JP2021193922A - 唾液サンプリングキット - Google Patents

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【課題】唾液検体中のウイルスを十分に不活性化し、かつ、RNAの検出精度のすぐれた検査を可能とする唾液サンプリングキット及び該唾液サンプリングキットを用いた方法を提供すること。【解決手段】唾液を収集するための漏斗を有する有底チューブと、前記有底チューブ内に封入された保存液と、を有し、該保存液が、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート 0.10〜0.20mol/Lと、グアニジンチオシアネート 0.86〜0.95mol/Lと、エチレンジアミン四酢酸 0.25〜0.30mol/Lと、を含む、唾液サンプリングキット。【選択図】なし

Description

本発明は、唾液サンプリングキット及び該唾液サンプリングキットを用いた方法に関する。
従来より、スワブと呼ばれる綿棒を使って鼻腔粘膜などの検体を採取し、その検体から、ウイルスのDNA或いはRNAを検出することで、ウイルス感染症の検査が行われている(例えば、特許文献1参照。)。しかしながら、スワブを使用するこの方法では検体の採取にある程度のテクニックが要求されるため医療従事者が採取しなければならず、医療従事者の負担が高いうえ、採取時の医療従事者への二次感染リスクや、医療用ガウンなどの確保も必要となる。
また、ウイルス感染症の疑いのある検体の採取後の検査施設までの輸送と保存の安全な輸送性を確保することも必要である。
国際公開第2018/168986号
このような問題を回避するため、より容易に採取可能な検体である唾液を用いたウイルス感染症の検査方法の検討が行われている。しかしながら、唾液を用いたウイルス感染症の検査方法においても、検体中のウイルスが不活性化されていなければ検査担当者の二次感染リスクが抑えられているとはいえない。特に、本発明者らが検討したところ、唾液検体の方が鼻腔粘膜検体と比較して液体の体積が多く、鼻腔粘膜検体に対して行ってきたウイルス不活性化手法は十分でないことが分かってきた。また、唾液検体中のウイルスを不活性化する方法によっては、かえってウイルスのRNAの検出精度が著しく低下し、偽陰性率を向上させるという問題が生じることが分かってきた。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、唾液検体中のウイルスを十分に不活性化し、かつ、RNAの検出精度のすぐれた検査を可能とする唾液サンプリングキット及び該唾液サンプリングキットを用いた方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記問題点を解決するために鋭意検討した。その結果、所定量のグアニジンチオシアネート及びポリオキシエチレンソルビタンモノラウレートを用いることにより、上記課題を解決しうることを見出し、本願発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下のとおりである。
〔1〕
唾液を収集するための漏斗付き有底チューブと、
前記有底チューブ内に封入された保存液と、を有し、
該保存液が、
ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート 0.10〜0.20mol/Lと、
グアニジンチオシアネート 0.86〜0.95mol/Lと、
エチレンジアミン四酢酸 0.23〜0.33mol/Lと、を含む、
唾液サンプリングキット。
〔2〕
前記保存液が、クエン酸塩 0.01〜0.06mol/Lを、さらに含む、
〔1〕に記載の唾液サンプリングキット。
〔3〕
前記保存液が、還元剤 0.01〜0.06mol/Lを、さらに含む、
〔1〕又は〔2〕に記載の唾液サンプリングキット。
〔4〕
前記還元剤が、トリス(2−カルボキシエチル)ホスフィン、ジチオスレイトール、2−メルカプトエタノールからなる群より選ばれる少なくとも1種を含む、
〔3〕に記載の唾液サンプリングキット。
〔5〕
ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート 0.10〜0.20mol/Lと、
グアニジンチオシアネート 0.86〜0.95mol/Lと、
エチレンジアミン四酢酸 0.25〜0.30mol/Lと、を含む、
唾液サンプリングキット用の保存液。
〔6〕
〔1〕〜〔4〕に記載の唾液サンプリングキットを用い、漏斗を介して有底チューブ内に唾液を収集し、該唾液と保存液が混合されたサンプルを得るステップと、
前記サンプルからRNAを抽出し精製するステップと、
精製した前記RNAを用いて逆転写ポリメラーゼ連鎖反応によりcDNAを生成し、得られた前記cDNAに対してポリメラーゼ連鎖反応を行うステップと、
