JP2021157956A - 絶縁電線、コイル、及び電気・電子機器 - Google Patents
絶縁電線、コイル、及び電気・電子機器 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2021157956A JP2021157956A JP2020057255A JP2020057255A JP2021157956A JP 2021157956 A JP2021157956 A JP 2021157956A JP 2020057255 A JP2020057255 A JP 2020057255A JP 2020057255 A JP2020057255 A JP 2020057255A JP 2021157956 A JP2021157956 A JP 2021157956A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- conductor
- insulated wire
- layer
- insulating film
- thermoplastic resin
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Classifications
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02T—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
- Y02T10/00—Road transport of goods or passengers
- Y02T10/60—Other road transportation technologies with climate change mitigation effect
- Y02T10/64—Electric machine technologies in electromobility
Landscapes
- Insulated Conductors (AREA)
- Windings For Motors And Generators (AREA)
- Insulation, Fastening Of Motor, Generator Windings (AREA)
Abstract
【課題】絶縁電線の導体としてアルミニウム又はアルミニウム合金を用いながらも、導体と絶縁皮膜との間の密着性に優れる絶縁電線を提供する。【解決手段】導体11と、導体周囲に配された、単層又は複層の絶縁皮膜12とを有する絶縁電線1であって、導体11がアルミニウム又はアルミニウム合金により構成され、絶縁皮膜12の最内層がジフェニルエーテル基を有する熱可塑性樹脂を含有し、該熱可塑性樹脂の250℃における貯蔵弾性率が0.8×105〜1.1×106Paである。【選択図】図1
Description
本発明は、絶縁電線、コイル、及び電気・電子機器に関する。
インバーター関連機器(高速スイッチング素子、インバーターモーター、変圧器等の電気・電子機器用コイルなど)には、マグネットワイヤとして、導体の周囲に絶縁性樹脂を含む絶縁皮膜を設けた絶縁電線が用いられている。
小型化された電気・電子機器に用いられる絶縁電線には、絶縁皮膜が高い密着性で導体を被覆していることが求められる。すなわち、このような機器においては、絶縁電線を狭い部分へ押し込むように巻線加工して使用される。例えば、回転電機や変圧器等においては、コイルをステータコアのスロット中に何本入れられるかが、その性能に大きく影響する。そのため、絶縁電線は複雑かつ小さな屈曲半径で曲げ加工される。このとき、導体と被覆樹脂層との密着性が十分でないと、絶縁皮膜が導体から剥離してしまう。
絶縁電線において、導体と絶縁皮膜との密着性を高める技術が提案されている。例えば特許文献1には、導体と接する最も内側の樹脂層をポリサルホン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニルサルホン及びポリエーテルイミドからなる群より選択される少なくとも1種で構成することにより、導体と絶縁皮膜との密着性が高められることが記載されている。
小型化された電気・電子機器に用いられる絶縁電線には、絶縁皮膜が高い密着性で導体を被覆していることが求められる。すなわち、このような機器においては、絶縁電線を狭い部分へ押し込むように巻線加工して使用される。例えば、回転電機や変圧器等においては、コイルをステータコアのスロット中に何本入れられるかが、その性能に大きく影響する。そのため、絶縁電線は複雑かつ小さな屈曲半径で曲げ加工される。このとき、導体と被覆樹脂層との密着性が十分でないと、絶縁皮膜が導体から剥離してしまう。
絶縁電線において、導体と絶縁皮膜との密着性を高める技術が提案されている。例えば特許文献1には、導体と接する最も内側の樹脂層をポリサルホン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニルサルホン及びポリエーテルイミドからなる群より選択される少なくとも1種で構成することにより、導体と絶縁皮膜との密着性が高められることが記載されている。
近年、モーター等の電気・電子機器の軽量化の要求が高まっている。そのため、導体として銅よりも軽量のアルミニウムを用いた絶縁電線の需要が高まっている。しかし、アルミニウム導体は銅導体と比較して、絶縁皮膜との間の密着力に劣る。
本発明は、絶縁電線の導体としてアルミニウム又はアルミニウム合金を用いながらも、導体と絶縁皮膜との間の密着性に優れる絶縁電線を提供することを課題とする。
本発明は、絶縁電線の導体としてアルミニウム又はアルミニウム合金を用いながらも、導体と絶縁皮膜との間の密着性に優れる絶縁電線を提供することを課題とする。
本発明者らは上記課題に鑑み鋭意検討を重ねた結果、ジフェニルエーテル基を有し、かつ高温における貯蔵弾性率が特定の低い範囲にある熱可塑性樹脂を、アルミニウム又はアルミニウム合金により構成された導体に接してその周囲に被覆することにより、導体と絶縁皮膜との間の密着性が格段に高められることを見出した。
本発明はこれらの知見に基づき完成されるに至ったものである。
本発明はこれらの知見に基づき完成されるに至ったものである。
すなわち、本発明の上記課題は下記の手段により解決された。
(1)
導体と、導体周囲に配された絶縁皮膜とを有する絶縁電線であって、
該導体がアルミニウム又はアルミニウム合金により構成され、
該絶縁皮膜の最内層がジフェニルエーテル基を有する熱可塑性樹脂を含有し、該熱可塑性樹脂の250℃における貯蔵弾性率が0.8×105〜1.1×106Paである、絶縁電線。
(2)
前記絶縁皮膜の前記導体に対する密着強度が50〜200gf/mmであり、前記最内層の厚さが1μm以下である、前記(1)記載の絶縁電線。
(3)
前記最内層中、沸点が180℃以上の溶剤の含有量が200ppm以下である、前記(1)又は(2)に記載の絶縁電線。
(4)
前記熱可塑性樹脂が、ポリエーテルイミド及びポリエーテルスルホンの少なくとも1種である、前記(1)〜(3)のいずれかに記載の絶縁電線。
(5)
前記絶縁皮膜が、前記最内層以外の層として、熱硬化性ポリイミド及びポリアミドイミドの少なくとも1種の熱硬化性樹脂を含有する層を有する、前記(1)〜(4)のいずれかに記載の絶縁電線。
(6)
前記絶縁皮膜が、前記最内層以外の層として、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルケトンケトン、ポリケトン、ポリフェニレンサルファイド及び熱可塑性ポリイミドの少なくとも1種の熱可塑性樹脂を含有する層を有する、前記(1)〜(5)のいずれかに記載の絶縁電線。
