JP2021193256A - 洗浄水タンク装置、及びそれを備えた水洗便器装置 - Google Patents

洗浄水タンク装置、及びそれを備えた水洗便器装置 Download PDF

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Abstract

【課題】排水弁水圧駆動部が動作不良となる可能性を低減できる洗浄水タンク装置、及びそれを備えた水洗便器装置を提供する。【解決手段】本発明の洗浄水タンク装置は、貯水タンク10と、排水口を開閉し、水洗便器への洗浄水の供給、停止を行う排水弁12と、供給された水道水の給水圧を利用して、排水弁を駆動する排水弁水圧駆動部14であって、水道水が洗浄水として供給されるシリンダ14aと、シリンダ内に摺動可能に配置されると共に、洗浄水がシリンダ内に流入することにより第1の位置から第2の位置に移動されるピストン28と、ピストンに設けられると共にピストンとシリンダの内壁との間のシール機能を有するシール部材20と、を備える排水弁水圧駆動部14とを備え、ピストン28が第1の位置H1にある場合に、シール部材20の下端が、貯水タンク10の止水水位WLより上方に位置する。【選択図】図6

Description

本発明は、洗浄水タンク装置に関し、特に、水洗便器への洗浄水の供給を行う洗浄水タンク装置、及びそれを備えた水洗便器装置に関する。
特許文献1には、便器の自動洗浄装置が開示されている。この自動洗浄装置は、供給された水の水圧により作動される水圧シリンダーと、この水圧シリンダーへの水道水の供給を連通又は遮断するための電磁弁と、弁座を開閉するフロート弁とを備えている。電磁弁の作動に基づいて、水圧シリンダー内に圧力流体が流入され、水圧シリンダー内のピストンが上昇され、ピストンに連結された連結棒、連結鎖等が上昇してフロート弁が引き上げられ、フロート弁が開弁される。この水圧シリンダー内のピストンには、ピストンと水圧シリンダー内壁との間をシールするシール部材が設けられている。
実開昭63−86180号公報
しかしながら、特許文献1に示されるような洗浄水タンク装置では、非洗浄状態において水圧シリンダー内のシール部材が、便器洗浄用タンク内に貯留された洗浄水に浸かった状態となる。よって、便器洗浄用タンク内に便器洗浄用の塩素薬剤等が使用者によって投入される場合、便器洗浄用タンク内に貯留された洗浄水の塩素濃度が上昇することにより、シール部材が劣化する可能性がある。シール部材が劣化した場合には、水圧シリンダー内のピストンの動作不良が生じる可能性がある。
従って、本発明は、排水弁水圧駆動部が動作不良となる可能性を低減できる洗浄水タンク装置、及びそれを備えた水洗便器装置を提供することを目的としている。
上述した課題を解決するために、本発明の一実施形態は、水洗便器への洗浄水の供給を行う洗浄水タンク装置であって、上記水洗便器に供給すべき洗浄水を貯留すると共に、貯留した洗浄水を上記水洗便器へ排出するための排水口が形成された貯水タンクと、上記排水口を開閉し、上記水洗便器への洗浄水の供給、停止を行う排水弁と、供給された水道水の給水圧を利用して、上記排水弁を駆動する排水弁水圧駆動部であって、水道水が洗浄水として供給されるシリンダと、上記シリンダ内に摺動可能に配置されると共に、洗浄水が上記シリンダ内に流入することにより第1の位置から第2の位置に移動されるピストンと、上記ピストンに設けられると共に上記ピストンと上記シリンダの内壁との間のシール機能を有するシール部材と、を備える上記排水弁水圧駆動部と、を備え、上記ピストンが上記第1の位置にある場合に、上記シール部材の下端が、上記貯水タンクの止水水位より上方に位置することを特徴としている。
このように構成された本発明の一実施形態によれば、上記ピストンが第1の位置にある場合に、上記シール部材の下端が、上記貯水タンクの止水水位より上方に位置する。これにより、例えば便器洗浄用の塩素薬剤等、何が使用者により投入されるか分からない貯水タンク内に貯水された洗浄水に、シール部材が浸されることによりシール部材が劣化することを抑制できる。よって、排水弁水圧駆動部が動作不良となる可能性を低減できる。
本発明の一実施形態において、好ましくは、上記排水弁水圧駆動部の上記シリンダは、上記ピストンが上記第1の位置にある状態において、上記シール部材が上記シリンダ内に残留された洗浄水に浸されるように、構成されている。
このように構成された本発明の一実施形態によれば、上記排水弁水圧駆動部の上記シリンダは、上記ピストンが上記第1の位置にある状態において、上記シール部材が上記シリンダ内に残留された洗浄水に浸されるように、構成されている。これにより、シール部材が洗浄水に濡れたり乾いたりを繰り返すことによるシール部材での水道水からのスケール(析出物)の形成を抑制できると共に、貯水タンク内に貯水された洗浄水に、シール部材が浸されることにより劣化されることを抑制できる。よって、シール部材へのスケールの形成を抑制しつつシール部材の劣化を抑制できる。一方で、仮にスケールの形成を抑制するためにシール部材を貯水タンク内の洗浄水に水没させようとする場合、貯水タンク内の洗浄水の水位の変化に関わらずシール部材を水没させておくためには、貯水タンクの水位の下限となる死水水位よりも下方の底面側にシール部材を配置させる必要があり、シール部材の配置、それに伴うピストン及びシリンダの配置の自由度が損なわれる。これに対して、本発明の一実施形態によれば、スケールの形成を抑制しつつ、このような配置の自由度が損なわれる問題の発生を抑制でき、シール部材が比較的に自由に配置できる。
本発明の一実施形態において、好ましくは、上記排水弁水圧駆動部の上記ピストンは上記シリンダ内で上下動するように構成され、上記第1の位置は上記第2の位置より下方に位置し、上記シリンダは、その底部の貫通孔の周囲部分から上方に向けて立ち上がる堤部と、この堤部と上記シリンダの内壁との間で残留された洗浄水を貯水可能な貯水部とを、備え、上記ピストンが第1の位置にある状態において、上記シール部材が上記貯水部内に位置するように、上記シール部材の上端は、上記堤部の頂部より低い高さ位置に位置する。
このように構成された本発明の一実施形態によれば、ピストンが第1の位置にある状態において、上記シール部材が上記貯水部内に位置するように、上記シール部材の上端は、上記堤部の頂部より低い高さ位置に位置する。よって、比較的簡単な構成により、シール部材が洗浄水に濡れたり乾いたりを繰り返すことによるシール部材での水道水からのスケール(析出物)の形成を抑制できると共に、貯水タンク内に貯水された洗浄水に、シール部材が浸されることにより劣化されることを抑制できる。よって、比較的簡単な構成により、シール部材へのスケールの形成を抑制しつつシール部材の劣化を抑制できる。
本発明の一実施形態において、好ましくは、上記ピストンが第1の位置にある状態において、上記堤部の頂部は上記ピストンの下面部と当接する。
このように構成された本発明の一実施形態によれば、上記ピストンが第1の位置にある状態において、上記堤部の頂部は上記ピストンの下面部と当接する。これにより、貯水部内の洗浄水の流出を抑制でき、上記シール部材が洗浄水に浸されている状態を継続しやすくできる。
本発明の一実施形態において、好ましくは、上記排水弁水圧駆動部は、さらに、上記ピストンから下方に延びるロッドを備え、上記シリンダの上記堤部は、上面視で上記ロッドの周りに環状に形成される。
このように構成された本発明の一実施形態によれば、上記シリンダの上記堤部は、上面視で上記ロッドの周りに環状に形成され、上記ピストンが第1の位置にある状態において、上記堤部の頂部は上記ピストンの下面部と当接する。これにより、貯水部内の洗浄水の流出をより抑制でき、上記シール部材が洗浄水に浸されている状態をより継続しやすくできる。
本発明の一実施形態において、好ましくは、上記排水弁水圧駆動部は、さらに、上記シリンダ内に設けられると共に上記ピストンを上記第1の位置側に向けて付勢する付勢部材を備える。