前記ポリメラーゼ連鎖反応により増幅されたDNAを検出するステップと、を有する、
方法。
本発明によれば、唾液検体中のウイルスを十分に不活性化し、かつ、RNAの検出精度のすぐれた検査を可能とする唾液サンプリングキット及び該唾液サンプリングキットを用いた方法を提供することができる。
本実施形態に係る唾液サンプリングキットの一例を表す側面図。 ウイルスの添加量を2×106copies/mLのとしたときのPCRテスト結果 ウイルスの添加量を2×104copies/mLのとしたときのPCRテスト結果 ウイルスの添加量を2×102copies/mLのとしたときのPCRテスト結果
以下、本発明の実施の形態(以下、「本実施形態」という。)について詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変形が可能である。
〔唾液サンプリングキット〕
本実施形態の唾液サンプリングキットは、唾液を収集するための漏斗付き有底チューブと、有底チューブ内に封入された保存液と、を有し、保存液として、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート 0.10〜0.20mol/Lと、グアニジンチオシアネート 0.86〜0.95mol/Lと、エチレンジアミン四酢酸 0.25〜0.30mol/Lと、を含むものを用いる。
(有底チューブ)
図1に、唾液サンプリングキットの一例を表す側面図を示す。唾液サンプリングキット10は、有底チューブ1に唾液を収集するための漏斗2が付されたものであり、有底チューブ1内には保存液3が封入されている。漏斗2内に唾液を垂らすことで、唾液は漏斗2の内面と有底チューブ1の内面をつたって有底チューブ1内の底へと落ち、有底チューブ1の底で唾液と保存液3が接触する。
図1では、漏斗2から有底チューブ1内の底へ延伸した筒の中に保存液3が封入されており、初めに唾液は筒と有底チューブ1内の間の空間に落ちる。そして、その状態で有底チューブ1から漏斗2を外すことで、筒内の保存液3が有底チューブ1内の底へと流出し、有底チューブ1の底で唾液と保存液3が接触する態様となっている。この場合、筒はロート側の端面が閉じており、有底チューブ1の底側の端面が解放されている。これにより、有底チューブ1が転倒しても保存液3が漏れることを回避することができ、また、保存液3の保存安定性がより向上する。
また、上記態様のように筒を用いて間接的に有底チューブ1内に保存液を封入するほか、筒を用いず直接的に有底チューブ1内の底に保存液を封入するようにしてもよい。筒を用いず直接的に有底チューブ1内の底に保存液を封入する場合には、漏斗2の口にキャップなどを設けることが好ましい。
図示しないが、有底チューブ1の底で唾液と保存液3とを接触させた後は、有底チューブ1から漏斗2を引き抜き、別途用意した蓋で有底チューブ1の口を風刺することが好ましい。
(保存液)
次いで、本実施形態の保存液の組成について説明する。本実施形態の保存液は、所定量の、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、グアニジンチオシアネート、及びエチレンジアミン四酢酸を含み、さらにクエン酸塩や還元剤を含んでいてもよい。
ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレートの濃度は、0.10〜0.20mol/Lであり、好ましくは0.12〜0.19mol/Lであり、より好ましくは0.14〜0.18mol/Lである。ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレートの濃度が上記範囲内であることにより、唾液検体中のウイルスを十分に不活性化され、かつ、RNAの検出精度がより向上する。
グアニジンチオシアネートの濃度は、0.86〜0.95mol/Lであり、好ましくは0.87〜0.94mol/Lであり、より好ましくは0.88〜0.93mol/Lである。グアニジンチオシアネートの濃度が0.86mol/L以上であることにより、唾液で保存液が薄まった後でもウイルスを不活性化することができる。また、グアニジンチオシアネートの濃度が0.95mol/L以下であることにより、過剰のグアニジンチオシアネートに由来するRNAの検出精度の低下を抑制することができる。
ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレートの濃度に対するグアニジンチオシアネートの濃度の比は、好ましくは4.0〜7.0であり、好ましくは5.0〜6.0であり、好ましくは5.4〜5.7である。ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレートの濃度に対するグアニジンチオシアネートの濃度の比が上記範囲内であることにより、唾液検体中のウイルスを十分に不活性化され、かつ、RNAの検出精度がより向上する傾向にある。
