JP2021173907A - 多層吸音材 - Google Patents

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Abstract

【課題】低周波数領域から高周波数領域まで優れた吸音性を有し、軽量性にも優れた吸音材を提供する。【解決手段】不織布からなる複数の吸音層からなる多層吸音材において、音源側に配置される吸音層Aおよび音源の反対側に配置される吸音層Bを含み、吸音層Aは、通気度が5〜100cm3/cm2/sかつ不織布密度が0.01〜0.1g/cm3であり、吸音層Bは、通気度が吸音層Aより大きく、不織布密度が吸音層Aより小さいことを特徴とする、多層吸音材。【選択図】なし

Description

本発明は、吸音材に関する。
吸音材とは音を吸収する機能を有する製品であって、自動車、住宅、電気製品などの分野において多用されているが、近年製品の高機能化に伴い騒音環境も複雑化し、吸音のニーズも高度化している。例えば自動車業界では、電気自動車の普及により車内やエンジン音が静かになった一方で従来気にならなかった風切り音などの低周波数域の吸音が必要とされ、また、高断熱化した住宅では、残響過多対策が求められるなど、騒音源や使用環境に柔軟に対応できる様な吸音材が求められている。
一般的に、吸音材による吸音のメカニズムは、吸音材に入射した音波により、吸音材中の空気が振動し、その空気が吸音材に衝突することで熱エネルギーに変換されることにより、音波のエネルギーが減衰することである。このため、音波が入射して通過できる貫通構造をもつ吸音材が吸音性に優れる。
吸音特性に優れる吸音材としては、グラスウール、ロックウール、アルミ繊維、発泡フォーム、多孔性セラミック等が従来から使用されてきた。これらの吸音材は人体の健康への影響、リサイクル性および環境適合性の点で問題があり、近年は、こうした材料を代替する吸音材として、合成繊維を絡合または接着して形成された不織布が使用されている。なかでも合成繊維を用いた不織布は高周波数帯での吸音性能が比較的良好であり、性能をさらに向上させるために、積層構造にする、フイルムと組合せる、などの改良がなされている(例えば、特許文献1乃至3)。
特開2001−205725号公報 特開2006−285086号公報 特開2016−121426号公報
本発明は、軽量であり、低周波数領域から高周波数領域まで優れた吸音性を有する吸音材を提供することを課題とする。
本発明は、不織布からなる複数の吸音層からなる多層吸音材において、音源側に配置される吸音層Aおよび音源の反対側に配置される吸音層Bを含み、吸音層Aは、通気度が5〜100cm/cm/sかつ不織布密度が0.01〜0.1g/cmであり、吸音層Bは、通気度が吸音層Aより大きく、不織布密度が吸音層Aより小さいことを特徴とする、多層吸音材である。
本発明によれば、軽量であり、低周波数領域から高周波数領域まで優れた吸音性を有する吸音材を提供することができる。
本発明の多層吸音材は、不織布からなる複数の吸音層からなり、音源側に配置される吸音層Aおよび音源の反対側に配置される吸音層Bを含む。以下、本発明を詳細に説明する。
〔吸音層A〕
本発明における吸音層Aは不織布の層であり、通気度が5〜100cm/cm/sかつ不織布密度が0.01〜0.1g/cmであることが肝要である。通気度または不織布密度がこの範囲を外れると1000Hz以下の周波数の音について十分な吸音性を得られない。吸音層Aの密度が0.1g/cmを超えると、吸音層Bの不織布と積層させた多層吸音材において中周波域から高周波域(2500〜5000Hz)の吸音性が損なわれる。なお、例えばスパンボンド不織布やメルトブロー不織布は、一般的に密度が0.1g/cmを超える。他方、密度が0.01g/cm未満であると、吸音層に含まれる繊維の比表面積が小さくなることから、周波全域で全般的に吸音性が低下する。