このように構成された本発明の一実施形態によれば、上記排水弁水圧駆動部は、さらに、上記シリンダ内に設けられると共に上記ピストンを上記第1の位置側に向けて付勢する付勢部材を備える。上記ピストンが第1の位置にある状態において、上記堤部の頂部と上記ピストンの下面部との当接をより維持しやすくできる。これにより、貯水部内の洗浄水の流出をより抑制でき、上記シール部材が洗浄水に浸されている状態をより継続しやすくできる。
本発明の一実施形態において、好ましくは、上記排水弁水圧駆動部の上記ピストンは、上記付勢部材からの付勢力を受ける受力部を備え、上記受力部は、上面視で上記堤部の外側に形成されている。
このように構成された本発明の一実施形態によれば、上記排水弁水圧駆動部の上記ピストンは、上記付勢部材からの付勢力を受ける受力部を備え、上記受力部は、上面視で上記堤部の外側に形成されている。これにより、ピストンの受力部が付勢部材からの付勢力をより確実に受けることができ、貯水部内の洗浄水の流出をさらに抑制でき、上記シール部材が洗浄水に浸されている状態をさらに継続しやすくできる。
本発明の一実施形態において、好ましくは、上記排水弁水圧駆動部の上記ピストンの上記受力部は、上記ピストンが上記第1の位置にある状態において、上記堤部の頂部よりも下方に位置する。
このように構成された本発明の一実施形態によれば、上記排水弁水圧駆動部の上記ピストンの上記受力部は、ピストンが上記第1の位置にある状態において、上記堤部の頂部よりも下方に位置する。これにより、ピストンが付勢部材からの付勢力を受ける際に、力点として付勢力を受ける受力部が、支点として機能する堤部の頂部よりも下方に位置する。よって、ピストンの受力部が付勢力を受けるときにピストンが堤部の頂部に対して偏った向きに倒れにくくピストンの動作をより安定させることができる。従って、貯水部内の洗浄水の流出を安定的に抑制でき、上記シール部材が洗浄水に浸されている状態を安定的に継続しやすくできる。
本発明の一実施形態において、好ましくは、上記排水弁水圧駆動部の上記ピストンは、さらに、上記シール部材の上側に形成される上部外周部を備え、上記上部外周部と上記シリンダの内壁との間には、洗浄水を通水させる通水隙間が形成される。
このように構成された本発明の一実施形態によれば、上記排水弁水圧駆動部の上記ピストンは、さらに、上記シール部材の上側に形成される上部外周部を備え、上記上部外周部と上記シリンダの内壁との間には、洗浄水を通水させる通水隙間が形成される。
これにより、シール部材の上部側をより洗浄水に浸しやすくできる。
本発明の一実施形態において、好ましくは、上記上部外周部と上記シリンダの内壁との間の通水隙間は、上記シリンダの上方から下方に向かうにつれて小さくなるように形成される。
このように構成された本発明の一実施形態によれば、上記上部外周部と上記シリンダの内壁との間の通水隙間は、上記シリンダの上方から下方に向かうにつれて小さくなるように形成される。これにより、ピストンがシリンダの上方から下方に向かうにつれて、上部外周部と上記シリンダの内壁との間の通水隙間が小さくなり、シール部材の上方側の洗浄水が通水隙間から抜けにくくすることができ、シール部材の上部側をさらに洗浄水に浸しやすくできる。
また、本発明の一実施形態は、水洗便器装置であって、水洗便器と、排水弁水圧駆動部14が動作不良となる可能性を低減できる洗浄水タンク装置と、を有することを特徴としている。
本発明によれば、排水弁水圧駆動部が動作不良となる可能性を低減できる洗浄水タンク装置、及びそれを備えた水洗便器装置を提供することができる。
本発明の一実施形態による洗浄水タンク装置を備えた水洗便器装置全体を示す斜視図である。 本発明の一実施形態による洗浄水タンク装置の概略構成を示す断面図である。 本発明の一実施形態による洗浄水タンク装置の排水弁水圧駆動部、クラッチ機構及び排水弁が、待機状態で貯水タンク内に配置されている様子を示す側面図である。 図3のIV−IV線に沿って切った正面断面図である。 図4のV−V線に沿って切った前後方向断面図である。 図5の洗浄水タンク装置の排水弁水圧駆動部の近傍を拡大した部分拡大図である。 図6のVII−VII線に沿って切った断面図である。 本発明の一実施形態による洗浄水タンク装置のクラッチ機構を分解して示す分解斜視図である。 図5の洗浄水タンク装置の排水弁水圧駆動部等の断面において、排水弁水圧駆動部のピストンが上昇している途中の状態を示している。 図5の洗浄水タンク装置の排水弁水圧駆動部等の断面において、クラッチ機構が切断されるときの状態を示している。 図5の洗浄水タンク装置の排水弁水圧駆動部等の断面において、排水弁水圧駆動部のピストンが第2の位置まで上昇している状態を示している。 図5の洗浄水タンク装置の排水弁水圧駆動部等の断面において、排水弁が降下し排水口を閉止した状態を示している。 図5の洗浄水タンク装置の排水弁水圧駆動部等の断面において、ピストンが降下しロッドと排水弁に取付けられた可動体とが再び接する状態を示している。
次に、添付図面を参照して、本発明の一実施形態による水洗便器装置を説明する。
図1は、本発明の一実施形態による洗浄水タンク装置を備えた水洗便器装置全体を示す斜視図である。図2は、本発明の一実施形態による洗浄水タンク装置の概略構成を示す断面図である。
図1に示すように、本発明の一実施形態による水洗便器装置1は、水洗便器である水洗便器本体2と、この水洗便器本体2の後部に載置された、本発明の一実施形態による洗浄水タンク装置4から構成されている。水洗便器本体2は洗浄水タンク装置4から供給される洗浄水により洗浄される。本実施形態の水洗便器装置1は、使用後に、壁面に取り付けられたリモコン装置6を操作するか、便座に設けられた人感センサ8が使用者の離座を検知した後、所定時間経過することにより、水洗便器本体2のボウル部2aの洗浄が行われるように構成されている。本実施形態による洗浄水タンク装置4は、リモコン装置6又は人感センサ8からの指示信号に基づいて、内部に貯留されている洗浄水を水洗便器本体2に排出し、この洗浄水によりボウル部2aを洗浄するように構成されている。
また、ボウル部2aを洗浄するための便器洗浄動作は、使用者がリモコン装置6の押しボタン6aを押すことにより実行される。なお、本実施形態では人感センサ8は便座に設けられているが、本発明はこの形態に限るものではなく、使用者の着座、離座や接近、離脱、手をかざす動作を検知できる位置に設けられていればよく、例えば、水洗便器本体2や洗浄水タンク装置4に設けることもできる。また、人感センサ8は、使用者の着座、離座や接近、離脱、手をかざす動作を検知できるものであればよく、例えば、赤外線センサやマイクロ波センサを人感センサ8として使用することができる。また、リモコン装置6は、後述する第1制御弁16及び第2制御弁22の開閉を機械的に制御できるような構造を有する操作レバー装置、操作ボタン装置に変更されてもよい。
図2に示すように、洗浄水タンク装置4は、水洗便器本体2に供給すべき洗浄水を貯留する貯水タンク10と、この貯水タンク10に設けられた排水口10aを開閉するための排水弁12と、この排水弁12を引き上げる排水弁引き上げ部である排水弁水圧駆動部14と、を備える。また、洗浄水タンク装置4は、水道からの排水弁水圧駆動部14への給水を制御する給水制御装置である第1制御弁16と、第1制御弁16に取り付けられた電磁弁18と、を内部に有する。さらに、洗浄水タンク装置4は、貯水タンク10に洗浄水を供給するための第2制御弁22と、第2制御弁22に取り付けられた電磁弁24と、を内部に有する。また、洗浄水タンク装置4は、引き上げられた排水弁12を所定の位置に保持するための、弁制御部であると共にタイミング制御機構であるフロート装置26を有する。
さらに、洗浄水タンク装置4はクラッチ機構30を有し、このクラッチ機構30は、排水弁12と排水弁水圧駆動部14から延びるロッド32とを連結して、排水弁12を排水弁水圧駆動部14のロッド32の動作により引き上げると共に、所定のタイミングで切断され、排水弁12を降下させる。排水弁12の上方にはケーシング13が形成され、ケーシング13は下方側が開口された円筒形状に形成されている。ケーシング13は排水弁水圧駆動部14と接続され且つ固定されている。
