本発明は、概して、エアロゾルを発生させるためのシステム、およびその使用方法に関する。
エアロゾル形成基体を燃焼させるのではなく、加熱する、エアロゾルを発生させるための装置が、当技術分野で以前に提案されてきた。例えば、たばこを燃焼させるのではなく、加熱する、加熱式喫煙装置が提案されてきた。かかる喫煙装置の一つの目的は、従来の紙巻たばこにおけるたばこの燃焼および熱分解性劣化によって生成されるタイプの望ましくない煙成分の発生を減少させることである。これらの加熱式喫煙装置は、一般に「加熱するが燃焼しない」装置として知られている。
上述のタイプの加熱式喫煙装置は、一般に、使用の前に、中にエアロゾルを形成するための物品が挿入される、例えば、加熱表面によって画定される、加熱チャンバを備える。エアロゾルを形成するための物品は、典型的には、エアロゾルを発生させるように装置のヒーターによって後で加熱されるエアロゾル形成基体を含有する。このようにして、物品内に含有されたエアロゾル形成基体が消耗したときに、加熱式喫煙装置では、物品を交換し、それによって、再使用可能な装置を構成することができ、物品は「消耗可能な」製品を含む。エアロゾルを形成するための物品は、通常、従来の紙巻たばこを模倣するように形状決めおよびサイズ決めされる。したがって、物品、および中に挿入される、または挿入可能な加熱式喫煙装置内の加熱チャンバは、略円筒状の形状を有する。典型的には、物品の直径は、5〜10mm、例えば、約7.2mmである。
上述のタイプのエアロゾルを形成するための物品は、典型的には、中にエアロゾル形成基体が保持されるラッパーまたは担体層を有する。フィルター材料が、概して、物品の端の一方または両方に提供され、物品内にエアロゾル形成基体を保持するためのプラグとして、かつまた使用中の加熱式喫煙装置によって発生したエアロゾルをフィルターするのに役立つ。追加的に、エアロゾル冷却要素(例えば、ポリ乳酸のシートの集合体から形成され得る)が、エアロゾル形成基体と物品の一方の端にあるフィルターとの間の物品の中に位置し得る。支持要素(例えば、中空の酢酸管から形成される)を、エアロゾル形成基体とエアロゾル冷却要素との間に追加的に位置付けることができる。
使用時に、ユーザは、加熱式喫煙装置の加熱チャンバの加熱表面の間に物品を挿入する。次いで、ユーザは、物品の自由端(フィルター材料を含む上記自由端)を通して空気を引き出す。加熱式喫煙装置内のヒーターを起動して、エアロゾルを形成するための物品に熱エネルギーを伝達し、それによって、エアロゾル形成基体から揮発性化合物を放出する。エアロゾルを形成するための物品を吸うユーザによって、空気が加熱式喫煙装置に引き込まれる。空気は、装置の少なくとも一部を通り、次いで物品内に物品の長さに沿って流れ、エアロゾル形成基体を通過し、そこから、放出された揮発性化合物と一緒に引き出される。次いで、空気の流れと揮発性化合物との混合物は、冷却セグメントを通過し、ここで、揮発性化合物が冷却され、エアロゾルへと凝縮される。次いで、このエアロゾルは、ユーザの肺に引き込まれる前に、フィルター材料を通過する。ラッパーまたは担体層は、このプロセスの間に整流装置として作用し、空気の流れを方向付けることにより、空気の流れが物品を通り、物品に沿ってユーザまで流れさせることに役立つ。
エアロゾル形成基体を燃焼させるのではなく、加熱するには、エアロゾル形成基体を比較的低い温度に加熱する必要がある。したがって、比較的少ない量の熱エネルギーがエアロゾル形成基体に伝達される必要がある。エネルギーを節約することで、加熱式喫煙装置の動作にかかる費用を有益に減少させる。それにもかかわらず、エアロゾルを形成するための物品から化合物を揮発させるために必要な熱エネルギーの量をなおもさらに減少させることは有益であろう。
さらに、エアロゾル形成基体を燃焼させるのではなく、加熱することにより、基体のより効率的な使用をもたらし、それによって、基体の比較的少ない量を必要とし、結果として費用を節約することができる。しかしながら、「加熱するが燃焼しない」装置に関する先行技術の物品では、エアロゾル形成基体の一部は、使用後も非揮発のままであり、それによって、材料の廃棄物を提供する。
理解されるように、エアロゾルを形成するための物品は、異なる構成(例えば、形状および/またはサイズ)で提供され、異なるタイプおよび/または形態のエアロゾル形成基体を有することができ、かつ/または異なる状態(例えば、新品、使用済み、または部分的に使用済み)であってもよい。異なるタイプ、構成、および/または状態のエアロゾルを形成するための物品は、異なる温度、加えられた温度の異なる持続時間、および/または伝達熱エネルギーの異なる量の両方において、加熱に対して異なるように応答し得る。したがって、かかる異なる物品を加熱式喫煙装置の加熱チャンバ内で加熱する際のユーザ体験は、可変的な場合があり、実際に、使用される物品のタイプ、構成、および/または状態に応じて、ユーザにとって最適以下の、さらには不快なものである場合がある。
本明細書で使用される場合、「および/または」という用語は、二つの記された選択肢のうちのいずれか一つ、または二つの記された選択肢の両方を指すために使用される。例えば、Aおよび/またはBは、AおよびBのうちのいずれか一つ、またはAおよびBの両方を指すために使用される。さらに、「AおよびBのうちの少なくとも一つ」という語句は、「Aおよび/またはB」の定義内に該当する。
エアロゾルを発生させるための先行技術の装置よりも改善された、エアロゾルを発生させるための装置を提供することが望ましいであろう。上で特定された問題のうちの一つ以上を軽減する、エアロゾルを発生させるための装置を提供することが望ましいであろう。エアロゾルを形成するための物品の様々なタイプ、構成、および/または状態を加熱する際に、改善されたユーザ体験を提供する、エアロゾルを発生させるための装置を提供することが望ましいであろう。装置の加熱チャンバ内に受容されたときに、エアロゾルを形成するための物品からエアロゾルを発生させるために比較的少ない量のエネルギーを必要とする、エアロゾルを発生させるための装置を提供することも望ましいであろう。
エアロゾルを発生させるための装置が提供される。装置は、エアロゾルを形成するための物品を受容するための加熱チャンバを備え得る。装置は、加熱チャンバ内に受容されたエアロゾルを形成するための物品を加熱するために磁場を発生させるための誘導コイルを備え得る。装置は、誘導コイルの性能をモニターするように構成された電気回路を備え得る。
本発明によれば、エアロゾルを発生させるためのシステムが提供される。システムは、エアロゾルを発生させるための装置と、エアロゾルを形成するための物品と、を備える。装置は、エアロゾルを形成するための物品を受容するための加熱チャンバ、および加熱チャンバ内に受容されたエアロゾルを形成するための物品を加熱するために磁場を発生させるための誘導コイルを備える。加熱チャンバは、第一および第二の領域を備える。誘導コイルは、使用時に、加熱チャンバの第一の領域のみを加熱するため、または第一の領域のみで加熱を誘導するために磁場を選択的に発生させるように配置されている。
誘導コイルは、使用時に、加熱チャンバの第一の領域のみを加熱するため、および第一の領域のみで加熱を誘導するために磁場を選択的に発生させるように配置され得る。
本発明によれば、エアロゾルを発生させるためのシステムが提供される。システムは、エアロゾルを発生させるための装置と、エアロゾルを形成するための物品と、を備え得る。装置は、エアロゾルを形成するための物品を受容するための加熱チャンバ、および加熱チャンバ内に受容されたエアロゾルを形成するための物品を加熱するために変動磁場を発生させるための誘導コイルを備え得る。加熱チャンバは、第一および第二の領域を備え得る。誘導コイルは、使用時に、加熱チャンバの第一の領域のみを加熱するため、または第一の領域のみで加熱を誘導するために、変動磁場を選択的に発生させるように配置され得る。
有利なことに、誘導コイルの性能をモニターすることにより、先行技術の装置を用いた場合よりも比較的より効率的にエアロゾルを発生させる、エアロゾルを発生させるための装置を提供する。誘導コイルの性能をモニターすることは、装置の加熱チャンバ内に受容されたエアロゾルを形成するための物品に供給される熱エネルギーの持続時間および/または量の比較的より正確な制御を可能にし得る。
さらに、熱エネルギーの供給は、装置の加熱チャンバ内に受容されたエアロゾルを形成するための物品のタイプ、構成、および/または状態により容易に合わせることができる。任意の特定の理論に拘束されることを望まないが、誘導コイルの性能は、加熱チャンバ内に受容されたエアロゾルを形成するための物品のタイプ、構成、および/または状態に応じて変動すると考えられる。例えば、装置の誘導コイルから物品のサセプタへのエネルギーの伝達は、誘導コイルの動作周波数が、サセプタと連動する誘導コイルの共振周波数以上である場合、最大の効率を有し得る。誘導コイルの動作周波数が誘導コイルおよびサセプタの共振周波数以上である場合、それらの間の電力伝達は比較的より大きい。したがって、誘導コイルの動作周波数を共振周波数以上に調節することにより、物品の加熱、ひいては、それによるエアロゾルの発生を高めることができる。さらに、誘導コイルの性能をモニターすることによって、動作周波数が共振周波数に到達したかどうかを決定することが可能な場合がある。したがって、装置の加熱チャンバ内に受容された物品の特性(例えば、誘導コイルと連動するサセプタの共振周波数)を決定することができ、これにより、装置を用いてエアロゾルを発生させるユーザ体験を相対的に改善させることができる。
