン;塩素化炭化水素、例えばトリクロロエチレン、1,2−ジクロロエタン、テトラクロロメタン、トリ−フルオロ−メチルベンゼン、クロロホルムもしくはDCM;アルコール、例えばメタノール、エタノール、イソプロパノール、n−プロパノール、n−ブタノールもしくはtert−ブタノール;エーテル、例えばジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)もしくはジオキサン;グリコールエーテル、例えばエチレングリコールモノメチルもしくはモノエチルエーテルまたはエチレングリコールジメチルエーテル(ジグライム);ケトン、例えばアセトンもしくはブタノン;アミド、例えばアセトアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン(NMP)もしくはジメチル−ホルムアミド(DMF);ニトリル、例えばアセトニトリル;スルホキシド、例えばジメチルスルホキシド(DMSO);二硫化炭素;カルボン酸、例えばギ酸もしくは酢酸;ニトロ化合物、例えばニトロメタンもしくはニトロベンゼン;エステル、例えばEtOAc、あるいは該溶媒の混合物である。
エステルを、例えば水中のLiOH、NaOHまたはKOH、水/THF、水/THF/エタノールまたは水/ジオキサンを使用して、0と100℃との間の温度で鹸化することができる。さらに、エステルを、例えば酢酸、TFAまたはHCLを使用して加水分解することができる。
遊離のアミノ基を、そのうえ、慣用のやり方で塩化アシルもしくは無水物を使用してアシル化するか、あるいは非置換もしくは置換ハロゲン化アルキルを使用してアルキル化するか、あるいはCH3−C(=NH)−OEtと、有利には不活性溶媒、例えばDCMもしくはTHF中で、および/または塩基、例えばトリエチルアミンもしくはピリジンの存在下で、−60℃と+30℃との間の温度で反応させることができる。
明細書全体にわたって、用語脱離基は、好ましくはCl、Br、Iまたは反応的に修飾されたOH基、例えば1〜6炭素原子を有する活性化されたエステル、イミダゾリドもしくはアルキルスルホニルオキシ(好ましくはメチルスルホニルオキシもしくはトリフルオロメチルスルホニルオキシ)または6〜10炭素原子を有するアリールスルホニルオキシ(好ましくはフェニルもしくはpトリルスルホニルオキシ)を示す。
典型的なアシル化反応におけるカルボキシル基の活性化のためのこのタイプのラジカルは、文献に(例えば、Houben-Weyl, Methoden der organischen Chemie [Methods of Organic Chemistry], Georg-Thieme-Verlag, Stuttgartなどの標準的学術書に)記載されている。
活性化されたエステルは、有利には、例えばHOBtまたはN-ヒドロキシスクシンイミドの添加を通して、in situで形成される。
薬学的塩および他の形態
式(I)の該化合物を、それらの最終的な非塩形態において使用することができる。他方、本発明はまた、これらの化合物の、様々な有機および無機酸および塩基から当該技術分野において知られている手順によって誘導され得るそれらの薬学的に許容し得る塩の形態における使用に関する。式(I)の化合物の薬学的に許容し得る塩形態は、大部分、従来の方法によって調製される。式(I)の化合物が酸性の中心、例えばカルボキシル基を含有する場合、その好適な塩の1つを、当該化合物を好適な塩基と反応させて対応する塩基付加塩を得ることによって生成することができる。かかる塩基は、例えば水酸化カリウムおよび水酸化ナトリウムを含むアルカリ金属水酸化物;アルカリ土類金属水酸化物、例えば水酸化マグネシウムおよび水酸化カルシウム;ならびに様々な有機塩基、例えばピペリジン、ジエタノールアミンおよびN−メチル−グルカミン(メグルミン)、ベンザチン、コリン、ジエタノールアミン、エチレンジアミン、ベネタミン(benethamine)、ジエチルアミン、ピペラジン、リシン、L−アルギニン、アンモニア、トリエタノールアミン、ベタイン、エタノールアミン、モルホリンおよびトロメタミンである。
塩基性中心を含有する式(I)のある化合物の場合、酸付加塩を、これらの化合物を薬学的に許容し得る有機および無機酸、例えばハロゲン化水素、例えば塩化水素または臭化水素、他の鉱酸およびそれらの対応する塩、例えば硫酸塩、硝酸塩またはリン酸塩など、ならびにアルキル−およびモノアリール−スルホナート、例えばメタンスルホナート、エタンスルホナート、トルエンスルホナートおよびベンゼン−スルホナート、ならびに他の有機酸およびそれらの対応する塩、例えば炭酸塩、酢酸塩、トリフルオロ−酢酸塩、酒石酸塩、マレイン酸塩、コハク酸塩、クエン酸塩、安息香酸塩、サリチル酸塩、アスコルビン酸塩などで処置することによって形成することができる。
結果的に、式(I)の化合物の薬学的に許容し得る酸付加塩は、以下のものを含む:酢酸塩、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、ベンゼン−スルホン酸塩(ベシル酸塩)、重硫酸塩、重亜硫酸塩、臭化物、酪酸塩、樟脳酸塩、樟脳−スルホン酸塩、カプリン酸塩、カプリル酸塩、塩化物、クロロ安息香酸塩、クエン酸塩、チクロ、ケイ皮酸塩、ジグルコン酸塩、リン酸二水素塩、ジニトロ安息香酸塩、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸塩、ギ酸塩、グリコール酸塩、フマル酸塩、ガラクタル酸塩(ムチン酸から)、ガラクツロン酸塩、グルコヘプタン酸塩、グルコン酸塩、グルタミン酸塩、グリセロリン酸塩、ヘミコハク酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、馬尿酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、2−ヒドロキシ−エタン−スルホン酸塩、ヨウ化物、イセチオン酸塩、イソ酪酸塩、乳酸塩、ラクトビオン酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、マンデル酸塩、メタリン酸塩、メタンスルホン酸塩、メチル安息香酸塩、リン酸一水素塩、2−ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、シュウ酸塩、オレイン酸塩、パルモエート(palmoate)、ペクチン酸塩、過硫酸塩、フェニル酢酸塩、3−フェニルプロピオン酸塩、リン酸塩、ホスホン酸塩、フタル酸塩、しかしこれは限定を表さない。両方のタイプの塩を、好ましくはイオン交換樹脂手法を使用して生成するかまたは相互転換してもよい。
さらにまた、式(I)の化合物の塩基性塩は、アルミニウム、アンモニウム、カルシウム、銅、鉄(III)、鉄(II)、リチウム、マグネシウム、マンガン(III)、マンガン(II)、カリウム、ナトリウムおよび亜鉛塩を含むが、これは限定を表すことを意図しない。前述の塩の中で、好ましいのは、アンモニウム;アルカリ金属塩ナトリウムおよびカリウム、ならびにアルカリ土類金属塩カルシウムおよびマグネシウムである。薬学的に許容し得る有機無毒性塩基から誘導される式Iの化合物の塩は、第一、第二および第三アミン、また天然に存在する置換アミンを含む置換アミン、環状アミン、ならびに塩基性イオン交換樹脂、例えばアルギニン、ベタイン、カフェイン、クロロプロカイン、コリン、N,N’−ジベンジル−エチレンジアミン(ベンザチン)、ジシクロヘキシルアミン、ジエタノール−アミン、ジエチル−アミン、2−ジエチル−アミノ−エタノール、2−ジメチル−アミノ−エタノール、エタノールアミン、エチレンジアミン、N−エチルモルホリン、N−エチル−ピペリジン、グルカミン、グルコサミン、ヒスチジン、ヒドラバミン(hydrabamine)、イソプロピル−アミン、リドカイン、リシン、メグルミン(N−メチル−D−グルカミン)、モルホリン、ピペラジン、ピペリジン、ポリアミン樹脂、プロカイン、プリン、テオブロミン、トリエタノール−アミン、トリエチルアミン、トリメチルアミン、トリプロピル−アミンおよびトリス(ヒドロキシ−メチル)−メチルアミン(トロメタミン)の塩を含むが、これは限定を表すことを意図しない。
塩基性窒素含有基を含有する本発明の式(I)の化合物を、剤、例えば(C1〜C4)アルキルハロゲン化物、例えば塩化、臭化およびヨウ化メチル、エチル、イソプロピルおよびtert−ブチル;ジ(C1〜C4)アルキル硫酸塩、例えば硫酸ジメチル、ジエチルおよびジアミル;(C10〜C18)アルキルハロゲン化物、例えば塩化、臭化およびヨウ化デシル、ドデシル、ラウリル、ミリスチルおよびステアリル;ならびにアリール−(C1〜C4)アルキルハロゲン化物、例えば塩化ベンジルおよび臭化フェネチルを使用して四級化することができる。式Iの水溶性および油溶性の化合物をともに、かかる塩を使用して調製することができる。
好ましい上述の薬学的塩は、酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、ベシル酸塩、クエン酸塩、フマル酸塩、グルコン酸塩、ヘミコハク酸塩、馬尿酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、イセチオン酸塩、マンデル酸塩、メグルミン、硝酸塩、オレイン酸塩、ホスホン酸塩、ピバリン酸塩、リン酸ナトリウム、ステアリン酸塩、硫酸塩、スルホサリチル酸塩、酒石酸塩、チオリンゴ酸塩、トシル酸塩およびトロメタミンを含むが、これは限定を表すことを意図しない。
式(I)の塩基性化合物の酸付加塩を、遊離塩基形態を充分な量の所望の酸と接触させ、慣用のやり方で塩の形成を引き起こさせることによって調製する。遊離塩基を、塩形態を塩基と接触させ、遊離塩基を慣用のやり方で単離することによって再生することができる。遊離塩基形態は、ある点において、ある物理的特性、例えば極性溶媒への溶解性の点で、その対応する塩形態と異なる;しかしながら、本発明の目的において、塩は、他の点ではその夫々の遊離塩基形態に対応する。
述べたとおり、式(I)の化合物の薬学的に許容し得る塩基付加塩は、金属またはアミン、例えばアルカリ金属およびアルカリ土類金属または有機アミンを使用して生成する。好ましい金属は、ナトリウム、カリウム、マグネシウムおよびカルシウムである。好ましい有機アミンは、N,N’−ジベンジルエチレンジアミン、クロロプロカイン、コリン、ジエタノール−アミン、エチレンジアミン、N−メチル−D−グルカミンおよびプロカインである。
式(I)の酸性化合物の塩基付加塩を、遊離酸形態を充分な量の所望の塩基と接触させ、塩の生成を慣用のやり方で引き起こさせることによって調製する。遊離酸を、塩形態を酸と接触させ、遊離酸を慣用のやり方で単離することによって再生することができる。遊離酸形態は、ある点において、ある物理的特性、例えば極性溶媒への溶解性の点で、その対応する塩形態と異なる;しかしながら、本発明の目的において、塩は、他の点ではその夫々の遊離酸形態に対応する。
式(I)の化合物が、このタイプの薬学的に許容し得る塩を形成することができる1つよりも多い基を含有する場合、式(I)はまた、多重塩をも包含する。典型的な多重塩形態は、例えば重酒石酸塩、二酢酸塩、二フマル酸塩、ジメグルミン、二リン酸塩、二ナトリウムおよび三塩酸塩を含むが、これは限定を表すことを意図しない。
上で述べたことに関して、本文脈における用語「薬学的に許容し得る塩」は、とりわけ、この塩形態が、活性化合物に対して、前に使用されていた活性化合物の遊離形態または活性化合物のあらゆる他の塩形態と比較して改善された薬物動態学的特性を付与する場合には、式(I)の化合物をその塩の1種の形態で含む活性成分を意味するものと解釈されることが明らかである。活性成分の薬学的に許容し得る塩形態はまた、この活性成分に前には有していなかった所望の薬物動態学的特性を初めて提供することができ、さらに活性成分の薬力学に対して身体におけるその治療的有効性に関する正の影響を有することができる。
それらの分子構造のおかげで、式(I)の化合物はキラルであり、結果的に様々な鏡像異性体形態で存在し得る。それらは、したがって、ラセミ体形態または光学的に活性な形態で存在し得る。
本発明に従う化合物のラセミ化合物または立体異性体の薬学的活性が異なり得るので、鏡像異性体を使用することが望ましい場合がある。これらの場合において、最終生成物またはさらに中間体を、当業者に知られている化学的もしくは物理的手段によって鏡像異性体化合物に分離するか、またはさらに合成においてそれ自体で用いられ得る。
ラセミ体のアミンの場合において、ジアステレオマーが、光学的に活性な分割剤との反応によって混合物から形成する。好適な分割剤の例は、光学的に活性な酸、例えば酒石酸、ジアセチル酒石酸、ジベンゾイル酒石酸、マンデル酸、リンゴ酸、乳酸、好適なN保護されたアミノ酸(例えばN−ベンゾイルプロリンもしくはN−ベンゼンスルホニルプロリン)、または様々な光学的に活性な樟脳スルホン酸の(R)−および(S)−形態である。また有利なのは、光学的に活性な分割剤(例えばジニトロベンゾイルフェニルグリシン、三酢酸セルロースまたはシリカゲル上で固定化された炭水化物またはキラルに誘導体化されたメタクリレートポリマーの他の誘導体)の補助によるクロマトグラフィー的鏡像異性体分割である。この目的のために適している溶離剤は、例えば比率82:15:3における水性またはアルコール性溶媒混合物、例えばヘキサン/イソプロパノール/アセトニトリルである。
同位体
さらに、式(I)の化合物は、その同位体標識された形態を含むことも意図する。式(I)の化合物の同位体標識された形態は、化合物の1以上の原子が、大抵自然に発生する原子の原子質量または質量数とは異なる原子質量または質量数を有する原子(単数)または原子(複数)で置き換えられたという事実を除き、この化合物と同一である。市販の容易に入手でき、周知の方法で式(I)の化合物に組み込むことができる同位体の例は、水素、炭素、窒素、酸素、リン、フッ素および塩素の同位体、例えば夫々、H、H、13C、14C、15N、18O、17O、31P、32P、35S、18Fおよび36CI、を含む。式(I)の化合物、そのプロドラッグ、または上記同位体および/または他の原子の他の同位体の1つ以上を含むいずれかの薬学的に許容し得る塩は、本発明の一部であることが意図される。同位体標識された式(I)の化合物は、数多の有益な方法において使用することができる。
例えば、Hまたは14Cなどの放射性同位体が組み込まれた、同位体標識された式(I)の化合物は、医薬および/または基質組織分布アッセイのために好適である。これらの放射性同位体、すなわちトリチウム(H)および炭素−14(14C)は、簡単な調製および優れた検出性のために特に好ましい。より重たい同位体、例えば重水素(H)の、式(I)の化合物への取り込みは、この同位体標識化合物のより高い代謝安定性のために、治療的利点を有する。より高い代謝安定性は、in vivo半減期の増加または投与量の減少に直接つながり、これはほとんどの状況下で本発明の好ましい実施形態を表すであろう。同位体標識された式(I)の化合物は、大抵、本明細書の実施例部分および調製部分における、合成スキームおよび関連する説明において開示された手順を実施することにより調製することができ、非同位体標識反応物を、容易に入手可能な同位体標識反応物で置き換える。
重水素(H)はまた、一次速度論的同位体効果により化合物の酸化的代謝を操作するために、式(I)の化合物に組み込むことができる。一次速度論的同位体効果は、同位体核の交換に起因する化学反応の速度の変化であり、これは、この同位体交換後の共有結合形成に必要な基底状態エネルギーの変化によって引き起こされる。より重い同位体の交換は、大抵、化学結合の基底状態エネルギーの低下をもたらし、よって、律速結合破壊の速度の低下を引き起こす。多生成物反応の座標に沿った鞍状点領域内またはその付近において、結合破壊が発生した場合、生成物分布比率を実質的に変更される。説明のために:重水素が交換不可能な位置で炭素原子に結合している場合、k/k=2-〜7の速度差が典型的である。この速度差が、酸化を受けやすい式(I)の化合物にうまく適用されると、in vivoでのこの化合物のプロファイルは大幅に変更され、改善された薬物動態特性をもたらす。
治療剤を発見および開発する場合、当業者は、所望のin vitro特性を保持しながら薬物動態パラメータを最適化しようと試みる。薬物動態プロファイルが不十分な多くの化合物が酸化的代謝を受けやすいと仮定するのは合理的である。現在入手可能なin vitro肝臓ミクロソームアッセイは、このタイプの酸化的代謝の過程に関する貴重な情報を提供し、これにより、式(I)の重水素化化合物の合理的な設計が可能になり、かかる酸化的代謝に対する抵抗性を通じて安定性が向上する。式(I)の化合物の薬物動態プロファイルにおける有意な改善がそれによって得られ、半減期(t1/2)における増加、最大治療効果の濃度(Cmax)、用量反応曲線下の面積(AUC)、およびFの観点;およびクリアランス、用量、材料費の削減の観点において、定量的に表することができる。
酸化的代謝の複数の潜在的攻撃部位、例えば、ベンジル水素原子および窒素原子に結合した水素原子を有する式(I)の化合物は、水素原子のさまざまな組み合わせが重水素原子に置き換えられた一連の類似体として調製されるため、これらの水素原子の一部、ほとんど、またはすべてが重水素原子に置き換えられている。半減期の決定が、酸化的代謝に対する耐性の改善が改善された程度の範囲の好ましい正確な決定を可能とする。このようにして、このタイプの重水素−水素交換の結果として、親化合物の半減期を最大100%まで延長できることがわかった。
式(I)の化合物における重水素−水素交換は、望ましくない毒性代謝産物を減少または排除するために、出発化合物の代謝産物スペクトルの好ましい変更を達成するためにも使用することができる。例えば、有毒な代謝物が酸化的炭素−水素(CH)結合の切断により生じる場合、特定の酸化が律速の酸化ではない場合でも、重水素化された類似体が不要な代謝物の生成を大幅に減少または排除すると合理的に想定できる。重水素−水素交換に関する最新技術の更なる情報は、例えばHanzlik et al., J. Org. Chem. 55, 3992-3997, 1990、Reider et al., J. Org. Chem. 52, 3326-3334, 1987, Foster, Adv. Drug Res. 14, 1-40, 1985, Gillette et al, Biochemistry 33(10) 2927-2937, 1994およびJarman et al. Carcinogenesis 16(4), 683-688, 1993に見いだされる。
本発明は、少なくとも1つの式(I)の化合物(特に、治療的に有効な量の式(I)の化合物)、および/またはそのプロドラッグ、溶媒和物、互変異性体、オリゴマー、付加物または立体異性体、上記の各薬学的に許容し得る塩(あらゆる比率のそれらの混合物を含む)を活性成分として、薬学的に許容し得る担体と一緒に含む、(好ましくは、免疫調節異常またはがんの処置において使用するための)医薬製剤に関する。
本発明の目的のために、用語「医薬製剤」は、1以上の活性成分、および担体を構成する1以上の不活性成分、ならびに2以上の成分の組み合わせ、錯形成または凝集から、または1以上の成分の他のタイプの反応または相互作用から、直接または間接的にもたらされるあらゆる生成物を含む組成物または生成物指す。結果的に、本発明の医薬製剤は、本発明の少なくとも1つの化合物および薬学的に許容し得る担体、賦形剤またはビヒクルの混合により作成されるあらゆる組成物を包含する。
本発明の医薬製剤は、第2の活性成分および/またはそのプロドラッグまたは溶媒和物、ならびに上記のそれぞれの薬学的に許容し得る塩(あらゆる比率のそれらの混合物を含む)を含むあらゆる組成物も包含し、ここで第2の活性成分は、全ての残基が上で定義したとおりである式(I)の化合物以外である。
本発明に従う医薬製剤は、ヒトおよび獣医学における医薬として使用することができる。
本発明の目的のために、免疫調節異常は、好ましくは以下からなる群から選択される自己免疫または慢性炎症性疾患である:全身性ループスエリテマトーデス、慢性リウマチ性関節炎、炎症性腸疾患、多発性硬化症、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、アテローム性動脈硬化、強皮症、自己免疫肝炎、シェーグレン症候群、ループス腎炎、糸球体腎炎、リウマチ性関節炎、乾癬、重症筋無力症、免疫グロブリンA腎症、血管炎、移植拒絶、筋炎、ヘノッホ・シェーンライン紫斑病および喘息;がんは、好ましくは血液学的悪性疾患または固形腫瘍であり、ここで血液学的悪性疾患は、好ましくは悪性B−細胞およびT/NK−細胞非ホジキンリンパ腫群から選択されるであり、たとえば:多発性骨髄腫、マントル細胞リンパ腫、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、形質細胞腫、濾胞性リンパ腫、免疫細胞腫、急性リンパ芽球性白血病、慢性リンパ球性白血病および骨髄性白血病;およびここで固形腫瘍は、好ましくは炎症性乳房、肝臓および結腸がん、肺がん、頭頸部がん、前立腺がん、膵臓がん、膀胱がん、腎がん、肝細胞がんおよび胃がんの群から選択される疾患である。
医薬製剤を、投薬単位あたり所定量の活性化合物を含む投薬単位の形態で投与することができる。かかる単位は、処置される疾患状態、投与の方法、ならびに患者の年齢、体重および状態に依存して、例えば0.5mg〜1g、好ましくは1mg〜700mg、とりわけ好ましくは5mg〜100mgの本発明に従う化合物を含むことができ、または医薬製剤を、投薬単位あたり所定量の活性成分を含む投薬単位の形態で投与することができる。好ましい投薬単位処方物は、前に示したように毎日の用量もしくは部分的用量を含むもの、または活性化合物のその対応する部分である。さらに、このタイプの医薬製剤を、薬学分野において一般に知られている方法を使用して調製することができる。
医薬製剤を、あらゆる所望の好適な方法による、例えば経口(頬側もしくは舌下を含む)、直腸内、鼻腔内、局所的(頬側、舌下もしくは経皮的を含む)、膣内または非経口(皮下、筋肉内、静脈内もしくは皮内を含む)方法による投与に適合させることができる。かかる処方物を、薬学分野において知られているすべての方法を使用して、例えば活性成分を賦形剤(単数もしくは複数)またはアジュバント(単数もしくは複数)と合わせることによって調製することができる。
経口投与に適応した医薬製剤を、別個の単位、例えばカプセルもしくは錠剤;散剤もしくは顆粒;水性もしくは非水性液体中の溶液もしくは懸濁液;食用発泡体もしくは発泡体食品;または水中油型液体エマルションもしくは油中水型液体エマルションとして投与することができる。
よって、例えば、錠剤またはカプセルの形態での経口投与の場合において、活性成分構成要素を、経口的な、無毒性の、かつ薬学的に許容し得る不活性賦形剤、例えばエタノール、グリセロール、水などと混ぜ合わせることができる。散剤を、化合物を好適な微細な大きさに粉砕し、それを粉砕した薬学的賦形剤、例えば食用炭水化物、例えばデンプンまたはマンニトールと、同様のやり方で混合することによって調製する。風味剤、保存剤、分散剤および色素が、同時に存在してもよい。
カプセルを、上に記載のとおりに散剤混合物を調製し、成形したゼラチン殻をそれで充填することによって製造する。流動促進剤および潤滑剤、例えば固体形態での高度に分散性のケイ酸、タルク、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウムまたはポリエチレングリコールを、充填操作の前に散剤混合物に加えることができる。崩壊剤または可溶化剤、例えば寒天、炭酸カルシウムまたは炭酸ナトリウムを、同様に、カプセルを服用した後の医薬の利用可能性を改善するために加えてもよい。
