JP2021187849A - ヒアルロニダーゼ活性阻害剤及びヒアルロニダーゼ活性の阻害効果の増強方法 - Google Patents

ヒアルロニダーゼ活性阻害剤及びヒアルロニダーゼ活性の阻害効果の増強方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明はヒアルロニダーゼの活性を抑制するための有効成分を提供することにあり、唾液等により有効成分濃度が低下した場合でも、ヒアルロニダーゼの活性を十分に抑制できるヒアルロニダーゼ活性阻害剤及びヒアルロニダーゼ活性の阻害効果を増強させる方法を提供すること。【解決手段】(A)ヒノキチオールと、(B)スギナ、セイヨウサンザシ及びハマメリスの抽出物からなる群より選ばれる少なくとも1種の抽出物とからなるヒアルロニダーゼ活性阻害剤とする。【選択図】なし

Description

本発明は、ヒアルロニダーゼ活性阻害剤及びヒアルロニダーゼ活性の阻害効果の増強方法に関する。
口腔用組成物には、種々の用途に応じた機能を付与するために多種多様の成分が含有されている。例えば、歯肉炎や歯周炎といった歯周疾患の予防を目的として、従来、原因となる細菌(原因菌)を殺菌する殺菌剤や、歯周組織に生じる炎症を抑制する抗炎症剤等の有効成分を口腔用組成物に配合することが試みられている。
例えば、特許文献1、2には、殺菌剤として塩化ベンザルコニウムやクロルヘキシジン塩類を配合した口腔用組成物が提案されている。また、特許文献3には、抗炎症剤としてグリチルレチン酸およびその誘導体からなる群より選ばれる一種以上を含有する外用組成物が提案されている。
特開2017−7992号公報 特開平3−200716号公報 特開2012−144490号公報
一方、歯周組織に生じた炎症が原因となり、ヒアルロニダーゼ等のタンパク質分解酵素の活性が亢進し、さらなる歯周組織の損傷を招くことが知られている。しかしながら、これら酵素の活性を阻害するような成分の探索は、十分に行われているとは言い難いのが現状である。また、特に歯周組織への適用を目的とした場合、有効成分が唾液によって希釈され、十分な効果を得られない虞がある。
そこで、本発明はヒアルロニダーゼの活性を抑制するための有効成分を提供することにあり、唾液等により有効成分濃度が低下した場合でも、ヒアルロニダーゼの活性を十分に抑制できるヒアルロニダーゼ活性阻害剤及びヒアルロニダーゼ活性の阻害効果を増強させる方法を提供することを課題とする。
本発明者らは上記課題に鑑み、ヒアルロニダーゼの活性を阻害するような成分を種々検討した結果、それぞれ単独では効果の低いヒノキチオールと特定の植物抽出物を併用することにより、相乗的にヒアルロニダーゼ活性の阻害効果が上昇することを見出した。さらに、単独では全く奏効しないような低濃度領域においても、同様の組合せによりヒアルロニダーゼ活性の阻害効果を得られることを見出した。
すなわち本発明は以下の(1)〜(5)を特徴とする。
(1)(A)ヒノキチオールと、(B)スギナ、セイヨウサンザシ及びハマメリスの抽出物からなる群より選ばれる少なくとも1種の抽出物とからなることを特徴とするヒアルロニダーゼ活性阻害剤。
(2)前記(B)成分の固形分換算の含有量に対する前記(A)成分の含有量の質量比(A)/(B)が、0.1〜2000であることを特徴とする前記(1)に記載のヒアルロニダーゼ活性阻害剤。
(3)(A)ヒノキチオールと、(B)スギナ、セイヨウサンザシ及びハマメリスの抽出物からなる群より選ばれる少なくとも1種の抽出物とを添加することを特徴とする、ヒアルロニダーゼ活性の阻害効果の増強方法。
(4)前記(1)又は(2)に記載のヒアルロニダーゼ活性阻害剤を含有することを特徴とする口腔用組成物。
(5)前記(A)成分の含有量が0.00002〜2質量%であり、前記(B)成分の固形分換算の含有量が0.0000015〜0.15質量%であることを特徴とする前記(4)に記載の口腔用組成物。
