JP2021159392A - 内視鏡用カテーテル - Google Patents

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Abstract

【課題】体内に留置されている自己拡張型のステントを円滑かつ安全に抜去することを可能にする内視鏡用カテーテルを提供する。【解決手段】内視鏡用カテーテル100は、内視鏡のチャネルに挿通可能なカテーテルチューブ1と、カテーテルチューブ1のチューブ遠位端1aより遠位側に露出して拡径し、ステントを捕捉するためのループ40aを形成するスネアワイヤ40と、カテーテルチューブ1のチューブ遠位端1aより遠位側に配置された冷却水カテーテル遠位端5aから、近位端を通じて導入された冷却水をステントに向けて放出する冷却水カテーテル5とを有する。【選択図】図2

Description

本発明は、体内に留置されている自己拡張型のステントを抜去するために用いられる内視鏡用カテーテルに関する。
近年、胆道狭窄又は閉塞に対する治療手技として、超音波内視鏡下胆道ドレナージ(EUS−BD:endoscopic ultrasound-guided biliary drainage)が注目されている。EUS−BDは、胆道狭窄又は閉塞部位の切除等の処置ができず、経十二指腸乳頭的アプローチも困難な場合に施行される。EUS−BDは、外瘻となる経皮経肝胆道ドレナージに比べて、患者のQOL(quality of life)を低下させない点で有利である。
具体的には、EUS−BDは、超音波内視鏡を胃又は十二指腸に挿入し、超音波画像をリアルタイムに観察しながら、穿刺針で胃壁又は十二指腸壁から胆管又は胆嚢を穿刺し、ガイドワイヤを胆管又は胆嚢に挿入し、管腔臓器(例えば、胃や十二指腸等の消化管)と他の管腔臓器(例えば、胆管または胆嚢等)とをバイパス接続するステントを挿入・留置する手技である。この手技により、体内にステントを埋め込む形で胆道ドレナージが可能となる。
このようなステントとして、例えば下記の特許文献1には、フレーム部の材料としてニッケルチタン(Ni−Ti)合金のような超弾性材料(あるいは形状記憶材料)を使用し、径方向に圧縮力を加えると弾性によって径方向に収縮し、その圧縮力が解除されると径方向に拡張する自己拡張型のカバードステントが記載されている。
管腔臓器間をバイパス接続するために体内に留置されたステントは、経時的にバイパスした管腔臓器間の癒着や線維化した組織による瘻孔を生じさせる。管腔臓器間の癒着や線維化した組織による瘻孔が形成された後は、ステントはもはや必要でなく、むしろ瘻孔等の詰まりの原因になり得るので、そのステントの抜去が望まれる場合がある。管腔臓器間をバイパスするためのステントを含む、消化器系に留置された自己拡張型のステントを抜去する際に使用される内視鏡用処置具としては内視鏡用スネアや内視鏡用鉗子等が挙げられ、例えば下記の特許文献2に記載されている内視鏡用スネアが知られている。
国際公開第WO2019/230413号 特開2017−192596号公報
しかしながら、自己拡張型のステントは、その自己拡張力によって周囲の管腔臓器壁や瘻孔壁に付勢しており、しっかりと固定された状態で留置されている場合が多い。このようにしっかりと固定された状態のステントは、例えばスネア等で捕捉しても容易に取り外すことができず、過度に力を入れて引き抜くとステント周辺の管腔臓器壁や瘻孔壁等を傷つけてしまうおそれがある。
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、体内に留置されている自己拡張型のステントを円滑かつ安全に抜去することを可能にする内視鏡用カテーテルを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係る内視鏡用カテーテルは、体内に留置されている自己拡張型のステントを抜去するために用いられる内視鏡用カテーテルであって、
内視鏡のチャネルに挿通可能なカテーテルチューブと、
前記カテーテルチューブのチューブ遠位端より遠位側に露出して拡径し、前記ステントを捕捉するためのループを形成するスネアワイヤと、
前記カテーテルチューブのチューブ遠位端より遠位側に配置された遠位端から、近位端を通じて導入された冷却水を前記ステントに向けて放出する冷却水カテーテルと、
を有することを特徴とする。
この構成によれば、自己拡張型のステントを抜去する際に、冷却水カテーテルの遠位端からステントに向けて冷却水を放出することで、ステントを冷却できるようになる。自己拡張型のステントは、一般的にはニッケルチタン(Ni−Ti)合金のような超弾性材料(あるいは形状記憶材料)からなり、変態点よりも低い温度に冷却されると径方向に拡張する自己拡張力が大幅に弱くなるという特性を有している。したがって、ステントを冷却することでステントの自己拡張力を低減させることができ、周囲の管腔臓器壁や瘻孔壁への付勢力を低減させて、ステントを円滑かつ安全に抜去できるようになる。
さらに、本発明に係る内視鏡用カテーテルは、前記冷却水カテーテルが、前記カテーテルチューブ内に軸方向に沿って形成されている冷却水カテーテル用ルーメンに進退可能なように挿通されていてもよい。
この構成によれば、冷却水カテーテルの遠位端を遠位側へ進行させてステントに近接させることができ、さらにはステントの内腔に挿入させることもできるようになる。これにより、冷却水カテーテルの遠位端からステントに向けて冷却水を確実に放出して、ステントを確実に冷却できるようになる。
