JP2021158891A - 始動装置の寿命推定装置 - Google Patents

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Masayuki Tamura
雅之 田村
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Abstract

【課題】電動の始動装置の寿命を精度良く推定でき、始動装置を限界付近まで無駄なく使用することができる始動装置の寿命判定装置を提供する。【解決手段】本発明は、バッテリ5から供給される電力によって作動し、車両Vに搭載された内燃機関3を始動させるスタータ4の寿命を推定する始動装置の寿命推定装置であり、バッテリ電圧VB、バッテリ電流IB、スタータ4の温度及びエンジン3の温度の少なくとも一方である温度パラメータ(エンジン水温TW、油温TOIL)を取得し、スタータ4が作動するごとに、バッテリ電圧VB、バッテリIB及び温度パラメータに基づき、スタータ4のブラシ摩耗量ΔQABを算出し(ステップ3、4)と、算出されたブラシ摩耗量ΔQABを積算したブラシ摩耗量積算値QABに基づき、スタータ4の寿命を推定する(ステップ6〜13)。【選択図】図2

Description

本発明は、内燃機関に用いられるスタータなどの電動の始動装置の寿命を推定する始動装置の寿命推定装置に関する。
従来、内燃機関のスタータには、ブラシ付きの直流モータが一般に用いられており、このタイプのスタータの寿命は、通常、ブラシの摩耗によって定まる。また、近年、いわゆるアイドルストップ機能を備えた車両が一般化し、それに伴い、アイドルストップからの再始動の頻度が増加し、スタータの使用回数が飛躍的に増加していることで、ブラシの摩耗によるスタータの寿命が問題になっている。
この問題に対し、自動車メーカーは、従来一般に次のように対応している。すなわち、スタータのブラシの耐久性に関する様々な条件(環境温度、始動時間、内燃機関のフリクションなど)を考慮する。その条件でスタータの耐久試験を実施し、その試験結果に基づき、スタータの使用保証回数を一律に設定する。そして、車両に搭載されたスタータの使用回数が使用保証回数に到達した段階で、スタータの交換を促す警告が車両のメータなどに表示され、それに従い、スタータの交換が行われる。
また、特許文献1には、直流モータのブラシの摩耗を判定する判定装置が開示されている。この判定装置では、対をなす第1正極ブラシと第1負極ブラシの間に形成された第1電流経路の平均電流値と、対をなす第2正極ブラシと第2負極ブラシの間に形成された第2電流経路の平均電流値との差分が、所定の範囲にないときに、ブラシの摩耗が発生していると判定される。
特開2019−122051号公報
スタータのブラシの実際の摩耗度合は、スタータの使用環境や、スタータ自身及び相手方の内燃機関の状況などに応じて異なり、使用回数が同じであっても異なることが多い。これに対し、上述した自動車メーカーの指針では、スタータの使用保証回数を一律に規定しているため、その警告に従い、多くの場合、寿命を長く残した状態でスタータが交換されてしまい、無駄な状況になっている。また、特許文献1の判定装置は、ブラシ間を流れる電流に基づき、ブラシの摩耗を判定するにすぎないため、判定を精度良く行うことができない。
本発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、電動の始動装置の寿命を精度良く推定でき、それにより、始動装置を限界付近まで無駄なく使用することができる始動装置の寿命判定装置を提供することを目的とする。
