JP2021169598A - 冷媒を含む組成物、その使用、並びにそれを有する冷凍機及びその冷凍機の運転方法 - Google Patents

冷媒を含む組成物、その使用、並びにそれを有する冷凍機及びその冷凍機の運転方法 Download PDF

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Abstract

【課題】新規な低GWP混合冷媒を提供することを課題とする。【解決手段】解決手段として、冷媒を含む組成物であって、前記冷媒が、トランス−1,2−ジフルオロエチレン(HFO-1132(E))及び1,3,3,3−テトラフルオロプロペン(R1234ze)を含む、組成物を提供する。【選択図】なし

Description

本開示は、冷媒を含む組成物、その使用、並びにそれを有する冷凍機及びその冷凍機の運転方法に関する。
業務用冷凍冷蔵機器等の冷凍装置用冷媒として現在、R404Aが用いられている。R404Aは、ペンタフルオロエタン(R125)(44%)、1,1,1−トリフルオロエタン(R143a)(52%)、及び1,1,1,2−テトラフルオロエタン(R134a)(4%)の3成分混合冷媒である。
しかし、R404Aの地球温暖化係数(GWP)は3920であり、地球温暖化への懸念の高まりからより低GWPの冷媒が求められている。
このため、R404Aに代替可能な低GWP混合冷媒が種々提案されている(特許文献1〜5)。
また、車載用の空調用冷媒として用いられているR134aのGWPは1430であり、R134aに代替可能な低GWPの混合冷媒が種々提案されている(特許文献6)。
特表2012−526182号公報 特表2013−529703号公報 特表2015−511262号公報 特開2016−156001号公報 国際公開第2015/141678号公報 国際公開第2005/105947号公報
本開示は、新規な低GWP混合冷媒を提供することを目的とする。
項1.
冷媒を含む組成物であって、前記冷媒が、トランス−1,2−ジフルオロエチレン(HFO-1132(E))及び1,3,3,3−テトラフルオロプロペン(R1234ze)を含む、組成物。
項2.
前記冷媒において、
HFO-1132(E)及びR1234zeの総量に対して、
HFO-1132(E)の含有割合が35.3〜72.0質量%であり、
R1234zeの含有割合が64.7〜28.0質量%である、
項1に記載の組成物。
項3.
前記冷媒において、
HFO-1132(E)及びR1234zeの総量に対して、
HFO-1132(E)の含有割合が35.3〜38.4質量%であり、
R1234zeの含有割合が64.7〜61.6質量%である、
項1に記載の組成物。
項4.
さらに、冷凍機油を含有し、冷凍機用作動流体として用いられる、項1〜3のいずれか一項に記載の組成物。
項5.
蒸発温度が-60〜5℃である冷凍サイクルを運転するために用いられる、項1〜4のいずれか一項に記載の組成物。
項6.
R404Aの代替冷媒として用いられる、項1〜5のいずれか一項に記載の組成物。
項7.
項1〜4のいずれか一項に記載の組成物の、R404Aの代替冷媒としての使用。
項8.
項1〜4のいずれか一項に記載の組成物を作動流体として含む、冷凍機。
項9.
蒸発温度が-60〜5℃である冷凍サイクルを有する、項8に記載の冷凍機。
項10.
冷凍機の運転方法であって、
項1〜4のいずれか一項に記載の組成物を作動流体として冷凍機において循環させる工程を含む、方法。
項11.
前記冷凍機が、蒸発温度が-60〜5℃である冷凍サイクルを有する、項10に記載の方法。
項12.
前記冷媒において、
HFO-1132(E)及びR1234zeの総量に対して、
HFO-1132(E)の含有割合が14.1〜38.4質量%であり、
R1234zeの含有割合が85.9〜61.6質量%である、
R134a、2,3,3,3−テトラフルオロプロペン(R1234yf)及びCO2(R744)からなる群より選択される少なくとも一種の冷媒の代替冷媒として用いられる、項1に記載の組成物。
項13.
前記冷媒において、
HFO-1132(E)及びR1234zeの総量に対して、
HFO-1132(E)の含有割合が22.7〜38.4質量%であり、
R1234zeの含有割合が77.3〜61.6質量%である、
R134a、R1234yf及びCO2からなる群より選択される少なくとも一種の冷媒の代替冷媒として用いられる、項1に記載の組成物。
項14.
前記冷媒において、
HFO-1132(E)及びR1234zeの総量に対して、
HFO-1132(E)の含有割合が35.3〜38.4質量%であり、
R1234zeの含有割合が64.7〜61.6質量%である、
R134a、R1234yf及びCO2からなる群より選択される少なくとも一種の冷媒の代替冷媒として用いられる、項1に記載の組成物。
項15.
R134aの代替冷媒として用いられる、項12〜14のいずれか一項に記載の組成物。
項16.
さらに、冷凍機油を含有し、冷凍機用作動流体として用いられる、項1〜3及び項12〜15のいずれか一項に記載の組成物。
項17.
