JP2021177741A - 春巻きの皮用小麦粉 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の課題は、優れた春巻きの皮用小麦粉を提供することである。【解決手段】本発明によって、加熱時最高粘度が100〜275mPa・sである春巻きの皮用小麦粉が提供される。ここで、小麦粉の加熱時最高粘度とは、固形分として1.8gの小麦粉に水を添加して得た30gの溶液を95℃まで昇温し、95℃において160rpmで測定した粘度の最高値である。【選択図】なし

Description

本発明は、春巻きの皮を製造するための小麦粉に関する。また、本発明は、春巻きの皮用小麦粉を用いた春巻きの皮、および、その製造方法に関する。さらに、本発明は、春巻きの皮用小麦粉を用いた春巻き、および、その製造方法に関する。
小麦粉は、小麦を挽いて作った穀粉であり、いろいろな食品の原料として使用されている。近年は、パンやケーキ、麺など、様々な用途に応じた小麦粉が開発されている。
麺類用の小麦粉として、例えば、特許文献1や特許文献2に記載の小麦粉が知られている。特許文献1には、特定の粒径を有する強力系小麦粉を配合することによって、二次加工適性に優れた小麦粉製品が得られることが記載されている。具体的には、特許文献1には、原料を強力系小麦とし、粒径が50〜160μmの大きさの粒が70質量%以上であり、粒径が50〜110μmの大きさの粒が55質量%以上である小麦粉を用いることが記載されている。
また、特許文献2には、うどん製造用に特化した小麦粉として、特定品種の軟質小麦を原料とし、特定の平均粒径および損失澱粉量を有する小麦粉が提案されている。
特開2007−014224号公報 特開2015−159759号公報
本発明の課題は、春巻きの皮を製造するための優れた小麦粉を開発することである。春巻きの皮は、小麦粉を原料とする麺帯という点で餃子やシウマイ、ワンタンの皮と共通するものの、焼成して製造される点で餃子の皮などとは異なっている。春巻きの皮は、薄いながらも具材(餡)を包む際の強度が必要であり、また、油ちょうした後の食感がよいことが求められる。さらに、油ちょう後にある程度の時間をおいて喫食されたり、冷凍した後に解凍して喫食されたりする場合でも、皮の食感が優れていると特に好ましい。
このような状況に鑑み、本発明の課題は、包餡などの作業がしやすいだけでなく、油ちょうした際に食感がよい春巻きの皮を製造するための優れた小麦粉を提供することである。
本発明者は、上記課題を解決できるような小麦粉について鋭意検討したところ、加熱時の粘度が特定の範囲の小麦粉によって優れた春巻きの皮が得られることを見出し、本発明を完成させるに至った。
これに限定されるものではないが、本発明は、下記の発明を包含する。
[1] 加熱時最高粘度が100〜275mPa・sである春巻きの皮用小麦粉であって、ここで、小麦粉の加熱時最高粘度が、固形分として1.8gの小麦粉に水を添加して得た30gの溶液を95℃まで昇温し、95℃において160rpmで測定した粘度の最高値である、上記小麦粉。
[2] たん白質含量が6.0〜15.0質量%である、[1]に記載の小麦粉。
[3] たん白質含量が10.0〜15.0質量%である、[1]または[2]に記載の小麦粉。
[4] たん白質含量が10.0質量%未満であり、加熱時最高粘度が200mPa・s以下である、[2]に記載の小麦粉。
[5] 冷凍春巻きの皮を製造するための、[1]〜[4]のいずれかに記載の小麦粉。
[6] [1]〜[5]のいずれかに記載の小麦粉を原料とする春巻きの皮。
[7] [1]〜[5]のいずれかに記載の小麦粉を原料として焼成生地を得る工程を含む、春巻きの皮の製造方法。
[8] [1]〜[5]のいずれかに記載の小麦粉を原料とする春巻きの皮で具材を包む工程を含む、春巻きの製造方法。
[9] [1]〜[5]のいずれかに記載の小麦粉を原料とする春巻きの皮で具材を包み、得られた春巻きを冷凍する工程を含む、冷凍春巻きの製造方法。
