JP2021165014A - 成形システム、異常予測装置、異常予測方法、プログラム及び学習済みモデル - Google Patents

成形システム、異常予測装置、異常予測方法、プログラム及び学習済みモデル Download PDF

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Abstract

【課題】バリの状態をより正確に予測する。【解決手段】成形装置と、前記成形装置により成形される成型品の異常を予測する異常予測装置と、を備える成形システムであって、前記成形装置は、複数の金型を組み合わせた状態で、複数の前記金型を締め付ける型締め部と、複数の前記金型を締め付けることで複数の前記金型の間に形成されるキャビティへ溶融状態の成形材料を充填する充填動作と、前記キャビティに充填された前記成形材料の圧力を保持する保圧動作と、前記成形材料の圧力の保持を解除する保圧解除動作と、を行う射出部と、前記キャビティ内の前記成形材料の圧力を検出する圧力センサと、を有し、前記異常予測装置は、前記圧力センサにより検出された圧力の時系列データに基づいて、前記保圧解除動作後の前記成形材料の圧力の変化に関する評価値を取得するデータ取得部と、前記評価値に基づいて、前記成型品のバリの状態を予測するための予測情報を取得する異常予測部と、を有する。【選択図】 図1

Description

本発明は、成形システム、異常予測装置、異常予測方法、プログラム及び学習済みモデルに関する。
複数の金型の間に形成されるキャビティへ成形材料を溶融させた融液を供給して成型品を成形する射出成形装置が知られている。成型品の不良として、例えばバリが挙げられる。バリが発生すると、成型品の外観を損ねるだけでなく、成型品の性能に影響を及ぼす場合もある。このため、現在は目視による成型品の検査を行っている。
特許文献1には、オペレータがバリの発生に関して現在の射出条件の適否を判断するために、圧力センサにより検出された金型内の圧力の経時変化を示す曲線と、バリが吹く目安となる圧力であるバリ吹き限界曲線とを表示部に描画する技術が開示されている。バリ吹き限界曲線は、実験によって各種の値を取得することで描画することができる曲線である。
特開2019−13933公報
特許文献1に係るバリ吹き限界曲線は、成形条件ごとに異なる曲線となる。成形条件には、金型の形状、成形材料の種類・粘度・温度、成形材料(融液)に印加する圧力、成形環境(室温、湿度)などが含まれ、多岐にわたる。このため、特許文献1に係る技術に基づいてバリの発生を判断するためには、成形条件ごとにバリ吹き限界曲線を用意する必要がある。また、実際の成形条件が、バリ吹き限界曲線の基礎となる条件から外れると、バリが発生しているのにバリ吹き限界曲線よりも実際の圧力が低くなる等して、バリの発生を正確に判断できない場合がある。
そこで、本発明は、より正確にバリの状態を予測するための成形システム、異常予測装置、異常予測方法、プログラム及び学習済みモデルを提供することを目的とする。
(1) 本発明の成形システムは、成形装置と、前記成形装置により成形される成型品の異常を予測する異常予測装置と、を備える成形システムであって、前記成形装置は、複数の金型を組み合わせた状態で、複数の前記金型を締め付ける型締め部と、複数の前記金型を締め付けることで複数の前記金型の間に形成されるキャビティへ溶融状態の成形材料を充填する充填動作と、前記キャビティに充填された前記成形材料の圧力を保持する保圧動作と、前記成形材料の圧力の保持を解除する保圧解除動作と、を行う射出部と、前記キャビティ内の前記成形材料の圧力を検出する圧力センサと、を有し、前記異常予測装置は、前記圧力センサにより検出された圧力の時系列データに基づいて、前記保圧解除動作後の前記成形材料の圧力の変化に関する評価値を取得するデータ取得部と、前記評価値に基づいて、前記成型品のバリの状態を予測するための予測情報を取得する異常予測部と、を有する、成形システムである。
発明者らは、鋭意研究の結果、保圧解除動作後のキャビティ内の圧力が、正常時(バリ非発生時)には単調減少する一方で、バリ発生時には圧力が一瞬だけ増加、非減少、又は減少の程度が小さくなる(圧力の傾きが一瞬だけ大きくなる)ことを発見した。すなわち、保圧解除動作後の成形材料の圧力の変化に着目すれば、バリの状態を予測することができることを発見した。そこで、本発明に係る成形システムは、保圧解除動作後の成形材料の圧力の変化に基づいて、バリの状態を予測するための予測情報を取得する。このような構成により、様々な成形条件ごとに基準となる曲線を用意する必要がなく、予測対象となる1つの圧力情報からバリの状態を予測することが可能となる。これにより、より正確にバリの状態を予測することができる。
(2) 好ましくは、前記異常予測部は、前記評価値と前記成型品のバリの状態との相関関係を機械学習させた学習済みモデルへ前記評価値を入力することで、前記予測情報を取得し、前記学習済みモデルの説明変数は、前記評価値を含み、前記学習済みモデルの目的変数は、前記成型品のバリの状態であり、前記バリの状態は、前記バリの有無、又は前記バリの大きさを含む。
このように構成することで、成形条件にばらつきがある状態であっても、より正確にバリの状態を予測することができる。
(3) 好ましくは、前記成形装置は、前記成形材料の温度を検出する温度センサをさらに有し、前記学習済みモデルの前記説明変数は、前記温度センサにより検出された温度に関する第2評価値を含み、前記異常予測部は、前記学習済みモデルへ前記評価値及び前記第2評価値を入力することで、前記予測情報を取得する。
保圧解除動作後の成形材料の圧力の変化は、成形材料の温度にも依存する。成形材料の温度が高いほど、成形材料の粘度が低く、成形材料が流動しやすくなる。このため、成形材料の温度が高いほど、バリ発生時の圧力の変化が短時間のうちに急峻に生じやすくなる。成形材料の温度に関する第2評価値を説明変数に含むことで、上記の相関関係が組み込まれた学習済みモデルとすることが可能となり、より正確にバリの状態を予測することができる。
(4) 好ましくは、前記異常予測部は、前記成型品の正常成形時に取得される前記評価値に基づいて生成される基準値よりも、予測対象となる前記成型品の成形時に取得される前記評価値が大きくなる場合に、前記予測対象となる前記成型品にバリが発生していることを示す前記予測情報を取得する。このように構成することで、基準値と評価値との比較により、バリの状態を容易に予測することができる。
(5) 好ましくは、前記データ取得部は、前記保圧解除動作後の前記時系列データに基づいて得られる圧力の傾きの第2時系列データに基づいて、前記評価値を取得し、前記評価値は、前記第2時系列データにおける前記傾きの最大値、又は前記第2時系列データのうち前記傾きが0以上となる領域の幅である。このように構成することで、時系列データから容易に評価値を取得することができる。
(6) 好ましくは、前記データ取得部は、前記保圧解除動作後の前記時系列データの極小における圧力と極大における圧力との差、又は前記極小における圧力から前記極大における圧力への変化率を、前記評価値として取得する。このように構成することで、時系列データから容易に評価値を取得することができる。