本発明における吸音層Aは、単繊維径15μm以下の短繊維から構成され、かつ吸音層Bは、吸音層Aを構成する短繊維より単繊維径の大きな短繊維から構成されることが好ましい。短繊維径が15μm以下であることで、吸音層Aに含まれる繊維の総表面積が大きくなり高い吸音性を得やすくなり好ましい。
この短繊維の繊維長は、好ましくは3〜100mmである。この範囲の繊維長であることで、上記の不織布密度の吸音層を容易に得ることができる。
単繊維径および繊維長は、繊維を電子顕微鏡により撮影した画像から任意の単繊維10本の繊維径および繊維長を測定して求めた平均値である。
吸音層Aを構成する短繊維は、好ましくは単繊維径が5μm以下のマイクロファイバーを含む。このマクロファイバーが吸音層Aを構成する短繊維に占める割合は、例えば2〜80重量%、好ましくは10〜50重量%である。割合がこの範囲であることで、特に1000Hz以下の低周波域において高い吸音性を得ることができ好ましい。
〔吸音層B〕
本発明において吸音層Bは、不織布の層であり、通気度が吸音層Aより大きく、不織布密度が吸音層Aより小さい。吸音層Bの通気度が吸音層Aの通気度より小さいか等しいと吸音層Aの通気度が小さい場合に比べて吸音性能が低下し、また、吸音層Bの不織布密度が吸音層Aの不織布密度より大きいか等しいと同性能の吸音性を得るために多層吸音材全体の重量が増えることになる。
〔吸音層C〕
本発明の多層吸音材は、吸音層Aと吸音層Bとの間にさらに吸音層Cを含むことが好ましい。この吸音層Cの通気度は20〜150cm/cm/sであり、かつ吸音層Cの不織布密度は吸音層Bの密度と等しいか大きい。
多層吸音材が、前記の吸音層Aおよび吸音層Bのみからなる場合、さらなる軽量化効果を得るために吸音層Bの不織布密度を低くしていくと、4000〜6000Hzの高周波域の吸音性が低下する傾向にある。しかし、吸音層Aと吸音層Bとの間に吸音層Cを加えることで、吸音材の重量を大きく増やすことなく、4000〜6000Hzの高周波域の吸音性の低下を抑制することができる。
本発明の多層吸音材は、さらに他の収音層を含んでもよく、その場合、多層吸音材の層数は、例えば4層や5層となってもよい。またこの時、音源側に配置される表層面から、不織布密度が徐々に小さくなるように、かつ通気度が徐々に大きくなるように配置すると
、1000Hz以下の低周波域の吸音性を維持しつつ、4000〜6000Hzの高周波域の吸音性の低下が少なく、さらに軽量化を行うことができ有用である。
〔吸音層の目付および厚み〕
本発明の多層吸音材の目付けは、好ましくは100〜3000g/mである。この範囲である。また本発明の多層吸音材の総厚みは、好ましくは5〜100mmである。この範囲であることで自動車、住宅、電気製品用の吸音材として取付し易く、また最適な吸音性を得ることができる。
本発明の多層吸音材における吸音層Aと吸音層Bとの厚み比は、好ましくは1:1〜1:10である。この範囲であることで、高い吸音性を維持しながら軽量な多層吸音材を得ることができる。吸音層Aが吸音層Bの厚みの1/10未満であると、2000Hz以下の低周波数帯の吸音性に効果的な吸音性能が低下して好ましくなく、1を超えると吸音性は向上するものの軽量化の効果が小さくなり好ましくない。
本発明の多層吸音材が吸音層Cを含む場合には、吸音層Aおよび吸音層Bの厚みの合計と吸音層Cの厚みとの比は、好ましくは1:1〜1:10である。比がこの範囲であることで、吸音層Aの不織布のみからなる単層吸音材とほぼ同じ吸音性を維持しながら、軽量な多層吸音材を得ることができるため好ましい。