空調機器、冷蔵庫、冷凍庫、冷水機、製氷機、冷蔵ショーケース、冷凍ショーケース、冷凍冷蔵ユニット、冷凍冷蔵倉庫用冷凍機、車載用空調機器、ターボ冷凍機又はスクリュー冷凍機における作動流体として用いられる、項12〜16のいずれか一項に記載の組成物。
項18.
車載用空調機器における作動流体として用いられる、項12〜16のいずれか一項に記載の組成物。
項19.
項12〜16のいずれか一項に記載の組成物を作動流体として含む、冷凍機。
項20.
空調機器、冷蔵庫、冷凍庫、冷水機、製氷機、冷蔵ショーケース、冷凍ショーケース、冷凍冷蔵ユニット、冷凍冷蔵倉庫用冷凍機、車載用空調機器、ターボ冷凍機又はスクリュー冷凍機である、項19に記載の冷凍機。
項21.
車載用空調機器である、項19に記載の冷凍機。
項22.
冷凍機の運転方法であって、
項12〜16のいずれか一項に記載の組成物を作動流体として冷凍機において循環させる工程を含む、方法。
項23.
前記冷凍機が、空調機器、冷蔵庫、冷凍庫、冷水機、製氷機、冷蔵ショーケース、冷凍ショーケース、冷凍冷蔵ユニット、冷凍冷蔵倉庫用冷凍機、車載用空調機器、ターボ冷凍機又はスクリュー冷凍機である、項22に記載の方法。
項24.
前記冷凍機が、車載用空調機器である、項22に記載の方法。
本開示の冷媒は、低GWPである。
燃焼性試験に用いた装置の模式図である。
本発明者らは、上記の課題を解決すべく、鋭意研究を行った結果、トランス−1,2−ジフルオロエチレン(HFO-1132(E))及び1,3,3,3−テトラフルオロプロペン(R1234ze)を特定混合割合で含む混合冷媒が、上記特性を有することを見出した。
本開示は、かかる知見に基づきさらに研究を重ねた結果完成されたものである。本開示は、以下の実施形態を含む。
<用語の定義>
本明細書において用語「冷媒」には、ISO817(国際標準化機構)で定められた、冷媒の種類を表すRで始まる冷媒番号(ASHRAE番号)が付された化合物が少なくとも含まれ、さらに冷媒番号が未だ付されていないとしても、それらと同等の冷媒としての特性を有するものが含まれる。冷媒は、化合物の構造の面で、「フルオロカーボン系化合物」と「非フルオロカーボン系化合物」とに大別される。「フルオロカーボン系化合物」には、クロロフルオロカーボン(CFC)、ハイドロクロロフルオロカーボン(HCFC)及びハイドロフルオロカーボン(HFC)が含まれる。「非フルオロカーボン系化合物」としては、プロパン(R290)、プロピレン(R1270)、ブタン(R600)、イソブタン(R600a)、二酸化炭素(R744)及びアンモニア(R717)等が挙げられる。
本明細書において、用語「冷媒を含む組成物」には、(1)冷媒そのもの(冷媒の混合物を含む)と、(2)その他の成分をさらに含み、少なくとも冷凍機油と混合することにより冷凍機用作動流体を得るために用いることのできる組成物と、(3)冷凍機油を含有する冷凍機用作動流体とが少なくとも含まれる。本明細書においては、これら三態様のうち、(2)の組成物のことを、冷媒そのもの(冷媒の混合物を含む)と区別して「冷媒組成物」と表記する。また、(3)の冷凍機用作動流体のことを「冷媒組成物」と区別して「冷凍機油含有作動流体」と表記する。
本明細書において、用語「代替」は、第一の冷媒を第二の冷媒で「代替」するという文脈で用いられる場合、第一の類型として、第一の冷媒を使用して運転するために設計された機器において、必要に応じてわずかな部品(冷凍機油、ガスケット、パッキン、膨張弁、ドライヤその他の部品のうち少なくとも一種)の変更及び機器調整のみを経るだけで、第二の冷媒を使用して、最適条件下で運転することができることを意味する。すなわち、この類型は、同一の機器を、冷媒を「代替」して運転することを指す。この類型の「代替」の態様としては、第二の冷媒への置き換えの際に必要とされる変更乃至調整の度合いが小さい順に、「ドロップイン(drop in)代替」、「ニアリー・ドロップイン(nealy drop in)代替」及び「レトロフィット(retrofit)」があり得る。
第二の類型として、第二の冷媒を用いて運転するために設計された機器を、第一の冷媒の既存用途と同一の用途のために、第二の冷媒を搭載して用いることも、用語「代替」に含まれる。この類型は、同一の用途を、冷媒を「代替」して提供することを指す。
本明細書において用語「冷凍機」とは、物あるいは空間の熱を奪い去ることにより、周囲の外気よりも低い温度にし、かつこの低温を維持する装置全般のことをいう。言い換えれば、冷凍機は温度の低い方から高い方へ熱を移動させるために、外部からエネルギーを得て仕事を行いエネルギー変換する変換装置のことをいう。
