JP2021503443A - ムスカリン性アセチルコリン受容体m4のアンタゴニスト - Google Patents

ムスカリン性アセチルコリン受容体m4のアンタゴニスト Download PDF

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クレイグ ダブリュー リンズレイ
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Abstract

ムスカリン性アセチルコリン受容体M4(mAChR M4)のアンタゴニストとして有用であり得る置換ヘキサヒドロ−1H−シクロペンタ[c]ピロール化合物が本明細書に開示される。化合物を製造する方法、化合物を含む医薬組成物並びに化合物及び組成物を使用して障害を治療する方法も本明細書に開示される。

Description

関連出願の相互参照
本出願は、2017年10月31日に出願された米国仮特許出願第62/579,678号に対する優先権を主張し、この出願は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
本開示は、ムスカリン性アセチルコリン受容体機能不全に関連する障害を治療するための化合物、組成物及び方法に関する。
パーキンソン病(PD)は、年齢の関数として有病率が増加する、2番目に最も一般的な神経変性疾患である。さらに、早期発症PDも増加している。PDの顕著な特徴は、黒質(SN)及び基底核(BG)におけるドーパミン作動性ニューロンの進行性変性及び損失であり、寡動、振戦、硬直、歩行機能障害及び姿勢不安定を含む顕著な運動症状をもたらす。現在、レボドパ(L−DOPA)は、運動症状を治療するための標準治療であるが、それは、治癒的ではなく、長期使用によりL−DOPA誘発ジスキネジア(LID)を引き起こす可能性がある。
L−DOPA以前には、抗コリン作動性を有する化合物が好ましいPD治療方法であった。コリン作動性ニューロンは、BG運動回路の重要な神経調節制御を提供する。基底核経路に対するコリン作動性経路の作用は、複雑であるが、ムスカリン性アセチルコリン受容体(mAChR)の活性化は、一般に、ドーパミン(DA)シグナル伝達に対抗する作用を有する。例えば、mAChRアゴニストは、DA放出を阻害し、DAレベル及びシグナル伝達を増加させる薬物の複数の行動効果を阻害する。興味深いことに、ムスカリン性アセチルコリン受容体(mAChR)アンタゴニストは、PDのための最初に利用可能な治療であり、この障害の治療のために依然として広く使用されている。mAChRアンタゴニストの作用に関する多くの研究は、ランダム化比較試験が導入される前に実施されたが、最近の十分に制御された二重盲検クロスオーバー設計研究は、mAChRアンタゴニストを受けている患者での運動機能の複数の局面における有意な改善を実証する。残念ながら、mAChRアンタゴニストは、多数の末梢性有害作用並びに錯乱及び重度の認知障害を含む、それらの臨床的有用性を厳しく制限する多数の用量制限有害作用を有する。
mAChRアンタゴニストに関連した有害作用は、許容され得る用量を制限するため、以前の臨床研究は、mAChRアンタゴニストの用量が、これらの薬剤の抗パーキンソン病効果に関与する特異的mAChRサブタイプのより完全な遮断を達成するために増加され得る場合に達成され得る効力を過小評価し得る。mAChRは、M1〜M5と呼ばれる5つのサブタイプを含む。スコポラミンなどの利用可能なmAChRアンタゴニストは、これらのサブタイプにわたって非選択的であり、それらの有害作用の多くは、抗パーキンソン病活性に関与しないmAChRサブタイプによって媒介される可能性が高い。したがって、個々のmAChRに対してより選択的なプロファイルを有する化合物は、PD及びジストニアなどの関連障害において利点を提供し得る。例えば、いくつかの研究は、M4 mAChRサブタイプが基底核運動機能のmAChR調節において支配的な役割を果たし得ることを示している。
一態様では、式(I)
Figure 2021503443
(式中、
Aは、N、O、及びSから独立して選択される1、2若しくは3個のヘテロ原子を有する5若しくは6員のヘテロアリーレンであり;
Qは、NRa及びOから選択され;
mは、0、1、又は2であり;
1は、ヘテロアリール、アリール、ヘテロシクリル、シクロアルキル、水素、ハロ、−ORb、−NRcd、及び−NHCOReから選択され;
nは、1又は2であり;
各R2は、水素、C1〜C4アルキル、ハロ、及び−ORfから独立して選択され;
3は、水素及びC1〜C4アルキルから選択され;
4は、−(CRghp−Y’、水素、C1〜C8アルキル、及びC1〜C8アルケニルから選択され;
5は、水素、C1〜C4アルキル、ハロ、C1〜C4ハロアルキル、C1〜C4アルコキシ、及びC1〜C4ハロアルコキシから選択され;
Y’は、シクロアルキル、シクロアルケニル、複素環、アリール、及びヘテロアリールから選択され;
各Ra、Rb、Rc、Rd、Re、及びRfは、水素、C1〜C4アルキル、C3〜C6シクロアルキル、及びアリールから独立して選択され;
各Rgは、水素及びC1〜C4アルキルから独立して選択され;
各Rhは、水素、C1〜C4アルキル、C3〜C6シクロアルキル、及びアリールから独立して選択され;
pは、0、1、2、3、又は4であり;
ここで、各アリール、ヘテロアリール、アリーレン、ヘテロアリーレン、シクロアルキル、シクロアルケニル、及び複素環は、独立して、非置換であるか、又は1、2若しくは3個の置換基で置換されている)
の化合物、又はその薬学的に許容される塩が開示される。
別の態様では、本発明は、式(I)の化合物、又はその薬学的に許容される塩と、薬学的に許容される担体とを含む医薬組成物を提供する。
別の態様では、本発明は、ムスカリン性アセチルコリン受容体機能不全に関連する障害の治療方法であって、治療有効量の式(I)の化合物、又はその薬学的に許容される塩若しくは組成物を、それが必要な対象に投与する工程を含む方法を提供する。
別の態様では、本発明は、対象においてmAChR M4に拮抗する方法であって、治療有効量の式(I)の化合物、又はその薬学的に許容される塩若しくは組成物を対象に投与する工程を含む方法を提供する。
別の態様では、本発明は、神経変性疾患、運動障害、又は脳障害の治療方法であって、治療有効量の式(I)の化合物、又はその薬学的に許容される塩若しくは組成物を、それが必要な対象に投与する工程を含む方法を提供する。
別の態様では、本発明は、神経変性疾患、運動障害、又は脳障害の治療に使用するための、式(I)の化合物、又はその薬学的に許容される塩若しくは組成物を提供する。
別の態様では、本発明は、対象におけるmAChR M4の拮抗に使用するための、式(I)の化合物、又はその薬学的に許容される塩若しくは組成物を提供する。
別の態様では、本発明は、神経変性疾患、運動障害、又は脳障害の治療を目的とする医薬の製造における、式(I)の化合物、又はその薬学的に許容される塩若しくは組成物の使用を提供する。
別の態様では、本発明は、対象においてmAChR M4に拮抗するための医薬の製造における、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩若しくは組成物の使用を提供する。
別の態様では、本発明は、式(I)の化合物、又はその薬学的に許容される塩若しくは組成物、及び使用説明書を含むキットを提供する。
また、化合物、化合物を製造する方法、化合物を含むキット、並びに哺乳動物においてムスカリン性アセチルコリン受容体機能不全に関連する、神経及び/若しくは精神障害などの障害の治療を目的とする化合物、組成物及びキットの使用方法を含む医薬組成物も開示される。
本明細書には、ムスカリン性アセチルコリン受容体M4(mAChR M4)のアンタゴニストである化合物、その化合物を製造する方法、その化合物を含む医薬組成物、並びにその化合物及び医薬組成物を用いて障害を治療する方法が開示される。化合物には、置換ヘキサヒドロ−1H−シクロペンタ[c]ピロール化合物が含まれる。
1.定義
別段の定義がない限り、本明細書で使用されるすべての技術及び科学用語は、当業者によって普通に理解されるものと同じ意味を有する。矛盾する場合、本明細書が定義を含めて優先される。好ましい方法及び材料が以下に記載されるが、本明細書に記載したものと類似の又は均等な方法及び材料を本明細書の実施又は試験において使用することができる。本明細書で言及したすべての刊行物、特許出願、特許及び他の参考文献の全体が参照により本明細書に組み込まれる。本明細書に開示した材料、方法及び実施例は、実例に過ぎず、限定的であることを意図されない。
用語「含む」、「含まれる」、「有すること」、「有する」、「することができる」、「含有する」及びその異形は、本明細書で使用する場合、追加の作用又は構造の可能性を排除しない、制約のない移行する句、用語又は単語であることが意図される。単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」及び「その(the)」には、文脈によって他に明確に指示しない限り複数の指示内容が含まれる。本開示は、明確に説明してもしなくても、本明細書で提供される実施形態又は要素を「含む」、「それからなる」及び「それから本質的になる」他の実施形態も意図する。
量に関連して使用される修飾語句「約」は、表示された値を含んでおり、文脈によって決まる意味を有する(例えば、これは、特定の量の測定に伴う最小の程度の誤差を含む)。修飾語句「約」はまた、2つの端点の絶対値によって定義される範囲を明らかにするものとみなされるべきである。例えば、表現「約2〜約4」は、範囲「2〜4」も開示する。用語「約」は、示された数のプラスマイナス10%を指すことができる。例えば、「約10%」は、9%〜11%の範囲を示すことができ、「約1」は、0.9〜1.1を意味することができる。四捨五入などの「約」の他の意味は、文脈から明らかであり得、したがって、例えば、「約1」は、0.5〜1.4も意味することができる。
具体的な官能基及び化学用語の定義を以下により詳細に記載する。本開示の目的では、化学元素は、Periodic Table of the Elements,CAS version,Handbook of Chemistry and Physics,75th Ed.(表紙裏)に従って同定され、具体的な官能基は、概して、その中に記載されている通りに定義される。さらに、有機化学の一般原則並びに具体的な官能基及び反応性は、Organic Chemistry,Thomas Sorrell,University Science Books,Sausalito,1999;Smith and March March’s Advanced Organic Chemistry,5th Edition,John Wiley&Sons,Inc.,New York,2001;Larock,Comprehensive Organic Transformations,VCH Publishers,Inc.,New York,1989;Carruthers,Some Modern Methods of Organic Synthesis,3rd Edition,Cambridge University Press,Cambridge,1987(これらのそれぞれの内容全体が参照により本明細書に組み込まれる)に記載されている。
用語「アルコキシ」は、本明細書で使用する場合、酸素原子を介して親分子部分に付加される、本明細書で定義する通りのアルキル基を指す。アルコキシの代表例としては、限定はされないが、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、2−プロポキシ、ブトキシ及びtert−ブトキシが挙げられる。
用語「アルキル」は、本明細書で使用する場合、1〜10個の炭素原子を含有する直鎖又は分枝の飽和炭化水素鎖を意味する。用語「低級アルキル」又は「C1〜C6−アルキル」は、1〜6個の炭素原子を含有する直鎖又は分枝鎖炭化水素を意味する。用語「C1〜C3−アルキル」は、1〜3個の炭素原子を含有する直鎖又は分枝鎖炭化水素を意味する。アルキルの代表例としては、限定はされないが、メチル、エチル、n−プロピル、イソ−プロピル、n−ブチル、sec−ブチル、イソ−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、n−ヘキシル、3−メチルヘキシル、2,2−ジメチルペンチル、2,3−ジメチルペンチル、4,4−ジメチルペンタン−2−イル、n−ヘプチル、n−オクチル、n−ノニル及びn−デシルが挙げられる。
用語「アルケニル」は、本明細書で使用する場合、少なくとも1つの炭素−炭素二重結合と、2〜10個の炭素原子とを含有する直鎖又は分枝の炭化水素鎖を意味する。
用語「アルコキシアルキル」は、本明細書で使用する場合、本明細書で定義する通りのアルキル基を介して親分子部分に付加される、本明細書で定義する通りのアルコキシ基を指す。
用語「アルコキシフルオロアルキル」は、本明細書で使用する場合、本明細書で定義する通りのフルオロアルキル基を介して親分子部分に付加される、本明細書で定義する通りのアルコキシ基を指す。
用語「アルキレン」は、本明細書で使用する場合、1〜10個の炭素原子、例えば2〜5個の炭素原子の直鎖又は分枝鎖炭化水素に由来する二価の基を指す。アルキレンの代表例としては、限定はされないが、−CH2CH2−、−CH2CH2CH2−、−CH2CH(CH3)CH2−、−CH2CH2CH2CH2−、−CH2CH(CH3)CH2CH2−及びCH2CH2CH2CH2CH2−が挙げられる。
用語「アルキルアミノ」は、本明細書で使用する場合、本明細書で定義する通りのアミノ基を介して親分子部分に付加される、本明細書で定義する通りの少なくとも1個のアルキル基を意味する。
用語「アミド」は、本明細書で使用する場合、−C(O)NR−又はNRC(O)−(式中、Rは、水素、アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、複素環、アルケニル又はヘテロアルキルであり得る)を意味する。
用語「アミノアルキル」は、本明細書で使用する場合、本明細書で定義する通りのアルキレン基を介して親分子部分に付加される、本明細書で定義する通りの少なくとも1個のアミノ基を意味する。
用語「アミノ」は、本明細書で使用する場合、−NRxy(式中、Rx及びRyは、水素、アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、複素環、アルケニル又はヘテロアルキルであり得る)を意味する。アミノアルキル基又はアミノが2つの他の部分を共に付加するいずれかの他の部分の場合、アミノは、−NRx−(式中、Rxは、水素、アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、複素環、アルケニル又はヘテロアルキルであり得る)であり得る。
用語「アリール」は、本明細書で使用する場合、フェニル基又は二環式縮合環系を指す。二環式縮合環系は、親分子部分に付加され、本明細書で定義されるシクロアルキル基、本明細書で定義されるフェニル基、ヘテロアリール基又は本明細書で定義される複素環に縮合されたフェニル基によって例示される。アリールの代表例としては、限定されるものではないが、インドールイル、ナフチル、フェニル、ベンゾジオキソールイル及びテトラヒドロキノリンイルが挙げられる。
用語「シアノアルキル」は、本明細書で使用する場合、本明細書で定義する通りのアルキレン基を介して親分子部分に付加される少なくとも1個の−CN基を意味する。
用語「シアノフルオロアルキル」は、本明細書で使用する場合、本明細書で定義する通りのフルオロアルキル基を介して親分子部分に付加される少なくとも1個の−CN基を意味する。
用語「シクロアルコキシ」は、本明細書で使用する場合、酸素原子を介して親分子部分に付加された、本明細書で定義されるシクロアルキル基を指す。
用語「シクロアルキル」は、本明細書で使用する場合、3〜10個の炭素原子、0個のヘテロ原子及び0個の二重結合を含む炭素環系を指す。シクロアルキルは、単環式、二環式、架橋、縮合又はスピロ環式であり得る。シクロアルキルの代表例としては、限定はされないが、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロノニル、シクロデシル、アダマンチル及びビシクロ[1.1.1]ペンタニルが挙げられる。「シクロアルキル」には、シクロアルキル基が親分子部分に付加され、且つ本明細書で定義する通りのアリール基(例えば、フェニル基)、本明細書で定義する通りのヘテロアリール基又は本明細書で定義する通りの複素環と縮合されている炭素環系も含まれる。こうしたシクロアルキル基の代表例としては、限定はされないが、2,3−ジヒドロ−1H−インデニル(例えば、2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イル及び2,3−ジヒドロ−1H−インデン−2−イル)、6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタ[b]ピリジニル(例えば、6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタ[b]ピリジン−6−イル)、オキサスピロ[3.3]ヘプタニル(例えば、2−オキサスピロ[3.3]ヘプタン−6−イル)及び5,6,7,8−テトラヒドロキノリニル(例えば、5,6,7,8−テトラヒドロキノリン−5−イル)が挙げられる。
用語「シクロアルケニル」は、本明細書で使用する場合、少なくとも1つの炭素−炭素二重結合を含有し、且つ、環ごとに5〜10個の炭素原子を好ましくは有する非芳香族単環式又は多環式環系を意味する。シクロアルケニルは、単環式、二環式、架橋、縮合、又はスピロ環状であってもよい。例示的な単環式シクロアルケニル環としては、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロヘプテニル、及びビシクロ[2.2.1]ヘプテニルが挙げられる。
用語「フルオロアルキル」は、本明細書で使用する場合、1、2、3、4、5、6、7又は8個の水素原子がフッ素によって置き換えられている、本明細書で定義する通りのアルキル基を意味する。フルオロアルキルの代表例としては、限定はされないが、2−フルオロエチル、2,2,2−トリフルオロエチル、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル、ペンタフルオロエチル及びトリフルオロプロピル(3,3,3−トリフルオロプロピルなど)が挙げられる。
用語「フルオロアルコキシ」は、本明細書で使用する場合、酸素原子を介して親分子部分に付加される、本明細書で定義する通りの少なくとも1個のフルオロアルキル基を意味する。フルオロアルコキシの代表例としては、限定はされないが、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ及び2,2,2−トリフルオロエトキシが挙げられる。
用語「ハロゲン」又は「ハロ」は、本明細書で使用する場合、Cl、Br、I又はFを意味する。
用語「ハロアルキル」は、本明細書で使用する場合、1、2、3、4、5、6、7又は8個の水素原子がハロゲンによって置き換えられている、本明細書で定義する通りのアルキル基を意味する。
用語「ハロアルコキシ」は、本明細書で使用する場合、酸素原子を介して親分子部分に付加される、本明細書で定義する通りの少なくとも1個のハロアルキル基を意味する。
用語「ハロシクロアルキル」は、本明細書で使用する場合、1個以上の水素原子がハロゲンによって置き換えられている、本明細書で定義する通りのシクロアルキル基を意味する。
用語「ヘテロアルキル」は、本明細書で使用する場合、1個以上の炭素原子が、S、O、P及びNから選択されるヘテロ原子によって置き換えられている、本明細書で定義する通りのアルキル基を意味する。ヘテロアルキルの代表例としては、限定はされないが、アルキルエーテル、二級及び三級アルキルアミン、アミド及び硫化アルキルが挙げられる。
用語「ヘテロアリール」は、本明細書で使用する場合、芳香族単環式環又は芳香族二環式環系を指す。芳香族単環式環は、N、O及びSからなる群から独立して選択される少なくとも1個のヘテロ原子(例えば、O、S及びNからなる群から独立して選択される1、2、3又は4個のヘテロ原子)を含有する5又は6員環である。5員の芳香族単環式環は、2つの二重結合を有し、6員の芳香族単環式環は、3つの二重結合を有する。二環式ヘテロアリール基は、親分子部分に付加され、且つ本明細書で定義する通りの単環式シクロアルキル基、本明細書で定義する通りの単環式アリール基、本明細書で定義する通りの単環式ヘテロアリール基、又は本明細書で定義する通りの単環式複素環と縮合されている単環式ヘテロアリール環によって例示される。ヘテロアリールの代表例としては、限定はされないが、インドリル、ピリジニル(ピリジン−2−イル、ピリジン−3−イル、ピリジン−4−イルが含まれる)、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、ピラゾリル、ピロリル、ベンゾピラゾリル、1,2,3−トリアゾリル、1,3,4−チアジアゾリル、1,2,4−チアジアゾリル、1,3,4−オキサジアゾリル、1,2,4−オキサジアゾリル、イミダゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、チエニル、ベンズイミダゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾオキサジアゾリル、ベンゾチエニル、ベンゾフラニル、イソベンゾフラニル、フラニル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、プリニル、イソインドリル、キノキサリニル、インダゾリル、キナゾリニル、1,2,4−トリアジニル、1,3,5−トリアジニル、イソキノリニル、キノリニル、6,7−ジヒドロ−1,3−ベンゾチアゾリル、イミダゾ[1,2−a]ピリジニル、ナフチリジニル、ピリドイミダゾリル、チアゾロ[5,4−b]ピリジン−2−イル、チアゾロ[5,4−d]ピリミジン−2−イルが挙げられる。
