JP2021192024A - 排泄物分析装置、分析システム、サーバ装置、及びプログラム - Google Patents

排泄物分析装置、分析システム、サーバ装置、及びプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】トイレの使用者へのプライバシーへの配慮を行いつつ、トイレの使用者から聞き取る必要なく便器に排泄した排泄物の内容を示す情報を正確に収集し、且つ、監視者への即座の通知が必要な場面にも対応することを可能にする。【解決手段】排泄物分析装置1は、入力部1a、保持部1b、第1分析部1c、及び第2分析部1dを備える。入力部1aは、トイレの便器における排泄物の排泄範囲を撮像範囲に含めるように設置された撮像装置で撮像された撮像データを入力する。保持部1bは、入力部1aで入力された撮像データを一時的に保持する。第1分析部1cは、入力部1aで入力された撮像データである第1分析対象データを分析し、トイレの使用者を監視する監視者への通知情報を出力する。第2分析部1dは、入力部1aで入力され保持部1bで一時的に保持された撮像データである第2分析対象データを分析し、排泄の内容を示す詳細情報を出力する。【選択図】図1

Description

本開示は、排泄物分析装置、分析システム、サーバ装置、及びプログラムに関する。
介護現場において排泄介助を行う介護士は、要介護者の尊厳を維持しつつ、要介護者の失禁を減らし、自立支援を促すことが求められている。介護現場における排泄介助は、場合によって要介護者の尊厳を傷付ける可能性が含まれているため、介護士は多くの負担を強いられることになり、業務の負荷軽減のための支援が求められている。
また、介護士は、要介護者が便座からの退座やトイレからの退出の際に介助を必要とする者である場合や、トイレ内での不慮の事態を防ぐ目的で、排泄行為の前後で、介護者による付きっきりの介助を行う場合がある。介護者の負担は、この点においても大きいと言える。
介護士の業務には、要介護者の排泄介助において排泄日誌を作成する業務も含まれる。そのため、介護士は、要介護者と一緒にトイレに入室して要介護者の排泄行為を観察するか、若しくは、要介護者から聞き取りを行うかにより、排泄日誌に記載する情報を得ている。
前者の場合、主に要介護者が認知症などにより正確な情報が聞き取れない要介護者に対して行われる。そして、前者の場合、排泄という行為を観察されることは要介護者にとって恥辱を伴うものであるため、要介護者の尊厳を傷つける場面が生じ易いと言え、このような場面での観察は介護士にも負担を強いる作業となる。
一方で、後者の場合、要介護者の羞恥心により不正確な申請も発生することがあることから、排泄記録に属人性があると言え、結果として要介護者により同じ排泄行為を行ったとしても排泄日誌の内容に差異が生じることになる。このような差異がある場合、介護者が便秘や排尿障害の健康被害を正確に把握することが難しく、その対処が遅れるといった事態や、要介護者が健康被害を煩ってない場合でも、誤った申告により下剤等の不要な投薬が多くなる事態が生じ得る。従って、このような差異を補うため、介護者による排泄管理、排泄記録に関する負担が大きくなる。
また、要介護者に認知症がある場合に、排泄時に、尿とりパッドをトイレットペーパーと誤認すること、或いは要介護者が羞恥心から排泄の失敗(便や尿の失禁)の証拠を故意に隠そうとすることにより、尿とりパッドをトイレに流す行為がなされることがある。介護施設は、このような場合或いは定期的に、業者に依頼して異物除去等の排水管清掃作業を行い、詰まりの解消を実施する必要があるだけでなく、その作業中に排水に関連する施設の可動ができなくなる。このような問題を解消するためには、介護者は、要介護者の排泄終了確認や排泄に関する異常確認を行うことが考えられるが、排泄日誌のために後に聞き取りを行う場合であっても、結局、常に使用者のそばに待機しなければならないことになる。
これらの状況を改善すべく、トイレにセンサを設置し、センサによって取得したデータを分析することにより、トイレの使用者の排泄を管理する仕組みが提案されている。例えば、特許文献1には、便器内に置かれる対象者の人体排泄物に使用される方法が記載されている。この方法では、人体排泄物が便器内に置かれている間、1以上の光センサを用いて便器からの光を受け取り、コンピュータプロセッサを用いて、受光を解析することによって、赤血球の成分による光吸収を示す1以上のスペクトル成分を受光内で検出している。そして、この方法では、当該検出に応じて、人体排泄物内に血液が存在すると判定し、少なくとも部分的に当該判定に応じて、出力デバイスの出力を生成している。また、特許文献1には、長期間にわたって対象者の人体排泄物を監視し、ある期間にわたって、人体排泄物内に検出される血液の量と閾値量とを比較し、出血度が癌及び/又はポリープの存在を示す場合には警告が生成されることも記載されている。
特許文献2には、少なくともユーザ端末及びペット用トイレと接続されたペットの排泄通知システムが記載されている。特許文献2に記載の排泄通知システムは、使用開始時に、ユーザ端末から少なくともペット個体の名前を含む個体識別情報を取得し、当該個体識別情報をペットの識別子と関連付けて登録する。この排泄通知システムは、使用開始後に、ペット用トイレから、ペット個体の体重情報を取得して該体重情報を該ペットの識別子と関連付けて保存するとともに、当該ペット個体の所定期間における体重の平均値を基に体重量閾値を算出して登録している。さらに、この排泄通知システムは、使用開始後に、ペット用トイレから、ペット個体の排尿情報を取得して、当該ペット個体の所定期間における排尿回数及び排尿量の平均値を算出し、それぞれ排尿回数閾値及び排尿量閾値として登録する。そして、この排泄通知システムは、ペット用トイレから得られるペット個体の体重情報、又は排尿情報がそれぞれの閾値を逸脱した場合、所定の病理の兆候可能性がある旨のアラート情報を通知する。また、この排泄通知システムでは、ペットのペット用トイレへの入場を判定するためにカメラを備えている。
また、被測定者の尿中におけるNa/K比の、日毎の変化の傾向を知るための技術として、特許文献3には、被測定者が排泄した尿中におけるNa/K比を精度良く求めることを目的とした尿成分分析装置が記載されている。この装置では、ヒトが排泄した複数回の尿中におけるNa/K比に対して統計処理を施し得られた統計濃度比とヒトが1日又は複数日に排泄した全ての尿を1つに収集したときの1日又は複数日の全尿中におけるNa/K比との間の相関関係を表すデータを記憶する。また、この装置では、日の複数の時間帯の全てについて被測定者が排泄した1回の尿中におけるNa/K比が入力されたことを前提として、入力された被測定者の複数回の尿中におけるNa/K比に対して統計処理を施して統計濃度比を得る。そして、この装置では、この統計濃度比に基づいて、記憶された相関関係を用いて、被測定者の1日又は複数日の全尿中におけるNa/K比を換算して求めている。また、この装置では、このNa/K比をそれぞれ排尿日時、測定日時、及び、排尿された時間帯と対応づけて、順次記憶している。そして、この装置では、この記憶された内容を読み出すことによって、ユーザは、被測定者の1日又は複数日の全尿中におけるNa/K比の、日毎の変化の傾向を、容易に知ることができるようになっている。
また、生体の健康状態を推定するための技術として、特許文献4には、非接触・非侵襲的に生体データを取得して生体の健康状態を推定することを目的としたデータ検出装置が記載されている。この装置は、生体の肛門とその周辺、生体の局部とその周辺又は生体の排泄物の少なくともいずれか一つを撮影する画像撮影部と、データ解析部と、を備える。このデータ解析部は、画像撮影部による撮影画像の解析により生体の肛門、局部又は排泄物の性状に関する生体データを取得し、その生体データから生体の健康状態を推定している。ここで、排泄物の性状とは、排泄物の色、形状、温度、光反射率又は光透過率の少なくともいずれか一つである。
特許文献5には、高精度の付加価値情報を作成するために十分な情報を効率的に収集することを目的とした生体情報活用システムが記載されている。このシステムでは、生体情報として、体温、尿中タンパク質濃度、尿中グルコース濃度、尿中アミノ酸濃度、大便粘度を利用している。また、このシステムでは、計測日時が予め定めた時期にある測定値を被検者識別番号に対応する居住地区番号別に集計した値を含む付加価値情報を作成している。また、特許文献5には、居住地区番号別に集計した値とは居住地区別の体温の平均値であり、収集された被検者の発熱を居住地区番号別に集計した平均値を内容とする付加価値情報の場合、検証に有効であることが記載されている。ここでの検証は、インフルエンザ等の感染症の流行度合いの地理的分布の検証を指す。
特表2018−510334号公報 特開2019−071896号公報 特開2017−072410号公報 特開2007−252805号公報 特開2007−323528号公報
特許文献1に記載の技術では、排泄物中の血液の存在を判定することができるに過ぎず、異物の監視や血液の混入以外の排泄物の状態の把握もできない。そのため、本出願人は、撮像装置によって排泄物を撮影した撮像データに基づき排泄日誌を作成することが望ましいと考えた。なお、特許文献2に記載のシステムでは、カメラを有するものの、そのカメラは、ペットを監視するためのものであり、排泄物を撮像するために用いられるものではない。
しかしながら、要介護者を含めたトイレの使用者にとっては、自身の排泄行為や排泄物が撮像装置で撮影されて管理されているという精神的負担が大きい。この精神的負担は取得された撮像データが第三者に見られる可能性が生じることに対するプライバシーに関するものである。従って、トイレセンサで排泄物の撮像データを取得するが、これが第三者の目には触れないようにしてトイレ使用者の精神的負担を軽減させるような工夫が望まれる。
さらに、排泄日誌の作成のためには、排泄物の撮像データを正確に解析して記録する必要があるが、正確な解析には時間を要する上に一度の排泄物により使用者の健康被害を把握できないことが多いにも拘わらず、介護者への通知が即座に必要となる場面もある。
例えば、クラウドサービスを用いて撮像データの分析を実行することで高度な分析結果を得ることが考えられるが、撮像データをそのサービスを提供するサーバ装置に送信して分析結果を待つことになるため、介護者等の監視者への即時通知が困難になってしまう。即座の通知が必要な場合とは、例えば、異物の除去のための異物の存在の通知、排泄の開始通知、排泄の終了通知、その他の異常時の通知が挙げられる。また、分析のために撮像データをサーバ装置に送信すると、上述のようにトイレ使用者のプライバシーに関する精神的負担が大きくなる。
一方で、クラウドサービスを用いずにトイレに設置した装置だけでクラウドサービスと同様の速度・精度での分析を実現しようとした場合、その分析に必要なスペックの計算機を設置する必要がある。なお、ここでの計算機とはCPU(Central Processing Unit)等を指すことができる。しかしながら、そのような計算機を搭載することは、スペース、発熱対応、価格等の問題から現実的ではないと言える。なお、特許文献3〜5に記載の技術は、上述のような問題を解決できるものではない。
本開示の目的は、上述した課題を解決する排泄物分析装置、分析システム、サーバ装置、及びプログラム等を提供することにある。上記課題は、トイレの使用者へのプライバシーへの配慮を行いつつ、トイレの使用者から聞き取る必要なく便器に排泄した排泄物の内容を示す情報を正確に収集し、且つ、監視者への即座の通知が必要な場面にも対応することを可能にする、というものである。
本開示の第1の態様に係る排泄物分析装置は、トイレの便器における排泄物の排泄範囲を撮像範囲に含めるように設置された撮像装置で撮像された撮像データを入力する入力部と、前記入力部で入力された撮像データを一時的に保持する保持部と、前記入力部で入力された撮像データである第1分析対象データを分析し、前記トイレの使用者を監視する監視者への通知情報を出力する第1分析部と、前記入力部で入力され前記保持部で一時的に保持された撮像データである第2分析対象データを分析し、排泄の内容を示す詳細情報を出力する第2分析部と、を備える、ものである。
本開示の第2の態様に係る分析システムは、前記排泄物分析装置と、前記排泄物分析装置に接続される前記監視者が使用する端末装置と、前記排泄物分析装置及び前記端末装置に接続されるサーバ装置と、を備え、前記排泄物分析装置は、前記通知情報を前記端末装置に送信することで出力し、前記詳細情報を前記サーバ装置に送信することで出力し、前記サーバ装置は、前記排泄物分析装置から受信した前記詳細情報を、前記端末装置から閲覧可能な状態で保存し、前記端末装置は、前記排泄物分析装置から受信した前記通知情報と前記サーバ装置に保存された前記詳細情報とに基づき排泄日誌を生成する日誌生成部を備える、ものである。
本開示の第3の態様に係るサーバ装置は、前記排泄物分析装置から前記詳細情報を受信する受信部と、前記受信部で受信した前記詳細情報を記憶する記憶部と、情報処理部と、を備え、前記詳細情報は、排泄日時、排泄物の種類、及び排便の形状を示す情報を少なくとも含み、前記情報処理部は、前記排便の形状毎に前記詳細情報を集計する、ものである。
本開示の第4の態様に係るプログラムは、排泄物分析装置に備えた制御用のコンピュータに、トイレの便器における排泄物の排泄範囲を撮像範囲に含めるように設置された撮像装置で撮像された撮像データを入力する入力ステップと、前記入力ステップで入力された撮像データを一時的に保持する保持ステップと、前記入力ステップで入力された撮像データである第1分析対象データを分析し、前記トイレの使用者を監視する監視者への通知情報を出力する第1分析ステップと、前記入力ステップで入力され前記保持ステップで一時的に保持された撮像データである第2分析対象データを分析し、排泄の内容を示す詳細情報を出力する第2分析ステップと、を実行させるためのプログラムである。
本開示により、上記課題を解決する排泄物分析装置、分析システム、サーバ装置、及びプログラム等を提供することができる。即ち、本開示によれば、トイレの使用者へのプライバシーへの配慮を行いつつ、トイレの使用者から聞き取る必要なく便器に排泄した排泄物の内容を示す情報を正確に収集し、且つ、監視者への即座の通知が必要な場面にも対応することが可能になる。
