JP2021527130A - 組織傷害および集中治療後症候群の処置および予防のためのハロゲン化合物の使用 - Google Patents

組織傷害および集中治療後症候群の処置および予防のためのハロゲン化合物の使用 Download PDF

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Abstract

本発明は、傷害または疾患から生じる集中治療後症候群および骨格筋組織損傷を処置および予防するための、ヨウ化物を含むハロゲン化合物の使用に関する。本開示は、一次傷害または疾患から生じ、少なくとも部分的には前記一次傷害または疾患から遠隔の部位に位置する二次傷害、例えばPICSまたは筋肉組織(例えば、骨格筋組織)損傷の処置または予防において有用な組成物および方法を提供する。上記ハロゲン化合物は、ヨウ化物、例えばNaIであり得る。

Description

関連出願への相互参照
本出願は、2018年6月8日に出願された米国仮出願第62/682,574号;2018年9月13日に出願された米国仮出願第62/730,927号;および2018年9月13日に出願された米国仮出願第62/730,945号(これらはすべて、その全体が参照により組み込まれる)に基づく優先権を主張する。
発明の分野
本開示は、還元型のハロゲン化合物、例えばハロゲン化物を含むような、ハロゲン化合物を含む組成物、ならびに傷害または感染症後の組織損傷を処置または予防するために、および集中治療後症候群(PICS)および関連障害を処置または予防するためにハロゲン化合物、例えばヨウ化物を使用する方法に関する。
発明の背景
傷害、病気および疾患およびさらには医療処置でさえ、初期侵襲、すなわち一次傷害後数時間または数週間にわたって発生し得る望ましくない二次傷害または副作用をもたらし得る。二次傷害および副作用は、一次傷害、例えば出血、浮腫、虚血、再灌流、炎症および免疫反応などの間にまたはその後に発生する様々な生物学的プロセスにより引き起こされ得る。二次傷害および副作用は、限定されないが、脳および神経系、骨格筋組織ならびに心筋組織を含む被験体の異なる領域または位置で発生し得る。二次傷害および副作用は、一次侵襲と同じまたは異なる被験体の領域または位置で発生し得る。例えば、四肢への一次傷害は、心臓における二次筋肉組織損傷をもたらし得る。
集中治療医学の現代の進歩は、重病の患者の生存率を改善した。しかしながら、この増加する患者人口により課せられる関連医療負担は、重病の生存を重大な医学的問題に変えた。重病および集中治療からの生存の増加と並行して、生存者の間で共通する特定の健康および生活の質に関連する問題の認識および意識も高まっている。集中治療後症候群(PICS)は、退院後に、重病および集中治療を生き延びた患者で残る健康問題の集合を表す。
集中治療関連のトリガーおよびリスク因子を回避することを目的とする臨床試験はいくつかの利点を示しているが、現在のところ、PICSを処置または予防するための標準治療またはFDA承認治療的介入はない。PICSの発生率、持続性および潜在的重症度を考慮すると、PICSのための新たな処置が必要である。
さらに、ある身体領域内で発生する一次傷害または疾患は、異なる身体領域に位置する組織への損傷をもたらし得る。したがって、当技術分野では、初期疾患または傷害の部位から遠位の部位で発生する組織損傷の重症度を軽減する組成物および方法が必要である。
発明の簡単な概要
本開示は、一次傷害または疾患から生じ、少なくとも部分的には前記一次傷害または疾患から遠隔の部位に位置する二次傷害、例えばPICSまたは筋肉組織(例えば、骨格筋組織)損傷の処置または予防において有用な組成物および方法を提供する。
1つの態様において、本開示は、PICSの処置、その重症度の軽減またはその予防を必要とする被験体におけるPICSを処置し、その重症度を軽減し、またはそれを予防するための方法であって、前記被験体にハロゲン化合物、例えばヨウ化物、例えばNaIを提供する工程を含む方法を提供する。ハロゲン化合物は、ハロゲン化合物と、薬学的に受容可能なキャリア、希釈剤または賦形剤とを含む組成物、例えば薬学的組成物中に存在し得る。本発明の方法のいずれかの特定の実施形態において、PICSまたは関連障害は、集中治療の間におよび/またはそれからの退院後に示される重病を生き延びた患者における身体機能障害、認知機能障害および精神機能障害の新たなまたは悪化する徴候を含む。
特定の実施形態において、本開示は、PICSの認知、精神または身体機能障害のいずれかの処置、その重症度の軽減またはその予防を必要とする被験体におけるPICSの認知機能障害、精神機能障害または身体機能障害のいずれかを処置し、その重症度を軽減し、またはそれを予防するための方法であって、集中治療を受ける前におよび/もしくはそれを受けている間に、ならびに/または集中治療を受けた後に、前記被験体にハロゲン化合物、例えばNaIを提供する工程を含む方法を提供する。特定の実施形態において、それを必要とする被験体は、以下の1つまたは1つより多くと診断され得るか、その徴候を示し得るか、または別様にそれに関連し得るかもしくはそれを特徴とし得る:疼痛、興奮、混乱、ICUせん妄、長期ICU滞在、長期固定、コルチコステロイド処置、神経筋遮断剤(NMBA)による処置、栄養失調、老齢、急性脳機能不全、低酸素症、低酸素血症、外傷、低血圧症、グルコース調節不全、インスリン抵抗性、低血糖症、高血糖症、長期人工呼吸を必要とする呼吸不全、全身性炎症反応症候群(SIRS)、重度敗血症、腎代替療法の使用、急性呼吸窮迫症候群(ARDS)、過去の認知機能障害、多臓器機能不全症候群(MODS)および多臓器不全(MOF)。
ある実施形態において、本明細書に開示される方法は、集中治療を受けている間のまたはそれを受けた後の被験体において最初に発生または悪化し得るPICSの認知、精神または身体機能障害のいずれかを予防し、またはその重症度もしくは持続期間を軽減するために実施される。特定の実施形態において、機能障害は、以下の1つまたは1つより多くから選択される:疼痛、興奮、混乱、ICUせん妄、長期ICU滞在、長期固定、コルチコステロイド処置、神経筋遮断剤(NMBA)による処置、栄養失調、老齢、急性脳機能不全、低酸素症、低酸素血症、外傷、低血圧症、グルコース調節不全、インスリン抵抗性、低血糖症、高血糖症、長期人工呼吸を必要とする呼吸不全、全身性炎症反応症候群(SIRS)、重度敗血症、腎代替療法の使用、急性呼吸窮迫症候群(ARDS)、過去の認知機能障害、多臓器機能不全症候群(MODS)および多臓器不全(MOF)。
PICSの処置、その重症度の軽減またはその予防を必要とする被験体におけるPICSを処置し、その重症度を軽減し、またはそれを予防する方法のいずれかの様々な実施形態において、認知機能障害徴候は、実行機能、記憶、注意、精神的処理速度および問題解決の欠陥を含む。様々な実施形態において、本発明は、PICSの1つまたは1つより多くの認知機能障害徴候を処置し、その重症度を軽減し、またはそれを予防する方法であって、前記被験体に、ハロゲン化合物、例えばNaIと、薬学的に受容可能なキャリア、希釈剤または賦形剤とを含む組成物を提供する工程を含む方法を提供する。
PICSの処置、その重症度の軽減またはその予防を必要とする被験体におけるPICSを処置し、その重症度を軽減し、またはそれを予防する方法のいずれかの様々な実施形態において、精神機能障害は、鬱病、不安神経症または心的外傷後ストレス障害の形態の精神病である。様々な実施形態において、本発明は、PICSの精神機能障害徴候の処置、その重症度の軽減またはその予防を必要とする被験体におけるPICSの精神機能障害徴候を処置し、その重症度を軽減し、またはそれを予防する方法であって、前記被験体に、ハロゲン化合物、例えばヨウ化物またはNaIと、薬学的に受容可能なキャリア、希釈剤または賦形剤との組成物を提供する工程を含む方法を提供する。
PICSの処置、その重症度の軽減またはその予防を必要とする被験体におけるPICSを処置し、その重症度を軽減し、またはそれを予防する方法のいずれかの様々な実施形態において、身体機能障害は、重症疾患多発ニューロパチー(CIP)、重症疾患ミオパチー(CIM)、長期神経筋遮断、長期コルチコステロイド処置、メカニカルサイレンシング、廃用性萎縮、長期臥床、運動性低下、フレイル、再発性転倒、四肢不全麻痺および四肢性不全麻痺と診断され得るか、それにより引き起こされ得るか、またはそれとして現れ得る集中治療室(ICU)獲得性神経筋脱力(本明細書ではICUAWとも称される)である。様々な実施形態において、本発明の方法は、PICSの身体機能障害徴候の処置または予防を必要とする被験体におけるPICSの身体機能障害徴候の処置または予防であって、前記被験体に、ハロゲン化合物、例えばヨウ化物またはNaIと、薬学的に受容可能なキャリア、希釈剤または賦形剤とを含有する組成物を提供する工程を含む処置または予防を開示する。
本明細書に開示される方法のいずれかの特定の実施形態において、前記方法は、代謝性アシドーシス、糖尿病性アシドーシス、高塩素性アシドーシス、乳酸アシドーシスまたは尿細管性アシドーシス、例えばPICSに関連する代謝性アシドーシス、糖尿病性アシドーシス、高塩素性アシドーシス、乳酸アシドーシスまたは尿細管性アシドーシスを処置または予防するために実施される。
別の態様において、本開示は、一次傷害または疾患から生じる骨格筋組織への損傷の処置、その重症度の軽減またはその予防を必要とする被験体における一次傷害または疾患から生じる骨格筋組織への損傷を処置し、その重症度を軽減し、またはそれを予防するための方法であって、前記被験体に、ハロゲン化合物、またはハロゲン化合物と、薬学的に受容可能なキャリア、希釈剤または賦形剤とを含む薬学的組成物を提供する工程を含む方法を提供する。ある実施形態において、一次傷害または疾患は、被験体の1つまたは1つより多くの領域に局在し、局所組織損傷は、一次傷害または疾患と同じ被験体の領域の1つまたは1つより多くで発生し、遠隔組織損傷は、一次傷害または疾患とは異なる被験体の領域の1つまたは1つより多くで発生する。例えば、異なる領域は、一次傷害または疾患の位置と比較して遠位であり得るか、または被験体の遠隔部位にあり得る。特定の実施形態において、被験体の領域は、特定の組織、器官または四肢である。ある実施形態において、二次傷害または遠隔組織損傷は、一次傷害または疾患とは異なる組織または器官で発生する。ある実施形態において、二次損傷は、被験体の組織、例えば1つまたは1つより多くの四肢、隔膜または胴内の骨格組織で発生する。例えば、患者は、特定の身体領域への鈍的外傷の結果として、組織および臓器への直接的および局所的な損傷を経験し得る。局所外傷に対する全身反応は、遠位領域、例えば初期局所外傷により影響を受けない骨格筋への二次損傷をもたらし得る。ある実施形態において、二次損傷は、被験体の心臓組織で発生する。ある実施形態において、一次傷害または疾患は、被験体の局所領域への二次傷害または損傷、例えば、筋肉組織、例えば骨格筋、平滑筋または心筋における組織損傷をもたらす疾患である。いくつかの実施形態において、疾患は、被験体の1つもしくは1つより多くの四肢、隔膜もしくは胴内の骨格組織への、または被験体の心臓組織への二次損傷をもたらす。ある実施形態において、一次傷害または疾患から生じる二次組織損傷は、隔膜または肋間筋で発生する。
ハロゲン化合物は、ハロゲン化合物と、薬学的に受容可能なキャリア、希釈剤または賦形剤とを含む組成物、例えば薬学的組成物中に存在し得る。特定の実施形態において、ハロゲン化合物、例えばI−または組成物は、一次傷害または疾患の前に、その間にまたはその後に被験体に提供される。ある実施形態において、二次傷害は、筋肉組織への傷害である。特定の実施形態において、筋肉組織は、骨格筋(限定されないが、四肢および呼吸筋を含む)、心筋組織または平滑筋組織である。
本明細書に開示される方法のいくつかの実施形態において、一次傷害または疾患は、局所外傷、例えば鈍器外傷、手術、熱傷、虚血性傷害、虚血性再灌流傷害、外傷性脳傷害、脳卒中または放射線傷害である。いくつかの実施形態において、一次傷害または疾患は、感染症、必要に応じてウイルス感染症、真菌感染症または細菌感染症である。いくつかの実施形態において、一次傷害または疾患は、局所炎症状態、必要に応じて胃炎、膵炎、壊死性腸炎または大腸炎である。いくつかの実施形態において、一次傷害または疾患は、被験体において全身性炎症反応症候群(SIRS)または敗血症をもたらしている。いくつかの実施形態において、一次傷害または疾患は、敗血症、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、慢性または急性心不全(例えば、左心不全、右心不全、収縮期心不全、拡張期心不全または鬱血性心不全)、尿毒症、腎疾患、肝疾患、癌、慢性肺疾患、肝硬変、悪液質、または悪液質が一般的な特徴もしくは徴候である任意の疾患である。いくつかの実施形態において、一次傷害または疾患は、慢性状態の頻繁な急性増悪がある疾患である。いくつかの実施形態において、一次傷害または疾患は、慢性疾患の急性エピソードまたは増悪である。いくつかの実施形態において、一次傷害は、医療処置または救命救急、例えば化学療法または免疫療法により引き起こされる。本明細書に開示される一次傷害または疾患のいずれかのある実施形態において、二次傷害は、例えば、一次傷害または疾患から遠隔の位置における筋機能不全または筋脱力である。特定の実施形態において、筋肉は、平滑筋、骨格筋または心筋である。
いくつかの実施形態において、前記方法は、一次傷害または疾患後の被験体の生存性を増強する。ある実施形態において、一次傷害または疾患は、筋肉組織とは異なる被験体の領域内に存在する。いくつかの実施形態において、ハロゲン化合物、例えばI−または組成物は、被験体に経口的または非経口的に提供される。いくつかの実施形態において、ハロゲン化合物、例えばI−または組成物は、一次傷害または疾患の前にボーラス投与として被験体に提供され、必要に応じて、ボーラス投与は、約10mg/kg未満またはそれに等しい、必要に応じて約1.0mg/kgを含む。いくつかの実施形態において、ハロゲン化合物、例えばI−または組成物は、一次傷害または疾患の後に被験体に提供される。特定の実施形態において、ハロゲン化合物はヨウ化ナトリウムである。いくつかの実施形態において、被験体は、数日、例えば約3日、約4日、約5日または約1週間にわたって約2mg/kgの反復毎日疾患を介して、ハロゲン化合物、例えばNaIを提供される。
本明細書に開示される方法のいずれかのある実施形態において、ハロゲン化合物、例えばI−または組成物は、少なくともしばらくの間にわたってハロゲン化合物の血中濃度を少なくとも5倍、少なくとも10倍、少なくとも50倍、少なくとも100倍、少なくとも500倍、少なくとも1000倍、少なくとも10,000倍または少なくとも100,000倍増加させるために十分な量で被験体に提供される。
ある実施形態において、組成物は、ハロゲン化合物、例えばハロゲン化物と、1つまたは1つより多くの薬学的に受容可能なキャリア、希釈剤または賦形剤とを含む安定な液体薬学的組成物である。ある実施形態において、ハロゲン化合物を含む組成物は、還元剤、等張化剤、安定剤、界面活性剤、凍結保護剤、ポリオール、抗酸化剤または保存剤の1つまたは1つより多くを含む。特定の実施形態において、ハロゲン化合物はヨウ化ナトリウムである。特定の実施形態において、組成物は、組成物中に存在するハロゲンを還元状態に維持するように、例えば、ヨウ化物をその−1酸化状態に維持するように製剤化される。本発明の方法および組成物のある実施形態において、組成物中に存在する還元型のハロゲン化合物の少なくとも90%は依然として、室温で保管したときに、少なくとも1時間、少なくとも1週間、少なくとも1ヶ月間または少なくとも6ヶ月間にわたって還元型である。ある実施形態において、組成物中の還元型のハロゲン化合物の少なくとも90%は依然として、約4℃で保管したときに、少なくとも1ヶ月間、少なくとも2ヶ月間、少なくとも4ヶ月間、少なくとも6ヶ月間または少なくとも1年間にわたって還元型で存在する。特定の実施形態において、ハロゲン化合物は、ヨウ化物、例えばNaIである。
本明細書に開示される方法のいずれかのある実施形態において、ハロゲン化合物中に存在するハロゲンは、化学的還元型、例えばハロゲン化物である。ある実施形態において、ハロゲン化合物は、ヨウ素、臭素、塩素、フッ素またはアスタチンを含む。ハロゲン化合物がヨウ素を含む特定の実施形態において、前記ハロゲン化合物はヨウ化物である。様々な実施形態において、ヨウ化物は、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化カリウム、ヨウ化水素、ヨウ化カルシウム、ヨウ化銀、ヨウ化リチウム、ヨウ化マグネシウムまたはヨウ化亜鉛である。ある実施形態において、ハロゲン化合物は臭素を含む。ハロゲン化合物が臭素を含む特定の実施形態において、ハロゲン化合物は臭化物である。
本明細書に開示される方法の様々な実施形態において、組成物は、被験体に非経口的または経口的に提供される。特定の実施形態において、組成物は、静脈内投与、例えば単回ボーラスとして、または注入による投与、例えば一定期間、例えば30分間〜4時間にわたる持続注入のために製剤化された安定還元型のハロゲン化合物を含む。ある実施形態において、組成物は、経口投与のために製剤化された安定還元型のハロゲン化合物を含む。特定の実施形態において、ハロゲン化合物はヨウ化物、例えばNaIである。
本明細書に開示される方法の様々な実施形態において、組成物は、少なくともしばらくの間にわたってハロゲン化合物の血中濃度を少なくとも2倍、少なくとも5倍、少なくとも10倍、少なくとも20倍、少なくとも30倍、少なくとも50倍、少なくとも60倍、少なくとも70倍、少なくとも80倍、少なくとも90倍、少なくとも100倍、少なくとも200倍、少なくとも300倍、少なくとも500倍、少なくとも600倍、少なくとも700倍、少なくとも800倍、少なくとも900倍、少なくとも1000倍、少なくとも10,000倍または少なくとも100,000倍増加させるために十分な量で被験体に提供される。
本明細書に開示される方法のいずれかの特定の実施形態において、ハロゲン化合物はヨウ化物を含み、ヨウ化物の濃度が、少なくとも1時間、12時間、1日、1週間または1ヶ月間にわたって少なくとも10nM、100nM、1uM、10uM、100uM、1mMのレベルで血中で維持されるように投与される。
本明細書に開示される方法のいずれかのある実施形態において、ハロゲン化合物はヨウ化物を含み、約10pg/kg〜約10g/kgのヨウ化物が被験体に提供される。特定の実施形態において、約10μg/kg〜約10mg/kg、約100μg/kg〜約10mg/kg、約0.1〜約10mg/kg、約0.5〜約10mg/kg、約0.5〜約2mg/kg、約1mg/kg〜約10mg/kg、約0.1mg/kg、約0.5mg/kg、約1mg/kg〜約5mg/kg、約1mg/kg、約2mg/kg、約3mg/kg、約4mg/kg、約5mg/kg、約6mg/kg、約7mg/kg、約8mg/kg、約9mg/kg、約10mg/kgまたは約100mg/kgのヨウ化物またはヨウ化ナトリウムが被験体に提供される。