「サセプタ」とは、変動磁場または交流磁場に供されると加熱される要素を指す。通常、サセプタは、導電性であり、サセプタの加熱は、サセプタまたはヒステリシス損失で渦電流が誘導された結果である。サセプタでは、ヒステリシス損失および渦電流の両方が生じる場合がある。サセプタとしては、黒鉛、モリブデン、炭化ケイ素、ステンレス鋼、ニオブ、アルミニウム、および任意の他の導電性元素を挙げることができる。好ましくは、サセプタ素子は、フェライト素子である。サセプタの材料および幾何学的形状は、所望の電気抵抗および発熱を提供するように選ぶことができる。
誘導ヒーターの動作において、高周波数の交流電流は、一つ以上の誘導コイルを通過して、物品のサセプタ内の電圧を誘導する一つ以上の対応する変動磁場または交流磁場を発生させる。誘導された電圧により、電流をサセプタ内に流し、この電流により、サセプタのジュール加熱を引き起こし、これがエアロゾル形成基体を加熱する。サセプタが強磁性である場合、サセプタ内のヒステリシス損失も熱を発生させることがある。
「高周波数」という用語は、約500キロヘルツ(KHz)〜約30メガヘルツ(MHz)(500KHz〜30MHzの範囲を含む)、特に約1メガヘルツ(MHz)〜約10MHz(1MHz〜10MHzの範囲を含む)、およびさらにより具体的には約5メガヘルツ(MHz)〜約7メガヘルツ(MHz)(5MHz〜7MHzの範囲を含む)範囲の周波数を意味する。
本開示全体を通して、「磁場」という用語は、変動磁場または交流磁場を指す場合がある。
本開示全体を通して、「電流」という用語は、交流電流を指す場合がある。
本明細書で使用される場合、「エアロゾル形成基体」という語句は、エアロゾルを形成することができる揮発性化合物を加熱に応じて放出することができる基体を説明するために使用される。本明細書に記載のエアロゾル形成基体から発生したエアロゾルは、人間の目には見える場合と見えない場合がある。エアロゾル形成基体は、固体、流体、または固体と流体との混合物の基体を含み得る。エアロゾル形成基体は、流体である場合、少なくとも加熱チャンバ内でエアロゾル形成基体を受容する前に、マトリクス内におよび/またはカバー層によって有利に保持される。
本明細書で使用される場合、「アエロゾル」という用語は、流体媒体中の比較的小さな粒子の懸濁液を説明するために使用される。
本明細書で使用される場合、「加熱チャンバ」という語句は、空間であって、その中において、エアロゾル形成基体を含むエアロゾルを形成するための物品が受容されるか、または受容可能であり、かつ加熱されるか、または加熱可能である、空間を意味するために使用される。第一および第二の主な境界面は、加熱チャンバの周辺部を少なくとも部分的に画定する。
本明細書で使用される場合、「誘導コイルの性能をモニターする」という語句は、誘導コイルの一つ以上の特性が直接または間接的にモニターされることを意味するために使用される。例えば、誘導コイル内に、誘導コイルを通って、および/または誘導コイルから流れる電流は、直接および/または間接的にモニターされ得る。追加的または代替的に、一つ以上のさらなる要素(例えば、加熱チャンバおよび/またはその中に受容される物品)の特性は、例えば、誘導コイルの性能が間接的にモニターされ得るように、モニターされ得る。
いくつかの実施形態では、加熱チャンバは、第一および第二の領域を備える。誘導コイルは、使用時に、加熱チャンバの第一の領域のみを加熱するため、および/または第一の領域のみで加熱を誘導するために、磁場を選択的に発生させるように配置され得る。
本発明によれば、エアロゾルを発生させるための装置であって、装置が、エアロゾルを形成するための物品を受容するための加熱チャンバ、および加熱チャンバ内に受容されたエアロゾルを形成するための物品を加熱するために磁場を発生させるための誘導コイルを備え、加熱チャンバが、第一および第二の領域を備え、誘導コイルが、使用時に、加熱チャンバの第一の領域のみを加熱するため、および/または第一の領域のみで加熱を誘導するために磁場を選択的に発生させるように配置されている、装置が提供される。
いくつかの実施形態では、装置は、例えば、誘導コイルの性能をモニターするように構成された電気回路を備え得る。本開示全体を通して、「電気」および「電子」という用語は、互換的に使用され得る。
いくつかの実施形態では、第一および第二の領域は、実質的に同一の形状および/または体積を有し得る。第一の領域は、第二の領域に隣接しているか、または第二の領域から離間配置され得る。いくつかの実施形態では、加熱チャンバは、第一および第二の領域からなり得る。
加熱チャンバは、例えば、使用時に加熱チャンバを通る流体の流れのための一次流の軸を備え得る。加熱チャンバは、第一の主境界面を備え得る。加熱チャンバは、第二の主境界面を備え得る。第一および/または第二の主境界面は、実質的に平坦であってもよい。第一および第二の主境界面は、向き合って平行な関係で延び得る。第一および第二の主境界面は、一次流の軸を画定し得る。第一の領域は、例えば、一次流の軸に沿って、第二の領域の上流であるか、または下流であり得る。加熱チャンバは、上流端と、例えば、下流端と、を備え得る。加熱チャンバは、使用時に流体が上流端から下流端へ、または下流端に向かって(例えば、一次流の軸に沿って)流れるように、構成または配置され得る。加熱チャンバは、例えば、長軸方向および/または一次流の軸と直角をなす、丸みのない断面を有し得る。第一の領域は、例えば、加熱チャンバの上流端にあるか、または上流端に隣接していてもよく、かつ加熱チャンバの下流端から離間配置されていてもよい。第二の領域は、例えば、加熱チャンバの下流端にあるか、または下流端に隣接していてもよく、かつ加熱チャンバの上流端から離間配置されていてもよい。
いくつかの実施形態では、電気回路は、例えば、誘導コイルのモニターされた性能に基づいて、磁場を発生させる誘導コイルを制御(例えば、変更または停止)するように構成され得る。いくつかの実施形態では、電気回路は、加熱チャンバの第一の領域(提供される場合)を加熱するため、および/または第一の領域の加熱を誘導するために磁場を発生させる誘導コイルを制御する(例えば、変更または停止する)ように構成され得る。いくつかの実施形態では、電気回路は、例えば、第一の領域を加熱するため、および/または第一の領域の加熱を誘導するために磁場の発生を制御(例えば、変更または停止)した後に、加熱チャンバの第二の領域(提供される場合)を加熱するため、および/または第二の領域の加熱を誘導するために磁場を発生させる誘導コイルを開始するように構成され得る。
有利なことに、磁場を発生させる誘導コイルを制御すること(例えば、変更または停止すること)は、装置のユーザ体験を改善させ得る。例えば、電気回路は、使用済みまたは損傷した物品が装置内で加熱されることを停止し得る。追加的または代替的に、電気回路は、誤った構成(例えば、互換性のない構成、例えば、サセプタの誤った場所、サイズ、形状など)を有する物品が装置内で加熱されることを停止し得る。それによって、電気回路は、装置の加熱チャンバ内の偽造物品または別様に望ましくない物品の加熱を有益に停止し得る。追加的または代替的に、電気回路は、誘導コイルによって発生させられた磁場を変更して、装置の加熱チャンバ内に受容された物品をより効率的に、かつ/または(例えば、ユーザ体験を高めることができる)より望ましい加熱レジームで加熱することができる。
いくつかの実施形態では、電気回路は、誘導コイルに、および/または誘導コイルを通って、および/または誘導コイルから流れる電流を(例えば、直接または間接的に)モニターするように構成され得る。電気回路は、例えば、誘導コイルに、および/または誘導コイルを通って、および/または誘導コイルから流れる電流を測定するように配置された電流センサを備え得る。電流センサとしては、ホール効果センサ、および/またはシャント抵抗器、および/または変流器、および/またはフラックスゲート電流センサ、および/または任意の他の好適なタイプの電流センサを挙げることができる。
いくつかの実施形態では、電気回路は、誘導コイルを通って流れるモニターされた電流が予想電流または所望の電流(例えば、基準電流)と異なる場合に、磁場を発生させる誘導コイルを制御(例えば、変更または停止)するように構成され得る。電気回路は、誘導コイルを通って流れるモニターされた電流が予想電流または所望の電流(例えば、基準電流)よりも少ない、それと等しい、またはそれよりも多い場合に、磁場を発生させる誘導コイルを制御(例えば、変更または停止)するように構成され得る。電気回路は、誘導コイルを通って流れるモニターされた電流が所定の期間以上の持続時間にわたって予想電流または所望の電流(例えば、基準電流)と異なる場合に、磁場を発生させる誘導コイルを制御(例えば、変更または停止)するように構成され得る。電気回路は、電気エネルギーが誘導コイルに到達することを選択的に許容または防止する、例えば、磁場を発生させる誘導コイルを制御(例えば、変更または停止)するように構成されたスイッチを備え得る。