エチレンジアミン四酢酸の濃度は、0.23〜0.33mol/Lであり、好ましくは0.24〜0.31mol/Lであり、より好ましくは0.25〜0.29mol/Lである。エチレンジアミン四酢酸の濃度が上記範囲内であることにより、金属イオン要求性のヌクレアーゼが不活性化され、RNAの検出精度がより向上する。
クエン酸塩としては、特に制限されないが、例えば、クエン酸三ナトリウム二水和物、クエン酸三ナトリウム一水和物、クエン酸三カリウム二水和物、クエン酸三カリウム一水和物などが挙げられる。このなかでも、クエン酸三ナトリウム二水和物が好ましい。このようなクエン酸塩を用いることにより、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレートとグアニジンチオシアネートとの相溶性がより向上し、ウイルスの不活性化作用がより向上する傾向にある。クエン酸塩は一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。
クエン酸塩の濃度は、好ましくは0.01〜0.06mol/Lであり、より好ましくは0.01〜0.05mol/Lであり、さらに好ましくは0.02〜0.04mol/Lである。クエン酸塩の濃度が0.01mol/L以上であることにより、RNAがより安定化され、RNAの検出精度がより向上する傾向にある。また、クエン酸塩の濃度が0.06mol/L以下であることにより、ウイルスの不活性化作用がより向上する傾向にある。
還元剤としては、特に制限されないが、例えば、トリス(2−カルボキシエチル)ホスフィン、ジチオスレイトール、2−メルカプトエタノールが挙げられる。このなかでも、トリス(2−カルボキシエチル)ホスフィンが好ましい。このような還元剤を用いることにより、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレートとグアニジンチオシアネートとの相溶性がより向上し、ウイルスの不活性化作用がより向上する傾向にある。還元剤は一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。
還元剤の濃度は、好ましくは0.01〜0.06mol/Lであり、より好ましくは0.01〜0.05mol/Lであり、さらに好ましくは0.01〜0.03mol/Lである。還元剤の濃度が0.01mol/L以上であることにより、RNAがより安定化され、RNAの検出精度がより向上する傾向にある。また、還元剤の濃度が0.06mol/L以下であることにより、ウイルスの不活性化作用がより向上する傾向にある。
本実施形態の保存液の溶媒としては、水や、エタノール、メタノールなどのアルコール類を用いることができる。このなかでも、溶媒としては水のみが好ましい。水の含有量は、保存液全体に対して、好ましくは45〜75質量%であり、より好ましくは50〜70質量%であり、さらに好ましくは55〜65質量%である。また、水の含有量は、溶媒全体に対して、好ましくは85〜100質量%であり、より好ましくは90〜100質量%であり、さらに好ましくは95〜100質量%である。水の含有量が上記範囲内であることにより、RNAの沈殿がより抑制される傾向にある。
〔方法〕
本実施形態の方法は、上記唾液サンプリングキットを用い、漏斗を介して有底チューブ内に唾液を収集し、該唾液と保存液が混合されたサンプルを得るステップと、サンプルからRNAを抽出し精製するステップと、精製したRNAを用いて逆転写ポリメラーゼ連鎖反応によりcDNAを生成し、得られたcDNAに対してポリメラーゼ連鎖反応を行うステップと、ポリメラーゼ連鎖反応により増幅されたDNAを検出するステップと、を有する。
上記方法により、唾液に含まれる任意のRNAをそれに対応するDNAとして増幅することができ、RNAウイルス感染症に罹患しているか否かを検査することができる。本実施形態において、唾液に含まれるRNAとしては、SARS−Cov−2(Covid19ともいう)などのコロナウイルスやレンチウイルスなどのレトロウイルスといったRNAウイルスに由来するRNAなどが挙げられる。以下、各ステップについて説明する。
まず、上記唾液サンプリングキットを用い、漏斗を介して有底チューブ内に唾液を収集し、唾液と保存液が混合されたサンプルを得る。唾液と保存液の混合方法は特制限されないが、有底チューブ内に唾液を落とし保存液と接触させたら、有底チューブに蓋をして3〜6回ほど上下にひっくり返して混ぜる方法が挙げられる。この際、保存液と唾液が接触することで、唾液中にウイルスが含まれる場合には、サンプル中のウイルス由来のRNAを損なうことなく、ウイルスを不活性化することができる。
このように唾液サンプリングキットを用いることで、被験者の操作によりウイルスを不活性化することが可能となる。そのため、従来、検査担当者が行っていたウイルスの不活性化ステップを省略することが可能となる。またそれにより、検査担当者の二次感染リスクを低減することも可能となる。
