JP2021182816A - 圧電駆動装置の制御方法、圧電駆動装置、及び、ロボット - Google Patents

圧電駆動装置の制御方法、圧電駆動装置、及び、ロボット Download PDF

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【課題】多連構成の圧電駆動装置において、異常がある圧電モーターを検出する方法を提供すること。【解決手段】駆動用の圧電素子、及び検出用の圧電素子を有する圧電モーターを複数個連結した圧電駆動装置の制御方法であって、複数の前記圧電モーターは、同一の駆動信号により駆動されており、前記駆動信号は、前記検出用の圧電素子からの検出信号に基づく、前記駆動信号の周波数の帰還制御を含む追尾制御が施され、前記追尾制御が施された初期の前記駆動信号により駆動した際の前記検出信号の平均の周波数を初期周波数f0として記憶し、前記初期周波数f0と、前記初期に続く駆動時における前記駆動信号により駆動した際の前記検出信号の平均の周波数faとの差分が、第1の閾値より大きいか否か確認し、前記第1の閾値以下の場合は、前記駆動信号による駆動を継続し、前記第1の閾値より大きい場合は、前記駆動信号が異常であると判断する。【選択図】図6

Description

本発明は、圧電駆動装置の制御方法、圧電駆動装置、及び、圧電駆動装置を備えたロボットに関する。
複数の圧電素子により、長さ方向、及び、屈曲方向の振動を発生させて駆動力を得る圧電モーターが知られている。圧電モーターは、小型かつ軽量で、減速機を使用せずに低速高トルクが得られ、無通電時に保持トルクを有するなど、電磁モーターとは異なる特長を備えている。
このような圧電モーターを複数個用いて、多連構成とすることが知られている。多連構成とすることで、複数の圧電モーターが同時に駆動することにより高トルクが得られる。例えば、特許文献1には、2つの超音波振動子に印加する2相の駆動交番電圧の何れか一方と、2つの平均の振動検出信号との位相差を検出し、検出された位相差が所定の値となるように駆動交番電圧の周波数を制御する、多連構成の圧電駆動装置が開示されている。なお、超音波振動子が圧電モーターに相当する。
特開2008−160913号公報
しかしながら、特許文献1の技術では、多連構成のうち、いずれかの圧電モーターに異常があったとしても、異常のある圧電モーターを特定することは困難であった。
本願に係る圧電駆動装置の制御方法は、駆動用の圧電素子、及び検出用の圧電素子を有する圧電モーターを複数個連結した圧電駆動装置の制御方法であって、複数の前記圧電モーターは、同一の駆動信号により駆動されており、前記駆動信号は、前記検出用の圧電素子からの検出信号に基づく、前記駆動信号の周波数の帰還制御を含む追尾制御が施され、前記追尾制御が施された初期の前記駆動信号により駆動した際の前記検出信号の平均の周波数を初期周波数として記憶し、前記初期周波数と、前記初期に続く駆動時における前記駆動信号により駆動した際の前記検出信号の平均の周波数との差分が、第1の閾値より大きいか否か確認し、前記第1の閾値以下の場合は、前記駆動信号による駆動を継続し、前記第1の閾値より大きい場合は、前記駆動信号が異常であると判断する。
本願に係る圧電駆動装置の制御方法は、駆動用の圧電素子、及び検出用の圧電素子を有する圧電モーターを複数個連結した圧電駆動装置の制御方法であって、複数の前記圧電モーターは、同一の駆動信号により駆動されており、前記駆動信号は、前記検出用の圧電素子からの検出信号に基づく、前記駆動信号の周波数の帰還制御を含む追尾制御が施され、前記追尾制御が施された初期の前記駆動信号により駆動した際の前記検出信号の平均の周波数を初期周波数として記憶し、第1の時刻における前記駆動信号により駆動した際の前記検出信号の周波数の変化率と、第1の時刻よりも前の第2の時刻における前記駆動信号により駆動した際の前記検出信号の周波数の変化率との比率が、第2の閾値より大きいか否か確認し、前記第2の閾値以下の場合は、前記駆動信号による駆動を継続し、前記第2の閾値より大きい場合は、前記駆動信号が異常であると判断する。
本願に係る圧電駆動装置の制御方法は、駆動用の圧電素子、及び検出用の圧電素子を有する圧電モーターを複数個連結した圧電駆動装置の制御方法であって、複数の前記圧電モーターは、同一の駆動信号により駆動されており、前記駆動信号は、前記検出用の圧電素子からの検出信号に基づく、前記駆動信号の周波数の帰還制御を含む追尾制御が施され、前記追尾制御が施された初期の前記駆動信号により駆動した際の前記検出信号の平均の周波数を初期周波数として記憶し、前記初期周波数における前記検出信号の電圧振幅を初期検出信号として記憶し、前記初期周波数と、前記初期に続く駆動時における前記駆動信号により駆動した際の前記検出信号の周波数との差分が、第1の閾値より大きいか否か確認し、前記第1の閾値以下の場合は、前記駆動信号による駆動を継続し、前記第1の閾値より大きい場合は、前記駆動信号が異常であると判断する。
本願に係る圧電駆動装置は、駆動用の圧電素子、及び検出用の圧電素子を有する複数の圧電モーターと、複数の前記圧電モーターに、同一の駆動信号を供給する制御部と、を備え、前記制御部は、前記検出用の圧電素子からの検出信号に基づき、前記駆動信号の周波数の帰還制御を含む追尾制御を施した前記駆動信号を生成し、前記追尾制御が施された初期の前記駆動信号により駆動した際の前記検出信号の平均の周波数を初期周波数として記憶し、前記初期周波数と、前記初期に続く駆動時における前記駆動信号により駆動した際の前記検出信号の平均の周波数との差分が、第1の閾値より大きいか否か確認し、前記第1の閾値以下の場合は、前記駆動信号による駆動を継続し、前記第1の閾値より大きい場合は、前記駆動信号が異常であると判断する。
実施形態1に係る圧電駆動装置の概要を示す平面図。 圧電アクチュエーターの平面図。 駆動信号の波形図。 圧電駆動装置の駆動態様図。 制御部の回路ブロック図。 圧電駆動装置の異常検出方法を示すフローチャート図。 異常モジュールの検出方法を示すフローチャート図。 実施形態2の異常モジュールの検出方法を示すフローチャート図。 実施形態3の異常検出方法を示すフローチャート図。 異常モジュールの検出方法を示すフローチャート図。 実施形態4の異常検出方法を示すフローチャート図。 実施形態5の圧電駆動装置の態様図。 圧電駆動装置の異なる態様図。 実施形態6のロボットの概要図。 ハンドの概要図。