本発明によれば、優れた春巻きの皮用小麦粉が提供される。すなわち、本発明に係る春巻きの皮用小麦粉によれば、焼成生地である春巻きの皮を製造しやすく、また、具材を包むのに十分な強度を有する春巻きの皮が得られる。
本発明に係る春巻きの皮用小麦粉から製造された春巻きは、油ちょうした後の皮の食感が優れており、冷凍保存した後でも優れた食感が維持される。
加熱時最高粘度の測定条件を示すグラフである。
本発明は、春巻きの皮を製造するための小麦粉に関する。春巻きの皮は麺帯(麺皮)の一種であるが、すでに焼成されている点で餃子やワンタンなどの皮とは異なる。春巻きは油ちょうして調理されることが多いが、本発明において春巻きの皮という場合、油ちょうなどの調理前の皮と調理済の皮の両方を包含する概念である。
本発明に係る春巻きの皮用小麦粉は、加熱時の最高粘度が100〜275mPa・sである。本発明において、小麦粉の加熱時最高粘度は、固形分として1.8gの小麦粉に水を添加して得た30gの溶液を95℃まで昇温し、95℃において160rpmで測定した粘度の最高値である。また、粘度測定装置としては、ラピッドビスコアナライザー(RVA4500、PertenInstruments社)などを用いることができる。加熱時の最高粘度が100mPa・s未満であると、焼成後の春巻きの皮の強度が弱く、ドラム型焼成機から剥がす際に破けやすく、また具材を包む際も破けやすくなる場合がある。一方、加熱時の最高粘度が275mPa・sを超えると、春巻き喫食時の皮部がヒキのある食感になり、パリパリ感が感じられなくなる。本発明において加熱時の最高粘度の下限値は、150mPa・sが好ましく、160mPa・sがより好ましく、180mPa・s、190mPa・sとしてもよい。また、上限値は、260mPa・sが好ましく、250mPa・sがより好ましい。
本発明において、春巻き皮用小麦粉のたん白質含量は特に制限されず、小麦粉の一般的なたん白質含量であればよく、好ましくは6.0〜15.0質量%、より好ましくは7.0〜14.0質量%、さらに好ましくは7.4〜13.5質量%である。たん白質含量がこのような範囲であると、喫食時に適度な硬さと食感を有しつつ、ある程度の強度を備えた春巻きの皮を製造することができる。
本発明の好ましい態様において、春巻きの皮用小麦粉のたん白質含量は10.0〜15.0質量%である。たん白質含量を10.0〜15.0質量%とすると、焼成後の春巻きの皮の強度が強くなり、ドラム型焼成機から剥がす際に破けることが少なく、また具材を包む際も破けにくくなる。たん白質含量の下限値は、11.5質量%がより好ましく、12.0質量%がさらに好ましい。上限値は、14.0質量%がより好ましく、13.5質量%がさらに好ましい。また、たん白質含量を10.0〜15.0質量%としたとき、加熱時の最高粘度は、180〜260mPa・sが好ましく、190〜250mPa・sがより好ましい。
また別の態様において、本発明に係る春巻きの皮用小麦粉のたん白質含量は6.0質量%以上10.0質量%未満である。7.0〜9.4質量%がより好ましく、7.4〜8.7質量%がさらに好ましい。たん白質含量が10.0質量%未満としたとき、加熱時の最高粘度は、150〜275mPa・sが好ましく、160〜235mPa・sがより好ましく、160〜220mPa・sがさらに好ましい。春巻きの皮の食感向上の観点から、200mPa・s以下とするのが最も好ましい。
本発明において小麦粉の灰分は特に限定されない。好ましい態様において、本発明に係る小麦粉の灰分は0.90質量%以下であり、より好ましくは0.20〜0.75質量%、さらに好ましくは0.30〜0.50質量%である。
小麦粉は一般的な方法で製造することができるが、例えば、常法にしたがって精選した小麦粒を、加水・調質(テンパリング)した後、必要に応じて、ブレーキング工程、グレーディング工程、ピュリフィケーション工程などを行い、粉砕機を用いて粒度構成を調整することができる。