加えて、所望によりまたは所要に応じて、好適な結合剤、潤滑剤および崩壊剤ならびに染料を、同様に混合物中に組み込むことができる。好適な結合剤は、デンプン、ゼラチン、天然糖類、例えばグルコースまたはベータ−ラクトース、トウモロコシから作製された甘味剤、天然および合成ゴム、例えばアカシア、トラガカントまたはアルギン酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロース、ポリエチレングリコール、ろうなどを含む。これらの投薬形態において使用する潤滑剤は、オレイン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウムなどを含む。崩壊剤は、限定されずにデンプン、メチルセルロース、寒天、ベントナイト、キサンタンゴムなどを含む。
錠剤を、例えば散剤混合物を調製し、混合物を顆粒化または乾燥圧縮し、潤滑剤および崩壊剤を加え、混合物全体を圧縮して錠剤を得ることによって処方する。散剤混合物は、好適なやり方において粉砕された化合物を、上に記載のとおり希釈剤または塩基と、および任意に結合剤、例えばカルボキシメチルセルロース、アルギン酸塩、ゼラチンまたはポリビニルピロリドン、溶解遅延剤、例えばパラフィン、吸収促進剤、例えば第四級塩および/または吸収剤、例えばベントナイト、カオリンまたはリン酸二カルシウムと混合することによって調製される。散剤混合物を、それを結合剤、例えばシロップ、デンプンペースト、アラビアゴム粘液またはセルロースの溶液またはポリマー材料で湿潤させ、それをふるいに通過させて押圧することによって顆粒化することができる。顆粒化の代替として、散剤混合物を、打錠機に通し、不均一な形状の塊を得、それを崩壊させて、顆粒を形成することができる。
顆粒を、錠剤流延型への粘着を防止するためにステアリン酸、ステアリン酸塩、タルクまたは鉱油を加えることによって潤滑化することができる。潤滑化した混合物を、次に圧縮して、錠剤を得る。活性成分をまた、自由流動の不活性賦形剤と混ぜ合わせ、次に直接圧縮して、顆粒化または乾燥圧縮ステップを行わずに錠剤を得ることができる。セラック密封層、糖またはポリマー材料の層およびろうの光沢層からなる透明な、または不透明な保護層が、存在してもよい。色素を、異なる投薬単位間を区別することができるためにこれらのコーティングに加えることができる。
経口液体、例えば溶液、シロップおよびエリキシル剤を、投薬単位の形態で調製し、したがって所定量が予め特定された量の化合物を含むようにすることができる。シロップを、化合物を水性溶液中に好適な風味剤とともに溶解することによって調製することができ、一方エリキシル剤を、無毒性アルコール性ビヒクルを使用して調製する。懸濁液を、化合物を無毒性ビヒクル中に分散させることによって処方することができる。可溶化剤および乳化剤、例えばエトキシル化イソステアリルアルコールおよびポリオキシエチレンソルビトールエーテル、保存剤、風味添加剤、例えばペパーミント油もしくは天然甘味剤もしくはサッカリン、または他の人工甘味料などを、同様に加えることができる。
経口投与のための投薬単位処方物を、所望により、マイクロカプセル中にカプセル封入することができる。処方物はまた、放出が延長されるかまたは遅延されるように、例えば粒子状材料をポリマー、ろうなどの中にコーティングするかまたは包埋することによっても調製することができる。
式(I)の化合物ならびにそれらの塩、溶媒和物および生理学的に官能性の誘導体ならびに他の活性成分はまた、リポソーム送達系、例えば小さな単層小胞(small unilamellar vesicles)、大きな単層小胞(large unilamellar vesicles)および多層小胞(multilamellar vesicles)の形態でも投与することができる。リポソームを、様々なリン脂質、例えばコレステロール、ステアリルアミンまたはホスファチジルコリンから形成することができる。
式(I)の化合物ならびにそれらの塩、溶媒和物および生理学的に官能性の誘導体ならびに他の活性成分をまた、化合物分子が結合する個別の担体としてモノクローナル抗体を使用して送達することができる。当該化合物をまた、標的化された医薬担体としての可溶性ポリマーに結合させることができる。かかるポリマーは、パルミトイルラジカルにより置換されたポリビニルピロリドン、ピランコポリマー、ポリヒドロキシプロピル−メタクリルアミドフェノール、ポリヒドロキシエチル−アスパラタミドフェノール(polyhydroxyethyl-aspartamidophenol)またはポリエチレンオキシドポリリシンを包含してもよい。当該化合物をさらに、医薬の制御された放出を達成するのに適する生分解性ポリマーの群、例えばポリ乳酸、ポリ−エプシロン−カプロラクトン、ポリヒドロキシ酪酸、ポリ−オルトエステル、ポリアセタール、ポリジヒドロキシピラン、ポリシアノアクリレートおよびヒドロゲルの架橋ブロックコポリマーまたは両親媒性のブロックコポリマーに結合させてもよい。
経皮的投与に適応した医薬製剤を、レシピエントの表皮との長期間の、密接な接触のための独立した硬膏剤として投与することができる。よって、例えば、活性成分を、Pharmaceutical Research, 3(6), 318 (1986)に概括的な言葉として記載されているように、イオン泳動により硬膏剤から送達することができる。
局所的投与に適応した医薬化合物を、軟膏、クリーム、懸濁液、ローション、散剤、溶液、ペースト、ゲル、スプレー、エアゾールまたはオイルとして処方することができる。
目または他の外部組織、例えば口および皮膚の処置のために、処方物を、好ましくは、局所用軟膏またはクリームとして適用する。軟膏を施与するための処方物の場合において、活性成分を、パラフィン系または水混和性クリームベースのいずれかとともに用いられ得る。あるいはまた、活性化合物を処方して、水中油型クリームベースまたは油中水型ベースを有するクリームを得ることができる。
目への局所的適用に適応した医薬製剤は、点眼剤を含み、ここで活性成分を、好適な担体、具体的には水性溶媒中に溶解するかまたは懸濁させる。
口における局所的適用に適応した医薬製剤は、薬用キャンディー、トローチおよび洗口剤を包含する。
直腸内投与に適応した医薬製剤を、坐剤または浣腸剤の形態で投与することができる。
担体物質が固体であって鼻腔内投与に適合した医薬製剤は、例えば20〜500ミクロンの範囲内の粒子の大きさを有する粗い粉末を含み、それを、嗅ぎタバコを服用するやり方において、すなわち鼻に近接して保持した散剤を含む容器からの鼻道を介しての迅速な吸入によって投与する。担体物質としての液体とともに鼻腔内スプレーまたは点鼻剤としての投与に好適な処方物は、水または油に溶解した活性成分溶液を包含する。
吸入による投与に適応した医薬製剤は、微細粒子状細粉またはミストを包含し、それを、エアゾール、噴霧器または吸入器を有する様々なタイプの加圧ディスペンサーによって生じさせることができる。
膣内投与に適合した医薬製剤を、ペッサリー、タンポン、クリーム、ゲル、ペースト、発泡体またはスプレー処方物として投与することができる。
非経口投与に適応した医薬製剤は、酸化防止剤、緩衝剤、静菌剤および溶質を含む水性および非水性の無菌注射溶液であって、それによって処方物が処置するべきレシピエントの血液と等張になるもの;ならびに水性の、および非水性の無菌懸濁液であって、懸濁媒体および増粘剤を含んでいてもよいものを含む。処方物を、単一用量または複数用量の容器、例えばシールされたアンプルおよびバイアルにおいて投与し、使用の直前に滅菌の担体液体、例えば注射目的のための水を加えることのみを要するように、フリーズドライ(freeze-dried)(凍結乾燥(lyophilised))状態で貯蔵することができる。
レシピに従って調製される注射溶液および懸濁液は、滅菌された散剤、顆粒および錠剤から調製され得る。
上でとりわけ述べられた構成成分に加えて、処方物もまた、処方物の特にタイプに関して当該分野において通常の他の剤を含んでいてもよいことは、言うまでもない;よって、例えば、経口投与に好適な処方物は、風味剤を含んでいてもよい。
本発明に従う組成物/製剤は、ヒトおよび獣医学における医薬として使用することができる。
式(I)の化合物および他の活性成分の治療的有効量は、例えば動物の年齢および体重、処置を必要とする正確な疾患状態およびその重篤度、処方物の性質および投与の方法を含む多くの因子に依存し、最終的には処置する医師または獣医師によって決定される。しかしながら、化合物の有効量は、一般に、1日あたり0.1〜100mg/レシピエント(哺乳動物)の体重1kgの範囲内、とりわけ典型的には1日あたり1〜10mg/体重1kgの範囲内である。よって、体重が70kgである成体の哺乳動物についての1日あたりの実際の量は、通常は70と700mgとの間であり、ここで、この量を、1日あたりの個々の用量として、または通常は1日あたり一連の部分用量(例えば2回分、3回分、4回分、5回分もしくは6回分)において投与し、したがって合計の1日用量が同一であるようにすることができる。その塩もしくは溶媒和物の、または生理学的に官能性の誘導体の有効量を、化合物自体の有効量の比として決定することができる。
本発明はさらには、LMP7を阻害することにより影響される病状の予防および/または処置において使用するための、式(I)または上に記載のあらゆる特定の態様に従う化合物および/またはそのプロドラッグ、それらの溶媒和物、互変異性体、オリゴマー、付加物または立体異性体、ならびに上記のそれぞれの薬学的に許容し得る塩(あらゆる比率のそれらの混合物を含む)に関する。
本発明は、免疫調節異常またはがん(とりわけ、血液学的悪性腫瘍および固形腫瘍を含む)の処置および/または予防法(予防)において使用するための、式(I)または上に記載のあらゆる特定の態様に従う化合物および/またはそれらのプロドラッグ、溶媒和物、互変異性体、オリゴマー、付加物または立体異性体、ならびに上記のそれぞれの薬学的に許容し得る塩、(あらゆる比率のそれらの混合物を含む)に関する。
本発明はさらにまた、免疫調節異常またはがんを患う対象を処置する方法であって、免疫調節異常またはがんを処置するために有効な量で、式(I)の化合物を該対象に投与することを含む、前記方法に関する。本発明は、好ましくは自己免疫または慢性炎症性疾患、血液学的悪性疾患または固形腫瘍を患う対象を処置する方法に関する。
開示された式(I)の化合物は、抗がん剤を含む、他の既知の治療剤(活性成分)との組み合わせにおいて、投与および/または使用することができる。本明細書に使用されるとき、用語「抗がん剤」は、がんを処置する目的のために、がんの患者に投与されるあらゆる剤に関する。
上記で定義された抗がん処置は、単独療法として適用されてもよく、または本明細書に開示される式(I)の化合物に加えて、従来の外科手術または放射線療法または薬物療法を含み得る。
かかる薬物治療、例として化学療法または標的療法は、1以上の、しかし好ましくは1つの以下の抗腫瘍剤を含んでもよい:
アルキル化剤
たとえば、アルトレタミン、ベンダムスチン、ブスルファン、カルムスチン、クロラムブシル、クロルメチン、シクロホスファミド、ダカルバジン、イフォスファミド、インプロスルファン、トシル酸塩、ロムスチン、メルファラン、ミトブロニトール、ミトラクトール、ニムスチン、ラニムスチン、テモゾロミド、チオテパ、トレオサルファン、メクロレタミン、カルボコン;
アパジコン、フォテムスチン、グルフォスファミド、パリフォスファミド、ピポブロマン、トロフォスファミド、ウラムスチン、TH-302、VAL-083
白金化合物
たとえば、カルボプラチン、シスプラチン、エプタプラチン、ミリプラチン水和物、オキサリプラチン、ロバプラチン、ネダプラチン、ピコプラチン、サトラプラチン;
DNA改変剤
たとえば、アムルビシン、ビサントレン、デシタビン、ミトキサントロン、プロカルバジン、トラベクテジン、クロファラビン;
アムサクリン、ブロスタリシン、ピクサントロン、ラロムスチン1,3
トポイソメラーゼインヒビター
たとえば、エトポシド、イリノテカン、ラゾキサン、ソブゾキサン、テニポシド、トポテカン;アモナフィド、ベロテカン、酢酸エリプチニウム、ボレロキシン;
微小管修飾因子
たとえば、カバジタキセル、ドセタキセル、エリブリン、イクサベピロン、パクリタキセル、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビノレルビン、ビンデシン、ビンフルニン;
ホスブレタブリン、テセタキセル;
代謝拮抗剤
たとえば、アスパラギナーゼ、アザシチジン、レボフォリン酸カルシウム、カペシタビン、クラドリビン、シタラビン、エノシタビン、フロクスウリジン、フルダラビン、フルオロウラシル、ゲムシタビン、メルカプトプリン、メトトレキサート、ネララビン、ペメトレキセド、プララトレキサート、アザチオプリン、チオグアニン、カルモフル;ドキシフルリジン、エラシタラビン、ラルチトレキセド、サパシタビン、テガフール2,3、トリメトレキサート;
抗がん抗生物質
たとえば、ブレオマイシン、ダクチノマイシン、ドキソルビシン、エピルビシン、イダルビシン、レバミゾール、ミルテフォシン、マイトマイシンC、ロミデプシン、ストレプトゾシン、バルルビシン、ジノスタチン、ゾルビシン、ダウヌロビシン、プリカマイシン;アクラルビシン、ペプロマイシン、ピラルビシン;
ホルモン/アンタゴニスト
たとえば、アバレリクス、アビラテロン、ビカルタミド、ブセレリン、カルステロン、クロロトリアニセン、デガレリックス、デキサメタゾン、エストラジオール、フルオコルトロン、フルオキシメステロン、フルタミド、フルベストラント、ゴセレリン、ヒストリン、ロイプロレリン、メチロール、ミトタン、
ナファレリン、ナンドロロン、ニルトアミド、オクトレオチド、プレドニゾロン、ラロキシフェン、タモキシフェン、チロトロピンアルファ、トレミフェン、トリロスタン、トリプトレリン、ジエチルスチルベストロール;
アコルビフェン、ダナゾール、デスロレリン、エピチオスタノール、オルテロネル、エンザルタミド1,3
アロマターゼインヒビター
たとえば、アミノグルテチミド、アナストロゾール、エキセメスタン、ファドロゾール、レトロゾール、テストラクトン;
フォルメスタン;
小分子キナーゼインヒビター
たとえば、クリゾチニブ、ダサチニブ、エルロチニブ、イマチニブ、ラパチニブ、ニロチニブ、パゾパニブ、レゴラフェニブ、ルキソリチニブ、ソラフェニブ、スニチニブ、バンデタニブ、ベムラフェニブ、ボスチニブ、ゲフィチニブ、アキシチニブ;
アファチニブ、アリセルチブ、ダブラフェニブ、ダコミチニブ、ダイナシクリブ、ドビチニブ、エンザスタウリン、ニンテダニブ、レンバチニブ、リニファニブ、リンシチニブ、マシチニブ、ミドスタウリン、モテサニブ、ネラチニブ、オランチニブ、ペリフォシン、ポナチニブ、ラドチニブ、リゴサチブ、チピファルニブ、チバンチニブ、チボザニブ、トラメチニブ、ピマセルチブ、ブリバニブアラニナト、
セジラニブ、アパチニブ、カボザンチニブS−リンゴ酸塩1,3、イブルチニブ1,3、イコチニブ、ブパルリシブ、シパチニブ(cipatinib)、コビメチニブ1,3、イデラリシブ1,3、フェドラチニブ、XL-647
光増感剤
たとえば、メトキサレン3
ポルフィマーナトリウム、タラポルフィン、テモポルフィン;
抗体
たとえば、アレムツズマブ、ベシレソマブ、ブレンツキシマブベドチン、セツキシマブ、デノスマブ、イピリムマブ、オファツムマブ、パニツムマブ、リツキシマブ、トシツモマブ、トラスツズマブ、ベバシズマブ、ペルツズマブ2,3;カツマキソマブ、エロツズマブ、エプラツズマブ、ファルレツズマブ、モガムリズマブ、ネシツムマブ、ニモツズマブ、オビヌツズマブ、オカラツズマブ、オレゴボマブ、ラムシルマブ、リロツムマブ、シルツキシマブ、トシリズマブ、ザルムツマブ、ザノリムマブ、マツズマブ、ダロツズマブ1,2,3、オナルツズマブ1,3、ラコツモマブ1、タバルマブ1,3、EMD-5257974、ニボルマブ1,3;
サイトカイン
たとえば、アルデスロイキン、インターフェロンアルファ、インターフェロンアルファ2a、インターフェロンアルファ2b2,3;セルモロイキン、タソネルミン、テセレウキン、オプレルベキン1,3、組み換えインターフェロンベータ−1a
薬物コンジュゲート
たとえば、デニロイキンジフチトクス、イブリツモマブチウキセタン、イオベングアネI123、プレドニムスチン、トラスツズマブエムタンシン、エストラムスチン、ゲムツズマブ、オゾガマイシン、アフリベルセプト;シントレデキンベスドトクス、エドトレオチド、イノツズマブオゾガマイシン、ナプツモマブエスタフェナトクス、オポルツズマブモナトクス、テクネチウム(99mTc)アルシツモマブ1,3、ビンタフォライド1,3
ワクチン
たとえば、シプリューセル;vitespen3、emepepimut-S3、oncoVAX4、rindopepimut3、troVax4、MGN-16014、MGN-17034;
その他
アリトレチノイン、ベキサロテン、ボルテゾミブ、エベロリムス、イバンドロン酸、イミキモド、レナリドミド、レンチナン、メチロシン、ミファムルチド、パミドロン酸、ペガスパルガーゼ、ペントスタチン、シプリューセル3、シゾフィラン、タミバロテン、テムシロリムス、サリドマイド、トレチノイン、ビスモデギブ、ゾレドロン酸、ボリノスタット;セレコキシブ、シレンギチド、エンチノスタット、エタニダゾール、ガネテスピブ、イドロノキシル、イニパリブ、イキサゾミブ、ロニダミン、ニモラゾール、パノビノスタット、ペレチノイン、プリチデプシン、ポマリドミド、プロコダゾール、リダフォロリムス、タスキニモド、テロトリスタット、チマルファシン、チラパザミン、トセドスタット、トラベデルセン、ウベニメクス、バルスポダール、ゲンディシン4、ピシバニール4、レオライシン4、レタスピマイシン塩酸塩1,3、トレバナニブ2,3、virulizin4、カーフィルゾミブ1,3、エンドスタチン4、immucothel4、ベリノスタット3、MGN-17034;
1 Prop. INN (提案された国際一般名)
2 Rec. INN (推奨された国際一般名)
3 USAN (米国一般名)
4 INNなし
本発明はそのうえ、式(I)および関連する式の化合物の、少なくとも1種のさらなる医薬活性成分、好ましくは多発性硬化症の処置において使用する医薬、例えばクラドリビンもしくは別の共同剤(co-agent)、例えばインターフェロン、例えばPEG化された、もしくはPEG化されていないインターフェロン、好ましくはインターフェロンベータと、および/または血管機能を改善する化合物と組み合わせての、あるいは免疫抑制薬、例えばフィンゴリモド;シクロスポリン、ラパマイシンもしくはアスコマイシン、またはそれらの免疫抑制性類似体、例えばシクロスポリンA、シクロスポリンG、FK−506、ABT−281、ASM981、ラパマイシン、40−O−(2−ヒドロキシ)エチル−ラパマイシンなど;副腎皮質ステロイド;シクロホスファミド;アザチオプリン;メトトレキサート;レフルノミド;ミゾリビン;ミコフェノール添加;ミコフェノール酸モフェチル;15−デオキシスペルグアリン;吉草酸ジフルコルトロン;ジフルプレドナート;ジプロピオン酸アルクロメタゾン;アムシノニド;アムサクリン;アスパラギナーゼ;アザチオプリン;バシリキシマブ;ジプロピオン酸ベクロメタゾン;ベータメタゾン;酢酸ベータメタゾン;ジプロピオン酸ベータメタゾン;リン酸ベータメタゾンナトリウム;吉草酸ベータメタゾン;ブデソニド;カプトプリル;クロルメチンクロルヒドレート;クラドリビン;プロピオン酸クロベタゾール;酢酸コルチゾン;コルチバゾール;シクロホスファミド;シタラビン;ダクリズマブ;ダクチノマイシン;デソニド;デスオキシメタゾン;デキサメタゾン;酢酸デキサメタゾン;イソニコチン酸デキサメタゾン;メタスルホ安息香酸デキサメタゾンナトリウム;リン酸デキサメタゾン;デキサメタゾンテブテート;酢酸ジクロリソン;ドキソルビシンクロルヒドレート;エピルビシンクロルヒドレート;フルクロロロンアセトニド;酢酸フルドロコルチゾン;フルドロキシコルチド;ピバリン酸フルメタゾン;フルニソリド;フルオシノロンアセトニド;フルオシノニド;フルオコルトロン;ヘキサノン酸フルオコルトロン;ピバリン酸フルオコルトロン;フルオロメトロン;酢酸フルプレドニデン;プロピオン酸フルチカゾン;ゲムシタビンクロルヒドレート;ハルシノニド;ヒドロコルチゾン、酢酸ヒドロコルチゾン、酪酸ヒドロコルチゾン、ヘミコハク酸ヒドロコルチゾン;メルファラン;メプレドニゾン;メルカプトプリン;メチルプレドニソロン;酢酸メチルプレドニソロン;ヘミコハク酸メチルプレドニソロン;ミソプロストール;ムロモナブ−cd3;ミコフェノール酸モフェチル;酢酸パラメタゾン;プレドナゾリン(prednazoline)、プレドニゾロン;酢酸プレドニゾロン;カプロン酸プレドニゾロン;メタスルホ安息香酸プレドニゾロンナトリウム;リン酸プレドニゾロンナトリウム;プレドニゾン;プレドニリデン;リファンピシン;リファンピシンナトリウム;タクロリムス;テリフルノミド;サリドマイド;チオテパ;ピバリン酸チキソコルトール;トリアムシノロン;ヘミコハク酸トリアムシノロンアセトニド;トリアムシノロンベネトニド;二酢酸トリアムシノロン;トリアムシノロンヘキサセトニド;免疫抑制モノクローナル抗体、例えば白血球受容体に対するモノクローナル抗体、例えばMHC、CD2、CD3、CD4、CD7、CD25、CD28、B7、CD40、CD45もしくはCD58またはそれらの配位子;あるいは他の免疫修飾化合物、例えばCTLA41g、あるいは他の接着分子阻害剤、例えばmAbsまたはセレクチンアンタゴニストおよびVLA−4アンタゴニストを含む低分子量阻害剤と組み合わせての使用に関する。好ましい組成物は、シクロスポリンA、FK506、ラパマイシンまたは40−(2−ヒドロキシ)エチル−ラパマイシンおよびフィンゴリモドを有するものである。これらのさらなる医薬、例えばインターフェロンベータを、付随して、または連続的に、例えば皮下、筋肉内もしくは経口経路によって投与してもよい。
本発明はさらにまたは、式(I)および関連した式の化合物の、少なくとも1つのさらなる医薬活性成分、好ましくはがんの処置に使用される医薬(たとえば、とりわけ上に記載の抗がんおよび/または抗腫瘍)との組み合わせにおける使用に関する。
本発明はさらには、
(a)有効量の式(I)の化合物および/またはそのプロドラッグ、溶媒和物、互変異性体、オリゴマー、付加物または立体異性体、ならびに上記の各薬学的に許容し得る塩(あらゆる比率のそれらの混合物を含む)、
および
(b)有効量のさらなる医薬活性成分
の個別のパックからなるセット(キット)に関する。
本発明の化合物は、以下のスキームおよび例に従って、適切な材料を使用して調製することができ、以下の特定の例によってさらに例示される。
本明細書に記載の手順を、当該技術分野の通常の技術と併せて利用することにより、本明細書で特許請求される本発明の追加の化合物を容易に調製することができる。しかしながら、例に示される化合物は、本発明と考えられる唯一の属を形成するものとして解釈されるべきではない。例は、本発明の化合物の調製の詳細をさらに説明する。当業者は、以下の調製手順の条件およびプロセスの既知のバリエーションを使用してこれらの化合物を調製できることを容易に理解するであろう。
本発明の化合物の調製のための出発材料は、例に記載の方法により、または合成有機化学の文献に記載され、当業者に公知のそれ自体既知の方法により調製することができ、または商業的に入手することができる。
式(IV)の合成化合物は、WO2016/050356、WO2016/050355、WO2016/050359、およびWO2016/050358に記載されている。