(7)
前記アルミニウム合金が、Feを0.01〜0.4mass%、Cuを0.3〜0.5mass%、Mgを0.04〜0.3mass%、Siを0.02〜0.3mass%含有し、さらにTiとVを合わせて0.001〜0.01mass%含有し、残部Alと不可避不純物からなる、前記(1)〜(6)のいずれかに記載の絶縁電線。
(8)
前記(1)〜(7)のいずれかに記載の絶縁電線コイル。
(9)
前記(8)に記載のコイルを有する電気・電子機器。
(1)
導体と、導体周囲に配された絶縁皮膜とを有する絶縁電線であって、
該導体がアルミニウム又はアルミニウム合金により構成され、
該絶縁皮膜の最内層がジフェニルエーテル基を有する熱可塑性樹脂を含有し、該熱可塑性樹脂の250℃における貯蔵弾性率が0.8×105〜1.1×106Paである、絶縁電線。
(2)
前記絶縁皮膜の前記導体に対する密着強度が50〜200gf/mmであり、前記最内層の厚さが1μm以下である、前記(1)記載の絶縁電線。
(3)
前記最内層中、沸点が180℃以上の溶剤の含有量が200ppm以下である、前記(1)又は(2)に記載の絶縁電線。
(4)
前記熱可塑性樹脂が、ポリエーテルイミド及びポリエーテルスルホンの少なくとも1種である、前記(1)〜(3)のいずれかに記載の絶縁電線。
(5)
前記絶縁皮膜が、前記最内層以外の層として、熱硬化性ポリイミド及びポリアミドイミドの少なくとも1種の熱硬化性樹脂を含有する層を有する、前記(1)〜(4)のいずれかに記載の絶縁電線。
(6)
前記絶縁皮膜が、前記最内層以外の層として、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルケトンケトン、ポリケトン、ポリフェニレンサルファイド及び熱可塑性ポリイミドの少なくとも1種の熱可塑性樹脂を含有する層を有する、前記(1)〜(5)のいずれかに記載の絶縁電線。
(7)
前記アルミニウム合金が、Feを0.01〜0.4mass%、Cuを0.3〜0.5mass%、Mgを0.04〜0.3mass%、Siを0.02〜0.3mass%含有し、さらにTiとVを合わせて0.001〜0.01mass%含有し、残部Alと不可避不純物からなる、前記(1)〜(6)のいずれかに記載の絶縁電線。
(8)
前記(1)〜(7)のいずれかに記載の絶縁電線コイル。
(9)
前記(8)に記載のコイルを有する電気・電子機器。
本発明において、「〜」を用いて表される数値範囲は、その前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。
本発明において「沸点」とは、常圧(1気圧)における沸点である。
本発明において「ppm(パーツ・パー・ミリオン)」は質量基準である。
本発明において「沸点」とは、常圧(1気圧)における沸点である。
本発明において「ppm(パーツ・パー・ミリオン)」は質量基準である。
本発明の絶縁電線は、導体としてアルミニウム又はアルミニウム合金を用いながらも、導体と絶縁皮膜との密着性に優れる。
[絶縁電線]
本発明の絶縁電線の好ましい実施形態について説明する。
図1に本発明の絶縁電線の好ましい一形態を示す。図1の形態において導体11は、断面形状が矩形(平角形状)になっている。本発明の絶縁電線1は、導体がアルミニウム又はアルミニウム合金により構成されている。この導体11の周囲には、この導体11に接して、ジフェニルエーテル基を有する後述の特定の熱可塑性樹脂を含有する絶縁皮膜12を有する。
図1の形態は、絶縁皮膜12が単層構造である場合を示す。絶縁皮膜12が単層構造の場合、この絶縁皮膜の最内層は絶縁皮膜そのものである。他方、本発明の絶縁電線は絶縁皮膜が複層構造であることも好ましい。絶縁皮膜が複層構造の場合、少なくとも最内層が、上記熱可塑性樹脂を含有する。
アルミニウム又はアルミニウム合金により構成された導体11は通常、自然酸化によって生じる酸化皮膜を導体表面に有する。このように導体表面に酸化皮膜を形成している場合、絶縁皮膜の最内層は、該酸化皮膜の周囲に、該酸化皮膜に接して配される。
本発明の絶縁電線を構成する各部材、材料について説明する。
本発明の絶縁電線の好ましい実施形態について説明する。
図1に本発明の絶縁電線の好ましい一形態を示す。図1の形態において導体11は、断面形状が矩形(平角形状)になっている。本発明の絶縁電線1は、導体がアルミニウム又はアルミニウム合金により構成されている。この導体11の周囲には、この導体11に接して、ジフェニルエーテル基を有する後述の特定の熱可塑性樹脂を含有する絶縁皮膜12を有する。
図1の形態は、絶縁皮膜12が単層構造である場合を示す。絶縁皮膜12が単層構造の場合、この絶縁皮膜の最内層は絶縁皮膜そのものである。他方、本発明の絶縁電線は絶縁皮膜が複層構造であることも好ましい。絶縁皮膜が複層構造の場合、少なくとも最内層が、上記熱可塑性樹脂を含有する。
アルミニウム又はアルミニウム合金により構成された導体11は通常、自然酸化によって生じる酸化皮膜を導体表面に有する。このように導体表面に酸化皮膜を形成している場合、絶縁皮膜の最内層は、該酸化皮膜の周囲に、該酸化皮膜に接して配される。
本発明の絶縁電線を構成する各部材、材料について説明する。
<導体>
本発明に用いる導体には、従来から絶縁電線の導体として用いられているアルミニウム又はアルミニウム合金を広く適用することができる。
本発明に用いる導体には、従来から絶縁電線の導体として用いられているアルミニウム又はアルミニウム合金を広く適用することができる。
アルミニウム合金としては、絶縁電線の導体として使用可能なものであれば特に制限はない。例えば、破断強度を向上させる観点から、Feを0.01〜0.4mass%、Cuを0.3〜0.5mass%、Mgを0.04〜0.3mass%、Siを0.02〜0.3mass%含有し、さらにTiとVを合わせて0.001〜0.01mass%含有し、残部Alと不可避不純物からなるアルミニウム合金を用いることができる。このアルミニウム合金それ自体は公知であり、例えば、特許第5228118号公報を参照することができる。
図1は、導体を断面矩形(平角形状)の形状として示しているが、導体の断面形状に特に制限はなく、正方形や円形、楕円形等の所望の形状とすることができる。
平角形状の導体は、角部からの部分放電を抑制する点において、図1に示すように、4隅に面取り(曲率半径r)を設けた形状であることが好ましい。曲率半径rは、0.6mm以下が好ましく、0.2〜0.4mmがより好ましい。
導体の大きさは特に限定されない。平角導体の場合、矩形の断面形状において、幅(長辺)は1〜5mmが好ましく、1.4〜4.0mmがより好ましく、厚み(短辺)は0.4〜3.0mmが好ましく、0.5〜2.5mmがより好ましい。幅(長辺)と厚み(短辺)の長さの割合(厚み:幅)は、1:1〜1:4が好ましい。断面形状が円形の導体の場合、直径は0.3〜3.0mmが好ましく、0.4〜2.7mmがより好ましい。
平角形状の導体は、角部からの部分放電を抑制する点において、図1に示すように、4隅に面取り(曲率半径r)を設けた形状であることが好ましい。曲率半径rは、0.6mm以下が好ましく、0.2〜0.4mmがより好ましい。
導体の大きさは特に限定されない。平角導体の場合、矩形の断面形状において、幅(長辺)は1〜5mmが好ましく、1.4〜4.0mmがより好ましく、厚み(短辺)は0.4〜3.0mmが好ましく、0.5〜2.5mmがより好ましい。幅(長辺)と厚み(短辺)の長さの割合(厚み:幅)は、1:1〜1:4が好ましい。断面形状が円形の導体の場合、直径は0.3〜3.0mmが好ましく、0.4〜2.7mmがより好ましい。
