JP2021182059A - 画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】制御時間の増加を抑制しつつ、ベルトの周方向における電気抵抗のムラを考慮した適正な転写電圧の制御を可能とする。【解決手段】転写部材に流れる電流又は発生する電圧を検知する検知部と、転写を行う際に電源が転写部材に印加する転写電圧を制御する制御部と、を有する画像形成装置は、制御部が、ベルトの周方向における所定領域が転写部N1を通過している際の検知部の検知結果に基づいて、上記所定領域に関し、ベルトの周方向における位置と、電気抵抗と相関する指標値と、の関係を示す情報を取得する第1の制御と、第1の制御で取得した上記情報に基づいて、上記所定領域における中心的な上記指標値を示すベルトの周方向における所定位置を決定する第2の制御と、第2の制御で決定した上記所定位置が転写部N1を通過している際の検知部の検知結果を取得し、該検知結果を用いて上記転写電圧を決定する第3の制御と、を実行可能である構成とする。【選択図】図10

Description

本発明は、電子写真方式や静電記録方式を用いた複写機、プリンタ、ファクシミリ装置などの画像形成装置に関するものである。
従来、例えば電子写真方式を用いたプリンタなどの画像形成装置として、トナー像を直接又は記録材を介して担持して搬送する無端状のベルト(以下、単に「ベルト」ともいう。)を有する画像形成装置がある。ベルトは、複数の張架ローラに張架されて回転(周回移動、無端移動)する。トナー像を直接担持して搬送するベルトは、中間転写方式を採用した画像形成装置において、一次転写部で像担持体上から一次転写されたトナー像を二次転写部で記録材に二次転写するために搬送する中間転写体(中間転写ベルト)として用いられる。記録材を介してトナー像を担持して搬送するベルトは、直接転写方式を採用した画像形成装置において、転写部で像担持体からトナー像が転写される記録材を担持して搬送する記録材搬送部材(搬送ベルト)として用いられる。以下、主に中間転写方式の画像形成装置を例として説明する。
中間転写方式の画像形成装置において、一次転写は、像担持体に対応してベルトの内周面側に設けられ、ベルトの内周面に接触する一次転写部材に、一次転写電圧が印加されることで行われる。一次転写部材としては、例えばローラ型の一次転写部材である一次転写ローラが用いられる。また、二次転写は、ベルトの外周面側に設けられ、ベルトを介して複数の張架ローラのうちの1つに当接する二次転写部材に、二次転写電圧が印加されることで行われることが多い。二次転写部材としては、例えばローラ型の二次転写部材である二次転写ローラが用いられる。
このような画像形成装置において、ベルトの周方向における電気抵抗(以下、単に「抵抗」ともいう。)のムラを検知し、検知した抵抗ムラのデータに基づいて画像形成時に転写電圧の設定を変化させる構成が知られている(特許文献1)。つまり、ベルトを回転させながらベルトの抵抗を検知して、ベルトの1周分の抵抗ムラのデータを取得する。そして、画像形成時には、取得した抵抗ムラのデータに基づいて転写電圧の設定をベルトの1周分の間で変化させる。これにより、ベルトの周方向における抵抗ムラに起因する画像不良を抑制できるものとされている。
特開平11−38799号公報
しかしながら、上記従来技術のようにベルトの周方向における抵抗ムラのデータに基づいて転写電圧の設定(定電圧制御における目標電圧、定電流制御における目標電流)をベルトの1周分の間で変化させる制御では、次のような課題がある。
つまり、上記従来技術の制御では、ベルトの抵抗を検知した直後においては適正な制御が可能であるものと考えられる。しかし、画像形成動作を開始した後のベルトの抵抗変化や、画像形成装置の設置環境の雰囲気や機内温湿度の変化によるベルトの抵抗変化が発生した場合に、ベルトの周方向における各位置で適正な転写電圧に制御することは難しい。そして、適正な転写電圧に制御するために抵抗ムラを検知する頻度を増やすと、ダウンタイム(画像形成を行えない期間)が増加し、生産性やユーザビリティーを低下させる可能性がある。
したがって、本発明は、制御時間の増加を抑制しつつ、ベルトの周方向における電気抵抗のムラを考慮した適正な転写電圧の制御を可能とすることを目的とする。
上記目的は本発明に係る画像形成装置にて達成される。要約すれば、本発明は、トナー像を搬送する回転可能な無端状のベルトと、前記ベルトに接触し電圧が印加されて転写部でトナー像の転写を行う転写部材と、前記転写部材に電圧を印加する電源と、前記電源が前記転写部材に電圧を印加している際に前記転写部材に流れる電流又は発生する電圧を検知する検知部と、前記転写を行う際に前記電源が前記転写部材に印加する転写電圧を制御する制御部と、を有する画像形成装置において、前記制御部は、前記ベルトの周方向における所定領域が前記転写部を通過している際の前記検知部の検知結果に基づいて、前記所定領域に関し、前記ベルトの周方向における位置と、電気抵抗と相関する指標値と、の関係を示す情報を取得する第1の制御と、前記第1の制御で取得した前記情報に基づいて、前記所定領域における前記指標値の平均値に対して、前記所定領域における前記指標値の変動幅よりも小さい所定範囲内の前記指標値を示す、前記ベルトの周方向における所定位置を決定する第2の制御と、前記第2の制御で決定した前記所定位置が前記転写部を通過している際の前記検知部の検知結果を取得し、該検知結果を用いて前記転写電圧を決定する第3の制御と、を実行可能であることを特徴とする画像形成装置である。
本発明によれば、制御時間の増加を抑制しつつ、ベルトの周方向における電気抵抗のムラを考慮した適正な転写電圧の制御が可能となる。
画像形成装置の概略断面図である。 画像形成部の概略断面図である。 光学センサの概略構成図である。 中間転写ベルトの表面近傍の模式的な拡大断面図及びインプリント加工金型の表面近傍の模式的な拡大断面図である。 中間転写ベルトの表面の一部の模式的な拡大平面図である。 電圧プロファイルの一例を示すグラフ図である。 抵抗ムラ取得制御のフローチャート図である。 中間転写ベルトの1周分の抵抗ムラのデータと中間転写ベルト上の位置との対応を示すの模式図である。 ATVC実行位置決定制御のフローチャート図である。 一次転写電圧制御のフローチャート図である。 中間転写ベルトの周りの位置関係を説明するための概略断面図である。 実施例の効果を説明するための転写効率の模式図である。 通紙による電圧プロファイルの変化を説明するためのグラフ図である。 実施例2の動作のフローチャート図である。 中間転写ベルトの1周分の抵抗ムラのデータの模式図である。 画像形成装置の要部の制御態様を示す概略ブロック図である。
以下、本発明に係る画像形成装置を図面に則して更に詳しく説明する。
[実施例1]
1.画像形成装置の全体的な構成及び動作
図1は、本実施例の画像形成装置100の概略断面図(後述する感光ドラム301の回転軸線方向と略直交する断面)である。本実施例の画像形成装置100は、電子写真方式を用いてフルカラー画像を形成することのできる、中間転写方式を採用したタンデム型(インライン方式)のレーザプリンタである。
画像形成装置100は、それぞれイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色の画像を形成する画像形成部(ステーション)200Y、200M、200C、200Kを有する。これら4つの画像形成部200Y、200M、200C、200Kは、後述する中間転写ベルト205の表面の移動方向に沿って並んで配置されている。各画像形成部200Y、200M、200C、200Kにおける同一又は対応する機能あるいは構成を有する要素については、いずれかの色用の要素であることを示す符号の末尾のY、M、C、Kを省略して総括的に説明することがある。また、いずれかの色用の要素であることを、語頭にY、M、C、Kを付して区別することがある。図2は、代表してY画像形成部200Yを示す概略断面図(感光ドラム301の回転軸線方向と略直交する断面)である。画像形成部200は、感光ドラム301、帯電ローラ302、露光装置207、現像装置309、一次転写ローラ206、ドラムクリーニング装置311などを有して構成される。
像担持体としての回転可能なドラム型(円筒形)の感光体(電子写真感光体)である感光ドラム301は、図示しない駆動手段により図示矢印B方向に回転駆動される。回転する感光ドラム301の表面は、帯電手段としてのローラ型の帯電部材である帯電ローラ302によって、所定の極性(本実施例では負極性)の所定の電位に一様に帯電処理される。帯電ローラ302は、図示しない帯電電源(高圧電源)により帯電電圧(帯電バイアス)が印加されることで、感光ドラム301の表面を均一に帯電処理する。帯電処理された感光ドラム301の表面は、露光手段としての露光装置207によって走査露光され、感光ドラム301上に静電潜像(静電像)が形成される。露光装置207は、図示しないパーソナルコンピュータなどの外部装置からコントローラ201を介してエンジンコントローラ202に入力される画像情報に基づいて、感光ドラム301の表面へレーザを照射し、感光ドラム301の表面に静電潜像を形成する。本実施例では、露光装置207は、各色用の感光ドラム301に各色の画像情報に基づいてレーザを照射する1つのスキャナユニットとして構成されている。感光ドラム301上に形成された静電潜像は、現像手段としての現像装置309によって現像剤としてのトナーが供給されて現像(可視化)され、感光ドラム301上にトナー像が形成される。本実施例では、一様に帯電処理された後に露光されることで電位の絶対値が低下した露光部(イメージ部)に、感光ドラム301の帯電極性と同極性(本実施例では負極性)に帯電したトナーが付着する(反転現像)。
