JP2021173388A - 密封装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】安定したシール状態を維持しつつ、密封装置が装着される機器の低コスト化および小型化を図る。【解決手段】密封装置10は、軸線AX1に沿う孔HOを有するハウジング200と孔HOに挿入されるシャフト300との間に形成される環状の空間Sを密封する。密封装置10は、孔HOの内周面210に嵌め合わされ、金属材料で構成される環状の芯金20と、芯金20に固定され、弾性材料で構成される環状の弾性部材30と、を有し、弾性部材30は、シャフト300の外周面310に摺動するシールリップ32と、芯金20の内周縁EI上に配置されるガイド部33と、シールリップ32とガイド部33とを接続する接続部34と、を有し、ガイド部33の内径L1は、シャフト300の外径L0よりも大きく、かつ、接続部34の内径L2よりも小さい。【選択図】図2
Description
本発明は、密封装置に関する。
従来、孔を有するハウジングと当該孔に挿入されるシャフトとの間に形成される環状の空間を密封する密封装置が知られている。例えば、特許文献1に記載の密封装置は、シール部材とガータスプリングとバックアッププレートとで構成される。
特許文献1では、シール部材は、ラジアルリップを有するゴム等の弾性体を環状芯金に焼き付けた構成であり、筒体で構成されるハウジングの内周面に嵌め合わされる。ガータスプリングは、シール部材のラジアルリップの外周面に嵌め合わされており、当該ラジアルリップをシャフトの外周面に接触させる。バックアッププレートは、金属材料で構成される環状の円板からなり、シール部材の環状芯金の内周面に圧入により嵌め合わされる。
特許文献1に記載の密封装置では、バックアッププレートとシャフトとの接触により、ハウジングに対するシャフトの偏心を所定範囲内に規制することができる。
しかし、当該バックアッププレートが金属材料で構成されるため、当該接触は、シャフトの外周面における傷または摩耗等の発生の要因となる。シャフトの外周面に発生した傷または摩耗等は、ハウジングに対するシャフトの軸方向の往復移動に伴い、ラジアルリップに転写されてしまう。この結果、密封装置の密封性が損なわれ、ハウジング内のオイル等が外部に漏れてしまうという問題が生じる。
以上の課題を解決するために、本発明の一態様に係る密封装置は、軸線に沿う孔を有するハウジングと前記孔に挿入されるシャフトとの間に形成される環状の空間を密封する密封装置であって、前記孔の内周面に固定され、金属材料で構成される環状の芯金と、前記芯金に固定され、弾性材料で構成される環状の弾性部材と、を有し、前記弾性部材は、前記シャフトの外周面に摺動するシールリップと、前記芯金の内周縁上に配置されるガイド部と、前記シールリップと前記ガイド部とを接続する接続部と、を有し、前記ガイド部の内径は、前記シャフトの外径よりも大きく、かつ、前記接続部の内径よりも小さい。
以下、添付図面を参照しながら本発明に係る好適な実施形態を説明する。なお、図面において各部の寸法または縮尺は実際と適宜に異なり、理解を容易にするために模式的に示す部分もある。また、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの形態に限られない。
1.第1実施形態
1−1.密封装置10を用いた機器100の概要
図1は、第1実施形態に係る密封装置10を用いた機器100の一部を示す断面図である。機器100は、例えば、ガスステーまたはショックアブソーバー等の伸縮機構を有する機器である。ここで、密封装置10は、機器100内のオイル等の流体の漏れを防止する。
1−1.密封装置10を用いた機器100の概要
図1は、第1実施形態に係る密封装置10を用いた機器100の一部を示す断面図である。機器100は、例えば、ガスステーまたはショックアブソーバー等の伸縮機構を有する機器である。ここで、密封装置10は、機器100内のオイル等の流体の漏れを防止する。
なお、機器100は、密封すべき環状の空間がハウジングとシャフトとの間に形成される機器であればよく、伸縮機構を有する機器に限定されない。ただし、機器100が伸縮機構を有する場合、密封装置10による効果が顕著である。
以下では、軸線AX1に沿う一方向を「X1方向」といい、X1方向とは反対の方向を「X2方向」という。また、軸線AX1まわりの一方向を「C1方向」といい、C1方向とは反対の方向を「C2方向」という。さらに、軸線AX1に垂直な方向のうち、軸線AX1に近づく方向(内周側に向かう方向)を「R1方向」といい、軸線AX1から遠ざかる方向(外周側に向かう方向)を「R2方向」という。
