JP2021524836A - 脆弱x症候群の治療 - Google Patents

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Abstract

本発明は、脆弱X症候群の治療において使用するための、スリンダク、又はその薬学的に許容可能な塩に関する。【選択図】図1

Description

本発明は、脆弱X症候群(FXS)の治療におけるスリンダクの使用に関する。
脆弱X症候群は、脆弱Xと呼ばれることも多いが、知的障害の最も一般的な遺伝的原因であり、自閉症の最も一般的な一遺伝子性原因である。脆弱X症候群は、世界中で男性は4000人に1人、女性は6000人に1人に発症する。
脆弱Xに関連する広範囲な特徴があり、典型的には男性は女性よりも発症しやすい。脆弱X症候群に関連する主要な特徴の1つは、認知、実行及び言語能力の困難等の、知的障害である。脆弱X症候群の個人は、典型的に極端な内気、アイコンタクト不良、仲間関係を形成する課題に関連する社会的、感情的及びコミュニケーションの困難によって特徴づけられる社会不安を有する。脆弱X症候群は、また短期の注意持続時間、転導性、衝動性、落ち着きのなさ、活動亢進及び感覚の問題等の、多動及び破壊的行動と関連している。さらに、脆弱X症候群の個人は、けいれんに苦しむことが多い。
脆弱X症候群は、脆弱性X精神遅滞遺伝子1(FMR1)と呼ばれる単一遺伝子の変異から起こる。FMR1の5’UTRには人口において多型であるCGG三塩基反復が含まれる。一度反復が200個を超えるとプロモーターのメチル化がトリガーされ、次にこれによりこの遺伝子の発現及びコード化タンパク質である、脆弱性X精神遅滞タンパク質(FMRP)の翻訳が欠如する。FMRPは、翻訳調節(体細胞及び樹状突起スパイン中の)及びRNA輸送等の、mRNA代謝の種々のステップに関与するRNA結合タンパク質である。
現時点で、脆弱X症候群を治療するための有効な治療方法はない。しかしながら、この障害を治療するための薬理学的標的を同定する相当の努力がなされてきた。特に、脆弱X症候群は、開発において薬を別の目的で使う努力及び薬の再評価の標的に頻繁になってきた。この課題に多くの種々の基準及び手法が適用されてきた。多くの場合、別の目的で使う候補は、第一に臨床的パターンマッチングに基づいて同定されてきたが、他方では治療標的を同定するために基礎的な疾患の機構が広範囲に研究されてきており、その後徹底的な前臨床検証がなされてきた。
全体的に見て、脆弱X症候群を治療するための努力は、いくつかの刺激的な可能性に繋がってきているが、多くの努力にかかわらず、決定的な成功には至っていない。このことから新しい治療方法の必要性が強調されている。
スリンダクは、非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)である。スリンダクは、抗炎症、鎮痛及び解熱活性を示すので、関節炎、肩の滑液包炎及び腱炎等の、急性及び慢性炎症状態の治療に使用される。他のNSAIDと同様に、スリンダクの作用機構は完全には理解されていない。しかしながら、プロスタグランジン合成酵素の阻害に関連すると考えられている。
スリンダクは、黄色の結晶化合物であり、pH4.5以下の水にはほとんど溶けないが、ナトリウム塩として又はpH6以上の緩衝液には非常に溶けやすい弱酸性の有機酸である。吸収後、スリンダクは、(i)活性なスルフィド代謝物への可逆的還元、及び(ii)不活性なスルホン代謝物への不可逆的酸化の2つの主要な生体内変換を受ける。スリンダクは、合成名(Z)−5−フルオロ−2−メチル−1−[[p−(メチルスルフィニル)フェニル]メチレン]1Hインデン−3−酢酸を有する。
スリンダクは、CLINORIL(登録商標)として、経口投与用の200mg錠剤で市販される。錠剤には、スリンダク、セルロース、ステアリン酸マグネシウム及びデンプンが含まれる。CLINORIL(登録商標)は、変形性関節症、リウマチ性関節炎、強直性脊椎炎、急性肩峰下滑液包炎/棘上筋腱炎及び急性痛風関節炎を治療するために使用される。典型的な投与量は、1日あたり2回150mg〜200mgである。