さらに、本発明に係る内視鏡用カテーテルは、前記スネアワイヤが前記カテーテルチューブのチューブ遠位端より遠位側に露出して拡径した状態において、前記冷却水カテーテル用ルーメンの軸芯を遠位側へ延長させた延長線が、前記スネアワイヤの前記ループの内側を通過するように設定されていてもよい。
この構成によれば、カテーテルチューブのチューブ遠位端の遠位側に拡径したスネアワイヤのループの内側に冷却水カテーテルを通過させることができるようになる。このように、スネアワイヤのループの内側に冷却水カテーテルを通過させた状態で、冷却水カテーテルの遠位端を遠位側へ進行させてステントに近接させ、さらにはステントの内腔に挿入させることで、冷却水カテーテルをガイドとしてステントに対してループを位置決めできるようになり、スネアワイヤのループでステントを容易に捕捉できるようになる。
さらに、本発明に係る内視鏡用カテーテルは、前記カテーテルチューブ内に軸方向に沿って形成されているスネア用ルーメン内に進退可能なように挿通され、遠位端で前記スネアワイヤの近位端と接続されている操作ワイヤを有し、
前記操作ワイヤの遠位端部が進退する前記スネア用ルーメンの遠位端部において、軸方向を回転軸とした前記操作ワイヤの回転を規制するように、前記操作ワイヤの遠位端部の断面形状および前記スネア用ルーメンの遠位端部の断面形状が設定されていてもよい。
この構成によれば、カテーテルチューブのチューブ遠位端の遠位側に拡径したスネアワイヤのループの位置が操作ワイヤの回転によって変動してしまうことを防ぎ、ループの内側に冷却水カテーテルを通過させることができる位置を維持できるようになる。
さらに、本発明に係る内視鏡用カテーテルは、前記操作ワイヤの遠位端部の断面形状および前記スネア用ルーメンの遠位端部の断面形状が楕円状であってもよい。
この構成によれば、操作ワイヤの遠位端部の断面形状およびスネア用ルーメンの遠位端部の断面形状を容易に成形して、軸方向を回転軸とした操作ワイヤの回転を規制できるようになる。
さらに、本発明に係る内視鏡用カテーテルは、前記冷却水の温度が、前記ステントを構成する材料が形状回復性を失う変態点より低くてもよい。
この構成によれば、ステントを構成する材料が形状回復性を失う変態点より低い温度までステントを冷却させて、ステントの自己拡張力を確実に低減させることができるようになる。
本発明の実施形態における内視鏡用カテーテルの全体図である。 本発明の実施形態における内視鏡用カテーテルの遠位端近傍の構成を示す部分拡大図である。 図2に示す内視鏡用カテーテルの遠位端近傍の断面図である。 本発明の実施形態で用いられる内視鏡用スネアにおいて、最も遠位側へ配置された状態のスネアワイヤ周辺を、カテーテルチューブの軸方向および拡径方向に垂直な方向から見た部分拡大図である。 図4に示すスネアワイヤ周辺を拡径方向から見た部分拡大図である。 本発明の実施形態で用いられる内視鏡用スネアにおいて、接続部がスネア用ルーメンから露出し始め、スネアワイヤがカテーテルチューブのチューブ遠位端の遠位側で完全に拡径した状態を示す図であり、(a)は、カテーテルチューブのチューブ遠位端周辺を斜めから見た部分拡大図であり、(b)は、(a)に示すスネア用ルーメンの開口部付近の断面図である。 本発明の実施形態で用いられる内視鏡用スネアにおいて、スネアワイヤが最も遠位側へ配置されており、スネアワイヤがカテーテルチューブのチューブ遠位端の遠位側で完全に拡径した状態を示す図であり、(a)は、カテーテルチューブのチューブ遠位端周辺を斜めから見た部分拡大図であり、(b)は、(a)に示すスネア用ルーメンの開口部付近の断面図である。 本実施形態における内視鏡用カテーテルを用いて、自己拡張型のステントを抜去する第1の手順後の状態を示す図である。 本実施形態における内視鏡用カテーテルを用いて、自己拡張型のステントを抜去する第2の手順後の状態を示す図である。 本実施形態における内視鏡用カテーテルを用いて、自己拡張型のステントを抜去する第3の手順後の状態を示す図である。 本実施形態における内視鏡用カテーテルを用いて、自己拡張型のステントを抜去する第4の手順後の状態を示す図である。 本実施形態における内視鏡用カテーテルを用いて、自己拡張型のステントを抜去する第5の手順後の状態を示す図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。なお、本明細書では、術者を基準として、患者の体内側を遠位側とし、術者の手元側を近位側とする。
まず、図1〜図3を参照しながら、本発明の実施形態における内視鏡用カテーテル100の構成について説明する。図1は、本発明の実施形態における内視鏡用カテーテルの全体図である。図2は、本発明の実施形態における内視鏡用カテーテル100の遠位端近傍の構成を示す部分拡大図である。図3は、図2に示す内視鏡用カテーテル100の遠位端近傍の断面図である。
本実施形態における内視鏡用カテーテル100は、内視鏡のチャネルに挿通可能なカテーテルチューブ1と、ステントを捕捉するために使用されるスネアワイヤ40を備えた内視鏡用スネア10と、冷却水を送水するための冷却水カテーテル5とにより構成されている。
カテーテルチューブ1は、内視鏡のチャネルに挿通可能な可撓性のチューブによって構成されている。カテーテルチューブ1の外径は、内視鏡のチャネルに挿通可能な寸法となるように設定される。カテーテルチューブ1の材料は、可撓性を有するものであれば特に限定されず、例えば、ポリアミド樹脂あるいはポリアミド系エラストマー等の高分子材料を用いることができる。
