JP2021196304A - 繊維製品等の色変化評価方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】スキャナーやカメラなどの汎用機器で撮影した画像で級判定することができ、従来の目視判定よりもブレがなく、広い範囲で繊維製品等の色や組成を反映できる繊維製品等の色変化評価方法を提供する。【解決工程】画像入力手段と画像処理手段と特性値演算手段とを備え、第1のステップにおいて、グレースケールの5級から1級までの各色票に対する画像の特性値を求める。第2のステップにおいて、5級の色票に対する画像の特性値と他の各級の色票に対する画像の特性値との関係から各級の色票間の色変化の指標を定める。第3のステップにおいて、色変化前後の各繊維製品等に対して、各繊維製品等に対する画像の特性値を求める。第4のステップにおいて、色変化前後の各繊維製品等に対する画像の特性値の関係を色変化の指標と比較して級判定する。【選択図】図1
Description
本発明は、繊維製品等の使用や洗濯などで生じる変退色又は色汚染を評価する繊維製品等の色変化評価方法に関するものである。
繊維製品等は、消費者が使用した際や洗濯をした際に生じる色変化(変退色又は色汚染)を商品製造段階で評価してから、基準に合った商品を流通させる。このとき、繊維製品等の色変化を染色堅牢度(耐光堅牢度や洗濯堅牢度など)として評価する。変退色や色汚染を評価する際には、変化の基準となる変退色用グレースケール(JIS L 0804)や汚染用グレースケール(JIS L 0805)が使用される。
これらのグレースケールは、5級(良好)から1級(不良)までの0.5級間隔の9枚の色票によって規定され、商品の用途や使用状況を考慮した閾値の基に流通の可否が判断されている。
このような染色堅牢度の判定方法においては、検査員が目視により検査対象の試験片をグレースケールの各色票と対比させて行っている。従って、この方法においては、各検査機関の検査員の経験とノウハウの違い又は主観に左右されるなど級判定のばらつきが生じるという問題があった。また、検査員の育成にも時間がかかり、習熟度の高い検査員を確保することが難しいという問題があった。
これらの問題に対処して、下記非特許文献1には、計器による変退色及び色汚染の判定方法が規定されている。この方法は、ISO 105−A08で定義するコントラスト感覚に従って、試験片の変退色及び添付白布汚染の両者を包括して統一的にとらえる計測評価方法に基づいている。
JIS L 0809:2001 計器による変退色及び汚染の判定方法
ここで、上記非特許文献1においては、試験片の測色にJIS Z 8722に規定する分光測色方法又は刺激値直読方法を使用し、光源と視野角も特定のものに規定されている。この方法においては、決められた機器による決められた方法で測色した試験片の色変化前後の色差をJISに規定された数値と対比させてグレースケールの級判定を行う。また、これらの測色機による測色方法では、狭い面積を測定できるに留まり、色ムラや繊維製品等の組成による違いなどを判断することが難しい。
そこで、本発明は、上記問題に対処して、スキャナーやカメラなどの汎用機器で撮影した画像で級判定することができ、従来の目視判定よりもブレがなく、広い範囲で繊維製品等の色や組成を反映できる繊維製品等の色変化評価方法を提供することを目的とする。
上記課題の解決にあたり、本発明者らは、鋭意研究の結果、スキャナーやカメラなどの汎用機器を測色機として使用し、色変化前後の試験片の測色と判定基準であるグレースケールの各色票を同一の条件で測色することにより、上記課題を解決できることを見出し本発明の完成に至った。
即ち、本発明に係る繊維製品等の色変化評価方法は、請求項1の記載によると、
繊維製品等の色変化をJIS L 0804に規定される変退色用グレースケールを指標として、又は、繊維製品等の色汚染をJISL 0805に規定される汚染用グレースケールを指標として評価する方法であって、
前記変退色用グレースケール又は汚染用グレースケール、及び、色変化前後の各繊維製品等の各画像を撮影することにより、当該画像を構成する各画素に対してカラーセンサによりRGB表色系の属性値に変換する画像入力手段と、
前記画像入力手段で得られた各画素に対するRGB表色系の属性値を判定に使用する所定の表色系の属性値に変換する画像処理手段と、
前記画像処理手段で得られた各画素に対する前記所定の表色系の属性値から、色変化の指標の基礎となる画像の特性値を求める特性値演算手段とを備え、
第1のステップにおいて、
前記変退色用グレースケール又は汚染用グレースケールの5級から1級までの0.5級間隔の9枚の色票に対して、それぞれ前記画像入力手段、前記画像処理手段及び前記特性値演算手段により各色票に対する前記画像の特性値を求め、
第2のステップにおいて、
5級の色票に対する画像の特性値と他の各級の色票に対する画像の特性値との関係から各級の色票間の色変化の指標を定め、
第3のステップにおいて、
前記色変化前後の各繊維製品等に対して、それぞれ前記画像入力手段、前記画像処理手段及び前記特性値演算手段により各繊維製品等に対する前記画像の特性値を求め、
第4のステップにおいて、
前記色変化前後の各繊維製品等に対する前記画像の特性値の関係を前記色変化の指標と比較して級判定することを特徴とする。
繊維製品等の色変化をJIS L 0804に規定される変退色用グレースケールを指標として、又は、繊維製品等の色汚染をJISL 0805に規定される汚染用グレースケールを指標として評価する方法であって、
前記変退色用グレースケール又は汚染用グレースケール、及び、色変化前後の各繊維製品等の各画像を撮影することにより、当該画像を構成する各画素に対してカラーセンサによりRGB表色系の属性値に変換する画像入力手段と、
前記画像入力手段で得られた各画素に対するRGB表色系の属性値を判定に使用する所定の表色系の属性値に変換する画像処理手段と、
前記画像処理手段で得られた各画素に対する前記所定の表色系の属性値から、色変化の指標の基礎となる画像の特性値を求める特性値演算手段とを備え、
第1のステップにおいて、
前記変退色用グレースケール又は汚染用グレースケールの5級から1級までの0.5級間隔の9枚の色票に対して、それぞれ前記画像入力手段、前記画像処理手段及び前記特性値演算手段により各色票に対する前記画像の特性値を求め、
第2のステップにおいて、
5級の色票に対する画像の特性値と他の各級の色票に対する画像の特性値との関係から各級の色票間の色変化の指標を定め、
第3のステップにおいて、
前記色変化前後の各繊維製品等に対して、それぞれ前記画像入力手段、前記画像処理手段及び前記特性値演算手段により各繊維製品等に対する前記画像の特性値を求め、
第4のステップにおいて、
前記色変化前後の各繊維製品等に対する前記画像の特性値の関係を前記色変化の指標と比較して級判定することを特徴とする。
