JP2021186222A - 収納庫 - Google Patents

Abstract

【課題】あらかじめ設定した物品が適切に収納されている状態を、電気的な手段に依存しない簡素な構造で容易に維持することができる収納庫を提供する。【解決手段】収納庫１は、物品９の収納空間２と、物品９の出し入れに際して開閉される扉体３と、収納空間２の底部に設置された可動棚４と、を具備する。可動棚４は、その上に載置された物品９の重量に応じて昇降し得るように弾性部材５を介して保持される。扉体３は、可動棚４の高さに応じて作用する非電気的な扉体開閉規制手段（凸部７３）を介して、可動棚４が所定高さの初期位置にある状態でのみ閉扉可能になり、それ以外の状態では閉扉不能になるように構成される。【選択図】図３

Description

本願は、収納庫に関する。

一般的な住宅の子供部屋等においては、子供が使用するおもちゃを扉付きの収納棚に収納しているケースが多い。しかし、子供が遊んだあとのおもちゃを出しっぱなしにしたり、間違った場所に片付けたりすることがよくあるので、使ったものは元の場所にきちんと片付ける、という習慣づけが大切になる。

また、大災害への備えとして、水、食料品、衛生用品等を収納庫等に備蓄する一般家庭も増えているが、それらの備蓄数量を常時、適正に維持し、かつ、非常時に散逸や汚損をしないように整理・整頓しておくことは、現実的にはなかなか大変である。

ところで、物品の収納状態を管理する機能を備えた収納装置としては、例えば以下のようなものが公知である。

特許文献１：医療物品の収納空間と、施錠可能な扉体と、収納空間に面して配設されたアンテナとを備え、収納される各医療物品には非接触型ＩＤタグを利用した管理ラベルが貼り付けられて、その管理ラベルに記録された物品情報をアンテナで受信するように構成され、医療物品の出庫時に、該物品を使用する患者の情報と関連付けた認証により扉体のロックが解除され、該物品の出庫後にアンテナを介して収納されている医療物品情報を読み取り、出庫前の医療物品情報と比較することで、出庫された医療物品の情報を患者の情報とともに管理する医療物品の管理システム。

特許文献２：冷蔵庫内に収納される食料品や飲料物の管理手段として、磁歪素子の透磁率変化をコイルのインピーダンス変化に変換して荷重を検出する検出部を冷蔵庫内に設け、この検出部の検出に基づいて食料品の荷重減少を検出し、または飲料物の取り出し回数を検出して、食料品の使用頻度を識別するように構成された冷蔵庫。

特許文献３：病院やホテル等、不特定多数の人が利用する場所に設置する貴重品用の収納庫として、収容室の前面上方部に貴重品を投入できる投入口を設け、収容室内部の重量検知器が投入された貴重品の重量を検知すると、収容室の開閉扉が自動的に施錠される収納庫。

特開２００２−１１９５７７号公報 特開２００５−３３２３号公報 登録実用新案第３１６５０４０号公報

前記従来の収納装置はいずれも、物品の情報や重量、扉の開閉状態等を電気的な手段で検出することによって物品の収納状態を把握したり、物品の出し入れを管理したりするように構成されている。このような収納装置は、構造や制御の方式が複雑になり、電子部品等のコストも嵩むので、子供部屋で利用するような収納棚にはそぐわない。また、電気的な手段を介して開閉される収納装置は、停電時に動作しなくなるおそれがあるので、防災用の収納庫としても使いづらい。

そこで、本願は、あらかじめ設定した物品が適切に収納されている状態を、電気的な手段に依存しない簡素な構造で、誰でも容易に維持することができる収納庫を提供するものである。

前述の目的を達成するために、本願が開示する発明の収納庫は、物品の収納空間と、前記収納空間への物品の出し入れに際して開閉される扉体と、前記収納空間の底部に設置された可動棚と、を具備し、前記可動棚は、その上に載置された物品の重量に応じて昇降し得るように弾性部材を介して保持されるとともに、前記扉体は、前記可動棚の高さに応じて作用する非電気的な扉体開閉規制手段を介して、前記可動棚が所定高さの初期位置にある状態でのみ閉扉可能になり、それ以外の状態では閉扉不能になる、との構成を採用する。

