JP2021528483A - 下部胃腸管への医薬の送達のための剤形 - Google Patents

下部胃腸管への医薬の送達のための剤形 Download PDF

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Abstract

本開示は、下部胃腸管への医薬の送達に好適なカプセルを提供する。

Description

<発明の分野>
本出願は、下部胃腸管、例えば遠位小腸,大腸及び結腸への活性成分の送達を提供することを可能にするカプセルに関する。
<背景>
経口投与に適した剤形における活性成分の下部胃腸管(例えば、遠位小腸、大腸又は結腸)への送達は、種々のアプローチを用いて企図されてきた。1つのアプローチは、特定の時間に活性成分を放出する剤形を設計することである。このアプローチは、放出が所望される領域まで剤形が胃腸管を通って移動するために必要とされる通過時間を利用することを企図する。別のアプローチは、活性成分を特定のpHで放出する剤形を設計することである。このアプローチは、胃から遠位小腸までのpHの上昇を利用することを企図する。なお別のアプローチは、胃腸管の領域に存在する叢によって大腸で消化され得る剤形を設計することである。しかし、これらのアプローチは全て、活性成分の放出の変動性にさらされ、ある患者では(アプローチに依存して)、(例えば、遅い通過時間に起因して)早く放出されたり、又は速い通過時間もしくは比較的低いpH環境に起因して全く放出されなかったりする。
したがって、胃及び小腸において比較的少量の活性成分を放出し、そして下部胃腸管(例えば、大腸、結腸及び/又は直腸)において主に活性成分を放出し、且つ活性成分が下部胃腸管の所望の部分に投与され得るように活性成分の放出速度を容易に調節することができる剤形が望ましい。
<要旨>
一つの局面において、結腸送達のための剤形はカプセルであり、このカプセルは、充填組成物(fill composition)及びカプセル全体を覆うコーティングを含む。このコーティングは、低pHポリマー及び高pHポリマーを含む。低pHポリマーは、4.5より高くかつ7より低いpHにてリン酸緩衝溶液中に溶解する。高pHポリマーは、6.8より高いpHにてリン酸緩衝溶液中に溶解する。低pHポリマー対高pHポリマーの重量比は、1:20〜20:1、好ましくは1:15〜15:1、より好ましくは1:10〜10:1、又は1:6〜6:1、又は1:5〜5:1、最も好ましくは1:4〜4:1(低pHポリマーの重量:高pHポリマーの重量)である。別の実施形態において、コーティング中の低pHポリマー対高pHポリマーの重量比は、1:3〜3:1であってもよく、1:2〜2:1であってもよい(低pHポリマーの重量:高pHポリマーの重量)。
一つの局面において、この剤形は、pH6.8及び37℃にて試験した際に、リン酸緩衝溶液に適用した後、最初の30分間以内に、活性成分の20wt%未満、より好ましくは10wt%未満の放出のラグタイムを提供する。
別の局面において、低pHポリマーは、pH5より高いpH、好ましくはpH5.5より高いpHにて溶解し、そしてpH7より低い、好ましくはpH6.8より低いpHにて溶解する。
別の局面において、低pHポリマーは、ポリメタクリレート、ポリビニルアセテートフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート(HPMCAS)、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート(HPMCP)、及びカルボキシメチルエチルセルロースから選択される。
別の局面において、低pHポリマーは、メチルメタクリレートとメタクリル酸とのコポリマー及びエチルアクリレートとメタクリル酸とのコポリマーから選択される。
別の局面において、高pHポリマーは、7より高いpHにて溶解するか、又は,7.2より高いpHにて溶解してもよい。
別の局面において、高pHポリマーは、ポリメタクリレート、HPMCAS及びシェラックから選択される。
別の局面において、高pHポリマーは、メチルメタクリレートとメタクリル酸とのコポリマー、エチルアクリレートとメタクリル酸とのコポリマー及びポリ(メタクリル酸、メチルアクリレート、メチルメタクリレート)から選択される。
別の局面において、低pHポリマー対高pHポリマーの重量比は、1:10〜10:1であり、1:5〜5:1、好ましくは1:4〜4:1(低pHポリマーの重量:高pHポリマーの重量)であってもよい。
一つの局面において、コーティングは、可塑剤をさらに含む。
一つの局面において、コーティングは、滑剤をさらに含む。