4つの感光ドラム301と対向して、無端状のベルトで構成された中間転写体としての中間転写ベルト205が配置されている。中間転写ベルト205は、トナー像を搬送する回転可能な無端状のベルトの一例である。中間転写ベルト205は、複数の張架ローラとしての二次転写対向ローラ212、テンションローラ213及び駆動ローラ214に掛け渡されて、テンションローラ213により所定のテンションが付与された状態で張架されている。中間転写ベルト205は、駆動ローラ214が駆動手段としてのベルト駆動モータ401(図16)によって回転駆動されることで、図示矢印A方向に回転(周回移動、無端移動)する。中間転写ベルト205の内周面側には、各感光ドラム301に対応して、一次転写手段としてのローラ型の一次転写部材である一次転写ローラ206が配置されている。一次転写ローラ206は、ベルトに接触し電圧が印加されて転写部でトナー像の転写を行う転写部材の一例である。一次転写ローラ206は、中間転写ベルト205を感光ドラム301に向けて押圧して、感光ドラム301と中間転写ベルト205とが接触する一次転写部(一次転写ニップ)N1を形成する。上述のように感光ドラム301上に形成されたトナー像は、一次転写部N1において、一次転写ローラ206の作用により、回転している中間転写ベルト205上に一次転写される。感光ドラム301の基層は電気的に接地されている。また、一次転写時に、一次転写ローラ206には、一次転写電源(高圧電源)402によりトナーの正規の帯電極性とは逆極性(本実施例では正極性)の直流電圧である一次転写電圧(一次転写バイアス)が印加される。そのため、一次転写時に一次転写ローラ206と感光ドラム301との間に転写電界が形成される。この転写電界により、感光ドラム301上から中間転写ベルト205上へとトナー像が転写される。一次転写時に印加する電圧の制御については後述する。例えば、フルカラー画像の形成時には、各感光ドラム301上に形成されたイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色のトナー像が、中間転写ベルト205上に重ね合わされるようにして順次一次転写される。
なお、図16に示すように、一次転写電源402は、電圧出力部(図示せず)と、該電圧出力の出力を制御する出力制御部403と、を有する。出力制御部403は、電流検知部(電流検知回路)404と、電圧検知部(電圧検知回路)405と、を有する。電流検知部404は、一次転写電源402が一次転写ローラ206(一次転写部N1)に電圧を印加している際に一次転写ローラ206(一次転写部N1、一次転写電源402)に流れる電流の値を検知する。電圧検知部405は、一次転写電源402が出力する電圧の値を検知する。電圧検知手段は、電圧出力部の定電圧出力の設定値に基づいて電圧値を検知するものであってもよい。本実施例では、一次転写電源402は、定電流制御された電圧を一次転写ローラ206(一次転写部N1)に印加することができる。つまり、出力制御部403は、電流検知部404により検知される電流の値が略一定となるように(目標電流値に近付くように)、一次転写電源402の出力を調整して定電流制御を行うことができる。また、出力制御部403は、電圧検知部405により検知される電圧の値が略一定となるように(目標電圧値に近付くように)、一次転写電源402の出力を調整して定電圧制御を行うことができる。本実施例では、一次転写電源402は、各画像形成部200に対して独立して設けられている。また、出力制御部403の電流検知部404、電圧検知部405は、検知結果を示す信号をエンジンコントローラ202へと出力できるようになっている。
また、本実施例では、画像形成装置100には、各一次転写ローラ206により中間転写ベルト205を押圧するか該押圧を解除するかを切り替えて、各感光ドラム301に対して中間転写ベルト205を離接させる当接離間機構が設けられている。概略、ジョブが開始する際に中間転写ベルト205は各感光ドラム301に当接させられ、ジョブが終了する際に中間転写ベルト205は各感光ドラム301から離間される。
中間転写ベルト205の外周面側において、二次転写対向ローラ(内ローラ)212と対向する位置には、二次転写手段としてのローラ型の二次転写部材である二次転写ローラ(外ローラ)211が配置されている。二次転写ローラ211は、中間転写ベルト205を介して二次転写対向ローラ212に向けて押圧され、中間転写ベルト205と二次転写ローラ211とが接触する二次転写部(二次転写ニップ)N2を形成する。中間転写ベルト205が図示矢印A方向に回転することで、上述のように各色用の画像形成部200で生成されたトナー像が中間転写ベルト205上に形成されて二次転写部N2に向けて搬送される。また、記録用紙などの記録材(転写材、シート)Sが、記録材カセット208に積載されて収納されている。エンジンコントローラ202から出力される記録材Sの給送スタート信号に基づいて給送ローラ209が駆動されることで、記録材カセット208から記録材Sが送り出される。この記録材Sは、レジストローラ対210によって所定のタイミングで二次転写部N2に搬送される。具体的には、中間転写ベルト205上のトナー像の先端部と記録材Sの先端部とが重なるタイミングで、記録材Sが二次転写部N2に搬送される。
中間転写ベルト205上に形成されたトナー像は、二次転写部N2において、二次転写ローラ211の作用によって、中間転写ベルト205と二次転写ローラ211とに挟持されて搬送されている記録材S上に二次転写される。二次転写時に記録材Sが二次転写ローラ211と二次転写対向ローラ212との間で狭持されて搬送される間、二次転写ローラ211には、二次転写電源(高圧電源)406(図16)により二次転写電圧(二次転写バイアス)が印加される。二次転写電圧は、トナーの正規の帯電極性とは逆極性(本実施例では正極性)の直流電圧である。また、二次転写対向ローラ212は電気的に接地されている。そのため、二次転写時に二次転写ローラ211と二次転写対向ローラ212との間に転写電界が形成される。この転写電界により、中間転写ベルト205上から記録材S上へとトナー像が転写される。なお、本実施例における二次転写ローラ211に対応するローラ(外ローラ)を電気的に接地してもよい。この場合、本実施例における二次転写対向ローラ212に対応するローラ(内ローラ)を二次転写部材として用いて、これにトナーの正規の帯電極性と同極性の二次転写電圧を印加するようにすればよい。
二次転写部N2を通過した記録材Sは、定着手段としての定着装置217へと搬送される。定着装置217は、未定着のトナー像を担持した記録材Sを加熱及び加圧して、トナー像を記録材S上に定着(溶融、固着)させる。トナー像が定着された記録材Sは、排紙口203から、画像形成装置100の装置本体110の外部に設けられた排出トレイ215へと排出(出力)される。
一次転写時に中間転写ベルト205に転写されずに感光ドラム301上に残留したトナー(一次転写残トナー)は、感光体クリーニング手段としてのドラムクリーニング装置311によって感光ドラム301上から除去されて回収される。ドラムクリーニング装置311は、感光ドラム301の表面に当接するクリーニング部材としての弾性体で形成されたドラムクリーニングブレード304と、回収トナー収容部としてのドラム回収トナー容器305と、を有する。ドラムクリーニング装置311は、ドラムクリーニングブレード304によって、回転する感光ドラム301の表面から一次転写残トナーを掻き取って、ドラム回収トナー容器305内に収容する。一方、二次転写時に記録材Sに転写されずに中間転写ベルト205上に残留したトナー(二次転写残トナー)は、中間転写体クリーニング手段としてのベルトクリーニング装置216によって中間転写ベルト205上から除去されて回収される。ベルトクリーニング装置216は、中間転写ベルト205の表面に当接するクリーニング部材としての弾性体で形成されたベルトクリーニングブレード216aと、回収トナー収容部としてのベルト回収トナー容器216bと、を有する。ベルトクリーニング装置216は、ベルトクリーニングブレード216aによって、回転する中間転写ベルト205の表面から二次転写残トナーを掻き取って、ベルト回収トナー容器216b内に収容する。
各画像形成部200において、感光ドラム301と、これに作用するプロセス手段としての帯電ローラ302、現像装置309及びドラムクリーニング装置311とは、一体的に装置本体110に対して着脱可能なプロセスカートリッジ204を構成している。プロセスカートリッジ204は、現像ユニット(現像装置)309と、ドラムユニット310と、を有する。現像ユニット309は、現像ローラ303、攪拌機307、トナー補給ローラ306、及びトナー規制ブレード308などを有する。現像ローラ303は、図示しない駆動手段によって図示矢印C方向に回転駆動され、表面にコートされた電荷を帯びたトナーを感光ドラム301の表面の静電潜像に付着させる。トナー補給ローラ306は、図示しない駆動手段によって図示矢印D方向に回転駆動され、現像ローラ303へのトナーの補給を行う。また、攪拌機307は、図示しない駆動手段によって図示矢印E方向に回転駆動され、トナー補給ローラ306へのトナーの補給を行う。トナー規制ブレード308は、現像ローラ303に当接して固定配置されており、現像ローラ303が回転することで現像ローラ303と摺擦する。現像ローラ303の表面にコートされたトナーは、この摺擦部で、帯電しながら、その量が規制される。これにより、画像濃度の安定した現像が可能となる。現像時に、現像ローラ303には、図示しない現像電源(高圧電源)により現像電圧(現像バイアス)が印加される。また、ドラムユニット310は、感光ドラム301、帯電ローラ302、ドラムクリーニングブレード304及びドラム回収トナー容器305などを有する。ドラムクリーニングブレード304及びドラム回収トナー容器305はドラムクリーニング装置311を構成する。上述のように感光ドラム301の表面に残ったトナーはドラムクリーニングブレード304によって感光ドラム301の表面から除去されて、ドラム回収トナー容器305に集められる。
また、画像形成装置100には、中間転写ベルト205又は中間転写ベルト205上のトナー像に光を照射して光反射特性を読み取る光反射特性読み取り手段(光学検知手段)としての光学センサ218が設けられている。本実施例では、光学センサ218は、画像濃度制御(画像濃度補正制御)用の試験用トナー像(テストパターン、パッチ)の検知、該試験用トナー像の検知のための中間転写ベルト205の下地検知のために用いられる。また、本実施例では、光学センサ218は、中間転写ベルト205の周方向における基準点(基準位置)の検知のためにも用いられる。光学センサ218は、中間転写ベルト205を介して駆動ローラ214と対向する位置に配置されている。図3は、光学センサ218の概略構成図である。光学センサ218は、発光素子219と、正反射受光素子220と、乱反射受光素子221と、有する。本実施例では、発光素子219は赤外光を発光する。その光が、中間転写ベルト205の表面又は中間転写ベルト205上のトナー像によって反射される。正反射受光素子220は、発光素子219に対して正反射方向に配置されており、中間転写ベルト205の表面又は中間転写ベルト205上のトナー像からの正反射光を検知する。乱反射受光素子221は、発光素子219に対して乱反射方向に配置されており、中間転写ベルト205の表面又は中間転写ベルト205上のトナー像からの乱反射光を受光する。光学センサ218は、正反射光と乱反射光とを検知することで、例えば公知の手法により、試験用トナー像の濃度の検知精度が向上するように構成されている。ただし、光学センサ218は、これに限定されるものではなく、例えば正反射受光素子220及び乱反射受光素子221のうち正反射受光素子220のみを有するものであってもよい。光学センサ218は、正反射受光素子220、乱反射受光素子221により取得した中間転写ベルト205又は中間転写ベルト205上のトナー像の光反射特性(反射光量)を示す信号をエンジンコントローラ202へと出力する。
