JP2021525266A - 頸部障害の処置のためのロピナビルおよびリトナビル - Google Patents

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Abstract

本発明は、HPV関連病態の処置、具体的には、頸部の前悪性状態および悪性状態の処置に有用な、局所適用のために製剤化された医薬組成物に関する。組成物は、薬学的に許容されるビヒクル中に治療有効量のロピナビルおよびリトナビルを含み、ロピナビルおよびリトナビルの質量比(w/w)は、9:1から18:1の間である。

Description

本明細書において提供するものは、頸部のがんおよび良性増殖性障害、特に、ヒトパピローマウイルス(HPV)等のヒト腫瘍ウイルスによって引き起こされるがんおよび障害を処置する、および/またはその発症もしくは進行を抑制するための方法および組成物である。具体的には、HPV関連の頸部異形成の処置および/またはその進行の抑制に使用するための、ロピナビル(lopinavir)およびリトナビル(ritonavir)を含む組成物が提供される。
多くの異なる形態のがんが存在し、この疾患には、多くの異なる原因があると考えられている。がんの発生率はさまざまであるものの、ほとんどの先進国において、がんは心疾患に次ぎ2番目に高い死因となっている。現在の見積もりでは、現在生存している米国人の3人に1人がなんらかの形態のがんに罹患するとの予想が示されている。がんを処置するための新規の改善された治療法の開発が必要とされていることは、広く認識されている。さらに、罹患しやすい高リスクの母集団において、がんの発症を抑制するために使用でき、またはすでに罹患している個人において、疾患の再発を予防するための薬剤として使用できる治療剤を開発する必要もある。
ヒト腫瘍ウイルスは、ヒトがんの主な原因として認識されており、これらのウイルスが、感染細胞の遺伝的不安定性を誘導することによりがんを引き起こすという主張を裏付ける多くの証拠が存在している。実際、ヒトT細胞白血病ウイルス1型(HTLV1)Taxおよびヒトパピローマウイルス16型(HPV16)E6の両腫瘍性タンパク質は、遺伝的不安定性を誘導し、異常な数の中心体、多核化、および核異型を生じることが知られている。
浸潤性子宮頸がん(ICC)は、毎年270,000人を超える死をもたらし、その85%超が低資源国で発生する、ウイルス感染に関連するがんの一例である。高リスク型のHPV感染は、ICCの主な病因因子として証明されている。ICCの発症には、10〜20年かかることがあり、軽度(low-grade)子宮頸部上皮内腫瘍(CIN1)または高度(high-grade)子宮頸部上皮内腫瘍(CIN2/3)のいずれかとみなされるHPV関連前浸潤性病態が先行する。病変は、子宮頸部細胞診検査によりスクリーニングすることができ、このスクリーニングで、境界域の意義不明な異型扁平上皮細胞(ASCUS)、軽度扁平上皮内病変(LSIL)、または高度扁平上皮内病変(HSIL)のいずれかに診断(または、段階分け)される。
先進諸国におけるICC関連死亡率の低下は、組織的な細胞診スクリーニングに依るところが大きく、子宮頸がん死亡率における同様の傾向が、世界の他の国々で組織的な単一スクリーニングおよび処置により達成されている。しかし、より貧困な国々では、資源および健康教育の不足により、ほとんどの前浸潤性子宮頸部疾患が診断されず、処置されないままとなっている。このように、資源が限られている場合、低コストのスクリーニングおよび処置の選択肢の優先度が高いことは明らかである。
臨床診療における現在の処置の選択肢は、切断(破壊的)または切除様式のいずれかによるものである。系統的レビューにより、これらの処置様式の成功率は同様であるが、罹患率は異なることが示されている。先進諸国では、ほとんどのコルポスコピークリニックで、移行帯の大ループ切除術(LLETZ:Large Loop Excision of the Transformation Zone)(別名、ループ電気外科切除法−LEEP:loop electrosurgical excision procedure)が使用されている。これらの手技のうち80%超は、局所麻酔下で実施され、移行帯全体が、その後の組織学的検査に使用できる。この手技は、一次/二次出血、長期の分泌物、感染のリスク、およびその後の妊娠での早期分娩のリスクと関連する。前者の副作用は、特に低資源国において問題となり得る。低温凝固および凍結療法の形態の切断処置は、低コストであり、必要とするインフラが最低限であり、訓練を受けた医師以外の医療従事者によって実施できることから、低資源国で使用が支持されることが多い。しかしながら、一部の研究により、凍結療法は、他の処置様式と比較して失敗率が高いことが示唆されている。
子宮頸部異形成の処置において、さまざまな局所的に適用される非外科的手法が評価されているが、これには、光線力学療法(PDT)、抗サイトメガロウイルス(CMV)薬であるシドフォビルの認可外使用、免疫賦活剤であるイミキモドの局所適用、および細胞傷害性薬物である5−フルオロウラシル(5FU)の直接適用が含まれる。これらの代替的な処置様式の一部は有望ではあるものの、これらの処置成績は、品質が保証されたコルポスコピー装置で得られることが報告されている80〜95%の成功率より劣っている。
HPV関連の子宮頸部異形成に対する、有効かつ安価で非外科的な自己適用処置は、特に低資源環境では、高い潜在性を有すると予想される。さらに、副作用が最小限に抑えられれば、局所処置のコンプライアンスの改善が促進されると予想される。
ウイルスによって引き起こされるがんの処置における最近の進展は、国際公開第2015/059485号に開示されており、これには、プロテアーゼ阻害剤であるロピナビルおよびリトナビル(これらは、HIV等のレトロウイルス感染症の臨床管理用の経口摂取薬剤として以前使用されていた。)が、HPVにより引き起こされる悪性腫瘍の予防または処置のための組織への局所投与に、臨床的に有用であることが記載されている。この著者らは、特に驚くべきことに、KALETRA(登録商標)の軟カプセル剤(これは、Abbott/Abbvieにより、経口投与によるHIV感染症の処置のために市販されていた。)が、がん状態の予防または処置のため、発がんウイルス感染症の予防または処置のため、さらに良性増殖性障害の予防または処置のために、局所投与(すなわち、頸部の処置のための膣内挿入)できることを見出した。
KALETRA(登録商標)(またはその均等物であるLOPIMUNE)は、1ミリリットル当たりロピナビル80mgとリトナビル20mgを含む溶液剤として、またはロピナビル133.3mgとリトナビル33.3mgを含む経口投与用軟カプセル剤として、経口摂取用に入手可能である。いずれの場合にも、医薬品有効成分(API)は、4:1(ロピナビル:リトナビル)の比で存在する。国際公開第2015/059485号の著者らが、KALETRA(登録商標)の軟カプセル剤が有効であると気付いたならば、この著者らは、4:1の比が局所使用に最適であると推測したと予想される。
本発明は、局所適用のためのロピナビルおよびリトナビルのカスタム製剤を製剤化するために、本発明者らが実施した研究に基づくものである。本発明者らは、ロピナビルおよびリトナビルを含む公知の医薬製品(例えば、LOPIMUNEまたはKALETRA(登録商標))に認められるAPIの比が、有効性を有し得るものの、頸部のがんおよび良性増殖性障害を処置する、および/またはその発症もしくは進行を抑制するためには最適ではないことを予想外に立証した。本発明は、このような状態の処置、および/またはその発症の抑制に使用するために、最適な比のロピナビル:リトナビルを含む組成物を提供する。
本明細書に開示するものは、子宮頸がんもしくは頸部の良性増殖性障害の処置において、またはこのようながんおよび障害の発症の予防において医薬として使用するための、ロピナビルをリトナビルと組み合わせて含む組成物である。
本発明の第1の態様によれば、局所適用のために製剤化された医薬組成物であって、薬学的に許容されるビヒクル中に治療有効量のロピナビルおよびリトナビルを含み、ロピナビル:リトナビルの質量(w/w)比が9:1から18:1の間である、医薬組成物が提供される。
本発明の第2の態様によれば、子宮頸がんおよび頸部の良性増殖性障害の処置、および/またはその発症もしくは進行の抑制において医薬として使用するための、本発明の第1の態様による医薬組成物が提供される。
本発明の第3の態様によれば、子宮頸がんおよび頸部の良性増殖性障害の処置またはその発症もしくは進行の抑制が必要な対象において、子宮頸がんおよび頸部の良性増殖性障害を処置する、および/またはその発症もしくは進行を抑制する方法であって、治療有効量の本発明の第1の態様による医薬組成物を前記対象に投与するステップを含む方法が提供される。
好ましくは、がんまたは良性増殖性障害は、ウイルス感染によって引き起こされ、より好ましくは、発がんウイルス、具体的には、HPV等のヒト腫瘍ウイルスによって引き起こされる。
好適な実施形態では、本発明は、HPV関連の頸部異形成を有する対象の処置であって、治療有効量の本開示に係る医薬組成物を前記対象に投与するステップを含む処置に関する。
発明の概要および発明を実施するための以下の形態は、添付の図面と併せて読んでより理解される。本開示に係る組成物および方法を説明する目的で、図面には、組成物および方法の例示的な実施形態を示すものの、組成物および方法は開示される特定の実施形態に限定されない。
実施例1に記載するように、ロピナビル:リトナビルのさまざまな質量比が、E6/E7不死化非形質転換子宮頸管細胞においてアポトーシスの誘導に与える効果を示す棒グラフである。 実施例2に記載するように、ロピナビル:リトナビルのさまざまな質量比が、HPV18+ve HeLA細胞においてアポトーシスの誘導に与える効果を示す棒グラフである。 (同様に実施例2に記載するように)ロピナビル:リトナビルの14:1w/w比が、HPV18+ve HeLAで実施されるさらなる実験において、アポトーシスの誘導に与える効果を示す棒グラフである。 実施例3に記載するように、ロピナビル:リトナビルの12:1の質量比が、HPV16+ve SiHa細胞においてアポトーシスの誘導に与える効果を示す棒グラフである。 図3Aの棒グラフ中のデータのベースとなる例示的血球計算結果である。 実施例4に記載するように、ロピナビル:リトナビルの10:1および12:1の質量比が、HPV16+ve SNU17細胞においてアポトーシスの誘導に与える効果を示す棒グラフである。 ロピナビル:リトナビルのw/w比の11:1から13.5:1の間の比較的小さい変化が、HeLa細胞においてアポトーシスを誘導するそれらの能力に与える効果を示す棒グラフである。 図5Aの棒グラフ中のデータのベースとなる例示的血球計算結果である。 ロピナビル:リトナビルのw/w比の11:1から13.5:1の間の比較的小さい変化が、SiHa細胞においてアポトーシスを誘導するそれらの能力に与える効果を示す棒グラフである。
本開示に係る組成物および方法は、本開示の一部をなす添付の図面に関連して取り上げられる以下の発明を実施するための形態を参照することにより、より容易に理解できる。本開示に係る組成物および方法は、本明細書に記載および/または図示される特定の組成物および方法に限定されず、また本明細書にて使用される専門用語は、特定の実施形態を例として説明することのみを目的とし、特許請求される組成物および方法を限定することは意図していないことを理解されたい。
特定の数値に言及する場合、文脈からそうでないことが明らかである場合を除き、少なくともその特定の値は含まれる。数値の範囲が示される場合、別の実施形態は、一方の特定の値から、および/または他方の特定の値までを含む。さらに、範囲で示される値に言及する場合、その範囲内のすべての値が含まれる。すべての範囲は、包括的であり、組み合わせ可能である。
明確にすることを目的として、本明細書において別々の実施形態の文脈で記載されている本開示に係る組成物および方法の一定の特徴は、単一の実施形態で組み合わせて提供してもよいことを理解されたい。一方で、簡潔にすることを目的として、単一の実施形態の文脈で記載されている本開示に係る組成物および方法のさまざまな特徴は、別々にまたは任意選択的なサブコンビネーションで提供してもよい。
本明細書にて、単数形「a」、「an」、および「the」は、複数形を含む。
本明細書では、ヒトパピローマウイルス(HPV)、意義不明な異型扁平上皮細胞(ASC−US)、軽度扁平上皮内病変(LSIL)、HSILを除外できない異型扁平上皮細胞(ASC−H)、高度扁平上皮内病変(HSIL)、扁平上皮癌(SCC)、異型腺細胞(AGC)、子宮頸部上皮内腫瘍1(CIN1)、子宮頸部上皮内腫瘍2(CIN2)、子宮頸部上皮内腫瘍3(CIN3)、上皮内癌(CIS)、浸潤性子宮頸癌(ICC)の略称を使用する。
値が近似値として示される場合、先行詞「約」を使用することにより、その特定の値が別の実施形態をなすことが理解される。さらに、「約」という用語は、数値範囲、限界、または特定の値に関連して使用される場合、列挙される値が、記載の値から最大10%まで変動し得ることを示すために使用される。本明細書にて使用される数値の多くは実験的に決定されるため、このような決定が異なる実験間で変動することがあり、またしばしば変動することは、当業者により理解されるべきである。この本質的な変動があることから、本明細書にて使用される値は、不当に限定するものとみなされるべきではない。したがって、「約」という用語は、指定される値から±10%以下の変動、±5%以下の変動、±1%以下の変動、±0.5%以下の変動、または±0.1%以下の変動を包含するように使用される。
本明細書にて「処置すること」および類似の用語は、症候の重症度および/または頻度を低下させること、症候および/またはその症候の根底にある原因を排除すること、症候および/またはそれらの根底にある原因の頻度もしくは可能性を低下させること、がんまたは良性増殖性障害の進行を遅延、予防、および/または緩徐化すること、ならびにがんまたは障害により直接的もしくは間接的に引き起こされる損傷を改善または治療することを指す。
