JP2021189299A - 光学装置、コントローラ、光学制御方法、およびプログラム - Google Patents

光学装置、コントローラ、光学制御方法、およびプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】シースルー型の表示装置において、光源に対する複雑な制御を必要とすることなく、輝度制御を向上させる。【解決手段】本開示の一態様に係る光学装置は、所定の方向に沿って積層された第1の透光性光学素子、第1の透光性電極、液晶、第2の透光性電極、および第2の透光性光学素子を具備し、液晶には、光学パターンが形成されており、光学パターンは、第1の透光性電極と第2の透光性電極との間に電圧が印加されていない時に第1の透光性電極から到来した光を反射し、且つ、反射光を予め定められた集光点に集光させるように構成される。【選択図】図4

Description

本開示は、光学装置、コントローラ、光学制御方法、およびプログラムに関する。
近年、実世界に付加的な情報を重畳してユーザに提示する拡張現実(AR:Augmented Reality)と呼ばれる技術が注目されている。AR技術を用いた情報提示には、透過型HMD(Head Mounted Display)等のシースルー型の表示装置が利用される。
シースルー型の表示装置は、画素ごとの階調を表現した光(以下、画像光とも称する)を生成する光学エンジンと、実世界の光を透過しつつ画像光を反射または回折させて実世界の光と共にユーザの眼に出射するコンバイナと、を含んで構成される場合が多い。シースルー型の表示装置は、開発されてから未だ日が浅く、性能向上のための種々の技術が開発されている。
特許文献1には、輝度制御の精度の向上を企図したシースルー型の表示装置について記載されている。
特開2020-042212号公報
特許文献1に記載のシースルー型の表示装置は、コンバイナ(コンバイナは、実世界の光を透過しつつ、光源から入射された画像光を回折させて実世界の光と共にユーザの眼に出射する)の回折効率に基づいて光源の光出力を制御する。
つまり、従来のシースルー型の表示装置では、輝度制御を向上させるために光源に対して複雑な制御が必要であった。
本開示の目的は、シースルー型の表示装置において、光源に対する複雑な制御を必要とすることなく、輝度制御を向上させることを目的とする。
本開示の一態様に係る光学装置は、所定の方向に沿って積層された第1の透光性光学素子、第1の透光性電極、液晶、第2の透光性電極、および第2の透光性光学素子を具備し、液晶には、光学パターンが形成されており、光学パターンは、第1の透光性電極と第2の透光性電極との間に電圧が印加されていない時に第1の透光性電極から到来した光を反射し、且つ、反射光を予め定められた集光点に集光させるように構成される。
本開示によれば、シースルー型の表示装置において、光源に対する複雑な制御を必要とすることなく、輝度制御を向上させることができる。
第1実施形態の表示装置の構成を示すブロック図である。 第1実施形態の表示装置の構成例を示す図である。 第1実施形態の光学装置の構成の例を示す図である。 第1実施形態の概要の説明図である。 第1実施形態の概要の説明図である。 第1実施形態の制御処理の全体フローを示す図である。 第2実施形態の概要の説明図である。 第2実施形態の制御処理の全体フローを示す図である。 第3実施形態の表示装置の構成を示すブロック図である。 第3実施形態の光学装置の構成の例を示す図である。 第3実施形態の概要の説明図である。 第3実施形態の概要の説明図である。 第3実施形態の制御処理の第1の例の全体フローを示す図である。 第4実施形態の表示装置の構成を示すブロック図である。 第4実施形態の光学装置の構成の例を示す図である。 第4実施形態の概要の説明図である。 第4実施形態の概要の説明図である。 第4実施形態の制御処理の全体フローを示す図である。 変形例の制御処理の全体フローを示す図である。
以下、本発明の一実施形態について、図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施形態を説明するための図面において、同一の構成要素には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
以降の説明において、光学装置を基準として、上方(T方向)、下方(B方向)、前方(F方向)、後方(R方向)、左方向(SL方向)、および右方向(SR方向)を定義する。
(1)第1実施形態
第1実施形態について説明する。
(1−1)表示装置の構成
表示装置の構成について説明する。図1は、第1実施形態の表示装置の構成を示すブロック図である。図2は、第1実施形態の表示装置の構成例を示す図である。
図1に示すように、表示装置1は、コントローラ10と、光学装置20と、光源30とを備える。
コントローラ10は、光学装置20、および光源30を制御する情報処理装置の一例である。
図2に示すように、光学装置20は、後方(R方向)の端面である第1面20aと、前方(F方向)の端面である第2面20bとを備える。光学装置20は、ユーザ(「装着者」の一例)が表示装置1を装着している時に第1面20aが当該ユーザの眼に対向し、かつ第2面20bが外界に対向するように配置される。光学装置20の第1面20aと第2面20bとの間には、複数の光学素子が積層される。光学装置20は、コントローラ10からの制御に応じて、第1の状態と第2の状態との間で状態遷移を繰り返す。光学装置20は、第1の状態では、光源30から放射される光(「画像光」)をユーザの眼に導くように構成される。光学装置20は、第2の状態では、外界からの光(「環境光」)をユーザの眼に導くように構成される。
光源30は、ユーザが表示装置1を装着している時に、光学装置20の第1面20aに向かって光を放射可能に配置される。光源30は、コントローラ10からの制御に応じて発光するように構成される。光源30は、例えばレーザープロジェクターである。
(1−1−1)コントローラの構成
第1実施形態のコントローラの構成について説明する。
図1に示すように、コントローラ10は、記憶装置11と、プロセッサ12と、入出力インタフェース13と、通信インタフェース14とを備える。
記憶装置11は、プログラム及びデータを記憶するように構成される。記憶装置11は、例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、及び、ストレージ(例えば、フラッシュメモリ又はハードディスク)の組合せである。
プログラムは、例えば、以下のプログラムを含む。
・OS(Operating System)のプログラム
・情報処理を実行するアプリケーション(例えば、ウェブブラウザ)のプログラム
データは、例えば、以下のデータを含む。
・情報処理において参照されるデータベース
・情報処理を実行することによって得られるデータ(つまり、情報処理の実行結果)
プロセッサ12は、記憶装置11に記憶されたプログラムを起動することによって、コントローラ10の機能を実現するように構成される。プロセッサ12は、コンピュータの一例である。
入出力インタフェース13は、コントローラ10に接続される入力デバイスから信号(例えば、ユーザの指示)を取得し、かつ、コントローラ10に接続される出力デバイスに信号(例えば、画像信号)を出力するように構成される。
入力デバイスは、例えば、キーボード、ポインティングデバイス、タッチパネル、センサ、又は、それらの組合せである。
出力デバイスは、光学装置20、および光源30を含む。出力デバイスは、さらに、例えば、ディスプレイ、スピーカ、またはそれらの組み合わせを含むことができる。
通信インタフェース14は、コントローラ10と外部装置(例えば図示されないサーバ)との間の通信を制御するように構成される。
(1−1−2)光学装置の構成
第1実施形態の光学装置の構成について説明する。図3は、第1実施形態の光学装置の構成の例を示す図である。
図3に示すように、光学装置20は、第1の透光性光学素子21と、第1の透光性電極22と、液晶23と、第2の透光性電極24と、第2の透光性光学素子25とを備える。
第1の透光性光学素子21と、第1の透光性電極22と、液晶23と、第2の透光性電極24と、第2の透光性光学素子25とは、所定の方向に沿って(例えば、後方(R方向)から前方(F方向)に向かって)積層される。