カテーテルチューブ1には、図3に示すように、内視鏡用スネア10の操作ワイヤ30が挿通されるスネア用ルーメン1b、および、冷却水カテーテル5が挿通される冷却水カテーテル用ルーメン1cの2つのルーメンが軸方向に沿って形成されている。スネア用ルーメン1bおよび冷却水カテーテル用ルーメン1cは、例えば、スネア用ルーメン1bの軸芯と冷却水カテーテル用ルーメン1cの軸芯とが、カテーテルチューブ1の軸芯を挟んで直線上に配置される位置に形成されている。
スネア用ルーメン1bには、内視鏡用スネア10の操作ワイヤ30が軸方向に沿って進退可能なように挿通されており、カテーテルチューブ1のチューブ遠位端1aの遠位側でスネアワイヤ40が拡径するようになっている。なお、後で詳細に説明するが、スネア用ルーメン1bの遠位端部の断面形状は、軸方向を回転軸とした操作ワイヤ30の回転を規制する形状をなしており、例えば楕円状に形成されている。また、チューブ遠位端1aにおいて、スネア用ルーメン1bの楕円状の開口部は、その長軸方向(長径)がカテーテルチューブ1の径方向と垂直になるよう配置されている。
冷却水カテーテル用ルーメン1cには、冷却水カテーテル5が軸方向に沿って進退可能なように挿通されている。冷却水カテーテル5を冷却水カテーテル用ルーメン1c内で進退させた場合、冷却水カテーテル5の遠位端である冷却水カテーテル遠位端5aを軸方向(図2に示す矢印Sの方向)に移動させることができ、冷却水カテーテル5を冷却水カテーテル用ルーメン1c内に収納したり、冷却水カテーテル遠位端5aをカテーテルチューブ1の遠位側へ進行させたりすることができるようになっている。
カテーテルチューブ1の近位側には、カテーテルチューブ1の外周面から冷却水カテーテル用ルーメン1cに通じる側孔1eが設けられており、この側孔1eを通じて冷却水カテーテル5を冷却水カテーテル用ルーメン1c内に挿入できるようになっている。ただし、冷却水カテーテル5を冷却水カテーテル用ルーメン1cに挿入するための構造は、これに限定されるものではない。
冷却水カテーテル5の近位端には、冷却水を注入するための器具(例えばシリンジ等)が接続可能なコネクタ1fが設けられている。冷却水カテーテル5の近位端から導入された冷却水は、冷却水カテーテル5内を流れて、冷却水カテーテル遠位端5aから放出されるようになっている。
冷却水カテーテル5からの冷却水の放出は、自己拡張型のステントの抜去を容易にする目的で行われる。自己拡張型のステントは、例えば、ニッケルチタン(Ni−Ti)合金のような超弾性材料(あるいは形状記憶材料)により構成されている。自己拡張型のステントの素材として使用される超弾性材料の組成は、例えば体温よりも少し低い温度の変態点(形状記憶温度)を有するように調整されている。一方、こうした超弾性材料は、所定の温度(変態点)で相変態が生じて内部組織が大きく変化し、変態点より低い温度まで冷却すると、その形状回復性が大きく低減するという特徴がある。すなわち、自己拡張型のステントは、体温付近では径方向に拡張する自己拡張力を有している一方、変態点より低い温度まで冷却すると自己拡張力が失われるという特徴がある。
本発明は、この特徴に着目し、冷却水を放出してステントを冷却することでステントの自己拡張力を低減させ、これにより、周囲の管腔臓器壁や瘻孔壁へのステントの付勢力を低減させて、ステントを円滑かつ安全に抜去できるようにするものである。なお、相変態が生じる変態点は超弾性材料の組成に依存することが知られているが、自己拡張型のステントの素材として使用される超弾性材料の多くは、例えば10〜30℃の範囲に変態点を有しており、0℃近くまで冷却した冷却水を用いてステントを冷却することで、ステントの自己拡張力を確実に低減させることができる。
冷却水カテーテル5の外径は、抜去対象のステントの内腔に挿入可能となる寸法に設定することができる。例えば、拡径時のステントの内径は5〜20mm程度であり、冷却水カテーテル5の外径を、これより小さくすることが好ましい。冷却水カテーテル5の遠位端がステントの内腔に挿入可能であれば、ステントの抜去時に、冷却水カテーテル5の遠位端をステントの内腔に挿入した状態で冷却水を放出することができ、ステントを確実に冷却できるようになる。冷却水カテーテル5の材料は、可撓性を有するものであれば特に限定されず、例えば、ポリアミド樹脂あるいはポリアミド系エラストマー等の高分子材料を用いることができる。
内視鏡用スネア10は、可撓性ワイヤ30cおよび接続部30dからなる操作ワイヤ30と、接続部30dに接続されているスネアワイヤ40と、操作ワイヤ30の近位端である操作ワイヤ近位端30aが接続される操作部50とを有している。
内視鏡用スネア10は、例えば、胆管等の管腔臓器内に留置されたステント等の対象物を、スネアワイヤ40によって形成されるループ40a(始点と終点が一致した閉じた曲線)で絞扼することにより捕捉して、体外に抜去するための処置具として用いることができる。
操作ワイヤ30は、操作ワイヤ30の大部分を構成する可撓性ワイヤ30cと、可撓性ワイヤ30cの遠位端に接続されている接続部30dで構成されており、カテーテルチューブ1のスネア用ルーメン1bに挿通されている。可撓性ワイヤ30cは、例えばステンレス鋼等の金属の細線を撚り合わせた撚り線からなるトルクワイヤによって構成されている。ただし、操作ワイヤ30の材質及び構造はこれに限定されるものではなく、例えば、単線の金属ワイヤであってもよく、また、樹脂製のワイヤであってもよい。