本明細書において、「車載用空調機器」とは、ガソリン車、ハイブリッド自動車、プラグインハイブリッド自動車、電気自動車、水素自動車(燃料電池自動車を含む)などの自動車で用いられる冷凍装置の一種である。車載用空調機器とは、蒸発器にて液体の冷媒に熱交換を行わせ、蒸発した冷媒ガスを圧縮機が吸い込み、断熱圧縮された冷媒ガスを凝縮器で冷却して液化させ、さらに膨張弁を通過させて断熱膨張させた後、蒸発機に再び液体の冷媒として供給する冷凍サイクルからなる冷凍装置を指す。
本明細書において、「ターボ冷凍機」とは、大型チラー冷凍装置の一種であって、蒸発器にて液体の冷媒に熱交換を行わせ、蒸発した冷媒ガスを遠心式圧縮機が吸い込み、断熱圧縮された冷媒ガスを凝縮器で冷却して液化させ、さらに膨張弁を通過させて断熱膨張させた後、蒸発機に再び液体の冷媒として供給する冷凍サイクルからなる冷凍装置を指す。なお、上記「大型チラー冷凍機」とは、チラーの一種であって、建物単位での空調を目的とした大型空調機を指す。
本明細書において冷媒が「WCF微燃」であるとは、米国ANSI/ASHRAE34-2013規格に従い最も燃えやすい組成(Worst case of formulation for flammability; WCF)が、燃焼速度が10cm/s以下であることを意味する。また、本明細書において冷媒が「ASHRAE微燃」であるとは、WCFの燃焼速度が10cm/s以下で、かつ、WCFを用いてANSI/ASHRAE34-2013に基づいた貯蔵、輸送、使用時の漏洩試験を行うことで特定される最も燃えやすい分画組成(Worst case of fractionation for flammability; WCFF)が、燃焼速度が10cm/s以下であり、米国ANSI/ASHRAE34-2013規格の燃焼性区分が「2Lクラス」と判断されることを意味する。
本明細書において冷媒の「圧縮比」は、凝縮圧力(MPa)/蒸発圧力(MPa)で求められる。
1.冷媒
本開示の冷媒は、トランス−1,2−ジフルオロエチレン(HFO-1132(E))及び1,3,3,3−テトラフルオロプロペン(R1234ze)を含む混合冷媒である。
1.1.冷媒A
冷媒Aは、R1234zeとして、R1234ze(E)若しくはR1234ze(Z)の一方、又は両方を含んでいてもよく、好ましくはR1234ze(E)を含む。
冷媒Aは本開示の冷媒の一例である。冷媒Aにおいて、HFO-1132(E)及びR1234zeの総量に対して、
HFO-1132(E)の含有割合は35.3〜72.0質量%であり、
R1234zeの含有割合は64.7〜28.0質量%である。
本開示の冷媒Aにおいて、HFO-1132(E)及びR1234zeの総量に対して、HFO-1132(E)の含有割合は35.3〜38.4質量%であり、
R1234zeの含有割合が64.7〜61.6質量%であることが好ましい。
このとき、本開示の冷媒Aは、WCF微燃性となり、GWPが4以下となり、R404Aを基準とする冷凍能力比が70%以上となる。
また、このとき、蒸発温度が5℃以下である冷凍サイクルを運転するために用いた場合、本開示の冷媒Aは圧縮比が2.5以上となり、冷凍サイクルとしての効率を十分な範囲内に確保できる。
さらに、このとき、蒸発温度が-60℃以上である冷凍サイクルを運転するために用いた場合、本開示の冷媒Aは蒸発圧力が0.02MPa以上となり、圧縮機への冷媒の吸入が比較的容易となる。
本開示の冷媒Aにおいて、HFO-1132(E)及びR1234zeの総量に対して、HFO-1132(E)の含有割合が35.3〜38.4質量%であり、
R1234zeの含有割合が64.7〜61.6質量%であることが好ましい。
このとき、本開示の冷媒Aは、ASHRAE微燃性となり、GWPが4以下となり、R404Aを基準とする冷凍能力比が70%以上となる。
1.2.冷媒B
冷媒Bは本開示の冷媒の一例である。冷媒Bにおいて、HFO-1132(E)及びR1234zeの総量に対して、
HFO-1132(E)の含有割合が14.1〜38.4質量%であり、
R1234zeの含有割合が85.9〜61.6質量%である。
このとき、本開示の冷媒Bは、ASHRAE微燃性となり、R134aを基準とする冷凍能力比が100%以上となる。
冷媒Bにおいて、
HFO-1132(E)及びR1234zeの総量に対して、
HFO-1132(E)の含有割合が22.7〜38.4質量%であり、
R1234zeの含有割合が77.3〜61.6質量%であることが好ましい。
このとき、本開示の冷媒Bは、沸点が-40℃以下となる。
前記冷媒において、
HFO-1132(E)及びR1234zeの総量に対して、
HFO-1132(E)の含有割合が35.3〜38.4質量%であり、
R1234zeの含有割合が64.7〜61.6質量%であることがより好ましい。
このとき、本開示の冷媒Bは、沸点が-44℃以下となる。