本発明に係る春巻きの皮用小麦粉について、原料となる小麦の産地や品種などは特に限定されず、例えば、硬質小麦であっても中間質小麦や軟質小麦であってもよく、普通系小麦であっても二粒系小麦であってもよい。本発明においては、1種の小麦から小麦粉を製造することもできるし、2種以上の小麦を組み合わせて小麦粉を製造することもできる。また、製造した小麦粉を組み合わせて本発明の小麦粉を製造することもできる。本発明においては全粒粉を用いてもよい。小麦は種子の硬さ(硬軟質性)に基づいて、硬質小麦と中間質小麦、軟質小麦に分類される。硬質小麦は高たん白質で種子がアメ色に見える硝子質のものが多く、一方、軟質小麦はたん白質が低めで種子が白っぽく見える粉状質のものが多い。中間質小麦は、硬質小麦と軟質小麦の中間の性質をもつ。種子の硬軟質性は、ピュロインドリン−aとピュロインドリン−bという2種のたん白質の遺伝子の変異によって決定され、野生型が軟質で、これらの遺伝子に変異が起きると硬質になる。
本発明に係る春巻きの皮用小麦粉は、好ましい態様において、中位径(メジアン径)は20〜90μmである。中位径は、体積基準の粒子径分布から定められる累積50%となる粒径である。本発明において、春巻きの皮用小麦粉の中位径は23〜80μmがより好ましく、25〜75μmがさらに好ましい。このような小麦粉を春巻きの皮に用いることで、さらに春巻きの皮製造時の作業性を高めることができる。一つの態様において、本発明に係る小麦粉のたん白質含量は10.0〜15.0質量%であり、中位径は、好ましくは30〜90μm、より好ましくは33〜80μm、さらに好ましくは35〜75μmである。また別の態様において、本発明に係る小麦粉のたん白質含量は10.0質量%未満であり、中位径は、好ましくは20〜70μm、より好ましくは23〜60μm、さらに好ましくは25〜50μmである。
本発明において、小麦粉の体積基準の粒子径分布は、レーザー回折式の粒度分布測定装置を用いて測定することができる。具体的には、レーザー回折式粒度分布測定装置を用いて、フラウンホーファー回折によって体積基準の粒子径分布(累積分布または頻度分布)を得る。
小麦粉の中位径については、小麦の粉砕条件および分級条件を調整することによって変更することが可能である。小麦の粉砕には、例えば、衝撃式粉砕機、気流式粉砕機、ロール式粉砕機などの粉砕機を用いることができる。例えば、ロール粉砕の場合にはロールミルなど、気流粉砕の場合にはジェットミルなど、衝撃式粉砕の場合には、ハンマーミル、ピンミル、ターボミルなどが挙げられる。また、複数の粉砕方法を組み合わせた粉砕機(サイクロンミル、相対流粉砕機など)を用いることもできる。これらの粉砕機を単独で用いてもよいし、複数組み合わせて用いてもよい。粉砕した小麦粉は、篩や空気分級によって分級することで所望の中位径に調整することや、分級機能を備えた粉砕機で粉砕することにより、本実施形態の春巻きの皮用小麦粉を得ることができる。また、本実施形態の春巻きの皮用小麦粉は、複数の異なる目開きの篩を用いて、粗い目開きの篩から順次かけていき、各篩上に残った画分および全ての篩を通過した画分の配合割合を調整することによって、所望の中位径に調整することができる。
本発明に係る春巻きの皮用小麦粉は、好ましい態様において、損傷でん粉は3〜11質量%である。本発明において、春巻きの皮用小麦粉の損傷でん粉は10質量%以下がより好ましく、9質量%以下がさらに好ましく、8質量%以下がよりさらに好ましい。このような小麦粉を春巻きの皮に用いることで、さらに春巻きの皮製造時の作業性を高めることができる。一つの態様において、本発明に係る小麦粉のたん白質含量は10.0〜15.0質量%であり、損傷でん粉は、好ましくは4〜11質量%、より好ましくは4.5〜9質量%、さらに好ましくは5〜8質量%である。また別の態様において、本発明に係る小麦粉のたん白質含量は10.0質量%未満であり、損傷でん粉は、好ましくは3〜7質量%、より好ましくは3〜6質量%、さらに好ましくは3.5〜5.5質量%である。
