JP2021190678A - エッチング方法及びプラズマ処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】マスク選択比を向上させつつ、被エッチング膜に形成される各開口の形状に差異が発生することを抑制する技術を提供する。【解決手段】第1の膜及び第2の膜が交互に積層された積層膜と、前記積層膜上のマスクとを有する基板を準備する工程(A)と、炭素及びフッ素含有ガスを含む処理ガスのプラズマによって、前記積層膜をエッチングする工程(B)と、を含み、前記炭素及びフッ素含有ガスは、Cの不飽和結合とCF3基とを有する、ことを特徴とするエッチング方法が提供される。【選択図】図9

Description

本開示は、エッチング方法及びプラズマ処理装置に関する。
特許文献1は、高アスペクト比のホールや溝などの開口をエッチングする技術を開示する。
特開2016−122774号公報
本開示は、マスク選択比を向上させつつ、被エッチング膜に形成される各開口の形状に差異が発生することを抑制する技術を提供する。
本開示の一の態様によれば、第1の膜及び第2の膜が交互に積層された積層膜と、前記積層膜上のマスクとを有する基板を準備する工程(A)と、炭素及びフッ素含有ガスを含む処理ガスのプラズマによって、前記積層膜をエッチングする工程(B)と、を含み、前記炭素及びフッ素含有ガスは、Cの不飽和結合とCF基とを有する、ことを特徴とするエッチング方法が提供される。
一の側面によれば、マスク選択比を向上させつつ、被エッチング膜に形成される各開口の形状に差異が発生することを抑制できる。
実施形態に係るプラズマ処理装置の一例を示す断面模式図。 実施形態に係るエッチング方法の一例を示す図。 実施形態に係る被エッチング膜である積層膜およびマスク構造を示す図。 実施形態に係る開口部の一例を示す図。 エッチングの問題点の一例を示す図。 開口部のエッチングのメカニズムを説明するための図。 付着係数による被エッチング膜の開口部に対してラジカルが到達する深さの一例を示す図。 ガス種とマスク上のデポ付着位置との関係の一例を示す図。 実施形態に係るプリカーサの生成と基板上の表面反応モデルを示す図。 実施形態に係るガス種毎の構造を示す図。 実施形態に係るマスク選択比とパターンの中心部分と周辺部分のデプス差を示す図。 実施形態に係るマスク選択比と積層膜のエッチングレートを示す図。 実施形態に係る基板の表面温度に対する積層膜のエッチングレートとマスク選択比を示す図。 実施形態に係るガス種毎のマスク選択比と積層膜のエッチングレートを示す表。
エッチングプロセスにおいて、複数のホール(もしくはライン)がパターンニングされたマスクを用いて、被エッチング膜のエッチングを行う。その際、パターンニングされたホール(もしくはライン)は一定の領域において、密集して形成されているが、エッチング終了後、その領域の中心部分と周辺部分では、エッチング深さに差異が生じてしまう。(Inner−Outer loading現象)この現象はマスクの選択比が高い、つまり、デポ性の高い条件で顕著に問題となり、回路不良の原因となる。そのため、パターンの中心部分と周辺部分のマスク間口寸法が同じとなるエッチング方法が求められている。なお、マスク選択比とは、エッチングプロセスにおけるマスクのエッチングレート(マスクE/R)に対する被エッチング膜のエッチングレートの比率である。
本実施形態は、水素含有ガス、及び炭素及びフッ素含有ガスを含むガスからプラズマを生成し、生成されたプラズマによりシリコン酸化膜(SiOx)及びシリコン窒化膜(SiN)の積層膜(ON層)をエッチングする方法であって、前記炭素及びフッ素含有ガスは、Cの二重結合とCF基とを有する多価ハイドロフルオロカーボンガスを含む。
マスクパターンの粗密領域それぞれに供給される活性種・生成された反応生成物の量に差が生じ、パターン領域の中心部分と外周部分の間口のCritical Dimension(CD)寸法が異なる。それによって、被エッチング膜のエッチング後の形状に差異が生じてしまう。そのため、できるだけマスクに付着するデポが均一かつ垂直になるようなカーボンガスを使用する。ハイドロフルオロカーボンガスから生成されるラジカルはフルオロカーボンガスから生成されるラジカルよりも付着係数が高く、高分子ほど大きい。Cの二重結合はマスク上デポ、CF基はON層のエッチングレート(ON E/R)の確保に寄与するため、高マスク選択比が得られる。
本実施形態に係るエッチング方法によれば、被エッチング膜に形成される各開口の形状に差異が発生することを抑制できる。
以下、図面を参照して本開示を実施するための形態について説明する。各図面において、同一構成部分には同一符号を付し、重複した説明を省略する場合がある。
[プラズマ処理装置]
最初に、本実施形態に係るエッチング方法に使用するプラズマ処理装置1の一例について、図1を参照しながら説明する。図1は、実施形態に係るプラズマ処理装置1の一例を示す断面模式図である。図1に示すプラズマ処理装置1は、容量結合型の装置である。
プラズマ処理装置1は、チャンバ10を有する。チャンバ10は、その中に内部空間10sを提供している。チャンバ10は、チャンバ本体12を含んでいる。チャンバ本体12は、略円筒形状を有している。内部空間10sは、チャンバ本体12の内側に提供されている。チャンバ本体12は、例えばアルミニウムから形成されている。チャンバ本体12の内壁面上には、耐食性を有する膜が設けられている。耐食性を有する膜は、アルミナ(酸化アルミニウム)、酸化イットリウムといったセラミックスから形成され、陽極酸化処理された酸化膜であり得る。
