JP2021193326A - 冷凍サイクル装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】冷媒過充填状態での圧力上昇を抑制可能な冷凍サイクル装置を提供する。【解決手段】冷媒回路10は、高圧冷媒が、第1流路1aを経由して圧縮機に戻ってくる循環経路と第2流路1bを経由して圧縮機に戻ってくる循環経路とを備える。第1流路1aには冷房風を生成する第1蒸発器16が設けられている。第2流路1bには二次電池3を冷却するために吸熱作用を提供する第2蒸発器18が設けられている。冷凍サイクル装置1は、冷媒が第1蒸発器16を流れる空調モードと、冷媒が第2蒸発器18を流れる電池冷却モードとを個別に実施できる。制御装置は、電池冷却モードにおいて外気温度に応じて決定した目標スーパーヒートになるように電気式膨張弁17の開度を制御する。【選択図】図1
Description
この明細書における開示は、冷凍サイクル装置に関する。
特許文献1には、2個の蒸発器を有する冷凍サイクル装置が記載されている。
特許文献1では、一方の蒸発器における冷却運転が選択された場合に、高圧ラインの圧力、温度を用いて過冷却度を演算する。この過冷却度によって冷却サイクルが過充填状態にあると判定すると、停止側の電気膨張弁を開き、停止側の蒸発器内に冷媒を流して過充填状態を緩和する。しかしながら、特許文献1の装置では、過充填状態を緩和する制御に関して、改良の余地がある。
この明細書に開示する目的は、冷媒過充填状態での圧力上昇を抑制可能な冷凍サイクル装置を提供することにある。
この明細書に開示された複数の態様は、それぞれの目的を達成するために、互いに異なる技術的手段を採用する。また、特許請求の範囲およびこの項に記載した括弧内の符号は、一つの態様として後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例であって、技術的範囲を限定するものではない。
開示された冷凍サイクル装置の一つは、圧縮機(11)から吐出された冷媒が、空調用流路(1a)を経由して圧縮機に戻ってくる循環経路と電池冷却用流路(1b)を経由して圧縮機に戻ってくる循環経路とを含む冷媒回路(10)と、空調用流路に設けられて、車両用空調装置(2)において冷房風を生成する第1蒸発器(16)と、電池冷却用流路に設けられて、電池(3)を冷却するために吸熱作用を提供する第2蒸発器(18)と、圧縮機から吐出された冷媒が、空調用流路を流れる空調モードと空調用流路を流れずに電池冷却用流路を流れる電池冷却モードとにわたって運転モードを切り換える流路切換装置(14)と、電池冷却用流路において第2蒸発器に流入する前の冷媒圧力を制御可能な電気式膨張弁(17)と、流路切換装置の作動と電気式膨張弁の開度とを制御する制御装置(100)と、を備え、
制御装置は、電池冷却モードにおいて、外気温度に応じて決定した目標スーパーヒートになるように電気式膨張弁の開度を制御する。
制御装置は、電池冷却モードにおいて、外気温度に応じて決定した目標スーパーヒートになるように電気式膨張弁の開度を制御する。
この冷凍サイクル装置によれば、電池冷却モード時に外気温度に基づいて第2蒸発器の出口におけるスーパーヒート量を変化させる。これにより、冷媒が圧縮機に吸入されるまでの間に外気によって温められて液化が抑えられる効果を考慮し、この効果を反映させた的確なスーパーヒート量で制御できる。以上により、空調と電池冷却とを個別に実施可能である冷凍サイクル装置において、効果的に冷媒過充填状態での圧力上昇を抑制することができる。
開示された冷凍サイクル装置の一つは、圧縮機(11)から吐出された冷媒が、第1空調用流路(1a)を経由して圧縮機に戻ってくる循環経路と第2空調用流路(1b)を経由して圧縮機に戻ってくる循環経路とを含む冷媒回路(10)と、第1空調用流路に設けられて、車両における第1領域を空調する第1空調装置(2)において冷房風を生成する第1蒸発器(16)と、第2空調用流路に設けられて、車両における第2領域を空調する第2空調装置(102)において冷房風を生成する第2蒸発器(18)と、圧縮機から吐出された冷媒が、第1空調用流路を流れる第1空調モードと第1空調用流路を流れずに第2空調用流路を流れる第2空調モードとにわたって運転モードを切り換える流路切換装置(14)と、第2空調用流路において第2蒸発器に流入する前の冷媒圧力を制御可能な電気式膨張弁(17)と、流路切換装置の作動と電気式膨張弁の開度とを制御する制御装置(100)と、を備え、
制御装置は、第2空調モードにおいて、外気温度に応じて決定した目標スーパーヒートになるように電気式膨張弁の開度を制御する。
制御装置は、第2空調モードにおいて、外気温度に応じて決定した目標スーパーヒートになるように電気式膨張弁の開度を制御する。
この冷凍サイクル装置によれば、第2空調モード時に外気温度に基づいて第2蒸発器の出口におけるスーパーヒート量を変化させる。これにより、冷媒が圧縮機に吸入されるまでに外気によって温められて冷媒の液化を抑える効果を考慮し、この効果を反映させた的確なスーパーヒート量で制御できる。以上により、2つの空調エリアを個別に空調可能である冷凍サイクル装置において、効果的に冷媒過充填状態での圧力上昇を抑制することができる。
以下に、図面を参照しながら本開示を実施するための複数の形態を説明する。各形態において先行する形態で説明した事項に対応する部分には同一の参照符号を付して重複する説明を省略する場合がある。各形態において構成の一部のみを説明している場合は、構成の他の部分については先行して説明した他の形態を適用することができる。各実施形態で具体的に組み合わせが可能であることを明示している部分同士の組み合わせばかりではなく、特に組み合わせに支障が生じなければ、明示していなくても実施形態同士を部分的に組み合せることも可能である。
