JP2021160332A - 車両用窓材、車両用窓材の製造方法、及び車両用窓材の製造装置 - Google Patents

車両用窓材、車両用窓材の製造方法、及び車両用窓材の製造装置 Download PDF

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Abstract

【課題】より簡単な構成の位置決めマークを有し、車体への取り付け時に正確な位置決めが可能な樹脂製の車両用窓材を提供する。【解決手段】第1樹脂を含む透明板状部10と、前記透明板状部の周縁の少なくとも一部に沿って当該透明板状部の端面に接して設けられた車両用窓材100Aであって、第2樹脂と着色剤とを含む着色部20とを備え、前記透明板状部の周縁の車内面に凹部15A又は凸部が形成されている。【選択図】図2

Description

本発明は、車両用窓材、車両用窓材の製造方法、及び車両用窓材の製造装置に関する。
車両全体の軽量化等のために、車両窓に樹脂製窓材を用いることが知られている。このような樹脂窓材としては、例えば特許文献1に、透明樹脂から形成される板材と、透明樹脂及び無機ナノ粒子を含む複合樹脂から形成される枠材とを含み、枠材が板材の外周部の少なくとも一部と一体化された構成が記載されている。上記枠材は、強度向上という機能を有する他、特に暗色の着色剤を含有させた場合には、窓材を車両へ取り付ける際に用いられる接着剤等を保護又は遮蔽する部分(遮蔽部)として機能し得る。
ところで、窓材の材質に関わらず、車両用窓材を車両へ取り付ける際、車両用窓材を車両開口に対して正しく位置決めすること、或いは他部材(ワイパ、内装品等)を車両用窓材に対して正しく位置決めすることは重要である。そのため、例えば特許文献2に記載されているように、より正確な位置決めのために、車両用窓材の周縁に位置決めマークを付すことが知られている。
特開2009−234432号公報 特開2000−247144号公報
特許文献2に記載の窓材はガラス製であり、もともと周縁の遮蔽部として黒色セラミックスの印刷層(遮蔽層)を備えている。そして、位置決めマークは、このような黒色セラミックス印刷層の形成の際に小さな抜き部分(未印刷部分)を形成しておき、それを利用することで形成されている。未印刷部分はマスク等を利用して容易に形成できる。しかしながら、特許文献1に記載されているような板材と枠材とからなる樹脂製窓材の場合、例えば枠材の所定位置に部分的に着色剤を含まない小領域を形成する等して、ガラス製窓材と同様に抜き部分を形成するのは難しい。また、形成できたとしても形成プロセス又は構成が複雑になる可能性が高い。よって、樹脂製の車両用窓材においても、より簡単な構成の位置決めマークを備え、車両への取り付け時に正確な位置決めが可能な樹脂製の窓材が求められている。
よって、本発明の一態様は、より簡単な構成の位置決めマークを有し、車体への取り付け時に正確な位置決めが可能な樹脂製の車両用窓材を提供することを課題とする。
本発明の一態様による車両用窓材は、第1樹脂を含む透明板状部と、前記透明板状部の周縁の少なくとも一部に沿って当該透明板状部の端面に接して設けられた、第2樹脂と着色剤とを含む着色部とを備え、前記透明板状部の周縁の車内面に凹部又は凸部が形成されている。
本発明の一態様によれば、より簡単な構成の位置決めマークを有し、車体への取り付け時に正確な位置決めが可能な樹脂製の車両用窓材を提供する。
本発明の第1実施形態による車両用窓材の平面図を示す。 図1(a)の部分拡大図、断面図、及び断面図の部分拡大図を示す。 第1実施形態による車両用窓材の変形例を示す。 第1実施形態による車両用窓材の変形例を示す。 第1実施形態による車両用窓材の変形例を示す。 本発明の第2実施形態による車両用窓材の平面図の部分拡大図、及び断面図を示す。 第2実施形態による車両用窓材の変形例を示す。 本発明の第1実施形態による車両用窓材の製造方法を説明する図である。
以下、本発明の実施形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、各図面において、特に説明がない限り、同一の又は対応する構成については同一の符号を付して説明を省略する場合がある。また、図面は、発明の理解を助けるための模式的なものであり、図面における各部材の縮尺は実際とは異なる場合がある。
<第1実施形態>
図1に本発明の第1実施形態による車両用窓材100Aの平面図を概略的に示す。図1(a)は、車両用窓材100Aを車内側から見た図であり、図1(b)は、車外側から見た図である。また、図2(a)に、図1におけるI部分の拡大図を示し、図2(b)には、図2(a)におけるII−II線断面図を示す。図2(c)には、図2(b)のIII部分の拡大図を示す。
