JP2021527554A - マイクロカプセルの製造方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、コア・シェル型マイクロカプセルを製造するための新規の方法に関する。マイクロカプセルもまた本発明の対象である。前記マイクロカプセルを含有する消費者製品、特に付香された消費者製品またはフレーバー付けされた消費者製品もまた本発明の一部である。

Description

本発明は、コア・シェル型マイクロカプセルを製造するための新規の方法に関する。マイクロカプセルもまた本発明の対象である。前記マイクロカプセルを含有する消費者製品、特に付香された消費者製品またはフレーバー付けされた消費者製品もまた本発明の一部である。
香料およびフレーバー産業が直面する問題の1つは、活性化合物の揮発性に起因して、嗅覚的な利益が比較的急速に失われることである。それらの活性物質をカプセル封入することは、同時にカプセル内の成分の保護ももたらす。これは、「攻撃(aggressions)」、たとえば酸化または湿分に対してカプセル封入されることであるが、他方、フレーバーまたはフレグランスの放出動態をある程度制御して、連続的な放出により感覚的な効果を誘導することも可能になる。
その性能、特に消費者製品中での安定性に関する性能について妥協することなく、かつ疎水性材料の送達に関して良好な性能をもたらす新規のマイクロカプセルを提供する必要性が依然として存在する。
本発明は、タンパク質/多糖類の複合体から形成されるコア・シェル型マイクロカプセルを製造するための新規の方法に基づいて、上記の課題に対する解決手段を提案するものである。
発明の概要
ところで、多糖類と、タンパク質によって安定化された水中油型エマルションとを相互作用させ、引き続きタンパク質を変性させてマイクロカプセルの壁を形成することにより、疎水性材料、好ましくは活性成分をカプセル封入して高性能のマイクロカプセルが得られることが判明した。従って、本発明の方法は、上記の問題に対する解決策を提供するものである。というのも、様々な適用において所望される安定性を備えたマイクロカプセルの製造が可能になるからである。
第一の態様では、本発明は、コア・シェル型マイクロカプセルのスラリーを製造する方法であって、以下のステップ:
(a)疎水性材料、好ましくはフレーバーまたは香料を含有する油相を、球状タンパク質を含有する水相中に分散させて、水中油型エマルションを形成するステップ、
(b)前記水中油型エマルションに、多糖類を含有する水溶液を添加するステップ、および
(c)タンパク質の変性を誘発するために十分な条件を適用して、スラリーの形態のコア・シェル型マイクロカプセルを形成するステップ
を含む方法に関する。
第二の態様では、本発明は、上記の方法により得られるコア・シェル型マイクロカプセルスラリーに関する。
第三の態様では、本発明は、
− 疎水性材料を含有するオイルベースのコア、および
− タンパク質および多糖類を含有する少なくとも1つシェル
から構成されている少なくとも1つのマイクロカプセルを含有するマイクロカプセルスラリーまたはマイクロカプセル粉末に関する。
第四の態様および第五の態様では、本発明は、上記で定義したマイクロカプセルを含有する、付香された消費者製品およびフレーバー付けされた食用製品に関する。
図1は、本発明のマイクロカプセル(WPI/HMP=8(w/w))の光学顕微鏡画像を示す 図2は、本発明のマイクロカプセル(WPI/HMP=8(w/w))のSEM画像を示す 図3は、比較マイクロカプセル(水中油型エマルションの前にペクチンを添加)のSEM画像を示す 図4は、本発明のマイクロカプセル(WPI/HMP=8(w/w))のSEM画像を示す 図5は、本発明のマイクロカプセル(WPI/HMP=5(w/w))のSEM画像を示す 図6は、本発明のマイクロカプセル(WPI/HMP=3(w/w))のSEM画像を示す 図7は、比較マイクロカプセル(プロセスにおいてペクチンを添加しない)のSEM画像を示す 図8は、本発明のマイクロカプセル(WPI/HMP=8(w/w)のSEM画像を示す 図9は、5倍に希釈したサンプルDの50℃における熱重量分析を示す 図10は、ガラススライド上で乾燥させ、その後、ヘッドスペースで光イオン化検出器を用いて測定しながら引っ掻いたマイクロカプセルスラリーからのリモネン放出を示す 図11は、5倍に希釈したサンプルAの50℃における熱重量分析を示す 図12は、ポリイソシアネートで架橋したサンプルの50℃における熱重量分析を示す 図13は、シャワージェルベース中の本発明によるマイクロカプセルの香料漏出を示す 図14は、ポリイソシアネートおよびグルタルアルデヒドで架橋したサンプルの50℃における熱重量分析を示す 図15は、ポリイソシアネートで架橋したサンプルの50℃における熱重量分析を示す 図16は、繊維柔軟剤中に存在する本発明によるマイクロカプセルの香料漏出を示す
その他の記載がない限り、パーセンテージ(%)は、組成物の質量百分率を意味する。
「活性成分」とは、単一の化合物または複数の成分の組合せを意味する。
「香料オイルまたはフレーバーオイル」とは、単一の付香用もしくはフレーバー付け用の化合物、またはいくつかの付香用もしくはフレーバー付け用の化合物の混合物を意味する。
「消費者製品」または「最終製品」とは、頒布、販売および消費者により使用される準備が整った製造後の製品を意味する。
明確性を考慮して、本発明における「分散液」という表現は、異なった組成の連続相中に粒子が分散している系を意味し、これは特に懸濁液またはエマルションを含む。
「コア・シェル型マイクロカプセル」または同様の記載は、本発明では、ミクロン範囲の粒径分布(たとえば約1〜3000ミクロンに含まれる平均直径(d(v,0.5))を有し、外側の固体オリゴマーベースのシェルまたはシェルと、前記外側のシェルに囲まれた内部の連続した油相とを含むカプセルを意味する。本発明によれば、「平均直径」または「平均サイズ」という用語は、区別されることなく用いられる。
本発明のマイクロカプセルは、10ミクロン超、より好ましくは15ミクロン超、さらにより好ましくは20ミクロン超の平均サイズを有する。
1実施態様によれば、マイクロカプセルは、10〜500ミクロン、好ましくは10〜100ミクロンに含まれる平均サイズを有する。
1実施態様によれば、マイクロカプセルは、15〜500ミクロン、好ましくは15〜100ミクロンに含まれる平均サイズを有する。
1実施態様によれば、マイクロカプセルは、20〜500ミクロン、好ましくは20〜100ミクロンに含まれる平均サイズを有する。
本発明によるマイクロカプセルは好ましくは凝集していない。
本発明は、タンパク質の変性、ひいてはマイクロカプセル壁の形成が関与する方法により、公知のマイクロカプセルに代わる有利な代替物を提供する。
コア・シェル型マイクロカプセルスラリーの製造方法
従って本発明は、第一の態様では、コア・シェル型マイクロカプセルのスラリーを製造する方法に関するものであり、前記方法は、以下のステップ:
(a)疎水性材料、好ましくはフレーバーまたは香料を含有する油相を、球状タンパク質を含有する水相中に分散させて、水中油型エマルションを形成するステップ、
(b)前記水中油型エマルションに、多糖類を含有する水溶液を添加するステップ、および
(c)タンパク質の変性を誘発するために十分な条件を適用して、スラリーの形態のコア・シェル型マイクロカプセルを形成するステップ
を含む。
ステップ(a) 疎水性材料、好ましくはフレーバーまたは香料を含有する油相を、タンパク質を含有する水相中に分散させて、水中油型エマルションを形成するステップ
この方法のステップ(a)では、水中油型エマルションを製造する。油相は、疎水性材料を含有する。本発明による疎水性材料は、「不活性」材料、たとえば溶剤であってもよいし、活性成分であってもよい。
好ましい実施態様によれば、疎水性材料は、疎水性の活性成分であり、好ましくは香料またはフレーバーを含む。カプセル封入されることで利益を受ける代替的な疎水性成分は、香料もしくはフレーバーの代わりに、または香料もしくはフレーバーと組み合わせて使用することができる。そのような成分の非限定的な例は、化粧用、スキンケア用、悪臭抑制用、殺菌用、殺真菌用、医薬用もしくは農薬用の成分、消毒薬、昆虫忌避剤もしくは昆虫誘引剤を含む。
疎水性の内相中に存在しうる殺虫剤の性質および種類は、ここでより詳細な記載を保証するものではないし、そのような詳細な記載はいずれにしても網羅的なものになることはなく、当業者であれば、自身の一般的な知識と、意図する使用もしくは適用に従って選択することができるであろう。
このような殺虫剤の例は、カバノキ、DEET(N,N−ジエチル−m−トルアミド)、レモンユーカリ(Corymbia citriodora)の精油およびその活性化合物であるp−メンタン−3,8−ジオール(PMD)、イカリジン(ヒドロキシエチルイソブチルピペリジンカルボキシレート)、ネペタラクトン、シトロネラ油、ニーム油、ヤチヤナギ(Myrica Gale)、ジメチルカルベート、トリシクロデセニルアリルエーテル、IR3535(3−[N−ブチル−N−アセチル]−アミノプロピオン酸、エチルエステル、エチルヘキサンジオール、ジメチルフタレート、メトフルトリン、インダロン、SS220、アントラニレート系昆虫忌避剤およびこれらの混合物である。
「香料オイル」(または「香料」ともいう)または「フレーバー」とは、ここでは約20℃で液状の成分または組成物を意味する。前記の香料またはフレーバーオイルは、付香用成分またはフレーバー付け用成分単独であってもよいし、付香用もしくはフレーバー付け用の組成物の形の成分混合物であってもよい。「付香用成分」として、ここでは、主目的として心地よい効果を付与するために付香用調製物もしくは組成物中で使用される化合物を意味する。換言すれば、付香用の成分であるとみなされ、当業者によって、少なくとも組成物の匂いに肯定的な特性もしくは快適さを付与するか、または組成物の匂いを肯定的にもしくは快適に変性することができると認識される成分でなくてはならず、単に匂いを有するのみの成分ではない。油相中に存在する付香用成分の性質および種類はここでより詳細な記載を保証するものではなく、そのような詳細な記載はいずれにしても網羅的なものにはなりえず、当業者であれば、自身の一般的な知識と、意図する使用もしくは適用および所望の嗅覚的効果に従って選択することができるであろう。一般的には、これらの付香用成分は、アルコール、アルデヒド、ケトン、エステル、エーテル、アセテート、ニトリル、テルペノイド、窒素もしくは硫黄を有するヘテロ環化合物および精油といった多様な化学クラスに属し、前記の付香用補助成分は、天然由来のものであっても、合成されたものであってもよい。これらの補助成分の多くは、S. Arctanderによる著書のPerfume and Flavor Chemicals, 1969, Montclair, New Jersey, USAのような参考文献、またはその最新版、あるいは同様の性質のその他の文献、ならびに香料の分野における数多くの特許文献に列挙されている。前記の成分は、様々な種類の付香用化合物を制御された方法で放出することで知られている化合物であってもよい。
付香用成分は、香料産業において目下使用されている溶剤中に溶解されていてもよい。溶剤はアルコールでないことが好ましい。そのような溶剤の例は、ジエチルフタレート、イソプロピルミリステート、Abalyn(R)(ロジン樹脂、Eastmanから入手可能)、ベンジルベンゾエート、エチルシトレート、リモネンもしくはその他のテルペン、またはイソパラフィンである。溶剤は、好ましくは極めて疎水性であり、かつ高度に立体障害を有するものであり、たとえばAbalyn(R)またはベンジルベンゾエートである。香料は好ましくは30%未満の溶剤を含有する。香料はより好ましくは20%未満、より好ましくは10%未満の溶剤を含有し、これらのパーセンテージは全て、香料の全質量に対する質量によって定義される。最も好ましくは、香料は実質的に溶剤不含である。
好ましい付香用成分は、高い立体障害を有するものであり、特に以下の群の1つからのものである:
− グループ1:少なくとも1つの直鎖もしくは分岐鎖C〜Cアルキルもしくはアルケニル置換基により置換されたシクロヘキサン、シクロヘキセン、シクロヘキサノンまたはシクロヘキセノン環を含む付香用成分、
− グループ2:少なくとも1つの直鎖もしくは分岐鎖C〜Cアルキルもしくはアルケニル置換基により置換されたシクロペンタン、シクロペンテン、シクロペンタノンまたはシクロペンテノン環を含む付香用成分、
− グループ3:フェニル環を有する付香用成分、または少なくとも1つの直鎖もしくは分岐鎖C〜Cアルキルもしくはアルケニル置換基により、または少なくとも1つのフェニル置換基および任意で1つ以上の直鎖もしくは分岐鎖C〜Cアルキルもしくはアルケニル置換基により置換されたシクロヘキサン、シクロヘキセン、シクロヘキサノンまたはシクロヘキセノン環を含む付香用成分、
− グループ4:少なくとも2つの縮合環または結合したCおよび/もしくはC環を含む付香用成分、
− グループ5:カンファー様の環構造を含む付香用成分、
− グループ6:少なくとも1つのC〜C20環構造を含む付香用成分
− グループ7:3.5超のlogPを有し、少なくとも1つのt−ブチル置換基もしくは少なくとも1つのトリクロロメチル置換基を含む付香用成分。
これらの群のそれぞれからの成分の例は以下のとおりである:
− グループ1:2,4−ジメチル−3−シクロヘキセン−1−カルボアルデヒド(入手元:スイス国ジュネーブ在、Firmenich SA社)、イソシクロシトラール、メントン、イソメントン、Romascone(R)(メチル2,2−ジメチル−6−メチレン−1−シクロヘキサンカルボキシレート(入手元:スイス国ジュネーブ在、Firmenich SA社)、ネロン、テルピネオール、ジヒドロテルピネオール、テルペニルアセテート、ジヒドロテルペニルアセテート、ジペンテン、ユーカリプトール、ヘキシレート、ローズオキサイド、Perycorolle(R)((S)−1,8−p−メンタジエン−7−オール(入手元:スイス国ジュネーブ在、Firmenich SA社)、1−p−メンテン−4−オール(1RS,3RS,4SR)−3−p−メンタニルアセテート、(1R,2S,4R)−4,6,6−トリメチル−ビシクロ[3,1,1]ヘプタン−2−オール、Doremox(R)(テトラヒドロ−4−メチル−2−フェニル−2H−ピラン(入手元:スイス国ジュネーブ在、Firmenich SA社)、シクロヘキシルアセテート、シクラノールアセテート、Fructalate(R)(1,4−シクロヘキサンジエチルジカルボキシレート(入手元:スイス国ジュネーブ在、Firmenich SA社)、Koumalactone(R)((3ARS,6SR,7ASR)−ペルヒドロ−3,6−ジメチル−ベンゾ[B]フラン−2−オン、(入手元:スイス国ジュネーブ在、Firmenich SA社)、Natactone(R)((6R)−ペルヒドロ−3,6−ジメチル−ベンゾ[B]フラン−2−オン(入手元:スイス国ジュネーブ在、Firmenich SA社)、2,4,6−トリメチル−4−フェニル−1,3−ジオキサン、2,4,6−トリメチル−3−シクロヘキセン−1−カルボアルデヒド、
