JP2021528370A - 重水素化デファクチニブ化合物及びその使用 - Google Patents

重水素化デファクチニブ化合物及びその使用 Download PDF

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Abstract

本発明は、式(I)に示す化合物、又はその光学異性体、薬学的に許容可能な塩、水和物もしくは溶媒和物を開示し、そのうち、R〜R18は、それぞれ独立して、水素、重水素から選択され、且つ全てが水素ではない。本発明が提供する化合物及びその塩類、水和物又は溶媒和物は、FAK阻害剤として抗癌薬の製造に用いることができる。また、本発明の化合物は、重水素化されていない対照化合物デファクチニブと比較して、代謝安定性及び薬物動態特性が著しく向上しており、使用において有望である。
Figure 2021528370

(I)
【選択図】なし

Description

本発明は、重水素化デファクチニブ化合物及びその使用に関するものである。
デファクチニブ(Defactinib、VS−6063)は、Verastem社によって開発され、経口投与により効果を発揮する選択的FAK阻害剤であって、構造式は
Figure 2021528370
であり、現在臨床試験が進められている。
重水素化薬物とは、薬物分子中の一部の水素原子が重水素に置換されたものを指す。重水素は、薬物分子中の形状及び体積が水素に近いことから、重水素化薬物においては、通常、元の薬物の体外生物活性及び選択性が留保されている。また、C−D結合はC−H結合よりも安定しているため、重水素化薬物の代謝反応の過程でC−D結合が破断しにくく、半減期が延びる可能性がある。
しかし、生物システムの代謝過程は複雑であるため、薬物の生物体内での薬物動態特性は、様々な要因による影響を受け、複雑になる。重水素化薬物の薬物動態特性は、対応する非重水素化薬物と比較して、非常に偶然に且つ予測不能に変化する。また、ある部位は重水素化されても半減期を延ばすことができず、逆に半減期を短くする可能性があり(Scott L.Harbeson,Roger D.Tung.Deuterium in Drug Discovery and Development,P405−406。)、その薬物動態特性が劣化してしまう。一方、薬物分子の特定位置の水素を重水素で置換することもまた非常に困難である。そのため、薬物の重水素化に適した部位はわかりにくく、重水素化の効果も予測できない。
従って、デファクチニブ化合物に対して重水素化を行い、より良好な薬物動態特性を備えた、投与量及び代謝産物の毒性や副作用が低減された重水素化薬物を得ることは、より効果的で安全な新薬を得るために重要である。
本発明の目的は、より良好な代謝安定性及び薬物動態特性を備えた、癌治療のための効果的且つ安全な新薬を提供することである。
本発明は、先ず、式(I)に示す化合物、又はその光学異性体、薬学的に許容可能な塩、水和物もしくは溶媒和物を提供し、
Figure 2021528370
(I)
〜R18は、それぞれ独立して、水素、重水素から選択され、且つ全てが水素ではない。
さらに、前記化合物は式(II)に示す構造を有する。
Figure 2021528370
(II)
さらに、前記化合物は式(III)に示す構造を有する。
Figure 2021528370
(III)
さらに、前記化合物は式(IV)に示す構造を有する。
Figure 2021528370
(IV)
さらに、前記化合物は式(V)に示す構造を有する。
Figure 2021528370
(V)
さらに、前記化合物は以下の化合物の1つである。
Figure 2021528370
Figure 2021528370
さらに、前記薬学的に許容可能な塩は、前記化合物のリン酸塩、右旋性カンファースルホン酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、フッ化水素酸塩、硫酸塩、硝酸塩、ギ酸塩、酢酸塩、プロピオン酸塩、シュウ酸塩、マロン酸塩、コハク酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、乳酸塩、リンゴ酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、ピクリン酸塩、メタンスルホン酸塩、トルエンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、アスパラギン酸塩又はグルタミン酸塩であり、好ましくは塩酸塩である。
本発明は、前記化合物、又はその光学異性体、薬学的に許容可能な塩、水和物もしくは溶媒和物の、癌治療の薬物の製造における使用をさらに提供する。
さらに、前記癌は膵臓癌、固形腫瘍、非小細胞肺癌、中皮腫、卵巣癌から選択される。
本発明は、前記化合物、又はその光学異性体、薬学的に許容可能な塩、水和物もしくは溶媒和物の、FAK阻害剤の製造における使用をさらに提供する。
本発明は癌治療の薬物をさらに提供し、前記薬物は前記化合物、又はその光学異性体、薬学的に許容可能な塩、水和物もしくは溶媒和物を活性成分とし、薬学的に許容可能な補助材料を加えて製造される製剤である。
実験により、本発明が提供する化合物及びその塩類、水和物又は溶媒和物は、FAK阻害剤として抗癌薬の製造に用いることができると証明された。また、本発明の化合物は、重水素化されていない対照化合物デファクチニブと比較して、代謝安定性及び薬物動態特性が著しく向上しており、使用において有望である。