本形態による車両用窓材100Aは樹脂製若しくは有機ガラス製あり、ガラス製窓材に比べて軽量なため、リアウィンドウ、リアクォーターウィンドウ、フロントベンチ、又はルーフウィンドウとして好適に用いることができる。窓材の寸法は特に限定されないが、車両用窓材100Aの面積は、7500〜3,500,000mmであってよい。窓材が、図1に示すように平面視形状が略矩形状である場合には、一辺の長さを200〜2,000mmとすることができる。また、窓材の厚みとしては、3.0mm〜8.0mmであってもよい。車両用窓材100Aの平面視形状は、矩形に限られず、三角形、五角形等の四角形以外の多角形、円形、楕円形等の種々の形状であってよい。また、車両用窓材100Aは全体として湾曲していてもよい。その場合、曲率半径は、1000〜100,000mmであってよい。一方向にのみ曲げ加工された単曲曲げ形状を有していてもよいし、例えば直交する2方向に曲げ加工された複曲曲げ形状を有していてもよい。
車両用窓材100Aは、図1並びに図2に示すように、平面視での中央領域を占める透明板状部10と、透明板状部10の周縁に沿って設けられた着色部20とを有する。本明細書において、「透明」とは、JIS K7136に準拠して測定された1mm厚さの試料の曇価が、好ましくは5%以下、より好ましくは3%以下、さらに好ましくは1%以下であることを意味する。また、「着色」とは、透明でないこと、すなわち不透明であることを指す。着色部の色は特に限定されず、白色を含み得るが、車体への取り付け時に持ちられる接着剤等を保護・遮蔽する遮蔽部としての機能を高めるためには、黒色、灰色、茶色等が好ましく、明度が低い色が好ましい。
透明板状部10及び着色部20はいずれも樹脂製であり、すなわち樹脂を主として含む。透明板状部10は第1樹脂を含み、着色部20は第2樹脂及び着色剤を含む。ここで、第1樹脂及び第2樹脂は同じであってもよいし、異なっていてもよい。但し、第1樹脂及び第2樹脂が同じ樹脂を含んでいると、好ましくは第1樹脂及び第2樹脂が同じであると、透明板状部10と着色部20との接着性又は付着性が向上し、窓材の一体性が向上し得る。
第1樹脂又は第2樹脂の具体例としては、ポリスチレン樹脂、耐衝撃性ポリスチレン樹脂、水添ポリスチレン樹脂、ポリアクリルスチレン樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体樹脂(ABS樹脂)、アクリロニトリル−スチレン共重合体樹脂(AS樹脂)、アクリロニトリル−エチレン・プロピレンゴム−スチレン共重合体樹脂(AES樹脂)、アクリロニトリル−スチレン−アクリレート共重合体樹脂(ASA樹脂)、ポリアルキルメタクリレート樹脂、ポリメタクリルメタクリレート樹脂、ポリフェニルエーテル樹脂、ポリカーボネート樹脂、非晶性ポリアルキレンテレフタレート樹脂、ポリエステル樹脂、非晶性ポリアミド樹脂、ポリ−4−メチルペンテン−1、環状ポリオレフィン樹脂、または非晶性ポリアリレート樹脂等の熱可塑性樹脂、ポリエーテルスルホン、スチレン系熱可塑性エラストマー、オレフィン系熱可塑性エラストマー、ポリアミド系熱可塑性エラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、またはポリウレタン系熱可塑性エラストマーなどの熱可塑性エラストマーが挙げられる。上記樹脂は単独で又は2種以上組み合わせて、第1樹脂又は第2樹脂として使用できる。上記樹脂のうち、耐衝撃性、特に低温での耐衝撃性が高いことから、第1樹脂又は第2樹脂は、ポリカーボネート樹脂を含むことが好ましく、芳香族ポリカーボネート樹脂を含むことがより好ましい。
着色部20に含まれる着色剤も、透明性を低下させるものであれば特に限定されず、所望される色に応じて、樹脂の着色に一般に用いられる染料、顔料を使用できる。着色剤の具体例としては、カーボンブラック、酸化鉄、酸化チタン、カーボンチューブ、亜鉛華、鉛白、リトポン、硫酸バリウム、鉛丹、酸化鉄、黄鉛、亜鉛黄、ウルトラマリン等の無機顔料、シアニン系、アントラキノン系、キノリン系等の有機顔料が挙げられる。このうち、黒色の場合は、カーボンブラックを用いることが好ましい。着色部20中の着色剤の含有量は、着色部20中の第2樹脂100質量部に対し、好ましくは0.0001〜0.05質量部であってよい。
なお、透明板状部10及び着色部20はそれぞれ、各部の機能を妨げない量であれば、充填材、可塑剤、離型剤、熱安定剤、難燃剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、光拡散剤等の他成分を含有していてよい。
本形態による車両用窓材100Aは、多色射出成形(後に詳述)によって製造できる。例えば、透明板状部10を射出成形した後、着色部20を、透明板状部10と一体化されるよう射出成形できる。なお、少なくとも透明板状部10は、射出圧縮成形を利用して成形されると好ましい。
図1に示すように、着色部20は、透明板状部10の周縁に沿って設けられていてよい。図1の例では、着色部20は透明板状部10の全周縁に設けられているが、着色部20が設けられる範囲は透明板状部10の全周縁の一部であってもよい。但し、着色部20が全周縁の50%以上、好ましくは75%以上、さらに好ましくは90%以上に設けられていると、透明板状部10をより強く補強できるため、車両用窓材100Aの強度が向上し得る。さらに、着色部20が全周縁に沿って設けられていると、着色部20が透明板状部10全体を取り囲む枠として機能できるため、さらに好ましい。なお、本明細書において、透明板状部10の「周縁」とは、透明板状部10の端縁から20〜300mmまでの範囲の領域を指す。