本明細書にて「治療有効量」という表現は、特定の生物学上または治療上の結果、例えば、限定するものではないが、本明細書に開示、記載、または例示される生物学上または治療上の結果を達成するのに有効な、本明細書に記載のロピナビルおよびリトナビルを含む組成物の量を指す。治療有効量は、個人の病状、年齢、性別、および体重、ならびに対象において所望の応答を引き起こす組成物の能力などの要因によって異なり得る。このような結果には、限定するものではないが、当該技術分野において適切で任意選択的な手段により判定される、良性もしくは悪性疾患の縮小、寛解、および/または後退、または良性もしくは悪性疾患の発症の予防が含まれる。
本明細書にて「対象」は、脊椎動物、哺乳動物、家畜、または好ましくはヒトを含む。
「薬学的に許容されるビヒクル」は、医薬組成物を製剤化するのに有用な、当業者に公知で任意選択的な生理学的ビヒクルであってよい。ビヒクルは、最も好適には、局所適用による医薬品有効成分(API)の標的組織への送達に適したものである。
本明細書にて「オビュール(ovule)」とは、膣内への挿入用に構成された、クリーム剤またはゲル剤を含有する固体または半固体坐剤を指す。
本明細書にて開示するものは、子宮頸がんもしくは頸部の良性増殖性障害(例えば、疣贅)の処置において、または子宮頸がんの発症の予防において医薬として使用するための、ロピナビルおよびリトナビルを含む組成物である。
ロピナビル(CAS番号192725−17−0)は、[1S−[1R(R),3R,4R]]−N−[4−[(2,6−ジメチルフェノキシ)アセチル]アミノ]−3−ヒドロキシ−5−フェニル−1−(フェニルメチル)ペンチル]テトラヒドロ−α−(1−メチルエチル)−2−オキソ−1(2H)−ピリミジンアセトアミドとして化学的に指定される、プロテアーゼ阻害剤である。この分子式はC3748であり、分子量は628.80である。
リトナビル(CAS番号155214−67−5)は、10−ヒドロキシ−2−メチル−5−(1−メチルエチル)−1−[2−(1−メチルエチル)−4−チアゾリル]−3,6−ジオキソ−8,11ビス(フェニルメチル)−2,4,7,12−テトラアザトリデカン−13−オイック酸,5−チアゾリルメチルエステル,[5S−(5R,8R,10R8,11R)]として化学的に指定される、プロテアーゼ阻害剤である。この分子式はC3748であり、分子量は720.95である。
従来技術に照らし、本発明者らは驚くべきことに、子宮頸がんもしくは頸部の良性増殖性障害を処置する、またはその発症を予防する、またはこのようながんまたはこのような障害の発症を予防するためのロピナビル:リトナビルのモル比が、最適には、10:1〜18:1のモル比範囲内であるべきであることを発見した。この範囲は、10.5:1〜18:1であってもよい。好ましくはこの範囲は、11.5:1〜17:1、より好ましくは、11.5:1〜16.0:1、さらに好ましくは、11.5:1〜15:1である。この範囲は、約11.75:1、約12:1、約12.5:1、約13:1、約13.5:1、約13.75:1、約14:0:1、または約14:5:1のモル比である。好適な実施形態では、ロピナビル:リトナビルのモル比は、約12:1である。別の好適な実施形態では、ロピナビル:リトナビルのモル比は、約13.8:1である。
好適な実施形態では、ロピナビル:リトナビルのモル比は、11:1から16:1の間、より好ましくは、11:1から13:5の間、最も好ましくは、11:1から12.5:1の間である。最も好適なモル比は、11:1、11.5:1、および12:1である。
ロピナビルの分子量は628.8ダルトンであり、リトナビルの分子量は720.95ダルトンであることを理解されたい。したがって、モル比およびw/w比は、同一ではなく、モル比をw/wに換算する場合には、係数0.872を適用すべきである。したがって、本発明者らは、子宮頸がんもしくは頸部の良性増殖性障害を処置する、またはその発症を予防する、またはこのようながんまたは障害の発症を予防するためのロピナビル:リトナビルのw/w比が、9:1〜18:1または9:1〜16:1の質量比範囲内であってもよいことを発見した。例えば、この範囲は、9.5:1〜16:1または10.0:1〜16:1であってもよい。好ましくは、この範囲は、10.0:1〜15.0:1、より好ましくは、10.25:1〜14.5:1、最も好ましくは、10.5:1〜13.0:1である。この範囲は、約10.25:1、約10.5:1、約10.75:1、約11:1、約11.25:1、約11.5:1、約11.75:1、約12.0:1、約12.25:1、約12.5:1、約12.75:1、約13.0:1、約13.25:1、約13.5:1、約13.75:1、約14.0:1、または約14:25:1のw/w比であってもよい。好適な実施形態では、ロピナビル:リトナビルのw/w比は、約10.5:1である。最も好適な実施形態では、ロピナビル:リトナビルのw/w比は、約12:1である。
本発明の第1の態様による組成物は、子宮頸がんの処置において有用であり、特に、このようながんの発症を予防するのに有用である。したがって、子宮頸がんの発症を予防する目的で、正常対象(すなわち、検出可能ながんを有さない対象)、前悪性細胞を有する対象、または特にがんになりやすい対象を本発明に係る組成物の局所投与により処置できる。
本発明は、特に、発がんウイルス、例えば、高リスク形態または低リスク形態のヒトパピローマウイルス(HPV)によって引き起こされる頸部の前がん状態および子宮頸がんに適用できるが、決してこれに限定するものではない。
本発明の好適な実施形態によれば、組成物は、子宮頸がんを処置するため、および特にその発症を予防するために、投与できる。HPV(特に、高リスク型のHPV、例えば、HPV16またはHPV18)により引き起こされる子宮頸がんを処置する、またはその発症を予防するために阻害剤を使用するのが、最も好ましい。
子宮頸部スクリーニングプログラムを有する先進諸国では、HPV検査および子宮頸部細胞診は、現在流動的な状態にある。現在のところ、子宮頸部スメア(またはPapテスト)は、通常は、HPV検査の前に実施され、得られた結果に応じて、その後の手順が行われる。しかし、地理的な位置によって、HPVテストが最初に行われることがある。表1は、HPVおよびPapテストの結果の組み合わせに基づく、典型的な推奨される管理プロトコルを示す。
Figure 2021525266
コルポスコピーで採取した生検材料から得られた病理診断結果は、子宮頸部上皮内腫瘍1(CIN1)、子宮頸部上皮内腫瘍2(CIN2)、子宮頸部上皮内腫瘍3(CIN3)、上皮内癌(CIS)、浸潤性子宮頸癌(ICC)として表現される。HPV陰性CIN1は、LSILと臨床的に同等であり、現在、6〜12か月後に再スクリーニング(観察待機)となっている。
このような推奨される管理プロトコルは、25歳を超える女性を検査するための現在の最良の臨床慣行となっている。HPVテストを受けていない、LSIL細胞診またはそれ以上(HSILなど)を有する女性では、即時のコルポスコピーが推奨されることがわかる。HPV陰性が示された、LSILを有する女性は、6〜12か月後に再スクリーニングされる。
本発明の第1の態様による組成物を使用する好適なタイミングは、HPV陽性疾患(ASC−US、LSIL、ASC−H、HSIL)の初期診断時からコルポスコピーの間であり、これは通常、待ち時間により、およそ2週間またはそれ以上かかる。コルポスコピーでの観察結果に基づき、今回の来院で手術による処置を行うか(診察時処置)、またはおよそ1か月後にさらなるコルポスコピー来院を要する、病理診断用の生検材料採取を行うかが決定される。明らかに、コルポスコピー来院が適時に行われた場合、有利には、本発明に係る処置が手術の必要性を取り除くことになる可能性がある。
本発明に係る組成物は、実際のがんを処置するのに有用なだけでなく、驚くべきことに、特に、上述したHPV陽性患者における前がん性病変のいずれかを示してもよい患者において、がんの発症を予防するためにも有用である。したがって、ロピナビルおよびリトナビルを含む組成物は、予防薬として有利に使用できる。
組成物は、子宮頸癌を発症する遺伝的傾向を有する対象、または環境リスクに直面している対象(例えば、発癌物質に曝露される人々)に投与できる。好適な実施形態では、組成物は、子宮頸がんを発症するリスクがある女性に投与してもよい。このような女性は、尿生殖器(および特に頸部)の高リスクHPV感染(例えば、HPV16またはHPV18)を有すると診断された女性を含み得る。診断時、このような女性が子宮頸癌または頸部の前がん細胞を有する臨床的証拠は存在しないことがあるものの、このような感染を有する女性は、子宮頸がんを発症するリスクがあると考えられている。組成物は、頸部ウイルス感染を有する女性の頸部に、ウイルス感染を処置し、それによって将来のがん発症を予防する目的で、局所的に適用してもよい。
組成物は、単剤療法(すなわち、これら2つの阻害剤のみの使用)として、またはがん治療に使用される他の化合物もしくは処置(例えば、化学療法剤、放射線療法)と組み合わせて、がんを予防または処置するために使用できる。
ヒト(すなわち、子宮頸がんを有する、またはそれを発症するリスクがある女性)を治療するために組成物を使用するのが、最も好ましい。しかし、組成物がなんらかの獣医用途も有し得ることは理解されたい。
[医薬組成物]
本発明に係る組成物は、局所適用に適した医薬、具体的には、頸部への膣内送達および局所適用のために製剤化された医薬として製剤化される。
適切な製剤には、限定するものではないものの、ゲル剤、クリーム剤、ペースト剤、軟膏、ローション剤、オビュール(ovule)、軟カプセル剤、坐剤、ペッサリー、またはそれらの任意選択的な組み合わせが含まれる。一部の態様では、医薬組成物は、ゲル剤として製剤化してもよい。一部の態様では、医薬組成物は、クリーム剤として製剤化してもよい。一部の態様では、医薬組成物は、ペースト剤として製剤化してもよい。一部の態様では、医薬組成物は、軟膏として製剤化してもよい。一部の態様では、医薬組成物は、ローション剤として製剤化してもよい。一部の態様では、医薬組成物は、オビュール(ovule)として製剤化してもよい。一部の態様では、医薬組成物は、軟カプセル剤として製剤化してもよい。一部の態様では、医薬組成物は、坐剤として製剤化してもよい。一部の態様では、医薬組成物は、ペッサリーとして製剤化してもよい。一部の態様では、医薬組成物は、上記の製剤の任意選択的な組み合わせとして製剤化してもよい。
好適な実施形態では、組成物は、子宮頸がん(例えば、高リスク型のHPV、例えば、HPV16またはHPV18により引き起こされるもの)の発症を予防し、またはこれを処置するためのAPIの頸部への局所送達に適するように製剤化される(例えば、軟膏、ゲル剤、ペースト剤、クリーム剤、軟カプセル剤、またはペッサリーとして)。
子宮頸がんを処置(またはその発症を予防)するために使用する場合、組成物は、当該技術分野に公知の技法により頸部に直接適用できるゲル剤、ペースト剤、クリーム剤、または軟膏として製剤化できる。代替的に、組成物は、当該技術分野に公知の技法により、膣坐剤として製剤化してもよい(または、ペッサリー内に組み込んでもよい)。
他の態様では、医薬は、オビュール(ovule)の形態であってもよい。オビュール(ovule)は、コーティングの内側に位置するクリーム剤またはゲル剤を含んでもよく、このコーティングは、膣内投与時に融解してクリーム剤またはゲル剤を放出するように構成される。代替的に、オビュール(ovule)は、膣内投与時に融解するように構成されたクリーム剤またはゲル剤からなってもよい。
一実施形態では、薬学的に許容されるビヒクルは、液体であってもよく、組成物は、溶液剤であってもよい。別の実施形態では、ビヒクルは、ゲルであってもよく、組成物は、坐剤またはペッサリーであってもよい。さらなる実施形態では、ビヒクルは、エマルジョン(または他の薬学的に許容される基剤)であってもよく、組成物は、クリーム剤またはペースト剤であってもよい。さらなる実施形態では、ビヒクルは、滑らかな油性であってもよく、組成物は、軟膏であってもよい。
本発明に係る使用に好適な組成物は、本発明の第1の態様による組成物について規定される質量比でロピナビルおよびリトナビルを含む膣軟膏として使用するために製剤化されたものである。
溶液剤、懸濁剤、エマルジョン、シロップ剤、エリキシル剤、および加圧組成物を調製する際に、液体ビヒクルを使用してもよい。有効成分は、薬学的に許容される液体ビヒクル、例えば、水、有機溶媒、それら両者の混合物、または薬学的に許容される油もしくは脂肪に溶解または懸濁させてもよい。液体ビヒクルは、他の適切な医薬品添加物、例えば、可溶化剤、乳化剤、バッファー、防腐剤、懸濁化剤、粘度付与剤、着色剤、粘度調節剤、安定剤、または浸透圧調節剤を含有してもよい。液体ビヒクルの適切な例としては、水(上記のような添加物、例えば、セルロース誘導体、好ましくは、カルボキシメチルセルロースナトリウム溶液を部分的に含む)、アルコール類(一価アルコールおよび多価アルコール、例えば、グリコールを含む)およびそれらの誘導体、ならびに油類(例えば、分画ココナッツ油および落花生油)が挙げられる。ビヒクルは、油性エステル(oily ester)、例えば、オレイン酸エチルおよびミリスチン酸イソプロピルであってもよい。加圧組成物用の液体ビヒクルは、ハロゲン化炭化水素、またはその他の薬学的に許容される噴射剤であってよい。
医薬組成物は、膣坐剤であってもよい。従来の膣坐剤のビヒクル、コーティング、およびその他の構成要素は、治療有効量のロピナビルおよびリトナビルを含むことを特徴とする坐剤を形成するために、当業者が選択できる。一実施形態では、膣坐剤は、典型的には、ロピナビルおよびリトナビルの主なビヒクルとして、ポリエチレングリコールを使用してもよい。ビヒクルの残りの部分は、例えば、オレイン酸、PEG35、ヒマシ油、精製水、ゼラチン、Sorbitol Specialポリオール、またはそれらの任意選択的な組み合わせから構成されてもよい。ロピナビルおよびリトナビルは、水に対して事実上不溶性であり、このような有機基剤(またはそれらの均等物)がこのような膣坐剤に調合されるのが好ましい。