例えば試験用トナー像は、画像形成部200において感光ドラム301上に形成されて中間転写ベルト205の表面に転写された後、中間転写ベルト205の回転に伴って、駆動ローラ214に中間転写ベルト205が掛け回された位置まで搬送される。そして、中間転写ベルト205の回転方向に関する光学センサ218の検知位置において、中間転写ベルト205上のトナー像が光学センサ218によって検知される(すなわち、トナー像からの反射光が検知される)。中間転写ベルト205の回転方向に関する、光学センサ218が中間転写ベルト205の表面に光を照射する位置(検知光のスポットの略中心位置)が、光学センサ218の検知位置である。画像濃度制御自体は、例えば公知の手法などの利用可能な方法を適宜用いることができる。
2.中間転写ベルト
図4(a)は、本実施例の中間転写ベルト205の表面近傍の模式的な拡大断面図(中間転写ベルト205の幅方向(中間転写ベルト205の表面の移動方向と略直交する方向)に沿う断面)である。中間転写ベルト205は、無端状のベルト(フィルム)で構成されている。中間転写ベルト205は、基層222と表層223との2層を有して構成される。
基層222は、ポリエチレンナフタレート樹脂を基材として用いて形成されており、この基材に導電材としてカーボンが混合されて体積抵抗率が1×1010Ω・cmになるように電気抵抗が調整されている。また、中間転写ベルト205は、ブロー成形法を用いて成形されており、周長は790mm、層厚は70μmが称呼値である。
なお、中間転写ベルト205の基材としては、本実施例ではポリエチレンナフタレート樹脂を用いたが、これに限定されるものではない。中間転写ベルト205の基材としては、適正な電荷減衰特性を有すること、中間転写ベルト205に当接する部材の形状に沿う形に変形するため耐屈曲性を有することなどの条件を満たすものであれば用いることができ、一般的に熱可塑性樹脂が用いられる。具体的には、ポリイミド、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリアリレート、アクリロニトリルブタジエンスチレン共重合体(ABS)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)などの単独もしくは混合樹脂が挙げられる。
表層223は、アクリル樹脂を基材として用いて形成されており、この基材に電気抵抗調整剤として酸化亜鉛が分散されている。また、表層223は、リングコート法を用いて形成されており、層厚の称呼値は3μm程度である。表層223は、耐摩耗性、耐クラック性などの強度の観点から、硬化性材料の中でも樹脂材料(硬化性樹脂)を用いて形成することが望ましく、特に不飽和二重結合含有アクリル共重合体を硬化させて得られるアクリル樹脂を用いて形成することが望ましい。
また、本実施例では、長期使用に伴うベルトクリーニングブレード216aの表面の耐摩耗性を向上するなどのために、中間転写ベルト205の表面には微細な凹凸形状が施されている。微細凹凸形状の加工方法として、研磨加工、切削加工などが一般的に知られているが、本実施例ではインプリント加工が用いられている。
インプリント加工は、次のようにして行われる。つまり、インプリント加工前の中間転写ベルト205を、図示しない円筒中子(直径252mm、炭素工具鋼鋼材製)に挿入する。図4(b)は、中間転写ベルト205の表面微細凹凸形状を形成するためのインプリント加工金型Gの表面の近傍の模式的な拡大断面図(中間転写ベルト205の幅方向に対応する方向に沿う断面)である。金型Gは、円柱の円周方向と略平行に切削加工により凸形状が設けられて形成されている。この凸形状は、円柱の軸線方向に関して3.5μmの略等間隔で、円柱の軸線方向に関する凸部の底の長さv=2.0μm、円柱の半径方向に関する凸部の高さd=2.0μmとなるように設けられている。
金型Gは、図示しないヒータにより130℃の温度に加熱され、円筒中子に取り付けられたインプリント加工前の中間転写ベルト205の表面に当接させられる。この状態で、円筒中子を1回転させて、金型Gを従動させる。その後、金型Gを中間転写ベルト205から離間させる。このようにして、中間転写ベルト205の表面にインプリント加工を施して、中間転写ベルト205の表面に微細な凹凸形状を設けることができる。
インプリント加工後の中間転写ベルト205の表面形状をキーエンス社製レーザ顕微鏡VK−X250を用いて観察した。その結果、中間転写ベルト205の表面には、中間転写ベルト205の幅方向の間隔W=3.5μm、中間転写ベルト205の厚さ方向の深さX=0.8μmの凹形状の溝が付与されていることがわかった。
図5は、インプリント加工後の中間転写ベルト205の表面の一部の模式的な拡大平面図である。図5は、中間転写ベルト205の表面のインプリント(金型Gの当接)の開始位置の近傍を拡大して示している。図5に示す矢印Hは、インプリント方向、すなわち、中間転写ベルト205の周方向を示し、矢印Iは中間転写ベルト205の幅方向を示す。上述のように、インプリント加工は、金型Gを中間転写ベルト205の表面に押し当て、その後中間転写ベルト205を回動させることで行われる。本実施例では、インプリント加工開始位置226からインプリント加工を開始し、矢印H方向にインプリント加工を行って、インプリント加工終了位置227までインプリント加工を行うことで、インプリント重複部228が設けられている。インプリント重複部228は、中間転写ベルト205の周方向に関して、インプリント加工により形成される凹部225の伸長方向の一方の端部と他方の端部とのそれぞれの一部が重なっている部分である。一般に、このインプリント重複部228では、中間転写ベルト205の幅方向Iに関して、インプリント加工の開始位置側と終了位置側の凹部225(又は凸部224)の端部の位置を完全に一致させることは難しい。そのため、このインプリント重複部228では、中間転写ベルト205の幅方向Iに関する凹部225の位置にズレが生じる。そして、インプリント非重複部229に対して、インプリント重複部228では、単位面積(例えば全面)当たりの凸部224の割合が減少する。その結果、インプリント非重複部229に対して、インプリント重複部228では、光反射特性が異なることとなる。なお、中間転写ベルト205の周方向に関して、インプリント重複部228の長さはインプリント非重複部229の長さよりも十分に短い。つまり、中間転写ベルト205の周方向に関して、中間転写ベルト205の表面の一部に、光反射特性が他の箇所と異なる光学的特異領域が発現する。
この光学的特異領域では、光学センサ218により検知される中間転写ベルト205の表面からの反射光量が他の箇所からの反射光量に対して変化する。そのため、本実施例では、光学センサ218によって、この光学的特異領域としてのインプリント重複部228を読み取り、中間転写ベルト205の周方向における位置を規定するための基準点(基準位置)とすることが可能となる。典型的には、中間転写ベルト205の周方向における光学的特異領域の中央に対応する位置を基準点として用いることができるが、中間転写ベルト205の表面の移動方向における光学的特異領域の先端や後端に対応する位置を基準点として用いてもよい。
なお、光学的特異領域としては、本実施例ではインプリント重複部228を用いたが、これに限定されるものではなく、インプリント部と非インプリント部との間での反射率の違いも用いることができる。つまり、光学的特異領域として、インプリント重複部228の代わりに、インプリント加工がされていない非インプリント部を設けてもよい。非インプリント部は、上述のインプリント開始位置に到達する前にインプリント加工を終了することで、インプリント開始位置とインプリント終了位置との間に形成することができる。また、中間転写ベルト205の周方向における一部にのみインプリント部を設けることによって、該インプリント部を光学的特異領域として用いることもできる。
また、本実施例では、インプリント加工により形成される凹部は、中間転写ベルト205の周方向に略平行に連続して形成されているが、これに限定されるものではない。該凹部は中間転写ベルト205の周方向に対して角度を有して形成されていてもよいし、中間転写ベルト205の周方向において複数に分割されていてもよい。
また、本実施例では、光学的特異領域は、中間転写ベルト205の表面のインプリント加工により形成されているが、これに限定されるものではない。例えば中間転写ベルト205の表面の一部に、中間転写ベルト205の表面とは光反射特性が異なるシールなどの部材を設けたり、中間転写ベルト205の一部に穴や凹部を設けたりして、これを光学的特異領域として用いてもよい。表面にインプリント加工による微細凹凸形状を有する中間転写ベルト205の場合、構成の簡易化や形成の容易性などの観点から、インプリント加工により光学的特異領域を形成することが好ましい。
3.中間転写ベルトの電気特性
図6は、本実施例の中間転写ベルト205に関して、一次転写部N1に定電流を供給した場合の電圧値の推移(ここでは、「電圧プロファイル」ともいう。)を中間転写ベルト205の2周分サンプリングした結果を示すグラフ図である。同図は、1つの画像形成部200において、一次転写電源402から一次転写ローラ206(一次転写部N1)に画像形成時と同等の目標電流値で定電流制御された電圧を印加し、その際に一次転写電源402が出力した電圧の値をサンプリングした結果を示す。
図6において、横軸は中間転写ベルト205の周方向における位置を示し、縦軸は上述のようにして検知される電圧値を示している。図6には、中間転写ベルト205の周方向を42分割した場合の各位置に対応する電圧値を示している。図6において、破線230は中間転写ベルト205の1周分の電圧値の最大値、破線231は中間転写ベルト205の1周分の電圧値の最小値、破線232は中間転写ベルト205の1周分の電圧値の平均値を示している。図6から、中間転写ベルト205の1周目と2周目とで、電圧プロファイルの形状はほぼ同じであることがわかる。
