JP2021512303A - 分析システムおよび方法 - Google Patents

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Abstract

試料を処理し、コンピュータ制御式分析装置にアッセイプロトコルに従ってアッセイを実施させるためのアッセイプロトコルのユーザ定義のアッセイパラメータをユーザが指定することを可能にする、システム、方法、およびコンピュータ可読媒体。一実施形態では、自動分析装置で複数の核酸増幅アッセイを実施する方法が開示される。上記方法は、(a)分析装置に複数の試料収容容器をロードするステップ、(b)複数の試料収容容器のうちの1つに収容された第1の試料に対して実施されるべき第1の核酸増幅アッセイを割り当てるステップを含み得る。【選択図】図34A

Description

本開示は、ユーザが自動分析装置で実施されるアッセイプロトコルのユーザ定義のアッセイパラメータを指定することを可能にするシステム、方法、およびコンピュータ可読媒体に関する。
分子アッセイは、臨床診断、スクリーニング、モニタリング、工業試験および環境試験、健康科学研究、ならびに他の応用において、試料中の関心対象の分析物、例えば、微生物またはウイルスの存在もしくは量を検出するため、または生物の遺伝的異常もしくは変異を検出するために使用される核酸ベースの試験である。分子アッセイは、診療医が感染の程度を決定するか、または治療の効果をモニタリングするのを可能にする。当業者に公知であるように、分子アッセイは、一般に、試料中の関心対象の生物またはウイルスのものである標的核酸の検出または定量化をもたらす複数のステップを含む。ほとんどの分子アッセイは、試料が、標的核酸に対する特異性を示す検出プローブまたは増幅プライマーに曝露される検出ステップを含む。アッセイの感度を増加させるために、標的核酸は、例えば、核酸(「アンプリコン」)を数桁増幅するポリメラーゼ連鎖反応(「PCR」)などの核酸増幅反応によって増幅され得る。PCRは、反応混合物の加熱および冷却の繰り返されるサイクルからなる熱サイクルを用いる。反応は、一般に、酵素および追加の反応材料とともに増幅プライマー(例えば、標的核酸領域に相補的な配列を含む短いDNA断片)を用いて開始される。経時的なアンプリコンの増加は、「リアルタイム」で(すなわち、進行中の増幅反応の間)、または反応終了時(すなわち、「エンドポイント」モニタリング)にモニタリングされ得る。アンプリコンの増加は、アンプリコンの存在を示すシグナル放出(例えば、所定の波長または波長範囲での蛍光レベルなど)を測定するシグナル検出装置(例えば、蛍光検出装置)を使用して検出され得る。
分子アッセイは、一般に、体外診断薬(「IVD」)アッセイ、および顧客または他の第三者により開発され、検証され、使用されるラボ開発アッセイ(本明細書において「ラボ開発検査」または「LDT」と称される)に分類され得る。新たに出現する病原体および変異体の世界では、顧客または他の第三者らは、IVDが市販されていない対象分析物を検出するためのLDTの開発を望むこと、あるいは顧客または第三者らが、IVDを補うために分析物特異的試薬(「ASR」)をIVDに組み込むことを望むことがある。
分子LDTは、通常は特定のLDTに特異的な増幅オリゴマー、検出プローブなどを必要とする。LDTを実施することができる既知の分析システムは、バッチモードで、または共通のモジュールもしくはリソースを使用することなくIVDアッセイおよびLDTを実施するように設計されている。バッチモードで実施される場合、試料の第1のコレクションに対する第1のアッセイタイプ(例えば、IVDまたはLDT)は、試料の第2のコレクションに対する第2のアッセイタイプを開始する前に完了する。多くの場合、第2のアッセイタイプを実施するための試薬および消耗品は、第1のアッセイタイプの完了後までシステムに導入されない。
核酸増幅アッセイなどの分子アッセイは、アッセイを実施するためのプロトコルを定義する異なるパラメータに従って、コンピュータ制御された自動分子システムによって実施される。一般に、これらのパラメータは、アッセイの間、システムによって実施されるステップを定義する(例えば、使用されるべき試薬の種類および量、インキュベーション条件、温度サイクリングパラメータ(例えば、サイクル時間、変性温度、アニーリング温度および伸長温度を含む温度、RNAまたはDNA標的の選択など)など)。これらのパラメータは、データ処理、データ整理、およびプロトコルによって生成されたデータについての結果の解釈も定義する。
多くの場合、分子システムで実施されるIVDアッセイのプロトコル(すなわち、パラメータ)は、システムに事前インストール/事前ロードされる。IVDアッセイは、既知の標準化された(およびは規制された)アッセイであるため、それらのパラメータは通常、公知かつ/または固定であり、ユーザによって変更することができない。LDTは、ユーザまたは第三者によって開発または確立されるため、LDTプロトコルを定義するパラメータの少なくとも一部はユーザ/第三者によって提供されることから、カスタムプロトコルが必要とされ得る。
したがって、分子システムの柔軟性を改善して、システムに事前インストール/事前ロードされていないアッセイプロトコルを実施できるようにし、分子システムの操作におけるユーザによるコンフィギュアビリティを促進する必要がある。
アッセイに関連するユーザ定義のアッセイパラメータを選択することによりユーザがLDTを定義できるようにする方法およびシステムが開示される。
ソフトウェアツールは、分子システムのアッセイプロトコルを生成することができる。各アッセイは、アッセイ定義ファイル(ADF)において定義されてもよく、これには、結果の処理方法、実行されるプロセスステップ、それらが実行される順序、生成される解釈などを説明する情報が含まれてもよい。ソフトウェアツールにより、様々な機能および情報へのアクセスを提供するインタラクティブなボタン、メニュー、および/またはアイコンを含む1つ以上のウィンドウ、画面、またはグラフィカルユーザインタフェース(「GUI」)を介して、ユーザがLDTを開発および定義できるようになる。
後により詳細に記載されるように、LDTが分子システムによって実行または実施され、データセットが取得された後、コントローラは、ユーザがデータを処理し、アッセイの結果を検討することを可能にし得る。コントローラは、ユーザがユーザ定義のアッセイパラメータの少なくとも一部を変更し、変更したユーザ定義のアッセイパラメータを使用してデータセットを再実行し、結果を再検討して、アッセイ結果に対する選択されたユーザ定義のアッセイパラメータの影響を調査することも可能にし得る。このようにして、幾つかの実施形態では、コントローラは、ユーザがLDTを実施するためのユーザ定義のアッセイパラメータの最適化されたセット(例えば、ユーザにより承認された結果をもたらすユーザ定義のアッセイパラメータのセット)を決定することを可能にし得る。次いで、コントローラは、ユーザが最適化されたユーザ定義のパラメータを作成された(または確立された)LDTプロトコルに関連付け、開発されたLDTのためのパラメータを確定させ、ロックする(例えば、それらが不注意に変更されないように)ことを可能にし得る。
本開示の実施形態では、自動分析装置で複数の核酸増幅アッセイを実施するためのシステムおよび方法が開示される。
一実施形態では、自動分析装置で複数の核酸増幅アッセイを実施する方法が開示される。上記方法は、(a)分析装置に複数の試料収容容器をロードするステップ、(b)複数の試料収容容器のうちの1つに収容された第1の試料に対して実施されるべき第1の核酸増幅アッセイを割り当てるステップを含み得る。第1の核酸増幅アッセイは、第1のセットのアッセイパラメータに従って実施されてもよく、この第1のセットのアッセイパラメータは、システム定義のアッセイパラメータから構成されてもよい。上記方法は、(c)複数の試料収容容器のうちの1つに収容された第2の試料に対して実施されるべき第2の核酸増幅アッセイを割り当てるステップを含み得る。第2の核酸増幅アッセイは、第2のセットのアッセイパラメータに従って実施されてもよく、この第2のセットのアッセイパラメータは、1つ以上のユーザ定義のアッセイパラメータを含んでもよい。上記方法は、(d)第1および第2の試料中にそれぞれ存在し得る第1の分析物および第2の分析物を単離および精製するのに適した試薬および条件に第1および第2の試料の各々を曝露させることによって、精製された形態の第1および第2の試料の生成するステップも含み得る。上記方法は、(e)精製された形態の第1の試料を含有する第1の増幅反応混合物および精製された形態の第2の試料を含有する第2の増幅反応混合物を形成するステップであって、当該第1の増幅反応混合物が、第1の分析物の第1の領域または第1の核酸増幅アッセイの第1の核酸増幅反応において第1の分析物に結合した核酸を増幅するための第1のセットの増幅オリゴマーを含有し、当該第2の増幅反応混合物が、第2の分析物の第2の領域または第2の核酸増幅アッセイの第2の核酸増幅反応において第2の分析物に結合した核酸を増幅するための第2のセットの増幅オリゴマーを含有するステップも含み得る。上記方法は、(f)第1および第2の増幅反応混合物を第1および第2の領域をそれぞれ増幅するための加熱条件に曝露させるステップ、および(g)第1および第2の増幅反応混合物中の第1および第2の分析物の存在または不存在をそれぞれ決定するステップも含み得る。幾つかの実施形態では、上記のステップ(b)において、第1の核酸増幅アッセイは、ユーザ定義のアッセイパラメータが第1の核酸増幅アッセイを実施するのに使用されないようにシステム定義のアッセイパラメータのみから構成される第1のセットのアッセイパラメータに従って実施される。
本開示の方法の様々な実施形態は、以下の態様のうちの1つ以上を代替的にまたは追加的に含み得る:複数の試料収容容器は、ステップ(a)の間、1つ以上の容器保持ラックにより支持され得る;第1および第2の試料は、同一の試料収容容器に収容された同一の試料であり得る;第1および第2の試料は、異なる試料収容容器に収容され得る;割り当てステップは、実施されるアッセイをタッチスクリーンまたはキーボードを使用して特定することを含み得る;ユーザ定義のアッセイパラメータのうちの1つ以上は、タッチスクリーンまたはキーボードを使用して分析装置のコントローラに通信され得る;割り当てステップは、試料収容容器または容器保持ラック上の機械可読なしるし、どのアッセイを実行するかを識別する機械可読なしるしを読み取ることを含み得る;割り当てステップは、ステップ(a)の間か後に実行され得る;ユーザ定義のアッセイパラメータは、ステップ(g)において分析装置により生成される生データを処理するために使用され得る;第1および第2の核酸増幅アッセイは、それぞれPCR反応を含み得、ここで、ユーザ定義のアッセイパラメータは温度プロファイルを含み得、第1の核酸増幅反応の温度プロファイルは、第2の核酸増幅反応の温度プロファイルと同一であり得るか、または異なり得る;PCR反応は、リアルタイムで実行され得る;第1および第2の核酸増幅反応の温度プロファイルは、サイクル数、完了までの時間、変性温度、アニーリング温度、および伸長温度のうちの少なくとも1つが異なり得る;ステップ(d)は、第1および第2の分析物を固体支持体上に固定化することを含み得る;固体支持体は、磁気応答性であり得る;ステップ(d)は、第1および第2の試料を磁界に曝露させるとともに第1および第2の試料から固定化されていない成分を除去することを含み得る;ステップ(d)において、磁界は、第1および第2の試料について同一の供給源により供給され得る;ステップ(d)は、第1および第2の試料から固定化されていない成分を除去した後に固体支持体を緩衝液中に再懸濁することを含むことを含み得る。
本開示の方法の種々の実施形態は、以下の態様のうちの1つ以上を代替的にまたは追加的に含み得る:第1および第2の分析物は、第1および第2の試料中に存在する場合、ステップ(d)において固体支持体上に特異的に固定化され得る;第1および第2の試料中の核酸は、ステップ(d)において固体支持体上に非特異的に固定化され得る;本開示の方法は、第1の増幅反応混合物を形成する前に、ポリメラーゼおよび第1のセットの増幅オリゴマーを含有する第1の増幅試薬を溶解するステップであって、当該第1の増幅試薬が第1の溶媒に溶解され、当該第1の溶媒が増幅オリゴマーまたはポリメラーゼを含有しないステップならびに第2の増幅反応混合物を形成する前に、ポリメラーゼを含有する第2の増幅試薬を溶解するステップであって、当該第2の増幅試薬が第2のセットの増幅オリゴマーを含有する第2の溶媒に溶解され、当該第2の増幅試薬がいずれの増幅オリゴマーも含有しないステップをさらに含み得る;第1および第2の増幅試薬の各々は、凍結乾燥物であり得る;第1および第2の増幅試薬の各々は、単位用量試薬であり得る;第1の増幅試薬は、第1の核酸増幅反応を実施するのに必要なすべてのオリゴマーを含有し得、第2の溶媒は、第2の核酸増幅反応を実施するのに必要なすべてのオリゴマーを含有し得る;第1の単位用量試薬および第2の増幅試薬は、それぞれ検出プローブを含有し得る;第1および第2の溶媒は、ヌクレオシド三リン酸をさらに含有し得る;第2の溶媒は、第1のホルダにより支持された第1のバイアル中に収容され得る;第1のホルダは、1つ以上の追加のバイアルを支持し得、1つ以上の追加のバイアルの各々は、第2の溶媒に含有されない1セットの増幅オリゴマーを含有する溶媒を収容し得る;上記方法は、第1のホルダの第1のバイアルを第2の核酸増幅アッセイに関連付けるステップをさらに含み得る。
本開示の方法の様々な実施形態は、以下の態様のうちの1つ以上を代替的にまたは追加的に含み得る:第1の溶媒は、異なるセットの増幅オリゴマーを含有する増幅試薬を溶解するための汎用試薬であり得る;第1の溶媒は、密閉された液体リザーバーおよび流体連結されているアクセスチャンバーを有する第2のホルダに収容され得、当該アクセスチャンバーは、当該第2のホルダから第1の溶媒を取り出すために、流体移送装置によりアクセス可能であり得る;第1および第2の増幅試薬は、同一のまたは異なる試薬パックの混合ウェル中で貯蔵および再構成または溶解され得、各試薬パックは、複数の混合ウェルを含む。第1および第2の分析物の各々は、核酸またはタンパク質であり得る;第1および第2の増幅反応混合物は、それぞれ、第1および第2の反応容器中で形成され得る;油は、ステップ(f)の前に第1および第2の反応容器の各々に分配され得る;上記方法は、ステップ(f)の前に第1および第2の反応容器の各々をキャップで閉じるステップをさらに含み得、当該キャップは、摩擦嵌合または締まりばめで対応する第1または第2の容器に係合し得る;上記方法は、ステップ(f)の前に閉じられた第1および第2の反応容器を遠心分離するステップであって、当該遠心分離ステップが、第1および第2の反応容器を受容するための少なくとも1つのアクセスポートを有する遠心分離機で実施され得るステップをさらに含み得る;第1および第2の反応容器の各々は、一体型ユニットの一部として任意の他の反応容器に物理的に接続されていない異なる別個の容器であり得る。
本開示の方法の様々な実施形態は、以下の態様のうちの1つ以上を代替的にまたは追加的に含み得る:第1および第2の増幅反応混合物を形成する際にステップ(e)の前に、精製された形態の第1および第2の試料が、それぞれ第1および第2の溶出液に含有されるように精製された形態の第1および第2の試料を溶出緩衝液と接触させるステップ;上記方法は、ステップ(e)の前に第1および第2の溶出液のうちの少なくとも1つのアリコートを貯蔵容器に移送するステップをさらに含み得る;上記方法は、貯蔵容器をキャップで閉じるステップをさらに含み得、当該キャップは摩擦嵌合または締まりばめで対応する貯蔵容器に係合し得る;上記方法は、少なくともステップ(g)の完了まで分析装置内に貯蔵容器を保持するステップをさらに含み得る;上記方法は、実施されるべき第3の核酸増幅アッセイを貯蔵試料のアリコートに割り当てるステップであって、第3の核酸増幅アッセイが、第3のセットのアッセイパラメータに従って実施され、当該第3のセットのアッセイパラメータが、第1および第2のセットのアッセイパラメータと異なり得るステップ、ステップ(g)の後に第3の増幅反応混合物を貯蔵容器のアリコートとともに形成するステップであって、当該第3の増幅反応混合物が、第3の分析物の第3の領域または第3の核酸増幅反応において当該第3の分析物に結合する核酸を増幅するための第3のセットの増幅オリゴマーを含有し得るステップ、当該第3の領域を増幅するために当該第3の増幅反応混合物を熱的条件に曝露させるステップ、ならびに当該第3の増幅反応混合物中の当該第3の分析物の存在または不存在を決定するステップをさらに含み得る;第3の核酸増幅アッセイは、ステップ(g)の後に割り当てられ得る;第1および第2の増幅反応混合物について、ステップ(f)は、異なる時点で開始され得る;第1の核酸増幅アッセイは、IVDアッセイであり得、第2の核酸増幅アッセイは、LDTであり得る;LDTは、第2のセットの増幅オリゴマーを含むASRを用いて実施され得る;第1および第2の増幅反応混合物は、ステップ(f)において同時に熱的条件に曝露され得る。
別の実施形態では、非一時的なコンピュータ可読媒体が開示される。コンピュータ可読媒体は、自動化システムのコンピュータコントローラによって実行される場合、システムに提供される試料に対して核酸増幅アッセイを実施するように適合され得、システムに、(a)1つ以上のユーザ定義のアッセイパラメータを指定するユーザ入力を受信および保存するシステムプロセス、(b)(i)第1の核酸増幅アッセイが、第1のセットのアッセイパラメータに従って第1の試料に実施されるように指定する入力であって、当該第1のセットのアッセイパラメータが、システム定義のアッセイパラメータからなり得る入力、および第2の核酸増幅アッセイが、第2のセットのアッセイパラメータに従って第2の試料に対して実行されるように指定する入力であって、当該第2のセットのアッセイパラメータが、1つ以上のユーザ定義のアッセイパラメータを含み得る入力を受信するシステムプロセス、を実行させ得るコンピュータ実行可能命令によって符号化される。また上記命令は、システムに(c)第1および第2の試料中にそれぞれ存在し得る第1の分析物および第2の分析物を単離および精製するのに適した試薬および条件に第1および第2の試料の各々を曝露させることによって、精製された形態の第1および第2の試料を生成させ得、(d)第1のセットのアッセイパラメータによって指定された第1の増幅試薬を精製された形態の第1の試料と組み合わせることによって第1の増幅反応混合物を形成させ得、(e)第2のセットのアッセイパラメータによって指定された第2の増幅試薬を精製された形態の第2の試料と組み合わせることによって第2の増幅反応混合物を形成させ得る。また上記命令は、システムに(f)第1の増幅反応混合物を第1のセットのアッセイパラメータによって指定された増幅条件に曝露させ得、(g)第2の増幅反応混合物を第2のセットのアッセイパラメータによって指定された増幅条件に曝露させ得、(h)システムプロセス(f)および(g)を実行させた後に、第1の増幅反応混合物中の第1の分析物の存在または不存在を決定させ得、第2の増幅反応混合物中の第2の分析物の存在または不存在を決定させ得る。
本開示の非一時的なコンピュータ可読媒体の種々の実施形態は、システムに以下のシステムプロセスを代替的にまたは追加的に実行させ得る:システムプロセス(b)が第1および第2の試料のうちの少なくとも1つを用いて実施されるべきアッセイを特定するユーザ入力をタッチスクリーンまたはキーボードから受信することを含み、システムプロセス(b)がグラフィカルユーザインタフェースからユーザ入力を受信することを含み、ユーザ定義のアッセイパラメータのうちの1つ以上がタッチスクリーンまたはキーボードを使用して入力され、ユーザ定義のアッセイパラメータのうちの1つ以上がグラフィカルユーザインタフェースを使用して入力され、ユーザ定義のアッセイパラメータのうちの1つ以上が携帯型記憶媒体を使用して入力され、システムプロセス(b)が第1および第2の試料のうちの少なくとも1つを用いてどのアッセイを実施するべきか特定する機械可読なしるしを読み取ることを含み、1つ以上のユーザ定義のアッセイパラメータがシステムプロセス(h)においてシステムによって生成されたデータを処理するために使用されるパラメータを含み、第1および第2の核酸増幅アッセイがそれぞれPCR反応を含み、ユーザ定義のアッセイパラメータがシステムプロセス(g)の増幅条件を定義する温度プロファイルを含み、第1の核酸増幅アッセイの温度プロファイルが第2の核酸増幅アッセイの温度プロファイルと同一であるかまたは異なり、第1および第2の核酸増幅アッセイの温度プロファイルがサイクル数、完了までの時間、変性温度、アニーリング温度、および伸長温度のうちの少なくとも1つで異なり、システムプロセス(c)が第1および第2の試料を、第1の分析物および第2の分析物を第1および第2の試料中に存在する場合、固定化するように適合された固体支持体に曝露させることを含み、システムプロセス(c)が固体支持体を固定化し、第1および第2の試料の固定化されていない成分を除去することを含むシステムプロセス。
本開示の非一時的なコンピュータ可読媒体の種々の実施形態は、システムに以下のシステムプロセスを代替的にまたは追加的に実行させ得る:システムプロセス(c)が第1および第2の試料の固定化されていない成分を除去した後に固体支持体を緩衝液中に再懸濁することを含み、コンピュータ実行可能命令がシステムにさらに、システムプロセス(d)において第1の増幅反応混合物を形成する前に第1の増幅試薬を第1の溶媒で溶解させ、システムプロセス(e)において第2の増幅反応混合物を形成する前に第2の増幅試薬を第2の溶媒で溶解させるシステムプロセスを実行させ、システムプロセス(f)および(g)の前に油が第1および第2の増幅反応混合物の各々に分配され、ステップ(f)および(g)の前にコンピュータ実行可能命令がさらにシステムに第1および第2の増幅反応混合物を遠心分離機に移送させ、コンピュータ実行可能命令がさらにシステムに、第1の増幅反応混合物を形成する際に、精製された形態の第1の試料が第1の溶出液中に含有されるように、システムプロセス(d)の前に精製された形態の第1の試料を溶出緩衝液に接触させ、第2の増幅反応混合物を形成する際に、精製された形態の第2の試料が第2の溶出液中に含有されるように、システムプロセス(e)の前に精製された形態の第2の試料を溶出緩衝液に接触させ、コンピュータ実行可能命令がさらにシステムに、システムプロセス(d)および(e)の前に、それぞれ第1および第2の溶出液のうちの少なくとも1つのアリコートを貯蔵容器に移送させるシステムプロセス。
本開示の非一時的なコンピュータ可読媒体の種々の実施形態は、システムに以下のシステムプロセスを代替的にまたは追加的に実行させ得る:コンピュータ実行可能命令がさらにシステムに、貯蔵容器中のアリコートに対して実施されるべき第3の核酸増幅アッセイを指定する入力であって、当該第3の核酸増幅アッセイが第3のセットのアッセイパラメータに従って実行され、当該第3のセットのアッセイパラメータが第1および第2のセットのアッセイパラメータと異なる入力を受容させ、システムプロセス(g)の後、当該第3のセットのアッセイパラメータによって指定される第3の増幅試薬を貯蔵容器中のアリコートと組み合わせることによって第3の増幅反応混合物を形成させ、当該第3の増幅反応混合物を当該第3のセットのアッセイパラメータによって指定される増幅条件に曝露させ、当該第3の増幅反応混合物中の第3の分析物の存在または不存在を決定させ、システムプロセス(g)の後、第3の核酸増幅アッセイを指定する入力が受信され、第1および第2の増幅反応混合物についてシステムプロセス(h)が異なる時点で開始され、第1の核酸増幅アッセイがIVDアッセイであり、第2の核酸増幅アッセイがLDTであり、システムプロセス(f)および(g)が、第1および第2の増幅反応混合物を同時に増幅条件に曝露させることを含むシステムプロセス。
別の実施形態では、システムに提供される試料に対して核酸増幅アッセイを実施するための自動化システムが開示される。システムは、(a)1つ以上のユーザ定義のアッセイパラメータを指定する入力を可能にするように構成されたデータ入力コンポーネント、(b)第1のセットのアッセイパラメータを保存するデータ記憶媒体であって、当該第1のセットのアッセイパラメータがシステム定義のアッセイパラメータおよび第2のセットのアッセイパラメータからなり得、当該第2のセットのアッセイパラメータが1つ以上のユーザ定義のアッセイパラメータを含み得るデータ記憶媒体、(c)(i)第1の核酸増幅アッセイが、当該第1のセットのアッセイパラメータに従って第1の試料に対して実施されるように、および(ii)第2の核酸増幅アッセイが、第2のセットのアッセイパラメータに従って第2の試料に対して実施されるように指定する入力を可能にするように構成されたコマンド入力コンポーネント、(d)第1および第2の試料中にそれぞれ存在し得る第1の分析物および第2の分析物を単離および精製するのに十分な試薬および条件に第1および第2の試料の各々を曝露させることによって、精製された形態の第1および第2の試料を生成するように構成された1つ以上の洗浄ステーション、(e)第1のセットのアッセイパラメータによって指定される第1の増幅試薬を精製された形態の第1の試料と組み合わせることによって第1の増幅反応混合物を形成し、第2のセットのアッセイパラメータによって指定される第2の増幅試薬を精製された形態の第2の試料と組み合わせることによって第2の増幅反応混合物を形成するように構成および制御された流体移送装置、(f)当該第1の増幅反応混合物を当該第1のセットのアッセイパラメータによって指定される第1の増幅条件に曝露させ、当該第2の増幅反応混合物を当該第2のセットのアッセイパラメータによって指定される第2の増幅条件に曝露させるように構成および制御された熱処理ステーション、および(g)当該第1および第2の増幅反応混合物が、それぞれ当該第1および第2の増幅条件に曝露される間か後に、当該第1の増幅反応混合物中の当該第1の分析物の存在または不存在を検出し、当該第2の増幅反応混合物中の当該第2の分析物の存在または不存在を決定するように構成および制御された検出システムを含み得る。
本開示のシステムの種々の実施形態は、以下の態様を代替的にまたは追加的に含み得る:第1および第2の試料は、システムの1つ以上の容器保持ラックによって支持される試料収容容器においてシステムに提供される;第1および第2の試料は、同一の試料収容容器に収容された同一の試料である;第1および第2の試料は、異なる試料収容容器に収容される;コマンド入力コンポーネントは、タッチスクリーン、キーボード、およびグラフィカルユーザインタフェースのうちの1つ以上を含む;データ入力コンポーネントは、タッチスクリーン、キーボード、およびグラフィカルユーザインタフェースのうちの1つ以上を含む;第1および第2の試料に対してどのアッセイを実施するべきかを識別する機械可読なしるしを読み取るように構成された読み取り装置をさらに含み得る;1つ以上のユーザ定義のアッセイパラメータが検出システムによって生成されたデータを処理するために使用されるパラメータを含む;第1および第2の核酸増幅アッセイは、それぞれPCR反応を含み、ユーザ定義のアッセイパラメータは、熱処理ステーションによって達成される温度プロファイルを含み、第1の核酸増幅アッセイの温度プロファイルは、第2の核酸増幅アッセイの温度プロファイルと同一であるかまたは異なる;検出システムは、第1の核酸増幅アッセイの温度プロファイルの間、リアルタイムで第1の増幅反応混合物中の第1の分析物の存在または不存在を決定し、第2の核酸増幅アッセイの温度プロファイルの間、リアルタイムで第2の増幅反応混合物中の第2の分析物の存在または不存在を決定するように構成されている;第1および第2の核酸増幅アッセイの温度プロファイルは、サイクル数、完了までの時間、変性温度、アニーリング温度、および伸長温度のうちの少なくとも1つが異なる。
本開示のシステムの種々の実施形態は、以下の態様を代替的にまたは追加的に含み得る:1つ以上の洗浄ステーションは、第1および第2の分析物を固体支持体上に固定化するように構成される;固体支持体は、磁気応答性である;1つ以上の洗浄ステーションは、第1および第2の試料を磁界に曝露させる間に固定化されていない成分を第1および第2の試料から除去するように構成される;磁界は、第1および第2の試料について同一の供給源により供給される;1つ以上の洗浄ステーションは、第1および第2の試料から固定化されていない成分を除去した後に固体支持体を緩衝液中に再懸濁するように構成される;システムは、第1の増幅反応混合物を形成する前に、ポリメラーゼおよび第1のセットの増幅オリゴマーを含有する第1の非液体試薬を溶解させ(ここで、当該第1の非液体試薬は第1の溶媒に溶解され、当該第1の溶媒は増幅オリゴマーまたはポリメラーゼを含有しない)、第2の増幅反応混合物を形成する前に、ポリメラーゼを含有する第2の非液体試薬を溶解させる(ここで、当該第2の非液体試薬は第2のセットの増幅オリゴマーを含有する第2の溶媒に溶解され、当該第2の非液体試薬はいずれの増幅オリゴマーを含有しない)ようにさらに構成および制御される;第2の溶媒は、第1のホルダによって支持されるバイアル中に収容される;第1のホルダが複数のバイアルを支持し、当該バイアルのうちの少なくとも1つは、第2の溶媒に含有されない1セットの増幅オリゴマーを含む溶媒を収容する;システムは、命令を受信した際に、第1のホルダのバイアルを第2の核酸増幅アッセイに関連付けるようにさらに構成および制御される;第1の溶媒は、流体接続されている密閉された液体リザーバーおよびアクセスチャンバーを有する第2のホルダに収容され、当該アクセスチャンバーは、第2のホルダから第1の溶媒を取り出すための流体移送装置によりアクセス可能である;第1および第2の非液体試薬は、同一のまたは異なる試薬パックの混合ウェル中で貯蔵および溶解され、各試薬パックは複数の混合ウェルを含む;第1および第2の増幅反応混合物は、それぞれ第1および第2の反応容器中で形成される。
本開示のシステムの種々の実施形態は、以下の態様を代替的にまたは追加的に含み得る:流体移送装置が、第1および第2の増幅反応混合物をそれぞれ第1および第2の増幅条件に曝露させる前に、第1および第2の反応容器の各々に油を分配するようにさらに構成および制御される;流体移送装置が、第1および第2の増幅反応混合物をそれぞれ第1および第2の増幅条件に曝露させる前に第1および第2の反応容器の各々をキャップで閉じるようにさらに構成および制御され、当該キャップは摩擦嵌合または締まりばめで対応する第1または第2の容器に係合する;第1および第2の増幅反応混合物をそれぞれ第1および第2の増幅条件に曝露させる前に閉じられた第1および第2の反応容器を遠心分離するための遠心分離機をさらに含み、当該遠心分離機は、第1および第2の反応容器を受容するための少なくとも1つのアクセスポートを含む;第1および第2の反応容器の各々が一体型ユニットの一部としていずれの他の反応容器にも物理的に接続されていない異なる別個の容器である;流体移送装置が、第1の増幅反応混合物を形成する際に、精製された形態の第1の試料が第1の溶出液中に含有されるように、第1の増幅反応混合物を形成する前に精製された形態の第1の試料を溶出緩衝液に接触させ、第2の増幅反応混合物を形成する際に、精製された形態の第2の試料が第2の溶出液中に含有されるように、第2の増幅反応混合物を形成する前に精製された形態の第2の試料を溶出緩衝液に接触させるようにさらに構成および制御される;流体移送装置が、第1および第2の増幅反応混合物をそれぞれ形成する前に、第1および第2の溶出液のうちの少なくとも1つのアリコートを貯蔵容器に移送するようにさらに構成および制御される;流体移送装置が、貯蔵容器をキャップで閉じるようにさらに構成および制御され、当該キャップが摩擦嵌合または締まりばめで対応する貯蔵容器に係合する。
本開示のシステムの種々の実施形態は、以下の態様を代替的にまたは追加的に含み得る:コマンド入力コンポーネントが、貯蔵容器中のアリコートに対して実行されるべき第3の核酸増幅アッセイを指定する入力を可能にするようにさらに構成および制御され、当該第3の核酸増幅アッセイが第3のセットのアッセイパラメータに従って実施され、当該第3のセットのアッセイパラメータが、第1および第2のセットのアッセイパラメータと異なり、流体移送装置が、第3の増幅反応混合物を貯蔵容器中のアリコートを用いて形成するようにさらに構成および制御され得、ここで、当該第3の増幅反応混合物が第3のセットの増幅オリゴマーを含み得、熱処理ステーションが、当該第3の増幅反応混合物を第3の増幅条件に曝露させるようにさらに構成および制御され得、検出システムが、当該第3の増幅反応混合物中の第3の分析物の存在または不存在を決定するようにさらに構成および制御され得る;第1および第2の増幅反応混合物が、異なる時点でそれぞれ第1および第2の増幅条件に曝露される;第1の核酸増幅アッセイがIVDアッセイであり、第2の核酸増幅アッセイがLDTである;熱処理ステーションが、第1および第2の増幅反応混合物をそれぞれ第1および第2の増幅条件に同時に曝露させるように構成および制御される。
別の実施形態では、自動分析装置で複数の核酸増幅アッセイを実施する方法が開示される。上記方法は、(a)分析装置に複数の試料収容容器をロードするステップと、(b)複数の試料収容容器のうちの1つに収容された精製された形態の第1の試料を、当該第1の試料を当該第1の試料中に存在し得る第1の分析物を単離および精製するのに適した試薬および条件に曝露させることによって生成するステップと、(c)ステップ(b)の開始後に、複数の試料収容容器のうちの1つに収容された精製された形態の第2の試料を、当該第2の試料を当該第2の試料中に存在し得る第2の分析物を単離および精製するのに適した試薬および条件に曝露させることによって生成するステップと、(d)当該精製された形態の当該第1の試料を含有する第1の増幅反応混合物および当該精製された形態の当該第2の試料を含有する第2の増幅反応混合物を形成するステップであって、当該第1の増幅反応混合物が、当該第1の分析物の第1の領域または第1の核酸増幅反応において当該第1の分析物に結合した核酸を増幅するための第1のセットの増幅オリゴマーを含有し、当該第2の増幅反応混合物が、当該第2の分析物の第2の領域または第2の核酸増幅反応において当該第2の分析物に結合した核酸を増幅するための第2のセットの増幅オリゴマーを含有するステップと、(e)第2の核酸増幅反応において第2の増幅反応混合物を第2の領域を増幅するための熱的条件に曝露させるステップと、(f)ステップ(e)の開始後、第1の核酸増幅反応において第1の増幅反応混合物を第1の領域を増幅するための熱的条件に曝露させるステップと、(g)第2の増幅反応混合物中の第2の分析物の存在または不存在を決定するステップと、(h)ステップ(g)の後に、第1の増幅反応混合物中の第1の分析物の存在または不存在を決定するステップとを含み得る。
本開示の方法の種々の実施形態は、以下の態様を代替的にまたは追加的に含み得る:複数の試料収容容器は、個別におよび逐次的に順次分析装置にロードされ、ここで、ステップ(a)の間、複数の試料収容容器が1つ以上の容器保持ラックによって支持される;第1の試料は、第1の試料収容容器に収容され、第2の試料は、第2の試料収容容器に収容され、当該第1および第2の試料収容容器は、それぞれ第1および第2の容器保持ラックによって支持されている;第2の試料は、ステップ(b)の間か後に分析装置にロードされる;第1および第2の試料は、単一の試料収容容器に収容される;第1および第2の試料は、異なる試料収容容器に収容される;ステップ(b)および(c)は、第1および第2の分析物がそれぞれ第1および第2の試料中に存在する場合、それぞれ第1または第2の分析物を固体支持体上に固定化することを含む;固体支持体は、磁気応答性である;ステップ(b)および(c)は、第1または第2の試料を磁界に曝露させる間にそれぞれ第1または第2の試料の固定化されていない成分を除去することを含む;磁界が、ステップ(b)および(c)それぞれにおける第1および第2の試料について同一の供給源によって供給される;ステップ(b)および(c)は、それぞれ第1または第2の試料の固定化されていない成分を除去した後に固体支持体を緩衝液中に再懸濁することを含む;ステップ(b)および(c)は、第1または第2の試料が固体支持体上に存在する場合、第1または第2の分析物を特異的に固定化することを含む;ステップ(b)および(c)は、第1または第2の試料が固体支持体上に存在する場合、第1または第2の分析物を非特異的に固定化することを含む。
本開示のシステムの種々の実施形態は、以下の態様を代替的にまたは追加的に含み得る:(a)第1の増幅反応混合物を形成する前に、ポリメラーゼおよび第1のセットの増幅オリゴマーを含有する第1の増幅試薬を溶解するステップであって、当該第1の増幅試薬が第1の溶媒に溶解され、当該第1の溶媒が増幅オリゴマーまたはポリメラーゼを含有しないステップ、および(b)第2の増幅反応混合物を形成する前に、ポリメラーゼを含有する第2の増幅試薬を溶解するステップであって、当該第2の増幅試薬が第2のセットの増幅オリゴマーを含有する第2の溶媒に溶解され、当該第2の増幅試薬がいずれの増幅オリゴマーも含有しないステップ;第1および第2の増幅試薬の各々が凍結乾燥物である;第1および第2の増幅試薬の各々が単位用量試薬である;第1の増幅試薬は、第1の核酸増幅反応を実施するのに必要なすべてのオリゴマーを含有し、第2の溶媒は、第2の核酸増幅反応を実施するのに必要なすべてのオリゴマーを含有する;第1の単位用量試薬および第2の溶媒がそれぞれ検出プローブを含有する;第1および第2の増幅試薬がヌクレオシド三リン酸をさらに含有する;第2の溶媒が第1のホルダによって支持される第1のバイアル中に収容される;第1のホルダが第1のバイアルに加えて1つ以上のバイアルを支持し、当該1つ以上のバイアルのうちの少なくとも1つが、第2の溶媒中に含有されない1セットの増幅オリゴマーを含有する溶媒を収容する;第1の溶媒が異なるセットの増幅オリゴマーを含有する増幅試薬を溶解するための汎用試薬である;第1の溶媒が、流体接続されている密閉された液体リザーバーおよびアクセスチャンバーを有する第2のホルダに収容され、当該アクセスチャンバーが、第2のホルダから第1の溶媒を取り出すための流体移送装置によりアクセス可能である;第1および第2の増幅試薬が、同一のまたは異なる試薬パックの混合ウェル中で貯蔵および溶解され、各試薬パックは複数の混合ウェルを含む;第1のセットの増幅オリゴマーがIVDアッセイを実施するために使用され、第2のセットの増幅オリゴマーがLDTを実施するために使用される。
本開示のシステムの種々の実施形態は、以下の態様を代替的にまたは追加的に含み得る:(a)第1の増幅反応混合物を形成する前に、ポリメラーゼを含有する第1の増幅試薬を溶解するステップであって、当該第1の増幅試薬が第1のセットの増幅オリゴマーを含有する第1の溶媒に溶解され、当該第1の増幅試薬が増幅オリゴマーを含有しないステップ、(b)第2の増幅反応混合物を形成する前に、ポリメラーゼおよび第2のセットの増幅オリゴマーを含有する第2の増幅試薬を溶解するステップであって、当該第2の増幅試薬が第2の溶媒に溶解され、当該第2の溶媒が増幅オリゴマーまたはポリメラーゼを含有しないステップ;第1および第2の増幅試薬の各々が、凍結乾燥物である;第1および第2の増幅試薬の各々が、単位用量試薬である;第1の溶媒が、第1の核酸増幅反応を実施するのに必要なすべてのオリゴマーを含有し、第2の増幅試薬が、第2の核酸増幅反応を実施するのに必要なすべてのオリゴマーを含有する;第1の溶媒および第2の単位用量試薬がそれぞれ検出プローブを含有する;第1および第2の増幅試薬がヌクレオシド三リン酸をさらに含有する;第1の溶媒が第1のホルダによって支持される第1のバイアル中に収容される;第1のホルダが第1のバイアルに加えて1つ以上のバイアルを支持し、当該1つ以上のバイアルのうちの少なくとも1つが、第1の溶媒中に含有されない1セットの増幅オリゴマーを含有する溶媒を収容する;第2の溶媒が異なるセットの増幅オリゴマーを含有する増幅試薬を溶解するための汎用溶媒である;第2の溶媒が、流体接続されている密閉された液体リザーバーおよびアクセスチャンバーを有する第2のホルダに収容され、当該アクセスチャンバーが、第2のホルダから第2の溶媒を取り出すための流体移送装置によりアクセス可能である;第1および第2の増幅試薬が、同一のまたは異なる試薬パックの混合ウェル中で貯蔵および溶解され、各試薬パックは複数の混合ウェルを含む;第1のセットの増幅オリゴマーがLDTを実施するために使用され、第2のセットの増幅オリゴマーがIVDを実施するために使用される;第1および第2の分析物の各々が核酸またはタンパク質である;第1および第2の増幅反応混合物が、それぞれ第1および第2の反応容器中で形成される;油が、ステップ(f)および(e)の前に第1および第2の反応容器の各々に分配される;ステップ(f)および(e)の前に第1および第2の反応容器の各々をキャップで閉じるステップであって、当該キャップが、摩擦嵌合または締まりばめで対応する第1または第2の容器に係合するステップ。
本開示のシステムの種々の実施形態は、以下の態様を代替的にまたは追加的に含み得る:ステップ(f)および(e)の前に閉じられた第1および第2の反応容器を遠心分離するステップであって、当該遠心分離ステップが、第1および第2の反応容器を受容するための少なくとも1つのアクセスポートを有する遠心分離機で実施されるステップ;第1および第2の反応容器の各々が一体型ユニットの一部としていずれの他の反応容器にも物理的に接続されていない異なる別個の容器である;第1および第2の増幅反応混合物を形成する際にステップ(d)の前に、精製された形態の第1および第2の試料が、それぞれ第1および第2の溶出液に含有されるように精製された形態の第1および第2の試料を溶出緩衝液と接触させるステップ;第1または第2の増幅反応混合物を形成する前に、第1および第2の溶出液のうちの少なくとも1つのアリコートを貯蔵容器に移送するステップ;貯蔵容器をキャップで閉じるステップであって、当該キャップが摩擦嵌合または締まりばめで対応する貯蔵容器に係合するステップ;少なくともステップ(g)の完了まで分析装置内に前記貯蔵容器を保持するステップ;ステップ(g)および(h)の後に第3の増幅反応混合物を前記貯蔵容器のアリコートとともに形成するステップであって、当該第3の増幅反応混合物が、第3の分析物の第3の領域または第3の核酸増幅反応において当該第3の分析物に結合する核酸を増幅するための第3のセットの増幅オリゴマーを含有するステップ、(j)当該第3の領域を増幅するために当該第3の増幅反応混合物を熱的条件に曝露させるステップ、および(k)当該第3の増幅反応混合物中の当該第3の分析物の存在または不存在を決定するステップ;ステップ(c)がステップ(b)の完了後に開始される;ステップ(f)がステップ(e)完了後に開始される;第1および第2の核酸増幅反応の各々が熱サイクルを必要とする;第1の核酸増幅反応の熱サイクルにおける温度プロファイルが第2の核酸増幅反応の熱サイクルにおける温度プロファイルと異なる;ユーザ入力に基づいて第2の核酸増幅反応の温度プロファイルを選択するステップ;温度プロファイルを選択するステップが、サイクル数、完了までの時間、変性温度、アニーリング温度および伸長温度のうちの少なくとも1つを選択することを含む;第1および第2の核酸増幅反応がPCR反応である;第1および第2の核酸増幅反応がリアルタイム増幅である。
別の実施形態では、非一時的なコンピュータ可読媒体が開示される。コンピュータ可読媒体は、自動化システムのコンピュータコントローラによって実行される場合、システムにロードされた複数の試料収容容器中の試料に対して核酸増幅アッセイを実施するように適合され得、システムに、(a)精製された形態の第1の試料を、当該第1の試料中に存在し得る第1の分析物を単離および精製するのに適した試薬および条件に当該第1の試料を曝露させることによって生成するシステムプロセスと、(b)システムプロセス(a)を開始後に、精製された形態の第2の試料を、当該第2の試料中に存在し得る第2の分析物を単離および精製するのに適した試薬および条件に当該第2の試料を曝露させることによって生成するシステムプロセスと、(c)第1の増幅試薬を当該精製された形態の当該第1の試料と組み合わせることによって第1の増幅反応混合物を形成するシステムプロセスと、(d)第2の増幅試薬を当該精製された形態の当該第2の試料と組み合わせることによって、第2の増幅反応混合物を形成するシステムプロセス、(e)当該第1の増幅反応混合物を第1の核酸増幅反応を実行するための増幅条件に曝露させるシステムプロセスと、(f)システムプロセス(e)の開始前に、当該第2の増幅反応混合物を第2の核酸増幅反応を実施するための増幅条件に曝露させるシステムプロセスと、(g)システムプロセス(f)の実行後かつシステムプロセス(e)の完了前に、当該第2の増幅反応混合物中の当該第2の分析物の存在または不存在を決定するシステムプロセスと、(h)システムプロセス(e)の実行後に、当該第1の増幅反応混合物中の当該第1の分析物の存在または不存在を決定するシステムプロセスとを実行させ得るコンピュータ実行可能命令によって符号化される。
本開示の非一時的なコンピュータ可読媒体の種々の実施形態は、システムに以下のシステムプロセスを代替的にまたは追加的に実行させ得る:システムプロセス(a)および(b)が、第1および第2の分析物がそれぞれ第1および第2の試料中に存在する場合、それぞれ第1または第2の分析物を固体支持体上に固定化することを含む;固体支持体が磁気応答性であり、システムプロセス(a)および(b)が、第1または第2の試料を磁界に曝露させる間にそれぞれ第1または第2の試料の固定化されていない成分を除去することを含む;システムプロセス(a)および(b)が、それぞれ第1または第2の試料の固定化されていない成分を除去した後に固体支持体を緩衝液中に再懸濁することを含む;コンピュータ実行可能命令がさらに、システムに第1の増幅反応混合物を形成する前に第1の試薬を第1の溶媒で溶解させ、第2の増幅反応混合物を形成する前にポリメラーゼを含有する第2の試薬を第2の溶媒で溶解させる;第1の増幅試薬がIVDアッセイを実施するために使用され得、第2の増幅試薬がLDTを実施するために使用され得る;それぞれシステムプロセス(e)および(f)の前に油が第1および第2の増幅反応混合物の各々に分配される;コンピュータ実行可能命令が、それぞれシステムプロセス(e)および(f)の前にシステムに第1および第2の増幅反応混合物を遠心分離させる;コンピュータ実行可能命令がさらに、システムに第1および第2の増幅反応混合物を形成する際にそれぞれシステムプロセス(c)および(d)の前に、精製された形態の第1および第2の試料が、それぞれ第1および第2の溶出液に含有されるように精製された形態の第1および第2の試料を溶出緩衝液と接触させる;コンピュータ実行可能命令がさらに、システムに第1または第2の増幅反応混合物を形成する前に、第1および第2の溶出液のうちの少なくとも1つのアリコートを貯蔵容器に移送させる。
本開示の非一時的なコンピュータ可読媒体の種々の実施形態は、システムに以下のシステムプロセスを代替的にまたは追加的に実行させ得る:コンピュータ実行可能命令がさらに、システムにシステムプロセス(g)および(h)のうちの少なくとも1つの後、第3の増幅反応混合物を貯蔵容器中のアリコートを用いて形成させ、当該第3の増幅反応混合物を第3の核酸増幅反応を実施するための増幅条件に曝露させ、当該第3の増幅反応混合物中の第3の分析物の存在または不存在を決定させる;システムプロセス(b)がシステムプロセス(a)の完了後に開始される;第1および第2の核酸増幅反応を実施するための増幅条件が熱サイクルを含む;第1の核酸増幅反応の熱サイクルにおける温度プロファイルが第2の核酸増幅反応の熱サイクルにおける温度プロファイルと異なる;コンピュータ実行可能命令がさらに、システムにユーザ入力に基づいて第2の核酸増幅反応の温度プロファイルを選択させる;第1および第2の核酸増幅反応がPCR反応である。
別の実施形態では、複数の試料収容容器中の試料に対する核酸増幅アッセイを実施するように構成された自動化システムが開示される。上記システムは、第1の試料中に存在し得る第1の分析物を単離および精製するのに適した試薬および条件に第1の試料を曝露させることによって精製された形態の第1の試料を生成し、精製された形態の第1の試料の生成を開始した後に、第2の試料に存在し得る第2の分析物を単離および精製するのに適した試薬および条件に第2の試料を曝露させることによって精製された形態の第2の試料を生成するように構成された1つ以上の洗浄ステーションを含み得る。また上記システムは、第1の増幅試薬を精製された形態の第1の試料と組み合わせることによって第1の増幅反応混合物を形成し、第2の増幅試薬を精製された形態の第2の試料と組み合わせることによって第2の増幅反応混合物を形成するように構成および制御された流体移送装置も含み得る。また上記システムは、第1の増幅反応混合物を第1の核酸増幅反応を実施するための第1の増幅条件に曝露させ、第1の増幅混合物を第1の増幅条件に曝露させる前に、第2の増幅反応混合物を第2の核酸増幅反応を実施するための第2の増幅条件に曝露させるように構成および制御された熱処理ステーションも含み得る。また上記システムは、第2の増幅反応混合物を第2の増幅条件に曝露させた後かつ第1の増幅混合物の第1の増幅条件への曝露が完了する前に、第2の増幅反応混合物中の第2の分析物の存在または不存在を決定し、第1の増幅混合物を第1の増幅条件に曝露させた後に、第1の増幅反応混合物中の第1の分析物の存在または不存在を決定するように構成および制御された検出システムもさらに含み得る。
本開示のシステムの種々の実施形態は、以下の態様のうちの1つ以上を代替的にまたは追加的に含み得る:複数の試料収容容器がシステムに個別におよび逐次的にロードされる;複数の試料収容容器が1つ以上の容器保持ラックにシステムへとロードされる;第1の試料が、第1の試料収容容器に収容され、第2の試料が、第2の試料収容容器に収容され、当該第1および第2の試料収容容器が、それぞれ第1および第2の容器保持ラックによって支持されている;第1および第2の試料が単一の試料収容容器に収容される;第1および第2の試料が異なる試料収容容器に収容される;1つ以上の洗浄ステーションが、第1および第2の分析物がそれぞれ第1および第2の試料中に存在する場合、第1または第2の分析物を固体支持体上に固定化するように構成される;固体支持体が磁気応答性である;1つ以上の洗浄ステーションが、第1または第2の試料を磁界に曝露させる間に固定化されていない成分を第1または第2の試料から除去するように構成される;磁界が第1および第2の試料について同一の供給源により供給される;1つ以上の洗浄ステーションが、第1または第2の試料から固定化されていない成分を除去した後に固体支持体を緩衝液中に再懸濁するように構成される;上記システムが、第1の増幅反応混合物を形成する前に、ポリメラーゼおよび第1のセットの増幅オリゴマーを含有する第1の非液体試薬を溶解させ(ここで、当該第1の非液体試薬は第1の溶媒に溶解され、当該第1の溶媒は増幅オリゴマーまたはポリメラーゼを含有しない)、第2の増幅反応混合物を形成する前に、ポリメラーゼを含有する第2の非液体試薬を溶解させる(ここで、当該第2の非液体試薬は第2のセットの増幅オリゴマーを含有する第2の溶媒に溶解され、当該第2の非液体試薬はいずれの増幅オリゴマーを含有しない)ようにさらに構成および制御される;第2の溶媒が、第1のホルダによって支持されるバイアル中に収容される;第1のホルダが複数のバイアルを支持し、当該バイアルのうちの少なくとも1つが、第2の溶媒に含有されない1セットの増幅オリゴマーを含む溶媒を収容する;第1の溶媒が、流体接続されている密閉された液体リザーバーおよびアクセスチャンバーを有する第2のホルダに収容され、当該アクセスチャンバーは、第2のホルダから第1の溶媒を取り出すための流体移送装置によりアクセス可能である;第1および第2の非液体試薬が、同一のまたは異なる試薬パックの混合ウェル中で貯蔵および溶解され、各試薬パックは複数の混合ウェルを含む;第1のセットの増幅オリゴマーがIVDアッセイを実施するために使用され、第2のセットの増幅オリゴマーがLDTを実施するために使用される。
本開示のシステムの種々の実施形態は、以下の態様のうちの1つ以上を代替的にまたは追加的に含み得る:第1および第2の増幅反応混合物が、それぞれ第1および第2の反応容器中で形成される;流体移送装置が、第1および第2の増幅反応混合物をそれぞれ第1および第2の増幅条件に曝露させる前に、第1および第2の反応容器の各々に油を分配するようにさらに構成および制御される;流体移送装置が、第1および第2の増幅反応混合物をそれぞれ第1および第2の増幅条件に曝露させる前に第1および第2の反応容器の各々をキャップで閉じるようにさらに構成および制御され、当該キャップは摩擦嵌合または締まりばめで対応する第1または第2の容器に係合する;第1および第2の増幅反応混合物をそれぞれ第1および第2の増幅条件に曝露させる前に閉じられた第1および第2の反応容器を遠心分離するための遠心分離機をさらに含み、当該遠心分離機は、第1および第2の反応容器を受容するための少なくとも1つのアクセスポートを含む;第1および第2の反応容器の各々が一体型ユニットの一部としていずれの他の反応容器にも物理的に接続されていない異なる別個の容器である;流体移送装置が、第1および第2の増幅反応混合物を形成する際に、精製された形態の第1および第2の試料が第1および第2の溶出液中に含有されるように、第1および第2の増幅反応混合物を形成する前に精製された形態の第1の試料を溶出緩衝液に接触させるようにさらに構成および制御される;流体移送装置が、第1または第2の増幅反応混合物を形成する前に、第1および第2の溶出液のうちの少なくとも1つのアリコートを貯蔵容器に移送するようにさらに構成および制御される;流体移送装置が、貯蔵容器をキャップで閉じるようにさらに構成および制御され、当該キャップが摩擦嵌合または締まりばめで対応する貯蔵容器に係合する;流体移送装置が、第2の増幅反応混合物中の第2の分析物の存在または不存在を決定すること、および第1の増幅反応混合物中の第1の分析物の存在または不存在を決定することのうち少なくとも1つの後に第3の増幅反応混合物を貯蔵容器中のアリコートを用いて形成するように構成および制御され、ここで、当該第3の増幅反応混合物が第3のセットの増幅オリゴマーを含み、熱処理ステーションが、当該第3の増幅反応混合物を第3の増幅条件に曝露させるようにさらに構成および制御され、検出システムが、当該第3の増幅反応混合物中の第3の分析物の存在または不存在を決定するようにさらに構成および制御される;第1および第2の増幅条件が熱サイクルを含む;第1の核酸増幅反応の第1の温度プロファイルがサイクル数、完了までの時間、変性温度、アニーリング温度、および伸長温度のうちの少なくとも1つで第2の核酸増幅反応の第2の温度プロファイルと異なる;ユーザ入力に基づいた第2の温度プロファイルの選択を可能にするように構成されたコマンド入力コンポーネントをさらに含む;第1および第2の核酸増幅反応がPCR反応である;第1および第2の核酸増幅反応がリアルタイム増幅である。
別の実施形態では、複数の試料を分析する方法が開示される。上記方法は(a)自動分析装置の第1の位置に第1の容器を保持するステップであって、当該第1の容器が第1の溶媒を収容するステップを含み得る。第1の溶媒は、核酸増幅反応を実施するためのいずれのオリゴマーを含有していなくてもよい。上記方法は、(b)複数の第1の容器の各々において第1の単位用量試薬を第1の溶媒に溶解し、これにより、当該第1の容器の各々において第1の液体増幅試薬を形成するステップも含み得る。第1の単位用量試薬は、核酸増幅反応を実施するためのポリメラーゼおよび少なくとも1つの増幅オリゴマーを含有し得る。上記第1の容器の各々における上記少なくとも1つの増幅オリゴマーは、同一であるかまたは異なる。上記方法は、(c)第1の容器の各々からの第1の液体増幅試薬を第1の反応容器中で第1のセットの試料の複数の試料のうちの1つと組み合わせ、これにより、第1のセットの試料の各試料を用いて少なくとも1つの第1の増幅反応混合物を形成するステップ、(d)第1の反応容器の内容物を第1の核酸増幅反応を実施するための第1のセットの条件に曝露させるステップ、および(e)第2の容器を自動分析装置の第2の位置に保持するステップをさらに含み得る。上記第2の容器は、1つ以上のバイアルを保持し得る。上記1つ以上のバイアルの各々は、第2の溶媒を収容し得る。上記第2の溶媒は、核酸増幅反応を実施するための少なくとも1つの増幅オリゴマーを含有し得る。上記第2の容器が上記1つ以上のバイアルのうちの少なくとも2つを保持する場合、2つ以上のバイアルの各々に収容された第2の溶媒は、同一のまたは異なる溶媒である。上記方法は、(f)複数の第2の容器の各々において第2の単位用量試薬をバイアルのうちの1つの第2の溶媒に溶解し、これにより、第2の容器中の各々において第2の液体増幅試薬を形成するステップも含み得る。第2の単位用量試薬は、核酸増幅反応を実施するためのポリメラーゼを含有し得、ここで、第2の容器の各々において第2の液体増幅試薬は、同一のまたは異なる液体増幅試薬である。上記方法は、(g)第2の容器の各々からの第2の液体増幅試薬を第2の反応容器中で第2のセットの試料の複数の試料のうちの1つと組み合わせ、これにより、第2のセットの試料の各試料を用いて少なくとも1つの第2の増幅反応混合物を形成するステップも含み得る。上記方法は、(h)第2の反応容器の内容物を第2の核酸増幅反応を実施するための第2のセットの条件に曝露させるステップであって、第1および第2のセットの条件が同一であるかまたは異なる条件であるステップも含み得る。さらに上記方法は、(i)第1および第2の反応容器の各々における1つ以上の分析物の存在または不存在を決定するステップであって、第1の反応容器中の少なくとも1つの分析物が第2の反応容器中の少なくとも1つの分析物と異なるステップも含み得る。
本開示の方法の種々の実施形態は、以下の態様のうちの1つ以上を代替的にまたは追加的に含み得る:第1の単位用量試薬の各々が第1のマルチウェル容器の複数の第1のウェルのうちの1つで溶解され、第2の単位用量試薬の各々が第2のマルチウェル容器の複数の第2のウェルのうちの1つで溶解される;溶解ステップの間、第1および第2のマルチウェル容器を、それぞれ自動分析装置の第1の容器支持体の第1および第2の位置で保持するステップ;上記第1の容器支持体が搬送構造である;上記搬送構造が軸のまわりを回転する;ステップ(b)および(f)の前に、液体抜き取り装置により第1および第2の溶媒をそれぞれ第1および第2の容器から第1および第2のマルチウェル容器の第1および第2のウェルに移送するステップ;ステップ(c)および(g)が、それぞれ、第1の移送ステップで、溶解された第1の単位用量試薬の各々を複数の第1の反応容器のうちの1つに移送し、第2の移送ステップで、溶解された第2の単位用量試薬の各々を複数の第2の反応容器のうちの1つに移送するステップを含む;ステップ(c)および(g)が、それぞれ、第1の移送ステップ後に第1のセットの試料の試料を第1の反応容器に移送するステップ、および第2の移送ステップ後に第2のセットの試料の試料を第2の反応容器に移送するステップ、をさらに含む;第1および第2の移送ステップが少なくとも1つの液体抜き取り装置によって実施される;少なくとも1つの液体抜き取り装置がロボットピペッターである;ステップ(b)および(f)が、それぞれ第1および第2のマルチウェル容器の第1および第2のウェルの内容物をロボットピペッターを用いて混合するステップをさらに含む。
本開示の方法の種々の実施形態は、以下の態様のうちの1つ以上を代替的にまたは追加的に含み得る:ステップ(b)の前に、第1の溶媒が第1の容器に形成された液体リザーバー内に収容される;上記方法が自動分析装置に第1および第2のセットの試料をロードするステップおよび第1および第2のセットの試料の試料を、試料の各々に存在し得る1つ以上の分析物を抽出するのに適した試薬および条件に曝露するステップをさらに含む;第1のセットの試料のうちの少なくとも一部が自動分析装置にロードされる前に、第2のセットの試料のうちの少なくとも一部が自動分析装置にロードされる;第1および第2のセットの試料の各々の試料のうちの少なくとも1つが同一の試料である;第1および第2の位置が自動分析装置の容器格納部に形成された第1および第2の凹部である;容器格納部が、第1および第2の容器のそれぞれ第1および第2の凹部への挿入を可能にする開位置と第1および第2の容器中でのそれぞれ第1および第2の液体増幅試薬の形成を可能にする閉位置との間を移動するスライド式引き出しの構成要素である;第1および第2の凹部が実質的に同じ寸法を有する;第1の容器が第1の容器からの蒸発を制限する穿刺可能なシールによって覆われている;上記1つ以上のバイアルの各々が第2の容器の中実部分に形成された凹部によって支持される;上記1つ以上のバイアルが少なくとも2つのバイアルを含み、当該少なくとも2つのバイアルの第2の溶媒に含有される上記少なくとも1つの増幅オリゴマーが異なる増幅オリゴマーである;第1の単位用量試薬が第2のホルダの上記少なくとも2つのバイアルの増幅オリゴマーと同一の増幅オリゴマーを含有しない;第1の溶媒が異なる標的核酸を増幅するための増幅オリゴマーを有する試薬を溶解するための汎用試薬である;第2の溶媒が少なくとも1つのフォワード増幅オリゴマーおよび少なくとも1つのリバース増幅オリゴマーを含有する;第2の溶媒がリアルタイム増幅反応を実行するための検出プローブを含有する;第1の単位用量試薬が少なくとも1つのフォワード増幅オリゴマーおよび少なくとも1つのリバース増幅オリゴマーを含有する;第1の単位用量試薬がリアルタイム増幅反応を実施するための検出プローブを含有する;第1および第2の単位用量試薬がヌクレオシド三リン酸をさらに含有する;第1のセットの条件が第1の反応容器の内容物の温度を循環させることを含む;第2のセットの条件が第2の反応容器の内容物の温度を循環させることを含む;第1および第2のセットの条件が異なる。
本開示の方法の種々の実施形態は、以下の態様のうちの1つ以上を代替的にまたは追加的に含み得る:第2の反応容器の少なくとも一部を第2のセットの条件に曝露させる前に第1の反応容器の少なくとも一部の内容物が第1のセットの条件に曝露される;ステップ(d)および(h)が互いに重なる;上記方法が、それぞれステップ(d)および(h)の前に、第1および第2の反応容器の各々を温度制御されたステーションに移送するステップをさらに含む;上記温度制御されたステーションが複数の容器ホルダを含み、容器ホルダの各々が関連する加熱要素を有し、第1および第2の反応容器が、ステップ(d)および(h)の間、異なる容器ホルダによって保持される;第1および第2の反応容器が、それぞれステップ(d)および(h)の前にキャッピングされ、これにより、第1および第2の反応容器の内容物の蒸発が阻止または防止される;IVDアッセイが第1の反応容器の内容物によって実施され、1つ以上のLDTアッセイが第2の反応容器の内容物によって実施される;第2の単位用量試薬が核酸増幅アッセイを実行するための増幅オリゴマーまたは検出プローブを含有しない;第1の位置が第1の容器支持体であり、第2の位置が第2の容器支持体であり、第1および第2の容器支持体が互いに異なる;第1の容器支持体が第1の温度を有し、第2の容器支持体が第1の温度と異なる第2の温度を有する。
別の実施形態では、自動分析装置を使用して複数の試料を分析する方法が開示される。上記方法は、(a)第1の溶媒を収容する第1のコンテナユニットを分析装置の第1の位置に保持するステップ、および(b)第2のコンテナユニットを分析装置の第2の位置に保持するステップを含み得る。第1の溶媒は、核酸増幅反応を実施するための増幅オリゴマーを含んでいなくてもよい。第2のコンテナユニットは、第1のコンテナユニットと異なる構造を有し得、複数のバイアルを支持するように構成され得る。上記複数のバイアルの各バイアルは、その中に溶媒を保持するように構成され得る。各バイアル中の溶媒は、核酸増幅反応を実施するための少なくとも1つの増幅オリゴマーを含む。また上記方法は、(c)第1の非液体試薬を第1の溶媒に溶解して第1の液体増幅試薬を形成するステップも含み得る。第1の非液体試薬は、核酸増幅反応を実施するための少なくとも1つの増幅オリゴマーを含む。また上記方法は、(d)第2の非液体試薬を第2のコンテナユニットのバイアル中に含まれる溶媒に溶解して第2の液体増幅試薬を形成するステップも含み得る。第2の非液体試薬は、核酸増幅反応を実施するための増幅オリゴマーを含んでいなくてもよく、第1および第2の液体増幅試薬の増幅オリゴマーは互いに異なる。また上記方法は、(e)第1の液体増幅試薬を第1の試料と組み合わせて第1の増幅反応混合物を形成するステップ、および(f)第2の液体増幅試薬を第2の試料と組み合わせて第2の増幅反応混合物を形成するステップも含み得る。また上記方法は、(g)第1の増幅反応混合物を用いて第1の増幅反応を実施するステップ、(h)第2の増幅反応混合物を用いて第2の増幅反応を実施するステップ、および(i)第1および第2の増幅反応混合物の各々における1つ以上の分析物の存在または不存在を決定するステップも含み得る。
本開示の方法の種々の実施形態は、以下の態様のうちの1つ以上を代替的にまたは追加的に含み得る:第1の位置および第2の位置が分析装置の単一のコンテナコンパートメント内の2つの位置である;第1の位置が分析装置の第1のコンテナコンパートメントであり、第2の位置が分析装置の第2のコンテナコンパートメントである;第1のコンテナコンパートメントが第1の温度を有し、第2のコンテナコンパートメントが第1の温度と異なる第2の温度を有する;第2のコンテナユニットの複数のバイアルのうちの少なくとも2つのバイアルが異なる溶媒を含む;第2のコンテナユニットの複数のバイアルのうちの少なくとも2つのバイアルが同一の溶媒を含む;第1のコンテナユニットが単一の溶媒のみを保持する;分析装置に複数の試料収容容器をロードするステップであって、第1および第2の試料が当該複数の試料収容容器のうちの1つ以上の試料収容容器に収容されるステップ;第1および第2の試料が複数の試料収容容器のうちの単一の試料収容容器内に収容された同一の試料である;第1および第2の試料が複数の試料収容容器のうちの異なる試料収容容器に収容される。
本開示の方法の種々の実施形態は、以下の態様のうちの1つ以上を代替的にまたは追加的に含み得る:(j)第1の試料に対して実施されるべき第1の核酸増幅アッセイおよび第2の試料に対して実施されるべき第2の核酸増幅アッセイを割り当てるステップであって、当該第1の核酸増幅アッセイが第1のセットのアッセイパラメータに従って実行され、当該第2の核酸増幅アッセイが第2のセットのアッセイパラメータに従って実施され、当該第1のセットのアッセイパラメータがシステム定義のアッセイパラメータからなり、当該第2のセットのアッセイパラメータが1つ以上のユーザ定義のアッセイパラメータを含むステップ;割り当てステップがタッチスクリーンまたはキーボードを使用して第1および第2の試料に対して実施されるべきアッセイを選択することを含む;ユーザ定義のアッセイパラメータのうちの1つ以上がタッチスクリーンまたはキーボードを使用して分析装置のコントローラに通信される;割り当てステップが第1および第2の試料に関連する機械可読なしるしを読み取ることを含み、当該機械可読なしるしが第1および第2の試料に対してどのアッセイを実施するべきかを特定する;ユーザ定義のアッセイパラメータが分析装置によって生成された生データを処理するために使用される;第1および第2の核酸増幅反応がそれぞれPCR反応を実施することを含み、ユーザ定義のアッセイパラメータが温度プロファイルを含み、第1の核酸増幅反応の温度プロファイルが第2の核酸増幅反応の温度プロファイルと同一であるかまたは異なる;検出がリアルタイムで実行される;第1および第2の核酸増幅反応の温度プロファイルがサイクル数、完了までの時間、変性温度、アニーリング温度、および伸長温度のうちの少なくとも1つで異なる。
