本発明の目的、特定の利点及び新規な特徴は、添付の図面に関する以下の詳細な説明と好ましい実施例から更に明らかになるだろう。本明細書では、各図面の構成要素に参照番号を付するにおいて、同じ構成要素に限ってはたとえ他の図面上に表示されていても可能な限り同じ番号を付したことに留意すべきである。また、本発明を説明するに当たり、関連する公知技術に対する具体的な説明が本発明の要旨を不要に不明確にすると判断される場合は、その詳細な説明を省略する。
以下、添付の図面を参照して本発明の好ましい実施例を詳細に説明する。以下では、本発明のVOC処理システムについて説明し、本発明はVOC処理システムとこれを有する船舶を含む。
このとき、船舶はVOCが発生し得る原油を積載する原油運搬船などの他にもFSRU、FPSOなどの海洋プラントを全て包括する意味で使用される。また、船舶は原油を積載するか、消費するために供給を受ける船舶の他にも、原油を他の船舶や陸上などに供給するためのバンカリング船舶(bunkering vessel)も包括することができる。
以下において、液化ガスは沸点が常温より低くて常温で気体状態になる物質であり、LPG、LNG、エタン、プロパン、ブタン、エチレン、アンモニア、液体窒素などであってもよく、例示的にLNGを意味することができる。また、以下において、オイルや原油は沸点が常温より高くて常温で液体状態になり、燃料として使用される物質(原油、灯油、重油、軽油など)を全て包括する意味を有する。
また、以下において、液化ガスや蒸発ガスはその表現にもかかわらず、液相または気相に限定されず、VOCも液相または気相などを限定しない。
図1は本発明によるVOC処理システムを有する船舶の側面図であり、図2は本発明の第1実施例によるVOC処理システムの概念図である。
図1及び図2を参照すると、本発明の第1実施例によるVOC処理システム1は、オイル貯蔵タンクOT、ガス燃料貯蔵タンクGT、VOC処理部10を含み、このような構成は船舶Sに搭載されることができる。
VOC処理システム1が搭載される船舶Sは、船体を含み、船体の上甲板の船尾側には船室やエンジンケーシングなどが搭載されてもよく、船体の内部の船尾側にはエンジンME、GE、DEが設けられてもよい。
このとき、オイル貯蔵タンクOTは船舶Sの内部に搭載されるカーゴタンクであってもよく、従って、船舶Sは原油運搬船であってもよい。一方、ガス燃料貯蔵タンクGTは船舶Sの上甲板に搭載される高圧貯蔵容器であってもよく、左舷と右舷にそれぞれ設けられてもよい。
本明細書にいおて、エンジンME、GE、DEはVOCを消費する機関であって、船体を推進させる推進エンジンMEとしてME−GI、ME−GIE、ME−LGI、XDFなどであるか、及び/または船舶S内に電力を供給する発電エンジンGEなどであってもよい。但し、以下において、エンジンME、GE、DEはVOCを消費することができる全ての設備DEを包括する概念であってもよい。
オイル貯蔵タンクOTは原油などのオイルを積載する。オイル貯蔵タンクOTは船体の内部に長さ方向に5個前後が直列配置されてもよく、各オイル貯蔵タンクOTの貯蔵容量は特に限定されない。
オイル貯蔵タンクOTの内部には原油から発生したVOCが存在するようになり、VOCは、例えば、プロパン、ブタンなどの成分を含む物質であってもよい。
従来は、このような爆発性及び有害性を有するVOCを単に大気に放出するか、または再液化して貯蔵してから陸上に荷役する方式で処理したが、本実施例は、VOCが有するエネルギーを活用するために、VOCを利用してエンジンME、GE、DEを稼動することができる。
このため、オイル貯蔵タンクOTからエンジンME、GE、DEまではVOC排出ライン13が連結されてもよく、VOC排出ライン13の流入端はオイル貯蔵タンクOTの内部上側に開放された形態で配置されてもよい。
ガス燃料貯蔵タンクGTは液化ガスを貯蔵する。上述したように、本発明の船舶Sがオイル貯蔵タンクOTをカーゴタンクで備えた原油運搬船である場合、ガス燃料貯蔵タンクGTはType C型で、上甲板上に搭載されていてもよい。
ガス燃料貯蔵タンクGTに貯蔵された液化ガスは、オイル貯蔵タンクOTで発生したVOCと混合されてエンジンME、GE、DEに供給されることができ、このため、ガス燃料貯蔵タンクGTからVOC排出ライン13まではガス燃料供給ライン23が設けられてもよく、ガス燃料供給ライン23がVOC排出ライン13に連結される地点には混合機27が設けられてもよい。ちなみに、本明細書において、ガス燃料を処理するために使用される構成はガス燃料処理部20と包括して称されてもよく、ガス燃料処理部20と以下のVOC処理部10は燃料処理部10、20に包括される。
ガス燃料貯蔵タンクGTは液化ガスを高圧で貯蔵することができるが、このとき、高圧とはエンジンME、GE、DEの要求圧力を意味することができる。従って、ガス燃料貯蔵タンクGTから排出される液化ガスはエンジンME、GE、DEの要求圧力を有する状態であることができるため、後述するVOC処理部10はガス燃料貯蔵タンクGTから排出される液化ガスを別途の圧縮なしに(またはVOC対比で少ない比率の圧縮を経て)エンジンME、GE、DEに供給することができる。
VOC処理部10は、オイル貯蔵タンクOTから発生するVOCを船舶Sに搭載されるエンジンME、GE、DEの燃料として供給する。このため、VOC処理部10はVOC圧縮機11、リフォーマー12を含んでもよい。
VOC圧縮機11はVOCを圧縮する。VOC圧縮機11はVOCをエンジンME、GE、DEの要求圧力に圧縮することができ、このとき、エンジンME、GE、DEの要求圧力はエンジンME、GE、DEの種類に応じて多様に決まってもよい。例えば、VOC圧縮機11はVOCを10〜ME、GE、DEbar前後または100〜ME、GE、DE0bar前後などに圧縮することができる。
VOC圧縮機11は多段で設けられてもよく、多段で設けられるVOC圧縮機11の間には中間冷却器(不図示)が設けられてもよい。また、VOC圧縮機11は並列に備えられて互いにバックアップできるように設けられてもよい。
リフォーマー12(reformer)は圧縮されたVOCを改質してエンジンME、GE、DEに供給する。リフォーマー12はプロパン、ブタンなどを含むVOCを化学的に処理してメタン化することができる。
リフォーマー12による化学的作用は既に広く知られているため、詳細な説明は省略する。但し、本実施例において、エンジンME、GE、DEはLNGに含まれるメタンを主に消費する機関であってもよく、リフォーマー12は様々な方法を利用してVOCをエンジンME、GE、DEの燃料として適切な状態に変形させることができる。
VOC処理部10はVOCに液化ガスを混合してエンジンME、GE、DEに供給し、この場合、上述した混合機27が用いられてもよい。混合機27はVOC排出ライン13上のリフォーマー12の下流に設けられてもよいため、VOC処理部10はリフォーマー12によって改質されたVOCを液化ガスと混合することで、メタンを消費する機関に液化ガスとVOCの混合物が供給されても稼動に問題がないようにすることができる。
VOC圧縮機11とリフォーマー12、混合機27はVOC排出ライン13上に設けられてもよく、VOC排出ライン13はオイル貯蔵タンクOTからエンジンME、GE、DEにVOCを伝達する。勿論、オイル貯蔵タンクOTから発生したVOCは改質されてからエンジンME、GE、DEに供給されるため、エンジンME、GE、DEは安定的に稼動することができる。
VOC排出ライン13にはガス燃料貯蔵タンクGTからエンジンME、GE、DEに液化ガスを伝達するガス燃料供給ライン23が連結されてもよく、ガス燃料供給ライン23上にはガス燃料気化器22が設けられてもよい。
ガス燃料気化器22は多様な熱源を利用して液化ガスを気化することができる。液化ガスはガス燃料貯蔵タンクGT内に高圧で貯蔵されて液相を保持することができるが、ガス燃料貯蔵タンクGTから排出される液相の高圧液化ガスは、ガス燃料気化器22で気化されてエンジンME、GE、DEの要求温度以下に加熱されてもよい。
但し、リフォーマー12によって吐出される改質されたVOCは、改質過程でエンジンME、GE、DEの要求温度より高い温度(例えば、300度〜500度)であることができるため、ガス燃料気化器22はリフォーマー12から吐出されるVOCの温度に応じて液化ガスの加熱を調整することができる。
このとき、ガス燃料気化器22の制御はリフォーマー12から吐出されるVOCの温度の他にも、エンジンME、GE、DEに伝達されるVOCの流量、ガス燃料貯蔵タンクGTから排出された液化ガスの流量などを一緒に考慮することができ、このためにVOC排出ライン13及び/またはガス燃料供給ライン23には各種センサー(不図示)が設けられてもよいことは言うまでもない。
VOC圧縮機11はVOCをエンジンME、GE、DEの要求圧力に圧縮し、ガス燃料貯蔵タンクGTは液化ガスをエンジンME、GE、DEの要求圧力で貯蔵するため、VOC処理部10はガス燃料貯蔵タンクGTから排出される液化ガスを別途の圧縮なしに(またはVOC圧縮機11対比で少ない比率の圧縮を経て)VOC圧縮機11によって圧縮されたVOCに混合してエンジンME、GE、DEに供給することができる。
このように、本実施例は、液化ガスによって稼動するエンジンME、GE、DEの燃料としてオイル貯蔵タンクOTから発生するVOCを活用することで、VOCを効率的に消費して環境汚染を抑制し、VOCを液化するための設備を設ける必要がないため、費用を大幅に節減することができる。
図3は本発明の第2実施例によるVOC処理システムの概念図である。
図3を参照すると、本発明の第2実施例によるVOC処理システム1は、上述した第1実施例と比較すると、混合機27の代わりに熱交換器16を設けてもよい。
以下では、本実施例が上述した実施例と比べて変わる点を中心として説明し、説明を省略した部分は上述した内容に代える。これは、以下の他の実施例でも同様である。
熱交換器16は、VOCが流動する流路と、液化ガスが流動する流路を有する2 stream構造で設けられてもよい。このとき、VOCが流動する流路はVOC排出ライン13と並び、液化ガスが流動する流路はガス燃料供給ライン23と並んでもよい。
リフォーマー12から吐出されたVOCはかなり高温状態であることができるため、本実施例は相対的に低温である液化ガスを活用してVOCの温度をエンジンME、GE、DEの要求温度に下げることができる。
即ち、熱交換器16は、リフォーマー12から吐出されたVOCを液化ガスと熱交換しながらVOCを冷却させることで、改質されたVOCをエンジンME、GE、DEの要求温度に適した状態にすることができる。
但し、逆に、液化ガスはVOCとの熱交換により温度が上昇するため、これを考慮し、ガス燃料気化器22はエンジンME、GE、DEの要求温度より低い温度に液化ガスを加熱することができ、または、ガス燃料気化器22自体が省略されてもよい。
ガス燃料気化器22が省略される場合、熱交換器16は液化ガスが液相で貯蔵される空間を有し、液相の液化ガスの内部に高温のVOCが流動しながら液化ガスを加熱/気化させると同時にVOCを冷却させる貯水槽形態の構造を有してもよい。勿論、熱交換器16の構造は特に限定されない。
本実施例は、VOC排出ライン13とガス燃料供給ライン23が並列に設けられてエンジンME、GE、DEにそれぞれ連結される構造であってもよい。即ち、VOCは液化ガスと混合されずにエンジンME、GE、DEに流入されて、エンジンME、GE、DEの内部で混合使用されてもよい。
勿論、本実施例は、図面とは異なり、第1実施例と組み合わさってガス燃料供給ライン23が熱交換器16の下流及びエンジンME、GE、DEの上流においてVOC排出ライン13に連結される構造であってもよい。
即ち、本発明は、改質過程でエンジンME、GE、DEの要求温度より高い高温になるVOCを、相対的に低温である液化ガスを利用してエンジンME、GE、DEの要求温度に適合するように冷却させることができる全ての変形例を含んでもよい。
図4は本発明の第3実施例によるVOC処理システムの概念図である。
図4を参照すると、本発明の第3実施例によるVOC処理システム1はVOC貯蔵タンク15をさらに含む。
VOC貯蔵タンク15は圧縮されたVOCのうち少なくとも一部を一時的に貯蔵することができる。オイル貯蔵タンクOTからエンジンME、GE、DEまではVOC排出ライン13が設けられるが、VOC排出ライン13上でVOC圧縮機11によって圧縮された後、リフォーマー12に流入される前のVOCの一部は、VOC貯蔵ライン151に沿ってVOC貯蔵タンク15に伝達されてVOC貯蔵タンク15内に貯蔵されてもよい。
VOCのうち少なくとも一部がVOC圧縮機11の下流でリフォーマー12に流入されずにVOC貯蔵タンク15に流入されるのは、オイル貯蔵タンクOTから発生したVOCの流量がエンジンME、GE、DEで消費できる量を超える場合に行われることができる。
即ち、エンジンME、GE、DEのロードに応じて、VOC排出ライン13においてリフォーマー12の上流から分岐されるVOC貯蔵ライン151を介して一定量のVOCがVOC貯蔵タンク15に伝達されることができる。
このため、VOC排出ライン13にはVOCの流量を測定する流量計131が設けられてもよく、VOC排出ライン13及び/またはVOC貯蔵ライン151にはバルブ(符号不図示)が設けられて、バルブの開度が流量計131及びエンジンME、GE、DEのロードに応じて調整されてもよい。
VOC貯蔵タンク15にはガス燃料貯蔵タンクGTから発生する蒸発ガスが流入されてもよい。このため、ガス燃料貯蔵タンクGTからVOC貯蔵タンク15には蒸発ガス供給ライン26が連結されてもよい。
VOC貯蔵タンク15はエンジンME、GE、DEで消費できない余剰分のVOCと、ガス燃料貯蔵タンクGTから発生する蒸発ガスとを貯蔵することができ、VOC貯蔵タンク15はオイル貯蔵タンクOTより高い圧力でVOCなどを貯蔵することができる。特に、VOC貯蔵タンク15は内圧が蒸発ガスの伝達量に応じて調整されることができる。
VOC貯蔵タンク15に貯蔵されたVOCと蒸発ガスの混合物は、必要に応じてエンジンME、GE、DEに供給されるためにリフォーマー12に伝達される。VOC貯蔵タンク15からリフォーマー12にはVOC供給ライン152が設けられてもよく、混合物はVOC貯蔵タンク15に貯蔵されてから、エンジンME、GE、DEの稼動負荷、オイル貯蔵タンクOTから排出されるVOCの流量、ガス燃料貯蔵タンクGTの液化ガスの残量などの条件に応じてリフォーマー12に伝達されてもよい。
