JP2021180671A - B1sp融合タンパク質の治療薬、方法、および使用 - Google Patents

B1sp融合タンパク質の治療薬、方法、および使用 Download PDF

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Abstract

【課題】B1SP融合タンパク質を用いる、がん治療のための核酸ベクターの提供。【解決手段】B1SP融合タンパク質をコードする核酸ベクターであって、該B1SP融合タンパク質は(a)SEMA3C又はプレキシンB1セマドメイン、(b)1のプレキシン−セマフォリン−インテグリンドメイン(PSIドメイン)、および(c)半減期延長部分を含み、該セマドメインがSEMA3C由来のときには該半減期延長部分が血清アルブミンであり、該セマドメインがプレキシンB1由来のときには、該半減期延長部分が、断片結晶化可能領域(Fc領域)、血清アルブミン、ユビキチン、ポリエチレングリコール(PEG)部分、ポリペプチド骨格を有する非構造化ポリマー、ポリグリシン、ポリシアル酸、PAS部分(Pro、AlaおよびSer(PAS))、糖質部分、ヒドロキシエチルデンプン部分、及びヘパロサン部分からなる群より選ばれる、核酸ベクターである。【選択図】なし

Description

本発明は、がんの治療のための組成物および方法に関する。本発明は、いっそう具体的には、前立腺がん、肺がん、および乳がんの治療のための有望な治療薬に関する。
関連出願の相互参照
本願は、2015年6月29日出願の「B1SP融合タンパク質の治療薬、方法、および使用」と題された米国仮特許出願第62/185,772号の利益を請求するものである。
アメリカ人男性の間で、進行性前立腺がん(CaP)は、現在最も高頻度に診断されるがんであり、がん関連死の第2の主因である。2009年には、192,280人のアメリカ人男性がCaPと診断され、当該疾患により27,360人が死亡するものと見積もられる。初期の疾患は、手術または放射線療法により高頻度で治癒させることができるが、一方で、およそ1/3の患者が、予後不良に繋がる局所的な進行性または転移性の疾患を臨床的に呈する。外科的または内科的な去勢を介したアンドロゲン抑制療法は、1941年にCharles Hugginsによって開始されて以来、依然として進行性CaPのための最も有効な療法である(HugginsおよびHodges、1941年)。CaP細胞がその成長および生存のためのアンドロゲンシグナル伝達軸に非常に強い依存性を持つことに起因する、進行性疾患を伴う80%超の患者において、アンドロゲン抑制は腫瘍の退縮を絶えず誘導する(Isaacsら、1997年)。さらに、アンドロゲン受容体(AR)の発現は、前立腺がんの増悪の間を通じて維持され、大多数のアンドロゲン非依存性またはホルモン不応性の前立腺がんは、ARを発現する(HeinleinおよびChang、2004年)。しかし、初めこそ顕著で明確な臨床反応を首尾よく達成するものの、無増悪生存期間は一過性のままであって(〜1〜3年)、致死性の去勢抵抗性疾患(しばしばアンドロゲン非依存性またはホルモン不応性の疾患とも呼ばれる)へ進行することが本質的には共通する(Bruchovskyら、1988年;Goldenbergら、1988年;Bruchovskyら、1989年)。それゆえ、去勢抵抗性前立腺がん(CRPC)の患者に用いられる現行の標準治療は、依然として化学療法、例えばドセタキセル(Petrylakら、2004年;Tannockら、2004年)を用いた対症的なものにすぎず、そのような化学療法は、時として、著しい病的状態を代償にほんの僅かな延命効果を誘導するにすぎない。
セマフォリンは、元々は発達中の神経系の細胞遊走および軸索ガイダンスのメディエータとして同定された、高度に保存されている分泌型または細胞表面シグナル伝達タンパク質の大ファミリーである(TamagnoneおよびComoglio、2000年;Krugerら、2005年)。セマフォリンは、神経系に最もよく特性が示されているが、一方で、他の組織に発現することが知られている。セマフォリンは、血管新生、組織の形態形成、および免疫を含む様々な動的かつ生理的な過程に関与している(Kolodkinら、1993年;Krugerら、2005年)。セマフォリンは、セマフォリンとその同系受容体であるプレキシンとの相互作用を介した細胞の増殖、接着、遊走、およびアポトーシスを含む、種々の生物学的な応答を調節する。プレキシンは、R−Ras12に対する内在性GAP(GTPase活性化タンパク質)活性を持つ高度に保存された細胞内ドメインを有する、1回膜貫通受容体である(Negishiら、2005)。9つの脊椎動物プレキシンが同定されており、コンピュータによる系統発生学的解析に基づき4つのサブファミリー(プレキシンAからD)に分類される。セマフォリンおよびプレキシンはどちらも、SEMAドメインと呼ばれる保存された500アミノ酸の細胞外モチーフを発現し、このドメインは、タンパク質−タンパク質相互作用に関与するものと考えられている。膜結合型セマフォリンがプレキシンに直接結合するのに対し、分泌型セマフォリンは、しばしば追加の結合コンポーネント(ニューロピリン1と2とのどちらか(Npn−1またはNpn−2))を共受容体として有する。プレキシンは、小さなGTPase、Rnd1、R−Ras、Rac、およびRho12の活性を制御することによって、アクチン細胞骨格を調節するものと考えられている。プレキシンがセマフォリンに結合すると、さらに受容体チロシンキナーゼであるHer2/neu(ErbB2)および肝細胞成長因子/散乱因子受容体(c−Met)と相互作用して活性化させると考えられている(Giordanoら、2002年;Swierczら、2004年;Swierczら、2008年)。
SEMA3Cは、分泌型セマフォリンのサブファミリーであるクラス3セマフォリンのメンバーである(TamagnoneおよびComoglio、2000年;Verrasら、2007年)。SEMA3Cは、Npn−1とNpn−210とのどちらかに会合するプレキシンA1、A2、またはB1から構成される、受容体複合体に結合することが示されている。プレキシンは、分泌型セマフォリンの各種サブセットへのその結合親和性(および事によれば選択性)に影響を与えることがある。例えば、SEMA3Cのニューロピリンとの結合は、プレキシンA1の共発現によって阻害されるように見えるのに対し、プレキシンA2またはB1の存在下では増加する。HermanおよびMeadows(2007年)は、PC−3 AR陰性がん細胞でのSEMA3Cの発現と浸潤および接着の増加との関係を示唆している。しかし、AR陰性前立腺がんは、ごく少数の後期のアンドロゲン非依存性前立腺がんを表す(HeinleinおよびChang、2004年)。複数のB型プレキシンポリペプチドが、プレキシン−B1およびErb−B2の結合を阻害するものと示唆されている(米国特許第9,198,966号)。
本発明は、部分的に、B1SP融合タンパク質がセマフォリン媒介性のシグナル伝達経路を阻害するという驚くべき発見に基づく。本発明は、部分的に、B1SP融合タンパク質がニューロピリンおよびプレキシンに用量依存的に結合するという驚くべき発見に基づく。本発明は、部分的に、B1SP融合タンパク質がセマフォリンシグナル伝達に強力な効果を有するという驚くべき発見に基づく。本発明は、部分的に、B1SP融合タンパク質が前立腺がん細胞のEGFRリン酸化の強力な阻害剤であるという驚くべき発見に基づく。本発明は、部分的に、B1SP融合タンパク質が前立腺がん細胞のR1881誘導性増殖の用量依存的な阻害剤であるという驚くべき発見に基づく。本発明は、部分的に、B1SP融合タンパク質がNRP1およびPLEXIN B1とのSEMA3Cの会合を阻害するという驚くべき発見に基づく。本発明は、部分的に、B1SPがDU145細胞においてHER2/ErbB2とのPLEXIN B1の相互作用を向上させるという驚くべき発見に基づく。さらに、本発明は、部分的に、B1SP融合タンパク質ががん治療に有用であるという驚くべき発見に基づく。
第1の実施形態に従って、がんを治療するための方法が提供される。この方法は、生物学的有効量のB1SP融合タンパク質をがん細胞に投与することを含み、B1SP融合タンパク質は、(a)セマドメイン、(b)構造安定化ドメイン、および(c)半減期延長部分を含む。
別の実施形態に従って、アンドロゲン受容体(AR)陽性前立腺がんを死滅させるまたはその増殖を阻害するための方法が提供される。この方法は、B1SP融合タンパク質を含む生物学的有効量の組成物に前立腺がんを接触させることを含み、B1SP融合タンパク質は、(a)セマドメイン、(b)構造安定化ドメイン、および(c)半減期延長部分を含む。
別の実施形態に従って、アンドロゲン依存性前立腺がんの成長抑制方法が提供される。この方法は、アンドロゲン枯渇療法及びB1SP融合タンパク質を施すものであって、B1SP融合タンパク質は、(a)セマドメイン、(b)構造安定化ドメイン、および(c)半減期延長部分を含む。
別の実施形態に従って、がんを治療するための医薬品の製造へのB1SP融合タンパク質の使用が提供される。B1SP融合タンパク質は、(a)セマドメイン、(b)構造安定化ドメイン、および(c)半減期延長部分を含む。
別の実施形態に従って、がんを治療するためのB1SP融合タンパク質の使用が提供される。B1SP融合タンパク質は、(a)セマドメイン、(b)構造安定化ドメイン、および(c)半減期延長部分を含む。
別の実施形態に従って、がんの治療のためのB1SP融合タンパク質が提供される。B1SP融合タンパク質は、(a)セマドメイン、(b)構造安定化ドメイン、および(c)半減期延長部分を含む。
別の実施形態に従って、B1SP融合タンパク質を生理的に許容可能な担体と組み合わせて含む医薬組成物が提供される。B1SP融合タンパク質は、(a)セマドメイン、(b)構造安定化ドメイン、および(c)半減期延長部分を含む。
別の実施形態に従って、前立腺がんの治療での使用のためのB1SP融合タンパク質および取扱説明書を含む商業用パッケージが提供される。B1SP融合タンパク質は、(a)セマドメイン、(b)構造安定化ドメイン、および(c)半減期延長部分を含む。
B1SP融合タンパク質は、構造安定化ドメインと半減期延長ドメインとの間に、リンカーおよびヒンジのうち1つまたは複数をさらに含んでいてもよい。構造安定化ドメインは、プレキシン−セマフォリン−インテグリンドメイン(PSIドメイン)としてもよい。構造安定化ドメインは、プレキシンB1とプレキシンB2とプレキシンB3とのいずれかのPSIドメインとしてもよい。構造安定化ドメインは、scaqhldcasclahrdpycg wcvllgrcsrrsecsrgqgpeqとしてもよい。生物学的有効量は、がん細胞の細胞死を引き起こすか、またはがん細胞の増殖を阻害するのに充分な量である。がん細胞は、前立腺がん、乳がん、卵巣がん、膀胱がん、腎がん、神経膠芽腫、または子宮体がんの細胞としてもよい。がん細胞は、前立腺がん細胞としてもよい。前立腺がん細胞は、アンドロゲン受容体(AR)陽性前立腺がん細胞としてもよい。がんは、前立腺がん、乳がん、卵巣がん、膀胱がん、腎がん、神経膠芽腫、または子宮体がんとしてもよい。がん細胞は、前立腺がんとしてもよい。前立腺がんは、アンドロゲン受容体(AR)陽性前立腺がんとしてもよい。
半減期延長部分は、断片結晶化可能領域(Fc領域)、免疫グロブリン結合ドメインドメインB(IgBD)、Novozymes Albufuseアルブミン、血清アルブミン、ユビキチン、ポリエチレングリコール(PEG)部分(PEG化)、Amunix XTEN、ポリペプチド骨格を有する非構造化ポリマー、ポリグリシン、エラスチン様ポリペプチド、ポリシアル酸、PAS化(Pro、AlaおよびSer(PAS))、糖鎖修飾、HES化(ヒドロキシエチルデンプンとのカップリング)、およびHeptune(ヘパロサンのコンジュゲーション)から選択されてもよい。半減期延長部分は、断片結晶化可能領域(Fc領域)、免疫グロブリン結合ドメインドメインB(IgBD)、Novozymes Albufuseアルブミン、血清アルブミン、ユビキチン、ポリエチレングリコール(PEG)部分(PEG化)、Amunix XTEN、ポリペプチド骨格を有する非構造化ポリマー、ポリグリシン、エラスチン様ポリペプチド、ポリシアル酸、PAS化(Pro、AlaおよびSer(PAS))、糖鎖修飾、HES化(ヒドロキシエチルデンプンとのカップリング)、およびHeptune(ヘパロサンのコンジュゲーション)から選択されてもよい。半減期延長部分は、Fc領域およびアルブミンから選択されてもよい。半減期延長部分は、IgBDとしてもよい。B1SP融合タンパク質は、構造安定化ドメインと半減期延長ドメインとの間に、リンカーおよびヒンジのうち1つまたは複数をさらに含んでいてもよい。
アンドロゲン枯渇療法およびB1SP融合タンパク質は、ほぼ同時に開始されてもよい。B1SP融合タンパク質は、アンドロゲン枯渇療法後に、およびアンドロゲン依存性がんがアンドロゲン非依存性となる前に開始されてもよい。アンドロゲン枯渇療法は、黄体形成ホルモン放出ホルモン(LHRH)類似体を投与することを含んでいてもよい。アンドロゲン枯渇療法は、抗アンドロゲン治療を施用することを含んでいてもよい。アンドロゲン枯渇療法は、副腎アンドロゲン阻害剤を投与することを含んでいてもよい。アンドロゲン枯渇療法は外科的としてもよい。アンドロゲン枯渇療法およびSEMA3C阻害剤は、1つまたは複数のさらに別の治療レジメン(複数可)と共に施用されてもよい。治療レジメンは、化学療法レジメンとしてもよい。治療レジメンは、放射線療法レジメンとしてもよい。
B1SP融合タンパク質は、配列番号2を含むアミノ酸配列を有していてもよい。B1SP融合タンパク質は、配列番号2からなるアミノ酸配列を有していてもよい。B1SP融合タンパク質は、ただ1つの構造安定化ドメインを有していてもよい。B1SP融合タンパク質は、ただ1つのPSIドメインを有していてもよい。PSIドメインは、scaqhldcasclahrdpycg wcvllgrcsrrsecsrgqgpeqとしてもよい。
コンセンサス配列を含むセマドメインのクロモアライメントを示す図である。 コンセンサス配列を含む構造安定化ドメインのクロモアライメントを示す図である。 共免疫沈降アッセイでDU145細胞において、B1SP融合タンパク質がNRP1に用量依存的に結合することを示す図である。 共免疫沈降アッセイでDU145細胞において、B1SP融合タンパク質がプレキシンB1およびNRP1に用量依存的に結合することを示す図である。 B1SP処理に対する用量反応の実験で、NRP1との複合体におけるB1SPの相対量も用量依存的な関係を示した。 B1SP処理に対する用量反応の実験で、プレキシンB1との複合体におけるB1SPの相対量も用量依存的な関係を示した。 PE標識B1SP(B1SP−PE)を使用してB1SPのEC50(8.436nM)を決定した図である。ここでは、B1SP−PEを連続的に希釈してDU145細胞に1時間添加した。細胞をDPBSで洗浄した後、PE−蛍光強度(FI)を測定した。 in−situ近接ライゲーションアッセイ(PLA)の結果の顕微鏡写真に基づく相互作用/細胞の平均およびSEMを示す棒グラフであり、DU145細胞におけるプレキシンB1へのB1SPの結合を示す。 in−situ近接ライゲーションアッセイ(PLA)の結果の顕微鏡写真に基づく相互作用/細胞の平均およびSEMを示す棒グラフであり、DU145細胞においてB1SPがSEMA3CとNRP1との相互作用を阻害することを示す。 in−situ近接ライゲーションアッセイ(PLA)の結果の顕微鏡写真に基づく相互作用/細胞の平均およびSEMを示す棒グラフであり、DU145細胞においてB1SPがSEMA3CとプレキシンB1との相互作用を阻害することを示す。 LNCaP細胞におけるEGFRリン酸化が、時間に依存的であることを示す図である。ここでは、ローディング対照としての抗ビンキュリンおよび非処理の細胞対照と比較するものとして、処理細胞を回収し、EGFRリン酸化(pEGFR)の発現および総EGFR発現について評価した。 LNCaP細胞におけるEGFRリン酸化が、用量に依存的であることを示す図である。ここでは、ローディング対照としての抗ビンキュリンおよび非処理の細胞対照と比較するものとして、処理細胞を回収し、EGFRリン酸化(pEGFR)の発現および総EGFR発現について評価した。 LNCaP細胞におけるEGFRリン酸化の阻害を示す図である。ここでは、細胞を切頭型セマフォリン融合タンパク質(2.0μM)(ALB SRGLI)とプレキシンB1融合タンパク質(B1SP)(2.0μM)のうちどちらかで60分間処理し、続いてEGF(10ng/mL)で10分間刺激した後、細胞を回収し、EGFRリン酸化(pEGFR)の発現、およびEGFRレベルについて、ビンキュリンのローディング対照と共に評価した。 B1SPがEGFRの下流にあるShcアイソフォームのリン酸化を阻害することを示す図である。 B1SPがEGFRの下流にあるShcアイソフォームのリン酸化を阻害することを示す図である。 LNCaP細胞を24時間、血清飢餓の状態とし、次いで、B1SPおよびセマフォリン3C:Fcで同時に60分間、もしくはB1SPのみで、もしくはセマ3C:Fcのみで処理するか、または非処理のままとし、続いてEGF(10ng/mL)で10分間刺激した際のブロットを示す図である。このブロットには、ローディング対照としてのビンキュリンと比較した際の結果的なEGFRリン酸化のレベルが示されている。 図6Aのブロットの定量的濃度測定解析を示す図であり、B1SPがセマ3C媒介性のEGFRリン酸化を阻害できることを示す。 同様に、LNCaPでのEGFRリン酸化の阻害を示す図である。ここでは、LNCaP細胞を血清飢餓の状態とし、次いで、培地を交換し、切頭型セマフォリン融合タンパク質(2.0μM)(ALB SRGLIおよびΔ13)とプレキシンB1融合タンパク質(B1SP)(2.0μM)のどちらかで細胞を60分間処理した。次いで、細胞をEGF(10ng/mL)で10分間刺激し、細胞を回収し、EGFRリン酸化(pEGFR)の発現およびEGFRレベルについて評価した。ローディング対照としてビンキュリンについてブロット(示さず)をリプロービングし、EGFRリン酸化レベルの濃度測定解析を実施した。 LNCaP細胞におけるEGFRリン酸化の阻害を示す図である。この図では、濃度を増加させてB1SPを処理したLNCaP細胞のEGF媒介性のEGFRリン酸化が示されており、その際に、LNCaP細胞を24時間、血清飢餓の状態とし、次いで、呈示した用量(0.5〜4.0μM)のB1SPで1時間処理し、続いて、EGF(10ng/mL)で刺激し、pEGFR、pHER2/ErbB2、pSHC、およびpMAPKのレベルをイムノブロッティングによって示した。ここでは、定量的な濃度測定解析のプロットを示す。 22RV1PC細胞におけるEGFRリン酸化の阻害を示す図である。この図では、22RV1PC細胞を血清飢餓の状態とし、標示された時点でB1SP条件培地(CM)を細胞に添加した後、5.0ng/mLのEGFで10分間刺激し、次いで、細胞を回収し、pEGFRの発現およびEGFRについて評価した。この評価は、ビンキュリンによるローディング対照、およびタイムコースの終了時に非処理細胞で評価した対照のEGFRリン酸化に比較するものとした。ここでは、定量的な濃度測定解析のプロットを示す。 同様に、濃度を増加させたB1SP(すなわち0.5、1,2、および4.0μM)を用いて、EGFRリン酸化の阻害を、22RV1PC細胞で試験した図である。 