HPLC
方法A:
2mL/min; 215nm; buffer A: 0.05% TFA/H2O; buffer B: 0.04% TFA/ACN; 0.0-0.2min 5% buffer B; 0.2-8.1min 5%-100% buffer B; 8.1-10.0min 100%-5% buffer B. Column: XBridge C8 (50 x 4.6 mm, 3.5 μm).
以下の例に記載される特定の態様を参照することにより、本発明を例示するが、限定されるものではない。特に指定されない限り、スキームにおいて、変数は、上記と同じ意味を有する。
特に特定されない限り、すべての出発材料は、商業的供給業者から入手し、さらに精製することなく使用する。特に特定されない限り、すべての温度は、℃で表され、すべての反応はrtにて行われる。化合物は、シリカクロマトグラフィーまたは分取HPLCのいずれかによって精製された。
特に述べられない限り、特定の立体化学が示されていない、以下に示されるすべての構造は、立体異性体の混合物を指す。
中間体1:
Figure 2021531310
ステップ1: ベンゾフラン−3−イルメタノール
メタノール(50mL)中の1−ベンゾフラン−3−カルボアルデヒド(5g、34.2mmol)の溶液を氷で冷却し、水素化ホウ素ナトリウム(1.9g、51.3mmol)を少しずつ加えた。反応混合物を、室温で1時間撹拌する。反応混合物を濃縮し、残渣を、飽和塩化アンモニウムおよび酢酸エチルに分配する。有機層を分離し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮する(5.0g、無色の液体、98%、粗生成物)。粗生成物は、精製することなく次のステップのためにとる。
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 7.70-7.68 (m, 1H), 7.62 (s, 1H), 7.52-7.50 (m, 1H), 7.36-7.26 (m, 2H), 4.86 (s, 2H).
ステップ2: 3−(ブロモメチル)ベンゾフラン
ジエチルエーテル(50mL)中のべンゾフラン−3−イルメタノール(5.0g、33.7mmol)の冷(0℃)溶液を、三臭化リン(1.1mL、11.2mmol)で処理し、反応混合物を、0℃で30分間撹拌する。反応混合物を、次いで氷に注ぎ、エーテルで抽出する。有機層を、硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮する(7.1g、黄色液体、100%、粗生成物)。粗生成物は、精製することなく次のステップのためにとる。
1H NMR (400MHz, CDCl3): δ 7.74-7.71 (m, 2H), 7.53 (s, 1H), 7.39-7.31 (m, 2H), 4.65 (s, 2H).
ステップ3: 2−(ベンゾフラン−3−イルメチル)−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン
脱気された1、4−ジオキサン(70mL)中の3−(ブロモメチル)ベンゾフラン(7.1g、33.8mmol)の溶液を、ビス(ピナコラート)ジボロン(10.3g、40.5mmol)、炭酸カリウム(13.9g、101.0mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(1.9g、1.7mmol)で処理し、混合物を100℃で12時間加熱する。フラスコの内容物を、室温へ冷却し、セライトベッドを通してろ過する。濾過物を濃縮し、粗生成物を、シリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィーで精製し、石油エーテル中の2〜5%酢酸エチルで溶出し、2−(ベンゾフラン−3−イルメチル)−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン(6.1g、69%、黄色のオイル)を得る。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.57-7.52 (m, 2H), 7.46-7.44 (m, 1H), 7.30-7.21 (m, 2H), 2.23 (s, 2H), 1.29 (s, 12H).
ステップ4: 2−(ベンゾフラン−3−イルメチル)ボロン酸(+)−ピナンジオールエステル
ジエチルエーテル(60mL)中の2−(ベンゾフラン−3−イルメチル)−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン(6.1g、23.6mmol)の溶液を、(1S,2S,3R,5S)−(+)−ピナンジオール(6.0g、35.4mmol)で処理する。反応混合物を、室温にて12時間撹拌し、次いで混合物は、水(2度)で、次いでブラインで洗浄し、および結果として得られた溶液を、無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、濃縮する。粗生成物を、シリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィーで精製し、石油エーテル中の5%の酢酸エチルで溶出し、2−(ベンゾフラン−3−イルメチル)ボロン酸(+)−ピナンジオールエステル(6.3g、82%)を得る。
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 7.58-7.56 (m, 1H), 7.55-7.53 (m, 1H), 7.46-7.44 (m, 1H), 7.28-7.23 (m, 2H), 4.33 (dd, J = 1.88, 8.76 Hz, 1H), 2.34-2.32 (m, 1H), 2.28 (s, 2H), 2.22-2.21 (m, 1H), 2.08 (t, J = 5.88 Hz, 1H), 1.42 (s, 3H), 1.29 (s, 3H), 1.13 (d, J = 10.92 Hz, 1H), 0.85 (s, 3H). GCMS: m/z: 310.
ステップ5: [(1S)−1−クロロ−2−(ベンゾフラン−3−イルメチル)ボロン酸(+)−ピナンジオールエステル
ジクロロメタン(6.3mL、60.9mmol)および無水テトラヒドロフラン(36mL)の冷却した(−100℃)混合物に、n−ブチルリチウム(ヘキサン中1.6M、14.0mL、(22.3mmol)を20minかけて添加する。20min間−100℃で撹拌した後、無水THF(22mL)中の2−(ベンゾフラン−3−イルメチル)ボロン酸(+)−ピナンジオールエステル(6.3g、20.3mmol)の溶液を、20minかけて添加する。次いで、亜鉛塩化物(THF中0.5M、36.5mL、18.2mmol)の溶液を、−100℃で30minかけて添加する。混合物を室温に到達させ、18時間撹拌し、濃縮する。その結果得られる油に、ジエチルエーテルおよび飽和アンモニウム塩化物を添加する。有機層は、無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、真空で濃縮する(7.3g、99%、粗生成物)。粗生成物を次のステップに使用する。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 7.60-7.57 (m, 2H), 7.49-7.47 (m, 1H), 7.31-7.25 (m, 2H), 4.36-4.34 (m, 1H), 3.31-3.29 (m, 1H), 3.24-3.22 (m, 1H), 2.35-2.31 (m, 1H), 2.14-2.12 (m, 1H), 2.06 (t, J = 5.84 Hz, 1H), 1.90-1.86 (m, 2H), 1.42 (s, 3H), 1.04 (d, J = 11.04 Hz, 1H), 0.85 (s, 3H). GCMS: m/z: 358.2.
ステップ6: [(1R)−1−[ビス(トリメチルシリル)アミノ]−2−(ベンゾフラン−3−イルメチル)ボロン酸(+)−ピナンジオールエステル
40mLの無水テトラヒドロフラン中の[(1S)−1−クロロ−2−(ベンゾフラン−3−イルメチル)ボロン酸(+)−ピナンジオールエステル(7.3g、20.3mmol)の冷却した(−78℃)溶液に、リチウムビス(トリメチルシリル)アミド(THF中1M、25.5mL、25.5mmol)を添加する。混合物を、18時間室温で撹拌する。乾燥まで濃縮後、その結果得られる残留ヘキサンを添加し、沈殿した固体をろ過して取り出す。濾過物を濃縮し、必要な粗生成物(6.7g、68%)を得、これを精製することなく、次のステップのためにそのままとる。
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 7.60-7.59 (m, 1H), 7.50-7.45 (m, 2H), 7.28-7.24 (m, 2H), 4.31 (dd, J = 1.56, 8.70 Hz, 1H), 3.18-3.14 (m, 1H), 2.92-2.90 (m, 1H), 2.75-2.72 (m, 1H), 2.34-2.30 (m, 1H), 2.15-2.14 (m, 1H), 2.03 (t, J = 5.68 Hz, 1H), 1.88-1.80 (m, 2H), 1.39 (s, 3H), 1.30 (s, 3H), 1.01 (d, J = 10.88 Hz, 1H), 0.84 (s, 3H), 0.09 (s, 18H).
ステップ7: [(1R)−1−アミノ−2−(ベンゾフラン−3−イルメチル)ボロン酸(+)−ピナンジオールエステルトリフルオロアセタート
ジエチルエーテル(30mL)中の[(1R)−1−[ビス(トリメチルシリル)アミノ]−2−(ベンゾフラン−3−イルメチル)ボロン酸(+)−ピナンジオールエステル(6.7g、13.9mmol)の冷却した(0℃)溶液を、トリフルオロ酢酸(3.2mL、41.7mmol)液滴で処理する。反応混合物を、次いでrtにて3時間撹拌する(沈殿が観察される)。反応混合物を0℃まで冷却し、およびろ過する。ろ過した固体を、冷たいエーテルで洗浄し、真空下で乾燥し、[(1R)−1−アミノ−2−(ベンゾフラン−3−イルメチル)ボロン酸(+)−ピナンジオールエステルトリフルオロアセタート(2.3g、白色固体、36%)を得る。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 7.66 (s, 1H), 7.61-7.60 (m, 1H), 7.47-7.45 (m, 1H), 7.29-7.20 (m, 2H), 4.30-4.28 (m, 1H), 3.27-3.16 (m, 3H), 2.25-2.13 (m, 3H), 1.94 (t, J = 5.56 Hz, 1H), 1.86-1.81 (m, 2H), 1.25 (s, 6H), 1.01 (d, J = 8.00 Hz, 1H), 0.75 (s, 3H).
中間体2:
Figure 2021531310
ステップ1: 2−(2,4−ジメチル−ベンジル)−4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン
脱気したジオキサン(250.00mL)中の1−ブロモメチル−2,4−ジメチル−ベンゼン(25.00g;114.40mmol;1.00eq.)の溶液に、ビス(ピナコラート)ジボロン(35.21g;137.28mmol;1.20eq.)、乾燥したKCO(47.91g;343.19mmol;3.00eq.)およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(6623mg;5.72mmol;0.05eq.)を添加する。次いで、反応混合物を、100℃、窒素雰囲気下で16時間加熱する。反応混合物を、ジクロロメタンで希釈し、セライトでろ過する。ろ液を濃縮し、残渣を酢酸エチルに溶解し、ブラインで洗浄する。有機層を無水NaSOで乾燥させ、ろ過しおよび濃縮する。粗製物を、石油エーテル中の1%酢酸エチルを使用して、カラムクロマトグラフィーで精製し、2−(2,4−ジメチル−ベンジル)−4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン(11.50g;37.84mmol;33.1%)を無色の液体として得る。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.04-7.02 (m, 1H), 6.95-6.93 (m, 1H), 6.92-6.90 (m, 1H), 2.28 (s, 3H), 2.25 (s, 3H), 2.23 (s, 2H), 1.24 (s, 12H).
ステップ2: (1S,2S,6R,8S)−4−(2,4−ジメチル−ベンジル)−2,9,9−トリメチル−3,5−ジオキサ−4−ボラ−トリシクロ[6.1.1.02,6]デカン
ジエチルエーテル(240.00mL)中の2−(2,4−ジメチル−ベンジル)−4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン(24.00g;79.3mmol;1.0eq.)の氷冷された溶液に窒素雰囲気下で、(1S,2S,3R,5S)−2,6,6−トリメチル−ビシクロ[3.1.1]ヘプタン−2,3−ジオール(20.68g;119.07mmol;1.50eq.)を添加し、反応混合物を室温で14時間撹拌する。TLC分析は、反応の完了を示す。反応混合物をブラインで洗浄する。有機層は、無水NaSOで乾燥し、濃縮する。粗製物を、石油エーテル中の2%酢酸エチルを使用して、フラッシュカラムクロマトグラフィーで精製し、(1S,2S,6R,8S)−4−(2,4−ジメチル−ベンジル)−2,9,9−トリメチル−3,5−ジオキサ−4−ボラ−トリシクロ[6.1.1.02,6]デカン(28.00g;82.96mmol;90.0%)を無色のオイルとして得る。
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 7.05-7.03 (m, 1H), 6.95-6.94 (m, 1H), 6.92-6.90 (m, 1H), 4.27-4.25 (m, 1H), 2.33-2.30 (m, 9H), 2.27-2.17 (m, 1H), 2.05 (t, J = 5.76 Hz, 1H), 1.90-1.89 (m, 1H), 1.84-1.80 (m, 1H), 1.38 (s, 3H), 1.28 (s, 3H), 1.11-1.09 (m, 1H), 0.91 (s, 3H)
GCMS: m/z: 298.3.
ステップ3: (1S,2S,6R,8S)−4−[(S)−1−クロロ−2−(2,4−ジメチル−フェニル)−エチル]−2,9,9−トリメチル−3,5−ジオキサ−4−ボラ−トリシクロ[6.1.1.02,6]デカン
テトラヒドロフラン(140.00mL)中のジクロロメタン(37.33ml;583.45mmol;3.00eq.)を、窒素の正圧下でRB−フラスコにとり、液体窒素−エタノール混合物を使用して−99℃まで冷却する。この溶液に、n−ブチルリチウム(1.6kTHF)(133.71mL;213.93mmol、1.10eq.)を、RB−フラスコの側面に沿わせて滴加し(中程度の速度で、約35分かかる)、内部温度を、−92℃および−102℃の間に維持する。添加後、反応混合物を25分間撹拌する。反応の過程で、白色の沈殿物が形成する(内部温度を、−90℃および−96℃の間に維持する)。次いで、テトラヒドロフラン(300.00mL)中の(1S,2S,6R,8S)−4−(2,4−ジメチル−ベンジル)−2,9,9−トリメチル−3,5−ジオキサ−4−ボラ−トリシクロ[6.1.1.02,6]デカン(28.00g;93.89mmol;0.48eq.)および(1S,2S,6R,8S)−4−(2,4−ジメチル−ベンジル)−2,9,9−トリメチル−3,5−ジオキサ−4−ボラ−トリシクロ[6.1.1.02,6]デカン(30.00g;100.59mmol;0.52eq.)一緒の溶液を、−94℃および−100℃の間の温度で、RB−フラスコの側面に沿わせて滴加する(約40min)。その後、反応混合物を、10min間撹拌し、次いで亜鉛塩化物(THF中0.5M)(388.97mL;194.48mmol;1.00eq.)を、−94℃および−99℃の間の温度で、RB−フラスコの側面に沿わせて滴加し(中程度の速度で、添加は約35minかかる)。反応混合物を、次いでゆっくり20℃に到達させ、および20℃で2.5時間撹拌する。反応混合物を濃縮する(浴の温度30℃)。残渣をジエチルエーテルおよび飽和NHCl溶液に分配する。有機層を、無水NaSOで乾燥し、濃縮し(浴の温度30℃)、(1S,2S,6R,8S)−4−[(S)−1−クロロ−2−(2,4−ジメチル−フェニル)−エチル]−2,9,9−トリメチル−3,5−ジオキサ−4−ボラ−トリシクロ[6.1.1.02,6]デカン(75.70g;154.83mmol;79.6%)を白色固体として得る。
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 7.12 (d, J = 7.64 Hz, 1H), 6.98 (s, 1H), 6.96 (d, J = 7.68 Hz, 1H), 4.38-4.36 (m, 1H), 3.67-3.62 (m, 1H), 3.18-3.11 (m, 2H), 2.40-2.36 (m, 2H), 2.32 (s, 3H), 2.30 (s, 3H), 2.23-2.20 (m, 1H), 2.08 (t, J = 5.96 Hz, 1H), 1.93-1.87 (m, 2H), 1.36 (s, 3H), 1.30 (s, 3H), 1.14-1.11 (m, 1H), 0.84 (s, 3H). 7.18-7.08 (m, 5H), 4.37 (dd, J = 1.32, 8.74 Hz, 1H), 3.77-3.75 (m, 1H), 3.67-3.63 (m, 1H), 3.19-3.17 (m, 1H), 3.10-3.08 (m, 1H), 2.36-2.31 (m, 5H), 2.09 (t, J = 5.84 Hz, 1H), 1.93-1.86 (m, 4H), 1.39 (s, 3H), 1.30 (s, 3H), 1.13-1.10 (m, 1H), 0.84 (s, 3H). GCMS: m/z: 346.3.
ステップ4: (1S,2S,6R,8S)−4−[(R)−2−(2,4−ジメチル−フェニル)−1−(1,1,1,3,3,3−ヘキサメチル−ジシラザン−2−イル)−エチル]−2,9,9−トリメチル−3,5−ジオキサ−4−ボラ−トリシクロ[6.1.1.02,6]デカン
THF(400.00mL)中の(1S,2S,6R,8S)−4−[(S)−1−クロロ−2−(2,4−ジメチル−フェニル)−エチル]−2,9,9−トリメチル−3,5−ジオキサ−4−ボラ−トリシクロ[6.1.1.02,6]デカン(75.70g;218.35mmol;1.00eq.)の溶液を、窒素雰囲気の正圧下で、−78℃まで冷却する。これに、リチウム(ビスリメチルシリル)アミド(THF中1.0M)(262mL;262mmol;1.20eq.)の溶液を、30分の期間にわたって滴加する。反応混合物を、室温にし、室温で18時間撹拌する。反応混合物を、温度30℃で蒸発させる。残渣をヘキサンで粉砕し、形成した固体をろ過する。ろ液を30℃で濃縮し、(1S,2S,6R,8S)−4−[(R)−2−(2,4−ジメチル−フェニル)−1−(1,1,1,3,3,3−ヘキサメチル−ジシラザン−2−イル)−エチル]−2,9,9−トリメチル−3,5−ジオキサ−4−ボラ−トリシクロ[6.1.1.02,6]デカン(80.10g;169.84mmol;77.8%;茶色のオイル)を得る。粗生成物は、精製することなく次のステップのためにとる。
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ: 7.06 (d, J = 7.64 Hz, 1H), 6.94 (s, 1H), 6.90 (d, J = 7.80 Hz, 1H), 4.29-4.27 (m, 1H), 3.15-3.10 (m, 1H), 2.87-2.83 (m, 1H), 2.58-2.53 (m, 1H), 2.34-2.32 (m, 2H), 2.30 (s, 3H), 2.28 (s, 3H), 2.15-2.13 (m, 1H), 2.03 (t, J = 5.88 Hz, 1H), 1.90-1.88 (m, 1H), 1.81-1.77 (m, 1H), 1.39 (s, 3H), 1.32 (s, 3H), 1.01-0.98 (m, 1H), 0.93 (s, 3H), 0.85 (s, 3H), 0.09 (s, 18H).
ステップ5: (R)−2−(2,4−ジメチル−フェニル)−1−((1S,2S,6R,8S)−2,9,9−トリメチル−3,5−ジオキサ−4−ボラ−トリシクロ[6.1.1.02,6]デカ−4−イル)−エチルアミン塩酸塩
ジエチルエーテル(400.00mL)中の(1S,2S,6R,8S)−4−[(R)−2−(2,4−ジメチル−フェニル)−1−(1,1,1,3,3,3−ヘキサメチル−ジシラザン−2−イル)−エチル]−2,9,9−トリメチル−3,5−ジオキサ−4−ボラ−トリシクロ[6.1.1.02,6]デカン(80.10g;169.84mmol;1.00eq.)の溶液を窒素雰囲気下で、−10℃まで冷却する。これに、ジエチルエーテル(212.30mL;424.59mmol;2.50eq.)中の塩酸の2M溶液を滴加する。反応混合物を、室温で2時間撹拌する。反応混合物を、減圧下で蒸発させ、(R)−2−(2,4−ジメチル−フェニル)−1−((1S,2S,6R,8S)−2,9,9−トリメチル−3,5−ジオキサ−4−ボラ−トリシクロ[6.1.1.02,6]デカ−4−イル)−エチルアミン塩酸塩(63.00g;72.61mmol;42.8%;茶色い吸湿性固体)を得る。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 8.19 (s, 3H), 7.05 (d, J = 7.68 Hz, 1H), 6.95 (s, 1H), 6.90 (d, J = 8.16 Hz, 1H), 4.31 (dd, J = 1.80, 8.76 Hz, 1H), 3.02-3.00 (m, 1H), 2.99-2.92 (m, 1H), 2.87-2.84 (m, 1H), 2.26-2.24 (m, 3H), 2.26 (s, 3H), 2.24 (s, 3H), 2.03-2.00 (m, 1H), 1.91 (t, J = 5.68 Hz, 1H), 1.82-1.80 (m, 1H), 1.71-1.66 (m, 1H), 1.31 (s, 3H), 1.21 (s, 3H), 0.98-0.96 (m, 1H), 0.77 (s, 3H).
中間体3: 2−(7−メチル−ベンゾフラン−3−イル)−1−((1S,2S,6R,8S)−2,9,9−トリメチル−3,5−ジオキサ−4−ボラ−トリシクロ[6.1.1.02,6]デカ−4−イル)−エチルアミン塩酸塩
Figure 2021531310
ステップ1: 7−メチル−ベンゾフラン−3−カルボン酸エチルエステル
