JP2021173267A - 内燃機関 - Google Patents

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健太 森永
Kenta Morinaga
聡 藪
Satoshi Yabu
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  • Pistons, Piston Rings, And Cylinders (AREA)

Abstract

【課題】燃焼室に噴射した燃料を確実に拡散させ良好な燃焼を実現する内燃機関を構成する。【解決手段】シリンダ3に往復移動自在に収容されたピストン4と、ピストン4の頂面4Sとシリンダヘッド2の内面との間の空間に連なるように、ピストン4の頂面4Sに形成された凹状のキャビティCと、キャビティCに連通する燃料案内空間10の内部に配置されたインジェクタ5とを有している。燃料案内空間10とキャビティCとの境界にエッジ部Caが形成され、インジェクタ5が、ノズル5nからエッジ部Caに近接する位置又は接する位置に直線的に燃料を送り出す。【選択図】図2

Description

本発明は、内燃機関に関する。
燃焼室に燃料を噴射する構成の内燃機関として、ピストンが上昇したタイミングで噴射した燃料を、突起等に衝突させて拡散させ、良好な混合気を作り出すものが以下の特許文献1と特許文献2とに記載されている。
特許文献1では、ピストンヘッドに形成されるキャビティで燃焼室を構成し、このキャビティの中央に対し、上方に伸びる突起体を形成し、ピストンが上昇した際にシリンダヘッドに形成した噴口から燃料を噴射し、噴射した燃料をキャビティの突起体に衝突させて拡散により良好な混合気を作り出す構成が記載されている。
また、特許文献2では、シリンダヘッドに形成した副室の内部に燃料を噴射する噴口を形成したノズルを備え、ピストンの頂面中央から上方に突出する突出部を形成し、ピストンが上死点の付近に達した際に突出部が副室に突入状態となり、この状態で噴口から燃料を噴射することで突出部の衝突面に燃料が衝突して副室の内部に拡散し、空気との混合が促進される構成が記載されている。
特開平4−12121号公報 特開平4−12116号公報
燃焼室に噴射した燃料を拡散させ、良好な混合気を作り出す処理は、効率的な燃焼を実現する観点から重要であり、燃料を拡散させる際には燃料の微細化も重要である。
これに対し、特許文献1と特許文献2とに記載される構成では、突起物の端部に対し、突起方向に沿う方向から燃料を噴射して拡散させる構成であるため、突起物の突出端に燃料が付着する現象を避けることができず、付着した燃料が拡散され難いため、未燃ガスの増大を招くものであった。
このような理由から、燃焼室に噴射した燃料を確実に拡散させ良好な燃焼を実現する内燃機関が求められる。
本発明に係る内燃機関の特徴構成は、シリンダに往復移動自在に収容されたピストンと、前記ピストンの頂面とシリンダヘッドの内面との間の空間に連通するように、前記ピストンの前記頂面あるいは前記シリンダヘッドの内面に形成された凹状のキャビティと、前記キャビティに連通する燃料案内空間の内部に配置されたインジェクタとを有し、前記燃料案内空間と前記キャビティ又はシリンダヘッドとの境界にエッジ部が形成され、前記ピストンが上死点の近傍に位置する状態において、前記インジェクタが、当該インジェクタのノズルから前記エッジ部に近接する位置又は接する位置に直線的に燃料を送り出す点にある。
この特徴構成によると、ピストン上死点の近傍に位置する状態でインジェクタのノズルから燃料を噴射することにより、燃料がエッジ部に近接する位置又はエッジ部に接触する位置に直線的に流れることになり、エッジ部の近傍で燃料の流速が変化することや、流れが乱されることにより拡散が促進され、キャビティに流入する。また、この構成では、エッジ部に燃料が付着する現象を抑制できるため、未燃ガスの増大を招くこともない。
従って、燃焼室に噴射した燃料を確実に拡散させ良好な燃焼を実現する内燃機関が構成された。
上記構成に加えた構成として、前記キャビティが、前記ピストンの頂面に形成され、前記燃料案内空間の延びる方向が前記シリンダの中心のシリンダ軸芯に対して斜め姿勢に設定され、当該燃料案内空間が前記キャビティを覆う位置の前記シリンダヘッドに形成され、前記エッジ部が、前記燃料案内空間と前記シリンダヘッドとの境界に形成され、前記燃料案内空間が直径Dの円筒状の空間であり、前記燃料案内空間の筒状部位の中心において燃料の噴射方向に沿う姿勢の仮想直線を噴射中心ラインXとし、前記噴射中心ラインXに沿う方向での前記ノズルと、前記エッジ部との距離を第1噴射距離Laとし、前記ノズルから前記燃料案内空間の内部に噴射される燃料が、前記ノズルを基準に前記噴射中心ラインXを中心とする円錐状に拡がる角度を噴射角θとした場合に、La=D/2tan(θ/2)となる関係式が成立しても良い。