同様に、濃度を増加させたB1SP(すなわち0.5、1,2、および4.0μM)を用いて、EGFRリン酸化の阻害を、MCF10A正常ヒト乳腺細胞で試験した図である。 同様に、濃度を増加させたB1SP(すなわち0.5、1,2、および4.0μM)を用いて、EGFRリン酸化の阻害を、MR49FPC細胞で試験した図である。 同様に、濃度を増加させたB1SP(すなわち0.5、1,2、および4.0μM)を用いて、EGFRリン酸化の阻害を、V16A去勢抵抗性前立腺がん(CRPC)幹細胞で試験した図である。 B1SPがPC細胞(LNCaP)の増殖を用量依存的にIC50 1.145μMで阻害することを示す図である。この図は、細胞を標示の通りに合成アンドロゲン(R1881)で処理し、PrestoBlue増殖アッセイを使用して、5日間にわたって細胞増殖を評価したものを示す。 B1SPがPC細胞(LNCaP)の増殖を用量依存的にIC50 1.145μMで阻害することを示す図である。ここでは、濃度を増加させたB1SPと組み合わせてLNCaP細胞をR1881(1nM)で処理し、細胞増殖を4日間モニターした。 B1SPがPC細胞(LNCaP)の増殖を用量依存的にIC50 1.145μMで阻害することを示す図である。この図は、成長へ及ぼすB1SPの阻害効果を示し、この阻害効果は、アンドロゲン(R1881)感受性成長の最大のパーセンテージとして表される。 B1SPがPC細胞(LNCaP)の増殖を用量依存的にIC50 1.145μMで阻害することを示す図である。 LNCaP細胞の2つのプロット(独立した2つの実験)を示す図である。ここでは、細胞を精製B1SP融合タンパク質で48時間処理した後、蛍光ベースの生/死細胞生存率アッセイ(カルセイン/ヨウ化プロピジウム)を使用して細胞生存率を分析した。 B1SP融合タンパク質の処理によって、2つのタイプの前立腺がん細胞(すなわちLNCaP細胞またはDU145細胞)で前立腺がん細胞の接着が阻害されることを示す図である。ここで、細胞をカルセインAM(12.5μM)でパルスし、30分間インキュベーションし、次いで、96穴プレート中プレコートされたフィブロネクチン(50μg/mL)上に細胞(1×10)を播種し、軽く遠心した後にB1SP融合タンパク質の存在下および非存在下で16〜24時間インキュベーションし、その後、細胞の蛍光を測定した(洗浄により非接着細胞を除去する前と後の両方)。データは、3連のウェルの接着の平均(%)を表す。 B1SP融合タンパク質を用いて去勢抵抗性C4−2異種移植片腫瘍を担持するマウスを処置することによって、in vivo腫瘍の成長が阻害されることを示す図である。このことは、PBS処理対照マウスに比較して腫瘍体積が減少することで示される通りである。 B1SP融合タンパク質を用いて去勢抵抗性C4−2異種移植片腫瘍を担持するマウスを処置することによって、in vivo腫瘍の成長が阻害されることを示す図である。このことは、PBS処理対照マウスに比較して血清PSAレベルが減少することで示される通りである。 PBS(n=9)を処理した後7日目から14日目の各C4−2異種移植片担持マウスの血清PSAレベルのパーセント変化に関するウォーターフォールプロットの図である。 B1SP(n=7)を処理した後7日目から14日目の各C4−2異種移植片担持マウスの血清PSAレベルのパーセント変化に関するウォーターフォールプロットの図である。 B1SPで処理して総PARPおよび切断型PARPで染色したLNCaPおよびC4−2の前立腺がん細胞のイムノブロットを示す図であり、この図は、これらの細胞でアポトーシスが生じていることを示す。 DU145細胞においてB1SPがHER2/ErbB2とのプレキシンB1の相互作用を亢進させることを示す図であり、Duolink in−situ PLAキットを使用したPLA分析に基づく。
定義
本明細書で使用される“セマドメイン”とは、7つのブレード状のβプロペラを有するおよそ500アミノ酸の特有のタンパク質ドメインを指す。ここでは、セマドメインはまた、突出(extrusion)などの1つ又は複数の長いループおよび/または挿入を含んでいてもよい(Gherardi E.ら、2004)。セマドメインは、1〜7クラスの動物セマフォリン、ウイルスセマフォリン、プレキシンのうちいずれか1つに由来するか、または当技術分野で既知のMETおよびRON受容体チロシンキナーゼ(RTK)に由来していてもよい。あるいは、セマドメインは、1つまたは複数の異なるセマドメイン(図1のセマドメインのクロモアラインメントを参照されたい)由来のβプロペラブレードを組み合わせることによって、形成されていてもよい。セマドメインは、保存された一連のシステイン残基を持つという特徴があり、これらの残基は、4つのジスルフィド結合を形成して構造を安定化する。セマドメインの折り畳みは、中心軸の周囲に放射状に配置された7つのブレードを有する、ベータプロペラの様々なトポロジーである。各ブレードは、4つのストランド(ストランドAからD)の逆平行ベータシートを含有する。各ブレードの内部ストランド(A)は、プロペラの中心でチャネルを裏打ちすると共に、同じ繰り返しのストランドBおよびCは、外側に放射状に広がり、次の繰り返しのストランドDは、ブレードの外縁を形成する。大きなサイズのセマドメインは、単一の挿入ドメインに起因するものではないが、ブレードのほとんどに挿入された追加の二次構造上の要素が存在することによって生じる。セマドメインは、“ループ・アンド・フック”方式を使用して、最初と最後のブレードの間で円を閉じる。ブレードが連続的に構築され、それに伴って、N末端のベータストランドが、第7の(C末端の)ブレードの最も外側のストランド(D)を与えることによって円を閉じる。ベータプロペラは、N末端の延長によってさらに安定化され、ブレード6の外縁に追加の第5のベータストランドをもたらす。本明細書で使用する際、阻害性のセマドメインとは、がん細胞における(1)EGFRリン酸化、(2)c−Metリン酸化、または(3)VEGFRリン酸化を阻害すること、またはがん細胞のR1881誘導性の増殖、接着、もしくは細胞遊走を阻害することが可能な任意のセマドメインを含むことを意味する。
本明細書で使用される“構造安定化ドメイン”とは、シスチンリッチドメイン(CRD)またはプレキシン−セマフォリン−インテグリンドメイン(PSIドメイン)を指す。例えば、配列SCAQHLDCASCLAHRDPYCGWCVLLGRCSRRSECSRGQGPEQを有するプレキシンB1の第1のPSIドメインである。これに代わる構造安定化ドメインは、当技術分野で既知であるか、またはコンセンサス配列に基づき工学的に作り出されてもよい(図2を参照されたい)。あるいは、構造安定化ドメインは、プレキシンB2とプレキシンB3のうちどちらかに由来するPSIドメインとしてもよい。さらに、構造安定化ドメインは、安定化しているセマドメインに適合するべきである。PSIドメインまたはCRDは、500を超えるシグナル伝達タンパク質の細胞外部分にみられるシステインリッチなドメインである。構造安定化ドメインのコア構造は、3つのストランド状の逆平行ベータシートと2つのアルファーヘリックスからなる。
セマドメインおよび/または構造安定化ドメインの供給源(すなわち動物起源)は、ヒト治療用タンパク質の開発に関与していてもよい。例えば、供給源とヒト配列との間のアミノ酸配列の違いが、治療用タンパク質の免疫原性のリスクの増加を導くことがある。
本明細書で使用される“半減期延長部分”は、対象内で融合タンパク質の半減期を延長する任意の部分を指す(Hutt M.ら、The Journal of Biological Chemistry(2012)287(7):4462〜4469)。例えば、断片結晶化可能領域(Fc領域)、免疫グロブリン結合ドメイン(IgBD)B、Novozymes(商標)Albufuse(商標)アルブミン、血清アルブミン、ユビキチン、ポリエチレングリコール(PEG)部分の化学結合またはPEG化、Amunix(商標)XTEN(商標)製品、ポリペプチド骨格を有する長い親水性の非構造化ポリマーである。さらに、半減期を、ポリグリシン、エラスチン様ポリペプチド、およびポリシアル酸によって延長してもよい。PAS化は、タンパク質の半減期を延長するための別のストラテジーであり、小さな残基であるPro、Ala、およびSer(PAS)を含む拡張された流体力学的容積を有した、立体配置が乱雑なポリペプチド鎖に付加することによって行われる。糖鎖修飾、HES化(ヒドロキシエチルデンプンとのカップリング)、およびHeptune(ヘパロサンのコンジュゲーション)の変更は、半減期延長に用いられる他の方法である。半減期延長ドメインは、単量体(例えば、アルブミン)または二量体(例えば、Fc領域))のどちらの使用に適することがある。
本明細書で使用される断片結晶化可能領域(Fc領域)は、Fc受容体と呼ばれる細胞表面の受容体および補体系のいくつかのタンパク質と相互作用する抗体のテール領域である。この性状によって、抗体が免疫系を活性化させることが可能になる。IgG、IgA、およびIgD抗体のアイソタイプにおいて、Fc領域は、2つの同一のタンパク質断片から構成され、これらの断片は、抗体の2つの重鎖の第2および第3の定常ドメインに由来する。IgMおよびIgEのFc領域は、3つの重鎖の定常ドメイン(CHドメイン2〜4)を各ポリペプチド鎖に含有する。
本明細書で使用される“リンカー”は、タンパク質ドメイン同士の間に生じる短いペプチド配列を指す。リンカーは、多くの場合、グリシンおよびセリンのような可撓性のある残基から構成され、その結果、隣接するタンパク質ドメインが互いに自由に動く。隣接する2つのドメインが互いに立体的に干渉しないよう確実にする必要がある際には、さらに長いリンカーが使用される。2つの異なるタンパク質またはペプチドを連結する際には、タンパク質が独立して折り畳まれて所望の通りの挙動をとる可能性をさらに高めるよう、多くの場合、リンカーも付加される。あるいは、リンカーが、タンパク質精製を可能にしてもよいし、または、時として、タンパク質もしくはペプチド融合体中のリンカーが、2つの別々のタンパク質を遊離させることができるプロテアーゼもしくは化学薬剤に用いる切断部位を有して、工学的に作り出される。
本明細書で使用される「ヒンジ」は、ヒンジ断片を指し、このヒンジ断片は、天然の免疫グロブリンのピボットとしての役割を果たす。ヒンジは、IgGおよびIgA免疫グロブリンクラスの重鎖の中心部にある可撓性を有したアミノ酸の広がりであり、これら2つの鎖をジスルフィド結合によって結合する。ヒンジは、システインおよびプロリンアミノ酸に特に富んでおり、アミノ酸配列の可変性が極めて高いことがあるが、他の免疫グロブリン領域とは類似性がない。IgM重鎖の一部は、ガンマのヒンジと同様の性状を持つ。合成ペプチドワクチン中のヒンジ領域(225〜232/225’〜232’)の三次元構造は、天然のタンパク質の断片の構造に一致するため、IgGとは無関係のペプチド配列を用いてN末端およびC末端を伸長する際であっても、IgG断片のサブドメインの特性は保持される。
「全身デリバリ」は、本明細書で使用される際には、生物体内でB1SP融合タンパク質の広範囲の体内分布を導く脂質粒子または他の担体のデリバリを指すことがある。ある種の薬剤について外でもなく全身デリバリを導くことができる投与の手法がある。全身デリバリとは、有用量の、好ましくは治療量の薬剤が、身体の大部分に曝露されることを意味する。広範囲の体内分布を得るためには、一般に、薬剤が、投与した部位の遠位にある疾患部位に到達する前に、(例えば第一関門器官(肝臓、肺など)によって、または細胞への迅速かつ非特異的な結合によって)速やかに分解または一掃されないような血中存続期が必要である。B1SP融合タンパク質の全身デリバリは、本技術分野で既知の任意の手法に依ることができ、そのような手法としては例えば、静脈内、皮下、および腹腔内が挙げられる。一実施形態では、B1SP融合タンパク質の全身デリバリは、静脈内デリバリに依る。
“局所デリバリ”は、本明細書で使用される際には、生物体内での標的部位への直接的なB1SP融合タンパク質のデリバリを指す。例えば、B1SP融合タンパク質は、疾患部位内、他の標的部位内、または前立腺などの標的器官内へ直接的に注射することによって、局所的にデリバリされることがある。
本明細書で使用される際に、「阻害剤」は、生理的、化学的、または酵素的な作用または機能を抑制、遅延、その他の阻害を引き起こす薬剤を指す。阻害剤は、少なくとも5%の酵素活性の減少を引き起こすことがある。また、阻害剤は、遺伝子またはタンパク質の発現、転写、または翻訳を防止するまたは低減させる薬物、化合物、または薬剤を指すことがある。阻害剤は、タンパク質の機能を、例えば別のタンパク質もしくは受容体に結合するおよび/または活性化/不活性化させることによって、低減させるまたは防止することがある。阻害剤は、酵素またはタンパク質と別の酵素またはタンパク質との相互作用を低減させるまたは防止することがある。阻害剤は、細胞由来のまたは対象の身体由来のタンパク質の分解またはクリアランスを引き起こすことがある。例えば、このようなタンパク質に阻害剤が結合してもよく、そのような結合が、細胞性分解のため、または身体からのクリアランスのために、そのタンパク質を標的にするものとしてもよい。阻害剤が結合することによって、それが同族受容体へ結合することが防止されることがあり、他の重要な分子相互作用を防止できることがあるか、またはそのタンパク質の立体構造を変更できることがある。また、そのタンパク質の受容体へ阻害剤が結合することによって、そのタンパク質と受容体との相互作用を防止することがあるため、問題のタンパク質の細胞機能も阻害されよう。そのような阻害剤を、本明細書に記載のB1SP融合タンパク質としてもよい。全てのそのような実施形態は、阻害剤の定義の範疇で考えられ、本発明の範囲内にあるものと考えられる。
用語「ペプチド」、「ポリペプチド」、および「タンパク質」は、互換的に使用されることがあり、ペプチド結合または修飾ペプチド結合によって共有結合的に連結された少なくとも2つのアミノ酸残基から構成される化合物を指し、そのようなペプチド結合としては、例えば、半減期の延長などの追加の所望の性状をペプチドに与えることがあるペプチドアイソスター(修飾ペプチド結合)がある。ペプチドは、少なくとも2つのアミノ酸を含んでいてもよい。また、本明細書に記載のペプチドまたはタンパク質を構成するアミノ酸は、翻訳後プロセシングなどの天然のプロセスまたは当技術分野で公知の化学修飾の手法のいずれかによって、修飾されてもよい。修飾は、ペプチド中の任意の箇所で生じさせることができ、そのような箇所としては、ペプチド骨格、アミノ酸側鎖、およびアミノ末端またはカルボキシル末端が挙げられる。所与のペプチド中の複数の部位に、同じタイプの修飾が、同じまたは様々な程度で存在してもよいことが理解されている。
ペプチドへの修飾の例としては、アセチル化、アシル化、ADPリボシル化、アミド化、フラビンの共有結合、ヘム部分の共有結合、ヌクレオチドまたはヌクレオチド誘導体の共有結合、脂質または脂質誘導体の共有結合、ホスフォチジルイノシトールの共有結合、架橋、環化、ジスルフィド結合の形成、脱メチル化、共有結合による架橋の形成、シスチンの形成、ピログルタミン酸の形成、ホルミル化、ガンマ−カルボキシル化、糖鎖修飾、GPIアンカーの形成、ヒドロキシル化、ヨウ素化、メチル化、ミリストイル化、酸化、タンパク質分解性プロセシング、リン酸化、プレニル化、ラセミ化、セレノイル化、硫酸化、アルギニン化などのタンパク質への転移RNA媒介性のアミノ酸付加、およびユビキチン化が挙げられよう。例として、Proteins−Structure and Molecular Properties、第2版、T.E.Creighton、W.H.Freeman and Company、ニューヨーク州、1993年、およびWoldF、Posttranslational Protein Modifications:Perspectives and Prospects、Posttranslational Covalent Modification of Proteins章の1〜12ページ、B.C.Johnson編、Academic Press、ニューヨーク州、1983年;Seifterら、Analysis for protein modifications and nonprotein cofactors、Meth.Enzymol.(1990)、182:626〜646およびRattanら(1992)、Protein 合成:Posttranslational Modifications and Aging」、Ann NY Acad Sci、663:48〜62.を参照されたい。
「実質的に類似の配列」とは、1つまたは複数の置換により参照配列とは異なるアミノ酸配列を指すが、このアミノ酸配列は、例えば、実質的に類似の別の配列に機能的に相同であってもよい。本発明のペプチド中に置換可能な個々のアミノ酸の態様があることを当業者は理解されたい。
アミノ酸配列の類似性または同一性は、BLAST(basic local alignment search tool)2.0アルゴリズムを採用するBLASTPプログラムおよびTBLASTNプログラムを使用することによってコンピュータで計算されてもよい。アミノ酸配列の類似性または同一性をコンピュータで計算するための手法は、当業者に公知であり、BLASTアルゴリズムの使用は、ALTSCHULら、1990年、J Mol.Biol.、215:403〜410およびALTSCHULら、(1997)、Nucleic Acids Res.、25:3389〜3402に記載されている。
アミノ酸は、例えば、極性、非極性、酸性、塩基性、芳香族、または中性として記載されていてもよい。極性アミノ酸とは、生物学的pHまたは中性に近いpHで水素結合によって水と相互作用することがあるアミノ酸である。アミノ酸の極性は、生物学的pHまたは中性に近いpHにおける水素結合の程度の標示である。極性アミノ酸の例としては、セリン、プロリン、スレオニン、システイン、アスパラギン、グルタミン、リジン、ヒスチジン、アルギニン、アスパラギン酸、チロシン、およびグルタミン酸が挙げられる。非極性アミノ酸の例としては、グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、メチオニン、フェニルアラニン、およびトリプトファンが挙げられる。酸性アミノ酸は、中性pHで正味の負電荷を有する。酸性アミノ酸の例としては、アスパラギン酸およびグルタミン酸が挙げられる。塩基性アミノ酸は、中性pHで正味の正電荷を有する。酸性アミノ酸の例としては、アルギニン、リジン、およびヒスチジンが挙げられる。芳香族アミノ酸は、概ね非極性であり、疎水性相互作用に関与することがある。芳香族アミノ酸の例としては、フェニルアラニン、チロシン、およびトリプトファンが挙げられる。チロシンは、芳香族側鎖上のヒドロキシル基を介して、水素結合に関与することもある。中性の脂肪族アミノ酸は、一般に非極性であり疎水性である。中性アミノ酸の例としては、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、およびメチオニンが挙げられる。アミノ酸は、1を超える記述的範疇によって記載されていてもよい。共通の記述的範疇を有するアミノ酸は、ペプチド中で互いに置換可能であることがある。