このようにして得られたサンプルは次のステップを実施するまでの間、低温から常温の温度範囲、例えば2〜27℃で保管することができる。保管期間は、特に制限されないが、例えば、7日間以下が好ましい。なお、この保管には、サンプルを被験者の手元から試験設備のある場所へ移動させることも含まれる。本実施形態の保存液を用いることにより、上記環境下の保管においても、サンプル中のウイルス由来のRNAを損なうことなく、かつウイルスを不活性化した状態で、サンプルを安定して保存することが可能となる。
次に、サンプルからRNAを抽出し精製する。サンプルからのRNAの抽出と精製は公知の方法に従って行うことができる。例えば、サンプルにエタノールを添加し、サンプル中のRNAを沈殿させて上澄液を除去することで、RNAの抽出と精製を行うことができる。この際、沈殿したRNAを複数回洗浄してもよい。最終的には、沈殿したRNAは、バッファーで再溶解して、次のステップで使用する。
上記のようにして生成したRNAを用いて、逆転写ポリメラーゼ連鎖反応によりcDNAを生成する。cDNAの生成は、公知の方法に従って行うことができる。cDNAの生成には、増幅したい配列に対応するプライマーを用いる。次いで、得られたcDNAに対してポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を行う。PCRは、公知の方法に従って行うことができる。
最後に、ポリメラーゼ連鎖反応により増幅されたDNAを検出し、任意の配列のDNAが検出されるか否かを確認する。これにより被験者の唾液検体に、ウイルスに由来するRNAが含まれていたかどうかを確認することができる。
また、本実施形態の方法は、アデノウイルスなどのDNAウイルス感染症に罹患しているか否かについても検査することができる。この場合、上記唾液サンプリングキットを用い、漏斗を介して有底チューブ内に唾液を収集し、該唾液と保存液が混合されたサンプルを得るステップと、サンプルからDNAを抽出し精製するステップと、精製したDNAを用いてポリメラーゼ連鎖反応を行うステップと、ポリメラーゼ連鎖反応により増幅されたDNAを検出するステップと、を有する方法が挙げられる。
本実施形態の方法において、検出可能なウイルスとしては、RNAウイルスが挙げられるが、DNAウイルスに属するアデノウイルスであってもよい。RNAウイルスとしては、国際ウイルス分類委員会(ICTV)によって分類されるRNAウイルスであってよく、一本鎖RNAウイルスであっても、二本鎖RNAウイルスであってもよい。RNAウイルスとしては、特に限定されないが、インフルエンザウイルス、免疫不全ウイルス(ヒト免疫不全ウイルスが好ましい)、コロナウイルス等が挙げられる。検出可能なウイルスとしては、エンベロープウイルスであってよく、エンベロープを有する一本鎖RNAウイルスであってよい。
以下、本発明を実施例及び比較例を用いてより具体的に説明する。本発明は、以下の実施例によって何ら限定されるものではない。
〔ウイルス不活性化テスト〕
下記表1に記載の濃度となるように、水に各成分を混合して保存液を調製した。
Figure 2021193922
上記のようにして調製した保存液1〜6それぞれに、106TCID 50/mLのレンチウイルスを添加し、振盪した。そして、保存液とレンチウイルスの混合液2μLを、293T細胞に加えて、36時間インキュベートし、293T細胞を顕微鏡で観察した。また、レンチウイルスの代わりに106TCID 50/mLのアデノウイルスを用いて同様の操作を行い、293T細胞を顕微鏡で観察した。
なお、レンチウイルス及びアデノウイルスはともにGFP遺伝子を組み込んだものを用いた。このレンチウイルス及びアデノウイルスが293T細胞に感染すると、GFPが合成されるため、293T細胞を顕微鏡で観察することで、系中のウイルスが活性状態にあるか不活性状態にあるかを確認することができる。
さらに、2μLの保存液1又は2を293T細胞に加えて、36時間インキュベートし、ネガティブコントロール1又は2とした。また、106TCID 50/mLのレンチウイルス又は106TCID 50/mLのアデノウイルスを、293T細胞に加えて、36時間インキュベートし、ポジティブコントロールとした。上記の結果を、下記表2に示す。
Figure 2021193922
−:緑色蛍光が認められず、ウイルスが不活性状態にある。
+:緑色蛍光が認められ、ウイルスが活性状態にある。
〔PCRテスト〕
保存液1に、2×106copies/mLのレンチウイルスのテスト株を添加し、振盪した。そして、その溶液を2〜8℃又は25℃で所定期間、保管した。保管後、溶液に対して、逆転写ポリメラーゼ連鎖反応とポリメラーゼ連鎖反応を行い、ORF1a遺伝子とN遺伝子を増幅した。そして、Threshold Cycle(Ct)を算出した。また、同様の試験を、ウイルス量を2×104copies/mL、2×102copies/mLにして行った。その結果を図2〜4に示す。