好適な医薬組成物は、軟膏であり、軟膏を調製するのに最も適したビヒクルを含む。これらの形式のうちの一部では、組成物中に水が存在する。しかし、水を含有する局所組成物は、加水分解により分解しやすい医薬品有効成分(API)との使用においては必ずしも理想的とは限らない。これにより、医薬製品の貯蔵寿命が短くなることがあり、および/または活性APIの分解を最小限に抑えるために、組成物を特定の条件で保管することが必要となることがあるからである。ロピナビルおよびリトナビルは、分解しやすい可能性があるAPIの例である。したがって、好適な組成物は、非水性ビヒクルを含む無水組成物である。このようなビヒクルは、典型的には、滑らかな油性組成物であり、典型的には、かなりの比率(w/w)の薬学的に許容される油または脂肪(例えば、オレイン酸)を含有する。このようなビヒクルは、他の適切な医薬品添加物、例えば、可溶化剤、乳化剤、バッファー、防腐剤、懸濁化剤、粘度付与剤、着色剤、粘度調節剤、安定剤、または浸透圧調節剤を含有してもよい。
本発明に係る組成物中のロピナビルおよびリトナビルの量は、正確な成分、具体的には、組成物のビヒクルによることを理解されたい。
一例にすぎないものの、軟膏(例えば、下記に記載する無水組成物およびその他の好適な組成物)中のロピナビルの適切な量は、約0.1〜30%w/wであってもよい。一部の実施形態では、組成物中のロピナビルの量は、約1.0〜25%w/wであってもよい。一部の実施形態では、組成物中のロピナビルの量は、2.0〜20%w/wであってもよい。例えば、軟膏は、約5%、6%、10%、または12%(w/w)のロピナビルを含んでもよい。
このような組成物中のリトナビルの適切な量は、約0.01〜3%w/wであってもよい。一部の実施形態では、組成物中のリトナビルの量は、約0.1〜2.5%w/wであってもよい。一部の実施形態では、組成物中のリトナビルの量は、0.15〜1.5%w/wであってもよい。例えば、軟膏は、約0.4775%、0.5%、0.625%、0.955%、1%、または1.25%(w/w)のリトナビルを含んでもよい。
好適な組成物は、約8〜約14質量%のロピナビルおよび約0.75〜約1.4質量%のリトナビルを含んでもよい。例えば、組成物は、10質量%のロピナビルおよび0.955質量%のリトナビルを含んでもよく、または組成物は、12質量%のロピナビルおよび1質量%のリトナビルを含んでもよい。
別の好適な組成物は、約4〜約7質量%のロピナビルおよび約0.375〜約0.75質量%のリトナビルを含んでもよい。例えば、組成物は、5質量%のロピナビルおよび0.4775質量%のリトナビルを含んでもよく、または組成物は、6質量%のロピナビルおよび0.5質量%のリトナビルを含んでもよい。
[好適な無水組成物]
本発明に係る使用に好適な組成物は、局所適用のための無水組成物であり、
a.9:1から18:1までの質量比のロピナビルおよびリトナビルと、
b.親水性の粘膜付着剤と
を含み、
無水組成物が適用部位に局所投与されるとき、無水組成物は、粘膜付着組成物に変質する、局所適用のための無水組成物である。
有利には、無水組成物を適用部位(例えば、頸部の粘膜)に局所投与するとき、無水組成物は、粘膜付着組成物に変質する。この無水組成物の粘膜付着組成物へのin−situ変質は、無水組成物と比較して、粘度の増加、および/または付着性の増加、および/または粘着性の増加など、異なるレオロジー挙動を有する粘膜付着組成物をもたらす。
好ましくは、ロピナビル:リトナビルの質量比は、10:5:1から13.5:1の間、最も好ましくは、約12.0:1(w/w)である。
親水性の粘膜付着剤は、非イオン性ポリマーまたはイオン性ポリマーであってもよい。一実施形態では、非イオン性ポリマーは、セルロースエーテルである。一実施形態では、セルロースエーテルは、メチルセルロース、エチルセルロース、およびヒドロキシプロピルメチルセルロースから選択される。
好適な実施形態では、親水性の粘膜付着剤は、ヒドロキシプロピルメチルセルロースである。一実施形態では、ヒドロキシプロピルメチルセルロースは、メトキシ置換度が19質量%から24質量%の間であり、ヒドロキシプロピル置換度が、4質量%から12質量%の間である。
別の実施形態では、イオン性ポリマーは、ポリアクリル酸ナトリウムである。
場合により、追加の賦形剤が無水組成物に含まれてもよい。
一実施形態では、無水組成物は、増粘剤をさらに含む。増粘剤は、混合物への添加時に混合物の粘度を増加させ、無水組成物に、医薬品有効成分の適用部位への送達中のより高い物理的安定性および/または制御を付与する賦形剤である。一実施形態では、増粘剤は、モノ・ジグリセリド、セレシンワックス、および水素化植物油、またはこれらの組み合わせから選択される。
一実施形態では、無水組成物は、硬化剤をさらに含む。硬化剤は、組成物が室温で半固体となるように組成物を硬化させるために使用される賦形剤である。好都合には、硬化剤は、飽和遊離脂肪酸、例えば、C10〜C38飽和遊離脂肪酸、例えば、C16〜C22飽和遊離脂肪酸である。飽和遊離脂肪酸は、遊離脂肪酸であり(すなわち、脂肪酸は、別の分子、例えばグリセロールに結合していない)、脂肪酸の炭素原子間に二重結合が存在しない。一実施形態では、硬化剤は、カプリン酸、ウンデシル酸、ラウリン酸、トリデシル酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、ノナデシル酸、アラキジン酸、ヘンイコシル酸、ベヘン酸、トリコシル酸、リグノセリン酸、ペンタコシル酸(pentacosylic acid)、セロチン酸、ヘプタコシル酸(heptacosylic acid)、モンタン酸、ノナコシル酸(nonacosylic acid)、メリシン酸、ヘナトリアコンチル酸(henatriacontylic acid)、ラクセロン酸(lacceroic acid)、プシル酸(psyllic acid)、ゲジン酸(geddic acid)、セロプラスチン酸(ceroplastic acid)、ヘキサトリアコンチル酸(hexatriacontylic acid)、ヘプタトリアコンタン酸、およびオクタトリアコンタン酸から選択される。硬化剤は、好ましくは、ステアリン酸である。
一実施形態では、組成物中に存在する全飽和脂肪酸(結合形態および遊離形態の脂肪酸)のうち、少なくとも90質量%、例えば、少なくとも95質量%、例えば、少なくとも98質量%、例えば、少なくとも99質量%、または例えば、少なくとも99.5質量%は、遊離形態であり、すなわち、エステル化されていない、またはグリセロール等の他の成分に結合していない。当業者は、全脂肪酸含有量に対する遊離脂肪酸含有量を判定するために使用される方法を認知していると予想される。例えば、遊離脂肪酸含有量は、遊離脂肪酸を発色性化合物と反応させて、それによりその発色性化合物が電磁放射を吸収する周波数を変化させることによって測定できる。したがって、適切な波長を用いて発色性化合物をモニタリングすることにより、反応した発色性化合物の濃度を判定することができ、これを試料中の遊離脂肪酸含有量を判定するために使用できる。
一実施形態では、飽和遊離脂肪酸は、トリグリセリドまたはポリソルベート形態ではない。
一実施形態では、無水組成物は、ロピナビルおよびリトナビルの溶媒をさらに含む。
一実施形態では、溶媒は、不飽和遊離脂肪酸、PEGヒマシ油、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、および中鎖トリグリセリドから選択される。脂肪酸は、通常は、トリグリセリドまたはリン脂質から誘導される。グリセロールは、3個のヒドロキシル官能基を有し、これを1個、2個、または3個の脂肪酸でエステル化して、それぞれモノグリセリド、ジグリセリド、またはトリグリセリドを形成してもよい。リン脂質分子は、2つの疎水性脂肪酸「尾部」と、リン酸基からなる親水性「頭部」とからなる。これら2つの成分は、グリセロール分子により結合されている。トリグリセリドおよびリン脂質はどちらも、結合状態の脂肪酸を含む。反対に、遊離脂肪酸は、結合していない脂肪酸であり、すなわち、エステル化されていない。不飽和遊離脂肪酸は、脂肪酸中の炭素原子間に少なくとも1つの二重結合が存在する、遊離脂肪酸である。一実施形態では、溶媒は、不飽和遊離脂肪酸である。
一実施形態では、不飽和遊離脂肪酸は、オレイン酸、リノール酸、α−リノール酸、パルミトレイン酸、ゴンド酸、およびリシノール酸から選択される。
一実施形態では、不飽和遊離脂肪酸は、オレイン酸である。
一実施形態では、組成物中に存在する全不飽和脂肪酸(結合形態および遊離形態の不飽和脂肪酸)のうち、少なくとも90質量%、例えば、少なくとも95質量%、例えば、少なくとも98質量%、例えば、少なくとも99質量%、または例えば、少なくとも99.5質量%は、遊離形態であり、すなわち、エステル化されていない、またはグリセロール等の他の成分に結合していない。当業者は、全脂肪酸含有量に対する遊離脂肪酸含有量を判定するために使用される方法を認知していると予想される。例えば、遊離脂肪酸含有量は、遊離脂肪酸を発色性化合物と反応させて、それによりその発色性化合物が電磁放射を吸収する周波数を変化させることによって測定できる。したがって、適切な波長を用いて発色性化合物をモニタリングすることにより、反応した発色性化合物の濃度を判定することができ、これを試料中の遊離脂肪酸含有量を判定するために使用できる。
市販の遊離脂肪酸の製品は、少量の他の遊離脂肪酸を含有することがあることを理解されたい。例えば、オレイン酸は、典型的には、7〜12%の飽和遊離脂肪酸、例えば、ステアリン酸およびパルミチン酸を、他の不飽和遊離脂肪酸、例えば、リノール酸とともに含有する(Handbook of Pharmaceutical Excipients, 2nd Edition、オレイン酸の項目を参照)。飽和遊離脂肪酸または不飽和遊離脂肪酸という用語は、飽和遊離脂肪酸または不飽和遊離脂肪酸が、米国薬局方および/または英国薬局方などの薬局方グレードのものであり、飽和遊離脂肪酸または不飽和遊離脂肪酸が、少量の他の遊離脂肪酸を含有することがあることを意味すると理解されたい。
一実施形態では、不飽和遊離脂肪酸は、トリグリセリドまたはポリソルベートの形態ではない。
組成物中に存在する全脂肪酸(結合形態および遊離形態の不飽和および飽和脂肪酸)は、少なくとも90質量%、例えば、少なくとも95質量%、例えば、少なくとも98質量%、例えば、少なくとも99質量%、または例えば、少なくとも99.5質量%が遊離形態であり、すなわち、エステル化されていない、またはグリセロールなどの他の成分に結合していないことがある。
一実施形態では、無水組成物は、オレイン酸およびステアリン酸をさらに含む。
一実施形態では、無水組成物は、オレイン酸、ステアリン酸、モノ・ジグリセリド、セレシンワックス、および水素化植物油をさらに含む。
一実施形態では、局所適用のための無水組成物であって、
a.リトナビルと、
b.ロピナビルと、
c.ヒドロキシプロピルメチルセルロースと、
d.オレイン酸と、
e.ステアリン酸と、
f.ブチル化ヒドロキシトルエンと
を含む、局所適用のための無水組成物が提供される。
一実施形態では、無水組成物は、
a.約1.2〜約1.4質量%のリトナビルと、
b.約9〜約11質量%のロピナビルと、
c.約0.5〜約1.5質量%のヒドロキシプロピルメチルセルロースと、
d.約55〜約65質量%のオレイン酸と、
e.約28〜約32質量%のステアリン酸と、
f.約00.5〜約0.5質量%のブチル化ヒドロキシトルエンと
を含み、ここで、%はすべて、組成物の総質量に対する質量%である。
別の実施形態では、無水組成物は、
a.約0.5〜約0.7質量%のリトナビルと、
b.約4〜約6質量%のロピナビルと、
c.約0.5〜約1.5質量%のヒドロキシプロピルメチルセルロースと、
d.約55〜約65質量%のオレイン酸と、
e.約28〜約32質量%のステアリン酸と、
f.約0.05〜約0.5質量%のブチル化ヒドロキシトルエンと
を含み、ここで、%はすべて、組成物の総質量に対する質量%である。
好適な無水組成物は、
a.リトナビルと、
b.ロピナビルと、
c.ヒドロキシプロピルメチルセルロースと、
d.オレイン酸と、
e.ステアリン酸と、
f.ブチル化ヒドロキシトルエンと、
g.モノ・ジグリセリドと、
h.セレシンワックスと、
i.水素化植物油と、
j.ステアリン酸ポリオキシル100と、
k.モノオレイン酸グリセロールと
を含む。
一実施形態では、無水組成物は、
a.約0.9〜約1.1質量%のリトナビルと、
b.約9〜約11質量%のロピナビルと、
c.約0.5〜約1.5質量%のヒドロキシプロピルメチルセルロースと、
d.約55〜約65質量%のオレイン酸と、
e.約4〜約5%のステアリン酸と、
f.約0.1〜約0.3質量%のブチル化ヒドロキシトルエンと、
g.約4〜約6質量%のモノ・ジグリセリドと、
h.約5〜約7質量%のセレシンワックスと、
i.約9〜約11質量%の水素化植物油と、
j.約1〜約3質量%のステアリン酸ポリオキシル100と、
k.約2〜約4質量%のモノオレイン酸グリセロールと
を含み、ここで、%はすべて、組成物の総質量に対する質量%である
一実施形態では、無水組成物は、
a.約0.9〜約1.1質量%のリトナビルと、
b.約11〜約13質量%のロピナビルと、
c.約0.5〜約1.5質量%のヒドロキシプロピルメチルセルロースと、
d.約50〜約60質量%のオレイン酸と、
e.約4〜約5%のステアリン酸と、
f.約0.1〜約0.3質量%のブチル化ヒドロキシトルエンと、
g.約4〜約6質量%のモノ・ジグリセリドと、
h.約5〜約7質量%のセレシンワックスと、
i.約9〜約11質量%の水素化植物油と、
j.約1〜約3質量%のステアリン酸ポリオキシル100と、
k.約2〜約4質量%のモノオレイン酸グリセロールと
を含み、ここで、%はすべて、組成物の総質量に対する質量%である。
一実施形態では、無水組成物は、
a.約0.4〜約0.6質量%のリトナビルと、
b.約4〜約6質量%のロピナビルと、
c.約0.5〜約1.5質量%のヒドロキシプロピルメチルセルロースと、
d.約55〜約65質量%のオレイン酸と、
e.約4〜約5%のステアリン酸と、