<絶縁皮膜>
導体の周囲には絶縁皮膜が形成される。この絶縁皮膜は単層でもよく、2層以上の絶縁層からなる複層構造であってもよい。絶縁皮膜は、導体にワニスを塗布し、焼付けて形成されることが好ましい。
導体の周囲には絶縁皮膜が形成される。この絶縁皮膜は単層でもよく、2層以上の絶縁層からなる複層構造であってもよい。絶縁皮膜は、導体にワニスを塗布し、焼付けて形成されることが好ましい。
−絶縁皮膜の最内層−
本発明において、絶縁皮膜の最内層は、導体の周囲に該導体に接して配される絶縁樹脂層である。絶縁皮膜が単層の場合、絶縁皮膜それ自体が、絶縁皮膜の最内層である。
本発明において、絶縁皮膜の最内層は、導体の周囲に該導体に接して配される絶縁樹脂層である。絶縁皮膜が単層の場合、絶縁皮膜それ自体が、絶縁皮膜の最内層である。
絶縁皮膜の最内層は、構成材料として、ジフェニルエーテル基を有する熱可塑性樹脂を含有する(当該熱可塑性樹脂を「熱可塑性樹脂A」とも称す。)。この熱可塑性樹脂Aは、250℃における貯蔵弾性率が0.8×105〜1.1×106Paである。
機械強度と、導体との密着性の両立の観点から、250℃における該貯蔵弾性率は、0.1×106〜1.0×106Paが好ましく、0.2×106〜0.9×106Paがより好ましく、0.3×106〜0.8×106Paがさらに好ましい。
熱可塑性樹脂Aの貯蔵弾性率が250℃という高温下で上記の範囲内にあることにより、高温下、導体に生じたわずかな割れ等の間に熱可塑性樹脂Aが入り込み、柔軟性と剛直性を併せ持つジフェニルエーテル構造と相俟って、導体と絶縁皮膜との密着性が向上するものと考えられる。アルミニウム又はアルミニウム合金はその酸化被膜が硬く脆性劣化しにくく、それゆえ本来的に樹脂との密着性に劣る。しかし、その表面にはわずかなひび割れ等が生じており、このような微小欠陥に熱可塑性樹脂Aが効果的に作用し、密着性が向上するものと推定される。
貯蔵弾性率は、後述する実施例に記載の方法により決定される。
機械強度と、導体との密着性の両立の観点から、250℃における該貯蔵弾性率は、0.1×106〜1.0×106Paが好ましく、0.2×106〜0.9×106Paがより好ましく、0.3×106〜0.8×106Paがさらに好ましい。
熱可塑性樹脂Aの貯蔵弾性率が250℃という高温下で上記の範囲内にあることにより、高温下、導体に生じたわずかな割れ等の間に熱可塑性樹脂Aが入り込み、柔軟性と剛直性を併せ持つジフェニルエーテル構造と相俟って、導体と絶縁皮膜との密着性が向上するものと考えられる。アルミニウム又はアルミニウム合金はその酸化被膜が硬く脆性劣化しにくく、それゆえ本来的に樹脂との密着性に劣る。しかし、その表面にはわずかなひび割れ等が生じており、このような微小欠陥に熱可塑性樹脂Aが効果的に作用し、密着性が向上するものと推定される。
貯蔵弾性率は、後述する実施例に記載の方法により決定される。
熱可塑性樹脂Aは、ポリエーテルイミド、及びポリエーテルスルホンの少なくとも1種であることが好ましい。
絶縁皮膜の最内層中、熱可塑性樹脂Aの含有量は50質量%以上が好ましく、70質量%以上がより好ましく、80質量%以上がさらに好ましく、90質量以上がさらに好ましい。
絶縁皮膜の最内層中、熱可塑性樹脂Aの含有量は50質量%以上が好ましく、70質量%以上がより好ましく、80質量%以上がさらに好ましく、90質量以上がさらに好ましい。
絶縁皮膜の最内層の厚さは、10μm以下が好ましく、5μm以下がより好ましく、1μm以下であることがさらに好ましく、0.8μm以下であることがよりさらに好ましい。また、0.1μm以上であることが好ましく、0.2μm以上であることがより好ましく、0.4μm以上とすることも好ましい。
本発明の効果を損なわない範囲で、絶縁皮膜の最内層の構成材料には、気泡化核剤、酸化防止剤、帯電防止剤、紫外線防止剤、光安定剤、蛍光増白剤、顔料、染料、相溶化剤、滑剤、強化剤、難燃剤、架橋剤、架橋助剤、可塑剤、増粘剤、減粘剤、エラストマー等の各種添加剤を配合してもよい。
絶縁皮膜の最内層は、導体の表面に熱可塑性樹脂Aを含有する絶縁塗料(絶縁ワニス、樹脂ワニス)を塗布した後に、乾燥及び/又は焼付けを行うことによって形成されることが好ましい。
絶縁ワニスは、前記絶縁皮膜を構成する熱可塑性樹脂をワニス化させるために、有機溶剤(有機溶媒)を含有することが好ましい。かかる有機溶剤として、例えば、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)等のアミド系溶媒、N,N−ジメチルエチレンウレア、N,N−ジメチルプロピレンウレア、テトラメチル尿素等の尿素系溶媒、γ−ブチロラクトン、γ−カプロラクトン等のラクトン系溶媒、プロピレンカーボネート等のカーボネート系溶媒、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶媒、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、ブチルセロソルブアセテート、ブチルカルビトールアセテート、エチルセロソルブアセテート、エチルカルビトールアセテート等のエステル系溶媒、ジグライム、トリグライム、テトラグライム等のグライム系溶媒、トルエン、キシレン、シクロヘキサン等の炭化水素系溶媒、クレゾール、フェノール、ハロゲン化フェノール等のフェノール系溶媒、スルホラン等のスルホン系溶媒、ジメチルスルホキシド(DMSO)等が挙げられる。有機溶剤等は、1種のみを単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
絶縁ワニスは、前記絶縁皮膜を構成する熱可塑性樹脂をワニス化させるために、有機溶剤(有機溶媒)を含有することが好ましい。かかる有機溶剤として、例えば、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)等のアミド系溶媒、N,N−ジメチルエチレンウレア、N,N−ジメチルプロピレンウレア、テトラメチル尿素等の尿素系溶媒、γ−ブチロラクトン、γ−カプロラクトン等のラクトン系溶媒、プロピレンカーボネート等のカーボネート系溶媒、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶媒、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、ブチルセロソルブアセテート、ブチルカルビトールアセテート、エチルセロソルブアセテート、エチルカルビトールアセテート等のエステル系溶媒、ジグライム、トリグライム、テトラグライム等のグライム系溶媒、トルエン、キシレン、シクロヘキサン等の炭化水素系溶媒、クレゾール、フェノール、ハロゲン化フェノール等のフェノール系溶媒、スルホラン等のスルホン系溶媒、ジメチルスルホキシド(DMSO)等が挙げられる。有機溶剤等は、1種のみを単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
絶縁ワニスの形成に用いる有機溶剤は、沸点が180℃以上の溶剤を含むことが好ましい。沸点が180℃以上の溶剤を含有することにより、焼付けにより有機溶剤を揮発除去させる際に、沸点が180℃以上の溶剤がしばらく残留して導体と絶縁皮膜との密着性を確保でき、その後、この溶剤を揮発させることができる。その結果、導体と絶縁皮膜との密着性をより向上させることができる。
