JP2021511148A - ニューラルネットワークを用いた案内付き経頭蓋超音波撮像ならびに関連する装置、システムおよび方法 - Google Patents

ニューラルネットワークを用いた案内付き経頭蓋超音波撮像ならびに関連する装置、システムおよび方法 Download PDF

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Abstract

超音波撮像装置、システムおよび方法が提供される。医療超音波撮像システムであって、超音波撮像コンポーネントが患者に対して第一の撮像位置に位置されている間に患者の脳の血管を表わす第一の画像を受領するよう構成されている、前記超音波撮像コンポーネントと通信するインターフェースと;前記インターフェースと通信する処理コンポーネントとを有しており、前記処理コンポーネントは、前記第一の画像に畳み込みネットワーク(CNN)を適用して、前記超音波撮像コンポーネントを前記第一の撮像位置から、経頭蓋検査に関連する第二の撮像位置に位置決めし直すための動き制御構成を生成するよう構成されており、前記CNNは、少なくとも既知の血管トポグラフィーに基づいてトレーニングされる、システム。

Description

本開示は概括的には超音波撮像に、詳細には経頭蓋検査の際に超音波撮像コンポーネントを所望される撮像面に整列させることにおいてユーザーを案内するためにニューラルネットワークを適用することに関する。
脳血管血流力学測定(cerebrovascular hemodynamic measurement)は、成人および小児人口におけるさまざまな脳血管状態を診断およびモニタリングするために使用できる。電波不透明な計算機断層撮影(CT)トレーサー・ベースの技法および磁気共鳴撮像(MRI)造影剤ベースの技法が、脳血管血流力学測定を得るために一般に使われている。しかしながら、電波不透明なCTトレーサー・ベースおよびMRI造影剤ベースの技法は血流力学を評価するために十分高い時間的分解能を提供しないことがある。さらに、電波不透明なCTトレーサー・ベースおよびMRI造影剤ベースの技法は、大規模な設備およびセットアップを要求することがあり、高価になり得る。
頭蓋内動脈における血流を測定するためのもう一つの手法は、経頭蓋ドップラー(transcranial Doppler、TCD)超音波を用いることである。TCD超音波は、ポイントオブケアでの試験および診断のために使用できる非侵襲的な超音波撮像技法である。TCDモニタリングの間、超音波が患者の頭蓋を通じて伝送され、脳内の血流で反射する。エコー信号における周波数シフトが、血流の推定およびさまざまな脳血管状態の検出を許容する。たとえば、TCDは、放射線を生成することなく、手術または救急車の場面で、頭蓋内の動脈瘤、卵円孔開存、血管痙攣、狭窄、脳死、短絡(shunt)および微小塞栓を検出およびモニタリングできる。
TCD超音波は、比較的低コストで十分高い時間的分解能で脳血管血流力学測定を提供できるが、一貫したTCD測定値を得ることは難しい。頭蓋骨の減衰(attenuation)および異常(aberration)ならびに貫通する脳血管(perforating cerebral vessels)の曲がりは、よく訓練されたまたは経験のある操作者を要求する。たとえば、正確なTCD検査は、操作者が脳血管トポロジー、脳血管パターン、脳血管変動および/またはドップラー超音波技法の知識および理解をもつことを要求することがある。経頭蓋超音波撮像における一つの困難は、頭蓋骨に起因して生じるぼけおよび信号吸収である。これらの音響効果は超音波ビームを曲げ、血流パターンを認識しにくくする。これらの場合、熟練ユーザーは目印となるトポロジーおよびウィリス環(Circle of Willis、CoW)近くの血管分岐に頼って血流測定値を得ることがある。それにもかかわらず、貧弱な画質が、正確なTCDベースの検査の妨げになることがある。結果として、TCDを臨床ツールとして使う範囲が限定されることがある。さらに、TCD測定は、経験のある操作者の間であっても、操作者間の変動があることがある。
TCD超音波撮像を実行するユーザーを支援する一つの手法は、ユーザーが患者の脳内の中大脳動脈(middle cerebral artery、MCA)を探している間にパワードップラー信号の奥行き投影を表示することによって、撮像フィードバックを提供するというものである。撮像フィードバックはユーザーが血流力学を、より高い一貫性または正確さをもってモニタリングすることを許容しうるものの、フィードバック・ベースの手法は、近位MCA検査に制限され、MCAのM1およびM2分枝の曲がりの変動があることがある。
脳血管状態を評価するためにTCD超音波撮像を使う既存の手順は臨床手順のために有用であることが判明しているものの、超音波撮像コンポーネントを経頭蓋検査のための所望される撮像面に整列させるための効率的で、正確で、自動的な手順を提供する改善されたシステムおよび技法に対する臨床上の必要性が残っている。本開示の実施形態は、TCD検査の間にユーザーを案内するために深層学習ネットワークを使用する機構を提供する。たとえば、超音波撮像コンポーネントが、脳血管内の流れの画像を(たとえばカラー・ドップラー画像において)捕捉してもよい。捕捉された画像は、畳み込みニューラルネットワーク(convolutional neural network、CNN)に入力されることができ、該CNNが、脳血管アトラス(たとえば既知の脳血管トポグラフィー)内での、超音波撮像コンポーネントの現在の撮像平面または前記画像によって捕捉される現在の血管位置を識別するようトレーニングされる。脳血管アトラスにおける目標血管位置または目標撮像平面は既知であってもよい(たとえば、MCA検査のためのMCAの位置はあらかじめ決定されることができる)。こうして、超音波撮像コンポーネントを目標撮像平面に整列させるための動き制御パラメータの集合が、現在の撮像平面と目標撮像平面との間の幾何学的距離または角度計算に基づいて計算できる。開示される実施形態は、動き制御パラメータに基づいて、超音波撮像コンポーネントの、目標撮像平面への整列を案内するための指示を提供することができる。開示される実施形態は、脳血管アトラスの上での現在の撮像平面、目標撮像平面および/または撮像される血管のオーバーレイを含むグラフィカル・ビューを提供できる。開示される実施形態は、超音波撮像コンポーネントの現在の視野の外側であってもよい目標血管領域の仮想ビューを含むグラフィカル・ビューを提供できる。
ある実施形態では、医療超音波撮像システムが提供される。本システムは、超音波撮像コンポーネントが患者に対して第一の撮像位置に位置されている間に患者の脳の血管を表わす第一の画像を受領するよう構成されている、前記超音波撮像コンポーネントと通信するインターフェースと;前記インターフェースと通信する処理コンポーネントとを含む。処理コンポーネントは、第一の画像に畳み込みネットワーク(CNN)を適用して、超音波撮像コンポーネントを前記第一の撮像位置から、経頭蓋検査に関連する第二の撮像位置に位置決めし直すための動き制御構成を生成するよう構成されている。CNNは、少なくとも既知の血管トポグラフィーに基づいてトレーニングされている。
いくつかの実施形態では、処理コンポーネントはさらに、患者の脳の血管内の血流を表わすドップラー情報を、前記第一の画像に関連するデータに基づいて決定するよう構成され、ここで、CNNは、該ドップラー情報に適用される。いくつかの実施形態では、処理コンポーネントはさらに、患者の脳の血管に関連する接続性情報を、前記ドップラー情報に基づいて決定し、該接続性情報に基づいて共分散行列を決定するよう構成され、ここで、CNNは、該共分散行列に適用される。いくつかの実施形態では、接続性情報は、患者の脳の血管に沿った諸血管位置(vascular location)に対応する座標を含む。いくつかの実施形態では、処理コンポーネントはさらに、CNNを前記ドップラー情報に適用して、既知の血管トポグラフィー内での、前記第一の撮像位置に対応する撮像平面を決定し;前記撮像平面と前記既知の血管トポグラフィー内での前記経頭蓋検査に関連する目標撮像平面とに基づいて、前記動き制御構成を決定するよう構成される。いくつかの実施形態では、処理コンポーネントはさらに、CNNを前記ドップラー情報に適用して、患者の脳の血管を表わす特徴ベクトルを決定し;前記既知の血管トポグラフィー内での前記撮像平面を、前記特徴ベクトルの、前記既知の血管トポグラフィーに対する比較に基づいて決定するよう構成される。いくつかの実施形態では、CNNはさらに、少なくとも、前記既知の血管トポグラフィーの接続性情報および前記経頭蓋検査に関連する重み付け関数に基づいてさらにトレーニングされ、前記接続性情報は、前記既知の血管トポグラフィーにおいて示される血管に沿った諸血管位置に対応する座標を含む。いくつかの実施形態では、前記動き制御構成(motion control configuration)は超音波撮像コンポーネントの並進または回転の少なくとも一方を含む。いくつかの実施形態では、本システムはさらに、前記処理コンポーネントと通信するユーザー・インターフェースを有しており、該ユーザー・インターフェースは、前記経頭蓋検査の型または前記経頭蓋検査に関連する目標血管位置の少なくとも一方の選択を受領するよう構成され、前記処理コンポーネントはさらに、該選択に基づいて前記第二の撮像位置を決定するよう構成される。いくつかの実施形態では、本システムはさらに、前記処理コンポーネントと通信するディスプレイを有しており、該ディスプレイは、超音波撮像コンポーネントが前記第二の撮像位置に位置決めし直されるよう、前記超音波撮像コンポーネントを操作するための、前記動き制御構成に基づく指示を表示するように構成される。いくつかの実施形態では、本システムはさらに、前記処理コンポーネントと通信するディスプレイを有しており、該ディスプレイは、前記第一の撮像位置に関連する第一の撮像平面、前記第二の撮像位置に関連する第二の撮像平面または患者の脳の血管のうちの少なくとも一つの、前記既知の血管トポグラフィー上のオーバーレイを含むグラフィカル・ビューを表示するよう構成される。いくつかの実施形態では、本システムはさらに、前記処理コンポーネントと通信するディスプレイをさらに有しており、前記ディスプレイは、前記第二の撮像位置に関連する患者の脳の血管の予期されるビューの、前記既知の血管トポグラフィー上でのオーバーレイを含むグラフィカル・ビューを表示するよう構成される。