一般的に、中間転写ベルト205の周方向における抵抗ムラが比較的少ない遠心成形法で成形された中間転写ベルト205では、上述のようにして検知される電圧値の変動(フレ)は小さくなる傾向がある。一方、中間転写ベルト205の周方向における抵抗ムラが比較的大きいブロー成形や押し出し成形法で成形された中間転写ベルト205では、上述のようにして検知される電圧値の変動が大きくなる傾向がある。本実施例の中間転写ベルト205の基層222はブロー成形で成形されており、定電流を流すための電圧値の変動は比較的大きい。図6における比較的長周期の電圧値の変動(破線234)は、中間転写ベルト205の基層222に起因する抵抗の変動を表している。
一方、本実施例の中間転写ベルト205の表層223はリングコートで形成されており、図示しない抽出ノズルの位置でコートが若干厚くなる傾向がある。図6に示すように、比較的長周期の電圧値の変動(破線234)に対し、より短周期の電圧値の変動の成分もあり、その要因としては表層223の厚みムラが支配的となっている。図6に示す電圧プロファイルでは、平均値232に対し、最大値230と最小値231との差分(矢印233)が約50%と比較的大きい。この差分が大きいことによる問題については後述する。
4.制御態様
図16は、本実施例の画像形成装置100の要部の制御態様を示す概略ブロック図である。画像形成装置100は、コントローラ201と、エンジンコントローラ(制御部)202と、を有する。コントローラ201は、画像形成装置100と外部装置(ホストコンピュータ)との間での情報の授受や、外部装置から受信した画像情報の処理などを行う。エンジンコントローラ202は、コントローラ201からの信号に基づいて、画像形成装置100の各部を制御して画像形成動作など実行させる。エンジンコントローラ202は、演算制御手段としてのCPU、記憶手段としてのROMやRAMなどのメモリ、エンジンコントローラ202と各部との信号の入出力を制御する入出力回路などを有して構成される。エンジンコントローラ202には、画像形成装置100の各部が接続されている。図16には、代表して、ベルト駆動モータ401、一次転写電源402、二次転写電源406、光学センサ218が示されている。エンジンコントローラ202は、CPUがメモリに記憶されたプログラムやデータに基づいた処理を実行することで、画像形成装置100の各部の動作を統括的に制御する。本実施例では、エンジンコントローラ202は、後述する中間転写ベルト205の1周分の電気抵抗に関する情報や、一次転写電圧制御を実行する中間転写ベルト205の周方向における所定位置に関する情報を記憶する不揮発メモリ235を有する。
ここで、画像形成装置100は、1つの開始指示により開始される、単一又は複数の記録材Sに画像を形成して出力する一連の動作であるジョブ(印刷ジョブ、プリントジョブ)を実行する。ジョブは、一般に、画像形成工程、前回転工程、複数の記録材Sに画像を形成する場合の紙間工程、及び後回転工程を有する。画像形成工程は、実際に記録材Sに形成して出力する画像の静電像の形成、トナー像の形成、トナー像の一次転写、二次転写を行う期間であり、画像形成時とはこの期間のことをいう。より詳細には、画像形成時のタイミングは、上記静電像の形成、トナー像の形成、トナー像の一次転写、二次転写の各工程を行う位置で異なり、感光ドラム301上や中間転写ベルト205上の画像領域が上記各位置を通過している期間に相当する。前回転工程は、開始指示が入力されてから実際に画像を形成し始めるまでの、画像形成工程の前の準備動作を行う期間である。紙間工程は、複数の記録材Sに対する画像形成を連続して行う際(連続印刷、連続画像形成)の記録材Sと記録材Sとの間に対応する期間である。後回転工程は、画像形成工程の後の整理動作(準備動作)を行う期間である。非画像形成時とは、画像形成時以外の期間であって、上記前回転工程、紙間工程、後回転工程、更には画像形成装置100の電源投入時又はスリープ状態からの復帰時の準備動作である前多回転工程などが含まれる。より詳細には、非画像形成時のタイミングは、感光ドラム301上や中間転写ベルト205上の非画像領域が、上記静電像の形成、トナー像の形成、トナー像の一次転写、二次転写の各工程を行う各位置を通過している期間に相当する。なお、感光ドラム301上や中間転写ベルト205上の画像領域とは、記録材Sに転写されて画像形成装置100から出力される画像が形成され得る領域であり、非画像領域は画像領域以外の領域である。
本実施例では、エンジンコントローラ202は、非画像形成時に、画像濃度制御や、後述する抵抗ムラ取得制御及び一次転写電圧制御などを実行する。エンジンコントローラ202は、非画像形成時であれば、これらの制御を任意のタイミングで実行できる。典型的には、前回転工程、あるいは前多回転工程で実行するが、これに限定されるものではなく、紙間工程や後回転工程で実行してもよい。
5.一次転写電圧制御
本実施例では、画像形成装置100は、中間転写ベルト205を含めた一次転写部N1の電気抵抗の環境変動やムラなどによる影響を補正して適正な一次転写電圧を印加できるように、一次転写電圧制御を行う。本実施例では、画像形成装置100は、一次転写電圧制御として、ATVC(Active Transfer Voltage Control)により画像形成時の適正な一次転写電圧を決定(選択)する制御を行う。つまり、非画像形成時としての画像形成前の前回転工程などにおいて、感光ドラム301上の非画像領域が一次転写部N1を通過しているときに、一次転写ローラ206に所定の目標電流値で定電流制御された電圧を印加する。このときに発生した電圧の値を画像形成時に定電圧制御で一次転写ローラ206に印加する一次転写電圧の値として決定する。なお、ATVC時に、中間転写ベルト205は感光ドラム301に当接しており、一次転写部N1に進入する感光ドラム301の表面は画像形成時と同等の帯電電位に帯電処理されている。このATVCにおける定電流制御の目標電流値は、トナー像を中間転写ベルト205上に転移させるために必要な電荷量の総和として算出される。したがって、ATVCによって得られる一次転写電圧値が、画像形成時の適正な一次転写電圧値となる。なお、ATVCで得られた電圧値の平均値を求めたり、ATVCで得られた電圧値(又はその平均値)に所定の係数を乗じたりする所定の演算処理を施した電圧値を一次転写電圧値として決定するようになっていてもよい。
なお、ATVCは、複数の画像形成部200のうち少なくとも1つの画像形成部200で行うことができる。複数の画像形成部200のうちいずれか1つの画像形成部200で行ってもよいし、複数(全部でもよい)の画像形成部200で行ってもよい。ATVCを複数の画像形成部200のうちいずれか1つの画像形成部200(例えばY画像形成部200YやK画像形成部200K)で行う場合は、その結果を全ての画像形成部200に反映させることができる。このとき、その結果に基づいて全ての画像形成部200で同じ一次転写電圧値を設定してもよいし、その結果に基づいて少なくとも1つの画像形成部200(全部でもよい)で異なる一次転写電圧値を設定してもよい。また、ATVCを複数の画像形成部200で行う場合は、各画像形成部200で得られた結果に基づいて各画像形成部200の一次転写電圧をそれぞれ設定すればよい。本実施例では、簡単のため、1つの画像形成部200(例えばY画像形成部200YやK画像形成部200K)でATVCを実行し、その結果を全ての画像形成部200に反映させるものとする。
また、本実施例では、ジョブを実行する際に、毎回、前回転工程においてATVCを実行するものとする。ただし、これに限定されるものではなく、例えば所定の画像形成枚数ごとに前回転工程や紙間工程などで実行してもよい。
6.課題
従来、ベルトの周方向における抵抗ムラを検知し、検知した抵抗ムラのデータに基づいて画像形成時にベルトの1周分の間に転写電圧の設定(定電圧制御における目標電圧、定電流制御における目標電流)を変化させる構成が知られている。しかし、前述のように、この構成では、適正な制御が難しく、転写効率が低下することがある。転写効率が低下すると、画像の品質が低下する。また、転写効率が低下すると、転写残トナーの量が増加する。転写残トナーの量が増加すると、廃トナーの処理に関係する種々の課題が発生することがある。例えば、より多くの廃トナーを画像形成装置内に保持するためには、廃トナー容器の容量を大きく設定する必要があり、廃トナー容器の容量の上昇は画像形成装置の装置本体の容積の上昇につながる。また、廃トナー容器の交換頻度にも影響し、ユーザーによる操作の頻度が増加してユーザビリティーが低下したり、交換にかかるコストの上昇につながったりする可能性がある。そして、このような問題を抑制するべく、適正な転写電圧に制御するために抵抗ムラを検知する頻度を増やすと、ダウンタイムが増加し、生産性やユーザビリティーを低下させる可能性がある。
本実施例では、予め中心的な電気抵抗値を示すベルトの周方向における位置に関する情報を取得し、該位置で一次転写電圧制御を実行する。これにより、ベルトの周方向における抵抗ムラに起因して一次転写電圧制御で決定する一次転写電圧の設定が適正値からずれることによる転写効率の低下を抑制することを可能とする。
7.抵抗ムラ取得制御
次に、本実施例における、中間転写ベルト205の周方向における抵抗ムラに関する情報を取得する制御(ここでは、「抵抗ムラ取得制御」ともいう。)について説明する。
図7は、本実施例における抵抗ムラ取得制御の手順の概略を示すフローチャート図である。抵抗ムラ取得制御は、中間転写ベルト205の1周の抵抗ムラを求めるために、一次転写ローラ206(一次転写部N1)に印加する電圧を定電流制御して電圧プロファイルを取得する制御である。なお、本実施例では、中間転写ベルト205の電気抵抗と相関する指標値(電気抵抗に関する情報)として、所定の値の電流を供給した際に発生する電圧の値の情報を取得する。ただし、電気抵抗と相関する指標値は、これに限定されるものではなく、所定の値の電圧を印加した際に流れる電流の値であってもよいし、電圧値と電流値とから求められる電気抵抗値自体であってもよい。つまり、抵抗ムラ取得制御において、本実施例における電圧プロファイルに代えて、電流プロファイル、電気抵抗値プロファイルを取得してもよい。ここでは、抵抗ムラ取得制御で測定される電圧値を電気抵抗値とみなして説明することがある。
本実施例では、中間転写ベルト205の1周の電圧プロファイルの取得を、画像濃度制御に含まれる中間転写ベルト205の下地検知工程と並行して実行する。一般的に、画像濃度制御は、中間転写ベルト205上の非画像領域の反射特性を検知する工程が必要である。本実施例では、画像形成装置100は、画像濃度制御において、中間転写ベルト205の周方向における基準点(基準位置)を検知した後、この基準点を起点として中間転写ベルト205の1周の表面(下地)の光反射特性を取得する下地検知工程を実行する。画像形成装置100は、画像濃度制御において、下地検知工程の後に、試験用トナー像の検知工程を実行する。そして、画像形成装置100は、基準点を基準として中間転写ベルト205の下地の位置と中間転写ベルト205上の試験用トナー像の位置とを照合し、トナー像の検知結果を下地の検知結果で補正する。これにより、画像濃度制御で取得される試験用トナー像の濃度のデータの精度の向上が図られている。