本開示の冷媒は、上記の特性や効果を損なわない範囲内で、HFO-1132(E)及びR1234zeに加えて、さらに他の追加的な冷媒を含有していてもよい。この点で、本開示の冷媒が、HFO-1132(E)及びR1234zeの合計を、冷媒全体に対して99.5質量%以上含むことが好ましく、99.75質量%以上含むことがより好ましく、99.9質量%以上含むことがさらに好ましい。本開示の冷媒は、HFO-1132(E)及びR1234zeのみからなっていてもよい。
追加的な冷媒としては、特に限定されず、幅広く選択できる。本開示の冷媒は、追加的な冷媒として、一種を単独で含んでいてもよいし、二種以上を含んでいてもよい。
1.2 用途
本開示の冷媒は、冷凍機における作動流体として好ましく使用することができる。
本開示の冷媒Aは、R404Aの代替冷媒としての使用に適している。また、本開示の冷媒Bは、R134a、R1234yf及びCO2からなる群より選択される少なくとも一種の冷媒の代替冷媒としての使用に適している。本開示の冷媒Bは、特にR134aの代替冷媒としての使用に適している。
とりわけ、本開示の冷媒Bは、空調機器、冷蔵庫、冷凍庫、冷水機、製氷機、冷蔵ショーケース、冷凍ショーケース、冷凍冷蔵ユニット、冷凍冷蔵倉庫用冷凍機、車載用空調機器、ターボ冷凍機又はスクリュー冷凍機における作動流体として好ましく使用できる。
本開示の冷媒Bは、特に車載用空調機器における作動流体として好ましく使用できる。このとき、車載用空調機器に用いる場合の安全性に寄与する10.0cm/s未満の燃焼速度を確保することができる。
本開示の冷媒Bを車載用空調機器に用いることにより、電気ヒーターに比べて消費電力の少ないヒートポンプによる暖房が可能になるという利点がある。また、R134aは沸点が-26.1℃、R1234yfは沸点が-29.5℃であるため、これらの冷媒をそれぞれ単独で車載用空調機器に用いた場合、外気温が-30℃以下であるときに暖房運転ができなくなるという問題がある。
本開示の冷媒Bにおいて、上記車載用空調機器が、ガソリン車用、ハイブリッド自動車用、プラグインハイブリッド自動車、電気自動車用又は水素自動車用であることが好ましい。これらの中でも、ヒートポンプにより車室内を暖房しつつ、車の走行距離を向上させる観点から、本開示の冷媒Bにおいて、上記車載用空調機器が電気自動車用であることが特に好ましい。即ち、本開示において、本開示の冷媒Bを電気自動車に用いることが特に好ましい。
本開示の冷媒Bはガソリン車の空調機器、ハイブリッド自動車の空調機器、プラグインハイブリッド自動車の空調機器、電気自動車の空調機器又は水素自動車の空調機器に使用されることが好ましい。本開示の冷媒Bは、電気自動車の空調機器に使用されることが特に好ましい。
本開示の冷媒Bはガソリン車、ハイブリッド自動車、プラグインハイブリット自動車、電気自動車、水素自動車、燃料電池車などの自動車の冷凍装置に使用されることが好ましい。これらの中でも、本開示の冷媒Bは、エンジン排熱を利用できない電気自動車の冷凍装置に使用されることが特に好ましい。
また、ガソリン車、ハイブリッド自動車、プラグインハイブリット車、水素自動車、燃料電池車などの自動車でも本開示の冷媒Bを搭載したヒートポンプ式の暖房を用いることにより、エンジン起動時、サーモスタット不良などのエンジン排熱が使えない状況においてもこれらの自動車の室内をすぐに暖めることが可能となる。
本開示において、ヒートポンプにより車室内を暖房する際、-40℃で大気圧以上の圧力が必要となるため、本開示の冷媒Bの沸点は、好ましくは-51.2〜-40.0℃、より好ましくは-50.0〜-41.0℃、更に好ましくは-48.0〜-42.0℃である。
2. 冷媒組成物
本開示の冷媒組成物は、本開示の冷媒を少なくとも含み、本開示の冷媒と同じ用途のために使用することができる。また、本開示の冷媒組成物は、さらに少なくとも冷凍機油と混合することにより冷凍機用作動流体を得るために用いることができる。
本開示の冷媒組成物は、本開示の冷媒に加え、さらに少なくとも一種のその他の成分を含有する。本開示の冷媒組成物は、必要に応じて、以下のその他の成分のうち少なくとも一種を含有していてもよい。上述の通り、本開示の冷媒組成物を、冷凍機における作動流体として使用するに際しては、通常、少なくとも冷凍機油と混合して用いられる。したがって、本開示の冷媒組成物は、好ましくは冷凍機油を実質的に含まない。具体的には、本開示の冷媒組成物は、冷媒組成物全体に対する冷凍機油の含有量が好ましくは0〜1質量%であり、より好ましくは0〜0.1質量%である。
2.1
本開示の冷媒組成物は微量の水を含んでもよい。冷媒組成物における含水割合は、冷媒全体に対して、0.1質量%以下とすることが好ましい。冷媒組成物が微量の水分を含むことにより、冷媒中に含まれ得る不飽和のフルオロカーボン系化合物の分子内二重結合が安定化され、また、不飽和のフルオロカーボン系化合物の酸化も起こりにくくなるため、冷媒組成物の安定性が向上する。