実施形態1に係る排泄物分析装置の一構成例を示すブロック図である。 実施形態2に係る排泄物分析システムの一構成例を示す図である。 図2の排泄物分析システムにおける排泄物分析装置の一構成例を示すブロック図である。 図2の排泄物分析システムにおける処理例を説明するための概念図である。 図2の排泄物分析システムにおける排泄物分析装置での処理例を説明するための図である。 図2の排泄物分析システムにおける排泄物分析装置での処理例を説明するための図である。 図2の排泄物分析システムにおける排泄物分析装置での処理例を説明するための図である。 図2の排泄物分析システムにおける排泄物分析装置での処理例を説明するためのフロー図である。 図2の排泄物分析システムにおける排泄物分析装置での処理例を説明するためのフロー図である。 図9の処理例における非リアルタイム分析に含まれる便性分析の一例を示す図である。 図9の処理例における非リアルタイム分析に含まれる便色分析の一例を示す図である。 図9の処理例における非リアルタイム分析に含まれる尿量分析の一例を示す図である。 実施形態3に係るサーバ装置の一構成例を示すブロック図である。 実施形態4に係る分析システムの一構成例を示す図である。 図14の分析システムにおいて排泄物分析装置から送信される送信情報の一例を示す図である。 図14の分析システムにおいてサーバ装置に記憶される排泄情報データベースに含まれる集約情報テーブルの一例を示す図である。 図14の分析システムにおいてサーバ装置に記憶される排泄情報データベースに含まれる集計情報テーブルの一例を示す図である。 図14の分析システムにおいてサーバ装置に記憶される排泄情報データベースに含まれる集計情報テーブルの一例を示す図である。 図14の分析システムにおいてサーバ装置に記憶される排泄情報データベースに含まれる集計情報テーブルの一例を示す図である。 図14の分析システムにおけるサーバ装置の処理例を説明するためのフロー図である。 実施形態5に係る分析システムの一構成例を示す図である。 図21の分析システムにおいてサーバ装置に記憶される排泄情報データベースに含まれる集約情報テーブルの一例を示す図である。 図21の分析システムにおいてサーバ装置に記憶される排泄情報データベースに含まれる集計情報テーブルの一例を示す図である。 図21の分析システムにおけるサーバ装置の処理例を説明するためのフロー図である。 装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
以下、図面を参照して、実施形態について説明する。なお、実施形態において、同一又は同等の要素には、同一の符号を付すことがあり、重複する説明は適宜省略される。また、図面中の参照符号及び要素の名称は、理解を助けるための一例として各要素に便宜的に付記されるものであり、これらは何ら本開示の内容を限定するものではない。また、以下に説明する図面には一方向性、双方向性の矢印を描いている図面があるが、いずれの矢印もある信号(データ)の流れの方向を端的に示したものであり、それぞれ双方向性、一方向性を排除するものではない。
<実施形態1>
実施形態1に係る排泄物分析装置について、図1を参照しながら説明する。図1は、実施形態1に係る排泄物分析装置の一構成例を示すブロック図である。
図1に示すように、本実施形態に係る排泄物分析装置1は、入力部1a、保持部1b、第1分析部1c、及び第2分析部1dを備えることができる。
入力部1aは、トイレの便器における排泄物の排泄範囲を撮像範囲に含めるように設置された撮像装置(以下、カメラで例示)で撮像された撮像データ(画像データ)を入力する。この撮像データは、排泄物分析装置1において、排泄の内容を分析してその情報を得るために用いられる。
そのため、排泄物分析装置1には、このように設置されたカメラが接続されるか、含まれることになる。但し、排泄物分析装置1は、カメラを備えることが、装置の一体化及び撮像データの他への流出を防ぐ意味で好ましいと言える。カメラは、可視光カメラに限らず、赤外光カメラ等であってもよく、また、静止画が抽出できればビデオカメラであってもよい。カメラは、排泄物分析装置1の外部に接続される場合、入力部1aに接続しておけばよい。この撮像データには撮像日時、撮像条件等の付加情報(付属情報)を含むことができる。撮像条件は、例えば、解像度が設定可能なカメラであればその解像度を含むことができ、ズーム機能付きのカメラの場合にはそのズーム倍率を含むことができる。
上記の排泄範囲は、便器の滞水部分を含む領域とすることができ、排泄予定範囲と称することもできる。このような排泄範囲を撮像範囲に含めるようにカメラを設置しておくことで、撮像される撮像データには被写体として排泄物等が含まれることとなる。無論、上記の排泄範囲は、使用者(トイレの利用者、トイレのユーザ)が映り込まないような範囲とすることが好ましく、またカメラのレンズもユーザから見えないようにカメラが設置されることが好ましい。また、ユーザは、例えば排泄物分析装置1を病院、介護施設で使用する場合、上記のユーザとは、主に、患者等の要介護者となる。また、介護者としては、介護士が挙げられ、場合によっては医師も挙げられるが、介護士でなくても介助者も挙げることができ、それ以外の者であってもよい。
以下では、排泄物分析装置1から得られる情報を排泄情報と称する。排泄情報とは、排泄の内容を示す情報を含み、より単純な例では、排泄物が大便(糞)であるか小便(尿)であるかを示す情報とすることができる。排泄情報には、排泄物の色を示す情報、固形物であるのであればその形状など、他の情報を含むこともできる。また、排泄情報には、撮像データの撮影日時又は取得日時を示す日時情報、撮影条件等の付加情報を含める又は付加することができる。
そして、排泄の内容の分析は、後述するように、第1分析部1c及び第2分析部1dが実行するが、第2分析部1dで分析対象とするデータを一時的に保持しておくために、保持部1bが備えられている。つまり、保持部1bは、入力部1aで入力された撮像データを一時的に保持する。保持部1bは、メモリ等の記憶装置とすることができる。
第1分析部1cは、入力部1aで入力された撮像データである第1分析対象データを分析し、トイレの使用者を監視する監視者への通知情報を出力する。通知情報は、排泄情報の一部であって、第1分析部1cによる分析結果に応じた内容を通知する情報である。通知情報の具体例は後述するが、通知情報は、例えば撮像データに異物が写っていた場合に、異物が混入している旨を通知する情報とすることができる。また、通知情報は、監視者へ通知することで監視者に提示する情報であるため、提示情報と称することもできる。また、通知情報は、監視者が対処する必要がある情報を含むことができ、その場合、警告情報と称することもできる。第1分析部1cは、入力部1aで入力された撮像データを分析するため、ここでなされる分析はリアルタイム分析に該当する。よって、第1分析部1cはリアルタイム分析部と称することができる。
また、第1分析部1cによる通知情報の出力先は、監視者が使用する端末装置であればよく、直接の出力先は通知情報を受信しその端末装置に通知を転送することが可能なサーバ装置などとすることもできる。なお、監視者が使用する端末装置とは、介護者等の監視者個人が使用している端末装置に限らず、例えば、ナースステーション等の監視ステーションに設置された端末装置であってもよく、この端末装置は警報装置として機能するものであってもよい。また、通知情報の出力先は1箇所に限ったものではない。
また、入力部1aで入力される撮像データ又は入力部1aが後段の保持部1b及び第1分析部1bに出力する撮像データは、例えば排泄範囲に被写体として物体が検出された或いは滞水の色が変わるなどの変化が検出された場合のデータとすることができる。これらの検出は、カメラ又は入力部1aが、例えば、カメラで常時又は一定期間毎に撮像を行っておき、そこで得た撮像データから実施することができる。若しくは、別途設けたユーザ検知のセンサ(便座に設けた荷重センサ、その他、人感センサなど)からのユーザ検知結果に基づき撮像を行い、そのときの撮像データをカメラ又は入力部1aが後段へ出力するデータとして選択することもできる。
第2分析部1dは、入力部1aで入力され保持部1bで一時的に保持された撮像データである第2分析対象データを分析し、排泄の内容を示す詳細情報を出力する。詳細情報は、排泄情報の一部であって、第2分析部1dによる分析結果に応じた内容を示す情報である。詳細情報は、通知情報よりは詳細な内容が知れるような情報であり、その具体例は後述するが、例えば便性、便量、便色、尿量、尿色などを示す情報とすることができる。第2分析部1dは、保持部1bで保持された撮像データを分析するため、ここでなされる分析は非リアルタイム分析に該当する。よって、第2分析部1dは非リアルタイム分析部と称することができる。
また、第2分析部1dによる詳細情報の出力先は、排泄情報を収集し管理するサーバ装置とすることができ、例えば、このサーバ装置はクラウドサーバ装置とすることができる。サーバ装置は、病院等の施設の場合にはその施設内に設置することができ、個人利用である場合には個人宅に設置することや集合住宅に設置することもできる。また、詳細情報の出力先は1箇所に限ったものではない。
排泄物分析装置1は、図示しない通信部を有することができ、この通信部は第1分析部1c及び第2分析部1dのそれぞれに設けておくこともできる。この通信部は、例えば、有線又は無線の通信インタフェース等で構成されることができる。
排泄物分析装置1は、その全体を制御する制御部(図示せず)を有することができ、この制御部は上述した入力部1a、保持部1b、第1分析部1c、及び第2分析部1dの一部を備えることができる。この制御部は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、作業用メモリ、及びプログラムを記憶した不揮発性の記憶装置などによって実現することができる。このプログラムは、各部1a〜1dの処理をCPUに実行させるためのプログラムとすることができる。また、保持部1bは、この記憶装置を利用することもできるが、別の記憶装置を有することもできる。また、排泄物分析装置1に備えられる制御部は、例えば集積回路(Integrated Circuit)によって実現することもできる。
また、排泄物分析装置1は、上述のようにトイレに排泄された排泄物の内容を分析して排泄情報を出力する装置であり、トイレ排泄物分析装置又は排泄情報取得装置と称することもできる。排泄物分析装置1は、監視者の端末装置や外部のサーバ装置などを含んでネットワーク上に構成される排泄物分析システム(分析システム)において、エッジとなるトイレセンサとして機能させるための装置とすることができる。
以上のように、排泄物分析装置1は、カメラから取得した撮像データの分析を、通知を目的としたリアルタイム分析と記録を目的とした非リアルタイム分析とに分けるものである。これにより、排泄物分析装置1は、内蔵されるCPU等の制御部を省スペース且つ省電力のものとすることができる。これは、排泄物分析装置1が、分析処理のうち即時性が求められる機能とそれ以外の機能とに分けることにより、限られた計算リソースを効率よく使用していることを意味する。さらに、排泄物分析装置1は、カメラから取得した撮像データ、その他の画像データをクラウド等の外部に送信する必要がなく、トイレに設置した自機のみで排泄物の分析を行うことができる。つまり、排泄物分析装置1において分析で用いられる画像や映像は全て排泄物分析装置1内で処理され、画像や映像が外部に送信されることはない。従って、排泄物分析装置1は、使用者のプライバシーに関する精神的負担の軽減にもつながる構成となっていると言える。
以上、排泄物分析装置1によれば、トイレの使用者へのプライバシーへの配慮を行いつつ、トイレの使用者から聞き取る必要なく便器に排泄した排泄物の内容を示す情報を正確に収集し、且つ、監視者への即座の通知が必要な場面にも対応できる。つまり、排泄物分析装置1では、介護等の監視における排泄管理の負担軽減のためにトイレにセンサを設置する改善が図られる中、トイレの使用者へのプライバシーに配慮と通知及び記録との両面を実現することができる。ここでの通知及び記録は、介護現場等の監視現場での即時性イベントの通知及び正確な情報の記録となる。よって、排泄物分析装置1によれば、監視者やトイレ使用者の肉体的・精神的負担を軽減することができる。
<実施形態2>
実施形態2について、図2〜図12を併せて参照しながら実施形態1との相違点を中心に説明するが、実施形態1で説明した様々な例が適用できる。図2は、実施形態2に係る排泄物分析システムの一構成例を示す図で、図3は、図2の排泄物分析システムにおける排泄物分析装置の一構成例を示すブロック図である。
本実施形態に係る排泄物分析システム(以下、本システム)は、便器20に取り付けられた排泄物分析装置10、介護者が使用する端末装置50、及びサーバ装置(以下、サーバ)40を備えることができる。なお、介護者は、トイレのユーザを監視するため監視者の一例であると言える。
排泄物分析装置10は、排泄物分析装置1の一例であり、便器設置型の装置として例示するが、トイレ内に設置されるものであればよい。また、便器20は、その本体21に、例えばユーザ洗浄用の温水洗浄機能を搭載した便座22と、便座22を塞ぐための便座カバー23と、を設けておくことができる。排泄物分析装置10と便器20とは、分析してその結果を出力する機能が付いた分析機能付き便器30を構成することができる。
また、排泄物分析装置10の形状は、図2で示した形状に限らず、例えば便座22等にその機能の全部又は一部を埋め込むような構成とすることもできる。また、排泄物分析装置10の機能の一部は便座22側に設けておくこともできる。例えば、排泄物分析装置10に後述の距離センサ16aを設けず、便座22に重量センサを設けておき、その重量センサからの情報を無線又は有線の通信により排泄物分析装置10が受信するような構成を採用することもできる。なお、重量センサは後述するボックス間接続部12に設けることもでき、また、単に一定以上の加圧を検知する加圧センサとすることもできる。また、排泄物分析装置10に後述の第1カメラ16bを設けず、便座22側にカメラを設けておき、そのカメラからの撮像データを無線又は有線の通信により排泄物分析装置10が受信するような構成を採用することもできる。
サーバ装置(サーバ)40及び端末装置50は、排泄物分析装置10に無線接続されることができ、端末装置50はサーバ40に無線接続されることができる。なお、これらの接続は例えば1つの無線LAN(Local Area Network)内で行うことができるが、別々のネットワークで接続するなど他の接続形態を採用することもできる。また、これらの接続はその一部又は全部が有線でなされてもよい。
このように接続された本システムにおいて、排泄物分析装置10は、通知情報を端末装置50に送信することで出力し、詳細情報をサーバ40に送信することで出力する。端末装置50は、トイレのユーザの介護者がもつ端末装置であり、可搬型の排泄物分析装置とすることができるが、設置型の装置であってもよい。前者の場合、端末装置50は、携帯電話機(スマートフォンと称されるものも含む)、タブレット、モバイルPCなどとすることができる。サーバ40は、詳細情報を含む排泄情報を収集して管理する装置とすることができ、排泄物分析装置10から受信した詳細情報を、端末装置50から閲覧可能な状態で保存する。