(7) 本発明に係る異常予測装置は、成形装置により成形される成型品の異常を予測する異常予測装置であって、前記成形装置は、複数の金型を組み合わせた状態で、複数の前記金型を締め付ける型締め部と、複数の前記金型を締め付けることで複数の前記金型の間に形成されるキャビティへ溶融状態の成形材料を充填する充填動作と、前記キャビティに充填された前記成形材料の圧力を保持する保圧動作と、前記成形材料の圧力の保持を解除する保圧解除動作と、を行う射出部と、前記キャビティ内の前記成形材料の圧力を検出する圧力センサと、を有し、前記異常予測装置は、前記圧力センサにより検出された圧力の時系列データに基づいて、前記保圧解除動作後の前記成形材料の圧力の変化に関する評価値を取得するデータ取得部と、前記評価値に基づいて、前記成型品のバリの状態を予測するための予測情報を取得する異常予測部と、を備える、異常予測装置である。
本発明に係る異常予測装置は、保圧解除動作後の成形材料の圧力の変化に基づいて、バリの状態を予測するための予測情報を取得する。このような構成により、様々な成形条件ごとに基準となる曲線を用意する必要がなく、予測対象となる1つの圧力情報からバリの状態を予測することが可能となる。これにより、より正確にバリの状態を予測することができる。
(8) 本発明に係る異常予測方法は、複数の金型を組み合わせた状態で、複数の前記金型を締め付ける型締め工程と、前記型締め工程により複数の前記金型の間に形成されるキャビティへ溶融状態の成形材料を充填する充填工程と、前記キャビティに充填された前記成形材料の圧力を保持する保圧工程と、前記成形材料の圧力の保持を解除する保圧解除工程と、を備える成形方法により成形される成型品の異常を予測する異常予測方法であって、前記キャビティ内の前記成形材料の圧力を検出する圧力センサにより検出された圧力の時系列データに基づいて、前記保圧解除工程後の前記成形材料の圧力の変化に関する評価値を取得するデータ取得工程と、前記評価値に基づいて、前記成型品のバリの状態を予測するための予測情報を取得する異常予測工程と、を備える、異常予測方法である。
本発明に係る異常予測方法は、保圧解除動作後の成形材料の圧力の変化に基づいて、バリの状態を予測するための予測情報を取得する。このような構成により、様々な成形条件ごとに基準となる曲線を用意する必要がなく、予測対象となる1つの圧力情報からバリの状態を予測することが可能となる。これにより、より正確にバリの状態を予測することができる。
(9) 本発明に係るプログラムは、複数の金型を組み合わせた状態で、複数の前記金型を締め付ける型締め工程と、前記型締め工程により複数の前記金型の間に形成されるキャビティへ溶融状態の成形材料を充填する充填工程と、前記キャビティに充填された前記成形材料の圧力を保持する保圧工程と、前記成形材料の圧力の保持を解除する保圧解除工程と、を備える成形方法により成形される成型品の異常を予測するためのプログラムであって、前記キャビティ内の前記成形材料の圧力を検出する圧力センサにより検出された圧力の時系列データに基づいて、前記保圧解除工程後の前記成形材料の圧力の変化に関する評価値を取得するデータ取得処理と、前記評価値に基づいて、前記成型品のバリの状態を予測するための予測情報を取得する異常予測処理と、をコンピュータ装置に実行させる、プログラムである。
本発明に係るプログラムを実行すれば、保圧解除動作後の成形材料の圧力の変化に基づいて、バリの状態を予測するための予測情報を取得することができる。このような構成により、様々な成形条件ごとに基準となる曲線を用意する必要がなく、予測対象となる1つの圧力情報からバリの状態を予測することが可能となる。これにより、より正確にバリの状態を予測することができる。
(10) 本発明に係る学習済みモデルは、複数の金型を組み合わせた状態で、複数の前記金型を締め付ける型締め工程と、前記型締め工程により複数の前記金型の間に形成されるキャビティへ溶融状態の成形材料を充填する充填工程と、前記キャビティに充填された前記成形材料の圧力を保持する保圧工程と、前記成形材料の圧力の保持を解除する保圧解除工程と、を備える成形方法により成形される成型品の異常を予測するための学習済みモデルであって、説明変数は、前記キャビティ内の前記成形材料の圧力を検出する圧力センサにより検出された圧力の時系列データに基づいて取得される、前記保圧解除動作後の前記成形材料の圧力の変化に関する評価値を含み、目的関数は、前記成型品のバリの状態であり、前記バリの状態は、前記バリの有無、又は前記バリの大きさを含む、学習済みモデルである。
本発明に係る学習済みモデルは、説明関数を保圧解除動作後の成形材料の圧力の変化に関する評価値とし、目的関数を成型品のバリの状態としているため、学習済みモデルへ評価値を入力すれば、予測したバリの状態が出力される。これにより、保圧解除動作後の成形材料の圧力の変化に基づいて、バリの状態を予測することができる。このような構成により、様々な成形条件ごとに基準となる曲線を用意する必要がなく、予測対象となる圧力情報からバリの状態を予測することが可能となる。これにより、より正確にバリの状態を予測することができる。
本発明によれば、より正確にバリの状態を予測することができる。
第1実施形態に係る成形システムを模式的に示すブロック図である。 図1に係る成形装置を概念的に示す説明図である。 図1に係る成形装置を概念的に示す説明図である。 充填工程の終了時の様子を模式的に示す金型部の断面図である。 圧力及び圧力の傾きの時系列データを示すグラフの一例である。 成型品にバリが発生する場合の、充填工程の終了時の様子を模式的に示す金型部の断面図である。 成型品にバリが発生する場合の、保圧解除工程の様子を模式的に示す断面図である。 成型品にバリが発生する場合の、圧力及び圧力の傾きの時系列データを示すグラフの一例である。 第1実施形態に係る学習装置の機能構成を示すブロック図である。 第1実施形態に係る評価値について説明する説明図である。 第1実施形態に係る異常予測装置の機能構成を示すブロック図である。 第2実施形態に係る成形システムを模式的に示すブロック図である。 第2実施形態に係る異常予測装置の機能構成を示すブロック図である。 第2実施形態に係る評価値と注目基準値との比較を模式的に説明するグラフである。
<第1実施形態>
以下、本発明の第1実施形態を、図面を参照して説明する。
<成形システムの全体構成>
図1は、第1実施形態に係る成形システム10を模式的に示すブロック図である。成形システム10は、複数の成形装置20と、学習装置30と、異常予測装置40と、入力部50と、表示部60とを備える。
成形装置20、学習装置30、異常予測装置40、入力部50及び表示部60は、それぞれ無線又は有線により通信可能に設けられている。学習装置30及び異常予測装置40は、演算部(例えば、CPU、GPU等)と、記憶部(例えば、HDD、SSD等)とを有する情報処理装置(コンピュータ装置)により構成されている。学習装置30及び異常予測装置40は、同一の情報処理装置により構成されてもよいし、別々の情報処理装置により構成されてもよい。
本実施形態では複数の成形装置20が1個の学習装置30及び1個の異常予測装置40に接続され、学習装置30及び異常予測装置40は複数の成形装置20から送信される各種のデータに基づいて学習及び異常予測を行う。なお、成形装置20は学習装置30及び異常予測装置40と1対1で対応していてもよい。すなわち、成形システム10において、成形装置20は1個であってもよいし、学習装置30及び異常予測装置40は複数備えられていてもよい。
入力部50は、例えばキーボードやマウスであり、オペレータからの各種の入力を受付ける。表示部60は、例えばディスプレイやスピーカであり、成形システム10における各種の情報を表示する。入力部50及び表示部60は、例えばタッチパネルのように一体となっていてもよい。また、入力部50及び表示部60は、携帯型の端末装置として、成形装置20、学習装置30及び異常予測装置40から離れた場所に移動可能に設けられていてもよい。