この目的を達成するために、本願の請求項1に係る発明は、蓄電器(実施形態における(以下、本項において同じ)バッテリ5)から供給される電力によって作動し、車両Vに搭載された内燃機関3を始動させる始動装置(スタータ4)の寿命を推定する始動装置の寿命推定装置であって、蓄電器5の電圧(バッテリ電圧VB)を取得する電圧取得手段(バッテリ電圧センサ22)と、蓄電器5の電流(バッテリ電流IB)を取得する電流取得手段(バッテリ電流センサ23)と、始動装置の温度及び内燃機関の温度の少なくとも一方である温度パラメータ(エンジン水温TW、油温TOIL)を取得する温度パラメータ取得手段(水温センサ24、油温センサ25)と、始動装置が作動するごとに、取得された蓄電器5の電圧、蓄電器5の電流及び温度パラメータに基づき、始動装置の摩耗による寿命の減少度合に相関する寿命減少パラメータ(ブラシ摩耗量ΔQAB)を算出する寿命減少パラメータ算出手段(ECU2、ステップ3、4)と、算出された寿命減少パラメータを積算した寿命減少パラメータ積算値(ブラシ摩耗量積算値QAB)に基づき、始動装置の寿命を推定する寿命推定手段(ECU2、ステップ6〜13)と、を備えることを特徴とする。
本発明では、始動装置は、車両に搭載された内燃機関を始動させるものであり、始動装置に電力を供給する蓄電器の電圧及び電流と、始動装置の温度及び内燃機関の温度の少なくとも一方である温度パラメータが、それぞれ取得される。また、始動装置が作動するごとに、取得された蓄電器の電圧、蓄電器の電流、及び温度パラメータに基づき、始動装置の摩耗による寿命の減少度合に相関する寿命減少パラメータが算出される。そして、算出された寿命減少パラメータを積算した寿命減少パラメータ積算値に基づき、始動装置の寿命が推定される。
上記のような電動の始動装置の摩耗は、機械的摩耗と電気的摩耗に分けられ、両者の組み合わせによって摩耗量が定まる。上記の蓄電器の電圧は主として機械的摩耗に相関し、蓄電器の電流は主として電気的摩耗に相関する。また、始動装置の摩耗量は、蓄電器の電圧及び電流が同じ条件であっても、始動装置の温度及び/又は内燃機関の温度に応じて変化する。
このような観点に基づき、本発明によれば、取得された蓄電器の電圧、蓄電器の電流、及び温度パラメータに基づき、始動装置の摩耗による寿命の減少度合に相関する寿命減少パラメータを精度良く算出するとともに、算出された寿命減少パラメータを積算した寿命減少パラメータ積算値に基づき、始動装置の寿命を精度良く推定することができる。その結果、始動装置を限界付近まで無駄なく使用することができる。
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の始動装置の寿命推定装置において、寿命推定手段により始動装置の寿命が短いと推定されたときに、車両の運転者に通知する通知手段(警告灯28、ECU2、ステップ10、13)をさらに備えることを特徴とする。
この構成によれば、始動装置の寿命が短いと推定されたときに、車両の運転者に通知される。この通知を受け、運転者は、始動装置を適切なタイミングで交換でき、その交換費用を軽減することができる。
請求項3に係る発明は、請求項1又は2に記載の始動装置の寿命推定装置において、内燃機関3は、所定の停止条件が成立したときに、自動的に停止され、その後、所定の再始動条件が成立したときに、自動的に再始動されるように構成されており、寿命推定手段により始動装置の寿命が短いと推定されたときに、内燃機関の自動停止の実行回数を制限する自動停止制限手段(ECU2、ステップ8、9)をさらに備えることを特徴とする。
この構成では、内燃機関は、所定の停止条件が成立したときに自動的に停止され、所定の再始動条件が成立したときに、自動的に再始動される、アイドルストップ制御が行われるものである。本発明によれば、始動装置の寿命が短いと推定されたときに、内燃機関の自動停止の実行回数が制限される。これにより、再始動の実行回数が制限され、始動装置の摩耗の進行が抑制されることによって、始動装置の寿命を延ばし、交換時期を遅らせることができる。
請求項4に係る発明は、請求項3に記載の始動装置の寿命推定装置において、寿命推定手段により始動装置が寿命に達したと推定されたときに、内燃機関の自動停止を禁止する自動停止禁止手段(ECU2、ステップ11、12)をさらに備えることを特徴とする。
この構成によれば、始動装置が寿命に達したと推定されたときに、内燃機関の自動停止が禁止されるので、始動装置のそれ以上の摩耗の進行を有効に抑制することができる。