(第1実施形態)
第1実施形態について図1〜図5を参照して説明する。第1実施形態は、明細書に開示の目的を達成可能な冷凍サイクル装置の一例を示したものである。明細書に開示の目的を達成可能な冷凍サイクル装置は、第1蒸発器と第2蒸発器を少なくとも備える。第1蒸発器と第2蒸発器のそれぞれにおいて冷却される流体や物体は、温度調節される冷却対象物である。第1実施形態では、第1蒸発器は車両用空調装置における冷房風を生成し、第2蒸発器は電池冷却のために用いられる一例を説明する。
第1実施形態について図1〜図5を参照して説明する。第1実施形態は、明細書に開示の目的を達成可能な冷凍サイクル装置の一例を示したものである。明細書に開示の目的を達成可能な冷凍サイクル装置は、第1蒸発器と第2蒸発器を少なくとも備える。第1蒸発器と第2蒸発器のそれぞれにおいて冷却される流体や物体は、温度調節される冷却対象物である。第1実施形態では、第1蒸発器は車両用空調装置における冷房風を生成し、第2蒸発器は電池冷却のために用いられる一例を説明する。
図1は、車両用の空調ユニット2に用いられる蒸発器を有する冷凍サイクル装置1について示している。図2は、冷凍サイクル装置1における制御構成を示している。冷凍サイクル装置1は、ガソリンエンジン車、ディーゼルエンジン車、ハイブリッド車、電気自動車等に適用することができる。図1において実線矢印は、空調モード運転時における冷媒流れを示している。図1において破線矢印は、電池冷却モード運転時における冷媒流れを示している。
冷凍サイクル装置1の構成部品は、配管により環状に形成された冷媒回路10に設置されている。冷媒回路10は、冷媒が第1流路1aを経由して循環する回路と、冷媒が第2流路1bを経由して循環する回路とを備えている。冷凍サイクル装置1は、第1流路1aと第2流路1bとを含む冷媒回路10を備える。第1流路1aは、凝縮器12よりも下流において分岐する一つの流路であり、第1蒸発器16を経由して圧縮機11の吸入部に至る流路を構成する。第1蒸発器16は、空調ユニット2において空気から吸熱して冷房風を生成する熱交換器である。空調ユニット2が車室内に冷房風を提供する空調運転を実施する場合には、冷媒は第1流路1aを経由して冷媒回路10を循環する。第1流路1aは、車室内に冷房風を提供する空調モード時に冷媒が流通する空調用流路である。
第2流路1bは、凝縮器12よりも下流において分岐するもう一つの流路であり、第2蒸発器18を経由して圧縮機11の吸入部に至る流路を構成する。第2蒸発器18は、二次電池3を冷却するために吸熱作用を提供する熱交換器である。第2蒸発器18は、二次電池3と熱交換する物体を冷却する構成でもよいし、空気から吸熱することにより、二次電池3に供給する冷却風を生成する構成でもよい。
二次電池3は、充電および放電可能な蓄電池であり、車両走行のための電力をモータに供給する。二次電池3は、充電や放電において適正な運転を実施するために、適正電池温度または適正電池温度以下に制御される。制御装置100は、電池温度センサ28によって検出された二次電池3の電池温度情報を取得する。制御装置100は、この電池温度情報と記憶された電池温度制御値とに基づいて、二次電池3を冷却する電池冷却条件が成立するか否かを判定する。この電池冷却条件が成立する場合には、制御装置100は、冷媒が第2流路1bを経由して冷媒回路10を循環する電池冷却モード運転を実施する。第2流路1bは、電池冷却モード時に冷媒が流通する電池冷却用流路である。
冷媒回路10において第1流路1aを含む高圧側流路は、圧縮機11の吐出部と感温式の膨張弁15とを接続する冷媒通路に相当する。冷媒回路10において第2流路1bを含む高圧側流路は、圧縮機11の吐出部と電気式膨張弁17とを接続する冷媒通路に相当する。両方の高圧側流路には、共通の構成部品として、圧縮機11、凝縮器12および気液分離器13が設けられている。凝縮器12は、圧縮機11によって圧縮された高圧冷媒が空気または水等により冷やされて凝縮し液化する熱交換器である。気液分離器13は、凝縮器12の出口において液相冷媒と気相冷媒とを分離する。高圧側流路には、気液分離器13よりも下流において、圧縮機11によって吐出された高圧冷媒の圧力を検出する高圧側圧力センサ24が設けられている。
圧縮機11は、回転数制御およびON−OFF制御が可能である。圧縮機11は、例えばインバータにより周波数が調整された交流電圧が印加されてそのモータの回転速度が制御される。この場合、インバータは車載バッテリから直流電源の供給を受け、制御装置100により制御されている。
圧縮機11は冷媒の圧縮容量を可変できる可変容量式の圧縮機でもよい。圧縮機11には、吐出容量を変化させる容量制御機構である容量制御弁が設けられている。容量制御弁は、電磁駆動式の弁であり、例えば、デューティ制御により冷媒の供給通路を繰り返して開閉することができる開閉弁である。容量制御弁は、制御装置100により容量制御信号としてON−OFFの二値からなるデューティ信号形式の電流が供給されることにより、その開弁時間が制御される。制御装置100からの容量制御信号により、容量制御弁が作動し、圧縮機11のケース内の制御圧力が変化する。この制御圧力が変化すると、ピストン等のストロークが変化して圧縮機11の容量が変化することになる。
デューティ信号は、短時間毎にON、OFFを繰り返すパルス状波形の電流の信号である。信号のON、OFFは、容量制御弁の開弁、閉弁に対応する。圧縮機11の容量は、容量制御弁の開弁させたときは減少し、閉弁させたときは増加する。つまり容量を小さくする必要があるときは開弁時間を長くする信号を送り制御圧力を上昇させ、容量を大きくする必要があるときは開弁時間を短くする信号を送り制御圧力を低下させる。このようにパルス信号のデューティ比を変化させることにより、圧縮機11の容量を無段階に変化させて自由に制御することができる。