Figure 2021531310
ジクロロメタン(120mL)中の2−ヒドロキシ−3−メチル−ベンズアルデヒド(20.00g;139.55mmol;1.00eq.)の溶液に、テトラフルオロホウ酸ジエチルエーテル錯体(1.88mL;13.96mmol;0.10eq.)を添加する。その結果得られる暗赤色の混合物に、ジクロロメタン(80mL)中のエチルジアゾアセタート(31.70mL;300.04mmol;2.15eq.)を、25〜30℃(内部温度)で約50分かけてゆっくりと滴加する。16時間後、濃縮したHSOを添加する。反応混合物を、30分間撹拌する。反応混合物を、次いで固体NaHCOで中和し、セライトに通してろ過し、ろ液を濃縮し、粗製の残渣を得る。残渣は、石油エーテル中の2%酢酸エチルを使用してカラムクロマトグラフィーで精製し、7−メチル−ベンゾフラン−3−カルボン酸エチルエステル(19.00g;86.83mmol;62.2%;黄色のオイル;精製した生成物)を得る。
HPLC(方法A):RT4.98min(HPLC純度93%)
1H NMR, 400 MHz, CDCl3: 7.64 (s, 1H), 7.50-7.52 (m, 1H), 7.17-7.21 (m, 1H), 7.14 (d, J = 7.20 Hz, 1H), 4.86-4.86 (m, 2H), 2.54 (s, 3H).
ステップ2: (7−メチル−ベンゾフラン−3−イル)−メタノール
Figure 2021531310
ジクロロメタン(190.00mL)中の7−メチル−ベンゾフラン−3−カルボン酸エチルエステル(19.00g;86.83mmol;1.00eq.)の溶液に、窒素下で、水素化ジイソブチルアルミニウム(トルエン中の1.0M)(191.03mL;191.03mmol;2.20eq.)を−78℃で滴加する。反応混合物を、室温にさせ1時間撹拌する。反応混合物を、氷浴で冷却し、1.5NHClの水性溶液でクエンチする。得られた混合物(溶液に懸濁した粘着性の固体塊を有する)を、酢酸エチルで希釈し、セライトに通してろ過する。セライトベッドを、酢酸エチルおよびジクロロメタンでしっかりと洗浄する。ろ液を蒸発させ、粗製の残渣を得る。セライトベッドに残った固体を取り、酢酸エチルで粉砕し、ろ過する。ろ液を粗製の残渣と共に混合し、蒸発させる。そのように得られた残渣を、酢酸エチルにとり、1.5NHClの水性溶液およびブラインで洗浄する。有機層を、無水NaSOで乾燥し、濃縮する。得られた残渣を、石油エーテル中の40〜50%酢酸エチルを溶離液として使用してフラッシュカラムクロマトグラフィーで精製し、(7−メチル−ベンゾフラン−3−イル)−メタノール(8.20g;48.40mmol;55.7%;淡い黄色のオイル)を得る。
HPLC(方法A):RT3.33min.、(HPLC純度95.7%)。
1H NMR, 400 MHz, CDCl3: 7.64 (s, 1H), 7.50-7.52 (m, 1H), 7.17-7.21 (m, 1H), 7.14 (d, J = 7.20 Hz, 1H), 4.86-4.86 (m, 2H), 2.54 (s, 3H).
ステップ3: 3−(ブロモメチル)−7−メチル−ベンゾフラン
ジエチルエーテル(82.00mL)中の(7−メチル−ベンゾフラン−3−イル)−メタノール(8.20g;48.40mmol;1.00eq.)の氷冷された溶液に、窒素雰囲気下で、三臭化リン(1.53mL;16.12mmol;0.33eq.)を滴加し、反応混合物を、氷冷条件で30分間撹拌する。反応混合物を、氷に注ぎ、ジエチルエーテルで抽出する。有機層を無水NaSOで乾燥し、濃縮し、3−ブロモメチル−7−メチル−ベンゾフラン(10.00g;44.43mmol;91.8%;無色のオイル)を得る。粗生成物は、精製することなく次のステップのためにとる。
1H NMR, 400 MHz, CDCl3: 7.71 (s, 1H), 7.53-7.55 (m, 1H), 7.21-7.25 (m, 1H), 7.16 (d, J = 7.32 Hz, 1H), 4.65 (s, 2H), 2.48 (s, 3H).
ステップ4: 7−メチル−3−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イルメチル)−ベンゾフラン
脱気したジオキサン−1,4(100.00mL)中の3−ブロモメチル−7−メチル−ベンゾフラン(10.00g;44.43mmol;1.00eq.)の溶液に、ビス(ピナコラート)ジボロン(13.68g;53.31mmol;1.20eq.)、乾燥したKCO(18.61g;133.28mmol;3.00eq.)およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(2.57g;2.22mmol;0.05eq.)を添加した。反応混合物を、次いで100℃で加熱し、窒素雰囲気下で16時間撹拌する。反応混合物を、ジクロロメタンで希釈し、セライトに通してろ過する。ろ液を濃縮する。残渣を酢酸エチルの溶解し、ブラインで洗浄する。有機層は、無水NaSOで乾燥し、濃縮する。粗製物を、石油エーテル中の2%酢酸エチルを用いてカラムクロマトグラフィーで精製し、7−メチル−3−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イルメチル)−ベンゾフラン(5.00g;18.37mmol;41.4%;無色の液体)を得る。
1H NMR, 400 MHz, DMSO-d6: 7.65 (s, 1H), 7.33-7.35 (m, 1H), 7.07-7.13 (m, 2H), 2.43 (s, 3H), 2.13 (s, 2H), 1.16 (s, 12H).
ステップ5: トリメチル−4−(7−メチル−ベンゾフラン−3−イルメチル)−3,5−ジオキサ−4−ボラ−トリシクロ[6.1.1.02,6]デカン
EtO(50.00mL)中の7−メチル−3−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イルメチル)−ベンゾフラン(5.00g;18.37mmol;1.00eq.)の氷冷された溶液に、窒素雰囲気下で、1S,2S,3R,5S−(+)−2,3−ピナンジオール(4.69g;27.56mmol;1.50eq.)を添加し、反応混合物を室温で14時間撹拌する。TLC分析は、反応の完了を示した。反応混合物をブラインで洗浄する。有機層を、無水NaSOで乾燥し、濃縮する。粗製物を、石油エーテル中の2%酢酸エチルを使用してフラッシュカラムクロマトグラフィーで精製し、(1S,2S,6R,8S)−2,9,9−トリメチル−4−(7−メチル−ベンゾフラン−3−イルメチル)−3,5−ジオキサ−4−ボラ−トリシクロ[6.1.1.02,6]デカン(5.00g;13.00mmol;70.7%;無色の液体)を得る。
GCMS: m/z: 324.2
1H NMR, 400 MHz, CDCl3: 7.53-7.55 (m, 1H), 7.39-7.40 (m, 1H), 7.12-7.27 (m, 1H), 7.06-7.08 (m, 1H), 4.31-4.34 (m, 1H), 2.53 (s, 3H), 2.30-2.37 (m, 1H), 2.26 (s, 2H), 2.18-2.23 (m, 1H), 2.07 (t, J = 5.76 Hz, 1H), 1.84-1.93 (m, 2H), 1.42 (s, 3H), 1.29 (s, 3H), 1.12-1.15 (m, 1H), 0.85 (s, 3H).
ステップ6: (1S,2S,6R,8S)−4−[1−クロロ−2−(7−メチル−ベンゾフラン−3−イル)−エチル]−2,9,9−トリメチル−3,5−ジオキサ−4−ボラ−トリシクロ[6.1.1.02,6]デカン
THF(40mL)中のジクロロメタン(2.96mL;46.26mmol;3.00eq.)を、窒素の正圧下でRB−フラスコにとり、液体窒素−エタノール混合物を使用して−95℃まで冷却する。これに、n−ブチルリチウム(ヘキサン中1.6M)(10.60mL;16.96mmol;1.10eq.)を、RB−フラスコの側面に沿わせて滴加し(中程度の速度で、添加は約30分かかる)、内部温度を、−95℃および−100℃の間に維持する。添加後、反応混合物を、20分間撹拌する。反応に過程で、白色の沈殿が形成される(内部温度を−95℃および−100℃の間に維持する)。次いで、THF(20mL)中の(1S,2S,6R,8S)−2,9,9−トリメチル−4−(7−メチル−ベンゾフラン−3−イルメチル)−3,5−ジオキサ−4−ボラ−トリシクロ[6.1.1.02,6]デカン(5.00g;15.42mmol;1.00eq.)の溶液を、RB−フラスコの側面に沿わせて滴加し(約25min)、内部温度を−95℃および−100℃の間に維持する。添加の後、即時に亜鉛塩化物(THF中0.5M)(27.76mL;13.88mmol;0.90eq.)を、RB−フラスコの側面に沿わせて滴加し(中程度の速度で、添加は約45分かかる)、内部温度は、−95℃および−100℃の間に維持する。反応混合物を、次いでゆっくり室温に到達させ、16時間撹拌する。反応混合物を濃縮する(浴の温度30℃)。残渣をジエチルエーテルおよび飽和のNHCl溶液に分配する。有機層を分離し、無水NaSOで乾燥し、濃縮し(浴の温度30℃)、(1S,2S,6R,8S)−4−[1−クロロ−2−(7−メチル−ベンゾフラン−3−イル)−エチル]−2,9,9−トリメチル−3,5−ジオキサ−4−ボラ−トリシクロ[6.1.1.02,6]デカン(5.90g;15.83mmol;102.7%;茶色の液体)を得る。
1H NMR, 400 MHz, CDCl3: 7.57 (s, 1H), 7.42-7.44 (m, 1H), 7.27 (s, 1H), 7.09-7.18 (m, 1H), 4.34-4.36 (m, 1H), 3.74-3.76 (m, 1H), 3.28-3.30 (m, 1H), 3.20-3.22 (m, 1H), 2.52 (s, 3H), 2.32-2.34 (m, 1H), 2.07 (t, J = 5.88 Hz, 1H), 1.85-1.91 (m, 2H), 1.42 (s, 3H), 1.29 (s, 3H), 1.06-1.09 (m, 1H), 0.85 (s, 3H).
ステップ7: ((1S,2S,6R,8S)−4−[1−(1,1,1,3,3,3−ヘキサメチル−ジシラザン−2−イル)−2−(7−メチル−ベンゾフラン−3−イル)−エチル]−2,9,9−トリメチル−3,5−ジオキサ−4−ボラ−トリシクロ[6.1.1.02,6]デカン
THF(40.00mL)中の(1S,2S,6R,8S)−4−[1−クロロ−2−(7−メチル−ベンゾフラン−3−イル)−エチル]−2,9,9−トリメチル−3,5−ジオキサ−4−ボラ−トリシクロ[6.1.1.02,6]デカン(5.90g;15.83mmol;1.00eq.)溶液を、窒素雰囲気の正圧下で−78℃まで冷却する。これに、リチウム(ビストリメチルシリル)アミド(THF中1.0M)(17.41mL;17.41mmol;1.10eq.)の溶液を30分の期間をかけて滴加する。反応混合物を室温に到達させ、室温で18時間撹拌する。反応混合物を、30℃で蒸発する。残渣をn−ヘキサンで粉砕し、形成した固体をろ過する。ろ液を30℃で濃縮し、(1S,2S,6R,8S)−4−[1−(1,1,1,3,3,3−ヘキサメチル−ジシラザン−2−イル)−2−(7−メチル−ベンゾフラン−3−イル)−エチル]−2,9,9−トリメチル−3,5−ジオキサ−4−ボラ−トリシクロ[6.1.1.02,6]デカン(6.00g;12.06mmol;76.2%;暗茶色のオイル)を得る。
1H NMR, 400 MHz, CDCl3: 7.50 (s, 1H), 7.41-7.43 (m, 1H), 7.12-7.16 (m, 1H), 7.06-7.08 (m, 1H), 4.29-4.32 (m, 1H), 3.17-3.09 (m, 1H), 2.70-2.89 (m, 1H), 2.52-2.70 (m, 1H), 2.52 (s, 3H), 2.28-2.31 (m, 1H), 2.14-2.14 (m, 1H), 2.03 (t, J = 5.68 Hz, 1H), 1.78-1.89 (m, 2H), 1.39 (s, 3H), 1.31 (s, 3H), 1.01-1.04 (m, 1H), 0.90-0.92 (m, 2H), 0.88 (s, 3H), 0.12 (s, 18H).
ステップ8: 2−(7−メチル−ベンゾフラン−3−イル)−1−((1S,2S,6R,8S)−2,9,9−トリメチル−3,5−ジオキサ−4−ボラ−トリシクロ[6.1.1.02,6]デカ−4−イル)−エチルアミン塩酸塩
ジエチルエーテル(60.00mL)中の(1S,2S,6R,8S)−4−[1−(1,1,1,3,3,3−ヘキサメチル−ジシラザン−2−イル)−2−(7−メチル−ベンゾフラン−3−イル)−エチル]−2,9,9−トリメチル−3,5−ジオキサ−4−ボラ−トリシクロ[6.1.1.02,6]デカン(6.00g;12.06mmol;1.00eq.)の撹拌した溶液を窒素雰囲気下で−10℃まで冷却する。これに、ジエチルエーテル(15.07mL;30.14mmol;2.50eq.)中の塩酸2M溶液を滴加する。反応混合物を、室温で2時間撹拌する。反応混合物を、30℃で蒸発する。残渣にジエチルエーテル(20mL)を添加し、形成した固体を濾別し、冷ジエチルエーテルで洗浄し、真空下で乾燥し、2−(7−メチル−ベンゾフラン−3−イル)−1−((1S,2S,6R,8S)−2,9,9−トリメチル−3,5−ジオキサ−4−ボラ−トリシクロ[6.1.1.02,6]デカ−4−イル)−エチルアミン塩酸塩(3.50g;8.98mmol;74.5%;橙褐色の固体)を得る。
1H NMR, 400 MHz, DMSO-d6: 8.09 (s, 3H), 7.83 (s, 1H), 7.52-7.53 (m, 1H), 7.12-7.19 (m, 2H), 4.39 (dd, J = 1.84, 8.62 Hz, 1H), 3.07-3.13 (m, 1H), 3.03-3.07 (m, 2H), 2.43 (s, 4H), 2.28-2.30 (m, 1H), 2.07-2.08 (m, 1H), 1.92 (t, J = 5.68 Hz, 1H), 1.82-1.84 (m, 1H), 1.71-1.75 (m, 1H), 1.19-1.25 (m, 8H), 1.00-1.08 (m, 1H), 0.78 (s, 3H).
中間体4: (R)−2−(2,3−ジヒドロ−ベンゾフラン−3−イル)−1−((1S,2S,6R,8S)−2,9,9−トリメチル−3,5−ジオキサ−4−ボラ−トリシクロ[6.1.1.02,6]デカ−4−イル)−エチルアミン塩酸塩
ステップ1: (1S,2S,6R,8S)−4−(2,3−ジヒドロ−ベンゾフラン−3−イルメチル)−2,9,9−トリメチル−3,5−ジオキサ−4−ボラ−トリシクロ[6.1.1.02,6]デカン
Figure 2021531310
小さなクレーヴの中のメタノール(100.00mL)中の(1S,2S,6R,8S)−4−ベンゾフラン−3−イルメチル−2,9,9−トリメチル−3,5−ジオキサ−4−ボラ−トリシクロ[6.1.1.02,6]デカン(5.00g;10.72mmol;1.00eq.)の溶液に、パラジウム炭素(10wt%)(2.28g;2.14mmol;0.20eq.)を添加する。内容物を5Kg/cmのH圧力下で3時間水素化した。反応混合物を、セライトを通してろ過し、ろ液を蒸発させる。粗製物を、Biotage-isoleraカラムクロマトグラフィー(C18カラム;移動相:ACN/HO;50:50均一濃度の)で精製し、(1S,2S,6R,8S)−4−(2,3−ジヒドロ−ベンゾフラン−3−イルメチル)−2,9,9−トリメチル−3,5−ジオキサ−4−ボラ−トリシクロ[6.1.1.02,6]デカン(4.10g;13.13mmol;122.5%;淡い黄色の液体)を得る。
GCMS: m/z : 312.3.
ステップ2: (1S,2S,6R,8S)−4−[1−クロロ−2−(7−メチル−ベンゾフラン−3−イル)−エチル]−2,9,9−トリメチル−3,5−ジオキサ−4−ボラ−トリシクロ[6.1.1.02,6]デカン
Figure 2021531310
THF(40.00mL)中のジクロロメタン(2.46mL;38.44mmol;3.00eq.)を、窒素の正圧下でRB−フラスコにとり、液体窒素−エタノール混合物を使用して−95℃まで冷却する。これに、n−ブチルリチウム(THF中1.6M)(8.81mL;14.09mmol;1.10eq.)をRB−フラスコの側面に沿わせて滴加し(中程度の速度で、添加は約20分かかる)、内部温度を−95℃および−100℃の間に維持する。添加後、反応混合物を25分間撹拌する。反応の過程で、白色の沈殿が形成する(内部温度を−95℃および−100℃の間に維持する)。次いで、THF(15.00ml)中の(1S,2S,6R,8S)−4−(2,3−ジヒドロ−ベンゾフラン−3−イルメチル)−2,9,9−トリメチル−3,5−ジオキサ−4−ボラ−トリシクロ[6.1.1.02,6]デカン(4.00g;12.81mmol;1.00eq.)の溶液を、RB−フラスコの側面に沿わせて滴加し(約25分)、内部温度を−95℃および−100℃の間に維持する。添加の後、即時に亜鉛塩化物(THF中0.5M)(25.62mL;12.81mmol;1.00eq.)をRB−フラスコの側面に沿わせて滴加し(中程度の速度で、添加は約25分かかる)、内部温度を−95℃および−100℃の間に維持する。反応混合物を、次いでゆっくりと室温に到達させ、室温で18時間撹拌する。反応混合物を濃縮する(浴の温度30℃)。残渣を、ジエチルエーテルおよび飽和のNHCl溶液に分配する。有機層を、無水NaSOで乾燥し、濃縮し(浴の温度30℃)、(1S,2S,6R,8S)−4−[(S)−1−クロロ−2−(2,3−ジヒドロ−ベンゾフラン−3−イル)−エチル]−2,9,9−トリメチル−3,5−ジオキサ−4−ボラ−トリシクロ[6.1.1.02,6]デカン(4.60g;12.75mmol;99.5%;黄色のオイル)を得る。
1H NMR, 400 MHz, CDCl3: 7.29 (d, J = 6.72 Hz, 1H), 7.21-7.10 (m, 1H), 6.90-6.77 (m, 2H), 4.68-4.65 (m, 1H), 4.32-4.29 (m, 2H), 3.65-3.60 (m, 1H), 2.40-2.08 (m, 4H), 1.94-1.85 (m, 2H), 1.42 (s, 3H), 1.33 (s, 3H), 1.22 (s, 3H), 1.17-1.15 (m, 1H), 0.86 (s, 3H).
ステップ3: (1S,2S,6R,8S)−4−[(R)−2−(2,3−ジヒドロ−ベンゾフラン−3−イル)−1−(1,1,1,3,3,3−ヘキサメチル−ジシラザン−2−イル)−エチル]−2,9,9−トリメチル−3,5−ジオキサ−4−ボラ−トリシクロ[6.1.1.02,6]デカン
Figure 2021531310
THF(45.00mL)中の(1S,2S,6R,8S)−4−[(S)−1−クロロ−2−(2,3−ジヒドロ−ベンゾフラン−3−イル)−エチル]−2,9,9−トリメチル−3,5−ジオキサ−4−ボラ−トリシクロ[6.1.1.02,6]デカン(4.60g;12.75mmol;1.00eq.)の溶液を、窒素雰囲気の正圧下で−78℃まで冷却する。これに、リチウム(ビストリメチルシリル)アミド(THF中1.0M)(16.58mL;16.58mmol;1.30eq.)の溶液を30分の期間をかけて滴加する。反応混合物を、室温に到達させ、室温で18時間撹拌する。反応混合物を、30℃で蒸発させる。残渣を、ヘキサンで粉砕し、形成した固体をろ過する。ろ液を真空下にしばらく放置し、固体が形成した場合、再度ろ過する。ろ液を30℃で濃縮し、(1S,2S,6R,8S)−4−[(R)−2−(2,3−ジヒドロ−ベンゾフラン−3−イル)−1−(1,1,1,3,3,3−ヘキサメチル−ジシラザン−2−イル)−エチル]−2,9,9−トリメチル−3,5−ジオキサ−4−ボラ−トリシクロ[6.1.1.02,6]デカン(3.77g;7.76mmol;60.9%;黄色のオイル)を得る。
1H NMR, 400 MHz, CDCl3: 7.22-7.10 (m, 2H), 6.90-6.79 (m, 2H), 4.62-4.59 (m, 1H), 4.33-4.27 (m, 1H), 2.34-2.20 (m, 2H), 2.07-2.05 (m, 1H), 1.94-1.84 (m, 2H), 1.40 (s, 3H), 1.30 (s, 3H), 1.15-1.13 (m, 1H), 0.86 (s, 3H), 0.10 (s, 18H).
ステップ4: (R)−2−(2,3−ジヒドロ−ベンゾフラン−3−イル)−1−((1S,2S,6R,8S)−2,9,9−トリメチル−3,5−ジオキサ−4−ボラ−トリシクロ[6.1.1.02,6]デカ−4−イル)−エチルアミン塩酸塩
Figure 2021531310
EtO(35.00mL)中の(1S,2S,6R,8S)−4−[(R)−2−(2,3−ジヒドロ−ベンゾフラン−3−イル)−1−(1,1,1,3,3,3−ヘキサメチル−ジシラザン−2−イル)−エチル]−2,9,9−トリメチル−3,5−ジオキサ−4−ボラ−トリシクロ[6.1.1.02,6]デカン(3.77g;7.76mmol;1.00eq.)の撹拌した溶液を、窒素雰囲気下で−10℃まで冷却する。これに、ジエチルエーテル中の塩酸の2M溶液(9.70mL;19.41mmol;2.50eq.)を滴加する。反応混合物を、減圧下で乾燥まで蒸発させ、固体を得る。形成した固体をジエチルエーテルで粉砕し、ろ過し、ジエチルエーテルで洗浄し、真空下で乾燥し、(R)−2−(2,3−ジヒドロ−ベンゾフラン−3−イル)−1−((1S,2S,6R,8S)−2,9,9−トリメチル−3,5−ジオキサ−4−ボラ−トリシクロ[6.1.1.02,6]デカ−4−イル)−エチルアミン塩酸塩(2.30g;5.25mmol;67.7%;淡い茶色の固体)を得る。
分析は、示された()位置での異性体(〜65.50%+20.75%)の存在を示した。
LCMS: 4.73 min., 86.25 % (max), 80.47 % (220 nm), 342.20 (M+1).
1H NMR, 400 MHz, DMSO-d6: 8.11 (s, 3H), 7.23-7.19 (m, 1H), 7.13-7.10 (m, 1H), 6.85 (t, J = 7.40 Hz, 1H), 6.77 (d, J = 8.04 Hz, 1H), 4.61-4.57 (m, 1H), 4.48-4.45 (m, 1H), 4.25-4.22 (m, 1H), 3.68-3.62 (m, 1H), 2.90-2.85 (m, 1H), 2.34-2.32 (m, 1H), 2.19-2.17 (m, 1H), 2.02-1.99 (m, 2H), 1.89-1.77 (m, 3H), 1.39 (s, 3H), 1.25 (s, 3H), 1.17-1.14 (m, 1H), 0.82 (s, 3H).
中間体1〜4について記載した同様の順序で、以下の化合物を調製することができる:
Figure 2021531310