ただし、X1方向およびX2方向を総称して「軸方向」という場合がある。また、C1方向およびC2方向を総称して「周方向」という場合がある。さらに、R1方向およびR2方向を総称して「径方向」という場合がある。
図1に示すように、機器100は、ハウジング200とシャフト300と密封装置10とを有する。
ハウジング200は、軸線AX1に沿う孔HOを有する構造体である。ハウジング200は、例えば、鉄、ステンレス鋼またはアルミニウム合金等の金属材料で構成される。孔HOは、軸線AX1まわりに沿う内周面210で囲まれる空間である。
図1に示す例では、ハウジング200は、孔HOを内部空間として有する筒体である。ハウジング200のX1方向での端には、孔HOに連通する開口230を有する壁220が設けられる。以上のハウジング200における孔HOまたはそれに連通する内部空間には、例えば、オイル等の流体が充填される。
なお、ハウジング200の形状は、内周面210を有する形状であればよく、図1に示す例に限定されず、任意である。
シャフト300は、軸線AX2まわりに沿う外周面310を有する構造体である。シャフト300は、例えば、鉄、ステンレス鋼またはアルミニウム合金等の金属材料で構成される。軸線AX2は、軸線AX1に同軸的に配置される。図1では、軸線AX2が軸線AX1に一致する場合が例示される。外周面310は、前述のハウジング200の内周面210よりも小径である。このため、外周面310と内周面210との間には、環状の空間Sが形成される。
図1に示す例では、シャフト300の外径が軸線AX2に沿って一定である。以上のシャフト300は、ハウジング200に対して、軸線AX1に沿って相対的にX1方向とX2方向とに往復移動する。
なお、シャフト300の形状は、図1に示す例に限定されず、例えば、外径の異なる複数の部分を有してもよい。また、シャフト300は、ハウジング200に対して、軸線AX1または軸線AX2まわりに相対的にC1方向およびC2方向のうちの少なくとも一方向に揺動または回転してもよい。
密封装置10は、ハウジング200に対するシャフト300の軸方向での相対的な移動を許容しつつ、前述の環状の空間Sを密封する構造体である。この密封により、例えば、ハウジング200の内部空間に充填されるオイル等の流体の漏れが防止または低減される。
密封装置10は、芯金20と弾性部材30とを有する。各部材を概略的に説明すると、芯金20は、孔HOの内周面210に固定され、ステンレス鋼等の金属材料で構成される環状の部材である。弾性部材30は、芯金20に固定され、ゴム材料等の弾性材料で構成される部材である。
ここで、弾性部材30は、内周面210に密着するとともに、外周面310に摺動することにより、空間Sを密封する。また、弾性部材30は、芯金20により補強されており、芯金20の内周縁EI上に配置される部分を有する。当該部分がシャフト300の外周面310に接触することにより、ハウジング200に対するシャフト300の偏心(軸線AX1に対する軸線AX2のずれ)が所定範囲内に規制される。なお、内周面EIは、軸方向からみて芯金20の内周縁を構成する部分である。
1−2.密封装置10の詳細
図2は、図1に示す機器100の部分拡大断面図である。図2では、機器100の一部を軸線AX1を含む平面で切断した断面が示される。また、図2では、シャフト300が二点鎖線で示される。前述のように、密封装置10は、芯金20と弾性部材30とを有する。
図2は、図1に示す機器100の部分拡大断面図である。図2では、機器100の一部を軸線AX1を含む平面で切断した断面が示される。また、図2では、シャフト300が二点鎖線で示される。前述のように、密封装置10は、芯金20と弾性部材30とを有する。
芯金20は、軸線AX1まわりに沿って弾性部材30を補強する環状の部材である。芯金20は、例えば、ステンレス鋼またはSPCC(冷間圧延鋼)等の金属材料で構成される。芯金20が金属材料で構成される場合、例えば、プレス加工または鍛造等により芯金20が製造される。
図2に示す例では、芯金20は、第1部分21と第2部分22とを有する。第1部分21は、ハウジング200の内周面210に沿う筒状をなす。第2部分22は、第1部分21からシャフト300の外周面310に向けて突出する。
本実施形態の第2部分22は、軸線AX1を含む平面で切断した断面でみたとき、2箇所で屈曲した形状をなす。具体的には、第2部分22は、第1部分21のX1方向での端からR1方向に延びる部分22aと、部分22aのR1方向での端からX1方向に延びる部分22bと、部分22bのX1方向での端からR1方向に延びる部分22cと、を有する。