本明細書において、「重水素化」とは、化合物又は基における1つ又は複数の水素が重水素によって置換されることを指す。重水素化は、一置換、二置換、多置換又は全置換であってよい。他の好ましい例においては、重水素置換位置における重水素の重水素同位体含有量は、天然の重水素同位体含有量(0.015%)よりも多く、より好ましくは50%以上、より好ましくは75%以上、より好ましくは95%以上、より好ましくは97%以上、より好ましくは99%以上、より好ましくは99.5%以上である。
本明細書において、用語「本発明の化合物」とは、式(I)に示す化合物を指す。当該用語は、さらに、式(I)の化合物の各種光学異性体、薬学的に許容可能な塩、水和物又は溶媒和物を含む。
本明細書において、用語「薬学的に許容可能な塩」とは、本発明の化合物と酸又は塩基とで形成された、薬物としての使用に適した塩を指す。薬学的に許容可能な塩には、無機塩と有機塩が含まれる。一つの好ましい塩の種類としては、本発明の化合物と酸とで形成された塩がある。塩の形成に適した酸には、リン酸、右旋性カンファースルホン酸、塩酸、臭化水素酸、フッ化水素酸、硫酸、硝酸、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、マレイン酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、ピクリン酸、メタンスルホン酸、トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、アスパラギン酸又はグルタミン酸が含まれるが、これらに限定されない。
さらに、薬学的に許容可能な塩を形成する酸は塩酸である。
本明細書における薬学的に許容可能な補助材料とは、一定の生理活性を有するものの、当該成分の添加によって上記薬物組成物の疾病の治療過程における主導性が変わることはなく、補助的な効果のみが発揮されるものである。これらの補助的な効果は、当該成分の既知の活性を利用するに過ぎず、医薬分野において慣用されている補助的な治療法である。なお、上記補助成分を本発明の薬物組成物と組み合わせて使用する場合も、本発明の保護範囲に属する。
当然ながら、本発明の上記内容に基づき、当分野の一般的な技術的知識や慣用的手段に照らし、本発明の上記基本的な技術的思想を逸脱しないという前提において、他の様々な形態の修正、置換又は変更を行うことができる。
以下、実施例という形の具体的な実施形態によって、本発明の上記内容をさらに詳細に説明する。但し、これをもって、本発明の上記主題の範囲が以下の実施例に限定されると理解してはならない。本発明の上記内容に基づいて実現される技術は、いずれも本発明の範囲に属する。
本発明に使用される原料及び機器はすべて従来の製品であり、市販の製品を購入したものである。
以下の合成方法1又は2に記載のルートで、本発明の化合物を製造した。
合成方法1:
Figure 2021528370
合成方法2:
Figure 2021528370
実施例1.N−(トリデューテロメチル)−4−((4−(((3−(N−メチルメチルスルホニル)ピラジン−2−イル)メチル)アミノ)−5−(トリフルオロメチル)ピリミジン−2−イル)アミノ)ベンズアミド(化合物1)の合成
Figure 2021528370
(1)化合物tert−ブチル(4−((tert−ブトキシカルボニル)(4−((tert−ブトキシカルボニル)((3−(N−メチルメタンスルホンアミド)ピラジン−2−イル)メチル)アミノ)−5−(トリフルオロメチル)ピリミジン−2−イル)アミノ)ベンゾイル)(メチル)カルバメートの合成
Figure 2021528370
N−メチル−4−((4−(((3−(N−メチルメタンスルホニル)ピラジン−2−イル)メチル)アミノ)−5−(トリフルオロメチル)ピリミジン−2−イル)アミノ)ベンズアミド(200.0mg,0.39mmol、即ち化合物1−1、成都恒匯化成医薬科技有限会社から購入)とDMAP(1.3g,10.57mmol)を10mLのジクロロメタンに加え、(Boc)O(1.7g,7.83mmol)を滴下した。系を45℃の油浴で24h還流させ反応させた。翌日、室温まで冷却し、ジクロロメタンとHCl(0.1M)溶液を加え、抽出し、その後静置して層分離させ、有機相を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧濾過後、回転蒸発により溶媒を除去し、カラムクロマトグラフィーで初期生成物を分離して、類白色の固体のtert−ブチル(4−((tert−ブトキシカルボニル)(4−((tert−ブトキシカルボニル)((3−(N−メチルメタンスルホンアミド)ピラジン−2−イル)メチル)アミノ)−5−(トリフルオロメチル)ピリミジン−2−イル)アミノ)ベンゾイル)(メチル)カルバメート136.0mgを得た。収率:42.8%。MS(ESI)m/e811.2(M+H)
(2)化合物tert−ブチル(4−((tert−ブトキシカルボニル)((3−(N−メチルメタンスルホンアミド)ピラジン−2−イル)メチル)アミノ)−5−(トリフルオロメチル)ピリミジン−2−イル)(4−(メチルカルバモイル)フェニル)カルバメートの合成
Figure 2021528370