ある実施形態において、ハロゲン化合物は、予定医療措置、例えば予定手術もしくは緊急医療処置の前に、または医療措置、例えば手術もしくは予定もしくは緊急医療処置後約1時間、2時間、4時間、8時間、12時間、24時間、48時間もしくは96時間以内に被験体に提供される。ある実施形態において、これらの量のいずれかは、傷害または外傷、例えば手術後約1時間、2時間、4時間、8時間、12時間、24時間、48時間または96時間以内に被験体に提供される。
図1Aおよび1Bは、示されている量のヨウ化ナトリウムまたは偽処置で動物を処置した場合の虚血性再灌流傷害後のクレアチンキナーゼ(図1A)および心臓トロポニン(図1B)レベルを示すグラフである。各点は、1匹の動物からの結果を表し、*は、p<0.05を示す。
図2は、ヨウ化物または対照で処置した場合の筋肉または肺における浮腫形成(湿重量/乾重量)を示すグラフである。凡例に上から下に示されている濃度は、各組織のグラフに左から右に示されている。各円は、1匹の動物からの結果を表し、*は、p<0.05を示す。
図3は、示されている量のヨウ化ナトリウムによる処置または偽処置後のクレアチンキナーゼ活性レベルを示すグラフである。
図4A〜4Cは、示されている量のヨウ化ナトリウムによる処置または偽処置後のBUN(図4A)、ALT(図4B)およびAST(図4C)の濃度を示すグラフである。各点は、1匹の動物からの結果を表す。
図5は、ビヒクルのみ(下の線)またはヨウ化物(上の線)で処置した動物の経時的な生存を示すグラフである。
図6A〜6Bは、ビヒクルのみまたはヨウ化物で処置した場合の最初の5日にわたる(図6A)または50日後の(図6B)再灌流後のマウスHLI生存時間を示すグラフを含む。各グラフでは、最遅時点における上の線は1mg/kgヨウ化物であり、最遅時点における下の線はビヒクル対照である。
図7A〜7Dは、再灌流の24時間後に、筋肉組織におけるサイトカインレベルが、NaI投与で有意に減少することを示すグラフを提供する。図7Aは、インターロイキン−6(IL−6)を示し;図7Bは、インターロイキン−10(IL−10)を示し;図7Cは、(C−X−Cモチーフ)リガンド1(CXCL1またはKC)を示し;図7Dは、マクロファージ炎症性タンパク質2(MIP−2)を示す。
図8は、再灌流の24時間後に、血漿におけるサイトカインレベルが、FDY−5301投与で有意に減少することを示すグラフを提供する。
図9は、筋肉組織で評価した様々なサイトカインのヒートマップを提供する。
図10は、血漿で評価した様々なサイトカインのヒートマップを提供する。
発明の詳細な説明
本発明は、とりわけ、異なる一次傷害、疾患、障害または医療処置から生じる被験体への二次傷害または損傷を処置し、それを阻害し、その重症度を軽減し、またはそれを予防するためのハロゲン化合物、例えばI−の使用に関する方法および組成物を含む。
1つの態様において、ハロゲン化合物(例えば、I−)は、一次傷害、疾患または障害から生じる二次組織損傷を処置し、それを阻害し、その重症度を軽減し、またはそれを予防する。特定の実施形態において、組織損傷は、一次傷害、疾患または障害の直接的または間接的な結果である。特定の実施形態において、組織は、一次傷害または疾患の部位から遠位または遠隔の部位に位置する。ある実施形態において、二次組織損傷は、二次組織損傷が発生する前に一定期間経過する。特定の実施形態において、損傷が発生する組織は、筋肉組織、例えば心筋組織、平滑筋組織または骨格筋組織である。例えば、添付の実施例に示されているように、後肢への虚血性再灌流傷害から生じる被験体の肺組織および心臓組織への損傷は、被験体をヨウ化物で処置することにより軽減された。
1つの態様において、ハロゲン化合物(例えば、I−)は、PICSを処置し、それを阻害し、その重症度を軽減し、またはそれを予防する。特定の実施形態において、PICSは、医療処置または救命救急から生じる二次傷害である。
加えて、本発明は、PICSを処置し、それを阻害し、その重症度を軽減し、もしくはそれを予防するための、または一次傷害、疾患もしくは障害から生じる組織損傷を処置し、それを阻害し、その重症度を軽減し、もしくはそれを予防するための、1つまたは1つより多くのさらなる活性剤と組み合わせたハロゲン化合物の使用に関する方法および組成物を含む。これらの方法は、1つまたは1つより多くのさらなる活性剤を含むさらなる組成物、ならびに被験体に、ハロゲン化合物および必要に応じて1つまたは1つより多くのさらなる活性剤の両方を含む単一組成物を提供する工程を含む方法と組み合わせて、被験体に、ハロゲン化合物を含む組成物を提供する工程を含む。組成物は、限定されないが、静脈内投与、注入による投与または経口投与を含む様々な異なる投与経路のために製剤化され得る。
定義および略語
特に本明細書で定義がない限り、本出願で使用される科学用語および技術用語は、当業者により一般に理解される意味を有するものとする。一般に、本明細書に記載される化学、分子生物学、細胞および癌生物学、免疫学、微生物学、薬理学ならびにタンパク質および核酸化学に関連して使用される命名法およびそれらの技術は、当技術分野で一般に使用される周知のものである。
本明細書で使用される場合、以下の用語は、特に指定がない限り、それらに帰する意味を有する。
「含む」という用語は、「限定されないが、〜を含む」を意味するために使用される。「含む」および「限定されないが、〜を含む」は交換可能に使用される。
単語「1つの(a)」および「1つの(an)」は、特に記されていない限り、1以上を示す。
「約」は、数量(quantity)、レベル、値、数、頻度、パーセンテージ、寸法、サイズ、量(amount)、重量、または長さが、参照の数量、レベル、値、数、頻度、パーセンテージ、寸法、サイズ、量、重量、または長さに対して、30、25、20、15、10、9、8、7、6、5、4、3、2、または1%までの大きさで変動することを意味する。用語「約」とともに使用される数値の文脈において議論される任意の実施形態において、約という用語は省略できることが具体的に企図される。
文脈上他に必要でない限り、本明細書および特許請求の範囲を通して、「含む(comprise)」という単語、ならびにその変形、例えば「含む(comprises)」および「含むこと(comprising)」は、オープンな包括的な意味で解釈され、これは「含むが限定されない」と同様である。
「からなる(consisting of)」は、「からなる」という語句の前に何が付いても、それを含みかつそれに限定されることを意味する。それゆえに、「からなる」という語句は、列挙された要素が必要であるかまたは必須であること、および他の要素が存在し得ないことを示す。
「から本質的になる」は、この語句の前に列挙される任意の要素を含み、かつ列挙された要素に関して本開示において特定される活性または作用と干渉しないか、またはそれに寄与しない他の要素に限定されることを意味する。それゆえに、「から本質的になる」という語句は、列挙された要素が必要であるかまたは必須であるが、しかし、他の要素は必要に応じたものであり、それらが列挙された要素の活性または作用に影響を与えるかどうかに依存して、存在し得る場合と存在し得ない場合があることを示す。
本明細書を通しての「1つの実施形態」または「一実施形態」への言及は、実施形態に関連して記載される特定の特色、構造、または特徴が本発明の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。それゆえに、本明細書を通しての様々な場所における「1つの実施形態において」または「一実施形態において」という語句の出現は、必ずしもすべてが同じ実施形態に言及しているわけではない。さらに、特定の特色、構造、または特徴は、1つまたは1つより多くの実施形態における任意の適切な様式で組み合わされてもよい。
「増加した」または「増強した」量は、典型的には、「統計学的に有意な」量であり、すなわち、1.1倍、1.2倍、1.3倍、1.4倍、1.5倍、1.6倍、1.7倍、1.8倍、1.9倍、2倍、2.5倍、3倍、3.5倍、4倍、4.5倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、15倍、20倍、30倍、40倍、または50倍もしくは50倍より多い(例えば、100倍、500倍、1000倍)(1より上のすべての整数およびその間の小数点を含み、例えば、2.1、2.2、2.3、2.4など)の、本明細書に記載される量またはレベルである増加を含んでもよい。
「減少した」または「低減した」または「より少ない」量は、典型的には、「統計学的に有意な」量であり、すなわち、本明細書に記載される量またはレベルより約1.1倍、1.2倍、1.3倍、1.4倍、1.5倍、1.6倍、1.7倍、1.8倍、1.9倍、2倍、2.5倍、3倍、3.5倍、4倍、4.5倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、15倍、20倍、30倍、40倍、または50倍もしくはそれ以上(例えば、100倍、500倍、1000倍)(1より上のすべての整数およびその間の小数点を含み、例えば、1.5、1.6、1.7、1.8など)少ない減少、例えば、本明細書に記載される量またはレベルの量またはレベルの10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%または90%である量の減少を含んでもよい。
「組成物」は、活性薬剤、例えば、ハロゲン化合物、および不活性または活性なキャリア、例えば、薬学的に受容可能なキャリア、希釈剤、または賦形剤を含むことができる。組成物は、薬学的組成物であり得る。特定の実施形態において、組成物は、滅菌されており、エンドトキシンを実質的に含まないか、または使用される投薬量もしくは濃度においてはレシピエントに対して非毒性である。
「薬学的に受容可能なキャリア、希釈剤、または賦形剤」には、限定されないが、ヒトまたは家畜における使用に受容可能であるとして米国食品医薬品局によって認可されている、任意のアジュバント、キャリア、賦形剤、流動促進剤(glidant)、甘味料、希釈剤、保存剤、色素/着色料、香味増強剤、界面活性剤、湿潤剤、分散剤、懸濁剤、安定剤、等張剤、溶媒または乳化剤が挙げられる。
「哺乳動物」および「被験体」という用語には、例えば、ヒト、マウス、ラット、ウサギ、サル、ウシ、ブタ、ヒツジ、ウマ、イヌ、およびネコなどのヒトおよび非ヒト哺乳動物が含まれる。
「薬学的に受容可能な塩」には、硫酸塩、クエン酸塩、酢酸塩、シュウ酸塩、塩化物、臭化物、ヨウ化物、硝酸塩、重硫酸塩、リン酸塩、酸性リン酸塩、イソニコチン酸塩(lsomcotinate)、乳酸塩、サリチル酸塩、酸性クエン酸塩、酒石酸塩、オレイン酸塩、タンニン酸塩、パントテン酸塩、重酒石酸塩、アスコルビン酸塩、コハク酸塩、マレイン酸塩、ゲンチジン酸塩、フマル酸塩、グルコン酸塩、グルカロネート(glucaronate)、サッカリン酸塩、ギ酸塩、安息香酸塩、グルタミン酸塩、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、カンファースルホン酸塩、パモン酸塩、フェニル酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、アクリル酸塩、クロロ安息香酸塩、ジニトロ安息香酸塩(dimtrobenzoate)、ヒドロキシ安息香酸塩、メトキシ安息香酸塩、メチル安息香酸塩、o−アセトキシ安息香酸塩、ナフタレン−2−安息香酸塩、イソ酪酸塩、フェニル酪酸塩、アルファ−ヒドロキシ酪酸塩、ブチン−1,4−ジカルボン酸塩、ヘキシン−1,4−ジカルボン酸塩、カプリン酸塩、カプリル酸塩、ケイ皮酸塩、グリコール酸塩、ヘプタン酸塩、馬尿酸塩、リンゴ酸塩、ヒドロキシマレイン酸塩、マロン酸塩、マンデル酸、メシル酸塩、ニコチン酸塩(mcotinate)、フタル酸塩、テレフタル酸塩(teraphthalate)、プロピオル酸塩、プロピオン酸塩、フェニルプロピオン酸塩、セバシン酸塩、スベリン酸塩、p−ブロモベンゼンスルホン酸塩、クロロベンゼンスルホン酸塩、エチルスルホン酸塩、2−ヒドロキシスルホン酸塩、メチルスルホン酸塩、ナフタレン−1−スルホン酸塩、ナフタレン−2−スルホン酸塩、ナフタレン−1,5−スルホン酸塩、キシレンスルホン酸塩、および酒石酸塩が挙げられる。「薬学的に受容可能な塩」という用語はまた、カルボン酸官能基などの酸性官能基、および塩基を有する、本発明のアンタゴニストの塩もいう。適切な塩基には、限定されないが、ナトリウム、カリウム、およびリチウムなどのアルカリ金属の水酸化物、カルシウムおよびマグネシウムなどのアルカリ土類金属の水酸化物、アルミニウムおよび亜鉛などの他の金属の水酸化物、アンモニア、非置換またはヒドロキシ置換されたモノ−、ジ−、もしくはトリアルキルアミン、ジシクロヘキシルアミン、トリブチルアミン、ピリジン、N−メチル、N−エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モノ−、ビス−、もしくはトリス−(2−OH−低級アルキルアミン)、例えばモノ−、ビス−、もしくはトリス−(2−ヒドロキシエチルアミン)、2−ヒドロキシ−tert−ブチルアミン、またはトリス−(ヒドロキシメチル)メチルアミン、N,N−ジ−低級アルキル−N−(ヒドロキシ−低級アルキル)−アミン、例えばN,N−ジメチル−N−(2−ヒドロキシエチル)アミンまたはトリ−(2−ヒドロキシエチル)アミン、N−メチル−D−グルカミンなどの有機アミン、ならびにアルギニン、リジンなどのアミノ酸などが挙げられる。「薬学的に受容可能な塩」という用語はまた、本発明の化合物の水和物も含む。
「組織」および「器官」という用語は、それらの通常かつ明白な意味に従って使用される。組織は細胞から構成されるが、「組織」という用語は、1つの明確な種類の構造的材料を形成する同様な細胞の集合体をいうことが理解される。さらに、「器官」は、特定の機能または機能の群を発揮する組織の群に関係する、または特定の型の組織である。ある実施形態において、組織または器官は「単離されており」、このことは生物体の中に位置していないことを意味する。
「緩衝液」という用語は、本明細書で使用される場合、薬学的調製物のpHを安定化させる薬学的に受容可能な賦形剤を示す。適切な緩衝液は当該分野において周知である。適切な薬学的に受容可能な緩衝液には、限定されないが、酢酸緩衝液、ヒスチジン緩衝液、クエン酸緩衝液、コハク酸緩衝液、トリス緩衝液、およびリン酸緩衝液が挙げられる。ある実施形態において、緩衝液の濃度は、約0.01mM〜約1000mM、約0.1mM〜約1000mM、約0.1mM〜約500mM、約0.1〜約200mM、約0.1〜約100mM、約1mM〜約1000mM、約1mM〜約500mM、約1mM〜約200mM、約1mM〜約100mM、約1mM〜約50mM、約2mM〜約60mM、約4mM〜約60mM、または約4mM〜約40mM、約5mM〜約20mM、または約5mM〜約25mMである。
「等張化剤」または「等張化調整剤」という用語は、本明細書で使用される場合、組成物の等張性を調整するために使用される薬学的に受容可能な薬剤を示す。適切な等張化剤には、限定されないが、塩化ナトリウム、ソルビトール、トレハロース、塩化カリウム、グリセリン、および本明細書に定義されるようなアミノ酸、糖の群からの任意の成分、ならびにこれらの組み合わせが挙げられる。ある実施形態において、等張化剤は、約1mM〜約1000mM、約1mM〜約500mM、約5mM〜約500mM、約10mM〜約450mM、約20mM〜約400mM、約50mM〜約300mM、約100mM〜約200mM、または約125mM〜約175mMの量で使用されてもよい。ある実施形態において、等張化剤は、組成物中に存在するアミノ酸を約5mM〜約500mMで含む。
「抗酸化剤」とは、他の分子の酸化を遅くするかまたは防ぐことが可能な分子をいう。抗酸化剤は、多くの場合、還元剤、キレート剤、および、チオール、アスコルビン酸、またはポリフェノールなどの酸素スカベンジャーである。抗酸化剤の非限定的な例には、アスコルビン酸(AA、E300)、チオ硫酸塩、メチオニン、トコフェロール(E306)、没食子酸プロピル(PG、E310)、三級ブチルヒドロキノン(TBHQ)、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA、E320)、およびブチル化ヒドロキシトルエン(BHT、E321)が挙げられる。
本明細書および添付の特許請求の範囲において使用される場合、反対のことが特定されない限り、以下の用語は示される意味を有する:
「哺乳動物」には、ヒト、ならびに、実験用動物および家庭内ペットなどの飼育動物(例えば、ネコ、イヌ、ブタ、ウシ、ヒツジ、ヤギ、ウマ、およびウサギ)と、野生動物などの非飼育動物の両方が含まれる。
「必要に応じた」または「必要に応じて」は、引き続いて記載される状況の事象が起こってもよいし、起こらなくてもよいこと、およびその記載が、前記事象または状況が起こる場合と、それが起こらない場合を含むことを意味する。
「薬学的組成物」とは、哺乳動物、例えば、ヒトに生物学的に活性な化合物を送達するために当該分野において一般的に受容されている、化合物および媒体の製剤をいう。したがって、このような媒体は、任意の薬学的に受容可能なキャリア、希釈剤、または賦形剤を含んでもよい。
「ヨウ化物」および「還元型のヨウ化物」は両方とも、−1価状態を有するヨウ化物(例えば、NaI)をいう。「還元型のヨウ素」は、ヨウ化物を含む。
「治療有効量」とは、生物学的材料、例えば、哺乳動物、好ましくは、ヒトに投与されたときに、生物学的材料、例えば、哺乳動物、好ましくは、ヒトにおける疾患、傷害または状態の、以下に定義されるような処置をもたらすために十分な本発明の化合物または組成物の量をいう。「治療有効量」を構成する本発明の化合物または組成物の量は、化合物もしくは組成物、疾患、傷害もしくは状態およびその重篤度、投与の様式、および処置される生物学的材料、例えば、哺乳動物の年齢に依存して変動するが、しかし、これは、当業者によって、当業者自身の知識および本開示に関して日常的に決定できる。
本明細書で使用される場合、「処置する」または「処置」は、関心対象の疾患または状態を有する生物学的材料、例えば哺乳動物、好ましくはヒトにおける関心対象の疾患、傷害または状態、例えばPICSまたは組織傷害の処置をカバーし、(i)特に、このような哺乳動物が状態にかかりやすいが、それを有するとまだ診断されていない場合に、生物学的材料、例えば哺乳動物における疾患、傷害もしくは状態の発生を予防もしくは阻害すること;(ii)例えば、状態にかかりやすい哺乳動物で発生する場合に、疾患、傷害もしくは状態の重症度または持続期間を軽減すること;(iii)疾患、傷害もしくは状態を阻害すること、すなわちその発症を阻止すること;(iv)疾患、傷害もしくは状態を緩和すること、すなわち疾患もしくは状態の退行を引き起こすこと;または(v)疾患、傷害もしくは状態から生じる徴候を緩和することを含む。ある実施形態において、本明細書で使用される場合、「予防」という用語は、疾患もしくは傷害の発症もしくは進行を阻害もしくは妨害すること、または疾患もしくは傷害により引き起こされる傷害もしくは損傷の量を軽減することを含む。本明細書で使用される場合、「疾患」、「障害」および「状態」という用語は、交換可能に使用され得る。本明細書で使用される場合、「傷害」という用語は、手術および移植などの医療措置に関連する傷害を含む「人の手で」発生する傷害を含む非意図的な傷害および意図的な傷害を含む。
ハロゲン化合物