予想電流または所望の電流(例えば、基準電流)は、閾値電流、例えば、予め設定された閾値電流を含み得る。予想電流または所望の電流(例えば、基準電流)は、電流範囲を含み得る。予想電流または所望の電流(例えば、基準電流)は、経時的な電流の閾値の変化率、例えば、経時的な電流の予め設定された閾値の変化率を含み得る。予想電流または所望の電流(例えば、基準電流)は、電流プロファイル、例えば、電圧および/または時間に対する電流のプロットまたはグラフを含み得る。
所定の期間は、任意の好適な期間、例えば、10秒、9、8、7、6、5、4、3、2、1秒以下を含み得る。所定の期間は、1000ミリ秒未満、例えば、900、800、700、600、500、400、300、200、100、75、50、25、20、15、10、または5ミリ秒未満を含み得る。
いくつかの実施形態では、電気回路は、加熱チャンバ、および/または加熱チャンバ内に受容されたエアロゾルを形成するための物品の温度をモニターするように構成され得る。電気回路は、例えば、加熱チャンバ、および/または加熱チャンバ内に受容されたエアロゾルを形成するための物品の温度を測定するように配置されている、温度センサを備え得る。温度センサは、一つ以上の温度センサを含み得る。温度センサは、接触および/または非接触センサを含み得る。温度センサは、サーモスタット、サーミスタ、抵抗性温度検出器、および/または熱電対を含み得る。
電気回路は、加熱チャンバ、および/またはその中に受容されたエアロゾルを形成するための物品のモニターされた温度が予想温度または所望の温度(例えば、基準温度)と異なる場合に、磁場を発生させる誘導コイルを制御(例えば、変更または停止)するように構成され得る。電気回路は、加熱チャンバ、および/またはその中に受容されたエアロゾルを形成するための物品のモニターされた温度が予想温度または所望の温度(例えば、基準温度)より低い、それと等しい、またはそれよりも高い場合に、磁場を発生させる誘導コイルを制御(例えば、変更または停止)するように構成され得る。電気回路は、加熱チャンバ、および/またはその中に受容されたエアロゾルを形成するための物品のモニターされた温度が所定の期間以上の持続時間にわたって予想温度または所望の温度(例えば、基準温度)と異なる場合に、磁場を発生させる誘導コイルを制御(例えば、変更または停止)するように構成され得る。
予想温度または所望の温度(例えば、基準温度)は、閾値温度、例えば、予め設定された閾値温度を含み得る。閾値温度は、摂氏400度、例えば、摂氏300、270、250、225、200、175、150、140、130、120、110、100、または90度であってもよい。予想温度または所望の温度(例えば、基準温度)は、例えば、約摂氏90〜400度、例えば、約摂氏100、110、120、130、140、150、175、200、225、250、270、または300および400度の間の温度範囲を含み得る。予想温度または所望の温度(例えば、基準温度)は、経時的な温度の閾値の変化率、例えば、予め設定された経時的な温度の閾値の変化率を含み得る。予想温度または所望の温度(例えば、基準温度)は、温度プロファイル、例えば、電圧、および/または電流、および/または時間に対する温度のプロットまたはグラフを含み得る。
いくつかの実施形態では、電気回路は、例えば、誘導コイルによる磁場の発生が停止した後に(例えば、エアロゾルを形成するための代替物品を加熱チャンバ内で受容しない限り、および/または受容するまで)、誘導コイルの再起動を防止するように構成され得る。
いくつかの実施形態では、誘導コイルは、第一および第二の誘導コイルを含み得る。第一の誘導コイルは、加熱チャンバの第一の領域(例えば、それのみ)で磁場を発生させるように配置もしくは構成され得るか、または構成可能であり得る。第二の誘導コイルは、加熱チャンバの第二の領域(例えば、それのみ)で磁場を発生させるように配置もしくは構成され得るか、または構成可能であり得る。電気回路は、例えば、第一および/または第二の誘導コイルのモニターされた性能に基づいて、第一および/または第二の誘導コイルが磁場を発生させることを制御(例えば、変更または停止)するように構成され得る。
電気回路は、誘導コイルの動作周波数を変更または調節するように構成され得るか、または構成可能であり得る。複数の誘導コイル(plural induction coils)(つまり、複数の誘導コイル(a plurality of induction coils))が提供される場合、電気回路は、一つの誘導コイル、いくつかの誘導コイル、または各誘導コイルの動作周波数を、例えば、別々にまたは一緒に変更または調節するように構成され得るか、または構成可能であり得る。複数の誘導コイルが提供される場合、電気回路は、他の誘導コイルのうちの一つ以上から磁場を発生させるために使用されるものとは異なる動作周波数で、一つの誘導コイルで磁場を発生させるように動作可能であり得るか、またはそのように動作し得る。
電気回路は、例えば、交流電流を(例えば、直流電流から)発生させるように構成されているか、または構成可能な一つ以上のインバータを備え得る。
いくつかの実施形態では、装置は、例えば、加熱チャンバ内に受容されたエアロゾルを形成するための物品のサセプタの動作を変更するように配置もしくは構成されているか、または構成可能なサセプタ変更手段もしくは機構を備え得る。サセプタ変更手段は、サセプタの動作を変更するための機械的、熱的、および/または化学的な手段を含み得る。サセプタ変更手段は、加熱チャンバ内に受容されたエアロゾルを形成するための物品のサセプタを変更するように配置もしくは構成され得るか、または構成可能であり得る。サセプタ変更手段または機構は、例えば、加熱チャンバ内に受容されたエアロゾルを形成するための物品のサセプタ、例えば、そのサセプタを変形させ、かつ/または破壊するように、サセプタの状態を変更するように配置または構成され得る。電気回路は、例えば、加熱チャンバ内に受容されたエアロゾルを形成するための物品のサセプタの状態を変更するように、サセプタ変更手段または機構を動作させるように構成され得るか、または構成可能であり得る。電気回路は、誘導コイルによる磁場の発生が制御(例えば、変更または停止)されている場合および/またはその後に、加熱チャンバ内に受容されたエアロゾルを形成するための物品のサセプタの状態を変更するために、サセプタ変更手段または機構を動作させるように構成され得るか、または構成可能であり得る。サセプタ変更手段または機構は、フックを含み得る。サセプタ変更手段または機構は、係合位置と係脱位置との間で移動するように動作可能であってもよい。係合位置では、サセプタ変更手段または機構が、加熱チャンバ内に受容されたエアロゾルを形成するための物品の一部分(例えば、サセプタ)と係合および/または接触し得る。係脱位置では、サセプタ変更手段または機構が、加熱チャンバ内に受容されたエアロゾルを形成するための物品から取り除かれ得る。物品を変更することは、係合位置から係脱位置へとサセプタ変更手段または機構を移動させることを含み得る。サセプタ変更手段または機構は、加熱すること、例えば、加熱チャンバ内に受容された物品を過加熱すること含み得る。例えば、サセプタ変更手段または機構は、例えば、物品を加熱する通常の動作温度(例えば、揮発性化合物が物品から放出される温度)よりも高い場合がある変更温度へと、加熱チャンバ内に受容された物品を加熱することを含み得る。変更温度は、加熱チャンバ内に受容された物品のサセプタの形状、および/またはサイズ、および/または状態を(例えば、直接または間接的に)変更するように構成または選択され得る。いくつかの実施形態では、変更温度は、例えば、加熱チャンバ内に受容された物品のエアロゾル形成基体の形状、および/またはサイズ、および/または状態を変更し、かつそれによって、物品のサセプタの形状、サイズ、および/または状態を変更するように構成または選択され得る。
いくつかの実施形態では、装置は、装置を起動するため、例えば、装置によるエアロゾルの発生を起動するためのトリガ手段または機構を備え得る。トリガ手段または機構は、手動で動作されるか、もしくは動作可能なアクチュエータまたはアクチベータ、例えば、スイッチまたはボタンを含み得る。追加的または代替的に、トリガ手段または機構は、自動的に動作するか、もしくは動作可能なアクチュエータまたはアクチベータ、例えば、流体の閾値圧力または流量によって作動するスイッチを含み得る。いくつかの実施形態では、装置は、装置を通る流れ、または装置内の流れを単一の方向に制限するよう構成されているか、または構成可能な、例えば、装置を介する吸入を許容し、装置を介する吐出を防止するように構成されているか、または構成可能なチェック弁もしくは一方向弁を備え得る。装置を介する吸入は、提供される場合に第一の端に向かう流体(例えば、空気)の流れを含み得る。装置を介する吐出は、提供される場合に第二の端に向かう流体(例えば、空気)の流れを含み得る。