また、本発明は、請求項2の記載によると、請求項1に記載の繊維製品等の色変化評価方法であって、
前記画像の特性値を各画素に対する明度のヒストグラムから求めた明度のモード値として、
前記5級の色票に対する画像の明度のモード値と他の各級の色票に対する画像の明度のモード値との差を前記色変化の指標として定め、
前記色変化前後の各繊維製品等に対する明度のモード値の差を前記色変化の指標と比較して級判定することを特徴とする。
前記画像の特性値を各画素に対する明度のヒストグラムから求めた明度のモード値として、
前記5級の色票に対する画像の明度のモード値と他の各級の色票に対する画像の明度のモード値との差を前記色変化の指標として定め、
前記色変化前後の各繊維製品等に対する明度のモード値の差を前記色変化の指標と比較して級判定することを特徴とする。
また、本発明は、請求項3の記載によると、請求項1に記載の繊維製品等の色変化評価方法であって、
前記各画像の特性値を各画素に対する明度のヒストグラムから求めた明度の平均値又はこれに対応する値として、
前記5級の色票に対する画像の明度の平均値又はこれに対応する値と他の各級の色票に対する画像の明度の平均値又はこれに対応する値との差を前記色変化の指標として定め、
前記色変化前後の各繊維製品等に対する明度の平均値又はこれに対応する値の差を前記色変化の指標と比較して級判定することを特徴とする。
前記各画像の特性値を各画素に対する明度のヒストグラムから求めた明度の平均値又はこれに対応する値として、
前記5級の色票に対する画像の明度の平均値又はこれに対応する値と他の各級の色票に対する画像の明度の平均値又はこれに対応する値との差を前記色変化の指標として定め、
前記色変化前後の各繊維製品等に対する明度の平均値又はこれに対応する値の差を前記色変化の指標と比較して級判定することを特徴とする。
また、本発明は、請求項4の記載によると、請求項1に記載の繊維製品等の色変化評価方法であって、
前記5級の色票に対する画像の特性値と他の各級の色票に対する画像の特性値から、これらの画像間の色差を求め、これを前記色変化の指標として定め、
前記色変化前後の各繊維製品等に対する色差を前記色変化の指標と比較して級判定することを特徴とする。
前記5級の色票に対する画像の特性値と他の各級の色票に対する画像の特性値から、これらの画像間の色差を求め、これを前記色変化の指標として定め、
前記色変化前後の各繊維製品等に対する色差を前記色変化の指標と比較して級判定することを特徴とする。
また、本発明は、請求項5の記載によると、請求項4に記載の繊維製品等の色変化評価方法であって、
前記各画像の特性値を各画像に対するCIE表色系の明度(L*)、彩度(C*)及び色相角(h)の値として、
前記5級の色票に対する画像のL*C*hの値と他の各級の色票に対する画像のL*C*hの値との色差ΔE*を前記色変化の指標として定め、
前記色変化前後の各繊維製品等に対するL*C*hの値の色差ΔE*を前記色変化の指標と比較して級判定することを特徴とする。
前記各画像の特性値を各画像に対するCIE表色系の明度(L*)、彩度(C*)及び色相角(h)の値として、
前記5級の色票に対する画像のL*C*hの値と他の各級の色票に対する画像のL*C*hの値との色差ΔE*を前記色変化の指標として定め、
前記色変化前後の各繊維製品等に対するL*C*hの値の色差ΔE*を前記色変化の指標と比較して級判定することを特徴とする。
また、本発明に係る繊維製品等の色変化評価方法は、請求項6の記載によると、
前記各画像の特性値を各画像に対するCIE表色系の明度(L*)、色度(a*、b*)、彩度(C*)及び色相角(h)の値として、
複数組の色変化前後の繊維製品等に対して、熟練した評価者が目視評価を行った級判定の結果を教師用データに使用した機械学習アルゴリズムによる判定モデルを構築し、
前記請求項1〜5に記載の評価方法による級判定において、実際の繊維製品等の織編等の特性を付加するために、前記機械学習アルゴリズムを併用することを特徴とする繊維製品等の色変化評価方法。
前記各画像の特性値を各画像に対するCIE表色系の明度(L*)、色度(a*、b*)、彩度(C*)及び色相角(h)の値として、
複数組の色変化前後の繊維製品等に対して、熟練した評価者が目視評価を行った級判定の結果を教師用データに使用した機械学習アルゴリズムによる判定モデルを構築し、
前記請求項1〜5に記載の評価方法による級判定において、実際の繊維製品等の織編等の特性を付加するために、前記機械学習アルゴリズムを併用することを特徴とする繊維製品等の色変化評価方法。
上記構成によれば、本発明は、画像入力手段と画像処理手段と特性値演算手段とを備えている。画像入力手段は、変退色用グレースケール又は汚染用グレースケール、及び、色変化前後の各繊維製品等の各画像を撮影することにより、当該画像を構成する各画素に対してカラーセンサによりRGB表色系の属性値に変換する。また、画像処理手段は、各画素に対するRGB表色系の属性値を判定に使用する所定の表色系の属性値に変換する。また、特性値演算手段は、画像処理手段で得られた各画素に対する所定の表色系の属性値から、色変化の指標の基礎となる画像の特性値を求める。
更に、本発明は、第1のステップと第2のステップと第3のステップと第4のステップからなる。第1のステップにおいては、変退色用グレースケール又は汚染用グレースケールの5級から1級までの0.5級間隔の9枚の色票に対して、それぞれ画像入力手段、画像処理手段及び特性値演算手段により各色票に対する画像の特性値を求める。
次に、第2のステップにおいては、5級の色票に対する画像の特性値と他の各級の色票に対する画像の特性値との関係から各級の色票間の色変化の指標を定める。次に、第3のステップにおいては、色変化前後の各繊維製品等に対して、それぞれ画像入力手段、画像処理手段及び特性値演算手段により各繊維製品等に対する画像の特性値を求める。最後に、第4のステップにおいては、色変化前後の各繊維製品等に対する画像の特性値の関係を色変化の指標と比較して級判定する。
このようにして、繊維製品等の色変化をJIS L 0804に規定される変退色用グレースケールを指標として、又は、繊維製品等の色汚染をJIS L 0805に規定される汚染用グレースケールを指標として評価することができる。
よって、上記構成によれば、スキャナーやカメラなどの汎用機器で撮影した画像で級判定することができ、従来の目視判定よりもブレがなく、広い範囲で繊維製品等の色や組成を反映できる繊維製品等の色変化評価方法を提供することができる。
また、上記構成によれば、画像の特性値を各画素に対する明度のヒストグラムから求めた明度のモード値としてもよい。そして、5級の色票に対する画像の明度のモード値と他の各級の色票に対する画像の明度のモード値との差を色変化の指標として定める。次に、色変化前後の各繊維製品等に対する明度のモード値の差を色変化の指標と比較して級判定する。このことにより、上述の作用効果をより一層具体的に発揮することができる。