貯水タンク10は、水洗便器本体2に供給すべき洗浄水を貯留するように構成されたタンクであり、その底部には貯留した洗浄水を水洗便器本体2へ排出するための排水口10aが形成されている。また、貯水タンク10内において、排水口10aの下流側にはオーバーフロー管10bが接続されている。このオーバーフロー管10bは、排水口10aの近傍から垂直に立ち上がり、貯水タンク10内に貯留されている洗浄水の止水水位である満水水位WLよりも上方まで延びている。なお、止水水位は、待機状態における貯水タンク10内の洗浄水の水位であり、便器洗浄時の貯水タンク10内の洗浄水の下限である死水水位とは区別される。従って、オーバーフロー管10bの上端から流入した洗浄水は、排水口10aをバイパスして、水洗便器本体2へ直接流出する。
排水弁12は、排水口10aを開閉するように配置された弁体装置であり、排水弁12が上方に引き上げられることにより開弁され、貯水タンク10内の洗浄水が水洗便器本体2に排出されて、ボウル部2aが洗浄される。また、排水弁12が排水口10aを閉止することにより水洗便器本体2への洗浄水の供給の停止が行われる。排水弁12は、円形の外形を有すると共に排水口10aを開閉する弁体部12bと、弁体部12bから上方に延びると共に弁体部12bと連動する弁軸フレーム体12aと、C形状に形成され回転軸66を受け入れる支持部12d(図8参照)とを備えている。排水弁12は、弁軸フレーム体12aを鉛直方向に上下動させることにより弁体部12bを鉛直方向に上下動させ排水口10aを開閉させる直動式の排水弁装置を構成している。また、排水弁12は、排水弁水圧駆動部14の駆動力により引き上げられ、所定の高さまで引き上げられる所定のタイミングでクラッチ機構30が切断され、自重により降下する。排水弁12が降下する際、排水弁12はフロート装置26によって所定時間保持され、排水弁12が排水口10aに着座するまでの時間が調整される。
次に、図2乃至図7を参照して、排水弁水圧駆動部14について説明する。
図2、図4及び図5等に示すように、排水弁水圧駆動部14は、水道から供給された洗浄水の給水圧を利用して、排水弁12を駆動するように構成されている。具体的には、排水弁水圧駆動部14は、第1制御弁16から供給された水道水が洗浄水として供給されるシリンダ14aと、このシリンダ14a内に摺動可能に配置されたピストン28と、シリンダ14aの下端から突出して排水弁12を駆動するロッド32と、ピストン28に設けられると共にピストン28とシリンダ14aの内壁との間のシール機能を有するシール部材であるパッキン20と、シリンダ14a内に設けられると共にピストン28を第1の位置H1(図6参照)側に向けて付勢する付勢部材であるスプリング48と、を備える。
さらに、シリンダ14aの内部にはスプリング48が配置されており、ピストン28を下方に向けて付勢している。また、ロッド32の下端にはクラッチ機構30が設けられており、このクラッチ機構30により、ロッド32と排水弁12の弁軸フレーム体12aが連結・解除される。
シリンダ14aの軸線は、鉛直方向に向かうように配置されると共に、内部にピストン28を上下方向に摺動可能に受け入れている。また、シリンダ14aの下端部には、駆動部給水路34aが接続されており、第1制御弁16から流出した洗浄水がシリンダ14a内に流入するようになっている。シリンダ14aには水道水の給水圧を利用して洗浄水が流入される。このため、シリンダ14a内のピストン28は、シリンダ14aに流入した洗浄水により、スプリング48の付勢力に抗して押し上げられる。シリンダ14aには水道水のみが洗浄水として供給され、シリンダ14aには、貯水タンク10に一旦供給された洗浄水は流入されないようになっている。なお、ピストン28がシリンダ14a内で上下動する形態に限られず、ピストン28がシリンダ14a内で他の方向(例えば斜め方向又は左右方向)に移動する形態であってもよい。
一方、シリンダ14aの高さ方向の中央上部には駆動部排水路34bへの流出孔を形成する第1排水部14mが設けられ、駆動部排水路34bは、第1排水部14mを介してシリンダ14aの内部と連通している。従って、シリンダ14a下部に接続された駆動部給水路34aからシリンダ14a内に洗浄水が流入すると、ピストン28は、第1の位置H1(図6参照)であるシリンダ14aの下部から上方へ押し上げられる。そして、ピストン28が、第1排水部14mよりも上方の第2の位置H2(図11参照)まで押し上げられるように移動されると、シリンダ14aに流入した水は第1排水部14mから駆動部排水路34bを通って流出する。即ち、駆動部給水路34aと駆動部排水路34bは、ピストン28が第2の位置H2まで移動されると、シリンダ14aの内部を介して連通される。シリンダ14aから延びる駆動部排水路34bの先端部には吐出部54が形成されている。このように、駆動部排水路34bは、吐出部54まで延びる流路を形成している。
図6に示すように、シリンダ14aは、さらに、シリンダ14aの底部に形成された貫通孔部14fと、貫通孔部14fの後述する堤部14hとシリンダ14aの内壁14iとの間で残留された洗浄水を貯水可能な貯水部14jとを、備えている。
貫通孔部14fは、シリンダ14aの底部に形成された貫通孔の周囲部分から上方に向けて立ち上がる堤部14hと、その頂部近傍において内壁の径が高さ方向にほぼ一定になるように形成されている整流部14sと、を備えている。シリンダ14aの堤部14hは、上面視でロッド32の周りに環状に形成される。整流部14sは、堤部14hの頂部から所定距離下方まで形成されている。整流部14sは、鉛直方向に延びる縦壁を形成している。整流部14sは、ロッド32の外壁とほぼ平行に延び、整流部14sとロッド32との間の幅がほぼ一定の流路を形成している。これにより、整流部14sとロッド32との間を通る洗浄水の流れの乱れが抑制できる。
貯水部14jは、シリンダ14a内において堤部14hの頂部より低い位置の貯水部分を形成する。貯水部14jは、環状に形成される。シリンダ14aはパッキン20の下端が第1の位置H1である待機位置にある状態において、パッキン20が各便器洗浄後にシリンダ14a内の貯水部14jに残留された洗浄水に浸されるように、構成されている。ここで、シリンダ14a内に残留された洗浄水とは、各洗浄動作後にシリンダ14a内の洗浄水が徐々に貫通孔部14f等から流出し、この流出が終了した状態でシリンダ14a内に残留された洗浄水(図6において残留水位WL3により示す。)である。残留された洗浄水の残留水位WL3は、後述する堤部14hの頂部14kにより規定されている。なお、駆動部給水路34aは、排水弁水圧駆動部14からバキュームブレーカ36に向かう経路中において残留水位WL3の高さより高くなるように形成されている。よって、シリンダ14aからの洗浄水の流出が終了した状態で、洗浄水がシリンダ14a内に残留水位WL3まで貯溜された状態となる。ピストン28が第1の位置H1にある状態において、パッキン20が貯水部14j内に位置するように、パッキン20の上端20aは、堤部14hの頂部14kより低い高さ位置に位置する。なお、ピストン28(ピストン28の下端)が第1の位置であるとき、パッキン20(パッキン20の下端)も概ね第1の位置であるので、以下、ピストン28が第1の位置であるとき、パッキン20も第1の位置であるとして説明する。
図6に示すように、シリンダ14aは、洗浄水が流入する入口部14l(図4参照)と、入口部14lとは別に設けられると共に洗浄水を排出させる第1排水部14mと、第1排水部14mとは別に設けられると共にロッド32及びピストン28と貫通孔部14fとの間に形成される第2排水部14nとを備える。