<成形装置の概略構成>
図2及び図3は、成形装置20を概念的に示す説明図である。図2及び図3において、断面として示す部分にはハッチングを付す。成形装置20は、ベッド21と、射出部22と、型締め部23と、金型部24と、圧力センサ25と、温度センサ26と、制御盤27とを有する。図2は、金型部24が開放されている状態の成形装置20を示しており、図3は、金型部24が組み合わされている状態の成形装置20を示している。成形装置20は、型締め式の射出成形を行う装置である。
制御盤27は、制御部271と、通信部272とを有する。制御部271は成形装置20の各駆動部(モータ237等)と電気的に接続し、当該各駆動部へ動作指令を出力する。また、制御部271は成形装置20の各センサ(圧力センサ25等)と電気的に接続し、当該各センサにより検出された信号が制御部271へ入力される。制御部271は、演算部(例えば、CPU、GPU等)と、記憶部(例えば、HDD、SSD等)とを有する情報処理装置により構成されている。
通信部272は、成形システム10の他の各部(学習装置30等)と通信を行う。通信部272は、例えば、当該各センサにより検出された信号を学習装置30又は異常予測装置40へ送信する。また、通信部272は、後述の判定情報及び予測情報を異常予測装置40から受信する。
型締め部23は、固定盤231と、可動盤232と、タイバー233と、ボールねじ234と、支持盤235と、型締め力センサ236と、モータ237とを有する。固定盤231及び支持盤235は、ベッド21に固定されている。支持盤235はボールねじ234を支持している。ボールねじ234はモータ237と接続している。制御部271の動作指令によりモータ237が回転されると、ボールねじ234は移動する。ボールねじ234のうち、モータ237と接続されている端部とは反対側の端部には、可動盤232が固定されている。
ここで、成形装置20において、ボールねじ234が移動する方向を「軸方向」と称する。ボールねじ234に対してモータ237が位置する側を軸方向の「一方側」と称し、ボールねじ234に対して可動盤232が位置する側を軸方向の「他方側」と称する。
可動盤232は、ボールねじ234の移動に伴って、軸方向に移動する。可動盤232には、軸方向に貫通している貫通孔232aが形成されている。タイバー233は、軸方向一方側の端部が支持盤235に固定され、軸方向他方側の端部が固定盤231に固定されている。タイバー233は可動盤232の貫通孔232aに挿入されている。これにより、タイバー233は、可動盤232の軸方向の移動を案内する。
型締め力センサ236は、ボールねじ234から支持盤235に加えられる圧力(型締め力の反力)を検出する。型締め力センサ236は、圧力に関する検出信号を、制御部271に出力する。なお、型締め力センサ236は、後述の金型部24における型締め力を検出できる位置であれば、他の位置に設置されていてもよい。固定盤231には、軸方向他方側に径が広がる貫通孔231aが形成されている。貫通孔231aには、後述のシリンダ222が挿入される。
金型部24は、複数の金型241、242を有する。金型241は、可動盤232に固定されている。ボールねじ234が軸方向に移動すると、可動盤232とともに金型241も軸方向に移動する。すなわち、金型241は可動金型である。金型242は、固定盤231に固定されている。すなわち、金型242は固定金型である。金型242には、流路243が形成されている。
図3に示すように、ボールねじ234により金型241が軸方向他方側に移動し、金型241が金型242に接触すると(すなわち、複数の金型241、242が組み合わされると)、金型241、242の間にはキャビティC1(空間)が形成される。
射出部22は、ホッパ221と、シリンダ222と、スクリュ223と、ボールねじ225と、モータ226と、与圧センサ227と、ヒータ228とを有する。ホッパ221は、シリンダ222と接続しており、シリンダ222内に成形材料を供給する。シリンダ222は軸方向に延びる中空の円筒形状を有する部材である。シリンダ222の軸方向一方側の端部は、径方向一方側の最端に近づくにつれて径が狭くなっており、当該最端にはノズル224が設けられている。ノズル224は、金型242の流路243と接続している。
スクリュ223は、シリンダ222の軸方向他方側の端部からシリンダ222内に挿入されている。スクリュ223の軸方向他方側にはボールねじ225が接続されており、ボールねじ225の軸方向他方側にはモータ226が接続されている。制御部271の動作指令によりモータ226が回転すると、ボールねじ225は軸方向に移動する。これに伴いスクリュ223も軸方向に移動する。このとき、スクリュ223は、軸方向を中心軸とする周方向に回転する。
与圧センサ227は、ボールねじ225からモータ226へ加えられる圧力(スクリュ223の押込み力の反力)を検出する。与圧センサ227は、圧力に関する検出信号を、制御部271に出力する。なお、与圧センサ227は、スクリュ223の押込み力を検出できる位置であれば、他の位置に設置されていてもよい。
ヒータ228は、例えば抵抗線をコイル状に巻回した抵抗加熱ヒータである。ヒータ228は、制御部271の動作指令により当該抵抗線へ電流が流されることで、抵抗熱によりシリンダ222内を加熱する。
圧力センサ25は、金型241、242のうちキャビティC1に面する領域に設置されている。圧力センサ25は、キャビティC1内の圧力を検出する。特に、圧力センサ25は、キャビティC1内に供給された成形材料(溶融状態もしくは固化状態、又は溶融状態と固化状態とが混在した状態)の圧力を検出する。圧力センサ25は、圧力に関する検出信号を制御部271に出力する。本実施形態において、圧力センサ25は金型241、242の双方に、それぞれ複数個設置されている。しかしながら、圧力センサ25は、金型241、242の一方に1個のみ設置される構成であってもよい。
温度センサ26は、金型241に内蔵されており、金型241の温度を検出する。温度センサ26は、温度に関する検出信号を制御部271に出力する。なお、温度センサ26は、金型241のうちキャビティC1に面する領域に設置されてもよいし、金型242に設置されてもよい。また、温度センサ26は、シリンダ222内に設置されてもよい。すなわち、温度センサ26は、キャビティC1内に供給される成形材料の温度を直接的に又は間接的に検出することができればよい。
<成形装置による製造方法>
図2から図5を適宜参照しながら、成形装置20による成型品の製造方法について説明する。成形装置20による成型品の製造方法は、前工程ST1と、型締め工程ST2と、充填工程ST3と、保圧工程ST4と、保圧解除工程ST5と、離型工程ST6とが、この順で実行される。本実施形態において、成型品は、転がり軸受に用いられる樹脂製の保持器である。しかしながら、これは成型品の一例であり、本発明に係る成形装置により成形される成型品は、その他の形状及び用途の成型品であってもよい。
はじめに、前工程ST1が実行される。前工程ST1では、モータ226によりスクリュ223が回転し、ヒータ228によりシリンダ222内が加熱されている状態で、ホッパ221から成形材料のペレットがシリンダ222内へ供給される。成形材料のペレットは、スクリュ223の回転に伴う摩擦熱と、ヒータ228による加熱とにより、シリンダ222内において溶融し、溶融状態の成形材料L1となる。シリンダ222内に、所定量の成形材料L1が貯留されると、前工程ST1が終了する。
