JP2021523896A - クリックケミストリー反応を通じてフィラー又は薬物伝達体として用いるための注射剤型組成物 - Google Patents

クリックケミストリー反応を通じてフィラー又は薬物伝達体として用いるための注射剤型組成物 Download PDF

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本発明は、クリックケミストリー反応を通じてフィラー又は薬物伝達体として用いるための注射剤型組成物に関し、より詳しくは、本発明は、第1クリックケミストリー作用基が導入された第1生体高分子を含む第1液;及び第2クリックケミストリー作用基が導入された第2生体高分子を含む第2液を含み、前記第1クリックケミストリー作用基及び前記第2クリックケミストリー作用基が化学的に結合可能であることを特徴とする注射剤型組成物;これを用いた注射剤型ヒドロゲルの製造方法;及びこれを用いた医療用充填剤、体内注入型支持体又は薬物伝達体に関する。

Description

本発明は、クリックケミストリー反応を通じてフィラー又は薬物伝達体として用いるための注射剤型組成物に関し、より詳しくは、本発明は、第1クリックケミストリー作用基が導入された第1生体高分子を含む第1液;及び第2クリックケミストリー作用基が導入された第2生体高分子を含む第2液を含み、前記第1クリックケミストリー作用基及び前記第2クリックケミストリー作用基が化学的に結合可能であることを特徴とする注射剤型組成物;これを用いた注射剤型ヒドロゲルの製造方法;及びこれを用いた医療用充填剤、体内注入型支持体又は薬物伝達体に関する。
最近、ヒアルロン酸注射注入型ヒドロゲルは、医療分野で多くの関心を集めており、医療用充填剤から薬物(生体伝達物質含み)伝達体、三次元構造を用いた器官/組織再生に至るまで幅広く用いられ得ると期待される。このような注射注入型ヒドロゲルは、外科的な手術過程なしに注射器などを用いて簡単に生体内に注入され得るという長所を有している。
一般的に、注射注入型ヒドロゲルの場合、体外では流体のような特性を有しているので、注射器を用いて移植が可能であり、体内に注入した後にはゲル化が起きるようになる。すなわち、移植後には、薬物(生体活性物質)の持続的な放出のための薬物伝達体又は細胞の成長を維持する支持体としての役目を果たすことができる。また、多様な架橋方法を導入してヒドロゲルのゲル化時間、膨潤程度、分解及び機械的物性のような物理化学的特性を調節することができ、このような物理化学的特性の調節可能性は、用途によってヒドロゲルを薬物伝達システムや組織工学に用いるのに大きな利点になる。したがって、適当な架橋程度を調節して所望する物理化学的特性を有するヒドロゲルを製造することが重要である。
注射注入型ヒドロゲルは、非共有結合性(疎水性結合、水素結合など)による可逆的相互作用又は化学的(熱、UV)反応による非可逆的結合を通じて収得され得る。このうち、可逆的結合反応を通じて製造された注射注入型ヒドロゲルは、光開始剤、交差結合剤のような毒性添加剤を用い、且つ機械的物性が弱いという問題点がある。
さて、上記のような問題点を克服すると共に、生体適合性物質の物理化学的特性を容易に調節できる架橋ヒドロゲルが必要な実情である。
本発明は、第1クリックケミストリー作用基が導入された第1生体高分子を含む第1液;及び第2クリックケミストリー作用基が導入された第2生体高分子を含む第2液を含み、前記第1クリックケミストリー作用基及び前記第2クリックケミストリー作用基が化学的に結合可能であることを特徴とする注射剤型組成物などを提供することを目的とする。
しかし、本発明が達成しようとする技術的課題は、以上で言及した課題に制限されず、言及されなかったまた他の課題は、下の記載から当業者に明確に理解されるべきである。
本発明は、上述した課題を解決するためのものであって、第1クリックケミストリー作用基が導入された第1生体高分子を含む第1液;及び第2クリックケミストリー作用基が導入された第2生体高分子を含む第2液を含み、前記第1クリックケミストリー作用基及び前記第2クリックケミストリー作用基が化学的に結合可能であることを特徴とする注射剤型組成物を提供する。
また、本発明は、(a)第1生体高分子に第1クリックケミストリー作用基を含む物質を投入して第1液を製造するステップ;(b)第2生体高分子に第2クリックケミストリー作用基を含む物質を投入して第2液を製造するステップ;及び(c)前記第1液及び第2液を反応させて第1クリックケミストリー作用基及び前記第2クリックケミストリー作用基を化学的に結合させるステップを含むことを特徴とする注射剤型ヒドロゲルの製造方法を提供する。
また、本発明は、前記注射剤型ヒドロゲルを含む医療用充填剤又は体内注入型支持体を提供する。
また、本発明は、前記注射剤型ヒドロゲル及び薬物を用いた薬物伝達体を提供する。
本発明による注射剤型ヒドロゲルは、注射剤型組成物からクリックケミストリー反応を通じて簡単に製造されるものであって、クリックケミストリー作用基の種類及び数、生体高分子の分子量などを調節することで注射剤型ヒドロゲルの物理化学的特性を容易に調節できるという長所がある。したがって、本発明による注射剤型ヒドロゲルは、医療用充填剤又は体内注入型支持体として適合であり、薬物(生体伝達物質含み)をさらに含むことで徐放型薬物伝達体などでも用いられ得る。
図1は、本発明による第1クリックケミストリー作用基が導入されたヒアルロン酸及び第2クリックケミストリー作用基が導入されたヒアルロン酸のクリックケミストリー反応を通じた特異的架橋ヒアルロン酸ヒドロゲルの作用機序を示した模式図である。
図2は、本発明の一実施例によって製造された特異的架橋ヒアルロン酸ヒドロゲルのH−NMR結果である。
図3は、本発明の一実施例によって製造された特異的架橋ヒアルロン酸ヒドロゲルの有変学的特性を示すグラフである。
図4は、本発明の一実施例によって製造された特異的架橋ヒアルロン酸ヒドロゲルを走査電子顕微鏡で観察した写真である。
図5は、本発明の一実施例によって製造された特異的架橋ヒアルロン酸ヒドロゲルの水に対する膨潤特性を示すグラフである。
図6は、本発明の一実施例によって製造された特異的架橋ヒアルロン酸ヒドロゲルの生体内ゲル形態維持特性を示す写真である。
図7は、本発明の一実施例によって製造された特異的架橋ヒアルロン酸ヒドロゲルの生体内維持特性を示す写真である。
図8は、本発明の一実施例によって製造された抗癌剤(ドキソルビシン)含有特異的架橋ヒアルロン酸ヒドロゲルから抗癌剤(ドキソルビシン)の累積放出特性を示すグラフである。
図9は、本発明の一実施例によって製造された抗癌剤(ドキソルビシン)含有特異的架橋ヒアルロン酸ヒドロゲルによる癌細胞の成長抑制を示すグラフである。
図10は、本発明の一実施例によって製造された抗癌剤(ドキソルビシン)含有特異的架橋ヒアルロン酸ヒドロゲルの注入による動物に形成された癌の成長抑制を示すグラフである。
図11は、本発明の一実施例によって製造された抗癌剤(ドキソルビシン)含有特異的架橋ヒアルロン酸ヒドロゲル及び本発明の一実施例によって製造された特異的架橋ヒアルロン酸ヒドロゲルの凍結粉砕物に抗癌剤(ドキソルビシン)を含有した組成物の注入による動物に形成された癌の成長抑制を比較するグラフである。