本発明によれば、ヒノキチオールと、スギナ、セイヨウサンザシ及びハマメリスの抽出物からなる群より選ばれる少なくとも1種の抽出物を併用することにより、優れた効力を有するヒアルロニダーゼ活性阻害剤を得ることができる。よって、希釈され低濃度となってもヒアルロニダーゼ活性の阻害効果を発揮できるので、口腔用組成物に有効に用いることができる。
以下、本発明の実施形態について更に詳しく説明する。
<ヒアルロニダーゼ活性阻害剤>
本発明のヒアルロニダーゼ活性阻害剤は、(A)ヒノキチオール(以下、(A)成分ということもある。)と、(B)スギナ、セイヨウサンザシ及びハマメリスの抽出物からなる群より選ばれる少なくとも1種の抽出物(以下、(B)成分ということもある。)とからなる。
〔(A)成分〕
ヒノキチオールは、芳香族化合物の一つであり、天然には青森ヒバや台湾ヒノキの精油から抽出される成分である。ヒノキチオールは、天然抽出品を使用してもよく、化学合成品を使用してもよい。
〔(B)成分〕
本発明のヒアルロニダーゼ活性阻害剤は、(A)成分とともに、スギナ、セイヨウサンザシ及びハマメリスの抽出物からなる群より選ばれる少なくとも1種の抽出物を用いる。
スギナ抽出物(以下、スギナエキスともいう。)、セイヨウサンザシ抽出物(以下、セイヨウサンザシエキスともいう。)及びハマメリス抽出物(以下、ハマメリスエキスともいう。)は、市販のものを使用することもできるし、上記3種の植物から後述する方法等により抽出したものを使用することもできる。植物抽出物の抽出方法は特に制限されず、従来公知の方法に従えばよい。例えば、上記植物の任意の部位をそのまま、または裁断、粉砕等したのち、搾取、溶媒抽出、水蒸留、及び水蒸気蒸留等によって抽出物を得ることができる。溶媒抽出の方法としては、当該技術分野において公知の方法を採用すればよく、例えば水(温水、熱水を含む)抽出、アルコール抽出、超臨界抽出、マイクロウエーブ抽出、及び圧搾抽出等の従来公知の抽出方法を利用することができる。
溶媒抽出を行う場合、溶媒としては、例えば、水;メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、及び1,3−ブチレングリコール等のアルコール類(無水、含水の別を問わない);アセトン等のケトン類;ジエチルエーテル、ジオキサン等のエーテル類;アセトニトリル等のニトリル類;酢酸エチルエステル等のエステル類;ヘキサン、キシレン、ベンゼン、及びクロロホルム等が例示される。
溶媒抽出における溶媒として好ましくは、水、アルコール類、ケトン類、及びヘキサン等であり、より好ましくは水、アルコール類、及びケトン類である。これらの溶媒は1種単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
得られた抽出物は、そのままの状態で使用してもよく、乾燥させて使用してもよい。また、必要に応じて、得られた抽出物に精製、及び濃縮処理等を施してもよい。精製処理としては、例えば濾過またはイオン交換樹脂や活性炭カラム等を用いた吸着、脱色、及び分離といった処理を例示できる。また、濃縮処理としては、エバポレーター等の常法を例示できる。また、これらに対して更に凍結乾燥等の乾燥処理を施してもよく、更に従来公知の方法に従って粉末化させてもよい。また、このようにして得た抽出物を、必要に応じて水やアルコール類等に溶解して用いてもよい。
市販品として入手できるものとしては、スギナ抽出物(スギナエキス)は丸善製薬株式会社製「スギナ抽出液」(商品名)、「スギナ抽出液BG」(商品名)等、セイヨウサンザシ抽出物(セイヨウサンザシエキス)は一丸ファルコス株式会社製「ファルコレックス セイヨウサンザシ B」(商品名)、「ファルコレックス セイヨウサンザシ E」(商品名)等、ハマメリス抽出物(ハマメリスエキス)は一丸ファルコス株式会社製「ファルコレックス ハマメリス B」(商品名)、丸善製薬株式会社製「ハマメリス抽出液BG−J」(商品名)等が挙げられる。