tert−ブチル(4−((tert−ブトキシカルボニル)(4−((tert−ブトキシカルボニル)((3−(N−メチルメタンスルホンアミド)ピラジン−2−イル)メチル)アミノ)−5−(トリフルオロメチル)ピリミジン−2−イル)アミノ)ベンゾイル)(メチル)カルバメート(136.0mg,0.17mmol)と、重水素化メチルアミン塩酸塩(189.0mg,2.68mmol)を秤取し、5mLのアセトニトリルに加え、室温で撹拌した。そこにDBU(613.0mg,4.03mmol)をさらに加え、清澄化するまで徐々に溶解させた。その後、系を油浴に入れて、一晩還流させ反応させた。翌日、室温まで冷却し、回転蒸発により溶媒を除去した後、系にジクロロメタン及びHCl(0.1M)溶液を加え、激しく撹拌し、静置して層分離させ、精製水及び飽和食塩水それぞれで有機相を洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、回転蒸発により溶媒を除去し、Prep−TLCで分離精製して(PE/EA=2:1)、白色の固体のtert−ブチル(4−((tert−ブトキシカルボニル)((3−(N−メチルメタンスルホンアミド)ピラジン−2−イル)メチル)アミノ)−5−(トリフルオロメチル)ピリミジン−2−イル)(4−(メチルカルバモイル)フェニル)カルバメート42.0mgを得た。収率:35.3%。MS(ESI)m/e614.2(M+H)
(3)化合物N−(トリデューテロメチル)−4−((4−(((3−(N−メチルメチルスルホニル)ピラジン−2−イル)メチル)アミノ)−5−(トリフルオロメチル)ピリミジン−2−イル)アミノ)ベンズアミド(化合物1)の合成
Figure 2021528370
tert−ブチル(4−((tert−ブトキシカルボニル)((3−(N−メチルメタンスルホンアミド)ピラジン−2−イル)メチル)アミノ)−5−(トリフルオロメチル)ピリミジン−2−イル)(4−(メチルカルバモイル)フェニル)カルバメート(42.0mg,0.06mmol)を2mLのジクロロメタンに加え、室温で撹拌した(清澄化するまで溶解させることはできなかった)。その後、そこに0.1mLのトリフルオロ酢酸を加えたところ、系が徐々に透明になって清澄化し、そのまま一晩室温で撹拌し反応させた。翌日、回転蒸発により溶媒を除去し、酢酸エチル及び飽和NaHCO溶液を系に加え、激しく撹拌し、その後静置して層分離させ、測定したところ、水相のpH値は約7〜8であった。有機層を水及び飽和食塩水それぞれで各2回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、回転蒸発により溶媒を除去して、類白色の固体のN−(トリデューテロメチル)−4−((4−(((3−(N−メチルメチルスルホニル)ピラジン−2−イル)メチル)アミノ)−5−(トリフルオロメチル)ピリミジン−2−イル)アミノ)ベンズアミド24.0mgを得た。収率:80.0%。MS(ESI)m/e514.2(M+H)
HNMR(400MHz,DMSO−d)δ9.86(s,1H),8.69(d,J=2.4Hz,1H),8.58(d,J=2.8Hz,1H),8.32(s,1H),8.18(s,1H),7.67−7.59(dd,J=19.6,8.8Hz,4H),7.48−7.45(t,J=5.2Hz,1H),5.00(d,J=4.8Hz,2H),3.22(s,3H),3.20(s,3H)。
実施例2.N−メチル−4−((4−(((3−(N−デューテロメチルメタンスルホンアミド)ピラジン−2−イル)メチル)アミノ)−5−(トリフルオロメチル)ピリミジン−2−イル)アミノ)ベンズアミド(化合物2)の合成
Figure 2021528370
(1)化合物N−デューテロメチルメタンスルホンアミドの合成
Figure 2021528370
メタンスルホニルクロリド(3.0g,26.19mmol)を秤取し、100mLの一口丸底フラスコに入れ、そこにジクロロメタンを加え(30mL)、室温で撹拌して清澄化するまで溶解させた。その後、系を氷水浴に移し、降温・冷却しながら撹拌を続けた。15min後、系にゆっくりとトリエチルアミン(6.1g,60.24mmol)を添加し、添加終了後、系を保温しながら10min撹拌を続けた。次いで、系に、重水素化メチルアミン塩酸塩(2.0g,28.81mmol)を、回数を分けてゆっくりと加えた。完了後、氷浴を取り外し、系を室温に戻して一晩撹拌し反応させた。翌日、モニタリングにより反応の終了を確認し、回転蒸発により溶媒を除去し、系に酢酸エチル(30mL)を加え、10min撹拌し、減圧濾過を行い、濾過ケークに対し少量の酢酸エチルで溶出を行った。濾液を合わせ、減圧濃縮により粗生成物を得た。その後カラムクロマトグラフィーで分離して、無色透明の油状液体のN−デューテロメチルメタンスルホンアミド2.1gを得た。収率:71.4%。
(2)化合物N−(3−シアノピラジン−2−イル)−N−デューテロメチルメタンスルホンアミドの合成
Figure 2021528370