以上の芯金20では、部分22cのR1方向での端が芯金20の内周縁EIである。なお、芯金20の形状は、図2に示す形状に限定されず、例えば、軸線AX1を含む平面で切断した断面でみたとき、湾曲した部分を有してもよいし、軸線AX1に対して傾斜する方向に延びる部分を有してもよい。
弾性部材30は、前述の芯金20に固定され、軸線AX1まわりに沿う環状をなす部材である。弾性部材30は、ハウジング200の内周面210に対して芯金20とともに圧入により固定される。このため、芯金20が内周面210に固定される。
弾性部材30は、弾性材料で構成される。当該弾性材料としては、例えば、ニトリルゴム(NBR)、水素添加ニトリルゴム(H−NBR)、アクリルゴム(ACM)またはフッ素ゴム(FKM)等のゴム材料が挙げられる。また、当該弾性材料として、PTFE(Poly Tetra Fluoro Ethylene:四フッ化エチレン樹脂)等のフッ素系樹脂等の樹脂材料を用いてもよい。ここで、弾性部材30がフッ素系樹脂で構成される場合、後述するガイド部33とシャフト300との接触時の摩擦を低減することができる。また、フッ素系樹脂は、耐摩耗性および耐荷重性等の特性に優れることから、ガイド部33の構成材料として好適である。
弾性部材30がゴム材料または樹脂材料で構成される場合、例えば、成形型を用いた成形により弾性部材30が製造される。ここで、弾性部材30がゴム材料で構成される場合、当該成形型内に前述の芯金20を配置した状態で当該成形を行うことで、芯金20に加硫接着により固定された状態の弾性部材30が得られる。
図2に示す例では、弾性部材30は、外周部31とシールリップ32とガイド部33と接続部34とを有する。なお、図2では、シールリップ32の自然状態における形状が示される。
外周部31は、弾性部材30とハウジング200の内周面210との間からの流体の漏れを防止する機能を担う部分である。具体的には、外周部31は、前述の芯金20の第1部分21の外周面上に配置され、第1部分21に接合される。また、外周部31は、内周面210と第1部分21との間で挟まれることにより、弾性変形した状態で内周面210に密着する。なお、外周部31は、必要に応じて設ければよく、省略してもよい。この場合、例えば、芯金20が内周面210に圧入により固定され、必要に応じて、芯金20と内周面210との間がシール剤等により封止される。
シールリップ32は、弾性部材30とシャフト300の外周面310との間からの流体の漏れを防止する機能を主に担う部分である。具体的には、シールリップ32は、前述の芯金20の第2部分22から外周面310に向けて軸線AX1に対して傾斜する方向に突出し、外周面310に摺動する。図2に示す例では、シールリップ32は、前述の第2部分22における部分22aと部分22bとの接続部付近から突出する。なお、シールリップ32の形状は、弾性部材30とシャフト300の外周面310との間からの流体の漏れを防止することができればよく、図2に示す形状に限定されず、任意である。
ガイド部33は、ハウジング200に対するシャフト300の偏心を所定範囲内に規制する機能を主に担う部分である。本実施形態では、ガイド部33は、シールリップ32よりもハウジング200の外部空間に近い位置に配置される。具体的には、ガイド部33は、前述の芯金20の内周縁EI上に配置される。図2に示す例では、ガイド部33は、前述の第2部分22における部分22cの内周面上に配置される。
ガイド部33の内径L1(直径)は、シャフト300の外径L0(直径)よりも大きい。このため、ハウジング200に対するシャフト300の偏心が所定範囲よりも小さい場合、ガイド部33とシャフト300の外周面310との接触が防止される。
具体的な内径L1は、シャフト300の外径L0または寸法精度等に応じて決められ、特に限定されないが、ハウジング200に対するシャフト300の偏心を小さくしたり、異物の侵入を防止する効果を高めたりする観点から、可能な限り外径L0に近いことが好ましい。このように、内径L1を可能な限り外径L0に近くすることにより、ガイド部33がシャフト300を支持するすべり軸受の軸受部のごとく機能する。なお、内径L1と外径L0との差は、軸線AX2が軸線AX1からずれても、シールリップ32がシャフト300の外周面310の全周にわたり接触する状態を維持可能な程度である。
接続部34は、ガイド部33とシャフト300の外周面310との接触の影響がシールリップ32と外周面310との接触状態に及ぶのを低減する機能を主に担う部分である。具体的には、接続部34は、シールリップ32とガイド部33とを接続する。図2に示す例では、接続部34は、前述の第2部分22における部分22bの内周面上に配置される。