上記の沸点が180℃以上の溶剤は、沸点が好ましくは190℃以上である。また、沸点が180℃以上の溶剤は、通常は沸点が230℃以下であり、210℃以下であってもよい。
上記の沸点が180℃以上の溶剤は、沸点が好ましくは190℃以上である。また、沸点が180℃以上の溶剤は、通常は沸点が230℃以下であり、210℃以下であってもよい。
沸点が180℃以上の溶剤の使用は、上記の通り最内層の導体への密着性の向上に寄与するが、絶縁電線の製造後においてその残留量が多いと、最内層が滑りやすく、熱可塑性樹脂と導体との密着が物理的に阻害され、密着力が低下する原因となる。また、絶縁皮膜の最内層中の、沸点が180℃以上の溶剤の残留は、絶縁電線の端末の接合時や絶縁電線の使用時に発生する熱により、前記溶剤が発泡しやすくなり、導体と絶縁皮膜との密着力を低下させる原因となる。
そのため、絶縁皮膜の最内層中、沸点が180℃以上の溶剤の含有量(残留溶剤量)が350ppm以下であることが好ましく、250ppm以下であることがより好ましく、200ppm以下であることがさらに好ましく、100ppm以下であることがさらに好ましく、80ppm以下であることがさらに好ましい。また、最内層中への、沸点が180℃以上の溶剤の残留を完全に防ぐことは難しく、通常は最内層中、2ppm以上であり、5ppm以上であってもよく、10ppm以上であってもよい。
また、絶縁皮膜が複層構造の場合、該最内層を含む絶縁皮膜中の、沸点が180℃以上の溶剤の含有量は、350ppm以下であることが好ましく、250ppm以下であることがより好ましく、200ppm以下であることがさらに好ましく、100ppm以下であることがさらに好ましく、80ppm以下であることがさらに好ましい。また、該最内層を含む絶縁皮膜中の沸点が180℃以上の溶剤の含有量は、通常2ppm以上であり、5ppm以上であってもよく、10ppm以上であってもよい。
最内層中の、沸点が180℃以上の溶剤の残留量は、下記に示す実施例に記載の方法により決定することができる。
そのため、絶縁皮膜の最内層中、沸点が180℃以上の溶剤の含有量(残留溶剤量)が350ppm以下であることが好ましく、250ppm以下であることがより好ましく、200ppm以下であることがさらに好ましく、100ppm以下であることがさらに好ましく、80ppm以下であることがさらに好ましい。また、最内層中への、沸点が180℃以上の溶剤の残留を完全に防ぐことは難しく、通常は最内層中、2ppm以上であり、5ppm以上であってもよく、10ppm以上であってもよい。
また、絶縁皮膜が複層構造の場合、該最内層を含む絶縁皮膜中の、沸点が180℃以上の溶剤の含有量は、350ppm以下であることが好ましく、250ppm以下であることがより好ましく、200ppm以下であることがさらに好ましく、100ppm以下であることがさらに好ましく、80ppm以下であることがさらに好ましい。また、該最内層を含む絶縁皮膜中の沸点が180℃以上の溶剤の含有量は、通常2ppm以上であり、5ppm以上であってもよく、10ppm以上であってもよい。
最内層中の、沸点が180℃以上の溶剤の残留量は、下記に示す実施例に記載の方法により決定することができる。
本発明の絶縁電線において、絶縁皮膜の最内層と導体との間の密着強度は、好ましくは50gf/mm以上であり、100gf/mm以上であることも好ましく、120gf/mm以上であることもより好ましい。また、該密着強度は通常は200gf/mm以下であり、150gf/mm以下であるのが実際的である。
なお、絶縁皮膜と導体との密着強度は、下記に示す実施例に記載の方法により決定することができる。
なお、絶縁皮膜と導体との密着強度は、下記に示す実施例に記載の方法により決定することができる。
−絶縁皮膜の最内層以外の層−
本発明の絶縁電線が有する絶縁皮膜が複層構造の場合、最内層の周囲に、当該最内層とは異なる絶縁層(以下、「絶縁層B」とも称す。)を有していてもよい。このような構造を有することにより、絶縁電線の耐熱性や機械強度をさらに向上させることができる。
また、絶縁層Bは、単層であってもよく、複層であってもよい。例えば、絶縁層Bが2層構造である場合、最内層に接してその周囲に熱硬化性樹脂層を設け、この熱硬化性樹脂層に接してその周囲に、熱可塑性樹脂層を配する構成とすることができる。
本発明の絶縁電線が有する絶縁皮膜が複層構造の場合、最内層の周囲に、当該最内層とは異なる絶縁層(以下、「絶縁層B」とも称す。)を有していてもよい。このような構造を有することにより、絶縁電線の耐熱性や機械強度をさらに向上させることができる。
また、絶縁層Bは、単層であってもよく、複層であってもよい。例えば、絶縁層Bが2層構造である場合、最内層に接してその周囲に熱硬化性樹脂層を設け、この熱硬化性樹脂層に接してその周囲に、熱可塑性樹脂層を配する構成とすることができる。
絶縁層Bが熱硬化性樹脂層を有する場合、この熱硬化性樹脂層に用いる熱硬化性樹脂は特に限定されない。例えば、熱硬化性ポリイミド(PI)、ポリウレタン、ポリアミドイミド(PAI)、ポリエステル、ポリベンゾイミダゾール、ポリエステルイミド、メラミン樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられる。なかでも、熱硬化性ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエステル及びポリエステルイミドの少なくとも1種が好ましく、熱硬化性ポリイミド及びポリアミドイミドの少なくとも1種がより好ましい。熱硬化性樹脂は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
絶縁層Bに用いる熱硬化性樹脂は、市販品を用いることができる。例えば、ポリイミドとして、Uイミド(商品名、ユニチカ社製)、U−ワニス(商品名、宇部興産社製)等が挙げられる。ポリアミドイミドとして、HI−406又はHCIシリーズ(いずれも、商品名、日立化成社製)等が挙げられる。H種ポリエステルとして、Isonel200(商品名、米スケネクタディインターナショナル社製)等が挙げられる。ポリエステルイミドとして、ネオヒート8600A(商品名、東特塗料社製)等が挙げられる。
絶縁層Bに用いる熱硬化性樹脂は、市販品を用いることができる。例えば、ポリイミドとして、Uイミド(商品名、ユニチカ社製)、U−ワニス(商品名、宇部興産社製)等が挙げられる。ポリアミドイミドとして、HI−406又はHCIシリーズ(いずれも、商品名、日立化成社製)等が挙げられる。H種ポリエステルとして、Isonel200(商品名、米スケネクタディインターナショナル社製)等が挙げられる。ポリエステルイミドとして、ネオヒート8600A(商品名、東特塗料社製)等が挙げられる。