リフォーマー12にはVOC排出ライン13とVOC供給ライン152が個別に連結されてもよく、VOC排出ライン13からリフォーマー12に伝達されるVOCに比べて、VOC供給ライン152からリフォーマー12に伝達される混合物がメタン比率がさらに高い。このとき、リフォーマー12はそれぞれ流入されるVOCと混合物の成分を考慮して改質を行うことができ、詳細な化学的作用は公知の技術を使用することができる。
また、リフォーマー12に流入されるVOC対比で混合物の圧力がさらに高いことができるが、本実施例は、リフォーマー12に連結されるVOC排出ライン13とVOC供給ライン152のそれぞれに圧力計132、233を備え、圧力差を考慮してVOC圧縮機11や各種バルブ(符号不図示)などを制御することができる。
このように、本実施例は、余剰分のVOCが発生する場合、これを蒸発ガスと一緒にVOC貯蔵タンク15に貯蔵しておき、後でエンジンME、GE、DEに供給して使用することで、システム効率性を向上させることができる。
図5は本発明の第4実施例によるVOC処理システムの概念図である。
図5を参照すると、本発明の第4実施例によるVOC処理システム1は、上述した第3実施例と類似してVOC貯蔵タンク15を含み、上述した実施例とは異なってガス燃料貯蔵タンクGTを含まなくてもよい。
即ち、本実施例は、オイル貯蔵タンクOTから発生するVOCをVOC圧縮機11とリフォーマー12を経てエンジンME、GE、DEに供給するか、または少なくとも一部のVOCをVOC圧縮機11で圧縮した後、VOC貯蔵タンク15に貯蔵しておくことができ、このとき、VOC貯蔵タンク15はプロパンとブタンなどからなるVOCを貯蔵するタンクであってもよい。
VOC貯蔵タンク15に貯蔵されたVOCは、必要に応じてリフォーマー12を経てエンジンME、GE、DEに供給されることができる。この場合、VOC貯蔵タンク15からリフォーマー12またはVOC排出ライン13にVOC供給ライン152が連結されてもよい。
変形例として、VOC貯蔵タンク15がオイル貯蔵タンクOTとリフォーマー12の間でバッファタンクの役割をするように、VOC排出ライン13上にVOC貯蔵タンク15が設けられ、VOC貯蔵ライン151やVOC供給ライン152などが設けられなくてもよい。
また、変形例として、エンジンME、GE、DEがメタンを消費する機関ではなく、プロパンやブタンを消費する機関である場合、本実施例でリフォーマー12は省略されてもよい。但し、VOCをエンジンME、GE、DEの要求温度などに合わせるために、海水などの制限されない熱媒を利用してVOCを加熱する加熱器(不図示)がリフォーマー12の代わりに設けられてもよい。
このように、本実施例は、VOCをオイル貯蔵タンクOTから取り出して貯蔵してから使用することで、VOCの排出量の変動にかかわらず、安定的な運用が可能である。
図6は本発明の第5及び第6実施例によるVOC処理システムを有する船舶の側面図であり、図7は本発明の第5実施例によるVOC処理システムの概念図である。
まず、図6を参照すると、本発明によるVOC処理システム1を有する船舶Sは、オイル貯蔵タンクOT、VOC液化器14、VOC貯蔵タンク15、ガス燃料貯蔵タンクGTを含む。
オイル貯蔵タンクOTは船舶Sの船内に設けられ、船体の長さ方向に複数個が配置されてもよい。オイル貯蔵タンクOTに貯蔵される原油などのオイルは液相であってもよく、常温状態で貯蔵されてもよい。
但し、オイル貯蔵タンクOTに貯蔵された原油には沸点が常温より高いVOC(プロパン、ブタンなど)が混合されているが、このようなVOCはオイル貯蔵タンクOT内で蒸発するようになる。このとき、蒸発したVOCはVOC液化器14によって処理されてVOC貯蔵タンク15に伝達されることができる。
VOC液化器14は、オイル貯蔵タンクOTから発生するVOCを液化してVOC貯蔵タンク15に伝達する。オイル貯蔵タンクOTの原油からVOCが蒸発すると、VOCはオイル貯蔵タンクOTの圧力を上昇させて問題になる恐れがあるため、オイル貯蔵タンクOTの耐久性などのために外部に排出されることができる。
このため、オイル貯蔵タンクOTにはVOC排出ライン13が設けられ、VOC排出ライン13はVOC液化器14に連結される。VOC液化器14は気体状態のVOCの伝達を受けて冷却させることができ、冷却されたVOCは液化されて体積が大幅に減少することができる。
VOCを液化させるためには制限されない様々な種類の冷媒が使用されてもよく、例えば、冷媒は窒素、液化ガス、R134a、プロパンなどであってもよい。VOC液化器14はこのような冷媒を気体状態のVOCと熱交換させる熱交換器の一種であってもよい。
VOC貯蔵タンク15は船舶Sに設けられたオイル貯蔵タンクOTから発生するVOCを貯蔵する。VOC貯蔵タンク15はオイル貯蔵タンクOTから気体状態で排出された後、VOC液化器14で液化された液体状態のVOCを貯蔵することができ、VOCの再蒸発を抑制するために断熱処理されているか、または沸点を高めるために高圧容器の形態であってもよい。
VOC貯蔵タンク15は船舶Sの船外に設けられてもよく、例えば、上甲板の上部に設けられてもよい。また、VOC貯蔵タンク15は船内空間のうちオイル貯蔵タンクOTが配置される場所以外に設けられてもよく、例えば、エンジンルームの内部やエンジンルームと船側外板との間などに設けられてもよい。
オイル貯蔵タンクOTから排出されてVOC貯蔵タンク15に貯蔵されたVOCは、船舶Sに設けられたエンジンME、GE、DEの燃料として使用されてもよい。但し、VOC単独ではメタン価(Methane Number)が低くて効率が落ちることがあるため、本発明はメタン価を保障しエンジンME、GE、DEの稼動効率を高めるために、VOCに液化ガスを混合してエンジンME、GE、DEに伝達することができる。
ガス燃料貯蔵タンクGTは液化ガスを貯蔵する。船舶Sがオイル貯蔵タンクOTをカーゴタンクで備えた原油運搬船である場合、ガス燃料貯蔵タンクGTはType C型で、上甲板上に搭載されていてもよい。
即ち、ガス燃料貯蔵タンクGTは上甲板に搭載される高圧貯蔵容器であってもよく、上甲板において船室の前方に配置され、左舷及び/または右舷に設けられてもよい。
ガス燃料貯蔵タンクGTに貯蔵された液化ガスは、VOC貯蔵タンク15のVOCと混合されてエンジンME、GE、DEに供給されることができ、このためにガス燃料貯蔵タンクGTからエンジンME、GE、DEの間には後述する補助タンク155が設けられ、ガス燃料貯蔵タンクGTから補助タンク155の間にはガス燃料供給ライン23が設けられてもよく、ガス燃料供給ライン23にはワンウェイバルブ(符号不図示)及び流量計231などが備えられる。
ガス燃料貯蔵タンクGTは液化ガスを高圧で貯蔵することができるが、このとき、ガス燃料貯蔵タンクGTの内圧がエンジンME、GE、DEの要求圧力以上である場合、後述するガス燃料ポンプ21は省略されてもよい。
図7を参照すると、本発明の第5実施例によるVOC処理システム1は、VOC貯蔵タンク15とガス燃料貯蔵タンクGTにそれぞれ貯蔵されたVOC及び液化ガスを混合してエンジンME、GE、DEの燃料として供給する燃料処理部10、20を含む。
ちなみに、燃料処理部10、20は、VOCを処理するために使用される構成を包括するVOC処理部10と、ガス燃料を処理するために使用される構成を包括するガス燃料処理部20と、を含む。
このとき、エンジンME、GE、DEは船舶Sに搭載されたもので、船舶Sを推進させる推進エンジンMEであるか、船舶S内に電力を供給する発電エンジンGE、DEであってもよく、例えば、推進エンジンMEは10〜50bar(例えば、16bar前後)の要求圧力を有するX−DFエンジンであり、発電エンジンGE、DEは1〜10bar(例えば、6bar前後)の要求圧力を有するDFDEエンジンであってもよい。
燃料処理部10、20はVOCと液化ガスの流量を制御してエンジンME、GE、DEに供給される燃料のメタン価を調整することができる。推進エンジンMEがX−DFエンジン(Otto cycleエンジン)である場合、VOCはメタン価が低いため、VOCだけを単独燃料として使用すると、knockingが発生する恐れがある。
従って、燃料処理部10、20は、円滑な燃焼及びknocking現象を防止するためにVOCに液化ガスを適正比で混合し、エンジンME、GE、DEで負荷別に要求するメタン価を満たすことができる。
このため、燃料処理部10、20は、ガス分析器232、補助タンク155、制御部30を含んでもよい。
ガス分析器232は補助タンク155からエンジンME、GE、DEに供給される燃料のメタン価を測定する。但し、本明細書において、メタン価はMethane Number以外にも燃料の成分や熱量などの燃料の諸元を全て包括すると解釈されることができる。即ち、本発明のガス分析器232は熱量測定器や成分測定器などとみることもできる。
補助タンク155はエンジンME、GE、DEの上流でVOCと液化ガスを混合する。補助タンク155内でVOCと液化ガスが混合された物質は、本明細書で燃料と称されてもよい。
補助タンク155からエンジンME、GE、DEにガス燃料供給ライン23が設けられてもよく、ガス燃料供給ライン23には燃料の圧力がエンジンME、GE、DEで要求する圧力に該当するか否かを検証するために圧力計233が設けられてもよい。
エンジンME、GE、DEがX−DF推進エンジンMEとDFDE発電エンジンGE、DEを含む場合、ガス燃料供給ライン23は推進エンジンMEと発電エンジンGE、DEに連結されるように補助タンク155の下流で分岐されてもよい。このとき、分岐点の下流で推進エンジンMEの上流及び発電エンジンGE、DEの上流にはそれぞれ圧力調整バルブ234a、234b(Pressure Regulating Valve)が設けられてもよい。
補助タンク155から排出される燃料は、推進エンジンMEの要求圧力と発電エンジンGE、DEの要求圧力のうちより高い要求圧力に合わせられた圧力を有することができるため、発電エンジンGE、DEの上流に設けられる圧力調整バルブ234bは減圧を具現することができる。
補助タンク155は、VOCポンプ154を介して伝達される液相のVOCとガス燃料ポンプ21を介して伝達される液相の液化ガスを混合して液相の燃料を生成することができ、燃料を液相でエンジンME、GE、DEに供給することができる。または、補助タンク155は、燃料を気相でエンジンME、GE、DEに供給するために、燃料を気化させるためのヒーティング器(符号不図示)などを備えてもよい。
ヒーティング器は、補助タンク155の内部に設けられるか、または補助タンク155で燃料が循環する別の外部ラインに設けられてもよく、スチームやグリコールウォーターなどの様々な物質を使用することができる。ヒーティング器によって気化される燃料は、圧力計233とガス分析器232、圧力調整バルブ234a、234bなどを経てエンジンME、GE、DEに供給されて消費されてもよい。
制御部30は補助タンク155に流入されるVOC及び/または液化ガスの流量を制御する。従って、補助タンク155で生成される燃料に含まれたVOCと液化ガスの比率は制御部30によって調整されることができる。
制御部30は、補助タンク155に伝達されるVOC及び/または液化ガスの流量を様々な方法で制御することができる。例えば、VOC貯蔵タンク15の内部及び/または外部にはVOCをエンジンME、GE、DEに伝達するVOCポンプ154が設けられ、ガス燃料貯蔵タンクGTの内部及び/または外部には液化ガスをエンジンME、GE、DEに伝達するガス燃料ポンプ21が設けられてもよく、制御部30はVOCポンプ154及びガス燃料ポンプ21を制御する。
このとき、制御部30はガス分析器232の測定値に応じてVOCポンプ154及びガス燃料ポンプ21を制御し、補助タンク155で生成される燃料のメタン価をエンジンME、GE、DEで要求する水準に合わせることができる。
このため、VOCポンプ154及び/またはガス燃料ポンプ21は可変周波数制御(VFD:Variable Frequency Drive)ができるように設けられることができ、但し、VOCポンプ154やガス燃料ポンプ21のうち何れか1つは固定容量型で、残り1つだけが可変容量型で設けられてもよいことは言うまでもない。この場合、制御部30は固定容量型ポンプの稼動(On/Off)を考慮して可変容量型ポンプを制御することができる。
上述したように、ガス燃料貯蔵タンクGTの内圧がエンジンME、GE、DEの要求圧力以上である場合、ガス燃料ポンプ21は省略されてもよいため、制御部30はVOCポンプ154の稼動制御によりメタン価を調整することができる。ガス燃料ポンプ21が省略される場合は、ガス燃料供給ライン23上にバルブ(不図示)が設けられることができるため、制御部30はVOCポンプ154及びガス燃料供給ライン23上のバルブを介してメタン価を制御することができる。
VOC貯蔵タンク15から補助タンク155まではワンウェイバルブ(符号不図示)や流量計156などが備えられるVOC供給ライン152が設けられてもよく、VOC供給ライン152においてVOCポンプ154の下流にはVOCのうち少なくとも一部をVOC貯蔵タンク15に戻すVOCリターンライン157が設けられてもよい。このとき、VOCリターンライン157上にはリターンバルブであるVOCリターンバルブ1571が設けられてもよい。
また、同一/類似するようにガス燃料供給ライン23にもガス燃料貯蔵タンクGTから排出される液化ガスのうち少なくとも一部を戻すガス燃料リターンライン235が設けられ、ガス燃料リターンライン235上にリターンバルブであるガス燃料リターンバルブ236が設けられてもよい。
この場合、制御部30は、ガス分析器232の測定値に応じてVOCリターンバルブ1571及び/またはガス燃料リターンバルブ236を制御し、VOCリターンバルブ1571によってエンジンME、GE、DEに伝達されるVOCの流量及び/またはガス燃料リターンバルブ236によってエンジンME、GE、DEに伝達される液化ガスの流量を調整することで、燃料のメタン価をエンジンME、GE、DEに合わせることができる。