一つの局面において、コーティングは、(乾燥コーティングを基準にしたwt%で)15wt%〜50wt%の量の低pHポリマー、15wt%〜50wt%の量の高pHポリマー、5wt%〜15wt%の量の可塑剤及び20wt%〜40wt%の量の滑剤を含む。好ましい実施形態において、コーティングは、(乾燥コーティングを基準にしたwt%で)40wt%〜50wt%の量の低pHポリマー及び10wt%〜20wt%の量の高pHポリマーを含む。別の好ましい実施形態において、コーティングは、(乾燥コーティングを基準にしたwt%で)10wt%〜20wt%の量の低pHポリマー及び40wt%〜50wt%の量の高pHポリマーを含む。なお別の実施形態において、コーティングは、(乾燥コーティングを基準にしたwt%で)それぞれ25wt%〜35wt%の量の低pHポリマー及び高pHポリマーを含む。本明細書中に挙げられたポリマーの任意の1つが、本コーティング組成物において使用され得る。特に好ましい実施形態において、低pHポリマーは、ポリメタクリレート(例えば、Eudragit L30 D−55(例えば、およそ30%乾燥固形))であり、そして高pHポリマーは、ポリメタクリレート(例えば、Eudragit FS 30D(例えば、およそ30%乾燥固形))である。
一つの局面において、カプセルは、バンディングされているか又は密封されている。
一つの局面において、剤形は、カプセルを覆うサブコーティングをさらに含む。
一つの局面において、カプセルは、ゼラチン、HPMC、プルラン、又はデンプンを含む。
一つの局面において、充填組成物は、徐放性組成物である。
一つの局面において、充填組成物は、水溶性又は水分散性の非水性マトリックス中に懸濁したゲル化剤もしくは膨潤剤を含む。好ましい実施形態において、ゲル化剤は、80wt%〜95wt%の量で存在し、及び/又は膨潤剤は、5wt%〜20wt%の量で存在する。
一つの局面において、充填組成物は、水不溶性ワックス状マトリックス中に懸濁した非常に水溶性の高い薬剤を含む。
一つの局面において、剤形は、配列5’−GGAACAGTTCGTCCATGGC−3’(配列番号1)を含むオリゴヌクレオチドを含まず、ここで、このオリゴヌクレオチドは、1以上の骨格修飾を含んでいてもよく、ここで、ヌクレオチド塩基対は、メチル化されているか又はメチル化されていない。
上記の概略的記載及び下記の詳細な記載の両方は、例示及び説明でしかなく、特許請求された事項を限定するものではないことが、理解されるべきである。
図1は、実施例1〜5についての溶解プロファイルを示す。 図1aは、活性成分の放出におけるラグタイムをよりはっきりと示すための、実施例1〜5についての溶解プロファイルについての初期放出段階を示す。 図2は、実施例1、4、6及び7についての溶解プロファイルを示す。 図3は、実施例2、5、8及び9についての溶解プロファイルを示す。
<定義>
本明細書中で使用される場合、不定冠詞「a」又は「an」による要素の言及は、要素の1つが存在しその1つのみであることを文脈が明らかに求めるのでない限り、1を超える要素が存在することの可能性を排除するものではない。したがって、不定冠詞「a」又は「an」は、通常は、「少なくとも1つの」を意味する。数値範囲の開示は、別段の記載がない限り両端の終点を含むその範囲内の、各々別個の点をいうことが理解されるべきである。数値範囲の開示において使用される用語「約」は、言及された値からの偏差が、この偏差が測定の変動性の結果であるか及び/又は同じもしくは類似の性質の生成物を生じる範囲内で、受け入れられることを示す。
本明細書中で使用される場合、用語「活性成分」、「活性物質」、「活性構成要素」、「活性医薬成分」及び「活性薬剤」は、ヒトを含むが人には限定されない哺乳動物において所望の生理学的効果を発揮する構成要素という同じ意味を有する。本開示にしたがう活性成分の非限定の例としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:薬物、サプリメント、サプリメント食品、例えば、ビタミン類又はプロビタミン類A、B、C、D、E、PP及びそのエステル類、カロテノイド、抗ラジカル物質、ヒドロキシ酸、防腐剤、色素形成又は炎症に作用する分子、生物抽出物、抗酸化剤、細胞及び細胞内小器官、抗生物質、マクロライド、抗真菌剤、イトラコナゾール、ケトコナゾール、駆虫薬、抗マラリア薬、吸着剤、ホルモン類及びその誘導体、ニコチン、抗ヒスタミン薬、ステロイド系抗炎症剤及び非ステロイド系抗炎症剤、イブプロフェン、ナプロキセン、コルチゾン及びその誘導体、抗アレルギー剤、抗ヒスタミン薬、鎮痛剤、局所麻酔薬、抗ウイルス薬、抗体及び免疫系で作用する分子、細胞分裂阻害薬及び抗がん剤、脂質低下薬、血管拡張薬、血管収縮薬、アンギオテンシン変換酵素及びホスホジエステラーゼの阻害剤、フェノフィブレート及びその誘導体、スタチン、硝酸塩誘導体及び抗狭心症約、カルシウム阻害剤、抗利尿剤及び利尿剤、気管支拡張薬、オピエート及びその誘導体、バルビツール酸塩、ベンゾジアゼピン、中枢神経系に作用する分子、核酸、ペプチド、アントラセン化合物(anthracenic compound)、パラフィン油、ポリエチレングリコール、鉱物塩、鎮痙薬、胃液分泌抑制薬、胃用粘土薬(clay gastric dressings)及びポリビニルピロリドン、アルミニウム塩、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、デンプン、ベンゾイミダゾールの誘導体、ならびにこれらの組み合わせ。本開示の特定の実施形態において、口腔内崩壊錠はまた、グルクロン酸抱合阻害剤、例えばピペリンを含み得る。