また、絶縁層Bが熱可塑性樹脂層を有する場合、この熱可塑性樹脂層に用いる熱可塑性樹脂は特に限定されない。例えば、結晶型の熱可塑性樹脂を好適に用いることができる。絶縁層Bに用いる熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリアミド(PA)(ナイロン)、ポリアセタール(POM)、ポリカーボネート(PC)、ポリフェニレンエーテル(変性ポリフェニレンエーテルを含む)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリスルホン(PSF)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリケトン(PK)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリアリレート(Uポリマー)、ポリアミドイミド、ポリエーテルケトン(PEK)、ポリアリールエーテルケトン(PAEK)(変性ポリエーテルエーテルケトン(変性PEEK)を含む)、テトラフルオロエチレン・エチレン共重合体(ETFE)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルケトンケトン(PEKK)、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、熱可塑性ポリイミド(TPI)、ポリアミドイミド(PAI)、液晶ポリエステル、ポリエチレンテレフタレート(PET)、及び芳香族ポリアミド樹脂(芳香族PA)からなる群より選択される少なくとも1種が好ましく、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルケトンケトン、ポリケトン、ポリフェニレンスルフィド及び熱可塑性ポリイミドからなる群より選択される少なくとも1種がより好ましい。熱可塑性樹脂は、1種のみを単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
絶縁層Bの厚さ(絶縁層Bが複層の場合は複層構造全体の厚さ)は特に限定されず、通常は20〜150μmであり、より好ましくは30〜100μmである。
絶縁層Bを構成する各層は、上記熱硬化性樹脂及び熱可塑性樹脂に加えて、通常の添加剤を含有していてもよい。添加剤は、例えば、上述した最内層に用い得る添加剤を適宜に用いることができる。
[絶縁電線の製造方法]
本発明の絶縁電線は、導体の外周面に、熱可塑性樹脂Aを含有する最内層を形成する工程を経て製造される。また、必要により、最内層の周囲に絶縁層Bを設ける。最内層や絶縁層Bの形成は、絶縁電線の絶縁皮膜の形成において通常用いられる方法を適宜に適用することができる。例えば、熱可塑性樹脂Aを含有するワニスを塗布・焼付けして形成することができる。また、熱可塑性樹脂層は押出被覆により形成することもできる。
本発明の絶縁電線は、導体の外周面に、熱可塑性樹脂Aを含有する最内層を形成する工程を経て製造される。また、必要により、最内層の周囲に絶縁層Bを設ける。最内層や絶縁層Bの形成は、絶縁電線の絶縁皮膜の形成において通常用いられる方法を適宜に適用することができる。例えば、熱可塑性樹脂Aを含有するワニスを塗布・焼付けして形成することができる。また、熱可塑性樹脂層は押出被覆により形成することもできる。
絶縁皮膜の一部又は全部を焼付けて形成する場合、目的の皮膜層を構成する樹脂のワニス(絶縁ワニス)を調製し、当該ワニスを塗布し、焼付けて形成することができる。ワニスを塗布する方法は、従来の方法を特に限定されることなく適用できる。例えば、導体の断面形状と相似形をしたワニス塗布用ダイスを用いる方法、導体の断面形状が矩形である場合、井桁状に形成された「ユニバーサルダイス」と呼ばれるダイスを用いる方法が挙げられる。
ワニス塗布後の焼付けは、常法により行うことができ、例えば焼付け炉で焼付けすることができる。この場合の具体的な焼付け条件は、その使用される炉の形状等に左右され一義的に決定できないが、およそ8mの自然対流式の竪型炉であれば、例えば、炉内温度400〜650℃にて通過時間を10〜90秒とする条件が挙げられる。
ワニス塗布後の焼付けは、常法により行うことができ、例えば焼付け炉で焼付けすることができる。この場合の具体的な焼付け条件は、その使用される炉の形状等に左右され一義的に決定できないが、およそ8mの自然対流式の竪型炉であれば、例えば、炉内温度400〜650℃にて通過時間を10〜90秒とする条件が挙げられる。
絶縁層Bが熱可塑性樹脂層を有する場合、前記最内層により被覆された導体、又はこの最内層を有する導体にさらに熱硬化性樹脂層が設けられた導体を心線とし、これらと相似形の押出ダイ及び押出機のスクリューを用いて熱可塑性樹脂を押出被覆することにより、熱可塑性樹脂層を形成することができる。熱可塑性樹脂の加熱温度は、熱可塑性樹脂の融点又はガラス転移温度を考慮して、例えば、200〜450℃とすることができる。
[コイル及び電気・電子機器]
本発明の絶縁電線は、コイルとして、各種電気・電子機器など、電気特性(耐電圧性)や耐熱性を必要とする分野に利用可能である。例えば、本発明の絶縁電線はモーターやトランス等に用いられ、高性能の電気・電子機器を構成できる。特にハイブリッド自動車(HV)や電気自動車(EV)の駆動モーター用の巻線として好適に用いられる。このように、本発明によれば、本発明の絶縁電線をコイルとして用いた、電気・電子機器、例えばHV及びEVの駆動モーターを提供できる。
本発明の絶縁電線は、コイルとして、各種電気・電子機器など、電気特性(耐電圧性)や耐熱性を必要とする分野に利用可能である。例えば、本発明の絶縁電線はモーターやトランス等に用いられ、高性能の電気・電子機器を構成できる。特にハイブリッド自動車(HV)や電気自動車(EV)の駆動モーター用の巻線として好適に用いられる。このように、本発明によれば、本発明の絶縁電線をコイルとして用いた、電気・電子機器、例えばHV及びEVの駆動モーターを提供できる。
本発明のコイルは、各種電気・電子機器に適した形態を有していればよく、本発明の絶縁電線をコイル加工して形成したもの、本発明の絶縁電線を曲げ加工した後に所定の部分を電気的に接続してなるもの等が挙げられる。
本発明の絶縁電線をコイル加工して形成したコイルとしては、特に限定されず、長尺の絶縁電線を螺旋状に巻き回したものが挙げられる。このようなコイルにおいて、絶縁電線の巻線数等は特に限定されない。通常、絶縁電線を巻き回す際には鉄芯等が用いられる。
本発明の絶縁電線をコイル加工して形成したコイルとしては、特に限定されず、長尺の絶縁電線を螺旋状に巻き回したものが挙げられる。このようなコイルにおいて、絶縁電線の巻線数等は特に限定されない。通常、絶縁電線を巻き回す際には鉄芯等が用いられる。
本発明の絶縁電線を曲げ加工した後に所定の部分を電気的に接続してなるものとして、回転電機等のステータに用いられるコイルが挙げられる。このようなコイルは、例えば、図3に示されるように、本発明の絶縁電線を所定の長さに切断してU字形状等に曲げ加工して複数の電線セグメント34を作製し、各電線セグメント34のU字形状等の2つの開放端部(末端)34aを互い違いに接続して、作製されたコイル33(図2参照)が挙げられる。
このコイルを用いてなる電気・電子機器としては、特に限定されない。このような電気・電子機器の好ましい一態様として、トランスが挙げられる。また、例えば、図2に示されるステータ30を備えた回転電機(特にHV及びEVの駆動モーター)が挙げられる。この回転電機は、ステータ30を備えていること以外は、従来の回転電機と同様の構成とすることができる。
ステータ30は、電線セグメント34が本発明の絶縁電線で形成されていること以外は従来のステータと同様の構成とすることができる。すなわち、ステータ30は、ステータコア31と、例えば図2に示されるように本発明の絶縁電線からなる電線セグメント34がステータコア31のスロット32に組み込まれ、開放端部34aが電気的に接続されてなるコイル33とを有している。このコイル33は、隣接する融着層同士、あるいは融着層とスロット32とが固着されて固定化された状態となっている。ここで、電線セグメント34は、スロット32に1本で組み込まれてもよいが、好ましくは図3に示されるように2本1組として組み込まれる。このステータ30は、上記のように曲げ加工した電線セグメント34を、その2つの末端である開放端部34aを互い違いに接続してなるコイル33が、ステータコア31のスロット32に収納されている。このとき、電線セグメント34の開放端部34aを接続してからスロット32に収納してもよく、また、絶縁セグメント34をスロット32に収納した後に、電線セグメント34の開放端部34aを折り曲げ加工して接続してもよい。