ある実施形態では、医療超音波撮像の方法が提供される。本方法は、超音波撮像コンポーネントが患者に対して第一の撮像位置に位置されている間に患者の脳の血管を表わす第一の画像を超音波撮像コンポーネントから受領する段階と;前記第一の画像に畳み込みネットワーク(CNN)を適用して、超音波撮像コンポーネントを前記第一の撮像位置から、経頭蓋検査に関連する第二の撮像位置に位置決めし直すための動き制御構成を生成する段階とを含み、前記CNNは、少なくとも既知の血管トポグラフィーに基づいてトレーニングされている。
いくつかの実施形態では、本方法はさらに、患者の脳の血管内の血流を表わすドップラー情報を、前記第一の画像に関連するデータに基づいて決定する段階を含み、CNNは、該ドップラー情報に適用される。いくつかの実施形態では、本方法はさらに、患者の脳の血管に関連する接続性情報を、前記ドップラー情報に基づいて決定する段階であって、該接続性情報は、患者の脳の血管に沿った諸血管位置(vascular location)に対応する座標を含む、段階と;該接続性情報に基づいて共分散行列を決定する段階であって、CNNは、該共分散行列に適用される、段階とを含む。いくつかの実施形態では、本方法はさらに、CNNを前記ドップラー情報に適用して、患者の脳の血管を表わす特徴ベクトルを決定し;前記既知の血管トポグラフィー内での前記撮像平面を、前記特徴ベクトルの、前記既知の血管トポグラフィーに対する比較に基づいて決定し;前記撮像平面と前記既知の血管トポグラフィー内での前記経頭蓋検査に関連する目標撮像平面とに基づいて、前記動き制御構成を決定することを含み、前記動き制御構成は超音波撮像コンポーネントを走査するための並進または回転の少なくとも一方を含む。いくつかの実施形態では、本方法はさらに、前記経頭蓋検査の型または前記経頭蓋検査に関連する目標血管位置の少なくとも一方の選択を受領し;該選択に基づいて前記第二の撮像位置を決定することを含む。いくつかの実施形態では、本方法はさらに、超音波撮像コンポーネントが前記第二の撮像位置に位置決めし直されるよう、前記超音波撮像コンポーネントを操作するための、前記動き制御構成に基づく指示を、ディスプレイまたはロボット・システムの少なくとも一方に送信することを含み、前記指示は、超音波撮像コンポーネントの並進または回転の少なくとも一方を含む。いくつかの実施形態では、本方法はさらに、前記第一の撮像位置に関連する第一の撮像平面、前記第二の撮像位置に関連する第二の撮像平面または患者の脳の血管のうちの少なくとも一つの、前記既知の血管トポグラフィー上のオーバーレイを含むグラフィカル・ビューを表示することを含む。いくつかの実施形態では、本方法はさらに、前記第二の撮像位置に関連する患者の脳の血管の予期されるビューの、前記既知の血管トポグラフィー上でのオーバーレイを含むグラフィカル・ビューを表示することを含む。
本開示の追加的な側面、特徴および利点は、以下の詳細な記述から明白になるであろう。
本開示の例示的な実施形態は、付属の図面を参照して記述される。
本開示の諸側面による、経頭蓋検査のための医用超音波撮像システムの概略図である。
本開示の諸側面による、患者の脳の血管構造を示す概略図である。
本開示の諸側面による、患者の脳の血管構造の一部のグラフィカル表現を示す概略図である。
本開示の諸側面による、超音波撮像コンポーネントを経頭蓋検査のための所望される撮像平面に案内する方式を示す概略図である。
本開示の諸側面による、二次元(2D)ドップラー撮像の例を示す図である。
本開示の諸側面による、三次元(3D)ドップラー撮像の例を示す図である。
本開示の諸側面による、畳み込みニューラルネットワーク(CNN)についての構成を示す概略図である。
本開示の諸側面による、脳血管アトラスから共分散行列を生成する方式を示す概略図である。
本開示の諸側面による、経頭蓋超音波撮像を案内するためのディスプレイを示す概略図である。
本開示の諸側面による、経頭蓋検査のための所望される撮像平面に超音波撮像コンポーネントを案内するためにCNNを適用する方法の流れ図である。
本開示の原理の理解を促進する目的で、ここで図面に示される実施形態が参照され、これを記述するために具体的な言辞が使用される。それでも、本開示の範囲に対する限定は意図されていないことが理解される。記載される装置、システムおよび方法に対する任意の変更およびさらなる修正ならびに本開示の原理の任意のさらなる応用であって、本開示が関係する当業者に通常思いつくものは、完全に考えられており、本開示に含まれる。特に、ある実施形態に関して記述される特徴、構成要素および/または段階が、本開示の他の実施形態との関連で記述される特徴、構成要素および/または段階と組み合わされてもよいことが完全に考えられている。ただし、簡潔のため、これらの組み合わせの多数の反復は別個に記述されない。
図1は、本開示の諸側面による、経頭蓋検査のための医用撮像システムの概略図である。システム100は、互いに通信するホスト130および撮像プローブ120を含む。高レベルでは、患者の脳102および/または患者の脳102内の血管104の画像を捕捉するためにプローブ120は患者の頭部110と接触して置かれることができ、ホスト130はユーザーに、特定の経頭蓋検査のための関心領域を撮像するための所望される位置にプローブ120を位置決めし直すよう指示を与えることができる。たとえば、経頭蓋検査は、ウィリス環(Circle of Willis、CoW)のまわりの血管、たとえば前大脳動脈(anterior cerebral artery、ACA)、内頸動脈(internal carotid artery、ICA)、中大脳動脈(middle cerebral artery、MCA)、後大脳動脈(posterior cerebral artery、PCA)、後交通動脈、脳底動脈(basilar artery、BA)および/または対応する動脈によって供給される血管といった血管内の血流を測定してもよい。CoWに関連する動脈が、本稿においてより詳細に記述される。いくつかの事例では、経頭蓋検査は、患者の頭部110または患者の脳102の任意の位置における他の動脈および/または静脈内の血流を測定してもよい。システム100は、超音波撮像システムであってもよく、プローブ120は体外超音波撮像プローブであってもよい。
プローブ120は、一つまたは複数の超音波センサーまたはトランスデューサ素子を含む撮像コンポーネント122を含んでいてもよい。トランスデューサ素子は患者の解剖構造(たとえば頭部110)に向けて超音波エネルギーを放出してもよい。超音波エネルギーは患者の脳および患者の頭蓋骨の血管構造および組織によって反射される。超音波トランスデューサ素子は、反射された超音波信号を受信してもよい。いくつかの実施形態では、プローブ120は、超音波エコー信号をローカルに処理して、撮像対象の患者の解剖構造を表わす画像信号を生成することができる内部のまたは統合された処理コンポーネントを含んでいてもよい。超音波トランスデューサ素子(単数または複数)は、患者の解剖構造の2D画像または3D画像を提供するよう構成されることができる。プローブ120は、Bモード撮像およびカラー・ドップラー流れ測定の両方による二重モード(duplex-mode)超音波撮像を実行するよう構成されてもよい。経頭蓋検査を実行するために、ユーザーは、患者の頭部110の外部表面上のさまざまな位置にプローブ120を配置しうる。
たとえば、プローブ120は、患者の頭部119上のある位置に置かれてもよい。その位置は、患者の頭部110の骨の厚さおよび骨の組成に基づいて選ばれてもよい。たとえば、緻密骨はより少ない空気をもち、よって、海綿骨に比べてより少なく音波を反射しうる。経頭蓋検査のための効率的な超音波透過を許容する位置は、経頭蓋窓または音響窓と称されてもよい。六大脳動脈(たとえばACA、ICA、MCA、PCA、後交通動脈、BA)を検査するために一般的に使用される経頭蓋窓は、側頭窓、顎下窓および後頭骨下窓を含みうる。たとえば、側頭窓は、ACA、MCA、ICA、PCA、後交通動脈および対応する動脈によって供給される近隣の血管を検査するために使用されてもよい。代替的に、後頭骨下の経頭蓋窓はBAを検査するために使用されてもよく、あるいは顎下経頭蓋窓はICAを検査するために使用されてもよい。ユーザーは、選択された経頭蓋検査の経頭蓋窓に対応する目標位置に到達するためにプローブ120の並進および/または回転を通じてプローブ120を操作してもよい。ホスト130は、患者の頭部110または患者の脳102内の血管構造内の流れのダイナミクスの正しい取得を容易にするために、TCD撮像の間、ユーザーに案内を提供してもよい。たとえば、TCD撮像は、経頭蓋カラー・ドップラー(transcranial color-Doppler、TCCD)撮像であってもよい。