また、サーバ40は、その全体を制御する制御部41と、例えばデータベース(DB)形式で詳細情報を記憶する記憶部42と、上述のような接続を行うための通信部(図示せず)と、を備えることができる。制御部41は、排泄物分析装置10から送信された詳細情報の記憶部42への記憶の制御、端末装置50からの閲覧の制御などを実行する。制御部41は、例えば、CPU、作業用メモリ、及びプログラムを記憶した不揮発性の記憶装置などによって実現することができる。この記憶装置は、記憶部42と兼用とすることができ、また、このプログラムは、サーバ40の機能をCPUに実現させるためのプログラムとすることができる。なお、制御部41は、例えば集積回路によって実現することもできる。
また、端末装置50は、図示しないが、その全体を制御する制御部と、記憶部と、上述のような接続を行うための通信部と、を備えることができる。この制御部は、制御部41と同様に、例えばCPU、作業用メモリ、プログラムを記憶した不揮発性の記憶装置などによって、或いは集積回路によって、実現することができる。また、この記憶装置に記憶されるプログラムは、端末装置50の機能をCPUに実現させるためのプログラムとすることができる。
また、端末装置50は、排泄物分析装置10から受信した通知情報とサーバ40に保存された詳細情報とに基づき排泄日誌を生成する日誌生成部を備えることが好ましい。この日誌生成部については、例えば端末装置50に日誌作成アプリケーションプログラムを組み込むなどすることで搭載することができる。作成された排泄日誌は、内部の記憶部に記憶させることができる。また、日誌作成部は、介護記録を作成する介護記録部の一部として搭載することもできる。介護記録作成部もアプリケーションプログラムを端末装置50に組み込むことで実現させることができる。
次に、排泄物分析装置10の詳細な例について説明する。排泄物分析装置10は、例えば、図2及び図3に図示するように2つの装置で構成されることができる。より具体的には、排泄物分析装置10は、その筐体として、例えば、第1外付けボックス13及び第2外付けボックス11といった2つのボックスを備えることができる。また、排泄物分析装置10は、第1外付けボックス13及び第2外付けボックス11の間を繋ぐボックス間接続部(ボックス間接続構造物)12を備えることができる。第1外付けボックス13及び第2外付けボックス11は、その具体例を図3で示すようにインタフェースによって接続されることができる。
この例における排泄物分析装置10は、例えば、次のようにして便器20の本体21に設置することができる。即ち、排泄物分析装置10は、本体21の内側(排泄物の排泄範囲がある側)に第1外付けボックス13を、本体21の外側に第2外付けボックス11を、それぞれ配設するように、本体21の縁部にボックス間接続部12を載置することで、便器20に設置できる。
第1外付けボックス13には、例えば、距離センサ16a及び第1カメラ16bを収納しておくことができる。後述するが、距離センサ16aは、便座22に着座したことを検知する着座センサの一例であり、第1カメラ16bは、排泄物を撮像するカメラである。
第2外付けボックス11は、第1カメラ16bで撮像した撮像データ(画像データ)をもとに行うリアルタイム分析と、その画像データとリアルタイム分析結果とをもとに行う非リアルタイム分析と、を実行する機器を備える。また、第2外付けボックス11は、その機器の制御に従い、イベント発生時に介護者への通知及び分析結果のサーバ40への送信を行う通信機器14を備える。
例えば、第2外付けボックス11には、CPU11a、コネクタ11b、USB I/F11c,11d、WiFiモジュール14a、Bluetoothモジュール14b、人感センサ15a、及び第2カメラ15bを収納しておくことができる。なお、USBはUniversal Serial Busの略であり、USB、WiFi、及びBluetoothはいずれも登録商標である(以下同様)。通信機器14は、各モジュール14a,14bで例示したものであり、CPU11aが必要に応じて各要素11b,11c,11dを介して他の部位とデータの送受を行いながら、リアルタイム分析及び非リアルタイム分析を実行する。なお、この例では、CPU11aに、保持部1bの例としてのメモリも備わっているものとして説明する。また、第2外付けボックス11において、各種I/Fやコネクタを備えず、直接、CPU11aに接続することもできる。また、通信機器14は例示した規格の通信モジュールに限らず、無線/有線も問わない。通信モジュールとしては、例えばLTE(Long Term Evolution)通信モジュール、第5世代移動通信モジュール、LPWA(Low Power, Wide Area)通信モジュールなど、様々なものが挙げられる。
図3に示すように、第1外付けボックス13と第2外付けボックス11とは、コネクタ11b及びUSB I/F11cで例示するインタフェースによって接続され、その接続線をボックス間接続部12の内部に備えることで、一つの排泄物分析装置10を構成する。
第1外付けボックス13について説明する。
距離センサ16aは、対象物(便器20のユーザの臀部)との距離を計測し、便座22にユーザが座ったことを検知するセンサであり、閾値の値を超えて一定時間経過した場合に対象物が便座22に着座したことを検知する。また、距離センサ16aは、着座後に、対象物の距離が変動した場合、ユーザが便座22から退座したことを検知する。
距離センサ16aは、例えば、赤外線センサ、超音波センサ、光学センサなどを採用することができる。距離センサ16aは、光学センサを採用する場合、第1外付けボックス13に設けられた穴から光(可視光に限らない)の送受信が行えるように、送受信素子を配置しておけばよい。ここでの送受信素子は、送信素子と受信素子とが別個に構成されていてもよいし、一体化されていてもよい。距離センサ16aは、コネクタ11bを介してCPU11aに接続されており、検知結果をCPU11a側に送信することができるようになっている。
第1カメラ16bは、図1の入力部1aに入力される撮像データを撮像するカメラの一例であり、第1外付けボックス13に設けられた穴にレンズ部分を配置させた光学カメラとすることができる。第1カメラ16bは、実施形態1で説明したように、トイレの便器20における排泄物の排泄範囲を撮像範囲に含めるように設置されている。第1カメラ16bは、USB I/F11cを介してCPU11aに接続されており、撮像データをCPU11a側に送信する。
第2外付けボックス11について説明する。
CPU11aは、排泄物分析装置10の主制御部の例であり、排泄物分析装置10の全体を制御する。後述するように、リアルタイム分析及び非リアルタイム分析はCPU11aが実行することになる。コネクタ11bは、人感センサ15a及び距離センサ16aと、CPU11aと、を接続する。USB I/F11cは、第1カメラ16bとCPU11aとを接続し、USB I/F11dは、第2カメラ15bとCPU11aとを接続する。
人感センサ15aは、特定領域(人感センサ15aの測定領域範囲)に人が存在すること(人の入退室)を検知するセンサであり、この特定領域はトイレへの入退室を判定できるような領域としておくことができる。人感センサ15aは、その検知方式を問わず、例えば、赤外線センサ、超音波センサ、光学センサなどを採用することができる。人感センサ15aは、コネクタ11bを介してCPU11aに接続されており、特定領域に人を検知した場合、検知結果をCPU11aに送信する。
CPU11aは、この検知結果に基づき、距離センサ16aの稼働や第1カメラ16bの稼働を制御することができる。例えば、CPU11aは、この検知結果が入室ありであった場合に距離センサ16aを稼働させ、距離センサ16aで着座が検知された場合に第1カメラ16bを稼働させるなどの処理を行うこともできる。
第2カメラ15bは、第2外付けボックス11に設けられた穴にレンズ部分を配置させた光学カメラとすることができ、トイレのユーザを識別するためにユーザの顔画像を撮影して顔画像データを得るカメラの例である。第2カメラ15bは、ユーザの顔を撮像範囲に含めるように、便器20に設置されることができるが、便器20が設置されるトイレの部屋に設置されることもできる。
Bluetoothモジュール14bは、ユーザを識別するための識別データを、ユーザが保持するBluetoothタグから受信する受信機の一例であり、他の近距離通信規格に基づくモジュールに置き換えることもできる。ユーザが保持するBluetoothタグは、ユーザ毎に異なるIDとしておき、例えばリストバンド等に埋め込むなどして、ユーザに保持させておくことができる。
WiFiモジュール14aは、通知情報を含む各種データを端末装置50に送信し、詳細情報を含む各種データをサーバ40へ送信する通信機器の一例であり、他の通信規格を採用するモジュールに置き換えることもできる。第2カメラ15bで取得された顔画像データやBluetoothモジュール14bで得られた識別データは、通知情報、詳細情報に付加又は埋め込まれるなどして、それぞれ端末装置50、サーバ40に送信されることができる。顔画像データを受信した端末装置50やサーバ40は、その顔画像データに基づき顔認証処理を行い、ユーザを識別することができる。但し、排泄物分析装置10は、顔画像データを送信しないように構成しておくこともでき、その場合、顔認識処理をCPU11aで行うようにしておけば、顔認証によるユーザ識別が可能となり、その結果を示す識別データを送信の対象とすることができる。
USB I/F11c、若しくはCPU11a及びUSB I/F11cは、図1の入力部1aの一例とすることができ、第1カメラ16bで撮像された撮像データを入力する。CPU11a及びWiFiモジュール14aは、図1の第1分析部1cの一例とすることができ、CPU11aがこの撮像データをリアルタイム分析し、WiFiモジュール14aを介して通知情報を端末装置50に送信する。なお、通知情報はBluetoothモジュール14bを介するなどして送信されることもできる。このように、通知情報は、排泄物分析装置10にネットワークや近距離無線通信網を介して接続された端末装置50に送信することで出力することができる。無論、ここでの送信はサーバ40又は他のサーバを経由した送信であっても端末装置50への転送がなされることになっていればよい。送信される通知情報には撮像データそのものを含まないものとし、これにより、ユーザのプライバシーに関する精神的負担の軽減だけでなく、送信データ量も削減することができる。する。なお、撮像データの付加情報(撮像日時等)については送信対象とすることができる。
なお、端末装置50としてスマートフォンを例に挙げて図示したが、通知先(送信先)は、スマートフォンの他に又はそれに代えて、例えばナースコールシステムの通知装置、介護者がもつ他の端末装置、インターカム等であってもよい。上記他の端末装置としては、例えばPHS(Personal Handy-phone System)などが挙げられる。
また、CPU11aは、メモリ等の記憶装置を備えて、図1の保持部1bの一例とすることができ、入力された撮像データ及びリアルタイム分析の結果を保持する。また、CPU11a及びWiFiモジュール14aは、図1の第2分析部1dの一例とすることができ、CPU11aが保持されたデータを非リアルタイム分析し、WiFiモジュール14aを介して詳細情報をサーバ40に送信する。このように、詳細情報を、排泄物分析装置10にネットワークを介して接続されたサーバ40に送信することで出力することができる。送信される詳細情報には撮像データそのものは含まないものとし、これにより、ユーザのプライバシーに関する精神的負担の軽減だけでなく、送信データ量も削減することができる。なお、撮像データの付加情報(撮像日時等)については送信対象とすることができる。このように、撮像データそのものは排泄物分析装置10の外部への出力は行わないようにしておくことで、ユーザのプライバシーを守ることができる。
図4及び図5を参照しながら、リアルタイム分析及び非リアルタイム分析について概略的に説明する。図4は、本システムにおける処理例を説明するための概念図で、図5は、排泄物分析装置10での処理例を説明するための図である。
図4に示すように、トイレに設置された分析機能付き便器30をユーザPが利用し、ユーザPの介護者Cがその状態を監視する例を挙げる。ユーザPが分析機能付き便器30を利用する場合、CPU11aは、着座センサとして機能する距離センサ16aからの検知結果に基づきユーザが便座に着座したことを検知する。CPU11aは、着座を検知すると、第1カメラ16bに撮影開始を指示し、撮像された撮像データをもとにリアルタイム分析31を行う。CPU11aは、リアルタイム分析31として異物判定を行うことができる。より具体的には、CPU11aは、便器及び便器の洗浄用液体を除く被写体として糞尿以外の物体である異物が含まれるか否かの分析を実行することができる。なお、異物は、他物体と称することもでき、糞尿以外のものであれば、液体でも固体でもよく、例えば嘔吐物、下血、血液の嘔吐(吐血)、尿とりパッド、おむつ、トイレットペーパーの芯などのいずれか1又は複数を含むことができる。
CPU11aは、リアルタイム分析31の結果、異物検出など即時に介護者への通知が必要な場合、WiFiモジュール14aを介して、通知情報(リアルタイム通知32)をトイレから離れた場所にいる介護者Cの端末装置50に送信する。このように、CPU11aは、異物が含まれるか否かを示す異物情報(異物判定結果を示す異物情報)を端末装置50に送信することができる。この異物情報は、通知情報の少なくとも一部として出力されることとなる。
これにより介護者CはユーザPの排泄の際に付きっきりとなるような状況から解放され、リアルタイム通知32により、緊急時には駆け付けるなども対応51も可能となる。ここで、送信されるリアルタイム通知32には、撮像データは含まれない。
CPU11aは、リアルタイム分析31の終了後、保持した撮像データとリアルタイム分析結果をもとに、より詳細な排泄物分析である非リアルタイム分析33を実行する。そのため、CPU11aにおける保持部は、リアルタイム分析結果を第2分析対象データの一部として一時的に保持しておく。CPU11aは、サーバ40への非リアルタイム分析結果の送信34を、WiFiモジュール14aを介して実行する。
また、ユーザPの介護者Cは、端末装置50において、受信した通知情報に基づき、適宜、サーバ40に保存されたユーザPの詳細情報の参照52を行いながら、ユーザPの介護記録(排泄日誌)の作成53を実行する。排泄日誌は介護記録の一部として作成することができる。このようにして、端末装置50には、ユーザ毎の排泄日誌を記録していくことができる。なお、排泄日誌のフォーマット等は問わない。
