JP2021189160A - 姿勢推定装置、センサーモジュール、計測システム、移動体、及び姿勢推定方法 - Google Patents

姿勢推定装置、センサーモジュール、計測システム、移動体、及び姿勢推定方法 Download PDF

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Abstract

【課題】可動体の姿勢を高精度に推定することができる姿勢推定装置、センサーモジュール、計測システム、移動体、及び姿勢推定方法を提供する。【解決手段】姿勢推定装置20は、可動体の姿勢変化に基づく加速度情報と、可動体の姿勢変化に基づく角速度情報と、に基づいて可動体の姿勢を推定する姿勢推定装置20であって、加速度情報と、角速度情報と、可動体の動きに関連した複数の姿勢パラメーターと、を記憶する記憶部27と、複数の姿勢パラメーターから選択姿勢パラメーターを選択するパラメーター制御部26と、加速度情報と、角速度情報と、選択姿勢パラメーターと、を用いて、可動体の姿勢を推定する姿勢演算部25と、を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、姿勢推定装置、センサーモジュール、計測システム、移動体、及び姿勢推定方法に関する。
物体に慣性計測装置(IMU:Inertial Measurement Unit)を装着し、慣性計測装置の出力信号を用いて物体の位置や姿勢を算出する装置やシステムが知られている。慣性計測装置の出力信号にはバイアス誤差があり、姿勢計算にも誤差が生じるため、カルマンフィルターを用いてこれらの誤差を補正し、物体の正確な姿勢を推定する手法が提案されている。例えば、特許文献1には、角速度センサーの出力を用いて対象物の姿勢変化量を計算し、姿勢変化量と姿勢パラメーターを用いて対象物の姿勢を推定する姿勢推定装置が記載されている。
特開2015−179002号公報
しかしながら、特許文献1に記載の姿勢推定装置では、対象物の姿勢を推定する姿勢パラメーターが固定されていたため、対象物の動きが速い場合や対象物の動きが遅い場合に、同一の姿勢パラメーターでは、どちらも高精度に姿勢推定することが難しいという問題があった。
姿勢推定装置は、可動体の姿勢変化に基づく加速度情報と、前記可動体の前記姿勢変化に基づく角速度情報と、に基づいて前記可動体の姿勢を推定する姿勢推定装置であって、前記加速度情報と、前記角速度情報と、前記可動体の動きに関連した複数の姿勢パラメーターと、を記憶する記憶部と、前記複数の姿勢パラメーターから選択姿勢パラメーターを選択するパラメーター制御部と、前記加速度情報と、前記角速度情報と、前記選択姿勢パラメーターと、を用いて、前記可動体の姿勢を推定する姿勢演算部と、を備える。
センサーモジュールは、上記に記載の姿勢推定装置と、加速度を検出する加速度センサー、角速度を検出する角速度センサー、及び前記加速度センサーと前記角速度センサーから出力される信号を処理する信号処理部を有する慣性計測装置と、前記姿勢推定装置で推定した前記可動体の姿勢情報を出力する通信部と、を備える。
計測システムは、上記に記載のセンサーモジュールと、前記センサーモジュールと電気的に接続されているホストデバイスと、を備える。
移動体は、上記に記載のセンサーモジュールと、前記センサーモジュールが推定した前記可動体の姿勢に基づいて、前記可動体の姿勢の制御を行う制御装置と、を備える。
姿勢推定方法は、可動体に参照用センサーモジュールを装着する工程と、前記可動体を動作させて、参照用姿勢出力を得る工程と、前記可動体にセンサーモジュールと前記参照用センサーモジュールを装着する工程と、前記センサーモジュールの姿勢推定に用いる選択姿勢パラメーターを第1パラメーターに設定する工程と、前記可動体を動作させて、第1の姿勢出力を得る工程と、前記センサーモジュールの姿勢推定に用いる選択姿勢パラメーターを第2パラメーターに設定する工程と、前記可動体を動作させて、第2の姿勢出力を得る工程と、前記第1の姿勢出力と前記第2の姿勢出力とを前記参照用姿勢出力と比較し、前記参照用姿勢出力に近い姿勢出力となる前記選択姿勢パラメーターを選択する工程と、を含む。
姿勢推定方法は、可動体にセンサーモジュールを装着する工程と、前記センサーモジュールの姿勢推定に用いる選択姿勢パラメーターを第1パラメーターに設定する工程と、前記可動体を既知の角度で動作させて、第1の姿勢出力を得る工程と、前記センサーモジュールの姿勢推定に用いる選択姿勢パラメーターを第2パラメーターに設定する工程と、前記可動体を前記既知の角度で動作させて、第2の姿勢出力を得る工程と、前記第1の姿勢出力と前記第2の姿勢出力とを前記既知の角度と比較し、前記既知の角度に近い姿勢出力となる前記選択姿勢パラメーターを選択する工程と、を含む。
第1実施形態に係る姿勢推定装置を備えるセンサーモジュールの構成を示すブロック図。 パラメーター制御部の姿勢パラメーターを設定する方法を示すフローチャート図。 センサーモジュールの姿勢推定方法を示すフローチャート図。 第2実施形態に係る姿勢推定装置を備えるセンサーモジュールの構成を示すブロック図。 パラメーター制御部の姿勢パラメーターを設定する方法を示すフローチャート図。 第3実施形態に係る姿勢推定装置を備えるセンサーモジュールの構成を示すブロック図。 姿勢推定装置の可動体の姿勢を推定する方法を示すフローチャート図。 第4実施形態に係るセンサーモジュールの姿勢推定方法を示すフローチャート図。 第5実施形態に係るセンサーモジュールを備える計測システムの構成を示すブロック図。 第6実施形態に係るセンサーモジュールを備える移動体の構成を示す図。 移動体の構成を示すブロック図。 第7実施形態に係るセンサーモジュールを備える移動体の構成を示す図。 移動体の構成を示すブロック図。
1.第1実施形態
先ず、第1実施形態に係る姿勢推定装置20を備えるセンサーモジュール1について、図1及び図2を参照して説明する。
本実施形態のセンサーモジュール1は、図1に示すように、慣性計測装置10と、姿勢推定装置20と、通信部30と、を備えている。
慣性計測装置10は、角速度センサー12、加速度センサー14、及び信号処理部16を含む。