3−クロロピラジン−2−ニトリル(1.7g,12.48mmol)を秤取し、100mLの一口丸底フラスコに入れ、そこに40mLのアセトニトリルを加え、室温で撹拌して清澄化するまで溶解させた。その後、系に、炭酸セシウム(8.1g,24.96mmol)を、回数を分けてゆっくりと添加した。添加終了後、N−デューテロメチルメタンスルホンアミド(2.1g,18.72mmol)をアセトニトリル(10mL)に溶解させた溶液を系に滴下した。滴下終了後、系を80℃の油浴に移し、還流させ撹拌して反応させた。30min後、TLCモニタリングにより、原料が完全に消費されたことを確認した。油浴を取り外し、系をそのまま室温まで冷却し、減圧濾過を行い、濾過ケークに対しアセトニトリル(100mL)で複数回溶出を行った。濾液を合わせ、回転蒸発により溶媒を除去して粗生成物を得た。その後、カラムクロマトグラフィーで分離して、褐色の油状液体のN−(3−シアノピラジン−2−イル)−N−デューテロメチルメタンスルホンアミド1.1gを得た。収率:42.3%。MS(ESI)m/e233.1(M+HO)
HNMR(400MHz,CDCl)δ8.65−8.63(dd,J=6.0,2.4Hz,2H),3.26(s,3H)。
(3)化合物N−(3−(アミノメチル)ピラジン−2−イル)−N−デューテロメチルメタンスルホンアミドの合成
Figure 2021528370
N−(3−シアノピラジン−2−イル)−N−デューテロメチルメタンスルホンアミド(42mg,0.20mmol)を秤取し、25mLの一口丸底フラスコに入れ、4mLのメタノール及び1mLのアンモニア水を加え、室温で均一に撹拌した。その後、系にウェットのパラジウムカーボン(10.0mg)を加え、系に対して水素ガス置換を行い、10回繰り返した。完了後、系を室温で撹拌して反応させた。1h後、モニタリングにより反応の終了を確認した。系に減圧濾過を行い、濾過ケークに対しメタノール(25mL)を少量ずつ用いて複数回溶出を行い、濾液を合わせ、減圧濃縮により溶媒を除去し、メタノールを用いて、回転バンドにより系の残留水分を繰り返し除去し、淡黄褐色の油状液体のN−(3−(アミノメチル)ピラジン−2−イル)−N−デューテロメチルメタンスルホンアミドを得た。更なる精製はせずに、そのまま次の反応に使用した。MS(ESI)m/e220.1(M+H)
(4)化合物tert−ブチル(4−(メチルカルバモイル)フェニル)カルバメートの合成
Figure 2021528370
4−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)安息香酸(3.0g,12.65mmol)を秤取し、250mLの一口丸底フラスコに入れ、そこに50mLのDMFを加えて、室温で撹拌した。その後、系に、EDCI(4.8g,25.29mmol)、TEA(4.5g,44.28mmol)、メチルアミン塩酸塩(1.3g,18.98mmol)、DMAP(16.0mg,0.13mmol)を順に加えた。完了後、系を室温で一晩撹拌して反応させた。翌日、モニタリングにより、原料が完全に消費されたことを確認し、系に酢酸エチル(70mL)及び水(50mL)を加え、激しく撹拌し、静置して層分離させた後、水相を酢酸エチルで逆抽出し(20mL3)、有機層を合わせ、水(20mL3)及び飽和食塩水(30mL)それぞれで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、回転蒸発により溶媒を除去して粗生成物を得た。その後、カラムクロマトグラフィーで分離して、類白色の固体のtert−ブチル(4−(メチルカルバモイル)フェニル)カルバメート2.1gを得た。収率:66.5%。MS(ESI)m/e251.2(M+H)
(5)化合物4−アミノ−N−メチルベンズアミドトリフルオロ酢酸塩の合成
Figure 2021528370
tert−ブチル(4−(メチルカルバモイル)フェニル)カルバメート(500mg,2.00mmol)を秤取し、50mLの一口丸底フラスコに入れ、そこに10mLのジクロロメタンを加え、室温で撹拌した。その後、系にトリフルオロ酢酸(1mL)を加え、完了後、系を室温で一晩撹拌して反応させた。翌日、TLCにより、反応が終了したことが示された。濃縮により、溶媒及び過剰なトリフルオロ酢酸を除去し、系において完全に固体状になるまで、ジクロロメタンを用いて、回転バンドにより系の残留トリフルオロ酢酸を複数回除去し、類白色の固体の4−アミノ−N−メチルベンズアミドトリフルオロ酢酸塩(510mg)を得た。更なる精製はせずに、そのまま次の反応に使用した。
(6)化合物4−((4−クロロ−5−(トリフルオロメチル)ピリミジン−2−イル)アミノ)−N−メチルベンズアミドの合成
Figure 2021528370
2,4−ジクロロ−5−(トリフルオロメチル)ピリミジン(499mg,2.30mmol)を秤取し、50mLの一口丸底フラスコに入れ、系に1,2−ジクロロエタン(5mL)及びtert−ブタノール(5mL)を加え、室温で撹拌して清澄化するまで溶解させた。その後、系を氷水浴に移し、降温・冷却しながら撹拌を続けた。15分後、系に臭化亜鉛(1.4g,6.00mmol)を加えた。完了後、系を氷水浴中で保温しながら30min撹拌を続けた。そして、系に前ステップで合成した4−アミノ−N−メチルベンズアミドトリフルオロ酢酸塩及びトリエチルアミン(648mg,6.40mmol)を添加した。添加終了後、氷浴を取り外し、系を室温で一晩撹拌して反応させた。翌日、モニタリングにより反応の終了を確認し、回転蒸発により溶媒を除去した後、系に酢酸エチル(30mL)及び水(20mL)を加え、激しく撹拌し、静置して層分離させた後、水層を酢酸エチルで逆抽出し(10mL3)、有機相を合わせ、水(15mL3)、飽和食塩水(15mL)で順に洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧濃縮により粗生成物を得た。その後、カラムクロマトグラフィーで分離して、類白色の固体の4−((4−クロロ−5−(トリフルオロメチル)ピリミジン−2−イル)アミノ)−N−メチルベンズアミド280mgを得た。収率:42.3%。MS(ESI)m/e331.0(M+H)