次に、型締め工程ST2が開始されると、図2の状態の成形装置20において、制御部271の動作指令によりボールねじ234が軸方向他方側に移動し、図3に示すように金型241を金型242に接触させる。このように金型241と金型242とを組み合わせた状態で、さらにボールねじ234が軸方向他方側へ所定の型締め力により金型241を金型242へ押さえつける。すなわち、複数の金型241、242を締め付ける。これにより、複数の金型241、242の間にキャビティC1が形成される。以上により、型締め工程ST2が終了する。
ここで、型締め力は、成形条件のひとつであり、金型241、242の形状等、その他の成形条件に応じて決定される。型締め力は、型締め力センサ236により検出される。
続いて、充填工程ST3が開始されると、上記の型締め力を維持している状態で、ボールねじ225が軸方向一方側へ移動する。これにより、スクリュ223が軸方向一方側へ成形材料L1を押し、シリンダ222のノズル224から金型242の流路243を介してキャビティC1へ成形材料L1が射出される(充填動作)。
図4は、充填工程ST3の終了時の様子を模式的に示す金型部24の断面図である。流路243は、ノズル224側に開口する第1開口部243aと、キャビティC1側に開口する第2開口部243bとを有する。本実施形態において、キャビティC1は環状に形成されている。図4に示すように、流路243からキャビティC1へ成形材料L1(より具体的には、溶融状態の成形材料)が供給され、キャビティC1内がすべて成形材料L1により充填されると、充填工程ST3が終了する。また、充填工程ST3において、溶融状態の成形材料L1は、金型241、242の表面付近から徐々に固化しながらキャビティC1内へ供給される。
続いて、保圧工程ST4が開始されると、スクリュ223がさらに軸方向一方側へ成形材料L1を押し、シリンダ222のノズル224からキャビティC1へ成形材料L1がさらに射出される。これにより、キャビティC1内に充填されている成形材料L1に所定の圧力Pt1(例えば、数十〜数百MPa)が印加される。そして、スクリュ223はこの状態を所定時間保持することで、所定の圧力を所定時間(例えば、数秒間)だけ成形材料L1に与え続ける(保圧動作)。スクリュ223がキャビティC1へ成形材料L1を押し出す圧力(与圧)は、与圧センサ227により検出される。
続いて、保圧解除工程ST5が開始されると、スクリュ223は軸方向他方側へ移動し、成形材料L1の圧力の保持を解除する(保圧解除動作)。保圧解除動作後、所定時間が経過してキャビティC1内の成形材料L1の圧力が所定値以下になると、保圧解除工程ST5が終了する。その後、離型工程ST6が開始されると、金型部24が冷却されることで、キャビティC1内の成形材料L1が完全に固化し、成型品が形成される。そして、ボールねじ234が軸方向一方側へ移動し、金型241が金型242から離れることで、成型品が取り出される。なお、金型部24の冷却は、保圧解除工程ST5と同時に開始されてもよい。
図5は、充填工程ST3、保圧工程ST4及び保圧解除工程ST5において、与圧センサ227及び圧力センサ25により検出される圧力の時系列データと当該圧力の傾きの時系列データを示すグラフの一例である。図5では、成型品がバリの発生なく成形された際に得られるグラフを示している。
図5(a)を参照する。図5(a)において、縦軸は圧力Pであり、横軸は時間tである。破線により示すグラフ線F1は、与圧センサ227により検出された圧力の時系列データであり、スクリュ223がキャビティC1へ成形材料L1を押し出す圧力が表されている。実線により示すグラフ線F2は、圧力センサ25により検出された圧力の時系列データであり、キャビティC1内の成形材料L1(溶融状態及び固化状態の少なくとも一方を含む状態)の圧力が表されている。
図5(a)に示すように、与圧(グラフ線F1)は、充填工程ST3において0から圧力Pt1まで上昇し、保圧工程ST4において圧力Pt1に所定時間保持され、保圧解除工程ST5において圧力Pt1から低下する。保圧解除工程ST5は、時点X1から開始される。すなわち、保圧解除動作は、時点X1に実行される。キャビティC1内の成形材料L1の圧力(グラフ線F2)は、時点X1の後、単調減少する。
図5(b)を参照する。図5(b)において、縦軸は圧力の傾き(dP/dt)であり、横軸は時間tである。図5(b)は、時点X1の後におけるグラフ線F2を時間微分することで取得される圧力の傾きのグラフ線F2aを示している。すなわち、グラフ線F2aは、キャビティC1内の成形材料L1の圧力の変化を表すグラフである。時点X1の後、グラフ線F2は単調減少するため、グラフ線F2aは0より小さい値となる。
<バリの発生時の圧力変化の説明>
成型品にバリが発生する場合、キャビティC1内の成形材料L1の圧力の変化は、図5(b)のグラフ線F2aとは異なる挙動を示す。図6から図8を適宜参照しながら、成型品にバリが発生する場合のキャビティC1内の成形材料L1の圧力変化について説明する。
図6は、成型品にバリが発生する場合の、充填工程ST3の終了時の様子を模式的に示す金型部24の断面図である。図6の例では、下部に拡大して示すように、金型241と金型242の間に異物Fm1が挟まっている。このため、金型241と金型242の間には、キャビティC1の他に、意図しない隙間C2が形成されてしまう。また、キャビティC1の体積も、隙間C2が形成される幅W1分だけ図4の例よりも増えてしまう。そして、充填工程ST3においてキャビティC1及び隙間C2に成形材料L1が充填される。
図7は、成型品にバリが発生する場合の、保圧解除工程ST5の様子を模式的に示す断面図である。図7は、図6の拡大図と同じ領域を示している。保圧工程ST4において、成形材料L1に所定の圧力Pt1が保持されているとき、成形材料L1は金型241、242のキャビティC1及び隙間C2に露出している面(例えば、金型241の露出面241a)を押している。特に、バリが発生しない場合よりも隙間C2がある分だけ、成形材料L1が露出面241aを押す力は大きくなっている。
そして、保圧解除工程ST5により成形材料L1の圧力Pt1の保持が解除されると、成形材料L1が露出面241a等を押す力が弱まり、型締め部23の型締め力が当該押す力よりも強くなることで、図7の矢印AR1に示す方向に露出面241aが移動する。図7では、保圧工程ST4時の露出面241aの位置を二点鎖線により示し、保圧解除工程ST5後の露出面241aの位置を実線により示している。すなわち、保圧解除動作により、金型241がわずかに締まり、キャビティC1の体積が減少する。また、隙間C2の体積も減少する。これにより、保圧解除動作の直後、露出面241a付近の領域C1aにおける成形材料L1の密度は、保圧解除動作前よりも高くなる。この結果、圧力センサ25により検出される成形材料L1の圧力は、領域C1aにおける成形材料L1の密度が高くなった分だけ高くなる。
図8は、成型品にバリが発生する場合に、充填工程ST3、保圧工程ST4及び保圧解除工程ST5において、与圧センサ227及び圧力センサ25により検出される圧力の時系列データと当該圧力の傾きの時系列データを示すグラフの一例である。グラフの縦軸及び横軸は、図5の例と同様である。また、与圧センサ227により検出された圧力の時系列データであるグラフ線F1は、図5の例と同様である。