− グループ2:(E)−3−メチル−5−(2,2,3−トリメチル−3−シクロペンテン−1−イル)−4−ペンテン−2−オール(入手元:スイス国ヴェルニエ在、Givaudan SA社)、(1’R,E)−2−エチル−4−(2’,2’,3’−トリメチル−3’−シクロペンテン−1’−イル)−2−ブテン−1−オール(入手元:スイス国ジュネーブ在、Firmenich SA社)、Polysantol(R)((1’R,E)−3,3−ジメチル−5−(2’,2’,3’−トリメチル−3’−シクロペンテン−1’−イル)−4−ペンテン−2−オール(入手元:スイス国ジュネーブ在、Firmenich SA社)、fleuramone、Hedione(R)HC(メチル−シス−3−オキソ−2−ペンチル−1−シクロペンタンアセテート(入手元:スイス国ジュネーブ在、Firmenich SA社)、Veloutone(R)(2,2,5−トリメチル−5−ペンチル−1−シクロペンタノン(入手元:スイス国ジュネーブ在、Firmenich SA社)、Nirvanol(R)(3,3−ジメチル−5−(2,2,3−トリメチル−3−シクロペンテン−1−イル)−4−ペンテン−2−オール(入手元:スイス国ジュネーブ在、Firmenich SA社)、3−メチル−5−(2,2,3−トリメチル−3−シクロペンテン−1−イル)−2−ペンタノール(入手元:スイス国ヴェルニエ在、Givaudan SA社)、
− グループ3:ダマスコン、Neobutenone(R)(1−(5,5−ジメチル−1−シクロヘキセン−1−イル)−4−ペンテン−1−オン(入手元:スイス国ジュネーブ在、Firmenich SA社)、ネクタラクトン((1’R)−2−[2−(4’−メチル−3’−シクロヘキセン−1’−イル)プロピル]シクロペンタノン)、アルファ−イオノン、ベータ−イオノン、ダマスコン、Dynascone(R)(1−(5,5−ジメチル−1−シクロヘキセン−1−イル)−4−ペンテン−1−オンと1−(3,3−ジメチル−1−シクロヘキセン−1−イル)−4−ペンテン−1−オンの混合物)(入手元:スイス国ジュネーブ在、Firmenich SA社)、Dorinone(R)ベータ(1−(2,6,6−トリメチル−1−シクロヘキセン−1−イル)−2−ブテン−1−オン(入手元:スイス国ジュネーブ在、Firmenich SA社)、Romandolide(R)((1S,1’R)−[1−(3’,3’−ジメチル−1’−シクロヘキシル)エトキシカルボニル]メチルプロパノエート(入手元:スイス国ジュネーブ在、Firmenich SA社)、2−tert−ブチル−1−シクロヘキシルアセテート(入手元:USA在、International Flavors and Fragrances社)、Limbanol(R)(1−(2,2,3,6−テトラメチル−シクロヘキシル)−3−ヘキサノール(入手元:スイス国ジュネーブ在、Firmenich SA社)、トランス−1−(2,2,6−トリメチル−1−シクロヘキシル)−3−ヘキサノール(入手元:スイス国ジュネーブ在、Firmenich SA社)、(E)−3−メチル−4−(2,6,6−トリメチル−2−シクロヘキセン−1−イル)−3−ブテン−2−オン、テルペニルイソブチレート、Lorysia(R)(4−(1,1−ジメチルエチル)−1−シクロヘキシルアセテート(入手元:スイス国ジュネーブ在、Firmenich SA社)、8−メトキシ−1−p−メンテン、Helvetolide(R)((1S,1’R)−2−[1−(3’,3’−ジメチル−1’−シクロヘキシル)エトキシ]−2−メチルプロピルプロパノエート(入手元:スイス国ジュネーブ在、Firmenich SA社)、パラtert−ブチルシクロヘキサノン、メンテンチオール、1−メチル−4−(4−メチル−3−ペンテニル)−3−シクロヘキセン−1−カルボアルデヒド、アリルシクロヘキシルプロピオネート、シクロヘキシルサリチレート、2−メトキシ−4−メチルフェニルメチルカーボネート、エチル2−メトキシ−4−メチルフェニルカーボネート、4−エチル−2−メトキシフェニルメチルカーボネート、
− グループ4:メチルセドリルケトン(入手元:USA在、International Flavors and Fragrances社)、ベルジレート、ベチベロール、ベチベロン、1−(オクタヒドロ−2,3,8,8−テトラメチル−2−ナフタレニル)−1−エタノン(入手元:USA在、International Flavors and Fragrances社)、(5RS,9RS,10SR)−2,6,9,10−テトラメチル−1−オキサスピロ[4.5]デカ−3,6−ジエンおよび(5RS,9SR,10RS)異性体、6−エチル−2,10,10−トリメチル−1−オキサスピロ[4.5]デカ−3,6−ジエン、1,2,3,5,6,7−ヘキサヒドロ−1,1,2,3,3−ペンタメチル−4−インデンオン(入手元:USA在、International Flavors and Fragrances社)、Hivernal(R)(3−(3,3−ジメチル−5−インダニル)プロパナールと3−(1,1−ジメチル−5−インダニル)プロパナールとの混合物)(入手元:スイス国ジュネーブ在、Firmenich SA社)、Rhubofix(R)(3’,4−ジメチル−トリシクロ[6.2.1.0(2,7)]ウンデセ−4−エン−9−スピロ−2’−オキシラン(入手元:スイス国ジュネーブ在、Firmenich SA社)、9/10−エチルジエン−3−オキサトリシクロ[6.2.1.0(2,7)]ウンデカン、Polywood(R)(ペルヒドロ−5,5,8A−トリメチル−2−ナフタレニルアセテート(入手元:スイス国ジュネーブ在、Firmenich SA社)、オクタリノール、Cetalox(R)(ドデカヒドロ−3a,6,6,9a−テトラメチル−ナフト[2,1−b]フラン(入手元:スイス国ジュネーブ在、Firmenich SA社)、トリシクロ[5.2.1.0(2,6)]デセ−3−エン−8−イルアセテートおよびトリシクロ[5.2.1.0(2,6)]デセ−4−エン−8−イルアセテートならびにトリシクロ[5.2.1.0(2,6)]デセ−3−エン−8−イルプロパノエートおよびトリシクロ[5.2.1.0(2,6)]デセ−4−エン−8−イルプロパノエート、(+)−(1S,2S,3S)−2,6,6−トリメチル−ビシクロ[3.1.1]ヘプタン−3−スピロ−2’−シクロヘキセン−4’−オン、
− グループ5:カンファー、ボルネオール、イソボルニルアセテート、8−イソプロピル−6−メチル−ビシクロ[2.2.2]オクト−5−エン−2−カルボアルデヒド、カンフォピネン、セドランバー(8−メトキシ−2,6,6,8−テトラメチル−トリシクロ[5.3.1.0(1,5)]ウンデカン(入手元:スイス国ジュネーブ在、Firmenich SA社)、セドレン、セドレノール、セドロール、Florex(R)(9−エチリデン−3−オキサトリシクロ[6.2.1.0(2,7)]ウンデカン−4−オンと10−エチリデン−3−オキサトリシクロ[6.2.1.0(2,7)]ウンデカン−4−オンとの混合物)(入手元:スイス国ジュネーブ在、Firmenich SA社)、3−メトキシ−7,7−ジメチル−10−メチレン−ビシクロ[4.3.1]デカン(入手元:スイス国ジュネーブ在、Firmenich SA社)、
− グループ6:Cedroxyde(R)(トリメチル−13−オキサビシクロ−[10.1.0]−トリデカ−4,8−ジエン(入手元:スイス国ジュネーブ在、Firmenich SA社)、Ambrettolide LG((E)−9−ヘキサデセン−16−オリド(入手元:スイス国ジュネーブ在、Firmenich SA社)、Habanolide(R)(ペンタデセノリド、入手元:スイス国ジュネーブ在、Firmenich SA社)、ムセノン(3−メチル−(4/5)−シクロペンタデセノン(入手元:スイス国ジュネーブ在、Firmenich SA社)、ムスコン(入手元:スイス国ジュネーブ在、Firmenich SA社)、Exaltolide(R)(ペンタデカノリド、入手元:スイス国ジュネーブ在、Firmenich SA社)、Exaltone(R)(シクロペンタデカノン、入手元:スイス国ジュネーブ在、Firmenich SA社)、(1−エトキシエトキシ)シクロドデカン(入手元:スイス国ジュネーブ在、Firmenich SA社)、アストロトン、4,8−シクロドデカジエン−1−オン、
− グループ7:Lilial(R)(入手元:スイス国ヴェルニエ在、Givaudan SA社)、ロジノール。
香料は、好ましくは上記で定義したグループ1〜7から選択された成分を、少なくとも30%、好ましくは少なくとも50%、より好ましくは少なくとも60%含有する。より好ましくは、前記香料は、上記で定義したグループ3〜7からの成分を少なくとも30%、好ましくは少なくとも50%含有する。最も好ましくは、香料は、上記で定義したグループ3、4、6または7からの成分を、少なくとも30%、好ましくは少なくとも50%含有する。
もう1つの好ましい実施態様によれば、香料は、3超、好ましくは3.5超、および一層好ましくは3.75超のlogPを有する成分を、少なくとも30%、好ましくは少なくとも50%、さらに好ましくは少なくとも60%含有する。
好ましくは、本発明において使用される香料は、香料自体の質量の10%未満の第一級アルコール、香料自体の質量の15%未満の第二級アルコール、および香料自体の質量の20%未満の第三級アルコールを含有する。有利には、本発明において使用される香料は、第一級アルコールを含有しておらず、かつ15%未満の第二級アルコールおよび第三級アルコールを含有している。
1実施態様によれば、油相(またはオイルベースのコア)は、
− LogT<−4を有する高インパクト香料原料を少なくとも15質量%含有する香料オイル25〜100質量%と、
− 1.07g/cm超の比重を有する比重調整用材料0〜75質量%
とを含有する。
「高インパクト香料原料」は、LogT<−4を有する香料原料であると理解すべきである。化合物の匂いの閾値濃度は、部分的に、その形状、極性、部分電荷、および分子量によって決定される。便宜上、閾値濃度は、閾値濃度の一般的な対数、つまりLog[閾値](「LogT」)として提示される。
「比重調整用材料」とは、1.07g/cm超の比重を有し、好ましくは匂いをほとんど有していないか、もしくは全く有していない材料であると理解すべきである。
付香用化合物の匂い閾値濃度は、ガスクロマトグラフ(「GC])を使用することによって決定される。特にガスクロマトグラフは、シリンジによって注入される香料オイル成分の正確な体積、正確な分割比、および公知の濃度と鎖長分布の炭化水素標準を使用する炭化水素応答を決定するために校正される。空気の流量を正確に測定し、かつヒトの吸気の継続時間は12秒であると仮定して、試料として採取した体積を計算する。検出器の任意の時点における正確な濃度が公知であるから、吸入される体積あたりの質量は公知であり、従って付香用化合物の濃度も公知である。閾値濃度を決定するために、逆算した濃度におけるスニフポートに溶液を送達する。パネリストがGC溶離液の匂いを嗅いで、匂いに気付いた時の保持時間を同定する。パネリスト全員の平均値により、付香用化合物の匂い閾値濃度を決定する。匂い閾値の決定は、C. Vuilleumier et al.等のMultidimensional Visualization of Physical and Perceptual Data Leading to a Creative Approach in Fragrance Development、Perfume & Flavorist、第33巻、2008年9月、第54〜61頁に、より詳細に記載されている。
LogT<−4を有する高インパクト香料原料および1.07g/cm超の比重を有する比重調整用材料の性質は、国際公開第2018/115250号に記載されており、その内容をここで参照することにより取り入れるものとする。
1実施態様によれば、LogT<−4を有する高インパクト香料原料は、以下の表Aのリストから選択される。
Figure 2021527554
Figure 2021527554
Figure 2021527554
Figure 2021527554
1実施態様によれば、LogT<−4を有する香料原料は、アルデヒド、ケトン、アルコール、フェノール、エステル、ラクトン、エーテル、エポキシド、ニトリル、およびこれらの混合物からなる群から選択される。
1実施態様によれば、LogT<−4を有する香料原料は、アルコール、フェノール、エステル、ラクトン、エーテル、エポキシド、ニトリル、およびこれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1つの化合物を、LogT<−4を有する香料原料の全質量を基準に、好ましくは20〜70質量%に含まれる量で含有する。
1実施態様によれば、LogT<−4を有する香料原料は、アルデヒド、ケトン、およびこれらの混合物を、LogT<−4を有する香料原料の全質量を基準に、20〜70質量%含有する。
従って、油相(またはオイルベースのコア)に含まれている残りの香料原料は、LogT>−4を有する。
LogT>−4を有する香料原料の非限定的な例は、以下の表Bに列挙されている。
Figure 2021527554
Figure 2021527554
Figure 2021527554
1実施態様によれば、オイルベースのコアは、1.07g/cm超の比重を有する比重調整用材料を2〜75質量%と、LogT<−4を有する高インパクト香料原料を少なくとも15質量%含む香料オイルを25〜98質量%含有する。
成分の比重は、その質量と体積(g/cm)との間の比率により定義される。
成分の比重を決定するためには、複数の方法を利用することができる。
たとえば、精油のd20比重を測定するためには、ISO298:1998法を挙げることができる。
1実施態様によれば、比重調整用材料は、ベンジルサリチレート、ベンジルベンゾエート、シクロヘキシルサリチレート、ベンジルフェニルアセテート、フェニルエチルフェノキシアセテート、トリアセチン、メチルサリチレート、エチルサリチレート、ベンジルシンナメート、およびこれらの混合物からなる群から選択される。
特定の1実施態様によれば、比重調整用材料は、ベンジルサリチレート、ベンジルベンゾエート、シクロヘキシルサリチレート、およびこれらの混合物からなる群から選択される。