請求項5に係る発明は、請求項3又は4に記載の始動装置の寿命推定装置において、始動装置は、ブラシ付きの直流モータ(モータ11)を有するスタ−タ4であり、寿命減少パラメータは、ブラシの摩耗量(ブラシ摩耗量ΔQAB)であり、寿命減少パラメータ算出手段は、ブラシの摩耗量を、蓄電器5の電圧が大きいほど、より小さな値に算出し、蓄電器5の電流が大きいほど、より大きな値に算出すること(ステップ3、4、図3、図4)を特徴とする。
この構成では、始動装置は、ブラシ付きの直流モータを有するスタ−タであり、寿命減少パラメータは、ブラシの摩耗量である。このような構成では、蓄電器の電圧が大きいほど、始動時のスタータの回転数が全体的に高く、内燃機関がより早く立ち上がることで、始動中のブラシの接触時間が短くなるため、ブラシの機械的摩耗量はより小さくなる。また、蓄電器の電流が大きいほど、電気的な負荷が大きくなるため、ブラシの電気的摩耗量はより大きくなる。
以上の観点に基づき、本発明によれば、ブラシの摩耗量を、蓄電器の電圧が大きいほど、より小さな値に算出し、蓄電器の電流が大きいほど、より大きな値に算出する。これにより、蓄電器の電圧及び電流に応じた特性を反映させながら、ブラシの摩耗量を精度良く算出でき、したがって、ブラシの摩耗量に基づくスタータの寿命の推定を精度良く行うことができる。
請求項6に係る発明は、請求項3から5のいずれかに記載の始動装置の寿命推定装置において、寿命減少パラメータ算出手段は、内燃機関3の始動がイグニッションスイッチ27の操作による手動始動のときには、温度パラメータとして内燃機関3の温度を用い、内燃機関3の始動が再始動のときには、温度パラメータとして始動装置の温度を用いること(ステップ2〜4)を特徴とする。
手動始動は、低温状態で行われることが通常であり、低温状態では、エンジン温度が低いほど、内燃機関のフリクションが大きいことで、ブラシの摩耗量が増大するため、温度パラメータとして内燃機関の温度がより適している。一方、アイドルストップ後の再始動は、内燃機関の暖機後の状態で行われることが通常であり、暖機後の状態では、内燃機関のフリクションは小さく、始動装置の温度がブラシの摩耗量に影響を及ぼすため、温度パラメータとして始動装置の温度がより適している。
以上の観点に基づき、本発明によれば、手動始動のときには、温度パラメータとして内燃機関の温度を用いる一方、再始動のときには、温度パラメータとして始動装置の温度を用いる。これにより、手動始動及び再始動のいずれの場合にも、それぞれの温度特性を反映させながら、ブラシの摩耗量を精度良く算出でき、したがって、その積算値に基づくスタータの寿命推定をより精度良く行うことができる。
本発明を適用した始動装置及び寿命推定装置を概略的に示す図である。 スタータのブラシの寿命推定処理を示すフローチャートである。 手動始動時のブラシ摩耗量を算出するためのマップである。 再始動時のブラシ摩耗量を算出するためのマップである。
以下、図面を参照しながら、本発明の好ましい実施形態を詳細に説明する。図1に示す車両Vは、動力源としての内燃機関(以下「エンジン」という)3と、エンジン3を始動させるためのスタータ4と、これらの動作を制御するECU(電子制御ユニット)2を備えている。
エンジン3は、ECU2による制御により、所定の停止条件が成立したときに自動的に停止され、その後、所定の再始動条件が成立したときに自動的に再始動される、いわゆるアイドルストップ機能を有する。エンジン3には、燃料を噴射する燃料噴射弁6が気筒(図示せず)ごとに設けられ、クランクシャフト7と一体のフライホイールの外周には、リングギヤ8が形成されている。
スタータ4は、リングギヤ8に噛み合い可能なピニオンギヤ9と、ピニオンギヤ9をリングギヤ8側に駆動するアクチュエータ10と、ピニオンギヤ9を回転駆動するモータ11を有する。
アクチュエータ10は、電磁式のものであり、ソレノイド12と、ソレノイド12によって駆動されるプランジャ13を有する。ソレノイド12は、第1リレー14を介してバッテリ5に接続され、第1リレー14はECU2に接続されており、その動作はECU2によって制御される。プランジャ13には、支点15を中心として揺動自在の連結部材16の一端部が係合し、連結部材16の他端部は、ピニオンギヤ9と一体の出力軸17に係合している。プランジャ13は、復帰ばね(図示せず)によって、リングギヤ8側(図1の右方向)に常時、付勢されている。