制御部30は、VOCポンプ154とガス燃料ポンプ21及び/またはVOCリターンバルブ1571とガス燃料リターンバルブ236などを調整するとき、補助タンク155に流入されるVOC及び液化ガスの流量が適切に制御されるかを確認するために、流量計156、231を利用することができ、流量計156、231はVOC供給ライン152及びガス燃料供給ライン23にそれぞれ設けられてもよい。
従って、制御部30は補助タンク155の下流で燃料のメタン価を測定してVOC及び液化ガスが補助タンク155に流入される流量を能動的に制御し、流量計156、231を通じて検証して適正なメタン価を保障することができる。
このように、本実施例は、大気中に捨てられていたVOCをエンジンME、GE、DEの燃料として活用するが、エンジンME、GE、DEで要求する燃料の諸元(メタン価、熱量、成分など)を満たすために液化ガスをVOCに混合してエンジンME、GE、DEに供給することで、VOCを再利用できるだけでなく、エンジンME、GE、DEの稼動効率を保障することができる。
図8は本発明の第6実施例によるVOC処理システムの概念図である。
図8を参照すると、本発明の第6実施例によるVOC処理システム1は、VOCを液化ガスと混合して推進エンジンMEに供給し、液化ガスだけを発電エンジンGE、DEに供給することができる。以下では、本実施例が上述した実施例と比べて変わる点を中心として説明し、説明を省略した部分は上述した内容に代える。
本実施例において、推進エンジンMEは200〜400bar(例えば380bar前後)の要求圧力を有するME−GIエンジンであってもよい。但し、ME−GIエンジンの場合、VOC(エンジンME、GE、DEに噴射される体積当たりの発熱量が液化ガスの主成分であるメタンより高い)だけを供給すると、Energy densityが高くなりすぎるため、液化ガスを混合使用して稼動安定性を保障することができる。
ME−GIエンジンの要求圧力に合わせるために、VOC貯蔵タンク15と補助タンク155の間のVOC供給ライン152及びガス燃料貯蔵タンクGTと補助タンク155の間のガス燃料供給ライン23上には、それぞれVOC高圧ポンプ158及びガス燃料高圧ポンプ24が設けられてもよく、高圧のVOCと高圧の液化ガスを混合して相分離なしにOne phase状態で推進エンジンMEに供給するために、上述した実施例の補助タンク155の代わりに混合機27が設けられてもよい。
但し、VOCポンプ154及びガス燃料ポンプ21が推進エンジンMEの要求圧力に合わせてVOCなどを高圧に加圧する場合や、混合機27ではない補助タンク155を置いて補助タンク155の下流に1つの高圧ポンプ(不図示)だけを置く場合、VOC高圧ポンプ158とガス燃料高圧ポンプ24は省略されてもよい。
VOCポンプ154と混合機27との間及びガス燃料ポンプ21と混合機27との間には、それぞれVOC気化器159及びガス燃料気化器22が設けられてもよい。VOC気化器159とガス燃料気化器22は、推進エンジンMEの要求温度に対応してVOC及び液化ガスをそれぞれ加熱することができる。勿論、VOC気化器159とガス燃料気化器22の代わりに混合機27の下流に1つの熱交換器(不図示)を置くこともできる。
本実施例は、ガス燃料供給ライン23から発電エンジンGE、DEまではガス燃料分岐ライン25を備えてもよく、ガス燃料分岐ライン25はガス燃料ポンプ21とガス燃料高圧ポンプ24の間のガス燃料供給ライン23から分岐されて液化ガスを発電エンジンGE、DEに伝達することができる。
上述した実施例の場合、推進エンジンMEと発電エンジンGE、DEの要求圧力の差が圧力調整バルブ234bでカバーできる水準だったのであれば、本実施例の場合は、推進エンジンMEの要求圧力が200bar以上の高圧であるため、圧力調整バルブ234bを通じて推進エンジンMEと発電エンジンGE、DEの要求圧力の差を解消し難い可能性がある。
従って、本実施例は、ラインを分岐して、推進エンジンME側にはガス燃料高圧ポンプ24などを設けて推進エンジンMEの要求圧力に合わせ、ガス燃料高圧ポンプ24によって高圧に加圧される前の液化ガスを発電エンジンGE、DE側に供給して発電エンジンGE、DEの要求圧力に合わせることができる。
このような構成においても推進エンジンMEと発電エンジンGE、DEの上流にはそれぞれ圧力調整バルブ234a、234bが備えられてもよく、ガス燃料分岐ライン25には圧力調整バルブ234bの他にガス燃料ヒーター251が設けられてもよい。
このように、本実施例は、200bar以上の高圧推進エンジンMEを使用するとき、VOCに液化ガスを混合してEnergy densityを合わせることで、VOCを捨てずに活用しながら推進エンジンMEなどの稼動効率を保障することができる。
図9は本発明の第7〜第11実施例によるVOC処理システムを含む船舶の概念図であり、図10は本発明の第7実施例によるVOC処理システムの概念図であり、図11は本発明の第8実施例によるVOC処理システムの概念図である。
また、図12は本発明の第9実施例によるVOC処理システムの概念図であり、図13は本発明の第10実施例によるVOC処理システムの概念図であり、図14は本発明の第11実施例によるVOC処理システムの概念図である。
本発明の実施例によるVOC処理システム1について詳細に説明する前に、まず、図9を参照して本発明の実施例によるVOC処理システム1を備える船舶Sについて説明する。
図9を参照すると、本発明の実施例によるVOC処理システム1を有する船舶Sは、オイル貯蔵タンクOT、VOC貯蔵タンク15、ガス燃料貯蔵タンクGT、VOC処理部10、需要先ME、GE、DE、及び海水ポンプ40を含む。
オイル貯蔵タンクOTは船舶Sの船内に設けられ、船体の長さ方向に複数個が配置されてもよい。オイル貯蔵タンクOTに貯蔵される原油などのオイルは液相であってもよく、常温状態で貯蔵されてもよい。
但し、オイル貯蔵タンクOTに貯蔵された原油には沸点が常温より高いVOC(プロパン、ブタン)が混合されているが、このようなVOCはオイル貯蔵タンクOT内で蒸発するようになる。このとき、蒸発したVOCはVOC処理部10によって処理されてVOC貯蔵タンク15に伝達されてもよい。
VOC貯蔵タンク15は船舶Sに設けられたオイル貯蔵タンクOTから発生するVOCを貯蔵する。VOC貯蔵タンク15はオイル貯蔵タンクOTから気体状態で排出された後、VOC処理部10で液化された液体状態のVOCを貯蔵することができ、VOCの再蒸発を抑制するために断熱処理されているか、または沸点を高めるために高圧容器の形態であってもよい。
VOC貯蔵タンク15は船舶Sの船外に設けられてもよく、例えば、上甲板の上部に設けられてもよい。または、VOC貯蔵タンク15は船内空間のうちオイル貯蔵タンクOTが配置される場所以外にも設けられてもよく、例えば、エンジンルームの内部やエンジンルームと船側外板の間などに設けられてもよい。
オイル貯蔵タンクOTから排出されてVOC貯蔵タンク15に貯蔵されたVOCは、船舶Sに設けられたメインエンジンMEまたは発電エンジンGEの燃料として使用されてもよい。但し、VOC単独ではメタン価(Methane Number)が低くて効率が落ちることがあるため、本発明はメタン価を保障しメインエンジンMEまたは発電エンジンGEの稼動効率を高めるために、別途の改質器(リフォーマー12)を備えてメタン価を合わせてからメインエンジンMEまたは発電エンジンGEに供給するか、VOCに液化ガスを混合してメインエンジンMEまたは発電エンジンGEに供給することができる。
ガス燃料貯蔵タンクGTは液化ガスを貯蔵する。船舶Sがオイル貯蔵タンクOTをカーゴタンクで備えた原油運搬船である場合、ガス燃料貯蔵タンクGTはType C型で、上甲板上に搭載されていてもよい。
即ち、ガス燃料貯蔵タンクGTは上甲板に搭載される高圧貯蔵容器であってもよく、上甲板において船室の前方に配置され、左舷及び/または右舷に設けられてもよい。
ガス燃料貯蔵タンクGTに貯蔵された液化ガスは、VOC処理部10に供給されてVOCを冷却するのに用いられてもよく、また、VOC貯蔵タンク15のVOCと混合されてメインエンジンMEまたは発電エンジンGEに供給されてもよい。
VOC処理部10は、オイル貯蔵タンクOTから発生するVOCを液化してVOC貯蔵タンク15に伝達するか、需要先ME、GE、DEに伝達する。オイル貯蔵タンクOTの原油からVOCが蒸発すると、VOCはオイル貯蔵タンクOTの圧力を上昇させて問題になる恐れがあるため、オイル貯蔵タンクOTの耐久性などのために外部に排出されることができる。
このため、オイル貯蔵タンクOTにはVOC排出ライン13が設けられ、VOC排出ライン13はVOC処理部10に連結される。VOC処理部10は気体状態のVOCの伝達を受けて冷却させることができ、冷却されたVOCは液化されて体積が大幅に減少することができる。
VOC処理部10に対しては、図10〜図14を参照して各実施例毎の構成を詳細に後述する。
需要先ME、GE、DEは液化ガス、蒸発ガスまたはVOCを消費することができ、メインエンジンME、発電エンジンGE、及びその他の需要先DEを含んでもよい。
メインエンジンMEは船舶Sを推進させるのに必要な動力を発生させ、例えば、10〜50bar(例えば、16bar前後)の要求圧力を有する低速2スクロール低圧ガス噴射エンジン(X−DF)であってもよい。
発電エンジンGEは船舶Sに必要な電力を発生させ、例えば、1〜10bar(例えば、6bar前後)の要求圧力を有する2種燃料エンジン(DFDE)エンジンであってもよい。
その他の需要先DEはVOCの気体成分を消費し、例えば、ボイラー(Boiler)、ガス燃焼装置(Gas Combustion Unit)であってもよい。このとき、VOCの気体成分は大気中に放出されてもよく、または圧縮された状態で任意の貯蔵媒体に貯蔵されてもよい。但し、以下において、その他の需要先DEはメインエンジンMEや発電エンジンGEなどに置き換えられてもよい。
海水ポンプ40は船舶Sの船尾内部のデッキに配置されてVOC処理部10に海水供給ライン(符号不図示)を介して連結されてもよく、海水供給ラインを介してシーチェスト(Sea Chest)から海水をポンプしてVOC処理部10に供給することができる。
海水ポンプ40は、海水をVOC処理部10に供給して海水がVOCを冷却するのに用いられるようにすることができ、VOC処理部10が上甲板上に配置されることにより、海水ポンプ40との高さの差によって発生し得る高さ水頭を補償するために海水に一定の圧力を加えることができる。
図10は本発明の第7実施例によるVOC処理システムの概念図である。
図10を参照すると、本発明の第7実施例によるVOC処理システム1は、VOC処理部10に該当する第1VOC圧縮機11a、第2VOC圧縮機11b、第1熱交換器16a、第2熱交換器16b、気液分離器17などを含み、ガス燃料処理部20と制御部30をさらに含む。
本発明の第7実施例によるVOC処理システム1の個別の構成を記述する前に、個別の構成を有機的に連結する基本的な流路について説明する。ここで、流路は流体が流れる通路で、ライン(Line)であってもよく、これに限定されず、流体が流動する構成であれば構わない。
本発明の第7実施例によるVOC処理システム1は、第1VOC排出ライン13a及び第2VOC排出ライン13bをさらに含んでもよい。
それぞれのラインには開度調整が可能なバルブ(不図示)が設けられてもよく、各バルブの開度調整によって蒸発ガスまたは液化ガスの供給量が制御されることができる。
第1VOC排出ライン13aは、オイル貯蔵タンクOTから連結されるVOC排出ライン13と連結されて気液分離器17を連結し、第2VOC排出ライン13bと並列に形成されてもよく、第1VOC圧縮機11a及び第1熱交換器16aを備えてもよい。
第2VOC排出ライン13bは、オイル貯蔵タンクOTから連結されるVOC排出ライン13と連結されて気液分離器17を連結し、第1VOC排出ライン13aと並列に形成されてもよく、第2VOC圧縮機11b及び第2熱交換器16bを備えてもよい。
このとき、VOC排出ライン13から第1及び第2VOC排出ライン13a、13bが分岐される位置に三方バルブ(不図示)が配置されてもよく、三方バルブの開度調整によって第1VOC排出ライン13aまたは第2VOC排出ライン13bへのVOC供給有無が制御されることができる。
以下では、上記説明した各ライン13a、13bによって有機的に形成されてVOC処理システム1を具現する個別の構成について説明する。
第1VOC圧縮機11aは船舶Sに設けられたオイル貯蔵タンクOTから発生するVOCを圧縮し、第2VOC圧縮機11bと並列に配置されてもよい。ここで、第1VOC圧縮機11aは第2VOC圧縮機11bより処理容量が大きくてもよく、オイル貯蔵タンクOTに原油を船積みする時期に稼動することができる。
具体的には、第1VOC圧縮機11aは、第1VOC排出ライン13a上の第1熱交換器16aの上流に設けられて、オイル貯蔵タンクOTから発生されるVOCの供給を受けて圧縮した後、第1熱交換器16aに供給することができる。
第2VOC圧縮機11bは船舶Sに設けられたオイル貯蔵タンクOTから発生するVOCを圧縮し、第1VOC圧縮機11aと並列に配置されてもよい。ここで、第2VOC圧縮機11bは第1VOC圧縮機11aより処理容量が小さくてもよく、オイル貯蔵タンクOTに原油を船積み完了した後、搬送する時期に稼動することができる。
具体的には、第2VOC圧縮機11bは、第2VOC排出ライン13b上の第2熱交換器16bの上流に設けられて、オイル貯蔵タンクOTから発生されるVOCの供給を受けて圧縮した後、第2熱交換器16bに供給することができる。
第1熱交換器16aは、海水ポンプ40から供給を受けた海水で第1VOC圧縮機11aで圧縮されたVOCを冷却させる。ここで、第1熱交換器16aは、第2熱交換器16bより冷熱をさらに多く供給することができ、オイル貯蔵タンクOTに原油を船積みする時期に稼動することができる。
第1熱交換器16aは、第1VOC圧縮機11aで圧縮されたVOCと海水を熱交換させ、熱交換されたVOCを気液分離器17に供給し、熱交換された海水は海(Sea)に排出させることができる。
第2熱交換器16bは、ガス燃料貯蔵タンクGTから供給を受けた液化ガスまたは蒸発ガスで第2VOC圧縮機11bで圧縮されたVOCを冷却させる。ここで、第2熱交換器16bは、第1熱交換器16aより冷熱を少なく供給することができ、オイル貯蔵タンクOTに原油を船積み完了した後、搬送する時期に稼動することができる。
