JP2021196787A - 走行レーン検出装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】コストや処理負担の増加を抑制するとともに走行レーンの検出精度を上げることができる走行レーン検出装置を提供すること。【解決手段】走行レーン検出装置1は、自車両が走行する道路を撮像するカメラ10と、撮像によって得られた画像に基づいて走行中の道路に含まれるレーンを区画するレーンマーク検出部30と、検出されたレーンマークよりも自車両側の路面領域の色と反自車両側の路外判断領域の色を比較することにより、路外判断領域に対応する道路上の位置が車両の走行ができない路外であるか否かを判定する路外判定部40と、路外判定部40による判定結果に基づいて、自車両が走行中のレーン位置を特定する走行レーン特定部60とを備えている。【選択図】図1
Description
本発明は、車両で走行中の走行レーンを検出する走行レーン検出装置に関する。
従来から、車載カメラでレーン境界線を検出し、実線や破線などの種別の組合せで自車が走行しているレーン位置を推定するようにした車載装置が知られている(例えば、特許文献1参照。)。この車載装置では、左レーン境界線が実線、右レーン境界線が破線の場合は、左端レーンを走行中であると判断する。また、左レーン境界線が破線、右レーン境界線が実線の場合は、右端レーンを走行中であると判断する。さらに、左レーン境界線と右レーン境界線が両方とも破線の場合は、中間レーンを走行中であると判断する。
また、上述した車線境界線の組合せ以外に、他車両、標識、立体物、ガードレール、分離帯などを検出して左端車線を走行していることを判定するようにした車載用環境認識装置が知られている(例えば、特許文献2参照。)。
ところで、上述した特許文献1に開示された車載装置では、レーン境界線の種別の組合せでレーン位置を判断しており、判定基準では想定していない種別の組み合わせ(例えば右レーン境界線と左レーン境界線がともに実線の場合など)の場合に走行レーン位置の判定精度が低下するという問題があった。また、レーン数が4以上で中間レーンの数が複数になった場合に、走行レーン位置が不明確になるという問題があった。
また、上述した特許文献2に開示された車載用環境認識装置では、他車両、標識、立体物、ガードレール、分離帯などを検出することで、左端レーンや右端レーンの検出精度を上げることができるが、そのための検出手段が必要になり、ハードウエアや複雑な処理が必要になってコストや処理負担が増加するという問題があった。
本発明は、このような点に鑑みて創作されたものであり、その目的は、コストや処理負担の増加を抑制するとともに走行レーンの検出精度を上げることができる走行レーン検出装置を提供することにある。
上述した課題を解決するために、本発明の走行レーン検出装置は、自車両が走行する道路を撮像する撮像手段と、撮像手段による撮像によって得られた画像に基づいて、走行中の道路に含まれるレーンを区画するレーン境界線画像を検出するレーン境界線画像検出手段と、検出されたレーン境界線画像よりも自車両側の第1の領域の第1の色と反自車両側の第2の領域の第2の色を比較することにより、第1の領域に対応する道路上の位置が車両の走行ができないレーン外であるか否かを判定するレーン外判定手段と、レーン外判定手段による判定結果に基づいて、自車両が走行中のレーン位置を特定するレーン位置特定手段とを備えている。
道路上の色を比較することにより、中央分離帯や路肩などのレーン外か否かを判定しており、特別なハードウエアが不要であって処理負担の増加を抑制することが可能となる。また、レーンを区画する白線の種別に着目していないためそれらの組み合わせを考慮する必要がなく、走行レーンの検出精度を上げることができる。
また、自車両が走行する道路のレーン数を取得するレーン数取得手段をさらに備え、レーン位置特定手段は、レーン数取得手段によって取得したレーン数に基づいて、自車両が走行中のレーン位置を特定することが望ましい。レーン数の情報を加味することにより、レーン外であると判定された位置から走行レーンの位置を特定する際の精度をさらに上げることができる。