可撓性ワイヤ30cの大きさは特に限定されないが、例えば可撓性ワイヤ30cは、全長1500〜2500mm、外径0.2〜1.0mm程度とすることができる。可撓性ワイヤ30cの外径は、スネア用ルーメン1bの内径より小さく、可撓性ワイヤ30cは、スネア用ルーメン1b内で、スネア用ルーメン1bの軸方向と一致する挿通方向に沿って進退可能である。可撓性ワイヤ30cの全長は、カテーテルチューブ1の全長とほぼ同じか、カテーテルチューブ1より若干長く設定されることが好ましいが、特に限定されるものではない。なお、後で詳細に説明するが、操作ワイヤ30の遠位端部の断面形状は、軸方向を回転軸とした操作ワイヤ30の回転を規制する形状をなしており、例えば楕円状に形成されている。
操作部50は、チューブ固定部52と、スライド部56とを有している。チューブ固定部52には、カテーテルチューブ1のチューブ近位端1dが固定されている。チューブ固定部52の内部には貫通孔(不図示)が形成されており、スネア用ルーメン1b内部に挿通されている操作ワイヤ30は、チューブ固定部52の貫通孔を通ってさらに近位側に延びている。
スライド部56には、操作ワイヤ30の近位端(可撓性ワイヤ30cの近位端)である操作ワイヤ近位端30aが固定されている。スライド部56は、スネア用ルーメン1b内に挿通されている操作ワイヤ30の挿通方向に関して、チューブ固定部52に対して相対移動可能な状態で係合されている。したがって、スライド部56をチューブ固定部52に対して挿通方向にスライドさせると、スライド部56に接続された操作ワイヤ30が、チューブ固定部52に固定されたカテーテルチューブ1対して挿通方向に進退できるようになっている。すなわち、スライド部56を近位側へ移動させると、操作ワイヤ30は、スネア用ルーメン1b内で挿通方向に沿って近位側へ移動し、一方、スライド部56を遠位側へ移動させると、操作ワイヤ30は、スネア用ルーメン1b内で挿通方向に沿って遠位側へ移動できるようになっている。
この構成により、内視鏡用スネア10では、スライド部56を遠位側および近位側へスライドさせる操作によって、操作ワイヤ30の遠位端部に設けられた接続部30dに接続されているスネアワイヤ40を、カテーテルチューブ1の遠位端であるチューブ遠位端1aから露出させたり、カテーテルチューブ1の内部(スネア用ルーメン1bの内部)にスネアワイヤ40を収納させたりすることができるようになっている。
操作ワイヤ30の遠位端部には接続部30dが設けられている。接続部30dは、例えば金属製のパイプである。接続部30dの近位端には可撓性ワイヤ30cの遠位端が接続されており、接続部30dの遠位端にはスネアワイヤ40を構成する線材の端部が接続されている。なお、可撓性ワイヤ30cと接続部30dとの接続方法や、接続部30dとスネアワイヤ40との接続方法として、例えば、ろうづけ、溶接、接着等の方法を採用することができるが、特に限定されるものではない。
スネアワイヤ40は、例えば断面形状が略円形状の金属ワイヤ等からなる線材により構成されている。スネアワイヤ40は、線材を湾曲または屈曲させてその形状が整えられた後、線材の両端部が接続部30dの遠位端に固定された部材であり、ループ40aを形成している。スネアワイヤ40の材質は、例えば、ステンレス鋼、ニッケル−チタン合金等の金属や、樹脂等が挙げられるが、特に限定されず、また、スネアワイヤ40の材料となる線材は単線であってもよく、撚線であってもよい。スネアワイヤ40を構成する線材の線径は特に限定されないが、例えば0.2〜0.5mmとすることができる。
図4は、図1に示す内視鏡用スネア10において、カテーテルチューブ1の軸方向および拡径方向80に垂直な方向からスネアワイヤ40周辺を見た部分拡大図であり、図5は、図4に示すスネアワイヤ40周辺を拡径方向80から見た部分拡大図である。図4および図5には、スネアワイヤ40が最も遠位側へ配置されており、スネアワイヤ40がスネア用ルーメン1bから露出して拡径した状態が示されている。
図4に示すように、スネアワイヤ40は、ループ40aを形成している。スネアワイヤ40は、カテーテルチューブ1のスネア用ルーメン1bから露出することにより、カテーテルチューブ1の軸方向に対して垂直な拡径方向80に拡径する。
スネアワイヤ40を構成する線材は、スネアワイヤ近位端40cにおいて接続部30dと接続されている。接続部30dの遠位側には、対向する線材が拡径方向80の外側に凸となるように円弧状に湾曲した拡径部43が形成されている。より詳細には、拡径部43では、スネアワイヤ近位端40cから遠位側に離れるにつれて対向する線材の離隔距離が徐々に大きくなるように拡がっている。また、対向する線材の離隔距離が最大となった位置より遠位側では、遠位端湾曲部45と接続する屈曲部44に至るまで、対向する線材の離隔距離が徐々に小さくなる。
屈曲部44より遠位側には、拡径部43によって画定される湾曲形状から遠位側に突出するように湾曲した遠位端湾曲部45が形成されている。遠位端湾曲部45は、屈曲部44において拡径部43の対向する線材と接続されている。本実施形態におけるスネアワイヤ40を構成する線材は、上述したように形状が整えられてループ40aを形成しているが、スネアワイヤ40によって形成されるループ40aの形状はこれに限定されるものではない。