本発明に係る春巻きの皮用小麦粉は、それのみを穀粉として用いて春巻きの皮を製造してもよいし、本発明の効果に悪影響を及ぼさない限り、他の穀粉類やでん粉類などをブレンドして用いてもよい。例えば、米粉、そば粉、大麦粉、ライ麦粉、オーツ麦粉、トウモロコシ粉、ひえ粉、あわ粉、大豆粉、およびホワイトソルガム粉などから選ばれる1種または2種以上の穀粉類を使用することができる。また、小麦のふすまを含んでもよい。なお、これらの穀粉類に加熱処理などを施してもよい。でん粉類としては、例えば、小麦でん粉、大麦でん粉、ライ麦でん粉、エンバクでん粉などの麦類でん粉、トウモロコシでん粉、米でん粉、豆類でん粉、馬鈴薯でん粉、甘藷でん粉、タピオカでん粉、ヒシでん粉、クリでん粉、サゴでん粉、ナガイモでん粉、レンコンでん粉、クワイでん粉、ワラビでん粉、ユリネでん粉、およびアミロメイズでん粉から選ばれる1種または2種以上が挙げられる。これらのでん粉に物理的、化学的な加工を単独または複数組合せて施した加工でん粉を用いてもよい。
本発明の春巻きの皮用小麦粉を原料として春巻きの皮を製造する場合、副原料をさらに用いてもよい。本発明で用いられる副原料としては、例えば、大豆たん白質、小麦たん白質、卵黄粉、卵白粉、全卵粉、脱脂粉乳などのたん白質素材;動植物油脂、粉末油脂などの油脂類;かんすい、食物繊維、膨張剤、増粘剤、乳化剤、食塩、糖類、甘味料、香辛料、調味料、ビタミン類、ミネラル類、色素、香料などが挙げられる。これら副原料を単独または組み合わせて用いることができる。
本発明に係る春巻きの皮は、上述した春巻きの皮用小麦粉を原料として製造される。本発明の春巻きの皮用小麦粉を用いることで、春巻きの皮の製造時に皮がやぶれたりすることが少なく、効率良く春巻きの皮を製造することができる。
本発明に係る春巻きの皮は、公知の製法によって製造することができる。本発明の一つの態様において、春巻きの皮は、春巻きの皮用小麦粉と水、食塩を混合して分散液を調製し、焼成機を用いてその分散液から所定の厚さの麺帯を焼成する。次いで、麺帯を所定の大きさに切り出したり、型抜き機などを用いて、春巻きの皮を製造する。春巻きの皮を製造する際の焼成についても、常法によって行うことができ、例えば、ドラム式焼成機などを好適に使用することができる。
本発明に係る春巻きの皮を製造する際の春巻きの皮用小麦粉と水との混合比は、例えば、小麦粉100質量部に対する水の量を25〜500質量部とすることが好ましく、50〜300質量部や100〜200質量部としてもよい。なお、当該質量比において、小麦粉に含まれる水分は「水」ではなく「小麦粉」を構成するものとする。
本発明に係る春巻きは、上記した春巻きの皮を用いて製造される。上記した春巻きの皮には、本発明の春巻きの用小麦粉を用いているため、具材(餡)を包む際や調理する際に皮がやぶれたりすることが少なく、効率良く春巻きを製造することができる。また、得られた春巻きは、適度な硬さを有するとともに、良好なサクミとパリパリ感が感じられる。
本発明に係る春巻きは、上記した春巻きの皮で具材(餡)を包み油ちょうなどにより調理することで製造される。調理方法は特に制限されないが、油ちょう以外の方法で調理してもよく、喫食可能になるまで皮をα化すればよい。
また、本発明に係る春巻きや春巻きの皮は、冷蔵または冷凍で保存および/または流通してもよく、特に本発明によれば、冷凍した場合でも美味しい春巻きを得ることが可能である。
1つの観点から、本発明は、上記した春巻きの皮用小麦粉を用いることによる、春巻きの食感を向上させる方法と理解することもできる。本発明によれば、適度な硬さを有するとともに、良好なサクミとパリパリ感が感じられる春巻きを製造することができる。
以下、具体的な実験に基づいて本発明をより詳細に説明する。なお、下記の実験は、本発明の代表例を示したものであり、本発明は下記の例に限定されるものではない。また、特に記載しない限り、本明細書において、濃度などは質量基準であり、数値範囲はその端点を含むものとして記載される。
小麦粉
下記の実験では、表1に示すとおり、原料や物性の異なる9種の小麦粉サンプルを使用した。ここで、小麦粉サンプルの物性は下記のように分析した。
(1)加熱時最高粘度