本開示にしたがう活性成分の非限定の例としては、デキストロメトルファン、フェキソフェナジン、グアイフェネシン、ロラタジン、シルデナフィル、バルデナフィル、タダフィル(tadafil)、オランザピン、リスペルドン、ファモチジン、ロペラミド、ゾルミトリプタン、オンダンセトロン、セチリジン、デスロラタジン、リザトリプタン、ピロキシカム、パラセタモール、フロログルシノール、ニセルゴリン、メトピマジン、ジヒドロエルゴタミン、ミルタザピン、クロザピン、ゾルミトリプタン、プレドニゾロン、レボドパ、カルビドパ、ラモトリギン、イブプロフェン、オキシコドン、ジフェンヒドラミン、ラモセトロン、トラマドール、ゾルピデム、フルオキセチン、ヒオスシアミン、及びこれらの組み合わせが挙げられる。
偽薬剤形もまた、本開示の範囲内である。偽薬の場合、活性物質が、本処方物の投薬対象者において、治療される状態について何ら特別な活性を客観的に付与しないという偽薬治療の目的を満たす物質であってもよい。
本明細書中で使用される場合、「w/w%」及び「wt%」は、総重量の百分率よしての重量を意味する。
本明細書中で使用される場合、(低pHポリマーの重量:高pHポリマーの重量)として定められる低pHポリマー対高pHポリマーの重量比は、低pHポリマーの相対重量対高pHポリマーの相対重量を意味する。例えば、15wt%の低pHポリマー及び60wt%の高pHポリマーを含むコーティングは、1:4の重量比(低pHポリマーの重量:高pHポリマーの重量)を有する。
一つの局面において、剤形は、カプセルを含み、このカプセルは、充填組成物及びカプセルを覆うコーティングを含む。コーティングは、低pHポリマー及び高pHポリマーを含み、低pHポリマーは、リン酸緩衝溶液中にpH4.5以上かつpH7未満のpHにて溶解し、そして高pHポリマーは、リン酸緩衝溶液中に、6.8以上のpHにて溶解する。低pHポリマー対高pHポリマーの重量比(乾燥)は、1:20〜20:1(低pHポリマーの重量:高pHポリマーの重量)である。好ましくは、この比は、1:15〜15:1、より好ましくは1:10〜10:1、若しくは1:6〜6:1、若しくは1:5〜5:1、最も好ましくは1:4〜4:1(低pHポリマーの重量:高pHポリマーの重量)である。別の実施形態において、コーティング中の低pHポリマー対高pHポリマーの乾燥ベースの重量比は、1:3〜3:1であってもよく、そして1:2〜2:1(低pHポリマーの重量:高pHポリマーの重量)であってもよい。
低pHポリマーは、リン酸緩衝溶液中に、4.5以上かつ7未満のpHにて溶解するポリマーである。適切なリン酸緩衝溶液は、6.8gのオルトリン酸二水素カリウム及び0.9gの水酸化ナトリウムを1リットルの水中に溶かし、1M塩酸を用いてpHを6.8±0.02に調整することによって調製され得る。ポリマーの溶解は、50rpmのパドル速度のUSP装置2を用いて37℃で適切なpHにてリン酸緩衝液を用いて、評価される。低pHポリマーのみが、剤形が胃を出て小腸に入ったときに溶解又は崩壊を始める。より好ましくは、低pHポリマーは、5以上のpHにて、そしてなおより好ましくは、5.5より高いpHにて溶解する。低pHポリマーは、リン酸緩衝溶液中に、pH7より低い、より好ましくはpH6.8より低いpHにて完全に溶解する。「Xよりも高いpHにて溶解する」は、pHXよりも低い場合にポリマーは溶解せず固形であり、Xよりも高いpHにて溶解又は崩壊することを意味する。「Xよりも高くYより低いpHにて溶解する」は、pHXよりも低い場合にポリマーは溶解せず固形であり、Xよりも高いpHにて溶解又は崩壊し、そしてY又はY未満のpHにて完全に溶解又は崩壊することを意味する。
低pHポリマーとしての使用に好適なポリマーとしては、以下が挙げられる:ポリメタクリレート、例えばメチルメタクリレートとメタクリル酸とのコポリマー、エチルアクリレートとメタクリル酸とのコポリマー;カルボン酸基を有するセルロース誘導体、例えばカルボキシメチルエチルセルロース(CMEC)、セルロースアセテートトリメリチエート(cellulose acetate trimellitiate)(CAT)、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート(HPMCP)、及びヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート(HPMCAS);ポリビニル誘導体、例えば、ポリビニルアセテートフタレート(PVAP)、セルロースアセテートフタレート(CAP);及びシェラック。ポリマーが溶解するpHは、ポリマー上の酸性基及び他の置換基の相対量を変えることによって、調製されてもよい。市販の低pHポリマーは、表1に示される。
