JP2021190014A - 設計装置、設計方法、及び設計プログラム - Google Patents

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崇史 大脇
Takashi Owaki
貴史 町田
Takashi Machida
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Abstract

【課題】利便性の高い変換形式を用いて、効率的なグラフの演算が行える。【解決手段】設計装置は、ノード、前記ノードを結ぶリンク、及び前記リンクで囲まれた領域である面を有するグラフについて、当該グラフに含まれるリンクの属性であって当該リンクに接する面の属性の候補となるリンク属性を所定の変換形式で保持している保持部と、特定の面の各々について、前記変換形式のリンク属性に基づいて、面の属性の候補の各々を含む面属性候補集合を抽出する候補抽出部と、前記特定の面の各々について、抽出された前記面属性候補集合における候補に基づいて面属性を算出する面属性算出部と、を含んで構成されている。【選択図】図3

Description

本開示は、設計装置、設計方法、及び設計プログラムに関する。
従来、グラフによる構造を扱う技術がある。
例えば、軌跡情報のそれぞれを対応付けた際の該候補グラフの最適度を算出し、最適度が最適となる経路グラフをオンライン処理で生成する技術がある(特許文献1参照)。
また、地図データに、交差点を構成するリンクについて流出リンクの数、及び接続角度といった交差点ごとのまとまった情報を持たせる技術がある(特許文献2参照)
また、構造が変化する有向グラフの各点の特徴値を、分散計算環境下で、隣接行列Gに重み行列Cを再帰的に作用させて求める際、各コンピュータ間の通信量を低減させる技術がある(特許文献3参照)。
特開2017−090093号公報 特開2019−082614号公報 特開2015−215826号公報
特許文献1及び2は、グラフのリンクに着目した技術である。また、特許文献3は、グラフに関する演算に広く適用可能な技術である。ここで、グラフにおいて、リンクで囲まれた領域として面が存在するが、これらの技術では、グラフのデータ処理の対象として面に関して取り扱っていない。
本開示は、上記事情を鑑みて成されたものであり、利便性の高い変換形式を用いて、効率的なグラフの演算が行える設計装置、設計方法、及び設計プログラムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本開示に係る設計装置は、ノード、前記ノードを結ぶリンク、及び前記リンクで囲まれた領域である面を有するグラフについて、当該グラフに含まれるリンクの属性であって当該リンクに接する面の属性の候補となるリンク属性を所定の変換形式で保持している保持部と、特定の面の各々について、前記変換形式のリンク属性に基づいて、面の属性の候補の各々を含む面属性候補集合を抽出する候補抽出部と、前記特定の面の各々について、抽出された前記面属性候補集合における候補に基づいて面属性を算出する面属性算出部と、を含んで構成されている。
また、本開示に係る設計方法は、ノード、前記ノードを結ぶリンク、及び前記リンクで囲まれた領域である面を有するグラフについて、当該グラフに含まれるリンクの属性であって当該リンクに接する面の属性の候補となるリンク属性を所定の変換形式で保持しており、特定の面の各々について、前記変換形式のリンク属性に基づいて、面の属性の候補の各々を含む面属性候補集合を抽出し、前記特定の面の各々について、抽出された前記面属性候補集合における候補に基づいて面属性を算出する、処理をコンピュータに実行させる。
また、本開示に係る設計プログラムは、ノード、前記ノードを結ぶリンク、及び前記リンクで囲まれた領域である面を有するグラフについて、当該グラフに含まれるリンクの属性であって当該リンクに接する面の属性の候補となるリンク属性を所定の変換形式で保持しており、特定の面の各々について、前記変換形式のリンク属性に基づいて、面の属性の候補の各々を含む面属性候補集合を抽出し、前記特定の面の各々について、抽出された前記面属性候補集合における候補に基づいて面属性を算出する、処理をコンピュータに実行させる。
本開示の設計装置、方法、及びプログラムによれば、利便性の高い変換形式を用いて、効率的なグラフの演算を行うことができる。