このように、リアルタイム分析31と非リアルタイム分析33の分析結果は、分析結果送信34が通信機能により実行されることで、サーバ40に送信される。分析結果送信34は撮像データを含めずに送信される。サーバ40に記録された情報は、介護者Cが介護記録(排泄日誌)53の作成や今後の介護支援のために、参照52の対象とすることができる。
リアルタイム分析31と非リアルタイム分析33の内容について、図5〜図7を参照しながら説明する。図5〜図7は、排泄物分析装置10での処理例を説明するための図である。
まず、図5を参照しながら、リアルタイム分析と非リアルタイム分析の入力、手法、及び出力の一例について説明する。リアルタイム分析は、介護者Cへの通知などリアルタイム性が求められる分析である。リアルタイム分析は、第1カメラ16bで撮像した画像のデータ(撮像データ)を入力とし、例えば、Deep Learning(DL)により次の6種類のいずれであるかを分類し、分類結果を出力とすることができる。6種類とは、異物(おむつ、尿漏れパット等)、便、便+尿、尿、尿滴り、おしり洗浄装置(おしり洗浄機)である。
DL技術は、排泄等がなされる前の画像(背景画像)とその後の画像(排泄中や排泄完了後の画像)とのを比較に用いることができる。例えば、学習モデルへの入力として、背景画像とその後の画像を入力し、6種類のいずれに該当するかを出力することができる。或いは、前処理として背景画像からのその後の画像の差分画像を得ておき、その差分画像を学習モデルへ入力し、6種類のいずれに該当するかを出力することができる。なお、おしり洗浄機に分類された場合には排泄が完了したと判定することができる。これらの分類種別は、リアルタイム通知のトリガとなる事象の例である。
このように、リアルタイム分析では、第1分析対象データを入力し通知情報を出力する学習済みモデルを用いて、第1分析対象データから通知情報を得ることができる。通知情報は、例えば、その分類結果に対応して予め定められた情報とすることができる。これにより、排泄物分析装置10では、通知情報として、例えば排泄の開始と完了、排泄物への異物混入などの情報を介護者等に通知することができ、介護者等はリアルタイムでこれらの情報を得ることができる。なお、学習済みモデルのアルゴリズム(機械学習のアルゴリズム)や階層数等のハイパーパラメータなどは問わず、機械学習により生成すればよい。また、ここでの機械学習は教師データの有無は問わない。また、リアルタイム分析で用いられる学習済みモデルは複数であってもよく、例えば上記の6種類のうち少なくとも1種類とそれ以外の種類とは異なる学習済みモデルを用いることもできる。
非リアルタイム分析は、例えば、第1カメラ16bからの撮像データとリアルタイム分析結果とを入力とし、DLとImage Processing(IP)の2つの手法により分析を行うことができる。例えば、DLを用いた分析は便性を出力し、IPを用いた分析は便色、便量、尿色、及び尿量を出力することができる。なお、ここでは、リアルタイム分析を非リアルタイム分析の前処理として取り扱っている。非リアルタイム分析では、DL及びIPを用い、この前処理を実施した分析結果(画像であってもよい)と学習しているデータとの比較を実行して便性や便色等を出力する。
ここでもDL技術は、排泄等がなされる前の画像(背景画像)とその後の画像(排泄中や排泄完了後の画像)とのを比較に用いることができる。例えば、学習モデルへの入力として、リアルタイム分析での分類結果、背景画像、及びその後の画像を入力し、便性を出力することができる。或いは、前処理として背景画像からのその後の画像の差分画像を得ておき、リアルタイム分析での分類結果とその差分画像を学習モデルへ入力し、便性を出力することができる。また、リアルタイム分析での分類結果が便を含むものである場合に限り、非リアルタイム分析でのDLによる分析を実行するようにしてもよく、その場合には学習済みモデルへの入力に上記分類結果は不要となる。また、IPでの処理方法は問わないが、求める詳細情報が得られればよい。例えば、画像の特徴を抽出するなどして予め保存した比較対象画像とのマッチング処理を行い、合致率が高い比較対象画像が示す便色等を出力することができる。なお、非リアルタイム分析では、全ての出力をIP又はDLの一方により得るようにしてもよい。
このように、非リアルタイム分析では、第2分析対象データ(リアルタイム分析結果を含むことができる)を入力し詳細情報を出力する学習済みモデルを用いて、第2分析対象データから詳細情報の少なくとも一部を得ることができる。なお、学習済みモデルのアルゴリズム(機械学習のアルゴリズム)や階層数等のハイパーパラメータなどは問わず、機械学習により生成すればよい。また、ここでの機械学習は教師データの有無は問わない。また、リアルタイム分析で用いられる学習済みモデルは複数であってもよい。さらに、上述したように、非リアルタイム分析では、第2分析対象データを画像処理して、詳細情報の少なくとも一部を得ることができる。上述のように、この画像処理の方法などは問わず、求める詳細情報が得られればよい。
図6を参照しながら、リアルタイム分析の詳細例を示す。リアルタイム分析は、異物、排泄の種類、おしり洗浄機を判定の対象とすることができる。まず光学カメラである第1カメラ16bで撮影した画像(撮像データ)をもとに異物検出を行う。異物検出は常に実施されることができ、異物検出時には介護者へ通知を行う。その後、着座のタイミングで撮影した画像を背景画像とし、その後、一定周期で撮影した画像を前処理した前処理画像(及び/又は付加情報)を元に、DLにより便、便+尿、尿、尿滴りの判定を行う。この判定は離座のタイミングまで行う。ここでの付加情報も、撮影日時等で例示した付加情報を含むことができ、例えば上記一定周期を加味した統計値を示す情報、広さなどの面積を示す情報などとすることもできる。また、同様の方法及びタイミングにより、おしり洗浄機の検出も行い、おしり洗浄機が検出されたタイミングで便、便+尿、尿、尿滴りの判定を終了する。
このように、CPU11aは、リアルタイム分析結果として、便器に設置されたおしり洗浄機の使用状況を示す情報及び便器に着座がなされたことを示す情報の少なくとも一方の情報を、通知情報の少なくとも一部として端末装置50に送信するようにしてもよい。上述のように、おしり洗浄機の使用状況を示す情報は、撮像データのリアルタイム分析結果として得ることができる。使用時には洗浄液を吐出させるノズル又は洗浄液自体が撮像データの被写体として含まれるためである。また、便器に着座がなされたことを示す情報は、距離センサ16aで例示した着座センサにより得ることができる。このように、リアルタイム分析は、撮像データ以外の情報も使用して実行することもできる。なお、おしり洗浄機の使用状況は、撮像データの分析でなくても、例えばおしり洗浄機と接続しておけばそこから情報を得ることでもCPU11aは知ることができる。
図7を参照しながら、非リアルタイム分析の詳細例を示す。非リアルタイム分析は、背景画像と入力画像の選択により、全てリアルタイム分析にて前処理を実施したものに対して分析を行うことができる。背景画像と入力画像の選択は、判定対象に各々適した組み合わせとすることで、詳細な分析を実施する。組み合わせ例について説明すると、まず、便性には着座後の画像を背景画像に、入力画像には最後の便画像を選択する。便のみの場合又は尿のみの場合には同様に、便色、便量、尿色についても対象画像を選択する。但し、尿色については便ではなく尿画像とする。便+尿の場合には、背景画像は尿便前の最後の尿画像、入力画像に最後の尿便画像を用いる。尿量は、背景画像を使用せずに、入力画像として尿滴り判定された全ての画像を用いる。
ここでは、非リアルタイム分析において、詳細情報として、排尿量、排便量を示す情報を出力することを例に挙げたが、詳細情報はこれに限ったものではない。非リアルタイム分析では、詳細情報として、尿流率又は排尿量、単位期間当たりの排便回数又は排便量、排泄行為のタイミングである排泄タイミング、の少なくとも1つに関する情報を出力することができる。特に、非リアルタイム分析では、詳細情報として、尿流率又は排尿量の低下状況、単位期間当たりの排便回数又は排便量の低下状況、排泄行為のタイミングである排泄タイミングの長期化状況、の少なくとも1つを示す情報を出力することが好ましい。尿流率又は排尿量の低下状況は、換言すれば排尿間隔の増加状況を指す。排泄行為のタイミングは少なくとも排泄日時を含むように定義することができ、他のタイミングについても少なくとも対象の事象の発生日時を含むように定義することができる。
このように、非リアルタイム分析では、取得した撮像データから便性、便色、尿色の識別及び便量、尿量を算出し、詳細情報を出力することができる。また、非リアルタイム分析では、便量、尿量に関しては、閾値処理を施し所定閾値を超えたか否かを示す情報を、詳細情報とすること、或いは詳細情報に追加することもできる。これらの閾値処理の結果として出力される詳細情報は、端末装置50にも直接又はサーバ40を経由して送信(通知)されることが望ましい。このような通知(警告を含む場合がある)により、介護者は対処が必要な事象を把握することができるようになる。
次に、図8を参照しながらリアルタイム分析処理の手順の一例について説明する。図8は、排泄物分析装置10での処理例を説明するためのフロー図で、ユーザがトイレに入室し、トイレ便座への着座をトリガとするリアルタイム分析の動作内容の一例を示すフロー図である。ここで説明する動作内容は主にCPU11aが主体となって各部を制御しながらなされることができる。
まず、着座センサとして機能する距離センサ16aの反応の有無がチェックされる(ステップS1)。ステップS1で反応がない場合(NOの場合)、着座センサが反応するまで待機することになる。ユーザが着座した場合には距離センサ16aが反応することになり、ステップS1でYESとなる。ステップS1でYESとなった場合、端末装置50に着座が通知される(ステップS2)とともに、リアルタイム分析が開始される(ステップS3)。なお、着座の前に人感センサ15aによって入室が検知された場合には、端末装置50に入室を通知することもでき、退室についても同様である。
リアルタイム分析では、第1カメラ16bによる便器内撮影を実行し、まず正常に識別できるか否かが判定される(ステップS4)。異常が検出された場合(ステップS4でNOの場合)、介護者の端末装置50に異常通知が送信される(ステップS5)。このように、正常に便器内の撮影ができない場合にも、その旨を示す通知情報が端末装置50に送信されることが好ましい。一方で、正常に識別できた場合(ステップS4でYESの場合)、詳細な分析に進み、まず撮影画像の前処理が実行される(ステップS6)。
ステップS6において撮影画像の前処理が実施された後、検出対象物が異物、排泄物、おしり洗浄機のいずれに該当するかの分類が実行される(ステップS7)。異物が検出された場合には、介護者の端末装置50に異物検出通知がなされる(ステップS8)。排泄物が検出された場合、介護者の端末装置50に排泄通知(排泄がなされたことを示す通知情報の送信)がなされる(ステップS9)とともに、排泄物分析が実行される(ステップS10)。この排泄物分析により、便、便+尿、尿、尿滴りのいずれであるかの分類がなされる。ステップS10の処理後は、ステップS4に戻る。
ステップS7で検出された検出対象物がおしり洗浄機であった場合には、排泄完了と判断し、介護者の端末装置50に排泄完了通知(排泄が完了したことを示す通知情報の送信)がなされ(ステップS11)、リアルタイム分析を終了する(ステップS12)。また、着座センサの反応がなくなった時点ではじめて排泄完了通知を送信するようにしてもよい。おしり洗浄機は2回以上使用することがあるためである。なお、ステップS5の後、ステップS8の後もリアルタイム分析が終了する。
図9〜図12を参照しながら非リアルタイム分析処理の手順の一例について説明する。図9は、排泄物分析装置10での処理例を説明するためのフロー図で、非リアルタイム分析の動作内容の一例を示すフロー図である。ここで説明する動作内容は主にCPU11aが主体となって各部を制御しながらなされることができる。また、図10、図11、図12はそれぞれ、図9の処理例における非リアルタイム分析に含まれる便性分析の一例、便色分析の一例、尿量分析の一例を示す図である。
図8で例示したリアルタイム分析は、省スペース省電力CPUで分析を行いつつ、介護者への即時性を求められる通知を実現するために必要最低限の分析を実行している。これに対し、非リアルタイム分析では排泄物についてより詳細の分析を行う。
まず、リアルタイム分析が完了したか否かが判定され(ステップS21)、完了した場合(YESとなった場合)、非リアルタイム分析が開始される(ステップS22)。或いは、ユーザ識別機能を備えていれば、ユーザ毎に所定排泄回数の超過(又は所定期間の経過)が生じたか否かを判定し、生じた場合に非リアルタイム分析が開始されるようにしてもよい。
非リアルタイム分析の入力とそれぞれの分析方法は図7を参照して説明した通りとすることができるが、まず、リアルタイム分析結果が判定され(ステップS23)、その結果により異なる分析が実施されることになる。
ステップS23でのリアルタイム分析結果が便の場合、便性分析(ステップS24)、便色分析(ステップS25)、及び便量分析(ステップS26)がなされる。無論、これらの順序は問わない。ステップS23でのリアルタイム分析結果が尿、尿滴りの場合、尿色分析(ステップS27)及び尿量分析(ステップS28)がなされる。無論、これらの順序は問わない。ステップS23でのリアルタイム分析結果が便+尿の場合、便性分析(ステップS24)、便色分析(ステップS25)、便量分析(ステップS26)、尿色分析(ステップS27)、及び尿量分析(ステップS28)がなされる。無論、これらの順序は問わない。また、ステップS24〜S28の各分析は、例えば、それぞれ個別の学習モデルを用いて実施することもできるが、複数の分析又は全ての分析を1つの学習モデルを用いて実施することもできる。
ここで、ステップS24の便性分析では、最も信頼度の高い画像を用いて、DLによる学習済み画像との比較を行うことにより分析を行う。最も信頼度の高い画像とは撮像データが示す画像そのもの或いは撮像データを便性の分析に適した前処理方法により前処理して得た画像とすることができる。また、この便性分析では、例えば、図10で示すブリストルスケールに準拠した形で分析を実施することができる。その分析の結果、図10で示すようなタイプ1〜7のいずれかに分類されることができる。