加熱チャンバ内に受容されたエアロゾルを形成するための物品を用いてエアロゾルを発生させるための装置の引き出し抵抗(resistance to draw、RTD)は、およそ80mmWG〜およそ140mmWGであってもよい。本明細書に使用される場合、引き出し抵抗は、圧力「mmWG」または「水位計のmm」の単位で表され、ISO 6565:2002に従って測定される。
装置は、例えば、加熱チャンバと流体連通する冷却チャンバを備え得る。冷却チャンバは、装置のマウスピースまたはマウスピース端(提供される場合)と流体連通し得る。冷却チャンバは、その中へと流れる流体と揮発した化合物との混合物を冷却するように構成され得るか、または構成可能であり得る。冷却チャンバは、加熱チャンバの断面積(例えば、主流の軸と直角をなす)よりも比較的大きい断面積(例えば、冷却チャンバ内への流れの方向と直角をなす)を有し得る。
いくつかの実施形態では、装置は、エアロゾルを形成するための物品、例えば、エアロゾルを形成するための物品のタイプまたは種類を認識するように構成され得る。
本発明によれば、エアロゾルを形成するための物品からエアロゾルを発生させるための装置であって、装置が、エアロゾルを形成するための物品、例えば、エアロゾルを形成するための物品のタイプまたは種類を認識または識別するように構成されている、装置が提供される。
いくつかの実施形態では、装置は、エアロゾルを形成するための物品の加熱を選択的に許容または防止するように構成または配置され得る。いくつかの実施形態では、装置は、例えば、エアロゾルを形成するための物品が(例えば、好適なものとして)認識または識別されたときに、エアロゾルを形成するための物品の加熱を選択的に許容するように構成または配置され得る。いくつかの実施形態では、装置は、例えば、エアロゾルを形成するための物品が(例えば、不適切なものとして)認識もしくは識別された(または不適切であると識別された)ときに、エアロゾルを形成するための物品の加熱を選択的に防止するように構成または配置され得る。
装置は、エアロゾルを形成するための物品を、物品の一つ以上のパラメータに基づいて、認識または識別するように構成され得る。好適なパラメータとしては、物品のサイズ、物品の形状、物品の体積、物品の一つ以上の寸法、物品の一つ以上の部分の密度、物品もしくはその一部の質量もしくは重量、物品の中および/もしくは上の一つ以上のタグもしくはマーキング、目に見えるか否か(例えば、電磁照射の特定の波長、および/もしくは化学物質、および/もしくは温度、および/もしくは圧力への暴露時に明らかになる)、物品の少なくとも一部の浸透性、物品もしくはその一部分の材料性質、物品もしくはその一部分の磁性の強度、および/もしくは場所、および/もしくは方向、物品もしくはその一部分の静電容量、物品もしくはその一部分の電気抵抗などを挙げることができる。
本発明によれば、エアロゾルを発生させるためのシステムであって、システムが、本明細書に記載のエアロゾルを発生させるための装置と、エアロゾルを形成するための物品と、を備える、システムが提供される。
いくつかの実施形態では、エアロゾルを形成するための物品は、加熱チャンバ、例えば、加熱チャンバの形状および/または寸法に厳密に適合するように形状決めされ得る。追加的または代替的に、エアロゾルを形成するための物品は、中に受容されたときに加熱チャンバから延びるように構成された(例えば、寸法決めおよび/または形状決めされた)一つ以上の延長部を含み得る。延長部(複数可)は、エアロゾルを形成するための物品の主要部に取り付けられ得るか、または接続され得る。延長部(複数可)は、エアロゾルを形成するための物品の側面、縁、または端から延び得る。エアロゾルを形成するための物品は、形状が略平行六面体であってもよい。エアロゾルを形成するための物品は、幅、長さ、および厚さを有し得る。厚さは、幅および長さの両方よりも小さくてもよい。物品は、丸みのない断面を有し得る。物品は、実質的に平坦な第一の主表面を有し得る。物品は、実質的に平坦な第二の主表面を有し得る。第一および第二の主表面は、互いに実質的に平行であってもよく、例えば、概して平行な関係で延び得る。物品は、上流端を備え得る。物品は、下流端を備え得る。物品は、エアロゾルを形成するために装置の加熱チャンバーに挿入されると、流体が物品を通って(例えば、上流端から下流端まで)流れることができるように構成または配置され得る。物品は、例えば、断面が物品の長軸方向(例えば、物品の上流端から下流端まで延びる方向)と直角をなす、丸みのない断面を有し得る。物品は、第一および第二の領域を備えることができ、例えば、これらは、(中に物品が挿入されているときに)加熱チャンバの第一および第二の領域とそれぞれ整列するように構成され得る。
有利なことに、丸みのない断面の提供により、相対的な向きの数が減少し、これにより、エアロゾルを形成するために、物品を装置の加熱チャンバに挿入することができる(物品が加熱チャンバに厳密に適合するように形状決めされている場合)。したがって、物品を、装置のユーザが意図した向きまたは所望の向きで装置とより迅速かつ容易に整列させることができる(そうでなければ困難であることが判明し得る)。したがって、有益には、物品の要素を装置の要素と正しく整列させることができ、これにより、装置における物品の使用効率(例えば、装置における物品の加熱)を高めることができる。したがって、装置への物品の挿入が、装置のユーザにとってより容易になる場合がある。
いくつかの実施形態では、物品は、一つ以上の金属要素(例えば、サセプタ)を含み得る。一つ以上の金属要素のうちの一つ、いくつか、または各々は、物品(例えば、エアロゾル形成基体)の中および/または上に位置し得る。一つ以上の金属要素のうちの一つ、いくつか、または各々は、エアロゾル形成基体の第一および/または第二の領域(第一および第二の領域が提供される場合)の中および/または上に位置し得る。第一および第二の領域のうちの一つは、金属要素からのものであってもよい。上記一つ以上の金属要素は、物品の長さに沿って少なくとも部分的に延び得る。上記一つ以上の金属要素は、物品の幅を横切って少なくとも部分的に横切って延び得る。上記一つ以上の金属要素は、物品の厚さを通って延び得る。上記一つ以上の金属要素は、任意の好適な形状、例えば、ループ、コイル、細片、球体、ストランド、粒子、不規則な形状などを有し得る。上記一つ以上の金属要素は、非金属材料を取り囲む(例えば、上述のような)任意の好適な形状の金属シェルもしくはカバー層を備えることができ、かつ/または中空であってもよい。
エアロゾル形成基体はニコチンを含んでもよい。エアロゾル形成基体は、たばこを含んでもよい。別の方法として、または追加的に、エアロゾル形成基体はエアロゾル形成材料を含有する非たばこを含んでもよい。
エアロゾル形成基体が固体のエアロゾル形成基体である場合、固体のエアロゾル形成基体は、薬草の葉、たばこ葉、たばこの茎、膨化たばこ、および均質化したたばこのうちの一つ以上を含有する、例えば、粉末、顆粒、ペレット、断片、より糸、細片、またはシートのうちの一つ以上を含み得る。
随意に、固体エアロゾル形成基体は、たばこまたは非たばこ揮発性風味化合物を含有してもよく、それらは固体エアロゾル形成基体の加熱に伴い放出される。
エアロゾル形成基体が流体、例えば、液体または気体の形態である場合、エアロゾル形成基体は、流体のエアロゾル形成基体を加熱すると放出される、たばこまたは非たばこの揮発性風味化合物を含有し得る。随意に、固体または流体のエアロゾル形成基体は、熱的に安定な担体の上に提供され得るか、またはその中に埋め込まれ得る。担体は、粉末、顆粒、ペレット、断片、撚糸、細片、またはシートの形態を取ってもよい。固体または流体のエアロゾル形成基体は、担体全体にわたって、例えば、その体積全体にわたって置くことができる。代替的に、固体または流体のエアロゾル形成基体は、例えば、シート、発泡体、ゲル、またはスラリーの形態で担体の表面上に置くことができる。固体または流体のエアロゾル形成基体は、担体の表面全体の上に置くことができるか、または代替的に、使用中に不均一な風味送達を提供するために、あるパターンで置くことができる。
エアロゾルを形成するための物品は、揮発性風味発生成分を含み得る。提供される場合、エアロゾル形成基体の延長部または各延長部は、揮発性風味発生成分を含み得る。
本明細書で使用される場合、「揮発性風味発生成分」という用語は、風味剤を提供するために、エアロゾル形成基体に添加される任意の揮発性成分を説明するために使用される。
揮発性風味発生成分は液体または固体の形態であってもよい。揮発性風味発生化合物は、支持要素に結合することができるか、または別様にそれに関連付けられ得る。支持要素は、風味発生成分を置く、保つ、または保持するための任意の好適な基体または支持体を含み得る。例えば、支持要素としては、繊維質の支持要素を挙げることができ、繊維質の支持要素は、流体、例えば、液体で飽和され得るか、または飽和可能であり得る。
