JP2021185987A - レジストレーション方法、レジストレーションプログラム及び穿刺システム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】レジストレーション方法は、断層画像を取得するCT装置206の撮像領域GSにマーカー20を配置する工程S10と、CT装置206の主軸方向にずれた複数のCT画像300を得る工程S20と、複数のCT画像300を利用して、マーカー20の状態を示す3次元空間の直交座標系を基準とする幾何形状ベクトルV1〜V4を得る工程S30と、幾何形状ベクトルV1〜V4を利用して、CT装置206が有するCT座標系CSCに対するマーカー20が有するマーカー座標系CSMのずれを得る工程S60と、を有する。
【選択図】図6
Description
穿刺支援穿刺ロボットシステム2は、穿刺ロボット4と、ロボット制御装置6と、を有する。穿刺ロボット4は、複数の関節を有する多自由度のアーム型穿刺ロボットである。この穿刺ロボット4は、ロボット制御装置6によって制御される。ロボット制御装置6は、プランニング装置7から提供された情報に基づいて、穿刺ロボット4に制御信号を提供する。
ロボット制御装置6は、プランニング装置7から提供された情報に基づいて、穿刺ロボット4を動作させる。また、ロボット制御装置6は、穿刺ロボット4に設けられた種々のセンサの情報に基づいて、穿刺針の状態を得る。ロボット制御装置6は、例えば、コンピュータであり、当該コンピュータが所定のプログラムを実行することにより、上記の機能が実現される。
プランニング装置7は、穿刺支援穿刺ロボットシステム2の動作条件を決めるコンピュータシステムである。プランニング装置7は、患者201の断層画像といった画像情報を利用して、穿刺パスと、穿刺制御量と、を算出する。ここで「穿刺パス」とは、体表上の穿刺開始位置と穿刺目標とを結んだ線であり、穿刺針を通過させる軌跡をいう。また、「穿刺パスプランニング」とは、穿刺針のたわみ(穿刺目標に針先が到達した際の誤差)が最も小さくなる穿刺パスを設定することをいう。さらに、「穿刺制御」とは、穿刺針のたわみを低減するための穿刺針の動き制御をいう。また、「穿刺制御プランニング」とは、穿刺制御において、通過する組織に応じて、たわみを最小化する最適な制御パラメータを設定することをいう。
穿刺ロボット4は、ロボット台車9と、ロボットアーム11と、穿刺装置12と、薬剤注入装置13と、レジストレーションマーカー(以下「マーカー20」と称する)と、を有する。ロボット台車9は、穿刺ロボット4の架台である。ロボット台車9は、ローラーを備えており、所望の場所に容易に移動させることができる。例えば、施術時には、ロボット台車9をCT装置206の近傍やベッド207の近傍に配置する。また、施術を行わないときは、ロボット台車9をCT装置206から離れた保管場所に移動させる。つまり、穿刺ロボット4は、施術ごとに保管場所から移動させるものであってよい。
穿刺ロボット4は、CT装置206を用いて得た断層画像に基づいて穿刺目標の位置を特定する。そして、穿刺ロボット4は、当該穿刺目標に対して穿刺針を差し込む。この場合に、穿刺目標の位置は、CT装置206に設定されているCT座標系CSC(装置座標系)に基づいて表現される。一方、穿刺ロボット4の動作は、穿刺ロボット4に設定されているロボット座標系CSRに基づいている。そうすると、断層画像から穿刺目標の位置に正確に穿刺を行うためには、CT座標系CSCとロボット座標系CSRとの間で座標変換を行う。つまり、CT座標系CSCに従う穿刺目標の位置を示す座標情報を、ロボット座標系CSRに従う座標情報に変換する。この動作のためには、CT座標系CSCとロボット座標系CSRとの数学的な関係が既知であることを要する。
マーカー20は、四方に配置された斜立角柱から構成されており、CT撮像基準面に対する穿刺ロボット4の位置・角度のずれによってCT画像に描出される形状が変化することが大きな特徴である。描出された形状から画像処理を用いてマーカー20の断面形状の幾何量を把握する。断面形状は直線から構成されているため、円形状と比較して画像処理における誤差は小さくなる。また斜立角柱を四方に配置することで、同一のマーカー20で位置及び角度の両方のずれが計算可能となる。さらに、角度計算の際の補正計算には三角関数が用いられるが、直角柱ではなく斜立角柱を用いることで、CT撮像基準面付近における微小な角度のずれの計算も高精度に実施可能となる。