角速度センサー12は、互いに交差する、理想的には直交する3軸方向の各々の角速度を計測し、計測した3軸角速度の大きさ及び向きに応じたアナログ信号を出力する。
加速度センサー14は、互いに交差する、理想的には直交する3軸方向の各々の加速度を計測し、計測した3軸加速度の大きさ及び向きに応じたアナログ信号を出力する。
信号処理部16は、角速度センサー12の出力信号を所定のサンプリング間隔Δtでサンプリングしてデジタル値の角速度データに変換する処理を行う。また、信号処理部16は、加速度センサー14の出力信号を所定のサンプリング間隔Δtでサンプリングしてデジタル値の加速度データに変換する処理を行う。
角速度センサー12及び加速度センサー14は、それぞれ3軸が、慣性計測装置10に対して定義される直交座標系であるセンサー座標系の3軸(x軸、y軸、z軸)と一致するように慣性計測装置10に取り付けられるのが理想的だが、実際には取り付け角の誤差が生じる。そこで、信号処理部16は、取り付け角誤差に応じてあらかじめ算出された補正パラメーターを用いて、角速度データ及び加速度データをxyz座標系のデータに変換する処理も行う。さらに、信号処理部16は、角速度センサー12及び加速度センサー14の温度特性に応じて、角速度データ及び加速度データを温度補正する処理も行う。
なお、角速度センサー12及び加速度センサー14にA/D変換や温度補正の機能が組み込まれていてもよい。
慣性計測装置10は、信号処理部16による処理後の角速度データ及び加速度データを姿勢推定装置20に出力する。
姿勢推定装置20は、処理部21と、記憶部27と、を含む。姿勢推定装置20は、慣性計測装置10から出力された可動体の姿勢変化に基づく加速度情報及び角速度情報と、可動体の動きに関連した複数の姿勢パラメーターと、を記憶する記憶部27から、加速度情報と、角速度情報と、複数の姿勢パラメーターから選択した選択姿勢パラメーターと、を用いて、処理部21において、対象物である可動体の姿勢を推定する。
処理部21は、姿勢変化量計算部22、速度変化量計算部23、及び姿勢推定部24を含む。処理部21は、記憶部27のROMあるいは記録媒体に記憶されているプログラム、あるいはネットワークを介してサーバーから受信して記憶部27のRAMや記録媒体に記憶したプログラムに従って各種の処理を行う。特に、本実施形態では、処理部21は、当該プログラムを実行することにより、姿勢変化量計算部22、速度変化量計算部23、及び姿勢推定部24として機能し、慣性計測装置10が所定のサンプリング間隔で出力する角速度データ及び加速度データに対して所定の演算を行い、可動体の姿勢を推定する処理を行う。なお、慣性計測装置10が出力する角速度データ及び加速度データは、角速度情報及び加速度情報として、記憶部27に記憶される。
姿勢変化量計算部22は、角速度センサー12の出力である角速度情報に基づいて、可動体の姿勢変化量を計算する。具体的には、姿勢変化量計算部22は、バイアス除去部によりバイアス誤差が除去された3軸角速度を用いて、サンプリング間隔を変数とする多項式で近似して可動体の姿勢変化量を計算する処理を行う。
速度変化量計算部23は、加速度センサー14の出力である加速度情報と、角速度センサー12の出力である角速度情報と、に基づいて、可動体の速度変化量を計算する。具体的には、速度変化量計算部23は、バイアス除去部によりバイアス誤差が除去された3軸角速度と3軸加速度とを用いて、可動体の速度変化量を計算する処理を行う。
姿勢推定部24は、姿勢演算部25及びパラメーター制御部26を含む。姿勢推定部24は、姿勢変化量計算部22が計算した姿勢変化量と、速度変化量計算部23が計算した速度変化量と、パラメーター制御部26が設定した選択姿勢パラメーターと、を用いて可動体の姿勢を推定する処理を行う。
姿勢演算部25は、記憶部27に記憶された加速度情報及び角速度情報から算出された姿勢変化量及び速度変化量と、記憶部27に記憶された姿勢パラメーター選択情報に基づいて、可動体の動きに関連した複数の姿勢パラメーターからパラメーター制御部26が選択した選択姿勢パラメーターと、を用いて可動体の姿勢を推定する。
パラメーター制御部26は、姿勢推定装置20の図示しない入力部からユーザーが入力したモード設定に伴い、記憶部27に記憶された姿勢パラメーター選択情報に基づいて、複数の姿勢パラメーターの中から、モード設定に対応する選択姿勢パラメーターを選択し、姿勢演算部25に設定する。
具体的には、図2に示すように、ステップS11において、ユーザーが可動体の動きに関連したモードを設定すると、ステップS12では、モードAの場合は、ステップS13において、姿勢パラメーター選択情報に基づいて、記憶部27から第1パラメーターP1を選択し、選択姿勢パラメーターとして第1パラメーターP1を姿勢演算部25に設定する。また、モードBの場合は、ステップS14において、姿勢パラメーター選択情報に基づいて、記憶部27から第2パラメーターP2を選択し、選択姿勢パラメーターとして第2パラメーターP2を姿勢演算部25に設定する。また、モードCの場合は、ステップS15において、姿勢パラメーター選択情報に基づいて、記憶部27から第3パラメーターP3を選択し、選択姿勢パラメーターとして第3パラメーターP3を姿勢演算部25に設定する。
なお、本実施形態では、可動体の動きは、可動体の速度とし、選択姿勢パラメーターの違いは、可動体の想定速度V[km/h]の差で異ならせてある。
例えば、第1パラメーターP1は、想定速度VがV<xの場合のパラメーターであり、第2パラメーターP2は、想定速度Vがx≦V≦yの場合のパラメーターであり、第3パラメーターP3は、想定速度Vがy<Vの場合のパラメーターである。そのため、想定速度Vで条件分けしたモードと対応するパラメーターとを関連付けしたものが姿勢パラメーター選択情報となる。
記憶部27は、処理部21が各種の処理を行うためのプログラム、アプリケーション機能を実現するための各種プログラムやデータ等を記憶しているROMを含む。
また、記憶部27は、処理部21の作業領域として用いられ、ROMから読み出されたプログラムやデータ、処理部21が各種プログラムに従って実行した演算結果、姿勢パラメーター選択情報、及び可動体の動きに関連した複数の姿勢パラメーター等を一時的に記憶するRAMを含む。