前述の構成に係る収納庫において、前記扉体開閉規制手段は、前記可動棚の昇降に応じて引込・繰出されるワイヤー部材と、前記ワイヤー部材に連結されて前記扉体側に出没する干渉部材とを具備し、前記可動棚が前記初期位置にない状態では、前記扉体側に突出した前記干渉部材が前記扉体の閉扉操作を妨げる、ものとすることができる。

また、前記扉体開閉規制手段は、前記扉体の内側面に設けられた凸部を具備し、前記可動棚が前記初期位置にない状態では、前記凸部が前記可動棚の前縁部に干渉して前記扉体の閉扉操作を妨げる、ものとすることもできる。

前述の構成に係る収納庫において、前記扉体開閉規制手段には、前記初期位置を任意に設定し得る調節機構が設けられているのが好ましい。

また、本願が開示する発明の収納庫は、物品の収納空間と、前記収納空間への物品の出し入れに際して開閉される扉体と、前記収納空間の底部に弾性部材を介して設置された可動棚と、を具備し、前記可動棚は、その上に載置された物品の重量に応じて昇降し得るように保持されるとともに、前記扉体には、前記可動棚の高さに応じて作用する非電気的な収納状態表示手段を介して、可動棚が所定高さの初期位置にあるか否を表示する窓部が設けられている、との構成を採用する。

前述のように構成される収納庫によれば、あらかじめ設定された重さの物品が可動棚に載置されている状態でのみ扉体が閉扉可能になる、あるいは、その状態が扉体に表示される、という使い勝手を、電気的な手段に依存しない簡素な構造で実現することができる。

かかる収納庫を子供用のおもちゃ入れとして利用すれば、遊んだあとのおもちゃを元の場所にきちんと片付ける、という習慣を子供にもわかりやすく身に付けさせることができる。また、防災用品の収納庫として利用すれば、備蓄数量を常時、適正に維持するための仕掛けとして活用することができ、停電時にも扉体を支障なく開閉することができる。

本願が開示する発明に係る収納庫の基本概念図であり、（ａ）は物品が収納されていない状態、（ｂ）は物品が収納されている状態を示す。 本願が開示する発明に係る収納庫の第一実施形態を示す図であり、（ａ）は物品が収納されていない状態、（ｂ）は物品が収納されている状態を示す。 前記収納庫における扉体開閉規制手段の他の構成例を示す図である。 前記収納庫における扉体開閉規制手段のさらに他の構成例を示す図である。 前記収納庫の、可動棚の高さ調節についての説明図である。 本願が開示する発明に係る収納庫の第二実施形態を示す図であり、（ａ）は物品が収納されていない状態、（ｂ）は物品が収納されている状態を示す。

以下、本願が開示する発明の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。

＜第一実施形態＞
図１は、本願が開示する発明に係る収納庫の基本概念を示し、図２は、収納庫の第一実施形態を示す。

例示の収納庫１は、子供用のおもちゃ収納棚として使用されることを想定したものであり、基本的構成として、おもちゃ等の物品９が収納される収納空間２と、その収納空間２に物品９を出し入れする際に開閉される扉体３（図２〜図４参照）と、収納空間２の底部に設置された可動棚４と、を具備する。可動棚４は、例えばその四隅に配置された圧縮コイルばね等の弾性部材５を介して昇降自在に保持されており、載置される物品９の重量に応じて弾性部材５を弾性変形させながら昇降する。弾性部材５は、高さ調節ねじ等の調節機構６を介して収納空間２の底部に設置されている。

図１の（ａ）は物品９が収納されていない状態を示し、（ｂ）は物品９が収納されている状態を示す。この収納庫１は、可動棚４に物品９が載置され、その重量によって可動棚４が所定の高さまで下降したときに、扉体３が開閉可能になるように構成される。扉体３が開閉可能になる可動棚４の所定高さを「初期位置」と定める。そして、この収納庫１に収納すべき物品９を可動棚４の上に正しく載置した状態で調節機構６を操作し、可動棚４が初期位置の高さになるようにあらかじめ設定する。