図8(a)において、実線により示すグラフ線F3は、圧力センサ25により検出された圧力の時系列データであり、キャビティC1内の成形材料L1の圧力が表されている。図8(a)中の矢印AR2により示すように、圧力センサ25により検出される成形材料L1の圧力は、保圧解除動作後(時点X1後)に一瞬だけ上昇している。すなわち、バリが発生する場合、保圧解除動作後のグラフ線F3は、非単調減少の傾向を示す。
図8(b)を参照する。図8(b)は、時点X1の後におけるグラフ線F3を時間微分することで取得される圧力の傾きのグラフ線F3aを示している。すなわち、グラフ線F3aは、キャビティC1内の成形材料L1の圧力の変化を表すグラフである。時点X1の後、グラフ線F3は一瞬だけ増加した後に単調減少するため、グラフ線F3aには0より大きい値を有する領域がある。
なお、図7に示す挙動が生じる場合であっても、保圧解除動作後のキャビティC1内の成形材料L1の圧力の減少の程度の方が、キャビティC1aにおける成形材料L1の密度の上昇の程度よりも大きい場合、図8(a)の矢印AR2に示す圧力の増加が生じない場合がある。このような場合であっても、保圧解除動作後において、バリが発生する場合の圧力の時系列データには、領域C1aにおける成形材料L1の密度の上昇がある分だけ、図5に示す圧力の時系列データと比べて、一瞬だけ圧力の減少が緩やかになる部分が生じる。すなわち、保圧解除動作後において、バリが発生する場合の圧力の傾きは、バリが発生しない場合の圧力の傾きと比べて、大きい値となる。
上記に説明したように、発明者らは、鋭意研究の結果、保圧解除動作後のキャビティC1内の成形材料L1の圧力が、正常時(バリ非発生時)には単調減少する一方で、バリ発生時には成形材料L1の圧力が一瞬だけ増加、非減少、又は減少の程度が小さくなる(圧力の傾きが一瞬だけ大きくなる)ことを発見した。すなわち、保圧解除動作後の成形材料L1の圧力の変化に着目すれば、バリの状態を予測できることを発見した。
そこで、本実施形態に係る成形システム10では、学習装置30において保圧解除動作後のキャビティC1内の成形材料L1の圧力の変化とバリの状態との相関関係を学習させた学習済みモデルTm1を生成し、異常予測装置40において学習済みモデルTm1と保圧解除動作後の成形材料L1の圧力の変化とに基づいて、バリの状態を予測するための予測情報を取得する。以下、学習装置30及び異常予測装置40について説明する。
<学習装置の説明>
図9は、本実施形態に係る学習装置30の機能構成を示すブロック図である。学習装置30は、訓練データ取得部31と、学習演算部32と、成形情報記憶部33と、学習済みモデル記憶部34とを有する。これらの各部は、CPU等の演算部とHDD等の記憶部とを有するコンピュータ装置により実現される。
成形情報記憶部33には、各種の成形情報が記憶されている。成形情報は、例えば各種の第1情報と第2情報とを対応付けしたテーブル形式の情報である。例えば、第1情報が金型の種類である場合、第2情報には金型の各種寸法、キャビティC1の体積が含まれる。第1情報が成形材料の種類又はロット番号である場合、第2情報には成形材料の物性(粘度、含有水分等)が含まれる。
訓練データ取得部31は、成形システム10の各部から訓練データに関する情報を取得する。訓練データは、後述の評価値と、第2評価値と、第3評価値と、成形情報と、バリ情報とを含む。また、訓練データは、型締め力センサ236及び与圧センサ227においてそれぞれ検出された圧力(型締め力及び与圧)を含む。
例えば、訓練データ取得部31は、圧力センサ25及び与圧センサ227においてそれぞれ検出された圧力に基づいて、保圧解除動作後の圧力の変化に関する評価値を取得する。また、訓練データ取得部31は、温度センサ26において検出された温度に関する第2評価値を取得する。また、訓練データ取得部31は、図示省略するその他のセンサ(例えば、湿度センサ)において検出された成形装置20の周辺及び内部の環境に関する第3評価値を取得する。
図10は、評価値について説明する説明図である。図10(a)は、圧力の傾きの時系列データを示すグラフである。図10(a)の縦軸は圧力の傾き(dP/dt)であり、横軸は時間tである。成型品を成形装置20により製造した際に、圧力センサ25により圧力の時系列データが取得される。そして、当該圧力の時系列データに基づいて、圧力の傾きの時系列データが取得される。
図4に示すように、圧力センサ25は複数設けられているため、成型品を1個製造すると、圧力の時系列データは複数取得される。本実施形態では、複数の圧力センサ25によりそれぞれ取得される複数の圧力の時系列データから、それぞれ複数の圧力の傾きの時系列データを取得し、それぞれ複数の評価値を取得する。以下の説明では、複数の圧力センサ25のうち、1個の圧力センサ25により得られる圧力の時系列データに着目して説明する。なお、複数の圧力センサ25によりそれぞれ取得される複数の圧力の時系列データについて平均値を求めた後、平均圧力の傾きの時系列データと、1個の評価値を取得するように構成してもよい。
図10(a)には、3個の成型品を成形した際に取得される圧力の傾きの時系列データの一例を示している。グラフ線F31(実線)、グラフ線F32(二点鎖線)及びグラフ線F33(破線)は、いずれも成型品にバリが発生する場合の圧力の傾きに関するグラフであり、保圧解除動作後(時点X1後)の圧力の傾きのうち、傾きが0以上になる領域を拡大して示すグラフである。ここで、時点tにおける圧力の傾き(dP/dt)は、例えば、圧力の時系列データにおいて、時点tから時点(t+dt)までの圧力の変化量dPを、時間の変化量dtで除算することにより求められる。
評価値は、例えば圧力の傾きの最大値である。ある成型品を成形し、グラフ線F31が取得された場合、評価値はdP1となる。また、他のある成型品を成形し、グラフ線F32又はF33が取得された場合、評価値はdP2又はdP3となる。評価値は、訓練データ取得部31において、圧力の時系列データに基づいて演算することで取得される。
なお、評価値は、圧力の傾き(dP/dt)に限られず、圧力の変化量dPであってもよい。また、評価値は、図10(a)に示すように、グラフ線F31、F32、F33のそれぞれの半値全幅W1、W2、W3であってもよい。半値全幅W1は、グラフ線F31のうち圧力の傾きが最大値dP1の半分(dP1/2)となる時点の幅である。すなわち、評価値は、圧力の傾きが0以上となる領域の幅であってもよい。
また、図10(b)に示すように、評価値は、圧力の時系列データの所定の2点間の圧力差であってもよいし、所定の2点間の圧力の変化率であってもよい。図10(b)は、図8のグラフ線F3のうち、矢印AR2により示す領域を拡大して示すグラフである。図10(b)に示すように、成型品にバリが発生する場合、保圧解除動作(時点X1)後のグラフ線F3には極小(時点Xa、圧力P1)と、極大(時点Xb、圧力P2)が現れる。評価値は、極小における圧力P1と極大における圧力P2との差(P2−P1)であってもよい。また、評価値は、当該差(P2−P1)を極小と極大の時間差(Xb−Xa)により除算することで得られる圧力の変化率((P2−P1)/(Xb−Xa))であってもよい。すなわち、評価値は保圧解除動作後における圧力の変化を表す値であればよい。
図9を参照する。訓練データ取得部31は、入力部50にオペレータが入力する情報を取得する。オペレータが入力する情報は、例えば成型品のバリの状態に関するバリ情報や、成形情報記憶部33に記憶されている第1情報である。訓練データ取得部31は、入力部50に入力された第1情報に基づいて、成形情報記憶部33から当該第1情報に対応する第2情報を取得する。例えば、入力部50に成形材料のロット番号が入力された場合に、訓練データ取得部31は成形情報記憶部33から当該ロット番号に対応する成形材料の物性に関する情報を取得する。