本発明のヒアルロニダーゼ活性阻害剤において、(A)成分と(B)成分の割合(含有比率)は、(B)成分の固形分換算の含有量に対する(A)成分の含有量の質量比((A)/(B))が、0.1〜2000であることが好ましい。(A)成分と(B)成分の割合が前記範囲であると、(A)成分と(B)成分それぞれのヒアルロニダーゼ活性に対する阻害効果が相乗的に向上し、また、本発明のヒアルロニダーゼ活性阻害剤を含有する組成物において、製剤として優れた使用感が得られ、かつ製剤安定性も高まる。質量比(A)/(B)は、0.2以上であるのがより好ましく、2以上がさらに好ましく、10以上が特に好ましく、また、1000以下であるのがより好ましく、200以下がさらに好ましく、40以下が特に好ましく、20以下が最も好ましい。
(A)成分と(B)成分との併用によりヒアルロニダーゼ活性の阻害効果が高まる作用機構の詳細は明らかではないが、(A)成分と(B)成分によりヒアルロニダーゼが不安定化するものと推定される。
なお、(B)成分であるスギナ、セイヨウサンザシ及びハマメリスの抽出物からなる群より選ばれる少なくとも1種の抽出物は、いずれも植物の抽出物であるため、抽出液に溶解されている。抽出液には、本発明の効果を妨げない範囲で他の成分を含有していてもよく、例えば、後述する溶剤、抗炎症剤、界面活性剤、pH調整剤、防腐剤、生薬等が挙げられる。
<口腔用組成物>
本発明のヒアルロニダーゼ活性阻害剤は、口腔用組成物に配合して用いられることが好ましい。口腔用組成物の形状、剤形としては特に限定されない。口腔用組成物は、例えば、液状、ジェル状、ペースト状、固形状等の形状に調製できる。また、口腔用組成物の剤形としては、例えば、練り歯磨剤及び液体歯磨き等の歯磨き類、洗口液、口中清涼剤、うがい薬(含嗽剤)、口腔内塗布剤、トローチ、チューインガム等が挙げられる。中でも、液体歯磨剤、洗口液、うがい薬等の液体口腔用組成物が好ましい。
口腔用組成物における(A)成分の含有量は、0.00002〜2質量%であることが好ましい。口腔用組成物中、(A)成分が少なすぎると(B)成分との併用によるヒアルロニダーゼ活性に対する阻害効果が得られ難く、また多すぎても使用感が低下し、製剤化が困難となるため、前記範囲で含有させるのが好ましい。(A)成分の含有量は、口腔用組成物中、0.00005質量%以上であることがより好ましく、0.0001質量%以上がさらに好ましく、また1質量%以下であることがより好ましく、0.5質量%以下がさらに好ましく、0.3質量%以下が特に好ましい。
口腔用組成物における(B)成分の含有量は、固形分換算として、0.0000015〜0.15質量%であることが好ましい。口腔用組成物中、(B)成分が少なすぎると(A)成分との併用によるヒアルロニダーゼ活性に対する阻害効果が得られ難く、また多すぎても使用感が低下し、製剤化が困難となるため、前記範囲で含有させるのが好ましい。(B)成分の含有量は、口腔用組成物中、0.000003質量%以上であることがより好ましく、0.00001質量%以上がさらに好ましく、また0.1質量%以下であることがより好ましく、0.05質量%以下がさらに好ましく、0.02質量%以下が特に好ましい。
口腔用組成物における(A)成分と(B)成分の割合(含有比率)は上記と同様であり、(B)成分の固形分換算の含有量に対する(A)成分の含有量の質量比((A)/(B))が、0.1〜2000であることが好ましい。(A)成分と(B)成分の割合が前記範囲にあることにより、(A)成分と(B)成分の相乗効果によりヒアルロニダーゼ活性に対する阻害効果が向上し、ヒアルロニダーゼ活性を十分に抑制できる。また、製剤として優れた使用感が得られ、かつ製剤安定性も高まる。質量比(A)/(B)は、0.2以上であるのがより好ましく、2以上がさらに好ましく、10以上が特に好ましく、また、1000以下であるのがより好ましく、200以下がさらに好ましく、40以下が特に好ましく、20以下が最も好ましい。