小麦粉の加熱時粘度を、ラピッドビスコアナライザー(RVA4500、PertenInstruments社)を用いて測定した。具体的には、固形分として1.8gの小麦粉を容器に入れ、合計30.0gになるように水を加え、下記の条件で温度を変化させて粘度を測定した。50℃から95℃まで上昇させ、95℃で維持させた際に、粘度が上がってピークに達した後、下がる挙動を示す。このピーク時の粘度を加熱時粘度として評価した。
(測定条件)
時間(秒) 温度(℃) 回転数(rpm)
0〜 10 50℃ 960
10〜282 50℃から95℃まで昇温 160
282〜432 95℃に維持 160
432〜660 95℃から50℃まで冷却 160
(2)小麦粉の水分
アルミ容器に小麦粉10gを秤量し、送風乾燥機で130℃、1時間乾燥させ、乾燥前の試料から乾燥後の試料の重量を減じることで、試料に含まれる水分量を算出した。
(3)小麦粉のたん白質含量
ケルダール法によって定量した窒素含量に、窒素−たん白質換算係数(5.70)を乗じて算出した。
(4)小麦粉の灰分
AACC08−02に基づいて直接灰化法で測定した。
(5)小麦粉の中位径(メジアン径)
レーザー回折式粒度測定装置を用いて測定した。具体的には、レーザー回折式粒度分布測定装置HELOS&RODOS(日本レーザー製)を用い、フラウンホーファー回折によって体積基準分布(頻度分布)から累積50%粒径を求めた。
(6)小麦粉の損傷でん粉含有量
市販の測定キット(Starch Damage Assay Kit、MegaZyme)を用いて、AACC76−31に基づいて測定した。具体的には、各小麦粉試料100mgに、予め40℃で10分間プレインキュベートしたα−アミラーゼ溶液(Aspergillus oryae由来,50unit/mL)を1mL添加して撹拌した後、40℃で10分間処理した。次いで、クエン酸−燐酸水溶液(pH2.5)を5mL添加して反応を停止させ、遠心分離(1000×g、5分)して上清を得た。この上清0.1mLにアミログルコシダーゼ溶液(Aspergillus niger由来、2unit/0.1mL)を添加して40℃で20分間処理した後、510nmで吸光度を測定した。得られた吸光度から生成したグルコース量を算出し、試料中に含まれる損傷でん粉含有量を算出した。
Figure 2021177741
春巻きの製造と評価
水と食塩を混合して完全に溶解させたあと、小麦粉を投入し分散液を調製した。水、食塩、小麦粉は、下表の配合量で使用したが、加水量に関しては、分散液の粘度がほぼ同等になるように調整した。
ドラム型焼成機を用いて、上記分散液から厚さ0.50〜0.55mmの麺帯を焼成し、190mm×190mmの大きさに切断して、春巻きの皮を製造した。あらかじめ調理しておいた具材(餡)を春巻きの皮に載せて包み、揚げ用春巻きを製造した。
次いで、製造した揚げ用春巻きから冷凍春巻きを調製した。−40℃で完全冷凍してから−20℃で14日間冷凍保存したが、(a)そのまま冷凍したものと、(b)170〜180℃で油ちょうしてから冷凍したもの、を用意した。
(a)そのまま冷凍した冷凍春巻きは、170〜180℃で5分油ちょうし、油ちょう直後、および、25℃で3時間静置後に、食感を評価した。(b)油ちょうしてから冷凍した冷凍春巻きは、500Wの電子レンジで30秒間再加熱したもの、および、5時間自然解凍したものについて、食感を評価した。
本実験においては、春巻きの皮の生地評価は、5人の専門パネルによって官能評価を行った。具体的には、下記の評価基準に基づいて5段階で評価し、評点の平均値を算出した。また、春巻きの皮の食感評価は、10人の専門パネルによって官能評価を行った。具体的には、下記の評価基準に基づいて5段階で評価し、評点の平均値を算出した。どちらの評価も数値が大きい程、良好である。
(春巻きの皮の生地評価基準)
・5点:焼成機から生地を剥がす際に破けることがなく、具材を包む際に皮を非常に強く引っ張っても破けにくい
・4点:焼成機から生地を剥がす際に破けることがほとんどなく、具材を包む際に皮を強く引っ張っても破けにくい
・3点:焼成機から生地を剥がす際に破けることが少なく、具材を包むことができる
・2点:焼成機から生地を剥がす際に破けやすく、具材を包む際に破けやすい