また、モータ11は、コイル、整流子やブラシ(いずれも図示せず)を有する直流式のものであり、スイッチング機構30を介して、キャパシタ31に接続されている。スイッチング機構30は、電磁式のものであり、アクチュエータ10のソレノイド12とプランジャ13を共有するとともに、プランジャ13のモータ11側の端部に設けられた電極板34を有する。
また、プランジャ13の電極板34とモータ11との間には、第1及び第2電極板35a、35bが、互いに間隔を隔てて対向するように設けられている。第1電極板35aはキャパシタ31に接続され、第2電極板35bはモータ11に接続されている。
キャパシタ31は比較的大きな容量のものであり、キャパシタ31とバッテリ5の間には、DC/DCコンバータなどから成る充放電コントローラ(BBC)19が設けられている。充放電コントローラ19は、ECU2からの制御信号に応じ、バッテリ5及びキャパシタ31の充放電や、車両Vの電気負荷(補機類)36及び第1リレー14への供給電圧などを制御する。なお、図1の符号37(ACG)は発電機である。
以上の構成により、第1リレー14がオンされると、バッテリ5からの電力の供給によってアクチュエータ10が作動し、ソレノイド12が励磁状態になり、プランジャ13を吸引し、リングギヤ8と反対側(図1の矢印A方向)に移動させる。このプランジャ13の移動に伴い、連結部材16が支点15を中心として揺動し、出力軸17を介してピニオンギヤ9をリングギヤ8側(図1の矢印B方向)に移動させることによって、ピニオンギヤ9がリングギヤ8に噛み合わされる。
また、第1リレー14がオンされると、プランジャ13が上記の方向に移動するのに伴い、プランジャ13の電極板34が第1及び第2電極板35a、35bに接触し、両者を電気的に接続する。これにより、キャパシタ31の電力が、第1及び第2電極板35a、35bを介してモータ11に供給されることで、モータ11が回転し、ピニオンギヤ9が回転駆動される。
エンジン3の始動は、燃料噴射弁6から燃料を供給しながら、上記のアクチュエータ10及びモータ11の作動により、ピニオンギヤ9をリングギヤ8に噛み合った状態で回転させ、ピニオンギヤ9及びリングギヤ8を介してクランクシャフト7を回転させる(クランキングする)ことによって、行われる。なお、以下では、後述するアイドルストップの後のエンジン3の始動を「再始動」といい、イグニッションスイッチの操作に応じたエンジン3の始動を「手動始動」という。
ECU2には、バッテリ電圧センサ22及びバッテリ電流センサ23から、バッテリ5の電圧(バッテリ電圧)VB及び電流(バッテリ電流)IBを表す検出信号が、それぞれ入力される。また、ECU2には、水温センサ24から、エンジン3の冷却水の温度(エンジン水温)TWを表す検出信号が、油温センサ25から、エンジン3の潤滑油の温度(油温)TOILを表す検出信号が、それぞれ入力される。
ECU2にはさらに、ブレーキスイッチ26から、車両Vのブレーキペダル(図示せず)のオン(踏込み)又はオフ(非踏込み)の状態を表す検出信号が、イグニッションスイッチ27から、そのオン/オフ状態を表す検出信号が、それぞれ入力される。また、ECU2には警告灯28が接続されている。警告灯28は、車両Vのコントロールパネル(図示せず)に設けられ、スタータ4の寿命に関する通知を行うものである。
ECU2は、CPU、RAM、ROM、EEPROM及び入力インターフェース(いずれも図示せず)などから成るマイクロコンピュータで構成されている。ECU2は、上述した各種のセンサ22〜25及びスイッチ26、27の検出信号などに応じ、ROMに記憶された制御プログラムなどに基づいて、エンジン3及び車両Vの運転状態を判別するとともに、エンジン3の自動停止及び再始動を制御する停止始動制御(アイドルストップ制御)やモータ11のブラシの寿命推定を実行する。
なお、実施形態では、ECU2が、寿命減少パラメータ算出手段、寿命推定手段、通知手段、自動停止制限手段、及び自動停止禁止手段に相当する。
上記の停止始動制御のうち、エンジン3の自動停止は、ブレーキペダルがオンされる(ブレーキスイッチ26:ON)などの所定の停止条件が成立したときに、例えば燃料噴射弁6からの燃料噴射を停止することによって、実行される。
