JP2021515005A - 標識オキシトシンならびに製造および使用の方法 - Google Patents

標識オキシトシンならびに製造および使用の方法 Download PDF

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Abstract

13N−オキシトシン分子、13N−オキシトシン分子の製造方法、ならびに13N−オキシトシン分子の頭蓋顔面またはその他の付与方法の後の分布および動態を決定することにおける13N−オキシトシン分子の使用方法が開示される。放射標識されたオキシトシンペプチドの合成は、依然として難題であり、PETなどの従来の画像化技術を使用する妨げになっている。本明細書では、新規の13N標識オキシトシンペプチドおよびその製造方法を提供することによってこの課題を解決する手段を提供する。

Description

関連出願の相互参照
本出願は、その内容が全体として参照により本明細書に援用される、2018年3月1日に出願された米国仮出願第62/637,187号に基づく優先権利益を主張する。
ASCIIテキストファイルでの配列表の提出
次のASCIIテキストファイルでの提出物:コンピュータに読み込み可能な形式(CRF)の配列表(ファイル名:623632001640SEQLIST.TXT、記録日:2019年3月1日、サイズ:1KB)の内容を全体として参照により本明細書に援用する。
技術分野
本発明は、13N放射標識オキシトシンペプチドを含む組成物および13N放射標識オキシトシンペプチドの製造方法を含めて、陽電子放出断層撮影(PET)および他の用途において使用するための、13N放射標識オキシトシンペプチドに関する。
オキシトシンは、子宮収縮、筋再生、および乳汁分泌を始めとする、いくつもの生理学的な身体機能への関与が示唆されている、自然に存在する9アミノ酸ポリペプチドである。加えて、オキシトシンは、いくつかの末梢および中枢神経系機能において重要な役割を果たすことが明らかにされている。たとえば、オキシトシンは、疼痛、自閉、食欲、不安、信頼、血糖のコントロール、および人と人との関係に関与することが示されている。
公表されている記事には、オキシトシンの頭蓋顔面粘膜、たとえば、経鼻投与によって、こうした機能を変調できることが示されたことが証明されている。たとえば、経鼻オキシトシン投与は、自閉症患者において社会的機能を改善し、片頭痛患者において疼痛を和らげることが示されている。しかし、頭蓋顔面粘膜適用後の身体内におけるオキシトシンの空間時間的分布について述べている利用可能な情報はない。オキシトシンの血中レベルの測定とは異なり、オキシトシンの付与後に、組織、特に神経系におけるオキシトシンのレベルを測定することは、本質的に難しい。頭蓋顔面または他の適用後にオキシトシンの組織中レベルを評価することができれば、治療有効性にとって肝要である組織オキシトシンレベルの決定が可能になる。
投与されたオキシトシンの体内分布を評価するための一手法が、陽電子放出断層撮影(PET)によるものである。PETは、身体における機能プロセスの画像または写真を生成する核医学イメージング技術である。このシステムは、生物活性分子に載せられて身体に導入される、陽電子を放射する放射性核種(トレーサー、放射性トレーサー、放射性医薬品など)によって間接的に放射されたガンマ線対を検出する。放射性核種(radionuclideまたはradioactive nuclide)は、核内で新たに生み出された放射粒子へ、または内部転換を介して付与される利用可能な過剰のエネルギーを特徴とする、不安定な核を有する原子である。このプロセスの間、放射性核種は、放射性崩壊を経る結果、ガンマ線、および/またはアルファもしくはベータ粒子などの亜原子的粒子の放射をもたらすと言われている。こうした放射は、電離放射線を構成する。放射性核種は、放射性同位体(radioactive isotopeまたはradioisotope)と呼ばれることが多い。身体内の放射性核種濃度の三次元分布を、PETプロセスにおけるコンピュータ解析によって構築することができる。しかし、PETにおいて放射性トレーサーとして使用するための放射標識オキシトシンペプチドの合成は、依然として困難である。
本明細書で参照のために引用したすべての公表文献、特許、特許出願、および公開特許出願の開示は、その全体が参照により本明細書に援用される。
発明の簡単な要旨
本出願は、13N−オキシトシン、13N−オキシトシンを含む組成物、13N−オキシトシンの使用方法、および13N−オキシトシンの製造方法を提供する。
一部の実施形態では、配列番号1のアミノ酸配列を含む13N標識オキシトシンペプチドが提供される。一部の実施形態では、オキシトシンペプチドの1個の構成14N原子が、13N放射性核種で置き換えられている。一部の実施形態では、オキシトシンペプチドの1つの残基が、13N放射性核種を含む部分を含むように修飾されている。一部の実施形態では、オキシトシンペプチドの1つの残基が、13NHを含むように修飾されている。一部の実施形態では、13N標識オキシトシンペプチドは、単一の13N放射性核種を含む。
上述の13N標識オキシトシンペプチドのいずれかに従う一部の実施形態において、13N標識オキシトシンペプチドは、a)4位にあるグルタミン残基(配列番号2)、b)5位にあるアスパラギン残基(配列番号3)、またはc)9位にあるグリシン残基(配列番号4)の箇所に13N放射性核種を含む。
一部の実施形態では、13N標識オキシトシンペプチドは、式(IV)の化合物である。
一部の実施形態では、配列番号1のアミノ酸配列を含む13N標識オキシトシンペプチドを製造する方法であって、a)式(Ib)の化合物をシアノホスホン酸ジエチル(DECP)と反応させて、式(IIb)の化合物を提供することと、b)式(IIb)の化合物を気体13NHと反応させて、式(IIIb)の化合物を提供することと、c)式(IIIb)の化合物を脱保護して、13N標識オキシトシンペプチドを提供することとを含み、13N標識オキシトシンペプチドは、式(IV)の化合物である、方法が提供される。一部の実施形態では、式(Ib)の化合物のDECPとの反応は、ジメチルスルホキシド(DMSO)、テトラヒドロフラン(THF)、およびペンタメチルピペリジン(PMP)の存在下で実施される。一部の実施形態では、DECPの量は、約0.7当量〜約1.1当量の間である。一部の実施形態では、DMSOのTHFに対する比は、約1:7〜約1:11の間である。一部の実施形態では、脱保護は、式(IIIb)の化合物をHCl/ジオキサンと反応させることを含む。
上述の方法のいずれかに従う一部の実施形態において、方法は、ステップc)において提供された13N標識オキシトシンペプチドを精製して、試薬、有機溶媒、および前駆体を除去することをさらに含む。一部の実施形態では、精製は、固相抽出(SPE)による精製を含む。一部の実施形態では、SPEによる精製は、a)13N標識オキシトシンペプチドを第1の疎水性SPEカラムに付与して、13N−オキシトシンおよび前駆体が第1の疎水性SPEカラムに保持されるようにすることと、b)水性イオン対試薬を含む溶液を第1の疎水性SPEカラムに付与して、13N−オキシトシンが第1の溶出液中に溶離するようにすることと、c)第1の溶出液を第2の疎水性SPEカラムに付与して、第1の溶出液の13N−オキシトシンが、第2の疎水性SPEカラムに保持されるようにすることと、d)13N−オキシトシンを第2の溶出液中に溶離させることとを含む。一部の実施形態では、第1および/または第2の疎水性SPEカラムは、強い疎水性を有する、シリカを主体とする結合相を含む。一部の実施形態では、水性イオン対試薬を含む溶液は、約15%〜約25%の間のアセトニトリルを含む。
一部の実施形態では、上述の方法のいずれかに従う方法を含むプロセスによって調製される13N標識オキシトシンペプチドが提供される。
一部の実施形態では、個体において、外因的に投与されたオキシトシンの分布を決定する方法であって、a)個体に、上述の13N標識オキシトシンペプチドのいずれかに従う13N標識オキシトシンペプチドを投与することと、b)13N標識オキシトシンペプチドが組織または細胞部位で蓄積して画像化されるのを可能にすることと、c)細胞または組織を非侵襲性の画像化技術によって画像化することとを含む方法が提供される。
一部の実施形態では、個体においてオキシトシン受容体の分布を決定する方法であって、a)個体に、上述の13N標識オキシトシンペプチドのいずれかに従う13N標識オキシトシンペプチドを投与することと、b)13N標識オキシトシンペプチドがオキシトシン受容体に結合するのを可能にすることと、c)個体における13N標識オキシトシンペプチドを非侵襲性の画像化技術によって画像化することとを含む方法が提供される。
一部の実施形態では、個体において、外因的に投与されたオキシトシンの動態を決定する方法であって、a)個体に、上述の13N標識オキシトシンペプチドのいずれかに従う13N標識オキシトシンペプチドを投与することと、b)個体における13N標識オキシトシンペプチドを、非侵襲性の画像化技術によって所定の期間にわたり画像化することとを含む方法が提供される。
上述の方法のいずれかに従う一部の実施形態において、非侵襲性の画像化技術は、陽電子放出断層撮影イメージングを含む。一部の実施形態では、非侵襲性の画像化技術は、コンピュータ断層撮影イメージングを用いた陽電子放出断層撮影、または磁気共鳴画像法を用いた陽電子放出断層撮影を含む。
上述の方法のいずれかに従う一部の実施形態において、13N標識オキシトシンペプチドは、頭蓋顔面粘膜投与によって投与される。一部の実施形態では、13N標識オキシトシンペプチドは、鼻腔内投与される。
上述の方法のいずれかに従う一部の実施形態において、13N標識オキシトシンペプチドは、静脈内、動脈内、腹腔内、小胞内(intravesicularly)、皮下、くも膜下腔内、肺内、筋肉内、気管内、眼科、経皮、または坐剤投与される。一部の実施形態では、13N標識オキシトシンペプチドは、静脈内投与される。
一部の実施形態では、上述の13N標識オキシトシンペプチドのいずれかに従う13N標識オキシトシンペプチドを含むキットが提供される。
図1は、13N−オキシトシンの合成および製造についての流れ図である。
図2は、CNS浸透が不十分であることを示す、オキシトシンの静脈内投与後のラットのPETおよびMR走査像である。
図3は、CNS浸透が不十分であることを示す、オキシトシンの鼻腔内投与後のラットのPETとMR走査像の重ね合わせである。
発明の詳細な説明
オキシトシンが特定の適応症について治療上有効になるためには、適正なターゲット組織に効率よく送達されなければならない。送達は、付与経路および製剤組成を始めとするパラメーターによって影響を受ける場合がある。特定の適応症の処置に有効であることが示された経路および製剤によって投与されたオキシトシンの空間的および時間的分布を正確に決定することができると、前記適応症のための治療上有効な薬物動態プロファイルを決定することが可能になる。そうした薬物動態プロファイルの知識によって、投与経路と製剤の新たな組合せを評価して、治療有効性を最大にすることが可能になる。さらに、種々の適応症の処置についてオキシトシンの作用部位を発見することで、調査のための追加の治療ターゲットが得られる場合もある。
放射標識されたオキシトシンペプチドの合成は、依然として難題であり、PETなどの従来の画像化技術を使用する妨げになっている。本明細書では、新規の13N標識オキシトシンペプチドおよびその製造方法が提供される。
定義
本明細書で使用するとき、「オキシトシンペプチド」とは、自然のオキシトシンと関連付けられる生物活性を有する物質を指す。オキシトシンペプチドは、自然に存在する内因性ペプチド、その断片、類似体、または誘導体である場合がある。オキシトシンペプチドは、非内因性ペプチド、その断片、類似体、または誘導体である場合もある。一態様では、オキシトシンペプチドは、ヒトオキシトシンである。他の態様では、オキシトシンペプチドは、ヒトオキシトシンの類似体または誘導体になる場合がある。
本明細書で使用するとき、「類似体」または「誘導体」とは、ペプチド内の1つまたは複数のアミノ酸が置換され、欠失し、または挿入されている、自然に存在するオキシトシンに対するいずれかのペプチド類似体を指す。この用語は、1つまたは複数のアミノ酸(たとえば、1つ、2つ、または3つのアミノ酸)が、たとえば化学修飾によって修飾されているいずれかのペプチドも指す。一般に、この用語は、オキシトシン活性を示すが、所望なら、異なる効力または薬理学的プロファイルを有していてもよい、すべてのペプチドをカバーする。
用語「治療剤」、「治療能力のある薬剤」、または「処置薬」は、区別なく使用され、対象に投与されるといくらかの有益な効果を付与する分子または化合物を指す。有益な効果には、診断判定を可能にすること;疾患、症状、障害、または病的状態の改善;疾患、症状、障害、または状態の発症を低減または予防すること;および疾患、症状、障害、または病的状態に広く対抗することが含まれる。
本明細書で使用するとき、「処置」または「処置する」とは、限定はしないが治療利益を始めとする、有益または所望の結果を得るための手法を指す。治療利益とは、処置がなされている1つまたは複数の疾患、状態、または症状の、治療と関係のあるいずれかの改善、またはそれに対する効果を意味する。
用語「有効量」または「治療有効量」とは、有益または所望の結果をもたらすのに十分である薬剤の量を指す。治療有効量は、処置がなされる対象および疾患状態、対象の体重および年齢、疾患状態の重症度、投与方式などの1つまたは複数に応じて様々となる場合があり、当業者が容易に決定することができる。この用語は、本明細書に記載の画像化方法のいずれか1つによる検出用画像を提供する用量にも適用される。詳細な用量は、選択された特定の薬剤、従うべき投薬レジメン、その薬剤を他の化合物と組み合わせて投与するかどうか、投与のタイミング、画像化される組織、およびその薬剤を運搬する物質送達系の1つまたは複数に応じて様々となりうる。
「頭蓋顔面粘膜投与」とは、鼻、鼻道、鼻腔の粘膜表面;歯肉(歯茎)、口腔底、口唇、舌、舌小帯および口底を含む舌下口腔表面を含めた口腔の粘膜表面、ならびに結膜、涙腺、鼻涙管、および上下眼瞼および眼の粘膜を含めた眼あるいは眼周囲の粘膜表面への送達を指す。
「鼻腔内投与」または「鼻腔内投与される」とは、スプレー、滴剤、粉末、ゲル、フィルム、吸入剤、または他の手段による鼻、鼻道、または鼻腔への送達を指す。
「鼻腔の下方領域」とは、一般に、中および下鼻甲介骨が突き出る部分の鼻腔を指し、三叉神経によって大きく支配される鼻腔領域である。「鼻腔の上方領域」は、嗅覚神経支配下に置かれている、上部3分の1および篩板領域によって範囲が画定される。
用語「対象」、「個体」、および「患者」は、本明細書では、脊椎動物、好ましくは、哺乳動物、より好ましくは、ヒトを指すのに、区別なく使用される。哺乳動物には、限定はしないが、ネズミ、サル、ヒト、家畜、スポーツ動物、および愛玩動物が含まれる。in vivoで取得され、またはin vitroで培養された生物学的存在の組織、細胞、およびその子孫も包含される。
本明細書で使用するとき、単数形「a」、「an」、および「the」は、別段示さない限り、複数の言及を包含する。
本明細書における「約」値またはパラメーターへの言及は、その値またはパラメーターそれ自体に向けられる実施形態を含む(およびそれについて述べる)。たとえば、「約X」に言及する記述は、「X」の記述を含む。
値の範囲が示されている場合では、その範囲の上限と下限の間にある各介在値、およびその明示された範囲における他のいずれかの明示または介在値が、本開示内に包含されるものとされる。たとえば、1μg〜8μgという範囲が明示される場合、2μg、3μg、4μg、5μg、6μg、および7μg、ならびに1μgより大きいまたはそれに等しい値の範囲、および8μg未満またはそれに等しい値の範囲も、明確に開示されるものとされる。10〜14%という範囲が明示される場合、10%、11%、12%、13%、および14%も明確に開示されるものとされる。さらに、明示された範囲における、その明示された範囲にあるいずれかの明示値または介在値と他のいずれかの明示または介在値の間にあるより小さい各範囲も、本開示内に包含される。こうしたより小さい範囲の上限および下限は、独立に、範囲に含まれる場合もあり、または除外される場合もあり、より小さい範囲に含まれるのがいずれかである、いずれでもない、または両方である各範囲も、明示された範囲に詳細に除外される境界があることを仮定して、本開示内に包含される。明示された範囲が境界の一方または両方を含む場合では、含まれるそうした境界のいずれかまたは両方を除外する範囲も、本開示に含まれる。
本発明の組成物および方法は、本明細書に記載の本発明の本質的な要素および制限事項、ならびに任意の付加的な、または必要に応じた、本明細書に記載する、またはそうでなくとも有用な成分、構成要素、または制限事項を含む、それからなる、またはそれから本質的になる場合がある。
別段指摘しない限り、技術用語は、従来の用法に従って使用する。
13N−オキシトシン
オキシトシンは、単離され、配列決定されることになる最初のペプチドホルモンの1つであった。天然オキシトシンは、1位と6位間で2つのシステイン残基がジスルフィド架橋を形成している、9アミノ酸環状ペプチドホルモンである。ヒトオキシトシンのアミノ酸配列は、Cys−Tyr−Ile−Gln−Asn−Cys−Pro−Leu−Gly(配列番号1)である。