エンジンコントローラ202は、下地検知を開始しつつ、抵抗ムラ取得制御を開始する(S101)。次に、エンジンコントローラ202は、中間転写ベルト205の回転を開始すると共に(S102)、光学センサ218の発光素子219の発光を開始する(S103)。次に、エンジンコントローラ202は、一次転写電源402から一次転写ローラ206(一次転写部N1)への所定の目標電流値で定電流制御された電圧の印加を開始する(S104)。この抵抗ムラ取得制御における定電流制御の目標電流値は、画像形成時あるいはATVC時と同等であってよい。なお、電圧プロファイルを取得する際に、中間転写ベルト205は感光ドラム301に当接しており、一次転写部N1に進入する各感光ドラム301の表面は画像形成時と同等の帯電電位に帯電処理されている。感光ドラム301の回転は、中間転写ベルト205の回転が開始される際に同期して開始される。また、感光ドラム301と中間転写ベルト205とは、それぞれの回転が開始された後に当接されてもよいし、当接された後にそれぞれの回転が開始されてもよい。
なお、電圧プロファイルの取得は、複数の画像形成部200のうち少なくとも1つの画像形成部200で行うことができる。複数の画像形成部200のうちいずれか1つの画像形成部200で行ってもよいし、複数(全部でもよい)の画像形成部200で行ってもよい。電圧プロファイルの取得を複数の画像形成部200のうちいずれか1つの画像形成部200(例えばY画像形成部200YやK画像形成部200K)で行う場合は、その結果を全ての画像形成部200の一次転写電圧制御に反映させることができる(つまり、全ての画像形成部200でのATVCの実行タイミングの制御に反映させることができる)。また、電圧プロファイルを取得する制御を複数の画像形成部200で行う場合は、各画像形成部200で得られた結果をその画像形成部200の一次転写電圧制御にそれぞれ反映させることができる(つまり、対応する画像形成部200でのATVCの実行タイミングの制御に反映させることができる)。このとき、全ての画像形成部200で取得される電圧プロファイルは、典型的には実質的に同じであるが、異なっていることがあってもよい。本実施例では、簡単のため、1つの画像形成部200(例えばY画像形成部200YやK画像形成部200K)で電圧プロファイルを取得する制御を実行し、その結果を全ての画像形成部200の一次転写電圧制御に反映させるものとする。
次に、エンジンコントローラ202は、中間転写ベルト205の周方向における抵抗ムラと、中間転写ベルト205の周方向における位置と、を関連付けるために、中間転写ベルト205が回転方向に関して基準姿勢になったタイミングを把握する必要がある。したがって、エンジンコントローラ202は、中間転写ベルト205の回転方向に関してインプリント重複部228がどの位置にあるのかの探索を行う(S105)。具体的には、エンジンコントローラ202は、中間転写ベルト205を回転させながら光学センサ218の正反射受光素子220が受光光量に応じて出力する正反射出力をモニターし、中間転写ベルト205の周方向における基準点としての光学的特異領域が見つかるまで探索を行う(S106)。そして、エンジンコントローラ202は、基準点を検知した後に、中間転写ベルト205の1周(周方向における全域)にわたる電圧プロファイルを取得する(S107、S108)。
各色用の一次転写電源402の出力制御部403は、一次転写ローラ206(一次転写部N1)に印加する電圧の定電流制御を行いながら、出力する電圧値のデータをリアルタイムでエンジンコントローラ202に出力することができる。これにより、エンジンコントローラ202は、各色用の一次転写電源402が出力する電圧値の変化をリアルタイムで把握することができる。本実施例では、中間転写ベルト205の周方向における位置は、18.8mm間隔で把握する。これは、本実施例では一次転写ローラ206の外径が6mmであり、その周長分の中間転写ベルト205の移動方向の長さが約18.8mmだからである。一方、本実施例では、電圧値の測定は、1msecの時間間隔で実行する。本実施例の画像形成装置100のプロセス速度(中間転写ベルト205などの周速度)は320[mm/s]であるので、一次転写ローラ206が1回転に要する時間は約60[msec]である。そのため、一次転写ローラ206の1回転ごとに、電圧値を60回ずつ測定することになる。また、本実施例では、中間転写ベルト205の周長は790mmである。そのため、本実施例では、この周長を18.8mmごとに分割した42箇所の電圧値の記憶領域が、エンジンコントローラ202の不揮発メモリ235に用意されている。そして、その不揮発メモリ235の各記憶領域に、上記60回分の電圧値の平均値が記憶される。つまり、エンジンコントローラ202は、42箇所の電圧値を測定するごとに、平均値を求めて、それぞれ不揮発メモリ235の対応する記憶領域に記憶させる。
なお、本実施例では、中間転写ベルト205の周長が一次転写ローラ206の周長のおおよそ整数倍であったが、必ずしもそうである必要はなく、非整数倍であってもよい。非整数倍の場合は、一次転写ローラ206の1周以上の最小長さになるように中間転写ベルト205の1周を分割した領域ごとに電気抵抗に関する情報を取得すればよい。
エンジンコントローラ202は、中間転写ベルト205の周方向における全域について電圧値の測定が終わると、各位置の電圧値(各位置での電圧値の平均値)を累積して42で除算することで、中間転写ベルト205の全体での電圧値の平均値である平均電圧値Vaveを算出する。次に、エンジンコントローラ202は、各位置の電圧値Vi(i=1〜42)を平均電圧値Vaveで除算することで、それらを規格化する。トナー像がなく、ニップ全域で感光ドラム301と中間転写ベルト205とが直接接触している一次転写部N1では、一次転写電源402から印加する電圧の定電流制御を実行しているときの電圧値が中間転写ベルト205の電気抵抗値と良好な相関を示す。本実施例では、エンジンコントローラ202は、上述のように各位置について電圧値Viのそれぞれを規格化したものを抵抗とみなして、該抵抗Ri(i=1〜42)を、中間転写ベルト205の周方向における抵抗ムラのデータとして不揮発メモリ235に記憶させる(S109)。そのために、不揮発メモリ235には42箇所の抵抗Ri(i=1〜42)の記憶領域が用意されている。この領域は、上記電圧値の平均値を記憶した領域と同じであって上書きして用いられてもよいし、別途設けられていてもよい。エンジンコントローラ202は、抵抗ムラのデータを構築した後、抵抗ムラ取得制御を終了する。なお、エンジンコントローラ202は、抵抗ムラ取得制御を終了した後も、引き続き画像濃度制御は継続する。
このように、画像濃度制御の下地検知と同期して電圧プロファイルを取得することで、追加のダウンタイムの発生無く、中間転写ベルト205の1周の抵抗ムラのデータを取得することが可能となる。また、一般的に、画像濃度制御は、朝一、1000枚ごとなどの所定の画像形成枚数ごと、プロセスカートリッジ204など消耗品の交換タイミングなどで実行される。そのため、抵抗ムラ取得制御のタイミングとして必要十分な頻度である。なお、本実施例では、抵抗ムラ取得制御が画像濃度制御と同期して実行される場合について説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、画像形成装置100の電源オン時や各種ドアの開閉後の前多回転工程などで実行してもよい。
8.ATVC実行位置決定制御
次に、本実施例におけるATVCを実行する所定位置(ここでは、「ATVC実行位置」ともいう。)を決定する処理(ここでは、「ATVC実行位置決定制御」ともいう。)について説明する。図8は、抵抗ムラ取得制御で不揮発メモリ235に記憶された、中間転写ベルト205の1周分の抵抗Ri(i=1〜42)の一例を示す。図8には、基準点を起点とした中間転写ベルト205の1周分の位置と抵抗Riとの関係を示すグラフも示している。図8のグラフにおいて、横軸は中間転写ベルト205の周方向における位置、縦軸は抵抗Riを示している。また、図8のグラフにおいて、抵抗Riはプロット□で示し、破線240は42個の抵抗Ri(i=1〜42)の平均値(中心値)を示している。本実施例では、中心的な電気抵抗値を示す中間転写ベルト205の周方向における位置として、上記平均値に対して所定範囲内の抵抗を示す中間転写ベルト205の周方向における位置を、ATVC実行位置として決定する。そして、本実施例では、該ATVC実行位置で、ATVCにおける定電流制御された電圧を印加している際の電圧値の検知の少なくとも一部を実行する。これにより、中間転写ベルト205の周方向における抵抗ムラを考慮して適正な一次転写電圧を設定することが可能となる。つまり、一次転写電圧の設定が適正値からずれることによる転写効率の低下を抑制することが可能となる。以下、具体的に説明する。
ここで、中間転写ベルト205の周方向における位置の表現方法について説明する。不揮発メモリ235の記憶領域1(図8の235)に格納する抵抗R1は、中間転写ベルト205の周方向における範囲243における電圧値の測定値から算出されている。この範囲243は、中間転写ベルト205の周方向における基準点を起点とし符号244の位置を終点とする、一次転写ローラ206の1周分に相当する範囲である。以下、中間転写ベルト205の周方向における位置を表すにあたり、不揮発メモリ235の記憶領域の番号を用いることがある。例えば、不揮発メモリ235の記憶領域1に対応する中間転写ベルト205の周方向における位置は、「位置1」ということがある。位置1の説明にあたり、その起点は「位置1の起点」、その終点は「位置1の終点」とする。特に、起点、終点の記載がなければ、1つの記憶領域に対応する中間転写ベルト205の周方向における範囲(図8の243)を示すものとする。