本発明は、脆弱X症候群の治療において使用するための、スリンダク、又はその薬学的に許容可能な塩である。以下に提示するインビボデータから明らかなように、スリンダクは脆弱X症候群の治療に効果的である。スリンダクを用いた慢性治療を行うと、Fmr1 K02マウス表現型は著しく改善され、オープンフィールド及び巣作り行動を十分にレスキューし、一方文脈的恐怖条件づけ及び社交性を部分的にレスキューした。これは、スリンダクが脆弱X症候群の治療に有益であるという証拠である。
本発明の第1の態様は、脆弱X症候群の治療において使用するための、スリンダク、又はその薬学的に許容可能な塩である。
本発明の第2の態様は、脆弱X症候群の治療において使用するための医薬品の製造のための、スリンダク、又はその薬学的に許容可能な塩の使用である。
本発明の第3の態様は、患者にスリンダク又はその薬学的に許容可能な塩を投与することを含む、脆弱X症候群の治療方法である。
図1は、スリンダクインビボ試験の結果を示す。 同上。
脆弱Xは症候群なので、患者には多数の異なる症状および症候がある。これらには、認知、実行及び言語能力、短期記憶、実行機能、視覚記憶並びに視覚―空間関係の困難等の、知的障害、自閉症、アイコンタクト不良、注視嫌悪、社会的相互作用開始時間の遷延及び仲間関係を形成する課題等の社会不安(すなわち社会的相互作用における困難)、超短期の注意持続時間、視覚、聴覚、触覚及び嗅覚刺激に対する過敏性、転導性、衝動性、落ち着きのなさ及び活動亢進を含む、多動及び反復行動、気分変動、易刺激性、自傷及び攻撃性を含む、破壊的行動、強迫性障害(OCD)、斜視等の眼科的問題、けいれん、同一の又は他の情報を処理している間の情報の一時的記憶に関係する、作業記憶の困難、音韻記憶(又は言語作業記憶)の困難、並びに脆弱X関連原発性卵巣不全(FXPOI)が含まれる。
本発明において、以下のインビボデータによって実証されるように、スリンダクは、1つ又は複数の上述した症候を治療するために使用され、したがって、脆弱X症候群の有効治療である。好ましくは、スリンダクは、脆弱X症候群の治療のために使用され、患者は、社会不安、多動、記憶喪失及び/又は破壊的行動を含むこの症候群の典型的な症候を示している。より好ましくは、スリンダクは、脆弱X症候群の治療のために使用され、患者は、多動、記憶喪失及び/又は破壊的行動を示している。
用語「多動」は、当技術分野における通常の意味を有する。多動は、超短期の注意持続時間、視覚、聴覚、触覚及び嗅覚刺激に対する過敏性、転導性、衝動性、落ち着きのなさ及び/又は活動亢進を有することを含んでもよい。
用語「社会不安」は、当技術分野における通常の意味を有する。それは、また社会的相互作用における困難又は社交性の低さと命名されてもよい。社会不安は、アイコンタクト不良、注視嫌悪、社会的相互作用開始時間の遷延、社会的回避又は離脱及び仲間関係を形成する課題を有することを含んでもよい。
用語「記憶喪失」は、当技術分野における通常の意味を有する。それは、記憶障害と呼ばれてもよい。それは、短期又は長期のいずれかで情報を保持することができないことを指す。それは、認知、実行及び言語能力、実行機能及び視覚記憶の困難を含んでもよい。それは、また短期記憶とも呼ばれる、作業記憶(すなわち、同一の又は他の情報を処理している間の情報の一時的記憶)の困難及び音韻記憶(又は言語作業記憶)の困難を含んでもよい。
用語「破壊的行動」は、当技術分野における通常の意味を有する。それは、反復行動を含んでもよい。それは、また気分変動、易刺激性、自傷及び攻撃性を含んでもよい。
スリンダクは、吸収後に(i)活性なスルフィド代謝物への可逆的還元、及び(ii)不活性なスルホン代謝物への不可逆的酸化の2つの主要な生体内変換を受けることが知られている。しかしながら、スリンダクが脆弱X症候群を治療する機構はまだ知られていない。したがって、疑わしさを回避するために、スリンダクに対する全ての参照には、その代謝物(スルフィド代謝物とスルホン代謝物の両方)も包含される。