オキシトシンを生成する方法は、記載されており、たとえば、米国特許第2,938,891号および米国特許第3,076,797号を参照されたい。加えて、オキシトシンは、市販品として入手可能である。様々なペプチド類似体および誘導体が入手可能であり、他のものについては、本発明内での使用を企図することができ、公知の方法に従って、生成し、生物活性を試験することができる。オキシトシン類似体には、限定はしないが、4−トレオニン−1−ヒドロキシ−デアミノオキシトシン、4−セリン−8−イソロイシン−オキシトシン、9−デアミドオキシトシン、7−D−プロリン−オキシトシンおよびそのデアミノ類似体、(2,4−ジイソロイシン)−オキシトシン、デアミノオキシトシン類似体、1−デアミノ−1−モノカルバ−E12−Tyr(OMe)]−OT(dCOMOT)、4−トレオニン−7−グリシン−オキシトシン(TG−OT)、オキシプレッシン、デアミノ−6−カルバ−オキシトキシン(dC60)、L−371,257およびオルト−トリグルオロ−エトキシフェニルアセチルコアを含んでいる関連した一連の化合物、たとえばL−374,943が含まれうる。他の例示的なオキシトシン類似体には、4−トレオニン−1−ヒドロキシ−デアミノオキシトシン、グリシンアミド残基の代わりにグリシン残基を含んでいるオキシトシン類似体である9−デアミドオキシトシン、ナトリウム排泄増加および利尿活性を有するオキシトシン類似体である7−D−プロリン−オキシトシン(2,4−ジイソロイシン)−オキシトシン、デアミノオキシトシン類似体、長時間作用性オキシトシン類似体、1−デアミノ−1−モノカルバ−E12−[Tyr(OMe)]−OT(dCOMOT)、カルベトシン、(1−ブタン酸−2−(O−メチル−L−チロシン)−1−カルバオキシトシン、デアミノ−1モノカルバ−(2−O−メチルチロシン)−オキシトシン[d(COMOT)])、[Thr4−Gly7]−オキシトシン(TG−OT)、オキシプレッシン、Ile−コノプレッシン、デアミノ−6−カルバ−オキシトキシン(dC60)、d[Lys(8)(5/6C−フルオレセイン)]VT、d[Thr(4),Lys(8)(5/6C−フルオレセイン)]VT、[HO(1)][Lys(8)(5/6C−フルオレセイン)]VT、[HO(1)][Thr(4),Lys(8)(5/6Cフルオレセイン)]VT、d[Om(8)(5/6C−フルオレセイン)]VT、d[Thr(4),Om(8)(5/6C−フルオレセイン)]VT、[HO(1)][Om(8)(5/6C−フルオレセイン)]VT、[HO(1)][Thr(4),Om(8)(5/6C−フルオレセイン)]VT、残基1または6間のジスルフィド架橋がチオエーテルで置き換えられている1−デアミノ−オキシトシン、ならびにジスルフィド結合が、ジセレニド結合、ジテルリド結合、テルロセレノ結合、テルロスルフィド結合、またはセレノスルフィド結合で置き換えられているデサミノ−オキシトシン類似体(たとえば、参照により本明細書に援用されるPCT特許出願WO2011/120,071に記載されているオキシトシンのペプチド類似体)が含まれる。本発明内で使用されるペプチドは、自然に存在するまたは天然のペプチド配列内のアミノ酸の部分的な置換、付加、または欠失によって取得可能であるペプチドでよい。ペプチドは、たとえば、カルボキシル末端のアミド化(−NH)、ペプチドにおけるDアミノ酸の使用、小さい非ペプチジル部分の組み込み、ならびにアミノ酸それ自体の修飾(たとえば、側鎖R−基のアルキル化またはエステル化)によって化学修飾されていてよい。そのような類似体、誘導体、および断片は、天然オキシトシンペプチドの所望の生物活性を実質的に保持すべきである。一部の実施形態では、オキシトシン類似体は、4−セリン−8−イソロイシン−オキシトシンまたは9−デアミドオキシトシンである。一部の実施形態では、オキシトシン類似体は、カルベトシンである。本開示は、他の公知のオキシトシン類似体、たとえば、その内容全体が参照により本明細書に援用される、PCT特許出願公開WO2012/042371およびWisniewski, et al. J Med Chem. 2014, 57:5306-5317に記載されている、ペプチド性オキシトシン受容体作動薬も包含する。一部の実施形態では、オキシトシン類似体は、Wisniewski, et al. J Med Chem. 2014, 57:5306-5317の中の表1〜3に記載されている化合物番号1〜65から選択される化合物である。一部の実施形態では、オキシトシン類似体は、化合物番号31([2−ThiMeGly7]dOT)、化合物番号47(カルバ−6−[Phe2,BuGly7]dOT)、化合物番号55(カルバ−6−[3−MeBzlGly7]dOT)、および化合物番号57(メロトシン(merotocin)とも呼ばれるカルバ−1−[4−FBzlGly7]dOT)からなる群から選択される。
「国際単位」(IU、UI、またはIE)は、ビタミン、ホルモン、およびワクチンを定量化するのに使用される、活性についての国際的に認められた単位である。この単位によって、多数の原材料からの調製物を標準化するために、定められた生物学的アッセイを使用して求められる、活性の単位となる物質の量が規定される。同様に、USP単位は、薬物製品の同一性、強度、品質、純度、および一貫性を確実にするために、食品医薬品局と協同して米国薬局方によって制定された、明確な投与量単位である。一般に、USP単位は、整合化の取り組みにより、国際単位に等しい。慣例により、オキシトシンについては、一般に、1単位の活性がおよそ2マイクログラムの合成オキシトシンペプチドに等しい、または1mgが500単位に等しいと規定される(Stedman's Medical Dictionary)。したがって、本明細書で使用するとき、1「IU」または「国際単位」のオキシトシンペプチドとは、およそ2マイクログラムの合成ペプチドと同じ生物活性を有する、または同じレベルの生物学的効果(たとえば、ラット子宮細片の収縮応答)を生じる量のオキシトシンペプチドである。活性がより弱い類似体であれば、同じレベルの生物学的効果を実現するのにより多くの材料が必要となる。薬物効力の決定は、当業者に周知されており、合成オキシトシンを基準として使用するin vitroまたはin vivoアッセイを含むものでよい。Atke and Vilhardt Acta Endocrinol 1987: 115(1):155-60、Engstrom et al. Eur J Pharmacol 1998: 355(2-3):203-10。
一部の実施形態では、本発明は、13N標識オキシトシン(本明細書では、「13N−オキシトシン」とも呼ぶ)を提供する。一部の実施形態では、オキシトシンペプチドの少なくとも1個の構成14N原子が、13N放射性核種で置き換えられている。一部の実施形態では、オキシトシンペプチドの少なくとも1つのアミノ酸が、13N放射性核種を含む部分を含むように修飾されている。一部の実施形態では、13N放射性核種を含む部分は、13NHである。一部の実施形態では、13N−オキシトシンペプチドは、単一の13N放射性核種を含む。一部の実施形態では、13N−オキシトシンペプチドは、4位にあるグルタミン残基中に単一の13N放射性核種を含む。一部の実施形態では、13N−オキシトシンペプチドは、5位にあるアスパラギン残基中に単一の13N放射性核種を含む。一部の実施形態では、13N−オキシトシンペプチドは、9位にあるグリシン残基中に単一の13N放射性核種を含む。一部の実施形態では、13N−オキシトシンペプチドは、13NHを含むように修飾されたグルタミン、アスパラギン、またはグリシン残基を含む。一部の実施形態では、13N−オキシトシンペプチドは、式(IV)の化合物である。一部の実施形態では、13N−オキシトシンペプチドは、本明細書に記載の実施形態のいずれかに従う13N−オキシトシンペプチドの調製方法を含む工程によって調製される。
調製方法
一部の実施形態では、13N−オキシトシンペプチドの調製方法が提供される。本発明の13N−オキシトシンペプチドは、以下で大まかに、後に実施例においてより詳細に記載するとおりのいくつかの工程によって調製することができる。以下の工程の記述において、記号は、示された式において使用されるとき、本明細書において式に関連して記載される基を表すと理解される。
化合物の特定の鏡像異性体を得ることが所望される場合では、対応する鏡像異性体混合物から、鏡像異性体を分離または分割するのに適する従来のいずれかの手順を使用して、これを実現することができる。すなわち、たとえば、鏡像異性体の混合物、たとえばラセミ体と、適切なキラル化合物とを反応させることにより、ジアステエレオマー誘導体を生成することができる。次いで、ジアステエレオマーを、従来のいずれかの手段、たとえば結晶化によって分離し、所望の鏡像異性体を回収することができる。別の分割方法では、キラル高速液体クロマトグラフィーを使用して、ラセミ体を分離することができる。別法として、所望であれば、記載した方法の一方において適切なキラル中間体を使用することにより、特定の鏡像異性体を得てもよい。
化合物の特定の異性体を得ること、またはそうでなく反応生成物を精製することが所望される場合でも、中間体または最終生成物を用いて、クロマトグラフィー(たとえば、HPLC)、再結晶、および他の従来の分離手順を使用することができる。
式(IV)の化合物は、スキーム1に従って調製することができ、スキーム1において、PG1は、アミン保護基(たとえば、tert−ブチルオキシカルボニル(Boc)、9−フルオレニルメチルオキシカルボニル(Fmoc)、2,2,2−トリクロロエチルホルミル(Troc)、カルボキシベンジル、およびアリルオキシカルボニル)であり、Rは、ホスホン酸エステル(たとえば、ホスホン酸ジエチル)、C〜Cアルキル(たとえば、エチル)、ベンジル、シリル(たとえば、トリメチルシリル)、またはアシル(たとえば、アセチル)であり、LGは、脱離基(たとえば、OH、O−アシル、OAt、OBt、Cl、1−イミダゾリルなど)である。
Figure 2021515005
化合物(I)をR−LGと結合させると、中間体化合物(II)が得られる。一部の実施形態では、R−LGは、シアノホスホン酸ジエチル(DECP)である。一部の実施形態では、化合物(I)のR−LGとの結合は、反応槽においてin situで実施される。化合物(II)は、気体13NHの存在下で、化合物(III)に変換される。一部の実施形態では、気体13NHは、液体ターゲット(たとえば、[16O(p,α)13N])にプロトン照射して13NH水溶液とした後、13NH水溶液を無希釈アルカリ水酸化物(たとえば、NaOH)と合わせて気体13NHを放出させることにより生成される。一部の実施形態では、液体ターゲットは、[16O(p,α)13N]である。一部の実施形態では、無希釈アルカリ水酸化物は、NaOHである。一部の実施形態では、13NH水溶液は、無希釈アルカリ水酸化物(たとえば、NaOH)を含有する槽に移されて、気体13NHが、たとえば、ヘリウム流を伴うTeflon管材料を通って放出される。一部の実施形態では、化合物(II)は、気体13NHの存在下、約0℃〜約65℃の間(たとえば、約0、5、10、20、30、40、50、60、または65℃のいずれか;これらの値の間にあるいずれの範囲も含める)の温度で、化合物(III)に変換される。一部の実施形態では、放出された気体13NHは、化合物(II)を含有する反応槽に移される。一部の実施形態では、放出された気体13NHは、化合物(II)を含有する反応槽に、陽圧によって、たとえば、シリンジの使用によって、手作業で移される。化合物(III)のアミンを脱保護すると、式(IV)の化合物が得られる。
ある特定の活性または不適合基(たとえば、アミンまたはカルボン酸)の保護が必要となる場合において、スキーム1における式は、そうした活性または不適合基が適切な保護形態になっている化合物を企図し、包含すると理解される。保護基およびその使用の概要については、P.G.M. Wuts and T.W. Greene, Greene's Protective Groups in Organic Synthesis 4th edition, Wiley-Interscience, New York, 2006を参照されたい。
スキーム1における調製方法の調製実施形態をスキーム1aに示しており、スキーム1aにおいて、RおよびRは、独立に、C〜CアルキルまたはC〜C14アリールであり、RおよびRのC〜CアルキルおよびC〜C14アリールは、独立に、ハロゲン、シアノ、またはC〜Cアルキルで必要に応じて置換されており、PG1は、アミン保護基(たとえば、tert−ブチルオキシカルボニル(Boc)、9−フルオレニルメチルオキシカルボニル(Fmoc)、2,2,2−トリクロロエチルホルミル(Troc)、カルボキシベンジル、およびアリルオキシカルボニル)であり、LGは、脱離基(たとえば、OH、O−アシル、OAt、OBt、Cl、1−イミダゾリルなど)である。
Figure 2021515005
化合物(Ia)をホスホン酸エステル化合物LG−P(=O)(OR)(OR)(たとえば、シアノホスホン酸ジエチル)と結合させると、中間体化合物(IIa)が得られる。一部の実施形態では、化合物(Ia)のLG−P(=O)(OR)(OR)との結合は、反応槽においてin situで実施される。化合物(IIa)は、気体13NHの存在下で、化合物(IIIa)に変換される。一部の実施形態では、気体13NHは、液体ターゲット(たとえば、[16O(p,α)13N])にプロトン照射して13NH水溶液とした後、13NH水溶液を無希釈アルカリ水酸化物(たとえば、NaOH)と合わせて気体13NHを放出させることにより生成される。一部の実施形態では、液体ターゲットは、[16O(p,α)13N]である。一部の実施形態では、無希釈アルカリ水酸化物は、NaOHである。一部の実施形態では、13NH水溶液は、無希釈アルカリ水酸化物(たとえば、NaOH)を含有する槽に移されて、気体13NHが、たとえば、ヘリウム流を伴うTeflon管材料を通って放出される。一部の実施形態では、化合物(IIa)は、気体13NHの存在下、約0℃〜約65℃の間(たとえば、約0、5、10、20、30、40、50、60、または65℃のいずれか;これらの値の間にあるいずれの範囲も含める)の温度で、化合物(IIIa)に変換される。一部の実施形態では、放出された気体13NHは、化合物(IIa)を含有する反応槽に移される。一部の実施形態では、放出された気体13NHは、化合物(IIa)を含有する反応槽に、陽圧によって、たとえば、シリンジの使用によって、手作業で移される。化合物(IIIa)のアミンを脱保護すると、式(IV)の化合物が得られる。
スキーム1における調製方法の別の調製実施形態をスキーム1bに示す。
Figure 2021515005
化合物(Ib)をシアノホスホン酸ジエチル(DECP)と結合させると、中間体化合物(IIb)が得られる。一部の実施形態では、化合物(Ib)は、ジメチルスルホキシド(DMSO)、テトラヒドロフラン(THF)、およびペンタメチルピペリジン(PMP)の存在下で、DECPと結合される。一部の実施形態では、結合反応におけるDECPは、約0.7当量〜約1.1当量の間(たとえば、約0.7、0.8、0.9、1.0、および1.1当量のいずれか)である。一部の実施形態では、結合反応におけるDECPは、約0.9当量である。一部の実施形態では、結合反応におけるDMSOのTHFに対する比は、約1:7〜約1:11の間(たとえば、約1:7、1:8、1:9、1:10、および1:11のいずれか)である。一部の実施形態では、結合反応におけるDMSOのTHFに対する比は、約1:9である。一部の実施形態では、化合物(Ib)のDECPとの結合は、約0℃〜約65℃の間(たとえば、約0、5、10、20、30、40、50、60、または65℃のいずれか;これらの値の間にあるいずれの範囲も含める)の温度で実施される。一部の実施形態では、化合物(Ib)のDEPCとの結合は、反応槽においてin situで実施される。一部の実施形態では、化合物(Ib)は、DMF/ジオキサン、DMF/THF、またはDMSO/ジオキサンの存在下で、DECPと結合される。化合物(IIb)は、気体13NHの存在下で、化合物(IIIb)に変換される。一部の実施形態では、気体13NHは、液体ターゲット(たとえば、[16O(p,α)13N])にプロトン照射して13NH水溶液とした後、13NH水溶液を無希釈アルカリ水酸化物(たとえば、NaOH)と合わせて気体13NHを放出させることにより生成される。一部の実施形態では、液体ターゲットは、[16O(p,α)13N]である。一部の実施形態では、無希釈アルカリ水酸化物は、NaOHである。一部の実施形態では、13NH水溶液は、無希釈アルカリ水酸化物(たとえば、NaOH)を含有する槽に移されて、気体13NHが、たとえば、ヘリウム流を伴うTeflon管材料を通って放出される。一部の実施形態では、化合物(IIb)は、気体13NHの存在下、約0℃〜約65℃の間(たとえば、約0、5、10、20、30、40、50、60、または65℃のいずれか;これらの値の間にあるいずれの範囲も含める)の温度で、化合物(IIIb)に変換される。一部の実施形態では、放出された気体13NHは、化合物(IIb)を含有する反応槽に移される。一部の実施形態では、放出された気体13NHは、化合物(IIb)を含有する反応槽に、陽圧によって、たとえば、シリンジの使用によって、手作業で移される。化合物(IIIb)のアミンを脱保護すると、式(IV)の化合物が得られる。一部の実施形態では、化合物(IIIb)が、HClおよびジオキサンの存在下で脱保護されて、化合物(IV)が得られる。一部の実施形態では、HClは、約3.5M〜約4.5Mの間(たとえば、約3.5、3.6、3.7、3.8、3.9、4.0、4.1、4.2、4.3、4.4、または4.5Mのいずれか)の濃度である。一部の実施形態では、脱保護は、約45℃〜約55℃の間(たとえば、約45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、または55℃のいずれか)の温度で実施される。一部の実施形態では、脱保護は、約50℃で実施される。一部の実施形態では、脱保護は、約1分〜約5分の間(たとえば、約1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、または5分のいずれか)の期間をかけて実施される。一部の実施形態では、脱保護は、約2.5分間実施される。一部の実施形態では、ジエチルエーテル中のHCl(たとえば、2M HCl)、THF/ジオキサン中のHCl(たとえば、1M HCl)、またはMeOH中のHCl(たとえば、1M HCl)の存在下で化合物(IIIb)が脱保護されて、化合物(IV)が得られる。