チャンバ本体12の側壁には、通路12pが形成されている。基板Wは、内部空間10sとチャンバ10の外部との間で搬送されるときに、通路12pを通過する。通路12pは、ゲートバルブ12gにより開閉可能となっている。ゲートバルブ12gは、チャンバ本体12の側壁に沿って設けられている。
チャンバ本体12の底部上には、支持部13が設けられている。支持部13は、略円筒形状を有し、絶縁材料から形成されている。支持部13は、内部空間10sでチャンバ本体12の底部から上方に延在している。支持部13上には、基板の周囲を囲むエッジリング25(フォーカスリングとも呼ばれる)が設けられている。エッジリング25は、略円筒形状を有し、シリコン等で形成されてもよい。
プラズマ処理装置1は、載置台14を更に備えている。載置台14は、支持部13によって支持されている。載置台14は、内部空間10sに設けられている。載置台14は、チャンバ10内、即ち内部空間10sで基板Wを支持するように構成されている。
載置台14は、下部電極18及び一つの例示的実施形態に係る静電チャック20を有している。載置台14は、電極プレート16を更に有し得る。電極プレート16は、例えばアルミニウムといった導体から形成されており、略円盤形状を有している。下部電極18は、電極プレート16上に設けられている。下部電極18は、例えばアルミニウムといった導体から形成されており、略円盤形状を有している。下部電極18は、電極プレート16に電気的に接続されている。下部電極18の外周面及び電極プレート16の外周面は、支持部13によって囲まれている。
静電チャック20は、下部電極18上に設けられている。静電チャック20の電極は、スイッチ20sを介して直流電源20pに接続されている。直流電源20pからの電圧が電極に印加されると、静電引力により基板Wが静電チャック20に保持される。静電チャック20は、基板W及びエッジリング25を支持する。
下部電極18の内部には、流路18fが設けられている。流路18fには、チャンバ10の外部に設けられているチラーユニットから配管22aを介して熱交換媒体(例えば冷媒)が供給される。流路18fに供給された熱交換媒体は、配管22bを介してチラーユニットに戻される。プラズマ処理装置1では、静電チャック20上に載置された基板Wの温度が、熱交換媒体と下部電極18との熱交換により、調整される。
プラズマ処理装置1には、伝熱ガス供給ライン24が設けられている。伝熱ガス供給ライン24は、伝熱ガス供給機構からの伝熱ガス(例えばHeガス)を、静電チャック20の上面と基板Wの下面との間に供給する。
プラズマ処理装置1は、上部電極30を更に備えている。上部電極30は、載置台14の上方に対向して配置されている。上部電極30は、部材32を介して、チャンバ本体12の上部に支持されている。部材32は、絶縁性を有する材料から形成されている。上部電極30と部材32は、チャンバ本体12の上部開口を閉じている。
上部電極30は、天板34及び支持体36を含み得る。天板34の下面は、内部空間10s側の下面である。天板34は、ジュール熱の少ない低抵抗の導電体又は半導体から形成され得る。天板34には、複数のガス吐出孔34aが形成されている。複数のガス吐出孔34aは、天板34をその板厚方向に貫通している。
支持体36は、天板34を着脱自在に支持する。支持体36は、アルミニウムといった導電性材料から形成される。支持体36の内部には、ガス拡散室36aが設けられている。支持体36には、複数のガス孔36bが形成されている。複数のガス孔36bは、ガス拡散室36aから下方に延びている。複数のガス孔36bは、複数のガス吐出孔34aにそれぞれ連通している。支持体36には、ガス導入口36cが形成されている。ガス導入口36cは、ガス拡散室36aに接続している。ガス導入口36cには、ガス供給管38が接続されている。
ガス供給管38には、ガスソース群40、流量制御器群44及びバルブ群42を含むガス供給部GSが接続されている。ガスソース群40は、流量制御器群44及びバルブ群42を介して、ガス供給管38に接続されている。ガスソース群40は、複数のガスソースを含んでいる。バルブ群42は、複数の開閉バルブを含んでいる。流量制御器群44は、複数の流量制御器を含んでいる。流量制御器群44の複数の流量制御器の各々は、マスフローコントローラ又は圧力制御式の流量制御器である。ガスソース群40の複数のガスソースの各々は、流量制御器群44の対応の流量制御器及びバルブ群42の対応の開閉バルブを介して、ガス供給管38に接続されている。電源70は、上部電極30に接続されている。電源70は内部空間10sに存在する正イオンを天板34に引き込むための電圧を上部電極30に印加する。
プラズマ処理装置1では、チャンバ本体12の内壁面に沿って、シールド46が着脱自在に設けられている。シールド46は、支持部13の外周にも設けられている。シールド46は、チャンバ本体12にエッチング副生物等の反応生成物が付着することを防止する。シールド46は、例えば、アルミニウムから形成された部材の表面に耐食性を有する膜を形成することにより構成される。耐食性を有する膜は、アルミナ又は酸化イットリウムといった酸化膜であり得る。