(7)化合物N−メチル−4−((4−(((3−(N−デューテロメチルメタンスルホンアミド)ピラジン−2−イル)メチル)アミノ)−5−(トリフルオロメチル)ピリミジン−2−イル)アミノ)ベンズアミドの合成
Figure 2021528370
N−(3−(アミノメチル)ピラジン−2−イル)−N−デューテロメチルメタンスルホンアミド(65.8mg,0.30mmol)を入れた25mLの一口丸底フラスコに、5mLの1,2−ジクロロエタン及び5mLのtert−ブタノールを加え、室温で撹拌して清澄化するまで溶解させた。その後、系に4−((4−クロロ−5−(トリフルオロメチル)ピリミジン−2−イル)アミノ)−N−メチルベンズアミド(100.0mg,0.30mmol)及びジイソプロピルエチルアミン(116.3mg,0.90mmol)を順に添加し、添加終了後、系を80℃の油浴に移し、還流させ反応させた。8h後、TLCモニタリングにより、原料が完全に消費されたことを確認した。加熱を停止し、系が室温まで冷却された後、回転蒸発により溶媒を除去して粗生成物を得た。その後、Prep−TLCにより分離精製して、類白色の固体のN−メチル−4−((4−(((3−(N−デューテロメチルメタンスルホンアミド)ピラジン−2−イル)メチル)アミノ)−5−(トリフルオロメチル)ピリミジン−2−イル)アミノ)ベンズアミド12mgを得た。収率:7.8%。MS(ESI)m/e514.2(M+H)
HNMR(400MHz,DMSO−d)δ9.83(s,1H),8.69(s,1H),8.59(s,1H),8.32(s,1H),8.20(d,J=4.0Hz,1H),7.68−7.61(dd,J=14.4,8.4Hz,4H),7.41−7.39(t,J=4.4Hz,1H),5.01(d,J=3.6Hz,2H),3.20(s,3H),2.76(d,J=4.0Hz,3H)。
実施例3.N−(トリデューテロメチル)−4−((4−(((3−(N−デューテロメチルメタンスルホンアミド)ピラジン−2−イル)メチル)アミノ)−5−(トリフルオロメチル)ピリミジン−2−イル)アミノ)ベンズアミド(化合物3)の合成
Figure 2021528370
(1)化合物tert−ブチル(4−(デューテロメチルカルバモイル)フェニル)カルバメートの合成
Figure 2021528370
4−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)安息香酸(1.1g,4.64mmol)を秤取し、100mLの一口丸底フラスコに入れ、20mLのDMFを加え、室温で撹拌した。その後、系にEDCI(1.3g,6.96mmol)、TEA(1.2g,11.6mmol)、重水素化メチルアミン塩酸塩(327.2mg,4.64mmol)、DMAP(28mg,0.23mmol)を順に加えた。完了後、系を室温で一晩撹拌して反応させた。翌日、モニタリングにより、原料が完全に消費されたことを確認し、系に酢酸エチル(30mL)及び水(20mL)を加え、激しく撹拌し、静置して層分離させた後、水相を酢酸エチルで逆抽出し(15mL3)、有機層を合わせ、水(15mL3)及び飽和食塩水(20mL)それぞれで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、回転蒸発により溶媒を除去して粗生成物を得た。その後、カラムクロマトグラフィーで分離して、類白色の固体のtert−ブチル(4−(デューテロメチルカルバモイル)フェニル)カルバメート953mgを得た。収率:81.2%。MS(ESI)m/e254.2(M+H)
(2)化合物4−アミノ−N−デューテロメチルベンズアミドトリフルオロ酢酸塩の合成
Figure 2021528370
tert−ブチル(4−(デューテロメチルカルバモイル)フェニル)カルバメート(953.0mg,3.76mmol)を秤取し、50mLの一口丸底フラスコに入れ、そこに20mLのジクロロメタンを加え、室温で撹拌した。その後、系にトリフルオロ酢酸(5mL)を加え、完了後、系を室温で一晩撹拌して反応させた。翌日、TLCにより、反応が終了したことが示された。濃縮により溶媒及び過剰なトリフルオロ酢酸を除去し、系において完全に固体状になるまで、ジクロロメタンを用いて、回転バンドにより系の残留トリフルオロ酢酸を複数回除去した。類白色の固体の4−アミノ−N−デューテロメチルベンズアミドトリフルオロ酢酸塩(941mg)を得た。更なる精製はせずに、そのまま次の反応に使用した。MS(ESI)m/e154.1(M+H)
(3)化合物4−((4−クロロ−5−(トリフルオロメチル)ピリミジン−2−イル)アミノ)−N−デューテロメチルベンズアミドの合成
Figure 2021528370