第1の透光性光学素子21は、光透過性を備える素子である。第1の透光性光学素子21は、後方(R方向)から到来した光(例えば画像光)を前方(F方向)に位置する第1の透光性電極22へ導くように構成される。第1の透光性光学素子21は、前方(F方向)に位置する第1の透光性電極22から到来した光(例えば環境光、または液晶23によって反射された画像光)を後方(R方向)へ導くように構成される。第1の透光性光学素子21は、材料として、ガラス、透明プラスチック、またはそれらの組み合わせを含み得る。ガラスは、クラウン系ガラス材料(例えば、BK7、K3)を含み得る。
第1の透光性電極22は、光透過性を備える電極である。第1の透光性電極22は、コントローラ10によって電位を制御される。第1の透光性電極22は、コントローラ10からの制御に応じて、液晶23の正極として作用するように構成される。
第1の透光性電極22は、後方(R方向)に位置する第1の透光性光学素子21から到来した光(例えば画像光)を前方(F方向)に位置する液晶23へ導くように構成される。第1の透光性電極22は、前方(F方向)に位置する液晶23から到来した光(例えば環境光、または液晶23によって反射された画像光)を後方(R方向)に位置する第1の透光性光学素子21へ導くように構成される。第1の透光性電極22は、材料として、ITO(Indium Tin Oxide)膜、または導電性ポリマー(例えば、Poly(3,4-ethylenedioxythiophene)/poly(4-styrenesulfonate)(PEDOT/PSS))を含み得る。
液晶23は、所定の光学パターン(例えば、ホログラム)が形成されている。具体的には、所定の光学パターンは、液晶23の正極(すなわち、第1の透光性電極22)と液晶23の負極(すなわち、第2の透光性電極24)との間に電圧(「液晶駆動電圧」)が印加されていない時には、液晶23の後方(R方向)に位置する第1の透光性電極22から到来した光(例えば画像光)を反射し、且つ、反射光を予め定められた集光点に集光させるように構成される。集光点の位置は、一例として表示装置1を装着したユーザの眼(瞳孔)の位置に一致するように定められる。
コントローラ10が液晶駆動電圧を印加すると、当該液晶駆動電圧に従って液晶23を構成する液晶分子の配向が揃う(すなわち、ホログラムが解消する)。
その結果、液晶駆動電圧が印加されている時には、液晶23の後方(R方向)に位置する第1の透光性電極22から到来した光(例えば画像光)は、液晶23の前方(F方向)に位置する第2の透光性電極24へ導かれる。液晶駆動電圧が印加されている時には、液晶23の前方(F方向)に位置する第2の透光性電極24から到来した光(例えば環境光)は、液晶23の後方(R方向)に位置する第1の透光性電極22へ導かれる。
第2の透光性電極24は、光透過性を備える電極である。第2の透光性電極24は、コントローラ10によって電位を制御される。第2の透光性電極24は、コントローラ10からの制御に応じて、液晶23の負極として作用するように構成される。
第2の透光性電極24は、後方(R方向)に位置する液晶23から到来した光(例えば画像光)を前方(F方向)に位置する第2の透光性光学素子25へ導くように構成される。第2の透光性電極24は、前方(F方向)に位置する第2の透光性光学素子25から到来した光(例えば環境光)を後方(R方向)に位置する液晶23へ導くように構成される。第2の透光性電極24は、材料として、ITO膜、または導電性ポリマー(例えば、(PEDOT/PSS))を含み得る。
第2の透光性光学素子25は、光透過性を備える素子である。第2の透光性光学素子25は、後方(R方向)に位置する第2の透光性電極24から到来した光(例えば画像光)を前方(F方向)へ導くように構成される。第2の透光性光学素子25は、前方(F方向)から到来した光(例えば外界からの光)を後方(R方向)に位置する第2の透光性電極24へ導くように構成される。第2の透光性光学素子25は、材料として、ガラス、透明プラスチック、またはそれらの組み合わせを含み得る。ガラスは、クラウン系ガラス材料(例えば、BK7、K3)を含み得る。
第1の透光性光学素子21、第1の透光性電極22、液晶23(液晶駆動電圧印加時)、第2の透光性電極24、および第2の透光性光学素子25の屈折率は略同一の値(例えば、略1.5(好ましくは、1.45以上1.55未満))となるように定められる。
(1−2)実施形態の概要
第1実施形態の概要について説明する。図4は、第1実施形態の概要の説明図である。図5は、第1実施形態の概要の説明図である。
コントローラ10は、液晶駆動電圧の印加を停止する(0にする)。その結果、光学装置20は第1の状態に遷移する。
コントローラ10は、光源30から画像光L1を発光させる。
図4に示すように、光学装置20が第1の状態にある場合に、光源30からの画像光L1は、第1の透光性光学素子21、および第1の透光性電極22を順に通って、液晶23によって反射される。液晶23によって反射された画像光L1は、第1の透光性電極22、および第1の透光性光学素子21を順に通って集光点(例えば、ユーザUSの眼(瞳孔)周辺の集光点)に集光する。
コントローラ10が液晶駆動電圧の印加を開始する。その結果、光学装置20は第2の状態に遷移する。
コントローラ10は、光源30の発光を停止する。
図5に示すように、光学装置20が第2の状態にある場合に、外界からの環境光L2(例えば、物体OBから放射される反射光)は、第2の透光性光学素子25、第2の透光性電極24、液晶23、第1の透光性電極22、および第1の透光性光学素子21を順に通ってユーザUSの眼に入射する。
コントローラ10は、人間の反応時間の限界以下のスイッチング間隔(例えば、8msec程度)で液晶駆動電圧の印加と印加停止とを交互に繰り返すことで、ユーザUSに画像光L1による像(画像)と、環境光による像(例えば、OB1の像)との両方を視認させることができる。
(1−3)制御処理
第1実施形態の制御処理について説明する。図6は、第1実施形態の制御処理の全体フローを示す図である。
図6に示すように、コントローラ10は、発光命令信号の送出(S110)を実行する。
具体的には、プロセッサ12は、記憶装置11に含まれるバッファに蓄積された投影対象となる画像信号を取得する。プロセッサ12は、取得した画像信号を参照して発光命令信号を生成し、当該発光命令信号を光源30へ送出する。ステップS110において、プロセッサ12は、液晶駆動電圧を印加していない。すなわち、光学装置20は、第1の状態にある。
ステップS110の後に、光源30は発光(ステップS130)を実行する。
具体的には、光源30は、発光命令信号に応じて、画像光L1を第1の透光性光学素子21に向けて放射する。画像光L1の強度およびスペクトルは、発光命令信号によって指定される。
ステップS110の後に、コントローラ10は、停止命令信号の送出(S111)を実行する。
具体的には、プロセッサ12は、ステップS110の終了後、所定時間(例えば、8msec程度)待機する。プロセッサ12が待機している間、光学装置20は第1の状態にあるので、ユーザUSの眼には画像光L1が入射する。所定時間の待機後に、プロセッサ12は、光源30へ停止命令信号を送出する。
ステップS111の後に、光源30は発光の停止(S131)を実行する。
具体的には、光源30は、停止命令信号に応じて、画像光L1の放射を停止する。
ステップS110の後に、コントローラ10は、電圧の印加(S112)を実行する。
具体的には、プロセッサ12は、ステップS110の終了後、所定時間(例えば、8msec程度)待機する。所定時間の待機後に、プロセッサ12は、液晶駆動電圧を印加する。これにより、光学装置20は、第1の状態から第2の状態に遷移する。
プロセッサ12は、ステップS111よりも前、または後にステップS112を実行してもよいし、ステップS111と同時にステップS112を実行してもよい。
ステップS112の後に、コントローラ10は、電圧の印加の停止(S113)を実行する。
具体的には、プロセッサ12は、ステップS112の終了後、所定時間(例えば、8msec程度)待機する。プロセッサ12が待機している間、光学装置20は第2の状態にあるので、ユーザUSの眼には環境光L2が入射する。所定時間の待機後に、プロセッサ12は、液晶駆動電圧の印加を停止する。これにより、光学装置20は、第2の状態から第1の状態に遷移する。
ステップS113の後に、コントローラ10は、投影終了の判定(S114)を実行する。
具体的には、プロセッサ12は、画像投影を終了するか否かを判定する。一例として、プロセッサ12は、以下の少なくとも1つの条件が成立する場合に、画像投影を終了する。