第1流路1aには、下流に向けて順に、電磁弁14、感温式の膨張弁15、第1蒸発器16が設けられている。膨張弁15は、第1流路1aにおいて、空調モード時に第1蒸発器16よりも上流であって凝縮器12よりも下流において冷媒を減圧する減圧装置である。感温式の膨張弁15は、固定絞り部に置き換えた構成でもよい。電磁弁14は、高圧冷媒が第1流路1aに流通する状態と流通しない状態とを切り換える流路切換装置である。制御装置100は、空調モードを実施する場合に電磁弁14を開状態に制御し、電池冷却モードを実施する場合に電磁弁14を閉状態に制御する。
空調ユニット2は、内部に空気の通風路を備える空調ケースを備える。空調ユニット2は、例えば車室内前方のインストルメントパネルの裏側に設けられている。空調ケースには、一方端側に空気取入口である外気吸入口および内気吸入口が設けられ、他方端側に車室内に送風される空調空気が流出する吹出口が設けられている。吹出口は、少なくとも、フット吹出し開口、フェイス吹出し開口、デフ吹出し開口を含んでいる。これらの各開口は、それぞれ吹出し用ダクトを介して車室内空間に接続されており、吹出用切換ドアによって吹出しモードに対応して開閉される。
外気吸入口と内気吸入口は、内外気切換ドアにより、空気取入れモードに対応してその開放、閉鎖が切換え自在に行われる。空調ユニット2は、一方端側に内外気切換ドアを備える内外気切換箱と、その吸込部が外気吸入口と内気吸入口に連通する送風機21とを備える。例えば、冬季等の暖房時には、外気取入れモードによって外気吸入口から湿度の低い外気を空調ケース内に導入し、空調した空気をフロント窓の内面に吹き出す。この吹き出し風により、フロント窓の防曇効果を高めることができる。また、内気モードによって内気吸入口から温度の高い内気を導入し、空調した空気を乗員の足元に向けて吹き出すことにより暖房負荷を軽減することができる。
送風機21は、遠心多翼ファンとこれを駆動するモータとを有する。遠心多翼ファンの周囲はスクロールケーシングで囲まれている。また、空調ケースは、複数のケース部材からなり、その材質は例えばポリプロピレン等の樹脂成形品である。送風機21の吹出部は、遠心多翼ファンの遠心方向に延びるように空調ケース内に設けられた通風路に連通している。送風機21よりも送風空気の下流側における通風路には、第1蒸発器16、ヒータコア22が設けられている。
第1蒸発器16は、送風機21の直後の通路全体を横断するように空調ケース内に設置されている。第1蒸発器16は、送風機21から吹き出された空気全部が通過するように設けられている。第1蒸発器16は、冷房運転時に内部を流れる冷媒の吸熱作用によって、冷却対象物である空調ケース内の送風空気を冷却する冷却用熱交換器である。第1蒸発器16の出口部または第1蒸発器16の下流側部位には、第1蒸発器16によって冷却された空気の温度を検出する蒸発器後温度センサ25が設けられている。蒸発器後温度センサ25は、検出した信号を制御装置100に出力する。
空調ケース内の通風路には排熱利用加熱手段が設けられている。ヒータコア22は排熱利用加熱手段の一例であり、熱交換が行われる熱交換コア部を有した熱交換器である。この熱交換コア部は、配管によって発熱源であるエンジンまたは電池と接続されている構成により温水循環回路の一部に含まれる。循環回路内には循環水が存在し、発熱源から発生する熱量は循環水によって熱交換部に搬送される。ヒータコア22は、熱交換コア部が通風路に位置するように第1蒸発器16よりも下流側に設けられている。ヒータコア22は、暖房運転時において、内部を流れる温水から放熱することにより周囲の空気を加熱する。
ヒータコア22の内部を流れる温水の温度は、水温センサによって検出されて制御装置100に入力される。制御装置100は、水温センサの検出温度を用いて、排熱利用加熱手段が送風空気に与える加熱量を算出する。制御装置100は、この検出温度を用いて空調装置の暖房能力を算出可能であり、算出された暖房能力が吹出し温度を満たすものであるか否かを判定可能である。
第2流路1bには、下流に向けて順に、電気式膨張弁17、第2蒸発器18、タンク19が設けられている。タンク19は、第2蒸発器18よりも下流において液冷媒を貯留できる容器である。電気式膨張弁17は、第2流路1bの開度を0%から100%の範囲で任意に調整可能な減圧装置である。制御装置100は、電気式膨張弁17の開度を任意の値に制御する。電気式膨張弁17は、高圧冷媒が第2流路1bに流通する状態と流通しない状態とを切り換える流路切換装置として機能する。制御装置100は、電気式膨張弁17を閉状態に制御して高圧冷媒が第2流路1bに流通しない状態に設定できる。制御装置100は、電気式膨張弁17を開状態に制御して高圧冷媒が第2流路1bに流通する状態に設定できる。
第2蒸発器入口温度センサ26は、電気式膨張弁17の出口から第2蒸発器18の出口までにおける気液混合状態の冷媒の温度を検出する。第2蒸発器出口温度センサ27は、第2蒸発器18よりも下流部位から圧縮機11の吸入部までにおける冷媒の温度を検出する。制御装置100は、第2蒸発器出口温度センサ27の検出温度T27と第2蒸発器入口温度センサ26の検出温度T26との検出温度差を取得する。制御装置100は、この検出温度差を目標スーパーヒートTSHにするように電気式膨張弁17の開度を制御するとともに圧縮機11を制御する。制御装置100は、外気温度センサ23によって検出した外気温度を用いて目標スーパーヒートTSHを算出する。