これによると、関係式が成立する状態では、インジェクタのノズルから噴射角θで噴射された燃料のうち、噴射領域の外縁に流れるものに対してエッジ部から流れを変化させる力や、流れを乱す力が作用することになり、これらの力が、ノズルから噴射される燃料の流れの全体に及ぶことになり拡散の促進が実現する。
上記構成に加えた構成として、前記キャビティが、前記ピストンの頂面に形成され、前記燃料案内空間の延びる方向が前記シリンダの中心のシリンダ軸芯に対して斜め姿勢に設定され、当該燃料案内空間が前記キャビティを覆う位置の前記シリンダヘッドに形成され、前記エッジ部が、前記燃料案内空間と前記キャビティとの境界に形成され、前記燃料案内空間が直径Dの円筒状の空間であり、前記燃料案内空間の筒状部位の中心において燃料の噴射方向に沿う姿勢の仮想直線を噴射中心ラインXとし、前記噴射中心ラインXに沿う方向での前記ノズルと、前記エッジ部との距離を第2噴射距離Lbとし、前記ノズルから前記燃料案内空間の内部に噴射される燃料が、前記ノズルを基準に前記噴射中心ラインXを中心とする円錐状に拡がる角度を噴射角θとした場合に、Lb=D/2tan(θ/2)となる関係式が成立しても良い。
これによると、関係式が成立する状態では、インジェクタのノズルから噴射角θで噴射された燃料のうち、噴射領域の外縁に流れるものに対してエッジ部から流れを変化させる力や、流れを乱す力が作用することになり、これらの力が、ノズルから噴射される燃料の流れの全体に及ぶことになり拡散の促進が実現する。
上記構成に加えた構成として、前記キャビティが、前記ピストンの外径の中心と共通する中心の円周を有する凹状であっても良い。
これによると、キャビティの中心で燃焼させることが可能となる。
エンジンの上部位置の断面図である。 ピストンが上死点にある状態で燃料を噴射する状況の断面図である。 別実施形態(a)でピストンが上死点にある状態で燃料を噴射する状況の断面図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
〔基本構成〕
図1には、内燃機関としてのエンジンEの上部の断面を示している。同図に示すように、エンジンEは、シリンダブロック1の上部にシリンダヘッド2を備え、シリンダブロック1のシリンダ3に対し上下方向に往復自在にピストン4を収容し、シリンダヘッド2にインジェクタ5を備えている。このエンジンEでは、シリンダ3が、内周にライナー3aを備えており、このライナー3aの内周にピストン4の外周のピストンリング4aが接触する。
ピストン4の頂面4Sに凹状のキャビティCが形成されており、ピストン4の頂面4Sとシリンダヘッド2の下面との間の空間と、キャビティCと、で燃焼室が形成されている。キャビティCは、シリンダ3の中心となるシリンダ軸芯Yを中心とする半球状内面を有する形状で形成されている。尚、キャビティCは、円弧、放物線楕円のように滑らかに湾曲する曲線を回転させた内面形状に形成しても良い。
ピストン4は、ピストンピン7を介してコネクティングロッド8の上端が支持されている。図面に示していないが、燃焼室に外気を供給するタイミングで開放する吸気バルブと、燃焼ガスを排出するタイミングで開放する排気バルブとをシリンダヘッド2に備えている。
図1、図2に示すように、シリンダヘッド2に対し、孔状となる燃料案内空間10が形成され、この燃料案内空間10に対してインジェクタ5の吐出側の端部を挿入する形態で、インジェクタ5が支持されている。インジェクタ5は、燃料を噴射するノズル5nを端部に備えている。燃焼を噴射する方向に沿う姿勢仮想直線(燃料案内空間10の中心の直線と一致する)を噴射中心ラインXとすると、ノズル5nは噴射中心ラインXに重複する位置に配置され、インジェクタ5は、シリンダ軸芯Y(同図では、シリンダ軸芯Yに平行する姿勢のラインを平行シリンダ軸芯Y’として示している)に対して噴射中心ラインXが傾斜角αだけ傾斜する姿勢で備えられている。
このエンジンEでは、図2に示すようにピストン4が上死点に達した際に、燃料案内空間10とシリンダヘッド2の内面(ピストン4の頂面4Sに対向する面)との境界に第1エッジ部Ca(エッジ部の具体例)が形成されている。図1、図2に示すように、シリンダ3の上側にシリンダヘッド2を配置したエンジンEでは、第1エッジ部Caは、燃料案内空間10の内面のうち、上側の外縁とシリンダヘッド2との境界となる。尚、第1エッジCa部は、図1に示すように、ピストン4が上死点にない場合には、キャビティCから離間する。
更に、図1に示すように、ピストン4が上死点に達した状態で、キャビティCのうちピストン4の頂面4Sにおける外縁と、第1エッジ部Caとの間に狭小部Nが形成される。この狭小部Nにおいて、燃料が通過可能な通路断面積は、燃料案内空間10の断面積より小さく設定され、燃料が通過する場合に燃料の流速を高めるように機能する。
〔ノズルとエッジとの位置関係〕
このエンジンEでは、ピストン4が上死点に達するまでのタイミングにおいてインジェクタ5で燃料を噴射し、着火させることにより燃焼を実現するものであり、このようにインジェクタ5で燃料を噴射した場合には、第1エッジ部Caに近接する位置、又は、第1エッジ部Caに接触する位置に燃料を直線的に流すように構成されている。