式中、基Yは、以下の基の1つを示す:
Figure 2021531310
例1: [(1R)−2−(ベンゾフラン−3−イル)−1−[[2−(3−ヒドロキシプロピルスルファニル)アセチル]アミノ]エチル]ボロン酸(化合物番号15)
Figure 2021531310
ステップ1: (3−ヒドロキシ−プロピルスルファニル)−酢酸メチルエステル
トリエチルアミン(4.77mL;34.38mmol)を、10.5mL乾燥メタノール中のメチルブロモアセタート(2.90mL;31.25mmol)および3−メルカプト−プロパン−1−オール(2.80mL;31.25mmol)の溶液に、30分かけてrtにて、撹拌下で滴加する。反応混合物を追加の1時間撹拌する。溶媒の除去後、残渣を酢酸エチルに溶解し、不溶性トリエチルアンモニウム臭化物を、濾過で除去する。酢酸エチル濾過物を濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル;n−へプタン/酢酸エチル勾配;0−50%酢酸エチル)で精製し、4.78g(93%)の標題化合物を無色のオイルとして得る。
LCMS (Agilent 70108359 - Chromolith Speed Rod RP18e 50-4.6mm; polar.m; 2.4mL/min; 220nm; buffer A: 0.05% HCOOH/H2O, buffer B: 0.04% HCOOH/ACN; 0.0-2.8min 4%-100% buffer B; 2.8-3.3min 100% buffer B; 3.3-3.4min 100%-4% buffer B): (M+H) 165.0; Rt 1.18 min.
ステップ2: リチウム2−(3−ヒドロキシプロピルスルファニル)アセタート
250mL丸底フラスコ内で、(3−ヒドロキシ−プロピルスルファニル)−酢酸メチルエステル(4.78g;29.11mmol)を、24mLTHFおよび24mL脱イオン水に溶解する。氷水浴を使用して、エマルションを0℃まで冷却し、LiOH(697mg)を添加する。1.5時間後、THFを蒸発させた残渣を凍結乾燥し、4.46gの標題化合物を、白色固体として得て、これをさらなる精製はせずに次のステップのために使用する。
ステップ3: N−[(R)−2−ベンゾフラン−3−イル−1−((1S,2S,6R,8S)−2,9,9−トリメチル−3,5−ジオキサ−4−ボラ−トリシクロ[6.1.1.02,6]デカ−4−イル)−エチル]−2−(3−ヒドロキシ−プロピルスルファニル)−アセトアミド
10mL乾燥N,N−ジメチルホルムアミド中の(R)−2−ベンゾフラン−3−イル−1−((1S,2S,6R,8S)−2,9,9−トリメチル−3,5−ジオキサ−4−ボラ−トリシクロ[6.1.1.02,6]デカ−4−イル)−エチルアミン塩酸塩(0.300g;0.799mmol;〜15%(S)−2−ベンゾフラン−3−イル−1−((1S,2S,6R,8S)−2,9,9−トリメチル−3,5−ジオキサ−4−ボラ−トリシクロ[6.1.1.02,6]デカ−4−イル)−エチルアミン塩酸塩を含有する混合物)の溶液に、リチウム2−(3−ヒドロキシプロピルスルファニル)アセタート(0.129g;0.799mmol)を、−10℃アルゴン雰囲気下で添加する。次いでN−エチルジイソプロピルアミン(0.407mL;2.396mmol)および[(ベンゾトリアゾール−1−イルオキシ)−ジメチルアミノ−メチレン]−ジメチル−アンモニウムテトラフルオロボラート(TBTU)(0.308g;0.958mmol)を添加し、黄色溶液を−10℃で終夜撹拌する。DMF溶液を、EEで希釈し、NaHCO水溶液、水およびブラインで洗浄する。有機層を乾燥し、濃縮し、シリカに吸収し、フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル;n−ヘプタン/EE勾配;0−90%EE)で精製する。ジアステレオマーの得られた混合物を、キラル分取HPLC(Chiral Pak AD-H;n−へプタン/2−プロパノール90:10;220nm)を使用して分離し、90mg標題化合物を無色アモルファス固体として得る。
LCMS (Agilent 70108359 - Chromolith Speed Rod RP18e 50-4,6mm; polar.m; 2.4mL/min; 220nm; buffer A: 0.05% HCOOH/H2O, buffer B: 0.04% HCOOH/ACN; 0.0-2.8min 4%-100% buffer B; 2.8-3.3min 100% buffer B; 3.3-3.4min 100%-4% buffer B): (M+H) 472.0; Rt 2.45 min
ステップ4: [(1R)−2−(ベンゾフラン−3−イル)−1−[[2−(3−ヒドロキシプロピルスルファニル)アセチル]アミノ]エチル]ボロン酸
N−[(R)−2−ベンゾフラン−3−イル−1−((1S,2S,6R,8S)−2,9,9−トリメチル−3,5−ジオキサ−4−ボラ−トリシクロ[6.1.1.02,6]デカ−4−イル)−エチル]−2−(3−ヒドロキシ−プロピルスルファニル)−アセトアミド(0.090g;0.191mmol)、7mL n−ペンタン中の2相系に、および3.5mLメタノールイソブチルボロン酸(0.078g;0.764mmol)および0.9mL塩酸、1mol/L(4.5eq.)0℃で添加した。無色混合物を、0℃で終夜撹拌する。反応混合物は、ペンタン(4x)で洗浄する。メタノール水性層を蒸発させ(浴温30℃)、残渣を1N NaOHで塩基性化し、DCM(3x)で抽出する。水相を1NHClで酸性化し、DCM(5x)で再度抽出する。水性層を濃縮し、残渣をRPクロマトグラフィー(RPシリカゲルC18;水/ACN勾配;0〜50%ACN;220nm)を使用して精製する。生成物を含有する画分を乾燥まで減少させ、凍結乾燥し、29mgの標題化合物を灰白色粉末として得る(収率45%)。
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6/D2O) d 7.61 (s, 1H), 7.61 − 7.58 (m, 1H), 7.47 (d, J = 8.2 Hz, 1H), 7.29 − 7.25 (m, 1H), 7.23 − 7.19 (m, 1H), 3.35 (t, J = 6.3 Hz, 2H), 3.27 (dd, J = 8.4, 5.6 Hz, 1H), 3.10 − 3.02 (m, 2H), 2.92 − 2.86 (m, 1H), 2.78 (dd, J = 15.0, 8.4 Hz, 1H), 2.39 (t, J = 7.3 Hz, 2H), 1.55 (p, J = 6.5 Hz, 2H).
Waters XBridge C8 3.5μm 4.6x50mm (A19/533 - La Chrom Elite; 70173815); 8.1min; 2mL/min; 215nm; buffer A: 0.05% TFA/H2O; buffer B: 0.04% TFA/ACN; 0.0-0.2min 5% buffer B; 0.2-8.1min 5%-100% buffer B; 8.1-10.0min 100%-5% buffer B: (percent area) 98,8 %; Rt 3.65 min.
HPLC MS (Agilent 70108359 - Chromolith Speed Rod RP18e 50-4.6mm; polar.m; 2.4mL/min; 220nm; buffer A: 0.05% HCOOH/H2O, buffer B: 0.04% HCOOH/ACN; 0.0-2.8min 4%-100% buffer B; 2.8-3.3min 100% buffer B; 3.3-3.4min 100%-4% buffer B): 381.2 [M+H-H2O]; Rt 1.60 min.
さらなる例示化合物を、以下の表1に記載する。これらの化合物は、市販の酸(または市販のエステルのケン化によって合成された酸)または文献に記載されている酸から、例1のステップ3および4に従って合成することができる。いくつかのケースにおいて、これらの例は、分離されていない立体異性体の混合物を含有する。
表1: 例示化合物のリスト
Figure 2021531310
Figure 2021531310
Figure 2021531310
Figure 2021531310
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Figure 2021531310
Figure 2021531310
Figure 2021531310
Figure 2021531310
表2: 分析データ
Figure 2021531310
Figure 2021531310
Figure 2021531310
Figure 2021531310
Figure 2021531310
Figure 2021531310
Figure 2021531310
Figure 2021531310
生物学的活性
LMP7活性の決定:
LMP7阻害の測定を、蛍光強度アッセイに基づく384ウェル形式で実施する。
精製されたヒト免疫プロテアソーム(0.25nM)およびDMSO中の段階希釈された化合物(30μMから15pMまでの濃度範囲)または対照を、50mM Tris(pH7.4)、0.03% SDS、1mM EDTAおよび1% DMSOを含有するアッセイ緩衝液中、25℃にて20分間または120分間(長いインキュベーション)インキュベートする。反応を、蛍光性ペプチド基質Suc-LLVY-AMC(Bachem I-1395)の40μMの濃度での添加によって開始する。37℃での60分間のインキュベーション後、蛍光強度を、蛍光リーダー(Perkin Elmer Envisionリーダーまたは等価物)で、λex=350nmおよびλem=450nmにて測定する。
化合物のLMP7活性を表3に要約する。別段の指示がない限り、結果は、20分間のインキュベーション後に得られたものとする。
ベータ5活性の決定:
ベータ5阻害の測定を、蛍光強度アッセイに基づく384ウェル形式で実施する。
精製されたヒト構成型プロテアソーム(1.25nM)およびDMSO中の段階希釈された化合物(30μMから15pMまでの濃度範囲)または対照を、50mM Tris(pH7.4)、0.03% SDS、1mM EDTAおよび1% DMSOを含有するアッセイ緩衝液中、25℃にて20分間または120分間(長いインキュベーション)インキュベートする。反応を、蛍光性ペプチド基質Suc-LLVY-AMC(Bachem I-1395)の40μMの濃度での添加によって開始する。37℃での60分間のインキュベーション後、蛍光強度を、蛍光リーダー(Perkin Elmer Envisionリーダーまたは等価物)で、λex=350nmおよびλem=450nmにて測定する。
表3は、本発明に従う化合物のベータ5活性、およびベータ5と対比したLMP7への選択性を示す。別段の指示がない限り、結果は、20分間のインキュベーション後に得られたものとする。
表3:
Figure 2021531310
Figure 2021531310
Figure 2021531310
Figure 2021531310
Figure 2021531310