バリ情報は、例えばバリの有無、バリの大きさ(例えば、バリの長さ、幅等)を数値化した情報(例えば、ダミー変数)である。バリの大きさは、バリの長さそのものを数値化してもよいし、バリの大きさの程度を数値化してもよい。例えば、バリの大きさの程度を大・中・小・無しの4グループに分け、ダミー変数を「大=3」、「中=2」、「小=1」、「無し=0」と割り当てることで、数値化してもよい。オペレータは、成形装置20により成形された成型品の外観を実際に検査することで、バリ情報を取得し、当該バリ情報を入力部50へ入力する。
学習演算部32は、訓練データに基づいて、教師あり機械学習を行う演算をすることで、評価値と成型品のバリの状態との相関関係をモデル化した学習済みモデルを生成する。本実施形態では、機械学習モデルとして、畳み込みニューラルネットワーク(CCN:Convolutional Neural Network)を用いるが、その他のモデルを用いてもよい。例えば、データのグループ分けに関するモデルである回帰木モデルであってもよい。
具体的には、評価情報を説明変数とし、成型品のバリの状態に関するバリ情報を目的関数とすることで、評価情報と成型品のバリの状態との相関関係をモデル化する。上記で説明したとおり、評価情報は、評価値(保圧解除動作後の圧力の変化に関する値)、第2評価値(温度に関する値)、第3評価値(湿度等に関する値)、成形情報(成形材料の粘度等)、型締め力及び与圧を含む。
学習演算部32により生成された学習済みモデルTm1は、学習済みモデル記憶部34に記憶される。学習済みモデル記憶部34に記憶された学習済みモデルTm1は、学習装置30に新たな情報が入力され、訓練データ取得部31において新たな訓練データが取得されると、当該訓練データの内容に応じて適宜更新される。また、学習済みモデルTm1は、学習装置30から後述の異常予測装置40へ送信され、異常予測装置40の学習済みモデル記憶部45にも記憶される。
<学習済みモデルの生成方法>
次に、学習装置30による学習済みモデルTm1の生成方法について説明する。学習済みモデルTm1の生成方法は、訓練データ取得工程と、学習演算工程とを備える。はじめに、訓練データ取得工程が開始されると、訓練データ取得部31は、訓練データを取得する。例えば、キャビティC1内の成形材料L1の圧力を検出する圧力センサ25により検出された圧力の時系列データに基づいて、保圧解除工程後の成形材料L1の圧力の変化に関する評価値を取得する。また、当該評価値が取得された成型品をオペレータが実際に検査することでバリ情報を取得する。次に、学習演算工程が開始されると、学習演算部32は、訓練データに基づいて学習済みモデルTm1を生成する。
<異常予測装置の説明>
図11は、本実施形態に係る異常予測装置40の機能構成を示すブロック図である。異常予測装置40は、データ取得部41と、異常予測部42と、出力部43と、成形情報記憶部44と、学習済みモデル記憶部45とを有する。これらの各部は、CPU等の演算部とHDD等の記憶部とを有するコンピュータ装置により実現される。演算部は、記憶部に記憶されているプログラムに基づいて、後述のデータ取得処理と、異常予測処理とを実行する。
成形情報記憶部44には、成形情報記憶部33と同様に、各種の第1情報と第2情報とを対応付けしたテーブル形式の成形情報が記憶されている。学習済みモデル記憶部45には、学習装置30により生成された学習済みモデルTm1が記憶されている。
成形情報記憶部44及び学習済みモデル記憶部45は、コンピュータ装置のうち、学習装置30の成形情報記憶部33及び学習済みモデル記憶部34と同じ記憶領域により実現されてもよいし、別の記憶領域により実現されてもよい。すなわち、学習装置30及び異常予測装置40が、同じ成形情報記憶部33及び学習済みモデル記憶部34を共有するように構成されてもよいし、学習装置30及び異常予測装置40がそれぞれ独立した成形情報記憶部33、44及び学習済みモデル記憶部34、45を有するように構成されてもよい。
データ取得部41は、成形システム10の各部から異常予測を行うための評価情報を取得するデータ取得処理を実行する。ここで、評価情報は、上記の学習装置30において取得する評価情報と同様である。すなわち、評価情報は、評価値(保圧解除動作後の圧力の変化に関する値)、第2評価値(温度に関する値)、第3評価値(湿度等に関する値)、成形情報(成形材料の粘度等)、型締め力及び与圧を含む。
例えば、データ取得部41は、圧力センサ25及び与圧センサ227においてそれぞれ検出された圧力に基づいて、保圧解除動作後の圧力の変化に関する評価値を取得する。評価値は、以上に説明した学習装置30の訓練データ取得部31において取得される評価値と同様の値である。すなわち、評価値は、保圧解除動作後の成形材料L1の圧力の変化に関する値である。
異常予測部42は、学習済みモデルTm1へ、データ取得部41により取得された評価情報を入力することで、成型品のバリの状態を予測するための予測情報を取得する異常予測処理を実行する。異常予測処理では、学習済みモデルTm1を生成する際に用いた目的変数に対応する情報が、予測情報として出力される。
例えば、目的変数が成型品のバリの大きさである場合、予測情報は、成型品のバリの大きさについて予測される確率を含む情報となる。より具体的には、予測情報は、例えば成型品のバリの長さについて、1mm以下である第1確率と、1mmより長く5mm以下である第2確率と、5mmより長い第3確率とを含む。一例として、学習済みモデルTm1へある評価情報を入力すると、学習済みモデルTm1は第1確率が10%、第2確率が10%、第3確率が80%である予測情報を出力する。
なお、予測情報は、バリの有無によって分類される確率の情報であってもよい。すなわち、目的変数が成型品のバリの有無である場合、予測情報は、バリがない第4確率と、バリがある第5確率となる。
出力部43は、異常予測部42において取得された予測情報に基づいて、成型品の良否を判定する。例えば、出力部43は、所定のしきい値と、上記の予測情報に基づいて、良否を判定する。所定のしきい値は、例えば許容されるバリの最大長さである。例えば、許容されるバリの最大長さが5mmである場合、上記の第1確率〜第3確率のうち、第3確率が最も高いときに、成型品が不良(バリ不良あり)であると判定する。
出力部43は、成型品の良否に関する判定情報と、予測情報とを表示部60及び制御部271に出力する。表示部60には、判定情報と、予測情報とが表示される。特に、成型品が不良であると判定されている場合には、表示部60のディスプレイにおいて赤などの強調色により判定情報を表示し、スピーカにおいてアラートを発報するように構成してもよい。
また、成型品が不良であると判定されている場合、制御部271の動作指令により、不良判定された成型品を成形した成形装置20を、金型部24が開放した状態で停止させるように構成してもよい。この場合、オペレータは表示部60によるアラート等に基づいて、金型部24を点検し、必要に応じて異物Fm1(図6)の除去処理を行う。
なお、本実施形態において、出力部43を設けずに、異常予測部42において得られた予測情報をそのまま表示部60に表示するように構成されてもよい。この場合、表示部60に表示された予測情報に基づいて、オペレータが成型品の良否や、成形装置20の状態を判断するようにしてもよい。
<異常予測装置による異常予測方法>