支持部13とチャンバ本体12の側壁との間には、バッフルプレート48が設けられている。バッフルプレート48は、例えば、アルミニウムから形成された部材の表面に耐食性を有する膜を形成することにより構成される。耐食性を有する膜は、アルミナ又は酸化イットリウムといった酸化膜であり得る。バッフルプレート48には、複数の貫通孔が形成されている。バッフルプレート48の下方、且つ、チャンバ本体12の底部には、排気口12eが設けられている。排気口12eには、排気管52を介して排気装置50が接続されている。排気装置50は、圧力調整弁及びターボ分子ポンプといった真空ポンプを有している。
プラズマ処理装置1は、プラズマ励起用の高周波HFの電力を印加する第1高周波電源62を備えている。第1高周波電源62は、チャンバ10内でガスからプラズマを生成するために、高周波HFの電力を発生するように構成されている。高周波HFの周波数は、例えば40MHz〜100MHzの範囲内の周波数である。高周波HFは、矩形の波形を有するパルス状の電圧であってもよい。
第1高周波電源62は、整合器66を介して電極プレート16及び下部電極18に電気的に接続されている。整合器66は、整合回路を有している。整合器66の整合回路は、第1高周波電源62の負荷側(下部電極側)のインピーダンスを、第1高周波電源62の出力インピーダンスに整合させるよう構成されている。別の実施形態では、第1高周波電源62は、整合器66を介して上部電極30に電気的に接続されていてもよい。
プラズマ処理装置1は、バイアス電圧用の高周波LFの電力を印加する第2高周波電源64を更に備え得る。第2高周波電源64は、高周波LFの電力を発生するように構成されている。高周波LFは、主としてイオンを基板Wに引き込むことに適した周波数を有し、例えば400kHz〜3MHzの範囲内の周波数である。高周波LFは、矩形の波形を有するパルス状の電圧であってもよい。
第2高周波電源64は、整合器68を介して電極プレート16及び下部電極18に電気的に接続されている。整合器68は、整合回路を有している。整合器68の整合回路は、第2高周波電源64の負荷側(下部電極側)のインピーダンスを、第2高周波電源64の出力インピーダンスに整合させるよう構成されている。
プラズマ処理装置1は、制御部80を更に備え得る。制御部80は、プロセッサ、メモリといった記憶部、入力装置、表示装置、信号の入出力インターフェイス等を備えるコンピュータであり得る。制御部80は、プラズマ処理装置1の各部を制御する。制御部80では、入力装置を用いて、オペレータがプラズマ処理装置1を管理するためにコマンドの入力操作等を行うことができる。また、制御部80では、表示装置により、プラズマ処理装置1の稼働状況を可視化して表示することができる。さらに、制御部80の記憶部には、制御プログラム及びレシピデータが格納されている。制御プログラムは、プラズマ処理装置1で各種処理を実行するために、制御部80のプロセッサによって実行される。制御部80のプロセッサが、制御プログラムを実行し、レシピデータに従ってプラズマ処理装置1の各部を制御することにより、種々のプロセス、例えばプラズマ処理方法がプラズマ処理装置1で実行される。
基板の表面温度(例えばウエハ温度)は、チラーユニットから配管22aを介して供給される熱交換媒体によって所望の温度に調整された静電チャック20の温度が、静電チャック20の表面および伝熱ガスを介して基板Wに伝熱されることにより調整される。しかしながら、基板Wは、プラズマ励起用の高周波HFの電力によって生成されるプラズマに曝され、プラズマからの光やバイアス電圧用の高周波LFの電力によって引き込まれたイオンが基板Wに照射される。このため、基板Wの温度、特に基板Wのプラズマに面した表面温度は、調整された静電チャック20の温度より高くなる。また、温度調整された対向電極やチャンバ10の側壁からの輻射熱によっても、基板Wの表面温度が上昇する場合がある。このため、エッチング処理中の実際の基板Wの温度を測定することができる場合、もしくは、プロセス条件から静電チャック20の調整温度と実際の基板Wの表面温度の温度差が推測可能に構成されている場合、予め定められた温度範囲で基板Wの表面温度を調整するために静電チャック20の調整温度の設定を下げてもよい。
[エッチング方法]
本実施形態に係るエッチング方法について、図2及び図3を参照して説明する。図2は、実施形態に係るエッチング方法の一例を示す図である。図3は、実施形態に係る被エッチング膜である積層膜およびマスク構造を示す図である。
図2に示すように、本実施形態に係るエッチング方法では、図3(a)に示すシリコン酸化膜及びシリコン窒化膜が交互に積層された積層膜100と積層膜100上のマスク101とを有する基板Wを準備する(ステップS1)。シリコン酸化膜は第1の膜の一例であり、シリコン窒化膜は第2の膜の一例である。
次に、プラズマ処理装置1が生成したプラズマにより被エッチング膜をエッチングする(ステップS2)。ステップS2のエッチングをメインエッチングともいう。
図3(a)は、被エッチング膜である積層膜100およびマスク101の膜構造であり、エッチング前の初期状態を示す。基板Wは、積層膜100と、積層膜100の上のマスク101と、積層膜100の下の下地膜102とを有する。マスク101は、有機材料により形成され、開口部HLが形成されている。下地膜102は、例えばポリシリコンで形成されている。ただし、下地膜102はポリシリコンに限らず、アモルファスシリコン又は単結晶シリコンから形成されてもよい。