用語「複素環」又は「複素環の」は、本明細書で使用する場合、単環式複素環、二環式複素環又は三環式複素環を意味する。単環式複素環は、O、N及びSからなる群から独立して選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含有する3、4、5、6、7又は8員環である。3又は4員環は、0又は1個の二重結合と、O、N及びSからなる群から選択される1個のヘテロ原子とを含有する。5員環は、0又は1個の二重結合と、O、N及びSからなる群から選択される1、2又は3個のヘテロ原子とを含有する。6員環は、0、1又は2個の二重結合と、O、N及びSからなる群から選択される1、2又は3個のヘテロ原子とを含有する。7及び8員環は、0、1、2又は3個の二重結合と、O、N及びSからなる群から選択される1、2又は3個のヘテロ原子とを含有する。単環式複素環の代表例としては、限定はされないが、アゼチジニル、アゼパニル、アジリジニル、ジアゼパニル、1,3−ジオキサニル、1,3−ジオキソラニル、1,3−ジチオラニル、1,3−ジチアニル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、イソチアゾリニル、イソチアゾリジニル、イソオキサゾリニル、イソオキサゾリジニル、モルホリニル、2−オキソ−3−ピペリジニル、2−オキソアゼパン−3−イル、オキサジアゾリニル、オキサジアゾリジニル、オキサゾリニル、オキサゾリジニル、オキセタニル、オキセパニル、オキソカニル、ピペラジニル、ピペリジニル、ピラニル、ピラゾリニル、ピラゾリジニル、ピロリニル、ピロリジニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロピリジニル、テトラヒドロチエニル、チアジアゾリニル、チアジアゾリジニル、1,2−チアジナニル、1,3−チアジナニル、チアゾリニル、チアゾリジニル、チオモルホリニル、1,1−ジオキシドチオモルホリニル(チオモルホリンスルホン)、チオピラニル及びトリチアニルが挙げられる。二環式複素環は、フェニル基と縮合した単環式複素環、又は単環式シクロアルキルと縮合した単環式複素環、又は単環式シクロアルケニルと縮合した単環式複素環、又は単環式複素環、若しくはスピロ複素環基、若しくは架橋単環式複素環系(ここで、環の2個の非隣接原子は、1、2、3若しくは4個の炭素原子のアルキレン架橋、又は2、3若しくは4個の炭素原子のアルケニレン架橋によって連結されている)と縮合した単環式複素環である。二環式複素環の代表例としては、限定はされないが、ベンゾピラニル、ベンゾチオピラニル、クロマニル、2,3−ジヒドロベンゾフラニル、2,3−ジヒドロベンゾチエニル、2,3−ジヒドロイソキノリン、2−アザスピロ[3.3]ヘプタン−2−イル、2−オキサ−6−アザスピロ[3.3]ヘプタン−6−イル、アザビシクロ[2.2.1]ヘプチル(2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イルが含まれる)、オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタニル(7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン−3−イルが含まれる)、アザビシクロ[3.1.0]ヘキサニル(3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン−3−イルが含まれる)、2,3−ジヒドロ−1H−インドリル、イソインドリニル、オクタヒドロシクロペンタ[c]ピロリル、オクタヒドロピロロピリジニル及びテトラヒドロイソキノリニルが挙げられる。三環式複素環は、フェニル基と縮合した二環式複素環、又は単環式シクロアルキルと縮合した二環式複素環、又は単環式シクロアルケニルと縮合した二環式複素環、又は単環式複素環と縮合した二環式複素環、又は二環式環の2個の非隣接原子が1、2、3若しくは4個の炭素原子のアルキレン架橋、又は1、2、3若しくは4個の炭素原子のアルケニレン架橋によって連結された二環式複素環によって例示される。三環式複素環の例としては、限定はされないが、オクタヒドロ−2,5−エポキシペンタレン、ヘキサヒドロ−2H−2,5−メタノシクロペンタ[b]フラン、ヘキサヒドロ−1H−1,4−メタノシクロペンタ[c]フラン、アザ−アダマンタン(1−アザトリシクロ[3.3.1.13,7]デカン)及びオキサ−アダマンタン(2−オキサトリシクロ[3.3.1.13,7]デカン)が挙げられる。これらの単環式、二環式及び三環式複素環は、環内に含まれるいずれかの炭素原子又はいずれかの窒素原子を介して親分子部分に連結され、且つ非置換であるか又は置換されていてよい。
用語「ヒドロキシル」又は「ヒドロキシ」は、本明細書で使用する場合、−OH基を意味する。
用語「ヒドロキシアルキル」は、本明細書で使用する場合、本明細書で定義する通りのアルキレン基を介して親分子部分に付加される少なくとも1個の−OH基を意味する。
用語「ヒドロキシフルオロアルキル」は、本明細書で使用する場合、本明細書で定義する通りのフルオロアルキル基を介して親分子部分に付加される少なくとも1個の−OH基を意味する。
いくつかの場合、ヒドロカルビル置換基(例えば、アルキル又はシクロアルキル)内の炭素原子の数は、接頭辞「Cx〜Cy−」(式中、xは、置換基内の炭素原子の最小数であり、yは、最大数である)によって示される。したがって、例えば、「C1〜C3−アルキル」は、1個〜3個の炭素原子を含有するアルキル置換基を指す。
用語「スルホンアミド」は、本明細書で使用する場合、−S(O)2NR−又は−NRS(O)−を意味し、ここで、Rは、水素、アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、複素環、アルケニル又はヘテロアルキルであり得る。
用語「置換基」は、アリール、ヘテロアリール、フェニル又はピリジニル基上の、その基のいずれかの原子が「置換された」基を指す。いかなる原子も置換することができる。
用語「置換される」は、水素ではない1個以上の置換基でさらに置換される可能性がある基を指す。置換基としては、限定はされないが、ハロゲン、=O(オキソ)、=S(チオキソ)、シアノ、ニトロ、フルオロアルキル、アルコキシフルオロアルキル、フルオロアルコキシ、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、ハロアルコキシ、ヘテロアルキル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール、複素環、シクロアルキルアルキル、ヘテロアリールアルキル、アリールアルキル、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、アルコキシアルキル、アルキレン、アリールオキシ、フェノキシ、ベンジルオキシ、アミノ、アルキルアミノ、アシルアミノ、アミノアルキル、アリールアミノ、スルホニルアミノ、スルフィニルアミノ、スルホニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、アミノスルホニル、スルフィニル、−COOH、ケトン、アミド、カルバメート及びアシルが挙げられる。例えば、ある基(アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロアルキル、複素環又は他の基(R基など)など)が「置換されていてもよい」と記載されている場合、これは、ハロゲン、=O(オキソ)、=S(チオキソ)、シアノ、ニトロ、フルオロアルキル、アルコキシフルオロアルキル、フルオロアルコキシ、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、ハロアルコキシ、ヘテロアルキル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール、複素環、シクロアルキルアルキル、ヘテロアリールアルキル、アリールアルキル、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、アルコキシアルキル、アルキレン、アリールオキシ、フェノキシ、ベンジルオキシ、アミノ、アルキルアミノ、アシルアミノ、アミノアルキル、アリールアミノ、スルホニルアミノ、スルフィニルアミノ、スルホニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、アミノスルホニル、スルフィニル、−COOH、ケトン、アミド、カルバメート及びアシルから独立して選択される0、1、2、3、4又は5個の置換基を有し得る。
用語
Figure 2021503443
は、単結合
Figure 2021503443
又は二重結合
Figure 2021503443
を示す。
本明細書に記載した化合物について、原子及び置換基の認められた価数に従って、選択及び置換により、安定な化合物(例えば、これは、再編成、環化、脱離などによるものなどの転換を自然発生的に受けない)がもたらされるように、その基及び置換基を選択することができる。
本明細書で使用される用語「mAChR M4受容体アンタゴニスト」は、例えば、動物、特に哺乳動物(例えば、ヒト)において、mAChR M4に直接的又は間接的に拮抗する任意の外因的に投与される化合物又は薬剤を指す。
本明細書の数値範囲の列挙について、それぞれその間にある数が同じ程度の精度で明確に意図される。例えば、6〜9の範囲について、6及び9に加えて、数値7及び8が意図され、範囲6.0〜7.0について、数値6.0、6.1、6.2、6.3、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、6.9及び7.0が明確に意図される。
2.化合物
一態様では、式(I):
Figure 2021503443
(式中、
Aは、N、O、及びSから独立して選択される1、2若しくは3個のヘテロ原子を有する5若しくは6員のヘテロアリーレンであり;
Qは、NRa及びOから選択され;
mは、0、1、又は2であり;
1は、ヘテロアリール、アリール、ヘテロシクリル、シクロアルキル、水素、ハロ、−ORb、−NRcd、及び−NHCOReから選択され;
nは、1又は2であり;
各R2は、水素、C1〜C4アルキル、ハロ、及び−ORfから独立して選択され;
3は、水素及びC1〜C4アルキルから選択され;
4は、−(CRghp−Y’、水素、C1〜C8アルキル、及びC1〜C8アルケニルから選択され;
5は、水素、C1〜C4アルキル、ハロ、C1〜C4ハロアルキル、C1〜C4アルコキシ、及びC1〜C4ハロアルコキシから選択され;
Y’は、シクロアルキル、シクロアルケニル、複素環、アリール、及びヘテロアリールから選択され;
各Ra、Rb、Rc、Rd、Re、及びRfは、水素、C1〜C4アルキル、C3〜C6シクロアルキル、及びアリールから独立して選択され;
各Rgは、水素及びC1〜C4アルキルから独立して選択され;
各Rhは、水素、C1〜C4アルキル、C3〜C6シクロアルキル、及びアリールから独立して選択され;
pは、0、1、2、3、又は4であり;
ここで、各アリール、ヘテロアリール、アリーレン、ヘテロアリーレン、シクロアルキル、シクロアルケニル、及び複素環は、独立して、非置換であるか、又は1、2若しくは3個の置換基で置換されている)
の化合物、又はその薬学的に許容される塩が開示される。
いくつかの実施形態では、各アリール、ヘテロアリール、アリーレン、ヘテロアリーレン、シクロアルキル、シクロアルケニル、及び複素環は、独立して、非置換であるか、又はC1〜C4アルキル、ハロ、C1〜C4ハロアルキル、C1〜C4アルコキシ、C1〜C4ハロアルコキシ、C1〜C4ヒドロキシアルキル、ヒドロキシ、シアノ、−NHCORe、及びベンジルから独立して選択される1、2若しくは3個の置換基で置換されている。
いくつかの実施形態では、Aは、以下:
Figure 2021503443
(式中、
Tは、O、S及びNHから選択され;
U、V、W、X、Y及びZは、N及びCRiから独立して選択され、ここで、W、X、Y、及びZの少なくとも1つは、Nであり、且つ、U及びVの少なくとも1つは、Nであり;並びに
各Riは、水素、C1〜C4アルキル、ハロ、C1〜C4ハロアルキル、C1〜C4アルコキシ、C1〜C4ハロアルコキシ、及びヒドロキシから独立して選択される)
から選択される。
いくつかの実施形態では、Aは、以下:
Figure 2021503443
から選択される。
いくつかの実施形態では、Aは、
Figure 2021503443
である。
いくつかの実施形態では、Qは、NRaであり、Raは、水素である。
いくつかの実施形態では、Qは、Oである。
いくつかの実施形態では、mは、0である。
いくつかの実施形態では、mは、1である。
いくつかの実施形態では、mは、2である。
いくつかの実施形態では、mは、1であり、R5は、水素である。
いくつかの実施形態では、mは、2であり、各R5は、水素である。
いくつかの実施形態では、R1は、アリール(例えば、フェニル又はベンゾジオキソリル)、ヘテロアリール(例えば、N、O、及びSから独立して選択される1、2若しくは3個のヘテロ原子を有する5又は6員のヘテロアリール、例えば、ピラゾリル又はイソキサゾリル)、ヘテロシクリル(例えば、N、O、及びSから独立して選択される1、2若しくは3個のヘテロ原子を有する5又は6員の複素環、例えば、モルホリノ)、並びにシクロアルキル(例えば、C3〜C7シクロアルキル)から選択される。
いくつかの実施形態では、R1は、フェニル、N、O、及びSから独立して選択される1、2若しくは3個のヘテロ原子を有する5又は6員のヘテロアリール、並びにN、O、及びSから独立して選択される1、2若しくは3個のヘテロ原子を有する5又は6員の複素環から選択され、フェニル、ヘテロアリール、又は複素環は、非置換であるか、又はハロ、C1〜C4アルキル、C1〜C4ハロアルキル、及び−NHCOReから独立して選択される1、2若しくは3個の置換基で置換されている。
いくつかの実施形態では、R1は、非置換であるか、又はハロ、C1〜C4アルキル、C1〜C4ハロアルキル、及び−NHCOReから独立して選択される1、2若しくは3個の置換基で置換されたフェニルである。いくつかの実施形態では、R1は、ハロ、C1〜C4ハロアルキル、及び−NHCOReから独立して選択される1若しくは2個の置換基で置換されたフェニルである。いくつかの実施形態では、R1は、フルオロ及びクロロで置換されたフェニルである。いくつかの実施形態では、R1は、2−クロロ−5−フルオロ−フェニルである。いくつかの実施形態では、R1は、アセトアミド基で置換されたフェニルである。いくつかの実施形態では、R1は、トリフルオロメチル基で置換されたフェニルである。
いくつかの実施形態では、R1は、N、O、及びSから独立して選択される1、2若しくは3個のヘテロ原子を有する5又は6員のヘテロアリールであり、これは、非置換であるか、又はハロ、C1〜C4アルキル、C1〜C4ハロアルキル、及び−NHCOReから独立して選択される1、2若しくは3個の置換基で置換されている。いくつかの実施形態では、R1は、N及びOから独立して選択される1、2若しくは3個のヘテロ原子を有する5員のヘテロアリールであり、これは、ハロ、C1〜C4アルキル、C1〜C4ハロアルキル、及び−NHCOReから独立して選択される1、2若しくは3個の置換基で置換されている。いくつかの実施形態では、R1は、ピラゾリル及びイソキサゾリルから選択され、それらの各々は、C1〜C4アルキルから独立して選択される2個の置換基で置換されている。いくつかの実施形態では、R1は、2,4−ジメチルピラゾール−3−イル、1,3−ジメチルピラゾール−4−イル、及び3,5−ジメチルイソキサゾリルから選択される。いくつかの実施形態では、R1は、2,4−ジメチルピラゾール−3−イルである。
いくつかの実施形態では、nは、1であり、R2は、水素である。
いくつかの実施形態では、R3は、水素である。
いくつかの実施形態では、R4は、−(CRghp−Y’及びC1〜C8アルキルから選択される。
いくつかの実施形態では、R4は、C4〜C6アルキルなどのC1〜C8アルキルである。いくつかの実施形態では、R4は、2,2−ジメチルプロピル、3,3−ジメチルブタン−2−イル、ペンタン−2−イル、及びsec−ブチルから選択される。
いくつかの実施形態では、R4は、−(CRghp−Y’であり;Rgは、水素であり;Rhは、水素であり;pは、0、1、2又は3であり;Y’は、以下:C3〜C10シクロアルキル、C3〜C8シクロアルケニル、アリール、N、O、及びSから独立して選択される1、2若しくは3個のヘテロ原子を有する5又は6員のヘテロアリール、並びにN、O、及びSから独立して選択される1、2若しくは3個のヘテロ原子を有する5、6又は7員の複素環から選択され;ここで、Y’は、非置換であるか、又はハロ及びC1〜C4アルキルから独立して選択される1又は2個の置換基で置換されている。いくつかの実施形態では、Y’は、C3〜C10シクロアルキル(例えば、シクロヘキシル、シクロヘプチル、又はアダマンチル)である。いくつかの実施形態では、Y’は、C3〜C8シクロアルケニル(例えば、ビシクロ[2.2.1]ヘプテニル)である。いくつかの実施形態では、Y’は、アリール(例えば、フェニル又はベンゾジオキソリル)であり、これは、非置換であってもよいし、又はハロ(例えば、フルオロ)及びC1〜C4アルキル(例えば、メチル)から独立して選択される1若しくは2個の置換基で置換されていてもよい。いくつかの実施形態では、Y’は、N、O、及びSから独立して選択される1、2若しくは3個のヘテロ原子を有する5又は6員のヘテロアリール(例えば、ピリジル)であり、これは、非置換であるか、又はハロ(例えば、フルオロ)及びC1〜C4アルキル(例えば、メチル)から独立して選択される1若しくは2個の置換基で置換されている。いくつかの実施形態では、Y’は、N、O、及びSから独立して選択される1、2若しくは3個のヘテロ原子を有する5、6又は7員の複素環(例えば、テトラヒドロピラニル又はオキサビシクロ[2.2.1]ヘプタニル)である。
いくつかの実施形態では、各アリール、ヘテロアリール、アリーレン、ヘテロアリーレン、シクロアルキル、シクロアルケニル、及び複素環は、独立して、非置換であるか、又はC1〜C4アルキル、ハロ、C1〜C4ハロアルキル、C1〜C4アルコキシ、C1〜C4ハロアルコキシ、C1〜C4ヒドロキシアルキル、ヒドロキシ、シアノ、−NHCORe、及びベンジルから独立して選択される1、2若しくは3個の置換基で置換されている。
いくつかの実施形態では、各R5は、水素である。
いくつかの実施形態では、式(Ia):
Figure 2021503443
の化合物又はその薬学的に許容される塩が開示され、式中、Q、R1、m、R3、及びR4は、本明細書に記載される通りに定義されている。
いくつかの実施形態では、Qは、NRaであり、Raは、水素である。
いくつかの実施形態では、Qは、Oである。
いくつかの実施形態では、mは、0である。
いくつかの実施形態では、mは、1である。
いくつかの実施形態では、mは、2である。
いくつかの実施形態では、R1は、アリール(例えば、フェニル又はベンゾジオキソリル)、ヘテロアリール(例えば、N、O、及びSから独立して選択される1、2若しくは3個のヘテロ原子を有する5又は6員のヘテロアリール、例えば、ピラゾリル又はイソキサゾリル)、ヘテロシクリル(例えば、N、O、及びSから独立して選択される1、2若しくは3個のヘテロ原子を有する5又は6員の複素環、例えば、モルホリノ)、並びにシクロアルキル(例えば、C3〜C7シクロアルキル)から選択される。
いくつかの実施形態では、R1は、フェニル、N、O、及びSから独立して選択される1、2若しくは3個のヘテロ原子を有する5又は6員のヘテロアリール、及びN、O、及びSから独立して選択される1、2若しくは3個のヘテロ原子を有する5又は6員の複素環から選択され、フェニル、ヘテロアリール、若しくは複素環は、非置換であるか、又はハロ、C1〜C4アルキル、C1〜C4ハロアルキル、及び−NHCOReから独立して選択される1、2若しくは3個の置換基で置換されている。
いくつかの実施形態では、R1は、非置換であるか、又はハロ、C1〜C4アルキル、C1〜C4ハロアルキル、及び−NHCOReから独立して選択される1、2若しくは3個の置換基で置換されたフェニルである。いくつかの実施形態では、R1は、ハロ、C1〜C4ハロアルキル、及び−NHCOReから独立して選択される1若しくは2個の置換基で置換されたフェニルである。いくつかの実施形態では、R1は、フルオロ及びクロロで置換されたフェニルである。いくつかの実施形態では、R1は、2−クロロ−5−フルオロ−フェニルである。いくつかの実施形態では、R1は、アセトアミド基で置換されたフェニルである。いくつかの実施形態では、R1は、トリフルオロメチル基で置換されたフェニルである。
いくつかの実施形態では、R1は、N、O、及びSから独立して選択される1、2若しくは3個のヘテロ原子を有する5又は6員のヘテロアリールであり、これは、非置換であるか、又はハロ、C1〜C4アルキル、C1〜C4ハロアルキル、及び−NHCOReから独立して選択される1、2若しくは3個の置換基で置換されている。いくつかの実施形態では、R1は、N及びOから独立して選択される1、2若しくは3個のヘテロ原子を有する5員のヘテロアリールであり、これは、ハロ、C1〜C4アルキル、C1〜C4ハロアルキル、及び−NHCOReから独立して選択される1、2若しくは3個の置換基で置換されている。いくつかの実施形態では、R1は、ピラゾリル及びイソキサゾリルから選択され、それらの各々は、C1〜C4アルキルから独立して選択される2個の置換基で置換されている。いくつかの実施形態では、R1は、2,4−ジメチルピラゾール−3−イル、1,3−ジメチルピラゾール−4−イル、及び3,5−ジメチルイソキサゾリルから選択される。いくつかの実施形態では、R1は、2,4−ジメチルピラゾール−3−イルである。
いくつかの実施形態では、R3は、水素である。
いくつかの実施形態では、R4は、−(CRghp−Y’及びC1〜C8アルキルから選択される。
いくつかの実施形態では、R4は、C4〜C6アルキルなどのC1〜C8アルキルである。いくつかの実施形態では、R4は、2,2−ジメチルプロピル、3,3−ジメチルブタン−2−イル、ペンタン−2−イル、及びsec−ブチルから選択される。
いくつかの実施形態では、R4は、−(CRghp−Y’であり;Rgは、水素であり;Rhは、水素であり;pは、0、1、2又は3であり;Y’は、以下:C3〜C10シクロアルキル、C3〜C8シクロアルケニル、アリール、N、O、及びSから独立して選択される1、2若しくは3個のヘテロ原子を有する5又は6員のヘテロアリール、並びにN、O、及びSから独立して選択される1、2若しくは3個のヘテロ原子を有する5、6又は7員の複素環から選択され;ここで、Y’は、非置換であるか、又はハロ及びC1〜C4アルキルから独立して選択される1若しくは2個の置換基で置換されている。いくつかの実施形態では、Y’は、C3〜C10シクロアルキル(例えば、シクロヘキシル、シクロヘプチル、又はアダマンチル)である。いくつかの実施形態では、Y’は、C3〜C8シクロアルケニル(例えば、ビシクロ[2.2.1]ヘプテニル)である。いくつかの実施形態では、Y’は、アリール(例えば、フェニル又はベンゾジオキソリル)であり、これは、非置換であってもよいし、又はハロ(例えば、フルオロ)及びC1〜C4アルキル(例えば、メチル)から独立して選択される1若しくは2個の置換基で置換されていてもよい。いくつかの実施形態では、Y’は、N、O、及びSから独立して選択される1、2若しくは3個のヘテロ原子を有する5又は6員のヘテロアリール(例えば、ピリジル)であり、これは、非置換であるか、又はハロ(例えば、フルオロ)及びC1〜C4アルキル(例えば、メチル)から独立して選択される1若しくは2個の置換基で置換されている。いくつかの実施形態では、Y’は、N、O、及びSから独立して選択される1、2若しくは3個のヘテロ原子を有する5、6又は7員の複素環(例えば、テトラヒドロピラニル又はオキサビシクロ[2.2.1]ヘプタニル)である。
いくつかの実施形態では、各アリール、ヘテロアリール、アリーレン、ヘテロアリーレン、シクロアルキル、シクロアルケニル、及び複素環は、独立して、非置換であるか、又はC1〜C4アルキル、ハロ、C1〜C4ハロアルキル、C1〜C4アルコキシ、C1〜C4ハロアルコキシ、C1〜C4ヒドロキシアルキル、ヒドロキシ、シアノ、−NHCORe、及びベンジルから独立して選択される1、2若しくは3個の置換基で置換されている。
式(I)の代表的な化合物は以下を含むが、これらに限定されない:
2−(3,3−ジメチルブチル)−N−[6−(2,4−ジメチルピラゾール−3−イル)ピリダジン−3−イル]−3,3a,4,5,6,6a−ヘキサヒドロ−1H−シクロペンタ[c]ピロール−4−アミン;
2−(1−アダマンチルメチル)−N−[6−(2,4−ジメチルピラゾール−3−イル)ピリダジン−3−イル]−3,3a,4,5,6,6a−ヘキサヒドロ−1H−シクロペンタ[c]ピロール−4−アミン;
2−(5−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エニルメチル)−N−[6−(2,4−ジメチルピラゾール−3−イル)ピリダジン−3−イル]−3,3a,4,5,6,6a−ヘキサヒドロ−1H−シクロペンタ[c]ピロール−4−アミン;
4−[6−(2,4−ジメチルピラゾール−3−イル)ピリダジン−3−イル]オキシ−2−[(3−メチル−2−ピリジル)メチル]−3,3a,4,5,6,6a−ヘキサヒドロ−1H−シクロペンタ[c]ピロール;
2−(3,3−ジメチルブチル)−4−[6−(2,4−ジメチルピラゾール−3−イル)ピリダジン−3−イル]オキシ−3,3a,4,5,6,6a−ヘキサヒドロ−1H−シクロペンタ[c]ピロール;
2−(1−アダマンチルメチル)−4−[6−(2,4−ジメチルピラゾール−3−イル)ピリダジン−3−イル]オキシ−3,3a,4,5,6,6a−ヘキサヒドロ−1H−シクロペンタ[c]ピロール;
2−(5−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エニルメチル)−4−[6−(2,4−ジメチルピラゾール−3−イル)ピリダジン−3−イル]オキシ−3,3a,4,5,6,6a−ヘキサヒドロ−1H−シクロペンタ[c]ピロール;