いくつかの実施形態では、揮発性風味発生成分は、任意の好適な構造を有することができ、構造材料は、風味剤(複数可)を放出可能に封入する。例えば、いくつかの好ましい実施形態では、揮発性風味発生成分は、複数のドメインを定義するマトリクス構造を含み、風味剤は、例えば、エアロゾル形成基体が外部の力に供されたときに、放出されるまでドメイン内に捕捉される。代替的に、揮発性風味発生成分は、カプセルを含み得る。好ましくは、カプセルは外部シェルおよび風味剤を含有する内部コアを含む。外側シェルは外力がかけられる前はシールされているが、外力がかけられたときに風味剤が放出できるように壊れやすいまたは壊れ得ることが好ましい。カプセルは様々な物理的な構成で形成されてもよいが、これには単一部分からなるカプセル、複数部分からなるカプセル、単一壁からなるカプセル、複数壁からなるカプセル、大型カプセル、および小型カプセルなどが含まれるが、これに限定されない。
揮発性風味剤生成成分が、風味剤を封入する複数のドメインを定義するマトリクス構造を含む場合、風味剤送達部材は、エアロゾル形成基体が外部の力に供されたときに風味剤を徐々に放出し得る。代替的に、風味発生成分が、エアロゾルを形成するための物品が外部の力に供されたときに破壊されるか、または破裂して、風味剤を放出するように配置されたカプセルである場合(例えば、カプセルが外部シェルおよび内部コアを含む場合であるが、これに限定されない)、カプセルは任意の所望の破裂強度を有し得る。破裂強度は、カプセルが破裂する(エアロゾル形成基体の外側からカプセルに及ばされる)力である。破裂強度は、カプセルの力対圧縮曲線のピークであってもよい。
揮発性風味発生成分は、起動機構に応答して、風味剤を放出するように構成され得る。かかる起動機構は、フィルターに対する力、フィルター内の温度の変化、化学反応、またはこれらの任意の組み合わせの適用を含み得る。
適切な風味剤は、天然または合成のメントール、ハッカ、スペアミント、コーヒー、お茶、スパイス(シナモン、クローブおよびショウガなど)、ココア、バニラ、果実風味、チョコレート、ユーカリ、ゼラニウム、オイゲノール、リュウゼツラン、ビャクシン、アネトール、およびリナロオールを含む材料を含むが限定されない。
本明細書で使用される場合、「メントール」という用語は、異性体の形態のいずれかにおける化合物2−イソプロピル−5−メチルシクロヘキサノールを説明するために使用される。
メントールは固体または液体の形態において使用されてもよい。固体の形態において、メントールは粒子または顆粒として提供されてもよい。用語「固体メントール粒子」は、重量の少なくともおよそ80%のメントールからなる任意の顆粒状、または粒子の固体材料を記述するために用いてもよい。
1.5mg以上の揮発性風味発生成分がエアロゾル形成基体中に含まれることが好ましい。
エアロゾル形成基体はエアロゾル形成体を含むことが好ましい。
本明細書で使用される場合、「エアロゾル形成体」という用語は、使用時にエアロゾルの形成を促進し、かつエアロゾル形成基体の動作温度での熱分解に対して実質的に抵抗性である、任意の好適な周知の化合物または化合物の混合物を説明するために使用される。適切なエアロゾル形成体は当業界で既知であり、多価アルコール(プロピレングリコール、トリエチレングリコール、1,3−ブタンジオール、およびグリセリンなど)、多価アルコールのエステル(グリセロールモノアセテート、ジアセテート、またはトリアセテートなど)、およびモノカルボン酸、ジカルボン酸またはポリカルボン酸の脂肪族エステル(ドデカン二酸ジメチルおよびテトラデカン二酸ジメチルなど)が挙げられるが、これらに限定されない。
好ましいエアロゾル形成体は、プロピレングリコール、トリエチレングリコール、1,3−ブタンジオール、および最も好ましくはグリセリンなどの多価アルコールまたはその混合物である。
エアロゾル形成基体は単一のエアロゾル形成体を含んでもよい。別の方法として、エアロゾル形成基体は、二つ以上のエアロゾル形成体の組み合わせを含んでもよい。
エアロゾル形成基体は、乾燥質量ベースにおいて5%を超えるエアロゾル形成体の含有量を有することが好ましい。
エアロゾル形成基体は、乾燥質量ベースにおいておよそ5%〜およそ30%の間のエアロゾル形成体の含有量を有してもよい。
好ましい実施形態において、エアロゾル形成基体は乾燥質量ベースにおいておよそ20パーセントのエアロゾル形成体の含有量を有する。
本発明によれば、エアロゾルを発生させるための装置を使用する方法であって、方法が、
a)エアロゾルを発生させるための装置を提供することであって、装置が、加熱チャンバ、誘導コイル、および電気回路を備える、提供することと、
b)エアロゾルを形成するための物品を加熱チャンバ内に挿入することと、
c)加熱チャンバ、および/またはその中に受容されたエアロゾルを形成するための物品を加熱するために、誘導コイルで磁場を発生させることと、
d)電気回路を使用して誘導コイルの性能をモニターすることと、を含む、方法が提供される。
いくつかの実施形態では、本方法は、e)例えば、誘導コイルのモニターされた性能に基づいて、電気回路を使用して誘導コイルによる磁場の発生を制御(例えば、変更または停止)することを含み得る。
本明細書で使用されるすべての科学用語および工業技術用語は、別途指定のない限り、当該技術分野で一般的に使用されている意味を有する。本明細書に提供される定義は、本明細書で頻繁に使用されるある特定の用語の理解を容易にするためのものである。
本明細書の説明および特許請求の範囲全体を通して、「備える(comprise)」および「備えること(comprising)」という用語、ならびにそれらの変形は、「含むが、これらに限定されない」を意味し、これらが、その他の部分、添加物、構成要素、整数、または工程を除外することを意図しない(および除外しない)ことを意味する。本明細書の説明および特許請求の範囲全体を通して、単数形は複数形を包含し、かつ逆も可であるが、そうでないことを文脈が要求する場合はその限りではない。特に、不定冠詞が使用される場合、本明細書は、単数だけでなく複数も企図するとして理解されるべきであるが、そうでないことを文脈が要求する場合はその限りではない。
誤解を避けるために、本明細書に記載の特徴のうちの任意の特徴は、本発明の任意の態様に等しく適用される。本出願の範囲内で、前述の段落、請求項および/または後述の説明および図面、またとりわけ、その特定の個別の特徴において提示された様々な態様、実施形態、実施例、代替物は、個別にまたは任意の組み合わせで用いられ得ることが明示的に想定される。本発明の一態様または実施形態に関連して説明した特徴は、こうした特徴が不適合でない限り、すべての態様または実施形態に適用可能である。
ここで、例証としてのみであるが、本発明を、以下の添付図面を参照しながらさらに説明する。
本発明の実施形態によるエアロゾルを発生させるための装置の概略斜視図である。
図1に定義される平面A−Aに沿った部分断面図である。
図2の部分Bの拡大断面図である。
本発明の実施形態によるエアロゾルを発生させるための装置で使用するための加熱配置の概略斜視図である。
図1に示されるエアロゾルを発生させるための装置で使用するためのエアロゾルを形成するための物品の概略側面図である。
図1に示されるエアロゾルを発生させるための装置を使用する方法を例示するフロー図である。
ここで図1、図2、および図3を参照すると、エアロゾルを発生させるための装置1が示されており、装置1は、第一のマウスピース端1aと、第二の遠位端1bと、を備え、それらの間にハウジング2が延びている。装置1は、この実施形態では、略平行六面体の形状を有する。ハウジング2は、この実施形態では、プラスチック材料から形成されており、かつ当技術分野で既知の成形技術に従って、必要な形状に成形され得る。しかしながら、いくつかの実施形態では、ハウジング2は、随意のものであってもよく、提供される場合は、任意の好適な形状を有することができ、かつ任意の好適な材料および/または材料の組み合わせから形成され得る。
ハウジング2のマウスピース端1a(下流端を提供する)は、押し込み嵌めによってハウジング2の残りの部分に取り外し可能に取り付けられる、マウスピース2aを備える。しかしながら、いくつかの実施形態では、マウスピース2aは、ハウジング2の残りの部分と一体的に形成され得る。代替的に、いくつかの実施形態では、マウスピース2aが提供されない場合がある。
装置1は、この実施形態では、ハウジング2内に位置する電気回路Eを備える。しかしながら、いくつかの実施形態では、電気回路Eは、装置1に対して任意の好適な場所に置くことができる。装置1の遠位端1bは、ハウジング2内のメモリ(図示せず)からデータを受信するため、および/またはハウジング2内の電源(図示せず)を充電するために、随意のハウジング2内の電気回路Eに接続するための(例えば、プログラミングのための)随意の電気的接続ECを含む。電気的接続ECは、マイクロUSB、USB−C、または特注接続のうちの一つ以上を含み得る。装置1の遠位端1bはまた、警告機構(図示せず)、例えば、スピーカーなどのオーディオ装置および/または発光ダイオード(light emitting diode、LED)などの光源を備え得る。警告機構は、装置1の状況の変化、例えば、電源が充電を必要とすることに対して、装置1のユーザに警告するように構成され得るか、または構成可能であり得る。
装置1内に位置する、エアロゾル形成基体30を含むエアロゾルを形成するための物品3が図2および図3に示されている。しかしながら、当業者によって理解されるように、物品3は、装置1とは別個のものであり、装置1の一部を構成するものではない。