本実施形態における構成では、具体的に以下のような関係が成立する。つまり、円筒状の燃料案内空間10の内径を直径Dとしている。また、噴射中心ラインXに沿う方向でのインジェクタ5のノズル5nと、第1エッジ部Caとの距離を第1噴射距離Laとしている。更に、ノズル5nから燃料案内空間10の内部に噴射される燃料が、ノズル5nを基準に噴射中心ラインXを中心とする円錐状に拡がる角度を噴射角θとしている。
このような直径D、第1噴射距離La、噴射角θの夫々に基づき、
La=D/2tan(θ/2)となる関係式が成立するように夫々の値が決められている。
これにより、インジェクタ5のノズル5nから燃料を噴射した場合には、燃料が第1エッジ部Caに近接する位置又はエッジ部に接触する位置に直線的に流れることにより、エッジ部の近傍で燃料の流速が変化することや、流れが乱されることにより拡散が促進される。このように拡散が促進された燃料が、キャビティCに流入する。そして、第1エッジ部Caに燃料が付着する現象を抑制できるため、未燃ガスの増大を招くこともなく、燃焼室に噴射した燃料を確実に拡散させ、かつ、キャビティCに流入した際の速度減少により燃料を付着させない良好な燃焼を実現するエンジンEが構成される。
〔別実施形態〕
本発明は、上記した実施形態以外に以下のように構成しても良い(実施形態と同じ機能を有するものには、実施形態と共通の番号、符号を付している)。
(a)図3に示すように、ピストン4の頂面4Sに形成されるキャビティCを、実施形態に示したものより大径化している。また、同図に示すようにピストン4が上死点に達した際に、燃料案内空間10と、キャビティCの外周の境界に第2エッジ部Cb(エッジ部の具体例)が形成されている。
この構成では、図3に示すように、シリンダ3の上側にシリンダヘッド2を配置したエンジンEでは、この第2エッジ部Cbは、燃料案内空間10の内面のうち、下側の外縁とキャビティCの外縁との境界となる。
この別実施形態(a)では、実施形態で説明したものと同様に、円筒状の燃料案内空間10の内径を直径Dとしている。燃焼を噴射する方向に沿う姿勢仮想直線(燃料案内空間10の中心の直線と一致する)を噴射中心ラインXとすると、ノズル5nは噴射中心ラインXに重複する位置に配置され、インジェクタ5は、シリンダ軸芯Y(同図では、シリンダ軸芯Yに平行する姿勢のラインを平行シリンダ軸芯Y’として示している)に対して噴射中心ラインXが傾斜角αだけ傾斜する姿勢で備えられている。
また、噴射中心ラインXに沿う方向でのインジェクタ5のノズル5nと、第2エッジ部Cbと、距離を第2噴射距離Lbとしている。更に、ノズル5nから燃料案内空間10の内部に噴射される燃料が、ノズル5nを基準に噴射中心ラインXを中心とする円錐状に拡がる角度を噴射角θとしている。
このような直径D、第2噴射距離Lb、噴射角θの夫々に基づき、
Lb=D/2tan(θ/2)となる関係式が成立するように夫々の値が決められている。このとき、同時に、La=D/2tan(θ/2)となる関係式が成立すると望ましい。
これにより、インジェクタ5のノズル5nから燃料を噴射した場合には、燃料が第2エッジ部Cbに近接する位置又はエッジ部に接触する位置に直線的に流れることにより、エッジ部の近傍で燃料の流速が変化することや、流れが乱されることにより拡散が促進される。このように拡散が促進された燃料が、キャビティCに流入する。そして、第2エッジ部Cbに燃料が付着する現象を抑制できるため、未燃ガスの増大を招くこともなく、燃焼室に噴射した燃料を確実に拡散させ良好な燃焼を実現するエンジンEが構成される。
また、キャビティCが、ピストン4の頂面においてシリンダ軸芯Yを中心とする形状で形成されているため、キャビティCの内部で混合気が燃焼する際には、キャビティCの中心方向に圧力が作用することになり、キャビティCの中心部での温度を上昇させて良好な燃焼を実現する。
この別実施形態(a)では、実施形態と同様に燃料案内空間10とシリンダヘッド2との境界に第1エッジ部Caが形成されているが、この別実施形態(a)では,必ずしも第1エッジ部Caを形成する必要はない。
また、キャビティCの形状は、良好な燃焼を実現する観点から任意の形状設定できる。
(b)キャビティCはシリンダヘッド2の内面(ピストン4の頂面4Sに対向する面)に形成するものであっても良い。また、キャビティCは、ピストン4の頂面4Sとシリンダヘッド2の内面との夫々に形成されるものであっても良い。
(c)エンジンEは、実施形態はディーゼル型と、点火プラグを有するガソリンエンジン型との何れであっても良く、任意のエンジンに適用することができる。
本発明は、燃焼室にインジェクタにより燃料を噴射する内燃機関に利用できる。
2 シリンダヘッド
3 シリンダ
4 ピストン
4S 頂面
5 インジェクタ
5n ノズル
10 燃料案内空間
C キャビティ
Ca 第1エッジ部(エッジ部)
D 直径
E エンジン(内燃機関)
X 噴射中心ライン
La 第1噴射距離
θ 噴射角