2.2 トレーサー
トレーサーは、本開示の冷媒組成物が希釈、汚染、その他何らかの変更があった場合、その変更を追跡できるように検出可能な濃度で本開示の冷媒組成物に添加される。
本開示の冷媒組成物は、トレーサーとして、一種を単独で含有してもよいし、二種以上を含有してもよい。
トレーサーとしては、特に限定されず、一般に用いられるトレーサーの中から適宜選択することができる。
トレーサーとしては、例えば、ハイドロフルオロカーボン、ハイドロクロロフルオロカーボン、クロロフルオロカーボン、ハイドロクロロカーボン、フルオロカーボン、重水素化炭化水素、重水素化ハイドロフルオロカーボン、パーフルオロカーボン、フルオロエーテル、臭素化化合物、ヨウ素化化合物、アルコール、アルデヒド、ケトン、亜酸化窒素(N2O)等が挙げられる。トレーサーとしては、ハイドロフルオロカーボン、ハイドロクロロフルオロカーボン、クロロフルオロカーボン、ハイドロクロロカーボン、フルオロカーボン及びフルオロエーテルが特に好ましい。
トレーサーとしては、以下の化合物が好ましい。
FC-14(テトラフルオロメタン、CF4
HCC-40(クロロメタン、CH3Cl)
HFC-23(トリフルオロメタン、CHF3
HFC-41(フルオロメタン、CH3Cl)
HFC-125(ペンタフルオロエタン、CF3CHF2
HFC-134a(1,1,1,2−テトラフルオロエタン、CF3CH2F)
HFC-134(1,1,2,2−テトラフルオロエタン、CHF2CHF2
HFC-143a(1,1,1−トリフルオロエタン、CF3CH3
HFC-143(1,1,2−トリフルオロエタン、CHF2CH2F)
HFC-152a(1,1−ジフルオロエタン、CHF2CH3
HFC-152(1,2−ジフルオロエタン、CH2FCH2F)
HFC-161(フルオロエタン、CH3CH2F)
HFC-245fa(1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン、CF3CH2CHF2
HFC-236fa(1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、CF3CH2CF3
HFC-236ea(1,1,1,2,3,3−ヘキサフルオロプロパン、CF3CHFCHF2
HFC-227ea(1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロプロパン、CF3CHFCF3)
HCFC-22(クロロジフルオロメタン、CHClF2
HCFC-31(クロロフルオロメタン、CH2ClF)
CFC-1113(クロロトリフルオロエチレン、CF2=CClF)
HFE-125(トリフルオロメチル−ジフルオロメチルエーテル、CF3OCHF2
HFE-134a(トリフルオロメチル−フルオロメチルエーテル、CF3OCH2F)
HFE-143a(トリフルオロメチル−メチルエーテル、CF3OCH3
HFE-227ea(トリフルオロメチル−テトラフルオロエチルエーテル、CF3OCHFCF3
HFE-236fa(トリフルオロメチル−トリフルオロエチルエーテル、CF3OCH2CF3
本開示の冷媒組成物は、トレーサーを合計で、冷媒組成物全体に対して、約10重量百万分率(ppm)〜約1000ppm含んでいてもよい。本開示の冷媒組成物は、トレーサーを合計で、冷媒組成物全体に対して、好ましくは約30ppm〜約500ppm、より好ましくは約50ppm〜約300ppm含んでいてもよい。
2.3 紫外線蛍光染料
本開示の冷媒組成物は、紫外線蛍光染料として、一種を単独で含有してもよいし、二種以上を含有してもよい。
紫外線蛍光染料としては、特に限定されず、一般に用いられる紫外線蛍光染料の中から適宜選択することができる。
紫外線蛍光染料としては、例えば、ナフタルイミド、クマリン、アントラセン、フェナントレン、キサンテン、チオキサンテン、ナフトキサンテン及びフルオレセイン、並びにこれらの誘導体が挙げられる。紫外線蛍光染料としては、ナフタルイミド及びクマリンのいずれか又は両方が特に好ましい。
2.4 安定剤
本開示の冷媒組成物は、安定剤として、一種を単独で含有してもよいし、二種以上を含有してもよい。
安定剤としては、特に限定されず、一般に用いられる安定剤の中から適宜選択することができる。
安定剤としては、例えば、ニトロ化合物、エーテル類及びアミン類等が挙げられる。
ニトロ化合物としては、例えば、ニトロメタン及びニトロエタン等の脂肪族ニトロ化合物、並びにニトロベンゼン及びニトロスチレン等の芳香族ニトロ化合物等が挙げられる。
エーテル類としては、例えば、1,4-ジオキサン等が挙げられる。
アミン類としては、例えば、2,2,3,3,3-ペンタフルオロプロピルアミン、ジフェニルアミン等が挙げられる。