次に、異常予測装置40による異常予測方法を説明する。異常予測方法は、データ取得工程と、異常予測工程とを備える。データ取得工程が開始されると、データ取得部41は、評価情報を取得する。例えば、キャビティC1内の成形材料L1の圧力を検出する圧力センサ25により検出された圧力の時系列データに基づいて、保圧解除工程後の成形材料L1の圧力の変化に関する評価値を取得する。次に、異常予測工程が開始されると、異常予測部42は、評価値を含む評価情報に基づいて、成型品のバリの状態を予測するための予測情報を取得する。
<成形システムの作用・効果>
本実施形態に係る成形システム10は、保圧解除動作後の成形材料L1の圧力の変化に基づいて、バリの状態を予測するための予測情報を取得する。このような構成により、様々な成形条件ごとに基準となる曲線を用意する必要がなく、予測対象となる1つの圧力情報からバリの状態を予測することが可能となる。これにより、より正確にバリの状態を予測することができる。
また、本実施形態に係る成形システム10は、評価値と成型品のバリの状態との相関関係を機械学習させた学習済みモデルTm1へ評価値を入力することで、予測情報を取得する。ここで、学習済みモデルTm1の説明変数は、評価値を含み、学習済みモデルTm1の目的変数は、成型品のバリの状態(例えば、バリの有無、又はバリの大きさ)である。このように構成することで、成形条件にばらつきがある状態であっても、より正確にバリの状態を予測することができる。
また、保圧解除動作後の成形材料L1の圧力の変化は、成形材料L1の温度にも依存する。成形材料L1の温度が高いほど、成形材料L1の粘度が低く、成形材料L1が流動しやすくなる。このため、成形材料L1の温度が高いほど、バリ発生時の圧力の変化が短時間のうちに急峻に生じやすくなる。本実施形態に係る成形システム10は、成形材料L1の温度に関する第2評価値を説明変数に含むことで、上記の相関関係が組み込まれた学習済みモデルとすることが可能となり、より正確にバリの状態を予測することができる。
<第2実施形態>
以上、第1実施形態に係る成形システムを説明した。しかしながら、本発明の実施に関してはこれに限られず、種々の変形を行うことができる。以下、本発明の第2実施形態に係る成形システム11について、説明する。なお、以下の説明において、第1実施形態から変更のない部分については同じ符号を付し、説明を省略する。
図12は、第2実施形態に係る成形システム11を模式的に示すブロック図である。成形システム11は、複数の成形装置20と、異常予測装置40aと、入力部50と、表示部60とを備える。本実施形態において、成形システム11の異常予測装置40aは、評価値と所定の基準値とに基づいて、成型品のバリの状態を予測するための予測情報を取得する。すなわち、成形システム11は、学習済みモデルTm1を用いずに、評価値と基準値との比較によりバリの状態を予測する点で、第1実施形態に係る成形システム10と相違する。
図13は、本実施形態に係る異常予測装置40aの機能構成を示すブロック図である。異常予測装置40aは、データ取得部41と、異常予測部42aと、出力部43aと、成形情報記憶部44と、基準値記憶部46とを有する。これらの各部は、CPU等の演算部とHDD等の記憶部とを有するコンピュータ装置により実現される。データ取得部41は、第1実施形態に係るデータ取得部41と同様に、評価情報を取得する。
基準値記憶部46には、複数の基準値が記憶されている。基準値は、成型品が正常に成形された際に取得される評価値に基づいて生成される値である。基準値は、例えば、複数の成型品の正常成形時にそれぞれ取得される複数の評価値の平均値又は中央値に、所定のマージンを加えた値である。所定のマージンは、成型品において許容されるバリの最大長さ等により決定される。
基準値は、第2評価値ごとに、第3評価値ごとに、又は成形情報ごとに複数の値が用意されている。例えば、第2評価値(温度に関する値)が第1値未満のときには第1基準値、第2評価値が第1値以上第2値未満のときには第2基準値、第2評価値が第2値以上のときには第3基準値が用いられるようにしてもよい。基準値記憶部46には、例えば、第2評価値、第3評価値及び成形情報と、複数の基準値とを対応付けしたテーブル形式の情報が記憶されている。
異常予測部42aは、データ取得部41により取得された第2評価値、第3評価値及び成形情報に基づいて、基準値記憶部46に記憶されている複数の基準値から対応する基準値(以下、「注目基準値」と称する。)を取得する。そして、異常予測部42aは、データ取得部41により取得された評価値(すなわち、予測対象となる成型品の成形時に取得される評価値)と、注目基準値とを比較することで、予測情報を取得する。予測情報は、例えば、評価値と注目基準値との差、又は比である。
図6から図8において説明したように、バリが発生する場合、評価値(例えば、圧力の傾き)は、注目基準値よりも大きくなる傾向がある。このため、注目基準値よりも評価値が大きくなる場合、予測対象となる成型品にバリが発生していることが予測される。したがって、予測情報には、予測対象となる成型品にバリが発生しているか否かが示されている。
図14は、異常予測部42aにおける評価値と注目基準値との比較を模式的に説明するグラフである。図14において、縦軸は圧力の傾き(dP/dt)であり、横軸は時間tである。また、図14には注目基準値Th1を併せて示している。グラフ線F34、F35は、それぞれ予測対象となる成型品を成形した際に圧力センサ25により得られる圧力の時系列データに基づいて、データ取得部41により取得された圧力の傾きの時系列データである。
評価値が圧力の傾きの最大値である場合、図14の例では評価値はdP4、dP5となる。図14の例では、注目基準値Th1よりも評価値dP4の方が大きいため、グラフ線F34が取得された成型品には、バリが発生していることが予測される。一方、注目基準値Th1よりも評価値dP5の方が小さいため、グラフ線F35が取得された成型品には、バリが発生していない(又は、バリが発生しているとしても許容範囲内である)ことが予測される。
図13を参照する。出力部43aは、異常予測部42aにおいて取得された予測情報に基づいて、成型品のバリの状態の良否を判定する。例えば、予測情報が評価値と注目基準値との差(評価値−注目基準値)である場合、出力部43aは、予測情報が正の値である場合に、成型品のバリの状態が不良(異常)であると判定する。
出力部43aは、成型品のバリの良否に関する判定情報と、予測情報とを表示部60及び制御部271に出力する。表示部60及び制御部271は、判定情報及び予測情報に基づいて、第1実施形態と同様の動作を行う。
なお、本実施形態において、出力部43aを設けずに、異常予測部42aにおいて得られた予測情報をそのまま表示部60に表示するように構成されてもよい。この場合、表示部60に表示された予測情報に基づいて、オペレータが成型品の良否や、成形装置20の状態を判断するようにしてもよい。
本実施形態に係る成形システム11によれば、基準値と評価値との比較により、バリの状態を容易に予測することができる。
以上のとおり開示した実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではない。つまり、本発明の成形システムは、図示する形態に限られず、本発明の範囲内において他の形態であってもよい。
10、11 成形システム
20 成形装置 21 ベッド
22 射出部 221 ホッパ 222 シリンダ
223 スクリュ 224 ノズル 225 ボールねじ