・画像の投影終了を命令するユーザ指示が取得されたこと
・投影対象の画像信号がバッファに蓄積されていないこと
ステップS114において画像投影を終了しないと判定した場合に、コントローラ10は、ステップS110を再実行する。
ステップS114において画像投影を終了すると判定した場合に、コントローラ10は、図6の制御処理を終了する。
以上説明したように、第1実施形態の光学装置は、前述の光学パターンが形成された液晶を備えており、液晶駆動電圧の非印加時には光源からの画像光をユーザの眼(瞳孔)周辺の集光点に集光させる。光学装置は、液晶駆動電圧の印加時には外界からの環境光をユーザの眼に入射させる。第1実施形態のコントローラは、人間の反応時間の限界以下のスイッチング間隔(例えば、8msec程度)で液晶駆動電圧の印加と印加停止とを交互に繰り返すことで、ユーザに画像光による像(画像)と、環境光による像との両方を視認させることができる。要するに、第1実施形態によれば、シースルー型の表示装置において、光源に対する複雑な制御を必要とすることなく、輝度制御を向上させることができる。
第1実施形態のコントローラは、光源の発光と光源の発光の停止とを繰り返し、光源が発光している間に液晶駆動電圧の印加を停止し、且つ、光源が発光を停止している間に液晶駆動電圧を印加してもよい。これにより、光源に対する複雑な制御を必要とすることなく、輝度制御を向上させるとともに、液晶の消費電力を節減できる。
(2)第2実施形態
第2実施形態について説明する。
第2実施形態の表示装置の構成は、第1実施形態と同様である。
(2−1)実施形態の概要
第2実施形態の概要について説明する。図7は、第2実施形態の概要の説明図である。
コントローラ10は、液晶駆動電圧の印加を停止する(0にする)。その結果、光学装置20は第1の状態に遷移する。
コントローラ10が液晶駆動電圧の印加を開始する。その結果、光学装置20は第2の状態に遷移する。
コントローラ10は、第1実施形態とは異なり、光学装置20の状態に関わらず、光源30を継続的に発光させる(発光を停止しない)。
図4に示すように、光学装置20が第1の状態にある場合に、光源30からの画像光L1は、第1の透光性光学素子21、および第1の透光性電極22を順に通って、液晶23によって反射される。液晶23によって反射された画像光L1は、第1の透光性電極22、および第1の透光性光学素子21を順に通って集光点(例えば、ユーザUSの眼(瞳孔)周辺の集光点)に集光する。
図6に示すように、光学装置20が第2の状態にある場合に、外界からの環境光L2(例えば、物体OBから放射される反射光)は、第2の透光性光学素子25、第2の透光性電極24、液晶23、第1の透光性電極22、および第1の透光性光学素子21を順に通ってユーザUSの眼に入射する。光源30からの画像光L1は、第1の透光性光学素子21、第1の透光性電極22、液晶23、第2の透光性電極24、および第2の透光性光学素子25を順に通って外界に抜ける(ユーザUSの眼には入射しない)。
コントローラ10は、人間の反応時間の限界以下のスイッチング間隔(例えば、8msec程度)で液晶駆動電圧の印加と印加停止とを交互に繰り返すことで、ユーザUSに画像光L1による像(画像)と、環境光による像(例えば、OB1の像)との両方を視認させることができる。
(2−2)制御処理
第2実施形態の制御処理について説明する。図8は、第2実施形態の制御処理の全体フローを示す図である。
図8に示すように、コントローラ10は、発光命令信号の送出(S110)を実行する(図6)。
ステップS110の後に、光源30は発光(ステップS130)を実行する(図6)。
ステップS110の後に、コントローラ10は、電圧の印加(S212)を実行する。
具体的には、プロセッサ12は、ステップS110の終了後、所定時間(例えば、8msec程度)待機する。プロセッサ12が待機している間、光学装置20は第1の状態にあるので、ユーザUSの眼には画像光L1が入射する。所定時間の待機後に、プロセッサ12は、液晶駆動電圧を印加する。これにより、光学装置20は、第1の状態から第2の状態に遷移する。
ステップS212の後に、コントローラ10は、電圧の印加の停止(S213)を実行する。
具体的には、プロセッサ12は、ステップS212の終了後、所定時間(例えば、8msec程度)待機する。プロセッサ12が待機している間、光学装置20は第2の状態にあるので、ユーザUSの眼には環境光L2が入射する。所定時間の待機後に、プロセッサ12は、液晶駆動電圧の印加を停止する。これにより、光学装置20は、第2の状態から第1の状態に遷移する。
ステップS213の後に、コントローラ10は、投影終了の判定(S114)を実行する(図6)。
ステップS114において画像投影を終了しないと判定した場合に、コントローラ10は、ステップS110を再実行する。
ステップS114において画像投影を終了すると判定した場合に、コントローラ10は、停止命令信号の送出(S215)を実行する。
具体的には、プロセッサ12は、光源30へ停止命令信号を送出する。
ステップS215の後に、光源30は発光の停止(S231)を実行する。
具体的には、光源30は、停止命令信号に応じて、画像光L1の放射を停止する。
ステップS215の後に、コントローラ10は、図8の制御処理を終了する。
以上説明したように、第2実施形態の光学装置は、前述の光学パターンが形成された液晶を備えており、液晶駆動電圧の非印加時には光源からの画像光をユーザの眼(瞳孔)周辺の集光点に集光させる。光学装置は、液晶駆動電圧の印加時には外界からの環境光をユーザの眼に入射させる。第2実施形態のコントローラは、人間の反応時間の限界以下のスイッチング間隔(例えば、8msec程度)で液晶駆動電圧の印加と印加停止とを交互に繰り返すことで、ユーザに画像光による像(画像)と、環境光による像との両方を視認させることができる。要するに、第2実施形態によれば、光源に対する複雑な制御が不要なシースルー型の表示装置を実現できる。
特に、第2実施形態によれば、コントローラは、制御処理の実行中に光源の発光を繰り返し停止する必要がない。これにより、光源制御と液晶駆動電圧の制御との同期を取る必要がないので、光源に対する制御をいっそう簡略化しながらも、輝度制御を向上させることができる。
(3)第3実施形態
第3実施形態について説明する。
(3−1)表示装置の構成
表示装置の構成について説明する。図9は、第3実施形態の表示装置の構成を示すブロック図である。
図9に示すように、表示装置2は、コントローラ10と、光学装置40と、光源30とを備える。
表示装置2は、図1の表示装置1の光学装置20を光学装置40に置き換えた構成である。
光学装置40は、後方(R方向)の端面である第1面と、前方(F方向)の端面である第2面とを備える。光学装置40は、ユーザが表示装置2を装着している時に第1面が当該ユーザの眼に対向し、かつ第2面が外界に対向するように配置される。光学装置40の第1面と第2面との間には、複数の光学素子が積層される。光学装置40は、コントローラ10からの制御に応じて、第1の状態と第2の状態との間で状態遷移を繰り返す。光学装置40は、第1の状態では、光源30から放射される画像光をユーザの眼に導くように構成される。光学装置40は、第2の状態では、外界からの環境光をユーザの眼に導くように構成される。
(3−1−1)光学装置の構成
第3実施形態の光学装置の構成について説明する。図10は、第3実施形態の光学装置の構成の例を示す図である。
図10に示すように、光学装置40は、第1の透光性光学素子21と、第1の透光性電極22と、液晶43と、第2の透光性電極24と、第2の透光性光学素子45とを備える。
第1の透光性光学素子21と、第1の透光性電極22と、液晶43と、第2の透光性電極24と、第2の透光性光学素子45とは、所定の方向に沿って(すなわち、後方(R方向)から前方(F方向)に向かって)積層される。
液晶43の屈折率は、液晶駆動電圧に関する第1の条件が成立する場合と液晶駆動電圧に関する第2の条件が成立する場合とで異なるように構成される。具体的には、液晶43の屈折率は、第1の条件が成立する場合には、第1の透光性光学素子21、第1の透光性電極22、第2の透光性電極24、および第2の透光性光学素子45の屈折率(「第2の値」)(例えば、1.5付近)と異なる値(「第1の値」)に略一致する。液晶43の屈折率は、第2の条件が成立する場合には第2の値と略一致する。
第1の条件および第2の条件は、以下のいずれかの組み合わせであってよい。