本明細書において使用するとき、薬学的に許容可能な塩とは、薬学的に許容可能な酸又は塩基を有する塩である。薬学的に許容可能な酸には、塩酸、硫酸、リン酸、二リン酸、臭化水素酸又は硝酸等の無機酸及びクエン酸、フマル酸、マレイン酸、リンゴ酸、アスコルビン酸、コハク酸、酒石酸、安息香酸、酢酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、サリチル酸、ステアリン酸、ベンゼンスルホン酸又はp−トルエンスルホン酸等の有機酸の両方が含まれる。薬学的に許容可能な塩基には、アルカリ金属(例えばナトリウム又はカリウム)の水酸化物及びアルカリ土類金属(例えばカルシウム又はマグネシウム)の水酸化物並びにアルキルアミン、アリールアミン又は複素環アミン等の有機塩基が含まれる。
本発明において、スリンダクは、様々な剤形で投与されてもよい。1つの実施形態において、スリンダクは、経口投与、直腸投与、非経口投与、鼻腔内投与もしくは経皮的投与又は吸入による投与もしくは座薬による投与に適した形式に処方されてもよい。
スリンダクは、例えば錠剤、トローチ、菱形剤、水性もしくは油性懸濁液、分散性粉末又は顆粒剤として、経口的に投与されてもよい。好ましくは、スリンダクは、経口投与に適している、例えば錠剤及びカプセル剤であるように処方される。
スリンダクは、また皮下的に、静脈内に、筋肉内に、胸骨内に、経皮的に又は注入技術によって、非経口的に投与されてもよい。スリンダクは、また座薬として投与されてもよい。
スリンダクは、また吸入によって投与されてもよい。吸入薬物療法の利点は、経口経路によって服用される多くの薬物療法と比較して、血液供給が豊富な領域に直接送達できることである。このように、肺胞は非常に大きな表面積を有し、血液供給が豊富なので吸収が非常に速く、初回通過代謝がバイパスされる。
本発明は、またスリンダクを含む吸入装置を提供してもよい。典型的には、その装置は定量吸入器(MDI)であり、吸入器から薬物を押すための薬学的に許容可能な化学推進剤を含む。
スリンダクは、また鼻腔内投与により投与されてもよい。鼻腔の透過性が高い組織は薬物に対する受容性が非常に高く薬物を迅速に効率的に吸収する。経鼻の薬物送達は、注射よりも痛くなく侵襲性も少なく、患者間に不安をあまり生み出さない。この方法により、吸収は非常に速く初回通過代謝は通常バイパスされ、したがって、患者間の可変性が低減する。さらに、本発明は、スリンダクを含む鼻腔内装置も提供する。
スリンダクは、また経皮的投与により投与されてもよい。局所的送達のために、経皮的及び経粘膜的なパッチ、クリーム、軟膏、ゼリー、溶液又は懸濁剤を利用してもよい。したがって、本発明は、スリンダクを含む経皮的パッチも提供する。
スリンダクは、また舌下投与により投与されてもよい。したがって、本発明は、スリンダクを含む舌下錠剤も提供する。
スリンダクは、また抗菌剤、又は患者もしくは患者表面のもしくは内部の共生生物もしくは寄生生物に存在するかもしれず、この化合物を分解する能力があるタンパク質分解酵素の阻害剤等の、患者の正常な代謝以外のプロセスによる物質の分解を減少させる薬剤を用いて処方してもよい。
経口投与のための分散液は、シロップ、乳濁液及び懸濁液であってもよい。
懸濁液及び乳濁液は、例えば、天然ゴム、寒天、アルギン酸ナトリウム、ペクチン、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース又はポリビニルアルコールを担体として含有してもよい。筋肉内注射のための懸濁液又は溶液は、活性化合物とともに、例えば、滅菌水、オリーブ油、オレイン酸エチル、プロピレングリコール等のグリコール及び望むのであれば、適した量のリドカイン塩酸塩である、薬学的に許容可能な担体を含有してもよい。
注射又は注入のための溶液は、例えば、滅菌水を、担体として含有してもよく、又は好ましくは、滅菌、水性、等張性の生理食塩水の形であってもよい。