f.約0.1〜約0.3質量%のブチル化ヒドロキシトルエンと、
g.約4〜約6質量%のモノ・ジグリセリドと、
h.約5〜約7質量%のセレシンワックスと、
i.約9〜約11質量%の水素化植物油と、
j.約1〜約3質量%のステアリン酸ポリオキシル100と、
k.約2〜約4質量%のモノオレイン酸グリセロールと
を含み、ここで、%はすべて、組成物の総質量に対する質量%である。
一実施形態では、無水組成物は、
a.約0.4〜約0.6質量%のリトナビルと、
b.約5〜約7質量%のロピナビルと、
c.約0.5〜約1.5質量%のヒドロキシプロピルメチルセルロースと、
d.約55〜約65質量%のオレイン酸と、
e.約4〜約5%のステアリン酸と、
f.約0.1〜約0.3質量%のブチル化ヒドロキシトルエンと、
g.約4〜約6質量%のモノ・ジグリセリドと、
h.約5〜約7質量%のセレシンワックスと、
i.約9〜約11質量%の水素化植物油と、
j.約1〜約3質量%のステアリン酸ポリオキシル100と、
k.約2〜約4質量%のモノオレイン酸グリセロールと
を含み、ここで、%はすべて、組成物の総質量に対する質量%である。
[他の好適な組成物]
本発明に係る使用に好適な別の組成物は、医薬組成物であって、
a.不飽和遊離脂肪酸と、
b.硬化剤と、
c.10:1から18:1の間の質量比のロピナビルおよびリトナビルと
を含み、
不飽和遊離脂肪酸が、医薬組成物の総質量の少なくとも20質量%のレベルで存在し、医薬組成物が、室温で半固体である、医薬組成物である。
好ましくは、ロピナビル:リトナビルの質量比は、10:5:1から13.5:1の間、最も好ましくは、約12.0:1(w/w)である。
従来の組成物は、組成物の粘度を高めるための剤として、植物油および/またはポリソルベートを使用している。不飽和遊離脂肪酸および硬化剤を使用して、室温で半固体であり、外部応力が印加され、それによって材料の流れがもたらされるまで、定常材料状態で存在できる、医薬組成物を調製できることが有利に立証された。このような外部応力は、組成物の標的組織(すなわち、頸部)への適用であってもよく、本発明者らは、このような組成物が、ロピナビルおよびリトナビルを標的組織に送達するのに特に有効であることを発見した。
有利には、医薬組成物は、遊離脂肪酸の形態の脂肪(不飽和遊離脂肪酸および/または飽和遊離脂肪酸)のみを含み、例えば、組成物中に存在するすべての脂肪酸は、遊離脂肪酸の形態である。このことにより、医薬組成物を室温で製造することが可能になり、これは、少なくとも1つの医薬品有効成分が分解しやすい場合で、医薬品有効成分が熱に曝露されたときに分解の速度および/または程度(extent)が増加する場合に有利である。
不飽和遊離脂肪酸は、無水組成物について上述した通りであってもよく、好ましくは、オレイン酸である。
硬化剤は、無水組成物について上述した通りであってもよく、好ましくは、ステアリン酸である。
このような医薬組成物は、場合により、無水組成物について上述した通りの粘膜付着剤およびその他の賦形剤を含んでもよい。
好適な医薬組成物は、実施例7および表2〜5に開示され、実施例7または実施例10.1に開示されるように製造される。
[投与]
必要とされるロピナビルおよびリトナビルの量は、生物学的活性およびバイオアベイラビリティにより決定されるが、これは、一部には、正確な投与様式、使用する組成物の物理化学的特性、および組成物が単剤療法として使用されるのか、または他の経口もしくは局所薬と共に、併用療法で使用されるのかによることを理解されたい。実際、少なくとも1つの医薬品有効成分を、同じ化合物または他の医薬品有効成分の経口投与に加えて、局所投与することも可能である。投与頻度もまた、上述の要因、特に、処置を受ける対象の体内での医薬品有効成分の半減期に影響される。
1日用量は、単回投与として(例えば、軟膏、軟カプセル剤、膣坐剤、オビュール(ovule)、またはペッサリーとして)投与してもよい。好ましくは、組成物は、1日1回、好ましくは、夜眠る前に投与される。代替的に、投与は、日中に2回またはそれ以上行ってもよい。一例として、組成物は、少なくとも1日1回、例えば、1日1回または1日2回、局所投与してもよい。
投与に最適な薬量は、当業者により決定することができ、調製物の強度、投与様式、および疾患状態の進行によって異なる。例えば、対象の年齢、体重、食事、および投与時間を含む、処置を受ける特定の対象に依存するさらなる要因によって、薬量の調節が必要となる。
投与に適したロピナビルの量は、約0.1mgから約10.0gの間の1日用量である。一部の実施形態では、ロピナビルの1日用量は、約10mg〜約5.0gであってもよい。一部の実施形態では、ロピナビルの1日用量は、約25mg〜約1.0gであってもよい。好都合には、ロピナビルの1日用量は、25mgから500mgの間(例えば、約300mgまたは150mg)であってもよい。
投与に適したリトナビルの量は、約0.01mg〜約1.0gの1日用量である。一部の実施形態では、リトナビルの1日用量は、約1.0mg〜約250.0mgであってもよい。一部の実施形態では、リトナビルの1日用量は、約2.5mg〜約100mgであってもよい。好都合には、リトナビルの1日用量は、5mgから50mgの間(例えば、約25mg、28.65mg、12.5mg、または14.325mg)であってもよい。
一実施形態では、1日当たり約300mgのロピナビルおよび約28.65mgのリトナビルを女性の頸部に投与してもよい。
別の実施形態では、女性の頸部を処置するために、1日当たり約150mgのロピナビルおよび約14.325mgのリトナビルを投与してもよい。
別の実施形態では、女性の頸部を処置するために、1日当たり約300mgのロピナビルおよび約25mgのリトナビルを投与してもよい。
別の実施形態では、女性の頸部を処置するために、1日当たり約150mgのロピナビルおよび約12.5mgのリトナビルを投与してもよい。
対象に投与する必要がある組成物の量は、組成物中のロピナビルおよびリトナビルの濃度、ならびに処置が必要な病変のサイズによることを理解されたい。例として、好適な軟膏(例えば、上述の好適な無水組成物)は、組成物0.5〜15.0gを投与するのに十分な容量で、好ましくは、組成物1.0〜7.5gを投与するのに十分な容量で、シリンジにより投与できる。
一実施形態では、1日当たり約3.0gの組成物を対象に投与してもよい。このような投与形態は、約300mgのロピナビルおよび約28.65mgのリトナビル、または約150mgのロピナビルおよび約14.325mgのトナビルを含んでもよい。
別の実施形態では、1日当たり約2.5gの組成物を対象に投与してもよい。このような投与形態は、約300mgのロピナビルおよび約25mgのリトナビル、または約150mgのロピナビルおよび約12.5mgのリトナビルを含んでもよい。
好適な一実施形態では、表2または表3に開示される軟膏約3.0gが、1日1回適用として(好ましくは、夜就寝前)、シリンジアプリケータにより頸部に投与される。
最も好適な実施形態では、表4または表5に開示される軟膏約2.5gが、1日1回適用として(好ましくは、夜就寝前)、シリンジアプリケータにより頸部に投与される。
[好適な処置計画]
医薬は、処置が必要とされる期間にわたり対象に投与できる。処置が必要とされる期間は、処置または予防される正確な状態、およびその重症度によることになる。当業者は、発がんウイルス(例えば、HPV)を根絶させる必要、前がんもしくはがん表現型を示す細胞を減少または根絶させる必要、または腫瘍もしくはその他の病変(例えば、疣贅)を縮小または根絶させる必要を含めた複数の要因を考慮して、処置が継続されるべきであることを理解していると予想される。
一実施形態では、一連の処置は、2〜4週間、7〜21日間、または約14日間であってもよい。この期間後、臨床医は、その一連の処置が成功しているかどうかを評価してもよい。その後、処置を継続するかどうかを決定してもよい。
臨床医が頸部に関連する状態を有する女性の処置計画を決定するとき、月経を考慮に入れるとよいことを理解されたい。したがって、好適な処置計画は、約14〜21日間であってもよく、月経と月経の間に実施してもよい。臨床医は、月経中は頸部の局所処置を中止し、次の月経周期に新しく一連の処置を再開することを選択してもよい。例として、好適な処置計画は、(1)14〜21日間投与、(2)次いで、1〜14日間処置なし(頸部の処置の場合、この期間中に月経が発生してもよい)、(3)医学上必要とみなされる場合、さらなる14〜21日間の処置周期、であってもよい。
好適な実施形態では、女性の頸部は、女性が1日当たり約300mgのロピナビルおよび約28.65mgのリトナビルを14〜21日間投与されるように処置してもよく;その後、処置を1〜14日間中止してもよく、また臨床再評価を行ってもよく;その後、必要であれば、1日当たり約300mgのロピナビルおよび約28.65mgのリトナビルの第2の処置周期をさらに14〜21日間実施してもよい。第2の周期後、さらなる臨床評価を行ってもよく、次の処置周期が必要かどうかを決定してもよい。
別の好適な実施形態では、女性の頸部は、女性が1日当たり約150mgのロピナビルおよび約14.325mgのリトナビルを14〜21日間投与されるように処置してもよく;その後、処置を1〜14日間中止してもよく、また臨床的再評価を行ってもよく;その後、必要であれば、1日当たり約150mgのロピナビルおよび約14.325mgのリトナビルの第2の処置周期をさらに14〜21日間実施してもよい。第2の周期後、さらなる臨床評価を行ってもよく、次の処置周期が必要かどうかを決定してもよい。
別の好適な実施形態では、女性の頸部は、女性が1日当たり約300mgのロピナビルおよび約25mgのリトナビルを14〜21日間投与されるように処置してもよく;その後、処置を1〜14日間中止してもよく、また臨床的再評価を行ってもよく;その後、必要であれば、1日当たり約300mgのロピナビルおよび約25mgのリトナビルの第2の処置周期をさらに14〜21日間実施してもよい。第2の周期後、さらなる臨床評価を行ってもよく、次の処置周期が必要かどうかを決定してもよい。
別の好適な実施形態では、女性の頸部は、女性が1日当たり約150mgのロピナビルおよび約12.5mgのリトナビルを14〜21日間投与されるように処置してもよく;その後、処置を1〜14日間中止してもよく、また臨床的再評価を行ってもよく;その後、必要であれば、1日当たり約150mgのロピナビルおよび約12.5mgのリトナビルの第2の処置周期をさらに14〜21日間実施してもよい。第2の周期後、さらなる臨床評価を行ってもよく、次の処置周期が必要かどうかを決定してもよい。
これらの計画は、それぞれ、最も好ましくは、本発明に係る軟膏0.5〜15.0g、好ましくは、軟膏1.0〜7.5g、最も好ましくは、軟膏約2.5gまたは約3.0gの対象への投与(1日1回)を含んでもよい。
好適な処置計画を実施例8に記載する。
[HPV関連の異形成の処置]
本発明の好適な実施形態では、医薬組成物は、HPV関連の頸部異形成を有する女性対象を処置するために使用できる。
本明細書にて「異形成」は、前浸潤性病変およびがんを包含する。HPV関連前浸潤性病変には、高度扁平上皮内病変(HSIL)、意義不明な異型扁平上皮細胞(ASCUS)、および軽度扁平上皮内病変(LSIL)が含まれる。HPV関連がんには、例えば、子宮頸部上皮内腫瘍(CIN)および浸潤性子宮頸がん(ICC)が含まれる。
本開示に係る方法および処置計画は、HPV関連の異形成を処置するために使用できる。一部の態様では、例えば、本開示に係る方法および処置計画は、HSILを処置するために使用できる。一部の態様では、本開示に係る方法および処置計画は、ASCUSを処置するために使用できる。他の態様では、本開示に係る方法および処置計画は、LSILを処置するために使用できる。他の態様では、本開示に係る方法および処置計画は、CINを処置するために使用できる。さらに他の態様では、本開示に係る方法および処置計画は、ICCを処置するために使用できる。さらに、本開示に係る方法および処置計画は、HPV関連の異形成の進行を抑制するために使用できる。一部の態様では、例えば、本開示に係る方法および処置計画は、HSILの進行を抑制するために使用できる。一部の態様では、本開示に係る方法および処置計画は、ASCUSの進行を抑制するために使用できる。他の態様では、本開示に係る方法および処置計画は、LSILの進行を抑制するために使用できる。他の態様では、本開示に係る方法および処置計画は、CINの進行を抑制するために使用できる。さらに他の実施形態では、本開示に係る方法および処置計画は、ICCの進行を抑制するために使用できる。
医薬組成物は、HPV関連の異形成の重症度を低下させることができる。HPV関連の異形成の重症度は、例えば、組織診断の変化によって、測定および段階分けできる。HPV関連病変の生検材料に対して組織診断を実施する方法は、当該技術分野で周知である。一部の実施形態では、例えば、本開示に係る組成物は、重症度CIN3を低下させることができる。一部の態様では、本開示に係る組成物は、重症度CIN3をCIN2に低下させることができる。他の態様では、本開示に係る組成物は、重症度CIN3をCIN1に低下させることができる。他の態様では、本開示に係る組成物は、重症度CIN3をHPV陰性に低下させることができる。他の態様では、本開示に係る組成物は、重症度CIN2をCIN1に低下させることができる。他の態様では、本開示に係る組成物は、重症度CIN2をHPV陰性に低下させることができる。他の態様では、本開示に係る組成物は、重症度CIN1をHPV陰性に低下させることができる。
対象は、子宮頸部細胞診(例えば、PAPスメアによる)が、HSIL、ASCUS、またはLSILであってもよい。医薬組成物のこのような対象への投与は、子宮頸部細胞診を軽減させることができる。一部の態様では、子宮頸部細胞診は、HSILから正常細胞診に軽減される。一部の態様では、子宮頸部細胞診は、HSILからACSUSに軽減される。一部の態様では、子宮頸部細胞診は、HSILからLSILに軽減される。一部の態様では、子宮頸部細胞診は、ACSUSから正常細胞診に軽減される。一部の態様では、子宮頸部細胞診は、LSILから正常細胞診に軽減される。