図2および図3に最もよく示されるように、装置1はまた、装置1のマウスピース1aと遠位端1bとの間に、ヒーター4と、加熱チャンバ5と、随意の風味発生チャンバ6と、随意のハウジング2内に位置する随意の冷却チャンバ7と、を備える。加熱チャンバ5は、随意の風味発生チャンバ6に直接隣接し、かつそれと流体連通している。随意の風味発生チャンバ6は、冷却チャンバ7と流体連通しており、冷却チャンバ7は、装置1のマウスピース端1bと流体連通している。随意のボタン8が、随意の風味発生チャンバ6に隣接して位置する。
加熱チャンバ5は、この実施形態では、第一および第二の主境界面5a、5bを備える。さらに、副境界面(図示せず)が、第一の主境界面5aと第二の主境界面5bとの間に延びる。第一および第二の主境界面5a、5bは、実質的に平坦であり、かつこの実施形態では、プラスチック材料から形成されている。しかしながら、いくつかの実施形態では、第一および第二の主境界面5a、5bは、任意の好適な材料、例えば、金属(例えば、鉄またはその合金)から形成され得る。加熱チャンバ5は、この実施形態では、略平行六面体の形状を有する。図2および図3に示されるように、装置1は、第一および第二の主境界面5a、5bが向き合って平行な関係にある、第一の閉じた状態にある。第一および第二の主境界面5a、5bは、それらの間に受容された物品3を通って流れる流体の上流端USから下流端DSまでの主流の軸Pを画定する。入口5cは、配置ハウジング2の外部と流体連通して、加熱チャンバ5の一方の端(上流端US)に置かれている。出口5dは、加熱チャンバ5の向かい合った端(下流端DS)に置かれている。主流の軸Pは、入口5cと出口5d(例えば、上流端USと下流端DS)との間に延び、かつそれらの間の流路に平行である。加熱チャンバ5は、(図4に見られるように)第一および第二の領域R1、R2を備える。第一の領域R1は、加熱チャンバ5の上流端USに隣接している。第二の領域R2は、加熱チャンバ5の下流端DSに隣接している。
ヒーター4は、第一および第二の誘導コイル4a、4bを備える。ヒーター4の誘導コイル4a、4bは、使用時に、加熱チャンバー5内に受容されたエアロゾル形成基体3のサセプタSを加熱するように配置されている(以下でより詳細に説明する)。誘導コイル4a、4bは、この実施形態では、ハウジング2内に埋め込まれているが、いくつかの実施形態では、誘導コイル4a、4bは、代わりにハウジング2のチャンバ内に位置し得る。図5により明確に示されるように、各誘導コイル4a、4bの長軸方向軸Lは、主流の軸Pと実質的に直角をなし、その結果、それによって(使用時に)発生した磁場Mが主流の軸Pに平行になる。第一の誘導コイル4aは、使用時に、加熱チャンバ5の第一の領域R1に磁場を発生させるように構成されている。第二の誘導コイル4bは、使用時に、加熱チャンバ5の第二の領域R2に磁場を発生させるように構成されている。ヒーター4は、電源に動作可能に接続されるか、または接続可能である。
第一の主境界面5aは、ハウジング2の第一の部分2bに取り付けられ、第二の主境界面5bは、ハウジング2の第二の部分2cに取り付けられている。ハウジング2の第一の部分2b、ひいては、第一の主境界面5aは、ハウジング2の第二の部分2cおよびで第二の主境界面5bに対して主流の軸Pに平行な方向に摺動可能である。
第一および第二の主境界面5a、5bは、この実施形態では、平行なピークおよびトラフ(図示せず)を有する波型を備え得る。ピークおよびトラフは、主流の軸Pに平行な方向に延びる。
ハウジング2の第一の部分2bは、延長部分2dを備え、これは、第一の主境界面5aの外方に、それとほぼ平行な方向に延びる。延長部分2dは、第一の主境界面5aによって画定される平面と直角をなす方向に弾性的に変形可能である。延長部分2dの自由端2eは、テーパー状である。
取り外し開口部2fは、加熱チャンバ5の上流の場所にあるハウジング2の第二の部分2cを通って延びる。取り外し開口部2fは、使用時に、使用済み物品3を、中を通して装置1から取り外すことができるように形状決めおよびサイズ決めされている。取り外し開口部2fは、取り外し通路20によって加熱チャンバ5に接続される。取り外し開口部2fのガイド面は、使用時に、装置1から使用済み物品3を摺動させて取り外すことを容易にするように配置されている。ガイド面は、加熱チャンバ5の主流の軸Pに対して鋭角な方向に延びる。この実施形態では、ガイド面は湾曲している。取り外し開口部2fは、装置1への空気入口を備え得る。いくつかの実施形態では、装置1は、ハウジング2を通って延び、かつ加熱チャンバ5と流体連通する、一つ以上の追加的または代替的な空気入口を備え得る。
マウスピース2aは、この実施形態では(図1に示されるように)、透明な部分2gを備え、それを通して、装置1の使用中にエアロゾルの発生を視認することができる。
当接要素9は、ハウジング2に対して、加熱チャンバ5の中および/または外へと装置1内で移動可能である。当接要素9は、加熱チャンバ5から外に物品3を引っ張るように構成されている。当接要素9は、装置1内のスロット内に位置し、随意の風味発生チャンバ6および加熱チャンバ5に隣接し、それらと共に整列している。当接要素9およびハウジング2の第一の部分2bの延長部分2dは、二つの構成要素を一緒に解除可能に結合するための結合機構を備える。結合機構は、係合部材または留め金9a、および協働する凹部9bを備える。図2および図3に示される実施形態では、延長部分2dは凹部9bを備え、当接要素9は係合部材または留め金9aを備える。しかしながら、いくつかの実施形態では、延長部分2dが係合部材または留め金9aを備えることができ、当接要素9が凹部9bを備えることができる。係合部材または留め金9aは、凹部9bと係合する位置および凹部9bに係合する位置に向かって(例えば、ばねによって)弾性的に付勢され、それによって、延長部分2dと当接要素9とを互いに結合する。
ボタン8は、風味放出機構を備える。ボタン8は、随意の風味発生チャンバ6に隣接して位置し、かつハウジング2の第一の部分2bの延長部分2dを通って延びる、ボタン開口部8a内に置かれている。ボタン8は、使用時に、随意の風味発生チャンバ6の中または外へと移動可能である。ボタン8は、使用時に、随意の風味発生チャンバ6内に位置する物品3に対して移動可能であるように配置されている、クランプ面8bを備える。ボタン8は、その端部にある、またはその端部に隣接した、環状突出部を備える。ボタン開口部8bは、ボタン8の環状突出部と係合するようにサイズ決めされて位置し、それによって、ボタン開口部8b内にボタン8を保持する一方、ボタン8が随意の風味発生チャンバ6の中および外へと移動することも可能にする、第一および第二の内部当接部を備える。
冷却チャンバ7は、随意の風味発生チャンバ6を冷却チャンバ7に流体接続する流体流通路が有する断面積よりも大きな(例えば、より大きな高さおよび/または幅の)、冷却チャンバ7内への流れ方向と直角をなす、断面積を有する。冷却チャンバ7はまた、冷却チャンバ7を装置1のマウスピース端1aに流体接続する流体流通路が有する断面積よりも大きな(例えば、より大きな高さおよび/または幅の)、冷却チャンバ7内への流れ方向と直角をなす、断面積を有する。
電気回路Eは、この実施形態では、加熱チャンバ5および/またはその中に受容された物品3の温度を測定するように配置されている、温度センサE1を備える。温度センサE1は、主境界面5aのうちの一つに埋め込まれているものとして示されているが、そうである必要はなく、追加的または代替的に、温度センサE1は、任意の好適な場所に位置し得る。いくつかの実施形態では、例えば、複数の温度センサ(plural temperature sensors)E1(つまり、複数の温度センサ(a plurality of temperature sensors))のうちの少なくとも一つが加熱チャンバ5の温度を測定するように配置され得る場合、および複数の温度センサE1のうちの少なくとも一つが、加熱チャンバ5内に受容された物品3の温度を測定するように配置され得る場合、二つ以上の温度センサE1を提供することができる。
この実施形態では、電気回路Eもまた電流モニターセンサを備える。電流モニターセンサは、第一および第二の誘導コイル4a、4bを通って、および/またはそれらに、および/またはそれらから流れる電流を測定するように構成されている。電気回路は、温度センサE1および電流モニターセンサに動作可能に接続されたプロセッサを備える。プロセッサはまた、ヒーター4への電気エネルギーの供給を選択的に許容または防止するために、ヒーター4および/または電源と動作可能に関連付けられる。プロセッサは、加熱チャンバー5の測定温度および/またはその中に受容された物品3の温度に対応する温度センサE1から温度データを受信するように構成されている。プロセッサは、第一および第二の誘導コイル4a、4bに、それらを通って、および/またはそれらから流れる測定電流に対応する電流モニターセンサから電流データを受信するように構成されている。プロセッサはまた、受信した温度データおよび電流データを、予想温度データまたは所望の温度データ(例えば、基準温度データ)と、ならびに予想電流データまたは所望の電流データ(例えば、基準電流データ)と比較するように構成されている。いくつかの実施形態では、予想温度データおよび/または電流データ、ならびに所望の予想温度データおよび/または電流データ(例えば、基準温度データおよび/または電流データ)は、装置1に保存され得る。