第2熱交換器16bは、第2VOC圧縮機11bで圧縮されたVOCと液化ガスまたは蒸発ガスを熱交換させ、熱交換されたVOCを気液分離器17に供給し、熱交換された液化ガスまたは蒸発ガスはガス燃料処理部20に供給しメインエンジンMEまたは発電エンジンGEの燃料として使用されるようにすることができる。
気液分離器17は、第1及び第2熱交換器16a、16bで冷却されて少なくとも一部が再液化されたVOCの供給を受けて気相と液相に分離することができる。
気液分離器17は、分離された気相のVOCをその他の需要先DEに供給し、分離された液相のVOCをVOC貯蔵タンク15に供給することができる。
ガス燃料処理部20は、VOC貯蔵タンク15に貯蔵されたVOC及び第2熱交換器16bでVOCと熱交換された液化ガスまたは蒸発ガスの供給を受けて、メインエンジンMEまたは発電エンジンGEが使用できる燃料に処理することができる。
このため、ガス燃料処理部20は、液化ガスまたは蒸発ガスを処理するガス燃料ポンプ21、ガス燃料気化器22を含んでもよい。
ガス燃料ポンプ21は、第2熱交換器16bで熱交換された液化ガスの供給を受けてメインエンジンMEまたは発電エンジンGEが要求する圧力に合わせて加圧することができる。このとき、第2熱交換器16bで熱交換されたガスが蒸発ガスである場合、別途で備えられる蒸発ガス圧縮機(不図示)でメインエンジンMEまたは発電エンジンGEが要求する圧力に合わせて圧縮することができる。
ガス燃料気化器22は、ガス燃料ポンプ21から供給される液化ガスを気化させることができ、メインエンジンMEまたは発電エンジンGEが要求する温度に合わせて加熱することができる。
ガス燃料処理部20は、VOC処理部10の一部構成であるVOC圧縮機11及びリフォーマー12(Reformer)をさらに含んでもよい。
VOC圧縮機11は、VOC貯蔵タンク15からVOCの供給を受けてメインエンジンMEまたは発電エンジンGEの要求圧力に圧縮することができ、例えば、10〜50bar前後に圧縮することができる。
VOC圧縮機11は多段で設けられてもよく、多段で設けられるVOC圧縮機11の間には中間冷却器が設けられてもよく、並列に構成されて互いにバックアップできるように設計されてもよい。
リフォーマー12は圧縮されたVOCを改質してメインエンジンMEまたは発電エンジンGEに供給することができる。リフォーマー12はプロパン、ブタンなどを含むVOCを化学的に処理してメタン化させることができる。リフォーマー12による化学的作用は既に広く知られているため、詳細な説明は省略する。
また、ガス燃料処理部20にはさらに混合機27が設けられてもよい。混合機27はリフォーマー12の下流に分岐され、気化器の下流に分岐されて設けられ、リフォーマー12によって改質されたVOCを気化器によって気化された液化ガスまたは蒸発ガス圧縮機によって圧縮された蒸発ガスと混合した後、メインエンジンMEまたは発電エンジンGEに供給することができる。
制御部30は、オイル貯蔵タンクOTに原油を船積みするか否か、または原油を船積みした後搬送するか否かによって第1及び第2VOC圧縮機11a、11bと第1及び第2熱交換器16a、16bを稼動または稼動停止するように制御することができる。
このとき、制御部30は、第1及び第2VOC圧縮機11a、11b及び第1及び第2熱交換器16a、16bと有線または無線で連結されて制御することができ、VOC排出ライン13から第1及び第2VOC排出ライン13a、13bが分岐される位置に形成される三方バルブと有線または無線で連結されて制御することができる。
具体的には、制御部30は、オイル貯蔵タンクOTに原油を船積みするとき、三方バルブを制御してオイル貯蔵タンクOTから発生した大量のVOCをVOC排出ライン13から第1VOC排出ライン13aに供給されるように制御した後、第1VOC圧縮機11aを通じて大量のVOCを圧縮してから第1熱交換器16aで海水と熱交換させて冷却させることで、少なくとも一部が再液化されるように制御することができる。
また、制御部30は、オイル貯蔵タンクOTに原油を船積みした後搬送するとき、三方バルブを制御してオイル貯蔵タンクOTから発生した少量のVOCをVOC排出ライン13から第2VOC排出ライン13bに供給されるように制御した後、第2VOC圧縮機11bを通じて少量のVOCを圧縮してから第2熱交換器16bで液化ガスまたは蒸発ガスと熱交換させて冷却させることで、少なくとも一部が再液化されるように制御することができる。少なくとも一部の再液化されたVOCは気液分離器17に供給されることができる。
上述した本発明の第7実施例によるVOC処理システム1の各構成の有機的結合による駆動について、図10の(a)及び(b)を通じて以下に説明する。
図10の(a)は原油貯蔵タンクに原油を船積みするとき、本発明の第7実施例によるVOC処理システムでのVOCのフローチャートであり、図10の(b)は原油貯蔵タンクに原油を船積みした後搬送するとき、本発明の第7実施例によるVOC処理システムでのVOCのフローチャートである。
オイル貯蔵タンクOTに原油を船積みする時期には、オイル貯蔵タンクOTに原油船積みを完了した後搬送する過程で発生するVOCの発生量より多い量のVOCが発生するため、大量のVOCを処理することができる圧縮機及び熱交換器(冷却装置)が必要となる。
また、逆に、オイル貯蔵タンクOTに原油船積みを完了した後搬送する時期には、オイル貯蔵タンクOTに原油を船積みする過程で発生するVOCの発生量より非常に少ない量のVOCが発生するため、少量のVOCを処理することができる圧縮機及び熱交換器(冷却装置)が必要となる。
但し、オイル貯蔵タンクOTに原油を船積みする時期よりオイル貯蔵タンクOTに原油船積みを完了した後搬送する時期が長く維持されるため、オイル貯蔵タンクOTに原油を船積みする時期に発生するVOCを処理することができる圧縮機及び熱交換器だけを備える場合、エネルギーの無駄遣いがかなり酷くなり、圧縮機の駆動が非効率的に行われ、熱交換器の駆動エネルギーが無駄遣いされる恐れがある。
そこで、本発明では、VOCを圧縮するVOC圧縮機11とVOCを冷却する熱交換器を処理容量別に区分してVOCの発生量に応じて駆動する圧縮機及び熱交換器の種類と異ならせることで、消耗される動力の損失を防止し、最適化されたエネルギーを消費する効果がある。
即ち、本発明の実施例では、オイル貯蔵タンクOTに原油を船積みする時期に第1VOC圧縮機11aと大量の冷熱を有する海水を使用する第1熱交換器16aを駆動させ、オイル貯蔵タンクOTに原油船積みが完了した後搬送する時期には第2VOC圧縮機11bと少量の冷熱を有する液化ガスまたは蒸発ガスを使用する第2熱交換器16bを駆動させることで、消耗される動力の損失を防止し、最適化されたエネルギーを消費する効果がある。
具体的に、図10の(a)における実線の流れをみると、オイル貯蔵タンクOTに原油を船積みするとき、オイル貯蔵タンクOTでは多量のVOCが発生する。このとき、オイル貯蔵タンクOTはVOC排出ライン13を介してVOCを第1VOC排出ライン13aに供給する。
第1VOC排出ライン13aに供給されたVOCは、第1VOC圧縮機11aに供給されて圧縮された後、第1熱交換器16aに供給され、海水から冷熱の供給を受けて少なくとも一部が再液化される。
少なくとも一部が再液化されたVOCは気液分離器17に供給されて気相と液相に分離され、気相のVOCはその他の需要先DEに供給されて消費され、液相のVOCはVOC貯蔵タンク15に供給されて貯蔵される。
ここで、VOCと熱交換された海水は再び海(Sea)に排出されることができる。
このようにオイル貯蔵タンクOTに原油を船積みするときに発生する多量のVOCは、第1VOC圧縮機11a及び第1熱交換器16aを通じて大量処理することができるため、システムの安定性が向上する効果がある。
図10の(b)における実線の流れをみると、オイル貯蔵タンクOTに原油を船積みした後搬送するとき、オイル貯蔵タンクOTでは少量のVOCが発生する。このとき、オイル貯蔵タンクOTはVOC排出ライン13を介してVOCを第2VOC排出ライン13bに供給する。
第2VOC排出ライン13bに供給されたVOCは、第2VOC圧縮機11bに供給されて圧縮された後、第2熱交換器16bに供給され、海水から冷熱の供給を受けて少なくとも一部が再液化される。
少なくとも一部が再液化されたVOCは気液分離器17に供給されて気相と液相に分離され、気相のVOCはその他の需要先DEに供給されて消費され、液相のVOCはVOC貯蔵タンク15に供給されて貯蔵される。
このようにオイル貯蔵タンクOTに原油を船積みした後搬送するときに発生する少量のVOCは、大量の処理能力を有する第1VOC圧縮機11a及び第1熱交換器16aではない少量の処理能力を有する第2VOC圧縮機11b及び第2熱交換器16bを通じて処理することができ、システムの消費動力を最適化することができ、エネルギーの無駄遣いを減らす効果がある。
ここで、VOCと熱交換された液化ガスまたは蒸発ガスは、ガス燃料処理部20に供給されて処理された後、メインエンジンMEまたは発電エンジンGEの燃料として使用されるか、VOC貯蔵タンク15から供給されるVOCと混合されてメインエンジンMEまたは発電エンジンGEの燃料として使用されてもよい。
図11は本発明の第8実施例によるVOC処理システムの概念図である。
図11を参照すると、本発明の第8実施例によるVOC処理システム1は、上述した第7実施例と対比すると、ガス燃料処理部20の代わりにガス燃料液化器28が備えられてもよい。
以下では、本実施例が上述した実施例と比べて変わる点を中心として説明し、説明を省略した部分は上述した内容に代える。これは以下の他の実施例でも同様である。
ガス燃料液化器28は、窒素、液化ガス、R134a、プロパンなどの冷媒により液化ガスまたは蒸発ガスを再液化することができる。ここで、液化ガスは加熱されて気化された液化ガスをいう。
ガス燃料液化器28は、第2熱交換器16bにより圧縮されたVOCと熱交換して加熱された蒸発ガスまたは気化された液化ガスの供給を受けて、窒素、液化ガス、R134a、プロパンなどの冷媒により再液化することができる。
ガス燃料液化器28の再液化の構成及び作動は既に広く知られているため、詳細な説明は省略する。
上述したガス燃料液化器28を通じた本発明の第8実施例によるVOC処理システム1の各構成の有機的結合による駆動について、図11の(a)及び(b)を通じて以下に説明する。
図11の(a)は原油貯蔵タンクに原油を船積みするとき、本発明の第8実施例によるVOC処理システムでのVOCのフローチャートであり、図11の(b)は原油貯蔵タンクに原油を船積みした後搬送するとき、本発明の第8実施例によるVOC処理システムでのVOCのフローチャートである。
本発明の第8実施例では、図11の(a)及び(b)のそれぞれのVOCの流れ、即ち、オイル貯蔵タンクOTに原油を船積みするときまたはオイル貯蔵タンクOTに原油を船積み完了後搬送するときのVOCの流れが全て上述した第7実施例と同一であるため、それに代える。
但し、第2熱交換器16bにより圧縮されたVOCと熱交換して加熱された蒸発ガスまたは気化された液化ガスの流れは、ガス燃料液化器28に供給されて消費される点が相違する。
このような違いにより、本発明の実施例では、第2熱交換器16bにより熱交換された液化ガスまたは蒸発ガスをガス燃料液化器28を通じて再液化することができ、蒸発ガスまたは液化ガスの無駄遣いを防止し、システムの利用効率を最適化する効果がある。
図12は本発明の第9実施例によるVOC処理システムの概念図である。
図12を参照すると、本発明の第9実施例によるVOC処理システム1は、上述した第7実施例と対比すると、第1及び第2VOC排出ライン13a、13bの配置が相違し、第2熱交換器16bの駆動時期が相違することにより、VOCの流れが相違するように変更されるため、これを中心として説明する。
ここで、新たに命名される第3VOC排出ライン13cは、上述した実施例において第1及び第2VOC排出ライン13a、13bに含まれていラインや、上述した実施例と第1及び第2VOC排出ライン13a、13bの相違点を説明しやすくするために命名されたものに過ぎない。
第1VOC排出ライン13aは第1VOC圧縮機11a及び第1熱交換器16aを備え、第2熱交換器16bと連結されてもよい。
第1VOC排出ライン13aはオイル貯蔵タンクOTから連結されるVOC排出ライン13と連結されてもよく、オイル貯蔵タンクOTに原油を船積みするとき、VOC排出ライン13を介してVOCの供給を受けて大量のVOCが流動することができる。
第2VOC排出ライン13bは第2VOC圧縮機11bを備え、第2熱交換器16bと連結される。
第2VOC排出ライン13bはオイル貯蔵タンクOTから連結されるVOC排出ライン13と連結されてもよく、オイル貯蔵タンクOTに原油を船積み完了した後搬送するとき、VOC排出ライン13を介してVOCの供給を受けて少量のVOCが流動することができる。
第3VOC排出ライン13cは第2熱交換器16bと気液分離器17を連結し、第2熱交換器16bで熱交換されて少なくとも一部が再液化されたVOCを気液分離器17に供給することができる。
また、本発明の実施例において、第2熱交換器16bはオイル貯蔵タンクOTに原油を船積みするときまたはオイル貯蔵タンクOTに原油を船積み完了後搬送するときに全て稼動されることができる。
このように、本発明の第9実施例では、オイル貯蔵タンクOTに原油を船積みするとき、多量のVOCを冷却するが、さらに第2熱交換器16bを使用することができるため、冷却媒体を十分に供給できるようになり、再液化の信頼性が向上し、第1熱交換器16aをバックアップすることができるメリットがある。
勿論、処理容量の限界によって第1熱交換器16aの完全なバックアップは難しいが、第1熱交換器16aのメンテナンスまたは修理期間の間のバックアップは十分可能である。
上述した第1〜第3VOC排出ライン13a、13b、13cを通じた本発明の第9実施例によるVOC処理システム1の各構成の有機的結合による駆動について、図12の(a)と(b)を通じて以下に説明する。