その他にも、ブチルヒドロキシキシレン、ベンゾトリアゾール等が挙げられる。
安定剤の含有割合は、特に限定されず、冷媒全体に対して、通常、0.01〜5質量%とすることが好ましく、0.05〜2質量%とすることがより好ましい。
2.5 重合禁止剤
本開示の冷媒組成物は、重合禁止剤として、一種を単独で含有してもよいし、二種以上を含有してもよい。
重合禁止剤としては、特に限定されず、一般に用いられる重合禁止剤の中から適宜選択することができる。
重合禁止剤としては、例えば、4-メトキシ-1-ナフトール、ヒドロキノン、ヒドロキノンメチルエーテル、ジメチル-t-ブチルフェノール、2,6-ジ-tert-ブチル-p-クレゾール、ベンゾトリアゾール等が挙げられる。
重合禁止剤の含有割合は、特に限定されず、冷媒全体に対して、通常、0.01〜5質量%とすることが好ましく、0.05〜2質量%とすることがより好ましい。
3. 冷凍機油含有作動流体
本開示の冷凍機油含有作動流体は、本開示の冷媒又は冷媒組成物と、冷凍機油とを少なくとも含み、冷凍機における作動流体として用いられる。具体的には、本開示の冷凍機油含有作動流体は、冷凍機の圧縮機において使用される冷凍機油と、冷媒又は冷媒組成物とが互いに混じり合うことにより得られる。冷凍機油含有作動流体には冷凍機油は一般に10〜50質量%含まれる。
3.1 冷凍機油
本開示の冷凍機油含有作動流体は、冷凍機油として、一種を単独で含有してもよいし、二種以上を含有してもよい。
冷凍機油としては、特に限定されず、一般に用いられる冷凍機油の中から適宜選択することができる。その際には、必要に応じて、前記混合物との相溶性(miscibility)及び前記混合物の安定性等を向上する作用等の点でより優れている冷凍機油を適宜選択することができる。
冷凍機油の基油としては、例えば、ポリアルキレングリコール(PAG)、ポリオールエステル(POE)及びポリビニルエーテル(PVE)からなる群より選択される少なくとも一種が好ましい。
冷凍機油は、基油に加えて、さらに添加剤を含んでいてもよい。添加剤は、酸化防止剤、極圧剤、酸捕捉剤、酸素捕捉剤、銅不活性化剤、防錆剤、油性剤及び消泡剤からなる群より選択される少なくとも一種であってもよい。
冷凍機油として、40℃における動粘度が5〜400 cStであるものが、潤滑の点で好ましい。
本開示の冷凍機油含有作動流体は、必要に応じて、さらに少なくとも一種の添加剤を含んでもよい。添加剤としては例えば以下の相溶化剤等が挙げられる。
3.2 相溶化剤
本開示の冷凍機油含有作動流体は、相溶化剤として、一種を単独で含有してもよいし、二種以上を含有してもよい。
相溶化剤としては、特に限定されず、一般に用いられる相溶化剤の中から適宜選択することができる。
相溶化剤としては、例えば、ポリオキシアルキレングリコールエーテル、アミド、ニトリル、ケトン、クロロカーボン、エステル、ラクトン、アリールエーテル、フルオロエーテルおよび1,1,1-トリフルオロアルカン等が挙げられる。相溶化剤としては、ポリオキシアルキレングリコールエーテルが特に好ましい。
4.冷凍機の運転方法
本開示の冷凍機の運転方法は、本開示の冷媒を用いて冷凍機を運転する方法である。
具体的には、本開示の冷凍機の運転方法は、本開示の冷媒を冷凍機において循環させる工程を含む。
とりわけ、本開示の冷媒Bを用いて冷凍機を運転する方法としては、冷凍機として空調機器、冷蔵庫、冷凍庫、冷水機、製氷機、冷蔵ショーケース、冷凍ショーケース、冷凍冷蔵ユニット、冷凍冷蔵倉庫用冷凍機、車載用空調機器、ターボ冷凍機又はスクリュー冷凍機を使用する方法が好ましい。本開示の冷媒Bを用いて冷凍機を運転する方法としては、車載用空調機器を運転する方法が特に好ましい。
本開示の冷媒Bを用いて冷凍機を運転する方法としては、ガソリン車、ハイブリッド自動車、プラグインハイブリット自動車、電気自動車、水素自動車、燃料電池車などの自動車の冷凍装置を運転する方法が好ましい。これらの中でも、本開示の冷媒Bを用いて、エンジン排熱を利用できない電気自動車の冷凍装置を運転する方法が特に好ましい。
以上、実施形態を説明したが、特許請求の範囲の趣旨及び範囲から逸脱することなく、形態や詳細の多様な変更が可能なことが理解されるであろう。
以下に、実施例を挙げてさらに詳細に説明する。ただし、本開示は、これらの実施例に限定されるものではない。
HFO-1132(E)及びR1234zeを、これらの総和を基準として、表1〜5に示した質量%で混合した混合冷媒を調製した。