また、ステップS25の便色分析では、例えば、図11の画像61,62,63と順に遷移する処理手順で示すような前処理を行うことができる。ここで例示する前処理は、元画像61から広範囲を占める色の薄い部分を除去して画像62とし、その後、狭い同色領域を除去して画像63とする。そして、ステップS25の便色分析では、画像63のような、前処理により必要な情報を抽出(及び/又は付加)した画像を使用し、抽出した便の色と便基準色との距離計算を行い、抽出した便画像において最も多くの面積を占める色を便色とすることができる。例えば、画像63については、2色でなる便状のものが存在するが、そのうちより広い面積の色を便色とすることができる。なお、ここで付加される情報とは、例えば面積を示す情報などとすることもできる。
ステップS26の便量分析では、排泄が終了した時点の画像に対して前処理にて抽出した便画像(例えば画像63、或いはリアルタイム分析結果など)を使用し、一定サイズ内での面積比として便量を算出(推定)することができる。但し、同じ面積であっても便性によって便量が異なるため、便性に対応した面積比と便量の基準値により算出するとよい。
ステップS27の尿色分析では、ステップS25の便色分析と同じ方法とするが、対象画像が便画像ではなく尿画像とし、基準色との距離計算と、最も面積を多く占める色を尿色とすることができる。
ステップS28の尿量分析では、リアルタイム分析結果として「尿滴り」に分類された全ての尿滴り画像に対し、尿滴りが継続する時間等の情報(尿滴り画像情報)や係数を用いて算出することができる。ここで、上記係数は、例えば、一般的な又はそのユーザの排尿量の平均値を用いることができる。上記全ての尿滴り画像が一定周期で取得された画像である場合には、その画像や排尿量平均から排尿量を推定し、その推定結果から尿量がどの値に該当するのかを分類することができる。なお、排尿量平均など排尿量に関する値は、随時調査を行った結果として得ることができ、この場合、可変パラメータとなる。
また、排尿量の結果については、図12に例示するような尿量に対応するクラスに分類することができる。図12に示す例では、クラス名として、極小、小、中、多、特多があり、それぞれ閾値a未満、閾値a以上閾値b未満、閾値b以上閾値c未満、閾値c以上閾値d未満、閾値d以上、として分類されることになる。
それぞれの分析が完了するとクラウドサーバ等のサーバ40へ分析結果が送信される(ステップS29)。この時、送信対象の分析結果は、リアルタイム分析結果、非リアルタイム分析結果の双方とすることができる。また、第1カメラ16bで撮影した画像データについてはサーバ40へ送信は行わない。ステップS29においてサーバ40への分析結果の送信が完了すると、非リアルタイム分析も完了となる(ステップS30)。
但し、分類等の手順は図8〜図12で例示したものに限らない。リアルタイム分析は、上述のようにDLによる学習済み画像との比較処理とすることができるが、はじめに排泄物か異物かの判定を行うようにすることができる。この判定は一定周期で実施し、異物と判定された場合、介護者に異物通知を行い、「便」「便+尿」「尿」「尿滴り」「おしり洗浄機」の5種類に分類する排泄物分析へ移行する。なお、この排泄物分析も一定周期で実施し、「おしり洗浄機」の検出により排泄完了と判断する。排泄完了に伴い、排泄物分析装置10が介護者の端末装置50へリアルタイム分析結果とともに排泄完了通知が送られ、リアルタイム分析に用いた画像及びリアルタイム分析結果を用いた非リアルタイム分析へ移行する。着座検出からここまでの処理は全て便器に設置された排泄物分析装置10で実行される。
以上のように、排泄物分析装置10では、リアルタイム分析結果として排泄開始、異物検出、排泄物検出、排泄完了を得ることができ、非リアルタイム分析結果として便性、便色、尿量、尿色、尿量を得ることができる。いずれの分析結果も端末装置50から閲覧可能な状態でクラウド上のサーバ40に記録されることができ、また、端末装置50に送信するように構成することもできる。また、サーバ40が、受信した分析結果を蓄積しておき、蓄積したデータからさらなる分析を行い、その分析結果を端末装置50に通知又は端末装置50から閲覧可能に構成することもできる。
また、排泄物分析装置10又はそれを含む本システムでは、ユーザが1人であることを前提に個人宅で使用することもできるが、ユーザが複数存在することを前提としてユーザを識別する機能をもたせることが好ましい。この機能については、第2カメラ15bで取得された顔画像データやBluetoothモジュール14bで得られた識別データを利用して説明した通りである。これにより、ユーザ名とともに、入室通知、退出通知、着座通知、退座通知、排泄開始通知、排泄完了通知などを介護者に通知することや、ユーザ毎に詳細情報を記録することや、排泄日誌やそれを含む介護記録を作成することが可能となる。
ここで、排泄日誌やそれを含む介護記録に関して補足説明する。リアルタイム分析や非リアルタイム分析により得られた情報は、ユーザの排泄日誌等を介護者が作成する際に利用することができる。また、端末装置50のプログラムは、排泄物分析装置10から受信した通知情報を提示する提示機能を含む介護ソフトウェアとして、端末装置50に実行可能に組み込まれていることができる。また、この介護ソフトウェアは、サーバ40から転送された情報又はサーバ40にアクセスした際に得た情報を、排泄日誌又はそれを含む介護記録に自動的に入力する機能を備えることができる。また、このような介護ソフトウェアはサーバ40上に設けられていてもよく、その場合、排泄物分析装置10から通知情報及び詳細情報を受信し、それらの情報を自動的に排泄日誌又は介護記録に自動的に入力するようにしておけばよい。
排泄日誌は、今後の排泄予測を記録したものであることが望ましい。そのためには本システムに予測機能を搭載する。予測は、非リアルタイム分析の結果(及びリアルタイム分析)の結果から実施することができ、例えば予測を行う学習済みモデルをサーバ40及び端末装置50の少なくとも一方に搭載することで、実現することができる。上述したリアルタイム分析や非リアルタイム分析では、ユーザ毎に排泄日時や排泄量などが出力できるため、本システムではサーバ40及び/又は端末装置50において最終的に排泄日誌を記録しておくことができる。本システムは、この排泄日誌を利用し、そのうち必要な情報を学習済みモデルに入力して次回以降の排尿や排便の日時(排泄タイミング)や量などを出力するように構成しておくことができる。この出力は、排尿や排便の傾向(平均間隔等)であってもよい。或いは、非リアルタイム分析に、上述したような予測を含めておくこともできる。
このような予測機能を搭載することで、介護者の日々の排泄記録や排泄日誌等の負担を軽減するだけでなく、これらのデータの傾向などを分析することができる。それにより、決められた日数、排便の記録が無い場合に本システムが便秘のアラートをユーザと介護者に通知して対処を促すことができる。例えば、本システムが排泄行為の実施日時を確認して、ユーザ毎に排泄行為の平均的な間隔時間を割り出すことで、排尿時間を予測し、排泄予定時間になったら、ユーザと介護者に排泄時間であることを通知することで、ユーザの失禁を減らし自立支援を行う。さらに、排尿間隔が一定の閾値を超えることにより排尿障害の傾向を把握し、本システムからユーザと介護者にアラームを通知することで、早期の病院受診が可能となる。また、本システムは、排便間隔についても同様にアラームを通知するように構成することができる。このように、本システムは排泄行為の実施日時、排泄内容の情報を確認し、設定している閾値を超えているか否かを判定することで、排尿障害や便秘傾向を把握して、介護者やユーザに警告を通知することができる。そして、これらの機能により、介護者の負担が軽減と、トイレのユーザへの手厚いサポートが可能となる。
また、本システムでは、排泄物分析装置10が排泄物以外の異物を検知した場合に、介護者にアラームを通知するだけでなく、トイレの浄水を停止する機能(洗浄停止機能)も備えることが好ましい。そのために、排泄物分析装置10は、便器の洗浄機能を制御する洗浄制御部(図示せず)を備えることができる。この洗浄制御部は、便器の洗浄機能を有する機器(例えばトイレを流す機能を有する、ウォシュレット(登録商標)等の温水洗浄便座など)と接続されているか、接続可能となっている。なお、上記温水洗浄便座の洗浄対象は、ユーザの臀部等となる。本システムは、このような機器、或いは温水洗浄便座一体型の便器を含むこともできる。
図3の構成例で説明すると、CPU11aと、便座22とCPU11aとのインタフェース(図示せず)とは、この洗浄制御部の一例とすることができる。なお、洗浄機能については、既存の技術を利用して便器20へ流す水の量を制御するように(この例では便座22が制御するように)すればよい。そして、CPU11aは、通知情報として異物が含まれる情報を通知する場合に、洗浄機能を停止させる停止指示を便器側(この例では便座22)に出力し、これにより洗浄機能が停止される。例えば、排泄物分析装置10は、トイレの便座22の電源コードに接続している遠隔操作可能な電源タップに電源切断を通知して、トイレの便器20の洗浄機能を停止する。より具体的には、IoT(Internet of Things)タップを介して便座22に電源を供給しておき、停止指示をこのIoTタップに対して出力し、電源をオフさせるようにしておくことができる。この場合、停止指示は、例えば、CPU11aがBluetoothモジュール14bを介して行うことができる。
このような洗浄停止機能を備えることで、ユーザが洗浄機能を使用した場合であってもその洗浄機能を停止しているため、異物を流さずにそのままにしておくことができ、その異物を後に検体などとして検査することができる。また、異物を流さないとともに異物の検出を示す警告情報を出力するため、ユーザの介護者などがトイレに駆けつけることができ、これによりユーザが異物を流せないことによって感じ得る困惑を防止することもできる。
以上に説明したように、本システムは、実施形態1で説明した効果を奏することができる。特に又はその効果に加えて、本システムは、例えば、以下のような効果を奏する。
第一の効果は、第1カメラと機械学習の組み合わせで識別した排泄物の内容を自動で記録することにより、これまで行われていた手動での排泄物の聞き取り、尿量測定、便性確認と、排泄日誌の作成を不要にすることができる点である。これにより、介護士等の介護者の事務作業時間を削減することができる。
第二の効果は、リアルタイム分析によりトイレ内で発生しているイベント(着座、排泄、異物検出等)が即時性をもって介護者に通知可能となり、介護者がユーザの排泄に付きっきりの状況から解放される点である。
第三の効果は、リアルタイム分析で異物を検出した際に、介護者に警告(アラーム)を通知することにより、トイレの排水に関する事故を未然に防ぎ、排水トラブルに関する対応費用を削減できる点である。
第四の効果は、第1カメラ16aで撮影した画像について分析を行う際、排泄物分析装置10で全ての分析処理を行い、クラウドサーバ等のサーバ40には分析結果のみ送信することができる点である。これにより、排泄物の撮像データについては第三者の目に触れることがなく、ユーザのプライバシーに関する精神的負担を軽減することができる。
第五の効果は、排泄物に関する分析をリアルタイム分析、非リアルタイム分析にわけることにより、排泄物分析装置10に内蔵されるCPU11aを省スペース且つ省電力とすることができ、排泄物分析装置10が安価となる点である。排泄物分析装置10が安価になることで、サーバ等も含めたシステムの導入コストや故障時の維持管理のコストを低減することができる。
第六の効果は、排泄物の分析結果をDB形式等で記録した排泄記録から、便秘や排尿障害の可能性を把握できることで、今まで行っていた便の有無の聞き取りの信用性の問題から安全側に考えて不要でも下剤を投与する必要がなくなる点である。これにより、薬代を削減することができる。
第七の効果は、排泄物の分析結果をDB形式等で記録した排泄記録からユーザ個別の排尿間隔を把握することができるようになる点である。これにより、ユーザはおむつや尿とりパッドを常用せずに済むため、経費の削減が行え、介護者は各ユーザの状態を把握し、各ユーザへの自立支援を容易に行うことができる。
<実施形態3>
実施形態3について、図13を参照しながら実施形態1,2との相違点を中心に説明するが、実施形態1,2で説明した様々な例が適用できる。図13は、実施形態3に係るサーバ装置の一構成例を示すブロック図である。
図13に示すように、本実施形態に係るサーバ装置70は、排泄物分析装置1又は排泄物分析装置10から詳細情報を受信する受信部70aと、受信部70aで受信した詳細情報を記憶する記憶部70bと、情報処理部70cと、を備える。サーバ装置70は、コンピュータで構成することができ、情報処理部70cはその制御部であるとも言える。
本実施形態では、上記詳細情報は、排泄日時(発生日時)、排泄物の種類、及び排便の形状を示す情報を少なくとも含むものとする。そして、情報処理部70cは、排便の形状毎に詳細情報を集計する。集計は、単純な例を挙げると、例えば形状毎の回数のカウント、或いは一定期間毎の平均回数の算出などの処理とすることができる。
また、情報処理部70cは、上記詳細情報から、排泄日時、排泄物の種類、排便の形状を含む情報(集計対象の情報)を抽出し、抽出した情報を様々な条件で排便の形状毎に集計することもできる。
サーバ装置70は、このようにして、排泄物分析装置1又は排泄物分析装置10が収集する正確な詳細情報(排泄情報と称することができる)を集計することができる。また、集計処理に際しては、必要な情報を詳細情報から抽出し、抽出した情報についてのみを対象として集計処理を実施することもできる。
また、集計された結果は、記憶部70b等の記憶装置に記憶させておくことができる。集計された結果は、外部装置からの要求に従い、介護者Cが使用する端末装置50やトイレのユーザPが使用する端末装置等の外部装置に提供することが可能な状態で記憶させておくことが好ましい。この場合、サーバ装置70は、ネットワーク等を介して、情報処理部70cでの処理結果を外部装置に提供する提供部(図示せず)を備える。集計された結果はデータベース型式で記憶されることが好ましく、また外部装置からアクセス可能なサーバ装置(例えばクラウドサーバ装置)に記憶されることが好ましい。なお、集計された結果は、様々な用途で提供することができ、その利用の方法等については実施形態4,5において後述する。
また、受信部70aは、排泄物分析装置1又は排泄物分析装置10から詳細情報を受信することを前提に説明した。但し、詳細情報は、排泄物分析装置1又は排泄物分析装置10以外の装置で分析された情報であってもよく、また、排泄物分析装置1又は排泄物分析装置10以外の装置から受信した情報であってもよい。詳細情報は、トイレの便器における排泄物をその便器で撮像された撮像データから分析した結果である排泄の内容を示す詳細情報であって、排泄日時、排泄物の種類、及び排便の形状を示す情報を少なくとも含むものであればよい。
<実施形態4>