図12の(a)は原油貯蔵タンクに原油を船積みするとき、本発明の第9実施例によるVOC処理システムでのVOCのフローチャートであり、図12の(b)は原油貯蔵タンクに原油を船積みした後搬送するとき、本発明の第9実施例によるVOC処理システムでのVOCのフローチャートである。
図12の(a)における実線の流れをみると、オイル貯蔵タンクOTに原油を船積みするとき、オイル貯蔵タンクOTでは多量のVOCが発生する。このとき、オイル貯蔵タンクOTはVOC排出ライン13を介してVOCを第1VOC排出ライン13aに供給する。
第1VOC排出ライン13aに供給されたVOCは、第1VOC圧縮機11aに供給されて圧縮された後、第1熱交換器16aに供給され、海水から冷熱の供給を受けて少なくとも一部が再液化される。
少なくとも一部が再液化されたVOCは第2熱交換器16bに供給されてさらに冷却されることができ、これにより、完全な再液化が行われることができる。
第2熱交換器16bで再液化されたVOCは、第3VOC排出ライン13cを介して気液分離器17に供給されて気相と液相に分離され、気相のVOCはその他の需要先DEに供給されて消費され、液相のVOCはVOC貯蔵タンク15に供給されて貯蔵される。
ここで、VOCと熱交換された海水は再び海(Sea)に排出されることができる。
このようにオイル貯蔵タンクOTに原油を船積みするときに発生する多量のVOCは、第1VOC圧縮機11a及び第1熱交換器16aを通じて大量処理することができるため、システムの安定性が向上する効果があり、さらに第2熱交換器16bで冷却させることができ、VOCの再液化性能を最大化する効果及び再液化の信頼性を向上させる効果がある。
図12の(b)における実線の流れをみると、オイル貯蔵タンクOTに原油を船積みした後搬送するとき、オイル貯蔵タンクOTでは少量のVOCが発生する。このとき、オイル貯蔵タンクOTはVOC排出ライン13を介してVOCを第2VOC排出ライン13bに供給する。
第2VOC排出ライン13bに供給されたVOCは、第2VOC圧縮機11bに供給されて圧縮された後、第2熱交換器16bに供給され、海水から冷熱の供給を受けて少なくとも一部が再液化される。
少なくとも一部が再液化されたVOCは第3VOC排出ライン13cを介して気液分離器17に供給されて気相と液相に分離され、気相のVOCはその他の需要先DEに供給されて消費され、液相のVOCはVOC貯蔵タンク15に供給されて貯蔵される。
このようにオイル貯蔵タンクOTに原油を船積みした後搬送するときに発生する少量のVOCは、少量の処理能力を有する第2VOC圧縮機11b及び第2熱交換器16bを通じて処理することができ、システムの消費動力を最適化することができ、エネルギーの無駄遣いを減らす効果がある。
ここで、VOCと熱交換された液化ガスまたは蒸発ガスは、ガス燃料処理部20に供給されて処理された後、メインエンジンMEまたは発電エンジンGEの燃料として使用されるか、VOC貯蔵タンク15から供給されるVOCと混合されてメインエンジンMEまたは発電エンジンGEの燃料として使用されてもよい。
図13は本発明の第10実施例によるVOC処理システムの概念図である。
図13を参照すると、本発明の第10実施例によるVOC処理システム1は、上述した第9実施例と対比すると、ガス燃料処理部20の代わりにガス燃料液化器28が備えられてもよい。
但し、このような違いは、上述した第8実施例での第7実施例との相違点と同じであり、本実施例の構成及びそれによる効果は第8実施例を通じて十分に理解できるため、本実施例に対する記述は省略する。
図14は本発明の第11実施例によるVOC処理システムの概念図である。
図14を参照すると、本発明の第11実施例によるVOC処理システム1は、上述した第9及び第10実施例と対比すると、気液分離器(第1気液分離器17a)がさらに備えられる点が相違するため、これを中心として説明する。
第1VOC排出ライン13aは、第1VOC圧縮機11a、第1熱交換器16a及び第1気液分離器17aを備え、第2熱交換器16bと連結されてもよい。
第1VOC排出ライン13aはオイル貯蔵タンクOTから連結されるVOC排出ライン13と連結されてもよく、オイル貯蔵タンクOTに原油を船積みするとき、VOC排出ライン13を介してVOCの供給を受けて大量のVOCが流動することができる。
第1気液分離器17aは、第1VOC排出ライン13a上に備えられて少なくとも一部が再液化されたVOCを一時的に貯蔵することができ、また、少なくとも一部が再液化されたVOCを気相と液相に分離することができ、気相のVOCは再び第2熱交換器16bに供給し、液相のVOCはVOC貯蔵タンク15に供給することができる。
第1気液分離器17aは、オイル貯蔵タンクOTに原油を船積みするときに使用され、上述したように大量のVOCを一時的に貯蔵することができ、流量バッファの役割をすることができる。
第2気液分離器17bは上述した実施例で記述した気液分離器17と同じであり、詳細な説明は省略する。
このように、本発明の第11実施例では、オイル貯蔵タンクOTに原油を船積みするとき多量のVOCを再液化処理するのに追加で第1気液分離器17aを備えることで、大量のVOCを処理するのに必要な流量バッファの役割をすることができ、VOCの処理の信頼性が向上するメリットがある。
上述した構成を通じた本発明の第11実施例によるVOC処理システム1の各構成の有機的結合による駆動について、図6の(a)及び(b)を通じて以下に説明する。
図14の(a)は原油貯蔵タンクに原油を船積みするとき、本発明の第11実施例によるVOC処理システムでのVOCのフローチャートであり、図14の(b)は原油貯蔵タンクに原油を船積みした後搬送するとき、本発明の第11実施例によるVOC処理システムでのVOCのフローチャートである。
図14の(a)における実線の流れをみると、オイル貯蔵タンクOTに原油を船積みするとき、オイル貯蔵タンクOTでは多量のVOCが発生する。このとき、オイル貯蔵タンクOTはVOC排出ライン13を介してVOCを第1VOC排出ライン13aに供給する。
第1VOC排出ライン13aに供給されたVOCは、第1VOC圧縮機11aに供給されて圧縮された後、第1熱交換器16aに供給され、海水から冷熱の供給を受けて少なくとも一部が再液化される。
少なくとも一部が再液化されたVOCは、第1気液分離器17aに供給されて一時的に貯蔵されることができ、このとき、気相と液相に分離されることができる。
第1気液分離器17aで分離された液相はVOC貯蔵タンク15に供給され、分離された気相は第2熱交換器16bに供給されてさらに冷却されて再液化されることができる。
第2熱交換器16bで再液化されたVOCは第3VOC排出ライン13cを介して第2気液分離器17bに供給されて気相と液相に再び分離され、気相のVOCはその他の需要先DEに供給されて消費され、液相のVOCはVOC貯蔵タンク15に供給されて貯蔵される。
ここで、VOCと熱交換された海水は再び海(Sea)に排出されることができ、VOCと熱交換された液化ガスまたは蒸発ガスはガス燃料処理部20に供給されてメインエンジンMEまたは発電エンジンGEの燃料として使用されることができる。
このようにオイル貯蔵タンクOTに原油を船積みするときに発生する多量のVOCは、第1VOC圧縮機11a及び第1熱交換器16aを通じて大量処理することができるとともに、第1気液分離器17aを通じて一定流量を一時的に貯蔵することができるため、各駆動装置の過負荷を防止する効果があり、システムの安定性が向上する効果もあり、さらに第2熱交換器16bで冷却させることができるため、VOCの再液化性能を最大化する効果及び再液化の信頼性を向上させる効果がある。
図14の(b)における実線の流れをみると、オイル貯蔵タンクOTに原油を船積みした後搬送するとき、オイル貯蔵タンクOTでは少量のVOCが発生する。このとき、オイル貯蔵タンクOTはVOC排出ライン13を介してVOCを第2VOC排出ライン13bに供給する。
第2VOC排出ライン13bに供給されたVOCは、第2VOC圧縮機11bに供給されて圧縮された後、第2熱交換器16bに供給され、海水から冷熱の供給を受けて少なくとも一部が再液化される。
少なくとも一部が再液化されたVOCは、第3VOC排出ライン13cを介して第2気液分離器17bに供給されて気相と液相に分離され、気相のVOCはその他の需要先DEに供給されて消費され、液相のVOCはVOC貯蔵タンク15に供給されて貯蔵される。
このようにオイル貯蔵タンクOTに原油を船積みした後搬送するときに発生する少量のVOCは、少量の処理能力を有する第2VOC圧縮機11b及び第2熱交換器16bだけで処理することができるため、システムの消費動力を最適化することができ、エネルギーの無駄遣いを減らす効果がある。
ここで、VOCと熱交換された液化ガスまたは蒸発ガスは、ガス燃料処理部20に供給されて処理された後、メインエンジンMEまたは発電エンジンGEの燃料として使用されるか、VOC貯蔵タンク15から供給されるVOCと混合されてメインエンジンMEまたは発電エンジンGEの燃料として使用されてもよい。
上述したように、本発明によるVOC処理システム1及び船舶Sは、VOCの発生時期に応じて処理する構成を変更させることにより、VOCの処理効率及びエネルギーの消費効率が最大化する効果がある。
図15は本発明の第12実施例によるVOC処理システムの概念図である。
図15を参照すると、本発明の第12実施例によるVOC処理システム1は、オイル貯蔵タンクOT、ガス燃料貯蔵タンクGT、VOC処理部10、ガス燃料処理部20を含む。以下では、本実施例が上述した内容と比べて変わる点を中心として説明する。
VOC処理部10は、原油などのオイルを貯蔵したオイル貯蔵タンクOTで発生するVOCを処理してメインエンジンMEや発電エンジンGEなどに供給する。このため、VOC処理部10はVOC圧縮機11、気液分離器17などを含む。
VOC圧縮機11はVOCを圧縮する。VOC圧縮機11はエンジンME、GE、DEなどで要求する圧力に適するようにVOCを圧縮することができ、エンジンME、GE、DEの種類に応じてVOC圧縮機11で出力されるVOCの圧力は10bar〜600barなどであってもよい。
VOC圧縮機11は可変圧縮機であってもよく、エンジンME、GE、DEの負荷に応じて圧縮比が可変されてもよい。即ち、船舶Sが出すべき船速に応じてエンジンME、GE、DEの負荷が異なるように決定されることができるため、VOC圧縮機11は要求船速を考慮してVOCの圧力を調整することができる。
また、例えば、メインエンジンMEがXDFである場合、要求圧力は18bar前後で、発電エンジンGEの要求圧力は10barで、その他の需要先DEであるボイラーなどの要求圧力は8barなどであることができるため、VOC圧縮機11は、エンジンME、GE、DEなどの要求圧力に対応してVOCの圧縮を調整することができる。
図面とは異なり、混合機27がメインエンジンMEの上流と発電エンジンGEの上流にそれぞれ備えられて、メインエンジンME、発電エンジンGEなどがガス燃料で基本稼動し、必要に応じて各エンジンME、GE、DEにVOCの混合がOn/Offされるシステムである場合には、VOCが伝達されるエンジンME、GE、DEがメインエンジンMEであるか、発電エンジンGEであるかに応じてVOC圧縮機11の圧縮比が異なることができる。
上記とは異なり、VOC圧縮機11は固定圧縮機であってもよく、VOC圧縮機11はメインエンジンMEの要求圧力(例えば、18bar)より低い圧力(例えば、7〜10bar)にVOCを圧縮することができる。
実際の運航事例を参照すると、メインエンジンMEを最大負荷で稼動しないため、燃料が最大要求圧力に達していない圧力に圧縮されて消費されており、それでもMCR(Maximum Continous Rating)を満たすのに全く問題なかった。
従って、本発明は、実際の運航事例のデータに基づいて、VOC圧縮機11がメインエンジンMEより要求圧力の低い発電エンジンGEなどの要求圧力に合わせてVOCを圧縮して供給するようにして、電力を節減しながらも運航に支障を与えないようにすることができる。
気液分離器17はVOCを気液分離する。VOCはオイル貯蔵タンクOTの内部で揮発されて気体状態で排出されるのが一般的であるが、VOC圧縮機11で圧縮されることによって圧力が上昇して相変化が生じ、液体状態が混入されることがある。従って、気液分離器17はVOCに含まれた液相を取り除いて気相だけがエンジンME、GE、DEなどに供給されるようにして、エンジンME、GE、DEの効率を保障することができる。
ちなみに、VOC圧縮機11の上流でVOCに液体が混入されることもあるが、この場合は、VOC圧縮機の前段にノックアウトドラム(Knock−out drum)を配置して液相を分離することで、VOC圧縮機11に気相だけが流入させることができる。
但し、オイル貯蔵タンクOTにオイルがロードされる場合には船舶Sが推進しないため、推進用メインエンジンMEは稼動しない。従って、気液分離器17で分離される気相のVOCは、後述する液相のVOCと同様にオイル貯蔵タンクOTなどにリターンされることができる。
オイル貯蔵タンクOTから気液分離器17にはVOC排出ライン13が連結され、VOC排出ライン13はオイル貯蔵タンクOTの内圧などに基づいてVOCの流れを許容及び制御することができる。
気液分離器17にはVOC回収ライン171が設けられてもよいが、VOC回収ライン171は気液分離器17で分離された液相のVOCをオイル貯蔵タンクOTに回収することができる。VOC圧縮機11は、例えば、10barにVOCを圧縮することができるが、この場合、気液分離器17で液相のVOC(LVOC)は約6%前後で生成されることができる。
VOC回収ライン171はオイル貯蔵タンクOTの内部において上端及び/または下端などに注入されることができ、VOC圧縮機11によって圧縮されたVOCはオイル貯蔵タンクOTの内部空間に流入されながら圧力が低下し、ジュール・トムソン効果によって冷却されることができる。
従って、LVOCのリターンによりオイル貯蔵タンクOTの内部温度を多少低下させることが可能で、これにより、VOCの発生を抑制することができる。但し、オイル貯蔵タンクOTは粘度が高くなることを防止する必要があるが、オイルを貯蔵した船舶Sの航路温度(赤道航路の場合、30度以上)、オイル貯蔵タンクOT内に満たされているオイルの量(最大98%)などを考慮すると、LVOCのリターンにもかかわらず、別途のヒーティングが要求されるものではない。