図8のグラフ(図示を省略した領域も含む)から、本実施例で用いた中間転写ベルト205の抵抗ムラの範囲(抵抗Riの変動幅)は±0.25程度である。本実施例では、中間転写ベルト205の中心的な電気抵抗値の範囲として、抵抗Ri(i=1〜42)の平均値(中心値)240に対して±0.1の範囲を設定している。これは、この範囲であれば後述するように画像不良の発生を十分に抑制できるからである。この範囲は、抵抗ムラのプロファイル(本実施例では電圧プロファイル)における中間転写ベルト205の抵抗の変動幅(図8の例では±0.25)よりも小さい。また、この範囲は、これに限定されるものではないが、望ましくは、抵抗ムラのプロファイル(本実施例では電圧プロファイル)における中間転写ベルト205の抵抗Riの変動幅(図8の例では±0.25)の半分以下である。なお、この範囲は、典型的には、中間転写ベルト205の抵抗Ri(i=1〜42)の平均値(中心値)240に対して±0.05以上である。図8では、抵抗Riの平均値+0.1の値を破線241、抵抗Riの平均値−0.1の値を破線242で示している。この平均値±0.1の範囲内(平均値±0.1を含む。)に抵抗Riが収まっている位置がATVCを実行するに適正な位置(ATVC実行位置)となる。図8の例では、この条件に合致する位置は、位置2、3、4、37、40、41となる。図示を省略している位置5〜34の範囲にも条件に合致する位置は存在する。図8の例において上記条件に合致する全ての位置を示すと、次のとおりである。位置2、3、4、9、10、15、19、20、21、22、25、28、31、32、33、37、40、41。
上記各位置を、ATVCを実行する起点とすることで、一次転写電圧の設定が適正値からずれることによる転写効率の低下を相応に抑制することが可能となる。ただし、ATVCをその開始から終了まで、抵抗Riの平均値に対して所定範囲内の抵抗を示す中間転写ベルト205の周方向における位置で行うことが望ましい。これにより、一次転写電圧の設定が適正値からずれることによる転写効率の低下をより抑制することが可能となる。本実施例では、ATVCに要する中間転写ベルト205の走行距離は、一次転写ローラ206の2周分であり、中間転写ベルト205の周方向における位置2つ分に相当する。そのため、隣り合う位置で少なくとも2つ以上連続して上記条件に合致する箇所を、ATVC実行位置とすることが望ましい。図8の例の場合、位置2から位置4、位置9から位置10、位置19から位置22、位置31から位置33、位置40から位置41の範囲がそれに該当する。
図9は、本実施例におけるATVC実行位置決定制御の手順の概略を示すフローチャート図である。エンジンコントローラ202は、前述の抵抗ムラ取得制御により不揮発メモリ235に記憶された中間転写ベルト205の周方向における抵抗ムラのデータを取得する(S201)。次に、エンジンコントローラ202は、取得した抵抗ムラのデータに基づいて、所定の条件に合致する、例えば図8の例の場合における上記5箇所の位置を、ATVCを実行するのに適した位置(ATVC実行位置)として決定する(S202)。次に、エンジンコントローラ202は、決定したATVC実行位置を不揮発メモリ235に記憶させる(S203)。
このATVC実行位置決定制御は、図7に示す抵抗ムラ取得制御の後、かつ、ATVC位置決定制御の結果を反映させる一次転写電圧制御(ATVC)の前に行えばよい。具体的な手順としては、ATVC実行位置決定制御は、例えば図7に示す抵抗ムラ取得制御の手順の一部として実行してもよいし、後述する図10の一次転写電圧制御の手順の一部として実行してもよい。
9.一次転写電圧制御の手順
次に、本実施例における一次転写電圧制御の手順について説明する。図10は、本実施例における一次転写電圧制御の手順の概略を示すフローチャート図である。また、図11は、該手順に関して中間転写ベルト205の周りの位置関係を説明するための概略断面図である。
エンジンコントローラ202は、ジョブが投入されると、中間転写ベルト205及び感光ドラム301の回転を開始しつつ(S301)、光学センサ218の発光素子219の発光を開始する(S302)。また、エンジンコントローラ202は、感光ドラム301と中間転写ベルト205とを当接させ(S303)、その後ATVCのための一次転写電圧の印加(定電流制御)を開始する(S304)。次に、エンジンコントローラ202は、中間転写ベルト205の基準点を探索する(S305、S306)。この基準点の探索方法は、前述の抵抗ムラ取得制御の場合と同様である。エンジンコントローラ202は、基準点を検知したら、前述のようにして不揮発メモリ235に記憶させたATVC実行位置が一次転写部N1に到達する時間を算出する(S307)。そして、エンジンコントローラ202は、算出した時間だけ中間転写ベルト205が回転し、ATVC実行位置が一次転写部N1に到達したら、ATVCを実行する(S308)。
一例として、中間転写ベルト205の周方向におけるATVC実行位置としての位置2の起点がATVCを実行するY一次転写部N1Yに到達する時間は、図11(a)に基づいて下記式1で算出できる。つまり、光学センサ218の検知位置からY一次転写部N1Yまでの距離Dと、一次転写ローラ206の1周分の距離との和を、中間転写ベルト205の走行速度(周速度)で除算している。
到達時間=(距離D+18.8×1)/ベルト走行速度 ・・・(式1)
また、他の一例として、中間転写ベルト205の周方向におけるATVC実行位置としての位置31の起点がATVCを実行するK一次転写部N1Kに到達する時間は、図11(b)に基づいて下記式2で算出できる。つまり、一次転写ローラ206の31周分の距離から、K一次転写部N1Kから光学センサ218の検知位置までの距離Eを減算した値を、中間転写ベルト205の走行速度(周速度)で除算している。
到達時間=(18.8×31−距離E)/ベルト走行速度 ・・・(式2)
前者の例では、光学センサ218の検知位置で基準点を検知したタイミングにおいて、ATVC実行位置としての位置2がATVCを実行するY一次転写部N1Yよりも下流(光学センサ218の検知位置よりも上流)に位置する。そのため、式1は、光学センサ218の検知位置で基準点を検知したタイミングにおいて、位置2の起点がその後光学センサ218の検知位置を通過してY一次転写部N1Yまで最初に周回してくるまでの時間を算出している。一方、後者の例では、光学センサ218の検知位置で基準点を検知したタイミングにおいて、ATVC実行位置としての位置31がATVCを実行するK一次転写部N1Kよりも上流(光学セン218の検知位置よりも下流)に位置する。そのため、式2は、光学センサ218の検知位置で基準点を検知したタイミングにおいて、位置31の起点がその後最初にK一次転写部N1Kに到達するまでの時間を算出している。
このように、基準点を検知したタイミングにおいて、次のようにしてATVCを実行するタイミングを算出することが望ましい。つまり、一次転写部N1の位置、光学センサ218の検知位置などの装置構成を考慮して、ATVC実行位置がATVCを実行する一次転写部N1に到達するまでの中間転写ベルト205の最短の走行距離を算出することである。これにより、基準点を検知してからATVCを実行するまでの中間転写ベルト205の走行距離を極力短くすることができる。その結果、ATVCのためのダウンタイムを低減することができる。
また、中間転写ベルト205の周方向における特定の位置だけでATVCを繰り返すと、その位置に集中して電流が流れて、中間転写ベルト205の抵抗の上昇が局所的に生じる可能性がある。その結果、中間転写ベルト205の周方向における抵抗ムラのプロファイル(本実施例では電圧プロファイル)の形状が変化し、ATVCを実行するのに適したATVC実行位置が変化する可能性がある。したがって、前述のようにATVC実行位置(より詳細にはその候補)が複数ある場合には、その中から実際に使用する位置を変えながらATVCを実行することが望ましい。例えば、複数の画像形成部200でATVCを実行する場合に、複数の画像形成部200の全て又は一部において異なるATVC実行位置でATVCを実行することができる。また、例えば、ATVCを実行するタイミング(例えばジョブを開始する際の前回転工程)ごとにATVCを実行するATVC実行位置を変更することができる。
10.本実施例の効果
図12は、一次転写電圧制御を実行する中間転写ベルト205の周方向における位置を特に規定しない場合と、本実施例のように規定した場合と、での転写効率の変化を説明するためのグラフ図である。図12において、横軸はATVC時の電流(一次転写電流)、第1の縦軸(左)は一次転写効率、第2の縦軸(右)はATVC時の電圧(一次転写電圧)を示している。
一次転写効率は、トナーの物性や静電潜像の設定に変化がなければ、一次転写電流によって一意的に決まり、一次転写電流と一次転写効率との関係は曲線251で表される。一次転写電流値250で一次転写効率が最大となり、この一次転写電流となるように一次転写電圧制御を実行するのが理想である。また、本実施例の構成において、一次転写部N1のインピーダンスが最小の場合の一次転写電流と一次転写電圧との間の電流−電圧特性(以下、単に「I−V特性」ともいう。)は直線252で表される。また、本実施例の構成において、一次転写部N1のインピーダンスが最大の場合のI−V特性は直線253で表される。この違いは、中間転写ベルト205の周方向における、中間転写ベルト205の抵抗が最小となる位置と最大となる位置とでの、一次転写部N1のインピーダンスの変化を示している。図12の曲線251、直線252、253は、本実施例の効果を説明するために模式的に示しており、例えば直線252、253は実際には図示のような直線とはならない場合がある。
図12の直線261は、中心的な電気抵抗値を示す中間転写ベルト205の周方向における所定位置でのI−V特性を示す。該所定位置においてATVCを実行した場合は、一次転写電圧254が選択され、画像形成時に一次転写電圧はこの値で定電圧制御される。また、画像形成中は、中間転写ベルト205の抵抗の異なる位置が周回してくるため、一次転写電流は矢印255の範囲で変動することになる。ただし、一次転写電流は適正な一次転写電流250を包括するように変動するため、矢印256のように一次転写効率が変動する範囲は抑制される。
一方、中間転写ベルト205の抵抗が最小の位置においてATVCを実行した場合、一次転写電圧257が選択される。画像形成中の中間転写ベルト205の周回により、一次転写電流は矢印258の範囲で変動する。そのため、一次転写効率は矢印259のように比較的大きく変動する。また、中間転写ベルト205の抵抗が最大の位置においてATVCを実行した場合、一次転写電圧260が選択される。画像形成中の中間転写ベルト205の周回により、一次転写電流は矢印261の範囲で変動する。そのため、一次転写効率は矢印262のように大きく変動する。その結果、これらの場合には、一次転写効率の変動が画質不良として顕在化する可能性がある。また、これらの場合には、一次転写電流が適正な一次転写電流250から外れる傾向があり、一次転写効率を低下させる要因となる。
このように、本実施例に従って中心的な電気抵抗値を示す中間転写ベルト205の周方向における位置で一次転写電圧制御を実行することで、一次転写効率の低下を抑制することが可能となる。