面属性を持つグラフの一例を表す図である。 リンクを削減した場合のグラフの一例を表す図である。 本実施形態の設計装置の構成を示すブロック図である。 本実施形態で扱うグラフの一例を示す図である。 設計装置のハードウェア構成を示すブロック図である。 設計装置による設計処理の流れを示すフローチャートである。 候補抽出処理の流れを示すフローチャートである。 本実施形態の変形例において、リンク属性を算出する態様の構成図である。 本実施形態の変形例において、学習した予測ルールを用いてリンク属性を算出する態様の構成図である。
以下、図面を参照して本開示の実施形態を詳細に説明する。
まず、本開示の実施形態に係る手法の原理的な説明をする。まず、ノード、ノードを結ぶリンク、及びリンクで囲まれた領域である面を有するグラフのグラフ情報があるとする。図1は、面属性を持つグラフの一例を表す図である。図1のような、(1)から(6)までの6つのノード(交差点)で構成される有向平面グラフとして表現された道路ネットワークを考える。グラフにおいてはリンクで囲われた領域として面A〜Dが構成される。
この面の面属性のデータ構造としては、従来手法では表1のように、面を構成するリンク(道路)の集合、及び面の面属性として与える方法がある。
Figure 2021190014

ここでは面属性として数値で表される3種類の属性(1:農地、2:宅地、及び3:商業地)を考える。このように、平面グラフの面属性のデータ構造としては、各面に対して面を構成するリンクの集合及び面の面属性を保持する方法がよく用いられる。しかし、ノード数が一定でもリンクの状態によって面の数は変わるため、データサイズが固定できず、行列としてデータを保持するには不適である。
一方、本開示における手法(本手法)では、面属性をリンク属性として与えた行列を考える。リンク属性は、グラフ情報に含まれるリンクの属性であって当該リンクに接する面の属性の候補である。つまり、面属性をリンク属性として与える、とは、面属性の形式をリンク属性に変換することに相当する。リンク属性は、以下式(1)の行列Aに示したようにノード数Nに対してN×N行列で表現できる。
Figure 2021190014

・・・(1)
この行列Aのi行j列成分a(i,j)は、ノードiからノードjに移動した時の面属性の候補となるリンク属性を表す数値が与えられる。例えば面Aに属する3つのリンクに対応するa(i,j)は、a(1,5)=a(5,4)=a(4,1)=1:農地となる。面属性が与えられないi行j列成分についてはa(i,j)=0とした。また、面Bに属する3つのリンクに対応するa(i,j)は、a(1,4)=a(4,3)=a(3,2)=a(2,1)=2:宅地となる。このように行列においては、要素として、ノードの組で表すリンクのリンク属性が格納される。グラフにおいて存在しないリンクに対しては零要素、グラフにおいて存在するリンクに対しては当該リンクのリンク属性を表す非零要素を格納する。また、ノードの組は順番により行列において区別され、順番による指向性を有する。上記例では、a(4,1)及びa(1,4)は同じノードを持つリンクであるが、それぞれのリンクは区別され、リンクに応じたリンク属性が割り当てられる。
面属性をリンク属性として与えることの利点は、どのような面属性でも同じデータサイズ(この例ではN×N行列)で表現できることである。図2は、リンクを削減した場合のグラフの一例を表す図である。例えば、図2においては、図1のグラフからリンク(4)→(6)及び(6)→(4)を削除して商業地を拡大したグラフとなっている。ここで面属性は、表2のように与えることができるが、表1と比べると、行数が減り、面Cの構成リンク数が増える、といったデータサイズの変化が生じる。
Figure 2021190014
一方、面属性をリンク属性として表現すれば、式(2)の行列AのようにN×N行列で表現できる。このようにグラフ情報の変換形式を行列として扱うことにより、グラフ情報のノードの数が同数であればリンクの変形があった場合でも一律に扱うことができ、計算効率の向上が見込める。
Figure 2021190014

・・・(2)
上記は、与えられた面属性を、リンクに対応する面ごとの表として表現した場合と、リンク属性の行列として表現した場合とをそれぞれ示した例である。本実施形態の手法の特徴は、面を構成するリンクのリンク属性の集合から面属性を算出することである。ここで、行列表現の場合のリンク属性はルールにより与えられる。例えば、面を構成するリンクのリンク属性として面属性を与える何らかのルールにより、面Aを構成するリンクに対応する行列Aの要素が与えられる場合を考える。ルールの一例を以下に示す。なお、特徴とは、例えば、道路ネットワークにおけるノード(この場合は交差点)及びノードの組み合わせに対する所与の属性情報である。