実施形態4について、図14〜図20を併せて参照しながら実施形態3との相違点を中心に説明するが、実施形態1〜3で説明した様々な例が適用できる。図14は、実施形態4に係る分析システムの一構成例を示す図で、図15は、図14の分析システムにおいて排泄物分析装置10から送信される送信情報の一例を示す図である。図16は、図14の分析システムにおいてサーバ装置に記憶される排泄情報データベースに含まれる集約情報テーブルの一例を示す図で、図17〜図19は、排泄情報データベースに含まれる集計情報テーブルの例を示す図である。
図14に示すように、本実施形態に係る分析システムは、排泄情報データベース(DB)71を含むクラウドネットワークNに、複数の排泄物分析装置10、及びトイレユーザ又はその介護者等の管理者が使用する端末装置80を接続して構成することができる。排泄情報DB71は、図13のサーバ装置70の記憶部70bに記憶されることができる。
つまり、この分析システムでは、排泄情報DB71に含まれる情報がクラウドネットワークN上で端末装置80に提供可能に構成されている。端末装置80は、排泄情報DB71から所望する情報(但し、プライバシーを配慮し、端末装置80のユーザに応じた情報)を取得することができる。この分析システムではそのような情報を提供するサービスを端末装置80のユーザに提供することができる。なお、クラウドネットワークN上にDBを構築することは、排泄物分析装置10の数やトイレユーザの数や実際の利用状況に応じて、DB容量、処理性能、及び装置数も柔軟に変更できる点で、有益であると言える。
図15〜図19を参照しながら、排泄情報DB71の具体例について説明する。
排泄情報DB71は、複数の排泄物分析装置10から送信された送信情報(例えば図15の送信情報)を、情報処理部70cで集約した情報(例えば図16の集約情報テーブル71a)を含むこと、その情報から集計対象の情報を抽出した情報を含むことができる。また、排泄情報DB71は、クラウドネットワークNで提供する情報として、集計した情報(例えば図17〜図19の集計情報テーブル71b,71c,71d)を含むことができる。
排泄物分析装置10は、排泄情報(上述した詳細情報)を収集し、使用者情報及び設置場所情報と併せてサーバ装置70側にそれらの情報(送信情報)を送信する。収集される排泄情報は、図15で例示するように、次のような情報を含むことができる。即ち、排泄情報は、排泄日時(発生日時)、排泄物の種類(排尿、排便、異物のいずれかを示す情報)、排尿の量(例えば多い、普通、少ないのいずれかを示す情報)、及び排便の形状(例えば硬い、普通、下痢のいずれかを示す情報)を含むことができる。また、排泄情報は、排便の色を含むことができ、さらに回数(1日の排尿、排泄の回数)を含むことができる。
送信情報は、図15で例示するように、このような排泄情報と、トイレユーザの年齢及び性別を含む使用者情報(ユーザ情報)と、トイレの設置場所又はトイレユーザの住所を示す住所情報(設置場所情報)と、を含むことができる。ユーザ情報及び住所情報は、排泄情報に関連付けられている。住所情報は、郵便番号のみなど、プライバシーに配慮した情報とすることが好ましい。なお、トイレの設置場所は排泄物分析装置10の設置場所を指すことができる。また、後述するユーザへの連絡が必要な例では、ユーザ情報にユーザの連絡先等の情報を含めておけばよい。送信情報は、図13のサーバ装置70の受信部70aで受信され、情報処理部70cでの抽出及び集計の対象として記憶部70bに記憶されることができる。
サーバ装置70は、このような送信情報を受信して排泄情報DB71に登録する。この登録に際し、クラウドネットワークN上の排泄情報DB71に送信情報を登録する図16の集約情報テーブル71a(情報が格納されていない状態)を生成しておく。排泄物分析装置10が排泄情報を収集し、図15に示すように排泄情報にユーザ情報と設置場所情報を併せて送信情報として、クラウドネットワークN上の排泄情報DB71を備えるサーバ装置70に送信する。排泄情報DB71は、排泄物分析装置10から送信された送信情報を受信した際に、その送信情報で集約情報テーブル71aに格納された情報を更新する。
次に、排泄情報DB71でのデータ集計について説明する。実施形態3で説明したように、情報処理部70cは、送信情報から、排泄日時、排泄物の種類、排便の形状を含む情報(集計対象の情報)を抽出し、抽出した情報を様々な条件で排便の形状毎に集計することができる。データ集計は、排泄情報DB71上の集約情報テーブル71aから行うことができるが、提供情報を生成するためになされる。提供先としては、介護者、トイレユーザ等が挙げられる。提供情報は排泄の内容や変化を提供先において閲覧し易い情報としておくことが好ましい。
例えば、排泄情報DB71には、図17〜図19に示す集計情報テーブル71b〜71dを生成しておくことができる。これらのテーブルの生成のためには、まずこのような集計結果が取得できるビューを予め生成しておき、情報を登録していくとよい。
集計情報テーブル71bは、排便形状の集計結果を示すテーブルであり、集約情報テーブル71aから発生日時、排泄物の種類、排便の形状の情報を利用して生成することができる。例えば、集約情報テーブル71aから排泄物の種類が排便に該当する情報を抽出し、抽出した情報を発生日時(この例では発生月)と排便の形状の情報で分類し、分類後の情報を集計情報テーブル71bに集計することができる。集計情報テーブル71bからは、月毎に排便形状の傾向を見ることができ、この情報を見た者は例えば下痢の多い月は体調を崩し易いと認識することができる。
集計情報テーブル71cは、年代別の排便形状の集計結果を示すテーブルであり、集約情報テーブル71aから発生日時、排泄物の種類、排便の形状、年齢の情報を利用して生成することができる。例えば、集約情報テーブル71aから排泄物の種類が排便に該当する情報を抽出し、抽出した情報を発生日時(この例では発生月)、排便の形状、年齢の情報で分類し、分類後の情報を集計情報テーブル71cに集計することができる。集計情報テーブル71cからは、月毎に年代で分類した排便形状の傾向を見ることができる。
集計情報テーブル71dは、地域別の排便形状の集計結果を示すテーブルであり、集約情報テーブル71aから発生日時、排泄物の種類、排便の形状、住所(郵便番号)の情報を利用して生成することができる。例えば、集約情報テーブル71aから排泄物の種類が排便に該当する情報を抽出し、抽出した情報を発生日時(この例では発生月)、排便の形状、住所(郵便番号)の情報で分類し、分類後の情報を集計情報テーブル71dに集計することができる。集計情報テーブル71dからは、月毎に地域で分類した排便形状の傾向を見ることができる。
また、集計情報テーブル71b〜71dで傾向を把握可能な例を挙げたように、情報処理部70cは、排便の形状の時間的な変化の傾向を分析することが好ましい。傾向を分析する手法は問わない。また、分析結果としては、例えば集計情報テーブル71cについては「下痢の多い月は○月である」などの文章で提供するようにしてもよい。
また、図15で例示したように、送信情報における詳細情報には、排便の色を示す情報を含むことが好ましい。その場合、情報処理部70cは、排便の形状及び色の時間的な変化の傾向を分析することが好ましい。排便の形状の変化傾向や色の変化傾向を分析した結果は、後述する感染症の予測等に利用することができる。例えば感染性胃腸炎では罹患により排便の形状や色が変化するため、そのような感染症の予測に排便の変化の傾向の分析結果を利用することができる。また、同様に、送信情報における詳細情報には、排便の量を示す情報を含むこともできる。
また、感染症を予測する場合、地域毎に感染症の発生状況が異なるため、地域も考慮する必要がある。地域を考慮する場合には、上述したように、受信部70aは、詳細情報に関連付けられた住所情報を受信する必要があり、感染症の予測のために感染症の流行の注意(警告も含む)を促す注意情報を受信する。
住所情報は、詳細情報とともに受信することができる。注意情報は、詳細情報とは別経路で受信することができる。例えば、注意情報は、サーバ装置70に備えられた操作部からの入力データとして又は外部記録媒体上から読み出すことで受信することができる。或いは、注意情報は、サーバ装置70に接続された注意情報提供用のサーバ装置(例えば保健所が情報提供のために利用しているサーバ装置)定期的に取得することで受信することもできる。
そして、情報処理部70cは、住所情報及び詳細情報から、住所情報が示す地域毎に排便(形状又は形状及び色など)の時間的な変化の傾向を分析し、分析結果と注意情報とに基づき(分析結果と注意情報とを組み合わせて)、上記感染症の流行を地域毎に予測する。分析に用いる住所情報及び詳細情報は、集約情報テーブル71aで例示したような送信情報を集約した情報とすることができるが、集計情報テーブル71dのような集計結果とすることが好ましい。また、地域とは、市区町村の町域単位を指すことができるが、保健所の管轄区域単位や学校校区単位などとすることもでき、予測対象の地域が区別できるような住所情報を受信しておけばよい。
また、予測の方法は問わないが、注意情報と排便形状や排便色がその感染症で生じ得る形状や色が多くなってきたかなどにより、実施することができる。また、受信部70aが注意情報と気候情報(気象の予測情報)とを含む環境情報を受信し、分析した結果と環境情報とに基づき、感染症の流行を地域毎に予測してもよい。また、予測は複数の感染症に対して、感染症毎に実行することができる。
そして、サーバ装置70は、情報処理部70cで地域毎に予測された結果を、各地域に関連付けられた提供先に提供する提供部(図示せず)を備えることが好ましい。この予測結果は、罹患したとの診断を受けていない罹患者も含むトイレユーザの排便の結果に基づいているため、注意情報より現実の感染状況を反映できていると言える。また、この予測された結果(感染症流行の注意情報)は、該当する市区町村の町域単位や学校校区単位など地域毎に、サーバ装置70からスマートフォン等の端末装置80へ通知を行うことで提供されることができる。
このように、本実施形態に係る分析システムは、感染症の流行予測や健康を維持させるための情報としてその予測結果の提供を行うような感染症予測システムとして構築することができる。
また、排便形状の集計期間について、月単位とした例を挙げたが、例えば日単位や年単位、所定数の月単位、所定日数単位、所定年数単位としてもよい。これにより、日毎や年毎などの排便の形状の傾向を把握することができる。また、例えば年毎に集計した結果は、さらに日毎、月毎に集計することもできる。
次に図20を参照しながら、本実施形態に係る感染症予測システムにおけるサーバ装置70の処理の流れを概略的に説明する。図20はサーバ装置70の処理例を説明するためのフロー図である。
まず、サーバ装置70の受信部70aは、送信情報を受信し(ステップS41)、それを記憶部70bに記憶させる(ステップS42)。情報処理部70cは、排便形状毎にその送信情報を集計し、集計結果を記憶部70bに記憶させる(ステップS43)。感染症の予測まで実行する例では、さらに、情報処理部70cが、排便形状の時間的な変化を地域毎に分析する(ステップS44)。次いで、情報処理部70cが、その分析結果と感染症についての注意情報とに基づき、その感染症の流行を地域毎に予測し、予測結果を記憶部70bに記憶させる(ステップS45)。
次に、特に感染症の流行予測に関する効果について説明する。
まず、現状の感染症の情報の提供方法及びその課題について説明する。
現状では、感染性胃腸炎などの感染症が発生すると、医療機関は受診した感染症患者数を保健所等へ届け出て、届出数が基準を超える場合は保健所が感染症の流行を注意情報(注意報や警報)として発信している。そのため保健所は管轄区域内で感染症が流行していることはわかるが、感染症患者の住所情報を認識していないため流行している市区町村内の町域や学校校区の場所までは把握できない。これにより、保健所の管轄区域では感染症が流行しているが、その管轄区域内の市区町村の町域単位や学校校区単位では感染症が流行していないという矛盾が生じる。この矛盾を解消するためには、保健所は市区町村の町域単位や学校校区単位に注意報・警報を発信する必要があるが、感染症患者個々の住所情報を認識していないため詳細な流行範囲を把握できないことから、現状はできていない。
また、現状では、医療機関は、1週間の感染症患者数の集計を翌週の月曜日に保健所へ届け出ている。保健所は管轄区域内の医療機関からの届け出をまとめ、感染症患者数が一定数を超えた場合、注意報・警報を発信するので、感染症患者の増加から注意報・警報の発信までには時間差がある。このように、医療機関から保健所へは、週単位に集計した結果を届け出るため、感染症患者の増加から注意報・警報の発信までには時間差がある。
これに対し、本実施形態では、排泄物分析装置10が収集した排泄情報は例えば一日単位でも集計が可能である。そのため、本実施形態では、毎日の集計結果から排便状態が下痢の人が増加していることを把握することができ、また、住所情報により該当する市区町村の町域や学校校区の場所を把握することができる。そして、本実施形態では、この情報と保健所が発信する感染症発生の情報を組み合わせることで、該当する市区町村の町域や学校校区で感染症の流行を予測すること、並びに予測結果を示す地域毎の注意情報を提供することができる。
このように、本実施形態に係る感染症予測システムは、排泄物の形状や色などの情報を収集して、地域毎に分析を行い、感染症についての注意情報も用いてその感染症の流行を予測する。よって、この感染症予測システムによれば、例えば、感染症流行の注意情報が保健所の管轄区域を対象として発行される場合であっても、市区町村の町域単位や学校校区単位などに対して、より現実の感染状況を考慮した注意情報として提供できるようになる。また、この感染症予測システムでは、より現実の感染状況を考慮した注意情報として提供することができることから、注意情報の遅れにより感染症に対して迅速な予防ができないといった課題を解決することができ、感染症の拡大防止効果が期待できる。
<実施形態5>
実施形態5について、図21〜図24を参照しながら実施形態4との相違点を中心に説明するが、実施形態1〜4で説明した様々な例が適用できる。図21は、実施形態5に係る分析システムの一構成例を示す図で、図22、図23はそれぞれ、図21の分析システムにおいてサーバ装置に記憶される排泄情報データベースに含まれる集約情報テーブルの一例、集計情報テーブルの一例を示す図である。
実施形態4で説明したように排泄物分析装置10で収集する詳細情報(排泄情報)は感染症拡大の防止に利用できるが、トイレユーザ自身や排泄物分析装置10の設置者がその設置により得られる利点を増やすことが望ましい。その際、排泄情報が機微情報であり、情報の提供には抵抗がある点を考慮することも必要である。