HPV関連の異形成の重症度を評価および/または段階分けするための組織学的評価、ならびに細胞学的スクリーニングは、本開示に係る組成物での処置前、処置中、および/または処置後の任意の適切な期間に実施できる。一部の実施形態では、方法は、対象の処置後モニタリングをさらに含む。処置後モニタリングの適切な時間枠には、限定するものではないが、本開示に係る組成物での処置後、4週間、8週間、12週間、16週間、20週間、24週間、28週間、32週間、36週間、40週間、44週間、48週間、または52週間である。一部の態様では、例えば、組織学的評価は、CIN状態の変化を評価するために、ベースライン(処置前)および処置6か月後に実施してもよい。他の態様では、子宮頸部細胞診の変化を評価するために、ベースライン時(処置前)および処置6か月後に、細胞学的スクリーニングを実施してもよい。さらに他の態様では、ベースライン時および処置6か月後に、CIN状態および子宮頸部細胞診の変化をそれぞれ評価するために、組織学的評価および細胞学的スクリーニングを実施してもよい。
HPV関連の異形成の程度(extend)およびグレード(grade)は、上記した組成物の投与後、約4週間から約52週間の期間中に低下し得る。一部の態様では、異形成の程度および組織学的グレードは、上記組成物の投与後、約4週間から約46週間の間に低下し得る。一部の態様では、異形成の程度および組織学的グレードは、上記組成物の投与後、約4週間から約40週間の間に低下し得る。一部の態様では、異形成の程度および組織学的グレードは、上記組成物の投与後、約4週間から約34週間の間に低下し得る。一部の態様では、異形成の程度および組織学的グレードは、上記組成物の投与後、約4週間から約28週間の間に低下し得る。一部の態様では、異形成の程度および組織学的グレードは、上記組成物の投与後、約4週間から約24週間の間に低下し得る。一部の態様では、異形成の程度および組織学的グレードは、上記組成物の投与後、約4週間から約18週間の間に低下し得る。一部の態様では、異形成の程度および組織学的グレードは、上記組成物の投与後、約4週間から約12週間の間に低下し得る。一部の態様では、異形成の程度および組織学的グレードは、上記組成物の投与後、約6週間から約10週間の間に低下し得る。一部の態様では、異形成の程度および組織学的グレードは、上記組成物の投与後、約8週間から約52週間の間に低下し得る。一部の態様では、異形成の程度および組織学的グレードは、上記組成物の投与後、約12週間から約52週間の間に低下し得る。一部の態様では、異形成の程度および組織学的グレードは、上記組成物の投与後、約18週間から約52週間の間に低下し得る。一部の態様では、異形成の程度および組織学的グレードは、上記組成物の投与後、約24週間から約52週間の間に低下し得る。一部の態様では、異形成の程度および組織学的グレードは、上記組成物の投与後、約30週間から約52週間の間に低下し得る。一部の態様では、異形成の程度および組織学的グレードは、上記組成物の投与後、約36週間から約52週間の間に低下し得る。一部の態様では、異形成の程度および組織学的グレードは、上記組成物の投与後、約42週間から約52週間の間に低下し得る。一部の態様では、異形成の程度および組織学的グレードは、上記組成物の投与後、約48週間から約52週間の間に低下し得る。
一部の態様では、異形成の程度および組織学的グレードは、本発明に係る組成物の投与後、約4週間以内に低下し得る。一部の態様では、異形成の程度および組織学的グレードは、上記組成物の投与後、約5週間以内に低下し得る。一部の態様では、異形成の程度および組織学的グレードは、上記組成物の投与後、約6週間以内に低下し得る。一部の態様では、異形成の程度および組織学的グレードは、上記組成物の投与後、約7週間以内に低下し得る。一部の態様では、異形成の程度および組織学的グレードは、上記組成物の投与後、約8週間以内に低下し得る。一部の態様では、異形成の程度および組織学的グレードは、上記組成物の投与後、約9週間以内に低下し得る。一部の態様では、異形成の程度および組織学的グレードは、上記組成物の投与後、約10週間以内に低下し得る。一部の態様では、異形成の程度および組織学的グレードは、上記組成物の投与後、約11週間以内に低下し得る。一部の態様では、異形成の程度および組織学的グレードは、上記組成物の投与後、約12週間以内に低下し得る。一部の態様では、異形成の程度および組織学的グレードは、上記組成物の投与後、約16週間以内に低下し得る。一部の態様では、異形成の程度および組織学的グレードは、上記組成物の投与後、約20週間以内に低下し得る。一部の態様では、異形成の程度および組織学的グレードは、上記組成物の投与後、約24週間以内に低下し得る。一部の態様では、異形成の程度および組織学的グレードは、上記組成物の投与後、約28週間以内に低下し得る。一部の態様では、異形成の程度および組織学的グレードは、上記組成物の投与後、約32週間以内に低下し得る。一部の態様では、異形成の程度および組織学的グレードは、上記組成物の投与後、約36週間以内に低下し得る。一部の態様では、異形成の程度および組織学的グレードは、上記組成物の投与後、約40週間以内に低下し得る。一部の態様では、異形成の程度および組織学的グレードは、上記組成物の投与後、約44週間以内に低下し得る。一部の態様では、異形成の程度および組織学的グレードは、上記組成物の投与後、約48週間以内に低下し得る。一部の態様では、異形成の程度および組織学的グレードは、上記組成物の投与後、約52週間以内に低下し得る。
子宮頸部細胞診グレードは、同様に、上記組成物の投与後、約4週間から約52週間の間に低下し得る。一部の態様では、子宮頸部細胞診グレードは、上記組成物の投与後、約4週間から約46週間の間に低下し得る。一部の態様では子宮頸部細胞診グレードは、上記組成物の投与後、約4週間から約40週間の間に低下し得る。一部の態様では、子宮頸部細胞診グレードは、上記組成物の投与後、約4週間から約34週間の間に低下し得る。一部の態様では、子宮頸部細胞診グレードは、上記組成物の投与後、約4週間から約28週間の間に低下し得る。一部の態様では、子宮頸部細胞診グレードは、上記組成物の投与後、約4週間から約24週間の間に低下し得る。一部の態様では、子宮頸部細胞診グレードは、上記組成物の投与後、約4週間から約18週間の間に低下し得る。一部の態様では、子宮頸部細胞診グレードは、上記組成物の投与後、約4週間から約12週間の間に低下し得る。一部の態様では、子宮頸部細胞診グレードは、上記組成物の投与後、約6週間から約10週間の間に低下し得る。一部の態様では、子宮頸部細胞診グレードは、上記組成物の投与後、約8週間から約52週間の間に低下し得る。一部の態様では、子宮頸部細胞診グレードは、上記組成物の投与後、約12週間から約52週間の間に低下し得る。一部の態様では、子宮頸部細胞診グレードは、上記組成物の投与後、約18週間から約52週間の間に低下し得る。一部の態様では、子宮頸部細胞診グレードは、上記組成物の投与後、約24週間から約52週間の間に低下し得る。一部の態様では、子宮頸部細胞診グレードは、上記組成物の投与後、約30週間から約52週間の間に低下し得る。一部の態様では、子宮頸部細胞診グレードは、上記組成物の投与後、約36週間から約52週間の間に低下し得る。一部の態様では、子宮頸部細胞診グレードは、上記組成物の投与後、約42週間から約52週間の間に低下し得る。一部の態様では、子宮頸部細胞診グレードは、上記組成物の投与後、約48週間から約52週間の間に低下し得る。
一部の態様では、子宮頸部細胞診グレードは、上記組成物の投与後、約4週間以内に低下した。一部の態様では、子宮頸部細胞診グレードは、上記組成物の投与後、約5週間以内に低下した。一部の態様では、子宮頸部細胞診グレードは、上記組成物の投与後、約6週間以内に低下した。一部の態様では、子宮頸部細胞診グレードは、上記組成物の投与後、約7週間以内に低下した。一部の態様では、子宮頸部細胞診グレードは、上記組成物の投与後、約8週間以内に低下した。一部の態様では、子宮頸部細胞診グレードは、上記組成物の投与後、約9週間以内に低下した。一部の態様では、子宮頸部細胞診グレードは、上記組成物の投与後、約10週間以内に低下した。一部の態様では、子宮頸部細胞診グレードは、上記組成物の投与後、約11週間以内に低下した。一部の態様では、子宮頸部細胞診グレードは、上記組成物の投与後、約12週間以内に低下した。一部の態様では、子宮頸部細胞診グレードは、上記組成物の投与後、約16週間以内に低下した。一部の態様では、子宮頸部細胞診グレードは、上記組成物の投与後、約20週間以内に低下した。一部の態様では、子宮頸部細胞診グレードは、上記組成物の投与後、約24週間以内に低下した。一部の態様では、子宮頸部細胞診グレードは、上記組成物の投与後、約28週間以内に低下した。一部の態様では、子宮頸部細胞診グレードは、上記組成物の投与後、約32週間以内に低下した。一部の態様では、子宮頸部細胞診グレードは、上記組成物の投与後、約36週間以内に低下した。一部の態様では、子宮頸部細胞診グレードは、上記組成物の投与後、約40週間以内に低下した。一部の態様では、子宮頸部細胞診グレードは、上記組成物の投与後、約44週間以内に低下した。一部の態様では、子宮頸部細胞診グレードは、上記組成物の投与後、約48週間以内に低下した。一部の態様では、子宮頸部細胞診グレードは、上記組成物の投与後、約52週間以内に低下した。
治療有効量の本開示に係る医薬組成物は、約1週間から約4週間にわたり投与してもよい。この期間後、臨床医は、その一連の処置が成功しているかどうかを評価してもよい。その後、処置を継続するかどうかを決定してもよい。
一部の実施形態では、組成物は、HPV感染細胞のアポトーシスを誘導する。
[実施例1]
<総API濃度20μMで、ロピナビル:リトナビルの8:1〜16:1w/w比が、E6/E7不死化非形質転換子宮頸管細胞に与える効果の評価>
E6/E7子宮頸管細胞は、HPV関連の子宮頸部異形成に見られる表現型と類似する表現型を示す非形質転換細胞株である。したがって、この細胞株は、ロピナビルおよびリトナビルが前がん状態および初期がん状態に与える効果を評価するための良好なモデルである。例えば、HPV関連の異形成CIN1〜CIN3。
(1.1 方法)
(1.1.1 細胞培養)
E6/E7細胞は、5%ウシ胎児血清(FCS)を含有するRPMI成長培地中、5% COおよび37℃で、標準法により維持した。
T75のコンフルエントなスターター培養物からT25フラスコに播種した細胞で実験を実施した。細胞をT25フラスコ中で6日間培養した。最初の3日間は標準培養条件に従い、4日目から6日目の間は、FCSを含まない成長培地で細胞を成長させた。このステップは、細胞の成長周期を同調させ、本発明者らは、このステップが、その後のアッセイステップの性能を向上させることに気付いた。
(1.1.2 処置)
6日目(1.1.1)の後、総API濃度が20μMで、ロピナビルおよびリトナビルが結果の項に記載する比で存在する、5%FCS含有RPMI成長培地中で、さらに3日間培養を継続した。
(1.1.3 NC3000画像血球計算盤(Chemometec Ltd、ノルウェー)でのDNA断片化アッセイ)
APIとの培養の最終日の後、標準化された手順を用いて、細胞をトリプシン処理し、ペレット化し、PBSで洗浄した。次に、製造者のDNA断片化アッセイ手順(Chemometec Ltd、ノルウェー)に従って、細胞を70%エタノールで最低4時間固定し、PBSで洗浄し、計数してから、DAPIで染色した。
次に、NC3000画像血球計算盤で8チャンバースライドを用いて、染色された細胞を分析した。図3(B)に、代表的な細胞周期/DNA断片化プロファイルを示す。血球計算盤は、アッセイ試料中の各細胞で検出する特徴的DNA染色によって、4期の細胞周期(Sub G1(死細胞)、G1、S、およびG2に相当する、図3(B)のM1〜M4)から細胞を区別した。箱ひげ図上の各データポイントは、Rプログラムを用いてペアごとの並べ替え検定で統計的有意性を分析した、4つのこのようなアッセイの結果である。インタクトな2N DNAを有する細胞(G1)に対するアポトーシスDNA断片化が起きている細胞(Sub G1)のパーセンテージを計算し、指定される比のロピナビル:リトナビルで処理した細胞について、データを棒グラフとして示した。
(1.2 結果)
図1は、8:1、10:1、12:1、14:1、および16:1(w/w)のロピナビルおよびリトナビルでの処置後の、インタクトな2N DNAを有する細胞(G1)に対するアポトーシスDNA断片化が起きている細胞(Sub G1)のパーセンテージとして提示されるデータを示す。
本発明者らは、アポトーシス活性の統計的に有意なピーク(E6/E7細胞の誘導細胞死に相当する)が、12:1(w/w)比のAPIにおいて明白であることに気付いて驚いた(図1を参照)。
このことは、本発明に係る比のロピナビルおよびリトナビルが、頸部の前浸潤性病態、特にHOV関連病態(CIN1〜CIN3)の処置において改善された有効性を有することを示している。
[実施例2]
<総API濃度20μMで、ロピナビル:リトナビルの8:1〜14:1w/w比が、HPV18陽性HeLa子宮頸癌細胞に与える効果の評価>
異なる比のロピナビルおよびリトナビルの効果を、HeLa細胞で評価した。HeLa細胞は、HPV18陽性子宮頸癌細胞株であり、HPV関連悪性疾患(例えば、浸潤性子宮頸がん(ICC))の良好なモデルである。
(2.1 方法)
下記を除き、1.1に記載の方法に従った。
(2.1.1):細胞をT25フラスコ中で2日間培養した。初日は標準培養条件に従い、2日目は、FCSを含まない成長培地で細胞を成長させた。
(2.1.2):総API濃度が20μMで、ロピナビルおよびリトナビルが結果の項に記載する比で存在する、5%FCS含有RPMI成長培地中で、さらに2日間培養を継続した。
(2.2 結果)
図2(A)は、DMSO(コントロール);20μMロピナビルのみ;ならびに8:1、10:1、12:1、および14:1(w/w)のロピナビルおよびリトナビルでの処置後の、インタクトな2N DNAを有する細胞(G1)に対するアポトーシスDNA断片化が起きている細胞(Sub G1)のパーセンテージとして提示されるデータを示す。