スネアワイヤ40によって形成されるループ40aのサイズは、抜去対象のステントの外径よりも十分に大きいことが好ましい。例えば、拡径時において最も拡径する線材間の距離(拡径方向80において、対向する線材同士が最も離隔する距離)を10〜50mmとすることができる。
本実施形態では、図5に示すように、拡径部43および遠位端湾曲部45を構成する線材は同一面内に含まれている。したがって、拡径時にスネアワイヤ40により形成されるループ40aがなす面(以下、ループ面と記載)は平面である。また、本実施形態では、ループ40a全体の概形が拡径方向80に垂直な線に対して対称形状をなしている。
また、図5に示すように、スネアワイヤ40は、スネアワイヤ近位端40cにおいて、拡径時にスネアワイヤ40により形成されるループ40aが、拡径方向80から見た場合に接続部30dの軸方向に対して傾くように接続部30dに接続されている。すなわち、スネアワイヤ近位端40cおよびスネアワイヤ40のループ面を通る仮想線は、接続部30dの軸芯に対して平行ではなく、当該仮想線と接続部30dの軸芯との傾き角度θは、ゼロではない所定の値となるように設定されている。この傾き角度θは、図2に示すように、スネアワイヤ40のループ40aの内側に冷却水カテーテル5が通過できるようになる角度に設定される。ループ40aのサイズによって異なるが、傾き角度θは例えば30°〜90°の範囲に設定される。
さらに、所定の傾き角度θで傾いて拡径するスネアワイヤ40のループ40aは、カテーテルチューブ1のチューブ遠位端1aにおいて常に一定の方向に傾いて拡径するように設定されている。これを実現するための構成について、図6および図7を参照しながら説明する。
本実施形態では、スネア用ルーメン1bの開口部の断面形状が楕円状に形成されている。さらに、接続部30dの断面形状も、スネア用ルーメン1bの開口部と同様に楕円状に形成されている。なお、本実施形態では、スネア用ルーメン1bの開口部が楕円状となっているが、スネア用ルーメン1bの遠位端部の一部(接続部30dおよび可撓性ワイヤ30cの遠位端部が通過する位置)においてスネア用ルーメン1bが楕円状に形成されていればよい。例えば、スネア用ルーメン1bの開口部を略円形状とし、開口部より奥に位置するスネア用ルーメン1bの断面形状を楕円状とするような構成であってもよい。また、スネア用ルーメン1bの断面形状が、カテーテルチューブ1の軸方向全体にわたって楕円状に形成されていてもよい。
図1に示すスライド部56のスライド可能範囲内で最も近位側までスライドさせて、操作ワイヤ30をカテーテルチューブ1に対して最も近位側まで相対移動させた場合、スネアワイヤ40全体がスネア用ルーメン1b内に引き込まれた状態となる。この状態から、図1に示すスライド部56を遠位側へスライドさせると、操作ワイヤ30が軸方向に押し出されて、スネアワイヤ40の拡径部43の遠位側が徐々にスネア用ルーメン1bから露出し、接続部30dがスネア用ルーメン1bから露出し始めると、スネアワイヤ40は、チューブ遠位端1aの遠位側で完全に拡径した状態となる。このとき、スネアワイヤ40のループ面は、スネア用ルーメン1bの楕円状の開口部の長軸方向(長径)と平行となり、さらに、スネアワイヤ40のループ面は、接続部30dの軸芯に対して所定の傾き角度θで傾いた状態となる。
チューブ遠位端1aにおいて、スネア用ルーメン1bの楕円状の開口部は、その長軸方向(長径)がカテーテルチューブ1の径方向と垂直になるよう配置されている。これにより、スネアワイヤ40のループ面はスネア用ルーメン1bの楕円状の開口部の長軸方向と平行となるように形成され、チューブ遠位端1aの遠位側において左右バランス良く拡径できるようになっている。また、ループ面は、上述したように接続部30dの軸方向に対して傾き角度θで傾くように設定されている。これにより、図2に示すように、スネアワイヤ40のループ40aは、冷却水カテーテル用ルーメン1cの軸芯および冷却水カテーテル5の軸芯を遠位側へ延長させた延長線Lがループ40aの内側を通過する位置に形成されるようになっている。
図6(a)および図6(b)には、接続部30dがスネア用ルーメン1bから露出し始め、スネアワイヤ40がチューブ遠位端1aの遠位側で完全に拡径した状態が示されている。図6(a)は、チューブ遠位端1a周辺を斜めから見た部分拡大図であり、図6(b)は、図6(a)に示すスネア用ルーメン1bの開口部付近の断面図である。
本実施形態では、図6(a)および図6(b)に示すように、スネア用ルーメン1bの開口部の断面形状が楕円状に形成されている。また、スネア用ルーメン1bの開口部の断面形状と同様に、接続部30dの断面形状も楕円状に形成されている。
接続部30dの断面の長径D3は、スネア用ルーメン1bの開口部の長径D1より小さく設定されており、接続部30dの断面の短径D4は、スネア用ルーメン1bの開口部の短径D2より小さく設定されている。これにより、接続部30dは、チューブ遠位端1aにおけるスネア用ルーメン1bの開口部を通過することができる。
また、接続部30dの断面の長径D3は、スネア用ルーメン1bの開口部の短径D2より十分に大きく設定されている。これにより、接続部30dは、軸方向を回転軸とした回転方向、すなわち、図6(b)の矢印R1の方向へ回転しようとしても、接続部30dの外周面がスネア用ルーメン1bの内周面に当接して、接続部30dの回転が規制される。その結果、スネアワイヤ40のループ面が、スネア用ルーメン1bの楕円状の開口部の長軸方向と略平行である状態が維持される。