吸音層Aとして、繊維を層の厚さ方向に配列させた縦型不織布を使用すると、繊維を層方向に配列させた不織布に比べて同重量対比で耐加重が強くなることから、梱包や物流時に不織布の厚み低下を抑制するため好ましく、床面等に設置する吸音材の場合には好適である。
また、吸音層Bとして、繊維を層の厚さ方向に配列させた縦型不織布を使用すると、繊維を層方向に配列させた不織布に比べて同重量対比で厚みを厚く嵩密度を低くすることができ、吸音材の軽量化の観点でさらに有用であり、また、凹凸を有した壁などに本発明の多層吸音材を使用する場合に、しわになり易く加工し易い点でも有用である。
〔不織布の繊維〕
吸音層を構成する繊維として捲縮中実繊維の短繊維を用いると、実質的に平面に長繊維が集積したメルトブロー不織布とは異なり、カード機を用いてウエブを作成した後に所定の厚みに合わせて熱処理やニードルパンチ法で繊維を交絡させて不織布を作成することができるため、不織布密度0.01〜0.1g/cmという低密度の不織布を作成することができる。このため、吸音層を構成する繊維として捲縮中実繊維の短繊維を用いることが好ましい。
捲縮中実繊維の捲縮数は、不織布加工の加工性の観点から、好ましくは3〜40個/2.54cm、さらに好ましくは7〜15個/2.54cmである。捲縮数が小さすぎるとカード機でウエブを作成する際に落綿が多くなり好ましくなく、また捲縮数が高すぎるとカード機での開繊性が低下し繊維凝集(ネップ)が生じ易くなり繊維表面積の低下による吸音性の低下が生じるため好ましくない。
吸音層を構成する繊維は、その単繊維の横断面形状が、通常の丸断面でもよいし、三角、四角、扁平などの異型断面であってもよい。なお、単繊維の横断面形状が異型の場合、単繊維径は丸断面に換算した値である。
〔繊維〕
吸音層を構成する繊維は、合成繊維、天然繊維、無機繊維のいずれであってもよい。
合成繊維としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリヘキサメチレンテレフタレート、ポリテトラメチレンテレフタレート、ポリ−1,4−ジメチルシクロヘキサンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリピバロラクトン、これらの共重合体の繊維を例示することができる。
天然繊維としては、セルロース繊維、タンパク質繊維を例示することができる。
無機繊維としては、ガラス繊維、炭素繊維、スチール繊維を例示することができる。
吸音層A、吸音層Bおよび吸音層Cは、上記の吸音層を構成する合成繊維、天然繊維または無機繊維の他に、好ましくは熱接着性複合短繊維を含む。
この場合、熱接着性複合短繊維の熱融着成分は、上記の吸音層を構成する繊維のポリマー成分より、40℃以上低い融点を有することが好ましい。このために熱融着成分として用いられるポリマーとして、ポリウレタン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、非弾性ポリエステル系ポリマーおよびその共重合物、ポリオレフィン系ポリマーおよびその共重合物、ポリビニルアルコ−ル系ポリマーを例示することができる。なかでもポリエステル系ポリマーが特に好ましい。
吸音層A、吸音層Bおよび吸音層Cにおいて、吸音層を構成する合成繊維、天然繊維または無機繊維(すなわち、熱接着性複合短繊維以外の繊維)と、熱接着性複合短繊維との重量比は、例えば80:20〜20:80である。
熱接着性複合短繊維において、熱融着成分とともに熱接着性短繊維を構成する芯成分としては、例えば芳香族ポリエステルを用いる。熱接着性複合短繊維において、熱融着成分が少なくとも1/2の表面積を占めることが好ましい。熱接着性複合短繊維における熱融着成分と芯成分との割合は重量比で例えば30/70〜70/30である。熱接着性複合短繊維において、熱融着成分と芯成分とは、サイドバイサイド型または芯鞘型の形態をとり、好ましくは芯鞘型の形態をとる。芯鞘型の場合、芯部は同心円状であてもよく、偏心状にあってもよい。