また、記憶部27は、処理部21の処理により生成されたデータのうち、長期的な保存が必要なデータを記憶する不揮発性の記録媒体を含む。なお、記録媒体は、処理部21が各種の処理を行うためのプログラムや、アプリケーション機能を実現するための各種プログラムやデータ等を記憶していてもよい。
通信部30は、姿勢推定装置20で推定した可動体の姿勢情報を他の装置等に送信可能であり、他の装置等からの制御信号等を受信可能である。
以上で述べたように、本実施形態の姿勢推定装置20は、パラメーター制御部26が姿勢パラメーター選択情報に基づいて、可動体の動きに関連した複数の姿勢パラメーターから選択姿勢パラメーターを選択し、姿勢演算部25において、加速度情報と、角速度情報と、選択姿勢パラメーターと、を用いて、可動体の姿勢を推定するので、可動体の動きに応じて可動体の姿勢を高精度に推定することができる。
また、本実施形態のセンサーモジュール1は、上述した姿勢推定装置20を備えているため、可動体の動きに応じて可動体の姿勢を高精度に推定し、他の装置に送信可能である。
次に、本実施形態に係る姿勢推定装置20を備えるセンサーモジュール1を用いた姿勢推定方法について、図3を参照して説明する。
本実施形態に係る姿勢推定方法は、図3に示すように、第1装着工程、参照用出力取得工程、第2装着工程、第1パラメーター設定工程、第1出力取得工程、第2パラメーター設定工程、第2出力取得工程、パラメーター選択工程、及び姿勢推定工程、を含む。
1.1 第1装着工程
先ず、ステップS101において、可動体の動きの速さに影響を受けない高精度姿勢計測機能を有する参照用センサーモジュールを対象物となる可動体に装着する。
1.2 参照用出力取得工程
次に、ステップS102において、可動体を動作させて、参照用姿勢出力を得る。
1.3 第2装着工程
次に、ステップS103において、参照用センサーモジュールが装着されている可動体にセンサーモジュール1を装着する。
1.4 第1パラメーター設定工程
次に、ステップS104において、センサーモジュール1の姿勢推定に用いる選択姿勢パラメーターとして第1パラメーターP1を設定する。
1.5 第1出力取得工程
次に、ステップS105において、可動体を動作させて、第1パラメーターP1により算出した第1の姿勢出力を得る。
1.6 第2パラメーター設定工程
次に、ステップS106において、センサーモジュール1の姿勢推定に用いる選択姿勢パラメーターとして第2パラメーターP2を設定する。
1.7 第2出力取得工程
次に、ステップS107において、可動体を動作させて、第2パラメーターP2により算出した第2の姿勢出力を得る。
1.8 パラメーター選択工程
次に、ステップS108において、第1の姿勢出力と第2の姿勢出力とを参照用姿勢出力と比較し、参照用姿勢出力に近い姿勢出力となる選択姿勢パラメーターを選択する。
1.9 姿勢推定工程
次に、ステップS109において、参照用姿勢出力に近い姿勢出力となる選択姿勢パラメーターを設定し、可動体の姿勢を推定する処理を行い、可動体の姿勢を推定する。
基準となる参照用姿勢出力に近い姿勢出力となる選択姿勢パラメーターを選択し、選択した選択姿勢パラメーターを用いて可動体の姿勢を推定するので、より正確に可動体の姿勢を推定することができる。なお、本実施形態では、2つの選択姿勢パラメーターを用いて、参照用姿勢出力に近い姿勢出力となる選択姿勢パラメーターを選択しているが、比較する選択姿勢パラメーターは、2つ以上であればいくつでも構わない。比較する選択姿勢パラメーターが多いほうがより参照用姿勢出力に近い姿勢出力となる選択姿勢パラメーターを選択することができる。
以上で述べたように、本実施形態の姿勢推定方法は、基準となる参照用姿勢出力に近い姿勢出力となる選択姿勢パラメーターを実測してから選択するので、より正確に可動体の姿勢を推定することができる。
なお、本実施形態の姿勢推定方法では、可動部の動きとして可動体の速度を用いているが、これに限定されず、可動体の加速度、角速度、角加速度、停止時間の長さのいずれかを用いることができる。これらによっても、より正確に可動体の姿勢を推定する姿勢推定方法とすることができる。
2.第2実施形態
次に、第2実施形態に係る姿勢推定装置20aを備えるセンサーモジュール1aについて、図4及び図5を参照して説明する。
本実施形態の姿勢推定装置20aは、第1実施形態の姿勢推定装置20に比べ、姿勢推定部24aの構成が異なること以外は、第1実施形態の姿勢推定装置20と同様である。なお、前述した第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
姿勢推定装置20aの姿勢推定部24aは、図4に示すように、姿勢演算部25とパラメーター制御部26aとを有し、通信部30からの可動体の動き情報であるPulse信号に基づいて、複数の姿勢パラメーターから選択姿勢パラメーターを選択し、可動体の姿勢を推定する処理を行う。なお、Pulse信号とは、例えば、可動体となる車両の速度を計測した車速パルス信号や可動体に取り付けたGPSから出力するPPS(Pulse Per Second)信号である。
パラメーター制御部26aは、通信部30からの可動体の動き情報であるPulse信号に基づいて、記憶部27に記憶された複数の姿勢パラメーターの中から、Pulse信号に対応する選択姿勢パラメーターを選択し、姿勢演算部25に設定する。
具体的には、図5に示すように、ステップS21において、通信部30からのPulse信号から速度を検出する。ステップS22では、想定速度VがV<xの場合、ステップS23において、記憶部27から第1パラメーターP1を選択し、姿勢演算部25に設定する。また、想定速度Vがx≦V≦yの場合、ステップS24において、記憶部27から第2パラメーターP2を選択し、姿勢演算部25に設定する。また、想定速度Vがy<Vの場合、ステップS25において、記憶部27から第3パラメーターP3を選択し、姿勢演算部25に設定する。
姿勢演算部25では、パラメーター制御部26aがPulse信号に基づいて選択した選択姿勢パラメーターを用いて可動体の姿勢を演算する。
このような構成とすることで、本実施形態の姿勢推定装置20aは、可動体の動き情報であるPulse信号から、自動的に可動体の動きに応じた最適な選択姿勢パラメーターを選択することができるので、より正確に可動体の姿勢を推定することができる。