図5により詳細に示されるように、エアロゾルを形成するための物品3は、主部3aおよびそこから延びる随意の延長部3bを備える。主部3aは、中に置かれる場合、加熱チャンバ5のサイズおよび形状に厳密に適合するようにサイズ決めおよび形状決めされる。主部3aは、この実施形態では、中に液体エアロゾル形成基体30が保持されるマトリクス材料の形態のエアロゾル形成基体30を備える。物品3の主部3aは、上流端UEおよび下流端DEを有し、それらから随意の延長部3bが延びる。物品3の主部3aは、第一および第二の領域R1、R2を備える。第一の領域R1は、物品の主部3aの上流端UEに隣接している。第二の領域R2は、物品の主部3aの下流端DEに隣接している。
サセプタSは、この実施形態では、物品3の主部3aの第二の領域R2に位置する。しかしながら、いくつかの実施形態では、サセプタSは、物品3の主部3aの第二の領域R2の上に位置し得るか、または第二の領域R2の上および中の両方に位置し得る。サセプタSは、コイルの形態を有し、かつ例えば、鉄またはその合金からの磁化可能な材料から形成されている。サセプタSは、(図3に示されるように)物品3が加熱チャンバ5内に受容されると、ヒーターの第一の誘導コイル4aと整列するように配置される。物品3の主部3aの第一の領域R1は、この実施形態では、サセプタSを含まない。物品3の随意の延長部3bは、中にカプセル3cの形態の揮発性風味発生成分3cが保持されるホルダ材料を備える。カプセル3cは、この実施形態ではメタノールである、風味剤を含有する。
ここで図6を参照すると、装置1を使用する方法が示されている。第一のステップS1において、エアロゾルを発生させるための装置が、そのユーザに提供される。次いで、装置1のユーザは、第二のステップS2で、装置1の加熱チャンバ5内にエアロゾルを形成するための物品3を挿入する。この実施形態では、この挿入は、ユーザがハウジング2の第一の部分2bをハウジング2の第二の部分2cに対して矢印Cの方向に摺動させ、加熱チャンバ5を開いた状態に移動させることを伴う。次いで、開いた装置1の内部に物品3を留置する。次いで、ハウジング2の第一の部分2bを、ハウジング2の延長部分2dの自由端2eがエアロゾル形成基体3の(相対的に)上方に位置するまで、ハウジング2の第二の部分2cに対して矢印Dの方向(すなわち、矢印Cで指定される方向とは反対の方向)に摺動させる。次いで、ユーザは、延長部分2dに対して垂直の力を加えて、延長部分2dのテーパー状の自由端2eを物品3に対して弾性的に押し付ける。次いで、ユーザは、ハウジング2の第一の部分2bを、ハウジング2の第二の部分2cに対して矢印Cの方向に摺動させ続ける。それによって、物品3は、延長部分2dの自由端部2eと係合し、それに沿って移動する。このようにして、物品3を加熱チャンバ5内に移動させる。ハウジング2の第一の部分2bを、延長部分2dの自由端2eがハウジング2の第二の部分2c上に提供された当接部と係合するまで矢印Cの方向に摺動させ、当接部により、この方向へのさらなる摺動を制限する。この閉じた状態では、加熱チャンバー5の第一および第二の主境界面5a、5bは平行に向き合った関係にあり、物品3は加熱チャンバー5内に位置する(図2および3に示されるように)。
物品3は、物品3の主部3aの第一の領域R1が加熱チャンバ5の第一の領域R1と整列し、物品3の主部3aの第二の領域R2が加熱チャンバ5の第二の領域R2と整列するように、装置1の加熱チャンバ5に挿入される。物品3の随意の延長部3bは、加熱チャンバ5を越えて、随意の風味発生チャンバ6内に延びる。カプセル3cは、随意の延長部3b内で、随意の風味発生チャンバ6内に置かれ、装置1が閉じた状態にあるときにボタン8と整列する。
閉じた状態では、係合部材または留め金9aは、凹部9bと整列し、その中に係合するように弾性的に付勢される。このように、当接要素9は、結合機構によって、ハウジング2の第一の部分2bの延長部分2dに結合される。
次いで、第一および第二の誘導コイル4a、4bを、第三のステップS3で起動させて、中の物品3を加熱するための加熱チャンバ5の第一および第二の領域R1、R2で磁場を発生させる。この起動は、ユーザが装置1のマウスピース端1aを吸う結果として生じる空気の流れおよび/または空気圧の変化に応答するように構成され得る、流れおよび/または圧力センサーなどのトリガ機構(図示せず)によってトリガされ得る。しかしながら、いくつかの実施形態では、トリガ機構は、手動で起動されるスイッチおよび/または起動可能なスイッチを備え得る。トリガ機構(提供される場合)は、電気回路Eに動作可能に接続され得る。電源からの電気エネルギーは、電気回路Eの制御下で(例えば、スイッチの起動によって)第一および第二の誘導コイル4a、4bに供給される。第一および第二の誘導コイル4a、4bを通る電気エネルギーの流れは、加熱チャンバー5の第一および第二の領域R1、R2に磁場を発生させる。
第四のステップS4では、誘導コイル4a、4bの性能は、電気回路Eによってモニターされる。電流モニターセンサは、第一および第二のコイル4a、4bの各々を流れる電流を測定し、測定電流に対応する電流データをプロセッサに伝送する。
次いで、受信した電流データが、予想電流データまたは所望の電流データ(例えば、基準電流データ)と比較される。第二の誘導コイル4bによって加熱チャンバ5の第二の領域R2で発生した磁場は、中の物品3の主部3aの第二の領域R2内のサセプタSの加熱、およびサセプタSによる加熱を誘導する。第一の誘導コイル4aによって加熱チャンバ5の第一の領域R1で発生した磁場は、物品3の主部3aの第一の領域R1にサセプタSが存在しないため、加熱を誘導しない。したがって、第一のコイル4aを通って流れる電流は比較的低く、第二のコイルを通って流れる電流は比較的高い。電流データは、この実施形態では電流の閾値量を含む、予想電流データまたは所望の電流データ(例えば、参照電流データ)と比較される。第一の誘導コイル4aの電流データは、予想電流データまたは所望の電流データ(例えば、基準電流データ)の閾値量を下回る。第二の誘導コイル4bの電流データは、予想電流データまたは所望の電流データ(例えば、基準電流データ)の閾値量を上回る。
第五のステップS5では、電気回路Eのプロセッサは、電流データで測定された比較的低い電流に応答して、第一の誘導コイル4aによる加熱チャンバ5の第一の領域R1の磁場の発生を停止する。第二の誘導コイル4bは、第二の誘導コイル4bによる加熱チャンバ5の第二の領域R2における磁場の発生を続ける。
理解されるように、物品3が加熱チャンバ5内に誤って挿入され、それにより例えば、物品3の主部3aの第一および第二の領域R1、R2がそれぞれ加熱チャンバ5の第一および第二の領域R1、R2と整列していない場合、誘導コイル4a、4bの測定電流は異なる場合がある。物品3の第一および第二の領域R1、R2が加熱チャンバの第一および第二の領域R1、R2と正しく整列していない場合、電流モニターセンサは、予想電流データまたは所望の電流データ(例えば、基準電流データ)の閾値量よりも低い、各誘導コイル4a、4bを通る電流を測定し得る。したがって、この配置の下で、プロセッサは、両方の誘導コイル4a、4bで発生している磁場を停止するように動作可能であってもよい。追加的に、異なる構成を有する基体を形成するための異なる物品が加熱チャンバ5内に挿入されている(例えば、サセプタSが存在しない、または異なる場所にサセプタを有する)場合、プロセッサは、誘導コイル4a、4bの一方または両方による磁場の発生を停止することもできる。
空気は、この実施形態では、ユーザが装置1のマウスピース端1aを吸うことによって装置1を通って引き出される。空気は、取り外し開口部2fから、加熱チャンバ5の入口5cを通って、加熱チャンバの主流の軸Pに沿って(すなわち、それと平行に)流れ、出口5dを通って加熱チャンバ5から出る。空気は、物品3の主部3aを通って、その上流端UEから下流端DEへと通過し、それによって、揮発した化合物が加熱チャンバ5を通る空気の流れの中に混入する。空気の流れと揮発した化合物との混合物が冷却チャンバ7に到達すると、冷却チャンバ7の比較的増加した断面積により、混合物が膨張する。それによって、混合物は冷却チャンバ7内で冷却され、揮発した化合物は、合体してエアロゾルへと形成される。次いで、エアロゾルは、マウスピース2aを通って、マウスピース2aを吸うユーザに引き出される。
ユーザは、ボタン8を随意の風味発生チャンバ6内に押下して、物品3の随意の延長部3b内の隣接するカプセル3cを粉砕し、それによって、そこから風味剤を放出することができる。次いで、カプセル3cから放出された風味剤は、ユーザが装置1のマウスピース端1aを吸うことによって引き起こされる、装置1を通る空気の流れを通してユーザに引き出される。