口腔用組成物には、本発明のヒアルロニダーゼ活性阻害剤に加えて、組成物に必要な各種成分を任意で含有してもよい。任意成分としては、例えば、溶剤、甘味料、殺菌剤、界面活性剤、抗炎症剤、歯石予防剤、pH調整剤、酵素、イオン源、防腐剤、香料、生薬、色素等が挙げられる。
溶剤としては、例えば、精製水、イオン水等の水、エタノール等の低級一価アルコール、グリセリン、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール等の多価アルコールなどが挙げられる。
甘味料としては、例えば、ステビオサイド、キシリトール、エリスリトール、マルチトール、ソルビトール、サッカリンナトリウム、スクラロース、トレハロース、還元パラチノース、アスパルテーム等が挙げられる。
殺菌剤としては、例えば、塩化ベンゼトニウム、塩化セチルピリジニウム、塩化ベンザルコニウム、塩酸クロルヘキシジン、グルコン酸クロルヘキシジン等のカチオン性殺菌剤や、トリクロサン、イソプロピルメチルフェノール、チモール、塩酸アルキルジアミノエチルグリシン液等が挙げられる。
界面活性剤としては、ノニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤又は両性界面活性剤が挙げられ、具体的には、ノニオン性界面活性剤としては、グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、脂肪酸ジエタノールアミド、脂肪酸モノグリセライド、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、アルキルグルコシド、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックコポリマー等が挙げられ、カチオン性界面活性剤としては、塩化アルキルトリメチルアンモニウム、塩化ジアルキルジメチルアンモニウム等が挙げられ、アニオン性界面活性剤としては、硫酸エステル塩、α−オレフィンスルホン酸塩、スルホコハク酸塩、N−アシルアミノ酸塩、アシル化メチルタウリン塩等が挙げられ、両性界面活性剤としては、酢酸ベタイン型両性界面活性剤、イミダゾリン型両性界面活性剤等が挙げられる。
抗炎症剤としては、例えば、グリチルリチン酸及びその誘導体、グリチルレチン酸及びその誘導体、トラネキサム酸、アミノカプロン酸、アラントイン及びその誘導体、アスコルビン酸及びその塩、アズレン、アズレンスルホン酸塩、ビタミンE(トコフェロール)等が挙げられる。
歯石予防剤としては、例えば、リン酸塩、ポリリン酸塩、メトキシエチレン無水マレイン酸共重合体、塩化亜鉛、有機酸亜鉛等が挙げられる。
pH調整剤としては、例えば、リン酸一ナトリウム、リン酸二ナトリウム、クエン酸ナトリウム、クエン酸、グルコノ−δ−ラクトン、グルコン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、水酸化ナトリウム及びこれらの水和物等が挙げられる。
酵素としては、例えば、プロテアーゼ、デキストラナーゼ、アミラーゼ、ムタナーゼ、リゾチーム等が挙げられる。
イオン源としては、例えば、フッ化ナトリウム、モノフルオロリン酸塩、フッ化第一スズ等のフッ素イオン源、リン酸カルシウム、グルコン酸カルシウム、ハイドロキシアパタイト等のカルシウムイオン源が挙げられる。
防腐剤としては、例えば、パラオキシ安息香酸エステル、安息香酸ナトリウム、ソルビン酸カリウム、フェノキシエタノール等が挙げられる。