入口部14lは、駆動部給水路34aと接続される。入口部14lは、シリンダ14aの貯水部14jの下部に接続されている。入口部14lは、ピストン28の下側に連通する流路を形成する。第1排水部14mは、駆動部排水路34bと接続され、駆動部排水路34bへの流出孔を形成する。第2排水部14nは、排水弁水圧駆動部14の下方側の貯水タンク10内の空間と連通する。第2排水部14nは、ロッド32と貫通孔部14fとの間及びピストン28と貫通孔部14fとの間に形成される。第2排水部14nは、シリンダ14aからの第2の流出路を形成する。第2排水部14nの流路の断面積の最小値は、第1排水部14mの流路の断面積の最小値よりも小さい。第2排水部14nの流路の断面積の最小値は、第1排水部14mの流路の断面積の最小値の半分以下であり、第2排水部14nは、第1排水部14mに対して補助排水流路を形成する。
第2排水部14nは、ピストン28が第1の位置H1にある状態で、堤部14hの頂部14kと下面部28cとの間で横向きに延びる第1流路14oと、堤部14hの外壁部14pとピストン28との間に形成されると共に第1流路14oから下方向きに屈曲して延びる第2流路14qと、ピストン28が第1の位置H1にある状態で、ロッド32と貫通孔部14fの内壁との間で下方向きに延びる第3流路14rと、を備える。なお、第1流路14oはピストン28が第1の位置H1にある状態では、頂部14kと下面部28cとがほぼ当接しているため比較的小さい隙間の流路となっている。第2流路14qと第1流路14oとにより断面視でL字形状に屈曲する流路を形成している。また、第2流路14qと第1流路14oと第3流路14rとにより断面視でコの字形状に屈曲する流路を形成している。なお、ピストン28が第1の位置H1にある状態で、頂部14kと下面部28cとが当接せずに比較的小さい隙間の流路の第1流路14oが形成されるように、ピストン28とシリンダ14aとが構成されていてもよい。
第2排水部14nの形状は、ピストン28の上下移動に合わせて変化される。よって、第2排水部14n内の流路の断面積の合計値や断面積の最小値は、ピストン28の動きに合わせて変化される。ピストン28が第1の位置H1から第2の位置H2に移動されるにつれ、第2排水部14n内の流路の断面積の合計値や断面積の最小値が増加され、第2排水部14nの圧力損失が減少するように第2排水部14nが形成されている。例えば、ピストン28が第1の位置H1から第2の位置H2に移動されるにつれ、第2排水部14n内の最小の流路の断面積が増加される。例えば、最小の流路の断面積は、堤部14hの頂部14kとピストン28の下面部28cとの間の第1流路14oの流路の断面積の最小値であり、ピストン28が上昇するにつれて第1流路14oの流路の断面積の最小値が大きくなる。ピストン28が第1の位置H1から第2の位置H2に移動されるにつれて、第2流路14qの流路の断面積の最小値も大きくなる。ピストン28が第1の位置H1から第2の位置H2に移動されるとき、第3流路14rの流路の断面積の最小値は一定となっている。
なお、後述するようにロッド32の下部の外径がロッド32の上部の外径よりも小さく形成されている場合には、ピストン28及びロッド32が上昇するにつれてロッド32と貫通孔部14fの内壁との間の第3流路14rの流路の断面積、例えば断面積の合計値及び最小値が増加され、第2排水部14nの圧力損失が減少するように、第2排水部14nが形成される。このとき、ピストン28が第1の位置H1にあるときの第3流路14rの流路の断面積の最小値(図7に示すロッド32と貫通孔部14fの内壁との間の第2排水部14nの流路の断面積F1)は、ピストン28が第2の位置H2にあるときのロッド32と貫通孔部14fの内壁との間の流路の断面積の最小値よりも小さくなっている。さらに、ピストン28が上昇するにつれて第1流路14oの流路の断面積の最小値が大きくなる。ピストン28が上昇するにつれて第2流路14qの流路の断面積の最小値が大きくなる。
シリンダ14aは概ね筒状の部材であり、シリンダ14aの内壁14iの内径が下方に進むにつれて小さくなるような円錐形に形成されている。ピストン28の第1の位置H1に対応する部分のシリンダ14aの内径R1(図5参照)が、シリンダの内径のうち最小の内径である。シリンダ14aの内径R1は、ピストン28の第2の位置H2に対応する部分のシリンダ14aの内径R2(図11参照)よりも小さい。シリンダ14aの内径は、第2の位置の内径R2から第1の位置の内径R1に向けて徐々に小さくなっている。
ロッド32は、ピストン28の下面に接続された棒状の部材であり、ピストン28と排水弁12を連結するようにピストン28から下方に延び、シリンダ14aの底部に形成された貫通孔部14fを通って、シリンダ14aの中から下方に突出するように延びている。シリンダ14aに流入した洗浄水の一部は、ロッド32と貫通孔部14fとの間の隙間を形成する第2排水部14nから流出する。第2排水部14nから流出した洗浄水は、貯水タンク10内に流入する。なお、この第2排水部14nは比較的狭く、流路抵抗が大きいため、第2排水部14nから洗浄水が流出する状態であっても、駆動部給水路34aからシリンダ14aに流入する洗浄水によりシリンダ14a内の圧力が上昇し、スプリング48の付勢力に抗してピストン28が押し上げられる。
図6に示すように、ロッド32の中心軸線G1及び貫通孔部14fの中心軸線G2は、シリンダ14aの中心軸線G3と同一軸線上に位置している。ロッド32の全体における各外径のうち最大の外径D1は、貫通孔部14fの全体における各内径のうち最小の内径D2よりも小さい。本実施形態においては、ロッド32の外径は、その上部から下部までほぼ一定に形成されている。なお、ロッド32の下部の外径がロッド32の上部の外径よりも小さく形成されていてもよい。
本実施形態においては、ピストン28は、シリンダ14a内で上下動するように構成されている。ピストン28の第1の位置H1(図5及び図6参照)は第2の位置H2(図11参照)より下方に位置している。第2の位置H2は、シリンダ14aの中央部近傍の第1排水部14mよりも上方の位置であり、例えばシリンダ14aの中央部近傍且つ上方側の位置である。ピストン28は、スプリング48からの付勢力を受ける受力部28aと、パッキン20の上側に形成される上部外周部28bとを備えている。
受力部28aは、上面視で堤部14hの外側に形成されている。受力部28aは環状の凹部により形成されている。受力部28aは、スプリング48の下端と当接する。受力部28aは、ピストン28及びパッキン20が第1の位置H1にある状態において、堤部14hの頂部14kよりも下方に位置する。上部外周部28bとシリンダ14aの内壁14iとの間には、洗浄水を通水させる通水隙間29が形成される。通水隙間29は全周にわたって概ね均一な幅で環状に形成される。シリンダ14aが円錐形に形成されているので、通水隙間29は、ピストン28がシリンダ14aの上方から下方に移動するにつれて、通水隙間29がシリンダ14aの上方から下方に向かうにつれて次第に小さくなる。
図6に示すように、パッキン20は、ピストン28に取り付けられ、シリンダ14aの内壁面とピストン28の間のシールの水密性を確保する機能を有している。パッキン20は、断面がU字形状に形成されたいわゆるUパッキンである。パッキン20は、U字形状の開放側部分が下方に向けられ、断面が逆さまのU字形状となるように配置されている。ピストン28が第1の位置である待機位置にある場合に、パッキン20の下端14gが、貯水タンク10の満水水位WLより上方に位置する。パッキン20は、ゴムにより形成された弾性部材である。パッキン20は、ピストン28と共に、シリンダ14aの内壁面に対して摺動するため、洗浄水が漏れにくくなるような一定程度のシール機能を有していればよく、パッキン20とシリンダ14aの内壁面との間で洗浄水がわずかに漏洩していてもよい。パッキン20は、シール部の形状がリップ状に形成されているリップパッキン(リップパッキンのうち例えばLパッキン、Vパッキン等)、スクィーズを与えてシールするスクィーズパッキン(スクィーズパッキンのうち例えばOリング、Xリング等)等であってもよい。
次に、図2を参照して、第1制御弁16及び第2制御弁22等を説明する。