本発明者らは、ロピナビルによって生じるアポトーシス活性が、リトナビルを8:1および10:1の比で含めたときに増加し、E6/E7の場合と同様に、12:1(w/w)比のAPIでピークに達することに気付いた。
図2(B)に、DMSO(コントロール);20μMロピナビルのみ;ならびに8:1および14:1(w/w)のロピナビルおよびリトナビルの効果を調べる第2の実験からのデータを示す。このグラフは、本発明に係る比(14:1)のロピナビル:リトナビルが、HeLa細胞を死滅させるのに、ロピナビルのみまたは8:1の比のAPIよりも有意に効果的であったことを示す。
このことは、本発明に係る比のロピナビルおよびリトナビルが、HPV関連悪性疾患およびICCの処置において改善された有効性を有すると予想されることを示す。
[実施例3]
<総API濃度20μMで、ロピナビル:リトナビルの12:1w/w比が、HPV16陽性SiHa子宮頸癌細胞に与える効果の評価>
異なる比のロピナビルおよびリトナビルの効果を、SiHa細胞で評価した。SiHa細胞は、HPV16陽性子宮頸癌細胞株であり、HPV関連悪性疾患およびICC浸潤性子宮頸がん(ICC)の良好なモデルである。
(3.1 方法)
下記を除き、1.1に記載の方法に従った。
(3.1.1):細胞をT25フラスコ中で7日間培養した。4日間は標準培養条件に従い、5日目から7日目の間は、FCSを含まない成長培地で細胞を成長させた。
(3.1.2):総API濃度が20μMで、ロピナビルおよびリトナビルが結果の項に記載する比で存在する、5%FCS含有RPMI成長培地中で、さらに3日間培養を継続した。
(3.2 結果)
図3(A)に、DMSO(コントロール);20μMロピナビルのみ;ならびに8:1または12:1(w/w)のロピナビルおよびリトナビルでの処置後の、インタクトな2N DNAを有する細胞(G1)に対するアポトーシスDNA断片化が起きている細胞(Sub G1)のパーセンテージとして提示されるデータを示す。このデータは、本発明に係る比(12:1)のロピナビル:リトナビルが、SiHa細胞を死滅させるのに、ロピナビルのみまたは8:1の比(w/w)のAPIよりも有意に効果的であることを示している。
このことは、本発明に係る比のロピナビルおよびリトナビルが、HPV関連悪性疾患およびICCの処置において改善された有効性を有すると予想されることを示している。
図3(B)は、画像血球計算盤から生成された細胞周期/DNA断片化プロファイルを(箱ひげ図として)示しており、図3(A)の起源となる生データを示すために含める。類似のプロファイル(提示せず)が、図1、図2、および図4の根拠となっている。
[実施例4]
<総API濃度25μMで、ロピナビル:リトナビルの10:1および12:1w/w比が、HPV16陽性SNU17子宮頸癌細胞に与える効果の評価>
SNU17細胞は、40歳のモンゴル人女性に由来するHPV16陽性子宮頸細胞癌細胞であり、Creative Bioarray社から入手した。この細胞株は、HPV関連悪性疾患および浸潤性子宮頸がん(ICC)の処置のさらなるモデルである。
(4.1 方法)
下記を除き、1.1に記載の方法に従った。
(4.1.1):細胞をT25フラスコ中で4日間培養した。最初の2日間は、標準培養条件に従い、3日目および4日目は、FCSを含まない成長培地で細胞を成長させた。
(4.1.2):総API濃度が25μMで、ロピナビルおよびリトナビルが結果の項に記載する比で存在する、5%FCS含有RPMI成長培地中で、さらに3日間培養を継続した。
(4.2 結果)
図4に、DMSO(コントロール);20μMロピナビルのみ;ならびに8:1、10:1、または12:1(w/w)のロピナビルおよびリトナビルでの処置後の、インタクトな2N DNAを有する細胞(G1)に対するアポトーシスDNA断片化が起きている細胞(Sub G1)のパーセンテージとして提示されるデータを示す。このデータは、本発明に係る比(10:1および12:1(w/w))のロピナビル:リトナビルが、SNU17細胞を死滅させるのに、ロピナビルのみまたは8:1の比(w/w)のAPIよりも有意に効果的であることを示している。
[実施例5]
<総API濃度が20μMで、Lop/Ritのw/w比の小さい変化(11〜13.5)がHeLa細胞に与える影響の評価>
本発明により使用されるロピナビル:リトナビルの最適比をさらに評価するために、追加実験を実施した。
(5.1 方法)
実施例2に記載の方法に従った。
(5.2 結果)
図5(A)に、DMSO(コントロール);20μMロピナビルのみ;ならびに11:1、11:5、12:1、12.5:1、13:1、および13:5(w/w)のロピナビルおよびリトナビルでの処置後の、インタクトな2N DNAを有する細胞(G1)に対するアポトーシスDNA断片化が起きている細胞(Sub G1)のパーセンテージとして提示されるデータを示す。このデータは、本発明に係る比、特に11.5および12:1のロピナビル:リトナビルが、HeLa細胞を死滅させるのに、ロピナビルのみよりも有意に効果的であったことを示している。
このことは、本発明に係る比のロピナビルおよびリトナビルが、HPV関連悪性疾患の処置において改善された有効性を有すると予想されることを示している。
図5(B)は、画像血球計算盤から生成された細胞周期/DNA断片化プロファイルを(箱ひげ図として)示しており、図5(A)の起源となる生データを示すために含める。類似のプロファイル(提示せず)が、図1、図2、および図4の根拠となっている。
[実施例6]
<総API濃度が20μMで、Lop/Ritのw/w比の小さい変化(11〜13.5)がSIHA細胞に与える影響の評価>
本発明により使用されるロピナビル:リトナビルの最適比をさらに評価するために、さらなる実験を実施した。
(6.1 方法)
実施例3に記載の方法に従った。
(6.2 結果)
図6に、DMSO(コントロール);20μMロピナビルのみ;ならびに11:1、11:5、12:1、12.5:1、13:1、および13:5(w/w)のロピナビルおよびリトナビルでの処置後の、インタクトな2N DNAを有する細胞(G1)に対するアポトーシスDNA断片化が起きている細胞(Sub G1)のパーセンテージとして提示されるデータを示す。このデータは、本発明に係る比、特に11:1、11:5および12:1のロピナビル:リトナビルが、SiHa細胞を死滅させるのに、ロピナビルのみよりも有意に効果的であったことを示している。
このことは、本発明に係る比のロピナビルおよびリトナビルが、HPV関連の子宮頸悪性疾患またはICCの処置において改善された有効性を有すると予想されることを示している。
実施例1〜6にて提示するこれらのデータは、本発明に係る比のロピナビルおよびリトナビルが、誘導性細胞死に対して、ロピナビルのみ、または本発明において規定される範囲から外れる比のロピナビルおよびリトナビルよりも有意に高い効果を与えることを示している。好適なAPI比がE6/E7不死化子宮頸管細胞、HeLa細胞、SiHa細胞、およびSNU17細胞それぞれにおいて有効であったということは、規定される比のロピナビルおよびリトナビルのHPV関連の子宮頸部病態の処置における有用性を明らかに示している。
実施例1〜6にて提示するこれらのデータは、本発明に係る比のロピナビルおよびリトナビルが、誘導性細胞死に対して、ロピナビルのみ、または本発明において規定される範囲から外れる比のロピナビルおよびリトナビルよりも有意に高い効果を与えることを示している。好適なAPI比がE6/E7不死化子宮頸管細胞、HeLa細胞、SiHa細胞、およびSNU17細胞それぞれにおいて有効であったということは、規定される比のロピナビルおよびリトナビルの子宮頸部病態、特にHPV関連悪性疾患の処置における有用性を明らかに示している。
[実施例7]
<好適な製剤の調製>
下記に提示するすべての製剤について、使用した材料は、日本医薬品賦形剤グレードの白色セレシンワックスを除き、すべてが医薬品グレード(米国薬局方または欧州薬局方のいずれか)である。
シリンジアプリケータ膣内投与に適したレオロジーを示す膣投与形態の製造については、表2〜5に従って下記に記載する。
i.ミキサーに、3、4、5、6、7、8、9、1、10、11の材料を入れる。
ii.容器の内部から空気を排除する。
iii.低せん断混合下、70℃に加熱して、澄んだ透明融解物を得る。
iv.ミキサーに、2の材料を入れる。
v.容器の内部から空気を排除する。
vi.低せん断で混合して、融解物中にHPMCを微分散させる。
vii.低せん断混合下、内容物の温度を45℃まで下げる。
viii.保管容器に取り出し、保管中は空気を排除する。
ix.組成物1.0〜5.0gを調剤するのに適したアルミニウムチューブに組成物を充填する。アルミニウムチューブには、20〜50mlの容量の組成物を入れることができる。
Figure 2021525266
Figure 2021525266
Figure 2021525266
Figure 2021525266
シリンジアプリケータ膣内投与に適したプラセボ軟膏の製造については、表6に従って下記に記載する。
i.ミキサーに、3、4、5、6、7、8、9、1の材料を入れる。
ii.容器の内部から空気を排除する。
iii.低せん断混合下、70℃に加熱して、澄んだ透明融解物を得る。
iv.ミキサーに、2の材料を入れる。
v.容器の内部から空気を排除する。
vi.低せん断で混合して、融解物中にHPMCを微分散させる。
vii.低せん断混合下、内容物の温度を45℃まで下げる。
viii.保管容器に取り出し、保管中は空気を排除する。
ix.組成物1.0〜5.0gを調剤するのに適したアルミニウムチューブに組成物を充填する。アルミニウムチューブには、20〜50mlの容量の組成物を入れることができる。
Figure 2021525266
[実施例8]
<好適な投与計画>
対象は、表5に規定の組成物を含むアルミニウムチューブを提供された。
対象は、組成物2.5gを1日1回、好ましくは夜、頸部に適用するよう指示を受けた。アルミニウムチューブは、使い捨てシリンジに組成物2.5gを装填するように適合させた。使用後、シリンジは廃棄された。アルミニウムチューブは、チューブ内に充分な組成物が残っている場合、翌日シリンジを装填するために使用できる。
処置は、医師の勧告通り、14〜21日間継続してもよい。次に、処置を1〜14日間中止してもよい(また、この中断は、月経と一致するように調節してもよい)。この期間中、臨床的再評価を行ってもよく、その後、必要であれば、1周期当たりさらに14〜21日間のさらなる処置周期(1周期またはそれ以上)を実施してもよい。各周期後、さらなる臨床評価を行ってもよく、次の処置周期が必要であるかを決定してもよい。
[実施例9]
<健常女性志願者における、好適な製剤の第1相、単一施設、二重盲検、ランダム化、並行群、漸増単回および反復投与、安全性および忍容性、薬物動態(PK)および薬力学(PD)試験>
下記の臨床治験によって、表2および表3による組成物を検討した(また、表6のプラセボと比較した)。
(9.1 方法)
(試験の目的)
1.健常女性志願者において、表2および表3による製剤の反復投与後の組成物の安全性、PK、およびPDを評価すること。
2.プラセボと比較して、組成物を使用している女性により報告される副作用の比率を観察すること。
(治験計画/試験デザイン)
本試験は、いずれも子宮頸部病態を有さない健常志願者の2つのコホートを含む。コホートごとの参加者は9名で、そのうち6名に実薬を投与し、3名にプラセボを投与した。テストした製剤すべてについて、1回当たり投与した組成物の量は3gであった。表3の組成物では、これは、1回当たり300mgのロピナビルおよび28.7mgのリトナビルが患者に投与されるのと同等であった。表2の組成物では、これは、1回当たり150mgのロピナビルおよび14.3mgのリトナビルの投与と同等であった。
コホート1:
第1期:表2の組成物またはプラセボの単回投与とその後の拘束。拘束中のPK採血。
第2期:表2の組成物またはプラセボの21日間投与とその後のPK採血。
コホート2:
第1期:表3の組成物またはプラセボの単回投与とその後の拘束。拘束中のPK採血。
第2期:表3の組成物またはプラセボの21日間投与とその後のPK採血。
(参加基準)
選択基準:
a.健全な子宮および膣を有する20〜45歳の女性。
b.全般的に健康で、臨床的に重要な肺疾患、心疾患、胃腸疾患、膵疾患、神経疾患、腎疾患、筋骨格疾患、リウマチ性疾患、代謝性疾患、腫瘍性疾患、または内分泌疾患を有さないこと。
c.BMIが19以上30.0以下
d.ECGおよびバイタルサインが正常範囲内
e.第1期の投与の48時間前から第2期の最終投与の7日後までの禁酒に同意すること。
f.全試験期間を通して、グレープフルーツ、スターフルーツ、ザクロ、パイナップル、またはブンタンを含む食品または飲料を控えること。
g.第1期および第2期中の投与前後6時間に性交を控えることができ、その意思があること。
h.29日目(第2期の最終投与の7日後)までの要求される禁欲期間後、非ラテックスコンドーム(パートナーの保護のため)および第2の許容される避妊法の使用を含む、厳格な避妊法(精管切除、避妊ピル、避妊インプラント、またはIUDが認められる)を使用することができ、その意思があること。(注:IUDは、登録の少なくとも1か月前に、かつ本試験への参加を理由とせずに、挿入されているものとした)
i.登録前少なくとも48時間および試験期間を通して、膣洗浄などの行為または試験薬以外の膣用製品の挿入を控えることに同意すること。
j.スクリーニング時または登録から3年以内にPapテストが陰性であり、過去3年以内に子宮頸部上皮内病変の既往歴がないこと。
k.すべての試験手順のために、再来院することができ、その意思があること。
l.インフォームドコンセントを提供することができ、その意思があること。
除外基準:
a.妊娠中の女性、今後3か月以内に妊娠を予定している女性、または泌乳中の女性。
b.年3回を超えて発生する性器ヘルペス、または活動性の非HPV膣感染症の既往歴
c.B型肝炎、C型肝炎、またはHIVの陽性結果
d.活動性の骨盤内感染症(淋病またはクラミジア感染症の陽性尿スクリーニング、細菌性膣炎、カンジダ腟炎、またはトリコモナス膣炎の陽性検査結果および症候)を有する場合。