2,4−ジクロロ−5−(トリフルオロメチル)ピリミジン(891.8mg,4.11mmol)を秤取し、100mLの一口丸底フラスコに入れ、系に1,2−ジクロロエタン(10mL)及びtert−ブタノール(10mL)を加え、室温で撹拌して清澄化するまで溶解させた。その後、系を氷水浴に移し、降温・冷却しながら撹拌を続けた。15分後、系に臭化亜鉛(2.3g,10.71mmol)を加えた。完了後、系を氷水浴中で保温しながら30min撹拌を続けた。そして、系に前ステップで合成した4−アミノ−N−デューテロメチルベンズアミドトリフルオロ酢酸塩及びトリエチルアミン(1.2g,11.41mmol)を添加した。添加終了後、氷浴を取り外し、系を室温で一晩撹拌して反応させた。翌日、モニタリングにより反応の終了を確認し、回転蒸発により溶媒を除去した後、系に酢酸エチル(50mL)及び水(20mL)を加え、激しく撹拌し、静置して層分離させた後、水層を酢酸エチルで逆抽出し(20mL3)、有機相を合わせ、水(20mL3)及び飽和食塩水(20mL)それぞれで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧濃縮により粗生成物を得た。その後、カラムクロマトグラフィーで分離して、類白色の固体の4−((4−クロロ−5−(トリフルオロメチル)ピリミジン−2−イル)アミノ)−N−デューテロメチルベンズアミド467mgを得た。収率:39.2%。MS(ESI)m/e334.0(M+H)
(4)化合物N−デューテロメチル−4−((4−(((3−(N−デューテロメチルメタンスルホンアミド)ピラジン−2−イル)メチル)アミノ)−5−(トリフルオロメチル)ピリミジン−2−イル)アミノ)ベンズアミドの合成
Figure 2021528370
N−(3−(アミノメチル)ピラジン−2−イル)−N−デューテロメチルメタンスルホンアミド(43.8mg,0.20mmol)を入れた25mLの一口丸底フラスコに、3mLの1,2−ジクロロエタン及び3mLのtert−ブタノールを加え、室温で撹拌して清澄化するまで溶解させた。その後、系に4−((4−クロロ−5−(トリフルオロメチル)ピリミジン−2−イル)アミノ)−N−デューテロメチルベンズアミド(66.7mg,0.20mmol)及びジイソプロピルエチルアミン(77.6mg,0.60mmol)を順に添加し、添加終了後、系を80℃の油浴に移し、還流させ撹拌して反応させた。8h後、TLCモニタリングにより、原料が完全に消費されたことを確認した。加熱を停止し、系が室温まで冷却された後、回転蒸発により溶媒を除去して粗生成物を得た。その後、Prep−TLCによって分離精製し、類白色の固体のN−デューテロメチル−4−((4−(((3−(N−デューテロメチルメタンスルホンアミド)ピラジン−2−イル)メチル)アミノ)−5−(トリフルオロメチル)ピリミジン−2−イル)アミノ)ベンズアミド35.5mgを得た。収率:34.4%。MS(ESI)m/e517.2(M+H)
HNMR(400MHz,DMSO−d)δ9.83(s,1H),8.69(d,J=2.8Hz,1H),8.58(d,J=2.4Hz,1H),8.31(s,1H),8.17(s,1H),7.67−7.60(dd,J=15.4,8.6Hz,4H),7.42−7.39(t,J=5.2Hz,1H),5.00(d,J=4.8Hz,2H),3.20(s,3H)。
実施例4.N−デューテロメチル−4−((4−(((3−(N−デューテロメチルメタンスルホンアミド)ピラジン−2−イル)デューテロメチル)アミノ)−5−(トリフルオロメチル)ピリミジン−2−イル)アミノ)ベンズアミド(化合物5)の合成
Figure 2021528370
(1)化合物N−(3−(アミノデューテロメチル)ピラジン−2−イル)−N−デューテロメチルメタンスルホンアミドの合成
Figure 2021528370
N−(3−シアノピラジン−2−イル)−N−デューテロメチルメタンスルホンアミド(100.0mg,0.46mmol)を秤取し、25mLの一口丸底フラスコに入れ、5mLの重水素化メタノールを加え、室温で撹拌して清澄化するまで溶解させた。その後、系にウェットのパラジウムカーボン(重水処理を使用)(20.0mg)及びトリエチルアミン(188.2mg,1.86mmol)を順に加え、系に重水素ガス置換を行い、10回繰り返した。完了後、系を室温で撹拌して反応させた。72h後、モニタリングにより反応の終了を確認した。系に減圧濾過を行い、濾過ケークに対し重水素化メタノール(10mL)を少量ずつ用いて複数回溶出を行い、濾液を合わせ、回転蒸発により溶媒を除去し、淡黄褐色の油状液体のN−(3−(アミノデューテロメチル)ピラジン−2−イル)−N−デューテロメチルメタンスルホンアミドを得た。更なる精製はせずに、そのまま次の反応に使用した。MS(ESI)m/e222.2(M+H)
(2)化合物N−デューテロメチル−4−((4−(((3−(N−デューテロメチルメタンスルホンアミド)ピラジン−2−イル)デューテロメチル)アミノ)−5−(トリフルオロメチル)ピリミジン−2−イル)アミノ)ベンズアミドの合成
Figure 2021528370