実施形態1
***圧電モーターの概要***
図1は、本実施形態に係る圧電駆動装置の概要を示す平面図である。
図1に示すように、圧電モーター80aは、円板状の被駆動体としてのローター160を、駆動体20の突起部95によって押圧することにより、回転方向R1、または、回転方向R2に回動させる圧電駆動型のモーターである。なお、図1は、基本構成の説明図であるため、1つの圧電モーター80aを図示しているが、実際に用いる際には、図4に示すように、複数の圧電モーターを連ねて駆動力を高める多連構成とすることが多い。図4では、3つの圧電モーター80a,80b,80cにより多連駆動を行う圧電駆動装置100を示している。
図1に戻る。
圧電モーター80aは、圧電アクチュエーター22、付勢体90などから構成される。
圧電アクチュエーター22は、振動源となる圧電素子を有する駆動体20や、駆動体20を支える基材10などから構成される。圧電モーター80aには、制御部70から駆動信号が供給される。なお、圧電アクチュエーター22、制御部70の詳細は後述する。
付勢体90は、複数本の板バネ85を備えており、ローター160に対して突起部95を押し付ける方向に圧電アクチュエーター22を付勢する。付勢体90は、圧電モーター80aを取付ける台座などに、2本のネジで固定されている。
このような構成の圧電モーター80aは、図1に示すように、複数本の板バネ85の復元力により、突起部95がローター160の外周面160aを押圧した状態で、駆動体20の屈曲運動による回転力を印加する。
また、ローター160にはエンコーダー161が設けられており、エンコーダー161によって、ローター160の挙動、特に、回転量および角速度が検出可能となっている。エンコーダー161としては、例えば、ローター160の回転時にその回転量を検出するインクリメンタル型のエンコーダーを用いることができる。なお、これに限定するものではなく、ローター160の回転の有無に関わらず、ローター160の原点からの絶対位置を検出するアブソリュート型のエンコーダーであっても良い。
本実施形態のエンコーダー161は、ローター160の上面に固定されたスケール162と、スケール162の上側に設けられた光学素子92とを有する。スケール162は、円板状をなし、その上面に図示しないパターンが設けられている。また、光学素子92は、スケール162のパターンに向けて光を照射する発光素子92aと、スケール162のパターンを撮像する撮像素子92bとを有する。
このような構成のエンコーダー161では、撮像素子92bにより取得されるパターンの画像をテンプレートマッチングすることにより、ローター160の回転量、駆動速度、絶対位置等を検出することができる。なお、撮像素子92bに代えて、スケール162からの反射光、または透過光を受光する受光素子を備えることでも良い。
***圧電アクチュエーターの概要***
図2は、圧電アクチュエーターの平面図である。
圧電アクチュエーター22の基材10は、好適例として、矩形状をなしたシリコン基板を用いている。
駆動体20は、基材10内で略長方形に区画された部位であり、表層側には、駆動用の圧電素子である圧電素子1〜6が配置されている。詳しくは、駆動体20は、略矩形をなした基材10に設けられた3つの切欠き部24〜26により、略長方形に区画されている。そして、長方形の長辺の略中央に残された一対の支持部21a,21bにより、基材10本体と接続している。なお、駆動体20の長辺に沿った方向をX方向、X方向と交差する短辺に沿った方向をY方向、基材10の厚さ方向をZ方向とする。また、支持部21a,21bを通り、Y方向に延在する線分を中心線28とする。
駆動体20の略中央には、小さな長方形の圧電素子7が配置されている。圧電素子7は、駆動体の振動状態を検知するための検出用の圧電素子である。
駆動体20において、圧電素子7と突起部95との間には、X方向に延在する3つの長方形状の圧電素子1,5,3が設けられている。圧電素子1,5,3の形状は、略同一である。また、駆動体20のXプラス方向にも、X方向に延在する3つの長方形状の圧電素子2,6,4が設けられている。圧電素子2,6,4は、中心線28を対象軸として、圧電素子1,5,3の線対称となっている。
図2では、図示を省略しているが、圧電素子1〜7の上面には、圧電素子に駆動信号を供給するための電極、及び、配線が設けられている。駆動体20において対角に位置する、圧電素子1と圧電素子4には、電気的に同じ配線が接続される。同様に、圧電素子2と圧電素子3にも、電気的に同じ配線が接続される。そして、駆動体20のY方向の中央においてX方向に配置された圧電素子5と圧電素子6にも、電気的に同じ配線が接続される。また、圧電素子7には、駆動体20の振動状態を検出した検出信号を電送するための配線が設けられている。
なお、圧電素子1〜7の下層側には、共通の共通配線が設けられている。共通配線は、好適例において、グランド電位に接続している。
***圧電モーターの駆動態様***
図3は、駆動信号の波形図である。図4は、圧電モーターの駆動態様を示す模式図であり、図1の圧電モーターにおける駆動体20の駆動態様を模式図として示した図である。
図3では、3つの圧電モーター80a,80b,80cを備えた圧電駆動装置100による駆動態様を示しているが、3つの圧電モーター80a,80b,80cは、同一の構成であり、かつ、供給される駆動信号も同じなので、以下、圧電モーター80aを代表として説明する。
圧電モーター80aの駆動体20において、圧電素子1,4には、駆動信号Vsを印加する。図3に示すように、駆動信号Vsは交番電圧である。また、圧電素子2,3には、駆動信号Vsとは位相が異なる駆動信号Vzを印加する。そして、圧電素子5,6には、駆動信号Vsとは位相が異なる駆動信号Viを印加する。圧電素子5,6に印加される駆動信号Viは伸縮振動を発生させる。また、圧電素子1,4に印加される駆動信号Vs、及び、圧電素子2,3に印加される駆動信号Vzは、屈曲振動を発生させる。