また、保存液4〜6を用いて上記と同様のテストを行ったが、保存液1と比較してCtが少なくとも数サイクル分は低い結果となった。
偽SARS−Cov−2として用いたレンチウイルスでの実験結果から、SARS−Cov−2などのコロナウイルス(広く、RNAウイルス)においても、本発明の保存液により唾液検体中のRNAウイルスを十分に不活性化し、かつ、RNAの検出精度のすぐれた検査を可能とする唾液サンプリングキット及び該唾液サンプリングキットを用いた方法を提供することができると考えられた。
本発明は、唾液検体中にウイルスが含まれているか否かを検査するための唾液サンプリングキットとして、産業上の利用可能性を有する。
1…有底チューブ、2…漏斗、3…保存液、10…唾液サンプリングキット。
すなわち、本発明は以下のとおりである。
〔1〕
唾液を収集するための漏斗付き有底チューブと、
前記有底チューブ内に封入された保存液と、を有し、
該保存液が、
ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート 0.10〜0.20mol/Lと、
グアニジンチオシアネート 0.86〜0.95mol/Lと、
エチレンジアミン四酢酸 0.23〜0.33mol/Lと、を含む、
唾液サンプリングキット。
〔2〕
前記保存液が、クエン酸塩 0.01〜0.06mol/Lを、さらに含む、
〔1〕に記載の唾液サンプリングキット。
〔3〕
前記保存液が、還元剤 0.01〜0.06mol/Lを、さらに含む、
〔1〕又は〔2〕に記載の唾液サンプリングキット。
〔4〕
前記還元剤が、トリス(2−カルボキシエチル)ホスフィン、ジチオスレイトール、2−メルカプトエタノールからなる群より選ばれる少なくとも1種を含む、
〔3〕に記載の唾液サンプリングキット。
〔5〕
ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート 0.10〜0.20mol/Lと、
グアニジンチオシアネート 0.86〜0.95mol/Lと、
エチレンジアミン四酢酸 0.25〜0.30mol/Lと、を含む、
唾液サンプリングキット用の保存液。
〔6〕
〔1〕〜〔4〕のいずれか一項に記載の唾液サンプリングキットを用い、漏斗を介して有底チューブ内に唾液を収集し、該唾液と保存液が混合されたサンプルを得るステップと、
前記サンプルからRNAを抽出し精製するステップと、
精製した前記RNAを用いて逆転写ポリメラーゼ連鎖反応によりcDNAを生成し、得られた前記cDNAに対してポリメラーゼ連鎖反応を行うステップと、
前記ポリメラーゼ連鎖反応により増幅されたDNAを検出するステップと、を有する、
方法。

Claims (6)

  1. 唾液を収集するための漏斗を有する有底チューブと、
    前記有底チューブ内に封入された保存液と、を有し、
    該保存液が、
    ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート 0.10〜0.20mol/Lと、
    グアニジンチオシアネート 0.86〜0.95mol/Lと、
    エチレンジアミン四酢酸 0.23〜0.33mol/Lと、を含む、
    唾液サンプリングキット。
  2. 前記保存液が、クエン酸塩 0.01〜0.06mol/Lを、さらに含む、
    請求項1に記載の唾液サンプリングキット。
  3. 前記保存液が、還元剤 0.01〜0.06mol/Lを、さらに含む、
    請求項1又は2に記載の唾液サンプリングキット。
  4. 前記還元剤が、トリス(2−カルボキシエチル)ホスフィン、ジチオスレイトール、2−メルカプトエタノールからなる群より選ばれる少なくとも1種を含む、
    請求項3に記載の唾液サンプリングキット。
  5. ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート 0.10〜0.20mol/Lと、
    グアニジンチオシアネート 0.86〜0.95mol/Lと、
    エチレンジアミン四酢酸 0.25〜0.30mol/Lと、を含む、
    唾液サンプリングキット用の保存液。
  6. 請求項1〜4に記載の唾液サンプリングキットを用い、漏斗を介して有底チューブ内に唾液を収集し、該唾液と保存液が混合されたサンプルを得るステップと、
    前記サンプルからRNAを抽出し精製するステップと、
    精製した前記RNAを用いて逆転写ポリメラーゼ連鎖反応によりcDNAを生成し、得られた前記cDNAに対してポリメラーゼ連鎖反応を行うステップと、
    前記ポリメラーゼ連鎖反応により増幅されたDNAを検出するステップと、を有する、
    方法。
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