図12は、本発明の一実施例によって製造された抗癌剤(ドキソルビシン)含有特異的架橋ヒアルロン酸ヒドロゲルの注入後に動物の各臓器に抗癌剤(ドキソルビシン)の蛍光が現われることを観察した結果を示す写真である。
図13は、本発明の一実施例によって製造された抗癌剤(ドキソルビシン)含有特異的架橋ヒアルロン酸ヒドロゲルの注入後に動物の各臓器で観察された抗癌剤(ドキソルビシン)の量をHPLCで定量確認した結果を示すグラフである。
図14は、本発明の一実施例によって製造されたインスリン含有特異的架橋ヒアルロン酸ヒドロゲルの注入後に糖尿誘発動物の血中での血糖濃度の変化を定量確認した結果を示すグラフである。
本発明者らは、フィラー(医療用充填剤又は体内注入型支持体)及び薬物伝達体に対する研究を持続していた中、生体高分子に互いに異なるクリックケミストリー作用基を導入し、クリックケミストリー反応を通じて化学的に架橋結合させることで、製造が簡便で且つ生体持続性に優れたヒドロゲルを製造することができることを確認し、本発明を完成した。
以下、本発明を詳しく説明する。
本発明は、第1クリックケミストリー作用基が導入された第1生体高分子を含む第1液;及び第2クリックケミストリー作用基が導入された第2生体高分子を含む第2液を含み、前記第1クリックケミストリー作用基及び前記第2クリックケミストリー作用基が化学的に結合可能であることを特徴とする注射剤型組成物を提供する。
前記注射剤型組成物は、注射剤型ヒドロゲルを簡単に製造するための組成物であって、前記第1液及び前記第2液がデュアルシリンジなどで互いに分離された状態で存在してから、混合させることができる。混合するとき、前記注射剤型組成物内の第1クリックケミストリー作用基及び第2クリックケミストリー作用基がクリックケミストリー反応を通じて特異的架橋結合を形成することで注射剤型ヒドロゲル形態に製造され得る。前記ヒドロゲルは、水を分散媒にするゲルであって、ゲルは、ゾルが流動性を失って固化された状態で分散相の溶解度が低下されて互いに連結されて網目構造を取り、その中に分散媒が含まれているものである。
前記第1クリックケミストリー作用基は、アルキニル基、エポキシ基、アクリロイル基及びテトラジン基のうち選択される1種以上を含み、前記第2クリックケミストリー作用基は、アジド基、チオール基、アミン基及びシクロオクテン基のうち選択される1種以上を含むことができる。
具体的に、前記第1クリックケミストリー作用基として、アルキニル基は、アミノ−PEG4−アルキニル(amino−PEG4−alkyne)、アルキニルPEG5−酸(alkyne−PEG5−acid)、アルキニルPEG−アミン(alkyne−PEG−amine)のうち;エポキシ基は、オキシラニルアミン(oxiranylamine)、2−オキシラニル−エチルアミン(2−oxiranyl−ethylamine)のうち;アクリロイル基は、アクリルアミド(acrylamide)、アクリル酸(acrylic acid)、アクリロイルクロリド(acryloyl chloride)のうち;テトラジン基は、メチルテトラジン−アミン(methyltetrazine−amine)、メチルテトラジン−PEG4−アミン(methyltetrazine−PEG4−amine)、メチルテトラジン−プロピルアミン(methyltetrazinepropylamine)、テトラジン−PEG5−NHSエステル(tetrazine−PEG5−NHS ester)、メチルテトラジン−PEG4−NHSエステル(methylteltrazine−PEG4−NHS ester)、メチルテトラジン−シルフォ−NHSエステル(methyltetrazine−silfo−NHS ester)、メチルテトラジン−PEG4−酸(methlytetrazine−PEG4−acid)、メチルテトラジン−PEG12−NHSエステル(methyltetrazine−PEG12−NHS ester)、メチルテトラジン−NHSエステル(methyltetrazine−NHS ester)、メチルテトラジン酸(methyltetrazine−acid)、テトラジン酸(tetrazine−acid)のうち選択された第1クリックケミストリー作用基を含む物質に由来したものであってもよい。
本発明の一実施例では、前記第1クリックケミストリー作用基を含む物質として、メチルテトラジン−PEG4−アミン(methyltetrazine−PEG4−amine、Tet)を用いた。
また、前記第2クリックケミストリー作用基として、アジド基は、アジド−PEG4−アミン(azide−PEG4−amine)から;チオール基は、3−アミノ−1−プロパンチオール(3−amino−1−propanethiol)、11−メルカプトウンデカン酸(11−mercaptoundecanoic acid)、アミノ−メタンチオール(Amino−methanethiol)、チオールPEGアミン(thiol PEG amine)のうち;アミン基は、エチレンジアミン(ethylene diamine)、PEGジアミン(PEG diamine)、(S)−3−アミノ−2−(ヒドロキシメチル)プロピオン酸((S)−amino−2−(hydroxymethyl)propionic acid)、アミノ酢酸(amino−acetic acid)のうち;シクロオクテン基は、トランス−シクロオクテン−アミン(trans−cyclooctene−amine)、トランス−シクロオクテン−NHSエステル(trans−cyclooctene−NHS ester)、トランスシクロオクテン−PEG−NHSエステル(trans cyclooctene−PEG−NHS ester)、トランスシクロオクテン−PEG4−酸(trans cyclooctene−PEG4−acid)のうち選択された第2クリックケミストリー作用基を含む物質に由来したものであってもよい。
本発明の一実施例では、前記第2クリックケミストリー作用基を含む物質として、トランス−シクロオクテン−アミン(trans−cyclooctene−amine、TCO)を用いた。
前記第1クリックケミストリー作用基及び第2クリックケミストリー作用基は、互いに化学的に架橋結合が可能なものであって、このような化学的結合は、短い時間、特に、数秒以内に行われ得、第1液と第2液が短時間内にゲル化が可能であるという利点を有する。具体的に、前記第1クリックケミストリー作用基及び前記第2クリックケミストリー作用基の組み合わせは、(アルキニル基、アジド基)、(アルキニル基、チオール基)、(エポキシ基、アミン基)、(エポキシ基、チオール基)、(アクリロイル基、アミン基)、(アクリロイル基、チオール基)及び(テトラジン、シクロオクテン)のうち選択される1種以上であってもよい。
本発明の一実施例では、前記第1クリックケミストリー作用基及び第2クリックケミストリー作用基の組み合わせで(テトラジン、シクロオクテン)を用い、これらが互いに反応して特異的架橋結合を形成した。
前記第1生体高分子及び前記第2生体高分子は、互いに同一であるか、相異なっていてもよく、それぞれ独立的にヒアルロン酸、小腸粘膜下組織、カルボキシメチルセルロース、アルジネート、キトサン、ポリアクリルアミド、ポリ(N−イソプロピルアクリルアミド)及びβ−グリセロホスフェートのうち選択される一つ以上を含むことができ、ヒアルロン酸を含むことが好ましいが、これに限定されない。
