JP2021524472A - 乾癬性関節炎の治療方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、式Iによる化合物を投与することにより、乾癬性関節炎の治療において使用するための、式Iによる化合物、或いはその医薬として許容し得る塩又はその溶媒和物もしくは溶媒和物の塩、それを含む医薬組成物、及びそれを使用する治療方法に関する:【化1】。【選択図】なし

Description

(発明の分野)
本発明は、乾癬性関節炎(PsA)の治療のための式Iによる本発明の化合物の医学的使用に関する。本発明は、式Iによる本発明の化合物を投与することによる、PsAの治療及び/又は予防方法も提供する。
(背景)
乾癬性関節炎(PsA)は、関節炎の炎症形態であり、乾癬患者の最大30パーセントに影響を及ぼしている。乾癬性関節炎は、関節内及び関節周囲の腫脹、硬直、及び疼痛を引き起し、爪の変化及び全体的な疲労を引き起こし得る。研究により、乾癬性関節炎の治療をわずか6か月遅らせると、恒久的な関節障害が生じ得ることが示されている。乾癬性関節炎の早期の認識、診断、及び治療は、疼痛及び炎症を緩和し、かつ関節障害の予防を助けるのに極めて重要である。いくつかの治療選択肢が利用可能であるにもかかわらず、ほとんどの現在の治療は、関節及び皮膚の腱付着部炎及び症状を効果的に緩和しない。
RAとの闘いにおいて、Janusキナーゼ(JAK)阻害剤が開発されている。JAKは、膜受容体からSTAT転写因子へのサイトカインシグナル伝達を変換する細胞質性チロシンキナーゼである。JAK1、JAK2、JAK3、及びTYK2という4つのJAKファミリーメンバーが記載されている。サイトカインがその受容体に結合すると、JAKファミリーメンバーは自己リン酸化及び/又は互いにトランスリン酸化し、その後、STATをリン酸化し、その後、STATが核に移動して、転写を調節する。JAK-STAT細胞内シグナル伝達は、インターフェロン、ほとんどのインターロイキン、並びに種々のサイトカイン及び内分泌因子、例えば、EPO、TPO、GH、OSM、LIF、CNTF、GM-CSF、及びPRLを供給する(Vainchenkerらの文献、2008)。
JAK1は、免疫炎症性疾患分野の標的である。JAK1は、他のJAKとともにヘテロ二量体化して、サイトカインによって駆動される炎症促進性シグナル伝達を変換する。それゆえ、JAK1の阻害は、IL-6、IL-4、IL-9、IL-15、IL-21、又はIFNγなどのJAK1シグナル伝達を使用する病理関連サイトカインを伴う免疫炎症性疾患にとって、及びJAK媒介性シグナル伝達によって駆動される他の疾患にとって興味深い。式Iによる化合物であるシクロプロパンカルボン酸{5-[4-(1,1-ジオキソ-チオモルホリン-4-イルメチル)-フェニル]-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-2イル}-アミド(化合物1)は、WO2010/149769号(Menet及びSmitsの文献、2010)に開示されており、以下に示されている化学構造を有する:
Figure 2021524472
化合物Iは、炎症性障害の治療のための強力かつ選択的なJAK1阻害剤である。化合物Iは、インビトロで試験された451個の独特のキナーゼ遺伝子産物の中でJAK1の阻害に対して極めて選択的である。ヒト全血液アッセイにおいて、サイトカイン誘導性STAT1リン酸化は、JAK1及びJAK2媒介性シグナル伝達について、それぞれ、629nM及び17,453nMの半最大阻害濃度(IC50)値を有する化合物Iによって阻害され、このアッセイにおいて、JAK2よりもJAK1に対して27倍の選択性を示した。したがって、化合物Iは、JAK1選択的阻害剤である。
ヒトにおいて、化合物Iは代謝されて、1つの主要な活性代謝物である式IIによる化合物を形成する:
Figure 2021524472
この分子は、JAK1シグナル伝達も阻害したが、親化合物よりも約20倍効力が低く、かつ約10倍多く存在する。この代謝物の効力は親分子よりも低いものの、ヒトにおける全体的な曝露及びピーク血漿濃度は、試験した全ての動物種で見られたものよりも高い。結果として、特化した薬理学及び毒物学研究が化合物IIを用いて行われている。健常ボランティアにおける薬力学(PD)実験の結果から、化合物Iの臨床活性は親分子と代謝物の組合せから生じ得ることが示唆される。式IIによる化合物は、WO2013/189771号に記載されている。
JAK阻害剤は、PsAの治療について評価される。トファシチニブを投与されている、過去に従来型合成疾患修飾抗リウマチ薬に対して不十分な応答を有した活動性乾癬性関節炎の患者における第III相試験は、プラセボ群の33%と比較して、5mgで投与すると50%及び10mgで投与すると61%の3か月でのACR20応答率を示した(Mease P.らの文献、NEJM 377;16 1537-1550)。
しかしながら、JAK阻害剤は炎症状態の治療において有用かつ有効な分子であるが、貧血、血小板減少症及び好中球減少症、高コレステロール血症、クレアチニン増加を含む、これらの化合物の使用の障害が報告されており、これらは全て、選択性、特に、JAK2に対する選択性の欠如に起因し得る(O'Shea, J.J.らの文献、2013.バック・トゥ・ザ・フューチャー: RA及び他の自己免疫疾患に対する経口標的療法(Back to the Future: Oral targeted therapy for RA and other autoimmune diseases). Nat. Rev. Rheumatol. 9, 173-182; O'Shea, J.J., Plenge, R.の文献、2012.免疫調節及び免疫媒介疾患におけるJAK及びSTAT(JAKs and STATs in Immunoregulation and Immune-Mediated Disease). Immunity 36, 542-550)。対照的に、選択的JAK阻害、特に、JAK1は、安全かつ有効な治療剤をもたらし得る(Yamaoka, K.の文献、2016.関節リウマチのためのJanusキナーゼ阻害剤(Janus kinase inhibitors for rheumatoid arthritis). Curr. Opin. Chem. Biol. 32, 29-33).
したがって、より優れたリスク・ベネフィットプロファイルを有するPsAの治療におけるさらなる薬剤が当技術分野で依然として必要とされている。
(発明の概要)
本発明は、化合物Iが、乾癬性関節炎の治療において、好ましいベネフィット・リスクプロファイルを伴って、その予想外の高い能力を示したという発見に関する。第IIa相試験(本明細書中の報告実施例1)において、乾癬性関節炎に罹患している患者の治療における化合物Iの使用から16週間後の最大80%のACR20が示されている。さらなる特別な発見は、以下の本発明の説明で明白になるであろう。
したがって、本発明は、1日1回100〜200mg又は1日2回50〜100mgから選択される用量で経口投与される乾癬性関節炎の治療において使用するための式Iによる化合物を提供する
Figure 2021524472
具体的な実施態様において、式Iによる化合物は、PsAの治療のための唯一の活性剤として投与される。
さらなる実施態様において、1日1回100もしくは200mg又は1日2回100mgから選択される用量で経口投与される乾癬性関節炎の治療において使用するための式Iによる化合物が提供され、この場合、ACR20応答が、少なくとも60、70、又は80%の患者で見られる。
さらなる実施態様において、1日1回100もしくは200mg又は1日2回100mgから選択される用量で経口投与される乾癬性関節炎の治療において使用するための式Iによる化合物が提供され、この場合、ACR50応答が、少なくとも30、35、又は40%の患者で見られる。
さらなる実施態様において、1日1回100もしくは200mg又は1日2回100mgから選択される用量で経口投与される乾癬性関節炎の治療において使用するための式Iによる化合物が提供され、この場合、統計的に有意なACR20応答が治療から1週間後に見られる。
さらなる実施態様において、1日1回100もしくは200mg又は1日2回100mgから選択される用量で経口投与される乾癬性関節炎の治療において使用するための式Iによる化合物が提供され、この場合、統計的に有意なACR50応答が治療から1週間後に見られる。
さらなる実施態様において、腱付着部炎を有する患者における乾癬性関節炎の治療において使用するための式Iによる化合物が提供される。
さらなる実施態様において、過去に、bDMARD、特に、抗TNF医薬品に曝露されなかった患者における乾癬性関節炎の治療において使用するための式Iによる化合物が提供される。
別の実施態様において、本明細書に開示される実施態様のいずれかによる化合物I及び医薬として許容し得るビヒクルを含む組成物、例えば、医薬組成物が提供される。
別の態様において、それを必要としている人に、1日1回100もしくは200mg又は1日2回100mgから選択される用量で経口投与される式Iによる化合物を投与する工程を含む、乾癬性関節炎の治療方法が提供される。
ある実施形態において、該治療方法は、少なくとも60、70、又は80%の患者においてACR20応答をもたらす。さらなる実施態様において、ACR20応答は、治療から1週間後、統計的に有意である。