本開示の方法の種々の実施形態は、以下の態様のうちの1つ以上を代替的にまたは追加的に含み得る:(k)第1および第2の試料の各々を第1および第2の試料中にそれぞれ存在し得る第1の分析物および第2の分析物を単離および精製するのに適した試薬および条件に曝露させることによって精製された形態の第1および第2の試料を生成するステップ;ステップ(k)が第1および第2の分析物を非液体支持体上に固定化することを含む;上記非液体支持体が磁気応答性である;精製が、第1および第2の試料を磁界に曝露させる間に第1および第2の試料から固定化されていない成分を除去することを含む;上記磁界が、共通の磁気源から第1および第2の試料に印加される;精製が、第1および第2の試料から固定化されていない成分を除去した後に非液体支持体を緩衝液中に再懸濁することを含む;精製ステップにおいて、第1および第2の分析物が第1および第2の試料中に存在する場合、非液体支持体に特異的に固定化される;ステップ(k)において、第1および第2の試料中の核酸が非液体支持体に非特異的に固定化される;第1および第2の増幅反応混合物を形成する際に、精製された形態の第1および第2の試料が、それぞれ第1および第2の溶出液に含有されるように精製された形態の第1および第2の試料を溶出緩衝液と接触させるステップをさらに含む;ステップ(e)または(f)の前に第1および第2の溶出液のうちの少なくとも1つのアリコートを貯蔵容器に移送するステップをさらに含む;貯蔵容器をキャップで閉じるステップであって、当該キャップが摩擦嵌合または締まりばめで対応する貯蔵容器に係合するステップ;少なくともステップ(i)の完了まで分析装置内に貯蔵容器を保持するステップ。
本開示の方法の種々の実施形態は、以下の態様のうちの1つ以上を代替的にまたは追加的に含み得る:第3の増幅反応混合物を貯蔵容器中のアリコートを用いて形成するステップであって、当該第3の増幅反応混合物が、第3の核酸増幅反応における分析物を増幅するための1セットの増幅オリゴマーを含有するステップ、当該第3の増幅反応混合物を用いて第3の増幅反応を実施するステップ、および当該第3の増幅反応混合物中の分析物の存在または不存在を決定するステップ;第3の増幅反応がステップ(i)の後に実施される;ステップ(g)および(h)が異なる時点で開始される;第1および第2の非液体試薬の各々が単位用量凍結乾燥物である;第1の凍結乾燥物が第1の核酸増幅反応を実施するのに必要なすべてのオリゴマーを含有し、第2のコンテナの溶媒が第2の核酸増幅反応を実施するのに必要なすべてのオリゴマーを含有する;第1および第2の非液体試薬がそれぞれ検出プローブを含む;第1および第2の非液体試薬がヌクレオシド三リン酸を含有する;第1の溶媒が異なるセットの増幅オリゴマーを含有する非液体試薬を溶解するための汎用試薬である;第1のコンテナが密閉された液体収容チャンバーを含み、当該液体収容チャンバーが第1のコンテナから第1の溶媒を取り出すために、流体移送装置によりアクセス可能である;第1および第2の非液体試薬の各々が分析装置に保持された同一のまたは異なる試薬パックの異なる混合ウェルに収容され、各試薬パックが複数の混合ウェルを含み、ステップ(c)が第1の非液体試薬を含有する混合ウェル中で実施され、ステップ(d)が第2の非液体を含有する混合ウェル中で実施される;1つ以上の分析物のうちの各分析物が核酸またはタンパク質である;第1および第2の増幅反応混合物が、それぞれ第1および第2の反応容器中で形成される;ステップ(g)および(h)の前に、それぞれ第1および第2の反応容器に油を分配するステップをさらに含む;ステップ(g)および(h)の前に第1および第2の反応容器の各々をキャップで閉じるステップであって、当該キャップが、摩擦嵌合または締まりばめで対応する第1または第2の容器に係合するステップ;ステップ(g)および(h)の前に、それぞれ閉じられた第1および第2の反応容器を遠心分離機で遠心分離するステップをさらに含む;第1および第2の反応容器の各々が一体型ユニットの一部としていずれの他の反応容器にも物理的に接続されていない異なる別個の容器である。
別の実施形態では、複数の核酸増幅アッセイを実施するためのランダムアクセス自動分析装置を含むシステムが開示される。上記システムは、(a)分析装置に貯蔵された複数の試料収容容器から情報を受信し、(b)分析装置の1つ以上の装置に、複数の試料収容容器内の第1の試料を第1の分析物を第1の固体支持体上に固定化するのに適した試薬および条件に曝露させるように命令を送信し、(c)分析装置の1つ以上の装置に、第1の固体支持体から第1の試料の固定化されていない成分を除去し、第1の固体支持体を第1の緩衝液中に再懸濁することによって精製された形態の第1の試料を生成するように命令を送信するように構成されたコントローラを含み得る。またコントローラは、(d)ステップ(b)の後、分析装置の1つ以上の装置に、試料収容容器の第2の試料を第2の分析物を第2の固体支持体上に固定化するのに十分な試薬および条件に曝露させるように命令を送信し得、(e)分析装置の1つ以上の装置に、第2の固体支持体から第2の試料の固定化されていない成分を除去し、第2の固体支持体を第2の緩衝液中に再懸濁することによって精製された形態の第2の試料を生成するように命令を送信し得る。またコントローラは、(f)分析装置の1つ以上の装置に第1の単位用量試薬を第1の溶媒に溶解するように命令を送信し得、ここで、当該第1の単位用量試薬がポリメラーゼおよび第1の分析物の第1の領域または第1の核酸増幅反応において第1の分析物に結合した核酸を増幅するための第1のセットの増幅オリゴマーを含有し、当該第1の溶媒が第1の核酸増幅反応を実施するための増幅オリゴマーまたはポリメラーゼを含有せず、(g)分析装置の1つ以上の装置に第2の単位用量試薬を第2の溶媒に溶解するように命令を送信し得、ここで、当該第2の溶媒が第2の分析物の第2の領域または第2の核酸増幅反応において第2の分析物に結合した核酸を増幅するための第2のセットの増幅オリゴマーを含有し、当該第2の単位用量試薬が当該第2の核酸増幅反応を実施するためのポリメラーゼを含有し、当該第2の単位用量試薬が核酸増幅反応を実施するためのいずれの増幅オリゴマーを含有しない。さらにまたコントローラは、(h)分析装置の1つ以上の装置に、溶解された第2の単位用量試薬を精製された形態の第2の試料と第1の反応容器中で組み合わせることによって第1の反応混合物を形成するように命令を送信し得、(i)分析装置の1つ以上の装置に、第1の反応容器の内容物を第2の核酸増幅反応を実施するための第1の温度条件に曝露させるように命令を送信し得、(j)分析装置の1つ以上の装置に、第2の反応混合物中の第2の分析物の存在または不存在を決定するように命令を送信し得、(k)分析装置の1つ以上の装置に、ステップ(h)の後に、溶解された第1の単位用量試薬を精製された形態の第1の試料と第2の反応容器中で組み合わせることによって第2の反応混合物を形成するように命令を送信し得る。さらにまたコントローラは、(l)分析装置の1つ以上の装置に、第2の反応容器の内容物を第1の核酸増幅反応を実施するための第2の温度条件に曝露させるように命令を送信し得、ここで、第1および第2の温度条件が同一であるかまたは異なり、(m)分析装置の1つ以上の装置に、第1の反応混合物中の第1の分析物の存在または不存在を決定するように命令を送信し得る。またシステムは、第1および第2の分析物の存在または不存在に関連した結果を出力するように構成された出力装置も含み得る。
本開示のシステムの種々の実施形態は、以下の態様のうちの1つ以上を代替的にまたは追加的に含み得る:複数の試料収容容器の試料収容容器が個別におよび逐次的にロードされる;複数の試料収容容器の試料収容容器が複数の容器保持ラックにロードされ、第1の試料が第1の試料収容容器に収容され、第2の試料が第2の試料収容容器に収容され、第1および第2の試料収容容器が、それぞれ第1および第2の容器保持ラックによって支持される;第2の試料は、ステップ(b)の間か後に分析装置にロードされる;第1および第2の固体支持体が磁気応答性である;ステップ(c)において第1の固体支持体を磁界に曝露させることをさらに含み、ステップ(e)において第2の固体支持体を磁界に曝露させることをさらに含む;ステップ(c)の磁界がステップ(e)の磁界と同一の供給源によって供給される;ステップ(b)において第1の分析物が第1の固体支持体に特異的に固定化され、ステップ(d)において第2の分析物が第2の固体支持体に特異的に固定化される;第1および第2の試料中の核酸が、それぞれステップ(b)および(d)において第1および第2の固体支持体に非特異的に固定化される;第1および第2の緩衝液が同一緩衝液である;第1の単位用量試薬が第1の核酸核酸増幅反応を実施するのに必要なすべてのオリゴマーを含有し、第2の溶媒が第2の核酸増幅反応を実施するのに必要なすべてのオリゴマーを含有する;第1の単位用量試薬および第2の溶媒の各々が、それぞれ検出プローブを含有する;第1および第2の単位用量試薬の各々が凍結乾燥物である;第1および第2の溶媒の各々がヌクレオシド三リン酸をさらに含有する;第2の溶媒がホルダによって支持されたバイアルに収容される;第1のホルダが複数のバイアルを支持し、バイアルの少なくとも一部が、第2の溶媒に含有されない1セットの増幅オリゴマーを含む溶媒を収容する;第1の溶媒が異なるセットの増幅オリゴマーを含有する単位用量試薬を溶解するための汎用試薬である。
本開示の方法の種々の実施形態は、以下の態様のうちの1つ以上を代替的にまたは追加的に含み得る:第1の溶媒が、流体接続されている密閉された液体リザーバーおよびアクセスチャンバーを有する第2のホルダに収容され、当該アクセスチャンバーが第2のホルダから上記溶媒を取り出すための流体移送装置によりアクセス可能である;第1および第2の単位用量試薬が、同一のまたは異なる試薬パックの混合ウェル中で貯蔵および溶解され、各試薬パックは複数の混合ウェルを含む;コントローラが分析装置の1つ以上の装置にステップ(h)の前に精製された形態の第2の試料を溶出緩衝液に曝露させ、ステップ(k)の前に精製された形態の第1の試料を溶出緩衝液に曝露させるように命令を送信するように構成されている;コントローラが分析装置の1つ以上の装置に、ステップ(j)および(m)のうちの少なくとも1つの完了後に使用のために精製された形態の第1および第2の試料のうちの少なくとも1つのアリコートを貯蔵容器に移送させるように命令を送信するように構成されている;コントローラが分析装置の1つ以上の装置に、第1および第2の反応容器を受容するためのアクセスポートを有する遠心分離機で第1および第2の反応容器を遠心分離させるように命令を送信するように構成されており、ここで、当該遠心分離機が第2の反応容器を受容する前に第1の反応容器を受容する;第1および第2の反応容器の各々が一体型ユニットの一部としていずれの他の反応容器にも物理的に接続されていない異なる別個の容器である;コントローラが分析装置の1つ以上の装置に、ステップ(i)および(l)の前に、それぞれ第1および第2の反応容器を閉じるように命令を送信するように構成されている;ステップ(i)が完了する前にステップ(l)が開始される;ステップ(l)が開始される前にステップ(i)が完了する;第1および第2の核酸増幅反応が熱サイクルを必要とする;第1および第2の核酸増幅反応がPCR反応である;第1および第2の核酸増幅反応がリアルタイム増幅である;第1の単位用量試薬の増幅オリゴマーがIVDアッセイを実施するために使用され、第2の溶媒の増幅オリゴマーがLDTを実施するために使用される。
別の実施形態では、自動分析装置を使用して核酸増幅アッセイを開発する方法が開示される。上記方法は、(a)核酸増幅アッセイを試料収容容器に収容された試料に関連付けるステップであって、当該核酸増幅アッセイが少なくとも部分的に1セットのユーザ定義のアッセイパラメータによって定義されるステップ、(b)試料に対して核酸増幅アッセイを実施するステップを含み得る。上記核酸増幅アッセイを実行するステップは、(i)単位用量試薬を溶媒に溶解することであって、当該溶媒が分析物の領域または核酸増幅アッセイにおいて分析物に結合した核酸を増幅するのに適した1つ以上の増幅オリゴマーを含み、当該単位用量試薬が核酸増幅アッセイを実施するための増幅オリゴマーを含まない、溶解すること、(ii)溶解された単位用量試薬および試料から反応混合物を形成すること、(iii)反応混合物を核酸増幅アッセイに関連した温度サイクリング条件に曝露させることを含み得る。上記方法は、(c)分析装置から核酸増幅アッセイに関連する生データを記録するステップ、(d)記録された生データをユーザ定義のアッセイパラメータのうちの1つ以上を使用して処理するステップ、(e)処理されたデータを使用して核酸増幅アッセイの中間結果を生成するステップ、(f)生成された結果に基づいてユーザ定義のアッセイパラメータのうちの1つ以上を変更して、変更された1セットのユーザ定義のアッセイパラメータを生成するステップ、(g)記録された生データを改変された1セットのユーザ定義のアッセイパラメータのうちの1つ以上を使用して再処理するステップ、および(h)再処理されたデータを使用して核酸増幅アッセイの結果を生成するステップも含み得る。
本開示の方法の種々の実施形態は、以下の態様のうちの1つ以上を代替的にまたは追加的に含み得る:上記方法が、(i)ステップ(f)の前に、ステップ(e)で生成された中間結果が予想された結果に一致するかどうかを決定するステップ、(j)ステップ(e)で生成された中間結果が予想された結果に一致しない場合、ステップ(f)を実施するステップ、および(k)ステップ(e)で生成された中間結果が予想された結果に一致する場合、変更された1セットのユーザ定義のアッセイパラメータを核酸増幅アッセイに関連付けるステップをさらに含み得る;上記溶媒が分析装置に配置されたコンテナ支持体によって支持される複数のバイアルのうちのバイアルに収容され、当該複数のバイアルのうちの各バイアルが同一のまたは異なる溶媒を含む;上記1セットのユーザ定義のアッセイパラメータのうちの1つ以上のアッセイパラメータがステップ(b)(iii)において使用される温度サイクリング条件において使用される温度プロファイルを定義する;ステップ(d)において記録された生データを処理することが、記録された生データから選択されたサイクル数に対応するデータを消去することを含み、当該選択されたサイクル数が上記1セットのユーザ定義のアッセイパラメータのうちのアッセイパラメータに基づく;ステップ(d)において記録された生データを処理することが、上記1セットのユーザ定義のアッセイパラメータのうちの1つ以上のアッセイパラメータに基づいて記録された生データの傾きを補正することを含む。
別の実施形態では、試料中の分析物の量を決定するためのコンピュータ実施方法が開示される。上記方法は、(a)核酸増幅アッセイを試料に関連付けるステップであって、当該核酸増幅アッセイが少なくとも部分的に1セットのユーザ定義のアッセイパラメータによって定義されるステップ、(b)試料に対して核酸増幅アッセイを実施するステップであって、核酸増幅アッセイを実行することが、(i)単位用量試薬を溶媒に溶解することであって、当該溶媒が分析物の領域または核酸増幅アッセイにおいて分析物に結合した核酸を増幅するのに適した1つ以上の増幅オリゴマーを含み、当該単位用量試薬が核酸増幅アッセイを実行するための増幅オリゴマーを含まない、溶解すること、(ii)溶解された単位用量試薬および試料から反応混合物を形成すること、および(iii)当該反応混合物を増幅産物を形成するための温度条件に曝露させることを含み得るステップを含み得る。上記方法は、(c)増幅産物の形成と同時に信号測定装置を使用してデータを収集するステップであって、データを収集することが、曝露する間に形成された増幅産物の量を示す蛍光の周期的な測定を含むステップ、および(d)コンピュータによって実行される場合、コンピュータにステップ(c)の収集されたデータにアクセスさせ、(i)ユーザから1つ以上のユーザ定義のアッセイパラメータを受信させ、ここで、当該1つ以上のユーザ定義のアッセイパラメータが、収集されたデータの処理に使用される変数であり、(ii)当該ユーザ定義のアッセイパラメータのうちの1つ以上を使用して当該収集されたデータを処理して、処理されたデータを作成させ、(iii)当該ユーザ定義のアッセイパラメータのうちの1つ以上を使用して、当該処理されたデータから試料中の分析物の量を示す結果を計算させ、(iv)当該ユーザ定義のアッセイパラメータのうちの1つ以上を使用して、ステップ(d)(iii)において決定された結果が有効な結果であるかどうかを決定させるように構成されているアルゴリズムでプログラムされたコンピュータを使用するステップも含み得る。
別の実施形態では、自動分析装置用の核酸増幅アッセイを開発する方法が開示される。上記方法は、(a)コンピュータシステムに、分析装置に配置された試料に対して実施されるべき核酸増幅アッセイを少なくとも部分的に定義するユーザ定義のアッセイパラメータを入力するステップを含み得る。入力するステップは、(i)1つ以上の検出パラメータを選択することであって、各検出パラメータが核酸増幅アッセイの間、分析装置によって記録される蛍光データの波長を示す、選択すること、(ii)1つ以上の温度プロファイルパラメータを選択することであって、温度プロファイルパラメータが、核酸増幅アッセイの間、分析装置において増幅反応混合物が曝露される温度プロファイルを定義する、選択すること、を含み得る。増幅反応混合物は、分析装置内で、(1)核酸増幅アッセイを実施するための増幅オリゴマーを含まない単位用量試薬を、核酸増幅アッセイの間、試料中の関心対象の分析物を増幅するように構成された1つ以上の増幅オリゴマーを含む溶媒に溶解すること、および(2)増幅反応混合物を溶解された単位用量試薬および試料により形成することによって形成されるように構成されている。また入力するステップは、(iii)データ分析パラメータを選択することであって、当該データ分析パラメータが、核酸増幅アッセイの結果が計算される前に、核酸増幅アッセイの間に分析装置によって再符号化されたデータを処理するデータ処理アルゴリズムにおいて使用される変数である、選択することを含み得る。上記方法は、(b)入力されたユーザ定義のアッセイパラメータを使用して核酸増幅アッセイのためのアッセイプロトコルを定義するステップ、および(c)アッセイプロトコルを試料に関連付けるステップも含み得る。
別の実施形態では、自動分析装置で核酸増幅アッセイを実施するためのアッセイプロトコルを確立する方法が開示される。自動分析装置は、1つ以上のシステム定義のアッセイパラメータおよび1つ以上のユーザ定義のアッセイパラメータを使用して分析装置内に配置された1つ以上の試料に対して核酸増幅アッセイを実施するように構成され得る。上記方法は、分析装置から独立したコンピュータに、(a)核酸増幅アッセイを少なくとも部分的に定義する複数のユーザ定義のアッセイパラメータを入力するステップを含み得る。核酸増幅アッセイの間、分析装置によって使用される1つ以上のユーザ定義のアッセイパラメータを含む、入力された複数のユーザ定義のアッセイパラメータ。上記入力するステップは、(i)1つ以上の検出パラメータを選択することであって、各検出パラメータが核酸増幅アッセイの間、分析装置によって記録される蛍光の波長を示す、選択することと、(ii)1つ以上のアッセイプロセスパラメータを選択することであって、各アッセイプロセスパラメータが、反応混合物が核酸増幅アッセイの間に曝露されるプロセス条件を示す、選択することと、(iii)1つ以上のデータ分析パラメータを選択することであって、各データ分析パラメータが、核酸増幅アッセイの結果が計算される前に、核酸増幅アッセイの間に分析装置によって記録されたデータを処理するデータ処理アルゴリズムにおいて使用される変数である、選択することを含み得る。上記方法は、(b)入力された少なくとも複数のユーザ定義のアッセイパラメータを使用してアッセイプロトコルを確立するステップ、および(c)確立されたアッセイプロトコルをコンピュータから分析装置に転送するステップであって、分析装置がコンピュータに入力された複数のユーザ定義のアッセイパラメータのいずれも変更するように構成されていないステップも含み得る。上記方法は、分析装置上で、(a)転送されたアッセイプロトコルを分析装置内に配置された1つ以上の試料のうちの試料に関連付けることと、(b)試料に対して核酸増幅アッセイを実施することと、(c)実施された核酸増幅アッセイからデータを記録することも含み得る。
別の実施形態では、自動分析装置上で核酸分析物を抽出、増幅、および検出するためのラボ開発検査を実施する方法が開示される。上記方法は、(a)コンピュータを使用して、分析装置上でラボ開発検査を実施するためのプロトコルの1つ以上のユーザ定義のアッセイパラメータを選択、定義、または変更するステップを含み得る。ラボ開発検査の間、分析装置によって実施されるべきステップを定義するプロトコルの各パラメータ。上記方法は、(b)ステップ(a)のプロトコルを用いてラボ開発検査を実施するステップも含み得る。分析装置は、ラボ開発検査を実施するための1つ以上のシステム定義のアッセイパラメータを記憶する。
本開示の方法の種々の実施形態は、以下の態様のうちの1つ以上を代替的にまたは追加的に含み得る:ステップ(b)の間、ポリメラーゼおよびヌクレオシド三リン酸を含む非液体試薬を、ラボ開発検査を実施するためのオリゴヌクレオチドを含有する溶液に溶解するステップ;ステップ(b)の間、インビトロ診断アッセイを実施するためのポリメラーゼ、ヌクレオシド三リン酸、およびオリゴヌクレオチドを含む非液体試薬を溶解するステップであって、分析装置がラボ開発検査を実施するためのオリゴヌクレオチドを含む非液体試薬を収容する容器を支持しないステップ;コンピュータがパーソナルコンピュータである;コンピュータが分析装置に接続されていない;上記方法が、ステップ(a)の後かつステップ(b)の前に、プロトコルをエクスポートし、プロトコルを分析装置にインストールするステップをさらに含む;ユーザ定義のアッセイパラメータが、コンピュータに表示された1つのまたは一連の画面で選択、定義、または変更される;ステップ(a)がデフォルトの温度プロファイルを選択することを含む;ステップ(a)が熱サイクル反応を実行するための温度プロファイルの1つ以上のパラメータを定義することであって、当該1つ以上のパラメータが、熱サイクル反応の各温度ステップの温度、各温度ステップの持続時間、および熱サイクル反応の温度サイクル数を含む、定義することを含む;熱サイクル反応の各サイクルが、少なくとも2つの異なる温度ステップからなる。
別の実施形態では、複数形態の核酸分析物のいずれかが試料中に存在するかどうかを決定する方法が開示される。上記方法は、(a)分析装置に試料を提供するステップ、(b)複数形態の核酸分析物を単離および精製するのに適した試薬および条件に試料を曝露させることによって、精製された形態の試料を生成するステップ、および(c)増幅試薬を第1の溶媒に溶解するステップを含み得る。上記増幅試薬は、第1の形態の分析物の第1の領域を増幅および検出するのに十分なオリゴヌクレオチドを含有し得、上記第1の溶媒は、上記増幅試薬の上記オリゴヌクレオチドとの組み合わせにおいて第2の形態の分析物の第2の領域を増幅および検出するのに十分であり得る1つ以上のオリゴヌクレオチドを含有し得る。上記第1の溶媒の上記1つ以上のオリゴヌクレオチドは、第1または第2の形態の分析物を増幅および検出するのに不十分であり得る。上記第1および第2の領域は、それぞれ異なるヌクレオチド塩基配列を含み得る。上記方法は、(d)精製された形態の試料を溶解された増幅試薬に接触させ、これにより増幅反応混合物を形成するステップ、(e)当該増幅反応混合物を第1および第2の形態の分析物のそれぞれ第1および第2の領域を増幅するのに十分な温度条件に曝露させるステップ、および(f)第1および第2の形態の分析物のうちの少なくとも1つが試料中に存在するかどうかを決定するステップも含み得る。
本開示の方法の種々の実施形態は、以下の態様のうちの1つ以上を代替的にまたは追加的に含み得る:試料が分析装置にステップ(a)の間、容器保持ラックによって支持される容器中に提供される;精製された形態の試料が第1および第2の形態の分析物のうちの少なくとも1つを含有する;ステップ(b)が第1および第2の形態の分析物のうちの少なくとも1つを固体支持体上に固定化することを含む;固体支持体が磁気応答性である;ステップ(b)は、試料を磁界に曝露させる間に試料の固定化されていない成分を除去することを含む;ステップ(b)が試料の固定化されていない成分を除去した後に固体支持体を緩衝液中に再懸濁することを含む;ステップ(b)が試料を第1および第2の形態の分析物を固体支持体上に特異的に固定化することができる捕捉プローブに曝露させることを含む;ステップ(b)が第1および第2の形態の分析物のうちの少なくとも1つを固体支持体上に非特異的に固定化することを含む;増幅試薬が乾燥試薬である;増幅試薬が凍結乾燥物である;増幅試薬が単位用量試薬である;増幅試薬がポリメラーゼおよびヌクレオシド三リン酸を含有する;第1の溶媒がポリメラーゼまたはヌクレオシド三リン酸を含有しない;第1の溶媒が第1のホルダによって支持されるバイアル中に収容される;第1のホルダが複数のバイアルを支持し、当該バイアルのうちの少なくとも一部が、第1の溶媒に含有されない1セットの増幅オリゴヌクレオチドを含む溶媒を収容する;分析装置が増幅試薬を溶解するための第2の溶媒を収容し、第2の溶媒がいずれのオリゴヌクレオチドを含有しない;第2の溶媒が、流体接続されている密閉された液体リザーバーおよびアクセスチャンバーを有する第2のホルダに収容され、当該アクセスチャンバーが、第2のホルダから第2の溶媒を取り出すための流体移送装置によりアクセス可能である;増幅試薬が試薬パックの混合ウェル中で貯蔵および溶解され、当該試薬パックが複数の混合ウェルを含む;増幅反応混合物が試薬パックと異なる反応容器中で形成される。
本開示の方法の種々の実施形態は、以下の態様のうちの1つ以上を代替的にまたは追加的に含み得る:ステップ(e)の前に反応容器をキャップで閉じるステップであって、当該キャップが、摩擦嵌合または締まりばめで反応容器に係合するステップ;ステップ(e)の前に閉じられた反応容器を遠心分離するステップであって、当該遠心分離ステップが、反応容器を受容するための少なくとも1つのアクセスポートを有する遠心分離機で実施されるステップ;反応容器が一体型ユニットの一部としていずれの他の反応容器にも物理的に接続されていない異なる別個の容器である;温度条件がPCR反応に関連した熱サイクルを含む;決定するステップがリアルタイムで実施される;第1の溶媒が第2の形態の分析物の第2の領域を増幅するための少なくとも1つの増幅オリゴヌクレオチドを含有し、第1の溶媒が任意の形態の分析物の存在を決定するための検出プローブを含有しない;増幅試薬が第1および第2の形態の分析物を検出するための検出プローブを含有する;第1の溶媒が第2の形態の分析物の存在を決定するための第1の検出プローブを含有する;増幅試薬が第1の形態の分析物の存在を決定するための第2の検出プローブを含有し、第1および第2のプローブがステップ(f)においてお互いに識別可能である;増幅試薬が第1の形態の分析物の存在を決定するための第2の検出プローブを含有し、第1および第2のプローブがステップ(f)においてお互いに識別不能である;第1および第2の形態の分析物が異なる型、亜型、またはバリアントの生物またはウイルスである;第2の形態の分析物が第1の形態の分析物の変異型である;増幅試薬がIVDアッセイの構成要素であり、第1の溶媒がASRである。
別の実施形態では、複数形態の核酸分析物のいずれかが試料中に存在するかどうかを決定する方法が開示される。上記方法は、(a)分析装置に試料を提供するステップと、(b)複数形態の核酸分析物を単離および精製するのに十分な試薬および条件に試料を曝露させることによって、精製された形態の試料を生成するステップと、(c)増幅試薬を第1または第2の溶媒に溶解するステップとを含み得る。第1および第2の溶媒の各々は、分析装置によって支持され得る。増幅試薬が第1の形態の分析物の第1の領域を増幅および検出するのに十分であるが、第2の形態の分析物の領域を増幅および検出しないオリゴヌクレオチドを含有し得る。第1の溶媒は、いずれのオリゴヌクレオチドを含有していなくてもよい。上記第2の溶媒は、上記増幅試薬の上記オリゴヌクレオチドとの組み合わせにおいて第2の形態の分析物の第2の領域を増幅および検出するのに十分であり得る1つ以上のオリゴヌクレオチドを含有し得る。上記第2の溶媒の上記オリゴヌクレオチドは、第1または第2の形態の分析物を増幅および検出するのに不十分であり得る。上記第1および第2の領域は、それぞれ異なるヌクレオチド塩基配列を含み得る。上記方法は、(d)精製された形態の試料を溶解された増幅試薬に接触させ、これにより増幅反応混合物を形成するステップ、(e)当該増幅反応混合物を第1および第2の形態の分析物のそれぞれ第1および第2の領域を増幅するのに十分な温度条件に曝露させるステップ、および(f)第1および第2の形態の分析物のうちの少なくとも1つが試料中に存在するかどうかを決定するステップも含み得る。
本開示の方法の種々の実施形態は、以下の態様のうちの1つ以上を代替的にまたは追加的に含み得る:試料が分析装置にステップ(a)の間、容器保持ラックによって支持される容器中に提供される;ステップ(c)の前に、増幅を溶解するための第1または第2の溶媒を選択すること;選択するステップが試料を用いて第1または第2のアッセイを実施するように分析装置に指示する容器上の機械可読なラベルを読み取ることを含み、増幅試薬が第1のアッセイにおいて第1の溶媒に溶解され、増幅試薬が第2のアッセイにおいて第2の溶媒に溶解される;機械可読なラベルがバーコードラベルであり、機械可読なラベルが分析装置のバーコードリーダにより読み取られる;選択するステップが試料を用いて第1または第2のアッセイを実施するように分析装置に指示するためのユーザ入力を提供することを含み、増幅試薬が第1のアッセイにおいて第1の溶媒に溶解され、増幅試薬が第2のアッセイにおいて第2の溶媒に溶解される;ユーザ入力が分析装置のマウス、キーボードまたはタッチスクリーンを介して受信される;精製された形態の試料が第1および第2の形態の分析物のうちの少なくとも1つを含有する;ステップ(b)が第1および第2の形態の分析物のうちの少なくとも1つを固体支持体上に固定化することを含む;固体支持体が磁気応答性である;ステップ(b)は、試料を磁界に曝露させる間に試料の固定化されていない成分を除去することを含む;ステップ(b)が試料の固定化されていない成分を除去した後に固体支持体を緩衝液中に再懸濁することを含む;ステップ(b)が試料を第1および第2の形態の分析物を固体支持体上に特異的に固定化することができる捕捉プローブに曝露させることを含む;ステップ(b)が第1および第2の形態の分析物のうちの少なくとも1つを固体支持体上に非特異的に固定化することを含む;増幅試薬が乾燥試薬である。
本開示の方法の種々の実施形態は、以下の態様のうちの1つ以上を代替的にまたは追加的に含み得る:増幅試薬が凍結乾燥物である;増幅試薬が単位用量試薬である;増幅試薬がポリメラーゼおよびヌクレオシド三リン酸を含有する;第1および第2の溶媒がポリメラーゼまたはヌクレオシド三リン酸を含有しない;第1の溶媒が第1のホルダによって支持されるバイアル中に収容される;第2の溶媒が、流体接続されている密閉された液体リザーバーおよびアクセスチャンバーを有する第2のホルダに収容され、当該アクセスチャンバーは、第2のホルダから第2の溶媒を取り出すための流体移送装置によりアクセス可能であり得る;増幅試薬が試薬パックの混合ウェル中で貯蔵および溶解され、当該試薬パックが複数の混合ウェルを含む;増幅反応混合物が試薬パックと異なる反応容器中で形成される;ステップ(e)の前に反応容器をキャップで閉じるステップであって、当該キャップが、摩擦嵌合または締まりばめで反応容器に係合するステップをさらに含む;ステップ(e)の前に閉じられた反応容器を遠心分離するステップであって、当該遠心分離ステップが、反応容器を受容するための少なくとも1つのアクセスポートを有する遠心分離機で実施されるステップ;反応容器が一体型ユニットの一部としていずれの他の反応容器にも物理的に接続されていない異なる別個の容器である;温度条件がPCR反応に関連した熱サイクルを含む;決定するステップがリアルタイムで実施される;第1の溶媒が第2の形態の分析物の第2の領域を増幅するための少なくとも1つの増幅オリゴヌクレオチドを含有し、第1の溶媒が任意の形態の分析物の存在を決定するための検出プローブを含有しない;増幅試薬が第1および第2の形態の分析物を検出するための検出プローブを含有する。
本開示の方法の種々の実施形態は、以下の態様のうちの1つ以上を代替的にまたは追加的に含み得る:第1の溶媒が第2の形態の分析物の存在を決定するための第1の検出プローブを含有する;増幅試薬が第1の形態の分析物の存在を決定するための第2の検出プローブを含有し、第1および第2のプローブがステップ(f)においてお互いに識別可能である;増幅試薬が第1の形態の分析物の存在を決定するための第2の検出プローブを含有し、第1および第2のプローブがステップ(f)においてお互いに識別不能である;第1および第2の形態の分析物が異なる型、亜型、またはバリアントの生物またはウイルスである;第2の形態の分析物が第1の形態の分析物の変異型である;増幅試薬および第2の溶媒がそれぞれIVDアッセイの構成要素であり、第1の溶媒がASRである。
別の実施形態では、試料中の複数の核酸分析物の存在を決定する方法が開示される。上記方法は、(a)分析装置に試料を提供するステップと、(b)複数の核酸分析物を単離および精製するのに十分な試薬および条件に試料を曝露させることによって、精製された形態の試料を生成するステップと、(c)増幅試薬を第1の溶媒に溶解するステップとを含み得る。上記増幅試薬は、複数の核酸分析物のうちの第1の分析物の第1の領域を増幅および検出するのに十分な第1のセットのオリゴヌクレオチドを含有し得る。上記第1の溶媒は、複数の核酸分析物のうちの第2の分析物の第2の領域を増幅および検出するのに十分な第2のセットのオリゴヌクレオチドを含有し得る。第1のセットのオリゴヌクレオチドは、第2の分析物の領域を増幅および検出するのに不十分であり得る。第2のセットのオリゴヌクレオチドは、第1の分析物の領域を増幅および検出するのに不十分であり得る。上記方法は、(d)精製された形態の試料を溶解された増幅試薬に接触させ、これにより増幅反応混合物を形成するステップ、(e)当該増幅反応混合物を第1および第2の分析物のそれぞれ第1および第2の領域を増幅するのに十分な温度条件に曝露させるステップ、および(f)第1および第2の分析物のうちの少なくとも1つが試料中に存在するかどうかを決定するステップも含み得る。
本開示の方法の種々の実施形態は、以下の態様のうちの1つ以上を代替的にまたは追加的に含み得る:試料が分析装置にステップ(a)の間、容器保持ラックによって支持される容器中に提供される;精製された形態の試料が第1および第2の分析物のうちの少なくとも1つを含有する;ステップ(b)が第1および第2の分析物のうちの少なくとも1つを固体支持体上に固定化することを含む;固体支持体が磁気応答性である;ステップ(b)は、試料を磁界に曝露させる間に試料の固定化されていない成分を除去することを含む;ステップ(b)が試料の固定化されていない成分を除去した後に固体支持体を緩衝液中に再懸濁することを含む;ステップ(b)が試料を第1および第2の分析物を固体支持体上に特異的に固定化することができる捕捉プローブに曝露させることを含む;ステップ(b)が第1および第2の分析物のうちの少なくとも1つを固体支持体上に非特異的に固定化することを含む;増幅試薬が乾燥試薬である;増幅試薬が凍結乾燥物である;増幅試薬が単位用量試薬である;増幅試薬がポリメラーゼおよびヌクレオシド三リン酸を含有する;第1の溶媒がポリメラーゼまたはヌクレオシド三リン酸を含有しない;第1の溶媒が第1のホルダによって支持されるバイアル中に収容される;第1のホルダが複数のバイアルを支持し、当該バイアルのうちの少なくとも一部が、第1の溶媒に含有されない1セットの増幅オリゴヌクレオチドを含む溶媒を収容する;分析装置が増幅試薬を溶解するための第2の溶媒を収容し、第2の溶媒がいずれのオリゴヌクレオチドを含有しない;第2の溶媒が、流体接続されている密閉された液体リザーバーおよびアクセスチャンバーを有する第2のホルダに収容され、当該アクセスチャンバーが、第2のホルダから第2の溶媒を取り出すための流体移送装置によりアクセス可能である;増幅試薬が試薬パックの混合ウェル中で貯蔵および溶解され、当該試薬パックが複数の混合ウェルを含む。
本開示の方法の種々の実施形態は、以下の態様のうちの1つ以上を代替的にまたは追加的に含み得る:増幅反応混合物が試薬パックと異なる反応容器中で形成される;ステップ(e)の前に反応容器をキャップで閉じるステップであって、当該キャップが、摩擦嵌合または締まりばめで反応容器に係合するステップ;ステップ(e)の前に閉じられた反応容器を遠心分離するステップであって、当該遠心分離ステップが、反応容器を受容するための少なくとも1つのアクセスポートを有する遠心分離機で実施されるステップ;反応容器が一体型ユニットの一部としていずれの他の反応容器にも物理的に接続されていない異なる別個の容器である;温度条件がPCR反応に関連した熱サイクルを含む;決定するステップがリアルタイムで実施される;増幅試薬が第1および第2の分析物の存在を決定するための検出可能に標識されたプローブを含有する;増幅試薬が第1の分析物の存在を決定するための第1の検出プローブを含有し、第1の溶媒が第2の分析物の存在を決定するための第2のプローブを含有する;第1および第2のプローブがステップ(f)においてお互いに識別可能である;第1および第2のプローブがステップ(f)においてお互いに識別不能である;第1および第2の分析物が同一分析物の異なる型でない;第1および第2の分析物が生物に抗生物質耐性を付与する異なる遺伝子である;増幅試薬がIVDアッセイの構成要素であり、第1の溶媒がASRである。
別の実施形態では、試料中の標的核酸分析物を定量化する方法が開示される。本方法は、(a)第1のフルオロフォアを含む第1のプローブの存在下で、標的核酸分析物を含むまたは含む疑いのある試料に対して、周期的増幅反応を行うことであって、第1のプローブが標的核酸分析物依存性の蛍光を呈する、周期的増幅反応を行うことと、(b)周期的増幅反応の複数のサイクル中に第1のプローブから蛍光測定値を取得することであって、複数の取得された蛍光測定値がベースラインセグメントを構成する、取得することと、を含み得る。本方法はまた、(c)蛍光測定の少なくとも一部を平滑化することと、(d)ベースラインセグメントの勾配を決定することと、(e)蛍光測定が取得された各サイクルまたは時間について、ベースラインセグメントの傾き、および測定値が取得された時間またはサイクルに依存する値を減算することにより、調整された蛍光測定をもたらすことによって、蛍光測定値を調整することと、を含み得る。本方法はさらに、(f)調整された蛍光測定の少なくとも一部を含む値からサイクル閾値(Ct)の値を決定するか、または標的核酸分析物が不在である、もしくは検出限界を超える量で存在しないことを決定し、それにより、標的核酸分析物を定量化することを含み得る。
本開示の方法の種々の実施形態は、以下の態様のうちの1つ以上を代替的にまたは追加的に含み得る:蛍光測定値の少なくとも一部を平滑化することが、移動平均を蛍光測定値の一部に提供することを含む場合;移動平均を適用することが、Mサイクルにわたって平均することを含む場態様であって、Mが、3、4、5、6、7、8、9、10、または11であり、任意選択でサイクル1〜M/2(切り捨て)およびN−M/2(切り上げ)〜Nの蛍光測定値が移動平均されず、Nが、蛍光測定値が取得されるサイクルの数である、態様;移動平均を適用することが5サイクルにわたって平均することを含む態様であって、任意選択で、サイクル1、2、N−1、およびNからの蛍光測定値が、移動平均されず、Nが、蛍光測定値が取得されるサイクルの数である、態様;蛍光測定値の少なくとも一部を平滑化することが、多項式フィッティングを含む態様;本方法は、確立されたベースライン値を決定することと、推定ベースライン値を蛍光測定値から減算することとをさらに含んでもよい;推定ベースライン値を決定することが、蛍光測定値をロジスティクス回帰モデルにフィットさせることを含む態様;ロジスティクス回帰モデルが4パラメータロジスティクス回帰モデルである態様;推定ベースライン値がロジスティクス回帰モデルの最小漸近線である態様;推定ベースライン値を決定することおよび推定ベースライン値を蛍光測定値から減算することが、蛍光測定値の少なくとも一部を平滑化した後に行われる態様;ならびに推定ベースライン値を決定することおよび推定ベースライン値を蛍光測定値から減算することが、ベースラインセグメントの傾きおよび測定が行われた時間またはサイクルに依存する値を減算することによって蛍光測定値を調整する前に行われる態様。
本開示の方法の種々の実施形態は、以下の態様のうちの1つ以上を代替的にまたは追加的に含み得る:本方法は、いずれの蛍光測定値もゼロ未満の値を有さないように蛍光測定値を加法的に調整することによって蛍光測定値をレベリングすることをさらに含み得る;クロストーク補正を第1のプローブからの蛍光測定値に行うこと;クロストーク補正が、第2のプローブからのブリードスルーシグナルの推定を第1のプローブからの蛍光測定値から減算することを含む態様、第2のプローブが、第2のフルオロフォアを含み、第2のフルオロフォアおよび第1のフルオロフォアが、重なり合う発光スペクトルを有し、ブリードスルーシグナルの推定が、第2のプローブからの同時蛍光測定値、および第1のプローブの蛍光測定値における、第2のプローブからの観察された蛍光と第2のプローブからの推定ブリードスルーシグナルとの所定の割合に依存する態様;本方法は、第3のプローブからのブリードスルーシグナルを第1のプローブからの蛍光測定値から減算することをさらに含み、ここで、第3のプローブは、第3のフルオロフォアを含み、第3のフルオロフォアおよび第1のフルオロフォアは、重なり合う発光スペクトルを有し、ブリードスルーシグナルの推定は、第3のプローブからの同時蛍光測定値、および第1のプローブの蛍光測定値における、第3のプローブからの観察された蛍光と第3のプローブからの推定ブリードスルーシグナルとの所定の割合に依存する;第2のプローブからの同時蛍光測定値が、ブリードスルーシグナルの推定が減算される第1のプローブからの蛍光測定値と同じ周期的増幅反応のサイクル中に取得される態様;第2のプローブからの同時蛍光測定値が、ブリードスルーシグナルが減算される第1のプローブからの蛍光測定値の1分、30秒、15秒、または10秒以内に取得される態様;第1および第2のプローブが第1および第2の反応容器中にあり、第2の反応容器は、第2のプローブからの蛍光が第1のプローブからの蛍光測定値の取得中に検出されるように、第1の反応容器と十分近くにある態様;ならびに第1および第2のプローブが、同一のフルオロフォア、または見分けがつかない発光スペクトルを有するフルオロフォアを含む態様。
本開示の方法の種々の実施形態は、以下の態様のうちの1つ以上を代替的にまたは追加的に含み得る:第1および第2のプローブが第1の反応容器中にあり、第2のプローブが、第1のプローブが核酸分析物依存性蛍光を呈する標的核酸とは異なる第2の標的に対する核酸分析物依存性蛍光を呈する態様;第1および第2のプローブが、見分けはつくが重なり合った発光スペクトルを有するフルオロフォアを含む態様;第2のプローブからのブリードスルーシグナルの推定を第1のプローブからの蛍光測定値から減算することが、蛍光測定値の少なくとも一部を平滑化した後に行われる態様;第2のプローブからのブリードスルーシグナルの推定を第1のプローブからの蛍光測定値から減算することが、ベースラインセグメントの傾きおよび測定値が取られた時間またはサイクルに依存する値を減算することによって蛍光測定値を調整する前に行われる態様;ベースラインセグメントの傾きを決定することが、少なくともサイクル対について所定の傾きに達するかまたはそれを超過するまで、増幅反応の複数のサイクルの各隣接するサイクル対間の傾きを決定することと、所定の傾きに達したかまたはそれを超過したサイクル対の後のものより早いサイクルからの蛍光測定値からなるものとしてベースラインセグメントを特定することと、を含む態様;ベースラインセグメントの傾きを決定することが、少なくともサイクル対について所定の差に達するかまたはそれを超過するまで、増幅反応の複数のサイクルの各隣接するサイクル対からの蛍光測定値間の差を決定することと、所定の差に達したかまたはそれを超過したサイクル対の後のものより早いサイクルからの蛍光測定値からなるものとしてベースラインセグメントを特定することと、を含む態様;ベースラインセグメントの傾きおよび測定値が得られた時間またはサイクルに依存する値を減算することが、ベースラインセグメントの傾きをゼロに減少させる態様;ベースラインセグメントの線形回帰のピアソン相関係数の二乗が所定の閾値未満である場合に、ベースラインセグメントの傾きがゼロであると決定される態様;ならびにベースラインセグメントの線形回帰が時間またはサイクル数の増加に伴って負の傾きを有する場合に、ベースラインセグメントの傾きがゼロであると決定される態様。
本開示の方法の種々の実施形態は、以下の態様のうちの1つ以上を代替的にまたは追加的に含み得る:調整された蛍光測定値からのCt値を決定すること、または標的核酸分析物が不在であるかまたは検出限界を超える量で存在しないと決定することが、(a)調整された蛍光測定値の最小値を調整された蛍光測定値の最大値から減算し、それにより蛍光範囲値をもたらすことと、(b)蛍光範囲値が所定の閾値以下である場合に、標的核酸分析物が所定の検出限界以上の量で存在しないと決定することと、を含む態様;少なくとも1つの調整された蛍光測定値が所定の閾値以上であり、Ct値が、調整された蛍光測定値が所定の閾値以上である最も早いサイクル数として決定される態様;少なくとも1つの調整された蛍光測定値が所定の閾値以上であり、Ct値が、(a)最も早い所定の閾値以上の調整された蛍光測定値が生じたサイクル、(b)最も早い所定の閾値以上の調整された蛍光測定値、(c)最も早い所定の閾値以上の調整された蛍光測定値が生じたサイクルに先行するサイクルからの調整された蛍光測定値の蛍光値、を含む値から決定される態様;Ct値が、最も早い所定の閾値以上の調整された蛍光測定値が生じたサイクルからの調整された蛍光測定値と先行するサイクルからの調整された蛍光測定値との間の蛍光値の補間から予測される態様;Ct値が、補間における所定の閾値に対応するサイクル小数値である態様;第1のプローブから得られた蛍光測定値の認証をさらに含む;認証には、蛍光測定値が周期的増幅反応の複数のサイクルの各サイクルから少なくとも1つの測定値を含むことを確認することが含まれる態様;認証には、調整された蛍光測定値が、(i)第1のサイクルからの所定の閾値以上である調整された蛍光測定値と、(ii)第1のサイクルより遅い第2のサイクルからの所定値未満である調整された蛍光測定値との両方を含まないことを確認することが含まれる態様。
本開示の方法の種々の実施形態は、以下の態様のうちの1つ以上を代替的にまたは追加的に含み得る:本方法が、試料からの蛍光を測定するように構成されている1つ以上の蛍光検出器と、試料の温度を調節するように構成されているサーモサイクリング装置と、1つ以上の蛍光検出器およびサーモサイクリング装置に動作可能に連結し、試料のサーモサイクリングを行い、蛍光測定値を取得し、蛍光測定値の少なくとも一部を平滑化し、ベースラインセグメントの傾きを決定し、蛍光測定値を調整し、Ct値、または標的核酸分析物が不在であるかもしくは検出限界を超える量で存在しないことを決定するための命令を記憶するプロセッサおよびメモリとを含むシステムを使用して行われる態様;1つ以上の蛍光検出器が、複数のチャネルにおいて蛍光を検出するように構成されている態様;第1のプローブが、クエンチャーまたはFRETアクセプターをさらに含み、(i)自己相補性領域を含み、第1のフルオロフォアのクエンチまたは第1のフルオロフォアからのFRET移動を減少させる標的核酸分析物へのハイブリダイゼーション時の構造変化を受けるか、(ii)第1のフルオロフォアの放出し、それにより増加した蛍光を生じさせる、標的核酸分析物へのハイブリダイゼーション後のエキソヌクレオリシス(exonucleolysis)を受けるか、あるいは(iii)標的核酸分析物へのハイブリダイゼーション後に開裂された一次プローブの断片へのハイブリダイゼーション後に開裂を受け、第1のプローブの開裂により第1のフルオロフォアが放出されることで、増加した蛍光を生じさせる、態様;周期的増幅反応がPCRである態様;周期的増幅反応の複数のサイクルが、10〜20、21〜25、26〜30、31〜35、36〜40、41〜45、または46〜50サイクルを含む態様;ならびに周期的増幅の複数のサイクルが途切れのない一連のサイクルである態様。
上記の種々の実施形態に記載の試薬は、液体または非液体形態であり得る。試薬が非液体形態である場合、試薬は乾燥形態、例えば凍結乾燥物であり得る。幾つかの実施形態では、提供される試薬は、単位用量形態で便利に提供される。
本明細書に組み込まれ、明細書の一部を形成する添付図面は、本開示の様々な非限定的な実施形態を示す。必要に応じて、異なる図面における同様の構造、コンポーネント、材料、および/または要素を示す参照番号は同様にラベル付けされる。これらの図面に具体的に示されているもの以外の構造、コンポーネント、および/または要素の種々の組み合わせが企図され、本開示の範囲内であることを理解されたい。
説明を簡単かつ明確にするために、図面は、説明された実施形態の一般的な構造および/または構築方法、ならびに関連する製造方法を示す。周知の特徴(例えば、締結具、電気接続、制御システムなど)は、これらの特徴が当業者に周知であるため、他の特徴が不明瞭になるのを避けるためにこれらの図には示されない(および、簡潔さのために対応する説明に置いて記載されない)。図面の特徴は必ずしも縮尺どおりに描かれているわけではない。幾つかの特徴の寸法は、例示的な実施形態の理解を改善するために、他の特徴に対して誇張されている場合がある。断面図は、種々の特徴の相対的な配置を示すのを補助するために提供される。当業者は、断面図が必ずしも縮尺通りに描かれているわけではなく、異なる特徴間の比例関係を表すと見なされるべきではないことを理解するであろう。特に言及しなくても、一実施形態を参照して記載される態様および特徴は、他の実施形態にも適用可能であり、他の実施形態で使用され得ることに留意されたい。
実施形態に記載の分析システムの斜視図である。 実施形態に記載の分析システムの斜視図である。 図1Aの分析システムの例示的な第1のモジュールの異なる領域の平面図である。 図1Aの分析システムの例示的な第1のモジュールの異なる領域の平面図である。 図1Aの分析システムの例示的な第1のモジュールの異なる領域の平面図である。 図1Aの分析システムの例示的な第1のモジュールの異なる領域の平面図である。 図1Aの分析システムの例示的な第1のモジュールの異なる領域の平面図である。 図1Aの分析システムの例示的な磁気洗浄ステーションの斜視図である。 図2Fの磁気洗浄ステーションの例示的な磁気移動装置の斜視図である。 図1Aの分析システムの例示的な試料格納部の斜視図である。 図1Aの分析システムの例示的な試料格納部の斜視図である。 図1Aの分析システムの例示的な試料格納部の斜視図である。 図3Aの試料格納部で使用され得る例示的な試料保持ラックの斜視図である。 図3Aの試料格納部で使用され得る例示的な試料保持ラックの斜視図である。 図1Aの分析システムの例示的な第2のモジュールの異なる領域の平面図である。 図1Aの分析システムの例示的な第2のモジュールの異なる領域の平面図である。 図1Aの分析システムの例示的な第2のモジュールの異なる領域の平面図である。 図1Aの分析システムの例示的な第2のモジュールの異なる領域の平面図である。 図1Aの分析システムの例示的な第2のモジュールの異なる領域の平面図である。 図1Aの分析システムの例示的な第2のモジュールの異なる領域の平面図である。 図1Aの分析システムの例示的な試薬コンテナキャリアの異なる図である。 図1Aの分析システムの例示的な試薬コンテナキャリアの異なる図である。 図1Aの分析システムの例示的な試薬コンテナキャリアの異なる図である。 図1Aの分析システムの例示的な試薬コンテナキャリアの異なる図である。 図1Aの分析システムの別の例示的な試薬コンテナキャリアの異なる図である。 図1Aの分析システムの別の例示的な試薬コンテナキャリアの異なる図である。 図1Aの分析システムの別の例示的な試薬コンテナキャリアの異なる図である。 図1Aの分析システムの例示的な試薬コンテナ移送機構の斜視図である。 図1Aの分析システムの例示的な試薬コンテナキャリアの異なる図である。 図1Aの分析システムの例示的な試薬コンテナキャリアの異なる図である。 図1Aの分析システムの例示的な試薬コンテナキャリアの異なる図である。 図1Aの分析システムの例示的な試薬コンテナの異なる図である。 図1Aの分析システムの例示的な試薬コンテナの異なる図である。 図1Aの分析システムの例示的な試薬コンテナの異なる図である。 図1Aの分析システムの別の例示的な試薬コンテナの異なる図である。 図1Aの分析システムの別の例示的な試薬コンテナの異なる図である。 図1Aの分析システムのディスプレイ装置で表示される例示的なグラフィカルユーザインタフェース(GUI)である。 図1Aの分析システムのディスプレイ装置で表示される例示的なグラフィカルユーザインタフェース(GUI)である。 図1Aの分析システムの例示的な試薬パックの異なる図である。 図1Aの分析システムの例示的な試薬パックの異なる図である。 図1Aの分析システムの例示的な試薬パックの異なる図である。 図1Aの分析システムの例示的な試薬パックの異なる図である。 図1Aの分析システムの例示的な流体移送およびハンドリングシステムの斜視図である。 図14Aの流体移送およびハンドリングシステムの例示的なピペッターの底部の斜視図である 図14Aの流体移送およびハンドリングシステムの例示的なピペッターの底部の斜視図である 図1Aの分析システムの例示的なキャップ/バイアルアセンブリの異なる図である。 図1Aの分析システムの例示的なキャップ/バイアルアセンブリの異なる図である。 図1Aの分析システムのサーマルサイクラーの異なる図である。 図1Aの分析システムのサーマルサイクラーの異なる図である。 図1Aの分析システムのサーマルサイクラーの異なる図である。 図1Aの分析システムのサーマルサイクラーの異なる図である。 図1Aの分析システムのサーマルサイクラーの異なる図である。 図1Aの分析システムのサーマルサイクラーの異なる図である。 図1Aの分析システムのサーマルサイクラーの異なる図である。 図1Aの分析システムのサーマルサイクラーの異なる図である。 図1Aの分析システムのサーマルサイクラーの異なる図である。 図1Aの分析システムの例示的なシグナル検出器の異なる図である。 図1Aの分析システムの例示的なシグナル検出器の異なる図である。 図1Aの分析システムの例示的な遠心分離機の異なる図である。 図1Aの分析システムの例示的な遠心分離機の異なる図である。 図1Aの分析システムの例示的な遠心分離機の異なる図である。 図1Aの分析システムの例示的な多容器ユニット(MRU)の斜視図である。 図1Aの分析システムの例示的な容器分配システムの斜視図である。 図1Aの分析システムの例示的な容器分配システムの斜視図である。 図20Aの容器分配システムの例示的な容器分配器の異なる図を示す。 図20Aの容器分配システムの例示的な容器分配器の異なる図を示す。 図20Aの容器分配システムの例示的な容器分配器の異なる図を示す。 図20Aの容器分配システムの例示的な容器分配器の異なる図を示す。 図1Aの分析システムの例示的な容器受け渡し装置の異なる図である。 図1Aの分析システムの例示的な容器受け渡し装置の異なる図である。 図1Aの分析システムの例示的な試薬パックロードステーションの異なる図である。 図1Aの分析システムの例示的な試薬パックロードステーションの異なる図である。 図1Aの分析システムの例示的な試薬パック回転ラックの斜視図である。 図1Aの分析システムの例示的な流体移送装置を示す。 図1Aの分析システムを使用した例示的な抽出プロセスのフローチャートである。 図1Aの分析システムを使用した例示的な反応セットアッププロセスのフローチャートである。 図1Aの分析システムを使用した例示的な反応セットアッププロセスのフローチャートである。 図1Aの分析システムを使用した例示的な熱サイクルプロセスのフローチャートである。 図1Aの分析システムを使用した例示的な試料調製プロセスのフローチャートである。 図1Aの分析システムを使用した例示的な反応混合物調製プロセスのフローチャートである。 図1Aの分析システムを使用した例示的な核酸増幅反応プロセス(例えば、PCR)のフローチャートである。 図1Aの分析システムを使用した複数のアッセイを実施する方法のフローチャートである。 図1Aの分析システムの例示的な制御システムの概略図である。 図1Aの分析システム用のLDTプロトコルを開発するために使用される例示的なGUIである。 図1Aの分析システム用のLDTプロトコルを開発するために使用される例示的なGUIである。 図1Aの分析システム用のLDTプロトコルを開発するために使用される例示的なGUIである。 図1Aの分析システム用のLDTプロトコルを開発するために使用される例示的なGUIである。 図1Aの分析システム用のLDTプロトコルを開発するために使用される例示的なGUIである。 図1Aの分析システム用のLDTプロトコルを開発するために使用される例示的なGUIである。 図1Aの分析システム用のLDTプロトコルを開発するために使用される例示的なGUIである。 図1Aの分析システム用のLDTプロトコルを開発するために使用される例示的なGUIである。 図1Aの分析システム用のLDTプロトコルを開発するために使用される例示的なGUIである。 図1Aの分析システム用のLDTプロトコルを開発するために使用される例示的なGUIである。 図1Aの分析システム用のLDTプロトコルを開発するために使用される例示的なGUIである。 図1Aの分析システム用のLDTプロトコルを開発するために使用される例示的なGUIである。 図1Aの分析システム用のLDTプロトコルを開発するために使用される例示的なGUIである。 図1Aの分析システムによって生成されるデータのデータ分析を実施するための例示的な方法のフローチャートである。 図1Aの分析システムによって生成されるデータのデータ分析を実施するための例示的な方法のフローチャートである。 図1Aの分析システムによって生成されるデータのデータ分析を実施するための例示的な方法のフローチャートである。 図1Aの分析システムによって生成されるデータのデータ分析を実施するための例示的な方法のフローチャートである。 図1Aの分析システムによって生成されるデータの異なるデータ分析操作の効果を示す例示的なプロットである。 図1Aの分析システムによって生成されるデータの異なるデータ分析操作の効果を示す例示的なプロットである。 図1Aの分析システムによって生成されるデータの異なるデータ分析操作の効果を示す例示的なプロットである。 図1Aの分析システムによって生成されるデータの異なるデータ分析操作の効果を示す例示的なプロットである。 図1Aの分析システムによって生成されるデータの異なるデータ分析操作の効果を示す例示的なプロットである。 図1Aの分析システムによって生成されるデータの異なるデータ分析操作の効果を示す例示的なプロットである。 図1Aの分析システム用のLDTプロトコルをインストールするために使用される例示的なGUIである。 図1Aの分析システム用のLDTプロトコルをインストールするために使用される例示的なGUIである。 図1Aの分析システム用のLDTプロトコルをインストールするために使用される例示的なGUIである。 図1Aの分析システムにおけるアッセイの試料との関連付けを示す例示的なGUIである。 プロトコル最適化のワークフローの概略図である。
本開示の特徴および効果は、図面を参照した以下に述べる詳細な説明からより明らかになるであろう。本明細書において図とともに説明される多数の実施形態が存在する。一実施形態に関して記載される態様/特徴の各々は、別の実施形態に関して開示される態様/特徴と組み合わされた使用され得る。簡潔さのために、多数のこれらの組み合わせおよび置換は、本明細書において個別に説明されない。
特に定義しない限り、本明細書で使用される技術用語、表記、および他の科学用語または専門用語はすべて、一般に、本開示が属する当業者によって一般に理解されるものと同一の意味を有する。本明細書において記載または参照される技法および手技の多くは、周知であって、一般に、当業者によって従来の方法論を使用して採用される。必要に応じて、市販のキットおよび試薬の使用を伴う手技は、概して、別様に注記されない限り、製造業者定義のプロトコルおよび/またはパラメータに従って実施される。本明細書において参照される特許、用途、出願公開、および他の刊行物はすべて、参照することによってその全体として組み込まれる。本開示に記載の定義が、これらの参考文献における定義に反するかまたは矛盾する場合、本開示に記載の定義は、参照により本明細書に組み込まれる定義に優先する。本明細書において記載または参照される参考文献のいずれも、本開示の先行技術であると認められない。
本明細書における「一実施形態」、「ある実施形態」、「さらなる実施形態」、「例示的実施形態」、「幾つかの態様」、「さらなる態様」、「態様」等の言及は、記載の実施形態が、特定の特徴、構造、または特性を含み得るが、すべての実施形態が、必ずしも、その特定の特徴、構造、または特性を含まない場合があることを示す。さらに、そのような語句は、必ずしも、同一の実施形態を参照するわけではない。さらに、特定の特徴、構造、または特性が、ある実施形態に関連して説明されるとき、そのような特徴、構造、または特性はまた、明示的に説明されるかどうかにかかわらず、他の実施形態と関連しても説明される。本明細書で使用する場合、「ある(a)」または「ある(an)」は、「少なくとも1つ」または「1つ以上」を意味する。
本明細書で使用する場合、「試料」は、関心対象の生物、ウイルス、もしくは細胞を含有することが疑われる任意の物質、あるいは、関心対象の生物、ウイルス、もしくは細胞に由来する分析物、または関心対象の分析物を含有することが疑われる任意の物質を指す。物質は、例えば、血液または尿生殖路検体などの未処理の臨床検体、検体を含有する緩衝媒体、検体および生物、ウイルス、もしくは細胞に属する分析物を解放するための溶菌剤を含有する媒体、または容器内もしくは反応材料または装置上で単離および/または精製された(「抽出された」)生物、ウイルスもしくは細胞に由来する分析物を含有する媒体であり得る。このために、用語「試料」は、その未加工形態の検体、または生物、ウイルスまたは細胞に由来する分析物を解放、単離、および精製する(「抽出する」)ための任意の処理段階までの検体を意味するものと理解されるであろう。したがって、「試料」への言及は、異なる処理段階における生物、ウイルスまたは細胞に由来する分析物を含有すると疑われる物質を指し得、物質の初期形態に限定されない。
核酸に関して、「抽出」という用語は、核酸分子、部分的に生成された試料、または粗試料(すなわち、その供給源から得られたときと実質的に同じ形態にある試料)の天然環境などの、非核酸成分を含む試料からの核酸分子(例えば、任意の形態のDNAまたはRNA)の回収を指す。抽出により、実質的に精製された核酸分子または抽出前の試料中にあったときよりも純粋な形態の核酸分子を得ることができ、細胞(供給源から直接単離された細胞または培養された細胞を含む)、血液、尿、粘液、精液、唾液、または組織(例えば、生検)などの生体物質を含む試料から、分析手順に使用するためのそのような分子を得ることに使用することができる。多くの抽出方法が利用可能である。種々の実施形態では、抽出は、細胞溶解、遠心分離もしくは濾過などによる不溶性物質の除去、クロマトグラフィー、核酸の沈殿、または捕捉プローブによる核酸の捕捉のうちの1つ以上を含み得る。
「分析物」は、試料中に存在するかまたは試料中に存在することが疑われ、かつアッセイにおいて検出の標的とされる分子を指す。分析物の例示的な種類としては、核酸、ポリペプチド、およびプリオンなどの生体高分子が挙げられる。
「核酸」および「ポリヌクレオチド」とは、従来のRNA、DNA、混合RNA−DNA、およびそれらの類似体であるポリマーを含むポリヌクレオチドを形成するために一緒に連結された窒素複素環塩基または塩基類似体を有するヌクレオシドまたはヌクレオシド類似体を含む多量体化合物を指す。核酸「主鎖」は、糖−ホスホジエステル結合、ペプチド−核酸結合(「ペプチド核酸」またはPNA;国際公開第95/32305号)、ホスホロチオエート結合、メチルホスホン酸結合、またはこれらの組み合わせのうちの1つ以上を含む種々の結合から構成され得る。核酸の糖部分は、リボース、デオキシリボースまたは置換(例えば、2’メトキシまたは2’ハロゲン化物置換)を有する類似化合物であり得る。窒素含有塩基は、従来の塩基(A、G、C、T、U)、それらの類似体(例えば、イノシンまたはその他;The Biochemistry of the Nucleic Acids 5ー36,Adams et al,ed.,11th ed.,1992を参照のこと)、プリンまたはピリミジンの誘導体(例えば、N−メチルグアニン、N−メチルアデニン、デアザプリンまたはアザプリン、デアザピリミジンまたはアザピリミジン、5位または6位に置換基を有するピリミジン塩基(例えば、5−メチルシトシン)、2、6または8位に置換基を有するプリン塩基、2−アミノ−6−メチルアミノプリン、O−メチルグアニン、4−チオ−ピリミジン、4−アミノ−ピリミジン、4−ジメチルヒドラジン−ピリミジン、およびO−アルキル−ピリミジン;米国特許第5,378,825号および国際公開第93/13121号)であり得る。核酸は、主鎖がポリマーの位置(複数可)に窒素含有塩基を含まない、1つ以上の「無塩基」残基を含み得る(米国特許第5,585,481号)。核酸は、通常のRNAまたはDNAの糖、塩基および結合のみを含み得るか、または通常の成分および置換の両方を含み得る(例えば、2’メトキシ結合を有する従来の塩基、または従来の塩基および1つ以上の塩基アナログを含有するポリマー)。核酸は、「ロックド核酸」(LNA)、糖立体配置を模倣するRNA中にロックされた二環式フラノース単位を有する1つ以上のLNAヌクレオチドモノマーを含む類似体を含み、これは相補的RNAおよびDNA配列に対するハイブリダイゼーション親和性を増強する(Vester and Wengel,2004,Biochemistry 43(42):13233−41)。ハイブリダイゼーション複合体の安定性に影響を及ぼし得るオリゴマーの実施形態には、PNAオリゴマー、2’−メトキシもしくは2’−フルオロ置換RNAを含むオリゴマー、またはハイブリダイゼーション複合体の全電荷、電荷密度、もしくは立体会合(steric association)に影響を及ぼすオリゴマー(荷電された結合(例えば、ホスホロチオエート)もしくは中性基(例えば、メチルホスホネート)を含有するオリゴマーを含む)が含まれる。特に明記しない限り、5−メチルシトシンなどのメチル化シトシンは、RNAまたはDNA骨格(またはそれらの混合物)を含む上述の主鎖/糖/結合のいずれかとともに使用され得る。RNAおよびDNA等価物は異なる糖部分(即ちリボース対デオキシリボース)を有し、RNA中のウラシルおよびDNA中のチミンの存在によって異なり得る。等価物は特定の配列に対して同程度の相補性を有するので、RNA等価物とDNA等価物との間の相違は相同性の相違には寄与しない。オリゴヌクレオチド、アンプリコン、または他の核酸の長さについての範囲に言及する場合、その範囲はすべての整数を含む(例えば、19〜25個の連続したヌクレオチド長には、19個、20個、21個、22個、23個、24個、および25個が含まれる)ことが理解される。