「フレーバー成分もしくは組成物」とは、ここでは、フレーバー付け用成分、またはフレーバー付け用成分、フレーバー付け用配合物の調製のために目下使用されている溶剤または助剤の混合物、つまり食用組成物またはチュアブル製品に添加して、その感覚的な特性、特にそのフレーバーおよび/または味を付与、改善もしくは変性することが意図された成分の特定の混合物を意味する。味覚調整剤もまた、前記の定義に包含される。フレーバー付け用成分もまた、当業者には周知であり、その性質はここでは詳細な記載を保証するものではなく、そのような詳細な記載はいずれにしても網羅的なものにはならず、経験を積んだフレーバリストであれば、自身の一般的な知識と、意図された使用もしくは適用に従い、かつ達成することが所望されている感覚的効果に従って、それらの成分を選択することができるであろう。これらのフレーバー付け用成分の多くは、S. Arctanderによる著書であるPerfume and Flavor Chemicals、1969年、 Montclair, N.J.、USAといった参考テキストまたはその最新版、または同様の性質のその他の著書、たとえばFenaroli著、Handbook of Flavor Ingredients、1975年、 CRC Press、またはM.B. Jacobs著、Synthetic Food Adjuncts、1947年、Nostrand Co., Inc.に列挙されている。溶剤および助剤またはフレーバー付け用配合物を調製するための目下の使用もまた、この分野では周知である。
特定の1実施態様では、フレーバーは、シトラスオイルおよびミントオイルを含むテルペン系フレーバーおよびスルフリルフレーバーからなる群から選択される。
特定の1実施態様によれば、前記疎水性材料は、活性成分(たとえば香料)を含有していない。この特定の実施態様によれば、これは好ましくは疎水性溶剤、好ましくはイソプロピルミリステート、トリグリセリド(たとえばNeobee(R)MCTオイル、植物油)からなる群から選択される溶剤、D−リモネン、シリコーンオイル、鉱油、およびこれらの混合物と、任意で1,4−ブタンジオール、ベンジルアルコール、トリエチルシトレート、トリアセチン、ベンジルアセテート、エチルアセテート、プロピレングリコール(1,2−プロパンジオール)、1,3−プロパンジオール、ジプロピレングリコール、グリセロール、グリコールエーテルおよびこれらの混合物からなる群から選択される親水性溶剤を含有するか、またはこれらの溶剤からなる。
本発明の任意の実施態様によれば、オイルは、分散液の全質量に対して、約10%〜60%w/w、または20%〜50%w/wである。
本発明によれば、前記水相は、「球状」タンパク質を含有する。
「球状」タンパク質とは、天然の状態で三次元構造により特徴付けられる球形のタンパク質であると理解すべきであり、これは熱、圧力または特定の化学物質の作用下で展開し、かつ凝集/凝固することができる。
本発明により使用することができる球状タンパク質の非限定的な例として、ホエイプロテイン、β−ラクトグロブリン、オバルブミン、ウシ血清アルブミン、植物性タンパク質、およびこれらの混合物を挙げることができる。
特定の1実施態様によれば、前記タンパク質はホエイプロテインである。
前記油相と前記タンパク質との質量比は好ましくは1〜10、より好ましくは2〜4である。
水溶液中の前記タンパク質は乳化剤として使用され、水溶液中での油滴の安定化を可能にする。平均液滴サイズは好ましくは10ミクロン超、好ましくは10〜500ミクロンの間に含まれ、好適には15〜500ミクロンの間、より好適には20〜500ミクロンの間である。
エマルションは高せん断混合により製造することができ、かつ所望の液滴サイズに調整することができる。液滴サイズは、光散乱測定または顕微鏡により確認することができる。この手順は、ここでこれ以上の詳細な記載は必要とされない、というのも、これは当業者には周知だからである。
特定の1実施態様によれば、エマルションの形成前に、タンパク質を含有する水相がまず(Tden(変性温度)を僅かに下回るか、またはほぼTdenで短時間)加熱されて、タンパク質の変性が開始される。この実施態様によれば、水溶液は75℃〜80℃に、好ましくは5〜15分間加熱され、次いで油相と混合される前に冷却される。これにより、疎水性成分のディスプレイおよびO/Wの界面でのより良好な吸着が可能になる。
ステップ(b) 多糖類を含有する水溶液を水中油型エマルションへ添加するステップ
この方法のステップ(b)では、多糖類の水溶液を、タンパク質で安定化された水中油型エマルションに添加する。
本発明において使用することができる多糖類は、ペクチン、カラギーナン、アルギン酸塩、およびこれらの混合物である。
特定の1実施態様によれば、前記多糖類はペクチンである。
ペクチンは、植物から抽出される多糖類であり、天然の形では、その糖成分上にメトキシ基を有している。これらはエステル化度(DE)により特徴付けられる。本発明では、タンパク質と共に複合体を形成するために使用されるペクチンは、好ましくは高メトキシ(つまり高DE)ペクチン(HMP)である。高メトキシペクチンは、マイクロカプセルの凝集を回避するために特に有用である。
何らかの理論に拘束されることなく、発明者らは、多糖類がステップ(a)の水中油型エマルションに添加されると、多糖類がタンパク質と相互作用し、油水界面においてタンパク質/多糖類の複合体を形成し、その中で添加された多糖類の少なくとも一部がタンパク質に吸着されると考える。
これらのタンパク質/多糖類複合体は、変性の間のマイクロカプセルの塊状凝集を制限し、かつひとたび形成されるとシェルの耐久性を改善する。
タンパク質と多糖類との間の質量比は、好ましくは1〜10の間に含まれ、より好ましくは3〜8の間に含まれる。
タンパク質の凝固を改善して膜を形成するためには、本発明の方法は、ステップ(a)で得られたエマルションおよび/またはステップ(b)で得られた混合物に、塩溶液、好ましくはカルシウム塩溶液を添加することからなる更なるステップを含んでいてもよい。
この実施態様によれば、タンパク質とカルシウムとの間の質量比は好ましくは1〜10の間に含まれ、より好ましくは2〜4の間に含まれる。
ステップ(b)の後で、pHは好ましくは4〜6の間に含まれ、より好ましくは5〜5.5の間に含まれる。
ステップ(c) タンパク質の変性を誘発してコア・シェル型マイクロカプセルをスラリーの形態で形成するために十分な条件を適用するステップ
タンパク質を変性するための方法は当業者に周知である。非限定的な例として、本発明によれば、タンパク質の変性は、熱により、高圧処理により、熱および圧力処理の組合せにより、アルコールの添加により、酸もしくは塩基の添加により、重金属塩(たとえば硝酸銀)を含有する塩の添加により、またはカオトロピック剤、たとえば尿素、塩化グアニジニウムまたはドデシル硫酸ナトリウムまたは二硫化物結合低減剤、たとえば2−メルカプトエタノールまたはジチオトレイトールを用いた化学的変性により誘発することができる。
1実施態様によれば、この方法のステップ(c)では、加熱ステップを実施してタンパク質を変性し、タンパク質/多糖類複合体の凝集を油水界面で誘発する。コア・シェル型カプセルのスラリーが得られる。
加熱ステップは温度Tden(タンパク質の変性温度)で、好ましくは50℃〜100℃の間に含まれる温度で、より好ましくは80℃〜100℃の間に含まれる温度で実施することができる。加熱ステップの継続時間は、加熱温度に依存する。一般に、加熱ステップの継続時間は、10〜60分に含まれる。
タンパク質の性質に依存して、当業者であれば前記タンパク質の変性を誘発するために適切な温度を見出すことができるであろう。
非限定的な例として、変性温度Tdenは以下のとおりである:
− ホエイプロテインは、70〜90℃;
− ソイプロテインは、70〜90℃;
− ウシ血清アルブミンは、50〜82℃;
− オバルブミンは、68〜80℃;
− ジャガイモタンパク質は、50〜90℃。
加熱ステップは好ましくは、4〜6の間に含まれるpHで、より好ましくは5〜5.5の間で実施する。
任意の架橋ステップ:
目標とする適用に依存して、バイオポリマー膜のバリア特性を改善することは興味深い場合がある。
酵素および/または化学的な架橋剤を使用して、マイクロカプセルの膜を緻密化してもよい。
1実施態様によれば、架橋剤、好ましくはトランスグルタミナーゼ、グルタルアルデヒド、ゲニピン、およびこれらの混合物からなる群から選択される架橋剤を、ステップ(b)で得られた混合物および/またはステップ(c)で得られた混合物に添加する。
この実施態様によれば、架橋剤は、マイクロカプセルスラリーを基準として、0.1〜2%に含まれる量で使用される。
もう1つの実施態様によれば、本発明方法は、
(a)疎水性材料、好ましくはフレーバーまたは香料、および多官能価モノマーを含有する油相を、タンパク質を含有する水相中に分散させて、水中油型エマルションを形成するステップ、
(b)前記水中油型エマルションに、多糖類を含有する水溶液を添加するステップ、
(c)モノマーの界面重合を誘発するために十分な条件を適用して内側のシェルを形成するステップ、および
(d)ステップ(c)で得られた混合物を、好ましくは温度Tdenで加熱することにより、タンパク質の変性を誘発して外側のシェルを形成するために十分な条件を適用するステップ
を含む。
この実施態様によれば、前記疎水性材料に加えてさらに多官能価モノマーを前記油相に添加する。
「多官能価ポリマー」とは、単位として化学的に反応または結合してポリマーまたは超高分子を形成する分子を意味する。本発明の多官能価ポリマーは、マイクロカプセルのシェルを形成することができる官能基を少なくとも2個有している。
多官能価モノマーは、少なくとも1つのポリイソシアネート、ポリ無水マレイン酸、ポリ塩化アシル、ポリエポキシド、アクリレートモノマーおよびポリアルコキシシランからなる群から選択することができる。
本発明による方法において使用される多官能価モノマーは、前記油相の0.1〜15質量%、好ましくは0.5〜10質量%、およびより好ましくは0.5〜6質量%、およびさらにより好ましくは2〜4質量%の量で存在する。
特定の1実施態様によれば、ステップ(a)で添加されるモノマーは、少なくとも2個のイソシアネート官能基を有する少なくとも1つのポリイソシアネートである。
本発明により使用される、適切なポリイソシアネートは、芳香族ポリイソシアネート、脂肪族ポリイソシアネートおよびこれらの混合物を含む。前記ポリイソシアネートは、少なくとも2個、好ましくは少なくとも3個のイソシアネート官能基を有しているが、しかし6個まで、もしくは4個のみのイソシアネート官能基を有していてもよい。特定の1実施態様によれば、トリイソシアネート(イソシアネート官能基が3個)を使用する。
1実施態様によれば、前記ポリイソシアネートは、芳香族ポリイソシアネートである。「芳香族ポリイソシアネート」という用語は、ここでは、芳香族部分を有する任意のポリイソシアネートを含むものであることを意味する。好ましくは、前記ポリイソシアネートは、フェニル、トルイル、キシリル、ナフチルもしくはジフェニル部分を有しており、より好ましくはトルイルもしくはキシリル部分を有している。好ましい芳香族ポリイソシアネートは、ビウレット、ポリイソシアヌレート、およびジイソシアネートのトリメチロールプロパン付加物であり、より好ましくは、上記の特定の芳香族部分を有するものを含む。より好ましくは、芳香族ポリイソシアネートは、トルエンジイソシアネートのポリイソシアヌレート(Bayer社から、Desmodur(R)RCの商品名で市場において入手可能)、トルエンジイソシアネートのトリメチロールプロパン付加物(Bayer社から、Desmodur(R)L75の商品名で市場において入手可能)、キシリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパン付加物(三井化学株式会社から、Takenate(R)D-110Nの商品名で市場において入手可能)である。最も好ましい1実施態様では、芳香族ポリイソシアネートは、キシリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパン付加物である。
もう1つの実施態様によれば、前記ポリイソシアネートは、脂肪族ポリイソシアネートである。「脂肪族ポリイソシアネート」という用語は、芳香族部分を有していないポリイソシアネートとして定義される。好ましい脂肪族ポリイソシアネートは、ヘキサメチレンジイソシアネートの三量体、イソホロンジイソシアネートの三量体、ヘキサメチレンジイソシアネートのトリメチロールプロパン付加物(三井化学株式会社から入手可能)、またはヘキサメチレンジイソシアネートのビウレット(Bayer社から、Desmodur(R)N100の商品名で入手可能)であり、これらの中でもヘキサメチレンジイソシアネートのビウレットがさらにより好ましい。
もう1つの実施態様によれば、前記少なくとも1つのポリイソシアネートは、いずれも少なくとも2個もしくは3個のイソシアネート官能基を有する、少なくとも1種の脂肪族ポリイソシアネートと、少なくとも1種の芳香族ポリイソシアネートとの混合物の形であり、たとえばヘキサメチレンジイソシアネートのビウレットと、キシリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパン付加物との混合物、ヘキサメチレンジイソシアネートのビウレットと、トルエンジイソシアネートのポリイソシアヌレートとの混合物、およびヘキサメチレンジイソシアネートのビウレットと、トルエンジイソシアネートのトリメチロールプロパン付加物との混合物である。最も好ましいのは、ヘキサメチレンジイソシアネートのビウレットと、キシリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパン付加物との混合物である。好ましくは、混合物として使用される場合、脂肪族ポリイソシアネートと芳香族ポリイソシアネートとの間のモル比は、80:20〜10:90の範囲である。
1実施態様によれば、本発明の方法において使用される少なくとも1つのポリイソシアネートは、油相の0.1〜15質量%、好ましくは0.5〜10質量%、およびさらに有利には0.5〜6質量%、およびより一層好ましくは2〜4質量%の量で存在している。
前記油相に多官能価モノマーを添加する場合、この方法は、多官能価モノマーの界面重合を誘発して内側のシェルを形成するために十分な条件を適用することからなる更なるステップを含んでいてもよい。
マイクロカプセルの内側のシェルは、多官能価モノマーとタンパク質の官能基との間での、または多官能価モノマーと水との間での界面重合の結果である。
界面重合を誘発するために何らかの特別な作用は必要ない。好ましくは、ステップ(b)で得られた混合物を2〜15時間にわたって、好ましくは2〜10時間にわたって撹拌下に維持する。
反応動態を改善するために、撹拌は、7〜10の間に含まれるpHおよび/または50〜70℃の間に含まれる温度(これはタンパク質の変性温度よりも低くなくてはならなり)で行うことができる。