本発明のペプチド化合物を記載するのに使用される学名は、従来の慣例に従う。ここでは、各アミノ酸残基のアミノ基は左に、カルボキシ基は右に存在する。本発明の特有の選択された実施形態を表す配列では、アミノ末端基およびカルボキシ末端基は、具体的に示さないが、特に指定のない限り、生理学的pH値であるものと仮定した形状であることを理解されたい。アミノ酸構造の組成では、各残基は、表1に従いアミノ酸の慣用名に応じて、一般に1文字または3文字の名称で表されてもよい。
Figure 2021180671
アミノ酸のハイドロパシー指標は、水性環境(負の値)または疎水性環境(正の値)を見つけ出すための、アミノ酸の傾向を標示する尺度である(KYTE&DOOLITTLE、1982年、J Mol Biol、157:105〜132)。標準アミノ酸のハイドロパシー指標としては、アラニン(1.8)、アルギニン(−4.5)、アスパラギン(−3.5)、アスパラギン酸(−3.5)、システイン(2.5)、グルタミン(−3.5)、グルタミン酸(−3.5)、グリシン(−0.4)、ヒスチジン(−3.2)、イソロイシン(4.5)、ロイシン(3.8)、リジン(−3.9)、メチオニン(1.9)、フェニルアラニン(2.8)、プロリン(−1.6)、セリン(−0.8)、スレオニン(−0.7)、トリプトファン(−0.9)、チロシン(−1.3)、およびバリン(4.2)が挙げられる。類似のハイドロパシー指標を有するアミノ酸は、ペプチド中で互いに置換可能であることがある。
保存されたアミノ酸置換が何を意味するかをさらに例示するために、グループA〜Fを下記に挙げる。以下のグループのメンバーの1つが同じグループの別のメンバーに置き換えられていることは、保存された置換であるものと考えられる。
グループAとしては、ロイシン、イソロイシン、バリン、メチオニン、フェニルアラニン、セリン、システイン、スレオニン、および以下の側鎖:エチル、イソブチル、−CHCHOH、−CHCHCHOH、−CHCHOHCH、およびCHSCHを有する修飾アミノ酸が挙げられる。
グループBとしては、グリシン、アラニン、バリン、セリン、システイン、スレオニン、およびエチル側鎖を有する修飾アミノ酸が挙げられる。
グループCとしては、フェニルアラニン、フェニルグリシン、チロシン、トリプトファン、シクロヘキシルメチル、および置換ベンジルまたはフェニル側鎖を有する修飾アミノ残基が挙げられる。
グループDとしては、グルタミン酸、アスパラギン酸、グルタミン酸またはアスパラギン酸の置換もしくは非置換の脂肪族、芳香族、またはベンジルエステル(例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、シクロヘキシル、ベンジル、または置換ベンジル)、グルタミン、アスパラギン、CO−NH−アルキル化グルタミンまたはアスパラギン(例えばメチル、エチル、n−プロピル、およびイソプロピル)、ならびに側鎖−(CH2)3COOHを有する修飾アミノ酸、そのエステル(置換または非置換の脂肪族、芳香族、またはベンジルエステル)、そのアミド、およびその置換または非置換のN−アルキル化アミドが挙げられる。
グループEとしては、ヒスチジン、リジン、アルギニン、N−ニトロアルギニン、p−シクロアルギニン、g−ヒドロキシアルギニン、N−アミジノシトルリン、2−アミノグアニジノ酪酸、リジンのホモログ、アルギニンのホモログ、およびオルニチンが挙げられる。
グループFとしては、セリン、スレオニン、システイン、および−OHまたは−SHに置換されたCl〜C5直鎖型または分岐型アルキル側鎖を有する修飾アミノ酸が挙げられる。
グループA〜Fは、例示的なものであり、本発明を限定することを意図するものではない。
ペプチドまたはペプチド類似体は、当技術分野で既知の化学的手法によって、例えば、溶液または固相の合成の方法論を使用した自動合成によって、合成することができる。自動ペプチド合成機は、商業的に入手可能であり、当技術分野で公知の手法を使用する。ペプチドおよびペプチド類似体は、例えば、SAMBROOK J.およびRUSSELL D.(2000年)Molecular Cloning:A Laboratory Manual(第3版)、Cold Spring Harbor Laboratory、Cold Spring Harbor Laboratory Press、コールド・スプリング・ハーバー、ニューヨーク州)またはAUSUBELら(Current Protocols in Molecular Biology、John Wiley&Sons、1994年)に記載されたものなどの方法を使用した組換えDNA技術を使用して、調製することもできる。
「ペプチド模倣体」とは、親ペプチドの生物作用を模した非ペプチド性の構造要素を含む化合物である。ペプチド模倣体は、酵素的に容易に切断されるペプチド性結合など、古典的なペプチドの特徴を有していないことがある。親ペプチドは、初めに目的のタンパク質上の結合配列もしくはリン酸化部位として同定されてもよいし、または、天然に生じたペプチド、例えばペプチドホルモンとしてもよい。ペプチド模倣体ライブラリーなどのライブラリーをスクリーニングする際、ペプチド模倣体を同定するためのアッセイには、比較を目的として、親ペプチドが陽性対照として含まれることがある。ペプチド模倣体ライブラリーとは、親ペプチドに類似した生物活性を有することがある化合物のライブラリーである。
本明細書に記載のペプチド内に含有されるアミノ酸は、LまたはD立体配置にあることが理解されよう。本発明のペプチドおよびペプチド模倣体では、D−アミノ酸は、L−アミノ酸に置換されることがある。本明細書のペプチド内に、かつ特にカルボキシ末端またはアミノ末端に含有されるアミノ酸は、メチル化、アミド化、アセチル化、またはその生物活性に有害な影響を与えることなくペプチドの循環半減期を変えることがある他の化学基を用いた置換によって、修飾されていてもよい。さらに、本発明のペプチドには、ジスルフィドが存在することも存在しないこともある。存在する配列を修飾するための別のアプローチは、対応のレトロ−インベルソバージョンを合成することである。レトロ−インベルソペプチドは、配列が逆向きのもの、すなわちNからC末端までの逆転体であり、D−アミノ酸を使用して合成される。Lペプチドのレトロ・インベルソ類似体は、NからCまでとCからNまでとを互いに横付けさせて整列させた際に、全ての側鎖が同じ方位にある。しかし、そのペプチド結合は、逆向きであり、プロテアーゼによる切断には立体的に利用不能である。Nairら、2003年、J.Immunol.、170:1362〜1373。
本明細書で使用される「ペプチド核酸」(PNA)とは、核酸の糖リン酸骨格がN−(2−アミノエチル)−グリシン骨格に変換されている修飾核酸を指す。DNA/RNAの糖−リン酸骨格が、中性条件下で負電荷に曝される結果として相補鎖間の静電的反発を生じるのに対し、PNAの骨格構造は本来的に帯電していない。そのため、静電的反発がない。ゆえに、PNAは、従来の核酸よりもさらに高い二重鎖形成能を有し、高い塩基配列認識能を有する。さらに、PNAは、概して核酸よりも堅固である。PNAは、アレイで、ならびに他のハイブリダイゼーションまたは上記および本明細書に記載のオリゴヌクレオチド用の反応で、使用されることもある。
本明細書で使用される際に、用語「ベクター」は、外因性または内因性のポリヌクレオチドを宿主細胞内に導入するために使用されるポリヌクレオチド化合物を指す。ベクターは、ヌクレオチド配列を含み、この配列は、1つまたは複数のポリペプチド分子をコードしていてもよい。天然の状態にあるかまたは組換え遺伝子操作を施された、プラスミド、コスミド、ウイルス、およびバクテリオファージは、少なくとも1つの所望の単離ポリヌクレオチド分子を含む組換えベクターを与えるためによく使用されるベクターの非限定的な例である。
核酸分子は、任意の適したベクターに挿入することができる。適したベクターとしては、限定されないが、ウイルスベクターが挙げられる。適したウイルスベクターとしては、限定されないが、レトロウイルス型ベクター、アルファウイルス型、ワクシニア型、アデノウイルス型、アデノ随伴ウイルス型、ヘルペスウイルス型、およびトリポックスウイルス型のベクターが挙げられる。ベクターは、好ましくは真核細胞、例えばCHO−K1細胞を形質転換するための天然または工学的に操作された能力を有する。さらに、本発明のコンテクストで有用なベクターは、プラスミドやエピソームなどの「ネイキッド」な核酸ベクター(すなわちベクターを被包するタンパク質、糖、および/または脂質を殆ど含まないか含まないベクター)とすることもできるし、ベクター、は他の分子と複合体を形成することができる。本発明の核酸と適切に組み合わせることのできる他の分子としては、限定されないが、ウイルス外被、カチオン性脂質、リポソーム、ポリアミン、金粒子、および標的部分、例えば細胞性分子を標的とするリガンド、受容体や抗体など、が挙げられる。
非標準アミノ酸は、天然に生じたものであってもよいし、遺伝的にコードされたものであってもなくてもよい。遺伝的にコードされた非標準アミノ酸の例としては、通常では終止コドンであることのあるUGAコドンでいくつかのタンパク質内へ取り込まれることがあるセレノシステインや、通常では終止コドンであることのあるUAGコドンでいくつかのタンパク質内へ取り込まれることがあるピロリジンが挙げられる。遺伝的にコードされていない非標準アミノ酸では、既にペプチド中に取り込まれた標準アミノ酸の修飾の結果生じるものがあってもよいし、例えば代謝の中間体または前駆体であってもよい。非標準アミノ酸の例としては、4−ヒドロキシプロリン、5−ヒドロキシリジン、6−N−メチルリジン、ガンマ−カルボキシグルタミン酸、デスモシン、セレノシステイン、オルニチン、シトルリン、ランチオニン、1−アミノシクロプロパン−1−カルボン酸、ガンマ−アミノ酪酸、カルニチン、サルコシンや、N−ホルミルメチオニンが挙げられる。標準アミノ酸および非標準アミノ酸の合成バリアントは、既知でもあり、そのようなものとしては、化学的に誘導体化されたアミノ酸、同定又は追跡に用いるために標識されたアミノ酸や、アルファ炭素上に種々の側基を有するアミノ酸が挙げられよう。そのような側基の例は、当技術分野で既知であり、そのようなものとしては、脂肪族、単環芳香族、多環芳香族、複素環、ヘテロ核、アミノ、アルキルアミノ、カルボキシル、カルボキサミド、カルボキシルエステル、グアニジン、アミジン、ヒドロキシル、アルコキシ、メルカプト−、アルキルメルカプト−や、他のヘテロ原子を含有する側鎖が挙げられよう。他の合成アミノ酸としては、アルファ−イミノ酸や、ベータ−アミノ酸、デスカルボキシ酸やデスアミノ酸などの非アルファアミノ酸が挙げられよう。アミノ酸の合成バリアントは、当技術分野で既知の一般的な方法を使用して合成しもよいし、例えばRSP Amino Acids LLC(Shirley、マサチューセッツ州)など、商業供給業者から購入してもよい。
本明細書に記載のB1SP融合タンパク質は、単離された状態であってもよいし、トレーサー化合物、リポソーム、炭水化物担体、ポリマー性担体、または当業者に明らかとなる他の薬剤もしくは賦形剤と連結されていても組み合わされていてもよい。代替の一実施形態では、そのような化合物は、医薬品を含んでいてもよく、そこでは、そのような化合物は、薬学的有効量で存在するものとしてもよい。
本明細書で使用される用語「医薬品」は、患者または試験対象に投与されることがあり、かつ患者または試験対象に効果を生成することの可能な組成物を指す。効果は、化学的、生物学的、または生理的としてもよく、患者または試験対象は、ヒト、または非ヒト動物、例えば、齧歯類もしくはトランスジェニックのマウス、もしくはイヌ、ネコ、ウシ、ヒツジ、ウマ、ビーバー、ハムスター、モルモット、ウサギ、もしくはブタとしてもよい。医薬品は、有効な化学的実体から単独でまたは医薬的に許容可能な賦形剤と組み合わせて構成されていてもよい。
用語「医薬的に許容可能な賦形剤」には、任意および全ての溶媒、分散媒、被覆剤、抗細菌、抗微生物、または抗真菌の薬剤、等張性および吸収遅延性の薬剤、生理的に適合性のあるそのようなものなどが含まれよう。賦形剤は、静脈内、腹腔内、筋肉内、皮下、くも膜下腔内、局所的、または経口の投与に適したものとしてよい。賦形剤としては、滅菌注射用の溶液または分散液の即時調製に用いる滅菌水溶液または分散液が挙げられよう。医薬品の調製へのそのような媒体の使用は、当技術分野で既知である。
本明細書に記載のB1SP融合タンパク質は、種々の既知の経路のいずれで投与されてもよい。本明細書に記載のB1SP融合タンパク質の投与に適することがある方法の例としては、経口、静脈内、吸入、筋肉内、皮下、局所、腹腔内、直腸内または膣内、座薬、舌下などが挙げられる。本明細書に記載のB1SP融合タンパク質は、滅菌水溶液として投与されてもよいし、脂溶性の賦形剤で、または適切であるように別の溶液、懸濁液、パッチ、錠剤もしくはペーストの様式で、投与されてもよい。本明細書に記載のB1SP融合タンパク質を含む組成物は、吸入による投与に用いるために配合されてもよい。例として、本明細書に記載のB1SP融合タンパク質は、エアロゾル中への分散を可能にするために、賦形剤と組み合わせてもよい。吸入製剤の例は、当業者に既知である。取り込みもしくは代謝の一助とするか、または宿主内での分散を遅延させるために、他の薬剤が、本明細書に記載のB1SP融合タンパク質と組み合わせて、例えば徐放性製剤などに含まれていてもよい。徐放性製剤の例は、当業者に既知であり、マイクロカプセル化や、炭水化物またはポリマーのマトリックス内の塞栓などが挙げられよう。製剤を作製するための当技術分野で既知の他の方法は、例えば、「Remington’s maceutical Sciences」、(第19版)、A.Gennaro編、1995年、Mack Publishing Company、イーストン、ペンシルバニア州)に見られる。
本明細書に記載のB1SP融合タンパク質の投与量は、投与の経路(経口、静脈内、吸入など)、および組成物または化合物の投与される形状(溶液、徐放式など)に応じて様々である。適正な投与量の決定は、当業者の能力の範囲内にある。本明細書で使用される際に、医薬品の「有効量」、「治療的有効量」、または「薬学的有効量」とは、薬物の使用期間にわたってデリバリされた薬物について治療レベルが結果として生じるような濃度中に存在する、医薬品の量を指す。これは、デリバリの様式、投与の期間、医薬品を受ける対象の年齢、体重、全身の健康状態、性別、および食餌に依存性があることがある。有効量を決定する方法は、当技術分野で既知である。投与の望ましい標的組織または細胞への本明細書に記載のB1SP融合タンパク質のデリバリを制限することが、有益である可能性があることが理解される。また、所望の組織または細胞のタイプを標的として本明細書に記載のB1SP融合タンパク質を差し向けるのが望ましい場合があることが理解される。本明細書に記載の本発明のB1SP融合タンパク質は、細胞取り込み部分とカップリングされていてもよい。標的用部分は、細胞取り込み部分としても機能することがある。
適度に効率的な方式でペプチドなどの生物活性分子の1つまたは複数の細胞へデリバリするには、細胞上へのネイキッドペプチドの「ダンピング」、または患者もしくは試験対象内へのネイキッドペプチドの投与のみではなく、それを超えるものを要する場合がある。薬学的有効量などの有効量をもたらすように、適した方式で細胞内への生物活性分子のデリバリを可能にする薬剤は、当技術分野で既知であり、例えば、DIETZら、2004年、Mol Cell Neurosci、27:85〜131に記載されている。そのような薬剤の例としては、リポソーム、脂質粒子、抗体、または受容体リガンドが挙げられ、それらは、生物活性分子、ウイルスベクター、およびタンパク質伝達ドメイン(PTD)にカップリングしていることがある。PTDの例としては、Antennapediaホメオドメイン(PEREZら、1992年、J.Cell Sci、102:717〜722)、トランスポータン(POOGAら、1998年、FASEB J、12:67〜77)、ジフテリア毒素の転位ドメイン(STENMARKら、1991年、J Cell Biol、113:1025〜1032;WIEDLOCHAら、1994年、Cell、76:1039〜1051)、炭疽菌毒素(BALLARDら、1998年、Infect.Immun、66:615−619;BLANKEら、1996年、Proc Natl Acad Sci、93:8437〜8442)およびPseudomonas外毒素A(PRIORら、1992年、Biochemistry、31:3555〜3559)、デルマセプチンS4などのプロテグリン誘導体(HARITON−GAZALら、2002年、Biochemistry、41:9208〜9214)、HSV−1VP22(DILBERら、1999年、Gene Ther.、6:12〜21)、PEP−1(MORRISら、2001年、Nature Biotechnol、19:1173〜1176)、ポリ−Lリジンやポリ−D−リジンなどの塩基性ペプチド(WOLFERTら、1996年、Gene Ther.、3:269〜273;RYSERら、1980年、がん、45:1207〜1211;SHENら、1978年、Proc Natl Acad Sci、75:1872〜1876)、HSP70(FUJIHARAら、1999年、EMBO J、18:411〜419)、ならびにHIV−TAT(DEMARCHIら、1996年、J Virol、70:4427〜4437)が挙げられる。そのようなタンパク質伝達ドメインの他の例および関連の詳細は、前掲のDIETZおよびそこに掲載されている参照文献に記載されている。
本明細書で使用される際に、用語「がん」は、細胞の増殖により引き起こされ特徴付けられる増殖性の障害を指し、それらの細胞は、正常な成長の制御への感受性を喪失している。用語がんには、本願で使用される際には、前立腺アデノカルシノーマなど、腫瘍および任意の他の増殖性の障害が含まれる。同じ組織のタイプのがんは、通常は同じ組織で発生し、その生物学的特徴に基づいて異なるサブタイプに分けられることがある。4つの大まかながんのカテゴリーとしては、カルシノーマ(上皮組織由来)、肉腫(結合組織または中胚葉由来)、白血病(血液形成組織由来)、およびリンパ腫(リンパ組織由来)がある。200種を超える各種タイプのがんが既知であり、身体の各器官および組織に影響を及ぼすことがある。がんの定義を限定しないがんの具体的な例としては、黒色腫、白血病、星状細胞腫、神経膠芽腫、網膜芽細胞腫、リンパ腫、神経膠腫、ホジキンリンパ腫、および慢性リンパ球白血病が挙げられよう。様々ながんによる影響を受けることがある器官および組織の例としては、膵臓、乳房、甲状腺、卵巣、子宮、精巣、前立腺、甲状腺、下垂体、副腎、腎臓、胃、食道、結腸または直腸、頭頸部、骨、神経系、皮膚、血液、鼻咽頭組織、肺、尿路、子宮頸、膣、外分泌腺、および内分泌腺が挙げられる。あるいは、がんは、多中心性であることも、未知の原発部位のもの(CUPS)であることもある。がんは、前立腺がん、乳がん、卵巣がん、膀胱がん、腎がん、神経膠芽腫、および子宮体がんを含む群から選択されてもよい。がんは前立腺がんであることがある。
本明細書で使用される際に、「がん性細胞」は、形質転換事象が起こり、その成長がいわゆる形質転換事象以前と同じ程度にはもはや制御されていない細胞を指す。腫瘍とは、がん性の細胞の集積であり、多くの場合、組織または患者もしくは試験対象の中または上に固体または半固体の塊として見られる。