本発明の実施形態において、スリンダクは、脆弱X症候群の症候を治療するための有効量で投与される。有効量は、当業者にとって明らかなものであり、医師が測定できるだろう年齢、性別、体重を含むいくつかの因子に依存する。
好ましい実施形態において、スリンダクは、5mg〜400mg、より好ましくは50mg〜300mg、最も好ましくは150mg〜200mgの投与量で投与される。投与量の下限は、好ましくは5mg、10mg、15mg、20mg、25mg、30mg、35mg、40mg、45mg、50mg、55mg、60mg、65mg、70mg、75mg、80mg、85mg、90mg、95mg、100mg、110mg、120mg、130mg、140mg、150mg、160mg、170mg、180mg、190mg又は200mgである。投与量の上限は、好ましくは400mg、390mg、380mg、370mg、360mg、350mg、340mg、330mg、320mg、310mg、300mg、290mg、280mg、270mg、260mg、250mg、240mg、230mg、220mg又は210mgである。上述の範囲の下限又は上限のいずれも互いに組み合わせてよく、本発明において開示される。好ましくは、投与量は、150〜200mgである。
上述した投与量のいずれも1日1回、1日2回、1日3回又は1日4回投与されてもよい。
本発明の実施形態において、スリンダクは、1日あたり少なくとも1回投与される。好ましくは、スリンダクは、1日1回投与として投与される。好ましくは、1日1回投与は、200mg〜400mgである。好ましくは、1日1回投与は、200mg、300mg又は400mgである。
本発明の実施形態において、スリンダクは、毎日2回投与される。好ましくは、各投与量は150mg〜200mgであり、1日合計投与量は300〜400mgである。
あるいは、スリンダクは、1日あたり3回投与されてもよい。好ましくは、各投与量は100mg〜130mgである。
あるいは、スリンダクは、1日あたり4回投与されてもよい。好ましくは、各投与量は75mg〜100mgである。
好ましくは、投与計画は、スリンダクの1日合計投与量が400mgを超えないようになされる。
脆弱X症候群を治療するために、スリンダクは、慢性治療計画、すなわち、慢性の長期治療において使用される。
本発明は、また脆弱X症候群の治療において使用するための医薬品の製造のための、スリンダク又はその薬学的に許容可能な塩の使用に関する。本発明のこの実施形態は、上述した好ましい特徴のいずれかを有してもよい。
本発明は、また患者にスリンダク又はその薬学的に許容可能な塩を投与することを含む、脆弱X症候群の治療方法に関する。本発明のこの実施形態は、上述した好ましい特徴のいずれかを有してもよい。この投与方法は、上述した経路のいずれかによるものであってもよい。
疑わしさを回避するために、本発明は、またインビボで反応して本発明の化合物を与えるプロドラッグを包含する。
以下の研究から本発明が説明される。
研究1
動物
Fmr1のプロモーターと第1エクソンを欠失させることによりFmr1ノックアウト2(Fmr1 K02)マウスを作成した。このFmr1 K02ではタンパク質とmRNAの両方が欠損している。この研究において、我々はFmr1 K02及びC57BL/6Jバックグラウンドで作成され、C57BL/6Jバックグラウンドに8世代より多く反復戻し交配した野生型(WT)同腹仔を使用した。
動物飼育
Fmr1 K02マウスを、ケージあたり同一の遺伝子型の4〜5匹のグループで温度(21±1℃)及び湿度が制御された室内で12時間の明暗周期(午前7時から午後7時まで照明をつける)で飼育した。飼料及び水は自由に利用できた。マウスを市販のプラスチックケージで飼育し、UK Animals(Scientific Procedures)Act,1986の要求に従って実験を実施した。実験計画書を審査し、University of Chile Institute review board、IEBによって承認された。全ての実験は遺伝子型及び薬物治療に盲検の職員により実施された。別々の研究者が投与溶液を調製し、コードし、マウスを研究治療群に割り当て、動物に投与し、そして行動データを収集した。