VOC排出ライン13においてVOC圧縮機11の上流にはCO2吸着器133が設けられてもよい。CO2吸着器133はVOCからCO2を除去して後述する混合機27に伝達する。即ち、VOC圧縮機11はCO2吸着器133によってCO2が除去されたVOCを圧縮することができる。
VOCは原油などのオイルから揮発した成分であり、上述したようにプロパン、ブタンなどのヘビーカーボン(重炭化水素)が主要成分である。しかし、本発明は、VOCをLNGなどのガス燃料と一緒にエンジンME、GE、DEに供給するが、ガス燃料で駆動するエンジンME、GE、DEはメタン価によって効率が調整されるため、メタン価の低いVOCが多量流入されると、エンジンME、GE、DEの稼動効率が低下する恐れがある。
また、VOCは、ガス燃料と熱交換及び/または混合されてエンジンME、GE、DEに供給されるが、この場合、VOCに含まれたCO2によって低温腐食が発生することがある。
従って、本発明は、圧縮前のVOCからCO2を吸着除去することにより、ガス燃料に混合されるVOCのメタン価を多少上げることができ、また、熱交換器16や混合機27における低温腐食の問題を解消することができる。
CO2吸着器133は現在知られている様々な方式を利用してCO2をVOCから除去することができるため、CO2吸着器133の具体的な構成は特に限定しない。また、CO2吸着器133は用語表現にもかかわらず、吸着以外の方法でCO2を除去する構成であってもよいことは言うまでもない。
ガス燃料処理部20はLNGなどのガス燃料をエンジンME、GE、DEに供給する。本発明は、ガス燃料の他にVOCが混合されてエンジンME、GE、DEに供給されてもよく、このため、ガス燃料処理部20は混合機27を含む。
混合機27は、VOCをガス燃料と混合して船舶Sに搭載されるエンジンME、GE、DEなどに供給することができる。このとき、混合機27に伝達されるVOCは上述した気液分離器17で分離される気相のVOC(SVOC)であってもよい。
混合機27に流入された気相のVOCは、VOC圧縮機11によって圧縮されてから気液分離されたものであり、ガス燃料と混合された後、必要に応じてエンジンME、GE、DEに相応しい温度及び圧力を有するように状態が調整されてからエンジンME、GE、DEなどに供給されることができる。
このため、ガス燃料処理部20はガス燃料ポンプ21やガス燃料気化器22を含んでもよく、上の構成は混合機27の上流及び/または下流などに適切に配置されてもよい。
ガス燃料処理部20はガス燃料貯蔵タンクGTから混合機27に連結されるガス燃料供給ライン23を含んでもよく、本発明において、エンジンME、GE、DEは基本的にガス燃料で稼動するタイプであることを考慮すると、混合機27からエンジンME、GE、DEまでのラインはガス燃料供給ライン23と称されてもよい。
ガス燃料貯蔵タンクGTから混合機27に連結されるラインは、液相のガス燃料が流れるガス燃料供給ライン23と一緒に、またはガス燃料供給ライン23に代わって、気相のガス燃料である蒸発ガスが流れる蒸発ガス供給ライン26を含んでもよい。
この場合、液相のガス燃料と気相のガス燃料に対してメタン価が互いに異なることを考慮して、エンジンME、GE、DEのロードに応じてVOCの混合比率の他にガス燃料中の液相と気相の混合比率も調整されることができる。従って、エンジンME、GE、DEに流入される燃料のメタン価が適切に保持されることができる。
このように、本実施例は、VOCを圧縮した後、SVOCはガス燃料と混合してエンジンME、GE、DEなどに供給し、LVOCはオイル貯蔵タンクOTに復帰させることで、VOCの大気排出を抑制し、ガス燃料の使用量を節減することができる。
図16は本発明の第13実施例によるVOC処理システムの概念図である。
図16を参照すると、本発明の第13実施例によるVOC処理システム1は、上述した第12実施例と対比すると、VOC処理部10の構成が異なってもよい。
本実施例において、VOC処理部10は熱交換器16、VOC貯蔵タンク15をさらに含む。熱交換器16はオイル貯蔵タンクOTから発生するVOCを冷却する。このとき、熱交換器16がVOCを冷却するのに用いる冷媒は、ガス燃料、ガス燃料の気化に用いられる熱媒(グリコールウォーター、海水、清水など)、及び/または船舶S内で使用されるクーリング用清水などであってもよいが、特に限定しない。但し、以下、本実施例では、便宜上、熱交換器16がガス燃料でVOCを冷却することに限定して説明する。
熱交換器16はオイル貯蔵タンクOTで発生するVOCをガス燃料と熱交換して冷却する。このため、ガス燃料供給ライン23はガス燃料貯蔵タンクGTから分岐されて熱交換器16及び混合機27にそれぞれ連結されてもよい。
また、図面とは異なり、ガス燃料貯蔵タンクGTから排出される液相のガス燃料は、ガス燃料供給ライン23を介して混合機27に伝達されてVOCと混合された後、エンジンME、GE、DEに供給され、ガス燃料貯蔵タンクGT内で蒸発された気相のガス燃料は、蒸発ガス供給ライン26を介して熱交換器16に伝達されてVOCと熱交換された後、ガス燃焼装置(GCU、不図示)などによって燃焼されてもよい。
即ち、ガス燃料貯蔵タンクGTから混合機27にはガス燃料供給ライン23が連結され、ガス燃料貯蔵タンクGTから熱交換器16には蒸発ガス供給ライン26が連結されることができる。
この場合、熱交換器16はVOC圧縮機11の下流に設けられて約10barに圧縮されたVOCをガス燃料で冷却することができ、冷却されたVOCの温度は約−20℃前後であることができる。VOCの温度及び圧力の数値は上記に限定されない。
気液分離器17は熱交換器16の下流に設けられて冷却されたVOCを気液分離することができ、VOCは圧縮によって沸点が上昇してから冷却されて気液分離器17に伝達されるため、本実施例はVOCの液化率を上げることができる。このとき、気液分離器17は、LVOCをオイル貯蔵タンクOTに回収するか、及び/またはVOC貯蔵タンク15に伝達することができる。
VOC貯蔵タンク15は、熱交換器16で冷却された後、気液分離器17で分離された液相のVOCであるLVOCを貯蔵する。勿論、オイルをロードするとき、VOC貯蔵タンク15は気液分離器17で分離された気相のVOCであるSVOCも一緒に貯蔵することができる。
オイル貯蔵タンクOTは揮発されるVOCの他にその他の原油成分を収容することができるが、VOC貯蔵タンク15はオイルから揮発された重炭化水素成分のみを貯蔵しておくため、VOC貯蔵タンク15を活用してVOCをガス燃料に混合すると、エンジンME、GE、DEへの供給制御がより容易になることができる。
気液分離器17からVOC貯蔵タンク15にはVOC貯蔵ライン151が連結されてもよく、VOC貯蔵タンク15から混合機27にはVOC供給ライン152が連結される。VOC貯蔵タンク15は液相のVOCを貯蔵することができるが、液相のVOCは外部からの熱浸透などの要因により自然気化することができる。
この場合、VOC供給ライン152にはVOC貯蔵タンク15で気化されたVOCが流れることができ、液相のVOCはVOC貯蔵タンク15に残留していて、必要に応じてオイル貯蔵タンクOTに回収されるか、別の加熱源により気化されて混合機27に伝達されることができる。
VOC貯蔵タンク15は熱交換器16で過冷却された後、気液分離器17で分離された低温液相のVOCを貯蔵することができ、この場合、VOC貯蔵タンク15での追加蒸発が抑制されてVOC貯蔵タンク15内部の圧力上昇を最小化することができる。
本実施例は、ガス燃料が混合機27に伝達されるか、熱交換器16に供給されるが、熱交換器16に供給されるガス燃料の量が減少すると、VOCの冷却が十分に行われないため、気液分離器17やVOC貯蔵タンク15から混合機27に供給されるSVOCが増加する。
逆に、熱交換器16に供給されるガス燃料の量が減少すると、VOCの冷却が十分に行われるようになるため、混合機27に供給されるSVOCの量が減少することができる。
即ち、本実施例は、熱交換器16に供給されるガス燃料の量が混合機27に流入されるVOCの量を決めるのに用いれることができるため、熱交換器16に向かうガス燃料の流れは、オイル貯蔵タンクOTで発生するVOCの量、VOC圧縮機11の負荷、VOC貯蔵タンク15のレベル、内圧などに応じて制御されることができる。
図17は本発明の第14実施例によるVOC処理システムの概念図である。
図17を参照すると、本実施例は、上述した第13実施例とは異なり、熱交換器16でVOCによって加熱されたガス燃料が混合機27に伝達されることができる。このため、ガス燃料供給ライン23は熱交換器16を経由して混合機27に連結される。
この場合、熱交換器16は液相のガス燃料を利用してVOCを冷却することができ、特に、熱交換器16はガス燃料を利用してVOCを過冷却させて後述するVOC貯蔵タンク15に伝達することができる。このとき、熱交換器16はVOCを−40℃前後に過冷却させることができる。
VOCが過冷却されると、VOCに含まれたCO2によってHydrateが生成される恐れがあるが、これは上述したCO2吸着器133によってVOC内のCO2が除去されることによって解消されることができる。
本実施例は、熱交換器16の冷却(過冷却)のために液相のガス燃料を使用することができ、ガス燃料貯蔵タンクGT内で蒸発した気相のガス燃料は、蒸発ガス供給ライン26を介して補助ボイラーやIGGなどのその他の需要先DEに供給されることができる。
即ち、液相のガス燃料より温度が多少高い気相のガス燃料は、VOCと熱交換せずに消費されるように設けられてもよく、VOCは液相のガス燃料だけで冷却されることができる。
このように、本実施例は、ガス燃料貯蔵タンクGTから排出される低温のガス燃料をVOCで加熱することができるため、ガス燃料の気化に使用されるエネルギーを節減することができる。
また、本実施例は同時にVOCを冷却(過冷却)してLVOCで貯蔵することにより、VOCの混合流量を効果的に調整してメタン価を合わせ、エンジンME、GE、DEの稼動効率を保障することができる。
図18は本発明の第15実施例によるVOC処理システムの概念図である。
図18を参照すると、本発明の第15実施例によるVOC処理システム1は、VOCが供給されるエンジンME、GE、DEが制限されることができる。図面のように、混合機27からVOCとガス燃料の供給を受けるエンジンME、GE、DEは発電エンジンGEなどであってもよく、船舶Sの推進のために設けられるメインエンジンMEはVOCの混合なしにガス燃料の供給を受けることができる。
メインエンジンMEがXDFである場合、メインエンジンMEの要求メタン価は60MN以上であることができる。しかし、VOCのメタン価は20MN前後であるため、VOCをガス燃料に混合すると、メインエンジンMEに流入される燃料のメタン価が十分でないため、問題になる恐れがある。
勿論、上述した実施例では、CO2吸着器133、メタン価が高い気相のガス燃料である蒸発ガス供給などによりメタン価を合わせることができるが、VOCの供給量が均一でないことを考慮すると、メインエンジンMEに流入される燃料のメタン価は変動されることができる。
従って、本実施例は、オイル貯蔵タンクOTに貯蔵されたオイルの貯蔵量、航路温度などの変数に応じてVOCの混合量が変動されてメインエンジンMEの出力が変動するのを防止するために、メインエンジンMEはVOCの混合なしにガス燃料だけで稼動されるようにする。
このため、ガス燃料供給ライン23及び/または蒸発ガス供給ライン26は、混合機27の上流で分岐されてメインエンジンME及び発電エンジンGEにそれぞれ連結されることができる。即ち、混合機27の下流にはメインエンジンMEが設けられず、発電エンジンGEとその他の需要先DEなどが配置されることができる。
このように、本実施例は、VOCがメインエンジンMEに伝達されるガス燃料には混合されないようにし、発電エンジンGE及び/またはその他の需要先DEのみに供給されるようにすることで、メインエンジンMEの出力が変動することを抑制して船舶Sの航海安定性を確保することができる。
図19は本発明の第16実施例によるVOC処理システムの概念図である。
図19を参照すると、本発明の第16実施例によるVOC処理システム1は、VOC圧縮機11を多段で設けて、VOC圧縮機11の間にインタークーラー111を配置してもよい。
VOC圧縮機11はVOCを多段圧縮するように複数個で設けられてもよく、この場合、気液分離器17に流入されるVOCの圧力は上述した実施例での圧力より高いことができる。従って、本実施例は、VOCの追加圧縮によりVOCの沸点を高めてLVOCをさらに多く生産することができる。
インタークーラー111は複数個のVOC圧縮機11の間に設けられてVOCを冷却する。このとき、インタークーラー111がVOCの冷却に使用する冷媒は制限されず、上述した実施例の熱交換器16で説明したようにガス燃料をインタークーラー111での冷媒として活用することができる。
この場合、ガス燃料供給ライン23及び/または蒸発ガス供給ライン26はガス燃料貯蔵タンクGTからインタークーラー111を経由するように設けられてもよく、その後、混合機27に連結されることができる。
インタークーラー111はVOC圧縮機11によって1次的に圧縮されたVOCをガス燃料などで冷却し、冷却されたVOCのうち少なくとも一部をVOC貯蔵タンク15に回収することができる。このとき、VOC貯蔵タンク15に回収されるVOCはLVOCであってもよく、インタークーラー111は冷却及び気液分離の機能を行うことができる構造であってもよい。
インタークーラー111からVOC貯蔵タンク15にはVOC貯蔵ライン151が連結されることができ、インタークーラー111はガス燃料などをVOCと熱交換してVOCを冷却し、冷却されたVOCのうち液相のVOCをVOC貯蔵タンク15に回収することができる。
このとき、インタークーラー111は上述した熱交換器16で説明したように、ガス燃料によりVOCを過冷却させてVOC貯蔵タンク15にVOCが過冷却状態で回収されるようにすることで、SVOCの発生を抑制することもできる。
また、インタークーラー111は、冷却されたVOCのうち少なくとも一部であるLVOCなどをVOC貯蔵タンク15の他にオイル貯蔵タンクOTにも回収することができ、このため、インタークーラー111からオイル貯蔵タンクOTにVOC回収ライン171が連結されてもよい。