Figure 2021528483
Figure 2021528483
低pHポリマーのための特に好ましい材料は、メタクリル酸とエチルアクリレートとのコポリマーであり、Eudragit(登録商標) L30 D−55(Evonik−Nutrition&Care GmbH、Essen、Germany)の商品名の下で売られている。
高pHポリマーは、リン酸緩衝溶液中で6.8よりも高いpHにて溶解するポリマーである。ポリマーの溶解は、50rpmのパドル速度のUSP装置2を用いて、37℃にてリン酸緩衝溶液をpH6.8で用いて、評価される。高pHポリマーは、したがて、溶解する場合は、剤形が遠位腸領域に到達したときにのみ溶解する。より好ましくは、高pHポリマーは、7.0以上のpHにて溶解し、又は、7.2より高いpHにて溶解してもよい。
高pHポリマーとしての使用に好適なポリマーとしては、以下が挙げられる:ポリメタクリレート、例えばメチルメタクリレートとメタクリル酸とのコポリマー、エチルアクリレートとメタクリル酸とのコポリマー、及びポリ(メタクリル酸、メチルアクリレート、メチルメタクリレート);カルボン酸基を有するセルロース誘導体、例えば、カルボキシメチルエチルセルロース(CMEC)、セルロースアセテートトリメリチエート(CAT)、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート(HPMCP)、及びヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート(HPMCAS);ポリビニル誘導体、例えば、ポリビニルアセテートフタレート(PVAP)、セルロースアセテートフタレート(CAP);及びシェラック。ポリマーが溶解するpHは、ポリマー上の酸性基及び他の置換基の相対量を変えることによって、調製されてもよい。高pHポリマーに好適な市販のポリマーは、表2に示される。
Figure 2021528483
高pHポリマーのための特に好ましい材料は、ポリメタクリレート、例えばポリ(メタクリル酸、メチルアクリレート、メチルメタクリレート)であり、Eudragit(登録商標) FS 30 D(Evonik−Nutrition&Care GmbH、Essen、Germany)の商品名の下で販売されている。
コーティング中の低pHポリマー対高pHポリマーの比は、所望の放出プロファイルを得るために選択される。実施において、低pHポリマーは、胃において固形であり、そして小腸及び/又は下部胃腸管において溶解して、コーティングに孔もしくは開口を作って、GI液の侵入を可能にし、これは、カプセルを溶かして活性成分を放出させる。高pHポリマーは、胃及び小腸において溶解又は崩壊に抵抗し、(溶けるとしても)下部GI管においてより緩やかに溶解して、コーティングに構造的強度を与えている。このことは、充填組成物が徐放性充填組成物であった場合、充填組成物を含むことの利点を有する。したがって、高pHポリマーは、例えば胃又は小腸において、活性成分の放出が急速に起こりすぎることから護る。一般に、コーティング中の低pHポリマー対高pHポリマーの重量比は、乾燥ベースで、1:20〜20:1(低pHポリマーの重量:高pHポリマーの重量)であり、より好ましくは1:10〜10:1、より好ましくは1:5〜5:1、及びより好ましくは1:4〜4:1である。別の実施形態において、コーティング中の低pHポリマー対高pHポリマーの重量比は、乾燥ベースで、1:3〜3:1(低pHポリマーの重量:高pHポリマーの重量)であってもよく、及び、1:2〜2:1であってもよい。
1つの実施形態において、この剤形は、少なくとも30分間のラグタイムを有する放出プロファイルを提供し、この間、リン酸緩衝溶液中に放出される活性成分の量は、20wt%未満、より好ましくは10wt%である。放出プロファイルを決定するための溶解試験は、以下の条件下で決定される。溶解試験は、37℃にて2つの緩衝液段階プロセスにおいて実施される(最初に2時間の0.1M HCl、カプセル破裂について目視確認を用いた後に、カプセルをpH6.8リン酸緩衝液段階に移し、完了まで置いた)。USP装置2を、パドル速度50rpm、媒体容積900ml及びサンプル容積1mlで使用した。ラグタイムは、低及び高pHポリマーと充填処方物(fill formulation)の組成物との比を変えることによって達成され得る。
低pHポリマー及び高pHポリマーに加えて、コーティングは、他の構成要素を含んでもよい。
一つの局面において、コーティングは、可塑剤を含む。好適な可塑剤としては、クエン酸トリエチル、クエン酸トリブチル、セバシン酸ジブチル、トリアセチン、分留ココナツ油、植物油、アセチル化モノグリセリド、モノ/ジ−グリセリド、ジエチルフタレート、ジブチルフタレートなどが挙げられる。好ましい可塑剤は、クエン酸トリエチルである。可塑剤は、コーティング中に、乾燥ベースで10〜30wt%存在し得る。