本発明のある実施形態は、周期表の第17族に含まれる任意の元素を含むハロゲンに関する。ハロゲン含有化合物は、「ハロゲン化合物」とも称される。いくつかの実施形態において、ハロゲン化合物は、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、アスタチンまたはウヌンセプチウムを含む任意の化合物をいう。特定の実施形態において、ハロゲン含有化合物は、ハロゲン化物、すなわち−1酸化状態のハロゲンの塩である。特定の実施形態において、本発明は、還元型のハロゲン化合物、例えばヨウ化物に関する。ある実施形態において、例えば、ハロゲン化水素、金属ハロゲン化物、ハロゲン間化合物、有機ハロゲン化合物およびポリハロゲン化合物を含む他の形態のハロゲン化合物が、本発明にしたがって使用され得る。
最も軽いハロゲンであるフッ素(F)は、原子番号9を有する非金属元素である。標準的な圧力および温度の下では、それは、二原子ガスFとして存在する。フッ素は、最も化学的に反応性の元素であり、酸素、ヘリウム、ネオンおよびクリプトンを除くすべての他の元素と反応する。それはまた、最も電気陰性の元素であるので、すべての他の元素よりも強く電子を引き付ける。既知の半減期を有する11個のフッ素同位体があり、前記同位体は、15〜25の範囲の質量数を有する。しかしながら、天然フッ素は、1つの安定同位体19Fからなる。
2番目に軽いハロゲンである塩素(Cl)は、原子番号17を有する非金属元素である。標準的な圧力および温度の下では、それは、二原子ガスFとして存在する。塩素は、最も高い電子親和力および3番目に高い電気陰性度を有する元素である。既知の半減期を有する16個の塩素同位体があり、前記同位体は、31〜46の範囲の質量数を有する。天然に存在する塩素は、約3:1の天然存在比で存在する2つの安定同位体35Clおよび37Clの混合物である。
3番目に軽いハロゲンである臭素(Br)は、原子番号35を有する非金属元素である。標準的な圧力および温度の下では、それは、二原子液体Brとして存在する。既知の半減期を有する26個の臭素同位体があり、前記同位体は、68〜94の範囲の質量数を有する。天然に存在する臭素は、約1:1の天然存在比で存在する2つの安定同位体79Clおよび81Clの混合物である。
2番目に重い天然ハロゲンであるヨウ素(I)は、原子番号53を有する非金属元素である。標準的な圧力および温度の下では、それは、固体二原子I分子として存在する。既知の半減期を有する34個のヨウ素同位体があり、前記同位体は、108〜144の範囲の質量数を有する。しかしながら、天然ヨウ素は、1つの安定同位体127Iからなる。
最も重い天然ハロゲンであるアスタチンは、原子番号85を有する高放射性非金属元素である。それは、非常に急速に崩壊するので(最長半減期は12時間未満)、その特性は、あまり確実には知られていない。二原子At分子は実際に観察されていないので、アスタチンがこの形態として存在するかは議論されている。アスタチンは水素と反応してアスタチン化水素を形成し得、ナトリウムなどの金属と反応して塩を形成すると予測される。37個の既知のアスタチン同位体があり、それらはすべて放射性であり、非常に短い半減期を有する。前記同位体は、207〜221の範囲の質量数を有する。アスタチンの安定同位体は存在しない。
様々な実施形態において、本発明の組成物および方法は、1つまたは1つより多くのハロゲン化合物、例えば様々な形態のヨウ素または臭素を含む。
1つの実施形態において、本発明は、ヨウ素を含有するハロゲン化合物に関する。特定の実施形態において、ハロゲン化合物は、還元型のヨウ素、例えばヨウ化物を含有する。ある実施形態は、ヨウ化物、ヨウ素酸塩、有機ヨウ化物、過ヨウ素酸塩またはペルヨージナンであるヨウ素含有ハロゲン化合物を含んでもよい。
いくつかの実施形態において、前記ハロゲン化物は、ヨウ化アルミニウム、一ヨウ化アルミニウム、ヨウ化アンモニウム、三ヨウ化アンモニウム、二ヨウ化ヒ素、三ヨウ化ヒ素、ヨウ化バリウム、ヨウ化ベリリウム、ヨウ化ビスマス(III)、三ヨウ化ホウ素、ヨウ化カドミウム、ヨウ化セシウム、ヨウ化カルシウム、ヨウ化カンドクロニウム、四ヨウ化炭素、ヨウ化コバルト(II)、洋紅石、ヨウ化銅(I)、DiOC6、二リン四ヨウ化物、ヨウ化ジチアザニン、エコチオフェート、ヨウ化アインスタイニウム(III)、エッシェンモーザー塩、エチレンジアミンジヒドロヨージド、ヨウ化ガリウム(III)、GelGreen、GelRed、ヨウ化ゲルマニウム、一ヨウ化金、三ヨウ化金、ヨウ化水素、酸化ヨウ素、ヨウ化ヨードメチル亜鉛、ヨードシラン、ヨウ化鉄(II)、ヨウ化鉛(II)、ヨウ化リチウム、ヨウ化マグネシウム、ヨウ化マンガン(II)、ヨウ化水銀(I)、ヨウ化水銀(II)、ヨウ化ニッケル(II)、三ヨウ化窒素、ヨウ化パラジウム(II)、三ヨウ化リン、ポリヨウ化物、ヨウ化カリウム、テトラヨード水銀酸カリウム(II)、ヨウ化プロピジウム、ヨウ化ルビジウム、ヨウ化ルビジウム銀、ヨウ化サマリウム(II)、四ヨウ化ケイ素、ヨウ化銀、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化ストロンチウム、ヨウ化テルル、四ヨウ化テルル、ヨウ化テルビウム(III)、ヨウ化テトラエチルアンモニウム、三ヨウ化タリウム、ヨウ化タリウム(I)、ヨウ化トリウム(IV)、ヨウ化チベゾニウム、ヨウ化チエモニウム、ヨウ化スズ(II)、ヨウ化スズ(IV)、四ヨウ化チタン、三ヨウ化物、ヨウ化トリメチルシリル、ヨウ化トリメチルスルホキソニウム、五ヨウ化ウラン、四ヨウ化ウラン、三ヨウ化ウラン、ヨウ化バナジウム(III)、ヨウ化亜鉛およびヨウ化ジルコニウム(IV)の非限定的なリストから1つまたは1つより多くの化合物を含むヨウ化物である。
特定の実施形態において、前記ハロゲン化合物は、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化カリウム、ヨウ化水素、ヨウ化カルシウムまたはヨウ化銀を含むヨウ化物である。
いくつかの実施形態において、前記ハロゲン化合物は、ヨウ素酸カルシウム、ヨウ素酸、ヨウ素酸カリウム、シーリガーアイト、ヨウ素酸銀およびヨウ素酸ナトリウムの非限定的なリストから1つまたは1つより多くの化合物を含むヨウ素酸塩である。
特定の実施形態において、前記ハロゲン化合物は、ヨウ素酸ナトリウム、ヨウ素酸カリウム、ヨウ素酸カルシウムまたはヨウ素酸銀を含むヨウ素酸塩である。
いくつかの実施形態において、前記ハロゲン化合物は、25I−NBF、25I−NBMD、25I−NBOH、25I−NBOMe、2C−I、5,5−I−R91150、アセトリゾ酸、アディピオドン、アドステロール、アルトロパン、AM−1241、AM−2233、AM−630、AM−679(カンナビノイド)、AM−694、AM251、アミオダロン、ベンジオダロン、ブロモヨードメタン、ブディオダロン、ヨウ化ブチル、四ヨウ化炭素、チニオフォン、クロロヨードメタン、クリオキノール、ジアトリゾ酸、ジヨードヒドロキシプロパン、ジヨードヒドロキシキノリン、ジヨードメタン、2,5−ジメトキシ−4−ヨードアンフェタミン、ドミオドール、エリスロシン、ヨウ化エチル、ヨード酢酸エチル、フィアルリジン、フルオロヨードメタン、ハロプロギン、ヘラパタイト、IAEDANS、イバシタビン、IDNNA、イドキシフェン、イドクスウリジン、イニパリブ、ヨーベングアン、イオベンザミン酸、イオビトリドール、イオカルミン酸、イオセタミン酸、ヨードアミド、イオジキサノール、ヨードアセトアミド、ヨード酢酸、パラ−ヨードアンフェタミン、ヨードベンズアミド、ヨードベンゼン、2−ヨード安息香酸、19−ヨードコレステロール、ヨードシアノピンドロール、ヨードホルム、1−ヨードモルフィン、ヨードフェノール、ヨードフェンプロピット、4−ヨードプロポフォール、ヨードプロピニルブチルカルバメート、ヨードトリフルオロエチレン、ヨードキサミン酸、2−ヨードキシ安息香酸、イオフェタミン(123I)、イオフルパン(123I)、イオグリシン酸、イオグリカミン酸、イオマゼニル、イオメプロール、イオパミドール、イオパン酸、イオペントール、イオプロミド、イオピドール、イオトロラン、イオトロクス酸、イオベルソール、イオキサグル酸、イオキシラン、イポデートナトリウム、ヨウ化イソプロピル、メチオダール、ヨウ化メチル、メトリザミド、メトリゾ酸、ペンタフルオロエチルヨージド、プラコヒパホリン、N−プロピルヨージド、プロピリオドン、ラフォキサニド、ローズベンガル、RTI−121、RTI−229、RTI−353、RTI−55、SB−258,585、アセトリン酸ナトリウム、チラトリコール、トリフルオロヨードメタンおよびチロパン酸の非限定的なリストから1つまたは1つより多くの化合物を含む有機ヨウ化物である。
特定の実施形態において、前記ハロゲン化合物は有機ヨウ素化合物である。有機ヨウ素化合物は、1つまたは1つより多くの炭素−ヨウ素結合を含有する有機化合物である。ほぼすべての有機ヨウ素化合物は、1つの炭素中心に接続されたヨウ化物を特徴とする。これらは、通常、Iの誘導体として分類される。いくつかの有機ヨウ素化合物は、より高い酸化状態のヨウ素を特徴とする。消毒剤または殺虫剤として頻繁に使用される有機ヨウ素化合物としては、例えば、ヨードホルム(CHI)、ヨウ化メチレン(CH)およびヨウ化メチル(CHI)が挙げられる。特定の実施形態において、有機ヨウ化物はポリヨード有機化合物である。ポリヨード有機化合物は、医療イメージングの一種である蛍光透視法でX線造影剤として用いられることがある。様々なこのようなポリヨード有機化合物が市販されている;多くは、1,3,5−トリヨードベンゼンの誘導体であり、約50重量%のヨウ素を含有する。ある実施形態において、薬剤は水溶性であり、非毒性であり、および/または容易に排泄される。代表的な試薬は、水溶性ジオール置換基を有するイオベルソールである。他の有機ヨウ素化合物としては、限定されないが、2つの甲状腺ホルモンチロキシン(「T」)およびトリヨードチロニン(「T」)が挙げられる。海洋天然物は、海綿動物Plakortis simplexから最近発見されたプラコヒパホリンを含む有機ヨウ素化合物の豊富な供給源である。
本発明はまた、ヨウ素が組み込まれた化合物、例えば薬物化合物の使用を含む。例えば、ヨウ素は、既存の薬物、例えばN−アセチルシステイン、標準的な鎮痛薬および非ステロイド性抗炎症薬、例えばアスピリン、イブプロフェンおよびナプロキセンに組み込まれ得る。ほとんどのNSAIDは、酵素シクロオキシゲナーゼ(COX)の非選択的阻害剤として作用し、シクロオキシゲナーゼ−1(COX−1)およびシクロオキシゲナーゼ−2(COX−2)アイソザイムの両方を阻害する。
ある実施形態において、前記ハロゲン化合物はポリヨウ化物である。ポリヨウ化物は、完全にヨウ素原子から構成されるポリハロゲンアニオンのクラスである。最も一般的かつ最も単純なメンバーは、三ヨウ化物イオンI である。他の公知のより大きなポリヨウ化物としては、[I2−、[I、[I、[I2−、[I、[I102−、[I104−、[I11、[I122−、[I133−、[I162−、[I224−、[I263−、[I264−、[I284−および[I293−が挙げられる。ポリヨウ化物の一例は、ルゴール溶液とも称されるルゴールヨウ素である。ルゴール溶液は、1%、2%または5%ヨウ素の異なる効力で市販されている。5%溶液は、蒸留水中で混合された5%(wt/v)ヨウ素(I)および10%(wt/v)ヨウ化カリウム(KI)からなり、130mg/mLの総ヨウ素含有量を有する。ヨウ化カリウムは、三ヨウ化物(I−3)イオンの形成を通じて、元素状ヨウ素を水溶性にする。ルゴール溶液の他の名称は、IKI(ヨウ素−ヨウ化カリウム);Markodine,Strong solution(Systemic);および水溶液ヨウ素溶液BCPである。イオンおよび対カチオンを含むポリヨウ化物の例は、表1に示されている。
Figure 2021527130
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1つの実施形態において、ハロゲン化合物は、元素状ヨウ素と、水およびアルコールに溶解されたヨウ化物塩とを含むか、またはそれらからなるヨードチンキ溶液である。
いくつかの実施形態において、前記ハロゲン化合物は、デス・マーチンペルヨージナン、I,2−ヨードキシ安息香酸、過ヨウ素酸、過ヨウ素酸カリウムおよび過ヨウ素酸ナトリウムの非限定的なリストから1つまたは1つより多くの化合物を含む過ヨウ素酸塩である。
特定の実施形態において、前記ハロゲン化合物は、過ヨウ素酸ナトリウム、過ヨウ素酸カリウム、過ヨウ素酸カルシウムまたは過ヨウ素酸銀を含む過ヨウ素酸塩である。
特定の実施形態において、前記ハロゲン化合物はペルヨージナンである。ペルヨージナンは、超原子価ヨウ素を含む化合物である。いくつかの実施形態において、前記ハロゲン化合物は、(ビス(トリフルオロアセトキシ)ヨード)ベンゼン、デス・マーチンペルヨージナン、ヨードベンゼンジクロリド、ヨードソベンゼンおよび2−ヨードキシ安息香酸の非限定的なリストから1つまたは1つより多くの化合物を含むペルヨージナンである。
1つの実施形態において、ハロゲン化合物は、オイル輸液ヨウ化物またはヨウ素オイル輸液である。
1つの実施形態において、本発明は、臭素を含有するハロゲン化合物に関する。ある実施形態は、臭化物、臭素酸塩、有機臭素酸塩または過臭化物である臭素含有ハロゲン化合物を含んでもよい。
いくつかの実施形態において、前記ハロゲン化合物は、アクリジニウム臭化物、臭化アルミニウム、臭化アンモニウム、ANNINE−6plus、三臭化アンチモン、三臭化ヒ素、臭化バリウム、臭化ベンゾドデシニウム、臭化ベリリウム、臭化ビベンゾニウム、三臭化ビスマス、三臭化ホウ素、ブロマルギライト、ブロモ(テトラヒドロチオフェン)金(I)、臭化ブロモペンタアンミンコバルト(III)、ブロモペンタカルボニルレニウム(I)、臭化カドミウム、臭化セシウム、臭化セシウムカドミウム、臭化カルシウム、臭化セリウム(III)、臭化セトリモニウム、臭化クロム(III)、臭化シメトロピウム、臭化クリジニウム、臭化コバルト(II)、臭化銅(I)、臭化銅(II)、臭化シアン、臭化デメカリウム、臭化ジテルリウム、DODAB、臭化ドミフェン、臭化エチジウム(EEthidium bromide)、臭化ファザジニウム、フェントニウム、臭化ガリウム(III)、臭化金(I)、臭化金(III)、臭化ヘキサフルロニウム、臭化水素酸、臭化水素、臭化インジウム(I)、臭化インジウム(III)、一臭化ヨウ素、臭化鉄(II)、臭化鉄(III)、臭化ランタン(III)、臭化鉛(II)、臭化リチウム、臭化マグネシウム、臭化マンガン(II)、臭化水銀(I)、臭化水銀(II)、臭化メチルモルヒネ、臭化ニッケル(II)、臭化ニオブ、臭化ニオブ(V)、三臭化窒素、臭化ニトロシル、臭化オチロニウム、臭化オキシトロピウム、臭化オキシフェノニウム、臭化パラジウム(II)、臭化パンクロニウム、七臭化リン、五臭化リン、三臭化リン、ピフィスリン、臭化ピペクロニウム、臭化白金(II)、臭化白金(IV)、二臭化ポロニウム、臭化カリウム、臭化プロパンテリン、臭化ラジウム、臭化ルビジウム、四臭化シリコン、臭化銀、臭化ナトリウム、臭化ストロンチウム、臭化タンタル(V)(TTantalum(V)bromide)、四臭化テルリウム、臭化テルビウム(III)、四臭化金酸、テトラブロモメタン、臭化タリウム(I)、臭化タイムピジウム、臭化スズ(II)、臭化スズ(IV)、臭化チタン、トリブロモシラン、トリフェニルシクロプロペニウムブロミド、臭化タングステン(V)、タングステン(VI)オキシテトラブロミド、五臭化ウラン、四臭化ウラン、臭化バナジウム(III)、臭化イッテルビウム(III)、臭化イットリウム(III)、臭化亜鉛および臭化ジルコニウム(IV)の非限定的なリストから1つまたは1つより多くの化合物を含む臭化物である。
特定の実施形態において、前記ハロゲン化合物は、臭化ナトリウム、臭化カリウム、臭化水素、臭化カルシウムまたは臭化銀を含む臭化物である。
いくつかの実施形態において、前記ハロゲン化合物は、臭素酸、臭素酸カルシウム、臭素酸カリウム、臭素酸銀、臭素酸ナトリウムおよび臭素酸ストロンチウムの非限定的なリストから1つまたは1つより多くの化合物を含む臭素酸塩である。
いくつかの実施形態において、前記ハロゲン化合物は、2−ブロモ酪酸、25B−NBOMe、2C−B、2C−B−BZP、2C−B−FLY、2CB−Ind、2CBCB−NBOMe、2CBFly−NBOMe、66−Br−APB、アセカルブロマル、アゲリフェリン、臭化アリル、AM−087、アンブロキソール、アルビドール、AS−8112、BCDMH、ベンズブロマロン、臭化ベンジル、ビブロカトール、ブラロバルビタール、ブレタゼニル、ブレチリウム、心室細動の処置のためのブレチリウム、ブリモニジン、ブリブジン、ブロディファコウム、ブロジモプリム、ブロファロミン、ブロマシル、ブロマジオロン、ブロマドリン、ブロマンタン、ブロマゼパム、ブロマジン、ブロメタリン、ブロムフェナク、ブロムヘキシン、臭素化難燃剤、ブロミソバール、2−ブロモ−1−クロロプロパン、4−ブロモ−3,5−ジメトキシアンフェタミン、2−ブロモ−4,5−メチレンジオキシアンフェタミン、ブロモ−ドラゴンFLY、ブロモ酢酸、ブロモアセトン、ブロモアセチルアルプレノロールメンタン、8−ブロモアデノシン3’,5’−環状一リン酸、パラ−ブロモアンフェタミン、4−ブロモアニリン、ブロモアニソール、ブロモベンゼン、ブロモビマン、1−ブロモブタン、2−ブロモブタン、ブロモクロロジフルオロメタン、ブロモクロロメタン、ブロモクロロサリチルアニリド、ブロモクレゾールグリーン、ブロモクレゾールパープル、ブロモクリプチン、ブロモシクロヘキサン、ブロモデオキシウリジン、ブロモジクロロメタン、塩化ブロモジフルオロアセチル、ブロモジフルオロメタン、ブロモジフェニルメタン、B cont.ブロモエタン、ブロモフルオロメタン、ブロモホルム、3−ブロモフラン、8−ブロモグアノシン3’,5’−環状一リン酸、1−ブロモヘキサン、2−ブロモヘキサン、ブロモヨードメタン、ブロモメタン、4−ブロモ−N−メチルカチノン、ブロモペンタン、ブロモフェノールブルー、ブロマドール、2−ブロモプロパン、ブロモピルビン酸、N−ブロモスクシンイミド、ブロモトリフルオロメタン、5−ブロモウラシル、5−ブロモウリジン、ブロモキシニル、ブロムペリドール、ブロムフェニラミン、ブロムスルフタレイン、ブロニドックス、ブロノポール、ブロフェバルビタール、ブロピリミン、ブロチゾラム、ブロキサテロール、ブロキシキノリン、ブタリロナール、Tert−ブチルブロミド、C−8813、カルブロマール、クロルフェナピル、シクロチゾラム、コンボルチンドールA、DBDMH、DBNPA、デカブロモジフェニルエーテル、デルタメトリン、デスホルミルフルストラブロミン、デクスブロムフェニラミン、ジアリールピリミジン、1,2−ジブロモ−3−クロロプロパン、1,4−ジブロモベンゼン、ジブロモクロロメタン、ジブロモジフルオロメタン、1,1−ジブロモエタン、1,2−ジブロモエタン、ジブロモフルオロメタン、ジブロモメタン、1,2−ジブロモプロパン、1,3−ジブロモプロパン、ジブロモテトラフルオロエタン、ジブロモチロシン、ジブロムプロパミジン、ジフェチアロン、2,5−ジメトキシ−4−ブロモアンフェタミン、DS−1(薬物)、エブロチジン、エンブラミン、エオシン、エオシンB、エオシンY、ブロモ酢酸エチル、エトラビリン、FL3(フラバグリン)、フルブロマゾラム、ギダゼパム、H−89、ハロフジノン、ハロモン、ハロタン、ハロキサゾラム、ヘキサブロモシクロドデカン、イブロリピム、イミダゼニル、イソブロミンジオン、JWH−249、JWH−424、KF−26777、ロナファルニブ、メブロカロン、メルブロミン、メタ−DOB、メタクラゼパム、ミトブロニトール、ムコブロミン酸、ナルコバルビタール、ネロタンセリン、ネルテネキシン、NGD−4715、ニセルゴリン、O−806、オクタブロモジフェニルエーテル、有機臭素化合物、P7C3、パマブロム、PEAQX、ペンタブロモジフェニルエーテル、臭化フェナシル、フェナゼパム、2−フェニルエチルブロミド、フロキシン、ピナベリウム、ピンドバインド、ピポブロマン、PNU−282,987、ポリ臭化ビフェニル、ポリ臭化ジフェニルエーテル、プロパアリロナール、臭化プロパルギル、N−プロピルブロミド、レモキシプリド、ロミフィジン、RTI−51、SB−357,134、シグモダール、SSR−180,711、スタンピジン、スリナバント、スルガトキシン、TCB−2、テトラブロモビスフェノールA、テトラブロモエタン、テトラブロモエチレン、テトラブロモメタン、TH−302、チルブロキノール、トラロメトリン、2,4,6−トリブロモアニソールおよびトリブロモフルオロメタンの非限定的なリストから1つまたは1つより多くの化合物を含む有機臭化物である。