2−ベンジル−4−[6−(2,4−ジメチルピラゾール−3−イル)ピリダジン−3−イル]オキシ−3,3a,4,5,6,6a−ヘキサヒドロ−1H−シクロペンタ[c]ピロール;
4−[6−(2,4−ジメチルピラゾール−3−イル)ピリダジン−3−イル]オキシ−2−(2−フェニルエチル)−3,3a,4,5,6,6a−ヘキサヒドロ−1H−シクロペンタ[c]ピロール;
N−[2−[2−(3,3−ジメチルブチル)−3,3a,4,5,6,6a−ヘキサヒドロ−1H−シクロペンタ[c]ピロール−4−イル]エチル]−6−(2,4−ジメチルピラゾール−3−イル)ピリダジン−3−アミン;
6−(2,4−ジメチルピラゾール−3−イル)−N−[2−[2−(テトラヒドロピラン−3−イルメチル)−3,3a,4,5,6,6a−ヘキサヒドロ−1H−シクロペンタ[c]ピロール−4−イル]エチル]ピリダジン−3−アミン;
6−(2,4−ジメチルピラゾール−3−イル)−N−[2−[2−(テトラヒドロピラン−4−イルメチル)−3,3a,4,5,6,6a−ヘキサヒドロ−1H−シクロペンタ[c]ピロール−4−イル]エチル]ピリダジン−3−アミン;
N−[2−[2−(5−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エニルメチル)−3,3a,4,5,6,6a−ヘキサヒドロ−1H−シクロペンタ[c]ピロール−4−イル]エチル]−6−(2,4−ジメチルピラゾール−3−イル)ピリダジン−3−アミン;
6−(2,4−ジメチルピラゾール−3−イル)−N−[2−[2−[(3−メチル−2−ピリジル)メチル]−3,3a,4,5,6,6a−ヘキサヒドロ−1H−シクロペンタ[c]ピロール−4−イル]エチル]ピリダジン−3−アミン;
N−[2−(2−ベンジル−3,3a,4,5,6,6a−ヘキサヒドロ−1H−シクロペンタ[c]ピロール−4−イル)エチル]−6−(2,4−ジメチルピラゾール−3−イル)ピリダジン−3−アミン;
6−(2,4−ジメチルピラゾール−3−イル)−N−[2−[2−(2−フェニルエチル)−3,3a,4,5,6,6a−ヘキサヒドロ−1H−シクロペンタ[c]ピロール−4−イル]エチル]ピリダジン−3−アミン;
6−(2,4−ジメチルピラゾール−3−イル)−N−[2−[2−(3−フェニルプロピル)−3,3a,4,5,6,6a−ヘキサヒドロ−1H−シクロペンタ[c]ピロール−4−イル]エチル]ピリダジン−3−アミン;
N−[2−[2−(1−アダマンチルメチル)−3,3a,4,5,6,6a−ヘキサヒドロ−1H−シクロペンタ[c]ピロール−4−イル]エチル]−6−(2,4−ジメチルピラゾール−3−イル)ピリダジン−3−アミン;
N−[[2−(3,3−ジメチルブチル)−3,3a,4,5,6,6a−ヘキサヒドロ−1H−シクロペンタ[c]ピロール−4−イル]メチル]−6−(2,4−ジメチルピラゾール−3−イル)ピリダジン−3−アミン;
N−[[2−(1−アダマンチルメチル)−3,3a,4,5,6,6a−ヘキサヒドロ−1H−シクロペンタ[c]ピロール−4−イル]メチル]−6−(2,4−ジメチルピラゾール−3−イル)ピリダジン−3−アミン;
N−[[2−(5−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エニルメチル)−3,3a,4,5,6,6a−ヘキサヒドロ−1H−シクロペンタ[c]ピロール−4−イル]メチル]−6−(2,4−ジメチルピラゾール−3−イル)ピリダジン−3−アミン;
6−(2,4−ジメチルピラゾール−3−イル)−N−[[2−[(3−メチル−2−ピリジル)メチル]−3,3a,4,5,6,6a−ヘキサヒドロ−1H−シクロペンタ[c]ピロール−4−イル]メチル]ピリダジン−3−アミン;
6−(2,4−ジメチルピラゾール−3−イル)−N−[[2−(2−フェニルエチル)−3,3a,4,5,6,6a−ヘキサヒドロ−1H−シクロペンタ[c]ピロール−4−イル]メチル]ピリダジン−3−アミン;
6−(2,4−ジメチルピラゾール−3−イル)−N−[[2−(テトラヒドロピラン−3−イルメチル)−3,3a,4,5,6,6a−ヘキサヒドロ−1H−シクロペンタ[c]ピロール−4−イル]メチル]ピリダジン−3−アミン;
6−(2,4−ジメチルピラゾール−3−イル)−N−[[2−(テトラヒドロピラン−4−イルメチル)−3,3a,4,5,6,6a−ヘキサヒドロ−1H−シクロペンタ[c]ピロール−4−イル]メチル]ピリダジン−3−アミン;及び
N−[(2−ベンジル−3,3a,4,5,6,6a−ヘキサヒドロ−1H−シクロペンタ[c]ピロール−4−イル)メチル]−6−(2,4−ジメチルピラゾール−3−イル)ピリダジン−3−アミン、
又はその薬学的に許容される塩。
化合物名は、CHEMDRAW(登録商標)ULTRAの一部としてのStruct=Name命名アルゴリズムを用いることによって割り当て/決定することができる。
この化合物は、不斉中心又はキラル中心が存在する立体異性体として存在することができる。立体異性体は、キラル炭素原子の周囲の置換基の立体配置に応じて、「R」又は「S」である。本明細書で使用する用語「R」及び「S」は、Pure Appl.Chem.,1976,45:13−30内、IUPAC 1974 Recommendations for Section E,Fundamental Stereochemistryに定義される通りの立体配置である。本開示は、様々な立体異性体及びそれらの混合物を意図し、これらは、本発明の範囲内に明確に含まれる。立体異性体には、鏡像異性体及びジアステレオマー並びに鏡像異性体又はジアステレオマーの混合物が含まれる。この化合物のそれぞれの立体異性体は、不斉中心又はキラル中心を含有する市販品として入手可能な出発材料から、合成によって又はラセミ混合物の調製、それに続く当業者に周知の分割の方法によって調製することができる。これらの分割の方法は、(1)鏡像異性体の混合物のキラル補助剤への付着、再結晶又はクロマトグラフィーによる得られたジアステレオマーの混合物の分離及び補助剤からの光学的に純粋な生成物の任意選択の遊離(Furniss,Hannaford,Smith,and Tatchell,“Vogel’s Textbook of Practical Organic Chemistry,”5th edition(1989)、Longman Scientific&Technical,Essex CM20 2JE,Englandに記載されている通り)、又は(2)キラルクロマトグラフィーカラムでの光学的鏡像異性体の混合物の直接的な分離、又は(3)分別再結晶方法によって例示される。
この化合物が互変異性型並びに幾何異性体を有し得ること、またこれらも本開示の実施形態を構成することを理解するべきである。
本開示は、1個以上の原子が、自然界に最も一般的に見られる原子質量又は質量数と異なる原子質量又は質量数を有する原子に置き換えられているという点以外には式(I)において列挙したものと同一である、同位体標識された化合物も含む。本発明の化合物への包含に適した同位体の例としては、水素、炭素、窒素、酸素、リン、硫黄、フッ素及び塩素、例えば、限定はされないが、それぞれ2H、3H、13C、14C、15N、18O、17O、31P、32P、35S、18F及び36Clが挙げられる。重水素、すなわち2Hなどのより重い同位体での置換は、より大きい代謝安定性に起因するある種の治療的利点、例えばインビボ半減期の延長又は投薬量の必要性の低下をもたらすことができるため、状況によっては好ましい可能性がある。この化合物は、受容体の分布を決定するために、医用画像及び陽電子放射断層撮影法(PET)研究のための陽電子放射同位体を組み込むことができる。式(I)の化合物に組み込むことができる適切な陽電子放射同位体は、11C、13N、15O及び18Fである。同位体標識された式(I)の化合物は、一般に、当業者に公知の従来の技術により、又は同位体標識されていない試薬の代わりに適切な同位体標識された試薬を使用する、添付の実施例に記載したものと類似のプロセスにより調製することができる。
a.薬学的に許容される塩
開示する化合物は、薬学的に許容される塩として存在することができる。用語「薬学的に許容される塩」は、妥当なベネフィット/リスク比に見合い、且つその意図される使用に有効な、必要以上の毒性、刺激性及びアレルギー反応なしの障害の治療に適した、水若しくは油溶性又は分散可能であるこの化合物の塩又は双性イオンを指す。これらの塩は、この化合物の最終の単離及び精製中に又は別途この化合物のアミノ基を適切な酸と反応させることによって調製することができる。例えば、化合物は、限定はされないが、メタノール及び水などの適切な溶媒に溶解し、塩酸のような少なくとも1種の酸均等物で処理することができる。得られた塩を沈殿させ、濾過によって単離し、減圧下で乾燥させることができる。代わりに、溶媒及び過剰な酸を減圧下で除去して、塩を提供することができる。代表的な塩としては、酢酸塩、アジピン酸塩、アルギン酸塩、クエン酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、重硫酸塩、酪酸塩、樟脳酸塩、樟脳スルホン酸塩、ジグルコン酸塩、グリセロリン酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、ギ酸塩、イセチオン酸塩、フマル酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、メタンスルホン酸塩、ナフチレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、シュウ酸塩、パモ酸塩、ペクチニン酸塩、過硫酸塩、3−フェニルプロピオン酸塩、ピクリン酸塩、シュウ酸塩、マレイン酸塩、ピバル酸塩、プロピオン酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、トリクロロ酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、グルタミン酸塩、パラ−トルエンスルホン酸塩、ウンデカン酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、リン酸塩などが挙げられる。この化合物のアミノ基は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、ラウリル、ミリスチル、ステアリルなどの塩化、臭化及びヨウ化アルキルで四級化することもできる。
塩基付加塩は、カルボキシル基と、リチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム若しくはアルミニウムなどの金属カチオンの水酸化物、炭酸塩、又は炭酸水素塩、又は一級、二級若しくは三級有機アミンなどの適切な塩基との反応により、開示する化合物の最終の単離及び精製中に調製することができる。メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジエチルアミン、エチルアミン、トリブチルアミン、ピリジン、N,N−ジメチルアニリン、N−メチルピペリジン、N−メチルモルホリン、ジシクロヘキシルアミン、プロカイン、ジベンジルアミン、N,N−ジベンジルフェネチルアミン、1−エフェナミン及びN,N’−ジベンジルエチレンジアミン、エチレンジアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、ピペリジン、ピペラジンなどに由来するものなどの四級アミン塩も調製することができる。
b.一般的合成
式(I)の化合物は、合成プロセス又は代謝プロセスによって調製することができる。代謝プロセスによるこの化合物の調製には、ヒト又は動物体内で(インビボで)起こるもの又はインビトロで起こるプロセスが含まれる。
以下に示すスキームの説明において使用される略語は、次の通りである:AcOHは、酢酸であり;BMSは、ボランジメチルスルフィド錯体であり;Bocは、tert−ブチルオキシカルボニルであり;DCEは、1,2−ジクロロエタンであり;DCMは、ジクロロメタンであり;DIPEAは、N,N−ジイソプロピルエチルアミンであり;DMEは、ジメトキシエタン(別名:モノグライム)であり;Etは、エチルであり;LAHは、水素化アルミニウムリチウムであり;MeOHは、メタノールであり;μWは、マイクロ波を指し;STABは、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウムを指し;rt又はr.t.は、室温であり;RuPhos−Pd−G3は、(2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,6’−ジイソプロポキシ−1,1’−ビフェニル)[2−(2’−アミノ−1,1’−ビフェニル)]パラジウム(II)メタンスルホナト(CAS番号1445085−77−7)であり;t−BuONaは、ナトリウムtert−ブトキシドであり;t−BuOKは、カリウムtert−ブトキシドであり;THFは、テトラヒドロフランである。
式(I)の化合物は、以下のスキームに示すように合成することができる。
スキーム1
Figure 2021503443
スキーム1に示すように、2−Boc−4−オキソ−ヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール(CAS#879686−42−7;Combi−Blocks,Inc,カタログ#SS−2033)を、ベンジルアミンと反応させて、化合物Aを生成することができ、これを脱ベンジル化して、アミン化合物Bを形成することができる。化合物Bと3,6−ジクロロピリダジンとの反応により、化合物Cを生成することができる。好適なボロン酸又はエステルとのカップリングにより、化合物Dを取得し、これを脱保護して(例えば、塩酸を用いて)、化合物Eを生成することができる。最後に、好適なアルデヒドとの反応により、化合物Fを形成する。
スキーム2
Figure 2021503443
スキーム2に示すように、2−Boc−4−オキソ−ヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロールを還元して、化合物Gを生成することができ、これを3,6−ジクロロピリダジンと反応させて、化合物Hを生成することができる。好適なボロン酸又はエステルとのカップリングにより、化合物Iを取得し、これを脱保護して(例えば、塩酸を用いて)、化合物Jを生成することができる。最後に、好適なアルデヒドとの反応により、化合物Kを形成する。
スキーム3
Figure 2021503443
スキーム3に示すように、2−Boc−4−オキソ−ヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロールをシアノメチルホスホネートと反応させて、化合物Lを生成することができ、これを水素化して、化合物Mを形成することができる。化合物Mのニトリルの還元によって化合物Nを取得し、これを3,6−ジクロロピリダジンと反応させて、化合物Oを生成することができる。好適なボロン酸又はエステルとのカップリングにより、化合物Pを取得し、これを脱保護して(例えば、塩酸を用いて)、化合物Qを生成することができる。最後に、好適なアルデヒドとの反応により、化合物Rを形成する。
スキーム4
Figure 2021503443
最後に、スキーム4に示すように、2−Boc−4−オキソ−ヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロールをトシルメチルイソシアニドと反応させて、化合物Sを生成することができ、ニトリルの還元によって化合物Tが得られる。アミンと3,6−ジクロロピリダジンとの反応により、化合物Uを生成する。好適なボロン酸又はエステルとのカップリングにより、化合物Vを取得し、これを脱保護して(例えば、塩酸を用いて)、化合物Wを生成することができる。最後に、好適なアルデヒドとの反応により、化合物Xを形成する。
スキーム1〜4の方法における3,6−ジクロロピリダジンの代わりに2−ブロモ−5−クロロピラジン、3−ブロモ−6−フルオロピリジン、及び2−クロロ−チアゾールを使用して、別の化合物を調製することもでき、ここで、式(I)中の環Aは、ピラジン、ピリジン、又は置換されていてもよいチアゾールである。芳香族求核置換反応を促進するために、必要に応じて、反応条件(例えば、時間、温度、溶媒)及び共反応体(例えば、塩基)を修飾してもよい。
化合物及び中間体は、有機合成の分野の当業者に周知の方法によって単離及び精製することができる。化合物を単離及び精製するための従来の方法の例としては、限定はされないが、例えば、「Vogel’s Textbook of Practical Organic Chemistry」5th edition(1989),by Furniss,Hannaford,Smith及びTatchell、pub.Longman Scientific&Technical,Essex CM20 2JE,Englandに記載されている通りの活性炭での任意選択の前処理を伴う、高温又は低温での再結晶によってアルキルシラン基を用いて誘導体化されたシリカゲル、アルミナ又はシリカなどの固形状支持体上でのクロマトグラフィー、薄層クロマトグラフィー、様々な圧力での蒸留、真空中での昇華及び研和(trituration)を挙げることができる。
開示する化合物は、少なくとも1つの塩基性窒素(それにより、この化合物が酸で処理されて所望の塩を形成することができる)を有し得る。例えば、化合物を室温又は室温を超える温度で酸と反応させて、所望の塩(これは、沈殿し、冷却後に濾過によって収集される)を提供することができる。この反応に適した酸の例としては、限定はされないが、酒石酸、乳酸、コハク酸並びにマンデル酸、アトロ乳酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、トルエンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、炭酸、フマル酸、マレイン酸、グルコン酸、酢酸、プロピオン酸、サリチル酸、塩酸、臭化水素のリン酸、硫酸、クエン酸、ヒドロキシ酪酸、カンファースルホン酸、リンゴ酸、フェニル酢酸、アスパラギン酸又はグルタミン酸などが挙げられる。
それぞれ個々のステップについての反応条件及び反応時間は、用いられる特定の反応物及び使用される反応物内に存在する置換基に応じて変動し得る。実施例セクションにおいて、具体的な手順を提供する。反応は、従来の方式で、例えば、残留物から溶媒を取り除くことによって後処理し、限定はされないが、結晶化、蒸留、抽出、研和及びクロマトグラフィーなど、当技術分野で一般に知られている方法論に従ってさらに精製することができる。他に記載しない限り、出発材料及び試薬は、市販品として入手可能であるか、又は化学文献に記載されている方法を使用して、市販品として入手可能な材料から当業者によって調製することができる。市販品として入手可能ではない場合、出発材料は、標準の有機化学技術、公知の構造的に類似の化合物の合成と類似の技術、上に記載したスキーム又は合成例セクションに記載されている手順と類似の技術から選択される手順によって調製することができる。
反応条件、試薬及び合成経路の順序、反応条件に適合する可能性がないいずれかの化学的官能性の保護及びその方法の反応順序における適切な時点での脱保護の適切な操作を含めた通例の実験法は、本発明の範囲に含まれる。適切な保護基並びにこうした適切な保護基を使用して様々な置換基を保護及び脱保護するための方法は、当業者に周知であり、その例は、その内容全体が参照により本明細書に組み込まれる、Protective Groups in Organic Synthesis(4thed.)という名称のGreeneの書籍におけるPGM Wuts and TW Greene,John Wiley&Sons,NY(2006)で参照することができる。本発明の化合物の合成は、上で及び具体例において記載した合成スキームに記載された方法と類似の方法によって実現することができる。
光学活性型の開示する化合物が必要とされる場合、これは、光学活性な出発材料(例えば、適切な反応ステップの不斉誘導によって調製される)を使用する本明細書に記載した手順の1つを実施することにより、又は標準の手順(クロマトグラフィー分離、再結晶又は酵素分割など)を使用する化合物又は中間体の立体異性体の混合物の分割により得ることができる。
同様に、この化合物の純粋な幾何異性体が必要とされる場合、これは、出発材料として純粋な幾何異性体を使用する上の手順の1つを実施することにより、又はクロマトグラフィー分離などの標準の手順を使用する化合物又は中間体の幾何異性体の混合物の分割により得ることができる。
記載した合成スキーム及び具体例は、例示的であり、添付の特許請求の範囲において定義される本発明の範囲を限定するものと解釈されるべきではないことが理解され得る。合成方法及び具体例のすべての代替形態、改変形態及び均等物が特許請求の範囲の範囲内に含まれる。
c.ムスカリン性アセチルコリン受容体M4活性
4は、線条体において最も高度に発現されるmAChRサブタイプであり、その発現は、げっ歯類及び霊長類において類似している。選択的M4アンタゴニストがないため、M4のメカニズムの解明は、生化学的及び遺伝学的研究並びに高度に選択的なM4ポジティブアロステリックモジュレーター(PAM)の使用によって導かれてきた。高度に選択的なM4 PAMは、線条体DAレベルを増加させることによって作用する精神運動刺激薬に対する行動応答の強力な減少を誘導する。さらに、M4の遺伝的欠失は、探索的自発運動活性を増加させ、アンフェタミン及び他の刺激物質に対する自発運動応答を増強し、自発運動活性に対するM4 PAMの効果を排除し、これらの効果はまた、DA受容体のD1サブタイプ(D1−SPN)を発現する線条体脊髄投射ニューロンからのM4の選択的欠失と共に観察される。インビボ微小透析研究は、M4 PAMの投与が背側及び腹側線条体におけるアンフェタミン誘発DA放出を減少させることを明らかにし、fMRI研究は、M4 PAMが線条体及び他の基底核における脳血流(CBV)のアンフェタミン誘発増加を逆転させることを示す。さらに、近年、高速走査サイクリックボルタンメトリー(FSCV)及び遺伝子研究は、M4 PAMが少なくとも部分的に、線条体脊髄突起ニューロン(SPN)からのエンドカンナビノイドの放出及びDA末端上のCB2カンナビノイド受容体の活性化を通して、線条体におけるシナプス前DA末端からのDA放出の抑制によって作用することを実証した。
4は、DA受容体(D1DR)のD1サブタイプも発現するSPNのサブセットにおいて強く発現され、これは、黒質網状部(SNr)に阻害投射を送る直接経路(D1−SPN)を形成する。興味深いことに、D1DRは、D1−SPN中の特異なGTP結合タンパク質を活性化し、これは、D1Rをアデニル酸シクラーゼの活性化、cAMPの生成及びプロテインキナーゼA(PKA)の活性化に結合するGαolfと称される。このシグナル伝達経路は、運動活性のDA介在性活性化の多くの行動にとって重要である。興味深いことに、M4は、アデニリルシクラーゼを阻害し、D1受容体シグナル伝達及び運動機能に対する効果を直接的に阻害する能力を有するGαi/oGタンパク質に結合する。これらの研究は、DA放出の阻害に加えて、M4 PAMがcAMP形成の直接阻害によりD1−SPNにおけるD1R媒介シグナル伝達を直接阻害する可能性を提起し、これは、基底核におけるDAシグナル伝達の選択的M4活性化の強力な阻害作用にも寄与し得る。これと一致して、M4 PAMは、直接作用性D1アゴニストの自発運動刺激効果を阻害する。さらに、一連の薬理学的、遺伝学的及び分子/細胞学的研究は、この反応がD1−SPNにおけるD1DRシグナル伝達の阻害によって媒介されることを明らかにしている。したがって、D1DRシグナル伝達に対するM4 PAMの主な作用は、線条体ではなく、SNrにおけるD1−SPNのGABA作動性末端であり、ここで、D1DRの活性化は、GABA放出の強力な増加を誘導する。これは、線条体機能のコリン作動性調節が持続的に活性な線条体コリン作動性介在ニューロン(ChI)から放出されるAChを介してほとんど排他的に媒介されるという広範な見解に挑戦し、脚橋核からのコリン作動性投射からのSNrのコリン作動性神経支配が基底核直接経路の運動活性及び他の機能の調節でも重要な役割を果たし得る可能性を高める。総合すると、これらのデータは、DA放出を阻害することに加えて、M4活性化がD1発現SPNにおいてシナプス後に作用して運動機能も阻害することを示唆する。