香料としては、例えば、ペパーミント油、スペアミント油、ハッカ油、ユーカリ油、クローブ油、タイム油、ローズマリー油、レモン油、ジンジャー油、ライム油、カシア油、カルダモン油、ラベンダー油、シナモン油等の天然精油、l−メントール、l−カルボン、カルバクロール、オイゲノール、アネトール、1,8−シネオール、バニリン、ピネン、3−l−メントキシプロパン−1,2−ジオール等の香料成分、これらの混合物、天然香料、調合香料、合成香料等が挙げられる。
生薬としては、本発明のヒアルロニダーゼ活性阻害剤の成分であるスギナエキス、セイヨウサンザシエキス、ハマメリスエキス以外の植物抽出物が挙げられ、例えば、ローズマリーエキス、オウゴンエキス、オウバクエキス、トウキエキス、ニンジンエキス、ウイキョウエキス等が挙げられる。
色素としては、例えば、青色1号、青色2号、青色201号、黄色4号、黄色5号、黄色202(1)号、黄色203号、赤色3号、赤色102号、赤色104号、赤色105号、緑色3号、緑色201号等が挙げられる。
口腔用組成物は、本発明のヒアルロニダーゼ活性阻害剤と任意の成分を、必要により加熱し、各成分を均一に撹拌混合することにより調製できる。
口腔用組成物に含まれる本発明のヒアルロニダーゼ活性阻害剤により、歯周組織内でのヒアルロニダーゼ活性を抑制することができ、また、(A)成分と(B)成分の相乗効果により効果が高くなるので、唾液等によりヒアルロニダーゼ活性阻害剤の濃度が低下した場合であっても、十分なヒアルロニダーゼ活性の阻害効果を発揮できる。
本発明はまた、(A)成分と(B)成分を添加することを含むヒアルロニダーゼ活性の阻害効果の増強方法を提供するものでもある。上記したように(A)成分と(B)成分を併用することにより、それぞれ単独では効果を奏しないような低濃度領域においても、ヒアルロニダーゼ活性の阻害効果を高めることができる。そしてまた、ヒアルロニダーゼ阻害効果を有する他の成分と併用することでその効果を増強することもできる。
以下に、本発明のヒアルロニダーゼ活性阻害剤を配合した口腔用組成物の処方例を示す。なお、以下の処方において、(A)成分はヒノキチオールであり、(B)成分はスギナ、セイヨウサンザシ及びハマメリスの抽出物からなる群より選ばれる少なくとも1種の抽出物である。
<液体口腔用組成物:処方例>
(A)成分 0.00002〜2質量%
(B)成分(固形物換算) 0.0000015〜0.15質量%
エタノール 0〜20質量%
プロピレングリコール 0〜10質量%
グリセリン 0〜20質量%
キシリトール 0〜2質量%
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油 0〜1質量%
香料 0〜1質量%
パラオキシ安息香酸メチル 0〜0.5質量%
リン酸一ナトリウム 0〜0.2質量%
リン酸二ナトリウム 0〜0.2質量%
精製水 残部
合計 100質量%
<製品>
本発明はまた、(A)成分であるヒノキチオールが特定の樹脂に対する優れたカビの発生抑制効果を有することを見出した。
従来、化粧品等の樹脂製容器表面に菌・カビ等の微生物が繁殖することが問題となっている。開封後、一定期間にわたって使用する製品においては、使用中に環境由来の微生物が混入するリスクを考慮し、製剤に防腐性を持たせるように設計される。しかし、通常、製剤が接触しない部分には防腐性が発揮されず、微生物が繁殖することがある。例えば、口腔用組成物を収容する容器について、キャップ部の内壁にカビが発生する事例が報告されており、容器表面における微生物の増殖を抑制する手段が求められていた。
本発明者らにより、抗菌・殺菌作用のある成分として知られているヒノキチオールが、特定の樹脂、具体的には、ポリエチレン(PE)及びポリプロピレン(PP)に対する吸着性が高く、よって、これらの特定樹脂に対するカビの繁殖抑制に有効であることが見出された。