ここで、図13は、中間転写ベルト205の1周分の図6と同様の電圧プロファイルを中間転写ベルト205の使用初期(新品時)と繰り返し使用後とで取得した結果を示すグラフ図である。繰り返し使用後の電圧プロファイルとしては、中間転写ベルト205を画像形成装置100に搭載し1000枚通紙した後の電圧プロファイルを示している。通紙は、15℃/10%の環境で、記録材SとしてXerox社のVitality坪量75g紙を用いて行った。また、図13は、一次転写電圧制御(ATVC)における目標電流値を11μAとした場合の電圧変化を示している。通紙前の電圧値は□、1000枚通紙後の電圧値を◇で示している。
図13から、1000枚通紙することで電圧値が全体的に下がっていることがわかる。これは、通紙による温度変化や、記録材Sに含まれる水分が機内に回り、機内温度/湿度が上昇したことによる中間転写ベルト205の抵抗変化によるものである。通紙により電圧値は中間転写ベルト205の周方向における全域で略一律に下がり、通紙前の平均電圧232と1000枚通紙後の平均電圧270とに差が生じる。一方、電圧プロファイルの全体的な形状に大きな変化はない。各電圧プロファイルにおける平均電圧と各電圧プロファイルとが交わる箇所を破線271で示すと、通紙前後でほとんど位置が変化しないことがわかる。すなわち、通紙によって、中間転写ベルト205の抵抗は、抵抗ムラのプロファイル(本実施例では電圧プロファイル)の形状をある程度維持したまま略一律で変化する。そのため、本実施例では、それほど頻繁に抵抗ムラ取得制御を実行しなくても、一次転写効率の低下を抑制できる。これに対して、前述した従来技術では、中間転写ベルト205の抵抗が略一律に変化する場合でも一次転写電圧制御はその影響を受けて、一次転写効率が低下する。特に、中間転写ベルト205の抵抗が通紙によって下がる傾向の変化であるため、実際に供給される一次転写電流値が所望の一次転写電流値より上昇してしまうことで一次転写効率が低下しやすい。これを回避するためには、本実施例よりも頻繁に抵抗ムラ取得制御を実行する必要があり、ダウンタイムの増加やユーザビリティー低下の原因となる。
このように、本実施例では、画像形成装置100は、電源402が転写部材206に電圧を印加している際に転写部材206に流れる電流又は発生する電圧(本実施例では電圧)を検知する検知部405を有する。また、この画像形成装置100は、転写を行う際に電源402が転写部材206に印加する転写電圧を制御する制御部202を有する。そして、本実施例では、制御部202は、ベルト205の周方向における所定領域が転写部N1を通過している際の検知部405の検知結果に基づいて、上記所定領域に関し、ベルト205の周方向における位置と、電気抵抗と相関する指標値(本実施例では電圧値)と、の関係を示す情報を取得する第1の制御(抵抗ムラ取得制御)と、第1の制御で取得した上記情報に基づいて、上記所定領域における上記指標値の平均値に対して、上記所定領域における上記指標値の変動幅よりも小さい所定範囲内の上記指標値を示す、ベルト205の周方向における所定位置を決定する第2の制御(ATVC実行位置決定制御)と、第2の制御で決定した上記所定位置が転写部N1を通過している際の検知部405の検知結果を取得し、該検知結果を用いて転写電圧を決定する第3の制御(ATVC)と、を実行可能である。本実施例では、上記所定範囲は、上記変動幅の半分以下の範囲である。より詳細には、本実施例では、上記所定範囲は、上記指標値を上記平均値で除算して規格化した値で表した場合、上記平均値に対して±0.1の範囲である。
ここで、上記所定位置が転写部N1を通過している際の検知部405の検知結果を用いて転写電圧を決定するとは、転写電圧を決定するための検知部405の検知結果の少なくとも一部を、上記所定位置が転写部N1を通過している際に取得することを含む。望ましくは、転写電圧を決定するための検知部405の検知結果の全部を、上記所定位置が転写部N1を通過している際に取得する。つまり、制御部202は、上記所定位置が転写部N1を通過している際に第3の制御における検知部405の検知結果の取得を開始することができる。また、上記所定位置は、第3の制御における検知部405の検知結果の取得に要する時間の間に転写部N1を通過するベルト205の周方向の長さ以上の連続した領域であってよく、制御部202は、上記所定位置が転写部N1を通過している際に第3の制御における検知部405の検知結果の取得を開始しかつ終了することができる。また、本実施例では、上記所定領域は、ベルト205の1周分である。上記所定領域は、ベルト205の1周分より短くてもよい。例えば、中間転写ベルト205の周方向の一部(例えば光学的特異領域を含む一部の領域など)では転写電圧制御を行わないことが決まっている場合などである。ただし、上記所定領域は、通常中間転写ベルト205の周長の半部以上の領域であり、典型的には7割以上の領域であり、好ましくは1周分の領域である。
また、本実施例では、画像形成装置100は、ベルト205の表面に光を照射し反射光を検知する光学センサ218を有する。また、本実施例では、ベルト205の表面は、ベルト205の周方向における他の領域とは光反射特性が異なる光学的特異領域を有する。そして、本実施例では、制御部202は、光学センサ218により検知された光学的特異領域を基準点としてベルト205の周方向における位置の情報を取得する。特に、本実施例では、光学的特異領域は、ベルト205の表面のインプリント加工により形成されている。より詳細には、光学的特異領域は、インプリント加工の回数が他の領域よりも多い領域、又はインプリント加工の回数が他の領域よりも少ない領域であってよい。なお、インプリント加工の回数が相対的に少ない領域は、インプリント加工がされていない領域を含むものである。また、本実施例では、制御部202は、ベルト205の表面に形成された試験用トナー像を光学センサ218により検知して画像形成動作の設定を調整する制御におけるベルト205の表面の光反射特性を検知する工程と並行して、第1の制御を実行する。
以上説明したように、本実施例では、予め中心的な電気抵抗値を示す中間転写ベルト205の周方向における位置に関する情報を取得し、該位置で一次転写電圧制御を実行する。これにより、中間転写ベルト205の周方向における抵抗ムラに起因して一次転写電圧制御で選択される一次転写電圧値が適正値からずれることによる一次転写効率の低下を抑制できる。これにより、廃トナー量を低減し、廃トナー容器の容量の小型化を図ることができるので、装置本体110のサイズやコストの低減に有利である。また、廃トナー容器の交換頻度の低減を図ることができるので、ユーザビリティーの向上や交換にかかるコストの低減にも有利である。そして、本実施例では、このような効果を、中間転写ベルト205の抵抗ムラを検知する頻度の増加を抑制しながら達成できるので、ダウンタイムの増加による生産性やユーザビリティーの低下を抑制することができる。
なお、本実施例では、一次転写について説明したが、同様の制御を二次転写についても適用することができる。つまり、二次転写電圧制御として、本実施例における一次転写電圧制御と同様のATVCを実行することがある。この場合、本実施例における一次転写電圧制御の場合と同様の課題が二次転写電圧制御についても同様に生じる。したがって、本実施例に準じて、抵抗ムラ取得制御を実行し、二次転写部N2でATVCを実行する所定位置を決定し、その所定位置で二次転写電圧のATVCを実行することで、二次転写電圧に関して本実施例と同様の効果を得ることができる。この場合、本実施例に準じて、画像形成装置には、電源が二次転写部材に電圧を印加している際に二次転写部材に流れる電流又は発生する電圧を検知する検知部を設ける。また、この場合、例えば、二次転写ローラ211の周長で中間転写ベルト205の周長を分割し、その分割数に対応して不揮発メモリ235に用意した記憶領域に、各位置の電気抵抗に関する情報を記憶させることができる。ここで、本実施例と同様に一次転写部N1で抵抗ムラ取得制御を実行し、二次転写部N2でATVCを実行する所定位置を決定することもできる。さらに、上述のように二次転写部N2で抵抗ムラ取得制御を実行し、一次転写部N1でATVCを実行する所定位置を決定することもできる。
また、本実施例では、周方向における抵抗ムラのあるベルトが中間転写方式で用いられる中間転写ベルトである場合について説明したが、該ベルトが直接転写方式で用いられる搬送ベルトである場合も、同様の課題が生じ得る。搬送ベルトは、その表面に保持している記録材に像担持体上のトナー像を直接転写するために、その表面の移動に伴って記録材を像担持体との対向位置に搬送するものである。つまり、直接転写方式の画像形成装置においても、転写電圧制御として、本実施例における一次転写電圧制御と同様のATVCを実行することがある。したがって、本実施例に準じて、抵抗ムラ取得制御を実行し、転写部でATVCを実行する所定位置を決定し、その所定位置で転写電圧のATVCを実行することで、直接転写方式における転写電圧に関して本実施例と同様の効果を得ることができる。
つまり、ベルトは、転写部で像担持体から転写されたトナー像を別の転写部で記録材に転写するために搬送する中間転写ベルトであってよい。この場合、転写部材は、中間転写ベルトの内周面に接触して像担持体から中間転写ベルトにトナー像を転写させるもの、あるいは中間転写ベルトの内周面又は外周面に接触して中間転写ベルトから記録材にトナー像を転写させるものであってよい。また、ベルトは、転写部で像担持体からトナー像が転写される記録材を担持して搬送する搬送ベルトであってよい。この場合、転写部材は、搬送ベルトの内周面に接触して像担持体から搬送ベルトに担持された記録材にトナー像を転写させるものである。
[実施例2]
次に、本発明の他の実施例について説明する。本実施例の画像形成装置の基本的な構成及び動作は、実施例1の画像形成装置のものと同じである。したがって、本実施例の画像形成装置において、実施例1の画像形成装置のものと同一又は対応する機能あるいは構成を有する要素については、実施例1と同一の符号を付して、詳しい説明は省略する。
本実施例では、実施例1と同様に予めATVC実行位置を決める制御を行う構成において、ジョブの後回転で中間転写ベルト205の停止位置の位相合わせを行う。これにより、次のジョブでのファーストプリントアウト時間の短縮を実現することができる。本実施例は、特に、ATVCを実行する頻度が比較的高い、あるいは毎回のジョブの画像形成に先立ってATVCを実行する場合に有効である。
図14は、本実施例におけるジョブの動作の概略を示すフローチャート図である。また、図15は、図8を参照して説明したのと同様の不揮発メモリ235の記憶領域を用いて本実施例の制御を説明するための模式図である。