また、上記構成によれば、各画像の特性値を各画素に対する明度のヒストグラムから求めた明度の平均値又はこれに対応する値としてもよい。そして、5級の色票に対する画像の明度の平均値又はこれに対応する値と他の各級の色票に対する画像の明度の平均値又はこれに対応する値との差を色変化の指標として定める。次に、色変化前後の各繊維製品等に対する明度の平均値又はこれに対応する値の差を色変化の指標と比較して級判定する。このことにより、上述の作用効果をより一層具体的に発揮することができる。
また、上記構成によれば、5級の色票に対する画像の特性値と他の各級の色票に対する画像の特性値から、これらの画像間の色差を求め、これを色変化の指標として定める。次に、色変化前後の各繊維製品等に対する色差を色変化の指標と比較して級判定する。このことにより、上述の作用効果をより一層具体的に発揮することができる。
また、上記構成によれば、各画像の特性値を各画像に対するCIE表色系の明度(L*)、彩度(C*)及び色相角(h)の値としてもよい。そして、5級の色票に対する画像のL*C*hの値と他の各級の色票に対する画像のL*C*hの値との色差ΔE*を色変化の指標として定める。次に、色変化前後の各繊維製品等に対するL*C*hの値の色差ΔE*を色変化の指標と比較して級判定する。このことにより、上述の作用効果をより一層具体的に発揮することができる。
また、上記構成によれば、各画像の特性値を各画像に対するCIE表色系の明度(L*)、色度(a*、b*)、彩度(C*)及び色相角(h)の値としてもよい。そして、複数組の色変化前後の繊維製品等に対して、熟練した評価者が目視評価を行った級判定の結果を教師用データに使用した機械学習アルゴリズムによる判定モデルを構築する。次に、請求項1〜5に記載の評価方法による級判定において、実際の繊維製品等の織編等の特性を付加するために、機械学習アルゴリズムを併用する。このことにより、上述の作用効果をより効果的に発揮することができる。
本発明において、繊維製品等とは、織物、編物、不織布などの繊維からなる製品だけではなく、皮革製品や紙製品なども含む広い概念をいう。また、繊維製品等の色変化とは、衣服、資材などの繊維製品等が、その製造工程や保管、着用、使用時に受ける種々の物理的、化学的作用によって、変退色(色彩的な変化:色濃度、明度、彩度、色相などの変化)や色汚染(他の部分への色移り)を生じた状態をいう。
例えば、光による色変化(耐光堅牢度:変退色)、洗濯による色変化(洗濯堅牢度:変退色と色汚染)、ドライクリーニングによる色変化(ドライクリーニング堅牢度:変退色と色汚染)、汗による色変化(汗堅牢度:変退色と色汚染)などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。特に、本発明においては、これらの色変化を変退色用グレースケール(JISL 0804)又は汚染用グレースケール(JISL 0805)で級判定する新しい色変化評価方法を提供するものである。なお、各グレースケールは、5級から1級までの0.5級間隔の9枚の色票によって構成されている。
また、本発明においては、画像入力手段としてスキャナーやカメラなどの汎用機器を使用することができる。スキャナーやカメラなどを使用して、変退色用グレースケール又は汚染用グレースケールの各色票、及び、色変化前の繊維製品等(原布)と色変化後の繊維製品等(変退色布又は汚染布)の各画像を撮影する。画像入力手段として汎用機器であるスキャナーやカメラなどを使用できることが、本発明の大きな特徴の一つである。また、級判定される原布と変退色布又は汚染布だけではなく、級判定の指標であるグレースケールの各色票も同じ機器で同じ条件で撮影することも、本発明の大きな特徴の一つである。
これらのことにより、上記非特許文献1で指定された特定の測色機や測色条件を採用することなく、いずれの場所においても簡単に且つ正確に変退色布や汚染布の級判定をすることができる。また、汎用機器を使用した級判定であるので、習熟度の高い検査員に任せなくても正確な級判定をすることができる。また、検査員の経験とノウハウに頼ることなく、且つ、検査員の主観に左右されることなく正確で客観的な級判定をすることができる。
なお、画像入力手段として採用するスキャナーやカメラなどの汎用機器は、光電センサの一種であるカラーセンサを搭載している。なお、本発明においては、カラーセンサの種類について特に限定するものではないが、CCDセンサ又はCMOSセンサなどを使用することが好ましい。また、スキャナーやカメラなどでの撮影の際に使用する光源の種類や視野角についても、特に限定するものではない。級判定の基準となるグレースケールの各色票と、級判定しようとする色変化前後の繊維製品等とを同一の光源及び視野角で撮影することにより、これらの条件の違いによる誤差を排除できるからである。
また、本発明の画像入力手段においては、CCDセンサ又はCMOSセンサなどのカラーセンサを使用して、撮影した各画像を構成する各画素に対して表色系の一つであるRGB表色系の属性値(以下「RGBデータ」という)に変換する。なお、RGB規格としてどのような規格を採用してもよいが、本発明においては、IEC(国際電気標準会議)が制定した標準規格であるsRGBを採用することが好ましい。
また、本発明においては、画像入力手段としてスキャナーやカメラなどを使用することにより、高度で専門的な分光測色機や色差計などが狭い測色窓の範囲で測色するのに比べ、1回の撮影で測色試料の広範囲の色彩情報を得ることができる。このことにより、1回の撮影で複数個所の級判定をすることができる。
また、本発明においては、画像処理手段において、スキャナーやカメラなどの撮影で得られた各画素に対するRGBデータを判定に使用する所定の表色系の属性値に変換する。なお、所定の表色系の属性値には、RGBデータをそのまま使用する場合や若干の調整をして使用する場合も含むものと解する。ここで、所定の表色系とは、表色系を特に限定するものではないが、例えば、L*a*b表色系、L*C*h表色系、XYZ表色系、ハンターLab表色系、マンセル表色系、オストワルト表色系、DIN表色系などが挙げられる。なお、本発明においては、グレースケール変換したRGB表色系、L*a*b表色系又はL*C*h表色系を採用することが好ましい。
ここで、表色系における属性値とは、例えば、グレースケール変換したRGB表色系においては、明度(L)の値をいう。また、L*a*b表色系においては、明度(L*)及び色度(a*、b*)の各値をいう。また、L*C*h表色系においては、明度(L*)、彩度(C*)及び色相角(h)の各値をいう。なお、RGBデータを他の表色系の属性値(例えば、L*、a*、b*、C*、h)などに変換する計算式及びプログラム等については、特に限定するものではなく一般的な方法で変換すればよい。なお、本発明においては、色解析・画像処理ソフトAT Image(著作者:遠藤善道)を使用した。