e.ランダム化前の3か月以内に、現在または最近の異常な膣分泌物および/または異常な膣出血が治験医師により評価された場合。
f.ランダム化前の3か月以内に、妊娠中絶または流産があった場合。
g.現在、経口コルチコステロイド薬、吸入サルメテロールおよびフルチカゾン、免疫調節療法、市販の(OTC)膣内調製物、または治験医師が結果の解釈に干渉する可能性があると考える処方薬のうちいずれかの薬物投与を受けている場合。
h.現在、アルフゾシン、アミオダロン、ドロネダロン、ラノラジン、フシジン酸、コルチシン、アステミゾール、テルフェナジン、ルラシドン、ピモジド、クエチアピン、ジヒドロエルゴタミン、エルゴノビン、エルゴタミン、メチルエルゴノビン、シサプリド、ロバスタチン、シンバスタチン、アバナフィル、シルデナフィル、バルデナフィル、経口ミダゾラム、トリアゾラム、セイヨウオトギリソウのうちいずれかの薬物投与を受けている場合。
i.スティーブンス・ジョンソン症候群、多形性紅斑、じん麻疹、血管浮腫、深部静脈血栓症、耳鳴、目まい、血糖障害、膵炎、血友病の最近の既往歴(過去3か月以内)
j.R131膣軟膏賦形剤のいずれかの成分に対する過敏症
k.登録から30日または5半減期(どちらか長い方)以内に、実験薬物または装置を用いた臨床試験に参加した場合。
l.治験医師により評価される、現在のアルコールまたは薬物乱用。
m.従業員もしくは従業員の第1度家族、治験依頼者、CRO、または試験施設
n.GPを有さない場合。
スクリーニング評価:
スクリーニング評価は、試験へのランダム化から3か月以内に行われていなければならない。スクリーニングは、以下の構成要素からなる。
背景/病歴
各参加者から完全な病歴を聴取した。
身体検査
身体検査は、身体系ならびに身長および体重(室内着を着用)の評価からなる。
血液検査
以下の臨床血液検査を実施した。
・電解質(ナトリウムおよびカリウム)、ALT、GGT、ALP、アルブミン、総タンパク質、総ビリルビン、尿素、尿酸、血清クレアチニン、TFT、空腹時脂質、アミラーゼ、グルコース、およびHbA1c
・ヘモグロビン、赤血球数、PCV、MCV、MCH、血小板数、白血球数、好中球、リンパ球、単球、好酸球、および好塩基球。CD4/CD8数
・HIVならびにB型およびC型肝炎
スクリーニング時の測定値は、投与の結果として現れ得る異常をモニタリングするためのベースラインの機能を果たす。
(その他のテスト)
スクリーニング手順の一環として、すべての参加者に乱用薬物検査を実施した。カンナビノイド(マリファナ)、アンフェタミン、ベンゾジアゼピン、およびオピエート(すなわち、モルヒネ、ヘロイン、およびコデイン)を検査するために、尿試料を必要とした。
タンパク質、白血球、亜硝酸塩、pH、比重、グルコース、ケトン、および血液を調べるための検尿試験紙。
微生物検査(淋病、クラミジア、細菌性膣炎、カンジダ属)、およびHPVジェノタイピングのための膣スワブ
各拘束期間の初日夜に、実施施設でアルコール呼気検査を実施した。
スクリーニング手順の一環として、初回投与前の3日以内に、すべての参加者に血清HCG検査を実施した。
(バイタルサイン)
血圧(臥位および座位)、心拍数、体温、および呼吸数からなるバイタルサインを記録した。参加者のバイタルサインは、以下の範囲内であるべきものとした。
心拍数≧60または≦99拍/分
臥位:
収縮期血圧≧90または≦160mmHg、拡張期血圧≧50または≦90mmHg
座位:
収縮期血圧≧90または≦160mmHg、拡張期血圧≧50または≦90mmHg
体温≧36℃または≦37.7℃
呼吸数≧12または≦20呼吸/分
(試験活動/進行計画の概要)
各参加者からのインフォームドコンセントを必要とした。試験適格性を確認するために、参加者をスクリーニングした。
(ランダム化)
治験責任医師またはその代理人が、完了したスクリーニング手順を審査の上、参加者の受け入れを記録した後、参加者をランダム化した。
(試験拘束)
参加者は、1日目と22日目の午後5時ごろに来院した。試験拘束の時間は、およそ27時間であった。投与24時間後評価が完了した時点で参加者を実施施設から解放した。
(投与)
投与は、投与が計画されているそれぞれの日の午後8時ごろに開始した。参加者に、自分で薬剤を挿入するよう指示した。投与アプリケータは、全量が適用されたことを確認するため、また試験薬のリコンシリエーションのために、試験スタッフに返却された。
(試料採取)
膣スワブは、参加者自身が実施した。
PK血液試料:血液試料(8mL)は、静脈カテーテルで採取し、抗凝固剤としてヘパリンナトリウムが入ったバキュテナーに移した。採取時間は、血液8mLが全量採取された時間として記録した。静脈カテーテルは、試料ごとに1.5mL〜2.0mLのヘパリン化生理食塩水を流して、開存を維持した(0〜24時間)。採血間隔は、1〜2日目は、0時間後、1時間後、2時間後、4時間後、8時間後、12時間後、24時間後、22〜23日目は、0時間後、1時間後、2時間後、4時間後、8時間後、12時間後、24時間後とした。試料は、その予定時間に採取した。ずれがあった場合は、記録するものとした。
(試料処理および保管)
血漿:血漿は、約4℃、3500rpmで5分間遠心分離することにより分離した。赤血球から血漿を分離するための助剤は使用しなかった。血漿試料は、清潔なピペットで移動させた。アッセイは、バリデートされた分析法を用いて判定した。
各血漿試料をねじ蓋付きのポリプロピレン保管チューブに入れた。血漿は、アッセイのために検査施設に運ぶまで、実施施設にて−60℃以下で凍結保管した。
(試験終了)
試験最終日の後1週間以内に、各参加者は、分析のための血液試料の提供を要した。初期スクリーニングと比較しての異常については、それらが正常に戻るまで、モニタリングおよびフォローアップを行った。
各コホートにおいて、コンセントから試験最終日まで、参加者を有害事象の発生について評価した。
(最終試験来院時のバイタルサイン(血圧、心拍数、呼吸数、および体温))
・最終試験来院時の臨床検査(血液学検査(CBC、CD4+/CD8+末梢リンパ球数)、生化学検査(RFT、LFT、電解質、TFT、空腹時脂質、HbA1c、アミラーゼ)、血清HCG妊娠検査、および尿検査(尿試験紙))
・試験終了から7日(+2日)以内に、各参加者に電話でのフォローアップを行い、試験後の可能性のある有害事象(AE)を記録する。いずれの事象も原資料に記録する。
すべてのAEは、解消するまで、または治験医師が、フォローアップがもう必要ないと考えるまで、または最終投与後30日まで(治験医師が、フォローアップがもう必要ないと納得した場合に限る)のうちのいずれか早い時期までフォローアップした。
(有害事象)
試験期間を通して、拘束中は、指名された試験監督者または委任された代理人が、試験施設に出勤してなければならなかった。治験責任医師または少なくとも1名の委任された治験医師が、試験期間を通してオンコール待機していた。毎回の試験来院時、各参加者に体調を尋ねた。これは、試験期間を通して、試料採取の時点ごとに行った。AEは、原資料に記録した。
各AEは、重篤有害事象(SAE)または非重篤有害事象として、治験責任医師が分類した。非重篤有害事象は、そのAEの最大強度を表現するために、軽度、中程度、または重度として評価した。治験責任医師はまた、AEと試験薬物との関連の可能性を、非常に確からしい、確からしい、可能性あり、試験薬物との関連が薄いまたはない(「なし」)として提示した。
治験責任医師は、AEの原因が、治験薬物以外の併用薬物が投与されている場合、それらの薬物、基礎疾患、これらの要因の組み合わせが関連するか、または不明であるかを明示するものとした。
(9.2 結果)
安全性結果:
・参加者18名により、合計109件の有害事象が報告された(表7を参照)
・1件の事象は、試験薬物と「関連があった」。
・6件は、試験薬物と「おそらく関連があった」。
・82件は、試験薬物と「関連があるかもしれなかった」。
・6件は、試験薬物と「おそらく関連がなかった」。
・14件は、試験薬物と「関連がなかった」。
・SAEなし
結論:
本発明に係る製剤は、すべてのAEが軽症であるか、または試験薬物の投与と関連がなかったことから、忍容性があるとみなされる。
Figure 2021525266
薬物動態分析:
薬物動態パラメータ:
実薬処置を受けた各対象において、ロピナビルおよびリトナビルの血漿薬物濃度時間曲線下面積(AUC)、ピーク血漿薬物濃度(Cmax)、および最高薬物濃度到達時間(Tmax)を判定した。
実際の試料採取時間(t)に対する血漿薬物濃度(C)のデータを「非コンパートメント」法で分析して、薬物動態パラメータを得た。まず、血漿濃度−時間プロットの分布後相における血漿データを、線形回帰を用いてフィットさせた。
In C=In Co−t.Kel
(式中、Coは、外挿された終末相の0時間切片であり、Kelは、終末相消失速度定数である。)
分布後相における0時間から最後に決定された濃度−時間点(t)までの面積(AUC0−t)を、台形法を用いて計算した。
(ロピナビルおよびリトナビル濃度および薬物動態パラメータ)
表8および表9に、各試料採取時間の平均ロピナビルおよびリトナビル血漿濃度−時間データを記載する。表10および表11に、ロピナビルおよびリトナビルの薬物動態パラメータをまとめる。
Figure 2021525266
Figure 2021525266
Figure 2021525266
Figure 2021525266
結果の考察:
Cmax:
ロピナビル400mg(Kaletra 400mg/100mg錠剤として)を1日2回、2週間経口投与後、ロピナビルの平均Cmaxは、12.3±5.4μg/mLであった(SPMC Kaletra)。軟膏の形態で局所投与される300mg用量との用量比較のために調節すると、平均Cmaxは、9.23±4.1μg/mLになる。
12%w/wのロピナビルを含有する軟膏2.5gとして、ロピナビル300mgを1日1回、21日間局所投与後、平均Cmaxは、396.3±297.3pg/mLであった。
Cmax経口/Cmax局所の比は、>23,000であり、局所投与の0.004%未満が全身的に利用可能であることを示している。
AUC0−t:
ロピナビル400mg(Kaletra 400mg/100mg錠剤として)を1日2回、2週間経口投与後、ロピナビルのAUC0−tは、113.2±60.5μg/mLであった(SPMC Kaletra)。軟膏の形態で局所投与される300mg用量との用量比較のために調節すると、AUC0−tは、84.9±45.4μg/mLになる。
12%w/wのロピナビルを含有する軟膏2.5gとして、ロピナビル300mgを1日1回、21日間局所投与後、AUC0−tは、7368.1±4973.1pg/mLであった。
AUC経口/AUC局所の比は、>11,500であり、局所投与の0.009%未満が全身的に利用可能であることを示している。
結論:
CmaxおよびAUCの複合データは、軟膏の局所投与によるロピナビルの全身性吸収は、ごくわずかであることを示している。
[実施例10]
<子宮頸部の細胞学的異常を有する女性における、リトナビルおよびロピナビルを含む組成物の有効性、安全性、および忍容性の第1b相、多施設、非盲検試験>
(10.1 使用した組成物)
表5に示す組成物を、第1b相治験に使用したが、ただし実施例7の方法を用いずに後述の低温プロセスを用いた。
シリンジアプリケータ膣内投与に適したレオロジーを示す膣投与形態の製造については、表5に従って下記に記載する。
i.薬物ミキサーに、1、9、10、11を入れる。
ii.蓋を下げ、窒素でパージする。
iii.加熱せずに数時間、澄んだ透明溶液が得られるまで混合する。
iv.蓋を上げ、7を入れる。
v.蓋を下げ、窒素でパージする。
vi.加熱せずに、澄んだ透明溶液が得られるまで混合する。
vii.蓋を上げ、2、3、4、5、6、8を入れる。
viii.蓋を下げ、窒素でパージする。
ix.加熱せずに、数時間混合する。
x.生成物をバルク保管容器に取り出し、アルミニウムチューブに充填するまで待つ。
(10.2 方法)
(試験の目的)
(有効性の目的)
・高度または軽度CIN(子宮頸部上皮内腫瘍)を有する女性における、本発明に係る組成物を適用した後の、細胞学的異常の組織学的クリアランスを実証すること
・本発明に係る組成物を適用した後の、子宮頸部のコルポスコピーによる外観の変化を実証すること
・本発明に係る組成物を適用した後の、HPV状態の変化を評価すること
安全性の目的
・本発明に係る組成物の適用した後の、AEの発生率を評価すること
(忍容性の目的)
・最大3処置周期にわたる、連続21日の処置中の本発明に係る組成物の投与計画へのコンプライアンスにより測定される、本発明に係る組成物の忍容性を評価すること。
試験デザイン:
この試験は、子宮頸部の細胞学的異常を有する女性における、本発明に係る組成物の有効性、安全性、および忍容性を検討する、第1b相の多施設非盲検試験としてデザインされた。
この単群試験では、参加者は、その細胞学的異常のグレードによって層別化された。
・CIN2以上と定義される、生検で証明される子宮頸部の高度細胞学的異常
・CIN1/LSILと定義される、子宮頸部の軽度細胞学的異常
本発明に係る組成物は、最大3処置周期で、連続21日間、1日1回、膣に自己適用した。参加者は、被験薬の最終用量の投与7日後に来院に参加した。参加者は、毎日の日記および膣刺激質問票に記入して、被験薬投与へのコンプライアンス、AE、および併用薬物の変更を記録した。
この試験への参加は、下記の通りのスクリーニング来院、最大3処置周期、および試験終了時来院を含む。
・スクリーニング来院(−28日目〜0日目)
・第1処置周期:
1日目〜21日目:第1処置周期−1日1回、21日間被験薬を適用
8日目、15日目、22日目:電話でのフォローアップ;AE、併用薬物、コンプライアンス、投与の問題を確認
28日目:疾患の視覚的評価、疾患が認められない場合#、処置を中止し、6週間後(70日目)に生検を実施する。
・第2処置周期:
29日目**〜49日目:第2処置周期−28日目に特定されたノンレスポンダーは、1日1回の被験薬の適用を21日間継続する。