また、エンジン3の再始動は、上記の自動停止の後、ブレーキペダルがオフされる(ブレーキスイッチ26:OFF)などの所定の再始動条件が成立したときに、燃料噴射弁6からの燃料の供給を再開しながら、スタータ4でクランクシャフト7を回転させる(クランキングする)ことなどによって、行われる。
次に、図2を参照しながら、ECU2で実行されるモータ11のブラシの寿命判定処理について説明する。本処理は、所定の周期で実行される。本処理では、まずステップ1(「S1」と図示。以下同じ)において、今回の処理サイクルにおいて、エンジン3の始動(手動始動又は再始動)が実行されたか否かを判別する。この答えがNOで、エンジン3の始動が実行されていないときには、そのまま本処理を終了する。
ステップ1の答えがYESのときには、今回の始動が手動始動であるか否かを判別する(ステップ2)。この答えがYESで、手動始動のときには、ステップ3に進み、図3に示す手動始動時用のマップを用い、このときの油温TOIL、バッテリ電圧VB及びバッテリ電流IBに応じて、今回の始動によるブラシ摩耗量ΔQABを算出する。
図3のマップは、油温TOILの複数の領域ごとに設定された複数のマップで構成され、各マップには、バッテリ電圧VB及びバッテリ電流IBに応じて、ブラシ摩耗量ΔQABが設定されている。
また、図3のマップでは、エンジン3の温度(以下「エンジン温度」という)を表す温度パラメータとして、油温TOILが用いられている。その理由は以下のとおりである。すなわち、手動始動は、低温状態で行われることが通常であり、低温状態では、エンジン温度が低いほど、エンジン3のフリクションが大きいことで、ブラシの摩耗量が増大する。このため、温度パラメータとして、スタータ4の温度(以下「スタータ温度」という)よりもエンジン温度が適しているとともに、油温TOILがエンジン温度をより良好に反映するためである。このため、図3のマップでは、ブラシ摩耗量ΔQABは、油温TOILが低いほど、より大きな値に設定されている。
また、同マップのバッテリ電圧VBは、ブラシの機械的摩耗の大きさを表す。例えば、バッテリ電圧VBが大きいほど、始動回転数が全体的に高いことで、エンジン3がより早く立ち上がり、始動中のブラシの接触時間が短くなるため、ブラシの機械的摩耗量はより小さくなる。このため、図3の各マップでは、ブラシ摩耗量ΔQABは、電圧VBが大きいほど、より小さな値に設定されている。
さらに、図3のマップのバッテリ電流IBは、ブラシの電気的摩耗の大きさを表す。例えば、バッテリ電流IBが大きいほど、電気的な負荷が大きくなるため、ブラシの電気的摩耗量はより大きくなる。このため、図3の各マップでは、ブラシ摩耗量ΔQABは、バッテリ電流IBが大きいほど、より大きな値に設定されている。
一方、前記ステップ2の答えがNOで、今回の始動がアイドルストップ後の再始動のときには、ステップ4に進み、図4に示す再始動時用のマップを用い、このときのエンジン水温TW、バッテリ電圧VB及びバッテリ電流IBに応じて、今回の始動によるブラシ摩耗量ΔQABを算出する。
図4のマップは、エンジン水温TWの複数の領域ごとに設定された複数のマップで構成され、各マップには、バッテリ電圧VB及びバッテリ電流IBに応じて、ブラシ摩耗量ΔQABが設定されている。
また、図4のマップでは、スタータ温度を表す温度パラメータとして、エンジン水温TWが用いられている。その理由は以下のとおりである。すなわち、アイドルストップ後の再始動は、エンジン3の暖機後の状態で行われることが通常であり、暖機後の状態では、エンジン3のフリクションは小さく、むしろスタータ温度がブラシの摩耗量に影響を及ぼす。このため、温度パラメータとして、エンジン温度よりもスタータ温度が適しているとともに、スタータ4がエンジン3のラジエータ(図示せず)の排風温やエンジン3の輻射熱の影響を強く受ける関係から、エンジン水温TWがスタータ温度をより良好に反映するためである。
図4のマップでは、ブラシ摩耗量ΔQABは、エンジン水温TWが低いほど、すなわちスタータ温度が低いほど、モータの電気的抵抗が小さいことから、より小さな値に設定されている。バッテリ電圧VB及びバッテリ電流IBに対するブラシ摩耗量ΔQABの傾向は、前述した図3の場合と同じである。