3.第3実施形態
次に、第3実施形態に係る姿勢推定装置20bを備えるセンサーモジュール1bについて、図6及び図7を参照して説明する。
本実施形態の姿勢推定装置20bは、第1実施形態の姿勢推定装置20に比べ、姿勢推定部24bの構成が異なること以外は、第1実施形態の姿勢推定装置20と同様である。なお、前述した第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
姿勢推定装置20bの姿勢推定部24bは、図6に示すように、第1姿勢演算部251、第2姿勢演算部252、第3姿勢演算部253、パラメーター制御部26b、及び重み係数切換部28を有する。姿勢推定部24bは、通信部30からの可動体の動き情報であるPulse信号に基づいて、選択姿勢パラメーターとして少なくとも2つの姿勢パラメーターを選択し、選択された姿勢パラメーターにそれぞれ重み係数Rを掛けて、可動体の姿勢を演算し、演算した結果を足し算することで、可動体の姿勢を推定する処理を行う。なお、本実施形態では、3つの姿勢パラメーターを選択した場合を一例として挙げ、説明する。
第1姿勢演算部251は、パラメーター制御部26bで選択された第1パラメーターP1に重み係数切換部28で設定する重み係数Rを掛けた姿勢パラメーターを用いて、可動体の姿勢を演算する。
第2姿勢演算部252は、パラメーター制御部26bで選択された第2パラメーターP2に重み係数切換部28で設定する重み係数Rを掛けた姿勢パラメーターを用いて、可動体の姿勢を演算する。
第3姿勢演算部253は、パラメーター制御部26bで選択された第3パラメーターP3に重み係数切換部28で設定する重み係数Rを掛けた姿勢パラメーターを用いて、可動体の姿勢を演算する。
パラメーター制御部26bは、記憶部27に記憶された複数の姿勢パラメーターの中から選択した第1パラメーターP1に重み係数切換部28で設定する第1パラメーターP1に対応する重み係数Rを掛け、第1姿勢演算部251に設定する。
パラメーター制御部26bは、記憶部27に記憶された複数の姿勢パラメーターの中から選択した第2パラメーターP2に重み係数切換部28で設定する第2パラメーターP2に対応する重み係数Rを掛け、第2姿勢演算部252に設定する。
パラメーター制御部26bは、記憶部27に記憶された複数の姿勢パラメーターの中から選択した第3パラメーターP3に重み係数切換部28で設定する第3パラメーターP3に対応する重み係数Rを掛け、第3姿勢演算部253に設定する。
重み係数切換部28は、通信部30からの可動体の動き情報であるPulse信号に基づいて、第1パラメーターP1に対する重み係数R、第2パラメーターP2に対する重み係数R、及び第3パラメーターP3に対する重み係数Rを切換える。
姿勢推定装置20bにおける可動体の姿勢を推定する処理は、図7に示すように、先ず、ステップS31において、通信部30からのPulse信号から速度を検出する。次に、ステップS32において、想定速度Vに応じて条件分けをする。
想定速度VがV<xの場合、ステップS33において、重み係数切換部28で設定する重み係数R1(例えば、0.6)を掛けた第1パラメーターP1を用い第1姿勢演算部251で可動体の姿勢を演算する。次に、ステップS34において、重み係数切換部28で設定する重み係数R2(例えば、0.3)を掛けた第2パラメーターP2を用い第2姿勢演算部252で可動体の姿勢を演算する。ステップS35において、重み係数切換部28で設定する重み係数R3(例えば、0.1)を掛けた第3パラメーターP3を用い第3姿勢演算部253で可動体の姿勢を演算する。その後、ステップS36において、第1姿勢演算部251の演算結果と、第2姿勢演算部252の演算結果と、第3姿勢演算部253の演算結果と、を足し算し、可動体の姿勢とする。
想定速度Vがx≦V≦yの場合、ステップS37において、重み係数切換部28で設定する重み係数R4(例えば、0.2)を掛けた第1パラメーターP1を用い第1姿勢演算部251で可動体の姿勢を演算する。次に、ステップS38において、重み係数切換部28で設定する重み係数R5(例えば、0.6)を掛けた第2パラメーターP2を用い第2姿勢演算部252で可動体の姿勢を演算する。ステップS39において、重み係数切換部28で設定する重み係数R6(例えば、0.2)を掛けた第3パラメーターP3を用い第3姿勢演算部253で可動体の姿勢を演算する。その後、ステップS40において、第1姿勢演算部251の演算結果と、第2姿勢演算部252の演算結果と、第3姿勢演算部253の演算結果と、を足し算し、可動体の姿勢とする。
想定速度Vがy<Vの場合、ステップS41において、重み係数切換部28で設定する重み係数R7(例えば、0.1)を掛けた第1パラメーターP1を用い第1姿勢演算部251で可動体の姿勢を演算する。次に、ステップS42において、重み係数切換部28で設定する重み係数R8(例えば、0.3)を掛けた第2パラメーターP2を用い第2姿勢演算部252で可動体の姿勢を演算する。ステップS43において、重み係数切換部28で設定する重み係数R9(例えば、0.6)を掛けた第3パラメーターP3を用い第3姿勢演算部253で可動体の姿勢を演算する。その後、ステップS44において、第1姿勢演算部251の演算結果と、第2姿勢演算部252の演算結果と、第3姿勢演算部253の演算結果と、を足し算し、可動体の姿勢とする。
このような構成とすることで、本実施形態の姿勢推定装置20bは、可動体の動き情報であるPulse信号から、可動体の動きに応じて動的に、選択姿勢パラメーターの重み係数Rを切換えることができるので、より正確に可動体の姿勢を推定することができる。
4.第4実施形態
次に、第4実施形態に係るセンサーモジュール1,1a,1bの姿勢推定方法について、図8を参照して説明する。なお、以下の説明では、センサーモジュール1を適用して説明する。
本実施形態に係る姿勢推定方法は、図8に示すように、装着工程、第1パラメーター設定工程、第1出力取得工程、第2パラメーター設定工程、第2出力取得工程、パラメーター選択工程、及び姿勢推定工程、を含む。
4.1 装着工程
先ず、ステップS111において、センサーモジュール1を対象物となる可動体に装着する。