治療群
研究においては治療群あたり10匹の雄性マウス(すべて8週齢)を使用した、化合物あたり4個の治療群があった。グループ1は、溶媒で治療したFmr1 K02マウス(Fmr1 K02−V)、グループ2は、溶媒で治療した野生型同腹仔マウス(WT−V)、グループ3は、スリンダクで治療したFmr1 K02マウス(Fmr1 KO−Sulindac)及びグループ4は、スリンダクで治療した野生型同腹仔マウス(WT−Sulindac)。
化合物情報
スリンダクをSigma Aldrichから購入した。同義語は、(Z)−5−フルオロ−2−メチル−1−[p−(メチルスルフィニル)ベンジリデン]インデン−3−酢酸。
投与量
スリンダク:皮下に植え込まれた浸透圧ミニポンプ(ALZET Osmotic Pumps Cupertino、CA、USA)により5mg/kgを15日間送達。
行動試験
実験について、全てのマウスを同一の装置で1回試験した。試験より前に、マウスを装置内に実験前数分間配置した。各マウスを試験する前に装置を湿らせたちり紙と乾燥したちり紙で清掃した。この目的は、全ての実験対象について低いが一定のバックグラウンドのマウスの匂いを作成するためであった。テスターは全ての試験及びデータ解析期間中、遺伝子型と治療に盲検であった。我々は、体重減少、毛皮の減少、歩行、開眼、眼脂及び一般行動を評価した。全ての兆候から、全ての治療は全ての時点でFmr1 K02マウス及びWT同腹仔に耐容性が良いことが示された。
オープンフィールド(多動)
多動を試験するためにオープンフィールド装置を使用した。この装置は、グレーのPVCで取り囲んだ活動領域で50x9x30cmを10x10cmの格子で分割されている。マウスを試験の5〜20分前に実験室に連れてきた。マウスを角に面した角の四角に配置して3分間観察した。全身が入った四角の数(自発運動活性)を数えた。フィールド周辺でのマウスの運動をビデオ追跡デバイスで3分間記録した(バージョンNT4.0、Viewpoint)。
巣作り
この試験を個別のケージにおいて実行した。床を通常の床敷で0.5cmの深さに覆った。各ケージに「Nestlet」5cmのプレスされた綿の詰め物(Ancare)を供給した。マウスを巣作りケージに暗期の1時間前に個別に配置し、翌朝結果を評価した。営巣を5ポイントの尺度で点数化した。
スコア1:Nestletはほとんど手をつけられなかった(90%より多くが無傷)。
スコア2:Nestletは部分的に引き裂かれた(50〜90%が無傷のまま)。
スコア3:Nestletはほとんど切り裂かれたが、同定可能な巣の部位はないことが多い。Nestletの50%未満。
スコア4:同定可能だが平らな巣であり、90%未満のNestletが引き裂かれ、材料は平らな巣に集められ、その壁は外周の50%未満でマウスの身長よりも高くその側に巻き上げられた。
スコア5:(ほとんど)完全な巣。Nestletの90%よりも多くが引き裂かれ、巣はクレーターであり、その壁は50%を超える外周でマウスの身長よりも高かった。
恐怖条件づけ
文脈的恐怖条件づけに使用される依存性尺度は、無条件刺激(フットショック)を、特定の文脈である、条件刺激と組み合わせた後のフリーズ反応だった。フリーズは、恐怖に対する種特異的な反応であり、「呼吸以外の運動の欠如」として定義されてきた。これは、嫌悪刺激の強度、提示回数及び対象によって達成された学習の程度に依存して数秒から数分持続してもよい。試験は動物を新規環境(暗い部屋)に配置し、嫌悪刺激(1秒の電気ショック、0.2mA、足に)を提供し、その後嫌悪刺激を取り除くことを含む。
社会的相互作用