一部の実施形態では、化合物(III)、(IIIa)、または(IIIb)の脱保護によって、式(IV)の化合物の粗調製物が得られる。一部の実施形態では、化合物(IV)の粗調製物を精製して、試薬、有機溶媒、および/または前駆体が除去される。一部の実施形態では、精製は、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)または固相抽出(SPE)による。一部の実施形態では、精製は、1ステップで行われる。一部の実施形態では、精製は、複数のステップで行われる。たとえば、一部の実施形態では、精製は、a)化合物(IV)の粗調製物を第1の疎水性SPEカラムに付与して、13N−オキシトシンおよび粗調製物の前駆体が第1の疎水性SPEカラムに保持されるようにすることと、b)水性イオン対試薬を含む溶液を第1の疎水性SPEカラムに付与して、13N−オキシトシンが第1の溶出液中に溶離するようにすることと、c)第1の溶出液を第2の疎水性SPEカラムに付与して、第1の溶出液の13N−オキシトシンが、第2の疎水性SPEカラムに保持されるようにすることと、d)13N−オキシトシンを第2の溶出液中に溶離させることとを含む。一部の実施形態では、第1および/または第2の疎水性SPEカラムは、Sep−Pak C18カートリッジ(Waters)などの、強い疎水性を有する、シリカを主体とする結合相を含む。一部の実施形態では、粗調製物は、第1の疎水性SPEカラムにかける前に希釈される。一部の実施形態では、水性イオン対試薬を含む溶液は、アセトニトリルを含む。一部の実施形態では、水性イオン対試薬を含む溶液は、約15%〜約25%の間(たとえば、約15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、または25%のいずれか)の濃度でアセトニトリルを含む。一部の実施形態では、第1の溶出液は、第2の疎水性SPEカラムにかける前に希釈される。
使用方法
画像化
一部の実施形態では、対象において、外因的に投与されたオキシトシンをin vivoで画像化する方法が提供される。方法は、(a)対象に、本明細書に記載の実施形態のいずれかに従う13N標識オキシトシンペプチドを投与することと、(b)13N標識オキシトシンペプチドが、画像化しようとする組織または細胞部位に蓄積するのを可能にするのに十分な時間待機することと、(c)細胞または組織を非侵襲性の画像化技術によって画像化することとを含む。非侵襲性の画像化技術は、陽電子放出断層撮影イメージング、またはコンピュータ断層撮影イメージングを用いた陽電子放出断層撮影、または磁気共鳴画像法を用いた陽電子放出断層撮影でよい。一部の実施形態では、13N−オキシトシンペプチドは、式(IV)の化合物である。一部の実施形態では、13N標識オキシトシンは、たとえば、中枢神経系(CNS)組織を画像化するために、頭蓋顔面粘膜投与(たとえば、経鼻、頬側、または舌下投与)によって投与される。一部の実施形態では、13N標識オキシトシンは、鼻腔内投与される。一部の実施形態では、13N標識オキシトシンは、たとえば、末梢組織を画像化するために、静脈内、動脈内、腹腔内、小胞内、皮下、くも膜下腔内、肺内、筋肉内、気管内、眼科(たとえば、眼内)、経皮、または坐剤投与される。一部の実施形態では、13N標識オキシトシンは、静脈内投与される。
13N標識オキシトシンペプチドの投与を含む本明細書に記載の方法のいずれかに従う一部の実施形態において、13N標識オキシトシンペプチドは、非放射標識オキシトシンペプチドと共投与される。一部の実施形態では、13N標識オキシトシンペプチドと非放射標識オキシトシンペプチドは、単一の製剤または組成物中に含有される。一部の実施形態では、13N標識オキシトシンペプチドと非放射標識オキシトシンペプチドは、別個の製剤または組成物中に含有される。一部の実施形態では、方法は、非放射標識オキシトシンを含む一定量(たとえば、有効量)の組成物を投与するステップをさらに含む。一部の実施形態では、非放射標識オキシトシンの投与は、13N標識オキシトシンペプチドの投与前、たとえば、13N標識オキシトシンペプチドの投与の少なくとも約10分前(たとえば、少なくとも約10分、20分、30分、45分、1時間、2時間、3時間、4時間、またはそれより長時間前のいずれか;これらの値の間にあるいずれの範囲も含める)に実施される。一部の実施形態では、非放射標識オキシトシンの投与は、13N標識オキシトシンペプチドの投与後、たとえば、13N標識オキシトシンペプチドの投与の少なくとも約10分後(たとえば、少なくとも約10分、20分、30分、45分、1時間、2時間、3時間、4時間、またはそれより長時間後のいずれか;これらの値の間にあるいずれの範囲も含める)に実施される。一部の実施形態では、非放射標識オキシトシンの投与は、13N標識オキシトシンペプチドの投与後、たとえば、13N標識オキシトシンペプチドの投与の少なくとも約10分後(たとえば、少なくとも約10分、20分、30分、45分、1時間、2時間、3時間、4時間、またはそれより長時間後のいずれか;これらの値の間にあるいずれの範囲も含める)に実施され、方法は、非放射標識オキシトシンの投与後、たとえば、非放射標識オキシトシンの投与の少なくとも約10分後(たとえば、少なくとも約10分、20分、30分、45分、1時間、2時間、3時間、4時間、またはそれより長時間後のいずれか;これらの値の間にあるいずれの範囲も含める)に、ステップ(a)、(b)、および(c)を繰り返すことをさらに含む。一部の実施形態では、2用量の13N標識オキシトシンペプチドが投与される場合において、2用量の13N標識オキシトシンペプチドの投与間の時間間隔は、少なくとも約20分(たとえば、少なくとも約20分、30分、45分、1時間、2時間、3時間、4時間、またはそれより長時間のいずれか;これらの値の間にあるいずれの範囲も含める)である。一部の実施形態では、方法は、1回または複数の追加用量(たとえば、有効用量)の非放射標識オキシトシンの投与をさらに含む。一部の実施形態では、非放射標識オキシトシンが13N標識オキシトシンと別々に投与される場合において、非放射標識オキシトシンは、13N標識オキシトシンと同じ経路で投与される。一部の実施形態では、非放射標識オキシトシンが13N標識オキシトシンと別々に投与される場合において、非放射標識オキシトシンは、13N標識オキシトシンと異なる経路で投与される。一部の実施形態では、非放射標識オキシトシンは、頭蓋顔面粘膜投与(たとえば、経鼻、頬側、または舌下投与)によって投与される。一部の実施形態では、非放射標識オキシトシンは、鼻腔内投与される。一部の実施形態では、非放射標識オキシトシンは、静脈内、動脈内、腹腔内、小胞内、皮下、くも膜下腔内、肺内、筋肉内、気管内、眼科(たとえば、眼内)、経皮、または坐剤投与される。一部の実施形態では、非放射標識オキシトシンは、静脈内投与される。
13N標識オキシトシンペプチドの投与を含む本明細書に記載の方法のいずれかに従う一部の実施形態において、13N標識オキシトシンペプチドは、別の薬剤と共投与される。一部の実施形態では、他の薬剤は、オキシトシンの分布、動態、および/または薬力学に影響を及ぼす。一部の実施形態では、他の薬剤は、二価金属カチオン(たとえば、Mg2+、Ca2+、Zn2+、またはCu2+)である。一部の実施形態では、二価金属カチオンは、Mg2+である。一部の実施形態では、他の薬剤は、バソプレシンである。一部の実施形態では、13N標識オキシトシンペプチドと他の薬剤は、単一の製剤または組成物中に含有される。たとえば、一部の実施形態では、方法は、13N標識オキシトシンペプチドと、二価金属カチオン(たとえば、Mg2+、Ca2+、Zn2+、もしくはCu2+)またはバソプレシンとを含む製剤または組成物の投与を含む。一部の実施形態では、13N標識オキシトシンペプチドと他の薬剤は、別個の製剤または組成物中に含有される。たとえば、一部の実施形態では、方法は、13N標識オキシトシンペプチドを含む製剤または組成物の投与と、二価金属カチオン(たとえば、Mg2+、Ca2+、Zn2+、もしくはCu2+)またはバソプレシンを含む製剤または組成物の投与とを含む。一部の実施形態では、他の薬剤は、13N標識オキシトシンペプチドと同時に投与される。一部の実施形態では、他の薬剤および13N標識オキシトシンペプチドが、順次投与される。一部の実施形態では、他の薬剤は、13N標識オキシトシンペプチドの前に投与される。一部の実施形態では、他の薬剤は、13N標識オキシトシンペプチドの後に投与される。一部の実施形態では、他の薬剤が13N標識オキシトシンと別々に投与される場合において、他の薬剤は、13N標識オキシトシンと同じ経路で投与される。一部の実施形態では、他の薬剤が13N標識オキシトシンと別々に投与される場合において、他の薬剤は、13N標識オキシトシンンと異なる経路で投与される。一部の実施形態では、他の薬剤は、頭蓋顔面粘膜投与(たとえば、経鼻、頬側、または舌下投与)によって投与される。一部の実施形態では、他の薬剤は、鼻腔内投与される。一部の実施形態では、他の薬剤は、静脈内、動脈内、腹腔内、小胞内、皮下、くも膜下腔内、肺内、筋肉内、気管内、眼科(たとえば、眼内)、経皮、または坐剤投与される。一部の実施形態では、他の薬剤は、静脈内投与される。
一部の実施形態では、対象において、外因的に投与されたオキシトシンを放射断層撮影によって画像化する方法が提供される。方法は、(a)対象に、本明細書に記載の実施形態のいずれかに従う13N標識オキシトシンペプチドを投与するステップと、(b)複数の検出器を使用して、対象から放射されたガンマ線を検出し、検出されたガンマ線に対応する信号を伝達するステップと、(c)信号から、対象の目的の領域の一連の医用画像を再構築するステップとを含む。一部の実施形態では、13N−オキシトシンペプチドは、式(IV)の化合物である。一部の実施形態では、13N−オキシトシンペプチドは、頭蓋顔面粘膜投与(たとえば、鼻腔内投与)によって投与される。一部の実施形態では、13N−オキシトシンペプチドは、静脈内、動脈内、腹腔内、小胞内、皮下、くも膜下腔内、肺内、筋肉内、気管内、眼科(たとえば、眼内)、経皮、または坐剤投与される。
一部の実施形態では、本明細書に記載の実施形態のいずれかに従う13N標識オキシトシンペプチドが検出可能な量投与されているヒト患者の画像を取得することを含む画像化方法が提供される。方法は、陽電子放出断層撮影イメージング、またはコンピュータ断層撮影イメージングを用いた陽電子放出断層撮影、または磁気共鳴画像法を用いた陽電子放出断層撮影を使用して、患者の画像(たとえば、脳画像)を取得することを含む場合がある。13N標識オキシトシンペプチドの検出可能な量は、細胞または組織における13N標識オキシトシンペプチドの蓄積を医学イメージング技術によって検出することを可能にするのに十分な量である。一部の実施形態では、13N−オキシトシンペプチドは、式(IV)の化合物である。一部の実施形態では、13N−オキシトシンペプチドは、頭蓋顔面粘膜投与(たとえば、鼻腔内投与)によって投与される。一部の実施形態では、13N−オキシトシンペプチドは、静脈内、動脈内、腹腔内、小胞内、皮下、くも膜下腔内、肺内、筋肉内、気管内、眼科(たとえば、眼内)、経皮、または坐剤投与される。
一部の実施形態では、対象において、外因的に投与されたオキシトシンの分布を決定する方法が提供される。一部の実施形態では、方法は、(a)対象に、本明細書に記載の実施形態のいずれかに従う13N標識オキシトシンペプチドを投与することと、(b)13N標識オキシトシンペプチドが、画像化しようとする組織または細胞部位に蓄積するのを可能にすることと、(c)細胞または組織を非侵襲性の画像化技術によって画像化することとを含む。非侵襲性の画像化技術は、陽電子放出断層撮影イメージング、またはコンピュータ断層撮影イメージングを用いた陽電子放出断層撮影、または磁気共鳴画像法を用いた陽電子放出断層撮影でよい。一部の実施形態では、13N−オキシトシンペプチドは、式(IV)の化合物である。一部の実施形態では、13N−オキシトシンペプチドは、頭蓋顔面粘膜投与(たとえば、鼻腔内投与)によって投与される。一部の実施形態では、13N−オキシトシンペプチドは、静脈内、動脈内、腹腔内、小胞内、皮下、くも膜下腔内、肺内、筋肉内、気管内、眼科(たとえば、眼内)、経皮、または坐剤投与される。
一部の実施形態では、対象においてオキシトシン受容体の分布を決定する方法が提供される。一部の実施形態では、方法は、(a)対象に、本明細書に記載の実施形態のいずれかに従う13N標識オキシトシンペプチドを投与することと、(b)13N標識オキシトシンペプチドがオキシトシン受容体に結合するのを可能にすることと、(c)個体における13N標識オキシトシンペプチドを非侵襲性の画像化技術によって画像化することとを含む。非侵襲性の画像化技術は、陽電子放出断層撮影イメージング、またはコンピュータ断層撮影イメージングを用いた陽電子放出断層撮影、または磁気共鳴画像法を用いた陽電子放出断層撮影でよい。一部の実施形態では、13N−オキシトシンペプチドは、式(IV)の化合物である。一部の実施形態では、13N−オキシトシンペプチドは、頭蓋顔面粘膜投与(たとえば、鼻腔内投与)によって投与される。一部の実施形態では、13N−オキシトシンペプチドは、静脈内、動脈内、腹腔内、小胞内、皮下、くも膜下腔内、肺内、筋肉内、気管内、眼科(たとえば、眼内)、経皮、または坐剤投与される。
一部の実施形態では、個体において、外因的に投与されたオキシトシンの動態を決定する方法が提供される。一部の実施形態では、方法は、(a)対象に、本明細書に記載の実施形態のいずれかに従う13N標識オキシトシンペプチドを投与することと、(b)個体における13N標識オキシトシンペプチドを、非侵襲性の画像化技術によって所定の期間にわたり画像化することとを含む。非侵襲性の画像化技術は、陽電子放出断層撮影イメージング、またはコンピュータ断層撮影イメージングを用いた陽電子放出断層撮影、または磁気共鳴画像法を用いた陽電子放出断層撮影でよい。一部の実施形態では、13N−オキシトシンペプチドは、式(IV)の化合物である。一部の実施形態では、13N−オキシトシンペプチドは、頭蓋顔面粘膜投与(たとえば、鼻腔内投与)によって投与される。一部の実施形態では、13N−オキシトシンペプチドは、静脈内、動脈内、腹腔内、小胞内、皮下、くも膜下腔内、肺内、筋肉内、気管内、眼科(たとえば、眼内)、経皮、または坐剤投与される。
放射断層撮影
一部の実施形態では、本明細書に記載の方法は、13N標識オキシトシンペプチドを放射性トレーサーとして使用する画像化プロセスの間に対象の一連の医用画像を取得するための放射断層撮影システムを用いる。一部の実施形態では、システムは、対象から放射されたガンマ線を、対象への13N標識オキシトシンペプチドの投与を基準として所定の期間かけて取得し、取得されたガンマ線に対応する信号を伝達するための、対象のまわりに配置されるように構成された複数の検出器と、複数の検出器からの信号を受信するように構成されたデータ処理システムと、データ処理システムからの信号を受信し、対象の一連の医用画像をそれから再構築するように構成された再構築システムとを含む。13N標識オキシトシンペプチドは、本明細書に記載の13N標識オキシトシンペプチドのいずれでもよい。
処置
一部の実施形態では、精神、神経精神、および心理障害、炎症状態、ならびに疼痛を始めとする障害または状態を処置する方法であって、それを必要とする個体に、有効用量のオキシトシンペプチド製剤を投与することを含み、オキシトシンペプチド製剤の投与の結果、個体におけるオキシトシンペプチドの分布および/または動態が、障害または状態の処置に好都合となる、方法が提供される。一部の実施形態では、個体におけるオキシトシンペプチドの分布および/または動態は、個体に、13N標識オキシトシンを含む13N−オキシトシンペプチド製剤または組成物を投与し、個体における13N標識オキシトシンペプチドを、本明細書に記載の実施形態のいずれかに従って、たとえばPETによって画像化することにより明らかにされる。一部の実施形態では、オキシトシンペプチド製剤は、非放射標識オキシトシンをさらに含む。一部の実施形態では、オキシトシンペプチド製剤は、障害または状態を処置するための有効量のオキシトシン(13N標識オキシトシンおよび非放射標識オキシトシンを含める)を含む。一部の実施形態では、オキシトシンペプチド製剤は、a)有効量の非放射標識オキシトシンと、b)イメージングトレーサー、たとえば、PETトレーサーとしての使用に適する量の13N標識オキシトシンとを含む。一部の実施形態では、オキシトシンペプチド製剤は、頭蓋顔面粘膜投与(たとえば、鼻腔内投与)によって投与される。一部の実施形態では、オキシトシンペプチド製剤は、静脈内、動脈内、腹腔内、小胞内、皮下、くも膜下腔内、肺内、筋肉内、気管内、眼科(たとえば、眼内)、経皮、または坐剤投与される。一部の実施形態では、神経精神障害には、自閉症スペクトラム障害、自閉症スペクトラム障害と関連する1つまたは複数の症状を示す障害、社会的およびコミュニケーション障害、ならびに不安障害が含まれる。一部の実施形態では、疼痛には、口腔顔面および頭蓋顔面痛(たとえば、頭痛)、頚部痛(たとえば、後頭神経痛)、および上肢における疼痛が含まれる。
たとえば、一部の実施形態では、疼痛および/または炎症状態を処置する方法であって、それを必要とする個体に、有効用量のオキシトシンペプチド製剤を投与することを含み、オキシトシンペプチド製剤の投与の結果、オキシトシンペプチドが、三叉神経によって支配される鼻粘膜に分布する、方法が提供される。一部の実施形態では、個体におけるオキシトシンペプチドの分布は、個体に、13N標識オキシトシンを含む13N−オキシトシンペプチド製剤または組成物を投与し、個体における13N標識オキシトシンペプチドを、本明細書に記載の実施形態のいずれかに従って、たとえばPETによって画像化することにより明らかにされる。一部の実施形態では、オキシトシンペプチド製剤は、頭蓋顔面粘膜投与(たとえば、鼻腔内投与)によって投与される。一部の実施形態では、オキシトシンペプチド製剤は、静脈内投与される。一部の実施形態では、疼痛には、口腔顔面および頭蓋顔面痛(たとえば、頭痛)、頚部痛(たとえば、後頭神経痛)、および上肢の疼痛が含まれる。