・第1の条件は液晶駆動電圧が印加されていること、かつ第2の条件は液晶駆動電圧が印加されていないこと
・第1の条件は液晶駆動電圧が印加されていないこと、かつ第2の条件は液晶駆動電圧が印加されていること
液晶43は、第1の条件が成立する場合には、後方(R方向)に位置する第1の透光性電極22から到来した光(例えば画像光)を前方(F方向)に位置する第2の透光性電極24へ導くように構成される。液晶43は第1の条件が成立する場合には、前方(F方向)に位置する第2の透光性電極24から到来した光(例えば第2の透光性光学素子45と第2の透光性電極24との間の界面から戻ってきた画像光)を後方(R方向)に位置する第1の透光性電極22へ導くように構成される。
液晶43は、第2の条件が成立する場合には、後方(R方向)に位置する第1の透光性電極22から到来した光(例えば画像光)を前方(F方向)に位置する第2の透光性電極24へ導くように構成される。第2の透光性電極24は、第2の条件が成立する場合には、前方(F方向)に位置する第2の透光性電極24から到来した光(例えば環境光)を後方(R方向)に位置する第1の透光性電極22へ導くように構成される。
第2の透光性光学素子45は、光透過性を備える素子である。第2の透光性光学素子は、後方(R方向)の端面(すなわち、第2の透光性電極24と当接する面)に光学パターン(例えば凹凸)が形成されている。
具体的には、第2の透光性光学素子45に形成された光学パターンは、第1の条件の成立時に、第2の透光性光学素子45の後方(R方向)に位置する第2の透光性電極24から到来する光の一部が当該光学パターンと第2の透光性電極24との間の界面によって反射され、当該第2の透光性光学素子45よりも後方の予め定められた集光点に集光するように構成される。集光点の位置は、一例として表示装置2を装着したユーザの眼(瞳孔)の位置に一致するように定められる。
第2の透光性光学素子45は、前方(F方向)から到来した光(例えば外界からの光)を後方(R方向)に位置する第2の透光性電極24へ導くように構成される。
第2の透光性光学素子45は、材料として、ガラス、透明プラスチック、またはそれらの組み合わせを含み得る。ガラスは、クラウン系ガラス材料(例えば、BK7、K3)を含み得る。第2の透光性光学素子45は、回折光学素子(DOE: Diffractive Optical Element)、およびホログラフィック光学素子(HOE: Holographic Optical Element)の少なくとも1つを含むことができる。
第1の透光性光学素子21、第1の透光性電極22、液晶43(第2の条件の成立時)、第2の透光性電極24、および第2の透光性光学素子45の屈折率は略同一の値(例えば、略1.5(好ましくは、1.45以上1.55未満))となるように定められる。
(3−2)実施形態の概要
第3実施形態の概要について説明する。図11は、第3実施形態の概要の説明図である。図12は、第3実施形態の概要の説明図である。
コントローラ10は、液晶駆動電圧に関する第1の条件が成立するように液晶駆動電圧を制御する。その結果、光学装置40は第1の状態に遷移する。
コントローラ10は、液晶駆動電圧に関する第2の条件が成立するように液晶駆動電圧を制御する。その結果、光学装置40は第2の状態に遷移する。
コントローラ10は、光学装置40の状態に関わらず、光源30を継続的に発光させる(発光を停止しない)。
図11に示すように、光学装置40が第1の状態にある場合に、光源30からの画像光L1は、第1の透光性光学素子21、および第1の透光性電極22、液晶43、および第2の透光性電極24を順に通って、第2の透光性光学素子45と第2の透光性電極24との間の界面によって反射される。第2の透光性光学素子45と第2の透光性電極24との間の界面によって反射された画像光L1は第2の透光性電極24、液晶43、第1の透光性電極22、および第1の透光性光学素子21を順に通って集光点(例えば、ユーザUSの眼(瞳孔)周辺の集光点)に集光する。
図12に示すように、光学装置40が第2の状態にある場合に、外界からの環境光L2(例えば、物体OBから放射される反射光)は、第2の透光性光学素子45、第2の透光性電極24、液晶43、第1の透光性電極22、および第1の透光性光学素子21を順に通ってユーザUSの眼に入射する。
コントローラ10は、人間の反応時間の限界以下のスイッチング間隔(例えば、8msec程度)で液晶駆動電圧に関する第1の条件と第2の条件とが交互に成立するように液晶駆動電圧の印加を制御することで、ユーザUSに画像光L1による像(画像)と、環境光による像(例えば、OB1の像)との両方を視認させることができる。
(3−3)制御処理
第3実施形態の制御処理について説明する。
(3−3−1)制御処理の第1の例
第3実施形態の制御処理の第1の例について説明する。図13は、第3実施形態の制御処理の第1の例の全体フローを示す図である。
液晶駆動電圧に関する第1の条件は液晶駆動電圧が印加されていることであって、液晶駆動電圧に関する第2の条件は液晶駆動電圧が印加されていないことである場合に、コントローラ10は第3実施形態の制御処理の第1の例を行う。
図13に示すように、コントローラ10は、発光命令信号の送出(S110)を実行する(図6)。
ステップS110の後に、光源30は発光(ステップS130)を実行する(図6)。
ステップS130の後に、コントローラ10は、電圧の印加(S312)を実行する。
具体的には、プロセッサ12は、液晶駆動電圧を印加する。これにより、光学装置40は、第2の状態から第1の状態に遷移する。プロセッサ12は、液晶駆動電圧の印加後、所定時間(例えば、8msec程度)待機する。プロセッサ12が待機している間、光学装置40は第1の状態にあるので、ユーザUSの眼には画像光L1が入射する。
ステップS312の後に、コントローラ10は、電圧の印加の停止(S313)を実行する。
具体的には、プロセッサ12は、液晶駆動電圧の印加を停止する。これにより、光学装置40は、第1の状態から第2の状態に遷移する。プロセッサ12は、液晶駆動電圧の印加の停止後、所定時間(例えば、8msec程度)待機する。プロセッサ12が待機している間、光学装置40は第2の状態にあるので、ユーザUSの眼には環境光L2が入射する。
ステップS313の後に、コントローラ10は、投影終了の判定(S114)を実行する(図6)。
ステップS114において画像投影を終了しないと判定した場合に、コントローラ10は、ステップS110を再実行する。
ステップS114において画像投影を終了すると判定した場合に、コントローラ10は、停止命令信号の送出(S215)を実行する(図8)。
ステップS215の後に、光源30は発光の停止(S231)を実行する(図8)。
ステップS215の後に、コントローラ10は、図13の制御処理を終了する。
(3−3−2)制御処理の第2の例
第3実施形態の制御処理の第2の例について説明する。
液晶駆動電圧に関する第1の条件は液晶駆動電圧が印加されていないことであって、液晶駆動電圧に関する第2の条件は液晶駆動電圧が印加されていないことである場合に、コントローラ10は第3実施形態の制御処理の第2の例を行う。
第3実施形態の制御処理の第2の例は、図8と同様である。すなわち、プロセッサ12は、発光命令信号の送出(S110)、電圧の印加(S212)、電圧の印加の停止(S213)、投影終了の判定(S114)、および停止命令信号の送出(S215)を実行する。光源30は、発光(S130)、および発光の停止(S231)を実行する。
以上説明したように、第3実施形態の光学装置は、前述の光学パターンが形成された第2の透光性光学素子を備えており、液晶駆動電圧に関する第1の条件の成立時には光源からの画像光をユーザの眼(瞳孔)周辺の集光点に集光させる。光学装置は、液晶駆動電圧に関する第2の条件の成立時には外界からの環境光をユーザの眼に入射させる。第3実施形態のコントローラは、人間の反応時間の限界以下のスイッチング間隔(例えば、8msec程度)で第1の条件と第2の条件とが交互に成立するように液晶駆動電圧の印加を制御することで、ユーザに画像光による像(画像)と、環境光による像との両方を視認させることができる。要するに、第3実施形態によれば、シースルー型の表示装置において、光源に対する複雑な制御を必要とすることなく、輝度制御を向上させることができる。