制御装置100は、空調モード運転時に、電磁弁14を開状態に制御し、電気式膨張弁17を閉状態に制御する。空調モード運転時の冷媒経路は、圧縮機11、凝縮器12、気液分離器13、電磁弁14、膨張弁15、第1蒸発器16、圧縮機11の順に冷媒が流れる経路である。制御装置100は、電池冷却モード運転時に、電磁弁14を閉状態に制御し、電気式膨張弁17を開状態に制御する。電池冷却モード運転時の冷媒経路は、圧縮機11、凝縮器12、気液分離器13、電気式膨張弁17、第2蒸発器18、タンク19、圧縮機11の順に冷媒が流れる経路である。制御装置100は、空調モード運転と、電池冷却モード運転とを個別に実施することができる。
この明細書における制御装置は、電子制御装置(ECU)とも呼ばれることがある。制御装置または制御システムは、(a)if−then−else形式と呼ばれる複数の論理としてのアルゴリズム、または(b)機械学習によってチューニングされた学習済みモデル、例えばニューラルネットワークとしてのアルゴリズムによって提供される。
制御装置は、少なくとも一つのコンピュータを含む制御システムによって提供される。制御システムは、データ通信装置によってリンクされた複数のコンピュータを含む場合がある。コンピュータは、ハードウェアである少なくとも一つのプロセッサ(ハードウェアプロセッサ)を含む。ハードウェアプロセッサは、以下の(i)、(ii)、または(iii)により提供することができる。
(i)ハードウェアプロセッサは、少なくとも一つのメモリに格納されたプログラムを実行する少なくとも一つのプロセッサコアである場合がある。この場合、コンピュータは、少なくとも一つのメモリと、少なくとも一つのプロセッサコアとによって提供される。プロセッサコアは、CPU:Central Processing Unit、GPU:Graphics Processing Unit、RISC−CPUなどと呼ばれる。メモリは、記憶媒体とも呼ばれる。メモリは、プロセッサによって読み取り可能な「プログラムおよび/またはデータ」を非一時的に格納する非遷移的かつ実体的な記憶媒体である。記憶媒体は、半導体メモリ、磁気ディスク、または光学ディスクなどによって提供される。プログラムは、それ単体で、またはプログラムが格納された記憶媒体として流通する場合がある。
(ii)ハードウェアプロセッサは、ハードウェア論理回路である場合がある。この場合、コンピュータは、プログラムされた多数の論理ユニット(ゲート回路)を含むデジタル回路によって提供される。デジタル回路は、ロジック回路アレイ、例えば、ASIC:Application−Specific Integrated Circuit、FPGA:Field Programmable Gate Array、PGA:Programmable Gate Array、CPLD:Complex Programmable Logic Deviceなどとも呼ばれる。デジタル回路は、プログラムおよび/またはデータを格納したメモリを備える場合がある。コンピュータは、アナログ回路によって提供される場合がある。コンピュータは、デジタル回路とアナログ回路との組み合わせによって提供される場合がある。
(iii)ハードウェアプロセッサは、上記(i)と上記(ii)との組み合わせである場合がある。(i)と(ii)とは、異なるチップの上、または共通のチップの上に配置される。これらの場合、(ii)の部分は、アクセラレータとも呼ばれる。
制御装置100は、車両ECUからの指令情報、各種センサからの温度情報、操作部が操作されることで送信された入力情報を取得する。制御装置100は、これらの情報に基づいて冷凍サイクル装置1における各種機器に対して制御信号を出力する。制御装置100の入力部には、外気温度センサ23、第2蒸発器入口温度センサ26、第2蒸発器出口温度センサ27、電池温度センサ28等の検出信号が入力される。さらに制御装置100の入力部には、高圧側圧力センサ24、蒸発器後温度センサ25、水温センサに、内気センサ、日射センサ等の空調制御用のセンサ群の検出信号が入力される。内気センサは、車室内温度を検出する。外気温度センサ23は、車室外温度または車外温度を検出する。日射センサは、車室内へ照射される日射量を検出する。
制御装置100の入力部には、車室内前部の計器盤付近の操作パネルに設けられた各種の操作部からの操作信号が入力される。操作部には、冷凍サイクル装置1の運転に係る、電源スイッチ、自動空調運転スイッチ、吹出モード切換スイッチ、風量設定スイッチ、車室内の設定温度スイッチ等が含まれている。電源スイッチがオン状態に操作されると、空調ユニット2による空調モードと、電池冷却モードとを実施可能な状態になる。第1流路1aに冷媒が流通する空調モードは、自動空調運転スイッチがオンされた状態や、手動の空調運転が設定された状態で実施される。吹出モード切換スイッチや風量設定スイッチを操作することにより、手動の空調運転を実施することができる。車両のスタートスイッチがオンされると、電源スイッチがオン状態になるように設定される構成してもよい。制御装置100は、操作部から送信された信号を受信して演算処理部100bにおいて所定の演算、所定の判定を実行する。
制御装置100は、プログラムにしたがって動作するマイコンのようなデバイスを主なハードウェア要素として備える。制御装置100は、各種機器と各種センサとを接続するインターフェース部100aと、演算処理部100bと、記憶部100cとを少なくとも備える。記憶部100cは、コンピュータによって読み取り可能なプログラムを非一時的に格納する非遷移的実体的記憶媒体である。
演算処理部100bは、演算処理装置であり、インターフェース部100aを通して各種センサから取得した環境情報と記憶部100cに記憶された制御特性マップやデータとを用いて、所定の演算プログラムにしたがった判定処理や演算処理を行う。演算処理部100bは、制御装置100における演算実行部であり判定処理実行部である。インターフェース部100aは、演算処理部100bによる判定結果、演算結果に基づいて各種機器を運転操作する。したがって、インターフェース部100aは、制御装置100における入力部および制御出力部である。インターフェース部100aによって運転操作される各種機器は、圧縮機11、電磁弁14、電気式膨張弁17、送風機21、内外気切換ドア、吹出用切換等である。