「核酸増幅」または単に「増幅」は、標的核酸配列もしくはその相補配列またはそれらの断片(すなわち、完全標的核酸より少なく含む増幅配列)の複数コピーを生成する任意のインビトロ手順を指す。増幅方法としては、例えば、レプリカーゼ媒介増幅、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、リガーゼ連鎖反応(LCR)、鎖置換増幅(SDA)、ヘリカーゼ依存性増幅(HDA)、転写媒介増幅(TMA)、および核酸配列ベース増幅(NASBA)が挙げられる。TMAおよびNASBAは、両方とも転写ベース増幅の形態である。レプリカーゼ媒介増幅は、自己複製RNA分子、およびQBレプリカーゼなどのレプリカーゼを使用する(米国特許第4,786,600を参照のこと)。PCRは、DNAポリメラーゼ、プライマー対、および熱サイクルを使用して、dsDNAの2つの相補鎖の複数のコピーを、またはcDNAから2つの相補鎖の複数のコピーを合成する(米国特許第4,683,195号、4,683,202号、および4,800,159号を参照のこと)。LCRは、4つ以上の異なるオリゴヌクレオチドを使用して、ハイブリダイゼーション、ライゲーション、および変性の複数サイクルを使用することによって標的およびその相補鎖を増幅する(米国特許第5,427,930号および5,516,663号を参照のこと)。SDAは、制限エンドヌクレアーゼの認識部位を含有するプライマー、および標的配列を含む半修飾DNA二本鎖の一方の鎖にニックを入れるエンドヌクレアーゼを使用し、それにより、一連のプライマー伸長および鎖置換ステップで増幅が起こる(米国特許第5,422,252号、5,547,861号および5,648,211号を参照のこと)。HDAは、ヘリカーゼを使用して、DNA二本鎖の二本鎖を分離して一本鎖鋳型を生成し、続いて鋳型にハイブリダイズする配列特異的プライマーのハイブリダイゼーションおよびDNAポリメラーゼによる伸長を行い、標的配列を増幅する(米国特許第7,282,328号を参照のこと)。転写ベース増幅は、核酸テンプレートから複数のRNA転写物を最終的に生成するために、DNAポリメラーゼ、RNAポリメラーゼ、デオキシリボヌクレオシド三リン酸、リボヌクレオシド三リン酸、プロモーター含有オリゴヌクレオチドを使用し、所望により他のオリゴヌクレオチドを含み得る。転写ベース増幅の例は、米国特許第4,868,105号、5,124,990号、5,130,238号、5,399,491号、5,409,818号および5,554,516号;ならびに国際公開第88/01302号、同第88/10315号および同第95/03430号に記載されている。増幅は線形または指数関数的であり得る。
リアルタイムでアンプリコンを検出するサイクリック増幅法において、「閾値サイクル(Threshold cycle)」(Ct)という用語は、標的の増幅に関連するシグナルの出現時間の尺度であり、例えば、正規化レポーターシグナルの標準偏差の約10倍であり得る。増幅が「閾値サイクル」に達すると、一般に、プローブが結合する配列の陽性の増幅産物があると考えられる。プローブの結合は、一般に、産物の同一性について重要な情報(例えば、産物が特定の標的配列からアンプリコンであるかまたは、1つ以上の対立遺伝子特異的プローブの場合、遺伝子のアレルのある種のクラスのメンバーであるという情報)を提供する。加えて増幅産物は、ゲル電気泳動、核酸配列決定、および他のそのような分析手順などの当業者に既知の方法によってさらに特徴付けられ得る。
「オリゴマー」または「オリゴヌクレオチド」は、一般に1,000ヌクレオチド(nt)未満の核酸を指し、約2〜5ntの下限および約500〜900ntの上限を有するサイズ範囲のものを含む。幾つかの特定の実施形態は、約5〜15、16、17、18、19、もしくは20ntの下限および約50〜600ntの上限を有するサイズ範囲のオリゴマーであり、他の特定の実施形態は、約10〜20ntの下限および約22〜100ntの上限を有するサイズ範囲のオリゴマーである。オリゴマーは、天然に存在する供給源から精製され得るが、任意の周知の酵素的または化学的方法を使用することによって合成され得る。オリゴマーは機能名(例えば、捕捉プローブ、プライマー、またはプロモータープライマー)によって称される場合があるが、当業者はそのような用語がオリゴマーを指すことを理解するであろう。オリゴマーは、自己ハイブリダイズすることによって、または他のポリヌクレオチドにハイブリダイズすることによって二次および三次構造を形成し得る。かかる構造には、二重鎖、ヘアピン、十字型、屈曲および三重鎖を含まれ得るが、これらに限定されない。オリゴマーは、化学合成、DNA複製、逆転写、PCR、またはこれらの組み合わせを含む任意の方法で生成され得る。幾つかの実施形態では、侵入的開裂構造を形成するオリゴマーが、反応において生成される(例えば、酵素による伸長反応におけるプライマーの伸長によって)。
「アンプリコン」または「増幅産物」とは、核酸増幅反応において生成され、かつ標的核酸に由来する核酸分子を意味する。アンプリコンまたは増幅産物は、標的核酸と同じかまたは反対方向のものであり得る標的核酸配列を含有する。幾つかの実施形態では、アンプリコンは、約100〜2000ヌクレオチド、約100〜1500ヌクレオチド、約100〜1000ヌクレオチド、約100〜800ヌクレオチド、約100〜700のヌクレオチド、約100〜600ヌクレオチド、または約100〜500ヌクレオチドの長さを有する。
「増幅オリゴヌクレオチド」または「増幅オリゴマー」は、標的核酸にハイブリダイズするオリゴヌクレオチドまたはその相補体を指し、核酸増幅反応に関与する(例えば、プライマーおよび/またはプロモーター−プライマーとして機能する)。特定の増幅オリゴマーは、標的核酸配列またはその相補鎖の領域に相補的な少なくとも10個の連続した塩基、所望により少なくとも11、12、13、14、15、16、17、18、19または20個の連続した塩基を含有する。連続した塩基は、増幅オリゴマーが結合する標的配列に少なくとも80%、少なくとも90%、または完全に相補的であり得る。幾つかの実施形態では、増幅オリゴマーは、相補配列の2つのセグメントの間に、介在リンカーまたは非相補配列を含み、例えば、オリゴマーの当該2つの相補的セグメントは、合計で少なくとも10個の相補的塩基、所望により少なくとも11、12、13、14、15、16、17、18、19または20個の相補的塩基を含む。当業者は、記載された範囲がその範囲内のすべての整数および有理数(例えば、92%または98.377%)を含むことを理解するであろう。特定の増幅オリゴマーは、10〜60塩基長であり、所望により修飾ヌクレオチドを含み得る。
「プライマー」とは、鋳型核酸とハイブリダイズし、かつ重合によって伸長される3’末端を有するオリゴマーを指す。プライマーは、所望により、例えば標的配列に非相補的な5’領域を含むことによって修飾され得る。かかる修飾は、機能付加、例えば、プライマーまたは標的オリゴヌクレオチドを操作または増幅するのに使用されるかまたは有用であり得るタグ、プロモーターまたは他の配列を含み得る。タグまたはタグおよびプロモーター配列を組み込んだプライマーの例は、米国特許第9,284,549号に記載されている。5’プロモーター配列を用いて修飾されたプライマーは、「プロモーター−プライマー」と称され得る。分子生物学または生化学の当業者は、プライマーとして機能し得るオリゴマーは、5’プロモーター配列を含むように修飾され得、次いで、プロモーター−プライマーとして機能し、同様に、任意のプロモーター−プライマーは、その5’プロモーター配列の有無にかかわらずプライマーとして機能し得ることを理解するであろう。
「フォワード増幅オリゴマー」(例えば、フォワードプライマー)は、標的核酸の(−)鎖にハイブリダイズするように構成され、標的核酸の(+)鎖の配列と部分的にまたは完全に同じ配列を有し得る。「リバース増幅オリゴマー」(例えば、リバースプライマー)は、標的核酸の(+)鎖にハイブリダイズするように構成され、標的核酸の(−)鎖の配列と部分的にまたは完全に同じ配列を有し得る。特に明記しない限り、(+)鎖は、タンパク質をコードする核酸のコード鎖を指し、リボソームRNAおよび転移RNAなどの非コード配列の転写された鎖ならびにこれらの対応するDNAならびに(−)鎖は、(+)鎖の逆相補体を指す。
本明細書で使用する場合、「検出オリゴマー」または「検出プローブ」は、標的核酸と相互作用して検出可能な複合体を形成するオリゴマーを指す。プローブの標的配列は、一般により大きい配列(例えば、遺伝子、アンプリコン、遺伝子座など)内の当該プローブが特異的にハイブリダイズする特異的配列を指す。検出オリゴマーは、標的特異的な配列および標的に相補的でない配列を含み得る。かかる標的に相補的でない配列は、検出および/または増幅を容易にするために使用され得る所望の二次または三次構造(例えば、フラップまたはヘアピン構造)を付与する配列を含み得る(例えば、米国特許第5,118,801号、第5,312,728号、第6,835,542号、第6,849,412号、第5,846,717号、第5,985,557号、第5,994,069号、第6,001,567号、第6,913,881号、第6,090,543号および第7,482,127号;国際公開第97/27214号および同第98/42873号;Lyamichev et al.,Nat.Biotech.,17:292(1999);and Hall et al.,PNAS,USA,97:8272(2000))。既定の配列のプローブは、当業者に公知の技術によって、例えば、化学合成によって、および組換え核酸分子からのインビトロまたはインビボでの発現によって生成され得る。
本明細書で使用する場合、「標識」または「検出可能な標識」は、検出されるかまたは検出可能なシグナルをもたらす部分または化合物を指す。標識は、プローブに直接または間接的に連結されてもよく、あるいは、例えば、挿入色素(例えば、SYBR(登録商標)Green)であってもよい。直接的な連結には、共有結合または非共有結合性相互作用(例えば、水素結合、疎水性またはイオン相互作用、およびキレート錯体または配位化合物形成)が使用され得るが、間接的な連結には、架橋部分またはリンカーが使用され得る(例えば、抗体または追加のオリゴヌクレオチド(複数可)を介する)。任意の検出可能部分には、例えば、放射性核種、ビオチンまたはアビジンなどのリガンド、酵素、酵素基質、反応性基、検出可能な色を付与する色素または粒子などの発色団(例えば、ラテックスまたは金属ビーズ)、発光化合物(例えば生物発光性、リン光性、または化学発光性化合物)、および蛍光化合物(すなわち、フルオロフォア)が使用され得る。フルオロフォアの実施形態としては、495〜690nmの範囲の光を吸収し(例えば、ピーク吸収波長を有する)、520〜710nmの範囲で発光する(例えば、ピーク発光波長を有する)ものを含み、FAM(登録商標)、TET(登録商標)、HEX(登録商標)、CAL FLUOR(登録商標)(オレンジまたは赤色)、CY(登録商標)、およびQUASAR(登録商標)化合物として公知のものを含む。フルオロフォアは、フルオロフォアに極めて接近した際に光を吸収してバックグラウンド蛍光を減少させるクエンチャー分子と組み合わせて使用され得る。かかるクエンチャーは当該技術分野において周知であり、例えば、BLACK HOLE QUENCHER(登録商標)(またはBHQ(登録商標))、Blackberry Quencher(登録商標)(またはBBQ−650(登録商標))、Eclipse(登録商標)、またはTAMRA(商標)化合物が挙げられる。特定の実施形態には、混合物中の結合標識プローブが非結合標識プローブと比較して検出可能な変化を示す均質系において検出可能である「均質な検出可能標識」が含まれ、これは、ハイブリダイズしていない標識プローブからハイブリダイズした標識プローブを物理的に取り除くことなく標識を検出することを可能にする(例えば、米国特許第5,283,174号、同第5,656,207号、および同第5,658,737号)。例示的な均質な検出可能標識には、アクリジニウムエステル(「AE」)化合物、例えば周知の標準的AEまたはAE誘導体(米国特許第5,656,207号、同第5,658,737号および同第5,639,604号)を含む、化学発光化合物が含まれる。標識を合成する方法、標識を核酸に結合する方法、および標識からのシグナルを検出する方法は公知である(例えば、Sambrook et al.,Molecular Cloning,A Laboratory Manual,2nd ed.(Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,NY,1989) at Chapt.10、ならびに米国特許第5,658,737号、5,656,207号、5,547,842号、5,283,174号、5,585,481号、5,639,604号、および4,581,333号、ならびに欧州特許第0 747 706号)。他の検出可能に標識されたプローブには、FRETカセット、TaqMan(登録商標)プローブ、および標的核酸の存在下で構造変化を受けるプローブ、例えば、分子トーチおよび分子ビーコンなどが含まれる。FRETカセットは、米国特許出願公開第2005/0186588号および米国特許第9,096,893号に記載されている。TaqMan(登録商標)プローブはドナーおよびアクセプター標識を含み、ここで、クエンチャーの存在からフルオロフォアを放出するために増幅中にプローブを酵素的に分解すると蛍光が検出される。TaqManアッセイを実施するための化学作用は、2018年3月23日に出願されたPCT出願番号PCT/US2018/024021および米国特許第5,723,591号に記載されている。分子トーチおよびビーコンは、開放および閉鎖配置で存在し、閉鎖配置はフルオロフォアをクエンチし、開放位置はフルオロフォアをクエンチャーから分離して検出可能な蛍光シグナルの変化を可能にする。標的へのハイブリダイゼーションは、そうでなければ閉じたプローブを開く。分子トーチは米国特許第6,361,945号に記載されており、分子ビーコンは米国特許第6,150,097号に記載されている。
本明細書で使用される「標的捕捉」または「標的捕捉手順」は、標的分析物を固体支持体上に固定化し、可能性のある増幅反応阻害物質(例えば、ヘパリン、タンパク質、およびヘム)を除去することによって分析物を精製するための手順を指す。
「捕捉プローブ」、「標的捕捉プローブ」、「捕捉オリゴヌクレオチド」、「捕捉オリゴマー」、「標的捕捉オリゴマー」、および「捕捉プローブオリゴマー」は、標準的な塩基対形成によって標的核酸中の標的配列に特異的にハイブリダイズし、固定化プローブ上の結合パートナーに結合して標的核酸を支持体に捕捉する核酸オリゴマーを指すために本明細書において互換的に使用される。一実施形態では、「標的捕捉」は、標的核酸が捕捉プローブへのハイブリダイゼーションによって精製または単離されるプロセスを指す。別の実施形態では、「標的捕捉」は、固体支持体への標的核酸の直接的な固定化を指す。捕捉プローブの1つの例は、通常、同一オリゴマー上の2つの結合領域:配列結合領域(例えば、標的特異的部分)および固定化プローブ結合領域を含むが、2つの領域は、1つ以上のリンカーによって結合される2つの異なるオリゴマーに存在してもよい。捕捉プローブの別の実施形態は、標的核酸に非特異的に結合し、標的核酸を支持体上の固定化プローブに連結するためのランダムまたは非ランダムのポリGU、ポリGTまたはポリU配列を含む標的配列結合領域を使用する。
「内部標準」は、アッセイ結果、例えば、分析物が検出されなかった陰性のアッセイ結果を確認するために検出される分子を指す。内部標準は、アッセイキットまたは組成物中に供給され得るか、またはこれは、アッセイにおいて試験される基本的にすべての試料中に存在する内在性分子(例えば、細胞を含む試料を試験するアッセイのためのハウスキーピング遺伝子またはmRNA)であり得る。分析物が核酸であるアッセイにおいて、内部標準は、通常、少なくとも部分的に分析物と異なる配列を有するが、これは、同程度の増幅および検出特性(例えば、同程度のGC含量)をもたらす性質を有し得る。核酸内部標準は、専用の増幅オリゴマーによって、または分析物と同じ増幅オリゴマーによって増幅され得る。内部標準核酸は、分析物のプローブオリゴマーによって標的とされる配列を欠き得、内部標準に特異的なプローブオリゴマーによって標的とされる配列を含む。
本明細書で使用する場合、用語「緩衝液」は、固形(例えば、凍結乾燥)物質(例えば、試薬、試料またはそれらの組み合わせ)を溶解するのに、または液体(例えば、液体試薬、液体試料もしくはそれらの組み合わせ;または試薬、試料もしくはそれらの組み合わせの溶液)を希釈するための希釈剤として役立ち得る制御されたpHを有する任意の溶液を指す。
「溶出緩衝液」は、核酸を、固体支持体に関連する捕捉プローブからを含む固体支持体から解放するための緩衝液である。溶出緩衝液は、核酸の固体支持体との会合に寄与する少なくとも1つの相互作用を不安定にし得る。例えば、核酸がイオン会合する場合、溶出緩衝液は会合を不安定にするのに十分な塩を含有し得る;核酸が疎水性会合する場合、溶出緩衝液は会合を不安定にするのに十分な有機溶媒または共溶媒を含有し得る;核酸が塩基対形成(ハイブリダイゼーション)により会合する場合、溶出緩衝液は会合を不安定にするのに十分な変性剤を含有し得る;核酸が特異的結合により会合する場合(例えば、タグで標識された捕捉プローブが当該タグの結合パートナーに結合している)、溶出緩衝液は会合を不安定にするのに十分な遊離タグを含有し得る。
本明細書で使用する場合、「再構成溶液」は、溶媒(水、有機溶媒、およびそれらの混合物を含む)、または乾燥物質などの別の物質(例えば、凍結乾燥物)を溶解するために使用され得る緩衝液を指す。本明細書で使用する場合、用語「再構成溶液」および「溶媒」は、用語「再構成」および「溶解」のように互換的に使用されてもよい。
本明細書で使用する場合、「アッセイ」は、試料中の分析物を検出および/または定量化するための手法である。分析物を含むかまたは含むことが疑われる試料は、1つ以上の試薬と接触され、試料中に分析物が存在するかどうか、または分析物の量(例えば、質量または濃度)の情報を与える検出可能なシグナルの生成を許容する条件下に置かれる。
本明細書で使用する場合、「単位用量試薬」は、単一のアッセイまたは試験の1つ以上のステップの実施に使用するのに十分な量または濃度で提供される試薬を指す。
本明細書で使用する場合、「分子アッセイ」は、標的核酸などの標的分子を特異的に検出および/または定量化するための手法である。標的分子を含むかまたは含むことが疑われる試料は、標的分子に特異的な少なくとも1つの試薬を含む1つ以上の試薬によって接触され、標的分子が存在するかどうかの情報を与える検出可能なシグナルの生成を許容する条件下に置かれる。例えば、分子アッセイがPCRである場合、試薬は、標的に特異的なプライマーを含み、検出可能なシグナルの生成は、少なくとも部分的には、標的の存在下でプライマーによって生成されるアンプリコンにハイブリダイズする標識プローブを提供することによって達成され得る。あるいは、試薬は、二本鎖核酸の形成を検出するための挿入色素を含み得る。
「分析物特異的試薬」または「ASR」は、単一の分析物または分析物の存在下で生成された物質と特異的に相互作用する試薬を指す。例えば、PCRアッセイにおいて、単一の分析物のためのプライマーおよびプローブは、ASRと考えられる。ELISAアッセイにおいて、単一の分析物を認識する一次抗体は、ASRと考えられる。
「インビトロ診断薬」または「IVD」は、試料の供給源から独立した、生体試料に対するアッセイを実施するために使用される製品である。供給源が多細胞生物である場合、試料は、一般に生物から採取され、次いで人工的環境(例えば、反応器)中での分析手順(例えば、増幅および/または結合反応)に供される。IVDは、規制される製品、例えば、CEマーキングまたはFood and Drug Administrationなどの政府機関による承認を必要とするものである。
「ラボ開発検査」または「LDT」は、検査室によって設計、検証、および使用されるアッセイであって、当該アッセイを実施するためのキットまたは装置が商業的に販売されていないかまたは他の検査室用に製品として販売されているアッセイである。
本明細書で使用する場合、「試薬」は、アッセイの試料材料および産物以外の分子アッセイに関与する任意の物質またはその組み合わせを指す。例示的な試薬には、ヌクレオチド、酵素、増幅オリゴマー、プローブおよび塩が含まれる。
本明細書で使用する場合、「PCRマスターミックス」は、PCR法によるDNA増幅に使用するための緩衝液、塩およびポリメラーゼ酵素を含む組成物を指す。PCRマスターミックスは、一般に、試料またはPCR増幅の実行もしくは特定の産物の検出に必要であり得るプライマーおよびプローブを含まないが、当然、試料ならびにプライマーおよびプローブなどの試薬が完全な反応混合物を形成するためにPCRマスターミックスと組み合わせられ得る。
本明細書で使用する場合、用語「凍結乾燥」、「凍結乾燥される」、および「フリーズドライされる」は、乾燥されるべき材料が最初に凍結され、次いで、氷または凍結溶媒が真空環境中で昇華によって除去されるプロセスを指す。「凍結乾燥品」は、凍結乾燥材料を指す。「凍結乾燥試薬」は、少なくとも1つの試薬を含む凍結乾燥品である。
本明細書で使用する場合、核酸増幅の「時間依存的」モニタリングまたは「リアルタイム」での核酸増幅モニタリングは、核酸増幅反応において存在するアンプリコンの量が、反応時間またはサイクル数の関数として測定され、次いで、増幅反応が開始された時点で反応混合物中に存在した鋳型の出発量を決定するために使用されるプロセスを指す。例えば、アンプリコンの量は、PCRなどの熱サイクルを含む増幅反応の個々の全サイクルを開始する前に測定され得る。あるいは、増幅サイクル間の移行を開始するのに物理的介入を必要としない等温増幅反応は、時間の関数として存在するアンプリコンの量に関する情報を得るために継続的にまたは一定の時間間隔でモニタリングされ得る。
本明細書で使用する場合、「リアルタイム増幅」は、増幅の時間依存的モニタリングが実施される増幅反応を指す。
「エンドポイント増幅」は、産物(アンプリコン)の存在または量が、連続的または一定間隔とは対照的に、反応の完了間近に、または完了時に決定される増幅反応を指す。
本明細書で使用する場合、「ランダムアクセス」能力は、複数の試料に対して2つ以上の異なるアッセイを当該試料がグループ化されたかまたはシステムにロードされた順序とは独立した任意の順序で実施するシステムの能力を指す。例えば、試料が試料1、2、3、4、5として順番にロードされた(またはグループとして同時にロードされた)場合、ランダムアクセス能力を有するシステムは、4、3、2、5、1などの任意の順位で試料に対するアッセイを実行し、当該アッセイは、試料によってそれらの試薬および条件で異なり得る。これは、必ずしもグループ化されているわけではない試料に対する同一のアッセイを実行する能力を含む。例えば、アッセイAは試料4および2に対して、アッセイBは試料3に対して、ならびにアッセイCは試料5および1に対して実行され得る。幾つかの実施形態では、ランダムアクセスシステムは、1つ以上の試料に対するIVDアッセイを、他の試料(複数可)に対するLDTおよび/またはASR(複数可)を使用したアッセイと同時に実行するかまたは実行することができる。
本明細書で使用する場合、「標的核酸分析物依存的蛍光」は、プローブの標的核酸分析物との相互作用から直接または間接的に生じるフルオロフォアから発光される蛍光を指す。これは、以下によって生成される蛍光を含む(が、それらに限定されない):(i)例えば、トーチまたはビーコンが標的とハイブリダイズし、これによりフルオロフォアとクエンチャーまたはFRETアクセプターとの間の距離を増加させる構造変化を受け、したがって、フルオロフォアによる観察可能な発光を増加させるアッセイにおける分子トーチまたは分子ビーコンなどの自己ハイブリダイズするプローブ;(ii)例えば、プローブが標的とハイブリダイズし、これによりプローブの5’−3’エキソヌクレオリシス(exonucleolysis)およびフルオロフォアとクエンチャーまたはFRETアクセプターとの間の距離の増加をもたらし、したがって、フルオロフォアによる観察可能な発光を増加させるアッセイにおけるTaqMan(登録商標)プローブ;および(iii)例えば、一次プローブが標的とハイブリダイズし、開裂を受けて二次Invaderプローブとハイブリダイズする断片を放出し、次いで、これがそれ自身開裂を受け、フルオロフォアを含む断片を放出し、したがって、フルオロフォアのクエンチャーまたはFRETアクセプターからの距離を増加させ、フルオロフォアによる観察可能な発光を増加させるアッセイにおける二次Invaderプローブ。
核酸増幅アッセイは、アッセイにおいて実行されるべきステップを定義するパラメータに従ってシステム1000によって実施される。これらのパラメータには、とりわけ、抽出物の種類/量、使用されるべき増幅および検出試薬、プロセス条件(例えば、インキュベーション条件、混合速度および時間、温度サイクリングパラメータなど)、分析物などが含まれ得る。本明細書で使用する場合、「アッセイパラメータ」は、アッセイ(例えば、IVDアッセイ、LDT、またはASR試薬を必要とするアッセイ)を定義するパラメータを指す。
本明細書で使用される場合、「グラフィカルユーザインタフェース」または「GUI」は、ユーザがコンピュータシステムと視覚的に相互作用することを可能にするグラフィックベースのユーザインタフェースを指す。ユーザは、ウィンドウ、アイコン、およびボタンなどのインタラクティブな画像表現を指すか、インタラクティブで選択可能なメニューを指すか、またはそのようなウィンドウ、アイコン、ボタン、およびメニューの間に配置されたテキストフィールドにテキストを入力することにより、ファイル、プログラム、コマンドを選択するか、またはデータおよびテキストを入力することができる。
既知の標準化されたアッセイについて、アッセイパラメータは、固定され、ユーザによって変更できない(例えば、IVDアッセイ)。したがって、既知の標準化されたアッセイに関連するアッセイパラメータは、本明細書では「システム定義のアッセイパラメータ」と称される。対照的に、ユーザまたは第三者によって開発されたアッセイ(例えば、ASRを使用するアッセイを含むLDT)については、アッセイを定義するアッセイパラメータの少なくとも一部は、ユーザ/第三者によって開発/決定/提供される。本開示において、用語「ユーザ定義のアッセイパラメータ」は、ユーザによって定義されるアッセイパラメータを指すために使用される。
本説明は、構成要素、装置、位置、特徴、またはそれらの一部の位置および/または配向を説明する際、相対的空間および/または配向の用語を使用し得る。具体的に記載されない限り、または別様に説明の文脈によって示されない限り、限定ではないが、上部、底部、上方、下方、下、上、上側、下側、左、右、正面、背面、隣、隣接、間、水平、垂直、対角線、縦方向、横方向、半径方向、軸方向等を含む、そのような用語が、便宜上、かかる構成要素、装置、位置、特徴、またはそれらの一部を図面で参照する際に使用されるが、限定であることを意図するものではない。さらに、「約」、「実質的に」、「ほぼ」などの相対的な語句が、明示される数値または範囲の±10%の可能な変動を示すために使用される。本出願において使用される見出しは、単に、読者の注意を本開示のシステムの種々の側面に向けさせることを意図し、本開示を限定することを意図するものではない。同様に、見出しは、ある項に記載の材料、特徴、態様、方法、または手順が、別の項に適用されないことを示唆することを意図するものではない。
本開示の態様は、「リアルタイム」増幅アッセイおよび「エンドポイント」増幅アッセイを含む核酸分析アッセイとともに使用され得る、分析システムおよび方法を含む。本明細書における説明に従って実施されるアッセイは、従来の技術を使用して患者試料中の細胞または標的生物もしくはウイルスから核酸を捕捉、増幅、および検出することを含み得る。かかる従来の技術は、標的核酸を単離および精製するためのガラスビーズまたは磁気粒子などの固体支持体上での標的捕捉、標的とされる核酸配列(またはその相補体)のコピー数を増加させるための核酸増幅反応、および標的核酸の存在または量を決定するための検出モダリティを含む。
図1Aおよび1Bは、複数の試料を同時に分析するために使用され得る例示的な分析システム1000を示す。図1Aは、システム1000の斜視図であり、図1Bは、内部の特徴を示すためにその天蓋が除去されたシステム1000の図である。下記の説明において、図1Aおよび1Bの両方の参照がなされる。システム1000は、システムに導入された複数の試料から得られた核酸を単離および精製し、試料のうちのいずれかに含有される標的核酸を異なる構成のアッセイ試薬を使用して増幅および検出するように構成される。幾つかの実施形態では、より詳細に後述するように、システム1000は、IVDアッセイおよびLDTが交互的な様式で実施されるのを可能にするランダムアクセスシステムであり得る。システム1000は、任意のタイプの分子アッセイを実施するように構成され得る。幾つかの実施形態では、システム1000は、複数の試料に対する複数の異なる(例えば、異なる構成の)分子アッセイを実施するように構成され得る。例えば、複数の試料は、システム1000にロードされ、標的核酸(またはポリペプチドもしくはプリオンなどの他の高分子)を特異的または非特異的に単離および精製し、試料の第1のサブセットを第1の核酸増幅を実施するための第1のセットの条件下に置き、同時に、試料の第2のサブセットを第2の核酸増幅を実施するための第2のセットの条件下に置くために処理され得、ここで、第1および第2の核酸増幅を実施するための試薬がより詳細に後述するように異なって構成される。
幾つかの実施形態では、システム1000は、モジュラー構造を有し得、作働連結された複数のモジュールから構成され得る。しかしながら、システム1000のモジュラー構造は単に例示であることに留意すべきであり、幾つかの実施形態では、システム1000は、複数の領域またはゾーンを有し、各領域またはゾーンが、例えば、その領域に特有であり得るアッセイの特定のステップを実施する、集積システムであり得る。システム1000は、作動連結された第1のモジュール100および第2のモジュール400を含む。第1のモジュール100および第2のモジュール400は、各々がアッセイの1つ以上のステップを実施するように構成され得る。幾つかの実施形態では、第1および第2のモジュール100、400は、選択的に連結された別個のモジュールであり得る。すなわち、第1のモジュール100は、選択的にかつ作動的に第2のモジュール400に連結され得、第1のモジュール100は、第2のモジュール400から選択的に分離され、異なる第2のモジュール400と連結し得る。第1および第2のモジュール100、400は、任意の方法によって連結されている。例えば、締結具(例えば、ボルトまたはねじ)、クランプ、ベルト、ストラップまたは締結装置/取り付け装置の任意の組み合わせが、これらのモジュールを連結するために使用され得る。前述したように、システム1000のモジュラー構造は単に例示であり、幾つかの実施形態では、システム1000は一体化された自己完結的構造であり得る(例えば、一体化された構造内に第1の領域を形成する第1のモジュール100および第2の領域を形成する第2のモジュール200を有する)。本開示において、用語「モジュール」は、分析システムの領域(ゾーン、位置など)を指すために使用されることに留意されたい。幾つかの実施形態では、各領域は、システムのその領域に特有であり得るアッセイの特定のステップを実施するように構成され得る。
幾つかの実施形態では、電力、データおよび/またはユーティリティー配管もしくは導管(空気、水、真空など)が、第1および第2のモジュール100、400の間で延在し得る。幾つかの実施形態では、第1のモジュール100は、以前に顧客によって購入されたシステムであり得、第2のモジュール400は、複合システムの分析能力を増大させる、その後に取得されたモジュールであり得る。例えば、一実施形態では、第1のモジュール100は、システムに提供された試料に対して試料処理および転写ベースの等温増幅アッセイ(例えば、TMAまたはNASBA)を実施するように構成されたPanther(登録商標)システム(Hologic Inc.、Marlborough、MA)であり得、モジュール400は、とりわけ、例えばリアルタイムPCR反応を可能にするための熱サイクル能力を追加することによってPanther(登録商標)システムの機能を拡張するように構成された、追加されたものであり得る。例示的な第1および第2のモジュール100、400を有する例示システム1000は、米国特許第9,732,374号、9,465,161号および9,604,185号ならびに米国特許出願公開第2016/0032358号に記載されている、Panther Fusion(登録商標)システム(Hologic Inc.、Marlborough、MA)である。第1および第2のモジュール100、400の例示的なシステム、機能、装置または構成要素および能力は、上述した刊行物において(および以下で指定される刊行物において)記載されており、したがって、簡潔さのために本明細書において詳述しない。
第1のモジュール
幾つかの実施形態では、第1のモジュール100は、複数の垂直に積み重ねられたデッキを含み得る。図2Aおよび2Bは、第1のモジュール100の中間デッキの代表的実施形態の平面図を示し、図2Cは、例示的な実施形態の第1のモジュール100の頂部デッキの平面図を示し、図2Dおよび2Eは、第1のモジュール100の底部デッキの代表的実施形態の平面図を示す。下記の説明において、図2A〜2Eの参照がなされる。図2A〜2Eの一部は、システム1000の異なる実施形態の平面図を示すことに留意されたい。したがって、1つの図に関して記載された構成要素の一部は、可視的でなくてもよく、または別の図の異なる位置に配置されていてもよい。示されるように、第1のモジュール100は、少なくとも1つの分析物(例えば、標的核酸)を検出するように設計されたマルチステップ分子アッセイの1つ以上のステップを実施するように構成され得る。第1のモジュール100は、反応容器を受容および保持し、一部の例では、容器の内容物に対してプロセスステップを実施するように構成された、容器を受容する構成要素を含み得る。例示的なプロセスステップは、以下を含み得る:試料ならびに/または、例えば、標的捕捉試薬、緩衝液、油、プライマーおよび/もしくは他の増幅オリゴマー、プローブ、ポリメラーゼなどを含む試薬を反応容器に分配すること;反応容器から、例えば、試料の固定化されていない成分または洗浄溶液を含む材料を吸引すること;反応容器の内容物を混合すること;反応容器の内容物の温度を維持および/または変化させること;反応容器または試薬コンテナの内容物を加熱または冷却すること;反応容器の内容物の1つ以上の成分の濃度を変化させること;反応容器の内容物の構成成分を分離または単離すること;反応容器の内容物からの電磁放射線(例えば、可視光)などのシグナルを検出すること;および/または核酸を非活性化すること、もしくは進行中の反応を停止させること。
幾つかの実施形態では、第1のモジュール100は、複数の空の反応容器を受容および支持するように構成された容器引き出しまたはコンパートメント102を含み得る。コンパートメント102は、コンパートメントにアクセスして、反応容器をロードするためのカバーまたはドアを含み得る。コンパートメント102は、反応容器を容器ピックアップ位置(例えば、登録された位置または既知の位置)に移動させて容器分配器による反応容器の取り出しを容易にするための容器供給装置をさらに含み得る。第1のモジュール100は、バルク試薬(すなわち、複数のアッセイを実施するのに十分な試薬量)を保持するかまたは廃棄材料を受容および保持するように構成されたコンテナを貯蔵するように構成された1つ以上のコンパートメント(例えば、図2Dおよび2Eのコンパートメント103)をさらに含み得る。上記バルク試薬には、液体、例えば、水、緩衝液、標的捕捉試薬、ならびに核酸増幅試薬および検出試薬が含まれ得る。幾つかの実施形態では、バルク試薬コンテナコンパートメントは、コンテナを所望の温度に(例えば、所定の貯蔵温度に)維持するように構成され得、コンテナを保持および/または撹拌してそれらの内容物を溶液または懸濁液中に維持する保持構造を含む。液体コンテナを支持および撹拌するための例示的な保持構造は、米国特許第9,604,185号に記載されている。
第1のモジュール100は、試料収容容器を有する1つ以上の試料保持ラック10を支持する試料格納部8をさらに含み得る(図2C、3A〜3Cを参照のこと)。また第1のモジュール100は、液体(例えば、試料流体、試薬、バルク流体、廃液など)を反応容器および/または他のコンテナへ、およびから移送するための1つ以上の流体移送装置(図25の流体移送装置805を参照のこと)をも含み得る。幾つかの実施形態では、流体移送装置は、反応容器、試薬を保持するバルクコンテナ、および試料を保持するコンテナへの制御された自動化された移動およびアクセスのために構成された1つ以上のロボットピペッター(例えば、図25のピペッター810、820)を含み得る。幾つかの実施形態では、流体移送装置は、流体ディスペンサー、例えば、他の装置内に配置され、適切な流体導管によってコンテナ(例えば試薬を保持するバルクコンテナ)に、および当該コンテナからディスペンサーへの流体の移動を引き起こすためのポンプまたは他の装置に接続されたノズルをも含み得る。第1のモジュール100は、試料容器(図2Aおよび2Bを参照のこと)ならびに試料容器および試薬コンテナを支持するための他の形態のホルダを受容するように構成されたロードステーション104、106、108などの複数のロードステーション(例えば、加熱されたロードステーション)をさらに含み得る。例示的なロードステーションおよび容器ホルダは、米国特許第8,309,036号に記載されている。
幾つかの実施形態では、試料格納部8は、側壁12、16および底板20を有するボックス状構造である。図3Aおよび3Bは、システム1000とともに使用され得る試料格納部8の異なる実施形態を示す。下記の説明において、図3Aおよび3Bの参照がなされる。壁12、16は、断熱され得る。試料格納部8は、端部が壁12、16によって保持された試料格納部カバー40をさらに含む。試料格納部8の前部32は、試料を収容する容器107を有する試料保持ラック10が試料格納部8に挿入されるのを、および試料格納部8から取り外されるのを可能にするために開いている(図3Bを参照のこと)。図3Cは、試料格納部8に挿入されている、試料を収容する容器107を有する試料保持ラック10を示す。図3Bに見られるように、底板20は、正確にかつ再現可能に各ラックを配置するために各試料保持ラック10の底部に形成された嵌合ガイドに係合する試料ラックガイド22をさらに含み得る(図3Bを参照のこと)。試料格納部8は、側壁12に取り付けられ、バーコードリーダ18を側壁12に形成されたバーコードウィンドウ14(図3Aに見られる)に対する操作位置に保持するように構成されたバーコードブラケット34をさらに含む(図2Cおよび3Bを参照のこと)。バーコードリーダ18は、試料保持ラック10の各々に保有される個々の試料容器107のバーコードおよび試料保持ラック10自体のバーコードを読み取るように構成されている(図3Cを参照のこと)。バーコードは、試料保持ラック10が試料格納部8に押し込まれるか、または試料格納部8から取り外される際にバーコードウィンドウ14を通して読み取られ得る。
図4Aおよび4Bは、試料格納部8とともに使用され得る試料保持ラック10の異なる実施形態を示す。下記の説明において、図4Aおよび4Bの参照がなされる。試料保持ラック10は、試料を収容する複数の容器107を受容および保持するのに適している。幾つかの実施形態では、容器107は、試験管などの管状コンテナであり得るかまたはこれを含み得る。試料保持ラック10は、容器ホルダ2およびカバー3を含む。容器ホルダ2は、試料保持ラック10を把持し、試料格納部8に挿入するための取っ手4を含む。図3Cおよび4Bに図示するように、試料を収容する容器107は、ラック10にロードされ、ラック10はロードステーション104の試料格納部8に挿入され得る。幾つかの実施形態では、ロードステーション104は、試料を収容する容器107を任意の順序で、かついつでも(例えば、システム1000が一部の試料に対するアッセイを実施するとともに)試料格納部8にロードすることができるように構成される。例えば、異なる、新規の、または最近到着した試料を有するラック10は、ラック10にロードされ、ロードされたラック10は、システム1000が他の試料に対するアッセイを実施している途中である一方でロードステーションの試料格納部8に挿入され得る。一実施形態では、バーコードなどの機械可読なラベルは、取っ手4の近くの容器ホルダ2上に提供される(図3Cを参照のこと)。
図2Aおよび2Bを参照して、幾つかの実施形態では、第1のモジュール100は、1つ以上の磁気集積ステーション110および周囲温度より高い温度で反応容器の内容物を加熱(および/または維持)するように構成された加熱されたインキュベーター112、114、116、および周囲温度より低い温度で反応容器の内容物を冷やす(および/または維持する)ように構成された1つ以上の冷却モジュール122を含み得る。冷却モジュール122は、発光測定を実施する前に、オリゴハイブリダイゼーションを促進し、容器(例えば、図19を参照して後述するMRU160)を冷却するために使用され得る。幾つかの実施形態では、インキュベーター112(遷移インキュベーターと称され得る)は、約43.7℃の温度に設定され得、プロセスステップ、例えば、溶菌、標的捕捉およびハイブリダイゼーションのために使用され得る。インキュベーター114は、幾つかの実施形態では、約64℃の温度に設定され得る高温インキュベーターであり得、プロセスステップ、例えば、溶菌、標的捕捉およびハイブリダイゼーションのために使用され得る。インキュベーター116(増幅インキュベーターと称される)は、約42℃の温度に設定されてもよく、アッセイの間、増幅のために使用されるインキュベーターであってもよい。インキュベーター116は、増幅の間に蛍光を検出するためのリアルタイム蛍光光度計を含み得る。例示的な温度ランピングステーションは、米国特許第8,192,992号に記載されており、例示的なインキュベーターは、米国特許第7,964,413号および8,718,948号に記載されている。第1のモジュール100は、標的核酸または他の分析物(例えば、磁気応答性固体支持体に固定化された)を容器の残存する内容物から分離または単離するのに適した磁気洗浄ステーション118、120などの試料処理装置を含み得る。
図2Fは、第1のモジュール100の(内部詳細を示すために)側板が除去された例示的な磁気洗浄ステーション120を示す。一部のアッセイにおいて、試料は、磁気洗浄ステーション118、120において分析物(例えば、標的核酸)の検出に干渉することができる分離材料で処理される。これらの干渉材料を除去するために、試料は、分析物を固定化するための磁気応答性固体支持体を含む標的捕捉試薬で処理され得る。適切な固体支持体は、常磁性粒子(0.7〜1.05ミクロンの粒子、Sera−Mag(商標)MG−CM(Seradyn,Inc.、Indianapolis、Indianaから入手可能))を含み得る。固体支持体を磁力に近接させた場合、固体支持体は、懸濁液から引き出され、試料保持コンテナの表面に接近して凝集し、これにより、コンテナ中で任意の固定化された分析物を単離する。次いで、試料の固定化されていない成分は、吸引され得るか、またはそうでなければ固定化された分析物から分離され得る。磁気洗浄ステーション120は、上部セクション255および下部セクション257を有するモジュールハウジング256を含む。取り付けフランジ258、259は下部セクション257から伸び、洗浄ステーション120を第1のモジュール100の支持面に取り付ける。挿入口263は、下部セクション257の前壁を通して伸び、第1のモジュール100の容器分配器150(図2Aを参照のこと)がMRU160(図19を参照して記載される)(または別の容器)を磁気洗浄ステーション120のハウジング256に配置するのを(およびハウジング256からMRU160を取り外すのを)可能にする。容器搬送ユニット265は、磁気洗浄ステーション120内でMRU160を支持するために挿入口263に隣接して配置される。幾つかの実施形態では、容器搬送ユニット265は、MRU160を容器搬送ユニット265に取り外し可能に保持するためのバネクリップ(または別の保持機構)を含み得る。軌道ミキサアセンブリ266は、容器搬送ユニット265によって保持されるMRU160の内容物を軌道混合するために搬送ユニット265に連動する。軌道ミキサアセンブリ266は、容器搬送ユニット265に(駆動機構によって)連動するステップモータ267を含み、したがって、モータ267が回転する際、搬送ユニット265が水平軌道内を移動してMRU160の内容物を混合する。
磁気洗浄ステーション120は、1つ以上の磁石を容器搬送ユニット265のMRU160に向けて動かすおよびMRU160から離すように構成された磁石移動装置268を含む。図2Fに示される実施形態において、磁石移動装置268は、回転中心269の周りを回転可能なように構成された回転可能な構造である。磁石移動装置268は永久磁石270を保有し、これは磁石移動装置268に形成されたスロット271の両側に配置される。幾つかの実施形態では、磁石移動装置は5個の磁石270を含み、容器搬送ユニット265に保有されるMRU160の各個別の容器162に対応する。幾つかの実施形態では、磁石270は、ネオジム鉄ホウ素(NdFeB)製であり得る。一般に272に代表される電気アクチュエータは、磁石移動装置268を上下に回転させる、これにより、容器搬送ユニット265に支持されるMRU160に対する操作位置と非操作位置との間で磁石270を移動させる。操作位置において、磁石270は、MRU160の各容器162に近接して配置され、その結果、各容器162の内容物と混合された磁気応答性固体支持体は、磁石270の磁界の引力によって懸濁液から引き出される。非操作位置において、磁石270は、容器162の内容物に対する実質的な効果を有さないように容器162から十分離して配置される。本発明の文脈において、「実質的な効果がない」とは、磁気応答性固体支持体が磁石270の磁界の引力によって懸濁液から引き出されないことを意味する。
図2Gは、(図2Fの)磁気洗浄ステーション120の磁石移動装置268の別の実施形態を示す。図2Gの磁石移動装置268は、(モジュールハウジング256の)下部セクション257内に配置された磁石滑動部250および容器搬送ユニット265に支持されるMRU160に対する非操作位置(図2Gに示すように)と操作位置との間で磁石滑動部250を移動させる駆動システム294を含む。磁石滑動部250は、それを通して長手方向に伸びている細長い開口部288(幾つかの実施形態では、実質的に長方形の形状を有する)を含む。第1の磁石290は開口部288の片側に配置されており、第2の磁石291は開口部288の反対側に配置されている。幾つかの実施形態では、単一の磁石290および291個の代わりに5個の別個の磁石(幾つかの実施形態では、約12mm×12mm×8mmのサイズを有し、NdFeB製である、n−40グレード)が滑動部250の対向側に提供され得る。駆動システム294は、縦軸の周りを回動可能となるように両端部が下部セクション257の壁に軸支されているねじ山付き打込みねじ292を含む。駆動モータ296は、駆動ベルト293を介して打込みねじ292に連動している。駆動モータ296の回転は、打込みねじ292に対する長手方向の磁石滑動部250の線形並進を引き起こす。打込みねじ292の一方向の回転は、磁石滑動部250のMRU160の方への並進を引き起こし、磁石290および291をそれらの操作位置へと移動させる。打込みねじ292の逆方向の回転は、磁石滑動部250の逆方向の並進を引き起こし、磁石290および291をそれらの非操作位置(図2Gに示す位置)へと移動させる。磁石滑動部250が非操作位置から操作位置に移動する場合、MRU160は、磁石滑動部250の長軸方向の開口部288を通過し、第1の磁石290と第2の磁石291との間に配置される。
図2Fを引き続き参照して、磁気洗浄ステーション120は、モジュールハウジング256を通して延在して洗浄溶液送出網を形成する洗浄溶液送出管281を含む。送出管281に接続されたノズルは、容器搬送ユニット265に支持されたMRU160の各容器162の上方に位置する。幾つかの実施形態では、洗浄溶液がMRU160の各容器162の側面を伝って落ち、側面に密着した材料を洗い落すように、これらのノズルは各容器162に対して片寄った様式で配置され得る。適切な洗浄溶液は当業者に公知であり、その例は、10mMのTrizma塩基、0.15MのLiCl、1mMのEDTA、および3.67mMのラウリル硫酸リチウム(LLS)をpH7.5で含有する。また管ホルダ284に連結された吸引管282は、磁気洗浄ステーション120のハウジング256を通して延在する。吸引管282に連結された吸引ホース283は、真空ポンプ824(図2Dを参照のこと)まで延在する。管ホルダ824は、リフトモータ286によって作動される打込みねじ285に取り付けられている。管ホルダ284および吸引管282は、各吸引管282がディスポーザブルチップ(例えば、図19を参照して後述するMRU160のチップレット168)と摩擦係合するようにリフトモータ286および打込みねじ285によって降ろされる。
吸引管282のチップレット168との係合が成功した後(図19を参照のこと)、軌道ミキサアセンブリ266は、容器搬送ユニット265を流体移送位置に移動させる。次いで、磁石移動装置268は、磁石270(または図2Gの磁石290および291)をMRU160の容器162の両側に隣接した操作位置へと移動させる。容器162の内容物が磁石270(または図2Gの磁石290、291)の磁界下に置かれると、固定化された標的核酸を有する磁気応答性固体支持体が磁石270(または図2Gの磁石290、291)に隣接した個々の容器162の側面に引き出される。磁石移動装置268は、アッセイプロトコルによって定義されるように適切な停滞時間の間、操作位置に維持され、磁気固体支持体をそれぞれの容器162の側面に接着させる。次いで、吸引管282はMRU160の容器162内へと降ろされて、個々の容器162の流体内容物を吸引される一方で、磁気固体支持体が容器162内に、その側面に沿って磁石270に隣接して凝集した状態で残される。吸引管282の端部に取り付けられたチップレット168は、各容器162の内容物が、吸引手順の間、吸引管282の側面に接触しないことを確実にする。チップレット168は、吸引管282による相互汚染の可能性を低減するために、後続のMRU160が磁気洗浄ステーション120で処理される前に廃棄される。
吸引後、吸引管282は引き上げられ、磁石移動装置268は磁石270(または図2Gの磁石290、291)をその非操作位置へ移動させる。次いで、容器搬送ユニット265は、液体分配位置に移動され、所定の量の洗浄溶液が、洗浄溶液送出管281に接続されたノズルを通してMRU160の各容器162に分配される。次いで、軌道ミキサアセンブリ266は、容器キャリア265を水平軌道で高振動数で動かして(一実施形態では、14HZ、1秒に0〜14HZ加速する)、MRU160の内容物を混合する。混合後、軌道ミキサアセンブリ266は、容器搬送ユニット265を流体移送位置で停止させる。幾つかの実施形態では、磁石移動装置268は、再び操作位置に移動され、所定の停止時間の間、操作位置に維持される。磁気滞留後、係合したチップレット168を有する吸引管282は、容器162内に降ろされて、上記したように試験検体液および洗浄溶液を吸引する。幾つかの実施形態では、複数の洗浄サイクル(各々が分配、混合、磁気滞留、および吸引シーケンスを含む)が、アッセイプロトコルによって定義されるように実施され得る。例示的な磁気洗浄ステーションは、米国特許第6,605,213号および9,011,771号に記載されている。
図2Aおよび2Bを引き続き参照して、第1のモジュール100は、反応容器を受容し、反応容器の内容物によって放出されるシグナル(例えば、光シグナル)を検出するように構成された検出器124を含み得る。一実施態様では、検出器124は、反応容器の内容物によって放出される発光シグナルを検出するための照度計および/または反応容器の内容物からの蛍光放出を検出するための蛍光光度計を含み得る。また第1のモジュール100は、核酸増幅などのプロセスが反応容器内で起きている間にインキュベーターに収容された容器の内容物によって放出されるシグナルを(例えば、周期的間隔で)検出するように構成された1つ以上の信号検出装置、例えば蛍光光度計(例えば、1つ以上のインキュベーター112、114、116に連結された)を含み得る。例示的な照度計および蛍光光度計は、米国特許第7,396,509号および8,008,066号に記載されている。
第1のモジュール100は、図示された実施形態において容器を第1のモジュール100の各種装置間で移動させるように構成された容器分配器150を含む容器移送装置をさらに含み得る(例えば、試料格納部8、インキュベーター112、114、116、ロードステーション104、106、108、磁気集積ステーション110、洗浄ステーション118、120および冷却モジュール122)。これらの装置は、容器移送ポータル(例えば、開けられるドアによって覆われたポート)を含み得、容器はこれを通して装置に挿入されるかまたは装置から取り出される。容器分配器150は、運搬トラックアセンブリ154に沿ってX方向に移動し、シータ(Θ)方向に回転し、R方向に移動して、容器を第1のモジュール100の装置の内外に移動させるように構成された容器分配ヘッド152を含み得る。例示的な容器分配器、例示的な容器移送ポータルドア、およびドアを開けるための機構は、米国特許第8,731,712号に記載されている。
第2のモジュール
例示的な実施形態において、第2のモジュール400は、核酸増幅反応(例えば、PCR)を実施し、リアルタイムで蛍光を測定するように構成されている。システム1000は、システム1000に所望のアッセイの異なるステップを実施するように指示するコントローラ(より詳細に後述される)を含み得る。コントローラは、LIS(「検査室情報システム」)接続およびリモートユーザアクセスに対応し得る。幾つかの実施形態では、第2のモジュール400は、溶融分析などの追加の機能を可能にする構成要素モジュールを格納する。第2のモジュールにおいて使用するのに適し得る溶融ステーションの例は、米国特許第9,588,069号に記載されている。他の装置には、プリンタおよび随意の無停電電源装置が含まれ得る。
図1Bに関して、幾つかの実施形態では、第2のモジュール400は、異なる機能のために構成された装置を含む複数の垂直に積み重ねられた階層(またはデッキ)を含む。これらの階層には、増幅処理デッキ430および容器処理デッキ600が含まれる。図示された実施形態では、容器処理デッキ600は、増幅処理デッキ430の下に配置される。しかしながら、これは必要条件ではなく、デッキ(および、それらの装置)の垂直方向の順序は、分析システム1000の使用目的により異なり得る。例示的な増幅処理デッキ430の異なる実施形態の概略平面図を、図5A、5Bおよび5Cに示す。例示的な容器処理デッキ600の異なる実施形態の概略平面図を、図5D、5Eおよび5Fに示す。以下の記載において、図5A〜5Fの参照がなされる。しかしながら、後述する特徴および構成要素の一部は、すべてのこれらの図において可視的でなくてもよいことに留意されたい。第2のモジュール400は、異なる階層に配置される装置を含み得る。これらの装置としては、とりわけ、1つ以上のロボットピペッター410の形態の流体移送装置(図1Bを参照のこと)、シグナル検出器4020を有するサーマルサイクラー432(図16Dを参照のこと)、ピペッター410のためのディスポーザブルチップのトレイを貯蔵するように構成されたチップコンパートメント580、ディスポーザブル処理バイアルおよび付随するキャップのトレイ460を貯蔵するように構成されたキャップ/バイアルコンパートメント440、バルク試薬コンテナコンパートメント500、バルク試薬コンテナ移送機構1700、容器受け渡し装置602を含む容器分配システムおよび(例示的な図示された実施形態における回転式分配器を含む)容器分配器312を含む容器分配システム200、容器および/または(例えば、一体成形の一体型ユニットとして連結された複数の容器を含む)多容器ユニット(MRU)を貯蔵するように構成された容器貯蔵ユニット608、610、612、磁気スロット620、1つ以上のダストシュートに連結された廃棄ビン、遠心分離機588、試薬パック入替え装置700、試薬パックロードステーション640、ならびに付属品、例えば、消耗品および/またはキャップ/バイアルアセンブリ後のための貯蔵トレイ452を貯蔵するように構成された1つ以上のコンパートメント450(図1Bを参照のこと)が挙げられる。ディスポーザブル処理バイアルおよびキャップのためのトレイ460の代表的実施形態は、米国特許出願公開第2017/0297027A1号に開示されている。システム1000の幾つかの装置および特徴は、本明細書において指定される米国特許第9,732,374号および他の参考文献に記載されている。したがって、簡潔さのために、これらの装置および特徴を本明細書において詳述しない。
図示された実施形態では、ロボットピペッター410は、第2のモジュール400の最上部近くに配置される。ロボットピペッター410下において、増幅処理デッキ430は、バルク試薬コンテナコンパートメント500、遠心分離機588、サーマルサイクラー432の最上部、チップコンパートメント580、およびキャップ/バイアルコンパートメント440を含む。増幅処理デッキ430下において、容器処理デッキ600は、容器受け渡し装置602、容器分配器312、容器貯蔵ユニット608、610、612、磁気スロット620、試薬パック入替え装置700、および試薬パックロードステーション640を含む。図4Dに見られるように、容器処理デッキ600の磁気スロット620および試薬パックロードステーション640は、ロボットピペッター410によって増幅処理デッキ430の装置間の隙間を通してアクセス可能である。
容器貯蔵ユニット608、610、612において容器は、開口端および反対側の閉成端を有する個々の容器(例えば、液体を貯蔵するように構成されたコンテナ)またはユニット(MRU)として連結された複数(例えば、5つ)の容器を含み得る。これらのMRUは、システム1000の異なる装置間で容器を移動させるためのロボット制御された容器分配システムの係合部材(例えば、フック)によって係合されるように構成されている操作構造を含み得る。例示的な容器は、米国特許第6,086,827号および9,732,374号に記載されている。以下でより詳細に記載されるように、容器受け渡し装置602および容器分配器312を含む容器分配システム200は、第1のモジュール100の容器分配器150から容器またはMRUを受容し、容器を第2のモジュール400に移送し、第2のモジュール400の異なる位置に容器を移動させるように構成されている。
試薬コンテナコンパートメント
図1Bに関して、第2のモジュール400のバルク試薬コンテナコンパートメント500は、複数の試薬コンテナを保持するように構成されている。第2のモジュール400のドアまたはカバーパネルは、試薬コンテナコンパートメント500の内容物にアクセスするために開かれ得る。幾つかの実施形態では、自動ロック(例えば、システム1000のコントローラによって起動される)は、第2のモジュール400が動作している時に試薬コンテナコンパートメント500が引き開けられるのを防止し得る。幾つかの実施形態では、可視および/または可聴の警告信号が、試薬コンテナコンパートメント500が適切に閉じられていないことを示すために提供され得る。図6Aは、開口状態の試薬コンテナコンパートメント500を有するシステム1000の一部の斜視図である。図6Bは、第2のモジュール400から分離された例示的な試薬コンテナコンパートメント500の斜視図である。下記の説明において、図6Aおよび6Bの両方の参照がなされる。図6Aに図示するように、試薬コンテナコンパートメント500は、システム1000上で分析手順を実施するのに使用するための試薬を保有するコンテナをロードするために第2のモジュール400の本体からスライドアウトするキャビネットであり得る。試薬コンテナコンパートメント500は、同一のまたは異なるタイプの試薬を保有するコンテナを保持するように構成された1つ以上のトレイまたはコンテナキャリアを含み得る。一般に、コンテナキャリアは、液体が充填されたコンテナをその中に受容するように形成された1つ以上のポケットまたは空洞を含む構成要素であり得る。幾つかの実施形態では、コンテナキャリアは、非導電性プラスチックまたは高分子材料を使用して成形された構成要素であり得る。図6Bに示されるように、一部の代表的実施形態では、試薬コンテナコンパートメント500は、第1の試薬コンテナキャリア1500および第2の試薬コンテナキャリア1600という2つの試薬コンテナキャリアを含む。幾つかの実施形態では、第2のモジュール400は、(幾つかの実施形態では、コンパートメント500と同様に)各々が1つ以上の試薬コンテナを支持する複数のバルク試薬コンテナコンパートメントを含み得ることに留意されたい。これらの複数のコンパートメントの一部は、試薬コンテナを異なる温度(冷却、加熱など)に維持するように構成され得る。
第1の試薬コンテナキャリア
必要条件ではないが、幾つかの実施形態では、第1の試薬コンテナキャリア1500は、各々が溶出緩衝液などの試薬を中に収容する試薬コンテナ1520を受容するように構成された2つのポケット1510を含む構成要素であり得る。第2の試薬コンテナキャリア1600は、試薬保有するコンテナを中に受容するように構成された複数のポケット1610(例えば、6つのポケット)を有する構成要素であり得る。図6Cは、第1の試薬コンテナキャリア1500および第2の試薬コンテナキャリア1600を有する例示的な試薬コンテナコンパートメント500を示す。図6Cに図示される実施形態では、第1の試薬コンテナキャリア1500が、その2つのポケット1510のうちの1つに配置された1つの試薬コンテナ1520とともに示され、第2の試薬コンテナキャリア1600が、その6つのポケット1610のうちの2つにある2つの溶媒コンテナ(例えば、IVD溶媒コンテナ1620およびLDT溶媒コンテナ1920)とともに示される。幾つかの実施形態では、第2の試薬コンテナキャリア1600は、6つのポケット1610を含み得、図6Bに図示されるように、これらの6つのポケット1610は、例えば、2つの油コンテナ1820および4つの溶媒コンテナ(例えば、2つのIVD溶媒コンテナ1620および2つのLDT溶媒コンテナ1920など)を受容するように構成され得る。一般に、6つのポケット1610は、任意のコンテナ1620、1820、1920を含み得る。図6Dは、ポケット1610に2つの油コンテナ1820、1つのIVD溶媒コンテナ1620および3つのLDT溶媒コンテナ1920を有する例示的な第2の試薬コンテナキャリア1600の平面図である。図6Dに図示するように、システム1000は、コンテナキャリア1600の異なるポケット1610に配置された油コンテナ1820および溶媒コンテナ(1620または1920)を「Oil A」、「Oil B」、および「Recon 1」、「Recon 2」などと識別し得る。幾つかの実施形態では、図6Bに図示するように、油コンテナ1820は、IVD溶媒コンテナ1620と構造的に類似していてもよい。しかしながら、これは必要条件でなくて、一般に油コンテナ1820は、任意の形状および形体であり得る。必要条件ではないが、幾つかの実施形態では、第1の試薬コンテナキャリア1500および第2の試薬コンテナキャリア1600は、お互いに隣接して配置されるか、または離れて配置される別個の構成要素であり得る。一般に、試薬コンテナコンパートメント500は、各々が任意の数のポケットを有する、任意の数のコンテナキャリアを含み得る。例えば、幾つかの実施形態では、6つのポケット1610を有する単一の第2の試薬コンテナキャリア1600の代わりに、ポケット(例えば、それぞれ3つのポケット)を有する複数の単一試薬コンテナキャリア(例えば、2つ)が、試薬コンテナコンパートメント500に提供され得る。コンテナキャリア内のポケットの数およびサイズは、とりわけ、意図されるスループットおよび必要とされる消耗品補充間の所望の期間を考慮して決定され得る。幾つかの実施形態では、第2の試薬コンテナキャリア1600内のポケット1610のサイズおよび外形は、同一であるか、または実質的に同じであり得る。かかる実施形態では、同一のまたは実質的に同じ外部寸法を有するIVD溶媒コンテナ1620およびLDT溶媒コンテナ1920が、ポケット1610に配置され得る。試薬コンテナコンパートメント500内のコンテナは、RFIDなどの機械可読コードにより特定され得る。可視的なシグナル(例えば、赤色および緑色LED)および/または他の表示(テキスト、可聴式など)を有する表示パネル1300が、コンテナの状態に関してフィードバックをユーザに提供するために、試薬コンテナコンパートメント500(および/またはコンテナキャリア上)に提供され得る。表示パネル1300は、試薬コンテナコンパートメント500またはコンテナキャリア内の任意の位置に配置され得る(図6Aおよび6Bにおける表示パネル1300の異なる例示的な位置に注意されたい)。試薬コンテナコンパートメント500は、第1の試薬コンテナキャリア1500を第2のモジュール400内の試薬コンテナコンパートメント500から第1のモジュール100内の位置に移動させるように構成されている試薬コンテナ移送機構1700(図6Bを参照のこと)を含み得る。
図7Aは、例示的な第1の試薬コンテナキャリア1500を、その2つのポケット1510のうちの1つの例示的な試薬コンテナ1520とともに示す。図7Bは、断面の斜視図であり、図7Cは、2つのポケット1510の各々に試薬コンテナ1520を有する例示的な第1の試薬コンテナキャリア1500の断面概略図である。第1の試薬コンテナキャリア1500は、試薬コンテナ1520をその中で受容するための2つのポケット1510を形成する基部または容器部1530および容器部1530に取り付けられた、ポケット1510内に試薬コンテナ1520を保持するためのフレーム1540を含み得る。一般に、容器部1530のポケット1510の形状およびサイズは、これらのポケット内に受容される試薬コンテナ1520の形状およびサイズに対応し得る。幾つかの実施形態では、ポケット1510は、試薬コンテナ1520をその中にぴったりと受容するようにサイズ設定され得る。コンテナ1520がポケット1510内に配置され、フレーム1540は容器部1530に取り付けられた場合、フレーム1540の一部は、コンテナ1520の一部を覆って延在し、コンテナ1520のポケット1510からの取り出しを防止する。図7Aおよび7Bに図示するように、フレーム1540は、それを通してコンテナ1520の最上部を露出する開口部を有する窓枠形状を有し得る。幾つかの実施形態では、容器部1530の外表面1532の一部またはすべては、金属被覆され得るか、または試薬コンテナ1520内の液体レベルの容量性検出を支持するために接地され得る。
試薬コンテナ
試薬コンテナ1520は、リザーバーの口を覆うピペッターにより穿孔可能なカバー1550を有する、液体試薬を収容するカップ状リザーバーを含み得る(図7A〜7Cを参照のこと)。幾つかの実施形態では、試薬コンテナ1520内の液体試薬は、溶出緩衝液であり得る。幾つかの実施形態では、カバー1550は、吸引プローブ415、またはロボットピペッター(例えば、ロボットピペッター410、図14A〜14Cを参照のこと)の吸引プローブ415の取り付け端425に固定されたディスポーザブルピペットチップ584によって突き通されるのに適した1つ以上のもろい材料(例えば、ホイル、エラストマーなど)を含み得る。使用される間、吸引プローブ425または(吸引プローブ415に取り付けられた)ピペットチップ425は、ピペッターにより穿孔可能なカバー1550を貫通し、コンテナ1520内に貯蔵された液体にアクセスし得る。図7Cは、カバー1550を貫通することによって試薬コンテナ1520内に貯蔵された液体試薬にアクセスしているピペットチップ584(第2のモジュール400のピペッター410の吸引プローブ415の取り付け端425に固定された)の概略図を示す。幾つかの実施形態では、図7Aに(ならびに図10Aおよび10Bにおいてさらに詳細に)図示するように、開口部を有するプラスチック(または別の硬質材料)のふた1552は、ピペッターにより穿孔可能なカバー1550、および開口部を覆うようにもろいカバー1550と硬質のふた1552との間に配置されたセプタム1554にわたって取り付けられ得る。セプタム1554は、ピペッターにより穿孔可能な材料から作製されてもよく、または吸引プローブ415もしくはピペッター410の取り付け端425に固定されたピペットチップ584がセプタムを通してコンテナ1520にアクセスするのを可能にする特徴(例えば、切れ込みなど)を含んでもよい。かかる実施形態では、吸引プローブ425またはピペットチップ584は、セプタム1554を通してもろいカバー1550に接触し、これを貫通し得る。コンテナ1520からピペットチップ584を引き出す際に、コンテナ1520より上のフレーム1540の一部は、コンテナ1520が第1の試薬コンテナキャリア1500から取り外されるのを阻止し得る。