一部の実施形態では、精神、神経精神、または心理障害を処置する方法であって、それを必要とする個体に、有効用量のオキシトシンペプチド製剤を投与することを含み、オキシトシンペプチド製剤の投与の結果、オキシトシンペプチドが、嗅神経によって支配される鼻粘膜(たとえば、上方の大部分の粘膜)に分布する、方法が提供される。一部の実施形態では、個体におけるオキシトシンペプチドの分布は、個体に、検出可能な量の13N標識オキシトシンが添加されたオキシトシンペプチド製剤または組成物を投与し、個体における13N標識オキシトシンペプチドを、本明細書に記載の実施形態のいずれかに従って、たとえばPETによって画像化することにより明らかにされる。一部の実施形態では、オキシトシンペプチド製剤は、頭蓋顔面粘膜投与(たとえば、鼻腔内投与)によって投与される。一部の実施形態では、オキシトシンペプチド製剤は、静脈内投与される。一部の実施形態では、神経精神障害には、自閉症スペクトラム障害、自閉症スペクトラム障害と関連する1つまたは複数の症状を示す障害、社会的およびコミュニケーション障害、ならびに不安障害が含まれる。
一部の実施形態では、個体における、精神、神経精神、および心理障害、炎症状態、ならびに疼痛を始めとする障害または状態の処置について、オキシトシンペプチド製剤を評価する方法であって、a)13N標識オキシトシンを含むオキシトシンペプチド製剤を個体に投与することと、b)個体における13N標識オキシトシンの分布および/または動態を、本明細書に記載の実施形態のいずれかに従って決定することと、c)個体における13N標識オキシトシンの分布および/または動態の好ましさに基づき、障害または状態の処置について、オキシトシンペプチド製剤を評価することとを含む方法が提供される。一部の実施形態では、オキシトシンペプチド製剤は、非放射標識オキシトシンをさらに含む。一部の実施形態では、オキシトシンペプチド製剤は、障害または状態を処置するための有効量のオキシトシン(13N標識オキシトシンおよび非放射標識オキシトシンを含める)を含む。一部の実施形態では、オキシトシンペプチド製剤は、a)有効量の非放射標識オキシトシンと、b)イメージングトレーサー、たとえば、PETトレーサーとしての使用に適する量の13N標識オキシトシンとを含む。一部の実施形態では、オキシトシンペプチド製剤は、頭蓋顔面粘膜投与(たとえば、鼻腔内投与)によって投与される。一部の実施形態では、オキシトシンペプチド製剤は、静脈内、動脈内、腹腔内、小胞内、皮下、くも膜下腔内、肺内、筋肉内、気管内、眼科(たとえば、眼内)、経皮、または坐剤投与される。
一部の実施形態では、精神、神経精神、および心理障害、炎症状態、ならびに疼痛を始めとする障害または状態の処置について、オキシトシンペプチド製剤を評価する方法であって、a)13N標識オキシトシンを含むオキシトシンペプチド製剤を複数の個体に投与することと、b)複数の個体における13N標識オキシトシンの分布および/または動態を、本明細書に記載の実施形態のいずれかに従って決定することと、c)複数の個体における13N標識オキシトシンの分布および/または動態の好ましさに基づき、障害または状態の処置について、オキシトシンペプチド製剤を評価することとを含む方法が提供される。一部の実施形態では、オキシトシンペプチド製剤は、非放射標識オキシトシンをさらに含む。一部の実施形態では、オキシトシンペプチド製剤は、障害または状態を処置するための有効量のオキシトシン(13N標識オキシトシンおよび非放射標識オキシトシンを含める)を含む。一部の実施形態では、オキシトシンペプチド製剤は、a)有効量の非放射標識オキシトシンと、b)イメージングトレーサー、たとえば、PETトレーサーとしての使用に適する量の13N標識オキシトシンとを含む。一部の実施形態では、オキシトシンペプチド製剤は、頭蓋顔面粘膜投与(たとえば、鼻腔内投与)によって投与される。一部の実施形態では、オキシトシンペプチド製剤は、静脈内、動脈内、腹腔内、小胞内、皮下、くも膜下腔内、肺内、筋肉内、気管内、眼科(たとえば、眼内)、経皮、または坐剤投与される。
一部の実施形態では、個体における、精神、神経精神、および心理障害、炎症状態、ならびに疼痛を始めとする障害または状態を処置するためのオキシトシンペプチド製剤を選択する方法であって、a)13N標識オキシトシンを含む、複数のオキシトシンペプチド製剤を個体に投与することと、b)複数のオキシトシンペプチド製剤それぞれについての、個体における13N標識オキシトシンの分布および/または動態を、本明細書に記載の実施形態のいずれかに従って決定することと、c)個体における13N標識オキシトシンの分布および/または動態が障害または状態の処置に最も好都合であるオキシトシンペプチド製剤を選択することとを含む方法が提供される。一部の実施形態では、オキシトシンペプチド製剤は、非放射標識オキシトシンをさらに含む。一部の実施形態では、オキシトシンペプチド製剤は、障害または状態を処置するための有効量のオキシトシン(13N標識オキシトシンおよび非放射標識オキシトシンを含める)を含む。一部の実施形態では、オキシトシンペプチド製剤は、a)有効量の非放射標識オキシトシンと、b)イメージングトレーサー、たとえば、PETトレーサーとしての使用に適する量の13N標識オキシトシンとを含む。一部の実施形態では、オキシトシンペプチド製剤は、頭蓋顔面粘膜投与(たとえば、鼻腔内投与)によって投与される。一部の実施形態では、オキシトシンペプチド製剤は、静脈内、動脈内、腹腔内、小胞内、皮下、くも膜下腔内、肺内、筋肉内、気管内、眼科(たとえば、眼内)、経皮、または坐剤投与される。
一部の実施形態では、精神、神経精神、および心理障害、炎症状態、ならびに疼痛を始めとする障害または状態を処置するためのオキシトシンペプチド製剤を選択する方法であって、a)13N標識オキシトシンを含む、複数のオキシトシンペプチド製剤を複数の個体に投与することと、b)複数のオキシトシンペプチド製剤それぞれについての、複数の個体それぞれにおける13N標識オキシトシンの分布および/または動態を、本明細書に記載の実施形態のいずれかに従って決定することと、c)複数の個体における13N標識オキシトシンの分布および/または動態が障害または状態の処置に最も好都合であるオキシトシンペプチド製剤を選択することとを含む方法が提供される。一部の実施形態では、オキシトシンペプチド製剤は、非放射標識オキシトシンをさらに含む。一部の実施形態では、オキシトシンペプチド製剤は、障害または状態を処置するための有効量のオキシトシン(13N標識オキシトシンおよび非放射標識オキシトシンを含める)を含む。一部の実施形態では、オキシトシンペプチド製剤は、a)有効量の非放射標識オキシトシンと、b)イメージングトレーサー、たとえば、PETトレーサーとしての使用に適する量の13N標識オキシトシンとを含む。一部の実施形態では、オキシトシンペプチド製剤は、頭蓋顔面粘膜投与(たとえば、鼻腔内投与)によって投与される。一部の実施形態では、オキシトシンペプチド製剤は、静脈内、動脈内、腹腔内、小胞内、皮下、くも膜下腔内、肺内、筋肉内、気管内、眼科(たとえば、眼内)、経皮、または坐剤投与される。
一部の実施形態では、個体において、精神、神経精神、および心理障害、炎症状態、ならびに疼痛を始めとする障害または状態を処置するための、オキシトシンペプチド製剤の投与を含む療法を評価する方法であって、a)オキシトシンペプチド製剤が13N標識オキシトシンを含む療法によって個体を処置することと、b)個体における13N標識オキシトシンの分布および/または動態を、本明細書に記載の実施形態のいずれかに従って決定することと、c)個体における13N標識オキシトシンの分布および/または動態の好ましさに基づき、障害または状態の処置について、療法を評価することとを含む方法が提供される。一部の実施形態では、オキシトシンペプチド製剤は、非放射標識オキシトシンをさらに含む。一部の実施形態では、オキシトシンペプチド製剤は、障害または状態を処置するための有効量のオキシトシン(13N標識オキシトシンおよび非放射標識オキシトシンを含める)を含む。一部の実施形態では、オキシトシンペプチド製剤は、a)有効量の非放射標識オキシトシンと、b)イメージングトレーサー、たとえば、PETトレーサーとしての使用に適する量の13N標識オキシトシンとを含む。療法は、「オキシトシン投与」と題した部に記載する方法などの、本明細書に記載の投与方法のいずれかによって投与される、「オキシトシンペプチド製剤」と題した部に記載する製剤などの、本明細書に記載の製剤のいずれかに従うオキシトシンペプチド製剤を含むものでよい。
一部の実施形態では、精神、神経精神、および心理障害、炎症状態、ならびに疼痛を始めとする障害または状態を処置するための、オキシトシンペプチド製剤の投与を含む療法を評価する方法であって、a)オキシトシンペプチド製剤が13N標識オキシトシンを含む療法によって、複数の個体を処置することと、b)複数の個体における13N標識オキシトシンの分布および/または動態を、本明細書に記載の実施形態のいずれかに従って決定することと、c)複数の個体における13N標識オキシトシンの分布および/または動態の好ましさに基づき、障害または状態の処置について、療法を評価することとを含む方法が提供される。一部の実施形態では、オキシトシンペプチド製剤は、非放射標識オキシトシンをさらに含む。一部の実施形態では、オキシトシンペプチド製剤は、障害または状態を処置するための有効量のオキシトシン(13N標識オキシトシンおよび非放射標識オキシトシンを含める)を含む。一部の実施形態では、オキシトシンペプチド製剤は、a)有効量の非放射標識オキシトシンと、b)イメージングトレーサー、たとえば、PETトレーサーとしての使用に適する量の13N標識オキシトシンとを含む。療法は、「オキシトシン投与」と題した部に記載する方法などの、本明細書に記載の投与方法のいずれかによって投与される、「オキシトシンペプチド製剤」と題した部に記載する製剤などの、本明細書に記載の製剤のいずれかに従うオキシトシンペプチド製剤を含むものでよい。
一部の実施形態では、個体において、精神、神経精神、および心理障害、炎症状態、ならびに疼痛を始めとする障害または状態を処置するための、オキシトシンペプチド製剤の投与を含む療法を選択する方法であって、a)13N標識オキシトシンを含むオキシトシンペプチド製剤の投与を含む複数の療法によって個体を処置することと、b)複数の療法それぞれについての、個体における13N標識オキシトシンの分布および/または動態を、本明細書に記載の実施形態のいずれかに従って決定することと、c)個体における13N標識オキシトシンの分布および/または動態が障害または状態の処置に最も好都合である療法を選択することとを含む方法が提供される。一部の実施形態では、オキシトシンペプチド製剤は、非放射標識オキシトシンをさらに含む。一部の実施形態では、オキシトシンペプチド製剤は、障害または状態を処置するための有効量のオキシトシン(13N標識オキシトシンおよび非放射標識オキシトシンを含める)を含む。一部の実施形態では、オキシトシンペプチド製剤は、a)有効量の非放射標識オキシトシンと、b)イメージングトレーサー、たとえば、PETトレーサーとしての使用に適する量の13N標識オキシトシンとを含む。療法は、「オキシトシン投与」と題した部に記載する方法などの、本明細書に記載の投与方法のいずれかによって投与される、「オキシトシンペプチド製剤」と題した部に記載する製剤などの、本明細書に記載の製剤のいずれかに従うオキシトシンペプチド製剤を含むものでよい。
一部の実施形態では、精神、神経精神、および心理障害、炎症状態、ならびに疼痛を始めとする障害または状態を処置するための、オキシトシンペプチド製剤の投与を含む療法を選択する方法であって、a)13N標識オキシトシンを含むオキシトシンペプチド製剤の投与を含む複数の療法によって、複数の個体を処置することと、b)複数の療法それぞれについての、複数の個体それぞれにおける13N標識オキシトシンの分布および/または動態を、本明細書に記載の実施形態のいずれかに従って決定することと、c)複数の個体における13N標識オキシトシンの分布および/または動態が障害または状態の処置に最も好都合である療法を選択することとを含む方法が提供される。一部の実施形態では、オキシトシンペプチド製剤は、非放射標識オキシトシンをさらに含む。一部の実施形態では、オキシトシンペプチド製剤は、障害または状態を処置するための有効量のオキシトシン(13N標識オキシトシンおよび非放射標識オキシトシンを含める)を含む。一部の実施形態では、オキシトシンペプチド製剤は、a)有効量の非放射標識オキシトシンと、b)イメージングトレーサー、たとえば、PETトレーサーとしての使用に適する量の13N標識オキシトシンとを含む。療法は、「オキシトシン投与」と題した部に記載する方法などの、本明細書に記載の投与方法のいずれかによって投与される、「オキシトシンペプチド製剤」と題した部に記載する製剤などの、本明細書に記載の製剤のいずれかに従うオキシトシンペプチド製剤を含むものでよい。
疾患および状態
用語「自閉症スペクトラム障害(ASD)」または「自閉症」とは、脳の発達の一群の複合障害を指す。こうした障害は、様々な程度で、社会的交流、言語および非言語コミュニケーションの困難、および反復行動を特徴とする。Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders (DSM-5)の第5版の2013年5月の刊行をもって、すべての自閉症障害が、ASDという一まとまりの診断に統合された。以前は、自閉性障害、小児期崩壊性障害、他に指定されない広汎性発達障害(PDD−NOS)、およびアスペルガー症候群を始めとするそうした障害が、異なった亜型として認識されていた。http://www.autismspeaks.org/what-autismを参照されたい。当業者には、自閉症スペクトラム障害の症状が、他の多くの精神障害と少なからず部分的に一致していることを認識されよう。自閉症スペクトラム障害において示されるものと同様の症状を示す障害の例としては、限定はしないが、社交不安障害、強迫性障害、社会的(語用論的)コミュニケーション障害、ならびに、限定はしないが、注意欠陥多動性障害、プラダー−ウィリー症候群、チモシー症候群、脆弱X症候群、レット症候群、およびウィリアムス症候群を始めとする神経発達障害が挙げられる。
自閉症スペクトラム障害(ASD)は、社会的交流困難、コミュニケーションの課題、および反復行動をとる傾向を特徴とする。しかし、症状およびその重症度は、これらの3つのコア範囲にわたって変化に富む。ASDは、知的障害、運動協調および注意の困難、ならびに睡眠および胃腸障害などの身体的な健康問題と関連付けられる場合もある。ASDは、不安および抑うつを始めとする精神症状と関連付けられる場合もある。たとえば、Kim et al., Autism 2000, 4(2):117-132を参照されたい。
オキシトシンによって、自閉症スペクトラム障害における不安ならびに社会的およびコミュニケーション障害を始めとするいくつかの状態が処置されることは公知となっている。しかし、自閉症スペクトラム障害における社会的およびコミュニケーション障害を処置する際のオキシトシンの効果は、患者間で大きく異なることが観察されている。オキシトシンの受容体利用能および受容体親和性のばらつきが、効果のばらつきの一因である可能性がある。市販のオキシトシン製剤(たとえば、Syntocinon(登録商標))をASDの処置に使用することにおける臨床的な取り組みは、有効性が不十分であり、忍容性が低いことにより無駄に終わった。現在入手可能なオキシトシン製剤は、効力が弱く大量であるために、点鼻スプレーによって投与されるとき、吸収される薬物の量は、有効になるのに不十分である。一部の実施形態では、本発明は、自閉症スペクトラム障害、自閉症スペクトラム障害と関連する1つまたは複数の症状を示す障害、社会的およびコミュニケーション障害、または不安障害を処置するためのオキシトシンペプチド療法を評価する方法を提供する。
本明細書に記載の方法のいずれかに従う一部の実施形態において、対象は、自閉症スペクトラム障害、自閉症スペクトラム障害と関連する1つまたは複数の症状を示す障害、社会的およびコミュニケーション障害、または不安障害に見舞われている。自閉症スペクトラム障害と関連する症状の例としては、限定はしないが、社会的コミュニケーションおよび社会的交流の永続的な障害、社交不安、ならびに限定された反復行動、興味、および活動が挙げられる。自閉症スペクトラム障害者において観察される他の行動および特徴には、身体的接触に対する嫌悪、全般不安症、単調な声または声量変調不能、対等な関係を築けないこと、楽しさおよび興味の分かち合いの欠如、ならびに社会的または感情的相互関係の欠如も含まれる。自閉症スペクトラム障害において示されるものと同様の症状を示す障害の例としては、限定はしないが、社交不安障害、強迫性障害、社会的(語用論的)コミュニケーション障害、ならびに、限定はしないが、注意欠陥多動性障害、プラダー−ウィリー症候群、チモシー症候群、脆弱X症候群、レット症候群、およびウィリアムス症候群を始めとする神経発達障害が挙げられる。
本明細書に記載の方法のいずれかに従う一部の実施形態において、対象は、プラダー−ウィリー症候群に見舞われている。プラダー−ウィリー症候群は、身体の多くの部分が冒される複雑な遺伝的状態であり、第15染色体の特定の領域にある遺伝子の機能喪失によって引き起こされる。プラダー−ウィリー症候群の個体は、多くの場合、軽度から中程度の知的障害および学習困難を伴い、多くが、癇癪の表出、頑固さ、不正行動を始めとする行動の問題、および皮膚むしりを含む強迫性行動を示す。プラダー−ウィリー症候群の個体においてよく観察される他の症状は、社会的コミュニケーションおよび社会的交流の永続的な障害、不安および過敏性、ならびに睡眠の問題である。一部の実施形態では、
本明細書に記載の方法のいずれかに従う一部の実施形態において、対象は、プラダー−ウィリー症候群と関連する1つまたは複数の症状に見舞われている。プラダー−ウィリー症候群と関連する症状の例としては、限定はしないが、社会的コミュニケーションおよび社会的交流の永続的な障害、不安および過敏性、ならびに睡眠の問題が挙げられる。本明細書に記載の方法のいずれかに従う一部の実施形態において、対象は、プラダー−ウィリー症候群と関連する不安に見舞われている。
本明細書に記載の方法のいずれかに従う一部の実施形態において、対象は、社会的およびコミュニケーション障害に見舞われている。一部の実施形態では、社会的およびコミュニケーション障害は、コミュニケーション能力および/または社会的交流の障害、アイコンタクトの欠如、および/または社会的関係を形成および/または維持できないことである。
本明細書に記載の方法のいずれかに従う一部の実施形態において、対象は、自閉症スペクトラム障害と関連する不安に見舞われている。