1.交差点(1)及び(5)の特徴から、(1)及び(5)を結ぶ道路に面した面Aは農地であると予想される。
2.交差点(5)及び(4)の特徴から、(5)及び(4)を結ぶ道路に面した面Aは農地であると予想される。
3.交差点(4)及び(1)の特徴から、(4)及び(1)を結ぶ道路に面した面Aは宅地であると予想される。
この時、面Aを構成するリンク属性に対応する行列Aの要素はa(1,5)=a(5,4)=1,a(4,1)=2として与えられる。本開示では、面を構成するリンクの属性として保持される面属性の集合(この例では{1,1,2})から面属性を算出する手法を用いる。手法としては、例えば多数決によってこの場合の面属性を農地とすること、要素数に比例した確率で面属性を与える(この例では、属性を、2/3の確率で農地、1/3の確率で宅地とする)こと、等である。このようにリンク属性は、いわば面属性を算出するための候補の集合と捉えることができる。
ここで、本手法の優位性について説明する。道路ネットワークは、ノードを交差点、リンクを道路とした平面グラフで表現されることが多い。区画(道路で囲まれた領域)は、平面グラフの用語では面(リンクで囲まれた領域)と呼ばれる。農地、宅地、及び商業地といった区画の属性は、道路ネットワークを用いた交通流制御、及び都市計画などの応用において重要な役割を果たす。本手法は、この区画属性に対応する面属性のデータ処理方法に関するもので、以下の効果がある。
すなわち、リンクの状態によらず、ノード数Nに対してN×Nの行列で面属性を保持でき、データサイズが固定できる。また、行列としてデータを保持できることで、高速及び高機能な行列演算ライブラリなどのソフトウェアを利用しやすくなる。
また、面属性を複数のリンクの属性として分散して保持するため、破損した面属性データを修復できる。
また、ある態様においては、グラフの性質から所定のルールに基づいて面属性をリンクの属性として決定し、その結果として得られる面属性候補集合から面属性を決めることができる。
なお、面属性はベクトルであってもよく、その場合は複数の行列又は3次元配列などでリンク属性として保持できる。
本手法を用いると、リンクの状態によらずノード数Nに対してN×Nの行列で保持したリンク属性から面属性を得ることができるため、上記の効果が生じる。
以上が本実施形態の手法の原理的な説明である。以下、本実施形態の構成及び作用について説明する。
図3は、本実施形態の設計装置の構成を示すブロック図である。
図3に示すように、設計装置100は、保持部110と、候補抽出部112と、面属性算出部114とを含んで構成されている。
保持部110は、面属性の算出対象となるグラフについて、リンク属性を要素とする行列形式で保持する。また、行列形式における面を構成するリンクに対応する要素について、面とリンクとの対応関係が保持される。図4は、本実施形態で扱うグラフの一例を示す図である。保持部110は、例えば図4に示したようなグラフについてのリンク属性を、行列形式にして保持する。以下式(3)は、本実施形態で扱うリンク属性を要素とする行列Aの一例である。
Figure 2021190014

・・・(3)
行列Aにおける非零要素のリンク属性は、予め定めた設定ルール、又は学習により予測した予測ルールにより与えるようにしておけばよい。設定ルール及び予測ルールについては変形例において後述する。保持部110において、4つの面A、B、C、及びDについて、各面を構成するリンクに対応する行列Aの要素a(i,j)の対応関係は以下のようになる。
[A]a(1,5)=2,a(5,4)=1,a(4,1)=3,
[B]a(1,4)=1,a(4,3)=3,a(3,2)=3,a(2,1)=1,
[C]a(4,5)=3,a(5,6)=2,a(6,4)=1,
[D]a(3,4)=1,a(4,6)=3,a(6,3)=2
また、グラフにおいて対応するリンクが存在しないi行j列成分についてはa(i,j)=0とする。
候補抽出部112は、特定の面の各々について、行列のリンク属性に基づいて、面の属性の候補の各々を含む面属性候補集合の各々を抽出する。行列のリンク属性は、当該特定の面を構成するリンクの各々に対応する。本実施形態では、特定の面であるA、B、C、及びDの各々とする。行列Aから当該特定の面を構成するノードの組で表したリンクに対応する非零要素を抽出することにより面属性候補集合を抽出する。以下に抽出例を示す。