別の実施態様において、該治療方法は、少なくとも30、35、又は40%の患者においてACR50応答をもたらす。さらなる実施態様において、ACR50応答は、治療から1週間後、統計的に有意である。
さらなる実施態様において、該治療を受ける患者は、過去に、bDMARD、特に、抗TNF治療を受けなかった。
さらなる実施態様において、該治療を受ける患者は、腱付着部炎の兆候及び/又は症状を示す。
(発明の詳細な説明)
以下の用語は、それとともに以下に提示される意味を有するものとし、本発明の説明及び意図される範囲を理解する際に有用である。
化合物、そのような化合物を含む医薬組成物、並びにそのような化合物及び組成物を使用する方法を含み得る本発明を説明する場合、以下の用語は、存在する場合、別途示されない限り、以下の意味を有する。本明細書に記載される場合、以下に定義される部分はいずれも種々の置換基で置換され得ること、及びそれぞれの定義が、そのような置換部分を以下に述べられるその範囲内に含むように意図されていることも理解されるべきである。別途明記されない限り、「置換された」という用語は、以下に述べられるように定義されるものとする。本明細書で使用される「基」及び「ラジカル」という用語は互換的であるとみなされ得ることがさらに理解されるべきである。
「a」及び「an」という冠詞は、該冠詞の文法上の対象のうちの1つ又は複数(すなわち、少なくとも1つ)を指すために、本明細書において使用され得る。例として、「類似体(an analogue)」は、1つの類似体又は複数の類似体を意味する。
「化合物I」、「式Iによる化合物」、又は「式Iの化合物」という用語は、構造式Iを有する化合物を指すために互換的に使用され得る:
Figure 2021524472
「医薬として許容し得る」とは、動物、より具体的には、ヒトでの使用について、連邦政府もしくは州政府の規制当局又は米国以外の国の対応する規制当局により承認されている又は承認され得ること、或いは米国薬局方又は他の一般に認められた薬局方に掲載されていることを意味する。
「医薬として許容し得る塩」は、医薬として許容し得るものであって、かつ親化合物の所望の薬理学的活性を保有する本発明の化合物の塩を指す。特に、そのような塩は無毒であり、無機又は有機の酸付加塩及び塩基付加塩であり得る。具体的に、そのような塩には:(1)塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸などの無機酸とともに形成されるか;又は酢酸、プロピオン酸、ヘキサン酸、シクロペンタンプロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、乳酸、マロン酸、コハク酸、リンゴ酸、マレイン酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、3-(4-ヒドロキシベンゾイル)安息香酸、桂皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、1,2-エタン-ジスルホン酸、2-ヒドロキシエタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、4-クロロベンゼンスルホン酸、2-ナフタレンスルホン酸、4-トルエンスルホン酸、カンファースルホン酸、4-メチルビシクロ[2.2.2]-オクタ-2-エン-1-カルボン酸、グルコヘプトン酸、3-フェニルプロピオン酸、トリメチル酢酸、三級ブチル酢酸、ラウリル硫酸、グルコン酸、グルタミン酸、ヒドロキシナフトエ酸、サリチル酸、ステアリン酸、ムコン酸などの有機酸とともに形成される酸付加塩;或いは(2)親化合物中に存在する酸性プロトンが、金属イオン、例えば、アルカリ金属イオン、アルカリ土類イオン、もしくはアルミニウムイオンによって置換されているか;又は例えば、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N-メチルグルカミンなどの有機塩基と配位している場合に形成される塩が含まれる。塩には、ほんの一例として、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、アンモニウム、テトラアルキルアンモニウムなど;及び該化合物が塩基性官能基を含有する場合、無毒な有機又は無機酸の塩、例えば、塩酸塩、臭化水素酸塩、酒石酸塩、メシル酸塩、酢酸塩、マレイン酸塩、シュウ酸塩などがさらに含まれる。「医薬として許容し得るカチオン」という用語は、酸性官能基の許容し得るカチオン性対イオンを指す。そのようなカチオンは、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、アンモニウム、テトラアルキルアンモニウムカチオンなどによって例示される。
「医薬として許容し得るビヒクル」は、それとともに本発明の化合物が投与される希釈剤、アジュバント、賦形剤、又は担体を指す。
「溶媒和物」は、通常は溶媒和反応によって溶媒と会合している化合物の形態を指す。この物理的会合には、水素結合が含まれる。従来の溶媒には、水、EtOH、酢酸などが含まれる。本発明の化合物は、例えば、結晶形態で調製されてもよく、かつ溶媒和又は水和されてもよい。好適な溶媒和物には、水和物などの医薬として許容し得る溶媒和物が含まれ、化学量論的溶媒和物と非化学量論的溶媒和物の両方がさらに含まれる。ある例において、例えば、1以上の溶媒分子が結晶性固体の結晶格子中に取り込まれている場合、溶媒和物は、単離することができる。「溶媒和物」は、溶液相と単離可能な溶媒和物の両方を包含する。代表的な溶媒和物には、水和物、エタノール和物、及びメタノール和物が含まれる。
「対象」は、ヒトを含む。「ヒト」、「患者」及び「対象」という用語は、本明細書において互換的に使用される。
「有効量」は、疾患を治療するために対象に投与されたとき、該疾患のためのそのような治療をもたらすのに十分である、本発明の化合物の量を意味する。「有効量」は、化合物、疾患及びその重症度、並びに治療されるべき対象の年齢、体重などによって様々に異なり得る。
「予防する」又は「予防」は、疾患を引き起こす原因物質に曝露され得るか、又は疾患の発症前に疾患に罹る素因を有し得る対象における、疾患又は障害を獲得又は発症するリスクの低下、すなわち、該疾患の臨床症状の少なくとも1つを発症させないことを指す。
「予防(prophylaxis)」という用語は、「予防(prevention)」に関連し、その目的が、疾患を治療し又は治癒させることではなく、疾患を予防することである対策又は処置を指す。予防対策の非限定的な例としては、ワクチンの投与;例えば、動けないことが原因で血栓症のリスクがある入院患者への低分子量ヘパリンの投与;及びマラリアが風土病であるか、又はマラリアに罹るリスクが高い地理的地域への訪問に先立つ、クロロキンなどの抗マラリア剤の投与を挙げることができる。
任意の疾患もしくは障害を「治療する」又は任意の疾患もしくは障害の「治療」は、一実施態様において、該疾患又は障害を改善させること(すなわち、疾患を止めること、又はその臨床症状の少なくとも1つの徴候、範囲、もしくは重症度を低下させること)を指す。別の実施態様において、「治療する」又は「治療」は、対象によって認識され得ない少なくとも1つの物理的パラメータを改善させることを指す。また別の実施態様において、「治療する」又は「治療」は、疾患又は障害を物理的に調節すること(例えば、認識可能な症状の安定化)もしくは生理的に調節すること(例えば、物理的パラメータの安定化)、又はその両方を指す。さらなる実施態様において、「治療する」又は「治療」は、疾患の進行を遅延させることに関する。
本発明の目的のために、本明細書で使用される「ACR20」、「ACR50」、及び「ACR70」という用語は、患者の末梢関節炎の症状が、アメリカリウマチ学会(American College of Rheumatology)(ACR)によって提示された基準に従って、どれくらい大きく改善したかということを示すスコアである。ACRスコアは、パーセンテージを表す。ACR20スコアは、ある人の関節炎症状が20%改善したことを意味し、ACR50スコアは、それが50%改善したことを意味し、ACR70スコアは、それが70%改善したことを意味する。具体的には、ACR20スコアの資格を得るために、少なくとも20%少ない圧痛関節(圧痛関節数のベースラインであるTJC68からの少なくとも20%の改善)及び少なくとも20%少ない腫脹関節(腫脹関節数のベースラインであるSJC66からの少なくとも20%の改善)を有さなければならない。さらに、患者は、以下の5つの領域:ある人によるその人自身の疾患活動性の全体的(包括的)評価(0〜100mmの視覚的評価スケール(VAS)を使用)、医師によるある人の疾患活動性の包括的評価(0〜100mmのVASを使用)、ある人によるその人自身のPsA疼痛強度の評価(0〜100mmのVASを使用)、HAQ-DIによって測定される、ある人によるその人自身の身体機能の評価、及びC-反応性タンパク質(CRP)血液検査(単位はmg/dL又はmg/L)の結果のうちの少なくとも3つにおいて20%の改善を示さなければならない。ACR50及びACR70スコアは、同じ基準を使用しているが、それぞれ、50%及び70%の改善を要求する。