4.2 第1パラメーター設定工程
次に、ステップS112において、センサーモジュール1の姿勢推定に用いる選択姿勢パラメーターとして第1パラメーターP1を設定する。
4.3 第1出力取得工程
次に、ステップS113において、可動体を既知の角度で動作させて、第1パラメーターP1により算出した第1の姿勢出力を得る。
4.4 第2パラメーター設定工程
次に、ステップS114において、センサーモジュール1の姿勢推定に用いる選択姿勢パラメーターとして第2パラメーターP2を設定する。
4.5 第2出力取得工程
次に、ステップS115において、可動体を既知の角度で動作させて、第2パラメーターP2により算出した第2の姿勢出力を得る。
4.6 パラメーター選択工程
次に、ステップS116において、第1の姿勢出力と第2の姿勢出力とを既知の角度と比較し、既知の角度に近い姿勢出力となる選択姿勢パラメーターを選択する。
4.7 姿勢推定工程
次に、ステップS117において、既知の角度に近い姿勢出力となる選択姿勢パラメーターを設定し、可動体の姿勢を推定する処理を行い、可動体の姿勢を推定する。
既知の角度に近い姿勢出力となる選択姿勢パラメーターを選択し、選択した選択姿勢パラメーターを用いて可動体の姿勢を推定するので、より正確に可動体の姿勢を推定することができる。なお、本実施形態では、2つの選択姿勢パラメーターを用いて、既知の角度に近い姿勢出力となる選択姿勢パラメーターを選択していたが、比較する選択姿勢パラメーターは、2つ以上であればいくつでも構わない。比較する選択姿勢パラメーターが多いほうがより既知の角度に近い姿勢出力となる選択姿勢パラメーターを選択することができる。
以上で述べたように、本実施形態の姿勢推定方法は、既知の角度に近い姿勢出力となる選択姿勢パラメーターを実測してから選択するので、より正確に可動体の姿勢を推定することができる。
5.第5実施形態
次に、第5実施形態に係るセンサーモジュール1,1a,1bを備える計測システム200について、図9を参照して説明する。なお、以下の説明では、センサーモジュール1を適用した構成を例示して説明する。
本実施形態に係る計測システム200は、センサーモジュール1と、センサーモジュール1に電気的に接続されているホストデバイス210を含む。また、GPS受信部220、GPS受信用のアンテナ222、及び発振器230を含むことができる。ホストデバイス210は、MPU等の各種のプロセッサーにより実現できる。なお、ホストデバイス210をASICの集積回路装置により実現してもよい。ホストデバイス210は、デジタル信号処理を実行するDSP212と、クロック信号を生成するクロック信号生成回路213を含む。
GPS受信部220は、アンテナ222を介してGPS衛星からの信号を受信する。即ち位置情報が重畳された衛星信号をGPS搬送波として受信する。GPS受信部220は、GPS受信機であり、GPSの受信回路を含む集積回路装置により実現できる。ホストデバイス210は、GPS受信部220が受信した信号に基づいて、移動体等の計測対象物の位置、速度、方位を表すGPS測位データを検出する。計測対象物の位置は緯度、経度又は高度などである。このGPS測位データには、受信状態や受信時刻等を示すステータスデータも含まれている。また、ホストデバイス210は、センサーモジュール1からの加速度データ及び角速度データを受け、これらのデータに対して慣性航法演算処理を行い、慣性航法測位データを求める。慣性航法測位データは、計測対象物の加速度データ及び姿勢データを含む。そしてホストデバイス210は、求められた慣性航法測位データとGPS測位データに基づいて、計測対象物の位置等を算出する。計測対象物が自動車等の移動体である場合には、移動体が地面のどの位置を走行しているかを算出する。なお、このような計測対象物の位置や姿勢の演算処理は、DSP212を用いたカルマンフィルター処理により実現できる。
発振器230は、水晶振動子などの振動子を用いて発振クロック信号を生成する。発振器230は、例えば温度補償型発振器(TCXO)である。或いは発振器230として恒温槽を備える恒温槽型発振器(OCXO)などを用いてもよい。クロック信号生成回路213は、発振器230からの発振クロック信号に基づき、ホストデバイス210で用いられる各種のクロック信号を生成する。この場合にクロック信号生成回路213は、GPS等の衛星測位システムから取得された信号である時刻基準信号に基づいて、クロック信号を生成する。例えばクロック信号の1つとして外部同期信号EXSYCを生成する。
ホストデバイス210は、GPS受信部220が受信した衛星信号に含まれる時刻情報に基づいて、正確な絶対時刻情報を取得できる。時刻情報は年、月、日、時、分、秒等の情報である。そしてGPS受信部220は、時刻基準信号として1秒ごとにパルスが発生するPPS信号を出力する。クロック信号生成回路213は、発振器230からの発振クロック信号により動作するPLL回路により構成され、PLL回路には、PPS信号がクロック同期用の基準信号として入力される。そして、PLL回路は、時刻基準信号であるPPS信号に同期したクロック信号を生成する。ホストデバイス210は、このようにして時刻基準信号に同期した外部同期信号EXSYCをセンサーモジュール1に出力する。
以上のように本実施形態では、外部同期信号EXSYCは、時刻基準信号に基づき生成された信号になっている。これにより、時刻基準信号に基づき生成された外部同期信号EXSYCを用いて、角速度センサー12及び加速度センサー14での検出データを取得できるようになる。即ち、時刻基準信号に基づき生成された外部同期信号EXSYCを用いることで、正確な時刻に同期したタイミングで、角速度センサー12及び加速度センサー14の検出回路からの検出データを取得できるようになる。従って、正確な時刻に同期した適切なタイミングで取得された検出データを、信号処理部16に出力することができ、センサーモジュール1を用いて計測される情報の高精度化を図れる。