また、上述したレーン外判定手段は、自車両が走行するレーンから最も離れた位置にあるレーン境界線画像を対象にレーン外であるか否かの判定を行うことが望ましい。また、上述したレーン外判定手段は、自車両が走行するレーンから左右それぞれについて最も離れた位置にある2つのレーン境界線画像のそれぞれを対象にレーン外であるか否かの判定を行うことが望ましい。これにより、道路の端部に位置するレーンを特定することが容易となり、走行レーン特定の精度をさらに上げることができる。
また、上述したレーン外判定手段による色の比較は、RGB色空間からHSI色空間への変換を行った後に、特に色相Hを用いて行うことが望ましい。HSI色空間の色、特にこの中の色相Hを用いることにより、舗装された路面の色とそれ以外の色との差が明確になるため、レーン外か否かの判定が容易となる。
また、上述したレーン外判定手段による色の比較は、第1および第2の領域のそれぞれに含まれる各画素について色相Hのヒストグラムを作成して、特にその相関を用いて行うことが望ましい。領域内の色相Hの出現頻度を用いることにより、さらに精度の高い色比較を行うことが可能となる。
また、上述したレーン外判定手段は、第1および第2の色の両方がレーン外判定に適さない色でないことが確認されたときにレーン外であるか否かの判定を行うことが望ましい。色比較に適さない場合(例えば、路面が白色やその他特定の色で塗装された場合など)についてレーン外の判定から除外することにより、レーン外判定の精度を高めることができる。
以下、本発明を適用した一実施形態の走行レーン検出装置について、図面を参照しながら説明する。
図1は、一実施形態の走行レーン検出装置の構成を示す図である。図1に示す本実施形態の走行レーン検出装置1は、自車両に搭載されて自車両が走行する走行レーン(車線)を特定するためのものであり、カメラ10、画像格納部20、レーンマーク検出部30、路外判定部40、レーン数取得部50、走行レーン特定部60を備えている。
カメラ10は、車両後部に取り付けられており、自車両の走行レーンや左右の隣接レーンが含まれる撮像範囲を有する。例えば、CCD撮像素子やCMOS撮像素子を用いるとともに、広角レンズを取り付けて画角を広くすることが望ましい。なお、カメラ10の設置位置は、車両前部でもよい。カメラ10による撮像によって得られた画像(後方画像)は画像格納部20に格納される。
レーンマーク検出部30は、画像格納部20に格納された後方画像に基づいて、走行中の道路に含まれる、レーンを区画するレーンマーク画像を検出する。レーンマーク(レーン境界線)は、白線あるいは黄色の線であり、その線種は実線や破線が用いられる。したがって、レーンマーク検出部30は、後方画像の中から、レーンマークに対応する線種および色の線を抽出することで、レーンマークを検出することができる。また、レーンマークは、レーン幅に合わせた間隔で、しかも、レーンに平行に路面上に描かれている。したがって、後方画像内でレーンマーク画像が含まれる位置はある程度予測することができ、この予測位置から大きく外れる場合を検出対象から除外することにより、検出精度を上げることができる。
路外判定部40は、画像格納部20に格納された画像の中から検出されたレーンマーク画像よりも自車両側の路面領域(第1の領域)と、反自車両側の路外判断領域(第2の領域)とを抽出し、路面領域の色(第1の色)と路外判断領域の色(第2の色)とを比較することにより、路外判断領域に対応する道路上の位置が車両の走行ができない路外(レーン外)であるか否かを判定する。例えば、路外判断領域に対応する道路上の位置が中央分離帯や路肩などに含まれる場合には、路外である旨の判定が行われる。
ところで、道路のレーン数が3以上の場合であって自車両が中間レーンを走行している場合を考えると、この中間レーンに隣接するレーンについては中央分離帯や路肩などでないことが明らかであるため、これらの隣接するレーンについては路外であるか否かの判定の対象から外す必要がある。
そこで、本実施形態では、路外判定部40は、自車両が走行するレーンから左右それぞれについて最も離れた位置にある2つのレーンマーク画像のそれぞれを対象に、路外であるか否かの判定を行う。