また、本発明においては、特性値演算手段において、各画素に対する各属性値から、色変化の指標の基礎となる画像の特性値を求める。ここで、画像の特性値とは、繊維製品等の色変化の指標の基礎となるものであって、画像を構成する各画素の属性値から所定の方法により導き出せる画像全体(評価対象領域)の特性値である。すなわち、画像処理手段で得られた属性値は、各画像を構成する画素それぞれに対するものであり、画像全体として纏まりのあるものではない。そこで、画像を構成する各画素の属性値から当該画像全体を現わす特性値を求める必要がある。具体的には、後述する各実施形態において説明する。
以下、本発明に係る繊維製品等の色変化評価方法について、各実施形態により詳細に説明する。なお、本発明は、以下に説明する各実施形態にのみ限定されるものではない。
≪第1実施形態≫
本第1実施形態においては、画像入力手段としてCCDセンサを搭載したスキャナーを使用し、耐光堅牢度を変退色用グレースケール(JIS L 0804)で級判定するものである。また、画像処理手段においては、所定の表色系の属性値として明度を採用した。また、特性値演算手段においては、色変化の指標の基礎となる画像の特性値として、画像を構成する各画素に対する明度のヒストグラムから求めた明度のモード値(最頻値)を採用した。以下、級判定の各ステップに従って、本第1実施形態を説明する。
本第1実施形態においては、画像入力手段としてCCDセンサを搭載したスキャナーを使用し、耐光堅牢度を変退色用グレースケール(JIS L 0804)で級判定するものである。また、画像処理手段においては、所定の表色系の属性値として明度を採用した。また、特性値演算手段においては、色変化の指標の基礎となる画像の特性値として、画像を構成する各画素に対する明度のヒストグラムから求めた明度のモード値(最頻値)を採用した。以下、級判定の各ステップに従って、本第1実施形態を説明する。
第1のステップ:
まず、スキャナーを使用して変退色用グレースケールの5級から1級までの0.5級間隔の9枚の色票をスキャン(撮影)した。使用した卓上型カラーイメージスキャナ(EPSON社製、GT−S630)は、オンチップマイクロレンズ付12ラインカラーCCDを搭載し、最大有効領域(216×297mm)、最大有効画素数(40800×56160pixel)、光源(白色LED)のものであった。
まず、スキャナーを使用して変退色用グレースケールの5級から1級までの0.5級間隔の9枚の色票をスキャン(撮影)した。使用した卓上型カラーイメージスキャナ(EPSON社製、GT−S630)は、オンチップマイクロレンズ付12ラインカラーCCDを搭載し、最大有効領域(216×297mm)、最大有効画素数(40800×56160pixel)、光源(白色LED)のものであった。
スキャンの際には、原稿台に試料を置き、スキャナーのカバーを被せ、特に荷重をかけることなく解像度300dpiでスキャンした。スキャンの際の解像度及び解析の際の解像度については、特に限定するものではないが、織密度や編密度、表面状態などにより、適宜調整することが好ましい。スキャンした9枚の色票に対して、それぞれの画像を構成する各画素の属性値をsRGBデータとして保存した。
次に、保存した各画像から解析箇所を切り取った。本第1実施形態においては、解像度300dpiの画像から300×300pixel(試料サイズ:1×1inch)を解析試料とした。次に、各解析試料の各画素のsRGBデータを明度(L値)に変換した。なお、変換する明度は、どのような表色系のものであってもよい。なお、本第1実施形態においては、sRGBデータをグレースケール変換してL値を求めた。なお、ここでは、8bit画像をグレースケール変換したことにより、横軸(L値:0〜255)×縦軸(pixel数)のヒストグラムが得られた。なお、画像の解析には、上記の色解析・画像処理ソフトAT Imageを使用した。
図1は、本第1実施形態で求めた変退色用グレースケールの各色票のL値のヒストグラムである。横軸はL値(0〜255)であり、縦軸はpixel数(そのL値を示す画素の数)である。次に、各色票のL値のヒストグラムから各画像の特性値を求めた。本第1実施形態においては、画像の特性値としてL値のモード値(最頻値)を採用した。L値のモード値とは、図1における各色票のL値のヒストグラムのピーク位置のL値である。図1及び表1に、各色票に対するL値のモード値を示している。
第2のステップ:
次に、得られた変退色用グレースケールの各色票のL値のヒストグラムから、5級の色票に対する画像の特性値と他の各級の色票に対する画像の特性値との関係から各級の色票間の色変化の指標を定める。本第1実施形態においては、5級のL値のモード値と他の各級のL値のモード値との差を色変化の指標として定めた。表1に、色変化の指標を「5級との差」として示している。
次に、得られた変退色用グレースケールの各色票のL値のヒストグラムから、5級の色票に対する画像の特性値と他の各級の色票に対する画像の特性値との関係から各級の色票間の色変化の指標を定める。本第1実施形態においては、5級のL値のモード値と他の各級のL値のモード値との差を色変化の指標として定めた。表1に、色変化の指標を「5級との差」として示している。
第3のステップ:
次に、グレースケールで級判定しようとする繊維製品等に対して、上記第1のステップと同様にして、色変化前の繊維製品等(原布)と色変化後の繊維製品等(変退色布)の各画像から得られたヒストグラムのL値のモード値を求める。なお、本第1実施形態においては、画像入力手段としてスキャナーを使用するので、級判定しようとする繊維製品等の広い面積範囲で複数個所の解析をすることができる。
次に、グレースケールで級判定しようとする繊維製品等に対して、上記第1のステップと同様にして、色変化前の繊維製品等(原布)と色変化後の繊維製品等(変退色布)の各画像から得られたヒストグラムのL値のモード値を求める。なお、本第1実施形態においては、画像入力手段としてスキャナーを使用するので、級判定しようとする繊維製品等の広い面積範囲で複数個所の解析をすることができる。
ここでは、本第1実施形態の級判定の精度を評価するために行った模擬試験の結果を示す。まず、級判定試料として、予め色変化を生じさせ且つ熟練した評価員が目視判定による級判定を行った繊維製品を使用した。具体的には、茶色に染色した平織の80番手綿織物を使用し、JISL 0842に従って4段階の光照射(2級照射・3級照射・4級照射・5級照射)を行った4片の変退色布(級判定試料)と1片の原布(光照射を行っていないもの)を試験片として準備した。