がん細胞を死滅させるかもしくは腫瘍サイズを減少させる、全体のがんの成長を低減させる(すなわち血管新生を低減させることを通じて)、および/または転移を阻害するためのレジメンの持つ能力に応じて、がんまたはがん性の細胞は、所与の治療レジメンまたは化学療法剤「に感受性がある」または「に抵抗性である」と記載されることがある。治療レジメンに抵抗性であるがん細胞は、レジメンに反応しないことがあり、増殖し続けることがある。治療レジメンに感受性であるがん細胞は、レジメンに反応することがあり、その結果、細胞死、腫瘍サイズの低減、全体の成長(腫瘍負荷)の低減、または転移の阻害を生じる。例えば、このことは、望ましくは、約10%以上、例えば、約30%以上、約40%以上、約50%以上、約60%以上、約70%以上、約80%以上から、約2倍以上、約3倍以上、約4倍以上、約5倍以上、約10倍以上、約15倍以上、約20倍以上までの、腫瘍サイズ、全体の成長/腫瘍負荷、または転移発生率の低減に現れる。反応のモニタリングは、本明細書に記載のおよび当業者に既知の数多くの病理的方法、臨床的方法、およびイメージング方法によって達成されてもよい。
化学療法剤または薬剤の併用の典型的なテーマは、がん性細胞の死を誘導することである。例えば、ニトロソウレア、ブスルファン、チオテパ、クロラムブシル、シスプラチン、マイトマイシン、プロカルバジンやダカルバジンなどのDNA付加体は、複製中の細胞を細胞周期のM期の前に損傷DNAの修復へと押し進めることによって、がん性細胞の成長を遅らせることもあれば、それ自体でがん性細胞のアポトーシスを誘発させるのに充分な損傷を引き起こすこともある。他の事象、例えば、遺伝子の発現または転写、タンパク質の翻訳や、複製DNAのメチル化などもまた、臨床医が入手することのできる多様な化学療法剤の蓄積によって干渉されることがあり、がん性細胞内でアポトーシスの過程を促すことがある。あるいは、化学療法剤は、患者または試験対象の液性免疫系または獲得免疫系の様相、例えば、補体カスケードやリンパ球の攻撃によって、がん性細胞を死滅させることが可能であることがある。
生物学的有効量のB1SP融合タンパク質をがん細胞に投与することを含む、前立腺がんを治療するための方法を、さらに別の治療レジメンで補ってもよい。本明細書で使用される際に、「治療レジメン」または「療法」とは、がん性細胞に有害な少なくとも1つの追加薬剤(すなわちB1SP融合タンパク質以外)の投与を指す。本発明による使用に適した治療レジメンとしては、以下に限定されないが、「化学療法レジメン」、「放射線療法レジメン」、「代替治療レジメン」、およびそれらの組合せが挙げられる。
本明細書で使用される際に、「化学療法レジメン」または「化学療法」とは、がん性細胞を破壊するための有害性の少なくとも1つの化学療法薬剤の投与を指す。臨床医が入手することのできるそのような化学療法薬剤は無数にある。化学療法薬剤は、単回のボーラス用量で対象に投与されてもよいし、時間をかけて少なめの用量で投与されてもよい。単独の化学療法剤が使用されることもあれば(単剤療法)、1種を超える薬剤を組み合わせて使用されることもある(併用療法)。化学療法は、がんのタイプによっては、治療するために単独で使用されることがある。あるいは、化学療法は、他のタイプの治療、例えば、放射線療法、または本明細書に記載の代替の療法(例えば免疫療法)と組み合わせて使用されることがある。さらに、化学療法増感剤が、化学療法薬剤との併用療法として投与されることがある。
本明細書で使用される際に、「化学療法剤」とは、がんを治療するために使用されることがあり、一般にがん性細胞を直接的に死滅させる能力を有する、医薬品を指す。化学療法剤の例としては、アルキル化剤、抗代謝剤、天然生成物、ホルモンおよびアンタゴニスト、ならびに種々雑多な薬剤が挙げられる。代わりの名称の例を括弧内に示す。アルキル化剤としては、ナイトロジェンマスタード、例えばメクロレタミン、シクロホスファミド、イフォスファミド、メルファラン(L−サルコリシン)やクロラムブシルなど;エチレンイミンおよびメチルメラミン、例えばヘキサメチルメラミンやチオテパなど;アルキルサルフェート、例えばブスルファンなど;ニトロソウレア、例えばカルムスチン(BCNU)、セムスチン(メチル−CCNU)、ロムスチン(CCNU)やストレプトゾシン(ストレプトゾトシン)など;DNA合成アンタゴニスト、例えばエストラムスチンリン酸など;ならびにトリアジン、例えばダカルバジン(DTIC、ジメチル−トリアゼノイミダゾールカルボキサミド)やテモゾロミドが挙げられる。抗代謝剤の例としては、葉酸類似体、例えばメトトレキサート(アメトプテリン)など;ピリミジン類似体、例えばフルオロウラシン(5−フルオロウラシル、5−FU、5FU)、フロックスウリジン(フルオロデオキシウリジン、FUdR)、シタラビン(シトシンアラビノシド)やゲムシタビンなど;プリン類似体、例えばメルカプトプリン(6−メルカプトプリン、6−MP)、チオグアニン(6−チオグアニン、TG)やペントスタチン(2’−デオキシコホルマイシン、デオキシコホルマイシン)、クラドリビンやフルダラビンなど;およびトポイソメラーゼ阻害剤、例えばアムサクリンなどが挙げられる。天然生成物の例としては、ビンカアルカロイド、例えばビンブラスチン(VLB)やビンクリスチンなど;タキサン、例えばパクリタキセルやドセタキセル (Taxotere);エピポドフィロトキシン、例えばエトポシドやテニポシドなど;カンプトテシン、例えばトポテカンやイリノテカンなど;抗生物剤、例えばダクチノマイシン(アクチノマイシンD)、ダウノルビシン(ダウノマイシン、ルビドマイシン)、ドキソルビシン、ブレオマイシン、マイトマイシン(マイトマイシンC)、イダルビシン、エピルビシン;酵素、例えばL−アスパラギナーゼなど;および生体応答調節剤、例えばインターフェロンアルファやインターロイキン2などが挙げられる。ホルモンおよびアンタゴニストの例としては、黄体形成放出ホルモンアゴニスト、例えばブセレリンなど;副腎皮質ステロイド、例えばプレドニゾンや関連製剤;プロゲスチン、例えばカプロン酸ヒドロキシプロゲステロン、メドロキシプロゲステロン酢酸エステルや酢酸メゲストロール;エストロゲン、例えばジエチルスチルベストロールやエチニルエストラジオールなど、および関連製剤;エストロゲンアンタゴニスト、例えばタモキシフェンやアナストロゾールなど;アンドロゲン、例えばテストステロンプロピオン酸エステルやフルオキシメステロンなど、および関連製剤;アンドロゲンアンタゴニスト、例えばフルタミドやビカルタミド;ならびにゴナドトロピン放出ホルモン類似体、例えばリュープロリドなどが挙げられる。雑多な薬剤の例としては、サリドマイド;白金配位錯体、例えばシスプラチン(cis−DDP)、オキサリプラチンやカルボプラチンなど;アントラセンジオン、例えばミトキサントロン;置換尿素、例えばヒドロキシ尿素など;メチルヒドラジン誘導体、例えばプロカルバジン(N−メチルヒドラジン、MIH)など;副腎皮質抑制剤、例えばミトタン(o,p’−DDD)やアミノグルテチミドなど;RXRアゴニスト、例えばベキサロテンなど;およびチロシンキナーゼ阻害剤、例えばイマチニブなどが挙げられる。これらの別名および商品名ならびに追加の化学療法剤の例、ならびに投薬および投与レジメンを含めたそれらの使用方法は、当技術分野に精通する者に既知であるものとし、例えば「The Pharmacological basis of therapeutics、第10版、HARDMAN HG.、LIMBIRDL E.編、McGraw−Hill、ニューヨーク州、および「Clinical Oncology」、第3版、Churchill Livingstone/Elsevier Press、2004年、ABELOFF,MD.編に見られることがある。具体的には、本発明による使用に適した化学療法剤としては、限定されないが、ナノ粒子アルブミン結合パクリタキセルが挙げられる。
本明細書で使用される際に、用語「放射線療法レジメン」または「放射線療法」とは、がん性細胞を死滅させるための放射線の投与を指す。放射線は、細胞内で様々な分子と相互作用するが、細胞の死滅を結果として生じる主要な標的は、デオキシリボ核酸(DNA)である。しかし、放射線療法は、多くの場合、細胞膜および核膜ならびに他の細胞小器官に損傷も生じる。DNAの損傷は、通常は糖−リン酸骨格の単鎖および二重鎖の切断を伴う。さらに、DNAとタンパク質とが架橋することがあり、それによって細胞機能が破壊されることがある。放射線のタイプに応じて、相対的生物学的効果比がそうであるように、DNA損傷の機構が変わることがある。例えば、重粒子(すなわち陽子、中性子)は、DNAを直接的に損傷するため、さらに大きな相対的生物学的効果比を有する。電磁放射線は間接的な電離を生じ、この電離は、最初に細胞の水分の電離によって生成される短寿命のヒドロキシルフリーラジカルを介して作用する。放射線の臨床適用は、体外ビーム照射(外部供給源からの)および小線源療法(患者内に埋め込まれているかまたは挿入されている放射線の供給源を使用した)とからなる。体外ビーム照射は、X線および/またはガンマ線からなるのに対し、小線源療法は、減衰してアルファ粒子を、またはガンマ線と共にベータ粒子を発する放射性核を利用する。
放射線療法は、放射線増感剤として作用する化学療法剤との併用化学療法にさらに使用されることがある。がんの組織およびステージを考慮して、治療時に、当業者により、個々の患者に適した放射線療法の特異的な選択が決定されることがある。様々ながんへの放射線療法のアプローチの例は、例えば「Clinical Oncology」、第3版、Churchill Livingstone/Elsevier Press、2004年、ABELOFF, MD.編に見られることがある。
本明細書で使用される際に、用語「代替治療レジメン」または「代替療法」とは、例えば、生体応答調節剤(ポリペプチド性、炭水化物性、および脂質性の生体応答調節剤が挙げられる)、毒素、レクチン、抗血管新生剤、受容体チロシンキナーゼ阻害剤(例えばイレッサ(商標)(ゲフィチニブ)、タルセバ(商標)(エルロチニブ)、アービタックス(商標)(セツキシマブ)、イマチニブメシル酸塩(グリベック(商標))、プロテオソーム阻害剤(例えばボルテゾミブ、ベルケイド(商標));VEGFR2阻害剤、例えばPTK787(ZK222584)など、オーロラキナーゼ阻害剤(例えばZM447439);哺乳類のラパマイシン標的(mTOR)阻害剤、シクロオキシゲナーゼ−2(COX−2)阻害剤、ラパマイシン阻害剤(例えばシロリムス、ラパミューン(商標));ファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤(例えばティピファルニブ、ザルネストラ);マトリックスメタロプロテアーゼ阻害剤(例えばBAY12−9566;硫酸化多糖テコガラン);血管新生阻害剤(例えばアバスチン(商標)(ベバシズマブ);フマギリンの類似体、例えばTNP−4など;カルボキシアミノトリアゾール;BB−94およびBB−2516;サリドマイド;インターロイキン−12;リノミド;ペプチド断片;および血管成長因子および血管成長因子受容体に対する抗体);血小板由来成長因子受容体阻害剤、タンパク質キナーゼC阻害剤、分裂促進因子活性化キナーゼ阻害剤、分裂促進因子活性化タンパク質キナーゼキナーゼ阻害剤、ラウス肉腫ウイルス形質転換がん遺伝子(SRC)阻害剤、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤、小低酸素誘導因子阻害剤、ヘッジホッグ阻害剤、およびTGF−βシグナル伝達阻害剤を含むことがある。さらに、免疫治療剤としては、代替治療レジメンも考えられよう。例としては、ケモカイン、ケモタキシン、サイトカイン、インターロイキン、または組織因子が挙げられる。適した免疫治療剤としては、前感作抗体を含有する血清またはガンマグロブリン;非特異的な免疫賦活性のアジュバント;能動特異的免疫療法;および養子免疫療法も挙げられる。さらに、代替療法には、ポリヌクレオチドなどの生体に基づく化学的な実体が含まれていてもよく、そのようなものとしては、アンチセンス分子、ポリペプチド、抗体、遺伝子治療ベクターなどが挙げられる。そのような代替治療薬は、単独でもしくは組み合わせて、または本明細書に記載の他の治療レジメンと組み合せて投与されてもよい。代替治療レジメンで使用されるこれらの薬剤の別名および商品名、ならびに代替治療レジメンで使用される薬剤の追加の例、ならびに投薬および投与レジメンを含めたそれらの使用方法は、当技術分野に精通する者に既知であるものとする。さらに、併用療法において、代替治療レジメンで使用される化学療法剤および他の薬剤の使用方法は、投薬および投与レジメンを含めて、当技術分野に精通する者に既知であるものとする。
前立腺がん
セマフォリンは、保存されたセマドメインを含有する分泌型および膜結合型タンパク質のファミリーに属する。セマフォリンおよびその受容体(主にプレキシンおよびニューロピリン)は、ヒト腫瘍で異常発現している。セマフォリンシグナルは、腫瘍による血管新生、浸潤、および転移の調節に重要な役割を果たす。本開示では、前立腺がんおよび他のがんを治療するためにセマフォリン媒介性シグナル伝達経路を標的として阻害する、B1SP融合タンパク質の使用を詳述する。本明細書に記載の結果は、B1SP融合タンパク質がセマフォリンシグナル伝達の強力な阻害剤であること、およびがんの治療での使用を示している。B1SP融合タンパク質は、ニューロピリンおよびプレキシンに用量依存的に結合する。B1SP融合タンパク質治療によって、用量依存的および濃度依存的に、前立腺がん細胞の細胞生存能の阻害と細胞死の誘導とを引き起こすことができる。さらに、B1SP融合タンパク質は、前立腺がん細胞の細胞接着を阻害することが、本明細書に示されている。B1SP融合タンパク質は、前立腺がん細胞のEGFRリン酸化とR1881誘導性増殖とを阻害することが、本明細書に示されている。
本明細書に直接的に定義されていないいかなる用語も、本発明の技術分野の中で理解されるように、一般にその用語に付随する意味を持つものと理解されるものとする。ある特定の用語は、下記または本書面のどこかに論じられ、本発明の実施形態の組成物、デバイス、方法などの記載、およびそれらをどのように作製または使用するかの記載の中で、実務者に追加のガイダンスを提供している。当然のことながら、同じことが複数通りに言われることがある。それゆえに、本明細書に論じた用語のいずれかまたはそれ以上について、代替の言い回しおよび類義語が使用されることがある。用語が本明細書に詳述されているか論じられているか否かには、何の重要性もない。いくつかの類義語または置換可能な方法、材料などが提供されている。1つもしくはいくつかの類義語または等価語の説明部分は、特に述べられていない限り、他の類義語または等価語の使用を除外するものではない。本書面中の例の使用は、用語の例も含めて、単に例示を目的としており、本明細書中の本発明の実施形態の範囲および意味を限定するものではない。
本発明の他の態様および特徴は、以下の本発明の具体的な実施形態の記述を添付の図面と併せて概観すれば当業者に明らかになろう。本発明は、本明細書中に以下の非限定的な実施例を参照してさらに記載されている。採用した実験手順の記載は、実施例に付随するものである。
材料および方法
B1SPは、プレキシンB1およびNRP1に用量依存的に結合する。DU145細胞を洗浄し、標示の用量のB1SPタンパク質で1時間処理した。次いで、細胞をDPBSで3回洗浄し、次に溶解した。プロテインGアガロースを使用して、細胞性タンパク質との複合体をなすB1SPタンパク質を単離した。タンパク質複合体を3回洗浄した後、試料緩衝液を添加した。試料を煮沸してウェスタンブロットにより分析した。示したのは、B1SP処理に対する代表的な用量依存性である。組換えヒトIgGFcを対照として使用した。Syngene Gene Tools(商標)バージョン4.02(Synoptics Ltd.(商標)、ケンブリッジ、イギリス)を使用して、B1SP融合タンパク質との複合体中のNRP1およびプレキシンB1の濃度測定分析を実施した。図3Cおよび図3Dでは、プレキシンB1およびNRP1とのB1SPの結合を測定した。DU145細胞を洗浄し、標示の用量のB1SPタンパク質で1時間処理した。次いで、細胞をDPBSで3回洗浄して、次に溶解した。プロテインGアガロースを使用して、細胞性タンパク質との複合体をなすB1SPタンパク質を単離した。タンパク質複合体を3回洗浄した後、試料緩衝液を添加した。試料を煮沸してウェスタンブロットにより分析した。示したのは、B1SP処理に対する代表的な用量依存性である。組換えヒトIgGFcを対照として使用した。NRP1またはプレキシンB1のどちらかとの複合体中のB1SPの相対量を、3回の独立した実験から決定した後、Syngene Gene Tools(商標)バージョン4.02(SynopticsLtd.(商標)、ケンブリッジ、イギリス)を使用して、B1SP融合タンパク質との複合体中のNRP1およびプレキシンB1の濃度測定分析を実施した。
図3F、GおよびHでは、DU145細胞におけるプレキシンB1とのB1SPの結合を試験した。in− situ近接ライゲーションアッセイ(PLA)の顕微鏡写真は、標示された分子間のタンパク質相互作用を示すものとして点状の赤色の蛍光を示しており、5つの視野を代表する細胞からグラフのY軸にプロットした。40,000個のDU145細胞を1cmのカバーガラスに播種することにより、PLA分析を行った。次いで、細胞を、5%BSAを含有するHBHA結合緩衝液中で、対照としてのrhIgGFcまたはB1SPのどちらかと共に、氷上で1時間処理した。次いで、カバーガラスをHBHA緩衝液で3回洗浄した後、PLAプローブの結合の工程、ライゲーション工程、および増幅工程を行った。製造業者のプロトコールに従ってPLAを実施し、Duolink Image(商標)ツールソフトウェアを使用して分析した。棒は、相互作用数/細胞の平均およびSEMを表す。データは、Graph Pad Prism(商標)ソフトウェアで計算した際に、ノンパラメトリックなMann−Whitney統計検定を使用して統計的に有意であった。正確なp値を示しているが、この結果は、独立した反復実験を代表するものである。B1SPと内在性プレキシンB1とを区別するために、プレキシンB1のc末端に対する抗体を使用した。(F)では、マウスhIgG−(Fc)特異的一次抗体およびウサギ抗ヒトプレキシンB1 c末端をPLAについて使用した。(G)では、セマ3C抗体N20(SantaCruz(商標))(ヤギ)およびNRP1(ウサギ)を使用した。(H)では、抗セマ3C(N20)抗体および抗プレキシンB1 c末端抗体を使用した。
図4Aおよび図4B:LNCaPにおけるEGFRリン酸化の阻害。細胞を24時間、血清飢餓の状態とした。B1SP条件培地(CM)を標示の時点に添加した後、EGF(5.0ng/mL)で10分間刺激した。細胞を回収して、EGFRリン酸化(pEGFR)の発現と総EGFR発現とを評価した。ローディング対照として抗ビンキュリンを用いて、ブロットをリプロービングした。タイムコース終了時でのEGFRリン酸化を比較するため、また、LNCaPにおいてEGFRリン酸化を刺激する能力にインキュベーション時間が及ぼすいかなる影響も抑えるため、対照として、6時間の時点で、非処理細胞を同様に刺激するかまたはそのまま溶解した。6時間のタイムコースにわたってB1SP CMで処理したLNCaPにおける、ビンキュリンの発現レベルに対するEGFRリン酸化レベルの濃度測定分析。BISPは、時間依存的にEGFRリン酸化を阻害した。LNCaP細胞を24時間、血清飢餓の状態とした。次いで、細胞を標示の通りにB1SPで60分間処理した後、EGFで10分間刺激した。ブロットはEGFリン酸化を示す。次いで、ローディング対照としてビンキュリンを用いて、ブロットをリプロービングした。EGFリン酸化レベルの濃度測定分析である。