第3実施形態の光学装置は、回折光学素子(DOE: Diffractive Optical Element)、およびホログラフィック光学素子(HOE: Holographic Optical Element)の少なくとも1つを第2の透光性光学素子45として用いることができる。これにより、シースルー型の表示装置において、光源に対する複雑な制御を必要とすることなく、輝度制御を向上させることができる。
第3実施形態の光学装置は、クラウン系ガラス材料を含む第1の透光性光学素子21または第2の透光性光学素子45を用いることができる。これにより、シースルー型の表示装置において、光源に対する複雑な制御を必要とすることなく、輝度制御を向上させることができる。
第3実施形態の光学装置において、第2の条件の成立時の液晶の屈折率と、第1の透光性光学素子21、第1の透光性電極22、第2の透光性電極24、および第2の透光性光学素子45の屈折率とは、1.45以上1.55未満であってもよい。これにより、シースルー型の表示装置において、光源に対する複雑な制御を必要とすることなく、輝度制御を向上させることができる。
なお、第3実施形態では、ステップS110の後にステップS312を実行する例を示したが、これに限られるものではない。第3実施形態は、以下の何れかの例にも適用可能である。
・ステップS130の前にステップS312を実行する例
・ステップS130と同時にステップS312を実行する例
(4)第4実施形態
第4実施形態について説明する。
(4−1)表示装置の構成
表示装置の構成について説明する。図14は、第4実施形態の表示装置の構成を示すブロック図である。
図14に示すように、表示装置3は、コントローラ10と、光学装置50と、光源30と、視線計測装置60とを備える。
表示装置3は、図1の表示装置1の光学装置20を光学装置50に置き換えるとともに、視線計測装置60を追加した構成である。
コントローラ10は、光学装置50、および光源30を制御する情報処理装置の一例である。コントローラ10は、視線計測装置60から表示装置3を装着したユーザの視線の計測結果を取得可能に構成される。
光学装置50は、後方(R方向)の端面である第1面と、前方(F方向)の端面である第2面とを備える。光学装置50は、ユーザが表示装置3を装着している時に第1面が当該ユーザの眼に対向し、かつ第2面が外界に対向するように配置される。光学装置50の第1面と第2面との間には、複数の光学素子が積層される。光学装置50は、コントローラ10からの制御に応じて、第1の状態と第2の状態との間で状態遷移を繰り返す。光学装置50は、第1の状態では、光源30から放射される画像光をユーザの眼に導くように構成される。光学装置50は、第2の状態では、外界からの環境光をユーザの眼に導くように構成される。
視線計測装置60は、表示装置3を装着したユーザの視線を計測する。視線計測装置60は、ユーザの視線の計測結果をコントローラ10へ送出する。
(4−1−1)光学装置の構成
第4実施形態の光学装置の構成について説明する。図15は、第4実施形態の光学装置の構成の例を示す図である。
図15に示すように、光学装置50は、第1の透光性光学素子21と、第1の透光性電極52と、液晶43と、第2の透光性電極54と、第2の透光性光学素子45とを備える。
第1の透光性光学素子21と、第1の透光性電極52と、液晶43と、第2の透光性電極54と、第2の透光性光学素子45とは、所定の方向に沿って(すなわち、後方(R方向)から前方(F方向)に向かって)積層される。
第1の透光性電極52および第2の透光性電極54は、F−R軸に直交する平面(電極平面)上の複数の位置のそれぞれに異なる電圧を印加可能な構造を持つ点で、第1の透光性電極22および第2の透光性電極24とは異なる。
例えば、電極平面上の第1の座標(x1,y1)における液晶駆動電圧と、電極平面上の第2の座標(x2,y2)における液晶駆動電圧とを異ならせることができる。換言すれば、コントローラ10は、電極平面上で任意の分布(非一様な電圧分布、または一様な電圧分布)を持つ液晶駆動電圧を印加することができる。
液晶43の電極平面上の屈折率分布は、第1の透光性電極52および第2の透光性電極54に印加される液晶駆動電圧の電極平面上の分布に依存する。
液晶43は、電極平面上で一様な電圧分布を持つ液晶駆動電圧が印加された場合には、電極平面上で一様な屈折率分布を示す。液晶43は、電極平面上で非一様な電圧分布を持つ液晶駆動電圧が印加された場合には、電極平面上で非一様な屈折率分布を示す。
コントローラ10は、液晶43の電極平面上の屈折率分布を制御することで、光学装置50が第1の状態である時に画像光L1が集光する集光点の位置を調整可能である。
第1の透光性光学素子21、第1の透光性電極52、液晶43(液晶駆動電圧非印加時)、第2の透光性電極54、および第2の透光性光学素子45の屈折率は略同一の値(例えば、略1.5(好ましくは、1.45以上1.55未満))となるように定められる。
(4−2)実施形態の概要
第4実施形態の概要について説明する。図16は、第4実施形態の概要の説明図である。図17は、第4実施形態の概要の説明図である。
コントローラ10が視線計測装置60の計測結果を参照して決定した分布を持つ液晶駆動電圧を印加する。その結果、光学装置50は第1の状態に遷移する。
コントローラ10が液晶駆動電圧の印加を停止する。その結果、光学装置50は第2の状態に遷移する。
コントローラ10は、第1実施形態とは異なり、光学装置50の状態に関わらず、光源30を継続的に発光させる(発光を停止しない)。
図16に示すように、光学装置50が第1の状態にある場合に、光源30からの画像光L1は、第1の透光性光学素子21、および第1の透光性電極52、液晶43、および第2の透光性電極54を順に通って、第2の透光性光学素子45と第2の透光性電極54との間の界面によって反射される。第2の透光性光学素子45によって反射された画像光L1は第2の透光性電極54、液晶43、第1の透光性電極52、および第1の透光性光学素子21を順に通って集光点(例えば、ユーザUSの眼(瞳孔)周辺の集光点)に集光する。
画像光L1の集光点の位置は、液晶43の電極平面上の屈折率分布に依存して変化する。コントローラ10は、視線計測装置60から取得したユーザUSの視線の計測結果を参照して、液晶駆動電圧の電極平面上の分布を決定し、決定した分布を持つ液晶駆動電圧を第1の透光性電極52および第2の透光性電極54に印加する。これにより、ユーザUSの眼(瞳孔)の位置に応じて画像光L1の集光点を調整すること(すなわちアイボックスの拡大)が可能となる。
図17に示すように、光学装置50が第2の状態にある場合に、外界からの環境光L2(例えば、物体OBから放射される反射光)は、第2の透光性光学素子45、第2の透光性電極54、液晶43、第1の透光性電極52、および第1の透光性光学素子21を順に通ってユーザUSの眼に入射する。
コントローラ10は、人間の反応時間の限界以下のスイッチング間隔(例えば、8msec程度)で液晶駆動電圧の印加と印加停止とを交互に繰り返すことで、ユーザUSに画像光L1による像(画像)と、環境光による像(例えば、OB1の像)との両方を視認させることができる。
(4−3)制御処理
第4実施形態の制御処理について説明する。図18は、第4実施形態の制御処理の全体フローを示す図である。
図18に示すように、コントローラ10は、発光命令信号の送出(S110)を実行する(図6)。
ステップS110の後に、光源30は発光(ステップS130)を実行する(図6)。
コントローラ10は、視線計測結果の取得(S416)を実行する。
具体的には、プロセッサ12は、視線計測装置60から表示装置3を装着したユーザの視線の計測結果を取得する。
プロセッサ12は、ステップS110よりも前、または後にステップS416を実行してもよいし、ステップS110と同時にステップS416を実行してもよい。
ステップS416の後に、コントローラ10は、電圧分布の決定(S417)を実行する。
具体的には、プロセッサ12は、ステップS416において取得した計測結果を参照して、液晶駆動電圧の電極平面上の分布を決定する。
ステップS417の後に、コントローラ10は、電圧の印加(S412)を実行する。
具体的には、プロセッサ12は、ステップS417において決定した電圧分布を持つ液晶駆動電圧を印加する。これにより、光学装置50は、第2の状態から第1の状態に遷移する。プロセッサ12は、液晶駆動電圧の印加後、所定時間(例えば、8msec程度)待機する。プロセッサ12が待機している間、光学装置50は第1の状態にあるので、ユーザUSの眼には画像光L1が入射する。