準備した4片の変退色布と1片の原布に対して、上記第1のステップと同様にしてスキャナーでスキャン(撮影)し、得られた各画像からL値のヒストグラムを得た。図2は、本第1実施形態で求めた模擬試験の各試験片のL値のヒストグラムである。これらのL値のヒストグラムから、それぞれのL値のモード値を求めた。表2に各試験片に対するL値のモード値を示している。
第4のステップ:
次に、グレースケールで級判定しようとする繊維製品等に対して、上記第2のステップと同様にして、色変化前の繊維製品等(原布)に対するL値のモード値と色変化後の繊維製品等(変退色布)に対するL値のモード値との差を求める。ここでは、模擬試験の各試験片から得られたヒストグラムから、原布(5級)のL値のモード値と各変退色布のL値のモード値との差を定めた。表2に、結果を「原布との差」として示している。
次に、グレースケールで級判定しようとする繊維製品等に対して、上記第2のステップと同様にして、色変化前の繊維製品等(原布)に対するL値のモード値と色変化後の繊維製品等(変退色布)に対するL値のモード値との差を求める。ここでは、模擬試験の各試験片から得られたヒストグラムから、原布(5級)のL値のモード値と各変退色布のL値のモード値との差を定めた。表2に、結果を「原布との差」として示している。
次に、級判定しようとする繊維製品等に対して求めた色変化前後のL値のモード値の差を上記第2のステップで準備した色変化の指標と比較した。ここでは、模擬試験における表2のL値のモード値の差(原布との差)を表1のL値のモード値の差(5級との差)と比較して、各変退色布の級判定を行った。表3に、L値のモード値の差から得られた各変退色布の級判定結果を熟練した評価員の目視判定による級判定の結果と比較した。
表3において、本第1実施形態で得られた級判定の結果は、熟練した評価員の目視判定による級判定の結果と比べ、実用的に使用できる良好なものと判断できる。
≪第2実施形態≫
本第2実施形態においては、画像入力手段として上記第1実施形態と同様に、CCDセンサを搭載したスキャナーを使用し、耐光堅牢度を変退色用グレースケール(JISL 0804)で級判定するものである。また、画像処理手段においては、上記第1実施形態と同様に、所定の表色系の属性値として明度を採用した。また、特性値演算手段においては、色変化の指標の基礎となる画像の特性値として、画像を構成する各画素に対する明度のヒストグラムから求めた明度の平均値又はこれに対応する値を採用した。以下、級判定の各ステップに従って、本第2実施形態を説明する。
本第2実施形態においては、画像入力手段として上記第1実施形態と同様に、CCDセンサを搭載したスキャナーを使用し、耐光堅牢度を変退色用グレースケール(JISL 0804)で級判定するものである。また、画像処理手段においては、上記第1実施形態と同様に、所定の表色系の属性値として明度を採用した。また、特性値演算手段においては、色変化の指標の基礎となる画像の特性値として、画像を構成する各画素に対する明度のヒストグラムから求めた明度の平均値又はこれに対応する値を採用した。以下、級判定の各ステップに従って、本第2実施形態を説明する。
第1のステップ:
まず、スキャナーを使用して変退色用グレースケールの5級から1級までの0.5級間隔の9枚の色票をスキャン(撮影)した。なお、使用したスキャナー、撮影方法及び解像度などの条件は、上記第1実施形態と同様にした。スキャンした9枚の色票に対して、それぞれの画像を構成する各画素の属性値をsRGBデータとして保存した。
まず、スキャナーを使用して変退色用グレースケールの5級から1級までの0.5級間隔の9枚の色票をスキャン(撮影)した。なお、使用したスキャナー、撮影方法及び解像度などの条件は、上記第1実施形態と同様にした。スキャンした9枚の色票に対して、それぞれの画像を構成する各画素の属性値をsRGBデータとして保存した。
次に、保存した各画像から解析箇所を切り取り、各解析試料の各画素のsRGBデータを明度(L値)に変換した。なお、本第2実施形態においては、上記第1実施形態と同様に、sRGBデータをグレースケール変換してL値を求めた。このことにより、横軸(L値:0〜255)×縦軸(pixel数)のヒストグラムが得られた。なお、得られたヒストグラムは、上記第1実施形態と同様である(図1参照)。
次に、各色票のL値のヒストグラムから各画像の特性値を求めた。本第2実施形態においては、画像の特性値としてL値の平均値又はこれに対応する値を採用した。なお、本第2実施形態で採用した画像の特性値は、L値の平均値ではなく、これに対応する値とした。具体的には、〔(ヒストグラムの横軸の各L値)×(そのL値における縦軸の画素数)〕の総和であり、以降この値を「積和」という。この積和を解析試料の総画素(300×300)で除した値がヒストグラムにおける「L値の平均値」となる。なお、画像の解析には、上記の色解析・画像処理ソフト AT Imageを使用した。表4に、各色票に対する「L値の積和」を示している。
第2のステップ:
次に、得られた変退色用グレースケールの各色票のL値のヒストグラムから、5級の色票に対する画像の特性値と他の各級の色票に対する画像の特性値との関係から各級の色票間の色変化の指標を定める。本第2実施形態においては、5級のL値の積和と他の各級のL値の積和との差を色変化の指標として定めた。表4に、色変化の指標を「5級との差」として示している。
次に、得られた変退色用グレースケールの各色票のL値のヒストグラムから、5級の色票に対する画像の特性値と他の各級の色票に対する画像の特性値との関係から各級の色票間の色変化の指標を定める。本第2実施形態においては、5級のL値の積和と他の各級のL値の積和との差を色変化の指標として定めた。表4に、色変化の指標を「5級との差」として示している。
次に、各級に対する色変化の指標の基準値を決めた。具体的には、隣り合う2枚の色票について、「5級との差」の中央値を各級の分岐点とし、9枚の各級の色票の判断の基準値とした。表4に各級の色票の「基準値」を示している。
第3のステップ:
次に、グレースケールで級判定しようとする繊維製品等に対して、上記第1のステップと同様にして、色変化前の繊維製品等(原布)と色変化後の繊維製品等(変退色布)の各画像から得られたヒストグラムのL値の積和を求める。なお、本第2実施形態においても、上記第1実施形態と同様に、画像入力手段としてスキャナーを使用するので、級判定しようとする繊維製品等の広い面積範囲で複数個所の解析をすることができる。
次に、グレースケールで級判定しようとする繊維製品等に対して、上記第1のステップと同様にして、色変化前の繊維製品等(原布)と色変化後の繊維製品等(変退色布)の各画像から得られたヒストグラムのL値の積和を求める。なお、本第2実施形態においても、上記第1実施形態と同様に、画像入力手段としてスキャナーを使用するので、級判定しようとする繊維製品等の広い面積範囲で複数個所の解析をすることができる。