図4は実施形態に係る穿刺システム1が備えるロボット制御装置6を構成するコンピュータ100の一般的なハードウェア構成の一例を示す図である。例えば、コンピュータ100はプロセッサ101、主記憶部102、補助記憶部103、通信制御部104、入力装置105、および出力装置106を備える。プロセッサ101はオペレーティングシステムおよびアプリケーション・プログラムを実行する。主記憶部102は例えばROMおよびRAMで構成される。補助記憶部103は例えばハードディスクまたはフラッシュメモリで構成され、一般に主記憶部102よりも大量のデータを記憶する。通信制御部104は例えばネットワークカードまたは無線通信モジュールで構成される。入力装置105は例えばキーボード、マウス、タッチパネルなどで構成される。出力装置106は例えばモニタおよびスピーカで構成される。
図6は、レジストレーション方法の主要な工程を示すフロー図である。図7は、レジストレーション方法の代表的な工程を模式的に図示したものである。図6に示すように、本実施形態のレジストレーション方法は、マーカーを配置する工程S10と、CT画像を得る工程S20と、幾何形状ベクトルを得る工程S30と、マーカー原点を得る工程S40と、マーカー座標系を得る工程S50と、ずれを得る工程S60と、を有する。
マーカー20をCT装置206の撮像領域GSに配置する。この動作は、アーム制御部6gにより実行される。
次に、CT画像を得る。この動作は、画像入力部6aによって実行される。画像入力部6aは、CT装置206からマーカー20に関する複数枚のCT画像を受け取る。
次に、幾何形状ベクトルV1〜V4を得る。この動作は、幾何形状ベクトル取得部6bによって実行される。この工程S30では、まず、同一の辺を構成する点を関連付ける(工程S31)。次に、対象辺を構成する座標情報を得る(工程S32)。そして、座標情報から幾何形状ベクトルを得る(S33)。さらに詳細には、マーカー20の3次元の軸方向を得るために、4個の斜立角柱22〜25の幾何形状ベクトルV1〜V4をもとにCT座標系CSCでの斜立角柱22〜25の方向を得る。マーカー座標系CSMはマーカー20に固定されている。斜立角柱22〜25の幾何形状ベクトルV1〜V4も同様に固定されている。そのため、マーカー20の幾何形状ベクトルV1〜V4とマーカー座標系CSMの各軸の相対的な関係性はマーカー20の設計段階で決定している。そのため、マーカー20の幾何形状ベクトルV1〜V4をCT座標系CSCで取得することができれば、幾何形状ベクトルV1〜V4からマーカー座標系CSMを得ることができる。
次に、マーカー原点ORMを得る。この動作は、マーカー原点取得部6cによって実行される。マーカー原点ORMの位置を得るために、マーカー20における所望の一点を原点に設定する。幾何形状ベクトルV1〜V4とコーナー座標からCT座標系CSCにおけるマーカー原点ORMの位置を得る。レジストレーション方法では、マーカー原点ORMは、マーカー20の中心軸CLに存在するという第1条件(図10(a)参照)と、斜立角柱22〜25との距離が最短であるという第2条件(図10(b)参照)と、を満たすものと設定した。
次に、ずれを示す情報を得る。この動作は、回転誤差取得部6e及び並進誤差取得部6fにより実行される。この方法では、1回の撮像でCT座標系CSCとロボット座標系CSRの6次元の変位を得る。その後、回転量の取得と並進量の取得とをこの順で実行する。回転量を修正する時には幾何形状ベクトルV1〜V4より導出した軸方向をもとに、実際に穿刺ロボット4の回転操作を行う。その結果、理想的には、次の動作として、並進量を修正する際には。CT座標系CSCに対するロボット座標系CSRとのずれには原点位置のずれのみが存在する。つまり、ロボット座標系CSRのX軸、Y軸及びZ軸の方向は、CT座標系CSCのX軸、Y軸及びZ軸の方向に一致する。換言すると、X軸、Y軸及びZ軸ごとに実行される修正量は、CT座標系CSCに基づくロボット座標系CSRの原点の位置の変位と同じである。
回転誤差を得る工程51は、回転誤差取得部6eにより実行される。修正に必要な回転量を算出するために、回転軸を操作する順序を設定する。レジストレーション方法では実際のロボットアーム11の操作で修正する際の回転順序を、ヨー軸、ピッチ軸及びロール軸の順に設定した。この修正の順序においてマーカー20に与えられる回転操作Rは、下記式(7)、(8)及び(9)の積である。