図2に戻り、前記ステップ3又は4に続くステップ5では、それまでに得られているブラシ摩耗量積算値QABに、ステップ3又は4で算出されたブラシ摩耗量ΔQABを加算することによって、今回のブラシ摩耗量積算値QABを算出する。なお、このブラシ摩耗量積算値QABは、スタータ4の出荷時や交換時に値0にリセットされ、エンジン3の停止時には、ECU2のEEPROMに記憶される。
次に、ステップ6において、ブラシ摩耗量積算値QABが第1所定値Q1以上であるか否かを判別する。この答えがNOで、QAB<Q1のときには、ブラシの摩耗量がまだ小さいと判定し、そのまま本処理を終了する。
ステップ6の答えがYESのときには、ステップ7に進み、ブラシ摩耗量積算値QABが第1所定値Q1よりも大きい第2所定値Q2以上であるか否かを判別する。この答えがNOのとき、すなわち、Q1≦QAB<Q2のときには、スタータ4の寿命が少なくなったとして、スタータ4の使用を制限する制限モードに移行する。まず、制限モードフラグF_LMTを「1」にセットし(ステップ8)、アイドルストップの実行回数を制限する(ステップ9)とともに、警告1を実行し(ステップ10)、本処理を終了する。
この警告1は、例えば、車両Vのコントロールパネルに、警告灯28を点灯するとともに、スタータ4の寿命が少なくなったことやスタータ4の交換を促すメッセージを表示することによって、行われる。
一方、前記ステップ7の答えがYESで、ブラシ摩耗量積算値QABが第2所定値Q2以上のときには、スタータ4が寿命に達したとして、スタータ4の使用を禁止する禁止モードに移行する。まず、禁止モードフラグF_NGを「1」にセットし(ステップ11)、アイドルストップを禁止する(ステップ12)とともに、警告2を実行し(ステップ13)、本処理を終了する。
この警告2は、例えば、車両Vのコントロールパネルに、警告灯28を点灯するとともに、スタータ4が寿命に達したことやスタータ4の交換を指示するメッセージを表示することによって、行われる。
以上のように、本実施形態によれば、エンジン3が始動されるごとに、検出されたバッテリ電圧VB及びバッテリ電流IBと、エンジン水温TW又は油温TOILに基づき、スタータ4のブラシ摩耗量ΔQABを精度良く算出するとともに、算出されたブラシ摩耗量ΔQABを積算したブラシ摩耗量積算値QABに基づき、スタータ4の寿命を精度良く推定することができる。その結果、スタータ4を限界付近まで無駄なく使用することができる。
また、ブラシ摩耗量ΔQABを算出する際の温度パラメータとして、手動始動のときには、エンジン温度をより良好に反映する油温TOILを用いる一方、再始動のときには、スタータ温度をより良好に反映するエンジン水温TWを用いる。これにより、手動始動及び再始動のいずれの場合にも、それぞれの温度特性を反映させながら、ブラシ摩耗量ΔQABを精度良く算出でき、したがって、ブラシ摩耗量積算値QABに基づくスタータ4の寿命の推定をより精度良く行うことができる。
また、ブラシ摩耗量積算値QABが第1所定値Q1に達したときには、スタータ4の寿命が少なくなったとして、アイドルストップの実行回数を制限する。これにより、ブラシの摩耗の進行を抑制することで、スタータ4の寿命を延ばし、交換時期を遅らせることができる。さらに、ブラシ摩耗量積算値QABが増加し、第2所定値Q2に達したときには、スタータ4が寿命に達したとして、アイドルストップを禁止する。これにより、ブラシのそれ以上の摩耗の進行を有効に抑制することができる。
また、上記の2つの場合には、そのときのスタータ4の寿命に関する情報を運転者に知らせるための警告1及び警告2がそれぞれ行われる。これらの警告を受け、運転者は、スタータ4の寿命を把握し、スタータ4を適切なタイミングで交換でき、その交換費用を軽減することができる。
なお、本発明は、説明した実施形態に限定されることなく、種々の態様で実施することができる。例えば、実施形態では、温度パラメータとして、エンジン水温TWと油温TOILを用いているが、スタータ4の温度やエンジン3の温度を表す限り、他の適当な温度パラメータを用いることができる。例えば、スタータ4の温度をセンサで直接、検出してもよく、あるいは吸気温度を用いてもよい。