いくつかの実施形態において、前記ハロゲン化合物は過臭化物であり、前記過臭化物は、過臭化ナトリウム、過臭化カリウム、過臭化水素または過臭化銀を含む。
本発明の特定の実施形態は、還元型のハロゲン化合物に関する。ハロゲン化合物の多くの受容可能な還元手段が可能であり、当業者に公知である。ハロゲン化合物の還元型の例としては、−1の原子価を有するハロゲン化物、例えばヨウ化物および臭化物が挙げられる(NaIなどの塩形態を含む)。還元方法の非限定的な例としては、電気陽性元素金属(例えば、リチウム、ナトリウム、マグネシウム、鉄、亜鉛およびアルミニウムなど)、水素化物移動試薬(例えば、NaBHおよびLiAIHなど)またはパラジウム、プラチナもしくはニッケル触媒と水素ガスの併用による化学的還元が挙げられる。
本発明の特定の実施形態は、本明細書に記載されるタイプのハロゲン化合物、例えばハロゲン化物、例えばヨウ化物(例えば、NaI)を哺乳動物被験体に、前記哺乳動物に対して有意に毒性ではない組成物、濃度または製剤、例えば薬学的組成物で投与することに関する。特定の実施形態において、哺乳動物被験体に対して毒性であることが公知のハロゲン化合物は、本発明から除外される。したがって、特定の実施形態において、ヨウ化カリウムは本発明から除外される。個々に有意に毒性ではない前記化合物の組み合わせもまた、組み合わされた場合に有意に毒性ではないように、いくつかの実施形態は、1つより多くの前記ハロゲン化合物を前記哺乳動物に同時投与または個別投与することを含んでもよいことがさらに企図される。
ハロゲン化合物またはハロゲン元素を含む他の化合物もまた、本発明の方法にしたがって使用され得、および/または本発明の組成物に含められ得る。いくつかの実施形態において、前記ハロゲン化合物は、市販の物質である。ある実施形態において、前記市販の物質は、放射線造影剤、局所ヨウ素調製物、溶液または薬物を含んでもよい。ある実施形態において、前記市販の物質はヨウ素を含み、ジアトリゾエート、イパン酸、イポデート、イオタラミン酸、メトリザミド、ジアトロジド、ジヨードヒドロキシキノロン、ヨードチンキ、ポビドンヨード、ヨードクロロヒドロキシキノロン、ヨードホルムガーゼ、飽和ヨウ化カリウム(SSKI)、ルゴール溶液、ヨウ化グリセロール、ヨウ化エコーチオペート、ヨウ化水素酸シロップ、ヨウ化カルシウム、アミオダロン、去痰薬、ヨウ素を含有するビタミン、ヨードクロロヒドロキシキノロン、ジヨードヒドロキシキノロン、ヨウ化カリウム、ベンジオダロン、ヨウ化イソプロパミド、レボチロキシンおよびエリスロシンの非限定的なリストから選択され得る。ある実施形態において、前記市販の物質は臭素を含み、Alphagen(ブリモニジン)、Atrovent(イプラトロピウム)、Celexa(シタロプラム)、Combivent(臭化イプラトロピウム)、Enablex(ダリフェナシン)、Guaifenex DM(デキストロメトルファン)、Razadyne(ガランタミン)およびSpiriva(チオトロピウム)の非限定的なリストから選択され得る。
組成物および単位剤形
本発明はまた、ハロゲン化合物(例えば、ヨウ化物または臭化物)を含む組成物を含む。特定の実施形態において、組成物は、ハロゲン化合物と、1つまたは1つより多くの薬学的に受容可能なキャリア、希釈剤または賦形剤、例えば緩衝液とを含む薬学的組成物である。特定の実施形態において、組成物は、1つまたは1つより多くのさらなる活性剤をさらに含む。ある実施形態において、本発明の組成物は、ハロゲン化合物、必要に応じてハロゲン化物、例えばヨウ化物、例えばNaIを含む薬学的組成物である。ある実施形態において、組成物は、還元型のハロゲン化合物、すなわち−1価状態のハロゲンを含む。特定の実施形態において、還元型のハロゲンは、還元型のヨウ素、例えばヨウ化物である。特定の実施形態において、還元型のヨウ素を含有する化合物は、NaI、KI、HI、CaIまたはAgIである。
ある実施形態において、本発明は、ハロゲン化合物、例えば還元型のハロゲン化合物を含む組成物を含む。本発明の組成物のいずれかのある実施形態において、ハロゲン化合物は、−1価状態のハロゲン、例えばヨウ化物または臭化物、例えばヨウ化ナトリウムを含む還元型のハロゲン化合物である。還元型のハロゲン化合物は、本明細書に記載されるもののいずれかであり得る。本明細書に記載される組成物のいずれかのある実施形態において、組成物は、グルタチオンまたは別の還元剤をさらに含む。特定の実施形態において、組成物は、グルタチオンおよびヨウ化物を含む。特定の実施形態において、ヨウ化物またはヨウ素酸塩の少なくとも一部は還元型であり、グルタチオンは、組成物中のハロゲン化合物の酸化を阻害する。
特定の実施形態において、組成物は、一定期間にわたって保管したときに、ハロゲンを還元型に維持するように製剤化される。したがって、この組成物は、還元型のハロゲン化合物、またはその塩、もしくはその前駆体の安定な組成物を含み、これらの治療剤としての有効性は、通常は、酸化生成物を生成する酸化反応の結果として、製造および保管の間に損なわれ得る。本発明の組成物は、貯蔵寿命を増加させ、容易かつ再現性よく製造され、標準的な投与経路のために設計され、そしてしたがって、種々の疾患、状態および傷害の処置および予防において有利である。ある実施形態において、ハロゲン化合物を含む安定な組成物は、グルタチオンまたは別の還元剤を含む。
組成物のある実施形態において、前記組成物中の少なくとも90%のハロゲン化合物が、室温、4℃、25℃、40℃、または50℃でのいずれかで保管したとき、少なくとも1時間、還元型で存在する場合、組成物は安定であると考えられ、すなわち、安定な組成物である。関連する実施形態において、この組成物中の少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%のハロゲン化合物が、室温で保管したとき、または4℃で保管したときのいずれかで、少なくとも1時間、還元型で存在する場合、組成物は安定であると考えられる。安定な組成物のある実施形態において、前記組成物中の少なくとも90%のハロゲン化合物が、室温で保管したとき、または4℃、25℃、40℃、もしくは50℃で保管したときのいずれかで、少なくとも1日、少なくとも1週間、少なくとも1ヶ月間、少なくとも2ヶ月間、少なくとも4ヶ月間、少なくとも6ヶ月間、または少なくとも1年間、前記還元型で存在する。関連する実施形態において、この安定な組成物中の少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%のハロゲン化合物が、室温で保管したとき、または4℃で保管したときのいずれかで、少なくとも1日、少なくとも1週間、少なくとも1ヶ月間、少なくとも2ヶ月間、少なくとも4ヶ月間、少なくとも6ヶ月間、または少なくとも1年間、前記還元型で存在する。特定の実施形態において、この安定な組成物中の少なくとも98%のハロゲン化合物が、4℃で保管したときに、少なくとも1ヶ月間、または少なくとも6ヶ月間、前記還元型で存在する。関連する実施形態において、この安定な組成物中の少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%のハロゲン化合物が、室温で保管したとき、または室温もしくは25℃で保管したときのいずれかで、少なくとも1日、少なくとも1週間、少なくとも1ヶ月間、少なくとも2ヶ月間、少なくとも4ヶ月間、少なくとも6ヶ月間、または少なくとも1年間、前記還元型で存在する。特定の実施形態において、この安定な組成物中の少なくとも98%のハロゲン化合物が、室温または25℃で保管したとき、少なくとも1ヶ月間または少なくとも6ヶ月間、前記還元型で存在する。関連する実施形態において、この安定な組成物中の少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%のハロゲン化合物が、室温で保管したとき、または40℃もしくは50℃で保管したときのいずれかで、少なくとも1日、少なくとも1週間、少なくとも1ヶ月間、少なくとも2ヶ月間、少なくとも4ヶ月間、少なくとも6ヶ月間、または少なくとも1年間、前記還元型で存在する。特定の実施形態において、この安定な組成物中の少なくとも98%のハロゲン化合物が、40℃または50℃で保管したとき、少なくとも1ヶ月間、または少なくとも6ヶ月間、前記還元型で存在する。様々な実施形態において、組成物は液体薬学的組成物であり、他の実施形態において、組成物は固体もしくは粉末であるか、または乾燥、凍結乾燥もしくは凍結乾燥される。
特定の実施形態において、本発明は、ヨウ化物を含む安定な液体組成物であって、ヨウ化物の以下の酸化生成物(−1酸化状態):次亜ヨウ素酸塩(+1酸化状態)、ヨウ化物(+3酸化状態)、ヨウ素酸塩(+5酸化状態)または過ヨウ素酸塩(+7酸化状態)の1%未満のいずれかを含む安定な液体組成物に関する。特定の実施形態において、ヨウ化物を含む安定な液体組成物は、1%未満のヨウ素(I)を含む。
特定の実施形態において、本明細書に記載される任意の組成物は、薬学的に受容可能なキャリア、希釈剤、または賦形剤を含む。さらに、任意の組成物は、1つまたは1つより多くの緩衝液、還元剤、等張化剤、安定剤、界面活性剤、リコプロテクタント、ポリオール、抗酸化剤、または保存剤を含んでもよい。特定の実施形態において、本明細書に記載される組成物はいずれも、グルタチオンを含む。
特定の実施形態において、組成物は、1種または1種より多くの溶媒を含んでもよい。特定の実施形態において、溶媒は水である。特定の実施形態において、溶媒はリン酸緩衝液生理食塩水である。
本発明の組成物および本発明の方法は、任意の所望の濃度で、ハロゲン化合物またはその塩もしくはその前駆体を含んでもよい。この濃度は、便利な様式でかつ適切な時間フレームにわたって有効量を送達するために、例えば、処置される傷害または疾患の型、および投与経路に依存して、容易に最適化され得る。
いくつかの実施形態において、本発明の組成物中に存在するハロゲン化合物またはその塩もしくは前駆体(例えば、ヨウ化物、例えばNaI)の濃度は、約0.0001mM〜約100M、約0.0005mM〜約50M、約0.001mM〜約10M、約0.001mM〜約5M、約0.001mM〜約1M、約0.005mM〜約10M、約0.005mM〜約5M、約0.005mM〜約1M、約0.005mM〜約0.5M、約0.01mM〜約10M、約0.01mM〜約5M、約0.01mM〜約2M、約0.1mM〜約1M、約0.1mM〜約0.5M、約0.5mM〜約5M、約0.5mM〜約2M、約0.5mM〜約1M、約0.5mM〜約0.5M、約1mM〜約5M、約1mM〜約2M、約1mM〜約1M、約1mM〜約0.5M、約5mM〜約5M、約5mM〜約2M、約5mM〜約1M、約5mM〜約0.5M、約5mM〜約0.25M、約10mM〜約1M、約10mM〜約0.5M、約10mM〜約0.25Mまたは約10mM、約50mM、約100mMまたは約200mMである。
本明細書で使用される場合、「%」という用語は、条件(w/v、v/v、またはw/wを伴うような)なしで使用されるとき、固体がs中にある溶液については重量体積%(w/v)、気体がs中にある溶液については重量体積%(w/v)、sがs中にある溶液については体積%(v/v)、そして固体および半固体の混合物については重量(w/w)を意味する(Remington’s Pharmaceutical Sciences(2005);第21版、Troy,David B.編 Lippincott,Williams and Wilkins)。
ある実施形態において、組成物は、約1.5μM〜約10M、約15μM〜約1M、約150μM〜約1M、約1.5mM〜約1M、約10mM〜約500mM、約10mM〜約250mMまたは約100mM、約120mM、約150mM、約170mMまたは約200mMの濃度のグルタチオンを含む。
ある実施形態において、本発明の組成物は、ハロゲン化合物(例えば、ヨウ化物、例えばNaI)と、必要に応じてグルタチオンとを含み、グルタチオンの濃度は、約100μM〜約1M、約1mM〜約1Mまたは約10mM〜約500mMであり、ハロゲン化合物の濃度は、約0.01mM〜約5M、約1mM〜約0.5Mまたは約10mM〜約250mMである。特定の実施形態において、ハロゲン化合物はヨウ化物である。これらの組成物のいずれかの特定の実施形態において、組成物は、経口送達のために製剤化されるか、または経口剤形であり、ハロゲン化合物(存在する場合)は、ヨウ素(例えば、ヨウ化物)を含む。特定の実施形態において、組成物は静脈内投与のために製剤化され、ハロゲン化合物(存在する場合)はヨウ化物である。1つの実施形態において、組成物は、それぞれ本明細書に記載される濃度範囲内のいずれかまたは濃度のヨウ化物およびグルタチオンを含む。
特定の実施形態において、本発明の組成物のpHは、(3.0〜12.0)の範囲であるが、一方、他の実施形態において、pHは(5.0〜9.0)の範囲である。薬学的組成物のpHは、生理学的に適合可能な範囲に調整されてもよい。例えば、1つの実施形態において、安定な組成物のpHは6.5〜8.5の範囲である。他の実施形態において、本発明の組成物は、pHが7.5〜8.5または7.4〜9.0の範囲である。
特定の実施形態において、酸素は、本発明の組成物中に、0μM〜5μMまたは0μM〜1μMまたは0μM〜0.1μMまたは0μM〜0.01μMの範囲の濃度で存在する。特定の実施形態において、酸素は、組成物中に、3μM未満、1μM未満、0.1μM未満、0.01μM未満、または0.001μM未満の濃度で存在する。
ある実施形態において、本発明の組成物は、限られた量の酸化生成物をさらに含んでもよい。本発明の様々な実施形態に存在し得る酸化生成物としては、限定されないが、ヨウ素、ヨウ素酸塩、臭素および臭素酸塩が挙げられる。種々の実施形態において、これらの酸化生成物の1種または1種より多くが、組成物中の総ハロゲン化合物の10%未満、5.0%未満、2.0%未満、1.0%未満、0.5%未満、0.2%未満、0.1%未満、0.05%未満、または0.01%未満(w/v)の量で、組成物中に存在する。
1つの実施形態において、組成物は、200〜400mOsmol/Lの範囲の容量オスモル濃度を有する。NaClは容量オスモル濃度を調整するための賦形剤として使用されてもよい。
ある実施形態において、組成物の等張性は、これが投与の際の痛みの低減を生じ、高張または低張の組成物に付随する潜在的な溶血性効果を最小化とするので、望ましい。それゆえに、本発明の組成物は、酸および酸の塩型からなる他のより従来的な緩衝系を使用する製剤と比較したときに、増大した保管安定性を有するのみならず、投与の際の痛みの実質的な低減という追加の利点も有する。
特定の実施形態において、液体は水酸化ナトリウムである。
ある実施形態において、組成物は、23°〜27°の温度範囲内で保管したときには3ヶ月間にわたって、または(23°〜27°)の温度範囲で保管したときには6ヶ月間にわたって6.5〜8.5の範囲のpHを有し、5μM未満またはそれに等しい酸素含有量を有する。1つの実施形態において、組成物は、250〜330mOsmol/Lの範囲の浸透圧を有する。それは、等張またはほぼ等張であり得る。
本発明はさらに、本発明の組成物(単数または複数)を含むキットを含む。ある実施形態において、このようなキットは、本発明の組成物(単数または複数)を保管するための1つまたは1つより多くの容器を含む。1つの実施形態において、組成物は、不活性ガスまたは希ガス下で容器に保管され、容器は密封されており、酸素不透過性遮光容器(例えば、琥珀色バイアル)を有する。ある実施形態において、キットは、ハロゲン化合物、例えば、還元型のヨウ素、例えばヨウ化物を含む第1の薬学的組成物を含む。
ある特定の実施形態において、組成物は、不透過性容器の中にパッケージングされる。「不透過性容器」とは、ガス分子の通過に対して、障壁をもたらす容器をいう。不透過性容器は当業者に公知であり、限定されないが、「静脈内バッグ」またはガス不透過性構成材料を含むシリンジ、または密封ガラスバイアルが挙げられる。特定の実施形態において、安定な組成物は、不活性大気、不活性ガス、または希ガスを含有する不透過性容器にパッケージングされてもよい。希ガスとは、ヘリウム(He)、ネオン(Ne)、アルゴン(Ar)、クリプトン(Kr)、キセノン(Xe)、およびラドン(Rn)をいう。不活性ガスとは窒素(N)をいう。「不活性大気」という用語は、容器中の窒素またはアルゴン大気をいう。特定の実施形態において、この容器は、酸素減少環境か、または酸素を含まない環境を含む。「酸素減少環境」は、100ppm未満の酸素濃度を有する環境である。組成物は、光防護バイアルまたは容器、例えば、アンバーバイアルの中にパッケージングされてもよい。1つの実施形態において、この組成物は、ガラスアンプル中に密封され、保管される。
いくつかの実施形態において、本発明の組成物は、保管の間に、ハロゲン化合物の酸化を防ぐために含まれる1種または1種より多くの賦形剤を含み、ここで、保管は、1ヶ月〜12ヶ月または12ヶ月より長い範囲である。いくつかの実施形態において、保管は、1ヶ月〜6ヶ月の範囲である。いくつかの実施形態において、保管は、3ヶ月〜6ヶ月の範囲である。いくつかの実施形態において、保管は、4ヶ月〜5ヶ月の範囲である。本発明の実施形態では、単一の賦形剤または賦形剤の組み合わせを使用してもよい。多くの適切な賦形剤が存在する。例えば、キレーター、pH調整剤、還元剤、抗酸化剤、スピントラップ剤および保存剤が挙げられる。
本発明の組成物は、1種または1種より多くのpH調整剤をさらに含んでもよい。pH調整剤には、限定されないが、無機塩、例えば、炭酸亜鉛、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、水酸化マグネシウム、リン酸水素カルシウム、酢酸カルシウム、水酸化カルシウム、乳酸カルシウム、マレイン酸カルシウム、オレイン酸カルシウム、シュウ酸カルシウム、リン酸カルシウム、酢酸マグネシウム、リン酸水素マグネシウム、リン酸マグネシウム、乳酸マグネシウム、マレイン酸マグネシウム、オレイン酸マグネシウム、シュウ酸マグネシウム、塩化ナトリウム、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、水酸化カリウム、リン酸カリウム、重炭酸ナトリウム、チオグリコール酸、酢酸亜鉛、リン酸水素亜鉛、リン酸亜鉛、乳酸亜鉛、マレイン酸亜鉛、オレイン酸亜鉛、シュウ酸亜鉛、およびこれらの組み合わせが挙げられる。他のpH調整剤には、例えば、酢酸、フマル酸、リンゴ酸、硝酸、リン酸、プロピオン酸、硫酸、酒石酸、二酸化炭素、炭酸、N−メチル−D−グルカミン、4−(2−ヒドロキシエチル)−モルホリン、トロメタミン、オロチン酸、および塩酸が挙げられる。1つの実施形態において、pH調整剤は水酸化ナトリウムである。