図2は、路外判定の対象の具体例を示す図である。図2に示す例では、自車両が走行中の道路には3つのレーンL0、L1、L2が含まれており、これらを区画する4本のレーンマークLL1、LL0、LR0、LR1が道路上に描かれている。
レーンマーク検出部30によってこれら4本のレーンマークLL1、LL0、LR0、LR1の全部が検出された場合には、路外判定部40は、左側で自車両Gから最も遠いレーンマークLL1と右側で自車両から最も遠いレーンマークLR1に着目して、上述した路外判定を行う。
レーン数取得部50は、自車両が走行中の道路のレーン数を取得する。図2に示す例では、レーン数として3が取得される。レーン数取得部50は、例えばGPS受信機を用いて自車両の現在位置を検出し、地図データから走行中の道路のレーン数を得る場合や、ナビゲーション装置(図示せず)からレーン数を得る場合などが考えられる。あるいは、路側機から送信されるレーン数情報を受信してレーン数を得るようにしてもよい。
走行レーン特定部60は、路外判定部40による判定結果に基づいて、自車両が走行中のレーン位置を特定する。自車両の左右どちらかで路外である旨の判定が行われると、レーン数に基づいて走行中のレーン位置を特定すること可能となる。
上述したカメラ10が撮像手段に、レーンマーク検出部30がレーン境界線画像検出手段に、路外判定部40がレーン外判定手段に、走行レーン特定部60がレーン位置特定手段に、レーン数取得部50がレーン数取得手段にそれぞれ対応する。
本実施形態の走行レーン検出装置1はこのような構成を有しており、次にその動作を説明する。
図3は、自車両の走行レーンを特定する全体の動作手順を示す流れ図である。この動作手順は、所定の時間間隔で繰り返し実施される。
まず、カメラ10による撮像が行われる(ステップ100)。撮像によって得られた後方画像は画像格納部20に格納される。
次に、レーンマーク検出部30は、画像格納部20に格納された後方画像に含まれるレーンマーク画像を抽出することにより、走行中の道路に含まれるレーンマークを検出する(ステップ102)。なお、レーン数が多い場合などでは、後方画像にすべてのレーンマークが含まれないことや、含まれてはいるが一部のレーンマーク画像が明瞭でないことなどがあり、必ずしもすべてのレーンマークが検出できるわけではない。
次に、路外判定部40は、左側で自車両から最も遠いレーンマークを選択し、左側のレーンマークに対応する路面領域と路外判断領域を抽出し、この路外判断領域が路外であるか否かを判定する(ステップ104)。
また、路外判定部40は、右側で自車両から最も遠いレーンマークを選択し、右側のレーンマークに対応する路面領域と路外判断領域を抽出し、この路外判断領域が路外であるか否かを判定する(ステップ106)。
次に、レーン数取得部50は、自車両が走行中の道路のレーン数を取得する(ステップ108)。ステップ104、106、108の動作は、いずれが先でもよいし、並行して行うようにしてもよい。また、ステップ104、106の判定動作の詳細については後述する。
次に、走行レーン特定部60は、取得したレーン数と、ステップ104、106における判定結果に基づいて、自車両が走行中のレーン位置を特定する(ステップ110)。具体的には、ステップ104の判定において路外である旨の判定が行われ場合には、この路外に隣接するレーンが左端のレーン(図2に示す例ではレーンL0)であり、そこから辿って行けば自車両の走行レーン位置を特定することができる。同様に、ステップ106の判定において路外である旨の判定が行われた場合には、この路外に隣接するレーンが右端のレーン(図2に示す例ではレーンL2)であり、そこから辿って行けば自車両の走行レーン位置を特定することができる。また、ステップ104、106のいずれにおいても路外である旨の判定を行うことができなかった場合であっても、取得したレーン数と同じ数のレーンがステップ102で検出したレーンマークの数から確認できる場合には自車両の走行レーン位置を特定することができる。
図4は、図3のステップ104において行われる左側の路外判断領域の路外判定の詳細な動作手順を示す流れ図である。