ステータ30は、電線セグメント34が本発明の絶縁電線で形成されていること以外は従来のステータと同様の構成とすることができる。すなわち、ステータ30は、ステータコア31と、例えば図2に示されるように本発明の絶縁電線からなる電線セグメント34がステータコア31のスロット32に組み込まれ、開放端部34aが電気的に接続されてなるコイル33とを有している。このコイル33は、隣接する融着層同士、あるいは融着層とスロット32とが固着されて固定化された状態となっている。ここで、電線セグメント34は、スロット32に1本で組み込まれてもよいが、好ましくは図3に示されるように2本1組として組み込まれる。このステータ30は、上記のように曲げ加工した電線セグメント34を、その2つの末端である開放端部34aを互い違いに接続してなるコイル33が、ステータコア31のスロット32に収納されている。このとき、電線セグメント34の開放端部34aを接続してからスロット32に収納してもよく、また、絶縁セグメント34をスロット32に収納した後に、電線セグメント34の開放端部34aを折り曲げ加工して接続してもよい。
本発明を実施例に基づいて、さらに詳細に説明するが、本発明がこれらの形態に限定されるものではない。
[製造例]絶縁電線の製造
<導体>
導体として、断面矩形(長辺3.5mm×短辺2.0mmで、四隅の面取りの曲率半径r=0.5mm)の平角導体(純度99%のアルミニウム製)を用いた。
<導体>
導体として、断面矩形(長辺3.5mm×短辺2.0mmで、四隅の面取りの曲率半径r=0.5mm)の平角導体(純度99%のアルミニウム製)を用いた。
<絶縁皮膜>
−最内層(実施例1〜7、比較例3〜6)−
ポリエーテルイミド(PEI)樹脂ワニス(商品名:Ultem1010、サビックイノベーティブプラスチックス社製)、ポリエーテルスルホン(PES)樹脂ワニス(商品名:スミカエクセル4800G、住友化学社製)、ポリフェニルスルホン(PPSU)樹脂ワニス(商品名:レーデルR5800、ソルベイスペシャリティポリマーズ社製)、及び熱可塑性ポリイミド(TPI)樹脂ワニス(商品名:オーラム、三井化学社製)を、最内層形成用絶縁ワニスとして用いた。
乾燥後の膜厚が下記表1に記載の膜厚となるようにダイスを設定し、前記導体の外周面に最内層形成用絶縁ワニスを塗布して塗布膜を形成した。およそ8mの熱風循環式の竪型炉を用いて、450℃にて通過時間を10〜20秒として焼付けを行い、最内層を形成した。最内層はいずれも熱可塑性樹脂層である。
最内層形成用絶縁ワニスに用いた有機溶剤は、それぞれ以下の通りである。
実施例1、2、4、6、比較例5、6:クレゾール(沸点:192℃)
実施例3、5、比較例3:NMP(沸点:202℃)
実施例7及び比較例4:DMAc(沸点:165℃)
−最内層(実施例1〜7、比較例3〜6)−
ポリエーテルイミド(PEI)樹脂ワニス(商品名:Ultem1010、サビックイノベーティブプラスチックス社製)、ポリエーテルスルホン(PES)樹脂ワニス(商品名:スミカエクセル4800G、住友化学社製)、ポリフェニルスルホン(PPSU)樹脂ワニス(商品名:レーデルR5800、ソルベイスペシャリティポリマーズ社製)、及び熱可塑性ポリイミド(TPI)樹脂ワニス(商品名:オーラム、三井化学社製)を、最内層形成用絶縁ワニスとして用いた。
乾燥後の膜厚が下記表1に記載の膜厚となるようにダイスを設定し、前記導体の外周面に最内層形成用絶縁ワニスを塗布して塗布膜を形成した。およそ8mの熱風循環式の竪型炉を用いて、450℃にて通過時間を10〜20秒として焼付けを行い、最内層を形成した。最内層はいずれも熱可塑性樹脂層である。
最内層形成用絶縁ワニスに用いた有機溶剤は、それぞれ以下の通りである。
実施例1、2、4、6、比較例5、6:クレゾール(沸点:192℃)
実施例3、5、比較例3:NMP(沸点:202℃)
実施例7及び比較例4:DMAc(沸点:165℃)
−熱硬化性樹脂層(実施例2、4、比較例1、4〜6)−
下記有機溶剤に溶解した熱硬化性ポリイミド(PI)樹脂ワニス(熱硬化性ポリイミド前駆体溶液、商品名:Uイミド、ユニチカ社製)又はポリアミドイミド(PAI)樹脂ワニス(商品名:HI−406、日立化成社製)を、熱硬化性樹脂層形成用絶縁ワニスとして用いた。
乾燥後の膜厚が下記表1に記載の膜厚となるようにダイスを設定し、前記導体又は前記最内層の外周面に熱硬化性樹脂層形成用絶縁ワニスを塗布して塗布膜を形成した。およそ8mの熱風循環式の竪型炉を用いて、450℃にて通過時間を10〜20秒として焼付けを行った。この塗布・焼付けを14回繰り返し、厚さが下記表1記載の膜厚である熱硬化性樹脂層を形成した。
なお、熱硬化性樹脂層形成用絶縁ワニスに用いた有機溶剤は、それぞれ以下の通りである。
実施例2、4、比較例1、5:NMP(沸点:202℃)
比較例4、6:DMAc(沸点:165℃)
下記有機溶剤に溶解した熱硬化性ポリイミド(PI)樹脂ワニス(熱硬化性ポリイミド前駆体溶液、商品名:Uイミド、ユニチカ社製)又はポリアミドイミド(PAI)樹脂ワニス(商品名:HI−406、日立化成社製)を、熱硬化性樹脂層形成用絶縁ワニスとして用いた。
乾燥後の膜厚が下記表1に記載の膜厚となるようにダイスを設定し、前記導体又は前記最内層の外周面に熱硬化性樹脂層形成用絶縁ワニスを塗布して塗布膜を形成した。およそ8mの熱風循環式の竪型炉を用いて、450℃にて通過時間を10〜20秒として焼付けを行った。この塗布・焼付けを14回繰り返し、厚さが下記表1記載の膜厚である熱硬化性樹脂層を形成した。
なお、熱硬化性樹脂層形成用絶縁ワニスに用いた有機溶剤は、それぞれ以下の通りである。
実施例2、4、比較例1、5:NMP(沸点:202℃)
比較例4、6:DMAc(沸点:165℃)
−熱可塑性樹脂層(実施例3、6、比較例2、3、5)−
ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)樹脂又はポリフェニレンサルファイド(PPS)樹脂を溶融混練し、導体、内側熱可塑性樹脂層、又は外側熱硬化性樹脂層の外周に、それぞれ下記表1に記載の膜厚となるように押出被覆した。
ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)樹脂又はポリフェニレンサルファイド(PPS)樹脂を溶融混練し、導体、内側熱可塑性樹脂層、又は外側熱硬化性樹脂層の外周に、それぞれ下記表1に記載の膜厚となるように押出被覆した。
上記のようにして、絶縁電線を製造した。
製造後の各絶縁電線を、以下の試験に付した。試験結果をそれぞれ下記表1に示す。
製造後の各絶縁電線を、以下の試験に付した。試験結果をそれぞれ下記表1に示す。
[試験例1]貯蔵弾性率の測定
上記で得られた各絶縁電線(実施例1〜7、及び比較例3〜6)の最内層の貯蔵弾性率は、動的粘弾性測定試験機(レオメータ)(MCR301、Anton−Paar社製)を用いて測定した。絶縁電線の各最内層を形成する熱可塑性樹脂で作製された厚さ0.8mmの試験片を用いて、降温速度2℃/minおよび周波数1Hzの条件にて、350℃から行い、250℃に達したときの貯蔵弾性率の値を記録し、この記録値を熱可塑性樹脂の250℃における貯蔵弾性率とした。