上記の駆動電圧を印加すると、図4に示すように、駆動体20が長辺方向に伸縮振動しつつ、短辺方向に屈曲振動する。そして、これらの振動が合成されると、突起部95の先端が矢印で示すように反時計回りに楕円軌道を描く楕円運動をする。このような突起部95の楕円運動によってローター160が送り出され、ローター160が回転方向R1で示す方向に、時計回りに回転する。また、駆動体20の振動に対応して、圧電素子7から検出信号が出力される。
また、駆動信号Vsを圧電素子2,3に印加し、駆動信号Vzを圧電素子1,4に印加することにより、時計回りに楕円軌道を描く楕円運動とすることができる。
なお、駆動信号Vs,Vz,Viは、駆動状態に応じて逐次、最適な駆動信号となるように制御されている。具体的には、制御部70により、検出用の圧電素子7からの検出信号に基づいて、駆動信号の周波数の帰還制御を含む追尾制御が施されている。この制御方法について、次に説明する。
***制御部の回路ブロック構成***
図5は、制御部の回路ブロック構成を示す図である。
制御部70は、位置速度制御部31、S駆動信号生成部61、Z駆動信号生成部62、I駆動信号生成部63、周波数制御部64、SW制御部35などから構成されている。なお、図示は省略しているが、制御部70が記憶部を備えていても良い。
位置速度制御部31は、例えば、図示しないホストコンピューターからの指令に基づいて、ローター160の目標位置を示した位置指令を生成し、当該位置指令とエンコーダー161が検出した現在位置との偏差に対して比例ゲインを調整する比例制御を含むP制御を施し、位置指令に基づく位置となるように速度指令を生成する。次に、速度指令とエンコーダー161が検出した現在のローター160の駆動速度との偏差に対して比例ゲインを調整する比例制御と、積分ゲインを調整する積分制御とを含むPI制御を実施し、速度指令に基づく駆動速度となるように電圧指令を生成する。そして、位置速度制御部31は、生成した電圧指令をS駆動信号生成部61、及び、Z駆動信号生成部62に送信する。
S駆動信号生成部61は、駆動信号Vsの生成回路であり、S駆動電圧制御部32s、PWM波形生成部33s、S駆動回路34sなどから構成されている。
S駆動電圧制御部32sは、位置速度制御部31からの電圧指令と、S駆動回路34sの出力から帰還される駆動信号Vsとの偏差に対して比例ゲインを調整する比例制御と、積分ゲインを調整する積分制御とを含むPI制御を実施し、電圧指令に基づく電圧(振幅)となる目標Dutyを規定したDuty指令を生成し、PWM波形生成部33sに送信する。
PWM波形生成部33sは、S駆動電圧制御部32sからのDuty指令、及び、駆動周波数制御部38からの周波数指令に基づいたパルス信号を生成し、S駆動回路34sに送信する。
S駆動回路34sは、PWM波形生成部33sからのパルス信号に応じた交番電圧を生成し、駆動信号Vsとして各圧電モーターの圧電素子1,4に供給する。なお、上記「PWM」は、「Pulse Width Modulation」の略である。
Z駆動信号生成部62は、駆動信号Vzの生成回路であり、Z駆動電圧制御部32z、PWM波形生成部33z、Z駆動回路34zなどから構成されている。
Z駆動電圧制御部32zは、位置速度制御部31からの電圧指令と、Z駆動回路34zの出力から帰還される駆動信号Vzとの偏差に対して比例ゲインを調整する比例制御と、積分ゲインを調整する積分制御とを含むPI制御を実施し、電圧指令に基づく電圧(振幅)となる目標Dutyを規定したDuty指令を生成し、PWM波形生成部33zに送信する。
PWM波形生成部33zは、Z駆動電圧制御部32zからのDuty指令、及び、駆動周波数制御部38からの周波数指令に基づいたパルス信号を生成し、Z駆動回路34zに送信する。
Z駆動回路34zは、PWM波形生成部33zからのパルス信号に応じた交番電圧を生成し、駆動信号Vzとして各圧電モーターの圧電素子2,3に供給する。
I駆動信号生成部63は、駆動信号Viの生成回路であり、I駆動電圧制御部32i、PWM波形生成部33i、I駆動回路34iなどから構成されている。
I駆動電圧制御部32iは、図示しないホストコンピューターからの電圧指令と、I駆動回路34iの出力から帰還される駆動信号Viとの偏差に対して比例ゲインを調整する比例制御と、積分ゲインを調整する積分制御とを含むPI制御を実施し、電圧指令に基づく電圧(振幅)となる目標Dutyを規定したDuty指令を生成し、PWM波形生成部33iに送信する。
PWM波形生成部33iは、I駆動電圧制御部32iからのDuty指令、及び、駆動周波数制御部38からの周波数指令に基づいたパルス信号を生成し、I駆動回路34iに送信する。
I駆動回路34iは、PWM波形生成部33iからのパルス信号に応じた交番電圧を生成し、駆動信号Viとして各圧電モーターの圧電素子5,6に供給する。
周波数制御部64は、駆動信号Vs,Vz,Viの周波数の制御回路であり、平均化回路36、駆動周波数判定部37、駆動周波数制御部38などから構成される。
平均化回路36には、3つの圧電モーター80a,80b,80cの検出用の圧電素子7a,7b,7cからの検出信号Pa,Pb,Pcが入力可能に設けられている。
圧電モーター80aの圧電素子7aからの検出信号Paの出力線には、スイッチSWaが設けられており、検出信号Paの平均化回路36への入力を開閉(オンオフ)可能となっている。同様に、圧電モーター80b,80cの圧電素子7b,7cからの検出信号の出力線には、スイッチSWa,SWbが設けられている。
スイッチSWa,SWb,SWcの開閉制御は、SW制御部35により制御される。
SW制御部35は、図示しないホストコンピューターからの開閉指示に従って、スイッチSWa,SWb,SWcの開閉を制御する。なお、ホストコンピューターには、後述する複数の異常検出方法に準じた制御プログラムがインストールされており、当該制御プログラムの実行に伴ってスイッチSWa,SWb,SWcのオンオフが行われる。
平均化回路36では、入力される検出信号の平均化処理が行われる。平均化処理は、検出信号の周波数、及び/又は、振幅電圧について行われる。検出信号は、図示しないA/D変換回路でデジタル信号化され、当該信号により平均化処理が行われる。