運動機能の調節に関与する主要なmAChRサブタイプとしてのM4の顕著な役割と一致して、mAChRアンタゴニストスコポラミンの自発運動活性化作用は、M4ノックアウトマウスでは劇的に低下するが、他の4つのmAChRサブタイプ(M13、5)では低下しないことが多数の報告で示されている。さらに、ハロペリドール誘発性カタレプシー(パーキンソン運動障害の模型)は、野生型対照と比較してM4ノックアウトマウスにおいて減少する。DA受容体アンタゴニストハロペリドールによって誘導されるカタレプシーに対するこの化合物の効果を評価することによるスコポラミンの抗パーキンソン作用の評価は、WTマウスにおいてスコポラミンによって完全に逆転された強力なカタレプシーを示す。スコポラミンによる逆転は、代謝型グルタミン酸(mGlu)受容体mGlu4又はmGlu5、A2Aアデノシン受容体及びNMDA受容体を含む、潜在的な抗パーキンソン作用について評価されている他の多くの標的を標的とする薬剤で観察されるものよりも並外れて強固であり、より顕著であった。重要なことに、スコポラミンは、M4KOマウスにおけるカタレプシーを減少させるのに効果がなく、スコポラミンの抗カタレプシー作用がmAChR M4に対する作用を必要とすることを示唆している。基底核及び運動機能のM4調節に関する広範な研究と合わせて、これらの研究は、M4が非選択的mAChRアンタゴニストの抗パーキンソン作用に関与する優勢なmAChRサブタイプであることの説得力のあるエビデンスを提供し、PD、ジストニア、遅発性ジスキネジア及び他の運動障害のような神経変性疾病の治療のための選択的M4アンタゴニストの発見及び発展のための支持を提供する。
mAChRリサーチの進歩にもかかわらず、M4 mAChRの強力で有効で選択的なアンタゴニストである化合物は、依然として不足している。高度に選択的なM4アンタゴニストは、PD、ジストニア、遅発性ジスキネジア及び他の運動障害を含む神経変性疾患の治療のための新しい治療的手法であり、パン−mAChR阻害によって媒介される有害作用なしにスコポラミンの臨床的利益を提供し得る。
いくつかの実施形態では、開示される化合物は、mAChR M4のアンタゴニストである。このような活性は、当技術分野で公知の方法論によって実証され得る。例えば、mAChR M4活性の拮抗作用は、Ca2+感受性蛍光色素(例えば、Fluo−4)を負荷した細胞におけるアゴニスト、例えばアセチルコリンに反応するカルシウムフラックスの計測及びキメラ又は乱雑(promiscuous)Gタンパク質の共発現によって決定することができる。いくつかの実施形態では、カルシウムフラックスは、蛍光静止比の増加として測定することができる。いくつかの実施形態では、アンタゴニスト活性は、EC80アセチルコリン応答(すなわち最大応答の80%を生じるアセチルコリン濃度でのmAChR M4の応答)の濃度依存性増加として分析することができる。
いくつかの実施形態では、開示する化合物は、化合物の非存在下での同等のCHO−K1細胞の反応と比較して、化合物の存在下でのmAChR M4トランスフェクトCHO−K1細胞におけるカルシウム蛍光の低下としてmAChR M4に拮抗する。いくつかの実施形態では、開示する化合物は、約10μM未満、約5μM未満、約1μM未満、約500nM未満、約100nM未満又は約50nM未満のIC50でmAChR M4反応に拮抗する。いくつかの実施形態では、mAChR M4トランスフェクトCHO−K1細胞は、ヒトmAChR M4でトランスフェクトされる。いくつかの実施形態では、mAChR M4トランスフェクトCHO−K1細胞は、ラットmAChR M4でトランスフェクトされる。いくつかの実施形態では、mAChR M4トランスフェクトCHO−K1細胞は、イヌ又はカニクイザル由来のmAChR M4でトランスフェクトされる。
開示する化合物は、mAChR M1、M2、M3又はM5トランスフェクトCHO−K1細胞の1つ以上に対するIC50未満のIC50でmAChR M4トランスフェクトCHO−K1細胞におけるmAChR M4反応に拮抗し得る。すなわち開示する化合物は、mAChR M1、M2、M3又はM5受容体の1つ以上に対して、mAChR M4受容体に対する選択性を有することができる。例えば、いくつかの実施形態では、開示する化合物は、mAChR M1に対するものよりも約5倍低い、約10倍低い、約20倍低い、約30倍低い、約50倍低い、約100倍低い、約200倍低い、約300倍低い、約400倍低い、又は約500倍超低いIC50でmAChR M4反応に拮抗することができる。いくつかの実施形態では、開示する化合物は、mAChR M2に対するものよりも約5倍低い、約10倍低い、約20倍低い、約30倍低い、約50倍低い、約100倍低い、約200倍低い、約300倍低い、約400倍低い、又は約500倍超低いIC50でmAChR M4反応に拮抗することができる。いくつかの実施形態では、開示する化合物は、mAChR M3に対するものよりも約5倍低い、約10倍低い、約20倍低い、約30倍低い、約50倍低い、約100倍低い、約200倍低い、約300倍低い、約400倍低い、又は約500倍超低いIC50でmAChR M4反応に拮抗することができる。いくつかの実施形態では、開示する化合物は、mAChR M5に対するものよりも約5倍低い、約10倍低い、約20倍低い、約30倍低い、約50倍低い、約100倍低い、約200倍低い、約300倍低い、約400倍低い、又は約500倍超低いIC50でmAChR M4反応に拮抗することができる。いくつかの実施形態では、開示する化合物は、M2〜M5受容体に対するものよりも5倍低い、約10倍低い、約20倍低い、約30倍低い、mAChR M1、M2、M3又はM5受容体に対するものよりも約50倍低い、約100倍低い、約200倍低い、約300倍低い、約400倍低い、又は約500倍超低いIC50でmAChR M4反応に拮抗することができる。
開示する化合物は、約10μM未満のIC50でM4トランスフェクトCHO−K1細胞におけるmAChR M4反応に拮抗し、mAChR M1、M2、M3又はM5受容体の1つ以上に対してM4受容体に対する選択性を示すことができる。例えば、いくつかの実施形態では、化合物は、約10μM未満、約5μM未満、約1μM未満、約500nM未満、約100nM未満又は約50nM未満のIC50を有することができ;化合物は、mAChR M1に対するものより約5倍低い、10倍低い、20倍低い、30倍低い、50倍低い、100倍低い、200倍低い、300倍低い、400倍低い、又は約500倍超低いIC50でmAChR M4反応にも拮抗することができる。いくつかの実施形態では、化合物は、約10μM未満、約5μM未満、約1μM未満、約500nM未満、約100nM未満又は約50nM未満のIC50を有することができ;化合物は、mAChR M2に対するものより約5倍低い、約10倍低い、約20倍低い、約30倍低い、約50倍低い、約100倍低い、約200倍低い、約300倍低い、約400倍低い、又は約500倍超低いIC50でmAChR M4反応にも拮抗することができる。いくつかの実施形態では、化合物は、約10μM未満、約5μM未満、約1μM未満、約500nM未満、約100nM未満又は約50nM未満のIC50を有することができ;化合物は、mAChR M3に対するものより約5倍低い、約10倍低い、約20倍低い、約30倍低い、約50倍低い、約100倍低い、約200倍低い、約300倍低い、約400倍低い、又は約500倍超低いIC50でmAChR M4反応にも拮抗することができる。いくつかの実施形態では、化合物は、約10μM未満、約5μM未満、約1μM未満、約500nM未満、約100nM未満又は約50nM未満のIC50を有することができ;化合物は、mAChR M5に対するものより約5倍低い、約10倍低い、約20倍低い、約30倍低い、約50倍低い、約100倍低い、約200倍低い、約300倍低い、約400倍低い、又は約500倍超低いIC50でmAChR M4反応にも拮抗することができる。いくつかの実施形態では、化合物は、約10μM未満、約5μM未満、約1μM未満、約500nM未満、約100nM未満又は約50nM未満のIC50を有することができ;化合物は、M2〜M5受容体に対するものより約5倍低い、約10倍低い、約20倍低い、約30倍低い、M2、M3又はM5に対するものより約50倍低い、約100倍低い、約200倍低い、約300倍低い、約400倍低い、又はmAChR M1、M2、M3又はM5受容体に対するものより約500倍超低いIC50で、mAChR M4反応にも拮抗することができる。
抗パーキンソン病活性を予測するモデルにおける、開示する化合物のインビボ効力は、多数の前臨床ラットモデルにおいて測定することができる。例えば、開示する化合物は、マウス又はラットにおけるドーパミン受容体アンタゴニストによって誘導される運動機能の欠損を逆転させ得る。また、これらの化合物は、ドーパミンニューロンの選択的病変など、ドーパミン作動性シグナル伝達を低下させる他の操作で観察される運動機能の欠損を逆転させることができる。さらに、これらの化合物は、ジストニアの動物モデルにおいて効力を有し、動物モデルにおける注意力、認知機能及び動機付けの尺度を増加させ得ることが可能である。
3.医薬組成物及び製剤
開示する化合物は、対象(ヒト又は非ヒトであり得る患者など)への投与に適した医薬組成物に組み込むことができる。開示する化合物は、噴霧乾燥分散製剤などの製剤として提供することもできる。
これらの医薬組成物及び製剤は、「治療有効量」又は「予防有効量」の薬剤を含み得る。「治療有効量」は、所望の治療的結果を達成するのに必要な投薬量及び期間で有効な量を指す。この組成物の治療有効量は、当業者によって決定することができ、個人の疾患状態、年齢、性別及び体重並びにこの組成物が個人における所望の反応を引き出す能力などの因子に応じて変動し得る。治療有効量は、本発明の化合物(例えば、式(I)の化合物)のいずれかの治療的に有益な影響が毒性又は有害な影響を上回る量でもある。「予防有効量」は、所望の予防的結果を達成するのに必要な投薬量及び期間で有効な量を指す。一般的に、予防的用量は、疾患よりも前又は初期段階の対象に使用されるため、予防有効量は、治療有効量よりも低いであろう。
例えば、式(I)の化合物の治療有効量は、約1mg/kg〜約1000mg/kg、約5mg/kg〜約950mg/kg、約10mg/kg〜約900mg/kg、約15mg/kg〜約850mg/kg、約20mg/kg〜約800mg/kg、約25mg/kg〜約750mg/kg、約30mg/kg〜約700mg/kg、約35mg/kg〜約650mg/kg、約40mg/kg〜約600mg/kg、約45mg/kg〜約550mg/kg、約50mg/kg〜約500mg/kg、約55mg/kg〜約450mg/kg、約60mg/kg〜約400mg/kg、約65mg/kg〜約350mg/kg、約70mg/kg〜約300mg/kg、約75mg/kg〜約250mg/kg、約80mg/kg〜約200mg/kg、約85mg/kg〜約150mg/kg及び約90mg/kg〜約100mg/kgであり得る。
この医薬組成物及び製剤は、薬学的に許容される担体を含み得る。用語「薬学的に許容される担体」は、本明細書で使用する場合、あらゆる種類の非毒性の不活性な固体、半固体又は液体の充填剤、希釈剤、封入材料或いは製剤補助剤を意味する。薬学的に許容される担体としての役割を果たし得る材料のいくつかの例は、糖、例えば、限定はされないが、ラクトース、グルコース及びスクロース;デンプン、例えば、限定はされないが、トウロモロコシデンプン及びバレイショデンプン;セルロース及びその誘導体、例えば、限定はされないが、カルボキシメチルセルロースナトリウム、エチルセルロース及び酢酸セルロース;粉末状のトラガカント;麦芽;ゼラチン;タルク;賦形剤、例えば、限定はされないが、カカオ脂及び座剤用ワックス;油、例えば、限定はされないが、ピーナッツ油、綿実油、ベニバナ油、ゴマ油、オリーブ油、トウモロコシ油及びダイズ油;グリコール;例えば、プロピレングリコール;エステル、例えば、限定はされないが、オレイン酸エチル及びラウリン酸エチル;寒天;緩衝薬、例えば、限定はされないが、水酸化マグネシウム及び水酸化アルミニウム;アルギン酸;パイロジェンフリー水;等張食塩水;リンゲル液;エチルアルコール及びリン酸緩衝液であり、また、他の非毒性の適合性のある滑沢剤、例えば、限定はされないが、ラウリル硫酸ナトリウム及びステアリン酸マグネシウム並びに着色剤、放出剤、コーティング剤、甘味料、香味及び芳香剤、保存剤及び酸化防止剤も調剤者の判断に従って組成物中に存在することができる。
したがって、この化合物及びその生理学的に許容される塩を、例えば固体投薬、点眼薬、油を基剤とする局所用製剤中、注射、(口若しくは鼻を通した)吸入、植込錠による投与又は経口、頬側、非経口若しくは直腸内投与のために製剤化することができる。技術及び製剤は、一般に、「Remington’s Pharmaceutical Sciences」(Meade Publishing Co.,Easton,Pa.)で参照することができる。治療用組成物は、一般的に無菌であり、且つ製造及び保管の条件下で安定でなければならない。
開示する化合物が投与される経路及びその組成物の形態は、使用される担体の種類を決定する。この組成物は、例えば、全身投与(例えば、経口、直腸内、経鼻、舌下、頬側、植込若しくは非経口)又は局所投与(例えば、皮膚、肺、鼻、耳、目、リポソーム送達系若しくはイオントフォレーシス)に適した様々な形態であり得る。
全身投与のための担体としては、一般的に、希釈剤、滑沢剤、結合剤、崩壊剤、着色料、フレーバー、甘味料、酸化防止剤、保存剤、流動化剤、溶媒、懸濁化剤、湿潤剤、界面活性剤、それらの組み合わせなどの少なくとも1種挙げられる。すべての担体は、組成物内で任意選択である。
適切な希釈剤としては、糖、例えばグルコース、ラクトース、デキストロース及びスクロース;ジオール、例えばプロピレングリコール;炭酸カルシウム;炭酸ナトリウム;糖アルコール、例えばグリセリン;マンニトール;及びソルビトールが挙げられる。全身又は局所用組成物中の希釈剤の量は、一般的に約50〜約90%である。
適切な滑沢剤としては、シリカ、タルク、ステアリン酸及びそのマグネシウム塩及びカルシウム塩、硫酸カルシウム;並びに液体滑沢剤、例えばポリエチレングリコール及び植物油、例えばピーナッツ油、綿実油、ゴマ油、オリーブ油、トウモロコシ油及びカカオの油が挙げられる。全身又は局所用組成物中の滑沢剤の量は、一般的に約5〜約10%である。
適切な結合剤としては、ポリビニルピロリドン;ケイ酸アルミニウムマグネシウム;デンプン、例えばトウロモロコシデンプン及びバレイショデンプン;ゼラチン;トラガカント;並びにセルロース及びその誘導体、例えばカルボキシメチルセルロースナトリウム、エチルセルロース、メチルセルロース、微結晶セルロース及びカルボキシメチルセルロースナトリウムが挙げられる。全身組成物中の結合剤の量は、一般的に約5〜約50%である。
適切な崩壊剤としては、寒天、アルギン酸及びそのナトリウム塩、発泡性混合物、クロスカルメロース、クロスポピドン、カルボキシメチルデンプンナトリウム、デンプングリコール酸ナトリウム、粘土及びイオン交換樹脂が挙げられる。全身又は局所用組成物中の崩壊剤の量は、一般的に約0.1〜約10%である。
適切な着色料としては、FD&C色素などの着色料が挙げられる。使用される場合、全身又は局所用組成物中の着色料の量は、一般的に約0.005〜約0.1%である。
適切なフレーバーとしては、メントール、ペパーミント及び果実フレーバーが挙げられる。使用される場合、全身又は局所用組成物中のフレーバーの量は、一般的に約0.1〜約1.0%である。
適切な甘味料としては、アスパルテーム及びサッカリンが挙げられる。全身又は局所用組成物中の甘味料の量は、一般的に約0.001〜約1%である。
適切な酸化防止剤としては、ブチルヒドロキシアニソール(「BHA」)、ブチルヒドロキシトルエン(「BHT」)及びビタミンEが挙げられる。全身又は局所用組成物中の酸化防止剤の量は、一般的に約0.1〜約5%である。
適切な保存剤としては、塩化ベンザルコニウム、メチルパラベン及び安息香酸ナトリウムが挙げられる。全身又は局所用組成物中の保存剤の量は、一般的に約0.01〜約5%である。
適切な流動化剤としては、二酸化ケイ素が挙げられる。全身又は局所用組成物中の流動化剤の量は、一般的に約1〜約5%である。
適切な溶媒としては、水、等張食塩水、オレイン酸エチル、グリセリン、水酸化ヒマシ油、エタノールなどのアルコール及びリン酸緩衝液が挙げられる。全身又は局所用組成物中の溶媒の量は、一般的に約0〜約100%である。
適切な懸濁化剤としては、AVICEL RC−591(FMC Corporation of Philadelphia,PAより)及びアルギン酸ナトリウムが挙げられる。全身又は局所用組成物中の懸濁化剤の量は、一般的に約1〜約8%である。
適切な界面活性剤としては、レシチン、ポリソルベート80、及びラウリル硫酸ナトリウム、及びTWEENS(Atlas Powder Company of Wilmington、Delawareより)が挙げられる。適切な界面活性剤としては、C.T.F.A.Cosmetic Ingredient Handbook,1992,pp.587−592;Remington’s Pharmaceutical Sciences,15th Ed.1975,pp.335−337;及びMcCutcheon’s Volume1,Emulsifiers&Detergents,1994,North American Edition,pp.236−239に開示されているものが挙げられる。全身又は局所用組成物中の界面活性剤の量は、一般的に約0.1%〜約5%である。
全身用組成物中の構成成分の量は、調製される全身用組成物の種類に応じて変動し得るが、一般に、全身用組成物は、0.01%〜50%の活性な化合物(例えば、式(I)の化合物)と、50%〜99.99%の1種以上の担体とを含む。非経口投与のための組成物は、一般的に、0.1%〜10%の活性物質と、90%〜99.9%の担体(希釈剤及び溶媒が含まれる)とを含む。
経口投与のための組成物は、様々な剤形を有し得る。例えば、固体剤形としては、錠剤、カプセル剤、顆粒剤及び混合散剤(bulk powder)が挙げられる。これらの経口用剤形は、安全且つ有効な量の、通常、少なくとも約5%、より具体的には約25%〜約50%の活性物質を含む。これらの経口投薬組成物は、約50%〜約95%、より具体的には約50%〜約75%の担体を含む。
錠剤は、圧縮、湿製錠剤化(tablet triturate)、腸溶コーティング、糖衣コーティング、フィルムコーティング又は多重圧縮することができる。錠剤は、一般的に、活性な成分と、希釈剤、滑沢剤、結合剤、崩壊剤、着色料、フレーバー、甘味料、流動化剤及びそれらの組み合わせから選択される成分を含む担体とを含む。具体的な希釈剤としては、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、マンニトール、ラクトース及びセルロースが挙げられる。具体的な結合剤としては、デンプン、ゼラチン及びスクロースが挙げられる。具体的な崩壊剤としては、アルギン酸及びクロスカルメロースが挙げられる。具体的な滑沢剤としては、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸及びタルクが挙げられる。具体的な着色料は、外観のために添加することができるFD&C色素である。咀嚼錠は、アスパルテーム及びサッカリンなどの甘味料若しくはメントール、ペパーミント、果実フレーバーなどのフレーバー又はそれらの組み合わせを含有することが好ましい。
カプセル剤(植込錠、徐放性及び持続製剤が含まれる)は、一般的に、活性な化合物(例えば、式(I)の化合物)と、ゼラチンを含むカプセル剤中の上で開示した1種以上の希釈剤を含む担体とを含む。顆粒剤は、一般的に、開示する化合物と、好ましくは流動特性を向上させるための二酸化ケイ素などの流動化剤とを含む。植込錠は、生分解性又は非生分解性型のものであり得る。
経口用組成物のための担体中の成分の選択は、本発明の目的にとって重要でない味、費用及び貯蔵安定性のような補助的考慮事項に依存する。
固体組成物は、所望の作用を継続するために、開示する化合物が胃腸管内若しくは所望の適用場所付近で又は様々な場所及び時点で放出されるように、一般的にpH又は時間依存性のコーティングで従来の方法によってコーティングすることができる。コーティングは、一般的に、酢酸フタル酸セルロース、ポリ酢酸フタル酸ビニル、フタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、エチルセルロース、EUDRAGIT(登録商標)コーティング(Evonik Industries of Essen,Germanyから入手可能)、ワックス及びセラックからなる群から選択される1種以上の構成成分を含む。
経口投与のための組成物は、液体形態をとることができる。例えば、適切な液体形態としては、水溶液、乳濁液、懸濁液、非発泡性顆粒剤から再構成された溶液、非発泡性顆粒剤から再構成された懸濁液、発泡性顆粒剤から再構成された発泡性調製物、エリキシル、チンキ、シロップなどが挙げられる。液体の経口投与される組成物は、一般的に、開示する化合物と、担体、すなわち希釈剤、着色料、フレーバー、甘味料、保存剤、溶媒、懸濁化剤及び界面活性剤から選択される担体とを含む。経口液体組成物は、着色料、フレーバー及び甘味料から選択される1種以上の成分を含むことが好ましい。
対象化合物の全身送達を達成するのに有用な他の組成物としては、舌下、頬側及び経鼻剤形が挙げられる。こうした組成物は、一般的に、スクロース、ソルビトール及びマンニトールを含めた希釈剤;並びにアラビアゴム、微結晶セルロース、カルボキシメチルセルロース及びヒドロキシプロピルメチルセルロースなどの結合剤などの1種以上の可溶性の充填物質を含む。こうした組成物は、滑沢剤、着色料、フレーバー、甘味料、酸化防止剤及び流動化剤をさらに含み得る。
開示する化合物は、局所的に投与することができる。皮膚に局部的に適用することができる局所用組成物は、固形物、溶液、油、クリーム、軟膏、ゲル、ローション、シャンプー、洗い流さない及び洗い流すヘアコンディショナー、乳状液、洗浄剤(cleanser)、保湿剤、スプレー、皮膚貼付剤などを含めたあらゆる形態であり得る。局所用組成物は、開示する化合物(例えば、式(I)の化合物)と、担体とを含む。局所用組成物の担体は、化合物の皮膚への浸透を促進することが好ましい。この担体は、1種以上の任意選択の構成成分をさらに含み得る。
開示する化合物と共に用いられる担体の量は、この化合物の単位用量あたりの、投与に有用な量の組成物を提供するのに十分である。本発明の方法において有用な剤形を作るための技術及び組成物は、次の参考文献:Modern Pharmaceutics,Chapters 9 and 10,Banker&Rhodes,eds.(1979);Lieberman et al.,Pharmaceutical Dosage Forms:Tablets(1981);及びAnsel,Introduction to Pharmaceutical Dosage Forms,2nd Ed.,(1976)に記載されている。
担体は、単一の成分又は2種以上の成分の組み合わせを含み得る。局所用組成物では、この担体には局所用担体が含まれる。適切な局所用担体としては、リン酸緩衝生理食塩水、等張水、脱イオン水、単官能性アルコール、対称性アルコール、アロエベラゲル、アラントイン、グリセリン、ビタミンA及びE油、鉱油、プロピレングリコール、プロピオン酸PPG−2ミリスチル、ジメチルイソソルビド、ヒマシ油、それらの組み合わせなどから選択される1種以上の成分が挙げられる。より具体的には、皮膚適用のための担体としては、プロピレングリコール、ジメチルイソソルビド及び水、さらに具体的には、リン酸緩衝生理食塩水、等張水、脱イオン水、単官能性アルコール及び対称性アルコールが挙げられる。