そのため、本実施形態では、排便・排尿の情報を排泄によって提供することになるトイレユーザに対して、排泄物分析装置10の設置者がその情報から健康状態を予測するサービスや、健康状態に適した健康アドバイスを提供するサービスを行うようにする。これにより、排泄物分析装置10の設置と情報提供に利点が生じ、結果的に排泄物分析装置10の設置を推進することが可能になる。
このような本実施形態について具体的に説明する。
本実施形態に係る分析システムでは、図13のサーバ装置70において、次のような処理を行うように構成する。まず、受信部70aは、詳細情報に関連付けられたユーザ情報及び住所情報を受信し、且つ、気候情報と感染症が流行した結果を示す感染症流行情報とを含む環境情報を受信する。記憶部70bは、受信した情報を記憶する。
図21に示すように、本実施形態に係る分析システムは、排泄情報DB71を含むクラウドネットワークNに、複数の排泄物分析装置10、介護者等の管理者が使用する端末装置80、及びトイレユーザが使用する端末装置90を接続して構成することができる。ここで、図示したように端末装置90はクラウドネットワークNとは異なる別のネットワークN1を介して端末装置80と接続されることもできる。
情報処理部70cは、ユーザ情報、住所情報、環境情報、及び詳細情報から、ユーザ情報が示すユーザ毎の、環境情報に応じた排便の時間的な変化の傾向を分析する。そして、情報処理部70cは、分析した結果からユーザ情報が示すユーザ毎に上記感染症の罹患状態を含む健康状態を予測する。
分析や予測の方法は問わないが、ユーザ毎の健康予測に利用し易いように、まずユーザ毎に情報の集計を行ってもよい。より具体的には、排泄情報DB71に記憶される図16の集約情報テーブル71aからユーザ毎の情報の抽出を行い、図22に示す個人向け集約情報テーブル71eを生成する。この個人向け集約情報テーブル71eから発生日時、排泄物の種類、排便の形状、排便の色の情報を利用して、分析を行うことになる。例えば、まず、個人向け集約情報テーブル71eから排泄物の種類が排便に該当する情報を抽出し、抽出した情報を発生日時、排便の形状、排便の色で分類し、分類後の情報を図23の集計情報テーブル71fに集計する。集計情報テーブル71fからは、そのユーザについて、月毎に排便の形状、色の変化の傾向を見ることができる。なお、排便の集計期間について、月単位とした例を挙げたが、これに限らない。
また、集計情報テーブル71fで傾向を把握可能な例を挙げたように、情報処理部70cは、このような傾向の分析を行う。上述したように、分析する手法は問わない。
そして、情報処理部70cは、ユーザ毎に、排便の傾向を分析した結果から上記感染症の罹患状態を含む健康状態を予測する。また、予測は複数の感染症に対して、感染症毎に実行することができる。上述したように予測する手法は問わないが、今まで蓄積されたユーザ毎の詳細情報を分析し、詳細情報と環境情報とから、各ユーザの体調を崩し易い時期を予測することや、近隣地域での感染症の発生から各ユーザの感染症の感染を予測することができる。また、情報処理部70cは、各ユーザについて、このような予測結果から体調を崩さないための情報や感染症への感染を防止する方法を健康アドバイス情報として生成することもできる。健康アドバイス情報は、予測結果に応じて予め用意したフォーマットで提供できるようにしておくことができる。
また、サーバ装置70は、情報処理部70cでユーザ情報毎に予測された結果を、各ユーザ情報が示すユーザについての連絡先情報が示す連絡先に提供する提供部(図示せず)を備えておけばよい。そのため、ユーザ情報は、トイレのユーザの連絡先を示す連絡先情報を含んでおけばよい。
例えば、スマートフォン等の端末装置90からWebページにアクセスしてユーザを指定することで、或いは端末装置90に搭載したアプリケーションプログラムにログインすることで、予測結果や健康アドバイス情報が閲覧できるように構成しておけばよい。予測結果や健康アドバイス情報は記憶部70bに記憶しておけばよい。また、健康予測や健康アドバイス情報については、トイレユーザだけでなく、トイレユーザと同居する家族や離れて暮らす家族が使用する端末装置からも同様の情報が閲覧可能に構成しておくことが望ましい。
また、本実施形態は、実施形態1,2で説明した排泄物分析装置1,10で詳細情報等を取得する構成に限らず、他の装置で同様の情報を取得する構成を採用することもできる。上記同様の情報とは、トイレの便器における排泄物を便器で撮像された撮像データから分析した結果である排泄の内容を示す詳細情報と、詳細情報に関連付けられたユーザ情報及び住所情報と、環境情報と、を指す。環境情報とは、気候情報と感染症が流行した結果を示す感染症流行情報とを含む情報とすることができる。
このように、本実施形態に係る分析システムは、排泄情報を使って個人の健康状態を予測して提供する健康情報提供システムとして構築することができる。次に図24を参照しながら、本実施形態に係る健康情報提供システムにおけるサーバ装置70の処理の流れを概略的に説明する。図24はサーバ装置70の処理例を説明するためのフロー図である。
まず、サーバ装置70の受信部70aは、送信情報及び環境情報を受信し(ステップS51)、それらを記憶部70bに記憶させる(ステップS52)。情報処理部70cは、ユーザ情報、住所情報、環境情報、及び詳細情報から、ユーザ情報が示すユーザ毎の、環境情報に応じた排便の時間的な変化の傾向を分析し、分析結果を記憶部70bに記憶させる(ステップS53)。なお、ステップS53に先立ち、上述したようにユーザ毎の集計を行っておいてもよい。さらに、情報処理部70cが、分析結果からユーザ情報が示すユーザ毎に感染症の罹患状態を含む健康状態を予測し、予測結果を記憶部70bに記憶させる(ステップS54)。
本実施形態によれば、排泄情報からユーザの健康状態を予測することができ、排泄物分析装置のユーザに対して健康増進に効果的な健康情報の提供が可能となるため、排泄物分析装置を設置する利点が生じ、排泄物分析装置の設置を進める効果が期待できる。
<他の実施形態>
[a]
各実施形態において、分析システム及びそのシステムに含まれる各装置の機能について説明したが、各装置は、図示した構成例に限ったものではなく、各装置としてこれらの機能が実現できればよい。例えば、サーバ40やサーバ装置70等の上述したサーバ装置は、機能を分散して複数のサーバ装置でなる分散システムとして構築することができる。
[b]
実施形態1〜5に係る各装置は、次のようなハードウェア構成を有していてもよい。図25は、装置のハードウェア構成の一例を示す図である。なお、上記他の実施形態[a]についても同様である。
図25に示す装置100は、プロセッサ101、メモリ102、及び通信インタフェース(I/F)103を有することができる。プロセッサ101は、例えば、マイクロプロセッサ、MPU(Micro Processor Unit)、又はCPUなどであってもよい。プロセッサ101は、複数のプロセッサを含んでもよい。メモリ102は、例えば、揮発性メモリ及び不揮発性メモリの組み合わせによって構成される。実施形態1〜5で説明した各装置における機能は、プロセッサ101がメモリ102に記憶されたプログラムを読み込んで実行することにより実現される。この際、他の装置との情報の送受は通信インタフェース103又は図示しない入出力インタフェースを介して行うことができる。特に、装置100が排泄物分析装置である場合、装置100に内蔵又は外付けされた撮像装置の情報(撮像データを含む)の送受も通信インタフェース103又は図示しない入出力インタフェースを介して行うことができる。
上述の例において、プログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えばフレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば光磁気ディスク)を含む。さらに、この例は、CD−ROM(Read Only Memory)、CD−R、CD−R/Wを含む。さらに、この例は、半導体メモリ(例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM(Random Access Memory))を含む。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
[c]
さらに、上述した実施形態1,2において、排泄物分析システムにおける排泄物分析方法の手順を例示したように、本開示は、排泄物分析方法(分析方法)としての形態も採り得る。この排泄物分析方法は、次の入力ステップ、保持ステップ、第1分析ステップ、及び第2分析ステップを備えることができる。上記入力ステップは、排泄物分析装置が、トイレの便器における排泄物の排泄範囲を撮像範囲に含めるように設置された撮像装置で撮像された撮像データを入力する。上記保持ステップは、排泄物分析装置が、上記入力ステップで入力された撮像データを一時的に保持する。上記第1分析ステップは、排泄物分析装置が、上記入力ステップで入力された撮像データである第1分析対象データを分析し、トイレの使用者を監視する監視者への通知情報を出力する。上記第2分析ステップは、排泄物分析装置が、上記入力ステップで入力され上記保持ステップで一時的に保持された撮像データである第2分析対象データを分析し、排泄の内容を示す詳細情報を出力する。なお、その他の例については、実施形態1,2で説明した通りである。また、上記プログラムは、排泄物分析装置に(排泄物分析装置が備える制御用のコンピュータに)、上記入力ステップ、上記保持ステップ、上記第1分析ステップ、及び上記第2分析ステップを実行させるためのプログラムであると言える。
また、実施形態3,4において、分析システムにおける分析方法の手順を例示したように、本開示は、他の分析方法としての形態も採り得る。ここでの分析方法は、次の受信ステップ、記憶ステップ、及び情報処理ステップを備え、好ましくは次の提供ステップを備える。上記受信ステップは、サーバ装置が、トイレの便器における排泄物をその便器で撮像された撮像データから分析した結果である排泄の内容を示す詳細情報(排泄情報とも言える)を受信する。上記記憶ステップは、サーバ装置が、受信ステップで受信した詳細情報を記憶する。ここで、詳細情報は、排泄日時、排泄物の種類、及び排便の形状を示す情報を少なくとも含む。上記情報処理ステップは、サーバ装置が、排便の形状毎に詳細情報を集計する。上記提供ステップは、サーバ装置が、情報処理ステップでの処理結果を外部装置に提供する。なお、その他の例については、実施形態3〜5で説明した通りである。また、この場合において、上記プログラムは、サーバ装置(コンピュータ)に、上記受信ステップ、上記記憶ステップ、及び上記情報処理ステップ(好ましくはそれらに加えて上記提供ステップ)を実行させるためのプログラムであると言える。
また、実施形態5において、分析システムにおける分析方法の手順を例示したように、本開示は、他の分析方法としての形態も採り得る。ここでの分析方法は、次の受信ステップ、記憶ステップ、及び情報処理ステップを備え、好ましくは次の提供ステップを備える。上記受信ステップは、サーバ装置が、トイレの便器における排泄物をその便器で撮像された撮像データから分析した結果である排泄の内容を示す詳細情報と、その詳細情報に関連付けられた使用者情報及び住所情報と、環境情報と、を受信する。ここで、詳細情報は、排泄日時、排泄物の種類、及び排便の形状を示す情報を少なくとも含む。また、使用者情報は、トイレの使用者を示す情報で、住所情報は、その使用者が居住する住所又はそのトイレの設置場所の住所を示す情報である。また、環境情報は、気候情報と感染症が流行した結果を示す感染症流行情報とを含む情報である。上記記憶ステップは、サーバ装置が、受信ステップで受信した詳細情報、使用者情報、住所情報、及び環境情報を記憶する。上記情報処理ステップは、サーバ装置が、使用者情報、住所情報、環境情報、及び詳細情報から、使用者情報が示す使用者毎の、環境情報に応じた排便の時間的な変化の傾向を分析する。上記情報処理ステップは、さらに、サーバ装置が、分析した結果から使用者情報が示す使用者毎に上記感染症の罹患状態を含む健康状態を予測する。上記提供ステップは、サーバ装置が、情報処理ステップでの処理結果を外部装置(使用者の連絡先)に提供する。なお、その他の例については、実施形態5で説明した通りである。また、この場合において、上記プログラムは、サーバ装置(コンピュータ)に、上記受信ステップ、上記記憶ステップ、及び上記情報処理ステップ(好ましくはそれらに加えて上記提供ステップ)を実行させるためのプログラムであると言える。
なお、本開示は上記実施形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。また、本開示は、それぞれの実施形態を適宜組み合わせて実施されてもよい。
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
<付記>
(付記1)
トイレの便器における排泄物の排泄範囲を撮像範囲に含めるように設置された撮像装置で撮像された撮像データを入力する入力部と、
前記入力部で入力された撮像データを一時的に保持する保持部と、
前記入力部で入力された撮像データである第1分析対象データを分析し、前記トイレの使用者を監視する監視者への通知情報を出力する第1分析部と、
前記入力部で入力され前記保持部で一時的に保持された撮像データである第2分析対象データを分析し、排泄の内容を示す詳細情報を出力する第2分析部と、
を備える、
排泄物分析装置。
(付記2)
前記第1分析部は、前記便器及び前記便器の洗浄用液体を除く被写体として糞尿以外の物体である異物が含まれるか否かの分析を実行し、異物が含まれるか否かを示す異物情報を、前記通知情報の少なくとも一部として出力する、
付記1に記載の排泄物分析装置。
(付記3)
前記第1分析部は、前記通知情報を、前記監視者が使用する端末装置に送信することで出力する、
付記1又は2に記載の排泄物分析装置。
(付記4)
前記第2分析部は、前記詳細情報を、前記排泄物分析装置にネットワークを介して接続されたサーバ装置に送信することで出力する、
付記1〜3のいずれか1項に記載の排泄物分析装置。
(付記5)
前記第1分析部は、前記通知情報を前記サーバ装置に送信することで出力する、
付記4に記載の排泄物分析装置。
(付記6)
前記保持部は、前記第1分析部での分析結果を前記第2分析対象データの一部として一時的に保持する、
付記1〜5のいずれか1項に記載の排泄物分析装置。
(付記7)
前記第1分析部は、前記第1分析対象データを入力し前記通知情報を出力する学習済みモデルを用いて、前記第1分析対象データから前記通知情報を得る、
付記1〜6のいずれか1項に記載の排泄物分析装置。
(付記8)
前記第2分析部は、前記第2分析対象データを入力し前記詳細情報を出力する学習済みモデルを用いて、前記第2分析対象データから前記詳細情報の少なくとも一部を得る、
付記1〜7のいずれか1項に記載の排泄物分析装置。
(付記9)