ステップS2のメインエッチングでは、図3(b)に示すように、積層膜100がマスク101のパターンにエッチングされ、凹部が形成される。更に、図3(c)に示すように下地膜102が露出するまでエッチングが行われる。
このようにメインエッチングでは、プラズマ処理装置1に供給されたガスのプラズマによってマスク101の開口部HLを通じて積層膜100がエッチングされ、積層膜100にエッチング形状の凹部が形成される。積層膜100に形成されたホール形状の凹部を開口部HLともいう。
図4は、実施形態に係る開口部HLの一例を示す図である。図4(a)に示すように、開口部HLは、複数の第1開口部HL1及び複数の第2開口部HL2を有する。第2の開口部HL2は、第1の開口部HL1の外周を囲うように位置し、第2の開口部HL2の外周には開口部を有さない。第1開口部HL1及び第2開口部HL2のCD(Critical Dimension)値は同じである。最外周である領域2の第2開口部HL2と第2開口部HL2に隣接する領域1の第1開口部HL1との距離は、領域1内の隣接する第1開口部HL1同士の距離よりも広い又は同じである。
係る構成について、本実施形態の開口部HLには、マスク101のパターンに粗密があると定義する。すなわち、複数の第1開口部HL1が形成される領域1と、複数の第2開口部HL2が形成される領域2(領域1の外側の領域)とを比べると、領域1のマスク101のパターンは領域2のマスク101のパターンよりも密である。換言すると、領域2のマスク101のパターンは領域1のマスク101のパターンよりも粗である。
積層膜100に形成された凹部は、ライン形状であってもよい。図4(b)では、ライン形状の凹部を第1開口部LN1、第2開口部LN2で示す。第2開口部LN2は、第1開口部LN1の外周を囲うように位置し、第2開口部LN2の外周には開口部を有さない。
図4(b)に示すように、第1開口部LN1が形成される領域1と、第2開口部LN2が形成される領域2とでは、マスク101のパターンに粗密があり、領域1ではマスク101のパターンが密であり、領域2ではマスク101のパターンが粗である。以下では、マスク101のパターンとして開口部HLを例に挙げて説明するが、凹部がライン形状のマスク101のパターンであっても、同様に本実施形態に係るエッチング方法を適用できる。
図3に示すように、積層膜100にエッチングよって凹部が形成され、凹部の深さが深くなるにつれて、マスク101の厚みが減少して薄くなる。また、さらに積層膜100が用いられた場合、凹部のアスペクト比は高くなり、デプスローディング効果によって積層膜100のエッチングレートが下がる。特に40以上の高アスペクト比のエッチング形状加工では、下地膜102が露出する前にマスク101が消失し、エッチングが完了しない虞がある。そのため、高マスク選択比を有する積層膜100のエッチングが求められている。
図5は、マスク選択比とパターンの中心部分と周辺部分のデプス差を示す。図5(a)の横軸はマスク選択比、縦軸は第1開口部HL1(inner)及び第2開口部HL2(outer)のデプス差(ΔON depth=inner−outer)を示す。
一般的に、図5(a)に示すように、CFガスやCガスに比べてCガス、CガスなどのC/F比が高いガス、すなわち、フッ素(F)に対する炭素(C)の割合が高いガスを使用することによってマスク選択比が高いエッチング結果が得られる。また、マスク選択比が4程度またはそれ以下では、いずれのガスもデプス差(ΔON depth)が0の近くである。このとき、図5(b)に示すように、第1開口部HL1及び第2開口部HL2の深さはほぼ同じである。
ところが、これらのガスは、マスク選択比が4以上では、いずれのガスもデプス差が急激に広がる。このとき、図5(c)に示すように、第1開口部HL1の深さが、第2開口部HL2の深さよりも深くなる。すなわち、マスク101のパターンの粗密に対してエッチングされた積層膜100の第1開口部HL1及び第2開口部HL2の深さに差が生じる。
図6は、第1開口部HL1及び第2開口部HL2のエッチングのメカニズムを説明するための図である。図6では、図4(a)に示す左端の第1開口部HL1及びその右側に隣接する第2開口部HL2を示す。第1開口部HL1が形成される領域1はマスク101のパターンが密であり、第2開口部HL2が形成される領域2はマスク101のパターンが粗である。
図6に示すように、マスク101のパターンの粗密に対してエッチングされた積層膜100の第2開口部HL2の深さが第1開口部HL1の深さよりも浅くなっている。
エッチングが開始された初期状態では、積層膜100に形成される第1開口部HL1及び第2開口部HL2の深さはほぼ同じである。しかし、積層膜100のエッチングが進むと、エッチング中に生成される反応生成物であるO含有ラジカルが気化し、第1開口部HL1及び第2開口部HL2からマスク101の外に出てくる。メインエッチングで使用するガスにはOラジカルは含まれていないため、生成されたプラズマ中にはO含有ラジカルは存在しない。このため、発生するO含有ラジカルは積層膜100中のSiOがエッチングされたときに生じた反応生成物から発生したラジカルであることがわかる。
一方、エッチングガスにはCラジカル及びFラジカルが含まれるため、生成されたプラズマ中にはCラジカル及びFラジカルが存在する。このうちFラジカルは、主に積層膜100のエッチングに消費され、Cラジカルがマスク101に堆積する。