局所用組成物の担体としては、皮膚軟化薬、噴射剤、溶媒、湿潤剤、増粘剤、散剤、香料、色素及び保存剤(これらはすべて任意選択である)から選択される1種以上の成分をさらに挙げることができる。
適切な皮膚軟化薬としては、ステアリルアルコール、モノリシノール酸グリセリル、モノステアリン酸グリセリル、プロパン−1,2−ジオール、ブタン−1,3−ジオール、ミンクオイル、セチルアルコール、イソステアリン酸イソプロピル、ステアリン酸、パルミチン酸イソブチル、ステアリン酸イソセチル、オレイルアルコール、ラウリン酸イソプロピル、ラウリン酸ヘキシル、オレイン酸デシル、オクタデカン−2−オール、イソセチルアルコール、パルミチン酸セチル、セバシン酸ジ−n−ブチル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、ポリエチレングリコール、トリエチレングリコール、ラノリン、ゴマ油、ヤシ油、ラッカセイ油、ヒマシ油、アセチル化ラノリンアルコール、石油、鉱油、ミリスチン酸ブチル、イソステアリン酸、パルミチン酸、リノール酸イソプロピル、乳酸ラウリル、乳酸ミリスチル、オレイン酸デシル、ミリスチン酸ミリスチル及びそれらの組み合わせが挙げられる。皮膚のための具体的な皮膚軟化薬としては、ステアリルアルコール及びポリジメチルシロキサンが挙げられる。皮膚対応の局所用組成物中の皮膚軟化薬の量は、一般的に約5%〜約95%である。
適切な噴射剤としては、プロパン、ブタン、イソブタン、ジメチルエーテル、二酸化炭素、亜酸化窒素及びそれらの組み合わせが挙げられる。局所用組成物中の噴射剤の量は、一般的に約0%〜約95%である。
適切な溶媒としては、水、エチルアルコール、塩化メチレン、イソプロパノール、ヒマシ油、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン及びそれらの組み合わせが挙げられる。具体的な溶媒としては、エチルアルコール及びホモトピック(homotopic)アルコールが挙げられる。局所用組成物中の溶媒の量は、一般的に約0%〜約95%である。
適切な湿潤剤としては、グリセリン、ソルビトール、2−ピロリドン−5−カルボン酸ナトリウム、可溶性コラーゲン、フタル酸ジブチル、ゼラチン及びそれらの組み合わせが挙げられる。具体的な湿潤剤としては、グリセリンが挙げられる。局所用組成物中の湿潤剤の量は、一般的に0%〜95%である。
局所用組成物中の増粘剤の量は、一般的に約0%〜約95%である。
適切な粉末としては、β−シクロデキストリン、ヒドロキシプロピルシクロデキストリン、チョーク、タルク、フーラー土、カオリン、デンプン、ゴム、コロイド状二酸化ケイ素、ポリアクリル酸ナトリウム、テトラアルキルアンモニウムスメクタイト、トリアルキルアリールアンモニウムスメクタイト、化学修飾されたケイ酸マグネシウムアルミニウム、有機変性モンモリロナイト粘土、ケイ酸アルミニウム水和物、フュームドシリカ、カルボキシビニルポリマー、カルボキシメチルセルロースナトリウム、モノステアリン酸エチレングリコール及びそれらの組み合わせが挙げられる。局所用組成物中の粉末の量は、一般的に0%〜95%である。
局所用組成物香料の量は、一般的に約0%〜約0.5%、特に約0.001%〜約0.1%である。
適切なpH調整添加剤としては、局所用医薬組成物のpHを調整するのに十分な量のHCl又はNaOHが挙げられる。
医薬組成物又は製剤は、約10μM未満、約5μM未満、約1μM未満、約500nM未満又は約100nM未満のIC50でmAChR M4に拮抗することができる。医薬組成物又は製剤は、約10μM〜約1nM、約1μM〜約1nM、約100nM〜約1nM又は約10nM〜約1nMのIC50でmAChR M4に拮抗することができる。
a.噴霧乾燥分散製剤
開示する化合物は、噴霧乾燥分散(SDD)として製剤化することができる。SDDは、ポリマーマトリックス中の薬物の単相の非晶質分子分散である。これは、固体マトリックスに分子的に「溶解」された化合物を含む固体溶液である。SDDは、薬物及びポリマーを有機溶媒に溶解し、次いでこの溶液を噴霧乾燥させることによって得られる。医薬用途のための噴霧乾燥の使用は、生物薬剤学分類システム(BCS)クラスII(高透過性、低溶解度)及びクラスIV(低透過性、低溶解度)薬物の溶解度が増大された非晶質分散をもたらすことができる。配合及び操作条件は、溶媒が液滴から急速に蒸発することにより、与えられる時間が相分離又は結晶化に不十分となるように選択される。SDDは、長期安定性及び製造可能性を示す。例えば、SDDでは、2年を超える貯蔵寿命が実証されている。SDDの利点としては、限定はされないが、水に溶けにくい化合物の経口的バイオアベイラビリティの増進、従来の固体剤形(例えば、錠剤及びカプセル剤)を使用する送達、再現可能、制御可能、且つ拡大縮小可能な製造工程並びに幅広い物性を有する構造的に異なる不溶性化合物への広い適用可能性が挙げられる。
したがって、一実施形態では、本開示は、式(I)の化合物を含む噴霧乾燥分散製剤を提供することができる。
4.使用方法
開示する化合物、医薬組成物及び製剤は、ムスカリン性アセチルコリン受容体機能不全に関連する、神経障害及び/又は精神障害などの障害の治療のための方法において使用することができる。開示する化合物及び医薬組成物は、哺乳動物におけるムスカリン性アセチルコリン受容体活性を低下させるための方法でも使用することができる。本方法は、治療結果を改善するための共治療方法をさらに含む。本明細書に記載された使用方法において、さらなる治療剤は、開示する化合物及び組成物と同時に又は連続して投与され得る。
a.障害の治療
開示する化合物、医薬組成物及び製剤は、患者がmAChR M4の拮抗作用から恩恵を受けるであろう様々な障害又は障害の症状を治療、予防、改善、制御、軽減又はそのリスクを低減するための方法において使用することができる。いくつかの実施形態では、障害は、神経変性障害、運動障害又は脳障害であり得る。本方法は、このような治療を必要とする対象に、治療有効量の式(I)の化合物若しくはその薬学的に許容される塩又は治療有効量の式(I)の化合物若しくはその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を投与することを含み得る。
患者がmAChR M4の拮抗作用から恩恵を受けるであろう障害には、神経変性障害及び運動障害が含まれ得る。例えば、例示的な障害には、パーキンソン病、薬物誘発パーキンソニズム、ジストニア、トゥレット症候群、ジスキネジア(例えば、遅発性ジスキネジア又はレボドパ誘発性ジスキネジア)、統合失調症、統合失調症に関連する認知障害、過剰な日中の眠気(例えば、ナルコレプシー)、注意欠陥多動障害(ADHD)、ハンチントン病、舞踏病(例えば、ハンチントン病に関連する舞踏病)、脳性麻痺及び進行性核上性麻痺が含まれ得る。
いくつかの実施形態では、本開示は、パーキンソン病を有する対象において運動症状を治療するための方法であって、それを必要とする対象に、治療有効量の式(I)の化合物若しくはその薬学的に許容される塩又は治療有効量の式(I)の化合物若しくはその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を投与することを含む方法を提供する。いくつかの実施形態では、運動症状は、寡動、振戦、硬直、歩行機能障害及び姿勢不安定から選択される。本方法は、対象における運動症状を治療し、運動症状を制御し、且つ/又は運動症状を減少させることができる。
いくつかの実施形態では、本開示は、ジストニアを有する対象において運動症状を治療するための方法であって、治療有効量の式(I)の化合物若しくはその薬学的に許容される塩又は治療有効量の式(I)の化合物若しくはその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を対象に投与することを含む方法を提供する。本方法は、対象における運動症状を治療し、運動症状を制御し、且つ/又は運動症状を減少させることができる。例えば、治療は、ジストニアを有する対象における筋肉収縮又は痙攣を減少させることができる。
いくつかの実施形態では、本開示は、遅発性ジスキネジアを有する対象において運動症状を治療するための方法であって、治療有効量の式(I)の化合物若しくはその薬学的に許容される塩又は治療有効量の式(I)の化合物若しくはその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を対象に投与することを含む方法を提供する。本方法は、対象における運動症状を治療し、運動症状を制御し、且つ/又は運動症状を減少させることができる。例えば、治療は、遅発性ジスキネジアを有する対象における不随意運動を減少させることができる。
いくつかの実施形態では、本開示は、遅発性ジスキネジアを発症する危険性のある対象において遅発性ジスキネジアを予防又は遅延させる方法であって、治療有効量の式(I)の化合物若しくはその薬学的に許容される塩又は治療有効量の式(I)の化合物若しくはその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を対象に投与することを含む方法を提供する。例えば、対象は、神経遮断薬物(例えば、典型的な抗精神病薬又は非典型的な抗精神病薬)、ドーパミンアンタゴニスト又は制吐薬で治療されている対象であり得る。
いくつかの実施形態では、本開示は、統合失調症に罹患している対象においてカタレプシーを治療する方法であって、治療有効量の式(I)の化合物若しくはその薬学的に許容される塩又は治療有効量の式(I)の化合物若しくはその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を対象に投与することを含む方法を提供する。例えば、統合失調症に罹患している対象は、神経遮断薬(例えば、典型的な抗精神病薬又は非典型的な抗精神病薬)によって誘導されるカタレプシーを有し得る。
いくつかの実施形態では、本開示は、mAChR M4の拮抗作用から恩恵を受けることができるドーパミン及びコリン作動性シグナル伝達の変化を特徴とする脳障害を治療する方法であって、治療有効量の式(I)の化合物若しくはその薬学的に許容される塩又は治療有効量の式(I)の化合物若しくはその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を対象に投与することを含む方法を提供する。例えば、治療は、統合失調症及び他の脳障害のような、目標指向行動に対するモチベーションの低下を特徴とする障害に罹患している患者におけるモチベーション又は目標指向行動を増加させることができる。
いくつかの実施形態では、本開示は、覚醒の増加及び/又は過剰な日中の眠気の減少を、それを必要とする対象において行うための方法であって、治療有効量の式(I)の化合物若しくはその薬学的に許容される塩又は治療有効量の式(I)の化合物若しくはその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を対象に投与することを含む方法を提供する。いくつかの実施形態では、対象は、ナルコレプシーに罹患している対象である。
いくつかの実施形態では、本開示は、注意の増大を、それを必要とする対象(例えば、ADHDなどの注意欠陥障害を患っている対象)において行う方法であって、治療有効量の式(I)の化合物若しくはその薬学的に許容される塩又は治療有効量の式(I)の化合物若しくはその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を対象に投与することを含む方法を提供する。
いくつかの実施形態では、本開示は、薬物誘発運動障害を有する対象において運動症状を治療するための方法であって、治療有効量の式(I)の化合物若しくはその薬学的に許容される塩又は治療有効量の式(I)の化合物若しくはその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を対象に投与することを含む方法を提供する。いくつかの実施形態では、薬物誘発運動障害は、薬物誘発パーキンソニズム、遅発性ジスキネジア、遅発性ジストニア、アカシジア、ミオクローヌス及び振戦から選択される。本方法は、対象における運動症状を治療し、運動症状を制御し、且つ/又は運動症状を減少させることができる。
この化合物及び組成物は、本明細書に言及した疾患、障害及び状態の予防、治療、制御、改善又はリスクの低下においてさらに有用であり得る。この化合物及び組成物は、他の薬剤と組み合わせて、前述の疾患、障害及び状態の予防、治療、制御、改善又はリスクの低下のための方法においてさらに有用であり得る。
mAChR M4の拮抗作用から恩恵を受けるであろう状態などの状態の治療において、適切な投与量レベルは、約0.01〜500mg/kg患者体重/日であり得、これは、単回又は多回用量で投与され得る。好適な投与量レベルは、約0.1〜約250mg/kg/日又は約0.5〜約100mg/kg/日であり得る。好適な投与量レベルは、約0.01〜250mg/kg/日、約0.05〜100mg/kg/日又は約0.1〜50mg/kg/日であり得る。この範囲内で、投与量は、0.05〜0.5、0.5〜5又は5〜50mg/kg/日であり得る。経口投与のために、組成物は、1.0〜1000ミリグラムの活性成分、特に1.0、5.0、10、15、20、25、50、75、100、150、200、250、300、400、500、600、750、800、900又は1000ミリグラムの活性成分を含有する錠剤の形態で提供されて、治療される患者への投薬量を症候的に調節することができる。化合物は、1日に1〜4回、好ましくは1日に1回又は2回のレジメンで投与することができる。この投薬レジメンは、最適な治療応答を提供するように調整され得る。しかしながら、任意の特定の患者に対する投与量の特定の用量レベル及び頻度は、変化させることができ、使用される特定の化合物の活性、その化合物の代謝安定性及び作用の長さ、年齢、体重、一般的な健康状態、性別、食事、投与の様式及び時間、排泄速度、薬物の組み合わせ、特定の状態の重篤度並びに治療を受けている宿主を含む様々な因子に依存することが理解されるであろう。
したがって、いくつかの実施形態では、本開示は、少なくとも1つの細胞においてmAChR M4受容体に拮抗する方法であって、少なくとも1つの細胞においてmAChR M4に拮抗するのに有効な量で、少なくとも1つの細胞を少なくとも1つの開示する化合物又は開示する方法の少なくとも1つの産物と接触させる工程を含む方法に関する。いくつかの実施形態では、細胞は、哺乳動物、例えばヒトである。いくつかの実施形態では、細胞は、接触工程前に対象から単離されている。いくつかの実施形態では、接触は、対象への投与を介する。
いくつかの実施形態では、本発明は、対象においてmAChR M4受容体に拮抗する方法であって、対象においてmAChR M4受容体に拮抗するのに有効な投与量及び量で、少なくとも1つの開示する化合物又は開示する方法の少なくとも1つの産物を対象に投与する工程を含む方法に関する。いくつかの実施形態では、対象は、哺乳動物、例えばヒトである。いくつかの実施形態では、哺乳動物は、投与工程前にmAChR M4拮抗作用が必要であると診断されている。いくつかの実施形態では、哺乳動物は、投与工程前にmAChR M4拮抗作用が必要であると診断されている。いくつかの実施形態では、この方法は、mAChR M4拮抗作用を必要とする対象を同定する工程をさらに含む。
b.ムスカリン性アセチルコリン受容体の拮抗作用
いくつかの実施形態では、本開示は、哺乳動物においてmAChR M4に拮抗するための方法であって、有効量の少なくとも1つの開示する化合物若しくはその薬学的に許容される塩又は少なくとも1つの開示する化合物若しくはその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を哺乳動物に投与する工程を含む方法に関する。
いくつかの実施形態では、ムスカリン性アセチルコリン受容体の拮抗作用は、ムスカリン性アセチルコリン受容体活性を低下させる。
いくつかの実施形態では、投与される化合物は、約10μM未満、約5μM未満、約1μM未満、約500nM未満又は約100nM未満のIC50でmAChR M4に拮抗する。いくつかの実施形態では、投与される化合物は、約10μM〜約1nM、約1μM〜約1nM、約100nM〜約1nM又は約10nM〜約1nMのIC50でmAChR M4に拮抗する。
いくつかの実施形態では、哺乳動物は、ヒトである。いくつかの実施形態では、哺乳動物は、投与工程前にムスカリン性アセチルコリン受容体活性を低下させる必要があると診断されている。いくつかの実施形態では、この方法は、ムスカリン性アセチルコリン受容体活性を低下させる必要がある哺乳動物を同定する工程をさらに含む。いくつかの実施形態では、ムスカリン性アセチルコリン受容体の拮抗作用は、哺乳動物におけるムスカリン性アセチルコリン受容体活性に関連する障害を治療する。いくつかの実施形態では、ムスカリン性アセチルコリン受容体は、mAChR M4である。
いくつかの実施形態では、哺乳動物におけるムスカリン性アセチルコリン受容体の拮抗作用は、ムスカリン性受容体機能不全に関連する障害、例えば本明細書に開示される障害の治療に関連する。いくつかの実施形態では、ムスカリン受容体は、mAChR M4である。
いくつかの実施形態では、本開示は、細胞中のムスカリン性アセチルコリン受容体に拮抗するための方法であって、細胞を有効量の少なくとも1つの開示する化合物又はその薬学的に許容される塩と接触させる工程を含む方法を提供する。いくつかの実施形態では、細胞は、哺乳動物(例えば、ヒト)である。いくつかの実施形態では、細胞は、接触工程前に哺乳動物から単離されている。いくつかの実施形態では、接触は、哺乳動物への投与を介する。
c.共治療方法
本発明は、治療結果を改善するための、選択的mAChR M4アンタゴニストなどのmAChR M4アンタゴニストの投与にさらに関する。すなわち、いくつかの実施形態では、本開示は、有効量及び用量の少なくとも1つの開示する化合物又はその薬学的に許容される塩を哺乳動物に投与する工程を含む共治療方法に関する。
いくつかの実施形態では、投与は、認知療法又は行動療法との関連で治療結果を改善する。認知又は行動療法に関連した投与は、連続的又は断続的であり得る。投与は、療法と同時である必要はなく、療法前、療法中及び/又は療法後であり得る。例えば、認知又は行動療法は、化合物の投与前又は後の1、2、3、4、5、6、7日以内に提供することができる。さらなる例として、認知又は行動療法は、化合物の投与前又は後の1、2、3又は4週以内に提供することができる。なおもさらなる例として、認知又は行動療法は、投与する化合物の1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10半減期の時間以内において投与前又は後に提供することができる。
いくつかの実施形態では、投与は、理学療法又は作業療法の状況下で治療結果を改善することができる。理学療法又は作業療法に関連する投与は、連続的又は断続的であり得る。投与は、療法と同時である必要はなく、療法前、その間及び/又はその後であり得る。例えば、理学療法又は作業療法は、化合物の投与前又は投与後1、2、3、4、5、6、7日以内に提供することができる。さらなる例として、理学療法又は作業療法は、化合物の投与前又は投与後1、2、3又は4週間以内に提供することができる。なおさらなる例として、理学療法又は作業療法は、投与された化合物の1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10半減期の期間内において投与前又は後に提供することができる。
開示する共治療方法は、開示する化合物、組成物、キット及び使用に関連して使用され得ることが理解される。
d.併用療法
本明細書に記載される使用方法において、さらなる治療剤は、開示する化合物及び組成物と同時に又は連続して投与され得る。連続投与は、開示する化合物及び組成物の前又は後の投与を含む。いくつかの実施形態では、追加の治療剤は、開示する化合物と同じ組成物で投与され得る。他の実施形態では、追加の治療薬の投与と、開示する化合物の投与との間に時間隔があり得る。いくつかの実施形態では、開示する化合物との追加の治療薬の投与は、より低い用量の他の治療薬及び/又はより少ない頻度の間隔での投与を可能にし得る。1つ以上の他の活性成分と併用される場合、本発明の化合物及び他の活性成分は、各々が単独で使用される場合よりも低い用量で使用され得る。したがって、本発明の医薬組成物は、式(I)の化合物に加えて、1つ以上の他の活性成分を含有するものを含む。上記の組み合わせには、本発明の化合物と、1つの他の活性化合物との組み合わせだけでなく、2つ以上の他の活性化合物との組み合わせも含まれる。
開示する化合物は、化合物又は他の薬物が有用性を有する前述の疾患、障害及び状態の治療、予防、制御、改善又はリスクの低減において、単一の薬剤として又は1つ以上の他の薬物と組み合わせて使用され得、ここで、薬物の組み合わせは、いずれかの薬物単独よりも安全であるか又はより有効である。他の薬物は、開示する化合物と同時に又は連続して、そのために一般的に使用される経路及び量で投与することができる。開示する化合物が1つ以上の他の薬物と同時に使用される場合、このような薬物及び開示する化合物を含む単位剤形の医薬組成物が使用され得る。しかしながら、併用療法は、重複するスケジュールで投与することもできる。また、1つ以上の活性成分と、開示する化合物との組み合わせは、単一の薬剤としてのいずれよりも有効であり得ることも想定される。したがって、1つ以上の他の活性成分と併用される場合、開示する化合物及び他の活性成分は、各々が単独で使用される場合よりも低い用量で使用され得る。
本発明の医薬組成物及び方法は、上記の病的状態の治療に通常適用される、本明細書に記載の他の治療活性化合物をさらに含むことができる。
上記の組み合わせには、開示する化合物と、1種の他の活性な化合物との組み合わせだけでなく、2種以上の他の活性な化合物との組み合わせも含まれる。同様に、開示する化合物は、開示する化合物が有用である疾患又は状態の予防、治療、制御、改善又はリスクの低下において使用される他の薬物と組み合わせて使用することができる。こうした他の薬物は、そのために一般的に使用される経路及び量で本発明の化合物と同時に又は逐次的に投与することができる。本発明の化合物が1種以上の他の薬物と同時に使用される場合、開示する化合物に加えてこうした他の薬物を含有する医薬組成物が好ましい。したがって、この医薬組成物には、本発明の化合物に加えて、1種以上の他の活性成分も含有するものが含まれる。
開示する化合物と第2の活性成分との重量比は、変動する可能性があり、各成分の有効な用量に依存する。一般に、それぞれの有効な用量が使用される。したがって、例えば、本発明の化合物が別の薬剤と組み合わせられる場合、開示する化合物と他の薬剤との重量比は、一般に、約1000:1〜約1:1000、好ましくは約200:1〜約1:200の範囲となる。本発明の化合物と他の活性成分との組み合わせはまた、一般に、前述の範囲の範囲内となるが、その都度、有効な用量の各活性成分が使用されるべきである。
こうした組み合わせでは、開示する化合物と他の活性な薬剤は、別々に又は一緒に投与することができる。さらに、一方の要素の投与は、他の薬剤の投与前、それと同時又はその後であり得る。
したがって、開示する化合物は、単独で、或いは対象適応症において有益であることが公知である他の薬剤又は開示する化合物の有効性、安全性、利便性を増大させるか、又は所望されない副作用若しくは毒性を低下させる、受容体若しくは酵素に影響を与える他の薬物と組み合わせて使用することができる。対象化合物及び他の薬剤は、併用療法で又は一定量の組み合わせで同時投与することができる。