このように、本実施例は、VOC圧縮機11を多段で備えて気液分離器17でLVOCの回収率をさらに上げることができ、VOC圧縮機11の間に設けられるインタークーラー111でもLVOCを回収することができるため、VOCを液化する構成を別途設けなくてもVOCの回収効率を十分に向上させることができる。
図20は本発明の第17実施例によるVOC処理システムの概念図である。
図20を参照すると、本発明の第17実施例によるVOC処理システム1は、ガス燃料処理部20がガス燃料気化器22を備え、熱交換器16とガス燃料気化器22が間接連結されてもよい。
ガス燃料気化器22は、ガス燃料貯蔵タンクGTから混合機27に連結されるガス燃料供給ライン23上に設けられ、ガス燃料を熱媒で加熱する。ガス燃料気化器22は制限されない様々な種類の熱媒を利用して、ガス燃料貯蔵タンクGTから排出される液相(または気相)のガス燃料を加熱することができ、例えば、熱媒は海水、スチーム、グリコールウォーターなどであってもよい。
このため、ガス燃料気化器22には熱媒を供給するための熱媒供給部221が設けられてもよい。熱媒供給部221は熱媒を循環するライン(符号不図示)と熱媒をポンプする熱媒ポンプ(不図示)、熱媒ヒーター(不図示)などの構成を含んでもよい。
VOC圧縮機11によって圧縮されたVOCを冷却する熱交換器16はガス燃料気化器22の熱媒を利用することができる。即ち、熱媒循環ラインはガス燃料気化器22に一側が連結され、熱交換器16に他側が連結される。
このとき、熱媒は、ガス燃料気化器22でガス燃料を加熱しながら冷却された後、熱交換器16に流入されてVOCを冷却させることができる。従って、本実施例は、ガス燃料によって冷却された熱媒がVOCとの熱交換によって加熱されることができるため、熱媒ヒーターを省略または最小化することができる。
勿論、熱媒供給部221は、熱媒が熱交換器16に供給される流量に応じて熱媒ヒーターの負荷及び/または熱媒循環ラインから熱媒ヒーターに流入されるか、熱媒ヒーターを迂回する流量などを適切に調整することができる。
このように、本実施例は、VOCの冷却時のガス燃料の気化に使用される熱媒を活用することで、エネルギーの節減を具現することができる。
図21は本発明の第18実施例によるVOC処理システムを含む船舶の概念図である。
図21を参照すると、本発明の第18実施例によるVOC処理システム1は、VOC処理部10がVOCポンプ154、VOC噴射機1572を含む。
VOCポンプ154はオイル貯蔵タンクOTで発生するVOCを加圧する。オイル貯蔵タンクOTからVOCポンプ154まではVOC排出ライン13が連結されてもよく、VOCポンプ154は気相または液相でVOC排出ライン13に沿って排出されたVOCを適正圧力に加圧する。
また、本実施例は、VOCポンプ154の代わりにVOC圧縮機11を使用することもできる。即ち、VOCはオイル貯蔵タンクOTで気体状態で揮発されてVOC排出ライン13を介して排出されることができるため、VOC排出ライン13にはVOCの状態を考慮してVOCの昇圧が可能な全ての構成を設けることができる。
即ち、VOCポンプ154とVOC圧縮機11が一緒に備えられてもよく、例えば、VOC排出ライン13に気液分離器17が配置され、気液分離器17の下流においてVOCポンプ154とVOC圧縮機11が並列に設けられて、気液分離器17で分離されたLVOCはVOCポンプ154に、SVOCはVOC圧縮機11に伝達されることができる。ちなみに、以下で説明するVOCポンプ154は、VOC圧縮機11に置き換えられるか、またはVOCポンプ154とVOC圧縮機11のセットに置き換えられてもよい。
VOC噴射機1572は加圧/圧縮されたVOCをオイル貯蔵タンクOT内にリターンさせる。加圧されたVOCの圧力は2〜10bar(例えば、3bar前後)であることができ、VOC噴射機1572は加圧されたVOCをオイル貯蔵タンクOT内にリターンさせてVOCの減圧を具現することができる。
特に、VOC噴射機1572はオイル貯蔵タンクOTの内部に噴霧形態でVOCを噴射し、噴射されたVOCが減圧によって冷却されてオイル貯蔵タンクOT内のオイル温度を下げるようにすることができる。
即ち、VOC噴射機1572はVOCポンプ154などによって加圧されたVOCをオイル貯蔵タンクOTの内部に噴射するスプレーであり、このとき、噴射されるVOCは圧力がオイル貯蔵タンクOTの内圧に収束されることによって減圧されてジュール・トムソン効果によって冷却されることができる。従って、リターンされると同時に冷却されたVOCによって、オイル貯蔵タンクOTの内部でのVOC発生量が抑制されることができる。
VOCポンプ154などからVOC噴射機1572にはVOCリターンライン157が連結されることができ、VOCリターンライン157上にはVOCリターンバルブ1571が設けられてもよい。VOCリターンバルブ1571はオイル貯蔵タンクOTに貯蔵されたオイルの温度及び/または圧力に応じて開度が調整されることができる。
例えば、オイル貯蔵タンクOTの内部のVOC発生量の抑制が必要と判断される場合、VOCリターンバルブ1571は十分に開放されてVOCがVOCポンプ154を経て加圧された後、VOC噴射機1572によってオイル貯蔵タンクOT内で噴射されるようにすることができる。
上述したVOC排出ライン13はVOCポンプ154の上流で分岐されて船舶Sに搭載される需要先に連結されることができる。このとき、需要先はボイラー、IGGなどであってもよく、VOC排出ライン13はオイル貯蔵タンクOTで発生したVOCを加圧せずにボイラーなどに伝達することができる。
このため、オイル貯蔵タンクOTは、内部で発生するVOCを蓄積して内圧をボイラーの要求圧力まで上げることができる。即ち、VOCリターンバルブ1571は、オイル貯蔵タンクOTの内部の圧力がボイラーなどの要求圧力に到するまで開放されない状態を保持することができる。
オイル貯蔵タンクOTは、例えば、内部で発生するVOCを蓄積して内圧を2bar〜3bar以上に上げることができる。勿論、オイル貯蔵タンクOTが蓄積する内圧はボイラーなどの要求圧力に応じて異なることができる。
このように、本実施例は、オイル貯蔵タンクOT内で発生したVOCを加圧してからオイル貯蔵タンクOTの内部に噴射することで、オイル貯蔵タンクOTでのVOC発生を抑制することができる。
及び/または本実施例は、オイル貯蔵タンクOTの圧力を3bar前後まで上昇させて圧縮せずにfree flowでVOCをボイラーなどに供給して消費することで、VOCを処理するための構成を簡素化することができる。
図22〜図24は本発明の第19実施例によるVOC処理システムを含む船舶の概念図であり、図25は本発明の第19実施例によるVOC処理システムの概念図である。
図22〜図24における点線はVOC排出ライン13、実線はVOCリターンライン157、一点鎖線はバンカリングラインBLを意味し、太さが太く示された部分は流量が存在する部分を意味する。
本実施例によるVOC処理システム1は、複数個のオイル貯蔵タンクOTに対してバンカリングラインBLによるバンカリングと同時にVOC回収を行うことで、VOCの排出を根本的に遮断することができ、また、VOCを除去するための装置を別途設ける必要もない。以下で詳細に説明する。
本実施例は、VOC圧縮機11(VOCポンプ154に置き換えてもよい。)がオイル貯蔵タンクOTにオイルをロードするときに発生するVOCを加圧する。上述した実施例は既にオイルが積載されたオイル貯蔵タンクOTから発生したVOCをVOC圧縮機11が圧縮するが、本実施例は、バンカリングと同時にVOC圧縮が行われることができる。
具体的に、VOC圧縮機11は、図22に示したようにロード中の第1オイル貯蔵タンクOTから発生するVOCを圧縮してロード前の第2オイル貯蔵タンクOTに伝達する。以下において、第1、第2はバンカリング順に応じて番号を付与したが、これに限定されない。また、第2オイル貯蔵タンクOTは二番目ではない三番目またはそれ以上を意味することができる。
従来の場合、バンカリング時に多量に発生するVOCは燃やして捨てるか、不要に消費されていたが、本実施例はVOCを回収してVOCの燃焼などが必要なくなる。
本実施例は、ロード中のオイル貯蔵タンクOTで発生したVOCをロード前の空いているオイル貯蔵タンクOTに伝達する。このとき、VOCは、VOC圧縮機11によって圧縮された後、空いているオイル貯蔵タンクOTに伝達されることによってオイル貯蔵タンクOTの内圧よりは高い圧力で供給されるが、VOCが流入されるオイル貯蔵タンクOTは空いているため、高い圧力のVOCが流入されてもVOCは体積膨張により減圧されることができ、問題にならない。
VOC圧縮機11は、図23に示したように既にVOCが流入された第2オイル貯蔵タンクOTのロード時に、第2オイル貯蔵タンクOTで発生するVOCを圧縮して第1オイル貯蔵タンクOTに回収する。
即ち、ロードされるオイル貯蔵タンクOTで発生したVOCは空いているオイル貯蔵タンクOTに伝達され、VOCの伝達を受けたオイル貯蔵タンクOTにロードが行われる場合、ロード過程で生成されるVOCはロードが一定水準(VOCがオイル内に回収されながら十分に吸収できる程度であって、50〜80%)以上完了したオイル貯蔵タンクOT及び/または空いている他のオイル貯蔵タンクOTに回収されることができる。
第1オイル貯蔵タンクOTのロード時とは異なり、第2オイル貯蔵タンクOTはVOCが既に入っているが、オイルがロードされながらVOCはオイル内に混ざるようになる。これにより、第2オイル貯蔵タンクOTはロード時に発生するVOCの量が第1オイル貯蔵タンクOTのロード時に発生する量より少ないことができる。
従って、VOC圧縮機11は、最初にオイル貯蔵タンクOTにロードするときに比べて、二番目以降にオイル貯蔵タンクOTにロードするときは処理すべきVOCの量が異なるため、負荷または稼動台数が減少することができる。
第2オイル貯蔵タンクOTで発生するVOCは、VOC圧縮機11で圧縮され、必要に応じてインタークーラー111、VOC液化器14などを利用して冷却され、第1オイル貯蔵タンクOTでオイル内部に回収される。
即ち、VOC圧縮機11からオイル貯蔵タンクOTの内部に連結されるVOCリターンライン157は、オイル貯蔵タンクOTの内部の下側まで延長されて回収されるVOCがオイル内に流入されるようにすることができる。これにより、VOCが回収された後、再びVOC排出が生じないようになる。
但し、本実施例は、図面とは異なり、上述した図21を通じて説明した実施例のようにVOCリターンライン157はオイル貯蔵タンクOTの内部の上側まで延長され、オイル貯蔵タンクOTの内部の下側まで延長されたバンカリングラインBLを活用するために、VOC排出ライン13からバンカリングラインBLにVOC伝達ライン(不図示)が設けられてもよい。
この場合、VOC伝達ラインとVOC排出ライン13、VOCリターンライン157での圧力、流量などを効率的に調整するために、VOC伝達ラインにもVOC圧縮機11が設けられてもよいが、VOC排出ライン13に設けられたものとは諸元が異なってもよい。
勿論、上とは異なり、VOC伝達ラインはVOC排出ライン13が連結されるVOC圧縮機11の下流においてVOCリターンライン157から分岐されるように設けられてVOC圧縮機11を共有することもできるが、これに限定されない。
但し、この場合にはバンカリングラインBLの一部をVOC回収に使用するようになるため、VOCがオイル内に回収されるオイル貯蔵タンクOTはバンカリングが完了されたことに制限されることができる。
本実施例において、最後にロードされるオイル貯蔵タンクOTで発生するVOCは、図24に示したように残りのうち少なくとも一部のオイル貯蔵タンクOTに分かれて回収されることができる。
最後のオイル貯蔵タンクOTにはVOCが満たされていて、オイルがロードされながらオイルによって吸収され、一部のVOCは他のオイル貯蔵タンクOTにロードされたオイルの内部に回収/吸収される。
勿論、最後のオイル貯蔵タンクOTのロードでなくても、オイルが一定水準以上満たされたオイル貯蔵タンクOTが1つ以上の状況で新しいオイル貯蔵タンクOTにロードが発生する場合(三番目のオイル貯蔵タンクOTのロード)には、VOCが圧縮/冷却されてから分配回収されることができる。
このように、本実施例は、最終的に全てのオイル貯蔵タンクOTのロードが完了したとしてもVOCを外部に排出する工程がなく、オイル貯蔵タンクOTの内部にはオイルとLVOCが主に存在するようになる。
本実施例は、図25に示したように、VOC圧縮機11が設けられるVOC排出ライン13及びVOCリターンライン157に、圧力計(符号不図示)、流量計(符号不図示)、温度計(符号不図示)などのセンサーが設けられてもよく、センサーによってVOC流量の制御を具現する各種バルブ(符号不図示)が調整されることができる。
即ち、本実施例は、船積みするとき継続的に発生するVOCをVOCポンプ154やVOC圧縮機11で加圧し、適正な温度に冷却した後、まだロードが行われていない空いているオイル貯蔵タンクOTに分けて移して置き、移されたVOCは適量を船積みしたオイル貯蔵タンクOTの下部に注入させて、オイルにVOCを再吸収させる。
本実施例は、このような過程を繰り返して最終的に船積みが終了したときに船積み中に発生した全てのVOCがオイルに吸収された状態にすることができるため、VOCの排出を根本的に遮断して環境規制への対応及びOPEX減少効果を得ることができる。
図26は本発明の第20実施例によるVOC処理システムを含む船舶の概念図である。
図26を参照すると、本発明の第20実施例によるVOC処理システム1は、VOCをエンジンME、GEに供給するとき、VOCのメタン価(methane number)がエンジンME、GEの要求条件に適合しない場合に備えてエンジンME、GEの排気を活用することができる。
本実施例のエンジンME、GEにはターボチャージャー50が設けられる。ターボチャージャー50は圧縮部50aとタービン部50bが共通の軸で連結されて、排気によってタービン部50bが回転すると、圧縮部50aが回転しながら掃気を圧縮する構成である。
このとき、圧縮部50aを経てエンジンME、GEの吸気マニホールドには掃気供給ライン51が連結され、逆にエンジンME、GEの排気マニホールドからタービン部50bを経由する排気排出ライン52が設けられてもよい。