内側のシェルの性質は、油相中に存在するモノマーの性質に依存する。1実施態様によれば、前記内側のシェルは、ポリ尿素シェルである。
任意の外側コーティング
本発明の特定の1実施態様によれば、ステップ(c)の終了時に、本発明によるスラリーに、非イオン性多糖類、カチオン性ポリマーおよびこれらの混合物からなる群から選択されるポリマーを添加して、マイクロカプセルの外側コーティングを形成することもできる。
非イオン性多糖類ポリマーは当業者に周知であり、たとえば国際公開第2012/007438号の第29ページ、第1〜25行目および国際公開第2013/026657号、第2ページ、第12〜19行目、および第4ページ、第3〜12行目に記載されている。好ましい非イオン性多糖類は、イナゴマメゴム、キシログルカン、グアーゴム、ヒドロキシプロピルグアー、ヒドロキシプロピルセルロース、およびヒドロキシプロピルメチルセルロースからなる群から選択される。
カチオン性ポリマーは当業者には周知である。好ましいカチオン性ポリマーは、少なくとも0.5meq/g、より好ましくは少なくとも約1.5meq/g、しかしまた好ましくは約7meq/g未満、より好ましくは約6.2meq/g未満のカチオン電荷密度を有する。カチオン性ポリマーのカチオン電荷密度は、US Pharmacopoeiaの窒素決定に関する化学的試験に記載されているケルダール(Kjeldahl)法によって決定することができる。好ましいカチオン性ポリマーは、第一級、第二級、第三級および/または第四級アミノ基を有する単位を含むものから選択され、前記ポリマーは、ポリマー主鎖の一部を形成するものであっても、主鎖に直接結合している側鎖置換基の一部であってもよい。カチオン性ポリマーの質量平均分子量(Mw)は、好ましくは10,000〜3,500,000ダルトン、より好ましくは50,000〜1,500,000ダルトンである。
特定の1実施態様によれば、アクリルアミド系、メタクリルアミド系、N−ビニルピロリドン系、四級化N,N−ジメチルアミノメタクリレート系、ジアリルジメチルアンモニウムクロリド系、四級化ビニルイミダゾール(3−メチル−1−ビニル−1H−イミダゾール−3−イウムクロリド)系、ビニルピロリドン系、アクリルアミドプロピルトリモニウムクロリド系、カッシアヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド系、グアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド系もしくはポリガラクトマンナン2−ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロリドエーテル系、デンプンヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド系およびセルロースヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド系のカチオン性ポリマーを使用する。好ましいコポリマーは、ポリクアテルニウム−5、ポリクアテルニウム−6、ポリクアテルニウム−7、ポリクアテルニウム−10、ポリクアテルニウム−11、ポリクアテルニウム−16、ポリクアテルニウム−22、ポリクアテルニウム−28、ポリクアテルニウム−43、ポリクアテルニウム−44、ポリクアテルニウム−46、カッシアヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド、グアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリドもしくはポリガラクトマンナン2−ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロリドエーテル、デンプンヒドロキシプロピルトリモニウムクロリドおよびセルロースヒドロキシプロピルトリモニウムクロリドからなる群から選択すべきである。
市販の製品の具体例として、Salcare(R)SC60(アクリルアミドプロピルトリモニウムクロリドとアクリルアミドとのカチオン性コポリマー、入手元:BASF社)またはLuviquat(R)、たとえばPQ 11N、FC 550またはStyle(ポリクアテルニウム−11〜68、またはビニルピロリドンの四級化コポリマー、入手元:BASF社)あるいはまたJaguar(R)(C13SまたはC17、入手元:Rhodia社)を挙げることができる。
本発明の上記の実施態様の1つによれば、上記のポリマーを、約0%〜5%w/w、または約0.1%〜2%w/wの量で添加することができ、この場合のw/wベースで記載されるパーセンテージは、ステップ(c)の後で得られるスラリーの全質量に対するものである。当業者であれば、前記の添加されるポリマーの一部のみが、マイクロカプセルシェルに組み込まれるおよび/または堆積することは明確に理解できるであろう。
複合的なマイクロカプセルシステム
1実施態様によれば、本発明のマイクロカプセル(第一のマイクロカプセルスラリー)は、第二のマイクロカプセルスラリーと組み合わせて使用することができる。
本発明のもう1つの対象は、
− 第一のマイクロカプセルスラリーとしての本発明によるマイクロカプセルスラリー、および
− 第二のマイクロカプセルスラリー
を含有し、第一のマイクロカプセルスラリーに含まれているマイクロカプセルと、第二のマイクロカプセルスラリーに含まれているマイクロカプセルとは、その疎水性材料および/または壁材料および/またはコーティング材料が異なっている、マイクロカプセルデリバリーシステムである。
非限定的な例として、本発明の第二のマイクロカプセルスラリーのポリマーシェルの性質は異なっていてもよい。非限定的な例として、第二のマイクロカプセルスラリーのシェルは、アミノプラストベース、ポリ尿素ベースまたはポリウレタンベースであってよい。第二のマイクロカプセルスラリーのシェルは、ハイブリッド、つまり有機−無機のシェル、たとえば架橋した少なくとも2種類の無機粒子から構成されるハイブリッドシェルであるか、またはポリアルコキシシランマクロモノマー組成物の加水分解および縮合反応から得られたシェルであってもよい。
1実施態様によれば、第二のマイクロカプセルスラリーのシェルは、アミノプラストコポリマー、たとえばメラミン−ホルムアルデヒドまたは尿素−ホルムアルデヒドまたは架橋したメラミンホルムアルデヒドもしくはメラミングリオキサールを含む。
もう1つの実施態様によれば、第二のマイクロカプセルスラリーのシェルは、たとえばイソシアネート系モノマーおよびアミン含有架橋剤、たとえばグアニジンカーボネートおよび/またはグアナゾールから得られるポリ尿素系であってもよいが、これらに限定されるものではない。好ましいポリ尿素マイクロカプセルは、少なくとも2個のイソシアネート官能基を有する少なくとも1種類のポリイソシアネートと、アミン(たとえば水溶性グアニジン塩およびグアニジン)からなる群から選択される少なくとも1種類の反応体との重合の反応生成物であるポリ尿素壁、コロイド安定剤または乳化剤、およびカプセル封入された香料を含む。しかし、アミンの使用は省略することができる。特定の1実施態様によれば、コロイド安定剤は、ポリビニルアルコール0.1%〜0.4%、ビニルピロリドンの、および四級化ビニルイミダゾールのカチオン性コポリマー0.6%〜1%の水溶液を含有する(全てのパーセンテージは、コロイド安定剤の全質量に対する質量によって定義される)。もう1つの実施態様によれば、乳化剤は、好ましくはアラビアゴム、ダイズタンパク、カゼイン酸ナトリウム、ゼラチンおよびこれらの混合物からなる群から選択されるアニオン性もしくは両親媒性バイオポリマーである。
もう1つの実施態様によれば、第二のマイクロカプセルスラリーのシェルは、たとえばポリイソシアネートおよびポリオール、ポリアミド、ポリエステル等から構成されるポリウレタン系であるが、これらに限定されるものではない。
コア・シェル型マイクロカプセルの水性分散液/スラリーの製造は当業者に周知である。1つの態様では、前記マイクロカプセル壁材料は、任意の適切な樹脂を含んでいてもよく、特にメラミン、グリオキサール、ポリ尿素、ポリウレタン、ポリアミド、ポリエステル等を含んでいる。適切な樹脂は、アルデヒドとアミンとの反応生成物を含有し、適切なアルデヒドは、ホルムアルデヒドおよびグリオキサールを含む。適切なアミンは、メラミン、尿素、ベンゾグアナミン、グリコールウリルおよびこれらの混合物を含む。適切なメラミンは、メチロールメラミン、メチル化メチロールメラミン、イミノメラミンおよびこれらの混合物を含む。適切な尿素は、ジメチロール尿素、メチル化ジメチロール尿素、尿素−レゾルシノール、およびこれらの混合物を含む。製造のために適切な材料は、以下の企業の1社以上から入手することができる:Solutia Inc. (St Louis, Missouri U.S.A.), Cytec Industries (West Paterson, New Jersey U.S.A.), Sigma-Aldrich (St. Louis, Missouri U.S.A.)。
特定の1実施態様によれば、第二のコア・シェル型マイクロカプセルは、ホルムアルデヒド不含のカプセルである。アミノプラストホルムアルデヒド不含のマイクロカプセルスラリーを製造するための一般的な方法は、以下のステップを含む:
1)オリゴマー組成物を製造するステップであって、前記オリゴマー組成物は、
a)メラミン、またはメラミンと、2個のNH官能基を有する少なくとも1つのC〜C化合物との混合物の形のポリアミン成分と、
b)グリオキサール、C〜Cの2,2−ジアルコキシ−エタナール、および任意でグリオキサレートの混合物の形のアルデヒド成分であって、前記混合物は、1/1〜10/1に含まれる、グリオキサール/C〜Cの2,2−ジアルコキシ−エタナールのモル比を有するもの、および
c)プロトン酸触媒
の反応生成物または上記成分を反応させることにより得られるものを含有し、
2)液滴サイズが、1〜600μmの間に含まれる水中油型分散液を製造するステップであって、前記分散液は、
i.オイル、
ii.水性媒体、
iii.ステップ1)で得られた、少なくとも1つのオリゴマー組成物、
iv.以下から選択される少なくとも1つの架橋剤:
A)C〜C12芳香族もしくは脂肪族のジイソシアネートもしくはトリイソシアネート、およびそのビウレット、トリウレット、三量体、トリメチロールプロパン付加物およびその混合物、および/または
B)式
A−(オキシラン−2−イルメチル)
(式中、nは、2または3を表し、かつAは、任意で2〜6個の窒素原子および/または酸素原子を有するC〜C基を表す)のジオキシランまたはトリオキシラン化合物、
v.任意で2個のNH官能基を有するC〜C化合物
を含有しており、
3)前記分散液を加熱するステップ、
4)前記分散液を冷却するステップ。
この方法は、国際公開第2013/068255号に、より詳細に記載されており、その内容をここで引用することにより本願に取り入れる。
もう1つの実施態様によれば、第二のマイクロカプセルスラリーのシェルは、ポリ尿素系またはポリウレタン系である。ポリ尿素系マイクロカプセルおよびポリウレタン系マイクロカプセルを製造するための方法の例は、たとえば国際公開第2007/004166号、欧州特許出願公開第2300146号明細書、欧州特許出願公開第2579976号明細書に記載されており、これらの内容もここで引用することにより本願に取り入れる。一般に、ポリ尿素系マイクロカプセルおよびポリウレタン系マイクロカプセルの製造方法は、以下のステップを含む:
a)少なくとも2個のイソシアネート基を有する少なくとも1種類のポリイソシアネートを油中に溶解させて、油相を形成するステップ、
b)乳化剤またはコロイド安定剤の水溶液を製造して、水相を形成するステップ、
c)油相を水相に添加して、平均液滴サイズが1〜500μm、好ましくは5〜50μmに含まれる水中油型分散液を形成するステップ、
d)界面重合を誘発するために十分な条件を適用し、かつスラリーの形のマイクロカプセルを形成するステップ。
マイクロカプセル粉末を製造する方法
本発明のもう1つの対象は、上記のとおりのステップ、およびステップ(c)で得られたスラリーを(加熱ステップの後で)乾燥、たとえば噴霧乾燥に供して、マイクロカプセル自体、つまり粉末状のマイクロカプセルを製造する追加のステップ(d)を有するマイクロカプセル粉末の製造方法である。そのような乾燥を行うためには、当業者に公知の任意の標準的な方法を適用することができると理解される。特にスラリーは、好ましくはポリマー担持材料、たとえばポリビニルアセテート、ポリビニルアルコール、デキストリン、天然デンプンもしくは変性デンプン、植物性ゴム、ペクチン、キサンタン、アルギン酸塩、カラギーナンまたはセルロース誘導体の存在下で噴霧乾燥することで、粉末形のマイクロカプセルが得られる。
特定の1実施態様によれば、担持材料は、カプセル封入されていない香料オイルを含有し、前記香料オイルは、マイクロカプセルのコアの香料と同じであってもよいし、異なっていてもよい。
マイクロカプセルスラリー/マイクロカプセル粉末
本発明の他の対象は、
− 疎水性材料を含有するオイルベースのコア、および
− タンパク質と多糖類とを含有し、前記タンパク質は好ましくはホエイプロテインであり、かつ前記多糖類は好ましくはペクチンである少なくとも1つのシェル
から構成されている少なくとも1つのマイクロカプセルを含有するマイクロカプセルスラリーまたはマイクロカプセル粉末である。
疎水性材料、多糖類、球状タンパク質、多官能価モノマーに関する定義は、コア・シェル型マイクロカプセルスラリーの製造方法に関して上記で記載したものと同じである。
本発明のもう1つの対象は、
− 疎水性材料を含有するオイルベースのコア、
− 重合された多官能価モノマーから構成されている内側のシェル、およびタンパク質、好ましくは球状タンパク質と多糖類とから構成されている外側のシェル
から構成されている少なくとも1つのマイクロカプセルを含有するマイクロカプセルスラリーである。
1実施態様によれば、前記外側のシェルは、ペクチンとホエイプロテインとを含有しており、かつ/または前記内側のシェルは、少なくとも2個のイソシアネート基を有する重合したポリイソシアネートを含有する。
本発明のマイクロカプセルのシェルは、タンパク質/多糖類複合体から構成されている。上記の方法により得られるマイクロカプセルスラリーおよびマイクロカプセル粉末もまた、本発明の対象である。
消費者製品
本発明のマイクロカプセルは、付香用またはフレーバー付け用の組成物を製造するために使用することができ、このような組成物もまた、本発明の対象である。
フレーバー付けされた消費者製品
本発明のマイクロカプセルは、フレーバーをカプセル内に封入して含んでいるものである場合、多様な食用の最終製品において使用することができる。本発明のマイクロカプセルによりフレーバー付けされる消費者製品は、食品、飲料、医薬品等を含んでいてもよい。たとえば本発明の粉末状のマイクロカプセルを使用することができる食品ベースは、