この場合、エンジン3及びスタータ4の運転状況や両者3、4の位置関係などに応じ、上記の温度パラメータから、エンジン3やスタータ4の温度をより良好に反映するものを採用することが好ましい。また、これらの温度パラメータを、センサで検出するのに代えて、エンジン3及びスタータ4の運転状態や外気温度などに応じて推定してもよい。
また、図3及び図4のマップに示した油温TOIL、エンジン水温TW、バッテリ電圧VB及びバッテリ電流IBの領域区分は、あくまで例示であり、変更できることはもちろんである。その他、本発明の趣旨の範囲内で、細部の構成を適宜、変更することが可能である。
2 ECU(寿命減少パラメータ算出手段、寿命推定手段、通知手段、自動停止制限手 段、自動停止禁止手段)
3 内燃機関
4 スタータ(始動装置)
5 バッテリ(蓄電器)
11 モータ(直流モータ)
22 バッテリ電圧センサ(電圧取得手段)
23 バッテリ電流センサ(電流取得手段)
24 水温センサ(温度パラメータ取得手段)
25 油温センサ(温度パラメータ取得手段)
27 イグニッションスイッチ
28 警告灯(通知手段)
V 車両
VB バッテリ電圧(蓄電器の電圧)
IB バッテリ電流(蓄電器の電流)
TW エンジン水温(温度パラメータ)
TOIL 油温(温度パラメータ)
ΔQAB ブラシ摩耗量(寿命減少パラメータ)
QAB ブラシ摩耗量積算値(寿命減少パラメータ積算値)

Claims (6)

  1. 蓄電器から供給される電力によって作動し、車両に搭載された内燃機関を始動させる始動装置の寿命を推定する始動装置の寿命推定装置であって、
    前記蓄電器の電圧を取得する電圧取得手段と、
    前記蓄電器の電流を取得する電流取得手段と、
    前記始動装置の温度及び前記内燃機関の温度の少なくとも一方である温度パラメータを取得する温度パラメータ取得手段と、
    前記始動装置が作動するごとに、前記取得された蓄電器の電圧、蓄電器の電流及び温度パラメータに基づき、前記始動装置の摩耗による寿命の減少度合に相関する寿命減少パラメータを算出する寿命減少パラメータ算出手段と、
    当該算出された寿命減少パラメータを積算した寿命減少パラメータ積算値に基づき、前記始動装置の寿命を推定する寿命推定手段と、
    を備えることを特徴とする始動装置の寿命推定装置。
  2. 前記寿命推定手段により前記始動装置の寿命が短いと推定されたときに、車両の運転者に通知する通知手段をさらに備えることを特徴とする、請求項1に記載の始動装置の寿命推定装置。
  3. 前記内燃機関は、所定の停止条件が成立したときに、自動的に停止され、その後、所定の再始動条件が成立したときに、自動的に再始動されるように構成されており、
    前記寿命推定手段により前記始動装置の寿命が短いと推定されたときに、前記内燃機関の前記自動停止の実行回数を制限する自動停止制限手段をさらに備えることを特徴とする、請求項1または2に記載の始動装置の寿命推定装置。
  4. 前記寿命推定手段により前記始動装置が寿命に達したと推定されたときに、前記内燃機関の前記自動停止を禁止する自動停止禁止手段をさらに備えることを特徴とする、請求項3に記載の始動装置の寿命推定装置。
  5. 前記始動装置は、ブラシ付きの直流モータを有するスタ−タであり、前記寿命減少パラメータは、前記ブラシの摩耗量であり、
    前記寿命減少パラメータ算出手段は、前記ブラシの摩耗量を、前記蓄電器の電圧が大きいほど、より小さな値に算出し、前記蓄電器の電流が大きいほど、より大きな値に算出することを特徴とする、請求項3又は4に記載の始動装置の寿命推定装置。
  6. 前記寿命減少パラメータ算出手段は、前記内燃機関の始動がイグニッションスイッチの操作による手動始動のときには、前記温度パラメータとして前記内燃機関の温度を用い、前記内燃機関の始動が前記再始動のときには、前記温度パラメータとして前記始動装置の温度を用いることを特徴とする、請求項3から5のいずれかに記載の始動装置の寿命推定装置。
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