R404A(R125=44%/R143A=52%/R134A=4%)及び上記混合冷媒のGWPは、IPCC(Intergovernmental Panel on Climate Change)第4次報告書の値に基づいて評価した。HFO-1132(E)のGWPは記載がないが、HFO-1132a(GWP=1以下)、HFO-1123(GWP=0.3,特許文献1に記載)から、そのGWPを1と想定した。R404A及び上記混合冷媒の冷凍能力は、National Institute of Science and Technology(NIST)Reference Fluid Thermodynamic and Transport Properties Database(Refprop 9.0)を使い、下記条件で混合冷媒の冷凍サイクル理論計算を実施することにより求めた。
これらの各混合冷媒について、R404Aを基準とするCOP比及び冷凍能力比をそれぞれ求めた。計算条件は以下の通りとした。
蒸発温度:表に示す値
凝縮温度:40℃
過熱度:-20K
過冷却度;0K
圧縮機効率 70%
これらの値を、各混合冷媒についてのGWPと合わせて表1に示す。なお、比COP及び比冷凍能力については、R404Aに対する割合を示す。
成績係数(COP)は、次式により求めた。
COP =(冷凍能力又は暖房能力)/消費電力量
Figure 2021169598
燃焼速度試験は図1に示す装置を用いて、以下の通り行った。まず、使用した混合冷媒は99.5%またはそれ以上の純度とし、真空ゲージ上に空気の痕跡が見られなくなるまで凍結、ポンピング及び解凍のサイクルを繰り返すことにより脱気した。燃焼速度は、閉鎖法により測定した。初期温度は周囲温度とした。点火は、試料セルの中心で電極間に電気的スパークを生じさせることにより行った。放電の持続時間は1.0〜9.9msとし、点火エネルギーは典型的には約0.1〜1.0Jであった。火炎の伝搬状態はシュリーレン法により視覚化した。光を通す2つのアクリル窓を備えた円筒形容器(内径:155mm、長さ:198mm)を試料セルとして用い、光源としてはキセノンランプを用いた。炎のシュリーレン画像を高速デジタルビデオカメラで600fpsのフレーミング速度で記録し、PCに保存した。
燃焼速度(Su(cm/s))は、単位面積の火炎面が単位時間に消費する未燃ガスの体積で表され、以下の式より算出される。
Su=Sb*ρu/ρb
Sb;火炎伝搬速度(cm/s)
ρu;断熱火炎温度(未燃)
ρb;断熱火炎温度(既燃)
ここで、Sbはシュリーレンビデオ画像から求め、ρuは測定温度、ρbは燃焼ガスの燃焼熱及び定圧比熱から算出した。
結果を表2に示す。
Figure 2021169598
次に、蒸発温度を変えながら性能を評価した。結果を表3に示す。
Figure 2021169598
これらの結果から、混合冷媒において、HFO-1132(E)及びR1234zeの総量に対して、HFO-1132(E)の含有割合は35.3〜72.0質量%であり、R1234zeの含有割合が64.7〜28.0質量%である場合、本開示の冷媒は、WCF微燃性となり、GWPが4以下となり、また、蒸発温度が-60℃以上となるとき、R404Aを基準とする冷凍能力比が70%以上となることが判る。
また、このとき、蒸発温度が5℃以下である冷凍サイクルを運転するために用いた場合、本開示の冷媒は圧縮比が2.5以上となることも判る。
さらに、このとき、蒸発温度が-60℃以上である冷凍サイクルを運転するために用いた場合、混合冷媒は蒸発圧力が0.02MPa以上となることも判る。
また、混合冷媒において、HFO-1132(E)及びR1234zeの総量に対して、HFO-1132(E)の含有割合が35.3〜38.4質量%であり、R1234zeの含有割合が64.7〜61.6質量%であるとき、混冷媒は、ASHRAE微燃性となり、GWPが4以下となり、R404Aを基準とする冷凍能力比が70%以上となることが判る。
上記と同様にして、表4に示す組成物についても評価を行なった。
Figure 2021169598
表4の結果より、これらの混合冷媒は、HFO-1132Eが14.1%以上のときにR134aと冷凍能力が同等となることが判る。また、HFO-1132Eが22.7%以上のときに沸点が-40℃以下、35.3%以上のときに-44℃以下となることも判る。さらに、HFO-1132Eが38.4%以下のときにASHRAE 2L区分以下となることも判る。これらの結果より、HFO-1132Eが14.1%〜38.4%の間では、HFO-1132E濃度が高いほど、R134a代替え冷媒としては有望であるといえる。
1:試料セル
2:高速カメラ
3:キセノンランプ
4:コリメートレンズ
5:コリメートレンズ
6:リングフィルター

Claims (24)

  1. 冷媒を含む組成物であって、前記冷媒が、トランス−1,2−ジフルオロエチレン(HFO-1132(E))及び1,3,3,3−テトラフルオロプロペン(R1234ze)を含む、組成物。
  2. 前記冷媒において、