図2に示すように、着色部20は透明板状部10の端面に接して、透明板状部10と一体的に設けられている。別言すれば、透明板状部10と着色部20とが面方向に少なくとも部分的に突き合わせられて形成されている。これにより、透明板状部10の周縁で少なくとも一方の主面に着色部20を積層させた構成と比べ、着色部20が透明板状部10の端面を保護し、透明板状部10を補強する効果が高まる。この補強効果は、図2に示す例のように、透明板状部10の端面全体に着色部20が接して一体化されていると、より一層高まる。
また、透明板状部10の延在範囲は、車外面11側と車内面12側とで異なっていてよい。例えば、図1に示すように、透明板状部10の車内面12における輪郭の位置(平面視での端面の位置)は、車外面11における輪郭の位置より面方向外方に位置している。特に図1に示すように、車内面12における透明板状部10の占める領域(図1(a))は、車外面11における透明板状部10の占める領域(図1(b))よりも大きくなっていてよい。
本形態による車両用窓材100Aにおいては、透明板状部10と着色部20とが、少なくとも車外面11において面一になっていると、好ましくは、図2(a)に示すように車外面11及び車内面12の両方において面一になっていると、審美性が高い。本形態は、透明板状部10と着色部20とを積層させるのではなく、上述のように透明板状部10の端面で突き合わされて形成されるので、面一の構造を形成することは比較的容易である。なお、「面一」とは、透明板状部10の表面と着色部20の表面とが滑らかに繋がっていることを指すが、両表面の高さの差が1mm以下であることも含む。
透明板状部10の端面は、車両用窓材100Aの厚み方向に対して平行な面であってもよいし、傾斜した面であってもよい。また、図2(b)に示すように、端面に段差が形成されていてもよい。別言すれば、車両用窓材100Aの厚み方向に沿った断面視での、透明板状部10と着色部20との境界線が、厚み方向に対して平行に延びていてもよいし、厚み方向に対して傾斜していてもよいし、又は図2(b)に示すように段状になっていてもよいし、或いは、これらが組み合わされた形状になっていてもよい。
但し、透明板状部10と着色部20との境界線の、車外面11から延びる部分(車外面11から開始する部分)は、厚み方向に平行であるか、又は厚み方向に対して傾斜していても、その傾斜角度α(図2(c))が0°超10°以下であると好ましい。このように、透明板状部10と着色部20との車外面11側での境界線が厚み方向にほぼ沿っていると、車両用窓材100Aを二色射出成形によって製造した場合、透明板状部10の成形後に着色部20の材料によるバリの発生を防止できる。
さらに、図1及び図2に示すように、透明板状部10の車内面12には、透明板状部10の周縁に凹部15Aが形成されている。この凹部15Aは、車両用窓材100Aを車体へ取り付ける際の位置決めマークとして、すなわち車体に対する車両用窓材100Aの位置決めのため、或いは車両用窓材100Aに対する外装部材若しくは内装部材の位置決めのための指標として利用できる。そのため、本形態によれば、車両製造の際の、車両用窓材100A及びその他の部材の取り付け精度が高められる。
凹部15Aが着色部20に形成されていた場合、着色部20の色によっては見えにくいことがある。これに対し、本形態では凹部15Aが透明板状部10に形成されているので(図1及び図2)、車両用窓材100Aの取り付け時に凹部15Aをより速やかに視認でき、車両の組み立てを迅速に行うことができる。また、凹部15Aが透明板状部10の周縁に形成されているので、車両用窓材100Aが取り付けられた車両において、搭乗者が車両用窓材100Aを通して車外を見た時に搭乗者の視界を妨げることはない。
凹部15Aは車内面12に設けられている。そのため、車外からより見えにくくなるので、車両用窓材100Aの審美性を向上させることができる。また、凹部15Aは、車両用窓材100Aに好ましくは2以上、より好ましくは3以上設けられていてよい。また、図1及び図2に示すように車両用窓材100Aの平面視形状が矩形である場合、2以上の凹部15Aのうち2つが向かい合う辺の周縁にそれぞれ設けられていることが好ましく、重心又は図心を通る直線上に設けられているとより好ましい。
凹部15Aは、透明板状部10の射出成形の際に形成してもよいし、透明板状部10又は車両用窓材100Aの成形後に、材料を切り欠くことによって形成してもよい。凹部15Aを透明板状部10の射出成形の際に形成する場合には、凹部15Aに対応する形状の突起pr(図8を参照して後述)を内面に備えた金型を用いて透明板状部10を射出成形してもよいし、凹部15Aに対応する形状の中子を金型の内面に配置して透明板状部10を射出成形してもよい。このように、所定位置への凹部15Aの形成は、特に射出成形によって車両用窓材100Aを製造した場合、比較的容易にできる。