まず、路外判定部40は、自車両が走行するレーンから左側の最も離れた位置にあるレーンマークを選択し(ステップ200)、その内側(右側)から路面領域Linの画像を抽出する(ステップ202)。
図5は、図3のステップ100の撮像によって得られた後方画像の一例を示す図である。また、図6は図5に示した後方画像に対応する道路に含まれるレーンの説明図である。図7は、図6に示した後方画像において検出されたレーンマーク画像と路面領域、路外判断領域を示す図である。
図5に示す例では、自車両が走行する道路には3つのレーンL0、L1、L2が含まれており、自車両はその最も右側のレーンL2を走行しているものとする。自車両より左側には3本のレーンマークLL0、LL1、LL2が存在するが、撮像された後方画像(図5)では、自車両より左側の2本のレーンマークLL0、LL1のみが確認でき、最も左側のレーンマークLL2が確認できなかったものとする。この例では、路外判定部40は、検出された最も左側のレーンマークLL1から内側(右側)に所定距離(レーンの幅よりも短い距離)隔たった位置に路面領域Linを設定し(図7)、この路面領域Linの画像を抽出する。
次に、路外判定部40は、この抽出した路面領域Linの色を算出する(ステップ204)。この色の算出は、RGB色空間のデータ(RGBデータ)をHSI色空間のデータに変換することにより行う。具体的には、RGB色空間のデータをR、G、Bとしたときに、HSI色空間のH(色相)、S(彩度)、I(明度)を以下のようにして算出する。
(明度I)
I=max(R,G,B)
ここで、max()は、3つの要素の中で最大値を求める関数
(彩度S)
i=min(R,G,B)とする。ここで、min()は、3つの要素の中で最小値を求める関数
I=0のとき、S=0
I≠0のとき、S=(I−i)/I
(色相H)
r=(I−R)/(I−i)、g=(I−G)/(I−i)、b=(I−B)/(I−i)とすると
R=Iのとき、H=(b−g)×180/3
G=Iのとき、H=(2+r−b)×180/3
B=Iのとき、H=(4+g−r)×180/3
彩度Sと明度Iの値域は[0,1]、色相Hの値域は[0,360]である。Hは環状になっており、単位は度で0度と360度は同じである。路外判定部40は、抽出した路面領域の各画素に対して上述した式を用いてI、S、Hの値を求める。
(明度I)
I=max(R,G,B)
ここで、max()は、3つの要素の中で最大値を求める関数
(彩度S)
i=min(R,G,B)とする。ここで、min()は、3つの要素の中で最小値を求める関数
I=0のとき、S=0
I≠0のとき、S=(I−i)/I
(色相H)
r=(I−R)/(I−i)、g=(I−G)/(I−i)、b=(I−B)/(I−i)とすると
R=Iのとき、H=(b−g)×180/3
G=Iのとき、H=(2+r−b)×180/3
B=Iのとき、H=(4+g−r)×180/3
彩度Sと明度Iの値域は[0,1]、色相Hの値域は[0,360]である。Hは環状になっており、単位は度で0度と360度は同じである。路外判定部40は、抽出した路面領域の各画素に対して上述した式を用いてI、S、Hの値を求める。
このようにして変換したHSI色空間で表した画素の色は、明度Iが一定値(例えば20)以下ならば黒と判定し、黒以外の場合には彩度Sが一定値(例えば0.10)以下ならば白と判定する。黒、白以外の場合には色相Hで色を識別する。このようにして路面領域Linを構成する各画素の色が算出される。
次に、路外判定部40は、路面領域Lin全体の色を算出する。具体的には、路面領域Linを構成するすべての画素の中で、黒と判定された画素数が路面領域Lin全体の画素数の半分以上であれば路面領域Linの色を黒と判定し、白と判定された画素数が路面領域Lin全体の画素数の半分以上であれば路面領域Linの色を白と判定する。これ以外のときは、黒と白を除いた画素について色相Hの平均を算出し、これを路面領域Linの色とする。