演算処理部100bは、自動空調運転において、目標吹出温度の算出、ブロワ電圧決定、吸込口モード決定、吹出口モード決定等の各処理を実行する。目標吹出温度は、記憶部100cに記憶された所定の演算式を用いて算出される。演算処理部100bは、記憶部100cに記憶されたマップを用いて目標吹出温度に対応するブロワ電圧を決定する。演算処理部100bは、記憶部100cに記憶されたマップから、目標吹出温度に対応する吸込口モードを決定する。例えば、目標吹出温度が高いときには外気導入モードに決定され、目標吹出温度が低いときには内気循環モードに決定される。操作部によって吸込口モードが設定されている場合は、制御装置100は設定された吸込口モードに決定する。
演算処理部100bは、記憶部100cに記憶されたマップから、目標吹出温度に対応する吹出口モードを決定する。例えば、目標吹出温度が高いときにはフットモードが選択され、目標吹出温度の低下に伴ってバイレベルモード、さらにはフェイスモードの順に選択される。操作部によって吹出口モードが設定されている場合は、制御装置100は設定された吹出口モードに決定する。
冷凍サイクル装置1が実施する電池冷却モードに係る制御について、図3から図5を参照して説明する。図3は、電池冷却モードに係る制御処理を示すフローチャートである。
電源スイッチがオン状態になると、制御装置100は、電源スイッチがオン状態になると、図3のフローチャートで示す制御を開始する。電源スイッチは、二次電池3に充電する状態や、二次電池3から放電して外部に電力供給する状態になると、オン状態に入る構成としてもよい。
制御装置100は、操作部、各種センサ等からの信号が入力されることにより、指令信号、現在の検出センサ信号等の各情報を読み込む。演算処理部100bは、ステップS100において電池冷却条件が成立しているか否かを判定する。演算処理部100bは、電池温度センサ28の検出値が、適正電池温度を上回る場合には電池冷却条件が成立していると判定する。適正電池温度は、例えば、あらかじめ記憶部100cに記憶されている。
ステップS100で電池冷却条件が成立していないと判定すると、本フローチャートは終了する。制御装置100は所定時間経過後、再びステップS100の処理を実行する。ステップS100で電池冷却条件が成立していると判定すると、ステップS110において電池冷却単独運転が成立しているか否かを判定する。電池冷却単独運転は、冷媒が冷媒回路10において第1流路1aに流れずに第2流路1bに流れる電池冷却モードを実施する運転である。電池冷却単独運転は、空調運転と同時に行わない、電池冷却モードを行う運転である。
ステップS110の判定は、電池冷却条件が成立した状態で空調運転が設定されていない場合に成立していると判定する。演算処理部100bは、操作部のスイッチ操作により、空調運転が設定されている場合には成立しないと判定し、ステップS120に進む。インターフェース部100aは、ステップS120で、冷媒が第1流路1aに流通する冷房と第2流路1bに流通する電池冷却とを同時に実行する制御信号を出力する。これにより、第1蒸発器16による冷房運転と第2蒸発器18による電池冷却モードとが行われ、本フローチャートは終了する。
ステップS110で電池冷却単独運転が成立していると判定すると、制御装置100は、ステップS130で、外気温度センサ23によって検出された外気温度を取得する。演算処理部100bは、ステップS140で電池冷却用の第2蒸発器18の出口側の目標スーパーヒートを決定する。ステップS140では、記憶部100cに記憶された制御特性マップを用いて、ステップS130で取得した外気温度に応じた目標スーパーヒートを算出する。演算処理部100bは、一つの外気温度に対して一つの目標スーパーヒートを決定する。
記憶部100cには、一例として、図4に示すような制御特性マップが記憶されている。この制御特性マップでは、外気温度が第1温度T1であるときよりも第2温度T2である場合の方が、低い目標スーパーヒートになるように設定している。第2温度T2は第1温度T1よりも高い外気温度である。目標スーパーヒートは、第1温度T1と第2温度T2の間において、外気温度が高いほど低い値に設定されている。第1温度T1と第2温度T2の間においては、外気温度が高くなるにつれて目標スーパーヒートは徐々に低くなるように設定されている。目標スーパーヒートは、外気温度が第1温度T1以下である場合には第1の一定値に設定されている。目標スーパーヒートは、外気温度が第2温度T2以上である場合には第2の一定値に設定されている。第2の一定値は、第1の一定値よりも低い目標スーパーヒートである。これによれば、演算処理部100bは、外気温度が高いときには低いときに比べて目標スーパーヒートを低い値に決定する。
制御装置100は、ステップS150で、検出温度T27と検出温度T26との検出温度差が、目標スーパーヒートになるように電気式膨張弁17の開度を変更する。制御装置100は、この目標スーパーヒートによって第2蒸発器出口側の冷媒状態を制御する電池冷却モード運転を実施し、本フローチャートを終了する。
制御装置100は、外気温度が低いときには外気によって冷媒を温める効果が低いため、目標スーパーヒートを高めた制御を実施する。この制御により、第2蒸発器18から圧縮機11に戻る前に、完全に気体にしてから圧縮機11に送り込むため、冷媒蒸気の温度を少し上げることに寄与する。第2蒸発器18で蒸発しきれず液体のまま圧縮機11に入ると、液体は非圧縮性であるため、急激な高圧力がかかり、液圧縮が発生し、圧縮機11が故障することにつながる。目標スーパーヒートを実施する制御は、この事態を回避することに寄与する。