幾つかの実施形態では、試薬コンテナ1520は、図10Aおよび10Bを参照して以下で述べられるIVD溶媒コンテナ1620と構造的に類似し得る。試薬コンテナ1520の幾つかの例示的な形体は、「Fluid Receptacles」と題された米国特許出願公開第2018/0290141号に記載されている。
幾つかの実施形態では、ピペッター410が試薬コンテナ1520内の液体に接触する際に、コンテナ1520内の液体レベルは、容量性レベル検出を使用して検出され得る。容量性レベル検出を可能にするために、(第1の試薬コンテナキャリア1500の)容器部1530の金属被覆された外表面1532は、システムアース(例えば、システム1000の地表面)に接続され得、吸引プローブ415またはピペッター410の取り付け端425に固定されたピペットチップ584は、電圧源(例えば、交流電圧源)に接続され得る。このような配置では、ピペッター410(および所望により、導電特性を有するピペットチップ584)は、コンデンサの一方の伝導体として機能し、接地された外表面1532は、他方の伝導体として機能する。これらの2つの伝導体間で測定された静電容量シグナル(静電容量に関連したシグナル)は、試薬コンテナ1520内の液体レベルを検出するために使用され得る。使用において、吸引プローブ415(またはピペッター410の取り付け端425に固定されたピペットチップ584)は、コンテナ1520内へと下降する際に、吸引プローブ415(またはピペットチップ584)の位置(高さ)が、静電容量シグナルとともに同時にモニタリングされる。静電容量シグナルが急増する場合(例えば、液体に接触している吸引プローブ415またはピペットチップ584によって引き起こされる急上昇)、吸引プローブ415(またはピペットチップ584)の高さが記録され、これにより、コンテナ1520内の流体表面の高さが確定される。第2のモジュール400のピペッター410を使用したコンテナ1520内の液体の吸引が上記されたが、液体はまた、他の流体移送装置(例えば、第1のモジュール100のピペッター810)を使用してコンテナ1520から抽出され得る。
試薬コンテナ移送機構
試薬コンテナコンパートメント500が閉じられる際(図1Bを参照のこと)、第2のモジュール400の試薬コンテナ移送機構1700は、第1の試薬コンテナキャリア1500を第2のモジュール400から第1のモジュール100内の位置に移動させるために、第1の試薬コンテナキャリア1500のフレーム1540の出っ張りに係合し得る。図8は、第1の試薬コンテナキャリア1500に係合した例示的な試薬コンテナ移送機構1700を示す。試薬コンテナ移送機構1700は、電動モータ1730に作動連結され、システムアースに接続された第2のモジュール400の構造部材に回動可能に連結された連接部1720を含む(すなわち、連接部1720は電気的に接地されている)。試薬コンテナ移送機構1700の起動の際に、連接部1720は、ベアリング1710を介してフレーム1540に係合し、それぞれの回転軸の周りを回転して、第1の試薬コンテナキャリア1500を第2のモジュール400のコンパートメント500から第1のモジュール100内の位置に移動させる。したがって、連接部1720がフレーム1540に係合する場合には、第1の試薬コンテナキャリア1500の金属被覆された部分は、連接部1720を介してシステムアースに電気的に接続されている(または接地されている)。第1の試薬コンテナキャリア1500が第1のモジュール100内に配置される場合には、接地した導電性ブラシ1750が、第1の試薬コンテナキャリア1500の金属被覆された部分(例えば、容器部1530の金属被覆された外表面1532)との電気接触を作る。第1のモジュール100内に配置される場合には、第1のモジュール100の流体移送装置(例えば、ピペッター810のピペットチップ584、図7Cを参照のこと)が、所望の量の試薬、例えば溶出緩衝液にアクセスし、試薬コンテナ1520から吸引し得る。分析手順の間、吸引された試薬は、輸送され、容器またはバイアルへと放出される。代表的実施形態では、試薬流体は、磁気粒子またはシリカビーズなどの固体支持体から標的核酸を溶離するのに有用な溶出緩衝液である。
試薬コンテナキャリア
図6A〜6Cを参照して以前に説明したように、第2の試薬コンテナキャリア1600の複数のポケット1610は、溶媒(例えば、溶媒)を収容する溶媒コンテナ(例えば、IVD溶媒コンテナ1620および/またはLDT溶媒コンテナ1920)および油(例えば、シリコンオイル)を収容する油コンテナ1820を含み得る。当業者ならば周知のように、溶媒および油は、分析システム1000によって実施される分子アッセイにおいて使用される試薬であり得る。図6Cに最もよく示すように、上記の第1の試薬コンテナキャリア1500と同様に、第2の試薬コンテナキャリア1600も、(溶媒コンテナおよび油コンテナを中で支持する)ポケット1610を含む基部または容器部1630およびこれらのコンテナをそれらのそれぞれのポケット1610に保持するふた1640を含み得る。図9A、9Bおよび9Cは、例示的な第2の試薬コンテナキャリア1600のそれぞれ側面斜視図、底面図および断面図である。下記の説明において、図6A〜6Cおよび図9A〜9Cの参照がなされる。一般に、(容器部1630の)ポケット1610の形状およびサイズは、ポケット1610に受容されるコンテナ(例えば、IVDおよびLDT溶媒コンテナ1620、1920ならびに油コンテナ1820)の形状およびサイズに対応し得る。幾つかの実施形態では、図9Bにて図示したように、容器部1630の対向する側部表面は、個々のポケット1610を分離する間隙を含み得る。典型的には、ポケット1610の形状およびサイズは、そのポケット1610に受容される液体が充填されたコンテナの形状およびサイズに適合し得る。例えば、ポケット1610のサイズおよび形状は、それが支持する溶媒コンテナの形状およびサイズに対応し得、これにより、幾つかの実施形態では、静止はまりを提供する。幾つかの実施形態では、ポケット1610は、すべて同一のまたは実質的に同じ形状および寸法を有し得る。しかしながら、ポケット1610が異なる形状および/またはサイズを有し得ることも考えられる(例えば、形状および/またはサイズが異なるコンテナをその中に受容するために)。
図6Cに最もよく示すように、第2の試薬コンテナキャリア1600のふた1640は、上部部分1650およびブラケット部分1660を含み得る。必要条件ではないが、幾つかの実施形態では、上部部分1650は、非導電性の材料から形成され得、ブラケット部分1660は、導電性の材料から形成され得る。幾つかの実施形態では、上部部分1650は、透明または半透明の板状部材であり得る。上部部分1650およびブラケット部分1660は、一緒に取り付けられてふた1640を形成する2つの部分であっても、一体成形のふた1640の2つの領域であってもよい。ふた1640が容器部1630に配置される場合、ふた1640の上部部分1650は、容器部1630の上面の一部を覆って延在し得る。この配置において、上部部分1650は、ポケット1610に配置された溶媒コンテナ1620、1920の一部を覆って延在し(かつ上に重なる)、コンテナ1620、1920がポケット1610から偶然に取り外されるのを防止する。必要条件ではないが、幾つかの実施形態では、上部部分1650の上に重なる領域は、コンテナの下地領域を押し下げて、コンテナをポケット1610内に拘束し得る。ふた1640の上部部分1650によって覆われていない(ポケット1610の)IVD溶媒コンテナ1620および/またはLDT溶媒コンテナ1920の部分は、吸引プローブ415またはピペッター410の取り付け端425に固定されたピペットチップ584にコンテナ1620、1920から溶媒を抽出するためのアクセスを提供する。
図9Aに最もよく示すように、第2の試薬コンテナキャリア1600のふた1640は、試薬コンテナコンパートメント500が閉じられる際に(図1Aを参照のこと)、ふた1640の上部部分1650が、第2の試薬コンテナキャリア1600のポケット1610に配置されたコンテナ1620、1820、1920を覆って延在するように、第2のモジュール400のフレーム/シャーシ1670に取り付けられ得る。この配置である場合、ロボットピペッター410の吸引プローブ415または(吸引プローブ415の取り付け端425に固定された)ピペットチップ584(図14B〜14Cを参照のこと)は、(図10A〜10Cを参照して)以下により詳細に記載されるように、第2の試薬コンテナキャリア1600で配置された溶媒コンテナ1620、1920から溶媒を(および油コンテナ1820から油を)抽出し得る。液体を吸引した後に、ピペッター410の吸引プローブ415(または取り付け端425に固定されたピペットチップ584)がコンテナ(1620、1820、1920)から引き出される際に、コンテナは、そのそれぞれのポケット1610から出てくる傾向を有し得る。上部部分1650は、コンテナ1620、1820、1920の最上部の一部を覆って延在し、コンテナがそのポケットから偶発的に取り外されるのを防止する。試薬コンテナコンパートメント500が開かれる際に(図6Aを参照のこと)、第2の試薬コンテナキャリア1600の容器部1630は、ユーザが、IVD溶媒コンテナ1620、LDT溶媒コンテナ1920、および油コンテナ1820をポケット1610にロード(およびアンロード)できるように、ふた1640の下からスライドアウトする。幾つかの実施形態では、第1の試薬コンテナキャリア1500に関して記載されたものと同様に、容器部1630の一部の表面は、金属被覆され得、その結果、第2の試薬コンテナキャリア1600が試薬コンテナコンパートメント500に配置された場合、これらの金属被覆された部分は、システムアース(例えば、システム1000のハウジング)に電気的に接続され、接地面として機能して、吸引プローブ415または(ピペッター410の取り付け端425に固定された)ピペットチップ584を使用した容量性流体レベル検出を可能にする。「Systems and Methods for Capacitive Fluid Level Detection,and Handling Containers,」と題された米国特許出願公開第2018/0282788号は、システム1000において使用され得る例示的な第1および第2の試薬コンテナキャリア1500、1600を記載している。
IVD溶媒コンテナ
幾つかの実施形態では、IVD溶媒コンテナ1620は、以前に記載された試薬コンテナ1520と構造的に類似し得る。図10Aは、例示的なIVD溶媒コンテナ1620の分解斜視図を示し、図10Bは、IVD溶媒コンテナ1620の斜視図を示し、図10Cは、溶媒1670を中に収容しているIVD溶媒コンテナ1620の断面図である。下記の説明において、図10A〜10Cの参照がなされる。幾つかの実施形態では、IVD溶媒コンテナ1620は、既知の(例えば、FDA認可のまたはCEマーキングされた)IVDアッセイに好適な再構成緩衝液を含むヒートシールされたパック(例えば、ホイルパック)であり得る。すなわち、IVD溶媒コンテナ1620中の溶媒1670は、再構成緩衝液であり得る(すなわち、増幅オリゴマーおよび/または検出プローブを含む乾燥試薬を再構成するのに適した汎用試薬)。溶媒1670として使用され得る例示的な再構成緩衝液および再構成緩衝液とともに使用するための例示的な乾燥試薬は、国際公開第2017/136782号に記載されている。一部のアッセイ(例えば、PCR)について、複数の増幅オリゴマー(フォワード増幅オリゴマーまたはプライマー、リバース増幅オリゴマーまたはプライマーなど)および/またはプローブが使用され得る。例示的な分子アッセイの間、IVD溶媒コンテナ1620中の溶媒1670(すなわち、再構成緩衝液)は、異なるタイプの増幅オリゴマーおよび異なる標的核酸を増幅するためのプローブを含む乾燥または凍結乾燥試薬(または別の形態(例えば、ゲルなど)の試薬)を再構成するために使用され得る。
試薬コンテナ1520と同様に、IVD溶媒コンテナ1620は、ピペッターにより穿孔可能な(例えば、ホイル、エラストマーなど)もろいカバー1664によって密閉されたカップ状リザーバー1662(再構成液1670を収容する)を含み得る。幾つかの実施形態では、リザーバー1662は、約50〜約2,000アッセイを実施するのに十分な液体の量1670を収容するように構成され得る。しかしながら、流体の量1670は、50未満のアッセイまたは2000超のアッセイを実施するのに十分であり得る。幾つかの実施形態では、リザーバー1662のピペッターにより穿孔可能なカバー1664は、開口部1653を有する(例えば、比較的に硬質の材料(例えば、プラスチックなど)から作製された)ふた1652によって覆われ得る。セプタム1654は、セプタムがふた1652の開口部1653を覆うようにカバー1664とふた1652の間に配置され得る。
図10Cに最もよく示すように、溶媒コンテナ1620のリザーバー1662は、再構成液1670を中に保持するように構成されている複数の流体接続されたチャンバーを示し得る。これらのチャンバーは、導管1672によってチャンバー1656、1658の底で互いに流体接続された第1のチャンバー1656および第2のチャンバー1658を含み得る。第1のチャンバー1656は、第2のチャンバー1658より大きな容量を有し得、したがって、第2のチャンバー1658より多量の液体1670を保有するように構成され得る。チャンバーが所望の量の液体1670で満たされた後、ピペッターにより穿孔可能なもろいカバー1664がリザーバー1662の上面1661に取り付けられて、チャンバー1656および1658を密封する。カバー1664は、任意の適切な方法(接着剤、熱溶接、超音波溶接など)によって、リザーバー1662に取り付けられ得る。図10Aに図示するように、次いで、ふた1652が、カバー1664の上にリザーバー1662に取り付けられ、セプタム1654がふた1652の開口部を覆う。図10A〜10Cに見られるように、ふた1652は、ふた1652をリザーバー1662に固定するための、リザーバー1662の対応する特徴に係合する特徴を含む。これらの特徴には、ふた1652(またはリザーバー1662)の対応する切欠きまたは凹部1649に係合するリザーバー1662(またはふた1652)のリップまたは突起1659が含まれ得る。ふた1652がリザーバー1662に取り付けられる際、セプタム1654は、リザーバー1662の第2のチャンバー1658の上に配置される。したがって、第2のチャンバー1658は、ロボットピペッター410の吸引プローブ415または吸引プローブ415の取り付け端425に固定されたピペットチップ584などの流体移送装置を受容するための「アクセスチャンバー」である。使用される間、ピペッター(すなわち、吸引プローブ415またはピペットチップ584)は、セプタム1654を通して第2のチャンバー1658(またはアクセスチャンバー)に入り(第2のチャンバー1658の上のもろいカバー1664を貫通した後)、リザーバー1662から液体1670(例えば、吸引液1670)を抽出する。幾つかの実施形態では、セプタム1654は、ピペッターがセプタム1654を通して第2のチャンバー1658に入ることを可能にする構造を含み得る。幾つかの実施形態では、セプタム1654は、屈曲し、ピペッター410の吸引プローブ415または(取り付け端425に固定された)ピペットチップ584が通過するのを可能にするフレキシブルフラップを形成する星形のスリットを含み得る。これらのスリットは、予め形成され得る(例えば、事前に切られたフラップ)かまたはピペッター410の吸引プローブ415(またはピペットチップ584)がセプタム1654に提供されたミシン目を入れたパターンを突き通った後に形成され得る。ピペッターが(液体1670を吸引した後にリザーバー1662の)第2のチャンバー1658から引き出される際、セプタム1654のフラップは、もろいカバー1664の(吸引プローブ415またはピペットチップ584によって形成された)開口部を覆い、リザーバー1662からの液体1670の蒸発を低減する。第2のチャンバー1658における液体の表面積は、第1のチャンバー1656におけるそれよりも小さいため、第2のチャンバー1658から液体1670を抽出することは、(第1のチャンバー1656とは対照的に)蒸発によるリザーバー1662からの液体喪失を低減するのにさらに役立つ。液体1670が第2のチャンバー1658から抽出される度に、第1のチャンバー1656からの液体が導管1672を通って第2のチャンバー1658に入って、両方のチャンバー内の液体レベルを等しくする。
米国特許出願公開第2018/0290141号は、IVD溶媒コンテナ1620の実施形態を記載している。既に説明したように、幾つかの実施形態では、試薬コンテナ1520および油コンテナ1820は、IVD溶媒コンテナ1620の構造と同様の構造を有し得る。試薬コンテナ1520を参照して記載されたものと同様の様式で、液体1670がIVD溶媒コンテナ1620から抽出される際に、ピペッター410は、容量性流体レベル検出によってコンテナ1620内の流体レベルを検出し得る。容量性流体レベル検出の間、IVD溶媒コンテナ1620内の液体1670の底面の近くに配置された、第2の試薬コンテナキャリア1600の金属被覆された部分(システムアースに接続されている)は、液体レベル測定の精度および感度を改善する。
LDT溶媒コンテナ
幾つかの実施形態では、システム1000において使用されるLDT溶媒コンテナ1920は、上記のIVD溶媒コンテナ1620と異なる形状を有し得る。図11Aおよび11Bは、システム1000において使用され得る例示的なLDT溶媒コンテナ1920を示す。図11Aはコンテナ1920の斜視図を示し、図11Bは第2の試薬コンテナキャリア1600内に配置されるコンテナ1920の図式的横断面図を示す。下記の説明において、図11Aおよび11Bの両方の参照がなされる。LDT溶媒コンテナ1920は、それぞれ液体を収容する容器1940(例えば、再構成液を収容するチューブまたはバイアル)を中で支持するように構成されている複数の凹部1930(例えば、本体の中実部分で形成された空洞)を有する本体1950を含む。例えば、幾つかの実施形態では、4つのほぼ円筒形の凹部1930は、本体1950に長方形の配置で(例えば、2×2のグリッドで)配置され得る。しかしながら、一般にLDT溶媒コンテナ1920は、4つより多いかまたはそれ未満の凹部1930を示し得、凹部1930は、任意の形状(例えば、円錐、円錐台形、長方形など)を有し得、任意の適切な配置(例えば、環状、直鎖状など)に配置され得る。必要条件ではないが、幾つかの実施形態では、コンテナ1920の各凹部1930は、同様の大きさを示す容器1940を中に受容するようにサイズ設定され得る。幾つかの実施形態では、凹部1930の一部またはすべては、異なる寸法を有して、対応するサイズに設定された容器1940をその中に受容し得る。
再構成液1970A、1970Bなどを収容している容器1940は、LDT溶媒コンテナ1920の各凹部1930に配置される。一般に、コンテナ1920の異なる容器1940は、同一再構成液または異なる再構成液を収容し得る(すなわち、同一のアッセイまたは異なるアッセイのために使用される再構成液)。例えば、幾つかの実施形態では、再構成液1970Aは、1種類の増幅オリゴマーおよび/またはプローブを含む試薬であり得、再構成液1970Bは、異なる種類の増幅オリゴマーおよび/またはプローブを含む試薬であり得る。幾つかの実施形態では、再構成液1970A、1970B中の増幅オリゴマーおよびプローブの各セットは、異なる分析物を検出するように設計され得、分析物は、異なる核酸または同一の核酸の異なる領域であり得る。幾つかの実施形態では、再構成液1970A、1970Bのうちの1つ以上は、少なくとも1つのフォワード増幅オリゴマーおよび少なくとも1つのリバース増幅オリゴマーを含み得る。幾つかの実施形態では、再構成液1970A、1970Bのうちの1つ以上は、検出可能な標識(またはシグナルを出す部分)を有するか、または標的核酸にハイブリダイズした場合にSYBR(登録商標)Greenなどの挿入色素を使用して検出され得るプローブを含み得る。コンテナ1920の本体1950は、各凹部1930を特定するための1つ以上の指標1914(例えば、固有の指標)を含み得る。指標1914には、図11Aに示すような英数字テキスト、記号、色、または凹部1930に支持された液体を区別する際に役立つ任意の他の適切な指標が含まれ得る。例えば、指標1914は、容器1940に含有された再構成液に含まれる再構成液の種類(例えば、増幅オリゴマー、プローブなど)を特定し得る。指標1914は、本体1950に(例えば、各凹部1930に近接して)固定された標識であり得るかまたは本体1950と一体に形成されたマークであり得る。幾つかの実施形態では、本体1950は、1つ以上のユーザにより提供される指標1918を受容するのに適した表面も含み得る。指標1918は、例えば、凹部1930に受容される容器1940中の液体を使用して実施されるプロセス(例えば、アッセイ)を記載し得る。ユーザにより提供される指標1918には、英数字テキスト、記号、色、または凹部1930における液体との既知の関連性を有する任意の他の指標(例えば、液体、液体を使用して実施される特定のプロセスなどを示す)が含まれ得る。幾つかの実施形態では、ユーザにより提供される指標1918は、試験の標的分析物を特定し得る。例えば、Mycoplasma genitaliumからに由来する核酸を増幅および検出するための溶媒は、ユーザにより提供される指標1918において「M.gen.」と特定され得る。幾つかの実施形態では、指標1918は、凹部1930内の液体を使用して実施される試験の名称を含み得る。幾つかの実施形態では、ユーザにより提供される指標1918は、ユーザにより適用されたマーク(例えば、筆記用具により)またはユーザにより固定されたラベル(例えば、ステッカー)であり得る。
溶媒コンテナ1920は、それに取り付けられたRFIDトランスポンダ1932も含み得る。RFIDトランスポンダ1932は、溶媒コンテナ1920の導電性の部分に取り付けられ得るかまたはそれがコンテナ1920の導電性の部分から分離されるように配置され得る。RFIDトランスポンダ1932は、コンテナ1920に関連した情報(例えば、各容器1940を特定する容器識別子、コンテナ1920を特定するホルダ識別子、容器1940に収容される液体を使用して実施されるプロセスを特定するプロセス識別子など)をワイヤレスでシステム1000のRFIDリーダ1934に送信するように構成され得る。図11Bは、第2の試薬コンテナキャリア1600に取り付けられているものRFIDリーダ1934を示すが、これは単に例示である。一般に、RFIDリーダ1934は、それがRFIDトランスポンダ1932によって送信された情報を受信するように、システム1000の任意の部分に取り付けられ得る。任意のタイプのRFIDトランスポンダ1932およびリーダ1934が、システム1000において使用され得る。適切なRFIDトランスポンダ1932およびリーダ1934は、当技術分野において公知であるため、それらは本明細書において詳述しない。2017年7月10日に出願され、「Receptacle Holders,Systems,and Methods for Capacitive Fluid Level Detection」というタイトルの米国仮出願番号第62/530,743号は、システム1000において使用され得る例示的な溶媒コンテナ1920を記載している。
上記の説明において、2つの種類の溶媒コンテナ(すなわち、IVD溶媒コンテナ1620およびLDT溶媒コンテナ1920)が、記載されている。幾つかの実施形態では、これらのコンテナ1620および1920の両方が、第2の試薬コンテナキャリア1600のポケット1610に配置されるようにサイズ設定され得る(図6A〜6Cを参照のこと)。任意の種類の溶媒コンテナ(例えば、コンテナ1620または1920)が、システム1000において使用され得る。典型的には、IVDアッセイについて、適切な再構成緩衝液は、密閉された(例えば、ヒートシールされた)IVD溶媒コンテナ1620で入手され得る(例えば、商業的に入手される)。したがって、システム1000がIVDアッセイを実施するために使用される場合、再構成緩衝液を含む密閉されたIVD溶媒コンテナ1620が調達され、第2の試薬コンテナキャリア1600にロードされ、核酸増幅アッセイにおいて使用され得る。アッセイの間、再構成緩衝液は、増幅のための試薬(例えば、乾燥試薬)を再構成するために使用され得る。典型的には、IVDアッセイで使用される乾燥試薬は、増幅反応に必要な構成成分を含む(例えば、増幅オリゴマー、プローブ、ポリメラーゼなど)、したがって、密閉されたIVD溶媒コンテナ1620中に提供される再構成緩衝液は、これらの構成成分を含んでいなくてもよい。対照的に、顧客または他の第三者によって開発または評価されるアッセイ(すなわち、LDT)については、増幅反応に必要な構成成分の少なくとも一部(例えば、増幅オリゴマー、プローブなどの一部またはすべて)は、典型的に顧客または第三者によって設計、開発、および検証される。したがって、これらの構成成分は、かかるLDTに使用される試薬(例えば、乾燥試薬)に含まれない。代わりに、顧客または他の第三者は、増幅オリゴマー、プローブなどのうちの1つ以上を含む再構成液(例えば、1970A、1970Bなど)を調製し、それらをLDT溶媒コンテナ1920の容器1940に提供し得る。例えば、再構成液1970Aおよび1970Bは、異なる核酸または同一の核酸の異なる領域を標的とする異なる増幅オリゴマーおよびプローブを含有し得る。さらに、増幅オリゴマー(および/またはプローブ)を含む再構成液は、任意の増幅オリゴマーおよび/またはプローブを含まない乾燥増幅試薬を再構成するために使用され得る。
幾つかの実施形態では、単一種類の溶媒コンテナ(例えば、コンテナ1620または1920)のみが、分析の間、システム1000において使用され得る。例えば、すべての試料が1つ以上のIVDアッセイを使用してシステム1000によって分析される場合、システム1000は、中に再構成緩衝液を有するIVD溶媒コンテナ1620のみを使用し得る。同様に、すべての試料が1つ以上のLDTを使用してシステム1000によって分析されることが計画される場合、LDT溶媒コンテナ1920のみが使用され得る。幾つかの実施形態では、システム1000は、ユーザが溶媒コンテナ(および/または試料)を交換またはリロードすることなく同一のまたは異なる試料に対するIVDアッセイおよびLDTを実施するのを可能にするオープンチャネルシステムであり得る。かかる実施形態では、IVD溶媒コンテナ1620およびLDT溶媒コンテナ1920は、システム1000において同時に使用され得る。例えば、分析を実行する間、1つ以上の試料がIVDアッセイ(複数可)を使用して分析され、1つ以上の試料がLDT(複数可)を使用して分析される場合、IVDおよびLDT溶媒コンテナ1620および1920は、システム1000にロードされてもよい。このような場合、図6A〜6Cに図示するように、再構成緩衝液(例えば、増幅オリゴマー、プローブなどの構成成分を含まない)を有する1つ以上のIVD溶媒コンテナ1620および再構成溶液または溶媒(例えば、増幅オリゴマー、プローブなどの構成成分を含む)を有する1つ以上のLDT溶媒コンテナ1920は、両方ともシステム1000の試薬コンテナコンパートメント500に提供された第2の試薬コンテナキャリア1600にロードされ得る。次いで、IVDアッセイは、IVD溶媒コンテナ1620中の再構成緩衝液を使用して実施され得、LDTは、LDT溶媒コンテナ(複数可)1920中の再構成液1970A、1970Bのうちの1つ以上(特定のアッセイに必要とされる場合)を使用して実施され得る。幾つかの実施形態では、IVDアッセイおよびLDTは、交互的な様式またはランダムアクセス様式で、システム1000によって実施され得る。すなわち、IVDアッセイおよびLDTは、IVDアッセイとLDTの間に試薬または消耗品を交換するためにシステム1000を一時停止する必要なしに、システム1000によって交互に実施され得る。例えば、IVDアッセイ(例えば、1つ以上の試料を用いて開始される1つ以上のIVDアッセイ)が最初に開始され得、LDT(例えば、同一のまたは異なる試料のうちの1つ以上を用いて開始される1つ以上のLDT)が続き、次いで、異なるアッセイの間に再構成液、試薬、および/または他の消耗品を取り換え、ロード、または補充することなく、IVDアッセイが続き得るなどである。IVDアッセイおよびLDTは異なる時点で開始され得るが、これらの2つのアッセイタイプはシステム1000によって同時に実施され得る(すなわち、一方のアッセイタイプによる試料に対する処理が完了する前に、他方のアッセイタイプによる試料の処理が開始される)。任意の数のIVD溶媒コンテナ1620およびLDT溶媒コンテナ1920が、第2の試薬コンテナキャリア1600にロードされ得る(例えば、必要性に基づいて)。例えば、実行中、より多くの再構成緩衝液1656(例えば、IVDアッセイで使用される)が再構成液1970A、1970Bよりも必要とされると予想される場合、LDT溶媒コンテナ1920より多数のIVD溶媒コンテナ1620が、システム1000に提供され得る(または逆もまた同様)。必要とされる各タイプの溶媒コンテナ1620、1920の数は、異なるコンテナ1620、1920の容積容量によっても決まる。
既に説明したように、システム1000は、交互的な様式でIVDアッセイおよびLDTを実施することができる。システム1000によって実施されるIVDアッセイおよびLDTが両方ともPCR増幅反応を組み込まれる実施形態では、両方のアッセイ(すなわち、IVDおよびLDT)について、増幅反応は、第2のモジュール400で起こる(例えば、サーマルサイクラー432において)。しかしながら、一方のアッセイ(例えば、IVDアッセイ)がPCR条件下に置かれず、もう一方のアッセイ(例えば、LDT)がPCR条件下に置かれる実施形態では、IVDアッセイの増幅は第1のモジュール100で(例えば、増幅インキュベーター114において)起こり、LDTの増幅は第2のモジュール400で(例えば、サーマルサイクラー432において)起こる。第1のモジュール100が増幅に使用される場合、試薬パック760中の試薬768(図13A〜13Dを参照して後述する)は使用されなくてもよい。代わりに、第1のモジュール100内に貯蔵された液体試薬が、使用され得る。
図11Aおよび11Bに関して、使用される間、再構成液1970A、1970Bなどを収容する容器1940は、LDT溶媒コンテナ1920のそれぞれの凹部1930に配置され、コンテナ1920は、試薬コンテナコンパートメント500に配置された第2の試薬コンテナキャリア1600のポケット1610に挿入される(図6A〜6Cを参照のこと)。幾つかの実施形態では、コンテナ1920のすべての4つの凹部1930は、再構成液を収容している容器1940がロードされ得るが、他の実施形態では、コンテナ1920のすべてより少ない凹部1930が容器を含み得る。既に説明したように、LDT溶媒コンテナ1920の容器1940中の再構成液(例えば、液体1970A、1970B)は、同一の液体または異なる液体であり得る。第2の試薬コンテナキャリア1600に所望の数および種類のコンテナ(例えば、コンテナ1620、1820および1920)をロードした後、ユーザはコンパートメント500を閉じる。LDT溶媒コンテナ1920がコンテナキャリア1600のポケット1610内に設置されている場合、コンテナ1920のRFIDトランスポンダ1932(図11Aおよび11Bを参照のこと)はRFIDリーダ1934の動作視野内に配置される。この位置にある間、RFIDリーダ1934は、コントローラ(例えば、図33のコントローラ5000)にコンテナ1920についての情報を送信する。この情報には、数ある情報のうち、以下のうちの1つ以上が含まれ得る:(1)コンテナ1920内に支持された各容器1940を特定する容器識別子;(2)コンテナ1920を特定するホルダ識別子;(3)コンテナ1920の容器1940中の再構成液1970A、1970Bなどを使用して実施されるプロセス(例えば、アッセイ)を特定するプロセス識別子。さらに、RFIDリーダ1934は、第2の試薬コンテナキャリア1600のポケット1610内のコンテナ1920の存在を判定し得る。例えば、RFIDリーダ1934が、通常、RFIDトランスポンダ1932によって送信されるいずれの送信された情報も受信しない場合、これは、ポケット1610内に存在するLDT溶媒コンテナ1920がないことを示し得る。
RFIDリーダ1934から受信された情報に基づいて、コントローラは、受信された情報の(例えば、システム1000に保存された)特定のプロセスとの既知の関連に基づいて、コンテナ1920の容器1940で収容された再構成液1970Aおよび1970Bを使用して実施されるプロセスを決定し得る。例えば、受信された情報は、ユーザ定義のアッセイパラメータがシステム1000にとって既知である(例えば、以前にシステム1000の記憶装置に保存されたパラメータ)、あるタイプのLDTが、コンテナ1920中の液体を使用して実施されるべきであることを示してもよい。場合によっては、RFIDリーダ1934から受信される情報は、システム1000にとって既知のプロセスとの既知の関連性を有さない。例えば、LDT溶媒コンテナ1920中の再構成液1970Aおよび1970Bは、以前にシステム1000に実施(または保存)されなかった1つ以上のアッセイを実施することを目的とする。幾つかの実施形態では、再構成液1970Aおよび1970Bを使用して実施されるべきプロトコルとの既知の関連性がある場合、システム1000は、システム1000に保存されたプロトコルに基づいてさらなるユーザ入力なしで、これらの液体を使用して関連するプロトコルを実施することによって1つ以上の試料を処理する。しかし、既知の関連がない場合、ユーザからの追加のユーザ入力が必要とされ得る。一部のかかる実施形態では、システム1000(例えば、図33のコントローラ5000)は、例えば、システム1000(図1Aを参照のこと)のディスプレイ装置50またはシステム1000に関連する別のディスプレイ(例えば、以下に述べるLDTプロトコルを開発するためのソフトウェアツールを実行するリモートコンピュータ)に表示されるグラフィカルユーザインタフェース(GUI)を使用して、ユーザに情報の入力を要求して、保存され、後にLDT再構築液1970A、1970Bと関連付けられ得るアッセイプロトコルの1つ以上のパラメータを定義し得る。この文脈において、第1および第2のコンピュータが独立した論理および計算機能ならびに独立したデータ入力および出力構成要素を有する別個のコンピュータである場合、第1のコンピュータは第2のコンピュータ(および場合によっては1つ以上の追加のコンピュータ)から「離れている」。第1のコンピュータおよび離れている第2のコンピュータは、互いに有線または無線などで通信している場合もしていない場合もあり、また互いにネットワーク接続されている場合もされていない場合もある。
システム1000にLDT溶媒コンテナ1920をロードするために、第2のモジュール400の試薬コンテナコンパートメント500が最初に開かれる。幾つかの実施形態では、コンパートメント500は、ディスプレイ50上のアイコンを選択する(例えば、アイコンを押下する)ことによって開かれ得る。LDT溶媒コンテナ1920は、第2の試薬コンテナキャリア1600のポケット1610のいずれか1つ(例えば、図6Dの「Recon 4」とラベル付けされたポケット)に配置される。パックローディング画面またはGUI2100は、ディスプレイ装置50に表示される。図12Aは、ディスプレイ装置に表示される例示的なパックローディングGUI2100を示す。GUI2100は、コンテナキャリア1600の各再構成コンテナポケットを表す/に対応する領域2102A〜2102D(例えば、図6Dの「Recon 1」、「Recon 2」、「Recon 3」および「Recon 4」)を含む。システム1000のコントローラ5000(以下に述べられる)は、例えば、RFIDリーダ1934および/またはコンテナ1920の存否を示す他のセンサからのシグナルに基づいて、コンテナキャリア1600のポケット1610内のコンテナ1920の有無を示すために、領域2102A〜2102Dの特徴を変更するように構成されている。
LDT溶媒コンテナ1920がコンテナキャリア1600の「Recon 1」位置にロードされる場合、図12Aにて図示するように、領域2102Aの外観が変化して、この位置におけるコンテナ1920の存在を示す。GUI2100のウィンドウ2110も変化して、4つの領域2106A〜2106Dに対応する。各領域2106A〜2106Dは、コンテナ1920の4つの凹部1930のうちの1つに対応する(図12AのマークされたA〜D)。容器1940がコンテナ1920の凹部1930(例えば、凹部A)に存在する場合、ユーザは、領域2106Aのボックス2108Aを選択して(例えば、ボックス2108Aをクリックする)、容器1940が凹部Aに「ロードされている」ことを示し得る。次いで、領域2106A内の「セット」ボタンが、メニューからLDTプロトコルを選択するためにクリックされる。「セット」のクリックは、システム1000に保存された利用可能なLDTプロトコルのメニュー(例えば、ドロップダウンメニュー)をユーザに示し得る。凹部Aの容器1940中の再構成液をLDTプロトコルと関連付けるために、ユーザは、次に、凹部Aの容器1940中の再構成液を使用して実施されるべき所望のアッセイを提示されたメニューから選択し得る。続いて、GUI2100は、サブエリア2112A内に選択されたアッセイを表示し得る。例えば、ユーザは「LDT−CMV」を選択し、次いで、これはサブエリア2112A内に示される。またサブエリア2112Aは、選択されたアッセイがアンロックされたアッセイであるかまたはロックされたアッセイであるかを示す。サブエリア2114Aは、選択されたアッセイが凹部Aの容器1940に収容された液体を使用して実施され得る最大回数を示す。幾つかの実施形態では、デフォルト値(例えば、40)は、サブエリア2114A内に示され得、これは、必要に応じてユーザによって変更され得る。以上で凹部Aの再構成液のLDTへの割り当てまたは関連付けは完了する。
別の容器1940がコンテナ1920の別の凹部(例えば、凹部B〜Dのうちの1つ)に存在する場合、上記のステップが、ウィンドウ2110の対応する領域2106B〜2106Dについて遂行される。領域2102Aの指標2104A〜2104Dは、すべての容器がいつ割り当てられたまたは関連付けられたかを示す。凹部A〜Dについての情報が対応する領域2106A〜2106Dに入力された後、領域2102A内の対応する指標2104A〜2104Dは色を変化させ、割り当ての状態を示す。例えば、凹部A〜Dに容器1940がロードされ、対応する領域2106A〜2106D内にすべての情報が入力された場合、対応する指標2104A〜2104Dは緑色の光を示し、容器1940はロードされたが必要とされる情報入力されていなかった場合、指標は赤色の光を示す。凹部A〜Dに容器1940がロードされなかった場合、対応する指標2104A〜2104Dは黒色を呈する。
一旦コンテナ1920のすべての容器1940にLDTが割り当てられるまたは関連付けられると、ユーザはGUI 2100上の「保存」を選択して、試薬コンテナコンパートメント500を閉じる。すべての所望のコンテナ(油コンテナ1820、再構成液コンテナ1620、1920、および試薬コンテナ1520)がバルク試薬コンテナコンパートメント500にロードされた後、ディスプレイ装置50は、汎用液体格納部GUI2200を表示する。図12Bは、例示的な汎用液体格納部GUI2200を示す。図12Bに図示するように、GUI2200は、すべての容器の状態(例えば、ロードされているかまたはロードされていないか)、コンテナの種類、および試薬コンテナコンパートメント500内の各コンテナに関連する他の情報(数または残りの試験、有効期限など)を表示する。
GUI2100(図12A)を使用して受信されたユーザ入力を使用して、システム1000のコントローラは、コンテナ1920内の再構成液1970Aおよび1970Bをユーザにより選択されたアッセイに関連付け得、これらのアッセイのうちの1つが試料に対して実施される予定である場合、システム1000は、アッセイを実施するために対応する再構成液を使用する。アッセイのうちの1つのステップが実施される予定の場合、ロボットピペッター410は、移動して必要な再構成液(例えば、液体1970A、1970Bなど)を含む(コンテナ1920の)容器1940に位置を合わせ得、ピペッター410の吸引プローブ415または取り付け端425のピペットチップ584は、容器1940に入り、容器1940から液体の一部を吸引し得る。容器1940中の液体1970Aおよび1970Bのレベルは、吸引の間に容量性レベル検出を使用して(以前に記載されたものと同様の方法で)ピペッター410によって決定され得る。容量性レベル検出を可能にするために、溶媒コンテナ1920の本体1950は、(例えば、第2の試薬コンテナキャリア1600の底面を介して)システム1000の接地面に接続されている導電性の領域1952を含み得る。幾つかの実施形態では、容器1940は、覆いがなくてもよく(すなわち、もろいカバーまたはふたによって覆われていない)、吸引プローブ415または(ピペッター410の取り付け端425に固定された)ピペッターチップ584は、カバーを貫通する必要なしに容器に入って、液体を抽出し得る。しかしながら、幾つかの実施形態では、容器1940は、ピペッターにより貫通可能なカバーおよび/またはふたによって覆われ得、吸引プローブ415またはピペッター410の取り付け端425に固定されたピペッターチップ584は、カバーを突き通ることによって容器1940に入り得ることも意図される。
上記の説明において、IVDおよびLDT溶媒コンテナ1620および1920は、システム1000の同一の支持体によって保持されていると記載されている。すなわち、IVDアッセイのための再構成緩衝液を有するIVD溶媒コンテナ1620、およびLDTのための再構成液1970Aおよび1970Bを有するLDT溶媒コンテナ1920は、両方とも第2のモジュール400の試薬コンテナコンパートメント500内に位置する単一の第2の試薬コンテナキャリア1600に支持される。しかしながら、これは必要条件ではない。幾つかの実施形態では、溶媒コンテナ1620は1つの試薬コンテナキャリアに提供され得、溶媒コンテナ1920は別の試薬コンテナキャリアに提供され得る。これらの2つのコンテナキャリアは、第2の試薬コンテナキャリア1600と同一の(または異なる)形状を有し得る。IVDおよびLDT溶媒を異なるコンテナキャリアに配置することは、システム1000がより大きな数(および/またはより大きい容量)の溶媒ならびに/または異なる形状および/もしくはサイズの溶媒コンテナを支持することを可能にし得る。一部の実施形態では、複数の(例えば、4つ)IVD溶媒コンテナ1620(IVDアッセイのための再構成緩衝液を有する)を支持している第2の試薬コンテナキャリア1600は、第2のモジュール400の試薬コンテナコンパートメント500に提供され得、1つ以上のLDT溶媒コンテナ1920(LDTのための再構成液を有する)は、モジュール400の異なる試薬コンテナコンパートメントに提供され得る(幾つかの実施形態では、異なるコンテナキャリア内で支持される)。IVDおよびLDT溶媒を異なる試薬コンパートメントに提供することは、溶液が異なる周囲条件(例えば、温度、湿度など)に維持されることも可能にし得る。例えば、幾つかの実施形態では、LDTのための溶媒を有するLDT溶媒コンテナ1920は、第2のモジュール400の冷却された(または加熱した)試薬コンパートメントに提供され得、一方でIVDアッセイのための再構成緩衝液を有するコンテナ1620は、周囲温度(または異なる温度)に維持され得、または逆もまた同様である。
試薬パック
必要条件ではないが、幾つかの実施形態では、増幅試薬および他の試薬は、試薬パックの第2のモジュール400に提供され得る。以下でより詳細に記載されるように、試薬パックは、試薬が提供されるウェルを有するカートリッジを含み得る。図13A〜13Dは、システム1000において使用され得る例示的な試薬パック760の異なる図を示す。図13Aおよび13Bは例示的な試薬パック760の平面図および底面図を示す、図13Cおよび13Dは例示的な試薬パック760の断面図を示して、そのウェル762の内容物を示す。下記の説明において、図13A〜13Dの参照がなされる。試薬パック760は、複数の混合ウェル762を含み得、これらの各々は試薬768を収容する。幾つかの実施形態では、試薬768は、単位用量試薬である。一般に、試薬768が任意の状態(固形、液体など)であり得るが、幾つかの実施形態では、試薬768は、非液体試薬であり得る。幾つかの好ましい実施形態では、試薬768は、固形または乾燥試薬(例えば、凍結乾燥物)であり得る。幾つかの実施形態では、試薬パック760は、それぞれが乾燥させた単位用量試薬768(図13Cを参照のこと)を収容する12個のホイルで覆われた混合ウェル762を含む。試薬パック760に提供され得る例示的な単位用量試薬は、国際公開第2017/136782号に記載されている。試薬パック760は、パックの内容物(例えば、試薬768の種類など)を特定するバーコード(または他の機械可読な指標)を含み得る。各混合ウェル762中の単位用量試薬768は、IVDアッセイまたはLDTに対応する増幅反応を実施するように構成され得る。典型的には、IVDアッセイのために構成された試薬768はアッセイ特異的試薬であるが、LDTのために構成された試薬768はアッセイ特異的ではなく、他の可能な構成成分の中でも、ポリメラーゼ、ヌクレオシド三リン酸、および塩化マグネシウムを含み得る。幾つかの実施形態では、各試薬768は、試薬768および/または混合ウェル762に付与された静電荷を用いて、関連付けられた混合ウェル762の底に保持される。幾つかの実施形態では、各試薬768は、混合ウェル762に存在する1つ以上の物理的特徴、例えば、米国特許第9,162,228号に記載のものを用いて、関連付けられた混合ウェル762の底またはその近くに維持される。
幾つかの実施形態では、混合ウェル762は、試薬パック760の上部に接着された穿孔可能なホイル766によって覆われる。使用される間、既に記載されている溶媒(例えば、コンテナ1620、1920などからの)を保有する吸引プローブ415またはピペッター410の取り付け端425に固定されたピペットチップ584(図14B〜14Cを参照のこと)は、試薬768を再構成し、液体試薬769(図13Dを参照のこと)を形成するために、ホイル766を突き通し、混合ウェル762に溶媒を分配し得る。再構成は、固形(例えば、乾燥または凍結乾燥された)試薬768を液体状態に戻す行為を指す。次いで、ピペッター410は、混合ウェル762から再構成された液体試薬769を吸引し得る。既に説明したように、IVDアッセイのために構成された試薬768は、構成成分、例えば、増幅オリゴマー、プローブを含んでいてもよいが、LDTのために構成された試薬768は、かかる構成成分を含んでいなくてもよい(LDTに使用される溶媒がこれらの構成成分を含み得るため)。幾つかの実施形態では、IVDアッセイのための試薬768および/またはLDTのための試薬768は、ポリメラーゼおよびヌクレオシド三リン酸のうちの1つ以上を含み得る。幾つかの実施形態では、IVDアッセイのための試薬768は、少なくとも1つのフォワード増幅オリゴマーおよび少なくとも1つのリバース増幅オリゴマーを含み得る。幾つかの実施形態では、IVDアッセイに使用される試薬768は、リアルタイム増幅反応を実施するためのプローブを含み得る。リアルタイム増幅反応のための例示的なプローブは、「Holland,P.M.,et al.,「Detection of specific polymerase chain reaction product by utilizing the 5’−−−−3’ exonuclease activity of Thermus aquaticus DNA polymerse」,PNAS,88(16):7276−7280(1991)」に記載されている。リアルタイム増幅反応を実施するための他の例示的なプローブは、米国特許第6,361,945号および5,925,517号に開示されている。幾つかの実施形態では、IVDアッセイのための試薬768およびLDTのための試薬768は、異なる試薬パック760に提供され得る。しかし、これは必要条件ではなく、幾つかの実施形態では、IVDアッセイのための試薬768およびLDTのための試薬768は、同一の試薬パック760の異なるウェル762に提供され得る。
図13A〜13Dに図示された実施形態では、試薬パック760は、12個の混合ウェル762を2×6のパターンで含む。しかし、幾つかの実施形態では、試薬パック760は、12個より多いかまたはそれ未満の混合ウェルを任意の適切なパターン(線状パターン、正方格子、円形パターンなど)で含み得る。単一の試薬パック760の各混合ウェル762は、同一の試薬を保持し得るか、もしくは各ウェル762は、異なる試薬を保持し得るか、または一部のウェル762は同一の試薬を保持し得、一部は異なる試薬を保持し得る。幾つかの実施形態では、IVDアッセイを実行するために使用される単位用量試薬768は、特定のアッセイに従って核酸増幅反応を実施するのに必要とされる成分を含む。これらの成分には、ポリメラーゼ、ヌクレオシド三リン酸、または任意の他の適切な成分が含まれ得る。かかる試薬は、1つの標的核酸または複数の異なる標的核酸に特異的であり得る。LDTのために構成された単位用量試薬768は、上記した成分のうちの一部またはすべてを含んでいなくてもよい。代わりに、幾つかの実施形態では、これらの欠けている成分は、その試薬768を再構成するために使用される再構成液に含まれ得る。
幾つかの実施形態では、試薬パック760は、容器分配システム200の対応する構造(例えば、後述する容器分配器312に対応して成形されたフック)によって係合可能なように構成された(例えば、フックの形状の)操作構造764をさらに含む。試薬パック760は、第2のモジュール400のコンパートメント702内に貯蔵されるように、かつ幾つかの実施形態では、分配器312によって第2のモジュール400内で移動され、試薬パック入替え装置700(図5Dを参照のこと)に挿入およびそれから取り外されるように構成され得る。試薬パック760は、試薬パックキャリア内で試薬パックを整列配置するように構成された構造770を含み得る。システム1000において使用され得る例示的な試薬パックは、米国特許第9,162,228号に表現されている。乾燥(例えば、凍結乾燥)試薬が上記されているが、これは必要条件でないことに留意されたい。すなわち、一般に当業者によって認識されるように、試薬は他の形態(例えば、ゲルなど)で提供され得る。
流体移送およびハンドリングシステム
第2のモジュール400は、流体移送およびハンドリングシステムを含み、これはロボットピペッター410(図1Bを参照のこと)を含む。図14Aは、第2のモジュール400の例示的な流体移送およびハンドリングシステム402を示す。流体移送およびハンドリングシステム402は、第2のモジュール400の異なる容器(コンテナ、ウェル、バイアルなど)間で液体を移送する(例えば、分配および/または吸引する)ように構成され得る。図14Aに図示するように、システム402は、ロボットピペッター410を含む正面アーム408およびバイアル移送アーム418を含む後面アーム416を含み得る。バイアル移送アーム418は、例えば、ピペット操作能力を有さないピックアンドプレイス機構であってもよく、または(例えば、ピペッター410に類似した)別のピペッターであってもよい。図示された実施形態では、流体移送およびハンドリングシステム402は、直交方向(例えば、横方向、縦方向など)に配向された複数のトラック404、406、412、420を備えたガントリアセンブリを含む。ピペッター410およびバイアル移送アーム418は、トラック404、406、412、420に沿って前後方向および横方向にならびにこれらの構成要素と連動したモータを使用して垂直方向に駆動され得る。
ピペッター410は、液体を吸引し、分配するように構成される。図14Aに見られるように、ピペッター410は、その下端に吸引プローブ415を含む。図7C、10C、11B、13Cなどに関して上述したように、吸引プローブ415は、(場合によっては、ピペッターにより貫通可能なカバーを貫通することによって)容器に挿入され、容器から液体を吸引(および/または液体を放出)するために使用され得る。幾つかの実施形態では、吸引プローブ415の下端は、容器に挿入され得る取り付け端425を形成する。図14Bおよび14Cは、代表的実施形態におけるピペッター410の底部の拡大図を示す。下記の説明において、図14A〜14Cの参照がなされる。幾つかの実施形態では、吸引プローブ415は容器に直接的に挿入され、そこから液体を吸引し得る(またはそこへ液体を放出する)。幾つかの実施形態では、相互汚染を低減するために、ピペッター410が容器から液体を吸引する(および/または液体を容器に放出する)ために使用される前に、ディスポーザブルピペットチップ584が、吸引プローブ415の取り付け端425に固定され得る。図1Bに図示するように、第2のモジュール400は、ピペッター410によってアクセスされ得る、ディスポーザブルピペットチップ584のトレイ582(図5Aを参照のこと)を有するチップコンパートメント580を含む。幾つかの実施形態では、ピペットチップ584は、摩擦嵌合によって吸引プローブ415の取り付け端425に固定され得る。すなわち幾つかの実施形態では、吸引プローブ415の円筒外面は、ピペットチップ584の内側円筒面に摩擦係合して、ピペットチップ584を吸引プローブ415上に保持し得る。以前に記述されているように、ピペッター410は、容量性液体レベル試験によって容器(例えば、コンテナ1620、1820、1920)内の液体レベルを検出するように構成され得る。ピペットチップ584は、ピペッター410による容量性液体レベル試験を可能にするために導電性材料(例えば、炭素ベース材料)製であり得る。
幾つかの実施形態では、ピペッター410は、取り付け端425に取り付けられた(または固定された)ピペットチップ584がそこから分離されるのを可能にする排出機構を有し得る。図14Bおよび14Cに図示される実施形態では、排出機構は、吸引プローブ415の周囲にスライド可能に配置された中空スリーブ413およびリンクアセンブリによってスリーブ413に作動連結された取り付け部材411を含む。スリーブ413は、吸引プローブ415の取り付け端425がスリーブ413の下に露出されるように吸引プローブ415に取り付けられ得る。ピペットチップ584は、スリーブ413の下に露出された取り付け端425の部分で吸引プローブ415に固定され得る。図14Bは、取り付けられたピペットチップ584を有するスリーブ413の図を示す。取り付け部材411は、これに回動可能に連結されたアクチュエータアーム414を含む。アクチュエータアーム414は、アクチュエータアーム414の自由端が取り付け部材411の方へ押し込まれる際、スリーブ413が吸引プローブ415上を下方へスライドし(図14Cを参照のこと)、これにより、吸引プローブ415の取り付け端425からピペットチップ584を排出するようにリンクアセンブリによってスリーブ413に連結されている。すなわち、アクチュエータアーム414が作動する(取り付け部材411の方へ移動する)際に、スリーブ413は吸引プローブ415上を下にスライドし、吸引プローブ415からピペットチップ584を押す。使用される間、ピペットチップ584が液体を吸引および分配した後、それはピペッター410から分離(または排出)され、廃棄され得る。またピペッター410は、それに固定されたピペットチップ584ならびに液体を吸引および分配するためのポンプの存在(または非存在)を検出するように構成されたセンサを含み得る。
またピペッター410の吸引プローブ415は、同様の様式で容器(例えば、キャップ/バイアルアセンブリ480)に係合するように構成され得る。例えば、吸引プローブ415の取り付け端425は、キャップ/バイアルアセンブリ480(図15A、15Bを参照のこと)の開いた頂端部478に係合してピペッター410をキャップ/バイアルアセンブリ480に連結し得る。一旦連結されると、ピペッター410は、連結されたキャップ/バイアルアセンブリ480をモジュール400のある位置から別の位置に移動させるために使用され得る。ピペッター410に連結されたキャップ/バイアルアセンブリ480(すなわち、ピペッター410のプローブ415)は、上記に記載のものと同様の様式でピペッター410から分断、分離、または排出され得る。例えば、連結されたキャップ/バイアルアセンブリ480をピペッター410から排出するために、アクチュエータアーム414が、取り付け部材411の方へ押し上げられ得る。アクチュエータアーム414を作動させることにより、スリーブ413に吸引プローブ415の下にスライドさせ、キャップ476の頂端部478を囲む縁を押させて、キャップ/バイアルアセンブリ480をピペッター410から分離させる。
後述するように、バイアル移送アーム418は、バイアル移送アーム418の取り付け端422を(例えば、キャップと取り付け端422の間に摩擦嵌合を引き起こすために)キャップ/バイアルアセンブリ480のバイアルに連結されたキャップに挿入することによってキャップ/バイアルアセンブリ480を取り出すように構成された「ピックアンドプレイス」装置であり得る。幾つかの実施形態では、バイアル移送アーム418の取り付け端422およびピペッター410の取り付け端425は、先端部およびキャップを係合するための同様のまたは同一の形状を有し得る。また幾つかの実施形態では、バイアル移送アーム418は、ピペッター410に関して記載されたものと同様に排出機構を含み得る。
キャップ/バイアルアセンブリ
キャップ/バイアルアセンブリは、反応液(増幅反応またはアッセイに関連した他のプロセスステップを実施するための)を収容するための容器として機能する処理バイアル464およびバイアル464を閉じる処理バイアルキャップ476を含む。処理バイアル464は、その後の使用のための反応液(例えば、溶出液のアリコート)を貯蔵するために使用され得る。図15Aおよび15Bは、例示的なキャップ/バイアルアセンブリ480の斜視図および図式的横断面図を示す。キャップ476およびバイアル464は、最初は第2のモジュール400のキャップ/バイアルトレイ460(図5Aを参照のこと)の、それぞれキャップウェルおよびバイアルウェルに保持され得る。キャップ476は、開いた頂端部478、閉じた下端部479、およびキャップ476のまわりに延在する環状カラー482を有する。キャップ476の開いた頂端部478は、締まりばめでバイアル移送アーム418の取り付け端422を受容するようにサイズ設定される。使用される間、液体は、ロボットピペッター410のディスポーザブルピペットチップ584を介して処理バイアル464に分配され得る。処理バイアル464に液体を分配した後、ピペッター410は、トレイ460からキャップ476を取り出し、自動化方式でバイアル464にキャップ476を配置してバイアル464を閉じ得る。カラー482の下のキャップ476の下部は、処理バイアル464の開いた頂端部465に摩擦嵌合で嵌合するシールリング486を有するプラグ485を示す。キャップ476は、バイアル464の開いた頂端部465の周囲に形成されたリップと締まりばめを形成する係止特徴(例えば、ロッキングカラーなど)を含む。
キャップ476およびバイアル464は、一旦キャップ476のプラグ485が処理バイアル464の開いた頂端部465に挿入されると、キャップおよびバイアルが連結されて、バイアル464から液体の蒸発を阻止または防止する閉じられたキャップ/バイアルアセンブリ480を形成するように、互いに係止するように構成される。次いで、バイアル移送アーム418の取り付け端422が、閉じられたキャップ/バイアルアセンブリ480を取り出し、それを第2のモジュール400内のある位置から別の位置に移送するために、キャップ476の開いた頂端部478に挿入され得る。幾つかの実施形態では、ピペッター410は、閉じられたキャップ/バイアルアセンブリ480を第2のモジュール400内の所望の位置に移送する。一般に、ピペッター410およびバイアル移送アーム418は、システム1000の構成要素間でキャップ/バイアルアセンブリ480を移動させるために使用され得る。通常、ピペッター410がキャップ/バイアルアセンブリ480に係合される(例えば、連結される)場合(例えば、それをシステム1000内の位置へ移動させるために)、キャップ/バイアルアセンブリ480は、それがバイアル移送アーム418に係合される得る前にピペッター410から放出または分離されなければならない。好ましい実施形態では、ピペッター410は、閉じられたキャップ/バイアルアセンブリ480を(例えば、気泡を除去して、バイアル464の底に内容物を濃縮するために)遠心分離機588へ移動させ、バイアル移送アーム418は、キャップ/バイアルアセンブリ480を遠心分離機588からサーマルサイクラー432に移動させる。以前に記述されているように、連結されたキャップ/バイアルアセンブリ480は、ピペッター410(または取り付け端422)からキャップ/バイアルアセンブリ480を排出するためにキャップ476の頂端部478を囲む縁481に係合する排出機構によって、ピペッター410(またはバイアル移送アームの取り付け端422)から分離または放出され得る
構成要素間でキャップ/バイアルアセンブリ480を移動させるための2つの異なる装置(例えば、ピペッター410およびバイアル移送アーム418)は、必要条件ではないことに留意されたい。幾つかの実施形態では、同一の装置(例えば、バイアル移送アームまたはピペッター)が、構成要素間でキャップ/バイアルアセンブリ480を移動させ得る。後述するように、閉じられたキャップ/バイアルアセンブリ480が、サーマルサイクラー432に配置され、そのバイアル464が、サーマルサイクラー432の容器ホルダ4010の容器ウェル4004に挿入される(図16Eおよび16Fを参照のこと)。バイアル464は、容器ウェル4004の上部に載置される環状リング463(その本体の周りに延在する)を含み、キャップ/バイアルアセンブリ480が容器ホルダ4010に配置される場合、バイアルの外面は、ウェル4004の内壁との密接な接触が維持される。例示的なキャップおよび処理バイアルならびに閉じられたキャップ/バイアルアセンブリを移動させる方法は、米国特許第9,732,374号に記載されている。例示的なキャップおよび処理バイアルは、米国特許第9,162,228号にも記載されている。例示的なキャップ/バイアルトレイは、米国特許出願公開第2017/0297027A1号に記載されている。
サーマルサイクラー
第2のモジュール400は、サーマルサイクラー432(図5A〜5Dを参照のこと)を含む。通常、サーマルサイクラー432は、核酸増幅反応において使用される。核酸増幅反応の条件は、実質的に等温であり得るか、またはPCR熱サイクルと同様に周期的な温度変化を必要とし得る。サーマルサイクラー432は、核酸を含有している試料を一定温度または周囲温度に加熱および維持するために使用され得るか、またはその温度を変動させるために使用され得る。図16A〜16Iは、システム1000において使用され得る例示的なサーマルサイクラー432の異なる図を示す。下記の説明において、図16A〜16Iの参照がなされる。サーマルサイクラー432は、支柱フレーム4018(図16Dを参照のこと)の上端部に支持された複数の容器ホルダ4010を含む。各容器ホルダ4010は、例えば、反応混合物を収容している複数の容器(例えば、図15Bのキャップ/バイアルアセンブリ480)を支持するように構成され得る。図16Aは、容器ホルダ4010に配置されるキャップ/バイアルアセンブリ480を有するサーマルサイクラー432の斜視図を示し、図16Bは、キャップ/バイアルアセンブリ480を有さないサーマルサイクラー432の図示である。容器ホルダ4010は、容器、例えば、キャップ/バイアルアセンブリ480(すなわち、キャップ/バイアルアセンブリ480のバイアル464)を中に受容するように構成された各ウェル4004を有する複数の容器ウェル4004を含む。容器ホルダ4010は、サーマルサイクラー432の(例えば、金属、プラスチックなどから作製された)ハウジング4002内に配置される。
図16Cおよび16Dは、内部の構造を示すためにハウジング4002の部分が取り除かれたサーマルサイクラー432の斜視図を示す。一般に、サーマルサイクラー432は任意の数の容器ホルダ4010を含み得、各容器ホルダ4010は任意の数の容器ウェル4004を含み得る。典型的には、複数の容器ホルダ4010(および、複数ウェル4004)は、核酸増幅アッセイに伴う自動化された処理ステップを容易にするために互いに一直線に配置されている。幾つかの実施形態では、図16C〜16Dにて図示したように、サーマルサイクラー432は、5つのウェル4004を含む各容器ホルダ4010を有する12の容器ホルダ4010を含み得る。かかる実施形態では、サーマルサイクラー432は、各容器ホルダ4010が5つのキャップ/バイアルアセンブリ480を支持することにより最高60のキャップ/バイアルアセンブリ480(または他の容器)を支持し得る。容器ホルダ4010の各容器ウェル4004は、容器ウェル4004の表面とその中に受容された容器の表面との間の熱的接触を最大にするように構成され得る。例えば、幾つかの実施形態では、各容器ウェル4004は、バイアル464がウェル4004内でぴったりと嵌合するように、その中に受容される容器(例えば、バイアル464)の外部寸法に実質的に対応する内部寸法を有し得る。
図16Eは、サーマルサイクラー432から分離された容器ホルダ4010を示し、図16Fは、(図16Eの)容器ホルダ4010を、そのウェル4004内に配置されたキャップ/バイアルアセンブリ480のバイアル464とともに示す。キャップ/バイアルアセンブリ480のバイアル464が容器ホルダ4010のウェル4004に挿入される場合、バイアル464の環状リング463は、容器ウェル4004上に載置される。この配置の場合、バイアル464の外面はウェル4004の内壁と緊密に熱的接触する。図16Gは、容器ホルダ4010の分解立体図を示し、その構成要素を示す。図16Gに最もよく示すように、各容器ホルダ4010は、容器ホルダ4010の複数の容器ウェル4004を含む容器支持部材4008を含む。容器ウェル4004は、容器支持部材4008の上面4007から底面4009まで延在する貫通穴であり得る。一般に、上面4007にウェル4004を形成する開口部のサイズまたは直径は、ウェル4004の底面4009の開口部のサイズより大きくてもよい。上面と底面4007および4009の間の容器ウェル4004の形状は、ウェル4004に配置されるバイアル464の表面との接触を最大にするように構成され得る。容器支持部材4008は、任意の熱伝導性材料から形成され得、熱素子4006に独立して熱的に連結され得る。当該技術分野において公知の任意の種類の適切な加熱および/または冷却装置(例えば、抵抗発熱体、ペルティエ素子など)が、熱素子4006として使用され得る。幾つかの実施形態では、図16Gにて図示したように、熱素子4006は、部材4008に形成された容器ウェル4004が熱素子4006から実質的に等しい距離にあるように、1本の容器支持部材4008と接触して配置され得る。したがって、熱素子4006は、容器ホルダ4010に支持された各容器を実質的に等しい温度に加熱および冷却し得る。熱絶縁材料製のブロック4011は、容器支持部材4008を覆い、熱サイクルの間、部材4008(およびそのウェル4004内のキャップ/バイアルアセンブリ408)からの熱損失を低減するのに役立つ。ブロック4011は、容器支持部材4008からブロック4011に伝達される熱量を低減する任意の熱絶縁材料から作製され得る。幾つかの実施形態では、ブロック4011は、ウルテムまたは別の熱可塑性材料から作製され得る。