第1制御弁16は、電磁弁18の作動に基づいて排水弁水圧駆動部14への給水を制御すると共に、吐出部54への給水、停止を制御するように構成されている。即ち、第1制御弁16は、主弁体16aと、この主弁体16aによって開閉される主弁口16bと、主弁体16aを移動させるための圧力室16cと、この圧力室16c内の圧力を切り替えるパイロット弁16dと、を備えている。
主弁体16aは、第1制御弁16の主弁口16bを開閉するように構成され、主弁口16bが開弁されると、給水管38から供給された水道水が排水弁水圧駆動部14に流入する。圧力室16cは、第1制御弁16の筐体内に、主弁体16aに隣接して設けられている。この圧力室16cには、給水管38から供給された水道水の一部が流入し、内部の圧力が上昇するように構成されている。圧力室16c内の圧力が上昇すると、主弁体16aが主弁口16bに向けて移動され、主弁口16bが閉弁される。
パイロット弁16dは、圧力室16cに設けられたパイロット弁口(図示せず)を開閉するように構成されている。パイロット弁によってパイロット弁口(図示せず)が開弁されると圧力室16c内の水が流出して内部の圧力が低下する。圧力室16c内の圧力が低下すると主弁体16aが主弁口16bから離座し、第1制御弁16が開弁される。また、パイロット弁16dが閉弁されたとき、圧力室16c内の圧力が上昇し、第1制御弁16が閉弁される。
パイロット弁16dは、パイロット弁16dに取り付けられた電磁弁18により移動され、パイロット弁口(図示せず)を開閉する。電磁弁18はコントローラ40に電気的に接続され、コントローラ40からの指令信号に基づいてパイロット弁16dを移動させる。具体的には、リモコン装置6や人感センサ8からの信号をコントローラ40が受信し、コントローラ40は電磁弁18に電気信号を送り、これを作動させる。
また、第1制御弁16と排水弁水圧駆動部14の間の駆動部給水路34aには、バキュームブレーカ36が設けられている。このバキュームブレーカ36により、第1制御弁16側が負圧になった場合には、第1制御弁16側への水の逆流が防止される。
次に、第2制御弁22は、電磁弁24の作動に基づいて貯水タンク10への給水、停止を制御するように構成されている。この第2制御弁22は、第1制御弁16を介して給水管38に接続されているが、第1制御弁16の開閉に関わらず、給水管38から供給された水道水は常に第2制御弁22に流入するようになっている。また、第2制御弁22には、主弁体22a、圧力室22b、及びパイロット弁22cが備えられ、電磁弁24によりパイロット弁22cが開閉される。電磁弁24によりパイロット弁22cが開弁されると、第2制御弁22の主弁体22aが開弁され、給水管38から流入した水道水が貯水タンク10内又はオーバーフロー管10bに供給される。また、電磁弁24はコントローラ40に電気的に接続され、コントローラ40からの指令信号に基づいてパイロット弁22cを移動させる。具体的には、リモコン装置6の操作に基づいてコントローラ40は電磁弁24に電気信号を送り、これを作動させる。なお、電磁弁24は省略されてもよく、電磁弁24が省略された場合には、後述するようにパイロット弁22cはフロートスイッチ42により制御される。
一方、パイロット弁22cには、フロートスイッチ42が接続されている。フロートスイッチ42は、貯水タンク10内の水位に基づいてパイロット弁22cを制御し、パイロット弁口(図示せず)を開閉するように構成されている。即ち、フロートスイッチ42は、貯水タンク10内の水位が所定の水位に到達するとパイロット弁22cに信号を送り、パイロット弁口(図示せず)を閉弁させる。即ち、フロートスイッチ42は、貯水タンク10内の貯水水位を止水水位である所定の満水水位WLに設定するように構成されている。フロートスイッチ42は貯水タンク10内に配置されており、貯水タンク10の水位が満水水位WLまで上昇すると、第1制御弁16から排水弁水圧駆動部14への給水を停止させるように構成されている。なお、フロートスイッチ42は、ボールタップ機構に変更可能である。このボールタップ機構は、水位に応じて上下動するボールタップ用フロートと、ボールタップ用フロートに接続されると共にパイロット弁22cに作用する支持アームとを備えている。これにより、ボールタップ機構は、貯水タンク10の水位が満水水位WLまで上昇すると、ボールタップ用フロートが上昇し、ボールタップ用フロートに接続された支持アームが上方に回動され、機械的にパイロット弁22cのパイロット弁口(図示せず)を閉弁させる。ボールタップ機構は、貯水タンク10の水位が満水水位WLより下降すると、ボールタップ用フロートが下降し、ボールタップ用フロートに接続された支持アームが下方に回動され、機械的にパイロット弁22cのパイロット弁口(図示せず)を開弁させる。
また、第2制御弁22から延びる給水路50には給水路分岐部50aが設けられている。給水路分岐部50aにおいて分岐した給水路50の一方は貯水タンク10内に水を流出させ、他方がオーバーフロー管10bの中に水を流出させるように構成されている。従って、第2制御弁22から供給された洗浄水の一部は、オーバーフロー管10bを通って水洗便器本体2に排出され、残りは貯水タンク10内に貯留される。
また、給水路50には、バキュームブレーカ44が設けられている。このバキュームブレーカ44により、第2制御弁22側が負圧になった場合には、第2制御弁22側への水の逆流が防止される。
また、水道から供給された水は、貯水タンク10の外側に配置された止水栓38a、この止水栓38aの下流側の、貯水タンク10の中に配置された定流量弁38bを介して第1制御弁16及び第2制御弁22に夫々供給される。止水栓38aは、メンテナンス時等に洗浄水タンク装置4への水の供給を停止させるために設けられており、通常は開栓された状態で使用される。定流量弁38bは、水道から供給された水を、所定流量で第1制御弁16、第2制御弁22に流入させるために設けられており、水洗便器装置1の設置環境に関わらず一定流量の水が供給されるように構成されている。
コントローラ40は、CPU及びメモリ等を内蔵し、メモリ等に記録された所定の制御プログラムに基づいて後述する大洗浄モード及び小洗浄モードを実行するように接続された機器を制御する。コントローラ40は、リモコン装置6、人感センサ8、電磁弁18及び電磁弁24等と電気的に接続されている。
次に、フロート装置26を説明する。フロート装置26は、排水弁12の近傍に設けられている。フロート装置26は、弁軸フレーム体12aが所定距離吊り上げられ、クラッチ機構30により弁軸フレーム体12aが切り離された後、排水弁12の弁軸フレーム体12aが降下して、排水口10aを閉弁させるのを遅延させるように構成されている。具体的には、フロート装置26は、フロート部26aと、このフロート部26aと連動した係合部26bと、を有する。一方、排水弁12の弁軸フレーム体12aの基端部には、係合部26bと係合可能に形成された保持爪12gが形成されている。
係合部26bは、クラッチ機構30により切り離されて降下してきた弁軸フレーム体12aの保持爪12gと係合し、弁軸フレーム体12a及び排水弁12が降下して、排水口10aに着座するのを阻止するように構成されている。次いで、貯水タンク10内の水位低下と共にフロート部26aが下降し、貯水タンク10内の水位が所定水位まで低下すると、フロート部26aが係合部26bを回動させて、係合部26bと保持爪12gの係合が解除される。係合が解除されることにより、弁軸フレーム体12a及び排水弁12は降下して、排水口10aに着座する。これにより、排水弁12の閉弁が遅延され、適正量の洗浄水が、排水口10aから排出されるようになっている。
次に、図8乃至図13を参照して、クラッチ機構30の構成及び作用を説明する。
図8に示すように、クラッチ機構30は、排水弁水圧駆動部14から下方に延びるロッド32の下端に設けられ、ロッド32の下端と、排水弁12の弁軸フレーム体12aの上端を連結・解除するように構成されている。
クラッチ機構30は、排水弁12と排水弁水圧駆動部14との連結の切断をするように可動する可動体60と、ロッド32の先端側においてロッド32の外形を上部よりも細く形成した薄肉部33と、ロッド32の薄肉部33の下端において再び拡径された引上部35と、ロッド32の外側においてシリンダ14aの底面から下方に垂下する規制部37(図5参照)と、を備えている。