車両用窓材100Aを上述の多色射出成形により形成する場合、最初に透明板状部10を射出成形又は射出圧縮成形し、その後、着色部20を射出成形又は射出圧縮成形できる。その場合、透明板状部10の成形が終了した後、着色部20を形成するために金型を変更する。この金型の変更の際、透明板状部10の成形に用いた金型対の一方の型を外し、他方の型に、成形された透明板状部10を配置したまま、新たな分割型を組み合わせ、着色部20成形用の金型対とすることができる。その場合、他方の型に対する透明板状部10の位置は変化しないことが好ましい。ここで、上記他方の型として、上述のような金型内面に突起を備えた金型を使用した場合、突起と透明板状部10との係合によって透明板状部10の成形終了時の位置を維持できるので、透明板状部10の位置ずれ、又は透明板状部10の離脱を防止できる。よって、凹部15Aを備えた車両用窓材100Aは、位置ずれの少ない又は位置ずれのない射出成形を行うことができるという製造上の利点も有する。
図1及び図2の例では、凹部15Aの平面視形状(透明板状部10の車内面12側から見た形状)は円形となっている。しかし、凹部15Aの形状及び平面視形状は図1及び図2に示すものに限られない。凹部15Aの平面視形状は、楕円形、三角形、四角形等の多角形(凹多角形を含む)、星形、ハート形といったその他の形状であってもよく、これらの形状の一部であってもよい。また、図1及び図2の例では、凹部15Aの底部の形状は平面となっているが、曲面であってもよく、また底部に凹凸が形成されていてもよい。
凹部15Aの平面視面積Sは、好ましくは0.8〜50mm、より好ましくは3〜30mmであってよい。平面視面積Sを上記範囲とすることで、取り付け時の位置決めマークとしての視認性を高めつつ、車両用窓材100Aの強度及び審美性を維持できる。凹部15Aの面方向断面積が深さによって異なっている場合には、平面視面積Sは、凹部15Aの最大の面積とする。
凹部15Aの深さtは、好ましくは窓材厚みの15〜60%、より好ましくは窓材厚みの25〜50%であってよい。すなわち、深さtは0.45mm〜4.8mmとなり得る。深さtを上記範囲とすることで、光の反射による視認性を向上させつつ、車両用窓材100Aの強度を維持できる。凹部15Aの深さが場所によって異なっている場合には、深さtは最も深い深さとする。
凹部15Aの形成しやすさの観点から、上記深さtに対する上記平面視面積S(S/t)は、好ましくは0.2〜120より好ましくは0.8〜50であってよい。上記範囲であることで、凹部15Aの視認性、並びに車両用窓材100Aの強度、審美性、を確保できる。また、車両用窓材100Aが多色射出成形によって製造され、凹部15Aが、金型の内面の突起によって形成される場合には、透明板状部10と突起とが良好に係合でき、成形工程中に透明板状部10の位置ずれや脱離を防止できる。
凹部15Aは、平面視で着色部20に重なっていると好ましい。さらに、凹部15Aは、図1及び図2に示すように、平面視で着色部20の領域に含まれているとより好ましい。すなわち、厚み方向に沿った断面視で、車外面11側での透明板状部10と着色部20との境界の位置と、車内面12側での境界の位置とが異なっていて、車外面11側での境界の位置の方が、凹部15Aが設けられている位置を越えて車両用窓材100Aの中央に近付いていることがより好ましい。凹部15Aが平面視で着色部20に重なっている、特に着色部20の領域に含まれていることで、車外から見た時に、凹部15Aが着色部20によって隠され、凹部15Aが見えにくくなるか又は見えなくなるため、車両用窓材100Aの審美性が高まる。
図3に、本形態による車両用窓材100Aの透明板状部10と着色部20との配置についての変形例を示す。図3に示す車両用窓材100Aの基本的な構成は、図1及び図2に示したものと同じであるが、透明板状部10と着色部20との断面視での境界線(透明板状部10の端面の断面視での輪郭形状)が異なっている。図3(a)の例では、図2(b)の例と同様に、断面視での境界線が段状になっているが、車外面11から出発して厚み方向に対してほぼ水平に延びる部分から、途中で車両用窓材100Aの面方向に延びる部分への移行がより滑らかになっている。すなわち、境界線は、車外面11から出発して厚み方向に沿って延び、2回屈曲した後、面方向に沿って延びている。このように、厚み方向に沿った断面視で、角張った部分を少なく又はなくし、透明板状部10の端面をできるだけ滑らかにすることで、車両用窓材100Aの二色射出成形による製造において、着色部20の材料を充填する際に未充填部の形成を防止できる。
図3(b)の例も、図2(b)の例と同様に、断面視での透明板状部10と着色部20との境界線(透明板状部10の端面の輪郭)は段状になっているが、この境界線のうち、車外面11と車内面12との間の面方向に沿って延びる部分が、車内面12側に傾斜している点で、図2(b)の例とは異なる。このような境界線によって、図3(a)の場合と同様に、透明板状部10と着色部20との境界線の角張った部分を少なくし、車両用窓材100Aの端面がより滑らかになる。よって、車両用窓材100Aの二色射出成形による製造において、着色部20の材料を充填する際に未充填部の形成を防止できる。