pH調整剤は、すでに酸性または塩基性である溶液に添加され、次いで、これが新しいpHに調整されかつ維持されるときには、緩衝剤として兼ねてもよい(The United States Pharmacopeia−National Formulary第29版(2006)Rockville,Md.;Stahl,P.Wermuth,C.編 Handbook of Pharmaceutical Salts Properties,Selection and Use.Wiley(2002)を参照のこと)。
ある実施形態において、本発明の組成物は、例えば、グルタチオン(米国特許第6,586,404号を参照のこと)、トリス(2−カルボキシエチル)ホスフィン塩酸塩(TSEP)、チオスルフェート、I−システイン、システイン、またはメチオニンなどの還元剤である1種または1種より多くの賦形剤を含む。1つの実施形態において、還元剤はグルタチオン(Vincentら、Endocrine Reviews(2004)25:612−628を参照のこと)、ジチオスレイトール(DTT)(Weirら、Respir and Physiol Biol;(2002)132:121−30)またはジチオエリスリトール(DTE)である。ある実施形態において、グルタチオンの濃度は、約、少なくとも約、または最大で約0、0.001、0.01、0.02、0.03、0.04、0.05、0.06、0.07、0.08、0.09、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0mMまたはMもしくはMより大きい、またはそこにおいて引き出され得る任意の範囲である。ある実施形態において、ジチオスレイトール(DTT)濃度は、約、少なくとも約、または最大で約0、0.001、0.01、0.02、0.03、0.04、0.05、0.06、0.07、0.08、0.09、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0mMもしくは1M、またはそこにおいて引き出され得る任意の範囲で存在する。ある実施形態において、還元剤はジチオエリスリトール(DTE)であり、これは、約、少なくとも約、または最大で約0、0.001、0.01、0.02、0.03、0.04、0.05、0.06、0.07、0.08、0.09、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0mMもしくはM、またはそこにおいて引き出され得る任意の範囲である。
本発明の組成物は、フリーラジカルスカベンジャーまたは抗酸化剤を必要に応じて含んでもよい。フリーラジカルスカベンジャーまたは抗酸化剤の例には、限定されないが、アスコルビン酸(ビタミンC)、D−アルファトコフェロール酢酸、DL−アルファ−トコフェロール(ビタミンE)、メラトニン、重亜硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、Trolox(6−ヒドロキシ−2,5,7,8−テトラメチルクロマン−2−カルボン酸)、トリス(2−カルボキシエチル)ホスフィン塩酸塩(TCEP)、メラトニン、亜ジチオン酸塩、ピロ亜硫酸塩、システイン、重亜硫酸カリウム、チオグリコール酸ナトリウム、チオエチレングリコール、L−スレオアスコルビン酸、アセチルサリチル酸、サリチル酸、レシチン、パルミチン酸アスコルビル、ブチル化ヒドロキシアニドール、アスコルビン酸、ブチル化ヒドロキシアニソール、ブチル化ヒドロキシキノン、ブチルヒドロキシアニソール、ヒドロキシクマリン、ブチル化ヒドロキシトルエン、セファルム、没食子酸エチル、没食子酸プロピル、没食子酸オクチル、没食子酸ラウリル、ヒドロキシ安息香酸プロピル、トリヒドロキシブチロフェノン(trihydroxybutylrophenone)、ジメチルフェノール、レシチン、エタノールアミン、メグルミン、およびこれらの組み合わせが挙げられる(米国2005/0106214号を参照のこと)。1つの実施形態において、抗酸化剤はスピントラップ剤である。スピントラップ剤の例には、限定されないが、N−t−ブチル−フェニルニトロン(PBN)(Kotake,Y.,Antioxid Redox Signal(1999)481を参照のこと)、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル(TEMPOL)(Gariboldi,M.B.,ら(2000),Free Radic.Biol.Med.29:633;Miura,Y.,ら、J.Radiat.Res.(Tokyo)(2000)41:103;Mota−Filipe,H.,ら(1999),Shock12:255R:22−41;S:39−26、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシル(TEMPO)(Lapchak,ら、Stroke(2001)32:147−53を参照のこと);(ジナトリウム−[(tert−ブチルイミノ)メチル]ベンゼン−1,3−ジスルホネートN−オキシド(NXY−059)(Lapchakら、CNS Drug Rev(2003)9:253−62を参照のこと)が挙げられる。いくつかの実施形態において、スピントラップ剤はTEMPOであり、これは、0mg/kg〜1,000mg/kgの範囲で存在する。いくつかの実施形態において、スピントラップ剤はTEMPOであり、100mg/kg〜1,000mg/kgの範囲で存在する。別の実施形態において、スピントラップ剤はTEMPOであり、0mg/kg〜100mg/kgの範囲で存在する。
本発明の組成物は、保存剤を必要に応じて含んでもよい。本明細書で使用される場合、「保存剤」という用語は、微生物の増殖を防ぐために使用される化合物を意味することが意図される。
本発明はまた、本発明の組成物の単位剤形を含む。ある実施形態において、単位剤形は、PICSを処置し、その重症度もしくは持続期間を軽減し、またはそれを予防するための有効量のハロゲン化合物、例えばヨウ化物を含むか、またはそれからなる。ある実施形態において、単位剤形は、本明細書に記載される条件のいずれかの下でハロゲン化合物を還元型に維持するために有効な量のグルタチオンをさらに含む。特定の実施形態において、単位剤形は、静脈内投与、注入による投与、または経口投与のために製剤化される。
特定の実施形態において、ハロゲン化合物、例えばヨウ化物またはNaIを含む単位剤形は、約0.005mg〜約5000mg、約0.05〜約1000mg、約0.5mg〜約100mg、約1mg〜約100mg、約2.5mg〜約100mg、約0.5mg〜約50mg、約1mg〜約50mg、約2.5mg〜約50mg、約5mg〜約50mg、約10mg〜約50mgまたは約1mg、約2mg、約5mg、約10mgまたは約15mgを含むか、またはそれからなる。ある実施形態において、単位剤形は、約1mg〜約150mg(この範囲内の任意の間隔を含む)、約1mg〜約125mg、約1mg〜約100mg、約1mg〜約75mg、約1mg〜約50mg、約1mg〜約25mgまたは約1mg〜約10mgのハロゲン化合物を含む。ある実施形態において、単位剤形は、約150mg、約125mg、約100mg、約75mg、約50mg、約25mgまたは約10mgのハロゲン化合物を含む。ある実施形態において、単位剤形は、約50mg〜500mg、約50mg〜100mg、約100mg〜約1000mg(この範囲内の任意の間隔を含む)、約150mg〜約800mg、約200mg〜約700mg、約250mg〜約600mg、約300mg〜約500mg、約350mg〜約450mgまたは約300mg〜約700mgのハロゲン化合物を含む。ある実施形態において、単位剤形は、約200mg、約300mg、約400mg、約500mg、約600mg、約700mg、約800mg、約900mgまたは約1000mgのハロゲン化合物を含む。ある実施形態において、単位剤形は、1000mg未満もしくはそれに等しい、800mg未満もしくはそれに等しい、700mg未満もしくはそれに等しい、500mg未満もしくはそれに等しい、250mg未満もしくはそれに等しい、200mg未満もしくはそれに等しいまたは150mg未満もしくはそれに等しいハロゲン化合物を含む。関連する実施形態において、単位剤形は、150mg未満もしくはそれに等しい、125mg未満もしくはそれに等しい、100mg未満もしくはそれに等しい、75mg未満もしくはそれに等しい、50mg未満もしくはそれに等しい、25mg未満もしくはそれに等しいまたは10mg未満もしくはそれに等しいハロゲン化合物を含む。本明細書に開示される方法の関連する実施形態において、それを必要とする被験体は、これらの範囲または値のいずれかに該当する量のハロゲン化合物、例えばヨウ化物、例えばNaIを投与される。
例えば、単位剤形が、例えば、静脈内投与または注入による投与のために液体として製剤化される実施形態を含むいくつかの実施形態において、本発明の単位剤形中に存在するハロゲン化合物またはその塩もしくは前駆体の濃度は、約0.0001mM〜約100M、約0.0005mM〜約50M、約0.001mM〜約10M、約0.001mM〜約5M、約0.001mM〜約1M、約0.005mM〜約10M、約0.005mM〜約5M、約0.005mM〜約1M、約0.005mM〜約0.5M、約0.01mM〜約10M、約0.01mM〜約5M、約0.01mM〜約2M、約0.1mM〜約1M、約0.1mM〜約0.5M、約0.5mM〜約5M、約0.5mM〜約2M、約0.5mM〜約1M、約0.5mM〜約0.5M、約1mM〜約5M、約1mM〜約2M、約1mM〜約1M、約1mM〜約0.5M、約5mM〜約5M、約5mM〜約2M、約5mM〜約1M、約5mM〜約0.5M、約5mM〜約0.25M、約10mM〜約1M、約10mM〜約0.5M、約10mM〜約0.25Mまたは約10mM、約50mM、約100mMまたは約200mMである。単位剤形は、1つまたは1つより多くの薬学的に受容可能な希釈剤、賦形剤またはキャリアをさらに含んでもよい。
ある実施形態において、単位剤形は、ヨウ化物、例えばNaIを含み、有効量は、約150μgを超えるもしくはそれに等しい、約300μgを超えるもしくはそれに等しい、約500μgを超えるもしくはそれに等しい、約1mgを超えるもしくはそれに等しい、約2mgを超えるもしくはそれに等しい、約5mgを超えるもしくはそれに等しい、約10mgを超えるもしくはそれに等しい、約15mgを超えるもしくはそれに等しいまたは約20mgを超えるもしくはそれに等しい。ある実施形態において、有効量は、150μg〜1000mg、300μg〜1000mg、500μg〜1000mg、1mg〜1000mg、2mg〜1000mg、5mg〜1000mg、10mg〜1000mg、150μg〜100mg、300μg〜100mg、500μg〜100mg、1mg〜100mg、2mg〜100mg、5mg〜100mgまたは10mg〜100mgである。
ある実施形態において、被験体は、有効量のハロゲン化物、例えばNaIを投与され、有効量は、約0.1mg/kg〜約100mg/kg、約0.1mg/kg〜約10mg/kg、約0.5mg/kg〜約5mg/kg、約0.2mg/kg、約0.5mg/kg、約1.0mg/kg、約2.0mg/kg、約3.0mg/kg、約4.0mg/kg、約5.0mg/kg、約6.0mg/kg、約7.0mg/kg、約8.0mg/kg、約9.0mg/kgまたは約10mg/kgである。ある実施形態において、有効量は、150μg〜50mg、300μg〜20mg、500μg〜10mg、1mg〜20mg、1mg〜10mgまたは約5mg、約10mg、約15mgまたは約20mgである。他の実施形態において、有効量は、約1mg〜約150mg(この範囲内の任意の間隔を含む)、約1mg〜約125mg、約1mg〜約100mg、約1mg〜約75mg、約1mg〜約50mg、約1mg〜約25mgまたは約1mg〜約10mgのハロゲン化合物である。あるの実施形態において、有効量は、約150mg、約125mg、約100mg、約75mg、約50mg、約25mgまたは約10mgのハロゲン化合物である。ある実施形態において、有効量は、1000mg未満もしくはそれに等しい、800mg未満もしくはそれに等しい、700mg未満もしくはそれに等しい、500mg未満もしくはそれに等しい、250mg未満もしくはそれに等しい、200mg未満もしくはそれに等しいまたは150mg未満もしくはそれに等しいハロゲン化合物を含む。ある実施形態において、有効量は、約100mg〜約1000mg(この範囲内の任意の間隔を含む)、約150mg〜約800mg、約200mg〜約700mg、約250mg〜約600mg、約300mg〜約500mg、約350mg〜約450mgまたは約300mg〜約700mgのハロゲン化合物である。ある実施形態において、有効量は、約200mg、約300mg、約400mg、約500mg、約600mg、約700mg、約800mg、約900mgまたは約1000mgのハロゲン化合物である。特定の実施形態において、有効量は、1日当たりの量である。
ある実施形態において、本発明の組成物は、経口投与または非経口投与に適切な剤形で製剤化され得る。加えて、特定の実施形態において、本発明の組成物は、即時または改変放出製剤の形態であり得る。例えば、ハロゲン化合物の製剤は、化合物(単数または複数)の放出を制御および調節して、より少ない投与頻度を可能にするか、または所定の活性剤の薬物動態もしくは毒性プロファイルを改善する制御放出を提供するために使用され得る。
一般に、組成物または単位剤形中に存在する活性化合物の量は、とりわけ、特定の化合物および製剤、被験体の年齢および状態、ならびに処置または予防されている傷害、状態または疾患の特定の特徴、投与経路および投与頻度に依存する。
投与頻度はまた、処置または予防されている傷害、状態もしくは疾患、化合物の量または濃度、使用される特定の組成物、投与経路に依存し、限定されないが、年齢、体重、性別または健康全般を含む被験体固有の変動を組み込み得る。
ある実施形態において、経口投与に適切な単位剤形は、ピル、ドレンチ(水溶液または非水溶液または懸濁液)、ボーラス、粉末、顆粒、ポリマー放出製剤、舌錠への適用のためのペースト、カプレットまたはカプセルの形態である。ピルは、錠剤およびカプセルの登場前に使用された小さな円形の固体薬学的経口剤形である。口語用法では、錠剤、カプセルおよびカプレットは依然として、多くの場合、総称して「ピル」と称される。ある実施形態において、ピルは、乳鉢および乳棒で有効成分を賦形剤、例えばグルコースシロップと混合してペーストを形成し、次いで、適切なサイズに分割し、多くの場合、糖でコーティングしてそれらをより口当たり良くすることにより作製される。
本明細書に記載される組成物中に存在するハロゲン化合物の投薬量レベルは、特定の被験体、ハロゲン化合物および投与様式のための所望の治療効果を達成するために有効な量であって、被験体に対して毒性ではない量のハロゲン化合物を得るために変動し得る。
様々な実施形態において、本発明の組成物および単位剤形は、所望の送達経路に適切な任意の異なる方法で製剤化され得る。典型的には、製剤は、すべての生理学的に受容可能な組成物を含む。このような製剤は、1つまたは1つより多くのさらなる活性剤と必要に応じて組み合わせて、任意の生理学的に受容可能なキャリア、希釈剤または賦形剤と組み合わせて、ハロゲン化合物を含んでもよい。ハロゲン化合物は、限定されないが、水、緩衝生理食塩水、ポリオールまたはそれらの混合物を含む任意の生物学的に受容可能な媒体と共に投与のために製剤化され得る。「生物学的に受容可能な媒体」は、薬学的組成物の所望の投与経路に適切であり得る任意のすべての溶媒、分散媒などを含む。適切な生物学的に受容可能な媒体およびそれらの製剤は、例えば、最新のRemington’s Pharmaceutical Sciences(Remington’s Pharmaceutical Sciences.Mack Publishing Company,Easton,Pa.,USA 1985)に記載されている。
製剤およびその単位剤形は、ハロゲン化合物および/または他の活性剤を薬学的に使用され得る調製物に加工することを容易にする賦形剤および/または助剤を含む適切な生理学的に受容可能なキャリアを含有してもよい。製剤およびその単位剤形はまた、ハロゲン化合物および/または他の活性剤のバイオアベイラビリティを増加させるかまたはそれに別様に影響を与える薬剤を含んでもよい。本明細書で使用される場合、「バイオアベイラビリティ」は、被験体に投与された後の活性剤(単数または複数)の効果、アベイラビリティおよび持続性をいう。
薬学的に受容可能なキャリアは、限定されないが、器官または体の一部への関心対象のアゴニストの運搬または輸送に関与する液体または固体充填剤、希釈剤、賦形剤、溶媒またはカプセル化材料を含む任意の薬学的に受容可能な材料、組成物またはビヒクルであり得る。
本発明はさらに、非経口投与、例えば静脈内投与または注入による投与のために製剤化された安定な液体薬学的組成物を含む。ある実施形態において、安定な液体薬学的組成物は、還元型の還元型のハロゲン化合物を含む。特定の実施形態において、組成物は、グルタチオンをさらに含む。特定の実施形態において、非経口投与のために製剤化された安定な液体薬学的組成物は、ハロゲン化合物、例えばヨウ化物およびグルタチオンを含む。特定の実施形態において、非経口投与のために製剤化された安定な液体薬学的組成物は、ヨウ化物およびグルタチオンを含む。ヨウ化物およびグルタチオンは、本明細書に記載される濃度で、または本明細書に記載される量を被験体に送達するために十分もしくは適切な量で存在し得る。組成物中の各活性剤の濃度は、それを必要とする被験体に送達すべき各活性剤の所望の量に基づいて容易に決定され得る。特定の実施形態において、組成物は、約1mM〜約1Mまたは約10mM〜約500mMの濃度のヨウ化物、例えばNaIと、約1mM〜約500mMまたは約10mM〜約500mMの濃度のグルタチオンとを含む。特定の実施形態において、組成物は、酸素不透過性容器内に含まれ、窒素またはアルゴンガス下にあり得る。特定の実施形態において、容器中に存在する組成物の量は、それを必要とする被験体への投与のための適切な投薬量を含むか、またはそれからなる単位投薬量である。
非経口投与のためのハロゲン化合物の製剤は、1つまたは1つより多くの薬学的に受容可能な等張水溶液もしくは非水溶液、分散液、懸濁液もしくはエマルジョン、または使用直前に滅菌注射液もしくは分散液に再構成され得る粉末と組み合わせてハロゲン化合物を含んでもよい。非経口製剤は、抗酸化剤;製剤を関心対象の被験体の血液と等張にする緩衝液もしくは溶質;バクテリオスタット;懸濁化剤;または増粘剤を含有してもよい。
本発明はさらに、本発明の組成物または単位剤形を含むキットを含む。ある実施形態において、このようなキットは、本発明の組成物を保管するための1つまたは1つより多くの容器を備える。1つの実施形態において、組成物は、容器の中で不活性ガスまたは希ガスの下で保管され、そしてこの容器は密封され、かつ酸素不透過性光防護容器(例えば、アンバーバイアル)を有する。