本明細書で使用される場合、「DAS28(CRP)」という用語は、患者における疾患活動性を測定するための2.0〜10.0の範囲の臨床スコアリングを指し、28の圧痛及び腫脹関節数、血液分析によるCRP測定、並びにVASでの全身の健康評価を含む。DAS28(CRP)の判定に関するさらなる詳細は、実施例1に提供されている。2.6未満のDAS28(CRP)値は、寛解を示すものであり、2.6〜3.2のDAS28(CRP)は、低い疾患活動性を示すものであり、3.2〜5.1のDAS28(CRP)は、中等度の疾患活動性を示すものであるが、5.1を上回るDAS28(CRP)は、高い疾患活動性と関連付けられる(Wellsらの文献、2009 Ann. Rheum. Dis. 68,954-960)。
本明細書で使用される場合、「CRP」という用語は、血清中のC-反応性タンパク質を指し、炎症のマーカーである。特に、CRPのガイドラインは広く利用可能であり、<0.5mg/dLの正常値が推奨される(Porterの文献、2011、診断及び治療のメルクマニュアル(The Merck Manual of Diagnosis and Therapy)(Wiley))。
本明細書で使用される場合、「腱付着部炎」という用語は、PsAの典型的な特徴であり、かつそれを関節リウマチと区別する特徴の1つである付着部炎症を指す。
本明細書で使用される場合、「SPARCC腱付着部炎指数」という用語は、触診によって圧痛について評価され、かつ0(圧痛がない)又は1(圧痛がある)とスコアリングされる、16の末梢部位における(付着部)圧痛の検査後の臨床スコアリングを指す。全腱付着部炎スコアは、全部位のスコアの総和であり、最大16である。スコアが高ければ高いほど、腱付着部炎の負荷はより大きい(Maksymowych WPらの文献、カナダ脊椎関節炎研究コンソーシアム(SPARCC)腱付着部炎指数の開発及び評価(Development and validation of the Spondyloarthritis Research Consortium of Canada(SPARCC) Enthesitis Index). Ann Rheum Dis 2009;68:948-53)。
本明細書で使用される場合、「リーズ腱付着部炎指数」又は「LEI」という用語は、6つの部位:上腕骨外側上顆、大腿骨の内側顆、及びアキレス腱の挿入の各々における2つの部位における(付着部)圧痛の検査後の臨床スコアリングを指す。LEIスコアの範囲は0〜6である。スコアが高ければ高いほど、腱付着部炎の負荷はより大きい。
本明細書で使用される場合、「HAQ-ID」という用語は、患者の身体機能の尺度である、障害指数なしの健康評価質問票を指す。HAQ-DIは、ある人が8つの機能領域における課題を達成する際に有する困難の度合いを評価する20の質問文書である(B. Bruce及びJ. Friesの文献、「スタンフォード健康評価質問票:規模及び実用的応用(The Stanford Health Assessment Questionnaire: dimensions and practical applications)」、Health Qual Life Outcomes, p. 1:20, 2003)。HAQ-DIの合計スコアは、0〜3の範囲であり、より高いスコアは、より大きな機能不全を示している。
本明細書で使用される場合、「MDA」という用語は、疾患寛解の尺度である最小疾患活動性を指す。本発明の目的のために、患者は、7つの以下の基準:
−TJC68≦1
−SJC66≦1
−PASI≦1又はBSA≦3%
−患者によるPsA疼痛強度の包括的評価のスコア≦15(0〜100mm VAS)
−患者による疾患活動性の包括的評価≦20(0〜100mm VAS)
−HAQ-DI≦0.5
−SPARCC腱付着部炎指数≦1
のうちの5つが満たされたときにMDAを達成しているものとして分類される。
本明細書で使用される場合、「PASI」という用語は、乾癬面積及び重症度指数スコアを指し、乾癬の重症度を表すために使用される指数である。これは、重症度(紅斑、硬結、及び落屑)と罹患面積のパーセンテージを組み合わせている。PASIの決定に関するさらなる詳細は、実施例1に提供されている。PASIスコアは、ベースラインからの変化を表す。「PASI50」は、試験治療を受けたときにPASIスコアの50%改善を達成した患者の割合を指す。「PASI75」は、試験治療を受けたときにPASIスコアの75%改善を達成した患者の割合を指す。「PASI90」は、試験治療を受けたときにPASIスコアの90%改善を達成した患者の割合を指す。
本明細書で使用される場合、「BSA」という用語は、体表面積を指し、乾癬に罹患した体のパーセンテージの推定値である。<3%のBSAは、軽症の乾癬とスコアリングされ、3〜10%のBSAは、中等症の乾癬とスコアリングされ、>10%のBSAは、重症の乾癬とスコアリングされる。
本明細書で使用される場合、「cDMARD」という用語は、従来型疾患修飾抗リウマチ薬を指す。通常、cDMARDは、従来型合成疾患修飾抗リウマチ薬(csDMARD)とも称される合成薬である。乾癬性関節炎の治療のためのcDMARDの具体的な例としては、メトトレキサート、レフルノミド、スルファサラジン、クロロキン、及びヒドロキシクロロキンが挙げられる。
本明細書で使用される場合、「bDMARD」という用語は、生物学的疾患修飾抗リウマチ薬を指す。bDMARDSの特定のクラスは、抗TNF医薬品とも称される腫瘍壊死因子(TNF)阻害剤、例えば、エタネルセプト、アダリムマブ、インフリキシマブ、ゴリムマブ、セルトリズマブ、又はセルトリズマブペゴルである。
本明細書で使用される場合、「TNF未投与の患者」という用語は、抗TNFモノクローナル抗体治療などの抗TNF医薬品を過去に受けていない患者又は試験に参加する少なくとも8週間前に中止されている炎症状態の治療用に登録された用量での抗TNF療法(例えば、限定するものではないが、インフリキシマブ、ゴリムマブ、アダリムマブ、セルトリズマブ、及び/もしくはセルトリズマブペゴル)を過去に受けた対象を指す。
本明細書で使用される場合、「TNF経験がある患者」という用語は、試験に参加する時点で抗TNFモノクローナル抗体治療(例えば、限定するものではないが、インフリキシマブ、ゴリムマブ、アダリムマブ、セルトリズマブ、及び/もしくはセルトリズマブペゴル)などの抗TNF医薬品を投与されている患者又は該抗TNF医薬品を投与されたことがあり、もはやそのような治療に応答しない患者を指す。
本明細書で使用される場合、「抗TNF医薬品」という用語は、炎症状態、特に、関節リウマチ(RA)、乾癬性関節炎、若年性関節炎、炎症性腸疾患(クローン病及び潰瘍性大腸炎)、強直性脊椎炎、及び乾癬を治療するために使用される薬物のクラスを指す。TNFは、免疫系によって産生される体内で炎症を引き起こす化学物質である。健常個体において、血液中の過剰なTNFは、自然に遮断されるが、炎症状態では、血液中のより高いレベルのTNFがより多くの炎症及び持続的症状を引き起こす。抗TNF医薬品の特定の例としては、インフリキシマブ、ゴリムマブ、アダリムマブ、セルトリズマブ、及びセルトリズマブペゴルが挙げられる。したがって、「抗TNF治療」という用語は、抗TNF医薬品を投与することによる治療を指す。
「本発明の化合物」という用語及び等価な表現は、本明細書に記載される式Iの化合物を包含することを意味し、文脈上許容される場合、この表現には、医薬として許容し得る塩、及び溶媒和物、例えば、水和物、並びに医薬として許容し得る塩の溶媒和物が含まれる。同様に、中間体への言及は、それ自体が特許請求されているかどうかにかかわらず、文脈上許容される場合、その塩及び溶媒和物を包含することを意味する。
「治療効果」という用語は、化合物Iを用いる乾癬性関節炎の治療などの特定の又は指定の治療に起因する効果を指す。
乾癬性関節炎(PsA)は、乾癬と関連し、かつ末梢関節、軸骨格、腱及び靱帯挿入部位(腱付着部炎)、並びに指趾(指趾炎)を含む複数の領域と関わる不均一な筋骨格表現型を特徴とする炎症性関節疾患である。PsAは、乾癬患者の約30%で生じる。大多数の症例(75%)で、乾癬は関節疾患より先に起こるが、いくつかの症例(15%)では、発症が同時に起こり、10%の関節炎では、乾癬より先に起こる。後者では、認識されない乾癬が発見される場合もあるし、又は小児期の広範囲に及ぶ滴状乾癬の既往もしくは強い家族歴がある場合もある。
PsAは、男女で同程度の頻度で生じる。PsAの関節炎は、一般的には、指趾関節を侵し、放射線模様で分布する傾向を有し、そのため、単一指趾の全ての同じ関節が罹患する可能性が高い(指趾炎)。罹患した関節にわたる紅斑の程度、非対称的な脊椎病変の存在、腱付着部炎の存在、及びより低レベルの圧痛もPsAの典型的な特徴である。PsAは、最大40%の患者で脊椎炎が存在するため、脊椎関節症の群に属する。PsAで観察される関節外特徴は、他の脊椎関節症と同様であり、これには、粘膜病変、虹彩炎、尿道炎、下痢、及び大動脈起始部拡張、並びにHLA-B27との関連が含まれる。