・ベーカリー製品(たとえばパン、ビスケット、ケーキ、その他のベーカリー製品)、
・非アルコール飲料(たとえば炭酸飲料、ボトル詰めされた水、スポーツドリンク/エナジードリンク、果汁飲料、野菜ジュース、野菜ジュース調合飲料)、
・アルコール飲料(たとえばビールおよびモルト飲料、スピリッツ飲料)、
・インスタント飲料(たとえばインスタント野菜飲料、粉末状ソフトドリンク、インスタントコーヒーおよびインスタントティー)、
・シリアル製品(たとえば朝食用シリアル、事前に調理された調理加工済みコメ製品、米粉製品、雑穀およびモロコシ製品、生もしくは調理加工済みの麺およびパスタ製品)、
・乳製品(たとえばフレッシュチーズ、ソフトチーズ、ハードチーズ、乳飲料、ホエイ、バター、ミルクプロテインの部分加水分解物もしくは完全に加水分解されたミルクプロテインを含む製品、発酵乳製品、コンデンスミルク等)、
・乳ベースの製品(たとえばフルーツヨーグルトもしくはフレーバー付けされたヨーグルト、アイスクリーム、フルーツアイス)
・糖菓製品(たとえばチューイングガム、ハードキャンディおよびソフトキャンディ)、
・チョコレートおよびコンパウンドコーティング、
・油脂もしくは油脂エマルションをベースとする製品(たとえばマヨネーズ、スプレッド、マーガリン、ショートニング、レムラード、ドレッシング、スパイス調合物)、
・スパイスを添加した、マリネした、または加工した魚製品(たとえば魚肉ソーセージ、すり身)、
・卵または卵製品(乾燥卵、卵白、卵黄、カスタード)、
・デザート(たとえばゼラチンおよびプリン)、
・ソイプロテインまたはその他のダイズ成分から製造された製品(たとえば豆乳および豆乳から製造された製品、ダイズレシチン含有調製物、発酵製品、たとえば豆腐またはテンペまたはこれらから製造された製品、醤油)、
・野菜調製物(たとえばケチャップ、ソース、加工され、かつ再構築された野菜、乾燥野菜、冷凍野菜、事前に調理された野菜、野菜のピクルスもしくは酢漬け、野菜濃縮物もしくはペースト、調理済み野菜、ジャガイモ調製物)、
・ベジタリアン用代用肉、ベジタリアン用バーガー、
・スパイスまたはスパイス調製物(たとえばマスタード調製物、ホースラディッシュ調製物)、スパイス混合物、および特に、たとえばスナック分野で使用されるシーズニング、
・スナック製品(たとえばベークドポテトまたはフライドポテトチップ、またはジャガイモ生地製品、パン生地製品、トウモロコシ、コメ、または粉砕したナッツをベースとする押出成形品)、
・食肉製品(たとえば加工肉、鶏肉、牛肉、豚肉、ハム、生ソーセージまたは生肉調製物、スパイスした、もしくはマリネした生肉、または塩漬け肉、成形肉)、
・調理加工済み料理(たとえばインスタント麺、コメ、パスタ、ピザ、トルティージャ、ラップ)およびスープおよびブイヨン(たとえばストック、セイボリーキューブ、乾燥スープ、インスタントスープ、調理加工済みのスープ、レトルトスープ)、ソース(インスタントソール、乾燥ソース、調理加工済みソース、グレイビー、スイートソース)
を含む。
好ましくは、本発明のマイクロカプセルは、ベーカリー製品、インスタント飲料、シリアル製品、乳製品、乳ベース製品、油脂または油脂エマルションベースの製品、デザート、野菜調製物、ベジタリアン用代用肉、スパイスおよびシーズニング、スナック、食肉製品、調理加工済み料理、スープおよびブイヨン、およびソースからなる群から選択された製品において使用されるべきである。
付香された消費者製品
本発明のマイクロカプセルは、活性成分と組み合わせて使用することができる。従って、本発明の対象は、
(i)上記のとおりのマイクロカプセル、
(ii)活性成分、好ましくは化粧用成分、スキンケア成分、香料成分、フレーバー成分、悪臭防止成分、殺菌成分、殺真菌成分、医薬成分もしくは農薬成分、消毒成分、昆虫忌避剤もしくは昆虫誘引剤、およびこれらの混合物からなる群から選択される活性成分
を含有する組成物である。
本発明のマイクロカプセルは、様々な付香された消費者製品に添加することもできる。
特に、(i)上記のとおりのマイクロカプセル、(ii)少なくとも1種の付香用補助成分、および(iii)任意で香料用助剤、を含む付香用組成物は、本発明のもう1つの対象である。
「付香用補助成分」とはここでは、付香用の調製物もしくは組成物において、心地よい効果を付与するために使用される化合物であって、上記のマイクロカプセルではないものを意味する。換言すれば、このような補助成分は、付香用のものであると考えられ、組成物に肯定的な、もしくは快い匂いを付与するか、または組成物の匂いを肯定的に、もしくは快いものに変性することができると当業者が認識することができる成分でなくてはならず、単に匂いを有するにすぎない成分ではない。付香用組成物中に存在する付香用補助成分の性質および種類は、ここでより詳細な記載を保証するものではなく、そのような記載はいずれにしても網羅的なものにはならず、当業者であれば、自身の一般的な知識に基づいて、かつ意図する使用もしくは適用と、所望される嗅覚的効果に応じて選択することができるであろう。一般的には、これらの付香用補助成分は、アルコール、ラクトン、アルデヒド、ケトン、エステル、エーテル、アセテート、ニトリル、テルペノイド、窒素もしくは硫黄を有する複素環化合物および精油といった様々な化学クラスに属するものであり、前記の付香用補助成分は、天然由来であっても、合成に由来するものであってもよい。これらの補助成分の多くは、いずれにしても、S. Arctanderの著書であるPerfume and Flavor Chemicals, 1969, Montclair, New Jersey, USAといった参考文献もしくはその最新版に列挙されているか、または同様の性質のその他の文献、ならびに香料分野における数多くの特許文献に記載されている。前記の補助成分は、様々なタイプの付香用化合物を制御された方法で放出することで知られている化合物であってもよいと理解される。
「香料助剤」とはここでは、付加的な利益、たとえば色、特定の光に対する耐性、化学的安定性等を付与することができる成分であると理解する。付香ベースにおいて一般的に使用される助剤の性質および種類の詳細な記載は網羅的なものにはなりえないが、前記成分は、当業者に周知であることを言及しておかなくてはならない。
好ましくは、本発明による付香用組成物は、上記のとおりのマイクロカプセルを0.1〜30質量%含む。
本発明によるマイクロカプセルは、多くの適用分野において有利に使用することができ、また消費者製品において使用される。マイクロカプセルは、液状の消費者製品に適用することができる液状の形でも、粉末状の消費者製品に適用することができる粉末の形でも使用することができる。
香料オイルベースのコアを含むマイクロカプセルの場合、本発明の製品は、特に付香された消費者製品、たとえばファインフレグランスまたは「機能性」香料に属する製品において使用することができる。機能性香料は、特に、ヘアケア、ボディ洗浄、スキンケア、衛生ケアを含むパーソナルケア製品ならびにランドリーケアおよびエアケアを含むホームケア製品を含む。従って、本発明のもう1つの対象は、付香用成分、上記のとおりのマイクロカプセルまたは上記のとおりの付香用組成物を含有する付香された消費者製品である。前記の消費者製品の香料要素は、上記のとおりの香料マイクロカプセルと、カプセル封入されていない香料ならびにここに開示したマイクロカプセルとは異なるタイプの香料マイクロカプセルとの組合せであってもよい。
特に、液状の消費者製品は
− 消費者製品の全質量に対して、2〜65質量%の少なくとも1種類の界面活性剤、
− 水または水と混和可能な親水性有機溶剤、および
− 上記のとおりの付香用組成物またはマイクロカプセル(なお、香料を含む疎水性材料は、本発明のもう1つの対象である)
を含む。
また、粉末状の消費者製品は、
− 消費者製品の全質量に対して、2〜65質量%の少なくとも1種の界面活性剤、および
− 付香用組成物またはマイクロカプセル(なお、上記のとおりの香料を含有する疎水性材料は、本発明の一部である)
を含む。
特定の1実施態様によれば、付香された消費者製品に含まれているマイクロカプセルを製造する方法は、多量の界面活性剤を含有する難しいベースにおける安定性を改善するために上記のとおりの架橋ステップ(化学的および/または酵素による)を含む。
従って、本発明によるマイクロカプセルはそのままで、または本発明による付香用組成物の一部として、付香された消費者製品に添加することができる。
明確性を考慮して、「付香された消費者製品」とは、様々な利益の中でも、その製品が適用される表面(たとえば皮膚、毛髪、テキスタイル、紙または家庭における表面)または空気(エアフレッシュナー、脱臭剤等)に、付香効果をもたらすことが期待されている消費者製品を意味することに言及しておかなくてはならない。換言すれば、本発明による付香された消費者製品は、利益をもたらす剤中でも本発明によるマイクロカプセルの有効量と一緒に「ベース」とも呼ばれる機能的な配合物を含む、製造された製品である。
付香された消費者製品のその他の成分の性質および種類は、ここでより詳細な記載を保証するものではないが、そのような記載はいずれにしても網羅的なものにはならず、当業者であれば、自身の一般的な知識に基づいて、かつ前記製品の性質および所望される効果に従って選択することができるであろう。本発明のマイクロカプセルを配合することができる消費者製品のベース配合物は、そのような製品に関する数多くの文献に見出すことができる。これらの配合物は、ここでは詳細な記載を保証するものではなく、そのような記載はいずれにしても網羅的なものにはならないであろう。そのような消費者製品を配合する当業者であれば、自身の一般的な知識と、入手可能な文献とに基づいて、適切な成分を好ましく選択することができるであろう。
適切な付香された消費者製品の非限定的な例は、香料、たとえばファインパフューマリー、コロン、アフターシェーブローション、ボディスプラッシュ、繊維ケア製品、たとえば液体洗剤もしくは固形洗剤、タブレットおよびポッド、繊維柔軟剤、乾燥機用シート、繊維リフレッシュ剤、アイロン水、または漂白剤、パーソナルケア製品、たとえばヘアケア製品(たとえばシャンプー、ヘアコンディショナー、染毛用調製物またはヘアスプレー)、化粧用調製物(たとえばバニシングクリーム、ボディローション、またはデオドラント剤もしくは制汗剤)、またはスキンケア製品(たとえば付香された石けん、シャワー用もしくはバス用のムース、ボディウォッシュ、オイルもしくはジェル、バスソルト、または衛生用品)、エアケア製品、たとえばエアフレッシュナー、または「即時使用可能な」粉末状エアフレッシュナー、またはホームケア製品、たとえば多目的クリーナー、液状もしくは粉末状もしくはタブレット形の食器洗浄用製品、トイレ洗浄剤、または様々な表面を洗浄するための製品、たとえばテキスタイルまたは硬質表面(床、タイル、石張りの床等)の処理/リフレッシュを意図したスプレーおよびワイプ、衛生用品、たとえば生理用ナプキン、おむつ、トイレットペーパーであってよい。
本発明のもう1つの対象は、
− パーソナルケア活性ベースおよび
− 上記のとおりのマイクロカプセルまたは上記のとおりの付香用組成物
を含み、パーソナルケア組成物の形である消費者製品である。
本発明のマイクロカプセルを配合することができるパーソナルケア活性ベースは、そのような製品に関する数多くの文献に見出すことができる。これらの配合物は、ここでは詳細な記載を保証するものではなく、そのような記載はいずれにしても網羅的なものにはならないであろう。そのような消費者製品を配合する当業者であれば、自身の一般的な知識と、入手可能な文献とに基づいて、適切な成分を好ましく選択することができるであろう。
パーソナルケア組成物は好ましくは、ヘアケア製品(たとえばシャンプー、ヘアコンディショナー、染毛用調製物またはヘアスプレー)、化粧用調製物(たとえばバニシングクリーム、ボディローション、またはデオドラント剤もしくは制汗剤)、スキンケア製品(たとえば付香された石けん、シャワー用もしくはバス用のムース、ボディウォッシュ、オイルもしくはジェル、バスソルト、または衛生用品)、口腔ケア製品(歯磨き用ペーストまたはマウスウォッシュ組成物)、またはファインフレグランス製品(たとえばオードトワレ、EdT)からなる群から選択される。
本発明のもう1つの対象は、
− ホームケアもしくは繊維ケア用の活性ベースおよび
− 上記のとおりのマイクロカプセルまたは上記のとおりの付香用組成物
を含み、ホームケアもしくは繊維ケア組成物の形である消費者製品である。
本発明のマイクロカプセルを配合することができるホームケアもしくは繊維ケア用ベースは、そのような製品に関する数多くの文献において見出すことができる。これらの配合物は、ここで詳細な記載を保証するものではなく、そのような記載はいずれにしても包括的なものにはならないだろう。そのような消費者製品を配合する当業者であれば、自身の知識と、入手可能な文献とに基づいて、適切な組成物を好ましく選択することができるであろう。ホームケアもしくは繊維ケア用の組成物は好ましくは、繊維柔軟剤、液体洗剤、粉末洗剤、液状の匂いブースター、固形の匂いブースターからなる群から選択される。
特定の1実施態様によれば、消費者製品は、繊維柔軟剤組成物の形であり、
− 85〜99.9%の繊維柔軟剤活性ベース
− 0.1〜15質量%、より好ましくは0.2〜5質量%の本発明のマイクロカプセルスラリー
を含む。
繊維柔軟剤活性ベースは、第四級アンモニウムのカチオン性界面活性剤、たとえばジエチルエステルジメチルアンモニウムクロリド(DEEDMAC)、TEAQ(トリエタノールアミンクォート)、HEQ(ハンブルクエステルクォート)、またはこれらの混合物を含有していてもよい。
特定の1実施態様によれば、消費者製品は、付香用組成物の全質量に対して、
− 0.1〜20%の上記のとおりのマイクロカプセル、
− 0〜40%、好ましくは3〜40%の香料、および
− 40〜90質量%のエタノール
を含有する付香用組成物の形である。
消費者製品は好ましくは、0.1〜15質量%、より好ましくは0.2〜5質量%の本発明のマイクロカプセルを含有する(なお、これらのパーセンテージは、消費者製品の全質量に対する質量によって定義される)。当然のことながら、上記の濃度は、それぞれの製品において望まれている有利な効果に応じて調整することができる。
ところで、実施例を用いて本発明を詳細に記載する。これらの実施例によって特許請求の範囲に記載した発明を何ら限定することを意図したものではないことを認識されたい。
例1
本発明の方法によるマイクロカプセルの製造
以下とおりにマイクロカプセルAを製造した。
リモネン7gを脱塩水中で製造されたWPI(ホエイプロテイン、Davisco)の2質量%溶液80g中で、ウルトラ・ツラックスを使用して乳化させた。次いで、HMP(高メトキシペクチン、Fluka)の2質量%溶液10gを撹拌下に添加して、WPI/HMP複合体粒子を製造した。これはWPI/HMP=8(w/w)である。