物品９が取り出されると、可動棚４にかかる荷重が減少して可動棚４が上昇し、扉体３を閉めることができなくなる。扉体３の開閉を規制する手段（扉体開閉規制手段）としては、例えば図２に示すような、非電気的な構成を採用することができる。可動棚４に連結されたワイヤー部材７１が、可動棚４の昇降に応じて引込または繰出されるように組み付けられ、そのワイヤー部材７１の先端に干渉部材７２が連結される。干渉部材７２は、収納庫の奥から手前に向かって下り傾斜となるように形成されたガイド斜面（図示せず）上に載置され、ワイヤー部材の長さに連動して扉体３側に出没する。同図（ａ）のように、物品９が取り出されて可動棚４が上昇すると干渉部材７２が突出し、扉体３を閉じようとしてもその内側面に干渉部材７２が干渉して、扉体３が開いたままロックされる。同図（ｂ）のように、可動棚４に物品９が載置されて可動棚４が初期位置に戻ると、干渉部材７２が引き込まれて、閉扉可能になる。

図３は、図２に示した扉体開閉規制手段の一部を改変した構成を示す。可動棚４に連結されたワイヤー部材７１の先端には干渉部材７３が連結される。干渉部材７３は、その基端部が収納庫の内側面に枢着されて前後方向に揺動し得るように保持され、先端部に連結されたワイヤー部材の長さに連動して扉体３側に出没する。同図（ａ）のように、物品９が取り出されて可動棚４が上昇すると干渉部材７３が前方に倒れて、扉体３が開いたままロックされる。同図（ｂ）のように、可動棚４に物品９が載置されて可動棚４が初期位置に戻ると、干渉部材７３が引き込まれて、閉扉可能になる。

図４は、扉体開閉規制手段のさらに他の構成を示す。この例では、扉体３の内側面に凸部７４が設けられており、可動棚４が初期位置にない状態では凸部７４が可動棚４の前縁部に干渉して閉扉を妨げ、可動棚４が初期位置にある状態では、その前縁部が凸部７４の設けられてない箇所に係合して閉扉可能になる、という構成を採用している。このような簡素な機構によっても、非電気的な扉体開閉規制手段を実現することができる。

可動棚４が初期位置に戻っていない状態で扉体３を閉めたい場合は、調節機構６を操作して、可動棚４を初期位置に戻すか、または可動棚４に所定の荷重をかけることで初期位置をリセットし、扉体３を自由に開閉できるようにする。調節機構６の扱いは以下の関係式に基づく。

図５は、可動棚４の位置により内容物の重量を管理する機構の初期位置調整方法を示す。物品９による載荷荷重Ｆに合わせて、調整機構６の長さｎを調整する。

Ｌ：無載荷時における弾性部材５（圧縮コイルばね）の長さ
ΔＬ：載荷時に弾性部材５が縮短する寸法
ｎ：調節機構６の長さ
ｈ：載荷時における調節機構６を含めた可動棚４の高さ
Ｆ：物品９による載荷荷重
Ｋ：弾性部材５のばね剛性の合計値
とすると、
ｈ＝（Ｌ−ΔＬ）＋ｎ …（１）
Ｆ＝Ｋ・ΔＬ …（２）
上２式より、
ｎ＝ｈ−（Ｌ−ΔＬ）＝ｈ−Ｌ＋Ｆ／Ｋ