第一選択治療は、伝統的には、非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)と従来型疾患修飾性抗リウマチ薬(cDMARD)、例えば、スルファサラジン(SSZ)、メトトレキサート(MTX)、及びレフルノミド(LEF)からなる。これらの薬物は、生物学的薬剤を受ける機会が限られている場合、依然として治療の中心である。10年以上前の抗腫瘍壊死因子(抗TNF)剤の誕生により、PsAの治療道具が劇的に増加し、皮膚疾患と関節疾患の両方の転帰の大幅な改善がもたらされた。それにもかかわらず、抗TNF剤は、1つには免疫原性のために、全ての患者では作用せず、時間とともに応答を失う場合がある。皮膚及び関節の炎症を促進するインターロイキン(IL)-23/IL-17経路を標的とする異なる作用機序を有する薬剤が利用可能になり、さらに多くのものが臨床試験で現在評価中である。これらの薬剤には、IL-12/IL-23阻害剤のウステキヌマブ及びティルドラキズマブ; IL-23阻害剤のグセルクマブ; IL-17受容体A阻害剤、例えば、セクキヌマブ及びイキセキズマブ、IL-17受容体阻害剤のブロダルマブ、IL-17受容体A/F阻害剤のビメキズマブ、並びにホスホジエステラーゼE4阻害剤のアプレミラストが含まれる。これらの新しい薬剤の治療応答は、顕著なプラーククリアランスが生じる乾癬で最も明白であり;これらの薬剤のPsAにおける結果は、抗TNF剤で観察された結果と同様である。IL-17遮断は、軸疾患についても有効であり、放射線学的増悪を阻害する。経口薬剤のアプレミラストは、皮膚及び関節でわずかな応答を示し、安全性シグナルが少なく、放射線学的障害又は軸病変を示す患者では適応されない。
IL-23/IL-17経路内のいくつかの重要なサイトカインは、Janusキナーゼ(JAK)ファミリーの受容体関連TYKを通じて、皮膚及び関節の炎症シグナルを促進する。活性化されたJAKは、シグナル伝達兼転写活性化因子(STAT)を動員及び活性化し、次に、これが遺伝子転写を駆動する。特異的なJAK-STAT活性化は、IFN及びその関連サイトカイン、共通γ-鎖サイトカイン、及びIL-6型サイトカインを含む、サイトカインシグナルに依存する。研究により、乾癬皮膚におけるホスホSTAT3(pSTAT3)及びpSTAT1発現の増加が立証され、かつIFNγ、IL-6、及びIL-22がケラチノサイトでpSTAT1又はpSTAT3を誘導することができることが示されている。
(発明)
本発明は、乾癬性関節炎の治療で使用するための本発明の化合物を提供し、ここで、本発明の化合物は、式Iによるものである:
Figure 2021524472
一態様において、本明細書に記載される実施態様のいずれか1つによる本発明の化合物は、遊離塩基として存在する。
一態様において、本明細書に記載される実施態様のいずれか1つによる本発明の化合物は、医薬として許容し得る塩である。特定の実施態様において、本発明の化合物は、1:1マレイン酸塩として存在する。
一態様において、本明細書に記載される実施態様のいずれか1つによる本発明の化合物は、該化合物の溶媒和物である。
一態様において、本明細書に記載される実施態様のいずれか1つによる本発明の化合物は、化合物の医薬として許容し得る塩の溶媒和物である。具体的な実施態様において、該医薬として許容し得る塩の溶媒和物は、[式Iによる化合物:HCl:3H2O]付加物である。
本発明の化合物が代謝されて、生物学的活性代謝物を生じ得ることが理解されるであろう。式Iによる化合物の活性代謝物は、WO2013/189771号に記載されている。代わりの態様において、本発明の化合物は、該式Iによる化合物の代謝物であり、該代謝物は、式IIによるものである:
Figure 2021524472
一実施態様において、本発明は、100mg〜250mgの日用量で経口投与される場合、1つ又は2つの投与物として投与される、乾癬性関節炎の治療において使用するための、本発明の化合物又は本発明の化合物を含む医薬組成物を提供する。特に、用量は、50mgを1日2回(b.i.d.)、100mgを1日1回(q.d.)、100mg b.i.d.、及び200mg q.dから選択される。
上記の使用及び方法に関する一実施態様において、患者は、乾癬性関節炎の別の治療剤又は医薬で同時に治療されない。
上記の使用及び方法に関する別の実施態様において、患者は、メトトレキサート、レフルノミド、スルファサラジン、及びヒドロクロロキン又はクロロキンなどの1以上の従来型疾患修飾抗リウマチ薬(cDMARD)に対する不十分な応答を有していたか又は該疾患修飾抗リウマチ薬に対する忍容性がない。
上記の使用及び方法に関する代わりの実施態様において、患者は、乾癬性関節炎の治療のための別の薬剤、例えば、cDMARD療法、例えば、メトトレキサート(例えば、経口もしくは非経口で最大25mg/週)、レフルノミド(例えば、経口で最大20mg/日)、スルファサラジン(例えば、経口で3g/日)、ヒドロクロロキン(例えば、最大400mg/日)、又はクロロキン(例えば、最大250mg/日)による治療で同時に治療される。
上記の使用及び方法に関する別の実施態様において、患者は、bDMARD、特に、抗TNF医薬品による治療を受けていない。
上記の使用及び方法に関する代わりの実施態様において、患者は、過去に、bDMARD、特に、抗TNF医薬品で治療され、特に、患者は、bDMARD、例えば、抗TNF医薬品を用いる過去の治療に対して不十分な(insufficient)又は不十分な(inadequate)応答を有した。
別の実施態様において、本発明の化合物は、腱付着部炎の兆候及び症状を示す乾癬性関節炎を有する患者の治療に特に有用である。さらなる実施態様において、そのようなPsA患者は、SPARCC腱付着部炎指数に従って決定される腱付着部炎に罹患している。代わりの実施態様において、そのようなPsA患者は、リーズ腱付着部炎指数(LEIスコア)、例えば、0.5を上回る又は1.0を上回るLEIスコアに従って決定される腱付着部炎に罹患している。
乾癬性関節炎患者における上記の使用及び方法に関する具体的な実施態様において、ACR20応答は、治療から4週間後の患者集団の少なくとも50%で見られる。特に、ACR20応答は、治療から4週間後の患者集団の少なくとも55%、少なくとも60%で見られる。特に、ACR20応答は、治療から8週間後、治療から12週間後、又は治療から16週間後に見られる。特に、ACR20応答は、治療から12週間後の患者集団の少なくとも75%、少なくとも76%、少なくとも77%、少なくとも78%、少なくとも79%、少なくとも80%、少なくとも81%、少なくとも82%、少なくとも83%で見られる。特に、少なくとも75%、少なくとも76%、少なくとも77%、少なくとも78%、少なくとも79%、少なくとも80%、少なくとも81%、少なくとも82%、少なくとも83%のACR20応答は、治療から16週間後に見られる。
乾癬性関節炎患者における上記の使用及び方法に関する具体的な実施態様において、ACR50応答は、治療から12週間後の患者集団の少なくとも30%で見られる。特に、ACR50応答は、治療から16週間後の患者集団の少なくとも31%、少なくとも32%、少なくとも33%、少なくとも34%、少なくとも35%、少なくとも36%、少なくとも37%、少なくとも38%、少なくとも39%、少なくとも40%、少なくとも41%、少なくとも42%、少なくとも43%、少なくとも44%、少なくとも45%で見られる。
乾癬性関節炎患者における上記の使用及び方法に関する具体的な実施態様において、ACR70応答は、治療から12週間後の患者集団の少なくとも10%で見られる。特に、ACR70応答は、治療から16週間後の患者集団の少なくとも11%、少なくとも12%、少なくとも13%、少なくとも14%、少なくとも15%、少なくとも16%、少なくとも17%、少なくとも18%、少なくとも19%、少なくとも20%、少なくとも21%、少なくとも22%、少なくとも23%、少なくとも24%、少なくとも25%で見られる。
乾癬性関節炎患者における上記の使用及び方法に関する具体的な実施態様において、LEIスコアは、少なくとも0.8、少なくとも0.9、少なくとも1.0、少なくとも1.1、少なくとも1.2、少なくとも1.3、少なくとも1.4、少なくとも1.5、少なくとも1.6、少なくとも1.7、少なくとも1.8、又は少なくとも1.9低下する。特に、LEIスコアは、より具体的には、治療から16週間後、治療から12週間後、治療から8週間後、又はさらにより具体的には、治療から4週間後に、少なくとも1.5低下する。
乾癬性関節炎患者における上記の使用及び方法に関する具体的な実施態様において、化合物Iを用いる治療の直後の(患者の身体機能に関する)HAQ-DIは、少なくとも0.35、少なくとも少なくとも0.40、少なくとも0.43、少なくとも0.44、少なくとも0.45、少なくとも0.46、少なくとも0.47、少なくとも0.48、少なくとも0.49、少なくとも0.50、少なくとも0.51、少なくとも0.52、少なくとも0.53、少なくとも0.54、少なくとも0.55、又は少なくとも0.57低下する。特に、HAQ-DIは、治療から4週間後に、少なくとも0.40ポイント低下する。特に、HAQ-DIは、治療から12週間後に、少なくとも0.45ポイント低下する。特に、HAQ-DIは、治療から8週間後に、少なくとも0.45ポイント低下する。特に、HAQ-DIは、治療から16週間後に、少なくとも0.50ポイント低下する。