このとき、領域1では複数の第1開口部HL1が密に存在し、領域2では複数の第2開口部HL2の存在は粗である。このため、領域2の複数の第2開口部HL2からマスク101の外に出てくるO含有ラジカルは、領域1の複数の第1開口部HL1からマスク101の外に出てくるO含有ラジカルよりも少ない。
この結果、領域1では、O含有ラジカルがC含有ラジカルと反応してCOとなり揮発する。このようにして領域1ではCラジカルが消費されるため、マスク101の開口部分にCラジカルが堆積してマスクの開口を狭めることを抑制できる。このため、領域1では、マスク101の開口部分のCD寸法は狭くならず、マスク101の開口から十分なF含有ラジカルが第1開口部HL1内に進入し、底部まで到達することでエッチングレートは促進される。
一方、領域2では複数の第2開口部HL2の存在は粗であるため、領域1よりも発生するO含有ラジカルの割合が低い。このため、領域2では、領域1よりもO含有ラジカルと反応して消費されるC含有ラジカルが少なく、マスク101の開口部分に堆積するCラジカルが領域1よりも多くなる。このため、領域2ではマスク101の開口部分のCD寸法はCラジカルの堆積により狭くなり、マスク101の狭まった開口から十分なF含有ラジカルが第2開口部HL2内に進入し難く、底部まで到達するF含有ラジカルが減ることでエッチングレートが低下する。
この結果、領域1の複数の第1開口部HL1ではエッチングが促進され、領域2の複数の第2開口部HL2ではエッチングが促進されず、第2開口部HL2の凹部の深さは、第1開口部HL1の凹部の深さよりも浅くなる。
しかしながら、マスク101のパターンの粗密に関わらず、高エッチングレートによる高スループットと、高マスク選択比が必要である。高スループットを得るためには、第2開口部HL2の凹部の深さと第1開口部HL1の凹部の深さとの差が生じ難いエッチングが望まれる。
そこで、本実施形態では、積層膜100をエッチングする際に、マスク101のパターンの粗密に関わらず、高スループット及び高マスク選択比を達成し、例えば40以上の高アスペクト比のエッチング形状加工を可能とするエッチング方法を提案する。
本実施形態に係るエッチング方法では、エッチングにより高スループット及び高マスク選択比を達成する。加えて、Cラジカルがマスク101に付着する際に第2開口部HL2の間口のCD寸法が小さくなりにくいガスを選択する。
具体的には、炭素及びフッ素含有ガスを含む処理ガスのプラズマによって、積層膜100をエッチングする。本実施形態では、炭素及びフッ素含有ガスは、Cの不飽和結合とCF基とを有する。炭素及びフッ素含有ガスの一例としては、フロロカーボンガス又はハイドロフルオロカーボンガスが挙げられる。ハイドロフルオロカーボンガスは、例えばCガスである。また、本実施形態では、処理ガスに更に水素含有ガスが含まれてよく、水素含有ガスの一例としては、Hガスが挙げられる。
これにより、マスク101の間口のCD寸法をマスク101のパターンの粗密に関わらず均質に保ち、領域1の第1開口部HL1と領域2の第2開口部HL2とでエッチングの深さに差が生じ難いエッチングプロセスを実現する。以下、本実施形態に係るエッチング方法について詳述する。
Cラジカルがマスク101に付着する際、第2開口部HL2の間口のCD寸法が小さくなりにくいガスを選択する場合、ガスの付着係数(反応確率)は低い方がよい。図7は、付着係数による、被エッチング膜の開口部に対してラジカルが到達する深さの一例を示す図である。
図7に示すように、ラジカルの付着係数が低いと開口部の途中の側面に吸着するラジカルが少なく、開口部の底部又は開口部の深い部分までラジカルが到達する。一方、付着係数が高くなるほど開口部の途中の側面にラジカルが吸着し、開口部の底部又は開口部の深い部分までラジカルが供給され難くなる。
つまり、低分子のガスほど付着係数が低く、マスク101に対しては反応生成物がつき難く、マスク101の開口が狭くならずにエッチングは進行する。ただし、この場合、マスク選択比は低くなる。
図8は、ガス種とマスク上のデポ付着との関係の一例を示す図である。図8(a)は、H/CFの混合ガスを供給したときのマスク202の開口の状態を示す。図8(b)は、H/CHFの混合ガスを供給したときのマスク204の開口の状態を示す。図8(c)は、H/CHの混合ガスを供給したときのマスク203の開口の状態を示す。図8(d)は、H/CHFの混合ガスを供給したときのマスク205の開口の状態を示す。マスク202〜205は、マスク101と同じ有機材料であってもよい。
これによれば、ハイドロフロロカーボンガス(図8(b)〜。図8(d))の方が、フロロカーボンガス(図8(a))よりも付着係数が高く、マスク選択比が高いため、図8(b)〜。図8(d)では、図8(a)よりもマスクの上部にCラジカルが付着し易く、マスクの開口が狭くなり難い傾向がある。つまり、付着係数の低いガスは、エッチングレートは高いが、マスク選択比が低くなり、付着係数の高いガスは、マスク選択比は高いが、エッチングレートが低くなる。
これに対して、本実施形態に係るエッチング方法では、トレードオフの関係にあるエッチングレートとマスク選択比との両立を図り、かつ、マスク101のパターンに粗密がある開口部HLに対してエッチング深さに差が生じ難いエッチングを実現する。このため、エッチングに使用するガスとして、Cの不飽和結合とCF基とを有するハイドロフロロカーボンガスを使用する。