    HFO-1132(E)及びR1234zeの総量に対して、
    HFO-1132(E)の含有割合が35.3〜72.0質量%であり、
    R1234zeの含有割合が64.7〜28.0質量%である、
    請求項1に記載の組成物。
  3. 前記冷媒において、
    HFO-1132(E)及びR1234zeの総量に対して、
    HFO-1132(E)の含有割合が35.3〜38.4質量%であり、
    R1234zeの含有割合が64.7〜61.6質量%である、
    請求項1に記載の組成物。
  4. さらに、冷凍機油を含有し、冷凍機用作動流体として用いられる、請求項1〜3のいずれか一項に記載の組成物。
  5. 蒸発温度が-60〜5℃である冷凍サイクルを運転するために用いられる、請求項1〜4のいずれか一項に記載の組成物。
  6. R404Aの代替冷媒として用いられる、請求項1〜5のいずれか一項に記載の組成物。
  7. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の組成物の、R404Aの代替冷媒としての使用。
  8. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の組成物を作動流体として含む、冷凍機。
  9. 蒸発温度が-60〜5℃である冷凍サイクルを有する、請求項8に記載の冷凍機。
  10. 冷凍機の運転方法であって、
    請求項1〜4のいずれか一項に記載の組成物を作動流体として冷凍機において循環させる工程を含む、方法。
  11. 前記冷凍機が、蒸発温度が-60〜5℃である冷凍サイクルを有する、請求項10に記載の方法。
  12. 前記冷媒において、
    HFO-1132(E)及びR1234zeの総量に対して、
    HFO-1132(E)の含有割合が14.1〜38.4質量%であり、
    R1234zeの含有割合が85.9〜61.6質量%である、
    R134a、2,3,3,3−テトラフルオロプロペン(R1234yf)及びCO2(R744)からなる群より選択される少なくとも一種の冷媒の代替冷媒として用いられる、請求項1に記載の組成物。
  13. 前記冷媒において、
    HFO-1132(E)及びR1234zeの総量に対して、
    HFO-1132(E)の含有割合が22.7〜38.4質量%であり、
    R1234zeの含有割合が77.3〜61.6質量%である、
    R134a、R1234yf及びCO2からなる群より選択される少なくとも一種の冷媒の代替冷媒として用いられる、請求項1に記載の組成物。
  14. 前記冷媒において、
    HFO-1132(E)及びR1234zeの総量に対して、
    HFO-1132(E)の含有割合が35.3〜38.4質量%であり、
    R1234zeの含有割合が64.7〜61.6質量%である、
    R134a、R1234yf及びCO2からなる群より選択される少なくとも一種の冷媒の代替冷媒として用いられる、請求項1に記載の組成物。
  15. R134aの代替冷媒として用いられる、請求項12〜14のいずれか一項に記載の組成物。
  16. さらに、冷凍機油を含有し、冷凍機用作動流体として用いられる、請求項1〜3及び請求項12〜15のいずれか一項に記載の組成物。
  17. 空調機器、冷蔵庫、冷凍庫、冷水機、製氷機、冷蔵ショーケース、冷凍ショーケース、冷凍冷蔵ユニット、冷凍冷蔵倉庫用冷凍機、車載用空調機器、ターボ冷凍機又はスクリュー冷凍機における作動流体として用いられる、請求項12〜16のいずれか一項に記載の組成物。
  18. 車載用空調機器における作動流体として用いられる、請求項12〜16のいずれか一項に記載の組成物。
  19. 請求項12〜16のいずれか一項に記載の組成物を作動流体として含む、冷凍機。
  20. 空調機器、冷蔵庫、冷凍庫、冷水機、製氷機、冷蔵ショーケース、冷凍ショーケース、冷凍冷蔵ユニット、冷凍冷蔵倉庫用冷凍機、車載用空調機器、ターボ冷凍機又はスクリュー冷凍機である、請求項19に記載の冷凍機。
  21. 車載用空調機器である、請求項19に記載の冷凍機。
  22. 冷凍機の運転方法であって、
    請求項12〜16のいずれか一項に記載の組成物を作動流体として冷凍機において循環させる工程を含む、方法。
  23. 前記冷凍機が、空調機器、冷蔵庫、冷凍庫、冷水機、製氷機、冷蔵ショーケース、冷凍ショーケース、冷凍冷蔵ユニット、冷凍冷蔵倉庫用冷凍機、車載用空調機器、ターボ冷凍機又はスクリュー冷凍機である、請求項22に記載の方法。
  24. 前記冷凍機が、車載用空調機器である、請求項22に記載の方法。
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