図7(a)および図7(b)には、スネアワイヤ40が最も遠位側へ配置されており、スネアワイヤ40がチューブ遠位端1aの遠位側で完全に拡径した状態が示されている。図7(a)は、チューブ遠位端1a周辺を斜めから見た部分拡大図であり、図7(b)は、図7(a)に示すスネア用ルーメン1bの開口部付近の断面図である。図7(a)及び図7(b)に示す状態は、図1に示すスライド部56のスライド可能範囲内で最も遠位側までスライドさせて、操作ワイヤ30をカテーテルチューブ1に対して最も遠位側まで相対移動させた状態である。
本実施形態では、図7(a)および図7(b)に示すように、スネアワイヤ40を最も遠位側へ配置した場合には、接続部30dがスネア用ルーメン1bから完全に露出し、さらに、接続部30dの近位側に位置する可撓性ワイヤ30cがスネア用ルーメン1bから露出した状態となる。図7(a)および図7(b)に示すように、接続部30dの断面形状と同様に、可撓性ワイヤ30cの断面形状も楕円状に形成されている。
可撓性ワイヤ30cの断面の長径D5は、スネア用ルーメン1bの開口部の長径D1より小さく設定されている。可撓性ワイヤ30cの断面の短径D2は、スネア用ルーメン1bの開口部の短径D2より小さく設定されている。これにより、可撓性ワイヤ30cは、チューブ遠位端1aにおけるスネア用ルーメン1bの開口部を通過することができる。
また、可撓性ワイヤ30cの断面の長径D5は、スネア用ルーメン1bの開口部の短径D2より十分に大きく設定されている。これにより、可撓性ワイヤ30cは、軸方向を回転軸とした回転方向、すなわち、図7(b)の矢印R2の方向へ回転しようとしても、可撓性ワイヤ30cの外周面がスネア用ルーメン1bの内周面に当接して、可撓性ワイヤ30cの回転が規制される。その結果、スネアワイヤ40のループ面がスネア用ルーメン1bの楕円状の開口部の長軸方向と略平行である状態が維持される。
なお、本実施形態では、スライド部56を最遠位側へスライドさせた場合には、接続部30dより近位側に位置する可撓性ワイヤ30cの一部まで、スネア用ルーメン1bの開口部を通過して露出するようになっているが、例えば接続部30dの軸方向の寸法を長くすることで、可撓性ワイヤ30cがスネア用ルーメン1bの開口部から露出しないようにしてもよい。この場合には、接続部30dの断面形状のみを楕円状に形成すればよく、任意の断面形状を有する可撓性ワイヤ30cを使用できるようになる。
上述したように、本実施形態におけるカテーテルチューブ1では、操作ワイヤ30の遠位端部の断面形状およびスネア用ルーメン1bの遠位端部の断面形状を楕円状とすることで、軸方向を回転軸とした操作ワイヤ30の回転を規制できるようになる。その結果、操作ワイヤ30の回転に伴うスネアワイヤ40のループ面の変動を防ぎ、カテーテルチューブ1のチューブ遠位端1aにおいてループ面が常に同一方向を向いた状態を維持できるようになる。
本実施形態では、作製および加工が容易であることから、スネア用ルーメン1bの開口部の断面形状および操作ワイヤ30の遠位端部の断面形状を楕円状に形成しているが、これに限定されるものではなく、軸方向を回転軸とした操作ワイヤ30の回転を規制することが可能な任意の形状が採用されてよい。なお、本明細書における「楕円状」には、数学的に定義される楕円形のみならず、例えば角丸四角形に近い形状等、同軸方向に配列された略円形状の2本の線材の周囲を滑らかに囲むような形状も含まれる。
以下、図8〜図12を参照しながら、本実施形態における内視鏡用カテーテル100を用いて、自己拡張型のステント110を抜去する手順の一例について説明する。ただし、以下の手順は一例に過ぎず、本実施形態における内視鏡用カテーテル100を用いて自己拡張型のステント110を抜去する手順は、これに限定されるものではない。
本実施形態における内視鏡用カテーテル100は、管腔臓器間をバイパス接続するために体内に留置されている自己拡張型のステント110を抜去するために用いられるものである。例えば胃と肝内胆管とをバイパス接続する自己拡張型のステント110は、胃壁111および肝内胆管壁112を貫通するように留置され、ステント110の両端部は、それぞれ胃内および肝内胆管内に突出するように配置される。留置された自己拡張型のステント110は、径方向に拡張する自己拡張力によって穿刺孔を拡げるように付勢しており、これにより、留置位置から抜け落ちにくくなっている。
このように留置されたステント110を抜去する場合には、まず、内視鏡を胃まで挿入した後、スネアワイヤ40が縮径状態でスネア用ルーメン1b内に収納された状態とし、かつ、冷却水カテーテル5が冷却水カテーテル用ルーメン1c内に収納された状態とした内視鏡用カテーテル100の遠位端部を、内視鏡チャネルに挿入して押し進めていく。内視鏡用カテーテル100の遠位端部が内視鏡チャネル遠位端120から出た後、さらに押し進めることで、抜去対象のステント110の近傍に内視鏡用カテーテル100の遠位端部を配置させる(図8参照)。
次いで、内視鏡用スネア10のスライド部56を遠位側へスライドすることで、スネアワイヤ40をチューブ遠位端1aの遠位側に露出させて拡径させる。スネアワイヤ40は、ループ面がチューブ遠位端1aの遠位側を覆うように拡径した状態となる(図9参照)。