ホスト130は、メモリ132、ディスプレイ134、処理コンポーネント136および通信インターフェース138を含んでいてもよい。処理コンポーネント136は、メモリ132、ディスプレイ134および通信インターフェース138に結合されて、これらと通信してもよい。ホスト130はコンピュータ・ワークステーション、携帯電話、タブレットまたは任意の好適なコンピューティング装置でありうる。
メモリ132は、キャッシュメモリ(たとえば、処理コンポーネント136のキャッシュメモリ)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、磁気抵抗RAM(MRAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、プログラム可能な読み出し専用メモリ(PROM)、消去可能なプログラム可能な読み出し専用メモリ(EPROM)、電気的に消去可能なプログラム可能な読み出し専用メモリ(EEPROM)、フラッシュメモリ、半導体メモリデバイス、ハードディスクドライブ、半導体ドライブ、他の形の揮発性および不揮発性メモリまたは異なる型のメモリの組み合わせを含んでいてもよい。メモリ132は、脳血管アトラス140および一つまたは複数のCNN 142を記憶するよう構成されてもよい。
脳血管アトラス140は、人間の脳内の血管の一般化されたまたはパーソナル化された配置を記述する3Dモデルであってもよい。人間の脳の横領域における血管の変動性および曲がりのため血管識別が難しくなることがあるものの、CoWは両側にあり左右対称であり、目印となる形態、接続性パターンおよび流れのダイナミクスを示す。このように、人間の脳内の血管の予測可能な部分(たとえばCoW)が、脳血管アトラス140を構築するために使用できる。たとえば、脳血管アトラス140は、主要脳血管(たとえばMCA、ICA、ACA、PCAおよびBA)および関連する血管の、互いに対する、および人間の頭蓋における骨構造に対する、接続性、トポロジーおよび位置情報を含んでいてもよい。主要血管の位置および/またはトポロジーは比較的予測可能であり、諸患者を通じて類似しており、一方、より小さな血管、たとえば主要血管から遠位のものの位置および/またはトポロジーは、異なる患者の間で変わることがある。たとえば、図1は、ACAを含む患者の頭部110内の血管構造の部分108を示しており、ACAの位置または配置は諸患者を横断して比較的予想可能でありうる。図1は、位置または配置が異なる患者について変わりうる、ACAから遠位な血管を含む部分106をも示している。いくつかの実施形態では、メモリ132は、複数の脳血管アトラス140を記憶してもよい。たとえば、脳血管アトラス140における血管トポグラフィーは、臨床研究から収集された患者の脳の撮像データおよび/または対応する検査対象の患者から以前に捕捉された撮像データに基づいて生成されてもよい。アトラス140は、血管構造、関係、接続、血流パターン、幾何構造、一つまたは複数の撮像窓からの位置などを含む、患者の頭部、脳、首および/または他の解剖構造における血管についての経験的に知られているデータを格納するよう構成されることができる。現在の検査を受けている患者は、アトラス140のもとになった前記複数の患者の一部であってもなくてもよい。いくつかの実施形態では、現在の検査を受けている患者に関連する患者固有の血管データが、たとえば患者の脳の以前の撮像からあり、アトラス140として利用される。患者固有の血管データは、複数の他の患者からの参照データの代わりに、またはそれに加えて、利用されることができる。
CNN 142は、プローブ120によって撮像された血管の、脳血管アトラス140に対する位置を識別するようトレーニングされてもよい。いくつかの実施形態では、メモリ132は、複数のCNN 142を記憶してもよい。たとえば、CNN 142は、目標または所望撮像平面に到達するようプローブ120を整列させることにおいてユーザーに案内を与えるために現在の撮像平面を識別するための予測CNNと、予測CNNによって与えられる識別を適格性評価する(qualify)ための適格性評価CNNとを含んでいてもよい。
処理コンポーネント136は、本稿に記載される動作を実行するよう構成された、中央処理ユニット(CPU)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、コントローラ、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)装置、別のハードウェア装置、ファームウェア装置またはそれらの任意の組み合わせを含んでいてもよい。処理コンポーネント136は、コンピューティング装置の組み合わせ、たとえばDSPとマイクロプロセッサ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと関連した一つまたは複数のマイクロプロセッサの組み合わせまたは他の任意のそのような構成として実装されてもよい。
ある実施形態では、処理コンポーネント136は、患者の頭部110の画像をプローブ120から受領するよう構成される。処理コンポーネント136は、該画像からドップラー情報(たとえば、血管104内の血流)を決定し、該ドップラー情報に基づいて血管104のグラフィカル表現を決定することができる。たとえば、グラフィカル表現は、血管の諸セグメントに沿った諸位置および血管の接続性を記述する空間座標を含んでいてもよい。いくつかの事例では、グラフィカル表現は、接続性グラフまたは樹形図の形であってもよい。処理コンポーネント136は、接続性情報に基づいて、患者の血管構造に対するプローブ120の現在位置を決定し、特定の経頭蓋検査のための画像を得るための目標位置または目標撮像平面にプローブ120を位置決めし直すための制御構成(たとえば、並進および/または回転パラメータを含む)を決定することができる。
ある実施形態では、処理コンポーネント136は、CNN 142を前記ドップラー情報に適用してもよく、CNN 142は、脳血管アトラス140内でのプローブ120の現在位置を識別してもよい。処理コンポーネント136は、目標位置にプローブ120を位置決めし直すために要求されうる並進および/または回転を決定してもよい。
ある実施形態では、処理コンポーネント136は、一つまたは複数の脳血管アトラス140に基づいて、撮像コンポーネント122を目標画像平面に整列させるためにCNN 142をトレーニングするよう構成される。ある実施形態では、処理コンポーネント136は、臨床場面においてCNN 142を適用して、特定の経頭蓋検査のためにプローブ120を患者に整列させるための動き制御パラメータを決定するように構成される。たとえば、撮像コンポーネント122は、経頭蓋検査のために患者のACAの画像を得るように整列される。ドップラー情報をグラフィカル表現にマッピングすること、CNN 142をトレーニングすることおよびCNN 142を適用することのための機構は、本稿でより詳細に記載される。
いくつかの実施形態では、メモリ132は、非一時的なコンピュータ可読媒体を含んでいてもよい。メモリ132は、処理コンポーネント136によって実行されたときに、処理コンポーネント136に、本開示の実施形態との関連でCNNトレーニングおよび/またはCNN適用を参照して本稿で記載される動作を実行させる命令を記憶していてもよい。命令はコードと称されてもよい。用語「命令」および「コード」は、任意の型のコンピュータ可読文(単数または複数)を含むと広義に解釈されるべきである。たとえば、用語「命令」および「コード」は、一つまたは複数のプログラム、ルーチン、サブルーチン、関数、プロシージャーなどを指しうる。「命令」および「コード」は、単一のコンピュータ可読を含んでいてもよい。
ディスプレイ134は、コンピュータ画面またはユーザー・インターフェース(UI)144のための任意の好適なディスプレイを含みうる。UI 144は、プローブ120のグラフィカル表現またはビューを含んでいてもよい。UI 144は、プローブ120の並進および/または回転を示す視覚的インジケーターを含んでいてもよい。UI 144は、脳血管アトラス140の上の、プローブ120によって撮影された現在の画像のオーバーレイを含むグラフィカル・ビューを含んでいてもよい。グラフィカル・ビューは、さらに、脳血管アトラス140の上の目標位置のところに患者の血管構造または血管104の予期されるビューのオーバーレイを含んでいてもよい。ディスプレイ134はホスト130の統合されたコンポーネントとして示されているが、いくつかの実施形態ではディスプレイ134はホスト130の外部であってもよく、ホスト130と通信インターフェース138を介して通信してもよい。たとえば、ディスプレイ134は、スタンドアローンのディスプレイ、拡張現実眼鏡または携帯電話を含んでいてもよい。
通信インターフェース138は、通信リンク150を介してプローブ120の撮像コンポーネント122と通信するよう構成されてもよい。たとえば、ホスト130は、通信リンク150を介して、(たとえばビームフォーミングのために)超音波トランスデューサ素子の送信および受信を制御するためにコントロールを送ってもよく、プローブ120から、取得された画像を受信してもよい。通信リンク150は、無線リンクおよび/または有線リンクを含みうる。無線リンクの例は低電力のブルートゥース(登録商標)無線リンク、米国電気電子技術者協会(IEEE)802.11(WiFi)リンクまたは任意の好適な無線リンクを含んでいてもよい。有線リンクの例は、ユニバーサルシリアルバス(USB)リンクまたは任意の好適な有線リンクを含みうる。