図3(c)〜(e)の構成も、本発明の実施形態に含まれる。図3(c)では、透明板状部10と着色部20との境界線が厚み方向にほぼ平行に沿って延びている。図3(d)では、透明板状部10と着色部20との境界線が直線であり、且つ厚み方向に対して傾斜している。また、図3(e)では、着色部20が透明板状部10の端面の一部に接して設けられている。すなわち、車両用窓材100Aの端面に、透明板状部10及び着色部20の両方が露出している。図3(c)〜(e)のような構成の場合、車両用窓材100Aを射出成形によって形成するのであれば、より簡単な形状及び構成の金型を使用することができ、製造上のコスト及び手間を低減できる。
図4に、凹部15Aの変形例を示す。図4は、車両用窓材100Aの周縁を含む部分を厚み方向に切った断面であり、図2(b)に対応する図である。図4の各図には、凹部15Aの車内面12から見た平面視形状も合わせて示す。図4に示す車両用窓材100Aの基本構成は、図1及び図2に示したもの同じであるが、凹部15Aの形状が異なっている。図4に示す例は、図1〜図3に示す凹部15Aに対し比較的複雑な形状を有している。そのため、光の散乱等によって視認性が高まるので、作業者が位置決めマークを速やかに視認し、車両用窓材100Bを速やかに車体に取り付けることができる。また、より複雑な形状を有する凹部15Aを有する車両用窓材100Aを射出成形によって製造する場合には、上述のような、成形工程中の透明板状部10の位置ずれ又は脱離を防止できるという効果が一層高まる。
図4(a)では、凹部15Aが円環状に形成されている。車内面12における凹部15Aの輪郭が二重になっているため、凹部15A全体の大きさが小さくても目立ちやすく、車両用窓材100Aを取り付ける際に位置決めマークとして迅速に認識できる。
図1〜図3、及び図4(a)に示す例では、凹部15Aの、面方向に沿って切った断面(面方向断面)の形状及び面積は、凹部15Aの深さ方向で見て一定である。このような凹部15Aは形成のための手間及びコストを抑えられるという点で好ましい。これに対し、図4(b)〜(d)に示す例ではいずれも、凹部15Aの面方向に沿って切った断面の形状及び/又は面積が一定でない。本形態では凹部15Aは透明板状部10に形成されていることから、凹部15Aの、透明板状部10の内部の輪郭も視認できるので、このように透明板状部10の表面ではなく内部に輪郭を形成しておいても視認性を高めることができ、位置決めマークとしての機能が向上する。
図4(b)及び(c)に示す例では、凹部15Aの開口(車内面12)での面方向断面積は、底部における面方向断面積より小さい。これらの例は、表面(車内面12)における開口が小さいため破損しにくいという効果を奏し、成形工程中の透明板状部10の位置ずれ又は脱離を防止の効果は一層高まる。このような、開口(車内面12)での面方向断面積が、底部における面方向断面積より小さい凹部15Aは、射出成形の際には分割型を用いて形成できる。図4(b)に示す例では、凹部15Aの面方向断面積が、表面(車内面12)から深くなるにつれ漸次大きくなっている、すなわち厚み方向に沿った断面形状は台形となっている。また、図4(c)に示す例では、凹部15Aが、面方向断面積が比較的小さい開口(車内面12)側の部分と、面方向断面積が比較的大きい底部側の部分とからなっている。これらの部分間の移行部には稜線(厚み方向に沿った断面視では角部)が形成されるため、透明板状部10が透明であることから平面視でもこのような稜線が視認できるので、凹部15Aの位置決めマークとしての視認性が高まる。
図4(d)に示す例では、凹部15Aの開口(車内面12)での面方向断面積が、底部での面方向断面積より大きくなっている。本例は、射出成形により製造する場合には、金型をより簡単に構成できる。
なお、図1〜図4では、1つの位置決めマークとして1つの凹部15Aを示したが、複数の凹部15Aを密集させて形成し、1つの位置決めマークとしてもよい。密集した複数の凹部15Aがあることでより多くの凹凸が形成され、光の散乱が促されるため、位置決めマークの視認性が高まる。
車両用窓材100Aには、車外面11及び車内面12の少なくとも一方の面、好ましくは少なくとも車外面11に表面処理層が形成されていてよい。表面処理層は、例えば、車両用窓材100Aの表面を保護するハードコート層であってよい。ハードコート層は、表面硬度の高い樹脂、例えばアクリル系、メラミン系、ウレタン系、エポキシ系、シリコーン系等の樹脂を含む塗布剤を塗布することによって形成できる。
図5に、車両用窓材100Aの変形例を示す。図5は、図1と同様車両用窓材を車内面から見た図である。図5(a)には、周縁の一部にのみ着色部20が設けられた車両用窓材200Aを示す。車両用窓材200Aでは、車両用窓材100A(図1)と同じ略矩形状の平面視形状を有しているが、着色部20が矩形の3辺に設けられ、1辺に設けられていない。このように、車両用窓材の用途に応じて、着色部20を形成する部分を変更できる。