本発明に係る製品は、ヒノキチオールを含有する組成物と、ポリエチレン及びポリプロピレンのうちの少なくとも1つからなる樹脂から形成された部材を含む容器とからなることが好ましい。ポリエチレン及び/又はポリプロピレンからなる樹脂から形成された部材を含む容器にヒノキチオールを含有する組成物を充填することで、前記ポリエチレン及び/又はポリプロピレンからなる樹脂から形成された部材が組成物と接触していなくても、当該部材の表面、具体的に容器内側表面における微生物の増殖を抑制できる。ヒノキチオールは天然物由来の成分であるので安全なイメージを与えることが可能であり、また、製品の安定性も担保できる。
ヒノキチオールを含有する組成物は、ヒノキチオールのみからなるものであってもよいし、本発明の効果を妨げない範囲で他の成分を含有していてもよい。他の成分としては、例えば、溶剤、湿潤剤、矯味剤、界面活性剤、殺菌剤、抗炎症剤、pH調整剤、酵素、防腐剤、香料、色素、増粘剤、安定化剤、コーティング剤、洗浄剤等が挙げられる。
組成物中、ヒノキチオールは0.00002質量%以上含有することが好ましく、0.001質量%以上がより好ましく、0.01質量%以上がさらに好ましい。上限は特に限定されないが、100質量%であってもよい。なお、各種組成物におけるヒノキチオールの含有量は、用途によって適宜調整すればよく、例えば口腔用組成物に用いる場合は、0.00002〜2質量%の範囲であることが好ましく、下限は0.00005質量%以上がより好ましく、0.0001質量%以上がさらに好ましく、上限は1質量%以下がより好ましく、0.5質量%以下がさらに好ましい。
本発明で用いる容器は、少なくともその一部にポリエチレン及びポリプロピレンのうちの少なくとも1つからなる樹脂から形成された部材を含むものであれば特に限定されず、またどのような製品にも使用できる。例えば、製品としては、医薬部外品、化粧品、食品、飲料、洗浄剤、消臭剤、殺虫剤、農薬等が挙げられる。
特に、容器のキャップ部をポリエチレン樹脂やポリプロピレン樹脂で成形することにより、ヒノキチオールが揮散してキャップ部の内側表面に吸着するので、キャップ部内壁表面のカビ発生抑制効果が得られる。
なお、製品におけるヘッドスペースは、容器容量の1%以上とすることが好ましい。容器容量の1%以上のヘッドスペースがあることで、ヒノキチオールが組成物から揮散しやすく、また容器表面(容器内側表面)に十分量が吸着する。組成物の充填量が少なくなりすぎると製品不良にも繋がるので、ヘッドスペースの上限は10%以下とすることが好ましい。
また、容器のキャップ部は、底面積が2〜20cmであることが好ましい。キャップ部の底面積が前記範囲であると、揮散したヒノキチオールが万遍なくキャップ部の底部全体に吸着するので、カビ発生抑制効果を得ることができる。
また、容器に充填される際の組成物の液面の表面積は、2〜100cmであることが好ましい。液面の表面積が2cm未満であると、ヒノキチオールが十分に揮散せず、また100cmより大きいと、揮散量が多くなりすぎるため製品不良に繋がる場合がある。
本発明はまた、ポリエチレン及びポリプロピレンのうちの少なくとも1つを含む樹脂に対し、気化したヒノキチオールを接触させることを含む、樹脂に対するカビ発生抑制効果の付与方法も提供できる。ヒノキチオールは揮散性が高く、ポリエチレン及びポリプロピレンに対する吸着性が高いので、気化したヒノキチオールが樹脂に吸着することにより、製品の安定性を担保したまま、安全に容器内側表面におけるカビの発生を抑制できる。
以下、下記試験例により更に説明するが、本発明は下記例に制限されるものではない。
<試験例1>
1.検体の調製
表1に示す処方に従い、検体1〜9を調製した。なお、検体1、2、4、5、8及び9は比較例であり、検体3、6及び7は実施例である。