36日目、43日目、50日目:電話でのフォローアップ;AE、併用薬物、コンプライアンス、投与の問題を確認
56日目:疾患の視覚的評価、疾患が認められない場合#、処置を中止し、6週間後(98日目)に生検を実施する。
・第3処置周期:
57日目**〜77日目:第3処置周期−56日目に特定されたノンレスポンダーは、1日1回、21日間の被験薬の適用を継続してもよく、またはその主治医に回されてもよい。
64日目、71日目、78日目:電話でのフォローアップ;AE、併用薬物、コンプライアンス、投与の問題を確認
84日目:疾患の視覚的評価、および6週間後(126日目)の生検の実施。
・処置後評価来院(PTAV)/中止時来院(ETV):応答により、70日目、98日目、または126日目。
1日目は、参加者の月経周期の終了時に開始する。
**29日目および57日目は、必要であれば、参加者の月経周期の終了まで延期してもよい。
#疾患がない場合、コルポスコピーによるCINの証拠なしと定義され、参加者はレスポンダーとみなされる。疾患が認められた場合、コルポスコピーによるCINの証拠が継続中と定義され、参加者はノンレスポンダーとみなされる。
(参加基準)
選択基準:
試験登録に適格であるためには、参加者は、以下の基準をすべて満たさなければならなかった。
1.試験で規定された手順を開始する前に、書面によるインフォームドコンセントを提供すること。
2.スクリーニング来院時に25歳以上45歳以下の女性参加者
3.子宮頸部高リスクHPV(16型、18型、または「その他」)の陽性結果
4.スクリーニング時に採取されたコルポスコピー生検材料により証明される、CIN2と定義される子宮頸部の高度細胞学的異常
または
スクリーニング前の6か月以内に、コルポスコピー生検材料により示される、CIN1/LSILと定義される子宮頸部の軽度細胞学的異常
参加者は、その細胞学的異常のグレードによって層別化される。
5.移行帯は、完全に可視でなければならない。
6.全般的に健康で、治験医師の判断により、臨床的に重大な疾患を有さないこと。
7.およそ28日周期の規則的な月経周期
または
効果的な避妊法(例えば、Mirena、Jadelle、または継続的なCOC)により無月経の女性
8.登録前少なくとも48時間および試験期間を通して、膣洗浄などの行為または試験薬以外の膣用製品の挿入を控えることに同意すること。タンポンは、月経周期にのみ使用できる。
9.妊娠可能な女性(WOCBP)は、効果の高い形態の受胎調節(治験医師により確認される)を使用しなければならない。周期法は、効果の高い受胎調節法とみなされない。効果の高い形態の受胎調節には以下が含まれる。
・実際の禁欲(試験期間中および試験薬の最終投与後最低30日間、異性間性交を控えることと定義される)
・精管切除を受けたパートナー(ただし、そのパートナーが、妊娠可能な女性参加者の唯一の性的パートナーであり、かつ精管切除を受けたパートナーが、手術の成功の医学的評価を受けているものとする)
・排卵抑制に関連する、経口または経皮複合(エストロゲンおよびプロゲストーゲン含有)ホルモン避妊薬
・排卵抑制に関連する、経口、注射用、または埋め込み型のプロゲストーゲン単独ホルモン避妊薬(Depo−Provera(商標)、Implanon)
・任意の効果的な子宮内避妊具/レボノルゲストレル子宮内システム
・卵管閉塞による女性不妊手術
・Evra Patch(商標)
WOCBPは、登録時かつ1日目の少なくとも14日前から、試験期間中およびIMPの最終投与30日後まで、上記に規定される効果の高い受胎調節法を使用することに同意しなければならない。
WOCBPは、永久避妊(子宮摘出術、両側卵巣摘出術、または両側卵管摘除術)を行っておらず、閉経後でもない女性と定義される。女性は、代替的な生物学的または医学的原因、例えば、Mirenaなどの避妊法なしに、12か月以上無月経の場合に、閉経後とみなされる。
10.女性参加者の男性パートナーは、被験薬の最初の投与から参加者の最後の投与の30日後まで、被験薬が移動する可能性を避けるために、性交中にコンドームを使用することに同意しなければならない。
11.投与6時間前から投与6時間後まで、性交を控えることができ、その意思があること。
12.試験実施施設への必要な来院に参加することができ、その意思があること。
13.書面によるインフォームドコンセントフォームを含む、すべての試験関連文書を理解する能力、および毎日の日記を含む、すべての試験関連作業を完了する能力
14.実施計画書に規定されている禁止事項および制限事項を順守する意思があり、順守できること。
除外基準:
参加者は、以下の基準のうち1つ以上が当てはまる場合、試験から除外された。
1.試験参加により参加者を危険にさらす恐れがある、または試験結果もしくは参加者の試験に参加する能力に影響を及ぼす恐れがあると治験医師が考える、重大な疾患または障害(例えば、心血管、肺、胃腸、肝臓、腎臓、神経、筋骨格、内分泌、代謝、悪性、精神、重度の身体障害)がある場合
2.試験参加により参加者を危険にさらす恐れがある、または試験結果もしくは参加者の全試験期間を完了する能力に影響を及ぼす恐れがあると治験医師が考える、スクリーニング中またはベースライン時の身体検査、バイタルサイン、血液学検査、臨床化学検査、または検尿における臨床的に重大な異常所見がある場合
3.妊娠中、授乳中、または泌乳中の女性(WOCBPは、スクリーニング時に陰性血清妊娠検査結果を示し、各処置期間の開始時(すなわち、1日目、28日目、56日目)に、陰性尿妊娠検査結果を示さなければならない)
4.今後6か月以内に妊娠を予定している女性
5.年3回を超えて発生する性器ヘルペス、または活動性の非HPV膣感染症の既往歴
6.活動性の骨盤内感染症(淋病またはクラミジア感染症の陽性、細菌性膣炎、カンジダ腟炎、またはトリコモナス膣炎の陽性検査結果)陽性結果を示す参加者は、スクリーニング中に再検査できる。
7.骨盤内炎症性疾患と一致する陽性双合診
8.B型肝炎、C型肝炎、またはヒト免疫不全ウイルスの陽性結果
9.1日目の前の3か月以内に、現在または最近の異常な膣分泌物および/または異常な膣出血が、治験医師により評価された場合
10.登録前の3か月以内に、妊娠中絶もしくは流産があった場合、または事後避妊薬を服用した場合。
11.現在、免疫抑制剤、膣内調製物、または治験医師が、潜在的な安全性の問題となる可能性がある、もしくは結果の解釈に干渉する可能性があると考える処方薬の投与を受けている場合。
12.以前のロピナビル/リトナビルへの曝露(スクリーニング前の3か月以内)、ロピナビル/リトナビルの使用の禁忌、またはロピナビル/リトナビル軟膏賦形剤の成分に対する既知のアレルギー、過敏症、もしくは不耐性
13.以前のHPVワクチン接種
14.スティーブンス・ジョンソン症候群、多形性紅斑、じん麻疹、血管浮腫、深部静脈血栓症、耳鳴、目まい、血糖障害、膵炎、血友病の最近の既往歴(スクリーニング前の3か月以内)
15.投与前の30日または5半減期以内に、被験薬の投与を受けている場合。
16.臨床試験チームの従業員もしくはこのような個人の家族(第1度近親者)、または本試験の計画および/または実施に関与している者。臨床試験チームとは、試験に直接関与し、それにより試験関連作業を委任されている従業員を指す。
17.試験の情報および手順(特に、試験の制限事項および関連リスク)を理解しない、またはそれらを順守しないと予想されると治験医師が考える参加者
投与計画:
被験薬は、下記の通り、最大3周期にわたり、21日間毎日投与された。
・第1周期(1日目から21日目まで毎日午後8時)
・第2周期(29日目から49日目まで毎日午後8時)
・第3周期(57日目から77日目まで毎日午後8時)
周期間には、月経を考慮した7日間の処置中断がある。
被験薬は、毎晩午後8時ごろ(±1時間)に、参加者が自己投与した。参加者は、投与指示書および重要な適用指示書を提供された。
参加者は、コンプライアンスをモニタリングするために、毎日、被験薬投与の詳細を日記に記録した。また、参加者は、無駄にした分/こぼれた分があった場合、その日記に書き留めるよう求められた。
参加者は、試験施設来院のたびに、被験薬および日記を持参するよう要求された。チューブは、参加者に調剤する前に計量され、コンプライアンスを評価するために、来院ごとに再び計量された。
被験薬適用のタイミングに関連して、絶食の要件はない。
(安全性評価)
以下の安全性評価は、進行計画に概説する時点で実施した(表12を参照)。
・病歴
・身体検査
・バイタルサイン
・体重および身長
・12誘導心電図
・臨床安全性試験(血液学検査、生化学検査、検尿、膣微生物検査、ウイルス血清検査、乱用薬物スクリーニング、アルコールスクリーニング、妊娠スクリーニング)
(有効性評価)
被験薬の有効性は、子宮頸部の細胞学的異常の改善により評価された。有効性評価は、進行計画に概説する時点で実施した(表12を参照)。
・コルポスコピーによる視覚的評価
・コルポスコピー生検材料
・細胞学的試料採取
・HPVジェノタイピング
Figure 2021525266
Figure 2021525266
(10.3 結果)
<スクリーニング時にCIN1を有した対象(21日分の組成物を受け取り、全用量を適用した者)の予備的結果>
(A)対象は、21日間を通して、わずかな刺激および膣のかゆみを有したが、これは鎮静した。
(B)対象は、21日後、コルポスコピーによる視覚的評価を受け、病変は認められなかった。
計画:状態が後退していたので、臨床評価は、引き続き第2周期を行う必要はないと感じた。対象は、試験終了時の面会で経過観察する。

Claims (22)

  1. 局所適用のために製剤化された医薬組成物であって、薬学的に許容されるビヒクル中に治療有効量のロピナビルおよびリトナビルを含み、ロピナビル:リトナビルの質量比(w/w)が9:1から18:1の間である、医薬組成物。
  2. 子宮頸がんおよび頸部の良性増殖性障害を処置する、および/またはその発症もしくは進行を抑制するための医薬として使用するための、請求項1に記載の組成物。
  3. 異常な病態を伴う、または伴わないヒトパピローマウイルス(HPV)感染症を処置するための有効量のロピナビルおよびリトナビルを含む、請求項2に記載の組成物。
  4. 初期腫瘍を処置する、および/またはその発症を抑制するための医薬として使用するための、請求項1〜3のいずれか1項に記載の組成物。
  5. HPV関連の子宮頸部腫瘍を処置する、またはその発症を予防するための医薬として使用するための、請求項1〜4のいずれか1項に記載の組成物。
  6. ロピナビルおよびリトナビルが、10:1から16:1の間の質量比(w/w)で含まれる、請求項1〜5のいずれか1項に記載の組成物。
  7. ロピナビルおよびリトナビルが、約11:1〜16:1の質量比で含まれる、請求項6に記載の組成物。
  8. ロピナビルおよびリトナビルが、約12:1の質量比で含まれる、請求項7に記載の組成物。
  9. 軟膏、ゲル剤、ペースト剤、クリーム剤、ローション剤、オビュール(ovule)、軟カプセル剤、坐剤、ペッサリー、またはそれらの任意選択的な組み合わせとして製剤化された、請求項1〜8のいずれか1項に記載の組成物。
  10. 前記薬学的に許容されるビヒクルが軟膏である、請求項1〜9のいずれか1項に記載の組成物。
  11. 前記組成物が、局所適用のための無水組成物であり、
    (a)9:1から18:1の間の質量比のロピナビルおよびリトナビルと、
    (b)親水性の粘膜付着剤と
    を含み、
    前記無水組成物が適用部位に局所投与されるとき、前記無水組成物が、粘膜付着組成物に変質する、請求項10に記載の組成物。
  12. 前記粘膜付着剤が、ヒドロキシプロピルメチルセルロースである、請求項11に記載の組成物。
  13. リトナビル、ロピナビル、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、オレイン酸、ステアリン酸、およびブチル化ヒドロキシトルエンを含む、請求項11または12に記載の組成物。
  14. 前記組成物が、
    (a)不飽和遊離脂肪酸と、
    (b)硬化剤と、
    (c)9:1から18:1の間の質量比のロピナビルおよびリトナビルと
    を含み、
    前記不飽和遊離脂肪酸が、前記医薬組成物の総質量の少なくとも20質量%のレベルで存在し、前記医薬組成物が、室温で半固体である、請求項10に記載の組成物。
  15. 子宮頸がんおよび頸部の良性増殖性障害の処置またはその発症もしくは進行の抑制が必要な対象において、子宮頸がんおよび頸部の良性増殖性障害を処置する、および/またはその発症もしくは進行を抑制する方法であって、治療有効量の請求項1〜14のいずれか1項に記載の医薬組成物を前記対象に投与するステップを含む方法。
  16. 前記がんまたは障害が、ヒトパピローマウイルス(HPV)によって引き起こされるか、または誘導される、請求項15に記載の方法。
  17. HPV関連の頸部異形成を有する患者を処置する方法であって、治療有効量の請求項1〜14のいずれか1項に記載の医薬組成物を前記患者に膣内投与するステップを含む方法。
  18. 前記医薬組成物が、HPV関連の異形成の重症度を低下させる、請求項17に記載の方法。
  19. 前記HPV関連の異形成の重症度が、CIN3からCIN2、CIN3からCIN1、CIN3からHPV陰性、CIN2からCIN1、CIN2からHPV陰性、またはCIN1からHPV陰性に低下される、請求項18に記載の方法。
  20. 前記組成物が、HPV感染細胞のアポトーシスを誘導する、請求項16〜19のいずれか1項に記載の方法。
  21. 前記患者が、高度扁平上皮内病変(HSIL)、意義不明な異型扁平上皮細胞(ASCUS)、または軽度扁平上皮内病変(LSIL)の子宮頸部細胞診を有する、請求項15〜20のいずれか1項に記載の方法。
  22. 前記組成物が、子宮頸部細胞診を、HSILから正常細胞診、HSILからACSUS、HSILからLSIL、ACSUSから正常細胞診、またはLSILから正常細胞診に軽減する、請求項21に記載の方法。
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