本明細書に記載の方法のいずれかに従う一部の実施形態において、対象は、限定はせず、口腔顔面および頭蓋顔面痛(たとえば、頭痛)、頚部痛(たとえば、後頭神経痛)、および上肢における疼痛を始めとする疼痛に見舞われている。一部の実施形態では、疼痛は、体性痛である。一部の実施形態では、疼痛は、表在体性痛である。一部の実施形態では、疼痛は、深部体性痛である。一部の実施形態では、疼痛は、筋骨格痛である。一部の実施形態では、疼痛は、内臓痛である。一部の実施形態では、疼痛は、神経因性疼痛である。一部の実施形態では、疼痛は、頭部痛または頭蓋顔面痛である。一部の実施形態では、疼痛は、頭部および/または口腔顔面領域以外の身体部分にある。一部の実施形態では、疼痛は、本明細書に記載の慢性痛などの慢性痛である。一部の実施形態では、疼痛は、本明細書に記載の急性痛などの急性痛である。一部の実施形態では、疼痛は、本明細書に記載の疼痛の1つまたは複数の組合せである。一部の実施形態では、疼痛は、動作と関連する鋭く電撃的な疼痛である。一部の実施形態では、疼痛は、手術に関連した神経損傷などの神経損傷によって引き起こされる神経因性疼痛である。
一部の実施形態では、疼痛は、頭部痛である。一部の実施形態では、疼痛は、顔面痛である。一部の実施形態では、疼痛は、頚部痛である。一部の実施形態では、疼痛は、後頭神経痛である。一部の実施形態では、疼痛は、上肢における疼痛である。頚部および上肢の疼痛には、限定はしないが、神経圧迫障害(脊柱管狭窄)、椎間板および椎骨障害、糖尿病性神経障害、毛根管症候群、関節炎性疾患、外傷後、咬合小面障害、ヘルペス後神経痛などの例が含まれる。一部の実施形態では、疼痛は、抑うつ、不安、ストレスなどの精神障害によって悪化するものである。一部の実施形態では、疼痛は、食物(たとえば、カフェイン、チョコレート、アルコール)によって、または薬物過剰使用(たとえば、オピエート)によって誘発される、または悪化するものである。
一部の実施形態では、疼痛は、三叉神経と関連する疼痛である。三叉神経と関連する疼痛は、慢性、急性、および処置関連痛、ならびにこれらの組合せからなる群から選択されるものでよい。一部の実施形態では、慢性痛は、三叉神経痛、非定型顔面痛、有痛性感覚消失、ヘルペス後神経痛、頭頚部がん、片頭痛、および顎関節痛(TMJ)からなる群から選択される。一部の実施形態では、処置関連痛は、歯科、内科、外科、または美容手順から生じる疼痛である。一部の実施形態では、急性痛は、裂傷、熱傷、骨折、傷害、頭痛、歯の膿瘍形成、歯科疾患、細菌感染、または副鼻腔感染から生じる疼痛である。三叉神経系と関連する慢性、急性、または処置痛は、限定はしないが、三叉神経痛、非定型顔面痛、有痛性感覚消失、ヘルペス後神経痛、頭頚部がん、片頭痛、他のタイプの頭痛、TMJ、顔面および/または頭部に対する傷害、歯の傷害または感染、一般的な歯科手順、および美容形成手術などの顔面手術を始めとする、多くの症候群および疾患において経験される。
顔面および頭部領域における慢性痛は、限定はしないが、神経因性疼痛、頭痛、TMJ、がんおよび/またはがん処置からの疼痛を始めとする、様々な医学的状態から生じる場合がある。こうした疼痛症候群は、現行の薬物療法または観血的な介入では有効に処置されないことが多く、顔面および頭部領域における限局された疼痛緩和のための新たな方法が求められている。
一部の実施形態では、本明細書に記載の13N−オキシトシンペプチド製剤または組成物は、三叉神経系に向けられる。一部の実施形態では、13N−オキシトシンペプチド製剤または組成物は、本明細書に記載の疾患および状態のいずれかに見舞われている対象に投与される。
本明細書に記載の方法の一部の実施形態では、個体は、哺乳動物である。一部の実施形態では、個体は、ヒトである。
オキシトシンペプチド製剤
一部の実施形態では、13N−オキシトシンペプチド製剤、ならびに13N−オキシトシンペプチド製剤の(鼻への適用などの)頭蓋顔面粘膜適用後のオキシトシンの分布および動態を決定することにおけるその使用が提供される。一部の実施形態では、13N−オキシトシンペプチド製剤は、他の薬剤を含む。一部の実施形態では、他の薬剤は、非放射標識オキシトシンである。一部の実施形態では、他の薬剤は、オキシトシンの分布、動態、および/または薬力学に影響を及ぼす。一部の実施形態では、他の薬剤は、二価金属カチオン(たとえば、Mg2+、Ca2+、Zn2+、またはCu2+)である。一部の実施形態では、二価金属カチオンは、Mg2+である。一部の実施形態では、他の薬剤は、バソプレシンである。
オキシトシンによって、ヒトおよびラットにおける頭部および頭蓋顔面痛が処置され、ラットの上肢では、鼻腔内投与したとき、オキシトシン受容体が過剰発現している慢性痛の処置において特に有効となることは、公知となっている。しかし、ヒト患者において頭部痛、たとえば、片頭痛を処置する際のオキシトシンの鎮痛効果は、投与後直ちには生じないことが観察されている。むしろ、有意な鎮痛が開始される前に2時間までの初期期間、最大の鎮痛効果には4時間が必要であり、患者は、この初期期間の間、疼痛に見舞われ続ける。オキシトシン製剤の種々の構成要素、たとえば、マグネシウムや他の二価カチオンは、オキシトシン療法に、疼痛強度の軽減、および鎮痛効果の開始および/もしくは期間の変調を始めとする影響を及ぼしうる。
一部の実施形態では、13N−オキシトシンペプチド製剤または組成物は、(13N−オキシトシンペプチドおよび非放射標識オキシトシンを含めて)約0.01mg/mL〜約16mg/mLの間のオキシトシンを含む液体製剤である。一部の実施形態では、13N−オキシトシンペプチド製剤または組成物は、約0.01mg/mL〜約12mg/mLの間、約0.05mg/mL〜約16mg/mLの間、約0.1mg/mL〜約12mg/mLの間、約0.1mg/mL〜約8mg/mLの間、約0.1mg/mL〜約4mg/mLの間、約0.1mg/mL〜約2mg/mLの間、約0.1mg/mL〜約1.6mg/mLの間、約0.1mg/mL〜約1.2mg/mLの間、約0.1mg/mL〜約1mg/mLの間、約0.1mg/mL〜約0.8mg/mLの間、約0.1mg/mL〜約0.4mg/mLの間、約0.1mg/mL〜約0.3mg/mLの間、約0.2mg/mL〜約16mg/mLの間、約0.2mg/mL〜約12mg/mLの間、約0.2mg/mL〜約10mg/mLの間、約0.2mg/mL〜約8mg/mLの間、約0.2mg/mL〜約6mg/mLの間、約0.2mg/mL〜約4mg/mLの間、約0.2mg/mL〜約2mg/mLの間、約0.2mg/mL〜約1.6mg/mLの間、約0.2mg/mL〜約1.2mg/mLの間、約0.2mg/mL〜約1mg/mLの間、約0.2mg/mL〜約0.8mg/mLの間、約0.2mg/mL〜約0.6mg/mLの間、約0.2mg/mL〜約0.4mg/mLの間、約0.2mg/mL〜約0.3mg/mLの間、約0.3mg/mL〜約16mg/mLの間、約0.3mg/mL〜約12mg/mLの間、約0.3mg/mL〜約10mg/mLの間、約0.3mg/mL〜約8mg/mLの間、約0.3mg/mL〜約4mg/mLの間、約0.3mg/mL〜約3mg/mLの間、約0.3mg/mL〜約1mg/mLの間、約0.3mg/mL〜約0.5mg/mLの間、約0.5mg/mL〜約16mg/mLの間、約0.5mg/mL〜約10mg/mLの間、約0.5mg/mL〜約5mg/mLの間、約0.5mg/mL〜約1mg/mLの間、約1mg/mL〜約16mg/mLの間、約1mg/mL〜約10mg/mLの間、または約1mg/mL〜約5mg/mLの間のオキシトシンを含む。一部の実施形態では、13N−オキシトシンペプチド製剤または組成物は、約0.1mg/mL〜約2mg/mLの間、約0.15mg/mL〜約1.5mg/mLの間、または約0.2mg/mL〜約1.2mg/mLの間のオキシトシンを含む。一部の実施形態では、13N−オキシトシンペプチドは、Cys−Tyr−Ile−Gln−Asn−Cys−Pro−Leu−Gly(配列番号1)からなるヒトオキシトシンアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、13N−オキシトシンペプチドは、式(IV)の化合物である。
一部の実施形態では、13N−オキシトシンペプチド製剤または組成物は、(13N−オキシトシンペプチドおよび非放射標識オキシトシンを含めて)約5IU/mL〜約8000IU/mLのオキシトシンを含む液体製剤である。一部の実施形態では、13N−オキシトシンペプチド製剤または組成物は、約500IU/mL〜約6000IU/mLの間、約25IU/mL〜約8000IU/mLの間、約50IU/mL〜約6000IU/mLの間、約50IU/mL〜約4000IU/mLの間、約50IU/mL〜約2000IU/mLの間、約50IU/mL〜約1000IU/mLの間、約50IU/mL〜約800IU/mLの間、約50IU/mL〜約600IU/mLの間、約50IU/mL〜約500IU/mLの間、約50IU/mL〜約400IU/mLの間、約50IU/mL〜約200IU/mLの間、約50IU/mL〜約150IU/mLの間、約100IU/mL〜約8000IU/mLの間、約100IU/mL〜約6000IU/mLの間、約100IU/mL〜約5000IU/mLの間、約100IU/mL〜約4000IU/mLの間、約100IU/mL〜約3000IU/mLの間、約100IU/mL〜約2000IU/mLの間、約100IU/mL〜約1000IU/mLの間、約100IU/mL〜約800IU/mLの間、約100IU/mL〜約600IU/mLの間、約100IU/mL〜約500IU/mLの間、約100IU/mL〜約400IU/mLの間、約100IU/mL〜約300IU/mLの間、約100IU/mL〜約200IU/mLの間、約100IU/mL〜約150IU/mLの間、約150IU/mL〜約8000IU/mLの間、約150IU/mL〜約6000IU/mLの間、約150IU/mL〜約5000IU/mLの間、約150IU/mL〜約4000IU/mLの間、約150IU/mL〜約2000IU/mLの間、約150IU/mL〜約1500IU/mLの間、約150IU/mL〜約500IU/mLの間、約150IU/mL〜約250IU/mLの間、約250IU/mL〜約8000IU/mLの間、約250IU/mL〜約5000IU/mLの間、約250IU/mL〜約2500IU/mLの間、約250IU/mL〜約500IU/mLの間、約500IU/mL〜約8000IU/mLの間、約500IU/mL〜約5000IU/mLの間、または約500IU/mL〜約2500IU/mLの間のオキシトシンを含む。好ましい実施形態では、13N−オキシトシンペプチド製剤または組成物は、約50IU/mL〜約1000IU/mLの間、約75IU/mL〜約750IU/mLの間、または約100IU/mL〜約600IU/mLの間のオキシトシンを含む。一部の実施形態では、13N−オキシトシンペプチドは、Cys−Tyr−Ile−Gln−Asn−Cys−Pro−Leu−Gly(配列番号1)からなるヒトオキシトシンアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、13N−オキシトシンペプチドは、式(IV)の化合物である。
いずれかの二価金属カチオン塩(たとえば、水溶性二価金属カチオン塩)を使用して、本発明の含二価金属カチオン13N−オキシトシンペプチド製剤中に二価金属カチオン(たとえば、Mg2+、Ca2+、Zn2+、またはCu2+)を供給することができる。含二価金属カチオン13N−オキシトシンペプチド製剤中に使用される二価金属カチオン塩は、製剤が投与されると送達されうる遊離二価金属カチオンイオンの量、液体製剤については二価金属カチオン塩の媒質への溶解度、対イオンの酸性度/塩基性度、および/または塩の解離定数などの、いくつかの要素に基づいて選択することができる。たとえば、液体製剤では、二価金属カチオン塩は、オキシトシンペプチドとの相乗的な鎮痛を生じるのに必要となる二価金属カチオンイオン濃度を送達するのに十分に、液体媒質に可溶性になる必要がある。製剤中の他の物質との適合性や、対イオンが製剤中で他の機能を発揮しうる能力などの、他の要素も、二価金属カチオン塩を選択する際に考慮に入れられる場合がある。たとえば、クエン酸マグネシウムは、望ましい量の二価金属カチオンまたは望ましい二価金属カチオンイオン濃度を提供するのに十分に、水溶液に可溶性であり、クエン酸塩は、薬学的に許容され、クエン酸イオンは、緩衝剤の一端をなす場合があり、クエン酸マグネシウムは、製剤に心地よい風味を添える場合もある。含二価金属カチオン13N−オキシトシンペプチド製剤中の二価金属カチオンは、1種または複数の二価金属カチオン塩を使用して供給されてもよい。含二価金属カチオン13N−オキシトシンペプチド製剤中の二価金属カチオン塩は、含二価金属カチオン13N−オキシトシンペプチド製剤の調製において最初の時点で使用された、または含二価金属カチオン13N−オキシトシンペプチド製剤を調製する間にin situで生成された二価金属カチオン塩である場合がある。たとえば、製剤の調製において最初の時点で塩化マグネシウムが使用される場合があり、製剤にクエン酸が加えられると、クエン酸マグネシウムがin situで生成される場合がある。このような場合では、含二価金属カチオン13N−オキシトシンペプチド製剤中の二価金属カチオンは、塩化マグネシウムとクエン酸マグネシウムの両方によって供給される。
本明細書に記載の含二価金属カチオン13N−オキシトシンペプチド製剤中に使用される二価金属カチオン塩は、市販品供給元から取得する、または当業界で公知である方法に従って調製することができる。たとえば、Staszczuk P, et al. Physicochem Probl Mineral Proc 37: 149-158 (2003)、米国特許第1,936,364号、および米国特許第2,260,004号に記載されている手順に従ってクエン酸マグネシウムを調製することができる。
一部の実施形態では、13N−オキシトシンペプチド製剤または組成物は、1種または複数の薬学的に許容される担体(すなわち、医薬組成物を構成する)、ならびに、必要に応じて、他の成分、たとえば、賦形剤、媒体、乳化剤、安定剤、保存剤、緩衝剤、および/または、安定性、送達、吸収、半減期、有効性、薬動学、および/もしくは薬力学を強化し、有害な副作用を減少させ、または薬学的使用に他の利点をもたらしうる他の添加剤をさらに含む。例示的な賦形剤として、可溶化剤、界面活性剤、およびキレート化剤が挙げられる。たとえば、製剤は、メチル−β−シクロデキストリン(Me−β−CD)、エデト酸二ナトリウム、アルギニン、ソルビトール、NaCl、メチルパラベンナトリウム(MP)、プロピルパラベンナトリウム(PP)、クロロブタノール(CB)、ベンジルアルコール、塩化亜鉛、エチルアルコール、ジデカノイルL−α−ホスファチジルコリン(DDPC)、ポリソルベート、ラクトース、クエン酸塩、酒石酸塩、酢酸塩、および/またはリン酸塩を含む場合がある。
液体担体には、限定はしないが、水、食塩水、デキストロース水溶液、および特に溶液については(等張であるとき)グリコールが含まれる。担体は、石油、動物、植物、または合成起源のものを含む種々の油(たとえば、ラッカセイ油、オリーブ油、大豆油、鉱油、ゴマ油など)から選択される場合もある。適切な医薬賦形剤には、限定はしないが、デンプン、セルロース、タルク、グルコース、ラクトース、スクロース、ゼラチン、麦芽、米、小麦粉、白亜、シリカゲル、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸ナトリウム、グリセロールモノステアリン酸エステル、塩化ナトリウム、乾燥脱脂乳、グリセロール、プロピレングリコール、水、エタノールなどが含まれる。組成物は、滅菌などの従来の製薬手順にかけることができ、保存剤、安定剤、還元剤、酸化防止剤、キレート化剤、湿潤剤、乳化剤、分散剤、ゼリー化剤(jelling agent)、浸透圧調整用の塩、緩衝剤などの従来の医薬添加剤を含有する場合がある。液体担体は、体液に対して低張性または等張性になる場合があり、3.5〜8.5の範囲内のpHを有する場合がある。ペプチドおよび/またはタンパク質を主体とした組成物、特に医薬組成物の調製における添加剤の使用は、当業界で周知されている。一部の実施形態では、組成物は、約2〜約7のpHを有する。一部の実施形態では、組成物は、約4〜約7のpHを有する。好ましい実施形態では、製剤/組成物のpHは、約4.5である。
一部の実施形態では、13N−オキシトシンペプチド製剤または組成物は、(A)〜(K)から選択される1種または複数の粘膜送達促進剤をさらに含む場合がある。(A)可溶化剤、(B)電荷調節剤、(C)pH調整剤、(D)分解酵素阻害剤、(E)粘液溶解または粘液除去剤、(F)線毛静止剤(ciliostatic agent)、(G)膜浸透性改善剤、(H)上皮接合部生理の変調剤、たとえば、一酸化窒素(NO)刺激剤、キトサン、キトサン誘導体、(I)血管拡張剤、(J)選択的輸送促進剤、および(K)13N−オキシトシンペプチドが有効に複合化され、会合し、収容され、封入され、または結合されて、粘膜送達の促進のために活性薬剤を安定化させる、安定化送達媒体、担体、支持体、または錯体形成種。グループ(G)における膜浸透性改善剤は、(i)界面活性剤、(ii)胆汁酸塩、(iii)リン脂質もしくは脂肪酸添加剤、混合ミセル、リポソーム、または担体、(iv)アルコール、(v)エナミン、(iv)NO供与体化合物、(vii)長鎖両親媒性分子、(viii)小さい疎水性浸透性改善剤、(ix)ナトリウムまたはサリチル酸誘導体、(x)アセト酢酸のグリセロールエステル、(xi)シクロデキストリンまたはベータ−シクロデキストリン誘導体、(xii)中鎖脂肪酸、(xiii)キレート化剤、(xiv)アミノ酸またはその塩、(xv)N−アセチルアミノ酸またはその塩、(xvi)選択された膜構成要素に対して分解性である酵素、(xvii)脂肪酸合成の阻害剤、(xviii)コレステロール合成の阻害剤、または(xiv)(i)〜(xviii)の膜浸透性改善剤のいずれかの組合せである場合がある。本発明の種々の実施形態において、13N−オキシトシンペプチドは、(A)〜(K)に列挙した粘膜送達促進剤の1種、2種、3種、4種、またはそれより多数と組み合わせることができる。こうした粘膜送達促進剤は、薬学的に許容される製剤または送達媒体において、単独で、もしくは一緒に、13N−オキシトシンペプチドと混合される、または別な形で合わせられる場合がある。本明細書に記載の13N−オキシトシンペプチド製剤または組成物によって、哺乳動物対象の(たとえば鼻腔における)粘膜表面への送達後の13N−オキシトシンペプチドの生物学的利用能は、増大しうる。