*: 5 mM < IC50 ≦ 3.0*10-5M、**: 0.5 mM < IC50 ≦ 5 mM、***: 0.05 mM < IC50 ≦ 0.5 mM、****: IC50 ≦ 0.05 mM、+: 選択性 < 100、++: 100 ≦ 選択性 < 300、+++: 300 ≦ 選択性< 500、++++: 選択性 ≧ 500;上に記載の方法に従って、「長時間インキュベーション」とは、試料を120分間インキュベートすることを意味する。
以下の例は医薬に関する:
例A:注射バイアル
3lの2回蒸留水中の100gの式(I)の活性成分および5gのリン酸水素二ナトリウムの溶液を、2N 塩酸を使用してpH6.5へ調整し、滅菌濾過し、注射バイアル中へ移し、滅菌条件下で凍結乾燥し、滅菌条件下でシールする。各注射バイアルは、5mgの活性成分を含有する。」
例B:坐薬
100gの大豆レシチン(soya lecithin)および1400gのカカオ脂と、20gの式(I)の活性成分との混合物を融解させ、鋳型中へ注ぎ入れて、冷却させる。各座薬は、20mgの活性成分を含有する。
例C:溶液
溶液を、940mLの2回蒸留水中の、1gの式(I)の活性成分、9.38gのNaHPO・2HO、28.48gのNaHPO・12HOおよび0.1gの塩化ベンザルコニウムから調製する。pHを6.8へ調整し、溶液を最大1lまでにして、照射殺菌により滅菌する。この溶液は、点眼薬の形態で使用することができる。
例D:軟膏
500mgの式(I)の活性成分を、無菌条件下で99.5gのワセリンと混合する。
例E:錠剤
1kgの式Iの活性成分、4kgのラクトース、1.2kgのジャガイモデンプン、0.2kgのタルクおよび0.1kgのステアリン酸マグネシウムの混合物を従来のやり方で圧縮することで、各錠剤が10mgの活性成分を含有するような方法において錠剤が与えられる。
例F:糖衣錠
錠剤を例Eと類似して圧縮し、続いて、スクロース、ジャガイモデンプン、タルク、トラガカントおよび染料のコーティング剤により、従来のやり方でコートする。
例G:カプセル
2kgの式(I)の活性成分を、各カプセルが20mgの活性成分を含有するような方法における従来のやり方で、硬ゼラチンカプセル中へ導入する。
例H:アンプル
60lの2回蒸留水中の1kgの式(I)の活性成分の溶液を滅菌濾過し、アンプル中へ移し、滅菌条件下で凍結乾燥し、滅菌条件下でシールする。各アンプルは、10mgの活性成分を含有する。