N−(3−(アミノデューテロメチル)ピラジン−2−イル)−N−デューテロメチルメタンスルホンアミド(22.1mg,0.10mmol)を入れた25mLの一口丸底フラスコに、2mLの1,2−ジクロロエタン及び2mLのtert−ブタノールを加え、室温で撹拌して清澄化するまで溶解させた。その後、系に4−((4−クロロ−5−(トリフルオロメチル)ピリミジン−2−イル)アミノ)−N−デューテロメチルベンズアミド(33.4mg,0.10mmol)及びジイソプロピルエチルアミン(30.6mg,0.30mmol)を順に添加し、添加終了後、系を80℃の油浴に移し、還流させ反応させた。8h後、TLCモニタリングにより、原料が完全に消費されたことを確認した。加熱を停止し、系が室温まで冷却された後、回転蒸発により溶媒を除去して粗生成物を得た。その後、Prep−TLCによって分離精製し、類白色の固体のN−デューテロメチル−4−((4−(((3−(N−デューテロメチルメタンスルホンアミド)ピラジン−2−イル)メチル)アミノ)−5−(トリフルオロメチル)ピリミジン−2−イル)アミノ)ベンズアミド8.1mgを得た。収率:15.6%。MS(ESI)m/e519.2(M+H)HNMR(400MHz,DMSO−d)δ9.83(s,1H),8.69(d,J=2.0Hz,1H),8.58(d,J=2.4Hz,1H),8.31(s,1H),8.17(s,1H),7.67−7.61(dd,J=15.2,8.8Hz,4H),7.39(s,1H),3.20(s,3H)。
以下の化合物を原料とし、化合物1〜3、5及び化合物3−3に類似の合成方法によって、本発明の化合物4、6〜18を製造した:化合物A、2−3、B、2−4、3−3、N−(3−(アミノメチル)ピラジン−2−イル)−N−メチルメタンスルホンアミド(参考文献:PCT Int.Appl.,2008129380)、N−メチルメタンスルホンアミド、N−トリデューテロメチルメタンスルホンアミド、2,4−ジクロロ−5−(トリフルオロメチル)ピリミジン、4−アミノ−3,5−ジデューテロ安息香酸(参考文献:Journal of Labelled Compounds and Radiopharmaceuticals,53(11−12),668−673;2010)、4−アミノ−2,6−ジデューテロ安息香酸(参考文献:Journal of Labelled Compounds and Radiopharmaceuticals,53(11−12),668−673;2010)。
以下、本発明の有益な効果を、試験例によって説明する。
試験例1.本発明の化合物の肝細胞ミクロソームにおける代謝安定性実験
第1ステップ:母液を以下の表1の成分比で調製した。
Figure 2021528370
第2ステップ:2つの実験をそれぞれ以下のように進めた。
A)還元型補酵素II(NADPH)を添加する:濃度が20mg/mLである肝ミクロソーム10μL及び濃度が10mMであるNADPH 40μLをインキュベーション試験に加えた。肝ミクロソームの最終濃度は0.5mg/mL、NADPHの最終濃度は1mMであった。
B)NADPHを添加しない:濃度が20mg/mLである肝ミクロソーム10μL及び高純水40μLをインキュベーション試験に加えた。肝ミクロソームの最終濃度は0.5mg/mLであった。
第3ステップ:200μM濃度の陽性対照物質又は試験化合物4μLを加えた後に、反応が開始した。本実験での陽性対照物質はベラパミル(Verapamil)とした。試験化合物の最終濃度は2μMであった。
第4ステップ:0、15、30、45、60分の時点で、反応溶液からそれぞれ50μLを取り出した。反応液に4倍体積のアセトニトリルとIS(100nM濃度のアルプラゾラム(alprazolam)、200nM濃度のラベタロール(labetalol)、200nM濃度のカフェイン(caffeine)及び2μM濃度のケトプロフェン(ketoprofen))を加えた。サンプルを3220グラムの重力で40分間遠心機にかけた。上清液100μLに、100μLの高純水を加え、LC−MS/MSで分析した。
第5ステップ:データ分析:抽出したイオンクロマトグラムからピーク面積を確定した。傾き値kは、親薬物の残存パーセントとインキュベーション時間曲線の自然対数の線形回帰によって決定した。
インビトロ半減期(in vitro t1/2)は傾き値によって決定される。
Figure 2021528370
インビトロ固有クリアランス(in vitro CLint、μL/min/mgを単位とする)は、以下の式(繰り返し測定の平均値)により、インビトロ半減期t1/2(分間)から換算した。
Figure 2021528370
スケールアップ固有クリアランス(Scale up CLint、mL/min/kgを単位とする)は、以下の式(繰り返し測定の平均値)により、インビトロ t1/2(分間)から換算した。
Figure 2021528370
マウス、ラット及びヒトの肝ミクロソームにおける代謝安定性の実験結果は表2を参照。
Figure 2021528370
上記表に示すように、本発明の化合物1及び3の肝ミクロソームにおける代謝安定性は、いずれも非重水素化対照化合物デファクチニブよりも著しく向上したが、化合物2のラット及びヒトの肝ミクロソームにおける代謝安定性は、非重水素化対照化合物デファクチニブよりもやや劣っていた。本発明の化合物、特に化合物1、3は、より良好な代謝安定性を有することが示された。さらに、より良好な薬物動態、安全性及び有効性を有している可能性があり、以下の試験例においてさらに証明していく。
試験例2.本発明の化合物のラットにおける薬物動態
1)実験材料及び測定機器
LC−20AD高速液体クロマトグラフシステム、日本SHIMADZU(島津)社から購入
API4000トリプル四重極型質量分析計、アメリカApplied Biosystem社から購入
PhenixWinnolin薬物動態ソフトウェア(Version6.3)、米Certara社から購入