制御装置100は外気温度が高いときにはスーパーヒートを抑えた制御を実施するが、外気は冷媒を温めて液化が抑えられることになる。液化が抑えられると、圧縮機11への液バックが抑えられるので、圧縮機11の保護に寄与することができる。
このようにして実施する電池冷却モード等における効果について、図5を参照して説明する。図5は、横軸、縦軸に冷媒量AR、吐出圧力VTを設定し、従来の電池冷却モード、第1実施形態の電池冷却モード、第1実施形態の冷房電池冷却モードを示している。図5のPTは、圧縮機の内部保護のための許容圧力値である。冷凍サイクル装置1では、PTを超過しないように吐出圧力を制御することが好ましい。従来の電池冷却モードCBCOは、所定の目標スーパーヒートに制御する運転であり、図5において破線で示している。第1実施形態の電池冷却モードEBCOは、外気温度に応じて決定した目標スーパーヒートに制御する運転であり、図5において一点鎖線で示している。第1実施形態の冷房電池冷却モードBCACOは、前述のステップS120と同様の運転であり、図5において実線で示している。
図5に示すように、電池冷却モードEBCOのグラフは、電池冷却モードCBCOのグラフに対して冷媒量の増加方向にスライドした波形になっている。電池冷却モードEBCOは、過充填ポイントの冷媒量を、電池冷却モードCBCOのR1よりもR2まで増加させることができる。これにより、第1実施形態の電池冷却モードは、従来よりも、吐出圧力を抑えて、冷凍サイクル装置の回路に貯留可能な冷媒量を多くすることができる。
電池冷却モードEBCOのポイントは、同じ冷媒量である、PTを超えた電池冷却モードCBCOのポイントに対して、吐出圧力VTが低くなっている。つまり、第1実施形態の電池冷却モードは、同じ冷媒封入量であっても従来に比べて圧縮機11の吐出圧力を抑えることができる、という効果が得られている。
第1実施形態の冷凍サイクル装置1がもたらす作用効果について説明する。冷凍サイクル装置1は、空調用経路を経由する循環経路と電池冷却用流路を経由する循環経路とを含む冷媒回路10を備える。冷凍サイクル装置1は、空調用流路に設けられ車両用空調装置で冷房風を生成する第1蒸発器16と、電池冷却用流路に設けられ電池を冷却する第2蒸発器18とを備える。冷凍サイクル装置1は、高圧冷媒が、空調用流路を流れる空調モードと空調用流路を流れずに電池冷却用流路を流れる電池冷却モードとにわたって運転モードを切り換える流路切換装置を備える。冷凍サイクル装置1は、第2蒸発器18に流入する前の冷媒圧力を制御可能な電気式膨張弁17と、流路切換装置の作動と電気式膨張弁17の開度とを制御する制御装置100を備える。制御装置100は、電池冷却モードにおいて、外気温度に応じて決定した目標スーパーヒートになるように電気式膨張弁17の開度を制御する。
このように冷凍サイクル装置1は、電池冷却モード時に外気温度に基づいて第2蒸発器18の出口におけるスーパーヒート量を変化させる。これにより、冷媒が圧縮機11に吸入されるまでの間に外気によって温められて液化抑制に寄与する効果を考慮した、的確なスーパーヒート量で制御することができる。したがって、空調と電池冷却とを個別に実施可能である冷凍サイクル装置1において、効果的に冷媒過充填状態での圧力上昇を抑制することができる。さらに効果的に冷媒過充填状態での圧力上昇を抑制できるため、第1蒸発器16のサイズを小型化する必要がなく、冷房能力の低下を回避できる。
制御装置100は、外気温度が第1温度T1よりも高温である第2温度T2である場合に、外気温度が第1温度T1である場合よりも、目標スーパーヒートを低い値に決定する。この制御によれば、外気温度が高い場合に、冷媒が圧縮機11に吸入されるまでに外気によって温められるので、スーパーヒート量を低く制御しても液バックを抑制できる。さらに、この制御によれば、電池冷却モード時に過充填となる冷媒量を低減でき、高圧の圧力上昇を抑制できる。
制御装置100は、第1温度T1と第2温度T2の間において、外気温度が高いほど目標スーパーヒートを低い値に決定する。この制御によれば、高温になるほどスーパーヒート量を抑えるように制御するので、冷媒の液化抑制効果が大きいほど無駄なスーパーヒートを抑制できる。これにより、制御装置100は、より効率的に高圧の圧力上昇を抑制する制御を提供できる。
冷凍サイクル装置1は、第2蒸発器18の出口部よりも下流に設けられ、第2蒸発器18から流出した液冷媒を貯留可能なタンク19を備える。この構成によれば、冷媒回路10において余剰となった冷媒を蓄えることができるので、凝縮器12に流入する液冷媒を低減でき、高圧冷媒の圧力上昇を抑制できる。また、圧縮機11の内部が高温になることによる圧縮機保護機能の作動を抑制することができる。また、凝縮器12に流入する液冷媒を低減できるため、凝縮器12やその下流に気液分離器を設けた場合に、その体格を抑えることに寄与する。
(第2実施形態)
第2実施形態の冷凍サイクル装置101について図6を参照して説明する。第2実施形態で特に説明しない構成、作用、効果については、第1実施形態と同様であり、以下、第1実施形態と異なる点についてのみ説明する。
第2実施形態の冷凍サイクル装置101について図6を参照して説明する。第2実施形態で特に説明しない構成、作用、効果については、第1実施形態と同様であり、以下、第1実施形態と異なる点についてのみ説明する。
冷凍サイクル装置201は、冷凍サイクル装置1に対してタンク19を有していない点が相違する。冷凍サイクル装置201は、明細書に開示の目的を達成し得る作用、効果を奏する。
(第3実施形態)
第3実施形態について図7を参照して説明する。第3実施形態で特に説明しない構成、作用、効果については、前述の実施形態と同様であり、以下、前述の実施形態と異なる点についてのみ説明する。