また、図5(b)には、凹部15Aが形成されている位置及びその周辺において、透明板状部10と着色部20との構成を変更した車両用窓材300Aを示す。車両用窓材300Aでは、凹部15Aが設けられている位置及びその周辺で、透明板状部10の車内面側での領域が面方向外方に広げられている。一方、車外面側では、着色部20の幅が周縁に沿って一定になっている。このように、着色部20の幅は、必ずしも一定でなくともよく、透明板状部10の周縁の場所によって変化していてよい。
<第2実施形態>
図6に、本発明の第2実施形態による車両用窓材100Bを示す。図6(a)に、車両用窓材100Bを車内面から見た部分拡大図を示し、図6(b)に、図6(a)のIV−IV線断面図を示す。車両用窓材100Bでは、凹部15Aの代わりに凸部15Bが形成されている点で第1実施形態と異なり、それ以外の構成は第1実施形態と同様である。よって、第1実施形態と同じ構成及びその構成による作用・効果については説明を省略する場合がある。
凸部15Bは、凹部15Aと同様、車両用窓材100Aを車体へ取り付ける際の位置決めマークとして利用できる。そのため、本形態によっても、車両製造の際の車両用窓材100B及びその他の部材の取り付け精度を高めることができる。凸部15Bでは、凹部15Aと比較して、光が散乱しやすく視認性が高いという点で好ましい。一方、第1実施形態による車両用窓材100Aに形成されている凹部15Aは、車内面12から突出していないことから、破損等の可能性が低いという点で好ましい。
凸部15Bも透明板状部10に形成されており、車両用窓材100Bの取り付け時に速やかに視認できるので、車両の組み立てを迅速に行うことができる。また、凸部15Bは透明板状部10の周縁に形成されているので、車両用窓材100Bの取り付け後、車両において搭乗者が車両用窓材100Bを通して車外を見た時に搭乗者の視界を妨げることはない。
凸部15Bは、透明板状部10の射出成形の際に形成してもよいし、透明板状部10又は車両用窓材100Bの成形後に、透明板状部10を構成する材料から凸部15Bの形状に予め形成しておいた樹脂を接着させることによって形成してもよい。凸部15Bを透明板状部10の射出成形の際に形成する場合には、凸部15Bに対応する形状の窪みを内面に備えた金型を用いて透明板状部10の射出成形を行うことができる。そして、車両用窓材100Bを多色射出成形によって製造する場合、窪みを内面に備えた金型を用いることで、第1実施形態で説明したものと同様の作用・効果が得られる。すなわち、透明板状部10及び着色部20のいずれの射出成形にも使用される型の内面に窪みを備えておくことで、透明板状部10の位置ずれ又は金型からの離脱を防止できる。
凸部15Bの平面視形状も、図6に示す円形に限られず、楕円形、三角形、四角形等の多角形(凹多角形を含む)、星形、ハート形といったその他の形状であってよく、これらの形状の一部であってもよい。また、凸部15Bの頂部の形状は図6に示す平面に限られず、曲面であってもよく、また頂部に凹凸が形成されていてもよい。
凸部15Bの平面視面積Sは、好ましくは0.8〜90mm、より好ましくは7.1〜40mmであってよい。平面視面積Sを上記範囲とすることで、取り付け時の位置決めマークとしての視認性を高めつつ、車両用窓材100Bの強度及び審美性を維持できる。凸部15Bの面方向断面積が凸部15Bの高さによって異なっている場合には、平面視面積Sは、凸部15Bの最大面積とする。
凸部15Bの高さhは、好ましくは1〜12mm、より好ましくは3〜8mmであってよい。高さhを上記範囲とすることで、視認性を向上させつつ、車両用窓材100Bの強度を維持できる。凸部15Bの高さhが場所によって異なっている場合には、高さhは最も高い高さとする。
凸部15Bの形成しやすさ及び破損し難さの観点から、上記高さhに対する上記平面視面積S(S/h)は、好ましくは0.1〜90、より好ましくは0.9〜15であってよい。上記範囲であることで、凸部15Bの視認性、並びに車両用窓材100Aの強度、審美性を確保できる。また、車両用窓材100Bが多色射出成形によって製造され、凸部15Bが、金型の内面の窪みによって形成される場合には、透明板状部10と窪みとが良好に係合でき、成形工程中に透明板状部10の位置ずれや脱離を防止できる。
第2実施形態においても、凸部15Bは、平面視で着色部20に重なっていると好ましい。さらに、凸部15Bは、図6に示すように、平面視で着色部20の領域に含まれているとより好ましい。
第2実施形態においても、透明板状部10と着色部20とは、図3に示す例と同様に配置可能であり、同様の作用・効果を得ることができる。
図7に、凸部15Bの形状の変形例を示す。図7は、車両用窓材100Bの周縁を含む部分を厚み方向に切った断面であり、図6(b)に対応する図である。図7の各図には、凸部15Bの車内面12から見た平面視形状も合わせて示す。図7に示す例は、図6に示す例に対し比較的複雑な形状を有しているため、視認性が高まる。そのため、作業者が位置決めマークを速やかに視認し、車両用窓材100Bを速やかに車体に取り付けることができる。また、より複雑な形状を有する凸部15Bを有する車両用窓材100Bを射出成形によって製造する場合には、第1実施形態において述べた、位置ずれ又は金型からの離脱を防止できるという効果が一層高まる。