一つの局面において、コーティングは、滑剤又は付着防止(固結防止)剤を含む。好適な滑剤としては、コロイド状二酸化ケイ素、タルク、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸及びラウリル硫酸ナトリウムが挙げられる。好ましい滑剤は、タルクである。滑剤は、コーティング中に、乾燥ベースで0〜40wt%存在し得る。
染料、着色料又はpH調製剤などの他の構成要素もまた、コーティング組成物中に存在し得る。
一つの局面において、コーティングは、(乾燥コーティングを基準にしたwt%で)15wt%〜50wt%の量の低pHポリマー、15wt%〜50wt%の量の高pHポリマー、5wt%〜15wt%の量の可塑剤及び20wt%〜40wt%の量の滑剤を含む。一つの局面において、コーティングは、(乾燥コーティングを基準にしたwt%で)15wt%〜50wt%の量のポリメタクリレートポリマーを低pHポリマーとして、15wt%〜50wt%の量のポリメタクリレートポリマーを高pHポリマーとして、5wt%〜15wt%の量のクエン酸トリエチルを可塑剤として、及び20wt%〜40wt%の量のタルクを滑剤として含む。
剤形における使用に好適なカプセルは、ヒト及び他の動物のGI管において遭遇するpHの範囲にわたって溶解するか又は崩壊する、経口投与に適した任意のカプセルである。例示的なカプセルとしては、ゼラチンカプセル、ヒドロキシプロピルメチルセルロースカプセル、プルランカプセル、及びデンプンカプセルが挙げられる。
充填組成物は、活性成分及び1つ以上の賦形剤を含む。充填組成物における使用に好適な賦形剤は、液体充填硬質カプセルを処方するための全ての賦形剤を含み、これらとしては、ポリエチレングリコール(PEG)のファミリー及びPEG誘導体、モノグリセリド、ジグリセリド及びトリグリセリド、ソルビタンモノオレエート及びソルビタンオレエート(例えば、SPAN(登録商標))などのソルビタン脂肪酸エステル、ポリソルベートならびにプロピレングリコール及びソルビトールの脂肪酸エステルが挙げられる。活性成分は、所望の用量に好適な量で存在する。
一つの局面において、充填組成物は、徐放性充填組成物を含む。徐放性充填組成物は、剤形への水の侵入に反応して、時間かけて溶解、崩壊又は浸食されて、時間をかけて緩やかに活性成分を放出する。徐放性充填組成物における使用に好適な賦形剤としては:水の存在下で膨潤するか又はゲル化するポリマー、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ペクチン、アルギネート、事前ゼラチン化デンプン及び他の改変デンプン、及びシリコンゲル;脂肪、ワックス又は他の水不溶性脂質、例えば飽和長鎖/中鎖脂肪酸のトリグリセリド;及び薬物放出速度をかさまし及び改変する他の好適な材料、例えば崩壊剤が挙げられる。
1つの実施形態において、徐放性充填組成物は、膨潤ポリマー又はゲル化ポリマー、例えばヒドロキシプロピルメチルセルロース(例えば、Methocel(登録商標)K100)を含み、これは、水溶性マトリックス又は分散性の非水性マトリックス、例えばポリオキシルステアレート(例えば、Gelucire(登録商標)48/16)、又はポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノオレエート(例えば、ポリソルベート80)中に懸濁している。この徐放性充填組成物は、低pHポリマーの可溶化に起因するコーティングにおける微小孔の形成の際に、カプセルが溶解して水が充填処方物に侵入し、膨潤ポリマー及びゲル化ポリマーを水和して、次にこれが薬物放出を調節するように、設計されている。放出速度は、活性成分の物理化学性質(例えば、可溶性、%薬物積載)、ゲル化/膨潤ポリマーの種類、懸濁しているマトリックス及びコーティング中の低/高pHポリマーの比によって制御される。
別の実施形態において、徐放性充填組成物は、水に不溶性でありかつ40℃を超える融点を有するワックス状マトリックス材料によって特徴づけられるワックス状マトリックス、及び同時に、一定量の非常に水溶性の高い材料を含む。例示的なワックス状材料としては、硬質脂質(例えばGelucire(登録商標)43/01)及び長鎖グリセリド、例えばベヘン酸グリセリル及びジステアリン酸グリセリル(glyercyl distearate)(例えば、Precirol(登録商標)ATO5)が挙げられる。例示的な非常に水溶性の高い材料としては、ポロキサマ−及び水溶性メチルセルロース及びヒドロキシプロピルメチルセルロースポリマー(例えば、Methocel(登録商標))が挙げられる。ワックス状材料対非常に水溶性の高い材料の重量比は、1:2〜20:1の範囲に及んでもよく、又は1:1〜10:1の範囲に及んでもよい(wtワックス状材料:wt非常に可溶性である材料)。ワックス状マトリックス及び非常に水溶性の高い材料を含む徐放性処方物は、低pHポリマーの可溶化に起因するコーティングにおける微小孔の形成の際に、カプセルが溶解して水が充填処方物に侵入し、チャネル様構造を形成している非常に水溶性の高い材料を溶かし去って、その中の活性成分を放出するように、設計されている。放出速度は、APIの物理化学性質(例えば、可溶性、%薬物積載)、融解性の高い不溶性ワックス状材料の種類及び量、非常に可溶性である材料の量及び可溶性、ならびにコーティング中の低/高pHポリマーの比によって制御される。