乾癬性関節炎患者における上記の使用及び方法に関する別の実施態様において、化合物Iは、乾癬とも称される乾癬性皮膚症状を軽減するのに有効であった。そのような効果は、乾癬面積及び重症度指数(PASI)によって評価及び定量される(第1.5.3節を参照)。さらに、式Iによる化合物は、乾癬を有するPsA患者、例えば、その体表面積の少なくとも3%が乾癬によって覆われている患者において使用するためのものである。代わりの実施態様において、化合物Iは、乾癬の掻痒成分を改善するために使用される。
乾癬性関節炎患者における上記の使用及び方法に関する別の実施態様において、該患者の少なくとも15%、少なくとも17%、又は少なくとも20%は、治療から16週間後、又はより具体的には、治療から12週間後に、MDA状況を達成した。
(実施例)
式Iによる本発明の化合物が広範囲にプロファイリングされており、データは、WO 2010/149769号(Menet及びSmitsの文献、2010)に開示されている。塩及び好適な製剤の合成は、WO2015/117980号、WO2015/117981号、及びPCT/US2018/022027号に記載されている。
同様に、式IIによる本発明の化合物が広範囲にプロファイリングされており、データは、WO 2013/189771号(Van't Kloosterらの文献、2013)に開示されている。
(実施例1.臨床試験−中等度から重度の活動性乾癬性関節炎を有する対象の治療(臨床試験.政府識別番号: NCT03101670))
(a.試験の目的)
本試験の主要な目的は、治療から16週間後のACR20によって評価される、プラセボと比較した乾癬性関節炎に対する化合物Iの効果を評価することである。
本試験の副次的な目的は:
−プラセボと比較した:
・MDAによって評価されるPsAの兆候及び症状
・ACR50及びACR70応答、DAS28(CRP)、SDAI、CDAI、EULAR、PsARC、医師及び患者による疾患活動性の包括的評価、患者によるPsA疼痛強度の包括的評価、66/68-関節数、並びにCRP測定によって評価される末梢関節炎の兆候及び症状
・PASI、PASI50、PASI75、PASI90、及びPASI100(体表面積[BSA]を含む)、医師及び患者による乾癬の包括的評価、mNAPSI、並びに掻痒NRSによって評価される乾癬
・SPARCC腱付着部炎指数及びリーズ腱付着部炎指数によって評価される腱付着部炎
・LDIによって評価される指趾炎
・HAQ-DIによって評価される身体機能
・FACIT-疲労、SF-36、及びPsAIDによって評価される疲労及び全体的な生活の質
に対する化合物Iの効果を評価すること
−化合物Iの安全性及び忍容性を評価すること
である。
本試験の探索的目的は:
−BASDAIによって評価される脊髄症状に対する化合物Iの効果を評価すること
−PASDASによって評価されるPsAの全ての特徴に対する化合物Iの効果を評価すること
−この集団における化合物I及びその活性代謝物の集団PK及びPDを特徴付けること
である。
(1.2.試験デザイン)
これは、従来型疾患修飾療法に対して不十分な応答を有するか又は従来型疾患修飾療法に対して忍容性のない中等度から重度の活動性PsAを有する対象における多施設第2相二重盲検プラセボ対照試験である。合計約124人の対象が2つの治療群: 200mgの化合物I q.d.又はマッチするプラセボq.d.のうちの1つに1:1の比で無作為に割り付けられる。治療群への無作為割り付けは、現在のcDMARD使用(あり又はなし)及び過去の抗TNF医薬品使用(あり又はなし)によって層化される。
(1.3.試験集団)
(1.3.1.サンプルサイズ)
中等度から重度のPsAを有する約124人の対象が200mgの化合物I又はマッチするプラセボに無作為に割り付けられることを保証するために、十分な数の対象をスクリーニングする。
(1.3.2.包含基準)
以下の基準の全てを満たす対象は、本試験を受ける資格がある:
1.インフォームドコンセントに署名する日に18歳以上である男性又は女性対象
2.スクリーニング前の少なくとも12週間のPsAの診断、及び乾癬性関節炎の分類基準(CASPAR)を現在満たしている。
3.スクリーニング時及びベースライン時に5以上の腫脹関節(66腫脹関節数[SJC]から)及び5以上の圧痛関節(68圧痛関節数[TJC]から)(単一の腫脹関節としての、及び圧痛がある場合、同様に単一の圧痛関節としての、指趾の測定可能な指趾炎の数)と定義される活動性PsAを有する。
4.文書に記録された斑状乾癬の既往又は現在活動性の斑状乾癬を有する。
5. cDMARD療法を使用する場合、対象は以下の薬物のうちの1つを使用することしか許可されず、それを、ベースライン前の少なくとも4週間は安定用量(安定な投与経路を含む)で、スクリーニング前の12週間服用しなければならない:
−最大25mg/週の経口又は非経口メトトレキセート(葉酸又はフォリン酸補給の併用に関しては、局所標準治療が遵守されなければならない);
−最大20mg/日の経口レフルノミド;
−最大3g/日の経口スルファサラジン;
−最大400mg/日のヒドロキシクロロキン又は最大250mg/日のクロロキン
6.非薬物療法(物理療法を含む)を使用する場合、これらは、スクリーニング期間中、安定に維持されるべきである。
7.異性間性交を行う男性及び妊娠の可能性がある女性対象は、極めて効果的な避妊方法を使用することに同意しなければならない。
8.妊娠の可能性がある女性は、スクリーニング時の血清妊娠検査で陰性かつベースライン時の尿妊娠検査で陰性でなければならない。
9.独立倫理委員会(IEC)によって承認されたインフォームドコンセントフォーム(ICF)に署名できる又はその意志がある。スクリーニング評価を開始する前に、書面による合意が提供されなければならない。対象は、ICFを読み、それを理解しなければならず、試験の要件を完全に理解しなければならず、かつ全ての試験来院及び評価に応じる意志がなければならない。
(1.3.3.除外基準)
以下の基準のうちの1つ又は複数を満たす対象は、本試験に選択されることができない:
1.以下の治療のうちのいずれかの使用:
−強力なオピオイド鎮痛剤(例えば、メサドン、ヒドロモルホン、モルヒネ、又はオキシコドン)の現在の使用;
−任意の時点でのアルキル化剤、例えば、クロランブシル又はシクロホスファミドの使用;
−任意の時点での化合物Iを含む、開発中又は承認済みのJAK阻害剤の使用;
−任意の時点での複数のTNF阻害剤(臨床試験における有効性について承認済みのTNF阻害剤との等価性が証明された提案中のバイオシミラーを含む)の事前使用。TNF阻害剤の事前使用は、スクリーニング前の以下の最小ウォッシュアウト期間で許可される:
i.エタネルセプト: 4週間
ii.アダリムマブ、セルトリズマブペゴル、ゴリムマブ: 8週間
iii.インフリキシマブ: 12週間;
−任意の時点での、限定されないが:細胞除去生物剤(例えば、抗CD20、CAMPATH、抗CD4、抗CD3)、デノスマブ、抗IL-6(例えば、トシリズマブ)、抗IL-17(例えば、セクキヌマブ、イキセキズマブ、ブロダルマブ)、抗IL-12/IL-23(例えば、ウステキムマブ(ustekimumab))、抗IL-23(例えば、ティルドラキズマブ、グセルクマブ)、リツキシマブを含む、上に記載されていない任意の他の開発中又は承認済みの生物学的免疫調節剤の使用;
−スクリーニング前4週間以内の任意の筋肉内又は静脈内コルチコステロイド治療;
−>10mg/日のプレドニゾンもしくはプレドニゾン同等品の用量での又はベースライン前の少なくとも4週間安定していない用量での経口ステロイドの使用;
−スクリーニング前4週間以内の関節内注射による任意の療法(例えば、コルチコステロイド、ヒアルロン酸塩);
−複数種のNSAID又はシクロオキシゲナーゼ-2(COX-2)阻害剤の使用。NSAID又はCOX-2阻害剤を使用する場合、それは、地域の使用上の注意(local labeling)によって許可されている最大用量を超えてはならず、かつベースライン前の少なくとも2週間は安定用量で使用されていなければならない。さらに、対象は、心臓病予防のために、≦325mg q.d.の用量でアセチルサリチル酸を服用することを許可されている;
−ベースライン前12週間以内に又はウォッシュアウト処置(例えば、コレスチラミン)が実施されている場合、ベースライン前4週間以内に中止されている場合のレフルノミド;
−スクリーニング前4週間以内の以下の全身用免疫調節療法のいずれか。これには、限定されないが: 6-メルカプトプリン、アザチオプリン、シクロスポリン、もしくは他のカルシニューリン阻害剤(例えば、シロリムス、タクロリムス)、ダプソン、フマル酸誘導体、金療法、中止されている場合のMTX、ミコフェノレート、中止されている場合の抗マラリア薬(例えば、ヒドロキシクロロキン、クロロキン)、中止されている場合のSSZ、アプレミラスト、又はチオグアニンが含まれる;
−以下のようなベースライン前の指定された最小ウォッシュアウト期間内の禁止されている乾癬治療/薬物療法の現在の使用:
iv.経口レチノイド(タザロテンを含む)又はビタミンD類似体: 4週間
v.ソラレンを使用するもしくは使用しない光線療法(UVAもしくはUVB)又は日光浴もしくは日焼け用ベッドを使用する自己療法: 4週間
vi.限定されないが:αもしくはβヒドロキシ酸、アントラリン、コルチコステロイド(顔面、頭皮、腋窩部及び生殖器部への効果の弱いコルチコステロイドを除く)、>3%サリチル酸製剤、タザロテンを含むレチノイド、タール製剤、又はウレアを含む、任意の局所療法: 2週間;