より具体的に、前記第1生体高分子及び第2生体高分子は、作用基導入前を基準に分子量が互いに同一であるか、相異なっていてもよく、その分子量は、500,000Da〜6,000,000Daであることが好ましいが、これに限定されない。生体高分子の分子量が前記範囲未満である場合、物性が過度に低くなる問題点があり、分子量が前記範囲を超過する場合、粘度上昇による使用時の問題点がある。
前記第1生体高分子1モル当たり導入された第1クリックケミストリー作用基の数;又は前記第2生体高分子1モル当たり導入された第2クリックケミストリー作用基の数を調節することで、前記生体高分子ヒドロゲルの架橋度を調節することができ、結果的に、ヒドロゲルの用途によって物性を最適化させ得る。具体的に、前記第1生体高分子1モル当たり導入された第1クリックケミストリー作用基の数;又は前記第2生体高分子1モル当たり導入された第2クリックケミストリー作用基の数は、100個〜2000個であってもよく、100個〜300個であることが容易な注射注入側面で最も好ましいが、これに限定されない。
具体的に、前記生体高分子ヒドロゲルが低いクリック架橋度を有する場合には、低い強度及び高い膨潤度により各種軟組織に適用ができる。一方、前記生体高分子ヒドロゲルが中間クリック架橋度を有する場合には、軟骨組織に適用されて関節炎、軟骨損傷又は軟骨欠損の予防又は治療用途で用いられ得る。一方、前記生体高分子ヒドロゲルが高いクリック架橋度を有する場合には、高い強度及び低い膨潤度により骨組織に適用されて骨粗鬆症又は骨欠損疾患の予防又は治療用途で用いられ得る。
前記第1液及び前記第2液に薬物をさらに含むことができるが、このとき、薬物は、通常的な薬物だけではなく、生体伝達物質を全て含む広範囲な概念である。前記薬物としては、公知の薬物が使用可能であり、例えば、前記薬物は、化学薬物、タンパク質医薬、ペプチド医薬、遺伝子治療用核酸分子及びナノ粒子などを含むことができる。例えば、前記薬物は、抗癌剤、糖尿病疾患治療剤、抗炎症剤、鎮痛剤、抗関節炎剤、鎮痙剤、抗うつ剤、抗精神病薬物、神経安定剤、抗不安剤、麻薬拮抗剤、抗パーキンソン疾患薬物、コリン性アゴニスト、抗血管新生抑制剤、免疫抑制剤、抗ウイルス剤、抗生剤、食欲抑制剤、鎮痛剤、抗コリン剤、抗ヒスタミン剤、抗片頭痛剤、ホルモン剤、冠血管、脳血管又は末梢血管拡張剤、避姙薬、抗血栓剤、利尿剤、抗高血圧剤、心血管疾患治療剤、美容成分(例えば、しわ改善剤、皮膚老化抑制剤及び皮膚美白剤)などを含むが、これに限定されない。
具体的に、前記薬物は、ドキソルビシン(doxorubicin)、シスプラチン(cisplatin)、パクリタキセル(paclitaxel)、ビンクリスチン(vincristine)、トポテカン(topotecan)、ドセタキセル(docetaxel)、5−フルオロウラシル(5−FU)、グリベック(gleevec)、カルボプラチン(carboplatin)、ダウノルビシン(daunorubicin)、バルルビシン(valrubicin)、フルタミド(flutamide)及びゲムシタビン(gemcitabine)のうち選択される1種以上を含む抗癌剤;又はインスリン又はインスリン親和性(insulinotropic)ペプチドを含む糖尿病疾患治療剤を含むことが好ましいが、これに限定されない。
本発明の一実施例では、前記薬物にドキソルビシン及びインスリンを用いた。
また、本発明は、(a)第1生体高分子に第1クリックケミストリー作用基を含む物質を投入して第1液を製造するステップ;(b)第2生体高分子に第2クリックケミストリー作用基を含む物質を投入して第2液を製造するステップ;及び(c)前記第1液及び第2液を反応させて第1クリックケミストリー作用基及び前記第2クリックケミストリー作用基を化学的に結合させるステップを含むことを特徴とする注射剤型ヒドロゲルの製造方法を提供する。
前記ステップ(a)で第1クリックケミストリー作用基を含む物質は、アミノ−PEG4−アルキニル(amino−PEG4−alkyne)、アルキニルPEG5−酸(alkyne−PEG5−acid)、アルキニルPEG−アミン(alkyne−PEG−amine)、オキシラニルアミン(oxiranylamine)、2−オキシラニル−エチルアミン(2−oxiranyl−ethylamine)、アクリルアミド(acrylamide)、アクリル酸(acrylic acid)、アクリロイルクロリド(acryloyl chloride)、メチルテトラジン−アミン(methyltetrazine−amine)、メチルテトラジン−PEG4−アミン(methyltetrazine−PEG4−amine)、メチルテトラジン−プロピルアミン(methyltetrazinepropylamine)、テトラジン−PEG5−NHSエステル(tetrazine−PEG5−NHS ester)、メチルテトラジン−PEG4−NHSエステル(methylteltrazine−PEG4−NHS ester)、メチルテトラジン−シルフォ−NHSエステル(methyltetrazine−silfo−NHS ester)、メチルテトラジン−PEG4−酸(methlytetrazine−PEG4−acid)、メチルテトラジン−PEG12−NHSエステル(methyltetrazine−PEG12−NHS ester)、メチルテトラジン−NHSエステル(methyltetrazine−NHS ester)、メチルテトラジン酸(methyltetrazine−acid)及びテトラジン酸(tetrazine−acid)のうち選択される1種以上であってもよい。
前記ステップ(b)で第2クリックケミストリー作用基を含む物質は、アジド−PEG4−アミン(azide−PEG4−amine)、3−アミノ−1−プロパンチオール(3−amino−1−propanethiol)、11−メルカプトウンデカン酸(11−mercaptoundecanoic acid)、アミノ−メタンチオール(Amino−methanethiol)、チオールPEGアミン(thiol PEG amine)、エチレンジアミン(ethylene diamine)、PEGジアミン(PEG diamine)、(S)−3−アミノ−2−(ヒドロキシメチル)プロピオン酸((S)−amino−2−(hydroxymethyl)propionic acid)、アミノ酢酸(amino−acetic acid)、トランス−シクロオクテン−アミン(trans−cyclooctene−amine)、トランス−シクロオクテン−NHSエステル(trans−cyclooctene−NHS ester)、トランスシクロオクテン−PEG−NHSエステル(trans cyclooctene−PEG−NHS ester)及びトランスシクロオクテン−PEG4−酸(trans cyclooctene−PEG4−acid)のうち選択される1種以上であってもよい。
選択的に、前記ステップ(a)又は前記ステップ(b)で縮合剤又は薬物をさらに投入することができる。具体的に、前記第1又は第2生体高分子に第1又は第2クリックケミストリー作用基を導入するためには、前記第1又は第2生体高分子溶液に縮合剤をさらに含むことで縮合反応を行うことが好ましいが、これに限定されない。前記縮合剤としては、4−(4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4−メチルモルホリニウムクロリド(4−(4,6−Dimethoxy−1,3,5−triazin−2−yl)4−methylmorpholinium chloride)(DMTMM)を用いることができ、縮合剤の量は、縮合反応程度を制御するために調節され得る。一方、前記薬物に対しては上述した通りであり、前記薬物の投入により薬物伝達体で適用が可能である。