剤形は、以下のように調製され得る。まず、カプセルは、活性成分を含む充填組成物によって充填される。これは、任意の好適なプロセスを用いて実施され得る。
一つの局面において、カプセルは、コーティングの適用前に、密封されているか又はバンディングされている。カプセルの密封又はバンディングは、カプセルの本体とキャップとの間のギャップを滑らかにして、コーティングの破壊的な機械的損傷を招き得るカプセル本体における急激な段差の変化が存在しないようにする。密封又はバンディングは、任意の従来様式で、例えば、Capsugel LEMS密封設備又はQualisealもしくはIMAバンディング設備を用いることによって、実施され得る。
任意選択的に、水溶性コーティングのサブコーティングが、バンドに加えて又はバンドの代わりにカプセルに適用されてもよい。例示的なサブコーティング材料としては、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、及びデンプンが挙げられる。低pHポリマー及び高pHポリマーを含むコーティング組成物は、サブコーティングに加えられる。
コーティング溶液又は懸濁液は、以下のように調製され得る。低pHポリマー及び高pHポリマーは、好適な溶媒又は液体と混合されて、溶液又は懸濁液を形成する。好適な溶媒としては、水、アセトン、エタノール、及び水/溶媒混合物が挙げられる。
一つの局面において、コーティング懸濁液は、ポリメタクリレート(例えば、Eudragit(登録商標)L30 D−55(およそ30%乾燥固形))を低pHポリマーとして10wt%〜35wt%の量で、ポリメタクリレート(例えば、Eudragit(登録商標)FS 30D(およそ30%乾燥固形))を高pHポリマーとして10wt%〜35wt%の量で、可塑剤(例えば、クエン酸トリエチル)を1wt%〜3wt%の量で、及び滑剤(例えば、タルク)を2wt%〜10wt%の量で、ならびに水を30wt%〜70wt%の量で、含む。
コーティングは、任意の従来的プロセスを用いて、例えば、流動層コーティング及び
パンコーティング.によって適用され得る。2〜12mg/cmの間、好ましくは4〜9mg/cm(ポリマーベースで)のコーティングが、カプセルに適用され得る。
本明細書中で記載される実施形態は、本明細書に限定されないことが、理解されるべきである。本開示の他の実施形態は、本明細書の理解及び本開示の実施形態の実践から、当業者に明らかになる。以下の実施例は、例示でしかないと理解されるべきであり、本開示の真の範囲及び精神は、以下の特許請求の範囲によって示される。
<充填組成物>
カフェインをモデル活性成分として用いて、ステンレス鋼容器中で5種の充填処方物を調製した(表3)。脂質ベースの賦形剤及びHPMCの必要量を、好適な容器に分配した。次いで、カフェインの必要量を混合物に加え、スパチュラで混合して、湿性粉末にした。処方物1〜3は、水溶性又は分散性の非水性分散液中に懸濁したゲル化/膨潤ポリマーを含むマトリックス処方物を表す。処方物4〜5は、水不溶性高融解性ワックス状マトリックス中に懸濁した水溶性ポリマーを含むマトリックス処方物を表す。次いで、充填処方物を、処方物中に含まれる任意の固体又は半固体の脂質賦形剤の融点よりも少なくとも10℃高い温度にて、5分を超えない時間で、外観上均一な懸濁液が得られるまで高剪断混合した。
Figure 2021528483
調製に続いて、充填処方物を、サイズ1ゼラチンConi−Snap(登録商標)カプセルに、400mgの標的充填重量まで、上限420mg及び下限380mg(±7.5%標的重量)にて手動で充填した。
次いで、充填したカプセルを、Quali−Sealベンチシールバンディングマシンを用いて、25%ゼラチンバンディング溶液でバンディングした。次いで、バンディングされたカプセルを、室温にて最低6時間にわたって空気乾燥させた。この後、このカプセルを、真空試験(−20mmHg未満)に供し、次いで、漏れ又は損傷の何らかの兆候について目視確認した。最後に、コーティングのために必要になるまで2〜8℃にて二重ポリテン袋内にカプセルを保管した。
<コーティング溶液>