いくつかの実施形態では、通信インターフェース138はさらに、たとえばキーボード、マウスまたはタッチスクリーンを介してユーザー入力を受領するように構成されてもよい。UI 144は、ユーザー入力に基づいてある種の表示またはビューを更新してもよい。UI 144は、本稿においてより詳細に記述される。
いくつかの実施形態では、システム100はさらに、通信インターフェース138およびプローブ120と通信するロボット・システム160を含んでいてもよい。ロボット・システム160は、プローブ120を位置決めし直すよう構成された、モーター、ローラーおよびギアのような電気および/または機械コンポーネントを含んでいてもよい。そのような実施形態では、処理コンポーネント136は、動き制御パラメータをロボット・システム150に、たとえば通信インターフェース138を介して送るように構成されることができる。ロボット・システム160は、前記動き制御パラメータに基づいて、特定の経頭蓋検査のためにプローブ120を患者に自動的に整列させてもよい。たとえば、ロボット・システム150は、ユーザーによる手動の再位置決めなしに、プローブを自動的に整列させることができる。
システム100は超音波撮像プローブ120をもって示されているが、システム100は、任意の好適な撮像コンポーネント122を、臨床手順のために患者に自動的に整列させるように構成されてもよい。撮像コンポーネント122は、任意の好適な撮像モダリティを提供しうる。撮像モダリティの例は、光撮像、光干渉断層撮影(OCT)、放射線撮像、X線撮像、血管造影法、X線透視法、計算機断層撮影(CT)、磁気共鳴撮像(MRI)、エラストグラフィーなどを含んでいてもよい。
他のいくつかの実施形態では、システム100は、臨床または療法手順を実行するために、圧力センサー、流れセンサー、温度センサー、光ファイバー、反射器、ミラー、プリズム、アブレーション要素、高周波(RF)電極、導体および/またはそれらの組み合わせを含む任意の好適な感知コンポーネントを含んでいてもよい。ここで、前記手順を受ける患者の解剖構造の画像は、手順の前、手順の間、および/または手順の後に撮像コンポーネント122によって捕捉されうる。
一般に、システム100、プローブ120および/または本稿に記載される他の装置は、患者の身体の任意の好適な解剖構造を検査するために利用できる。いくつかの事例では、プローブ120は、患者の身体の内部の解剖構造および/または管腔を検査するために患者の身体の外側に位置されることができる。解剖構造および/または管腔は、自然のものおよび人造のもの両方の、流体で満たされたまたは囲まれた構造を表わしていてもよい。たとえば、本開示のプローブは、患者の脳内の血流測定を得るために、患者の頭部の表面に位置されることができる。いくつかの実施形態では、本開示のプローブは、任意の数の解剖学的位置および組織型を検査するために使用されてもよく、それは、限定なしに、肝臓、心臓、腎臓、胆嚢、膵臓、肺を含む器官;導管;腸;脳、硬膜嚢、脊髄および末梢神経を含む神経系構造;尿路;ならびに心臓の弁、腔または他の部分および/または身体の他のシステムを含む。患者の身体の内部の解剖構造および/または管腔は、脳血管、心臓血管、末梢血管、神経血管、腎血管および/または身体内の他の任意の好適な管腔を含む患者の血管系の動脈または静脈のような血管であってもよい。
図2は、本開示の諸側面による、脳102のような患者の脳の血管構造200を示す概略図である。血管構造200は、プローブ120のような超音波撮像プローブによって撮像されてもよい。血管構造200内の血流(たとえば速度および方向)は、本稿でより詳細に述べるように、カラー・ドップラー流れ測定に基づいて決定されうる。図のように、血管構造200は、CoWと称されうる環状の動脈構造210を含む。血管構造200は、患者の脳の基部に位置される。血管構造200は、血管のネットワークを含む。血管構造200は、脳および周囲の組織および構造に血液を供給しうる。図のように、血管構造200は、ACA 214、ICA 216、MCA 212、PCA 218、後交通動脈220およびBA 222を含む六大動脈を含む。動脈212、214、216、218、220、222のそれぞれは、より小さな血管に分岐してもよい。上記のように、CoWのまわりの血管配置は、すべての患者について実質的に同様でありうる。よって、動脈212、214、216、218、220、222の構造的配置(たとえば接続性、トポロジーおよび/または位置)は、本稿でより詳細に述べるように、グラフィカル表現において記述され、脳血管アトラス140を構築するために使用されうる。
図3は、本開示の諸側面による、患者の脳の血管構造の一部のグラフィカル表現300を示す概略図である。たとえば、グラフィカル表現300は、血管構造200の(たとえば構造210のまわりの)一部に対応する。グラフィカル表現300は、血管構造内の血管の構造的配置を表わす。グラフィカル表現300は、血管104および動脈212、214、216、218、220、222のような血管の空間内での幾何学的トポロジーを表わすエッジ312によって接続されたノード310を含む。ノード310は、血管分岐、血管の端点および/または血管の諸セグメントまたは流れ経路に沿った諸血管位置に対応しうる。各エッジ312は、二つ以上のノード310を接続しうる。たとえば、血管は、エッジ312によって相互接続された一連のノード310によって表わされる複数のセグメントに分割されてもよい。グラフィカル表現300は、接続性グラフ、血管木またはノード‐エッジ図と称されることができる。
例として、図2の点線の丸によって示される動脈212、214、216、218、220、222の交点が、ノード310によって表現され、それらの交点につながる動脈212、214、216、218、220、222のセグメントがエッジ312によって表現される。図3は、血管分岐を表現するためにノード310を用いているが、いくつかの実施形態では、血管(たとえばMCA 212)は、血管の諸セグメントに対応する複数のエッジ312によって相互接続された複数のノード310によって表現されてもよい。よって、グラフィカル表現300は、任意の好適な数のエッジ312によって相互接続された任意の好適な数のノード310を含みうる。さらに、グラフィカル表現300は、主要動脈212、214、216、218、220、222によって供給される、より小さな血管を表わすノード310およびエッジ312を含むことができる。
ある実施形態では、ノード310および/またはエッジ312は、本稿でより詳細に述べるように、空間的デカルト座標および/または流れベクトルによって表現される。ある実施形態では、脳血管アトラス140は、グラフィカル表現300を使って、人間の脳内の血管の接続性、トポロジーおよび/または位置の情報を記述する。ある実施形態では、CNN 142は、本稿でより詳細に述べるように、ドップラー画像のグラフィカル表現300に対して作用する。
図4〜図6は、まとまって、システム100を使う経頭蓋検査を示す。図4は、本開示の諸側面による、経頭蓋検査のための所望される撮像平面に超音波撮像プローブを案内するための方式400を示す概略図である。図5は、本開示の諸側面による、2Dドップラー撮像500の例を示す。図6は、本開示の諸側面による、3Dドップラー撮像600の例を示す。方式400は、システム100によって実装されてもよい。図のように、方式400は、いくつかの列挙された段階を含むが、方式400の諸実施形態は、列挙された段階の前、後または中間に追加的な段階を含んでいてもよい。いくつかの実施形態では、列挙された段階の一つまたは複数は、省略されてもよく、または異なる順序で実行されてもよい。
段階410では、ユーザーが、患者のための経頭蓋検査を、たとえば潜在的な病理または臨床担当者指揮の(clinician-directed)プロトコルに基づいて、選択してもよい。たとえば、ユーザーは、MCA(たとえばMCA 212の左M1セグメント)、PCA(たとえばPCA 218の右セグメント)、ICA(たとえばICA 216)、ACA(たとえばACA 214)、後交通動脈(たとえば後交通動脈220)、BA(たとえばBA 222)の近くの領域または患者の脳(たとえば脳102)内の任意の関心領域を検査することを決定してもよい。ユーザーは、選択された経頭蓋検査のための経頭蓋窓に近位の初期位置において、患者の頭部(たとえば頭部110)に隣接してまたは頭部と接触して、超音波撮像プローブ120を位置決めしてもよい。たとえば、経頭蓋窓は、側頭経頭蓋窓、顎下経頭蓋窓および後頭骨下経頭蓋窓または他の任意の好適な経頭蓋窓であってもよい。
ある実施形態では、方式400は、選択された経頭蓋検査のために好適な経頭蓋窓を位置特定することにおいてユーザーを案内するためにUI(たとえばUI 144)を用いてもよい。たとえば、UIは、脳マップ(たとえば、脳血管アトラス140)を表示してもよく、ユーザーは、脳マップから、経頭蓋検査のための所望される血管位置を選択してもよい。あるいはまた、ユーザーは、経頭蓋検査の型(たとえばMCA検査)を選択してもよい。処理コンポーネント136は、ユーザーの選択に基づく所望される経頭蓋検査のために好適な経頭蓋窓を決定してもよい。UIは、ユーザーを対応する経頭蓋窓に案内するための指標および/または指示を提供してもよい。さらに、処理コンポーネント136は、選択された血管位置または選択された経頭蓋検査のための目標撮像平面を決定してもよい。