次いで希釈したNaOHおよび酪酸溶液を使用してpHを5.35に調整した。次いで前記エマルションを85℃で1時間加熱して、タンパク質の凝固を誘発し、マイクロカプセルスラリーを形成した(図1および図2を参照のこと)。
例2
比較マイクロカプセルの製造
この例は、WPI/HMP複合体粒子を製造する前にWPI安定化エマルションを製造することの重要性を示すものである。この例では、オイルおよび乳化剤を添加する前にWPI/HMP=8複合体粒子を製造した。次いで、WPIの5%溶液10gをHMPの2%溶液3.1gと混合し、pHを5.1に調整した。
次いで、リモネン1gを添加し、ウルトラ・ツラックスでせん断することによりエマルションが形成された。最後に、前記エマルションを85℃で1時間加熱した。油滴の周囲に膜は形成されなかった(図3を参照のこと)。
例3
比較マイクロカプセルの製造
ペクチンを用いずに比較マイクロカプセルXを以下のとおりに製造した:
リモネン15gをWPIの10%溶液50gに添加し、ウルトラ・ツラックスを用いて24000rpmで1分間せん断した。次いで、脱イオン水10g中のCaCl(Acros)2.5gの溶液を撹拌下にゆっくり添加した。次いで希釈した酪酸およびNaOH溶液を用いてpHを5.48に調整し、次いで前記エマルションを水浴中、85℃で30分間、機械的なオーバーヘッドスターラーで加熱した。
例4
本発明の方法によるマイクロカプセルの製造
様々なWPI/HMP比を用いてpH約5.4でWPI/HMPマイクロカプセルを製造した。
Figure 2021527554
それぞれのサンプルに関して、WPI水溶液を80℃で5分間加熱することにより変性した。冷却後、リモネンをWPI溶液中、24000rpmで1分間せん断し(ウルトラ・ツラックス)、撹拌下でCaCl溶液を添加した。次いで、HMP溶液を撹拌下で添加し、次いで希釈したNaOHおよび酪酸溶液を用いてpHを約5.4に調整し、オーバーヘッドスターラーを使用して機械的に撹拌しながら85℃で30分間加熱した。得られたマイクロカプセルスラリーを冷却させた。
SEM画像から、膜にペクチンが存在することに基づいて、本発明のマイクロカプセル(A、BおよびC、図4、図5、図6をそれぞれ参照のこと)の表面が、比較マイクロカプセルX(図7)の表面よりもスムーズであることが理解できる。
例5
本発明の方法によるマイクロカプセルの製造
香料オイルA(第2表を参照のこと)9gを、WPI溶液(80℃で非変性)30gに添加し、ウルトラ・ツラックスでせん断してエマルションを形成した。次いで、水6g中のCaCl 1.8gの溶液を撹拌下にゆっくり添加し、引き続きHMPの2%溶液19.4gを添加した。15分撹拌した後で、前記エマルションを水浴中、オーバーヘッドスターラーで撹拌しながら85℃で1時間加熱した。マイクロカプセルDが得られた。
Figure 2021527554
a)メチル−2,2−ジメチル−6−メチレン−1−シクロヘキサンカルボキシレート、入手元:スイス国ジュネーブ在、Firmenich SA社、
b)2−tert−ブチル−1−シクロヘキシルアセテート、米国在、International Flavors & Fragrances社、
c)4−(1,1−ジメチルエチル)−1−シクロヘキシルアセテート、入手元:スイス国ジュネーブ在、Firmenich SA社、
d)(2Z)−2−フェニル−2−ヘキセンニトリル、入手元:スイス国ジュネーブ在、Firmenich SA社。
図8に示されているように、得られたマイクロカプセルはスムーズな表面を有しており、かつ球形である。TGA分析(温度プログラム:10℃/分で30〜50℃、50℃で120分、図9を参照のこと)の終了時には、乾燥した残留物が理論的な乾燥残留物の僅かに下側に位置しており、これは当初カプセル封入された香料82%の保持に相当する。
例6
WPI/HMP膜のバリア特定の評価
WPI/HMP比の関数として揮発性成分の保持率を比較するために、例3で得られたマイクロカプセルスラリーを20倍に希釈し、次いで希釈した懸濁液約200mgをガラススライド上に適用した(希釈は乾燥によるHMP皮膜の形成を回避するために実施した)。
懸濁液をスライド上で3日間乾燥させた。その後、乾燥残留物をスパチュラで掻き取り、ヘッドスペース中に放出された香料を、光イオン化検出器(Tiger)を使用してガラスベルの下で測定した。
乾燥したマイクロカプセルから放出されたリモネンの量は、図10に記載されている。
これらのデータをそれぞれのガラススライドに堆積したリモネンの理論量により標準化した。図10によれば、HMP(高メトキシペクチン)によるWPIマイクロカプセルの強化によりバリア特性が改善されることを結論付けることができる。
例7
フレーバー付けされた製品の性能(スナックにおける適用)
A チキンフレーバー
例1に記載した方法と同じ方法を使用し、WPI/HMP=8(マイクロカプセル懸濁液中でオイル約13.7%)の比を用いてチキンフレーバーを含有するマイクロカプセルを製造した。比較のために、ウルトラ・ツラックスを使用して、チキンフレーバー7.9gおよびアラビアゴムの5質量%溶液50gから製造された水中油型エマルションを製造した(エマルション中のオイル13.6質量%)。次いで、エマルション(参照用)15gまたはマイクロカプセル懸濁液15gを、回転タンブラーを使用してコーンフレークを回転させ、かつ熱の適用により乾燥させながら、前記懸濁液を噴霧することにより、フレーバー付けされていないコーンフレーク50g上にコートした。
得られたフレーバー付けされたコーンフレークは次いで、訓練を受けていない6名のパネリストのグループにより試験された。マイクロカプセルでコートされたコーンフレークでは強いフレーバー強度が認められた。
フレーバーの放出を測定するために、湿潤条件で咀嚼を模倣し、光イオン化検出器により揮発性成分の放出を測定した。
手順:
フレーバー付けされたコーンフレーク1gを、脱イオン水1gが入れられた30mlのガラスビンに移した。この混合物を15分間にわたって平衡させた。ヘッドスペース中での揮発性成分の測定は、30秒間行い、次いで湿ったコーンフレークをスパチュラで1分間混練しながら測定を継続した。マイクロカプセルでコートしたコーンフレークからは、混練前および混練後に、より多くのフレーバーが放出されたことを観察することができる。
B レモンフレーバー
チキンフレーバーに代えてレモンフレーバーを用いて同じ試験を行った。エマルション(参照用)17gまたはマイクロカプセル懸濁液17gを、回転タンブラーを使用し、コーンフレークを回転させ、かつ熱の適用により乾燥させながら、懸濁液をコーンフレークに噴霧することにより、前記懸濁液をフレーバー付けされていないコーンフレーク50g上にコートした。
コーンフレーク1gと脱イオン水1gとを混合することで咀嚼を模倣した。次いでヘッドスペース中に放出された揮発性成分を光イオン化検出器により上記のとおり、混練前および混練後に測定した。
チキンフレーバーに関しては、マイクロカプセルでコートしたコーンフレークからより高いフレーバー放出量を観察した。ここでは、マイクロカプセル封入によりコーティングプロセス中により良好な揮発性成分の保持が示された。
例8
グルタルアルデヒドにより架橋したマイクロカプセルの製造
ウルトラ・ツラックスを使用して、リモネン15gをWPIの10質量%溶液50g中でせん断した。次いで脱イオン水10g中のCaCl 3gを含有する溶液を撹拌下に添加し、次いでHMPの2%溶液31gを添加した。pHを5.29に調整した。機械的に撹拌しながらエマルションを85℃で1時間加熱した。冷却後、グルタルアルデヒドの50%溶液(Sigma)0.10gを添加し、かつ懸濁液を室温でさらに3時間撹拌して、マイクロカプセルFが得られた。
マイクロカプセルFを用いて50℃でTGAを実施した(サンプルはTGA分析の前に5倍に希釈した)。図11から、マイクロカプセルFはTGAによれば、点線(理論上の乾燥含分を示す)の上に存在する曲線により示されているとおり、安定していることを結論付けることができる。
例9
ポリイソシアネートにより架橋された本発明の方法により製造されたマイクロカプセル
異なった量のジイソシアネート(Takenate(R)D110−N、キシリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパン付加物、入手元:日本国在、三井化学株式会社、キシリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパン付加物2.3%および3.3%)を香料オイルA(第2表を参照のこと)9gに添加し、次いでウルトラ・ツラックスを使用して24000rpmで1分間、10質量%のWPI(ホエイプロテイン単離物)溶液30g中で乳化させた。
次いで電磁撹拌下に脱イオン水6g中に溶解したCaCl 1.8gを添加し、エマルションを10分間撹拌した。
次いで撹拌下に2質量%の高メトキシペクチン(HMP)18.6gをエマルションに添加し、次いで希釈したNaOH溶液によりpHを約8.6(8.5〜9)に調整した。
次いで得られたエマルションを水浴中、70℃で1時間、オーバーヘッドスターラーにより機械的に撹拌ながら加熱し、界面重合を誘発した。
この最初の加熱ステップの後で、希釈した酪酸を用いてpHを5.4に調整し、かつスラリーを85℃で1時間加熱して、タンパク質の変性を誘発した。マイクロカプセルG(Takenate(R) 2.3%)およびマイクロカプセルH(Takenate(R) 3.3%)が得られた。
50℃で2時間、熱重量分析を実施して、膜のバリア特性を評価した(TGAプログラム:10℃/分速度で30〜50℃の温度傾斜、次いで50℃で2時間の等温処理)。全てのサンプルを脱イオン水で5倍に希釈してから分析を実施した。
点線は、マイクロカプセルが香料を100%保持している場合に分析終了時に炉中に残留しているはずの乾燥残留分を示している。図12から、カプセルGおよびHの両方ともが安定していることを結論付けることができる。
シャワージェルベース中でのマイクロカプセルの安定性評価:
香料0.2%に相当する量を添加するために十分な量のマイクロカプセルスラリーGおよびHを秤量し、シャワージェル(第3表)と混合した。こうして得られたスラリーを閉じたバイアル中、38℃で貯蔵し、記録した期間の後で、香料の漏出をGC−MSにより測定した。
Figure 2021527554
1)EDTA四ナトリム、入手元:BASF社、
2)アクリレートコポリマー、入手元:Noveon社、
3)C12〜C15パレス硫酸ナトリウム、入手元:Zschimmer & Schwarz社、
4)メチルクロロイソチアゾリノンおよびメチルイソチアゾリノン、入手元:Rohm & Haas社。
図13からは、シャワージェルベース中、38℃で1ヶ月にわたる貯蔵後に、マイクロカプセルが失った香料は封入された香料の3%未満であったことを結論付けることができる。
例10
ポリイソシアネートにより架橋された本発明の方法により製造されたマイクロカプセル
以下のとおりにマイクロカプセルIを製造した:
香料B(第4表を参照のこと)4.6195g中に溶解したTakenate 0.0966gを含有する油相を、10%のWPI溶液15gに添加し、ウルトラ・ツラックスでせん断してO/Wエマルションが形成された。
Figure 2021527554
1)入手元:Firmenich SA社、
2)2−tert−ブチル−1−シクロヘキシルアセテート、入手元:USA在、IFF社、同社の商標。
次いで、脱イオン水2.5g中に溶解したCaCl 0.92gを撹拌下で前記エマルションに滴下し、引き続き、HMP2%溶液9.55gをゆっくり添加した(得られたエマルションの最終pHは5.37)。
前記エマルションを室温で4時間撹拌することにより第一の架橋ステップを実施して、界面重合により内側のシェルが形成された。
第二のステップで、水浴中85℃で1時間、前記スラリーを加熱することによりタンパク質層を熱により凝固させた。
最後のステップで、グルタルアルデヒドにより以下のとおりに外側のシェルを架橋させた:スラリーのpHは、希釈したNaHO溶液によりpH7.46に調整した。次いで、50%のグルタルアルデヒド溶液0.0874gを添加して、スラリーを一夜撹拌した。
50℃で2時間実施したサンプルのTGA分析は、得られたマイクロカプセルが熱的に安定していることを示している(図14を参照のこと)。
マイクロカプセルの安定性はまた、5%のSDS(ドデシル硫酸ナトリウム)溶液中でも評価した。
マイクロカプセルスラリー数滴を5%のSDS溶液10ml中に添加し、顕微鏡により経時的にマイクロカプセルを観察した:
SDS溶液中で10日後に、マイクロカプセルは球形のままであり、ガラススライド上に押し付けるとオイルを放出した。これは、マイクロカプセルが、その中に封入されていたオイルの少なくとも一部を保持していたことを示している。
例11
本発明のマイクロカプセルを含有するパーソナルケア組成物
異なったボディケア適用においてマイクロカプセルIを以下のとおりに導入した:
懸濁液10gを5分間遠心分離して濃縮されたマイクロカプセルのケークを回収した。次いで濃縮されたマイクロカプセル1gを、付香されていない3つの異なったベース10gに配合した:
− ベース1:アルコール不含のデオドラントスティック
− ベース2:Al−Zrを含有する制汗剤スティック
− ベース3:デイクリーム
これらのベースの配合は以下に記載されている。
Figure 2021527554
1)Edeta(R)B Powder、BASF社の商標および同社より入手
2)Cremophor(R)A25、BASF社の商標および同社より入手
3)Tegosoft(R)APM、Evonik社の商標および同社より入手
4)Irgasan(R)DP300、BASF社の商標および同社より入手
パートAの全ての成分を秤量し(第5表)、70〜75℃に加熱した。パートAのその他の成分が混合され、かつ加熱されたら、セテアレス−25を添加する。セテアレス−25が溶解したら、ステアリン酸を添加する。1,2−プロピレングリコール中にトリクロサンを溶解することによりパートBを製造する。蒸発した分の水を添加する。混合しながらパートBをゆっくりパートAに注ぐ。貯蔵のために、バケツ中にプラスチック袋をいれて、冷却後に封止する。注型材料は約70℃で充填した。
Figure 2021527554
1)Dow Corning(R)345 Fluid、Dow Corning社の商標および同社より入手
2)Lanette(R)18、BASF社の商標および同社より入手
3)Tegosoft(R)PBE、Evonik社の商標および同社より入手
4)Cutina(R)HR、BASF社の商標および同社より入手
5)Summit AZP-908、Reheis社の商標および同社より入手