ステップS412の後に、コントローラ10は、電圧の印加の停止(S313)を実行する(図13)。
ステップS313の後に、コントローラ10は、投影終了の判定(S114)を実行する(図6)。
ステップS114において画像投影を終了しないと判定した場合に、コントローラ10は、ステップS110を再実行する。
ステップS114において画像投影を終了すると判定した場合に、コントローラ10は、停止命令信号の送出(S215)を実行する(図8)。
ステップS215の後に、光源30は発光の停止(S231)を実行する(図8)。
ステップS215の後に、コントローラ10は、図18の制御処理を終了する。
以上説明したように、第4実施形態の光学装置は、前述の光学パターンが形成された第2の透光性光学素子を備えており、第1の状態にある時には光源からの画像光をユーザの眼(瞳孔)周辺の集光点に集光させる。光学装置は、電極平面上の複数の位置のそれぞれに異なる電圧を印加可能な構造を有する第1の透光性電極および第2の透光性電極を備えており、液晶の電極平面上の屈折率分布が可変である。故に、第4実施形態のコントローラは、ユーザの視線の計測結果に応じて、液晶駆動電圧の電極平面上の分布を変更することで、画像光の集光点を変化させる。これにより、ユーザの眼(瞳孔)の位置に応じて画像光の集光点を調整すること(すなわちアイボックスの拡大)が可能となる。光学装置は、第2の状態にある時には外界からの環境光をユーザの眼に入射させる。
第4実施形態のコントローラは、人間の反応時間の限界以下のスイッチング間隔(例えば、8msec程度)で液晶駆動電圧の印加と印加停止とを交互に繰り返すことで、ユーザに画像光による像(画像)と、環境光による像との両方を視認させることができる。要するに、第4実施形態によれば、シースルー型の表示装置において、光源に対する複雑な制御を必要とすることなく、輝度制御を向上させることができる。
(5)変形例
変形例について説明する。変形例は、第4実施形態の光学装置を、電極平面上で所定の大きさの一様な分布を持つ液晶駆動電圧の印加時に第2の状態に遷移するように構成する例である。
(5−1)光学装置の構成
変形例の光学装置の構成について説明する。変形例の光学装置50の構成は、以下に説明する点で第4実施形態の光学装置50の構成と異なる。
第1の透光性光学素子21、第1の透光性電極52、液晶43(電極平面上で所定の大きさの一様な分布を持つ液晶駆動電圧の印加時)、第2の透光性電極54、および第2の透光性光学素子45の屈折率は略同一の値(例えば、略1.5(好ましくは、1.45以上1.55未満))となるように定められる。
(5−2)変形例の概要
変形例の概要について説明する。
第4実施形態とは異なり、コントローラ10が所定の大きさの分布を持つ液晶駆動電圧を印加する。その結果、光学装置50は第2の状態に遷移する。
図17に示すように、光学装置50が第2の状態にある場合に、外界からの環境光L2(例えば、物体OBから放射される反射光)は、第2の透光性光学素子45、第2の透光性電極54、液晶43、第1の透光性電極52、および第1の透光性光学素子21を順に通ってユーザUSの眼に入射する。
コントローラ10は、人間の反応時間の限界以下のスイッチング間隔(例えば、8msec程度)で、視線計測装置60の計測結果を参照して決定した分布を持つ液晶駆動電圧の印加と所定の大きさの分布を持つ液晶駆動電圧の印加とを交互に繰り返すことで、ユーザUSに画像光L1による像(画像)と、環境光による像(例えば、OB1の像)との両方を視認させることができる。
(5−3)制御処理
変形例の制御処理について説明する。図19は、変形例の制御処理の全体フローを示す図である。
図18に示すように、コントローラ10は、発光命令信号の送出(S110)を実行する(図6)。
ステップS110の後に、光源30は発光(ステップS130)を実行する(図6)。
コントローラ10は、視線計測結果の取得(S416)、電圧分布の決定(S417)、および電圧の印加(S412)を実行する(図18)。
ステップS412の後に、コントローラ10は、一様分布を持つ電圧の印加(S513)を実行する。
具体的には、プロセッサ12は、所定の大きさの一様な分布を持つ液晶駆動電圧を印加する。これにより、光学装置50は、第1の状態から第2の状態に遷移する。プロセッサ12は、液晶駆動所定の大きさの一様な分布を持つ液晶駆動電圧の印加後、所定時間(例えば、8msec程度)待機する。プロセッサ12が待機している間、光学装置40は第2の状態にあるので、ユーザUSの眼には環境光L2が入射する。
ステップS513の後に、コントローラ10は、投影終了の判定(S114)を実行する(図6)。
ステップS114において画像投影を終了しないと判定した場合に、コントローラ10は、ステップS110を再実行する。
ステップS114において画像投影を終了すると判定した場合に、コントローラ10は、停止命令信号の送出(S215)を実行する(図8)。
ステップS215の後に、光源30は発光の停止(S231)を実行する(図8)。
コントローラ10は、電圧の印加の停止(S518)を実行する。
具体的には、プロセッサ12は、液晶駆動電圧の印加を停止する。
プロセッサ12は、ステップS215よりも前、または後にステップS518を実行してもよいし、ステップS215と同時にステップS518を実行してもよい。
ステップS215、およびステップS518の後に、コントローラ10は、図19の制御処理を終了する。
以上説明したように、変形例の光学装置は、前述の光学パターンが形成された第2の透光性光学素子を備えており、第1の状態にある時には光源からの画像光をユーザの眼(瞳孔)周辺の集光点に集光させる。光学装置は、電極平面上の複数の位置のそれぞれに異なる電圧を印加可能な構造を有する第1の透光性電極および第2の透光性電極を備えており、液晶の電極平面上の屈折率分布が可変である。故に、変形例のコントローラは、ユーザの視線の計測結果に応じて、液晶駆動電圧の電極平面上の分布を変更することで、画像光の集光点を変化させる。これにより、ユーザの眼(瞳孔)の位置に応じて画像光の集光点を調整すること(すなわちアイボックスの拡大)が可能となる。光学装置は、第2の状態にある時には外界からの環境光をユーザの眼に入射させる。
変形例のコントローラは、人間の反応時間の限界以下のスイッチング間隔(例えば、8msec程度)で、視線計測装置60の計測結果を参照して決定した分布を持つ液晶駆動電圧の印加と所定の大きさの分布を持つ液晶駆動電圧の印加とを交互に繰り返すことで、ユーザに画像光による像(画像)と、環境光による像との両方を視認させることができる。要するに、変形例によれば、シースルー型の表示装置において、光源に対する複雑な制御を必要とすることなく、輝度制御を向上させることができる。
(6)その他の変形例
記憶装置11は、ネットワークNWを介して、コントローラ10と接続されてもよい。
実施形態の説明では、光学装置は、画像光と環境光とを交互にユーザの眼に導く例を説明したが。これに限られるものではない。実施形態は、光学装置20が画像光をユーザの眼に導く時に、液晶の環境光を遮断することなく、環境光の一部をユーザの眼に導く例にも適用可能である。
実施形態の説明では、第1の透光性電極22及び52を正極として構成し、第2の透光性電極24及び54を負極として構成したが、これに限られるものではない。実施形態は、第1の透光性電極22及び52を負極として構成し、第2の透光性電極24及び54を正極として構成する例にも適用可能である。
実施形態の説明では、液晶23に液晶駆動電圧が印加されていない場合には光学装置20は第1の状態にあり、液晶23に液晶駆動電圧が印加されている場合には光学装置20は第2の状態にあると説明したが、これに限られない。実施形態は、液晶23に印加される電圧が第1の条件を満たす場合に屈折率が光学装置20に含まれる他の素子と異なる値になり、液晶23に印加される電圧が第2の条件を満たす場合に屈折率が光学装置20に含まれる他の素子と略同一の値になる例にも適用可能である。
第1の条件及び第2の条件の組合せは、以下の少なくとも1つの例を含む。
・第1の条件は液晶駆動電圧が非零であり、第2の条件は液晶駆動電圧がゼロである(つまり、電圧が印加されていない)。
・第1の条件は液晶駆動電圧がゼロであり、第2の条件は液晶駆動電圧が非零である。
・第1の条件は液晶駆動電圧が第1の非零値V1であり、第2の条件は液晶駆動電圧が第2の非零値V2(<V1)である。
・第1の条件は液晶駆動電圧が第1の非零値V1であり、第2の条件は液晶駆動電圧が第2の非零値V2(>V1)である。