段階420では、プローブが初期位置にある間に、ユーザーがプローブ120を使って患者の頭部の初期ドップラー画像を取得する。初期ドップラー画像は、患者の頭部の中の血管の血流測定を含んでいてもよい。ある実施形態では、初期ドップラー画像は、図5に示されるような2Dカラー・ドップラー画像510であってもよい。別の実施形態では、3Dカラー・ドップラー撮像のために、たとえばX平面撮像から得られる複数の2Dドップラー画像が使用できる。X平面(X-Plane)とは、音響伝搬軸のまわりの異なる角度、一般には90°で二つの2D平面が得られる高フレームレートの3D撮像方針をいう。例として、初期ドップラー画像は、3D体積の異なるビューに対応する図6に示されるようなカラー・ドップラー画像610および612を含んでいてもよい。一般に、方式400は、2D入力データ、X平面入力データ、多平面入力データ(離間は90°であってもなくてもよい)またはフル3D撮像データに適用できる。入力データのサイズが増すと、計算コストが増すが、アトラスにおける適正な位置を識別するシステムの能力も増す。
プローブ120は、患者の頭部に向けて超音波を発してもよい。すると、超音波は患者の頭部の中の構造(たとえば脳組織および血管)ではねかえり、エコー信号としてプローブ120によって受信される。プローブ120は、所望される撮像分解能および/または頭蓋のエネルギー吸収に依存して、特定の周波数(たとえば約1MHzから約3MHzの間)で超音波信号を放出するよう構成されてもよい。プローブとの関係での血液の速度は、位相シフトを引き起こし、周波数は増大または減少する(すなわち、ドップラー効果)。たとえば、ホスト130における処理コンポーネント136は、エコー信号を受信し、周波数の変化を決定し、散乱体の速度を計算してもよい。
ある実施形態では、処理コンポーネント136は、次のドップラーの式を用いることができる:
Δf=(2×f0×V×cosθ))/C (1)
ここで、Δfは周波数シフト、f0は送信された波の周波数、Vは反射体(たとえば赤血球)の速度、θは入射波と反射体の動きの方向の間の角度(すなわち入射角)、Cは媒質中での音速である。周波数シフトは、トランスデューサが血流の方向に平行な配向にされ、θが0°であるとき(cos0=1)に最大になる。トランスデューサが血流の方向と垂直な配向にされ、θが90°であるとき(cos90=0)には周波数シフトはない。速度が増すとき、入射波が血流の方向とより揃っているとき、および/またはより高い周波数が放出されるときに、より高いドップラー周波数シフトが得られる。
段階430では、処理コンポーネント136は、取得されたドップラー画像によって捕捉されている血管のグラフィカル表現を決定してもよい。たとえば、血流のデカルト座標が、図3に関して上記で述べたグラフィカル表現300に示されるようにエッジによって相互接続されたノードによって、グラフィックに表現されてもよい。たとえば、処理コンポーネント136は、カラー・ドップラー画像510を、エッジ524(たとえばエッジ312)によって接続されたノード522(たとえばノード310)を含むグラフィカル表現520に変換してもよい。たとえば、エッジ524uは、上流の血流を表わしてもよく、赤でカラーコーディングされ、または赤い矢印で示されてもよい。一方、エッジ524dは下流の血流を表わしてもよく、青でカラーコーディングされ、または青い矢印で示されてもよい。グラフィカル表現520におけるノード522とエッジ524の相互接続は、流れベクトルの集合として表わされてもよい。空間における流れベクトルの配向は、次のように表わされてもよい:
Vi={xi,yiii} (2)
ここで、Viは流れベクトルiを表わし、xiおよびyiは2D超音波撮像平面におけるそれぞれx座標およびy座標を表わし、θiは仰角を表わし、φiは方位角を表わす。
同様に、ドップラー画像が3Dカラー・ドップラー画像610および612に対応するときは、処理コンポーネント136は、3Dカラー・ドップラー画像610および612を、エッジ624(たとえばエッジ312)によって接続されるノード622(たとえばノード310)を含むグラフィカル表現620に変換してもよい。エッジ624uは上流の血流を表わしてもよく、エッジ624dは下流の血流を表わしてもよい。グラフィカル表現620におけるノード622およびエッジ624の相互接続は、流れベクトルの集合として表わされてもよい。空間における流れベクトルの配向は、次のように表わせる:
Vi={xi,yi,ziiii} (3)
ここで、Viは流れベクトル{i}を表わし、xi,yi,ziは3D超音波撮像体積におけるそれぞれx座標、y座標、z座標を表わし、θiは仰角を表わし、φiは方位角を表わし、ψiは接続性パラメータ(connectivity parameter)を表わす。
たとえば、ドップラー画像における血管のグラフィカル表現は、下記のように座標の部分集合に分割されてもよい:
Figure 2021511148
行列Mは、血管グラフィカル表現のベクトル化された表現を含む。
段階440では、処理コンポーネント136は、下記のように、Cと記される共分散行列を決定してもよい。
C=MT×W×M (5)
MTは行列Mの転置を表わし、Wは座標についての重み付け因子を含む重み付け行列を表わす。換言すれば、共分散行列Cは、座標のN部分集合の重み付けされた内積を含む。行列Mは、座標のN部分集合でデータ集合RN内であってもよく(たとえば∈RN)、共分散行列Cはデータ集合RN×N内であってもよい(たとえば∈RN×N)。
ある実施形態では、重み付け因子は経験的に決定されてもよく、各座標について(たとえば二個組(x,y)および二個組(θ,φ)の間で)異なっていてもよい。ある実施形態では、行列Wにおける重み付け因子は、主要動脈に対応するノード(たとえばノード310、522、622)がより高い重み(たとえば、より大きな値)を与えられ、血管分枝に対応するノードがより小さな重み(たとえば、より小さな値)を与えられるように構成されてもよい。重み付け因子は、経頭蓋検査のために手動で決定されてもよい。たとえば、MCA検査について、MCAに関連付けられたノードは、他の血管より高い重みを与えられてもよい。いくつかの実施形態では、重み付け行列Wは共分散行列Cの計算から除外されてもよい(たとえば、すべての重み付け因子が値1に設定される)。
段階450では、処理コンポーネント136は、CNN 142を共分散行列Cに適用して、脳血管アトラス140に対するプローブ120の現在の撮像平面を識別してもよい。CNN 142の内部構造、トレーニングおよび適用は、本稿においてより詳細に記載される。
段階460では、処理コンポーネント136は、選択された経頭蓋検査のための目標撮像平面にプローブ120を位置決めし直すための動き制御構成(motion control configuration)(たとえば、並進および回転パラメータを含む)を決定してもよい。たとえば、脳血管アトラス140に対する、選択された経頭蓋検査のための目標撮像平面はあらかじめ決定されている。プローブ120の現在の撮像平面が脳血管アトラス140に対して識別されたのち、目標撮像平面に到達するための動き制御構成が、幾何学的距離(たとえば並進)および/または角度(たとえば回転)計算に基づいて決定されうる。
ある実施形態では、処理コンポーネント136は、プローブ120を目標撮像平面または目標視野のほうを向くよう位置決めし直すための、(θ,φ)と記される角度または回転パラメータを得るために、現在の撮像平面と目標撮像平面の間の回転行列を計算してもよい。目標撮像平面に到達するために該回転が十分でない場合には、処理コンポーネント136は、現在の撮像平面と目標撮像平面(これは現在の視野の外で会ってもよい)の間の並進ベクトルをさらに計算してもよい。
段階470では、ディスプレイ134が、プローブ120を目標撮像平面に位置決めし直すためのユーザー案内を提供してもよい。たとえば、ディスプレイ134は、プローブ120を位置決めし直すための並進の量または方向および/または回転の量または方向を示すプローブ120のグラフィカル・ビューを表示してもよい。グラフィカル表示は、目標撮像平面に到達するためのプローブ120のアニメーション化された動きを含んでいてもよい。ディスプレイ134は、脳血管アトラス140の上の現在の撮像平面および/または目標撮像平面のオーバーレイを含むグラフィカル・ビューを表示してもよい。グラフィカル表示は、本稿でより詳細に述べる。
段階475では、ユーザーは、ユーザー案内に従ってプローブ120を次の位置に位置決めし直してもよい。段階480では、プローブ120が該次の位置にある間に、次のドップラー画像が取得されてもよい。いくつかの実施形態では、プローブ120が目標撮像平面に到達するために、段階430〜480が繰り返されてもよい。
いくつかの実施形態では、段階470および段階475に示されるようにユーザー案内を提供してユーザーにプローブ120を再位置決めさせる代わりに、段階490に示されるように、動き制御構成は、自動的にプローブ120を制御して位置決めし直すための機械的アクチュエーション・ユニット(たとえばロボット・システム160)に送られてもよい。
