JP2021170854A - 移動体の非接触給電装置 - Google Patents
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Abstract
Description
特許文献1には、複数の一次コイル(給電コイル)12を道路10に備え、複数の二次コイル(受電コイル)16を車両14に備え、二つの一次コイル12が二つの二次コイル16に対してそれぞれ正対することで、一次コイル12から二次コイル16に電力を供給する移動体給電装置が開示されている。そして、二つの一次コイル12の間隔よりも二つの二次コイル16の間隔を大きくすることで、一次コイルと、一次コイルにより送電される二次コイルとが対向してから、次に、一次コイルと二次コイルとが対向するまでの時間を短くして、電力が送電されない時間を短縮するようにしている。
そこで特許文献2に記載の非接触給電装置では、受電コイルおよび給電コイルの
長さおよび離間距離に関する二つの不等式が成り立つように構成するとともに、移動体の移動に伴って所定の第1の位置関係から第4位置関係までが順番に発生するようにすることで、常に二つの受電コイルから安定的に駆動に必要な電力を得るようにしてバッテリを不要としている。
このように構成することで、移動体の移動経路上にカーブが含まれていても、受電コイルの間隔を小さくすることで、出力電圧の低下を抑制でき、駆動に必要な出力電圧を得ることが容易になる。
図1は、本発明の非接触給電装置の構成を説明する概略図である。
非接触給電装置は、各々が電源回路4に接続された複数の給電コイル1A,1B,・・・と、一列に配列された複数の給電コイル1A,1B,・・・に沿って矢印I方向に移動する移動体3に設けられた2個の受電コイル2A,2Bとを有している。
給電コイル1A,1B,・・・の各々に電力を供給する電源回路4は、交流電源4aとコンデンサ4bとから構成された公知のもので、同一周波数・同一位相の交流電力を、給電コイル1A,1B,・・・から受電コイル2A,2Bに非接触で供給する。また、隣接する給電コイル1A,1B,・・・は、互いに干渉しない距離DTだけ離間して配置される。
異ならせる周波数の大きさは、給電コイル1A,1B・・・の大きさや電源回路4から供給される電力の大きさなどに依って決定される。そして、例えば、給電コイル1Aの周波数を81.0kHzと設定し、隣接する他の給電コイル1Aの周波数を81.5kHzと設定した場合、隣接する給電コイル1A,1B・・・の並びに従って、周波数を81.0kHz、81.5kHz、81.0kHz・・・と設定する。
このようにすることで、隣接する前記給電コイル1A,1B・・・間の距離を小さくしても干渉を生じにくくすることができ、受電コイルの2A,2Bの間隔をさらに小さくして非接触給電装置をさらに小型化することが可能になる。
図2及び図3は、給電コイル1A,1B,・・・と二つの受電コイル2A,2Bとの位置関係を説明する概略図、図4は図2及び図3の各位置における受電コイル2A,2Bの出力電圧の変化を示すグラフで、(a)は受電コイル2Aのもの、(b)は受電コイル2Bのものである。
この実施形態において受電コイル2A,2Bは、受電コイル2A,2Bが図2(a)の位置にあるとき、受電コイル2A,2Bの両方から駆動電圧sより高い電圧が出力されるものとしてある。そのため、この状態のときには、受電コイル2A,2Bのうちのいずれか一方の出力電圧を選択するれば、駆動に必要な電圧sを確保することができる。そして、受電コイル2A又は受電コイル2Bのいずれか一方又は両方からの出力電圧を駆動回路32に供給することで、駆動に必要な電圧sを確保することができる。
受電コイル2A,2Bが図2(c)の位置にくると、移動方向下流側の受電コイル2Aが給電コイル1Bから離れ、受電コイル2Aの出力電圧は0に向かう。このときも上流側の受電コイル2Bの出力電圧は駆動電圧sより高い電圧を維持しているため、この状態においても受電コイル2Bから駆動に必要な駆動電圧sを得ることができる。
受電コイル2A,2Bが図3(f)の位置にくると、移動方向下流側の受電コイル2Aの出力電圧がピーク電圧pとなり、上流側の受電コイル2Bの出力電圧がほぼ0に向かう。
このように本発明では、二つの受電コイル2A,2Bの出力電圧が移動体3の移動によって変動しても、常にいずれか一方の受電コイル2A,2Bの出力電圧が駆動電圧sを越えるように、給電コイル1A,1Bに対する二つの受電コイル2A,2Bの位置関係(距離DTに対する距離DRの関係)を設定しているので、バッテリが無くても常に駆動に必要な電圧sを二つの受電コイル2A,2Bから確保することができる。
図5は、移動体3の移動経路の一部にカーブがあり、隣接する給電コイル1A,1B,・・・が所定の交叉角で傾斜している場合の給電コイル1A,1B,・・・に対する受電コイル2A,2Bの位置関係を示す概略図で、(a)は交叉角αが大きい(α>β)場合、(b)は交叉角βが小さい(β<α)場合である。また、(a)(b)において(i)は本発明の非接触給電装置の場合、(ii)は従来の非接触給電装置の場合である。
なお(a)(b)の各々において、(i)における給電コイル1A,1Bに対する受電コイル2A,2Bの位置関係と、(ii)における給電コイル1A,1Bに対する受電コイル2A′,2B′の位置関係とは同じとしてある。