Claims (19)

  1. 式(I)
    Figure 2021531310

    式中
    LYは、(CHを示し、ここで、1〜5個のH原子は、Hal、R3b、OHおよび/またはOR3bで置き換わっていてもよく、および/またはここで、1または2個の非隣接するCH基は、O、S、SOおよび/またはSOで置き換わっていてもよく;
    Yは、OR3cまたはCycを示し;
    Xは、X、XまたはXを示し;
    は、(CH−O−Aを示し、ここで、(CHにおける1または2個のH原子は、Hal、R3aおよび/またはOR3aで置き換わっていてもよく;
    または
    (CH−OHを示し、ここで、(CHにおける1または2個のH原子は、Hal、R3aおよび/またはOR3aで置き換わっていてもよく;
    は、(CH−S−Aを示し、ここで、(CHにおける1または2個のH原子は、Hal、R3a、OR3a、Arおよび/またはHetで置き換わっていてもよく;
    または
    (CH−SHを示し、ここで、(CHにおける1または2個のH原子は、Hal、R3a、OR3a、Arおよび/またはHetで置き換わっていてもよく;
    は、それぞれ非置換であるか、またはHal、CN、R3a、OR3a、COR3a、NHCOAlkおよび/またはNR3aCOAlkで一、二または三置換されている式x2a)、x2b)、x2c)またはx2d)の飽和の炭化水素またはヘテロ環を示し、ここで、飽和の炭素環またはヘテロ環の、T1、T2またはT3に直接結合していない1個のCH基は、C=O、O、S、SO、NCOAlkまたはSOで置き換わっていてもよく;
    Figure 2021531310

    、Rは、それぞれ互いに独立して、HまたはC−C−アルキルを示し、またはRおよびRは一緒に式(CE)の残基を形成し
    Figure 2021531310

    3a、R3b、R3cは、それぞれ互いに独立して、直鎖状または分枝状のC−C−アルキルを示し、ここで、1〜5個のH原子は、Hal、OHおよび/またはOAlkで置き換わっていてもよく;
    Aは、それぞれ非置換であるか、または、Hal、CN、R3a、SR3a、SH、OR3a、OH、Ar、Het,および/または(CH−Rで一、二、三または四置換された直鎖状または分枝状のC−C−アルキルまたはC−C−シクロアルキルを示し;
    Alkは、直鎖状または分枝状のC−C−アルキルを示し;
    Cycは、2,4−、3,4−、または2,3,4−置換フェニルを示し、ここで、置換基は、Hal、CN、R3a、OR3a、CONHR3a、CONR3b3a、CONH、NR3aCOR3b、SO3a、SOR3a、NHR3a、N(R3a、(CH−SR3a、(CH−N(R3aおよび/または(CH−Rからなる群から選択される;
    または
    式(ya)、(yb)、(yc)、(yd)、(ye)、(yf)、(yg)、(yh)、(yi)、(yj)、(yk)、(yl)、(ym)、(yn)、(yo)または(yp)の二環式残基を示し、これらは、それぞれ互いに独立して、非置換であるか、またはHal、CN、R3a、OR3a、CONHR3a、CONR3b3a、CONH、NR3aCOR3b、SO3a、SOR3a、NHR3a、N(R3a、(CH−SR3a、(CH−N(R3aおよび/または(CH−Rで一、二または三置換され;
    Figure 2021531310