＜第二実施形態＞
図６は、本願が開示する発明に係る収納庫の第二実施形態を示す。

この収納庫１も、前述の第一実施形態と同様の収納空間（図示せず）、扉体３、可動棚（図示せず）、弾性部材（図示せず）、調節機構（図示せず）等を具備する。ただし、扉体３は、可動棚の高さに応じて作用する扉体開閉規制手段を介して開閉操作が規制されるのではなく、可動棚の高さに応じて作用する非電気的な収納状態表示手段を介して、可動棚４が所定高さの「初期位置」にあるか否を表示するように構成されている。収納状態表示手段については、前述の第一実施形態と同様に、可動棚に取り付けられたワイヤー部材（図示せず）等が可動棚の昇降に応じて巻取または繰出されて、扉体３の窓部８に内容物の収納状態（不足、超過等）をわかりやすく表示する簡素な機構を利用することができる。

前述のように構成される収納庫によれば、あらかじめ設定した物品が適切に収納されている状態を、電気的な手段に依存しない簡素な構造で容易に維持することができる。かかる収納庫を子供用のおもちゃ入れとして利用すれば、遊んだあとのおもちゃを元の場所にきちんと片付ける、という習慣を子供にもわかりやすく身に付けさせることができる。また、防災用品の収納庫として利用すれば、備蓄数量を常時、適正に維持するための仕掛けとして活用することができ、停電時にも扉体を支障なく開閉することができる。防災用品の収納庫として利用する場合には、扉体に耐震ラッチを取り付けるのも好ましい。

なお、本願が開示する発明の技術的範囲は、例示した実施の形態によって限定的に解釈されるべきものではなく、特許請求の範囲の記載に基づいて概念的に解釈されるべきものである。本願が開示する発明の実施に際しては、特許請求の範囲において具体的に特定していない構成要素の形状、構造、材質、数量、接合形態、相対的な位置関係等を、例示形態と実質的に同等以上の作用効果が得られる範囲内で適宜、改変することができる。

本願が開示する発明にかかる収納庫は、各種物品を一定量、収納・保管しておくための収納装置として、幅広く利用することができる。

１ 収納庫
２ 収納空間
３ 扉体
４ 可動棚
５ 弾性部材
６ 調節機構
７１ ワイヤー部材
７２ 干渉部材
７３ 干渉部材
７４ 凸部
８ 窓部
９ 物品

Claims (5)

1. 物品の収納空間と、前記収納空間への物品の出し入れに際して開閉される扉体と、前記収納空間の底部に設置された可動棚と、を具備し、
   前記可動棚は、その上に載置された物品の重量に応じて昇降し得るように弾性部材を介して保持されるとともに、
   前記扉体は、前記可動棚の高さに応じて作用する非電気的な扉体開閉規制手段を介して、前記可動棚が所定高さの初期位置にある状態でのみ閉扉可能になり、それ以外の状態では閉扉不能になる
   ことを特徴とする収納庫。
2. 請求項１に記載された収納庫において、
   前記扉体開閉規制手段は、前記可動棚の昇降に応じて引込・繰出されるワイヤー部材と、前記ワイヤー部材に連結されて前記扉体側に出没する干渉部材とを具備し、
   前記可動棚が前記初期位置にない状態では、前記扉体側に突出した前記干渉部材が前記扉体の閉扉操作を妨げる
   ことを特徴とする収納庫。
3. 請求項１に記載された収納庫において、
   前記扉体開閉規制手段は、前記扉体の内側面に設けられた凸部を具備し、
   前記可動棚が前記初期位置にない状態では、前記凸部が前記可動棚の前縁部に干渉して前記扉体の閉扉操作を妨げる
   ことを特徴とする収納庫。
4. 請求項１、２または３に記載された収納庫において、
   前記扉体開閉規制手段には、前記初期位置を任意に設定し得る調節機構が設けられている
   ことを特徴とする収納庫。
5. 物品の収納空間と、前記収納空間への物品の出し入れに際して開閉される扉体と、前記収納空間の底部に弾性部材を介して設置された可動棚と、を具備し、
   前記可動棚は、その上に載置された物品の重量に応じて昇降し得るように保持されるとともに、
   前記扉体には、前記可動棚の高さに応じて作用する非電気的な収納状態表示手段を介して、可動棚が所定高さの初期位置にあるか否を表示する窓部が設けられている
   ことを特徴とする収納庫。

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