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明の範囲は上記の実施形態に限定されない。また、上記の実施形態は、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良や変更が可能である。また、上記の実施形態及び変形例は、組合せ可能である。
(7)付記
実施形態で説明した事項を、以下に付記する。
(付記1)
所定の方向に沿って積層された第1の透光性光学素子(21)、第1の透光性電極(22)、液晶(23)、第2の透光性電極(24)、および第2の透光性光学素子(25)を具備し、
液晶には、光学パターンが形成されており、
光学パターンは、第1の透光性電極と第2の透光性電極との間に電圧が印加されていない時に第1の透光性電極から到来した光を反射し、且つ、反射光を予め定められた集光点に集光させるように構成される、
光学装置(20)。
付記1の光学装置は、液晶に形成された光学パターンを利用することで、液晶駆動電圧の非印加時には光源からの画像光を装着者の眼(瞳孔)周辺の集光点に集光させ、かつ液晶駆動電圧の印加時には外界からの環境光を装着者の眼に入射させる。これにより、シースルー型の表示装置において、光源に対する複雑な制御を必要とすることなく、輝度制御を向上させることができる。
(付記2)
付記1に記載の光学装置と、第1の透光性光学素子に向かって光を放射可能に配置された光源(30)とを制御するコントローラ(10)であって、
第1の透光性電極および第2の透光性電極の間の電圧を制御する手段(S112,S113,S212,S213)
を具備し、
電圧を制御する手段は、電圧の印加と、電圧の印加の停止と、を繰り返す、
コントローラ。
付記2のコントローラは、液晶駆動電圧の印加と印加停止とを交互に繰り返して装着者に画像光による像(画像)と、環境光による像との両方を視認させる。これにより、シースルー型の表示装置において、光源に対する複雑な制御を必要とすることなく、輝度制御を向上させることができる。
(付記3)
光源の発光を制御する手段(S110,S111)をさらに具備し、
発光を制御する手段は、光源の発光と、光源の発光の停止とを繰り返し、
電圧を制御する手段は、光源が発光している間に電圧の印加を停止し、且つ、光源が発光を停止している間に電圧を印加する、
付記2に記載のコントローラ。
付記3のコントローラは、光源の発光と光源の発光の停止とを繰り返し、光源が発光している間に液晶駆動電圧の印加を停止し、且つ、光源が発光を停止している間に液晶駆動電圧を印加する。これにより、光源に対する複雑な制御を必要とすることなく、輝度制御を向上させるとともに、液晶の消費電力を節減できる。
(付記4)
所定の方向に沿って積層された第1の透光性光学素子(21)、第1の透光性電極(22,52)、液晶(43)、第2の透光性電極(24,54)、および第2の透光性光学素子(45)を具備し、
第2の透光性光学素子には、光学パターンが形成されており、
光学パターンは、第2の透光性電極から到来する光の一部が当該光学パターンと第2の透光性電極との間の界面によって反射して予め定められた集光点に集光するように構成され、
液晶の屈折率は、第1の透光性電極と第2の透光性電極との間の電圧に関する第1の条件が成立する場合に第1の値に略一致し、且つ、電圧に関する第2の条件が成立する場合に第1の値とは異なる第2の値に略一致し、
第1の透光性光学素子、第1の透光性電極、第2の透光性電極、および第2の透光性光学素子の屈折率は第2の値に略一致する、
光学装置(40,50)。
付記4の光学装置は、第2の透光性光学素子に形成された光学パターンを利用することで、液晶駆動電圧に関する第1の条件の成立時には光源からの画像光を装着者の眼(瞳孔)周辺の集光点に集光させ、かつ液晶駆動電圧に関する第2の条件の成立時には外界からの環境光を装着者の眼に入射させる。これにより、シースルー型の表示装置において、光源に対する複雑な制御を必要とすることなく、輝度制御を向上させることができる。
(付記5)
第2の透光性光学素子は、回折光学素子(DOE: Diffractive Optical Element)、およびホログラフィック光学素子(HOE: Holographic Optical Element)の少なくとも1つを含む、付記4に記載の光学装置。
付記5の光学装置は、回折光学素子(DOE: Diffractive Optical Element)、およびホログラフィック光学素子(HOE: Holographic Optical Element)の少なくとも1つを第2の透光性光学素子として用いる。これにより、シースルー型の表示装置において、光源に対する複雑な制御を必要とすることなく、輝度制御を向上させることができる。
(付記6)
第1の透光性光学素子、および第2の透光性光学素子の少なくとも1つは、クラウン系ガラス材料を含む、付記4または付記5に記載の光学装置。
付記6の光学装置は、クラウン系ガラス材料を含む第1の透光性光学素子または第2の透光性光学素子を用いる。これにより、シースルー型の表示装置において、光源に対する複雑な制御を必要とすることなく、輝度制御を向上させることができる。
(付記7)
第2の値は1.45以上1.55未満である、付記4乃至付記6のいずれかに記載の光学装置。
付記7の光学装置において、第2の条件の成立時の液晶の屈折率と、第1の透光性光学素子、第1の透光性電極、第2の透光性電極、および第2の透光性光学素子の屈折率は、1.45以上1.55未満である。これにより、シースルー型の表示装置において、光源に対する複雑な制御を必要とすることなく、輝度制御を向上させることができる。
(付記8)
第1の透光性電極(52)および第2の透光性電極(54)は、複数の位置のそれぞれに異なる電圧を印加可能な構造を持つ、付記4乃至付記7のいずれかに記載の光学装置(50)。
付記8の光学装置は、液晶駆動電圧の電極平面上の分布を制御可能である。これにより、画像光の集光点を変化させることができる。
(付記9)
付記4乃至付記8のいずれかに記載の光学装置と、第1の透光性光学素子に向かって光を放射可能に配置された光源(30)とを制御するコントローラ(10)であって、
第1の透光性電極および第2の透光性電極の間の電圧を制御する手段(S312,S313)と
を具備し、
電圧を制御する手段は、電圧の印加と、電圧の印加の停止と、を繰り返す、
コントローラ。
付記9のコントローラは、液晶駆動電圧の印加と印加停止とを交互に繰り返して装着者に画像光による像(画像)と、環境光による像との両方を視認させる。これにより、シースルー型の表示装置において、光源に対する複雑な制御を必要とすることなく、輝度制御を向上させることができる。
(付記10)
付記8に記載の光学装置と、第1の透光性光学素子に向かって光を放射可能に配置された光源(30)とを制御するコントローラ(10)であって、
光学装置を備えた表示装置を装着した装着者の視線の計測結果を取得する手段(S416)と、
第1の透光性電極および第2の透光性電極の間の電圧を制御する手段(S417,S412,S313)と
を具備し、
電圧を制御する手段は、
第1の透光性電極と第2の透光性電極との間に計測結果に応じた電圧分布を持つ電圧の印加、および、当該電圧の印加の停止を繰り返す、
コントローラ。
付記10のコントローラは、装着者の視線の計測結果に応じて、液晶駆動電圧の電極平面上の分布を変更することで、画像光の集光点を変化させる。これにより、装着者の眼(瞳孔)の位置に応じて画像光の集光点を調整すること(すなわちアイボックスの拡大)が可能となる。
(付記11)
付記8に記載の光学装置と、第1の透光性光学素子に向かって光を放射可能に配置された光源(30)とを制御するコントローラ(10)であって、
光学装置を備えた表示装置を装着した装着者の視線の計測結果を取得する手段(S416)と、
第1の透光性電極および第2の透光性電極の間の電圧を制御する手段(S417,S412,S513,S518)と
を具備し、
電圧を制御する手段は、
計測結果に応じた第1の電圧分布を持つ電圧の印加、および、所定の大きさの一様な分布を持つ第2の電圧の印加を繰り返す、
コントローラ。
付記11のコントローラは、装着者の視線の計測結果に応じて、液晶駆動電圧の電極平面上の分布を変更することで、画像光の集光点を変化させる。装着者の眼(瞳孔)の位置に応じて画像光の集光点を調整すること(すなわちアイボックスの拡大)が可能となる。
(付記12)