この熱接着性複合短繊維は、単繊維径が好ましくは10〜50μmであり、繊維長が好ましくは3〜100mm、さらに好ましくは30〜100mmである。この範囲の単繊維径および繊維長であることで、最適な不織布密度を得ることができる。
熱接着性複合短繊維は捲縮が付与されていてもよい。
〔製造方法〕
本発明の多層吸音材を構成する各吸音層は、従来公知の方法で製造することができる。例えば、ローラーカードにより均一なウエブとして紡出した後、繊維を繊維構造体の厚さ方向に配列させる方法としては、繊維(例えば、前記極細繊維などの主体繊維と低融点繊維)を混綿し、ローラーカードにより均一なウエブとして紡出した後、特開2008−68799号公報の図1に示すような熱処理機を用いて、ウエブをアコーデオン状に折りたたみながら加熱処理し、熱融着による固着点を形成させる方法を用いることができる。
例えば、特表2002−516932号公報に示された装置(市販のものでは、例えばStruto社製Struto設備など)を使用するとよい。また、繊維を繊維構造体の厚さ方向に配列させない場合は、繊維を含むウエブを常法により積層した後、加熱処理するとよい。
本発明の多層吸音材は、上記の各吸音層を積層することで製造することができる。例えば、吸音層Aとする不織布および吸音層Bとする不織布とを、それぞれ円筒状の支持体に巻き取って不織布のロールを作成し、ロールのそれぞれから不織布を巻出し、吸音層Aと
する不織布と吸音層Bとする不織布とを重ね合わせた後、両面から加圧しながら熱風乾燥機に通し、いずれかまたは両方の不織布を構成する繊維の一部を溶融して固着させることで作製することができる。
また、前述のロールのそれぞれから不織布を巻出し、吸音層Aとする不織布と吸音層Bとする不織布とを重ね合わせる際に、両者の間に市販の熱接着性不織布を挟みこみ、その後、両面から加圧しながら熱風乾燥機に通し、熱接着性不織布を構成する繊維の一部を溶融して固着させることで製造することもできる。
吸音層を構成する捲縮中実繊維の短繊維は、公知の方法で製造することができ、例えば捲縮した連続繊維を所定の長さに切断することで製造することができる。連続繊維への捲縮の付与は、連続繊維の製造の紡糸後の冷却時に異方冷却によりスパイラル状捲縮を付与することで行ってもよく、押し込みクリンパー方式により機械捲縮を付与することで行ってもよい。
〔吸音性〕
本発明によれば、JIS a 1405−1(2007)に規定される管内法による建築材料の垂直入射吸音率測定法において、1/3オクターブ周波数間隔で測定した吸音率値の積分値が下記条件(1)〜(4)全てを満たす多層吸音材を得ることができる。
本発明では、これら吸音率値の積分値を何れも満たすことにより、従来の吸音率では吸収しきれなかった幅広い周波数帯の騒音が低減できる。
(1)200〜1000Hzの吸音率の積分値が1.5以上である。
(2)1000〜2500Hzの吸音率の積分値が3.0以上である。
(3)2500〜5000Hzの吸音率の積分値が3.0以上である。
(4)200〜6300Hzの吸音率の積分値が6.0以上である。
本発明の好ましい態様によれば、さらに下記条件(1)〜(4)全てを満たす多層吸音材を得ることができる。
(1)200〜1000Hzの吸音率の積分値が1.7〜3.5である。
(2)1000〜2500Hzの吸音率の積分値が3.2〜5.0である。
(3)2500〜5000Hzの吸音率の積分値が3.2〜5.0である。
(4)200〜6300Hzの吸音率の積分値が6.5〜10.0である。
以下、実施例を挙げて本発明の多層吸音材について具体的に説明する。評価は、以下の方法で行った。