行列Aの非零要素をひとつ選ぶ。例えばa(1,5)を選んだとすると、ノード1→5のリンクを選択したことを表す。次にノード5を始点とするリンクをひとつ選ぶ。このためには、行列Aの5行目の非零要素をひとつ選べばよい。例えばa(5,4)を選んだとすると、ノード5→4のリンクを選択したことを表す。同様に、ノード4を始点とするリンクを表す行列Aの非零要素としてa(4,1)を選んだとすると、ノード4→1のリンクを選択したことを表す。この段階で、リンクの終点ノードが最初のリンクの始点ノードと一致しているので、ノード1→5→4→1でひとつの面が構成されていることがわかり、選択した非零要素の値の集合として面属性候補集合{2,1,3}が得られる。さらに、行列Aの非零要素のうち、まだ選択されていないものを選び、同様の処理を、全ての非零要素が選択されるまで繰り返すと、4つの面A、B、C、及びD全てに対して面属性候補集合が得られる。面属性候補集合を抽出した結果は以下の通りである。
[A]{1,2,3},[B]{1,1,3,3},
[C]{1,2,3},[D]{1,2,3}
面属性算出部114は、特定の面の各々について、抽出された面属性候補集合における候補に基づいて面属性を算出する。ここでは一例として、面属性候補集合に含まれる要素数が最も多い数値を面属性とし、含まれる要素数が同じ場合は確率的に選択した数値を面属性とするアルゴリズムを用いることとする。この場合、4つの面A、B、C、及びDの面属性は以下のように決められる。
[A]1,2,3のいずれかを確率的に選択,
[B]1,3のいずれかを確率的に選択
[C]1,2,3のいずれかを確率的に選択,
[D]1,2,3のいずれかを確率的に選択
以上のようにして確率的に面属性を算出する。また、要素数に比例した確率で面属性を算出するようにしてもよい。
図5は、設計装置100のハードウェア構成を示すブロック図である。
図5に示すように、設計装置100は、CPU(Central Processing Unit)11、ROM(Read Only Memory)12、RAM(Random Access Memory)13、ストレージ14、入力部15、表示部16及び通信インタフェース(I/F)17を有する。各構成は、バス19を介して相互に通信可能に接続されている。
CPU11は、中央演算処理ユニットであり、各種プログラムを実行したり、各部を制御したりする。すなわち、CPU11は、ROM12又はストレージ14からプログラムを読み出し、RAM13を作業領域としてプログラムを実行する。CPU11は、ROM12又はストレージ14に記憶されているプログラムに従って、上記各構成の制御及び各種の演算処理を行う。本実施形態では、ROM12又はストレージ14には、設計プログラムが格納されている。
ROM12は、各種プログラム及び各種データを格納する。RAM13は、作業領域として一時的にプログラム又はデータを記憶する。ストレージ14は、HDD(Hard Disk Drive)又はSSD(Solid State Drive)等の記憶装置により構成され、オペレーティングシステムを含む各種プログラム、及び各種データを格納する。
入力部15は、マウス等のポインティングデバイス、及びキーボードを含み、各種の入力を行うために使用される。
表示部16は、例えば、液晶ディスプレイであり、各種の情報を表示する。表示部16は、タッチパネル方式を採用して、入力部15として機能してもよい。
通信インタフェース17は、端末等の他の機器と通信するためのインタフェースであり、例えば、イーサネット(登録商標)、FDDI、Wi−Fi(登録商標)等の規格が用いられる。
次に、本開示の実施形態に係る設計装置100の作用について説明する。
図6は、設計装置100による設計処理の流れを示すフローチャートである。CPU11がROM12又はストレージ14から設計処理プログラムを読み出して、RAM13に展開して実行することにより、設計処理が行なわれる。設計装置100は、予めグラフのリンク属性を算出した行列を受け付け、保持部110に保持しておく。
ステップS100において、CPU11は、候補抽出部112として、特定の面の各々について、行列のリンク属性に基づいて、面の属性の候補の各々を含む面属性候補集合の各々を抽出する。
ステップS102において、CPU11は、面属性算出部114として、特定の面の各々について、抽出された面属性候補集合における候補に基づいて面属性を算出する。
ここでステップS100の候補抽出処理について説明する。図7は、候補抽出処理の流れを示すフローチャートである。以下の候補抽出処理における選択は、保持部110に保持されている面とリンクとの対応関係を取得して行う。