接続部34の内径L2(直径)は、ガイド部33の内径L1(直径)よりも大きい。このため、ガイド部33とシャフト300の外周面310とが接触しても、接続部34と外周面310との接触が防止される。この結果、ガイド部33とシャフト300の外周面310との接触の影響がシールリップ32と外周面310との接触状態に及ぶのを低減することができる。
内径L2は、ガイド部33の内径L1よりも大きければよいが、内径L1との差が所定の範囲内であることが好ましい。この場合、接続部34と外周面310との間に形成される隙間に異物が侵入しても、当該異物を当該隙間に留まらせることにより、当該異物がシールリップ32と外周面310との間に侵入することを防止または低減することができる。また、この場合、内径L2が大きすぎる場合に比べて、シールリップ32の形状設計が容易である。
図3は、図1に示す密封装置10の作用を説明するための図である。図3では、シャフト300が二点鎖線で示されており、軸線AX2が軸線AX1に対してずれた状態が図示される。図3に示すように、ガイド部33とシャフト300の外周面310とが接触したとき、軸線AX1と軸線AX2との間の距離がΔLである。このため、ハウジング200に対するシャフト300の偏心がガイド部33により距離ΔL以下に規制される。
以上のように、図1から図3に示す密封装置10は、軸線AX1に沿う孔HOを有するハウジング200と孔HOに挿入されるシャフト300との間に形成される環状の空間Sを密封する。すなわち、前述のように、密封装置10は、環状の芯金20と環状の弾性部材30とを有する。ここで、芯金20は、孔HOの内周面210に固定され、金属材料で構成される。弾性部材30は、芯金20に固定され、弾性材料で構成される。
特に、弾性部材30は、前述のように、シールリップ32とガイド部33と接続部34とを有する。ここで、シールリップ32は、シャフト300の外周面310に摺動する。ガイド部33は、芯金20の内周縁EI上に配置される。接続部34は、シールリップ32とガイド部33とを接続する。
そのうえで、ガイド部33の内径L1は、シャフト300の外径L0よりも大きく、かつ、接続部34の内径L2よりも小さい。
以上の密封装置10では、ガイド部33の内径L1が接続部34の内径L2よりも小さいので、シャフト300の外周面310に対して接続部34を接触させずにガイド部33を接触させることにより、ハウジング200に対するシャフト300の偏心を所定範囲内に規制することができる。
ここで、芯金20が孔HOの内周面210に嵌め合わされることによりハウジング200に対して固定される。そのうえで、ガイド部33が芯金20上に配置されるので、ガイド部33とシャフト300の外周面310とが接触しても、ハウジング200に対するガイド部33の変位が芯金20により防止または低減される。このため、ハウジング200に対するシャフト300の偏心がガイド部33とシャフト300の外周面310との接触により効果的に規制される。
また、ガイド部33が芯金20の内周縁EI上に配置されるので、シャフト300の外周面310に対して芯金20を接触させずにガイド部33を接触させることができる。ここで、芯金20が金属材料で構成されるのに対し、ガイド部33が弾性材料で構成される。このため、ガイド部33とシャフト300の外周面310とが接触しても、シャフト300の外周面310における傷または摩耗等の発生も防止または低減することができる。この結果、シャフト300の外周面310における傷または摩耗等に起因する密封装置10の密封性の低下を防止または低減することもできる。
さらに、ガイド部33とシャフト300の外周面310とが接触しても、シールリップ32に隣り合う接続部34がシャフト300の外周面310に接触しないので、シールリップ32とシャフト300の外周面310との接触状態が変化し難い。このため、密封装置10による密封性の安定化が図られる。
しかも、ガイド部33とシャフト300の外周面310とが接触したとき、接続部34とシャフト300の外周面310との間に隙間を形成することができる。このため、接続部34とシャフト300の外周面310との間に異物が存在していても、ガイド部33とシャフト300の外周面310とが接触したとき、当該異物を当該隙間に留まらせることができる。この結果、当該異物がシールリップ32とシャフト300の外周面310との間に侵入することが防止または低減され、この点でも、密封装置10による密封性の安定化が図られる。