スギナエキスは、丸善製薬株式会社製「スギナ抽出液BG」を使用し、検体2、3については、固形分として0.00015質量%、検体5、6については、固形分として0.000015質量%、検体7については、固形分として0.015質量%となるように配合した。
シャクヤクエキスは、丸善製薬株式会社製「シャクヤク抽出液BG−JC」を使用し、検体8、9において、固形分として0.00015質量%となるように配合した。
また、0.1mol/L酢酸緩衝液は、0.1mol/Lの酢酸溶液と0.1mol/Lの酢酸ナトリウム溶液を混合し、pH3.5に調整したものを用いた。
2.ヒアルロニダーゼ活性の阻害試験
下記手順により、ヒアルロニダーゼ活性の阻害率を算出した。
なお、以下の手順に使用した各試薬の調製方法は以下のとおりである。
・ヒアルロニダーゼType IV−S溶液:0.1mol/L酢酸緩衝液にヒアルロニダーゼType IV−S(Sigma−Aldrich社製「ヒアルロニダーゼ from bovine testes」)を加えて溶解させ、4000unit/mLの濃度に調整した。
・塩化カルシウム溶液:0.1mol/L酢酸緩衝液に塩化カルシウムを加えて溶解させ、2.5mmol/Lの濃度に調整した。
・ヒアルロン酸ナトリウム溶液:0.1mol/L酢酸緩衝液にヒアルロン酸ナトリウム(富士フイルム和光純薬株式会社製「生化学用 ヒアルロン酸ナトリウム 鶏冠由来」)を加えて溶解させ、0.8mg/mLの濃度に調整した。
・ホウ酸溶液:ホウ酸4.95gに精製水50mLを加えて溶解させ、1M水酸化ナトリウムでpH9.1に調整した後、精製水を加え100mLとした。
・p−DABA溶液:10M塩酸12.5mLに酢酸を加え100mLに調整した後、p−ジメチルアミノベンズアルデヒド(p−DABA)10gを加えて溶解させ、使用直前に酢酸で10倍希釈した溶液を用いた。
(試験方法)
(1)検体0.2mLに、ヒアルロニダーゼType IV−S溶液0.1mLを加え、37℃で20分間反応させた。
(2)塩化カルシウム溶液0.2mLを加え、37℃で20分間反応させた。
(3)ヒアルロン酸ナトリウム溶液0.5mLを加え、37℃で40分間反応させた。
(4)0.4mol/L水酸化ナトリウム水溶液0.2mLを加えて反応を止め冷却した後、各反応溶液にホウ酸溶液0.2mLを加え、3分間煮沸した。
(5)氷冷後、p−DABA溶液6mLを加え、37℃で20分間反応させた。
(6)得られた反応液について585nmにおける吸光度を測定した。
(7)コントロールとして、(1)の検体に代えて0.1mol/L酢酸緩衝液を用い、上記(1)〜(6)を行い、吸光度を測定した。
(8)コントロールブランクとして、0.1mol/L酢酸緩衝液0.3mLを用い、上記(2)〜(6)を行い、吸光度を測定した。
(9)反応液ブランクとして、ヒアルロニダーゼType IV−S溶液に代えて0.1mol/L酢酸緩衝液を用い、上記(1)〜(6)を行い、吸光度を測定した。
(10)以下の式(1)に従い、ヒアルロニダーゼ活性阻害率を算出した。結果を表1に示す。
阻害率(%)={(A−B)−(C−D)}/(A−B)×100 …(1)
式(1)中、
A:コントロールの吸光度
B:コントロールブランクの吸光度
C:反応液の吸光度
D:反応液ブランクの吸光度
である。
Figure 2021187849
検体1、2と検体3とを比較すると、(A)成分と(B)成分をそれぞれ単体で含有する検体1、2ではヒアルロニダーゼ活性阻害率がそれぞれ8.2%、8.9%であったが、これらの(A)成分と(B)成分とを併用した検体3ではヒアルロニダーゼ活性阻害率が34.0%となった。
また、検体4〜6は検体1〜3を10倍希釈したものであるが、検体4、5ではほとんどヒアルロニダーゼ活性を阻害できなかったのに対し、検体6ではヒアルロニダーゼ活性阻害率が5.7%であった。
また、検体7は検体3に対して(A)成分と(B)成分の含有量を増やしたものであるが、配合量が増えることでヒアルロニダーゼ活性阻害率がより高くなった。