次いで、内視鏡のカメラ(不図示)による撮影画像等を確認しながら、冷却水カテーテル5を遠位側へ押し進めて、冷却水カテーテル遠位端5aをチューブ遠位端1aの遠位側へ進行させ、ステント110に近接させる(図10参照)。このとき、冷却水カテーテル5を、チューブ遠位端1aの遠位側で拡径しているスネアワイヤ40のループ40aの内側を通過させる。さらに、冷却水カテーテル5を遠位側へ押し進めて、冷却水カテーテル遠位端5aをステント110の内腔に挿入させる。
冷却水カテーテル遠位端5aをステント110の内腔に挿入させた状態で、内視鏡用スネア10のスライド部56を遠位側へスライドさせて、スネアワイヤ40をステント110に向かって進行させる。スネアワイヤ40のループ40aの内側には、冷却水カテーテル5が挿通されている。さらに、冷却水カテーテル5は、ステント110の内腔に挿入されている。この配置により、スネアワイヤ40を遠位側に押し進めるだけで、スネアワイヤ40がステント110に向かって進行し、ステント110に対してループ40aを容易に位置決めできるようになる。すなわち、ループ40aの内側に挿通された冷却水カテーテル5がガイドとしての役割を果たし、スネアワイヤ40は、ループ40aの内側に冷却水カテーテル5が挿通された状態でステント110に向かって進行するだけで、ループ40aの内側にステント110の端部を潜らせることができる(図11参照)。
ステント110の端部(例えばステント端のフランジ等)にループ40aを引っ掛けた状態とした後、0℃近くまで冷却された冷却水を冷却水カテーテル5の遠位端から放出してステント110を冷却する。そして、内視鏡用スネア10のスライド部56を近位側へスライドさせてスネアワイヤ40によってステント110を近位側に引っ張り(図12参照)、さらに内視鏡用スネア10のスライド部56を近位側へスライドさせることで、スネアワイヤ40を徐々にスネア用ルーメン1bに引き込んで引き絞り、スネアワイヤ40によって冷却されたステント110を絞扼する。なお、上述した一連の手順中において、例えばカテーテルチューブ1や冷却水カテーテル5の位置や姿勢を適宜変える等、内視鏡用カテーテル100を構成する各部の位置や姿勢を適宜制御してもよい。
自己拡張型のステント110は、冷却されると自己拡張力が大きく低減された状態となり、ステント110を変形させても形状を回復することなく変形された形状を維持するようになる。したがって、スネアワイヤ40で冷却されたステント110を絞扼することで、例えばステント110を潰したり曲げたりする等してステント110を抜去しやすい形状に簡単に変形させることができるようになる。さらに、ステント110がマイグレーションを防止するためのフック等の係止部を備えている場合であっても、係止部がステント110と同様の超弾性材料で構成されていれば、冷却により係止部を容易に変形させることができるようになり、ステント110を抜去しやすい状態とすることができる。
さらに、スネアワイヤ40によってステント110を絞扼したままで、冷却水を放出させてステント110を冷却させながら、内視鏡用カテーテル100を近位側へ移動させる操作を行うことで、円滑かつ安全にステント110を留置位置から抜去することができる。
冷却したステント110を留置位置から抜去した後、スネアワイヤ40によってステント110を絞扼したまま内視鏡チャネルを通じて内視鏡用カテーテル100を体外に引き出すか、あるいは内視鏡ごと体外に引き出すことで、抜去したステント110を体外に取り出すことができる。
以下、本発明に係る作用について説明する。
本発明に係る内視鏡用カテーテル100は、体内に留置されている自己拡張型のステント110を抜去するために用いられるものであり、内視鏡のチャネルに挿通可能なカテーテルチューブ1と、カテーテルチューブ1のチューブ遠位端1aより遠位側に露出して拡径し、ステント110を捕捉するためのループ40aを形成するスネアワイヤ40と、カテーテルチューブ1のチューブ遠位端1aより遠位側に配置された冷却水カテーテル遠位端5aから、近位端を通じて導入された冷却水をステント110に向けて放出する冷却水カテーテル5とを有している。
この構成によれば、自己拡張型のステント110を抜去する際に、冷却水カテーテル遠位端5aからステント110に向けて冷却水を放出することで、ステント110を冷却できるようになる。ステント110を冷却することでステント110の自己拡張力を低減させることができ、周囲の管腔臓器壁や瘻孔壁への付勢力を低減させて、ステント110を円滑かつ安全に抜去できるようになる。
さらに、本発明に係る内視鏡用カテーテル100では、冷却水カテーテル5が、カテーテルチューブ1内に軸方向に沿って形成されている冷却水カテーテル用ルーメン1cに進退可能なように挿通されていてもよい。
この構成によれば、冷却水カテーテル遠位端5aを遠位側へ進行させてステント110に近接させることができ、さらにはステント110の内腔に挿入させることもできるようになる。これにより、冷却水カテーテル遠位端5aからステント110に向けて冷却水を確実に放出して、ステント110を確実に冷却できるようになる。
さらに、本発明に係る内視鏡用カテーテル100では、スネアワイヤ40がカテーテルチューブ1のチューブ遠位端1aより遠位側に露出して拡径した状態において、冷却水カテーテル用ルーメン1cの軸芯を遠位側へ延長させた延長線L(図2参照)が、スネアワイヤ40のループ40aの内側を通過するように設定されていてもよい。