このようにして路面領域Linの色を算出した後、路外判定部40は、その色が比較対象の色か否か(路外判定に適さない色に該当しないか否か)を判定する(ステップ206)。路面領域Linの色が白(光が路面で反射している場合など)、黒(路面の一部に日影がある場合など)、あるいは水色や赤茶色などの塗装による特定色の場合には比較対象外として否定判断が行われる。この場合には、路面領域Linに対応する路外判断領域Lout についての路外判定(後述するステップ216)は行われない。
また、路面領域Linの色が白、黒、特定色でない場合にはステップ206の判定において肯定判断が行われる。次に、路外判定部40は、検出された最も左側のレーンマークLL1から外側(左側)に所定距離(レーンの幅よりも短い距離)隔たった位置に路外判断領域Lout を設定し(図7)、この路外判断領域Lout の画像を抽出する(ステップ208)。そして、路外判定部40は、この路外判断領域Lout の色を算出し(ステップ210)、この算出した色が比較対象の色か否かを判定する(ステップ212)。これらのステップ210、212の各動作は、上述したステップ204、206の各動作と同じであり、詳細な説明は省略する。
路外判断領域Lout の色が比較対象の色でない場合(白、黒、特定色の場合)にはステップ212の判定において否定判断が行われる。この場合には、路外判断領域Lout についての路外判定(後述するステップ216)は行われない。
また、路外判断領域Lout の色が白、黒、特定色でない場合にはステップ212の判定において肯定判断が行われる。次に、路外判定部40は、色相Hの平均値で表された路面領域Linの色と路外判断領域Lout の色の間に差があるか否かを判定する(ステップ214)。一定値(例えば30°)以上の差がある場合には肯定判断が行われる。この場合は、路外判定部40は、路外判断領域Lout を路外と判断する(ステップ216)。また、路面領域Linの色と路外判断領域Lout の色の間に差がない場合にはステップ214の判定において否定判断が行われる。この場合には、路外判断領域Lout を路外と判断できない。
図3のステップ106において行われる右側の路外判定領域の路外判定についても同様に行うことができる。図6に示す例では、この路外判定で用いられるレーンマークは自車位置の右側にあるレーンマークLR0であり、この最も右側のレーンマークLR0から内側(左側)に所定距離(レーンの幅よりも短い距離)隔たった位置に路面領域Rinが設定され(図7)、外側(右側)に所定距離(レーンの幅よりも短い距離)隔たった位置に路外判断領域Rout が設定される(図7)。そして、これらの各領域の色に差がある場合には、路外判断領域Rout が路外であると判断される。
このように、本実施形態の走行レーン検出装置100では、道路上の色を比較することにより、中央分離帯や路肩などのレーン外(路外)か否かを判定しており、特別なハードウエアが不要であって処理負担の増加を抑制することが可能となる。また、レーンを区画する白線の種別に着目していないためそれらの組み合わせを考慮する必要がなく、走行レーンの検出精度を上げることができる。また、レーン数の情報を加味することにより、レーン外であると判定された位置から走行レーンの位置を特定する際の精度をさらに上げることができる。
また、自車両が走行するレーンから最も離れた位置にあるレーンマーク画像を対象にレーン外であるか否かの判定を行っている。これにより、道路の端部に位置するレーンを特定することが容易となり、走行レーン特定の精度をさらに上げることができる。
また、路外判定を行う際の色の比較は、RGB色空間からHSI色空間への変換を行った後に、特に色相Hを用いて行っており、舗装された路面の色とそれ以外の色との差が明確になるため、レーン外か否かの判定が容易となる。
また、路面領域と路外判断領域の両方の色がレーン外判定に適さない色でないことが確認されたときにレーン外であるか否かの判定を行っている。色比較に適さない場合(例えば、路面が白色や黒色、あるいは、その他特定の色で塗装された場合など)についてレーン外の判定から除外することにより、路外判定の精度を高めることができる。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内において種々の変形実施が可能である。上述した実施形態では、路面領域と路外判断領域の色の比較を色相Hの平均値を用いて行ったが、色相Hのヒストグラムを作成して行うようにしてもよい。