図16Gに図示するように、ばね要素4013が、ブロック4011、容器支持部材4008、および熱素子4006を放熱板界面4015に取り付ける。ばね要素4013は、任意の適切な材料から作製され得る。幾つかの実施形態では、ばね要素4013は、ステンレス鋼材料から作製され得る。ばね要素4013は、屈曲し、ブロック4011の外部形状に適合し、それが構成要素を放熱板界面4015に取り付ける場合に、これらの構成要素をぴったりと押しつけるように構成され得る。したがって、ばね要素4013は、熱素子4006と容器支持部材4008との間の熱的接触を最大にするのに役立つ。放熱板界面4015は、容器支持部材4008を放熱板4017(図16Dを参照のこと)に熱的に連結させる。放熱板界面4015および放熱板4017は、任意の熱伝導性材料から作製され得る。幾つかの実施形態では、各容器支持部材4008は、単一の放熱板4017を用いて熱伝達が提供される。各放熱板4017は、容器支持部材4008(すなわち、容器ウェル4004)の貫通穴と一直線に配置された複数の貫通穴(可視的でない)をさらに含み得る。光ファイバー4016および/または関連する構成要素は、後述するように、各容器ウェル4004と放出シグナル検出器(シグナル検出器アセンブリ4020)との間の光通信を提供するために、これらの貫通穴を通して延在し得る。
各容器ホルダ4010の熱素子4006は、各容器ホルダ4010によって支持されたキャップ/バイアルアセンブリ480が独立して加熱および冷却され得る(すなわち、独立して熱循環される)ように、熱素子4006を独立して制御するために(すなわち、加熱および冷却する)制御可能な電源4012に電気的に接続される。すなわち、各容器ホルダ4010によって支持された5つのキャップ/バイアルアセンブリ480は、(必要に応じて)別の容器ホルダ4010によって支持されたキャップ/バイアルアセンブリ480と異なる温度サイクルに供され得る。
前述したように、サーマルサイクラー432は、各容器ホルダ4010が独立して制御された熱ゾーンを形成するように構成される。したがって、サーマルサイクラー432は、12の独立して制御された熱ゾーンを含み、各熱ゾーンは5つの個々の容器を支持するように構成される。しかしながら、この配置は単に例示であり、一般に、サーマルサイクラー432は任意の数の独立して制御された熱ゾーンを含み得、各熱ゾーンは任意の数の容器を支持するように構成され得る。例えば、幾つかの実施形態では、サーマルサイクラー432の隣接する容器ホルダ4010の一部は熱的に連結されて、共通の温度ゾーンを形成し得る。サーマルサイクラー432の選択は、第2のモジュール400で実行されることを意図する増幅反応の性質によって決まる。幾つかの実施形態では、サーマルサイクラー432の異なる熱ゾーンは、異なる条件下で別個の増幅反応を(例えば、同時に)実行するのに適していてもよい。例えば、サーマルサイクラー432の1つ以上の熱ゾーンは、他の熱ゾーンがLDTに関連した1つ以上の増幅反応を実行している間にIVDアッセイに関連した1つ以上の増幅反応を実行し得る。
システム1000において使用され得る例示的なサーマルサイクラー432および熱サイクルの例示的な方法は、米国特許出願公開番号第2014/0038192号に記載されている。システム1000の幾つかの実施形態では、熱サイクル能力を含まない加熱装置がキャップ/バイアルアセンブリ480を加熱するために使用され得ることに注意すべきである(例えば、増幅反応が等温条件下で実施されるべきである場合)。したがって、本出願におけるサーマルサイクラーへのいかなる言及も、基本的に一定の温度を維持するための加熱装置を包含する。
光ファイバー4016(図16Dを参照のこと)は、サーマルサイクラー432の各容器ウェル4004と容器支持部材4008のウェル4004の底面4009の開口部を通して光通信し得る。必要条件ではないが、幾つかの実施形態では、光ファイバー4016(または関連する構成要素、例えば、光ファイバー4016と連結された固定または可動フェルール)は、底面4009を通してウェル4004内に延在し得る。容器(例えば、キャップ/バイアルアセンブリ480)が容器ウェル4004に配置される場合、光ファイバー4016は、容器とフレーム4018の下端部に連結された1つ以上のシグナル検出器アセンブリ4020(図16D、16Iを参照のこと)との間の光通信を提供し得る。幾つかの実施形態では、別々の光ファイバー4016が、サーマルサイクラー432の各容器ウェル4004とシグナル検出器アセンブリ4020との間の光通信を提供し得る。容器ホルダ4010とシグナル検出器アセンブリ4020との間の光ファイバー4016の一部は、理解しやすいように図16D、16Hおよび16Iに示されていないことに注意すべきである。
図16Hに関して、フレーム2018は、その上端部にインタフェースプレート4021を、およびその下端部にベースプレート4019を含む。インタフェースプレート4021はファイバー位置決め穴を長方形パターンで含み、ベースプレート4019はファイバー位置決め穴を円形パターンで含む。インタフェースプレート4021のファイバー位置決め穴は、(容器ホルダ4010の)容器ウェル4004がサーマルサイクラー432に配置されるのと同一のパターンで配置され得る。容器ホルダ4010は、インタフェースプレートの上面に連結され、図16Iに図示したように、シグナル検出器アセンブリ4020は、ベースプレート4019の裏側に連結される。幾つかの実施形態では、図16Iに図示したように、2つのシグナル検出器アセンブリ4020が使用され得る。サーマルサイクラー432の容器ウェル4004の半分に作動連結された光ファイバー4016は、一方のシグナル検出器アセンブリ4020に連結され得、容器ウェル4004の残り半分に連結された光ファイバー4016は、他方のシグナル検出器アセンブリ4020に連結され得る。光ファイバー4016は、ベースプレート4019およびインタフェースプレート4021のファイバー位置決め穴を通してシグナル検出器アセンブリ4020と容器ホルダ4010との間で延在する。フレーム4018の形状および構造は、シグナル検出器アセンブリ4020と容器ホルダ4010との間で最適な光学経路で延在する複数の光ファイバー4016を配置するのに適していてもよい。
シグナル検出器
図17Aおよび17Bは、サーマルサイクラー432とともに使用され得るシグナル検出器アセンブリ4020の上面および底面の斜視図を示す。シグナル検出器アセンブリ4020は、フレーム4018のベースプレート4019(図16Iを参照のこと)に取り付けられるように構成されたベースプレート4022を含む。ベースプレート4022は、フレーム4018のベースプレート4019でファイバー位置決め穴の空間配置に対応する配置に配置された複数のファイバー位置決め穴を含む。シグナル検出器アセンブリ4020は、検出器キャリア4024をさらに含み、これは、図示された実施形態では、複数のシグナル検出器4030を円形パターンで支持する回転ラックを含む。一般にシグナル検出器アセンブリ4020は、ファイバーを通して送信されたシグナルを検出するために、シグナル検出器4030を回転させて各シグナル検出器4030を各光ファイバー4016に逐次的に位置を合わせるように構成される。一般にシグナル検出器アセンブリ4020は、任意の数(3、4、6、8など)のシグナル検出器4020を含み得る。図示された実施形態では、シグナル検出器アセンブリ4020は、5つの個々のシグナル検出器4030を含む。各シグナル検出器4030は、異なる放出シグナルまたは異なる特徴(例えば、波長)を有する放出シグナルを励起および検出するように構成されてもよく、このため、本開示の文脈では、各シグナル検出器4030は、異なるシグナルを検出するための異なるチャネルを構成する。
検出器キャリア4024は、ベースプレート4022に対して回動可能であるように構成される。検出器駆動システム4026は、検出器キャリア4024をベルト駆動システム(図17Bを参照のこと)を介して回転させるように構成された駆動モータ4028を含む。当業者によって理解されるように、他の機構および装置(例えば、歯車機構など)が、検出器キャリア4024を回転させるために使用され得る。モータ4028は、好ましくはステップモータであり、ロータリエンコーダまたは他の位置フィードバックセンサを含むことができる。シグナル検出器4030は、他の光学部品(対物レンズなど)のうちで、励起源(例えば、LED)および発光検出器(例えば、フォトダイオード)を含む。検出器キャリア4024は、各シグナル検出器4030に関連した対物レンズがベースプレート4019に配置された光ファイバー4016に選択的に位置合わせされ得るように、ベースプレート4220に対して回動可能である。したがって、図示された実施形態では、6つの光ファイバー4016が、ある時点でシグナル検出器4030に光学的に位置合わせされる。
シグナル検出器4030は、特定の所定の波長の励起シグナルを生成するように構成されている蛍光光度計であり得る。生成された励起シグナルは、容器ホルダ4010の容器ウェル4004(図16Aを参照のこと)に配置された容器(例えば、キャップ/バイアルアセンブリ480、図16Aを参照のこと)の内容物に向けられ、既知の波長の対応する放出シグナルを有するプローブまたはマーカーが当該容器の内容物に存在するかどうかが判定される。シグナル検出器アセンブリ4020の各シグナル検出器4030は、異なる標的分析物にハイブリダイズした異なるプローブに関連した異なる標識を検出するために、異なる波長を有する放出シグナルを励起および検出するように構成される。容器中に存在し、励起シグナルに反応する標識は、放出シグナル(例えば、光)を放出する。放出シグナル(容器の内容物からの)のうちの少なくとも一部は、(容器が配置された容器ウェル4004に連結された)光ファイバー4016に入り、シグナル検出器4030に返る。シグナル検出器4030は、シグナル検出器4030に当たる放出光の強さに対応する電圧シグナルを生成するように構成されている構成要素(レンズ、フィルター、フォトダイオードなど)を含む。
検出器キャリア4024が回転する度に、各シグナル検出器4030が、光ファイバー4016に逐次的に位置を合わせられて、光ファイバー4016を通して向けられた放出シグナルが調べられる(すなわち、シグナルが測定される)。検出器キャリア4024は、各光ファイバー4016で瞬間的に一時停止して、シグナル検出器4030が容器の内容物によって放出された特定の波長の蛍光を検出するのを可能にし得る。各光ファイバー4016は、検出器キャリア4024の回転毎に、各シグナル検出器4030によって一度調べられる。シグナル検出器アセンブリ4020は、異なるシグナルを検出するように構成された複数のシグナル検出器4030を含むため、容器ホルダ4010内の各容器は、検出器キャリア4024の回転毎に、各々の異なるシグナルについて調べられる。システム1000において使用され得る例示的なシグナル検出器は、米国特許第9,465,161号に記載されている。
遠心分離機
第2のモジュール400は、増幅処理デッキ430(図1Bおよび5A〜5Cを参照のこと)に設置された遠心分離機588を含む。図18A、18Bおよび18Cは、代表的実施形態における遠心分離機588の異なる図を示す。遠心分離機588は、一度に1つ以上の(一態様では最高5つの)キャップ/バイアルアセンブリ480を遠心分離するように構成される。幾つかの実施形態では、アセンブリ480は、熱伝達および光伝送の質を改善するために、(例えば、バイアル464の内容物から気泡を除去するため、および試料材料を主にバイアル464の底に濃縮させるために)増幅反応の前に遠心分離され得る。図18Aに示されるように、遠心分離機588の上部カバーは、第1および第2のアクセスポート589、587を含む。使用される間、流体移送およびハンドリングシステム402(図14Aを参照のこと)のピペッター410は、キャップ/バイアルアセンブリ480(図15A、15Bを参照のこと)を第1のアクセスポート589を通して遠心分離機588に配置する。図14Bおよび14Cを参照して既に説明したように、ピペッター410は、取り付け部材411の方へ押し込まれる際、ピペッター410に連結されたキャップ/バイアルアセンブリ480がそこから放出されるのを可能にするアクチュエータアーム414を含む。ピペッター410に係合されたキャップ/バイアルアセンブリ480が第1のアクセスポート589を通して遠心分離機588に挿入される際、遠心分離機588のストリップバー5007は、ピペッター410(図14Bおよび14Cを参照のこと)のアクチュエータアーム414を取り付け部材411の方へ押し込む。アクチュエータアーム414が取り付け部材411の方へ押し込まれることにより、スリーブ413(ピペッター410の吸引プローブ415に取り付けられている)が吸引プローブ415(図14Cを参照のこと)の取り付け端525の方へ下方向に押される。スリーブ413が下に移動するにつれて、スリーブの下端がキャップ/バイアルアセンブリの縁481を押し、キャップ/バイアルアセンブリ480をピペッター410から分離する。キャップ/バイアルアセンブリを移送するためのピペッターベースのシステムの例は、米国特許出願公開番号第2016/0032358号に記載されている。
遠心分離機588は、アクセスポート587、589の位置を決定する際にピペッター410を支援する複数の教示点5004を含む。図18Aに図示したように、幾つかの実施形態では、4つの教示点5004は、遠心分離機588の上部カバー上に設置された教示ブロック5005に提供され得る。システム設定の間、これらの教示点5004は、ピペッター410にアクセスポート587、589の位置を「教示する」ために利用され得る。幾つかの実施形態では、ピペッター410は、例えば教示点5004の位置に基づいた三角測量によって、アクセスポートの位置を決定し得る。図18Aは、4つの教示点5004を示すが、これは必要条件でないことに留意されたい。幾つかの実施形態では、遠心分離機588は、異なる数(例えば、1、2、3、5など)の教示点5004を含み得る。典型的には、遠心分離機588がわずかに位置ずれを起こしている場合でも(例えば、アセンブリ後に水平でないなど)、ピペッター410がアクセスポート587、589の位置を確実に決定することができるように複数の教示点(単一の教示点の代わりに)が使用される。
図18Bに示されるように、遠心分離機588は、ターンテーブル5002の周囲に配置された複数のバケット5003(図示された実施形態では5つ)を含む。各バケット5003は、ピペッター410が(図18Cに最もよく示すように)キャップ/バイアルアセンブリ480を配置するポケットまたは開口部を含む。バケット5003は、ターンテーブル5002が回転する際に、得られた遠心力がバケット5002(およびその中に配置されたキャップ/バイアルアセンブリ480)をピン5008のまわりで回転させるようにピン5008(図18Cを参照のこと)を介してターンテーブル5002に回転可能に連結される。キャップ/バイアルアセンブリ480に作用している遠心力は、ターンテーブル5002が回転する際に、バケット5003内にそれらを保持するのに役立つ。各バケット5003の両側に配置されたストッパ5006は、ターンテーブル5002が回転する際のバケット5003の過剰回転を防止し得る。幾つかの実施形態では、ステップモータがターンテーブル5002を回転させて、キャップ/バイアルアセンブリ480を遠心分離し得る。ステップモータは、キャップ/バイアルアセンブル480を第1のアクセスポート589から第2のアクセスポート587に移動させるのにも役立つ。遠心分離機588は、遠心分離機588内でのキャップ/アセンブリ480の移動を追跡するためのエンコーダおよび/または他の位置指示器も含み得る。
必要条件ではないが、幾つかの実施形態では、遠心分離機588は、約3000回転数/分の最大回転速度を有し得る。しかしながら、とりわけ、遠心分離される溶液の組成物および適切な遠心分離に必要とされる時間に基づいた他の回転数も意図される。遠心分離が完了した後、(流体移送およびハンドリングシステム402の)バイアル移送アーム418は、遠心分離されたキャップ/バイアルアセンブリ480を第2のアクセスポート587を通して取り出し、それをサーマルサイクラー432に配置する。別個の第1および第2のアクセスポート589、587を有する遠心分離機588は、ピペッター410およびバイアル移送アーム418が互いに衝突せずに遠心分離機588の異なる位置から同時にキャップ/バイアルアセンブリ480のロードおよびアンロードを行うのを可能にする。
複数の容器ユニット
システム1000は、異なるタイプのアッセイの1つ以上のプロセスを実施するためのコンテナとして機能する1つ以上の反応容器(または試験管)を含む。一般に、反応容器は、液体を保持するのに適切な任意のコンテナ(例えば、キュベット、ビーカー、プレートに形成されたウェル、試験管、ピペットチップなど)であり得る。これらの反応容器は、個々の容器(例えば、試験管)として構成され得るか、または相互に連結された複数の容器を含む装置(本明細書において、複数の容器ユニット(MRU)と称される)として構成され得る。図19は、システム1000において使用され得る例示的なMRU160の斜視図を示す。図示された実施形態では、MRU160は、5つの個々の容器162を含む。一般に、任意の数の容器162がMRU160を形成するために相互に連結され得ることに留意されたい。図示された実施形態では、各容器162は、開いた頂端部および閉じた下端部を有する実質的に円筒状のチューブとして構成され、複数の容器162は、MRU160の両側に沿って長手方向に延在する肩部を形成する接続リブ構造164によって相互に連結される。MRU160は、片側から延在する操作構造166および反対側から延在する平坦なラベル受容表面175を有するラベル受容構造174を含む。ラベル受容表面175は、MRU160に関する識別情報および指示情報を提供するためのヒトおよび/または機械可読なラベル(例えば、バーコード)を受容するのに適している。操作構造166は、容器分配システム200(以下でより詳細に記載される図5Dを参照のこと)またはシステム1000の異なる構成要素間でMRU160を移動させるための別の輸送機構の容器フックによって係合されるように構成される。
液体は、ピペッター410または別の適切な機構などの流体移送装置(例えば、磁気洗浄ステーション118、120の吸引管282、図2Fを参照のこと)によって容器162にその開いた頂端部を通して分配されるかまたはそこから除去され得る。幾つかの実施形態では、図2Fを参照して説明されるように、磁気洗浄ステーション120(および/または118)の吸引管282は、容器162に収容された液体を吸引し得る。システム1000のオペレーションの間、単一の吸引管282は、複数の個々の容器162から液体を吸引するために使用され得る。したがって、これらの容器162の間の相互汚染の可能性を低減するために、容器162から液体を吸引する際に、吸引管282が液体または任意の容器162の壁と接触する量を限定することが望ましい。したがって、保護ディスポーザブルチップまたはチップレット168形態の接触を限定する構成要素が、容器162から液体を吸引するために使用される際に吸引管282の末端を覆うために使用され得る。同一の吸引管282が別の容器162へ移動して液体を吸引する前に、使用されたチップレット168は廃棄され、新鮮なチップレット168が吸引管282の末端と連結される。幾つかの実施形態では、別の管状部品(例えば、末端に連結されたピペットチップ584を有するかまたは有さない吸引プローブ415)が、容器から液体を吸引するために使用され得る。幾つかの実施形態では、相互汚染を低減するために、吸引プローブ415の先端は、それが容器から液体を吸引するために使用される際にディスポーザブルカバー(例えば、ピペットチップ584)によって覆われ得る。幾つかの実施形態では、流体移送装置は、複数の管状要素(例えば、5つの管状要素、各容器につき1つ)を含むことができる。かかる実施形態では、流体移送装置は、異なる容器162間で移動しなくてもよい。代わりに、チップレット168を有する異なる管状要素が、MRU160の各容器162から液体を吸引するために使用され得る。例えば、磁気洗浄ステーション120(図2Fを参照して前述した)は、それぞれがMRU160の異なる容器162から液体を吸引するために使用され得る5つの吸引管282(各吸引管282に取り付けられたチップレット168を有する)を含む。幾つかの実施形態では、チップレット168を有するかまたは有さない管状要素が、容器162に液体を分配する際に使用され得る。
図19に図示するように、幾つかの実施形態では、チップレット168は、半径方向に延在する周縁フランジを有する管状体を含む。軸方向穴は、1本のチップレット168を通って延在する。穴の直径は、吸引管282がチップレット168の穴に押し込まれる際にチップレット168を吸引管282の自由端に摩擦によって固定するために、吸引管282の外端との摩擦嵌合を提供するようにサイズ設定される。例示的なMRU160およびMRU160と互換性がある例示的な輸送機構は、それぞれ米国特許第6,086,827号および6,335,166号に記載されている。例示的な流体移送装置またはピペッターは、米国特許第6,335,166号にも記載されている。
容器分配システムおよび容器分配器
図20Aおよび20Bは、システム1000(図5Dも参照のこと)の例示的な容器分配システム200を示す。図20Bの実施形態では、システム200の一部の構成要素は、一部の隠れた特徴を示すために除かれている。下記の説明において、図20Aおよび20Bの両方の参照がなされる。図20Aの図示された実施形態では、容器分配システム200は、下パネル208と上パネル206との間で延在する複数の垂直方向の脚部203、204、205を含むフレーム202を含む。容器受け渡しステーション602は、フレーム202の下パネル208に取り付けられた受け渡しステーションブラケット606に取り付けられ、以下でより詳述される。磁気スロット620および試薬パックロードステーション640は、フレーム202の脚部204および205に取り付けられたブラケット642に支持され、以下でより詳述される。容器分配器312は、フレーム202に支持される。容器分配器312は、第2のモジュール400の異なる位置の間でMRU160(および/または他の容器)および試薬パック760を輸送するように構成される。容器分配器312は、MRU160および試薬パック760を保持するための部分的エンクロージャを画定する分配器ヘッド314、ならびにMRU160の操作構造166および試薬パック760の操作構造764に係合するように構成された操作フック318を含む。容器分配システム200は、円形路で容器分配器312を移動させるように構成された回転駆動システム212を含む。図示された実施形態では、回転駆動システムは、容器分配器312が支持されるターンテーブル214を含む。ターンテーブル214は、フレーム202の下パネル208のその中心軸の周りで回転するように取り付けられる。下パネル208に取り付けられたモータ(可視的でない)は、ターンテーブル214および容器分配器312を回転させる。回転駆動システム212は、システム1000の制御システムに回転位置フィードバックを提供するロータリエンコーダ(または別の位置フィードバック装置)も含み得る。容器分配器312を(例えば、ベルト、プーリー、歯車列などを使用して)フレーム202に回転可能に連結するための他の方法も意図される。容器分配システム200は、第2のモジュール400の異なる構成要素とデッキとの間でMRU160および試薬パック760を輸送するために容器分配器312を垂直方向に移動させるように構成された昇降システム230も含む。代表的実施形態では、昇降システム230は、分配器ヘッド314に取り付けられたモータおよび雌ねじ駆動部(図示せず)を通してターンテーブル214から上向きに延在するねじ山付きロッド232を含む。モータによる雌ねじ駆動部の回転は、分配器ヘッド314にねじ山付きロッド232を上下に平行移動させる。他の昇降システム(例えば、ラックおよびピニオン、ベルト駆動システムなど)も意図され、本開示の範囲内であることに留意されたい。
図21Aおよび21Bは、MRU160によって係合される例示的な容器分配器312の斜視図を示す。フックアクチュエータシステム316は、操作フック318を展開位置(図21Bを参照のこと)と収納位置(図21Aを参照のこと)との間で分配器ヘッド314に対して直線的に平行移動させる。フックアクチュエータシステム316は、操作フック318が取り付けられるフックキャリッジ320およびフックキャリッジ320に取り付けられた駆動ベルト344を含む。フックキャリッジ320は、分配器ヘッド314の上部に形成された(または取り付けられた)フックキャリッジガイドレール330に沿って平行移動するレールチャネル324を含む。分配器ヘッド314に取り付けられた駆動モータ370は、ベルト344を駆動して分配器ヘッド314に対してフックキャリッジ320を展開および収納する。ベルト駆動システムが、図21Aおよび21Bに示されているが、任意のタイプの駆動システム(例えば、ねじ駆動システム、線形ピストンアクチュエータなど)が、フックキャリッジ320を駆動するために使用され得ることに留意されたい。MRU160(または試薬パック760)を移送するために、分配器ヘッド314は回転駆動システム212によって数度回転され、フック318は、フックアクチュエータシステム316によって展開され、ヘッド314は反対方向へ回転してMRU160の操作構造166(または試薬パック760の操作構造764)に係合する。次いで、フック318は、MRU160(または試薬パック760)とともに分配器ヘッド314に収納される。次いで、分配器ヘッド314が、回転および/または平行移動し、MRU160(または試薬パック760)が所望の位置に配置される。
図21Cは、一実施形態における、例示的な容器分配器312の分配器ヘッド314内に配置されたMRU160を示す。図21Cに示すように、容器分配器312は、操作フック318によって分配器ヘッド314に引き込まれるMRU160を受容および保持するようにサイズ設定される。分配器ヘッド314内に配置されるとともに、MRU160の接続リブ構造164は、分配器ヘッド314の内壁に形成された出っ張りまたはレール373に支持される。図21Dは、一実施形態における例示的な容器分配器312の分配器ヘッド314内に配置された試薬パック760を示す。図21Dに示すように、容器分配器312はまた、試薬パック760を受容および保持するように構成され、パック760の底縁765がレール373に支持される。
容器受け渡し装置
容器分配システム200の容器受け渡し装置602は、第1のモジュール100の容器分配器150(図2A、2Bを参照のこと)と第2のモジュール400の容器分配器312との間でMRU160(または別の容器)を移送するように構成される。容器分配器150および容器分配器312の両方が、MRU160の操作構造166に係合することによってMRU160を輸送する。容器分配器312に容器分配器150からMRU160の迅速な移送を可能にするために、MRU160が第1のモジュール100から第2のモジュール400に移送される際に、MRU160は、(第2のモジュール400の)容器分配器312が操作構造166に係合することができるように配向されなければならない。容器受け渡し装置602は、容器分配器150からMRU160を受容し、MRU160を、その操作構造166が容器分配器312に掲示されるように回転させるように構成される。
図22Aおよび22Bは、一実施形態における例示的な容器受け渡し装置602を示す。図22Aにおいて、第2のモジュール400に取り付けられた容器受け渡し装置602が示され、図22Bにおいて、第2のモジュール400から分離された容器受け渡し装置602が、装置の詳細を示すために示される。容器受け渡し装置602は、(第1のモジュール100の)容器分配器150によってヨーク604に配置されたMRU160を受容および保持するように構成された容器ヨーク604を含む。ヨーク604は、それが垂直回転軸を中心として回転可能であるように、(容器分配システム200の下パネル208に取り付けられた)受け渡し装置ブラケット606に取り付けられる。図示された実施形態では、ヨーク604は、ブラケット606に取り付けられた受け渡し装置モータ680に連結される。モータ680は、精密な運動制御のためのステップモータであり得、ヨーク604の回転位置フィードバックをコントローラに提供するように構成されたロータリエンコーダ682を含み得る。センサ684(例えば、光センサ、近接センサ、磁気センサ、容量センサなど)も、コントローラにフィードバック(例えば、ヨークの方向など)を提供するためにブラケット606に取り付けられ得る。MRU160が第1のモジュール100の容器分配器150によってヨーク604に配置された後、モータ680は、MRU160の操作構造166が第2のモジュール400の容器分配器312に面するようにヨーク604を回転させる。
MRU貯蔵ステーション、磁気スロット、および試薬パックロードステーション
図5Dおよび5Eに関して、第2のモジュール400の容器処理デッキ600は、容器分配器312の運動の回転経路に対応するために弧状に配列されたMRU貯蔵ステーション608、610、612、磁気スロット620、および試薬パックロードステーション640を含む。MRU貯蔵ステーション608、610、612は、MRU160の一時貯蔵場所として機能し、MRU160を受容するように構成されたスロット614を含む。MRUのための付加的貯蔵を第2のモジュール400内に提供することは、任意の特定のMRUが第2のモジュール400内で利用されるタイミングの柔軟性を可能にすることによって、ワークフローを向上させる利点を提供する。これは、例えば、緊急の必要性に対処するために、第2のモジュール400に後で到着し得るMRUが、順不同に処理されることを可能にする。
磁気スロット620は、個々の容器162の内容物が磁力に曝露される間、MRU160を支持し、試薬パックロードステーション640は試薬パック760を支持する。代表的実施形態における磁気スロット620および試薬パックロードステーション640の詳細を、図23Aおよび23Bに示す。これらの図に関して、磁気スロット620および試薬パックロードステーション640(各々のうちの2つが図示された実施形態に示される)は、容器分配システム200のフレーム202に取り付けられたブラケット642に支持される。各磁気スロット620の目的は、MRU160を保持し、容器162の内容物に磁力を作用させて、ピペッター410がMRU160の容器162から溶出液液体を吸引する間、内容物中の磁気応答性固体支持体(例えば、磁気ビーズ)を各容器162の側壁に引き寄せることである。各磁気スロット620は、スロット開口部624が形成されたブロック622を含む。スロット開口部624内に配置されたMRU160は、ブラケット642上に載置されているMRU160の接続リブ構造164(図19を参照のこと)によって、開口部624内に支持される。MRU160の操作構造166は、開口部624から延在し、ブロック622の各側壁の切欠き632は、容器分配器312の操作フック318が、スロット開口部624内に位置するMRU160の操作構造166に係合することを可能にする。MRUの上部は、被覆されておらず、したがって、溶出スロット620内に保持されたMRU160の容器162へのピペッター410のアクセスを可能にする。磁石628は、スロット開口部624を画定する壁の一方または両方内に取り付けまたは埋設される。個々の磁石628が、図23Aおよび23Bに示すように、MRUの各容器162のために提供され得るかまたは単一の磁石がMRU160のために提供され得る。本開示の実施形態において使用するために構成され得る被覆された磁気スロットの例は、米国特許第8,276,762号に記載されている。
試薬パックロードステーション640は、ブラケット642の上方に延在する間隔を置いた止め具特徴644および各試薬パックロードステーション640の後端を画定する逆転防止装置646によって画定される。試薬パック760は、側方フランジ下の止め具特徴644間に挿入され、試薬パック760の後端が逆転防止装置646に接触するまで、ロードステーション640の内に押し込まれる。試薬パックダストシュート428が、ブラケット642に支持される。図示された実施形態では、試薬パックダストシュート428は、側壁434、436および上パネル438によって画定される入口構造を含み、それを通して試薬パック760は、ダストシュート428内に挿入される。側壁434、436は、ブラケット642の上部に取り付けられ、その前縁において外向きに屈曲または拡開され、漏斗状入口をダストシュート428に提供する。1つ以上の弾性タブ442は、上パネル438から下方に延在する。試薬パック760を廃棄するために、容器分配器312が、パック760を側壁434、436間のダストシュート428の内に挿入する。試薬パック760が、ダストシュート428の中に挿入される際、上パネル438と試薬パック760の上部との間に隙間が存在する。弾性タブ442は、試薬パック760の上部を圧迫し、試薬パック760をダストシュート428内に保持する。次の試薬パック760がダストシュート428に挿入される場合には、それが前に挿入された試薬パックを押し、これにより、前に挿入されたパックがダストシュート428にさらに押し込まれる。切り欠き648はブラケット642に形成され、前に挿入されたパックが最終的にダストシュート428からダストシュート428の下に位置するゴミ箱650に落下するのを可能にする。図5Dおよび5E(ならびに図23Aおよび23B)は、MRU貯蔵ステーション608、610、612、磁気スロット620、および試薬パックロードステーション640の特定の数および配置(すなわち、円弧状)を示すが、これは単に例示である。一般に、第2のモジュール400は、任意の数のこれらの特徴を含み得、それらは任意のパターンで配置され得る。
試薬パック入替え装置
引き続き図5Dおよび5Eを参照して、第2のモジュール400は、試薬パック入替え装置700を含む。試薬パック入替え装置700は、完全に独立した試薬パック装填および試験実行を提供し、それによって、オペレータは、試薬パックを試薬パック投入装置内に設置し、および/または試薬パック760を試薬パック投入装置から除去し得る。幾つかの実施形態では、試薬パック投入装置は、第2のモジュール400から引き開けられ得、回動可能な試薬パック回転ラック704を含むコンパートメント702を含む。図24は、一実施形態における第2のモジュール400の開き得るコンパートメント702に配置された例示的な試薬パック回転ラック704を示す。コンパートメント702は、フレーム716が、引き出しとして第2のモジュール400内外にスライドすることを可能にするトラック上に配置される、回転ラックフレーム716を含む。フレーム716は、第2のモジュール400(図1Bも参照のこと)の前面に露出した前板720を含む。フレーム716の上面は、回転ラック704の形状に適合するように成形される実質的に円形の凹部を含み、回転ラック704は、フレーム716の凹部に配置される。回転ラック704は多数の試薬パックステーション706を含み、これらの各々は試薬パック760を受容および運搬するのに適している。試薬パックの充填密度を増加させるために、バーコードリーダが試薬パック760上のバーコード(または他の特定可能なしるし)にアクセスするのを可能にするとともに、回転ラック704上の試薬パックステーション706が、回転ラック704の半径方向に対して曲げられ得る(例えば、約5〜20°の間)。試薬パックステーション706は、ユーザが試薬パック760をステーション706に(から)ロード(除去する)することができるように構成される(例えば、サイズ設定されるなど)。幾つかの実施形態では、試薬パック入替え装置700は、回転ラック704の電動式回転をもたらすためのモータを含む。モータは、フレーム716に取り付けられ得、フレーム716とともに内外に移動し得る。コンパートメント702が開位置または閉位置にあるとき、それを検出し、システムコントローラにその情報を通信するように構成された回転ラックコンパートメント702は、1つ以上の位置センサも含み得る。第2のモジュール400は、試薬パック760に関する情報(例えば、試薬パック760内に保有されるアッセイ試薬の識別情報、製造者、ロット番号、有効期限など)を提供する、試薬パック760に提供されたしるし(例えば、バーコード)を読み取るように構成されたリーダ(例えば、バーコードリーダ)を含み得る。
一度試薬パック760が回転ラック704に存在すると、それは核酸増幅アッセイ(例えば、PCR反応を実施するものなど)に利用することが可能である。特定の試薬が増幅反応に必要とされる場合には、回転ラック704は、必要な試薬を収容している試薬パック760が容器分配器312によってアクセス可能である位置に回転する。次いで、容器分配器312は、試薬パック760にアクセスし、それを試薬パック760に収容された1つ以上の乾燥試薬の再構成のために試薬パックロードステーション640(図23Aおよび23Bを参照のこと)へ移動させ得る。試薬パック760が空の場合、または試薬パック760の1つ以上のウェルの試薬が再構成され、除去された場合、分配器312は、試薬パック760をダストシュート428へ移動させるか、その後の使用のために試薬パック投入回転ラック704に戻る。米国特許第9,732,374号は、MRU貯蔵ステーション、磁気スロット、試薬パックロードステーション、および試薬パック入替え装置の代表的実施形態をより詳細に記載している。
また幾つかの実施形態では、第2のモジュール400は、試薬パック760に存在する試薬768に静電荷を付与するための静電発電機を含み得る。静電荷は、試薬768を試薬パック760(図13Cを参照のこと)の混合ウェル762の底に配置および保持するのに役立ち得る。試薬768は、以前に付与された静電荷により混合ウェル762の底に保持され得るが、再構成時に試薬768を混合ウェル762の底部に能動的に引き込むための静電発電機をモジュール400内に含むことは、再構成の間、試薬768を正しいスポットに位置付けるのに役立ち得る。幾つかの実施形態では、静電発電機は、試薬パックロードステーション700の下、または回転ラック704内に配置され得る。
貯蔵/拡張モジュール
図1Bに関して、第2のモジュール400は、付属品を貯蔵するための、または第2のモジュール400の拡張に対応するためのコンパートメント590を含み得る(例えば、試薬の貯蔵のための追加の試薬コンパートメントを追加するため、システム1000に分析能力を追加するためなど)。一例示的実施形態では、コンパートメント590は、標準的なウエルプレートまたはキャップ/バイアルアセンブリ480に適合するようにサイズ設定された貯蔵トレイ452を格納し得る。ウエルプレートまたはトレイ452は、流体移送およびハンドリングシステム402(図14を参照のこと)の正面アーム408(ピペッター410を含む)および後面アーム416のうちの少なくとも1つ(バイアル移送アーム418を含む)がウエルプレートまたはトレイ452の位置にアクセスできるように位置し得る。図24に示すように、コンパートメント590は、ユーザがウエルプレートまたは貯蔵トレイ452のロードおよびアンロードを行うことができるように、引き出しメカニズム450を介してモジュール400の前部からアクセスされ得る。幾つかの実施形態では、貯蔵トレイ452は、キャップ/バイアルアセンブリ480で収容された試料に対する追加のアッセイまたは反応(例えば、熱融解分析、配列決定反応など)を実施する能力を提供するための増幅反応を受けたキャップ/バイアルアセンブリ480を回収するために利用され得る。コンパートメント590内の貯蔵のためのキャップ/バイアルアセンブリ480は、貯蔵容器(または密閉された場合、キャッピングされた貯蔵容器)と称され得る。熱融解分析を実行するための例示的な手法は米国特許第8,343,754号に記載されており、米国特許第9,588,069号は熱融解分析を実施するための例示的な構造を記載している。貯蔵トレイ452は、核酸増幅反応に供されんかった溶出液を収容しているキャップ/バイアルアセンブリ480を貯蔵するために使用され得る。コンパートメント590内に貯蔵されたキャップ/バイアルアセンブリ480の内容物にアクセスするために、キャップ476およびバイアル464は、例えば、米国特許第9,248,449号に記載のキャップ除去トレイを使用して分離され得る。この実施形態では、バイアル移送アーム418(ピペット操作能力を有するかまたは有さない)は、キャップ/バイアルアセンブリ480を貯蔵トレイ452からキャップ除去トレイに移送し得、これは、キャップ/バイアルコンパートメント440のうちの1つに位置し得る。幾つかの実施形態では、コンパートメント590は、モジュール400の側面からアクセスされ得る。幾つかの実施形態では、コンパートメント590は、試薬を中に収容しているコンテナを配置するように構成され得る。幾つかの実施形態では、コンパートメント590は、ウエルプレートまたは試薬を収容しているコンテナ(またはコンパートメント590に貯蔵された別の構成要素)を第2のモジュール400の内外に平行移動させるための、例えば、モータ駆動ベルトを含む駆動システムを含み得る。
IVD+ASRの実施形態
システム1000は、アッセイ能力を拡張または改善することができる1つ以上のASR(例えば、オリゴヌクレオチド)などの追加の試薬を補足した既存のIVDアッセイを実施するのにも適している。かかる補足が適切であり得る例示的な状況としては、新規のまたは異なる標的の検出を含み、これは、既にIVDアッセイによって検出されているが、IVDがシステム1000上で商用化されていない標的と同じ一般的なクラス内の標的の新たなまたは異なる型(例えば、バリアント、亜種、遺伝子型、対立遺伝子、株、多型、ハプロタイプ、変異体など)であり得る。
例えば、メチシリン耐性S.aureus(MRSA)用のIVDの文脈では、新規のまたは異なる標的は、MRSAの追加の型、例えば、まだIVDによって検出されていない一種のmec右端接合部(MREJ)を含むMRSAであり得る。既存のIVDにおけるオリゴヌクレオチドの標的配列を基準とした、新規のまたは異なる標的と既存の標的との間の差に応じて、1つまたは2つの補足的な増幅オリゴヌクレオチドおよび/または補足的な検出プローブが、ASRとして提供され得る。MRSA用のIVDの文脈における別の例として、IVDはmecAおよびmecCを検出するように設計され得るが、ユーザはmecBを検出することに対する関心も有し得る。IVDは、mecB遺伝子を増幅し、検出することができるオリゴヌクレオチドを有するASRを補足され得る。
あるいは、新規のまたは異なる標的は、新規のまたは異なるバリアントまたは変異体以外の配列、例えば、元々のIVDによって検出されない細菌もしくはウイルスの種などの異なる生物からの配列、または対照配列であり得る。例えば、ウイルスの一団を検出するためのIVDが、追加のウイルス用の1セットのオリゴヌクレオチド(例えば、アッセイフォーマットおよび任意のIVDオリゴヌクレオチドが新規のまたは異なる標的の検出において役割を果たし得るかどうかに応じて、1つまたは2つの増幅オリゴヌクレオチドおよび1つまたは2つの検出プローブ)を含むことによって拡張され得る。一例として、アデノウイルス、ライノウイルスおよびヒトメタニューモウイルスなどの一連の呼吸器系ウイルスを検出するためのIVDは、コロナウイルスを検出するためのオリゴヌクレオチドを補足され得る。対照配列に関しては、対照の追加は、阻害またはアッセイに関する他の問題を試験するのに使用され得る。ASRが対照を増幅するために提供される場合には、対照アンプリコンを生成するための鋳型配列も提供され得る。
場合によっては、ASRは、増幅オリゴヌクレオチドを含む。例えば、新規のまたは異なる標的が、例えば、一般に元の標的と比較して(補足的なASRなしでは)新規のまたは異なる標的の増幅度を低下させるかまたは削減する、IVD増幅オリゴヌクレオチドと新規のまたは異なる標的とのハイブリダイズした複合体の融解温度を下げることによって(これは、例えば、IVD試薬が設計された後に、生じた、発見された、または有病率もしくは重要性が増加した変異などの多型に起因し得る)、既存のIVD増幅オリゴヌクレオチドの性能に悪影響を与える配列を含む場合、1つの追加の増幅オリゴヌクレオチドが十分であり得る。ASR増幅オリゴヌクレオチドは、逆方向のIVD増幅オリゴヌクレオチドとともに、1つ以上のIVD検出プローブによって検出するための新規のまたは異なる標的を増幅し得る。
場合によっては、ASRは、一対の増幅オリゴヌクレオチドを含む。この手法は、新規のまたは異なる標的がIVD増幅オリゴヌクレオチドが効率的にハイブリダイズしない配列、例えば、効率的なハイブリダイゼーション可能にするのに十分な標的領域にわたる相同性を欠いている、新規のもしくは異なる標的生物の配列または標的生物のバリアントである場合に使用され得る。
場合によっては、ASRは、検出プローブを含む。例えば、新規のまたは異なる標的が、例えば、一般に元の標的と比較して(補足的なASRなしでは)新規のまたは異なる標的の検出度を低下させるかまたは削減する、IVD検出プローブと新規のまたは異なる標的とのハイブリダイズした複合体の融解温度を下げることによって(これは、例えば、IVD試薬が設計された後に、生じた、発見された、または有病率もしくは重要性が増加した変異などの多型に起因し得る)、既存のIVD検出プローブの性能に悪影響を与える配列を含む場合、1つの追加の検出プローブが十分であり得る。ASR検出プローブは、IVD増幅オリゴヌクレオチドによって新規のまたは異なる標的から生成されたアンプリコンを検出するように設計される。
あるいは、新規のまたは異なる標的がIVDオリゴヌクレオチドによって検出される配列と異なる配列を増幅するASRオリゴヌクレオチドを使用して検出される場合、および/または識別可能な検出が望ましい場合(例えば、後述するように)、ASR検出プローブは、ASR増幅オリゴヌクレオチドと組み合わせて提供され得る。
Invader Plus(登録商標)アッセイなどの一次および二次検出プローブを使用したアッセイフォーマットでは、ASR検出プローブは、新規のまたは異なる標的のアンプリコンと直接的に相互作用する、インベーダープラスアッセイの侵入型プローブまたはシグナル(一次)プローブであり得る。ASR検出プローブは、二次の標識された検出プローブであるIVDオリゴヌクレオチドと相互作用する、標的にハイブリダイズしない配列を含み得る(例えば、Invader Plus(登録商標)アッセイのFRETカセット)。インベーダープラスアッセイを実施するための化学作用は、米国特許出願公開番号第2005/0186588号および米国特許第9,096,893号に記載されている。アンプリコンと結合し、標識(TaqManなどの)を含む検出プローブを使用したアッセイフォーマットでは、ASR検出プローブは、IVD検出プローブと同じ標識を含み得る。TaqManアッセイを実施するための化学作用は、2018年3月23日に出願されたPCT出願番号PCT/US2018/024021および米国特許第5,723,591号に記載されている。したがって、新規のまたは異なる標的は、IVDアッセイの元の標的を検出するために既に使用されているチャネルを使用して検出され得る。この手法は、存在している新規のまたは異なる標的の意義が元のIVD標的の存在と同様であるか、または識別不能である場合、例えば、アッセイの目的がMRSAなどの標的病原体が試料中に存在したか否かを決定することであり、ASRが、標的病原体の追加の型、バリアントまたは変異体の検出を容易にするのに役立つ場合、特に適している。
代替的に、新規のまたは異なる標的を識別可能に検出するために、IVD検出プローブに対して識別可能に標識される検出プローブが、提供され得る。これは、例えば、直接的に標的アンプリコンを結合するように構成される(例えば、TaqManアッセイのための)識別可能に標識された検出プローブ、またはすなわち、ASRとしても提供される一次検出プローブの切断された非相補的な5’フラップに結合するように構成される(例えば、インベーダープラスアッセイのための)識別可能に標識された二次検出プローブであり得る。この手法は、存在している新規のまたは異なる標的の意義が元のIVD標的の存在と同様でない場合、例えば、新規のまたは異なる標的が異なる生物であるかまたは対照である場合、特に適している。
IVDアッセイを補足するための1つ以上のASRは、標準的なIVDオリゴヌクレオチドとは別の容器またはカートリッジで提供され得る。これは、IVDオリゴヌクレオチドを含有している試薬の改良を必要とすることなくアッセイ能力を増加させるのを促す。補足的な1つまたは以上のASRを含有している試薬またはカートリッジは、1つ以上の凍結乾燥酵素、dNTP、緩衝液、1つ以上の塩、またはこれらの組み合わせなど、アッセイで使用するための追加の材料をさらに含み得る。
したがって、幾つかの実施形態では、本明細書において開示される方法は、IVDアッセイを実施するためのオリゴヌクレオチド(および、おそらく他の増幅試薬)を含む混合ウェル762を有する試薬パック760および1つ以上のASRを収容している容器(複数可)1940を提供することを含む。混合ウェル762の内容物は、再構成され得る(例えば、凍結乾燥物などの乾燥形態で提供される場合)。混合ウェル762の内容物は、バイアル464の試料と組み合わされ、熱サイクルを含み得るIVDアッセイの反応条件などの反応条件下に置かれ得る。検出は、未変更のIVDアッセイと同様に実施され得るか、またはIVDアッセイと同一のステップに加えて、存在する場合、上記のように識別可能に標識されてもされなくてもよいASR検出プローブを検出することを含み得る。
1つ以上のASRがエンドユーザによって提供され得、これは本質的にIVDをLDTに変形させる。あるいは、1つ以上のASRが検証後に元のIVD試薬と組み合わされて元のIVDの供給元によって提供され得、その結果、1つ以上のASRと併用した元のIVDは、IVDのままであり得る。
MRSAは、悪名高いほど多型の病原体群であり、多型のほとんどは、メチシリン耐性遺伝子を保有する可動遺伝要素(SCCmec)の右端接合部および細菌染色体のorfX遺伝子内の挿入部位に生じる。MRSAに関するさらなる考察ならびにMRSAを検出するための例示的な試薬および方法については米国特許出願第62/544,491号および米国特許第7,838,221号を参照のこと。
CI5683と称されるMRSA分離株は、既存のMRSAアッセイ試薬セットのInvader Plus一次プローブの構造に干渉し、したがってMRSA CI5683のorfX/SCCmecアンプリコンにハイブリダイズした際に、その開裂に干渉する多型を含むことが分かった。元の一次プローブは、多少のシグナルを生じたが、陽性結果のCt閾値を超えるほど十分ではなかった。このことは、MRSA CI5683を含む試料に対するアッセイの実施が偽陰性結果を示したことを意味する。
標準的なアッセイのためのオリゴヌクレオチドは、試薬パック中に提供された。容器は、MgCl単独(対照)またはASRとして追加の一次プローブを含有するMgCl(試験)を有した。10CFU/mlのCI5683から調製された試料(n=3)を、Panther Fusion(登録商標)システム(Hologic,Inc.、マサチューセッツ州マールボロ)でのInvader Plusアッセイに供し、以下の結果を得た。
表1.CI5683の検出
Figure 2021512303
mecA/CおよびGAPDH遺伝子が、内部標準とともに多重に検出された。これらの各々の陽性は、ASR一次プローブの存在によって影響を受けなかった(データ非表示)。
CI5685と称されるMRSA分離株は、タイプxviiのMREJを有する。既存のMRSAアッセイ試薬セットは、タイプxviiのMREJ配列に効率的にハイブリダイズし、その配列上での合成を準備する増幅オリゴヌクレオチドを含まない。
上記のように、標準的なアッセイのためのオリゴヌクレオチドは、第1の試薬パック中に提供された。第2の試薬パックは、MgCl単独(対照)またはASRとしてタイプxviiのMREJ配列に相補的な追加の増幅オリゴマーを含有するMgClを有した(試験)。10CFU/mlのCI5685から調製された試料(n=3)を、Panther Fusion(登録商標)システムでのInvader Plus(登録商標)アッセイに供し、以下の結果を得た。
表2.CI5685の検出
Figure 2021512303
mecA/CおよびGAPDH遺伝子が、内部標準とともに多重に検出された。これらの各々の陽性は、ASR増幅オリゴヌクレオチドの存在によって影響を受けなかった(データ非表示)。
したがって、追加の増幅オリゴヌクレオチドおよび/または検出プローブを、既存のアッセイオリゴヌクレオチドから別個の容器に提供し、アッセイ能力を増加させるためにそれらと組み合わせて使用することができる。
例示的な操作方法
システム1000において、第1のモジュール100は、分子アッセイの試料調製部分(例えば、試料中に存在し得る標的核酸を単離および精製するためのステップ)で使用され得る。試料および磁気応答性固体支持体を含み得る標的捕捉試薬(TCR)は、第1のモジュール100へとロードされる。これらの試料には、異なるタイプの分子アッセイ(IVDアッセイ、LDTなど)が実施されることが望ましい試料が含まれ得る。TCRは、標的核酸に特異的に結合するか、または試料中のすべての(またはほとんどの)核酸に非特異的に結合するように設計された捕捉プローブを含み得る。換言すれば、非特異的捕捉プローブは、標的核酸および非標的核酸を区別しない。標的核酸の特異的および非特異的な固定化の例示的な手法は、米国特許第6,534,273号および同第9,051,601号に記載されている。捕捉プローブを必要としない非特異的捕捉技術は、当業者に周知であり、例えば、米国特許第5,234,809号に記載の技術が含まれる。試薬コンテナ1520は、第2のモジュール400の試薬コンテナコンパートメント500内の第1の試薬コンテナキャリア1500にロードされる(図6Bを参照のこと)。次いで、試薬コンテナ移送機構1700は、試薬コンテナコンパートメント500から、第1の試薬コンテナキャリア1500を、それが第1のモジュール100の流体移送装置によりアクセスされ得る第1のモジュール100内の位置(図8を参照のこと)へ移動させる。
第1のモジュール100の例示的な流体移送装置805を、図25に示す。図25に示す実施形態において、流体移送装置805は、ガントリーシステムに取り付けられた試薬ピペッター810および試料ピペッター820を含む。幾つかの実施形態では、一方または両方のピペッター810、820は、ガントリーシステムのレール上で複数の直交方向(x、y、zなど)に移動するように適合されていてもよい。第1のモジュール100に(例えば、ユーザインタフェースを介してユーザにより、またはサンプル容器の機械可読な情報(例えば、バーコード)により)提供される情報によって、第1のモジュール100は、実施されるアッセイタイプを認識する。試料を処理するために、第1のモジュール100の容器分配器150は、新しいMRU160(図19を参照のこと)を取り出し、それを第1のモジュール100内の試料分配位置に配置する。TCRおよび試料は、それぞれ試薬コンテナおよび試料管から第1のモジュール100の流体移送装置805によってMRU160の容器162に移送される。幾つかの実施形態では、流体移送装置805の試薬ピペッター810が、試薬を移送するために使用されてもよく、試料ピペッター820が試料をMRU160に移送するために使用されてもよい。次いで、MRU160の内容物は、MRU160が磁気洗浄手順のための磁気洗浄ステーション118、120に移送される前に、所定の温度にて所定の期間インキュベートされる(インキュベーター112内、図2A、2Bを参照のこと)。磁気応答性の粒子またはビーズを使用した例示的な標的捕捉手順は、米国特許第6,110,678号および同第9,051,601号に記載されており、シリカビーズを使用した標的捕捉手順は、米国特許第5,234,809号に記載されている。
図26は、磁気粒子標的捕捉を使用した標的捕捉プロセスを用いる例示的な抽出プロセスを示し、記載する。MRU160の容器162(図19を参照のこと)において、試料は、磁気粒子および溶解試薬を含有する標的捕捉試薬(TCR)と組み合わされる。MRU160の内容物は、既定の速度での軌道回転を使用して混合され、次いで、細胞を溶解し、特異的または非特異的な捕捉プローブを使用して試料核酸を磁気粒子上へ固定化するように設計された一連の加熱ステップに曝される(インキュベーター112および114にて、図2A、2Bを参照のこと)。試料がMRU160内でTCRと組み合わされた後、MRU160の内容物の温度を、MRU160が第1のインキュベーター112から移送される第2のインキュベーター(例えば、例えば54℃の温度に維持され得る高温インキュベーター114)の温度近くまで上昇させるために、MRU160は最初に第1のインキュベーター(例えば、例えば43.7℃の温度に維持される遷移インキュベーター112)に移送され得る。第2のインキュベーター114内にある間、捕捉プローブは試料中に存在し得る任意の標的分析物に結合してもよい。しかしながら、幾つかの実施形態では、捕捉プローブは、第2のインキュベーター114内にある間、固体支持体に結合しなくてもよい(例えば、第2のインキュベーター114の高温に起因して)。次いで、MRU160は、捕捉プローブを固体支持体に結合させるために第1のインキュベーター112に戻される。インキュベーション後、容器162内の粒子を単離するために、MRU160は磁界に曝露される。容器162内で固定化される間、タンパク質および細胞破片(潜在的な増幅阻害因子)は、磁気洗浄ステーション118、120(図2Aを参照のこと)で一連の吸引および洗浄ステップを使用して除去される。次いで、MRU160は、50μLの溶出緩衝液が(例えば、試薬コンテナ1520のうちの1つから)試薬ピペッター810(図25を参照のこと)を使用してMRU160の容器162に添加される、増幅ロードステーション104、106(図2Aを参照のこと)に移される。次いで、MRU160の内容物は、容器受け渡し装置602がMRU160をPCR反応の準備のための第2のモジュール400に移送する前に、粒子を再懸濁するために(例えば、増幅ミックスロードステーション104などのロードステーションにおいて)撹拌される。第2のモジュール400において、MRU160は、MRU貯蔵ステーション608、610、612(図5Dを参照のこと)のうちの1つの利用可能なスロット614に配置され得る。システムコントローラにより信号を送られた際に、次いで、第2のモジュール400は、磁気粒子から溶離された核酸を分離するためにMRU160を磁気スロット620へ移し得る。
次いで、ロボットピペッター410などの流体移送装置が、増幅プロセスを開始する。図27は、例示的な増幅プロセスを概略的に示し、記載する。ピペッター410は、最初に、ディスポーザブルチップ584を(チップコンパートメント580のうちの1つに保有されるディスポーザブルチップトレイ582から、図5Aを参照のこと)ピペッター410の吸引プローブ415の取り付け端425に取り付ける。次いで、ピペッターは、油を(例えば、試薬コンテナコンパートメント500内に存在する油コンテナ1820から)吸引し、試験の待ち行列に入れられた各処理バイアル464に約20μLの油を分配する。次いで、ピペッター410は、容器162から溶出液/試料および溶媒コンテナ(例えば、コンテナ1620または1920)から溶媒を別々に吸引し、所望の単位用量試薬768(例えば、凍結乾燥物)を含む試薬パック760の混合ウェル762に、それらを分配する(図13C、13Dを参照のこと)。既に説明したように、IVDアッセイが試料に対して実施される場合、このステップで使用される溶媒は、第2の試薬コンテナキャリア1600に貯蔵された溶媒コンテナ1620(図6Bを参照のこと)のうちの1つからの再構成緩衝液1670である。LDTが実施される場合、使用される溶媒は、試薬コンテナコンパートメント500または別のコンパートメント(例えば、冷却/加熱されたコンパートメント)内に貯蔵された溶媒コンテナ1920(図6Bを参照のこと)のうちの1つからの再構成液(1970A、1970Bなど)である。場合によっては、混合ウェル762中の液体は、溶媒および試薬768の迅速な再構成および混合を促進するために、複数回ピペッター410に吸い込まれ、ピペッター410から放出され得る。次いで、再構成された増幅試薬は、吸引され、処理バイアル464に分配される。次いで、バイアル464は、キャップ/バイアルアセンブリ480を形成するようにピペッター410を使用してキャップ476でキャップされている(図15Aおよび15Bを参照のこと)。次いで、ピペッター410は、キャップ/バイアルアセンブリ480がバイアル464の内容物を濃縮して、気泡を除去するのに十分な速度にて、かつ十分な時間遠心分離される遠心分離機588にキャップ/バイアルアセンブリ480を移送する。遠心分離後、バイアル移送アーム418は、遠心分離されたキャップ/バイアルアセンブリ480のキャップ476に係合し、それをサーマルサイクラー432の容器ホルダ4010へ移動させる。キャップ/バイアルアセンブリ480の内容物は、増幅手順(例えば、PCR増幅)に従ってサーマルサイクラー432内で熱循環される。幾つかの実施形態では、増幅および検出は、サーマルサイクラー432内で同時に行われ得る。図28は、サーマルサイクラー432にキャップ/バイアルアセンブリ480を移送する例示的な方法を概略的に示す。アッセイの結果は、機器モニターまたはユーザインタフェース50に表示され得、印刷またはLISへの通信が行われ得る。
幾つかの実施形態では、第1のモジュール100は、MRU160を第2のモジュール400に運搬する前に、容器162の内容物について核酸増幅反応(例えば、等温増幅反応)を実施し得る。さらに、MRU160の内容物が第2のモジュール400内で処理される前後において、別の反応(例えば、PCRまたは他のプロセス)を実施するためにある量の溶出液/試料が、容器162から1つ以上のバイアル464に移送され得、かつ/またはMRU160が、容器162の残存する内容物について核酸増幅反応を実行するために第1のモジュール100に戻され得る。
次に、本開示の態様を実施する例示的プロセスが記載される。これらのプロセスは単に例示的なものであり、他のプロセスが(例えば、記載されたステップの一部を省略および/または並べ替えることによって)システム1000により実施され得ることに留意されたい。幾つかの実施形態では、記載されたプロセスは多数の追加のまたは代替的なステップを含み得、幾つかの実施形態では、記載されたプロセスのうちの1つ以上が省略され得る。分析において任意の記載されたステップが省略または変更され得るか、または他のステップが追加され得る。記載されたプロセスにおいてステップの特定の順序が記載または暗示されているが、一般にこれらのステップは、示された順序および記載された順序で実施される必要はない。さらに、記載されたプロセスの一部(またはすべて)が、別のプロセスに組み込まれ得る。
例示的な試料溶出液調製プロセス800を、図29に示す。既に説明したように、幾つかの実施形態では、試料調製は、主にシステム1000の第1のモジュール100内で実施され得る。ステップS802において、第1のモジュール100の容器分配器150は、MRU160を容器コンパートメント102からロードステーション104、106または108のうちの1つへと(または反応材料が容器162に添加され得る別の位置へと)移動させる。ステップS804において、第1のモジュール100のロボットピペッター810は、十分な量のTCR(標的捕捉試薬)、サンプル流体、および標的増感試薬(TER)をMRU160の各容器162に移送する。例示的な標的増感試薬は、米国特許第8,420,317号に記載されている。例示的プロセスでは、約500μLのTCR、約360μLのサンプル流体、および約140μLのTERが、各容器162に移送され得る。ステップS806において、容器162中のTCR、サンプル流体、およびTERは、例えば、MRU160を高周波で(例えば、約16Hzにて約60秒間)振動させることによって混合される。ステップS808において、MRU160は、所望の反応を促進する環境に移動される。例えば、幾つかの実施形態では、容器分配器150は、MRU160をロードステーション104から移動させ、例えば、MRU160の内容物を所定の温度にて所定の時間(例えば、約64℃にて約1800秒または別の適切な温度および時間)インキュベートするためにMRU160をインキュベーター114に移送する。幾つかの実施形態では、インキュベーター内の温度の変動を最小限にするために、MRU160をインキュベーターへ移動させる前に、最初にMRU160は、加熱されたステーション(例えば、(例えば、約64℃にて約300秒間)加熱されたロードステーション104、106、108のうちの1つ)に配置されてMRU160の内容物がインキュベーター114の温度近くまで加熱され得る。最も幾つかの実施形態では、望ましい反応は、異なる温度での複数回のインキュベーションを必要とし得る。かかる実施形態では、容器分配器150は、インキュベーションプロセスを続けるためにMRU160を第1のインキュベーターから(例えば、異なる温度に維持された)別のインキュベーターに移送し得る。最も幾つかの実施形態では、S810におけるインキュベーションステップ後、容器162内で起きている任意のインキュベーション反応を終了させるために、容器分配器150は、MRU160をインキュベーターから(例えば、所定の温度に維持された)冷却器モジュール122に移送し得る。冷却器122は、オリゴハイブリダイゼーションを促進し得、発光測定の前にMRU160を冷却し得る。
アッセイが標的核酸を磁気応答性固体支持体に固定化するためにステップを含む場合、磁気分離手順が、容器162の内容物について実施される。かかる実施形態では、ステップS812において容器分配器150は、(所定の時間、例えば、約830秒後に)MRU160を冷却器モジュール122から、磁気応答性固体支持体を容器162の内壁に引き寄せ、これにより、固体支持体を懸濁液から取り出すための磁石を含む磁気集積ステーション110に移送する。例示的な集積ステーションは、米国特許第8,276,762号に記載されている。ステップS814では、磁気集積ステーションでの所定の時間(例えば、約300秒)後、容器分配器150は、MRU160を磁気洗浄ステーション118、120のうちの1つに移送する。ステップS816では、磁気洗浄手順が、磁気洗浄ステーション118、120(図2Fを参照のこと)に配置されたMRU160の内容物に対して実施される。例示的な磁気洗浄ステーションは、米国特許第6,335,166号および同第9,011,771号に記載されている。磁気分離手順は、複数回の磁気滞留を含み得、その間、容器162の内容物は、所定の時間磁力に曝露される。各磁気滞留の間、容器162の流体内容物は吸引されるが、磁気粒子はほとんど容器162内に単離されたままである。一例示的実施形態では、それぞれ約120秒の3回の磁気滞留が実施される。各磁気滞留の終了時に、容器の内容物から磁力が除去される。幾つかの実施形態では、各磁気滞留(最後の磁気滞留を除く)後、次の磁気滞留を開始する前に磁気粒子を再懸濁するために、所定の量の洗浄液(例えば、約1000μLの洗浄緩衝液)が各容器162に添加される。