例えばホストデバイス210は、GPS受信部220が受信した衛星信号を用いることで、正確な絶対時刻情報を取得できる。従って、外部同期信号EXSYCの各同期タイミングの絶対時刻についても特定できる。そして、センサーモジュール1からは、外部同期信号EXSYCの同期タイミングで取得された検出データが出力される。また、角速度センサー12及び加速度センサー14での検出データの取得タイミングから、当該検出データがホストデバイス210に入力されるタイミングまでの遅延時間は、デジタル処理による遅延時間であるため、ホストデバイス210は、その遅延時間の長さであるクロック数を特定できる。従って、ホストデバイス210は、センサーモジュール1から入力された加速度データや角速度データなどの検出データが、どの時刻で取得された検出データなのかを特定できる。そして、前述したようにホストデバイス210は、衛星信号に基づき求められたGPS測位データと、センサーモジュール1からの検出データに基づき求められた慣性航法測位データとに基づいて、計測対象物の位置等を算出している。従って、加速度データや角速度データなどの検出データの取得タイミングの絶対時刻を特定できることで、計測対象物の位置等を正確に算出できるようになる。
また、本実施形態では、時刻基準信号は、例えば衛星測位システムから取得された信号である。例えば時刻基準信号は、衛星測位システムから取得されたPPS信号などである。このようにすれば、衛星測位システムを有効活用にして時刻基準信号を取得し、取得された時刻基準信号に基づき生成された外部同期信号EXSYCを用いて、角速度センサー12及び加速度センサー14での検出データを取得することが可能になる。
6.第6実施形態
次に、第6実施形態に係るセンサーモジュール1,1a,1bを備える移動体500について、図10及び図11を参照して説明する。なお、以下の説明では、センサーモジュール1を適用した構成を例示して説明する。
本実施形態に係る移動体500は、上記実施形態のセンサーモジュール1と、センサーモジュール1の姿勢推定装置20が推定した移動体500の姿勢情報に基づいて、移動体500の姿勢の制御を行う制御装置570と、を含む。
移動体500は、図10に示すように、車体502や車輪504を有している。また、移動体500には、測位装置510が装着されており、車両制御などを行う制御装置570が内部に設けられている。また、図11に示すように、移動体500は、エンジンやモーター等の駆動機構580と、ディスクブレーキやドラムブレーキ等の制動機構582と、ハンドルやステアリングギアボックス等で実現される操舵機構584と、を有する。このように、移動体500は、駆動機構580や制動機構582や操舵機構584を備えて、地上や空や海上を移動する機器・装置である。例えば、移動体500は農業機械などの四輪自動車である。
測位装置510は、移動体500に装着されて、移動体500の測位を行う装置である。測位装置510は、慣性計測装置10と姿勢推定装置20とを有するセンサーモジュール1と、GPS受信部520と、GPS受信用のアンテナ522と、を含む。姿勢推定装置20は、位置情報取得部と、位置合成部と、演算処理部と、測位処理部と、を含む。慣性計測装置10は、3軸の加速度センサー14と3軸の角速度センサー12を有している。演算処理部は、加速度センサー14、角速度センサー12からの加速度データ、角速度データを受け、これらデータに対して慣性航法演算処理を行い、慣性航法測位データを出力する。慣性航法測位データは移動体500の加速度や姿勢を表すデータである。
GPS受信部520は、アンテナ522を介してGPS衛星からの信号を受信する。位置情報取得部は、GPS受信部520が受信した信号に基づいて、測位装置510が装着された移動体500の位置、速度、方位を表すGPS測位データを出力する。位置合成部は、演算処理部から出力された慣性航法測位データと、位置情報取得部から出力されたGPS測位データとに基づいて、移動体500が地面のどの位置を走行しているかを算出する。例えば、GPS測位データに含まれている移動体500の位置が同じであっても、図10に示すように地面の傾斜(θ)などの影響によって移動体500の姿勢が異なっていれば、地面の異なる位置を移動体500が走行していることになる。そのため、GPS測位データだけでは移動体500の正確な位置を算出できない。
そこで、位置合成部は、慣性航法測位データのうちの特に移動体500の姿勢に関するデータを用いて、移動体500が地面のどの位置を走行しているのかを算出する。位置合成部から出力された位置データは、測位処理部によって所定の処理が行われ、測位結果として、表示部550に表示される。また、位置データは通信部30によって外部装置に送信されるようになっていてもよい。
制御装置570は、移動体500の駆動機構580、制動機構582、操舵機構584の制御を行う。制御装置570は、車両制御用のコントローラーであり、例えば複数のコントロールユニットにより実現できる。制御装置570は、車両制御を行うコントロールユニットである車両制御部572と、自動運転制御を行うコントロールユニットである自動運転制御部574と、半導体メモリーなどにより実現される記憶部576と、を有する。監視装置578は、移動体500の周辺の障害物等の物体を監視する装置であり、周辺監視カメラ、ミリ波レーダー又はソナーなどにより実現される。
そして、本実施形態の移動体500は、図11に示すように、姿勢推定装置20と、制御装置570と、を含む。制御装置570は、姿勢推定装置20が推定した移動体500の姿勢情報に基づいて、移動体500の姿勢の制御を行う。例えば、姿勢推定装置20は、慣性計測装置10からの検出データを含む出力信号に基づいて、上述したような各種の処理を行って、移動体500の位置や姿勢の情報を求める。例えば、姿勢推定装置20は、移動体500の位置の情報を、上述したようにGPS測位データと慣性航法測位データとに基づき求めることができる。また、姿勢推定装置20は、移動体500の姿勢の情報を、例えば慣性航法測位データに含まれる角速度データなどに基づいて推定することができる。移動体500の姿勢の情報は、例えば、クォータニオンや、ロール角、ピッチ角、ヨー角などにより表すことができる。そして、制御装置570は、姿勢推定装置20の処理により推定された移動体500の姿勢情報に基づいて、移動体500の姿勢の制御を行う。この制御は例えば車両制御部572により行われる。この姿勢の制御は、例えば制御装置570が操舵機構584を制御することで実現できる。或いは、スリップ制御などの移動体500の姿勢を安定化させる制御においては、制御装置570が駆動機構580を制御したり、制動機構582を制御してもよい。本実施形態によれば、姿勢推定装置20により、姿勢の情報を高精度に推定することができるため、移動体500の適切な姿勢制御を実現できる。