前記方法によって製造された注射剤型ヒドロゲルは、ゲル形態であると共に注射が可能な剤型であることを特徴とする。
具体的に、前記注射剤型ヒドロゲルは、高い貯蔵弾性率(G')を有することを特徴とするが、前記注射剤型ヒドロゲルの0.1Hz〜10Hzの周波数範囲でレオメータを用いて測定された貯蔵弾性率(G')は、2.00×10Pa〜2.00×10Paであってもよく、2.00×10Pa〜4.00×10Paであることが好ましいが、これに限定されない。
また、前記注射剤型ヒドロゲルの25℃での複合粘度は、3.00×10Pa・s〜3.0×10Pa・sであってもよく、3.00×10Pa・s〜6.0×10Pa・sであることが好ましいが、これに限定されない。
また、前記注射剤型ヒドロゲルは、多孔形態であってもよい。これは架橋結合が行われたことを意味する。
また、前記注射剤型ヒドロゲルの水に対する膨潤率(swellingratio)は、2,000%〜10,000%であってもよく、7,500%〜10,000%であることが好ましいが、これに限定されない。
また、前記製造された注射剤型ヒドロゲルを含む医療用充填剤又は体内注入型支持体(フィラー)を提供する。
また、前記製造された注射剤型ヒドロゲル及び薬物を含む薬物伝達体を提供する。
前記薬物は、前記ヒドロゲルの内部に存在してもよく、前記ヒドロゲルと混合された形態で存在してもよいが、前記ヒドロゲルの内部に存在することが効果的な薬物伝達側面で好ましいが、これに限定されない。
前記薬物に対しては上述した通りである。
前記薬物伝達体は、徐放型薬物伝達体として用いられ得、28日間50%〜100%の累積薬物放出率を有することができる。具体的に、前記薬物伝達体は、16日間50%〜80%の累積薬物放出率を有することができ、28日間80%〜100%の累積薬物放出率を有することができるので、薬物が長い時間にわたって徐々に放出されて長期間薬効が維持されることを特徴とする。したがって、薬物の一回/繰り返し注入による副作用を全て解消できるという利点を有する。
また、本発明は、前記注射剤型ヒドロゲル又は前記薬物伝達体を癌、糖尿病又は疾患治療に用いるための用途を提供する。
また、本発明は、前記注射剤型ヒドロゲル又は前記薬物伝達体を個体に投与するステップを含む癌又は糖尿病疾患治療方法を提供する。
本発明で「個体」とは、疾病の治療を必要とする対象を意味し、より具体的には、ヒト又は非ヒトである霊長類、マウス(mouse)、ラット(rat)、犬、猫、馬及び牛などの哺乳類を意味する。
以下、実施例を通じて本発明をより詳しく説明する。これら実施例は本発明を例示するものに過ぎず、本発明の範囲がこれら実施例によって制限されないと解釈されることは、当業界で通常の知識を有した者において自明である。
実施例1〜3.第1及び第2クリック反応作用基が導入されて特異的に架橋されたヒアルロン酸ヒドロゲルの製造
(1)3次蒸溜水10mLにヒアルロン酸(HA)(分子量:1,000,000Da)100mgを投入した後、25℃で24時間の間撹拌してヒアルロン酸溶液を製造し、これをバイアルに5mLずつ分けた。
(2)前記ヒアルロン酸溶液があるバイアルに縮合剤として4−(4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4−メチルモルホリニウムクロリド(4−(4,6−Dimethoxy−1,3,5−triazin−2−yl)4−methylmorpholinium chloride)(DMTMM)8.3gとメチルテトラジン−PEG4−アミン(methyltetrazine−PEG4−amine、Tet)9.93mgを投入し、25℃で24時間の間撹拌して反応させた。次に、72時間の間透析した後、−80℃で凍結乾燥させて第1クリックケミストリー作用基が導入されたHA−Tetを製造した。
下記表1に示したように、Flash EA1112装置(CE Instruments、Italy)の元素分析を通じて第1クリックケミストリー作用基が導入されたHA−Tetにクリック反応作用基の導入された量を分析した。
(3)上記と同一の方法で化学作用基が導入されたヒアルロン酸を製造するが、Tetの代わりにトランス−シクロオクテン−アミン(trans−cyclooctene−amine、TCO)7.7mgを投入して第2クリックケミストリー作用基が導入されたHA−TCOを製造した。
下記表1に示したように、Flash EA1112装置(CE Instruments、Italy)の元素分析を通じて第2クリックケミストリー作用基が導入されたHA−TCOにクリック反応作用基の導入された量を分析した。
(4)上記で製造された第1クリックケミストリー作用基が導入されたHA−Tetと第2クリックケミストリー作用基が導入されたHA−TCOをそれぞれ2%生理食塩水にとかした後、デュアルシリンジに入れて注射することでHA−TetとHA−TCOを混合してクリックケミストリー反応を誘導し、最終的に、本発明の特異的架橋結合を通じたヒアルロン酸ヒドロゲルを製造した。
(5)上記で製造されたヒアルロン酸ヒドロゲルの架橋度は、TCO又はTetが導入された数に応じて調節される。
Figure 2021523896
*数字:ヒアルロン酸(HA)1モル当たり導入されたTCO又はTetの数(250、500、1000個)
また、H−NMR分析を通じて第1クリックケミストリー作用基が導入されたHA−Tetと第2クリックケミストリー作用基が導入されたHA−TCOの作用基の導入を確認した(図2)。
実施例4.近赤外線蛍光イメージングのための蛍光物質が導入された特異的架橋ヒアルロン酸ヒドロゲルの製造
50mL丸底フラスコでIR783(80mg、0.11mmol)及び4−メルカプト安息香酸(4−mercaptobenzoic acid、51mg、0.33mmol)をDMF(3mL)に溶解させ、室温で24時間の間撹拌した。反応させた溶液から未反応物質及び不純物を除去するためにエタノールとジエチルエーテル(diethyl ether)の混合溶媒(v/v=1/19)30mLに沈澱させて濾過した。濾過物で得られた緑色固体を真空乾燥してIR783−COOHを製造した。
次に、前記実施例1で製造された第1クリックケミストリー作用基が導入されたHA−Tet及び第2クリックケミストリー作用基が導入されたHA−TCOをそれぞれ3次蒸溜水10mLに投入した後に溶液を製造し、それぞれのバイアルに縮合剤として4−(4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4−メチルモルホリニウムクロリド(4−(4,6−Dimethoxy−1,3,5−triazin−2−yl)4−methylmorpholinium chloride)(DMTMM)3.3mgを投入した。これをそれぞれIR783−COOH 10.5mgが含まれた3次蒸溜水5mLにゆっくり滴下しながら、25℃で24時間の間撹拌して反応させ、3日間透析した後、−80℃で凍結乾燥させて、第1クリックケミストリー作用基とIR783が導入されたNIR−HA−Tet及び第2クリックケミストリー作用基とIR783が導入されたNIR−HA−TCOを製造した。