(a)のとき(交叉角αのとき)、距離H1とH12を比較すると、DT>DRの関係にある本発明の受電コイル2Aの距離H1の方が小さくなる(H1<H2)。この距離H1,H2の差は交叉角が小さくなるほど顕著になり、交叉角がβ(<α)になると、本発明の非接触給電装置及び従来の非接触給電装置のいずれにおいても距離H1,H2は大きくなるが、本発明の方がその増大の割合が小さい。
図6は、本発明の具体的な実施例における給電コイル1A,1B,・・・及び受電コイル2A,2Bの位置と、二つの受電コイル2A,2Bの電圧との関係を示すグラフである。左右のグラフのうち左は受電コイル2A,2Bの距離DRが5mmのもの、右は同15mmのものである。
また、給電コイル1A,1B・・・の電源周波数は、互いに隣接する給電コイル1A,1Bのうち一方(例えば給電コイル1A)を81.0kHzとし、他方(同給電コイル1B)を81.5kHzとした。また、受電コイル2A,2Bの電源周波数は、共振周波数より30kHz程度離れているものを使用した。
この実施例の図6における各位置の受電コイル2A,2Bの出力電圧のピーク値は、以下のとおりである。
位置1:受電コイル2A 9.8V 受電コイル2B 9.6V
位置2:受電コイル2A 9.2V 受電コイル2B 9.2V
位置3:受電コイル2A 3.2V 受電コイル2B 13.8V
位置4:受電コイル2A 3.0V 受電コイル2B 14.2V
位置5:受電コイル2A 12.6V 受電コイル2B 14.2V
位置6:受電コイル2A 16.0V 受電コイル2B 14.6V
位置7:受電コイル2A 15.6V 受電コイル2B 10.0V
位置8:受電コイル2A 15.4V 受電コイル2B 4.8V
位置9:受電コイル2A 15.8V 受電コイル2B 12.4V
位置1:受電コイル2A 9.6V 受電コイル2B 9.2V
位置2:受電コイル2A 9.2V 受電コイル2B 9.2V
位置3:受電コイル2A 2.2V 受電コイル2B 10.8V
位置4:受電コイル2A 1.6V 受電コイル2B 11.0V
位置5:受電コイル2A 9.0V 受電コイル2B 9.6V
位置6:受電コイル2A 8.4V 受電コイル2B 8.6V
位置7:受電コイル2A 12.4V 受電コイル2B 5.8V
位置8:受電コイル2A 13.0V 受電コイル2B 2.0V
位置9:受電コイル2A 12.4V 受電コイル2B 2.2V
また、上記の実施形態では、隣接する受電コイル2A,2Bのうち、移動上流側の受電コイル2Bの出力電圧が「最大」となるときに、移動下流側の受電コイル2Aが移動下流側の給電コイル1Aから受電を開始するように、離間距離DRを設定しているが、本発明の前提条件として、常にいずれか一方の受電コイル2A,2Bから駆動電圧s以上の電圧が出力されていればよいことから、用語「最大」は、ピーク電圧pを頂点(中心)としたその前後の一定範囲を含む意味である。
2A,2B 受電コイル
3 移動体
31 受電回路
32 駆動回路
4 電源回路
4a 交流電源
4b コンデンサ
DT 給電コイル間の距離
DR 受電コイル間の距離
Claims (4)
- 固定部に設けられ移動方向に沿って互いに離間して配置された複数の給電コイル(1A,1B・・・)と、
各前記給電コイルに交流電力を供給する交流電源(4a)と、
前記移動方向に沿って移動する移動体(3)に設けられ、対向配置される前記給電コイル(1A,1B・・・)から非接触で交流電力を受け取る受電コイル(2A,2B)と、
前記受電コイルの出力電圧から駆動に必要な電圧を生成する駆動部(32)と、
を備えた非接触給電装置において、
前記受電コイル(2A,2B)は、前記移動体(3)の前記移動方向に沿って相互に離間して2個配置されており、
前記給電コイルの相互間の離間距離をDTとしたときに、前記受電コイルの相互間の離間距離DRが、DT>DRとなるように離間距離DRを設定するとともに、二つの受電コイルの出力電圧の少なくとも一方からの出力電圧によって、駆動に必要な駆動電圧以上の電圧が常に前記駆動電圧生成部(32)で生成されるように、前記離間距離DRを設定したこと、
を特徴とする移動体の非接触給電装置。 - 前記受電コイル(2A,2B)のうち、移動上流側の前記受電コイル(2B)の出力電圧が最大となるときに、移動下流側の前記受電コイル(2A)が移動下流側の前記給電コイル(1A)から受電を開始するように、前記離間距離DRを設定したことを特徴とする請求項1に記載の移動体の非接触給電装置。
- 前記移動体の移動経路の一部にカーブがあり、このカーブで隣り合う前記給電コイルが屈曲して配置されている場合に、二つの前記受電コイルの出力電圧が前記駆動電圧以上となるように、前記離間距離DRを設定したことを特徴とする請求項1又は2に記載の移動体の非接触給電装置。
- 隣接する前記給電コイル(1A,1B・・・)間での干渉を小さくするために、隣接する前記給電コイル(1A,1B・・・)の周波数を異ならせたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の移動体の非接触給電装置。
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