・1点:ドラム型焼成機から焼成生地を剥がす際に破け、具材を包むことができない
(春巻きの皮の食感評価基準)
・5点:適度な硬さ、良好なサクミを有し、パリパリ感を堪能できる
・4点:硬さ、サクミを有し、好ましいパリパリ感がある
・3点:やや硬さ、サクミを有し、若干のパリパリ感が感じられる
・2点:ヒキのある食感で、パリパリ感は感じられない
・1点:ヒキが強い食感で、パリパリ感はまったく感じられない
Figure 2021177741
表2に示した通り、加熱時の最高粘度が167〜248mPa・sである小麦粉(小麦粉A、B、F、G、H)を春巻きの皮に配合した試験例1〜5では、良好な生地評価で、かつ、冷凍後に油ちょうした春巻きでも、油ちょう後に冷凍し、電子レンジ加熱または自然解凍した春巻きでも、皮部は良好な食感評価であった。一方、加熱時の最高粘度が291mPa・s以上である小麦粉(小麦粉C、D、E、I)を春巻きの皮に配合した試験例6〜9では、冷凍後に油ちょうし3時間経過した春巻き、油ちょう後に冷凍し、電子レンジ加熱または自然解凍した春巻きにおいて、皮部はヒキがある食感で、パリパリ感が感じられなかった。さらに、試験例7、9では、冷凍後に油ちょうした直後の春巻きであっても、皮部はヒキがある食感で、パリパリ感が感じられなかった。
これらの結果から、本発明に係る小麦粉を春巻きの皮に用いることで、ドラム型焼成機から剥がす際に破けることが少なく、また具材を包む際も破けにくく、かつ、冷凍後に油ちょうした春巻きでも、油ちょう後に冷凍し、電子レンジ加熱または自然解凍した春巻きでも、皮部の硬さ、サクミは良好で、パリパリ感を感じられることが示唆された。
生地評価、食感評価が良好なであった試験例1〜5で比較すると、たん白質含量が10質量%以上である小麦粉(小麦粉A、B)を春巻きの皮に配合した試験例1、2では、たん白質含量が10質量%未満である小麦粉(小麦粉F、G、H)を春巻きの皮に配合した試験例3〜5に比べて、生地評価において良好な結果であった。これらの結果から、たん白質含量を10.0〜15.0質量%としたとき、焼成後の春巻きの皮の強度が強くなり、ドラム型焼成機から剥がす際に破けることが少なく、また具材を包む際も破けにくくなることが示唆された。
また、試験例3〜5で比較すると、冷凍後に油ちょうした直後の春巻きにおいて、試験例3及び5の方が試験例4に比べて、硬さ、サクミは良好で、パリパリ感を感じることができた。このことから、春巻きの皮用小麦粉は、たん白質含量が10質量%未満であっても、加熱時の最高粘度が低くなると、冷凍後に油ちょうした直後の春巻きの皮の食感が好ましくなることが示唆された。

Claims (9)

  1. 加熱時最高粘度が100〜275mPa・sである春巻きの皮用小麦粉であって、
    ここで、小麦粉の加熱時最高粘度が、固形分として1.8gの小麦粉に水を添加して得た30gの溶液を95℃まで昇温し、95℃において160rpmで測定した粘度の最高値である、上記小麦粉。
  2. たん白質含量が6.0〜15.0質量%である、請求項1に記載の小麦粉。
  3. たん白質含量が10.0〜15.0質量%である、請求項1または2に記載の小麦粉。
  4. たん白質含量が10.0質量%未満であり、加熱時最高粘度が200mPa・s以下である、請求項2に記載の小麦粉。
  5. 冷凍春巻きの皮を製造するための、請求項1〜4のいずれかに記載の小麦粉。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の小麦粉を原料とする春巻きの皮。
  7. 請求項1〜5のいずれかに記載の小麦粉を原料として焼成生地を得る工程を含む、春巻きの皮の製造方法。
  8. 請求項1〜5のいずれかに記載の小麦粉を原料とする春巻きの皮で具材を包む工程を含む、春巻きの製造方法。
  9. 請求項1〜5のいずれかに記載の小麦粉を原料とする春巻きの皮で具材を包み、得られた春巻きを冷凍する工程を含む、冷凍春巻きの製造方法。
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