−いずれかの強力なP-糖タンパク質(P-gp)誘導物質(例えば、カルバマゼピン、クロトリマゾール、シクロスポリン、デキサメタゾン、フェノチアジン、フェニトイン、レチノイン酸、リファンピン、セントジョンズワート、及びベンラファキシン)による治療。強力なP-gp誘導物質は、ベースライン前3週間のウォッシュアウトを必要とする;
−スクリーニング前4週間又は5半減期以内のいずれか長い方のまだ言及されていない任意の試験薬及び/又は装置の使用
2.試験薬成分に対する既知の過敏症
3. 4以上の関節における及び/又はスクリーニングの最後の12週間以内の滑膜切除術及び関節形成術を含むPsAの外科治療を受けたことがある
4.スクリーニング前の最後の12週間以内の(局部もしくは全身麻酔を必要とする)大手術の前歴又は試験期間中に計画されている外科手術
5.いずれかの全身性筋骨格障害、例えば、全身性変形性関節症、又はPsA以外の全身性炎症状態、例えば、限定されないが、RA、若年性慢性関節炎、強直性脊椎炎、反応性関節炎、IBD関連関節症、全身エリテマトーデス、強皮症、炎症性ミオパチー、混合性結合組織疾患、オーバーラップ症候群、又は全身性血管炎の診断を有する。対象が尿酸低下療法で良好に管理されており、かつ前年の疾患フレア及び現在の尿酸レベル<7.0mg/dLの証拠がない場合、痛風は許容される。
6.非常に不良な機能状態の存在又は身の回りのことを行うことができない。
7.全身又は局所療法を必要とする活動性IBD、現在の消化性潰瘍疾患の存在、又は重度憩室炎(すなわち、入院の必要がある)もしくは過去の消化管穿孔の前歴。
8.限定されないが、以下のものを含む、重大な医学的状態:制御されていない高血圧(≧160/95mmHg)、鬱血性心不全(ニューヨーク心臓協会のクラスIII又はIVの状態)、制御されていない糖尿病、脳血管発作、心筋梗塞、不安定狭心症、不安定不整脈、又は治験責任医師の意見では、試験に参加することにより、対象をリスクに晒すスクリーニング前の過去24週間の任意の他の心血管疾患。
9.スクリーニング前の過去5年以内の悪性腫瘍又は骨髄もしくはリンパ増殖性障害の前歴(適切に治療された皮膚の基底細胞癌又は治療された再発の証拠がない上皮内子宮頸癌の3回以下の生涯発生を除く)。
10.骨髄又は臓器移植の前歴。
11.以下の所見のいずれかに基づく、治療されていない又は不適切に治療された活動型又は潜伏性TB感染症(LTBI):
−QuantiFERON-TBゴールド検査結果陽性(注意: QuantiFERON-TBゴールド検査結果が不確定である場合、これをもう一度繰り返し、再検査で不確定もしくは陽性である場合、対象は不適格とする)又は
−スクリーニング前12週間以内もしくはスクリーニング時に撮影され、資格のある放射線科医もしくは呼吸器科医によって読み取られた、現在の活動性TBもしくは過去の非活動性TBの証拠がない胸部X線写真(前後方向の写真)又は
−最初の試験薬投与前12週間におけるTBを伴う臨床的な意義を有する病気を示唆する症状。
LTBI又は活動性TB感染の適切な治療を受けている対象は、治験依頼者の承認を受けた試験に参加することを許可されてもよく;この治療は、文書に記録されなければならず、以下のように定義される:
i.過去にTBの治療を受けた対象、すなわち、対象が過去に、潜伏性TBの適切な治療コース(36週間のイソニアジド又は他の許容し得るレジメン、初期の多剤耐性TB感染率が<5%である場所に住んでいる)又は活動性TBの適切な治療コース(許容し得る多剤レジメン)のいずれかを終了している場合、QuantiFERON-TBゴールド検査を得る必要はないが、スクリーニング前12週間以内にそうしない場合又は結果が治験現場で入手可能でない場合、胸部X線写真を得なければならない。
新たに特定されたLTBIを有する対象、すなわち、新たに確認された陽性の診断的TB検査結果を有する(任意のQuantiFERON-TBゴールド検査で陽性又は2つの別々のQuantiFERON-TBゴールド検査で不確定の検査結果と定義された)対象であって、胸部X線写真陰性を有することを含め、活動性TBの可能性が排除されている対象、及びLTBIの適当な治療が開始され、最初の試験薬投与前の少なくとも4週間継続され、かつスクリーニング時に継続している場合、試験期間中、終了するまで継続するように計画される対象。LTBIの適切な治療は、米国(US)疾病管理センター指針に従って定義される。
12.ヒト免疫不全ウイルス(HIV) 1もしくは2、B型肝炎ウイルス(すなわち、B型肝炎ウイルス表面抗原[HBsAg]もしくはコア抗体[Ab]陽性)、又はC型肝炎ウイルス(HCV)(すなわち、HCV Ab陽性)の血清学的検査陽性、或いはA型肝炎を除く任意の原因による感染性肝炎の既往。
13.侵襲性もしくは日和見感染(例えば、リステリア症、ニューモシスチス、もしくはヒスト プラスマ症)又は免疫不全症候群の既往。
14.治験責任医師の判断により臨床的に意義のある活動性感染症、又は入院もしくはスクリーニング前30日以内の静脈内抗感染症薬による治療を必要とする任意の感染症、又はスクリーニングから14日以内の経口抗感染症薬療法を必要とする任意の感染症。
15.現在、慢性感染(例えば、ニューモシスチス、サイトメガロウイルス、単純ヘルペス、帯状疱疹、及び非定型マイコバクテリア)の任意の治療を受けている。
16.スクリーニング前12週間以内の症候性帯状疱疹もしくは単純ヘルペス感染の既往又は散在性もしくは合併帯状疱疹感染(例えば、多皮膚、目、もしくはCNS病変)の既往を随時有する。
17.散在性黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)感染の既往。
18.人工補綴がまだその場にある関節補綴の感染の既往。
19.ベースライン前12週間以内の生又は弱毒化ワクチンの投与。
20.治験責任医師の意見による過去2年以内の薬物もしくはアルコール乱用の既往又は現在の薬物もしくはアルコール乱用の証拠。
21.国又は地方の法令に適用される場合、行政又は裁判所からの命令で施設に入所しているという履歴。
22.試験への登録期間中又は試験薬の最後の投与から35日以内に、妊娠中、母乳育児中、又は妊娠計画中である。
23.リスク・ベネフィット評価を複雑にする可能性があるため、治験責任医師の臨床的評価に基づき、対象が試験の不適切な候補になる、不安定な随伴性医学状態又は活動性線維筋痛を含む任意の状態。
24.治験責任医師又は治験依頼者の意見では、対象が試験を終了する可能性が低くなるもしくは試験を終了することができなくなるか、又は試験の手順及び要件に適合する可能性が低くなるもしくは試験の手順及び要件に適合することができなくなる場合がある、任意の状態又は状況。
−ベースライン前12週間以内の重大な失血(>450mL)又は任意の血液製剤の輸血。
−スクリーニング時に中央検査室で行われた以下の実験検査の結果が、以下の基準:
−ヘモグロビン<8.5g/dL(国際単位系[SI]:<85g/L);
−白血球細胞<3.0×103細胞/mm3(SI:<3.0×109細胞/L);
−好中球<1.5×103細胞/mm3(SI:<1.5×109細胞/L);
−リンパ球<0.5×103細胞/mm3(SI:<0.5×109細胞/L);
−血小板<100×103細胞/mm3(SI:<100×109細胞/L);
−アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)又はアスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)≧1.5×ULN;
−対象がジルベール病と診断され、かつこれが明確に文書に記録されていない限り、総ビリルビンレベル≧2×ULN;
−コッククロフト・ゴールト式により、クレアチニンクリアランス<40mL/分
のいずれかを満たす。
(1.4.有効性評価)
別途特記されない限り、PsA及び末梢関節炎、乾癬、腱付着部炎、指趾炎、脊椎炎の兆候及び症状、並びに身体機能を推定するための有効性評価は、ベースライン時(1日目)及び第1、2、4、8、12、16週、又は該当する場合、早期中止訪問(EDV)時に実施される。ACR応答基準の個々の要素は、スクリーニング時及び試験の全体を通して得られる。
さらに、ベースライン時(1日目)及び第4週及び第16週(又は該当する場合、EDV時)に、対象は、慢性疾患治療機能評価の疲労スケール(FACIT-疲労)質問票、36項目の簡易健康調査(SF-36調査)、及び乾癬性関節炎の疾患の影響(PsAID)質問票に記入するよう依頼される。
(1.4.1.高感度血清C-反応性タンパク質)
対象の血清CRPは、試験フローチャートに示されている時点でのhsCRP検査を用いて測定される。ベースライン後CRPの結果は、データベースロックまで治験責任医師及び治験依頼者に対して盲検化される。
(1.4.2. 66/68-関節数)
プロトコルに記載されている時点で、66関節の各々が腫脹について評価され(SJC66)、68関節の各々が圧痛について評価される(TJC68)。
全ての関節評価を実施するために、関節評価を実施する上での適切な訓練及び経験を有する関節評価者が各々の治験施設で指定される。この関節評価者は、好ましくは、リウマチ学者であるが;リウマチ学者がいない場合、この評価者は、関節評価を実施する上で少なくとも1年の経験がある医療従事者であるべきである。この評価者は、できる限り、対象毎に試験の全体を通じて同じであり続けるべきである。指定の関節評価者が不在の場合、指定の関節評価者は補償となる適切な支援評価者を特定する必要がある。