LNCaP細胞を、10%FBSを含有するRPMI培地中、4×105細胞/穴で6穴プレートに播種した。翌日、培地をフェノールレッド不含のRPMIに置換し、24時間、血清飢餓の状態とした。内在性の分泌型セマ3Cを除去するため、刺激の直前に培地を再度交換した。EGFによる刺激については、細胞をまず、濃度標示の時点で(A)、または60分間(C)、B1SPで処理した後、EGFで10分間刺激した。細胞をPBSで1回洗浄した。CompleteおよびPhosStopホスファターゼプロテアーゼ阻害剤(Roche(商標)、ミシサガ、オンタリオ州)を含有する250μLの溶解緩衝液(50mM Tris pH7.5、150mM NaCl、1%NP−40、10mM NaF、10%グリセロール)を用いて、細胞を速やかに溶解した。全細胞溶解物を4℃、14,000rpmで20分間遠心分離した。BCAキット(Thermo Scientific(商標)、ロックビル、イリノイ)を使用して、清澄な全細胞溶解物中のタンパク質濃度を決定した。タンパク質溶解物(50μg)をSDS−PAGE(8%)により分析し、ウェスタンブロットによりニトロセルロース膜(Bio−Rad(商標)、ハーキュリーズ、カリフォルニア州)に転写した。リン酸化抗体を用いたプロービング用には5%BSAを含有するPBS中で、総抗体およびローディング対照抗体用には5%無脂肪乳を含有するPBS中で、製造業者の指示の通りに膜をブロッキングした。TBSTを用いて膜を3回×5分間で洗浄した後、適正なHRPまたはIRdyeコンジュゲート二次抗体を用いて1時間インキュベーションした。TBSTを用いてブロットを再度3回×5分間で洗浄した。検出は、ECLによって、 またはLICOR赤外線撮像機およびImage Studio Liteバージョン3.1ソフトウェアを使用した画像解析によって行った。Syngene Gene Toolsバージョン4.02(SynopticsLtd.(商標)、ケンブリッジ、イギリス)を使用して、EGFRリン酸化レベルの濃度測定分析を実施した。
図5A−C(A):LNCaPにおけるEGFRリン酸化の阻害。LNCaP細胞を血清飢餓の状態とし、次いで、培地を交換し、切頭型セマフォリン融合タンパク質(2.0μM)(ALBSRGLI)とプレキシンB1融合タンパク質(B1SP)(2.0μM)のどちらかで、細胞を60分間処理した。次いで、細胞をEGF(10ng/mL)で10分間刺激した。細胞を回収して、EGFRリン酸化(pEGFR)の発現とEGFRレベルとを評価した。ローディング対照としてビンキュリンを用いて、ブロットをリプロービングした。Syngene Gene Toolsバージョン4.02(SynopticsLtd.(商標)、ケンブリッジ、イギリス)を使用して、EGFRリン酸化レベルの濃度測定分析を実施した。
示すように、B1SPがEGFRリン酸化に及ぼす阻害効果は、ALB SRGLIを含む他の阻害剤タンパク質よりも強力であった。(B)B1SPは、EGFRの下流のSHCアイソフォームのリン酸化を阻害する。LNCaP細胞をB1SP(2.0μM)で60分間処理した。次いで、細胞をEGF(10ng/mL)で10分間刺激し、PBSで1回洗浄して、プロテアーゼ阻害剤を補充したNP40溶解緩衝液を用いて溶解した。全細胞タンパク質溶解物(30μg)をSDSPAGEによって分離し、抗リン酸化SHC抗体(2434、Cell Signaling Technology(商標),Inc.、ビバリー、マサチューセッツ州)およびECL検出を用いてイムノブロッティングを行った。抗SHC抗体(クローン30/SHC、BD Transduction Laboratories(商標)、レキシントン、ケンタッキー州)を用いてブロットをリプロービングし、抗マウスIR680(Rockland(商標)、ギルバーツビル、ペンシルバニア州)を使用して検出し、LICOR赤外線撮像システムおよびImage StudioLite(商標)バージョン3.1ソフトウェアを使用して画像解析を行うことによって、総SHCレベルを決定した。
図6Aおよび6B:(A)LNCaP細胞を24時間、血清飢餓の状態とした。細胞を60分間、同時にB1SPおよびセマフォリン3C:Fcで、B1SPのみで、セマ3C:Fcのみで処理するか、または非処理のままとした。次いで、細胞をEGF(10ng/mL)で10分間刺激した。データは、結果として得られたEGFRリン酸化のレベルを示す。ローディング対照としてビンキュリンを用いて、ブロットをリプロービングした。(B)上記のブロットの定量的濃度測定分析。データは、B1SPがセマ3C−媒介性のEGFRリン酸化を阻害することができることを示す。Syngene Gene Toolsバージョン4.02(SynopticsLtd.(商標)、ケンブリッジ、イギリス)を使用して、EGFRリン酸化レベルの濃度測定分析を実施した。図6Cでは、LNCaP細胞を24時間、血清飢餓の状態とした。細胞を60分間、同時にB1SPおよびセマフォリン3C:Fcで、B1SPのみで、セマ3C:Fcのみで処理するか、または非処理のままとした。次いで、細胞をEGF(10ng/mL)で10分間刺激した。結果として得られたEGFRリン酸化のレベルを定量的濃度測定分析によって測定し、ビンキュリンをローディング対照としてブロットをリプロービングした。Syngene Gene Toolsバージョン4.02(SynopticsLtd.(商標)、ケンブリッジ、イギリス)を使用して、EGFRリン酸化レベルの濃度測定分析を実施した。
図7Aおよび7B:LNCaP細胞および22RV1PC細胞におけるEGFRリン酸化の阻害をそれぞれ示す。細胞を血清飢餓の状態とした。B1SP CM(1.0mL)を標示の濃度(A)および標示の時点で(B)細胞に添加した後、それぞれ10.0ng/mLおよび5.0ng/mLのEGFで10分間刺激した。細胞を回収して溶解し、pEGFRの発現およびEGFRについて評価した。ローディング対照としてビンキュリンを用いて、ブロットをリプロービングした。タイムコースの終了時に、非処理細胞において、対照のEGFRリン酸化を評価した。LNCaP細胞および22Rv1細胞のB1SP CMの処理にそれぞれ応答した、用量依存的および時間依存的なEGFRリン酸化の減少の濃度測定分析。同様に、B1SPの濃度を増加させて(すなわち0.5、1,2、および4.0μMで)、EGFRリン酸化の阻害を22RV1PC細胞(C)、MCF10A正常ヒト乳腺細胞(D)、MR49F PC細胞(E)、およびV16A去勢−抵抗性前立腺がん(CRPC)幹細胞(F)で試験した。
図8A−8D:B1SPは、LNCaPにおいて、用量依存的にIC50(1.145μM)でPC細胞の増殖を阻害する。蛍光ベースのPrestoBlue(商標)染色を使用して、細胞生存率を測定した。96穴平底組織培養プレート中、B1SP(0〜2.0μM)の存在下または非存在下で、LNCaP(3×10/mL)を撒いた。R1881(1nM)の存在下でのB1SP処理に応答した4日間の増殖を評価し、その際にはR1881ビヒクル(エタノール)を対照として使用した。製造業者(Life Technologies(商標)Corporation、カールスバッド、カリフォルニア州)の指示の通りにPrestoBlue(商標)増殖生存率試薬を使用して、細胞成長をアッセイした。
図9Aおよび図9B:還元条件下(R)および非還元条件(NR)下での精製B1SPタンパク質のクマシー染色による、精製したCM中B1SPの分子量の確定。LNCaP細胞を精製B1SPタンパク質で48時間、処理した。次いで、蛍光ベースの生/死細胞生存率アッセイ(カルセイン/ヨウ化プロピジウム)を使用して、細胞生存率を分析した。2つの独立した実験を示す。Corningの透明96穴マルチウェルプレートを、ヒト血漿由来のフィブロネクチン(R&D 1918FN、Sigma F2006、5.0μg/cm)で被覆した。培養表面を最小限の体積(50〜75μL)で、37℃で1時間被覆した。室温で少なくとも45分間、風乾させた。10%FBSを補充した培地中でLNCaP細胞を成長させ、アッセイ用に血清不含培地で3回洗浄し、次いで8時間、血清飢餓の状態とした。培地中10mM EDTAを用いて細胞を引き離した。細胞を洗浄してEDTAを除去し、0.1%BSAを含むカルシウムおよびマグネシウム含有ダルベッコPBS(GIBCO(商標)、Life Technologies(商標)、ゲイザースバーグ、メリーランド州、カタログ番号14040−117)に、細胞を密度2.5×10細胞/mLで再懸濁した。カルセインAM(Molecular Probes(商標)、カタログ番号C3099)(12.5μM)を添加し、細胞を室温、暗所で30分間、インキュベーションした。次いで、細胞をカルシウムおよびマグネシウム含有PBSで2回洗浄して、次いで、カルシウムおよびマグネシウム含有PBSに密度(1×10細胞/mL)で再懸濁した。100μLの細胞懸濁液を各穴に3連で添加した。プレートを411×gで2分間、遠心分離して、プレートの表面に細胞を移動させた。次いで、プレートを37℃で30分間インキュベーションし、次いで、蛍光プレートリーダーを使用して、励起波長485nmおよび発光波長520nmで、「洗浄前」の試料の蛍光について最初に測定した。48時間後、以下の手順を使用して、プレートを洗浄し非接着性細胞を除去した:プレートを逆さまにし、軽く叩いて穴の内容物を出した。200μL/穴の1×PBSを添加し、次いで、プレートを水平に180°回転させ、逆さまにして再度軽く叩いて出し、二度目を繰り返した。100μL/穴の1×PBSを全ての穴に添加した。蛍光プレートリーダーで、「洗浄前」にプレートを読んだ。棒は、以下の式:[(洗浄後のRFU)/(洗浄後のRFU)]×100を使用し、撒かれた初発の細胞のうち生細胞のパーセントの平均およびSDを表す。
図10Aおよび図10B:B1SPの処理によって、前立腺がん細胞の接着が阻害される。LNCaP細胞またはDU145細胞をカルセインAM(12.5μM)によりパルスし、30分間インキュベーションした。細胞(1×10)をフィブロネクチン(50μg/mL)でプレコートされた96穴プレート上に播種し、軽く遠心分離した後、B1SPの存在下または非存在下で16〜24時間、インキュベーションした。洗浄によって非接着細胞を除去する前後で、細胞の蛍光を測定した。データは、3連の穴の接着の平均(%)を表す。Corningの透明96穴マルチウェルプレートを、ヒト血漿由来のフィブロネクチン(R&D 1918FN、Sigma F2006、5.0μg/cm)で被覆した。培養表面を最小限の体積(50〜75μL)で、37℃で1時間被覆した。室温で少なくとも45分間、風乾させた。10%FBSを補充した培地中でLNCaP細胞およびDU145細胞を成長させ、アッセイ用に血清不含培地で3回洗浄し、次いで8時間、血清飢餓の状態とした。培地中10mM EDTAを用いて細胞を引き離した。細胞を洗浄してEDTAを除去し、0.1%BSAを含むカルシウムおよびマグネシウム含有ダルベッコPBS(GIBCO(商標)、Life Technologies(商標)、ゲイザースバーグ、メリーランド州、カタログ番号14040−117)に、細胞を密度2.5×10細胞/mLで再懸濁した。カルセインAM(Molecular Probes(商標)、カタログ番号C3099)(12.5μM)を添加し、細胞を室温、暗所で30分間、インキュベーションした。次いで、細胞をカルシウムおよびマグネシウム含有PBSで2回洗浄して、次いで、カルシウムおよびマグネシウム含有PBSに密度(1×10細胞/mL)で再懸濁した。100μLの細胞懸濁液を各穴に3連で添加した。プレートを411×gで2分間、遠心分離して、プレートの表面に細胞を移動させた。次いで、プレートを37℃で30分間インキュベーションし、次いで、蛍光プレートリーダーを使用して、励起波長485nmおよび発光波長520nmで、「洗浄前」の試料の蛍光について最初に測定した。48時間後、以下の手順を使用して、プレートを洗浄し非接着性細胞を除去した:プレートを逆さまにし、軽く叩いて穴の内容物を出した。200μL/穴の1×PBSを添加し、次いで、プレートを水平に180°回転させ、逆さまにして再度軽く叩いて出し、二度目を繰り返した。100μL/穴の1×PBSを全ての穴に添加した。蛍光プレートリーダーで、「洗浄前」にプレートを読んだ。棒は、以下の式:[(洗浄後のRFU)/(洗浄後のRFU)]×100を使用し、撒かれた初発の細胞の接着のパーセントの平均およびSDを表す。
図3E:B1SPのEC50(8.436nM)の決定。PE−標識B1SP(B1SP−PE)を順次希釈し、3連の穴のDU145細胞に1時間添加した。細胞をDPBSで洗浄した後、PE−の蛍光強度(FI)を測定した。DU145細胞(2×105/mL)を12穴プレートに撒いた。24時間後、順次希釈したB1SP−PEと共に、体積1.0mLでDPBS/20mMHEPES中、細胞をインキュベーションした。細胞を37℃、5%COで60分間インキュベーションした。次いで、細胞をDPBS/HEPESで3回洗浄して、次いで、穏やかに掻き取ってフローサイトメトリーチューブに移し入れた。細胞を1300rpmで5分間、遠心分離し、最後に0.5mLの2%FBS含有PBSに再懸濁した。対照として、並行してrhIgGFc(100nM)で細胞を処理し、次いで、二次抗体であるPEコンジュゲート抗IgGFc特異的体を用いて染色した。100nM rhIgGFcでの対照細胞の染色のレベルは6.01%であったのに対し、100nMでのB1SP−PE染色のレベルは89.7%であった。Bectin Dickenson FACSCantoII Flow Cytometer(BD Biosciences(商標)、ミシサガ、オンタリオ州)でのフローサイトメトリーによって、B1SP−PEの相対結合性を決定した。
去勢−抵抗性C4−2(CRPC)異種移植についてのin vivoの腫瘍成長の評価
C4−2去勢−抵抗性(CRPC)異種移植モデル用に、6〜8週齢の雄胸腺欠損ヌードマウス(Harlan Sprague Dawley,Inc.(商標)、インディアナポリス、インディアナ州)に、メトキシフルラン麻酔下で27ゲージの針を介して、C4−2細胞(1×10)を両側腹部領域の皮下に接種した。週1回、体重、腫瘍体積、および血清PSAレベルを測定した。血液試料を尾静脈の切創から取得し、Roche Diagnostics Cobas411(商標)イムノアッセイシステムによって血清PSAを決定した。このシステムは、増強型化学発光技術(ECL(商標))を使用した、免疫学的分析用の自動化ランダムアクセスマルチチャンネル分析器である。C−42腫瘍を担持したマウスが200mm超の腫瘍体積に達するか、または血清PSAが75ng/mLより大きなレベルに達した際に、イソフルラン麻酔下で陰嚢を介して去勢を実施した。PSAが去勢前のレベルに戻った際に、処理を週に3回行った。腫瘍体積は、ノギス測定によってモニターし、長さ×幅×深さ×0.5236の式によって計算した。18頭のマウスを、10mg/KgのB1SPまたはPBS対照を用いた処理について2群に無作為化した。週1回、血清PSAレベルを測定した。血液試料を尾静脈の切創から取得し、Roche Diagnostics Cobas411(商標)イムノアッセイシステムによって血清PSAを決定した。このシステムは、増強型化学発光技術(ECL(商標))を使用した、免疫学的分析用の自動化ランダムアクセスマルチチャンネル分析器である。LNCaP腫瘍を担持したマウスが200mm超の腫瘍体積に達するか、または血清PSAが75ng/mLより大きなレベルに達した際に、イソフルラン麻酔下で陰嚢を介して去勢を実施した。PSAが去勢前のレベルに戻った際に、処理を行った。
プレキシンB1 siRNA
プレキシンB1 siRNA1(Hs_PLXNB1_6、Qiagen(商標)、モントリオール、ケベック州)を検証した。プレキシンB1 siRNA2は(Swierczら、2008年)により既に検証済みであり、合成した(ThermoScientific(商標)、ロックフォード、イリノイ州)。HiPerFect(商標)試薬(Qiagen(商標)、モントリオール、ケベック州)を製造業者の記載の通りに使用して、スクランブルsiRNA(AUCAAACUGUUGUCAGCGCUGUU)、プレキシンB1 siRNA1(CCGGGUGGAAUUUAUCCUUGAUU)、またはプレキシンB1 siRNA2(ACCACGGUCACCCGGAUUCUU)のいずれか(10nM)を用いて、LNCaP細胞をトランスフェクションした。トランスフェクト細胞を72時間、インキュベーションし、次いで、セマ3C:Fc(100nM)の存在下および非存在下で10分間、インキュベーションした。細胞を洗浄し、次いで溶解した。ポリアクリルアミドゲル電気泳動(PAGE)により、溶解物(30μg)からプレキシンB1レベルを分析した。ウェスタンブロットを抗プレキシンB1および抗リン酸化Shcでプロービングした。ローディング対照として抗ビンキュリンおよび抗Shcを用いて、ブロットをリプロービングした。RNAiMax(商標)試薬を製造業者(Invitrogen(商標)、ミシサガ、オンタリオ州)の指示の通りに使用し、スクランブルsiRNA、プレキシンB1 siRNA1またはプレキシンB1 siRNA2のいずれか(10nM)を用いて、DU145細胞をトランスフェクションした。72時間のインキュベーション後、細胞を96穴平底プレートに20,000細胞/穴で再度撒き、4時間接着させた。残りの細胞を溶解し、ウェスタンブロットによりプレキシンB1発現についてアッセイした。ローディング対照としてビンキュリンを用いて、ブロットをリプロービングした。結合アッセイの前に、培地を血清不含のDMEMで16時間置き換えた。次いで、0.5%BSAを含有するHBHA[20mM HEPES、150mM NaCl、5mM CaCl2、1mM MgCl2]緩衝液を用いて、細胞を1回洗浄した。APTagベクターのみまたはAP−SEMA3Cコンストラクトを発現する293T細胞から得たOpti−MEM1条件培地を、線形かつ等価のAP酵素活性の範囲を見出すため、PNPPアッセイでアッセイした。等量のAP−セマ3C CMを等量のHBHA緩衝液に希釈することによって、AP−セマ3Cを適用し、その結果、酵素活性0.877を得た。APTagは、まずOpti−MEMに1:4で希釈し、次いで、等量のこの1:4希釈APTag CMを等量のHBHAに希釈した。AP−Tag CMの酵素は1.069であった。
結合アッセイは、FLANAGAN,JG.およびLEDER,P.(1990年)により既に記載されている通りに実施した。固定化工程の後、内在性ホスファターゼの熱失活をHBHA中65℃で行った。562nmでのプレートの読み取りは、最初に、次いで24時間毎に行った。データは4連とした。各ケースで、APTagベクターCMの結合を、APSEMA3Cとの結合から差し引いた。
アポトーシスアッセイ
図13では、LNCaP細胞およびC4−2細胞(2.5×104)を6穴プレート中に24時間撒き、その間、フェノールレッドまたは血清のないRPMIに培地を置換した。B1SPを標示の濃度で添加して、細胞を37℃、5%CO2で4日間、インキュベーションした。穏やかに掻き取ることによって、培地および接着性細胞から細胞を回収した。次いで、細胞を1300rpmで遠心分離し、PBS中で1回洗浄して、プロテアーゼ阻害剤を含有する200μLのNP40溶解緩衝液で溶解した。試料(30μg)をSDS PAGEにより分離した。総PARPおよび切断PARP(9542、9541、Cell Signaling Technologies Inc.(商標)ビバリー、マサチューセッツ州)を用いて、ゲルをイムノブロッティングした。抗アクチンを用いてブロットをリプロービングして、タンパク質溶解物が等しくローディングされたことを示した。