この構成によれば、チューブ遠位端1aの遠位側に拡径したスネアワイヤ40のループ40aの内側に冷却水カテーテル5を通過させることができるようになる。このように、スネアワイヤ40のループ40aの内側に冷却水カテーテル5を通過させた状態で、冷却水カテーテル遠位端5aを遠位側へ進行させてステント110に近接させ、さらにはステント110の内腔に挿入させることで、冷却水カテーテル5をガイドとしてステント110に対してループ40aを位置決めできるようになり、スネアワイヤ40のループ40aでステント110を容易に捕捉できるようになる。
さらに、本発明に係る内視鏡用カテーテル100は、カテーテルチューブ1内に軸方向に沿って形成されているスネア用ルーメン1b内に進退可能なように挿通され、遠位端でスネアワイヤ近位端40cと接続されている操作ワイヤ30を有し、操作ワイヤ30の遠位端部が進退するスネア用ルーメン1bの遠位端部において、軸方向を回転軸とした操作ワイヤ30の回転を規制するように、操作ワイヤ30の遠位端部の断面形状およびスネア用ルーメン1bの遠位端部の断面形状が設定されていてもよい。
この構成によれば、チューブ遠位端1aの遠位側に拡径したスネアワイヤ40のループ40aの位置が操作ワイヤ30の回転によって変動してしまうことを防ぎ、ループ40aの内側に冷却水カテーテル5を通過させることができる位置を維持できるようになる。
さらに、本発明に係る内視鏡用カテーテル100では、操作ワイヤ30の遠位端部の断面形状およびスネア用ルーメン1bの遠位端部の断面形状が楕円状であってもよい。
この構成によれば、操作ワイヤ30の遠位端部の断面形状およびスネア用ルーメン1bの遠位端部の断面形状を容易に成形して、軸方向を回転軸とした操作ワイヤ30の回転を規制できるようになる。その結果、操作ワイヤ30の回転に伴うスネアワイヤ40のループ面の変動を防ぎ、スネア用ルーメン1bの遠位端部に対してループ面が常に同一方向を向いた状態を維持できるようになる。
さらに、本発明に係る内視鏡用カテーテルでは、冷却水の温度が、ステント110を構成する材料が形状回復性を失う変態点より低くてもよい。
この構成によれば、ステント110を構成する材料が形状回復性を失う変態点より低い温度までステント110を冷却させて、ステント110の自己拡張力を確実に低減させることができるようになる。
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上述した実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属するすべての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
1 カテーテルチューブ
1a チューブ遠位端
1b スネア用ルーメン
1c 冷却水カテーテル用ルーメン
1d チューブ近位端
1e 側孔
1f コネクタ
5 冷却水カテーテル
5a 冷却水カテーテル遠位端
10 内視鏡用スネア
30 操作ワイヤ
30a 操作ワイヤ近位端
30c 可撓性ワイヤ
30d 接続部
40 スネアワイヤ
40a ループ
40c スネアワイヤ近位端
43 拡径部
44 屈曲部
45 遠位端湾曲部
50 操作部
52 チューブ固定部
56 スライド部
80 拡径方向
100 内視鏡用カテーテル
110 ステント
111 胃壁
112 肝内胆管壁
120 内視鏡チャネル遠位端

Claims (6)

  1. 体内に留置されている自己拡張型のステントを抜去するために用いられる内視鏡用カテーテルであって、
    内視鏡のチャネルに挿通可能なカテーテルチューブと、
    前記カテーテルチューブのチューブ遠位端より遠位側に露出して拡径し、前記ステントを捕捉するためのループを形成するスネアワイヤと、
    前記カテーテルチューブのチューブ遠位端より遠位側に配置された遠位端から、近位端を通じて導入された冷却水を前記ステントに向けて放出する冷却水カテーテルと、
    を有することを特徴とする内視鏡用カテーテル。
  2. 前記冷却水カテーテルが、前記カテーテルチューブ内に軸方向に沿って形成されている冷却水カテーテル用ルーメンに進退可能なように挿通されていることを特徴とする請求項1に記載の内視鏡用カテーテル。
  3. 前記スネアワイヤが前記カテーテルチューブのチューブ遠位端より遠位側に露出して拡径した状態において、前記冷却水カテーテル用ルーメンの軸芯を遠位側へ延長させた延長線が、前記スネアワイヤの前記ループの内側を通過するように設定されていることを特徴とする請求項2に記載の内視鏡用カテーテル。
  4. 前記カテーテルチューブ内に軸方向に沿って形成されているスネア用ルーメン内に進退可能なように挿通され、遠位端で前記スネアワイヤの近位端と接続されている操作ワイヤを有し、
    前記操作ワイヤの遠位端部が進退する前記スネア用ルーメンの遠位端部において、軸方向を回転軸とした前記操作ワイヤの回転を規制するように、前記操作ワイヤの遠位端部の断面形状および前記スネア用ルーメンの遠位端部の断面形状が設定されていることを特徴とする請求項3に記載の内視鏡用カテーテル。
  5. 前記操作ワイヤの遠位端部の断面形状および前記スネア用ルーメンの遠位端部の断面形状が楕円状であることを特徴とする請求項4に記載の内視鏡用カテーテル。
  6. 前記冷却水の温度が、前記ステントを構成する材料が形状回復性を失う変態点より低いことを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の内視鏡用カテーテル。
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