プローブ120が目標撮像平面に整列された後、ユーザーは、選択された経頭蓋検査を進めてもよい。いくつかの実装では、方式400は、検査対象血管をさらに分類し、目標撮像平面に到達することにおいて、より高い精度でユーザーにさらなる案内を提供するために、さらにスペクトル・ドップラーを用いてもよい。CNN 142から得られる所望または目標血管の座標は、ドップラー・ビームフォーミング・ユニットに入力されてもよく、それにより連続的なドップラー・トレース、血流速度が生成できる。いくつかの実施形態では、経頭蓋検査が完了した後、ユーザーは、目標血管に関連する情報(たとえば座標)を用いて、CNN 142および/または脳血管アトラス140を更新してもよい。
図7〜図8は、まとまって、経頭蓋検査のためにCNN 142および脳血管アトラス140を用いることにおける機構を示している。図7は、本開示の諸側面による、CNN 142のための構成700を示す概略図である。図8は、本開示の諸側面による、脳血管アトラスから共分散行列を生成するための方式800を示す概略図である。CNN 142は、入力画像を与えられて脳血管アトラス140上での血管位置を識別するために、一つまた複数の脳血管アトラス140を使ってトレーニングされる。CNN 142がトレーニングされた後、CNN 142は、方式400の段階450において述べたように、経頭蓋検査の間にライブ撮像データからリアルタイムで計算される共分散画像702(たとえば共分散行列C)に適用される。
CNN 142は、N個の畳み込み層712の集合、続いてK個の全結合層714の集合を含んでいてもよい。ここで、NおよびKは任意の正の整数である。値NおよびKは実施形態に依存して変わりうる。いくつかの実施形態では、Nは約3から約200までの間であってもよく、Kは約1から約5までの間であってもよい。各畳み込み層712は、入力画像から撮像特徴(たとえば一次元(1D)特徴マップ)を抽出するように構成されたフィルタ720の集合を含んでいてもよい。全結合層714は、非線形であってもよく、最後の畳み込み層712(N)の高次元出力を徐々に、CNN 142の出力716における分類層(たとえば脳血管アトラス140上のさまざまな位置)の数に対応する長さに縮小してもよい。図7には示していないが、いくつかの実施形態では、畳み込み層712は、プーリング層とインターリーブされてもよい。各プーリング層は、抽出された撮像特徴の次元を低下させうるダウンサンプリング動作の集合を含む。さらに、畳み込み層712は、整流〔正規化〕された特徴マップを抽出するよう構成された非線形性関数(たとえば、整流非線形(ReLU)動作を含む)を含んでいてもよい。
CNN 142のトレーニングの間、脳血管アトラス140は、上記の式(4)に示されるような行列Mによって表わされる座標または流れベクトルに変換されてもよい。いくつかの実施形態では、座標および/または流れベクトルは3Dノード・ファイルに格納されてもよい。ファイルは、各バーテックスまたはノード(たとえばノード310、522、622)における追加的な情報を含んでいてもよい。追加的情報は、動脈クラス、流れ方向、動脈直径範囲、流れ範囲(たとえば、拡張終期容量(end-diastolic volume、EDV)および/または収縮終期容量(end-systolic volume、ESV)についての)および/または接続性情報(たとえば面〔フェース〕およびバーテックス)を含む。
CNN 142は、上記の式(5)に示されるように計算される、行列Mの重み付けされた共分散Cに基づいてトレーニングされてもよい。上記のように、脳血管アトラス140は、臨床研究および/またはライブ臨床データから得られる本物の患者データから決定される脳血管トポロジーを含んでいてもよい。アトラス140内の座標は、脳の異なる位置に応じて部分集合に分割され、ラベル付けされる。たとえば、ICA領域に対応する部分集合742、PCA領域に対応する部分集合744およびMCA領域に対応する部分集合746を含む。座標の各部分集合742、744、746は、対応する血管位置に応じてラベル付けされうる(たとえばMCAのM1セグメント)。各部分集合742、744および746について、共分散行列740が計算されうる。
ある実施形態では、図8に示されるようにして共分散行列740が生成されうる。図8に示されるように、アトラス810(たとえばアトラス410)におけるPCA 812のセクションが、エッジ824(たとえばエッジ312、524、624)によって接続されたノード822(たとえばノード310、522、622)を含む、空間内のノード図820(たとえば表現300)によって表わされる。ノード図820から共分散行列830(たとえば共分散行列740)が計算される。
CNN 142は、アトラスから取得された各部分集合742、744、746の共分散行列740上で、たとえば順方向および逆方向伝搬を使って、トレーニングされる。フィルタ720の係数が、たとえば逆方向伝搬を使って、(たとえば出力716によって示される血管位置と対応する部分集合742、744または746についてのラベルとの間の)分類エラーを最小化するよう調整されてもよい。たとえば、最後の畳み込み層712(N)は、特定の血管位置を表わす座標をもつ特徴ベクトル718を出力してもよく、出力716は、該血管位置に対応する分類を示しうる。
ある実施形態では、CNN 142は、m個の血管位置(たとえば分類子(classifier))を識別するようトレーニングされる。ここで、mは正の整数である。このように、CNN 142は、m個のクラスのうちの一つを示す出力716を生成してもよい。たとえば、CNN 142が部分集合742の共分散行列740に対して作用するとき、CNN 142は、最後の畳み込み層712(N)において特徴ベクトル718(1)を、出力716においてICAを示す分類子を出力してもよい。あるいはまた、CNN 142が部分集合746の共分散行列740に対して作用するとき、CNN 142は、最後の畳み込み層712(N)において特徴ベクトル718(m−2)を、出力716においてMCAを示す分類子を出力してもよい。CNN 142のトレーニングは、臨床研究および/または臨床場面からのライフ・データを介して得られた本物の患者データから構築される複数の脳血管アトラス140を用いて繰り返されてもよい。
経頭蓋検査の間、患者の頭部(たとえば頭部110)を撮像することから得られる超音波データに基づいて、リアルタイムで、共分散画像702がCNN 142を用いて推定される(たとえば式(5)に示されるように計算される)。共分散画像702は、脳血管アトラス140における対応するラベル付けされた脳血管とマッチングされて、患者の脳内の、カラー・ドップラー撮像の現在のフレームが表わしている確からしい血管位置を推定する。たとえば、最後の畳み込み層712(N)は、入力共分散画像702を表わす特徴ベクトル730を出力してもよい。次いで、特徴ベクトル730が、m個のラベル付けされた脳血管アトラスの共分散行列を同じCNN 142に入力することによって事前生成されたm個の特徴ベクトル718の集合とマッチングされてもよい。CNN 142は、点線の曲がった矢印によって示される、特徴ベクトル730の、m個のラベル付けされた特徴マップ718の集合とのマッチングに基づいて、出力716において、特徴ベクトル730の分類を示してもよい。例として、特徴ベクトル730は、実線の曲がった矢印によって示されるように、特徴ベクトル718(m−2)にマッチしうる。こうして、出力716は、マッチした特徴ベクトル718(m−2)に対応する分類子(たとえばMCA)を示しうる。特徴ベクトル730の特徴ベクトル718(m−2)とのマッチは、脳血管アトラス140上での共分散画像702に対応する現在の撮像平面の血管位置を識別する。脳血管アトラス140に対する現在の撮像平面の血管位置は、本稿でより詳細に述べるユーザー案内を提供するために使用されうる。
いくつかの実施形態では、CNN 142は、取得されたドップラー画像について、出力716において、二つの可能なマッチを提供してもよい。たとえば、CNN 142は、MCAについて約50%のマッチ、ICAについて約50%のマッチを出力してもよい。そのような実施形態では、ユーザーが、CNN 142によって出力された分類を適格性評価するために、速度プロファイルを得るようスペクトル・ドップラーを測定するよう、プローブ120を構成するよう切り換えてもよい。たとえば、取得されたドップラー画像がMCAの画像に対応するかICAの画像に対応するかを判定するために、追加的なCNNまたは他の波形マッチング技法が使用されてもよい。追加的なCNNを使うとき、追加的なCNNは、スペクトル・ドップラーから得られるさまざまな血管の速度プロファイルに基づいてトレーニングされてもよい。追加的なCNNは、CNN 142と実質的に同様の構造を有していてもよい。
図9は、本開示の諸側面による、経頭蓋超音波撮像を案内するための表示ビュー900を示す概略図である。ビュー900は、システム100におけるディスプレイ134上の表示ビューに対応してもよい。ビュー900は、三つのサブビュー910、920、930を含む。サブビュー910、920、930は、図9に示されるように隣り合わせに表示されてもよく、あるいは任意の好適な表示構成に構成されて同様の機能を提供してもよい。
サブビュー910は、システム100を使っての検査対象の患者の血管の現在の画像(たとえば、ライブのカラー・ドップラー画像510、610、612)を示す。現在の画像は、プローブ120によって、現在の撮像平面922において、リアルタイムで捕捉されてもよい。現在の画像は、図7に関して上述した構成700における共分散画像702を計算するために、CNN 142に入力される画像に対応してもよい。サブビュー910は、現在の画像によって捕捉される血管をマークするラベルを含んでいてもよい。図のように、サブビュー910は、MCA(たとえばMCA 212)、ACA(たとえば214)およびPCA(たとえば218)をマークするラベルを含む。