パートAの全ての成分を秤量し(第6表)、70〜75℃に加熱して十分に混合する。パートBの成分をパートA中に分散させる。この混合物を混合し、65℃でケースに入れる。
Figure 2021527554
例12
繊維柔軟剤中でのマイクロカプセルの性能
マイクロカプセルJ、KおよびL(ポリイソシアネートにより架橋)の製造
異なった量のジイソシアネート(Takenate(R)D110−N、キシリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパン付加物、入手元:日本国在、三井化学株式会社)を、香料オイルB(第4表を参照のこと)30gに添加し、次いで10質量%のWPI(ホエイプロテイン単離物)溶液50g中で、ウルトラ・ツラックスを使用して24000rpmで1分間乳化させた。
次いで脱イオン水6g中に溶解したCaCl 3gを電磁撹拌下に添加し、エマルションを10分間撹拌させた。
次いで2質量%の高メトキシペクチン(HMP)溶液約31gを撹拌下でエマルションに添加した。pHは混合物のそのままの値で維持し、これは5〜5.5であった。次いで得られたエマルションを室温で4時間、オーバーヘッドスターラーにより機械的に撹拌して界面重合を誘発した。
この第一ステップの後で、スラリーを85℃で1時間加熱して、タンパク質の変性を誘発した。
マイクロカプセルJ(Takenate(R)2%)、マイクロカプセルK(Takenate(R)3%)およびマイクロカプセルL(Takenate(R)4%)が得られた。
熱重量分析
熱重量分析は、膜のバリア特性を評価するために、50℃で4時間実施した(TGAプログラム:10℃/分の速度で30〜50℃の温度傾斜、引き続き50℃で4時間の等温処理)。その結果は図15に示されている。
点線は、マイクロカプセルが香料を100%保持している場合に分析の終了時に炉中に残留しているはずの乾燥残分を示している。図15から、カプセルJおよびLは安定していることを結論付けることができる。
香料漏出
香料0.116%に相当する量を添加するために十分な量のカプセルLを秤量し、柔軟剤ベース(第8表の組成を参照のこと)と混合した。このスラリーを閉鎖されたバイアル中、38℃で貯蔵し、記録した期間の後で、GC−MSにより香料漏出を測定した。
Figure 2021527554
1)Stepantex(R)VL90A、Stepan社
2)Proxel(R)GXL、Arch社
柔軟剤は、メチルビス[エチル(獣脂エステル)−2−ヒドロキシエチルアンモニウムメチルスルフェートを秤量し、これを65℃に加熱することにより製造する。次いで、水および1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オンを反応器に入れ、撹拌下で65℃に加熱する。上記の混合物にメチルビス[エチル(獣脂エステル)−2−ヒドロキシエチルアンモニウムメチルスルフェートを添加する。この混合物を15分撹拌し、CaClを添加する。次いでマイクロカプセルを添加する。この混合物を15分撹拌し、撹拌下で室温に冷却する(測定された粘度:結果±5mPas(せん断速度106秒−1)。
図16の結果から、マイクロカプセルが繊維柔軟剤中、38℃で2ヶ月後に安定していることを結論付けることができる。
柔軟剤適用におけるマイクロカプセルの性能評価:
マイクロカプセルの付着および性能を、以下の洗濯プロトコルに従ってコットンタオルで評価した:
洗濯機のプログラム:40℃、短時間の脱水、900rpm
タオル:24枚
タオルは次いで以下のとおりに乾燥させた:
ライン乾燥(24時間)、周囲温度および湿度。パネリスト1名につき、タオル1セット。
パネリスト達は、摩擦前および摩擦後のタオルの香料強度を、目隠しして1(=匂いなし)から7(非常に強力な匂い)の直線スケールで評価することを依頼されていた。
評価は製造直後のマイクロカプセルスラリー/柔軟剤ベース混合物ならびに37℃で一ヶ月貯蔵した混合物について実施した(第9表を参照のこと)。
Figure 2021527554
摩擦効果もまた測定し、摩擦前および摩擦後の強度の差分(δ)として定義した。第10表を参照のこと。
Figure 2021527554
本発明のマイクロカプセルは、摩擦後に嗅覚的ブーストをもたらすことを結論付けることができる。
例13
噴霧乾燥したマイクロカプセル調製物
以下の成分を含有するエマルションA〜Eを製造する。
Figure 2021527554
1)CapsulTM, Ingredion社、
2)マルトデキストリン 10DE、入手元: Roquette社、
3)マルトース、Lehmann & Voss社、
4)シリカ、Evonik社、
5)第12表を参照のこと。
Figure 2021527554
1)スイス国ジュネーブ在、Firmenich SA社、
2)3−(4−tert−ブチルフェニル)−2−メチルプロパナール、スイス国ヴェルニエ在、Givaudan SA社、
3)1−(オクタヒドロ−2,3,8,8−テトラメチル−2−ナフタレニル)−1−エタノン、米国在、International Flavors & Fragrances社、
4)スイス国ジュネーブ在、Firmenich SA社、
5)メチルジヒドロジャスモネート、スイス国ジュネーブ在、Firmenich SA社、
6)スイス国ジュネーブ在、Firmenich SA社。
ポリマーマトリックス用の成分(マルトデキストリンおよびcapsul(登録商標)、またはcapsul(登録商標)、クエン酸およびクエン酸三カリウム)を完全に溶解するまで45〜50℃の水に添加する。エマルションDについては、カプセル封入されていない香料Cを水相に添加する。マイクロカプセルスラリーを添加して混合物が得られる。次いで、得られる混合物を25℃(室温)で優しく混合する。
Sodeva Spray Dryer(フランス製)を使用して、空気入口温度を215℃に設定し、1時間あたりの処理量を500mlに設定して、エマルションA〜Eを噴霧乾燥することにより、造粒された粉末A〜Eを製造する。空気出口温度は105℃である。噴霧前のエマルションは、周囲の温度である。
例14
液状の香りブースター組成物
香料0.2%に相当する量を添加するために十分な量のマイクロカプセルスラリーG、H、I、J、KまたはLを秤量し、液状の香りブースター(第13表)に混合する。
Figure 2021527554
1)Deceth-8、:KLK Oleo社の商標および同社より入手、
2)Laureth-9;商標および入手元、
3)Plantacare 2000UP; BASF社の商標および同社より入手。
以下のプロトコルに従って、様々なリンギングジェル組成物を製造する(組成物1〜6)。
第1のステップで、水相(水)、存在する場合には溶剤(プロピレングリコール)および界面活性剤を室温でマグネチックスターラーにより300rpmで5分間撹拌下に一緒に混合する。
第2のステップで、リンカーを疎水性活性成分(フレグランス)中に室温でマグネチックスターラーにより300rpmで撹拌下に溶解させる。得られる混合物を5分間混合する。
次いで、水相及び油相を室温で5分間混合することで、透明または半透明なリンギングジェルが形成される。
例15
液体洗剤組成物
香料0.2%に相当する量を添加するために十分な量のマイクロカプセルスラリーG、H、I、J、KまたはLを秤量し、液体洗剤(第14表)に添加する。
Figure 2021527554
1)Hostapur SA、入手元:60Clariant社、
2)Edenor K 12-18、入手元:Cognis社、
3)Genapol LA 070、入手元:Clariant社、
4)Genencor 、入手元:International社、
5)Aculyn 88 、入手元:Dow Chemical社。
例16
粉末洗剤組成物
香料0.2%に相当する量を添加するために十分な量の顆粒A〜Eを秤量し、粉末洗剤組成物(第15表)に混合する。
Figure 2021527554
例17
多目的クリーナー濃縮組成物
香料0.2%に相当する量を添加するために十分な量のマイクロカプセルスラリーG、H、I、J、KまたはLを秤量し、多目的クリーナー濃縮組成物(第16表)に混合する。
Figure 2021527554
1)Neodol 91-8(R);Shell Chemical社の商標および同社より入手、
2)Biosoft D-40(R);Stepan Company社の商標および同社より入手、
3)Stepanate SCS(R);Stepan Company社の商標および同社より入手、
4)Kathon CG(R);Dow Chemical Company社の商標および同社より入手。
全ての成分を一緒に混合し、次いでこの混合物を水で希釈して100%とする。
例18
固体の匂いブースター組成物
以下の組成物を準備する。
Figure 2021527554
Figure 2021527554
例19
シャンプー組成物
香料0.2%に相当する量を添加するために十分な量のマイクロカプセルスラリーG、H、I、J、KまたはLを秤量し、シャンプー組成物(第19表)に混合する。
Figure 2021527554
1)Ucare Polymer JR-400, Noveon社、
2)Schweizerhall社、
3)Glydant, Lonza社、
4)Texapon NSO IS, Cognis社、
5)Tego Betain F 50, Evonik社、
6)Amphotensid GB 2009, Zschimmer & Schwarz社、
7)Monomuls 90 L-12, Gruenau社、
8)Nipagin Monosodium, NIPA社。
ポリクアテルニウム−10を水中に分散させる。相Aの残りの成分をその都度の添加の後に十分混合しながら順次添加することで、別途混合する。次いでこのプレミックスをポリクアテルニウム−10分散液に添加し、5分間混合する。次いで、相Bおよびプレミックス相C(Texapon NSO IS中でMonomuls 90L-12を溶融させるために加熱)を添加する。混合物を十分に混合する。次いで相Dおよび相Eを撹拌下に添加する。pHはクエン酸溶液を用いてpHが5.5〜6.0になるまで調整する。
例20
シャンプー組成物
香料0.2%に相当する量を添加するために十分な量のマイクロカプセルスラリーG、H、I、J、KまたはLを秤量し、シャンプー組成物(第20表)中に混合する。
Figure 2021527554
1)EDETA B粉末、BASF社、
2)Jaguar C14 S, Rhodia社、
3)Ucare Polymer JR-400, Noveon社、
4)Sulfetal LA B-E, Zschimmer & Schwarz社、
5)Zetesol LA, Zschimmer & Schwarz社、
6)Tego Betain F 50, Evonik社、
7)Xiameter MEM-1691, Dow Corning社、
8)Lanette 16, BASF社、
9)Comperlan 100, Cognis社、
10)Cutina AGS, Cognis社、
11)Kathon CG, Rohm & Haas社、
12)D-Panthenol, Roche社。
グアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリドおよびポリクアテルニウム−10を含有するプレミックスを撹拌下に水およびEDTA四ナトリウムに添加する。混合物が均質になったら、NaOHを添加する。次いで、相Cの成分を添加し、混合物を75℃に加熱した。相Dの成分を添加し、均質になるまで混合する。加熱を停止し、混合物の温度は室温まで低下する。45℃で、相Eの成分を撹拌下に、25%NaCl溶液を用いて最終粘度に調整し、10%NaOH溶液でpH5.5〜6に調整する。
例21
リンスオフヘアケア組成物
香料0.2%に相当する量を添加するために十分な量のマイクロカプセルスラリーG、H、I、J、KまたはLを秤量し、リンスオフ組成物(第21表)に混合する。
Figure 2021527554
1)Genamin KDMP、Clariant社
2)Tylose H10Y G4、信越化学社
3)Lanette O、BASF社
4)Arlacel 165、Croda社
5)Incroquat Beheny TMS 50-PA-(MH)、Croda社
6)Briij S20、Croda社
7)Xiameter MEM-949、Dow Corning社
8)Alfa Aesar
相Aの成分を均質な混合物が得られるまで混合する。Tyloseを完全に溶解させる。次いで、この混合物を70〜75℃に加熱する。相Bの成分を合し、かつ70〜75℃で溶融させる。次いで、相Bの成分を良好に撹拌しながら相Aに添加し、60℃に冷却されるまで混合を継続する。次いで相Cの成分を撹拌しながら添加し、混合物が40℃に冷却されるまでこの混合を継続する。クエン酸溶液を用いてpHをpH3.5〜4.0に調整する。
例22
無水の制汗スプレー組成物
香料0.2%に相当する量を添加するために十分な量のマイクロカプセルスラリーG、H、I、J、KまたはLを秤量し、無水の制汗スプレー組成物(第22表)に混合する。
Figure 2021527554
1)Dow Corning(R)345 Fluid; Dow Corning社の商標および同社より入手、
2)Aerosil(R) 200 ; Evonik社の商標および同社より入手、
3)Bentone(R) 38;Elementis Specialities社の商標および同社より入手、
4)Micro Dry Ultrafine; 入手元:Reheis社。
高速撹拌機を使用して、シリカおよびポリクアテルニウム−18−ヘクトライトをイソプロピルミリステートおよびシクロメチコン混合物に添加する。完全に膨潤したら、混合物が均質になり、塊がなくなるまで撹拌下に少量ずつ、アルミニウムクロロヒドレートを添加する。エーロゾル缶を25%の懸濁液および75%のプロパン/ブタンで充填する(2.5バール)。
例23
制汗スプレーエマルション組成物
香料0.2%に相当する量を添加するために十分な量のマイクロカプセルスラリーG、H、I、J、KまたはLを秤量し、制汗スプレーエマルション組成物(第23表)に混合する。
Figure 2021527554
1)Tween 65;CRODA社の商標および同社より入手、
2)Dehymuls PGPH;BASF社の商標および同社より入手、
3)Abil EM-90;BASF社の商標および同社より入手、
4)Dow Corning 345 fluid;Dow Corning社の商標および同社より入手、
5)Crodamol ipis;CRODA社の商標および同社より入手、
6)Phenoxyethanol;LANXESS社の商標および同社より入手、
7)Sensiva sc 50;KRAFT社の商標および同社より入手、
8)Tegosoft TN;Evonik社の商標および同社より入手、