磁気洗浄プロセスの完了後(例えば、最後の磁気滞留に続いて容器162の流体内容物が吸引された後)、ステップS818において、容器分配器150は、MRU160を磁気洗浄ステーション118、120からロードステーション104、106、108のうちの1つに移送する。ロードステーションに配置されている間、ステップS820において、試薬コンテナ1520(試薬コンテナ移送機構1700により第1のモジュール100に移送される)のうちの1つから所定の量(例えば、約50〜110μL)の溶出緩衝液が、MRU160の各容器162に添加される。溶出緩衝液は、さもなければリアルタイム増幅の間の検出に干渉し得る固体支持体から核酸を溶出するために添加される。幾つかの実施形態では、核酸の溶出効率を改善するために(例えば、MRU160をインキュベーター112または114に移送することによって)容器162の内容物が加熱され得る。ステップS822において、溶出緩衝液の添加後、容器162の内容物は、(例えば、増幅ミックスロードステーション104において)MRU160を撹拌することによって混合される。ステップS824において、MRU160は、第1のモジュール100から第2のモジュール400の磁気スロット620に移送される。MRU160を第1のモジュール100から第2のモジュール400に移送するために、容器分配器150の分配ヘッド152は、最初にMRU160を容器受け渡し装置602に配置する。次いで、受け渡し装置602は、回転して容器分配器312にMRU160の操作構造166を提示する。容器分配器312の操作フック318は、操作構造166に係合して、MRU160を磁気スロット620に、または所望により、MRU貯蔵部608に移送する。
図30は、例示的な反応混合物調製プロセス830を示す。当業者が理解するように、プロセス830のステップのうちの1つ以上は、図29に示すプロセス800のステップのうちの1つ以上と並行して進み得る。ステップS832において、第2のモジュール400のピペッター410は、チップコンパートメント580のうちの1つに保有されるディスポーザブルチップトレイ582から、ディスポーザブルチップ584を取り出す。ステップS834において、ピペッター410は、試薬コンテナコンパートメント500に保有される油コンテナ1820のうちの1つからある量の油(例えば、約15μL)を吸引して、キャップ/バイアルコンパートメント440のキャップおよびバイアルトレイ460に保持された1つ以上の処理バイアル464に移送する。幾つかの実施形態では、油および反応混合物は、油が反応混合物上で浮遊する二相性であり得る。PCRなどの幾つかの例示的な核酸増幅反応において、油は、熱サイクルの間のバイアル中での凝縮物の形成を防止するのに役立ち得る。ステップS836において、ピペッター410は、ダストシュート428に使用されたピペットチップ584を廃棄し、ディスポーザブルチップトレイ582から新しいディスポーザブルピペットチップ584を取り出す。ステップS838において、ピペッター410は、溶媒コンテナからある量の再構成試薬(例えば、約20μL)を、容器分配器312により前もって試薬パック回転ラック704から試薬パックロードステーション640に移送された試薬パック760の混合ウェル762に移送する。
既知のIVDアッセイが試料に対して実施される実施形態において、ステップS838では、ピペッター410は、所望の量の再構成緩衝液1670を(例えば、試薬コンテナコンパートメント500の第2の試薬コンテナキャリア1600に保有される)溶媒コンテナ1620から、核酸増幅反応を実施するための構成成分、例えば、増幅オリゴマー、プローブ、ポリメラーゼ、ヌクレオシド三リン酸(dNTP)などを含む単位用量試薬768を含む混合ウェル762に移送する。LDTが試料に対して実施される実施形態では、ステップS838において、ピペッター410は、溶媒コンテナ1920から(例えば、増幅反応のための第三者または顧客が開発した構成成分、例えば、増幅オリゴマー、プローブなどを含む)所望の量の再構成液1970A、1970Bを、かかる構成成分を含まない試薬768を有する混合ウェル762に移送し得る。既に説明したように、幾つかの実施形態では、溶媒コンテナ1920(再構成液1970A、1970Bを含む)は、溶媒コンテナ1620(再構成緩衝液1670を含む)も支持する同一の第2の試薬コンテナキャリア1600に提供され得る。すなわち、コンテナキャリア1600の複数のポケット1610のうちの1つは、溶媒コンテナ1920を支持し得、同一のコンテナキャリア1600の別のポケットは溶媒コンテナ1620を支持し得る。しかしながら、幾つかの実施形態では、再構成液1970A、1970Bを有する溶媒コンテナ1920は、溶媒コンテナ1620とは異なるコンテナキャリアおよび/または異なる試薬コンテナコンパートメント(例えば、加熱または冷却されたコンパートメント)に支持され得る。IVDアッセイが幾つかの試料に対して実施され、LDTが他の試料に対して実施される実施形態において、ステップS838では、ピペッター410は、再構成緩衝液1670を(構成成分、例えば、増幅オリゴマー、プローブ、ポリメラーゼ、dNTPなどを含む)適切な増幅試薬768を含む第1の混合ウェル762に、および再構成液1970Aまたは1970Bを(構成成分、例えば、増幅オリゴマー、プローブ、ポリメラーゼなどを含まない)適切な増幅試薬768を含む第2の混合ウェル762に送達し、ここで、当該第1および第2の混合ウェルは、同一のまたは異なる試薬パック760の一部であり得る。
ステップS840では、混合ウェル762の内容物は、試薬768(例えば、凍結乾燥試薬)を完全に溶解させるために混合される。1つの例では、ピペッター410は、液体をピペットチップ584内に吸引すること、および液体をウェル762内に再び分配することを交互に1回以上繰り返すことにより混合ウェル762内で液体を混合して、試薬768を溶解させる。ステップS842において、ピペッター410は、ある量の再構成された試薬(例えば、約20μL)を増幅試薬パック760の混合ウェル762からバイアル464に移送する。幾つかの実施形態では、再構成された試薬は、核酸増幅反応を実施するのに必要なすべての成分(例えば、ポリメラーゼ(例えば、Taq DNAポリメラーゼ)、dNTP、塩化マグネシウム(MgCl)など)を予備混合され、かつ最適化された形態で含み得る。幾つかの実施形態では、増幅オリゴマーは、再構成された試薬に含まれていなくてもよい。ステップS844において、ピペッター410は、使用されたチップ584を(ダストシュート428に)廃棄し、チップトレイ582から新しいピペットチップ584を取り出す。ステップS846において、ピペッター410は、ある量の溶出液(例えば、約5μL)を(図29のプロセス800のステップS824の)MRU160の容器162から(ステップS834およびS842で油および試薬が添加された)処理バイアル464に移送し、これにより反応混合物を形成する。ステップS848において、ピペッター410は、使用されたピペットチップ584を再び廃棄する。
図31は、PCR反応などの自動プロセスを実施するための例示的プロセス850を示す。ステップS852において、ピペッター410は、キャップおよびバイアルトレイ460のキャップウェルからキャップ476を、ピペッタープローブ422をキャップ476に挿入して、それとともに摩擦係合を生じることなどによって取り出す。ステップS853において、ピペッター410は、次いで、キャップ476を処理バイアルウェル474に保持された(プロセス830のステップS846の)処理バイアル464に、キャップ476がバイアル464と係止してキャップ/バイアルアセンブリ480(図15Aおよび15Bを参照のこと)を形成するまで挿入する。ステップS854において、ピペッター410は、キャップ/バイアルアセンブリ480を遠心分離機588に移送し、ここで、キャップ/バイアルアセンブリ480は、バイアル464内の反応混合物を濃縮するのに十分な時間間遠心分離される(例えば、3000RPMにて30秒間バイアルを遠心分離する)。ステップS856において、遠心分離機内で所定の時間後、バイアル移送アーム418は、遠心分離機588で保持されたキャップ/バイアルアセンブリ480のキャップ476に挿入され、遠心分離機588からキャップ/バイアルアセンブリ480を取り外す。ステップS857において、バイアル移送アーム418は、次いで、キャップ/バイアルアセンブリ480をサーマルサイクラー432に移送し、キャップ/バイアルアセンブリ480を容器ホルダ4010のウェル4004内に配置し(例えば、放出する)、ここで反応混合物は核酸増幅反応の温度条件に曝露される。容器ホルダ4010にキャップ/バイアルアセンブリ480を配置する例示的な方法は、米国公開特許出願第2014/0038192号に記載されている。ステップS858において、インキュベーションプロセスは、キャップ/バイアルアセンブリ480の反応混合物に対して実施される。インキュベーションプロセスは、PCR反応に関連する熱サイクルなどの熱サイクルを含み得る。幾つかの実施形態では、熱サイクルは、複数の温度サイクルを含み得、温度は、例えば、(i)標的二本鎖DNA分子の変性または融解を促進するための約94℃〜約98℃、(ii)生じた一本鎖DNA鋳型にプライマーがアニーリングするための約50℃〜約65℃、および(iii)プライマーの伸長およびDNA鋳型に相補的な新規のDNA鎖合成のためのDNAポリメラーゼに応じて約70℃〜約80℃の間で異なり得る。ステップS860において、バイアル464の内容物は、例えば、蛍光モニタリングによってモニタリングされ得る。幾つかの実施形態では、蛍光モニタリングは増幅(リアルタイム増幅)の間、実施され得るが、他の実施形態では、蛍光モニタリングまたは幾つかの他の形式の検出が増幅(エンドポイント増幅)後に行われ得る。蛍光モニタリングは、蛍光光度計などのシグナル検出器4020(図16I、17A、17Bを参照のこと)を使用したバイアル464内容物により放出される電磁信号の1つ以上の関連する波長(例えば、色波長)の検出に基づいてバイアル464の内容物中の1つ以上の分析物の存在(または非存在)を検出するために使用され得る。増幅の間、モニタリングが実施される実施形態において、シグナル検出器4020は、サーマルサイクラー432と連動し得る。幾つかの実施形態では、増幅の間、異なる波長での定期的な蛍光強度測定が、その後の処理および分析のための蛍光時系列データを生成するために一定の間隔で実行され得る。ステップS862において、モニタリング後、試料は、廃棄または貯蔵され得る。すなわち、ステップS858およびS860後、バイアル移送アーム418は、サーマルサイクラー432からキャップ/バイアル480アセンブリを取り出し、それをダストシュート428に廃棄し得るか、またはキャップ/バイアルアセンブリ480をコンパートメント590の貯蔵トレイ452に移送し得る。
幾つかの実施形態では、分析システム1000は、異なる構成の試薬および/または異なる溶媒(例えば、異なる単位用量試薬、異なる構成成分を含有する試薬など)を必要とする(核酸増幅反応を含む)2つ以上のアッセイを実施するために使用され得る。図32は、分析システム1000を使用して試料(同一の試料または異なる試料)に対して異なるアッセイを実施する例示的プロセス870を示す。ステップS872で、複数の試料が、分析システム1000にロードされる。試料のうちの1つ以上(例えば、第1のサブセット)が、1つのアッセイ(第1のアッセイ)について指定され得、試料のうちの1つ以上(例えば、第2のサブセット)が、異なるアッセイ(第2のアッセイ)について指定され得る。一般に、試料の第1および第2のサブセットは、同一試料の一部または異なる試料の一部であり得る。すなわち、2つの異なるアッセイは、同一試料(例えば単一の容器107に含まれる試料、図4Bを参照のこと)のアリコートに対して、または異なる試料(例えば、異なる容器107に含まれる試料)に対して実施され得る。試料の第1および第2のサブセットが異なる容器107で含まれる場合、それらは、同時に(例えば、第1または第2のアッセイのいずれかを開始する前に)、または異なる時点でシステム1000にロードされ得る。幾つかの実施形態では、第2のサブセットの試料(例えば、LDTについて指定される)は、第1のサブセット(例えば、IVDアッセイについて指定される)がロードされた後、システム1000にロードされ得る。例えば、幾つかの実施形態では、第2のサブセットの試料(例えば、LDTについて指定される)は、第1のアッセイ(例えば、IVDアッセイ)が既に開始された後(例えば、反応混合物調製プロセスの間または後(図30を参照のこと))にシステム1000にロードされてもよい。
一般に、システム1000は、試料を、当該試料に対して実施されるアッセイタイプに関係なくそれらがシステム1000に受け取られた順序で処理する。これは、試料がアッセイタイプに基づいて集められ、次いで一緒にバッチ処理されるバッチモードシステムとは対照的である。システム1000は、単に試料がシステム10にロードされた順序だけに基づいて、IVDアッセイおよびLDTの両方を含む異なる試薬および/または条件を必要とするアッセイを同時に実施することができる(システム1000に一緒にロードされた試料は任意の順序で処理され得る)。幾つかの実施形態では、システム1000は、後にロードされた試料が順不同に、結果として前にロードされた試料より早く処理されるのを可能にさえし得る。この実施形態では、第1の、前にロードされた試料の処理が、処理のある段階で中断されて、第2の、後にロードされた試料の処理が第1の試料の前にまたはそれと同時に完了するのを可能にし得る。
幾つかの実施形態では、システム1000は、試料容器に提供される表示(例えば、バーコード)に基づいて、および/またはユーザにより(例えば、システム10のユーザインタフェース50を使用して)システムに入力される情報によって実施されるべきアッセイタイプを認識し得る。幾つかの実施形態では、第1のアッセイは、システム1000に貯蔵された第1の単位用量試薬を使用したIVDアッセイを含み得る。第2のアッセイは、システム1000に貯蔵された第2の単位用量試薬(第1の単位用量試薬と異なる)を使用したLDTを含み得る。第1および第2のアッセイの各々は、それぞれのアッセイに関連する時間的ワークフロースケジュールを含み得図29〜31に関して記載されたステップに従って実施され得る。幾つかの実施形態では、ステップS874において、分析システム1000は、リソースの使用が最適化されるように第1のアッセイおよび第2のアッセイを実施するスケジュールを調整する。例えば、第1および第2のアッセイは、システム1000の同一リソース(例えば、流体移送装置、遠心分離機588、インキュベーター(112、114、116)、サーマルサイクラー432など)の一部の使用を必要とし得る。効率を増加させる(例えば、スループットを増加させる、処理時間を最小限にするなど)ために、システム1000は、2つのアッセイのスケジュールを両方のアッセイが効率的な様式でこれらのリソースを使用できるように操作(移動、再編成など)し得る。
ステップS876で、分析システム1000は、第1の試料サブセットに対する第1のアッセイを実施する。代表的実施形態では、第1のアッセイは、構成成分、例えば、増幅オリゴマー、プローブ、ポリメラーゼ、dNTPなどを含む第1の単位用量試薬768を使用して実施され得る。ステップS838(図30の)においてこの試薬768を再構成する間、これらの構成成分を含まない再構成緩衝液1670(試薬コンテナコンパートメント500の溶媒コンテナ1620で含まれる)が使用され得る。ステップS878で、システム1000は、第2の試料サブセットに対する第2のアッセイを実施する。一部の例示的実施形態では、第2のアッセイは、増幅オリゴマーおよびプローブなどのこれらの構成成分のうちの少なくとも幾つかを含まない第2の試薬768を使用し得る。ステップS838(図30の)において第2の試薬768を再構成する間、第2のアッセイは、これらの構成成分を含む再構成液1970A、1970B(コンテナコンパートメント500または異なるコンパートメントに貯蔵された溶媒コンテナ1920に含まれる)を使用し得る。幾つかの実施形態では、第1および第2の試薬768は、異なる試薬パック760に提供され得る。しかしながら、幾つかの実施形態では、第1および第2の試薬768の両方は、単一の試薬パック760(例えば、単一の試薬パック760の異なる混合ウェル762)に提供され得る。
したがって、第1のアッセイに使用される第1の単位用量試薬および第2のアッセイに使用される第2の単位用量試薬を貯蔵し、それらへの有効なアクセスを提供するシステム1000は、ステップS876およびS878を実施する。幾つかの実施形態では、ステップS876およびS878は、追加の機器準備(例えば、システム1000の機器を拭くこと)、試薬準備(システム1000に貯蔵される試薬ビンを交換すること)、消耗品準備(空のチップトレイを交換すること)などをせずに実施され得る。幾つかの実施形態では、ステップS876が実施されている間にステップS878が開始される。すなわち、分析システム1000は、第1のアッセイおよび第2のアッセイを同時に実施する。幾つかの実施形態では、ステップS876およびS878の間、システム1000は、必要な試薬768を含む試薬パック760がロードステーション640のうちの1つに配置されているかどうか確認する。配置されていない場合、分配システムが、ロードステーション640に存在する試薬パック760を要求されたアッセイに必要な試薬768を含む試薬パック760と交換する。幾つかの実施形態では、ステップS876が完了した後、ステップS878が開始される。幾つかの実施形態では、ステップS878はステップS876の後に開始されるが、ステップS878が、ステップS876が完了する前に完了してもよい。幾つかの実施形態では、システム1000は、ステップS876とS878を交互に繰り返し得る。例えば、分析システム1000は、第1の試料サブセットのうちの1つ以上の試料に対して第1のアッセイを実施し得、次いで第2の試料サブセットのうちの1つ以上の試料に対して第2のアッセイを実施し得る。次いで、システム1000は、ステップS876にもう一度切り替え得、第1の試料サブセットのうちの1つ以上の追加の試料に対して第1のアッセイを実施し得る。幾つかの実施形態では、システム1000は、アッセイのスケジュールを変更するように構成され得る。例えば、第1のアッセイ(すなわち、ステップS876)のための試料(例えば、同一または異なる試料のアリコート)が、システム1000に既にロードされており、分析が開始されていてもよい。例えば、試料(第1のアッセイが実行されている同一の試料または異なる試料)に対する異なるアッセイ(例えば、第2のアッセイ、ステップS878)を実施する緊急の要求に対応するために、第1のアッセイよりも第2のアッセイを優先させようにアッセイのスケジュールが変更され得る。第2のアッセイのための試料がシステム1000にまだロードされていない実施形態では、試料を含む容器107がシステム1000にロードされ得る。優先順序を付け直されたスケジュールには、例えば、第2のアッセイを第1のアッセイより優先する様式で実施すること、第1のアッセイのために第2のアッセイが遅れないようにアッセイのスケジュールを再編成すること、などが含まれ得る。
ハードウェアおよびソフトウェア
本開示の態様は、制御およびコンピューティングハードウェア構成要素、ユーザ作成ソフトウェア、データ入力構成要素、およびデータ出力構成要素により実装される。ハードウェア構成要素として、1つ以上の入力値を受信すること、入力値を操作するか、または別様にそれに作用する命令を提供する非一時的機械可読媒体(例えば、ソフトウェア)上に記憶された1つ以上のアルゴリズムを実行することによって計算および/または制御ステップを達成し、1つ以上の出力値を出力するように構成された、マイクロプロセッサおよびコンピュータなどのコンピューティングおよび制御モジュール(例えば、システムコントローラ(複数可))が挙げられる。そのような出力は、情報、例えば、機器の状態またはそれによって実施されているプロセスに関する情報をユーザに提供するために、ユーザに表示または別様に示され得、またはそのような出力は、他のプロセスおよび/または制御アルゴリズムへの入力を含み得る。データ入力構成要素は、データが制御およびコンピューティングハードウェア構成要素により使用されるために入力される、要素を含む。そのようなデータ入力としては、位置センサ、モータエンコーダ、ならびにグラフィックユーザインタフェース、キーボード、タッチスクリーン、マイクロフォン、スイッチ、手動操作式スキャナ、音声起動入力などの手動入力要素が挙げられ得る。データ出力構成要素としては、ハードドライブまたは他の記憶媒体、グラフィックユーザインタフェース、モニタ、プリンタ、指標光、または可聴シグナル要素(例えば、ブザー、ホーン、ベルなど)が挙げられ得る。ソフトウェアは、制御およびコンピューティングハードウェアによって実行される場合、制御およびコンピューティングハードウェアに、1つ以上の自動または半自動プロセスを実施させる、非一時的コンピュータ可読媒体上に記憶された命令を含む。
幾つかの実施形態では、システム1000は、コンピュータ制御式コントローラ5000(図33において図式的に示される)を含む制御システムを含んでもよい。コントローラ5000は、制御システムまたはシステム1000に接続されたコンピュータであり得るか、またはシステム1000と一体化されたコンピュータ構成要素を含み得る。これらのコンピュータ構成要素は、1つ以上のマイクロプロセッサ、ディスプレイ、キーボード(および/または他のユーザ入力デバイス)、メモリコンポーネント、プリンタ(複数可))などを含み得る。コントローラ5000は、ユーザからの入力(例えば、ユーザ入力)、試料(例えば、容器107および試料保持ラック10など、図3Bおよび3Cを参照のこと)、試薬パック760、試薬コンテナキャリア1600、試薬コンテナ1620、1920などからの入力(例えば、バーコードリーダからの識別情報など)を受信し、システム1000でのアッセイの性能を管理するように構成され得る。コントローラ5000は、ユーザがアッセイ(例えば、LDT)に関連したユーザ定義のアッセイパラメータをシステム1000に入力し、システム1000上の異なるアッセイをスケジュールするのを可能にし(例えば、試料をアッセイに関連付け、アッセイの異なるステップが実施されるべき時間をスケジュールするなど)、制御システム1000にアッセイに関連する異なるステップを実行させ、アッセイの性能をモニタリングさせ、ユーザのために結果を出力させる(ディスプレイ上、プリントアウトなど)ソフトウェアアルゴリズムを含み得る。コントローラ5000は、システム1000の異なる装置に、アッセイに関連する異なるステップ(例えば、図26〜32に関連するステップ)を実施するように命令を送信する。例えば、コントローラ5000は、ピペッター410(例えば、ピペッター410に関連したモータなど)に、図30のステップS832を実施するためにチップコンパートメント580のうちの1つのディスポーザブルチップトレイ582からディスポーザブルチップ584を取り出すように命令を送信し得る。またコントローラ5000は、ステップS834(図30の)を実施するために、十分な量の油(例えば、約15μL)を油コンテナ1820からキャップおよびバイアルトレイ460などに保持された1つ以上の処理バイアル464に移送するようにピペッター410に命令を送信し得る。コントローラ5000が命令を送信するシステム1000の装置は、システム1000の既に記載されている装置のいずれかまたは既に記載されている装置の組み合わせもしくは改変例である装置を含み得ることに注意すべきである。かかる組み合わせおよび改変は、当業者に周知であるため、それらは明示的に本明細書に記載されない。コントローラ5000は、アッセイの以前に決定された順番を再度優先順位付けするように構成され得る(例えば、後にロードされた試料に対する異なるアッセイを、前にロードされた試料に対する別のアッセイを実施する前にまたは間に実施するために)。
アッセイプロトコル定義
核酸増幅アッセイは、アッセイを定義する異なるパラメータ(すなわち、アッセイプロトコル)に従ってシステム1000によって実施される。一般に、これらのパラメータは、コントローラ5000によって実行されると、アッセイの間、システム1000によって実施されるステップを生じさせるコンピュータ実行可能命令を含む(例えば、使用されるべき試薬の種類および量、インキュベーション条件、温度サイクリングパラメータ(例えば、サイクル時間、変性温度、アニーリング温度および伸長温度を含む温度、RNAまたはDNA標的の選択など)など)。これらのパラメータは、データ処理、データ整理、およびプロトコルによって生成されたデータについての結果の解釈が含まれ、そのようなステップは、コントローラ5000、またはすべてもしくは一部がコントローラ5000およびシステム1000から離れているコンピュータによって実施されてもよい。
IVDアッセイは、既知の標準化された(およびは規制された)アッセイであるため、それらのパラメータは、典型的んは、既知かつ/または固定であり、ユーザによって変更することができない。幾つかの実施形態では、IVDアッセイのためのパラメータは、システム1000に事前インストール/事前ロードされてもよい。IVDアッセイは、プロトコルライブラリ(例えば、ソフトウェアツールに保存されているアッセイプロトコルのリスト)として知られるデータベースに実行可能なファイルとして保存され得る。すべてのアッセイに共通するある特定のアッセイパラメータは、プロトコルライブラリの個々のIVDアッセイファイルに保存されない場合があるが、システム1000のコントローラ5000に「ハードワイヤード」される場合がある。
しかしながら、LDTは、ユーザまたは第三者によって開発または確立されるため、LDTを定義するパラメータの少なくとも一部はユーザ/第三者によって提供される。IVDアッセイを実施するように構成された機器は、IVDアッセイプロトコルを実行するように機器の製造元によって事前にプログラムされる。機器がユーザ定義のLDTを実施できるようにするには、機器コントローラを再プログラムして、LDTプロトコルも含める必要がある。種々の実施形態では、コントローラ5000は、アッセイに関連するユーザ定義のアッセイパラメータを選択することにより、ユーザがLDTプロトコルを定義(または変更)および保存できるように構成されている。このため、システムは、LDTプロトコルなどの事前にプログラムされていないプロトコルを実施するように、ユーザによって設定可能である。これにより、ユーザは新しい未使用のプロトコルをプログラムできるだけでなく、機器製造元またはプロバイダーによる機器の再プログラムを必要とすることなく、既存のプロトコルを変更することもできるようになる。
後により詳細に記載されるように、LDTがシステム1000によって実行または実施され、データセットが取得された後、コントローラ5000は、ユーザがデータを処理し、アッセイの結果を検討するのを可能にする。コントローラ5000は、ユーザがユーザ定義のパラメータの少なくとも一部を変更し、変更したユーザ定義のアッセイパラメータを使用してデータセットを再実行し、結果を再検討して、アッセイ結果に対する選択されたユーザ定義のアッセイパラメータの影響を調査することも可能にし得る。このようにして、幾つかの実施形態では、コントローラ5000は、ユーザがLDTを実施するためのユーザ定義のアッセイパラメータの最適化されたセット(例えば、ユーザにより承認された結果をもたらすユーザ定義のアッセイパラメータのセット)を決定することを可能にし得る。次いで、コントローラ5000は、ユーザが最適化されたユーザ定義のアッセイパラメータを作成された(または確立された)LDTプロトコルに関連付け、開発されたLDTのためのパラメータを確定させ、ロックする(例えば、それらが不注意に変更されないように)ことを可能にし得る。幾つかの実施形態では、プロトコルをロックすることは、システム1000がアッセイ結果を検査室情報管理システム(またはLIS)に報告することを可能にし得る。プロトコルがロックされている場合であっても、それは以下でより詳細に記載されるソフトウェアツールでアンロックおよび変更され得ることに留意されたい。ロックされたプロトコルがソフトウェアツール内で変更される場合、それは自動的にアンロックされ、ユーザはそれを再度ロックするためにLock機能を選択することを必要とする。システム1000は、ディスプレイ装置50上のすべてのアンロックされたプロトコルを「アンロック」と識別し、すべてのロックされたプロトコルを「ロック」と識別する(図37Bのオープンアクセスプロトコル画面8010を参照のこと)。
幾つかの実施形態では、ソフトウェアツールは、ユーザがユーザ定義のアッセイパラメータを使用してLDTプロトコルを定義または確立することを可能にする、システム1000中の(例えば、システム1000のコントローラまたは他のコンピュータシステムにロードされる)ソフトウェアアルゴリズムを含む。種々の実施形態では、ソフトウェアツールは、標的分析物を含有することが疑われる試料を処理するためのアッセイプロトコルのユーザ定義のアッセイパラメータをユーザが指定することを可能にするシステムを提供し、ユーザ定義のアッセイパラメータは、コンピュータ制御式自動分析装置(例えば、コントローラ5000によって制御されるシステム1000)にシステムが作成したアッセイプロトコルに従ってアッセイを行わせるコンピュータ実行可能命令を含む。
幾つかの実施形態では、これらのアルゴリズムは、ユーザ定義のアッセイパラメータを使用してLDTを定義するためにシステム1000から遠隔したコンピュータシステム上で実行されてもよく、コンピュータシステムによって生成された出力ファイルは、システム1000にインストールされてもよい。幾つかの実施形態では、ユーザが開発したLDT(ロックまたはアンロックされた)は、配線接続を介してシステム1000に転送されるか、または携帯型記憶装置(例えば、USBドライブ、メモリースティックなど)でシステム1000に輸送され得る。次に、LDTプロトコルを定義または変更するために使用され得る例示的なソフトウェアインタフェース(以下「ソフトウェアツール」と称する)が記載される。記載されるソフトウェアツールは、単に例示であり、多数の変形が可能であり、本開示の範囲内であることに留意されたい。前述したように、一般に、ソフトウェアツールは、(例えば、システム1000のディスプレイ装置50を介して)システム1000上でインストールして実行され得るか、またはシステム1000から遠隔したコンピュータシステム上でインストールして実行され得る。例えば、幾つかの実施形態では、ソフトウェアツールは、後にシステム1000にインストールされる、ユーザ定義のアッセイパラメータを用いたアッセイプロトコルおよび設定を作成するために、デスクトップまたはラップトップコンピュータ上でインストールして実行されてもよい。種々の実施形態では、ソフトウェアツールによって作成されたアッセイプロトコルは、ユーザ定義の(またはユーザが調整可能な)パラメータと非ユーザ定義の(ユーザが調整可能でない)パラメータとの両方を含む。システム1000上でアッセイを実行させた後、システム1000によって(例えば、アッセイの間に)生成された生データは、次いで、コンピュータシステム(例えば、リモートコンピュータシステム)に転送され、生データは、増幅曲線を生成するためにデータ分析パラメータを使用してコンピュータシステムに処理され得る。コンピュータシステムによって使用されるデータ分析パラメータは、ユーザ定義の(またはユーザにより調整可能な)パラメータおよび非ユーザ定義の(ユーザにより調節可能でない)パラメータを含む。
前述したように、ソフトウェアツールは、システム1000用のコンピュータ実行可能なアッセイプロトコルを生成することができる。各アッセイは、アッセイ定義ファイル(ADF)内に定義され得、これは、結果を処理する方法、どのようなプロセスステップが実行されるか、それらが実行される順序、生成される解釈などを記載する情報を含み得る。LDTのためのプロトコルは、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)増幅の間のリアルタイム検出器(例えば、蛍光光度計)からのバックグラウンドシグナルを超えるシグナル(例えば、蛍光シグナル)の発生サイクル(emergence cycle)を決定する一連の数学的計算およびテストを使用し得る。リアルタイムPCRは、標的分析物(すなわち、DNAまたはRNA)の増幅をリアルタイムでモニタリングする。幾つかの実施形態では、PCRは、蛍光検出能力を有するサーマルサイクラー432で実施される。試料の標的分析物はPCRの間、増幅され、蛍光シグナルを生成し、これは相対蛍光単位(RFU)の測定値で記録され得る。この記録データは、元の試料中の標的分析物の状態(例えば、有効、無効、陽性、陰性、および/または濃度)を決定するために一連のステップ(場合により、Tサイクル(またはCt)アルゴリズムと称される)で処理される。例示的なTサイクル(またはCt)アルゴリズムは、以下に記載される。サイクルとは、サーマルサイクラー(例えば、サーマルサイクラー432)での一周の熱処理反応を指す。典型的には、PCR反応は、複数サイクル(例えば、35〜50サイクル、35〜45サイクル、40〜50サイクルなど)を行う。検出チャネルごとの複数の蛍光測定が、各サイクル内で行われ得る。Ctとは、増幅の間に分析物に特異的なシグナルが予め設定された閾値限界に到達したサイクル数である(発生サイクルとも称される)。
ソフトウェアツールは、ユーザが、異なる機能および情報へのアクセスを提供するインタラクティブボタン、メニュー、および/またはアイコンを含む1つ以上のウィンドウ、画面、またはGUIを介してLDTプロトコルを開発し、定義することを可能にする。ユーザによって実行または起動された場合、ソフトウェアツールは、プロトコルライブラリーを表示する管理プロトコル画面を開き得る。図34Aは、ソフトウェアツールの例示的な管理プロトコル画面(GUI)6000を示す。管理プロトコル画面6000は、ユーザがアッセイプロトコル作成、編集、表示/印刷、およびエクスポートすることを可能にし得る。利用可能なアッセイプロトコルのリストは、管理プロトコル画面6000で表示される。「フィルター」の様々な選択基準を選択することによって、選択された選択基準を満たすプロトコルのリストが、管理プロトコル画面6000に表示される。「既に存在するプロトコルを編集」アイコンを選択すること、またはプロトコル名をダブルクリックすることにより、ユーザが既存のプロトコルを開き、編集することが可能となる。表示されたプロトコルを選択した後に「表示/印刷」アイコンを選択することにより、読み取り可能および印刷可能なフォーマットで選択されたプロトコルの詳細が表示され、「エクスポート」を選択することにより、選択されたプロトコルがファイル(例えば、pdfファイル)に保存される。「非表示」アイコンは選択されたプロトコルを非表示にし、それを編集に利用できなくする。「非表示」が選択された場合、アイコンは「再表示」に変更され得る。「再表示」を選択することは、非表示にされたプロトコルを編集に利用可能にする。後述するように、「エクスポート」を選択することにより、選択されたプロトコルが(例えば、システム1000に転送するために)エクスポートされる。「新規作成」アイコンを選択するにより、ユーザが、例えば、名称、抽出物の種類、標的、温度プロファイル、結果処理パラメータ、結果解釈パラメータ、プロトコルの状態、LIS報告、エクスポートなどのプロトコルのパラメータを選択または定義することによって新規のプロトコルを定義することを可能にする一連の画面が表示され得る。
幾つかの実施形態では、「新規作成」アイコンを選択することは、新規プロトコルのタイプ選択画面6005を表示し得る。図34Bは、ソフトウェアツールの例示的な新規のプロトコルのタイプ選択画面(GUI)6005を示す。新規プロトコルのタイプ選択画面6005は、ユーザが「プロトコル名称」欄にプロトコル名を入力するのを可能にする。入力された名称は、ソフトウェアツール内で(およびそれがシステム1000にインストールされた後にシステム1000内で)定義済みアッセイを識別するために使用され得る。幾つかの実施形態では、アッセイに割り当てることができる名称の種類を限定する制限(例えば、名称は一意的でなければならず、名称の文字数は≦11でなければならない、など)が存在し得る。幾つかの実施形態では、アッセイをLDTとして特定するために接頭辞(例えば、「LDT−」)が名称に追加され得る。次いで、新規プロトコルのタイプ選択画面6005は、ユーザに掲示された選択肢から適切な抽出タイプ(すなわち、例えば図26に示される抽出プロセスなどの抽出プロセス)および試料吸引高さを選択することによってプロトコルタイプを選択するように促し得る。選択可能な抽出タイプの「ウイルス」および「ウイルス/細菌」は、抽出プロセスで使用されることになる、抽出試薬キット(すなわち、使用される抽出試薬(例えば、標的捕捉試薬))および事前にプログラムされたワークフロー(例えば、図26に示されているもの)を指す例示的な名称である。選択された「抽出パラメータ」には、抽出タイプ(例えば、「ウイルス」または「ウイルス/細菌」)、抽出される物質のタイプ(例えば、RNA/DNAまたはDNA)、抽出試薬(複数可)(キット)の仕様(例えば、FCR−S/FER−SまたはFCR−X/FER−X)、試料コンテナから引き出される試料液の体積(例えば、360μLまたは300μL)、および試料吸引高さ(低、中、または高)のうちの1つ以上を含む、試料物質から標的分析物を抽出するプロセスに関する1つ以上のパラメータが含まれてもよい。実施形態では、図34Bに示されるように、抽出パラメータは、前述のパラメータの選択された事前に定義された組み合わせを含んでもよい。典型的には、以下の要因の一部またはすべてが、所望の抽出タイプを選択する際に考慮され得る:アッセイがウイルスアッセイであるか細菌アッセイであるか;試料が溶解するのが困難であるかどうか;試料が粒子を含むと予想されるかどうか;および試料管が貫通可能なキャップを含むかどうか。新規プロトコルのタイプ選択画面6005における「低」、「中」、および「高さ」は、試料管から吸引される試料の高さを指す。試料吸引高さは、試料マトリックスに依存し得る。便試料などの沈殿物を有する試料は、例えば、試料管の底部付近に蓄積し得る粒子状物質がシステム1000を詰まらせるのを回避するために「中」または「高い」の設定を必要とし得る。このため、ソフトウェアツールの新規プロトコルタイプ選択画面(GUI)6005により、ユーザは、1つ以上の抽出パラメータを選択して、システム1000の動作を制御し、LDTと最も互換性のある様式で試料物質から標的分析物を抽出(分離および精製)することができるようになる。所望の抽出タイプを選択した後に「プロトコルを新規作成」ボタンまたはアイコンを選択することにより、プロトコル識別画面6010が起動され得る。
図34Cは、ソフトウェアツールの例示的なプロトコル識別画面(GUI)6010を示す。プロトコル識別画面6010は、ユーザが作成者名および他の任意の識別情報を入力するのを可能にする。「セットアップ」下のナビゲーションペインから「抽出&PCR」ボタンを選択することにより、新規プロトコルタイプ選択画面6005で選択された抽出タイプに関する抽出詳細が事前に入力された欄を有する画面(図示せず)を起動し得る。「セットアップ」ナビゲーションペインから「標的」ボタンを選択することにより、ユーザがプロトコルの実行中にシステム1000のマルチチャネルシグナル検出器の所与のチャネルで検出される1つ以上の標的となる分析物を指定する標的パラメータを定義することを可能にする、標的セットアップ画面6015を起動し得る。この文脈において、「チャネル」は、特定の分析物の存在を示す検出プローブに関連し得る固有のシグナルを検出するように構成されているシグナル検出器の要素(または異なるシグナル検出器)を指す。例えば、上記の蛍光光度計4030などの蛍光光度計を備えるシグナル検出器の場合、「チャネル」という用語は、各蛍光光度計によって励起および検出される固有の蛍光色を指す。図34Dは、ソフトウェアツールの例示的な標的セットアップ画面(GUI)6015を示す。実施形態では、ソフトウェアツールは、最高5つのチャネルが標的セットアップ画面6015を使用して選択されるのを可能にし得る。これらの選択されたチャネルおよび標的名は、プロトコルを作成した後でも編集され得る。マルチチャネル蛍光光度計を用いるシステム1000では、ユーザは、標的セットアップ画面6015を使用して、プロトコルによって使用されるべき蛍光チャネル(複数可)を選択し得る。例示的な検出波長範囲および色素名が、各チャネルについて提供され得る。所与の標的分析物について選択されたチャネルの波長範囲は、アッセイプロトコルの開発対象であるLDTの再構成液の検出プローブで使用される色素に対応することになる。各チャネルが、チャネル番号の左に付随するボックスを選択することによって個別に選択されてもよく、またはすべてのチャネルが、チャネルウィンドウの左上隅上のチェックボックスを選択することによって自動的に選択または選択解除されてもよい。ユーザは、「分析物名称」欄に各々の選択されたチャネルでの分析物名称を入力し得る。入力された分析物名称は、エクスポートおよび報告に関してこれらのチャネルからの結果と関連付けられ得る。幾つかの実施形態では、「分析物名称」欄で入力され得る名称に対する制限(例えば、長さ10文字以下、文字で始まる、など)が存在してもよい。所望によりユーザは、「追加情報(任意)」欄に各々の選択されたチャネルに関連した追加の情報に入力し得る。よって、標的セットアップ画面6015により、ユーザは、システム1000の動作を制御して、LDTで使用される検出プローブを検出することで、LDTの開発対象であった標的となる分析物を検出するためのプロトコルをカスタマイズすることができるようになる。
「セットアップ」ナビゲーションペインから「サーモサイクラー」ボタンを選択することにより、サーモサイクラーセットアップ画面6020を起動し得る。図34Eは、ソフトウェアツールの例示的なサーモサイクラーセットアップ画面(GUI)6020を示す。サーモサイクラーセットアップ画面6020を使用して、ユーザは、デフォルトの温度プロファイルを選択するかまたはシステム1000のサーマルサイクラー432を制御するためのコンピュータ実行可能命令を定義するカスタム温度プロファイルを作成し得る。「プロファイル」ドロップダウンメニューを使用して、デフォルトの温度プロファイルは選択されるかまたはカスタムプロファイルが入力され得る。幾つかの実施形態では、「プロファイル」ドロップダウンメニューを使用して、ユーザは、例えば、「DNA」および「RNA/DNA」からデフォルトの温度プロファイルを選択するかまたは「カスタム」を選択することによって、カスタムプロファイルを入力し得る。図34Eに図示するように、サーモサイクラーセットアップ画面6020のメインペインは、温度パラメータ、例えば、温度、持続時間、サイクル数(すなわち、サイクルステージの2つ以上の温度ステップが繰り替えられる回数)などをユーザが入力(または選択)して、カスタム温度プロファイルを定義することができる(あるいはユーザがデフォルトの温度プロファイルを選択する場合には、そのような温度パラメータの組み合わせは事前に定義されることになる)ボックスを含む。デフォルトの熱サイクルプロファイルの熱サイクルステップを調整することにより、「プロファイル」の温度プロファイル選択が自動的に「カスタム」にされ得る。デフォルトの温度プロファイルのうちの1つを選択することにより、選択されたデフォルトの温度プロファイルの選択に戻すことができる。一般に、メインペイン内の「温度」および「持続時間」についてのボックスにおいて温度および持続時間値を入力または選択することによって、任意の所望の温度プロファイルが定義され得る。幾つかの実施形態では、定義されるカスタム温度プロファイル関する制限が存在し得る。例えば、幾つかの実施形態では、定義されるカスタム温度プロファイルは、以下のルールの一部またはすべてに従うことを必要し得る:定義されるカスタム温度プロファイルの総持続時間は、55分以下でなければならない;温度プロファイルは、80℃を超える任意のステップについて最低5秒間を有さなければならない;温度プロファイルは、70℃を超える加熱ステップの後に55℃未満に冷却してはならない;温度プロファイルは、光学検出有りの最高1つのステップを有さなければならない;光学装置(光学検出有りのステップ)は、少なくとも13秒間動作しなければならない;など。上述の規則は例示に過ぎず、熱サイクラー432の使用を最適化するために任意のタイプの規則を実装できることに留意されたい。一般に、かかるルールは、最適化されたランプ速度を達成し、定義されたLDTプロトコルをIVDプロトコルと交互配置するためのタイミングを維持するためにソフトウェアツールで実装される。例えば、これらのルールは、異なるアッセイ(IVD、LTDなど)に供される試料がサーマルサイクラー432の同一のゾーンを共有するのを可能にし、したがって、その使用を最大化する。デフォルトのカスタム温度プロファイルは2つのステップ(「ステップ1」および「ステップ2」)または2ステップ温度プロファイルを有する温度プロファイルであるが、ユーザは、カスタム温度プロファイルを支配するソフトウェアツールのルール(存在する場合)が満たされる限り、異なる数のステップ(例えば、3ステップ温度サイクル)を選択し得る。このため、サーモサイクラー設定画面6020により、ユーザは、システム1000、特にサーモサイクラー432の動作を制御して、標的分析物の増幅を最適化するLDTのプロトコル内の温度サイクルを実施できるようになる。ソフトウェアツールは、抽出パラメータ(複数可)、標的パラメータ(複数可)、および温度パラメータ(複数可)を含む、LDTプロトコルの複数のパラメータを定義するためのグラフィカルユーザインターフェイスおよび関連するユーザ入力機能を提供するものとして上で説明したが、ソフトウェアツールは、代替の実施形態では、LDTプロトコルのより少ないパラメータのユーザ入力を可能にしてもよく、一方で他のプロトコルパラメータは、事前にプログラムされたシステム定義のアッセイパラメータであることに留意されたい。例えば、ソフトウェアツールにより、ユーザは、抽出パラメータ(複数可)および標的パラメータ(複数可)をシステム定義としながら、温度パラメータ(複数可)のみを指定できるようになる。
アッセイを定義するためのパラメータ(例えば、「セットアップ」ナビゲーションペイン(図34Eを参照のこと)の「抽出およびPCR」、「標的」、および/または「サーモサイクラー」に関連するパラメータ)が定義された後、データ分析のためのパラメータが、ソフトウェアツールを使用して定義され得る。ソフトウェアツールにおいて、データ分析は、生データ(例えば、上記のようなソフトウェアツールを使用して定義されたLDTプロトコルを実施した後のシステム1000によるデータ出力)を入力として受けるソフトウェアモジュールまたはアルゴリズムを実行する、ソフトウェアツールを実行するリモートコンピュータの一部である場合もそうでない場合もあり、システム1000のコントローラ5000からリモートである場合とそうでない場合があるデータ分析コンピュータによって実施され得る。実施形態では、生データは、チャネル当たりのサイクル数に対するサーマルサイクラー432の蛍光光度計によって記録される(RFUでの)蛍光データを含む。サイクル数はサイクル1から始まり、サーマルサイクラーファイルに定義されたサイクル数(例えばサーモサイクラーセットアップ画面を使用して定義した、例えば45サイクル(図34E))で終わる。データ分析パラメータは、生データに適用されるデータ整理およびデータ処理の種類を定義する。
幾つかの実施形態では、システム1000からの生データは、データ分析の前に最初に検証および平滑化され得る。ついまり、システム1000からの生データは、最初に検証され得(幾つかの実施形態では、データは減らされる)、次いで平滑化された生データを作成するために平滑化され、次いでデータ分析アルゴリズム(ユーザ定義のアッセイパラメータを使用した)は、平滑化された生データに適用され得る。データ分析のためのパラメータは、ソフトウェアツールの表示された画面(例えば、プロトコル識別画面6010、標的セットアップ画面6015、サーモサイクラーセットアップ画面6020などを参照のこと)の「データ分析」ペインから「パラメータ」タブを選択することによって、定義され得る(または以前に定義されたパラメータが再検討され得る)。「パラメータ」タブを選択することにより、ユーザが生データに適用するための(例えば、検証および平滑化の後)データ分析パラメータを入力することを可能にする画面またはウィンドウ(GUI)を起動し得る。幾つかの実施形態では、データ分析パラメータは、曲線補正に関連するパラメータ、データの陽性基準に関連するパラメータ、チャネル有効性基準に関連するパラメータおよび試料有効性基準に関連するパラメータの4セットのデータ分析パラメータを含み得る。幾つかの実施形態では、「パラメータ」タブを選択することにより、対応するセットのデータ分析パラメータを入力するためにユーザによって個別に選択され得る、「曲線補正」、「陽性基準」、「チャネル有効性基」、および「試料有効性基準」を含む、データ分析パラメータを定義するための4つのタブを有する画面を起動することができる。
図34Fは、選択された「曲線補正」タブを有する例示的なデータ分析パラメータ画面(GUI)を示す(本明細書において、曲線補正パラメータ画面6025と称される)。図示された実施形態では、曲線補正パラメータ画面6025は、ユーザが各チャネルのデータ分析から除去し、ベースライン蛍光のランピングを補正し、チャネル間のブリードスルーを抑制するサイクル数を定義するのを可能にする。典型的には、アッセイの初期段階におけるデータは(スムージング後でさえ)、試料に関連しないノイズまたは人為的結果によりばらつきを含み得る。このばらつきによって引き起こされる計算されたCtの不正確さを低減するために、アッセイの初期サイクルからの測定値を無視または除去することが望ましくてもよい。ユーザは、マルチチャネルシグナル検出器の各チャネルについて「分析開始サイクル」に値を入力することによって、Ct計算から度外視する各チャネルのサイクル数を選択し得る。幾つかの実施形態では、ユーザは、各チャネルについて「分析開始サイクル」に所定の範囲(例えば、8〜12)内の値を入力するように促され得る(または情報が提供される)。所定の範囲は、データに人為的結果を含有することが公知である(例えば、過去の経験に基づく)各チャネルについての初期サイクルの数を示し得る。ユーザ入力に基づいて、ソフトウェアツールのデータ分析アルゴリズムは、各チャネルについてユーザ定義の「分析開始サイクル」前のすべてのデータを除去することによって(例えば、平滑化されたデータセットから)新規のデータセットを作成し得る。
Ctを計算する前に、曲線(すなわち、データによって定義されたシグナルの大きさ対時間またはサイクル数の蛍光曲線)が蛍光を有さないと考えられる位置から開始することを確実にすることが望ましくてもよい。一部の増幅の場合において、特にベースラインサイクル終了後でのフルオロフォアの不十分なクエンチングにより、蛍光曲線にベースライン変動(またはランプアップ)が観察される。変動したベースラインがCtの線形回帰計算に使用される蛍光曲線の領域に入り込む場合、ベースライン変動は、Ctの正確な計算(および/または陽性結果と陰性結果との間の鑑別)に悪影響を与え得る。そのような場合、変動したベースラインの補正が必要となり得る。ソフトウェアツールのデータ分析アルゴリズムはデータを分析し、全体のバックグラウンド蛍光のレベルを決定されてもよく(例えば、以下に記載されるとおり)、その結果、決定されたバックグラウンド蛍光が、曲線をシフトさせ、これによりベースライン蛍光について数値的に補正するために、測定されたデータから減算されてもよい。ユーザは、図34Fの曲線補正パラメータ画面6025の対応するチャネルについて「許可」を選択することによって、任意のチャネルについてベースライン補正を可能にし得る。ユーザは、「スロープリミット」に対応する値を入力することによって、許可されたチャネルのベースライン補正のためのスロープリミットを指定し得る。幾つかの実施形態では、ユーザは、例えば、過去の経験に基づいて各チャネルの「スロープリミット」に所定の範囲(例えば、0〜100)内の値を入力することを促され得る。データ分析の間、アルゴリズムは、各チャネルについて選択されたユーザにより選択された「スロープリミット」値未満のすべての(データにおける)RFUまたは傾きの変化にベースライン補正を適用する。すなわち、チャネル1についてユーザによって50の値が選択され、データ(またはデータの一部)の傾きが60である場合、ベースライン補正は適用されない。データ(またはデータの一部)の傾きが40である場合、ベースライン補正は適用される。ベースライン補正が使用可能である場合、アルゴリズムは、ベースライン蛍光を計算し、データから計算されたベースライン値を除去するために4−パラメータまたは5−パラメータロジスティック回帰モデルを使用し得る。
曲線補正パラメータ画面6025は、ユーザが各チャネルについて「クロストーク補正」値を選択することによってチャネル間ブリードスルー(シグナルクロストーク)を抑制することも可能にする。これらのユーザにより選択された値は、チャネル間にわたる任意のアッセイ特異的蛍光の漏れ込みを補正する。一部のフルオロフォア間のスペクトルの重複により、1つのチャネルで励起されているフルオロフォアは、隣接するチャネルでのシグナルの一部でも励起され得る。したがって、発光しているチャネルから受信しているチャネルへのシグナルブリードスルー(またはクロストーク)が観察され得る。すなわち、プローブは、様々な波長(例えば、正規曲線による定義される)を有する蛍光を発する。これらの波長の一部は、1つのチャネルによって検出され得、他の波長は、原因クロストークにより別のチャネルによって検出され得る。クロストークシグナルは、受信しているチャネルにおける偽陽性の測定値を潜在的にもたらし得る。クロストーク補正が使用可能である場合、発光しているチャネルと受信しているチャネル間のユーザにより指定された「クロストーク補正」比率に基づいて、ソフトウェアツールは、数値的方法でチャネル間のクロストークの量を最小限にし得る。幾つかの実施形態では、ユーザは、例えば、過去の経験に基づいて「クロストーク補正」値に所定の範囲(例えば、0%〜3%の間)内の値を入力することを促され得る。よって、曲線補正画面6025により、ユーザは、LDTから生成されたデータについてシステムコントローラによって実施されたデータ分析に対するコンピュータ実行可能な曲線補正を定義することができるようになる。これの補正を行わないと、生LDTデータ(例えば、蛍光データ)のデータ分析は、不正確な試験結果を生み得る。こうして、ユーザは、システム製造元またはプロバイダーの支援を必要とすることなく、システム上で非標準の事前プログラムされていないアッセイを実行して、そのようなデータ補正を提供することができる。
画面に入力されるチャネル対のクロストーク補正パラメータは6025で、経験的に決定することができる。例えば、チャネル1でシグナルを測定しながら、チャネル2、3、4、および5の各々でブリードスルーの量を決定するには、陽性結果が得られると予期される内容物を有する反応コンテナをチャネル1で測定し、チャネル2、3、4、および5の各々におけるシグナルを測定する。チャネル2、3、4、および5の各々で測定されたシグナルはゼロである必要があり、必要または望ましくあり得るクロストーク補正の量を示します。このため、例えば、チャネル1で測定されたシグナルが1000RFUであり、チャネル2、3、4、および5で測定されたシグナル(ブリードスルーまたはクロストークシグナル)が、それぞれ、200RFU、100RFU、50RFU、10RFU、および0RFUであった場合、対応するクロストーク補正パラメータは、20%(0.20)、10%(0.10)、5%(0.05)、1%(0.01)、および0%(0.00)となり得る。
パラメータはパーセンテージとして入力されてもよく、このパーセンテージ分、各チャネルで測定されたシグナルは、別のチャネルが調べられているときに減少する。図34Fでは、パーセンテージの各々は0.00であるが、エントリのうちの1つ以上は、経験的に決定されたブリードスルーに基づいてゼロ以外のパーセンテージに変化させることができる。例えば、最初の行では、チャネル1で発光が測定されている場合、チャネル2、3、4、および5の各々で受信(測定)されたシグナルは、経験的に決定されたブリードスルーまたはクロストークのパーセンテージだけ減少し得るが、チャネル1でのシグナルは減少しない。2番目の行では、チャネル2で発光が測定されている場合、チャネル1、3、4、および5の各々で受信(測定)されたシグナルは、経験的に決定されたブリードスルーまたはクロストークのパーセンテージだけ減少し得るが、チャネル3でのシグナルは減少しない。3番目の行では、チャネル3で発光が測定されている場合、チャネル1、2、4、および5の各々で受信(測定)されたシグナルは、経験的に決定されたブリードスルーまたはクロストークのパーセンテージだけ減少し得るが、チャネル3でのシグナルは減少しない。4番目の行では、チャネル4で発光が測定されている場合、チャネル1、2、3、および5の各々で受信(測定)されたシグナルは、経験的に決定されたブリードスルーまたはクロストークのパーセンテージだけ減少し得るが、チャネル4でのシグナルは減少しない。そして、5番目の行では、チャネル5で発光が測定されている場合、チャネル1、2、3、および4の各々で受信(測定)されたシグナルは、経験的に決定されたブリードスルーまたはクロストークのパーセンテージだけ減少し得るが、チャネル1でのシグナルは減少しない。
曲線補正パラメータ画面6025で曲線補正に関連するユーザ定義のアッセイパラメータを選択した後に、ユーザは、「陽性基準」タブを選択して陽性基準パラメータ画面6030にアクセスし得る。図34Gは、ソフトウェアツールの例示的な陽性基準パラメータ画面(GUI)6030を示す。陽性基準パラメータ画面6030において、ユーザは、各チャネルについて「Ct閾値」に値を入力することによって、各蛍光チャネルのCt閾値を選択することができる。ソフトウェアは、チャネルにおいて測定された蛍光シグナルがCt閾値と交差するサイクル数としてCt(またはTサイクル)を決定する。チャネルにおいて検出された蛍光がユーザ定義のCt閾値より大きい場合、陽性結果が示され得、検出された蛍光がCt閾値未満である場合、陰性結果が示され得る。陽性結果は、分析物が試料中に存在することを示し、陰性結果は、分析物が試料中に存在しないことを示す。典型的には、Ct閾値は、チャネルおよびアッセイに特異的である(すなわち、Ct閾値は、アッセイおよびチャネルによって異なる)。一般に、Ct閾値は、任意の値を有し得る。様々なアッセイについて典型的Ct閾値は、100〜1000RFUであり得る。幾つかの実施形態では、ソフトウェアツールは、ユーザに「Ct閾値」にこの範囲内で値を入力することを促し得る。幾つかの実施形態では、各チャネルのCt閾値について提案される範囲が、別の方法で提供され得る(例えば、ヘルプウィンドウ、利用者マニュアル、刊行物など)。
各チャネルの「Ct閾値」に加えて、陽性基準パラメータ画面6030は、ユーザに観察された陽性結果が本当に陽性結果であるか、または人為的結果であるかを判定するために使用される評価基準に関連するパラメータも入力させる。これらの結果評価パラメータは、「閾値での最小スロープ」および「最大Ct」を含む。ユーザは、それぞれの判定基準に付随する「許可」を選択することによって、これらの評価基準の一方または両方を使用可能にし得る。「閾値での最小スロープ」は、陽性結果についてユーザ定義の「Ct閾値」で必要とされる最小の(曲線の)傾きを定義する。すなわち、測定されたデータがチャネルの「Ct閾値」を越えたことを示す場合であっても、Ct閾値での曲線の傾きがユーザ定義の「閾値での最小スロープ」以上でない場合、陰性結果が示される。「最大Ct」は、陽性結果について最大許容Ctを定義する。つまり、観察されたCt(すなわち、RFU曲線が閾値に達する前のサイクルの数)がユーザ定義の「最大Ct」値以上である場合、観察された結果が汚染および/または他の理由(例えば、試料中に存在する他の領域または生物によるプライマー/プローブの非特異的活性)などによる人為的結果であり得るため、陰性結果が示される。「閾値での最小スロープ」および「最大Ct」について適切な値は、アッセイに特異的であり得る。幾つかの実施形態では、「閾値での最小スロープ」について適切な値は、0〜200の間であり得る。幾つかの実施形態では、ソフトウェアツールは、ユーザに、他のパラメータに基づいてこれらのパラメータについて提案される値で入力することを促し得る。幾つかの実施形態では、各チャネルについて提案される値は、別の方法(例えば、ヘルプウィンドウ、利用者マニュアル、サポート担当者からアドバイスなど)で提供され得るか、または例えば、以前に報告されたデータ(例えば、以前に報告されたS閾値での傾き)を使用したユーザに由来するもので有ってもよい。したがって、陽性基準パラメータ画面6030により、ユーザは、LDTから生成されたデータについて、システムコントローラ、例えば、ソフトウェアツールを実行するリモートコンピュータの一部である場合もそうでない場合もあり、システム1000のコントローラ5000から離れている場合もそうでない場合もあるデータ解釈コンピュータによって適用される陽性結果を決定するためのコンピュータ実行可能基準を定義できるようになる。こうして、ユーザは、システム製造元またはプロバイダーの支援を必要とすることなく、システム上で非標準の事前プログラムされていないアッセイを実行して、非標準のアッセイについての陽性結果および陰性結果を決定するための基準をシステムにプログラムすることができる。
ユーザは、「チャネル有効性基準」タブを選択して、チャネル有効性基準パラメータ画面6035にアクセスし得る。図34Hは、ソフトウェアツールの例示的なチャネル有効性基準パラメータ画面(GUI)6035を示す。チャネル有効性基準パラメータ画面6035において、ユーザは、アッセイに特異的な構成要素(プライマー、プローブ、試薬など)に関連したエラーフラグを立てるために使用され得る異なる有効性試験を使用可能にし得る。これらの有効性試験は、データ分析アルゴリズムを実施して観察された蛍光値が予測範囲内にあるかどうかを決定する、試料有効性評価コンピュータによって使用されてもよい(このコンピュータは、データ分析コンピューターまたはソフトウェアツールを実行するリモートコンピューターの一部である場合もそうでない場合もあり、システム1000のコントローラ5000から離れている場合もそうでない場合もある)。ユーザはこれらの試験を使用して、ユーザにより提供された試薬(例えば、プローブ/プライマー試薬)およびPCR反応の適切な構築を確認し得る。幾つかの実施形態では、図34Hに図示したように、チャネル有効性基準パラメータ画面6035は、ユーザが「最小バックグラウンド蛍光」、「最大バックグラウンド蛍光」および「最低有効Ct」についての試験を各試験に対応する「許可」ボタンを選択することによって使用可能にするのを可能にする。ユーザは、「最小バックグラウンド蛍光」を使用可能にし、蛍光の所望の最小値を入力し得る。ユーザは、「最大バックグラウンド蛍光」を使用可能にし、観察された蛍光の所望の最大値を入力し得る。これらのパラメータは、ソフトウェアツールがユーザにより提供された試薬の適切な配合、PCRバイアルへの適切なマスターミックス添加、および蛍光検出の適切な機能をチェックすることを可能にする。バックグラウンド蛍光は、チャネルおよびアッセイ特異的である。典型的な「最小バックグラウンド蛍光」値は、500〜15,000RFUであり、典型的な「最大バックグラウンド蛍光」値は、1000〜30,000RFUであり、最大許容量は50,000RFUである。ユーザは、分析物毎に「最低有効Ct」を使用可能にし、Ct値を指定し得る。使用可能である場合、分析物がユーザにより指定された「最低有効Ct」値以下のCt値を有する場合、ソフトウェアツールはPCR曲線を無効にする。よって、チャネル有効性基準パラメータ画面6035により、ユーザは、マルチチャネルシグナル検出器によって測定されたシグナルが予測範囲内にあるかどうかを決定するためのコンピュータ実行可能基準を定義することができるようになる。こうして、ユーザはシステムをプログラムして、システムで非標準の事前プログラムされていないアッセイを実行しながら、また測定されたシグナルの有効性を評価するために基準をシステムにプログラムするシステム製造元またはプロバイダーによる支援を必要とすることなく、測定されたシグナルの有効性を評価することができる。
「試料有効性基準」タブを選択するにより、ソフトウェアツールの試料有効性基準パラメータ画面6040を起動し得る。図34Iは、ソフトウェアツールの例示的な試料有効性基準パラメータ画面(GUI)6040を示す。図示された実施形態では、試料有効性基準パラメータ画面6040は、ユーザがシステム1000のチャネル5が内部標準(IC)であることを示すのを可能にする。内部標準は、分析物の存在または不存在を確認するために反応混合物に含まれる薬剤である。内部標準の検出は、通常、アッセイのプロセスステップを検証するのに役立つ。核酸増幅アッセイの文脈において、内部標準は、核酸分析物とともに共同増幅および検出されるべき核酸テンプレートであり、ただし、分析物は試料中に存在する。適正レベルの内部標準増幅産物の検出は、抽出および増幅プロセスステップの成功を確認する。チャネル5が内部標準を含む場合、ユーザは試料有効性基準パラメータ画面6040で「はい」ボックスを選択し得、有効な結果が内部標準が陽性であることを必要とするかどうか、または任意の分析物が陽性である場合に、内部標準が検出されなかった場合であっても内部標準が有効であると報告されるべきかどうかを指定する。内部標準がチャネル5にない場合、ユーザは「いいえ」ボックスを選択し、有効な結果が少なくとも1つの分析物が陽性であることを必要とするかどうかを指定する。内部標準のためのチャネル5の使用が単に例示あることに留意されたい。一般に、任意のチャネルが内部標準のために使用され得る。したがって、試料有効性基準パラメータ画面(GUI)6040により、ユーザは、内部制御がユーザ定義のアッセイで使用されるかどうかを指定し、内部制御が使用されるかどうかに応じて、試験が有効であるかどうかを決定するための異なるコンピュータ実行可能基準を定義することができるようになる。こうして、ユーザはシステムをプログラムして、システムで非標準の事前プログラムされていないアッセイを実行しながら、また試験有効性を評価するために基準をシステムにプログラムするシステム製造元またはプロバイダーによる支援を必要とすることなく、試験の有効性を評価することができる。
アッセイを定義しているパラメータが選択または編集された後、新規のまたは編集されたプロトコルは、システム1000でのインストールのためにソフトウェアツールからエクスポートされ得る。プロトコルは、画面の「アクション」ナビゲーションペイン下のエクスポートプロトコル画面6045を開くための「エクスポートプロトコル」を選択することによってエクスポートされ得る(図34C〜34Eを参照のこと)。図34Jは、ソフトウェアツールの例示的なエクスポートプロトコル画面(GUI)6045を示す。幾つかの実施形態では、プロトコルをエクスポートする前に、ファイルは、ロックまたはアンロックとして定義されなければならない。典型的には、最適化中の(例えば、パラメータが確定されなかった)プロトコルは、アンロックされたプロトコルとして示される。幾つかの実施形態では、プロトコルは、デフォルトでアンロックとして示される。プロトコルは、「プロトコルロック状態」の「オン」を選択することによってロックされたものとして示され得る。ロックされたプロトコルは、「オン」ボタンを選択解除することによってアンロックされ得る。幾つかの実施形態では、ロックされたプロトコルに対する変更を行うことにより、デフォルトでファイルがアンロックされたものに自動的に変更される。典型的には、プロトコルは、プロトコル最適化が完了し、すべてのユーザ定義のアッセイパラメータが確定された後、ロックされる。幾つかの実施形態では、プロトコルがアンロックされている場合、LISに対する結果報告は使用不能であり、プロトコルがロックされている場合、LISに対する結果報告は使用可能である。「LISへの試料結果モード」の選択肢は、ロックされたプロトコルの結果をLISに報告することについての追加の柔軟性を提供する。適切な選択肢を選択することによって、LISに対する自動の結果報告、手動の結果報告、または結果報告なしを有するプロトコルがロックされ得る。