ステップS1000において、CPU11は、特定の面を選択する。
ステップS1002において、CPU11は、当該特定の面の非零要素に対応するリンクを行列の要素から選択する。
ステップS1004において、CPU11は、選択したリンクの終点ノードを始点ノードとするリンクを行列の要素から選択する。なお、選択するリンクは当該特定の面に含まれるリンクである。
ステップS1006において、CPU11は、選択したリンクの終点ノードが、最初に選択したリンクの始点ノードであるか否かを判定する。条件を満たす場合にはステップS1008へ移行し、条件を満たさない場合にはステップS1004に戻って次のリンクを選択する。
ステップS1008において、CPU11は、全ての特定の面について処理を終了したか否かを判定し、終了した場合には候補抽出処理を終了し、終了していない場合にはステップS1000に戻って次の特定の面を選択して処理を繰り返す。以上により、特定の面の各々について、面属性候補集合が得られる。
以上説明したように、本実施形態に係る設計装置によれば、利便性の高い変換形式を用いて、効率的なグラフの演算が行える。
[変形例]
ここで本実施形態の手法の変形例を挙げる。図8は、本実施形態の変形例において、リンク属性を算出する態様の構成図である。リンク属性算出部210は、リンク属性を、予め定めた設定ルールに基づいて算出する。設定ルールは、当該リンクを結ぶノードに接続するリンクの数を示す度数を用いた以下のようなルールである。簡単な設定ルールの一例として、ノードiからノードjに移動した時のリンク属性を表す数値を、ノードiの度数(ノードに接続するリンクの数)−ノードjの度数+2として決定する設定ルールを用いることとする。この設定ルールを用いると、図4の平面グラフにおける4つの面A、B、C、及びDを構成するリンク(ノードiからノードjへのリンクをi→jと表記する)のリンク属性は、以下のように計算される。
[A]1→5:3−3+2=2,5→4:3−4+2=1,4→1:4−3+2=3
[B]1→4:3−4+2=1,4→3:4−3+2=3,3→2:3−2+2=3,
2→1:2−3+2=1
[C]4→5:4−3+2=3,5→6:3−3+2=2,6→4:3−4+2=1
[D]3→4:3−4+2=1,4→6:4−3+2=3,6→3:3−3+2=2
以上のように、リンク属性算出部210により、面を構成する全てのリンクi→jを行列の要素a(i,j)とする。そして、要素a(i,j)に面属性を表すリンク属性の数値を与える。これにより、リンク属性の行列を求め、求めた行列を保持部110に保持すればよい。なお、上記の設定ルールは一例であり、度数等、適宜変更して設定してよい。
図9は、本実施形態の変形例において、学習した予測ルールを用いてリンク属性を算出する態様の構成図である。学習部310は、面の属性を持つグラフにより表現される道路ネットワークを用いた学習データに基づいて、機械学習の手法を用いて、学習データにおける性質から面属性をリンク属性として予測するルールを学習する。学習部310では、学習データとして区画属性を持つ実在の道路ネットワークのデータを多数用意し、機械学習により道路ネットワークの性質から面属性をリンク属性として予測する予測ルールを獲得する。この予測ルールは、ノードの属性、及び面属性に対応するリンク属性以外のリンクに関する属性といった、グラフの他の性質を同時に予測するルールであってもよい。また予測ルールは、自然言語で明示的に書き下せるルールだけでなく、機械学習のモデルとして獲得されるアルゴリズム一般を含む。リンク属性算出部312は、予測ルールをグラフに適用して、リンク属性の行列を算出する。
なお、本開示は、上述した実施形態に限定されるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲内で様々な変形や応用が可能である。
例えば、上述した実施形態では変換形式を行列とする場合を例に説明したが、これに限定されるものではなく、リンクの数に変化が生じた場合でもデータ形式を固定できる変換形式であればよい。例えば、変換形式に、ノードの組で表したリンクを含む面をポインタで接続したベクトル形式を用いて、データ形式を固定してもよい。