実施例5.抗癌剤が含有された特異的架橋ヒアルロン酸ヒドロゲルの製造
前記実施例1で製造された第1クリックケミストリー作用基が導入されたHA−Tet(2mg)と第2クリックケミストリー作用基が導入されたHA−TCO(2mg)をそれぞれ2%生理食塩水にとかして100μL溶液で製造し、それぞれの溶液に抗癌剤0.2mgのドキソルビシン(Dox)を添加した。1時間の間撹拌した後、それぞれ撹拌された混合液をデュアルシリンジを通じて混合して、ドキソルビシン(0.4mg)が含有された特異的架橋ヒアルロン酸ヒドロゲル(Cx−HA−Dox)を最終的に収得した。
実施例6.糖尿病疾患治療剤が含有された特異的架橋ヒアルロン酸ヒドロゲルの製造
前記実施例1で製造された第1クリックケミストリー作用基が導入されたHA−Tet(2mg)と第2クリックケミストリー作用基が導入されたHA−TCO(2mg)をそれぞれ2%生理食塩水にとかして100μL溶液で製造し、それぞれの溶液にインスリン31.5IUを添加した。1時間の間撹拌した後、それぞれ撹拌された混合液をデュアルシリンジを通じて混合して、インスリン(63IU)が含有された特異的架橋ヒアルロン酸ヒドロゲル(Insulin−Cx−HA)を最終的に収得した。
比較例1.ヒアルロン酸ヒドロゲルの製造
ヒアルロン酸を2%生理食塩水にとかした後、ヒアルロン酸ヒドロゲル(HA)を最終製造した。
比較例2.蛍光物質が導入されたヒアルロン酸ヒドロゲルの製造
ヒアルロン酸を2%生理食塩水にとかしたバイアルに縮合剤として4−(4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4−メチルモルホリニウムクロリド(4−(4,6−Dimethoxy−1,3,5−triazin−2−yl)4−methylmorpholinium chloride)(DMTMM)3.3mgを投入した後、前記実施例4で製造されたIR783−COOH 10.5mg含む3次蒸溜水5Mlにゆっくり滴下しながら、25℃で24時間の間撹拌して反応させ、3日間透析した後、−80℃で凍結乾燥させて、IR783が導入されたNIR−HAを製造した。
比較例3.抗癌剤が含有されたヒアルロン酸ヒドロゲルの製造
比較例1で製造されたヒアルロン酸ヒドロゲル(4mg)を2%生理食塩水にとかして200μL溶液で製造し、シリンジを通じて抗癌剤ドキソルビシン(0.4mg)が含有されたヒアルロン酸ヒドロゲル(HA−Dox)を最終的に収得した。
比較例4.糖尿病疾患治療剤が含有されたヒアルロン酸ヒドロゲルの製造
比較例1で製造されたヒアルロン酸ヒドロゲル(4mg)を2%生理食塩水にとかして200μL溶液で製造し、シリンジを通じてインスリン(63IU)が含有されたヒアルロン酸ヒドロゲル(Insulin−Dox)を最終的に収得した。
比較例5.第1及び第2クリック反応作用基が導入されて架橋されたヒアルロン酸ヒドロゲルの凍結粉砕物の製造
前記実施例1でクリックケミストリー反応を通じた特異的架橋結合を通じて製造されたヒアルロン酸ヒドロゲルを対象として、凍結粉砕機(6700、SPEX Inc.,USA)を用いて液体窒素内でpre−cooling 50秒/grinding(60Hz)240秒/cooling 50秒で3cycle条件で凍結粉砕した(Pulverized−HA)。
実験例1.ヒドロゲルの有変学的特性の評価
前記実施例1でクリックケミストリー反応を通じた特異的架橋結合を通じて製造されたヒアルロン酸ヒドロゲル及び比較例1で製造されたヒアルロン酸ヒドロゲルの有変学的特性を評価するために、Modular Compact Rheometer(MCR 102、Anton Paar、Austria)を用いてもモジュラス及び粘度を測定した。このとき、用いた平行板(parallel plate)は、直径が25mmであり、底面との間隔は、0.3mmであり、25℃でstrain 2%、1Hz条件で実行し、その結果は、図3に示した。
製造されたヒドロゲルのモジュラス(modulus)値と関連して、図3の(a)に示したように、実施例1でクリックケミストリー反応を通じた特異的架橋結合を通じて製造されたヒアルロン酸ヒドロゲルは、比較例1で製造されたヒアルロン酸ヒドロゲルとほとんど同等の損失モジュラス(loss modulus)を有するが、クリックケミストリー反応を通じた特異的架橋結合をすることで貯蔵モジュラス(storage modulus)が顕著に増加することを確認した。また、貯蔵モジュラスの強度は、クリック架橋度の増加によって非常に大きく増加することが分かった。
また、製造されたヒドロゲルの粘度と関連して、図3の(b)に示したように、実施例1で製造されたヒアルロン酸ヒドロゲルは、比較例1のヒアルロン酸ヒドロゲルより粘度が非常に大きく上昇したことを確認し、また、クリック架橋度の増加によって粘度が顕著に増加することを確認した。
また、製造されたヒドロゲルをModular Compact Rheometer(MCR 102、Anton Paar、Austria)を用いて測定した弾性と関連して、図3の(c)に示したように、実施例1で製造されたヒアルロン酸ヒドロゲルは、比較例1で製造されたヒアルロン酸ヒドロゲルより非常に大きい弾性を示し、また、クリック架橋度の増加によって弾性が顕著に増加することを確認した。
図3の(d)及び(e)に示したように、第1クリックケミストリー作用基が導入されたHA−Tetと第2クリックケミストリー作用基が導入されたHA−TCOのクリックケミストリー反応を通じた特異的架橋結合されたヒドロゲル(実施例1、Cx−HA−250)の損失モジュラスと貯蔵モジュラスは、約2秒で逆転されることが観察された。このことから、クリックケミストリー反応を通じた特異的架橋結合は3秒以内に発生することが分かった。
一方、Cx−HA−500(実施例2)及びCx−HA−100(実施例3)は、損失モジュラスと貯蔵モジュラスの逆転が測定と同時に観察され、クリック反応が非常に速くて測定できないことが分かった。
また、前記実施例1、2、3で製造された第1クリックケミストリー作用基が導入されたHA−Tet及び第2クリックケミストリー作用基が導入されたNIR−HA−TCOをデュアルシリンジにそれぞれ含んで注射注入をすると、実施例1は、容易に注射器を押して注入できるが、実施例3の場合、注入にもっと大きい力が必要であった。このことから、Tet又はTCOの導入量が増加するほど架橋度が増加してクリック反応が非常に速く進行されることが分かった。
実験例2.ヒドロゲルの粘度特性の評価
前記実施例1(Cx−HA−250)と比較例2で製造されたヒドロゲルを5mlバイアルに製造し、製造直後と2日、8日、12日、28日が経過した後、Modular Compact Rheometer(MCR 102、Anton Paar、Austria)を用いて各ヒドロゲルの粘度を測定した。
その結果、図3の(f)に示したように、実施例1によるクリックケミストリー反応を通じた特異的架橋結合されたヒドロゲルは、28日以上粘度を維持するが、比較例2で製造されたプルロニックヒドロゲルは、1日間粘度を維持した後2日から粘度が非常に低くなり、3日以後には粘度が測定されない溶液に変化されることを確認した。