図8は、図3のステップ104において行われる左側の路外判断領域の路外判定を行う際の色の比較をヒストグラムを用いて行う場合の変形例を示す図である。
まず、路外判定部40は、自車両が走行するレーンから左側の最も離れた位置にあるレーンマークを選択し(ステップ300)、その内側(右側)から路面領域Linの画像を抽出する(ステップ302)。
次に、路外判定部40は、この抽出した路面領域Linの色のヒストグラムを算出する(ステップ304)。このヒストグラム算出の対象となる画素は、上述した色相Hの平均値を求めた画素と同じである。すなわち、HSI色空間で表した画素の色は、明度Iが一定値(例えば20)以下ならば黒と判定し、黒以外の場合には彩度Sが一定値(例えば0.10)以下ならば白と判定する。黒、白以外の場合には色相Hで色を識別する。このようにして路面領域Linを構成する各画素の色が算出される。
また、路外判定部40は、路面領域Lin全体の色のヒストグラムを算出する。具体的には、路面領域Linを構成するすべての画素の中で、黒と判定された画素数が路面領域Lin全体の画素数の半分以上であれば路面領域Linの色を黒と判定し、白と判定された画素数が路面領域Lin全体の画素数の半分以上であれば路面領域Linの色を白と判定する。これ以外のときは、黒と白を除いた画素について色相Hの出願頻度をカウントし、これを路面領域Linの色のヒストグラムとする。
具体的には、各画素の色相Hの値によって、配列hI[i](i=0,1,2,3,4,5)のいずれかを1加算(投票)する。
hI[0] 330≦H<360、0≦H<30
hI[1] 30≦H<90
hI[2] 90≦H<150
hI[3] 150≦H<210
hI[4] 210≦H<270
hI[5] 270≦H<330
路面領域Linに含まれる白、黒以外の各画素について投票が終わったら、配列hI[i]を投票した画素数で割ってそれぞれの平均をとる。このようにして路面領域Linの色のヒストグラムが算出される。
hI[1] 30≦H<90
hI[2] 90≦H<150
hI[3] 150≦H<210
hI[4] 210≦H<270
hI[5] 270≦H<330
路面領域Linに含まれる白、黒以外の各画素について投票が終わったら、配列hI[i]を投票した画素数で割ってそれぞれの平均をとる。このようにして路面領域Linの色のヒストグラムが算出される。
このようにして路面領域Linの色のヒストグラムを算出した後、路外判定部40は、そのヒストグラムが比較対象のヒストグラムか否か(路外判定に適さないヒストグラムに該当しないか否か)を判定する(ステップ306)。路面領域Linの色が白(光が路面で反射している場合など)、黒(路面の一部に日影がある場合など)、あるいは水色や赤茶色などの塗装による特定色(上述したhI[3]あるいはhI[4]があるしきい値以上の場合にこれらの特定色と判定する)の場合には比較対象外として否定判断が行われる。この場合には、路面領域Linに対応する路外判断領域Lout についての路外判定(後述するステップ318)は行われない。
また、路面領域Linの色が白、黒、特定色でない場合にはステップ306の判定において肯定判断が行われる。次に、路外判定部40は、検出された最も左側のレーンマークから外側(左側)から路外判断領域Lout の画像を抽出する(ステップ308)。
次に、路外判定部40は、この抽出した路外判断領域Lout の色のヒストグラムhO[i]を算出し(ステップ310)、この算出したヒストグラムが比較対象のヒストグラムか否かを判定する(ステップ312)。これらのステップ310、312の各動作は、上述したステップ304、306の各動作と同じであり、詳細な説明は省略する。
路外判断領域Lout の色が比較対象の色でない場合(白、黒、特定色の場合)にはステップ312の判定において否定判断が行われる。この場合には、路外判断領域Lout についての路外判定(後述するステップ318)は行われない。