ここでは、本第2実施形態の級判定の精度を評価するために行った模擬試験の結果を示す。なお、本第2実施形態においては、上記第1実施形態と同様の級判定試料(茶色に染色した平織の綿織物)を使用し、上記第1実施形態で得られたL値のヒストグラム(図1参照)から、それぞれのL値の積和を求めた。表5に、各試験片に対する「L値の積和」を示している。
第4のステップ:
次に、グレースケールで級判定しようとする繊維製品等に対して、上記第2のステップと同様にして、色変化前の繊維製品等(原布)に対するL値の積和と色変化後の繊維製品等(変退色布)に対するL値の積和との差を求める。ここでは、模擬試験の各試験片から得られたヒストグラムから、原布(5級)のL値の積和と各変退色布のL値の積和との差を定めた。表5に、結果を「原布との差」として示している。
次に、グレースケールで級判定しようとする繊維製品等に対して、上記第2のステップと同様にして、色変化前の繊維製品等(原布)に対するL値の積和と色変化後の繊維製品等(変退色布)に対するL値の積和との差を求める。ここでは、模擬試験の各試験片から得られたヒストグラムから、原布(5級)のL値の積和と各変退色布のL値の積和との差を定めた。表5に、結果を「原布との差」として示している。
次に、級判定しようとする繊維製品等に対して求めた色変化前後のL値の積和の差を上記第2のステップで準備した色変化の指標と比較した。ここでは、模擬試験における表5のL値の積和の差(原布との差)を表4のL値の積和の差(5級との差の「基準値」)と比較して、各変退色布の級判定を行った。表6に、L値の積和の差から得られた各変退色布の級判定結果を熟練した評価員の目視判定による級判定の結果と比較した。
表6において、本第2実施形態で得られた級判定の結果は、熟練した評価員の目視判定による級判定の結果と比べ、実用的に使用できる良好なものと判断できる。
≪第3実施形態≫
本第3実施形態においては、画像入力手段として上記第1実施形態と同様に、CCDセンサを搭載したスキャナーを使用し、耐光堅牢度を変退色用グレースケール(JISL 0804)で級判定するものである。なお、本第3実施形態においては、上記第1及び第2実施形態とは異なり、明度だけでなく級判定しようとする繊維製品等の色彩・色相を考慮した級判定を行うものである。このことにより、熟練した評価員の感覚(人の主観)を反映できる可能性があると考えた。
本第3実施形態においては、画像入力手段として上記第1実施形態と同様に、CCDセンサを搭載したスキャナーを使用し、耐光堅牢度を変退色用グレースケール(JISL 0804)で級判定するものである。なお、本第3実施形態においては、上記第1及び第2実施形態とは異なり、明度だけでなく級判定しようとする繊維製品等の色彩・色相を考慮した級判定を行うものである。このことにより、熟練した評価員の感覚(人の主観)を反映できる可能性があると考えた。
そこで、画像処理手段においては、所定の表色系の属性値としてL*C*h表色系の明度(L*)、彩度(C*)及び色相角(h)の値を採用した。また、特性値演算手段においては、色変化の指標となる画像の特性値として、全画素の各属性値の平均値を採用し、色変化の指標として対比する2つの画像のL*C*hから求めた色差ΔE*を採用した。以下、級判定の各ステップに従って、本第3実施形態を説明する。
第1のステップ:
まず、スキャナーを使用して変退色用グレースケールの5級から1級までの0.5級間隔の9枚の色票をスキャン(撮影)した。なお、使用したスキャナー、撮影方法及び解像度などの条件は、上記第1実施形態と同様にした。スキャンした9枚の色票に対して、それぞれの画像を構成する各画素の属性値をsRGBデータとして保存した。
まず、スキャナーを使用して変退色用グレースケールの5級から1級までの0.5級間隔の9枚の色票をスキャン(撮影)した。なお、使用したスキャナー、撮影方法及び解像度などの条件は、上記第1実施形態と同様にした。スキャンした9枚の色票に対して、それぞれの画像を構成する各画素の属性値をsRGBデータとして保存した。
次に、保存した各画像から解析箇所を切り取り、各解析試料の各画素のsRGBデータをL*C*h表色系の各属性値である明度(L*)、彩度(C*)及び色相角(h)に変換した。なお、各画素に対する属性値の平均値を求め、画像のL*C*hデータとした。なお、画像の解析には、上記の色解析・画像処理ソフト AT Imageを使用した。表7に、各色票に対するL*C*hデータ(各属性値の平均値)を示している。
第2のステップ:
次に、得られた変退色用グレースケールの各色票の画像の特性値を用いて、5級の色票に対する画像の特性値と他の各級の色票に対する画像の特性値との関係から各級の色票間の色変化の指標を定める。本第3実施形態においては、5級の特性値L*C*hと他の各級の特性値L*C*hとのそれぞれの差(ΔL*、ΔC*、Δh)から求めた色差ΔE*を色変化の指標として定めた。表7に、得られた各級の色票の色差ΔE*を示している。
次に、得られた変退色用グレースケールの各色票の画像の特性値を用いて、5級の色票に対する画像の特性値と他の各級の色票に対する画像の特性値との関係から各級の色票間の色変化の指標を定める。本第3実施形態においては、5級の特性値L*C*hと他の各級の特性値L*C*hとのそれぞれの差(ΔL*、ΔC*、Δh)から求めた色差ΔE*を色変化の指標として定めた。表7に、得られた各級の色票の色差ΔE*を示している。
次に、各級に対する色変化の指標(ΔE*の基準値)を決める。ここでは、ΔE*の基準値として上記第2実施形態と同様に、隣り合う2枚の色票についてΔE*の中央値を各級の分岐点とした。表7に、各級の色票の「基準値」を示している。
計測器によるグレースケールの級判定については、従来から検討が重ねられてきた。古くは、日本の寺主によるNs法の提案(1980年)、イギリスのスタッドリーによる提案(1981年)、スイスのエメンジャーによる提案(1984年)などがあり、近年では、ISO105−A05に色差ΔEfの基準値が掲載されている。そこで、本第3実施形態で作成した表7の色差ΔE*の基準値とISOの色差ΔEfの基準値とを比較した。表8に、その比較結果を示している。
表8から分かるように、本第3実施形態で作成した色差ΔE*の基準値とISOの色差ΔEfの基準値とは、数値に若干の違いはあるものの、殆ど同様として扱うことができる。しかし、ISO105−A05の測色法は、特定の分光光度計や測色計を用いて光源の種類や視野角などが厳密に規定されている。一方、本第3実施形態の方法は、スキャナーを使用して簡単に測色できることにメリットがある。更に、原布と変退色布だけではなく、級判定の指標であるグレースケールの各色票も同じスキャナーで同じ条件で撮影することを特徴とする。