最適化中のプロトコルの変更は、各エクスポートにおいて、バージョン番号およびバージョンコメントにより追跡され得る。幾つかの実施形態では、ユーザは、新規のおよび編集されたプロトコルの両方に強制の改訂コメントを入力するように促され得る。改訂コメントは、管理プロトコル画面6000(図34Aを参照のこと)に、プロトコル改訂のリストに加えて表示され得る。エクスポートプロトコル画面6045においてすべての必須フィールドが埋められた後、「エクスポートプロトコル」ボタンが使用可能にされ得る。「エクスポートプロトコル」ボタンは、プロトコルをエクスポートするように選択され得る。幾つかの実施形態では、エクスポートされたファイルは、「.gpp」拡張子を有し得る。上記したように、一般にエクスポートされたプロトコルは、ワイヤレスで、配線接続を介して、または携帯型メモリを介してシステム1000に転送され得る。幾つかの実施形態では、ファイルのコピーが携帯型記憶装置(例えば、メモリースティック、USBデバイスなど)に保存されて、システム1000にインストールされ得る。ソフトウェアツールは、ユーザがバックアップアイコンを選択することによってすべてのプロトコルライブラリーのバックアップを取ることを可能にし得る。一旦選択されると、ツールはユーザにバックアップファイルのためのファイルの場所を入力するように促し得る。バックアップファイルは、GSFファイル拡張子で保存され得る。ソフトウェアツールからエクスポートされたファイル(例えば、「.gpp」ファイル)がシステム1000でインストールされた後、アッセイが定義済みプロトコルを使用してシステム1000上で実行され得、データ(例えば、蛍光対サイクル数データ)が保存される。次いで、保存されたデータは、データを可視化する(例えば、生データを処理して、結果を可視化する)ためにシステム1000からソフトウェアツールにエクスポートされ得る。
幾つかの実施形態では、生データ(先に記載した曲線補正を適用していないデータ、陽性判定基準、チャネル有効性判定基準、試料有効性判定基準など)および処理されたデータ(例えば、ユーザ定義のアッセイパラメータを適用することによって処理されたデータ)が、システム1000によってエクスポートされ得る。幾つかの実施形態では、生データは、「.gpr」ファイルとしてエクスポートされ得、ソフトウェアツールを使用して増幅曲線を可視化するために使用され得る。幾つかの実施形態では(例えば、プロトコルが開発されている場合に)、ソフトウェアツールは、増幅曲線を表示して、ユーザ定義のアッセイパラメータを最適化するために使用され得る。例えば、先に記載したユーザ定義のアッセイパラメータの一部もしくは全部(曲線補正に関連したパラメータ、陽性判定基準、チャネル有効性判定基準、試料有効性判定基準など)が変更され、生データが変更されたユーザ定義のアッセイパラメータを使用して処理され、結果が再び検討されてもよい。幾つかの実施形態では、生データ(すなわち、「.gpr」ファイル)に加えて、システム1000は、処理されたデータおよび解釈された結果(例えば、「.csv」ファイルとして)をエクスポートし得る。このファイルは、処理されたデータおよび解釈された結果に加えて分析実行に関連した情報を含み得る。「.csv」ファイルは、別のプログラム(例えば、Microsoft Excel(登録商標))で表示され得る。処理されたデータは、処理された結果およびロックされたプロトコルに関連したトラブルシューティングデータを表示するのに適切であり得る。
アッセイのためのシステム1000からのデータセットは、ワイヤレスで、配線接続を介して、または携帯型記憶装置を介してソフトウェアツールに転送され得る。データセットは、アッセイに関連した情報およびパラメータ(例えば、プロトコルのためのユーザ定義のアッセイパラメータ)ならびに増幅曲線データを含み得る。システム1000から転送されたアッセイデータセットは、ソフトウェアツールの管理プロトコル画面6000(図34Aを参照のこと)で表示される利用可能なアッセイプロトコルのリストに含まれる。データを再検討するために、所望のプロトコルが、掲示された選択肢のリストから選択され、(例えば、ダブルクリックによって)開かれる。選択されたプロトコルに関連するデータは、ナビゲーションペイン(図34Cを参照のこと)の「データ分析」下の「実行データのロード」のクリックによって選択され得る。このボタンのクリックにより、実行データ画面6050を開くことができる。図34Kは、ソフトウェアツールの例示的な実行データ画面6050を示す。所望のデータファイル(例えば、「.gpr」ファイル)は、「閲覧」をクリックし、ファイルの場所に移動し、それを開くことによって選択され得る。幾つかの実施形態では、ファイルを識別するテキスト(例えば、ファイル名)は、ファイルがロードされていることを示す色(例えば、緑色)に変化し得る。幾つかの実施形態では、ファイル名は、ファイルがロードされなかったことを示すために(例えば、エラーを示す)、異なる色(例えば、赤色)に変化し得る。所望のデータファイルが選択された後、データに注釈をつけるために「注釈」ボタン(ナビゲーションペイン内の)が選択され得、増幅曲線を表示するために「分析」ボタン(または画面一番下の「分析する」ボタン)が選択され得る。
「注釈」ボタンを選択することにより、ソフトウェアツールの注釈画面6055を開くことができる。図34Lは、例示的な注釈画面(GUI)6055を示す。データに注釈をつけるために、所望の試料が最初に選択され(図34Lにおいて選択された3つの試料を参照のこと)、注釈詳細更新ウィンドウ6057を開くために「詳細を更新する」ボタンが選択される。図34Lを参照のこと。次いで、所望の注釈がウィンドウ6057の条件欄に入力される。「更新」を選択することにより、入力された注釈が選択されたデータに適用される。適用された注釈は、条件欄を編集することによって削除または変更され得る。注釈は、試料に関する詳細および/または実行条件を検査結果に関連付けるために使用され得る。
「分析」ボタンのクリックにより、ソフトウェアツールの分析画面6060を開くことができる。図34Mは、ソフトウェアツールの例示的な分析画面(GUI)6060を示す。分析画面6060は、とりわけ、チャネル詳細テーブル6062、試料分析テーブル6064、試料詳細部6066および分析プロット6068を含む。チャネル詳細テーブル6062では、システム1000のマルチチャネルシグナル検出器のチャネルと、(例えば、ソフトウェアツールの標的セットアップ画面(GUI)6015(図34D)を使用してユーザが定義した)各チャネルに関連付けられた標的となる分析物とがリストされる。チャネル詳細テーブル6062は、ユーザが試料分析テーブル6064および分析プロット6068でどのチャネル(1〜5)を含むべきかを選択するのを可能にする。所望のチャネルは、チャネル詳細テーブル6062の各チャネルに付随する選択ボックスをクリックすることによって選択され得る。各チャネルに関連付けられた色(または別の識別可能な特徴)も、チャネル詳細テーブル6062で選択され得る。例えば、チャネル詳細テーブル6062の「カラー」セル内のカラードットは、各選択されたチャネルについてデータに関連付けられた色を変更するために選択され得る。チャネル詳細テーブル6062の「閾値」セル内のデータは、ユーザ定義の「Ct閾値」値を動的に変更するために変更され得る(各チャネルについて同じである必要はない各チャネルの「Ct閾値」の値が図34Gの陽性基準パラメータ画面6030を使用してユーザによって選択されたことを想起のこと)。このデータを変更した後、「分析する」ボタンをクリックすることにより、試料分析テーブル6064が更新される。Ct閾値は、陽性基準パラメータ画面6030で「Ct閾値」の値を変更することによって、チャネル詳細テーブル6062の「閾値」セルの値を変更することによって、または分析プロット6068内の閾値指標6069をクリックし、上下にスライドすることによって変更され得る。Ct閾値を変更した後に、「分析する」ボタンをクリックすることにより、データが再処理される。
試料分析テーブル6064は、ロードされたデータの分析出力、設定、および実行詳細を含む。例えば、図34Mに図示したように、試料分析テーブル6064におけるデータは、試料の分析結果が「陽性」(または陰性)であるかどうか、および関連する詳細を示す(例えば、記録された「Ct」、「閾値での傾き」、蛍光(「RFU」)など)。試料分析テーブル6064において掲示されたデータの配置は、ユーザによって変更され得る。例えば、カラムは左右に移動され得、試料は任意の所望の種類に分類され得、カラムはソートされ得る(昇順、降順など)、などである。試料分析テーブル6064で試料が選択される場合(例えば、テーブルの列のクリックによって)、試料詳細部6066は選択された試料の詳細を表示する。図34Mに示される試料分析テーブル6064において、いずれの試料も選択されていないため、データが試料詳細部6066に表示されていないことに留意されたい。分析プロット6068は、試料分析テーブル6064で選択された試料について、増幅曲線を表示する。典型的には、試料分析テーブル6064で試料のサブセットが選択されない限り、すべての試料の増幅曲線が分析プロット6068で示さる。幾つかの実施形態では、分析プロット6068は、プロットが掲示される方法を変更する幾つかの選択肢を含む。例えば、図34Mの分析画面6060を通してアクセス可能な選択肢に加えて、追加の選択肢が、コンテキストメニューおよび/または分析画面6060の異なる領域に対して調整された選択肢を掲示する他のメニュー(例えば、アイコンによってアクセス可能なメニュー、など)を介してアクセスされ得る。例えば、幾つかの実施形態では、分析画面6060の領域(例えば、チャネル詳細テーブル6062、試料分析テーブル6064、試料詳細部6066、または分析プロット6068)を右クリックすることにより、その領域に関連するユーザが選択可能な選択肢を掲示するコンテキストメニューが開かれ得る。例えば、分析プロット6068のコンテキストメニューで掲示された選択肢を使用して、分析プロット6068のタイトル、軸設定、ラベル付けなどが変更され得る。またコンテキストメニューは、例えば、コピー、保存、印刷プレビュー、ズーム/ズーム解除などの特徴を含んでもよい。画面上のメニューアイコンを使用して、プロット6068の他の特徴、例えば、記号および他の指標(例えば、閾値指標6069)の表示または非表示、分析プロットの新規ウィンドウへの移動、分析ビューおよびフォーマットの変さらなどが行われてもよい。
LDT開発の間、ユーザは分析の結果を使用して、アッセイに適切なパラメータ設定を決定し得る。例えば、試料分析テーブル6064内のデータは、試料または1セット試料の分析結果が陽性であることを示し得る。しかしながら、ユーザは、例えば他の情報(例えば、試料詳細部6066の情報、事前情報など)に基づいて、結果の有効性または正確さを疑い得る。次いで、ユーザは、任意の所望のデータ分析パラメータ(例えば、「分析開始サイクル」、「Ct閾値」、「クロストーク補正」パラメータなど)を変更し、システム1000からのデータセットを再分析し、ユーザが結果(例えば、分析プロット6068の増幅曲線)に満足するまで再び結果を検討し得る。ユーザは分析結果を使用して、LDTのための最適な試薬の化学的性質(例えば、LDTなどで使用される液体を収容する容器1940(図11Bを参照のこと)内の液体1970Aおよび1970Bの配合など)および/または処理条件(例えば、熱サイクリング条件など)を発見し得る。例えば、結果を指針として使用して、ユーザは、LDTを最適化するために所望の試薬を再配合および/または処理条件を微調整する。こうして、ユーザはソフトウェアツールを使用して、LDTのためのユーザ定義のアッセイパラメータの値を最適化し得る。これらのパラメータが最適化され、確定された後、LDTはロックされ得る。
データ分析アルゴリズム
ソフトウェアツールは、コンピュータシステムにインストールされた、アッセイプロトコル定義およびデータ分析を実施する(1つ以上の)アルゴリズムを含む。例えば、これらのアルゴリズムは、システム1000からのデータを分析し、(図34Mの)分析画面6060に分析結果を掲示する。例示的なデータ分析アルゴリズムを以下に簡潔に記載する。記載されるアルゴリズムは単に例示であり、多数の変形が可能であり、本開示の範囲内であることに留意されたい。図35Aは、システム1000からのデータを処理および分析するために、ソフトウェアツールのアルゴリズムによって使用される例示的な方法7000を示すフローチャートである。図35Aに図示するように、システム1000からのデータは、曲線処理およびCt計算(ステップS7002)を実施するアルゴリズムによって最初に処理される。このステップでは、アルゴリズムは、データを処理し、各チャネルについてCtを決定するために、曲線補正(図34Fを参照して既に記載されている)のためのユーザ定義のアッセイパラメータを使用する。この説明の全体を通して、用語「曲線」は、循環された増幅反応の複数サイクルの間の、プローブからの一連の蛍光測定またはその調整されたバージョンを指すために使用され、それらが得られたサイクルまたは時間との順序対として存在する。次いで、ステップS7002の出力は、有効性および陽性試験(ステップS7004)を実施する1つ以上のアルゴリズムによって、処理され得る。このステップの間、アルゴリズムは、(ステップS7002において)計算されたCtが有効な結果であるかどうか決定するために、陽性判定基準、チャネル有効性判定基準、および試料有効性判定基準のためのユーザ定義のアッセイパラメータを使用する(図34G〜34Iを参照して既に記載されている)。次いで、ステップS7004の出力は、ソフトウェアツールの分析画面6060で掲示される中間結果を生成するために処理される(ステップS7006)。パラメータ最適化の間、ユーザは、ユーザにより指定された任意のデータ分析パラメータ(例えば、「分析開始サイクル」、「Ct閾値」、「ベースライン補正」、「クロストーク補正」パラメータなど)を変更し、上記したステップの一部またはすべて(すなわち、ステップS7002〜S7006)を繰り返し得る。
図35Bは、曲線処理およびCt計算(すなわち、図35AのステップS7002)の間、ソフトウェアツールによって使用される例示的な方法7010を示すフローチャートである。システム1000からの生データは、ソフトウェアツールに入力され得る。幾つかの実施形態では、この生データは、追加のデータ(例えば、トラブルシューティングについてのデータ)も含み得る。入力の有効性検証が、入力データに最初に実施され得る(ステップS7012)。入力の有効性検証の間、すべての入力パラメータおよび曲線は、それらの有効性を確認するために検査される。入力の有効性検証において、試験は、データが任意のサイクルから抜けているかどうかを決定するためであり得る(例えば、1サイクル当たり少なくとも1回の測定があるかどうか、任意の無効な入力パラメータが存在するかどうか、など)。幾つかの実施形態では、データ整理は、このステップの間、実施され得る。例えば、入力データは、入力の有効性検証のための各サイクルについての平均値であり得る。入力データが入力の有効性検証ステップ(ステップS7012)を通過しない場合、致命的エラーが発せられ、データ分析が停止され得る。次いで、データ平滑化が有効なデータ(ステップS7014)に対して実施されて、生データを変動を低減し得る。データ平滑化は、所与のサイクルについて設定された数の点を平均することによって分析が測定プロセスの軽微な変動に影響を受けないことを確実にするために実行され得る。任意の種類の平滑化アルゴリズム(例えば、n点移動平均平滑化アルゴリズム、多項式フィッティング(Savitzky−Golay)など)が、生データに適用され得る。一部の平滑化アルゴリズムにおいて、データは、例えば、3、4、5、6、7、8、9、10または11サイクル全体の平均値になり得る。幾つかの実施形態では、5サイクルにわたって平均され得る。幾つかの実施形態では、最初および最後の数サイクルに対しては平均が実施されなくてもよく、例えば、最初の2サイクルおよび最後の2サイクル(例えば、Mが5であるときに)などのサイクル1〜M/2(切り捨て)およびN−M/2(切り上げ)〜N(式中、Mは個々の測定を平滑化するために使用されるサイクル数(例えば、移動平均のウィンドウサイズ)であり、Nは、反応のサイクル数である)である。典型的には、生データ(すなわち、ステップS7012およびS7014)の有効性検証およびスムージングは、ユーザからの入力なしに生データに適用されることができる。すなわち、幾つかの実施形態では、ユーザは、これらのステップにおいてアルゴリズムによって使用される予め設定されたパラメータを使用不能にするかまたは変更することができなくてもよい。しかしながら、幾つかの実施形態では、ソフトウェアツールは、有効性検証および/または平滑化ステップに関して(ステップS7012、S7014)ユーザが意志決定することを可能にし得ることも考えられる(例えば、有効性検証および/または平滑化を適用するべきかどうか、適用する有効性検証および/または平滑化アルゴリズムの種類、有効性検証および/または平滑化アルゴリズムに関連した定義パラメータを選択するなど)。転換領域除外ステップ(ステップS7016)では、最初の期間(例えば、ユーザ定義の分析開始サイクルの前のサイクル)の測定値は、その後のCt計算に使用されるデータから除去される。
データがステップS7014で平滑化され、信頼できない可変小数点がステップS7016で除去された後、データは、ステップS7018で決定されたベースライン蛍光レベルに基づいて調整される。PCR曲線は通常、ゼロでないベースライン測定値を有し、これは少なくとも部分的に、アッセイの化学的性質および蛍光光度計の光学素子に起因する。蛍光光度計の各チャネルは異なる色素に対応し、したがって各チャネルはそれに影響を及ぼす異なるレベルのバックグラウンドを有し得る。したがって、幾つかの実施形態では、ステップ7018は、蛍光光度計の各チャネルについて実施される。幾つかの実施形態では、ベースライン調整は、加法的要素および乗法的要素を含み得る。ベースライン減算は加法的要素を補正するためにデータに適用され得、測定のスケーリングは乗法的要素を補正するためにデータに適用され得る。乗法的要素を低減または除去するために、スケーリング因子が、通常予想されるベースラインに基づいて曲線について決定され、決定されたスケーリング因子が曲線に適用され得る。幾つかの実施形態では、ベースライン測定値は、経験的に乗法的要素および加法的要素に分解され得る。乗法的要素の例は検出器のためのゲイン係数の差異であり、加法的要素の例は反応器の固有蛍光である。ベースライン蛍光の乗法的要素を測定する1つの技術は、複数の蛍光光度計にわたって反復して反応を実施することである。異なる蛍光光度計によって検出される最終的なRFUの差は、乗法的要素を示し得る。ベースライン蛍光の加法的要素を測定する1つの技術は、空の反応器の蛍光を測定することであり、これは加法的要素を示す。任意の種類のベースライン推定アルゴリズム(例えば、4パラメータロジスティック回帰モデル、5パラメータロジスティック回帰モデルなど)が、このステップでベースラインを推定するために使用され得る。幾つかの実施形態では、適用されたベースライン推定アルゴリズムが機能しない場合、2つのサイクル(例えば、サイクル10および15)の間に囲まれているデータポイントがベースラインを推定するために使用され得る。幾つかの実施形態では、ベースライン計算および減算ステップ(ステップS7018)が、ユーザから入力なしで実施され得る。図36Aは、例示的な実施形態における1つのチャネルに対応するデータ曲線からのベースラインの推定および減算を概略的に示し、図36Bは、ベースライン減算が適用された後のすべての5つのチャネルの曲線を示す。図36Bから分かるように、ベースライン減算(ステップS7018)後、すべての曲線は、同一のベースラインを有する。
次いで、クロストーク補正(ステップS7020)がユーザによって許可されている場合、データに適用され得る。例えば、ユーザが曲線補正パラメータ画面6025(図34Fを参照のこと)で「クロストーク補正」パラメータの値を選択しなかった(または0%の値を選択した)場合、このステップは省略される。一部のフルオロフォア間のスペクトルの重複により、1つのチャネルで励起されているフルオロフォアは、隣接するチャネルでのシグナルの一部でも励起され得る。したがって、幾つかの実施形態では、チャネルi(チャネルを発光する)からチャネルj(受信しているチャネル)へのシグナルブリードスルー(またはクロストーク)が、観察され得る。このクロストークシグナルは、受信しているチャネルにおける偽陽性の測定値を潜在的にもたらし得る。チャネルiとチャネルjとの間のユーザ定義のクロストーク補正比率に基づいて、このステップで、クロストークシグナルの量が、数値的に最小化され得る。クロストーク補正は、ベースライン減算データに対して実施され、ベースライン減算データが所与の曲線についてすべてのチャネルで生成されることを必要とし得る。例えば、チャネルiの曲線のクロストーク補正は、チャネルi以外のすべての他のチャネルからの曲線データを必要とすることができる。幾つかの実施形態では、クロストーク補正ステップは、クロストーク補正が他のステップに影響を及ぼさずに変更され得るように、ソフトウェアツールにおいてモジュール方式で実装され得る。図36Cおよび36Dは、代表的実施形態の曲線にクロストーク補正を適用する効果を示す。図36Cは、クロストーク補正が適用される前の曲線を示し、図36Dは、クロストーク補正が適用された後の曲線を示す。クロストーク補正は、データが得られた容器に隣接した別の反応器(例えば、チューブ)からのブリードスルーシグナルを除去または低減するために実施され得る。例えば、重複するスペクトルを有するフルオロフォア(例えば、同一であるかまたは識別不能なスペクトルを有するフルオロフォア)を含むホルダ内の隣接した容器は、ブリードスルーシグナルが生じるのに十分に近接して得る。クロストーク補正は、部分的に重複するスペクトルを有する同一の容器中の別のフルオロフォアからのブリードスルーシグナルを除去または低減するためにも実施され得る。
一部の増幅アッセイにおいて、特にベースラインサイクル終了近くのフルオロフォアの不十分なクエンチングにより、ベースライン変動(例えば、ベースラインランプアップ)が、観察される。つまり、ベースライン変動に起因して、曲線が早期に上昇する。ランピングベースラインがCt計算に使用される線形回帰領域が入り込む場合、ベースライン変動は、Ctの計算に悪影響を及ぼし得る。したがって、曲線補正パラメータ画面6025(図34Fを参照のこと)でユーザによって許可された場合、適応的ベースライン補正ステップ(ステップS7022)においてアルゴリズムは、例えば、(1)ベースラインセグメントを測定すること;および(2)ベースラインセグメントの傾きおよび測定が行われた時間またはサイクルに依存する値を減算することによって、ランピングベースラインを補正する。このステップを目的としたベースラインセグメントは、増幅反応の複数サイクルのうちのサイクルの各隣接するペア間での傾きを、少なくともサイクルのペアが所定の傾きに達するかまたはそれを越えるまで測定すること、および所定の傾きに達したかまたはそれを越えた当該サイクルのペアの後よりも前のサイクルからの蛍光測定からなるものとしてベースラインセグメントを特定することによって特定され得る。幾つかの実施形態では、ベースラインセグメントの傾きは、線形回帰を使用して測定され得る。幾つかの実施形態では、傾きは、平滑化された増幅曲線または回帰フィット増幅曲線(例えば、4パラメータロジスティック回帰曲線)に基づいて計算され得る。すなわち、傾きは、平滑化された観測データまたはフィッティングされたデータに基づいて計算され得る。このステップでは、曲線が実質的に平坦であり、かつ/または適応的ベースライン補正ステップの前と比較して減少した傾き、例えば、真の増幅が開始する前の0またはそれに近い傾きを有するように、曲線のランピングベースラインは、傾きに対応するサイクルを掛けるによって計算されるランピングの偏りの量を減算することによって除去される。図36Eは、例示的な曲線に対する適応的ベースライン補正を適用する効果を示す。次いで、ソフトウェアツールは、データ(ステップS7024)にレベリングを適用し得る。レベリングは、曲線内の最小値で見つけること、および曲線内のすべての点からその量を減算することによって、曲線で最も低い測定値がゼロであることを確実にし得る。幾つかの実施形態では、レベリング(すなわち、ステップS7024)は、ユーザからの入力のなしにデータに適用され得る。
ベースライン減算およびノイズリダクションの後、増幅ステップ(ステップS7026)において、陰性曲線を増幅された曲線(または陽性曲線)と区別することために曲線のRFU範囲が計算される。幾つかの実施形態では、RFU範囲は、各チャネルでの最大蛍光−最小蛍光として計算され得る。RFU範囲が所定の閾値以下である場合、標的核酸分析物が所定の検出限界以上の量で存在しないと判定される(有効性検証エラーとみなさない)。曲線が陽性である(例えば、RFU範囲が所定の閾値を超える)場合、次いで、Ct計算ステップ(ステップS7028)でCtが計算される。Ctは、測定された蛍光シグナルが曲線の出現についてユーザにより定義された「Ct閾値」(以下、所定の閾値と記載する)を超えるサイクル数として計算される。図36Fは、Ctを計算する例示的な方法を示す。幾つかの実施形態では、図36Fに図示するように、ステップS7028では、Ctは、例えば、所定の閾値以上の調整された蛍光測定値が最も早くが発生したサイクル、所定の閾値以上の最も早い調整された蛍光測定値、および所定の閾値以上の調整された蛍光測定が最も早く発生したサイクルの前のサイクルからの調整された蛍光測定値の蛍光値を使用した、2点Ct計算法(two point Ct calculation method)を使用して計算され得る。これは、少数のCt値(すなわち、整数でないもの)を提供するための、直線補間などの補間を含み得る。
図35Cは、有効性および陽性試験(すなわち、図35AのステップS7004)の間、ソフトウェアツールのアルゴリズムによって使用される例示的な方法7030を示すフローチャートである。各チャネル(またはチューブ)からのデータは、最初に閾値の2回横断(ステップS7032)について試験される。このステップでは、Ctを決定するために使用された曲線が増幅したが、計算されたCtの後の点でユーザ定義の「Ct閾値」値未満に下降した任意のチャネルが無効に設定される(ステップS7034)。換言すれば、閾値の2回横断の試験は、調整された蛍光測定値が(i)第1のサイクルからの所定の閾値以上の調整された蛍光測定値、および(ii)第1のサイクルより後の第2のサイクルからの所定のもの未満の調整された蛍光測定値の両方を含むかどうかを決定することを含む。次いで、アルゴリズムは、任意のチャネルについて決定されたCt値がユーザ定義の最小値(「最低有効Ct」)未満かどうか決定するために調べる(ステップS7036)。もしそうである場合、チャネルは無効と評価される(ステップS7038)。次いで、アルゴリズムは、すべてのチャネルについて曲線の傾きおよびCtの値をチェックする(ステップS7040)。このステップでは、アルゴリズムは、Ctでの曲線の傾きをユーザ定義の値(「閾値での最小スロープ」)と比較し、Ctの決定値をユーザ定義の許容できる最高値(「最大Ct」)と比較する。すなわち、測定されたデータがチャネルの「Ct閾値」を越えたことを示す場合であっても、Ct閾値での曲線の傾きがユーザ定義の「閾値での最小スロープ」以上でない場合、陰性結果が示される(ステップS7042)。次いで、アルゴリズムは、各チャネルからのデータに対する一連の試験を実施する。例えば、各チャネルからのデータは、それが有効なサーマルサイクラーでの測定を示すかどうか(ステップS7044)、任意の致命的なフラグが存在するかどうか(ステップS7046)、およびバックグラウンド評価が許容範囲内であるかどうか(ステップS7048)を決定するために調べられる。任意のこれらの試験が失敗する場合、チャネルは無効であることが示される(ステップS7070)。次いで、アルゴリズムは、試料有効性基準パラメータ画面6040(図34Iを参照のこと)でのユーザ設定に基づいて、データの陽性に関する一連の試験を実施し(ステップS7050)、チャネルが有効であると設定する(ステップS7060)か、またはユーザ定義の基準に基づいて無効であると設定する(ステップS7070)。
システム1000でのアッセイプロトコルのインストールおよび実行
上記したように、ソフトウェアツール(幾つかの実施形態では、システム1000に接続していないか、またはこれと離れたコンピュータシステムにインストールされている)を使用して開発されたアッセイプロトコル(例えば、LDTプロトコル)は、試料に対するアッセイを実施するためにシステム1000にインストールされ得る。幾つかの実施形態では、開発されたアッセイは、USBデバイスでシステム1000に転送され得る。中に記憶されたアッセイプロトコルを有するUSBデバイスは、システム1000のUSBドライブに挿入され、アッセイはシステム1000のディスプレイ装置50(図1を参照のこと)を使用して選択およびインストールされる。幾つかの実施形態では、システム1000にアッセイプロトコルをロードするために、管理者としてシステム1000にサインインすることが必要とされ得る。図37Aは、ディスプレイ装置50上に管理画面8000を開くために選択される「管理」オプションを有するディスプレイ装置50を示す。次いで、「オープンアクセスプロトコルを管理する」アイコンが、ディスプレイ装置50上にオープンアクセスプロトコル画面8010を表示するために選択され得る。図37Bは、代表的実施形態におけるオープンアクセスプロトコル画面8010を示す。システム1000において(例えば、以前にロードされた)利用可能なアッセイプロトコルは、オープンアクセスプロトコル画面8010に列挙され得る。新規のアッセイプロトコルは、プロトコル選択画面8020を開くために画面8010から「インポート」を選択することによってシステム1000にロードされ得る。図37Cは、USBデバイス内の利用可能なオープンアクセスプロトコルが列挙された、代表的実施形態におけるプロトコル選択画面8020を示す。次いで、所望のプロトコルが選択およびインポートされる(例えば、「インポート」内をクリックすることによって)。次いで、これらのアップロードされたアッセイは、以前にシステム1000にロードされたすべての他のアッセイ(IVDアッセイおよびLDT)に追加され得る。次いで、システム1000は、ロードされたアッセイプロトコルを使用したアッセイを実行し、データを保存し得、次いで、これは前述したようにデータを処理し、結果を可視化するためにシステム1000からソフトウェアツールにエクスポートされ得る。
システム1000においてアッセイは、システム1000にロードされた試料(図3Cを参照のこと)に適用され得る(または関連付けられる)。使用される間、ユーザは、システム1000において試料格納部内の異なる患者試料を異なる利用可能なアッセイ(IVDおよびLDT)に関連付け得る。試料は、IVDアッセイおよびLDTの両方について試験命令を有し得る。試料のアッセイとの関連付け(または試験命令)は、システム1000上(ディスプレイ装置50を使用して)または外部から(例えば、LISを使用して)行われ、次いで、システム1000に転送(例えば、送信、アップロードなど)され得る。例えば、図3Cに関して、ユーザは、LISを使用して、異なる試料容器107または容器107のラック10(例えば、参照番号、バーコードなどにより識別される)を1つ以上のアッセイと(例えば、1つ以上のIVDアッセイおよび/または1つ以上のLDTなどと)関連付け、この情報を有するデータファイルをシステム1000に転送し得る。これらの試料容器107またはラック10が試料格納部8に挿入される際、システム1000(図33を参照のこと)のコントローラ5000は、試料を認識し(例えば、バーコードリーダ18からの読み取りに基づいて、図3Bを参照のこと)、それらをユーザにより選択されたアッセイに関連付け得る。
試料と当該試料に対して実施されるアッセイとの関連付けは、システム1000上でも行われ得る。例えば、ユーザは、ディスプレイ装置50を使用して1つ以上のアッセイを選択し得、試料格納部8にロードされている試料の次のラック10(または容器107)が、ユーザにより選択されたアッセイに関連付けられ得る。幾つかの実施形態では、試料がシステム1000にロードされた後、ユーザはアッセイを試料に関連付け得る。例えば、ユーザは、試料格納部8に存在する試料容器107(例えば、一部の識別情報により識別される)のリストを検討する、所望のセットのアッセイを個々の容器107または容器107のラック10に割り当て/関連付ける。一般に、ユーザは、同一セットのアッセイを容器107のラック10またはラック10内の個々の容器107に割り当て得る。ロードされた試料がアッセイプロトコルを割り当てられた後、各試料ラックについて検体情報は、ディスプレイ装置50の試料ラック画面9000に表示される。図38は、対応する試料IDおよびアッセイが列挙された、ディスプレイ装置50上に表示される例示的な試料ラック画面9000を示す。図38に見られるように、複数のアッセイ(HPV、CT/GCなど)が、同一の試料(例えば、試料ID2654)に関連付けられた。一般に、任意の数およびタイプのアッセイ(例えば、IVDおよび/またはLDT)が、同一の試料に割り当てられ得る(アッセイの数は試料容量のみによって限定される)。
アッセイが試料に関連付けられた後、システム1000のコントローラ5000は、異なるアッセイをスケジュールし、システム1000上で効率的な方法で実施する(例えば、スループットタイムを最小限にし、ワークフローを増加させる/改善するために、など)。システム1000上でのLDTプロトコルの最適化の間、液体を含有する特異のセットの試料を、ASR容器であり得るユーザにより提供された特定の容器に流すことが必要で有り得る(すなわち、液体1970A、1970Bなどをコンテナ1920の液体収容容器1940に流すこと、図11A、11Bを参照のこと)。幾つかの実施形態では、試料処理順序を予測するために、同一の再構成液を有するユーザにより提供された複数の容器を使用する場合、コントローラ5000は、最も低い数の残存する試験回数を有するユーザにより提供された容器(すなわち、最も液体の容量が小さいチューブ)が最初に空にされるように試験をスケジュールし得る。チューブが同じ試験回数を有する場合、コントローラ5000は、第2の試薬コンテナキャリア1600内の位置1〜4のコンテナ1920から(すなわち、最初に位置「Recon 1」のコンテナ1920、次いで位置「Recon 2」のコンテナ1920からなど、図6Dを参照のこと)の位置A〜Dのユーザにより提供された容器からの液体(すなわち、最初にコンテナ1920の位置Aの容器1940から、次いで位置Bの容器1940からなど、図11Aを参照のこと)を使用し得る。異なるアッセイプロトコルに関連付けられたユーザにより提供された試薬を収容している複数の容器がシステム1000にロードされている場合、コントローラ5000は、どの試験が最初に割り当てられたかに従って試験をスケジュールし、可能な場合、ロードされた試料をバッチ処理し得る。PCR反復試験が同一の試験に割り当てられている場合、コントローラ5000は、同一のユーザにより提供された容器からすべてのPCR反復試験を実行し得る。
IVDアッセイおよびLDTが同一の試料に関連付けられた幾つかの実施形態では、試料溶出液は、両方のアッセイについて共同で調製され得る(すなわち、図29の試料溶出液調製プロセス800は、両方のアッセイについて共通で有り得る)。次いで、共通の試料溶出液のアリコートは、IVDアッセイに合わせて処理され得、アリコートがLDTに合わせて処理され得る。必要条件ではないが、幾つかの実施形態では、IVDアッセイおよびLDTのステップの少なくとも一部は、システム1000によって並行して実施され得る。例えば、図30の反応混合物調製プロセス830および/または図31のプロセス850(例えば、PCR反応)の一部またはすべてのステップは、IVDアッセイおよびLDTについて並行して(または同時にもしくは平行した様式で)実施され得る(コンテナ1920からの再構成液がLDTのためのステップS838で使用され、コンテナ1620からの再構成緩衝液がIVDアッセイのためのステップS838で使用される)。システム1000のサーマルサイクラー432は複数の独立して制御された熱ゾーンを有するため、IVDアッセイおよびLDTのための(プロセス850の)インキュベーションステップS858は、両方のアッセイが異なる熱サイクリング条件を有する場合であっても並行して実施され得る。しかしながら、並行した様式でIVDアッセイおよびLDTのステップを実施することは、必要条件でない。幾つかの実施形態では、コントローラ5000は、IVDアッセイおよびLDTの一部またはすべてのステップを連続的な様式でスケジュールし得る。
IVDアッセイおよびLDTをバッチ処理する分析システム(例えば、IVDアッセイまたはLDTのうちの1つが最初に1バッチで実施され、次いで他方のアッセイが別のバッチで実行される)とは対照的に、システム1000は、交互的な様式および連続的な様式で、IVDアッセイおよびLDTを処理し得る。「交互的な」とは、システム1000が、IVDアッセイおよびLDT(またはASR試薬を必要とするアッセイ)の開始および実施を連続的かつ中断されない様式で交互に繰り返すことができることを意味する。例えば、IVDアッセイおよびLDT(またはASR試薬を必要とするアッセイ)により処理されることが意図される試料は、一緒にまたは連続的にシステム1000にロードされ得、両方のタイプのアッセイが、ユーザによる介入(例えば、試料、試薬および/または溶媒を変更すること)なしにシステムによってシームレスに実施され得る。このようにして、IVDアッセイおよびLDT(またはASR試薬を必要とするアッセイ)のステップの一部またはすべては、システム1000上で並行して実施され得る。試料は、システムが他の試料を処理している時にシステム1000にロードされ、アッセイに関連付けられ得る。システム1000は、新たにロードされた試料を前にロードされた試料とともに間断なく連続的な様式でスケジュールし、処理し得る。
図39は、ソフトウェアツールを使用するプロトコル最適化のためのワークフローの概略図である。ステップ(1)では、ユーザ定義のプロトコル(すなわち、1つ以上のユーザ定義のアッセイパラメータを含むアッセイプロトコル)が作成または編集される。次に、プロトコルはエクスポートされ、ステップ(2)でシステム1000にインストールされる。LDT再構成流体1970a、1970bなどの試薬、および凍結乾燥試薬は、ステップ(3)でシステム1000にロードされる。試料がステップ(4)でシステム1000にロードされる。ステップ(5)で、システム1000が開始されて、ユーザ定義のプロトコルに従ってLDTアッセイを実行する。ステップ(6)では、エッセイの間に収集されたデータが分析され解釈される。データの分析および解釈に基づいて、ユーザ定義のプロトコルが編集され、それにより、ステップ(1)でプロセスを再開し、ワークフローを繰り返すことができる。
本開示は、ある例証的実施形態を参照して、特徴の種々の組み合わせおよび部分的組み合わせを含め、かなり詳細に説明および図示されたが、当業者は、本開示の範囲内に包含される、他の実施形態ならびにその変形例および改変を容易に理解するであろう。さらに、そのような実施形態、組み合わせ、および部分的組み合わせの説明は、本開示が、請求項に明示的に列挙されるもの以外の特徴または特徴の組み合わせを要求することを伝えることを意図するものではない。したがって、本開示は、以下の態様の要旨および範囲内に包含されるすべての改変および変形例を含むものと見なされる。
例示的な実施形態
本開示の態様は、以下の付番した実施形態によって要約される。
幾つかの実施形態では、
1.標的分析物を含有することが疑われる試料を処理するためのアッセイプロトコルのユーザ定義のアッセイパラメータをユーザが指定することを可能にするシステムであって、前記アッセイプロトコルが、コンピュータ制御式自動分析装置に、前記アッセイプロトコルに従ってアッセイを行わせるコンピュータ実行可能命令を含み、前記ユーザ定義のアッセイパラメータが、前記コンピュータ実行可能命令の一部を含み、前記システムは、
前記ユーザが分析物抽出パラメータを定義することを可能にするように構成されている第1のグラフィカルユーザインタフェースであって、前記分析物抽出パラメータが、前記標的分析物を前記試料から抽出するための抽出プロセスを行うように前記分析装置によって実行される1つ以上のコンピュータ実行可能命令を含む、第1のグラフィカルユーザインタフェースと、
前記ユーザが標的パラメータを定義することを可能するように構成されている第2のグラフィカルユーザインタフェースであって、前記標的パラメータが、前記標的分析物の検出に使用される前記分析装置のマルチチャネルシグナル検出器の1つ以上のチャネルを指定する1つ以上のコンピュータ実行可能命令を含む、第2のグラフィカルユーザインタフェースと、
前記ユーザが温度プロファイルの1つ以上の温度パラメータを定義することを可能にするように構成されている第3のグラフィカルユーザインタフェースであって、前記温度プロファイルの前記1つ以上の温度パラメータは、反応混合物が、前記標的分析物を増幅するように前記分析装置によって曝露されることになる温度条件を指定するコンピュータ実行可能命令を含む、第3のグラフィカルユーザインタフェースと、を含む、システム。
2.前記アッセイプロトコルの前記ユーザ定義のアッセイパラメータが、前記分析装置を制御している第2のコンピュータから離れている第1のコンピュータを使用して定義される、実施形態1に記載のシステム。
3.前記第1のグラフィカルユーザインタフェースは、前記ユーザが前記アッセイプロトコルの名称を指定することを可能にするようにさらに構成されている、実施形態1または2に記載のシステム。
4.前記第3のグラフィカルユーザインタフェースは、前記ユーザが前記温度プロファイルに分析物タイプを指定することを可能にするようにさらに構成され、前記分析物タイプがDNAおよびRNA/DNAのうちの1つを含む、実施形態1〜3のいずれか1つに記載のシステム。
5.前記抽出プロセスが、前記分析装置によって前記試料と組み合わされる試薬のタイプおよび量を定義するコンピュータ実行可能命令を含む、実施形態1〜4のいずれか1つに記載のシステム。
6.前記抽出プロセスが、試料吸引高さを定義するコンピュータ実行可能命令をさらに含む、実施形態1〜5のいずれか1つに記載のシステム。
7.前記抽出プロセスが標的捕捉手順を含む、実施形態1〜6のいずれか1つに記載のシステム。
8.前記第1のグラフィカルユーザインタフェースが、前記ユーザが分析物抽出パラメータを2つ以上の定義済み分析物抽出パラメータから選択することを可能にするように構成されている、実施形態1〜7のいずれか1つに記載のシステム。
9.前記マルチチャネルシグナル検出器が、前記標的分析物の増幅に関連するシグナルを検出するように構成されている、実施形態1〜8のいずれか1つに記載のシステム。
10.前記シグナルが、固有の波長または波長の範囲を有する蛍光シグナルである、実施形態9に記載のシステム。
11.前記第2のグラフィカルユーザインタフェースが、ユーザによって各々個別に選択可能である複数のチャネルを視覚的に提示するように構成されている、実施形態1〜10のいずれか1つに記載のシステム。
12.前記第2のグラフィカルユーザインタフェースは、前記ユーザが各々選択されたチャネルと関連付けられる分析物名を入力し得る入力エリアを視覚的に提示するようにさらに構成されている、実施形態11に記載のシステム。
13.前記1つ以上の温度パラメータが、熱サイクル反応の各温度ステップの温度、各温度ステップの期間、および前記熱サイクル反応のための温度サイクルの数のうちの1つ以上を含む、実施形態1〜12のいずれか1つに記載のシステム。
14.前記第3のグラフィカルユーザインタフェースが、第1の軸に沿った温度と第2の軸に沿った時間とのグラフを提示するように構成され、前記グラフが段階に分けられ、各段階が一定温度の1つ以上のステップを含み、前記第3のグラフィカルユーザインタフェースは、前記ユーザが各ステップの温度および期間ならびに少なくとも1つの段階の前記数を定義または変更することを可能にするインタラクティブな入力要素を提示するように構成されている、実施形態1〜13のいずれか1つに記載のシステム。
15.前記ユーザが前記アッセイプロトコルを記憶媒体または前記分析装置のコントローラにエクスポートするためのコンピュータ実行可能命令を定義することを可能にするように構成されているプロトコルエクスポートグラフィカルユーザインタフェースをさらに含む、実施形態1〜14のいずれか1つに記載のシステム。
16.前記ユーザが1つ以上のデータ分析パラメータを入力することを可能にするように構成されている少なくとも1つのデータ分析パラメータグラフィカルユーザインタフェースをさらに含み、前記データ分析パラメータが、前記アッセイプロトコルに従って前記アッセイを実施する間に前記分析装置によって収集されたデータを分析するためのデータ分析コンピュータによって実行されるコンピュータ実行可能命令を含む、実施形態1〜15のいずれか1つに記載のシステム。
17.前記データ分析コンピュータと前記ユーザ定義のアッセイパラメータが指定されるコンピュータとが同じコンピュータである、実施形態16に記載のシステム。
18.前記少なくとも1つのデータ分析パラメータグラフィカルユーザインタフェースが、前記ユーザが1つ以上の曲線補正パラメータを入力することを可能にするように構成されている曲線補正パラメータグラフィカルユーザインタフェースを含み、前記曲線補正パラメータが、前記アッセイプロトコルに従って前記アッセイを実施する間に前記分析装置によって収集されたデータに対して前記データ分析コンピュータが行う1つ以上の変更を指定するコンピュータ実行可能命令を含む、実施形態16または17に記載のシステム。
19.前記1つ以上の曲線補正パラメータが、前記マルチチャネルシグナル検出器の1つ以上のチャネルの各々のデータを分析するために定義され、その前にあらゆる収集されたデータが廃棄されるデータ中のサイクルを定義する分析開始サイクル、バックグラウンドシグナルを前記データから減算するために選択可能なベースライン補正、それを越えてベースライン補正が適用されない曲線スロープを定義するベースライン補正スロープリミット、およびチャネル間シグナルクロストークを抑制するためのクロストーク補正パラメータのうちの1つ以上を含む、実施形態18に記載のシステム。
20.前記少なくとも1つのデータ分析パラメータグラフィカルユーザインタフェースは、前記ユーザが1つ以上のデータ評価陽性基準を入力することを可能にするように構成されている陽性基準パラメータグラフィカルユーザインタフェースを含み、前記データ評価陽性基準が、前記アッセイプロトコルに従って前記アッセイを行う間に前記分析装置によって収集された前記データの陽性または陰性結果を決定するために、前記データ分析コンピュータによって適用される1つ以上の基準を指定するコンピュータ実行可能命令を含む、実施形態16〜19のいずれか1つに記載のシステム。
21.前記1つ以上のデータ評価陽性基準が、前記マルチチャネルシグナル検出器の1つ以上のチャネルの各々のデータを評価するために定義され、それを超えると前記標的分析物の存在が示されるシグナル閾値、それに対して陽性結果が決定されることになる前記シグナル閾値を横断する曲線の最小スロープを定義する閾値での最小スロープ、およびそれに対して陽性結果が決定されることになる前記シグナル閾値に達する前のサイクルの最大数を定義する最大閾値サイクルパラメータのうちの1つ以上を含む、実施形態20に記載のシステム。
22.前記ユーザが、前記アッセイプロトコルに従って前記アッセイを行う間に前記分析装置によって収集されたデータがそれに対して提示されることになる、前記マルチチャネルシグナル検出器の1つ以上のチャネルを選択することを可能にし、前記陽性基準パラメータグラフィカルユーザインタフェースを使用して前記ユーザによって定義された前記データ評価陽性基準からの1つ以上の基準とともに、前記1つ以上の選択されたチャネルについてのデータ分析結果を管状形態およびグラフィック形態の少なくとも1つで表示し、前記ユーザが前記データ評価陽性基準の1つ以上を変更することを可能し、変更されたデータ分析結果を管状形態およびグラフィック形態の少なくとも1つで表示するように構成されている、データ分析グラフィカルユーザインタフェースをさらに含む、実施形態21に記載のシステム。
23.前記アッセイプロトコルの前記ユーザ定義のアッセイパラメータが指定され、前記データ分析グラフィカルユーザインタフェースが、前記分析装置を制御している第2のコンピュータから離れている第1のコンピュータを使用して提供される、実施形態22に記載のシステム。
24.前記少なくとも1つのデータ分析パラメータグラフィカルユーザインタフェースは、前記ユーザが1つ以上のチャネル有効性基準パラメータを入力することを可能にするように構成されているチャネル有効性基準パラメータグラフィカルユーザインタフェースを含み、前記チャネル有効性基準パラメータは、前記マルチチャネルシグナル検出器によって測定されたシグナルが予想される範囲内であるかどうかを決定するために、前記データ分析コンピュータに値を指定するコンピュータ実行可能命令を含む、実施形態16〜23のいずれか1つに記載のシステム。
25.前記マルチチャネルシグナル検出器が蛍光光度計を備え、前記1つ以上のチャネル有効性基準パラメータが、前記マルチチャネルシグナル検出器の1つ以上のチャネルの各々のデータを評価するために定義され、最大バックグラウンド蛍光、最小バックグラウンド蛍光、およびそれに対して陽性結果が決定されることになる前記シグナル閾値に達する前のサイクルの最小数を定義する最小閾値サイクルパラメータのうちの1つ以上を含む、実施形態24に記載のシステム。
26.前記少なくとも1つのデータ分析パラメータグラフィカルユーザインタフェースは、前記ユーザが1つ以上のチャネル有効性基準パラメータを入力することを可能にするように構成されている試料有効性基準パラメータグラフィカルユーザインタフェースを含み、前記試料有効性基準が、前記アッセイプロトコルに従って前記アッセイを行う間に前記分析装置によって収集されたデータの前記有効性を評価するために前記データ分析コンピュータによって適用される1つ以上の基準を指定するコンピュータ実行可能命令を含む、実施形態16〜25のいずれか1つに記載のシステム。
27.前記チャネル有効性基準パラメータは、(i)前記ユーザが前記マルチチャネルシグナル検出器のチャネル中の内部標準を使用しているかしていないか、(ii)前記ユーザが内部標準を使用している場合、有効な試験を示すために陽性内部標準が必要とされるかどうか、またはいずれかの陽性チャネルが有効な試験を示すかどうか、および(iii)前記ユーザが内部標準を使用していない場合、いずれかの陽性チャネルが陽性試験を示すかどうかを指定する、実施形態26に記載のシステム。
28.前記ユーザが、前記アッセイプロトコルに従って前記アッセイを行う間に前記標的分析物を増幅および検出するために1つ以上の試薬にアクセスするための前記分析装置内の位置を指定するコンピュータ実行可能命令を定義することを可能にする試薬グラフィカルユーザインタフェースをさらに含む、実施形態1〜27のいずれか1つに記載のシステム。
29.前記アッセイプロトコルの前記ユーザ定義のアッセイパラメータが、前記試薬グラフィカルユーザインタフェースが提供される第2のコンピュータから離れている第1のコンピュータを使用して定義される、実施形態28に記載のシステム。
30.前記第2のコンピュータが前記分析装置のコンピュータである、実施形態29に記載のシステム。
31.前記アッセイプロトコルが、前記ユーザ定義のアッセイパラメータと1つ以上のシステム定義のアッセイパラメータとの組み合わせを含む、実施形態1〜30のいずれか1つに記載のシステム。
32.前記システム定義のアッセイパラメータのうちの1つ以上が、前記分析装置中に事前プログラムされ、任意選択で、前記システム定義のアッセイパラメータが、プロトコルライブラリーに記憶される、実施形態31に記載のシステム。
幾つかの実施形態では、
33.標的分析物を含有することが疑われる試料を処理するためのアッセイプロトコルのユーザ定義のアッセイパラメータをユーザが指定することを可能にするシステムであって、前記アッセイプロトコルが、コンピュータ制御式自動分析装置に、前記アッセイプロトコルに従ってアッセイを行わせるコンピュータ実行可能命令を含み、前記ユーザ定義のアッセイパラメータが、前記コンピュータ実行可能命令の一部を含み、前記システムは、前記ユーザが温度プロファイルの1つ以上の温度パラメータを定義することを可能にするように構成されているサーモサイクラーセットアップグラフィカルユーザインタフェースであって、前記温度プロファイルの前記1つ以上の温度パラメータは、反応混合物が、前記標的分析物を増幅するように前記分析装置によって曝露されることになる温度条件を指定するコンピュータ実行可能命令を含む、サーモサイクラーセットアップグラフィカルユーザインタフェースと、を含む、システム。
34.前記アッセイプロトコルの前記ユーザ定義のアッセイパラメータが、前記分析装置を制御している第2のコンピュータから離れている第1のコンピュータを使用して定義される、実施形態33に記載のシステム。
35.前記1つ以上の温度パラメータが、熱サイクル反応の各温度ステップの温度、各温度ステップの期間、および前記熱サイクル反応のための温度サイクルの数のうちの1つ以上を含む、実施形態33〜34のいずれか1つに記載のシステム。
36.前記サーモサイクラーセットアップグラフィカルユーザインタフェースが、第1の軸に沿った温度と第2の軸に沿った時間とのグラフを提示するように構成され、前記グラフが段階に分けられ、各段階が一定温度の1つ以上のステップを含み、前記サーモサイクラーセットアップグラフィカルユーザインタフェースは、前記ユーザが各ステップの温度および期間ならびに少なくとも1つの段階の前記数を定義または変更することを可能にするインタラクティブな入力要素を提示するように構成されている、実施形態33〜35のいずれか1つに記載のシステム。
37.前記サーモサイクラーセットアップグラフィカルユーザインタフェースは、前記ユーザが前記温度プロファイルに分析物タイプを指定することを可能にするようにさらに構成され、前記分析物タイプがDNAおよびRNA/DNAのうちの1つを含む、実施形態33〜36のいずれか1つに記載のシステム。
38.前記ユーザが前記アッセイプロトコルの分析物抽出パラメータを定義することを可能にするように構成されているプロトコルタイプ選択グラフィカルユーザインタフェースをさらに含み、前記分析物抽出パラメータが、前記標的分析物を前記試料から抽出するための前記分析装置によって実施される抽出プロセスを実施するためのコンピュータ実行可能命令を含む、実施形態33〜37のいずれか1つに記載のシステム。
39.前記プロトコルタイプ選択グラフィカルユーザインタフェースは、前記ユーザが前記アッセイプロトコルの名称を指定することを可能にするようにさらに構成されている、実施形態38に記載のシステム。
40.前記抽出プロセスが、前記分析装置によって前記試料と組み合わされる試薬のタイプおよび量を定義するコンピュータ実行可能命令を含む、実施形態38または39に記載のシステム。
41.前記抽出プロセスが、試料吸引高さを定義するコンピュータ実行可能命令をさらに含む、実施形態38〜40のいずれか1つに記載のシステム。
42.前記抽出プロセスが標的捕捉手順を含む、実施形態38〜41のいずれか1つに記載のシステム。
43.前記プロトコルタイプ選択グラフィカルユーザインタフェースが、前記ユーザが分析物抽出パラメータを2つ以上の定義済み分析物抽出パラメータから選択することを可能にするように構成されている、実施形態38〜42のいずれか1つに記載のシステム。
44.前記ユーザが標的パラメータを定義することを可能にするように構成されている標的セットアップグラフィカルユーザインタフェースであって、前記標的パラメータが、前記標的分析物の検出に使用される前記分析装置のマルチチャネルシグナル検出器の1つ以上のチャネルを指定する1つ以上のコンピュータ実行可能命令を含む、標的セットアップグラフィカルユーザインタフェースをさらに含む、実施形態33〜43のいずれか1つに記載のシステム。
45.前記マルチチャネルシグナル検出器が、前記標的分析物の増幅に関連するシグナルを検出するように構成されている、実施形態44に記載のシステム。
46.前記シグナルが、固有の波長または波長の範囲を有する蛍光シグナルである、実施形態45に記載のシステム。
47.前記第標的セットアップグラフィカルユーザインタフェースが、ユーザによって各々個別に選択可能である複数のチャネルを視覚的に提示するように構成されている、実施形態44〜46のいずれか1つに記載のシステム。
48.前記標的セットアップグラフィカルユーザインタフェースは、前記ユーザが各々選択されたチャネルと関連付けられる分析物名を入力し得る入力エリアを視覚的に提示するように構成されている、実施形態47に記載のシステム。
49.前記ユーザが前記アッセイプロトコルを記憶媒体または前記分析装置のコントローラにエクスポートするためのコンピュータ実行可能命令を定義することを可能にするように構成されているプロトコルエクスポートグラフィカルユーザインタフェースをさらに含む、実施形態33〜48のいずれか1つに記載のシステム。
50.前記ユーザが1つ以上のデータ分析パラメータを入力することを可能にするように構成されている少なくとも1つのデータ分析パラメータグラフィカルユーザインタフェースをさらに含み、前記データ分析パラメータが、前記アッセイプロトコルに従って前記アッセイを実施する間に前記分析装置によって収集されたデータを分析するためのデータ分析コンピュータによって実行されるコンピュータ実行可能命令を含む、実施形態33〜49のいずれか1つに記載のシステム。
51.前記データ分析コンピュータと前記ユーザ定義のアッセイパラメータが指定されるコンピュータとが同じコンピュータである、実施形態50に記載のシステム。
52.前記少なくとも1つのデータ分析パラメータグラフィカルユーザインタフェースが、前記ユーザが1つ以上の曲線補正パラメータを入力することを可能にするように構成されている曲線補正パラメータグラフィカルユーザインタフェースを含み、前記曲線補正パラメータが、前記アッセイプロトコルに従って前記アッセイを実施する間に前記分析装置によって収集されたデータに対して前記データ分析コンピュータが行う1つ以上の変更を指定するコンピュータ実行可能命令を含む、実施形態50または51に記載のシステム。
53.前記少なくとも1つのデータ分析パラメータグラフィカルユーザインタフェースは、前記ユーザが1つ以上のデータ評価陽性基準を入力することを可能にするように構成されている陽性基準パラメータグラフィカルユーザインタフェースを含み、前記データ評価陽性基準が、前記アッセイプロトコルに従って前記アッセイを行う間に前記分析装置によって収集された前記データの陽性または陰性結果を決定するために、前記データ分析コンピュータによって適用される1つ以上の基準を指定するコンピュータ実行可能命令を含む、実施形態50〜52のいずれか1つに記載のシステム。
54.前記少なくとも1つのデータ分析パラメータグラフィカルユーザインタフェースは、前記ユーザが1つ以上のチャネル有効性基準パラメータを入力することを可能にするように構成されているチャネル有効性基準パラメータグラフィカルユーザインタフェースを含み、前記チャネル有効性基準パラメータは、前記マルチチャネルシグナル検出器によって測定されたシグナルが予想される範囲内であるかどうかを決定するために、前記データ分析コンピュータに値を指定するコンピュータ実行可能命令を含む、実施形態50〜53のいずれか1つに記載のシステム。
55.少なくとも1つのデータ分析パラメータグラフィカルユーザインタフェースは、前記ユーザが1つ以上のチャネル有効性基準パラメータを入力することを可能にするように構成されている試料有効性基準パラメータグラフィカルユーザインタフェースを含み、前記試料有効性基準が、前記アッセイプロトコルに従って前記アッセイを行う間に前記分析装置によって収集されたデータの前記有効性を評価するために前記データ分析コンピュータによって適用される1つ以上の基準を指定するコンピュータ実行可能命令を含む、実施形態50〜54のいずれか1つに記載のシステム。
56.前記1つ以上の曲線補正パラメータが、前記マルチチャネルシグナル検出器の1つ以上のチャネルの各々のデータを分析するために定義され、その前にあらゆる収集されたデータが廃棄されるデータ中のサイクルを定義する分析開始サイクル、バックグラウンドシグナルを前記データから減算するために選択可能なベースライン補正、それを越えてベースライン補正が適用されない曲線スロープを定義するベースライン補正スロープリミット、およびチャネル間シグナルクロストークを抑制するためのクロストーク補正パラメータのうちの1つ以上を含む、実施形態52に記載のシステム。
57.前記1つ以上のデータ評価陽性基準が、前記マルチチャネルシグナル検出器の1つ以上のチャネルの各々のデータを評価するために定義され、それを超えると前記標的分析物の存在が示されるシグナル閾値、それに対して陽性結果が決定されることになる前記シグナル閾値を横断する曲線の最小スロープを定義する閾値での最小スロープ、およびそれに対して陽性結果が決定されることになる前記シグナル閾値に達する前のサイクルの最大数を定義する最大閾値サイクルパラメータのうちの1つ以上を含む、実施形態53に記載のシステム。
58.前記ユーザが、前記アッセイプロトコルに従って前記アッセイを行う間に前記分析装置によって収集されたデータがそれに対して提示されることになる、前記マルチチャネルシグナル検出器の1つ以上のチャネルを選択することを可能にし、前記陽性基準パラメータグラフィカルユーザインタフェースを使用して前記ユーザによって定義された前記データ評価陽性基準からの1つ以上の基準とともに、前記1つ以上の選択されたチャネルについてのデータ分析結果を管状形態およびグラフィック形態の少なくとも1つで表示し、前記ユーザが前記データ評価陽性基準の1つ以上を変更することを可能し、変更されたデータ分析結果を管状形態およびグラフィック形態の少なくとも1つで表示するように構成されている、データ分析グラフィカルユーザインタフェースをさらに含む、実施形態57に記載のシステム。
59.前記アッセイプロトコルの前記ユーザ定義のアッセイパラメータが定義され、前記データ分析グラフィカルユーザインタフェースが、前記分析装置を制御している第2のコンピュータから離れている第1のコンピュータを使用して提供される、実施形態58に記載のシステム。
60.前記マルチチャネルシグナル検出器が蛍光光度計を備え、前記1つ以上のチャネル有効性基準パラメータが、前記マルチチャネルシグナル検出器の1つ以上のチャネルの各々のデータを評価するために定義され、最大バックグラウンド蛍光、最小バックグラウンド蛍光、およびそれに対して陽性結果が決定されることになる前記シグナル閾値に達する前のサイクルの最小数を定義する最小閾値サイクルパラメータのうちの1つ以上を含む、実施形態54に記載のシステム。
61.前記チャネル有効性基準パラメータは、(i)前記ユーザが前記マルチチャネルシグナル検出器のチャネル中の内部標準を使用しているかしていないか、(ii)前記ユーザが内部標準を使用している場合、有効な試験を示すために陽性内部標準が必要とされるかどうか、またはいずれかの陽性チャネルが有効な試験を示すかどうか、および(iii)前記ユーザが内部標準を使用していない場合、いずれかの陽性チャネルが陽性試験を示すかどうかを指定する、実施形態55に記載のシステム。
62.前記ユーザが、前記アッセイプロトコルに従って前記アッセイを行う間に前記標的試薬を増幅および検出するために1つ以上の試薬にアクセスするための前記分析装置内の位置を指定するコンピュータ実行可能命令を定義することを可能にする試薬グラフィカルユーザインタフェースをさらに含む、実施形態33〜61のいずれか1つに記載のシステム。
63.前記アッセイプロトコルの前記ユーザ定義のアッセイパラメータが、前記試薬グラフィカルユーザインタフェースが提供される第2のコンピュータから離れている第1のコンピュータを使用して定義される、実施形態62に記載のシステム。
64.前記第2のコンピュータが前記分析装置のコンピュータである、実施形態63に記載のシステム。
65.前記アッセイプロトコルが、前記ユーザ定義のアッセイパラメータと1つ以上のシステム定義のアッセイパラメータとの組み合わせを含む、実施形態33〜64のいずれか1つに記載のシステム。
66.前記システム定義のアッセイパラメータのうちの1つ以上が、前記分析装置上に事前プログラムされる、実施形態65に記載のシステム。
幾つかの実施形態では、
67.標的分析物を含有することが疑われる試料を処理するためのアッセイプロトコルのユーザ定義のアッセイパラメータをユーザが指定することを可能にするシステムであって、前記アッセイプロトコルが、コンピュータ制御式自動分析装置に、前記アッセイプロトコルに従ってアッセイを行わせるコンピュータ実行可能命令を含み、前記ユーザ定義のアッセイパラメータが、前記コンピュータ実行可能命令の一部を含み、前記システムは、
前記ユーザが分析物抽出パラメータを定義することを可能にするように構成されているプロトコルタイプ選択グラフィカルユーザインタフェースであって、前記分析物抽出パラメータが、前記標的分析物を前記試料から抽出するための抽出プロセスを行うように前記分析装置によって実行される1つ以上のコンピュータ実行可能命令を含む、プロトコルタイプ選択グラフィカルユーザインタフェースと、
前記ユーザが標的パラメータを定義することを可能にするように構成されている標的セットアップグラフィカルユーザインタフェースであって、前記標的パラメータが、前記標的分析物の検出に使用される前記分析装置のマルチチャネルシグナル検出器の1つ以上のチャネルを指定する1つ以上のコンピュータ実行可能命令を含む、標的セットアップグラフィカルユーザインタフェースと、を含む、システム。
68.前記ユーザが温度プロファイルの1つ以上の温度パラメータを定義することを可能にするように構成されているサーモサイクラーセットアップグラフィカルユーザインタフェースであって、前記温度プロファイルの前記1つ以上の温度パラメータは、反応混合物が、前記標的分析物を増幅するように前記分析装置によって曝露されることになる温度条件を指定するコンピュータ実行可能命令を含む、サーモサイクラーセットアップグラフィカルユーザインタフェースをさらに含む、実施形態67に記載のシステム。
69.前記1つ以上の温度パラメータが、熱サイクル反応の各温度ステップの温度、各温度ステップの期間、および前記熱サイクル反応のための温度サイクルの数のうちの1つ以上を含む、実施形態68に記載のシステム。
70.前記サーモサイクラーセットアップグラフィカルユーザインタフェースが、第1の軸に沿った温度と第2の軸に沿った時間とのグラフを提示するように構成され、前記グラフが段階に分けられ、各段階が一定温度の1つ以上のステップを含み、前記サーモサイクラーセットアップグラフィカルユーザインタフェースは、前記ユーザが各ステップの温度および期間ならびに少なくとも1つの段階の前記数を定義または変更することを可能にするインタラクティブな入力要素を提示するように構成されている、実施形態68または69のいずれかに記載のシステム。