Eudragit(登録商標)L30 D−55及びEudragit(登録商標)FS 30Dベースの3種のコーティング溶液を、以下の低pHポリマー(Eudragit(登録商標)L30 D−55−「Lポリマー」)対高pHポリマー(Eudragit(登録商標)FS 30D−「Sポリマー」)の比で調製した:50:50のL:Sポリマー比、25:75のL:Sポリマー比及び75:25L:Sポリマー比(表4)。必要量のEudragit L30及びEudragit FS30を、好適な容器に分配し、最低10分間にわたり、磁気撹拌プレートを用いて撹拌した。混合後、必要量の滅菌水を、別個の容器に分配した。これに、必要量のタルクを分配し、そしてスパチュラで混合して、タルクを湿潤させた。次いで、必要量のクエン酸トリエチルを、水及びタルクを含む容器に分配し、混合物を、外観上均一な懸濁液が形成されるまで最低10分間にわたって高剪断混合した。水/タルク/クエン酸トリエチル混合物を、Eudragit L 30及びFS 30混合物に緩やかに添加し、懸濁液を最低10分間撹拌して、その後、500μm以下のステンレス鋼篩を通してろ過した。ろ過した混合物を、コーティングのために必要になるまで撹拌した。
Figure 2021528483
<実施例1〜9>
実施例1〜9を、充填したカプセルを、およそ1分間あたり1カプセルあたり1mgのコーティング適用速度で、流動層コーティングマシン(Strea−1)を用いてコーティング溶液でコーティングすることによって調製した。カプセルを、コーティングプロセスの間中定期的に重量確認し、必要な場合にコーティング適用速度の調整を行った。標的とするカプセルあたり50mg±5mgでカプセルがコーティングされるまで、コーティングを続けた。次いでカプセルを、最低8時間にわたって室温で硬化させ、その後、目視選別して、何らかの損傷カプセルがあれば除いた。
表6は、得られたコーティングされたカプセルを示す。
Figure 2021528483
<結果>
<実施例1〜5>
溶解試験を実施し、剤形からの活性物の放出を決定した。溶解試験を、37℃にて2種の緩衝液段階プロセス(最初に2時間の0.1M HCl、カプセル破裂についての目視確認を行った後、カプセルをpH6.8リン酸緩衝液段階に移し、完了まで置いた)において実施した。USP装置2を、パドル速度50rpm、媒体容積900ml及びサンプル容積1mlで用いた。pH6.8緩衝液段階の間に、5分、10分、15分、30分、60分、90分、120分、次いで3時間、4時間、8時間、12時間、18時間の時点でサンプルを採取した。各カプセルバッチについて時点ごとに少なくとも3つのカプセルを試験した(n=3)。
BDS Hypersil,0.45μmカラム上で、1ml/分の流速にて30℃で、5分間の実行時間で、275nmの検出波長にて、サンプルを分析した。流動相は、55:25:20酢酸ナトリウム溶液(0.82mg/ml)、アセトニトリル、テトラヒドロフランであった。
実施例1〜5(コーティング懸濁液B(50:50 L:Sポリマー比)でコーティングしたカプセル)は、0.1M HClへの2時間曝露の間、カプセル破裂の外観上の兆候を示さなかった。次いで、カプセルをpH6.8のリン酸緩衝液に移した。カプセルは、カフェイン放出の開始において遅延を示し、放出はおよそ1時間後に開始した(図1及び図1a)。次いで、カフェインは、実施例1、2及び3の処方物について、およそ8時間にわたって安定的に放出された。放出プロファイルは、溶解媒体の流入及び流出を減少させるL30ポリマーによって作られた孔の大きさ、ならびにカプセルコアから放出される処方物の量を制限するHPMCゲルマトリックスの、複合的な効果に起因していた。実施例4及び5について、放出速度は、脂質ベースの賦形剤及びHPMC等級における変化に起因して、ずっと緩やかであった。
<実施例6〜9>
50:50コーティングについて得られた結果に基づき、充填処方物1、2、4及び5を、さらなる調査のために選択した。放出プロファイルを緩やかにすることを企図して、実施例6及び7を、処方物1及び2を用いて25:75 L:S Eudragitポリマー比(懸濁液C)でコーティングすることによって調製した。
実施例8及び9を、活性成分の放出速度を上げることを企図して、処方物4及び5を75:25 L:S Eudragitポリマー比(懸濁液A)でコーティングすることによって調製した。
実施例6〜9を、0.1M HCl(pH1)から成る胃媒体中に置き、2時間の曝露後に、カプセル破裂の外観上の兆候は観察されなかった。次いで、カプセルを、上述のように、pH6.8のリン酸緩衝液に移した。
実施例6及び7について、コーティング材料中のSポリマーの相対量の増大は、放出速度を下げ(図2及び3)、処方物1について、より大きな影響を与えたことが示された(8時間後に、50:50についての94%の放出から25:75についての78%の放出)。
実施例8及び9について、コーティング材料中のLポリマーの相対量の増大は、放出プロファイルに対して小さな影響しか示さなかった(図2及び3)。処方物4について、18時間後に32%の放出が、75:25コーティングについて示され(実施例8)、及び30%の放出が、50:50コーティング(実施例4)から示された。処方物5について、9%の放出が、両コーティング(実施例5及び9)について示された。得られた結果に基づき、コーティング組成物及び充填処方物組成物の両方が、放出速度に影響を与えた。