実験例3.ヒドロゲルの架橋度によるヒドロゲル内部の観察
前記実施例2、3及び比較例1で製造されたヒアルロン酸ヒドロゲルの内部架橋度を評価するために、それぞれのヒアルロン酸ヒドロゲルをプラズマスパッタリング装置(Plasma−sputtering apparatus、Emitech、K575、Kent、UK)を用いてコーティングした後、走査電子顕微鏡(FE−SEM;JSM−6700F、JEOL、Tokyo、Japan)でヒドロゲル内部の構造を観察した。
その結果、図4に示したように、比較例1は、内部のヒドロゲル構造が固まって多孔性がない構造である一方、実施例2及び3は、一定多孔形態を維持していることを確認することができた。また、Tet及びTCOの数が高くなるほど多孔サイズが小さくなり、TetとTCO間の架橋度が高くなることを確認した。
実験例4.ヒドロゲルの水に対する膨潤観察
前記実施例1、2、3及び比較例1で製造されたヒアルロン酸ヒドロゲルの水に対する膨潤特性を評価するために、それぞれのヒアルロン酸ヒドロゲル200μLずつ20mLバイアルに入れて10mL PBSを入れた後、37℃で時間別にヒドロゲルの重さを測定して水に対する膨潤率(swelling ratio)を求めた。水に対する膨潤率は、下記のような式で計算した。
水に対する膨潤率[Swelling ratio(%)]=[(水を吸収したヒドロゲルの重さ−乾燥されたヒドロゲルの重さ)/(乾燥されたヒドロゲルの重さ)]×100
その結果、図5に示したように、比較例1のヒアルロン酸ヒドロゲルは、PBSを加えた後数分以内に溶液化されて水に対する膨潤率を算出することができなかったが、実施例1で製造されたヒアルロン酸ヒドロゲルは、非常に大きい水に対する膨潤率を示し、クリック架橋度の増加によって水に対する膨潤率が顕著に減少することを確認した。
実験例5.ヒドロゲル形成の観察
上記製造されたHA−Tet及びHA−TCOをデュアルシリンジにそれぞれ入れ、ラットの皮下に100μlずつ注入して皮下でヒドロゲルを形成させた。その後、1週間の間隔でラットの皮下からヒドロゲルを摘出して観察した。その結果、図6に示したように、4週間が経過した後にも安定的にゲルを形成していることが分かった。
一方、比較例1で製造されたヒアルロン酸ヒドロゲルを同じラットの皮下に100μlずつ注入してヒドロゲルを形成させた後観察しようとしたが、1週間以降からゲルの形成は確認が不可能であった。
実験例6.近赤外線蛍光イメージングを通じたヒドロゲル形成の観察
前記実施例4で製造された第1クリックケミストリー作用基とIR783が導入されたNIR−HA−Tet及び第2クリックケミストリー作用基とIR783が導入されたNIR−HA−TCOをデュアルシリンジにそれぞれ含有してヌードマウス(male、8週齢)の皮下に1mL注射器(21G)で0.15mL注入した。比較実験のために、比較例3で製造されたNIR−HAを上記と同一の方法でヌードマウスに注入した後、各時間に応じた蛍光イメージングを観察した。
その結果、図7に示したように、実施例4で製造されたヒアルロン酸ヒドロゲルの蛍光イメージングは、40日以上維持(図7の(b))される一方、比較例3で製造注入されたヒアルロン酸ヒドロゲルの蛍光イメージングは、12時間まで維持され、1日が経過した後には、全然観察されないことが分かった(図7の(c))。
実験例7.抗癌剤が含有されたヒドロゲルからの薬物放出效果
前記実施例5及び比較例3で製造された抗癌剤含有ヒドロゲルを0.5mLのPBSにとかした後、24−well Transwell plate(SPL Life Science、0.4μm pore size)のupper chamberに注入した後、37℃、100rpmのshakerで時間による薬物の放出を確認した。各時間に応じて0.5mLの溶液を採取した後、0.5mL PBS溶液をさらに注入した。ドキソルビシンの放出は、high performance liquid chromatography(HPLC) system(Agilent 1200 series、Waldbronn、Germany)を用いて測定された。ドキソルビシンの量を測定するために、479nmの波長とCAPCELL PACK C18 column(5μm、4.6×250mm、Shiseido Co.,Ltd.,Tokyo、Japan)を用いた。移動相は、50mM sodium phosphateとacetonitrileを30:70(v/v)で混合した混合溶液を用い、カラムは、0.5mL/min速度で抽出された。In vitroでドキソルビシンの放出率は、standard calibration curveと比較して計算された。
その結果、図8に示したように、実施例5で製造された抗癌剤含有特異的架橋ヒドロゲル(Cx−HA−Dox)は、比較例3で製造された抗癌剤含有ヒドロゲル(HA−Dox)に比べて、ドキソルビシンの徐放出が行われることが確認され、16日の間累積ドキソルビシンの放出率が約60〜70%程度であると確認される。
28日の間放出実験の後、実施例5で製造された抗癌剤含有特異的架橋ヒドロゲル(Cx−HA−Dox)内に残っているドキソルビシンの含量を測定した結果、その含量は、約10.4%であると確認される。それによって、実際累積ドキソルビシンの放出率は、約90%であると判断される。
実験例8.抗癌剤が含有されたヒドロゲルの細胞抗癌効果
2×10個のB16F10 melanoma細胞を24−well Transwell plate(SPL Life Science、0.4μm pore size)のそれぞれのlower chamberに入れた後、37℃、5% CO条件で一日の間インキュベーションした。その後、24−well Transwell plateのupper chamberにPBS 200μL、ドキソルビシン(Dox;0.4mg Dox/200μL)、ドキソルビシン繰り返し(Dox repeat;0.1mg Dox/200μL)、比較例1で製造されたヒドロゲル(HA;4mg、HA/200μL)、比較例3で製造された抗癌剤含有ヒドロゲル(HA−Dox;4mg HA、0.4mg Dox/200μL)、実施例1で製造された特異的架橋ヒドロゲル(Cx−HA;2mg TET−HA、2mg TCO−HA/200μL)、実施例5で製造された抗癌剤含有特異的架橋ヒドロゲル(Cx−HA−Dox;2mg TET−HA、2mg TCO−HA、0.4mg Dox/200μL)を入れた。Upper chamberを細胞があるwellで覆って37℃、5% COで12時間、24時間、48時間、72時間の間インキュベーションし、12時間後、初期に入れた培地を交替した。12時間、24時間、48時間、72時間以後に、in vitroでB16F10細胞に対する各剤型の細胞毒性を確認するために、MTT(3−(4,5−dimethylthiazol−2−yl)−2,5−diphenyltetrazolium bromide;Sigma−Aldrich Co.,St.Louis、MO、USA)assayを進行した。MTT tetrazolium substrate(50μg/mL)を含んでいる100μL PBS溶液を各wellに入れた後、37℃で4時間の間インキュベーションした。このとき生成された紫色のformazanをとかすために、各well当たり500μL DMSOを注入して30分間振った後溶液を96−well plateに移す。590nmの波長で溶液のoptical densityは、microplate reader(E−max、Molecular Devices、Sunnyvale、CA、USA)を用いて測定された。