いくつかの実施形態では、化合物は、本明細書に記載される障害を治療するために使用される任意の他の薬剤、例えば本明細書に記載される障害のような、mAChR M4拮抗作用から恩恵を受けるであろう障害のための標準治療療法と組み合わせて使用され得る。例えば、いくつかの実施形態では、化合物は、パーキンソン病薬(例えば、L−DOPA又はカルビドパ/レボドパ)、mGlu4ポジティブアロステリックモジュレーター、mGlu5ネガティブアロステリックモジュレーター、A2Aインヒビター、T型カルシウムチャネルアンタゴニスト、VMAT2インヒビター、筋弛緩薬(例えば、バクロフェン)、抗コリン薬、制吐薬、典型的又は非典型的な神経遮断薬(例えば、リスペリドン、ジプラシドン、ハロペリドール、ピモジド、フルフェナジン)、抗高血圧薬(例えば、クロニジン又はグアンファシン)、三環系抗うつ薬(例えば、アミトリプチリン、ブトリプチリン、クロミプラミン、デシプラミン、ドスレピン、ドキセピン、イミプラミン、イプリンドール、ロフェプラミン、ノルトリプチリン、プロトリプチリン又はトリミプラミン)、細胞外ドーパミン濃度を上昇させる薬剤(例えば、アンフェタミン、メチルフェニデート又はリスデキサンフェタミン)、過剰な日中の眠気を治療する薬剤(例えば、ナトリウムオキシベート又はアルモダフィニル若しくはモダフィニルなどの覚醒促進剤)及びノルエピネフリン再取り込み阻害剤(選択的NRI、例えばアトモキセチン及び非選択的NRI、例えばブプロピオンを含む)と併用することができる。
e.投与の様式
治療方法は、開示する組成物を投与する任意の数の様式を含み得る。投与の様式には、錠剤、丸剤、糖衣錠、硬質及び軟質ゲルカプセル、顆粒、ペレット、水性、脂質、油性若しくは他の溶液、水中油型エマルジョンなどのエマルジョン、リポソーム、水性若しくは油性懸濁液、シロップ、エリキシル、固体エマルジョン、固体分散液又は分散性粉末が含まれ得る。経口投与のための医薬組成物の調製のために、薬剤は、例えば、アラビアゴム、タルク、デンプン、糖(例えば、マンニトース、メチルセルロース、ラクトースなど)、ゼラチン、界面活性剤、ステアリン酸マグネシウム、水性若しくは非水性溶媒、パラフィン誘導体、架橋剤、分散剤、乳化剤、滑沢剤、保存剤、香味剤(例えば、エーテル性油)、溶解度増強剤(例えば、安息香酸ベンジル又はベンジルアルコール)又はバイオアベイラビリティ増強剤(例えば、Gelucire(商標))など、一般に知られており使用されているアジュバント及び賦形剤と混合することができる。医薬組成物において、薬剤は、微粒子、例えばナノ粒子組成物中にも分散され得る。
非経口投与のために、薬剤は、生理学的に許容される希釈剤、例えば水、緩衝液、可溶化剤を含む又は含まない油、界面活性剤、分散剤又は乳化剤に溶解又は懸濁され得る。油としては、例えば、限定するものではないが、オリーブ油、落花生油、綿実油、大豆油、ヒマシ油及びゴマ油を使用することができる。より一般的に言えば、非経口投与のために、薬剤は、水性、脂質、油性若しくは他の種類の溶液若しくは懸濁液の形態であり得るか、又はさらにリポソーム若しくはナノ懸濁液の形態で投与され得る。
用語「非経口的」は、本明細書で使用する場合、静脈内、筋肉内、腹腔内、胸骨内、皮下及び関節内注射及び注入を含む投与様式を指す。
5.キット
一態様では、本開示は、少なくとも1つの開示する化合物若しくはその薬学的に許容される塩又は少なくとも1つの開示する化合物若しくはその薬学的に許容される塩と、以下の1つ以上を含む医薬組成物とを含むキットを提供する:
(a)mAChR M4活性を増大させることが知られている少なくとも1つの薬剤;
(b)mAChR M4活性を低下させることが知られている少なくとも1つの薬剤;
(c)mAChR M4に関連する障害(例えば、本明細書に記載される障害)を処置することが知られている少なくとも1つの薬剤;及び
(d)化合物を投与するための説明書。
いくつかの実施形態では、少なくとも1種の開示する化合物と少なくとも1種の薬剤とは、同時製剤化される。いくつかの実施形態では、少なくとも1種の開示する化合物と少なくとも1種の薬剤とは、同時包装される。これらのキットは、他の構成成分と共に同時包装、同時製剤化及び/又は同時送達される化合物及び/又は生成物も含み得る。例えば、薬物製造者、薬物販売代理店、医師、調剤店又は薬剤師は、開示する化合物及び/又は生成物と、患者への送達のための別の成分とを含むキットを提供することができる。
開示するキットは、開示する使用の方法と共に用いることができる。
これらのキットは、キットの使用が、哺乳類(特にヒト)における身体疾患に対する治療を提供するという情報、説明又はその両方を含み得る。これらの情報及び説明は、言葉、画像又はその両方などの形態であり得る。キットは、さらに又は選択的に、哺乳類(例えば、ヒト)における身体疾患を治療又は予防するという利点を好ましくは有する化合物、組成物又はその両方;及び化合物又は組成物の適用の方法に関する情報、説明又はその両方を含み得る。
本発明の化合物及びプロセスは、本発明の範囲の例示を目的とするが限定を目的としない以下の実施例を参照することにより、より良く理解されるであろう。
6.実施例
すべてのNMRスペクトルは、400MHz AMX Bruker NMR分光計で記録した。1H化学シフトは、重水素化された溶媒を内部標準として用いて、ppm(低磁場)におけるδ値で報告する。データは、次の通りに報告する:化学シフト、多重度(s=一重線、bs=広い一重線、d=二重線、t=三重線、q=四重線、dd=二重線の二重線、m=多重線、ABq=AB四重線)、結合定数、積分値。逆相LCMS分析は、以下のパラメータを用いて、デガッサを備え付けたバイナリポンプ、高性能オートサンプラー、サーモスタット付きカラムコンパートメント、C18カラム、ダイオードアレイ検出器(DAD)及びAgilent 6150 MSDから構成される、Agilent 1200システムを使用して実施した。グラジエント条件は、1.4分かけて5%から95%までのアセトニトリル(水相は、0.1% TFA(水中))であった。試料を、カラム及び溶媒温度を55℃に維持しながら、0.5mL/分においてWaters Acquity UPLC BEH C18 カラム(1.7μm、1.0×50mm)で分離した。DADを、190〜300nmでスキャンするように設定し、使用したシグナルは、220nm及び254nm(いずれも4nmの幅のバンドを用いる)であった。MS検出器を、エレクトロスプレーイオン化源を用いて設定し、低分解能マススペクトルを、0.13サイクル/秒での0.2AMUのステップサイズ及び0.008分のピーク幅を用いて140〜700AMUでスキャンすることによって得た。乾燥ガス流(drying gas flow)は、300℃で13リットル/分に設定し、ネブライザー圧力は、30psiに設定した。キャピラリーニードル電圧は、3000Vに設定し、フラグメンター電圧は、100Vに設定した。Agilent Chemstation及びAnalytical Studio Reviewerソフトウェアを用いてデータ取得を行った。
以下に示す実施例に使用する略語は、次の通りである:ACNは、アセトニトリルであり;Bocは、tert−ブチルオキシカルボニルであり;DCEは、1,2−ジクロロエタンであり;DCMは、ジクロロメタンであり;DIPEAは、N,N−ジイソプロピルエチルアミンであり;DMSOは、ジメチルスルホキシドであり;EtOAcは、酢酸エチルであり;IPAは、イソプロピルアルコールであり;MeOHは、メタノールであり;RuPhos−Pd−G3は、(2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,6’−ジイソプロポキシ−1,1’−ビフェニル)[2−(2’−アミノ−1,1’−ビフェニル)]パラジウム(II)メタンスルホナト(CAS番号1445085−77−7)であり;TFAは、トリフルオロ酢酸であり;THFは、テトラヒドロフランである。
実施例1. 2−(3,3−ジメチルブチル)−N−[6−(2,4−ジメチルピラゾール−3−イル)ピリダジン−3−イル]−3,3a,4,5,6,6a−ヘキサヒドロ−1H−シクロペンタ[c]ピロール−4−アミン(化合物1)。
tert−ブチル4−(ベンジルアミノ)−3,3a,4,5,6,6a−ヘキサヒドロ−1H−シクロペンタ[c]ピロール−2−カルボキシレート。
Figure 2021503443
DCM(8mL)に溶解させた2−Boc−4−オキソ−ヘキサヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール(500mg、2.22mmol)及びベンジルアミン(243μL、2.22mmol)を含有するバイアルに、酢酸(0.190mL)及びトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(706mg、3.33mmol)を順に添加した。混合物を室温で攪拌した。18h後、混合物をDCMで希釈してから、NaHCO3の水性飽和溶液を添加し、混合物を数分間高速で攪拌した。各層を分離し、水層をクロロホルム/IPA(4:1)で抽出した。合わせた有機層をNa2SO4で乾燥させ、濾過した後、濃縮した。Teledyne ISCO Combi−Flashシステム(液体ローディング、24Gカラム、30〜100% EtOAc/ヘキサン、25分のラン)を用いて、粗生成物を精製して、標題化合物(601mg、1.93mmol、87%収率)を得た。LCMS(90sec法):RT=0.634,m/z=317.4[M+H]+
tert−ブチル4−アミノ−3,3a,4,5,6,6a−ヘキサヒドロ−1H−シクロペンタ[c]ピロール−2−カルボキシレート
Figure 2021503443
磁気撹拌子を備える丸底フラスコに三方シュレンクアダプターを装着し、排気してから、窒素(3×反復)でパージした。パラジウム−活性炭素(51mg、0.050mmol)をフラスコに添加した後、メタノール(10mL)、続いてtert−ブチル4−(ベンジルアミノ)−3,3a,4,5,6,6a−ヘキサヒドロ−1H−シクロペンタ[c]ピロール−2−カルボキシレート(305mg、0.96mmol)のメタノール(2mL)中の溶液を添加した。丸底フラスコを排気してから、窒素でパージした(3×反復)。三方アダプターに、H2ガスを含むバルーンを取り付け、システムを排気した後、H2でパージした(3×反復)。次に、H2雰囲気下で反応物を18h攪拌させた。LCMSにより決定される通り完了したら、Pd/C触媒を、セライトパッドを介した濾過により除去し、パッドをMeOHで2回洗浄した後、溶媒を除去して、標題化合物(212mg、0.937mmol、97%収率)を得た。LCMS(90sec法):RT=0.427,m/z=171.3[M+H−tBu]+
tert−ブチル4−[(6−クロロピリダジン−3−イル)アミノ]−3,3a,4,5,6,6a−ヘキサヒドロ−1H−シクロペンタ[c]ピロール−2−カルボキシレート
Figure 2021503443
マイクロ波バイアル内に、tert−ブチル4−アミノ−3,3a,4,5,6,6a−ヘキサヒドロ−1H−シクロペンタ[c]ピロール−2−カルボキシレート(212mg、0.94mmol)及びDIPEA(0.49mL、2.81mmol)の1−ブタノール(2.36mL)中の溶液を添加した。次に、3,6−ジクロロピリダジン(419mg、2.81mmol)を添加し、バイアルを密閉した。混合物を100℃まで加熱し、ベンチトップで18hr攪拌した。LCMS分析の後、反応混合物を濃縮し、Teledyne ISCO Combi−Flashシステム(DCMによる液体ローディング、12Gカラム、25% EtOAc/ヘキサンを6分、次いで0〜10% EtOAc/DCMを10分)を用いて、粗生成物を精製した。生成物を含有する画分を濃縮して、標題化合物(106mg、0.313mmol、33%収率)を得た。LCMS(90sec法):RT=0.665,m/z=339.2[M+H]+
tert−ブチル4−((6−(1,4−ジメチル−1H−ピラゾール−5−イル)ピリダジン−3−イル)アミノ)ヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール−2(1H)−カルボキシレート
Figure 2021503443
マイクロ波バイアルに、tert−ブチル4−[(6−クロロピリダジン−3−イル)アミノ]−3,3a,4,5,6,6a−ヘキサヒドロ−1H−シクロペンタ[c]ピロール−2−カルボキシレート(106mg、0.310mmol)、1,4−ジメチルピラゾール−5−ボロン酸ピナコールエステル(208mg、0.94mmol)、炭酸カリウム(132mg、0.94mmol)、及びRuPhos−Pd−G3(26mg、0.03mmol)を添加した。バイアルをN2でパージし、不活性雰囲気下で5:1のジオキサン/H2O(脱気済)を添加した。得られた混合物を130℃のBiotageマイクロ波で20分間照射した。反応混合物をセライトで濾過し、セライトプラグをDCMで洗浄し、飽和水性NaHCO3を濾過物に添加した。次に、DCM層を単離し、水層をクロロホルム/IPA(4:1)(3×10mL)で抽出した。有機層を相分離器に通過させ、濃縮した。Teledyne ISCO Combi−Flashシステム(DCMによる液体ローディング、12Gカラム、0〜50% EtOAc/DCM、10分のラン;次いで0〜5% MeOH/DCM/0.1% NH4OH)を用いて、粗生成物を精製して、標題化合物(82mg、0.205mmol、66%収率)を得た。LCMS(90sec法):RT=0.661,m/z=399.2[M+H]+
N−(6−(1,4−ジメチル−1H−ピラゾール−5−イル)ピリダジン−3−イル)オクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール−4−アミン
Figure 2021503443
DCM(1.56mL)に溶解させたtert−ブチル4−((6−(1,4−ジメチル−1H−ピラゾール−5−イル)ピリダジン−3−イル)アミノ)ヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール−2(1H)−カルボキシレート(81.8mg、0.210mmol)を含有するバイアルに、塩酸(ジオキサン中4M、260μL、1.03mmol)を添加した。混合物を5h攪拌し、溶媒を除去して、標題化合物を塩酸塩として取得した(68mg、0.20mmol、98%収率)。この混合物をそれ以上精製せずに次に進めた。
2−(3,3−ジメチルブチル)−N−[6−(2,4−ジメチルピラゾール−3−イル)ピリダジン−3−イル]−3,3a,4,5,6,6a−ヘキサヒドロ−1H−シクロペンタ[c]ピロール−4−アミン(化合物1)
Figure 2021503443
バイアルに、N−(6−(1,4−ジメチル−1H−ピラゾール−5−イル)ピリダジン−3−イル)オクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール−4−アミン塩酸塩(9.5mg、0.030mmol)のDCE(0.50mL)/THF(0.500mL)溶液を添加した。次に、3,3−ジメチルブチルアルデヒド(20μL、0.170mmol)、続いてトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(30.1mg、0.141mmol)を添加した。得られた懸濁液を室温で18h攪拌した後、LCMSにより分析した。DCMで希釈してから、NaHCO3の水性飽和溶液を添加することによって、反応物をクエンチした。有機層を除去した後、水層をクロロホルム/IPA(4:1)で逆抽出(back−extracted)した。有機層を相分離器に通過させ、溶媒を濃縮した。粗生成物をDMSO(1mL)に溶解させた後、Gilson(Acidic、30×50mmカラム、20〜55% ACN/0.1%水性TFA、4分のラン)を用いて精製した。生成物を含有する画分を濃縮し、クロロホルム/IPA(4:1)に再溶解させてから、NaHCO3の水性飽和溶液で塩基性化した。溶媒を濃縮して、標題化合物(6.6mg、0.017mmol、51%収率)を透明な油として得た。LCMS(90sec法):RT=0.488,m/z=383.4[M+H]+1H NMR(400MHz,クロロホルム−d):δ 7.36(s,1H),7.22(d,J=9.22,1H),6.75(m,1H),6.63(d,J=9.20,1H),4.46(bs,1H),4.01(s,3H),2.92−2.94(m,1H),2.78−2.80(m,1H),2.64−2.72(m,2H),2.37−2.49(m,2H),2.27−2.30(m,1H),2.11(s,3H),2.08−2.13(m,1H)1.92−2.02(m,2H),1.61−1.69(m,1H),1.39−1.52(m,3H),0.93(s,9H).
表1に示す化合物は、適切な出発材料を用いて、化合物1と同様に調製することができる。
Figure 2021503443
実施例2. 4−[6−(2,4−ジメチルピラゾール−3−イル)ピリダジン−3−イル]オキシ−2−[(3−メチル−2−ピリジル)メチル]−3,3a,4,5,6,6a−ヘキサヒドロ−1H−シクロペンタ[c]ピロール(化合物4)。
tert−ブチル4−ヒドロキシ−3,3a,4,5,6,6a−ヘキサヒドロ−1H−シクロペンタ[c]ピロール−2−カルボキシレート
Figure 2021503443
THF(14.8mL)に溶解させた4−オキソ−ヘキサヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−2−カルボン酸tert−ブチルエステル(500mg、2.22mmol)の溶液を0℃まで冷却し、そこに、水素化アルミニウムリチウム(THF中1M、2.22mL、2.22mmol)を滴下した。反応物を0℃で2時間攪拌させた後、LCMSによりモニターした。反応物をロッシェル塩の水性飽和溶液にゆっくりと添加し、18h攪拌した。水層をEtOAc(15mL)、次にクロロホルム/IPA(4:1)(3×20mL)で抽出した。有機相をプールし、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して、標題化合物(315mg、1.39mmol、63%収率)を得た。LCMS(90sec法):RT=0.688,m/z=172.4[M+H−tBu]+
tert−ブチル4−(6−クロロピリダジン−3−イル)オキシ−3,3a,4,5,6,6a−ヘキサヒドロ−1H−シクロペンタ[c]ピロール−2−カルボキシレート
Figure 2021503443
バイアルに、THF(11mL)に溶解させたtert−ブチル4−ヒドロキシ−3,3a,4,5,6,6a−ヘキサヒドロ−1H−シクロペンタ[c]ピロール−2−カルボキシレート(310mg、1.36mmol)を添加し、0℃に冷却した。水素化ナトリウム(109mg、2.72mmol)(鉱油中60%分散液)を添加し、混合物を15分間攪拌した。次に、3,6−ジクロロピリダジン(406mg、2.72mmol)を添加し、得られた溶液を室温まで昇温させた後、6h還流させた。反応物をH2O及びDCMで希釈し、有機層を除去した後、水層をクロロホルム/IPA(4:1)で逆抽出(back−extracted)した。合わせた有機抽出物を相分離器で濾過し、濃縮した。Teledyne ISCO Combi−Flashシステム(DCMによる液体ローディング、24Gカラム、20〜100% EtOAc/ヘキサン、25分のラン)を用いて、粗生成物を精製して、標題化合物(357mg、1.05mmol、77%収率)を透明な油として得た。LCMS(90sec法):RT=0.904,m/z=284.4[M+H−tBu]+
tert−ブチル4−[6−(2,4−ジメチルピラゾール−3−イル)ピリダジン−3−イル]オキシ−3,3a,4,5,6,6a−ヘキサヒドロ−1H−シクロペンタ[c]ピロール−2−カルボキシレート
Figure 2021503443
バイアルに、tert−ブチル4−(6−クロロピリダジン−3−イル)オキシ−3,3a,4,5,6,6a−ヘキサヒドロ−1H−シクロペンタ[c]ピロール−2−カルボキシレート(179mg、0.53mmol)、1,4−ジメチルピラゾール−5−ボロン酸ピナコールエステル(327mg、1.47mmol)、炭酸カリウム(221mg、1.58mmol)、及びRuPhos−Pd−G3(44mg、0.10mmol)を添加した。バイアルをN2でパージし、不活性雰囲気下で5:1のジオキサン/H2O(脱気済)を添加した。得られた混合物を100℃で18h攪拌した。反応混合物をセライトで濾過し、セライトプラグをDCMで洗浄し、飽和水性NaHCO3を濾過物に添加した。次に、DCM層を単離し、水層をクロロホルム/IPA(4:1)(3×10mL)で逆抽出(back−extracted)した。有機層を相分離器に通過させ、濃縮した。Teledyne ISCO Combi−Flashシステム(液体ローディング、12Gカラム、10〜80% EtOAc/ヘキサン、25分のラン)を用いて、粗生成物を精製した。生成物を含有する画分をプールし、濃縮して、標題化合物(117mg、0.29mmol、56%収率)を黄色の固体として得た。LCMS(90sec法):RT=0.924,m/z=400.2[M+H−tBu]+
4−[6−(2,4−ジメチルピラゾール−3−イル)ピリダジン−3−イル]オキシ−1,2,3,3a,4,5,6,6a−オクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール塩酸塩
Figure 2021503443
DCM(1.6mL)に溶解させたtert−ブチル4−[6−(2,4−ジメチルピラゾール−3−イル)ピリダジン−3−イル]オキシ−3,3a,4,5,6,6a−ヘキサヒドロ−1H−シクロペンタ[c]ピロール−2−カルボキシレート(117mg、0.29mmol)を含有するバイアルに、塩化水素(ジオキサン中4M、0.37mL、1.47mmol)を添加した。混合物を18h攪拌した後、溶媒を除去して、HCl塩としての標題化合物を定量的収率で得た。この混合物をそれ以上精製せずに次に進めた。
4−[6−(2,4−ジメチルピラゾール−3−イル)ピリダジン−3−イル]オキシ−2−[(3−メチル−2−ピリジル)メチル]−3,3a,4,5,6,6a−ヘキサヒドロ−1H−シクロペンタ[c]ピロール(化合物4)
Figure 2021503443
マイクロ波バイアルに、DCM(0.5mL)及びTHF(0.5mL)中の4−[6−(2,4−ジメチルピラゾール−3−イル)ピリダジン−3−イル]オキシ−1,2,3,3a,4,5,6,6a−オクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール塩酸塩(12mg、0.04mmol)を添加した。次に、3−メチル−2−ピリジンカルボキシアルデヒド(20.5μL、0.18mmol)、続いてトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(39mg、0.18mmol)を添加した。得られた懸濁液を周囲温度で18h攪拌した後、LCMSにより分析した。反応物に飽和NaHCO3を添加し、クロロホルム/IPA(4:1)で抽出した。有機溶媒を濃縮し、粗生成物をDMSO(1mL)に溶解させた後、Gilson(Acidic、30×50mmカラム、15〜60% ACN/0.1%水性TFA、4分のラン)を用いて精製した。生成物を含有する画分を飽和NaHCO3で塩基性化し、クロロホルム/IPA(4:1)で抽出した。溶媒を濃縮して、標題化合物(8.1mg、0.020mmol、55%収率、5:1 dr)を透明な油として得た。LCMS(90sec法):RT=0.598,m/z=405.2[M+H]+.主要生成物 1H NMR(400MHz,クロロホルム−d):δ 8.33−8.34(m,1H),7.45(d,J=9.10Hz,1H),7.42−7.44(m,1H),7.39(s,1H),7.07−7.11(m,1H),6.98(d,J=9.10,1H),5.55−5.61(m,1H),4.02(s,3H),3.71(s,2H),3.09−3.15(m,1H),2.76−2.86(m,1H),2.64−2.71(m,2H),2.48−2.52(m,1H),2.44(s,3H),2.30−2.35(m,1H),2.13(s,3H),1.97−2.10(m,2H),1.71−1.80(m,1H),1.53−1.57(m,1H).