可動体60は排水弁12の弁軸フレーム体12aに設けられている。可動体60は弁軸フレーム体12aの支持部12dに回動可能に取付けられている。可動体60は支持部12dに取付けられた状態で排水弁側で動作する可動機構を形成する。可動体60は、後述する係合側姿勢と非係合側姿勢とを回転動作により切り換えるように構成されている。
可動体60は、横向きに延びるベースプレート62と、ベースプレートの側方の両側から縦方向に立ち上がるアーム64と、可動体60の回転動作の中心となる回転軸66と、排水弁水圧駆動部14のロッド32が排水弁12を引き上げようとするときに排水弁水圧駆動部14のロッド32が当接される当接部68とを備えている。
クラッチ機構30は、待機状態ではロッド32の引上部35が可動体60の当接部68の下側に位置するようになっている。クラッチ機構30は、ロッド32が待機状態から引き上げられるときに可動体60がロッド32の引上部35と当接し、排水弁12の弁軸フレーム体12aを引き上げる。また、図10に示すように、ロッド32が所定の高さまで引き上げられるとき、クラッチ機構30のベースプレート62が、規制部37に当たり、可動体60が回転してクラッチ機構30が切断される。図12、図13に示すように可動体60及び排水弁12が下降された後、ロッド32も下降してクラッチ機構30の待機状態に戻る。
次に、図2、図6等を参照して、本発明の一実施形態による洗浄水タンク装置4、及びそれを備えた水洗便器装置1の一連の洗浄動作を説明する。
まず、図2に示す便器洗浄の待機状態においては、貯水タンク10内の水位は所定の満水水位WLにあり、この状態では、第1制御弁16及び第2制御弁22は何れも閉弁されている。また、フロート装置26は、待機状態にされている。次に、使用者がリモコン装置6の洗浄ボタンを押すと、リモコン装置6は、便器洗浄の指示信号をコントローラ40に送信する。なお、本実施形態の水洗便器装置1においては、人感センサ8によって使用者の離座が検知された後、リモコン装置6の洗浄ボタンが押されることなく、所定時間経過した場合にも、便器洗浄の指示信号がコントローラ40に送信される。
図6に示すように、待機状態において、排水弁水圧駆動部14のピストン28はシリンダ14a内において第1の位置H1にある。ピストン28の第1の位置H1は移動可能範囲のうちの下限の位置である。ピストン28はシリンダ14a内において停止されている。このとき、パッキン20の下端20bが、貯水タンク10の満水水位WLより上方に位置する。従って、パッキン20は、例えば便器洗浄用の塩素薬剤等、何が使用者により投入されるか分からない貯水タンク10内に貯水された洗浄水に浸されないように、水道水からの洗浄水が直接供給される領域に配置されている。よって、このような薬剤等にパッキン20が浸されることにより劣化されることを抑制できる。
一方、待機状態において、シリンダ14a内の貯水部14jにおいて洗浄水が残留している残留水位WL3が形成されている。ピストン28が第1の位置である待機位置にある状態において、パッキン20がシリンダ14a内の貯水部14jに残留された洗浄水に浸され水没されている。これにより、パッキン20の大部分が乾燥するまで乾くことを抑制でき、パッキン20が洗浄水に濡れたり乾いたりを繰り返すことによるパッキン20での水道水からのスケール(析出物)の形成を抑制できる。
また、パッキン20は、例えば使用者により何が便器洗浄用の洗浄剤が投入されるか分からない貯水タンク10内に貯水された洗浄水とは異なり、水道水から直接供給された洗浄水に浸されることにより、便器洗浄剤等の塩素等によるパッキン20の劣化も抑制できる。
ピストン28が第1の位置H1にある状態におけるパッキン20の変形量は、ピストン28が第1の位置H1から第2の位置H2に移動される間の各位置における弾性部材の変形量のうち最大の変形量となっている。パッキン20の変形量は、U字形状のパッキンの開き部分の開き幅によりもとめられる。例えば、ピストン28が第1の位置H1にある状態におけるパッキン20の開き幅W1(図6参照)は、ピストン28が第2の位置H2にある状態におけるパッキン20の開き幅W2(図11参照)よりも小さくなっている。パッキン20の開き幅W2は、パッキン20がシリンダ14a内に収納されていない当初の状態のパッキン20の開き幅W3(図示せず)よりも小さくなっている。また、ピストン28が第1の位置H1から第2の位置H2に移動されるにつれパッキン20の開き幅は徐々に大きくなっている。このように、ピストン28が第1の位置H1にある状態におけるパッキン20の変形量(W3−W1)は、ピストン28が第2の位置H2にある状態におけるパッキン20の変形量(W3−W2)よりも大きい。
ピストン28が第1の位置H1にある待機状態において、スプリング48は最も延びた状態であり、堤部14hの頂部14kは、下面部28cと当接している。ピストン28は、スプリング48により第1の位置側に向けて付勢されており、頂部14kに当接した状態で停止している。
ピストン28が第1の位置H1にある待機状態において、第2排水部14n内の流路の断面積は、ロッド32と貫通孔部14fとの間及びピストン28と貫通孔部14fとの間の流路の断面積により決定される。第2排水部14n内の最小の流路の断面積は、第1流路14oの断面積であり、頂部14kと下面部28cとが概ね当接しているので、第2排水部14nの圧力損失が大きくなっている。
次に、便器洗浄をすべき指示信号を受信すると、コントローラ40は、第1制御弁16に備えられた電磁弁18(図2)を作動させ、電磁弁側のパイロット弁16dをパイロット弁口から離座させる。これにより、圧力室16c内の圧力が低下し、主弁体16aが主弁口16bから離座して、主弁口16bが開弁される。第1制御弁16が開弁されると、給水管38から流入した洗浄水が、第1制御弁16を介して排水弁水圧駆動部14に供給される。これにより、排水弁水圧駆動部14のピストン28が押し上げられ、ロッド32を介して排水弁12が引き上げられ、貯水タンク10内の洗浄水が排水口10aから水洗便器本体2へ排出される。
排水弁12が引き上げられる際、排水弁12の弁軸フレーム体12aに設けられた保持爪12gがフロート装置26の係合部26bを押し上げて回動させ、保持爪12gは係合部26bを越えて上昇する。
ピストン28の待機状態以後、例えばピストン28の上昇時において、ピストン28より下方側のシリンダ14aの下方側室14b内に流入した洗浄水は、シール機能を有するパッキン20によって下方側室14b内に留められ、ピストン28を上昇させる力を生じさせる。一方で、ピストン28及びパッキン20がシリンダ14a内を上下移動するため、下方側室14b内に流入した洗浄水の一部はパッキン20とシリンダ14aの内壁14iとの間を通過してピストン28の上側の上方側室14eに漏れ出す。このとき、上部外周部28bと内壁14iとの間には、通水隙間29が形成されているので、パッキン20の上部側をより洗浄水に浸しやすくできる。また、パッキン20の上部側の全体に洗浄水を浸しやすくできる。よって、パッキン20の上部側を含むパッキン20の全体が洗浄水に浸された状態となる。なお、後述するようなクラッチ機構30が切断された後のピストン28の下降時、及び待機状態においても、上方側室14eに流入された洗浄水が通水隙間29によりパッキン20の上部側を浸しやすくされている。
次に、図10に示すように、更に排水弁12が引き上げられると、クラッチ機構30が切断される。即ち、排水弁12が所定の高さに到達すると、クラッチ機構30のベースプレート62が、規制部37に当たり、クラッチ機構30が切断される。