検体8、9は植物抽出物としてシャクヤクエキスを含有するものであり、検体8はシャクヤクエキスを単体で含有し、検体9はヒノキチオールとシャクヤクエキスを併用している。検体8はヒアルロニダーゼ活性阻害率が19.0%であるのに対して検体9はヒアルロニダーゼ活性阻害率が3.9%であり、シャクヤクエキス単体ではヒアルロニダーゼ活性の阻害効果が見られたが、ヒノキチオールと組み合わせることでその効果が打ち消されることがわかった。
これらの結果より、(A)成分と(B)成分とを併用することで、ヒアルロニダーゼ活性の阻害効果が顕著に向上することが分かった。
<試験例2>
1.検体の調製
表2に示す処方に従い、検体10〜14を調製した。なお、検体10〜12は実施例であり、検体13、14は比較例である。
Figure 2021187849
2.カビの発生抑制試験
下記手順により、カビの発生抑制効果を評価した。
なお、以下の試験方法において、試験片として、ポリプロピレン平板(PP、厚み0.75mm)、ポリエチレン平板(PE、厚み0.8mm)、ポリエチレンテレフタレート平板(PET、厚み1mm)を用い、1cm×1cmに切り出して使用した。
(試験方法)
(1)一般家庭の洗面所から採取した、黒カビの一種であるCladosporium cladosporioidesを培養した斜面培地に、0.05%Tween80添加生理食塩水5mLを加え、白金耳で胞子をかきとった。これを滅菌ガーゼでろ過し、SCD液体培地0.1mLを加えたものを胞子液とした。
(2)検体1080mLを1120mL容量の白色PETボトルに充填し、予め底部に試験片を貼付したPE製キャップを用いてキャッピングした。
(3)得られた試験用検体を60℃の恒温槽に設置したのち、7日後に取り出し、室温(25±3℃)になるまで静置した。
(4)静置後、キャップを外し、キャップ底部の試験片上に胞子液5μLを滴下し、再度キャップを閉め、25℃のインキュベーター内に静置し、3日後にカビの発生を目視で確認した。
(評価基準)
目視でカビの発生を確認し、カビの発生が見られないものを「○」、カビの発生が見られたものを「×」とした。結果を表3に示す。
Figure 2021187849
表3の結果より、検体10〜12はいずれも、PP樹脂、PE樹脂に対してカビの発生を抑制できることがわかった。これに対し、PET樹脂に対してはカビ発生抑制効果は得られなかった。また、検体13、14は、PP樹脂、PE樹脂、PET樹脂のいずれに対してもカビ発生抑制効果は得られなかった。
これらの結果より、ヒノキチオールがPP樹脂、PE樹脂に対して特異的に吸着し、カビの発生抑制効果を発揮できることがわかった。

Claims (5)

  1. (A)ヒノキチオールと、(B)スギナ、セイヨウサンザシ及びハマメリスの抽出物からなる群より選ばれる少なくとも1種の抽出物とからなることを特徴とするヒアルロニダーゼ活性阻害剤。
  2. 前記(B)成分の固形分換算の含有量に対する前記(A)成分の含有量の質量比(A)/(B)が、0.1〜2000であることを特徴とする請求項1に記載のヒアルロニダーゼ活性阻害剤。
  3. (A)ヒノキチオールと、(B)スギナ、セイヨウサンザシ及びハマメリスの抽出物からなる群より選ばれる少なくとも1種の抽出物とを添加することを特徴とする、ヒアルロニダーゼ活性の阻害効果の増強方法。
  4. 請求項1又は2に記載のヒアルロニダーゼ活性阻害剤を含有することを特徴とする口腔用組成物。
  5. 前記(A)成分の含有量が0.00002〜2質量%であり、前記(B)成分の固形分換算の含有量が0.0000015〜0.15質量%であることを特徴とする請求項4に記載の口腔用組成物。
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