図14では、Duolink(商標)in−situ PLAキット(Sigma−Aldrich(商標)、オークビル、オンタリオ州)を使用して、PLA分析を既に記載されたように実施した。その際に、内在性プレキシンB1とB1SPとを区別するために、C末端抗プレキシンB1を使用し、マウス抗HER2を使用した。
以下の実施例は、例示を目的としており、そのように限定することを意図するものではない。
実施例1A:B1SP融合タンパク質は用量依存的にNRP1およびプレキシンB1に結合する
セマフォリンおよびその受容体(主にプレキシンおよびニューロピリン)は、ヒト腫瘍で異常発現している。セマフォリン3Cの結合およびシグナル伝達には、プレキシンB1の共役受容体であるニューロピリン1または2の相互作用が必要である。B1SP融合タンパク質は、セマフォリンとの結合をニューロピリンと競合し、それによって、プレキシンB1を介したシグナル伝達を阻害することにより、セマフォリンシグナル伝達を阻害する可能性がある。図3Aおよび図3Bに示されるように、B1SP融合タンパク質は、NRP1およびプレキシンB1と用量依存的に共免疫沈降する。図3Cおよび図3Dは、B1SPがプレキシンB1およびNRP1と用量依存的に結合することを示す。棒グラフは、NRP1またはプレキシンB1のどちらかとの複合体中のB1SPの相対量を表す。この量は、3つの独立したウェスタンブロッティング実験に続いて、B1SP融合タンパク質との複合体中のNRP1およびプレキシンB1の濃度測定分析を行うことにより得られたものである。
実施例1B:プレキシンB1をサイレンシングさせることによってセマ3Cシグナル伝達が阻害される
スクランブルsiRNA、またはプレキシンB1を標的とする2つの別個のsiRNAを用いて、DU145細胞をトランスフェクションした。全細胞の溶解物およびプレキシンB1抗体でプロービングしたウェスタンブロット分析による、72時間のインキュベーション後のプレキシンB1のタンパク質レベルの阻害(データ示さず)。次いで、抗ビンキュリンを用いてブロットをプロービングして、タンパク質溶解物が均等にローディングされたことを示した。スクランブルsiRNAまたはプレキシンB1 siRNAを用いてトランスフェクションしたDU145細胞とのAP−セマ3C結合。実施したAP−セマ3C結合の平均およびSEMは、4連で計算した。プレキシンB1のノックダウンの結果、AP−セマ3Cの結合が、対照のスクランブルsiRNAに比較して、プレキシンsiRNA1で2.4倍、プレキシンB1 siRNA2で1.9倍低減された。プレキシンB1のサイレンシングに応答して、セマ3C−媒介性のSHCリン酸化にも減少があった。スクランブルsiRNAまたはプレキシンB1 siRNAを用いて、LNCaP細胞をトランスフェクションし、次いで、72時間、インキュベーションした。細胞を16時間、血清飢餓の状態とし、次いで、SEMA3C(100nM)の存在下または非存在下で10分間、インキュベーションした。プレキシンB1抗体を用いてウェスタンブロットをプロービングして、プレキシンB1および抗リン酸化SHCが特異的に阻害されていることを示した。抗SHCおよび抗ビンキュリンローディング対照として、ブロットをリプロービングした(データ示さず)。
実施例1C:B1SPはプレキシンB1とHER2/ErbB2との相互作用を亢進させる
驚くべきことに、図14に示されるように、DU145細胞において、B1SPを添加することによって、プレキシンB1とHER2/ErbB2との相互作用が亢進される(すなわち米国特許第9,198,966号に基づく)。
実施例2:B1SP融合タンパク質はEGFRリン酸化を阻害する
図4は、LNCaP細胞におけるEGFRリン酸化の阻害を示す。LNCaP細胞を24時間、血清飢餓の状態とした後、B1SP融合タンパク質条件培地(CM)を2時間、4時間、および6時間の時点で添加した後、EGF(5.0ng/mL)で10分間刺激した。細胞を回収して、EGFRリン酸化(pEGFR)の発現および総EGFR発現について評価した。ローディング対照として抗ビンキュリンでブロットをリプロービングした。タイムコース終了時でのEGFRリン酸化を比較するため、また、LNCaPにおいてEGFRリン酸化を刺激する能力にインキュベーション時間が及ぼすいかなる影響も抑えるため、対照として、6時間の時点で、非処理細胞を同様に刺激するかまたはそのまま溶解した。
図5Aも、LNCaP細胞におけるEGFRリン酸化の阻害を示す。LNCaP細胞を血清飢餓の状態とし、次いで、培地を交換して、切頭型セマフォリン融合タンパク質(2.0μM)(ALB SRGLI)とプレキシンB1融合タンパク質(B1SP融合タンパク質)(2.0μM)のどちらかで60分間、細胞を処理した。次いで、細胞をEGF(10ng/mL)で10分間刺激した後、細胞を回収して、EGFRリン酸化(pEGFR)の発現およびEGFRレベルについて評価した。次いで、ローディング対照としてビンキュリンについて、ブロットをリプロービングした。B1SP融合タンパク質がEGFRリン酸化に及ぼす阻害効果は、ALBを含む他の阻害剤タンパク質よりも強力であった。さらに、代替のc−末端アルブミン融合体(SDPSI−L−ALB)を供試した(データ示さず)。SDPSI−L−ALBは、N末端アルブミン融合体(ALB−L−SDPSIまたはALBSRGLI)と同一の活性を示した。
図5Bおよび図5Cは、B1SP融合タンパク質がEGFRの顆粒のShcアイソフォームのリン酸化を阻害することを示す。
図6Aは、24時間、血清飢餓の状態とした後、B1SP融合タンパク質およびセマフォリン3C:Fcで同時に60分間、もしくはB1SPのみで、もしくはセマ3C:Fcのみで処理するか、または非処理のままとした、LNCaP細胞を示す。次いで、細胞をEGF(10ng/mL)で10分間刺激した。ローディング対照としてビンキュリンを用いて、ブロットをリプロービングした。図6Bは、図6Aのブロットの定量的濃度測定分析を示す。データは、B1SPがセマ3C−媒介性のEGFRリン酸化を阻害できることを示す。データは、結果として得られたEGFRリン酸化のレベルを示す。同様に、図3Cは、B1SPがセマ3C−媒介性のEGFRリン酸化を阻害することができ、セマ3C:Fcのみによって阻害されないことを示す。
図7も、LNCaP細胞および22RV1 PC細胞におけるEGFRリン酸化の阻害を示す。細胞を血清飢餓の状態とした後、B1SP融合タンパク質条件培地(CM)を標示の濃度(すなわち0.5、1、2、および4μM−A)で、ならびに標示の時点(すなわち1、2、および4時間−B)で、細胞に添加した後、5.0ng/mLのEGFで10分間刺激した。細胞を回収して、pEGFRの発現およびEGFRについて評価した。ローディング対照としてビンキュリンについてブロットをリプロービングした。対照のEGFRリン酸化を、非処理細胞でタイムコースの終了時に評価した。図7Aおよび図7Bは、定量的濃度測定分析のプロットを示す。同様に、22RV1PC細胞(C)、MCF10A正常ヒト乳腺細胞(D)、MR49F PC細胞(E)、およびV16A去勢抵抗性前立腺がん(CRPC)幹細胞(F)においても、EGFRリン酸化の阻害について、B1SP濃度を増加させて(すなわち0.5、1、2、および4.0μM)試験したところ、同様のEGFRリン酸化の低下を示した。
B1SPによるセマ3C−媒介性のEGFRリン酸化の阻害は、U87MG神経膠芽腫細胞にも見られた。ここでは、細胞を、2.5×105細胞個で6穴ディッシュに播種し、一晩、インキュベーションした。次いで、培地を血清およびフェノールレッド不含のRPM1に置き換えて、24時間、インキュベーションした。次いで、対照としてPBSで、またはB1SP(2μM)で1時間、細胞を処理した。次いで、セマ3C:Fc(1μM)またはPBS対照のどちらかを用いて、細胞を37℃、5%CO2で20分間刺激した。既に記載された通りに、細胞をイムノブロッティング用に加工した(イムノブロットを示さず)。さらに、HGF媒介性のMETおよびMAPKのリン酸化の投与量依存的な阻害について、B1SP(0〜4μM)またはPBS対照で3時間処理した血清飢餓のT24膀胱がん細胞で試験した。細胞を、標示の通りにHGF(1nM)で20分間刺激した後、冷PBSで1回洗浄し、NP40溶解緩衝液中に溶解した。イムノブロットは、B1SP濃度の増加に伴って、相対的なMETおよびMAPKのリン酸化が減少することを示した。ローディング対照としてMET抗体およびMAPK抗体ならびにビンキュリンを用いて、イムノブロットをリプロービングした(イムノブロット示さず)。
実施例3:B1SP融合タンパク質はLNCaP細胞の増殖を阻害する
(A)では、標示の通りに合成アンドロゲン(R1881)で細胞を処理し、PrestoBlue増殖アッセイを使用して、5日間にわたって細胞の増殖を評価した。(B)では、濃度を増加させたB1SPと組み合わせて、R1881(1nM)でLNCaP細胞を処理し、4日間にわたって細胞の増殖をモニターした。(C)では、B1SPが成長に及ぼす阻害効果を、アンドロゲン(R1881)感受性の成長の最大のパーセンテージとして表現している。図8Aは、2μM、1μM、0.5μM、0.25μM、0.125μM、0μMのB1SP融合タンパク質について、4日間にわたる細胞の増殖を表すものとして、蛍光強度(FI)を示す。同様に、図8Bは、R1881(1nM)および2μM、1μM、および0μMのB1SP融合タンパク質で処理したLNCaP細胞における4日間にわたる細胞の増殖を表すものとして、EtOH対照と共に、蛍光強度(FI)を示す。図8Dは、B1SP融合タンパク質の用量応答性のプロットをlogスケール上に示す。
実施例4:B1SP融合タンパク質はLNCaP細胞の死を増加させる
還元条件下(R)および非還元条件(NR)下での精製B1SPタンパク質のクマシー染色により、精製したCM中B1SPの分子量を確定した(データ示さず)。B1SP融合タンパク質のクマシーブルー染色により、97kDaの単量体(R)および193kDaの二量体(NR)が示された。同様に、B1SP融合タンパク質を分泌するCHO細胞から回収した条件培地を、N末端抗プレキシンB1抗体を用いたウェスタンブロットによって評価した(データ示さず)。
図9Aおよび9Bに示されるように、LNCaP細胞を精製B1SP融合タンパク質で48時間処理し、次いで、蛍光ベースの生/死細胞生存率アッセイ(カルセイン/ヨウ化プロピジウム)を使用して、細胞生存率を分析した。図9Aおよび図9Bは、2つの独立した実験を示す。
実施例5:B1SP融合タンパク質はフィブロネクチンへの前立腺がん細胞(LNCaPおよびDU145)の接着を阻害する
図10Aおよび10Bに示されるように、B1SP融合タンパク質の処理によって、前立腺がん細胞(すなわちLNCaP細胞またはDU145細胞)の接着が阻害される。細胞をカルセインAM(12.5μM)でパルスし、30分間、インキュベーションした。フィブロネクチン(50μg/mL)がプレコートされた96穴プレートに細胞(1×10)を播種し、軽く遠心分離した後、B1SP融合タンパク質の存在下および非存在下で16〜24時間、インキュベーションした。洗浄によって非接着細胞を除去する前後で、細胞の蛍光を測定した。データは、3連の穴の接着の平均(%)を表す。
実施例6:B1SP融合タンパク質はLNCaP細胞のR1881誘導性増殖を用量依存的に阻害する
図11A〜Cは、B1SP融合タンパク質がアンドロゲン感受性のLNCaP細胞の増殖を阻害することを示す。A:細胞を標示の通りに合成アンドロゲン(R1881)で処理した。PrestoBlue増殖アッセイを使用して、5日間にわたって細胞の増殖を評価した。B:濃度を増加させたB1SPと組み合わせて、LNCaP細胞をR1881(1nM)で処理した。細胞の増殖を4日間にわたってモニターした。C:成長に及ぼすB1SP融合タンパク質の阻害効果を、アンドロゲン(R1881)感受性の成長の最大のパーセンテージとして表現して表す。
実施例7:IN VIVOアッセイ
去勢抵抗性C4−2異種移植片を担持した胸腺欠損nu−/−マウスを去勢し、20mg/kgのB1SPまたはPBS対照を用いて週2回、処理した。B1SP融合タンパク質を用いた処理によって、C4−2腫瘍の成長(図11A)および血清PSAの増悪(図11B)が抑制された。図12は、(A)PBS対照(n=9)または(B)B1SP(n=7)で処理した個別の去勢抵抗性C4−2異種移植片担持マウス(CRPC)の7日目から14日目の血清PSAレベルの変化を示す。図13は、LNCaP細胞およびC4−2細胞をB1SP融合タンパク質で処理することにより、PARP切断に関するイムノブロット分析によってモニターされたように、用量依存的にアポトーシスが誘導されることを示す。
実施例8:B1SP媒介性の増殖への感受性について供試した様々ながん細胞株に対するIC50
種々のがん細胞株をB1SP媒介性の増殖感受性について供試して、がんのタイプを処理した際のB1SPの有効性を表すものとして、各細胞のタイプのIC50値を計算した。LNCaP細胞、C42細胞、MR49F細胞、U87MG細胞、Caki−1細胞、Caki−2細胞、およびT24細胞の阻害を、PBS対照と比較した際のB1SPの用量増加(すなわち2、1、0.5、0.25、および0.125μM)に応答した増殖について試験した。LNCaP細胞には、上記に記載したように、EtOHおよびPBS対照を使用し、R1881も投与した。GraphPadプリズムソフトウェアを使用して、4日目のデータを0日目に正規化した。C4−2はCRPC細胞であり、MR49F細胞はエンザルタミド依存的な(10μM)LNCaP由来細胞であり、U87MGは神経膠芽腫細胞であり、Caki−1およびCaki−2は腎カルシノーマ細胞であり、T24は膀胱がん細胞である。
下記の表2は、B1SP媒介性の増殖感受性について供試した様々ながん細胞株のIC50値をまとめたものである。
Figure 2021180671
実施例9:1つを超えるPSIドメインを有するSEMAペプチドの発現
B1SPおよびB1R4をHEK293T細胞で発現させたが、B1SPのみ条件培地中に分泌された。B1SPおよびB1R4発現クローンを用いて、HEK293T細胞をトランスフェクションした。24時間後、培地をOpti−Memに置き換えて、5%CO中37℃でさらに48時間インキュベーションした。条件培地を回収して濃縮し、抗プレキシンB1を全細胞溶解物(WCL)に、HRPコンジュゲート抗Fc抗体を条件培地(CM)に使用したイムノブロッティングによって分析した。B1R4の分泌は追加のPSIドメインによって阻害されたものと推察された(すなわちB1SPはPSIドメインを1つのみ有する)。
本発明の様々な実施形態が本明細書に開示されているが、当業者の共通の一般知識に従い、多数の適応および修飾が本発明の範囲内で行われよう。そのような修飾には、実質的に同じようにして同じ結果を達成するために、本発明の任意の態様についての既知の等価物の置換が含まれる。数値の範囲は、その範囲を規定する数字を含める。語「含む(comprising)」は、オープンエンドの用語として本明細書では使用され、実質的に語句「含む(including)が以下に限定されない」と同等であり、語「含む(comprises)」は、対応の意味を有する。本明細書で使用される際に、単数形の「a」、「an」、および「the」は、コンテクストに特段に明確に記されていない限り、複数の指示対象を含む。それゆえ、例えば、「一事物(a thing)」への言及には、1つを超えるそのような事物が含まれる。本明細書で参照文献を引用することは、そのような参照文献が本発明の先行技術であることを認めるものではない。
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配列表別表
配列番号1
SCAQHLDCAS CLAHRDPYCG WCVLLGRCSR RSECSRGQGP EQ
配列番号2(B1SP融合体−分子量、ホモ二量体、168kD、アミノ酸配列)
MPALGPALLQALWAGWVLTLQPLPPTAFTPNGTYLQHLARDPTSGTLYLGATNFLFQLSPGLQLEATVSTGPVLDSRDCLPPVMPDECPQAQPTNNPNQLLLVSPGALVVCGSVHQGVCEQRRLGQLEQLLLRPERPGDTQYVAANDPAVSTVGLVAQGLAGEPLLFVGRGYTSRGVGGGIPPITTRALWPPDPQAAFSYEETAKLAVGRLSEYSHHFVSAFARGASAYFLFLRRDLQAQSRAFRAYVSRVCLRDQHYYSYVELPLACEGGRYGLIQAAAVATSREVAHGEVLFAAFSSAAPPTVGRPPSAAAGASGASALCAFPLDEVDRLANRTRDACYTREGRAEDGTEVAYIEYDVNSDCAQLPVDTLDAYPCGSDHTPSPMASRVPLEATPILEWPGIQLTAVAVTMEDGHTIAFLGDSQGQLHRVYLGPGSDGHPYSTQSIQQGSAVSRDLTFDGTFEHLYVMTQSTLLKVPVASCAQHLDCASCLAHRDPYCGWCVLLGRCSRRSECSRGQGPEQWLWSFQPELGCLGSGGGSGGGGGSGGGGSDKTHTCPPCPAPELLGGPSVFLFPPKPKDQLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSREEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVLHEALHNHYTQKSLSLSPGK*

セマドメイン−アノテーションなし
構造安定化ドメイン(PSI=プレキシン−セマフォリン−インテグリンドメイン)
リンカー
ヒンジ
半減期延長ドメイン(FC領域)

配列番号3(B1SP融合体−配列番号2の融合タンパク質をコードする核酸配列)