本明細書で論じた担体および添加剤のリストは、決して完全でなく、医薬調製物で許可されているGRAS(一般に安全と認められる)リストの化学物質、米国食品医薬品局によって局所および非経口製剤で現在許可されている化学物質、ならびに将来許可されていく化学物質から、当業者が担体および賦形剤を選択してよい。(Wang et al., (1980) J. Parent. Drug Assn., 34:452-462, Wang et al., (1988) J. Parent. Sci. and Tech., 42:S4-S26も参照されたい。)
一部の実施形態では、13N−オキシトシンペプチド製剤または組成物は、クロロブタノール、ベンザルコニウム、4−ヒドロキシ安息香酸メチル、4−ヒドロキシ安息香酸プロピル、酢酸、クエン酸、グリセロール、塩化ナトリウム、リン酸一水素ナトリウム、ソルビトール、および水からなる群から選択される1種または複数の溶媒または賦形剤をさらに含む。一部の実施形態では、13N−オキシトシンペプチド製剤または組成物は、クロロブタノール、酢酸、および水をさらに含む。
一部の実施形態では、13N−オキシトシンペプチド製剤または組成物は、キトサン含有賦形剤(たとえば、ChiSys(登録商標)、http://www.archimedespharma.com/productArchiDevChiSys.html)をさらに含む。一部の実施形態では、13N−オキシトシンペプチド製剤または組成物は、約1%のキトサン含有賦形剤をさらに含む。一部の実施形態では、キトサングルタミン酸塩が、吸収促進能が優れているため、経鼻送達に好ましい場合がある。一部の実施形態では、キトサングルタミン酸塩および負に帯電したポリマー(たとえば、三リン酸ペンタナトリウム)を含有するナノ粒子などの、キトサンコポリマーナノ粒子が使用される場合もある。インスリンおよび還元型グルタチオンを含有する微粒子において使用されているチオール化キトサン(たとえば、2−イミノチオランで共有結合性に修飾されたキトサン)も、本明細書に記載の13N−オキシトシンペプチド製剤または組成物における賦形剤として有用でありうる。
一部の実施形態では、13N−オキシトシンペプチド製剤または組成物は、13N−オキシトシンペプチド製剤が鼻腔においてゲルを形成し、したがって、13N−オキシトシンペプチドの鼻吸収が強化されるような、1種または複数のゲル化剤をさらに含む。本明細書に記載の製剤および方法において有用なゲル化系には、化学反応性ペクチンを主体としたゲル化系(たとえば、PecSys(商標)、Archimedes Pharma)や、熱反応性ポリマーゲル化系(たとえば、Pluronic(登録商標)F127、BASF)などの公知のいずれのゲル化系も含まれうる。PecSys(商標)は、微細な霧として送達され、鼻粘膜において各小滴がカルシウムイオンと接触するとゲル化する低粘度水性ペクチンを主体とした溶液である。他の低メトキシペクチンであっても、たとえば約1%の濃度で、用いることができる。Pluronic(登録商標)F127は、エチレンオキシド/プロピレンオキシドブロックコポリマーを含有する。ゲル化温度は、構成要素の比率および最終製剤中に用いられるコポリマーの量に応じて様々となる。Pluronic(登録商標)F127については、たとえば、ビタミンB12ゲル補助食品(EnerB、Nature’s Bounty、ニューヨーク州)中や、18%wt/volのPluronic(登録商標)F127および0.3%wt/volのCarbopol(アニオン性生体接着ポリマーC934P)を含有するゲル化スマトリプタン中に使用されるとき、およそ18〜20%wt/volで、ヒト鼻腔におけるゲル化が実証されている。モノマー比率および濃度は、予定された13N−オキシトシン製剤に合わせて調整して、鼻腔中の34℃という典型的な温度付近である25〜37℃で確実にゲル化するようにすることができる。ゲル化温度が25℃より低い場合、製剤は、室温でゲル化する場合があり、ゲル化温度が37℃より高い場合、製剤は、鼻粘膜と接触しても十分にゲル化しないことになる。一部の実施形態では、13N−オキシトシンペプチド製剤または組成物は、Carbopolなどの粘膜付着性薬剤をさらに含む場合がある。粘膜付着剤を加える、たとえば、0.5%までのCarbopolを加えることで、ゲル化温度をさらに下げることができる。
一部の実施形態では、13N−オキシトシンペプチド製剤または組成物は、非イオン界面活性剤(たとえば、ポリソルベート80)などの界面活性剤、および1種または複数の緩衝剤、安定剤、または等張化剤(tonicifier)をさらに含む。一部の実施形態では、13N−オキシトシンペプチド製剤または組成物は、噴射剤をさらに含む。点鼻スプレー溶液のpHは、必要に応じて、pH約3.0〜8.5の間であるが、所望されるとき、pHは、仕込まれた高分子種(たとえば、治療用タンパク質またはペプチド)の実質的にイオン化していない状態での送達が最適化されるように調整される。用いる医薬用溶媒も、弱酸性の水性緩衝液(pH3〜6)でよい。こうした組成物内での使用に適する緩衝剤については、上述したとおり、またはそうでなく当業界で公知のとおりである。化学的安定性を増進または維持するために、保存剤、界面活性剤、分散剤、または気体を始めとする、他の構成要素が加えられる場合もある。適切な保存剤には、限定はしないが、フェノール、メチルパラベン、パラベン、m−クレゾール、チオメルサール、塩化ベンザルコニウムなどが含まれる。適切な界面活性剤には、限定はしないが、オレイン酸、トリオレイン酸ソルビタン、ポリソルベート、レシチン、ホスファチジルコリン(phosphotidyl choline)、ならびに種々の長鎖ジグリセリドおよびリン脂質が含まれる。適切な分散剤には、限定はしないが、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)などが含まれる。適切な気体には、限定はしないが、窒素、ヘリウム、クロロフルオロカーボン(CFC)、ハイドロフルオロカーボン(HFC)、二酸化炭素、空気などが含まれる。適切な安定剤および等張化剤には、糖および他のポリオール、アミノ酸、ならびに有機および無機塩が含まれる。一部の実施形態では、13N−オキシトシンペプチド製剤または組成物は、クエン酸塩、コハク酸塩、またはピロリン酸塩をさらに含む。
13N−オキシトシンペプチドの粘膜送達をさらに強化するために、酵素阻害剤、特に、プロテアーゼ阻害剤を製剤にさらに含めてもよい。プロテアーゼ阻害剤には、限定はしないが、アンチパイン、アルファメニンAおよびB、ベンズアミジンHCl、AEBSF、CA−074、カルパイン阻害剤IおよびII、カルペプチン、ペプスタチンA、アクチノニン、アマスタチン、ベスタチン、ボロロイシン、カプトプリル、クロロアセチル−HOLeu−Ala−Gly−NH、DAPT、ジプロチンAおよびB、エベラクトンAおよびB、ホロキシミチン、ロイペプチン、ホスホラミドン、アプロチニン、ピューロマイシン、BBI、大豆トリプシンインヒビター、フッ化フェニルメチルスルホニル、E−64、キモスタチン、1,10−フェナントロリン、EDTA、およびEGTAが含まれうる。バシトラシンなどの他の酵素阻害剤が製剤に含められる場合もある。
13N−オキシトシンペプチドの粘膜表面中への、もしくはこれを介した送達および/または吸収を強化するために、製剤に吸収促進剤を含めてもよい。そうした促進剤は、組成物の(たとえば、製剤送達媒体からの)放出または溶解性、拡散速度、浸透能力および浸透のタイミング、取込み、滞留時間、安定性、有効半減期、ピークまたは持続濃度レベル、クリアランス、および(たとえば、送達部位において測定されるような)他の所望の粘膜送達特性を強化しうる。したがって、粘膜送達の強化は、たとえば、13N−オキシトシンペプチドの拡散、輸送、残存、または安定性を増大させる、膜流動性を増大させる、カルシウムおよび細胞内もしくは傍細胞透過を調節する他のイオンの利用能または作用を変調する、粘膜の膜構成要素(たとえば、脂質)を可溶化する、粘膜組織における非タンパク質およびタンパク質スルフヒドリルレベルを変化させる、粘膜表面を介した水分流動を増大させる、上皮接合部生理を変調する、粘膜上皮の表面を覆う粘液の粘度を低減する、粘液線毛クリアランス速度を減速させることによる様々な機序、ならびに他の機序のいずれかによって生じる場合がある。
粘膜吸収を増大させる化合物には、限定はしないが、界面活性剤、胆汁酸塩、ジヒドロフシジン酸塩、生体接着/粘膜付着剤、リン脂質添加剤、混合ミセル、リポソーム、または担体、アルコール、エナミン、カチオン性ポリマー、NO供与体化合物、長鎖両親媒性分子、小さい疎水性浸透性改善剤、ナトリウムまたはサリチル酸誘導体、アセト酢酸のグリセロールエステル、シクロデキストリンまたはベータ−シクロデキストリン誘導体、中鎖脂肪酸、キレート化剤、アミノ酸またはその塩、N−アセチルアミノ酸またはその塩、粘液溶解剤、選択された膜構成要素を特異的ターゲットとする酵素、脂肪酸合成の阻害剤、およびコレステロール合成の阻害剤が含まれうる。
本明細書において記載および/または企図するすべてのペプチドは、当業界で一般に公知である自動式または手動式いずれかの固相合成技術を使用する化学合成によって調製することができる。ペプチドは、当業界で公知の分子組換え技術を使用して調製してもよい。
オキシトシン投与
13N−オキシトシンペプチド製剤または組成物は、頭蓋顔面粘膜投与(たとえば、経鼻、頬側、舌下、または眼科投与)に適合させることができる。一部の実施形態では、組成物は、粘膜送達用のデバイスを用いた使用に適合化される場合がある。一部の実施形態では、組成物は、頬側および/または舌下粘膜送達に適合化され、単位用量容器、ポンプスプレー、ドロッパー、スクイーズボトル、エアレスおよび保存剤不使用スプレー、ネブライザー、定量吸入器、加圧定量吸入器などの、頬側および/または舌下粘膜投与用のデバイスを用いた使用向けになる場合がある。一部の実施形態では、組成物は、眼科送達に適合化され、ドロッパーやスクイーズボトルなどの結膜投与用のデバイスを用いた使用向けになる場合がある。一部の実施形態では、組成物は、鼻腔内投与に適合化され、ドロッパー、ポンプスプレー、スクイーズボトル、エアレスおよび保存剤不使用スプレー、または鼻用ポンプ装置、たとえば、エアロゾル化装置に取り付けられたレザバーボトルを含む鼻用ポンプ装置などの、鼻腔内投与用のデバイスを用いた使用向けになる場合がある。
13N−オキシトシンペプチド製剤または組成物が鼻腔内投与される実施形態において、組成物は、分散剤および/または生理的に許容される希釈剤と必要に応じて組み合わされた液体エアロゾル製剤として調製することができる。別法として、乾燥粉末エアロゾル製剤が企図され、固体形態の対象化合物を微粉砕したもの、および乾燥粉末粒子の即座の分散を可能にする分散剤を含有する場合がある。液体または乾燥粉末いずれのエアロゾル製剤でも、製剤は、エアロゾル化されて小さい液体または固体粒子となって、エアロゾル化された用量が鼻道または肺の粘膜に確実に到達するようになっている。用語「エアロゾル粒子」は、本明細書では、鼻または肺においてターゲットとされた粘膜または肺胞膜へ分布するのに十分に小さい粒径の適切な液体または固体粒子を述べるのに使用する。他の考慮事項には、送達デバイスの構造、製剤中の追加の構成要素、および粒子特性が含まれる。薬物の経鼻または肺投与のこうした側面は、当業界で周知であり、製剤の操作、エアロゾル化手段、および送達デバイスの構造は、当業界における技量の範囲内である。
13N−オキシトシンペプチド製剤または組成物が鼻腔内投与される実施形態では、鼻腔内送達用デバイスによって投与が実施される。デバイスは、13N−オキシトシンペプチド製剤の鼻腔内投与に適するいずれかのデバイスでよい。一部の実施形態では、デバイスは、13N−オキシトシンペプチドを鼻腔内の特定の領域に送達するのに適する。一部の実施形態では、デバイスは、13N−オキシトシンペプチドを鼻腔の下方3分の2に送達するのに適する。一部の実施形態では、デバイスは、13N−オキシトシンペプチドを鼻腔の上方3分の1に送達するのに適する。一部の実施形態では、デバイスは、13N−オキシトシンペプチドを鼻道全体に送達するのに適する。
一部の実施形態では、鼻腔内送達用デバイスは、鼻用ポンプ装置である。一部の実施形態では、鼻用ポンプ装置は、ポンプ作動装置に取り付けられたレザバーボトルを含む。一部の実施形態では、ポンプ作動装置は、指定の体積(たとえば、約50〜約150μL、好ましくは、約50μLまたは約100μL)を指定の小滴サイズ分布で送達するように計量供給を行う。一部の実施形態では、鼻用ポンプ装置は、エアロゾル化装置、たとえば、Aptar Pharmaによって市販されているEquadelポンプに取り付けられたレザバーボトルを含む。一部の実施形態では、経鼻投与用のデバイスは、一度閾値に達すると、ポンプにかかる圧力に関係なく機能する。大型の哺乳動物における投与については、鼻用ポンプ装置は、より大きい体積(たとえば、約100μL〜約600μL、またはそれより多量)を送達するように計量供給を行うポンプ作動装置に取り付けられたレザバーボトルを含む場合がある。
一部の実施形態では、鼻腔内送達用デバイスは、薬物製剤の多数回の用量を送達するように設計されている。たとえば、鼻用ポンプ装置は、ポンプ作動装置に取り付けられたレザバーボトルを含み、レザバーボトルによって、多数回の用量の液体製剤が保持され、ポンプ作動装置によって、レザバーボトルの中に保持された液体製剤の分数である指定の体積が送達されるように計量供給がなされる場合がある。一部の実施形態では、ポンプ作動装置は、1スプレーあたり約50μLの液体製剤を送達するように計量供給を行う。鼻用ポンプ装置は、レザバーボトルに入る(たとえば、細菌性の)混入物を減少させるために、逆流を防ぐためのフィルターを含む場合がある。一部の実施形態では、鼻用ポンプ装置は、液体製剤を送達するための無金属の通路(たとえば、プラスチック通路)を含む。一部の実施形態では、ポンプ装置には、(鼻用装置を滅菌するのに使用される)ガンマ線照射に対して安定であるプラスチック材料が使用される。一部の実施形態では、鼻腔内送達用デバイスは、ポンプ作動装置の中に微生物フィルターおよび自動封鎖機構を含む多用量ポンプ、たとえば、米国特許第5,988,449号に記載されているスプレーデバイスを備えている。
一部の実施形態では、鼻腔内送達用デバイスは、米国特許第7,784,460号および第7,854,227号に記載されているデバイスなどの、呼吸によって作動する経鼻送達デバイスである。このようなデバイスでは、鼻腔深くまでのターゲット部位への送達が改善される場合がある。一部の実施形態では、患者によってマウスピースに息が吹き込まれてデバイスが作動するのを可能にするハウジングに、標準の定量スプレーデバイスが組み込まれている。一部の実施形態では、デバイスは、円錐形の密閉性ノーズピースとマウスピースとから構成され、これに、伝統的な機械式スプレーポンプ(たとえば、Aptar Pharmaによって市販されているEquadelポンプ)、装入可能なばね、および呼吸作動機構が組み込まれている。この仕組みは、単用量または多用量送達に使用することができる。このような液体送達デバイスの一例が、OptiNoseによって市販されているOptiMist(商標)デバイスである。使用の際は、デバイスの鼻用部分を鼻孔に挿入し、口用部分に息を吹き込む。これによって、軟口蓋が閉じ、圧力が鼻孔へと移り、道が開き、鼻中隔の後ろに空気流が供給され、空気が他方の鼻孔から出ることが可能になる(二方向の流れ)。デバイスは、呼吸によって作動するので、小さい粒子が肺に侵入することはない。流速および粒径を加減することで、特定の鼻領域をターゲットとすることが可能になる。
一部の実施形態では、鼻腔内送達用デバイスは、13N−オキシトシンペプチド製剤または組成物の単回投与に適した単位用量計量供給スプレーデバイスである。一部の実施形態では、鼻腔内送達用デバイスは、13N−オキシトシンペプチドの反復投与に適した多用量計量供給スプレーポンプ装置である。
液滴サイズ、プルーム体積(plume volume)、および流速を加減して、特定の鼻領域をターゲットとすることができる。嗅上皮および/または呼吸上皮をターゲットとするには、液体スプレーによって、5ミクロン〜50ミクロンの間の小滴サイズが実現される場合がある。より大きい小滴は、主として、鼻咽頭を下り、嚥下され、より小さい小滴は、肺組織に導かれる。質量中央値等価空気動力学径(Mass Median Equivalent Aerodynamic Diameter)(MMAD)を使用して、液滴サイズが指定される。点鼻スプレーのpHは、装入されたペプチドが大部分イオン化されていない状態で送達されるように最適化される。鼻は、一般に、pHが約3〜8である溶液に耐容性を示す。鼻粘膜は、一般に、飽和が起こり、液体が鼻から滴り始める前に、およそ100μLの体積を吸収しうる。したがって、プルーム体積は、100μLまで(100μLを含む)になる場合がある。大型の哺乳動物における使用については、プルーム体積は、150μLまで(150μLを含む)またはそれより多量(たとえば、600μLまたはそれより多量)になる場合がある。乳児および小児への使用について、または小さめの動物(たとえば、げっ歯動物、ネコ)における獣医学的使用については、より小さいプルーム体積(5〜50μL)を使用すればよい。
一部の実施形態では、鼻腔内送達用デバイスは、側面作動誘発機構を備えるポンプ装置など、患者コンプライアンスを促進するように、人間工学的に設計されている。一部の実施形態では、鼻腔内送達用デバイスは、ポンプ装置の中に空気を侵入させず、したがって、空気中の微生物による汚染を防ぐ、密閉系として働く計量供給スプレーポンプを含む。一部の実施形態では、鼻腔内送達用デバイスは、フィルターと共に働く計量供給スプレーポンプを含む。吐き出された空気は、ポンプ内部に組み入れられたフィルターを介して吸い込まれ、空気中の微生物は、ポンプ装置の外に留められる。一部の実施形態では、鼻用ポンプ装置を含む鼻腔内送達デバイスは、データ伝送および処置モニタリングを促進しうる超小型電子技術デバイスをさらに含む場合がある。