図9は、本実施形態に係るプリカーサの生成と基板W上の表面反応モデルを示す図である。図9では、エッチングにCの不飽和結合とCF基とを有するハイドロフロロカーボンガスとしてCガスを挙げて説明する。また、本実施形態では、Cの不飽和結合は、Cの二重結合を一例として挙げるが、これに限られず、三重結合等を有するガスであってもよい。
図9に示すように、本実施形態に係るエッチング方法で供給される処理ガスに含まれるCガスは、チャンバ10の内部空間10sに供給され、プラズマ2中で解離される。
図10は、実施形態に係るガス種毎の構造を示す図である。Cガスは、図10(f)に示す構造を有し、CF基とCの不飽和結合との接続部分で切れ易く、プラズマ2内でCの不飽和結合(ここではCの二重結合)を有する化合物と、CF基を有する化合物とに解離する。以下では、Cの不飽和結合を有する化合物をカーボンフラグメントAと呼び、CF基を有する化合物をフロロカーボンフラグメントBと呼ぶ。
図9では、プラズマ2中で、Cガス(CHF=CH−CF)がカーボンフラグメントA(CHF=CH)と、フロロカーボンフラグメントB(CF)とに解離している状態が示されている。
エッチングの際、カーボンフラグメントA(CHF=CH)は、メインエッチングにおいてマスク101の上方に優先的に付着する(図9の103参照)。これは、Cの二重結合を有するカーボンフラグメントAは、不安定で反応性が高いため、付着係数が高くなり、マスク101の上方に優先的に付着しやすいためである。一方、フロロカーボンフラグメントBは、メインエッチングによってマスク101を通じて積層膜100に形成される開口部HL(凹部)の底部まで輸送され、また、Cに対して多くのFを有するため、積層膜100を更にエッチングする。つまり、Cの二重結合を有するカーボンフラグメントAは、高マスク選択比に寄与し、CF基を有するフロロカーボンフラグメントBは、高エッチングレートに寄与する。これにより、本実施形態に係るエッチング方法では、Cガスを含む処理ガスを供給することで、高エッチングレートによる高スループットと高マスク選択比とを両立することができる。
これに対して、図10(a)のCガスは、高マスク選択比を得られ難い。よって、Cガスを用いたエッチングでは。高スループットと高マスク選択比とを両立することは困難である。
図10(b)のCガスは、Cの二重結合を2つ有するが、CF基を有しない。このため、高マスク選択比を得られるが、高エッチングレートを得られ難い。よって、Cガスを用いたエッチングでは、高スループットと高マスク選択比とを両立することは困難である。
図10(c)のCガスは、CF基を有するため、高エッチングレートを得られるが、Cの不飽和結合を有しないため、高マスク選択比を得られ難い。よって、Cガスを用いたエッチングでは。高スループットと高マスク選択比とを両立することは困難である。図10(e)のCHガスも同様に、Cの不飽和結合を有しないため、高マスク選択比を得られにくい。よって、CHガスを用いたエッチングでは、高スループットと高マスク選択比とを両立することは困難である。
図10(d)のCガスは、CF基を有するため、高エッチングレートを得られる。また、Cの二重結合を有するため、高マスク選択比を得られる。よって、Cガスを用いたエッチングでは、高スループットと高マスク選択比とを両立することができる。ただし、シリコン酸化膜とシリコン窒化膜とを交互に積層させた積層膜100では、シリコン窒化膜のエッチングに水素が必要である。よって、Cガスを用いたエッチングでは、処理ガス中にCガス及び水素含有ガスを含む必要がある。
また、図10(d)のCガスと図10(f)のCガスとを比較すると、Cのハイドロフロロカーボンガスは、Cのフロロカーボンガスよりも付着係数が高い。よって、Cガスは、Cガスよりもマスク101の上部にCラジカルが付着し易く、マスク選択比をより高めることができる。
ただし、本実施形態に係るエッチング方法に使用する炭素及びフッ素含有ガスは、Cガス、Cガスに限られない。例えば、炭素及びフッ素含有ガスは、プラズマ2中で解離したときにCの不飽和結合を有するフラグメントと、CF基を有するフラグメントとを含む化合物に解離するガスであれば、いずれのガスであってもよい。
[実験結果1:ガス種による第1開口部及び第2開口部の深さの差分]
次に、本実施形態に係るエッチング方法にてCガスを使用した場合を、複数の他のガス種を使用した場合と比較し、ガス種毎に第1開口部HL1及び第2開口部Hl2の深さの差(デプス差)を測定する実験を行った。
本実施形態のエッチング条件は以下である。
<実験結果1のエッチング条件>
処理容器内の圧力:20mT(2.67Pa)
高周波HF電力:On
高周波LF電力:On
処理ガス:Cガス、Cガス、Cガス、CHガス
添加ガス:水素(H)ガス
基板の表面温度:0℃
図11は、実施形態に係るマスク選択比とパターンの中心部分と周辺部分のデプス差を示す図である。実験結果1では、図11に示す4つのガスを用いてエッチングを実行した。図11の横軸はマスク選択比、縦軸は第1開口部HL1(inner)及び第2開口部HL2(outer)のデプス差(ΔON depth=inner−outer)を示す。なお、Cガス、Cガスを使用したケースは、図5にて示されるものと同じである。
図11の実験結果1によれば、Cガス、Cガスを使用したケースでは、マスク選択比が4程度またはそれ以下では、いずれのガスもデプス差(ΔON depth)が0に近くなった。このとき、図5(b)に示すように、第1開口部HL1及び第2開口部HL2の深さはほぼ同じである。