図7(a)に示す例では、凸部15Bが円環状に形成されていて、その輪郭が二重になっているため、凸部15B全体の大きさが小さくても視認性が高い。図7(b)〜(d)に示す例では、凸部15Bの、面方向に沿って切った断面の形状及び/又は面積が一定でない。図7(b)の例では、面方向に沿った断面の面積が、頂部において最も大きく、透明板状部10の車内面12に近づくにつれ漸次小さくなっている。厚み方向に沿った凸部15Bの断面形状は台形となっている。また、図7(c)の例では、面方向に沿った断面積が大きい頂部側の部分と、断面積が小さい車内面12側の部分とを有し、両部分それぞれにおいて、面方向に沿った断面の形状及び大きさが一定となっている。これらの部分間には稜線(厚み方向に沿った断面視では角部)が形成されるため、視認性はさらに向上する。
図7(d)の例は、凸部15Bの頂部における面方向断面積が、車内面12における面方向断面積より小さくなっている。厚み方向に沿った断面では、車内面12側が長辺の台形形状を有する。このような形状の凸部15Bは破損しにくく、射出成形による製造もより簡単である。
第2実施形態においても、第1実施形態と同様、1つの位置決めマークとして複数の凸部15Bを形成できる。また、図5に示すように、着色部20を、透明板状部10の周縁の一部に設けたり、着色部20の幅を、例えば車内面12側で、透明板状部10の周縁の場所によって変化させたりしてもよい。
<車両用窓材の製造方法>
本発明の別の実施形態は、以上説明したような車両用窓材を多色射出成形により製造する方法であってよい。上記製造方法においては、第1樹脂を含む透明板状部10を射出圧縮成形した後、第2樹脂及び着色剤を含む着色部20を射出成形することを含み得る。より具体的には、本形態による車両用窓材の製造方法は、第1型と第2型とを組み合わせ、前記組み合わせによって形成される第1キャビティに第1樹脂を射出し、圧縮して透明板状部を形成し、前記第2型を外し、前記第1型及び成形された前記透明板状部と第3型とを組み合わせ、前記組み合せによって形成される第2キャビティに、第2樹脂と着色剤とを含む混合物を射出して、前記透明板状部の周縁の少なくとも一部に沿って前記透明板状部の端面に接する着色部を形成することを含み、前記第1型の内面の、前記透明板状部の周縁に対応する位置に、突起又は窪みが設けられている。
また、本発明の別の実施形態は、以上に説明したような車両用窓材を多色射出成形により製造する装置であってよい。より具体的には、本形態による車両用窓材の製造装置は、第1型と、前記第1型と組み合わされて形成される第1キャビティに第1樹脂が射出され、圧縮され透明板状部が形成される第2型と、前記第1型及び成形された前記透明板状部と組み合わされて形成される第2キャビティに、第2樹脂と着色剤とを含む混合物を射出され、前記透明板状部の周縁の少なくとも一部に沿って前記透明板状部の端面に接する着色部が形成される第3型とを備え、前記第1型の内面の、前記透明板状部の周縁に対応する位置に、突起又は窪みが設けられている。
以下、図8を参照しながら、本形態による製造方法の手順を説明する。ここでは、例として車両用窓材100A(第1実施形態)の製造について説明する。本形態では、図8に示すように、少なくとも第1型M1、第2型M2、及び第3型M3を用いて射出成形を行う。これらの型は、樹脂の射出成形に一般的に使用される材料、例えばステンレス鋼等の金属で製作されたものであってよい。図8に示す形態は、車両用窓材100Aの面方向が鉛直方向に沿った(厚み方向が水平方向に沿った)状態で行われる、垂直型の射出成形方法又は射出成形装置である。垂直型の射出成形装置は狭い敷地にも設置できるため、土地価格の高価な地域等で特に好適に用いられる。
まず、図8(a)に示すように、第1型M1と第2型M2とを組み合わせ、その組み合わせによって形成される第1キャビティC1内に第1樹脂を射出し、圧縮し、透明板状部10を成形する。すなわち、透明板状部10の成形は射出圧縮成形による。第1型M1と第2型M2との間隔、圧縮圧力等は、軟化された状態での第1樹脂を含む材料の流動比(L/t)に応じて適宜決められる。
第1型M1の内面には、成形される透明板状部10の周縁に対応する位置に、突起pr、prが形成されている。突起pr、prは、透明板状部10に形成したい凹部15Aの形状(図2〜図4)に対応する形状を有し得る。また、突起prは、透明板状部10に形成したい凹部15Aの数と同じ数、第1型M1の内面に形成しておけばよい。
図8(b)に示すように透明板状部10が成形されたら、冷却し、第2型M2のみを外す。この際、例えば、第2型M2が固定された状態で、第1型M1を水平方向に移動させることができる。この時、第1型M1の内面に形成しておいた突起prと透明板状部10とが係合するため、第2型M2が外れても、透明板状部10が第1型M1の内面に配置された状態を維持できる。このように、第1型M1の内面に突起prが設けられていることで、透明板状部10の位置ずれを防止でき、この後に着色部20を射出しても、透明板状部10と着色部20との相対位置の誤差を低減でき、或いはバリ若しくは未充填部の生成を防止できる。また、図8に示すような垂直型の射出成形においては、突起prを備えた金型によって透明板状部10の落下を防止できることから、特に好ましい。