駆動周波数判定部37では、平均化回路36で平均化された検出信号の周波数、又は振幅電圧と、比較対象の周波数、又は振幅電圧とを比較し、当該比較情報を駆動周波数制御部38に送信する。
駆動周波数制御部38は、図示しないホストコンピューターに駆動周波数判定部37からの比較情報を送信し、ホストコンピューターから周波数調整指令を受信し、当該周波数調整指令に基づく周波数指令を生成し、PWM波形生成部33s,33z,33iに送信する。なお、ホストコンピューターでは、後述する異常検出方法に準じた制御プログラムに従って処理が実行され、SW制御部35への開閉指示、及び、駆動周波数制御部38への周波数指令を送信する。
***圧電駆動装置の駆動方法−1***
図6は、本実施形態における圧電駆動装置の異常検出方法を示すフローチャートである。図7は、異常モジュールの検出方法を示すフローチャートである。
ここでは、本実施形態における圧電駆動装置100の異常検出方法について、図6を主体に、適宜、図4、図5を交えて説明する。これらの検出方法は、図示しないホストコンピューターの記憶部に記憶された制御プログラムを実行することにより、図5の制御部70の各部により実行処理される。なお、ホストコンピューターを用いることに限定するものではなく、制御プログラムを記憶した記憶部、CPU(Central Processing Unit)を備えた制御装置であれば良く、例えば、圧電駆動装置100を備えたロボットの制御装置にも適用することができる。
図6の処理手順を規定した制御プログラムは常駐プログラムであり、圧電駆動装置100の駆動中に、多連駆動されている圧電モーターにおける異常の有無を検出する。なお、図6の処理フローをメインルーチンともいう。
ステップS11では、制御部70は、圧電駆動装置100を起動させるために、周波数調整指令に基づく周波数よりも高い周波数の駆動信号を印加し、起動したら徐々に周波数を下げるダウンスイープを行う。
ステップS12では、多連駆動されている各圧電モーターからの検出信号の周波数の平均値に基づく帰還制御を含む周波数の追尾制御が施された駆動信号が生成され、当該駆動信号により、各圧電モーターが駆動される。図4の場合、圧電モーター80a,80b,80cからの検出信号Pa,Pb,Pcの周波数の平均値に基づく周波数追尾制御が施された駆動信号Vs,Vz,Viが生成され、各圧電モーターに供給される。なお、周波数追尾制御のことを追尾制御ともいう。
ステップS13では、追尾制御により生成された初期の駆動信号により駆動した際の検出信号の平均の周波数である初期周波数f0を記憶する。なお、初期周波数f0の記憶は、制御部70の記憶部、又は、ホストコンピューターの記憶部を用いる。
ステップS14aからステップS14bの間では、圧電駆動装置100の駆動を継続した状態で、ステップS15からステップS17までの処理を繰り返す。
ステップS15では、前記初期に続く駆動時の駆動信号により駆動した際の検出信号の平均値の周波数faを記憶する。
ステップS16では、周波数faと初期周波数f0との差分の絶対値が、第1の閾値としての閾値Aより大きいか否か確認する。閾値A以下の場合は、ステップS14bに進み、駆動を継続する。閾値Aより大きい場合は、ステップS17の異常モジュール検出サブルーチンに進む。なお、閾値Aは、実験データや、シミュレーション結果などから導出することができる。
続いて、図7の異常モジュール検出方法について説明する。この検出方法は、ステップS17のサブルーチンに相当する。
ステップS21aからステップS21bの間では、複数の圧電モーターのうち、1つの圧電モーターの検出信号を順次選択することを、全ての圧電モーターについて行う。なお、圧電モーターのことをモジュールともいう。
ステップS22では、選択した圧電モーターの検出信号のスイッチSWをオンし、それ以外の圧電モーターの検出信号のスイッチSWをオフとする。
ステップS23では、選択した圧電モーターの検出信号により追尾制御が施されて生成された駆動信号で駆動した際の検出信号の周波数fbを記憶する。
ステップS24では、周波数fbと初期周波数f0との差分の絶対値が、第3の閾値としての閾値Bより大きいか否か確認する。閾値B以下の場合は、ステップS21bに進む。閾値Bより大きい場合は、ステップS25に進む。なお、閾値Bは、実験データや、シミュレーション結果などから導出することができる。
ステップS25では、ステップS22で選択した圧電モーターを異常モジュールと判定する。
ステップS26では、ステップS25で異常判定された圧電モーターの検出信号のスイッチSWをオフし、ステップS21bに進む。なお、異常モジュールのスイッチSWオフは、全モジュールの選択確認が終了し、本サブルーチンを抜けて、図6のメインルーチンに戻った際にも有効である。つまり、追尾制御を行う際に帰還される検出信号から、異常モジュールの検出信号は除外される。
なお、上記では、ステップS26の後、ステップS21bに進むとして説明したが、破線75で示すように、ステップS26の後、本サブルーチンを終了して、図6のメインルーチンに戻っても良い。この方法によれば、異常モジュールを検出したら、直にメインフローに戻るため、駆動効率が良い。
以上述べた通り、この検出方法によれば、メインルーチンにおいて、追尾制御が施された初期の駆動信号により駆動した際の検出信号の平均の周波数である初期周波数f0と、初期に続く駆動時における駆動信号により駆動した際の検出信号の平均の周波数faとの差分が、閾値Aより大きいか否か確認し、閾値A以下の場合は、駆動信号による駆動を継続し、閾値Aより大きい場合は、駆動信号が異常であると判断する。
よって、初期周波数f0と、駆動時における駆動信号により駆動した際の検出信号の平均の周波数faとの差分から、駆動時における駆動信号の異常を検出することができる。
さらに、閾値Aより大きい場合は、サブルーチンにおいて、複数の圧電モーターのうち、1つの圧電モーターの検出信号を順次選択し、選択された検出信号に基づき追尾制御が施された駆動信号により駆動した際の検出信号の周波数fbと、初期周波数f0との差分が、閾値Bより大きいか否か確認し、閾値Bより大きい場合は、選択された圧電モーターを異常と判定する。