表2に示す化合物は、適切な出発材料を用いて、化合物4と同様に調製した。
Figure 2021503443
実施例3. N−[2−[2−(3,3−ジメチルブチル)−3,3a,4,5,6,6a−ヘキサヒドロ−1H−シクロペンタ[c]ピロール−4−イル]エチル]−6−(2,4−ジメチルピラゾール−3−イル)ピリダジン−3−アミン(化合物10)。
tert−ブチル(4Z)−4−(シアノメチレン)−1,3,3a,4,5,6,6a−ヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール−2−カルボキシレート
Figure 2021503443
丸底フラスコに、THF(10mL)に溶解させたシアノメチルホスホン酸ジエチル(0.36mL、2.22mmol)を添加し、−78℃に冷却した。ナトリウムtert−ブトキシド(160mg、1.66mmol)を反応物に添加し、混合物を−78℃で30分間攪拌した。このとき、4−オキソ−ヘキサヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−2−カルボン酸tert−ブチルエステル(250mg、1.11mmol)のTHF(5mL)中の溶液をゆっくりと添加し、反応物を室温まで18hかけてゆっくりと昇温させた。反応物に飽和水性NH4Cl溶液を添加し、混合物をEtOAcで抽出した(3×35mL)。有機層をプールし、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。Teledyne ISCO Combi−Flashシステム(DCMによる液体ローディング、24Gカラム、0〜30% EtOAc/DCM、10分のラン)を用いて、粗生成物を精製した。生成物を含有する画分を収集して、標題化合物(253mg、1.02mmol、92%収率)を透明な油として取得した。LCMS(90sec法):RT=0.828,m/z=193.4[M+H−tBu]+
tert−ブチル4−(シアノメチレン)−3,3a,4,5,6,6a−ヘキサヒドロ−1H−シクロペンタ[c]ピロール−2−カルボキシレート
Figure 2021503443
磁気撹拌子を備える丸底フラスコに、三方シュレンクアダプターを装着し、排気してから、窒素でパージした(3×反復)。パラジウム−活性炭素(215mg、0.200mmol)をフラスコに添加した後、メタノール(20mL)を添加した。次に、tert−ブチル(4Z)−4−(シアノメチレン)−1,3,3a,5,6,6a−ヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール−2−カルボキシレート(1.0g、4.04mmol)のメタノール(4mL)中の溶液をフラスコに添加した。攪拌しながら、丸底フラスコを排気した後、窒素でパージした(3×反復)。三方シュレンクアダプターに、H2を含有するバルーンを取り付け、システムを排気した後、H2でパージした(3×反復)。次に、H2雰囲気下で反応物を18h攪拌させた。LCMSにより決定される通り完了したら、Pd/C触媒を、セライトパッドを介した濾過により除去し、パッドをMeOHで2回洗浄した。次に、溶媒を除去して、標題化合物(957.8mg、3.83mmol、95%収率)を得た。この材料をそれ以上精製せずに次に進めた。LCMS(90sec法):RT=0.805,m/z=195.4[M+H−tBu]+
tert−ブチル4−(2−アミノエチル)−3,3a,4,5,6,6a−ヘキサヒドロ−1H−シクロペンタ[c]ピロール−2−カルボキシレート
Figure 2021503443
0℃のメタノール(24mL)に溶解させたtert−ブチル4−(シアノメチル)−3,3a,4,5,6,6a−ヘキサヒドロ−1H−シクロペンタ[c]ピロール−2−カルボキシレート(1.2g、4.81mmol)の溶液に、塩化ニッケル(II)六水和物(576mg、2.4mmol)を添加した。次に、水素化ホウ素ナトリウム(0.55mL、14.42mmol)を少量ずつ添加し、反応物を0℃で1時間攪拌させた。LCMSにより決定される通り完了したら、粗混合物をSCXカートリッジで精製した後、定量的収率を推定した。LCMS(90sec法):RT=0.601,m/z=255.6[M+H]+
tert−ブチル4−[2−[(6−クロロピリダジン−3−イル)アミノ]エチル]−3,3a,4,5,6,6a−ヘキサヒドロ−1H−シクロペンタ[c]ピロール−2−カルボキシレート
Figure 2021503443
マイクロ波バイアル内に、tert−ブチル4−(2−アミノエチル)−3,3a,4,5,6,6a−ヘキサヒドロ−1H−シクロペンタ[c]ピロール−2−カルボキシレート(1.22g、4.81mmol)、DIPEA(2.51mL、14.42mmol)の1−ブタノール(5mL)溶液を添加した。次に、3,6−ジクロロピリダジン(2.5g、14.42mmol)を添加し、バイアルを密閉した。混合物を100℃に加熱し、ベンチトップで18h攪拌した。LCMS分析の後、反応物を濃縮し、Teledyne ISCO Combi−Flashシステム(DCMによる液体ローディング、24Gカラム、15〜65% EtOAc/ヘキサンを15分)を用いて、粗生成物を精製した。生成物を含有する画分を濃縮して、標題化合物(788.6mg、2.15mmol、45%収率)を得た。
tert−ブチル4−[2−[[6−(2,4−ジメチルピラゾール−3−イル)ピリダジン−3−イル]アミノ]エチル]−3,3a,4,5,6,6a−ヘキサヒドロ−1H−シクロペンタ[c]ピロール−2−カルボキシレート
Figure 2021503443
マイクロ波バイアルに、tert−ブチル4−[2−[(6−クロロピリダジン−3−イル)アミノ]エチル]−3,3a,4,5,6,6a−ヘキサヒドロ−1H−シクロペンタ[c]ピロール−2−カルボキシレート(200mg、0.55mmol)、炭酸カリウム(229mg、1.64mmol)、1,4−ジメチルピラゾール−5−ボロン酸ピナコールエステル(339mg、1.52mmol)、及びRuPhos−Pd−G3(46mg、0.06mmol)を添加した。バイアルをN2でパージし、不活性雰囲気下でジオキサン/H2O(5:1、脱気済)を添加した。反応混合物をセライトで濾過し、セライトプラグをDCMで洗浄し、NaHCO3の飽和水溶液を濾過物に添加した。次に、DCM層を単離し、水層をクロロホルム/IPA(4:1)(3×10mL)で抽出した。有機層を相分離器に通過させ、濃縮した。Teledyne ISCO Combi−Flashシステム(DCMによる液体ローディング、12Gカラム、0〜5% MeOH/DCM、25分のラン)を用いて、粗生成物を精製して、標題化合物(206mg、0.484mmol、89%収率)を得た。LCMS(90sec法):RT=0.770,m/z=427.2[M+H]+
N−[2−(1,2,3,3a,4,5,6,6a−オクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール−4−イル)エチル]−6−(2,4−ジメチルピリダゾール−3−イル)ピリダジン−3−アミン塩酸塩
Figure 2021503443
バイアルに、DCM(1.56mL)に溶解させたtert−ブチル4−[2−[[6−(2,4−ジメチルピラゾール−3−イル)ピリダジン−3−イル]アミノ]エチル]−3,3a,4,5,6,6a−ヘキサヒドロ−1H−シクロペンタ[c]ピロール−2−カルボキシレート(206mg、0.48mmol)を添加した。次に、ジオキサン中の4M HCl(604μL、2.42mmol)を添加し、混合物を4h攪拌させた。LCMSにより決定される通り完了したら、混合物を乾燥まで濃縮し、それ以上精製せずに次に進めた。定量的収率を推定。LCMS(90sec法):RT=0.321;[M+H]=327.5
N−[2−[2−(3,3−ジメチルブチル)−3,3a,4,5,6,6a−ヘキサヒドロ−1H−シクロペンタ[c]ピロール−4−イル]エチル]−6−(2,4−ジメチルピラゾール−3−イル)ピリダジン−3−アミン(化合物10)
Figure 2021503443
マイクロ波バイアルに、DCM(1mL)及び酢酸(0.10mL)中のN−[2−(1,2,3,3a,4,5,6,6a−オクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール−4−イル)エチル]−6−(2,4−ジメチルピリダゾール−3−イル)ピリダジン−3−アミン塩酸塩(15mg、0.04mmol)を添加した。次に、3,3−ジメチルブチルアルデヒド(0.03mL、0.21mmol)、続いてトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(43.8mg、0.21mmol)を添加した。得られた懸濁液を周囲温度で一晩攪拌した。反応物をNaHCO3の水性飽和溶液の添加でクエンチした。DCMを除去した後、水層をクロロホルム/IPA(4:1)で逆抽出(back−extracted)した。全有機相をプールし、相分離器に通過させた後、溶媒を除去した。粗生成物をDMSO(1mL)中に溶解させてから、Gilson(Acidic、30×50mmカラム、15〜55% ACN/0.1%水性TFA、4分のラン)を用いて精製した。生成物を含有する画分を飽和NaHCO3の水溶液で塩基性化した後、クロロホルム/IPA(4:1)で抽出した。溶媒を濃縮して、標題化合物(7.2mg、0.02mmol、43%収率)を無色の油として得た。LCMS(90sec法):RT=0.572;[M+H]=411.6.
表3に示す化合物は、適切な出発材料を用いて、化合物10と同様に調製した。
Figure 2021503443
Figure 2021503443
実施例4. N−[[2−(3,3−ジメチルブチル)−3,3a,4,5,6,6a−ヘキサヒドロ−1H−シクロペンタ[c]ピロール−4−イル]メチル]−6−(2,4−ジメチルピラゾール−3−イル)ピリダジン−3−アミン(化合物19)。
tert−ブチル4−シアノ−3,3a,4,5,6,6a−ヘキサヒドロ−1H−シクロペンタ[c]ピロール−2−カルボキシレート
Figure 2021503443
固体カリウムtert−ブトキシド(996.2mg、8.88mmol)を、0℃の4−オキソ−ヘキサヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−2−カルボン酸tert−ブチルエステル(1.0g、4.44mmol)及びトシルメチルイソシアニド(0.87g、4.44mmol)のモノグライム(15.5mL)及びエタノール(0.44mL)中の攪拌及び冷却溶液に少量ずつ添加した。反応物を0℃で15分間攪拌した後、室温まで昇温させてから、さらに20hr攪拌させた。反応をLCMSによりモニターし、所望の生成物形成を観察した。沈殿物を濾過により除去し、固体をEtOAcで洗浄した。合わせた有機物を濃縮し、Teledyne ISCO Combi−Flashシステム(DCMによる液体ローディング、40Gカラム、15〜80% EtOAc/ヘキサン、16分のラン;次いで、1% MeOH/DCM)を用いて、粗生成物を精製して、標題化合物(527.3mg、2.23mmol、50%収率)を得た。LCMS(90sec法):RT=0.753,m/z=181.1[M+H−tBu]+
tert−ブチル4−(アミノメチル)−3,3a,4,5,6,6a−ヘキサヒドロ−1H−シクロペンタ[c]ピロール−2−カルボキシレート
Figure 2021503443
0℃のtert−ブチル4−シアノ−3,3a,4,5,6,6a−ヘキサヒドロ−1H−シクロペンタ[c]ピロール−2−カルボキシレート(213.65mg、0.90mmol)のTHF(6mL)中の溶液に、ボランジメチルスルフィド錯体(1.81mL、3.62mmol)を滴下した。混合物を室温まで昇温させてから、60℃に18hr加熱した。LCMS分析の後、混合物をエタノールの冷却溶液にゆっくりと添加し、20分間攪拌し、周囲温度まで昇温させてから、乾燥まで蒸発させた。残留物を飽和水性NH4Cl溶液に溶解させ、クロロホルム/IPA(4:1)で抽出した。合わせた抽出物を濃縮し、7N NH3のMeOH溶液で溶離するHF SCXカートリッジを用いて精製して、標題化合物(161.5mg、0.484mmol、54%収率)を得た。LCMS(90sec法):RT=0.515 m/z=185.6[M+H−tBu]+
tert−ブチル4−[[(6−クロロピリダジン−3−イル)アミノ]メチル]−3,3a,4,5,6,6a−ヘキサヒドロ−1H−シクロペンタ[c]ピロール−2−カルボキシレート
Figure 2021503443
マイクロ波バイアルに、tert−ブチル4−(アミノメチル)−3,3a,4,5,6,6a−ヘキサヒドロ−1H−シクロペンタ[c]ピロール−2−カルボキシレート(161.5mg、0.67mmol)及びDIPEA(0.35mL、2.02mmol)の1−ブタノール(2.4mL)中の溶液を添加した。次に、3,6−ジクロロピリダジン(300mg、2.02mmol)を添加し、バイアルを密閉した。混合物を100℃まで加熱し、ベンチトップで18hr攪拌した。LCMS分析の後、反応混合物に、NaHCO3の飽和水溶液を添加し、水層をDCMで抽出し、有機層をプールした後、相分離器に通過させ、濃縮した。Teledyne ISCO Combi−Flashシステム(DCMによる液体ローディング、12Gカラム、25% EtOAc/ヘキサンを6分、次いで0〜10% EtOAc/DCMを10分)を用いて、粗生成物を精製した。生成物を含有する画分を濃縮して、標題化合物(132.9mg、0.384mmol、56%収率)をオレンジ色の油として得た。LCMS(90sec法):RT=0.726,m/z=353.2[M+H]+
tert−ブチル4−[[[6−(2,4−ジメチルピラゾール−3−イル)ピリダジン−3−イル]アミノ]メチル]−3,3a,4,5,6,6a−ヘキサヒドロ−1H−シクロペンタ[c]ピロール−2−カルボキシレート
Figure 2021503443
マイクロ波バイアルに、tert−ブチル4−[[(6−クロロピリダジン−3−イル)アミノ]メチル]−3,3a,4,5,6,6a−ヘキサヒドロ−1H−シクロペンタ[c]ピロール−2−カルボキシレート(132.9mg、0.380mmol)、1,4−ジメチルピラゾール−5−ボロン酸ピナコールエステル(125.47mg、0.56mmol)、炭酸カリウム(0.07mL、1.13mmol)、及びRuPhos−Pd−G3(15.77mg、0.020mmol)を添加した。バイアルをN2でパージしてから、1,4−ジオキサン(1.2mL)及び水(0.30mL)を添加した(溶媒は脱気した)。バイアルにキャップをしてから、これを100℃に18h加熱した。バイアルに、RuPhos−Pd−G3(15.77mg、0.020mmol)及び1,4−ジメチルピラゾール−5−ボロン酸ピナコールエステル(125.47mg、0.56mmol)を再度充填し、キャップをした後、130℃のマイクロ波反応器内で30分間加熱した。混合物をセライトパッドで濾過し、濃縮した。Teledyne ISCO Combi−Flashシステム(DCMでの液体ローディング、12Gカラム、0〜50% EtOAc/DCM、7分;次いで0〜6% MeOH/DCM、9分のラン)を用いて、粗生成物を精製して、標題化合物(117.6mg、0.29mmol、76%収率)を得た。LCMS(90sec法):RT=0.712,m/z=413.3[M+H]+
N−(1,2,3,3a,4,5,6,6a−オクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール−4−イルメチル)−6−(2,4−ジメチルピリダゾール−3−イル)ピリダジン−3−アミン塩酸塩
Figure 2021503443
DCM(1.6mL)に溶解させたtert−ブチル4−[[[6−(2,4−ジメチルピラゾール−3−イル)ピリダジン−3−イル]アミノ]メチル]−3,3a,4,5,6,6a−ヘキサヒドロ−1H−シクロペンタ[c]ピロール−2−カルボキシレート(117.6mg、0.290mmol)を含有するバイアルに、塩化水素のジオキサン溶液(0.36mL、1.43mmol)を添加した。混合物を周囲温度で5hr攪拌させた。混合物を濃縮し、定量的収率を推定した。
N−[[2−(3,3−ジメチルブチル)−3,3a,4,5,6,6a−ヘキサヒドロ−1H−シクロペンタ[c]ピロール−4−イル]メチル]−6−(2,4−ジメチルピラゾール−3−イル)ピリダジン−3−アミン(化合物19)
Figure 2021503443
バイアルに、DCE(0.5mL)及びTHF(0.5mL)中のN−(1,2,3,3a,4,5,6,6a−オクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール−4−イルメチル)−6−(2,4−ジメチルピリダゾール−3−イル)ピリダジン−3−アミン塩酸塩(12.42mg、0.040mmol)を添加した。次に、3,3−ジメチルブチルアルデヒド(0.02mL、0.18mmol)、続いてトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(37.73mg、0.180mmol)及び酢酸(0.01mL)を添加した。得られた懸濁液を周囲温度で18h攪拌した後、LCMSにより分析した。反応物を飽和水性NaHCO3でクエンチし、クロロホルム/IPA(3:1)で抽出した。有機層を相分離器に通過させた後、溶媒を除去した。粗生成物をDMSO(1mL)中に溶解させてから、Gilson(Acidic、30×50mmカラム、15〜55% ACN/0.1%水性TFA、4分のラン)を用いて精製した。生成物を含有する画分を水性飽和NaHCO3で塩基性化した後、クロロホルム/IPA(3:1)で抽出した。有機層を相分離器に通過させ、濃縮して、標題化合物(6.1mg、0.0154mmol、43%収率)を透明な油として得た。LCMS(90sec法):RT=0.550,m/z=397.6[M+H]+
表4に示す化合物は、適切な出発材料を用いて、化合物19と同様に調製した。
Figure 2021503443
Figure 2021503443
実施例5.生物活性
A.ムスカリン性アセチルコリン受容体を発現している細胞株
ヒト又はラットM4 cDNAを、キメラGタンパク質Gqi5と共に、リポフェクタミン2000を用いて、American Type Culture Collectionから購入したチャイニーズハムスター卵巣(CHO−K1)細胞にトランスフェクトした。M4/Gqi5/CHO細胞を、10%熱不活化ウシ胎児血清(FBS)、20mM HEPES、500μg/mL G418スルフェート及び200μg/mLヒグロマイシンBを含むHam’s F−12培地で増殖させた。
B.ムスカリン性アセチルコリン受容体活性の細胞ベースの機能的アッセイ
細胞内カルシウムのアゴニスト誘発増加のハイスループット測定のために、ムスカリン受容体を安定に発現するCHO−K1細胞を、Greiner384ウェル黒壁組織培養(TC)処理透明底プレート(VWR)中の15,000細胞/20μL/ウェルで、G418及びハイグロマイシンを欠く増殖培地中にプレーティングした。細胞を37℃及び5% CO2で一晩インキュベートした。翌日、ELX405(BioTek)を用いてアッセイ緩衝液で細胞を洗浄し、次いで最終容量を20μLまで吸引した。次に、DMSO中の2.3mMストックとして調製し、10%(w/v)Pluronic F−127と1:1の比で混合し、アッセイ緩衝液で希釈したFluo−4/アセトキシメチルエステル(Invitrogen,Carlsbad,CA)の2.3μMストック20μLをウェルに加え、細胞プレートを37℃及び5% CO2で50分間インキュベートした。ELX405で洗浄することによって色素を除去し、最終容量を20μLまで吸引した。化合物マスタープレートを、BRAVO液体ハンドラー(Agilent)を使用して、10又は1mMの出発濃度を有する100% DMSO中の10点濃度−応答曲線(CRC)フォーマット(1:3希釈)でフォーマットした。次いで、試験化合物CRCを、Echoアコースティックプレート再フォーマッター(Labcyte,Sunnyvale,CA)を使用してドータープレート(240nL)に移し、次いでThermo Fisher Combi(Thermo Fisher Scientific,Waltham,MA)を使用して、アッセイ緩衝液(40μL)に希釈して2×ストックとした。
カルシウム流入を静的蛍光比の増大として、Functional Drug Screening System(FDSS)6000又は7000(Hamamatsu Corporation,Tokyo,Japan)を使用して測定した。化合物は、FDSSの自動システムを使用して、プロトコルのうちの2秒で細胞に適用し(20μL、2×)、データを1Hzで収集した。143秒で10μLのEC20濃度のムスカリン受容体アゴニスト・アセチルコリンを添加し(5×)、続いて268秒時点で12μLのEC80濃度のアセチルコリンを添加した(5×)。アゴニスト活性は、化合物添加時のカルシウム動員の濃度依存的増大として分析した。ポジティブアロステリックモジュレーター活性は、EC20アセチルコリン反応の濃度依存的増大として分析した。アンタゴニスト活性は、EC80アセチルコリン応答における濃度依存性の減少として分析された。本明細書の表の目的のために、IC50(阻害濃度50)は、アセチルコリンのEC80濃度によって誘発される応答の濃度依存性の減少として計算された。Excel(Microsoft,Redmond,WA)又はPrism(GraphPad Software、Inc.,San Diego,CA)又はDotmaticsソフトウェアプラットフォーム(Dotmatics,Bishop’s Stortford,UK)のためのXLFit曲線適合ソフトウェア(IDBS,Bridgewater,NJ)における4パラメータロジスティック方程式を使用して、濃度応答曲線を生成した。
上記のアッセイは、蛍光ベースラインの確立後、約3秒間、適切な固定濃度の本発明の化合物を細胞に加え、細胞における応答を測定する第2のモードでも操作した。140秒後、漸増濃度のアゴニストからなる全濃度−応答範囲を加え、カルシウム応答(最大−極小応答)を測定した。試験化合物の存在下又は非存在下でのアゴニストのEC50値を非線形曲線適合によって決定した。本発明化合物の濃度増大に伴うアゴニストのEC50値の低下(アゴニスト濃度−反応曲線の左へのシフト)は、本発明化合物の所与の濃度でのムスカリン性ポジティブアロステリック調節の程度の指標である。本発明化合物の濃度増大に伴うアゴニストのEC50値の増大(アゴニスト濃度−反応曲線の右へのシフト)は、本発明化合物の所与の濃度でのムスカリン性アンタゴニズムの程度の指標である。第2の様式は、本発明化合物がムスカリン受容体のアゴニストへの最大反応に影響を与えるかどうかも示す。
C.mAChR M4細胞ベースのアッセイにおける化合物の活性
化合物を上記のように合成した。活性(IC50及びEmin)は、上記のようにmAChR M4細胞に基づく機能的アッセイで測定した。データを表5に示す。化合物番号は、実施例1〜4及び表1〜4で使用した化合物番号に対応する。
Figure 2021503443
前述の詳細な説明及び付随する実施例は、単に実例に過ぎず、本発明の範囲の限定と解釈されるべきではなく、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲及びその均等物によってのみ定義されることが理解されるであろう。
開示された実施形態に対する様々な変更形態及び改変形態は、当業者に明らかであろう。限定はされないが、本発明の化学構造、置換基、誘導体、中間体、合成物、組成物、製剤又は使用の方法に関するものを含めたこうした変更形態及び改変形態は、その趣旨及び範囲から逸脱することなくなされ得る。
完全性のために、本発明の様々な態様を以下の番号付けされた各項に記載する:
第1項.式(I):
Figure 2021503443
(式中、
Aは、N、O及びSから独立して選択される1、2若しくは3個のヘテロ原子を有する5若しくは6員のヘテロアリーレンであり;
Qは、NRa及びOから選択され;
mは、0、1又は2であり;
1は、ヘテロアリール、アリール、ヘテロシクリル、シクロアルキル、ハロ、−ORb、−NRcd、及び−NHCOReから選択され;
nは、1又は2であり;
各R2は、水素、C1〜C4アルキル、ハロ、及び−ORfから独立して選択され;
3は、水素及びC1〜C4アルキルから選択され;
4は、−(CRghp−Y’、水素、C1〜C8アルキル、及びC1〜C8アルケニルから選択され;
5は、水素、C1〜C4アルキル、ハロ、C1〜C4ハロアルキル、C1〜C4アルコキシ、及びC1〜C4ハロアルコキシから選択され;
Y’は、シクロアルキル、シクロアルケニル、複素環、アリール、及びヘテロアリールから選択され;
各Ra、Rb、Rc、Rd、Re及びRfは、水素、C1〜C4アルキル、C3〜C6シクロアルキル、及びアリールから独立して選択され;
各Rgは、水素及びC1〜C4アルキルから独立して選択され;
各Rhは、水素、C1〜C4アルキル、C3〜C6シクロアルキル、及びアリールから独立して選択され;
pは、0、1、2、3、又は4であり;
ここで、各アリール、ヘテロアリール、アリーレン、ヘテロアリーレン、シクロアルキル、シクロアルケニル、及び複素環の各々は、独立して、非置換であるか、又は1、2若しくは3個の置換基で置換されている)
の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
第2項.各アリール、ヘテロアリール、アリーレン、ヘテロアリーレン、シクロアルキル、シクロアルケニル、及び複素環は、独立して、非置換であるか、又はC1〜C4アルキル、ハロ、C1〜C4ハロアルキル、C1〜C4アルコキシ、C1〜C4ハロアルコキシ、C1〜C4ヒドロキシアルキル、ヒドロキシ、シアノ、−NHCORe、及びベンジルから独立して選択される1、2若しくは3個の置換基で置換されている、第1項に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
第3項.Aは、以下:
Figure 2021503443
(式中、
Tは、O、S及びNHから選択され;
U、V、W、X、Y及びZは、N及びCRiから独立して選択され、ここで、W、X、Y、及びZの少なくとも1つは、Nであり、且つ、U及びVの少なくとも1つは、Nであり;並びに
各Riは、水素、C1〜C4アルキル、ハロ、C1〜C4ハロアルキル、C1〜C4アルコキシ、C1〜C4ハロアルコキシ、及びヒドロキシから独立して選択される)
から選択される、第1項又は第2項に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
第4項.Aは、以下:
Figure 2021503443
から選択される、第1項又は第2項に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