第2型M2を外した後、図8(c)に示すように、第1型M1を鉛直方向の軸線を中心に180°回転させる。そして、図8(d)に示すように、第3型M3を第1型M1に近づける。これにより、図8(e)に示すように、第1型M1及び透明板状部10と、第3型M3とを組み合わせることができ、その間に第2キャビティC2が形成される。第2キャビティは、透明板状部10の周縁の少なくとも一部に沿った透明板状部10の端面の面方向外側の空間であってよい。
さらに、図8(f)に示すように、第2キャビティC2内に、着色部20を構成する、第2樹脂及び着色剤を含む材料を射出し、着色部20を形成する。続いて、第3型M3を外し、図8(g)に示すように、透明板状部10と着色部20とを有し、透明板状部10の車内面側に凹部15Aが形成された車両用窓材100Aが得られる。
なお、図8に示す形態では、第1型M1の内面に突起prが設けられていたが、凸部15Bを備えた車両用窓材100B(第2実施形態)を製造するためには、突起prに代えて、凸部15Bの形状に対応した形状を有する窪みを内面に形成した第1型M1を用いることができる。
また、図8に示す形態では、第1型M1が水平方向に移動し、回転可能な型として、第2型M2が固定された型として構成されていたが、第2型M2を可動にし、第1型M1が移動せず、その位置で回転できるよう構成してもよい。
10 透明板状部
11 車外面
12 車内面
15A 凹部(位置決めマーク)
15B 凸部(位置決めマーク)
20 着色部
100A、100B、200A、300A 車両用窓材
C1 キャビティ(第1型と第2型)
C2 キャビティ
凸部の高さ
M1 第1型
M2 第2型
M3 第3型
pr 突起
凹部の平面視面積
凸部の平面視面積
凹部の深さ

Claims (12)

  1. 第1樹脂を含む透明板状部と、
    前記透明板状部の周縁の少なくとも一部に沿って当該透明板状部の端面に接して設けられた、第2樹脂と着色剤とを含む着色部とを備え、
    前記透明板状部の周縁の車内面に凹部又は凸部が形成されている、車両用窓材。
  2. 前記着色部が、平面視で前記凹部又は前記凸部に重なる、請求項1に記載の車両用窓材。
  3. 前記凹部の深さが0.45〜4.8mmである、請求項1又は2に記載の車両用窓材。
  4. 前記凸部の高さが1〜12mmである、請求項1又は2に記載の車両用窓材。
  5. 前記凹部又は凸部の平面視面積が、0.8〜90mmである、請求項1から4のいずれか一項に記載の車両用窓材。
  6. 前記着色部が、前記透明板状部の周縁全体の50%以上に設けられている、請求項1から5のいずれか一項に記載の車両用窓材。
  7. 少なくとも車外面で、前記透明板状部と前記着色部とが面一に設けられている、請求項1から6のいずれか一項に記載の車両用窓材。
  8. 厚み方向に沿った断面視で、前記透明板状部と前記着色部との車外面から延びる境界線が、厚み方向と平行に延びている部分、又は厚み方向に対して0°超10°以下の角度で傾斜する部分を有する、請求項1から7のいずれか一項に記載の車両用窓材。
  9. 前記透明板状部が平面視で略矩形状であり、前記透明板状部の3辺以上に前記着色部が形成されている、請求項1から8のいずれか一項に記載の車両用窓材。
  10. 車両用窓材の製造方法であって、
    第1型と第2型とを組み合わせ、
    前記組み合わせによって形成される第1キャビティに第1樹脂を射出し、圧縮して透明板状部を形成し、
    前記第2型を外し、
    前記第1型及び成形された前記透明板状部と第3型とを組み合わせ、
    前記組み合せによって形成される第2キャビティに、第2樹脂と着色剤とを含む混合物を射出して、前記透明板状部の周縁の少なくとも一部に沿って前記透明板状部の端面に接する着色部を形成することを含み、
    前記第1型の内面の、前記透明板状部の周縁に対応する位置に、突起又は窪みが設けられている、車両用窓材の製造方法。
  11. 車両用窓材の製造装置であって、
    第1型と、
    前記第1型と組み合わされて形成される第1キャビティに第1樹脂が射出され、圧縮され透明板状部が形成される第2型と、
    前記第1型及び成形された前記透明板状部と組み合わされて形成される第2キャビティに、第2樹脂と着色剤とを含む混合物を射出され、前記透明板状部の周縁の少なくとも一部に沿って前記透明板状部の端面に接する着色部が形成される第3型とを備え、
    前記第1型の内面の、前記透明板状部の周縁に対応する位置に、突起又は窪みが設けられている、車両用窓材の製造装置。
  12. 前記第1型、前記第2型、及び前記第3型が、前記透明板状部の面方向が略鉛直方向に沿うように配置されている、請求項11に記載の車両用窓材の製造装置。
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