次に、図11に示すように、クラッチ機構30が切断されると、排水弁12は、自重により排水口10aに向けて降下し始める。降下してきた排水弁12の保持爪12gが、フロート装置26の係合部26bと係合し、排水弁12は係合部26bによって所定の高さに保持される。排水弁12が係合部26bによって保持されることにより、排水口10aは開弁状態に維持され、貯水タンク10内の洗浄水の水洗便器本体2への排出が維持される。このとき、パイロット弁16dは依然として開状態であり、給水管38から流入した洗浄水が、第1制御弁16を介して排水弁水圧駆動部14に供給される。
ピストン28が第1排水部14mよりも上方の第2の位置まで上昇されるとき、駆動部給水路34aと駆動部排水路34bとが、シリンダ14aの内部を介して連通され、洗浄水が吐出部54から貯水タンク10内に吐出される。
このとき、上部外周部28bと内壁14iとの間の通水隙間29は、シリンダ14aの上方から下方に向かうにつれて小さくなるように形成される。すなわち、通水隙間29は、シリンダ14aの上方においては比較的大きく形成されている。また、ピストン28がシリンダ14aの上方に位置する場合には、シリンダ14aの下部に位置する場合と比べて、洗浄水がパッキン20と内壁14iとの間から上方側室14eに漏れ出しやすくなっている。これにより、洗浄水の一部が、下方側室14bからパッキン20の上方側の上方側室14eに漏れ出した状態となる。よって、パッキン20の上方側を含むパッキン20の全体が洗浄水に浸された状態となる。また、ピストン28が第2の位置H2にある状態におけるパッキン20の開き幅は、開き幅W2となっている。
ピストン28が第2の位置H2にある状態における第2排水部14nについては、頂部14kと下面部28cとが離れ、第1流路14oの流路の断面積の最小値が増加され、さらに、第2流路14qの流路の断面積の最小値も増加されている。一方、第3流路14rの流路の断面積の最小値は一定のままである。このように、ピストン28が第2の位置H2に向けて上昇するにつれ、頂部14kと下面部28cとが離れ、第1流路14o及び第2流路14qの流路の断面積が増加され、第2排水部14n内の流路の断面積の合計値や最小値が増加され、第2排水部14nの圧力損失が小さくなる。なお、ピストン28が第2の位置H2にある状態において、クラッチ機構30が切断される。このようにクラッチ機構30が切断されるときに、第2排水部14nの流路の断面積の最小値がピストン28の第1の位置H1から第2の位置H2までにおける変化範囲のうち最大の流路の断面積の値となる。よって、クラッチ機構30が切断されるときに、第2排水部14nの圧力損失が、ピストン28の第1の位置H1から第2の位置H2までに対応する圧力損失の変化範囲のうち最小の圧力損失となっている。
次いで、貯水タンク10内の水位が低下すると、貯水タンク10内の水位を検出しているフロートスイッチ42がオフになる。フロートスイッチ42がオフになると、第2制御弁22に備えられたパイロット弁22cが開弁される。よって、第2制御弁22から給水路50を介して洗浄水が貯水タンク10内に供給される。コントローラ40は電磁弁18の開弁から所定時間経過した時点で電磁弁18を閉弁させ、電磁弁側のパイロット弁16dを閉弁させる。第1制御弁16の主弁体16aは、パイロット弁16dが閉弁されたとき、閉弁される。電磁弁側のパイロット弁16dが閉弁された後も、第2制御弁22の開弁状態は維持され、貯水タンク10への給水は継続される。第1制御弁16が閉弁されるので、洗浄水の排水弁水圧駆動部14及び吐出部54への供給が停止される。
また、貯水タンク10内の水位が、所定水位WL1まで低下すると、フロート装置26のフロート部26aが下降し、これが係合部26bを移動させる。これにより、弁軸フレーム体12aと係合部26bとの係合が解除され、弁軸フレーム体12a及び排水弁12は再び降下し始める。
これにより、排水弁12が排水口10aに着座し、排水口10aが閉塞される。第1制御弁16が閉弁され、排水弁水圧駆動部14への給水が停止された後、排水弁水圧駆動部14のシリンダ14a内の洗浄水が徐々に第2排水部14nから流出すると共に、ピストン28がスプリング48の付勢力により押し下げられ、これと共にロッド32が低下する。
これにより、図13に示すように、ロッド32の先端部32aがベースプレート62に当接し、可動体60は、弁軸フレーム体12aと、ロッド32との間で挟まれて停止され、便器洗浄が開始される前の待機状態(図5参照)に復帰する。
ピストン28が再び第1の位置H1の待機状態に戻った状態で、ピストン28の上方側の上方側室14e内に洗浄水の一部が漏れ出した状態となっている。通水隙間29は、シリンダ14aの上方から下方に向かうにつれて小さくなるように形成されるので、ピストン28が第1の位置H1にあるとき、パッキン20の上方側の洗浄水が通水隙間29から下方に向けて通り抜けにくくすることができる。これにより、洗浄水が上方側室14eに維持されやすくなり、パッキン20の上部側をさらに洗浄水に浸しやすくできる。よって、パッキン20の上方側を含むパッキン20の全体が洗浄水に浸された状態となる。
フロートスイッチ42は依然としてオフ状態であるため、第2制御弁22の開弁状態が維持され、貯水タンク10への給水が継続される。給水路50を介して供給される洗浄水は、給水路分岐部50aへ至り、給水路分岐部50aにおいて分岐された洗浄水の一部がオーバーフロー管10bに流入し、残りが貯水タンク10内に貯留される。オーバーフロー管10bに流入した洗浄水は、水洗便器本体2に流入し、ボウル部2aのリフィルに使用される。一方、排水弁12が閉弁された状態で、貯水タンク10内に流入される洗浄水により、貯水タンク10内の水位が上昇する。
貯水タンク10内の水位が所定の満水水位WLまで上昇すると、フロートスイッチ42がオンになる。フロートスイッチ42がオンにされると、フロートスイッチ側のパイロット弁22cが閉弁される。これにより、パイロット弁22cが閉弁された状態となるので、圧力室22b内の圧力が上昇し、第2制御弁22の主弁体22aが閉弁され、給水が停止される。よって、図2に示すような、貯水タンク10内の機器が待機状態に戻った状態となる。
上述した本発明の一実施形態による洗浄水タンク装置4によれば、ピストン28が第1の位置にある場合に、パッキン20の下端が、貯水タンク10の満水水位WLより上方に位置する。これにより、例えば便器洗浄用の塩素薬剤等、何が使用者により投入されるか分からない貯水タンク10内に貯水された洗浄水に、パッキン20が浸されることによりパッキン20が劣化することを抑制できる。よって、排水弁水圧駆動部14が動作不良となる可能性を低減できる。
さらに、本発明の一実施形態による洗浄水タンク装置4によれば、排水弁水圧駆動部14のシリンダ14aは、ピストン28が第1の位置H1にある状態において、パッキン20がシリンダ14a内に残留された洗浄水に浸されるように、構成されている。これにより、パッキン20が洗浄水に濡れたり乾いたりを繰り返すことによるパッキン20での水道水からのスケール(析出物)の形成を抑制できると共に、貯水タンク10内に貯水された洗浄水に、パッキン20が浸されることにより劣化されることを抑制できる。よって、パッキン20へのスケールの形成を抑制しつつパッキン20の劣化を抑制できる。一方で、仮にスケールの形成を抑制するためにパッキン20を貯水タンク10内の洗浄水に水没させようとする場合、貯水タンク10内の洗浄水の水位の変化に関わらずパッキン20を水没させておくためには、貯水タンク10の水位の下限となる死水水位よりも下方の底面側にパッキン20を配置させる必要があり、パッキン20の配置、それに伴うピストン28及びシリンダ14aの配置の自由度が損なわれる。これに対して、本発明の一実施形態によれば、スケールの形成を抑制しつつ、このような配置の自由度が損なわれる問題の発生を抑制でき、パッキン20が比較的に自由に配置できる。
さらに、本発明の一実施形態による洗浄水タンク装置4によれば、ピストン28が第1の位置H1にある状態において、パッキン20が貯水部14j内に位置するように、パッキン20の上端は、堤部14hの頂部14kより低い高さ位置に位置する。よって、比較的簡単な構成により、パッキン20が洗浄水に濡れたり乾いたりを繰り返すことによるパッキン20での水道水からのスケール(析出物)の形成を抑制できると共に、貯水タンク10内に貯水された洗浄水に、パッキン20が浸されることにより劣化されることを抑制できる。よって、比較的簡単な構成により、パッキン20へのスケールの形成を抑制しつつパッキン20の劣化を抑制できる。