図1〜3によって、特にFIG 1aによって示されるように、これらの剤形は、放出の開始前のラグタイムによって特徴づけられるこれは、インビボで投与された際に、この剤形が遠位腸に達したときに小腸における活性成分の放出を限定し、そして活性成分放出は、下部胃腸管において開始し、そして続けられるという、利点を提供する。

Claims (19)

  1. 下記a及びbを含む剤形であって、
    a. 充填組成物を含むカプセル、
    b. 前記カプセルを覆うコーティングであって、前記コーティングは、低pHポリマーと高pHポリマーとを含み、低pHポリマーは、4.5より高いpH及びpH7より低いpHにおいてリン酸緩衝溶液中に溶解し、そして高pHポリマーは、6.8より高いpHにおいてリン酸緩衝溶液中に溶解し、ここで、低pHポリマー対高pHポリマーの重量比は、1:20〜20:1(低pHポリマーの重量:高pHポリマーの重量)であり、
    但し、前記剤形は、配列5’−GGAACAGTTCGTCCATGGC−3’(配列番号1)を含むオリゴヌクレオチドを含まないことを条件とし、ここで、前記オリゴヌクレオチドは、1以上の骨格修飾を含んでいてもよく、ここで、ヌクレオチド塩基対は、メチル化されているか又はメチル化されていない、前記剤形。
  2. 前記剤形は、pH6.8及び37℃にてリン酸緩衝溶液に適用した後、最初の30分間以内に、活性成分の20wt%未満、より好ましくは10wt%未満の放出のラグタイムを提供する、請求項1に記載の剤形。
  3. 前記低pHポリマーは、pH5より高いpHにて溶解するか、又はpH5.5より高いpHにて溶解してもよく、そしてpH7より低い、好ましくはpH6.8より低いpHにて溶解する、請求項1又は2に記載の剤形。
  4. 前記低pHポリマーは、ポリメタクリレート、ポリビニルアセテートフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート(HPMCAS)、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート(HPMCP)及びカルボキシメチルエチルセルロースから選択される、請求項1〜3のいずれか1項に記載の剤形。
  5. 前記低pHポリマーは、メチルメタクリレートとメタクリル酸とのコポリマー及びエチルアクリレートとメタクリル酸とのコポリマーから選択される、請求項1〜4のいずれか1項に記載の剤形。
  6. 前記高pHポリマーは、7より高いpHにて溶解するか、又は、7.2より高いpHにて溶解してもよい、請求項1に記載の剤形。
  7. 前記高pHポリマーは、ポリメタクリレート、HPMCAS及びシェラックから選択される、請求項1〜6のいずれか1項に記載の剤形。
  8. 前記高pHポリマーは、メチルメタクリレートとメタクリル酸とのコポリマー、エチルアクリレートとメタクリル酸とのコポリマー及びポリ(メタクリル酸、メチルアクリレート、メチルメタクリレート)から選択される、請求項1〜7のいずれか1項に記載の剤形。
  9. 前記低pHポリマー対前記高pHポリマーの重量比は、1:10〜10:1、1:5〜5:1、好ましくは1:4〜4:1である、請求項1〜8のいずれか1項に記載の剤形。
  10. 前記コーティングは、可塑剤をさらに含む、請求項1〜9のいずれか1項に記載の剤形。
  11. 前記コーティングは、滑剤をさらに含む、請求項1〜10のいずれか1項に記載の剤形。
  12. 前記コーティングは、(乾燥コーティングを基準にしたwt%で)15wt%〜50wt%の量の低pHポリマー、15wt%〜50wt%の量の高pHポリマー、5wt%〜15wt%の量の可塑剤及び20wt%〜40wt%の量の滑剤を含む、請求項1〜11のいずれか1項に記載の剤形。
  13. 前記カプセルは、バンディングされているか又は密封されている、請求項1〜12のいずれか1項に記載の剤形。
  14. 前記剤形は、サブコーティングをさらに含む、請求項1〜13のいずれか1項に記載の剤形。
  15. 前記カプセルは、ゼラチン、HPMC、プルラン又はデンプンを含む、請求項1〜14のいずれか1項に記載の剤形。
  16. 前記充填組成物は、徐放性組成物である、請求項1〜15のいずれか1項に記載の剤形。
  17. 前記充填組成物は、水溶性又は水分散性の非水性マトリックス中に懸濁したゲル化剤もしくは膨潤剤を含む、請求項1〜16のいずれか1項に記載の剤形。
  18. 前記充填組成物は、水不溶性ワックス状マトリックス中に懸濁した非常に水溶性の高い薬剤を含む、請求項1〜16のいずれか1項に記載の剤形。
  19. 請求項1に記載の剤形を投与することを含む、患者の下部胃腸管への活性成分の送達方法。
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