このことから、本第3実施形態の方法においては、級判定の誤差が生じにくいと考えられる。なお、今回は、測色に使用したスキャナーがISOの測色方法に適合したものと考えられる。このように、本第3実施形態の方法で求めた色差ΔE*の基準値が、ISOの色差ΔEfの基準値と差異が小さいことを確認した場合には、その際使用した機種を使用することを前提として、グレースケールの各色票の測色を省略するようにしてもよい。この場合においても、本第3実施形態の発明の範囲に含まれるものと解する。
第3のステップ:
次に、グレースケールで級判定しようとする繊維製品等に対して、上記第1のステップと同様にして、色変化前の繊維製品等(原布)と色変化後の繊維製品等(変退色布)の各画像から得られたL*C*hデータを求める。なお、本第3実施形態においても、上記第1実施形態と同様に、画像入力手段としてスキャナーを使用するので、級判定しようとする繊維製品等の広い面積範囲で複数個所の解析をすることができる。
次に、グレースケールで級判定しようとする繊維製品等に対して、上記第1のステップと同様にして、色変化前の繊維製品等(原布)と色変化後の繊維製品等(変退色布)の各画像から得られたL*C*hデータを求める。なお、本第3実施形態においても、上記第1実施形態と同様に、画像入力手段としてスキャナーを使用するので、級判定しようとする繊維製品等の広い面積範囲で複数個所の解析をすることができる。
ここでは、本第3実施形態の級判定の精度を評価するために行った模擬試験の結果を示す。なお、本第3実施形態においては、上記第1実施形態と同様の級判定試料(茶色に染色した平織の綿織物)を使用し、それぞれのL*C*hデータを求めた。表9に、各試験片に対するL*C*hデータ(各属性値の平均値)を示している。
第4のステップ:
次に、グレースケールで級判定しようとする繊維製品等に対して、上記第2のステップと同様にして、色変化前の繊維製品等(原布)に対するL*C*hデータと色変化後の繊維製品等(変退色布)に対するL*C*hデータとの差を求める。次に、原布(5級)のL*C*hデータと各変退色布のL*C*hデータとの差(ΔL*、ΔC*、Δh)から色差ΔE*を定めた。表9に、得られたL*C*hデータの差(ΔL*、ΔC*、Δh)及び色差ΔE*を示している。
次に、グレースケールで級判定しようとする繊維製品等に対して、上記第2のステップと同様にして、色変化前の繊維製品等(原布)に対するL*C*hデータと色変化後の繊維製品等(変退色布)に対するL*C*hデータとの差を求める。次に、原布(5級)のL*C*hデータと各変退色布のL*C*hデータとの差(ΔL*、ΔC*、Δh)から色差ΔE*を定めた。表9に、得られたL*C*hデータの差(ΔL*、ΔC*、Δh)及び色差ΔE*を示している。
次に、級判定しようとする繊維製品等に対して求めた色変化前後の色差ΔE*を上記第2のステップで準備した色変化の指標(ΔE*基準値)と比較した。ここでは、模擬試験における表9の色差ΔE*を表8の本方法の色差ΔE*の基準値及びISOの色差ΔEfの基準値と比較して、各変退色布の級判定を行った。表10に色差ΔE*及び色差ΔEfから得られた各変退色布の級判定結果を熟練した評価員の目視判定による級判定の結果と比較した。
表10において、本第3実施形態で得られた級判定の結果は、熟練した評価員の目視判定による級判定の結果と比べ、実用的に使用できる良好なものと判断できる。更に、本第3実施形態において、級判定の基準値としてISO105−A05の色差ΔEfの基準値を使用した場合であっても、本第3実施形態の色差ΔE*の基準値と全く同様な結果が得られた。このことから、本第3実施形態において、グレースケールの各色票の色差ΔE*の基準値を使用する代わりに、ISO105−A05の色差ΔEfの基準値を使用するようにしてもよい。
≪第4実施形態≫
本第4実施形態においては、上記の第1〜第3実施形態の方法を更に補強する級判定方法を提案する。近年、人工知能(AI)による機械学習が広い範囲で活用されるようになってきた。繊維製品等の色変化評価方法においても、AIを活用した機械学習アルゴリズムによるグレースケールの級判定が可能性を有するものと考えている。そこで、本発明者らは、耐光堅牢度試験を行った多数の繊維製品を用いてその可能性を検討した。
本第4実施形態においては、上記の第1〜第3実施形態の方法を更に補強する級判定方法を提案する。近年、人工知能(AI)による機械学習が広い範囲で活用されるようになってきた。繊維製品等の色変化評価方法においても、AIを活用した機械学習アルゴリズムによるグレースケールの級判定が可能性を有するものと考えている。そこで、本発明者らは、耐光堅牢度試験を行った多数の繊維製品を用いてその可能性を検討した。
まず、耐光堅ろう度試験を行った変退色布(級判定試料)と原布との組み合わせを判定用試料として数十組準備した。次に、これらの判定用試料について、熟練した評価員が目視判定による級判定を行った。また、スキャナーを用いてこれらの判定用試料の測色を行い、sRGBデータから各画像に対する各表色系の属性値の平均値(以下「色彩特徴量」という)を求めた。この時使用した色彩特徴量は、CIE表色系の明度(L*)、色度(a*、b*)、彩度(C*)及び色相角(h)であった。なお、AIの学習に使用する色彩特徴量は、これらに限るものではない。
次に、これらの判定用試料を教師用試料と判定用試料に分け、教師用試料の各色彩特徴量と評価員による目視判定の結果とを用いて、順伝播型ニューラルネットワークを学習アルゴリズムとして判定モデルを構築した。次に、この判定モデルを使用して、判定用試料の色彩特徴量を入力することにより各判定用試料の級判定を行った。
結果は、正答率や適合率が未だ十分なものとはいえなかった。しかし、教師用データの補強により精度は向上していくものと考えられる。そこで、本発明者らは、上記の各実施形態による級判定において、実際の繊維製品等の織編等の特性を付加するために、前記機械学習アルゴリズムを併用することを提案する。
以上説明したように、本発明においては、スキャナーやカメラなどの汎用機器で撮影した画像で級判定することができ、従来の目視判定よりもブレがなく、広い範囲で繊維製品等の色や組成を反映できる繊維製品等の色変化評価方法を提供することができる。
なお、本発明の実施にあたり、上記各実施形態に限らず次のような種々の変形例が挙げられる。
(1)上記各実施形態においては、測色用機器としてスキャナーを使用するものであるが、これに限るものではなく、CCDセンサやCMOSセンサなどのカラーセンサを搭載した機器であればよく、例えば、カメラなどであってもよい。
(2)上記各実施形態においては、変退色を級判定するために変退色用グレースケールを使用したが、これに限るものではなく、色汚染を級判定するために汚染用グレースケールを使用してもよい。
(3)上記各実施形態においては、スキャンの際の解像度及び解析の際の解像度を共に300dpiとしたが、これに限るものではなく、検査対象の試験片の色相又は織編組織等により解像度を適宜使い分けるようにしてもよい。