ところが、これらのガスは、マスク選択比が4以上では、いずれのガスもデプス差が広がる。このとき、図5(c)に示すように、第1開口部HL1の深さが、第2開口部HL2の深さよりも深くなる。
CHガスを使用したケースでは、マスク選択比が4.5程度またはそれ以下では、デプス差が0に近くなった。しかし、マスク選択比が4.5以上では、デプス差が広がり、エッチングが図5(c)に示す状態になった。
これに対して、Cガスを使用したケースでは、マスク選択比が4.8〜4.9程度またはそれ以下では、デプス差が0に近く、エッチングが図5(b)示す状態で進行した。
以上の結果から、Cガスを使用した場合、Cの不飽和結合を有するカーボンフラグメントAが高マスク選択比に寄与し、Cの不飽和結合を有しないCHガスを使用した場合よりもマスク選択比を高められた。また、Cの不飽和結合を有するカーボンフラグメントAがマスク101の上方に優先的に付着し、マスク101の開口を狭め難いため、第1開口部HL1及び第2開口部HL2のエッチングの進行に差が生じず、概ね同じ深さの凹部を形成できることがわかった。
[実験結果2:マスク選択比と積層膜のエッチングレート]
次に、Cガス、及び複数の他のガス種を使用した場合のマスク選択比と積層膜100のエッチングレートとの関係を求める実験を行った。図12は、実施形態に係るマスク選択比と積層膜100のエッチングレートとの関係を示す図である。実験結果2に係るガス以外のプロセス条件は上記の<実験結果1のエッチング条件>に示した通りである。
図12の実験結果2によれば、Cガス、Cガス、Cガス、Cガスのいずれを使用した場合にも、マスク選択比と積層膜100のエッチングレートとの間にはトレードオフの関係があることがわかった。
ガスを使用した場合、他のガスと比較して積層膜100のエッチングレートが低くなり、スループットが低下した。また、Cガスを使用した場合、他のガスと比較してマスク選択比も相対的に低くなった。Cガスを使用した場合、積層膜100のエッチングレートは高いものの、マスク選択比が3.4以上は到達できず、マスク選択比とエッチングレートとの両立を図ることができなかった。
ガスを使用した場合、Cガスを使用した場合よりも、マスク選択比とエッチングレートとのトレードオフの関係が改善され、高マスク選択比を得ることができるとともに、エッチングレートの低下を抑制できた。その理由は、Cガスを使用した場合、Cの不飽和結合を有するカーボンフラグメントAが高マスク選択比に寄与するとともに、CF基を有するフロロカーボンフラグメントBが、高エッチングレートに寄与したためである。
[実験結果3:基板の表面温度に対する積層膜のエッチングレートとマスク選択比]
次に、Cガスを使用した場合の基板の表面温度に対する積層膜のエッチングレートとマスク選択比の関係を求める実験を行った。図13は、実施形態に係る基板の表面温度に対する積層膜のエッチングレートとマスク選択比の関係を示す図である。実験結果3に係るガスおよび基板の表面温度以外のプロセス条件は上記の<実験結果1のエッチング条件>に示した通りである。
図13(a)に示すように、基板の表面温度を低温にすることによって、積層膜100のエッチングレートは高くなる。また、図13(b)に示すように、基板の表面温度を低温にすることによって、マスク選択比も高くなる。実験結果1(図11)および実験結果2(図12)におけるガス種比較では、基板の表面温度が0℃であることから、よりマスク選択比の高い条件を得るためには、基板の表面温度を0℃以下に制御することが望ましい。
[実験結果のまとめ]
実験結果のまとめの図14に示す。図14は、実施形態に係るガス種毎のマスク選択比と積層膜のエッチングレートを示す表である。表の項目のうち「マスク選択比」は、第2開口部HL2の開口性を維持した状態で得られるマスク選択比を示す。「ON E/R」は、第1開口部HL1と第2開口部HL2の深さの差を概ね0に維持した状態で得られるエッチングレートであって、マスク選択比を4に固定したときの積層膜100のエッチングレートを示す。
5つのガス種のうち、H/Cの混合ガスを使用したエッチングでは、積層膜100のエッチングレートは良好であったが、Cの不飽和結合を有しないためマスク選択比が低く、マスク選択比と積層膜100のエッチングレートとの両立が図れなかった。
/CHの混合ガスを使用したエッチングでは、積層膜100のエッチングレートは良好であったが、Cの不飽和結合を有しないためにマスク選択比の改善が少なく、マスク選択比と積層膜100のエッチングレートとの両立が図れなかった。
/Cの混合ガスを使用したエッチングでは、Cの不飽和結合とCF基を有するため、積層膜100のエッチングレート及びマスク選択比のいずれも良好になり、マスク選択比と積層膜100のエッチングレートとの両立が図れた。
/Cの混合ガスを使用したエッチングでは、CF基を有しないため、積層膜100のエッチングレートが低く、マスク選択比の改善も得られず、マスク選択比と積層膜100のエッチングレートとの両立が図れなかった。
/Cの混合ガスを使用したエッチングでは、マスク選択比が3.4以上は到達できず、マスク選択比とエッチングレートとの両立を図ることができなかった。
以上から、本実施形態に係るエッチング方法では、Hガス及びCガスを含有する処理ガスを使用することで、マスク選択比と積層膜100のエッチングレートとの両立を図ることができる。