第5項.Qは、NRaであり;Raは、水素である、第1〜4項のいずれか1つに記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
第6項.Qは、Oである、第1〜5項のいずれか1つに記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
第7項.mは、0である、第1〜6項のいずれか1つに記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
第8項.mは、1であり;R5は、水素である、第1〜6項のいずれか1つに記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
第9項.mは、2であり;各R5は、水素である、第1〜6項のいずれか1つに記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
第10項.R1は、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、及びシクロアルキルから選択される、第1〜9項のいずれか1つに記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
第11項.R1は、N、O及びSから独立して選択される1、2若しくは3個のヘテロ原子を有する5若しくは6員のヘテロアリールであり、ここで、ヘテロアリールは、非置換であるか、又はハロ、C1〜C4アルキル、及びC1〜C4ハロアルキルから独立して選択される1、2若しくは3個の置換基で置換されている、第10項に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
第12項.nは、1であり;R2は、水素である、第1〜11項のいずれかに記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
第13項.R3は、水素である、第1〜12項のいずれかに記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
第14項.R4は、C4〜C6アルキルである、第1〜13項のいずれかに記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
第15項.R4は、−(CRghp−Y’であり;
gは、水素であり;
hは、水素であり;
pは、0、1、2又は3であり;
Y’は、以下:C3〜C10シクロアルキル;C3〜C8シクロアルケニル;アリール;N、O、及びSから独立して選択される1、2若しくは3個のヘテロ原子を有する5又は6員のヘテロアリール;並びにN、O、及びSから独立して選択される1、2若しくは3個のヘテロ原子を有する5、6又は7員の複素環から選択され;
ここで、Y’は、非置換であるか、又はハロ及びC1〜C4アルキルから独立して選択される1又は2個の置換基で置換されている、第1〜13項のいずれかに記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
第16項.化合物は、式(Ia):
Figure 2021503443
の化合物である、第1項に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
第17項.化合物は、以下:
2−(3,3−ジメチルブチル)−N−[6−(2,4−ジメチルピラゾール−3−イル)ピリダジン−3−イル]−3,3a,4,5,6,6a−ヘキサヒドロ−1H−シクロペンタ[c]ピロール−4−アミン;
2−(1−アダマンチルメチル)−N−[6−(2,4−ジメチルピラゾール−3−イル)ピリダジン−3−イル]−3,3a,4,5,6,6a−ヘキサヒドロ−1H−シクロペンタ[c]ピロール−4−アミン;
2−(5−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エニルメチル)−N−[6−(2,4−ジメチルピラゾール−3−イル)ピリダジン−3−イル]−3,3a,4,5,6,6a−ヘキサヒドロ−1H−シクロペンタ[c]ピロール−4−アミン;
4−[6−(2,4−ジメチルピラゾール−3−イル)ピリダジン−3−イル]オキシ−2−[(3−メチル−2−ピリジル)メチル]−3,3a,4,5,6,6a−ヘキサヒドロ−1H−シクロペンタ[c]ピロール;
2−(3,3−ジメチルブチル)−4−[6−(2,4−ジメチルピラゾール−3−イル)ピリダジン−3−イル]オキシ−3,3a,4,5,6,6a−ヘキサヒドロ−1H−シクロペンタ[c]ピロール;
2−(1−アダマンチルメチル)−4−[6−(2,4−ジメチルピラゾール−3−イル)ピリダジン−3−イル]オキシ−3,3a,4,5,6,6a−ヘキサヒドロ−1H−シクロペンタ[c]ピロール;
2−(5−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エニルメチル)−4−[6−(2,4−ジメチルピラゾール−3−イル)ピリダジン−3−イル]オキシ−3,3a,4,5,6,6a−ヘキサヒドロ−1H−シクロペンタ[c]ピロール;
2−ベンジル−4−[6−(2,4−ジメチルピラゾール−3−イル)ピリダジン−3−イル]オキシ−3,3a,4,5,6,6a−ヘキサヒドロ−1H−シクロペンタ[c]ピロール;
4−[6−(2,4−ジメチルピラゾール−3−イル)ピリダジン−3−イル]オキシ−2−(2−フェニルエチル)−3,3a,4,5,6,6a−ヘキサヒドロ−1H−シクロペンタ[c]ピロール;
N−[2−[2−(3,3−ジメチルブチル)−3,3a,4,5,6,6a−ヘキサヒドロ−1H−シクロペンタ[c]ピロール−4−イル]エチル]−6−(2,4−ジメチルピラゾール−3−イル)ピリダジン−3−アミン;
6−(2,4−ジメチルピラゾール−3−イル)−N−[2−[2−(テトラヒドロピラン−3−イルメチル)−3,3a,4,5,6,6a−ヘキサヒドロ−1H−シクロペンタ[c]ピロール−4−イル]エチル]ピリダジン−3−アミン;
6−(2,4−ジメチルピラゾール−3−イル)−N−[2−[2−(テトラヒドロピラン−4−イルメチル)−3,3a,4,5,6,6a−ヘキサヒドロ−1H−シクロペンタ[c]ピロール−4−イル]エチル]ピリダジン−3−アミン;
N−[2−[2−(5−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エニルメチル)−3,3a,4,5,6,6a−ヘキサヒドロ−1H−シクロペンタ[c]ピロール−4−イル]エチル]−6−(2,4−ジメチルピラゾール−3−イル)ピリダジン−3−アミン;
6−(2,4−ジメチルピラゾール−3−イル)−N−[2−[2−[(3−メチル−2−ピリジル)メチル]−3,3a,4,5,6,6a−ヘキサヒドロ−1H−シクロペンタ[c]ピロール−4−イル]エチル]ピリダジン−3−アミン;
N−[2−(2−ベンジル−3,3a,4,5,6,6a−ヘキサヒドロ−1H−シクロペンタ[c]ピロール−4−イル)エチル]−6−(2,4−ジメチルピラゾール−3−イル)ピリダジン−3−アミン;
6−(2,4−ジメチルピラゾール−3−イル)−N−[2−[2−(2−フェニルエチル)−3,3a,4,5,6,6a−ヘキサヒドロ−1H−シクロペンタ[c]ピロール−4−イル]エチル]ピリダジン−3−アミン;
6−(2,4−ジメチルピラゾール−3−イル)−N−[2−[2−(3−フェニルプロピル)−3,3a,4,5,6,6a−ヘキサヒドロ−1H−シクロペンタ[c]ピロール−4−イル]エチル]ピリダジン−3−アミン;
N−[2−[2−(1−アダマンチルメチル)−3,3a,4,5,6,6a−ヘキサヒドロ−1H−シクロペンタ[c]ピロール−4−イル]エチル]−6−(2,4−ジメチルピラゾール−3−イル)ピリダジン−3−アミン;
N−[[2−(3,3−ジメチルブチル)−3,3a,4,5,6,6a−ヘキサヒドロ−1H−シクロペンタ[c]ピロール−4−イル]メチル]−6−(2,4−ジメチルピラゾール−3−イル)ピリダジン−3−アミン;
N−[[2−(1−アダマンチルメチル)−3,3a,4,5,6,6a−ヘキサヒドロ−1H−シクロペンタ[c]ピロール−4−イル]メチル]−6−(2,4−ジメチルピラゾール−3−イル)ピリダジン−3−アミン;
N−[[2−(5−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エニルメチル)−3,3a,4,5,6,6a−ヘキサヒドロ−1H−シクロペンタ[c]ピロール−4−イル]メチル]−6−(2,4−ジメチルピラゾール−3−イル)ピリダジン−3−アミン;
6−(2,4−ジメチルピラゾール−3−イル)−N−[[2−[(3−メチル−2−ピリジル)メチル]−3,3a,4,5,6,6a−ヘキサヒドロ−1H−シクロペンタ[c]ピロール−4−イル]メチル]ピリダジン−3−アミン;
6−(2,4−ジメチルピラゾール−3−イル)−N−[[2−(2−フェニルエチル)−3,3a,4,5,6,6a−ヘキサヒドロ−1H−シクロペンタ[c]ピロール−4−イル]メチル]ピリダジン−3−アミン;
6−(2,4−ジメチルピラゾール−3−イル)−N−[[2−(テトラヒドロピラン−3−イルメチル)−3,3a,4,5,6,6a−ヘキサヒドロ−1H−シクロペンタ[c]ピロール−4−イル]メチル]ピリダジン−3−アミン;
6−(2,4−ジメチルピラゾール−3−イル)−N−[[2−(テトラヒドロピラン−4−イルメチル)−3,3a,4,5,6,6a−ヘキサヒドロ−1H−シクロペンタ[c]ピロール−4−イル]メチル]ピリダジン−3−アミン;及び
N−[(2−ベンジル−3,3a,4,5,6,6a−ヘキサヒドロ−1H−シクロペンタ[c]ピロール−4−イル)メチル]−6−(2,4−ジメチルピラゾール−3−イル)ピリダジン−3−アミン
から選択される、第1項に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
第18項.前記化合物が、同位体で標識されている、第1〜17項のいずれかに記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
第19項.治療有効量の、第1〜18項のいずれかに記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩、及び薬学的に許容される担体を含む、医薬組成物。
第20項.対象においてmAChR M4に拮抗する方法であって、治療有効量の、第1〜18項のいずれかに記載の化合物、若しくはその薬学的に許容される塩を対象に投与する工程を含む方法。
第21項.mAChR M4の拮抗作用から利益を受けるであろう対象において障害を治療する方法であって、治療有効量の、第1〜18項のいずれかに記載の化合物、若しくはその薬学的に許容される塩を哺乳動物に投与する工程を含む方法。
第22項.前記障害が、神経変性疾患、運動障害、又は脳障害である、第21項に記載の方法。
第23項.前記障害が、運動障害である、第22項に記載の方法。
第24項.前記障害が、パーキンソン病、薬物誘発パーキンソニズム、ジストニア、トゥレット症候群、ジスキネジア、統合失調症、統合失調症に関連する認知障害、過剰な日中の眠気、注意欠陥多動障害(ADHD)、ハンチントン病、舞踏病、脳性麻痺及び進行性核上性麻痺から選択される、第21項に記載の方法。
第25項.神経変性疾患、運動障害、又は脳障害の治療に使用するための、第1〜18項のいずれかに記載の化合物、若しくはその薬学的に許容される塩、又は第19項に記載の医薬組成物。
第26項.神経変性疾患、運動障害、又は脳障害の治療を目的とする医薬の調製のための、第1〜18項のいずれかに記載の化合物、若しくはその薬学的に許容される塩、又は第19項に記載の医薬組成物の使用。

Claims (26)

  1. 式(I):
    Figure 2021503443
    (式中、
    Aは、N、O及びSから独立して選択される1、2若しくは3個のヘテロ原子を有する5若しくは6員のヘテロアリーレンであり;
    Qは、NRa及びOから選択され;
    mは、0、1、又は2であり;
    1は、ヘテロアリール、アリール、ヘテロシクリル、シクロアルキル、ハロ、−ORb、−NRcd、及び−NHCOReから選択され;
    nは、1又は2であり;
    各R2は、水素、C1〜C4アルキル、ハロ、及び−ORfから独立して選択され;
    3は、水素及びC1〜C4アルキルから選択され;
    4は、−(CRghp−Y’、水素、C1〜C8アルキル、及びC1〜C8アルケニルから選択され;
    5は、水素、C1〜C4アルキル、ハロ、C1〜C4ハロアルキル、C1〜C4アルコキシ、及びC1〜C4ハロアルコキシから選択され;
    Y’は、シクロアルキル、シクロアルケニル、複素環、アリール、及びヘテロアリールから選択され;
    各Ra、Rb、Rc、Rd、Re、及びRfは、水素、C1〜C4アルキル、C3〜C6シクロアルキル、及びアリールから独立して選択され;
    各Rgは、水素及びC1〜C4アルキルから独立して選択され;
    各Rhは、水素、C1〜C4アルキル、C3〜C6シクロアルキル、及びアリールから独立して選択され;
    pは、0、1、2、3、又は4であり;
    ここで、各アリール、ヘテロアリール、アリーレン、ヘテロアリーレン、シクロアルキル、シクロアルケニル、及び複素環は、独立して、非置換であるか、又は1、2若しくは3個の置換基で置換されている)
    の化合物又はその薬学的に許容される塩。
  2. 各アリール、ヘテロアリール、アリーレン、ヘテロアリーレン、シクロアルキル、シクロアルケニル、及び複素環は、独立して、非置換であるか、又はC1〜C4アルキル、ハロ、C1〜C4ハロアルキル、C1〜C4アルコキシ、C1〜C4ハロアルコキシ、C1〜C4ヒドロキシアルキル、ヒドロキシ、シアノ、−NHCORe、及びベンジルから独立して選択される1、2若しくは3個の置換基で置換されている、請求項1に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
  3. Aは、以下:
    Figure 2021503443
    (式中、
    Tは、O、S及びNHから選択され;
    U、V、W、X、Y及びZは、N及びCRiから独立して選択され、ここで、W、X、Y、及びZの少なくとも1つは、Nであり、且つ、U及びVの少なくとも1つは、Nであり;並びに
    各Riは、水素、C1〜C4アルキル、ハロ、C1〜C4ハロアルキル、C1〜C4アルコキシ、C1〜C4ハロアルコキシ、及びヒドロキシから独立して選択される)
    から選択される、請求項2に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
  4. Aは、以下:
    Figure 2021503443
    から選択される、請求項2に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
  5. Qは、NRaであり;
    aは、水素である、請求項2に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
  6. Qは、Oである、請求項2に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
  7. mは、0である、請求項2に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
  8. mは、1であり;
    5は、水素である、請求項2に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
  9. mは、2であり;
    各R5は、水素である、請求項2に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
  10. 1は、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、及びシクロアルキルから選択される、請求項2に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
  11. 1は、N、O、及びSから独立して選択される1、2若しくは3個のヘテロ原子を有する5若しくは6員のヘテロアリールであり、
    ここで、前記ヘテロアリールは、非置換であるか、又はハロ、C1〜C4アルキル、及びC1〜C4ハロアルキルから独立して選択される1、2若しくは3個の置換基で置換されている、請求項10に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
  12. nは、1であり;
    2は、水素である、請求項2に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
  13. 3は、水素である、請求項2に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
  14. 4は、C4〜C6アルキルである、請求項13に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
  15. 4は、−(CRghp−Y’であり;
    gは、水素であり;
    hは、水素であり;
    pは、0、1、2又は3であり;
    Y’は、以下:C3〜C10シクロアルキル;C3〜C8シクロアルケニル;アリール;N、O、及びSから独立して選択される1、2若しくは3個のヘテロ原子を有する5又は6員のヘテロアリール;並びにN、O、及びSから独立して選択される1、2若しくは3個のヘテロ原子を有する5、6又は7員の複素環から選択され;
    ここで、Y’は、非置換であるか、又はハロ及びC1〜C4アルキルから独立して選択される1又は2個の置換基で置換されている、請求項13に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
  16. 式(Ia):
    Figure 2021503443
    の化合物である、請求項1に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
  17. 2−(3,3−ジメチルブチル)−N−[6−(2,4−ジメチルピラゾール−3−イル)ピリダジン−3−イル]−3,3a,4,5,6,6a−ヘキサヒドロ−1H−シクロペンタ[c]ピロール−4−アミン;
    2−(1−アダマンチルメチル)−N−[6−(2,4−ジメチルピラゾール−3−イル)ピリダジン−3−イル]−3,3a,4,5,6,6a−ヘキサヒドロ−1H−シクロペンタ[c]ピロール−4−アミン;
    2−(5−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エニルメチル)−N−[6−(2,4−ジメチルピラゾール−3−イル)ピリダジン−3−イル]−3,3a,4,5,6,6a−ヘキサヒドロ−1H−シクロペンタ[c]ピロール−4−アミン;
    4−[6−(2,4−ジメチルピラゾール−3−イル)ピリダジン−3−イル]オキシ−2−[(3−メチル−2−ピリジル)メチル]−3,3a,4,5,6,6a−ヘキサヒドロ−1H−シクロペンタ[c]ピロール;
    2−(3,3−ジメチルブチル)−4−[6−(2,4−ジメチルピラゾール−3−イル)ピリダジン−3−イル]オキシ−3,3a,4,5,6,6a−ヘキサヒドロ−1H−シクロペンタ[c]ピロール;
    2−(1−アダマンチルメチル)−4−[6−(2,4−ジメチルピラゾール−3−イル)ピリダジン−3−イル]オキシ−3,3a,4,5,6,6a−ヘキサヒドロ−1H−シクロペンタ[c]ピロール;
    2−(5−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エニルメチル)−4−[6−(2,4−ジメチルピラゾール−3−イル)ピリダジン−3−イル]オキシ−3,3a,4,5,6,6a−ヘキサヒドロ−1H−シクロペンタ[c]ピロール;
    2−ベンジル−4−[6−(2,4−ジメチルピラゾール−3−イル)ピリダジン−3−イル]オキシ−3,3a,4,5,6,6a−ヘキサヒドロ−1H−シクロペンタ[c]ピロール;
    4−[6−(2,4−ジメチルピラゾール−3−イル)ピリダジン−3−イル]オキシ−2−(2−フェニルエチル)−3,3a,4,5,6,6a−ヘキサヒドロ−1H−シクロペンタ[c]ピロール;
    N−[2−[2−(3,3−ジメチルブチル)−3,3a,4,5,6,6a−ヘキサヒドロ−1H−シクロペンタ[c]ピロール−4−イル]エチル]−6−(2,4−ジメチルピラゾール−3−イル)ピリダジン−3−アミン;
    6−(2,4−ジメチルピラゾール−3−イル)−N−[2−[2−(テトラヒドロピラン−3−イルメチル)−3,3a,4,5,6,6a−ヘキサヒドロ−1H−シクロペンタ[c]ピロール−4−イル]エチル]ピリダジン−3−アミン;
    6−(2,4−ジメチルピラゾール−3−イル)−N−[2−[2−(テトラヒドロピラン−4−イルメチル)−3,3a,4,5,6,6a−ヘキサヒドロ−1H−シクロペンタ[c]ピロール−4−イル]エチル]ピリダジン−3−アミン;
    N−[2−[2−(5−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エニルメチル)−3,3a,4,5,6,6a−ヘキサヒドロ−1H−シクロペンタ[c]ピロール−4−イル]エチル]−6−(2,4−ジメチルピラゾール−3−イル)ピリダジン−3−アミン;
    6−(2,4−ジメチルピラゾール−3−イル)−N−[2−[2−[(3−メチル−2−ピリジル)メチル]−3,3a,4,5,6,6a−ヘキサヒドロ−1H−シクロペンタ[c]ピロール−4−イル]エチル]ピリダジン−3−アミン;
    N−[2−(2−ベンジル−3,3a,4,5,6,6a−ヘキサヒドロ−1H−シクロペンタ[c]ピロール−4−イル)エチル]−6−(2,4−ジメチルピラゾール−3−イル)ピリダジン−3−アミン;
    6−(2,4−ジメチルピラゾール−3−イル)−N−[2−[2−(2−フェニルエチル)−3,3a,4,5,6,6a−ヘキサヒドロ−1H−シクロペンタ[c]ピロール−4−イル]エチル]ピリダジン−3−アミン;
    6−(2,4−ジメチルピラゾール−3−イル)−N−[2−[2−(3−フェニルプロピル)−3,3a,4,5,6,6a−ヘキサヒドロ−1H−シクロペンタ[c]ピロール−4−イル]エチル]ピリダジン−3−アミン;
    N−[2−[2−(1−アダマンチルメチル)−3,3a,4,5,6,6a−ヘキサヒドロ−1H−シクロペンタ[c]ピロール−4−イル]エチル]−6−(2,4−ジメチルピラゾール−3−イル)ピリダジン−3−アミン;
    N−[[2−(3,3−ジメチルブチル)−3,3a,4,5,6,6a−ヘキサヒドロ−1H−シクロペンタ[c]ピロール−4−イル]メチル]−6−(2,4−ジメチルピラゾール−3−イル)ピリダジン−3−アミン;
    N−[[2−(1−アダマンチルメチル)−3,3a,4,5,6,6a−ヘキサヒドロ−1H−シクロペンタ[c]ピロール−4−イル]メチル]−6−(2,4−ジメチルピラゾール−3−イル)ピリダジン−3−アミン;
    N−[[2−(5−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エニルメチル)−3,3a,4,5,6,6a−ヘキサヒドロ−1H−シクロペンタ[c]ピロール−4−イル]メチル]−6−(2,4−ジメチルピラゾール−3−イル)ピリダジン−3−アミン;
    6−(2,4−ジメチルピラゾール−3−イル)−N−[[2−[(3−メチル−2−ピリジル)メチル]−3,3a,4,5,6,6a−ヘキサヒドロ−1H−シクロペンタ[c]ピロール−4−イル]メチル]ピリダジン−3−アミン;
    6−(2,4−ジメチルピラゾール−3−イル)−N−[[2−(2−フェニルエチル)−3,3a,4,5,6,6a−ヘキサヒドロ−1H−シクロペンタ[c]ピロール−4−イル]メチル]ピリダジン−3−アミン;
    6−(2,4−ジメチルピラゾール−3−イル)−N−[[2−(テトラヒドロピラン−3−イルメチル)−3,3a,4,5,6,6a−ヘキサヒドロ−1H−シクロペンタ[c]ピロール−4−イル]メチル]ピリダジン−3−アミン;
    6−(2,4−ジメチルピラゾール−3−イル)−N−[[2−(テトラヒドロピラン−4−イルメチル)−3,3a,4,5,6,6a−ヘキサヒドロ−1H−シクロペンタ[c]ピロール−4−イル]メチル]ピリダジン−3−アミン;及び
    N−[(2−ベンジル−3,3a,4,5,6,6a−ヘキサヒドロ−1H−シクロペンタ[c]ピロール−4−イル)メチル]−6−(2,4−ジメチルピラゾール−3−イル)ピリダジン−3−アミン
    から選択される、請求項1に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
  18. 同位体で標識されている、請求項2に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
  19. 治療有効量の請求項1〜18のいずれか1項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩と、薬学的に許容される担体とを含む医薬組成物。
  20. 対象においてmAChR M4に拮抗するための方法であって、治療有効量の請求項1〜18のいずれか1項に記載の化合物若しくはその薬学的に許容される塩を、前記対象に投与する工程を含む方法。
  21. mAChR M4の拮抗作用から恩恵を受けるであろう対象において障害を治療するための方法であって、治療有効量の請求項1〜18のいずれか1項に記載の化合物若しくはその薬学的に許容される塩を、哺乳動物に投与する工程を含む方法。
  22. 前記障害は、神経変性疾患、運動障害、又は脳障害である、請求項21に記載の方法。
  23. 前記障害は、運動障害である、請求項22に記載の方法。
  24. 前記障害は、パーキンソン病、薬物誘発パーキンソニズム、ジストニア、トゥレット症候群、ジスキネジア、統合失調症、統合失調症に関連する認知障害、過剰な日中の眠気、注意欠陥多動障害(ADHD)、ハンチントン病、舞踏病、脳性麻痺及び進行性核上性麻痺から選択される、請求項21に記載の方法。
  25. 神経変性疾患、運動障害、又は脳障害の治療に使用するための、請求項1〜18のいずれか1項に記載の化合物若しくはその薬学的に許容される塩、又は請求項19に記載の医薬組成物。
  26. 神経変性疾患、運動障害、又は脳障害の前記治療を目的とする医薬の調製のための、請求項1〜18のいずれか1項に記載の化合物若しくはその薬学的に許容される塩、又は請求項19に記載の医薬組成物の使用。
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