また、路外判断領域Lout の色が白、黒、特定色でない場合にはステップ312の判定において肯定判断が行われる。次に、路外判定部40は、路面領域Linのヒストグラムと路外判断領域Lout のヒストグラムの相関係数rを以下の式を用いて算出する(ステップ314)。
このように、色相Hのヒストグラムを用いて色の比較を行うことにより、さらに精度の高い色比較、すなわち、精度の高い路外判定を行うことが可能となる。なお、隣接するレーン上をトラック等の他の車両が走行中にその一部を路外判断領域Loutの画像を抽出した場合には、特定の色に対応するヒストグラムの値が大きくなるため、中央分離帯や路肩とは区別がつくため、このような特定のヒストグラムが得られた場合にはその時点で路外判定を中止することで、処理の簡略化や誤検出を図ることができる。
上述したように、本発明によれば、道路上の色を比較することにより、中央分離帯や路肩などのレーン外か否かを判定しており、特別なハードウエアが不要であって処理負担の増加を抑制することが可能となる。また、レーンを区画する白線の種別に着目していないためそれらの組み合わせを考慮する必要がなく、走行レーンの検出精度を上げることができる。
1 走行レーン検出装置
10 カメラ
20 画像格納部
30 レーンマーク検出部
40 路外判定部
50 レーン数取得部
60 走行レーン特定部
10 カメラ
20 画像格納部
30 レーンマーク検出部
40 路外判定部
50 レーン数取得部
60 走行レーン特定部
Claims (9)
- 自車両が走行する道路を撮像する撮像手段と、
前記撮像手段による撮像によって得られた画像に基づいて、走行中の道路に含まれるレーンを区画するレーン境界線画像を検出するレーン境界線画像検出手段と、
検出された前記レーン境界線画像よりも自車両側の第1の領域の第1の色と反自車両側の第2の領域の第2の色を比較することにより、前記第1の領域に対応する道路上の位置が車両の走行ができないレーン外であるか否かを判定するレーン外判定手段と、
前記レーン外判定手段による判定結果に基づいて、自車両が走行中のレーン位置を特定するレーン位置特定手段と、
を備えることを特徴とする走行レーン検出装置。 - 自車両が走行する道路のレーン数を取得するレーン数取得手段をさらに備え、
前記レーン位置特定手段は、前記レーン数取得手段によって取得したレーン数に基づいて、自車両が走行中のレーン位置を特定することを特徴とする請求項1に記載の走行レーン検出装置。 - 前記レーン外判定手段は、自車両が走行するレーンから最も離れた位置にある前記レーン境界線画像を対象にレーン外であるか否かの判定を行うことを特徴とする請求項1または2に記載の走行レーン検出装置。
- 前記レーン外判定手段は、自車両が走行するレーンから左右それぞれについて最も離れた位置にある2つの前記レーン境界線画像のそれぞれを対象にレーン外であるか否かの判定を行うことを特徴とする請求項1または2に記載の走行レーン検出装置。
- 前記レーン外判定手段による色の比較は、RGB色空間からHSI色空間への変換を行った後に行うことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の走行レーン検出装置。
- 前記レーン外判定手段による色の比較は、色相Hを用いて行うことを特徴とする請求項5に記載の走行レーン検出装置。
- 前記レーン外判定手段による色の比較は、前記第1および第2の領域のそれぞれに含まれる各画素について色相Hのヒストグラムを作成して行うことを特徴とする請求項5に記載の走行レーン検出装置。
- 前記レーン外判定手段による色の比較は、前記第1および第2の領域のそれぞれに対応する前記ヒストグラムの相関を用いて行うことを特徴とする請求項7に記載の走行レーン検出装置。
- 前記レーン外判定手段は、前記第1および第2の色の両方がレーン外判定に適さない色でないことが確認されたときにレーン外であるか否かの判定を行うことを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の走行レーン検出装置。
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