このようにターボチャージャー50が設けられるエンジンME、GEに対し、最近環境規制によって排気に含まれる窒素酸化物の比率を下げるために、排気をシリンダ内に再循環させる排気ガス再循環システム(EGR:exhaust gas recirculation)が用いられている。
このような排気ガス再循環システムは、不活性ガス(二酸化炭素)を含む排気をシリンダ内に掃気とともに供給して、シリンダーにおける燃焼温度を下げて窒素酸化物の発生を抑制する構成である。
このような排気ガス再循環システムを本実施例にも適用することができ、本実施例において排気ガス再循環システムは排気循環部53と称されてもよい。
本実施例の排気循環部53は、タービン部50bの前後における排気を圧縮部50aの前後供給して掃気に混合されるようにすることができるが、例えば、タービン部50bの上流での高圧排気を圧縮部50aの上流または下流に供給する高圧排気循環(HP EGR)またはタービン部50bの下流での低圧排気を圧縮部50aの上流に供給する低圧排気循環(LP EGR)などが可能である。
このため、タービン部50bの下流から圧縮部50aの上流または下流に低圧排気循環ライン531が連結され、一方、タービン部50bの上流から圧縮部50aの上流または下流に高圧排気循環ライン531、532が連結されることができ、各排気循環ライン531、532にはクーラー(不図示)、フィルター(不図示)、排気再循環バルブ54(EGR valve)などが設けられる。
このような排気循環部53を介して循環する排気のうち一部は、排気伝達ライン531a、532aを介してVOCに合流することができ、これについては後述する。
本実施例は、オイル貯蔵タンクOTで発生するVOCをエンジンME、GEに供給するためにオイル貯蔵タンクOTからエンジンME、GEまでVOC排出ライン13が設けられてもよく、VOC排出ライン13にはVOC圧縮機11、ミキサー56などが備えられる。
オイル貯蔵タンクOTで発生するVOCは発熱量を有するため、エンジンME、GEの燃料として使用することができるが、エンジンME、GEの種類(メインエンジンME、GE、発電エンジンME、GEなど)やエンジンME、GEの負荷、稼動条件などによってエンジンME、GEが要求する燃料の状態が異なることができ、特に、燃料がガスである場合、メタン価がエンジンME、GEの稼動に大きな影響を及ぼす。
エンジンME、GEをガスモードで稼動しながら安定的な稼動を保持するためには、メタン価が一定以上に確保されなげればならないが、VOCだけを供給する場合、メタン価の調整ができないため、上述した実施例では液化ガスなどを混合した。
しかし、本実施例の場合、液化ガスを別途で混合する代わりに、または液化ガスの混合に加えて、メタン価を効率的に調整できるように不活性ガス(二酸化炭素)を利用することができ、特に、排気に多量の二酸化炭素が含まれていることを考慮し、排気をVOCに混合してエンジンME、GEに供給されるVOCのメタン価を合わせることができる。
このため、オイル貯蔵タンクOTとエンジンME、GEの間(例えば、VOC圧縮機11とエンジンME、GEの間)にはミキサー56が設けられ、排気循環ライン531、532からミキサー56には排気伝達ライン531a、532aが連結され、排気伝達ライン531a、532aには排気伝達バルブ55が設けられることによって、ミキサー56は排気循環部53で循環する排気のうち少なくとも一部をVOCと混合しVOCのメタン価を調整してエンジンME、GEに供給することができる。
具体的に、排気伝達ライン531a、532aは低圧排気循環ライン531から分岐される低圧排気伝達ライン531aまたは高圧排気循環ライン531、532から分岐される高圧排気伝達ライン532aを備えてもよく、排気伝達ライン531a、532aに設けられる排気伝達バルブ55は、エンジンME、GEの状態及びVOCのメタン価に応じて排気の混合流量を調整することができる。
即ち、排気伝達バルブ55は、二酸化炭素を含む排気がVOCに混合されることによってメタン価がエンジンME、GEの要求条件に適合するように排気の伝達流量を調整することができ、このために、排気の温度や流量を検知するセンサー、VOCのメタン価、エンジンME、GEの要求条件の情報受信構成などはいくらでも付加できる。
このように、本実施例は、VOCを圧縮してエンジンME、GEに供給するが、エンジンME、GEをガスモードで稼動するために一定以上のメタン価が必要な場合、掃気で循環する排気(二酸化炭素)のうち少なくとも一部をVOCに混合してメタン価を調整することで、液化ガスを混合せずにメタン価の調整が可能であり、簡単、且つ効率的なシステムの構築が可能である。
図27は本発明の第21及び第22実施例によるVOC処理システムを含む船舶の概念図である。
図27を参照すると、本発明の第21の実施例によるVOC処理システム1は、VOC貯蔵タンク15とガス燃料貯蔵タンクGTにそれぞれ貯蔵されたVOC及び液化ガスを混合してエンジンME、GE、DEの燃料として供給する燃料処理部10、20と、ガス分析器232と、制御部30と、を含む。以下では、本実施例が上述した実施例5と比べて変わる点を中心として説明し、説明を省略した部分は上述した内容に代える。
燃料処理部10、20は、円滑な燃焼及びknocking現象を防止するためにVOCに液化ガスを適正比で混合して、エンジンME、GE、DEで負荷ごとに要求するメタン価を満たすことができる。
このため、燃料処理部10、20は、VOCを処理するために使用される構成を包括するVOC処理部10と、ガス燃料を処理するために使用される構成を包括するガス燃料処理部20と、を含んでもよい。
VOC処理部10は、オイル貯蔵タンクOTから発生するVOCを船舶Sに搭載されるエンジンME、GE、DEの燃料として供給する。このため、VOC処理部10は、VOC圧縮機11、第3熱交換器16c、気液分離器17を含んでもよい。
第3熱交換器16cは、VOC圧縮機11の後段からVOC供給ライン152を介して供給されたVOCを海水ポンプ40を介して供給された海水で冷却させ、熱交換されたVOCを気液分離器17に供給することができる。上記海水は、貯蔵されていたものを海水ポンプ40を利用して海水供給ラインを介して供給することができ、使用後には海水に排出することができる。第3熱交換器16cの後段のVOC供給ライン152には熱交換されたVOCの温度がエンジンME、GE、DEで要求される温度に該当するか否かを検証するために温度計が設けられてもよい。
気液分離器17は上記第3熱交換器16cで熱交換により液化されたVOCの一部をVOC回収ライン171を介してオイル貯蔵タンクOTに供給することができ、残りのVOCをVOC供給ライン152を介してエンジンME、GE、DEに供給することができる。このとき、エンジンME、GE、DEに連結される気液分離器17の後段には、VOCと液化ガスの混合地点の上流にフィルター(不図示)を配置してVOCに含まれた不純物を除去することができる。このとき、上記フィルターの上流においてVOCの一部をVOC回収ライン171を介してオイル貯蔵タンクOTに供給することができる。
ガス燃料処理部20は、ガス燃料貯蔵タンクGTの液化ガスを上記VOC供給ライン152を介してエンジンME、GE、DEに供給されるVOCに混合することができる。ガス燃料処理部20でVOCと液化ガスが混合された物質は、本明細書において燃料と称されることができる。
ガス燃料処理部20からエンジンME、GE、DEにはガス燃料供給ライン23が設けられてもよく、ガス燃料供給ライン23には燃料の圧力がエンジンME、GE、DEで要求する圧力に該当するか否かを検証するために圧力計233が設けられてもよい。
ガス分析器232は、VOC処理部10を通じてエンジンME、GE、DEに供給されるVOCと、ガス燃料処理部20を通じてVOCに混合される液化ガスが互いに混合される前のメタン価をそれぞれ測定する。上述したように、本明細書において、メタン価はMethane Numberの他にも燃料の成分や熱量などの燃料の諸元を全て包括すると解釈されることができる。
制御部30は、ガス燃料処理部20から上記ガス分析器232のメタン価測定値に応じてVOCと液化ガスの混合地点に伝達されるVOC及び/または液化ガスの流量を制御する。従って、ガス燃料処理部20で生成される燃料に含まれたVOCと液化ガスの比率は制御部30によって調整されることができる。
制御部30は、ガス燃料処理部20に伝達されるVOC及び/または液化ガスの流量をポンプ、バルブなどを利用した様々な方法で制御することができる。例えば、VOC処理部10とガス燃料処理部20のうち何れか1つ以上にはVOCと液化ガスの流量をそれぞれ調整するための伝達バルブが設けられることができるが、制御部30は上記伝達バルブの流量を調整することができる。好ましくは、VOC処理部10のVOC供給ライン152及び/またはガス燃料処理部20のガス燃料供給ライン23上にそれぞれ圧力調整バルブ234aが設けられることができ、制御部30は上記圧力調整バルブ234aの圧力を調整することができる。
このとき、制御部30は、ガス分析器232の測定値に応じて上記伝達バルブ、好ましくは、圧力調整バルブ234aを制御して、ガス燃料処理部20で生成される燃料のメタン価をエンジンME、GE、DEで要求される水準に合わせることができる。
VOCと液化ガスの混合地点の上流には、VOCのうち少なくとも一部をVOC貯蔵タンク15に戻すVOCリターンライン(不図示)が設けられてもよい。このとき、VOCリターンライン(不図示)上にはリターンバルブであるVOCリターンバルブ(不図示)が設けられてもよい。
また、同一/類似するようにガス燃料供給ライン23にもVOCと液化ガスの混合地点の上流にガス燃料貯蔵タンクGTから排出される液化ガスのうち少なくとも一部を戻すガス燃料リターンライン(不図示)が設けられ、ガス燃料リターンライン(不図示)上にはリターンバルブであるガス燃料リターンバルブ(不図示)が設けられてもよい。
この場合、制御部30は、ガス分析器232の測定値に応じてVOCリターンバルブ(不図示)及び/またはガス燃料リターンバルブ(不図示)を制御して、VOCリターンバルブ(不図示)によってエンジンME、GE、DEに伝達されるVOCの流量及び/またはガス燃料リターンバルブ(不図示)によってエンジンME、GE、DEに伝達される液化ガスの流量を調整することで、燃料のメタン価をエンジンME、GE、DEに合わせることができる。
従って、制御部30は、VOCと液化ガスが混合される前にVOCと液化ガスのメタン価をそれぞれ測定してVOC及び液化ガスが混合される流量を能動的に制御することができる。
このように、本実施例は、大気中に捨てられていたVOCをエンジンME、GE、DEの燃料として活用するが、エンジンME、GE、DEで要求する燃料の諸元(メタン価、熱量、成分など)を満たすために、液化ガスをVOCに混合してエンジンME、GE、DEに供給し、VOCを再使用することができ、且つエンジンME、GE、DEの稼動効率を保障することができる。
図27を参照すると、本発明の第22実施例によるVOC処理システム1とこれを利用したVOC処理方法は、上述した実施例21によるVOC処理システム1において、VOCと液化ガスのメタン価をそれぞれ測定するための具体的な構造とこれを利用した制御部30の制御方法を提供する。以下では、本実施例が上述した実施例21と比べて変わる点を中心として説明し、説明を省略した部分は上述した内容に代える。
制御部30は、ガス燃料処理部20からガス分析器232のメタン価測定値に応じてVOCと液化ガスの混合地点に伝達されるVOC及び/または液化ガスの流量を制御する。即ち、制御部30はVOCと液化ガスの混合比を制御する。
ガス分析器232は、ガスクロマトグラフィーを利用してVOCと液化ガスのメタン価をそれぞれ測定することができるが、測定に時間がかかる。従って、エンジンME、GE、DEのロードが急激に変化するなどのシステムの環境変化が伴われる場合には、メタン価測定を通じたVOCと液化ガスの混合比の制御に遅延が発生することがあり、これを減少または防止するための方案が求められる。
本実施例の場合、VOCと液化ガスの混合前にそれぞれのメタン価をレファレンス値として貯蔵して活用することで、VOCと液化ガスの混合比の制御時に発生し得る遅延を減少または防止することができる。
VOCと液化ガスの混合前にメタン価をそれぞれ測定してレファレンス値を設定する。VOCと液化ガスのメタン価をそれぞれ測定する場合、VOCはVOCと液化ガスの混合地点の上流であって、気液分離器17の下流でメタン価を測定し、液化ガスはVOCと液化ガスの混合地点の上流でメタン価を測定する。
VOCと液化ガスのそれぞれのメタン価は定期的に、好ましくは数分〜数時間の間隔で測定し、VOC及び液化ガスのそれぞれに対するレファレンス値として制御部30に貯蔵する。
制御部30は上記貯蔵されるレファレンス値に基づいて、システム環境の変化によるVOCと液化ガスのそれぞれのメタン価変化を計算してエンジンME、GE、DEで要求する燃料の諸元を満たすためのVOCと液化ガスの混合比を計算する。これにより、制御部30はVOCと液化ガスの混合地点に伝達されるVOC及び/または液化ガスの流量を制御する。
このように、本実施例は、VOCと液化ガスの混合比の制御時に発生し得る遅延を減少または防止するために、VOCはVOCと液化ガスの混合地点の上流であって、気液分離器17の下流でメタン価を測定し、液化ガスはVOCと液化ガスの混合地点の上流でメタン価を測定してレファレンス値を貯蔵しておき、それぞれのメタン価変化量と比較してエンジンME、GE、DEで要求する燃料の諸元を満たすためのVOCと液化ガスの混合比を計算することで、迅速に混合比を制御することができる。
本発明は上述した実施例の他にも、少なくとも何れか1つの実施例と公知技術の組み合わせまたは少なくとも2つ以上の実施例の組み合わせなどにより発生する実施例を全て包括する。
以上、本発明を具体的な実施例を通じて詳細に説明したが、これは本発明を具体的に説明するためのものであり、本発明はこれに限定されず、本発明の技術的思想内で当該分野の通常の知識を有する者によってその変形や改良が可能であることは明らかである。
本発明の単純な変形ないし変更は全て本発明の範囲に属し、本発明の具体的な保護範囲は添付の特許請求の範囲によって明確になるだろう。