還元型のハロゲン化合物、例えばヨウ化物および臭化物を含むハロゲン化合物を含む組成物は、公知の利用可能な任意の手段により調製され得る。ある実施形態において、ハロゲン化合物は、水または適切な緩衝液、例えばNaCl緩衝液に溶解される。
ある特定の実施形態において、一旦製造されると、種々の実施形態において、組成物は、不透過性容器、例えば、酸素不透過性容器の中で保管される。これは、還元型のハロゲン化合物の酸化を防ぐために特に望ましい。不透過性容器は当業者に公知であり、これには、限定されないが、ガス不透過性構成材料を含む「静脈内バッグ」または密封ガラスバイアルが挙げられる。特定の実施形態において、不透過性容器は、10−10[cm(STP)/cm/(cm+s+Pa)]未満の酸素透過係数を有する酸素不透過性材料を含み、ここで、STP=標準温度および標準圧力(25℃および1気圧);PA=パスカル、およびs=秒である。例えば、容器の壁は酸素不透過性ポリマーの層を含んでもよい。例示的な酸素不透過性ポリマーには、限定されないが、シリコーンゴム、天然ゴム、低密度ポリエチレン(LDPE)、ポリスチレン(PS)、ポリエチレン(PE)、ポリカーボネート(PC)、ポリ酢酸ビニル(PVAc)、アモルファスポリエチレンテレフタレート(APET)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ナイロン6(Ny6)、ポリフッ化ビニル(PVF)、ポリ塩化ビニリデン(PVdC)、ポリアセトニトリル(PAN)、エチレンビニルアルコール(EVOH)、およびポリビニルアルコール(PVA)が挙げられる。ある実施形態において、前記ポリマーの酸素透過係数は10−10[cm(STP)/cm/(cm+s+Pa)]未満である。特定の実施形態において、容器の壁は1種または1種より多くの酸素不透過性ポリマーの複数の層を含む。
気密保管容器中で空気への曝露を防ぐために、窒素またはアルゴンなどの不活性ガスまたは希ガスが、閉鎖前に本発明の組成物を含有する容器に導入されてもよい。
他の関連する実施形態において、組成物は、耐光容器もしくは光防護容器またはアンバーバイアルなどのバイアルの中で保管される。この組成物は、ガラスバイアル中にパッケージングされてもよい。これは、組成物の酸化的分解を防ぐ/遅延させるために、不活性大気、例えば、窒素中で、わずかに過圧まで充填されてもよく、光の進入を防ぐような形態で含有され、それによって、組成物の光化学的分解を防いでもよい。これは、アンバーバイアルを使用して達成され得る。多くの静脈内溶液が酸素に対して感受性であるので、溶液が酸素を含まない環境において保管されることを可能にするさらなる容器系が知られている。例えば、充填または密封プロセスの間に酸素がパージされるガラス容器が使用され得る。別の実施形態において、軟質プラスチック容器が利用可能であり、これは、酸素に対して密封するための上包みに封入されてもよい。基本的に、酸素が、安定な組成物と相互作用することを防ぐ任意の容器が使用されてもよい(例えば、米国特許第6,458,758号を参照のこと)。1つの実施形態において、この容器は、1つまたは1つより多くの酸素スカベンジャーを含む。例えば、酸素捕捉性組成物は、酸素透過に対する障壁として機能する手段を支持または保持する生成物の内部表面にコーティングまたはライニングとして適用できる(例えば、米国特許第5,492,742号を参照のこと)。
特定の実施形態において、容器またはバイアルは、単位投薬量の本発明の組成物を含んでもよい。ある実施形態において、単位剤形は、被験体において、本明細書に記載されるもののいずれかを含む疾患、状態または傷害を処置または予防するための有効量の組成物を含むか、またはそれからなる。
特定の実施形態において、本発明は、ハロゲン、例えばヨウ化物または臭化物の予混合液体組成物(ここで、あらかじめ混合された液体組成物の量は、本明細書に記載されるもののいずれかを含む疾患、状態または傷害の処置または予防を必要とする被験体における本明細書に記載されるもののいずれかを含む疾患、状態または傷害の処置または予防において有用な投薬量を構成する)と、1つまたは1つより多くの薬学的に受容可能なキャリア、希釈剤または賦形剤とを含む容器、例えば生理食塩水バッグを含む。特定の実施形態において、液体組成物は滅菌のものである。
特定の実施形態において、本発明は、ハロゲン化合物、例えばヨウ化物または臭化物の乾燥組成物を含む容器、例えばバイアルを含み、乾燥組成物の量は、本明細書に記載されるもののいずれかを含む疾患、状態または傷害の処置または予防を必要とする被験体における本明細書に記載されるもののいずれかを含む疾患、状態または傷害の処置または予防において有用な投薬量を構成する。乾燥組成物は、それを必要とする被験体への送達の前に、例えば、薬学的に受容可能なキャリア、希釈剤または賦形剤、例えば滅菌水で再構成され得る。
ハロゲン化合物を使用する方法
本発明は、とりわけ、異なる一次傷害、疾患、障害または医療処置から生じる被験体への二次傷害または損傷を処置し、それを阻害し、その重症度を軽減し、またはそれを予防するためのハロゲン化合物、例えばI−の使用に関する方法および組成物を含む。特定の実施形態において、二次傷害または損傷は、少なくとも、一次傷害、疾患、障害または医療処置の位置から遠位または遠隔の解剖学的位置、例えば異なる器官または組織で発生する。ある傷害または疾患の場合では、二次傷害または損傷は、被験体内のある解剖学的位置(これは、ある実施形態において、特定の組織または器官に限定され得る)内で発生し得る。特定の実施形態において、二次傷害または損傷は、一次傷害、疾患、障害または医療処置の発生後の時点で発生する。ある実施形態において、期間は、一次傷害、疾患、障害または医療処置が発生した後、二次傷害または損傷が発生する前に経過する。例えば、期間は、約1時間、約4時間、約8時間、約12時間、約1日、約2日、約4日、約1週間、約2週間、約3週間または約1ヶ月間であり得る。ある実施形態において、二次傷害または組織損傷は、一次傷害または疾患により開始または増加または悪化した全身性炎症反応から生じる。
組織傷害
いくつかの実施形態において、本開示は、一次傷害または疾患から生じる遠隔および/または局所組織傷害または損傷の処置、その重症度の軽減またはその予防を必要とする被験体における一次傷害または疾患から生じる遠隔および/または局所組織傷害または損傷を処置し、その重症度を軽減し、またはそれを予防するための方法であって、前記被験体に、ハロゲン化合物と、薬学的に受容可能なキャリア、希釈剤または賦形剤とを含む薬学的組成物を提供する工程を含む方法を提供する。ある実施形態において、一次傷害または疾患は、被験体の1つまたは1つより多くの領域に局在し、局所損傷は、必要に応じて、一次傷害または疾患と同じ被験体の領域の1つまたは1つより多くで発生し得、遠隔組織損傷は、一次傷害または疾患とは異なる被験体の1つまたは1つより多くの領域で発生する。特定の実施形態において、一次傷害または疾患は、被験体のある組織および/または器官で発生し、遠隔または二次傷害、例えば組織損傷は、被験体の1つまたは1つより多くの異なる組織および/または器官で発生する。特定の実施形態において、傷害二次組織は、筋肉組織、例えば骨格筋組織、心筋組織または平滑筋組織である。ある実施形態において、傷害二次組織は、被験体の1つまたは1つより多くの四肢(例えば、腕または脚)、隔膜または胴内の骨格組織である。ある実施形態において、傷害二次組織は、被験体の心臓組織である。ある実施形態において、一次傷害または疾患から生じる二次組織損傷は、隔膜または肋間筋で発生する。特定の実施形態において、ハロゲン化合物は、ヨウ化物、例えばNaIである。
ある実施形態において、本発明の組成物は、一次傷害または疾患から生じる筋肉組織への損傷の処置、その重症度の軽減またはその予防を必要とする被験体における一次傷害または疾患から生じる筋肉組織への損傷を処置し、その重症度を軽減し、またはそれを予防するために使用され、前記被験体に、ハロゲン化合物と、薬学的に受容可能なキャリア、希釈剤または賦形剤とを含む薬学的組成物を提供する工程を含む。特定の実施形態において、ハロゲン化合物は、ヨウ化物、例えばNaIである。特定の実施形態において、損傷が処置、軽減または予防される筋肉組織は、一次傷害または疾患の位置または領域とは異なる被験体の身体の位置または領域内に位置する。これは、本明細書では、被験体の「遠方」または「遠位」または「遠隔」位置または領域と称され得る。本明細書に示される心筋、骨格筋領域、および本明細書に示される平滑筋領域はすべて、被験体の異なる身体領域を構成する。ある実施形態において、傷害二次組織は、被験体の1つまたは1つより多くの四肢(例えば、腕または脚)、隔膜または胴内の骨格組織である。ある実施形態において、一次傷害または疾患から生じる二次組織損傷は、隔膜または肋間筋で発生する。したがって、特定の実施形態において、本明細書に開示される組成物は、被験体における遠隔の遠方傷害または疾患、例えば一次傷害または疾患から生じる組織損傷の重症度を軽減する。ある実施形態において、組織損傷は、組織脱力をもたらす。
ある実施形態において、組織損傷が処置、軽減または予防される筋肉組織は、骨格筋組織、心筋組織または平滑筋組織である。特定の実施形態において、組織損傷は、虚血性再灌流傷害である。ある実施形態において、筋肉組織は、四肢筋肉組織、呼吸筋組織または心筋組織である。急性呼吸窮迫症候群(ARDS)として臨床的に現れる急性肺傷害は、本明細書に開示される方法により処置され得る。ある実施形態において、二次組織損傷は隔膜または肋間筋で発生し、呼吸器疾患または呼吸困難をもたらし得る。
骨格筋は、典型的には骨に付着した横紋筋の一形態である。少なくとも656個の骨格筋が人体にある。いくつかの実施形態において、骨格筋は、限定されないが、以下のいずれかを含む被験体の以下の領域に位置する:頭、例えば、額/眼瞼、外眼筋、耳、鼻、口、咀嚼、舌(例えば、外来筋または内在筋)、軟口蓋、咽頭、喉頭;首、例えば、鎖骨、舌骨上、舌骨下/帯状;首(例えば、前部、側部または後部);胴、例えば、背部、胸部、腹部、骨盤、会陰;上肢、例えば、脊柱、胸壁、肩、腕(例えば、前面または後面)、前腕(例えば、前面、表層面または深層面または後面のいずれか、表層または深層のいずれか);手、例えば、側掌(例えば、母指球、内掌または中間);下肢、例えば、腸骨部、臀部、大腿部(例えば、前面、後面/膝腱、内面)、脚(例えば、前面または後面、表層または深層のいずれか)、側面;または足、例えば、背側、足底(例えば、第1層、第2層、第3層または第4層)。ある実施形態において、骨格筋は肋間筋である。
心筋は、心臓の壁の主要組織を構成する不随意横紋筋である。
平滑筋は、一般に限定されないが、肺、胃、腸および膀胱を含む被験体の身体領域を含む血管および中空内臓器官の支持組織を形成する。
開示される方法の特定の実施形態において、処置、軽減または予防される組織損傷は、炎症から生じる。
特定の実施形態において、処置、軽減または予防される組織損傷は、炎症、敗血症またはSIRS、例えば、被験体における一次傷害または疾患から生じる炎症、敗血症またはSIRSから生じる。ある実施形態において、組織損傷は、遠方(または遠位)組織または器官損傷およびさらには多臓器不全症候群(MODS)である。急性呼吸窮迫症候群(ARDS)として臨床的に現れる急性肺傷害は、様々な病因のMODSの主な構成要素である。ARDSの発作を有する患者であって、最初の炎症侵襲を生存する患者は、通常は致命的ではない比較的軽度の第2のイベントの後に死亡し得る。2ヒット仮説によれば、第1の過活動SIRSは炎症反応を刺激する。さらなる侵襲が発生しない場合、回復が可能である。しかしながら、比較的軽度の二次イベント、例えばライン感染症または肺感染症は、過剰な二次炎症反応およびおそらくは死につながるであろう。炎症性メディエーターは、これらの状態における主な死因であるARDSの病因において重要な役割を果たす。SIRSがMODSおよび臓器不全につながると、死亡率が高くなり、50%を超え得る。
被験体における一次傷害または疾患は、多種多様な傷害、疾患、障害または感染症のいずれかであり得る。
いくつかの実施形態において、一次傷害または疾患は、急性エピソードまたは慢性疾患の増悪であり得る。例えば、急性エピソードは、慢性疾患と比較して新たなまたは増加する遠隔組織損傷をもたらし得る。いくつかの実施形態において、慢性疾患は、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、慢性心不全、腎疾患、肝疾患、膵炎、胃炎、癌または感染症である。
いくつかの場合では、一次傷害または疾患は局所外傷である。局所外傷は、全身ではなく被験体の1つまたは1つより多くの身体領域で発生する外傷をいう。局所外傷の非限定的な例としては、鈍器外傷、銃創、刺傷、手術、例えば心肺バイパス、熱傷、虚血性傷害、虚血性再灌流傷害、外傷性脳傷害、脳卒中、骨折もしくは多発性骨折、空気塞栓もしくは羊水塞栓または放射線傷害が挙げられる。
いくつかの実施形態において、一次傷害または疾患は医療処置である。例えば、二次傷害は、薬物、例えば化学療法剤、免疫療法または手術による処置から生じ得る。1つの実施形態において、一次傷害は、被験体における腫瘍を処置するためのCAR T細胞療法(これは、二次傷害または二次組織損傷をもたらす)である。
いくつかの場合では、一次傷害または疾患は、感染症、必要に応じてウイルス感染症、真菌(例えば、酵母)感染症または細菌感染症である。感染症は、局所的であり得るか(すなわち、被験体の1つまたは1つより多くの身体領域内に存在し得る)、またはそれは、全身的であり得る(すなわち、被験体の血流中にあり得る)。
いくつかの場合では、一次傷害または疾患は、炎症状態、例えば限定されないが、局所炎症状態、例えば胃炎、膵炎、壊死性腸結腸炎または大腸炎である。組織または器官損傷、機能不全および不全につながる炎症状態は、多くの他の臨床状態、例えば敗血症性ショック、重度火傷、急性膵炎、出血性ショック、重度胸郭外外傷、薬物過剰摂取、頻回輸注、子癇、播種性血管内凝固および外傷における傷害後の主な問題である。
ある実施形態において、一次傷害または疾患は、被験体において全身性免疫または炎症反応を惹起する。いくつかの場合では、一次傷害または疾患は自己免疫疾患である。いくつかの場合では、一次傷害または疾患は、被験体において全身性炎症反応症候群(SIRS)または敗血症をもたらす。敗血症は、特定可能な感染病巣があるSIRSとして定義される。特定の実施形態において、処置、軽減または予防される組織損傷は、炎症反応、例えば自己免疫疾患、SIRまたは敗血症により引き起こされ、組織損傷をもたらす。
一般に、全身性炎症反応症候群(SIRS)は、傷害に対する完全に正常な反応である。しかしながら、全身性白血球活性化はSIRSの直接的な結果であり、過剰な場合には、遠隔組織または器官損傷およびさらには多臓器不全症候群(MODS)につながり得る。SIRSがMODSおよび臓器不全につながると、死亡率が高くなり、50%を超え得る。急性呼吸窮迫症候群(ARDS)として臨床的に現れる急性肺傷害は、様々な病因のMODSの主な構成要素である。
SIRSのいくつかの感染性および非感染性原因が認識されており、これらのいずれかは、一次傷害または疾患であり得る。SIRSの感染性原因としては、敗血症および敗血症性ショック、細菌病原体、ウイルス、真菌および寄生虫により引き起こされる感染症が挙げられる。SIRSの非感染性原因としては、限定されないが、出血性ショック、急性膵炎および火傷が挙げられる。(サイトカイン媒介)全身性白血球活性化はSIRSの直接的な結果であり、過剰な場合には、MODSおよび多臓器不全につながり得る。過活動性SIRS反応では、白血球は全身循環内で活性化され、肺微小循環内に留まる。状態が進行するにつれて、白血球が肺間質に移動し、内皮透過性の増加が組織浮腫につながる。肺における白血球は、ARDSの炎症プロセスに反応および寄与する。
特定の実施形態において、本明細書に開示される方法は、一次臨床状態、例えば傷害または疾患の後のSIRS、敗血症またはMODを処置し、その可能性または重症度を軽減するために使用される。
特定の実施形態において、本開示は、二次筋組織傷害の処置、その阻害、その重症度の軽減またはその予防を必要とする被験体における二次筋組織傷害を処置し、それを阻害し、その重症度を軽減し、またはそれを予防する方法であって、前記被験体に有効量のヨウ化物、例えばNaIを提供することを含み、前記二次筋組織傷害が、敗血症、COPD、慢性または急性心不全、尿毒症、腎疾患、肝疾患、化学療法、免疫療法、膵炎、胃炎およびウイルス感染症(例えば、サイトメガロウイルス(CMV)感染症)から選択される一次傷害または疾患から生じ、前記二次組織損傷の少なくとも一部(または全部)が、前記一次傷害または疾患とは解剖学的に遠方の部位で発生する方法を含む。ある実施形態において、処置は、ヨウ化物による処置の非存在下と比較して、筋脱力の減少または筋力の増加をもたらす。いくつかの実施形態において、被験体は、1つまたは1つより多くの用量でヨウ化物を提供され、複数の用量は、例えば、一定期間、例えば1日、1週間などにわたって提供され得る。いくつかの実施形態において、各用量は、約1mg/kgまたは約2mg/kgのヨウ化ナトリウムを含む。
したがって、本明細書に開示される方法は、一次傷害もしくは疾患(またはPICS)後に、または被験体におけるSIRS、敗血症もしくはMODSの発症後に被験体の生存性を増強するために使用され得る。生存性の増強は、一次臨床状態の後に、またはSIRS、敗血症もしくはMODSの発症の後に、被験体が生存して死亡しない可能性を増加させることを意味する。本明細書に開示される方法は、例えば、被験体における虚血性傷害または虚血性再灌流傷害後に、被験体における循環クレアチニンキナーゼまたは心臓トロポニンレベルを減少させるために実施され得る。特定の実施形態において、被験体の血液または血漿中に存在するクレアチンキナーゼまたは心臓トロポニンの濃度は、傷害後処置前のある時点で存在する濃度と比較して少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%または少なくとも50%減少する。特定の実施形態において、前記方法は、ヨウ化物、例えばNaIを被験体に例えば経口的または非経口的に提供する工程を含む。
本明細書に開示される方法は、例えば、被験体における虚血性傷害または虚血性再灌流傷害後に、被験体の組織または器官における浮腫を軽減するために実施され得る。特定の実施形態において、浮腫は、傷害後処置前のある時点で存在する濃度と比較して少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%または少なくとも50%軽減される。ある実施形態において、浮腫は筋肉または肺に存在し、ある実施形態において、浮腫は、筋肉組織、例えば心筋、骨格筋または平滑筋、例えば肺筋組織に存在する。特定の実施形態において、前記方法は、ヨウ化物、例えばNaIを被験体に例えば経口的または非経口的に提供する工程を含む。
PICS
集中治療後症候群(PICS)は、退院後に、重病および集中治療を生き延びた患者で残る健康問題の集合を表す。PICSの徴候としては、認知、精神的健康および身体機能の新たなまたは悪化する機能障害が挙げられる。PICSの患者は、徴候の1つ、組み合わせまたは3つすべてを示し得る。