また、最外周は粗、内部は密の開口部HLを有する積層膜100をエッチングする際にマスク101のパターンの粗密に関わらず、高スループット及び高マスク選択比を実現できる。
例えば、ハイドロフルオロカーボンガスから生成されるラジカルはフルオロカーボンガスから生成されるラジカルよりも付着係数が大きく、高分子ほど大きい。Cの二重結合はマスク101上に堆積し易く、高マスク選択比が得られる。また、CF基は積層膜100のエッチングレートの確保に寄与する。これにより、被エッチング膜である積層膜100に形成される各開口部(第1開口部HL1及び第2開口部HL2)の深さ(形状)に差異が発生することを抑制することができる。
今回開示された実施形態に係るエッチング方法は、すべての点において例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。実施形態は、添付の請求の範囲及びその主旨を逸脱することなく、様々な形態で変形及び改良が可能である。
本開示のプラズマ処理装置は、Atomic Layer Deposition(ALD)装置、Capacitively Coupled Plasma(CCP)、Inductively Coupled Plasma(ICP)、Radial Line Slot Antenna(RLSA)、Electron Cyclotron Resonance Plasma(ECR)、Helicon Wave Plasma(HWP)のいずれのタイプの装置でも適用可能である。
1 プラズマ処理装置
10 チャンバ
14 載置台
30 上部電極
46 シールド
48 バッフルプレート
62 第1高周波電源
64 第2高周波電源
80 制御部
100 積層膜
101 マスク
102 下地膜
HL 開口部
HL1 第1開口部
HL2 第2開口部

Claims (11)

  1. 第1の膜及び第2の膜が交互に積層された積層膜と、前記積層膜の上のマスクとを有する基板を準備する工程(A)と、
    炭素及びフッ素含有ガスを含む処理ガスのプラズマによって、前記積層膜をエッチングする工程(B)と、
    を含み、
    前記炭素及びフッ素含有ガスは、Cの不飽和結合とCF基とを有する、
    ことを特徴とするエッチング方法。
  2. 前記炭素及びフッ素含有ガスは、
    前記プラズマ内で前記Cの不飽和結合を有するカーボンフラグメントと、前記CF基を有するフロロカーボンフラグメントとに解離し、
    前記カーボンフラグメントは、前記工程(B)において前記マスクの上方に優先的に付着し、
    前記フロロカーボンフラグメントは、前記工程(B)のエッチングによって前記マスクを通じて前記積層膜に形成される凹部の底部まで輸送され、前記積層膜を更にエッチングする、
    ことを特徴とする請求項1に記載のエッチング方法。
  3. 前記凹部のアスペクト比は、40以上である、
    ことを特徴とする請求項2に記載のエッチング方法。
  4. 前記炭素及びフッ素含有ガスは、フロロカーボンガス又はハイドロフロロカーボンガスである、
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のエッチング方法。
  5. 前記ハイドロフロロカーボンガスは、Cガスである、
    ことを特徴とする請求項4に記載のエッチング方法。
  6. 前記処理ガスは、水素含有ガスを含み、
    前記水素含有ガスは、Hである、
    ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のエッチング方法。
  7. 前記第1の膜はシリコン酸化膜であり、前記第2の膜はシリコン窒化膜である、
    ことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載のエッチング方法。
  8. 前記マスクは、複数の第1の開口部と、複数の第2の開口部を有し、
    前記第2の開口部は、前記第1の開口部の外周を囲うように位置し、前記第2の開口部の外周には開口部を有さない
    ことを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載のエッチング方法。
  9. 前記処理ガスは、更に水素含有ガスを含む、
    ことを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載のエッチング方法。
  10. 前記積層膜をエッチングする工程(B)において、前記基板の表面温度は0℃以下に制御される、
    ことを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載のエッチング方法。
  11. チャンバと、制御部とを有するプラズマ処理装置であって、
    前記制御部は、
    第1の膜及び第2の膜が交互に積層された積層膜と、前記積層膜の上のマスクとを有する基板を前記チャンバ内に準備する工程(A)と、
    炭素及びフッ素含有ガスを含む処理ガスのプラズマによって、前記積層膜をエッチングする工程(B)と、を制御し、
    前記工程(B)において前記チャンバ内に供給する前記炭素及びフッ素含有ガスは、Cの不飽和結合とCF基とを有する、
    ことを特徴とするプラズマ処理装置。
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