なお、上記各実施形態でCPUがソフトウェア(プログラム)を読み込んで実行した設計処理を、CPU以外の各種のプロセッサが実行してもよい。この場合のプロセッサとしては、FPGA(Field−Programmable Gate Array)等の製造後に回路構成を変更可能なPLD(Programmable Logic Device)、及びASIC(Application Specific Integrated Circuit)等の特定の処理を実行させるために専用に設計された回路構成を有するプロセッサである専用電気回路等が例示される。また、設計処理を、これらの各種のプロセッサのうちの1つで実行してもよいし、同種又は異種の2つ以上のプロセッサの組み合わせ(例えば、複数のFPGA、及びCPUとFPGAとの組み合わせ等)で実行してもよい。また、これらの各種のプロセッサのハードウェア的な構造は、より具体的には、半導体素子等の回路素子を組み合わせた電気回路である。
また、上記各実施形態では、設計処理のプログラムがROMまたはストレージに予め記憶(インストール)されている態様を説明したが、これに限定されない。プログラムは、CD−ROM(Compact Disk Read Only Memory)、DVD−ROM(Digital Versatile Disk Read Only Memory)、及びUSB(Universal Serial Bus)メモリ等の非一時的(non−transitory)記録媒体に記録された形態で提供されてもよい。また、プログラムは、ネットワークを介して外部装置からダウンロードされる形態としてもよい。
100 設計装置
110 保持部
112 候補抽出部
114 面属性算出部
210 リンク属性算出部
310 学習部
312 リンク属性算出部

Claims (6)

  1. ノード、前記ノードを結ぶリンク、及び前記リンクで囲まれた領域である面を有するグラフについて、当該グラフに含まれるリンクの属性であって当該リンクに接する面の属性の候補となるリンク属性を所定の変換形式で保持している保持部と、
    特定の面の各々について、前記変換形式のリンク属性に基づいて、面の属性の候補の各々を含む面属性候補集合を抽出する候補抽出部と、
    前記特定の面の各々について、抽出された前記面属性候補集合における候補に基づいて面属性を算出する面属性算出部と、
    を含む設計装置。
  2. 前記変換形式を行列、当該行列の要素をノードの組で表したリンクとし、前記行列において、前記グラフにおいて存在しないリンクは零要素、前記グラフにおいて存在するリンクは前記リンク属性を表す非零要素として保持されており、
    前記候補抽出部は、
    前記特定の面の各々について、前記行列から当該特定の面を構成するノードの組で表したリンクに対応する前記非零要素を抽出することにより前記面属性候補集合を抽出する請求項1に記載の設計装置。
  3. リンク属性算出部を更に含み、
    前記リンク属性算出部は、前記リンク属性を、当該リンクを結ぶノードに接続するリンクの数を示す度数を用いた予め定めたルールに基づいて算出する請求項1又は請求項2に記載の設計装置。
  4. 学習部と、リンク属性算出部とを更に含み、
    前記学習部は、面の属性を持つグラフにより表現される道路ネットワークを用いた学習データに基づいて、機械学習の手法を用いて、前記学習データにおける性質から面属性をリンク属性として予測するルールを学習し、
    前記リンク属性算出部は、学習した前記ルールに基づいて、前記リンク属性を算出する請求項1又は請求項2に記載の設計装置。
  5. ノード、前記ノードを結ぶリンク、及び前記リンクで囲まれた領域である面を有するグラフについて、当該グラフに含まれるリンクの属性であって当該リンクに接する面の属性の候補となるリンク属性を所定の変換形式で保持しており、
    特定の面の各々について、前記変換形式のリンク属性に基づいて、面の属性の候補の各々を含む面属性候補集合を抽出し、
    前記特定の面の各々について、抽出された前記面属性候補集合における候補に基づいて面属性を算出する、
    処理をコンピュータに実行させる設計方法。
  6. ノード、前記ノードを結ぶリンク、及び前記リンクで囲まれた領域である面を有するグラフについて、当該グラフに含まれるリンクの属性であって当該リンクに接する面の属性の候補となるリンク属性を所定の変換形式で保持しており、
    特定の面の各々について、前記変換形式のリンク属性に基づいて、面の属性の候補の各々を含む面属性候補集合を抽出し、
    前記特定の面の各々について、抽出された前記面属性候補集合における候補に基づいて面属性を算出する、
    処理をコンピュータに実行させる設計プログラム。
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