並進誤差を得る工程62は、並進誤差取得部6fにより実行される。レジストレーション方法では並進量の修正は、回転量の修正の後に行う。従って、並進量の修正時にはマーカー座標系CSMとCT座標系CSCの軸方向は一致している。つまり、CT座標系CSCでの原点として設定した点の3次元空間上の位置と穿刺ロボット4の並進操作によって移動する量は、一致する。並進移動の修正量は取得したマーカー20の位置と同じであり、式(18)により示される。式(18)を用いて得た{x、y、z}を、穿刺ロボット4のX軸、Y軸、Z軸の並進移動量として修正する。
レジストレーション方法は、CT画像を取得するCT装置206の撮像領域GSにマーカー20を配置する工程S10と、CT装置206の頭軸方向(主軸方向)にずれた複数のCT画像を得る工程S20と、複数のCT画像を利用して、撮像領域GSにおける3次元空間の直交座標系を基準として、マーカー20の状態を示す複数の幾何形状ベクトルV1〜V4を得る工程S30と、複数の幾何形状ベクトルV1〜V4を利用して、直交座標系であってCT装置206が有するCT座標系CSCに対するマーカー20が有するマーカー座標系CSMのずれを得る工程S60と、を有する。
本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限られない。
Claims (6)
- 断層画像を取得する撮像装置の撮像領域にマーカーを配置する工程と、
前記撮像装置の主軸方向にずれた複数の前記断層画像を得る工程と、
複数の前記断層画像を利用して、前記撮像領域における3次元空間の直交座標系を基準として、前記マーカーの状態を示す評価ベクトルを得る工程と、
前記評価ベクトルを利用して、前記直交座標系であって前記撮像装置が有する装置座標系に対する前記マーカーが有するマーカー座標系のずれを得る工程と、を有する、レジストレーション方法。 - 前記評価ベクトルを得る工程は、
前記評価ベクトルとして、前記マーカーの形状に基づく複数の幾何形状ベクトルを得る工程と、
複数の前記幾何形状ベクトルを利用して、前記マーカー座標系のX軸、Y軸及びZ軸を得る工程と、を含む、請求項1に記載のレジストレーション方法。 - 前記ずれを得る工程では、前記ずれとして、前記装置座標系のX軸に対する前記マーカー座標系のX軸の回転量と、前記装置座標系のY軸に対する前記マーカー座標系のY軸の回転量と、前記装置座標系のZ軸に対する前記マーカー座標系のZ軸の回転量と、を得る、請求項1又は2に記載のレジストレーション方法。
- 前記評価ベクトルを利用して、前記マーカー座標系の原点を得る工程をさらに有し、
前記ずれを得る工程では、前記ずれとして、前記装置座標系の原点を基準として、前記マーカー座標系の原点の位置を、前記装置座標系のX軸に沿う並進量、Y軸に沿う並進量及びZ軸に沿う並進量として得る、請求項1〜3の何れか一項に記載のレジストレーション方法。 - 断層画像を取得する撮像装置の撮像領域にマーカーを配置する工程と、
前記撮像装置の主軸方向にずれた複数の前記断層画像を得る工程と、
複数の前記断層画像を利用して、前記撮像領域における3次元空間の直交座標系を基準として、前記マーカーの状態を示す評価ベクトルを得る工程と、
前記評価ベクトルを利用して、前記直交座標系であって前記撮像装置が有する装置座標系に対する前記マーカーが有するマーカー座標系のずれを得る工程と、をコンピュータに実行させる、レジストレーションプログラム。 - 断層画像を取得する撮像装置に隣接して配置される穿刺システムであって、
ロボットアームの端部に穿刺装置とマーカーとが設けられた穿刺ロボットと、
前記穿刺ロボットの動作を制御する制御装置と、を備え、
前記制御装置は、
前記撮像装置の撮像領域にマーカーを配置するように、前記ロボットアームを動作させ、
前記撮像装置の主軸方向にずれた複数の前記断層画像を前記撮像装置から取得し、
複数の前記断層画像を利用して、前記撮像領域における3次元空間の直交座標系を基準として、前記マーカーの状態を示す評価ベクトルを取得し、
前記評価ベクトルを利用して、前記直交座標系であって前記撮像装置が有する装置座標系に対する前記マーカーが有するマーカー座標系のずれを取得する、穿刺システム。
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