上記で得られた各絶縁電線(実施例1〜7、及び比較例3〜6)の最内層の貯蔵弾性率は、動的粘弾性測定試験機(レオメータ)(MCR301、Anton−Paar社製)を用いて測定した。絶縁電線の各最内層を形成する熱可塑性樹脂で作製された厚さ0.8mmの試験片を用いて、降温速度2℃/minおよび周波数1Hzの条件にて、350℃から行い、250℃に達したときの貯蔵弾性率の値を記録し、この記録値を熱可塑性樹脂の250℃における貯蔵弾性率とした。
[試験例2]残留溶剤の測定
上記で得られた各絶縁電線(実施例1〜7、及び比較例1、3〜6)の絶縁皮膜(押出被覆された熱可塑性樹脂層を除く絶縁皮膜)から試料2.0mgを採取し、熱分解装置(マルチショット・パイロライザー、フロンティア・ラボ社製)を用いて290℃で、0.1分間の熱分解処理に付した。熱分解後の試料を用い、ガスクロマトグラフ質量分析(GC−MS、Thermo Fisher Scientific製)により、下記条件で絶縁皮膜(押出被覆された熱可塑性樹脂層を除く絶縁皮膜)に含まれる残留溶剤量を測定した。
−分析条件−
キャピラリーカラム:フューズドシリカ(0.25mm×30m×100μm、Thermo Fisher Scientific社製)
移動層:高純度ヘリウム
カラム内流量:1.0mL/min
昇温プログラム:40℃(2min)→20℃/min→320℃(Hold)
注入口:スプリット注入(スプリット比、100:1)、圧力14.49psi、104mL/min
注入量:1μL
洗浄バイアル:メタノール・クロロホルム
検出器温度:300℃
上記で得られた各絶縁電線(実施例1〜7、及び比較例1、3〜6)の絶縁皮膜(押出被覆された熱可塑性樹脂層を除く絶縁皮膜)から試料2.0mgを採取し、熱分解装置(マルチショット・パイロライザー、フロンティア・ラボ社製)を用いて290℃で、0.1分間の熱分解処理に付した。熱分解後の試料を用い、ガスクロマトグラフ質量分析(GC−MS、Thermo Fisher Scientific製)により、下記条件で絶縁皮膜(押出被覆された熱可塑性樹脂層を除く絶縁皮膜)に含まれる残留溶剤量を測定した。
−分析条件−
キャピラリーカラム:フューズドシリカ(0.25mm×30m×100μm、Thermo Fisher Scientific社製)
移動層:高純度ヘリウム
カラム内流量:1.0mL/min
昇温プログラム:40℃(2min)→20℃/min→320℃(Hold)
注入口:スプリット注入(スプリット比、100:1)、圧力14.49psi、104mL/min
注入量:1μL
洗浄バイアル:メタノール・クロロホルム
検出器温度:300℃
ガスクロマトグラフィー解析により得られた波形データのピーク面積より、各サンプルにおける残留溶剤量を定量した。
[試験例3]密着強度の測定
導体と内側熱可塑性樹脂層との密着力は、日本工業規格:JIS Z 0237に基づき、導体と絶縁層間との180度ピール試験(JIS法)を行うことで測定した。
上記で製造した絶縁電線に対して、マイクロメータにカッターを接続したジグを使用し、長手方向に切込みを1mm幅で50mm以上入れた。なお、この切れ込みは導体まで到達するようにした。引張試験機(株式会社島津製作所製、装置名「オートグラフAGS−J」)を用いて、4mm/分の速度で切れ込みに沿って長手方向に180°剥離試験を実施した。50mmの長さのピール強度の平均値(凹凸平均値)を密着強度とした。
導体と内側熱可塑性樹脂層との密着力は、日本工業規格:JIS Z 0237に基づき、導体と絶縁層間との180度ピール試験(JIS法)を行うことで測定した。
上記で製造した絶縁電線に対して、マイクロメータにカッターを接続したジグを使用し、長手方向に切込みを1mm幅で50mm以上入れた。なお、この切れ込みは導体まで到達するようにした。引張試験機(株式会社島津製作所製、装置名「オートグラフAGS−J」)を用いて、4mm/分の速度で切れ込みに沿って長手方向に180°剥離試験を実施した。50mmの長さのピール強度の平均値(凹凸平均値)を密着強度とした。
[試験例4]長期耐熱試験
上記で製造した各絶縁電線を300mm長に切り出し、200℃1000時間加熱処理した。加熱処理後、絶縁電線の中央部にアルミホイルを20mm幅で一周巻きつけた(すなわち、絶縁電線の一方の末端からの距離が140mm〜160mmの部位に20mm幅のアルミホイルを一周巻き付けた)。この絶縁電線の一方の端末から5mmの距離までの間の樹脂被覆層を剥離し、端末剥離箇所の導体とアルミホイル部との間に課電した。500V/sec.で昇圧し、絶縁破壊が生じた際の電圧を「加熱後絶縁破壊電圧」とした。一方、上記加熱処理を施していない絶縁電線についても同様にして絶縁破壊電圧を測定し、「加熱前絶縁破壊電圧」とした。「加熱後絶縁破壊電圧」/「加熱前絶縁破壊電圧」の比の値が0.7以上の場合を評価「○」、0.4以上0.7未満の場合を評価「△」、0.4未満の場合を評価「×」として評価した。
上記で製造した各絶縁電線を300mm長に切り出し、200℃1000時間加熱処理した。加熱処理後、絶縁電線の中央部にアルミホイルを20mm幅で一周巻きつけた(すなわち、絶縁電線の一方の末端からの距離が140mm〜160mmの部位に20mm幅のアルミホイルを一周巻き付けた)。この絶縁電線の一方の端末から5mmの距離までの間の樹脂被覆層を剥離し、端末剥離箇所の導体とアルミホイル部との間に課電した。500V/sec.で昇圧し、絶縁破壊が生じた際の電圧を「加熱後絶縁破壊電圧」とした。一方、上記加熱処理を施していない絶縁電線についても同様にして絶縁破壊電圧を測定し、「加熱前絶縁破壊電圧」とした。「加熱後絶縁破壊電圧」/「加熱前絶縁破壊電圧」の比の値が0.7以上の場合を評価「○」、0.4以上0.7未満の場合を評価「△」、0.4未満の場合を評価「×」として評価した。
上記表中の略称を以下に説明する。
・PEI:ポリエーテルイミド
・PES:ポリエーテルスルホン
・PPSU:ポリフェニルスルホン
・TPI:熱可塑性ポリイミド
・PI:熱硬化性ポリイミド
・PAI:ポリアミドイミド
・PEEK:ポリエーテルエーテルケトン
・PPS:ポリフェニレンサルファイド
・PEI:ポリエーテルイミド
・PES:ポリエーテルスルホン
・PPSU:ポリフェニルスルホン
・TPI:熱可塑性ポリイミド
・PI:熱硬化性ポリイミド
・PAI:ポリアミドイミド
・PEEK:ポリエーテルエーテルケトン
・PPS:ポリフェニレンサルファイド
上記表に示されるように、導体の周囲に配される絶縁皮膜が本発明で規定する絶縁皮膜(最内層)ではない比較例1及び2では、導体との密着性に劣り(比較例1)、或いはまったく密着しなかった(比較例2)。また、貯蔵弾性率が本発明の規定を上回るPPSU、又はTPIを最内層の熱可塑性樹脂として用いた比較例3〜6もまた、導体と絶縁皮膜との密着力に劣っていた。
これに対し、本発明の規定を満たす実施例1〜7の絶縁電線では、得られる絶縁電線は、導体と絶縁皮膜との密着性が大きく向上することがわかった。実施例1と実施例7より、最内層に含まれる残留溶剤量を低減させることにより、熱耐性が向上することがわかった。
これに対し、本発明の規定を満たす実施例1〜7の絶縁電線では、得られる絶縁電線は、導体と絶縁皮膜との密着性が大きく向上することがわかった。実施例1と実施例7より、最内層に含まれる残留溶剤量を低減させることにより、熱耐性が向上することがわかった。
1 絶縁電線
11 導体
12 絶縁皮膜(単層、複層)
30 ステータ
31 ステータコア
32 スロット
33 コイル
34 電線セグメント
34a 開放端部
11 導体
12 絶縁皮膜(単層、複層)
30 ステータ
31 ステータコア