Claims (4)

  1. シリンダに往復移動自在に収容されたピストンと、前記ピストンの頂面とシリンダヘッドの内面との間の空間に連通するように、前記ピストンの前記頂面あるいは前記シリンダヘッドの内面に形成された凹状のキャビティと、
    前記キャビティに連通する燃料案内空間の内部に配置されたインジェクタとを有し、
    前記燃料案内空間と前記キャビティ又はシリンダヘッドとの境界にエッジ部が形成され、
    前記ピストンが上死点の近傍に位置する状態において、
    前記インジェクタが、当該インジェクタのノズルから前記エッジ部に近接する位置又は接する位置に直線的に燃料を送り出す内燃機関。
  2. 前記キャビティが、前記ピストンの頂面に形成され、
    前記燃料案内空間の延びる方向が前記シリンダの中心のシリンダ軸芯に対して斜め姿勢に設定され、当該燃料案内空間が前記キャビティを覆う位置の前記シリンダヘッドに形成され、
    前記エッジ部が、前記燃料案内空間と前記シリンダヘッドとの境界に形成され、
    前記燃料案内空間が直径Dの円筒状の空間であり、
    前記燃料案内空間の筒状部位の中心において燃料の噴射方向に沿う姿勢の仮想直線を噴射中心ラインXとし、
    前記噴射中心ラインXに沿う方向での前記ノズルと、前記エッジ部との距離を第1噴射距離Laとし、
    前記ノズルから前記燃料案内空間の内部に噴射される燃料が、前記ノズルを基準に前記噴射中心ラインXを中心とする円錐状に拡がる角度を噴射角θとした場合に、
    La=D/2tan(θ/2)となる関係式が成立する請求項1に記載の内燃機関。
  3. 前記キャビティが、前記ピストンの頂面に形成され、
    前記燃料案内空間の延びる方向が前記シリンダの中心のシリンダ軸芯に対して斜め姿勢に設定され、当該燃料案内空間が前記キャビティを覆う位置の前記シリンダヘッドに形成され、
    前記エッジ部が、前記燃料案内空間と前記キャビティとの境界に形成され、
    前記燃料案内空間が直径Dの円筒状の空間であり、
    前記燃料案内空間の筒状部位の中心において燃料の噴射方向に沿う姿勢の仮想直線を噴射中心ラインXとし、
    前記噴射中心ラインXに沿う方向での前記ノズルと、前記エッジ部との距離を第2噴射距離Lbとし、
    前記ノズルから前記燃料案内空間の内部に噴射される燃料が、前記ノズルを基準に前記噴射中心ラインXを中心とする円錐状に拡がる角度を噴射角θとした場合に、
    Lb=D/2tan(θ/2)となる関係式が成立する請求項1に記載の内燃機関。
  4. 前記キャビティが、前記ピストンの外径の中心と共通する中心の円周を有する凹状である請求項2又は3に記載の内燃機関。
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