従って、多連構成の圧電駆動装置100において、異常がある圧電モーターを検出する方法を提供することができる。
さらに、サブルーチンでは、異常判定された圧電モーターの検出信号の入力を切断する。よって、異常がある圧電モーターの検出信号を除いた、正常な圧電モーターからの検出信号に基づいて追尾制御された所期の駆動信号を得ることができる。よって、所期の駆動出力を得ることができる。
また、これらの検出方法は、圧電駆動装置100の駆動中に実行されるため、駆動効率に優れている。換言すれば、圧電駆動装置100の駆動を中断することなく、駆動信号の異常検出、及び、異常がある圧電モーターの特定、並びに、駆動信号の適正化を行うことができる。
従って、異常モジュールが含まれている場合であっても、安定した駆動を行うことが可能な圧電駆動装置100を提供することができる。
実施形態2
***圧電駆動装置の駆動方法−2***
図8は、異常モジュールの検出方法を示すフローチャートであり、図7に対応している。図8の処理フローは、図7の処理フローの一部を変更したものである。図8の検出方法は、図6のメインルーチンにおけるステップS17のサブルーチンに相当する。以下、図7での説明と重複する内容は省略して説明する。
ステップS31aからステップS31bの間では、複数の圧電モーターのうち、1つの圧電モーターの検出信号を順次選択することを、全ての圧電モーターについて行う。
ステップS32では、選択した圧電モーターの検出信号のスイッチSWをオフし、それ以外の圧電モーターの検出信号のスイッチSWをオンとする。このステップが、図7の処理フローと主に異なる点である。
ステップS33では、選択した圧電モーターを除く、他の圧電モーターによる平均の検出信号により追尾制御が施されて生成された駆動信号で駆動した際の検出信号の周波数fcを記憶する。
ステップS34では、周波数fcと初期周波数f0との差分の絶対値が、第4の閾値としての閾値Cより大きいか否か確認する。閾値Cより大きい場合は、ステップS31bに進む。閾値C以下の場合は、ステップS35に進む。なお、閾値Cは、実験データや、シミュレーション結果などから導出することができる。
ステップS35では、ステップS32で選択した圧電モーターを異常モジュールと判定する。
ステップS36では、ステップS35で異常判定された圧電モーターの検出信号のスイッチSWをオフし、ステップS31bに進む。なお、異常モジュールのスイッチSWオフは、全モジュールの選択確認が終了し、本サブルーチンを抜けて、図6のメインルーチンに戻った際にも有効である。つまり、追尾制御を行う際に帰還される検出信号から、異常モジュールの検出信号は除外される。
なお、上記では、ステップS36の後、ステップS31bに進むとして説明したが、破線76で示すように、ステップS36の後、本サブルーチンを終了して、図6のメインルーチンに戻っても良い。この方法によれば、異常モジュールを検出したら、直にメインフローに戻るため、駆動効率が良い。
以上述べた通り、本実施形態によれば、実施形態1での効果に加えて以下の効果を得ることができる。
メインルーチンにて閾値Aより大きい場合は、この異常検出サブルーチンにおいて、複数の圧電モーターのうち、1つの圧電モーターの検出信号を順次選択し、選択された圧電モーターの検出信号を除く、複数の圧電モーターによる検出信号の平均値に基づき追尾制御が施された駆動信号により駆動した際の検出信号の周波数fcと、初期周波数f0との差分が、閾値Cより大きいか否か確認し、閾値C以下の場合は、選択された圧電モーターを異常と判定する。従って、多連構成の圧電駆動装置100において、異常がある圧電モーターを検出する方法を提供することができる。
さらに、異常判定された圧電モーターの検出信号の入力を切断する。よって、異常がある圧電モーターの検出信号を除いた、正常な圧電モーターからの検出信号に基づいて追尾制御された所期の駆動信号を得ることができる。よって、所期の駆動出力を得ることができる。
実施形態3
***圧電駆動装置の駆動方法−3***
図9は、本実施形態における圧電駆動装置の異常検出方法を示すフローチャートであり、図6に対応している。図10は、異常モジュールの検出方法を示すフローチャートであり、図7に対応している。
図9、図10の処理フローは、図6、図7の処理フローの一部を変更したものである。主な変更点は、異常モジュールの検出に、検出信号の電圧振幅を用いる点である。以下、図6、図7での説明と重複する内容は省略して説明する。
ステップS41では、制御部70は、圧電駆動装置100を起動させるために、周波数調整指令に基づく周波数よりも高い周波数の駆動信号を印加し、起動したら徐々に周波数を下げるダウンスイープを行う。
ステップS42では、多連駆動されている各圧電モーターからの検出信号の周波数の平均値に基づく帰還制御を含む周波数の追尾制御が施された駆動信号が生成され、当該駆動信号により、各圧電モーターが駆動される。
ステップS43では、追尾制御により生成された初期の駆動信号により駆動した際の検出信号の平均の周波数である初期周波数f0を記憶する。
ステップS44では、追尾制御により生成された初期の駆動信号により駆動した際の検出信号の平均の電圧振幅値である初期検出信号Pu0を記憶する。このステップが、図6の処理フローと主に異なる点である。
ステップS45aからステップS45bの間では、圧電駆動装置100の駆動を継続した状態で、ステップS46からステップS48までの処理を繰り返す。
ステップS46では、前記初期に続く駆動時の駆動信号により駆動した際の検出信号の平均値の周波数faを記憶する。
ステップS47では、周波数faと初期周波数f0との差分の絶対値が、第1の閾値としての閾値Aより大きいか否か確認する。閾値A以下の場合は、ステップS45bに進み、駆動を継続する。閾値Aより大きい場合は、ステップS48の異常モジュール検出サブルーチンに進む。なお、閾値Aは、図6のメインルーチンにおける閾値Aと同じである。
続いて、図10の異常モジュール検出方法について説明する。この検出方法は、ステップS48のサブルーチンに相当する。
ステップS50では、追尾制御を止めて駆動信号の周波数を固定する。好適例では、駆動信号を初期周波数f0に基づく周波数に固定する。