一部の実施形態では、13N−オキシトシンペプチド製剤または組成物は、13N−オキシトシンペプチドを含み、13N−オキシトシンペプチドは、本明細書に記載の鼻腔内送達用デバイスのいずれか1つに収容され、13N−オキシトシンペプチド製剤または組成物中の(13N−オキシトシンおよび非放射標識オキシトシンを含めた)オキシトシンの濃度は、デバイスと濃度のあるとあらゆる組合せを個々に記載するかの如く、本明細書に記載の濃度範囲のいずれかの範囲内にある。一部の実施形態では、13N−オキシトシンペプチド製剤または組成物は、13N−オキシトシンペプチドと非放射標識オキシトシンとを含む。一部の実施形態では、13N−オキシトシンペプチド製剤または組成物中の13N−オキシトシンペプチドの量は、約0.05μg/mL〜約5μg/mL(たとえば、約0.05、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、2、3、4、または5μg/mLのいずれか;これらの値の間にあるいずれの範囲も含める)の範囲にある。
一部の実施形態では、13N−オキシトシンペプチドは、他の薬剤と同時または順次投与される。一部の実施形態では、他の薬剤は、非放射標識オキシトシンである。一部の実施形態では、他の薬剤は、オキシトシンの分布、動態、および/または薬力学に影響を及ぼす。一部の実施形態では、他の薬剤は、二価金属カチオン(たとえば、Mg2+、Ca2+、Zn2+、またはCu2+)である。一部の実施形態では、二価金属カチオンは、Mg2+である。一部の実施形態では、他の薬剤は、バソプレシンである。一部の実施形態では、13N−オキシトシンペプチドは、他の薬剤と、同じ単位用量として同時投与される。一部の実施形態では、13N−オキシトシンペプチドは、他の薬剤と、別個の単位用量または製剤として同時投与される。一部の実施形態では、13N−オキシトシンペプチドと他の薬剤が別々に投与される。一部の実施形態では、他の薬剤は、第1の投与において対象に投与され、次いで、13N−オキシトシンペプチドは、第2の投与において対象に投与される。これら実施形態の一部において、13N−オキシトシンペプチドは、他の薬剤の投与後約10分〜約2時間の間に投与される。これら実施形態の一部において、13N−オキシトシンペプチドは、他の薬剤の投与後約10分〜約2時間の間、約10分〜約1時間の間、約10分〜約30分の間、約20分〜約2時間の間、約20分〜約1時間の間、約30分〜約2時間の間、または約30分〜約1時間の間に投与される。これら実施形態の一部において、13N−オキシトシンペプチドは、他の薬剤の投与から約10分、約15分、約20分、約30分、約45分、約60分、約90分、または約120分後に投与される。これら実施形態の一部において、13N−オキシトシンペプチドは、他の薬剤の投与から約10分、約15分、約20分、約30分後に投与される。一実施形態では、13N−オキシトシンペプチドは、対象に最初に投与され、次いで、他の薬剤が対象に投与される。一部の実施形態では、対象は、ヒトである。
一部の実施形態では、13N−オキシトシンペプチドと他の薬剤は、それを必要とする対象に、同じ経路または異なる経路で投与される場合がある。一部の実施形態では、13N−オキシトシンペプチドは、頭蓋顔面粘膜投与(たとえば、経鼻、頬側、舌下、または眼科投与)によって投与される。一実施形態では、13N−オキシトシンペプチドと他の薬剤は、両方が同じ製剤にされて鼻腔内投与される。一実施形態では、13N−オキシトシンペプチドは、頭蓋顔面粘膜から投与され、他の薬剤は、全身、たとえば、静脈内、筋肉内、経口、皮下、またはくも膜下腔内投与される。
一部の実施形態では、13N−オキシトシンペプチドは、鼻腔内投与によって投与される。一部の実施形態では、13N−オキシトシンペプチドと他の薬剤が、鼻腔内投与によって投与される。13N−オキシトシンペプチドおよび/または他の薬剤は、本明細書に記載の経鼻送達デバイスなどの適切な鼻腔内送達用デバイスを使用して、鼻腔内の粘膜組織に投与することができる。鼻腔内の適切な領域には、限定はしないが、鼻腔の下方3分の2、または上方3分の1、または鼻道全体がある。一部の実施形態では、13N−オキシトシンペプチドおよび/または他の薬剤は、鼻腔の上方3分の1に投与される。一部の実施形態では、13N−オキシトシンペプチドおよび/または他の薬剤は、鼻腔の下方3分の2に投与される。一部の実施形態では、13N−オキシトシンペプチドおよび/または他の薬剤は、特に、鼻腔の下方3分の2と上方3分の1の両方に到達するように送達される。
一部の実施形態では、13N−オキシトシンペプチドは、Cys−Tyr−Ile−Gln−Asn−Cys−Pro−Leu−Gly(配列番号1)からなるヒトオキシトシンアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、13N−オキシトシンペプチドは、式(IV)の化合物である。一部の実施形態では、13N−オキシトシンペプチド製剤または組成物の有効用量は、約0.5μg〜約2000μgの範囲のオキシトシン(13N−オキシトシンおよび非放射標識オキシトシンを含める)を含む。一部の実施形態では、13N−オキシトシンペプチド製剤または組成物におけるオキシトシンの有効用量は、約0.5μg〜約1000μg、約1μg〜約1000μg、または約1μg〜約2000μgである。一部の実施形態では、13N−オキシトシンペプチド製剤または組成物におけるオキシトシンの有効用量は、約4μg〜約1000μg、約8μg〜約1000μg、約8μg〜約800μg、約8μg〜約500μg、約8μg〜約400μg、約8μg〜約300μg、約8μg〜約200μg、約8μg〜約100μg、約8μg〜約80μg、約8μg〜約50μg、約10μg〜約1000μg、約10μg〜約500μg、約10μg〜約200μg、約10μg〜約100μg、約16μg〜約1000μg、約16μg〜約800μg、約16μg〜約500μg、約16μg〜約400μg、約16μg〜約200μg、約16μg〜約160μg、約16μg〜約120μg、約16μg〜約80μg、約20μg〜約1000μg、約20μg〜約800μg、約20μg〜約500μg、約20μg〜約200μg、約20μg〜約100μg、約30μg〜約1000μg、約30μg〜約500μg、約30μg〜約300μg、約30μg〜約120μg、約30μg〜約90μg、約50μg〜約1000μg、約50μg〜約500μg、約50μg〜約250μg、約50μg〜約100μg、または約50μg〜約80μgである。一部の実施形態では、13N−オキシトシンペプチド製剤または組成物におけるオキシトシンの有効用量は、約8μg、約16μg、約32μg、約48μg、約64μg、約80μg、約96μg、約128μg、約256μg、約10μg、約20μg、約30μg、約40μg、約50μg、約60μg、約70μg、約80μg、約90μg、約100μg、約120μg、約150μg、約200μg、約400μg、約600μg、約800μg、または約100μgである。一部の実施形態では、13N−オキシトシンペプチド製剤または組成物におけるオキシトシンの有効用量は、約8μg〜約120μg、約15μg〜約120μg、約30μg〜約120μg、または約66μgである。一部の実施形態では、13N−オキシトシンペプチド製剤または組成物の有効用量における13N−オキシトシンペプチドの量は、約1×10−4μg〜約1×10−2μg(たとえば、約1×10−4、5×10−3、1×10−3、5×10−2、または1×10−2μgのいずれか;これらの値の間にあるいずれの範囲も含める)の範囲にある。
一部の実施形態では、13N−オキシトシンペプチド製剤または組成物におけるオキシトシン(13N−オキシトシンおよび非放射標識オキシトシンを含める)の有効用量は、約0.25IU〜約1000IUである。一部の実施形態では、13N−オキシトシンペプチド製剤または組成物におけるオキシトシンの有効用量は、約0.25IU〜約500IU、約0.5IU〜約500IU、または約0.5IU〜約1000IUである。一部の実施形態では、13N−オキシトシンペプチド製剤または組成物におけるオキシトシンの有効用量は、約2IU〜約500IU、約4IU〜約500IU、約4IU〜約400IU、約4IU〜約250IU、約4IU〜約200IU、約4IU〜約150IU、約4IU〜約100IU、約4IU〜約50IU、約4IU〜約40IU、約4IU〜約25IU、約5IU〜約500IU、約5IU〜約250IU、約5IU〜約100IU、約5IU〜約50IU、約8IU〜約500IU、約8IU〜約400IU、約8IU〜約250IU、約8IU〜約200IU、約8IU〜約100IU、約8IU〜約80IU、約8IU〜約60IU、約8IU〜約40IU、約10IU〜約500IU、約10IU〜約400IU、約10IU〜約250IU、約10IU〜約100IU、約10IU〜約50IU、約15IU〜約500IU、約15IU〜約250IU、約15IU〜約150IU、約15IU〜約60IU、約15IU〜約45IU、約25IU〜約500IU、約25IU〜約250IU、約25IU〜約125IU、約25IU〜約50IU、または約25IU〜約40IUである。一部の実施形態では、13N−オキシトシンペプチド製剤または組成物におけるオキシトシンの有効用量は、約4IU、約8IU、約16IU、約24IU、約32IU、約40IU、約48IU、約64IU、約128IU、約5IU、約10IU、約15IU、約20IU、約25IU、約30IU、約35IU、約40IU、約45IU、約50IU、約60IU、約75IU、約100IU、約200IU、約300IU、約400IU、または約50IUである。一部の実施形態では、13N−オキシトシンペプチド製剤または組成物におけるオキシトシンの有効用量は、約4IU〜約60IU、約7.5IU〜約60IU、約15IU〜約60IU、または約30IUである。
キット
本明細書では、本明細書に記載の方法のいずれかを実施するためのキットが提供される。キットは、13N−オキシトシンの個体への投与(たとえば、頭蓋顔面粘膜投与、たとえば、鼻腔内投与)において使用するために提供される。一部の実施形態では、キットは、式(IV)に従うペプチドなどの13N−オキシトシンペプチドを含む。一部の実施形態では、キットは、13N−オキシトシンペプチドの合成において使用される、式(I)、(Ia)、(Ib)、(II)、(IIa)、および/または(IIb)に従うペプチドなどの13N−オキシトシンペプチド前駆体を含む。一部の実施形態では、キットは、前駆体からの13N−オキシトシンペプチドの合成において使用される、DECP、PMP、DMSO、THF、HCl、および/またはジオキサンを始めとする試薬を含む。一部の実施形態では、キットは、13N−オキシトシンペプチドを精製するための、SPEカラム(たとえば、C18sep−pak)および/またはイオン対試薬を始めとする試薬および/または製造品を含む。一部の実施形態では、キットは、頭蓋顔面粘膜投与(たとえば、鼻腔内投与)用のデバイスを、適切な包装材料の中に含む。キットは、プロテアーゼ阻害剤および/または少なくとも1種の吸収促進剤を始めとする、本明細書に記載のオキシトシンペプチド製剤構成要素のいずれかをさらに含む場合がある。他のキットは、本明細書に記載の方法のいずれか1つの実施について使用者および/または保健医療提供者に情報を提供する使用説明書をさらに含む場合がある。
頭蓋顔面粘膜投与用のデバイス(たとえば、鼻用ポンプ装置などの鼻腔内投与用のデバイス)に収容された本明細書に記載の13N−オキシトシンペプチド製剤と、適切な包装材料とを含むキットも提供される。キットは、対象における13N−オキシトシンペプチド製剤の投与についての使用説明書をさらに含む場合がある。
本発明を実施するためのキットの使用に関する使用説明書には、一般に、キットの中身をどのように使用して本発明の方法を実施するかが記載されている。本発明のキットの中に供給される使用説明書は、通常は、ラベルまたは添付文書(たとえば、キットに含められる紙シート)上の書面の使用説明書であるが、機械読取り可能な使用説明書(たとえば、磁気または光学記憶ディスクに収容された使用説明書)も許容される。
例示的な実施形態
実施形態1. 配列番号1のアミノ酸配列を含む13N標識オキシトシンペプチド。
実施形態2. オキシトシンペプチドの1個の構成14N原子が13N放射性核種で置き換えられている、実施形態1の13N標識オキシトシンペプチド。
実施形態3. オキシトシンペプチドの1つの残基が、13N放射性核種を含む部分を含むように修飾されている、実施形態1または2の13N標識オキシトシンペプチド。
実施形態4. オキシトシンペプチドの1つの残基が、13NHを含むように修飾されている、実施形態3の13N標識オキシトシンペプチド。
実施形態5. 単一の13N放射性核種を含む、実施形態1から4のいずれか1つの13N標識オキシトシンペプチド。
実施形態6. a)4位にあるグルタミン残基(配列番号2)、b)5位にあるアスパラギン残基(配列番号3)、またはc)9位にあるグリシン残基(配列番号4)の箇所に13N放射性核種を含む、実施形態1から5のいずれか1つの13N標識オキシトシンペプチド。
実施形態7. 式(IV)の化合物である、実施形態1の13N標識オキシトシンペプチド。
実施形態8. 配列番号1のアミノ酸配列を含む13N標識オキシトシンペプチドを製造する方法であって、a)式(Ib)の化合物をシアノホスホン酸ジエチル(DECP)と反応させて、式(IIb)の化合物を提供することと、b)式(IIb)の化合物を気体13NHと反応させて、式(IIIb)の化合物を提供することと、c)式(IIIb)の化合物を脱保護して、13N標識オキシトシンペプチドを提供することとを含み、13N標識オキシトシンペプチドは、式(IV)の化合物である、方法。
実施形態9. 式(Ib)の化合物のDECPとの反応が、ジメチルスルホキシド(DMSO)、テトラヒドロフラン(THF)、およびペンタメチルピペリジン(PMP)の存在下で実施される、実施形態8の方法。
実施形態10. DECPの量が、約0.7当量〜約1.1当量の間である、実施形態8または9の方法。
実施形態11. DMSOのTHFに対する比が、約1:7〜約1:11の間である、実施形態9または10の方法。
実施形態12. 脱保護することが、式(IIIb)の化合物をHCl/ジオキサンと反応させることを含む、実施形態8から11のいずれか1つの方法。
実施形態13. ステップc)において提供された13N標識オキシトシンペプチドを精製して、試薬、有機溶媒、および前駆体を除去することをさらに含む、実施形態8から12のいずれか1つの方法。
実施形態14. 精製することが、固相抽出(SPE)による精製を含む、実施形態13の方法。
実施形態15. SPEによる精製が、a)13N標識オキシトシンペプチドを第1の疎水性SPEカラムに付与して、13N−オキシトシンおよび前駆体が第1の疎水性SPEカラム上に保持されるようにすることと、b)水性イオン対試薬を含む溶液を第1の疎水性SPEカラムに付与して、13N−オキシトシンが第1の溶出液中に溶離するようにすることと、c)第1の溶出液を第2の疎水性SPEカラムに付与して、第1の溶出液の13N−オキシトシンが、第2の疎水性SPEカラム上に保持されるようにすることと、d)13N−オキシトシンを第2の溶出液中に溶離させることとを含む、実施形態14の方法。
実施形態16. 第1および/または第2の疎水性SPEカラムが、強い疎水性を有する、シリカを主体とする結合相を含む、実施形態15の方法。
実施形態17. 水性イオン対試薬を含む溶液が、約15%〜約25%の間のアセトニトリルを含む、実施形態15または16の方法。
実施形態18. 実施形態8から17のいずれか1つの方法を含むプロセスによって調製された13N標識オキシトシンペプチド。
実施形態19. 個体において、外因的に投与されたオキシトシンの分布を決定する方法であって、a)個体に、実施形態1から8および18のいずれか1つの13N標識オキシトシンペプチドを投与することと、b)13N標識オキシトシンペプチドが組織または細胞部位で蓄積して画像化されるのを可能にすることと、c)細胞または組織を非侵襲性の画像化技術によって画像化することとを含む方法。
実施形態20. 個体においてオキシトシン受容体の分布を決定する方法であって、a)個体に、実施形態1から8および18のいずれか1つの13N標識オキシトシンペプチドを投与することと、b)13N標識オキシトシンペプチドがオキシトシン受容体に結合するのを可能にすることと、c)個体における13N標識オキシトシンペプチドを非侵襲性の画像化技術によって画像化することとを含む方法。
実施形態21. 個体において、外因的に投与されたオキシトシンの動態を決定する方法であって、a)個体に、実施形態1から8および18のいずれか1つの13N標識オキシトシンペプチドを投与することと、b)個体における13N標識オキシトシンペプチドを、非侵襲性の画像化技術によって所定の期間にわたり画像化することとを含む方法。
実施形態22. 非侵襲性の画像化技術が陽電子放出断層撮影イメージングを含む、実施形態19から21のいずれか1つの方法。
実施形態23. 非侵襲性の画像化技術が、コンピュータ断層撮影イメージングを用いた陽電子放出断層撮影、または磁気共鳴画像法を用いた陽電子放出断層撮影を含む、実施形態22の方法。
実施形態24. 13N標識オキシトシンペプチドが、頭蓋顔面粘膜投与によって投与される、実施形態19から23のいずれか1つの方法。
実施形態25. 13N標識オキシトシンペプチドが鼻腔内投与される、実施形態24の方法。
実施形態26. 13N標識オキシトシンペプチドが、静脈内、動脈内、腹腔内、小胞内、皮下、くも膜下腔内、肺内、筋肉内、気管内、眼科、経皮、または坐剤投与される、実施形態19から23のいずれか1つの方法。
実施形態27. 13N標識オキシトシンペプチドが静脈内投与される、実施形態26の方法。
実施形態28. 実施形態1から7および18のいずれか1つの13N標識オキシトシンペプチドを含むキット。