    式中、
    は、O、S、N(Alk)またはCH=CHを示し;
    は、O、S、N(Alk)、CH、CH2−CH、O−CH、S−CHまたはN(Alk)CHを示し;
    Cyc、Cycは、それぞれ互いに独立して、飽和、不飽和または芳香族5員または6員の炭化水素またはヘテロ環を示し、これらは互いに各々独立して、非置換またはHal、CN、R3a、OR3a、COR3a、NHCOR3aおよび/またはNR3aCOR3bで一、二、三置換され;
    Arは、非置換であるか、またはHal、CN、R3a、OR3a、CONHR3a、NR3aCOR3b、SO3a、SOR3a、NH、NHR3a、N(R3aおよび/または(CH−Rで一または二置換されたフェニルを示し;
    Hetは、非置換であるか、またはHal、CN、R3a、OR3a、CONHR3a、NR3aCOR3b、SO3a、SOR3a、NH、NHR3a、N(R3aおよび/または(CH−Rで一または二置換された飽和、不飽和または芳香族5員または6員の1〜4個のN、Oおよび/またはS原子を有するヘテロ環を示し;
    、T、Tは、それぞれ互いに独立して、S、Oを示し;
    は、OHまたはOR3aを示し;
    m、lは、1、2または3を示し;
    k、n、o、pは、それぞれ互いに独立して、0、1または2を示し;
    qは、1、2、3、4、5または6を示し;
    rは、0、1、2、3、または4を示し;
    Halは、F、Cl、BrまたはIを示す;
    の化合物、またはそのプロドラッグ、溶媒和物、互変異性体、オリゴマー、付加体および立体異性体、または上記それぞれの生理学的に許容し得る塩、またはあらゆる比率におけるそれらの混合物。
  2. LYは、CHまたは(CHであり、ここで、1または2個のH原子は、F、ClまたはCHで置き換わっていてもよく;
    Yは、Cycを示し;
    、Rは、HまたはC−C−アルキルを示し、またはRおよびRは一緒に式(CE)の残基を形成し
    Figure 2021531310

    r、m、lは、それぞれ互いに独立して、1または2を示し;
    Aは、非置換であるか、またはF、Cl、CN、CH、C、SCH、SC、SH、OCH、OC、および/またはOHで一、二または三置換された直鎖状または分枝状のC−C−アルキルを示す;
    請求項1に記載の化合物、またはそのプロドラッグ、溶媒和物、互変異性体、オリゴマー、付加体および立体異性体、または上記それぞれの生理学的に許容し得る塩、またはあらゆる比率におけるそれらの混合物。
  3. LYは、CHまたは(CHであり、ここで、1または2個のH原子は、F、ClまたはCHで置き換わっていてもよく;
    は、(CH−O−Aを示し、ここで、(CHにおける1または2個のH原子は、F、Cl、CH、C、CF、OCHおよび/またはOCで置き換わっていてもよく;
    または
    (CH−OHを示し、ここで、(CHにおける1または2個のH原子は、F、Cl、CH、C、CF、OCHおよび/またはOCで置き換わっていてもよく;
    は、(CH−S−Aを示し、ここで、(CHにおける1または2個のH原子は、F、Cl、CH、C、CF、OCH、OC、Arおよび/またはHetで置き換わっていてもよく;
    または
    (CH−SHを示し、ここで、(CHにおける1または2個のH原子は、F、Cl、CH、C、CF、OCH、OC、Arおよび/またはHetで置き換わっていてもよく;
    は、それぞれ非置換であるか、またはF、Cl、CH、C、CF、OCH、OC、OCF、N(CH、CHN(CH、N(C、COCH、COC、NHCOCHおよび/またはNHCOCで一、二または三置換されている式x2a)、x2b)、x2c)またはx2d)の飽和の炭化水素またはヘテロ環を示し;
    Aは、CH、C、(CHOH、(CHOHを示し;
    Arは、非置換であるか、またはF、Cl、CH、C、CF、OCH、OC、COCF、SCH、SC、CHOCH3、N(CH、CHN(CHまたはN(Cで一または二置換されたフェニルを示し;
    Hetは、非置換であるか、またはF、Cl、CH、C、CF、OCH、OC、COCF、SCH、SC、CHOCH3、N(CH、CHN(CHおよび/またはN(Cで一または二置換された飽和、不飽和または芳香族5員または6員の1〜4個のN、Oおよび/またはS原子を有するヘテロ環を示し;
    、T、Tは、それぞれ互いに独立して、SまたはOを示す;
    請求項1または2に記載の化合物、またはそのプロドラッグ、溶媒和物、互変異性体、オリゴマー、付加体および立体異性体、または上記それぞれの生理学的に許容し得る塩、またはあらゆる比率におけるそれらの混合物。
  4. は、(CH−S−Aを示し、ここで、(CHにおける1または2個のH原子は、F、Cl、CH、C、CF、OCHおよび/またはOCで置き換わっていてもよく;
    または
    (CH−SHを示し、ここで、(CHにおける1または2個のH原子は、F、Cl、CH、C、CF、OCHおよび/またはOCで置き換わっていてもよい、
    請求項1、2または3に記載の化合物、またはそのプロドラッグ、溶媒和物、互変異性体、オリゴマー、付加体および立体異性体、または上記それぞれの生理学的に許容し得る塩、またはあらゆる比率におけるそれらの混合物。
  5. Xが以下から選択される:
    Figure 2021531310

    請求項1〜4のいずれか一項に記載の化合物、またはそのプロドラッグ、溶媒和物、互変異性体、オリゴマー、付加体および立体異性体、または上記それぞれの生理学的に許容し得る塩、またはあらゆる比率におけるそれらの混合物。
  6. Cycは、2,4−、3,4−、または2,3,4−置換フェニルを示し、ここで、置換基は、Hal、CN、R3a、OR3a、CONHR3a、CONR3b3a、CONH、NR3aCOR3b、SO3a、SOR3a、NHR3a、N(R3a、(CH−SR3a、(CH−N(R3aおよび/または(CH−Rからなる群から選択される;
    または
    1−または2−ナフチル、2−または3−チエニル、3−ベンゾフリル、または2,3−ジヒドロベンゾフラン−3−イルを示し、これらは互いに各々独立して非置換であるか、またはHal、CN、R3a、OR3a、CONHR3a、CONR3b3a、CONH、NR3aCOR3b、SO3a、SOR3a、NHR3a、N(R3a、(CH−SR3a、(CH−N(R3aおよび/または(CH−Rによって一、二または三置換されており;
    qは、1または2を示し;
    3a、R3bは、それぞれ互いに独立して、直鎖状または分枝状のC−C−アルキルを示し、ここで、1〜5個のH原子は、F、Cl、OH、OCHおよび/またはOCで置き換わっていてもよい;
    請求項1〜5のいずれか一項に記載の化合物、またはそのプロドラッグ、溶媒和物、互変異性体、オリゴマー、付加体および立体異性体、または上記それぞれの生理学的に許容し得る塩、またはあらゆる比率におけるそれらの混合物。
  7. Cycは、2,4−、3,4−、または2,3,4−置換フェニル、または非置換であるか、または一または二置換された1−または2−ナフチルを示し、ここで、置換基は、それぞれ互いに独立して、Hal、CN、R3a、OR3a、CONHR3a、CONR3b3a、CONH、NR3aCOR3b、SO3a、SOR3a、NHR3a、N(R3a、(CH−SR3a、(CH−N(R3aおよび/または(CH−Rからなる群から選択される;
    または
    Cycは、式(Fa7)または(Fb7)に従う残基であり
    Figure 2021531310

    式中
    は、H、F、Cl、Br、CN、R3a、OR3a、CONHR3a、CONR3b3a、CONH、NR3aCOR3b、SO3a、SOR3a、NHR3a、N(R3a、(CH−SR3a、(CH−N(R3aおよび/または(CH−Rを示し;
    は、H、F、Cl、Br、CN、R3a、OR3a、CONHR3a、CONR3b3a、CONH、NR3aCOR3b、SO3a、SOR3a、NHR3a、N(R3a、(CH−SR3a、(CH−N(R3aおよび/または(CH−Rを示し;
    、Kは、それぞれ互いに独立して、H、F、Cl、Br、CN、R3a、OR3a、CONHR3a、CONR3b3a、CONH、NR3aCOR3b、SO3a、SOR3a、NHR3a、N(R3a、(CH−SR3a、(CH−N(R3aおよび/または(CH−Rを示し;
    3a、R3bは、それぞれ互いに独立して、直鎖状または分枝状のC−C−アルキルを示し、ここで、1〜5個のH原子は、F、Cl、OH、OCH,および/またはOCHCHで置き換わっていてもよく;
    qは、1または2を示す;
    請求項6に記載の化合物、またはそのプロドラッグ、溶媒和物、互変異性体、オリゴマー、付加体および立体異性体、または上記それぞれの生理学的に許容し得る塩、またはあらゆる比率におけるそれらの混合物。
  8. Cycは、2,4−、3,4−、または2,3,4−置換フェニル、または非置換であるか、または一または二置換された1−または2−ナフチルを示し、ここで、置換基は、それぞれ互いに独立して、Hal、CN、R3a、OR3a、CONHR3a、CONR3b3a、CONH、NR3aCOR3b、SO3a、SOR3a、NHR3a、N(R3a、(CH−SR3a、(CH−N(R3aおよび/または(CH−Rからなる群から選択される;
    または
    Cycは、式(Fa7)または(S)−(Fb7)に従う残基であり
    Figure 2021531310

    式中
    は、H、F、Cl、Br、CN、R3a、OR3a、CONHR3a、CONR3b3a、CONH、NR3aCOR3b、SO3a、SOR3a、NHR3a、N(R3a、(CH−SR3a、(CH−N(R3aおよび/または(CH−Rを示し;
    は、H、F、Cl、Br、CN、R3a、OR3a、CONHR3a、CONR3b3a、CONH、NR3aCOR3b、SO3a、SOR3a、NHR3a、N(R3a、(CH−SR3a、(CH−N(R3aおよび/または(CH−Rを示し;
    、Kは、それぞれ互いに独立して、H、F、Cl、Br、CN、R3a、OR3a、CONHR3a、CONR3b3a、CONH、NR3aCOR3b、SO3a、SOR3a、NHR3a、N(R3a、(CH−SR3a、(CH−N(R3aおよび/または(CH−Rを示し;
    3a、R3bおよびR3cは、それぞれ互いに独立して、直鎖状または分枝状のC−C−アルキルを示し、ここで、1〜5個のH原子は、F、Cl、OHおよび/またはOCH、OCで置き換わっていてもよく;
    qは、1または2を示す;
    請求項7に記載の化合物、またはそのプロドラッグ、溶媒和物、互変異性体、オリゴマー、付加体および立体異性体、または上記それぞれの生理学的に許容し得る塩、またはあらゆる比率におけるそれらの混合物。
  9. Cycが、2,4−、3,4−、または2,3,4−置換フェニル、または非置換であるか、または一または二置換された1−または2−ナフチルを示す場合、任意の置換基は、それぞれ互いに独立して、F、Cl、CH、C、CF、OCH、OC、COCF、SCH、SC、CHOCH3、N(CH、CHN(CHまたはN(Cからなる群から選択され;
    は、H、F、Cl、CH、C、CF、OCH、OC、COCF、SCH、SC、CHOCH3、N(CH、CHN(CHまたはN(Cを示し;
    は、H、F、Cl、CH、C、CF、OCH、OC、COCF、SCH、SC、CHOCH3、N(CH、CHN(CHまたはN(Cを示し;
    、Kは、それぞれ互いに独立して、H、F、Cl、CH、C、CF、OCH、OC、COCF、SCH、SC、CHOCH3、N(CH、CHN(CHまたはN(Cを示す;
    請求項7または8に記載の化合物、またはそのプロドラッグ、溶媒和物、互変異性体、オリゴマー、付加体および立体異性体、または上記それぞれの生理学的に許容し得る塩、またはあらゆる比率におけるそれらの混合物。
  10. LYは、CHまたはCH−CHを示し、ここで、1〜4個のH原子は、FまたはClで置き換わっていてもよくおよび/または1または2個のH原子は、OH、メチル、エチル、イソプロピル、CF、CFCF、OCH、OCHCH、OCHCHOHおよび/またはOCHCHOCHで置き換わっていてもよく;
    Yは、Cycを示し;
    、Rは、それぞれ互いに独立して、HまたはC−C−アルキルを示し、またはRおよびRは一緒に上に記載の式(CE)の残基を形成し;および
    3a、R3bは、それぞれ互いに独立して、直鎖状または分枝状のC−C−アルキルを示し、ここで、1〜5個のH原子は、F、Cl、OHおよび/またはOCH、OCHCHで置き換わっていてもよく;および
    Cyc1は、2,4−、3,4−、または2,3,4−置換フェニルまたは非置換であるかまたは一または二置換された1−または2−ナフチルを示し、ここで、置換基は、それぞれ互いに独立して、Hal、CN、R3a、OR3a、CONHR3a、CONR3b3a、CONH、NR3aCOR3b、SO3a、SOR3a、NHR3a、N(R3a、CH−R、CH−SR3a、CH−N(R3aからなる群から選択される、
    または
    式(Fa7)または(S)−(Fb7)に従う残基を示し
    Figure 2021531310

    は、H、F、Cl、CH、C、CF、OCH、OC、COCF、SCH、SC、CHOCH3、N(CH、CHN(CHまたはN(Cを示し;
    は、H、F、Cl、CH、C、CF、OCH、OC、COCF、SCH、SC、CHOCH、N(CH、CHN(CHまたはN(Cを示し;
    、Kは、それぞれ互いに独立して、H、F、Cl、CH、C、CF、OCH、OC、COCF、SCH、SC、CHOCH、N(CH、CHN(CHまたはN(Cを示し;
    qは、1または2を示す;
    請求項1〜9のいずれか一項に記載の化合物、またはそのプロドラッグ、溶媒和物、互変異性体、オリゴマー、付加体および立体異性体、または上記それぞれの生理学的に許容し得る塩、またはあらゆる比率におけるそれらの混合物。
  11. ボロン酸残基に隣接する炭素原子の立体中心が(R)立体配置を示す、請求項1〜10のいずれか一項に記載の化合物、またはそのプロドラッグ、溶媒和物、互変異性体、オリゴマー、付加体および立体異性体、または上記それぞれの生理学的に許容し得る塩、またはあらゆる比率におけるそれらの混合物。
  12. Figure 2021531310
    Figure 2021531310
    Figure 2021531310

    からなる群から選択される請求項1に記載の化合物、またはその互変異性体、オリゴマー、付加体および立体異性体、または上記それぞれの生理学的に許容し得る塩、またはあらゆる比率におけるそれらの混合物。
  13. 請求項1〜12のいずれか一項に記載の式Iの化合物、またはその薬学的に許容し得る塩、互変異性体、オリゴマー、付加体および立体異性体の調製のためのプロセスであって、
    式(III)の化合物
    Figure 2021531310

    を、式(VI)の化合物とカップリングさせることを特徴とし、
    Figure 2021531310

    ここで、式(III)および式(IV)の全ての残基は、請求項1〜12のいずれか一項において定義されたとおりであり、ここで、得られた式(Ib)の化合物を続いて、過剰量の低分子量のボロン酸の存在下または不存在下で、HCl、HBr、HIおよび/またはTFAで処理することで、式(Ia)の化合物へと変換させてもよい、前記プロセス。
    Figure 2021531310
  14. 少なくとも1つの式(I)の化合物、ここで、すべての残基は、請求項1〜12のいずれか一項に定義されたとおりである、および/またはそのプロドラッグ、溶媒和物、互変異性体、オリゴマー、付加体または立体異性体、または上記各々の生理学的に許容し得る塩、またはあらゆる比率におけるそれらの混合物、を活性成分として、薬学的に許容し得る担体と一緒に含む、医薬組成物。
  15. 第2の活性成分を含み、ここで第2の活性成分は、式中すべての残基は請求項1〜12のいずれか一項に定義された式(I)の化合物以外である、請求項14に記載の医薬組成物。
  16. LMP7の阻害によって影響を受ける医学的状態の予防および/または処置における使用のための、請求項1〜12のいずれか一項において定義された式(I)の化合物および/またはそのプロドラッグ、溶媒和物、互変異性体、オリゴマー、付加体および立体異性体、または上記の各々の生理学的に許容し得る塩、またはあらゆる比率におけるそれらの混合物。
  17. 血液学的悪性疾患または固形腫瘍などの免疫調節異常またはがんの処置および/または予防のための使用のための請求項16に記載の化合物。
  18. 免疫調節異常が、全身性ループスエリテマトーデス、慢性リウマチ性関節炎、炎症性腸疾患、多発性硬化症、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、アテローム性動脈硬化、強皮症、自己免疫肝炎、シェーグレン症候群、ループス腎炎、糸球体腎炎、リウマチ性関節炎、乾癬、重症筋無力症、免疫グロブリンA腎症、血管炎、移植拒絶、筋炎、ヘノッホ・シェーンライン紫斑病および喘息からなる群から選択される自己免疫または慢性炎症性疾患であり;血液学的悪性疾患が、多発性骨髄腫、マントル細胞リンパ腫、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、形質細胞腫、濾胞性リンパ腫、免疫細胞腫、急性リンパ芽球性白血病、慢性リンパ球性白血病および骨髄性白血病からなる群から選択される疾患であり;固形腫瘍が、炎症性乳房および結腸がん、肺がん、頭頸部がん、前立腺がん、膵臓がん、膀胱がん、腎がん、肝細胞がんおよび胃がんからなる群から選択される、請求項17に記載の化合物。
  19. (a)有効量の式(I)の化合物および/またはその薬学的に許容し得る塩、互変異性体および立体異性体、またはあらゆる比率におけるそれらの混合物;
    および
    (b)有効量のさらなる活性成分
    の個別のパックからなるセット(キット)。
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