226 モータ 227 与圧センサ 228 ヒータ
23 型締め部 231 固定盤 232 可動盤
233 タイバー 234 ボールねじ 235 支持盤
236 型締め力センサ 237 モータ 24 金型部
241 金型 241a 露出面 242 金型
243 流路 25 圧力センサ 26 温度センサ
27 制御盤 271 制御部 272 通信部
30 学習装置 31 訓練データ取得部 32 学習演算部
33 成形情報記憶部 34 学習済みモデル記憶部
40、40a 異常予測装置 41 データ取得部
42、42a 異常予測部 43、43a 出力部
44 成形情報記憶部 45 学習済みモデル記憶部
46 基準値記憶部 50 入力部 60 表示部
C1 キャビティ C1a 領域 C2 隙間
L1 成形材料 Fm1 異物 Tm1 学習済みモデル

Claims (10)

  1. 成形装置と、前記成形装置により成形される成型品の異常を予測する異常予測装置と、を備える成形システムであって、
    前記成形装置は、
    複数の金型を組み合わせた状態で、複数の前記金型を締め付ける型締め部と、
    複数の前記金型を締め付けることで複数の前記金型の間に形成されるキャビティへ溶融状態の成形材料を充填する充填動作と、前記キャビティに充填された前記成形材料の圧力を保持する保圧動作と、前記成形材料の圧力の保持を解除する保圧解除動作と、を行う射出部と、
    前記キャビティ中の前記成形材料の圧力を検出する圧力センサと、
    を有し、
    前記異常予測装置は、
    前記圧力センサにより検出された圧力の時系列データに基づいて、前記保圧解除動作後の前記成形材料の圧力の変化に関する評価値を取得するデータ取得部と、
    前記評価値に基づいて、前記成型品のバリの状態を予測するための予測情報を取得する異常予測部と、
    を有する、成形システム。
  2. 前記異常予測部は、前記評価値と前記成型品のバリの状態との相関関係を機械学習させた学習済みモデルへ前記評価値を入力することで、前記予測情報を取得し、
    前記学習済みモデルの説明変数は、前記評価値を含み、
    前記学習済みモデルの目的変数は、前記成型品のバリの状態であり、
    前記バリの状態は、前記バリの有無、又は前記バリの大きさを含む、
    請求項1に記載の成形システム。
  3. 前記成形装置は、前記成形材料の温度を検出する温度センサをさらに有し、
    前記学習済みモデルの前記説明変数は、前記温度センサにより検出された温度に関する第2評価値を含み、
    前記異常予測部は、前記学習済みモデルへ前記評価値及び前記第2評価値を入力することで、前記予測情報を取得する、
    請求項2に記載の成形システム。
  4. 前記異常予測部は、前記成型品の正常成形時に取得される前記評価値に基づいて生成される基準値よりも、予測対象となる前記成型品の成形時に取得される前記評価値が大きくなる場合に、前記予測対象となる前記成型品にバリが発生していることを示す前記予測情報を取得する、
    請求項1に記載の成形システム。
  5. 前記データ取得部は、前記保圧解除動作後の前記時系列データに基づいて得られる圧力の傾きの第2時系列データに基づいて、前記評価値を取得し、
    前記評価値は、前記第2時系列データにおける前記傾きの最大値、又は前記第2時系列データのうち前記傾きが0以上となる領域の幅である、
    請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の成形システム。
  6. 前記データ取得部は、前記保圧解除動作後の前記時系列データの極小における圧力と極大における圧力との差、又は前記極小における圧力から前記極大における圧力への変化率を、前記評価値として取得する、
    請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の成形システム。
  7. 成形装置により成形される成型品の異常を予測する異常予測装置であって、
    前記成形装置は、
    複数の金型を組み合わせた状態で、複数の前記金型を締め付ける型締め部と、
    複数の前記金型を締め付けることで複数の前記金型の間に形成されるキャビティへ溶融状態の成形材料を充填する充填動作と、前記キャビティに充填された前記成形材料の圧力を保持する保圧動作と、前記成形材料の圧力の保持を解除する保圧解除動作と、を行う射出部と、
    前記キャビティ中の前記成形材料の圧力を検出する圧力センサと、
    を有し、
    前記異常予測装置は、
    前記圧力センサにより検出された圧力の時系列データに基づいて、前記保圧解除動作後の前記成形材料の圧力の変化に関する評価値を取得するデータ取得部と、
    前記評価値に基づいて、前記成型品のバリの状態を予測するための予測情報を取得する異常予測部と、
    を備える、異常予測装置。
  8. 複数の金型を組み合わせた状態で、複数の前記金型を締め付ける型締め工程と、前記型締め工程により複数の前記金型の間に形成されるキャビティへ溶融状態の成形材料を充填する充填工程と、前記キャビティに充填された前記成形材料の圧力を保持する保圧工程と、前記成形材料の圧力の保持を解除する保圧解除工程と、を備える成形方法により成形される成型品の異常を予測する異常予測方法であって、
    前記キャビティ中の前記成形材料の圧力を検出する圧力センサにより検出された圧力の時系列データに基づいて、前記保圧解除工程後の前記成形材料の圧力の変化に関する評価値を取得するデータ取得工程と、
    前記評価値に基づいて、前記成型品のバリの状態を予測するための予測情報を取得する異常予測工程と、
    を備える、異常予測方法。
  9. 複数の金型を組み合わせた状態で、複数の前記金型を締め付ける型締め工程と、前記型締め工程により複数の前記金型の間に形成されるキャビティへ溶融状態の成形材料を充填する充填工程と、前記キャビティに充填された前記成形材料の圧力を保持する保圧工程と、前記成形材料の圧力の保持を解除する保圧解除工程と、を備える成形方法により成形される成型品の異常を予測するためのプログラムであって、
    前記キャビティ中の前記成形材料の圧力を検出する圧力センサにより検出された圧力の時系列データに基づいて、前記保圧解除工程後の前記成形材料の圧力の変化に関する評価値を取得するデータ取得処理と、
    前記評価値に基づいて、前記成型品のバリの状態を予測するための予測情報を取得する異常予測処理と、
    をコンピュータ装置に実行させる、プログラム。
  10. 複数の金型を組み合わせた状態で、複数の前記金型を締め付ける型締め工程と、前記型締め工程により複数の前記金型の間に形成されるキャビティへ溶融状態の成形材料を充填する充填工程と、前記キャビティに充填された前記成形材料の圧力を保持する保圧工程と、前記成形材料の圧力の保持を解除する保圧解除工程と、を備える成形方法により成形される成型品の異常を予測するための学習済みモデルであって、
    説明変数は、前記キャビティ中の前記成形材料の圧力を検出する圧力センサにより検出された圧力の時系列データに基づいて取得される、前記保圧解除動作後の前記成形材料からの圧力の変化に関する評価値を含み、
    目的変数は、前記成型品のバリの状態であり、
    前記バリの状態は、前記バリの有無、又は前記バリの大きさを含む、
    学習済みモデル。
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