9)Aerosil R 812;Evonik社の商標および同社より入手、
10)Nipagin mna;CLARIANT社の商標および同社より入手、
11)Locron L;CLARIANT社の商標および同社より入手。
パートAおよびパートBの成分を別々に秤量する。パートAの成分を60℃に加熱し、パートBの成分を55℃に加熱する。パートBの成分を少量、連続的に撹拌しながらパートAに添加する。混合物が室温になるまで十分に撹拌する。次いでパートCの成分を添加する。エマルションを混合し、エーロゾル缶に導入する。噴射剤を圧縮して添加する。
エーロゾル充填:エマルション30%、プロパン/ブタン70%、2.5バール。
例24
デオドラントスプレー組成物
香料0.2%に相当する量を添加するために十分な量のマイクロカプセルスラリーG、H、I、J、KまたはLを秤量し、制汗剤としてのデオドラントスプレー組成物(第24表)に混合する。
Figure 2021527554
1)Irgasan(R)DP300、BASF社の商標および同社から入手
第24表の列に記載の全ての成分を混合し、かつ溶解する。次いでエーロゾル缶を充填し、圧着し、噴射剤を添加する(エーロゾル充填:活性溶液40%、プロパン/ブタン60%、2.5バール)。
例25
ロールオンタイプの制汗剤エマルション組成物
香料0.2%に相当する量を添加するために十分な量のマイクロカプセルスラリーG、H、I、J、KまたはLを秤量し、ロールオンタイプの制汗剤エマルション組成物(第25表)に混合する。
Figure 2021527554
1)BRIJ 72; 入手元: ICI社、
2)BRIJ 721;入手元: ICI社、
3)ARLAMOL E;入手元: UNIQEMA-CRODA社、
4)LOCRON L;入手元: CLARIAN社。
パートAおよびパートBを別々に75℃に加熱する。パートAを撹拌下にパートBに添加し、混合物を10分間均質化する。次いで、混合物を撹拌下に冷却させ、混合物が45℃に達したらパートCをゆっくり添加し、混合物が35℃に達したら撹拌しながらパートDを添加する。次いで、混合物をRTに冷却する。
例26
ロールオンタイプの制汗剤組成物
香料0.2%に相当する量を添加するために十分な量のマイクロカプセルスラリーG、H、I、J、KまたはLを秤量し、ロールオンタイプの制汗剤組成物(第26表)に混合する。
Figure 2021527554
1)LOCRON L; 入手元: CLARIANT社、
2)EUMULGIN B-1; 入手元: BASF社、
3)EUMULGIN B-3; 入手元: BASF社。
パートBの成分を容器中で混合し、次いでパートAの成分を添加する。次いで、パートCをパートAおよびパートB中で溶解する。香料と共に十分に混合しながら、香料1部につき、Cremophor RH40 1部を添加する。
例27
ロールオンタイプの制汗剤組成物
香料0.2%に相当する量を添加するために十分な量のマイクロカプセルスラリーG、H、I、J、KまたはLを秤量し、ロールオンタイプの制汗剤エマルション組成物(第27表)に混合する。
Figure 2021527554
1)Natrosol(R) 250 H;Ashland社の商標および同社より入手、
2)Irgasan(R) DP 300;BASF社の商標および同社より入手、
3)Cremophor(R) RH 40;BASF社の商標および同社より入手。
タービンで迅速に撹拌しながら、ヒドロキシエチルセルロースを少量ずつ水中に散布することによりパートAを製造する。ヒドロキシエチルセルロースが完全に膨潤して凝集したゲルが生じるまで撹拌を継続する。次いで撹拌を継続しながら、全体が均質になるまで、パートBを少量ずつパートAに添加する。パートCを添加する。
例28
アルコール不含のデオドラントポンプの配合物
香料0.2%に相当する量を添加するために十分な量のマイクロカプセルスラリーG、H、I、J、KまたはLを秤量し、以下の組成物(第28表)に混合する。
Figure 2021527554
1)Ceraphyl 41; ASHLAND社の商標および同社より入手、
2)DOW CORNING 200 FLUID 0.65cs; DOW CORNING CORPORATION社の商標および同社より入手、
3)Ceraphyl 28; ASHLAND社の商標および同社より入手、
4)Eutanol G; BASF社の商標および同社より入手、
5)Irgasan(R) DP 300; BASF社の商標および同社より入手。
第28表の全ての成分を表の列に記載のとおりに混合し、混合物をわずかに加熱して、セチルラクテートを溶解させる。
例29
アルコール不含のデオドラントポンプの配合物
香料0.2%に相当する量を添加するために十分な量のマイクロカプセルスラリーG、H、I、J、KまたはLを秤量し、以下の組成物(第29表)に混合する。
Figure 2021527554
1)Softigen 767; CRODA社の商標および同社より入手、
2)Cremophor(R) RH 40; BASF社の商標および同社より入手。
パートBの成分を一緒に混合する。パートAの成分を表の列に記載のとおりに溶解させ、パートBに添加する。
例30
タルク配合物
香料0.2%に相当する量を添加するために十分な量の顆粒A〜Eを秤量し、標準的なタルクベース、つまりタルク100%で、特徴的な匂いがごく僅かであり、白色の粉末(入手元:LUZENAC)に混合する。
例31
シャワージェル参照例
香料0.2%に相当する量を添加するために十分な量のマイクロカプセルスラリーG、H、I、J、KまたはLを秤量し、以下の組成物(第30表)に混合する。
Figure 2021527554
3)EDETA B POWDER; BASF社の商標および同社より入手、
4)CARBOPOL AQUA SF-1 POLYMER; NOVEON社の商標および同社より入手、
5)ZETESOL AO 328 U; ZSCHIMMER & SCHWARZ社の商標および同社より入手、
6)TEGO-BETAIN F 50; GOLDSCHMIDT社の商標および同社より入手、
7)KATHON CG; ROHM & HASS社の商標および同社より入手。
成分を混合し、pHを6〜6.3に調整する(粘度:4500cPo±1500cPo)ブルックフィールドRV/スピンドル#4/20rpm)。
例32
シャワージェル組成物
香料0.2%に相当する量を添加するために十分な量のマイクロカプセルスラリーG、H、I、J、KまたはLを秤量し、以下の組成物(第31表)に混合する。
Figure 2021527554
1)EDETA B POWDER; BASF社の商標および同社より入手、
2)ZETESOL AO 328 U; ZSCHIMMER & SCHWARZ社の商標および同社より入手、
3)TEGO-BETAIN F 50; GOLDSCHMIDT社の商標および同社より入手、
4)MERQUAT 550; LUBRIZOL社の商標および同社より入手。
成分を混合し、pHを4.5に調整する(粘度:3000cPo±1500cPo)ブルックフィールドRV/スピンドル#4/20rpm)。
例33
シャワージェル組成物
香料0.2%に相当する量を添加するために十分な量のマイクロカプセルスラリーG、H、I、J、KまたはLを秤量し、以下の組成物(第32表)に混合する。
Figure 2021527554
1)EDETA B POWDER; BASF社の商標および同社より入手、
2)Texapon NSO IS; COGNIS社の商標および同社より入手、
3)MERQUAT 550; LUBRIZOL社の商標および同社より入手、
4)DEHYTON AB-30; COGNIS社の商標および同社より入手、
5)GLUCAMATE LT; LUBRIZOL社の商標および同社より入手、
6)EUPERLAN PK 3000 AM; COGNIS社の商標および同社より入手、
7)CREMOPHOR RH 40; BASF社の商標および同社より入手。
成分を混合し、pHを4.5に調整する(粘度:4000cPo±1500cPo)ブルックフィールドRV/スピンドル#4/20rpm)。
例34
手洗い用の食器用洗剤
香料0.2%に相当する量を添加するために十分な量のマイクロカプセルスラリーG、H、I、J、KまたはLを秤量し、以下の組成物(第33表)に混合する。
Figure 2021527554
1)Biosoft S-118(R); Stepan Company社の商標および同社より入手、
2)Ninol 40-CO(R); Stepan Company社の商標および同社より入手、
3)Stepanate SXS(R); Stepan Company社の商標および同社より入手、
4)Tergitol 15-S-9(R); Dow Chemical Company社の商標および同社より入手。
水と、水酸化ナトリウムおよびジエタノールアミドとを混合する。LASを添加する。LASが中和された後に、残りの成分を添加する。pHを確認し(=7〜8)、必要であれば調整する。
例35
歯磨き用ペースト配合物
フレーバー0.2%に相当する量を添加するために十分な量のマイクロカプセルスラリーM(マイクロカプセルAに相当、ただしメンソールフレーバーがカプセル封入されている)を秤量し、以下の組成物(第34表)に混合する。
Figure 2021527554
1)Tixosil 73; 商標および入手元:
2)Tixosil 43; 商標および入手元。
例36
リン酸二カルシウムベースの歯磨き用ペースト配合物
フレーバー0.2%に相当する量を添加するために十分な量のマイクロカプセルスラリーM(マイクロカプセルAに相当、ただしメンソールフレーバーがカプセル封入されている)を秤量し、以下の組成物(第35表)に混合する。
Figure 2021527554
1)Aerosil(R)200; 商標および入手元。
例37
アルコール不含のマウスウォッシュ配合物
フレーバー0.2%に相当する量を添加するために十分な量のマイクロカプセルスラリーM(マイクロカプセルAに相当、ただしメンソールフレーバーがカプセル封入されている)を秤量し、以下の組成物(第36表)に混合する。
Figure 2021527554
例38
マウスウォッシュ配合物
フレーバー0.2%に相当する量を添加するために十分な量のマイクロカプセルスラリーM(マイクロカプセルAに相当、ただしメンソールフレーバーがカプセル封入されている)を秤量し、以下の組成物(第37表)に混合する。
Figure 2021527554

Claims (15)

  1. コア・シェル型マイクロカプセルのスラリーを製造する方法であって、以下のステップ:
    (a)疎水性材料、好ましくはフレーバーまたは香料を含有する油相を、球状タンパク質を含有する水相中に分散させて、水中油型エマルションを形成するステップ、
    (b)多糖類を含有する水溶液を、前記水中油型エマルションに添加するステップ、および
    (c)前記球状タンパク質の変性を誘発するために十分な条件を適用して、スラリーの形態のコア・シェル型マイクロカプセルを形成するステップ
    を含む、コア・シェル型マイクロカプセルのスラリーを製造する方法。
  2. 前記水中油型エマルションにおける平均油滴サイズが、10ミクロン超であることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  3. 前記球状タンパク質が、ホエイプロテイン、β−ラクトグロブリン、オバルブミン、ウシ血清アルブミン、植物性タンパク質およびこれらの混合物からなる群から選択されることを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記多糖類が、ペクチン、カラギーナン、アルギン酸塩およびこれらの混合物からなる群から選択される、請求項1から3までのいずれか1項に記載の方法。
  5. 前記球状タンパク質が、ホエイプロテインであり、かつ前記多糖類が、ペクチン、好ましくは高メトキシペクチンであることを特徴とする、請求項1から4までのいずれか1項に記載の方法。
  6. ステップ(c)における前記球状タンパク質の変性が、加熱ステップにより誘発される、請求項1から5までのいずれか1項に記載の方法。
  7. 前記加熱ステップが、50〜100℃の間、好ましくは80〜100℃の間に含まれる温度Tdenで実施されることを特徴とする、請求項6に記載の方法。
  8. 前記油相と前記球状タンパク質との間の質量比が、1〜10の間に含まれることを特徴とする、請求項1から7までのいずれか1項に記載の方法。
  9. 前記球状タンパク質と前記多糖類との間の質量比が、1〜10の間に含まれることを特徴とする、請求項1から8までのいずれか1項に記載の方法。
  10. ステップ(a)で得られたエマルションおよび/またはステップ(b)で得られた混合物に、さらにカルシウム溶液を添加することを特徴とする、請求項1から9までのいずれか1項に記載の方法。
  11. ステップ(b)で得られた混合物および/またはステップ(c)で得られた混合物に、架橋剤、好ましくはトランスグルタミナーゼ、グルタルアルデヒド、ゲニピンおよびこれらの混合物からなる群から選択される架橋剤を添加することを特徴とする、請求項1から10までのいずれか1項に記載の方法。
  12. − ステップ(a)で前記油相中にさらに多官能価モノマーを溶解させ、かつ
    − ステップ(c)の前にさらに、前記多官能価モノマーの界面重合を誘発するために十分な条件を適用することからなるステップを含む
    ことを特徴とする、請求項1から11までのいずれか1項に記載の方法。
  13. − 疎水性材料を含有するオイルベースのコア、および
    − タンパク質および多糖類を含有する少なくとも1つのシェル
    から構成されており、前記タンパク質は好ましくはホエイプロテインであり、かつ前記多糖類は好ましくはペクチンである、少なくとも1つのマイクロカプセルを含有するマイクロカプセルスラリー。
  14. 前記マイクロカプセルが、
    − 疎水性材料を含有するオイルベースのコア、
    − 少なくとも2個のイソシアネート官能基を有する重合されたポリイソシアネートから構成される内側のシェル、およびホエイプロテインとペクチンとを含有する外側のシェル
    から構成されている、請求項13に記載のマイクロカプセルスラリー。
  15. 請求項13または14に記載のマイクロカプセルを含有する組成物であって、付香された製品、好ましくはボディケア製品、ランドリーケア製品からなる群から選択される付香された製品の形態であるか、またはフレーバー付けされた製品、好ましくはスナック、乳製品、ベーカリー製品、糖菓からなる群から選択されるフレーバー付けされた製品の形態である組成物。
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