ステップS51aからステップS51bの間では、複数の圧電モーターのうち、1つの圧電モーターの検出信号を順次選択することを、全ての圧電モーターについて行う。
ステップS52では、選択した圧電モーターの検出信号のスイッチSWをオンし、それ以外の圧電モーターの検出信号のスイッチSWをオフとする。
ステップS53では、選択した圧電モーターの検出信号により追尾制御が施されて生成された駆動信号で駆動した際の検出信号の電圧振幅値である選択検出信号Puxを記憶する。
ステップS54では、選択検出信号Puxと初期検出信号Pu0との差分の絶対値が、第5の閾値としての閾値Dより大きいか否か確認する。閾値D以下の場合は、ステップS51bに進む。閾値Dより大きい場合は、ステップS55に進む。なお、閾値Dは、実験データや、シミュレーション結果などから導出することができる。
ステップS55では、ステップS52で選択した圧電モーターを異常モジュールと判定する。
ステップS56では、ステップS55で異常判定された圧電モーターの検出信号のスイッチSWをオフし、ステップS51bに進む。なお、異常モジュールのスイッチSWオフは、全モジュールの選択確認が終了し、ステップS57に進んだ際にも有効である。
ステップS57では、駆動信号の周波数固定を解除して、追尾制御に戻す。この際、追尾制御を行う際に帰還される検出信号から、ステップS56で特定された異常モジュールの検出信号は除外されている。
以上述べた通り、本実施形態によれば、上記実施形態での効果に加えて以下の効果を得ることができる。
メインルーチンにおいて、追尾制御が施された初期の駆動信号により駆動した際の検出信号の平均の周波数を初期周波数f0として記憶し、初期周波数における検出信号の電圧振幅を初期検出信号Pu0として記憶し、初期周波数f0と、初期に続く駆動時における駆動信号により駆動した際の検出信号の周波数faとの差分が、閾値Aより大きいか否か確認し、閾値A以下の場合は、駆動信号による駆動を継続し、閾値Aより大きい場合は、駆動信号が異常であると判断する。
よって、初期周波数f0と、初期に続く駆動時における駆動信号により駆動した際の検出信号の周波数faとの差分から、駆動時における駆動信号の異常を検出することができる。
さらに、サブルーチンにおいて、選択された圧電モーターにおける検出信号の振幅電圧である選択検出信号Puxと、初期検出信号Pu0との差分が、閾値Dより大きいか否か確認し、閾値Dより大きい場合は、選択された圧電モーターを異常と判定する。
従って、多連構成の圧電駆動装置100において、異常がある圧電モーターを検出する方法を提供することができる。
さらに、サブルーチンでは、異常判定された圧電モーターの検出信号の入力を切断し、駆動信号の周波数の固定を解除し、追尾制御に戻す。
よって、異常がある圧電モーターの検出信号を除いた、正常な圧電モーターからの検出信号に基づいて追尾制御された所期の駆動信号を得ることができる。よって、所期の駆動出力を得ることができる。
実施形態4
***圧電駆動装置の駆動方法−4***
図11は、本実施形態における圧電駆動装置の異常検出方法を示すフローチャートであり、図6に対応している。
図11の処理フローは、図6の処理フローの一部を変更したものである。主な変更点は、異常モジュールの検出に、検出信号の周波数の変化率を用いる点である。以下、図6での説明と重複する内容は省略して説明する。
ステップS61では、制御部70は、圧電駆動装置100を起動させるために、周波数調整指令に基づく周波数よりも高い周波数の駆動信号を印加し、起動したら徐々に周波数を下げるダウンスイープを行う。
ステップS62では、多連駆動されている各圧電モーターからの検出信号の周波数の平均値に基づく帰還制御を含む周波数の追尾制御が施された駆動信号が生成され、当該駆動信号により、各圧電モーターが駆動される。
ステップS63では、追尾制御により生成された初期の駆動信号により駆動した際の検出信号の平均の周波数である初期周波数f0を記憶する。
ステップS64aからステップS64bの間では、圧電駆動装置100の駆動を継続した状態で、ステップS65からステップS67までの処理を繰り返す。
ステップS65では、追尾制御により生成された駆動信号により駆動した際の検出信号の平均の周波数を一定時間ごとに記憶する。このステップ、及び、次のステップが、図6の処理フローと主に異なる点である。
ステップS66では、時刻Yにおける駆動信号により駆動した際の検出信号の周波数の変化率f(y)−f(y−1)の絶対値と、時刻Yよりも前の時刻Xにおける駆動信号により駆動した際の検出信号の周波数の変化率f(x)−f(x−1)の絶対値との比率が、第2の閾値としての閾値Eより大きいか否か確認する。なお、時刻Yが第1の時刻に相当し、時刻Xが第2の時刻に相当する。また、時刻Yにおける周波数がf(y)で、その一定時間前における周波数がf(y−1)である。周波数f(x)、及び、周波数f(x−1)についても同様である。閾値E以下の場合は、ステップS64bに進み、駆動を継続する。閾値Eより大きい場合は、ステップS67の異常モジュール検出サブルーチンに進む。なお、閾値Eは、実験データや、シミュレーション結果などから導出することができる。
ステップS67のサブルーチンは、図7、又は、図8の異常モジュール検出サブルーチンと同じである。いずれのサブルーチンを用いても、上記各実施形態と同様に、異常モジュールを検出することができる。また、異常がある圧電モーターの検出信号を除いた、正常な圧電モーターからの検出信号に基づいて追尾制御された所期の駆動信号を得ることができる。
以上述べた通り、本実施形態によれば、上記実施形態での効果に加えて以下の効果を得ることができる。
メインルーチンにおいて、追尾制御が施された初期の駆動信号により駆動した際の検出信号の平均の周波数を初期周波数f0として記憶し、時刻Yにおける駆動信号により駆動した際の検出信号の周波数の変化率と、時刻Yよりも前の時刻Xにおける駆動信号により駆動した際の検出信号の周波数の変化率との比率が、閾値Eより大きいか否か確認し、閾値E以下の場合は、駆動信号による駆動を継続し、閾値Eより大きい場合は、駆動信号が異常であると判断する。