68圧痛関節の計数は、圧力によって評価される圧痛の有無及び身体検査での関節マニピュレーションをスコアリングすることにより行われるべきである。
滑液及び/又は軟組織腫脹は、66関節で評価された腫脹関節数の陽性の結果を表すが、骨の過成長はそれを表さない。
(1.4.3.医師による疾患活動性の包括的評価)
対象の関節炎疾患活動性の包括的評価は、関節評価を利用できる医師によって行われる(第1.4.2節)。縦線が、視覚的評価スケール(VAS)で、定規を用いて描かれ、mm単位の10-cmライン(末端は「極度の疾患活動性」を示す)上の「疾患活動性なし」のアンカーと印の間の距離は、0〜100のスコアである。
(1.4.4.腱付着部炎評価)
腱付着部炎は、SPARCC腱付着部炎指数を用いて評価される。16の身体部位が触診によって圧痛について評価され、0(圧痛なし)又は1(圧痛あり)でスコアリングされる。全腱付着部炎スコアは、全部位スコアの総和であり、最大16である。スコアが高ければ高いほど、腱付着部炎の負荷は大きい。
SPARCC腱付着部炎指数を評価する場合、腱付着部炎を評価するために使用される16の部位に加えて、リーズ腱付着部炎指数(LEI)の評価を可能にするために、内側大腿顆(左右)も他の16の部位と同様に評価(assess)及び評価(evaluate)される。
(1.4.5.指趾炎評価)
指趾炎は、LDIを用いる全ての手指及び足指の大きさ及び圧痛の評価によって評価される。LDIは、リーズダクティロメータを用いて、罹患した指趾の外周と対側手又は対側足の指趾の外周の比を測定する。指趾炎の指趾は、10%の最小差によって定義される。対側指趾も指趾炎である場合、比較を提供するために、人口平均に基づく規範的な値の表が使用される。外周の比に、2成分の圧痛スコア(圧痛なしの場合は0、圧痛ありの場合は1)を乗じる。その後、指趾炎を有する各々の指趾からの結果を合計して、最終的なスコアを出す。
(1.4.6.体表面積(BSA)を含む乾癬面積及び重症度指数(PASI)スコア)
PASIスコアは、乾癬の重症度及び度合いを測定するために使用される。乾癬の代表的な部分が、各々の身体領域(頭、腕、胴、及び脚)について選択される。乾癬の紅斑、硬結、及び落屑の強度は、なし(0)、軽度(1)、中等度(2)、重度(3)、又は極めて重度(4)と評価される。
0〜100%の範囲に及ぶ数値スコアは、治験責任医師によって評価される、乾癬と関連する対象の全BSAの比率を測定するために使用される。
(1.4.7.医師による乾癬の包括的評価)
医師による乾癬の包括的評価は、所与の時点での対象の乾癬病変を全体的に決定するために使用される。対象の乾癬疾患活動性は、0(解消)〜5(重度)の範囲に及ぶ6点スケール(下の1.5.1参照)を用いて、医師によって評価される。
(1.4.8.改変された爪乾癬面積及び重症度指数(mNAPSI))
mNAPSIは、爪母乾癬及び爪床乾癬の重症度を評価する(Cassell S.らの文献、「改変された爪乾癬重症度指数:乾癬性関節炎を有する患者における乾癬性爪病変を評価するツールの検証(The modified Nail Psoriasis Severity Index: validation of an instrument to assess psoriatic nail involvement in patients with psoriatic arthritis.)」、J Rheumatol., pp. 34(1):123-9, 2007)。爪母乾癬の特徴としては、陥凹、爪甲白斑、爪半月の赤い斑点、及び爪甲の崩壊が挙げられる。乾癬によって影響を受ける爪床の特徴としては、油滴状の色素異常、爪甲剥離、爪床角質増殖、及び線状出血が挙げられる。
対象の爪の各々は、以下の異常及び規則を考慮に入れて、爪母及び爪床乾癬の特徴のいずれかの存在について評価される:
以下の異常が0〜3のスケールで等級付けられる:
−爪甲剥離及び油滴状(サーモンパッチ)色素異常(一緒に考慮される)
−爪陥凹
−爪甲の崩壊。
次の4つの異常は、その有無によってのみスコリングされる。スコア1は、存在を示し、スコア0は不在を示す:
−爪甲白斑
−爪半月の赤い斑点
−爪床角質増殖
−線状出血。
各々の指趾は、0〜14のスコアを有し、全mNAPSIスコアは、0〜140の範囲に及ぶ。
(1.4.9.患者による疾患活動性の包括的評価)
対象によるその関節炎疾患活動性の包括的評価は、0〜100mm VASで記録される。縦線が、VASで、定規を用いて描かれ、mm単位の10-cmライン上のこの線の始点と印の間の距離は、0〜100のスコアである。「乾癬性関節炎があなたに影響を及ぼす全ての様式を考慮して、今日の調子はどのくらいですか?」という質問に対して、スコア0は「非常に良い」を示し、100は「非常に悪い」を示す。
(1.4.10.患者による乾癬の包括的評価)
患者による乾癬の包括的評価は、「解消」(0点−乾癬なし)〜「重度」(4点)の範囲に及ぶ5つのカテゴリースケールを用いて、特定の時点における乾癬関連皮膚疾患の全体的な度合いを評価するために使用される単一項目の患者記入式評価である。
(1.4.11.患者によるPsA疼痛強度の評価)
患者による疼痛の評価は、「あなたが今日、乾癬性関節炎によって経験した最大の疼痛を水平線の端から端までの間で垂直記号( | )で示してください」という質問の後、「疼痛なし」〜「耐え難い疼痛」の範囲に及ぶ0〜100mm VASを用いて行われる。0から患者の印までの線の長さが記録される。この評価は、関節検査の前に終了されるべきである。この疼痛スコアは、ACR20/50/70を得るためにも使用される。
(1.4.12.健康評価質問票-障害指数(HAQ-DI))
HAQ-DIは、対象の自己評価による身体機能又は障害をモニタリングするために使用される。この20の質問文書は、ある人が8つの機能領域(衣服の着脱、起立、食事、歩行、睡眠、衛生、届く範囲、握力、家事と雑用)における課題を達成する際に有する困難の度合いを評価する。応答は、困難なしを示す0からその領域で課題を行うことができないこと示す3までの4点リッカートスケールでスコアリングされる。補助/装置又は他人からの手助けの必要性も記録される。HAQ-DIの合計スコアは、0〜3の範囲であり、より高いスコアは、より大きな機能不全を示している。
(1.4.13.バース強直性脊椎炎疾患活動性指数(BASDAI))
患者によって報告される対象の疾患活動性は、BASDAIを用いて評価される(Sieper J.らの文献、「国際脊椎関節炎評価学会(ASAS)ハンドブック:脊椎関節炎を評価するための指針(The Assessment of SpondyloArthritis international Society (ASAS) handbook: a guide to assess spondyloarthritis.)」、Ann Rheum Dis., pp. 68 Suppl 2:ii1-44, 2009)。これは、項目が0〜10のNRSで記録される6項目の指数(疲労、脊椎疼痛、末梢関節炎、腱付着部炎、朝のこわばりの強度及び持続期間)である。合計スコアは0〜10の範囲であり、4以上のスコアは、準最適な疾患の管理を示唆する。
(1.4.14.掻痒数値評価スケール(掻痒NRS))
対象は、各々の試験訪問日に、番号が付いた間隔(整数)を有する視覚的評価スケールを用いて掻痒の評価を記入するように依頼される。対象は、その期間中に経験した掻痒の最も重度の発作の24時間の回顧期間に基づいて、掻痒の強度を評価する。対象は、その掻痒を0(掻痒なし)〜10(考えられる最悪の掻痒)のスケールで評価するように依頼される。
(1.4.15.慢性疾患治療機能評価の疲労スケール(FACIT-疲労))
FACIT-疲労スケール(バージョン4)は、過去1週間にわたるその通常の日常活動中の個人の疲労のレベルを測定する。これは、0が「全く疲れがない」を示し、4が「非常に疲れている」を示す5点リッカートスケールでの7日の回顧期間を有する13の質問からなる。合計スコアは、0〜52の範囲である。スコアが高ければ高いほど、生活の質はより良好である。
(1.4.16. 36項目の簡易式健康調査(SF-36))
対象の健康関連の生活の質は、1週間の回顧期間を有するSF-36(バージョン2、SF-36v2(登録商標)健康調査)を用いて評価される。これは、2つの構成要素中の8つの領域に属する36の質問からなる。:
−身体的幸福: 4領域:身体機能(10項目)、日常役割機能(4項目)、身体的疼痛(2項目)、及び全体的健康感(5項目)。
−精神的幸福: 4領域:活力(4項目)、社会的機能(2項目)、精神に関する日常役割機能(3項目)、及び心の健康(5項目)。
残りの項目(健康転換)は、上記の領域の部分ではなく、別々に保持される。
これらのスコアは、0〜100にスケールが変更され(可能性のある最も低いスコアが0に、可能性のある最も高いスコアが100に変換される)、より高いスコアは、より良好な生活の質を示す。
(1.4.17.乾癬性関節炎の疾患の影響に関する質問票(PsAID))