当業者なら、本発明の範囲および精神の範囲内で、いくつかの実施形態が考えられることを認識するところとなる。これより、以下の非限定的な実施例を参照することにより、本発明がより詳細に説明される。以下の実施例は、本発明をさらに例証するものであるが、当然のことながら、何らその範囲を限定すると解釈されるべきでない。
(実施例1)
ラットにおけるオキシトシンの静脈内投与後の分布
麻酔したラットを、マイクロPET走査装置(nanoscan microPET/1T MRI、Mediso Ltd、ハンガリー国ブダペスト)を使用して走査する。体温を維持し、循環および呼吸をモニターする。まず、減弱補正のために構造的T2強調MRI走査像を得る。引き続いて、ラットに、尾静脈から13N−オキシトシン放射性トレーサーを注射する。取得時間を60分としてリストモードプロトコールを使用する。放射走査のリストモードデータを、動的系列の枠に分割する。反復再構成を用いてデータを時間枠毎に再構成する。適切な補正係数を適用し、定量的な動的画像を生成する(マトリックスサイズ(x、y、z)93、93、120。ボクセルサイズ0.4mm。モンテカルロに基づく推定、減弱、および散乱補正を用いた3D Tera−Tomo再構成)。各60分の走査からなる合計されたPET画像を、生物医学的画像を定量化するための市販品として入手可能なソフトウェアパッケージであるPMODソフトウェア(バージョン3.7、PMOD Technologies Ltd、スイス国チューリヒ)を使用し、標準的なSprague−DawleyラットMRI脳地図に同時登録して、目的の領域におけるデータを取得する。結果は、無次元標準取込値(SUV):[組織活性濃度(MBq/g)×体重(g)/注入線量(MBq)]として示す。
一研究において、雌のSprague Dawleyラットを、明12時間/暗12時間サイクル、平均温度21℃、湿度55%の中で、1ケージに2匹収容し、食物および水に自由に接触させた。動物実験は、倫理審査による承認を得、デンマーク国動物実験査察当局(Danish Animal Experiments Inspectorate)(AEI)によって制定された指針に従って、人道にかなった条件下で行った。
雌Sprague Dawleyラット(体重:358g)を、2%イソフルランで満たしたチャンバーの中で麻酔し、動的PETを取得する間、イソフルラン送達用マスクによって維持した(1.5〜2%)。研究中は終始、体温、心拍数、および呼吸数をモニターした。麻酔された動物は、マイクロPET走査装置(nanoScan(登録商標)microPET/1T MRIシステム、Mediso Ltd、ハンガリー国ブダペスト)(MRI画像解像度100μm)を使用し、アニメプローン(anime prone)をマイクロPET開口部に配置することにより走査した。頭部をホルダーで固定して、頭部の動きを最小限に抑えた。まず、減弱補正のために構造的T2強調MRI走査像を得た。引き続いて、ラットに、13.3MBqの13N−オキシトシン放射性トレーサーを尾静脈注射し、PET走査を開始した。データをPETリストモードで取得し、3D反復アルゴリズム(Tera−Tomo 3D、完全検出器モデルおよび通常正則化(Mediso、ハンガリー国ブダペスト)を、4回の反復および6つのサブセットで用い、0.4×0.4×0.4mm3(0.064mm)のボクセルサイズで、20の枠(30分(8×15秒、8×60秒、4×5分))として再構成した。遅延合致ウィンドウを使用して、データを不感時間および減衰ならびに偶然の成り行きについて補正した。長さ18分のMR GRE EXT系列(1回の励起、TR 2.0ms、TE 2.1ms、フリップ角25°、0.5mmのスライス厚、水平配向)を使用して、画像を減衰および散乱について補正した。取得されたデータを観察すると、13N−オキシトシンの脳への取込みは認められなかった(図2)。
(実施例2)
ラットにおけるオキシトシンの経鼻投与後の分布
ラットにおける13N−オキシトシンの経鼻投与後の分布を試験する。ラットにおいて、本明細書に記載の製剤のいずれかに従う13N−オキシトシン含有水性製剤を経鼻適用し、ラットにおける13N−オキシトシンの分布を、上述したとおりの走査によって決定する。
一研究において、(体重が257gおよび260gである)2匹のラットにおいて13N−オキシトシンの経鼻投与後の分布を調査した。各ラットについて、およそ100μlの13N−オキシトシン溶液(10%エタノール/90%食塩水に溶解させたもの)(1〜2MBq前後)をピペットで各鼻孔に入れ、ラットを直ちにPET走査ベッドに移し、その後、実施例1に記載した方法に従って60分のPET走査を開始した後、磁気共鳴(MR)走査を行った。図3に示されるとおり、トレーサー13N−オキシトシンは、主に、胆嚢、腎臓、および腸に分布し、目に見える脳への取込みはなかった。
(実施例3)
健常ヒト対象におけるオキシトシンの経鼻投与後の分布および動態
健常ヒト対象における13N−オキシトシンの経鼻投与後の分布および動態を試験する。採用/不採用判断基準、病歴および身体検査、臨床検査、ならびに他の通例の手順に基づき、健康なボランティアを選抜する。13N−オキシトシンは、定量ネブライザーによって対象に鼻腔内送達される。たとえば、各鼻噴霧適用によって、0.1mlの食塩水中の0.01μg/kgの用量の13N−オキシトシンが対象に投与される。対照対象には、各鼻噴霧適用によって0.1mlの食塩水だけが投与される。本明細書に記載の13N−オキシトシン製剤のいずれを試験してもよい。個体において13N−オキシトシンがPETによって経時的に画像化されて、13N−オキシトシンの分布および動態が明らかになる。この実施例では、解剖学的確認を正確に行うために、構造的CTまたはMRIを最初に実施する。その後、13N−オキシトシンを対象に投与した後、鼻をすすいで、オキシトシンパルスのタイミングの正確な決定を可能にする。健康なボランティア、片頭痛患者、または神経精神医学的患者をPET走査装置(Siemens Biograph 64 Truepoint PET)に正しく配置したらすぐに、60分のPET走査が開始される。TrueX 3D OSEM(3回の反復、21のサブセット)、256×256×109マトリックス、および2mmガウスフィルターを使用し、5×60、3×300、4×600秒(合計12枠、60分)の時間枠構造を用いて、PETデータを再構成する。生物医学的画像を定量化するための市販品として入手可能なソフトウェアパッケージであるPMOD3.7(PMOD Technologies Ltd、スイス国チューリヒ)を使用して、前処理ステップを行う。動的PET取得結果を目視によって調べ、体動アーチファクトを補正する。6人すべての参加者において、全身放射走査を実施する。注入前および注射後120分〜150分の間に、安全性試験、血液、尿、バイタルサイン、および心電図記録を取る。
全身画像に対して、主要な臓器(脳、肺、縦隔、肝臓、脾臓、胆嚢、腎臓、膀胱、および尿管)にROIを配置する。各線源臓器および残部における活性を注入活性で割って、取込みを注入活性に対するパーセントとして求める。各線源臓器の滞留時間は、各線源臓器の対注射活性パーセントおよび時間経過情報から、OLINDA 1.0/EXMソフトウェア(Vanderbilt大学)を使用して指数曲線に適合させることによって算出される。成人男性模型を使用して、各線源臓器の平均滞留時間をOLINDA 1.0/EXMソフトウェアに入力することにより、線量計測値を求める。
(実施例4)
健常なヒトボランティア、神経精神医学的患者、または慢性片頭痛患者におけるオキシトシンの経鼻投与後の分布、動態、および薬力学
ヒト対象(健常なボランティア、前兆のあるまたはない片頭痛に見舞われている患者、または神経精神医学的患者)を登録する。電話による聞き取りによって、また研究センターに初めて来訪した際に、研究への適格性を見極める。可能性のある参加者が研究センターに初めて来訪した際、病歴を調べ、健康診断を行う。特に、神経精神(neuropychiatric)病(たとえば、自閉症スペクトラム障害または不安障害)、前兆のあるまたはない慢性片頭痛または高頻度の偶発性片頭痛の診断は、当業者によって確立されている。参加者が採用判断基準に適合し、不採用判断基準に当てはまらない場合、書面によるインフォームドコンセントを得る。人口統計学的および医学的データが記録される。
片頭痛患者において使用される疼痛評価ツールは、VRS−4である。このツールでは、自己報告がなされ、対象は、自身の疼痛レベルを4区分のスケール(重度、中程度、軽度、なし)で等級付けする必要がある。対象は、安全な携帯型ePROデバイスを使用して、自身の疼痛スコアを入力する。対象は、スクリーニング来訪の際に、携帯型デバイスを使用して、VRS−4の履行に関してトレーニングを受ける。
神経精神医学的患者に対しては、Autism Diagnostic Observation Scale、Clinical Global Impression−Improvement(CGI−I)評価、および/またはHamilton Anxiety Rating Scaleなどの、適切な調査評価が使用される。
オキシトシン製剤の有効性は、適切な測定ツールで、処置前と比較した投薬後の効果、ならびに効果が生じる時間および効果の持続時間を比較することにより評価される。
まず、対象を構造的MRIまたはCT走査にかける。その後、対象に、オキシトシンペプチド製剤を定期的に経鼻投与するが、オキシトシンは、13N−オキシトシンに加えて非標識オキシトシンを含有する。13N−オキシトシンペプチド製剤を投与した後、対象をPETによって画像化して、13N−オキシトシンの動態および分布を決定する。PET画像を分析して、線量計測値および薬物動態ならびにこれら尺度の薬力学との関係を(有効性に関して)決定する。走査および分析は、上述のとおりに行う。
(実施例5)
13N−オキシトシンの合成方法
以下の実施例では、式(Ib)の化合物を出発試薬として使用して、カルボキシ末端13NHを含む式(IV)の13N−オキシトシン化合物を合成する方法を記載する。式(Ib)の化合物を、反応バイアルにおいて、ペンタメチルピペリジン(PMP)を含有するジメチルスルホキシド(DMSO)−テトラヒドロフラン(THF)(それぞれ1:9の比)の存在下で0.9当量のDECPと共に室温でインキュベートして、式(IIb)の化合物を生成した。サイクロトロンにおいて、液体ターゲット([16O(p,α)13N])へのプロトン照射によって13NHを発生させ、ヘリウム流を伴うTeflon管材料を通して、無希釈NaOHを含有するガラスバイアルに移した。放出された気体13NHを、室温で、式(IIb)の化合物を含有する反応バイアルに、シリンジによって生じさせた陽圧によって手作業で移して、N−Boc保護された式(IIIb)の化合物を得た。N−Boc保護された式(IIIb)の化合物を、4M HCl/ジオキサンを使用して50℃で2.5分間脱保護して、式(IV)の13N−オキシトシン化合物の粗調製物を得た。
式(IV)の13N−オキシトシン化合物の粗調製物を、多段階の固相抽出(SPE)プロトコールを使用して精製して、試薬、有機溶媒、および前駆体を除去した。第1のステップでは、式(IV)の13N−オキシトシン化合物の粗調製物を希釈したものを、C18 Sep−pakカートリッジにかけ、有機溶媒および試薬が溶出液中に流れるのを可能にした一方、13N−オキシトシンおよび前駆体は、カートリッジの中に保持された。第2のステップでは、水性イオン対試薬を含むアセトニトリルの20%溶液をかけることにより、13N−オキシトシンをカートリッジから溶離させ、13N−オキシトシンを含有する溶出液を収集した。この溶出液を希釈し、第2のC18 Sep−pakカートリッジにかけた後、HOで洗浄して、アセトニトリルおよびイオン対試薬を除去した。最後に、EtOHを用いて13N−オキシトシンをカートリッジから溶離させ、精製された13N−オキシトシンを含有する溶出液を収集した。
Figure 2021515005

Claims (28)

  1. 配列番号1のアミノ酸配列を含む13N標識オキシトシンペプチド。
  2. 前記オキシトシンペプチドの1個の構成14N原子が13N放射性核種で置き換えられている、請求項1に記載の13N標識オキシトシンペプチド。
  3. 前記オキシトシンペプチドの1つの残基が、13N放射性核種を含む部分を含むように修飾されている、請求項1または2に記載の13N標識オキシトシンペプチド。
  4. 前記オキシトシンペプチドの1つの残基が、13NHを含むように修飾されている、請求項3に記載の13N標識オキシトシンペプチド。
  5. 単一の13N放射性核種を含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の13N標識オキシトシンペプチド。
  6. a)4位にあるグルタミン残基(配列番号2)、b)5位にあるアスパラギン残基(配列番号3)、またはc)9位にあるグリシン残基(配列番号4)に13N放射性核種を含む、請求項1から5のいずれか一項に記載の13N標識オキシトシンペプチド。
  7. 式(IV)の化合物である、請求項1に記載の13N標識オキシトシンペプチド。
  8. 配列番号1のアミノ酸配列を含む13N標識オキシトシンペプチドを製造する方法であって、
    a)式(Ib)の化合物をシアノホスホン酸ジエチル(DECP)と反応させて、式(IIb)の化合物を提供することと、
    b)前記式(IIb)の化合物を気体13NHと反応させて、式(IIIb)の化合物を提供することと、
    c)前記式(IIIb)の化合物を脱保護して、前記13N標識オキシトシンペプチドを提供することと
    を含み、
    前記13N標識オキシトシンペプチドは、式(IV)の化合物である、方法。
  9. 前記式(Ib)の化合物をDECPと反応させることが、ジメチルスルホキシド(DMSO)、テトラヒドロフラン(THF)、およびペンタメチルピペリジン(PMP)の存在下で実施される、請求項8に記載の方法。
  10. DECPの量が、約0.7当量〜約1.1当量の間である、請求項8または9に記載の方法。
  11. DMSOのTHFに対する比が、約1:7〜約1:11の間である、請求項9または10に記載の方法。
  12. 前記脱保護することが、前記式(IIIb)の化合物をHCl/ジオキサンと反応させることを含む、請求項8から11のいずれか一項に記載の方法。
  13. ステップc)において提供された前記13N標識オキシトシンペプチドを精製して、試薬、有機溶媒、および前駆体を除去することをさらに含む、請求項8から12のいずれか一項に記載の方法。
  14. 前記精製することが、固相抽出(SPE)による精製を含む、請求項13に記載の方法。
  15. SPEによる精製が、
    a)前記13N標識オキシトシンペプチドを第1の疎水性SPEカラムに付与して、13N−オキシトシンおよび前駆体が第1の疎水性SPEカラム上に保持されるようにすることと、
    b)水性イオン対試薬を含む溶液を前記第1の疎水性SPEカラムに付与して、前記13N−オキシトシンが第1の溶出液中に溶離するようにすることと、
    c)前記第1の溶出液を第2の疎水性SPEカラムに付与して、前記第1の溶出液の前記13N−オキシトシンが、前記第2の疎水性SPEカラム上に保持されるようにすることと、
    d)前記13N−オキシトシンを第2の溶出液中に溶離させることと
    を含む、請求項14に記載の方法。
  16. 前記第1および/または第2の疎水性SPEカラムが、強い疎水性を有する、シリカを主体とする結合相を含む、請求項15に記載の方法。
  17. 前記水性イオン対試薬を含む溶液が、約15%〜約25%の間のアセトニトリルを含む、請求項15または16に記載の方法。
  18. 請求項8から17のいずれか一項に記載の方法を含むプロセスによって調製された13N標識オキシトシンペプチド。
  19. 個体において、外因的に投与されたオキシトシンの分布を決定する方法であって、
    a)前記個体に、請求項1から8および18のいずれか一項に記載の13N標識オキシトシンペプチドを投与することと、
    b)前記13N標識オキシトシンペプチドが組織または細胞部位で蓄積して画像化されるのを可能にすることと、
    c)前記細胞または組織を非侵襲性の画像化技術によって画像化することと
    を含む方法。
  20. 個体においてオキシトシン受容体の分布を決定する方法であって、
    a)前記個体に、請求項1から8および18のいずれか一項に記載の13N標識オキシトシンペプチドを投与することと、
    b)前記13N標識オキシトシンペプチドがオキシトシン受容体に結合するのを可能にすることと、
    c)前記個体における前記13N標識オキシトシンペプチドを非侵襲性の画像化技術によって画像化することと
    を含む方法。
  21. 個体において、外因的に投与されたオキシトシンの動態を決定する方法であって、
    a)前記個体に、請求項1から8および18のいずれか一項に記載の13N標識オキシトシンペプチドを投与することと、
    b)前記個体における前記13N標識オキシトシンペプチドを、非侵襲性の画像化技術によって所定の期間にわたり画像化することと
    を含む方法。
  22. 前記非侵襲性の画像化技術が陽電子放出断層撮影イメージングを含む、請求項19から21のいずれか一項に記載の方法。
  23. 前記非侵襲性の画像化技術が、コンピュータ断層撮影イメージングを用いた陽電子放出断層撮影、または磁気共鳴画像法を用いた陽電子放出断層撮影を含む、請求項22に記載の方法。
  24. 前記13N標識オキシトシンペプチドが、頭蓋顔面粘膜投与によって投与される、請求項19から23のいずれか一項に記載の方法。
  25. 前記13N標識オキシトシンペプチドが鼻腔内投与される、請求項24に記載の方法。
  26. 前記13N標識オキシトシンペプチドが、静脈内、動脈内、腹腔内、小胞内、皮下、くも膜下腔内、肺内、筋肉内、気管内、眼科、経皮、または坐剤投与される、請求項19から23のいずれか一項に記載の方法。
  27. 前記13N標識オキシトシンペプチドが静脈内投与される、請求項26に記載の方法。
  28. 請求項1から7および18のいずれか一項に記載の13N標識オキシトシンペプチドを含むキット。
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