前記第2分析部は、前記第2分析対象データを画像処理して、前記詳細情報の少なくとも一部を得る、
付記1〜8のいずれか1項に記載の排泄物分析装置。
(付記10)
前記第2分析部は、前記詳細情報として、尿流率又は排尿量、単位期間当たりの排便回数又は排便量、排泄行為のタイミングである排泄タイミング、の少なくとも1つに関する情報を出力する、
付記1〜9のいずれか1項に記載の排泄物分析装置。
(付記11)
前記第2分析部は、前記詳細情報として、尿流率又は排尿量の低下状況、単位期間当たりの排便回数又は排便量の低下状況、排泄行為のタイミングである排泄タイミングの長期化状況、の少なくとも1つを示す情報を出力する、
付記10に記載の排泄物分析装置。
(付記12)
前記第1分析部は、前記便器に設置されたおしり洗浄装置の使用状況を示す情報及び前記便器に着座がなされたことを示す情報の少なくとも一方の情報を、前記通知情報の少なくとも一部として出力する、
付記1〜11のいずれか1項に記載の排泄物分析装置。
(付記13)
前記撮像装置をさらに備える、
付記1〜12のいずれか1項に記載の排泄物分析装置。
(付記14)
付記1〜13のいずれか1項に記載の排泄物分析装置と、前記排泄物分析装置に接続される前記監視者が使用する端末装置と、前記排泄物分析装置及び前記端末装置に接続されるサーバ装置と、を備え、
前記排泄物分析装置は、前記通知情報を前記端末装置に送信することで出力し、前記詳細情報を前記サーバ装置に送信することで出力し、
前記サーバ装置は、前記排泄物分析装置から受信した前記詳細情報を、前記端末装置から閲覧可能な状態で保存し、
前記端末装置は、前記排泄物分析装置から受信した前記通知情報と前記サーバ装置に保存された前記詳細情報とに基づき排泄日誌を生成する日誌生成部を備える、
分析システム。
(付記15)
付記1〜13のいずれか1項に記載の排泄物分析装置から前記詳細情報を受信する受信部と、
前記受信部で受信した前記詳細情報を記憶する記憶部と、
情報処理部と、
を備え、
前記詳細情報は、排泄日時、排泄物の種類、及び排便の形状を示す情報を少なくとも含み、
前記情報処理部は、前記排便の形状毎に前記詳細情報を集計する、
サーバ装置。
(付記16)
トイレの便器における排泄物を前記便器で撮像された撮像データから分析した結果である排泄の内容を示す詳細情報を受信する受信部と、
前記受信部で受信した前記詳細情報を記憶する記憶部と、
情報処理部と、
を備え、
前記詳細情報は、排泄日時、排泄物の種類、及び排便の形状を示す情報を少なくとも含み、
前記情報処理部は、前記排便の形状毎に前記詳細情報を集計する、
サーバ装置。
(付記17)
前記情報処理部は、前記排便の形状の時間的な変化の傾向を分析する、
付記15又は16に記載のサーバ装置。
(付記18)
前記詳細情報は、前記排便の色を示す情報を含み、
前記情報処理部は、前記排便の形状及び色の時間的な変化の傾向を分析する、
付記15又は16に記載のサーバ装置。
(付記19)
前記情報処理部での処理結果を外部装置に提供する提供部を備える、
付記15〜18のいずれか1項に記載のサーバ装置。
(付記20)
前記受信部は、前記詳細情報に関連付けられた、前記トイレの使用者が居住する住所又は前記トイレの設置場所の住所を示す住所情報を受信し、且つ、感染症の流行の注意を促す注意情報を受信し、
前記情報処理部は、前記住所情報及び前記詳細情報から、前記住所情報が示す地域毎に前記排便の時間的な変化の傾向を分析し、分析した結果と前記注意情報とに基づき、前記感染症の流行を前記地域毎に予測する、
付記17〜19のいずれか1項に記載のサーバ装置。
(付記21)
前記情報処理部で前記地域毎に予測された結果を、各地域に関連付けられた提供先に提供する提供部を備える、
付記20に記載のサーバ装置。
(付記22)
前記受信部は、前記詳細情報に関連付けられた、前記トイレの使用者を示す使用者情報及び前記トイレの使用者が居住する住所又は前記トイレの設置場所の住所を示す住所情報を受信し、且つ、気候情報と感染症が流行した結果を示す感染症流行情報とを含む環境情報を受信し、
前記情報処理部は、前記使用者情報、前記住所情報、前記環境情報、及び前記詳細情報から、前記使用者情報が示す使用者毎の、前記環境情報に応じた前記排便の時間的な変化の傾向を分析し、分析した結果から前記使用者情報が示す使用者毎に前記感染症の罹患状態を含む健康状態を予測する、
付記17〜19のいずれか1項に記載のサーバ装置。
(付記23)
トイレの便器における排泄物を前記便器で撮像された撮像データから分析した結果である排泄の内容を示す詳細情報と、前記詳細情報に関連付けられた、前記トイレの使用者を示す使用者情報及び前記トイレの使用者が居住する住所又は前記トイレの設置場所の住所を示す住所情報と、気候情報と感染症が流行した結果を示す感染症流行情報とを含む環境情報と、を受信する受信部と、
前記受信部で受信した前記詳細情報、前記使用者情報、前記住所情報、及び前記環境情報を記憶する記憶部と、
情報処理部と、
を備え、
前記詳細情報は、排泄日時、排泄物の種類、及び排便の形状を示す情報を少なくとも含み、
前記情報処理部は、前記使用者情報、前記住所情報、前記環境情報、及び前記詳細情報から、前記使用者情報が示す使用者毎の、前記環境情報に応じた前記排便の時間的な変化の傾向を分析し、分析した結果から前記使用者情報が示す使用者毎に前記感染症の罹患状態を含む健康状態を予測する、
サーバ装置。
(付記24)
前記使用者情報は、前記トイレの使用者の連絡先を示す連絡先情報を含み、
前記情報処理部で前記使用者情報毎に予測された結果を、各使用者情報が示す使用者についての前記連絡先情報が示す連絡先に提供する提供部を備える、
付記22又は23に記載のサーバ装置。
(付記25)
排泄物分析装置が、トイレの便器における排泄物の排泄範囲を撮像範囲に含めるように設置された撮像装置で撮像された撮像データを入力する入力ステップと、
前記排泄物分析装置が、前記入力ステップで入力された撮像データを一時的に保持する保持ステップと、
前記排泄物分析装置が、前記入力ステップで入力された撮像データである第1分析対象データを分析し、前記トイレの使用者を監視する監視者への通知情報を出力する第1分析ステップと、
前記排泄物分析装置が、前記入力ステップで入力され前記保持ステップで一時的に保持された撮像データである第2分析対象データを分析し、排泄の内容を示す詳細情報を出力する第2分析ステップと、
を備える、
分析方法。
(付記26)
サーバ装置が、前記詳細情報を受信する受信ステップと、
前記サーバ装置が、前記受信ステップで受信した前記詳細情報を記憶する記憶ステップと、
情報処理ステップと、
提供ステップと、
を備え、
前記詳細情報は、排泄日時、排泄物の種類、及び排便の形状を示す情報を少なくとも含み、
前記情報処理ステップは、前記サーバ装置が、前記排便の形状毎に前記詳細情報を集計し、
前記提供ステップは、前記サーバ装置が、前記情報処理ステップでの処理結果を外部装置に提供する、
付記25に記載の分析方法。
(付記27)
サーバ装置が、トイレの便器における排泄物を前記便器で撮像された撮像データから分析した結果である排泄の内容を示す詳細情報を受信する受信ステップと、
前記サーバ装置が、前記受信ステップで受信した前記詳細情報を記憶する記憶ステップと、
情報処理ステップと、
提供ステップと、
を備え、
前記詳細情報は、排泄日時、排泄物の種類、及び排便の形状を示す情報を少なくとも含み、
前記情報処理ステップは、前記サーバ装置が、前記排便の形状毎に前記詳細情報を集計し、
前記提供ステップは、前記サーバ装置が、前記情報処理ステップでの処理結果を外部装置に提供する、
分析方法。
(付記28)
排泄物分析装置に備えた制御用のコンピュータに、
トイレの便器における排泄物の排泄範囲を撮像範囲に含めるように設置された撮像装置で撮像された撮像データを入力する入力ステップと、
前記入力ステップで入力された撮像データを一時的に保持する保持ステップと、
前記入力ステップで入力された撮像データである第1分析対象データを分析し、前記トイレの使用者を監視する監視者への通知情報を出力する第1分析ステップと、
前記入力ステップで入力され前記保持ステップで一時的に保持された撮像データである第2分析対象データを分析し、排泄の内容を示す詳細情報を出力する第2分析ステップと、
を実行させるためのプログラム。
(付記29)
前記コンピュータに、
前記詳細情報として、排泄日時、排泄物の種類、及び排便の形状を示す情報を少なくとも含む詳細情報を受信する受信ステップと、
前記受信ステップで受信した前記詳細情報を記憶する記憶ステップと、
前記排便の形状毎に前記詳細情報を集計する情報処理ステップと、
前記情報処理ステップでの処理結果を外部装置に提供する提供ステップと、
を実行させるためのプログラムである、
付記28に記載のプログラム。
(付記30)
コンピュータに、
トイレの便器における排泄物を前記便器で撮像された撮像データから分析した結果である排泄の内容を示す詳細情報であって、排泄日時、排泄物の種類、及び排便の形状を示す情報を少なくとも含む詳細情報を受信する受信ステップと、
前記受信ステップで受信した前記詳細情報を記憶する記憶ステップと、
前記排便の形状毎に前記詳細情報を集計する情報処理ステップと、
前記情報処理ステップでの処理結果を外部装置に提供する提供ステップと、
を実行させるためのプログラム。
1、10 排泄物分析装置
1a 入力部
1b 保持部
1c 第1分析部
1d 第2分析部
11 第2外付けボックス
11a CPU
11b コネクタ
11c,11d USB I/F
12 ボックス間接続部
13 第1外付けボックス
14a WiFiモジュール
14b Bluetoothモジュール
15a 人感センサ
15b 第2カメラ
16a 距離センサ
16b 第1カメラ
20 便器
21 本体
22 便座
23 便座カバー
30 排泄物分析装置付き便器
40 サーバ
41 制御部
42 記憶部
50、80、90 端末装置
70 サーバ装置
70a 受信部
70b 記憶部
70c 情報処理部
100 装置
101 プロセッサ
102 メモリ
103 通信インタフェース

Claims (10)

  1. トイレの便器における排泄物の排泄範囲を撮像範囲に含めるように設置された撮像装置で撮像された撮像データを入力する入力部と、
    前記入力部で入力された撮像データを一時的に保持する保持部と、
    前記入力部で入力された撮像データである第1分析対象データを分析し、前記トイレの使用者を監視する監視者への通知情報を出力する第1分析部と、
    前記入力部で入力され前記保持部で一時的に保持された撮像データである第2分析対象データを分析し、排泄の内容を示す詳細情報を出力する第2分析部と、
    を備える、
    排泄物分析装置。
  2. 前記第1分析部は、前記便器及び前記便器の洗浄用液体を除く被写体として糞尿以外の物体である異物が含まれるか否かの分析を実行し、異物が含まれるか否かを示す異物情報を、前記通知情報の少なくとも一部として出力する、
    請求項1に記載の排泄物分析装置。
  3. 前記第1分析部は、前記通知情報を、前記監視者が使用する端末装置に送信することで出力する、
    請求項1又は2に記載の排泄物分析装置。
  4. 前記保持部は、前記第1分析部での分析結果を前記第2分析対象データの一部として一時的に保持する、
    請求項1〜3のいずれか1項に記載の排泄物分析装置。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の排泄物分析装置と、前記排泄物分析装置に接続される前記監視者が使用する端末装置と、前記排泄物分析装置及び前記端末装置に接続されるサーバ装置と、を備え、
    前記排泄物分析装置は、前記通知情報を前記端末装置に送信することで出力し、前記詳細情報を前記サーバ装置に送信することで出力し、
    前記サーバ装置は、前記排泄物分析装置から受信した前記詳細情報を、前記端末装置から閲覧可能な状態で保存し、
    前記端末装置は、前記排泄物分析装置から受信した前記通知情報と前記サーバ装置に保存された前記詳細情報とに基づき排泄日誌を生成する日誌生成部を備える、
    分析システム。
  6. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の排泄物分析装置から前記詳細情報を受信する受信部と、
    前記受信部で受信した前記詳細情報を記憶する記憶部と、
    情報処理部と、
    を備え、
    前記詳細情報は、排泄日時、排泄物の種類、及び排便の形状を示す情報を少なくとも含み、
    前記情報処理部は、前記排便の形状毎に前記詳細情報を集計する、
    サーバ装置。
  7. 前記情報処理部は、前記排便の形状の時間的な変化の傾向を分析する、
    請求項6に記載のサーバ装置。
  8. 前記受信部は、前記詳細情報に関連付けられた、前記トイレの使用者が居住する住所又は前記トイレの設置場所の住所を示す住所情報を受信し、且つ、感染症の流行の注意を促す注意情報を受信し、
    前記情報処理部は、前記住所情報及び前記詳細情報から、前記住所情報が示す地域毎に前記排便の時間的な変化の傾向を分析し、分析した結果と前記注意情報とに基づき、前記感染症の流行を前記地域毎に予測する、
    請求項6又は7に記載のサーバ装置。
  9. 前記受信部は、前記詳細情報に関連付けられた、前記トイレの使用者を示す使用者情報及び前記トイレの使用者が居住する住所又は前記トイレの設置場所の住所を示す住所情報を受信し、且つ、気候情報と感染症が流行した結果を示す感染症流行情報とを含む環境情報を受信し、
    前記情報処理部は、前記使用者情報、前記住所情報、前記環境情報、及び前記詳細情報から、前記使用者情報が示す使用者毎の、前記環境情報に応じた前記排便の時間的な変化の傾向を分析し、分析した結果から前記使用者情報が示す使用者毎に前記感染症の罹患状態を含む健康状態を予測する、
    請求項6又は7に記載のサーバ装置。
  10. 排泄物分析装置に備えた制御用のコンピュータに、
    トイレの便器における排泄物の排泄範囲を撮像範囲に含めるように設置された撮像装置で撮像された撮像データを入力する入力ステップと、
    前記入力ステップで入力された撮像データを一時的に保持する保持ステップと、
    前記入力ステップで入力された撮像データである第1分析対象データを分析し、前記トイレの使用者を監視する監視者への通知情報を出力する第1分析ステップと、
    前記入力ステップで入力され前記保持ステップで一時的に保持された撮像データである第2分析対象データを分析し、排泄の内容を示す詳細情報を出力する第2分析ステップと、
    を実行させるためのプログラム。
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