32 スロット
33 コイル
34 電線セグメント
34a 開放端部
Claims (9)
- 導体と、導体周囲に配された絶縁皮膜とを有する絶縁電線であって、
該導体がアルミニウム又はアルミニウム合金により構成され、
該絶縁皮膜の最内層がジフェニルエーテル基を有する熱可塑性樹脂を含有し、該熱可塑性樹脂の250℃における貯蔵弾性率が0.8×105〜1.1×106Paである、絶縁電線。 - 前記絶縁皮膜の前記導体に対する密着強度が50〜200gf/mmであり、前記最内層の厚さが1μm以下である、請求項1記載の絶縁電線。
- 前記最内層中、沸点が180℃以上の溶剤の含有量が200ppm以下である、請求項1又は2に記載の絶縁電線。
- 前記熱可塑性樹脂が、ポリエーテルイミド及びポリエーテルスルホンの少なくとも1種である、請求項1〜3のいずれか1項記載の絶縁電線。
- 前記絶縁皮膜が、前記最内層以外の層として、熱硬化性ポリイミド及びポリアミドイミドの少なくとも1種の熱硬化性樹脂を含有する層を有する、請求項1〜4のいずれか1項記載の絶縁電線。
- 前記絶縁皮膜が、前記最内層以外の層として、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルケトンケトン、ポリケトン、ポリフェニレンサルファイド及び熱可塑性ポリイミドの少なくとも1種の熱可塑性樹脂を含有する層を有する、請求項1〜5のいずれか1項記載の絶縁電線。
- 前記アルミニウム合金が、Feを0.01〜0.4mass%、Cuを0.3〜0.5mass%、Mgを0.04〜0.3mass%、Siを0.02〜0.3mass%含有し、さらにTiとVを合わせて0.001〜0.01mass%含有し、残部Alと不可避不純物からなる、請求項1〜6のいずれか1項記載の絶縁電線。
- 請求項1〜7のいずれか1項記載の絶縁電線コイル
- 請求項8に記載のコイルを有する電気・電子機器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2020057255A JP2021157956A (ja) | 2020-03-27 | 2020-03-27 | 絶縁電線、コイル、及び電気・電子機器 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2020057255A JP2021157956A (ja) | 2020-03-27 | 2020-03-27 | 絶縁電線、コイル、及び電気・電子機器 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2021157956A true JP2021157956A (ja) | 2021-10-07 |
Family
ID=77918440
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2020057255A Pending JP2021157956A (ja) | 2020-03-27 | 2020-03-27 | 絶縁電線、コイル、及び電気・電子機器 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2021157956A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2024038680A1 (ja) * | 2022-08-15 | 2024-02-22 | エセックス古河マグネットワイヤジャパン株式会社 | 絶縁電線及びその製造方法、並びに該絶縁電線を用いたコイル、回転電機及び電気・電子機器 |
-
2020
- 2020-03-27 JP JP2020057255A patent/JP2021157956A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2024038680A1 (ja) * | 2022-08-15 | 2024-02-22 | エセックス古河マグネットワイヤジャパン株式会社 | 絶縁電線及びその製造方法、並びに該絶縁電線を用いたコイル、回転電機及び電気・電子機器 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US10037833B2 (en) | Insulated wire, coil, and electrical or electronic equipment, and method of producing the insulated wire | |
US9691521B2 (en) | Rectangular insulated wire and electric generator coil | |
KR102000380B1 (ko) | 내굽힘 가공성이 우수한 절연전선, 그것을 이용한 코일 및 전자·전기 기기 | |
CN109074909B (zh) | 绝缘电线、线圈和电气/电子设备 | |
JP6382224B2 (ja) | 絶縁ワイヤ、コイルおよび電気・電子機器ならびに皮膜剥離防止絶縁ワイヤの製造方法 | |
CN107004465B (zh) | 绝缘电线、线圈和电气/电子设备以及绝缘电线的制造方法 | |
US20160322126A1 (en) | Insulated wire, coil, and electrical/electronic equipment, and method of preventing cracking of insulated wire | |
CA2867657A1 (en) | Inverter surge-resistant insulated wire | |
JP6974330B2 (ja) | 絶縁電線、コイルおよび電気・電子機器 | |
US9892819B2 (en) | Insulated wire, coil, and electronic/electrical equipment | |
KR20180115264A (ko) | 절연 전선, 모터 코일 및 전기·전자 기기 | |
JP6932642B2 (ja) | 絶縁電線、絶縁電線の製造方法、コイル、回転電機および電気・電子機器 | |
WO2017150625A1 (ja) | 絶縁電線、コイル及び電気・電子機器 | |
KR20170080632A (ko) | 절연 와이어 및 회전 전기 | |
KR102166630B1 (ko) | 절연 전선, 코일 및 전기·전자 기기 | |
WO2017094789A1 (ja) | 自己融着性絶縁電線、コイル及び電気・電子機器 | |
JP2021157956A (ja) | 絶縁電線、コイル、及び電気・電子機器 | |
JP2017117681A (ja) | 自己融着性絶縁電線、コイル及び電気・電子機器 | |
JP6490505B2 (ja) | 絶縁電線、コイル及び電気・電子機器 | |
JP7257558B1 (ja) | 絶縁電線、コイル、回転電機および電気・電子機器 | |
JP2023047971A (ja) | 絶縁電線、コイル、回転電機および電気・電子機器 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A711 | Notification of change in applicant |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712 Effective date: 20201125 |