また、本実施形態では、制御装置570は、姿勢推定装置20より求められた移動体500の位置及び姿勢の情報に基づいて、移動体500の加速、制動及び操舵の少なくとも1つを制御する。例えば、制御装置570は、移動体500の位置及び姿勢の情報に基づいて、駆動機構580、制動機構582及び操舵機構584の少なくとも1つを制御する。
これにより、例えば自動運転制御部574による移動体500の自動運転制御を実現できる。この自動運転制御では、移動体500の位置及び姿勢の情報に加えて、監視装置578による周囲の物体の監視結果や、記憶部576に記憶される地図情報や走行ルート情報などが用いられる。そして、制御装置570は、移動体500の自動運転の実施又は不実施を、慣性計測装置10の出力信号の監視結果に基づいて切り替える。例えば、姿勢推定装置20が、慣性計測装置10からの検出データなどの出力信号を監視する。そして、例えば監視結果に基づいて、慣性計測装置10の検出精度の低下やセンシング異常が検出された場合に、制御装置570は、自動運転の実施から、自動運転の不実施に切り替える。例えば、自動運転では、移動体500の加速、制動及び操舵の少なくとも1つが自動で制御される。一方、自動運転の不実施では、このような加速、制動、操舵の自動制御が実施されない。このようにすることで、自動運転を行う移動体500の走行について、より信頼性の高い支援が可能になる。なお、慣性計測装置10の出力信号の監視結果に基づいて、自動運転の自動化レベルを切り替えてもよい。
7.第7実施形態
次に、第7実施形態に係るセンサーモジュール1,1a,1bを備える移動体600について、図12及び図13を参照して説明する。なお、以下の説明では、センサーモジュール1を適用した構成を例示して説明する。
上記実施形態のセンサーモジュール1の姿勢推定装置20は、建設機械の姿勢制御などにおいて効果的に用いることができ、移動体600として建設機械の一例である油圧ショベルを挙げて説明する。
移動体600は、図12に示すように、車体が下部走行体612と、下部走行体612上に旋回可能に搭載された上部旋回体611と、で構成され、上部旋回体611の前部側に上下方向に回動可能な複数の部材で構成された作業機構620が設けられている。上部旋回体611には、不図示の運転席が設けられ、運転席には、作業機構620を構成する各部材を操作する不図示の操作装置が設けられている。そして、上部旋回体611には、上部旋回体611の傾斜角を検出する傾斜センサーとして機能する上記実施形態の慣性計測装置10が配置されている。
作業機構620は、複数の部材として、上部旋回体611の前部側に俯仰動可能に取付けられたブーム613と、ブーム613の先端側に俯仰動可能に取付けられたアーム614と、アーム614の先端側に回動可能に取付けられたバケットリンク616と、アーム614及びバケットリンク616の先端側に回動可能に取付けられたバケット615と、ブーム613を駆動するブームシリンダー617と、アーム614を駆動するアームシリンダー618と、バケット615をバケットリンク616を介して駆動するバケットシリンダー619とを備えている。
ブーム613の基端側は、上部旋回体611に上下方向に回動可能に支持され、ブームシリンダー617の伸縮によってブーム613が上部旋回体611に対して相対的に回転駆動される。そして、ブーム613には、ブーム613の動きの状態を検出する慣性センサーとして機能する慣性計測装置10cが配置されている。
ブーム613の先端側には、アーム614の一端側が回転可能に支持され、アームシリンダー618の伸縮によってアーム614がブーム613に対して相対的に回転駆動される。アーム614には、アーム614の動きの状態を検出する慣性センサーとして機能する慣性計測装置10bが配置されている。
アーム614の先端側には、バケットリンク616とバケット615とが回動可能に支持されていて、バケットシリンダー619の伸縮に応じてバケットリンク616がアーム614に対して相対的に回転駆動され、それに連動してバケット615がアーム614に対して相対的に回転駆動される。そして、バケットリンク616には、バケットリンク616の動きの状態を検出する慣性センサーとして機能する慣性計測装置10aが配置されている。
慣性計測装置10a,10b,10cは、作業機構620の各部材や上部旋回体611に作用する角速度、及び加速度の少なくともいずれかを検出することができる。また、慣性計測装置10a,10b,10cは、図13に示すように、直列的に接続され、検出信号を演算装置630に送信することができる。このように、慣性計測装置10a,10b,10cを直列接続することにより、可動領域内における検出信号を送信するための配線数を減らし、コンパクトな配線構造を得ることができる。コンパクトな配線構造により、配線の敷設方法の選択が容易となり、配線の劣化や損傷などの発生を低減させることが可能となる。
更に、移動体600には、図13に示すように、上部旋回体611の傾斜角や作業機構620を構成するブーム613、アーム614、バケット615の位置姿勢を演算する演算装置630が設けられている。図13に示すように、演算装置630は、上記実施形態の姿勢推定装置20と制御装置632とを含む。姿勢推定装置20は、慣性計測装置10,10a,10b,10cの出力信号に基づいて、移動体600の姿勢情報を推定する。制御装置632は、姿勢推定装置20が推定した移動体600の姿勢情報に基づいて、移動体600の姿勢の制御を行う。具体的には、演算装置630は、各慣性計測装置10,10a,10b,10cからの各種検出信号を入力し、各種検出信号に基づいてブーム613、アーム614、バケット615の位置姿勢又は姿勢角や上部旋回体611の傾斜状態を演算する。演算されたブーム613、アーム614、バケット615の姿勢角を含む位置姿勢信号や上部旋回体611の姿勢角を含む傾斜信号、例えばバケット615の位置姿勢信号は、運転席のモニター装置(図示せず)の表示、又は、作業機構620や上部旋回体611の動作を制御するためのフィードバック情報に用いられ、更に、通信部30を介して他の装置等に送信される。