付記1に記載の光学装置と、第1の透光性光学素子に向かって光を放射可能に配置された光源とを制御する光学制御方法であって、
コンピュータが、
第1の透光性電極および第2の透光性電極の間の電圧を制御するステップと
を具備し、
電圧を制御するステップは、電圧と、電圧の印加の停止と、を繰り返す、
方法。
付記12の光学制御方法は、液晶駆動電圧の印加と印加停止とを交互に繰り返して装着者に画像光による像(画像)と、環境光による像との両方を視認させる。これにより、シースルー型の表示装置において、光源に対する複雑な制御を必要とすることなく、輝度制御を向上させることができる。
1 :表示装置
2 :表示装置
3 :表示装置
10 :コントローラ
11 :記憶装置
12 :プロセッサ
13 :入出力インタフェース
14 :通信インタフェース
20 :光学装置
21 :第1の透光性光学素子
22 :第1の透光性電極
23 :液晶
24 :第2の透光性電極
25 :第2の透光性光学素子
30 :光源
40 :光学装置
43 :液晶
45 :第2の透光性光学素子
50 :光学装置
52 :第1の透光性電極
54 :第2の透光性電極
60 :視線計測装置

Claims (17)

  1. 所定の方向に沿って積層された第1の透光性光学素子、第1の透光性電極、液晶、第2の透光性電極、および第2の透光性光学素子を具備し、
    前記液晶には、光学パターンが形成されており、
    前記光学パターンは、前記第1の透光性電極と前記第2の透光性電極との間に電圧が印加されていない時に前記第1の透光性電極から到来した光を反射し、且つ、反射光を予め定められた集光点に集光させるように構成される、
    光学装置。
  2. 請求項1に記載の光学装置と、前記第1の透光性光学素子に向かって光を放射可能に配置された光源とを制御するコントローラであって、
    前記第1の透光性電極および前記第2の透光性電極の間の電圧を制御する手段
    を具備し、
    前記電圧を制御する手段は、前記電圧の印加と、前記電圧の印加の停止と、を繰り返す、
    コントローラ。
  3. 前記光源の発光を制御する手段をさらに具備し、
    前記発光を制御する手段は、前記光源の発光と、前記光源の発光の停止とを繰り返し、
    前記電圧を制御する手段は、前記光源が発光している間に前記電圧の印加を停止し、且つ、前記光源が発光を停止している間に前記電圧を印加する、
    請求項2に記載のコントローラ。
  4. 所定の方向に沿って積層された第1の透光性光学素子、第1の透光性電極、液晶、第2の透光性電極、および第2の透光性光学素子を具備し、
    前記第2の透光性光学素子には、光学パターンが形成されており、
    前記光学パターンは、前記第2の透光性電極から到来する光の一部が当該光学パターンと前記第2の透光性電極との間の界面によって反射して予め定められた集光点に集光するように構成され、
    前記液晶の屈折率は、前記第1の透光性電極と前記第2の透光性電極との間の電圧に関する第1の条件が成立する場合に第1の値に略一致し、且つ、前記電圧に関する第2の条件が成立する場合に前記第1の値とは異なる第2の値に略一致し、
    前記第1の透光性光学素子、前記第1の透光性電極、前記第2の透光性電極、および前記第2の透光性光学素子の屈折率は前記第2の値に略一致する、
    光学装置。
  5. 前記第2の透光性光学素子は、回折光学素子(DOE: Diffractive Optical Element)、およびホログラフィック光学素子(HOE: Holographic Optical Element)の少なくとも1つを含む、請求項4に記載の光学装置。
  6. 前記第1の透光性光学素子、および前記第2の透光性光学素子の少なくとも1つは、クラウン系ガラス材料を含む、請求項4または請求項5に記載の光学装置。
  7. 前記第2の値は1.45以上1.55未満である、請求項4乃至請求項6のいずれかに記載の光学装置。
  8. 前記第1の透光性電極および前記第2の透光性電極は、複数の位置のそれぞれに異なる電圧を印加可能な構造を持つ、請求項4乃至請求項7のいずれかに記載の光学装置。
  9. 請求項4乃至請求項8のいずれかに記載の光学装置と、前記第1の透光性光学素子に向かって光を放射可能に配置された光源とを制御するコントローラであって、
    前記第1の透光性電極および前記第2の透光性電極の間の電圧を制御する手段と
    を具備し、
    前記電圧を制御する手段は、前記電圧の印加と、前記電圧の印加の停止と、を繰り返す、
    コントローラ。
  10. 請求項8に記載の光学装置と、前記第1の透光性光学素子に向かって光を放射可能に配置された光源とを制御するコントローラであって、
    前記光学装置を備えた表示装置を装着した装着者の視線の計測結果を取得する手段と、
    前記第1の透光性電極および前記第2の透光性電極の間の電圧を制御する手段と
    を具備し、
    前記電圧を制御する手段は、
    前記第1の透光性電極と前記第2の透光性電極との間に前記計測結果に応じた電圧分布を持つ電圧の印加、および、当該電圧の印加の停止を繰り返す、
    コントローラ。
  11. 請求項8に記載の光学装置と、前記第1の透光性光学素子に向かって光を放射可能に配置された光源とを制御するコントローラであって、
    前記光学装置を備えた表示装置を装着した装着者の視線の計測結果を取得する手段と、
    前記第1の透光性電極および前記第2の透光性電極の間の電圧を制御する手段と
    を具備し、
    前記電圧を制御する手段は、
    前記計測結果に応じた第1の電圧分布を持つ電圧の印加、および、所定の大きさの一様な分布を持つ第2の電圧の印加を繰り返す、
    コントローラ。
  12. 請求項1に記載の光学装置と、前記第1の透光性光学素子に向かって光を放射可能に配置された光源とを制御する光学制御方法であって、
    コンピュータが、
    前記第1の透光性電極および前記第2の透光性電極の間の電圧を制御するステップと
    を具備し、
    前記電圧を制御するステップは、前記電圧と、前記電圧の印加の停止と、を繰り返す、
    方法。
  13. コンピュータが、
    前記光源の発光を制御するステップをさらに具備し、
    前記発光を制御するステップは、前記光源の発光と、前記光源の発光の停止とを繰り返し、
    前記電圧を制御するステップは、前記光源が発光している間に前記電圧の印加を停止し、且つ、前記光源が発光を停止している間に前記電圧を印加する、
    請求項12に記載の方法。
  14. 請求項4乃至請求項8のいずれかに記載の光学装置と、前記第1の透光性光学素子に向かって光を放射可能に配置された光源とを制御する光学制御方法であって、
    コンピュータが、
    前記第1の透光性電極および前記第2の透光性電極の間の電圧を制御するステップを具備し、
    前記電圧を制御するステップは、前記電圧の印加と、前記電圧の印加の停止と、を繰り返す、
    方法。
  15. 請求項8に記載の光学装置と、前記第1の透光性光学素子に向かって光を放射可能に配置された光源とを制御する光学制御方法であって、
    コンピュータが、
    前記光学装置を備えた表示装置を装着した装着者の視線の計測結果を取得するステップ、
    前記第1の透光性電極および前記第2の透光性電極の間の電圧を制御するステップと
    を具備し、
    前記電圧を制御するステップは、前記計測結果に応じた電圧分布を持つ電圧の印加と、当該電圧の印加の停止と、を繰り返す、
    方法。
  16. 請求項8に記載の光学装置と、前記第1の透光性光学素子に向かって光を放射可能に配置された光源とを制御する光学制御方法であって、
    コンピュータが、
    前記光学装置を備えた表示装置を装着した装着者の視線の計測結果を取得するステップと、
    前記第1の透光性電極および前記第2の透光性電極の間の電圧を制御する手段と
    を具備し、
    前記電圧を制御する手段は、前記計測結果に応じた電圧分布を持つ第1の電圧の印加と、一様な電圧分布を持つ第2の電圧の印加と、を繰り返す、
    方法。
  17. コンピュータに、請求項2〜請求項3、および、請求項9〜請求項11の何れかに記載の各手段を実現させるためのプログラム。

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