よって、時刻Yにおける検出信号の周波数の変化率と、時刻Yよりも前の時刻Xにおける検出信号の周波数の変化率との比率から、駆動時における駆動信号の異常を検出することができる。従って、多連構成の圧電駆動装置100において、異常がある圧電モーターを検出する方法を提供することができる。
実施形態5
***リニアアクチュエーター、多連駆動***
図12、図13は、圧電駆動装置の異なる態様を示す図である。
上記各実施形態では、圧電駆動装置100を用いて円板状のローター160(図1)を回転駆動する態様について説明したが、この構成に限定するものではなく、例えば、リニアアクチュエーターに適用しても良い。
図12に示すように、3連駆動の圧電駆動装置100は、棒状のロッド170の側面に並んで配置されている。詳しくは、3つの圧電モーター80a,80b,80cがロッド170の同じ側面に一定間隔で配置されている。3つの圧電モーター80a,80b,80cが、上記各実施形態の駆動方法により駆動されることにより、ロッド170が、その延在方向に移動する。なお、多連の数は、3つに限定するものではなく、必要なトルクに応じて、圧電モーターの数を調整すれば良い。
例えば、図13に示すように、圧電駆動装置110は、円柱状のローター165の周囲に10個の圧電モーター80を備えている。この構成によれば、ローター165を高トルクで駆動することができる。これらの構成であっても、上記各実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
実施形態6
***ロボット***
図14は、アームを備えたロボットの概要図である。図15は、ハンドの拡大図である。図14に示すロボット500は、6軸の垂直多関節ロボットであり、精密機器や、これを構成する部品(対象物)の給材、除材、搬送および組立等の作業を行うことができる。
ロボット500は、基台190と、基台190に接続されたロボットアーム200と、ロボットアーム200の先端部に設けられた力検出器(図示せず)とハンド400と、を有する。また、ロボット500は、ロボットアーム200を駆動させる動力を発生させる複数の駆動源を有している。
基台190は、ロボット500を任意の設置箇所に取り付けるベース部分である。なお、基台190の設置箇所は、特に限定されず、例えば、床、壁、天井、移動可能な台車上などが挙げられる。
ロボットアーム200は、第1アーム210、第2アーム220、第3アーム230、第4アーム240、第5アーム250、第6アーム260などから構成されており、これらが基台190側から先端側に向って、この順に連結されている。
第1アーム210は、基台190に接続されている。第6アーム260の先端には、例えば、各種部品等を把持するハンド400が着脱可能に取り付けられている。ハンド400は、エンドエフェクターであり、2本の指410を備えている。ハンド400は、2本の指410により、例えば各種部品等を把持することができる。
第5アーム250には、第6アーム260を駆動する駆動源として上記実施形態の圧電モーター80を多連使いした圧電駆動装置120が用いられている。圧電駆動装置120は、多連の数以外は、上記実施形態の圧電駆動装置100と同様である。また、図示しないが、第1アーム210と第2アーム220との接合部には関節部が設けられている。関節部には、モーターや、減速機が組込まれている。他のアーム間にも、同様に関節部が設けられている。そして、各駆動源は、図示しない制御装置により制御される。当該制御装置には、上記実施形態の制御部70が搭載されている。
図15に示すように、複数の圧電モーター80は、第5アーム250の内周に沿って並び、突起部を第6アーム260に向けて配置されている。つまり、複数の圧電モーター80は、第5アーム250と第6アーム260との間の関節部に設けられている。そして、複数の圧電モーター80は、第6アーム260の端面に回動軸O回りの駆動力を与える。これにより、第5アーム250に対して第6アーム260を回動軸O回りに回動させることができる。
また、ハンド400にも、圧電モーター80が指410ごとに対応して多連構成で設けられている。それぞれの圧電モーター80は、対応する指410を回動軸Oに接近させるか、離間させる方向の駆動力を与える。これにより、2本の指410を接近または離間する方向に移動させることができる。
上述した、ロボット500、及び、ハンド400によれば、それぞれ、上記実施形態と同様の多連使いの圧電駆動装置を備えている。よって、多連の中で、異常がある圧電モーターが発生した場合であっても、異常がある圧電モーターの検出信号を除いた、正常な圧電モーターからの検出信号に基づいて追尾制御された所期の駆動信号を得ることができる。よって、安定した動作を行うことができる。
1〜7…圧電素子、10…基材、20…駆動体、21a…支持部、21b…支持部、22…圧電アクチュエーター、31…位置速度制御部、32i…I駆動電圧制御部、32s…S駆動電圧制御部、32z…Z駆動電圧制御部、33i…PWM波形生成部、33s…PWM波形生成部、33z…PWM波形生成部、34i…I駆動回路、34s…S駆動回路、34z…Z駆動回路、35…SW制御部、36…平均化回路、37…駆動周波数判定部、38…駆動周波数制御部、61…S駆動信号生成部、62…Z駆動信号生成部、63…I駆動信号生成部、64…周波数制御部、70…制御部、80…圧電モーター、80a〜80c…圧電モーター、90…付勢体、92…光学素子、92a…発光素子、92b…撮像素子、95…突起部、100…圧電駆動装置、110…圧電駆動装置、120…圧電駆動装置、160…ローター、161…エンコーダー、165…ローター、170…ロッド、190…基台、200…ロボットアーム、400…ハンド、500…ロボット。

Claims (9)

  1. 駆動用の圧電素子、及び検出用の圧電素子を有する圧電モーターを複数個連結した圧電駆動装置の制御方法であって、
    複数の前記圧電モーターは、同一の駆動信号により駆動されており、
    前記駆動信号は、前記検出用の圧電素子からの検出信号に基づく、前記駆動信号の周波数の帰還制御を含む追尾制御が施され、