また、ガイド部33の内径L1がシャフト300の外径L0よりも大きいことにより、ガイド部33とシャフト300の外周面310とが必要以上に接触することが防止される。このため、ハウジング200に対してシャフト300の軸線方向での移動させる際の抵抗を低減することができる。
さらに、ハウジング200に対するシャフト300の偏心を規制するためのガイド部33が弾性部材30の一部であるため、特許文献1に記載される構成のように当該規制のための部材とシールのための部材とが別体である構成に比べて、部品点数が少なくて済むという利点もある。
本実施形態では、ガイド部33およびシールリップ32は、互いに同一の材料で構成される。この場合、ガイド部33およびシールリップ32を互いに異なる材料で構成する場合に比べて、弾性部材30の製造が容易となる。また、弾性部材30を単一材料で構成することができるので、弾性部材30の耐久性を高めやすいという利点もある。
ここで、ガイド部33の表面がフッ素系樹脂で構成される場合、ガイド部33が他の材料で構成される場合に比べて、ガイド部33の低摩擦化を図ることができる。
また、前述のように、芯金20は、第1部分21と第2部分22とを有する。ここで、第1部分21は、ハウジング200の内周面210に沿う筒状をなす。このため、第1部分21をハウジング200の内周面210に嵌め合わせることにより、芯金20をハウジング200に安定的に固定することができる。また、第2部分22は、第1部分21からシャフト300の外周面310に向けて突出する。そして、第2部分22の内周縁上には、ガイド部33が配置される。このため、第2部分22を設けずに第1部分21上にガイド部33を配置する構成に比べて、ガイド部33の肉厚を薄くすることができる。このため、シャフト300の外周面310との接触時におけるガイド部33の変形を小さくすることができる。この結果、ガイド部33によるハウジング200に対するシャフト300の偏心を規制する効果が好適に発揮される。
また、前述のように、第2部分22は、軸線AX1を含む平面で切断した断面でみたとき、屈曲または湾曲した部分を有する。第2部分22がこのような形状をなすことにより、接続部34の軸線方向での必要な長さを確保することが容易となる。
さらに、前述のように、弾性部材30は、第1部分21とハウジング200の内周面210との間に介在する部分である外周部31を有する。このため、弾性部材30をハウジング200の内周面210に密着させることができる。この結果、弾性部材30と内周面210との間からの流体の漏れを防止または低減することができる。
また、弾性部材30が芯金20に加硫接着により固定されることにより、弾性部材30を芯金20に対して強固に固定することができる。また、加硫接着により弾性部材30の成形と芯金20に対する固定とを一括して行えるので、別々に製造した弾性部材30および芯金20を互いに接合する場合に比べて、密封装置10の製造が簡単である。
さらに、前述のように、ガイド部33は、シールリップ32よりもハウジング200の外部空間に近い位置に配置される。このため、ハウジング200の外部空間からの異物がシールリップ32に至るのをガイド部33により阻止することができる。
2.第2実施形態
以下、本発明の第2実施形態について説明する。以下に例示する形態において作用または機能が第1実施形態と同様である要素については、第1実施形態の説明で使用した符号を流用して各々の詳細な説明を適宜に省略する。
以下、本発明の第2実施形態について説明する。以下に例示する形態において作用または機能が第1実施形態と同様である要素については、第1実施形態の説明で使用した符号を流用して各々の詳細な説明を適宜に省略する。
図4は、第2実施形態に係る密封装置10Aの部分拡大断面図である。密封装置10Aは、弾性部材30に代えて弾性部材30Aを有する以外は、前述の第1実施形態の密封装置10と同様である。弾性部材30Aは、ガイド部33に代えてガイド部33Aを有する以外は、弾性部材30と同様である。
ガイド部33Aの内周面は、弾性部材30Aの他の部分と異なる材料で構成される。具体的には、ガイド部33Aの内周面は、弾性部材30Aの他の部分の構成材料よりも低摩擦な材料、例えば、PTFE(Poly Tetra Fluoro Ethylene:四フッ化エチレン樹脂)等のフッ素系樹脂で構成される。このため、ガイド部33Aとシャフト300との接触時の摩擦を低減することができる。このようなガイド部33Aの内周面は、公知の成膜法を用いてフッ素系樹脂等を成膜することにより形成される。