(1)単繊維径および繊維長
吸音材中の繊維を電子顕微鏡(SEM 日本電子(株)製 JSM−6330F)により20〜500倍で撮影した画像から任意の単繊維10本の繊維幅および繊維長を測定しそれぞれの平均値を求めた。
(2)目付け
450mm×450mm角に切り出した不織布の重量を秤量し、単位面積(1m)当たりの重量に換算した。この換算値の小数点以下1桁目を四捨五入して整数値としたものを目付けとした。
(3)厚さ
JIS L 1913により、厚さ(mm)を測定した。
(4)吸音率値
JIS A 1405−1(2007)「管内法による建築材料の垂直入射吸音率測定法」により測定した。
1)200〜1000Hzの1/3オクターブ周波数間隔で測定した吸音率の積分値とは、200、250、315、400、500、630、800、1000Hzの8点の吸音率値の積分値を示す。
2)1000〜2500Hzの1/3オクターブ周波数間隔で測定した吸音率の積分値とは、1000、1250、1600、2000、2500Hzの5点の吸音率値の積分値を示す。
3)2500〜5000Hzの1/3オクターブ周波数間隔で測定した吸音率の積分値とは、2500、3150、4000、5000Hzの4点の吸音率値の積分値を示す。
4)200〜6300Hzの1/3オクターブ周波数間隔で測定した吸音率の積分値とは、200、250、315、400、500、630、800、1000、1250、1600、2000、2500、3150、4000、5000、6300Hzの15点の吸音率の積分値を示す。
(5)通気度
JIS L 1096法により、TEXTEST社製FX330型にて測定した。
(6)不織布密度
目付と厚みから下記式にて算出した。
密度(g/cm)=目付(g/m)/厚み(mm)/1000
〔実施例1〕
ポリエチレンテレフタレート(PET)からなる捲縮短繊維(繊度2.2dtex、単繊維径14μm、繊維長51mm)を、また熱接着性複合短繊維(バインダー繊維)として芯鞘複合型熱接着性短繊維(繊度2.2dtex、単繊維径14μm、繊維長51mm、芯/鞘=50/50、芯:融点256℃のポリエチレンテレフタレート、鞘:テレフタル酸、イソフタル酸、エチレングリコールおよびジエチレングリコールを主成分とする軟化点110℃の共重合ポリエステル)を用い、捲縮短繊維と熱接着性複合短繊維とを混率80/20(重量%)で混綿し、カード機に通して、目付け310g/mの不織布ウエブA層を形成した。得られた不織布ウエブA層を厚さ6mmのスペーサーと共に金網の間に挟み、140℃の熱風乾燥機中で15分間加熱処理を行い、厚さ6mm、見掛け密度0.052g/cmの不織布A(吸音層A)を得た。
次に、ポリエチレンテレフタレート(PET)からなる捲縮短繊維(繊度2.2dtex、単繊維径14μm、繊維長51mm)と上記の芯鞘複合型熱接着性短繊維とを上記と同様に混率80/20(重量%)で混綿しカード機に通して、目付347g/mの不織布ウエブB層を形成し、その後、厚さ24mmのスペーサーと共に金網の間に挟み、140℃の熱風循環乾燥機中で10分加熱処理を行い、厚さ24mm、見掛け密度0.014g/cmの不織布B(吸音層B)を得た。得られた不織布Aと不織布Bをスプレー糊で貼り合わせて、厚さ30mm、見掛け密度0.022g/cmの多層吸音材を得た。得られた多層吸音材は音源側が不織布Aになる様に配置して吸音性能を評価した。評価結果を表1に示す。同組成、同目付および同密度の比較例2の単層不織布からなる吸音材に比べて吸音性に優れていた。
〔実施例2〕
実施例1において不織布Aの目付けを440g/m、厚さを15mm、不織布Bの目付を200g/m、厚さを15mmとし、両者の厚み比を1:1、密度をそれぞれ0.