    前記追尾制御が施された初期の前記駆動信号により駆動した際の前記検出信号の平均の周波数を初期周波数として記憶し、
    前記初期周波数と、前記初期に続く駆動時における前記駆動信号により駆動した際の前記検出信号の平均の周波数との差分が、第1の閾値より大きいか否か確認し、
    前記第1の閾値以下の場合は、前記駆動信号による駆動を継続し、
    前記第1の閾値より大きい場合は、前記駆動信号が異常であると判断する、
    圧電駆動装置の制御方法。
  2. 駆動用の圧電素子、及び検出用の圧電素子を有する圧電モーターを複数個連結した圧電駆動装置の制御方法であって、
    複数の前記圧電モーターは、同一の駆動信号により駆動されており、
    前記駆動信号は、前記検出用の圧電素子からの検出信号に基づく、前記駆動信号の周波数の帰還制御を含む追尾制御が施され、
    前記追尾制御が施された初期の前記駆動信号により駆動した際の前記検出信号の平均の周波数を初期周波数として記憶し、
    第1の時刻における前記駆動信号により駆動した際の前記検出信号の周波数の変化率と、第1の時刻よりも前の第2の時刻における前記駆動信号により駆動した際の前記検出信号の周波数の変化率との比率が、第2の閾値より大きいか否か確認し、
    前記第2の閾値以下の場合は、前記駆動信号による駆動を継続し、
    前記第2の閾値より大きい場合は、前記駆動信号が異常であると判断する、
    圧電駆動装置の制御方法。
  3. 前記第1の閾値、又は、前記第2の閾値より大きい場合は、
    複数の前記圧電モーターのうち、1つの前記圧電モーターの前記検出信号を順次選択し、
    選択された前記検出信号に基づき前記追尾制御が施された前記駆動信号により駆動した際の前記検出信号の周波数と、前記初期周波数との差分が、第3の閾値より大きいか否か確認し、
    前記第3の閾値より大きい場合は、選択された前記圧電モーターを異常と判定し、選択された前記圧電モーターの前記検出信号の入力を切断する、
    請求項1または2に記載の圧電駆動装置の制御方法。
  4. 前記第1の閾値、又は、前記第2の閾値より大きい場合は、
    複数の前記圧電モーターのうち、1つの前記圧電モーターの前記検出信号を順次選択し、
    選択された前記圧電モーターの前記検出信号を除く、複数の前記圧電モーターによる前記検出信号の平均値に基づき前記追尾制御が施された前記駆動信号により駆動した際の前記検出信号の周波数と、前記初期周波数との差分が、第4の閾値より大きいか否か確認し、
    前記第4の閾値以下の場合は、選択された前記圧電モーターを異常と判定し、選択された前記圧電モーターの前記検出信号の入力を切断する、
    請求項1または2に記載の圧電駆動装置の制御方法。
  5. 駆動用の圧電素子、及び検出用の圧電素子を有する圧電モーターを複数個連結した圧電駆動装置の制御方法であって、
    複数の前記圧電モーターは、同一の駆動信号により駆動されており、
    前記駆動信号は、前記検出用の圧電素子からの検出信号に基づく、前記駆動信号の周波数の帰還制御を含む追尾制御が施され、
    前記追尾制御が施された初期の前記駆動信号により駆動した際の前記検出信号の平均の周波数を初期周波数として記憶し、前記初期周波数における前記検出信号の電圧振幅を初期検出信号として記憶し、
    前記初期周波数と、前記初期に続く駆動時における前記駆動信号により駆動した際の前記検出信号の周波数との差分が、第1の閾値より大きいか否か確認し、
    前記第1の閾値以下の場合は、前記駆動信号による駆動を継続し、
    前記第1の閾値より大きい場合は、前記駆動信号が異常であると判断する、
    圧電駆動装置の制御方法。
  6. 前記第1の閾値より大きい場合は、
    前記駆動信号の周波数を固定し、
    複数の前記圧電モーターのうち、1つの前記圧電モーターの前記検出信号を順次選択し、
    選択された前記圧電モーターにおける前記検出信号の振幅電圧である選択検出信号と、前記初期検出信号との差分が、第5の閾値より大きいか否か確認し、
    前記第5の閾値より大きい場合は、選択された前記圧電モーターを異常と判定し、選択された前記圧電モーターの前記検出信号の入力を切断し、
    前記駆動信号の周波数の固定を解除し、前記追尾制御に戻す、
    請求項5に記載の圧電駆動装置の制御方法。
  7. 駆動用の圧電素子、及び検出用の圧電素子を有する複数の圧電モーターと、
    複数の前記圧電モーターに、同一の駆動信号を供給する制御部と、を備え、
    前記制御部は、
    前記検出用の圧電素子からの検出信号に基づき、前記駆動信号の周波数の帰還制御を含む追尾制御を施した前記駆動信号を生成し、
    前記追尾制御が施された初期の前記駆動信号により駆動した際の前記検出信号の平均の周波数を初期周波数として記憶し、
    前記初期周波数と、前記初期に続く駆動時における前記駆動信号により駆動した際の前記検出信号の平均の周波数との差分が、第1の閾値より大きいか否か確認し、
    前記第1の閾値以下の場合は、前記駆動信号による駆動を継続し、
    前記第1の閾値より大きい場合は、前記駆動信号が異常であると判断する、
    圧電駆動装置。
  8. 前記制御部は、
    前記差分が、前記第1の閾値より大きい場合、
    複数の前記圧電モーターのうち、1つの前記圧電モーターの前記検出信号を順次選択し、
    選択された前記検出信号に基づき前記追尾制御が施された前記駆動信号により駆動した際の前記検出信号の周波数と、前記初期周波数との差分が、第3の閾値より大きいか否か確認し、
    前記第3の閾値より大きい場合は、選択された前記圧電モーターを異常と判定し、選択された前記圧電モーターの前記検出信号の入力を切断する、
    請求項7に記載の圧電駆動装置。
  9. 請求項7または8に記載の圧電駆動装置と、
    複数のアームと
    前記複数のアームを接続する関節部と、を備え、
    前記圧電駆動装置は、関節部に配置される、
    ロボット。
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