認知機能障害としては、必ずしも限定されないが、実行機能、記憶、注意、精神的処理速度および問題解決の欠陥が挙げられる。それは、重病の生存者の主なリスク因子であり、集中治療室(ICU)せん妄、急性脳機能障害、低血圧症、グルコース調節不全、長期人工呼吸を必要とする呼吸不全、重度敗血症、腎代替療法の使用、急性呼吸窮迫症候群(ARDS)および過去の認知機能障害の持続期間に関連する。
精神機能障害としては、必ずしも限定されないが、鬱病、不安神経症または心的外傷後ストレス障害の形態の精神病が挙げられる。それは、生存者の主なリスク因子であり、重度敗血症、急性呼吸窮迫症候群、呼吸不全、外傷、低血糖症および低酸素血症に関連する。患者は、多くの場合、転倒または安眠の問題を発症し、悪夢または望ましくない記憶を有し得ない。
身体機能障害としては、必ずしも限定されないが、虚弱、筋消耗および筋衰弱、運動性低下、再発性転倒、四肢不全麻痺ならびに四肢性不全麻痺が挙げられる。集中治療室獲得性神経筋脱力(ICUAW)は、重病の生存者における筋力脱力および麻痺に一般に関連する一連の神経筋症候群を総称していう。これらの神経筋症候群としては、重症疾患多発ニューロパチー(CIP)、重症疾患ミオパチー(CIM)およびそれらの組み合わせ(重症疾患多発ニューロミオパチー(CIPM)と称されることもある)が挙げられる。ICUAWの発症は、病気の重症度、ICU滞在期間、長期人工呼吸(>7日)、老齢、全身性炎症反応症候群(SIRS)、敗血症、高血糖症およびインスリン抵抗性、コルチコステロイド処置、神経筋遮断剤(NMBA)による処置、多臓器不全ならびに長期固定および鎮静に関連する。
ある実施形態において、本発明のハロゲン化合物(例えば、ヨウ化物)または組成物は、PICSまたは関連状態の処置または予防を必要とする被験体におけるPICSまたは関連状態を処置または予防するために使用される。特定の実施形態において、本発明の組成物は、被験体におけるPICSまたは関連状態の重症度を軽減し、またはその持続期間を減少させる。特定の実施形態において、被験体は、哺乳動物、例えばヒトである。特定の実施形態において、組成物は、ハロゲン化合物、例えばハロゲン化物、例えばヨウ化物またはNaIを還元状態に維持するように製剤化された安定製剤である。本明細書に記載される方法のいずれかの特定の実施形態において、被験体は、医療処置または集中治療の前に、その間におよび/またはその後に処置される。ある実施形態において、被験体は、予定医療処置または集中治療の前に、その間におよび/またはその後に処置される。本明細書に記載される方法のいずれかの特定の実施形態において、PICS被験体は、医療処置、重病または集中治療を生き延びた。ある実施形態において、PICS被験体は病院から退院する。ある実施形態において、被験体は、限定されないが、本明細書に開示される特定の機能障害のいずれかを含む身体機能障害、認知機能障害および精神機能障害から選択される1つまたは1つより多くのPICS関連機能障害を有する。特定の実施形態において、被験体は、PICSと診断されているか、またはそのリスクがあると考えられている。特定の実施形態において、被験体は、PICS、例えば身体機能障害、認知機能障害または精神機能障害と診断されているか、またはそのリスクがあると考えられている。
ある実施形態において、PICSまたは本明細書に開示される関連障害もしくは徴候のいずれかは、予定または緊急医療処置の後に発生するかまたは発生するであろう。特定の実施形態において、処置は麻酔の使用を含み、および/または患者は処置の間に意識不明である。特定の実施形態において、医療処置は、外傷、転倒、骨折、心臓発作または脳卒中を処置することを伴う。いくつかの実施形態において、外傷は、大骨、腹部器官、胸部器官または頭部に影響を与える。いくつかの実施形態において、医療処置は手術である。いくつかの実施形態において、手術は、腹部、胸部、整形外科、心臓、脳、肺、眼または頭頸部手術である。
ある実施形態において、PICSは、敗血症、人工呼吸、筋肉負荷軽減、固定、注入、ステロイド処置または除神経によりトリガーされる。いくつかの実施形態において、個体は、少なくとも48時間固定されている。いくつかの実施形態において、注入は、高塩素性アシドーシスに関連する。特定の実施形態において、PICSは、敗血症、全身性炎症反応症候群(SIRS)、急性呼吸窮迫症候群(ARDS)または多臓器不全の存在および持続に関連する。いくつかの実施形態において、PICSは、代謝性アシドーシス、例えば腎機能不全または腎不全に関連する代謝性アシドーシスに関連する。いくつかの実施形態において、PICSは、糖尿病性アシドーシス、高塩素性アシドーシス、乳酸アシドーシスまたは尿細管性アシドーシスに関連する。特定の実施形態において、PICSは、重病、例えば肺炎、薬物誘発性臓器不全、熱傷害または腹膜炎に関係する。
いくつかの実施形態において、PICSは、薬物、例えば化学療法剤、免疫療法または手術による処置から生じる。1つの実施形態において、免疫療法は、例えば、被験体における腫瘍を処置するためのCAR T細胞療法(これは、PICSをもたらす)である。
特定の実施形態において、処置される被験体は、PICSに対してより脆弱であると考えられ得、例えば、被験体は、50歳もしくはそれを超え得る、60歳もしくはそれを超え得る、65歳もしくはそれを超え得る、70歳もしくはそれを超え得る、75歳もしくはそれを超え得るまたは80歳もしくはそれを超え得る。特定の実施形態において、集中治療の間の1つまたは1つより多くの医薬による処置は、被験体をPICS、例えばコルチコステロイドまたは神経筋遮断剤に対してより脆弱にする。ある実施形態において、被験体は、PICSもしくは関連障害が被験体において発生する可能性を低下させ、被験体におけるPICSもしくは関連障害の1つもしくは1つより多くの徴候の重症度を軽減し、または被験体におけるPICSもしくは関連障害の1つもしくは1つより多くの徴候の持続期間を減少させる有効量のハロゲン化物、例えばヨウ化物、例えばNaIを提供される。特定の実施形態において、ハロゲン化物は、医療処置の前におよび/または医療処置の間に、非経口的に、例えば静脈内にまたは注入、例えばボーラス注入により被験体に提供される。
特定の実施形態において、PICS徴候は、ミオペニアまたはICUAWを含むか、またはそれとして現れる。ミオペニアという用語は、筋肉量および/または筋力の喪失に関連する身体虚弱を表すために提案されている。筋肉消耗または筋肉消耗疾患とも称されるミオペニアは、多種多様な急性および慢性疾患および状態で頻繁で観察され、生活の質の低下ならびに罹患率および死亡率のリスクの増加に関連する。サルコペニア(老齢に関連する筋肉消耗)および悪液質(慢性病、すなわち癌、心不全および腎疾患に関連する筋肉消耗)が国際疾病分類(ICD)に最近含まれたことは、ミオペニアに関連する臨床転帰および医療負担に対する認識の高まりならびにさらには治療標的としてのその関連性を反映している。急性ミオペニアであるICUAWは、一般に、ICU滞在中の重病患者で一般に発生する説明不可能な筋肉消耗および筋脱力を表し、重病の生存者について、その診断は、長期筋脱力および機能的障害を予測し、死亡リスクの増加および不十分な健康関連の生活の質に関連する。ICUAWは、神経筋症候群、一連の重症疾患多発ニューロパチー(CIP)、重症疾患ミオパチー(CIM)および重症疾患多発ニューロミオパチー(CIPMまたはCINM)を総称していい、衰弱が、筋肉に分布する神経(CIP)、筋肉組織のみ(CIM)または2つの組み合わせ(CIPM)に関与するかにより主に区別される。CIPは、感覚運動軸索の変性および筋肉組織の除神経を特徴とする神経興奮および筋収縮刺激の障害を表す。CIMは、ニューロパチーの非存在下では筋脱力をいい、II型筋線維の萎縮および優先的ミオシンタンパク質の喪失を特徴とする。
ICUAWにおける神経筋損傷および機能不全の病態生理学は、複雑かつ多因子的である。微小循環機能不全に関連する血管透過性の増加は重病患者で多く見られ、神経線維への細胞毒性物質の送達を促進すると考えられる。透過性の増加の結果でもある浮腫は、ニューロンおよび筋細胞における酸素送達およびしたがって細胞エネルギー産生を損ない得る。インスリン抵抗性および肝臓糖新生は高血糖症に寄与し、これらはすべて、重病の一般的な特徴である。高レベルのグルコースは、神経筋組織に対して直接的な細胞毒性効果を有し、ミトコンドリア機能不全にも寄与する。
TNF−α、IL−1およびIL−6を含むあるサイトカインは重病患者で上昇し、筋細胞に対して多くの直接的な効果を有し、筋肉喪失および筋肉細胞タンパク質に対する正味の異化効果をもたらす。これらの効果としては、筋細胞アポトーシスのデス受容体媒介誘導、カルパインおよびユビキチンプロテアーゼのタンパク質分解活性の増強、ならびにPI3K/Akt媒介同化シグナル伝達の阻害が挙げられる。TNF−αおよびIL−1はまた、骨格筋の収縮力を低下させ得る。
様々な実施形態において、本明細書に開示される方法は、被験体における1つまたは1つより多くのサイトカインのレベルを減少させるために使用される。特定の実施形態において、サイトカインは、IL−6、IL−10、KCまたはMIP−2である。ある実施形態において、IL−6、IL−10、KCまたはMIP−2の1つまたは1つより多くは、筋肉組織または血漿で有意に減少する。1つの実施形態において、IL−6は、血漿で有意に減少する。特定の実施形態において、1つまたは1つより多くのサイトカインは、例えば、筋肉組織または血漿のいずれかで少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%または少なくとも50%減少する。したがって、本明細書に開示される方法は、被験体における筋肉内および/または全身性炎症を軽減するために使用され得る。
本明細書に開示される方法のいずれかの様々な実施形態において、1つもしくは1つより多くの徴候の重症度または1つもしくは1つより多くの徴候の持続期間は、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%または少なくとも90%減少する。
ある実施形態において、本発明は、PICSの処置または予防を必要とする被験体におけるPICSを処置または予防する方法であって、前記被験体に有効量のハロゲン化物または本発明の組成物を提供する工程を含む方法を含む。特定の実施形態において、組成物は、有効量の1つまたは1つより多くのハロゲン化物と、必要に応じて、本明細書に記載されるもののいずれかを含む1つまたは1つより多くのさらなる活性剤とを含む。特定の実施形態において、ハロゲン化物またはハロゲン化合物は、ヨウ素、例えばヨウ化物またはヨウ素酸塩、例えばNaIを含む。特定の実施形態において、組成物はまた、グルタチオンまたは別の還元剤を含む。
いくつかの実施形態において、本発明は、PICSに関連する徴候の処置または予防を必要とする被験体におけるPICSに関連する徴候を処置または予防する方法であって、前記被験体に有効量の本発明の組成物を提供する工程を含む方法を含む。特定の実施形態において、組成物は、ヨウ化物、例えばNaIを含む。
特定の実施形態において、本発明の組成物は、PICSと診断された被験体、またはPICSに対して感受性の被験体、例えば、PICSを引き起こし得る処置または集中治療を受ける予定の被験体を処置するために使用される。ある実施形態において、被験体は、医療処置または集中治療の前に、その間におよび/またはその後に処置される。いくつかの実施形態において、被験体は、医療処置または集中治療の前に、ハロゲン化物、例えばヨウ化物、例えばNaIのボーラスで処置される。被験体はまた、医療処置の間におよび/またはその後に、ハロゲン化物、例えばNaIで処置され得る。いくつかの実施形態において、前記方法は、被験体におけるPICS発生を予防しもしくはその可能性を減少させるために、被験体におけるPICS発生を予防もしくは阻害するために、または被験体におけるPICSを予防しもしくはその重症度を軽減するために使用される。特定の実施形態において、本発明の方法は、被験体におけるPICSに関連する障害または徴候のいずれかを処置、阻害または予防するために使用される。
1つの実施形態において、本開示は、PICSまたは関連障害の処置、その予防またはその重症度もしくは持続期間の軽減を必要とする被験体におけるPICSまたは関連障害を処置し、それを予防し、またはその重症度もしくは持続期間を軽減する方法であって、前記被験体が医療処置または集中治療措置を受ける一部の時間の前におよび/またはその間に、前記被験体に有効量のハロゲン化物、例えばヨウ化物、例えばNaIを提供する工程を含む方法を提供する。
いくつかの実施形態において、本明細書に開示される方法は、重病および集中治療を生き延びて退院した被験体における、限定されないが関連身体機能障害、認知機能障害または精神機能障害を含むPICSを処置するために使用される。
ある実施形態において、本明細書に開示される方法および組成物は、PICS関連認知機能障害の処置または予防を必要とする被験体におけるPICS関連認知機能障害を処置または予防するために使用される。このような認知機能障害としては、限定されないが、実行機能、記憶、注意、精神的処理速度および問題解決の欠陥が挙げられる。
ある実施形態において、本明細書に開示される方法および組成物は、PICS関連精神機能障害の処置または予防を必要とする被験体におけるPICS関連精神機能障害を処置または予防するために使用される。このような精神機能障害としては、限定されないが、鬱病、不安神経症または心的外傷後ストレス障害の形態の精神病が挙げられる。
ある実施形態において、本明細書に開示される方法および組成物は、PICS関連身体機能障害の処置または予防を必要とする被験体におけるPICS関連身体機能障害を処置または予防するために使用される。このような身体機能障害としては、限定されないが、重症疾患多発ニューロパチー(CIP)、重症疾患ミオパチー(CIM)、敗血症誘発性ミオパチー(SIM)、ステロイド除神経ミオパチー(SDM)、長期神経筋遮断、廃用性萎縮、運動性低下、再発性転倒、四肢不全麻痺および四肢性不全麻痺の形態の集中治療室(ICU)獲得性神経筋脱力が挙げられる。
投薬および投与
ある実施形態において、ハロゲン化合物(例えば、ヨウ化物、例えばNaI)は、薬学的に受容可能なキャリア、希釈剤または賦形剤を含む液体薬学的組成物で被験体に提供される。いくつかの実施形態において、組成物中のハロゲン化合物の少なくとも90%は、室温で保管したときに、少なくとも1時間、少なくとも1週間、少なくとも1ヶ月間または少なくとも6ヶ月間にわたって還元型で存在する。特定の実施形態において、ハロゲン化合物を含む組成物は、還元剤、等張化剤、安定剤、界面活性剤、凍結保護剤、ポリオール、抗酸化剤または保存剤の1つまたは1つより多くを含む。
特定の実施形態において、薬学的組成物は、一次傷害もしくは疾患または医療措置の前に、その間にまたはその後に被験体に提供される。
ある実施形態において、薬学的組成物は、被験体に経口的または非経口的に提供される。例えば、薬学的組成物は、一次傷害もしくは疾患または医療処置の前に、ボーラス投与として被験体に提供され得、必要に応じて、ボーラス投与は、約10mg/kg未満またはそれに等しい、必要に応じて約1.0mg/kgまたは約2mg/kgのハロゲン化合物(例えば、NaI)を含む。他の例では、薬学的組成物は、一次傷害もしくは疾患または医療処置の後に被験体に提供される。いくつかの実施形態において、複数の用量のハロゲン化合物(例えば、NaI)が被験体に提供される。特定の実施形態において、各用量は、約10mg/kg未満またはそれに等しいハロゲン化合物、必要に応じて約1.0mg/kgまたは約2.0mg/kgのハロゲン化合物(例えば、NaI)を含む。ある実施形態において、複数の用量のハロゲン化合物は、一定期間、例えば4時間、8時間、12時間、1日、2日、4日、1週間、2週間、3週間、1ヶ月間、2ヶ月間、4ヶ月間、8ヶ月間、1年間またはそれを超えて被験体に提供される。ある実施形態において、ハロゲン化合物(例えば、NaI)は、必要に応じて、一次傷害もしくは疾患または医療処置の前におよび/またはその間におよび/またはその後に、持続注入として被験体に提供される。ある実施形態において、約100mg/kg未満のヨウ化物は、一定期間、例えば4時間、8時間、12時間、1日、2日、4日、1週間、2週間、3週間、1ヶ月間、2ヶ月間、4ヶ月間、8ヶ月間、1年間またはそれを超えて被験体に提供される。
本明細書に開示される方法のいずれかの特定の実施形態において、ハロゲン化合物は、ヨウ化物、例えばヨウ化ナトリウム(NI)である。
本明細書に開示される方法のいずれかの特定の実施形態において、被験体は、哺乳動物、例えばヒトである。
特定の実施形態において、組成物は、ハロゲン化合物、例えばハロゲン化物、例えばヨウ化物またはNaIを還元状態に維持するように製剤化された安定製剤である。
本発明の方法のある実施形態において、ハロゲン化合物は、ヨウ素またはヨウ化物、例えばNaIを含み、有効量は、約150μgを超えるもしくはそれに等しい、約300μgを超えるもしくはそれに等しい、約500μgを超えるもしくはそれに等しい、約1mgを超えるもしくはそれに等しい、約2mgを超えるもしくはそれに等しい、約5mgを超えるもしくはそれに等しい、約10mgを超えるもしくはそれに等しい、約15mgを超えるもしくはそれに等しいまたは約20mgを超えるもしくはそれに等しい。ある実施形態において、有効量は、150μg〜1000mg、300μg〜1000mg、500μg〜1000mg、1mg〜1000mg、2mg〜1000mg、5mg〜1000mg、10mg〜1000mg、150μg〜100mg、300μg〜100mg、500μg〜100mg、1mg〜100mg、2mg〜100mg、5mg〜100mgまたは10mg〜100mgである。ある実施形態において、有効量は、150μg〜50mg、300μg〜20mg、500μg〜10mg、1mg〜20mg、1mg〜10mgまたは約5mg、約10mg、約15mgまたは約20mgである。
本発明の方法のいずれかの特定の実施形態において、被験体は、有効量の本発明の組成物または化合物で処置されるか、またはそれと接触し、ここで、前記有効量は約0.01mg/kg〜約20mg/kg、約0.05mg/kg〜約10mg/kg、約0.1mg/kg〜約5mg/kg、約0.5mg/kg〜約2mg/kg、約0.5mg/kg〜約1mg/kg、約0.5mg/kg、約0.6mg/kg、約0.7mg/kg、約0.8mg/kg、約0.9mg/kg、約1.0mg/kg、約1.1mg/kg、または約1.2mg/kgである。ある実施形態において、組成物はハロゲン化合物を含む。
特定の実施形態において、ヨウ素またはヨウ化物の有効量は、以下に列挙されている平均1日推奨量の少なくともまたは約2倍、3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、12倍、15倍、20倍、50倍、100倍、1,000倍、10,000倍または100,000倍の量である。特定の実施形態において、ヨウ素またはヨウ化物の有効量は、以下に列挙されているヨウ素の平均1日推奨量の2倍〜20倍、5倍〜15倍または5倍〜10倍の量である。
Figure 2021527130
NIH Office of Dietary Supplements Iodine Fact Sheet for Consumers,reviewed June 24,2011,obtained 2013.