図14を参照して、前のジョブ(第1のジョブ)の終了時(S401)から説明する。エンジンコントローラ202は、第1のジョブの画像形成が終了すると後回転動作において、中間転写ベルト205の位相合わせ制御を実行する(S402)。この位相合わせ制御は、次回のジョブ(第2のジョブ)の前回転動作においてS405で実行する一次転写電圧制御(ATVC)ための中間転写ベルト205の回転を先取りして行う制御となっている。
例えば、第2のジョブでのATVC実行位置が図15に示す位置40であるものとする。また、第2のジョブにおける前回転動作において、ATVCを実行する一次転写部N1(複数の場合は最上流のもの)で実際にATVCを実行できるようになるまでに要する中間転写ベルト205の走行距離が、図15に示す走行距離285であるものとする。ATVCを実行できるようになるまでに要する時間は、例えば、中間転写ベルト205の走行速度を所定の走行速度まで立上げるのに要する時間などによって決まる。第1のジョブの後回転動作における位相合わせ制御では、この走行距離285を考慮して、図15に示す符号284の位置23を上記一次転写部N1に合わせるようにして中間転写ベルト205を停止させるように、駆動停止タイミングを制御する(S402)。このとき、中間転写ベルト205の停止命令からある程度惰性で中間転写ベルト205が回転する場合がある。この場合には、その惰性で回転する距離283を考慮して、エンジンコントローラ202は符号282の位置18が上記一次転写部N1を通過する際に中間転写ベルト205の停止命令をベルト駆動モータ401に出すようにすればよい。
第2のジョブでは、エンジンコントローラ202は、第1のジョブの後回転動作において位相合わせされて停止された位置から中間転写ベルト205の回転を開始させる(S404)。その後、エンジンコントローラ202は、ATVCを実行できるようになるタイミングとほぼ同時にATVC実行位置がATVCを実行する一次転写部N1に到達すると、ATVCを実行する(S405)。そして、エンジンコントローラ202は、ATVCを含む所定の前回転動作が終了したら、画像形成を開始する(S406)。
このように、画像形成装置100は、1つの開始指示により開始される単数又は複数の記録材Sに画像を形成して出力する一連の動作であるジョブを実行可能であってよい。そして、本実施例では、制御部202は、先行するジョブの次のジョブにおける画像形成工程の前に第3の制御(ATVC)を実行する場合に、先行するジョブにおける画像形成工程の後に、次のジョブにおける第3の制御のためにベルト205の停止位置の制御を行う。制御部202は、次のジョブにおいてベルト205の回転を開始してから第3の制御における検知部の検知結果の取得が可能になるまでの間にベルト205が移動する距離だけ転写部N1よりベルト205の回転方向上流の位置に所定位置(ATVC実行位置)がある状態でベルト205が停止するように、先行するジョブにおけるベルト205の停止位置の制御を行うことができる。換言すると、制御部202は、先行する第1の制御の実行時から次の第1の制御の実行時までの間、上記次のジョブにおいてベルト205の回転を開始してから第3の制御における検知部405の検知結果の取得を開始するまでの間にベルト205が移動する距離が毎回略同一となるように、上記先行するジョブにおけるベルト205の停止位置の制御を行うことができる。
以上のように、本実施例によれば、予め決めたATVC実行位置でATVCを実行する構成でも、前のジョブの後回転動作で中間転写ベルト205の位相合わせを実行することで、次のジョブでのファーストプリントアウトタイムが伸びることを抑制できる。
なお、実施例1で説明したのと同様、本実施例の制御も二次転写電圧制御や、直接転写方式の画像形成装置の転写電圧制御に適用することができ、本実施例と同様の効果を得ることができる。
100 画像形成装置
202 エンジンコントローラ
205 中間転写ベルト
206 一次転写ローラ
211 二次転写ローラ
218 光学センサ
301 感光ドラム
402 一次転写電源

Claims (16)

  1. トナー像を搬送する回転可能な無端状のベルトと、
    前記ベルトに接触し電圧が印加されて転写部でトナー像の転写を行う転写部材と、
    前記転写部材に電圧を印加する電源と、
    前記電源が前記転写部材に電圧を印加している際に前記転写部材に流れる電流又は発生する電圧を検知する検知部と、
    前記転写を行う際に前記電源が前記転写部材に印加する転写電圧を制御する制御部と、
    を有する画像形成装置において、
    前記制御部は、
    前記ベルトの周方向における所定領域が前記転写部を通過している際の前記検知部の検知結果に基づいて、前記所定領域に関し、前記ベルトの周方向における位置と、電気抵抗と相関する指標値と、の関係を示す情報を取得する第1の制御と、
    前記第1の制御で取得した前記情報に基づいて、前記所定領域における前記指標値の平均値に対して、前記所定領域における前記指標値の変動幅よりも小さい所定範囲内の前記指標値を示す、前記ベルトの周方向における所定位置を決定する第2の制御と、
    前記第2の制御で決定した前記所定位置が前記転写部を通過している際の前記検知部の検知結果を取得し、該検知結果を用いて前記転写電圧を決定する第3の制御と、
    を実行可能であることを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記所定範囲は、前記変動幅の半分以下の範囲であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記所定範囲は、前記指標値を前記平均値で除算して規格化した値で表した場合、前記平均値に対して±0.1の範囲であることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
  4. 前記制御部は、前記所定位置が前記転写部を通過している際に前記第3の制御における前記検知部の検知結果の取得を開始することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の画像形成装置。
  5. 前記所定位置は、前記第3の制御における前記検知部の検知結果の取得に要する時間の間に前記転写部を通過する前記ベルトの周方向の長さ以上の連続した領域であり、前記制御部は、前記所定位置が前記転写部を通過している際に前記第3の制御における前記検知部の検知結果の取得を開始しかつ終了することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の画像形成装置。
  6. 前記所定領域は、前記ベルトの1周分であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の画像形成装置。
  7. 前記画像形成装置は、1つの開始指示により開始される単数又は複数の記録材に画像を形成して出力する一連の動作であるジョブを実行可能であり、
    前記制御部は、先行するジョブの次のジョブにおける画像形成工程の前に前記第3の制御を実行する場合に、前記先行するジョブにおける画像形成工程の後に、前記次のジョブにおける前記第3の制御のために前記ベルトの停止位置の制御を行うことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の画像形成装置。
  8. 前記制御部は、前記次のジョブにおいて前記ベルトの回転を開始してから前記第3の制御における前記検知部の検知結果の取得が可能になるまでの間に前記ベルトが移動する距離だけ前記転写部より前記ベルトの回転方向上流の位置に前記所定位置がある状態で前記ベルトが停止するように、前記先行するジョブにおける前記ベルトの停止位置の制御を行うことを特徴とする請求項7に記載の画像形成装置。
  9. 前記制御部は、先行する前記第1の制御の実行時から次の前記第1の制御の実行時までの間、前記次のジョブにおいて前記ベルトの回転を開始してから前記第3の制御における前記検知部の検知結果の取得を開始するまでの間に前記ベルトが移動する距離が毎回略同一となるように、前記先行するジョブにおける前記ベルトの停止位置の制御を行うことを特徴とする請求項7又は8に記載の画像形成装置。
  10. 前記画像形成装置は、前記ベルトの表面に光を照射し反射光を検知する光学センサを有し、
    前記ベルトの表面は、前記ベルトの周方向における他の領域とは光反射特性が異なる光学的特異領域を有し、
    前記制御部は、前記光学センサにより検知された前記光学的特異領域を基準点として前記ベルトの周方向における位置の情報を取得することを特徴とする請求項1乃至9のいずれか一項に記載の画像形成装置。
  11. 前記光学的特異領域は、前記ベルトの表面のインプリント加工により形成されていることを特徴とする請求項10に記載の画像形成装置。
  12. 前記光学的特異領域は、インプリント加工の回数が他の領域よりも多い領域、又はインプリント加工の回数が他の領域よりも少ない領域であることを特徴とする請求項11に記載の画像形成装置。
  13. 前記制御部は、前記ベルトの表面に形成された試験用トナー像を前記光学センサにより検知して画像形成動作の設定を調整する制御における前記ベルトの表面の光反射特性を検知する工程と並行して、前記第1の制御を実行することを特徴とする請求項10乃至12のいずれか一項に記載の画像形成装置。
  14. 前記ベルトは、前記転写部で像担持体から転写されたトナー像を別の転写部で記録材に転写するために搬送する中間転写ベルトであり、前記転写部材は、前記中間転写ベルトの内周面に接触して前記像担持体から前記中間転写ベルトにトナー像を転写させることを特徴とする請求項1乃至13のいずれか一項に記載の画像形成装置。
  15. 前記ベルトは、前記転写部で像担持体から転写されたトナー像を別の転写部で記録材に転写するために搬送する中間転写ベルトであり、前記転写部材は、前記中間転写ベルトの内周面又は外周面に接触して前記中間転写ベルトから記録材にトナー像を転写させることを特徴とする請求項1乃至13のいずれか一項に記載の画像形成装置。
  16. 前記ベルトは、前記転写部で像担持体からトナー像が転写される記録材を担持して搬送する搬送ベルトであり、前記転写部材は、前記搬送ベルトの内周面に接触して前記像担持体から前記搬送ベルトに担持された記録材にトナー像を転写させることを特徴とする請求項1乃至13のいずれか一項に記載の画像形成装置。
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