第3実施形態について図7を参照して説明する。第3実施形態で特に説明しない構成、作用、効果については、前述の実施形態と同様であり、以下、前述の実施形態と異なる点についてのみ説明する。
第3実施形態は、第1実施形態に対して、ステップS140における演算処理が相違する。図7は、第3実施形態においてステップS140の演算処理で用いられる、外気温度と目標スーパーヒートとの関係を示す制御特性マップを示している。このような制御特性は、記憶部100cに記憶されている。第3実施形態の演算処理では、目標スーパーヒートは、第1温度T1と第2温度T2の間において、外気温度が高くなるにつれて段階的に低くなる値に決定される。目標スーパーヒートは、外気温度が所定範囲に含まれる間は一定値に決定され、この所定範囲よりも高温の所定範囲に上昇すると前述の一定値よりも低下した値に決定される。
(第4実施形態)
第4実施形態の冷凍サイクル装置201について図8、図9を参照して説明する。第4実施形態で特に説明しない構成、作用、効果については、前述の実施形態と同様であり、以下、前述の実施形態と異なる点についてのみ説明する。
第4実施形態の冷凍サイクル装置201について図8、図9を参照して説明する。第4実施形態で特に説明しない構成、作用、効果については、前述の実施形態と同様であり、以下、前述の実施形態と異なる点についてのみ説明する。
冷凍サイクル装置201は、前述の実施形態における冷凍サイクル装置に対して、第2蒸発器18が冷却する冷却対象物が相違する。第4実施形態では、第1蒸発器16は車両における第1領域に対して冷房風を生成し、第2蒸発器18は車両における第2領域に対して冷房風を生成する一例を説明する。図8、図9に示すように冷凍サイクル装置201は、冷媒回路10と構成部品に関して冷凍サイクル装置1と同様であり、構成、作用、効果について第1実施形態を援用する。第2蒸発器18の出口部または第2蒸発器18の下流側部位には、第2蒸発器18によって冷却された空気の温度を検出する蒸発器後温度センサ125が設けられている。蒸発器後温度センサ125については、蒸発器後温度センサ25に係る説明を援用する。
第1蒸発器16は、第1空調用通路である第1流路1aに設けられている。第2蒸発器18は、第2空調用通路である第2流路1bに設けられている。第2領域は第1領域とは別のエリアに設定されている。例えば、第1領域は車室内の前席エリアであり、第2領域は車室内の後席エリアである。3列シートを有する車両の場合、第2領域は2列目エリアおよび3列目エリアである。
空調ユニット2は、第1領域に対して冷房風を提供する第1空調装置である。空調ユニット102は、第2領域に対して冷房風を提供する第2空調装置である。空調ユニット102は、構成部品に関して空調ユニット2と同様であり、構成、作用、効果について第1実施形態を援用する。空調ユニット102が備える送風機121については、送風機21に係る説明を援用する。
第4実施形態の冷凍サイクル装置201がもたらす作用効果について説明する。冷凍サイクル装置201は、第1空調用経路を経由する循環経路と第2空調用流路を経由する循環経路とを含む冷媒回路10を備える。冷凍サイクル装置201は、第1空調装置において冷房風を生成する第1蒸発器16と、第2空調装置において冷房風を生成する第2蒸発器18とを備える。冷凍サイクル装置201は、高圧冷媒が、第1空調用流路を流れる第1空調モードと第1空調用流路を流れずに第2空調用流路を流れる第2空調モードとにわたって運転モードを切り換える流路切換装置を備える。制御装置100は、第2空調モードにおいて、外気温度に応じて決定した目標スーパーヒートになるように電気式膨張弁17の開度を制御する。
冷凍サイクル装置201は、第2空調モード時に外気温度に基づいて第2蒸発器18の出口におけるスーパーヒート量を変化させる。これにより、圧縮機11に吸入されるまでに外気が冷媒を温めて冷媒の液化を抑える効果を考慮し、この効果を反映させた的確なスーパーヒート量で制御できる。以上により、2つの空調エリアを個別に空調可能である冷凍サイクル装置201において、効果的に冷媒過充填状態での圧力上昇を抑制することができる。
(他の実施形態)
この明細書の開示は、例示された実施形態に制限されない。開示は、例示された実施形態と、それらに基づく当業者による変形態様を包含する。例えば、開示は、実施形態において示された部品、要素の組み合わせに限定されず、種々変形して実施することが可能である。開示は、多様な組み合わせによって実施可能である。開示は、実施形態に追加可能な追加的な部分をもつことができる。開示は、実施形態の部品、要素が省略されたものを包含する。開示は、一つの実施形態と他の実施形態との間における部品、要素の置き換え、または組み合わせを包含する。開示される技術的範囲は、実施形態の記載に限定されない。開示される技術的範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲の記載と均等の意味および範囲内での全ての変更を含むものと解されるべきである。
この明細書の開示は、例示された実施形態に制限されない。開示は、例示された実施形態と、それらに基づく当業者による変形態様を包含する。例えば、開示は、実施形態において示された部品、要素の組み合わせに限定されず、種々変形して実施することが可能である。開示は、多様な組み合わせによって実施可能である。開示は、実施形態に追加可能な追加的な部分をもつことができる。開示は、実施形態の部品、要素が省略されたものを包含する。開示は、一つの実施形態と他の実施形態との間における部品、要素の置き換え、または組み合わせを包含する。開示される技術的範囲は、実施形態の記載に限定されない。開示される技術的範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲の記載と均等の意味および範囲内での全ての変更を含むものと解されるべきである。