atgcctgctctgggcccagctcttctccaggctctctgggccgggtgggtcctcaccctccagccccttccaccaactgcattcactcccaatggcacgtatctgcagcacctggcaagggaccccacctcaggcaccctctacctgggggctaccaacttcctgttccagctgagccctgggctgcagctggaggccacagtgtccaccggccctgtgctagacagcagggactgcctgccacctgtgatgcctgatgagtgcccccaggcccagcctaccaacaacccgaatcagctgctcctggtgagcccaggggccctggtggtatgcgggagcgtgcaccagggggtctgtgaacagcggcgcctggggcagctcgagcagctgctgctgcggccagagcggcctggggacacacaatatgtggctgccaatgatcctgcggtcagcacggtggggctggtagcccagggcttggcaggggagcccctcctgtttgtggggcgaggatacaccagcaggggtgtggggggtggcattccacccatcacaacccgggccctgtggccgcccgacccccaagctgccttctcctatgaggagacagccaagctggcagtgggccgcctctccgagtacagccaccacttcgtgagtgcctttgcacgtggggccagcgcctacttcctgttcctgcggcgggacctgcaggctcagtctagagcttttcgtgcctatgtatctcgagtgtgtctccgggaccagcactactactcctatgtggagttgcctctggcctgcgaaggtggccgctacgggctgatccaggctgcagctgtggccacgtccagggaggtggcgcatggggaggtgctctttgcagctttctcctcggctgcaccccccactgtgggccggcccccatcggcggctgctggggcatctggagcctctgccctctgtgccttccccctggatgaggtggaccggcttgctaatcgcacgcgagatgcctgctacacccgggagggtcgtgctgaggatgggaccgaggtggcctacatcgagtatgatgtcaattctgactgtgcacagctgccagtggacaccctggatgcttatccctgtggctcagaccacacgcccagccccatggccagccgggtcccgctggaagccacaccaattctggagtggccagggattcagctaacagctgtggcagtcaccatggaagatggacacaccatcgctttcctgggtgatagtcaagggcagctgcacagggtctacttgggcccagggagcgatggccacccatactccacacagagcatccagcaggggtctgcagtgagcagagacctcacctttgatgggacctttgagcacctgtatgtcatgacccagagcacacttctgaaggttcctgtggcttcctgtgctcagcacctggactgtgcatcttgccttgctcacagggacccatactgtgggtggtgcgtgctccttggcaggtgcagtcgccgttctgagtgctcgaggggccagggcccagagcagtggctatggagcttccagcctgagctgggctgtctgggatccggtggcggttccggtggtggaggcggaagcggcggtggaggatcaGACAAAACTCACACATGCCCACCGTGCCCAGCACCTGAACTCCTGGGGGGACCGTCAGTCTTCCTCTTCCCCCCAAAACCCAAGGACCAACTGATGATCTCCCGGACCCCTGAGGTCACATGCGTGGTGGTGGACGTGAGCCACGAAGACCCTGAGGTCAAGTTCAACTGGTACGTGGACGGCGTGGAGGTGCATAATGCCAAGACAAAGCCGCGGGAGGAGCAGTACAACAGCACGTACCGTGTGGTCAGCGTCCTCACCGTCCTGCACCAGGACTGGCTGAATGGCAAGGAGTACAAGTGCAAGGTCTCCAACAAAGCCCTCCCAGCCCCCATCGAGAAAACCATCTCCAAAGCCAAAGGGCAGCCCCGAGAACCACAGGTGTACACCCTGCCCCCATCCCGGGAGGAGATGACCAAGAACCAGGTCAGCCTGACCTGCCTGGTCAAAGGCTTCTATCCCAGCGACATCGCCGTGGAGTGGGAGAGCAATGGGCAGCCGGAGAACAACTACAAGACCACGCCTCCCGTGCTGGACTCCGACGGCTCCTTCTTCCTCTACAGCAAGCTCACCGTGGACAAGAGCAGGTGGCAGCAGGGGAACGTCTTCTCATGCTCCGTGCTGCATGAGGCTCTGCACAACCACTACACGCAGAAGAGCCTCTCCCTGTCTCCGGGTAAATGA

配列番号4(ALB−L−SDPSIまたはALB SRGLI)は、N末端にアルブミンを有し、このアルブミンはリンカー、次いでSEMA3Cセマドメイン、次いでフーリンの天然の切断部位で切り縮められたpsiに融合されている。MAFRTICVLVGVFICSICVKHHHHHHHHMKWVTFISLLFLFSSAYSRGVFRRDAHKSEVAHRFKDLGEENFKALVLIAFAQYLQQCPFEDHVKLVNEVTEFAKTCVADESAENCDKSLHTLFGDKLCTVATLRETYGEMADCCAKQEPERNECFLQHKDDNPNLPRLVRPEVDVMCTAFHDNEETFLKKYLYEIARRHPYFYAPELLFFAKRYKAAFTECCQAADKAACLLPKLDELRDEGKASSAKQRLKCASLQKFGERAFKAWAVARLSQRFPKAEFAEVSKLVTDLTKVHTECCHGDLLECADDRADLAKYICENQDSISSKLKECCEKPLLEKSHCIAEVENDEMPADLPSLAADFVESKDVCKNYAEAKDVFLGMFLYEYARRHPDYSVVLLLRLAKTYETTLEKCCAAADPHECYAKVFDEFKPLVEEPQNLIKQNCELFEQLGEYKFQNALLVRYTKKVPQVSTPTLVEVSRNLGKVGSKCCKHPEAKRMPCAEDYLSVVLNQLCVLHEKTPVSDRVTKCCTESLVNRRPCFSALEVDETYVPKEFNAETFTFHADICTLSEKERQIKKQTALVELVKHKPKATKEQLKAVMDDFAAFVEKCCKADDKETCFAEEGKKLVAASQAALGLGSGGGSGGGGGSGGGGSGSSQPQARVYLTFDELRETKTSEYFSLSHHPLDYRILLMDEDQDRIYVGSKDHILSLNINNISQEALSVFWPASTIKVEECKMAGKDPTHGCGNFVRVIQTFNRTHLYVCGSGAFSPVCTYLNRGRRSEDQVFMIDSKCESGKGRCSFNPNVNTVSVMINEELFSGMYIDFMGTDAAIFRSLTKRNAVRTDQHNSKWLSEPMFVDAHVIPDGTDPNDAKVYFFFKEKLTDNNRSTKQIHSMIARICPNDTGGLRSLVNKWTTFLKARLVCSVTDEDGPETHFDELEDVFLLETDNPRTTLVYGIFTTSSSVFKGSAVCVYHLSDIQTVFNGPFAHKEGPNHQLISYQGRIPYPRPGTCPGGAFTPNMRTTKEFPDDVVTFIRNHPLMYNSIYPIHKRPLIVRIGTDYKYTKIAVDRVNAADGRYHVLFLGTDRGTVQKVVVLPTNNSVSGELILEELEVFKNHAPITTMKISSKKQQLYVSSNEGVSQVSLHRCHIYGTACADCCLARDPYCAWDGHSCSRFYPTGKR

配列番号5(SDPSI−L−ALB)は、SEMA3Cセマドメインと、フーリン切断部位で切断されたpsiドメインとを有し、Psiドメインは、GSリンカーと、次いでアルブミンに融合されている。
MAFRTICVLVGVFICSICVKGSSQPQARVYLTFDELRETKTSEYFSLSHHPLDYRILLMDEDQDRIYVGSKDHILSLNINNISQEALSVFWPASTIKVEECKMAGKDPTHGCGNFVRVIQTFNRTHLYVCGSGAFSPVCTYLNRGRRSEDQVFMIDSKCESGKGRCSFNPNVNTVSVMINEELFSGMYIDFMGTDAAIFRSLTKRNAVRTDQHNSKWLSEPMFVDAHVIPDGTDPNDAKVYFFFKEKLTDNNRSTKQIHSMIARICPNDTGGLRSLVNKWTTFLKARLVCSVTDEDGPETHFDELEDVFLLETDNPRTTLVYGIFTTSSSVFKGSAVCVYHLSDIQTVFNGPFAHKEGPNHQLISYQGRIPYPRPGTCPGGAFTPNMRTTKEFPDDVVTFIRNHPLMYNSIYPIHKRPLIVRIGTDYKYTKIAVDRVNAADGRYHVLFLGTDRGTVQKVVVLPTNNSVSGELILEELEVFKNHAPITTMKISSKKQQLYVSSNEGVSQVSLHRCHIYGTACADCCLARDPYCAWDGHSCSRFYPTGKGSGGGSGGGGGSGGGGSDAHKSEVAHRFKDLGEENFKALVLIAFAQYLQQCPFEDHVKLVNEVTEFAKTCVADESAENCDKSLHTLFGDKLCTVATLRETYGEMADCCAKQEPERNECFLQHKDDNPNLPRLVRPEVDVMCTAFHDNEETFLKKYLYEIARRHPYFYAPELLFFAKRYKAAFTECCQAADKAACLLPKLDELRDEGKASSAKQRLKCASLQKFGERAFKAWAVARLSQRFPKAEFAEVSKLVTDLTKVHTECCHGDLLECADDRADLAKYICENQDSISSKLKECCEKPLLEKSHCIAEVENDEMPADLPSLAADFVESKDVCKNYAEAKDVFLGMFLYEYARRHPDYSVVLLLRLAKTYETTLEKCCAAADPHECYAKVFDEFKPLVEEPQNLIKQNCELFEQLGEYKFQNALLVRYTKKVPQVSTPTLVEVSRNLGKVGSKCCKHPEAKRMPCAEDYLSVVLNQLCVLHEKTPVSDRVTKCCTESLVNRRPCFSALEVDETYVPKEFNAETFTFHADICTLSEKERQIKKQTALVELVKHKPKATKEQLKAVMDDFAAFVEKCCKADDKETCFAEEGKKLVAASQAALGLHHHHHHHH*

配列番号6 SEMA3C:FC 2つのフーリン切断部位に変異を有し、C末端にリンカーおよびFc領域を有する、完全長SEMA3C。ヒトセマフォリン3Cのアミノ酸1〜20はシグナルペプチドをコードする;(ヒトSEMA3CのGly21〜Ser738:Arg551Ala、Arg552Ala、Arg611Ala、Arg612Ala);IEGRMDリンカーペプチド配列;ヒトIgG1(Pro100〜Lys330)およびリンカーDKTHTCPPCP。MAFRTICVLVGVFICSICVKGSSQPQARVYLTFDELRETKTSEYFSLSHHPLDYRILLMDEDQDRIYVGSKDHILSLNINNISQEALSVFWPASTIKVEECKMAGKDPTHGCGNFVRVIQTFNRTHLYVCGSGAFSPVCTYLNRGRRSEDQVFMIDSKCESGKGRCSFNPNVNTVSVMINEELFSGMYIDFMGTDAAIFRSLTKRNAVRTDQHNSKWLSEPMFVDAHVIPDGTDPNDAKVYFFFKEKLTDNNRSTKQIHSMIARICPNDTGGLRSLVNKWTTFLKARLVCSVTDEDGPETHFDELEDVFLLETDNPRTTLVYGIFTTSSSVFKGSAVCVYHLSDIQTVFNGPFAHKEGPNHQLISYQGRIPYPRPGTCPGGAFTPNMRTTKEFPDDVVTFIRNHPLMYNSIYPIHKRPLIVRIGTDYKYTKIAVDRVNAADGRYHVLFLGTDRGTVQKVVVLPTNNSVSGELILEELEVFKNHAPITTMKISSKKQQLYVSSNEGVSQVSLHRCHIYGTACADCCLARDPYCAWDGHSCSRFYPTGKRRSAAQDVRHGNPLTQCRGFNLKAYRNAAEIVQYGVKNNTTFLECAPKSPQASIKWLLQKDKDAAKEVKLNERIIATSQGLLIRSVQGSDQGLYHCIATENSFKQTIAKINFKVLDSEMVAVVTDKWSPWTWASSVRALPFHPKDIMGAFSHSEMQMINQYCKDTRQQHQQGDESQKMRGDYGKLKALINSIEGRMDPKSCDKTHTCPPCPAPELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSRDELTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGKHHHHHHHH*
配列番号7(スクランブルsiRNA)
AUCAAACUGUUGUCAGCGCUGUU
配列番号8(プレキシンB1siRNA1)
CCGGGUGGAAUUUAUCCUUGAUU
配列番号9(プレキシンB1siRNA2)
ACCACGGUCACCCGGAUUCUU
配列番号10 B1R4
MPALGPALLQALWAGWVLTLQPLPPTAFTPNGTYLQHLARDPTSGTLYLGATNFLFQLSPGLQLEATVSTGPVLDSRDCLPPVMPDECPQAQPTNNPNQLLLVSPGALVVCGSVHQGVCEQRRLGQLEQLLLRPERPGDTQYVAANDPAVSTVGLVAQGLAGEPLLFVGRGYTSRGVGGGIPPITTRALWPPDPQAAFSYEETAKLAVGRLSEYSHHFVSAFARGASAYFLFLRRDLQAQSRAFRAYVSRVCLRDQHYYSYVELPLACEGGRYGLIQAAAVATSREVAHGEVLFAAFSSAAPPTVGRPPSAAAGASGASALCAFPLDEVDRLANRTRDACYTREGRAEDGTEVAYIEYDVNSDCAQLPVDTLDAYPCGSDHTPSPMASRVPLEATPILEWPGIQLTAVAVTMEDGHTIAFLGDSQGQLHRVYLGPGSDGHPYSTQSIQQGSAVSRDLTFDGTFEHLYVMTQSTLLKVPVASCAQHLDCASCLAHRDPYCGWCVLLGRCSRRSECSRGQGPEQWLWSFQPELGCLQVAAMSPANISREETREVFLSVPDLPPLWPGESYSCHFGEHQSPALLTGSGVMCPSPDPSEAPVLPRGADYVSVSVELRFGAVVIAKTSLSFYDCVAVTELRPSAQCQACVSSRWGCNWCVWQHLCTHKASCDAGPMVASHQSPLVSPDPPARGGPSPSPPTAPKALATPAPDTLPVEPGAPSTATASDISPGASPSLLSPWGPWAGSGSISSPGSTGSPLHEEPSPPSPQNGPGTAVPAPTDFRPSATPEDLLASPLSPSEVAAVPPADPGPEALHPTVPLDLPPATVPATTFPGAMGSVKPALDWLTREGGELPEADEWTGGDAPAFSTSTLLSGDGDSAELEGPPAPLILPSSLDYQYDTPGLWELEEATLGASSCPCVESVQGSTLMPVHVEREIRLLGRNLHLFQDGPGDNECVMELEGLEVVVEARVECEPPPDTQCHVTCQQHQLSYEALQPELRVGLFLRRAGRLRVDSAEGLHVVLYDCSVGHGDCSRCQTAMPQYGCVWCEGERPRCVTREACGEAEAVATQCPAPLIHSVEPLTGPVDGGTRVTIRGSNLGQHVQDVLGMVTVAGVPCAVDAQEYEVSSSLVCITGASGEEVAGATAVEVPGRGRGVSEHDFAYQDPKVHSIFPARGPRAGGTRLTLNGSKLLTGRLEDIRVVVGDQPCHLLPEQQSEQLRCETSPRPTPATLPVAVWFGATERRLQRGQFKYTLDPNITSAGPTKSFLSGGREICVRGQNLDVVQTPRIRVTVVSRMLQPSQGLGGSGGGSGGGGGSGGGGSDKTHTCPPCPAPELLGGPSVFLFPPKPKDQLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSREEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVLHEALHNHYTQKSLSLSPGK*
コンセンサス配列を含むセマドメインのクロモアライメントを示す図である。 コンセンサス配列を含む構造安定化ドメインのクロモアライメントを示す図である。 共免疫沈降アッセイでDU145細胞において、B1SP融合タンパク質がNRP1に用量依存的に結合することを示す図である。 共免疫沈降アッセイでDU145細胞において、B1SP融合タンパク質がプレキシンB1およびNRP1に用量依存的に結合することを示す図である。 B1SP処理に対する用量反応の実験で、NRP1との複合体におけるB1SPの相対量も用量依存的な関係を示した。 B1SP処理に対する用量反応の実験で、プレキシンB1との複合体におけるB1SPの相対量も用量依存的な関係を示した。 PE標識B1SP(B1SP−PE)を使用してB1SPのEC50(8.436nM)を決定した図である。ここでは、B1SP−PEを連続的に希釈してDU145細胞に1時間添加した。細胞をDPBSで洗浄した後、PE−蛍光強度(FI)を測定した。 in−situ近接ライゲーションアッセイ(PLA)の結果の顕微鏡写真に基づく相互作用/細胞の平均およびSEMを示す棒グラフであり、DU145細胞におけるプレキシンB1へのB1SPの結合を示す。 in−situ近接ライゲーションアッセイ(PLA)の結果の顕微鏡写真に基づく相互作用/細胞の平均およびSEMを示す棒グラフであり、DU145細胞においてB1SPがSEMA3CとNRP1との相互作用を阻害することを示す。 in−situ近接ライゲーションアッセイ(PLA)の結果の顕微鏡写真に基づく相互作用/細胞の平均およびSEMを示す棒グラフであり、DU145細胞においてB1SPがSEMA3CとプレキシンB1との相互作用を阻害することを示す。 LNCaP細胞におけるEGFRリン酸化が、時間に依存的であることを示す図である。ここでは、ローディング対照としての抗ビンキュリンおよび非処理の細胞対照と比較するものとして、処理細胞を回収し、EGFRリン酸化(pEGFR)の発現および総EGFR発現について評価した。 LNCaP細胞におけるEGFRリン酸化が、用量に依存的であることを示す図である。ここでは、ローディング対照としての抗ビンキュリンおよび非処理の細胞対照と比較するものとして、処理細胞を回収し、EGFRリン酸化(pEGFR)の発現および総EGFR発現について評価した。 LNCaP細胞におけるEGFRリン酸化の阻害を示す図である。ここでは、細胞を切頭型セマフォリン融合タンパク質(2.0μM)(ALB SRGLI)とプレキシンB1融合タンパク質(B1SP)(2.0μM)のうちどちらかで60分間処理し、続いてEGF(10ng/mL)で10分間刺激した後、細胞を回収し、EGFRリン酸化(pEGFR)の発現、およびEGFRレベルについて、ビンキュリンのローディング対照と共に評価した。 B1SPがEGFRの下流にあるShcアイソフォームのリン酸化を阻害することを示す図である。 B1SPがEGFRの下流にあるShcアイソフォームのリン酸化を阻害することを示す図である。 LNCaP細胞を24時間、血清飢餓の状態とし、次いで、B1SPおよびセマフォリン3C:Fcで同時に60分間、もしくはB1SPのみで、もしくはセマ3C:Fcのみで処理するか、または非処理のままとし、続いてEGF(10ng/mL)で10分間刺激した際のブロットを示す図である。このブロットには、ローディング対照としてのビンキュリンと比較した際の結果的なEGFRリン酸化のレベルが示されている。 図6Aのブロットの定量的濃度測定解析を示す図であり、B1SPがセマ3C媒介性のEGFRリン酸化を阻害できることを示す。 同様に、LNCaPでのEGFRリン酸化の阻害を示す図である。ここでは、LNCaP細胞を血清飢餓の状態とし、次いで、培地を交換し、切頭型セマフォリン融合タンパク質(2.0μM)(ALB SRGLIおよびΔ13)とプレキシンB1融合タンパク質(B1SP)(2.0μM)のどちらかで細胞を60分間処理した。