71.前記サーモサイクラーセットアップグラフィカルユーザインタフェースは、前記ユーザが前記温度プロファイルに分析物タイプを指定することを可能にするようにさらに構成され、前記分析物タイプがDNAおよびRNA/DNAのうちの1つを含む、実施形態68〜70のいずれか1つに記載のシステム。
72.前記アッセイプロトコルの前記ユーザ定義のアッセイパラメータが、前記分析装置を制御している第2のコンピュータから離れている第1のコンピュータを使用して指定される、実施形態67〜71のいずれか1つに記載のシステム。
73.前記プロトコルタイプ選択グラフィカルユーザインタフェースは、前記ユーザが前記アッセイプロトコルの名称を指定することを可能にするようにさらに構成されている、実施形態67〜72のいずれか1つに記載のシステム。
74.前記抽出プロセスが、前記分析装置によって前記試料と組み合わされる試薬のタイプおよび量を定義するコンピュータ実行可能命令を含む、実施形態67〜73のいずれか1つに記載のシステム。
75.前記抽出プロセスが、試料吸引高さを定義するコンピュータ実行可能命令をさらに含む、実施形態67〜74のいずれか1つに記載のシステム。
76.前記抽出プロセスが標的捕捉手順を含む、実施形態67〜75のいずれか1つに記載のシステム。
77.前記プロトコルタイプ選択グラフィカルユーザインタフェースが、前記ユーザが分析物抽出パラメータを2つ以上の定義済み分析物抽出パラメータから選択することを可能にするように構成されている、実施形態67〜76のいずれか1つに記載のシステム。
78.前記マルチチャネルシグナル検出器が、前記標的分析物の増幅に関連するシグナルを検出するように構成されている、実施形態67〜77のいずれか1つに記載のシステム。
79.前記シグナルが、固有の波長または波長の範囲を有する蛍光シグナルである、実施形態78に記載のシステム。
80.前記第標的セットアップグラフィカルユーザインタフェースが、ユーザによって各々個別に選択可能である複数のチャネルを視覚的に提示するように構成されている、実施形態67〜79のいずれか1つに記載のシステム。
81.前記標的セットアップグラフィカルユーザインタフェースは、前記ユーザが各々選択されたチャネルと関連付けられる分析物名を入力し得る入力エリアを視覚的に提示するようにさらに構成されている、実施形態80に記載のシステム。
82.前記ユーザが前記アッセイプロトコルを記憶媒体または前記分析装置のコントローラにエクスポートするためのコンピュータ実行可能命令を定義することを可能にするように構成されているプロトコルエクスポートグラフィカルユーザインタフェースをさらに含む、実施形態67〜81のいずれか1つに記載のシステム。
83.前記ユーザが1つ以上のデータ分析パラメータを入力することを可能にするように構成されている少なくとも1つのデータ分析パラメータグラフィカルユーザインタフェースをさらに含み、前記データ分析パラメータが、前記アッセイプロトコルに従って前記アッセイを実施する間に前記分析装置によって収集されたデータを分析するためのデータ分析コンピュータによって実行されるコンピュータ実行可能命令を含む、実施形態67〜82のいずれか1つに記載のシステム。
84.前記データ分析コンピュータと前記ユーザ定義のアッセイパラメータが指定されるコンピュータとが同じコンピュータである、実施形態83に記載のシステム。
85.前記少なくとも1つのデータ分析パラメータグラフィカルユーザインタフェースが、前記ユーザが1つ以上の曲線補正パラメータを入力することを可能にするように構成されている曲線補正パラメータグラフィカルユーザインタフェースを含み、前記曲線補正パラメータが、前記アッセイプロトコルに従って前記アッセイを実施する間に前記分析装置によって収集されたデータに対して前記データ分析コンピュータが行う1つ以上の変更を指定するコンピュータ実行可能命令を含む、実施形態83または84に記載のシステム。
86.前記1つ以上の曲線補正パラメータが、前記マルチチャネルシグナル検出器の1つ以上のチャネルの各々のデータを分析するために定義され、その前にあらゆる収集されたデータが廃棄されるデータ中のサイクルを定義する分析開始サイクル、バックグラウンドシグナルを前記データから減算するために選択可能なベースライン補正、それを越えてベースライン補正が適用されない曲線スロープを定義するベースライン補正スロープリミット、およびチャネル間シグナルクロストークを抑制するためのクロストーク補正パラメータのうちの1つ以上を含む、実施形態85に記載のシステム。
87.前記少なくとも1つのデータ分析パラメータグラフィカルユーザインタフェースは、前記ユーザが1つ以上のデータ評価陽性基準を入力することを可能にするように構成されている陽性基準パラメータグラフィカルユーザインタフェースを含み、前記データ評価陽性基準が、前記アッセイプロトコルに従って前記アッセイを行う間に前記分析装置によって収集された前記データの陽性または陰性結果を決定するために、前記データ分析コンピュータによって適用される1つ以上の基準を指定するコンピュータ実行可能命令を含む、実施形態83〜86のいずれか1つに記載のシステム。
88.前記1つ以上のデータ評価陽性基準が、前記マルチチャネルシグナル検出器の1つ以上のチャネルの各々のデータを評価するために定義され、それを超えると前記標的分析物の存在が示されるシグナル閾値、それに対して陽性結果が決定されることになる前記シグナル閾値を横断する曲線の最小スロープを定義する閾値での最小スロープ、およびそれに対して陽性結果が決定されることになる前記シグナル閾値に達する前のサイクルの最大数を定義する最大閾値サイクルパラメータのうちの1つ以上を含む、実施形態87に記載のシステム。
89.前記ユーザが、前記アッセイプロトコルに従って前記アッセイを行う間に前記分析装置によって収集されたデータがそれに対して提示されることになる、前記マルチチャネルシグナル検出器の1つ以上のチャネルを選択することを可能にし、前記陽性基準パラメータグラフィカルユーザインタフェースを使用して前記ユーザによって定義された前記データ評価陽性基準からの1つ以上の基準とともに、前記1つ以上の選択されたチャネルについてのデータ分析結果を管状形態およびグラフィック形態の少なくとも1つで表示し、前記ユーザが前記データ評価陽性基準の1つ以上を変更することを可能し、変更されたデータ分析結果を管状形態およびグラフィック形態の少なくとも1つで表示するように構成されている、データ分析グラフィカルユーザインタフェースをさらに含む、実施形態87または88に記載のシステム。
90.前記アッセイプロトコルの前記ユーザ定義のアッセイパラメータが指定され、前記データ分析グラフィカルユーザインタフェースが、前記分析装置を制御している第2のコンピュータから離れている第1のコンピュータを使用して提供される、実施形態89に記載のシステム。
91.前記少なくとも1つのデータ分析パラメータグラフィカルユーザインタフェースは、前記ユーザが1つ以上のチャネル有効性基準パラメータを入力することを可能にするように構成されているチャネル有効性基準パラメータグラフィカルユーザインタフェースを含み、前記チャネル有効性基準パラメータは、前記マルチチャネルシグナル検出器によって測定されたシグナルが予想される範囲内であるかどうかを決定するために、前記データ分析コンピュータに値を指定するコンピュータ実行可能命令を含む、実施形態83〜90のいずれか1つに記載のシステム。
92.前記マルチチャネルシグナル検出器が蛍光光度計を備え、前記1つ以上のチャネル有効性基準パラメータが、前記マルチチャネルシグナル検出器の1つ以上のチャネルの各々のデータを評価するために定義され、最大バックグラウンド蛍光、最小バックグラウンド蛍光、およびそれに対して陽性結果が決定されることになる前記シグナル閾値に達する前のサイクルの最小数を定義する最小閾値サイクルパラメータのうちの1つ以上を含む、実施形態91に記載のシステム。
93.前記少なくとも1つのデータ分析パラメータグラフィカルユーザインタフェースは、前記ユーザが1つ以上のチャネル有効性基準パラメータを入力することを可能にするように構成されている試料有効性基準パラメータグラフィカルユーザインタフェースを含み、前記試料有効性基準が、前記アッセイプロトコルに従って前記アッセイを行う間に前記分析装置によって収集されたデータの前記有効性を評価するために前記データ分析コンピュータによって適用される1つ以上の基準を指定するコンピュータ実行可能命令を含む、実施形態83〜92のいずれか1つに記載のシステム。
94.前記チャネル有効性基準パラメータは、(i)前記ユーザが前記マルチチャネルシグナル検出器のチャネル中の内部標準を使用しているかしていないか、(ii)前記ユーザが内部標準を使用している場合、有効な試験を示すために陽性内部標準が必要とされるかどうか、またはいずれかの陽性チャネルが有効な試験を示すかどうか、および(iii)前記ユーザが内部標準を使用していない場合、いずれかの陽性チャネルが陽性試験を示すかどうかを指定する、実施形態93に記載のシステム。
95.前記ユーザが、前記アッセイプロトコルに従って前記アッセイを行う間に前記標的分析物を増幅および検出するために1つ以上の試薬にアクセスするための前記分析装置内の位置を指定するコンピュータ実行可能命令を定義することを可能にする試薬グラフィカルユーザインタフェースをさらに含む、実施形態67〜94のいずれか1つに記載のシステム。
96.前記アッセイプロトコルの前記ユーザ定義のアッセイパラメータが、前記試薬グラフィカルユーザインタフェースが提供される第2のコンピュータから離れている第1のコンピュータを使用して指定される、実施形態95に記載のシステム。
97.前記第2のコンピュータが前記分析装置のコンピュータである、実施形態96に記載のシステム。
98.前記アッセイプロトコルが、前記ユーザ定義のアッセイパラメータと1つ以上のシステム定義のアッセイパラメータとの組み合わせを含む、実施形態67〜97のいずれか1つに記載のシステム。
99.前記システム定義のアッセイパラメータのうちの1つ以上が、前記分析装置中に事前プログラムされ、任意選択で、前記システム定義のアッセイパラメータが、プロトコルライブラリーに記憶される、実施形態98に記載のシステム。
幾つかの実施形態では、
100.標的分析物を含有することが疑われる試料を処理するためのアッセイプロトコルのユーザ定義のアッセイパラメータをユーザが指定することを可能にするシステムであって、前記アッセイプロトコルが、コンピュータ制御式自動分析装置に、前記アッセイプロトコルに従ってアッセイを行わせるコンピュータ実行可能命令を含み、前記ユーザ定義のアッセイパラメータが、前記コンピュータ実行可能命令の一部を含み、前記システムは、
前記ユーザが分析物抽出パラメータを定義することを可能にするように構成されているプロトコルタイプ選択グラフィカルユーザインタフェースであって、前記分析物抽出パラメータが、前記標的分析物を前記試料から抽出するための抽出プロセスを行うように前記分析装置によって実行される1つ以上のコンピュータ実行可能命令を含む、プロトコルタイプ選択グラフィカルユーザインタフェースと、
前記ユーザが温度プロファイルの1つ以上の温度パラメータを定義することを可能にするように構成されているサーモサイクラーセットアップグラフィカルユーザインタフェースであって、前記温度プロファイルの前記1つ以上の温度パラメータは、反応混合物が、前記標的分析物を増幅するように前記分析装置によって曝露されることになる温度条件を指定するコンピュータ実行可能命令を含む、サイクラーセットアップグラフィカルユーザインタフェースと、を含む、システム。
101.前記ユーザが標的パラメータを定義することを可能にするように構成されている標的セットアップグラフィカルユーザインタフェースであって、前記標的パラメータが、前記標的分析物の検出に使用される前記分析装置のマルチチャネルシグナル検出器の1つ以上のチャネルを指定する1つ以上のコンピュータ実行可能命令を含む、標的セットアップグラフィカルユーザインタフェースと、をさらに含む、実施形態100に記載のシステム。
102.前記第標的セットアップグラフィカルユーザインタフェースが、ユーザによって各々個別に選択可能である複数のチャネルを視覚的に提示するように構成されている、実施形態101に記載のシステム。
103.前記標的セットアップグラフィカルユーザインタフェースは、前記ユーザが各々選択されたチャネルと関連付けられる分析物名を入力し得る入力エリアを視覚的に提示するようにさらに構成されている、実施形態101または102に記載のシステム。
104.前記アッセイプロトコルの前記ユーザ定義のアッセイパラメータが、前記分析装置を制御している第2のコンピュータから離れている第1のコンピュータを使用して指定される、実施形態100〜103のいずれか1つに記載のシステム。
105.前記プロトコルタイプ選択グラフィカルユーザインタフェースは、前記ユーザが前記アッセイプロトコルの名称を指定することを可能にするようにさらに構成されている、実施形態100〜104のいずれか1つに記載のシステム。
106.前記1つ以上の温度パラメータが、熱サイクル反応の各温度ステップの温度、各温度ステップの期間、および前記熱サイクル反応のための温度サイクルの数のうちの1つ以上を含む、実施形態100〜105のいずれか1つに記載のシステム。
107.前記抽出プロセスが、前記分析装置によって前記試料と組み合わされる試薬のタイプおよび量を定義するコンピュータ実行可能命令を含む、実施形態100〜106のいずれか1つに記載のシステム。
108.前記抽出プロセスが、試料吸引高さを定義するコンピュータ実行可能命令を含む、実施形態100〜107のいずれか1つに記載のシステム。
109.前記抽出プロセスが標的捕捉手順を含む、実施形態100〜108のいずれか1つに記載のシステム。
110.前記プロトコルタイプ選択グラフィカルユーザインタフェースが、前記ユーザが分析物抽出パラメータを2つ以上の定義済み分析物抽出パラメータから選択することを可能にするように構成されている、実施形態100〜109のいずれか1つに記載のシステム。
111.前記マルチチャネルシグナル検出器が、前記標的分析物の増幅に関連するシグナルを検出するように構成されている、実施形態100〜110のいずれか1つに記載のシステム。
112.前記シグナルが、固有の波長または波長の範囲を有する蛍光シグナルである、実施形態111に記載のシステム。
113.前記サーモサイクラーセットアップグラフィカルユーザインタフェースが、第1の軸に沿った温度と第2の軸に沿った時間とのグラフを提示するように構成され、前記グラフが段階に分けられ、各段階が一定温度の1つ以上のステップを含み、前記サーモサイクラーセットアップグラフィカルユーザインタフェースは、前記ユーザが各ステップの温度および期間ならびに少なくとも1つの段階の前記数を定義または変更することを可能にするインタラクティブな入力要素を提示するように構成されている、実施形態100〜112のいずれか1つに記載のシステム。
114.前記サーモサイクラーセットアップグラフィカルユーザインタフェースは、前記ユーザが前記温度プロファイルに分析物タイプを指定することを可能にするように構成され、前記分析物タイプがDNAおよびRNA/DNAのうちの1つを含む、実施形態100〜113のいずれか1つに記載のシステム。
115.前記ユーザが前記アッセイプロトコルを記憶媒体または前記分析装置のコントローラにエクスポートするためのコンピュータ実行可能命令を定義することを可能にするように構成されているプロトコルエクスポートグラフィカルユーザインタフェースをさらに含む、実施形態100〜114のいずれか1つに記載のシステム。
116.前記ユーザが1つ以上のデータ分析パラメータを入力することを可能にするように構成されている少なくとも1つのデータ分析パラメータグラフィカルユーザインタフェースをさらに含み、前記データ分析パラメータが、前記アッセイプロトコルに従って前記アッセイを実施する間に前記分析装置によって収集されたデータを分析するためのデータ分析コンピュータによって実行されるコンピュータ実行可能命令を含む、実施形態100〜115のいずれか1つに記載のシステム。
117.前記データ分析コンピュータと前記ユーザ定義のアッセイパラメータが指定されるコンピュータとが同じコンピュータである、実施形態116に記載のシステム。
118.前記少なくとも1つのデータ分析パラメータグラフィカルユーザインタフェースが、前記ユーザが1つ以上の曲線補正パラメータを入力することを可能にするように構成されている曲線補正パラメータグラフィカルユーザインタフェースを含み、前記曲線補正パラメータが、前記アッセイプロトコルに従って前記アッセイを実施する間に前記分析装置によって収集されたデータに対して前記データ分析コンピュータが行う1つ以上の変更を指定するコンピュータ実行可能命令を含む、実施形態116または117に記載のシステム。
119.前記1つ以上の曲線補正パラメータが、前記マルチチャネルシグナル検出器の1つ以上のチャネルの各々のデータを分析するために定義され、その前にあらゆる収集されたデータが廃棄されるデータ中のサイクルを定義する分析開始サイクル、バックグラウンドシグナルを前記データから減算するために選択可能なベースライン補正、それを越えてベースライン補正が適用されない曲線スロープを定義するベースライン補正スロープリミット、およびチャネル間シグナルクロストークを抑制するためのクロストーク補正パラメータのうちの1つ以上を含む、実施形態118に記載のシステム。
120.前記少なくとも1つのデータ分析パラメータグラフィカルユーザインタフェースは、前記ユーザが1つ以上のデータ評価陽性基準を入力することを可能にするように構成されている陽性基準パラメータグラフィカルユーザインタフェースを含み、前記データ評価陽性基準が、前記アッセイプロトコルに従って前記アッセイを行う間に前記分析装置によって収集された前記データの陽性または陰性結果を決定するために、前記データ分析コンピュータによって適用される1つ以上の基準を指定するコンピュータ実行可能命令を含む、実施形態106〜119のいずれか1つに記載のシステム。
121.前記1つ以上のデータ評価陽性基準が、前記マルチチャネルシグナル検出器の1つ以上のチャネルの各々のデータを評価するために定義され、それを超えると前記標的分析物の存在が示されるシグナル閾値、それに対して陽性結果が決定されることになる前記シグナル閾値を横断する曲線の最小スロープを定義する閾値での最小スロープ、およびそれに対して陽性結果が決定されることになる前記シグナル閾値に達する前のサイクルの最大数を定義する最大閾値サイクルパラメータのうちの1つ以上を含む、実施形態120に記載のシステム。
122.前記ユーザが、前記アッセイプロトコルに従って前記アッセイを行う間に前記分析装置によって収集されたデータがそれに対して提示されることになる、前記マルチチャネルシグナル検出器の1つ以上のチャネルを選択することを可能にし、前記陽性基準パラメータグラフィカルユーザインタフェースを使用して前記ユーザによって定義された前記データ評価陽性基準からの1つ以上の基準とともに、前記1つ以上の選択されたチャネルについてのデータ分析結果を管状形態およびグラフィック形態の少なくとも1つで表示し、前記ユーザが前記データ評価陽性基準の1つ以上を変更することを可能し、変更されたデータ分析結果を管状形態およびグラフィック形態の少なくとも1つで表示するように構成されている、データ分析グラフィカルユーザインタフェースをさらに含む、実施形態120または121に記載のシステム。
123.前記アッセイプロトコルの前記ユーザ定義のアッセイパラメータが指定され、前記データ分析グラフィカルユーザインタフェースが、前記分析装置を制御している第2のコンピュータから離れている第1のコンピュータを使用して提供される、実施形態122に記載のシステム。
124.前記少なくとも1つのデータ分析パラメータグラフィカルユーザインタフェースは、前記ユーザが1つ以上のチャネル有効性基準パラメータを入力することを可能にするように構成されているチャネル有効性基準パラメータグラフィカルユーザインタフェースを含み、前記チャネル有効性基準パラメータは、前記マルチチャネルシグナル検出器によって測定されたシグナルが予想される範囲内であるかどうかを決定するために、前記データ分析コンピュータに値を指定するコンピュータ実行可能命令を含む、実施形態116〜123のいずれか1つに記載のシステム。
125.前記マルチチャネルシグナル検出器が蛍光光度計を備え、前記1つ以上のチャネル有効性基準パラメータが、前記マルチチャネルシグナル検出器の1つ以上のチャネルの各々のデータを評価するために定義され、最大バックグラウンド蛍光、最小バックグラウンド蛍光、およびそれに対して陽性結果が決定されることになる前記シグナル閾値に達する前のサイクルの最小数を定義する最小閾値サイクルパラメータのうちの1つ以上を含む、実施形態124に記載のシステム。
126.前記少なくとも1つのデータ分析パラメータグラフィカルユーザインタフェースは、前記ユーザが1つ以上のチャネル有効性基準パラメータを入力することを可能にするように構成されている試料有効性基準パラメータグラフィカルユーザインタフェースを含み、前記試料有効性基準が、前記アッセイプロトコルに従って前記アッセイを行う間に前記分析装置によって収集されたデータの前記有効性を評価するために前記データ分析コンピュータによって適用される1つ以上の基準を指定するコンピュータ実行可能命令を含む、実施形態116〜125のいずれか1つに記載のシステム。
127.前記チャネル有効性基準パラメータは、(i)前記ユーザが前記マルチチャネルシグナル検出器のチャネル中の内部標準を使用しているかしていないか、(ii)前記ユーザが内部標準を使用している場合、有効な試験を示すために陽性内部標準が必要とされるかどうか、またはいずれかの陽性チャネルが有効な試験を示すかどうか、および(iii)前記ユーザが内部標準を使用していない場合、いずれかの陽性チャネルが陽性試験を示すかどうかを指定する、実施形態126に記載のシステム。
128.前記ユーザが、前記アッセイプロトコルに従って前記アッセイを行う間に前記標的分析物を増幅および検出するために1つ以上の試薬にアクセスするための前記分析装置内の位置を指定するコンピュータ実行可能命令を定義することを可能にする試薬グラフィカルユーザインタフェースをさらに含む、実施形態100〜127のいずれか1つに記載のシステム。
129.前記アッセイプロトコルの前記ユーザ定義のアッセイパラメータが、前記試薬グラフィカルユーザインタフェースが提供される第2のコンピュータから離れている第1のコンピュータを使用して指定される、実施形態128に記載のシステム。
130.前記第2のコンピュータが前記分析装置のコンピュータである、実施形態129に記載のシステム。
131.前記アッセイプロトコルが、前記ユーザ定義のアッセイパラメータと1つ以上のシステム定義のアッセイパラメータとの組み合わせを含む、実施形態100〜130のいずれか1つに記載のシステム。
132.前記システム定義のアッセイパラメータのうちの1つ以上が、前記分析装置中に事前プログラムされ、任意選択で、前記システム定義のアッセイパラメータが、プロトコルライブラリーに記憶される、実施形態131に記載のシステム。
幾つかの実施形態では、
133.標的分析物を含有することが疑われる試料を処理するためのアッセイプロトコルのユーザ定義のアッセイパラメータをユーザが指定することを可能にするシステムであって、前記アッセイプロトコルが、コンピュータ制御式自動分析装置に、前記アッセイプロトコルに従ってアッセイを行わせるコンピュータ実行可能命令を含み、前記ユーザ定義のアッセイパラメータが、前記コンピュータ実行可能命令の一部を含み、前記システムは、
前記ユーザが標的パラメータを定義することを可能にするように構成されている標的セットアップグラフィカルユーザインタフェースであって、前記標的パラメータが、前記標的分析物の検出に使用される前記分析装置のマルチチャネルシグナル検出器の1つ以上のチャネルを指定する1つ以上のコンピュータ実行可能命令を含む、標的セットアップグラフィカルユーザインタフェースと、
前記ユーザが温度プロファイルの1つ以上の温度パラメータを定義することを可能にするように構成されているサーモサイクラーセットアップグラフィカルユーザインタフェースであって、前記温度プロファイルの前記1つ以上の温度パラメータは、反応混合物が、前記標的分析物を増幅するように前記分析装置によって曝露されることになる温度条件を指定するコンピュータ実行可能命令を含む、サイクラーセットアップグラフィカルユーザインタフェースと、を含む、システム。
134.前記ユーザが分析物抽出パラメータを定義することを可能にするように構成されているプロトコルタイプ選択グラフィカルユーザインタフェースであって、前記分析物抽出パラメータが、前記標的分析物を前記試料から抽出するための抽出プロセスを行うように前記分析装置によって実行される1つ以上のコンピュータ実行可能命令を含む、プロトコルタイプ選択グラフィカルユーザインタフェースをさらに含む、実施形態133に記載のシステム。
135.前記プロトコルタイプ選択グラフィカルユーザインタフェースは、前記ユーザが前記アッセイプロトコルの名称を指定することを可能にするようにさらに構成されている、実施形態134に記載のシステム。
136.前記プロトコルタイプ選択グラフィカルユーザインタフェースが、前記ユーザが分析物抽出パラメータを2つ以上の定義済み分析物抽出パラメータから選択することを可能にするように構成されている、実施形態134または135に記載のシステム。
137.前記抽出プロセスが、前記分析装置によって前記試料と組み合わされる試薬のタイプおよび量を定義するコンピュータ実行可能命令を含む、実施形態134〜136のいずれか1つに記載のシステム。
138.前記抽出プロセスが、試料吸引高さを定義するコンピュータ実行可能命令をさらに含む、実施形態134〜137のいずれか1つに記載のシステム。
139.前記抽出プロセスが標的捕捉手順を含む、実施形態134〜138のいずれか1つに記載のシステム。
140.前記アッセイプロトコルの前記ユーザ定義のアッセイパラメータが、前記分析装置を制御している第2のコンピュータから離れている第1のコンピュータを使用して指定される、実施形態133〜139のいずれか1つに記載のシステム。
141.前記1つ以上の温度パラメータが、熱サイクル反応の各温度ステップの温度、各温度ステップの期間、および前記熱サイクル反応のための温度サイクルの数のうちの1つ以上を含む、実施形態133〜140のいずれか1つに記載のシステム。
142.前記マルチチャネルシグナル検出器が、前記標的分析物の増幅に関連するシグナルを検出するように構成されている、実施形態133〜141のいずれか1つに記載のシステム。
143.前記シグナルが、固有の波長または波長の範囲を有する蛍光シグナルである、実施形態142に記載のシステム。
144.前記第標的セットアップグラフィカルユーザインタフェースが、ユーザによって各々個別に選択可能である複数のチャネルを視覚的に提示するように構成されている、実施形態133〜143のいずれか1つに記載のシステム。
145.前記標的セットアップグラフィカルユーザインタフェースは、前記ユーザが各々選択されたチャネルと関連付けられる分析物名を入力し得る入力エリアを視覚的に提示するようにさらに構成されている、実施形態144に記載のシステム。
146.前記サーモサイクラーセットアップグラフィカルユーザインタフェースが、第1の軸に沿った温度と第2の軸に沿った時間とのグラフを提示するように構成され、前記グラフが段階に分けられ、各段階が一定温度の1つ以上のステップを含み、前記サーモサイクラーセットアップグラフィカルユーザインタフェースは、前記ユーザが各ステップの温度および期間ならびに少なくとも1つの段階の前記数を定義または変更することを可能にするインタラクティブな入力要素を提示するように構成されている、実施形態133〜145のいずれか1つに記載のシステム。
147.前記サーモサイクラーセットアップグラフィカルユーザインタフェースは、前記ユーザが前記温度プロファイルに分析物タイプを指定することを可能にするようにさらに構成され、前記分析物タイプがDNAおよびRNA/DNAのうちの1つを含む、実施形態133〜146のいずれか1つに記載のシステム。
148.前記ユーザが前記アッセイプロトコルを記憶媒体または前記分析装置のコントローラにエクスポートするためのコンピュータ実行可能命令を定義することを可能にするように構成されているプロトコルエクスポートグラフィカルユーザインタフェースをさらに含む、実施形態133〜147のいずれか1つに記載のシステム。
149.前記ユーザが1つ以上のデータ分析パラメータを入力することを可能にするように構成されている少なくとも1つのデータ分析パラメータグラフィカルユーザインタフェースをさらに含み、前記データ分析パラメータが、前記アッセイプロトコルに従って前記アッセイを実施する間に前記分析装置によって収集されたデータを分析するためのデータ分析コンピュータによって実行されるコンピュータ実行可能命令を含む、実施形態133〜148のいずれか1つに記載のシステム。
150.前記データ分析コンピュータと前記ユーザ定義のアッセイパラメータが指定されるコンピュータとが同じコンピュータである、実施形態149に記載のシステム。
151.前記少なくとも1つのデータ分析パラメータグラフィカルユーザインタフェースが、前記ユーザが1つ以上の曲線補正パラメータを入力することを可能にするように構成されている曲線補正パラメータグラフィカルユーザインタフェースを含み、前記曲線補正パラメータが、前記アッセイプロトコルに従って前記アッセイを実施する間に前記分析装置によって収集されたデータに対して前記データ分析コンピュータが行う1つ以上の変更を指定するコンピュータ実行可能命令を含む、実施形態149または150に記載のシステム。
152.前記1つ以上の曲線補正パラメータが、前記マルチチャネルシグナル検出器の1つ以上のチャネルの各々のデータを分析するために定義され、その前にあらゆる収集されたデータが廃棄されるデータ中のサイクルを定義する分析開始サイクル、バックグラウンドシグナルを前記データから減算するために選択可能なベースライン補正、それを越えてベースライン補正が適用されない曲線スロープを定義するベースライン補正スロープリミット、およびチャネル間シグナルクロストークを抑制するためのクロストーク補正パラメータのうちの1つ以上を含む、実施形態151に記載のシステム。
153.前記少なくとも1つのデータ分析パラメータグラフィカルユーザインタフェースは、前記ユーザが1つ以上のデータ評価陽性基準を入力することを可能にするように構成されている陽性基準パラメータグラフィカルユーザインタフェースを含み、前記データ評価陽性基準が、前記アッセイプロトコルに従って前記アッセイを行う間に前記分析装置によって収集された前記データの陽性または陰性結果を決定するために、前記データ分析コンピュータによって適用される1つ以上の基準を指定するコンピュータ実行可能命令を含む、実施形態149〜152のいずれか1つに記載のシステム。
154.前記1つ以上のデータ評価陽性基準が、前記マルチチャネルシグナル検出器の1つ以上のチャネルの各々のデータを評価するために定義され、それを超えると前記標的分析物の存在が示されるシグナル閾値、それに対して陽性結果が決定されることになる前記シグナル閾値を横断する曲線の最小スロープを定義する閾値での最小スロープ、およびそれに対して陽性結果が決定されることになる前記シグナル閾値に達する前のサイクルの最大数を定義する最大閾値サイクルパラメータのうちの1つ以上を含む、実施形態153に記載のシステム。
155.前記ユーザが、前記アッセイプロトコルに従って前記アッセイを行う間に前記分析装置によって収集されたデータがそれに対して提示されることになる、前記マルチチャネルシグナル検出器の1つ以上のチャネルを選択することを可能にし、前記陽性基準パラメータグラフィカルユーザインタフェースを使用して前記ユーザによって定義された前記データ評価陽性基準からの1つ以上の基準とともに、前記1つ以上の選択されたチャネルについてのデータ分析結果を管状形態およびグラフィック形態の少なくとも1つで表示し、前記ユーザが前記データ評価陽性基準の1つ以上を変更することを可能し、変更されたデータ分析結果を管状形態およびグラフィック形態の少なくとも1つで表示するように構成されている、データ分析グラフィカルユーザインタフェースをさらに含む、実施形態153または154に記載のシステム。
156.前記アッセイプロトコルの前記ユーザ定義のアッセイパラメータが指定され、前記データ分析グラフィカルユーザインタフェースが、前記分析装置を制御している第2のコンピュータから離れている第1のコンピュータを使用して提供される、実施形態155に記載のシステム。
157.前記少なくとも1つのデータ分析パラメータグラフィカルユーザインタフェースは、前記ユーザが1つ以上のチャネル有効性基準パラメータを入力することを可能にするように構成されているチャネル有効性基準パラメータグラフィカルユーザインタフェースを含み、前記チャネル有効性基準パラメータは、前記マルチチャネルシグナル検出器によって測定されたシグナルが予想される範囲内であるかどうかを決定するために、前記データ分析コンピュータに値を指定するコンピュータ実行可能命令を含む、実施形態149〜156のいずれか1つに記載のシステム。
158.前記マルチチャネルシグナル検出器が蛍光光度計を備え、前記1つ以上のチャネル有効性基準パラメータが、前記マルチチャネルシグナル検出器の1つ以上のチャネルの各々のデータを評価するために定義され、最大バックグラウンド蛍光、最小バックグラウンド蛍光、およびそれに対して陽性結果が決定されることになる前記シグナル閾値に達する前のサイクルの最小数を定義する最小閾値サイクルパラメータのうちの1つ以上を含む、実施形態157に記載のシステム。
159.前記少なくとも1つのデータ分析パラメータグラフィカルユーザインタフェースは、前記ユーザが1つ以上のチャネル有効性基準パラメータを入力することを可能にするように構成されている試料有効性基準パラメータグラフィカルユーザインタフェースを含み、前記試料有効性基準が、前記アッセイプロトコルに従って前記アッセイを行う間に前記分析装置によって収集されたデータの前記有効性を評価するために前記データ分析コンピュータによって適用される1つ以上の基準を指定するコンピュータ実行可能命令を含む、実施形態149〜158のいずれか1つに記載のシステム。
160.前記チャネル有効性基準パラメータは、(i)前記ユーザが前記マルチチャネルシグナル検出器のチャネル中の内部標準を使用しているかしていないか、(ii)前記ユーザが内部標準を使用している場合、有効な試験を示すために陽性内部標準が必要とされるかどうか、またはいずれかの陽性チャネルが有効な試験を示すかどうか、および(iii)前記ユーザが内部標準を使用していない場合、いずれかの陽性チャネルが陽性試験を示すかどうかを指定する、実施形態159に記載のシステム。
161.前記ユーザが、前記アッセイプロトコルに従って前記アッセイを行う間に前記標的分析物を増幅および検出するために1つ以上の試薬にアクセスするための前記分析装置内の位置を指定するコンピュータ実行可能命令を定義することを可能にする試薬グラフィカルユーザインタフェースをさらに含む、実施形態133〜160のいずれか1つに記載のシステム。
162.前記アッセイプロトコルの前記ユーザ定義のアッセイパラメータが、前記試薬グラフィカルユーザインタフェースが提供される第2のコンピュータから離れている第1のコンピュータを使用して指定される、実施形態161に記載のシステム。
163.前記第2のコンピュータが前記分析装置のコンピュータである、実施形態162に記載のシステム。
164.前記アッセイプロトコルが、前記ユーザ定義のアッセイパラメータと1つ以上のシステム定義のアッセイパラメータとの組み合わせを含む、実施形態133〜163のいずれか1つに記載のシステム。
165.前記システム定義のアッセイパラメータのうちの1つ以上が、前記分析装置中に事前プログラムされ、任意選択で、前記システム定義のアッセイパラメータが、プロトコルライブラリーに記憶される、実施形態164に記載のシステム。
幾つかの実施形態では、
166.自動分析装置で核酸アッセイを実施する方法であって、
(a)インタフェースをコンピュータに提示することで、ユーザが前記コンピュータを使用して、前記分析装置上で核酸分析物を抽出、増幅、および検出するためのプロトコルの1つ以上のユーザ定義のアッセイパラメータを選択、定義、または変更することを可能にすることと、
(b)前記ユーザによる前記インタフェースへのユーザ定義のアッセイパラメータの入力を受信することと、
(c)1つ以上のシステム定義のアッセイパラメータと組み合わせた前記受信されたユーザ定義のアッセイパラメータから前記プロトコルを組み立てることと、
(d)前記プロトコルを前記分析装置によって実行される一連のコンピュータ実行可能命令として記憶することであって、前記プロトコルの前記ユーザ定義のアッセイパラメータおよび前記システム定義のアッセイパラメータが、前記核酸アッセイを実施するために前記分析装置によって実行されるステップを定義する、記憶することと、
(e)前記分析装置により前記プロトコルの前記コンピュータ実行可能命令を実行して、前記核酸アッセイを実施することと、を含む、方法。
167.システム定義のアッセイパラメータのみに基づくプロトコルに従って前記分析装置上で別の核酸アッセイが実施されているときに、ステップ(e)が実行される、請求項166に記載の方法。
168.前記コンピュータが、パーソナルコンピュータである、実施形態166〜167のいずれか1つに記載の方法。
169.前記コンピュータが前記分析装置に接続されていない、実施形態168に記載の方法。
170.ステップ(d)が、前記プロトコルをパーソナルコンピュータからエクスポートすることと、前記プロトコルを前記分析装置にインストールすることと、を含む、実施形態168または169に記載の方法。
171.前記インタフェースが、前記コンピュータに表示される1つのまたは一連のクリーンを備える、実施形態166〜170のいずれか1つに記載の方法。
172.前記ユーザ定義のアッセイパラメータが、前記インタフェースを介して前記ユーザによって選択されたデフォルトの温度プロファイルを含む、実施形態166〜171のいずれか1つに記載の方法。
173.前記ユーザ定義のアッセイパラメータが、熱サイクル反応を実施するための温度プロファイルの1つ以上のパラメータを含み、前記温度プロファイルの前記1つ以上のパラメータが、前記核酸アッセイを実施する間に反応混合物が前記分析装置によって曝露されることになる温度条件を指定するコンピュータ実行可能命令を含み、前記温度プロファイルの前記1つ以上のパラメータが、前記熱サイクル反応の各温度ステップの温度、各温度ステップの期間、および前記熱サイクル反応のための温度サイクルの数のうちの1つ以上を含む、実施形態166〜171のいずれか1つに記載の方法。
174.前記熱サイクル反応の各サイクルが、少なくとも2つの異なる温度ステップで構成される、実施形態173に記載の方法。
175.前記ユーザ定義のアッセイパラメータが、前記核酸分析物を試料から抽出するためのプロセスを実施するために前記分析装置によって実行されるコンピュータ実行可能命令を含む分析物抽出パラメータを含む、実施形態166〜174のいずれか1つに記載の方法。
176.ステップ(e)が、前記分析装置により前記分析物抽出パラメータの前記コンピュータ実行可能命令を実行して、前記核酸分析物を、前記試料中に存在する場合に、前記試料から抽出するための前記プロセスを実施することを含む、実施形態175に記載の方法。
177.前記ユーザ定義のアッセイパラメータが、前記核酸分析物の検出に使用される前記分析装置のマルチチャネルシグナル検出器の1つ以上のチャネルを指定するコンピュータ実行可能命令を含む標的パラメータを含む、実施形態166〜178のいずれか1つに記載の方法。
178.ステップ(e)が、前記標的パラメータの前記コンピュータ実行可能命令を実行して、前記指定されたチャネルを使用して前記核酸分析物の存否を決定することを含む、実施形態177に記載の方法。
179.前記ユーザ定義のアッセイパラメータが、データ分析パラメータをさらに含み、前記データ分析パラメータが、ステップ(e)の間に前記分析装置によって収集されされたデータを分析するためのデータ分析コンピュータによって実行されるコンピュータ実行可能命令を含む、実施形態166〜178のいずれか1つに記載の方法。
180.前記方法は、前記分析装置がアッセイ結果データをステップ(e)の間に収集するステップをさらに含み、かつ前記データ分析パラメータに基づいてステップ(e)の間に収集された前記データを分析することをさらに含む、実施形態179に記載の方法。
181.前記データ分析パラメータが、曲線補正パラメータを含み、前記曲線補正パラメータは、ステップ(e)の間に収集されたデータに対して前記データ分析コンピュータが行う1つ以上の変更を指定するコンピュータ実行可能命令を含む、実施形態179または180に記載の方法。
182.前記曲線補正パラメータが、その前にあらゆる収集されたデータが廃棄されるデータ中のサイクルを定義する分析開始サイクル、バックグラウンドシグナルを前記データから減算するために選択可能なベースライン補正、それを越えてベースライン補正が適用されない曲線スロープを定義するベースライン補正スロープリミット、およびチャネル間シグナルクロストークを抑制するためのクロストーク補正パラメータのうちの1つ以上を含む、実施形態181に記載の方法。
183.前記方法が、前記分析開始サイクル、前記ベースライン補正、前記ベースライン補正スロープリミット、および前記クロストーク補正パラメータのうちの1つ以上に従って前記収集されたアッセイ結果データを変更する前記データ分析コンピュータをさらに含む、実施形態182に記載の方法。
184.前記データ分析パラメータが、1つ以上のデータ評価陽性基準を含む、実施形態166〜183のいずれか1つに記載の方法。
185.前記方法は、前記データ分析コンピュータが、前記データ評価陽性基準に基づいて、ステップ(e)の間に実施された前記核酸アッセイの陽性結果または陰性結果を決定するステップをさらに含む、実施形態184に記載の方法。
186.前記1つ以上のデータ評価陽性基準が、それを超えると前記核酸分析物の存在が示されるシグナル閾値、それに対して陽性結果が決定されることになる前記シグナル閾値を横断する曲線の最小スロープを定義する閾値での最小スロープ、およびそれに対して陽性結果が決定されることになる前記シグナル閾値に達する前のサイクルの最大数を定義する最大閾値サイクルパラメータのうちの1つ以上を含む、実施形態184または185に記載の方法。
187.前記データ分析パラメータが、有効性基準パラメータをさらに含み、前記方法は、前記データ分析コンピュータが、ステップ(e)の間に前記分析装置のシグナル検出器によって測定されたシグナルが前記有効性基準パラメータに基づいて予想される範囲内であるかどうかを決定するステップをさらに含む、実施形態166〜186のいずれか1つに記載の方法。
188.前記ユーザが、前記核酸分析物を増幅および検出するために1つ以上の試薬にアクセスするための前記分析装置内の位置を指定することを可能にするインタフェースを提示するステップをさらに含む、実施形態166〜187のいずれか1つに記載の方法。
189.
前記核酸アッセイの結果を計算するステップと、
前記ユーザによる前記インタフェースへの変更されたユーザ定義のアッセイパラメータの入力を受信するステップと、
1つ以上のシステム定義のアッセイパラメータと組み合わせた前記変更されたユーザ定義の入力から変更されたプロトコルを組み立てるステップと、
前記修飾されたプロトコルを前記分析装置によって実行される一連のコンピュータ実行可能命令として記憶するステップと、
前記分析装置により前記変更されたプロトコルの前記コンピュータ実行可能命令を実行して、変更された核酸アッセイを実施するステップと、
前記変更された核酸アッセイの結果を計算するステップと、をさらに含む、実施形態166〜188のいずれか1つに記載の方法。
190.ステップ(d)が、前記ユーザからロックコマンドを受信した時に、前記プロトコルをロックして、前記ロックされたプロトコルのさらなる変更を防止することを含む、実施形態166〜189のいずれか1つに記載の方法。
191.実施形態166〜190のいずれか1つに記載の方法のステップを実施するように適合/構成されているプロセッサを含む、自動分析装置。
192.前記プログラムがコンピュータによって実行されると、前記コンピュータに実施形態166〜190のいずれか1つに記載の方法を行わせる命令を含む、コンピュータプログラム製品。
193.コンピュータによって実行されると、前記コンピュータに実施形態166〜190のいずれか一項に記載の方法を行わせる命令を含む、コンピュータ可読媒体。
194.実施形態1〜32もしくは33〜66のいずれかに記載のシステムまたは実施形態191に記載の分析装置によって受信され、前記分析装置上で核酸分析物を抽出、増幅、および検出するためのプロトコルに組み立てられると、前記コンピュータが実施形態166〜190のいずれか1つに記載の方法を行うことを可能にする1つ以上のユーザ定義のアッセイパラメータを記憶するメモリを含む、コンピュータ可読媒体。
195.実施形態1〜32もしくは33〜66のいずれかに記載のシステムまたは実施形態191に記載の分析装置によって受信され、前記分析装置上で核酸分析物を抽出、増幅、および検出するためのプロトコルに組み立てられると、前記コンピュータが実施形態166〜190のいずれかに記載の方法を行うことを可能にする1つ以上のユーザ定義のアッセイパラメータを含む、コンピュータプログラム製品。
本開示の種々の実施形態が詳細に図示および記載されたが、本開示または添付の実施形態の範囲から逸脱しない範囲で様々な改変がなされ得ることが当業者にとって容易に明らかとなるであろう。

Claims (62)

  1. 標的分析物を含有することが疑われる試料を処理するためのアッセイプロトコルのユーザ定義のアッセイパラメータをユーザが指定することを可能にするシステムであって、前記アッセイプロトコルが、コンピュータ制御式自動分析装置に、前記アッセイプロトコルに従ってアッセイを行わせるコンピュータ実行可能命令を含み、前記ユーザ定義のアッセイパラメータが、前記コンピュータ実行可能命令の一部を含み、前記システムは、
    前記ユーザが分析物抽出パラメータを定義することを可能にするように構成されている第1のグラフィカルユーザインタフェースであって、前記分析物抽出パラメータが、前記標的分析物を前記試料から抽出するための抽出プロセスを行うように前記分析装置によって実行される1つ以上のコンピュータ実行可能命令を含む、第1のグラフィカルユーザインタフェースと、
    前記ユーザが標的パラメータを定義することを可能にするように構成されている第2のグラフィカルユーザインタフェースであって、前記標的パラメータが、前記標的分析物の検出に使用される前記分析装置のマルチチャネルシグナル検出器の1つ以上のチャネルを指定する1つ以上のコンピュータ実行可能命令を含む、第2のグラフィカルユーザインタフェースと、
    前記ユーザが温度プロファイルの1つ以上の温度パラメータを定義することを可能にするように構成されている第3のグラフィカルユーザインタフェースであって、前記温度プロファイルの前記1つ以上の温度パラメータは、反応混合物が、前記標的分析物を増幅するように前記分析装置によって曝露されることになる温度条件を指定するコンピュータ実行可能命令を含む、第3のグラフィカルユーザインタフェースと、を含む、システム。
  2. 前記アッセイプロトコルの前記ユーザ定義のアッセイパラメータが、前記分析装置を制御している第2のコンピュータから離れている第1のコンピュータを使用して定義される、請求項1に記載のシステム。
  3. 前記第1のグラフィカルユーザインタフェースは、前記ユーザが前記アッセイプロトコルの名称を指定することを可能にするようにさらに構成されている、請求項1または2に記載のシステム。
  4. 前記第3のグラフィカルユーザインタフェースは、前記ユーザが前記温度プロファイルに分析物タイプを指定することを可能にするようにさらに構成され、前記分析物タイプがDNAおよびRNA/DNAのうちの1つを含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載のシステム。
  5. 前記抽出プロセスが、前記分析装置によって前記試料と組み合わされる試薬のタイプおよび量を定義するコンピュータ実行可能命令を含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載のシステム。
  6. 前記抽出プロセスが、試料吸引高さを定義するコンピュータ実行可能命令をさらに含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載のシステム。
  7. 前記抽出プロセスが標的捕捉手順を含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載のシステム。
  8. 前記第1のグラフィカルユーザインタフェースが、前記ユーザが分析物抽出パラメータを2つ以上の定義済み分析物抽出パラメータから選択することを可能にするように構成されている、請求項1〜7のいずれか一項に記載のシステム。
  9. 前記マルチチャネルシグナル検出器が、前記標的分析物の増幅に関連するシグナルを検出するように構成されている、請求項1〜8のいずれか一項に記載のシステム。
  10. 前記シグナルが、固有の波長または波長の範囲を有する蛍光シグナルである、請求項9に記載のシステム。
  11. 前記第2のグラフィカルユーザインタフェースが、ユーザによって各々個別に選択可能である複数のチャネルを視覚的に提示するように構成されている、請求項1〜10のいずれか一項に記載のシステム。
  12. 前記第2のグラフィカルユーザインタフェースは、前記ユーザが各々選択されたチャネルと関連付けられる分析物名を入力し得る入力エリアを視覚的に提示するようにさらに構成されている、請求項11に記載のシステム。
  13. 前記1つ以上の温度パラメータが、熱サイクル反応の各温度ステップの温度、各温度ステップの期間、および前記熱サイクル反応のための温度サイクルの数のうちの1つ以上を含む、請求項1〜12のいずれか一項に記載のシステム。
  14. 前記第3のグラフィカルユーザインタフェースが、第1の軸に沿った温度と第2の軸に沿った時間とのグラフを提示するように構成され、前記グラフが段階に分けられ、各段階が一定温度の1つ以上のステップを含み、前記第3のグラフィカルユーザインタフェースは、前記ユーザが各ステップの温度および期間ならびに少なくとも1つの段階の前記数を定義または変更することを可能にするインタラクティブな入力要素を提示するように構成されている、請求項1〜13のいずれか一項に記載のシステム。
  15. 前記ユーザが前記アッセイプロトコルを記憶媒体または前記分析装置のコントローラにエクスポートするためのコンピュータ実行可能命令を定義することを可能にするように構成されているプロトコルエクスポートグラフィカルユーザインタフェースをさらに含む、請求項1〜14のいずれか一項に記載のシステム。
  16. 前記ユーザが1つ以上のデータ分析パラメータを入力することを可能にするように構成されている少なくとも1つのデータ分析パラメータグラフィカルユーザインタフェースをさらに含み、前記データ分析パラメータが、前記アッセイプロトコルに従って前記アッセイを実施する間に前記分析装置によって収集されたデータを分析するためのデータ分析コンピュータによって実行されるコンピュータ実行可能命令を含む、請求項1〜15のいずれか一項に記載のシステム。
  17. 前記データ分析コンピュータと前記ユーザ定義のアッセイパラメータが指定されるコンピュータとが同じコンピュータである、請求項16に記載のシステム。
  18. 前記少なくとも1つのデータ分析パラメータグラフィカルユーザインタフェースが、前記ユーザが1つ以上の曲線補正パラメータを入力することを可能にするように構成されている曲線補正パラメータグラフィカルユーザインタフェースを含み、前記曲線補正パラメータが、前記アッセイプロトコルに従って前記アッセイを実施する間に前記分析装置によって収集されたデータに対して前記データ分析コンピュータが行う1つ以上の変更を指定するコンピュータ実行可能命令を含む、請求項16または17に記載のシステム。
  19. 前記1つ以上の曲線補正パラメータが、前記マルチチャネルシグナル検出器の1つ以上のチャネルの各々のデータを分析するために定義され、その前にあらゆる収集されたデータが廃棄されるデータ中のサイクルを定義する分析開始サイクル、バックグラウンドシグナルを前記データから減算するために選択可能なベースライン補正、それを越えてベースライン補正が適用されない曲線スロープを定義するベースライン補正スロープリミット、およびチャネル間シグナルクロストークを抑制するためのクロストーク補正パラメータのうちの1つ以上を含む、請求項18に記載のシステム。
  20. 前記少なくとも1つのデータ分析パラメータグラフィカルユーザインタフェースは、前記ユーザが1つ以上のデータ評価陽性基準を入力することを可能にするように構成されている陽性基準パラメータグラフィカルユーザインタフェースを含み、前記データ評価陽性基準が、前記アッセイプロトコルに従って前記アッセイを行う間に前記分析装置によって収集された前記データの陽性または陰性結果を決定するために、前記データ分析コンピュータによって適用される1つ以上の基準を指定するコンピュータ実行可能命令を含む、請求項16〜19のいずれか一項に記載のシステム。
  21. 前記1つ以上のデータ評価陽性基準が、前記マルチチャネルシグナル検出器の1つ以上のチャネルの各々のデータを評価するために定義され、それを超えると前記標的分析物の存在が示されるシグナル閾値、それに対して陽性結果が決定されることになる前記シグナル閾値を横断する曲線の最小スロープを定義する閾値での最小スロープ、およびそれに対して陽性結果が決定されることになる前記シグナル閾値に達する前のサイクルの最大数を定義する最大閾値サイクルパラメータのうちの1つ以上を含む、請求項20に記載のシステム。
  22. 前記ユーザが、前記アッセイプロトコルに従って前記アッセイを行う間に前記分析装置によって収集されたデータがそれに対して提示されることになる、前記マルチチャネルシグナル検出器の1つ以上のチャネルを選択することを可能にし、前記陽性基準パラメータグラフィカルユーザインタフェースを使用して前記ユーザによって定義された前記データ評価陽性基準からの1つ以上の基準とともに、前記1つ以上の選択されたチャネルについてのデータ分析結果を管状形態およびグラフィック形態の少なくとも1つで表示し、前記ユーザが前記データ評価陽性基準の1つ以上を変更することを可能し、変更されたデータ分析結果を管状形態およびグラフィック形態の少なくとも1つで表示するように構成されている、データ分析グラフィカルユーザインタフェースをさらに含む、請求項21に記載のシステム。
  23. 前記アッセイプロトコルの前記ユーザ定義のアッセイパラメータが指定され、前記データ分析グラフィカルユーザインタフェースが、前記分析装置を制御している第2のコンピュータから離れている第1のコンピュータを使用して提供される、請求項22に記載のシステム。
  24. 前記少なくとも1つのデータ分析パラメータグラフィカルユーザインタフェースは、前記ユーザが1つ以上のチャネル有効性基準パラメータを入力することを可能にするように構成されているチャネル有効性基準パラメータグラフィカルユーザインタフェースを含み、前記チャネル有効性基準パラメータは、前記マルチチャネルシグナル検出器によって測定されたシグナルが予想される範囲内であるかどうかを決定するために、前記データ分析コンピュータに値を指定するコンピュータ実行可能命令を含む、請求項16〜23のいずれか一項に記載のシステム。
  25. 前記マルチチャネルシグナル検出器が蛍光光度計を備え、前記1つ以上のチャネル有効性基準パラメータが、前記マルチチャネルシグナル検出器の1つ以上のチャネルの各々のデータを評価するために定義され、最大バックグラウンド蛍光、最小バックグラウンド蛍光、およびそれに対して陽性結果が決定されることになる前記シグナル閾値に達する前のサイクルの最小数を定義する最小閾値サイクルパラメータのうちの1つ以上を含む、請求項24に記載のシステム。
  26. 前記少なくとも1つのデータ分析パラメータグラフィカルユーザインタフェースは、前記ユーザが1つ以上のチャネル有効性基準パラメータを入力することを可能にするように構成されている試料有効性基準パラメータグラフィカルユーザインタフェースを含み、前記試料有効性基準が、前記アッセイプロトコルに従って前記アッセイを行う間に前記分析装置によって収集されたデータの前記有効性を評価するために前記データ分析コンピュータによって適用される1つ以上の基準を指定するコンピュータ実行可能命令を含む、請求項16〜25のいずれか一項に記載のシステム。
  27. 前記チャネル有効性基準パラメータは、(i)前記ユーザが前記マルチチャネルシグナル検出器のチャネル中の内部標準を使用しているかしていないか、(ii)前記ユーザが内部標準を使用している場合、有効な試験を示すために陽性内部標準が必要とされるかどうか、またはいずれかの陽性チャネルが有効な試験を示すかどうか、および(iii)前記ユーザが内部標準を使用していない場合、いずれかの陽性チャネルが陽性試験を示すかどうかを指定する、請求項26に記載のシステム。
  28. 前記ユーザが、前記アッセイプロトコルに従って前記アッセイを行う間に前記標的分析物を増幅および検出するために1つ以上の試薬にアクセスするための前記分析装置内の位置を指定するコンピュータ実行可能命令を定義することを可能にする試薬グラフィカルユーザインタフェースをさらに含む、請求項1〜27のいずれか一項に記載のシステム。
  29. 前記アッセイプロトコルの前記ユーザ定義のアッセイパラメータが、前記試薬グラフィカルユーザインタフェースが提供される第2のコンピュータから離れている第1のコンピュータを使用して定義される、請求項28に記載のシステム。
  30. 前記第2のコンピュータが前記分析装置のコンピュータである、請求項29に記載のシステム。
  31. 前記アッセイプロトコルが、前記ユーザ定義のアッセイパラメータと1つ以上のシステム定義のアッセイパラメータとの組み合わせを含む、請求項1〜30のいずれか一項に記載のシステム。
  32. 前記システム定義のアッセイパラメータのうちの1つ以上が、前記分析装置中に事前プログラムされ、任意選択で、前記システム定義のアッセイパラメータが、プロトコルライブラリーに記憶される、請求項31に記載のシステム。
  33. 自動分析装置で核酸アッセイを実施する方法であって、
    (a)インタフェースをコンピュータに提示することで、ユーザが前記コンピュータを使用して、前記分析装置上で核酸分析物を抽出、増幅、および検出するためのプロトコルの1つ以上のユーザ定義のアッセイパラメータを選択、定義、または変更することを可能にするステップと、
    (b)前記ユーザによる前記インタフェースへのユーザ定義のアッセイパラメータの入力を受信するステップと、
    (c)1つ以上のシステム定義のアッセイパラメータと組み合わせた前記受信されたユーザ定義のアッセイパラメータから前記プロトコルを組み立てるステップと、
    (d)前記プロトコルを前記分析装置によって実行される一連のコンピュータ実行可能命令として記憶することであって、前記プロトコルの前記ユーザ定義のアッセイパラメータおよび前記システム定義のアッセイパラメータが、前記核酸アッセイを実施するために前記分析装置によって実行されるステップを定義する、記憶するステップと、
    (e)前記分析装置により前記プロトコルの前記コンピュータ実行可能命令を実行して、前記核酸アッセイを実施するステップと、を含む、方法。
  34. システム定義のアッセイパラメータのみに基づくプロトコルに従って前記分析装置上で別の核酸アッセイが実施されているときに、ステップ(e)が実行される、請求項33に記載の方法。
  35. 前記コンピュータが、パーソナルコンピュータである、請求項33〜34のいずれか1項に記載の方法。
  36. 前記コンピュータが前記分析装置に接続されていない、請求項35に記載の方法。
  37. ステップ(d)が、前記プロトコルをパーソナルコンピュータからエクスポートすることと、前記プロトコルを前記分析装置にインストールすることと、を含む、請求項35または36に記載の方法。
  38. 前記インタフェースが、前記コンピュータに表示される1つのまたは一連のスクリーンを備える、請求項33〜37のいずれか一項に記載の方法。
  39. 前記ユーザ定義のアッセイパラメータが、前記インタフェースを介して前記ユーザによって選択されたデフォルトの温度プロファイルを含む、請求項33〜38のいずれか一項に記載の方法。
  40. 前記ユーザ定義のアッセイパラメータが、熱サイクル反応を実施するための温度プロファイルの1つ以上のパラメータを含み、前記温度プロファイルの前記1つ以上のパラメータが、前記核酸アッセイを実施する間に反応混合物が前記分析装置によって曝露されることになる温度条件を指定するコンピュータ実行可能命令を含み、前記温度プロファイルの前記1つ以上のパラメータが、前記熱サイクル反応の各温度ステップの温度、各温度ステップの期間、および前記熱サイクル反応のための温度サイクルの数のうちの1つ以上を含む、請求項33〜38のいずれか一項に記載の方法。
  41. 前記熱サイクル反応の各サイクルが、少なくとも2つの異なる温度ステップで構成される、請求項40に記載の方法。
  42. 前記ユーザ定義のアッセイパラメータが、前記核酸分析物を試料から抽出するためのプロセスを実施するために前記分析装置によって実行されるコンピュータ実行可能命令を含む分析物抽出パラメータを含む、請求項33〜41のいずれか一項に記載の方法。
  43. ステップ(e)が、前記分析装置により前記分析物抽出パラメータの前記コンピュータ実行可能命令を実行して、前記核酸分析物を、前記試料中に存在する場合に、前記試料から抽出するための前記プロセスを実施することを含む、請求項42に記載の方法。
  44. 前記ユーザ定義のアッセイパラメータが、前記核酸分析物の検出に使用される前記分析装置のマルチチャネルシグナル検出器の1つ以上のチャネルを指定するコンピュータ実行可能命令を含む標的パラメータを含む、請求項33〜43のいずれか一項に記載の方法。
  45. ステップ(e)が、前記標的パラメータの前記コンピュータ実行可能命令を実行して、前記指定されたチャネルを使用して前記核酸分析物の存否を決定することを含む、請求項44に記載の方法。
  46. 前記ユーザ定義のアッセイパラメータが、データ分析パラメータをさらに含み、前記データ分析パラメータが、ステップ(e)の間に前記分析装置によって収集されされたデータを分析するためのデータ分析コンピュータによって実行されるコンピュータ実行可能命令を含む、請求項33〜45のいずれか一項に記載の方法。
  47. 前記方法は、前記分析装置がアッセイ結果データをステップ(e)の間に収集するステップをさらに含み、かつ前記データ分析パラメータに基づいてステップ(e)の間に収集された前記データを分析することをさらに含む、請求項46に記載の方法。
  48. 前記データ分析パラメータが、曲線補正パラメータを含み、前記曲線補正パラメータは、ステップ(e)の間に収集されたデータに対して前記データ分析コンピュータが行う1つ以上の変更を指定するコンピュータ実行可能命令を含む、請求項46または47に記載の方法。
  49. 前記曲線補正パラメータが、その前にあらゆる収集されたデータが廃棄されるデータ中のサイクルを定義する分析開始サイクル、バックグラウンドシグナルを前記データから減算するために選択可能なベースライン補正、それを越えてベースライン補正が適用されない曲線スロープを定義するベースライン補正スロープリミット、およびチャネル間シグナルクロストークを抑制するためのクロストーク補正パラメータのうちの1つ以上を含む、請求項48に記載の方法。
  50. 前記方法が、前記分析開始サイクル、前記ベースライン補正、前記ベースライン補正スロープリミット、および前記クロストーク補正パラメータのうちの1つ以上に従って前記収集されたアッセイ結果データを変更する前記データ分析コンピュータをさらに含む、請求項49に記載の方法。
  51. 前記データ分析パラメータが、1つ以上のデータ評価陽性基準を含む、請求項33〜50のいずれか一項に記載の方法。
  52. 前記方法は、前記データ分析コンピュータが、前記データ評価陽性基準に基づいて、ステップ(e)の間に実施された前記核酸アッセイの陽性結果または陰性結果を決定するステップをさらに含む、請求項51に記載の方法。
  53. 前記1つ以上のデータ評価陽性基準が、それを超えると前記核酸分析物の存在が示されるシグナル閾値、それに対して陽性結果が決定されることになる前記シグナル閾値を横断する曲線の最小スロープを定義する閾値での最小スロープ、およびそれに対して陽性結果が決定されることになる前記シグナル閾値に達する前のサイクルの最大数を定義する最大閾値サイクルパラメータのうちの1つ以上を含む、請求項51または52に記載の方法。
  54. 前記データ分析パラメータが、有効性基準パラメータをさらに含み、前記方法は、前記データ分析コンピュータが、ステップ(e)の間に前記分析装置のシグナル検出器によって測定されたシグナルが前記有効性基準パラメータに基づいて予想される範囲内であるかどうかを決定するステップをさらに含む、請求項33〜53のいずれか一項に記載の方法。
  55. 前記ユーザが、前記核酸分析物を増幅および検出するために1つ以上の試薬にアクセスするための前記分析装置内の位置を指定することを可能にするインタフェースを提示するステップをさらに含む、請求項33〜54のいずれか一項に記載の方法。
  56. 前記核酸アッセイの結果を計算するステップと、
    前記ユーザによる前記インタフェースへの変更されたユーザ定義のアッセイパラメータの入力を受信するステップと、
    1つ以上のシステム定義のアッセイパラメータと組み合わせた前記変更されたユーザ定義の入力から変更されたプロトコルを組み立てるステップと、
    前記修飾されたプロトコルを前記分析装置によって実行される一連のコンピュータ実行可能命令として記憶するステップと、
    前記分析装置により前記変更されたプロトコルの前記コンピュータ実行可能命令を実行して、変更された核酸アッセイを実施するステップと、
    前記変更された核酸アッセイの結果を計算するステップと、をさらに含む、請求項33〜55のいずれか一項に記載の方法。
  57. ステップ(d)が、前記ユーザからロックコマンドを受信した時に、前記プロトコルをロックして、前記ロックされたプロトコルのさらなる変更を防止することを含む、請求項33〜56のいずれか一項に記載の方法。
  58. 請求項33〜57のいずれか一項に記載の方法のステップを実施するように適合/構成されているプロセッサを含む、自動分析装置。
  59. 前記プログラムがコンピュータによって実行されると、前記コンピュータに請求項33〜57のいずれか一項に記載の方法を行わせる命令を含む、コンピュータプログラム製品。
  60. コンピュータによって実行されると、前記コンピュータに請求項33〜57のいずれか一項に記載の方法を行わせる命令を含む、コンピュータ可読媒体。
  61. 請求項1〜32のいずれか一項に記載のシステムまたは請求項58に記載の分析装置によって受信され、前記分析装置上で核酸分析物を抽出、増幅、および検出するためのプロトコルに組み立てられると、前記コンピュータが請求項33〜57のいずれか一項に記載の方法を行うことを可能にする1つ以上のユーザ定義のアッセイパラメータを記憶するメモリを含む、コンピュータ可読媒体。
  62. 請求項1〜32のいずれか一項に記載のシステムまたは請求項58に記載の分析装置によって受信され、前記分析装置上で核酸分析物を抽出、増幅、および検出するためのプロトコルに組み立てられると、前記コンピュータが請求項33〜57のいずれかに記載の方法を行うことを可能にする1つ以上のユーザ定義のアッセイパラメータを含む、コンピュータプログラム製品。
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