明細書に開示の目的を達成可能な冷凍サイクル装置は、第2蒸発器によって第2冷却対象物を冷却する。例えば、第2冷却対象物は、電池、電力変換装置、スイッチング素子、半導体装置、これらを収容する筐体、ヒートシンク等が含まれる。
明細書に開示の目的を達成可能な冷凍サイクル装置は、前述の実施形態に記載した構成に限定されない。この冷凍サイクル装置には、3個以上の蒸発器を有する装置が含まれる。
前述の実施形態に記載した冷凍サイクル装置は、外気温度に基づいて目標スーパーヒートを算出するが、外気温度以外の負荷に関するパラーメータを用いる構成でもよい。例えば、冷凍サイクル装置は、冷凍サイクルの高圧部分における圧力に基づいて目標スーパーヒートを算出する構成でもよい。この高圧部分は、例えば、圧縮機の吐出部から減圧用の膨張弁の吸入部に至る範囲に含まれる部分である。
実施形態に記載した冷凍サイクル装置1は、前述の空調モードと電池冷却モード以外の冷媒流れを形成することもできる。例えば、冷凍サイクル装置1は、第1流路1aと第2流路1bの両方に冷媒が流通する冷媒流れを形成する運転モードを実施することができる。
1,101,201…冷凍サイクル装置
1a…第1流路(空調用流路、第1空調用流路)
1b…第2流路(電池冷却用流路、第2空調用流路)
2…空調ユニット(車両用空調装置、第1空調装置)、 3…二次電池(電池)
10…冷媒回路、 11…圧縮機、 14…電磁弁(流路切換装置)
16…第1蒸発器、 17…電気式膨張弁(流路切換装置)、 18…第2蒸発器
100…制御装置、 102…空調ユニット(第2空調装置)
1a…第1流路(空調用流路、第1空調用流路)
1b…第2流路(電池冷却用流路、第2空調用流路)
2…空調ユニット(車両用空調装置、第1空調装置)、 3…二次電池(電池)
10…冷媒回路、 11…圧縮機、 14…電磁弁(流路切換装置)
16…第1蒸発器、 17…電気式膨張弁(流路切換装置)、 18…第2蒸発器
100…制御装置、 102…空調ユニット(第2空調装置)
Claims (5)
- 圧縮機(11)から吐出された冷媒が、空調用流路(1a)を経由して前記圧縮機に戻ってくる循環経路と電池冷却用流路(1b)を経由して前記圧縮機に戻ってくる循環経路とを含む冷媒回路(10)と、
前記空調用流路に設けられて、車両用空調装置(2)において冷房風を生成する第1蒸発器(16)と、
前記電池冷却用流路に設けられて、電池(3)を冷却するために吸熱作用を提供する第2蒸発器(18)と、
前記圧縮機から吐出された冷媒が、前記空調用流路を流れる空調モードと前記空調用流路を流れずに前記電池冷却用流路を流れる電池冷却モードとにわたって運転モードを切り換える流路切換装置(14)と、
前記電池冷却用流路において前記第2蒸発器に流入する前の冷媒圧力を制御可能な電気式膨張弁(17)と、
前記流路切換装置の作動と前記電気式膨張弁の開度とを制御する制御装置(100)と、
を備え、
前記制御装置は、前記電池冷却モードにおいて、外気温度に応じて決定した目標スーパーヒートになるように前記電気式膨張弁の開度を制御する冷凍サイクル装置。 - 圧縮機(11)から吐出された冷媒が、第1空調用流路(1a)を経由して前記圧縮機に戻ってくる循環経路と第2空調用流路(1b)を経由して前記圧縮機に戻ってくる循環経路とを含む冷媒回路(10)と、
前記第1空調用流路に設けられて、車両における第1領域を空調する第1空調装置(2)において冷房風を生成する第1蒸発器(16)と、
前記第2空調用流路に設けられて、車両における第2領域を空調する第2空調装置(102)において冷房風を生成する第2蒸発器(18)と、
前記圧縮機から吐出された冷媒が、前記第1空調用流路を流れる第1空調モードと前記第1空調用流路を流れずに前記第2空調用流路を流れる第2空調モードとにわたって運転モードを切り換える流路切換装置(14)と、
前記第2空調用流路において前記第2蒸発器に流入する前の冷媒圧力を制御可能な電気式膨張弁(17)と、
前記流路切換装置の作動と前記電気式膨張弁の開度とを制御する制御装置(100)と、
を備え、
前記制御装置は、前記第2空調モードにおいて、外気温度に応じて決定した目標スーパーヒートになるように前記電気式膨張弁の開度を制御する冷凍サイクル装置。 - 前記制御装置は、前記外気温度が第1温度よりも高温である第2温度である場合に、前記外気温度が前記第1温度である場合よりも、前記目標スーパーヒートを低い値に決定する請求項1または請求項2に記載の冷凍サイクル装置。
- 前記制御装置は、前記第1温度と前記第2温度の間において、前記外気温度が高いほど前記目標スーパーヒートを低い値に決定する請求項3に記載の冷凍サイクル装置。
- 前記第2蒸発器の出口部よりも下流に設けられ、前記第2蒸発器から流出した液冷媒を貯留可能なタンク(19)を備える請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の冷凍サイクル装置。
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2024095826A1 (ja) * | 2022-10-31 | 2024-05-10 | 株式会社アイシン | 冷却モジュール |
-
2020
- 2020-06-08 JP JP2020099564A patent/JP2021193326A/ja active Pending
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WO2024095826A1 (ja) * | 2022-10-31 | 2024-05-10 | 株式会社アイシン | 冷却モジュール |
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