その結果、図9に示したように、抗癌剤を含有した場合、細胞抗癌効果が非常に優れることが確認される。しかし、抗癌剤を含まなくても、実施例1で製造された特異的架橋ヒドロゲル(Cx−HA)の場合、比較例1で製造されたヒドロゲル(HA)に比べて細胞抗癌効果が向上されたことが確認される。
実験例9.抗癌剤が含有されたヒドロゲルの動物適用癌サイズの比較
癌モデルは、BALB/cマウス(6週齢、雄、20g)の腹部に約2×10B16F10 melanoma cellsを100μLに懸濁させて皮下注射して作られた。癌の体積が150−200mmになったときを0dにし、癌が誘発された動物は、6個の実験群、(1)対照群(Control)、(2)ドキソルビシン(Dox;0.4mg Dox)、(3)ドキソルビシン繰り返し(Dox repeat;0.1mg Dox)、(4)比較例3で製造された抗癌剤含有ヒドロゲル(HA−Dox;0.4mg Dox)、(5)実施例5で製造された抗癌剤含有特異的架橋ヒドロゲル(Cx−HA−Dox;0.4mg Dox)、(6)比較例5で製造された特異的架橋ヒドロゲルの凍結粉砕物に抗癌剤(ドキソルビシン)を含有した組成物(Pulverized−HA;0.4mg Dox)に割り当てられた。癌の体積が150〜200mmになったとき、それぞれの溶液は、1mLシリンジと21−ゲージニードルを用いて癌内部に注入された。このとき、溶液の注入速度は、周辺の組織に溶液が流入されることを阻むために10μL/sに維持した。抗腫瘍活性度は、事前に定義された日付にVernier calipersで2次元で腫瘍直径を測定して評価した。癌の体積(V)は、V=[length×(width)]/2を用いて計算された。
その結果、図10及び図11に示したように、抗癌剤を含有した場合、抗腫瘍活性度が顕著に向上されたことが確認される。特に、実施例5で製造された抗癌剤含有特異的架橋ヒドロゲル(Cx−HA−Dox)の場合、比較例3で製造された抗癌剤含有ヒドロゲル(HA−Dox)及び比較例5で製造された抗癌剤含有ヒドロゲル(Pulverized−HA−Dox)に比べて抗腫瘍活性度が一層向上されることが確認されたので、効果な薬物伝達体として用いられ得ると期待される。
実験例10.抗癌剤が含有されたヒドロゲルの動物適用抗癌薬動力学の効果
薬物動力学実験を進行するために、1日、6日、12日、18日にマウスを犠牲にさせた。臓器(腫瘍、腸、肺、腎臓、肝、脾臓及び心臓)を直ちに獲得し、また写真で撮影した(図12)。そして、各臓器に残っているドキソルビシンの量を測定するために、各臓器をT 10 basic ULTRA−TURRAX Homogenizer(IKA−Werke GmbH & Co.,Staufen、Germany)を用いて0.3N HCl/70% ethanol溶液で25,000−30,000rpmの速度で均一化した後、37℃で15分間インキュベーションさせた。均一に混合された各サンプルは、同一の体積の40% ZnSOと移動相を混合して37℃で15分間またインキュベーションさせた。インキュベーションが完了すれば、各サンプルを2000rpmの速度で10分間遠心分離した後、上層液に含まれているドキソルビシンの量をstandard calibration curveを参照して計算した。各臓器に含まれているドキソルビシンの量は、UV−visible Spectrophotometers(V−770、JASCO Inc.,Tokyo、Japan)を通じて測定された(図13)。
その結果、図13に示したように、ドキソルビシン(Dox)の単独注入の場合、癌より各種臓器にはやく抗癌剤が分布される問題点があると確認される。一方、ドキソルビシン繰り返し注入(Dox repeat)の場合、癌に多くの量の抗癌剤が存在し、またドキソルビシンの単独注入に比べて各種臓器に多い抗癌剤が残存して影響を及ぼした。それから、抗癌剤の繰り返し注入が癌治療も伴うが、抗癌剤による各種副作用を誘発することが確認される。
また、比較例3で製造された抗癌剤含有ヒドロゲル(HA−Dox)注入の場合、抗癌剤が癌の初期時間にのみ存在してはやく他の臓器に分散された。したがって、薬物伝達体としての効能がほとんどないことが確認される。
それに比べて、実施例5で製造された抗癌剤含有特異的架橋ヒドロゲル(Cx−HA−Dox)注入の場合、抗癌剤が癌に存在する量と維持する時間が他の実験群より高く、抗癌剤による各種臓器に対する多くの副作用を誘発しないか副作用が少ないことが確認された。したがって、効果的な薬物伝達体として用いられ得ると期待される。
実験例11.糖尿病疾患治療剤が含有されたヒドロゲルの製造
糖尿病疾患モデルは、streptozotocin(40mg/kg)をcirtate buffer(pH4.5)に溶解してしっぽを通じて注入し、注入後2日に380〜420の血糖を確認して糖尿病モデル製造を確認した。前記実施例6及び比較例4で製造された糖尿病疾患治療剤含有ヒドロゲルを皮下に注射で注入し、血中の血を朝(10時頃)に18日間採取し、AccuCheck Advantage meterを用いて血中の血糖を測定した。
その結果、図14に示したように、実施例6で製造された糖尿病疾患治療剤含有特異的架橋ヒドロゲル(Insulin−Cx−HA)の場合、比較例3で製造された抗癌剤含有ヒドロゲル(Insulin−HA)に比べて血中の血糖が安定的に維持されることが確認された。したがって、効果的な薬物伝達体として用いられ得ると期待される。

Claims (18)

  1. 第1クリックケミストリー作用基が導入された第1生体高分子を含む第1液;及び
    第2クリックケミストリー作用基が導入された第2生体高分子を含む第2液を含み、
    前記第1クリックケミストリー作用基及び前記第2クリックケミストリー作用基が化学的に結合可能であることを特徴とする、注射剤型組成物。
  2. 前記第1クリックケミストリー作用基は、アルキニル基、エポキシ基、アクリロイル基及びテトラジン基のうち選択される1種以上であり、前記第2クリックケミストリー作用基は、アジド基、チオール基、アミン基及びシクロオクテン基のうち選択される1種以上であることを特徴とする、請求項1に記載の注射剤型組成物。
  3. 前記第1クリックケミストリー作用基及び前記第2クリックケミストリー作用基の組み合わせは、(アルキニル基、アジド基)、(アルキニル基、チオール基)、(エポキシ基、アミン基)、(エポキシ基、チオール基)、(アクリロイル基、アミン基)、(アクリロイル基、チオール基)及び(テトラジン、シクロオクテン)のうち選択される1種以上であることを特徴とする、請求項1に記載の注射剤型組成物。
  4. 前記第1生体高分子及び前記第2生体高分子は、互いに同一であるか、相異なり、それぞれ独立的にヒアルロン酸、小腸粘膜下組織、カルボキシメチルセルロース、アルジネート、キトサン、プルロニック、ポリアクリルアミド、ポリ(N−イソプロピルアクリルアミド)及びβ−グリセロホスフェートのうち選択される一つ以上であることを特徴とする、請求項1に記載の注射剤型組成物。