サブビュー920は、脳血管トポグラフィー(たとえば脳血管アトラス140)の上の、現在の撮像平面922および選択された経頭蓋検査に基づく目標撮像平面924のオーバーレイ(たとえば部分的な透明性をもつ)を示す。現在の撮像平面922のオーバーレイは、現在の画像から抽出された特徴ベクトル730の、脳血管アトラス140から抽出されたm個の特徴ベクトル718の集合に対する比較に基づいていてもよい。いくつかの実施形態では、脳血管アトラス140の表示は3Dであってもよい。現在の撮像のもとでの血管および/または経頭蓋検査のための目標血管が、脳血管アトラス140上でハイライトされてもよい。
サブビュー930は、現在の撮像平面922から、目標撮像平面924にプローブ120を位置決めし直すための指示(たとえば方式400の段階460において決定される)をユーザーに提供する。図のように、サブビュー930は、目標撮像平面924に到達するためにプローブ120を操作するための、要求される並進(たとえば計算された並進(x,y)に基づく)を示しうる視覚的インジケーター932と、要求される回転(たとえば計算された回転(θ,φ)に基づく)を示しうる視覚的インジケーター934とを含んでいてもよい。いくつかの実施形態では、サブビュー930は、目標撮像平面924に到達するためのプローブ120の提案される動きを示す、視覚的インジケーター932、934のアニメーション化されたビューをさらに表示してもよい。
いくつかの実施形態では、UI 144はさらに、たとえばダイヤル944を含む、ユーザー・インターフェース部分940を含んでいてもよい。ユーザーは、ダイヤル944を操作することによってサブビュー920を構成してもよい。たとえば、経頭蓋検査のための目標血管が現在の視野内にないときは、ユーザーはダイヤル944を操作して、現在の視野を超えて撮像体積の厚さ(thickness)を増して、目標血管の期待されるビューまたは予測される仮想ビューを得てもよい。このように、目標血管は現在の視野にないことがありうるものの、サブビュー920は、ユーザーが現在の撮像平面922に対する目標血管の位置を視覚化することを許容しうる。ある実施形態では、仮想目標血管が、透明モードでサブビュー920内に表示されてもよい。仮想血管は、アトラス140に基づいてCNN 142によって予測される血管位置に対応する。たとえば、撮像は2D撮像を用いて実行される一方で、サブビュー920は、目標血管の3D位置情報を提供してもよい。いくつかの実施形態では、ユーザー・インターフェース部分940は、他のボタン、サイドバーおよび/またはユーザー入力を受け入れうる任意の好適なユーザー・インターフェース・コンポーネントを含みうる。
図10は、本開示の諸側面による、経頭蓋検査のための所望される撮像平面に超音波撮像コンポーネントを案内するようCNNを適用する方法1000の流れ図である。方法1000の段階は、システム100によって実行されることができる。方法1000は、それぞれ図3、図4および図7に関して述べたグラフィカル表現300、方式400およびCNN構成700と同様の機構を用いてもよい。図のように、方法1000は、いくつかの列挙される段階を含むが、方法1000の実施形態は、列挙される段階の前、後および間に追加的な段階を含んでいてもよい。いくつかの実施形態では、列挙される段階の一つまたは複数は、省略されてもよく、あるいは異なる順序で実行されてもよい。
段階1010では、方法1000は、超音波撮像コンポーネント(たとえば撮像コンポーネント122)が患者に対して第一の撮像位置に位置されている間に第一の画像(たとえば、画像510、610、612)を受領することを含む。第一の画像は患者の脳(たとえば脳102)の血管(たとえば血管104またはCoWに関連する動脈212、214、216、218、220、222)を表わしていてもよい。第一の撮像位置は、患者の頭部(たとえば頭部110)の任意の好適な位置であってもよい。いくつかの実施形態では、第一の撮像位置は、ある撮像平面(たとえば撮像平面922)に対応してもよい。
段階1020において、方法1000は、第一の画像に関連するデータに基づいてドップラー情報を決定することを含む。ドップラー情報は、患者の脳の血管内の血流を表わしてもよい。たとえば、ドップラー情報は、上記の式(1)を使って計算されてもよい。
段階1030では、方法1000は、超音波撮像コンポーネントを選択された経頭蓋検査のために位置決めし直すための動き制御構成を生成するために、前記ドップラー情報にCNN(たとえばCNN 142)を適用することを含む。CNNは、少なくとも、複数の患者の脳内の既知の血管トポグラフィー(たとえば脳血管アトラス140)に基づいてトレーニングされてもよい。いくつかの実施形態では、既知の血管トポグラフィーは、検査対象患者の脳の以前のスキャンに基づいて決定されてもよい。動き制御構成は、超音波撮像コンポーネントを、選択された経頭蓋検査のための目標撮像平面(目標撮像平面924)に整列させるための並進および/または回転パラメータを含むことができる。
いくつかの実施形態では、方法1000はさらに、ドップラー情報に基づいて患者の脳の血管に関連する接続性情報(たとえば上記行列M)を決定し、接続性情報および重み付け関数(たとえば上記行列W)に基づいて共分散行列(たとえば上記行列C)を決定し、共分散行列にCNNを適用することを含んでいてもよい。接続性情報は、たとえばグラフィカル表現300に示されるように、血管の構造的配置および/または血管を通じた血流についての流れ経路に関連していてもよい。接続性情報は、患者の脳の血管に沿った血管位置および流れ経路に対応する座標(たとえば、式(2)に示される{xi,yiii}および式(3)に示される{xi,yi,ziiii})を含んでいてもよい。重み付け関数は、経頭蓋検査に関する血管位置および流れ経路の関連性(relevancy)に関連していてもよい。
いくつかの実施形態では、方法1000はさらに、ドップラー情報にCNNを適用して、既知の血管トポグラフィー内での第一の撮像位置に対応する撮像平面(たとえば初期撮像平面922)を決定し、既知の血管トポグラフィー内で、撮像平面と、経頭蓋検査に関連する目標撮像平面(たとえば目標撮像平面924)とに基づいて動き制御構成を決定することを含んでいてもよい。
いくつかの実施形態では、方法1000はさらに、ドップラー情報にCNNを適用して、患者の脳の血管を表わす特徴ベクトル(たとえば特徴ベクトル730)を決定し、該特徴ベクトルの、既知の血管トポグラフィーの諸特徴ベクトル(たとえば諸特徴マップ718)に対する比較に基づいて、既知の血管トポグラフィー内の前記撮像平面を決定することを含んでいてもよい。
段階1040では、方法1000は、動き制御構成に基づいてユーザー案内を提供することを含む。いくつかの実施形態では、ユーザー案内は、超音波撮像コンポーネントが目標撮像位置に位置決めし直されるよう超音波撮像コンポーネントを操作するための、前記動き制御構成に基づく指示の表示を含んでいてもよい。該指示は、たとえばサブビュー930における視覚的インジケーター932および934によって示される、超音波撮像コンポーネントの並進および回転の少なくとも一方を含む。何らかの実施形態では、ユーザー案内は、たとえばサブビュー920に示されるような、既知の血管トポグラフィー上の、第一の撮像位置に関連する第一の撮像平面、第二の撮像位置に関連する第二の撮像平面または患者の脳の血管のうちの少なくとも一つのオーバーレイを含むグラフィカル・ビューの表示を含んでいてもよい。いくつかの実施形態では、ユーザー案内は、既知の血管トポグラフィー上の、第二の撮像位置に関連する患者の脳の血管の期待されるビュー(たとえば仮想的な平面外ビュー)のオーバーレイを含むグラフィカルな表示を含んでいてもよい。
本願の諸側面は、いくつかの恩恵を提供できる。たとえば、現在の捕捉された画像に基づいてリアルタイムで現在の撮像平面を自動的に識別して、ユーザー案内を提供する深層学習を使うことは、TCD超音波を経験を積んだ操作者に実行させる必要をなくすことができ、よって、医療診断手順におけるTCD超音波の使用を拡大しうる。さらに、自動識別およびユーザー案内は、TCD超音波における操作者間の変動をなくすことができ、よって、TCD超音波ベースの検査について、より一貫性があり、正確な結果を提供しうる。たとえば、開示される実施形態は、TCD超音波が、緊急治療室、地方の医療センター、戦場および救急車といった場面において、脳血管に関わる症状についての連続的モニタリング、トリアージおよび証拠に基づく療法適用のために、日常的に実行されることを可能にできる。脳血管マップ上の撮像された血管または現在の撮像平面および目標撮像平面のオーバーレイと一緒にライブのドップラー画像を表示することは、目標撮像平面にユーザーを案内することにおいて、さらなる支援を提供することができる。現在の視野外の目標血管領域のまわりの仮想血管のリアルタイムまたはライブ表示は、目標血管を探すことまたは目標血管に到達することにおいて、ユーザーにさらなる案内を提供できる。さらに、リアルタイムの自動識別は、ユーザーが視野内で測定のための位置を選択する必要なしに、連続的な血流測定を可能にする。開示される実施形態は、超音波撮像プローブを案内するために予測ネットワークをトレーニングし、適用するコンテキストで記述されているが、開示される実施形態は、任意の撮像モダリティの任意の撮像コンポーネントについての自動的な整列を提供するために適用できる。