本発明の方法のある実施形態において、ハロゲン化合物は、ヨウ素、例えばNaIを含み、有効量は、約0.01mg/kg〜約20mg/kg、約0.05mg/kg〜約10mg/kg、約0.1mg/kg〜約5mg/kg、約0.5mg/kg〜約2mg/kg、約0.5mg/kg〜約1mg/kg、約0.5mg/kg、約0.6mg/kg、約0.7mg/kg、約0.8mg/kg、約0.9mg/kg、約1.0mg/kg、約1.1mg/kgまたは約1.2mg/kgである。ある実施形態において、ハロゲン化合物はヨウ素を含み、有効量は、以下に列挙されている平均1日推奨量の少なくともまたは約2倍、3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、12倍、15倍または20倍の有効量のヨウ素により達成されるのとほぼ同じ濃度または量を達成する量である。
本明細書に開示される方法のある実施形態において、それを必要とする被験体は、有効量のハロゲン化合物、例えばヨウ素、臭素またはフッ素を含むハロゲン化合物、ヨウ化物、例えばヨウ化ナトリウム、ヨウ化カリウム、ヨウ化マグネシウム、ヨウ化水素、ヨウ化カルシウムまたはヨウ化銀を提供される。特定の実施形態において、ハロゲン化合物は、20十億分率(ppb)〜20百万分率(ppm)の血中濃度を達成するために十分な量で、非経口的、経口的または全身的に提供される。特定の実施形態において、被験体はヒトである。
ある実施形態において、組成物は、少なくともしばらくの間にわたってハロゲン化合物の血中濃度を少なくとも5倍、少なくとも10倍、少なくとも50倍、少なくとも100倍、少なくとも500倍または少なくとも1000倍増加させるために十分な量で被験体に提供される。
ハロゲン化合物を含む組成物と、さらなる活性剤を含む組成物とは、同時に、異なる時間にまたは重複期間の間に被験体に提供され得る。特定の実施形態において、両方が存在する場合、ハロゲン化合物およびさらなる活性剤は、同じまたは異なる組成物に存在する。
組成物がグルタチオンおよびハロゲン化合物を含む特定の実施形態において、グルタチオンは、本明細書に記載される範囲のいずれかを含むハロゲン化合物の酸化を阻害するために十分な量で存在する。特定の実施形態において、ハロゲン化合物は、ヨウ化物、例えばNaIである。
本発明の方法の様々な実施形態において、被験体は、本発明の組成物に、約、少なくとも、少なくとも約、または最大で1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24時間、1、2、3、4、5、6、7日間、1、2、3、4週間、1、2、3、4、5、6、7、8または9カ月間またはそれより長く、およびそこにおける任意の範囲または組み合わせで曝露される。
さらに、本発明に従う組成物の投与が静脈内または注入によるとき、以下のパラメーターが適用され得ることが企図される。流速は、約、少なくとも約、または最大で約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100gtt/分もしくはμgtt/分、またはそこにおいて引き出され得る任意の範囲である。いくつかの実施形態において、組成物の量は、組成物中のハロゲン化合物の濃度に依存して、体積で特定される。ある実施形態において、時間量は、約、少なくとも約、または最大で約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60分間、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24時間、1、2、3、4、5、6、7日間、1、2、3、4、5週間、および/もしくは1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12ヶ月間、またはそこにおいて引き出され得る任意の範囲であり得る。
1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、200、210、220、230、240、250、260、270、280、290、300、310、320、330、340、350、360、370、380、390、400、410、420、430、440、441、450、460、470、480、490、500、510、520、530、540、550、560、570、580、590、600、610、620、630、640、650、660、670、680、690、700、710、720、730、740、750、760、770、780、790、800、810、820、830、840、850、860、870、880、890、900、910、920、930、940、950、960、970、980、990、1000mlもしくはリットルの体積、またはそこにおける任意の範囲が、全体または単回セッションで投与されてもよい。
本発明の方法の様々な実施形態にしたがって、被験体は、本発明の組成物を、例えば、静脈内、皮内、動脈内、腹腔内、病巣内、頭蓋内、関節内、前立腺内、胸膜内、気管内、鼻内、硝子体内、膣内、直腸内、局在的、腫瘍内、筋肉内、腹腔内、眼内、皮下、結膜下、小胞内、粘膜、心膜内、臍帯内、眼球内(intraocularally)、経口的、局在的、局所的、注射により、注入により、連続注入により、吸収により、吸着により、浸漬により、局所的かん流により、カテーテルを介して、または洗浄液を介して提供される。特定の実施形態において、これは、非経口的に、例えば、静脈内で、または吸入により提供される。「非経口」とは、消化管を介する以外の物質の投与の任意の経路をいう。特定の実施形態において、ハロゲン化合物は、静脈内投与または注入により被験体に提供される。
さらなる実施形態において、本発明の方法は、還元型の活性薬剤、例えば、還元型のNaIなどのハロゲン化合物などの酸化を限定、防止、または阻害するように設計された薬物送達デバイスを含む。特定の実施形態において、このデバイスは、還元型の活性薬剤をその還元型に維持する。特定の実施形態において、このデバイスは、還元型の活性薬剤、例えば、還元型のロゲン化合物を含む。特定の実施形態において、この薬物デバイスは、本発明の組成物を含む。
製造業者によって準備され、あらかじめ混合された、すぐに使用できる製品は、静脈内薬物安全性に対する有用なアプローチを表す。なぜなら、これらは、静脈内または注入薬物を測定および希釈することに関連する誤りを除いているからである。したがって、ある実施形態において、本発明は、還元型の活性薬剤を含むすぐに使用できる製品の投与のための薬物送達デバイスを含む。特定の実施形態において、還元型の活性薬剤は、還元型のハロゲン化合物、例えば、NaIである。
関連する実施形態において、本発明は、有効量の本発明の組成物または有効量のハロゲン化合物をその中に有する容器を含む。有効量は液体形態であり得、例えば、活性剤は溶液に溶解され得るか、またはそれは、被験体への投与前に活性剤を溶解させ得るような乾燥形態であり得る(例えば、乾燥、凍結乾燥または冷凍乾燥され得る)。
本明細書に記載される組成物のすべての実施形態において、組成物は薬学的組成物であり得ると理解される。
実施例1
ヨウ化物は、後肢虚血性再灌流傷害後の損傷から骨格筋を保護する
麻酔した成体雄C57BL/6マウスを後肢虚血性再灌流傷害(2時間の両肢止血帯(虚血)、続いて止血帯除去後に3時間の再灌流)に供した。外因性ヨウ化物が、虚血性再灌流傷害により引き起こされる心臓および肺組織への損傷を軽減することができるかを決定するために、後肢の再灌流の5分前に、様々な用量のヨウ化物(0mg/kg、1mg/kg、10mg/kgまたは20mg/kg)を動物に後眼窩(r.o.)により静脈内(i.v.)投与した。
次いで、動物を屠殺し、血液(血漿)および肺およびGC筋肉サンプルを得た。血液(血漿)サンプルを分析して、それぞれに存在するクレアチンキナーゼおよび心臓トロポニンの濃度を決定した。加えて、肺およびGC筋肉に存在する浮腫の量を湿重量/乾重量として決定した。
図1Aおよび1Bに示されているように、ヨウ化物で処置した動物では、クレアチンキナーゼ(CK)および心臓トロポニンのレベルは有意に減少した。1mg/kg、10mg/kgまたは20mg/kgヨウ化ナトリウムの投与は、ビヒクル投与と比較して、血漿CKレベルを有意に減少させた(図1A)。10mg/kgの静脈内投与後に、心臓トロポニンのレベルは有意に減少した(図1B)。加えて、ヨウ化物の静脈内投与後に、肺水腫(肺)および筋肉浮腫(腓腹筋)は両方とも軽減した(図2)。
クレアチンキナーゼおよび心臓トロポニンの循環レベルは筋肉損傷を示すので、これらの結果は、ヨウ化物による処置が、後肢虚血性再灌流傷害から遠方の部位で発生する骨格筋損傷および心筋損傷を軽減または予防することを示している。加えて、ヨウ化物による処置は、後肢虚血性再灌流傷害後の筋肉および肺の両方における浮腫の軽減をもたらしたが、これは、ヨウ化物による処置が、虚血性再灌流傷害の位置から遠方の組織を損傷から保護することをさらに実証している。
実施例2
ヨウ化ナトリウムは、全身性炎症の処置において有効である
全身性炎症を軽減し、死亡率を改善するために静脈内(i.v.)または経口(p.o.)送達したヨウ化ナトリウム(NaI)の有効性を実証するために、研究を実施した。
研究A
両側性後肢虚血モデルを使用して、全身性炎症を誘発した。雄C57Bl/6マウス(7〜10週齢)を2時間の両側後肢虚血に供し、続いて3時間の再灌流に供した。McGivney痔核結紮器を使用してラテックスOリングを大転子に適用することにより、虚血を誘発した。3時間の再灌流後に、クレアチンキナーゼ(CK)または他の臓器傷害マーカー:血中尿素窒素(BUN)、アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)およびアスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)のレベルについて、血漿を分析した。
後肢の再灌流の5分前に、1、3、10または20mg/kgボーラスのヨウ化ナトリウムを後眼窩(r.o.)経路により静脈内(i.v.)投与した。
1mg/kgヨウ化ナトリウムの投与は、ビヒクル投与と比較して、血漿CKレベルを有意に減少させた(図3)。1、3、10または20mg/kgヨウ化ナトリウムの投与後に、血中尿素窒素(BUN)、アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)およびアスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)の血漿レベルは減少した(図4A〜4C)。
研究B
生存を評価するために使用したモデルは、研究Aについて以前に記載したものと同様のものであった;しかしながら、虚血の時間を2.5時間に増加させた。再灌流から死亡までの時間を次の24時間モニタリングした。
マウスの飲料水に84μM NaIを補充し、後肢虚血の前5日超にわたってマウスをこの水に自由にアクセスさせた(p.o.)。
84μMヨウ化ナトリウムの投与は、ビヒクルと比較して、生存を有意に増加させた(図5)。24時間の時点で、生きていたヨウ化ナトリウム処置動物は90%であったが、生きていたビヒクル処置動物はわずか50%であった。
研究C
生存を評価するために使用したモデルは、研究Aについて以前に記載したものと同様のものであった;しかしながら、虚血の時間を3時間に増加させた。再灌流から死亡までの時間を次の2ヶ月間モニタリングした。
後肢の再灌流の5分前に、1mg/kgボーラスのヨウ化ナトリウムを後眼窩(r.o.)経路により静脈内(i.v.)投与した。
1mg/kgヨウ化ナトリウムの投与は、ビヒクル投与と比較して、生存を増加させた。72時間後、生存していたビヒクル投与動物は0%であったが、しかしながら、生きていたヨウ化ナトリウム投与動物は20%であった(図6A)。これらの動物は、さらに2ヶ月間生き続けた(この時点で研究を終了した)(図6B)。
実施例3
ヨウ化ナトリウムは、筋肉内および全身性炎症の処置において有効である
筋肉および血漿中のサイトカインレベルの定量分析により、傷害後の筋肉内および全身性炎症を軽減するために静脈内(i.v.)または経口(p.o.)送達したヨウ化ナトリウム(NaI)の有効性を実証するために、研究を実施した。
後肢虚血のマウスモデルを利用して、筋肉内および全身性炎症を誘発した。Oリングを両後肢に2.5時間入れることにより、約7〜10週齢の雄C56Bl/6マウスを両側後肢虚血(HLI)に供した。再灌流の5分前に、1mg/kgの濃度のヨウ化ナトリウム(NaI;FDY−5301)の静脈内ボーラスを送達した。ビヒクル処置動物は、生理食塩水の静脈内ボーラスを受けた。静脈内送達の後に、2.5時間の時点で、組織再灌流を可能にするために、Oリングを切断および除去した。再灌流の24時間後に、マウスを屠殺した。屠殺の後に、全血を取り出し(次いで、血漿を分離し、−80℃で凍結し)、腓腹筋を取り出し、液体窒素で急速冷凍し、−80℃で保管した。MilliporeSigmaのカスタムマルチプレックスアッセイキット(INF−γ、IL−1β、IL−2、IL−6、IL−10、KC、LIX、MIP−2およびTNF−αを含有するMCYTOMAG−70K−09を使用してMAGPIX(登録商標)機器(Luminex Corp)により、サイトカインを評価した。
NaIで処置したマウスは、筋肉組織におけるIL−6、IL−10、KCおよびMIP−2の有意な減少(p<0.05)(図7)ならびに血漿IL−6の有意な減少(図8)を有していた。さらに、筋肉または血漿で評価したすべてのサイトカインのヒートマップ(それぞれ図9および10)は、FDY−5301投与後の炎症の全体的な軽減を示している。これらの結果は、局所傷害が、遠位組織損傷をもたらし得る全身性侵襲を引き起こし得ることを実証している。
本明細書中で引用され、および/または出願データシートにおいて列挙された、すべての上記米国特許、米国特許出願公開、米国特許出願、外国特許、外国特許出願、および非特許刊行物は、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれる。
前述から、本発明のある特定の実施形態が例示の目的で本明細書に記載されてきたが、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、種々の変更が行われ得ることを理解されたい。

Claims (34)

  1. 一次傷害または一次疾患から生じる二次傷害または二次組織損傷の処置、その重症度の軽減またはその予防を必要とする被験体における一次傷害または一次疾患から生じる二次傷害または二次組織損傷を処置し、その重症度を軽減し、またはそれを予防するための方法であって、前記被験体に有効量のヨウ化物を投与する工程を含む、方法。
  2. 前記二次傷害または組織損傷が集中治療後症候群(PICS)である、請求項1に記載の方法。
  3. 前記二次傷害または組織損傷が組織損傷である、請求項1に記載の方法。
  4. 前記ヨウ化物が、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化カリウム、ヨウ化水素、ヨウ化カルシウム、ヨウ化銀、ヨウ化マグネシウム、ヨウ化亜鉛またはヨウ化リチウムである、請求項3に記載の方法。
  5. 前記ヨウ化物がヨウ化ナトリウムである、請求項4に記載の方法。
  6. 少なくともしばらくの間にわたって前記ハロゲン化合物の血中濃度を少なくとも5倍、少なくとも10倍、少なくとも50倍、少なくとも100倍、少なくとも500倍、少なくとも1000倍、少なくとも10,000倍または少なくとも100,000倍増加させるために十分な量で、前記ヨウ化物を前記被験体に提供する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
  7. 前記ヨウ化物が、前記ハロゲン化合物と薬学的に受容可能なキャリア、希釈剤または賦形剤とを含む安定な液体薬学的組成物中に存在する、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
  8. 前記組成物中の前記ヨウ化物の少なくとも90%が、室温で保管したときに、少なくとも1時間、少なくとも1週間、少なくとも1ヶ月間または少なくとも6ヶ月間にわたって還元型で存在する、請求項7に記載の方法。
  9. 前記ヨウ化物を含む前記組成物が、還元剤、等張化剤、安定剤、界面活性剤、凍結保護剤、ポリオール、抗酸化剤または保存剤の1つまたは1つより多くを含む、請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。
  10. 前記一次傷害または疾患の前に、その間にまたはその後に前記ヨウ化物を前記被験体に提供する、請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法。
  11. 前記一次傷害または疾患から生じる遠隔組織損傷を処置し、その重症度を軽減し、またはそれを予防するための請求項10に記載の方法であって、前記組織が、筋肉組織、必要に応じて心筋組織、骨格筋組織または平滑筋組織である、方法。
  12. 前記一次傷害または疾患が局所外傷である、請求項1〜11のいずれか1項に記載の方法。
  13. 前記局所外傷が、鈍器外傷、手術、熱傷、虚血性傷害、虚血性再灌流傷害、外傷性脳傷害、脳卒中または放射線傷害である、請求項12に記載の方法。
  14. 前記一次傷害または疾患が、感染症、必要に応じてウイルス感染症、真菌感染症または細菌感染症である、請求項1〜11のいずれか1項に記載の方法。
  15. 前記一次傷害または疾患が、局所炎症状態、必要に応じて胃炎、膵炎、壊死性腸炎または大腸炎である、請求項1〜11のいずれか1項に記載の方法。
  16. 前記一次傷害または疾患が、前記被験体において全身性炎症反応症候群(SIRS)または敗血症をもたらしている、請求項1〜15のいずれか1項に記載の方法。
  17. 前記一次傷害または疾患が、慢性疾患の急性エピソード、必要に応じて慢性閉塞性肺疾患(COPD)、心不全(必要に応じて左心不全、右心不全、収縮期心不全、拡張期心不全または鬱血性心不全)、尿毒症、腎疾患、肝疾患、膵炎、胃炎または細菌感染症、ウイルス感染症もしくは真菌感染症である、請求項1〜11のいずれか1項に記載の方法。
  18. 前記一次傷害または疾患が、前記二次傷害または遠隔組織損傷とは異なる前記被験体の領域内に、必要に応じて異なる器官、組織または四肢内に存在する、請求項1〜17のいずれか1項に記載の方法。
  19. 前記被験体におけるPICSを処置し、その重症度を軽減し、またはそれを予防するための請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法であって、医療措置または救命救急の前に、その間にまたはその後に前記ヨウ化物を前記被験体に提供する、方法。
  20. 前記処置が、前記被験体における1つまたは1つより多くの認知機能障害の発症を阻害し、その重症度を軽減し、またはそれを改善し、前記1つまたは1つより多くの認知機能障害が、実行機能、記憶、注意、精神的処理速度および問題解決の欠陥から必要に応じて選択される、請求項19に記載の方法。
  21. 前記処置が、前記被験体における1つまたは1つより多くの精神機能障害の発症を阻害し、その重症度を軽減し、またはそれを改善し、前記1つまたは1つより多くの精神機能障害が、鬱病、不安神経症および心的外傷後ストレス障害の形態の精神病から必要に応じて選択される、請求項19に記載の方法。
  22. 前記処置が、前記被験体における1つまたは1つより多くの身体機能障害の発症を阻害し、その重症度を軽減し、またはそれを改善し、前記1つまたは1つより多くの身体機能障害が、必要に応じて重症疾患多発ニューロパチー(CIP)、重症疾患ミオパチー(CIM)、長期神経筋遮断、長期人工呼吸、廃用性萎縮、長期臥床、運動性低下、再発性転倒、四肢不全麻痺および四肢性不全麻痺の形態の集中治療室(ICU)獲得性神経筋脱力から必要に応じて選択される、請求項19に記載の方法。
  23. 前記処置が、代謝性アシドーシス、糖尿病性アシドーシス、高塩素性アシドーシス、乳酸アシドーシスまたは尿細管性アシドーシスを処置または予防する、請求項19に記載の方法。
  24. 前記ヨウ化物を前記被験体に経口的または非経口的に提供する、請求項1〜23のいずれか1項に記載の方法。
  25. 必要に応じて医療措置または救命救急の前にボーラス投与として前記ヨウ化物を前記被験体に提供する、請求項1〜24のいずれか1項に記載の方法。
  26. 複数の用量の前記ヨウ化物を前記被験体に提供する、請求項1〜24のいずれか1項に記載の方法。
  27. 用量が、約10mg/kg未満またはそれに等しい前記ヨウ化物、必要に応じて約1.0mg/kgまたは約2.0mg/kgの前記ヨウ化物を含む、請求項25または請求項26に記載の方法。
  28. 必要に応じて前記一次傷害または疾患の前におよび/またはその間におよび/またはその後に持続注入として前記ヨウ化物を前記被験体に提供する、請求項1〜24のいずれか1項に記載の方法。
  29. 約100mg/kg未満のヨウ化物を前記被験体に提供する、請求項28に記載の方法。
  30. 前記方法が、前記一次傷害または疾患後の前記被験体の生存性を増強する、請求項1〜29のいずれか1項に記載の方法。
  31. 前記方法が、前記被験体の筋肉組織または血漿における1つまたは1つより多くのサイトカインのレベルの減少をもたらす、請求項1〜30のいずれか1項に記載の方法。
  32. 前記1つまたは1つより多くのサイトカインが、IL−6、IL−10、KCまたはMIP−2を含む、請求項31に記載の方法。
  33. IL−6、IL−10、KCまたはMIP−2の1つまたは1つより多くが、前記被験体の筋肉組織で有意に減少する、請求項32に記載の方法。
  34. IL−6が、前記被験体の血漿で有意に減少する、請求項32に記載の方法。
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