  5. 前記第1液及び前記第2液に薬物をさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の注射剤型組成物。
  6. 前記薬物は、ドキソルビシン(doxorubicin)、シスプラチン(cisplatin)、パクリタキセル(paclitaxel)、ビンクリスチン(vincristine)、トポテカン(topotecan)、ドセタキセル(docetaxel)、5−フルオロウラシル(5−FU)、グリベック(gleevec)、カルボプラチン(carboplatin)、ダウノルビシン(daunorubicin)、バルルビシン(valrubicin)、フルタミド(flutamide)及びゲムシタビン(gemcitabine)のうち選択される1種以上を含む抗癌剤;又はインスリン又はインスリン親和性(insulinotropic)ペプチドを含む糖尿病疾患治療剤を含むことを特徴とする、請求項5に記載の注射剤型組成物。
  7. 前記第1生体高分子1モル当たり導入された第1クリックケミストリー作用基の数;又は前記第2生体高分子1モル当たり導入された第2クリックケミストリー作用基の数は、100個〜2000個であることを特徴とする、請求項1に記載の注射剤型組成物。
  8. (a)第1生体高分子に第1クリックケミストリー作用基を含む物質を投入して第1液を製造するステップ;
    (b)第2生体高分子に第2クリックケミストリー作用基を含む物質を投入して第2液を製造するステップ;及び
    (c)前記第1液及び第2液を反応させて第1クリックケミストリー作用基及び前記第2クリックケミストリー作用基を化学的に結合させるステップを含むことを特徴とする、注射剤型ヒドロゲルの製造方法。
  9. 前記ステップ(a)で第1クリックケミストリー作用基を含む物質は、アミノ−PEG4−アルキニル(amino−PEG4−alkyne)、アルキニルPEG5−酸(alkyne−PEG5−acid)、アルキニルPEG−アミン(alkyne−PEG−amine)、オキシラニルアミン(oxiranylamine)、2−オキシラニル−エチルアミン(2−oxiranyl−ethylamine)、アクリルアミド(acrylamide)、アクリル酸(acrylic acid)、アクリロイルクロリド(acryloyl chloride)、メチルテトラジン−アミン(methyltetrazine−amine)、メチルテトラジン−PEG4−アミン(methyltetrazine−PEG4−amine)、メチルテトラジン−プロピルアミン(methyltetrazinepropylamine)、テトラジン−PEG5−NHSエステル(tetrazine−PEG5−NHS ester)、メチルテトラジン−PEG4−NHSエステル(methylteltrazine−PEG4−NHS ester)、メチルテトラジン−シルフォ−NHSエステル(methyltetrazine−silfo−NHS ester)、メチルテトラジン−PEG4−酸(methlytetrazine−PEG4−acid)、メチルテトラジン−PEG12−NHSエステル(methyltetrazine−PEG12−NHS ester)、メチルテトラジン−NHSエステル(methyltetrazine−NHS ester)、メチルテトラジン酸(methyltetrazine−acid)及びテトラジン酸(tetrazine−acid)のうち選択される1種以上であり、
    前記ステップ(b)で第2クリックケミストリー作用基を含む物質は、アジド−PEG4−アミン(azide−PEG4−amine)、3−アミノ−1−プロパンチオール(3−amino−1−propanethiol)、11−メルカプトウンデカン酸(11−mercaptoundecanoic acid)、アミノ−メタンチオール(Amino−methanethiol)、チオールPEGアミン(thiol PEG amine)、エチレンジアミン(ethylene diamine)、PEGジアミン(PEG diamine)、(S)−3−アミノ−2−(ヒドロキシメチル)プロピオン酸((S)−amino−2−(hydroxymethyl)propionic acid)、アミノ酢酸(amino−acetic acid)、トランス−シクロオクテン−アミン(trans−cyclooctene−amine)、トランス−シクロオクテン−NHSエステル(trans−cyclooctene−NHS ester)、トランスシクロオクテン−PEG−NHSエステル(trans cyclooctene−PEG−NHS ester)及びトランスシクロオクテン−PEG4−酸(trans cyclooctene−PEG4−acid)のうち選択される1種以上であることを特徴とする、請求項8に記載の注射剤型ヒドロゲルの製造方法。
  10. 前記ステップ(a)又は前記ステップ(b)で縮合剤又は薬物をさらに投入することを特徴とする、請求項8に記載の注射剤型ヒドロゲルの製造方法。
  11. 前記注射剤型ヒドロゲルの0.1Hz〜10Hzの周波数範囲でレオメータを用いて測定された貯蔵弾性率(G')は、2.00×10Pa〜2.00×10Paであることを特徴とする、請求項8に記載の注射剤型ヒドロゲルの製造方法。
  12. 前記注射剤型ヒドロゲルの25℃で複合粘度は、3.00×10Pa・s〜3.0×10Pa・sであることを特徴とする、請求項8に記載の注射剤型ヒドロゲルの製造方法。
  13. 前記注射剤型ヒドロゲルは、多孔形態であることを特徴とする、請求項8に記載の注射剤型ヒドロゲルの製造方法。
  14. 前記注射剤型ヒドロゲルの水に対する膨潤率(swelling ratio)は、2,000%〜10,000%であることを特徴とする、請求項8に記載の注射剤型ヒドロゲルの製造方法。
  15. 請求項8によって製造された注射剤型ヒドロゲルを含むことを特徴とする、医療用充填剤又は体内注入型支持体。
  16. 請求項8によって製造された注射剤型ヒドロゲル及び薬物を含むことを特徴とする、薬物伝達体。
  17. 前記薬物は、ドキソルビシン(doxorubicin)、シスプラチン(cisplatin)、パクリタキセル(paclitaxel)、ビンクリスチン(vincristine)、トポテカン(topotecan)、ドセタキセル(docetaxel)、5−フルオロウラシル(5−FU)、グリベック(gleevec)、カルボプラチン(carboplatin)、ダウノルビシン(daunorubicin)、バルルビシン(valrubicin)、フルタミド(flutamide)及びゲムシタビン(gemcitabine)のうち選択される1種以上を含む抗癌剤;又はインスリン又はインスリン親和性(insulinotropic)ペプチドを含む糖尿病疾患治療剤を含むことを特徴とする、請求項16に記載の薬物伝達体。
  18. 前記薬物伝達体は、28日間50%〜100%の累積薬物放出率を有することを特徴とする、請求項16に記載の薬物伝達体。
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