さらに、本発明の一実施形態による洗浄水タンク装置4によれば、ピストン28が第1の位置H1にある状態において、堤部14hの頂部14kはピストン28の下面部28cと当接する。これにより、貯水部14j内の洗浄水の流出を抑制でき、パッキン20が洗浄水に浸されている状態を継続しやすくできる。
さらに、本発明の一実施形態による洗浄水タンク装置4によれば、シリンダ14aの堤部14hは、上面視でロッド32の周りに環状に形成され、ピストン28が第1の位置H1にある状態において、堤部14hの頂部14kはピストン28の下面部28cと当接する。これにより、貯水部14j内の洗浄水の流出をより抑制でき、パッキン20が洗浄水に浸されている状態をより継続しやすくできる。
さらに、本発明の一実施形態による洗浄水タンク装置4によれば、排水弁水圧駆動部14は、さらに、シリンダ14a内に設けられると共にピストン28を第1の位置H1側に向けて付勢するスプリング48を備える。ピストン28が第1の位置H1にある状態において、堤部14hの頂部14kとピストン28の下面部28cとの当接をより維持しやすくできる。これにより、貯水部14j内の洗浄水の流出をより抑制でき、パッキン20が洗浄水に浸されている状態をより継続しやすくできる。
さらに、本発明の一実施形態による洗浄水タンク装置4によれば、排水弁水圧駆動部14のピストン28は、スプリング48からの付勢力を受ける受力部28aを備え、受力部28aは、上面視で堤部14hの外側に形成されている。これにより、ピストン28の受力部28aがスプリング48からの付勢力をより確実に受けることができ、貯水部14j内の洗浄水の流出をさらに抑制でき、パッキン20が洗浄水に浸されている状態をさらに継続しやすくできる。
さらに、本発明の一実施形態による洗浄水タンク装置4によれば、排水弁水圧駆動部14のピストン28の受力部28aは、ピストン28が第1の位置H1にある状態において、堤部14hの頂部14kよりも下方に位置する。これにより、ピストン28がスプリング48からの付勢力を受ける際に、力点として付勢力を受ける受力部28aが、支点として機能する堤部14hの頂部14kよりも下方に位置する。よって、ピストン28の受力部28aが付勢力を受けるときにピストン28が堤部14hの頂部14kに対して偏った向きに倒れにくくピストン28の動作をより安定させることができる。従って、貯水部14j内の洗浄水の流出を安定的に抑制でき、パッキン20が洗浄水に浸されている状態を安定的に継続しやすくできる。
さらに、本発明の一実施形態による洗浄水タンク装置4によれば、排水弁水圧駆動部14のピストン28は、さらに、パッキン20の上側に形成される上部外周部28bを備え、上部外周部28bとシリンダ14aの内壁との間には、洗浄水を通水させる通水隙間29が形成される。これにより、パッキン20の上部側をより洗浄水に浸しやすくできる。
さらに、本発明の一実施形態による洗浄水タンク装置4によれば、上部外周部28bとシリンダ14aの内壁との間の通水隙間29は、シリンダ14aの上方から下方に向かうにつれて小さくなるように形成される。これにより、ピストン28がシリンダ14aの上方から下方に向かうにつれて、上部外周部28bとシリンダ14aの内壁との間の通水隙間29が小さくなり、パッキン20の上方側の洗浄水が通水隙間29から抜けにくくすることができ、パッキン20の上部側をさらに洗浄水に浸しやすくできる。
さらに、本発明の一実施形態は、水洗便器装置1であって、水洗便器本体2と、排水弁水圧駆動部14が動作不良となる可能性を低減できる洗浄水タンク装置4と、を有することを特徴としている。
1 水洗便器装置
4 洗浄水タンク装置
10 貯水タンク
10a 排水口
12 排水弁
14 排水弁水圧駆動部
14a シリンダ
14g 下端
14h 堤部
14i 内壁
14j 貯水部
14k 頂部
20 パッキン
20a 上端
26b 上面
28 ピストン
28a 受力部
28b 上部外周部
28c 下面部
29 通水隙間
32 ロッド
H1 第1の位置
H2 第2の位置

Claims (11)

  1. 水洗便器への洗浄水の供給を行う洗浄水タンク装置であって、
    上記水洗便器に供給すべき洗浄水を貯留すると共に、貯留した洗浄水を上記水洗便器へ排出するための排水口が形成された貯水タンクと、
    上記排水口を開閉し、上記水洗便器への洗浄水の供給、停止を行う排水弁と、
    供給された水道水の給水圧を利用して、上記排水弁を駆動する排水弁水圧駆動部であって、
    上記水道水が洗浄水として供給されるシリンダと、
    上記シリンダ内に摺動可能に配置されると共に、洗浄水が上記シリンダ内に流入することにより第1の位置から第2の位置に移動されるピストンと、
    上記ピストンに設けられると共に上記ピストンと上記シリンダの内壁との間のシール機能を有するシール部材と、を備える上記排水弁水圧駆動部と、を備え、
    上記ピストンが上記第1の位置にある場合に、上記シール部材の下端が、上記貯水タンクの止水水位より上方に位置する、洗浄水タンク装置。
  2. 上記排水弁水圧駆動部の上記シリンダは、上記ピストンが上記第1の位置にある状態において、上記シール部材が上記シリンダ内に残留された洗浄水に浸されるように、構成されている、請求項1記載の洗浄水タンク装置。
  3. 上記排水弁水圧駆動部の上記ピストンは上記シリンダ内で上下動するように構成され、上記第1の位置は上記第2の位置より下方に位置し、
    上記シリンダは、その底部の貫通孔の周囲部分から上方に向けて立ち上がる堤部と、この堤部と上記シリンダの内壁との間で残留された洗浄水を貯水可能な貯水部とを、備え、
    上記ピストンが上記第1の位置にある状態において、上記シール部材が上記貯水部内に位置するように、上記シール部材の上端は、上記堤部の頂部より低い高さ位置に位置する、請求項2に記載の洗浄水タンク装置。
  4. 上記ピストンが上記第1の位置にある状態において、上記堤部の頂部は上記ピストンの下面部と当接する、請求項3に記載の洗浄水タンク装置。
  5. 上記排水弁水圧駆動部は、さらに、上記ピストンから下方に延びるロッドを備え、
    上記シリンダの上記堤部は、上面視で上記ロッドの周りに環状に形成される、請求項4に記載の洗浄水タンク装置。
  6. 上記排水弁水圧駆動部は、さらに、上記シリンダ内に設けられると共に上記ピストンを上記第1の位置側に向けて付勢する付勢部材を備える、請求項4又は5に記載の洗浄水タンク装置。
  7. 上記排水弁水圧駆動部の上記ピストンは、上記付勢部材からの付勢力を受ける受力部を備え、上記受力部は、上面視で上記堤部の外側に形成されている、請求項6に記載の洗浄水タンク装置。
  8. 上記排水弁水圧駆動部の上記ピストンの上記受力部は、上記ピストンが上記第1の位置にある状態において、上記堤部の頂部よりも下方に位置する、請求項7に記載の洗浄水タンク装置。
  9. 上記排水弁水圧駆動部の上記ピストンは、さらに、上記シール部材の上側に形成される上部外周部を備え、上記上部外周部と上記シリンダの内壁との間には、洗浄水を通水させる通水隙間が形成される、請求項3乃至8の何れか1項に記載の洗浄水タンク装置。
  10. 上記上部外周部と上記シリンダの内壁との間の通水隙間は、上記シリンダの上方から下方に向かうにつれて小さくなるように形成される、請求項9に記載の洗浄水タンク装置。
  11. 水洗便器装置であって、
    請求項1乃至10の何れか1項に記載の洗浄水タンク装置と、
    この洗浄水タンク装置から供給される洗浄水により洗浄される上記水洗便器と、
    を有することを特徴とする水洗便器装置。
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