三部屋式社会性タスクにおいて、新規な社会的刺激(新規なマウス)の探索について対象マウスを評価した。三部屋式社会性アプローチタスクは、対象マウスに新規なマウスか空のカップのいずれかと時間を過ごすかの選択が提示されるときの直接的な社会的接近行動を監視する。社会性は、対象マウスが空の部屋よりもマウスを含む部屋でより長い時間を過ごすこととして定義される。社会的新規性を好むことは、新規なマウスがいる部屋でより長い時間を過ごすこととして定義される。装置は、四角形の三部屋式の箱であり、各部屋は20cm(長さ)x40.5cm(幅)x22cm(高さ)を示す。分離壁は、各部屋にアクセスできる小さな開口(10cm幅x5cm高さ)を有する、透明な困惑物から作製される。三部屋課題は、下部から照らされた(10ルクス)。マウスは3回の10分間試行にわたり三部屋装置を自由に探索することができた。試行中、1つのワイヤカップが側面側の部屋の1つに逆さまに配置され、新規なマウスを他の側面側の部屋の別のワイヤカップの中に配置し(新規なマウス刺激)、中間の部屋は空のままにした。試行全体で新規なマウスの配置を、部屋の位置の好みに起因するいかなる潜在的な交絡も最小化するよう均衡した。新規なマウスを探索して消費された時間を探索比として点数化した。
行動データの統計解析
データを、2元配置分散分析(ANOVA)及びその後の適切な場合にはテューキーの多重比較検定を使用する試験後比較をすることにより、分析した。データを、平均値及び平均値の標準誤差(SEM)として表す。統計解析をGraphPad Prism7.03において実行した。図1から以下のことが分かる。
A.スリンダクを用いて15日慢性治療を施すと、Fmr1 K02マウスが呈した多動は正常化する。
B.スリンダクを用いて治療されたFmr1 K02マウスでは、巣作り行動における正常化が示された。
C.文脈的記憶試験においては、WT同腹仔のフリーズと比較すると、Fmr1 K02マウスではフリーズが低減した。スリンダクを用いた治療によりFmr1 KOの学習及び記憶の欠如が回復した(KOはWTと差がない、p=0.3968)。
D.Fmr1 K02マウスは、WTマウスと比較して著しく低い新規なマウスの探索指標を示し(p<0.005)、社交性の障害が指し示された。スリンダクを用いるとFmr1 K02マウスのこのような障害が部分的に改善した。

Claims (15)

  1. 脆弱X症候群の治療において使用するための、スリンダク、又はその薬学的に許容可能な塩。
  2. 治療の対象はヒトである、請求項1に記載の使用のためのスリンダク。
  3. スリンダクの投与量は、50mg〜400mg、好ましくは50mg〜300mg、最も好ましくは150mg〜200mgである、請求項1又は2のいずれかに記載の使用のためのスリンダク。
  4. 投与は、1日1回の投与量によってなされる、請求項1〜3のいずれか一項に記載の使用のためのスリンダク。
  5. 前記1日1回の投与量は、300mg〜400mgである、請求項4に記載の使用のためのスリンダク。
  6. 投与は、1日2回の投与量によってなされる、請求項1〜3のいずれか一項に記載の使用のためのスリンダク。
  7. 前記投与量は、150mg〜200mgである、請求項6に記載の使用のためのスリンダク。
  8. 経口投与される、請求項1〜7のいずれか一項に記載の使用のためのスリンダク。
  9. 非経口投与、経皮投与、舌下投与、直腸投与又は吸入投与によって投与される、請求項1〜7のいずれか一項に記載の使用のためのスリンダク。
  10. 患者は、多動、社会不安、記憶喪失及び/又は破壊的行動の兆候を呈する、請求項1〜9のいずれか一項に記載の使用のためのスリンダク。
  11. 前記患者は、多動、記憶喪失及び/又は破壊的行動の兆候を呈する、請求項1〜10のいずれか一項に記載の使用のためのスリンダク。
  12. 脆弱X症候群の治療において使用するための医薬品の製造のための、スリンダク、又はその薬学的に許容可能な塩の使用。
  13. 請求項2〜11に記載の追加の特性のいずれかを有する、請求項12に記載の使用。
  14. 前記患者にスリンダク又はその薬学的に許容可能な塩を投与することを含む、脆弱X症候群の治療方法。
  15. 請求項2〜11に記載の追加の特性のいずれかを有する、請求項14に記載の方法。
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