ここで、弾性部材30Aの他の部分の構成材料は、シールリップ32に適した材料、例えば、ニトリルゴム(NBR)、水素添加ニトリルゴム(H−NBR)、アクリルゴム(ACM)またはフッ素ゴム(FKM)等のゴム材料が好ましい。
以上の第2実施形態によっても、前述の第1実施形態と同様の効果が得られる。また、本実施形態では、前述のように、ガイド部33Aおよびシールリップ32は、互いに異なる材料で構成される。このため、前述の第1実施形態のようにガイド部33およびシールリップ32を互いに同一の材料で構成する場合に比べて、ガイド部33Aおよびシールリップ32のそれぞれに適した材料を選定することができる。このため、ガイド部33Aの低摩擦化とシールリップ32の高シール性との両立を図りやすいという利点がある。
3.変形例
以上に例示した各形態は多様に変形され得る。前述の各形態に適用され得る具体的な変形の態様を以下に例示する。以下の例示から任意に選択された2以上の態様は、相互に矛盾しない範囲で適宜に併合され得る。
以上に例示した各形態は多様に変形され得る。前述の各形態に適用され得る具体的な変形の態様を以下に例示する。以下の例示から任意に選択された2以上の態様は、相互に矛盾しない範囲で適宜に併合され得る。
3−1.変形例1
前述の形態では、第2部分22は、軸線AX1を含む平面で切断した断面でみたとき、2箇所で屈曲した形状をなすが、第2部分22の形状は、これに限定されない。例えば、第2部分22は、軸線AX1を含む平面で切断した断面でみたとき、1箇所または3箇所以上で屈曲または湾曲した形状をなしてもよいし、屈曲または湾曲する部分を有しなくてもよい。
前述の形態では、第2部分22は、軸線AX1を含む平面で切断した断面でみたとき、2箇所で屈曲した形状をなすが、第2部分22の形状は、これに限定されない。例えば、第2部分22は、軸線AX1を含む平面で切断した断面でみたとき、1箇所または3箇所以上で屈曲または湾曲した形状をなしてもよいし、屈曲または湾曲する部分を有しなくてもよい。
図5は、変形例1に係る密封装置10Bの部分拡大断面図である。密封装置10Bは、芯金20Bおよび弾性部材30Bを有する。芯金20Bは、第1部分21および第2部分22Bで構成される。第2部分22Bは、部分22cを省略した以外は、前述の第2部分22と同様である。以上の芯金20Bでは、部分22bの内周面が芯金20Bの内周縁EIである。
弾性部材30Bは、ガイド部33に代えてガイド部33Bを有する以外は、弾性部材30と同様である。ガイド部33Bは、芯金20Bの内周縁EI、すなわち部分22bの内周面上に配置される。ガイド部33Bの内周面は、前述の第2実施形態のガイド部33Aと同様の材料で構成される。ここで、当該材料で構成される部分の厚さを調整することにより、前述のような内径L1およびL2の関係を満たすことができる。以上の変形例1によっても、前述の第1実施形態または第2実施形態と同様の効果が得られる。
3−2.変形例2
図6は、変形例2に係る密封装置10Cの部分拡大断面図である。密封装置10Cは、芯金20Cおよび弾性部材30Cを有する。芯金20Cは、第1部分21および第2部分22Cで構成される。第2部分22Cは、部分22bおよび部分22cを省略するとともに部分22aを延長した構成である以外は、前述の第2部分22と同様である。以上の芯金20Cでは、第2部分22Cの内周面が芯金20Cの内周縁EIである。
図6は、変形例2に係る密封装置10Cの部分拡大断面図である。密封装置10Cは、芯金20Cおよび弾性部材30Cを有する。芯金20Cは、第1部分21および第2部分22Cで構成される。第2部分22Cは、部分22bおよび部分22cを省略するとともに部分22aを延長した構成である以外は、前述の第2部分22と同様である。以上の芯金20Cでは、第2部分22Cの内周面が芯金20Cの内周縁EIである。
弾性部材30Cは、ガイド部33および接続部34に代えてガイド部33Cおよび接続部34Cを有する以外は、弾性部材30と同様である。ガイド部33Cは、芯金20Cの内周縁EI、すなわち第2部分22Cの内周面上に配置される。接続部34Cは、シールリップ32とガイド部33Cとを接続する。
ここで、ガイド部33Cの内径L1は、シャフト300の外径L0よりも大きく、かつ、接続部34Cの内径L2よりも小さい。変形例2では、接続部34Cの軸方向での長さが前述の第1実施形態の接続部34に比べて短いので、前述の隙間を好適に形成する観点から、内径L1と内径L2との差を第1実施形態に比べて大きくすることが好ましい。以上の変形例2によっても、前述の第1実施形態と同様の効果が得られる。