物品3は、使用後、装置1から取り外すことができる。ユーザは、ハウジング2の第一の部分2bを、ハウジング2の第二の部分2cに対して矢印Dの方向に摺動させて、装置1を閉じた状態から離れて、開いた状態に向かって移動させる。当接要素9(結合機構によってハウジング2の第一の部分2bの延長部分2dに結合している)は、ハウジング2の第一の部分2bによって引きずられて、随意の風味発生チャンバ6および加熱チャンバ5に接触して、それらの外に物品3を押し出す。ハウジングの第一の部分2bを(ハウジング2の第二の部分2cに対して)矢印Dの方向に摺動させ続けることにより、当接要素9に使用済み物品3を取り外し開口部2f内に押し出させる。取り外し開口部2fのガイド面は、物品3を、任意の好適な手段によって収集され得る場所から、装置1の外へと摺動するように案内する。
物品3は、揮発性化合物の供給が消耗したときに、設定された数の引き出しが装置1に加えられたとき、または任意の他の理由のため(例えば、異なる風味を体験するため)にユーザが物品3を変更することを決定したときに、装置1から取り外される。
装置1は、第一および第二の誘導コイル4a、4bを備えるものとして説明されているが、そうである必要はなく、代わりに、装置1は、一つの誘導コイルのみを備え得るか、または三つ以上の誘導コイルを備え得る。追加的または代替的に、誘導コイルまたは各誘導コイルは、加熱チャンバ5に対して任意の好適な場所に位置し得、例えば、第一のコイル4aが第一の主境界面5aに隣接して位置し得、第二のコイル4bが第二の主境界面5bに隣接して位置し得る。追加的または代替的に、誘導コイル、誘導コイルの一部、または各誘導コイルは、加熱チャンバ5の小部分、大部分、または実質的にすべてを横切って磁場を発生させるように配置され得る。
装置の電気回路Eは、間を流れる電流を測定することによって誘導コイル4a、4bの性能をモニターするものとして説明されているが、そうである必要はなく、かつ追加的または代替的に、誘導コイル4a、4bの性能が、温度センサーE1を使用して、加熱チャンバ5(例えば、その第一の領域R1および/もしくは第二の領域R2)、ならびに/または中に受容された物品3(もしくはその一部分)の温度を測定することによって間接的にモニターされてもよい。いくつかの実施形態では、プロセッサは、追加的または代替的に、測定温度と、予想温度データまたは所望の温度データ(例えば、基準温度データ)との比較に応答して、誘導コイル4a、4bの一方または両方を選択的に停止するように動作可能であってもよい。
追加的または代替的に、電流モニターセンサによる発生した電流データが、基体を形成するための物品3の一つ以上の特徴に対応し得る。例えば、電流データとしては、物品の動作温度パラメータ、物品を加熱する所望の持続時間、物品に伝達される所望の総熱エネルギー、物品が供され得る加熱サイクルの数、ならびに/または加熱チャンバ5内の物品のタイプおよび/もしくは状態のうちの一つ以上に関連する動作情報を挙げることができる。いくつかの実施形態では、装置1は、ディスプレイ、例えば、エアロゾルを形成するための物品に関連する一つ以上の画像を表示するように構成され得るスクリーンを備え得る。誘導コイル4a、4bの性能をモニターすることによって特定のタイプの物品が検出されると、その検出された物品に対応する画像が装置のスクリーン上に表示され得る。
磁場の発生は、図6に示される実施形態では停止されるものとして説明されているが、代替的に、磁場の発生を、代わりに、制御(例えば、変更)することができ、例えば、誘導コイル4a、4bの一方または両方に供給される電気エネルギーを増加または低下させることができ、かつ/または磁場の周波数を制御する(例えば、増加または低下させる)ことができる。電気回路Eは、第一の誘導コイル4aによる磁場の発生を停止し、第二の誘導コイル4bによる磁場の継続的な発生を許容するものとして説明されているが、そうである必要はなく、代わりに、例えば、物品3の主部3aの第二の領域R2のサセプタSが、予想電流または所望の電流(例えば、基準電流)の閾値の値よりも少ない第二のコイル4bを通って流れる電流を生成する、サイズ、形状、場所、および/または構成のものである場合に、第二のコイル4bによる磁場の発生を停止することができる。いくつかの実施形態では、サセプタSは、物品3の加熱中に、例えば、物品3の膨張および/または収縮によって、加熱チャンバ5内で移動し得る。サセプタSが加熱チャンバ5内で移動する場合、第一および/または第二の誘導コイル4a、4bを通って流れるときに測定される電流は変化し得る。電流のこの変化により、電気回路Eは誘導コイル4a、4bの一方または両方による磁場の発生を停止することができる。
いくつかの実施形態では、電気回路Eは、内部にメモリを備えることができ、メモリは、測定された電流データ、測定された温度データ、装置1の起動回数に対応するデータ、コイルが磁場を発生するのを停止した回数に対応するデータ、加熱チャンバ5内のサセプタSの移動(行われた場合)に対応するデータなどのうちの一つ以上を保存することができる。追加的または代替的に、上述のデータを、例えば、電気接続ECからおよび/または無線伝送を介して、装置1から伝送することができる。
ハウジング2の第一の部分2bは、ハウジング2の第二の部分2cに対して摺動可能なものとして説明されているが、そうである必要はなく、代わりに、第一の部分2bが、第二の部分2cに対して旋回可能であってもよく、かつ/またはそこから取り外し可能であってもよい。いくつかの実施形態では、第一の部分2bは、ハウジング2の第二の部分2cに対して固定され得る(それにより、同様に加熱チャンバ5の第一の主境界面5aと第二の主境界面5bとが互いに固定される)。第一の部分2aと第二の部分2bとが互いに固定されている場合、装置1は、加熱チャンバ5の中および/または外にエアロゾル形成基体を保持および/または案内するためのキャリッジを備え得る。装置は、キャリッジを摺動する関係で支持するように構成され得る。
いくつかの実施形態では、装置1は、複数のヒーター(plural heaters)(つまり、複数のヒーター(a plurality of heaters))を備えることができ、複数のヒーターは、第一および/または第二の主境界面5a、5bを加熱するように構成または配置されたヒーター(例えば、図4に示されるヒーター4のタイプのヒーター)、ならびに加熱チャンバ5内に受容された物品3のサセプタを加熱するように構成されたヒーター(例えば、図5に示されるヒーター14のタイプのヒーター)の両方を含み得る。代替的に、装置1は、第一の主境界面5aを加熱するよう配置された第一のヒーターと、第二の主境界面5bを加熱するよう配置された第二のヒーターと、を含む、複数のヒーターを備え得る。いくつかの実施形態では、装置1は、複数のヒーターを備えることができ、一つのヒーターは、第一の主境界面5aと第二の主境界面5bとの間に受容された物品3の表面の少なくとも一部分を加熱するように配置されており、第二のヒーターは、物品3の内部領域を加熱するように配置されている。複数のヒーターがある場合、それらは、異なる時間および/または異なる温度で加熱するように構成され得る。いくつかの実施形態では、装置1が単一のヒーター4または複数のヒーターを備える場合、それまたはそれらは、第一および第二の主境界面5a、5bのうちの一つのみを加熱するように配置または構成され得る。
いくつかの実施形態では、装置1は、加熱チャンバー5内に受容されたエアロゾルを形成するための物品3のサセプタSの動作を変更するためのサセプタ変更手段または機構を備え得る。サセプタ変更手段または機構は、いくつかの実施形態では、フックを含み得る。フックは、加熱チャンバ5内で物品3を加熱した後に物品3と係合するように動作可能に移動することができる。フックは、サセプタの状態を変更する、例えば、加熱チャンバ5内の物品3を加熱した後にサセプタSを破壊し、かつ/または変形させるために移動可能であってもよい。サセプタを破壊するか、または変形させるフックの移動は、電気回路Eによって動作可能に制御され得るか、または装置1のユーザによって手動で動作され得る。いくつかの実施形態では、フックは、物品3、例えば物品3のサセプタSと係合するように移動することができる。サセプタの変更は、物品3を装置1の加熱チャンバ5から取り外すことを含む場合があり、例えば、物品3を加熱チャンバ5から取り外すことにより、フック(または他のサセプタ変更手段)が物品3のサセプタSを変更することを引き起こすか、または許容することができる。このように、エアロゾルを形成するための物品3は、加熱チャンバ5内で使用されたときに変更することができ、かつ/または物品3を、エアロゾルを発生させるために装置1の加熱チャンバー5または装置1内で再び使用される(例えば、再び加熱される)ことから防止することができる。
追加的または代替的に、加熱チャンバ5および物品3は、略平行六面体の形状を有するものとして示されているが、そうである必要はなく、代わりに、加熱チャンバ5および/または物品3は、任意の好適な形状を有し得る。
概略図は必ずしも実寸に比例しておらず、また図示の目的で提示されるものであり、限定するものではない。図面は本開示で説明される一つ以上の態様を描写する。しかしながら、当然のことながら、図面に描写されていないその他の態様も本開示の範囲に収まる。