次いで、細胞をEGF(10ng/mL)で10分間刺激し、細胞を回収し、EGFRリン酸化(pEGFR)の発現およびEGFRレベルについて評価した。ローディング対照としてビンキュリンについてブロット(示さず)をリプロービングし、EGFRリン酸化レベルの濃度測定解析を実施した。 LNCaP細胞におけるEGFRリン酸化の阻害を示す図である。この図では、濃度を増加させてB1SPを処理したLNCaP細胞のEGF媒介性のEGFRリン酸化が示されており、その際に、LNCaP細胞を24時間、血清飢餓の状態とし、次いで、呈示した用量(0.5〜4.0μM)のB1SPで1時間処理し、続いて、EGF(10ng/mL)で刺激し、pEGFR、pHER2/ErbB2、pSHC、およびpMAPKのレベルをイムノブロッティングによって示した。ここでは、定量的な濃度測定解析のプロットを示す。 22RV1PC細胞におけるEGFRリン酸化の阻害を示す図である。この図では、22RV1PC細胞を血清飢餓の状態とし、標示された時点でB1SP条件培地(CM)を細胞に添加した後、5.0ng/mLのEGFで10分間刺激し、次いで、細胞を回収し、pEGFRの発現およびEGFRについて評価した。この評価は、ビンキュリンによるローディング対照、およびタイムコースの終了時に非処理細胞で評価した対照のEGFRリン酸化に比較するものとした。ここでは、定量的な濃度測定解析のプロットを示す。 同様に、濃度を増加させたB1SP(すなわち0.5、1,2、および4.0μM)を用いて、EGFRリン酸化の阻害を、22RV1PC細胞で試験した図である。 同様に、濃度を増加させたB1SP(すなわち0.5、1,2、および4.0μM)を用いて、EGFRリン酸化の阻害を、MCF10A正常ヒト乳腺細胞で試験した図である。 同様に、濃度を増加させたB1SP(すなわち0.5、1,2、および4.0μM)を用いて、EGFRリン酸化の阻害を、MR49FPC細胞で試験した図である。 同様に、濃度を増加させたB1SP(すなわち0.5、1,2、および4.0μM)を用いて、EGFRリン酸化の阻害を、V16A去勢抵抗性前立腺がん(CRPC)幹細胞で試験した図である。 B1SPがPC細胞(LNCaP)の増殖を用量依存的にIC50 1.145μMで阻害することを示す図である。この図は、細胞を標示の通りに合成アンドロゲン(R1881)で処理し、PrestoBlue増殖アッセイを使用して、5日間にわたって細胞増殖を評価したものを示す。 B1SPがPC細胞(LNCaP)の増殖を用量依存的にIC50 1.145μMで阻害することを示す図である。ここでは、濃度を増加させたB1SPと組み合わせてLNCaP細胞をR1881(1nM)で処理し、細胞増殖を4日間モニターした。 B1SPがPC細胞(LNCaP)の増殖を用量依存的にIC50 1.145μMで阻害することを示す図である。この図は、成長へ及ぼすB1SPの阻害効果を示し、この阻害効果は、アンドロゲン(R1881)感受性成長の最大のパーセンテージとして表される。 B1SPがPC細胞(LNCaP)の増殖を用量依存的にIC50 1.145μMで阻害することを示す図である。 LNCaP細胞の2つのプロット(独立した2つの実験)を示す図である。ここでは、細胞を精製B1SP融合タンパク質で48時間処理した後、蛍光ベースの生/死細胞生存率アッセイ(カルセイン/ヨウ化プロピジウム)を使用して細胞生存率を分析した。 LNCaP細胞の2つのプロット(独立した2つの実験)を示す図である。ここでは、細胞を精製B1SP融合タンパク質で48時間処理した後、蛍光ベースの生/死細胞生存率アッセイ(カルセイン/ヨウ化プロピジウム)を使用して細胞生存率を分析した。 B1SP融合タンパク質の処理によって、2つのタイプの前立腺がん細胞(すなわちLNCaP細胞またはDU145細胞)で前立腺がん細胞の接着が阻害されることを示す図である。ここで、細胞をカルセインAM(12.5μM)でパルスし、30分間インキュベーションし、次いで、96穴プレート中プレコートされたフィブロネクチン(50μg/mL)上に細胞(1×105)を播種し、軽く遠心した後にB1SP融合タンパク質の存在下および非存在下で16〜24時間インキュベーションし、その後、細胞の蛍光を測定した(洗浄により非接着細胞を除去する前と後の両方)。データは、3連のウェルの接着の平均(%)を表す。 B1SP融合タンパク質の処理によって、2つのタイプの前立腺がん細胞(すなわちLNCaP細胞またはDU145細胞)で前立腺がん細胞の接着が阻害されることを示す図である。ここで、細胞をカルセインAM(12.5μM)でパルスし、30分間インキュベーションし、次いで、96穴プレート中プレコートされたフィブロネクチン(50μg/mL)上に細胞(1×105)を播種し、軽く遠心した後にB1SP融合タンパク質の存在下および非存在下で16〜24時間インキュベーションし、その後、細胞の蛍光を測定した(洗浄により非接着細胞を除去する前と後の両方)。データは、3連のウェルの接着の平均(%)を表す。 B1SP融合タンパク質を用いて去勢抵抗性C4−2異種移植片腫瘍を担持するマウスを処置することによって、in vivo腫瘍の成長が阻害されることを示す図である。このことは、PBS処理対照マウスに比較して腫瘍体積が減少することで示される通りである。 B1SP融合タンパク質を用いて去勢抵抗性C4−2異種移植片腫瘍を担持するマウスを処置することによって、in vivo腫瘍の成長が阻害されることを示す図である。このことは、PBS処理対照マウスに比較して血清PSAレベルが減少することで示される通りである。 PBS(n=9)を処理した後7日目から14日目の各C4−2異種移植片担持マウスの血清PSAレベルのパーセント変化に関するウォーターフォールプロットの図である。 B1SP(n=7)を処理した後7日目から14日目の各C4−2異種移植片担持マウスの血清PSAレベルのパーセント変化に関するウォーターフォールプロットの図である。 B1SPで処理して総PARPおよび切断型PARPで染色したLNCaPおよびC4−2の前立腺がん細胞のイムノブロットを示す図であり、この図は、これらの細胞でアポトーシスが生じていることを示す。 DU145細胞においてB1SPがHER2/ErbB2とのプレキシンB1の相互作用を亢進させることを示す図であり、Duolink in−situ PLAキットを使用したPLA分析に基づく。

Claims (54)

  1. 生物学的有効量のB1SP融合タンパク質をがん細胞に投与することを含み、前記B1SP融合タンパク質は、
    (a)セマドメイン、
    (b)構造安定化ドメイン、および
    (c)半減期延長部分
    を含む、がんを治療するための方法。
  2. 前記B1SP融合タンパク質は、前記構造安定化ドメインと前記半減期延長ドメインとの間に、リンカーおよびヒンジのうち1つまたは複数をさらに含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記構造安定化ドメインは、SCAQHLDCASCLAHRDPYCG WCVLLGRCSRRSECSRGQGPEQである、請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記生物学的有効量は、がん細胞の細胞死を引き起こすか、または前記がん細胞の増殖を阻害するのに充分な量である、請求項1、2または3に記載の方法。
  5. 前記がん細胞は、前立腺がん、乳がん、卵巣がん、膀胱がん、腎がん、神経膠芽腫、または子宮体がんである、請求項4に記載の方法。
  6. 前記がん細胞は前立腺がんである、請求項4または5に記載の方法。
  7. 前記前立腺がんは、アンドロゲン受容体(AR)陽性前立腺がんである、請求項4、5または6に記載の方法。
  8. 半減期延長部分は、断片結晶化可能領域(Fc領域)、免疫グロブリン結合ドメインドメインB(IgBD)、Novozymes Albufuseアルブミン、血清アルブミン、ユビキチン、ポリエチレングリコール(PEG)部分(PEG化)、Amunix XTEN、ポリペプチド骨格を有する非構造化ポリマー、ポリグリシン、エラスチン様ポリペプチド、ポリシアル酸、PAS化(Pro、AlaおよびSer(PAS))、糖鎖修飾、HES化(ヒドロキシエチルデンプンとのカップリング)、およびHeptune(ヘパロサンのコンジュゲーション)から選択される、請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
  9. アンドロゲン受容体(AR)陽性前立腺がんを死滅させるか、またはその増殖を阻害するための方法であって、B1SP融合タンパク質を含む生物学的有効量の組成物にAR陽性前立腺がんを接触させることを含み、前記B1SP融合タンパク質は、
    (a)セマドメイン、
    (b)構造安定化ドメイン、および
    (c)半減期延長部分
    を含む、方法。
  10. アンドロゲン枯渇療法およびB1SP融合タンパク質を施用することを含み、前記B1SP融合タンパク質は、
    (a)セマドメイン、
    (b)構造安定化ドメイン、および
    (c)半減期延長部分
    を含む、アンドロゲン依存性前立腺がんの成長を阻害する方法。
  11. 前記B1SP融合タンパク質は、前記構造安定化ドメインと前記半減期延長ドメインとの間に、リンカーおよびヒンジのうち1つまたは複数をさらに含む、請求項9または10に記載の方法。
  12. アンドロゲン枯渇療法および前記B1SP融合タンパク質は、ほぼ同時に開始される、請求項10に記載の方法。
  13. 前記B1SP融合タンパク質は、アンドロゲン枯渇療法後に、および前記アンドロゲン依存性がんがアンドロゲン非依存性となる前に開始される、請求項10に記載の方法。
  14. 前記アンドロゲン枯渇療法は、黄体形成ホルモン放出ホルモン(LHRH)類似体を投与することを含む、請求項10、12または13に記載の方法。
  15. アンドロゲン枯渇療法は、抗アンドロゲン治療を施用することを含む、請求項10、12または13に記載の方法。
  16. 前記アンドロゲン枯渇療法は、副腎アンドロゲン阻害剤を投与することを含む、請求項10、12または13に記載の方法。
  17. 前記アンドロゲン枯渇療法は外科的である、請求項10、12または13に記載の方法。
  18. 前記アンドロゲン枯渇療法および前記SEMA3C阻害剤は、1つまたは複数のさらに別の治療レジメン(複数可)と共に施用される、請求項10、12〜17のいずれか1項に記載の方法。
  19. 前記治療レジメンは、化学療法レジメンである、請求項18に記載の方法。
  20. 前記治療レジメンは、放射線療法レジメンである、請求項17に記載の方法。
  21. 半減期延長部分は、断片結晶化可能領域(Fc領域)、免疫グロブリン結合ドメインドメインB(IgBD)、Novozymes Albufuseアルブミン、血清アルブミン、ユビキチン、ポリエチレングリコール(PEG)部分(PEG化)、Amunix XTEN、ポリペプチド骨格を有する非構造化ポリマー、ポリグリシン、エラスチン様ポリペプチド、ポリシアル酸、PAS化(Pro、AlaおよびSer(PAS))、糖鎖修飾、HES化(ヒドロキシエチルデンプンとのカップリング)、およびHeptune(ヘパロサンのコンジュゲーション)から選択される、請求項9〜20のいずれか1項に記載の方法。
  22. 前記B1SP融合タンパク質は配列番号2を含む、請求項1〜20のいずれか1項に記載の方法。
  23. がんを治療するための医薬品の製造へのB1SP融合タンパク質の使用であって、前記B1SP融合タンパク質は、
    (a)セマドメイン、
    (b)構造安定化ドメイン、および
    (c)半減期延長部分
    を含む、使用。
  24. がんを治療するためのB1SP融合タンパク質の使用であって、前記B1SP融合タンパク質は、
    (a)セマドメイン、
    (b)構造安定化ドメイン、および
    (c)半減期延長部分
    を含む、使用。
  25. 前記B1SP融合タンパク質は、前記構造安定化ドメインと前記半減期延長ドメインとの間に、リンカーおよびヒンジのうち1つまたは複数をさらに含む、請求項23または24に記載の使用。
  26. 前記構造安定化ドメインは、SCAQHLDCASCLAHRDPYCG WCVLLGRCSRRSECSRGQGPEQである、請求項23、24または25に記載の使用。
  27. 前記治療は、がん細胞の細胞死を引き起こすか、または前記がん細胞の増殖を阻害するのに充分な量である、請求項23〜26のいずれか1項に記載の使用。
  28. 前記がん細胞は、前立腺がん、乳がん、卵巣がん、膀胱がん、腎がん、神経膠芽腫、または子宮体がんである、請求項23〜27のいずれか1項に記載の使用。
  29. 前記がん細胞は前立腺がんである、請求項23〜28のいずれか1項に記載の使用。
  30. 前記前立腺がんは、アンドロゲン受容体(AR)陽性前立腺がんである、請求項23〜29のいずれか1項に記載の使用。
  31. 半減期延長部分は、断片結晶化可能領域(Fc領域)、免疫グロブリン結合ドメインドメインB(IgBD)、Novozymes Albufuseアルブミン、血清アルブミン、ユビキチン、ポリエチレングリコール(PEG)部分(PEG化)、Amunix XTEN、ポリペプチド骨格を有する非構造化ポリマー、ポリグリシン、エラスチン様ポリペプチド、ポリシアル酸、PAS化(Pro、AlaおよびSer(PAS))、糖鎖修飾、HES化(ヒドロキシエチルデンプンとのカップリング)、およびHeptune(ヘパロサンのコンジュゲーション)から選択される、請求項23〜30のいずれか1項に記載の使用。
  32. 前記B1SP融合タンパク質は、配列番号2を含む、請求項23〜31のいずれか1項に記載の使用。
  33. (a)セマドメイン、
    (b)構造安定化ドメイン、および
    (c)半減期延長部分
    を含む、がんの治療のためのB1SP融合タンパク質。
  34. 前記構造安定化ドメインと前記半減期延長ドメインとの間に、リンカーおよびヒンジのうち1つまたは複数をさらに含む、請求項33に記載のB1SP融合タンパク質。
  35. 前記構造安定化ドメインは、SCAQHLDCASCLAHRDPYCG WCVLLGRCSRRSECSRGQGPEQである、請求項33または34に記載のB1SP融合タンパク質。
  36. 前記治療は、がん細胞の細胞死を引き起こすか、または前記がん細胞の増殖を阻害するのに充分な量である、請求項33、34または35のいずれか1項に記載のB1SP融合タンパク質。
  37. 前記がん細胞は、前立腺がん、乳がん、卵巣がん、膀胱がん、腎がん、神経膠芽腫、または子宮体がんである、請求項33〜36のいずれか1項に記載のB1SP融合タンパク質。
  38. 前記がん細胞は前立腺がんである、請求項33〜37のいずれか1項に記載のB1SP融合タンパク質。
  39. 前記前立腺がんは、アンドロゲン受容体(AR)陽性前立腺がんである、請求項33〜38のいずれか1項に記載のB1SP融合タンパク質。
  40. 半減期延長部分は、断片結晶化可能領域(Fc領域)、免疫グロブリン結合ドメインドメインB(IgBD)、Novozymes Albufuseアルブミン、血清アルブミン、ユビキチン、ポリエチレングリコール(PEG)部分(PEG化)、Amunix XTEN、ポリペプチド骨格を有する非構造化ポリマー、ポリグリシン、エラスチン様ポリペプチド、ポリシアル酸、PAS化(Pro、AlaおよびSer(PAS))、糖鎖修飾、HES化(ヒドロキシエチルデンプンとのカップリング)、およびHeptune(ヘパロサンのコンジュゲーション)から選択される、請求項33〜39のいずれか1項に記載のB1SP融合タンパク質。
  41. 配列番号2を含むアミノ酸配列を有する、請求項33〜40のいずれか1項に記載のB1SP融合タンパク質。
  42. B1SP融合タンパク質を生理的に許容可能な担体と組み合わせて含む医薬組成物であって、前記B1SP融合タンパク質は、
    (a)セマドメイン、
    (b)構造安定化ドメイン、および
    (c)半減期延長部分
    を含む、医薬組成物。
  43. 前記B1SP融合タンパク質は、前記構造安定化ドメインと前記半減期延長ドメインとの間に、リンカーおよびヒンジのうち1つまたは複数をさらに含む、請求項42に記載の医薬組成物。
  44. 前記構造安定化ドメインは、SCAQHLDCASCLAHRDPYCG WCVLLGRCSRRSECSRGQGPEQである、請求項42または43に記載の医薬組成物。
  45. 前記治療は、がん細胞の細胞死を引き起こすか、または前記がん細胞の増殖を阻害するのに充分な量である、請求項42、43または44のいずれか1項に記載の医薬組成物。
  46. 前記がん細胞は、前立腺がん、乳がん、卵巣がん、膀胱がん、腎がん、神経膠芽腫、または子宮体がんである、請求項43〜45のいずれか1項に記載の医薬組成物。
  47. 前記がん細胞は前立腺がんである、請求項43〜46のいずれか1項に記載の医薬組成物。
  48. 前記前立腺がんは、アンドロゲン受容体(AR)陽性前立腺がんである、請求項43〜47のいずれか1項に記載の医薬組成物。
  49. 半減期延長部分は、断片結晶化可能領域(Fc領域)、免疫グロブリン結合ドメインドメインB(IgBD)、Novozymes Albufuseアルブミン、血清アルブミン、ユビキチン、ポリエチレングリコール(PEG)部分(PEG化)、Amunix XTEN、ポリペプチド骨格を有する非構造化ポリマー、ポリグリシン、エラスチン様ポリペプチド、ポリシアル酸、PAS化(Pro、AlaおよびSer(PAS))、糖鎖修飾、HES化(ヒドロキシエチルデンプンとのカップリング)、およびHeptune(ヘパロサンのコンジュゲーション)から選択される、請求項43〜48のいずれか1項に記載の医薬組成物。
  50. 前記B1SP融合タンパク質は、配列番号2を含むアミノ酸配列を有する、請求項43〜49のいずれか1項に記載の医薬組成物。
  51. 前立腺がんの治療での使用のためのB1SP融合タンパク質および取扱説明書を含み、前記B1SP融合タンパク質は、
    (a)セマドメイン、
    (b)構造安定化ドメイン、および
    (c)半減期延長部分
    を含む、商業用パッケージ。
  52. 前記B1SP融合タンパク質は、前記構造安定化ドメインと前記半減期延長ドメインとの間に、リンカーおよびヒンジのうち1つまたは複数をさらに含む、請求項51に記載の商業用パッケージ。
  53. 半減期延長部分は、断片結晶化可能領域(Fc領域)、免疫グロブリン結合ドメインドメインB(IgBD)、Novozymes Albufuseアルブミン、血清アルブミン、ユビキチン、ポリエチレングリコール(PEG)部分(PEG化)、Amunix XTEN、ポリペプチド骨格を有する非構造化ポリマー、ポリグリシン、エラスチン様ポリペプチド、ポリシアル酸、PAS化(Pro、AlaおよびSer(PAS))、糖鎖修飾、HES化(ヒドロキシエチルデンプンとのカップリング)、およびHeptune(ヘパロサンのコンジュゲーション)から選択される、請求項51または52に記載の商業用パッケージ。
  54. 前記B1SP融合タンパク質は、配列番号2を含むアミノ酸配列を有する、請求項51〜53のいずれか1項に記載の商業用パッケージ。

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