3−3.変形例3
前述の実施形態では、芯金の表面が全域にわたり弾性部材で覆われる構成が例示されるが、当該構成に限定されず、芯金の表面の一部が露出するように弾性部材を設けてもよい。
前述の実施形態では、芯金の表面が全域にわたり弾性部材で覆われる構成が例示されるが、当該構成に限定されず、芯金の表面の一部が露出するように弾性部材を設けてもよい。
10…密封装置、10A…密封装置、10B…密封装置、10C…密封装置、20…芯金、20B…芯金、20C…芯金、21…第1部分、22…第2部分、22B…第2部分、22C…第2部分、22a…部分、22b…部分、22c…部分、30…弾性部材、30A…弾性部材、30B…弾性部材、30C…弾性部材、31…外周部、32…シールリップ、33…ガイド部、33A…ガイド部、33B…ガイド部、33C…ガイド部、34…接続部、34C…接続部、100…機器、200…ハウジング、210…内周面、220…壁、230…開口、300…シャフト、310…外周面、AX1…軸線、AX2…軸線、EI…内周縁、HO…孔、L0…外径、L1…内径、L2…内径、S…空間、ΔL…距離。
Claims (9)
- 軸線に沿う孔を有するハウジングと前記孔に挿入されるシャフトとの間に形成される環状の空間を密封する密封装置であって、
前記孔の内周面に固定され、金属材料で構成される環状の芯金と、
前記芯金に固定され、弾性材料で構成される環状の弾性部材と、を有し、
前記弾性部材は、
前記シャフトの外周面に摺動するシールリップと、
前記芯金の内周縁上に配置されるガイド部と、
前記シールリップと前記ガイド部とを接続する接続部と、を有し、
前記ガイド部の内径は、前記シャフトの外径よりも大きく、かつ、前記接続部の内径よりも小さい、
密封装置。 - 前記ガイド部および前記シールリップは、互いに同一の材料で構成される、
請求項1に記載の密封装置。 - 前記ガイド部および前記シールリップは、互いに異なる材料で構成される、
請求項1に記載の密封装置。 - 前記ガイド部の表面は、フッ素系樹脂で構成される、
請求項1から3のいずれか1項に記載の密封装置。 - 前記芯金は、
前記ハウジングの内周面に沿う筒状の第1部分と、
前記第1部分から前記シャフトの外周面に向けて突出する第2部分と、を有し、
前記ガイド部は、前記第2部分の内周縁上に配置される、
請求項1から4のいずれか1項に記載の密封装置。 - 前記第2部分は、前記軸線を含む平面で切断した断面でみたとき、屈曲または湾曲した部分を有する、
請求項5に記載の密封装置。 - 前記弾性部材は、前記第1部分と前記ハウジングの内周面との間に介在する部分を有する、
請求項5または6に記載の密封装置。 - 前記弾性部材は、前記芯金に加硫接着により固定される、
請求項1から7のいずれか1項に記載の密封装置。 - 前記ガイド部は、前記シールリップよりも前記ハウジングの外部空間に近い位置に配置される、
請求項1から8のいずれか1項に記載の密封装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2020080084A JP2021173388A (ja) | 2020-04-30 | 2020-04-30 | 密封装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2020080084A JP2021173388A (ja) | 2020-04-30 | 2020-04-30 | 密封装置 |
Publications (1)
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JP2021173388A true JP2021173388A (ja) | 2021-11-01 |
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ID=78281365
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2020080084A Pending JP2021173388A (ja) | 2020-04-30 | 2020-04-30 | 密封装置 |
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-
2020
- 2020-04-30 JP JP2020080084A patent/JP2021173388A/ja active Pending
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