029cmおよび0.013mにした以外は実施例1と同様にして多層吸音材を得た。評価結果を表1に示す。実施例1同様組成、同目付および同密度の比較例2の単層不織布からなる吸音材に比べて僅かではあるが吸音性に優れていた。
〔実施例3〕
実施例1において表1のように、不織布Aの目付、厚さおよび密度ならびに不織布Bの目付を変更する以外は実施例1と同様にして実施した。評価結果を表1に示す。
〔実施例4〕
実施例1において不織布A層に用いる繊維を、ポリエチレンテレフタレート(PET)からなる捲縮短繊維(繊度0.1dtex、単繊維径3μm、繊維長32mm)と芯鞘複合型熱接着性短繊維とを混率80/20(重量%)で用いたものに変更し、目付けを65g/m、厚さを3mmとし、不織布B層は組成を変えずに目付を335g/m、厚さを17mmとした以外は実施例1と同様にして多層吸音材を得て、音源側が不織布Aになる様に配置して吸音性能を評価した。評価結果を表1に示す。同組成および同目付の不織布からなる比較例4の吸音材比べて吸音性に優れていた。
〔実施例5〕
実施例4において不織布Aの目付けを130g/m、厚さを6mm、不織布Bの目付けを270g/m、厚さを14mmとした以外は実施例4と同様にして多層吸音材を得た。評価結果を表1に示す。同組成および同目付の不織布からなる比較例5の吸音材に比べて吸音性に優れていた。
〔実施例6〕
実施例4において不織布Aの目付けを200g/m、厚さを10mm、不織布Bの目付を200g/m、厚さを10mmとした以外は実施例4と同様にして多層吸音材を得た。評価結果を表1に示す。同組成、同目付の不織布からなる比較例6の吸音材に比べて吸音性に優れていた。
〔実施例7〕
実施例4において不織布Aの目付けを130g/m、厚さを10mm、不織布Bの目付を170g/m、厚さを20mmにした以外は実施例4と同様にして多層吸音材を得た。評価結果を表1に示す。比較例1の不織布からなる吸音材に比べて、同じ厚みで25重量%軽量であるにも関わらず、ほぼ同等の優れた吸音性能であった。
〔実施例8〕
実施例7において不織布Bの目付を120g/m、厚さを20mmにした以外は実施例7と同様にして多層吸音材を得た。評価結果を表1に示す。比較例1の不織布からなる吸音材に比べて37.5%軽量であるにも関わらず、優れた吸音性能であった。
〔実施例9〕
実施例6において不織布Aの厚みを5mmにし、また不織布Bの目付を110g/m、厚さを14mm、密度0.008g/cm、通気度320cm/cm/sにし、さらに不織布Aと不織布Bの間に、ポリエチレンテレフタレート(PET)からなる捲縮短繊維の繊度0.1dtex、単繊維径3μm、繊維長32mmと繊度2.2dtex、単繊維径14μm、繊維長51m)と繊度2.2dtexの芯鞘複合型熱接着性短繊維を混率20/60/20(重量%)にし目付けを90g/m、厚さを11mm、密度0.008g/cmとした不織布C(通気度340cm/cm/s)を加えた以外は実施例6と同様にして多層吸音材を得た。評価結果を表1に示す。実施例6の不織布からなる吸音材に比べて低周波域から高周波域まで、全周波域で更に優れた吸音性能であった。
〔比較例1〕
実施例4において不織布Aの目付けを400g/m、厚さを30mmとし単層の吸音材を得た。評価結果を表2に示す。
〔比較例2〕
実施例1において不織布Bの目付けを645g/m、厚さを30mmとし単層の吸音材を得た。評価結果を表2に示す。
〔比較例3〕
実施例4において不織布Aの目付けを400g/m、厚さを20mmとし単層の吸音材を得た。評価結果を表2に示す。
〔比較例4〕
実施例4において構成される不織布のB層を音源側に配置し、A層を音源とは反対側に配置し吸音性能を測定した。評価結果を表2に示す。
〔比較例5〕
実施例5において構成される不織布のB層を音源側に配置し、A層を音源とは反対側に配置する構成として、吸音性能を測定した。評価結果を表2に示す。
〔比較例6〕
実施例6において構成される不織布のB層を音源側に配置し、A層を音源とは反対側に配置する構成として、吸音性能を測定した。評価結果を表2に示す。