なお、上記実施形態のセンサーモジュール1の姿勢推定装置20が用いられる建設機械としては、上記に例示した油圧ショベル(ユンボ、バックホー、パワーショベル)の他にも、例えば、ラフテレーンクレーン(クレーン車)、ブルドーザー、掘削機・積み込み機、ホイールローダー、高所作業車(リフト車)などがある。
本実施形態によれば、センサーモジュール1の姿勢推定装置20により、姿勢の情報を高精度に求めることができるため、移動体600の適切な姿勢制御を実現できる。また、移動体600によれば、コンパクトな慣性計測装置10を装着しているため、例えば、バケットリンク616などの極めて限られた狭い領域内であっても、慣性計測装置10の設置箇所毎に、複数の慣性計測装置を直列接続(マルチ接続)してコンパクトに配置したり、各箇所に設置されている慣性計測装置10同士をケーブルで直列的に接続するケーブルの引き回しをコンパクトにしたりすることが可能な建設機械を提供することができる。
なお、本実施形態では、センサーモジュール1の姿勢推定装置20が用いられる移動体として、農業機械等の四輪自動車や建設機械を例にとり説明したが、これら以外にも、オートバイ、自転車、電車、飛行機、二足歩行ロボット、又は、ラジコン飛行機、ラジコンヘリコプター、ドローンなどの遠隔操縦あるいは自律式の飛行体、ロケット、人工衛星、船舶、AGV(無人搬送車)などがある。
また、センサーモジュール1の姿勢推定装置20が用いられる例としては、移動体以外に、スマートフォン、タブレット端末、スマートウォッチ、スマートグラス、HMD(ヘッドマウントディスプレイ)等のウェアラブル機器やスタビライザー等を有するカメラ、ビデオカメラ等の電子機器等が挙げられる。
1,1a,1b…センサーモジュール、10…慣性計測装置、12…角速度センサー、14…加速度センサー、16…信号処理部、20,20a,20b…姿勢推定装置、21…処理部、22…姿勢変化量計算部、23…速度変化量計算部、24…姿勢推定部、25…姿勢演算部、26…パラメーター制御部、27…記憶部、28…重み係数切換部、30…通信部、200…計測システム、500,600…移動体。

Claims (10)

  1. 可動体の姿勢変化に基づく加速度情報と、前記可動体の前記姿勢変化に基づく角速度情報と、に基づいて前記可動体の姿勢を推定する姿勢推定装置であって、
    前記加速度情報と、前記角速度情報と、前記可動体の動きに関連した複数の姿勢パラメーターと、を記憶する記憶部と、
    前記複数の姿勢パラメーターから選択姿勢パラメーターを選択するパラメーター制御部と、
    前記加速度情報と、前記角速度情報と、前記選択姿勢パラメーターと、を用いて、前記可動体の姿勢を推定する姿勢演算部と、を備える、姿勢推定装置。
  2. 前記可動体の前記動きは、前記可動体の速度である、請求項1に記載の姿勢推定装置。
  3. 前記記憶部は、姿勢パラメーター選択情報を記憶し、
    前記パラメーター制御部は、前記姿勢パラメーター選択情報に基づいて、前記複数の姿勢パラメーターから前記選択姿勢パラメーターを選択する、請求項1又は請求項2に記載の姿勢推定装置。
  4. 前記パラメーター制御部は、前記可動体の動き情報に基づいて、前記複数の姿勢パラメーターから前記選択姿勢パラメーターを選択する、請求項1又は請求項2に記載の姿勢推定装置。
  5. 前記パラメーター制御部は、前記選択姿勢パラメーターとして少なくとも2つの前記姿勢パラメーターを選択し、選択された前記姿勢パラメーターにそれぞれ重み係数を掛けて、足し算する、請求項1又は請求項2に記載の姿勢推定装置。
  6. 請求項1乃至請求項5の何れか一項に記載の姿勢推定装置と、
    加速度を検出する加速度センサー、角速度を検出する角速度センサー、及び前記加速度センサーと前記角速度センサーから出力される信号を処理する信号処理部を有する慣性計測装置と、
    前記姿勢推定装置で推定した前記可動体の姿勢情報を出力する通信部と、を備える、センサーモジュール。
  7. 請求項6に記載のセンサーモジュールと、
    前記センサーモジュールと電気的に接続されているホストデバイスと、を備える、計測システム。
  8. 請求項6に記載のセンサーモジュールと、
    前記センサーモジュールが推定した前記可動体の姿勢に基づいて、前記可動体の姿勢の制御を行う制御装置と、を備える、移動体。
  9. 可動体に参照用センサーモジュールを装着する工程と、
    前記可動体を動作させて、参照用姿勢出力を得る工程と、
    前記可動体にセンサーモジュールと前記参照用センサーモジュールを装着する工程と、
    前記センサーモジュールの姿勢推定に用いる選択姿勢パラメーターを第1パラメーターに設定する工程と、
    前記可動体を動作させて、第1の姿勢出力を得る工程と、
    前記センサーモジュールの姿勢推定に用いる選択姿勢パラメーターを第2パラメーターに設定する工程と、
    前記可動体を動作させて、第2の姿勢出力を得る工程と、
    前記第1の姿勢出力と前記第2の姿勢出力とを前記参照用姿勢出力と比較し、前記参照用姿勢出力に近い姿勢出力となる前記選択姿勢パラメーターを選択する工程と、を含む、姿勢推定方法。
  10. 可動体にセンサーモジュールを装着する工程と、
    前記センサーモジュールの姿勢推定に用いる選択姿勢パラメーターを第1パラメーターに設定する工程と、
    前記可動体を既知の角度で動作させて、第1の姿勢出力を得る工程と、
    前記センサーモジュールの姿勢推定に用いる選択姿勢パラメーターを第2パラメーターに設定する工程と、
    前記可動体を前記既知の角度で動作させて、第2の姿勢出力を得る工程と、
    前記第1の姿勢出力と前記第2の姿勢出力とを前記既知の角度と比較し、前記既知の角度に近い姿勢出力となる前記選択姿勢パラメーターを選択する工程と、を含む、姿勢推定方法。
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