高速冷凍遠心機、Thermo Fisher Scientificから購入
分析天秤、ザルトリウスから購入、SECURA225D−1CN
SDラット、成都達碩実験動物有限会社から購入
N,N−ジメチルアセトアミド(DMA)(Sigma)
カルボキシメチルセルロースナトリウム(CMC−Na)及びヘパリン、成都科龍化工社から購入
2)実験方法及び結果
適量の薬物(プロトタイプ薬10mgに相当)を精密に秤取し、DMA0.25mlを加えて溶解させた後、0.5%のCMC−Naを5mlまでゆっくりと加え、超音波及びボルテックスにより均一に混合した。調製した最終溶液を0.2ml取り、−20℃で保存し、濃度測定に用いた。健康な成獣の雄のSDラット3匹(180〜250g)を一晩絶食させた(飲水は自由)後に、強制経口により薬物を投与した。投与体積は5ml/kgとした。投与前、及び投与後0.5、1、2、4、6、8、12、24hにおいて、眼窩後静脈叢から0.1ml採血し、4℃で5min遠心機にかけて血漿を分離させ、−20℃で保存し測定に備えた。次いで、LC/MS/MS法により血漿中の測定対象化合物の濃度を測定した。
Figure 2021528370
本発明の化合物は、非重水素化の対照化合物デファクチニブと比較して、より高いピーク血中濃度、より高い暴露量、より長い半減期を有しており、本発明が提供する化合物はより良好な薬物動態特性を有していることが分かる。癌治療における使用は有望である。
以上のように、本発明が提供する各種重水素化化合物及びその塩類、水和物又は溶媒和物は、FAK阻害剤として抗癌薬の製造に用いることができる。また、本発明の化合物は、重水素化されていない対照化合物デファクチニブと比較して、代謝安定性及び薬物動態特性が著しく向上しており、使用において有望である。

Claims (11)

  1. 式(I)に示す化合物、又はその光学異性体、薬学的に許容可能な塩、水和物もしくは溶媒和物であって、
    Figure 2021528370

    (I)
    〜R18は、それぞれ独立して、水素、重水素から選択され、且つ全てが水素ではない化合物、又はその光学異性体、薬学的に許容可能な塩、水和物もしくは溶媒和物。
  2. 前記化合物が式(II)に示す構造を有することを特徴とする、請求項1に記載の化合物、又はその光学異性体、薬学的に許容可能な塩、水和物もしくは溶媒和物。
    Figure 2021528370

    (II)
  3. 前記化合物が式(III)に示す構造を有することを特徴とする、請求項1に記載の化合物、又はその光学異性体、薬学的に許容可能な塩、水和物もしくは溶媒和物。
    Figure 2021528370

    (III)
  4. 前記化合物が式(IV)に示す構造を有することを特徴とする、請求項1に記載の化合物、又はその光学異性体、薬学的に許容可能な塩、水和物もしくは溶媒和物。
    Figure 2021528370

    (IV)
  5. 前記化合物が式(V)に示す構造を有することを特徴とする、請求項1から4のいずれか1項に記載の化合物、又はその光学異性体、薬学的に許容可能な塩、水和物もしくは溶媒和物。
    Figure 2021528370

    (V)
  6. 前記化合物が以下の化合物の1つであることを特徴とする、請求項1から5のいずれか1項に記載の化合物、又はその光学異性体、薬学的に許容可能な塩、水和物もしくは溶媒和物。
    Figure 2021528370

    Figure 2021528370
  7. 前記薬学的に許容可能な塩が、前記化合物のリン酸塩、右旋性カンファースルホン酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、フッ化水素酸塩、硫酸塩、硝酸塩、ギ酸塩、酢酸塩、プロピオン酸塩、シュウ酸塩、マロン酸塩、コハク酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、乳酸塩、リンゴ酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、ピクリン酸塩、メタンスルホン酸塩、トルエンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、アスパラギン酸塩又はグルタミン酸塩であり、好ましくは塩酸塩であることを特徴とする、請求項1から6のいずれか1項に記載の化合物、又はその光学異性体、薬学的に許容可能な塩、水和物もしくは溶媒和物。
  8. 請求項1から7のいずれか1項に記載の化合物、又はその光学異性体、薬学的に許容可能な塩、水和物もしくは溶媒和物の、癌治療の薬物の製造における使用。
  9. 前記癌が膵臓癌、固形腫瘍、非小細胞肺癌、中皮腫、卵巣癌から選択されることを特徴とする、請求項8に記載の使用。
  10. 請求項1から7のいずれか1項に記載の化合物、又はその光学異性体、薬学的に許容可能な塩、水和物もしくは溶媒和物の、FAK阻害剤の製造における使用。
  11. 癌治療の薬物であって、請求項1から7のいずれか1項に記載の化合物、又はその光学異性体、薬学的に許容可能な塩、水和物もしくは溶媒和物を活性成分とし、薬学的に許容可能な補助材料を加えて製造される製剤であることを特徴とする、癌治療の薬物。
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