(4)上記第1及び第2実施形態においては、属性値としてグレースケール変換したsRGB表色系の明度(L値)を採用したが、これに限るものではなく、明度としてL*a*b表色系の明度(L*)やハンターLab表色系の明度(L)など他の明度を採用してもよい。
(5)上記第1及び第2実施形態においては、画像の特性値を各画素に対する明度のヒストグラムから求めた明度のモード値、又は、明度の平均値又はこれに対応する値としたが、これに限るものではなく、明度の中央値を採用してもよい。検査対象の試験片の色相又は織編組織等によりモード値、平均値又は中央値を適宜使い分けるようにしてもよい。
(6)上記第3実施形態においては、色差ΔE*を求めるためにL*C*h表色系を使用したが、これに限るものではなく、L*a*b*表色系を用いて色差ΔE*を求めるようにしてもよい。また、ハンターLabなどの他の表色系を用いて色差ΔEを求めるようにしてもよい。
(1)上記各実施形態においては、測色用機器としてスキャナーを使用するものであるが、これに限るものではなく、CCDセンサやCMOSセンサなどのカラーセンサを搭載した機器であればよく、例えば、カメラなどであってもよい。
(2)上記各実施形態においては、変退色を級判定するために変退色用グレースケールを使用したが、これに限るものではなく、色汚染を級判定するために汚染用グレースケールを使用してもよい。
(3)上記各実施形態においては、スキャンの際の解像度及び解析の際の解像度を共に300dpiとしたが、これに限るものではなく、検査対象の試験片の色相又は織編組織等により解像度を適宜使い分けるようにしてもよい。
(4)上記第1及び第2実施形態においては、属性値としてグレースケール変換したsRGB表色系の明度(L値)を採用したが、これに限るものではなく、明度としてL*a*b表色系の明度(L*)やハンターLab表色系の明度(L)など他の明度を採用してもよい。
(5)上記第1及び第2実施形態においては、画像の特性値を各画素に対する明度のヒストグラムから求めた明度のモード値、又は、明度の平均値又はこれに対応する値としたが、これに限るものではなく、明度の中央値を採用してもよい。検査対象の試験片の色相又は織編組織等によりモード値、平均値又は中央値を適宜使い分けるようにしてもよい。
(6)上記第3実施形態においては、色差ΔE*を求めるためにL*C*h表色系を使用したが、これに限るものではなく、L*a*b*表色系を用いて色差ΔE*を求めるようにしてもよい。また、ハンターLabなどの他の表色系を用いて色差ΔEを求めるようにしてもよい。
Claims (6)
- 繊維製品等の色変化をJIS L 0804に規定される変退色用グレースケールを指標として、又は、繊維製品等の色汚染をJIS L 0805に規定される汚染用グレースケールを指標として評価する方法であって、
前記変退色用グレースケール又は汚染用グレースケール、及び、色変化前後の各繊維製品等の各画像を撮影することにより、当該画像を構成する各画素に対してカラーセンサによりRGB表色系の属性値に変換する画像入力手段と、
前記画像入力手段で得られた各画素に対するRGB表色系の属性値を判定に使用する所定の表色系の属性値に変換する画像処理手段と、
前記画像処理手段で得られた各画素に対する前記所定の表色系の属性値から、色変化の指標の基礎となる画像の特性値を求める特性値演算手段とを備え、
第1のステップにおいて、
前記変退色用グレースケール又は汚染用グレースケールの5級から1級までの0.5級間隔の9枚の色票に対して、それぞれ前記画像入力手段、前記画像処理手段及び前記特性値演算手段により各色票に対する前記画像の特性値を求め、
第2のステップにおいて、
5級の色票に対する画像の特性値と他の各級の色票に対する画像の特性値との関係から各級の色票間の色変化の指標を定め、
第3のステップにおいて、
前記色変化前後の各繊維製品等に対して、それぞれ前記画像入力手段、前記画像処理手段及び前記特性値演算手段により各繊維製品等に対する前記画像の特性値を求め、
第4のステップにおいて、
前記色変化前後の各繊維製品等に対する前記画像の特性値の関係を前記色変化の指標と比較して級判定する、
ことを特徴とする繊維製品等の色変化評価方法。 - 前記画像の特性値を各画素に対する明度のヒストグラムから求めた明度のモード値として、
前記5級の色票に対する画像の明度のモード値と他の各級の色票に対する画像の明度のモード値との差を前記色変化の指標として定め、
前記色変化前後の各繊維製品等に対する明度のモード値の差を前記色変化の指標と比較して級判定することを特徴とする請求項1に記載の繊維製品等の色変化評価方法。 - 前記各画像の特性値を各画素に対する明度のヒストグラムから求めた明度の平均値又はこれに対応する値として、
前記5級の色票に対する画像の明度の平均値又はこれに対応する値と他の各級の色票に対する画像の明度の平均値又はこれに対応する値との差を前記色変化の指標として定め、
前記色変化前後の各繊維製品等に対する明度の平均値又はこれに対応する値の差を前記色変化の指標と比較して級判定することを特徴とする請求項1に記載の繊維製品等の色変化評価方法。 - 前記5級の色票に対する画像の特性値と他の各級の色票に対する画像の特性値から、これらの画像間の色差を求め、これを前記色変化の指標として定め、
前記色変化前後の各繊維製品等に対する色差を前記色変化の指標と比較して級判定することを特徴とする請求項1に記載の繊維製品等の色変化評価方法。 - 前記各画像の特性値を各画像に対するCIE表色系の明度(L*)、彩度(C*)及び色相角(h)の値として、
前記5級の色票に対する画像のL*C*hの値と他の各級の色票に対する画像のL*C*hの値との色差ΔE*を前記色変化の指標として定め、
前記色変化前後の各繊維製品等に対するL*C*hの値の色差ΔE*を前記色変化の指標と比較して級判定することを特徴とする請求項4に記載の繊維製品等の色変化評価方法。 - 前記各画像の特性値を各画像に対するCIE表色系の明度(L*)、色度(a*、b*)、彩度(C*)及び色相角(h)の値として、
複数組の色変化前後の繊維製品等に対して、熟練した評価者が目視評価を行った級判定の結果を教師用データに使用した機械学習アルゴリズムによる判定モデルを構築し、
前記請求項1〜5に記載の評価方法による級判定において、実際の繊維製品等の織編等の特性を付加するために、前記機械学習アルゴリズムを併用することを特徴とする繊維製品等の色変化評価方法。
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2020
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Cited By (3)
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