PsAID質問票は、人の生命に対するPsAの影響を評価する。現在の試験のために、臨床試験用のEULAR PsAID質問票PsAID9が使用される。これは、各々の項目が0〜10でスコアリングされる9項目の質問票である。全ての項目は、それが表す健康領域の重要性に応じて、優先順位を付けられる。各々の領域の重みは、合計PsAIDスコアで考慮される。PsAIDでのスコアがより高いことは、疾患の影響がより大きいことを示す。10のうち4未満のスコアは、患者に受け入れ可能な状況とみなされる。3以上の点数の変化は、関連性のある絶対的な変化とみなされる。
(1.5.有効性解析)
(1.5.1. ACR20/50/70)
末梢関節炎の兆候及び症状は、ACR20/50/70を用いて測定される。ACR応答は、複数の疾患評価基準における改善の測定である。
陽性のACR20応答は、腫脹関節数(SJC66)と圧痛関節数(TJC68)の両方におけるベースラインからの少なくとも20%の改善、及び以下の5つの基準:
−患者による疾患活動性の包括的評価(0〜100mm VAS)
−医師による疾患活動性の包括的評価(0〜100mm VAS)
−患者によるPsA疼痛強度の包括的評価(0〜100mm VAS)
−HAQ-DIによって測定される患者による身体機能の評価
−mg/dL又はmg/L単位のCRP
のうちの3つ以上における少なくとも20%の改善と定義される。
陽性のACR50及びACR70応答は、ACR20の定義から導かれるが、それぞれ、少なくとも50%及び70%の改善を必要とする。
第16週で、化合物IとプラセボについてのACR20、ACR50、及びACR70スコアの統計的に有意な差が達成される。ACR20及びACR50は、第1週より、プラセボとの統計的に有意な差に達する。
表1−ACR20
Figure 2021524472
表2−ACR50
Figure 2021524472
表3−ACR70
Figure 2021524472
抗TNF医薬品の投与を受けていない患者と過去に抗TNF治療を受けた患者の間で顕著な差は観察されない。
(1.5.2.最小疾患活動性(MDA))
PsAにおける疾患活動性は、疾患寛解を示すための尺度であるMDAを用いて測定される。MDAは、7つの領域の合成スコアに基づいている。7つの以下の基準のうちの5つが満たされる場合、患者は、MDAを達成していると分類される:
−TJC68≦1
−SJC66≦1
−PASI≦1又はBSA≦3%
−患者によるPsA疼痛強度の包括的評価スコア≦15(0〜100mm VAS)
−患者による疾患活動性の包括的評価≦20(0〜100mm VAS)
−HAQ-DI≦0.5
−SPARCC腱付着部炎指数≦1
表4−MDA
Figure 2021524472
抗TNF医薬品の投与を受けていない患者と過去に抗TNF治療を受けた患者の間で顕著な差は観察されない。
(1.5.3.乾癬(PASI))
頭(h)、上肢(u)、胴(t)、及び下肢(l)という4つの疾患部位は、その各々が0〜4の重症度スケール(0=なし、1=軽度、2=中等度、3=重度、及び4=極めて重度)で等級付けられる紅斑(E)、硬結(I)、及び落屑(D)という3つのパラメータを使用することにより、別々にスコアリングされる(第1.4.6節)。障害部位の面積式(area-wise)障害率は: 1=10%未満の面積; 2=10〜29%; 3=30〜49%; 4=50〜69%; 5=70〜89%;及び6=90%超と計算される。PASIスコアの最終的な式は、以下のものである:
PASI=0.1×(Eh+Ih+Dh)×Ah+0.2×(Eu+Iu+Du)×Au+0.3×(Et+It+Dt)×At+0.4×(El+Il+Dl)×Al
合計PASIスコアは、0(疾患なし)〜72(最大限の疾患)の範囲であるが、BSAが<3%の場合、信頼性がないとみなされる。それゆえ、PASIは、ベースライン時に≧3%のBSAを含む乾癬を有する対象の亜集団でのみ解析される。
以下のPASIパラメータを導くことができる:
−ベースラインからのPASI変化
−PASIの50%改善(PASI50)
−PASIの75%改善(PASI75)
−PASIの90%改善(PASI90)
−PASIの100%改善又は全ての疾患の完全消散(PASI100)
表5−PASI
Figure 2021524472
表6−PASI75
Figure 2021524472
抗TNF医薬品の投与を受けていない患者と過去に抗TNF治療を受けた患者の間で顕著な差は観察されない。
(1.5.4.腱付着部炎)
腱付着部炎は、SPARCC腱付着部炎指数及びリーズ腱付着部炎指数(LEI)を用いて評価される。腱付着部炎パラメータは、ベースライン時に腱付着部炎(LEI>0)を有する対象の亜集団でのみ解析される。解析は、ベースラインからの変化に重点を置いている。
化合物Iは、プラセボと比較して腱付着部炎を改善する。SPARCC腱付着部炎指数によれば、ベースライン時に腱付着部炎を有する85(65%)人の患者のうち、16週のベースラインからの平均変化は、プラセボと比較して、フィルゴチニブの場合により多かった(LS平均差-1.4[95%CI-2.6〜-0.1]、p=0.0310)。腱付着部炎の解消は、2つの群で有意には異ならなかった(治療差12%[-6.5〜31.0]、p=0.1583)。
LEIに従って評価したとき、76人(58%)の患者は、ベースライン時に腱付着部炎を有していた。治療効果は、表7に報告されている。腱付着部炎は、プラセボを投与された患者よりもフィルゴチニブを投与された患者で多く解消された(治療差26%[95%CI 4.0〜45.1]、p=0.0059)。
表7−LEIスコア(ベースラインからの変化)
Figure 2021524472
抗TNF医薬品の投与を受けていない患者と過去に抗TNF治療を受けた患者の間で顕著な差は観察されない。
(1.5.5.身体機能(HAQ-DI))
HAQ-DIは、0〜3のスケールでスコアリングされ、ベースラインからの変化が報告される。ベースラインと比較した少なくとも0.22ポイントの減少は、臨床的に意義があるとみなされる。
HAQ-DI
Figure 2021524472
抗TNF医薬品の投与を受けていない患者と過去に抗TNF治療を受けた患者の間で顕著な差は観察されない。

Claims (15)

  1. 乾癬性関節炎と診断された患者の治療において使用するための、式Iによる化合物、或いはその医薬として許容し得る塩又はその溶媒和物もしくは溶媒和物の塩、或いはその活性代謝物:
    Figure 2021524472
    (式中、該化合物は、100〜200mgの日用量で投与される)。
  2. 前記化合物が1日に1回(q.d.)又は2回(b.i.d.)投与される、請求項1記載の使用のための化合物。
  3. 前記化合物が、少なくとも1、2、3、4、6、8、10、12、又は16週間の期間投与される、請求項1又は2記載の使用のための化合物。
  4. 前記治療が、少なくとも70%、少なくとも75%、又は少なくとも80%のACR20によって特徴付けられる治療効果を誘導する、請求項1、2、又は3記載の使用のための化合物。
  5. 前記治療が、少なくとも40%、少なくとも41%、少なくとも42%、少なくとも43%、少なくとも44%、少なくとも45%のACR50によって特徴付けられる治療効果を誘導する、請求項1、2、又は3記載の使用のための化合物。
  6. 前記乾癬性関節炎と診断された患者が腱付着部炎の臨床兆候及び症状を示す、請求項1〜5のいずれか一項記載の使用のための化合物。
  7. 前記乾癬性関節炎と診断された患者が、0を上回るか、0.5を上回るか、又は1.0を上回るリーズ腱付着部炎指数(LEI)スコアを有する、請求項1〜6のいずれか一項記載の使用のための化合物。
  8. 前記治療が、少なくとも0.8、少なくとも0.9、少なくとも1.0、少なくとも1.1、少なくとも1.2、少なくとも1.3、少なくとも1.4、少なくとも1.5、少なくとも1.6、少なくとも1.7、少なくとも1.8、又は少なくとも1.9のLEIスコアの低下によって特徴付けられる治療効果を誘導する、請求項6又は7記載の使用のための化合物。
  9. 前記治療が、少なくとも0.35、少なくとも少なくとも0.40、少なくとも0.43、少なくとも0.44、少なくとも0.45、少なくとも0.46、少なくとも0.47、少なくとも0.48、少なくとも0.49、少なくとも0.50、少なくとも0.51、少なくとも0.52、少なくとも0.53、少なくとも0.54、少なくとも0.55、又は少なくとも0.57のHAQ-DIスコアの低下によって特徴付けられる治療効果を誘導する、請求項1〜8のいずれか一項記載の使用のための化合物。
  10. 前記治療効果が前記治療の第12週で見られる、請求項4、5、又は8記載の使用のための化合物。
  11. 前記治療効果が前記治療の第16週で見られる、請求項4、5、又は8記載の使用のための化合物。
  12. 前記乾癬性関節炎と診断された患者が3%を超えるBSA乾癬を示す、請求項1〜6のいずれか一項記載の使用のための化合物。
  13. 前記患者が乾癬性関節炎の任意の追加治療を同時に受けないか、又は該患者が任意の抗TNF治療を同時に受けない、請求項1〜11のいずれか一項記載の使用のための化合物。
  14. 前記患者が抗TNF治療を一度も受けたことがない、請求項1〜11のいずれか一項記載の使用のための化合物。
  15. 前記患者が事前の抗TNF治療に対して不十分な応答を有した、請求項1〜11のいずれか一項記載の使用のための化合物。
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