当業者は、上記の装置、システムおよび方法がさまざまな仕方で修正できることを認識するであろう。よって、当業者は、本開示によって包含される実施形態は上記の個別的な例示的実施形態に限定されないことを理解するであろう。それに関し、例示的実施形態が示され、記述されてきたが、上記の開示において、幅広い範囲の修正、変更および置換が考えられている。上記に対して、本開示の範囲から外れることなく、そのような変形がなされうることが理解される。よって、付属の請求項は、本開示と整合する仕方で、広義に解釈されることが適切である。
TCD超音波撮像を実行するユーザーを支援する一つの手法は、ユーザーが患者の脳内の中大脳動脈(middle cerebral artery、MCA)を探している間にパワードップラー信号の奥行き投影を表示することによって、撮像フィードバックを提供するというものである。撮像フィードバックはユーザーが血流力学を、より高い一貫性または正確さをもってモニタリングすることを許容しうるものの、フィードバック・ベースの手法は、近位MCA検査に制限され、MCAのM1およびM2分枝の曲がりの変動があることがある。
US2002/0103436は、経頭蓋ドップラー・プローブ装置の自動操作のためのシステムであって、内部電気配線をもつ円筒プローブ筐体と、コイルをもつ前記円筒プローブ筐体内に位置するプローブ円筒基部に取り付けられたケーブルをもつ超音波トランスデューサと、ローラー・ボールのシステムと、プローブ位置を制御するためのシステム・ソフトウェア・プログラムおよびマイクロプロセッサと、前記プローブ円筒基部に取り付けられた取り外し可能なハンドルとを有するシステムを開示している。システム・ソフトウェアは、初期の手動での操作後にプローブ角度を「学習」し、その後、操作者とは独立に起電力を使って脳血管超音波照射を実行する。

Claims (20)

  1. 医療超音波撮像システムであって:
    超音波撮像コンポーネントが患者に対して第一の撮像位置に位置されている間に患者の脳の血管を表わす第一の画像を受領するよう構成されている、前記超音波撮像コンポーネントと通信するインターフェースと;
    前記インターフェースと通信する処理コンポーネントとを有しており、前記処理コンポーネントは、前記第一の画像に畳み込みネットワーク(CNN)を適用して、前記超音波撮像コンポーネントを前記第一の撮像位置から、経頭蓋検査に関連する第二の撮像位置に位置決めし直すための動き制御構成を生成するよう構成されており、前記CNNは、少なくとも既知の血管トポグラフィーに基づいてトレーニングされている、
    システム。
  2. 前記処理コンポーネントはさらに:
    患者の脳の血管内の血流を表わすドップラー情報を、前記第一の画像に関連するデータに基づいて決定するよう構成され、
    前記CNNは、前記ドップラー情報に適用される、
    請求項1に記載のシステム。
  3. 前記処理コンポーネントはさらに:
    患者の脳の血管に関連する接続性情報を、前記ドップラー情報に基づいて決定し、
    前記接続性情報に基づいて共分散行列を決定するように構成されており、
    前記CNNは、前記共分散行列に適用される、
    請求項2に記載のシステム。
  4. 前記接続性情報は、患者の脳の血管に沿った諸血管位置に対応する座標を含む、請求項3に記載のシステム。
  5. 前記処理コンポーネントはさらに:
    前記CNNを前記ドップラー情報に適用して、前記既知の血管トポグラフィー内での、前記第一の撮像位置に対応する撮像平面を決定し;
    前記撮像平面と前記既知の血管トポグラフィー内での前記経頭蓋検査に関連する目標撮像平面とに基づいて、前記動き制御構成を決定するように構成されている、
    請求項2に記載のシステム。
  6. 前記処理コンポーネントはさらに:
    前記CNNを前記ドップラー情報に適用して、患者の脳の血管を表わす特徴ベクトルを決定し;
    前記既知の血管トポグラフィー内での前記撮像平面を、前記特徴ベクトルの、前記既知の血管トポグラフィーに対する比較に基づいて決定するように構成されている、
    請求項5に記載のシステム。
  7. 前記CNNは、少なくとも、前記既知の血管トポグラフィーの接続性情報に基づいて決定された共分散行列に基づいてさらにトレーニングされ、前記接続性情報は、前記既知の血管トポグラフィーにおいて示される血管に沿った諸血管位置に対応する座標を含む、
    請求項1に記載のシステム。
  8. 前記動き制御構成は前記超音波撮像コンポーネントの並進または回転の少なくとも一方を含む、請求項1に記載のシステム。
  9. 前記処理コンポーネントと通信するユーザー・インターフェースをさらに有しており、該ユーザー・インターフェースは、前記経頭蓋検査の型または前記経頭蓋検査に関連する目標血管位置の少なくとも一方の選択を受領するように構成され、前記処理コンポーネントはさらに、該選択に基づいて前記第二の撮像位置を決定するように構成されている、請求項1に記載のシステム。
  10. 前記処理コンポーネントと通信するディスプレイをさらに有しており、該ディスプレイは、前記超音波撮像コンポーネントが前記第二の撮像位置に位置決めし直されるよう、前記超音波撮像コンポーネントを操作するための、前記動き制御構成に基づく指示を表示するように構成されている、請求項1に記載のシステム。
  11. 前記処理コンポーネントと通信するディスプレイをさらに有しており、該ディスプレイは、前記第一の撮像位置に関連する第一の撮像平面、前記第二の撮像位置に関連する第二の撮像平面または患者の脳の血管のうちの少なくとも一つの、前記既知の血管トポグラフィー上でのオーバーレイを含むグラフィカル・ビューを表示するように構成されている、請求項1に記載のシステム。
  12. 前記処理コンポーネントと通信するディスプレイをさらに有しており、前記ディスプレイは、前記第二の撮像位置に関連する患者の脳の血管の期待されるビューの、前記既知の血管トポグラフィー上でのオーバーレイを含むグラフィカル・ビューを表示するように構成されている、請求項1に記載のシステム。
  13. 医療超音波撮像の方法であって:
    超音波撮像コンポーネントが患者に対して第一の撮像位置に位置されている間に患者の脳の血管を表わす第一の画像を該超音波撮像コンポーネントから受領する段階と;
    前記第一の画像に畳み込みネットワーク(CNN)を適用して、前記超音波撮像コンポーネントを前記第一の撮像位置から、経頭蓋検査に関連する第二の撮像位置に位置決めし直すための動き制御構成を生成する段階とを含み、前記CNNは、少なくとも既知の血管トポグラフィーに基づいてトレーニングされている、
    方法。
  14. 患者の脳の血管内に関連するドップラー情報を、前記第一の画像に関連するデータに基づいて決定する段階をさらに含み、
    前記CNNは、前記ドップラー情報に適用される、
    請求項13に記載の方法。
  15. 患者の脳の血管に関連する接続性情報を、前記ドップラー情報に基づいて決定する段階であって、該接続性情報は、患者の脳の血管に沿った諸血管位置に対応する座標を含む、段階と;
    前記接続性情報に基づいて共分散行列を決定する段階とをさらに含み、前記CNNは、前記共分散行列に適用される、
    請求項14に記載の方法。
  16. 前記CNNを前記ドップラー情報に適用して、患者の脳の血管を表わす特徴ベクトルを決定する段階と;
    前記既知の血管トポグラフィー内の前記撮像平面を、前記特徴ベクトルの、前記既知の血管トポグラフィーに対する比較に基づいて決定する段階と;
    前記撮像平面と前記既知の血管トポグラフィー内での前記経頭蓋検査に関連する目標撮像平面とに基づいて、前記動き制御構成を決定する段階であって、前記動き制御構成は前記超音波撮像コンポーネントを走査するための並進または回転の少なくとも一方を含む、段階とをさらに含む、
    請求項14に記載の方法。
  17. 前記経頭蓋検査の型または前記経頭蓋検査に関連する目標血管位置の少なくとも一方の選択を受領する段階と;
    前記選択に基づいて前記第二の撮像位置を決定する段階とをさらに含む、
    請求項13に記載の方法。
  18. 前記超音波撮像コンポーネントが前記第二の撮像位置に位置決めし直されるよう、前記超音波撮像コンポーネントを操作するための、前記動き制御構成に基づく指示を、ディスプレイまたはロボット・システムの少なくとも一方に送信する段階をさらに含み、前記指示は、前記超音波撮像コンポーネントの並進または回転の少なくとも一方を含む、
    請求項13に記載の方法。
  19. 前記第一の撮像位置に関連する第一の撮像平面、前記第二の撮像位置に関連する第二の撮像平面または患者の脳の血管のうちの少なくとも一つの、前記既知の血管トポグラフィー上でのオーバーレイを含むグラフィカル・ビューを表示する段階をさらに含む、
    請求項13に記載の方法。
  20. 前記第二の撮像位置に関連する患者の脳の血管の期待されるビューの、前記既知の血管トポグラフィー上でのオーバーレイを含むグラフィカル・ビューを表示する段階をさらに含む、
    請求項13に記載の方法。
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