〔比較例7〕
実施例1において不織布Aを、ポリエチレンテレフタレートからなる捲縮短繊維(単繊維繊度0.1dtex、単繊維径3μm、繊維長3mm)90重量%、芯鞘複合型熱接着性複合短繊維(単繊維繊度、2.2dtex、単繊維径14μm、繊維長3mm)10重量%の組成で、目付け40g/m、厚さ0.16mmの密度0.25g/cmの湿式不織布とし、不織布Bをポリエチレンテレフタレート(PET)からなる捲縮短繊維の繊度0.1dtex、単繊維径3μm、繊維長32mmと繊度2.2dtex、単繊維径14μm、繊維長51m)と繊度2.2dtexの芯鞘複合型熱接着性短繊維を混率40/30/30(重量%)にし、目付けを360g/m、厚さを30mmとした以外は実施例1と同様にして吸音材を得た。その評価結果を表2に示す。低周波域の吸音性に優れるが、不織布Aの密度が高すぎることで高周波域の吸音性が低下し、本発明の幅広い周波数帯で効果的な吸音性を見出すことができなかった。
〔比較例8〕
比較例7において不織布Aの目付けを85g/m、厚さを0.3mmの密度0.283g/cmとし、不織布Bの目付けを310g/m、厚さを29.5mmとした以外は比較例7と同様に吸音材を得た。評価結果を表2に示す。比較例7と同様に、低周波域の吸音性に優れるが、不織布Aの密度が高すぎることで高周波域の吸音性が低下し、本発明の幅広い周波数帯で効果的な吸音性を見出すことができなかった。
Figure 2021173907
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本発明の多層吸音材は、自動車、電子機器、建築物、住宅用などの用途の吸音材として好適に用いることができる。

Claims (10)

  1. 不織布からなる複数の吸音層からなる多層吸音材において、音源側に配置される吸音層Aおよび音源の反対側に配置される吸音層Bを含み、吸音層Aは、通気度が5〜100cm/cm/sかつ不織布密度が0.01〜0.1g/cmであり、吸音層Bは、通気度が吸音層Aより大きく、不織布密度が吸音層Aより小さいことを特徴とする、多層吸音材。
  2. 吸音層Aと吸音層Bとの間にさらに吸音層Cを含み、吸音層Cは、通気度が20〜150cm/cm/s、かつ不織布密度が吸音層Bの密度と等しいか大きい、請求項1記載の多層吸音材。
  3. 吸音層を構成する繊維が捲縮中実繊維の短繊維である、請求項1または2記載の多層吸音材。
  4. 吸音層Aは、単繊維径15μm以下の短繊維から構成され、かつ吸音層Bは、吸音層Aを構成する短繊維より径の大きな短繊維から構成される、請求項1から請求項3記載の多層吸音材。
  5. 吸音層Aと吸音層Bとの厚み比が1:1〜1:10である、請求項1または2に記載の吸音材。
  6. 吸音層Aおよび吸音層Bの厚みの合計と吸音層Cの厚みとの比が1:1〜1:10である、請求項1から3のいずれかに記載の吸音材。
  7. 吸音層Aを構成する短繊維の単繊維径が5μm以下のマイクロファイバーを含む、請求項1から6のいずれかに記載の多層吸音材。
  8. 多層吸音材の総厚みが5〜100mmである、請求項1から7のいずれかに記載の多層吸音材。
  9. 多層吸音材の目付けが100〜3000g/mである、請求項1から8のいずれかに記載の多層吸音材。
  10. JIS a 1405−1(2007)に規定される管内法による建築材料の垂直入射吸音率測定法において、1/3オクターブ周波数間隔で測定した吸音率値の積分値が下記条件(1)〜(4)全てを満たす、請求項1〜8のいずれかに記載の多層吸音材。
    (1)200〜1000Hzの吸音率の積分値が1.5以上である。
    (2)1000〜2500Hzの吸音率の積分値が3.0以上である。
    (3)2500〜5000Hzの吸音率の積分値が3.0以上である。
    (4)200〜6300Hzの吸音率の積分値が6.0以上である。
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